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創発シェアワスレクロス企画(仮)

281名無しさん@避難中:2012/08/16(木) 01:58:31 ID:KBsK8x.M0

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 ついつい声をかけてしまったが、相手は金髪に金瞳、かなり高確率で外国人ではないかという予測に鈴絵は至っていた。
 だとしたら日本語が通じていないかもしれない。そう思い、とりあえず言葉をかけてみる。
このまま言葉をかけ続けていれば、言葉が通じないならば通じないなりに何らかの反応がそのうち返ってくるだろうと思ったのだ。
 金髪の女は、鈴絵に向けて笑みを浮かべた。
「いや、そういう用事でこの場にいるわけではないのだ」
 日本語は通じていたようだ。そのことに鈴絵がホッとしていると、金髪の女の方が鈴絵へと近付いた。
 そのまますれ違う。
 その時女の顔が鈴絵に近付き、においをかぐ音が耳に聞こえた。
「うむ、血も魔素も感じんの。これ程近付いても無反応となれば、おそらくは問答無用の敵意もなかろう」
「え?」
 聞こえてきた言葉に疑問の声を上げる。
 女は喉の奥を鳴らすように笑いながら、本殿へ歩いて行く。その動きを目で追っていると、女は名乗りをあげた。
「我はな、キッコという。正体は――」
 そう言う女の腰のあたりに見慣れないものがあった。
 金色の毛に包まれた尻尾だ。
「え?」
 騙し絵のように唐突に現れたアクセサリーに鈴絵が驚きの声を上げると、キッコと名乗った女は鈴絵へと振り向いた。
 その頭部には髪と同じ、金毛の耳が生えていた。
 先端の毛だけ白いそれを見ていまいちコメントできずに硬直している鈴絵を見て、キッコは楽しそうに喉を鳴らした。
 喉がクッ、と鳴るのに合わせるように、彼女の全身から淡い光が散った。
 次の瞬間には女の姿は消え、彼女がいた位置には巨大な狐がいた。
 立っている状態で顔の位置が鈴絵より少し上にある程の大きさの狐だ。
自分が知っている狐のカテゴリーから外れている大きさの狐を見て、鈴絵の頭の中に空白が生まれた。


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