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虐厨いじめスレ
29
:
虐厨と おに いさん 2/2 首おいてけ濠
◆lf6fy6y3ZM
:2016/09/03(土) 04:25:32 ID:SZp6aJQI0
「・・・・・・そうか」
鬼から話を聞いた神主は、傷ついたれいむの手当てをすると
縛られて床に転がされている虐厨に目を向けた
「お前さんは警察に引き渡す・・・まぁ、初犯なら執行猶予はつくだろう、初犯なら、な」
虐厨はしかし、神主に下卑た笑みを向けた
「へ・・・へへ、いいのか? オレはあの、虐待会の一人だぜ?」
「そんな事は分っとる、会員証がお前のポケットから落ちたからな」
「だったら、とっとと解放し・・・」
「それはできん、お前は法を破り ゆっくりたちを傷つけた、これは立派な犯罪だ」
「うるせええええええええ!!!オレが法律だ!!オレのストレス発散の邪魔したお前らこそ愛護だ!!」
神主と鬼は顔を見合わせ、かぶりを振った・・・話が全く通じない
一応、日本語は使える相手ではあるが、意思の疎通ができないのだ
これまでも密猟者と対峙した事はあったが、ここまで話が通じない相手は初めてだった
そこへ
「こんにちは、警察です」「はい、ただいま」
神主は通報を受けて駆け付けた警察官2人を中に招き入れる
鬼の事をすでに知っているのか、二人とも鬼を見ても驚かない
それどころか、会釈し合っている
「ん〜、神主さん、こいつは人間じゃありません。”虐厨”という生き物です」
警察官の一人が虐厨を見て、こう言った
「虐厨、ですか・・・」
「ええ、この前も町の方で幼い子供が犠牲になる事件が起きましてね・・・」
虐厨は双方の話を全く聞いていない・・・
まさか、本当に警察を呼ばれるなどと思っていなかったのだ
神主の指摘は当たっていた、この虐厨の犯行は今回が初犯ではない
しかも何度か警察に見つかり、追いかけられたこともある
警察内部に手配書が出回っていても不思議ではないだろう
警察に追われた事のあるどの事件も、ゆっくりを含む生態系の壊滅と言う
大破壊をやらかしているのだから
どうか、分かりませんように・・・虐厨は生まれて初めて心の底から神に願った
「ん?・・・こいつ、この前の朝礼で署長が言ってた奴じゃないか? ほら、この顔」
「神のばっきゃりおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
虐厨は神を心底呪った、自分のしでかしてきた犯罪を棚に上げて
「お〜、言われてみれば・・・神主さん、こいつは我々が引き受けます」
虐厨は縛られたままパトカーの後部座席に放り込まれた
それは容疑者に対する・・・否、人間に対する扱いでは無い
警察署に連行された虐厨は、コンクリートで囲まれた殺風景な部屋に入れられた
「おい、留置所にしては殺風景すぎるぞ!」
警察官たちは虐厨を無視して部屋の外に出て、ドアに鍵をかけた
虐厨は見落としていたが、その部屋の入り口にはこう書かれている
「害獣殺処分室」
「毒ガスが出ます。使用中及び使用直後の室内への立ち入りは固く禁止します。」
虐厨は部屋に入って初めて死の恐怖に襲われた
心の底から許しを請い、泣き叫んだ
だが、それはもはや遅い・・・ここにはそれを聞く者も許す者すらいないのだ
やがて、警報と共に部屋の電灯が赤く点き、室内を赤色に染め上げる
虐厨が驚く間もなく、天井の穴から侵入したガスがその意識を奪い
命を絶った
(おわり)
30
:
ある日の公園にて 首おいてけ濠
◆lf6fy6y3ZM
:2016/09/21(水) 04:35:50 ID:7EcDWxMw0
※ミニイカ虐待&イライラパートあり注意
「待つでゲショ〜」
午後の公園、太陽がだいぶ傾いて夕日に変わろうとしている時刻
親子のミニイカが走り回っていた
その胸には飼い主御手製のピンクのバッジが輝いている
「おい」
親子は、自分達を呼び止める声にピタリと止まった
声のした方を向くと、人間モドキの虐厨が立っていた
「お前、しゃべれるミニイカか」
「そ・・・そうでゲショ」
「野生か? 野良か?」
「飼いでゲショ、ワンピースのこのバッジはご主人様がつけてくれたんでゲショ」
「そうか、で、ご主人様はどこだ?」
「お仕事に出かけているでゲショ、いつもこの公園でこの子と遊びながら待っているでゲショ」
「そうか・・・じゃあ、蹴ってもいいな?」
「ゲジョ・・・」
グシャリ!!
虐厨の蹴りを浴びた親ミニイカはその小さな体を肉片と墨に変えて四散した
親の背後にいた子ミニイカは肉片の断片を浴びて即死した
「ざまぁみやがれ!!」
「おい」
虐厨は背後を振り返る、2mはある大男がそこにいた
半袖から突き出る腕には男が見たことも無い量の筋肉がついている
「このへんでオレのミニイカが遊んでたんだが・・・知らねぇか?」
「し・・・知らん!」
「嘘をつくな、そのボロいスニーカーの黒いシミは何だ?」
虐厨は一歩後ずさるが、大男は一歩踏み込んだ
「・・・の・・・野良だと思ったんだ・・・!」
「大嘘付きめ、オレはあいつに人に遭ったら飼いだと真っ先に言えと教えてある・・・
それに、馬鹿でも分かるように目立つバッジも付けておいた
つまり、てめぇは他人の飼いだと知りながら殺したわけだな」
大男は両手をポキポキ鳴らした
「へ・・・へ!たかがミニイカごときを殺されたくらいで・・・お、大人げねぇぞ!」
その一言は・・・大男から最後の慈悲の心を消すには十分すぎた
「・・・分かった、死刑にしてやるからそこに立ってろ!」
失言だった、虐厨の言葉で大男の目の色が怒りから殺意へと変わる
「お前、どこの会社の者だ?」
「お・・・オレ・・・いえ、私はリストラされて失職中だ・・・です!」
「で・・・家族は?」
「は・・・はい、私の家族はいません、アイゴのクズどもの一斉駆除で失って私一人です!」
「そうか・・・・・・・・じゃあ、蹴ってもいいな?」
大男は偶然にも虐厨と同じ台詞を口にした
「ヒィ!!金なら払う!いくらだ・・・いくらであいつらを・・・」
虐厨の命乞い(と本人は思っている)は、大男に残っていた最後の理性を蹴飛ばした
「オレのじいさんの代から飼ってるんだよ!!!」
虐厨は勢いよく腹を蹴飛ばされた
吐瀉物と血反吐を吐きながら身体をくの字に曲げて公園の真ん中の噴水まで飛び、噴水の中に突っ込む
ちょうどその時・・・
「パンポー〜ン、午後5時をお知らせします♪」
噴水が噴き上がり、虐厨の体を吹っ飛ばした
噴水に飛ばされた虐厨は回転しながら道路まで飛び、通りがかったガレキや燃えるゴミを運ぶトラックの荷台に落ちた
廃棄物処理場へトラックが着いた時、作業員は虐厨に気付いたが
「どうせ生ゴミだろう」と判断し、生死の確認をしないまま焼却炉に放り込んだ
虐厨が目を覚ました時、周囲は炎と熱気に囲まれていた
声を出そうにも蹴りの一撃で腹の中をズタズタにされていたため・・・
虐厨は這い出す力すらなくそのまま焼却された
(おわり)
31
:
飼いゆっくりを殺した結果 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/10/19(水) 03:10:10 ID:Vjc61BPI0
男は「虐厨」という、人に似るが人とは別種の生物だった
彼の仲間の虐厨たちはいかに被虐生物(と一方的に認定した罪なき生物たち)を
虐待して殺すかがステータスだった
ある日、飼いゆっくりを殺したことを彼の仲間が自慢した
その飼いゆっくり殺しの犯人は後日、飼い主の報復に遭い、
原形をとどめない形で生ごみの日にゴミ袋の中に入れられ捨てられるのだが
彼は仲間をうらやましく思った
どうにかして飼いゆっくりを殺したい、そう思い続けて・・・
ある考えを思いついた
そして・・・
「なぜ殺した!?」
虐厨が考えを実行した翌日、飼い主の老爺が自宅へ怒鳴り込んできた
老爺は妻と二人暮らしで、子供が自立してからゆっくりを飼いはじめ、
わが子同然に可愛がっていた
虐厨はそれを知りながら殺した
むしろ、「だからこそ」、だ
虐厨たちにとって飼い主たち「愛護」の悲憤は虐待で得られる快楽に勝るとも劣らない
甘露だった
「は?wwwオレは野良ゆっくりを駆除しただけですけどwwwwww」
「バッジがついていただろう!あれを剥がして壊したということは、お前はあれを見ていたはずだ!!」
「それがどうしたwwwバッジ付けたまま捨てるバカなんぞ腐るほどいるだろwwwww」
虐厨と老爺の話は全くの平行線だった
それも虐厨の計算のうちだ
「そんなに大事な糞饅頭なら家の中から出すなよwww外に出したお前らが悪いwww
さぁ、帰れ帰れwww」
虐厨は一切詫びることなく、しっしと手を振った
憤怒で発狂するか、憎悪と怒りを堪えて尻尾を巻くか
どっちにしろ彼にはメリットしかない
しかし・・・老爺はス・・・とその表情を顔から消した
そして虐厨が訝しむ間もなく・・・
「・・・・・ワシだ、始めてくれ」
老爺はスマホを取り出すとどこかへ電話をかけ、そう言った
次の瞬間、虐厨の家の裏口が開けられた
外から玄関めがけて誰かが走りこんでくる
「なんだてめぇげぇ!!?」
虐厨の背後に迫っていた者たち
それは黒いガスマスクに黒いヘルメット
黒い野戦服に黒い防弾ベスト・・・と
黒い装備一式で身を固めた男たちだった
先頭の男がすかさず虐厨の腹へ一撃を入れ、その場に組み伏せる
「な・・・なんだてめぇら!?警察呼ぶぞ!!」
「お前にはその時間などない」
老爺は冷たい目で虐厨を見下ろしながら言った
「この者たちはな、ワシの息子の会社の社員じゃよ
”虐厨キラーゼロ”の企業名を知っとるかな?」
虐厨はサァっと青ざめた
その会社の名前は虐厨ならば知らない者はいない企業だ
電話一本で即座に駆けつけ、虐厨を「駆除」する
依頼料は依頼者次第というアバウトな組織で
莫大な金額を払う者がいる一方で、二束三文で済んだ例もある
確実なことはただ一つ、「虐厨を生かしておかない」事だ
虐厨に人権が認められた今となってはよほどのことがない限り
その場で虐厨を駆除することはほとんどなくなったが・・・
「ワシが創始者じゃよ」
虐厨の顔がさらに青くなる
”虐厨キラーゼロ”の創始者、それは虐厨を虐殺するプロとして
その名を知られていた
彼の手にかかった虐厨は例外なく、この世のあらゆる苦痛を味わった上で殺される
32
:
飼いゆっくりを殺した結果 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/10/19(水) 03:11:30 ID:Vjc61BPI0
「ごべんなざい!!」
虐厨は床に額を打ち付けた
「ごべんなざい!!くそ饅頭・・・いえ、まりざを殺じだ事はあやばりばず!!」
「・・・それだけか?」
「砕いたバッジは弁償します!!」
「・・・それだけか?」
「まりさの購入代金と生活費をすべて弁償します!!」
「・・・それだけか?・・・お前は何か大事なことを忘れている」
「これ以上・・・何を・・・」
虐厨は頭を生れてはじめてフル回転させた
何が足りない?
この老爺は何をしたい?
「ワシが取り戻したいもの・・・それは、まりさの命じゃ
お前に理不尽な虐待をされ非業の死を遂げた・・・その命を返してくれ
そうすれば、お前の命だけは助けてやる」
「う・・・む・・・無理でず!!!!」
殺したゆっくりを生き返らせる手段などない
過去に何人の虐厨が永遠に虐待できるゆっくりを求めて禁断の術に手を染めたことか・・・
だがしかし、誰一人として「生き返らせる」事はできなかった
「お願いします!!なんでもいうこと聞きます!!欲しいものは何でもあげます!!」
「そうか・・・なら、聞いてもらおうかの、ワシが欲しいものを」
ビクリ!と虐厨を抑える男の手が反応した
老爺は目で男たちに合図をする
男たちは虐厨の足を結束バンドで拘束し、そっと離れた
「ワシが欲しいもの、それは・・・・・・」
「それは・・・?」
次の瞬間、老爺は「爆ぜた」
「貴様の命じゃ!!!!!」
人間が発したとは思えない叫びを放ち、老爺は一瞬で倒れている虐厨を掴みあげて浮かす
そして殴打と掌底、蹴りを絶え間なく浴びせた
その勢いはとても老爺のものとは思えない
虐厨は宙に浮いたまま、落下を許されず顔に腹に腕に足に
これも老爺の攻撃とは思えない重い一撃一撃を浴びていく
時間にして3分後、老爺は荒い息とともに手足を止めた
思い出したように虐厨は床へ、べちゃりと落ちる
顔は倍に腫れ、親でも判別は不可能だろう
腕と足の骨は言うに及ばず
肋骨はすべて折れて内臓に刺さっていた
それでも虐厨はかろうじて息をしている
「お見事です、会長」
リーダーらしき男が老爺へ声をかけた
「うむ・・・しかしワシも年じゃな・・・若いころは3時間ぶっ続けでも
息も上がらなかったが・・・ふぅ・・・」
老爺は虐厨に背を向けた
「そいつは本社の例の部屋へ運んでくれ、生きたまま、な」
「かしこまりました」
虐厨は死なないように最低限の生命維持装置を付けられて
表に待機していたワゴン車に放り込まれた
「さて・・・隠居の身じゃが老骨に鞭打ってレッスンの講師をしようかの」
「レッスン」とは何を意味するのか、もはやそれは問うまでもないことだ
「おねがいじまず!だずげで!!だずげでえええええええ!!!!」
叫ぶ虐厨の懇願を無視する形でワゴンの扉は閉じられた
その後、虐厨の住んでいた家は業者によって「清掃」され、
虐厨のいた痕跡は跡形もない空き家となった
その後、その虐厨の姿を見た者はいない
(おわり)
33
:
山中の城跡でゆっくり(?)を見た 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/10/29(土) 02:37:20 ID:9uaAEFcE0
※心霊系ホラー注意
とある城跡の残る山の中
「ひひひひ・・・」
男は「この先立ち入り禁止」と書かれた看板をバットで破壊した
男は人間ではない
「虐厨」という、人間とは似て非なる生物だ
男はこの山の中で「生首を見た」という目撃情報が相次いでいることを知り、
「ゆっくりがいるのではないか」と考えてやってきたのだ
もちろん、ゆっくりを愛でるために来たのではない
虐待・虐殺が目的だ
「このへんかな?」
男は城跡近くまでやってきた
日が暮れたが、男は慌てない
こんなこともあろうかと、3,4泊する準備はしてきたのだ
男はテントを張り、火を起こして夕食を食べる
もちろんこの山は火を焚く事は法で厳しく禁じられているが
男の知ったことではない
翌日のゆっくり捜索に向けて男はひと眠りした
その深夜
「何者じゃ?」「どうせ”きもだめし”じゃろ」「懲りぬのう・・・」
物音と話し声で男は目を覚ました
テントの布一枚向こうに、何かの気配がする
スマホで時間を確認する、午前2時を回っていた
男は懐中電灯を手に、外へ出た
目の前には、5個の生首が転がっていた
テントの周囲には、その倍の数の生首がいる
「・・・・・・お前か、我らの地へ踏み入り火を焚いたうつけは?」
5個の生首の中で
髪の長いリーダーらしき女性の生首が男に問いかける
「ひゃっはー!!ゆっくりは虐待だ!!」
男はバットを振りかぶり、女性の生首へ飛びかかった
バタン!
男は突然、足を何かに取られ転倒する
「・・・へ?」
男の足に生首が嚙みついていた
その生首は男で・・・頭にいくつも刀傷があり、そこから赤い血液が流れ続けている
餡子が中身である ゆっくりにはあり得ないことだ
さらに、その真下の断面からは肉が見え骨が見えた
男はそれを見て、ようやくおかしいことに気づいた
よく見れば、通常種とされる「れいむ」「まりさ」は一匹もいない
男の生首もあれば小さい少女の生首もいる
そしていくつかの生首は跳ねるのではなく、宙に浮いていた
「無礼者!!」
女性の生首は一喝した
生首たちは一斉に宙に浮きあがる
「奥方様に、なんということを」「こやつ、よそ者のようじゃ」
「どうする?」「連れて行こう」「お館様にお見せするのじゃ」
生首たちは男の足に腕に腹に噛みつき、一緒に宙に浮きあがる
「やめろ!はなせええええええ!!」
男はそのまま、城跡の方へ運ばれていった
その昔、その山の城では壮絶な戦があった
大軍に囲まれたが城主は降伏を拒否し戦った
しかし多勢に無勢、城は炎上し城主は切腹
大勢の兵士や家臣たち
そして城に避難していた領民の女子供を含む全員が死んだ
以来、その城跡は地元では有名な心霊スポットとなった
物見遊山で行っていい場所ではない
事実、肝試し目的で城跡へ行き
発狂、もしくは廃人、もしくは物言わぬ死体となって帰ってくる者が
毎年必ず現れていた
悪霊退治に向かった若者の一団が
翌朝、山のふもとで首と胴を切り離された姿で発見された事もあるのだ
立ち入り禁止の看板は城が落城した当時から建てられ
近隣の住民たちによって城跡と共に守られてきた
男は知らないことだったが、よく調べれば、
もしくは住民に聞けばすぐに分かることだ
しかし男はそうはしなかった
愛護(住民)とのトラブルと警察への通報を恐れたのだ
翌日、山のふもとで日課の散歩をしていた老人は
「ん?」
首と手足を胴を切り離された男の死体を見つけることになった
その体中には、人間の歯型があちこちに付いていた
「・・・やれやれ、"また"か」
老人は驚きもせず道を引き返した
やがて、男の死体はやってきた村の若者たちの手で片づけられた
警察に届けることはしない
この地域では当たり前のことだ
まして今回死んだのは人間ではなく虐厨である
村の若者たちは山へ入り男の荷物も回収した
そしてその日のうちに、城跡の霊たちを供養する祭りが近隣の村々で行われた
その山は今も、城跡とともにそこにある
(おわり)
34
:
ある山のルール 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/05(土) 03:59:59 ID:w9LP4ZL20
その山は行こうと思って行ける場所ではない
ただ、道に迷った登山者がふらりと迷い込んでしまう
そんな場所だ
迷い込んだ登山者は動物たちに助けられる
動物たちは迷い人を外へ導き
空腹の者には食料を
喉の乾いた者には水を
生きる気力を失った者は年老いたイノシシが
そっと寄り添い、心を癒してくれるという
ある人間が山の中を彷徨っていた
コンパスはどこかに落とし地図は川に流し
右足は挫いてまともに歩けない
その目の前に、一体のゆっくりれいむが現れた
れいむはぴょんぴょん跳ねて迷い人を道へと案内する
途中、サルやシカが木の実を運び、迷い人を助けた
やがて彼は舗装された道へ出ることができた
「助かった、ありがとう」
彼はそう言って深くお辞儀して去っていった
動物たちは喜んだ
「ありがとう」
そう言ってもらえただけで、幸せだ
迷い人は助ける
これが山のルールだった
あいつが来るまでは・・・・・・
ある虐厨が山の中を彷徨っていた
コンパスはどこかに落とし地図は川に流し
右足は挫いてまともに歩けない
その目の前に、一体のゆっくりれいむが現れた
れいむはぴょんぴょん跳ねて迷い人を道へと案内する
サルやシカが木の実を運び、迷い人を助けた
腹を空かした虐厨は遠慮せずそれらを食べ、こう言った
「もっと欲しい」
動物たちは困った、もっと食料を探してこなければ
しかし、れいむは虐厨の前に出てこう言った
「おたべなさい!」
れいむは饅頭と化して真っ二つに割れた
その身をもって迷い人の空腹を癒そうとしたのだ
虐厨は夢中で貪った
虐厨は飢えを満たし満足そうに笑った
やがて彼は舗装された道へ出ることができた
「助かった、また来るぜ!」
動物たちは喜んだ、少なくともその時は
れいむを失ったのは悲しかったが、人の命を救うことができたのだ
しかし、この行いを彼らはのちに後悔することになる
宣言通り、虐厨は再びやってきた
今度は数人の仲間を連れて
誰もが棍棒やバットなどで武装していた
そして・・・・・
「ひゃっはー!!!」
動物たちは住処を追われた
ゆっくり達はつかまり、あるいは殺された
中には殺されるまで酷くわざと痛めつけられる者もいた
木々は切られ折られ、草花は刈られた
そして、一か月としないうち、自然豊かだったその野山は
ゆっくり加工工場がそびえたつ灰色の区画へ変貌した
命からがら逃げ伸びた動物たちは山の中の長老の住処の前で集まった
動物たちは悲しんだ
どうしてこんなことになった?
ゆっくり達が何をしたというのか?
命を助け食料を分け、命すら差し出して助けたのに
その報いがこれだ
一番衝撃を受け、悲しみ憤ったのは長老の真っ白な老イノシシだった
これが人の本性なのかと、今までやってきたことは間違いなのかと
深く悲しみ、強く責任を感じた
そして・・・彼女はルールを変える決意をした
35
:
ある山のルール 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/05(土) 04:09:17 ID:w9LP4ZL20
「あ〜あ、ゆっくりを探していたら道に迷ったぜ」
ある虐厨が山の中を彷徨っていた
コンパスはどこかに落とし地図は川に流し
右足は挫いてまともに歩けない
「ん?」
ふと虐厨は目の前に現れたまりさの帽子に目を止める
「・・・ひゃっはー!!!虐待だぁ!!」
足の痛みは一瞬で失せた
リュックから虐待棍棒を取り出し帽子めがけて走り出す
ボス!
あと一歩というところで、虐厨の足元の地面が陥没した
虐厨は足を取られ転倒する
「いてて・・・?」
虐厨は帽子を見た
それは、丸い石にまりさの帽子が被せてあるだけのものだった
「きー!ききー!!」
「ギャギャギャギャギャ!!!」
にわかに周囲の森が騒がしくなる
虐厨を包んでいた空気は一瞬で変わった
「キタゾ!!テキガ、キタゾ!!」
何かの声がこだまする
やがて・・・虐厨の前に真っ白な年老いたイノシシが現れた
「・・・ブオオオオオオオオオオオオ!!」
イノシシは一声叫ぶように鳴くと
虐厨めがけ突進した
虐厨はたちまちその巨体に吹っ飛ばされる
吹っ飛んだ先は岩があった
虐厨は岩に激突して全身の骨を砕き、口から液状になった血肉を噴き出して倒れ
そして、二度と起き上がることはなかった
イノシシは悲しげに虐厨の死骸を見つめると
ゆっくりかぶりを振って踵を返し、森の奥へと消えていった
その山は行こうと思って行ける場所ではない
ただ、道に迷った登山者がふらりと迷い込んでしまう
そんな場所だ
迷い込んだ登山者は動物たちに試される
「試し」に合格した者は幸いだ
動物たちは迷い人を外へ導き
空腹の者には食料を
喉の乾いた者には水を
生きる気力を失った者は年老いたイノシシが
そっと寄り添い、心を癒してくれるという
ただし、「試し」に不合格だった者は・・・
「敵」とみなされる
山のすべてが敵となり、生きてそこを出ることはできない
たった一人の虐厨のエゴが変えてしまった山のルール
彼一人のためにその後、1000を超える虐厨が
山の中で行方をくらますことになるのだが、
それはまた別の話
(おわり)
36
:
おうち宣言 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/15(火) 00:35:30 ID:XQTf6zQ20
ここは、とある町の一軒家
ある休日、家主の男は日課の筋トレをしていた
20キロはあるバーベルをそれぞれの手に持って腕を上下させていると
「ゆっくりしていってね!!」
開けっ放しだった庭へ通じる窓から生首が入ってきた
男は一応知識として知っていた
これは、「ゆっくりれいむ」という、「ゆっくり」において珍しくもない種類だと
だから驚きはしなかった
「ゆっくりできる場所だね、ここをれいむのゆっくりプレイスにするよ!ここがれいむのおうちだよ!」
「何を言ってるんだお前は?」
家主の男はれいむに声をかけた
「ゆ、おにいさん、れいむに出て行ってほしかったら、お金ちょうだいね」
「へ?・・・金?飯や菓子じゃなくていいのか?」
男は財布を出しながら、訝し気に尋ねる
「うん、お金でいいよ!」
数分後、双眼鏡でその家主の男の家の玄関を見ている男が一人いた
家から無傷のれいむが一万円札をくわえて出てくるのを見て、そいつはつぶやいた
「お〜、まさか本当に貰って戻ってくるとは、あの住人やっぱりアイゴだったか」
「鬼威惨、お金だよ!」
れいむは口にくわえていた一万円札を、双眼鏡片手に様子を見ていた男に渡した
男は人間ではない
虐厨という、虐待が何より好きな人間に似て人間ではない異形の存在だ
外見こそ人間に似るが、弱者を虐げ、時として人に牙を剥く狂ったケダモノの一員である
「やくそくだよ!おちびちゃんたちを返してね!」
「あ〜、悪い・・・まさか成功するとは思わなくて・・・」
虐厨は真っ赤な炭が焚かれた七輪を出した
その金網の上では、饅頭のようなものが黒焦げになっている
「ゆんやああああああああああああああ!!おぢびじゃんんんんんん!!!」
「ぎゃあああああああああああっははははははははは!!!のんたぬといいゆっくりといい
仲のいい家族をいたぶるのは気持ちいいなぁ!!!ぎゃはははははははははは!!!」
「おい」
「・・・は?」
虐厨は笑いを止めた
れいむの後ろに、2mはある巨漢がいた
その半袖から露出した腕は筋肉の束が付き、衣服越しでも胸筋と腹筋は分かるほど盛り上がっている
「お前か? オレの家から金を持って来いって、こいつに命令したのは?」
「い・・・いえいえいえ、めっそうもございません。こいつが勝手にやっただけ・・・」
「本当か? 嘘だったらどうなるか・・・」
「本当です!うそじゃありませんよ・・・」
37
:
おうち宣言 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/15(火) 00:38:09 ID:XQTf6zQ20
しかし、虐厨の必死の弁明を打ち消す一言を、れいむは叫んだ
「うぞづぎいいいいいい!!!!!おうち宣言してお金を貰ってきたらおちびちゃんは返すって
約束したのにいいいいいいいい!!」
「ば、ばか!!ひぃ・・・」
男はれいむと虐厨の間に割って入った
「れいむ、詳しく聞かせてくれ」
ここで正直に謝るか、逃げていれば虐厨はもしかしたら助かったかもしれない
しかし、虐厨が虐厨たる所以か、虐厨は最悪の行動を選択した
勢いよく右足を振り上げ、れいむの脳天めがけ振り下ろしたのだ
しかし、男の筋肉質な左足がその右足を阻んだ
当然、虐厨の蹴りは男の左足を蹴飛ばす形となる
その瞬間、虐厨の時は止まった
振り下ろした右足と、男を交互に見る
男のこめかみには血管が浮かび、その腕にも太い血管がいくつも浮き出た
「おい・・・なにしやがる?」
「ち・・・チガイマヒュ!愛護・・・いえ、あなたを狙ったわけじゃ・・・」
「れいむを狙ったんだろ? 口封じたぁいい度胸だ」
男は虐厨の頭を鷲掴みにして動きを封じる
バタバタ暴れるそいつを無視して、れいむから話を聞いた
番のまりさと山で暮らしていたら、虐厨がやってきてまりさを殺し、
子供たちを人質にして「おうち宣言」と金銭を奪ってくることを要求された
それは悪いことだとお断ろうとしたら、目の前で子供を一人殺され、渋々従った
と、いう事を聞き終わるころには男の手は虐厨の頭蓋骨を今にも潰さんばかりに力を込めていた
顔に浮き出た血管が男の怒りの激しさを物語る
「れいむ、ちょっと待ってろ」
男はそう言うと、まず虐厨の左足をへし折った
「ぎゃああああああああああああ!!」
次に右足、右腕、左腕、と折っていき・・・仕上げに骨盤を蹴り上げて砕く
悶絶する虐厨を地面に放ると、七輪に向かった
合掌して一礼してからそっと崩れぬよう
れいむの子供の残骸を七輪の金網から降ろし・・・
虐厨の頭を掴み上げ、七輪へ近づけていく
男は何をする気なのか、虐厨にも理解できた
虐厨がこれまで何度も何度もやってきたことだ
ゆっくりに、のんたぬに、ちゅんちゅんに、実装石に、ミニイカ娘に・・・
「やべで!!お金は返します!!どうか、命だけは・・・!!」
「金はいい、それより命が惜しいか? お前、そうやって命乞いしてきた奴をどれだけ殺してきたんだ?」
「もうやめまず!!まじめになりばず!!虐殺しまぜん!!」
「そうかそうか、じゃあ、一つだけ願い事をする、それを叶えられたら許してやろう」
「は、はい・・・なんでも聞きます!」
男は深呼吸して、言った
「れいむの番の まりさと てめぇが殺した子供たち・・・今すぐ生き返らせろ!!」
虐厨は青くなった、そんな事が可能なのは神か悪魔くらいだろう
「・・・時間切れだ!」
虐厨が言い訳を考え付くより早く、男は虐厨の顔面を炭火で熱せられた金網に押し付けた
「ぎゃばああああああああああああああああああばばっばばばばばばばば!!!!!」
虐厨は暴れるが、男のすさまじい怪力で押さえつけられ、地獄から抜け出すことはできない
たっぷり10分経った後、虐厨の顔面が黒焦げになったのを確認した男は
家から持ってきていた生ごみ用の大きなゴミ袋に虐厨を入れ、
ゴミ置き場へシュートした
「ちょうど明日が生ごみの日で助かったぜ」
男はれいむへ目を向ける
「ところで、れいむ・・・」
「ゆ・・・?」
男は家族の亡骸を前に涙を流す れいむに声をかけた
翌日から、筋トレに励むれいむと男の姿がその家にあった
ゆっくりに筋肉などない、だから特に意味のない行動ではあるのだが
れいむは飼い主となった男と一緒に筋トレをするという、その行為そのものを楽しんでいた
また、男の家の庭には、4つの石が置かれている
れいむの家族の墓だ
毎朝、仕事の日も休日も、ここに線香を手向けるのが男の新たな日課になった
「だじで!!だずげで!!!」
生ごみ置き場に捨てられた虐厨は、生ごみを捨てに来る住人が来るたびに声を上げた
しかし
「おい、ゴミ袋から声がするぞ」「ほっとけ、どうせ制裁された虐厨だろ」
「この前も隣の家のゆかりちゃんが襲われたらしいわ、怖いわ〜」
虐厨たちに日頃から迷惑行為の数々を受けていた住人たちは
誰一人として袋の中の虐厨を助ける者はいなかった
やがて、ゴミ回収業者が来た
業者は暴れる虐厨にボディブローをかまして黙らせると、車に放り込んだ
虐厨は生きたまま収集車のプレス機に潰されたが、
それでもしぶとく生きていた
その後虐厨は、焼却場で生ごみと一緒に燃やされて
やっと死ぬことができた
(おわり)
38
:
ミニイカの里の惨劇 1/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/22(火) 23:51:32 ID:FyTXEaWE0
※バッドエンド注意
※虐厨が裁かれない、胸糞悪い話です
ここは、海岸に近い村里
ミニイカ娘という、「イカ娘」と呼ばれる存在を
手乗りサイズに小さくしたようなキャラクターが生息する以外は
ごく普通の村里だった
やつらが来るまでは・・・・・・
ある日、一人の住人が里の外でミニイカ娘の死骸を見つけた
野生動物にやられたわけでも病死でもない
明らかに何者かによって意図的に惨殺された死体だった
やがてそれは、近隣にできた「ミニイカ娘虐待の里」の住人の仕業と判明する
自分たちの里にも被害が及ぶのではないか
そう危惧した住人たちは虐待の里へ行き、話し合おうとした
しかし、虐待の里の住人は里の者たちを里の中に入れず、門前払いにした
「バカが出たらオレたちの方でなんとかしてやる、さぁ、帰れ帰れ」
「・・・本当、だな?・・・今の発言、しかと聞いた録音もしたぞ」
「分かったから、帰れ」
里の者たちはしぶしぶながら来た道を引き返した
それを見てニヤリと醜悪な笑いを浮かべる、虐待の里の中からの視線に気づかないまま
「ぎゃっはははははははは!!」
約束から3日後、ミニイカ娘の里は乱入してきた虐厨に襲われた
乱入してきた虐厨は里の住人に取り押さえられたが
少なくない数のミニイカが犠牲になった
怒った里の者たちは虐待の里へ捕らえた虐厨を連れて直談判した
「どういうことだこれは!?」
「はwww個人が勝手にやったことだしwww」
「そうだそうだwww」
「約束はしたはずだ!!バカはお前らがなんとかすると!そういったはずだよな!」
「約束ぅ?www」
「そうだ、お前ら虐待の里の連中と、たしかに約束した!」
住人は録音記録を出し、約束がされた証拠をつきつけた、しかし・・・
「そんな約束俺たちはしらないし〜www」
「そうだそうだwwwww」
「別にオレ個人とした約束じゃないもんねwwwww守る義務ねぇんだよwww」
「な・・・なんだと!?」
「第一、そんな口約束信じたの?wwwバカなの?www」
「ふざけるなてめぇら!!!!」
つかみかかろうとした里の住人を、他の住人は抑えた
多勢に無勢、虐厨の数は里の民よりも多かった
渋々、ミニイカの里の者たちは引き上げた
39
:
ミニイカの里の惨劇 2/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/22(火) 23:54:54 ID:FyTXEaWE0
それから里には毎日虐厨が入り込み悪さをするようになった
しかしどうすることもできない里の者たちは
苦肉の策としてミニイカ娘避難所を作った
万一、里が焼き討ちにされてもミニイカ娘が絶滅しないようにするためだ
しかし・・・
「ぎゃははははwwwこんなとこに逃げてやがったかwwwwww」
虐厨の一人に見つかり、避難所は炎上した
避難していたミニイカ娘はすべて殺され、里の者も死傷者を出した
「もう我慢できねぇ!!」
一人声を上げたのは里の者の一人、「戦争」だ
「やつらを皆殺しにしてやる!!!なぁ!!立ち上がろうぜ!!!」
しかし、里の誰もが首を横に振った
虐厨に暴力を振るってしまっては、虐厨と同じ存在に成り下がったも同じことだと
里の者たちは考えていたのだ
「この里を閉鎖し、ミニイカ娘が自然に数を回復するのを待とう」
会議の末、里はその結論を出した
「おい、この里は閉鎖が決まった、立ち去れ」
やってきた虐厨へ作ったばかりの看板を見せながら、里の者は言った
「いやですwwwww面白いからwwwww」
「・・・このままだと生態系が壊れてミニイカ娘が絶滅するんだよ」
「それがどうかした?wwwオレらは困らないしwww」
「てめぇ・・・!!!」
里の者は虐厨の頭を砕くべく看板を振り上げた
しかし、後ろにいた里の他の住人がその方に右手を置き、首を振って止めた
渋々、里の者は看板を地に降ろした
「ぎゃははははwwww愛護よりオレたち虐待の方が優れているんだwwwww
劣等人種は無力感を味わいながら悶絶してろwwww」
「そうだそうだwwwその”大好きな気持ち”をいたぶり続けてやるwwwww」
「愛護なんかより作品数の多い俺たちの方が優れてるんだよwwwww」
「があああああ!!!!!もう我慢できるか!!!戦争だあああああ!!!!!」
すっかり忘れられていた人物がいた、戦争である
彼は里の閉鎖が決まった後も納得せず一人で鬱憤を貯めていた
そしてそれがついに爆発したのだ!
