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レス代行はここでおk その3

1名無しさん@避難中:2011/02/10(木) 00:29:06 ID:ZITdcemQ0
レス代行を依頼したい方はこちらへ

☆依頼時の注意
 1、どこのスレへ依頼したいのかを忘れずに書こう。
 2、依頼文中のどの部分をコピペして欲しいのをかわかりやすく書こう。
 3、トリップ付き作品の代行依頼時は、規制されている旨を該当スレ住人に説明する文も添付するといいかも。
   こっちでもトリップは共通なので生存報告も出来ます。

☆代行時の注意
 1、依頼レス内容の改変はやめよう。明らかな誤字脱字・用法ミスがあっても、勝手に変えてはいけないよ。
   ただし、ここで指摘して修整してもらうのはアリだ。
 2、依頼文をよく読んで、くれぐれも誤爆することなく代行を完遂しよう。
 3、代行被りを防ぐ為にも、行ってくる前と後に一言レスをつけよう。
 4、コピペしてそれが代行だとわかりにくいかもしれない場合は、名前欄かレスの後などにその旨を説明しよう。
 5、依頼されたもの全てを代行しなければならない訳ではないよ。
   スレにそぐわない意味不明なレスや明らかな煽り等は、各自の責任と判断でスルーしよう。
   荒らしを代行する奴も荒らしだ!

☆新・あると便利なテンプレート〜
【依頼に関してのコメントなど】
【スレ名】
【URL】
【名前欄】
【メール欄】
【本文】↓

--------
このスレでは一応スレ立て代行も受け付けます
もちろん↓へのレス代行でもおk
●○●○● スレ立て依頼所2 ●○●○●
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1280990767/

16「 グレートサラマンダーZ 」:2011/03/01(火) 00:14:29 ID:pBXUBevI0

「グレートサラマンダーZ。……グレサラ様。グレマン様。サラマン様。こんなところかしら」
「わたしグレマン様がいい」
「いや民ちゃんに聞いてないから。太郎ちゃんはどれがいい?」
「……どれがって、どういうこと?」
「グレートサラマンダーって、いちいち長ったらしいからね。呼びやすいように愛称決めておいたほう
楽でしょ。別にオロチ様でもいいならいいけど」
「……だったら、僕もグレマン様でいいよ」
「了解。じゃあグレマン様っていうことでよろしく」

 春の息吹を感じる枯野をテンとツギが先導し、馬に乗ったチィミコが後に続く。
うぱ太郎は離れ過ぎないようにアクセルワークに気をつけながら追走していく。
 時折チィミコは振り返り、グレートサラマンダーZが無事に付いてきているか確認する。
その度に、意中の物を手に家路を急ぐ趣味人のように、チィミコはにまにまと頬を緩ませていた。

「うぱ太郎はグレマン様に乗って世界中を旅をしていた。その道中、家を追い出されたうぱ華子たちと出会う。
どこか静かに暮らせるところで降ろしてと願ううぱ華子たち。わかったとうぱ太郎は快く承諾した。
しかし思わぬ事態に遭遇する。突然の嵐がグレマン様を襲い、傷つき見知らぬ場所へ吹き飛ばされてしまったのだ。
 ごめんとうぱ太郎はうぱ華子たちに謝罪する。しかしうぱ華子たちはうぱ太郎を責めもせず大丈夫、
ここで暮らせるからと笑って見せた。しばし悔いていたうぱ太郎だがすぐに前へ進もうと意を固める。
小さな村の巫女にお世話になりながらグレマン様の傷の手当てを行い、旅を続けるべく準備をはじめた。
そして……。

……完璧だわ」

 モニターに映るチィミコたちの姿を気にもせず、うぱ華子はうぱ太郎たちを相手に熱弁を振るう。

「よくもまぁぽんぽんぽんぽん口から出まかせ出せるもんだね」
モニターを見ながら皮肉混じりにうぱ太郎は言い放つ。
「出まかせとは失礼ね。もし太郎ちゃんが元の時代に戻ることになっても不自然ならないように考えたつもりよ。
それに西暦とか和暦とかの年号どころか未来さえ通じない時代の人にあたしたちのこときちんと説明したって
わかるわけないじゃない。それとも太郎ちゃん何かいい考えある?」
「それは……。ないけど……」
しかし、いとも簡単にうぱ華子に言いくるまれる。

