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中編、短編投下所190
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書き込むネタはノンジャンル。スレ違い／板違い／鯖違い／メディア違い問わず、ネタであれば何でもあり。
・書き込みの経験がないので一度体感してみたい
・あらかじめ他人の反応を知って推敲したい
・我ながらつまらないネタなので貼るのが躊躇われる
・なにか実験的な手法を試してみたい
などなど、基本的には何でもござれ。
《注意点》
・作品が投下終了直後は感想・意見交換などのために、次の作品投下予定の方は最低30分〜1時間程度は空けてください。
・人が多そうなときに投下する際は被り防止にあらかじめリロード、または宣言しておくといいかも。
・残酷、グロテスクな描写、性的な描写がある場合は事前に告知すると親切。
・まとめサイトに載せたくない人は事前にその旨表記しておくこと。
・即興は禁止
次スレは>>970を踏んだ方が立ててください。
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／::::::::人::人:::人::::::::ヽ
γ::::::::::／_ノ ヽ、＼::::::::ヽ
（:::::::::／（ 〇） （〇）.＼:::::::） あっ…！
＼:／ （__人__） u. ＼ﾉ
|ｎi 7 ｀ ⌒´ . |ｎ
l^l | | ｌ ,/) ､＿_, U l^l.| | /）
', U ! ﾚ' / . . ''| U ﾚ'/／)
{ 〈 ﾉ ／
..i, ."⊃ ｒニ /
."'""⌒´ `''""''''
＿＿＿＿ / /
／ _＼＼二二二二二/ /二二二二二二
／ （ ●）}|）_三三三 ./ /三三三三三
/ :::::⌒ （＿ﾉ､）二二二/ /二二二二 へへーんだ！
| |┬‐'三三三./ /三三三三三 天秤棒を奪ってやったお！
| |_|___二二二. /二二二二二
＼ `ー‐'ﾉ三（ ｿ三三三三 若いやる夫の体力に年寄りが叶うわけがねーお！
.／ｰ---ーー.＜￣ヽ＿／ /三三三三
（ ⌒⌒￣￣`（＿＿ イ二二二
`´ｰ-､_,. -‐'´／ ）/(´)三三三
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※修正です
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／ （ ●）}|）_三三三 ./ /三三三三三
/ :::::⌒ （＿ﾉ､）二二二/ /二二二二 へへーんだ！
| |┬‐'三三三./ /三三三三三 天秤棒を奪ってやったお！
| |_|___二二二. /二二二二二
＼ `ー‐'ﾉ三（ ｿ三三三三 若いやる夫の体力に年寄りが敵うわけがねーお！
.／ｰ---ーー.＜￣ヽ＿／ /三三三三
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`´ｰ-､_,. -‐'´／ ）/(´)三三三
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＿＿＿_
ｎ ／ノ ⌒＼
| | ／（ ●） （●）＼ これで形勢逆転だお。
i｢|^|^ﾄ、／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
|: :: ! } | /| | | | | | やる夫を折檻をするのなら、こっちもやり返してやるお！
ヽ ,ｲ ＼ (、`ー―'´, ／
￣￣￣
ri:i:ｱ ___ /i:〉
/i:ノ }i:i} 〈i:/ /〉
/i/ }i:i| 〈/
/i/ |i:i|
` ' /i/ |i:i|
､ ﾉヾ ' /:ｲ Li:|
)ヽ/ ヽ､ﾉ|ノ´ ri:i:ｱ ___ /i:〉
`r r' ／} ,ｨ /i:ノ }i:i} 〈i:/ /〉
) （ {／ ／/ /i/ }i:i| 〈/
, '´⌒`Y´⌒` ､ ,､ / ／i:i/ /i/ |i:i|
, ｷ人_,/ ／i:i:i:/ /i/ |i:i|
` ） て {i:i:i:i:i:/ /:ｲ Li:|
＼ ,,_人､ノヽ /´⌒Y,. ｀¨¨´
)ヽ （ ＼ ／} ,ｨ
- ＜ ＞ {／ ／/
) て ／i:i/
／^⌒`Y´^＼ ／i:i:i:/
{i:i:i:i:i:/
｀¨¨´
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γ::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
／::::::::人::人:::人::::::::ヽ
γ::::::::::／ノ ヽ､_＼::::::::ヽ
（:::::::::／（ ○）}liil{（○）＼:::::::） きゃああああああっ！！！
＼:／ （__人__） ＼ﾉ
| ヽ |!!il|!|!l| / |
＼ |ｪｪｪｪ| ／
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γﾆヽ
ヽ__ノ
＿_,,..-‐-..,,_ , ‐┴ ､
n__//// ／ _ ,.-''´￣ ヽ‐/ !
i＿_,,.-''´／ ／⌒( lo o ,'
. r ､ f三 ､_,,..-―‐ヽ..＿__､_,,..-‐' .!ω / ＼ /⌒i /`l _ ,､
. | ∧ ∨｀ヽ/ {:::::i::::: ヽ-‐' ￣｀ ヽ _,,..､ .| / ,..-､ ,､. l |/ 〉 .〈 .| ,.-､
. | ∧' } ＿_/! i ､:: / ､i } l l | /´ l,､_ノ ,l | l |ﾚ' _,,」 .｀'´ 〉
. | r',.-―-､ .,...-＜;;;;;;;l } ヽ_ヽ--イ }＿_ ﾉ､ | i' '´_,,、 ,! L.-ヾ=,' l､_,.. ､ 「Zノ
. | /ω＜ }／ i;;;;;;;!/ ／ヽ＞､ ヽ..＿__ノ-､ ﾉ .! | し''´ 」 _,.-'´ _, - '_´ ﾞl_,〉
. | i ヽ __ ／＿＿,,..-‐l;;;;;;;ヽ ＞<_>‐'_,,..-rf|.|.|.|__} ヽ ,' | ,,.-''´ (_,.- '´| L-'´ _)
八ヽ .／ '´ .ﾉ＿_,,..-''"´￣ > .ﾉー ./ | .| ,.-'´ ,.-'"
ir ､ ,..-''"´ ,..-''´ .〉‐-..,,__ノ l､_ﾉ ｛,.- '´| |
!ヽ __>‐'_..ｨ ,,..-'-‐''´､. ／ i |,i
､ ￣ ,..-―i<´＼ ヽ ヽ / !
. ＼ やる夫 ＼ ＼ | ヽ ,'
＼ ＼ ! i /
＞..,,_ ＼ヽ i、!／
＼ _,,.-! 〉′'
. ＼ ￣!‐--ｰ‐‐'′
＼ ヽ
＼ ￣"''-..,,_
｀''-..,,_
￣￣￣
￣￣￣￣￣￣ ￣
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; -─‐──‐-、
／ ＼
／ ; ヽー''⌒´⌒｀ヽ、
l U l ＼ト、
| ; /⌒゛` l: ト、トーチャン…！？
!、 ＼_}; {,＿ノ´ ∪ | , |
ﾄ、(（ー） （●） ): | | , .! 何するんだお！棒を返すんだお！！
／ ヽ （_人__）＿__ , ノ | |___,ノ |
{ ⌒ヽ／ | | | ,lー─- 、
ヽ ＼ l ,| | ,／ ） ）
{ﾑ ｀} ＼ノ＾ノ^／⌒ヽj＼ ／＾ー-‐'
｀ー…一-’ （＿(_イ_,イ、_,ィ'´__/ ￣
／￣＼
| |
＼＿／
＿|＿_
, '⌒丶 ／ ＼
i ノ:::::＼ ／ ＼,::::::､／ ＼
＼;;:::::::::::::::＼ ／ :::::::::::::::::::::::::::::::: ＼
＼;;:::::::::::::＼ | （__人__） |
. ＼;;:::::::::::＼ ＼ ｀ ⌒´ ／
. ＼;;:::::::::＼ /丶. - ´ ＼
＼;;:::::::＼ / { ＼￣／─- 、 ＼
＼;;:::::＼. / ） ／´ ,>､ _ﾉﾆ - ._
＼;;:::＼ / ,ﾉ'´ _, ,.-‐く_二7＿＼ /´ﾆ r-､
＼;:｀ﾒ､ｨ､) ､__,. -r'´ ヽ＼ ＼ ヽヽ¨ ‐ ._j!::::;}
｀ｿﾉﾉ'ノ┐}､ / ＼─-‐'/ ｀¨′＼ ￣
/ ￣｀しｰ┴'V＼,」＼__/ ＼
/ _,. - ､ ヽ
/ ﾉ¨´ ＼ }
＼ / ＼ ,ﾉ、
ノゝ .＿__,ノ ＼ ､＿,／ ヽ、
, ｲ ＿ } ｀¨´ ＼ _＿_ﾉ､ヽ
(､ ヽ/´ __ｿ ｀ ‐--‐'¨´
￣￣￣
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圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭,イ::::::::::::::::::ヽ,
圭圭圭圭圭圭圭圭圭７:::::::::::::::::::::::::::ハ
圭圭圭圭圭圭圭圭圭ij:::::::::::::::::::::::::::::::::i
圭圭圭圭圭圭圭圭圭li::::::::::::::::::::::::::::::::7
圭圭圭圭圭圭圭圭圭ﾖＸ､_::::::::::::::::::::乂
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭≧､ テ´
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ヨキ
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭キ
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ﾖ＞ﾃ￣￣￣￣` ＜_
圭圭圭圭圭圭圭圭圭,＞テ三ﾆ=- ｀`ヽ､
圭圭圭圭圭圭圭圭／三三三三ﾆ=- `ヽ､
圭圭圭圭圭圭圭ﾖ/三三三三三三ニ=- ＼
圭圭圭圭圭圭圭/三三三三三三三i/=-:........ ＼ 人形でも魂を入れれば性根がある……。
圭圭圭圭圭圭i７三ヨj三三三三三il/ﾆ=-:::::...,... ﾍ
圭圭圭圭圭圭7三三i三三三三三/二ニﾆ／ﾆ=-:.. ﾍ
圭圭圭圭圭圭i三三キ三三三三/ニﾆ=≠示心､_ヾ;::. ',
圭圭圭圭圭ヨj三三气ヾ､三三三三≠´ 世刈ｲ::::::::... ハ
圭圭圭圭圭ヨiョr=､三三≧三三三≦==--＝彡':::::::::::::: i
圭圭圭圭圭ﾖ7ョゝｲ三三三三＞テ=､ニニﾆ=::::::..... . ﾆlj
圭圭圭圭圭ｌi|三三,イ ﾊ, iﾆﾆ=- ﾆ三7
圭圭圭圭圭ﾖi三三､ /三≧､ ,ノ三ﾆ=- ニ三７
圭圭圭圭圭ハ三三三三三三ﾖ≧三二ﾆ=- ,ｪニ三≠
圭圭圭圭圭圭ﾍ三三三Ｋ_ ＿,;ﾆﾆ=- _,ェニニﾆ三三i､
圭圭圭圭圭圭ﾖi＼三三三三三三ﾆ=- ,ェニ三三ﾆ= ＼
圭圭圭圭圭圭圭ヨ≧ェ､二二二ﾆ=- ,ｪ≦三三三三ﾆ== .＼
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|_厂 U Ｕ U Ｕ U Ｕ U Ｕ U Ｕ くノ
＼＼从/ ＝＝ ￣￣￣ ―＿――￣＿
＿＿―＿＿＿ -―――- そ て ――＿――＿＿―＿＿＿￣
￣＿＿＿￣― ／ / /=/三ｿ ＼ ゝ, そ＝ ￣￣￣ ――――￣￣
＿＿＿―＝ / ＼ '‐― ＼ "`/'^r . ￣￣＿＿＿￣ ＿＿
￣￣―‐―― /≧ { }'⌒ヽ ヽ ―_ ￣￣ ――＿￣＿＿＿￣
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＿＿―＿＿＿ / ヽ＿ノ////////////ヽ i ―＿＿＿＿＿￣
￣＿＿＿￣― l ////////////////Λ | ＿――￣￣―‐―
＿＿＿―＝ | 〈///////////／￣￣ | |＼ ―＝ ＿＿＿
￣￣―‐―― ‘， ∨///／￣￣| _| / ￣￣￣＼ ＿――￣＿＿＿
―――― ‘， ∨// ／￣￣ / ＼ ――＿――￣＿＿
＿＿―＿＿＿ ‘， ∨＿＿_／ ／ --――､ ＼＼从/＿＿＿＿￣￣
￣＿＿＿￣＼＼从/￣￣＼＿＿＿ ＼ そ て―￣￣―‐
＿＿＿― そ て! ヽ ヽ ゝ, そ ＿＿
￣￣―‐――ゝ, そ | ＼ "`/'^r＿＿＿
―――― "`/'^r .
