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「見せてようですこしだけ」
1
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:16:37 ID:oPE6jvXw0
(´・ω・`)(ど田舎…)
このまま道に横になっていたとしても、轢かれたりしないレベルで人も車も通らない。鳥の鳴き声が聞こえるくらいには静かだ。
父親の転勤でやってきたこの町は本当に本当にど田舎だ。
3階以上の建物がないから辺りがよく見渡せる。田んぼと畑とよくわからない匂いが混ざってて臭い。
おじいちゃん家だってこんなに田舎じゃなかった。
僕はずっと退屈だった。前の学校や住んでいた町が大好きだったわけでもないけれど、田舎と違って色んな場所に行けたし色んなものが手に入りやすかった。
(´・ω・`)(ここには何もない)
転勤で引越しをすると聞いた時は、僕の良くない趣味がバレた罰なのかと思った。でもそんなことはなくて、家族は引越し前と変わらない。
僕は普通の人とは違うんだけど、上手く擬態してるからバレないみたいだ。
2
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:17:16 ID:oPE6jvXw0
偏見だけど、余所者に厳しいとこだと思ってた。
変な時期に転校してきたにも関わらず、いじめられなくて意外だった。
自分で言うのも何だけれど僕は見た目は悪くないし、貧乏でもない。頭も運動神経も人並み以上にはあるから、女の子がきゃあきゃあ言ってるのは気付いてたし男子は僕が持ってるゲームに興味があるのもわかってた。
だからなのか簡単にクラスの輪に入れたんだ。
( ・∀・)「ショボン、学校終わったし遊ぼうぜ」
(´・ω・`)「いいよー、僕ん家来る?」
( ・∀・)「あれやりたい、車のやつ」
(´・ω・`)「オッケー」
3
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:17:50 ID:oPE6jvXw0
モララーはうちのクラスで1番人気のある生徒だ。女の子からも男子からも好かれて一目置かれている人間だが、家が厳しくてゲームをしたことがなかったらしい。
だから家に呼んでゲームをさせてあげたらいつのまにか仲良し認定された。
毎日ゲームして学校行って何もない生活に満足して。
田舎者とは平和なんだろうか。それもまたつまらなさに拍車をかけていた。
僕は何か面白いことが欲しかった。
──そんな時だった。
4
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:18:29 ID:oPE6jvXw0
(,,゚Д゚)「くせぇんだよっ」
ハハ ロ -ロ)ハ 「っ」
ガシャンと大きな音がしてそちらを見ると、ゴミ捨て場に女の子が倒れていた。メガネがズレていて分かり辛いが、顔も服も汚れているようだ。
何か大声を出している男子は見たことがある。隣のクラスの、逆らっちゃいけないと教えてもらった所謂ガキ大将だ。
恐らくガキ大将が女の子を蹴ったか何かしたんだろう。
結構な音がしたというのに、誰も女の子を助けたりしようとしなかった。それが当たり前の出来事ですよ、と言わんばかりに風景の一部として何事もなくみんな通り過ぎて行く。
女の子には比較的優しいモララーでさえ、今日はなんのゲームをやるか熱く悩んでいてそちらを見ようともしない。
5
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:18:57 ID:oPE6jvXw0
(´・ω・`)「ねぇ、あの子…」
( ・∀・)「ん?……ああ、あいつね。近寄らん方が良いよ、臭せーから」
( ・∀・)「暗いし汚いし臭いんだけど、何言っても泣かんのよ。だからあーして周りイラつかせんの」
(´・ω・`)「そうなんだ…」
( ・∀・)「あいつさぁー、親に虐待?されてんだって。体中に傷あるから隠してんだって」
(´・ω・`)「…傷?」
( ・∀・)「そー。腕がさーめちゃヤバイらしい。見たやつおらんけどさ」
(´・ω・`)「……」
( ・∀・)「あー臭いこっちまで来る。早くいこーぜ」
(´・ω・`)「うん」
6
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:19:53 ID:oPE6jvXw0
すん、と匂いを嗅いだ。
確かに汗とゴミと腐ったような匂いがする。
──でも、この町の田舎特有の匂いだっていい勝負だと思うんだけど。
横目で女の子を見ながら、僕もモララーに倣って何もせず立ち去った。
.
