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異界大戦記のようです
987
:
名無しさん
:2023/12/23(土) 20:57:08 ID:RitR9poI0
(´<_` )「それに......まあこれは『かく』による問題だけではないが、孤児が大量に発生してしまったというのも問題になっている。それを狙った誘拐者も多くてな」
( ´_ゝ`)「孤児......」
その言葉に思わず、近くにいた子供、ショボンに視線が向いてしまう。
急に集まる視線に驚いたのか、ショボンはフォックスの背後に隠れる。
爪;'ー`)「っと、大丈夫か?」
(;´・ω・`)「え、あ、はい......」
( ´_ゝ`)「あぁ、すまない。急で驚かせてしまったな......君が保護を?」
爪'ー`)「あぁ、はい。そうですね。戦時中も自分が子供の避難誘導をしてまして......親が見つからない子達はそのまま、という感じです」
(゚、゚トソン「へぇ」
爪;'ー`)「な、なんだよ」
(゚、゚トソン「いや、立派だと思ってね。やるじゃない」
爪'ー`)「え、あ、お、おう」
(゚、゚トソン「でも、あんた一人でちゃんと子供の世話なんて出来るの?まぁ、あれね。もしあれなら私がてつ」
爪'ー`)「あぁ、それなら......あ、丁度戻ってきた。おーい」
(゚、゚トソン「え?」
トソンがなにかを言おうとしていたが、それを遮るようにフォックスは遠くに向かって手を振る。
その様子に気がついたのか、手を振られた相手らしき者が何人かの子供を引き連れて近づいてきていた。
爪'ー`)「紹介します。えっと、彼女は自分と一緒に子供達の世話をしているペニサスさんです。教師とのことで凄くお世話になっていまして」
('、`*川「ど、どうも、初めまして。ペニサスと申します。教師といっても大したものではありませんが......」
988
:
名無しさん
:2023/12/23(土) 20:58:56 ID:RitR9poI0
(゚、゚トソン「......」
爪'ー`)「彼女も子供と共に戦地にいたらしく、その流れで互いに協力して子供達の面倒を見ている感じで」
(゚、゚トソン「ふんっ!」
爪;'ー`)「おぐぅ!?な、何で殴る!?」
(゚、゚トソン「ちょっとムカついたので」
爪;'ー`)「......なんで?」
殴られた脇腹を押さえつつ、何がなんだか分からないという顔を浮かべるフォックスに対して、皆が呆れたような顔を浮かべる。
とはいえそこに何か口を挟むような野暮な事をするものはいなかった。
コホン、とアニジャが咳払いをしどうにか話を戻す。
( ´_ゝ`)「えっと、それでフォックス殿とペニサス殿が子供を世話しているとのことだが......先ほどまでペニサス殿は何かされてたのか?」
('、`*川「あ、は、はい。実は、その、えっと......軍人さん達には、言いづらいことなのですが」
( ´_ゝ`)「......なんだろうか?」
('、`*川「その......もう二度と、戦争をしないようにって、子供達と平和運動に取り組んでいるんです」
ξ゚⊿゚)ξ「......」
( ´_ゝ`)「っ」
その言葉に、そして向けられる子供の真剣な眼差しにアニジャは思わず息を呑む。
軍人であるアニジャ達にとってその言葉は何とも耳が痛いものであった。
確かに多くの者が傷つき、多くの物を失った原因は戦争であり、それゆえ平和を望むことは無理もないだろう。
989
:
名無しさん
:2023/12/23(土) 20:59:45 ID:RitR9poI0
だがほんの少し前まで、この国を支えてきたものは何かと聞かれれば確実に軍であり、軍人達が国を支えてきたのだ。
それが今はどうか。
平和を望む彼女達にとって自分達は邪魔とまでは言わないものの、いい印象もないはずである。
さらに今回の戦争の大きな原因は軍上層部の暴走であるとアラマキが放送していたことも大きい。
プギャーに罪を被せるためであったとはいえ、その言葉に民は軍に対して強い怒りを抱くことになったのだ。
そうなればこの戦争で平和の有り難さを噛み締めた民がどうなるか。
そもそもやり場のないこの怒りの矛先を何処に向ければいいと言うのか。
その答がアニジャ達の目の前に広がる光景であった。
( ´_ゝ`)(......とはいえ現状、軍を全て無くすことなど出来ない。周りに敵が多すぎる。そんな国の支えが憎悪の対象となる、か)