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,-'"￣￣￣＼ ﾞ
/＼，#､／ ヽ ;：
i （○） ；（○） u i ；
ヽ （__人__） / ; テメー…！！
i ､＼ ; やる夫を誰だと思ってるんだお……！！
| ! ／__｝ ； テメーが敬愛する先代の息子じゃねーかお……！！
,-| . |ー-､/ ゞノヽ
｛_ i､___,l | | ；
）ｿ(___i）---| |
ゝ-i--i´ ；
｀-ﾞ
／￣＼
| |
＼＿／ 痛いか！！
| だが私は打ってはおらぬ！
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼ 先代の旦那様が冥土から手を出して、お打ちになさっていると、
／ .<〇>::::::<〇> ＼ お前にはそれが分からぬのか！！
| ｡ﾟ~（__人__）~ﾟ｡ |
＼ ｀ ⌒´ ／
-
／￣＼
| |
＼＿／
| もう終わったことだから、私の方も打ち明けよう。
／￣￣￣ ＼ 私もお前を騙していたのだ。
／ ::::＼:::／::＼
／ <一>::::::<一>＼ やる実に婿を迎える話……、あれは方便だ。
| ｡ﾟ~ （__人__）~ﾟ｡ |
＼ ｀ ⌒´ ／
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
.. ／（ ○）}liil{（○）＼ えっ……？
／ （__人__） ＼
| ヽ |!!il|!|!l| / |
＼ |ｪｪｪｪ| ／
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣￣￣ ＼：
：:／ ::::＼：
;： | :::::::| ： 妹に家を継がれて兄のお前は無念だと恥じ入り、
＼.....::::::::: ::::, ／ 根性が直ると期待していたのだがな……。
r " .r ／ﾟ。
：|::| ::::| :::i 無念なことだ……。
：|::|: .::::| :::|：
：`.|: .::::| :::|_：
：.,': .::（ :::}：
：i `.-‐"
-
／￣＼
| |
＼＿／
＿＿/ 他人同士が親子になるというのは、実子以上の前世から深い因縁だ。
／￣￣ ｀ヽ
／ :::ヽ:::::::::::＼ お前が疱瘡にかかった時も、病が治るよう、
/ < ●>:｀:::::::／:::＼ 私は先祖代々信仰していた浄土宗を一時的に捨て、
{ ⌒::::::::::::::<●> ヽ ）） 日蓮宗に願をかけたこともあった。
（ （ i （__人_）⌒ |
ゝ :(,vv（ / だが、お前にこの父心は伝わらなかったようだ。
人 ヽ､__） ／
／ 人
.／￣::＼
| : : : ::|
＼_:;;;;／
| 稼ぐほどに浪費し、親に逆らい、
／ ￣￣￣＼ 父を踏みつけ、行く先々に嘘をつく……。
／ . . . : : : :＼
／ . . : : : : : : ＼ このようなことが続けば、いずれ罰が下り、
| . : : : : : : : :| ` ､ 獄門台に首を晒されるだろう。
＼_ . : :〃 : : : :,／ .___,,..) )
/⌒` . . : : : : : : :｀i --‐''´
/ . . . . : : : :..: : : : :/
／￣＼
： | u |
＼＿／ ：
＿_|＿__
：／ u ＼
／ノ:::::::::＼:::: ＼ ： だが親はこれが悲しい。
： ／<〇>::::::<〇>. ＼ ：
| ｡ﾟ~（__人__） ~ﾟ｡ u. |
：＼u .｀ ⌒´ ／
／￣￣￣￣￣￣￣ ＼ ：
-
―――――
／................................................＼
r ................................................................ヽ
ノ.................人...人...人...人..人...............(
(.................／ ＼............) やるオプーナ殿！
＼.....／ ＼ ／ ＼.../ この子は口で言って聞く者ではありませんよ！
( ●) ( ●)
| | さあ、出て行きなさい！
| ( ﾉ､ ) l 町役人を呼ぶわよ！！
｀ ⌒ ´
＼ ／
／ ＼
. ＿＿＿_
／ ＼
i⌒', ／ ⌒ ⌒＼
| つ ／ u ( ○)liiil( ○) ＼
| | | （__人__） |
| | ＼ |r‐- l u.／
| ￣￣ ,- 、 ｀ー'´ ＼ ま、町役人……！
＼_＿＿_ ヽ ヽ＿＿_) |
＼⊂_ / やる夫をどうしようっていうんだお！
＼ ｀ー─── ' ヽ
. ) ＼
／ ＼
／ ／´`＼ ＼
! く´ ＼ ﾍ
＼ ＼ ヽ ﾍ
(´____＿___ノ ヽ ヘ
｀￣ ￣ ∨__＿___｀)
-
/: : : : : : ; : : : : : : : ／: : : : 彡ヘ: : : : : : : : ヽ
イ: : : : : : :/ : : : : : : :/ : : : : ／ ｀´ ヽ: : : : : : : ヽ
|: : : : : : , : : : : : : : /: : : ／ ヽ: : : : : : : ,
|: : : : : : |: : : : : : ; : : :／ ヽ: : : : : : }
|: : : : : : |: : : : : /: イ -―' `ー- , : : : : : :|
|: : : : : : |: : : : /: : / ,z二ミ、 イ=-､ 〉: : : : : ;
{: : : : : : |: : : /小:{ .ｲ 仡乃 仡 } } : : : ∧: }
, : : : : : }: : ｲ: :|: :| とっ_ノ 乂とっ: : : / }/
.}: : : : : |: : : : :{: :| 。 o/ : /
ｿ∧: : ; : : ' : |: :| o 、＿,､＿, ': : /
. , / }: /: /: : : ヽ|、 / ∨ /: : / お兄ちゃん！行っちゃ嫌だお！！
〃 {V: /: : ∧: :{ ヽ ￣ ´ ,.ｲ: : /
イ: :./: : / ヾ! ∨＞ 、 _／/: : :/
＜三∧'/ ヽ ∨ ∨/"´´
／三三三 :∧ ヽ ｲ、 ヽ
／三三三三三∧ ＼ { ヽ ヽ
／ヾ三三三三三: :∧ ＼ }ヽ ＼
＼三三三三三∧ ／> }// ヘ ヽ
＼三三三三 :∧ ｲ , /{ ／三三三ﾐ
ヽ三三三三:∧／ ＼{ミ '/三三三三三〉ヽ
＼三三三三ヾ、/ヽ｀ /三三三三三/ /
}三三三三三＼/> ./三三三三三/ ∧
r-､ ＿＿＿＿＿
／て ):::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
（ _ﾉ ﾌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ゝ、 /::::::人::::人::人:::人::::::::ヽ 早くお行き！
/ /:::／ ＼ ／ ＼:::::::）
/ {,´ （○） （○） ＼ﾉ また天秤棒でも食らいたいのか！
{ ヽ （__人__） |
ヽ ＼. |!!il|!|!l| ／
ト ヾ |ｪｪｪｪ| ノ＼
／￣￣￣＼
／ノ ヽ､ ＼
／ （ ○）}liil{（○） ＼
| （__人__） | いい気になるなお！
＼ ヽ |!!il|!|!l| / ／
／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、 覚えてやがれ！
. i／ﾍ" ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/ ﾞヾノヽ
/（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
（::::ヽへ、: : : i i/ ﾞ''ヽ,/
-
タタタタ…
／￣￣￣＼
／ ＼
| |
＼ ／
,,..-‐' ＼
<" ,_,,_ ＼
ヽヾ丿 | i ヽ
ヽ＆ .i , -ii、ヽ、 )
| へ. i i^ﾞ''"
| / | |
_| / ｀-- ´
(___/
／￣＼
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γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、 ＼＿／
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ |
γ:::::::::::人::::人::人:::人::::::::ヽ ／ ￣ ￣ ＼ -‐ '´￣￣｀ヽ､
（:::::::::::／＼ ／ ＼:::::::） ／ ::ノ ::::::: ＼:: ＼ ／ ／" ｀ヽ ヽ ＼
＼:／ （●） （● ） ＼ﾉ ／ .<○>::::::<○> ＼ //, '/ ヽﾊ ､ ヽ
| （__人__） | | （__人__） u | 〃 {_{ _ノ ' ヽ_ ﾘ| ｌ │ i|
＼ ｀ ⌒´ ／ ＼ ｀ ⌒´ ／ ﾚｌ小oﾟ⌒ ⌒ﾟo从 |、i|
／ ー‐ ＼ ／￣￣￣￣￣￣￣ ＼ ﾚ⊂⊃ ､_,､_, ⊂⊃ |ﾉ/
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-―――-＜
／ ヽ
／. / ／"´ ｀ヽ ＞
./ / ／ ＼ ＼ ＼
/ ｲ ／／ ＼ヽ ヽヽ
ム {'´ （ ＞） （＜ ） ＼ } | うわぁぁぁぁん！！
/ と ィ、ノ （_ﾍ_つ∨ |
{ |⊂⊃ ⊂⊃ } { お兄ちゃんが…！
ヽ. | ／⌒￢へ＿, ノ/＼ゝ お兄ちゃんが出て行っちゃったお〜！！
.. }へ |へ（＿＿＿＿__}＿＿ イﾍ/
／ヽ!＿＿ヽ /⌒ヽ＿＿
へ＼ { ＿, （）ヽ／ヽ／ヽ （）― }
／ ＼ヽ| こ） ヽ{ ＼{こ ﾉ ヽ
／ ＿＿／ ﾉ ） ｝ヽ ）
ヽ , ＜、＿＿＿＿＿ ,ノ ｀ ￣￣´
／￣＼
| |
＼＿／
＿|＿
／::: ＼
／:::::::::: ＼ ああ、あいつの声は亡き旦那様とソックリだ……。
／:::::::::: ＼
|::::::::::::::: | まるで旦那様を追い出しているようで、私も辛い。
／⌒::::::::: ⌒ヽ／
；/:::::::::::: ＼；
；/:::::::::::::: ＼ ヽ；
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＿＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::::人::::人::人:::人::::::::ヽ
（:::::::::::／ _ノ '' 'ー ＼:::::::） …………。
＼:／ （―） （―） ＼ﾉ
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ー‐ ＼
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： γ::::::::::::人::::人::人::::人:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ：
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γ:::::::: ´＼, ,／｀ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
： (::::::::／ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::) ：
： ＼/ , ....､ ､ , , ....､ ､ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
とうー ' 丿 ゝー ' とつ≦ ＼:::::::::::::::::::::::::ﾉ ：
： | ,' / 人 ヽ丶 ＼::::::::::::::::ﾉ ：
： |丶ゝノ ゝ _ノ , ' ＼::::::::ﾉ
＼ ｀´￣｀ ´ ＼丿 ：
： ＼ ／
： ヽ _＿＿＿＿ イ く ：
： ,' ヽ ：
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/Z -,
V７./ /7｢l_
// // .レ' ﾛﾛ/7
γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、 ¨ ¨ ,／
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::人::::人::人::::人::::::::ヽ
（:::::::::／ _ノ ヽ_＼:::::::） やる夫！！
＼:／ （〇） （〇）＼ﾉ ヽ 、
. | ｡ﾟ~ （__人__）~ﾟ｡ | ノ ﾉ
＼ ﾟ ｀⌒´ ／ ￣
／ ヽ
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＼
─ ＼
── ＼ ｡s≦
｢───＼ ｡s≦二二
二｢───＼ ,.ィi〔二二二＞
二二｢───＼ ,ィi〔二二二＞ ゛ ,.｡s
〕iト二二｢─‐ ＼ ＿ ／二二二＞ ゛｡s≦
.. ｜ 〕iト二二｢─＼＿ ＿ ‐ ￣: : : : : ´"''〜､、 /ﾆ∧￣∨´ ||::::::::::::::::::::
‐ _ | | .|::::｀''i￣￣弌 ￣｀'＜: : : : .癶‐ _: : : : : : : : : : :..:´"''〜､、 /ﾆ=-|￣| || ||:::::::::::::::::::
|＿|￣|─|::::::: |＿＿＿｀'弌 "''＜ ＼ ￣ ｰ.、: : : : : : : : : : : : :｀`〜､、/ﾆ=イ | | || ||:::::::::::::::::::_
|＿|￣|‐-|二|::|ニニニニ||丁Ｔ=- ＿ ≧s｡＼ ＼: : : : : : : : : : : : : : : : : ￣ ー| | | || ||__ -=ﾆ二
￣ ┴ |_|ニニニニ||::| | ||::| | | ｢丁Ｔｒ‐ヽ>=- _＼‐-、 : : : : : : : : : : : : : : ／［三三|三二ﾆ=-ｧｧァ
‐= ＿ ｀｀''＜ニﾆトミ=┴LL| | | | || | ｢ｉ ┌ |`i=‐＼￣￣ヽ /￣￣ レイ／／／／／／_∠
＼ ￣ ''弋=- ＞二ミｈ､＿＿｢￣￣|≧s｡___＿__トﾐ─-弌二二|¨|二｡s个≠≡ﾆ三三三三二二
二＼＿＿＿＿___＼￣,||二二|二二二二二丁|:¨l＼＼|:::|:丁ｉＴ┬┬‐Υ‐┬:|-|===l|ーｰ||＿
l l || |:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:||￣￣||二二| | .|....| |::|: :|￣|: :|:::|_⊥└￣￣￣￣￣|｣|丁｢|| :|| ￣||￣””“
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ﾆﾆ|_|//ﾆﾆﾑxﾍ .. .. . . : : : : : : :, :, :, :, :, :, :, :, ;, :, :, :, ｀
.:::;::;::;:/ﾆﾆﾆﾑ／ . : : : : : : : : :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :,
＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
／::::::::人::人:::人::::::::ヽ
γ::::::::::／ _ノ ヽ_＼::::::::ヽ ううっ…！
（:::::::::::／ ∩ｌ＾ｌ^ｌnnｌ^ｌ^|＼:::::::）
＼:／ 。ヽ ∥ ﾉ ＼ﾉ ああああ……！！
| ／ 人 ｌ |
＼ ／ /|ii!i!|＼ ＼／
.| /. |;;;;;;| ＼ |
｀ｰ´
-
┏━━━━━━━━━━━
┃数日後の五月四日……。
┗━━━━━────
☆ 。 ； ’
゜･｡゜゜. . ’
。. ； ； 。
,.
☆ . ::゜.゜。･゜゜゜゜
+ : ::.゜｡ ゜･｡゜゜.
☆
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゜･｡゜゜. . ’
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./＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ + : ::.゜｡ ゜･｡゜゜. . .
/ /＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ 。 : ::.゜ ゜ ゜゜｡･｡゜゜... ﾟ
./ / /＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ． .: ::.゜゜゜゜･゜ +
/＿/＿/__. ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼ ＼
-
[豊島屋]
ｷｬｯｷｬｯ
＿_
,-─ ´￣｀'ー＜ ＿ { ｉ ヽ
Y´ .＼ / ＼ ﾉ- | }、
, ':::::::::::::::::;イ::∧::::::::::ヽ /-、 ハ ヽ¨（●） ! ＼
.{::::::::::::::::::ナﾚﾘ-弋:::::::::} （●）ノ./ ｀´ ヽ
';:::::::::::::ヾ＞> <＜7;;ﾊl ｀´ /} ./ ヽ .|
.ﾍ:::ﾚﾍ::::/ , | ,- ､ V | } . | | ヽ
ﾍ;:::::ヽ|. r‐ｧ ノ .{ 〉 ／ィ l ｲ.. | | ヽ
.ﾚﾍ厂¨オ 下l 厂¨7 ＿,ノ}ゝ|＼へノ !/ﾚ| | ⌒ヽ
r''"´￣/ト-イヽ｀ヽ. 7'¨7 ／ / 人、 ワ ﾉl ﾉ }
r 、. ,、
l ヽ,,, -ー -', l
/ ＠ o @ ヽ
Y , ﾍ^ ⌒ ^^⌒ヽ ヽ
l γ::..:::::..:::...ﾍ、: : : ﾊ j 父様はまだかなあ。
`ﾉ :ﾉ...:ﾉ ノ ヽ ::::::）
ﾘ::::::( （ ●） (●::（ 早く帰って来てほしいのだ。
. ,.ｲ ﾊ::::ﾊ ,, _ j） )丶､
―――( ￣￣￣￣￣￣ )￣￣￣) ――――――――
￣￣￣￣￣｀¨´¨´￣￣ 旦
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
Y:::::/:::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､::::ヽ
{:::::::::[]'W∀WWV∀7},､l
|::ﾊ::::| (一 ー）|ハ| 集金であちこちを回っているから忙しいのよ。
| ヾi::| , .ハ｜
レハT､,_ ｰ _ ｲlWｲ ､
, へ_＞＜ｲ､ ,､＿_｀ヽ ヽ
}:::::::::::＼fぅ‐（ ）=)'r〈ヽ}
|:::::::::::::/７:::i:〈 ﾉ .ヽヽ〉 ﾌｷﾌｷ
-
／/
/:::厶 -―――-
{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ .,
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
. ' ::::::::: /i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::/ .|:::::/::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
./::::::::i:::::/￣`:∧:::::::::―-:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::: l さあ、子供達。
/::::::::: |::/ |/ ヽ:::::::::: |::::::::::::/:::::::::::::;::::::::::::::′ 髪梳きをしてあげるから、こっちにいらっしゃい。
/:::::::r'７≡ミ ,. ＼:::::|:::::::: /:::::::::::::∧::::::::::;′
./ｲ:::::::Ｙ " _ノ,￣{ ≡ミｘ、/:::::::::::::/_/::::::: / まずはできる子からね。
. |::::::八 ヽ ,, ` 廴::::::::/:::::::::::::/
. |::::::::::::>､ __ノ:::::::::;:'}:::::::::::; '
. |∧::::/|::::` ., ー /::::::::∠ノ:::::::; '
Ｖ |∧:::::::≧=-､ ,../:::: ／:::::::::::／
／〕┐ ヽ､|>‐､__ﾉ |/ｲ／/}／}／
. / / /7ｧ ./二≧ｘ､≦二心
r 、. ,、
l ヽ,,, -ー -', l
/ ＠ o @ ヽ
Y , ﾍ^ ⌒ ^^⌒ヽ ヽ
l γ::..:::::..:::...ﾍ、: : : ﾊ j
`ﾉ :ﾉ...:ﾉ ノ ヽ ::::::） わーい！
ﾘ::::::( （ ⌒） (⌒::（
. ﾊ::::ﾊ xx r‐ｧ xxj） ) 髪梳き、サラサラ〜♪
Ｙﾄヽ､ . rー'´）Ｙ
丶ﾄ､_´__7 rﾄ--く |
lﾊ: : ,:｣:ー:‐:‐ｲ !
/ ∨ﾍ|∧ﾊ:ﾍ| /|ー‐ｬ- 、
l ／! ﾄ /ー‐`┘ 丶
丶-ｲ: :/＼＿_／
-
,,.. ;rぇf云メ:二ﾆミ:ｰ- ..,
'′ : . : :ﾊ , : .＼ : .､
'′ . / . ; ; ! : ﾊ: ヾ: ＼
／ /. : /./ , . :′.′i i| :i |i: . ∨∧: ,
. / . : l i| :| :|i : . V:ハ∧
′. . : ′. : ;l ! :|i : .. .V :..∧
. ′ ; l : . , : . ∧
: : . : : : . : i : . : . : ,
! . :/ . : ! ! | : :｜: . : . ! '.
. .′. ; . ! :! : :! | i |: !: l : . ! ∧
: . ′: | :i |l |i: | i |: l : :! : . :i: :.≠-‐=＝＝ ﾆ二 ヽ
. :i / ′:|: i| :i |l |i: | i |:｜: i |i: : __,,L......,,,_＿ __ ＼＼
: :! . :/. _」i.. -‐=＝＝=ｰ- L..,, _｜Y´ ｀ヽ
. i| ＞ ´二二二二二二二二二二二.｀弋,, : .
i: ＞'"二二二二二二二二二二二二二 ＞ｰ-ミー- ..,_
≪二二二二二二二二二二二二二二二｛ ｀ヽ ｀ ＜ ｀ヽ
i: ｀ ≪二二rrff冊「「「「「「「「「「「冊ﾊﾊﾒﾒv＼丿 ｀ー乂
|: i| l:≪ {{:| |i !:| !:| !:| !:| !:| !:| |:! !:| !:|iV≫ヽ ヽ
|: i| l: |:「:..:| |i !:| !:| !:| !:| !:| !:| |:! !:| !:|i 「 i|: :＞- ..,
|: i| l: | !i | |i !:| !:| !:| !:| !:| !:| |:! !:| !:|i｜ l: i : i. ＞ ,
|: i| l: | !: | |i !:| !:| !:| !:| !:| !:| |:! !:| !:|i : :! ｜ !:i: ＞ ,_
|: i| l: | !: | |i !:| !:| !:| !:| !:| !:| |:! !:| !:|i . :! ｜ : .l |: ￣
/⌒
{
ゝ ´￣￣｀ ‐-､
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::Y
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::‘.