里の者に協力を取り付けなかったため、戦争は一人で虐厨へ殴りかかる形になった
結果、多勢に無勢、戦争はたちまち取り押さえられた
「うおおおおおおお!!むごおおおおおおおお!!!!」
かくて、一人虐厨へ殴りかかった戦争は逆さ磔にされて
里の真ん中に晒された
戦争はそのまま憤死し、遺体はその日のうちに腐り果てて骨も残らず朽ちた
40
:
ミニイカの里の惨劇 3/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/23(水) 00:08:40 ID:RtJEhvMI0
「もう、里はしまいじゃ」
ミニイカ娘の姿が一体もなくなった閉鎖された里を見て
老いた住人はつぶやいた
どうしてこうなってしまったのか
戦争のように虐待の里の者を殺す気で戦争をするべきだったのか
里が荒れ果て虐厨の第二の巣と化した今、その答えはわからない
ただ一つ確実な事は・・・里の者もミニイカ娘も
二度と里には来ないという事だった
今、ミニイカの里と呼ばれた場所はもうない
正確には、その場所だった里はあるが
ミニイカ娘は一匹もいない
絶滅したのだ
だが、ミニイカ娘がまだいると信じている虐厨たちは
ミニイカ娘をどう虐待するかを楽し気に話し合い
閉鎖されたはずの里に居座り続け
今も二度と帰らないミニイカ娘を求めている
しばらくした後、里の惨状に驚いた旅人が事の次第を尋ねたが
虐厨は
「ミニイカが”大好きなキモチ”だけで生きてゆくことを、
”人間”は絶対に許さないんだよwww」
「それ、お前らの妄想の話だよね? 妄想に頼らない理由を聞きたいんだが・・・
妄想なんかで度々乗っ取りなんかされたら、防ぎようもないしたまらないぞ」
「お前ごとき誰がまともに相手にするかwww
くだらないことをwwwグダグダwwwwww
チマチマAA荒らししてるのがお前にはお似合いだwwwww」
と、旅人を追い返してしまった
「もしもし、本部ですか・・・ミニイカの里の件ですが」
その旅人が戦争クンでも愛護クンでもなく、別のコミュの虐待派であり虐厨の調査をしている者だと発覚したのは
「あそこを占拠した連中は”虐厨”です、間違いありません」
かなり後のことである
(おわり)
41
:
密着!対虐警察24時 2016年夏 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/26(土) 20:30:55 ID:0q4WwA4E0
---------この番組は、2016年8月に撮影されたものです-------
ここは、A町の警察署
そこに勤める一人の警察官がいた
ルール巡査長(29)、正義感あふれる対虐課のベテラン警察官だ
この町にも虐厨が生息しており、一般市民とのトラブルが絶えない
だからこそ彼は今日も町の平和を守るべくパトロールに出かける
「む、これは?」
その眼力が何かを捉えた
どぶ川を流れていく何かを、ルール巡査長は見逃さない
手が汚れるのも構わず川に手を入れてそれを掴み上げる
それは、ゆっくりれいむだった
すでに事切れており、オレンジジュースも効かない様子だ
そのリボンには、金バッジが空しく輝いている
「本部、本部、こちらルール巡査長、3丁目どぶ川にて、虐殺された飼いゆっくりを発見
至急応援を!」
やがて無線の応援要請を受けたパトカー三台が駆け付けた
ルール巡査長は検証を仲間に任せ、駆けつけたもう一人の警察官マナー巡査と共にどぶ川の上流へ行く
まだ犯人は遠くへ入っていないはずだ
ルール巡査長のこれまでの勘がそう告げていた
現場から歩き出して5分後、二人は何かに向かって棍棒を振り下ろし続ける人影を発見した
虐厨だ!
ルール巡査長は駆け寄ると、振りかぶられた棍棒を背後からつかんで止める
「おい、何してる?」
「へ?」
虐厨は棍棒を背後からつかむルール巡査長を振り返った
「そこのどぶ川で金バッジゆっくりの死骸を見つけましてね・・・
それより、あなた何してるんです?」
虐厨が棍棒を振り下ろしていたもの
それは実装石だった
大きなリボンとポシェットからこぼれる金銭が、その個体が野生でなく
飼い実装石であることを物語る
「あなた、これが飼いだと知った上でやってますね?」
「ち・・・違う、オレは野生だと思って・・・」
「嘘言っちゃいけませんよ、こんな目立つ特徴を見落とす人がいますか?」
ルール巡査長は容赦なく虐厨の矛盾を突いていく
「さっき、ゆっくりを殺しましたか?」
「いや、知らない、オレはやってない」
「なら、棍棒を貸してください、殺されたゆっくりの打撃痕と一致するか調べます」
「だから!!オレはれいむを殺してねぇっつってるだろ!!?」
「・・・あなた、どうして殺されたゆっくりが”れいむ”だと分かったのです?」
犯人はついにボロを出した!!
ルール巡査長は一言も「れいむ」など一言も言ってない
「そ・・・それは・・・」
相棒のマナー巡査は倒れる実装石を調べ・・・静かに首を横に振った
CMの後、身勝手な虐厨の言い訳にルール巡査長の怒りが爆発!!
「あなたね、どうして飼いだと分かった上で襲ったんですか!? 」
----密着!対虐警察24時-----
42
:
密着!対虐警察24時 2016年夏 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/26(土) 20:36:07 ID:0q4WwA4E0
----密着、対虐警察24時-----
ルール巡査長の追及に、虐厨はついに本性を出した!
「ああそうだよwww飼いだと知って襲ったんだよwwwオレは飼い専門だからなwww」
「あなたね、どうして飼いだと分かった上で襲ったんですか!?
この子たちには帰りを待つ家族がいるんですよ・・・自分がしたこと分かってるんですか!?」
次の瞬間、虐厨はとんでもない事を口にした
「うるせえええ!!だからに決まってんだろ!!wwwww
アイゴのペットは愛情受けて甘やかされてるから殺し甲斐あるんだよwwww
オレは楽しめてアイゴどもはペット殺されて憤死wwwざまぁwwwメシウマ!!wwwww」
「本気で言ってるのか? お前がしたことは犯罪だぞ!」
「だから?wwwどうせ器物破損だろwww金払ってすぐ釈放されるだろwww
警察なんざ怖くねぇやwww」
首を振ってルール巡査長はポケットから黒いプラスチック製の板切れを取り出した
それは「ブラックラベル」、更生の余地のない救いがたい虐厨にのみ付けられるタグだ
ルール巡査長はそれを虐厨の左腕の袖に付けた
「午後3時44分、現行犯で逮捕!」
「・・・いいぜwwwとっとと連れていけやwwwどうせすぐ釈放されるからなwww」
通常の虐厨は逮捕されたら取り調べを受け、更生施設へ入れられる
だが、「ブラックラベル」を付けられた虐厨は例外だ
害獣として保健所へ直接送られ、ただちに殺処分される
己の運命を知らない虐厨は、ニヤニヤ笑いながらパトカーに乗せられた
こいつが世に解き放たれることは二度とない
また町に悲しみが生まれてしまった
ゆっくりと実装石の死骸は、ただちにそれぞれの飼い主の元へと返された
身勝手な虐厨がいる限り、この悲しみはなくなることはない
ルール巡査長は今日も明日も
町をパトロールし、少しでも悲しみがなくなるよう努力を続けている
(おわり)
43
:
ブラックラベルの行く先 1/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/26(土) 20:46:00 ID:0q4WwA4E0
※「密着!対虐警察24時」と世界観はリンクしています
道端で虐厨が一人、「ゲルゲ」という名の生命体を虐めていた
そのゲルゲはリボンにポシェット、そしてポシェットの中に現金を入れており
毛並みも整っている、明らかに人間に飼われている個体だった
しかし、虐厨にはそのような事は関係ない
虐待したいときに被虐生物()を虐待する
それが虐厨の信念であり
それで飼い主が虐厨を恨む事すらお門違いだと思っていた
ゲルゲが動かなくなったのを見て一息ついた虐厨は死骸をドブに蹴落とし
道の反対側で先ほど殺したゲルゲのポシェットからこぼれた小銭を拾う
もう一匹のゲルゲを見つけた
しかしこれが、虐厨の未来を決定する判断だった
「おい、何をしている!?」
二匹目を殺し終えた虐厨に背後から声がかけられる
警察だ、いつのまにか警察官が二人そこにいた
「なにってwww駆除ですけどwwwww」
しかし虐厨は一瞬だけ怯んだものの、自身の行動の正当化を始めた
「駆除ね・・・」
警官はゲルゲの死体を見て言った
「明らかに誰かの飼いのようだが・・・お前は他人の飼いを平気で襲うのか?」
「飼いとか関係ないしwww被虐生物は虐待されるべきwwwww」
「貴様!」
今にも飛びかかりそうになる同僚を制して、警官は続けた
「そのゲルゲたちには帰りを待つ人がいる・・・わかってるのか?
この子たちを見た時、その人たちがどれだけ悲しむか」
「メシウマwwwwwwアイゴが苦しむなら本望ですwwwww
第一、他人のゲルゲいじめちゃいけないなんて法律ないですからwwwww」
警察官は首を横に振って同僚を見た
「アレを出してくれ」
「分かった」
同僚は質問をしていた警官へ黒い板を渡す
プラスチック製のそれには端に安全ピンが付いており、
衣服に取り付けられるようになっていた
これは「ブラックラベル」と呼ばれるタグで、
現場の判断で「対象」に付ける事が許されていた
質問役の警官はそれを虐厨の右腕の袖に付けた
「一緒に来てもらおう」
「おwおwおwタイホ?www いいぜwwwやれるもんならやってみろwww
どうせすぐ釈放だからなwwwwww」
44
:
ブラックラベルの行く先 2/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/26(土) 20:50:48 ID:0q4WwA4E0
ゲルゲたちの遺体を同僚に任せ、質問役の警察官は虐厨に手錠をかけて連れて歩き出す
歩いて20分後、とある建物の前に警官と虐厨はやってきた
「・・・・・へ?www」
そこは警察署ではない、保健所だった
さすがに戸惑い始める虐厨を警官は引っ張っていき、保健所の建物の中に入る
「こんにちは、お世話になります」
警官は窓口の保健所職員らしき男に挨拶をした
「こんにちは、これはどうも・・・そいつが今日の”アレ”ですか?」
「はい、いつものようにお願いします」
「分かりました、少々お待ちください」
警官は書類を渡され、それに必要事項を書き込み始めた
ここにきて虐厨はようやく自分が置かれている状況を整理しだした
ここは? 保健所だ
何をするところ? 害獣の処理を行う施設でもある
どうして連れてこられた?
少なくとも自分は害獣ではない、「虐厨」という人間より優れた種族だ
だからこんな所に来る理由は、虐めるための被虐生物を引き取る以外ない
だが、この警官は自分をここへ連れてきた・・・なんのために?
「お待たせしました」
別の職員がやってきて、警官から虐厨を引き渡される
「毎日ご苦労様です」
「いえいえ、これも本官の務めでありますから、では」
書類を提出した警官は会釈すると、建物から出て行った
「今、何番が空いてましたっけ?」
「12番が空いていますので、そこへどうぞ」
「分かりました」
窓口の同僚に会釈してその職員は奥へ虐厨を引っ張っていった
「処分区画」と書かれたプレートの自動ドアを抜け、
数字の書かれたドアの並ぶ区画へ入る
「なんだここは、独房か? 留置所か?www」
職員は虐厨の質問を無視して歩を進める
「12」と書かれたドアの前へ二人はやってきた
ちょうどその時、奥のドアが開いてストレッチャーと職員が出てくる
「お疲れ様です」「どうも、お疲れ様です」
ストレッチャーを押す同僚とすれ違い、職員は互いに会釈する
そのストレッチャーには・・・苦悶の表情で息絶えた虐厨の死骸が乗せられていた
これでようやく虐厨はここに連れてこられた意味を知った
同時に、腕に付けられた「ブラックラベル」の意味も
「いやだあああああ!!じにだぐないいいいいい!!!!」
虐厨はわめいて暴れ出した
「静かにしろ!!」
職員は腰の警棒で虐厨の左ほおを殴る
折れた歯が数本虐厨の口から飛び出し、床に転がる
45
:
ブラックラベルの行く先 3/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/11/26(土) 20:58:22 ID:0q4WwA4E0
「お・・・おねがいじまず、なんでもじまずがら・・・ごろざないで・・・」
虐厨は正座して命乞いを始めた
「ここに来る奴はみんなそう言うんだよ、自分がどれだけ悪い事したか反省すらしないでな」
「はんぜいじまず!!クソムシ・・・いえ、ゲルゲの、アイゴ・・・飼い主にも謝りまず!!」
「お前、人の飼いを殺したのかよ・・・そりゃブラックラベル判定食らうわけだ」
「ごべんなざい!!もうやりまぜん!!虐待もやめまず!!」
「お前ら虐厨は土壇場になるといつもそう言うよな・・・
そして、それを守る奴をオレは一匹も見たことがない」
職員はドアのカードリーダーへ自分のネームプレートのバーコードをスキャンさせ
12番のドアを開けた
「ここに連れてこられたら道は一つだ、命乞いの続きは閻魔様の前でしろ!」
「いやだああああああああああああああ!!!!!!」
職員は虐厨を部屋の中へ引きずり込んだ
そして奥の金属製のドアを開け、その中へ暴れる虐厨を蹴り入れる
転倒した虐厨が起き上がるより早くドアを閉めて施錠した
「だじで!!だじで!!だじで!!!!!」
職員は懇願とドアを叩く音を無視して操作盤の前に行き、安全装置を解除して「ガス注入」のボタンを押した
「ひぃぃぃぎいいいいい!!!だじで!!あげで!!!じにだぐないいいいいいい!!!!!」
職員はそれを無視して椅子に座り、ポケットから文庫本を取り出す
虐厨がドアを叩く音と叫び声が大きくなる
職員は構わず椅子に座って推理小説の世界へ入っていった
「ガス注入」から20分後、徐々に音が小さくなり、やがて聞こえなくなる
聞こえなくなってさらに30分後、職員は「排気」のボタンを押した
さらに10分ほどしてからドアを開ける
虐厨は死んでいた、ドアに爪を立て反吐と糞尿を垂れ流した状態で
先ほどストレッチャーに乗せられていた死骸と同じ表情で
死ぬまでにいかに苦しんだかが分かるが、職員にこいつへの同情の感情はない
むしろ、殺されたゲルゲの飼い主がどれほど悲しむか・・・という被害者への同情と
そんな悲しみを己のエゴで生み出した目の前のゴミクズへの怒りがあった
職員は虐厨をストレッチャーにのせると、部屋の清掃を始めた
虐厨の反吐や失禁・脱糞を処理した後、職員はストレッチャーを押して部屋の外へ出る
「お疲れ様です」「どうも、お疲れ様です」
別の職員とすれ違い、互いに会釈を交わす
その職員は左腕にブラックラベルを付けた虐厨を連れていた
「ひぃぃやああああだああああああああああああああああ!!!」
ストレッチャーの死骸を見て己の運命を悟った虐厨が叫び声をあげるが
その職員は殴って黙らせた
職員は同僚と虐厨が別の数字のドアの先に消えていくのを背に
「焼却炉こちら」と書かれた案内表示に従ってストレッチャーを押していく
そのころ窓口では、先ほどとは別の警官が
また新たな虐厨を連れて来ていた
「なんだwなんだwwwここが留置所か?wwwお?www」
虐厨の右腕の袖には「ブラックラベル」が蛍光灯の明かりを受けて光っていた
(おわり)
46
:
落下 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/12/15(木) 02:56:18 ID:o23f4aok0
※ジョジョネタ使っていますが、少女は殺人鬼ではありません
「へへへ・・・」
一人の虐厨が小さなタブンネを手にマンションの自室に戻っていた
成体ではない、明らかに生まれて2週間程度の小さな子タブンネだ
しかも、野生ではない
頭にはリボンがつき、ピンクのポシェットを肩から掛け
誰かに可愛がられていると一目で分かる
しかし、虐厨はだからこそこのタブンネを選んだ
虐厨にとって、飼い主の悲憤は何より美味しいご馳走なのだ
虐厨はベランダへ行き、タブンネを手すりの向こうへかざす
「タブ!?タブンネ〜!!」
自分が何をされるのか、恐怖でタブンネは尿を漏らす
「タブちゃん、どこ〜?」
そこへ、飼い主らしき少女と相棒らしきファイアローがベランダの下を通りかかった
虐厨はニヤリと笑い・・・
子タブンネを落とした
「ダブウウウウウウウ!!」
グシャ!
少女たちの目の前で、タブンネは潰れた死体になる
「うそ・・・タブちゃん・・・!!」
「ピィ・・・ピィィィ!!」
少女は茫然と立ち尽くし、ファイアローは
もう動かないピンク色の肉塊をゆすったり温めたりしている
「ギャハハハハ!!ざまぁwwwwww」
虐厨は少女めがけて罵声を浴びせ中指を立てる
そんな事をしなければ、気づかれなかったのに
少女と虐厨の目が合う、ファイアローはそちらを見て・・・堪忍袋の緒を斬った
「ピィィィィィィィィ!!!!!」
一声「吠えた」次の瞬間
ファイアローは飛び立ち、虐厨が体重を預けているベランダの手すりを切断した
「ぎゃは・・・・・・へ?」
飛ぶことなどできない虐厨は当然、重力にされるがまま落下する
「ご!?ばぎょ!?ごべえべ!?」
途中、下の階のベランダや木に激突し、最終的にコンクリートではなく芝生へ虐厨の身体は落下した
それが幸いし、虐厨は両足を骨折したものの、命はあった
「・・・へぇ、ウワサには聞いてたけど、まだ生きてるなんてしぶといわね」
少女は死んだタブンネを抱えて虐厨の傍へ歩み寄る
「だ・・・だのむ・・・救急車を・・・よんでぐで・・・」
「救急車よりもさ、あなたハンカチかティッシュ持ってる?」
少女はそんな事を急に切り出した
何を言っているのか虐厨は理解できない、だから黙って少女の次の言葉を待った
「持ってない?そう・・・じゃあそのへんのゴミの布切れを使うしかないわね」
「なにいっでんだクソアイゴ・・・?」
「だって、これからもっと血が出るから」
47
:
落下 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/12/15(木) 03:19:19 ID:o23f4aok0
バギャ!!
少女は落ちていた手のひらサイズの石を掴み上げ、そのまま虐厨の顔面に叩きつけた
虐厨の口から血液の飛沫と折れた歯が空中に飛び散る
「あぎあああああ!!?」
叫ぶその口に少女のスニーカーが突っ込み、虐厨の歯を全部へし折る
「がひゅ・・ひゅひゅあ・・・」
「痛い?苦しい?でもタブちゃんを見失って途方に暮れて、
あんたに目の前で殺された私はもっと痛いし苦しいわ!
ううん、あんたに殺されたタブちゃんは私よりももっともっともっと
苦しんで死んだのよ!!」
息も絶え絶えな虐厨の髪をひっつかみ
「タブちゃんを見習うんだよ!!!あああああああああああ!!?」
何度も何度も地面に顔面を叩きつける
「ひ・・・ひぎゃ・・・ぼうやべで・・・」
「ピィ!!」
虐厨の後頭部にファイアローの叫びが響く
少女は手を止め、ファイアローの視線を受けた
「そうね、タマゴを温めて孵化させたあなたにとって、あの子は我が子同然だったものね
・・・いいわ、好きにしても」
虐厨は少女の手から解放された
次の瞬間、右耳はファイアローの嘴に噛まれ、そのまま食いちぎられる
「いひいいいぎいいいいい!!!?」
背中に乗っかり、火の粉を虐厨の体にまき散らしながら
ファイアローは虐厨の耳を髪を皮膚を手当たり次第についばみ、食いちぎった
背中を火で焼かれ、さらにじわじわ肉を生きたまま食いちぎられる
虐厨は味わったことのない苦痛に醜い叫びを上げ続けた
しかし、ファイアローはやめない
少女もファイアローを止めない
やがて、背と頭の骨が露出するに至って、ファイアローはようやく止まった
「そこ!何をしている!?」
警察官だ、虐厨の声を聴いて駆けつけたのだろう
虐厨は「助かった」と安堵し、声を上げた
「だずげで!!ごろざれる!!!!」
警察官は少女とファイアロー、そしてタブンネの死体を見て悟った
虐厨が人のポケモンに手を出し、飼い主に報復されるなど珍しくもない
「あっちにゴミ捨て場がありますから、終わったらそこに片づけて下さいね」
「生ごみ用」と書かれたゴミ袋を少女に渡し、警察官は去っていった
「までぐぞげいざづ!!虐厨様をだずげろおおおおお!!!!」
少女は叫ぶ虐厨の頭を掴む、そして背中側に回り、その腰を踏みつけた
「フィニッシュ行くわよ」「ピィ♪」
ファイアローは少女の頭の上に乗った
ヤヤコマだった頃からそこはファイアローの特等席だ
ファイアローは唯一、殺されたタブンネだけをそこにいる事を許していた
少女は「特等席」にファイアローが座った事を感じつつ
頭を掴む腕に力を入れ始めた
メキメキ音を立てながら、虐厨の体は逆ブリッジしていく
「いぇべで!!ごろざないでええええ!!!いぎゃああああ!!!!!」
少女は無様な命乞いをスルーした、虐厨の背は反り続ける
やがて、大きな破壊音を出して虐厨の背骨は折れ
頭と尻がくっついた
(おわり)
48
:
人間には手を出すな 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/12/28(水) 03:54:45 ID:uBI5fHLk0
※虐厨化した生物が殺されます
その街には、カラスの群れが生息していた
彼らは生ごみを漁り、野山の動物を食べ、平和に暮らしていた
ある日・・・カラスのボスは、ふと仲間の死骸を目にした
人間の仕掛けた毒餌を口にして死んだその骸に
野良ゆっくりが群がり、肉を口にしていた
ボスのカラスは不快に思った
理由は分からない、もし犬や猫なら気にも留めなかっただろう
しかしボスカラスは怒り、その死骸に群がるゆっくりに奇襲をかけて全滅させた
ボスの怒りはそれだけでは収まらなかった
彼は群れに通達した
ゆっくりを殺せと
バッジのないゆっくりは野良か野生だから殺しても構わない
バッジ付きでも飼い主がいようと構わず殺せ、と
ただし、金バッジのものは飼い主がいない時を狙え、無理に手を出すな、と
彼のこの知識は、飼い主からの報復で屍を路上に晒した
一匹の虐厨がもっていた「虐待ノート」からのものだ
亡き賢い母から人間の文字についてかつて学んでいた彼は文字を読むことができた
そして苦労して巣に持ち帰ったこの一冊のノートから
彼は見かけるゆっくりが時々つけている「バッジ」について知ることができた
一見完璧に思える彼の作戦には、しかし致命的な穴があった
そもそも、なぜそこまで予防線を張っていた虐厨が路上で殺されたのか
虐厨はどうして、そのような末路を迎える羽目になったのか
そこまで理解が回らなかったのだ
そして・・・そのツケはやがて訪れた
ある日、彼の仲間の一羽が人間に網で捕らえられた
そのカラスに殺された銅バッジまりさの飼い主である人間にその仲間は、動かなくなるまで何度も踏みつけられ殺された
ボスは目撃者である手下の報告を聞いて首を傾げた
何故だ、と
ノートには「銅バッジは人間が所有しているだけの価値ないもの」とあった
どうして銅バッジを殺したくらいで人間がそこまで怒り狂ったのか、彼には理解できなかった
彼は、ノートの記述にある重要な事項「人間が所有している」を完全に見落としていた
ボスが調査を命じる前に、そのうち殺されるカラスの数は急激に増えていった
人間の中には、カラスを執拗に追いかけ捕らえ殺す者も現れ始めた
人間がカラスを「敵」と認識した・・・それが分からぬほどボスは愚かではない
そしてここにきて初めてボスは、自分が何か致命的な過ちをしでかした事に気づき始めた
しかし、その「致命的な過ち」が何なのか、今に至ってもまだ分からない
そして、今更気付き改めるにはすでに遅すぎた
「ここか、飼いゆっくりを狙うカラスどもの生息地は」「一羽も逃すな、絶滅させろ!」
カラスの群れのいる林は今、人間たちに包囲されていた
保健所の職員に加え、自分の飼いゆっくりを傷つけられ、あるいは殺された人間が
その包囲にいた
誰もが手に銃を、あるいはネットランチャーを持っていた
先んじて脱出を試みた仲間たちは猟銃によってすべて落とされ地べたに屍を晒している
49
:
人間には手を出すな 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2016/12/28(水) 04:01:40 ID:uBI5fHLk0
ボスは今更ながら、幼い頃に今は亡き父から聞いた話を思い出していた
父親は強いカラスだった
しかし、人間の家畜の鶏に手を出したため、人間に報復された結果左目を失った
だから、彼は彼の子供たちに言った
「絶対に人間とその持ち物には手を出すな」と
カラスである自分たちに人間の抱く価値観など理解できない
貴重と思えるものに対してあまり執着しない事もあるし
逆に、くだらないと思える物に対して異常に執着していることもある
それが人間だと
だから、手を出さぬことが無難な選択なのだ
触らぬ神に祟りなし
しかし・・・もはや、後の祭りである
ボスも彼の仲間も、人間の持ち物「飼いゆっくり」に手を出してしまった
結果、人間の怒りに火を付けてしまい、今彼らは報いを受けようとしている
「金バッジでないから手を出してもいい」などという理屈は、しょせん虐厨の身勝手な憶測にすぎないのだ
銅バッジだろうと金バッジだろうと、人間にとって愛する対象である事に変わりはない
そして、愛するものを傷つけられれば人間は怒り狂う
そんな簡単な理屈を失念していた、それがボスの最大の失敗だった
こうなったらもう、生き残る道は一つしかない
住み慣れた林を捨て強引に包囲を突破する事だ
ボスは最後の号令を発し、真っ先に飛び立った
彼の仲間も後に続く
「飛んだぞ!」「撃て!撃て!!」
次々に地上から銃弾が飛び、仲間たちが落とされていく
網がまとめて数羽の仲間を絡め取り、死が待つ地上へ引きずり下ろしていく
そして銃弾は、ボスの左の翼を貫いた
ボスは仲間たちが必死に逃げていく様子を視界に収めながら、地上へ墜落した
「でかいな・・・こいつがボスだ!間違いない!」「殺せ!」
ボスは、これまで遭遇したことも無い人間たちの怒りと憎悪を目の当たりにした
これが、人間に手を出した報いか・・・
ボスは心の中で死んだ仲間とあの世の父に詫びながら殺された
今、その街には飼いに手を出すカラスはいない
手を出した群れがどうなったか、それはカラスたちの各グループに伝達され
あるいは生き残りによって広められ
カラスたちにとって「人間の飼いゆっくり」に手を出す事そのものがタブー視されたからだ
「や〜い、せんそーくんwwwせんそ・・・アギャアアアアアアアアアアア!!!」
時々、飼いに手を出して惨殺される虐厨の存在が、その話の信ぴょう性を裏付けていた
「人間に喧嘩を売ってはいけない」
町に住むカラスを含む野生動物たちに共通するルールとしてそれは定着していた
牙もなく爪もないその生物はしかし、道具と知恵で熊すら殺す
敵に回すにはリスクが高すぎる存在
それが人間なのだ
そして、今日も町にカラスは住みつき、自由を謳歌している
人間に気を付けながら
(おわり)
50
:
あるスーパーにおける常時 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/01/13(金) 02:15:51 ID:gL8tyT7I0
ここは、とある町のスーパーの前
「ここでおとなしく待ってるんだぞ」
しぃの飼い主は紐でペット用スペースにつながれたしぃの頭をなでる
しぃは一声鳴いてその場に丸くなった
そして、飼い主がスーパーの中へ消えて数分後
「お、しぃ発見」
何者かの影がしぃの前に立った
20分後、買い物を終えた飼い主の目の前には地獄絵図が広がっていた
「じぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
しぃは背後から虐厨に犯されていた
その両手両足は無残にも切断され、地面に転がっている
「なにしてやがる!?」
「おwwwこいつの飼い主かwww待ってろwもうすぐ終わるからなwwww」
虐厨はフィニッシュを決めると、飼い主の方へしぃを乱暴に蹴飛ばした
「ほらよwww気持ちよかったぜwww」
飼い主の中で、何かが音を立てて切れた
飼い主はスーパーで購入したばかりの包丁のパッケージを外し
虐厨の左肩へ勢いよく振り下ろした
「あぎゃああああああああああああああ!!オレの腕があああああ!!!!」
虐厨の左腕は肩から文字通り「外れた」、皮一枚でかろうじてくっついている状態だ
「そんな痛みがなんだ!!てめぇが傷つけたオレのしぃは、もっと痛かったんだぞ!!!」
飼い主は虐厨へ足払いをかけて転倒させると、その両足の腱を斬った
「あじ!!おでのあじいいいいい!!!」
飼い主はのたうち回る虐厨を見ながら しぃの手当てを始めた
しぃは弱弱しく鳴く
彼女が自分の足で走り回ることはもうできないだろう
飼い主の中に沸々と虐厨への怒りが新たにこみ上げてきた
「そこ!何をしている!?」
そこへ虐厨の叫びを聞いてスーパーの警備員が駆け付ける
「だずげで!!ごろざれる!!!」
「すいません、実は、かくかくしかじかで」
飼い主は警備員に事の次第を説明した
虐厨が何事かわめくが、警備員は飼い主の話しか耳に入らない
警備員は腰のウエストバックからゴミ袋を取り出して飼い主に渡した
「なら、これを使ってください。生ごみはあっちのごみ箱に捨てて下さいね。後で清掃の係が来ますので。」
「分かりました」
警備員は袋を飼い主に渡すと、清掃員を呼ぶべく去っていった
「おい!!だずげろ!!おれざまをばやぐだずげろ!!!ぐぞげいびいん!!いぐなあああ!!!!」
警備員の行動は何の不思議もない、通常の対応である
この場合問題にされるのは、せいぜい虐厨の血肉でスーパーの敷地が汚れる事くらいであり
それも「子供がアイスクリームを敷地内で落っことした」程度のささいな問題だ
虐厨が殺されることは何の問題にもならない
むしろ、「飼いと知りながらその生物に手を出した」事、それこそが大問題であり
「それ」をした瞬間、虐厨は「基本的人権」を含むあらゆる権利を「放棄した」とみなされる
早い話、虐厨は人や人の物に手を出せば「人」ではなく「害獣」とされるのだ
それを「駆除」するのは当然の常識であり、飼い主の行動に何ら咎められる点はない
「さっきからうるせぇよ!!警備員さんが来ちまっただろうが!!!」
飼い主は虐厨を蹴飛ばしてうつぶせにすると、その尻の真ん中へ包丁を突き立てた
51
:
あるスーパーにおける常時 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/01/13(金) 02:19:10 ID:gL8tyT7I0
「いぎいいいいいいいいいいい!!!」
虐厨が絶叫するのも構わず、そのまま包丁を下へと切り下す
「あぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
虐厨の肛門と性器が破壊され、虐厨はこれまでにない苦痛を味わう
「ちっ、買ったばかりなのにこの包丁はもう使えねぇや・・・どうするんだよ、あ?」
しかし飼い主の怒りは収まらない
飼い主は虐厨の尻の傷を思い切り踏みつけた
「おぎょおおおおおおおおおおおおお!!!」
「うるせえって言ってるだろが!!!」
そしてそのままストンピングを始める
「てめぇがオレのしぃに手出すから悪いんだろが!!なんでだ!!なんでしぃに手を出した!!」
足が振り下ろされる度、虐厨の中ですさまじい痛みが走りまくる
そして、尻の傷口からは腸などの内臓が顔を出し、
ストンピングの度にどんどん体内から露出し始めた
「臆病者めが!!やるならオレを直接殺せよクズが!!!」
虐厨は尻の傷口から内臓を漏らしながら、次第に叫び声を小さくしていく
やがて、腸を尻から漏らしきってビクンビクンと動くだけのモノになり果てた
飼い主は、あまり動かなくなった虐厨を袋に詰める
虐厨が弱弱しく抵抗するが気にしない
「どうもお客様、おまたせしました。そいつが例の奴ですか?」
警備員が呼んだ清掃員が現場に駆け付ける
「はい、すいません大きな声を出してしまって・・・」
「いえいえ、こちらこそ申し訳ありません。このような害獣が
スーパーの敷地内に入っていたなんて、なんとお詫びすれば・・・」
飼い主と清掃員は互いにペコペコしながらやり取りをし・・・
やがて、飼い主はしぃを抱えて愛車へ乗り込み去っていった
清掃員はまだ蠢く生ごみ袋を尻目に黙々と血肉の片づけをする
「だ・・・ずげで・・・たずげでぐだざい・・・」
「ちっ、まだ生きてたのかよ」
清掃員は飼い主への態度とは全く異なる
害虫を見る目でごみ袋(の中の虐厨)を見た
「めんどうくせぇ、このまま焼却炉に放り込むか」
清掃員のつぶやきを聞いた虐厨は弱弱しく暴れたが
苛立った清掃員に地面に一回叩きつけられて痙攣するだけになった
清掃員は焼却炉へ袋を抱えて向かう
「お客様とトラブルを起こした虐厨一匹を焼却処分」
その日の報告書のたった一行の中に存在を残し
その虐厨は永遠に地上から姿を消した
(おわり)
52
:
クズ虐厨の中のクズ 1/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/02/06(月) 04:09:35 ID:98fYlSp.0
「!?・・・ここは・・・?」
虐厨の虐夫は目を覚ました
見知らぬ床の上に彼は転がされていた
すぐ目の前には相棒の虐厨の虐助が転がっている
二人とも衣服を身に着けていて、縛られていない
手錠すら無く、虐夫のズボンのポケットにはスマホまである
「おい、起きろ」
虐夫は虐助を揺さぶり起こした、その時
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ドアを開けて見知らぬ男が部屋に入ってくる
男の顔に表情はなく、長袖シャツとジーパンを着ていた
その手には水がなみなみと入った水差しと
プラスチックのコップが二つ乗っている樹脂製トレイ
虐厨二人は身構えたが、男はトレイを二人の前の床に置くと
ドアから出て行った
「・・・・・・オレたち、捕まったのか?」
「どうやらそうらしい」
虐夫はここに来る直前の事を思い出していた
”三人”で共有する隠れ家に二人ともいた
この隠れ家は、被虐生物を虐待するための家屋だ
おおっぴらに虐待ができないもの----金バッジの飼いゆっくりや
可愛がられている飼いミニイカ娘、飼いゲルゲなど----を
散歩中や飼い主が留守の間の家に侵入するなどして誘拐し、
そこへ連れ込んで遊んだ
遊んだあとは飼い主の家の前に捨て、遺体を発見した飼い主が
絶望と怒りと悲しみが混ぜこぜになった感情を放つのを遠くからこっそり眺め
笑い転げるのが三人の密かな楽しみだった
だから・・・・・・報復される覚えは数えきれないくらいあった
たまたま遠くから飼い主を見ているところを誰かに発見されて、
そいつが飼い主に告げ口したかもしれない
あるいは、散歩中に目の前で蹴り殺した銅バッジまりさの飼い主が
愛護仲間に依頼してさらったかもしれない
いずれにしろ、このままここにいたら何をされるか分かったものではない
虐厨にも人権が認められている社会とはいえ、
刑務所に入るリスクを冒してでも虐厨に報復を行う飼い主は後を絶たないのだ
「・・・ん?」
どうするべきか考えを巡らせている虐夫をよそに、虐助は水差しの水を飲みながらドアノブに手をかけていた
「おい虐夫、ドアのカギ開いてるぞ」
「なんだって!?」
虐夫は虐助がドアノブをひねって易々とドアを開ける様子を見た
「ふん、マヌケな愛護め!www」
二人はドアの外へ出た・・・そこは木造の家屋だった
施設とかではなく、どこにでもある一般的な住居の中だ
二人は玄関を目指した
53
:
クズ虐厨の中のクズ 2/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/02/06(月) 04:13:24 ID:98fYlSp.0
虐夫は外へ出たら真っ先に警察署に駆け込むつもりだった
自分たちを誘拐した愛護を許すつもりなど無い
「・・・・・・・・・・・・・・・」
玄関の前に、さっきの男がいた
男は虐夫たちが来るのを待っていたかのように、腕組みをして直立していた
虐夫たちは立ち止まった
目の前の男は、よくよく見ればかなりガッシリしている
長袖シャツは内側から筋肉で押されてパツパツになっており
肩幅も虐夫たちの倍はある
「通りたければオレを倒せ」と来られたら、勝ち目はない
しかし・・・
「・・・水は、飲んだか?」
男はそう切り出した、虐夫たちは顔を見合わせる
「水は、飲んだか?」
「ああ、それがどうしたクソアイゴ!www」
虐助はそう言った、すると男は無言で虐夫たちの右のドアを指さす
「トイレ」とそこに書かれていた・・・次の瞬間
「おが・・・・・!?」
虐助は猛烈な便意に襲われた、彼は男を無視してトイレへ駆け込む
「虐助!?てめぇ、水に何を入れた!?」
「下剤だよ」
虐夫は虐助と違い、水を飲んでいない
もしかしたら毒が入っているかもしれないと警戒したからだ
もし虐助が倒れたら彼を抱えて脱出する必要がある、だから虐夫は水を飲まなかった
「あんたたち・・・3人でデパートの前のゲルゲを襲ったんだって?」
男は次にそう切り出した
「見た目で誰かの飼いだって、分かった上で襲ったんだって?」
「そ・・・そうだ、それがどうした!?」
虐夫はその時のことを思い出した
3人で獲物を物色中、デパートの駐輪場のペット待機スペースにいたイチゲルゲ
紐でつながれていたそれを・・・
「その場で3人で犯して・・・飼い主が来てもその目の前で犯し続けたんだって・・・?」
「何が言いたいんだよ!?」
虐夫は男の不気味な雰囲気に飲まれつつあった
「ひぎゃあああああああ!!!!」
トイレから、虐助の悲鳴が響く
「どうした虐助!?」
「尻が・・・オレの、オレの尻がああああああ!!!」
バタンとドアを開けて虐助が転がり出る
その尻を見て・・・虐夫は絶句した
54
:
クズ虐厨の中のクズ 3/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/02/06(月) 04:16:28 ID:98fYlSp.0
「お前たちに襲われたゲルゲ・・・死んだんだよ」
虐助の尻は・・・・・・・・
「・・・もう二度と、う●こできないねぇ・・・」
硬く、縫い合わされていた
尻の中心を切り開かれた上でさらに硬く縫われていた
抜糸の必要のない、時間が経てば体に吸収分解される特別な糸で
虐夫は恐る恐るズボンのベルトを外し、自分の尻を手で確認する
「・・・うわあああああああああああああああああああ!!!!」
虐夫は自分の尻も硬く縫い合わされていることを知った
二人の肛門は、もうない
便意が来たとしても、排出する術は永久に失われたのだ
「おご・・・おごごごごごごごごごごごごごぉぉぉぉぉぉ!!!!」
強烈な便意と腹痛に虐助は下半身を露出したまま床をのたうち回った
生き恥を晒す事を覚悟の上でそれを解消しようにも、彼の肛門はもうないのだ
「たのむ!解毒剤をくれ!!」
虐夫は苦しむ虐助を救うため、男に懇願した
「たのむ、ねぇ・・・あんたら、そうやって命乞いしたゲルゲたちを何体殺してきたんだ?」
「クソムシどもの事なんかどうだっていい!!虐助が死にかけてんだぞ!!」
男はピクリとこめかみに血管を浮かせ・・・懐からカプセルを出した
虐夫はろくに確認もせずそれをひったくると虐助を起こしてその口に押し込み飲み込ませる
「あ、おい・・・それは」
「うごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
次の瞬間、虐助はさらなる悲鳴を上げて床に突っ伏した
ビクンビクンと大きく跳ね、尻を上に突き上げる
その尻は縫い目の部分を中心にモコモコと膨張していき・・・そして
ブバアアアアアアアアアアアアアン!!!!