「それで最終的にあたしたち姿晒さないとダメなんだけど、人がいっぱいいるとこでいきなりあたしたち
出ても収拾つかなくなるのは目に見えてるから、最初はあの女の子の前だけにしましょう。
か弱い存在だけどいろんなことを知ってるって思い知らせればもうこっちのものよ。チィミコちゃんだっけ?
自分で偉いって言うほどだから彼女を取り込めば後は貰ったようなものね」
「……そんなにうまく事が進むかな?」
「大丈夫でしょ。オロチ様でもう神様扱いだからあたしたちもそれに便乗すればいいだけのことよ」
懐疑的なうぱ太郎に対し、自らの案を疑いもせずうぱ華子は余裕の表情で答えた。

「太郎ちゃん、ここって何年前?江戸時代?」
会話が途切れると同時にうぱ民子がうぱ太郎に尋ねた。
「江戸時代って……」
「だってわたし昔のことよくわからないもん」

17「 グレートサラマンダーZ 」:2011/03/01(火) 00:15:36 ID:pBXUBevI0

「僕もあまり詳しくないけど、……紀元前の世界だと思う」
「紀元前?」
ぴんと来なかったのかうぱ民子はうぱ太郎に聞き返す。
「大雑把に言えば2000年以上前の時代ってことね」
「……うん」
すぐにうぱ華子のフォローが入り、モニターを見つめたままうぱ太郎がうなずく。

「どうしてそう思うの?」
「マンガ読んだだけのいい加減な知識で申し訳ないんだけど、中国の紀元前の人で始皇帝って
人がいて、それでそのマンガではその時代もう馬もいたし剣もあって立派な服も着てるんだ。
それに比べてここの人は馬は知らないしみすぼらしいし格好だし石斧というか石器使ってるくらい
だから古代っていうか原始時代じゃないかなって思ってる」

 年号や未来という概念が通用しない時代。
正確な年代を確かめる術などどこにもあるはずがなかった。
 
「ふーん。そういえば中国4000年の歴史って聞いたことあるなー」
「……うん。そのぐらい昔かもっと前かもしれない」
うぱ民子の返事にうなずく。
 古代、原始時代と口にした。
しかし紀元前の世界と予想しただけで、それが何千年何万年前の時代なのか具体的な年代はうぱ太郎も
まったく見当がついていなかった。
「……太郎ちゃん。あまり詳しく知らないけどワームホールって時空と時空とか、次元と次元を
結ぶトンネルみたいなものなの。だからその出口っていうか入り口見つければ元の時代に戻れると思う」
「は?」

 唐突にうぱ倫子が話し始める。

――ワームホール? さっき言いかけたこと?

 突然話をふられうぱ太郎とうぱ民子は無言になる。

 しかしコックピットに訪れかけた静寂はうぱ華子のひと言で打破される。

「……絵空事ね」

――!?

「ワームホール入り口って親切丁寧に看板が出ていればいいけどね。でも当然看板なんて出てるわけ
ないしそういうスポットがあるかどうかも定かじゃない。下手すれば死ぬまで幻を追いかけてそれで
終わってしまうかもしれないのよ。……ワームホールの入り口を探すなんて雲をつかむより難しい話よ」
「…………でも」

「うん、倫ちゃん、ありがとう。なんとなくワームホールって分かった。でもいまはチィミコちゃん
の村に行って居場所を確保しようと思う。明日にでも僕たちが最初に気がついた場所に行ってみるよ。
もしかしたらなんか帰れるヒントがあるかもしれないし」

 努めて明るくうぱ太郎はうぱ倫子に語りかけた。
うぱ倫子が元の時代に戻りたいのかどうかは判らない。それでも先刻の自分を見ているかのように
うぱ倫子の気持ちは理解できた。そして過去の体験からか極度に現実を直視するうぱ華子の姿勢も
否定は出来なかった。

18「 グレートサラマンダーZ 」:2011/03/01(火) 00:16:42 ID:pBXUBevI0

「あたしもそれに賛成ね。時間はあるし焦る必要はないわ。居場所キープできれば余裕持って動けるしね。
ところで太郎ちゃん、このロボット延々と動いてるけど燃料補給はしなくていいの?何で動いてるわけ?」
うぱ太郎の提案に賛同し、うぱ華子は話を進めていく。
うぱ倫子も懐疑や苦渋の色は見せず何事もなかったように静かになった。