7
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:20:21 ID:oPE6jvXw0
( ・∀・)「あーマジ楽しかったぁ〜ショボン家良いなぁ、ゲームメッチャあんの」
(´・ω・`)「また遊びに来てよ。1人でやるよりモララーと対戦する方が楽しいからさ」
( ・∀・)「おー、また明日くるわぁ。じゃーな、明日こそ勝つ!」
数時間うちでゲームをしておやつをたらふく食べたモララーは上機嫌だった。
暗くなるのが早いので6時にはお開き。何故って田舎は灯りが少ないから危ないんだ。
モララーを灯りのある道まで送って、家まで帰る途中だった。
8
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:20:49 ID:oPE6jvXw0
(´・ω・`)「ん?」
…ハハ )ハ
地面に這いつくばってる何かがいる。
不審者かと思ったけど違った。
さっきのあの子だ。
ハハ - )ハ 「…」
(´・ω・`)(何して…あ、メガネ落としたのか?)
すぐ近くにメガネが落ちてたけど、周りが暗いからかわかってないみたいだった。
多分メガネを探してる。拾って持って行ってやった。
9
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:21:19 ID:oPE6jvXw0
(´・ω・`)「ねえ」
(´・ω・`)「これ、きみの?」
ハハ; - )ハ 「!」
(´・ω・`)「あ、驚かせてごめんね。メガネ落ちてて…何か探してるみたいだったからさ。はい、これ」
ハハ ロ -ロ)ハ 「…」
ハハ ロ -ロ)ハ 「……ぁ、」
ハハ ロ -ロ)ハ 「アリがと……」
メガネを受け取った彼女が動くたびに生ゴミの臭いがした。
キッチンの三角コーナーの臭いだ。眉間に皺がよらないよう、なるべく表情を曇らせないよう努める。
彼女の枝のように細い腕に包帯が巻かれているのが目に入った。
(´・ω・`)(………)
──あった。
10
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:21:57 ID:oPE6jvXw0
(´・ω・`)「ごめん。僕、転校してきたばっかで君の名前知らないんだ。僕はショボン。君は?」
ハハ ロ -ロ)ハ 「…」
ハハ ロ -ロ)ハ 「は、ハロー…」
声が小さい。というか掠れていて聞き取りづらい。こういう所も人をイラつかせてる要因なんだろうな。
舌打ちを堪えてにっこり笑ってやる。
(´・ω・`)「ハロー。ねぇこの辺に詳しい?」
ハハ;ロ -ロ)ハ 「え?」
(´・ω・`)「僕、この辺よくわからなくて今迷子になってたんだ。だから道案内してくれると助かるな」
ハハ;ロ -ロ)ハ 「……デモ、私…臭いヨ…」
(´・ω・`)「そんなことないよ!僕の匂い嗅いでみる?似たようなもんだって!」
ハハ;ロ -ロ)ハ 「……そんなコト…初めて言われタ…」
(´^ω^`)「ははは」
ハハ;ロ -ロ)ハ 「えっと、ドコに…案内すればいい…の」
11
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:22:36 ID:oPE6jvXw0
見つけた。
見つけた。
面白いこと。
胸が高鳴った。
あるじゃん面白いこと。
.
12
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:23:05 ID:oPE6jvXw0
その日から僕はハローとよく話すようになった。学校だと目立つので、モララーと遊んで彼を送ったあと、家に帰らないで公園にいるハローに話しかける。
鼻がおかしくなりそうだったけど我慢した。
だって、餌を易々逃す肉食獣はいないでしょ?