丁:::i:::::::/::::::::}::::::::;::i:::::::::l あっ…！
|:::[ﾚl孑}∧/∀}∧[]:ﾊ:::|
|::: ‘(●）-（●）―|::iッ::| やだ、不吉だわ。
|∧::丶、 '__ _, ｲﾊ:::Ｎ 櫛の歯が一枚折れて、吹っ飛んでしまった……。
.,ｲ_＞＜,.へ
|::;Lヽ／」::::::ヽ
ﾍﾟｷｯ |〈::::::::::::::::::i:::::l
-
, -―- 、,
＿. ´ ・ ． ・￣￣｀}
{ ´ _ ﾊ「 : : ﾍ , 、_ ノ
Y /: /:ｨ: { ヽ'; : }: :V
{ ﾉ: {: 弋{ }ﾅ-}: : ヽ どうして不吉なの？
Yi : { ｨfハ ｨﾊﾘ:}: ﾊ
j: }ヽﾄ ﾋリ ﾋﾘﾉ:/: ﾑ}
乂ヽ込、 。 イ: :)ノ
〉ヘ-云z ﾕ―-ｭ
∧ヽ マ /∧
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
／:::/:::::::::::::::::::::::: ＼
./::::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､:::::＼
i:::::::::[]'W∀WWV∀7}]:「
|::ﾊ::::|―(● ）‐(● )l/::| 私も詳しくは知らないけどね……。
| ヾi :| , .ハ:|
|/}ハﾄ､,_ r ｭ_. ｲ:/Ｎ 遠い昔、伊邪那岐という神様が妖怪のように醜くなった妻から逃れる為に、
, へ_＞＜ｲ､ 櫛の歯を投げたというお話があるのよ。
/:::::::L＼/):|:::',
./:::::i::::::::,/ ユ〉::',
/::::￣`¨´],..,フi,:::::',
Ｌ::::::_,.ィ´::::::o::ｌ.',::::',
-
|┃
|┃ 三
|┃
|┃ ｶﾞﾗｯ ＿＿＿_
|┃ 三 ／ ＼
|┃ ／ ⌒ ⌒ ＼
|┃ . ／ （⌒） （⌒） ＼
|┃ 三 | '" __´___ "' |
|┃ ＼ `ー'´ ／ ふぅ、ただいま帰りましたよ。
|┃ ／ゝ "` ィ ｀ヽ.
|┃ 三 ／ ＼
,⊆ﾆ´⌒￣￣" y r､ ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´| | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ｿ
,､ ,､
l ,`- ー- ,,,,r' l
ｍ ｎ _∩ ,r' ＠ o ＠ ﾞヽ ∩_ ｎ ｍ
⊂二⌒ __） i' ,r'⌒^^ ⌒ ^ﾍ , Y （ _⌒二⊃
＼ ＼ （:.ﾊ : : : ,ﾍ...:::..:::::..:ヽ l ／ ／
＼ ＼ （:::::: ,ｨ' ヽ､ (,:...(,::`} .／ ／ わぁ！
＼ ＼ ）:: ●) （● ） )::::::ﾘ ／
＼ (（i r‐; '' ﾊ::::ﾊ ／ 父様、お帰りなさい！
＼ Y''ヽ ,ィ'ﾉ .:y／
＼ｿ i ／ ヽ ／
/ l ／ /
-
＿＿___ ∧-ー-∧
／ ＼ =@o@ ==..＼
⌒ ⌒ ＼./ノ ヽ ､::::::）
／（● ） （● ） ヽ＞）（＜）):::（ ねらう代、これが集金の銭です。
| _´___ l r‐; "ﾘ:ﾊl
＼ `ー' ／.ヽ イy 戸棚にしまってください。
（l (⌒二二 ￣
| ト ＼
| | ヽ ヽノ
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
／:::/:::::::::::::::::::::::: ＼
./::::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､:::::＼ Z二二ﾍヽ
i:::::::::[]'W∀WWV∀7}]:「 〉───〉 ええ、分かったわ。
|::ﾊ::::|―（●）‐（●）l/::| / ＿＿ 〈ヽ
| ヾi :| , .ハ:| / | i | 大切な銭だから用心しないとね。
|/}ハﾄ､,_ ー _. ｲ:/Ｎ | | i |
, へ_＞＜ｲ､ | | i |
/::::::::::＼/:::|::| ヽ───'-ｰ'
-
＿＿＿_
.. ／ ＼
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼ 実は少し休憩したら、また出かけないといけません。
| ' |
＼ ⌒ ／ 池田町はまだ集金が終わっていないんです。
. /⌒ヽ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
./ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
/⌒
{
ゝ ´￣￣｀ ‐-､
／:::::::::::::::::::::::::ヽ::::::Y
／::::､::::_l,:::::,:::;､::::::,l:::::::‘.
丁:v‐ｭl/VWW∀W[]::::::::i
|:/ （ ●)‐( ●）―|:::ﾊ:::| まぁ、池田町は北の端よ。
/三ﾇ , |::iッ::|
/｀ヽ:::ゝ､ - _, ｲハ::Ｎ また今度でもいいじゃないの。
./::::::o〉 ,ｲ_＞＜,.へ、
./::::::::/'"::::::ヽ／:」:::::::ヽ
{::::::::/::;〈::::::::::::::::::::::i::::::l
‘ー‐- ' .}::::::::o:::::::::::l::::::l
-
＿＿＿
／ ＼
／_,ﾉ ＼ ＼ そうはいきません。
／ （ー） （ー） ＼
| ' | 今日中に渡すと口約束をしましたから。
,'⌒ ＿ ＼ ⊂ﾆﾆ⊃ ／
ヽ＿ノ ／ ＼
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
／:::/:::::::::::::::::::::::: ＼
./::::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､:::::＼
i:::::::::[]'W孑WWﾒ､_,N]:::「
|::ﾊ::::|―( ●)‐( ●).l::: | 仕方ないわね……。
| ヾi :| , .ハ:| 商売は信用が第一ですものね……。
|/}ハﾄ､,_ - _. ｲ:/Ｎ
_..斗へ_＞＜ｲ､ でも出かける前に酒を飲んでください。
/::::::::::::::::/ｱﾍr‐､:'.
}::::::::i'::::/､ ﾉ」」 .{､!
.|::::::::j／:::o:>乂_ノ:::＼
ﾉ:::::::'::::::::／:::::::::＼::::::::ヽ
{:::::::::::::／::::::::::o:::::{､`::::::ﾉ
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒＼
／ （● ） （＜） ＼ ああ、夜も短いですし、
| __´___ | 急いでいますから少しでいいですよ。
＼ `ー'´ ／
〉 ⌒ヽ
. | ､ ＼＿
! ヽ ＿⌒)
-
＿＿＿
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ （―） （―） ＼
| ⌒ ' ⌒ | ぐびぐび
＼ γrj¨￣￣¨i ／
／ j '⌒t_r=､_ノ ＼
| ／ /´ ｀¨´ |
｀ヽ
} ノし
, -‐ ´￣ ｀'く て
Y::::/::::::::::::::::::::::::＼ (
/:::::l,::::::j:;:::,:::::,l_::::､:::＼
.':::::[]'W∀WW∀}/[]::「
|::ﾊ:|‐（◯）‐（◯）‐|ﾊ:|
|:ヾi| , u 'ﾚ::| 立ち酒なんて不吉だわ！
|∧:ヽ _r､( 〕_. ｲ}ｲＮ
,_//7ｧ ＜ｲ:ヽ 葬式の出棺でも立ちながら酒を飲むのよ。
／/ ' ﾉヽ/」:::::::'､
./:/￣`7:::::::::::::::::〉::'､
/:/::::::o/:::::::o::::::::{:::::::',
.{:/:::::::::/::::::::::::::::::::l'､::::::',
.乂＿,/}:::::::::::o::::::::{‘,:::::::',
〈::::::::::人::::::::〉‘,::::::',
／￣￣￣＼
／ ノ ヽ ＼ これは失礼。
／ （●） （●） ＼
| __´ _ | 行儀が悪い子供みたいでしたね。
＼ ￣ ／
⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ
＼ ヽ / ＼ ヽ /
-
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
／:::/:::::::::::::::::::::::: ＼
./::::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､:::::＼ あなた……。
i:::::::::[]'W孑WWV∀7}]:「 やっぱり私は出かけてほしくないわ。
|::ﾊ::::|―(○ ):::(○ )l/::|
| ヾi :| .u , ハ::| さっき、櫛の歯が欠けたの。
|/}ハﾄ､,_ ｒｧ^ヽ､ ｲ.ﾊＮ これも縁起が悪いことなのよ。
, へ.{ ﾉ:､ 伊邪那岐の神様は櫛の歯を投げて命拾いしたけれど、
/:::::/｀ヽ.ｲ:::;::'. 夫婦は永遠に別れてしまったと聞いたわ。
,':::::/::::::o/:::::〉::}
.{::::/:::::::::/::::::{::::{
Ⅵ:::::::::/::o::::Ｖ:::､
＿＿＿＿
／ ＼
／ ＿,ノ ヽ ＼
／ ＿ ＿ ＼ ハッハッハ……。
／ （ ● （ ● ＼ うんちく爺さんから聞いたんですか？
| ‐ ' ‐ ' |
| ' | 今日のねらう代はやけに神経質ですね。
| r―‐ｧ |
＼ |＿ノ ／
ノ ＼
-
┃|
┃|
┃|￣￣￣＼
┃| ⌒ ⌒ ＼ それでは行ってきます。
┃|（●） （●）＼
┃| __´___ | 戸締りはキチンとしてくださいね。
┃| `ー'´ ／
┃| ／
┃|｛ヽ,__ ）
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
Y:::::/:::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､::::ヽ
{:::::::::[]'W∀WWV∀7},､l いってらっしゃい……。
|::ﾊ::::|―（廿）‐（廿）|ハ|
| ヾi::| , .ハ｜
レハT､,_ - _. ｲlWｲ
, へ_＞＜ｲ､
}:::::::::::＼/:::|::|
r 、. ,、
l ヽ,,, -ー -', l
/ ＠ o @ ヽ
Y , ﾍ^ ⌒ ^^⌒ヽ ヽ 父様！
l γ::..:::::..:::...ﾍ、: : : ﾊ j
`ﾉ :ﾉ...:ﾉ ノ ヽ ::::::） いってらっしゃいなのだ〜！
ﾘ::::::( （ ●） (●)::（
. ﾊ::::ﾊ " l ﾏ i )
Ｙ ヽ ｀ イ' y
,.⌒ヽ γ⌒ヽ
〈● ﾉ＼ ..／＼●ﾉ ,-─ ´￣｀'ー＜
.ヽ彡' ヽ ./ .......彡 Y´ .＼
） .￣￣｀ ..（ , ':::::::::::::::::;イ::∧::::::::::ヽ
/ / .ヽ {::::::::::::::::::ナﾚﾘ-弋:::::::::}
,' .│. {.〃 ヽ ヽ 人 ';:::::::::::::ヾ●> <●7;;ﾊl
. ん | ﾘ八 ﾊ＼.ﾄ、ｌ ﾍ:::ﾚﾍ::::/ , |
. ／／ （| ! ::: . Ｖ...:::....! .ハ ﾍ;:::::ヽ|. ｒ-ｧ ノ
／／ ,ｲ. . ﾉ ...___, ﾉ ..ゝ ﾚﾍ厂¨オ 下l
-
＿__
/⌒ヾ､,，'´::::::::::::::｀`ヽ、
,ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::;:::::::i:::::::::::i:::::::'.
./:::::::::::i:::{::::__L::i:::::lﾖ:::::::i
./ｲ:::::-┼∧:;斗ｫ::::::i|^!::::l
|∧::rヵﾚ{{ `”|:::::ﾘﾉ::: l さあ、父様は行ってしまったし、
|::ゞ='' `¨¨¨|:::/|ｲィ:| あなた達子供はもう寝なさい。
|∧::＞ ﾆ´.ｲ|/ >､
V}／ }／ ／＼
／く／二ニ心
.イ 厶'二二二ﾆ∧
/ル二二二ﾆ!二ﾆ∧
ノア二二二ニ！ﾆニ∧
, ‐''"´￣￣`ヽ、 r 、. ,、
／ .丶 l ヽ,,, -ー -', l
. / ＼ ', / ＠ o @ ヽ
/ ＼ ﾉ Y , ﾍ^ ⌒ ^^⌒ヽ ヽ,
{ ＼ ‐''"´￣¨ヽ、l γ::..:::::..:::...ﾍ、: : : ﾊ j
{ ＼ { _,.ィ !_`ﾉ :ﾉ...:ﾉ ノ ヽ ::::::）
. ＼. ＼__, .ィ￣￣‐ ゝ,ﾘ::::(（＞） (＜）::（ はぁい。
. `ー^ー彡‐''"´ .ﾊ:ﾊ,, r‐ｧ j）:::)
＼ .`!Ｙ ヽ イ' y:(
`ヘ＿＿＿/ へ ｊ /
∠ -- く :.. ｙ ' ＼
{ ＼_,＿＿_.ノ'´ ＼ ＼
〉--- 冫. ヽ ＼
＼__ ／ ! | ＼ ゝ彡
-
,---､ :| ::::| |:::::::::|:::::::ﾞ| | | ＼
）~~~（ | ::::| |:::::::l:|:l:::::ﾞ| | | |＼
（====） | ::::| |:::::::::|:::::::ﾞ| | | |: ＼
￣￣ ）＿_（￣￣＼ ::::| |:二二二]| |::: :: :: | |: ＼
＼| |.~￣|￣~.| |艸 0:| |
￣￣￣￣￣￣￣￣| | ﾟ|ﾟ | |:: ::艸:::|:0 |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼ 艸:|:: 艸 |
＿＿__ ＼ |艸:: 艸::|
＿＿（ ）＿＿_ ＼ | ::艸|
（ ,-一〜'⌒⌒ヽ〜ー`､ ＼ ::|
＼ ヽ､ ´ , ヽ ヽ､ ＼ :|
＼ ヽ､ ' , ､｀ ヽ､ ＼|
＼ ヽ､ ヽ､ ＼
＼ ヽ､＿＿＿＿＿＿＿_,;) ＼
｀ｰ────────'
＿＿＿＿__. ,.. --──-- .._ _.. -──‐-､
i' ヽ >' ,,, ,,, < ／´:::::::/
! ::::::::.＼ / ◎ ◎ ｀､/::::::::::::::/
丶::::::::::::＼/ ｏ_ 丶:::::::::::/
｀､:::::::::::/ ,.ｒ '"´ ｀｀`ヽ､ ｀､:::::/
丶::: / ／:,.､::::;､:::::,.､;､:::､::ヽ. Ｖ
Ｖ ,.,..'::'::/⊥Ｖ lノ ,⊥ヽ:l:::ヽ. ｀、 ねらう緒ときめぇ代は、
,' ／~ﾊ ,ｲ ○ ○ }V.{/ / 母様に布団を敷いてもらって狡いのだ。
.{ { ｌ:::ｉ'_{ xx xx )}:､／
｀ヾニ: :{:.`トミ {ヽ _...ィ:,､{
`､l｀ヽトlヅ`三下｢/｀ヽ′
/ ヽ
/ / ） |
ﾉ /..... { |
/⌒
{
ゝ ´￣￣｀ ‐-､
／:::::::::::::::::::::::::ヽ::::::Y
./ﾆﾕ ／::::､::::_l,:::::,:::;､::::::,l:::::::‘.
j ﾉ┘丁[ﾚ∀WW孑VW[]::::::::i
「￣d ..|:r!( ●)‐( ●）―|:::ﾊ :| 二人はまだ小さいから無理よ。
l::::::::l .|八 , :|::iッ::|
l::::::::l .|∧ゝ､ｰ ' _ ..ｲハ::Ｎ できる子は自分で枕も布団も用意できるんでしょう。
l::::::::lrﾍﾍ＿,ｲ_＞＜,.へ ほんの少し大人になった証拠よ。
l:::::::::ヽ '.:::::;Lヽ／」::::::ヽ 偉い、偉い。
ー―‘.／＼::::::::::::::/::::::/
＼o:::＼o::/::::::/l
＼::::::>'::::::/:::l
l:ヽ:::::::_/::::::!