「えーと、恒久回転モーターとか言ってた。なんか一度回り始めたら半永久的に回り続けるんだって。
それでそれだけだと力が足りないんで補助モーター付けてパワーを引き出してるみたい。補助モーター
2基ついててそのうちの片方が壊れて切り離しになってるけど、いまのところそんなに影響はないよ。
自給自足って言うか常時モーター回ってるんでそれでバッテリー充電してまたモーター回すって感じ」
うぱ松から聞いた話を思い出し、あやふやながらもうぱ太郎は質問に答える。

「……つくづく太郎ちゃんのとこのボスは凄いわね。恒久回転なんてノーベル賞ものよ」
「そうなの? なんかオリハルコンとかオリアキコンとか怪しい金属使ってるみたいだけど」
「幻の金属って訳ね……。吹っ飛んだはずみで不思議パワーが炸裂して、結果タイムスリップ発動かしら?」
頬に手をあてうぱ華子は考え込む。つられてかうぱ倫子とうぱ民子も難しい顔になった。

「……うん。暴走させたつもりはないけど結果こうなってしまった訳だし。……ごめん、僕が悪いんだ」

 タイムスリップという予期せぬ事態に巻き込んでしまったという事実。
その心苦しさからうぱ太郎はモニターを見ながらも小さな声で、されど確かな声で謝った。

 どうしてこうなってしまったのか。
誰かのせいにして糾弾すれば楽になれるのだろうか。

 口にする者は誰もいない。

 ふたつの時代の狭間で、沈黙が切なく流れ続けた。
そして静かにうぱ華子が話し始める。

「……別に太郎ちゃんを責めるつもりはないわよ。逆にグレマン様と一緒に全員あの世行きが
確定だったのにご老人の魔の手から逃れてみんな無事に生きてるんだから太郎ちゃんは
ミッションクリアでいいんじゃない? ……後はこれからどうするかだけよ、何も問題はないわ」

「……華ちゃんは切り替えが早いっていうか逞しいよね。全然動じていないみたいだし」
モニターから目を離すつもりはなかった。しかし振り返る勇気もなかった。
運命共同体の慰みあいに過ぎなかった。それでもうぱ華子のひと言がうぱ太郎の心を救った。

「単に諦めるのが早いだけで別に逞しくなんかないわ。それにチィミコちゃんの村の乗っ取り失敗したと
しても適当な沼でも見つけてそこでミミズとかメダカでも食べて暮らせばいいだけのことよ。難しく
考える必要はないわ。ということでこの話はおしまいね」

「……うん、ありがとう」

 少しだけうぱ太郎に笑みが戻る。
そして気を取り直し、先に進むべくすぐに話を続けた。

19「 グレートサラマンダーZ 」:2011/03/01(火) 00:18:14 ID:pBXUBevI0

「それで話し変わるんだけど、グレマン様乗っていきなりチィミコちゃんの村に行ったらまたさっき
みたいにオロチオロチって大騒ぎになると思うんだ。だから一旦間をおいて誰かに説明して貰ってから
村に入ったほうがいいと思ってて、それをチィミコちゃんにお願いしようと思ってるんだけど」
「そうね。無意味な衝突は避けたいからそれで行きましょう」
「あと余計な心配かもしれないけどタイムパドラックスとかってあるよね?」
「確か過去を改ざんして矛盾が生じたらどうなるのかって感じのやつね」
「うん。そういうの気にするレベルじゃないほどの大昔だとは思うけど念のため対策は必要かなと」
「何千年単位の昔の時代だしあまり深刻に考える必要はないんじゃないかしら。むやみやたらと未来の
ことを話したり通じない言葉をいちいち無駄に説明したりしなければそれでいいと思うけどね。
ただこのロボットに乗ってるときは極力争いごとに関わらないほうがいいわ。その気はなくても
純粋に人を傷つけることになるから」
「うん、そうだね。気をつける」