大音響とともに一気に裂け、内臓と汚物と肉片と血液が混じったものを天井と床とトイレのドアにぶちまけた
「・・・オレは一言もあれが”解毒剤”とは言ってないぞ・・・
こいつをお前が飲んだら何とかしてやる、そう言うつもりだったんだけどな」
中身を噴出しながら虐助はみるみる青くなり、痙攣をはじめ・・・やがて噴出が終わると動かなくなった
「効き過ぎだな、この対虐製薬製の特殊駆除剤は・・・後でアンケートに書いておくか」
そう言うと男は虐夫に向かって歩み寄った
「な・・・なにをする気だ?」
「オレも男だ、飲んだのはこいつだが・・・約束は約束だ、なんとかしてやる」
虐夫へ男はそう言った
55
:
クズ虐厨の中のクズ 4/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/02/06(月) 04:23:42 ID:98fYlSp.0
息絶えた虐助を見て虐夫は思った、冗談じゃない・・・と
何しろ彼自身「治療」と称して100%相手が苦しんで死ぬ「手術」を行ってきたのだ
だから・・・男が仕様としていることもそうに違いないと予想した
このままではきっと殺される・・・虐夫は必死に頭を働かせた
そしてふと、ズボンのポケットにスマホがそのままある事を思い出した
そう、彼らは”3人”グループだ
まだ捕まっていない虐太郎がいる・・・あいつに助けを求めようと虐夫は決断した
男をかわし虐助の死体を飛び越えトイレのドアに飛び込み、男が駆け寄る前に鍵を閉める
そしてスマホの電池残量が半分以上残っていることを確認し・・・コールした
「たのむ、出てくれ・・・!」
ヒギャアアアアアア ヒギャアアアアアア
「・・・・・・・へ?」
ちびギコの悲鳴を録音した、虐太郎のスマホだけの独特の呼び出し音
彼が他の虐待仲間にも自慢していたそれが・・・”トイレのドアのすぐ外”から聞こえた
「・・・おう、もしもし」
そして返って来たのは、あの男の声だった
「もしかしてこのスマホの持ち主、お前の仲間だったか? 悪いが、あいつは二度とこれを使えない」
「お・・・おまえ、虐太郎をどうした・・・!?」
目の前が真っ暗になる感覚に襲われながら、虐夫は聞いた
「先に断っておくがオレじゃねぇ、オレの友の飼いちびギコを目の前で虐待したから、その場で飼い主のそいつに殺されたんだ
なんでよりによってあいつのに手を出すかね・・・オレよりパワーが有り余ってる奴でな、死体はミンチになっちまった
だから後で身元確認しようと思ってスマホを預かってたんだが・・・そうか、あいつが虐太郎って奴だったか」
死んでたならいくら探しても”3人目”は見つからないわけだな、と男はつぶやいた
虐夫は絶望した・・・最後の望みだった虐太郎はもう、この世にはいない
そして男には仲間がいる、その上・・・虐夫は自分の尻を触った
二度と排泄ができなくなった、尻を
「出てこい、なんとかしてやる、約束は守る」
虐夫は観念してドアのカギを開け、外へ出た
男は虐太郎のスマホ---彼が以前に誘拐して殺した飼いゲルゲの毛皮で作ったカバー付きの---を手にしていた
「ついて来い」
男は虐助の死骸をそのままに、虐夫を家の奥へ誘った
虐夫にはもう選択肢はなかった
3日後、ゴミ捨て場で自分の排泄物を喉に詰まらせて死んでいる虐夫が巡回中の警察官に発見された
虐夫の体は肛門(尻そのもの)が硬く縫われており、
大腸が直接食道に接続され、口から汚物を排泄するようにされていた
死体を検分した検察は首を傾げたが、「虐厨だから」ということで深く考えられることなく
遺体は焼かれてごみ焼却灰処理場に捨てられた
プルルルルルル・・・朝早く、男の仕事場兼自宅の電話が鳴る
男は熱いコーヒーで眠気を覚ましつつ電話に出た
「はいもしもし、こちら対虐厨復讐代行業者”ギャクサツ”です」
虐厨が世にはびこる現状、男の仕事に終わりはない
(おわり)
56
:
トレーナーの心得 1/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/02/23(木) 01:40:07 ID:mgxkh5NQ0
「おかしいな・・・?」
「狩り」をするためにピジョットを離した虐厨の虐彦は、いつまで経っても
ピジョットが戻ってこない事を訝しんだ
もうかれこれ3時間ほどになる・・・いつもは1時間か長くても2時間程度で戻ってきたはずなのに
そこへ・・・
「ガウ!!」
「わぁ!?」
虐彦の胸に茂みから飛び出したヘルガーが飛びつき押し倒す
「グオオオオオオオオオ!!!」
虐彦を取り押さえたヘルガーは遠吠えをした
虐彦にはそれが何を意味するか分かっていた・・・仲間を呼んでいるのだ
今、手元にポケモンはいない
頼みのピジョットは行方が知れない
ヘルガーの群れに囲まれたら助かる術はないのだ
「ヘルガーそっちか、今行くぞ!!」
虐彦は人の声にほっとした
このヘルガーはトレーナーのポケモンだったのだ
ほどなくして、草むらをかき分けて屈強な男とサザンドラが姿を現す
「なぁ、あんたに聞きたいことがあるんだが・・・」
男の質問を遮って虐彦は叫んだ
「その前にこのヘルガーをどけろ!」
「人違いだったらすぐどけてやるよ」
男はそう言って、ひん死のピジョットをボールから出した
「これ、あんたのピジョットか?」
「し・・・知らねえ!!」
何か「やばい」雰囲気を感じた虐彦は、とっさに嘘をついた
左ほおに虐彦が付けた火傷がある、明らかに虐彦のピジョットだった
「こいつはこの辺を暴れまわって人のポケモンを襲って食っていたんだ。
数日前もオレの弟の家族の保護していた赤ん坊ポケモンが襲われたんだが・・・」
「知らねぇ!!クソタブなんざ知らねぇよ!!」
「・・・なんで殺されたのがタブンネだって知ってるんだ?」
57
:
トレーナーの心得 2/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/02/23(木) 01:42:38 ID:mgxkh5NQ0
虐彦は己の失言を悟った
そう、虐彦はタブンネを狩っていた
タブンネだけではない、他のポケモンにも手を出していた
ただ、野生のタブンネは警戒心が強い上に、たまに強すぎる個体に出くわすこともあった
そこで虐彦は・・・他人が所持しているタブンネを狙う事にしたのだ
最初は高レベルタブンネを狙って犯行を繰り返していたが、
突然ポケモンを失ったトレーナーたちの悲しみ怒りを見るうち・・・
いつしか、他人のポケモンを無差別に狙うようになった
経験値が少ししか入らないだろう赤ん坊ポケモンにも手を出した
虐彦は逃げ足には自信があったし、何より相棒のピジョットは空を飛ぶポケモンだ
空を飛べる人間などいないし、「こうそくいどう」を覚えたピジョットに追いつける追手は今までいなかった
目の前の男が所有する「すばやさ」極振りサザンドラに会うまでは
「お・・・オレは知らねぇ!ピジョットが勝手にやったんだ!!その糞鳥が悪い!!オレは悪くねぇ!!」
「てめぇ・・・虐厨とはいえ、それでもポケモントレーナーかよ?」
激怒した男はボールを取り出して、中から”左ほおに火傷があるピジョット”を出した
「・・・へ?」
「あんた、虐彦って名前なんだって? 今のポケモンセンターはな、ポケモンの入っているボールから
ポケモンの持ち主を特定できるんだよ」
”瀕死のピジョット”はみるみる溶けていき・・・”メタモン”になった
つまり、瀕死のピジョットはメタモンの変身で・・・本物は男のバッグの中で待機していたのだ
「ピジョット!!このヘルガーとそのクソアイゴを殺せ!!」
虐彦はついさっきまで己のしでかした裏切りを一切顧みることなく、ピジョットに命令した
しかし、ピジョットは男を見て、虐彦を見て・・・フイとそっぽを向いた
「なにしてるんだ!!!早くしろ!!また鳥かごに押し込められて水かけられたいのか!!」
男はピジョットの頭を撫でる、ピジョットは嬉しそうに鳴いた
「こいつはもう、お前のことなんか愛想尽きたってよ」
ピジョットは男のサザンドラに倒された後、ポケモンセンターに運ばれて治療された
そこで虐彦の手持ちであることなどが判明し・・・
男は一計を案じたのだ
結果、ピジョットは虐彦の裏切りをボールの中から聞いた
元々ポッポの時から数々の虐待を受けていたのだ
技を外せば飯を抜かれ、勝負に負ければ鳥かごに押し込められて水をかけられた
当然なつき度は限りなく低く、それでも一応自分のトレーナーだからと渋々従っていた
だが、虐彦の裏切りはその義理を捨ててなお余りあるほどの暴挙だった
58
:
トレーナーの心得 3/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/02/23(木) 02:00:48 ID:mgxkh5NQ0
「ピジョット!!そのクソアイゴを今すぐ殺せぇぇぇぇぇ!!!」
ピジョットはギロリと虐彦を睨む
「な、なんだその目は、いったい誰が役立たずのポッポからここまで育ててやったと思って・・・!」
ピジョットは虐彦を無視して男を見た
「好きにしろ、ただし殺さない程度にな」
男の許可を貰ったピジョットはヘルガーが押さえている虐彦に近づき・・・その顔を羽ではたいた
そして男の所へ戻っていく
「・・・いいのか? 聞いた話じゃその程度のぬるい仕打ちが釣り合うとは思えないが?」
ピジョットは首を振った
これで十分だ、と、その目が語っていた
そして・・・静かに目を閉じた
「分かった」
男は言うと、何も入っていないゴージャスボールを投げ、ピジョットを中に入れる
「こいつの指示とはいえお前がしてきたことが帳消しになるわけじゃねぇ・・・
けどま、どうするかはオレたちと一緒にゆっくり考えて行こうぜ」
男はピジョットを入れたゴージャスボールをしまうと、虐彦を見る
「ひっ」
「さてと、あとはてめぇの始末だけだな」
虐彦は逃げたかった、が、胸の上のヘルガーにしっかり押さえられ身動きが取れない
「なんでだよ!!全部クソドリがやったんだよ!!オレは・・・」
皆まで言わせず男は虐彦の顔を蹴飛ばした
「ポケモンがやったことはトレーナーの責任だ!
勝負に勝ったらポケモンのおかげ、これはどこのポケモンスクールでも最初に習う事だぞ」
「兄さん!!」
少し瘦せ気味の男が新たにやってくる・・・ドサイドンに乗って
「おう、犯人はつかまえといたぜ」
「ありがとう」
「な・・・なぁあんたら、そのピジョットはくれてやるから、ここで手打ちにしねぇか?」
二人は虐彦を見た
「オレを懲らしめたって死んだクソタブどもは生き返えらねぇ、あんたたちには何の得もねぇだろ?」
ヘルガーは虐彦の胸から降りてトレーナーの男へと走り寄る
代わりに、痩せ男のドサイドンが前に出た
「どうする? 兄さん?」
「そうだな、こいつの言う通りだ・・・こいつを叩きのめしても死んだポケモンは帰ってこねぇ」
虐彦はうんうんと頷き、下卑た笑みを顔に浮かべる
「叩きのめした程度じゃ、またこいつは新しいポケモンを奴隷にして同じことを繰り返すだけだ」
うんうん・・・と頷いた虐彦はぴたりと止まった
59
:
トレーナーの心得 4/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/02/23(木) 02:22:11 ID:mgxkh5NQ0
「お、おい、まてよ、何を言って・・・」
虐彦が言うのを無視して屈強な男は続けた
「こいつは、生きてちゃならねぇ!」
兄の決断に弟は頷いた
「ドサイドン、アームハンマーだ・・・潰せ!」
ドサイドンは頷き、虐彦へ接近を開始した
「ひぃ、や、やめろ!わ・・・分かった!弁償する!いくらだ!?いくら欲しい!?
でかい金の玉なら10個でも100個でもくれてやる・・・!」
屈強な男とサザンドラ、痩せ男とヘルガーはかぶりを振った
屈強な男はつぶやいた
「やれやれ・・・てめぇって奴は・・・正真正銘のドクズ野郎だな」
虐彦の背後にサザンドラとヘルガーが回り込む、逃げ場はない
ドサイドンはさらに一歩手前まで近づくと、その両腕を振り上げた
「まて、まてったら!金じゃないなら詫びか!?分かった!わび状を100枚でも1000枚でも書いてやる!
指だって詰めてやるから、命だけは助けt」
ドゴォ!!!!
ドサイドンの両腕が振り下ろされ、虐彦の醜い声は永遠に止まった
「てめぇはそうやって命乞いしたポケモンを何体殺したと思ってやがる・・・ったく」
屈強な男は虐彦だったものを見下ろして言った
ドサイドンは穴を掘り、虐彦だったものを地中へ埋めた
「おじちゃん!パパ!」
小さい少女--3歳くらいの--が二人のところへ駆け寄ってくる
その時、屈強男のポケットからピジョットが飛び出した
「!?」
少女は覚えている、そのポケモンが自分のタブンネを殺した個体であることを
ピジョットは少女を見つめ・・・目を閉じた
さっき少女の叔父に言われた事はピジョットには分かっていた
トレーナーの虐彦に全責任があるとはいえ、ポケモンたちを手にかけてきた
ピジョットの罪が帳消しになるわけではない
この場でその少女は、ピジョットを好きにする権利がある
たとえ殺されても恨まない、そうピジョットは決意していた
しかし・・・少女はそっとその首に腕を回した
「おじちゃん、この子、私にちょうだい」
「ん、ああ、いいぞ・・・っていうか、オレのじゃないし
元の持ち主も所有権を放棄したからな」
「ありがと!これからよろしくね、ピジョット!」
ピジョットは初めて人のぬくもりを知った
ピジョットの目から、涙が流れた
それから十年後、左ほおに火傷のあるピジョットを連れたポケモントレーナーの少女によって
その地方に出現し暴れまわっていたポケモンマフィアが壊滅することになるが・・・
それはまた別の話
(おわり)
60
:
積むは難く崩すは易し 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/03/08(水) 03:33:11 ID:KXhneKMQ0
「へいらっしゃい!安いよ〜!!」
ここは、とある町の老舗の魚屋
親子代々続いて、彼の代で20代目になる
その歴史が彼の自慢だ
その日も魚屋は商売に汗を流していた
「ゴメンクダサイ」
そこへ、名札のついた首輪を付けたちびしぃが来た
「・・・・・・」
20代目は顔をしかめた
彼はしぃが苦手だった
アフォしぃに魚を盗まれたことは一度や二度ではない
そして過去に彼は、勘違いで無実の飼いしぃを捕らえたことがあった
すぐにそのしぃの飼い主が駆け付け、真犯人を捕まえた上で
しぃを奪還されたが・・・もし飼いしぃが死んでいたら
店はつぶれていただろう
だからこそ彼はしぃが嫌いだった
「コレヲクダサイ」
ちびしぃは真鯛を指さして財布から万札を出した
20代目の心に黒い感情が湧いた
「足りないな」
「ゴ、ゴメンアサイ、スグご主人様ニ・・・」
「馬鹿野郎!!」
魚屋はちびしぃの頬を張り飛ばした
「足りない分は働いて稼ぐんだよ!!」
足りないというわけはない
むしろお釣りがくる金額だ
しかし、彼はちびしぃが生意気に思えた
たかがしぃの分際で真鯛などという高級魚に手を出したことが許せなかった
それが彼女の飼い主からの指示である可能性など、彼の頭にはない
3時間後、日はすっかり暮れた
ちびしぃはヘトヘトだった
重い魚の入った箱をいくつも運ばされ、少しでも遅いと
拳骨と蹴りが怒声と共に飛んでくる
それでもちびしぃは、ご主人様を喜ばせたくて
初めてのお使いを成功させたくて、必死だった
「よし、これで今日は店じまいだ」
魚屋の魚はすっかり売れた、ちびしぃが指さした真鯛も含めて
「アノ・・・オサカナ・・・」
「あ〜、待ってろ」
魚屋は店の中に引っ込み・・・痛んで廃棄予定のブリを持ってきた
「ほれ、持って帰れ」
「アノ、コレジャナイデス、御主人様ハ赤イ魚ヲ・・・」
「ごちゃごちゃうるせぇ!!」
魚屋はちびしぃを蹴飛ばした
「これが今日のお前のバイト代なんだよ!黙って持って帰れ!!」
ちびしぃはヨタヨタと大きなブリをかかえ、フラフラと歩きだす
数歩ほど歩いたところでバランスを崩して転倒した
疲労と、魚屋から加えられた暴行が彼女から体力をごっそり奪っていた
それでもちびしぃは地面に落ちた腐ったブリを抱えて持ち帰ろうとした
ご主人様に喜んでもらうために
魚屋はそんなちびしぃの背に右足を乗せ、圧迫した
「ざまぁw」
61
:
積むは難く崩すは易し 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/03/08(水) 03:40:29 ID:KXhneKMQ0
「この野郎!!」
魚屋は急に強い力で前に突き飛ばされ、宙を舞った
「大丈夫か!?しっかりしろ!!」
男は魚屋に踏みつけられていたちびしぃを抱き起す
「てめぇ!!なんでこんな事した!?」
「ご・・・ごは・・・」
魚屋は地面に落ちたはずみで背中を強打してしまい、悶絶して返答どころではない
「なんでやったって聴いてんだよ!!」
男は魚屋の胸倉を掴んで引き起こした
「な・・・なんだよあんた・・・」
「このちびしぃの飼い主に決まってるだろが!!帰りが遅いから来てみれば・・・なにやってんだてめぇ!!?」
魚屋は剣幕におびえつつ、しかし言葉を絞り出す
「そいつの持っていた金じゃあの魚は買えない、だから足りない分を働いてもらって・・・」
しかしその主張は、飼い主の怒りの火に油を注ぐだけだった
「はぁ!? 金が足りないならなんでオレに連絡寄こさなかった!?
こいつの名札に連絡先が書いてあるだろうが!!」
「そ・・・それは・・・」
飼い主の主張はまっとうなものである
ちびしぃを拘束した上にこき使ったのは明らかにやり過ぎだった
「で、一万円より高い魚ってのはどれだ?」
20代目の背筋に冷たい汗が流れた
そんな高級魚など、ない
ちびしぃが買おうとした真鯛も、せいぜい3,000円である
「どれかな〜、オレは”赤くて立派な魚を買ってきて”としか言ってないからな〜
ひょっとしてクロマグロ並みの高値の魚でも見つけたのかな〜」
完全に棒読みの飼い主は、目と口元が全く笑っていない
彼の視界にあるどの値札も、一万円もする高値は皆無だった
「ひょっとしてこれかな〜」
魚屋の顔が青くなる
飼い主の手には、ちびしぃに渡した腐ったブリがあった
「へぇ〜、オレには腐ったブリにしか見えねぇが、一万円以上する高級食材なのか〜」
飼い主は魚屋を睨みつけた
このままでは怒った飼い主にボコボコにされる・・・
魚屋は必死で自己弁護の言葉を出した
「け、けど、これは罪にはならない・・・・・・オレはしぃを痛めつけただけだ・・・」
魚屋の一言は、飼い主に残っていた最後の情けを消し飛ばした
「だろうよ!人のペット傷つけたらせいぜい器物破損だものな!!
けどな、いいか!!てめぇのした事全部洗いざらい町中にぶちまけてやる!!
二度と商売できると思うな!!!!」
飼い主は腐ったブリを魚屋にぶつけると、ちびしぃを抱えて去っていった
翌日の新聞に魚屋が飼いちびしぃを暴行したことが載った
さらに、SNSなどで魚屋のやった事はどんどん拡散していった
三日後には全国ネットのテレビのニュースになり、報道陣が魚屋に詰めかけた
魚屋は終わった
虐待魚屋というレッテルと悪評は
またたくまに町中どころか国中を駆け巡り
ぱったりと客足は途絶えた
事件からわずか一週間後、老舗の魚屋は閉店し、その長い歴史に幕を下ろした
20代目主人の愚かな行動が招いた、愚かな結末
初代から代々積み重ねてきた顧客からの信頼も土地での信用も
たった一つの事件ですべて水泡に帰したのだ
その後、魚屋は町を追われるように去っていった
彼の行方を知る者はいない
(おわり)
62
:
目-eyes- 1/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/03/22(水) 04:18:10 ID:dXLaOkio0
※ホラーゲーム[Eyes – the horror game]とクロスオーバーSSです
「この家か」
虐厨の虐雄と虐次は、とある一軒家の前にいた
2階建てで地下一階まである、大きな屋敷だ
理由は虐雄は知らないが、長い事空き家になっている事と
中に前の主が残した金銭や宝石類があること
そして・・・この館に挑んだ者が行方不明になっている事が分かっていた
行方不明になる理由は虐雄は知らない
「夜中に窓を横切る髪の長い女性がいた」「生首が窓からこっちを見ていた」といった
眉唾物の噂だけが独り歩きし、いつしか心霊スポットとして有名になっていた
そのせいで金銭目的の空き巣だけでなく、肝試しに来た者たちも多くがこの家に飲み込まれていった
が・・・二人はその行方不明を単なるウワサだと結論付けていた
それに何より、屋敷に眠る金目のものと、ここを根城にしているだろう「被虐生物」虐待の欲求が
二人を行動に突き動かした
ドアはすんなりと開いた
もちろんこれは違法行為であり、他人に見つかったら罰せられる
しかし二人は「バレなきゃいい」の一言で考えが一致していた
虐厨二人は手分けして館の探索を開始した
虐雄は1階を虐次は地下を手分けして探索する
「?なんだこれ?」
虐雄は館のあちこちで「目」の落書きを見つけていた
それが何なのか虐雄は分からなかった
侵入者の落書きだろうと結論付けて探索を続ける
しばらくして・・・虐次から連絡が来た
「どうした虐次? お宝でも見つかったか?」
「ひひひ!お化けの正体見たり、アレは”ゆっくり”だ!」
虐次は興奮した様子でそう言った
どうやら、ウワサのモノと遭遇したらしい
「ゆっくりだけじゃねぇ、ついさっきもチュンチュン一家を殺せたぜ・・・ここは天国だ!」
「・・・・・・アアアアアアアアアアアア・・・・・!!」
虐雄はふと、聞こえてきた声に---虐次以外の何ものかの声に--寒気を覚えた
「虐次、そこからすぐ離れろ!なんかヤバイ・・・」
「ちょっと待ってろ、叩き潰してや・・・ひぎ!!腕がぁぁぁ!!」
余裕だった虐次の声が悲鳴に変わった
「た・・・たすけ・・・ぎゃあああああああああああ!!!」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
虐次の悲鳴と・・・何者か分からない、「声」を最後に
虐次からの通話は切れた
そして・・・二度と虐次から連絡がくることはなかった
63
:
目-eyes- 2/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/03/22(水) 04:21:37 ID:dXLaOkio0
虐雄は地下へ向かった
虐次の事が気がかりだったし、彼が何を見たのか少し興味があった
「ヤン?」
虐雄は声のした方を恐る恐る見る
「なんだ・・・のんたぬかよ」
虐雄のライトにのんたぬの親子が照らされた
虐雄は落ちていた鉄パイプを拾うと、親子へ襲い掛かる
わずか5分で親子は殺された
「!!!!」
母のんたぬは最期に声高く叫んだ
虐雄は長年の知識で知っていた、それは断末魔ではない、仲間を呼ぶための「信号」だと
「へへ、いいぜ、返り討ちにしてやる!」
虐雄は火かき棒を握り身構えた
ガタガタガタガタ!!
「!?」
廊下の箱が勝手に震え、音を立てる
箱だけではない、そこら中に落ちている物が勝手に揺れ、振動していた
「なんだ? ゆっくりの仕業か?」
虐雄は己を鼓舞した、これはゆっくりの悪戯だと
ゆっくりの中には、こういった不可思議な力を使うものもいた
だから・・・怖くない!
「・・・・・・アアアアアアアアアアアア・・・・・」
しかし・・・虐次と最後に交わした連絡、その時に聞こえた「声」
それが徐々に近づいていた
虐雄は好奇心で、声のした廊下の先へライトを照らし・・・
次の瞬間、回れ右して全力で駆けた
ライトに照らされたものは「ゆっくり」ではない
内臓を引きずりながら飛ぶ、髪の長い女の「生首」だった
しかも口は耳まで裂け、開け放たれた口には鋭い歯が並んでいた
その目は・・・人間にはあり得ないほど恐ろしいものだった
64
:
目-eyes- 3/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/03/22(水) 04:30:11 ID:dXLaOkio0
「・・・・・・アアアアアアアアアアアア・・・・・!!」
声はまっすぐ、虐雄を追跡している
虐雄はめちゃくちゃに走り回り、階段を上り、部屋の一つに駆け込んで鍵をかけた
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
息を必死で整えながら虐雄はここへ来たことを後悔していた
冗談ではない
聞いていない、あんなバケモノが徘徊しているなど
アレはゆっくりなどではない、そんな生易しいものじゃない
知っていたら、たとえ大金を積まれてもこんな所には来ていない
アレに捕まったらどうなるか・・・虐次の断末魔が思い出された
ガタガタガタガタ!!
室内の調度品が揺れ始める
「・・・・・・アアアアアアアアアアアア・・・・・」
「ひぃ!?」
虐雄は背を預けていたドアから飛びのいた
ドア越しにアレの声が聞こえた
徐々にそれは近づいてくる
そして・・・遠ざかっていった
声が遠ざかると室内の調度品の揺れも収まっていく
虐雄はやっと一息ついた、そして泣いた
もう金目の物などどうでもいい
一刻でも早くこの屋敷から逃げたかった
だがしかし、今出ていく気にはなれなかった
幸い、逃げ込んだのは窓のある部屋だ
このまま朝になるまで待って、朝が来たら脱出しよう
あのバケモノも、まさか日中は出てこないだろう
そう決めると虐雄は息を殺してじっと待った
65
:
目-eyes- 4/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/03/22(水) 04:40:17 ID:dXLaOkio0
時折アレが巡回してきて室内の調度品が揺れ、
「・・・・・・アアアアアアアアアアアア・・・・・」
部屋のすぐ外でアレの声が聞こえる
そんな地獄を何度繰り返しただろう・・・
やがて暗かった空が白くなりはじめ・・・太陽が昇り
日光が室内を照らし出す
「・・・よし!」
虐雄はドアの鍵を開け、部屋の外に出た
バケモノはいない
虐雄は慎重に出口へ向かう
地下へは行かない
虐次の死体は回収したいが、あそこをバケモノがねぐらにしていない保証はない
虐雄は階段をそっと降りて一階の出口へ・・・
あと一歩のところで、出口のすぐ前で子ゲルゲと一緒に朝の体操をしているイチゲルゲを見つけた
そして虐雄は・・・虐厨のサガに逆らえなかった
虐雄はイチゲルゲを蹴飛ばし、子ゲルゲを踏みつぶした
そしてイチゲルゲを右手で握って握りつぶす
「オネエザンンンンンン〜〜〜〜〜!!!!」
断末魔の代わりにイチゲルゲは叫んだ
「・・・・アアアアアアアア・・・」
地下からアレの声がし、徐々にそれは近づいてきた
虐雄は失念していた
虐次はなぜアレに見つかったのか?
オレはどうしてアレと遭遇した?
全ては「被虐生物に手を出した」時、その断末魔がアレを呼んでいた
どうしてアレが被虐生物の声に反応しているのか、
バケモノにとって被虐生物は愛しい対象なのか
それとも侵入者を探るための警報代わりに飼っているのか
虐雄にはもうどうでもいいことだ
鍵のかかった出口からの脱出を諦め1階奥の部屋に駆けこむ
最初の探索の際、そちらに大きな部屋がある事が分かっていた
ドアに駆け込んで鍵をかける
あとはアレをやり過ごすだけ・・・
66
:
目-eyes- 5/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/03/22(水) 05:09:27 ID:dXLaOkio0
「ア?」
虐雄はふと、声を耳にした
ゆっくり声のした方を向く
目の前にアレが浮いていた
後ろ半分を壁に入れたまま
そして思い出す
目の前のアレは化け物だ、壁抜けをしても不思議ではない
さらに、アレを呼びよせる被虐生物をまだ持ったままだと
そして・・・本当にヤバイモノは、昼間でも関係なく出没するという知識を
バケモノはゆっくりと壁をすり抜け、虐雄の体の正面に回り込む
「あ・・・・・・あああああああ・・・」
虐雄の手からイチゲルゲが落ちた
バケモノはそれを見て・・・虐雄を見た
その目は・・・心なしか、怒っているように見えた
確実な事は一つ、虐雄は”詰んだ”のだ
ソレは口を大きく開いた
それが虐雄のこの世で見た最期の景色だった
「ここか、お宝のある屋敷ってのは」
「それだけじゃないぞ、行方不明の虐雄たちを探さねぇと」
三日後、虐雄の知り合いの虐厨三人が屋敷へやってきた
「・・・ん?」
虐厨の一人が視線を感じて上を見上げる
「・・・・・・気のせいか」
三人は屋敷の中へ入っていった
今日も屋敷はそこに建っている
生贄となる侵入者を待ちながら
(おわり)
67
:
実況中継生放送! 1/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/04/10(月) 04:08:02 ID:mN3PXEZM0
「起きろオラァ!!!」
男の罵声で虐厨の虐信は目を覚ました
寝ぼけた頭を必死に覚醒させつつ、周囲を確認する
幸い手足は縛られていない
家具も窓もない、天井の蛍光灯だけが照らす部屋だ
壁も天井も床も剥き出しのコンクリートで覆われ・・・
血液らしきものが飛び散った痕があちこちに着いている
置いてあるのは大型犬用の鉄格子でできたケージと
人気動画サイト「ニカニカ動画」の画面が映るノートパソコン、その隣の大きなバッグ・・・
そして、虐信の目の前には「イチゲルゲ」という生物のお面を付けた男がいた
半袖Tシャツにジーパン、スニーカーというラフな格好で、
露出している腕と首は太く、筋肉で覆われていた
胸板は厚く盛り上がり、肩幅は虐信の倍はある大男だ
虐信は状況と、ここに運ばれてきた経緯を必死で思い出す
あれは・・・日課と化していたゲルゲの誘拐と虐殺をしていた時だった
野良や野生のものではない、人が可愛がっている「飼い」を
虐待する事が彼の最大の楽しみだった
「飼い」は人に対する警戒心が薄く、痛みにも弱い
何より可愛がられていたそれを赤の他人の自分が壊す事
その遺体を見た時の飼い主たちの絶望と悲憤が虐信には楽しくて仕方なかった
だがしかし、彼は----こういう趣味を持つ虐厨たちは-----完全に失念していた
「人の物に手を出す」という事は、その人物への「最大級の敵対行為」に他ならないという事を
当然こんな事をして恨みを買わないわけがない
彼らにとっては使い捨てのオモチャでも、飼い主たちにとってはかけがいのない家族の一員
そして飼い主たちは「人間」である、三歩歩いてすべてを忘れる鳥頭でもなければ
全てを知った上でそれでもなお許す聖人君子でもない
孫であり子であり妹であり弟であるゲルゲを失った飼い主たちが
犯人を血眼になって探す事を、お花畑頭の彼らはまず想定しない
「ゲルゲごとき、また買うか拾うかすればいい」と割り切っていたからだ
さらに、彼らは飼い主---「愛護」と虐厨は呼んでいる---を甘く見過ぎていた
虐厨達の”頭の中”では「愛護」は弱く無力でろくに抵抗のできない頭の弱い生物だった
だから、「たとえ恨みを買ったとしても痛くもかゆくもない」「殴りかかってきても返り討ちにできる」
そんな根拠のない自信を彼らは持っていた
当然の帰結として飼い主に報復されたり、あるいは捕まり警察に突き出される虐厨は後を絶たない
68
:
実況中継生放送! 2/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/04/10(月) 04:09:55 ID:mN3PXEZM0
話を戻そう、虐信はいつものように大型スーパーの前にあるキッズスペースで遊んでいた飼いゲルゲを誘拐した
彼は知らぬことだが・・・ここで遊ばせていたゲルゲが行方不明になる事件が頻発していたため(もちろん彼の功績である)、
そこには防犯カメラが設置されていた
そして、彼がゲルゲをカバンに入れて立ち去る様子がばっちりと録画されていた
それは、飼い主が店にゲルゲの行方不明を訴え出たことで飼い主と店長に見られることになる
録画には犯人の服装や背格好、顔に至るまで鮮明に映っていた
その翌日、遺体となってスーパーの前に捨てられていたゲルゲを見た飼い主は激怒した
銀行からゲルゲの育成費用として貯めていた2000万円を下ろし、
犯人につながる有力な情報には10万円、犯人を生け捕りにした場合は100万円を支払う事をネットで公表した
その結果、まぬけにもまたキッズスペースで別の飼いゲルゲを誘拐したところを
子供たちの保護者を装って張り込みをしていた賞金稼ぎたちに見られ・・・彼らに追い回された末に捕獲された
虐信の記憶はそこまでである
「どうしてここに連れてこられたか、言わなくても分かるな?」
「うるせぇ!クソムシが殺されたくらいで大騒ぎしやがって!!ここから出せ!!」
次の瞬間、ゲルゲ男の右拳が虐信の顔面にめり込み、虐信は背後の壁際まで吹っ飛んだ
「理由は分かっているし恨まれているのも自覚している、だが反省はしていない・・・と言いたいのか?」
虐信は激痛で床の上に突っ伏した・・・返事のできる状態ではない
ゲルゲ男は虐信に歩み寄ると、その頭を右足で踏みつけた
「ここから出せ、という願いは聞けない。てめぇは二度とここから生きて出る事はない。」
「な・・・なんでだ・・・ごごまでざれるごと・・・じだおぼえ・・・」
「ないとは言わせねぇよ!てめぇは一体どれだけの人間を苦しめた!?
