したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

永遠の女神

4キャプテンヤマト:2002/08/02(金) 15:55
4.運命の結果

1週間後、いよいよ試験結果の発表の時が来た。
登校時間は、夕方の4時。結果の発表のみ行なわれる。
この試験結果は点数により、階級が厳然と決定され、それぞれの進路が決定するという、人生で一番重い発表になっていた。健太を含め、他のクラスメートも既に着席して、その運命の結果を待っている。
4時のベルが鳴り、担任の鈴木が教室に入って来た。
「では、階級決定試験の結果を発表する。すべて、成績順だ。名前を呼ばれたら、前に出てきなさい。階級証明証を各個人に渡します。受け取ったら、その場で帰宅して宜しい」
相変わらずの、無表情な声で言った。
「先ずは...山崎君!君がトップだ」
鈴木はニンマリと笑いながら、山崎の名前を呼んだ。
「山崎...」健太は山崎が大嫌いだった。
山崎は、身体を鍛えるのとは、全く無縁といった、タプタプに肥満した身体を持ち、恐ろしく分厚い銀縁眼鏡をかけ、健太のような勉強嫌いを全く相手にもしないような奴だ。無論、担任の鈴木からはえらく愛されている
ようだが...
「山崎君!君は、本校で唯一の「最高級知性男子」の合格者だ。私のクラスから君のようなエリートを輩出することが出来、先生も嬉しく思う。」
山崎は,肥満で小さくなった目をもっと細めて、はにかんだ。
(いずれ俺が革命を起こせば、真っ先にお前をぶち殺してやるぜ...)
健太は、微笑みながら教室を出て行く山崎を見ながら、そんなことを考えていた。

...成績の結果発表は、引き続き行なわれる。小泉、土井、石原といった秀才組3人は若干成績が足らず、「高級知性男子」に、そして残りのクラスメートも順順に読み上げられ、教室を後にしていった。
残り10人になっても、健太の名前は読み上げられなかった。8人...3人と教室の中は、閑散として来た。
とうとう最後のクラスメートが教室を後にし、残ったのは、担任の鈴木と健太だけだった。
「先生...俺、下級知性男子の階級なんですねえ...」
健太は力のない声で呟いた。下級知性の階級が決定すると、1年後の卒業と同時に、炭鉱や建設現場での肉体労働に従事しなければならない。
(いや、労働者の連中の方が、革命に参加する奴が多いかも知れんな)
そのような考えが浮かんだ途端、鈴木は低い声で、
「いや、君は下級知性の階級ではない。」と言った。
「先生...じゃあ?」
「全く...残念だが君は「女神」の階級だな。まあ、政府から「女神」決定者には「おめでとう」と言うように指示されているんだが...君は...もう男でもなくなるんだな。本校では君一人だった...」
健太は、一瞬、全身の血液が下がるのを感じた。何だって?俺が女の子になるんだって?そんな馬鹿な話があるか!今まで築いて来たこの身体を全て差し出せって言うのか?
女の子になんてなれるか!そこまで自分を貶めれるか...
「先生...俺逃げますよ...そんな無茶な命令には従えない。」
「辻元君。それは無理だろう。もう政府機関から君を収容する為、軍人が学校に来ている...」
「今、飛び出せば間に合うでしょう?」
と言って、健太は急いで教室を飛び出ようとした、が、その瞬間、教室の扉が大きな音と共に開き、そこには女性軍人が立っていた。女性用の軍の制服を着た、背の高い女性軍人が言った。
「大和共和国女性教化収容所を管轄している李田英愛です。本日、辻元健太君を引き取りに参りました」
軍人だが、その身体は一般の女性と全く変わらない。健太との腕力の差は、かなりあるように見えた。
健太は、決心するや否や、英愛に猛烈なタックルを浴びせようとした。が、英愛はひらりと健太のタックルをかわし、すぐさま健太の手首を捩じ上げた。
(こいつ)
すぐに空いた片方の手で顔面に一撃を食らわそうとしたが、その時には既に、強烈な拳が健太の腹部に炸裂した。意識が遠のいて行く...健太はその場で、大きく倒され、意識を失った。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板