ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ良い子　　ようです

1：名無しさん：2020/09/25(金) 18:51:00 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『ねぇママ！あたし、いもうとがほしいの！』

デフォルメされた女の子は、いつも明るくて元気で、たまにママを困らせるけれど、可愛らしい『良い子』として描かれている。

o川;*ﾟーﾟ)oそ『ええっ！？い、妹かぁ…』

o川;*ﾟーﾟ)o『ま、ママ頑張るね』

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ？『なにをがんばるのー？？』

o川;*ﾟーﾟ)o『な、なんだろね～～！！』

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『おかしなママ！』

『ミーセちゃんのスルドイ質問に困ってしまうのでした…（汗）弟だったらごめんよ（てへ）』

そんな文言で締められたほのぼのとした漫画の世界。
これを読んで死にたくなる人間なんて、私以外この世にはいないだろう。
2：名無しさん：2020/09/25(金) 18:51:26 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ良い子　　ようです

.
3：名無しさん：2020/09/25(金) 18:51:58 ID:SBgMVFYQ0: 从'ー'从「ねぇーこの漫画可愛くない？ツイッターでバズってたんだけどさ～」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「…」

从'ー'从「この『ミーセちゃん』がなんかミセリに似てたから見せたかったの～」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「…」

从'ー'从「十何年くらい前からある育児漫画らしいんだけど、絵が可愛いくない？」

从'ー'从「これとかウケたわ。子どもって思いがけないこと言ったりやったりするから、こうやってカタチに残るの良いよね～」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「……あは」

ﾐｾ*^ヮ^)ﾘ「そうだねー、てかそんなに似てなくない～？ミセリちゃんはもっと可愛いし！」

从'ー'从「うーわっ調子乗りミセリだ～」
4：名無しさん：2020/09/25(金) 18:52:31 ID:SBgMVFYQ0: 嘘でしょ、想像力無いの？？
『カタチに残るのが良い』？

はぁ？

表情にマイナスの感情が出ないように太ももを抓った。
ヘラヘラしながら、内心キレてたし焦っていた。
大丈夫、バレない。バレない、大丈夫。
5：名無しさん：2020/09/25(金) 18:52:59 ID:SBgMVFYQ0: 从'ー'从「まぁ確かに見た目以外似てないかぁ～」

从'ー'从「ミセリはこんなに『良い子』じゃないもんね」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ

ﾐｾ*^ー^)ﾘ「うん！」
6：名無しさん：2020/09/25(金) 18:53:30 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ（最悪）

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ（最悪最悪最悪最悪最悪最悪）

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ（なに？なんで？最近やっと下火になってたじゃん）

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ（なんなのなんでバズってんの最悪最悪最悪）

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ（あの子もなに見てなに見せてくんの本当無理）
7：名無しさん：2020/09/25(金) 18:54:52 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「お母さん！」

バン！とリビングのドアを叩き開ける。
ソファーでのんびりティータイムをしていた女は、肩をびくりと揺らして長い前髪の間からこちらを睨んだ。
吐き気を催す表情だな。

川д川「わぁ、びっくりした。もう、ただいまは？」

川д川「あと、『ママ』でしょう？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「……ただいま、ママ」

本当は呼びたくなかった。しかし今はそんなことで機嫌を悪くさせても話が進まない。
8：名無しさん：2020/09/25(金) 18:55:32 ID:SBgMVFYQ0: 川д川「はい、おかえりなさい、『ミーセ』ちゃん」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「…ねぇ、今日大学のと…知り合いがママの漫画がバズってた？って言ってたんだけど…」

川* д川「あっ！そうなの！担当さんがね、ツイッターでアカウント作って、このタグ付けると色んな人に見てもらえますよって言うから半信半疑でツイートしてみたんだけどね～！」

川* д川「ほら見て！4万いいねだって！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「4万…」

川* д川「4万の人がいいねって言ってくれてるの！やっぱり『ミーセ日記』は人に愛される作品なんだわ！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ（4万……ううん、もっと多くの人があの漫画を…）

母は機嫌が良かった。くるくるとその場で回り出しそうな勢いだ。
私は絶望していた。
9：名無しさん：2020/09/25(金) 18:56:05 ID:SBgMVFYQ0: 川* д川「ねっ、ミーセちゃんも嬉しいわよね！」

キラキラとした目で母が私に問いかける。
なんて答えるのが正解だ？

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「う、んー……」

ﾐｾ*^ヮ^)ﾘ「数が大きすぎてイマイチわかんないや～」

川* д川

川д川

川д川「そう、そう……そう、そうよねうん、そうよ。ミーセちゃんはSNSとかに疎いもの…わからないわよね、そうだわ、そうよ、うん」

母は俯きながらブツブツと確認するように呟いていた。
良かった、正解だったみたい。
10：名無しさん：2020/09/25(金) 18:56:44 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「じゃあ、私着替えてくるから…」