-
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::::::::.....:.... : ,r'´. ｀ヽ: .. ......:..:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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::::::.......: ..:..:ヽ ::::... ..... ,.': :.. :. :............:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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＿＿＿＿
／ ＼
／ _ノ ヽ_ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） |
＼ ｀ー ´ ／
／ ゝ ィ'ヽ あーあ、河内屋に帰りたいけど帰れないお。
／ ＼
/ ｨ r ＼ あれから順慶町のやらない夫兄ちゃんの家に逃げたけど、
| `|| |ヽ ヽ いつおっかない家に奉公させられるか分からないし、
/⌒ヾ| | |, | 一人ぼっちは辛いものだお……。
ヾ___,ｿl │（､__,ﾉ
| |
l Y´ /
ヽ, （ ,/
ヾ | | ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ…
≒;| |
(.（"＿｀ﾞ_）
-
_ -―――─- _
／ ＼ 人
. ／ u u ヽ て
. / | |l| | ￣＼ u ＿_ ‘， 〈
.. /|| | |l| | `ｰ'′ ヽ-'"´ ‘，
. /| || | |l|≡＝=‐-､三三三-‐=＝≡ ‘， そうだ…！寝床の心配をしてる場合じゃないお！
│| || | |l| ． 三三 ． |
│| || | |l|＝==＝≡三ﾆ三≡＝==＝ | やる夫はいくつかの借金が残っていたんだお！
. ‘， ｕ|l| / | ＼ / 返す期限は今日までの筈だお！
ヽ ヽ＿_,人＿__ノ /
. ＼ | | ｕ ／
. ＞ _ | r‐一' ／
. / ―‐Ｕ――― ´＼
/ ヽ
. /
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ええと、やる夫が今持っているのは、
／ _ノ ::::::: ゝ､ ＼ 二升入りの油樽と脇差だお……。
. | （○） （○） u |
＼ （__人__） ,／ これだけで、やる夫はどうすればいいんだお。
／ ｀⌒´ ＼
-
＿＿＿_
／ ＼
／三＿',!｀zx二 ＼
／ ´ー¨‐｀ ´ｰ¨‐'' ＼ ハッ…、脇差……！
| （__人__） |
＼ ´ﾆﾆ｀ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
, -──-､
／ ＼
／ ノ ヽ､ ＼
／ （●）::::::（●） ＼ , そうだお。
| ヽ （__人__）' | ／/ この脇差で腹を切るふりをすれば、
＼、 u ｀⌒´ / ／／ 誰かが助けてくれるかもしれないお。
（⌒ヽ ィヽ ／／
l ＼ ＼ , | ／／ でも誰が……？
| ＼,, ＼ | | ／／ 河内屋は帰りづらいし、
| ＼ ＼_ ﾍ／／ カーチャンは鬼のような顔をしてやる夫を追い出したお。
| ＼_r' ソｲゝ
| r_ゝｨ'〆
-
|＿__
| ＼
| ,ノ ＼ あっ、豊島屋のできる夫さんだお。
| （ ●）ｕ ＼
|人__） | 今は集金の時期だから、店から離れているのかお。
|⌒´ ／
(⌒ー─' ）
vzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzx
,ｲ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ｌｌｌ>､
. ,ｲ圭圭圭㌣||⌒＼⌒＼⌒＼⌒＼⌒ 弌圭>､
,ｲ圭圭圭㌫(__)＼＿,|⌒ヽ...｡s1￣ | ＿||＼圭＼
. ,ｲ圭圭圭㌣ ,,|＼／ .|ー‐' ,,|-‐ ￣ || `ﾄー
,ｲ圭圭圭ア^Ｙ'´ | l _,,|-‐ ￣ | ｡s≦三三≧s｡
＿＿__,ｲ圭圭lllｌ㌣|ｰ'´|.｡s1￣￣ |,,...｡s≦三三三二ﾆ=--=ミ
...... ,.ｨヘZZア圭圭圭|.｡s1￣ ,.斗r≦三三三二ﾆ=-─ |l￣:|::|i:i:|
,ｲ///xヘ三三三三l 斗r≦三三=- .1|￣＿,,.. ||i:i:i:i:i:i:i:i||i:i:i:|::|i:i:|
｡o㌻/// jI斗r≦斗r≦三斗r≦..||-‐… || ||i:i:i:i:i:i:i:i||i:i:i:|::|i:i:|
rzzzzzzzzzzｨf㌻弌斗r≦斗=≦丁i:i:|-‐… |￣| ..|| || ||i:i:i:i:i:i:i:i||i:i:i:|::|i:i:|
ハ川川|l≦i|´＿...|i:l |i:i:i| | | |i:i:i:|-‐… | | ..|| || ＿,,||i:i:i:i:i:i:i:i||i:i:i:|::|i:i:|
ＴＴＴＴi:i:i:i:i:|| |__|__|i:|__|i:ｉ:jI斗zzzt㌻^|i:i:i:i:i:ｉ:|＿|,,..斗r=≠ﾆ二三三三三三三三三三三
jI斗≦｡s≦Ｚ＞≦三二ﾆ=斗t≦i:rz≦三三三三三三三三三三三三三三三三三㌻''
≦zzzl|i:||-─ | |￣|i:i:|¨|￣|:|:l:l:|i:i:i:i:i:i:i:「「「|￣|:|:|:|¨￣￣||￣￣￣￣||| |:|:|:|:|:|:|:|:|;i;i|i:i:i:i:
...|i:|i:ｉ:ｉ|i:|l .|_| |i:i:|¨|￣|:|:l:l:|i:i:i:i:i:i:i:||i:i:ｉ|//|:|:|:| .|| ||| |:|:|:|:|:|:|:|:|;i;i|i:i:i:i:
....￣￣ ﾆ=-..|_| |i:i:|¨|￣|:|:l:l:|i:i:i:i:i:i:i:||i:i:ｉ|//|:|:|:| .|| ||| |:|:|:|:|:|:|:|:|;i;i|i:i:i:i:
￣￣ ﾆ=-|i:i:i:i:i:i:i:||i:i:ｉ|//|:|:|:| .|| ||| |:|:|:|:|:|:|:|:|;i;i|i:i:i:i:
- － 、 ￣￣￣￣￣￣ └＝ニニ|……─--||| |:|:|:|:|:|:|:|:|;i;i|i:i:i:i:
. ● ●） ヽ ￣￣￣￣|￣¨|:|:|:|:|:|:|:|:|;i;i|ijI斗
､ -'- ノ ￣￣￣￣￣￣￣
/ ヽ
(| , し'
ヽ(＿ﾉ
-
―――――――‐ ､
. ／ ＼
／ ＼
／ ＼
. / ‘，
/ ‘，
| ¨二ﾆ=ミ ＿ノ 廴_,幺=ﾆ二¨ | ということは、豊島屋に残っているのは、
| ≫ ´ __ Ⅵ ｉ:ｉ|Ⅳ __ ｀ ≪ | ねらう代さんと子供達だけなのかお……。
| i{ ( ・ ) 川li|il从 ( ・ ) }ｉ |
| ≧=―‐=彡 ミ=‐―=≦'ﾞ | …………。
:. / l ヽ /
. ヽ { 人 } /
. ／＼ ≧=＜＿__＞=≦ ／＼
. ／ ＼
. ／ ＼
. / ヽ
-
__
:`､｀ヽ､,,,
:::::＼:::::::｀￣:゛゛ｒ-､ ｒ- ー､ ﾎﾟﾝｯ
:::::::::::|::::::::::::::::::::ヽ ｀ヽ-.､ ヽ _
:::::::::::|:::::::::(⌒'彡'::ヽ ヽヽ ヽ｀ヽ､
:::::::::::|::::(⌒ ｀):::::::::', `'' ｀ﾞ ｀ ー､
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:::::::::i::::::::::::::,- 、:::::: ｜ ',
::::::::i:::::::::::::::', ',_ :::: ｌ ',
:::::::i::::::::::::::::::{ ` -' ,.-‐――┴- ､
::::::i::::::::::::::::::::｀ヽ. ／ ＼
:::::i::::::::::::::::::::::::::::ヽ ／ ヽ
::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ / ヽ
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::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ＼
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i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ＼
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｜└‐┐ /_/¨7 / _ _
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|__二二i /_/ ／／
￣
, ¨¨¨¨¨
. ／ | ｉｌ ｉ ＼
〃 u ｉ ｌ| | | u ﾞ
{ (＿人＿) ! ∨
|ililililiｌ| u ! ！！
＼ 人ilililiｌ}
ﾄ､__、_ , イ
. 乂__| ト .._ 「
. | 人＿ ∨
. | ∨
-
/ﾆＹﾆヽ
(ヽ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ /)
(((i )／ ::::⌒｀´⌒::::＼ ( i))) やる夫じゃないかっていうwwww
／∠_| ,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼
( ＿＿＿､ |-┬-| ,＿＿ ） ここにいたのかっていうwwwwwwwww
| `ー'´ /´
| /
周旋屋 綿屋でっていう
周旋屋とは金銭の貸借や雇い人の周旋などの間に立つ世話人
＿＿＿＿＿＿＿＿
,, '' ＼
／ ,,ｲﾞ＼ /入 .＼
／ -‐''"_ヽ'､ l l′/｀_'' ＼
／ ../∠´ ｀ヾ' ｌ ｌﾚ'´ 'ヾ ...ヽ
/ ..ｕ ｉ{,_,, ﾟ }! ｌ ｌi{,_,. ﾟ } ...ﾞ､
/ ｕ ｕヾく,＿,ノ′ .ゞi-ｒｲ .ﾞ､
,' .u ' ' ｀. | げえっ！でっていう！
| .（ 人 ） |
| ／,ｒ｀T"T"´ | ｀丁¨´| ./ < ￣￣＼
| ,ｲ |__,∟ ⊥.＿|__,l|.| / ﾉ￣＼´／ 丶
＼ .| .ｉ ｌ_／ _,ノﾉ|| ../ く ーﾍ __／ ｨ>
＼ .| .|Ｙ/ ‐┴''" || .／ ＼＿ ﾞ ー'ノ
＼ ..|. 仁 ＿,＿_ || .＜＿＿＿＿＿＿／ /
／￣￣ ｌ lﾆレ'´ ｀ヾ'､ || ／
／ .ヽ 「]、 ヾ>､|| .＼ ／
／ .ヽ｀「ヽ }Ｈ| ...＼ ＿＿＿＿_／
／ ＿＿ ..ヽ｀「ヽ､､,＿＿,,ノｊ‐|| ＼
／ ／＼ ＼｀'〔｀'Ｔ''''''Ｔ´ ,ﾉ| ＼
/ / ＼ .＼ ｀￣￣￣ / .＼
/ ＼ .`－──‐′ .＼
-
/=Ｙﾆ ヽ
/（-)( 0） ヽ そんなに嫌そうな顔をするんじゃないっていうwwwww
／⌒｀´⌒ ＼
|-） （-、 | 俺だって傷つくっていうwwwwww
| ヽ＿＿ ノ l |
＼ ｀⌒´ ／
/ﾆＹﾆヽ :.+
ﾜｸ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ:.+ やる夫、話は分かってると思うっていうwww
ﾜｸ ／::::⌒｀´⌒:::: ＼
| ,-）＿＿＿（-、| 借金の二百目を返さなきゃ、町役人に届けるし、
| l |-┬-| l | 利子も増えて五倍の一貫目に増えるっていうwwwwwwwwww
.＼ `ー'´ ／
-(＿＿_.)─(＿＿)─
-
∩＿
〈〈〈 ヽ
〈⊃ }
/ﾆＹﾆヽ .| |
/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ ! ! 恨まないでほしいっていうwww
／::::⌒｀´⌒::::＼| / 俺は仕事をしているだけで、情けを持ってるっていうwwwwww
| ,-）＿＿＿（-，| ／ その証拠に、今はまだお前の家族に何も言ってないっていうwwwww
､ |-┬-| ／
/ ＿ `ー'´ /
(＿＿＿） /
/ﾆＹﾆヽ
/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
／::::⌒｀´⌒::::＼
| ,-）＿＿＿（-、|
| l |-┬-| l | お前は親父さんの判であちこちに借金をしてるっていうwww
.|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
,. -‐ '| | 契約の判は親父さんのものだけど、
/ :::::::::::| 二百目借ります |＿_ 親父さんに不条理な銀を出させるのも気の毒だと思ったんだっていうwwww
/ :::::::::::::| ｒﾆ-─｀､
. / : :::::::::::::| ｀┬─‐ .j
〈:::::::::,-─┴-､ やるオプーナ |二ﾆ ｲ
. | ::/ .-─┬⊃ |`iー"|
.ﾚ ﾍ ﾆﾆ|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|ｒー''"|
〈 :::::＼＿ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: ／::::::::::::|
＿＿
:::::::::::::::...
::::::::::::::::::::::...
::::::::::::::::::::::::::＼ ＼
::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::: :＼ ＼
::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : ＼ ＼
::::::::::::::::::::::::::: : : : : : ＼ ＼
::::::::::::::::::::::::: : : : : : ヽ ヽ
ヽ } } （柔らかそうな苗字をしてるわりには、相手をじわじわ苦しめる奴だお！
}/ / 同姓の人には迷惑なことだお！）
,ｲ´ /
/ ---―――l|l|l|l|! i
{{ /l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|ﾘ
{{ ｛l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|/ /
＼l|l|l|l|l|l|l|l|l|lli/ /
￣￣￣ ／ ／
／ ／
｀ﾞ丶 _ -‐ -‐
｀丶 ＼
＼ ＼
＼ ＼
-
,,.. ´ ｀・ 、
／ ＼
/ ',
_l;;;;;;;;;,,, ／ .l や、やる夫を馬鹿にするんじゃないお！
l;;;;;;;;;;;;;;; ､_,.ｨtﾁ ） u .| やる夫だって男だお！
',. / i ヽー‐ ' /｀ヽ､ 二百目ぐらい鶏が鳴く頃までは返すお！
＼ 乂人＿__ﾉ､ ,. ＜
＞-｀￣￣｀' -
｀ー―
-――-
／ ＼
.L＿＿╋＿＿＿」
./（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
ヨッシ！ ／::::⌒｀´⌒::::＼ .＿
| ,-）＿＿＿（-、|. ´ ＼__ ふぅん、その男気、確かに見届けたっていうwwww
＿＿ | l |-┬-| l | .ｲ⌒> ) また入用だったら貸してやるっていうwwwww
└┐ ＼ `ー'´ ／ .‘,└L／
└― ､ _ ィ i それじゃあ俺は帰るっていうwww
￣ ) |
｢￣￣ |
､ <＼＿ /
> ) ￣| /
(＿／ 「 〈
､＿)
-
;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::| ／ ／;;;;;;::::::::::::;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;
;;;;;;;::::::::::::::: ::: :: | ／ ／;;;;;;:::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;:;;
;;;;::::::::::::::: :::: :: | | ／;;;;;;:::::::::::::::::: ::::::::::::;;;;;;;;;
;;::::::::::::: :::::: :: | |／;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::;;;;
::::::::::::::::::: :::: | |;;;:::::::::::::::::::::::::::: ::::: :::::::;;
::::::::::::::: :::::::::: | | ::: :::::::::::::::::::::::::: :::::
::::::::: ::: ::: : | ＿| ::::: :::::::::::::::::::::::::::::::: でっていうwwwwでっていうwwwww
::::: ::::: :: |_ ＿|::::| ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::: ::: ::: : |:;|-i |::::|:;::| ::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::: :::::::::: | | :::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::: :::: |＿＿＿＿＿| ::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::: ::::::::::::: | | ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::: ::::::::::: | | :::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
;;;:;;:::::::::: :::::::／::::::::: ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;
;;;;;:;;;;::::::::::;／;;;;;:::::::::::::::::::::: ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;
;;;;;;;::::::::;／;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::: ＼:::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;
;;;;;;::::／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;
;;;::／;;;;;;;::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::＼:::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／;;;;;;;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;:::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
＿＿＿_
.. ／ u ＼
／ ／ ＼＼
.. ／ し （○） （○） ＼ …………。
| ∪ （__人__） J |
.. ＼ u ｀⌒´ ／
-
, -―ー- 、
. ／ ヽ
γ⌒' ノ ヽ (⌒ ヽ
/ ' （●） （●） ＼. ､ やる夫はどうすりゃいいんだお！
. { { | |__人_ l ｜ l .）
＼ ､ | |i!i!i!i!i | | ／ ／ 茶屋のツケは一時的に逃れそうだけど、
＼ ＞ .ｊ ;;;;;;;;;;l| _ｊ ._／ こっちの借金はどうにもならないお！
. yι ｀⌒´ r'
/ ｌ ああ、どこかに二百目が落ちていないかお……。
. ,' l
. l |
弋 ｲ
. | /ー一―一、 |
し ､_,!