レポートを見た時はオレも驚いたぜ、ここまででかい被害を一人で出した虐厨は見たことがねぇからな!!」
二人の様子を部屋の壁に設置されたカメラがじっと見ていた
69
:
実況中継生放送! 3/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/04/10(月) 04:13:49 ID:mN3PXEZM0
と、いうのは・・・話は6日前にさかのぼる
虐信の捕縛はすぐさまネット上を駆け巡った
そして、彼にゲルゲを殺された飼い主たちの知ることになる
長い期間犯行を重ねてきたため、その数は100を超えており・・・
虐信捕縛の主導者となった飼い主のところへは感謝のメールと虐信への怒り、彼への厳罰を望む声が多く届いた
中には大金を振り込む準備をし、「金を払うから虐信を自分に殺させてくれ」と懇願する者も少なくなかった
ネット上での議論の末、みんなで金を出し合い「専門業者」を雇う事にした
ゲルゲ男こそが、その金で雇われた「専門業者」である
依頼を受けたゲルゲ男はレポートを見て思わず真偽を疑った、次に被害者の数に驚き
自身の銀行口座に転がり込む予定の金額に目を剥いた
そして、殺されたゲルゲたちの遺体の写真と飼い主たちの懇願を聴き・・・その怒りは頂点に達した
男はネットにつながるカメラ付きの部屋を用意した
虐信を部屋に転がすと、「ニカニカ動画」の生放送につながるカメラに向かってこう言った
「どうも、虐厨仕置き業者”虐厨バスターズ”通称”ギャクバス”責任者です。
今回はイチゲルゲのお面で失礼します。部屋に転がっている虐厨は・・・」
ゲルゲ男はレポートを読み上げ、虐信の犯行を一部始終カメラに向かって暴露した
男の傍のノートPCの画面には
「ひどい!!」「飼いに手を出すバカは虐待派にあらず!」「殺せ!!」といった
怒りのコメントが流れていく
男は「よし」と小さくつぶやくと・・・
「起きろオラァ!!!」
虐信を起こした
そして、今に至る
「さて、オレはこれからお前を痛めつける、徹底的にな。お前が人の飼いゲルゲにしたことをそっくり返すぜ。」
70
:
実況中継生放送! 4/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/04/10(月) 04:18:32 ID:mN3PXEZM0
そして、さらに6時間ほどが経過した
「まぁ初日はこんなもんかな」
男は殴る蹴るの暴行を受けてボロボロになった虐信を見下ろしながらつぶやいた
「こ・・・ごろじでぐで・・・」
「ああ、殺してやるよ。だがそれは今じゃない・・・見ろ」
男は分厚い紙束---「リスト」---をパソコンの横のバッグから取り出した
それには虐信が今まで攫った飼いゲルゲに加えてきた暴行の数々が記されている
そして、リストの1ページ目の1/8くらいが赤い線で覆われていた
それが今日、虐信に加えられた暴力のすべてである
つまり、今日虐信に加えられた暴行は、まだまだ続く拷問メニューのオードブルですらないのだ
「このすべてを消化しきったら地獄へ送ってやる、それまでは絶対に殺さないし死なせねぇ。」
男は虐信の手当てを始めた
乱暴に外れた関節を元に戻し、傷口に消毒液をかけ、痣に湿布を貼る
虐信が痛みで悲鳴を上げようと、男には関係ない
手当てを終えるとバッグから出した栄養剤入りの注射を虐信に打ち、
男は虐信をケージへ放り込んだ
「後で食事を持ってきてやる。糞と小便はケージの中の壺にしろ」
その日、虐信は男への復讐を胸に誓いふて寝した
「起きろオラァ!!!」
彼は翌朝、男の怒声で目を覚ますまで熟睡していた
その日から、睡眠と食事だけが虐信の安らげる時間になった
地獄は続いた
殴る蹴るは当たり前、水槽に沈めたり酸をかけたり火であぶったり高温の鉄板に乗せられたリ・・・
時には致死量にギリギリ満たない程度の毒物を口から流しこまれる事もあった
これらは全て虐信が攫ったゲルゲたちにやってきた事である
しかし、どの暴行も虐信が死なないよう、治療可能な負傷であるように手心が加えられていた
ゲルゲたちは死んだが男はまだ虐信に死んでもらうわけにはいかない
「リストの虐待すべてを虐信に施術すること」が依頼内容の重要事項であるからだ
71
:
実況中継生放送! 5/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/04/10(月) 04:21:20 ID:mN3PXEZM0
そして・・・
「さて、お前との付き合いもだいぶ長くなったが・・・今日で終わりだ」
虐信が男に捕まって半年が過ぎていた
と言っても、もはや虐信に時間感覚などない
自分がゲルゲに行った数々の虐待をじっくりと「お返し」された虐信は、ケージの中で震えるだけになった
その体がボロボロなのは言うに及ばず
毛髪は真っ白になり所々ストレスで抜け落ちている
歯は抜き取られて一本もなく、舌も傷だらけだ
少しの物音にも怯え、出された食事(歯がなくても食べられるペースト状のもの)にも手を付けられない
しかし、男の管理は徹底していた
食事をしないならと睡眠薬で眠らせ、その間に必要な栄養の入った点滴や注射を施した
日々の虐待も虐信の精神が完全に壊れてしまわないよう計算し、
絶対に死なないように細心の配慮をしていた
しかし、それも今日まで
リスト最終ページは真っ赤な線で覆われていた・・・最後の一行を除いて
「・・・あ〜・・・なんだ、お前本当にコレやったのか・・・?」
虐信は壊れた人形のように首を横に激しく振った
「嘘つくんじゃねぇよ、往生際悪いぜ」
リストの最後、そこにあったのは・・・「鳥葬」
ただし死体を猛禽類に食わせる葬儀ではない、
生きたゲルゲに鳥が好むジュースを振りかけて台に固定する虐待だ
すると、自然に鳥がやってきてゲルゲをついばむ
虐信はついばまれるゲルゲの悲鳴と、その結果できた無残な死骸
それを飼い主の目につくところへ置き去りにして、飼い主が悲鳴を上げる様を
眺めるのがとても好きだった
しかし、虐信は今それを心底後悔していた
それを今からされるのはゲルゲではなく自分だ
そして、男は「これで最後」と言った
つまり、これで虐信が死のうと男にとってはもうどうでもいいのだ
「・・・ナザイ」
「ん?」
虐信はケージの中で土下座した
「ごめんなざいごめんなざいごめんなざいごめんなざいごめんなざいごめんなざいごめんなざいごめんなざい!!
人様のゲルゲに手を出じでごめんなざい! 飼い主につらい思いをさせてごめんなざい!!
反省じまず!!二度とやりまぜん!!!だがら、命だげは・・・!!」
しかし、そんな虐信を男は冷たい目で見下ろした
「やっと反省したか・・・けどな、信じられねぇよ。どれだけのゲルゲを手にかけて
どれだけの人間の心に傷を負わせたと思ってやがる・・・」
男の返答に虐信は絶望した・・・どれだけ謝罪しようとも男は虐信を許す気はないのだ
「それにな、お前ら虐厨は反省なんてしないんだよ。経験して分かってるんだ。
そうやって命乞いして、見逃してやった虐厨が次の日にはもう同じこと繰り返してた事があってな。
そういうわけでお前らの口約束は信用できねぇんだ。恨むなら人の飼いに手を出したてめぇ自身と
オレとの約束をあっさり反故にした過去のバカ虐厨を恨むんだな。」
72
:
実況中継生放送! 6/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/04/10(月) 04:24:32 ID:mN3PXEZM0
その時、コンコン、と部屋のドアがノックされる
「お、来たか」
男は虐信に背を向けて部屋のドアへ向かう
ドアが開き、頭に大きなハゲワシを乗せた・・・・
「子供?」
男の1/4ほどの身長の少女が入ってくる
「ひひひ、あたしの子供たちの助けが必要って聞いたけど・・・こいつがそう?」
「ああ、来てくれて助かる」
男は虐信に少女を紹介した
「虐信、この人はオレの知り合いの”後始末屋”だ」
「ひひひ・・・よろしく、あたしの子供たちの御飯ちゃん♪」
虐信は少女の発言を聞き、男を見た
「この人は主に”死体の始末”をする仕事人なんだが・・・今日はお前のためだけに特別に来てもらった」
「ひひひ・・・」
少女は笑うと口笛を吹いた
すると・・・開け放たれたドアからゾロゾロと少女の頭の個体に比べると小ぶりなハゲワシの群れが入ってくる
「よ・・・よせ」
ハゲワシたちはじっと虐信を見つめていた
そして男はケージ正面に近づき、格子にある出入り口のカギを開けようとしている
「あ、そうだ・・・瀕死にしといた方がいいか?」
「構わないよ、あたしの子供たちは”狩り”も得意だからねぇ」
二人の会話は、虐信に恐怖しか与えなかった
「やめろ・・・やめてくれ・・・なんでもするから・・・」
男は懇願する虐信を見下ろして言った
「そうやって命乞いしたゲルゲを・・・飼い主の名を言いながら、助けを叫んだゲルゲを・・・
てめぇは一体何体殺してきたんだよ!!」
男は出入り口を開けた
虐信とハゲワシを隔てていた唯一の壁である鉄格子がなくなる
73
:
実況中継生放送! 7/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/04/10(月) 04:29:44 ID:mN3PXEZM0
「さぁお前たち、食事だよ!」
「ギャー!」
少女の頭の大ハゲワシが鳴いた
子ハゲワシたちは一斉にケージに殺到する
「いぎゅあおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
次々とハゲワシは虐信に群がり、その髪を、鼻を、耳を、目玉をついばんだ
虐信は腕を振り回したが、その腕にもハゲワシは飛びかかり、肉をちぎっていく
性器に肛門に腹にも群がり、内臓を引き出しては仲間同士で奪い合うように
胃の中へ納めていく
「いつ見ても、圧巻だな・・・」
「これ、ケンカするんじゃない、仲良くお食べ!」
「ギャー」
目を失った虐信は、凄まじい苦痛の中で死んだ
その魂は肉体を離れ、やっと苦痛から解放された
が・・・
「おお、出てきた出てきた、さぁお食べ」
少女の頭の上の大ハゲワシはその魂に飛びかかった
虐信の魂は大ハゲワシに飲まれ、その胃袋へと落ちた
「さて、ここは任せたよ・・・あんた、あたしたちも食事にしようじゃないか」
大ハゲワシを頭から降ろし、少女は男を見上げながら言った
「毎回思うんだが・・・コレ見た後でよく飯が喉を通るな」
「? あたしは子供たちにいっぱい食べさせているだけさね?」
男と少女が部屋を出て行った後も饗宴は続いた
虐信は骨すら残さずこの世から消滅した
魂も大ハゲワシに消化され、二度と転生する事はない
虐信の最期はもちろん生中継された
悪逆の限りを尽くしたその虐厨の最期を同情する者はなく
「もっとやれ!」「そこだ食いつけ!」「ざまぁwww」といった
コメントでパソコンの画面は溢れかえった
それから一週間後
「起きろオラァ!!!」
同じ部屋で虐厨の虐太は目を覚ました
彼は「のんたぬ」や「チュンチュン」を襲う「飼い専門の虐待厨」だった
虐太の目の前には、アイドルグループのメンバーの一人のお面をつけた
屈強な男がいた
虐厨がいる限り、虐厨バスターズの仕事はなくならない
今日も彼は虐厨を痛めつける
それが彼の仕事であり、彼はそれに誇りをもって取り組んでいるのである
「どうも、虐厨仕置き業者”虐厨バスターズ”通称”ギャクバス”責任者です。」
彼が始めた実況も「ニカニカ動画」で毎回好評となり、
再生回数もコメント数も毎回記録を更新する有名な動画投稿者になったという
(おわり)
74
:
クソムシたるもの 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/05/02(火) 20:43:51 ID:lbh0jVec0
※虐厨以外の生命が殺される表現あり
ここは、海辺に近い場所にある公園
ベンチや遊具があり
人々が憩いの場にしている、そんな場所だ
グシャ!
「けっ、オレの弁当取ろうとするからだよ!」
虐厨が一匹、たまたま足元にいたミニイカ娘を踏みつぶしていた
もちろん「弁当を盗もうとした」などというのは言いがかりである
ミニイカ娘はただ虐厨の体に止まったハエを追い払ってあげようとしただけであり
害意など一切ない
『・・・変なのに出くわしちまったな・・・』
そこに居合わせた散歩中の飼い主とミニイカ娘が一匹いた
二人はそっと場を離れようと公園の出口に向かう
「おい!そこのお前ら!」
虐厨はその場を目撃して離れようとしたミニイカ娘たちに声をかけた
「なにしてんだ? あ?」
「なんだよ、オレたちはなにもしてな・・・」
「アイゴは黙ってろ!!www」
虐厨は飼い主を殴り飛ばして黙らせると、ミニイカ娘に詰め寄った
「なにするんでゲショ!ご主人様は何もしていないでゲショ!!」
「お前だよ、お前が不快なんだよ!!www」
「ゲショ!?」
「てめぇらミニイカは、人から弁当を奪う!生ごみを漁る!エビしか食わないわがまま放題の
クソムシなんだよ!wwwwwそういう設定なんだ!!www」
全くの言いがかりだった
この「設定」は、虐厨どもの頭の中で勝手に組みあがった話であり、
一般市民やその飼いミニイカ娘どころか、野生のミニイカ娘ですら与り知らぬものだ
これを知ることができる手段は、エスパーにでもなって虐厨の頭の中を
直接のぞき見する事くらいしかないだろう
「そんな事ないし、しないでゲショ。私はご主人様たちと・・・」
「それが気に入らねぇんだよ!媚びやがって!!」
グシャリ!!
虐厨は完全に言いがかりとしか言えない因縁をつけて、ミニイカ娘を踏みつぶした
「あ〜あ、クソムシのクソ体液で靴が汚れちまった!www」
虐厨は倒れている飼い主の体で靴を拭くと、公園を後にした
75
:
クソムシたるもの 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/05/02(火) 20:56:37 ID:lbh0jVec0
三日後、その虐厨の身柄は屈強な男たちと共にあった
虐厨は両手を背後で縛られ椅子に座らされている
ここは、虐厨矯正施設の地下に設置された部屋だ
「矯正不可」とされる、どうしようもない虐厨はここに送られる
心の底から反省し心を入れ替える誓いをしない限り、ここからは出られない
なお、今までこの部屋から生きて出られた虐厨は一匹もいない
「さて、どうしてここに連れて来られたか・・・分かるな?」
虐厨が殴り飛ばした飼い主は一命を取り留めたものの、
祖母の代から飼っていたミニイカ娘を失ったショックで自殺した
この事件を受けて対虐厨組織「虐厨バスターズ」が動いたのだ
そして、公園で子供からミニイカ娘を奪って「遊んで」いた犯人虐厨を確保
今に至る
「うるせえwwwクソアイゴが死んだのは奴が豆腐メンタルだったからだろwwwww」
質問役の男は、目の前の汚物を消毒したい衝動を堪えながら続けた
「それだけじゃない。お前、確保された時は子供を襲っていたそうだな?」
「ぎゃはははwww幼い子供に虐厨教育をしてやったんだよwww感謝しろwwwwww」
質問役の男のこめかみに、さらに多くの血管が浮き上がる
「・・・それと、だ、お前は以前からミニイカ娘に自分の頭の中の設定を押し付けて
犯罪を強制させるような事ばかりしていたそうだな?」
「ちがいますwwwオレら優秀な虐厨の設定こそこの世の理なんですwww」
質問役は怒りのあまりめまいを覚えたが、ぐっとこらえて言葉を絞り出した
「・・・最後の質問だ、他人のミニイカ娘に手を出すのは何故だ?」
「えwwwミニイカ娘なんて無差別に殺していいだろwww他人のものだから何?www」
質問役はかぶりを振った
「さてはお前ら、センソークンだなwwwやーいセンソークンwww
AA嵐の分際で自分の事をタナに上げて説教するなwwwww」
「もういい・・・始めよう」
質問役の男は他の男たちの輪の外へ出て行った
そして、それを合図に男たちは手に鞭、棍棒、鉄パイプといった
それぞれが得意とする武器を持って虐厨との距離を詰める
「へ?え?へ?」
虐厨はここでようやく、周囲の雰囲気に気づいた
誰もが憎悪と殺意を放ちながら、虐厨へ近づいていく
「は・・・はは、やってみろよクソアイゴwwwオレは虐待許可証を持って・・・」
「許可証なんざ、ここでは紙切れ以下だドアホ!!」
男の一人が怒鳴りながら虐厨の左足へ鉄パイプを振り下ろした
自分より弱い生物しか相手しない虐厨の左足は一撃でへし折れる
「はぎょおおおぎゃあああああああああ!!!オレの足がああああああ!!!」
続いて釘バットが虐厨の右肩を直撃し、その骨ごと肩を砕いた
男たちはなるべく長く虐厨が苦しむように絶妙な加減をし、決して殺さないように
急所を外しながら的確に苦痛を虐厨へと与えていった
30分後、虐厨は全身の骨を砕かれていたが、まだ生きていた
「さて・・・何を言うべきか、分かってるな?」
質問役の男は男たちを止め、再び声をかける
「ご・・・ごべんあざい・・・」
「・・・そうじゃない」
「暴言でじだ・・・ぜんぞーぐんなんでいっで、ごべんなざい」
「ちがう」
「もうおうぢにがえじで・・・」
「・・・わかってないな、再開」
「どぼぢでえええええ!!!」
再度、虐厨に対する暴力の嵐が吹き荒れる
聞くに堪えない悲鳴を上げて醜い命乞いをする虐厨を見ながら
質問役の男はつぶやいた
「殺したミニイカ娘たちや迷惑かけた飼い主の皆様に謝罪していれば
すぐに楽にしてやったものを」
結局、3日後に敗血症で絶命しても虐厨は被害者たちへの謝罪の言葉は
一言も口にはしなかった
虐厨の遺体は焼却場で燃やされ施設の埋め立て処理地へ廃棄された
だが、「虐厨バスターズ」の仕事は終わらない
すぐまた新たな虐厨が確保され施設に送られてくるからだ
虐厨がいなくならない限り、彼らがヒマになることはないのである
(おわり)
76
:
裏M区 1/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/05/11(木) 01:03:56 ID:TgU9Fo7k0
ここはS県S市M区海に面した街
ミニイカ娘虐待がはびこる地域だ
数人の少年が一人の少女を足蹴にしていた
やがて、飽きた少年たちは「チくるなよ」と捨て台詞を吐き
去っていく
「・・・・・・もう大丈夫」
少女は体の土を払って茂みに呼びかけた
「ゲショ・・・」
茂みの中から、小さいミニイカ娘が顔を出す
この小さいミニイカ娘は、いじめられていた少女が
一人で海岸で泣いていたところで出会った
小さい体で少女を心配するように覗き込み、触手で涙をぬぐった彼女へ
いつしか少女は心を開いていた
彼女は少女の唯一の話し相手だった
少女の両親は不仲で、いつも喧嘩ばかり
少女の相手などしてはくれない
自宅から離れたこの地域の高校へ一人暮らしをしてまで通う事を決心したのも
その両親から少しでも離れたい一心からだった
学校では少年虐厨グループに「オモチャ」とされ
いじめられる日々、それでも少女は耐えていた
必死に耐えていた
その日、少女はいつものようにミニイカ娘と別れた
その姿を見る、醜い視線に気づくことなく
その次の日、少女はいじめグループに呼び出された
いつものことだ
今日はどんないじめが待っているのか、少女は憂鬱な気持ちで指定された体育館裏へ向かう
「よう、待ってたぜ」
彼らはそこにいた
ピンクのリボンでラッピングされた白い箱を持って
「虐太、ほら、早くしろ」
「男だろリーダー!」
虐太と呼ばれたグループのリーダーはその箱を両手で恭しく持って少女の前に出る
「・・・今まで悪かった」
「え?」
少女は状況が飲み込めない
「俺さ・・・お前の事だけしか考えられなかった、来る日も来る日も・・・
・・・お前を虐めて初めて気づいたんだ、俺の本当の気持ち」
虐太は箱を差し出す
「受け取ってくれ!!」
告白・・・この状況から少女はそう判断した
今までのいじめは、ありがちな「好きな子だからいじめたい」という
恋心が歪に顕現したものだった・・・そう理解した
少女は戸惑いながらも箱を受け取る
「あ・・・ありがと・・・」
「・・・プレゼントだ、開けて感想を言って欲しい」
少女は頷き、箱のリボンを外して蓋を開けた
「い・・・いやああああああああああああ!!!」
「ぎゃははははは♪」
少女は悲鳴を上げて箱を落とし、少年たちは腹を抱えて笑った
箱の中に入っていたもの、それは少女が可愛がっていたミニイカ娘だった
ワンピースは剥がされ帽子は脳ごと抜かれ、腹には爪楊枝が突き立てられていた
少女はどこをどうしていたか覚えていない
いじめグループから走って離れ、気が付けば箱を持って学校の裏山の山奥まで来ていた
「・・・・・・許さない」
少女はぽつりとつぶやいた
少女は生まれて初めて、心の底から相手を憎んだ
殺してやりたいと本気で願った
だが、自分にはその力はない・・・人間のままでは無理だ
ならば・・・・・・人間をやめればいい
少女はミニイカ娘の死骸に接吻をすると、考えを実行するべく山のさらに奥へ向かった
77
:
裏M区 2/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/05/11(木) 01:11:24 ID:TgU9Fo7k0
翌日から、少女は学校に来なくなった
担任の教師が少女の自宅まで行ったが、誰もいなかった
元々両親と離れて一人で生活していたのだが・・・・・
その両親も少女がどこにいるか知らない様子だった
少女が姿を消して3日後、いじめグループの面々は体育館の裏で顔を見合わせていた
「おい・・・あいつ本当にどっか行っちまったのかよ?」
「クソイカ殺されたのが、よほど堪えたんだろうな」
「まさか、自殺してやしないよな?」
一人の発言に、少年たちは青くなった
もし、少女が自殺していたら事だ
少女の身を心配しているのではない、遺書に自分たちの名前が書かれていた時の事を考えての保身である
「い・・・家出だよ、家出!!」
「そうだよ、きっと今頃オレたちのいないどっかで羽を伸ばしてるって!」
楽観的な観測で不安を押しやることで、少年たちは平静を保っていた
その日、担任教師は警察に少女の行方不明の件で聞かれた帰りだった
彼女の自宅を訪ねて少女の行方不明を知った両親から警察に捜索願が出された
今、教師たちは「いじめはなかったか?」「悩んでいる事はないのか?」といった
教育委員会と警察からの追及を受けていた
担任教師は顔には出さないものの不満だった
彼にとって少女は異分子だった
ミニイカ娘などという害虫を愛でているだけで不快なのだ
いじめグループに少女のミニイカ娘の事をリークしたのも彼である
そもそも彼は少女が虐められていたことを知っていた
知って敢えて放置していた
これまでも似た事はあったが重大事に発展したことはなかったからだ
だから、今回の少女の行方不明は寝耳に水だった
「ったく・・・クズが」
担任教師は少女の事を考え、思わずつぶやいた
たかがミニイカを殺された程度で行方をくらますなと言ってやりたかった
いじめなんてない、自分の教室にはいじめなんて存在しないと面と向かって言いたかった
クズアイゴの分際で・・・
「ゲ〜ショ」
駅のホームの先頭で彼は少女の声を聴いた
すぐ背後に声の主はいる、彼は振り返り・・・見た
「うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!」
彼は思わず後ずさる、当然足元に地面などない
彼はホームから転落した
ちょうどその時、駅のホームに通過予定の貨物列車が入ってくる
貨物列車の鋭い警笛が、彼がこの世で聞いた最後の音だった
78
:
裏M区 3/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/05/11(木) 01:17:34 ID:TgU9Fo7k0
「おい・・・先公が駅のホームから転落して列車に轢かれたってよ」
「マジかよ」
担任の死で授業が自習になり、クラスメイトが談笑やゲームに興じる中
いじめグループは机を一か所に固めて集まっていた
「ま、ムカつく奴だったしザマァだなw」
「次はあんたたちだよ」
「そうそう、次は・・・・・!?」
いじめグループは声のした方を向いた
誰もいない・・・周囲ではクラスメイトたちがめいめい話をしたりゲームに興じたりしているだけである
彼らは声は空耳だと結論付けた
その日の帰り道
「ところでよ・・・次はどうする?」
「次?」
「次だよ次、次にいい”オモチャ”はないかって言ってんだよ」
グループの面々は思案した
少女が行方不明になって5日・・・彼らは”退屈”していた
いじめる対象が無い日がこんなにつまらないとは思わなかった
退屈をしのぐために、次に遊べる「オモチャ」が欲しかった
「隣のクラスのC子なんかどうだ? あいつ委員長だからってうるさ・・・」
その少年は最期まで言葉を続けられなかった
交差点に差し掛かった時
彼の体はトラックに跳ね飛ばされて宙を舞い、ブロック塀に突っ込んで無残な肉塊と化す
「ゲ〜ショ」
少年たちは声のした方を見た、今度ははっきりと聞こえた「声」のした方を
トラックの上に、首が妙な角度に折れた少女がいた
半透明のその胸には、あの「箱」
少女は一同を折れた首の先端にぶら下がる頭で見回すと・・・姿を消した
トラックは無人だった
サイドブレーキはなぜか錆びついて折れていた
真っ黒な「ミニイカ娘の墨」がべっとりと付いていたそうだ
警察もトラックの持ち主も首をかしげる不可解な事故
しかし、少年たちは見てしまった、そして知った
担任を殺したのは彼女だと
そして・・・彼女は一人ずつ少年たちを殺すつもりだと
「次はあんたたちだよ」
彼女はそう言っていた
その日から少年たちは少女に怯えて生活する事になった
いつ何が襲ってくるか・・・警戒した
しかし・・・その警戒は無駄に終わる
一人は突如切れた電線にからめとられて感電死
一人は建物にぶつかって落ちてきたカラスの嘴に頭を貫かれ、
一人は風で外れた看板に潰され・・・
次々と不運としか言えない事故で命を落としていった
しかし、彼らは知っている
これは事故ではないことを
だが、どうしようもない
「幽霊に殺されました」など、信じる奴がどこにいる?
そして・・・・・・ついにグループは一人になった
79
:
裏M区 4/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/05/11(木) 01:20:28 ID:TgU9Fo7k0
最後の一人---虐太---は走っていた
明日は学校を休んででも寺か神社か・・・霊媒師でもいい
とにかくアレをなんとかできる人にすがりつく
いじめの件がバレるリスクが高いが、背に腹は代えられない
少なくとも今は自宅に帰れば安全だ
少年たちは皆、帰宅途中か登校中に死んでいた
分かっていても不登校をするわけにはいかなかった
少女を虐めていたことがバレるのが怖かった
今怖いのは親だけではない
連日の死亡事故でマスコミもちょくちょく来ていた
最悪、全国に名前と顔が知れ渡る・・・それだけは避けたかった
だが、もうそんな事を気にする余裕は彼にはない
バレてもいい、死の恐怖から解放されたい
その一心だった
今のところ自宅に逃げ込めばアレは手を出してこない
それに、アレは今まで姿をはっきりと見せる事はなかった
きっと長時間出現している事はできないんだろう
とにかく今日は自宅に帰って、明日の事は明日考えよう
そう思った矢先・・・
「ゲ〜ショ」
自宅の前にソレはいた
待ち構えていたソレを見て、虐太は腰を抜かし失禁した
ソレは、はっきりと姿を現している
出ても半透明だったその姿は・・・はっきりと見えていたのだ
おかしな角度に折れた首の少女の目が虐太を捉える
虐太は絶叫して自宅前から走り出した
「なんで逃げるの? いつもみたいにいじめればいいでしょ?」
虐太は背後を見た
ソレは折れた首をカクカク揺らしながら一定の速度で追いかけてくる
「ひいいいいい!!来るな!!来るな!!!!」
もう仲間はいない
教師や警察に泣きつこうにも、相手は超常の存在である
どうにかできるはずもない
「いやだ!いやだ!助けてくれ!!」
「ゲ〜ショ、そう言った私をあなたたちは許してくれた?」
「許してくれ!代わりのミニイカを持ってきてやるから!!」
「あの子の代わりなんてないわ、あの子はあの子、唯一無二の私の親友だったのよ」
「うああああああ!!どうしたら許してくれるんだよ!!」
「許しなら、あなたたちが殺したあの子にでも請いなさい」
その日、泣きわめきながら”一人で”手を振り回し全力で駆けていく虐太の姿が
多くの人に目撃された
そしてそれが、生きている彼を見た最後だった
80
:
裏M区 5/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/05/11(木) 01:24:41 ID:TgU9Fo7k0
どこをどう走ったか・・・虐太は気が付けば学校の裏山の山奥にいた
背後にはあの少女はいない
「た・・・助かった・・・」
逃げのびた・・・そう思って虐太は一息ついてへたり込んだ
ブ〜ン・・・
蠅の羽音と腐敗臭がする
思わず虐太は茂みをかき分けてそこへ向かった
「・・・へ?」
あの少女がいた、目の前に
ただし背を向けて浮いていた
その少女がゆっくりと体ごと虐太へ正面を向ける
虐太はそれを見て・・・意識を手放した
その翌日、少女の遺体が発見された
死後14日、裏山の木で彼女は首を吊っていた
その足元にはミニイカ娘の死骸の入った箱があった
そして・・・なぜかその近くで虐太は死んでいた
口には蛆が詰め込まれ・・・否、
なぜか彼の口の中には、蛆と共にミニイカ娘のイカスミが入っていた
司法解剖の結果、蛆とイカスミは胃袋だけでなく肺や気管支にまで詰まっていた
警察は首を傾げた、どうしてこんな死に方をしたのか・・・?
一体何があれば、こんな死に方をできるのか?