川д川「待ってミーセちゃん」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「な、なに？」

川д川「大学でミーセちゃんにツイッターのこと教えたのって」

川д ﾟ川「お友達？」

ﾐｾ*^ヮ^)ﾘ「…ちがうよぉ。私教えてもらったなんて言ったっけ？教室で話してたのが聞こえてきただけだよ？」

川д川「そうなの？そうよね、お友達が出来たらミーセちゃんはママに教えてくれるものね」

ﾐｾ*^ヮ^)ﾘ「そうだよ！じゃあ…」

川д川「あとねミーセちゃん」

川д川「『あたし』」

川д川「でしょう？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ

ﾐｾ*^ヮ^)ﾘ「そうだった！」
11：名無しさん：2020/09/25(金) 18:59:48 ID:SBgMVFYQ0: 吐き気がする。
ムカムカする。
初めてお酒を飲み散らした次の日の朝より最低最悪な気持ちにさせられた。
お友達が？出来たら教えてくれる？

教えるわけねーーーだろドグサレ変態クソババア。

.
12：名無しさん：2020/09/25(金) 19:00:34 ID:SBgMVFYQ0: 父と母は平凡である。
人並みに出会い、交際をし、喧嘩もたまにしつつも仲直りを繰り返し、絆を深めていく。
そして結婚を経て妊娠出産。
そうして産まれたのが私。

女の子でも男の子でも良い、元気ならば。
そう言いながらも初めての子で、可愛い可愛い女の子にデレデレの父親。
子に振り回されながらも育児を楽しむ、ちょっと天然な母親。
おませでおてんばで、良い子の私。
平凡で、けれど笑い声の絶えない幸せな家族。
たまーにトラブルもあるけれど、家族で力を合わせて乗り越える。
幸せいーっぱい笑顔盛り盛り綺麗で尊くて可愛くて愛おしい、ある家族の日常。

を全てコツコツコツコツコツコツ漫画にして描いていたのだあの女は。

変態は行きすぎるとただの狂気だ。
13：名無しさん：2020/09/25(金) 19:01:16 ID:SBgMVFYQ0: 母は絵を描くのが上手かった。
とは言っても専門の学校に推薦されるような、ましてや食っていけるようなレベルではない。
クラスで1人2人いる、学校行事のポスターを任されるレベルの上手さだ。

だけども母は承認欲求が人一倍強かった。
内輪で甘々な褒め言葉だけを貰い、チヤホヤされることが何よりも大好きだった。
HPやブログ、様々な所にコミュニティを置き版権絵やオリジナルの絵、自分の周りであった面白いことなどを投稿する。
続けていればファンは付いてくる。褒めてくれる。言葉をくれる。見てくれる。
母の生きがいだった、日常を漫画に落とし込むことは。

そして多少の加工を施すのは、あの女の悪癖だ。
14：名無しさん：2020/09/25(金) 19:01:57 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ママ、このまんがかいてるのママってほんとう？」

川д川「そうよ」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「これ、ミーセちゃんって、ミセちゃんなの？」

川д川「そう。ミセちゃんよ」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「このひとがパパ？じゃあこのひとはだぁれ？」

川д川「やぁねミセちゃん、ママに決まってるじゃない」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「え～、でもママもっとかみのけ長いし、お顔も」

パシン

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ひ」

ﾐｾ*;ー;)ﾘ「ふ、うわぁぁん！」

川д川「ミセちゃんが悪いのよ、人の外見について悪く言うのはいけないことなの」

川д川「悪い子は叩かれるのよ。ママだって叩きたくないけど、ミセちゃんのためにやってあげてるの」

川д川「『ミーセちゃん』は良い子なんだから、わかるわよね？」

ﾐｾ*;ー;)ﾘ"「………」コクン

川д川「そうっ！やっぱりね、ミーセちゃんは良い子だわ！」

ﾐｾ*;ー;)ﾘ（ミセちゃん、"ミーセちゃん”じゃ、ないのに…）
15：名無しさん：2020/09/25(金) 19:02:35 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『ママぁ、この漫画ママが描いてるの？？』

o川;*ﾟーﾟ)o『ギクッ！そ、そうだよ～』

ﾐｾ*^ヮ^)ﾘ『ママすごーい！お絵かきじょうずだねー！』

o川;*ﾟーﾟ)o（バレないようにしてたんだけどな～ッ！子どもはスルドイなー！）

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『ねぇねぇ、この人ってママ？』

o川;*ﾟーﾟ)o『うっ！うん、そうだよ～』

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『え～あんまり似てないねぇ』

o川;*ﾟーﾟ)o『そ、そう？』

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『うん！ママはもっと美人さんだよー！！』

『ついにこの漫画の存在がミーセちゃんにバレてしまいました…（汗）しかも私の自画像はミーセちゃん曰く似てないとのこと…嬉しいやら切ないやら、複雑な心境です（苦笑）』
16：名無しさん：2020/09/25(金) 19:03:24 ID:SBgMVFYQ0: 父親は私が小学校に上がる頃にはほとんど家に寄り付かなかった。