そう、僕は肉食獣の気持ちだった。
彼女の、──ハローの怪我を見たい。見てみたい。
僕には人に言えない趣味があった。モララーにも言ってないし前の学校のやつらにだって言ったことはない。
僕は普通の人とは違う。
グロテスクなものが好きだった。
赤黒い傷、紫や緑のあざ、ぐちゃぐちゃになった火傷……血肉。
今の時代、どんな画像だってネットで見られる。
だけど本物は見たことがない。
見てみたい。見たい。
13
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:23:36 ID:oPE6jvXw0
( ・∀・)『あいつさぁー、親に虐待?されてんだって。体中に傷あるから隠してんだって』
モララーが言っていたことは恐らく本当だった。
会う度にあちこち生傷が絶えずあった。まぁガキ大将にやられたやつかもしれないけど、それにしたって怪我してない日はない。
でも腕の包帯だけはずっとしていた。
多分同じものをずっとつけていて、これが一番悪臭を放っている気がする。
血だか汗だかが滲んでいる。包帯は白いものだと思っていた僕は驚いた。ハローの包帯は茶色いんだ。
14
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:24:05 ID:nvzw4ODw0
(´・ω・`)(きったねぇな)
彼女の身体は小さかった。公園のベンチに2人並んで座ると目線の先に彼女の頭がくる。
ハローは痩せこけていて髪に艶もなかった。
そればかりか髪を引っ張られまくったり無理矢理切られたりしてるからまだらハゲがあったし、あちこち長さが違う。
小学校高学年の女の子ってもっとませててオシャレとかにうるさくなってきてて、キラキラとかピカピカとかツヤツヤが宝物なんだと思ってたけれど、ハローには全部ない。
15
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:24:43 ID:dTo5ihP.0
僕がこんなことを考えているとはこれっぽっちも思ってないハローが笑っていた。
最初の頃は僕の話を聞くだけで自分の話なんてしていいわけがないと思っていたハローも、今ではちゃんと会話ができるようにまでなった。
殴られすぎて前歯が何本かないからたまに発音がおかしかったりするけど、ジジババと話してる時と同じような顔で相手をしてやる。
そうすると嬉しそうな顔でまたさらに話してくるんだ。
僕は根気強くやった。目的のためだ。
16
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:25:13 ID:dTo5ihP.0
初めは本を貸してやった。返ってきた本は汚いから捨てた。それくらい安いもんだ。
次に餌付けだ。ハローは食事なんてまともに与えられていなかった。給食だってガキ大将やクラスメイトに捨てられたりかけられたりしていて碌に食べていなかった。
虫を入れられた日はラッキーなんだって。食べられるから。でもどのみち気持ち悪いって殴られるらしいから、全然ラッキーではないと思う。
そんなんだから、おやつをわけてやった日には僕は神様だった。
(´・ω・`)「ハロー、ひまわりの種食べるの?」
ハハ ロ -ロ)ハ 「あれハ…美味しいデスよ…ワタシの唯一のおやつ」
(´・ω・`)「明日僕のお菓子持ってきてあげるよ、チョコのやつ」
ハハ;ロ -ロ)ハ 「チョコって…ものすごく美味しいって聞きマシタ…いいの?」
(´・ω・`)「当たり前じゃん、僕ら友達なんだから」
ハハ ロ -ロ)ハ 「……」
17
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:25:45 ID:dTo5ihP.0
物をくれてやる行為は本来もっといい気になる物だと思うけど僕はならなかった。
本や食べ物を肥溜めに落としてしまった時のような、あーあ最悪って気持ちだけがべったり纏わりついた。
彼女は食べ方が汚い。というか彼女が汚い。地面に落とした食べ物の方がハローより綺麗だと思う。
焼却炉の中身より、小蝿はハローに集っていた。
風呂にはもちろん入れてもらえないらしいから、公園の水道でたまに洗っているらしい。でも傷が染みるから週一程度。
僕が引っ越してきて数ヶ月経って、今は春になりかけの時期だから良かったけど夏だったらもっと臭かったんだと思うとゾッとした。
18