-
＿＿＿_
／ ＼ '_ あれっ？
.. ／ _ノ ヽ､_ ＼ 、 トーチャン……？
／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼
| （__人__） | トーチャンが豊島屋に入っていくお……。
＼ ｀ ⌒´ ／
┼┤│ ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||::::::::::::::::::::::::: ||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
┼┤│ ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||::::::::::::::::::::::::: ||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
┼┤│ ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||::::::::::::::::::::::::: ||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
┼┤│ ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||─────||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
┳┥│ ││;;［田田田田］［田田田田］［田田田田］［田田田田］ |..│
┻┥└─┘,,|／=======================================;;;|..│
ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
==@==@==@==@==@==ｒ─ー─‐-──ー┐@==@==@==@==@==@==
─────────‐| 豊 島 屋.│─────────
:: : :| |;;| :::: :::: :＿＿＿＿｀ー─-─-‐ー─┘＿＿＿＿:::::::::::::: :| |;;| :
| |;;| ::||三三三|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|三三三||: | |;;|
| |;;| ::||三三三|＿＿|＿_,,ﾉ＿__,ﾉ＿__,,|三三三||: | |;;|
| |;;| ::||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三三||: | |;;|
| |;;| ::||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三三||: | |;;|
| |;;|:::: ／||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三 ／:: :::::::::::::| |;;|:::::
|￣￣|￣￣|. ||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三||￣|￣￣|￣￣|￣
| | |. ||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三|| | | |
| | |. ||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三|| | | |
|＿＿|＿＿|／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||＿|＿＿|＿＿|＿
γﾆヽ
ヽ__ノ
, ┴ 、
/ ヽ
ゝ ノ
（| /）
/ （_ﾉ
〈_／ ヽノ
-
／￣＼
| |
＼＿／
＿_|＿_
／ ＼
／ ::＼:::／:: ＼ こんばんは、豊島屋さん。
／ .<●>::::::<●> ＼
| （__人__） | ご主人はいらっしゃいますか？
＼ ｀ ⌒´ ／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
__＿_
.ｨ'"￣￣｀ヾ
〃
{{
ヾ､ 斗 ¨¨¨ ミ
,，`ミ=-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::` 、
. '::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/;､/::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
./く/::::::::::::/| :::::::::::::::::::::: i:::::::::::::::::::::::::::::,
.':::::'::::::::::::/ .|::::::/}:::::::::::::::|:::::::/::::::::::::::::::::,
'::::::':::::::斗――- .}::::::/}:::::| ―-ミ::::::::iヽ::::,
l::r7::::::::i/ |/ .}:::/ .}／|:::∧::i､::::::::|/:::::i あら、こんばんは、河内屋さん。
|:L!::::::: | }/ |/ ､| ＼: |::::::::|
|:::l:::::::: |ｨ'"¨㍉ i＿ , _＿ .i::|::::::: | 主人のできる夫は集金で池田町まで行っています。
|:::l:::::::､l ノ ｀{. ￣ ヾ ∧|`!:::::|
|::::'.:::::::::,￣￣´ , ` .,＿＿ノ ,|,ﾉ:::::|
|:::::::;::::::::, ＿_ / /:|:::::::::|
|∧::::､:::::, ､ _ﾌ んイ:::::|:::: ﾊ|
}∧:＼'丶、 ィ:::::::::::::::::::::/
Ⅵ/ヽ{ ` .,_.. ＜{_⌒Ｖ}／}/.i:::/
ィ二二≧=---イ￣入、 ノ ､ ｛＿＿.斗-|/ ミ
.ｲ二二二二ﾆiニﾆl / ヽ / lニﾆ|二ニニﾆ心､
ん二二二ニニl二ﾆ!ｲ / o l二ﾆ|二二ニニﾆﾊ
-
／￣＼
| |
＼＿／
|
／￣￣￣ ＼
／ ::＼:::／::::＼ そうですか……。
／ <●>::::::<●> ＼
| （__人__） | 幼い娘さん達はどうしてますか？
＼ ｀ ⌒´ ／
￣（⌒`:::: ⌒ヽ
ヽ:::: ~~⌒γ⌒）
ヽー―'^ー-'
〉 │
/⌒
{
ゝ ´￣￣｀ ‐-､
／:::::::::::::::::::::::::ヽ::::::Y
／::::､::::_l,:::::,:::;､::::::,l:::::::‘. 娘達はもう寝んねしました。
丁:[|/孑WW:ﾒ､VW[]::::::::i
|:::r!（●）‐（●）―|:::ﾊ:::| 父様が帰るまで起きてると意地を張っていましたが、
|::八 , :|::iッ::| 子供ですし、すぐに瞼が落ちたんですよ。
|∧::ゝ､t ァ _, ｲハ::Ｎ
, へ_＞＜ｲ:ヽ
/:::;::Lヽ／」;:::::',
}::::i:::::::::::::::::::〉:::}
-
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼ ふふ、子供の世話を焼くのはどの家庭でも同じことですよね。
／ ＼ ／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ そう、どんな歳の子でも本当に……。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／￣￣￣￣￣￣￣ ＼
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
／:::/:::::::::::::::::::::::: ＼
./::::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､:::::＼
i:::::::::[]'W孑WWV∀7}]:「
|::ﾊ::::|―（ ●)‐( ●)l/::| やるオプーナさん……。
| ヾi :| , .ハ:|
|/}ハﾄ､,_ ‐- _. ｲ:/Ｎ やる夫君のことで悩んでいるんですか……？
, へ_＞＜ｲ､
/:::::::L＼/」「ﾄく`ﾄ,
|::::::',:::::::::/｀ヽ_j､ {、
';:::::::';:::::/:::o/::i:「￣!
'､::::::';/::::::/::::{:l::::ol
-
／￣＼
| |
＼＿／
＿|＿
／ ＼ 子の面倒は親の役目なので、苦労なこととは思っていません。
. ／ ＼
. ／ ／） ::::＼:::／:: ＼ ですが、噂で聞いたと思いますが、やる夫は産みの母に追い出され、
| ／ .ｲ '<ー>::::<ー> u| 私もどうすることもできませんでした。
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
／￣＼
| |
＼＿／
＿|＿＿
／ ＼ 父として、やる夫が不憫に思う気持ちもありますが、
／ノ ::::＼::::: u. ＼ あの子が自暴自棄になって謀判（私印盗用や偽造）など、
／ <●>::::::<●> ＼ 犯罪に手を染めやしないかと不安なのです。
| （__人__） u. |
＼ u.｀ ⌒´ ／ そのようなことをしたら、やる夫も家族も破滅です。
ノ ＼
／´ ヽ
-
／￣＼
| | やる夫は今は兄のやらない夫の店にいると聞きました。
/≡) ＼＿／ /ミ ヽ
. ／＿ノ ＿__|＿__ ヽ＿ ＼ ねらう代さん、やる夫は家族と会いづらいでしょうが、
／ ／ ／::＼::::::／::＼ ＼ ＼ ご近所のあなた達ご夫婦なら、やる夫も話を聞いてくれると思います。
( く .／< ＞>:::::<＜>u＼ .> ）
＼ ／ u （__人__). ＼'.／ もしもこの辺りでやる夫を見かけたら、
ヽ| ｀⌒´ u |/ 「父は分かっているから、母にお詫びをして、根性を入れ替え、
＼ ／ 再び家に帰って来い」と伝えてやってくれませんか。
／￣＼
| |
＼＿／
|
／￣￣￣ ＼ どうか切にお頼みします。
／ u ノ .＼ 妻は武士の家の生まれで、義理堅く、
／ u <●>:::::::＼ 一度決めたことを変えることはありません。
| （__人__）|
＼ /⌒)⌒)⌒)｀ ⌒／/⌒)⌒)⌒) やる夫の本当の父である先の旦那様も行い正しく、
ノ | / / / (⌒) ./ / / 義理も情けも知り、下人にも慈悲深いお方でした。
／´ | :::::::::::(⌒) ゝ ::::::::::/ 私はその旦那様に恨まれたくはありません。
| ｌ | ノ / ） /
ヽ ヽ_ヽ /' / ／
ヽ ＿＿ ／ / ／
-
｀ヽ
}
, -‐ ´￣ ｀'く
Y::::/::::::::::::::::::::::::＼
/:::::l,::::::j:;:::,:::::,l_::::､:::＼
':::::[]W∀WW∀}/[]:::「 やるオプーナさん……。
「「| |::ﾊ:|‐（●）‐（●）‐|ﾊ:|
l l」､|:ヾi| , .'ﾚ::| 分かりました。主人にもよく伝えておきます。
〈 -}|∧:ヽ _ tァ _. ｲ}ｲＮ このことは私達に任せてください。
「￣}. , へ_＞＜ｲ¨ヽ、
|::::::| ／:::;::Lヽ／」;::::::::::ヽ
|::::::l'::::::;〈:::::::::::::::::::〉ヽ:::::::'.
ヽ::::::／ .}:::::::o::::::::{／:::::／
／￣＼
| |
＼＿／
＿_|_＿_
／ ＼ ああ、ありがたいことです。
／ ─ ─ ＼ 我が家の問題で、豊島屋さんには本当にご迷惑をおかけします。
／ <●> <●> ＼
| :::::: （__人__） :::::: | しかし、やる夫はあなたに心を開いていますし、
＼. `ー'´ ／ヽ このような相談は豊島屋さんにしかできないものですから……。
（ヽ、 /￣） |
| ｀`ー――‐''| ヽ、. |
ゝ ノ ヽ ノ |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
￣ ヽ
}
, - ￣ 、 ／
Y::::::::::::::::::::::::::::::::::×
/:::::::,:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
{:::::::::ｎ::::/:;:ィ::::/i:::/l::ｈ:|
|::ﾊ::::l､'^}/‐^l:/‐|/ ,|/:::|
| ヾi::| `(〓）-（〓）:::::::| やる夫君が心配なのは私達も一緒ですよ。
}/lハT､,_ ､__' _. ｲWＮ
, へ_＞＜ｲ､
／::::::::L＼/」:::＼
_／::::::::､j::::::::::::::::::::〉::ヽ、
/::::::::､_, -'{:::::::::::::::::::{ヽ::::::'.
＼::::::::＼ .}:::::::::::o::::::〉 〉::::::〉
＼:o:::ﾉ-ｭ::::::::::::::r‐く:::o/
-
／￣＼
| |
＼＿／
|
／￣￣￣.＼
／ :::─:::::─:＼ それと、これを……。
／ :::<●>::::<●>＼
| （__人__） | 銭三百あるのですが、妻の目を盗んで持って来たものなんです。
＼ ｀ ⌒´ ／ 私の名前を出さず、やる夫に渡してやってくれませんか。
ヽ , ＿_ , イ
／ |＿"＿＿__
| ｌ.. ／l´ `l
ヽ 丶-.,／ |________________|
/`ー､＿ﾉ ／ ／
|┃三
|┃ γ::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
|┃ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ｶﾞﾗｯ. |┃ γ:::::::::人::::人::人::::人:::::::ヽ こんばんは……。
|┃ （:::::::::／ ─ ─ ＼:::::::）
|┃三 ＼:／ （─） （─） ＼ﾉ 豊島屋さん、夜分遅くに失礼致します。
|┃ | （__人__） |
|┃ ＼ ｀ ⌒´ ／
|┃三 ／ ／
|┃三 ＼ (_＿ノ
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼ '_
／ ::＼:::／:: ＼ 、 や、妻ではないか。
／ .<●>::::::<●>.u ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
-
＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
／::::::::人::人:::人::::::::ヽ
γ:::::::::／ノ ヽ､_＼::::::::ヽ まあ、あなた！
（:::::::::（○）}liil{（○） ＼:::::::）
＼:／ （__人__） u. ＼ﾉ まさか浮気……！？
| ヽ |!!il|!|!l| / |
＼ |ｪｪｪｪ| u. ／
／ ＼
rー ､
, -‐ ´￣｀ ､ノ
Y:::::/:::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､::::ヽ
{:::::::::[]'W〜WWV∀7},､l （以前にも似たようなことがあったような……。）
|::ﾊ::::|―（●）‐（●）|ハ|
| ヾi::|. u , .ハ｜
レハT､,_ - _. ｲlWｲ
, へ_＞＜ｲ､
}:::::::::::＼/:::|::|
-
＿＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::::人::::人::人:::人::::::::ヽ ……と思ったけど、もうそんなことができる歳ではないわよね。
（:::::::::::／ ─ ─ ＼:::::::）
＼:／ （●） （●） ＼ﾉ やるオプーナ殿、豊島屋さんに何の用です。
| （__人__） | 今はどこの店も忙しいから、ご迷惑ではありませんか。
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ー‐ ＼
／￣＼
| |
＼＿／
| /)
／ ￣ ￣ ＼ ( i )))
／ ::＼:::／:: ＼ / / お前こそ何の用があって来たんだ。
／ <●>::::::<●> ＼ﾉ /
| （__人__） | .,/
＼ ｀ ⌒´ ／
／＿＿ /´
(＿＿＿） /
-
＿＿＿＿＿ 人
γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、 て
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ 〈
γ:::::::::::人::::人::人:::人::::::::ヽ それは……、
（:::::::::::／ ＼ ,＿＼:::::::）
＼:／ （ ●） （●） ＼ﾉ ハッ！この銭は何なのです！
|ﾉ ∪ （__人__） | まさかやる夫に渡すつもりですか！？
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／ ＿＿| |
＼ ／ ＿＿＿ ／
／￣＼
| |
γ⌒) )／
/ ⊃＿|＿
〃/ / ＼ ／＼ あっ…、これはその……。
γ⌒):::<〇>:::::<〇>:＼ ∩⌒)
／ _ノ u （__人__） 〃/ ノ
（ <| | ｀ ⌒´ / / ））
( ＼ ヽ ＼ ＿＿＿＿／（ ⌒）
/ /
-
＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
／::::::::人::人:::人::::::::ヽ
γ::::::::::／ ＼ ／＼::::::::ヽ 馬鹿なことを！
（:::::::::／ （○） （○）＼:::::::） 産みの母が追い出したんですから、
＼:／ （__人__） ＼ﾉ あなたが咎められることはありません！
| 八 |::::::| |
＼ ⌒ l;;;;;;l ／l!| ! その甘やかしが毒を飲ませていると、まだ気づかないのですか！
／ `ｰ' ＼ |i ＿ _
／ ヽ !l ヽi | l [l] |￣| /l | |
（ 丶- 、 しＥ |そ | 二l ￣/ [][]∧.|_|
`ー､＿ﾉ ∑ l､Ｅ ﾉ < |__| |￣／ <_/ <>
ﾚY^Ｖ^ヽｌ ￣
＿＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::::人::::人::人:::人::::::::ヽ
（:::::::::::／ ＼ , , ／＼:::::::） やる夫が紙を着て川に入ろうが、油を塗って火に入ろうが、
＼:／ （●） （●） ＼ﾉ もはや私達には関りがないこと。
|ﾉ （__人__） |
＼ ` ⌒ ´ ,／ あなたには女房と娘がいるのですよ！
ノ ー─ ＼
／´ _i⌒i⌒i⌒i┐ヽ
| ｌ （ l / / / l
l l ヽ /
-
／￣＼
| |
＼＿／
|
――‐
´ ヽ
/ ｀..＼:::::::::::::／... ∨
< ─>:::::< ─> 妻よ、惨いことを言うな。
{ } 親とは子を産んで育てるだけが役目ではない。
― 、 （_ 人_ 丿
" ＼ ／丶 子は親の慈悲で立ち行き、親は子の孝行で立ち行く、
∨ ､ ≧ ―――‐ `｀ ＼ これが本当の親子だと思うのだ。
{ ＼ ―‐ヽ
V ヽ ＿_ ≦ / ∨
∨ ヽ V/
ｌ ′ {
{ 八 | }
'∧ | } 丿
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼ 私は不幸なことが続いても、死んだ時は他人の手ではなく、
／::＼:::／:: ＼ 我が子の男の子に棺の前後を運んでもらいたい。
／ <●>::::::<●> ＼
| （__人__） | 縁の無い他人に葬られるぐらいなら、生き倒れた方がマシだ。
＼ ｀ ⌒´ ／
／￣￣￣￣￣￣￣ ＼
|￣￣￣￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
| ワゴンＲ .| ／;;;;;;;ヽ ／;;;;;;;ヽ |
|＿＿＿＿＿|＿|_|:（∴）:|＿＿＿＿___|_|:（∴）:|＿.|
ゞ_ゝ:＿ノ ゞ_ゝ:＿ノ ゞ;;;;;;;;;ノ ゞ_ゝ:＿ノ
-
＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
／::::::::人::人:::人::::::::ヽ 男の子はやる夫だけではありません。
γ::::::::::／_ノ ヽ､＼::::::::ヽ やらない夫もいますし、
（:::::::::／（ ●） （●）＼:::::::） 娘のやる実はあなたの本当の子ではありませんか。
＼:／ （__人__） ＼ﾉ
| ( ( | さあ、早く帰りましょう。
＼ `ー´ ／
f´￣￣￣￣￣ヽ
| あっ……。 |
乂＿＿＿＿＿ノ
__,n◎ ___
└┐r┘ く,ﾆ ! [][]「l Ｏ Ｏ Ｏ
<ﾌＬKﾞ> くノ くノ
r―-､＿_r―-､
|―‐z＿＿,r:､__）
| | / /＿__r-､
>―-､＿＿ノr―‐┴'′
,. -‐'''"￣￣`―〇ﾆニニヽ
. ／ ＼ `〇
| ヽ
| |
ヽ /
＼＿＿＿＿＿＿_／
-
／￣＼
| |
＼＿／
| l /
／￣￣￣ ＼ ′／ 妻よ、何か落としたぞ。
／ ＼
／ ::::＼:::／:::: ＼ これは銭五百とちまき……！？
| < 〇>::::::< 〇> |
＼ u （__人__） ／
｀ ⌒´
＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
／::::::::人::人:::人::::::::ヽ
γ::::::::::／ .u ＼::::::::ヽ
（:::::::::／(（○）) (（○）)＼:::::::）
/⌒)⌒)⌒).:::: （__人__） l_j :::＼ﾉ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / /／
| :::::::::::(⌒) U .| | | ／ ゝ :::::::::::/
| ノ | | | ＼ / ） /
ヽ / └ー.┘ ヽ / ／
-
＿＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::::人::::人::人:::人::::::::ヽ ああっ、お許しください！！
（:::::::::::／ _ノ ヽ、＼:::::::） これは回収した集金から盗んだものです！！
＼:／ （○） （Ｏ) ＼ﾉ
|ﾉ || （__人__） ..| そう、やる夫に渡す為に……！
＼ ﾉi ! |. ／
/ し' ｀⌒´ .ﾉ
| .／ .／
／￣＼
| |
＼＿／
|
／￣￣￣ ＼
／ノ :::: ＼::::: u ＼ ！！
／ <●>::::<●> ＼
| （__人__） u. |
＼ u.｀ ⌒´ ／
-
γ:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::人::::人::人::::人::::::::ヽ あなたとは二十年連れ添った夫婦であるのに、
（:::::::::／ _ノ ヽ､_ ＼:::::::） 打ち解けない心があるようで情けない……。
＼:／ / ⌒) ⌒ﾟo ＼ﾉ
| / /（__人__） |
＼/ / ｀ ⌒´ ／
＿＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ 私はやる夫に厳しくしていますが、
γ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ たとえあの子が阿呆でも鬼子でも、腹を痛めて生んだ子供ですもの。
（::::::::::::::::人::::人::人:::人:::::::::::） 憎い筈がありません。
＼:／ ─ ─ ＼ﾉ
| （●） （●） | どのような前世からの悪業が胎内に宿り、
＼ ﾟ~（__人__）~ﾟ｡ ／ あのように育ったのかと誰よりも不憫に思っていました。
／ ﾟ ｀ 二´ ｡ ＼
-
＿＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::::人::::人::人:::人::::::::ヽ ですが、あまりにも可愛がり過ぎると、
（:::::::::::／_ノ ヽ､_ ＼:::::::） 継父が「溺愛して庇っていては心が直らない」と憎まれるだろうと思い、
＼:／ （─） （─ ） ＼ﾉ 私はあなたに可愛がられたくて、わざとやる夫に辛く当たっていたのです。
| ｡ﾟ~（__人__）~ﾟ｡ |
＼ ﾟ ｀ ⌒´ ﾟ ／
／ ー‐ ＼
.／￣::＼
| : : : ::|
＼_:;;;;／
|
／ ￣￣￣＼
／; . . : : : :＼ 妻よ……。
／ ∪ . . : : : : : : ＼
| . : : : : : : : :|
＼_ . : :〃 : : : :,／
/⌒` . . : : : : : : :｀ヽ.