(´<_` ;)「アニジャ......」
( ´_ゝ`)「仕方のないことだろう。これまで我々がしてきたことの罪滅ぼしだとして、受け入れるしかあるまい」
(´<_` ;)「......」
( ´_ゝ`)「......そして、謝罪すべきだろうな。君達に辛い思いをさせてすまなかった」
そうしてアニジャは子供達に向かって頭を下げる。
謝罪されると思っていなかったのであろう、子供は勿論、大人達もまた困惑したような反応が返ってきていた。
('、`*;川「そ、そんなっ!頭を上げてください。あなたが悪いわけでは......」
ξ゚⊿゚)ξ「なら、約束して」
( ´_ゝ`)「うん?」
だがそんな慌てた反応の中、子供であるはずのツンのみ、冷静にアニジャに声をかける。
睨み付けているわけではないが、力強い、揺るぎない視線がアニジャに向いていた。
その視線に気がつき、アニジャも子供を相手にするような態度から一変する。
990
:
名無しさん
:2023/12/23(土) 21:00:21 ID:RitR9poI0
( ´_ゝ`)「......なんだろうか」
ξ゚⊿゚)ξ「平和を......戦争のない国を、世界を作るって。もう二度と、あんな......皆が苦しむような世界を作らないって。私の、大切な友達が死なない世界を作るって、約束してっ!!」
( ´_ゝ`)「......っ」
なんと純真で無垢な願いだろうか。
その願いは皆が望むものであるのは、間違いないだろう。
それでもこの世界から戦いが無くならないのだ。
様々な信念や宗教、国の在り方、そしてこれからはエルフと人間という種族という壁がある。
そもそも生きるもの一人一人の知能が異なるため、考え方も世界の見え方も異なるのだ。
全てを受け入れあい、理解しあい、そして手を取り合えることがどれだけ難しいかはこれまでの歴史が物語っている。
991
:
名無しさん
:2023/12/23(土) 21:01:29 ID:RitR9poI0
ー不可能。
そう、言い換えても言いかもしれない。
だがそうして平和を諦めることは、果たして正しいと言えるのだろうか。
この真剣な眼差しを否定することが、どうして正しいと言えるのだろうか。
( ´_ゝ`)「......約束しよう」
ξ゚⊿゚)ξ「っ」
( ´_ゝ`)「共に、皆で作ろう。平和な国を、争いの......戦争のない国を」
(´<_` )「アニジャ......」
( ´_ゝ`)「俺達の時代は、この戦いで終わったんだ。次の国を作るのは我々ではなく、彼女達......子供達だ。その彼女達が望むならば、俺達も尽力するのが勤めだろう?」
(´<_` )「......あぁ、そうだな」
その道は決して楽なものではない。
むしろ険しく、そして終わりの果てが見えない道である。
だがそれでも彼らはその道を選ぶ。
言葉の通り、子供の理想の国家を作るために。
こうして、かつて武力により力を得たルナイファはその力を捨てた。
そして彼等は平和を求めて、歩き出したのだった。
992
:
名無しさん
:2023/12/23(土) 21:02:28 ID:RitR9poI0
続く
区切りがいいので次の最終話は次スレ建ててそこに投下します
993
:
名無しさん
:2023/12/23(土) 23:53:48 ID:8zdsyTbs0
乙!
プギャーさんは当然として、
戦争の前後で何も変わっていないクーに対しても、考え直してみて欲しいと思ってしまうな
994
:
名無しさん
:2023/12/24(日) 14:52:54 ID:dJsSyoeI0
乙乙
最終回寂しいけど楽しみ
995
:
名無しさん
:2023/12/25(月) 00:24:01 ID:wfM92j4M0
素晴らしい
過去の国ごと転移作品はここまでが序章であり、そしてゴールを決めていないせいで数多の名作がエターナの闇に散った
円満完結となるとジャンル中見渡しても片手の指で足りてしまうのでは?
996
:
名無しさん
:2023/12/30(土) 03:50:56 ID:Y9E2DG9o0
ワクテカ
997
:
名無しさん
:2023/12/30(土) 11:04:58 ID:APqrRrVI0
次スレ
異界大戦記のようです
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