「あいつらは”あの子”に殺された」
事件を知る者であり少女の受けていたいじめを見て見ぬふりをしていた生徒らは
一連の事件をそう結論付けるのに大して時間はかからなかった
その後、その街でミニイカ娘を殺す者はいなくなった
「ゲ〜ショ」
ミニイカ娘に危害を加えると、必ずその「声」が聞こえた
それは警告だ
少女から、生者への
声がしてもやめないと・・・必ず「不幸」がその者を襲う
無人の車に轢かれる、看板が落ちてきて直撃する、ブロック塀が倒れる・・・etc
中にははっきりと少女の姿を目撃した者もいた
霊媒師が出張ったが・・・
「この霊は、神に近い存在になっています・・・祓うのは無理です」
「祓うよりも神社を建てて祀るのが得策かと」
誰もが己の力不足を訴え、除霊不可能を述べた
祟りを恐れた者たちによって少女の遺体が発見された裏山に神社が立てられ、
少女と彼女のミニイカ娘は祀られた
しかし・・・それでもミニイカ娘を虐待する者には容赦なく「祟り」は襲い掛かった
いつしかその地区は「裏M区」と呼ばれ、悪霊が徘徊する街として有名になる
面白半分にそこを訪れ、肝試し目的でミニイカ娘を虐殺して
あるいはミニイカ娘の死体を持ち込んで
「祟り」によって死者の列に加わる者、あるいは行方不明になる者は今も後を絶たない
(おわり)
81
:
死のロシアンルーレット 1/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/05/15(月) 22:28:03 ID:LpvI0W5c0
「主文、被告人を死刑とする!」
目弟裁判官はいつものようにそう断じた
「ふざけんな!!たかが糞饅頭殺したくらいでなんで死刑なんだ!!!」
被告人席の虐厨は絶叫し、裁判官に掴みかかろうとしたが
その場で警官に取り押さえられた
「被告人の退廷を命じる!」
目弟裁判官は毅然とした態度で暴れる被告虐厨へ告げた
ここは最高裁判所、司法の頂点
ここに勤める目弟裁判官は、虐厨に厳しい事で有名だった
彼の下す判決はほとんどが死刑であり、死刑にならずとも一生を刑務所で過ごす事になる判決ばかりだった
「閻魔の目弟」彼がそう呼ばれるのに時間はかからなかった
「枡込、行ってこい」
S社の週刊誌「週刊虐待」の編集長は新人の記者の枡込に命じた
編集長は、ミニイカ娘と実家で暮らしているが、どちらかというと虐待派寄りだ
ミニ子以外のミニイカ娘は虫けら同然に見ているし、
かつてはアフォしぃ駆除活動にボランティアで参加していたこともある
そんな彼に目弟裁判官の行動は過激な愛護厨が暴走しているようにしか見えなかった
枡込は虐待派ではないものの、目弟裁判官の事はやりすぎすぎると思っていた
82
:
死のロシアンルーレット 2/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/05/15(月) 22:39:26 ID:LpvI0W5c0
枡込は最高裁判所に取材を求めた
するとあっさりOKが出た上、目弟裁判官が直々に部屋に通してくれた
「そうか、まぁ”ヤツラ”をよく知らない君が疑問に思うのも無理からぬことだな」
事情を聴いた目弟裁判官はそう言うと、裁判の時とはまるで別人のように微笑んだ
「そうだな・・・まず、一人の男の昔話から話そう、長くなるがいいかな?」
枡込は頷いた
「昔、一人の裁判官がいた。彼は性善説を信じる男だった。たとえ凶悪犯であっても慈悲の心を忘れず、
更生してやり直せる機会を与えていた・・・まぁ、おかげで被害者側からは厳しい声が上がっていたがね」
目弟裁判官はコーヒーを一口すすり、続けた
「ある日、その裁判官は虐厨という種族の男が犯した犯罪の裁判を担当する事になった。
その虐厨は法廷の場で殺した生物の飼い主たちに土下座し、裁判官に涙声で反省の弁を述べた。
そして・・・その男は死刑判決を破棄され、無期懲役になった」
ここまではよくある話さ、と目弟裁判官は言って続けた
「4年後、その虐厨は出所した、模範囚だったから刑期が短かったんだ・・・しかしそれは、
いや、裁判で見せたそいつの低姿勢もなにもかもが全て演技だった。
そいつは出所してさっそく、犯罪を犯した。」
「まさか・・・!」
「虐厨には不思議じゃない、あいつらの狂った思考は常人には理解不能だよ。
差別とかで言ってるんじゃない、O大学のM教授らの長年の研究の末の結論だ。やつらの再犯率は100%なんだ。
話を戻そう、その虐厨は民家に押し入り、その家の”のんたぬ”を殺した。
邪魔に入った家主の母親を縛って、その目の前で、な。
その家というのが・・・他でもない、その死刑判決を覆した裁判官の家だったんだよ。」
枡込は絶句した
目弟裁判官はコーヒーをすすると、ため息を一つついて続けた
「家に帰った裁判官を待っていたのは惨殺されたのんたぬの死体と・・・心臓発作で息絶えた母の死体だった。
彼女は夫に先立たれ、一人息子は多忙で家を空けていることが多く・・・
だから、のんたぬの世話が生きがいでね、孫同然ののんたぬを殺されたことに心が耐えられなかったんだ。」
ここで目弟裁判官は自嘲気味に笑った
「虐厨は逮捕されて今度こそ死刑になったが、その裁判官は自分が被害を受けて初めて自分がしてきた事に気づいた。
再犯を犯す可能性のある凶悪犯の更生を信じるなど愚の骨頂だと。
そんなやつらをまた野放しにして、一体いくつのこんな悲劇を自分は作ったのか、と。
不安になった裁判官は自分が担当した被告のその後を調べた。
結果は・・・まぁ、再犯率100%は伊達じゃないってことだ。」
目弟裁判官はコーヒーを飲み干して言った
「彼は心の底から後悔した。被害者たちに対してこれ以上ないくらい詫びた。
母が死んでやっと、彼は自分の愚かさに気づいた・・・代償は大きすぎたがね。
そして・・・彼は変わった、再犯の可能性のある被告は決して外に出られないよう、極刑を出すようになった。」
とんだ笑い話さ・・・と目弟裁判官は締めくくった
「だから私は”やつら”を許さない。二度と”死のロシアンルーレット”に罪なき国民を参加させないためにも。
そうさせたのは全て”やつら”だ。」
83
:
死のロシアンルーレット 3/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/05/15(月) 22:43:54 ID:LpvI0W5c0
「ただいま戻りました」
編集室に戻った枡込は、編集長に取材した内容を伝えるべくデスクへ向かう
たとえ反対されてもこれだけは押し切るつもりだった
が・・・デスクに編集長の姿はなかった
「あ、枡込ちゃん、大変だ!」
枡込の姿を見た先輩記者が駆け付ける
「どうしたんですか?」
先輩記者は言った
「編集長の実家が強盗に襲われたんだ」
後日、編集長の実家の事件は新聞に載った
虐厨が民家に押し入り、金品を奪った上に留守番していたミニイカ娘を殺した事件
犯人の虐厨は模範囚だったため短い刑期で釈放されたばかりだった
「うああああああああ!!ミニ子!!ミニ子おおおおおお!!!!」
葬儀の場で編集長は小さい棺に抱き着き、部下たちが見るのも構わず大声で泣いた
ミニイカ娘の寿命は150年と長い
ミニ子は編集長が生まれた時から一緒にいて、兄弟同然に過ごしてきた家族だった
事件後、編集長は変わった
枡込が取材してきた内容は即座にOKされ、全文が掲載された
その後も虐厨に批判的な記事や虐厨が起こした事件・被害が載るようになり
さらに、対虐厨駆除組織の広告や特集も「週刊虐待」に載るようになった
巻末には虐厨への対処方法やそれが載っている本の広告が鎮座した
「週刊虐待」は虐厨から批判されるようになったが、
虐厨の存在を常日頃疎ましく思っていた虐待派からは称賛された
さらに、虐厨に悩む愛護派にも週刊誌は売れるようになり、
S社の看板週刊誌になるのに時間はかからなかった
「私が変わった理由?・・・私じゃない、”奴ら”がそうさせたんですよ」
他社からのインタビューに編集長はそう答えた
今も売り上げNO.1のその雑誌のオフィスで枡込は働いている
(おわり)
84
:
認められたいがために 1/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/06/09(金) 04:35:09 ID:Y686DygU0
虐厨の虐太たち4人はホテルの一室でくつろいでいた
彼らは夕べ、「一仕事」を終えたばかりだ
彼らは虐待愛好会にとって、いわゆる「落ちこぼれ」だった
ちびしぃにすら出し抜かれ、飼いに手を出して飼い主にマウントポジションでボコボコにされたことも
一度や二度ではない
そういうわけで彼らの虐待愛好会でのポジションは限りなく底辺に近かった
そんな彼らは「このままではいけない」と一念発起した
言うまでもなく、彼らが煙たがれているのは「飼い」に手を出すからである
人の物に手を出すことは犯罪であり、当然法で裁かれるだけでなく
虐待愛好会への世間の風あたりも厳しいものになる
ただでさえ、愛護派の集会に虐厨が乗り込んで「飼い」を殺す事件が相次いでいるのだ
事あるごとに虐待愛好会が繰り返した「虐厨が勝手にやったこと、うちは関係ない」という姿勢も
「無責任だ!」と火に油を注ぐ形になっていた
だからいつしか、虐待愛好会は何も言わず、責めを甘受する姿勢に転じた
虐待愛好会としては、これ以上一般市民や愛護派との溝を深くしたくない
警察からの厳しい視線もやわらげたい
しかし、虐太らをはじめとする虐厨は、「愛護派なんざいじめてなんぼ」
「自分たちが底辺扱いなのは、虐待が認められていないせい」と
まったく見当はずれの思考をしていた
そしてそんな彼らの思いついた策は・・・「保護センター」の襲撃であった
そこは、傷ついた「被虐生物」たちが保護される施設だ
飼いはもちろん、保護された野生や野良の生物もそこで治療を受けている
つまり、虐厨たちにとってそこは「愛誤派の拠点」に他ならない
当然、虐厨の襲撃も何度かあった
当初は非武装だった施設はいつしかサブマシンガンで武装した警備を雇うようになり
今では武装した軍人も警戒に当たっている
が、彼らは深夜には基地や自宅に帰投している
その時間は門は固く閉ざされており、夜間外来以外の受け付けはない
よって、襲撃は深夜に決まった
その時間なら軍人や武装警備員と鉢合わせる心配はない
被虐生物の数は日中に比べ少ないが、入院したり夜から朝まで働く人々の飼いが預けてあったりして
それなりの数がいる
飼い専門の虐待厨の虐次郎の元、計画は練られ・・・実行された
彼らはサブマシンガンで武装し、裏から施設に突入
アイゴたちを殴って気絶、あるいは脅して縛り、
被虐生物託児所を含む各部屋を襲った
被虐生物たちを殺し尽くした後、スプリンクラーなどの防火設備を破壊した上で
施設に火を放ち、彼らはアジトのホテルに帰った
85
:
認められたいがために 2/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/06/09(金) 04:38:48 ID:Y686DygU0
そして翌朝、昨日の事件が大々的に取り上げられる事を期待して彼らはテレビをつけた
これで自分たちを見下していた虐待愛好会も見直してくれると、
まったくありえない望みを持ちながら
まずテレビの画面には、炎に包まれる街が映った
どの建物からも煙や炎が上がり、それを消防隊が必死で消火活動をして消し止めようとしている
「なんだ、映画かよ・・・ニュースはどのチャンネルだ?」
虐太はリモコンを操作した・・・が、どのチャンネルも燃える街を映していた
ようやく虐太たちはこれが現実の光景だと悟る
テロップには「S市G町で大規模火災発生」と出ていた
虐太たちが襲撃した、あの施設のある町である
「保護センターを中心に発生した火災は、現在もなお延焼中です!!
付近にお住まいの方々、ただちに身を守る行動をとってください!
これは映画ではありません! 現実です!!」
「現在、保護センターの職員を含む、300人近い人たちと現在連絡が取れなくなっているとの情報が入っています」
「火災が発生したのは深夜帯という事もあり、多くの人が寝静まったところを・・・」
映像は町の様子を詳細に映していた
虐太達の目の前で逃げ回る車が炎に巻き込まれ動かなくなる
背に炎を背負った人間が燃える家屋から走り出て倒れ、もがきながら炎に包まれていく
火災旋風が巻き起こり、ガレキや火の粉と共に、人の形をした黒ずんだ物体を上空へ舞い上げる・・・
まさに地獄だった
「おい・・・さすがにこれ・・・まずいんじゃないか?」
仲間の一人、虐輔はぼそりと言った
虐待愛好会は常日頃口を酸っぱくしていた
「他人を巻き込むな」「人に危害を加えるな」「愛護派を攻撃するな」と
臆病風に吹かれた老人どもの妄言だと侮って聞き流していた虐太たちだが
やらかせば今度は警察組織や軍が敵に回ることまで分からないほど愚かではない
そして目の前の光景は、明らかにやりすぎすぎだ
ここまでの大規模破壊をするつもりはなかった
ただ愛護たちの鼻の穴を明かし、虐待愛好会を見返せればそれでよかった
「・・・・・・・・・・」
そっと4人目の虐一は荷物をまとめ仲間から離れた
三人を囮に、一人だけ逃げるつもりだった
このままではテロリストとして一生を刑務所で過ごすか、死刑台の露と消えるかだ
そんな事はごめんだった、自分ひとり逃げるために他の仲間に犠牲になってもらう
「動くな!!」
しかし、虐一がドアから出るより早くドアが蹴破られ銃口が虐一に突き付けられる
入って来たのは警察ではなく、軍人たちだった
彼らは事件を報道よりも一早く知り、激怒した
自分たちの留守中に親交のあった施設が襲撃され、顔見知りにも少なくない死傷者が出た
彼らの心と軍人としてのプライドは著しく傷ついた
そして、警察の協力の元で迅速に追跡が行われた
虐太たちはアジトのホテルを変えることなく居座っていたため、追跡は容易だった
マヌケにも虐太たちは武装したままホテルに戻った上に、
移動に使った車はばっちりと軍にバックアップのある防犯カメラに映っていたのだ
「貴様ら・・・オレたちの留守中を狙うとはいい度胸だな?」
「抵抗してみせろよ、地獄の悪魔もドン引きの拷問のフルコースをくれてやるからさ?」
突入チームには、保護施設の警備の任に当たっていた軍人たちも参加していた
彼らの怒り、推して知るべし
「わあああああああああああああああ!!」
大声を上げて怯んだところを逃げようとした虐一だったが、
その場で銃で殴り倒され拘束された
虐輔は窓を壊して外に出ようとしたが、足を狙い撃ちされ転倒する
虐次郎はトイレの個室へ逃げ込んだが、あっさりとドアを蹴破られ捕まった
虐太はバッグの中から武器を出そうとしたが、出す前に腕を撃たれて転がった
かくて、虐太たちは事件発生から24時間以内にスピード逮捕された
86
:
認められたいがために 3/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/06/09(金) 04:44:43 ID:Y686DygU0
死者行方不明者1000人超
それが、虐太たちが起こした事件の結果だった
G町は空襲にでも遭ったかのような無残な焼野原と化した
寝静まった深夜帯だったことに加え、虐太たちが火災報知機や消火設備を軒並み破壊していたこと、
事前に防火水槽などまでもコンクリートで塞いでいたことが被害をさらに拡大させ
未曽有の大災害と化した
住民は家・財産、あるいは家族を失い途方に暮れた
そして、犯人である虐太たちへの怒りと憎しみは頂点に達した
こうなってはもう「虐厨が勝手にやったことだ」などという言い訳は効かない
効かないどころか、幹部の一人がそう釈明したことは
被害住民だけでなく全国民の怒りの火に油を注ぐ結果になった
あちこちで暴動が起き、虐厨が狩られた
虐待愛好会には強制捜査のメスが入り、所属する虐厨だけでなく幹部や会長に至るまで警察に連行された
国からの予算も打ち切りが決まり、その後虐待愛好会は規模を縮小せざるを得なくなった
虐太たちはどうなったか?
保護センターの焼け跡から証拠はたっぷり見つかった
身柄は警察に引き渡され、
さらに虐一が拷問を恐れて(警察はそこまでするつもりはなかったのだが)「自分だけは助けてくれ」と
犯行の一部始終をペラペラしゃべった
虐太たちは最後の望みを虐待愛好会にかけたが・・・もちろん助けられるはずがなかった
事件で大打撃を受けた事もあるが、虐太たちのしたことはただのテロである
テロ組織のレッテルを張られたことと、世間からのバッシングは
虐太たちへの恨みを募らせることこそあれど、助けようなどと言う気が起きるはずもない
「どうしてこんな事をしたんだ?」
警察・検察・司法の問いに対し
「・・・認められたかったんです」
彼らは一様に同じセリフを口にした
4人は全員が死刑になり、刑は即執行された
誰もが絞首刑台の上で無様に泣きわめき、抵抗したために位置がずれ、
首を吊る際に余計に長く苦しむ羽目になったという
(おわり)
87
:
憎しみが芽吹く街 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/06/28(水) 04:33:51 ID:T4zD7x9g0
チチチチチチチチチ・・・・・・・
「おい、何か音がしないか?」
ここは、虐待厨たちの集会所の一つ
今日も虐待厨たちは各々の虐待の自慢話をしていたが・・・
飼いゆっくりを飼い主の目の前で虐待殺害した話の途中で、奇妙な音に気付いた
「これか?」
虐厨の一人が、ソファの近くに置いてある白い箱を手にした
誰も見た覚えのない、その白い箱から音はする
「なんだろう?」
箱を手にした虐厨は箱の蓋を開けた
次の瞬間、轟音と共に集会所の建物は吹き飛んだ
中にいた虐厨たちは一人残らず肉片と化し、建物のガレキと共に周囲へ
その血肉を飛び散らせた
この町は、「被虐生物(と虐厨が一方的に決めた生物)」の愛護派
いや、一般人にとってさえ地獄に等しい場所だ
虐厨の被虐生物ネガティブキャンペーンによって被虐生物は害獣の烙印を押され
さらに、それを保護・飼育する人々「愛護派」は害獣の迷惑行為を助長するとして
差別・迫害されていた
町に引っ越してきた子供が実装石を飼育しているという理由でいじめられ自殺に追い込まれたり
引っ越してきたばかりのしぃと暮らしている主婦が住民の総攻撃に遭って
しぃを殺された上に別の町へ引っ越す事になったりなど、日常茶飯事だった
警察に訴える者もいたが、虐厨からの圧力で動くことはなく・・・
被害者たちは泣き寝入りと忍耐を強いられていた
しかし、忍耐にも限度がある
きっかけは、目の前で飼いしぃを殺された男がやった報復の放火だったかもしれない
あるいは、飼いベビオニーニを食われた少女がその場で虐厨を刺殺したことだったかもしれない
とにかくいつからか、虐厨やそのシンパを狙った事件が起きるようになった
始めは「刃物を持った男が暴れまわり虐厨だけを狙って殺傷事件を起こした」というだけだったが
虐厨たちの日に日にエスカレートする被虐生物迫害と「愛護派狩り」によって
前述の爆破や放火、狙撃などの過激な手段に手を出す者も現れ始めた
そして標的は虐厨だけでなく、彼らに組した人間のクズたちも狙われるようになった
88
:
憎しみが芽吹く街 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/06/28(水) 04:43:21 ID:T4zD7x9g0
別時刻、町内の別の場所
「・・・・死んだか」
ついさっきまで無様に命乞いをしていた虐厨は、うつぶせのままもう動かない
「しっかしボロイ商売だよな、クズを殺すだけでこんな大金が転がり込むなんてよ」
黒いコートの男は今しがた殺したばかりの虐厨の死骸を蹴って仰向けにした
その顔は苦悶で歪んでいる
「できる限り苦しませて殺せ」という依頼人からの希望だ
その証拠写真を持ってくれば、さらに倍の金を払うと言われていた
「ひ・・・ひぃぃぃ・・・」
男は背後で失禁して震えている人間を見た
そいつは虐厨ではない、しかし虐厨に与して他人の飼いを惨殺してきた男だ
「安心しろ、てめぇは殺さねぇよ」
男の職業はあくまで「害獣の駆除」であり、殺人を請け負う殺し屋ではない
クズ人間はそれを聞いてほっと表情を緩める
「そいつはオレの領分だな」
別の男がドアを開けて入ってきた、がっしりした体格の筋肉質な男だ
「おう、久しぶりだな。元気そうじゃないか」
コートの男は入ってきた筋肉男とパンとハイタッチした
「元気元気、さて・・・オレはたぶんお前とは別の依頼人に頼まれた仕事だと思うぜ、なにせ・・・」
筋肉男は拳を振りかぶり、クズ人間を睨む
「このクズを徹底的に痛めつけろと言われてるんでな!!」
「ひぃぃぃ!!金なら倍払う!助けてくれ!!!」
クズ男の発言で筋肉男のこめかみに太い血管が浮き上がる
「金で済む段階はとうに過ぎてんだよクズ!!!!」
筋肉男は拳を振り下ろした、何度も何度も何度も何度も何度も・・・
「あ〜あ、あいつの逆鱗に触れたか・・・ああなったらもうオレでも止められねぇ・・・」
コート男はソファに腰かけ、友の仕事が終わるのを待った
別時刻、町内の別の場所
「ぎゃはははw」「じゃあなw今度ミニイカを飼ったらまたいじめに来てあげるからねwww」
倒れ伏す少女に、虐厨たちは嘲笑を浴びせながら去っていった
「自業自得だ」「ほんと、あ〜くさいくさい、ここまで臭いが漂ってくるぜ」
遠巻きに見ていた人々も去っていく
少女はミニイカ娘の死骸を握りしめた・・・
一週間後、白い衣服に身を包んだ大きなハサミを持った少女により
町の虐厨の大半が殺されることになるが
それはまた別のお話
(おわり)
89
:
C-HAZARD 1/8 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/07/22(土) 23:28:06 ID:qR12sw6k0
ここは、周囲を海に囲まれた島国M国
海の向こうの周辺国が「アフォしぃ」という生命体に手を焼いている中
数少ない「アフォしぃ」根絶に成功した国だ
この結果に国民たちは喜んだが、一部の者たちは困惑した
それは「虐厨」たちである
この国の法律では通常しぃ、いわゆる「良しぃ」は保護されていた
間違って傷つけただけでも罰金か懲役刑である
「アフォしぃ」が蔓延っていた時は虐厨もこの状況は受け入れていた
ストレスや虐待欲求は「アフォしぃ」で晴らせばいいし
「アフォしぃ」はなぜか「良しぃ」を目の敵にしていたため、
「アフォしぃ」を「良しぃ」保護の大義名分で公の場でも駆除する事が許されていた
しかし、彼らは頑張り過ぎた
アフォしぃの繁殖速度を上回る虐殺に加え、アフォしぃの交尾対象の「ちびギコ」や
餌となる「おにーに」や「わっしぃ」までも手にかけ、
さらにアフォしぃがストレスから子殺しをするようになったため
アフォしぃたちの数はいつの頃からか急激に減っていき・・・
いつしか、虐厨の間ですらその存在を見かけなくなってしまった
週一回に一匹見つかればいい方で、その見つけたアフォしぃもその場で殺すため
当然、増えるはずもなく・・・
ついに一年間アフォしぃは発見すらされなくなり、「絶滅」が公に発表されるに至る
「虐厨」たちはストレスのはけ口を失ったのだ
「ちびギコ」や「おにーに」や「わっしぃ」は野生の物はすでになく、
牧場やペットショップなどで見かけるにとどまるのみである
結果、ストレスのはけ口に犯罪に走ったり
飼いや良しぃに手を出す、牧場を襲撃するなどして逮捕されたり命を落とす虐厨が続発した
この事態を重く見た虐厨議員連盟は国会にある法案を出した
それは・・・「しぃ対策特別法」
今いる「しぃ」の扱いを変えるという法律だ
「アイゴの反対は求めない!よって本案”被虐生物駆除法”は可決!!」
「ふざけるなあああああ!!!」
「そんな事許されるか!!」
虐厨のごり押しと与党への賄賂を含む働きかけ、虐厨議員の委員長就任などの根回しにより
虐厨の虐厨による虐厨のストレス発散のためだけの法律が制定された
成立1か月前から国会周辺で行われたデモなど、ノイズにすぎなかった
90
:
C-HAZARD 2/8 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/07/22(土) 23:48:03 ID:qR12sw6k0
「いたぞ!」
「やめろ!!この子は”良しぃ”だ!!」
「関係ねぇよば〜かwww」
法案制定後、待ってましたとばかりに虐厨たちは外へ飛び出した
そして、次々と「被虐生物」とされた「しぃ」たちは狩られていった
「どうせしぃとの間の子だろ!こんなもの!」
「ぎゃあああああ!」
「息子おおおおおお!!!!」
法案は「被虐生物」のみならず、「被虐生物の保護者」「被虐生物の子」までも
虐待の対象にして良いとした
そのため、しぃと暮らしていた老人が撲殺されたり、しぃの血を引く子ギコが殺されたりした
やがて、「しぃ対策会」という、表向きは犯罪を犯す「アフォしぃ」へ対処する組織が生まれた
もちろん「表向き」である
その実態は、虐厨の虐厨による虐厨のための組織であることに変わりない
そもそも「アフォしぃ」自体がこの国にはもうすでに存在しないのだ
「しぃ対策会」は「飼い」を虐待する時は飼い主を襲い虐厨の虐待の妨害を防いだり
ドアのカギを破壊して虐厨の家屋への侵入を手助けしたりと言った犯罪まがいの事も行う組織だった
ちびギコやオニーニらは法案制定から一か月で牧場の物も含めて絶滅した
しぃの血を引く国民は殺され、家の表に出る事はなくなった
あちこちで良しぃは虐待され、街にはしぃ対策会に拷問された、
あるいは虐厨に虐待されたため「でぃ」と化したしぃであふれた
でぃを保護するリハビリセンターは、看護士をしていた看護しぃまでも引っ張って行かれたため
人手不足になった
その上、上からの圧力で治療に必要な「ニラ」の確保も困難になった
爆発的に増えた「でぃ」に対応する事も、治療に必要なニラを確保する事もままならなくなり
いつしかリハビリセンターはでぃの溜まり場と化した
そして・・・
「やめろバカ!!でぃに何するんだ!!」
「何ってwwwしぃは虐待されてなんぼでしょwww」
でぃの虐待を始める者も現れ始めた
一般国民にはもはや、でぃを虐待する虐厨やそのシンパは、かつていた「アフォしぃ」と何ら変わりない存在にしか見えない
しかし虐厨たちはそんな視線などどこ吹く風で、でぃを虐めた
しぃ対策会はこの状況を黙認していた
でぃもまたしぃである、というのが彼らの見解だった
しかし・・・これがいかに「危険な事」か・・・彼らはまだ知らなかった
過去に起きた「マターリ虐殺戦争」を知る者なら、あるいは「しぃ」の特徴を詳細に知る者なら
すぐに分かる「危険」、しかしこの国には、それを知る者はおらず
しぃの研究も一部の者たちが行うのみである
そしてしぃ対策会は後にこの時の姿勢を心底後悔する事になる
91
:
C-HAZARD 3/8 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/07/22(土) 23:52:33 ID:qR12sw6k0
法案制定から3か月後のある日・・・
「会長!!ただちに全国民にでぃの虐待を中止するよう命じてください!!」
しぃの研究をしていた学者の一人が、しぃ対策会にレポートをもって駆けこんだ
「さもないと、この国は終わります!!」
「いきなり何を言い出すんだ・・・?」
会長はその飛躍した意見に当惑したが、学者の鬼気迫る表情に只事ではないと感じた
そして差し出されたレポートを読んで・・・青くなった
「き・・・きみ、このXX化というのは・・・本当なのか!?」
学者は頷いた
「ただちに、でぃの虐待の中止と厳禁を・・・でないと・・・」
学者は続けた
「B級ホラー映画の世界が現実のものになります!」
しかし・・・その警告は遅かった
学者が駆け込む数時間前、とある街の外れ
「お、ずいぶんボロい でぃだなw」
3人の虐厨が街はずれで、目もつぶれ耳もないフラフラした足取りの でぃ(?)を見つけた
3人は町の中に「しぃ」も「でぃ」もいなくなっため、対策会が拷問の結果生じた「でぃ」を投棄している場所へ向かっていたのだ
リハビリセンターはすでに誰もが知るでぃの溜まり場のため、彼らがありつけるのは「おこぼれ」だけ
だが、町の外まで足を運ぶ者は少ない
そこなら確実に自分たちの分の「でぃ」はいる
そして予想通り、「でぃ(?)」はいた
虐厨の一人は「ソレ」に接近して鉄パイプを振り下ろした、しかし・・・
ガン!!
まるでヘルメットを叩いたかのような衝撃が彼を襲った
「硬ぇ!!なんだこい・・・・」
全部言い終わる前に、「ソレ」はアゴが外れんばかりに大きく口を開け・・・
ガブシュ!!
「へ?」「え?」
残る二人はあっけにとられた
ついさっきまで話をしていた仲間の一人が、「ソレ」にあっという間に頭を噛みつかれ噛み砕かれる
「ソレ」は二人の事など目もくれず、食らいついた虐厨をガツガツと貪り食っていた
「な・・・なにしやがる!ゴミムシの分際で!!」
生き残った一人がバールで殴りかかるが、ソレはびくともしない
「ソレ」は構わずどんどん最初の虐厨を食い進めていく
逆に、殴るバールの方が、徐々に歪んでいった
「お・・・おい、あれ・・・」
一人が一方向を指さした
「なんだよ、お前もこいつをどうにかするの手伝・・・」
殴りかかっていた一人がそちらを見る
その手からバールが落ちた
「ぅぅぅぅ・・・」「ぅびぃ・・・ぅびぃ・・・・・・」「びぃ・・・」
一匹や二匹ではない、十匹以上も「ソレ」がフラフラと歩いてきていた
指さした一人は脱兎のごとく駆けだした
バールを持っていた虐厨も後に続こうとしたが、その左足に
最初に襲った虐厨を食べ終えた「ソレ」がしがみつき、かぶりつく
「いぎぃ!や・・・やめろおおおおおおお!!」
「ソレ」を蹴飛ばすが、びくともしない
虐厨の抵抗を無視してそいつは、足の肉を貪り骨を露出させる
そしてその間に、他の「ソレ」は接近していた
たちまち虐厨は他の「ソレ」に包囲され・・・そして・・・
「いぎゃあああああああ!!!!」
92
:
C-HAZARD 4/8 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/07/22(土) 23:59:48 ID:qR12sw6k0
命からがら逃げだした一人の虐厨の通報で疑い半分に現地へ向かった対策会の会員たちは
その認識を改めた
---「ソレ」には打撃攻撃は効かない
容姿からかろうじて元が「しぃ」であると分かったが、「しぃ」には・・・
否、通常の生物にはあり得ない強固な硬さを「ソレ」は持っていた
---「ソレ」は凄まじい食欲を持つ
彼らが来た時、「ソレ」らはバールの虐厨の死骸を骨まで齧っていた
そして彼らに気づくと、おこぼれを待っていた他の個体がフラフラと歩み寄り始めた
危機感を覚えた会員たちは虐厨の死体の回収を諦め、
でぃをおびき出すのに使うしぃの死骸を車から放り出した
「ソレ」らがしぃの死骸を貪り食っている間に彼らはその場から離脱した
「ソレ」の情報はただちに生還した会員たちによって本部と各支部に伝えられた
しかし・・・
「た・・・助けてくれ〜!!!」
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!!」
「おねがいだ!食べないで!食べないでえええええぎゃああああああ!!!」
「ソレ」が発生したのは一つの街だけではなかった
至る所で「ソレ」は出現した
街の外で出現した例はまだ幸いだった
機能停止した街の中のリハビリセンターから、街の中に設置されてしまった「でぃ投棄場所」から・・・
「ソレ」はどんどん出現した
襲われた街は、さながらホラーゲームかゾンビ映画のような地獄絵図を作り出した
虚構のものが現実になったのだ
ボロボロの死体としか思えない「ソレ」が生者の血肉を求め彷徨い
捕まえて貪り食う
「ソレ」を知らぬ国民はただバケモノから逃げ回るしかなかった
反撃に転じる虐厨もいたが、「ソレ」は銃撃を受けても痛覚がないのか
構わず前進して食らいついてきた
そして・・・一度「ソレ」に噛みつかれたら、最後だった
「お・・・おい、大丈夫か?」
「う・・・ご・・・うびぃぃぃぃぃ!!!」
「ソレ」に噛まれた者も「ソレ」になり、血肉を求め周囲の者たちを襲い出した
二次的に発生した「第二のソレ」は幸い、オリジナルが持つ強靭さは持っていないため
発生初期にただちに「処理」された
「配備完了しました!」
「よし・・・全員よく狙え、なるべく無駄玉を出すな・・・!」
発生から2日、ようやく状況を把握して態勢を立て直したM国は
しぃ対策会の私兵の他に軍を派遣し、各都市から「ソレ」を排除しようとした
学者たちの研究と、捕獲班が命がけで捕獲した「ソレ」の調査で詳しい事が分かって来たのだ
「ソレ」は「びぃ」と呼ばれる「でぃ」の変異個体であり、
頭が砕ければ死ぬことも分かっていた
不死の怪物でさえなければ、弱点さえ分かってしまえばどうという事はない
車両でバリケードを築き、マシンガンを構えた彼らは
「びぃ」の群れを迎え撃った
街の中に発生した「びぃ」はバリケードで逆に囲い込んで閉じ込めた
一見すると完璧に見えるこの作戦は・・・しかし
重大な見落としがあった
彼らは「びぃ」が妊娠していても構わず「頭だけ」を狙撃した
そして・・・生き延びた「胎児」は母親の胎内から自力で這い出し
産声を上げて母親の死体を喰らった
それを食べ終えても、まだ周囲に「びぃ」の死骸と「びぃ」が食い残した死骸がある
だから食料に困ることはない
「ソイツ」は誰にも察知される事無く・・・成長した
93
:
C-HAZARD 5/8 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/07/23(日) 00:08:37 ID:zshVUHqs0
「びぃ」発生から半年
「ソイツ」はついに姿を現した
タタタタタタタタタ
「おい、アレは生存者か?」
「びぃ」の群れの中に、「びぃ」にはあり得ない速度で駆ける個体がいた
辛うじて「びぃ」から逃れた生き残りと誤認したのも無理はない
その個体は虐待の痕跡はなく・・・変わった形の耳をしている以外は
「しぃ」に見えないことも無い
しかし・・・「びぃ」はそれに攻撃をしない
それどころか、「ソイツ」に道を譲るそぶりさえ見せた
迎撃陣が戸惑う間に「ソイツ」はバリケードへ接近する、そして・・・
「ヴィィィィィ!!!!!」
一声吠えると「ソイツ」はバリケードそのものを拳をふるっただけであっさり破壊し、中へ突入した
地獄が生まれた
銃弾をかわし、腕の一薙ぎで会員や兵士の首や胴体を切断する
車の突進すら受け止め、その拳の一撃で軽装甲車の正面が大きく凹んだ
車内の会員が脱出するより早く運転席の正面に上り、
装甲もろとも正面を毟り取ると、中にいた会員に牙を突き立てる
さらに・・・
内部に侵入した「ソイツ」に手を焼いている間に
破壊されたバリケードから「びぃ」たちが侵入してきた
軍としぃ対の合同チームはあっさりと瓦解した
誰もが自分の身を守る事だけで精いっぱいになった
指揮系統どころかチームワークもガタガタだ
「ソイツ」を撃とうとして同士討ちも発生し、混乱が最高潮に達したところで
「撤収!!撤収だ!!各員己の身を守りながら離脱しろ!!」
現場指揮官はこの場の放棄を決定した
街にはバリケード突破を知らせる警報が鳴り響き、住民は命からがら逃げだした
「”ヴィ”・・・だと?」
「はい・・・恐らく新個体はそいつと思われます」
突如出現した悪魔のようなクリーチャーの報告を受け、
開かれた会議で研究者は口を開いた
「通常は、出産直後に母親に食料と認識され喰われてしまうのですが・・・
ごく稀に生き延びる個体もいます」
研究者は続けた
「ネット上に残っていた他の研究施設のデータですが・・・
昔、他国のしぃ研究施設で意図的に母びぃから赤子”ヴィ”を保護し、飼育したことがありました
ですが、この個体は飼育員を食い殺して脱走、その際に同施設で飼育されていた母親のびぃも喰われています
そして・・・この一匹のためだけに駆除に投入された軍隊は全滅、
最後の手段として研究施設の敷地すべてをバリケードで封鎖し、餓死を待つことになりましたが・・・
奴は知能も高く力もあり、バリケードを破壊して包囲を突破、行方不明になりました」
「そんな説明はいい」
会長は口を開いた、強い言葉とは裏腹にその顔は蒼白で今にも倒れそうだ
「我々が聞きたいのは・・・奴に弱点は・・・倒す手段は、殺す方法はないのか、という事だ」
その場の誰もが研究者を注目したが・・・彼はかぶりを振った
「亜成体以上に成長した”ヴィ”を仕留めたという報告は、非公式なものを含めて一例もありません」
「では・・・あれは・・・どうすれば死ぬんだ?」
研究者は会長の、地獄に垂らされたクモの糸を掴む思いのその問いかけに答えた
「奴とて生物です、飢えれば死ぬでしょう
しかし・・・奴は”びぃ”とは違います
ただ餓死を待つほど愚かでもなければ、状況を打開できないほど非力でもありません
何より・・・奴の知能は恐らく”びぃ”・・・いえ、ひょっとすると我々よりも上かもしれないのです」
94
:
C-HAZARD 6/8 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/07/23(日) 00:14:23 ID:zshVUHqs0
M国の国民にとっての地獄は、「びぃの発生」では終わらなかった
新しく出た「ヴィ」は一体だけではなかった
生き延びた胎児の数だけ、彼女たちは出現した
彼女たちは「びぃ用」のバリケードを積み木でも崩すかのようにあっさり破壊し、
「餌」のある場所へ侵入した
その食欲は「びぃ」以上であり、一匹の侵入を許したため全滅したしぃ対基地もあった
「ヴィ」の出現・侵入した街は放棄され、住民はバリケードに囲まれた別の街へ避難せざるを得なかった
不幸中の幸いと言うべきか、ここ半年の数々の災厄で生存者の数は「びぃ」出現前の1/5まで減っていたため、
生存者が街からあふれる事はなかった
しかしそれでも彼らは、いつ何時バリケードを壊して入ってくるか知れない悪魔に怯える日々を余儀なくされた
もちろん、バリケードはより強固なものに強化された
しかしそれでも安心はできなかった
とある街では三日三晩、「ヴィ」がバリケードの外壁を叩き、壊して中に入ろうと試みた事があった
四日目に彼女は諦めて去っていったが、バリケードの外壁は砲撃でも受けたかのように破損していた
もし「ヴィ」が諦めなかったら・・・もし、複数の個体が同時に侵入を試みていたら・・・
この事件は警備の軍人やしぃ対だけでなく、バリケードの中の市民も恐怖させた
そんな中、ついにM国政府は決定を下した
「S作戦」
住民のいなくなった「びぃ」や「ヴィ」の巣くう街を空爆あるいは高威力のミサイルで焼き払うという作戦だ
作戦は立案後、即座に実行に移された
「・・・以上です、S作戦の成功を祈りましょう・・・」
今はもう放棄されたリハビリセンターの院長室で医師ギコはかぶりを振ってラジオを切った
テレビ局がある街が放棄され、情報を得る手段がネットとラジオだけになって幾日経ったか・・・
彼はもう数える事すら忘れた
「・・・センセイ・・・」
「ワシは逃げんよ」
彼は傍らに立つ でぃに言った
彼女はかつての看護しぃだった
しかし、対策会によって「でぃ」にされてしまった
それでも彼女は使命を忘れなかった
這うように投棄場から逃げ出し、この「リハビリセンター」へ戻って来たのだ
医師ギコはかろうじて残っていたセンターの腕章で彼女を識別できた
だが、彼女はしぃには戻れなかった
いや、戻ることはできなかった
リハビリセンターは彼女一人を治療する事すら不可能な状態だったのだ
その後、「びぃ」がこのリハビリセンターにも発生した
だが彼女たちは医師ギコと元看護しぃのでぃを襲うことなく
センターから出て行った
まるで、今まで世話になった礼だとでも言うように
そして、今に至る
彼らのいる町は「ヴィ」が出現したため、つい3日前に放棄された
そしてあと少しすれば、地図から文字通り消される運命にある
だが、それを知っても彼はセンターから逃げようとは思わなかった
使命感もあったが、それ以上に今の政府には怒りを感じていた
そもそも、こんな事態になったのは誰のせいか?