/ . . . . : : : :..: : : : : ,: :＼
-
＿＿＿
／::::::::::::::::::::::::::＼
γ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ やる夫は派手好みですし、
(:::::::::::::::人::::人::人::::人::ノ|:::) 祝い月なので、あの子も身だしなみを整えたいだろうと、
＼:::::／ ＼ ,＿ |ﾉ この銭をねらう代さんに頼んで渡してもらうつもりでした。
/ ｕ ∩ノ ⊃―）／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿＿＿
；γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、；
；/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ； あの子の性根が直るのなら、
；γ:::::::::::人::::人::人:::人::::::::ヽ； 煎じた母の生肝を薬にすることも厭わないですが、
；（:::::::::::／ ／ ＼＼:::::::）；
；＼:／ oﾟ(（○） (（○）ﾟo::ﾉ； 一生の間、夫の銭を誤魔化したことがなかったというのに、
；|ﾉ （__人__） |； 我が子可愛さの為に分別をなくし、
；＼ ｀ ⌒´ ／； 盗みを働いたことが恥ずかしゅうございます！
；／ ー‐ ＼；
-
⌒ヽ
ﾉ
, - ￣ 、 ／
Y::::::::::::::::::::::::::::::::::×
/:::::::,:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
{::::::::[]::::::/:;:ィ::: /i:::/[]:「￣
|::ﾊ::::ﾄ､'^}/‐^l:/‐|/ l::: | 河内屋さん……。
| ヾi::| `(＿）-（＿）::::::|
}/lハT､,｡ﾟ _' _. ｲ∧| やる夫君……。
, へ_＞＜ｲ ､ あなたはこんなにも親御さんに大切に思われているのよ。
./:::::::::L＼/」::::::,
{:::::::v:::::::::::::::::〉:l
‘,::::::ヽ､::::o::/:::/
ヽ､:::::ヽ､/:::/
／￣＼
| |
＼＿／
| そうだったな……。
／ ￣ ￣ ＼ 今月は祝い月だった。
／ ＼ ／ ＼
／ oﾟ⌒ ⌒ﾟo ＼ その銭はねらう代さんに渡しなさい。
| （__人__） |
＼ ｀ ー´ ／
／￣￣￣￣￣￣￣ ＼
-
γ:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::人::::人::人::::人::::::::ヽ
（:::::::::／ノ ヽ､ ＼:::::::） でもこれは盗んだ銭です。
＼:／（●） （●） ＼ﾉ
. | （__人__） ,|
＼ ｀⌒´ ／
／ ＼
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／.::─ :::::: ─ ::.＼
／ .<●>::::::<●> ＼
| （__人__） |
. . ＼ ｀ ⌒´ ／
r､ r､／ ヘ いいのだ、構わない。
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
＼>ヽ/ |｀ ｝ | |
ﾍ lノ `'ｿ | |
/´ / |. |
＼. ｨ | |
| | |
-
/⌒
{
＞‐ ´￣｀丶、
／:::/::::::::::::::::::::::::＼
／:::::::l,::::::j:;:::,:::::,l_::::､:::ヽ
7:::::[]W孑WWﾒ､}/[]:::i 内儀様の心はよく分かりました。
|::ﾊ:|‐（⌒）‐（⌒）‐|ﾊ:|
|:ヾi| ,, , ,, .'ﾚ::| 確かに銭はやりづらいですよね。
|∧:ヽ _ ー _. ｲ}ｲＮ とりあえず私が預かって、適当な人に拾ってもらいましょう。
, へ_＞＜ｲ:ヽ
./:::::;::Lヽ／」;::::',
/::::::〈:::::::::::::::::::〉:::',
.〈:::::::〈}:::::::o::::::::{〉:::::〉
ヽ:::::ﾉ::::::::::::::::乂::/
＿＿＿＿
γ::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
／::::::::人::人:::人::::::::ヽ ありがたいことです。
γ::::::::::／_ノ ヽ､＼::::::::ヽ
（:::::::::／（ ●） （●）＼:::::::） ちまきは娘さん達に食べさせてあげてください。
＼:／ （__人__） ＼ﾉ
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
-
やる夫のことをどうかお願いします。＞
本当に豊島屋さんにはお世話なっていますし、
いつかお礼ができたらいいのですが……。＞
あまり長居していたら、娘さん達を起こしてしまいますね。＞
私達はここで失礼します。＞
| 三三
| |三三三三三
| |, -―- ､三三
| | o:::::::::::ヽ三三
| ｒヽ (_,ｨ_j ',三三
| ヽｲ ´ヾ/ ｊ三三 …………。
| | ｀ー ｒ-‐'三三
| | :::l三三三
| | :::::i三三
| | ::::ﾄ,三
| | :::ﾉ'三
| |三三三
-
:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. .. .
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : . .
__ :. :. :. :. :. :. :. :. :. : .／,,;;;;／ ,,,...
￣| | : : : : : : : : :. .／,,,;;;／ 册册
ﾉｿ册ゝ : . : . : . : . .／___／ _,. 册册
卅ｿｲ川ﾄ ／ ／| _,.-r'| | 册册
勿ﾄ卅川li .／ ／ ,..| | | | | | 册册
仆仆仆仆､ ./'~T.,.／|川 j_l,.r-'¨ 卅卅i_,.
ﾉソiｲヾﾉ l /,.T¨il i l l l川__,,... -‐ ￢¨
lll/;/ﾄｸl ',, ,l:lj|川_'¨三.ノ____,,,,,.....................
l/,/ﾉ' ﾄ|_,.i＿＿ｌ j|:il|‐/jlllllllllll/|
;;/ll| ﾉ|'-'======'-i,jl| jj| ﾛｺ | ﾛｺﾖ ∠二∠ 」 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
/llll|ll'"三三三三三 ' -f, .i田l| |目田| | トーチャンとカーチャンは帰ったようだお……。 |
lllllll|二二二二二二二二' -|.,_.j| |l.l.l l.l.| 丶＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
llllli!⌒i-------------------' - .,_ j! ﾆ二|
llllll! |-------------------------'' - .,_j|
llllll! |＼_____________________________________________￢
二l!,,;;;|彡
￣￣
／￣＼
| | ＿＿＿＿＿
＼＿／ γ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
| /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／￣￣￣＼ γ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／ ＼ （:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::）
／ ＼ ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
| | |ﾞヽ;从从从从从从从;／|
＼ ／ ＼ ／
-
＿＿
__ - ´´￣ ｀¨ ‐ ､
, -'"´: 丿 ヽ
／. : : : : ＿／ 、 丶
,,.'. : : : : / /::::::ヽ ｌ ヽ、
/. : : : : : { {:::::::::ﾉ ! ヽ
/. : : : : : 丶 ｀ ´ ノ ヽ
/. : : : : : ｀ー‐ ´ / ヽ 二人はまだやる夫を心配してくれるのかお……。
./. : : : : : !、 人ノ
/. : : : : : Ｕ ｀i｀ ﾆ二-- i やる夫は家に帰れるのかお……？
/. : : : : : ｀´ l
,'. : : : : : : /
i : : : : : : : /
i : : : : : : : /
', : : : : : : : ／
', : : : : : : : ／
ヽ、: : : : : : . ／
ヽ､:_: : : : . ／
｀¨i : : : : : ヽ
-
.. ー┐ ヽ ー┐ ヽ
＿_| __ノ ＿_| __ノ ・ ・ ・
r
{
ゝ ´￣￣｀ ‐-､
／:::::::::::::::::::::::::ヽ:::::Y
. /::::､::::_l,:::::,:::;､:::::,l:::::::‘. あら？
l､,{7∀VWW∀W'[]::::::::}
|ﾊ i（ ●）‐（ ●）‐|:::ﾊ | またお客様かしら？
｜八 , :|::iッ:|
ﾄWl{ゝ､ - _, ｲハ:八
.,ｲ_＞＜,.へ
|::|:::ヽ／::::::::{
-
|┃
ｶﾞﾗｯ. |┃
|┃ ﾉ// .／￣￣￣ ＼
|┃三 ／ ─:::::::::─ ＼
|┃ ／ :::::::::::::::::::::: ＼
|┃ | （__人__） |
|┃三 ＼ ｀ ⌒´ ／
|┃三 ／￣￣￣￣￣￣￣ ＼
___＿__
'"￣￣￣`
〃
{{
ヾx ,， ''"￣￣`ー-ミ
≧ｘ､__,::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::/{::::::::::::::::::::::'.
. '::イ:::::::/::::::::::::::::::::::::::::;' ‘,:::::::::::::::::',:::::,
/' /::::::;'::::斗―-:::::::::::: i―--:::::::::::::::L_::,
.':::::[_|:::::::|:∧::::|'､::::::: | V',:::::::::::i__|::!
i:::::::::::::::ｘ'Tﾇ:T.| ＼:::| 丁,T”i!V::::::l::::: l
|:::::::::::::::{ 乂ﾝ }}=={{ 乂ﾝ }::::::l::::: l やる夫君！
|::::::::::､:::',====彡j `ﾐ=====彡::::/:::::::l
|∧:::::::＼', /:::;::':::::::::l
|::::::::: i 、 「 ヽ ./イ::::::::: ﾊ|
|∧:::::|:::` ., イ::::::: i::::::::/
ｘ==ミｘ＿. へ｀¨¨¨´ ﾘ∧::::|∧/
／二二lニﾆ∧ ＼ .ﾊ､ ∨
／二二二l二二ハ / } { r≧ｘ､_
／二二二ﾆﾆ―┐ﾆﾊ 〈__ } |二二|ニ=-､
二二二二二二二＿ﾊ {/ ./二―二ﾆﾆ∧
二二二二二二二二∧ | ./二|二ニニニ∧
二二二二/二二二二∧ j/二二二二ニﾆﾆ∧
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ― ―＼
／ （ ○） （ ○）ヽ ねらう代さん……。
l （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ヽ
＿＿＿＿＿
／ ＼
／ ＼
／ -一' ﾞー- ＼
. ／ ／´ ｀ヽ /´ ｀ヽ ＼ やる夫は外で蚊に刺されながら聞いてたんだお……。
／ ｏ（ ● l ｌ ● ）ｏ ＼
.. | 〇 ヽ_ _ノ ヽ_ _／ 〇 | やる夫は酷い息子だったお……。
l （ i ） |
＼ ｀ー ─'＾ー 一' ／
＼ ー一 ／
／ ＼
/ ヽ
-
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
／:::/:::::::::::::::::::::::: ＼
./::::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､:::::＼
i:::::::::[]'W∀WWV∀7}]:「
|::ﾊ::::|―（●）‐（●）l/::| そう……。
| ヾi :| , .ハ:| 私達の会話を聞いていたのね……。
|/}ハﾄ､,_ 「 ァ_. ｲ:/Ｎ
, へ_＞＜ｲ:ヽ だったら話は早いわ。
./:::::;::Lヽ／」;::::',
/:::::〈:::::::::::::::::::〉:::',
〈:::::::〈}:::::::o::::::::{〉::::〉
＿＿＿＿_
｀ー──一"＿_ ＼
￣￣￣￣ ´ ￣｀ヽて ＼
＼＼＿,r:､__） はい、ご両親からの銭八百とちまきよ。
￣￣￣￣＞ｘ ＿＿シ「ト.ハ /＿__r-､
>―-､＿＿ノr―‐┴'′ 本当は内儀様の分は渡さないつもりだったんだけど、
,. -‐'''"￣￣`―〇ﾆニニヽ もうその必要はないわね。
. ／ ＼ `〇
| ヽ
| |
ヽ /
＼＿＿＿＿＿＿_／
-
/⌒
{
＞‐ ´￣｀丶、
／:::/::::::::::::::::::::::::＼
／:::::::l,::::::j:;:::,:::::,l_::::､:::ヽ
7:::::[]W⌒WW⌒}/[]:::i やる夫君、あなたは幸せ者ね。
|::ﾊ:|‐（●）‐（●）‐|ﾊ:| これほど子供を思ってくれる親は滅多にいないものよ。
|:ヾi| ,, , ,, .'ﾚ::|
|∧:ヽ _ ｔ ァ_. ｲ}ｲＮ 私も他人なのに泣いてしまったわ。
, へ_＞＜ｲ:ヽ、 私だって三人の娘がいるんですもの……。
./:::;::l///)(ヾx､:::'.
|:::〈:/ /:::ヽ ﾑ:::',
|:::/｀ヽ「::o::::}/´:ヽ:l
l/:::::o/:::::::::〈::o::::::',
/⌒
{
ゝ ´￣￣｀ ‐-､
／:::::::::::::::::::::::::ヽ::::::Y
／::::､::::_l,:::::,:::;､::::::,l:::::::‘.