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:26:12 ID:dTo5ihP.0
ハハ ロ -ロ)ハ 「ショボンは、優しいネ…」
(´・ω・`)「優しい?そうかな、初めて言われたよ」
ハハ ロ -ロ)ハ 「ショボンはワタシのこと臭いって言わないでくれるシ…」
(´・ω・`)(言わないだけで思ってはいるんだけどね)
ハハ ロ -ロ)ハ 「本貸してくれたり、おやつわけてくれたリ…」
(´・ω・`)(本もお菓子もゴミ捨て感覚だった)
ハハ ロ -ロ)ハ 「ワタシを人間として扱ってクレる…」
19
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:26:39 ID:dTo5ihP.0
彼女の話をまとめると、ハローは地主でお偉いさんの父親が、身寄りのない若い母親を襲って孕ませたけど跡取りに使えない女児だった為産まれた時から疎まれていた。
男児を産まない妻に用はないと、他の女のところに行きまくる夫に母親は病んでハローに暴力を振るうし、父親はハローをいないものとして扱う。周りの大人も子どもも同じだったらしい。
一度生まれてきてごめんなさいと言ったら当てつけかとブチギレた母親に今までで1番ひどい怪我を負わされたんだって。
それからハローは自分を人間だと思うことを諦めた。人間じゃないから何も辛くない。人間じゃないから痛くても平気。
だけど僕という人間はハローを人間として接してくれる。
嬉しいという感情は初めてだから混乱したけど、でも嬉しい、ありがとう。だって。
20
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:27:10 ID:dTo5ihP.0
可哀想。
僕は本当にそう思った。涙を流して可哀想、可哀想とハローの汚い手を握った。
何かを勘違いしたハローも泣いていた。
可哀想。
可哀想なハロー。馬鹿なハロー。
親からも教師からもクラスメイトからも近所の人間からも踏みつけられる人生なんて、なんでそんなんで生きてるんだろう。
──やっぱり、僕に傷を見せるためじゃなかろうか?
うん、きっと、多分、絶対そうだ。
(´;ω;`)「僕、僕は君に会う為にこの町に来たんだと思う」
ハハ ロ -ロ)ハ 「……」
ハハ*ロ -ロ)ハ 「ワタシ、その…貴方と会えて良かった」
(´・ω・`)「僕もさ!友達になれて良かった」
ハハ*ロ -ロ)ハ 「友達…」
21
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:27:40 ID:dTo5ihP.0
春先だというのに白い息が漏れる。ハローは当たり前のように薄着だ。
時折震えているのは寒さのせいか痛さのせいか。
(´・ω・`)「これあげる、寒いでしょ」
ハハ*ロ -ロ)ハ 「あ、ありがト…」
自分に巻いていた赤いマフラーをハローにかけた。臭いがついただろうからもういらない。
もうそろそろ、春が来る。春が来れば夏だ。
それは困る。
もう結構いい具合ではないだろうか。
(´・ω・`)(うん…そろそろ、良いよね?)
22
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:28:30 ID:dTo5ihP.0
(´・ω・`)「あのさ、僕ハローにお願いがあるんだ」
ハハ ロ -ロ)ハ 「なァニ?」
ワタシにできることがあるのなら、と期待した顔が僕に向けられる。
ツンと嫌な臭いが鼻をつく。
ハローの顔が近い。この近さは信頼の証だ。
(´・ω・`)「僕ね、僕は…普通の人とは違うところがあるんだ」
ハハ ロ -ロ)ハ 「そう、ダね…優しいとことカ…」
(´・ω・`)「いや、そういうのじゃなくてね。なんていうか、今までハローに本を貸してきたでしょ、何か気付かなかった?」
ハハ ロ -ロ)ハ 「うん…?あ、えっと怖い話が多かっタね…?」
(*´・ω・`)「そう!そうなんだ僕そういうのが好きで大好きで普通とは違うんだよ普通なら気持ち悪いとか怖いとか言われるようなものが好きなんだ見るのが!」
ハハ;ロ -ロ)ハ 「え、と……」
(´・ω・`)「それでね僕聞いたことあるんだハローの腕に傷があるって、だからさ」
23
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:29:10 ID:dTo5ihP.0
(´・ω・`)「見せてよ、腕少しだけ」
ハハ ロ -ロ)ハ
.
