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みんなで世界を作るスレin避難所2つめ
809
:
白狐と青年「反撃」
◆mGG62PYCNk
:2012/02/24(金) 00:12:25 ID:L2kf6et60
●
通信の切れた魔装の画面から目を離して、渡辺は研究所の食堂に集った職員たちを見回した。
「この街を守るため、力を貸して欲しい」
小さく心強い返答が職員たちから返ってくる。それらの返答に礼を返して、
渡辺は同室に集っている武装隊達に目をやった。その表情に力を見て、渡辺は肺腑に空気を入れた。
力強く声を放つ。
「守るぞ、それこそが――」
それが渡辺達なりの、この研究区を頼らざるを得なかった異形たちに対する贖罪であり、
「我々の義務だ!」
●
異形たちは下された命令をひたすらに守って行動していた。
命令の内容は単純明快で、ひたすらに人の気配のする場所を破壊せよというものだ。
その命令は、元は人間だった彼等に植え付けられ、彼等の中から人としての自我を消し去った
異形の体がもつ本能的な破壊衝動との相性もよく、ほとんど思考を挟む必要がない。結果として、
知性というものがほとんど失われかけた彼等であっても現在の状態まで行政区を持って行くことに成功していた。
行政区の各所から現れた異形の一群は、徐々にその破壊の位置を南の方向へと移していた。
そこに人間が多くいると分かったからだ。
異形たちの視界に現れる人間は、逃げる者も、抵抗しようとする者達も、皆南の方向へと集まって行く。
だから彼等はそれを追い、やがて急造された防御のための構造物に遭遇した。
異形の進行方向、人の気配がより多い場所へと向かう途上に築かれていたのは資材や土嚢を積み重ねて即席で作られたバリケードだった。
バリケードの前方には銃を構えた武装隊十数名が並んでいる。
異形の姿を見た彼等はそれぞれに手にしていた銃器の狙いをつけて来る。
その動作に対して、異形たちは迷う事なく突撃を敢行した。
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