丁:[|/∀VWW∀W[]::::::::i この銭は、たとえ小銭でも粗末にしてはいけないわよ。
|:::r!（＿）‐（＿）―|:::ﾊ:::|
|::八 , :|::iッ::| 肌身に付けて一稼ぎをして、
|∧::ゝ､ ｰ _,. ｲハ::Ｎ お二人の葬式を立派にしなければ、男でも何でもないわ。
,.ｲ／≧､へ それに背いたら、天道の罰、仏の罰、日本の神々の罰が当たってしまうわよ。
／rく ﾉ`ｧ':::::::ヽ
./:／:::::>':::::::::::::i:::::',
/ノ::::::::/::::::::::::::::{;::::::'、
{::::::::／::::o::::::::::::Ⅵ:::::'､
-
_,,..-―‐-..,,_
,,-''" ｀ヽ、
／ ＼
/ ヽ
,' ヽ
ｌ ─_ _─ ',‐-、 分かってるお……。
,-''"| ｰt:::ﾃ≧ ≦r::ﾃｰ lヽ .'.,
l l'´.', ｀¨¨／ ヽ¨¨´ .,' ヽヽ_ やる夫はこれから真人間になるんだお……。
/ | .'., （ .,、 ） / .／ ヽ、
/ ＼ ヽ、 ｀￣ ´ ｀ ￣´ ／ ／ _,,..-'
{ ｀''-‐"ヽ-..,,__ __.／￣￣´ .,,..イ ∨
/.T ‐-..__ ＿.ヽ￣￣￣／,..-――‐'" / ∨
r┘ ',. ￣￣ 〈￣＼ .／イ´ / / ∨
| ヽ-、', / .ヽ /／ ∨
./ ヽヽ .', ロ ｀ロ ヽ、 / .∨
/ 、＿_ ', _/ ＼| L__ ∨
｀ヽ
}
, -‐ ´￣ ｀'く
Y::::/::::::::::::::::::::::::＼
/:::::l,::::::j:;:::,:::::,l_::::､:::＼
.':::::[]'W∀WW∀}/[]::「
|::ﾊ:|‐（●）‐（●）‐|ﾊ:|
|:ヾi| , .'ﾚ::|
|∧:ヽ _ ｰ _. ｲ}ｲＮ
, へ_＞＜ｲ:ヽ
/:::::;::Lヽ／」;:::',
-
＿＿
_..-''''ﾞﾞﾞ´ ﾞﾞﾞﾞ'''ｰ,,、
.／ U ＼
, ' ＿＿＿ ＿＿ .ヽ
./ （ ● .） （ ● ) '.,
/ u . ￣￣￣ ￣￣ '.,
. .,' .l でも肝心の慈悲の銭が足らないんだお。
l U. （ 人 .） .l こんなことはトーチャンにも兄ちゃんにも言えないお。
.'., ｀.┬‐ ´ ｀ ┬ ´ .,'
. ' , ￣￣￣￣ ／ ここには売上金と集金のお金がある筈だお。
ゝ、 ／ 新銀でたった二百目ばかり、勘当が許されるまで貸してくれお！
|￣￣￣￣l .-┬'''"´|
／＼ ／' ,￣＼ .| ／::|-.、
/ ヽ:::::' , ＼ / ゝ::::|. ヽ
. /. |::::::::l＿＿｀ y '＿＿|:::::| ',
/ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |
. |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| .|
/⌒
{
ゝ ´￣￣｀ ‐-､
／:::::::::::::::::::::::::ヽ::::::Y
／::::､::::_l,:::::,:::;､::::::,l:::::::‘.
丁[ﾚ孑WW∀VW[]::::::::i えっ？
|:r!( ●)‐( ●）―|:::ﾊ:::|
|八 , u |::iッ::| いきなり何の話！？
|∧ゝ､ ｎ _ ..ｲハ::Ｎ
.,r「]rﾍﾍ,.へ、
/r! ﾚL、 l」::::::ヽ
|:「￣l:「￣l:::/::::::}
|:l:::::::l::l::::::ｌ/:::::::/
-
/
/
/
, -‐ ´￣ ｀'く
.／::::/:::::::::::::::::::::::`丶、
/:::::l,::::::j:;:::,:::::,l_::::､:::＼
./:::::[]Wﾒ､_WW孑}/[]:::「 ご両親の慈悲で、やる夫君も心を入れ替えてくれたと思ったのに……。
/ｲ:ﾊ:|‐（●）‐（●）‐|ﾊ::{、 なぜお金を催促するの！
|:ヾi| .u , .'ﾚ::ﾍ
|∧:ヽ _ 〔 〕 _. ｲ}ｲＮ どうせ遊里に支払いをして、またそこに通うんでしょう！
, へ_＞＜ｲ:ヽ
／:::::;::Lヽ／」;::::|
_rl＾l､:::ﾉ::::::::::::::::::〉:|
Ll,しj 〉 }:::::::::o::::::{:::| ＿_
`~^´ ﾉ::::::::::::::::::',┴──i Jﾆﾕ
＿＿＿_
／:::::::::::::::::＼
／:::::::::::::::::: ::::::＼
／::::::::::::::::::::: （◎）:::::＼ そうじゃないお！
|:::::::::::::::::::::_人__）::::::::::::::::|
,.＼::::::::::::::::::⌒´::::::::::::::爪ヾ≠≦ヽ
＿ イ´/::ｌ 〉:::::::::::::ー‐::::::::::::::: ﾘ ）从 圦
从7ミヽ:::::::i::::! !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::!! !| ｊ i!ﾉﾊ
ィミ） ヽ:::::::::}::弋ヽ::::::::::::::::::::::::::::::// .i! !| イト、
ｒ三｀ヽ::::::::::::::::::|:::::::::）〉::::::::::::::::::::::::::!' ﾉｲ i |l ク!
-
./⌒
{
,ｘ‐ ´￣ ｀' ､
ノ::::/:::::::::::::::::::::::＼
／:::::l,::::::j:;:::,:::::,l_::::､:::ヽ
7:::::[]'Wﾒ､_Wl/孑}/[]:i
|::ﾊ:|‐（●）‐（●）‐|ﾊ:| お金は貸さないわ！
|:ヾi| , .'ﾚ::|
|∧:ヽ _ ｎ _. ｲ}ｲＮ 金は奥の戸棚にあるけれど、
, へ_＞＜ｲ:ヽ 夫が留守の時に、そんなことは絶対にできない！
./:::::::::Lヽ/」::::::'､
}:::::;､_:::::::::::::r ､::',
j::く ^>':::o:::r'^ }::::',
{:::::^ｰｧ':::::::::`T’:::ﾘ
乂__r':::::人::::::{`ｰ'
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
／:::/:::::::::::::::::::::::: ＼
./::::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､:::::＼
i:::::::::[]'W孑WWV∀7}]:「
|::ﾊ::::|―（●）‐（●）l/::| 悪いけど、帰ってくれないかしら。
| ヾi :| .u , .ハ:|
|/}ハﾄ､,_ - _. ｲ:/Ｎ 野崎参りでも不義をしたと夫に疑われて、
, へ_＞＜ｲ:ヽ 言い訳に何日もかかったのよ。
ｉ:::;::Lヽ／」;::::|
|:〈:::::::::::::::::::〉:| 店の金を渡したら、きっと二度と信じてくれないわ！
|:┴――ァー-､
rLr―､_, -┴--､〉
L...二]-――1
|:::::::::o::::::::|
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＿＿＿＿＿＿＿＿
／ ＼
／ U ＼
／ ＿＿＿ノ ||||| ＼＿＿＿. ＼ なんだっていいお！
／ U （ ﾟ ） （ ﾟ ） .＼
| "''" "''" u | 不義の仲になって貸してくれお！
| ＼ （ j ） ／ |
| ＼ ｀iｰ-‐'´｀ｰ-i'′ ／ U |
＼ u. | |│ │| | ／
＼ | |│ │| | ／
￣￣￣￣L└──┘」￣￣￣
￣￣￣￣
｀ヽ
/⌒Lノ
, -‐ ´￣ ｀'く
Y::rf「ｌ]::::::::::::r‐-､ 、
_,r――'⌒]__ノ::j:;:::,::└Lrへ､
{:::::::::__,..ィ´::[]W孑WWﾒ､}＼:::::＼ 馬鹿なことを言わないで！
ヽ::::::::ヽ.|::ﾊ:|‐（◎):::::(◎）‐|:`v'::::ヽ
＼::::::::|:ヾi| ' .'ﾚ/::::::/ 声を立てて人を呼ぶわよ！
＼:::|∧:ヽ _ {:l:l:l:}_. ｲｲ/::::::/
＼:::::::::::へ_＞＜ｲ:/:::::; '
＼::::;:::::Lヽ／」;:::／
V::::::::::::::::::::::::〉
./:::::::::::::o:::::::::{
-
メ ,, -──- ､._＼ やる夫の言葉に嘘偽りはないお！
メ／ u ﾟ 。 ＼＼ 本当に両親の言葉が心に染みて悲しいんだお！
／ ／ ノ ヽ､ ＼＼
! | oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo | 何を隠そう、先月の二十日に、
＼＼ （__人__） ／く< 無断で作ったトーチャン名義の謀判で上銀二百目借りて、
ノ ﾒ/ ｀ ⌒´ ヽヽヾ 朝になるまで返さないと、一貫返さなきゃいけないんだお！
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ ノし
／:::/:::::::::::::::::::::::: ＼ て
./::::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､:::::＼ (
i:::::::::[]'W孑WWV∀7}]::「 なっ…！
|::ﾊ::::|―（ ）‐（ ）l/:::|
| ヾi :| ___ ' uハ::| やるオプーナさんは心配してたのに、とっくに謀判を作っていたの！？
|/}ハﾄ///、〔 〕 _.r「「!:N 謀判は引き回しの上に獄門よ！
.r/ ,ﾉ＞＜^l:Lノ^＼
.／`Vイ:::L:＼{:」:::＼o:::::ヽ
／::::::o_〉:::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::＼
./::::::::／::::::::::::::::::::::::::o:::::ﾉ＼::::::::::}
{:::::／:::;へ:::::::::::::::::::::::::::｛＼:::`:::::ﾉ
`ー'" ヽ、::::::::::::::::o:::＼｀￣´
-
／ u
. ／
/ ﾚﾍ..＿＿
. ′ ,xzzzzzz､
j
/ ミ===='| | 明日になったら、借金取りはトーチャンと兄ちゃんは言うまでもなく、
{ | | | 両町の町役人に報告するお！！
', ）
ｰ ﾍ- ' J 二百目は絶対返せない程の大金じゃないけど、
. ≧=z ＿ ,,.: 今のやる夫は勘当されて文無しだから、どうすることもできないし、
i 謀判で好き勝手にやったこともバレちまうお！！
|
| U
|
|
!
|
．．． ＿＿＿＿＿＿_ ．．．
／ ＼
／ ＼
：/ ヽ ． だからこの脇差で自害しようと覚悟したけれど、
．/ _j , i、 :. ： ちょうどその時に両親の会話を聞いたんだお。
．:′ ⊆⊇::::::::::: ⊆⊇ :,
： { .' ,'（___人___） ', '. } ： 二人の嘆きや心配してくれることを聞いたら、
ﾟ :、 ; ｉ /'⌒ヾ ｉ ; .:' ﾟ やる夫は借金を残して死ぬなんてできないお！
ヽ | ｜ 川 | | / そんなことをしたら、トーチャンが破滅するお！！
／ 丶、 ｌ | | | ／ ＼
/ / ｀７''ｰ′ --- ( ﾉＴ ´ ヽ
/ / / / Y | :,
-
＿＿＿＿＿＿＿＿
／＿＿ノノ ＼ヽ＿＿ ＼
／ ヽ＼
／..（_ （i!;;::!! ） （ (ii;:;:i!‐-) ＼
／ ( __)⌒（ j ）⌒ﾞ｀‐ ｀ﾉ ＼ やる夫は生きて二人に親孝行がしたいんだお！！
／. |.r /｀ｰ-‐'´｀｀ｰ‐'ヽ′ |T ＼
| .U /ノ￣￣￣￣￣＼ヽ || | ねらう代さん！
..|. / ヽ || | やる夫はどうすればいいんだお！！
|. ｜ ｜ || | やる夫を助けてくれお！！
｜ /｜ | || ｜
｜ | | | ∪ ｜ お金を貸してくれたら、黄泉の底まで御恩徳を忘れないお！！
｜ || ＼ / |
| || ＼⌒ヽ /⌒ / ｜
＼ || ＼ ヽ──＿ ／ ／
＼ ∪ ＼ ￣￣ ／ ／
｜＼ ＼＿ ／｜
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
Y:::::/:::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､::::ヽ
{:::::::::[]'Wﾄ-WW},:孑7},､l （目が真剣だわ……。まさか本当に……？
|::ﾊ::::|―（●)Ξ(●)|ハ|
| ヾi:::| u , .ハ｜ でも彼はあちこちに嘘をついて、お金を奪っていた……。）
レハT､,_ r_､ _. ｲlWｲ
, へ_＞＜ｲ､
}:::::::::::＼/:::|::|
-
＼
＼
,>､''´￣￣｀ ‐-､
／:::::::::::::::::::::::::ヽ::::::Y
／::::､::::_l,:::::,:::;､::::::,l:::::::‘.
丁:[|/ﾒ､_,W/孑l/Ｖ[]:::::::i ほんのちょっぴり心が揺れ動いたけど、
|:::r!（●）‐（●）―|:::ﾊ:::| やっぱり信じられないわ！
|::八 , |::ｉッ::|
|∧::ゝ､ 〔 〕 _,. ｲハ::Ｎ 絶対に貸せない！
「ﾆlﾕ_＞＜, へ、
_,} ﾕ:::ヽ／:」::::::::ヽ
ﾉ∧ノ､::::::::::::::::::､:::::::'、
.{:::::::o/::::::o::::::::::::{'､::::::'､
ー‐'｝::::::::::::::::::::::{ .〉:::::::〉
＿＿＿
i⌒ l ／ノ ｀ヽ＼
. __ | | ／(◯) （◯ ）＼
（ ＼ | |／ （__人__) ＼
＼ ＼ } | ｀⌒´ |
＼ ￣｀ | ／
. ﾉ ＼ー‐―'⌒ヽ ｰく
(￣￣￣ / ／ ヽ
￣￣￣) | ／ ‘，
. _／ ／ ‘，
. (＿／￣｀ー――‐一'
-
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼ …こんなに頼んでいるのに……。
.. ／（ ◯）（ ◯）＼ 男に名誉にかけて、神仏にも誓ったのに……。
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| （ （ | ねらう代さんはやる夫を信じてくれないのかお……。
＼ `ー' ／
._ -‐ - ､
, ´ ｀ 、
／ ＼
７ ｀､
/ ヽ
| ー‐-‐' `ー‐-─ !
| （ ー‐） '" （ ー‐ ） !
ヽ , ! / 分かったお……。
＼ ヽ＿人＿_,ノ｀ ／ これ以上は迷惑をかけられないお……。
|＼ ヽ ｀ ー ｲ.／}
く｀ヽ:::.＼ ＿ ／:::::::::く でもせめて、油を貸してくれお……。
_...::‐'´::＼＼::| /! h/::::::::::::::::::ゝ...､ ここにやる夫の油樽があるんだお……。
_...:::´:::::::::::::::::::::ヽi》|/ ﾄ､ j |:::::::::::::::::::::::::::::｀:::....､
,.イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼o| ／ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::...､
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼i／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::|
,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::|
j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::/:::::::|
/:::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|
,.'::::::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::ﾞi
-
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
／:::/:::::::::::::::::::::::: ＼
./::::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､:::::＼
i:::::::::[]'W∀WWV孑7}]:「
|::ﾊ::::|―（●）‐（●）l/::| いいわよ。
| ヾi :| , .ハ:|
|/}ハﾄ､,_ ｎ ｲ:/Ｎ お互い油商人だし、
,_へ_＞＜ｲ_ 商売上、貸し借りをしなくては生計が成り立たないわ。
／ﾉ:::::L:＼|:」::＼
/ ﾆつ::::::::::::::::::〉:::＼
／へ._ヲ:::::::::::::o::::{:::::::::::＼
, '／::::o::〉::::::::::__t-､::l:::＿､::::::ヽ
〈:::::::::::::; '-1::::::≧ `[:o::::::::::::::}
`ー''" ﾉ:::::::::￣￣::|￣￣￣´
＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿
＿）（＿）（＿）（＿）（＿）（＿）（＿）（＿）（
. （ ）（ ）（ ）（ ）（ ）（ ）（ ）（
∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿
-
｢L.、 く＞◎ ｎ
.//二 n ﾊ /厶__ Ｏ Ｏ Ｏ
└─┘ （八U八） └'^ｰ┘
_,,,､､ -ー ' ´
,. - ､
___,,,,､､ -{｡ ﾟ}--- ､､､､､,,,,,,,,,,________
__.,,,､､ -‐ ' ´ ｀:ー.´ ￣￣｀｀｀
ｒー ''''''¨¨´ _ ,, ､､ - - ﾟー ､､､,,,,,___
,､ ' ´ ｡ ￣｀¨'' ー ､､,,_
,､ ' ´ ﾟ __,,,,,,,,､､､､ﾟ ,,,,,__ ・ ｀'' ､
,､ '´ ,､ ﾟ ｡- '''¨´´￣ ﾟ ・ ・ ￣｀｀¨''' ｡ ､ ｀
,､ '´ ,,､､ -｡ﾟ ー r'ゝ､_,r'ヾゝ-'´!､ ー ､、ﾟ ¨｀ヽ ､
,､ '´ ,､ '´ ゞ'´ _,,,,､､､､､,,,,,_ ヾ・､ﾟ ｀ﾟヽ｡､ ｀ヽ､
'´ , '´ , ' ´｡ .rﾟ､ _r'´ ｀ヽ . ,ゝﾟ｡ ヽ ｀ヽ､ ヽ
, ' , '´ , ' ＼｀¨''｀¨'' ‐ ''¨´''''¨´/ ヽ ｀ヽ､ ヽ､
' ,i' ,i' ｀¨'' ー---─ '''¨´ ヽ 'i ヽ
{ { { } } }
'i, i, i, ﾉ ﾉ 丿
ヽ .ヽ ヽ､ , '´ , ' , '
｀ヽ､ ｀ヽ､ ｀''' ー- ､､,,,,,,,,,,,, ＿ ,,,,,,,､､ '´ ,､ '´ , '´
-
|
|
|
,-―- 、 ,-―- 、 ｜
/ /｀~~ヽヽ / /｀~~ヽヽ |
{ {..;;;;;; ﾉ | { {..;;;;;; ﾉ | |
. ヾ_`'''ﾞ",,,ﾉ . ヾ_`'''ﾞ",,,ﾉ ｝
￣ ￣ /
! /
j /´ | ゝ 丿
ゝ、____人_____ソ/／
_ ＿ ./ ／
＼ ｀￣ ,/／
` .､ ／
:ﾐ:ｰ.､._ ／｀`'''ｰ-､
---､
/
{ ,， ´￣￣｀ ‐-､
>'"::::::::::::::::::::::::::::::::Y
／::::､::::::::::::::::::::::::::::::::‘.
