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みんなで世界を作るスレin避難所2つめ

696 ◆SU1jujxKjE:2011/11/28(月) 02:54:06 ID:jZpLCyzU0
「ところでずっと前から聞きたいって思ってたんですが、シオンさんはなんでお医者さんになろうと思ったんですか?」
「私が14歳の時、つまり10年前にある人に救われてね。当時未熟だった私は身の程を知らずに敵に挑み、大けがを負ったところを助けてもらったんだ」
「それが…あのケビンさんっていう方ですか?」
「いや、通りすがりのお医者様さ。名前を聞いても教えてはくれなかったが、全身黒ずくめだったのは覚えているよ」

その医者に命を救ってもらったことでシオンは医術に憧れを抱き、告死天使の修行の傍ら猛勉強し、聖ヘスティア学園に入学、ここでもさらに猛勉強し
首席で卒業後、閉鎖都市中央部に学舎を構えるアシュヴィン医科大学へ進学。4年にわたり外科・内科医療を勉強したのち医師免許を取得。そして、自分が生まれ育った閉鎖都市で改装して間もないある診療所が医者を募集していたため、シオンはそれに応募しなんと履歴書を見せただけで即採用が決まった。
それから一年後、その診療所の所長が老齢を理由に引退、シオンに院長の座を譲ることになり、診療所の名前をエスタルク医院に改め今に至る。

「すごいじゃないですか!超が付くほどのエリートですよね。尊敬しちゃいます」
「そうでもないさ。人間努力すれば何にだってなれるものさ。モニカさんはまだ10代。君にも夢はあるだろう。それが本気なら必ず叶うものさ」
「夢…ですか。クラウスさんやセフィリアさんたちには夢はあるんですか?」

モニカの唐突な切り返しに顔を見合わせるクラウスとセフィリア。しかし、次の瞬間には頷きあってモニカに答えた。

「殺された父さんの仇を討って、父さんの跡をついで酒場を二人で切り盛りすることかな」

しれっと答えたクラウス。その父を殺したのがモニカが憧れるゲオルグだと知った時彼女はどんな顔をするのだろうか。
このまま話が暗い方向へと転がっていくのを防ぐため、ジェネシスが話題を切り替えた。

「そういえばモニカさん、学校での生活はいかがでしょうか?私はずっと父に教えてもらってきていましたので学校生活というものを知らないのです」
「うん、まあまあだよ。友達と一緒に生活して、くだらないジョークで笑いあったり、学食のおかず取り替えっこしたり、毎日が楽しいな」

そしてモニカが語り終えた時、食堂に現れたものがあった。シュヴァルツである。

「仕事帰りに孤児院の前を通りかかったので寄ってみたんですよ。霧香さん、お隣よろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞご遠慮なく」

失礼しますと一声かけて腰を下ろすシュヴァルツ。そして皆の顔を一様に見回した後何かに気づいた様子で、モニカに声を掛けた。

「モニカさん、最近何かありました?そう例えば、この孤児院の兄弟たちと喧嘩をしたとか」
「何でそう思うんですか?」

シュヴァルツの言葉にモニカは訝しげな表情で彼に切り返す。確かに先日モニカはドラギーチとゲオルグを巡って口論になり、ドラギーチに手を挙げるという
一悶着があったが、まだそれは誰にも話していない。もっともドラギーチがシュヴァルツに話したというのであれば別だが、モニカはシュヴァルツが
このような意地の悪いカマをかけてくるような人物ではないと知っていた。故にこれは考えられない。つまるところシュヴァルツはただ単にモニカの微表情を見抜き、その原因を探ろうと心を読んだだけなのだが、自分が超能力者であることは
孤児院には伏せておきたい秘密だったためこう切り返した。

「私は仕事柄人の些細な表情の変化を見抜く術に長けているんですよ。モニカさんがどこか浮かない顔をしていると思ったものですから。
私の取り越し苦労であればいいのですが、もし何かあったのなら相談に乗りますよ」

その言葉にモニカは一瞬躊躇するが、イレアナに一言、お兄ちゃんには言わないでと前置きしたのち、先日のドラギーチとの口論の顛末を話した。


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