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【大正冒険奇譚TRPGその6】
103
:
鳥居 呪音 ◇h3gKOJ1Y72
:2013/09/02(月) 22:56:22
馬車の窓の、カーテンの隙間から差し込む光は紅く、
すでに夕闇を孕んでいる。もうすぐ日は沈むのだろう。
ここで鳥居は、結構長い間自分が無言だったことに気がつき
頼光を指でつつくと…
「ね〜、頼光の好きな食べ物はなに?」
唐突にしつもんを浴びせた。
日本に帰ったら、それを食べさせてあげたいと思っていた。
なぜなら清王に頼光をとられてしまうことはアムリタサーカスにとって
一番の大打撃なのだ。
そして、倉橋のほうをむく。
清王が言っていたように、よくよく
あらためてみると、倉橋は綺麗だった。
でも、鳥居にとっては他人に近い。
まるで何かに追いかけられているかのように
清王を問い詰めた冬宇子。
その思いのうちというか、強さのようなものは
いったいどこから来るのだろう。
彼女が何かを求めているから?
鳥居は気になっていたことを思いきって聞いてみた。
今の倉橋はある意味、清王よりも話しかけ辛い感じだったが…。
「……あのぅ、倉橋さんと頼光は王様に気に入られちゃったみたいですね。
でも倉橋さんは、あの人こと、どう思います?
…正直な方ですよね。普通ならあれほど正直にものは語らない。
自国の国民に少しでも犠牲者がでたのなら、
少しは悲しい素振りくらいみせるはずだし
嘘でも泣いてみせるのが一国の王の姿ではないでしょうか。
あのような人と日本が仲良くできるとアナタは思いますか?」
これは鳥居の遠回しな悪口。
もちろん綺麗事だけでは国を統括できないことは理解しているつもりだ。
だが、フェイ老人とその小さな弟子たちを救うのに、鳥居たちがどれほどの苦労をしたのか、
彼は理解しているのだろうか。
言葉一つで簡単に多くの命が奪われる。
こっちは目の前の命一つ救うのにいっぱいいっぱいなのにだ。
この鳥居の発言に倉橋が同調するとしたら、
浮かれ気分の頼光に冷や水を被せることができるかもしれない。
そして冬宇子の内面も少しは垣間見ることができるかもしれない。
104
:
鳥居 呪音 ◇h3gKOJ1Y72
:2013/09/02(月) 22:57:28
馬車の速度が徐々に緩やかになり、止まった。
遺跡についたのだろうか。
生還屋に続いて馬車から飛び降りた鳥居は息をのむ。
>「……なぁにが、後はその子を連れてくるだけ、だ。あのクソッタ レ……。
どうすんだよ、コレ」
丘から見下ろした薄闇の遺跡に徘徊する無数の動死体。
この遺跡の地下に不死の王。それと少年がいる。
(こんな寂しい場所に…閉じ込められているなんて……)
少年が呪災の原因となっているのならそれも頷ける。
動死体の群れと辺りに漂う冷気は少年の怨念を
具現化しているようにも見えた。
「あんなに広い遺跡じゃ、入り口をさがすのも骨がおれちゃいますね。
倉橋さんは呪災の発生源とか感知できますか?
闇雲に入り口を探して見つけるなんて奇跡の技ですよね。
何かよい案とかありますか?」
鳥居はいつになく慎重だった。
はぐれたら終わり。動死体に見つかっても終わり。
入り口の探索時間に比例して上昇してゆく動死体との遭遇率。
ここは慎重にならざるおえなかった。
105
:
名無しさん
:2016/05/19(木) 17:27:25
http://jbbs.shitaraba.net/game/40372/
http://jbbs.shitaraba.net/game/59089/
106
:
名無しさん
:2018/01/12(金) 09:52:35
http://jbbs.shitaraba.net/game/60421/
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