24
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:29:51 ID:dTo5ihP.0
一瞬止まったハローがバッと腕を庇った。
こんなことを頼まれるとは夢にも思わなかったって顔をしてる。
(´・ω・`)「大丈夫、腕を見せてもらうだけだよ触ったりなんかしないし写真も撮らない。本当に少し腕を見せて欲しいだけなんだ」
ハハ;ロ -ロ)ハ 「だ、ダメです…あの、本当に汚いカラ…」
(*´・ω・`)「大丈夫。僕、そういうの得意なんだ。本当だよ、そういう傷とか詳しいんだ」
たくさんたくさん見てきた。ネットで色んなサイトやブログを見た。そういう集まりだって、中学生になったら行きたいと思ってる。
それくらい好きだ。ワクワクする。僕は普通じゃないから。変態なんだ。だから大丈夫。どんな傷だって大丈夫。
(*´・ω・`)「ねっ、お願いお願い、見せて」
ハハ;ロ -ロ)ハ 「……」
25
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:30:20 ID:dTo5ihP.0
ハローが寒さのせいではなく震えている。
僕がここまでやってきて、ここまで頼んでいるんだ。見せないなんて選択肢があって良いはずがない。包帯を解いて汚い傷を見せるだけ、それだけなのに何を渋る必要があるんだろう?
もう一押しか?
(*´・ω・`)「ねぇ、僕たち友達じゃん?」
ハハ;ロ -ロ)ハ 「っ」
ハハ;;ロ -ロ)ハ 「……」
(*´・ω・`)「大丈夫、僕なら大丈夫だから」
ハハ ロ -ロ)ハ 「………。ワタシも…」
そうであってほしい
そう彼女が呟いただろうか?どうでも良かった。
ハローは見せる気になったようで、僕はもうどうにかなりそうだった。
臭い臭い体臭にも、動く度に落ちる大量のフケも、目の周りのガピガピの目脂も、全部我慢してやったあれらのことが報われるんだ。
僕はこの瞬間のためにここに来た。絶対そう。
26
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:30:46 ID:dTo5ihP.0
(*´・ω・`)「フー!フー…!」
ハハ ロ -ロ)ハ 「……」
彼女の震える手が、袖をゆっくり捲っていく。
その焦らす仕草に臍の下辺りがキューっと絞られるような感覚がして、心臓も音が聞こえそうなほど騒がしくなった。
ドッドッドッドッドッドッドッドッ
エサを目の前に突きつけられライオンのような気持ちだ。
周りの音は聞こえない。自分の心臓の音だけ。うるさい。
早く
早く
早く
早く
早く
早く!!!!!!!!!!!!!!!
見せて、見せてよグロテスクな傷を!!!
27
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:31:14 ID:dTo5ihP.0
ハハ ロ -ロ)ハ 「…こ、これデス…」
(´・ω・`)「……」
ハハ ロ -ロ)ハ 「あ、あの…?」
.
28
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:32:02 ID:dTo5ihP.0
(´・ω・`)「…ぅ、」
(;´・ω・`)「ぅおぇえええっ!ゲェッ!ぺっ、ぺっ…うぅおえっ!」
ハハ ロ -ロ)ハ 「…っ」
(;´;ω;`)「な、なんてもん見せやがる!このっ…くっそ!おぇぇっ!気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!!このクソ女!なんだそれっ!早く隠せよ!気持ちがわるい!」
ハハ ロ -ロ)ハ 「……」
29
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:32:40 ID:dTo5ihP.0
人間の腕じゃなかった。
あんなものは人間の腕じゃない。
ひどく爛れて赤黒くなった皮膚もどきに無数の切傷や水膨れが密集していて気持ちが悪い。破裂して膿が溢れている箇所もあった。人間の身体があんな色になるわけがない。
思い出して胃がグルグルする。汚い。汚い。汚い!!!