 うぱ太郎、うぱ華子とで会話が連なる。
うぱ民子うぱ倫子は話に加わろうともせずぼんやりと視聴覚モニターを眺めている。
「倫ちゃん、民ちゃん聞いてる?」
ひと段落着いたところでうぱ華子はそ知らぬ顔のうぱ民子たちに話を聞いているか確認した。

「聞いてるよー。わたしたちは未来という名前の国から来た旅人で、グレマン様が壊れちゃってここに
不時着して、グレマン様直ったら未来という名前の国に帰るつもりで、難しい言葉はあまり使わないで
余計なことはあまり喋らないようにってことでしょ?」
心外そうなそぶりも見せずうぱ民子はうぱ華子の呼びかけに答えた。

「まぁ大体そんなところね。倫ちゃんは?」
「……大丈夫。……地動説唱えたりはしない」
「……地動説って」
理解を得た言い回しではあるが、意表をつくうぱ倫子の返事にうぱ華子は苦笑いを浮かべる。
そしてコックピットのメンバーに更に理解を促すよう話を続けた。
「文化や文明に関してはノータッチでお願いね。聞かれてもなるべく適当にお茶を濁して。
それと生活習慣は村のルールに従いましょう。あと太郎ちゃん、村の人にも敬語禁止ね。チィミコちゃんの
口ぶりからすればたぶん敬語なんて使ってないわ」
「うん、そうする」

 電柱も高圧線の鉄塔もない山々。道なき道を馬を連れて走る男たち、馬を駆る少女。
視聴覚モニターにはほんの数時間前には考えられなかった異質な太古の光景が映されている。
その一方で現代という時間軸に取り残されたコックピットの中、うぱ華子を中心に対応策がまとまっていく。

「基本方針はこんなとこかしら。あとは村にあたしたちを食おうとする馬鹿がいないことを願うわ」
「うん。……あと、ひとつだけいいかな?」
ナビの時計を見ながらうぱ太郎がうぱ華子に問いかけた。

「何かしら?」
「さっき僕たちの姿晒すって言ってたけど、どのタイミングでコックピットから出る?」
「そうね、村に行ってチィミコちゃんと二人きりの状態で出るのが望ましいからそういう状況を
作り出せるか探りいれてくれないかしら」
「了解。……じゃあこれからチィミコちゃんに声かけてみるよ」

――ちょっと緊張するな。……詐欺師になった気分だ。

 チィミコの村に移動を始めて20分ほど経過していた。
 深呼吸をひとつ。
そして意を決めてうぱ太郎は前を走るチィミコに向けて大きく叫んだ。

20「 グレートサラマンダーZ 」:2011/03/01(火) 00:19:15 ID:pBXUBevI0

「あのーっ、チィミコちゃん。ちょっといいかな?」

 グレートサラマンダーZを通し山間にうぱ太郎の声が響いた。
どうどうとなだめる声とともに勢いを落としながら2頭の馬が止まる。
呼びかけられたチィミコはすぐに馬から降りる。

「オロチ様、もう話していいのか?」
嬉々とし、チィミコはグレートサラマンダーZの前に駆け寄りしゃがみこんだ。
「えぇ、どうも。……それで、あと村までどのくらいかな?」
相変わらずの顔の近さに苦笑いしながらうぱ太郎は村への距離を聞く。

「もうすぐだ。オロチ様見えるかな、あの山のふもとだ」
そう言ってチィミコは後方の山を指差す。近いとは言えないが途方に暮れるほどの距離でもない。
「あ、うん、わかった。そんな遠くなさそうだね。……それでちょっとお願いがあるんだ」
「何だろう?」

 うぱ華子との会話を頭の中で整理しながらうぱ太郎は話し出す。

「チィミコちゃんの村に呼んでくれたのはすごく嬉しいし助かるんだけど、あの、さっきのことも
あるしいきなり僕が行ったら村の人たち驚いて怖がると思うんだ。それで出来れば誰か先に行って
僕のこと話しておいて貰いたいんだ、怖くないよって。
 それと僕、大山椒魚なんだけどオロチじゃなくてグレマンって名前なんだ。だからこれからは
オロチ様じゃなくてグレマン様って呼んでほしくて」
うぱ太郎の声にチィミコはしゃがんだまま両手で顔を覆い考え込む。そして理解したのか
軽く両手を叩いて答えた。