￣}孑[]:::::::::::::::::::::::::::::::::i やる夫君は私を憎らしいと思うでしょうけど、
（ )┤:ﾊ::::::::::::::::::::::::: | 私にも守りたい家族があるの。
「 |:::ﾚ:::::::::::::::::::::::::::|
ヽ´__|∧:::/}::∧::::i:::∧| 祝い事がすんだら、うちの主人とも相談して、
／::::Ｖ::}/:::::Ⅵ/､ 今後のことを考えて……、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
}:::::::::::}::::::::::::::::::/:::::::::ヽ
|:::::::::::{::::::::::::::::｛｀丶:::::::::､
/::::::::::/:::::::::::::::::::'､ ヽ::::::::',
-
─|─ ニﾆ
￣|￣ _ノ ツ
i
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :o : . : . : . : . : . : . : . : . : . ｌl : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
: . : .+ . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . l ! : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .O. : . : . : . : . : . : . : . : ＿ノ.乂__ : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . ￣￣￣ヽ. ,.'￣￣￣ : . : . : . : . : . : . : . :
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :oﾟ: . : . : . : .＋ . : . : . : . : l ! . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . ｌl . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
: . : . : . : . : . : . : . : . : , 。 |i 、. : !. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
: . : . : . : . : . : . : . : . :( ( J し ﾟ ) ) . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
: . : . : . : . : . : . : . : . : . 、 ': . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
｀ヽ
}
, -‐ ´￣ ｀'く
Y::::/::::::::::::::::::::::::＼
/:::::l,::::::j:;:::,:::::,l_::::､:::＼
.':::::[]'W孑WW∀}/[]::「 ！？
|::ﾊ:|‐（○）‐（○）‐|ﾊ:|
|:ヾi| u. , .'ﾚ::|
|∧:ヽ _ ｎ _. ｲ}ｲＮ
, へ_＞＜ｲ:ヽ
-
/Z -,
ヽ V７./ /7｢l_
} // // .レ' ﾛﾛ/7
, -＜￣￣￣｀丶ノ ¨ ¨ ,／
У:::::/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::l:::::､::::;:::::;::::::;}_:::ハ -=ミ
|:::::::::[]'ＷｦＷＷV∀7:::| ﾉﾉ 今、灯油に何か光るものが映った……！？
} ::ﾊ:::|―‐（○）-（○|:::::{ ／
,'::::ゞ!::| u. , ∧::|
ﾉ八ﾊハヽ､_ - .ノＶﾚ'
／へ_＞<〉､
./::::::::::::＼/:i::|
-
三三三三三三三三三三三三三三三／:::::::::::::::::::::::::... ..丶三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三／:::::::::::::::::::::::::::::::.... ...＼三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::.' ──-.. ＼三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三 .／:::::::::::::::::::__:::::::::::::::::::... ⌒__丶 ＼三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三/:::::::::::::::::::::::( ）:::::::::::::::::::.... .'::. ）.ヽ .ヽ三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三 ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... __ ..丿 ヽ三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::... ヽ .ヽ三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三 ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.._ ﾉ ヽ.___＿丿 丶三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... ..::ﾉ .｜三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三 .',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ../ .ﾉ三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.⌒ " .ﾉ三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三 ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... ....::::::../三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::........::::.／三三三三三三三三三三三
、
}
, -‐ ´￣｀ ､ノ
／:::/:::::::::::::::::::::::: ＼
./::::::::l,:::::､;:::,:::::,l_::::､:::::＼
i:::::::::[]'W孑WWV∀7}]:「
|::ﾊ::::|―(● ):::(● )|/::| や、やる夫君……？
| ヾi :| .u , .ハ::| どうしたの？
|/}ハﾄ､,_ r≦¨ヽl:/Ｎ
, へ＞￣L､ `>､ なぜそんな怖い顔をしてるの！？
／:::::::::/７７､:`く:o::ヽ、
／::::::::_r┴<//:::::::〉:､:::::::,
〈::::::''"::::ヽ￣,､つ::ｲ､:::::::::ﾘ
`ー--r''⌒´o::::::::{ `ー'’
ノ:::::::::::::::::::::::〉
-
＞ ＝ ― ．_
. ／ へ、
,ｲ ,. 、 , ､ ヽ
/:: : .::iﾞ ｡ ﾞ!. .iﾞ ｡ ﾞ!:. ﾍ ねらう代さん……、何をしてるんだお……。
,'::: : :从 ﾉ: :从 !:: : '､
. {::: : "ｰ＝ﾞ ｀‐'ﾞメ ::} 早く油を貸してくれお……。
. l:::: : .、. . . ..:;:. . .:, ::l
';:::: : ｀ｰ-‐'^.ｰ-=’ . ::l
. ヽ:::::: : . . . .､_ _, . . ::ノ
ヽ、::::::.......... .~¨¨~´ . . ...:;．イ
￣￣ ｀ ~ ~ ¨ ¨ '' '' ´
/⌒
{
ゝ ´￣￣｀ ‐-､
／:::::::::::::::::::::::::ヽ::::::Y
／::::､::::_l,:::::,:::;､::::::,l:::::::‘.
丁:[|,∀VWW孑l∧[]::::::::i
|:::r!（●):::::(●）―|:::ﾊ:::|
|::八 , u |::iッ:rく¨ヽ とぼけないで！
|∧::ゝ､ r‐ｭ _, ｲ/lｒ┴ l
.,ｲ_＞＜,.へ、 .ﾚ{ l､ さっき脇差を隠したでしょう！！
|::;Lヽ／:」::::::ヽ、乂 _ノ:',
/`くヽ .|〈::::::::::::::::::::::::::::ヽ､「:o:::::::',
. 〈 /^!`ヽ､__}:::';::::::::::::::::::::::;､::::::‘,::o:::::::',
`ヽ.._'7ノ::::::`::}::::o::::::::::::/ ヽ:::::'，::::::: l
`''＜:::::::::l::::::::::::::::::{ ＼:::::::::::ﾉ
￣.ﾉ:::::::::::::::::::ヽ ￣
-
／ ,'⌒ヽ , へ ヽ
／ 二二二二二二二 ｀ ＼ ￣￣ヽ
'. ／⌒`ヽ二二二二,⌒`ヽ ' ＿＿j＿.
ｉ ' ´⌒` '二二二二'´⌒`' '.
| 二二二i 二二二 i 二二 | ￣￣
! 二二 ヽ-<^ヽr'′二二. | ￣￣}..
. , 二二二二ヽノ二二二 , ／. やる夫はな〜んにも隠してないお。
ヽ 二二二二二二二. / /.
＼ 二二二二二二二 ／ ヽ
＞’ 二二二二二二二二 -＜ }
, ´ 二二二二二二二二二 ＼.
／ 二二二二二二二二二二 ヽ.
／ 二二二二二二二二二二二二 ＼.
. / 二二二二二二二二二二二二 ヽ..
/ 二二二二二二二二二二二二二 ヽ
/⌒
{ ＿__､
ヽ.／r-'r'〕 ￣ ｀' ､
,_/ '__,ｸ:::::::::::::::::::::＼
/o:`ﾒ,´l,::::::j:;:::,:::::,l_::::､::::ヽ
./:::::::::/:[i/孑WW∀}/[]:::::::::l
/:::::::::/i::::ﾄ(○）‐（○）ｰ|ﾊ::::::| ああ、気味が悪い！！
./:::::::::/､|::::| ' u 'ﾚ:::::;'
{::::::::::'::::ヽ､:ヽ _ 〔 〕 _. ｲ}ｲ/}/ 近づかないで！！
`''＜::::::::::::`ｰへ＞＜ｲ`ヽ、
`''＜＿:::::::L:|／」:::::::::丶、
〈::::::::::::::::＿::::::::::::丶､
}::r≦￣}}::o￣￣`::::)
ﾉ::ﾚ`´`ｰ^ｰ┬--- '’
／:::::::::o:::::::::::::::{
-
⌒ヽ
､_＿,，---ミ .}
ｱ:::::::::::::::::::`ﾒ
/:::::::::::::::::::::iｭ::V
./ｨ:::::::::::::::::::(/:ﾊ!
_.. -=ﾆ二二ﾆ≧＜ｲ/
_ -ﾆ二ニ=---/二二二二≧x
／ヽﾆ-￣ /二二二二二二心、
Lとﾉ ／二二二二ﾆ7⌒`'く 心 ひ、人を呼ばなきゃ…！！
／二二ニニニﾆ7 `くﾆｘ
{ﾆ7二ﾆ≧ｘニニ7 `く心
ｘ'ﾆ7 ∨二二二ﾆ`'く/ [__〕
ノﾆアﾍ、 ﾉ二二二ニニ/
んﾆｱ ､::::＼乂ﾆT7`ｰ-､/
ー'’ ヽ::::::＼ ./ /^
'､::::::::〉 /l
`''く / l
（（（ ／⌒＼
/ ＼
/ ＼ どこへ行くんだお……。
/ ＼ ＿＿＿
/ ／ ー ー＼ 何に怖がってるんだお……。
（（（ / 入 ／ （〇）::::::（〇）
/ / ヽ､ ／ （__人__） ＼
/ / | |r┬‐| |
───´ / ＼ ｀ー ´ /
（（（ と＿＿＿＿＿＿＿ノ ＼＿＿＿＿＿_／
-
｀ヽ
}
, -‐ ´￣｀'く
Y:::/::::::::::::::::::::::::＼
/:::::l,:::::j:;:::,:::::,l_::::､:::＼
.'::::〈ﾌW孑WW∀}ﾔ〉::「 誰か！！
|::ﾊ:|‐（○):::::(○）‐|ﾊ:'､
|:ヾi| , u 'ﾚ::::::＼ 誰か来てください！！
|∧:ヽ _u.〔 〕 _. ｲ}ｲＮへ「
, へ_＞＜ｲ:ヽ
./::::::::L＼/」::､|
/:::::､::::::::::::::::::::::〉
./::::::/',:::::::::::::o:::::{|
＿＿＿
／::::::::::::::::＼
／:::::─三三─＼
／:::::::::（○）三（○）.＼
／::::::.:::::::::: （__人__） :::::: ＼ うっせーお！！
|::::::::::::::::::::::::::｀::⌒´:::::::::::::::|
＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ 黙れ、女！！
／ ＼
/ , |
| | ／ ／
＼ ￣￣￣（二二|￣￣￣￣/
|｀ー―‐､,_,_,_,/ |〜〜〜ノ
-
.ｌ;;i′ / .!圭/ .ｲ、圭圭圭/ |圭/ ｨ幺才 ,イﾞ .,〃 ｨ幺才
.|/ ﾉ .ｌ圭! l圭圭圭ゝ !Ⅳ ,,ilｒ'" ,i'./ ,ｨ幺才 .,.
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_,, !ﾞ.,,.,i圭圭Ⅳ ＿ /ﾌ ,ｲﾚ ﾚ /ム―７ ,i'㌢ rｨ幺圭圭
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圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭_.-‐'' 二ﾆ ―ﾆﾆ｀-'”'"゛ .,_iiir=｀-''''"´
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.::::::::::::::::::::／:::::::::_:::::::::::::-‐::::::::￣:::::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::／::::ｘ≦:::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.`l／|:::: i::::::::::::／::／/::::::::ィ:::::／/:､:::::::::::::;:::::::::::::::::::::::',
..∧.... `'|／|::::::／}／ /:::::; ' /／ 癶／＼::／:::::::::::::::::::::::: l
.ニlﾆ∧ ヽ|／ .' ./ｲ::/＼､ .ィヾ/／/::::::::::::::::::::∧:::l
'ニニlニﾆl...〉 ヽ .i u .l/ ＼､ “´ .／:::::::::::::::::::::/ ',::l あっ…！ぐっ……！！
ニニ7ニ.∧. >. l ＼､〃¨ﾌ:::::::::::::::::::; ' ';l
ニﾆ7.ニニ l ;;,. ㌦ ' ヽ `“¨」:::::::::／}／ 'l の、喉がぁぁ……！！
ニ.7.ニニﾆ.lﾞ ㌦,;絲㍊ ' ､_ ,，イ::::::::::／
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≦二=-j_ o - ﾟ -⌒ ⊂=====⊃ ﾗｭ,_ _
― ´' －---ﾟ__－oﾆ-=＝ﾆニ´
￣ ￣ ― ￣
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｀ヽ
}
, -‐ ´￣ ｀'く
Y::::/::::::::::::::::::::::::＼ だ、黙っているから、やめて……！
/:::::l,::::::j:;:::,:::::,l_::::､:::＼
.':::::[]W孑WWﾒ､_}/[]:::「 私が死んだら幼い子供達を守れない……！！
|::ﾊ:|‐（＠）‐（＠）‐|ﾊ:| 可哀そう……！！
|:ヾi| i「 , ~ﾟ｡.'ﾚ::|
|∧:ヽ _ r￢ _. ｲ}ｲＮ
, へ_ ;.;.;. ｲ:ヽ
;;鑾㍊;;.
'滯㌢'
”
/⌒
{
＿＞''´￣￣｀ ‐-､
＞:::::::::::::::::::::::::ヽ:::::`:､
／::[ﾚ孑}∧ﾒ､_lVWlﾊ:::::::':、
7::::i(≧）-（≦)──l/:::::::i いやっ！！
/::::r!｡~ ｀_ ~ ﾟ ｡ /:r1::::l 死にたくない……！！
./イ:八 { } /:::V::::::l
|∧lゝ､ ー ' _,/イ/}:∧l お金は持って行ってもいいから、助けて！
.,ｲ_＞＜,.へ、 お願い……！！
// ;;㍊;;. r<ヽ､
./:「 ;戮駭;. :Lr }',
/::::l::::“'㌢'::::::「￣|:::}
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒三三⌒ ＼
／ （○）三（○） ＼ 死にたくないのはもっともなことだお。
| （__人__） |
＼ ` ⌒ ´ ／ でも、ねらう代さんが子供が可愛いように、
｜ ｜ やる夫も可愛がってくれるトーチャンが愛しいんだお！
｜| / ｜
｜| ﾄ｜｜
＜三三三三三三| |(＿）
ヽ ｜／ ﾚ
>__ノ;:::......
-―――- 、
＼
／ ヽ
／
/ ｌ|ｊ
/ ｊ/
/ ヾｊ ｲ ,ｲｊ 金を払って、男としての面目を立てる為には、
i! ,ｲ!/ｲ /ﾊ ,,ィソ＞＝=ュ こうするしかないお！
i' ＿＿,,ノ'' // ヾ､_彡'' o
i| ,=＝－､ ﾒ,､ 諦めて死んでくれお！！
l| ィ´ o ,, ミ≧=＝彡ﾍ
l { ｲ/! ｀ヾ､
i| 彡'/ }ｊ
{ ｨヾ､＿_,,ｨ彡'
丶 ｀ヾ=＝ｲ´￣￣｀ヽ
＼ {
｀ー--
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒三 ⌒ ＼
／ （○） 三（○） ＼ 声を出せば、人に聞かれるお。
| ::::⌒（__人__）⌒::::: |
＼ |ｒ┬-| ／ 心の中でお念仏を、南無阿弥陀、南無阿弥陀仏……。
／ `ー'" .ﾄ ＿ ＼
＜三三三三三三| |（＿＿＿）
|＼ ￣￣ ﾚ／
| ￣￣￣
,,..､._,ii､ -,,..-'';,i' |;;;;;;;;;;;;;.;v―ｰi;;,,v-ｰ'" ,,-- 、
ヽ./ ｀ﾞヽ,;;;;__ゝ,, ..,,lﾞ;;;;;;;;;;./ _,,iiiﾆｿ一'" : ii、
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