でぃを保護・治療する手段を奪った上で でぃを増産し続ければ
いずれこうなることは分からなかったのか?
でぃのびぃ化、過去の大戦を、あの「マターリ虐殺戦争」で何が起きたかを
少し調べれば、すぐに分かるはずの危険
だが今の政府は、虐厨は、それを怠り危険予測すらせず、結果この地獄を作り出した
そして今度は自分たちが生み出した被害者たちもろとも全てを焼こうとしている
これが・・・「人」のすることか!
彼は最後の抵抗として自分の考えを書いたテキストプログラムをネット上に上げた
いずれ誰かがこれを見てくれるだろうと信じて
今となってはもう自分にできる事はもうないし、
あの政府の言うとおりに避難するのも癪だった
どうせあいつらは、この元看護しぃのでぃを助けはしない
ならせめて、彼女や自分が助けられなかった「びぃ」たちと運命を共にすることが
自分にできる最後の仕事だと彼は決意していた
「さてと、寝るとするか」
医師ギコは看護でぃと共に仮眠室に向かった
「S作戦」は決行された
放棄された街は空爆の嵐により、たちまち瓦礫と焦土へその姿を変えていった
リハビリセンターやでぃ投棄場は特に念入りに空爆された
医師ギコの睡眠中に、そのリハビリセンターも攻撃を受けた
全てが火の中に消えた
医師ギコは二度と眠りから覚める事はなかった
95
:
C-HAZARD 7/8 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/07/23(日) 00:20:36 ID:zshVUHqs0
「びぃ」発生から半年と少し、「S作戦」決行から3日後
「さすがに生き残りいないんじゃねぇの?」
空爆で廃墟と化した街の中を、「しぃ対」の腕章を付けた兵士が歩き、相棒に声をかけていた
あちこちに黒焦げの死体が転がり、彼らはそれを一つ一つ調べている
「俺たちの役目は、びぃよりもヴィの死体の確認だろうな」
「けどよ〜・・・ここには死体しかねぇぜ、さすがにあのバケモノでも」ジャ!
その兵士は次の言葉を継げなかった
突然の沈黙に訝しんだ相棒が隣を見ると・・・さっきまで会話をしていた相棒の頭はなかった
その頭は、いつの間にかその近くに出現していた悪魔が抱え、貪っている
「出たぞ!!出たぞおおお!!!」
通信機に叫びながら兵士はサブマシンガンを構え、悪魔を撃った
しかし「ヴィ」は銃撃を上に跳躍して躱し、建物の残骸を足場に焦げたビルの向こうへ姿を消した
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!」
相棒を失った兵士はふと、地面に開いた穴に気が付いた
「奴は下水道に逃れて空爆をしのいだのか・・・!」
そう思った兵士はしかし、穴を覗いた次の瞬間、事実に打ちのめされた
「ち・・・ちがう!!これは・・・これは!!」
それは下水道でもなければ地下道でもない
ごく最近、作られたばかりの全く新しい穴だった
「ヴィ」が堀ったのだ!!
兵士は慌てて通信機に報告を始めた
兵士の報告で「S作戦」の失敗を政府は知った
「びぃ」はその数をぐっと減らしたものの、肝心の「ヴィ」は生き延びていた
さらに、「穴を掘って逃げていた」という報告が彼らを戦慄させた
地下からの襲撃を想定したバリケードなど、ない
そして空爆でヴィの「餌」はかなり少なくなったはずだ
残ったびぃや死骸を食っている間はいい
それが無くなったら・・・やつらは次にどこへ行く?
答えは言うまでもない
ついに政府は最終手段「P計画」を実行する決意を固めた
政府が移転し機能していた現首都都市、そこの周囲には「びぃ」発生時から
地下数百m、地上百mに渡る巨大な「壁」を建設する工事が行われていた
ここに侵入可能なのは、空を飛べる鳥しかいないだろう
さすがの「ヴィ」も、空を飛ぶ能力はない
ここに生き残った全国民を移動するプランだ
これが潰れれば、次はもうない
「ヴィ」の腹に収まるか自決するかしかない
文字通り「最後の計画」だ
「びぃ」発生から半年と1か月
「うわあああああ!!」「ば・・・バケモノだああああああ!!」
準備が整い計画実行が発表される前に、恐れていた悲劇は起きた
生き残りの避難していた街の一つに、地下を掘り進んでバリケードと警備を突破した「ヴィ」が
バリケードの内側の地下街に出現したのだ
ヴィにとってバリケードの中は「餌の宝庫」だった
わざわざ探す必要などない
どこへ行っても「餌」がいて、しかもよりどりみどりだ
何より彼女は、自分を殺せる相手がいない事を知っていた
対して市民たちには地獄だった
軍人ですらどうしようもない、銃も効かない化け物を一般市民がどうにかする術など・・・ない
「ヴィ」の侵入を許した街はほどなくして「放棄」が決まった
もはや逃走経路を塞ぐ障害物でしかないバリケードを爆破して道を作り
生き残りを乗せた車両が街から次々と脱出していった
外にいるびぃの中には車を追いかける者もいたが、さすがに追いつけないと悟ると
諦めて、たった今開いたばかりのバリケードの穴から街へ入っていった
そして奇しくもこれは市民たちにとって幸運となった
「ヴィ」は逃げた餌を追う事より、街に入ってきたびぃを食う事を選んだのだ
脱出した生存者たちは「ヴィ」の追撃に遭う事無く生き延びる事が出来た
「ヴィ」が地下を掘り進む能力を持っている情報が発表された
バリケードの内側に「ヴィ」が出現し街が一つ放棄されてから3日後のことだった
しかしその間に「ヴィ」に襲撃された街の生き残り達の口から、「ヴィ」のその能力は
国民たちに伝わっていた
国民たちは情報を隠していた政府に激怒した
混乱を招くだろうと敢えて情報を伏せていたことが裏目に出た結果だ
そして国民は絶望した
安全だと、最後の安住の地だと信じたバリケードの中ですら、あの悪魔は侵入するのだ
政府はすかさず「P計画」を発表した
絶望を与えてから希望を見せる、虐厨議員たちが考えたやり方だ
96
:
C-HAZARD 8/8 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/07/23(日) 00:29:48 ID:zshVUHqs0
しかし・・・・・
「”P計画”だとさ」
「どうせあのバケモノに侵入されるだろ・・・一か所に固まってたらそれこそ一網打尽じゃねぇか」
「どこに逃げたって一緒だ」
「こんな事なら育った街から逃げずにあそこで生涯終えておくんだった!」
ある者は自ら命を絶ち、ある者は山野に逃れる事を選び、
ある者は廃墟となった都市へ生活の糧を求めて行った
彼らのうち幸運な者は、「でぃ」「びぃ」と化した恋人や家族と離れる事ができず共に生きる事を選んだ人々の
小さな村にたどり着き、そこで新たな生活を始める事になる
かくて、政府の想定より圧倒的に少ない国民が最後の砦にやって来た
国民は政府が思っている以上に政府に失望していたのだ
しかし今の政府に国民の事を考える余裕などなかった
募集から一週間、誰も来なくなったことを確認して「壁」の門は閉ざされた
政府は、しぃ対は、虐厨たちは安堵した
虐待したければ、「壁」の中に確保していた「でぃ収容所」がある
完全に殺してしまえば「びぃ」は発生しない事も研究の末分かっていた
だから、彼らはこのひとまずの安寧に逃げ込んだ
やむを得ず逃げ込んだ、家族を友を財を失った国民のケアなどすっかり忘れて
「P計画」実行からしばらくして・・・
「虐厨を殺せ!!」「吊るし上げろ!!」
「告発文書」というタイトルのテキストプログラム
リハビリセンターやでぃ達と運命を共にした、あの医師ギコが遺した文章が、ついに発見された
それを発見したのはフリーの記者で、彼によってそれは拡散した
そして国民は忘れていた怒りを思い出した
「被虐生物駆除法」が制定された時の憤懣を怒りを、虐厨がした暴挙の数々を
目の前で家族を、友を殺された、あの屈辱を
そもそもこんな状況になったのは誰のせいだ?
あんなに反対したのにごり押しして、結果この惨劇を作り出したのは誰だ?
虐厨だ!!
あちこちで市民の怒りの声が上がり、暴動が起きた
虐厨はたちまち群衆に囲まれ、あるいは建物から引きずり出され
その怒りを嫌と言うほど叩き込まれた
その場で殺された虐厨はまだ幸いである
生き延びた虐厨はシートで簀巻きにされて「壁」の外へ放り出された
たちまち「餌」を嗅ぎつけたびぃやヴィによって彼らは食われた
住民の怒りの矛先は法案を成立させた政府にも向いた
もはや法案成立前のデモなどという生易しいものではない
内戦である
びぃ発生時から軍や警察が自衛のためと市民に配ったり、
壊滅した基地から持ち出されたりした武器が市民に行き届いていた
その上、びぃやヴィのおかげで軍も警察も、しぃ対に至るまで
その人数をぐっと減らしていた
もはや彼らに怒りの市民を止める力は残っていなかった
そうでなくても、軍や警察らの中には身内の「しぃ」を殺され、その恨みを外に出すことなく
しかし沸々と圧搾し続けた者が少なくない
彼らに怒る国民を止める気など、さらさらないのである
臨時国会はたちまち包囲され市民の突入を許した
虐厨議員は市民に捕まり、その場で殺されるか壁の外へ「放棄」された
虐厨になびいた与党も例外ではない
与党議員は一人残らず捕縛された
こうして、市民の武装蜂起からわずか3日でM国政府は陥落した
政府陥落後、当然、元凶となった「しぃ対策会」は即時解体された
会長以下、主だった幹部はまとめて「壁」の外へ追放された
街の中の収容所に虐待と研究のため閉じ込められていた「でぃ」たちは解放され、
リハビリを受ける事になった
代わりに、彼女たちの入っていた檻には元与党議員たちが入ることになった
その後、ヘリコプターやVTOLによる空輸という手段と
壁の外の村が発展していったため、新生M国は十年でかつての姿を取り戻す
ただしそこに虐厨はいない
びぃやヴィたちは山野の獣や魚に食料を求めるようになった
心優しい「壁」の外の住人から食料を分けてもらい、
奪う以外の生き方も知った
彼女たちが新しい生態系の一員になるまで時間はかからないだろう
壁の外に追放された「しぃ対策会」はどうなったか・・・
その行方は誰も知らない
(おわり)
97
:
C-HAZARD (おまけ)1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/07/23(日) 00:36:13 ID:zshVUHqs0
「ったく、なんでオレたちがこんな目に・・・!!」
「しぃ対」だった男は不満を口にした
彼らは「壁」の中から追放された、元しぃ対構成員
虐厨とそれに組する者で構成された、「しぃ」らを虐げていた者たちである
彼らにしてみれば害獣を駆除していたにすぎないが・・・
「しぃ」を同胞として受け入れ、愛し、間に子を為していた住民たちにとっては彼らは狂人でしかない
まして自分の考えを押し付けた挙句、「しぃ」を迫害すればなおさらである
その上、彼らは今の地獄を作り出した張本人どもだ
彼らが軽はずみな、己の欲望を満たすためだけにリスクを考えず他者を虐げる事さえしなければ
今の状況は生まれなかった
実際そうであったし、そう考える生き残りは少なくなかった
しかし、元しぃ対構成員らはそれを受け入れられなかった
「びぃ」の発生は不測の事態であり、自然災害と同じもの
「しぃ」は虐げられて当然の劣等種族
だから自分たちは悪くない、というのが彼らの主張だった
これだけの災害を引き起こした挙句に追放寸前までその意見を声を大にして言ったのだ
命があるだけでも幸いである
「おい、あそこ・・・・・!」
彼らの一人が指さした方向には、民家があった
一つ二つではない、生き残った住人たちの村である
「よし、あそこで食料を分けてもらおう」
こうは言うが、彼らに食料の代償に相手に支払うものなど、ない
しかし彼らは「しぃ対」の制服と腕章を身に着けていた
だから、当然相手が親切にしてくれ、食料も分けてくれるだろうと考えていた
中には、武器弾薬を分けてもらい、いずれ壁の中のアイゴたちに逆襲しようと考える者もいた
「・・・・・ぅぃ・・・」
「しぃ実、どうし・・・・・!?」
しぃ対たちは村の入口付近で花を摘んでいた青年とでぃを殴り倒して村へ入った
「この!この!」「思い知ったかクソアイゴめ!!」「ヒャッハー!」
3人が彼女たちを甚振るためにそこに残り、他のメンバーは村へ入っていく
「おい!しぃ対策会だ!食料を分けてくれ!!」
しかし、彼らを見た村人たちは一斉に屋内へと去った
あっという間に外は誰もいなくなる
「ちっ、そういえばこの村の入り口にアイゴがいたな・・・」
「じゃあ、この村の住人もアイゴか?」
「・・・粛清が必要だな」
彼らの中で、「食料を分けてもらう」という目的は「略奪、強姦、虐待」へと変わった
しかし
タン!
「へ?」
銃声とともに、しぃ対の一人が頭を砕かれて倒れた
音のした方を見ると、いつのまにか銃で武装した村人たちがいた
「貴様らさえいなければ・・・オレたちは平和に暮らせてたんだ・・・!!」
「待ってたぜ、この日をよ・・・オレの娘と妻を殺したてめぇらを殺せる日をな!!!」
村人の誰もが怒りと憎悪をしぃ対へ向けていた
さもありなん、この集落は、しぃ対や虐厨の横暴で家族のしぃを殺された人々の隠れ里なのだ
彼らの怒り、推して知るべし
「逃げろ!!」
さすがのしぃ対のメンバーも、銃で武装した相手に向かっていくほど無謀ではない
それに、彼らは壁から追放された時に武装をすべて解除されていた
勝ち目など無い
生き延びるには、背後から銃を放ちながら迫る村人を振り切り村から脱出する以外ない
だが、あと一歩で村から出られる、そんな時・・・
村の出入り口に、ナイフで武装した赤い「しぃのようなギコ猫」が立ちはだかった
98
:
C-HAZARD (おまけ)2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/07/23(日) 00:49:20 ID:zshVUHqs0
「げ!!?」
その個体は「しぃ」ではない、「つー」だ
常に狂気を孕んだ笑みを浮かべているその赤いギコ猫種族は、戦闘力はAA種族の中でもトップクラス
「しぃ」とは比較にならない
だから、しぃ対ですら彼女たちに敵対しないよう注意をしていた
「しぃ」と間違って攻撃しないように情報伝達を徹底した
それでもうっかり攻撃した馬鹿はその身をもって思い知った上、
つー族全体を敵に回すことを恐れた上層部から見捨てられた
しかし、しぃ対は彼女たちの交友関係にまで頭が行き届いていなかった
結果、友人たちを殺され奪われた「つー」たちはゲリラとなり潜伏活動に入った
結局しぃ対は、つー族全体を敵に回してしまったのである
彼女たちに復讐され全滅した部隊も少なくない
さらに、彼女たちはサバイバルの天才でもあった
自然環境で自給自足など、呼吸をするようなものである
だから、政府が「P計画」を発表した時、それに従うという選択肢は彼女たちには無かった
さらに、彼女たちは数少ない、「びぃ」や「ヴィ」と渡り合える存在である
壁の外で暮らすのに支障など無いのだ
そして、その死神が、今彼らの目の前にいた
「アヒャー・・・てめぇら、ホント懲りねぇのな」
手のナイフを弄びながら、その「つー」は言った
目は笑っていない、おせじにも「友好的」とは言えない態度だ
「ま、待て、オレたちは食料を分けてもらいに来ただけだ」
ついさっきまで略奪する気満々だったことを棚に上げて、しぃ対の一人はそう言った
「あ? だったら素直に頭下げて頼めばいいじゃねぇか」
「つー」は正論を言った
言いつつ「つー」は、ナイフを投げた
無事だったしぃ対メンバーの一人が額にそれを生やして倒れる
「な・・・なにを!?」
「大人しくしてりゃ命は助けてやろうかとも思ってたけどよ・・・・・・・
しぃ実たちに危害加えた以上、てめぇらを生かす理由がねぇ!」
「つー」の背後には、ナイフで切り刻まれた、入り口ででぃたちを虐待していた3人のメンバーの死体があった
そう、「つー」族はその戦闘力や攻撃性、攻撃的な見た目とは裏腹に、意外と友好的で世話好きでもある
敵対さえしなければ、友人として隣人として接してくれる上に
困ったことがあったら親身になって相談に乗ってくれるド親切な性質を持っている
逆に言うと、彼女たちの友人に危害を加えればその瞬間に「敵」とみなされ、
その圧倒的戦闘力で即座に排除される
彼女たちにとって友人や仲間の身の安全は何よりも優先されることなのだ、己の身の安全よりも
なお、「びぃ」発生前にしぃ対が被っていた損害のほとんどは、彼女たちの友人のしぃに手を出したことが原因である
「おい、こいつらはオレが殺していいか?」
「つー」はしぃ対の背後に声をかけた
「おう、つー子のねぇちゃんじゃねぇか!」
「いいぜ、オレたちはこいつらが逃げないようにこっちで見張ってるから」
「サンキュ」
そんなやり取りの後、「つー」は新たなナイフを腰のベルトから抜いた
前には「つー」、背後には「村人」
しぃ対たちはもう逃げられない
3分後、しぃ対の死骸は村の外に捨てられた
やがてヴィやでぃが匂いを嗅ぎつけて食いに来る
だから埋める必要はないし、こんな連中に墓など必要ない
今日も村は何事もなかったかのように営みが続いている
「そのフサ毛刈らせろ〜〜〜〜!!」
「やめて つー子ちゃん!そんなことされたら、ただのギコになっちゃうから〜!!」
(おわり)
99
:
未知とのコミュニケーション 1/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/08/19(土) 23:25:43 ID:9YBXPKIg0
※ある怪獣に対する個人的解釈が入っています
※それでもいいという方は、ゆっくりどうぞ
「ソレ」は、空から突如降ってきた
「ゆ?」
夜中に突如響いた轟音に目を覚ました ゆっくりまりさは、巣の外に出る
人里近くの野原に、大きなオニフスベのような物体が鎮座していた
まりさはとりあえず挨拶をした
「ゆっくりしていってね!!」
翌朝
「ゆっくりしていってね!!」
近隣の人里から来た人々は驚いた
それは、まったく未知の種類のゆっくりだった
大きさはドスゆっくり規模、しかし髪も耳もない
真っ白な体にゆっくりの顔が浮き出ている
そして挨拶「ゆっくりしていってね!!」を繰り返しているのだ
「なんだよこれ・・・?」 「新種のゆっくりか?」 「見た事ねぇな・・・」
人々は口々に囁いた
「まて、皆の衆・・・これに手を出してはならん!」
長老は、古い伝承の中でそれに似たものを知っていた
だから・・・村人たちに言明した
「新しい白いゆっくりには絶対に手を出すな」と
しかし
「ヒャッハー!虐待だぁ!!」
その話を全く聞かない連中がやってきた
虐厨である
彼らは人に似るが人ではない
己の楽しみのためならルールを無視し、平気で人を襲うならず者だ
彼らは人々の制止を振り切り、「ソレ」へ殺到した
幾多のゆっくりを潰してきた金属パイプを振りかざし、「ソレ」へ叩きつける!
「やめろ!!やめるんじゃ!!その御方を怒らせてはならん!!」
「アイゴは黙ってろwwwww」
虐厨たちは暴虐をやめなかった
「ソレ」はやがて挨拶をやめて黙った、しかし虐厨たちはやめない
やがて・・・
ゴキン!!
「ソレ」を攻撃した虐厨の一人は宙を舞って地面に叩きつけられ、汚い染みと化した
「へ・・・・・・?」
「ソレ」は、最初に見た白いマシュマロのようなゆっくりではない
上部に無数の触手を生やした、金属質のものに変化していた
ヒュッ! ヒュッ!
「ゲェ!?」「がべ!?」「ぎゃあ!?」
「ソレ」は触手をふるい、目の前の虐厨たちを手にかけていく
それまでの無抵抗が嘘のように、「ソレ」は「殺す側」へとあっさり回った
「きゃああああ!」「逃げろ!!」
人々は巻き添えになってはたまらないと逃げ出した
茫然と見ていた長老は、息子夫婦に抱えられてその場から離れる
「どけどけ〜!!」
一度逃走に成功した虐厨のうち数人が戻ってきた
手には、火炎放射器
「焼いてやる!くらえ!!」
火炎放射器の炎が「ソレ」に直撃した
「ぎゃははははは!!燃えろ燃えろ燃え・・・ろぎゃあああああああああああ!!?」
悲鳴を上げたのは、火炎放射器の虐厨の一人だった
彼めがけて炎の中から一筋の炎が伸び、彼を絡めとったのだ
突然の出来事に、虐厨たちの攻撃の手が止まる
炎が晴れ・・・「ソレ」が姿を現す
「ソレ」は4本の足と亀のような頭が新たに生じ、背中には火炎放射器のノズルを思わせる金属の筒が新たに出現していた
「ソレ」は赤い目で周囲を見回すと・・・背中の筒を、虐厨たちに向けた
「ひ・・・」
次の瞬間、筒から炎が放たれ、虐厨たちを松明へと変えていく
「逃げるんじゃ・・・里から離れるんじゃ!」
やっと我に返った長老は、住民の里からの避難を指示した
逃げ惑う虐厨たちは里へ向かい、それを追って「ソレ」も里へと歩いていく
100
:
未知とのコミュニケーション 2/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/08/19(土) 23:29:00 ID:9YBXPKIg0
「てめぇら!!この始末どうする気だ!!?」
長老の息子は里の前で逃げ込もうとした生き残りの虐厨たちを鉄拳で止め、怒鳴りつけた
伝承では「ソレ」は、なにもしない、放っておけばまたどこかへ消える
しかし一発でも矢を放つなり攻撃を加えれば・・・「ソレ」は攻撃を倍返しする
過去、「ソレ」は何度も人前に姿を現していた
血の気の多い領主がそれを排除しようとしたことがあるが・・・
結果、領主の軍隊と一族は全滅、領土は「ソレ」によって焦土と化したという
だから、長老は止めたのだ、「触らぬ神に祟りなし」と
しかし虐厨たちは聞く耳を持たなかった
彼らが人の話に耳を傾ける理性の持ち主なら、利己的行動を控えていたら、こうはならなかっただろう
「ほざけw臆病風に吹かれたアイゴwwwww」
この期に及んでまだ虐厨は反省すらせず、さらに「ソレ」を殺す気だった
虐厨の一人がそう言い放つと同時に、手のトランクから武器を取り出す
グレネードランチャー、榴弾を放つ武器だ
「もうやめろ!!!これ以上被害をでかくするんじゃない!!!!」
「クソアイゴはそこで無力さを噛みしめながら憤死してろwwww」
グレネードランチャーは一本だけではなかった
多数の虐厨がそれを構え、やってくる「ソレ」を待ち構える
もう付き合っていられない、人ですらない害獣どもの身勝手と心中する義理も義務も長老の息子にはない
長老の息子は里の反対側の出入り口で手を振って避難完了を合図する妻と合流し、
里からできるだけ離れるべく車両を走らせた
そして・・・・・・
「くらえ!!」
グレネードランチャーが火を噴き、「ソレ」に直撃した
次々とグレネードが「ソレ」に着弾し、「ソレ」は動きを止める
「やったか!」
煙が晴れた時・・・虐厨たちは絶句した
そこにいたのは、先ほどの鈍重そうな亀のようなものではない
派手な装飾の鎧を思わせる禍々しい体を持った・・・二足歩行の「怪獣」だ
「・・・キェェェェェ!!」
「ソレ」は一声鳴くと、火炎放射器の時と同じように「お返し」をした
無数のグレネードが怪獣の体の穴と言う穴から一斉に放たれる、虐厨たちめがけて
当然、背後の人里にも榴弾は降り注いだ
田畑は無残に焼かれ砕かれ、収穫間近の農作物は灰へと姿を変えた
里の名物だった古くから続く伝統的家屋も例外なく破壊され、火柱を上げて燃え上がる
長老の指示でいち早く住人は避難していたため、幸い住人たちの犠牲は皆無だった
「親父・・・」
「無駄じゃ・・・ああなったあの御方はもう・・・誰にも止められん・・・奇跡でも、起きぬ限り・・・」
なお、この惨禍から奇跡的に逃げ延び命を拾った虐厨が何人かいた
が、彼らへの里の住人の態度は絶対零度であったことは言うまでもない
101
:
未知とのコミュニケーション 3/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/08/19(土) 23:33:42 ID:9YBXPKIg0
日が暮れた
「ソレ」は自問自答した
この星には多くの生物がいた、挨拶をされた
挨拶には挨拶を、本能がそう告げる
だから挨拶を返した・・・なのに、もう誰もいない
自分は間違っていたのか?
「ゆゆゆ、ゆっくりしていないトカゲさんだね!」
「ソレ」は、自分に声をかけた存在に目をやった
少女の生首のような、頭にリボンをつけたものがそこにいた
「・・・・・・・・・?」
首をかしげて見つめるそれに、れいむは自己紹介した
「れいむはれいむだよ! トカゲさんはなんていうの?」
「ソレ」は困惑した、「ソレ」に名前など無い
しかし「ソレ」は、かつて「光の巨人」が自分をこう呼んだことを思い出し、言葉にした
「・・・・・い・ふ・・・」
「イフさんっていうんだ!よろしくね!・・・ねぇ、何であんなに暴れたの?」
「・・・・・・・・あばれて、ない・・・”あいさつ”・・・かえしただけ・・・」
「そっか・・・でもね、あれは悪いゆっくりできない人間さんたちの暴力だから、もうやっちゃだめ!」
「う・・・・わるい・・・?」
「そうだよ!」
「わるいこと」そのような概念を「ソレ」は持ち合わせていない
しかし、目の前の生物の口調から、自分がこの星の生命体にとって
とんでもない間違いをしでかしたかもしれない事は分かった
自分は、この星に、もういるべきではない・・・
「ねぇねぇ、おうたって知ってる?」
「うた・・・?」
「そうだよ、歌ってあげる!れいむは歌が得意なの!ゆ〜ゆゆゆ〜♪」
「ゆ・・・・・・うゆ・・・うゆゆ・・・ゆ・・・」
うまく「あいさつ」を返せない・・・この体では、ダメだ
榴弾を放つ穴も、炎を放つ筒も、相手を叩く触手も、邪魔だ
こんなもの、もういらない
「ソレ」は、あっさりと今まで身に着けた武装を捨てた
体が変化していく
体中に「音」を出す器官を生やす
あの時、あの少女が聞かせてくれた音、あの時に出したアレを、また生やす
顔は、歌を歌っている目の前の生命体と同じものに
「ゆ〜ゆゆゆ〜♪」
「ゆ〜ゆゆゆ〜♪」
いつしか、そこにいたのはあの禍々しい怪獣ではなかった
「女神」、そう形容するにふさわしい、神々しい輝きを放つものだ
「ソレ」は、れいむの歌を歌いながら空へと浮かび上がった
「もう行っちゃうの?」
「イフ・・・帰る・・・あるべき場所へ・・・」
「そっか・・・またね!”イフ”さん!」
102
:
未知とのコミュニケーション 4/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/08/19(土) 23:37:33 ID:9YBXPKIg0
「おおおおおおおお・・・」
長老は手の杖を落とした
様子を見に里の有志達と共に「ソレ」を見に来た
すると・・・奇跡は起きていた
たった一匹のゆっくりれいむ、彼女の歌によって
空へ帰っていく「ソレ」へ、長老は涙を流しながら手を合わせた
「なんだあれは?・・・武器はもうないみてぇだな?」
虐厨たちも来ていた、その手には大砲(RPG)
「よしw今度こそあいつを堕とすぜ!あの糞饅頭も潰し・・・」ドズ!!
「あへ?」
指示を出そうとした虐厨は、自分の胸に刺さる竹槍を見た
それは、長老の息子が手にしている竹槍だった
「みんな、手筈通り頼む!」「まかせろ!」
長老の護衛でついてきていた里の男たちは、それぞれの得物を構えた、虐厨に向かって
「な・・・何をする気だ!?」
「害獣の駆除だ!神様を怒らせ里を焼いただけでなく、せっかく生き残ったオレたちをも殺そうとしてるバカどもを殺す!!」
そして・・・「駆除」が始まった
元より ゆっくりなどの「自分たちの方が圧倒的に強く、抵抗されても問題ない生き物」しか相手していないクズ相手である
時として里に来る熊の相手をもする事がある男たちの敵ではない
それに、近距離すぎてせっかくの大砲も使えない、砲弾をこめる暇もない
あっという間に虐厨たちは全滅した
後日、「ソレ」のいたところには社が建てられた
「畏怖神社」、そう名付けられたその神社とその周囲は ゆっくりたちの楽園になった
そこでのゆっくりへの手出しは厳禁、破った者は追放や処刑を含む厳しい処罰が下される
しかし、同時に周辺地域の虐厨も、二度と同じことが起きないように徹底して駆除されたため、
迷い込んできた何も知らない虐厨がやらかした例を除き、この不可侵が破られたことは無い
103
:
未知とのコミュニケーション 5/5 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/08/19(土) 23:52:36 ID:9YBXPKIg0
その神社は今もそこにある
かつては「神」が放った榴弾の破片だけだった御神体だが、
今の主な御神体は、神を鎮めた ゆっくりれいむ、その墓石でもある大きな白い石
その石は、いつの間にか神社の敷地内に落ちていたもので、いつどうやってそこに来たのかすら不明だ
奇しくもその日、神社の長老となっていた件のれいむは多くの子孫に見守られながら天寿を全うした
「神が恩人を迎えに来てくれた」「あのれいむは今、あの神と共に天にいる」
そう囁かれるのに時間はかからなかった
「神」への信仰は今も厚い
奇跡はこれだけではない
後年、神社の近辺に落下すると思われていた巨大隕石が宇宙空間で突如崩壊した
破片は全て小石ほどに分解、大気圏ですべて燃え尽きた
隕石の崩壊の原因は不明だが、隕石が崩壊する寸前に何者かが隕石に接近し、直後に隕石が分解したという記録映像がある
不鮮明な映像であるため「隕石が大気圏突入直前に別の隕石と衝突、ダメージで突入に耐えられず自然に崩壊した」とする説が有力だが
その神社の周囲の人々は「神が守ってくれた」と口々に言った
そして・・・時々、夜空が綺麗に晴れ渡り星々の光の一つ一つがはっきり見える時
「白い石」は音を出す
生前のゆっくりれいむが歌う歌、それに似た音を
音は実際に記録され、あらゆる角度から解析された
しかし、それは「何かの歌声に似た音」であることこそ判明すれど、
音を出すメカニズムや、音がどうしてその時にだけ出るのか・・・といった謎は
今も解明されていない
(おわり)
104
:
死神通り 1/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/09/13(水) 03:23:22 ID:K5zF4j5E0
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
飼い主の右ストレートが、飼いミニイカ娘を虐待死させた虐厨の顔面を砕いた
虐厨は絶命しきれず地面に倒れて痙攣していたが、
股間を踏みつぶされて動かなくなる
飼い主はゴミ袋に虐厨の死骸を入れるとゴミ捨て場に放り込み、
ミニイカ娘の死体を持って去っていった
ここは、かつて「しあわせストリート」と呼ばれた通り道
しぃ、実装石、ミニイカ娘、ゆっくりetc・・・の生命が行き来する通りだった
飼い・野良・野生を問わず、彼らは平和に暮らしていた
そこが人間に似た害獣「虐待厨」に見つかるまでは
彼らに常識は通じない、良識もない
野良・野生を問わず、虐厨は襲い掛かり各々のやり方で嬲り殺しにした
飼いであっても、飼い主が近くにいないと容赦なく襲い掛かった
先ほどの虐厨のように、心配して探しに来た飼い主と鉢合わせ
その場で報復される虐厨は後を絶たないが、
それで手を休めるほど彼らは賢くない
いつしかその通りは「死神通り」と呼ばれるようになり
忌避される道になった
それでも、知らずに迷い込んだ個体や、道に迷って入り込んでしまった飼いなどがおり、
被害は継続した
頭を抱えたのはその通りの先の商店街である
「死神通り」の名前定着後、客足が激減した
貼り紙で注意を呼び掛けても虐厨に剥がされあるいは落書きで汚された
パトロールをしても虐厨は知恵が回った
パトロールから隠れながら、あるいはその場からかっさらって別の場所で虐待を続けたのだ
「やむをえんな・・・」
商店街の老舗ペット専門店の店長は会合で「提案」を行った
そして・・・
「ゲショ、ゲショ〜!」
「げへへへへへへwまてまてwww」
明らかに「飼い」と分かるリボン付きのミニイカ娘を追いかける虐厨が3匹
彼らは「飼い」専門の虐厨だ
痛みに弱い「飼い」を襲う事に特化し、飼い主の悲憤を何よりの好物とする
虐厨の中にあってすらクズの中のクズだった
「けけけけけwもう逃げられないぞw」
3匹はミニイカ娘を囲い込んだ
そして・・・
105
:
死神通り 2/2 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/09/13(水) 03:26:02 ID:K5zF4j5E0
バショ!
「へ?」
1匹の虐厨の頭がスイカのように割れた
「お・・・おい、どうし・・・」
倒れた仲間に声をかけたそいつも、 バシュ!
頭が砕けて倒れる
「な・・・なんだよ!?何が起きて・・・」ビシュ!