「わかった。オロチ様でもオーサンショーウオでもなくてグレマン様な。
あとグレマン様のことはテンとツギを先に行かせて村の者に話してもらうよ。それでいいか?」
「うん、それでお願いしたいな」

 うぱ太郎の返事とともにチィミコは立ち上がった。そして振り向きテンとツギに声をかける。
「ということでテン、ツギ。お前たち先に帰ってグレマン様のこと村の衆に話しておいてくれないか?」

「……あぁ。……だけどチィミコちゃん、俺はうまく伝えられないかもしれないぞ?」
チィミコの指示に荷馬の手綱を持ったテンが答えた。
しかし不満や不安があるのか返事は今ひとつ煮え切らない。

「大丈夫。タカオにお米横取りされそうになったところを助けてもらったって言えばみんなわかって
くれるさ。これは間違いのないことだ。それにグレマン様はオロチじゃない。怖くないよ」
屈託のない笑顔でチィミコはテンを諭す。しかしテンとツギの表情はまだ硬いままだった。
「わかった。よし、村までもう少しだ、急ぐぞツギ」
「……あぁ」
特に反論もせずチィミコに背を向け、テンはツギを従えてすぐに発とうとした。

「あのっ!」
「「!?」」

 荷馬とともに駆け出そうとした2人にグレートサラマンダーZから声がかかる。
足を止め、手綱を引いたままゆっくりとテンとツギは振り返った。

21「 グレートサラマンダーZ 」:2011/03/01(火) 00:20:12 ID:pBXUBevI0

「テン、ツギ。あの、さっきはすいませんでした。僕もみんなと争う気はなかったんだ。でもいきなり
石斧で殴られそうになってつい立ち上がったけど、いつもはおとなしいから怖くないから大丈夫です」

 スムーズに村に受け入れてもらおうとうぱ太郎はテンとツギに怖くないとアピールする。
しかし呼び捨てに慣れてないせいかその口調はぎこちない。
 相容れないものがあるのかうぱ太郎の声にテンとツギは振り返っただけでその場から動こうとはしなかった。
グレートサラマンダーZに呼び止められたテンの口が開く。

「……こっちこそすまなかった。村の衆にはちゃんと話すからどうか村に寄ってくれ。先に行ってる」
照れ隠しなのかテンの口元に少しだけ微笑が浮かぶ。うつむき加減のツギはグレートサラマンダーZと
目を合わせようともしなかった。
そしてうぱ太郎の返事を待つこともなく2人はすぐさま振り返り荷馬とともに駆け出した。

 走り去る馬の後姿を見送りながらうぱ太郎は改めて頭の中を整理し始める。
残されたチィミコは馬を撫でながらグレートサラマンダーZの様子を伺っていた。

「……チィミコちゃん、ちょっといいかな?」
「何だ?」
まるで恋人の声を待っていたかのようにチィミコの表情が明るくなる。
「チィミコちゃんの村に行ったらちょっと大切なこと話さないとダメなんだ。それでチィミコちゃんと
2人きりで話したいんだけどそういうところはあるかな?」
「私1人で住んでるけど、私の家の中でいいか?」
躊躇いもせずチィミコはうぱ太郎の質問に答えた。

「……うん。……ごめん」
あまりにも真っ直ぐな純朴さにあてられ、うぱ太郎は思わず謝罪の言葉を口にする。
「大切なことって何かな。なんかドキドキするな。いま誰もいないけどここじゃ話せないことなのか?」
「……うん。出来れば落ち着いて話したくて」
騙しているつもりはなかった。
しかし罪の意識をあらわすかのようにうぱ太郎の胸の鼓動は早まっていた。

「わかった、話は家に帰ってから聞こう。じゃあ私たちもそろそろ行こうか?」
「……うん」

 よいしょとひと声かけ、しかし苦もせず馬の背にまたがりチィミコは手綱をさばく。
散歩でもするかのようなゆったりとした脚でチィミコの馬が歩み始めた。

――とりあえず第一段階突破……。

 僅かに心苦しさを覚えながらも順調に話が進みうぱ太郎は胸をなでおろした。
そしてアクセルをゆっくりと踏み込み、チィミコの馬の隣を歩いた。

22名無しさん@避難中:2011/03/01(火) 00:20:51 ID:pBXUBevI0
今日はここまで。


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