30
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:33:24 ID:dTo5ihP.0
(;#´・ω・`)「最低最悪だ、今まで見てきた中で1番醜い気持ち悪いトラウマになった!!」
(#´・ω・`)「お前…お前最低だ!くそ!時間も何もかも無駄にした、返せよ!あー触るなようつったら最悪だ!汚ねぇな!」
あいつは俯いていた。僕が捨てたマフラーで必死に腕を隠している。それすらムカついた。
殴ったり蹴ったり暴力に訴えたかった。
でも手や靴が汚れるのは腹立たしいのでやめた。
行きどころの無い怒りが頭を熱くする。
(#´・ω・`)「2度と話しかけんな、ゴミ」
31
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:33:46 ID:dTo5ihP.0
唾を吐き捨てて立ち去った。
あいつの啜り泣く声が後ろから聞こえた気がしたけどどうでもよかった。脳裏に焼き付いてしまったあの汚い傷の映像を一刻も早く消したい。
あんなものを見るために数ヶ月頑張ったのかと思うと、自分の報われなさに涙が出る。なんて可哀想な僕。
家に帰ると泣いている僕に驚いた母親が抱きしめてきた。
怖い物を見たというと頭を撫でてくれ、ご馳走を作るから忘れなさいと言われた。
可哀想な僕。
その日は寝るまで涙が止まらなかった。
32
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:35:10 ID:dTo5ihP.0
次の日、公園の遊具に薄汚れた赤いヒモで首を吊ったあいつが発見されたらしいけど、誰も何とも思わなかった。
僕もそうだったから、もしかしたら僕は少しだけ普通の人間なのかもしれない。
( ・∀・)「なー、今日何のゲームする?」
(´・ω・`)「車のやつやる?」
( ・∀・)「いいね!」
何にも面白いことのない毎日が過ぎて行く。
あの生ゴミの臭いはもう忘れた。
ただ、田舎の臭いには少しだけ、慣れてしまった。
終
.
33
:
◆UiUAbWwe2w
:2021/10/16(土) 01:35:48 ID:dTo5ihP.0
以上です。ありがとうございました。
34
:
名無しさん
:2021/10/16(土) 01:46:15 ID:PWsmNCYY0
乙
子供は残酷だあね
35
:
名無しさん
:2021/10/16(土) 03:12:54 ID:ObW9xsqE0
ひぇぇ……良い鬱だ……
36
:
名無しさん
:2021/10/16(土) 07:30:16 ID:KCkLuPYI0
乙
37
:
名無しさん
:2021/10/16(土) 14:01:48 ID:E6qoOJrw0
乙
これは鬱…
38
:
名無しさん
:2021/10/17(日) 00:41:25 ID:m.d3CcVc0
タイトルのセンスの良さに惹かれて気軽に見に来て後悔したわ乙
39
:
名無しさん
:2021/10/18(月) 23:28:57 ID:24GiezlM0
読後感に比べて悲壮感が全然ないのが余計に来る
乙
40
:
名無しさん
:2021/10/24(日) 16:51:21 ID:.FJB1bsc0
凄い胸糞だった乙
41
:
名無しさん
:2021/10/28(木) 21:53:52 ID:Mgt7DXkg0
おつ
エグすぎる……
42
:
名無しさん
:2021/11/01(月) 14:04:31 ID:t0XwzZj60
あげて落とされるのやっぱしんどいよね。乙です
43
:
名無しさん
:2021/11/06(土) 12:38:55 ID:A3K5qze.0
クソ眉毛!!
ハローさんはこういう悲惨な役も似合うんだね
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