最後の1匹は心臓を撃ち抜かれて倒れた
「ゲショ?」
ミニイカ娘はキョトンとしていたが、危機が去ったことを悟ると
飼い主の待つ自宅へ駆け戻っていった
「標的の殲滅を確認、オールクリア!」
ここは「死神通り」を全体的に見渡すことができる商店街の建物の最上階
スナイパーライフルを構える男は雇い主に無線で報告した
彼は、虐厨対策企業「虐厨バスターズ(虐バズ)」の社員である
今回、商店街に依頼されて派遣されてきた
スナイパーの上司は「飼い」が襲われていると知ると、二つ返事で依頼を引き受けた
なぜなら、「虐バズ」は人に直接間接物理精神を問わず危害を加える虐厨の存在そのものを
決して許さないからだ
派遣されたスナイパーも同じ気持ちだった
彼にはかつて家族同然兄弟同然に一緒にいたミニイカ娘がいた
しかし彼の家族の平穏は、一匹の虐厨によって終わる
虐厨は家に侵入し金品を奪っただけでなく、ミニイカ娘を誘拐し身代金を請求した
要求通り大金を振り込んだ結果、帰って来たのは絶望と苦痛に満ちた表情で事切れている
ズタズタになったミニイカ娘の死骸だった
だから・・・彼は虐厨を許さない
特に「飼い」にまで手を出すクズは、それだけで駆除対象であることは当然であるとすら考えていた
その後、「死神通り」はかつての賑わいを取り戻した
虐厨はそこで被虐生物を襲うだけでなく、入り込むだけで遠距離からの狙撃で殺されるのだ
噂は広まり、そこへ入り込む虐厨はほぼいなくなった
時折、事情を知らぬ虐厨や、スナイパーを軽視して虐待をしに来る虐厨がいたが
スナイパーは彼らから容赦なく領域侵犯のツケを徴収した
一人二人の時はわざと足を狙って殺さずに置き、
助けに来た仲間を「釣る」事も忘れない
こうして「死神通り」は名前こそ変わらぬものの、別の意味の「死神通り」に生まれ変わった
「やめて!れいむちゃんに酷い事しないで!」
「やだよwwwば〜・・・」バシュ!
今日も死神通りで愚かな虐厨たちはその命を無意味に無価値に散らす
(おわり)
106
:
虐矢の日常 1/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/09/13(水) 03:33:29 ID:K5zF4j5E0
虐矢は目の前の女をうっとうし気に見た
足元には潰れたミニイカ娘---目の前の女の〝飼い”である
「返せ!あたしのミニちゃんを返せ!!」
「うっせぇwwwゴミはてめぇで片づけとけ!!www」
虐矢はミニイカ娘の死骸を蹴飛ばした
女が踵を返して走り去るのを見ながら、虐矢は公園に向かった
「オラ!」
足元の野良ミニイカ娘を蹴飛ばし殺す
虐矢にはいつものことだ
虐厨の彼にはミニイカ娘など「オモチャ」にすぎない
たとえそれが人様の「飼い」であっても
だから・・・・・
「てめぇ!!!!」
SNSに夢中になっている飼い主の隙をついてミニイカ娘を殺した時、
どうして気づいた飼い主が激怒しているのか、全く分からなかった
そして、飼い主が鉄製のごみ箱を持ち上げた時、初めて命の危機を知り
虐矢は逃げた
公園から逃げ出して5分後
タタタタタタタタ
「あん?」
虐矢は息を整えながら足音を聞いて振り返る
鬼のような形相の黒い袋を持った女が走り寄ってきていた
公園に行く前に踏みつぶしたミニイカの飼い主だったと思い出したところで
「しねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
女性の渾身のタックルが虐矢に直撃した
否、タックルだけではない
女性は家から持ってきたであろう出刃包丁をその手に握りしめていた
そして全体重を乗せてそれを虐矢の腹へねじ込んだ!
「いぎゃああああ!?」
虐矢は女性と共に倒れ込む
「な・・・なにしやがるクソアイゴ・・・!?」
とっさに女性を突き飛ばす
虐矢の腹には深々と包丁が刺さっていた
そう、あの時女性は逃げたのではない
ミニイカ娘の亡骸を入れる袋と・・・虐厨へ復讐できる武器を探しに家に帰っただけなのだ
虐矢は包丁を抜こうとしたが、柄がぬるぬるして抜けない
包丁の柄は、ミニイカ娘の体液にまみれていた
「大丈夫ですか・・・・・あ!!」
虐矢の悲鳴を聞きつけて人が駆け付ける
107
:
虐矢の日常 2/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/09/13(水) 03:37:18 ID:K5zF4j5E0
しかし駆け付けたその人物は・・・
「てめぇ・・・オレのミニイカ娘だけでは飽き足らず、人間の女にまで手を上げたのか!!!!」
「ち・・・ちが・・・助けてくれ・・・!刺された・・・!」
「助けろだ? ふざけるな!!!」
男は女性を背後に庇うと、虐矢の腹の包丁の柄を蹴飛ばした
「おぎゅあああああああああああ!!!?」
当然、包丁はさらに深く刺さり虐矢の腹の中へ入っていく
「てめぇみたいなクズは生きてちゃいけねぇんだよ!!人の飼いは殺す!挙句に女に手を出す!!
見下げ果てたクズだな!!」
「ま・・・まて、オレはやってない、その女がオレを刺したから・・・」
「そうよ!こいつはあたしのミニちゃんを・・・あたしの妹同然だったミニちゃんを殺したのよ!!
だから、家に帰ってミニちゃんを入れる遺体収容袋と・・・その包丁を持ってきたのよ!」
「なん・・・だと!?・・・てめぇ、オレの子だけじゃなく、この人の子も・・・」
男は虐矢を睨む
「ひ・・・ま・・・まてよ・・・オレが殺したのはミニイカだけだ・・・人は襲ってねぇ!」
「いいや、野生ならまだしも、てめぇは”飼い”・・・人様の家族に手を出した
ゆっくりで言えばてめぇは”ゲス”だ!!ゲスは駆除するのが、てめぇら虐厨どもの常識だったよな?」
「よ・・・よく考えろ、たかがミニイカと虐厨様の命、どう考えても・・・」
「どう考えてもてめぇら虐厨の命が釣り合うのはせいぜいゴキブリかハエくらいだ!!
ミニイカ娘と比較するなどおこがましい!!」
虐矢は逃げようとしたが、足に力が入らない
腹からの出血は酷い、明らかに内臓と血管がやられているのが分かっていた
「お願いだ、死にたくない・・・医者を・・・救急車を呼んでくれ・・・」
「そうやって命乞いした奴を何人殺したと思ってるんだてめぇは!!!?」
虐矢は絶望した
何を言っても目の前の男の怒りの火に油を注ぐだけである
だから・・・
「へ・・・たかがミニイカ風情にマジになんなよセンソークン!ゴミを片付けて何が悪い!」
最後の望みをかけた虚勢、これで納得しない相手はいないだろうという身勝手な思い込みから
彼は最悪の一言を言い放った
その結果・・・男は虐矢の腹の包丁に手をかける
そして・・・それを思い切りひねった
「あぎゅおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
虐矢が叫ぶのも構わず、今度は真一文字に横に引く
虐矢の腹は切り裂かれ、内臓があふれ出した
男の手が虐矢の腹に突っ込まれる
「や・・・やめろ・・・」
「命乞いならてめぇが殺したこの人とオレのミニイカ娘たちにでも乞いな!!」
男は虐矢の内臓を引っ張り出した
引き出した内臓を地面に叩きつけ、思い切り踏みつける
「あぎゃあああああああああああああ・・・・・・!!!!」
虐矢は突っ伏した、もう手に力はない
地面に血が広がっていく
「さて・・・ごみを片付けるか」
男はポケットから「虐厨ごみ」とプリントされた大き目のごみ袋を出す
女性の協力の元、男は虐矢をゴミ袋に入れた
そして、ゴミ集積所の中にそれを投げ入れる
「だ・・・ずけ・・・だじ・・・・」
「包丁はどうします?」
「家に別のがあるんでいいです、こいつで汚した包丁なんてもう使えませんし」
虫の息で助けを求める虐矢を残し、二人は去った
108
:
虐矢の日常 3/3 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/09/13(水) 03:55:16 ID:K5zF4j5E0
「ガアー」「ガアー」「ガアー」
カラスがやって来た
彼らは路上に散らばる内臓の残骸を食べた後、血の匂いのする袋に気づく
「ガアー」
一羽が虐矢の入った袋をつついた
そこは、もろに包丁で切り開かれ内臓を露出された場所だった
「!!!!」
虐矢は体を激しく動かした
結果、彼の体はゴミの山から転げ落ち、地面に叩きつけられる
「ガアー!!!」
虐矢の一連の行動を「攻撃」と認識したカラスたちは、「敵」への攻撃を開始した
つついては離れるヒット&アウェイ
虐矢はつつかれる度に悶え苦しんだ
「ガァ!」
たっぷり6時間後、カラスたちは突如攻撃を中止し飛び去って行った
代わりに車のエンジン音が聞こえてくる
「ったく、カラスどもめ、またゴミを荒らしやがったな」
ドアが開く音がして一人の男が近くに来たことを虐矢は知った
「だずげで!!ごごにいるよ!!」
「・・・・・・・・・・・・」
「保健所」の腕章を付けた男は顔をしかめた
彼はこの「虐厨遺棄専用ゴミ捨て場」担当の職員である
「またかよ・・・トドメくらい刺して欲しいぜ」
男は他の「ゴミ袋」を車両後部の貨物スペースに放り込んだ後、
わざと乱暴に虐矢の入っている袋を放り込んだ
「いぎいいいいいい!!」
どうせ「飼い」を襲って飼い主に報復されたかしたクソだろう
そう男は虐矢の事を推測して結論付けた
実際その通りである
虐厨という、最底辺の中の最底辺の害獣の事だ、珍しくもない
この男もそういった虐厨を嫌と言うほど見てきたし、
今日も昼休みに受付窓口担当の同僚から、警察に殺処分のために連れてこられる虐厨が多いと愚痴をこぼされていた
だが、彼はこの道のプロである
仕事に私情を挟むことはない
それに彼がしたことは、ただの仕事であり、何ら咎められる点はない
虐矢にはもう声を出す力もなかった、ただ残った力の続く限り動いてアピールするだけだ
しかし、それを見ても職員のやることは変わらない
そもそも虐厨の薄汚さを散々見てきた彼がコレを野放しにするなど、ありえないことだ
「ついた・・・っと」
職員は職場の焼却炉の前に車を停車した
ちょっとしたごみ焼却場程度の規模のあるそれの中へ、次々と「回収物」を放り込んでいく
虐矢も例外ではない
虐矢はまだ生きていたが、炉に火が入り他の虐厨と共に燃やされて灰になる事で
やっとこの世からいなくなった
(おわり)
109
:
河原にて 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/10/16(月) 00:34:54 ID:w8Pi2z4Q0
「すいません」
「あん?」
虐厨の虐輝は振り返る、虐輝を呼び止めたのは見知らぬモララー種だった
「お聞きしたいのですが、虐輝さんってご存知ですか?」
「オレがその虐輝だよ」
「そうでしたか」
モララーはぺこりと頭を下げて続けた
「三日ほど前にベビしぃが河原で虐待されて瀕死なのを発見されましてね・・・その件についてお聞きしようかと」
「ああwあれはオレがやったwww楽しかったなwww最後なんてゲリグソ噴出して痙攣してやがんのwww」
「そうですか、あなたでしたか・・・間違いないですね?」
モララーの口調・・・というか声が、最後の方で変わった
大きく右腕を後ろに下げ、拳を作る
「今からてめぇを痛めつける事になるが、間違いないんですね?」
ボグ!!
虐輝の顔面にモララーの拳がめり込み、その体を大きく吹き飛ばした
「な・・・なにじやがる、おでは・・・」
「なにしやがる・・・はこっちのセリフだよ!散歩させてただけのオレのミィ子をあんなにしやがって!!」
「だで・・・首輪も無かった・・・・・」
「てめぇが外して踏み躙ったんだろうが!!あの子の近くに落ちてたぜ!!」
「捨てられた野良だと・・・そうだ、オデは悪くないw目を離したお前が悪い!www」
「ったく・・・”ごめん”の一言も言えねぇのかよ・・・」
モララーの中で何かが音を立てて切れた
「ああ、そうだな、オレが悪い・・・てめぇみたいな目が開いて間もないベビを平気で虐待する害虫がウロウロしてるのに
目を離した俺が悪い、反省した、だから・・・」
モララーは足を振り上げると、虐輝の右膝を破壊した
「ひいぎゃ!?」
「もう二度とあんな事が起きないように、害虫は早めに駆除しねぇとな!!」
モララーは虐輝の左足をつかむと、渾身の力で引っ張り出した
「いぎあああああ!!ちぎれる!!ちぎれる!!」
「ん、頑丈だな・・・アフォしぃは一発でもげるんだがな」
ブチィ!!
「あ」
「うぎゃああああああああああああ!!!」
虐輝の左足は解放された、足首から先を犠牲にして
「脆いのか頑丈なのかどっちかにしろよ」
モララーはちぎれた左足首を投げ捨てると、這って逃げようとする虐輝の背中に乗っかった
「あの子はでぃ化するほど痛めつけられて苦しんだんだ・・・てめぇもげろ吐くくらい苦しめやオラァ!!」
力任せに虐輝の両腕を肩ごと引っ張る
「いでええええ!!!ちぎでる!!!ちぎでづううううう!!!!」
「人の飼いを襲う腕なんざ・・・ねぇ方がいいだろ!!」
ブチィ!!
音を立てて虐輝の両腕は胴体から千切れてします
「いぎゃあああああああああ!!!!おでの・・・おでのうでえええええええええ!!!!」
「腕がどうした? あの子はもっと苦しんで痛い目にあって・・・今も苦しんでるんだぞ・・・」
モララーは悶える虐輝を見下ろす、その目に同情の色はない
「だのむ・・・だずげで・・・」
「そうだな、オレはてめぇら虐厨どもと違ってクズじゃない・・・」
モララーは虐輝のそばで屈みこんだ
助けてもらえる、と虐輝がその顔に喜色を浮かべた次の瞬間、
モララーは傍にあった大きな石を両手で抱え、高々と持ち上げた
「な・・・なにを・・・」
「言ったろ、オレはてめぇらみたいなクズじゃないって・・・解放してやるよ苦痛から、永遠にな!」
グシャア!!!!
モララーが落とした石は虐輝の頭を正確に砕いた
虐輝はしばらく痙攣した後・・・動かなくなる
「・・・さて、あの子に好きなものでも買って行くか・・・」
死体の処理を電話で保健所に依頼した後、モララーはその場を後にした
数十分後、病院に大量の甘味を持ち込んだモララーは看護師さんらに
めちゃくちゃ怒られたという
(おわり)
110
:
秩序の崩壊 1/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/10/16(月) 00:39:37 ID:w8Pi2z4Q0
※連作の第一部になります
そこは、ゆっくりの楽園だった
一匹の大きなドスまりさによって統治された平和な山
最初のドスはまず人間たちと「協定」を結んだ
「人間に迷惑をかけない」と言う他に「山に入る時は手伝う」「害虫駆除はまかせて」といった
人間側にメリットの大きい提案だったため、すんなりと協定は成立した
代々ドスがリーダーになり、楽園の噂を聞いて、あるいは飼い主からそこに運ばれて捨てられて
ゆっくりたちは数を増やした
中には「ゲス」もいたが、それらは即座に排除されたため問題が大事になることは無かった
しかし・・・・・・・・・・
「この群れが全ての元凶だ!!」
議会で虐厨議員たちは口をそろえて主張した
議題は畑の農作物が野生動物から受ける被害についてである
ただ、どれもイノシシや猿、鹿といった動物による痕跡こそあれど
ゆっくりがやったという痕跡は今のところない
ほぼ皆無と言ってもいい
しかし、虐厨議員たちは主張を曲げなかった
群れの駆除は反対多数で否決されたが
それで諦める虐厨たちではない
「・・・・・・・・・・・」
群れの一匹であるれいむが、透明な箱の中にいた
彼女の家族は一人一人目の前で嬲り殺された
「群れの本隊を教えれば助けてやる」
そう言った虐厨は、最後の一匹
れいむの末の子が殺されかけた時に れいむが本隊の情報を吐いた
その瞬間、子を殺した
「ぎゃははははw饅頭ごときとの約束なんざ誰が守るかwww」
「・・・・・・ひとでなし」
れいむは、ゆっくりにはありえない恨みのこもった目で、声で、そう言った
「じゃあなwお前も後で嬲り殺してやるからそこで震えて待ってろwww」
虐厨は仲間に情報を報告するべく部屋を後にした
「ひとでなし!!!」
その背中へ、れいむはありったけの声で罵声を浴びせた
111
:
秩序の崩壊 2/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/10/16(月) 00:41:44 ID:w8Pi2z4Q0
「ヒャッハー!!」
駆除案の否決からわずか1週間後、虐厨たちは虐厨議員から金と武器を貰い「楽園」に襲い掛かった
無実を訴えるゆっくりも、狼藉の真意を問うゆっくりも、命乞いをするゆっくりも殺された
「どうしてこんなことするの! ドスたちは人間さんに迷惑かけてないよ!!」
「はw楽しいからに決まってるだろ!www」
「なんで!協定が・・・」
「協定wどうせ腑抜けを脅して無理やり結ばせたんだろw無効だ無効w」
「そうそうw迷惑だってこれからかけるかもしれねぇからなwだから今のうちに潰さなきゃwww」
長年続いたドスの群れは、たった一日で壊滅した
リーダーのドスまりさは絶命するまで虐厨たちに訴え続けた
しかし、虐厨たちにとってそれは甘美な旋律にすぎなかった
群れの全滅はただちに他の議員の知る事になり、虐厨たちへの非難は相次いだ
しかし、虐厨たちはどこ吹く風
それどころか、「害獣を潰してやったんだ、褒められる覚えはあっても非難される謂れはないwww」と
開き直る始末だ
「協定は終わった・・・農作物に手を出すゆっくりが出るかもしれん」
「そんなの潰せばいいだろwどうせまた群れを作るんだから、そこを潰すwww」
国民からも非難の声が上がったが、結局謝罪すらされなかった
虐厨たちの中では、ゆっくりはただの「しゃべる饅頭」であり、
人より弱く、頭も弱く、お人好しで、たまにゲスがいる程度の被虐生物だった
ようするに、「舐めていた」と言っても過言ではない
それはあくまで虐厨たちが自分たちの脳内で作り上げた「設定」だ
現実がそれに合わせる義理など、どこにもないのである
112
:
秩序の崩壊 3/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/10/16(月) 00:54:38 ID:w8Pi2z4Q0
「これからは、これも食べて生きてくんだぜ」
左目に傷のある隻眼まりさは、逃げ伸びた先で数匹の同胞たちの前に「餌」を転がした
彼女たちはそれぞれが各グループのリーダーであり、あの虐殺をかろうじて逃れたドスの弟子だ
隻眼まりさ以外の彼女らは、隻眼まりさが出してきたものに目を剥いた
ナス、トマト、大根・・・どれも明らかに人間が育てた野菜である
「まりさ・・・これ、どうしたの?」
れいむが問いかける、まりさは答えた
「人間どもの畑から奪ってきたんだぜ」
「そんなのよくないよ!」
れいむの反論に、隻眼まりさは毅然として答えた
「これまではそうだったのぜ・・・けど、もう今からはこれまでとは違うんだぜ
野菜を食べる害虫を食べていればお目こぼしもされてたけど、そいつももうないんだぜ
オレたちは人間に見つかったらすぐ殺されるんだぜ、しかも苦しめられて・・・
害虫を食べても同じなんだぜ、良識派になっても人間どもは”ゆっくり”と見れば殺しに来る!
害虫を食べて畑をきれいにすれば、オレたちがそこにいると知らせるようなものだぜ
雑草をきれいにしても同じだ
だから、野菜を少しずつ奪って食いつなぐ方が安全なんだぜ」
まりさはそう言うと、ナスにかじりついた
「・・・美味いんだぜ、草や虫よりも上等の味わいだぜ、お前らも食え」
他のゆっくりたちは恐る恐る野菜を口にした
そうして、彼女たちは野菜の味を覚えた
「オレと違う生き方を、これまで通り善良な生き方をしたいなら止めはしないぜ
けどな・・・人間どもに殺されるのは、地獄より苦しいぜ」
まりさは言った、ドスの子である彼女は他のゆっくりよりも飛びぬけて頭が良かった
そして目の前で親であるドスと自身の左目を失った彼女は、
ゆっくりだけでなく人間のためにも使うとかつてドスに誓った知識を、
今は亡き姉貴分パチュリーから授かった知識を、同胞のためだけに使う事を決意した
そして誓いを改めた、生き延びるために「人間の敵になる」と・・・
113
:
秩序の崩壊 4/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/10/16(月) 00:58:50 ID:w8Pi2z4Q0
こうして、群れから逃げたゆっくりたちは生き延びた
群れの崩壊からしばらくは、かつてのように畑の害虫を食べ、人間と対立しないようにする良識派ゆっくりもいた
しかし、それらは善良虐待派の虐厨に狩られていき、ついにはその姿を消した
農家の人々が声を大にして反対を訴え、時にゆっくりを殺す虐厨に拳を叩き込んでも虐厨はやめなかった
これまでのゆっくりたちの代わりに台頭したのは「新体制のゆっくり」たちだ
群れを作らず、多くても最大10匹前後の小さなグループを作り、
山野に、都会に潜み、生ごみや農作物や干してある食料、
時として家畜や生け簀にまで手を出す、
それまでタブーとされてきた行為を自らが生きるために平気で行う存在だ
各グループ間の連絡を密にし、時として協力して食料の調達を行う事もあった
捕まった個体は即座に見捨てられ、その個体もすぐ「おたべなさい」をして自害するため
人質を取っての交渉すらできない
「ひでぇ話だぜ・・・」
古参の議員は「被害報告会」の帰りに新人に愚痴った
それまでは虐厨たちのでっち上げによる「ゆっくりによるのうさくぶつへのひがいほうこく」を
欠伸や仮眠をしながら聞くだけの退屈な、会議と言う名の茶番
それは今や、ゆっくりによる農作物への、今度こそ本当に生じた損害を報告する場となり
それについて議論し対策を話し合う場になった
これは当然の帰結で生じた被害であり、それについてあれこれ議論するなど経緯を知る彼には噴飯ものだった
「虐厨どもは”善良”までも潰したがる、何の落ち度もない良識派ゆっくりを自身のエゴのために殺したがる、まさにクソどもだ」
「やつらとしては珍しくもないですね」
「珍しくもねぇ・・・そこが問題だ、だってそうだろ」
古参議員は一息ついて続けた
「善良であることが殺される理由になるなら、そんなもの捨てるに決まってるだろ・・・あいつらは、ゆっくりはそうしたんだ」
「つまり・・・自らゲスになったと?」
古参議員はかぶりを振った
「違う、ゆっくりは”悪”であることを選んだんだ・・・分かりやすく言うと、”人間の敵”に、な
これから大変な事になるぜ、今まで時々出ていた”頭の弱いゲス”どもの相手とは訳が違うんだからな」
古参議員の予測は現実化する
表舞台に目立って出ることは無く、ひっそりと「害虫」として生きる事を選んだゆっくりたち
人の社会に寄生し、収穫を略奪し、「悪」であることを自認する
人間たちの明確な「敵」
その彼女たちの脅威を人間たちが思い知ることになるまで
そう時間はかからなかった
(つづく)
114
:
善を捨てよ、悪を取れ 1/6 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/11/25(土) 01:15:42 ID:3s0ztWHA0
※連作の第2部になります
※前作「秩序の崩壊」の続きです
「人間が来たよ!」
「逃げるよ!」
れいむ、まりさたちが野菜を咥えて跳ねながら茂みに向かっていく
その先は山だ、そこへ逃げ込まれればもう探し出すのは困難である
「待っとくれ!!ワシらの話を聞いとくれ!!」
「ワシらは今まで仲良くやっとったじゃねぇか!頼む!」
追いかける里山の人々の手には何もなく、その口調は怒りよりむしろ悲しみが滲んでいた
ぴたりと、一体のれいむが足を止める
「・・・そうだね、お話だけならするよ!」
人々の顔に笑みが浮かぶ、それは野菜を取られた被害者の顔ではない
長年の友を呼び止める事に成功した人間の顔だった
「ひゃっはー!!」
しかし、対峙する両者の間へ駆け込んできた虐厨が全てをぶち壊した
虐厨はれいむを乱暴にひっつかむ
「何をするだ!!」
「お前ら虐厨には用はねぇ!!その子を離せ!!」
人々の怒りの声を、虐厨は拒否した
「はんwwwこれだからアイゴはwww」
虐厨は里山の人々を鼻で笑うと、れいむをギリギリ締め上げだした
「言え!てめぇらの巣の場所を!言えばお前だけでも助けてやる!」
決して守られることのない約束を虐厨は口にした
そして・・・彼は気づいていない、人々の顔が温和なものから敵を見るそれに変わっていることに
「おたべなさい!!」
れいむは自ら割れ、瞬時に絶命した
「けwwwまたかよwwwま、いいや!害虫がまた一匹潰れたと報告しよっとwww」
虐厨はれいむの死骸を地面に叩きつけて踏み躙り、里山の支部へ歩き出した
その足に人々の一人が足を引っかけ、虐厨を転倒させる
「いでぇ!!なにしやがる!!・・・・・へ?」
虐厨はようやく、自分に向けられる敵意と殺気に気づいた
「こいつらの巣、どうするべ?」
「出入口塞いで農薬を入れちまおう」
「それで全滅しなきゃ、焼くべさ」
その虐厨は仲間が襲撃される情報を耳にしながら、髪をつかまれて後ろに倒された
虐厨は最期に、自分の顔めがけて振り下ろされる大きな石を見た
115
:
善を捨てよ、悪を取れ 2/6 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/11/25(土) 01:17:30 ID:3s0ztWHA0
「お前ら、こうなることをちゃんと予測してあの群れを壊滅させたのか!?」
ここは、国の議会、国会
今回の議題”も”、急増するゆっくりによる被害についてである
かつて虐待厨たちが主張した「ゆっくりは農作物に被害を与える害虫」
「ドスまりさの群れを壊滅させればゆっくりの被害はゼロになる」
それらは全くのデタラメだった
ドスの死後、ゆっくりたちは大きな群れをつくることはなくなった
代わりにリーダーを戴かない少数派グループを多数形成
人間社会に潜伏し、人間社会を盾にし、人間の領域を気付かれぬように目立たぬように侵す
そして群れの崩壊から一年、ゆっくりたちはその数を増やし、被害は徐々に顕著になりだした
新体制の彼女たちは生きるために畑など人間の食料にまで被害を与えるようになった
害虫の発生した畑であっても、ゆっくりは害虫をスルーして農作物だけを狙う
被害がナス一個や大根一本といった小さいものであるうちは野生動物の仕業と思われていた
しかし、時間の経過とともに畑の野菜への被害は大きくなった
彼女たちは時として各グループで連携して畑や畜舎に襲い掛かる
捕らえようにも仕掛けた罠はスルーされるか破壊され、捕らえられた個体がいてもその場で即座に自害した
そのため人質作戦はおろか、情報を得る事すら困難を極めた
一斉駆除でも1グループがそもそも少数なのだから、相手の損害は微々たるものであり、
中には一つのグループが決死隊になって他のグループに警告を発し逃がした後
保健所職員に刃物を咥えて向かっていき死ぬまで戦った例もあった
職員に負傷者が多数生じた事が、それまでの「駆除」とは全く異なる事を示していた
今まではほぼ人間側の一方的勝利だった、だが「新体制のゆっくり」たちに代替わりしてから
彼女たちは明らかに変わった
餌を得るため手段を選ばず、かといって足を掴ませることもせず
その上抵抗すれば人間にも痛手を負わせ、あっさり捕らえられた仲間を見捨て、捕らわれた者は即座に自害
まるで「ゆっくり」そのものが種の存続のため、一つの生き物として動いているかのようだ
第一、彼女たちはもう公園や広場などの、かつてゆっくりがたむろっていた場所には近づかない
だから駆除しようにも探すのにすら一苦労だ
山の中に駆除に行く者たちもいたが、ゆっくりたちの仕掛けた罠や想定外の反撃で
死者こそ出ないものの痛手を負わされ逃げ帰った例が多数報告された
今の彼女たちは今までとは明らかに違った
刃物やガラス片といった凶器を当たり前のように使い、噛みつく力も人間の皮膚を破るには十分すぎた
そもそもゲスといった連中を除き、ゆっくりは基本的に「平和主義、非暴力」のはずだった
争いを極力避け、殴られても抵抗せず、暴力に訴えるのは家族や友人らに危害が及んだ時などくらいだった
だから、このような事は今までなかったのだ
少なくともあのドスが群れを統治している時代は
畑に現れたとしても農作物には一切手を出さず、害虫や雑草だけを食べてくれていた
農作物に手を出す「ゲス」は、他のゆっくりが制裁してくれた
そもそも、虐厨どもの主張した「ゆっくりによって起きた被害」そのものが眉唾である
各情報がソース・時系列共に曖昧な上、良く調べたら猿やシカなどの
ゆっくりとは全く関係ない野生動物による被害だった例が相次いでいた
だから、虐厨か虐厨に迎合する虐待派以外は、その主張を気にも留めなかった
116
:
善を捨てよ、悪を取れ 3/6 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/11/25(土) 01:25:19 ID:3s0ztWHA0
その上、虐厨が好んで行ってきた「善良種虐待」も事態の悪化に拍車をかけていた
ドスの群れ壊滅後も良識派ゆっくりはいた
だが、彼女たちは虐厨の暴走の犠牲になった
当然、農家の人たちと揉めに揉めたが話は平行線、乱闘に発展した例も少なく無い
「このままじゃ、畑はしまいじゃ・・・」
虐厨が一笑に伏したその危惧は現実化する
害虫を食べてくれる良識派ゆっくりが全くいなくなり、害虫による被害も深刻化
特に無農薬栽培を旗印にしてきた農家は大打撃を受けた
そして・・・彼らは皆、ゆっくりたちに同情的だった
それもそのはず、今まではお互いがお互いを支え合うパートナー的存在だったのだ
それが自分らの与り知らぬうちに狂人どもに決定され実行された
虐厨の暴走で全ては破綻した
「ゆっくりを虐待しろ」などという元凶の狂人どもの言った対策法など噴飯ものだ
「お前らのせいでオレたちは友を失った!!」「これから誰が害虫を取ってくれるんだ!?」
そう言って怒り狂い、調査に来た政府職員を追い返す農家は少なくない
「いいじゃねぇか、これでゆっくりを潰す大義名分できたんだからw」
対して責を問われた虐厨の主張はこうである
そこに一切の反省はない
怒り狂った農家の人にマウントを取られボコボコにされた虐厨もいたが
改心することはなかった
そしてついにこの間、「地方の里山の支部が全滅」という報告が為された
火災で支部は全焼、そこで住み込みで働いていた虐厨全員が死亡した
その後の調べで、事前に近くに止めてあった農薬散布車の農薬が建物内に流入
何故かドアにも窓にも塞がれた痕跡があり、これにより建物内の虐厨は一人を除き死亡したとみられている
虐厨の残りの一人は里山の山に向かう道の真ん中で頭を潰されて死んでいた
事件を報告してきた里山の長曰く、「これは事故であり、里山の人々に何の責任もない」
その一点張りだった、死んだ虐厨たちへの同情などない
当然である
彼らにしてみれば虐厨たちなど「余計な事をして農業と周辺との関係を破たんさせた」憎い相手であり
敵意以外に与えるものなど無いのだ
『これ以上余計な真似するなら、あんたらもやる』
そんな顔で目で睨みつけてくる里山の人々を前に、調査団は逃げるようにして帰還した
しかし、これでもなお虐厨たちは反省しない
当然、議会も荒れに荒れた
「お前らが余計な事しなけりゃ今の被害は出なかったんだよ!!」
「うるせぇwwwゆっくりを潰せばいいだけだろうがwww」
このままでは次の選挙を戦えないと危惧する議員たちと虐厨の快楽しか考えない虐厨議員ら
噛みあうはずもなく話は平行線のまま、会議は終了した
虐厨とそうでない者たちの間には深い溝が生まれ、それは日に日に大きくなっていった
117
:
善を捨てよ、悪を取れ 4/6 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/11/25(土) 01:42:11 ID:3s0ztWHA0
与党会議室、そこには重苦しい空気が漂っていた
「言ったはずだよな・・・こうなるって、だからオレはあれだけ反対したんだ」
ベテラン議員は会議場で困った顔をする同じ与党党内の仲間たちに言った
「・・・まさか・・・こんなことになるとは・・・」
「総理、今更それはなしですよ」
ベテラン議員は呆れていた、仮にも与党である
虐厨どもの狂った提案など突っぱねてしまえばいいものを、他の法案を通す票欲しさに彼らの提案を一度飲んだ
いわば、「魂を売った」のだ
その結果、調子に乗った虐厨は次々要求をふっかけ・・・今に至る
今や虐厨の法案は素通り状態だ
さすがに「愛護の飼う飼いを殺しても許される法案」などというバカげた犯罪法案は却下されたが
それでも虐厨の力が強い今は、国を牛耳るのは虐厨たちと言っても過言ではない
先のバカげた法案も通る日は遠くないだろう
が、それはすなわち国民の大多数を敵に回すも同じである
あくまで民主主義国家であり、主権は国民にある上に「選挙」で政治生命を保っているのが国会議員だ
このままでは誰も与党に投票などしない・・・それが分からぬほど彼らは愚かではなかった
しかし、虐厨を止める決定打もないまま、時間だけがすぎているのが現状だ
「ゲスゆっくりは今までもいたが、ここまでする奴はいなかったぞ」
ベテラン議員はその発言に頭を抱えた
「だから、何度言えばわかる・・・あいつらはゲスゆっくりじゃない、ただの、普通のゆっくりだ!」
この説明ももう何度目になるか・・・ベテラン議員は20を超えたところで数えるのをやめた
「まだ認識が足りないようだからもう一度言わせていただく!あいつらはゲスでもアホでもない!
普通の、一般的なゆっくりなんです!
だから、人並みの・・・もしかしたら人以上の知能を持つのもいるかもしれません!」
「だったら、なぜ人間に敵対する事をするんだ?」
この質問に、ベテラン議員は苦笑した
「彼女たちに敵対宣言をしたのは誰か? 彼女たちから長を、住処を奪ったのは?
非戦的な善良派を駆逐したのは? ・・・・・胸に手を当ててみてください」
「あれは・・・虐厨の仕業だ」
「それは私でなく彼女たちに言ってくださいよ
彼女たちに人間と虐厨の区別がついているか分かりませんし、あの法案を飲んだのは外ならぬ人間ですからね」
ベテラン議員の言葉に、沈黙が降りた
人間ですら虐待派と虐厨の区別が難しいのだ、ゆっくりたちにできるかどうかなど火を見るより明らかだった
「なんとか・・・できないか?」
「オレならできます」
ベテラン議員は言った、皆が彼に注目する
「あの保護区を担当していたのはオレの部下でした・・・だからオレも彼女たちと面識はあります
彼女たちはオレの事を覚えているはず・・・」
「説得・・・できるのか?」
「簡単にはいかないでしょうが不可能ではありません、やる価値はあります
ですが・・・これはおそらく最後のチャンスです、我々にも彼女たちにも」
ベテラン議員は暗に言った、「これが失敗すれば人間とゆっくりたちの関係は修復不能だ」と・・・
「・・・よろしく頼む」
総理はベテラン議員へ頭を下げた、他の議員たちもそうした
しかし・・・彼らの中に密かに会議室内の会話を外へ漏らしていた者がいた事には
最後まで誰も気づかなかった
そして、総理ですら知らなかった
虐厨たちは彼らが思っていた以上に狂っているということに
118
:
善を捨てよ、悪を取れ 5/6 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/11/25(土) 01:46:52 ID:3s0ztWHA0
翌朝からベテラン議員は行動を開始した
まず総理から取り付けたお墨付きを虐厨たちに見せ、
「自分への妨害行為は国家反逆に問われる」と警告した
頭の弱い虐厨と言えど、「国家反逆罪」は怖い
まして、総理に面と向かって逆らえる気概のある者は彼らの中にはいない
そう、面と向かって言う者はいない
それを「渋々ながら従っている」と解釈したこと
それが、彼らの最大のミスだった
与党内の議論から3日後
ベテラン議員はあの山の麓にいた
かつてドスの統治の元で平和にゆっくりたちが暮らしていた「楽園」のあった山だ
しかし今は虐厨に荒らされて見る影もない
虐厨はゆっくりを探して草木を刈り、動物を追い立てた
それで見つからないと悟ると腹立ちまぎれに火をつける、岩を爆破するなどの
破壊行為を憂さ晴らしとして行った
これが発覚したのはほんの数週間前のことだ
さすがに警察が動き破壊活動を行った者たちは逮捕されたが
一度破壊された自然が元に戻るには長い年月がかかるだろう
ベテラン議員は山に向かって呼びかけた
あの、ドスの傍に常にいたドスの子であるまりさに
今は人間と争う道を選んだゆっくりたちのリーダー格と言われている彼女に会い
話をするために
「・・・人間たち、話って何?」
拡声器で呼びかけ続けて3日、ようやくゆっくりは姿を現した
しかしそれは、生まれてまだ3年も経ってない小柄なまりさ一体だけである
しかし議員は感じていた・・・山の中から注がれる視線を
そして、まりさは相手を「お兄さん」でも「お姉さん」でもなく、「人間」と呼んだ
ベテラン議員はこの時点で、まりさたちと自分たちとの間に大きな壁がある事を感じた
恐らくこれが最後のチャンス、ゆっくりと人間が歩み寄る最期の機会だと
ベテラン議員は長年の経験から悟った
「まりさはリーダーじゃないし、代わりはいくらでもいるから潰しても無駄だよ」
「まて、話、というのはな・・・お前たち、なんでこんな事したんだ?
以前まで・・・ドスが生きてた頃は違っただろ」
「ドスはもういないよ、だからまりさたちだけで生きてかなきゃいけないんだよ」
「だからよ、今まで通り害虫を食べて農作物には手を出さず・・・」
「そうやって生きてたのにドスと群れはどうなったの?」
古参議員はまりさの言葉に思わず絶句した、返す言葉などあるはずがない
ドスは人間との「協定」を守って群れを統治していた
だが、それは虐厨たちのエゴによって無残に壊されたのだ
「人間はまりさたちの敵だよ、敵の畑や野菜や家畜の被害を気にするなんてバカバカしいよ
人間がまりさたちの生存を認めないなら、認めなくていいよ
まりさたちはまりさたちの、ドスとは違う生き方で生きてくから」
古参議員は、まりさの拒絶を感じ取った
彼女たちは人間を「敵」だとはっきり言った
「話は終わり? じゃあ、まりさは帰るね」
「ま・・・待ってくれ!頼む、もう一度だけでいい・・・人間を信じてくれ!」
まりさは古参議員に背を向けて言った
「人間を信じてドスは殺された・・・まりさたちはもう二度と、人間を信じない」
119
:
善を捨てよ、悪を取れ 6/6 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/11/25(土) 01:48:42 ID:3s0ztWHA0
ボン!
次の瞬間、まりさの体は爆ぜた
「な・・・」
何故撃った!!と怒鳴ろうとして背後を見ると、見知らぬ者たちがいた
服装から虐厨の手下の戦闘員だと分かる
そいつらが自分が連れていた護衛を拘束して、自分にも銃口を向けていた
「ここまでです、あなたを”対ゆっくり特別処置法”違反の現行犯で逮捕します」
ベテラン議員が留守の間、国会では「対ゆっくり特別処置法」なる法律が通過、可決施行された
それは、「ゆっくりはすべからく人類の敵である」という法律だった
駆除対象には飼いゆっくりも含まれ、ゆっくりの飼育は許可はされてはいるが
飼い主たちは虐厨にゆっくりを殺されても文句は言えない
抵抗すれば現行犯で逮捕される
そんな悪法だった
かくて・・・国中で「ゆっくり狩り」が横行した
「対ゆっくりガス」が街で野山で撒かれ
飼いゆっくり諸共、潜伏し生活していたゆっくりたちは死んでいった
大喜びの虐厨や彼らに迎合する虐待派たち
しかし・・・その足元では徐々に「マグマ」が溜まっていた
彼等は、自分たちが外の人間をも敵に回したことをまだ重大視していない
そして・・・・・・・
「みんな聞いて!この山にこの国のゆっくり全員を集めるよ!
そして・・・・・・人間たちと戦争をするよ!!」
(つづく)
120
:
汝、敵を侮るなかれ 1/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/11/25(土) 02:07:58 ID:3s0ztWHA0
※2「善を捨てよ、悪を取れ」
※1「秩序の崩壊」の続きです
「殺せ殺せ殺せえええええええ!!!」
「ま、まて、俺たちは政府の許可を得て・・・」
「やかましいわ殺人鬼どもが!!!」
「クリア!次の部屋に行く!」
虐厨議員らによる「対ゆっくり特別処置法」が制定されて1か月
ゆっくり虐待、たとえ飼いゆっくりであろうと問答無用で殺傷可能と言うお墨付きを
政府から得た虐厨たちは、暴れに暴れた
散歩中のものはもちろん、飼い主もろとも襲ったり金品を奪ったり
家のドアや窓を破壊して中で震えている飼いゆっくりを殺すなどもう当たり前だった
その上、飼いゆっくりがいないとなると彼らはミニイカ娘らにまで矛先を向けた
飼い犬飼い猫などにまで危害は及んだ
当然、警察への通報や司法への苦情はうなぎのぼりに増えたが
法律として制定されている以上、門前払いが関の山だ
虐厨たちは高笑いしながら「アイゴ」を迫害した
しかし、それは「法」の話のみである
「人の心」までそう単純にはいかない
日に日に虐厨・虐待派への人々の怒りや不満は高まっていった
そしてこの日、ついにそれは爆発したのだ
老ゆっくりれいむと二人ぐらしだった老婆の死がきっかけだ
彼女は虐厨に自宅を襲撃されて目の前でれいむを殺された
ショックで心臓麻痺を起こしたが虐厨はせせら笑い、彼女を足蹴にしながらバカにした
3日後、連絡が取れない事に不安を覚えた彼女の息子によって
死後3日経った死体は発見された
息子は即座に警察と司法に殺人罪で訴えた
しかし上からの圧力で捜査は打ち切られ、逆に息子は「対ゆっくり特別処置法違反」で告訴された
息子はあっさりと金を払い和解した
虐厨たちは拍子抜けしたが、「アイゴに勝った」と湧きたつ声が大きかった
老婆の息子が歴戦の傭兵であり、どうすれば相手を油断させることができるかなどを知り尽くしたプロだと
知らぬまま・・・・・・
息子は密かに仲間たちに連絡を取った
国籍などない、しかし世界各国の傭兵たちのみが知るホットラインだ
仲間たちは即座に応じて国に入った
自分たちにも良くしてくれた息子の母の死を嘆き、彼女を嬲り殺しにした虐厨へ憎悪を募らせた
法律が頼りにならない以上、報復は一つだけだ
「暴力」は彼らの得意科目である、遊びと趣味でやっている虐厨らと異なり彼らは「プロ」だ
件の虐厨のアジトを特定、行動パターンを割り出し「いつ全員集合するか」まで調べ尽くした
そして・・・冒頭に至る
街の虐厨のアジトが壊滅、虐厨は皆殺しにされアジトの建物は爆破され瓦礫と化した
虐厨たちの間に衝撃が走った
一方、市民たちはこの事件を大歓迎して大喜びだ
警察も声にこそ出さないものの、犯人を褒め称えた
だから・・・傭兵たちが報復を終えて国外に逃げるまで捜査を理由を付けて遅らせた
彼らの逃亡後は密かに証拠を隠滅し、彼らに結びつかぬよう、国際手配されぬよう手を回した
公僕といえど「人間」である
人間が人間を助けるのに理由など要らない
まして、人を襲うバケモノどもを動けぬ自分たちに代わり見事退治してくれたのだ
感謝こそすれど捕まえる気など起きないのは当然である
121
:
汝、敵を侮るなかれ 2/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/11/25(土) 02:21:26 ID:3s0ztWHA0
ここは、かつてドスの楽園のあった山
ここは手を出されていなかった
否、敢えて出されなかった
全国各地でゆっくり狩りが横行していたが、
この山へ逃げ込むゆっくりは黙認されていた
周囲の警戒を緩くし、逆に手を出す奴は罰を受けた
どうしてそこまでして矛盾する事をしたのか?
それは、ゆっくりを完全に絶滅させる意図で行われていたのだ
各グループの連絡が密になっていた事で、ゆっくりたちは現状を知った
彼女らはゲスではない、どうすればいいかを考える頭は持っている
結論として、唯一の安全地帯である「楽園の山」へ逃げ込むことを誰もが決定した
わざと警戒を緩くした事で、「このルートは安全だ」と彼女たちは警戒しつつも思い込んだ
そうして、ほぼすべての生き残りが山へ逃げ込んだところで・・・
虐厨たちは戦闘部隊による総攻撃を決定した
山に入った虐厨の目に、集団で固まっているゆっくりが目に入った
「ひゃっはー!!」
先頭の虐厨が駆けだす、しかし彼は・・・否、彼らは重大な見落としをしていた
まず、隠れもせず見晴らしの良い原っぱに何故いるのか?
次に・・・集まっているゆっくりは、どれも「れみりあ」「ふらん」ら・・・
「空を飛ぶことができる」ゆっくりばかりであること
見落としのツケ、油断が招いた打撃はすぐに来た
先頭の虐厨が広場の真ん中付近まで来たのを見計らい、ゆっくりたちは一斉に空へ飛び立った
一瞬、虐厨達の視線は空に向く
その隙をついて・・・小さな影がいくつも虐厨たちに突進してきた
「いでえ!?」
虐厨の一人が、ゆっくりが咥えた凶器に足を刺されて転倒する
それは、木の枝ではない・・・ガラスの破片だ
他のゆっくりたちも、動物の骨を加工したものや金属片、中にはナイフを咥える者もいた
そして、どのゆっくりもゲスが浮かべる嘲りの顔や、調子に乗った笑みを浮かべる者は一人もいない
あるのは、不倶戴天の敵に対するそれ、侵略者に向ける敵対的な顔である
「この、くそ饅頭が!!」
踏みつぶそうとするが、ゆっくりたちは素早く足元を動き踏みつぶしから逃れる
「う・・・ううううううう・・・」「!?おい、どうした!?」
ゆっくりに刺され倒れた者たちは起き上がらなかった
それどころか、口から泡を吹いて痙攣している
毒だ・・・!
誰もがそれを見て確信した
「一旦退け!態勢を立て直す!!」
リーダー虐厨は号令し、倒れた仲間を見捨てて退却しようとしたが・・・
彼らが来た方向はすでに多数の武装したゆっくりが塞いでいた
「もう逃げられないよ」
先頭の、左目に傷のある隻眼まりさが言った
「人間たちがこういう事をすると、まりさたちが予測してないとでも思った?」
「うるせぇ!大人しく潰されろ!!」
「まだ自分たちが勝つつもりでいるの? バカなの?」
「り・・・リーダー・・・」
部下の虐厨がリーダー虐厨へ声をかけた
そちらを見ると・・・どこに隠れていたのか、多数のゆっくりがそこにいた
皆、口に凶器を咥えて武装している
虐厨の攻撃部隊は完全に包囲されていた
「まりさたちはね、何の特別な力もない、普通のゆっくりだよ
そんなまりさたちごときにさえ、人間たちは皆殺しにされるんだよ
まりさが言おうとしている意味、分かるよね?」
リーダー虐厨は周囲を見た
れいむ、まりさ、ありす・・・戦闘に参加したのは、スタンダードなゆっくりばかりだ
まりさは「特別な力もない」と言った
つまり、ここにはいない、まだ別のゆっくりがいるのだ
「特別な力」を持ったゆっくり
リーダー虐厨は噂でしか聞いたことがないが・・・
不老不死、「隙間」、そして発火能力など危険な能力を持ったゆっくりの存在があるという
「命乞いは聞かないよ、命乞いしたドスを、人間たちは苦しめて殺したからね
だから・・・お前らも死ね!!」
122
:
汝、敵を侮るなかれ 3/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/11/25(土) 02:23:55 ID:3s0ztWHA0
3日後、討伐から戻らない攻撃部隊を探しに来た捜索隊によって彼らの遺体は発見された
彼らはすんなりと山奥まで来て遺体を回収するストレッチャーに乗せたところで
ゆっくりたちに囲まれたが・・・
彼女たちは「その人たちを連れて出て行ってね」と
敢えて捜索隊を見逃した
生還した捜索隊は、リーダー虐厨の記録カメラも回収していた
リーダー虐厨の記録カメラに残された まりさのメッセージと
彼女たちがやった殺戮は、議会を戦慄させた
彼女たちは「群れ」を作らないのではない、「作る必要がない」のだ
少数のグループは必要となれば即座に集結して大軍となる
そして、かつてのゆっくりにあった「やさしさ」「臆病さ」は彼女たちには一切ない
その上・・・
「この、特別な力・・・とは?」
「はい、ゆっくりの中には特殊な力を有している者もいまして・・・
確認されているだけでも、発火能力を有する”もこう”、レーザーを放つ”おくう”、
”すきま”を操作する”ゆかり”などがいます」
質問した議員はそれを聞くと、目を閉じた
冗談ではない
そんな能力を持った人の頭サイズの饅頭が街に侵入してテロでも起こせば、どんな被害が出るか・・・
昔話にこんな話がある
一人の村人虐厨が「もこう」の赤子をさらって虐待死させたために火に包まれた虐厨一家
河原で休んでいた「にとり」を村人が殺したために後日、鉄砲水に呑まれた村
山の「りぐる」を駆除して毒虫に全滅させられた村・・・など
その上、ゆっくりは「小さい」
ドスのような極端に大きな個体を除けば、せいぜい人の頭くらいの大きさである
はねるだけでなく、這って進むこともでき、小さい穴でもあれば侵入も可能
実質、彼女たちがテロを計画した場合、それを防ぐことは・・・・・・
「そうだ・・・山を焼いてしまえばいい」
虐厨議員の一人が口にした
直ぐに作戦が立案され実行に移された
山の麓に戦闘部隊のための簡易基地が作られ、
次々と火器や食料、そして虐厨戦闘員が送り込まれた
しかし・・・
「・・・ん?」
基地ができて五日後、
ベースで歩哨に立っていた虐厨兵士は空の星が増えたことに気づいた
否、それは星ではない
「もこう」という、炎を放つ能力を持つゆっくりの群れだった
彼女たちに交じって「おくう」もいた
「て・・・敵襲!!」
彼は気づくのが、遅かった
その声を上げた次の瞬間、ベースのテントは次々と燃え上がった
食糧庫はもちろん、武器弾薬庫にも、虐厨たちが寝ている兵舎にも
容赦なく火柱は上がった
「うわああああ!!」
火だるまの虐厨が兵舎から飛び出してくる
武器弾薬に引火し、その爆発で食糧庫や兵舎が吹き飛ぶ
戦闘開始数分で、ベースは地獄と化した
どうにか無事に飛び出した虐厨は空のゆっくりを堕とすべく銃を構えるが
「おくう」のビームが彼らを容赦なく消し炭に変換していった
翌朝、総攻撃のための最後の援軍は、かつてアタックベースだった焼野原を目にすることになる
生存者はゼロ
そこかしこに炭化した虐厨だったものが転がり、テントは骨組みすら飴のように溶けていた
「あの伝説は、本当だった・・・」
誰もがこの結果に戦慄した
簡易基地と同じことを、もし住宅地などにやられたら?
いや、今この瞬間に自分たちの真上からレーザーや炎が降り注ぐかもしれないのだ
その上、相手は「ゆっくり」である
ドローンや戦闘機を相手するのとは訳が違う
熱源は戦闘機以下、金属ですらない饅頭だ
何を頼りにロックオンして射ち落とせばいいい?
そもそも、人の頭より小さいものが遥か高空から攻撃してくるのだ
ショットガンで射ち落とすなどできるはずもない
「山を空爆しましょう!!」
破れかぶれで虐厨議員は策を口にした
「なんだこいつら!」
虐厨航空部隊は山の上空で「ふらん」「もこう」「おくう」の群れに遭遇した
機銃とミサイルに対して向こうは火炎放射器とレーザー、そして
どういう理屈か分からない「破壊の力」が武器である
勝てるはずもない
それでも隊長機は対地ミサイルを一発だけ山に放つことに成功した
「よし、もういいだろう」
ミサイルは爆炎を上げる、さすがにゆっくりも被害は出ただろうし、
ミサイルには発信器もついていた
数か月は電池が続く限り誘導ビーコンとなってくれるだろう
あとは、わざわざ戦闘機を出さずとも巡行ミサイルなどで遠くから攻撃すればいいい
生き残りの虐厨航空部隊は空爆の成功を確信し命からがら基地に帰投した
こっそりと戦闘機を尾行していた「ふらん」に気づかぬまま
結果、その日の夜に虐厨航空部隊は「もこう」「おくう」の襲撃を受け
灰塵と帰すことになった
123
:
汝、敵を侮るなかれ 4/4 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/11/25(土) 02:25:44 ID:3s0ztWHA0
「ドスの娘のまりさからの伝言を伝えるよ!
”人間達の考えはよくわかった!
どうしてもまりさたちを滅ぼしたいんだね!
でも、まりさたちは生きていたい!
そもそも関係を壊したのは人間達の方だから、悪いのは人間!
滅びるのは悪い奴であるべきだよね!
だから・・・まりさたちは人間を滅ぼす決心をしたよ!
仕方ないね、そうしないとまりさたちは殺されちゃうから!
10日したら総攻撃を始めるから、それまでに逃げるか戦うか決めてね!
以上だよ!”・・・以上だ!」
「どうして・・・こうなった・・・?」
隻眼まりさからの伝言が録音された航空基地の残骸から回収された記録装置を前に
議会の議員たちは誰もがうなだれていた
虐厨議員たちは、すでにこの場にはいない
逃げてしまったのだ
・・・そもそも、誰が彼女らを虐待するなど考えた?
彼女たちが「無力な饅頭」などと吹聴したのは誰だ?
どこが「無力」だ・・・彼女たちは神に等しい能力を持つ怪物じゃないか
誰もがそう思っていた
虐厨に踊らされ言われるままになり、奴らを増長してさせるがままになった結果がこれだ
怒らせてはいけない怪物を追い詰めてしまった
追い詰めなければ決して牙をむいてこなかった大人しい怪物
むしろ、近隣の人々と共存可能なパートナーになっていた者たち
しかし・・・さすがに自身の生存を脅かされてまで牙をむかないなどという
非暴力主義者ではなかった
今や人間社会の存続は風前の灯だ
今度は人間がゆっくりに狩られる番・・・その時は刻一刻と迫っている
目の前の記録装置を公開して国民の助力を仰ぐなどと言う考えはなかった
当然である
そんな事をすればパニックになるだろう、そして国民の怒りは国会に向かう
ただでさえ日頃虐厨どもの横暴に泣かされているのだ
加えて先の「対ゆっくり特別処置法」施行である
あのバカげた悪法で家族を失った国民の何割かは地下に潜り、虐厨にテロを行うようになった
警察も警察で、一般人に被害が及ばない限りはテロを黙認し、被害をもみ消した
誰もが虐厨を恨み、その不満はあちこちですでに噴出を始めている
音声の公開など、爆発のための決定打でしかないだろう
「そうだ・・・一人だけ、あの隻眼まりさを説得できる人間がいる!!」
「先生!」
突然釈放されたベテラン議員は秘書に迎えられた
そして彼に案内されるまま、もう二度と来ることは無いと思っていた国会へ案内される
そして彼は、自分に人類存亡の有無がのしかかる事を知るのだった
(続く)
124
:
不祥事とその責任 1/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/12/26(火) 00:04:06 ID:mKUP1NHw0
「なんてことをしてくれたんだ!!!」
ここは社長室、社長の怒声が一人の男へ注がれていた
男はこの会社「ミミカンパニー」の課長である
「タブンネ部門」、タブンネを捕獲し売りさばく部門だ
・・・というのは表向きであり、裏ではタブンネを肉として処理したり
虐待用に裏に流したりしていた、つい5年前まで
そういうわけでこの男---虐二もまた「タブンネは虐待するもの」と認識していた
それが当たり前だと思っていた
しかし、その考えが世間に受け入れられず
また、タブンネを可愛がるトレーナーから敵意を向けられる行為だと理解していた
過去に起きた「タブンネ狩り」の嵐の中でタブンネ持ちのトレーナーは変わった
無法者たちのルール無視・人心を踏みにじって憚らない暴挙は
彼らを生粋の強靭な戦士へと変えた
今の彼らは必ずタブンネ以外の強大な戦闘用ポケモンを何体も用意していた
戦闘用ポケモンと共に修行に励み、戦闘力をも身に着けた
また自身もマーシャルアーツをはじめとする格闘技術を身に着けている場合もある
格闘技を身に着けていない者であってもボウガンやスタンガンなどで必ず武装しており、
このため舐めてかかった虐厨は次々と彼らによって逆に狩られていった
今や「タブンネ(持ちのトレーナー)に睨まれる」という言葉は虐厨にとって死刑宣告に等しい
彼らは自らが味わった苦痛を、屈辱を、辱めを決して忘れてはいない
目の前で死んでいった野生タブンネ、全滅した巣を前に悔し涙を流した日々、
そして・・・心無い虐厨に殺されたかけがえのないパートナータブンネたち
彼らに浴びせた虐厨の嘲笑は彼らの心の怒りと憎悪の燃料と化し、今もその火は燃えているのだ
彼等の目の前でタブンネを、あるいはポケモンを虐待する事はすなわち「死」を意味した
そういうわけなので5年前、「ミミカンパニー」はタブンネへの積極的な虐待の手を止めた
今はタブンネを含む他のポケモンも「肉」として流用している
一見悪化したように見えるが、
「うちは昔から肉を扱っています、タブンネを虐めてるわけではありません」という
苦しい言い訳に見えない事もない
だがしかし今も虐二は日々こっそりとタブンネ狩りをしていた
彼だけではない、彼と同じ趣味の「虐待派」「虐待厨」は会社内に少なく無い
同じ場所で続けているとタブンネ持ちに睨まれるため、場所を変えながら
タブンネ持ちに「狩場」と予定した場所を先回りされていた時は諦めた
もし、タブンネ持ちと交流のあるタブンネを殺傷したとしたら
それは自身の死亡証明書にサインしたことに他ならない
タブンネ持ちに限らず、トレーナーとって交流していたポケモンを殺されることは
この上ない挑発であり宣戦布告なのだ
ましてそれがタブンネ持ちと交流のあるタブンネともなれば・・・・・・
虐二は彼らの恐ろしさを分かっていた
何度か遭遇し、問い詰められたこともあった
うっかり虐殺の現場に来られて追い回されたこともある
それでも虐二は「タブンネ狩り」をやめられなかった
125
:
不祥事とその責任 2/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/12/26(火) 00:05:58 ID:mKUP1NHw0
「シルフカンパニーとの取引がある」
社長は喜色満面の笑みである日の朝礼で社員全員にそう告げた
たちまち誰もが顔を見合わせ朝礼の場はざわついた
「シルフカンパニー」、カントー地方にあるその企業の名を知らぬ者は世界にはいない
かつてその知名度のせいでロケット団なるポケモンマフィアに狙われたこともあるが・・・
その時に立ちあがった名もなきトレーナーたちをはじめとした
強力なトレーナーたちを雇う事で、カンパニーは警備体制を盤石にした
彼らのネットワークもまたカンパニーの役に立ち、シルフカンパニーはますます大きくなった
そして、虐二の会社のある地方にもその支社はできた
その「シルフカンパニー」と虐二の会社「ミミカンパニー」の取引
これが社運を賭けた大きな契約になるだろうことに誰もが気を引き締めた
「そこで・・・シルフカンパニー様から取引の条件を掲示された、心して聞いて欲しい」
ミミカンパニーにシルフカンパニーが示した条件
それは虐二に寝耳に水だった
「ポケモンへの虐待行為を一切やめる事」
「やむを得ない食肉には牛や豚などの従来の家畜を充ててポケモンをむやみに殺す真似はしない事」
「野生のポケモンであっても無意味な殺生は禁止する事」
カントーではごく当たり前の事(そもそも殺傷自体が禁止)ではあるが、
ポケモン虐待が当たり前だったここでは違う
しかし、シルフカンパニーはこれを飲まなければ取引には応じないと言う
社長は承諾し条件を飲んだ、そして全社員へそれを徹底するよう朝礼で命令した
全員が一応従ったが不満な者もいた、虐二もその一人である
「くそったれ!なにがシルフカンパニーだ!!」
朝礼のあったその日のうちに虐二はさっそく腹いせに草むらに入り、出てきたタブンネを襲った
近くに巣があると知るとそこへ向かい、襲ったタブンネの目の前でその家族を痛めつけた
その時・・・・・・
「なにをしてるんだ!」
タブンネを夢中で狩っていた彼は背後から声をかけられた
『しまった!』
虐待に夢中になるあまり、別の存在の接近に全く気付かなかったのだ
かつてタブンネ持ちに追い回された記憶がよみがえる
しかし・・・振り向いた先にいたのは
10歳前後と思われる少年だった
その手持ちはレベルが低そうなフシギダネ
虐二は言い訳を考える前に咄嗟にシャンデラを繰り出した
そして少年の手持ちを全滅させ、その目の前で堂々と
タブンネ親子を殺した
「楽しいぞ、お前もやらないか?」
形勢逆転を確信した虐二は言い訳どころか己の行為を正当化していた
少年は首を振り、泣きながら帰っていった
虐二はほっと一息ついた
少年はタブンネ持ちではない、ただの駆け出しだ
対して虐二はこれでも20年以上のベテラン、勝てない理由などなかった
ただ一つ懸念があるとすれば・・・
あの少年が会社の顧客だった場合である
それでも虐二は「顔さえ見合わせなければ大丈夫」と自分に言い聞かせた
相手の価値観など知る由も、知る努力もせず
知ったとしても踏み躙りあざ笑う虐厨の論理だ
後日、彼は自分がしでかしたことの意味を嫌と言うほど思い知ることになる
126
:
不祥事とその責任 3/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/12/26(火) 00:07:39 ID:mKUP1NHw0
少年との対戦から3日後の昼休み、外食で気分転換しようとした虐二は
会社の外へ出た
「おい、てめぇ・・・」
虐二は会社の前で屈強な男に声をかけられた
筋骨隆々、露出した腕は虐二の腕よりはるかに太い
「オレの甥が世話になったそうじゃねぇか・・・」
その言葉に虐二は思い出した・・・あの少年を
あの少年は声をかける前に、スマホを手にしていた
つまり・・・虐二のタブンネ狩りの写真を撮っていた
今頃になって虐二はその可能性に思い至り、青くなった
少年がその写真を証拠として家族に見せないわけがない
虐二はあれだけの事をしたのだ
そして・・・少年の肉親がもしタブンネ持ちだったら・・・
彼らが肉親の制止を無視して追い払ってまで虐待を続けた奴を放っておいた例などない
逆に、タブンネ持ちの身内と知らずに愛護扱いし、後日報復を受けた例はごまんとあった
「甥っ子の出した写真でどっかで見た顔だと思ったら・・・
虐二さん、あんたこの会社の重役さんだったな?」
殴られることを覚悟して身構えていた虐二は面食らった
重役の顔を知っている・・・!? 自分の名前までも目の前の男は言い当てた!
会社の顧客か? 社長の知人か? 重要株主か・・・?
虐二の頭の中をあらゆる可能性が駆け巡る
「ちょうど社長に用があったんだ、来いよ・・・三者面談といこうぜ」
虐二は男に右手を掴まれ、会社の中へ戻っていった
「いらっしゃいませ・・・あ、これはこれは」
受付嬢は丁寧に男へお辞儀をした
「社長につないでくれ、手間は取らせない、”取引について話がある”とだけ言えばわかるだろう」
男はぶっきらぼうに受付嬢にそう言った
「あ、はい・・・社長、強志様が受付にいらしております・・・」
受付嬢は従来なら断られてもおかしくない男の要求をあっさりと呑んだ
そして電話で社長に直に通話していた
虐二は目の前の男を信じがたい思いで見た
受付嬢に顔パスな上、アポなしで社長に面会しようとしている・・・!?
しかし、男の顔に虐二は見覚えはない・・・
「これはこれは、よく来てくださいました」
応接室で社長は強志へ腰を低くして挨拶した
顧客や相手の大企業以外にこんな腰の低い様を見る社長を虐二は見たことがない
強志と言う男はただのトレーナーではないのか?
もしかしたら、会社のお得意様か?
しかし、虐二の考えはまったく甘いものだった
「今日はどのようなご用件で・・・? シルフカンパニーとのこの前の取引の件で問題でも?」
知らぬ者の無い大企業「シルフカンパニー」の名前が出たことに虐二は驚きを隠せなかった
3日前の朝礼を思い出す、「シルフカンパニーとの取引がある」と
・・・虐二は青くなった、今、どういう状況なのかを頭が理解し始めた
「ああ、取引は・・・なしだ、白紙にする、そしてもう2度としない」
きっぱりと男は、会社が全てを賭けた取引の白紙撤回を言い放った
虐二が予測していた、最悪のパターンだ
そして社長は・・・見たことも無いほど蒼くなった
「な・・・なぜですか!?」
「前に言ったな・・・シルフカンパニーとの取引の条件を
ポケモンへの虐待行為を一切やめる事、
やむを得ない食肉には牛や豚などの従来の家畜を充ててポケモンをむやみに殺す真似はしない事、
野生のポケモンであっても無意味な殺生は禁止する事・・・
あんたら全然守れてねぇじゃねぇか」
男は社長が朝礼で示した条件を、取引した相手同士しか知らぬ話を告げた
虐二が目の前の男「強志」がシルフカンパニーの正式な使者であると理解するに十分な証拠だった
社長は虐二を見た、「お前は何をした?」そう言いたげな顔で
「虐二さん、あんたは知らなかったようだから教える
オレはシルフカンパニーに世話になってるトレーナーだ、用心棒としてな
きっかけはロケット団というポケモンマフィアが街ごとシルフカンパニー本社を占拠した事件だった
俺たち街のトレーナーはロケット団と戦った
ロケット団は赤い帽子の少年が退治したらしいが、社長は少年だけでなく街を人々を守るため
立ち上がったオレたちを忘れてはいなかった
だから、ちょくちょく仕事を貰って報酬を受け取っている・・・
今回のおたくの会社との取引もそれだ、虐待に手を染めている連中に碌な奴はいない
中には出向いた社員を暴力で脅して言う事を聞かせようとするアホもいる
だから、オレみたいな用心棒にお鉢が回ってくるのさ」
社長は冷や汗をハンカチで拭きながら、問いかけた
「あの・・・虐二が何か?」
虐二は「タブンネ狩り」の件を糾弾されるものと覚悟した
しかし・・・男はもっと別の重大な事を口にした
127
:
不祥事とその責任 4/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/12/26(火) 00:09:06 ID:mKUP1NHw0
「こいつのせいで俺の甥はポケモントレーナーを辞めた」
沈黙が降りた、部屋の空気がこれ以上ないくらい下がった
冷房のせいだけではない・・・虐二は自分のキャリアが完全に終わったことを悟った
そして・・・社長の自分を見る顔がみるみる怒りを帯びたものになっていくのを見る
「こいつが取引条件を破ってタブンネ狩りをやってるとこに甥はでくわしてな・・・
ポケモン勝負の結果は甥の負け・・・それは別にいい、それはあいつも分かってる
勝負の勝ち負けはポケモン勝負につきものだと・・・けどな
そいつに生き物の命がかかっているとなると話はまた違う
小さな命一つ守れなかったこと、目の前で無残に好きなポケモンのタブンネを殺されたこと
そして・・・こんなゲス一匹に負けたことがよほど堪えたんだろう
甥はその日のうちに故郷の家に帰って来た
そして二度と旅には出ないとオレの弟夫婦・・・あいつの両親に告げて
今は地元のスクールに通ってる」
虐二も社長もすっかり蒼くなっていた
取引相手を怒らせただけではない
この世界、ポケモンと生きるこの世界の「禁忌」を犯してしまったのだ
「駆け出しのトレーナー」はこの世界において「宝」に等しい存在だ
その成長を見守り、かつてのロケット団のような悪の道に入らないよう育てるのは
世界共通の大人の「義務」である
成長した彼らはやがて立派なベテラントレーナーになる
彼らが旅で得た知識や経験、そして何より戦闘力や強力なポケモンは
誰もが喉から手が出るほど欲しがる得難い人材だ
その人材の卵たる「駆け出しのトレーナー」を潰してしまった
これはマフィアの犯罪行為に値する重罪と世間では捉えられる愚行だった
事実、駆け出しトレーナーを襲って半身不随にした20代の暴走族が
その日のうちに地域のベテラントレーナー総出で袋叩きにされた上に逮捕され、
裁判で終身刑、残る一生を刑務所で過ごす事になった事件は記憶に新しい
だから「これが公になる」、それだけでもこの会社をつぶすには十分すぎるのだ
「申し訳ありません!!」
社長は虐二をひっつかんで自分の側に引き寄せ無理やり正座させ、
頭をつかんで床に押し付け、自身も頭を下げて共に土下座した
「決してやってはならないことしてしまいました!! 慰謝料は支払います!
だから、だからどうか・・・このことだけでも内密に・・・・!」
「謝罪も賠償も必要ねぇ」
強志はそう言って社長の土下座を切って捨てた
話は終わったとばかりに二人に背を向け応接室のドアの取っ手に手をかける
「あんたらが謝罪したり金を弟たちに払ったとこで、甥が守ろうとした命は帰ってこねぇ
だから甥が立ち直れるわけでもねぇ・・・
あんたらは取り返しがつかねぇ事をしちまったんだよ」
それだけを言い放ち、強志は出て行った
128
:
不祥事とその責任 5/7 首おいてけ濠
◆vBEOnE9fo2
:2017/12/26(火) 00:10:37 ID:mKUP1NHw0
その1時間後、シルフカンパニーから正式に取引の中止と
二度と取引はしないという絶縁宣言のメールが届いた
社運を賭けた大きな取引は一人の重役の不祥事によってパァになった
メールも電話も受信拒否され、菓子折りを持って出向いた社員は警備に追い返された
「駆け出しのトレーナー」を潰してしまった件は瞬く間に広がり
世界中から抗議の声が殺到した
男が抗議に来たその日から会社のメールボックスはパンク、電話も鳴りやまなくなった
そして冒頭の社長のきつい叱責に戻る
事はもはや虐二一人の首で済む話ではなくなっていた
この世界における「大罪」を犯してしまったのだ
怒っているのは社長だけではない
叱責が終わり廊下に出た虐二を待っていたのは全社員からの冷たい視線と敵意だった
虐二のせいで自分たちのキャリアどころか仕事までも失うかもしれないのだ、彼らの怒りはもっともである
目に映る男は「課長」ではなく、自分たちの人生を狂わせた「疫病神」に社員たちには見えていた
シルフカンパニーとの取引失敗から1週間後・・・一つの企業が終わりを告げた
「駆け出し潰し」のレッテルのある企業と取引しようなどと言う会社はない
たとえ虐厨の会社であっても、それをすることが自身の会社の「死」を意味する事を分からぬほど愚かではない
まして最近「RR団」なる謎のマフィアが「エーテル財団」で暴れたばかりなのだ
「RR団」と同じ無法者と同一視されるなど、リスクこそあれど利益など無い災難である
下手をすると、国際警察かポケモンマフィアを狩るトレーナーに睨まれかねない
その中に「タブンネ持ち」がいたら・・・それは「終わり」を意味していた
「ミミカンパニー」は経営難に陥り破産倒産した
社長は一家を連れてどこかへ消え、社員たちも他の地方へ逃げるように去っていった
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