何度も何度も漫画を描くことを止めたらしいが、結局母はやめなかった。

漫画内で父親が出てくる頻度が減り、読者がいらぬ心配をしたから漫画内の父親は死んだことになっていた。

良い家族に見られることがあの女のステータスなので、離婚したなんてバレたくなかったんだ。

そういう都合の良い改変はよくしていた。
17：名無しさん：2020/09/25(金) 19:04:26 ID:SBgMVFYQ0: 産まれた瞬間から、いや私が「出来た」時、なんなら「作った」時の話だって漫画として残っている。

あの子は『カタチとして残るのは良い』と言っていたけど、この緩やかで生暖かい監視地獄は想像出来ないだろうな。

私が初めて泣いた日、寝返りをした日、ズリバイした日、ハイハイした日、立っちして転んだ日、離乳食を投げつけた日、イヤイヤ期が始まった日、寝てる間に親が妹か弟をこさえようとした日、親戚のおじさんにファーストキスを奪われた日、

全部ネットで検索したら出てくるの。

幼稚園であったこと、
お友達と話したこと、
先生が何を言ったか、
近所の人と挨拶した、
怖いテレビを見て
おねしょをしてしまった、
〇〇ちゃんは××くんが好き、
私はY先生が好き、

小さい頃、親に話した内容が全部全世界に筒抜けになってるの。
18：名無しさん：2020/09/25(金) 19:06:19 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*；-；)ﾘ「もうやだぁ！内緒にしてって言ったじゃん！！なんで描いちゃうの！？」

川д川「ミーセちゃんが悩んでたみたいだったから、どうしたらいいかママみんなに聞いてあげたのよ」

ﾐｾ*；-；)ﾘ「◯◯ちゃんが絶交するって！！お母さんのせいだ！」

川д川「あら、そうなの？」

川д川「ミーセちゃん、こんなに良い子なんだから、絶交なんてする◯◯ちゃんがおかしいのよ」

ﾐｾ*；-；)ﾘ「違うもん！◯◯ちゃんおかしくないもん！」

川д川「ほら、ミーセちゃんは良い子ねぇ～」
19：名無しさん：2020/09/25(金) 19:06:58 ID:SBgMVFYQ0: 「先生のこと、好きなんだろ？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「え、」

「だって漫画に描いてあったから…先生の名前寝言で言ってるって」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「そ、それは別の先生のことで…」

「嬉しいよ、先生も君のこと…」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ち、ちがいます、あ、あの…」

「…嘘をついたのか？良い子じゃないのか！」

ﾐｾ*；-；)ﾘ「ち、ちが…」

「照れてるだけだよな？恥ずかしいだけだもんな？」

ﾐｾ*；-；)ﾘ「……」
20：名無しさん：2020/09/25(金) 19:07:29 ID:SBgMVFYQ0: 「ねー、あの子でしょ？」

「なんかヤバイらしいよー！喋った内容とか全部書かれちゃうんだって！」

「しかも自分以外はブスに書かれるらしいよ！」

「何それ最悪じゃん！話さないでおこ！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「………」

私の見た目はそっくりに描いていたけど、周りの人間は似せずに描いていたから大々的に特定されることはなかった。

でも小学校高学年になったらネットに触れる子だっていた。
見た目が似てることや、当事者にはわかる内容で特定され、私は無視をされるようになった。
21：名無しさん：2020/09/25(金) 19:08:29 ID:SBgMVFYQ0: 漫画の内容が赤裸々すぎたりすると、たまに正義の使者が掲示板に晒して炎上させてくれてた。
でもあの女は姑息にも炎上のきっかけ漫画を削除して、あたかも自分は悪くないけど、不快にさせたなら謝りますと低姿勢を見せた。

世の中には、多少変でも絵柄が綺麗で好みならそれが正義とでもいうように崇める人たちもいるのだ。
例え顔を合わせたことがなくとも、ネット上でやりとりをしていれば下手な身内より近しい関係になり得る。
そんな存在が炎上していたら慰めてくれる存在があの女にはたくさんいた。

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ

私の周りには1人も近寄らなかったのに。
22：名無しさん：2020/09/25(金) 19:13:00 ID:SBgMVFYQ0: 高校は家から離れたところに行った。
片道2時間かけて、友達や恋人も作らず毎日せっせと通った。
漫画は、家で話した私の作り話が主な内容になっていた。

大学も同じく離れた所にした。
流石に大学生の子どもの漫画はあまりウケないみたいで、だいぶ勢いが落ちてきていた。

だから良いと思って友達を作った。
23：名無しさん：2020/09/25(金) 19:13:45 ID:SBgMVFYQ0: 从'ー'从「えー！マジ最悪！シュシュ忘れた～髪邪魔～」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「あ、の…」

从'ー'从「ん？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「もしあれだったらこれ、使って」

从'ー'从「え？何？ヘアゴム？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ（拒否られたらどうしよう…）

从'ー'从「ありがとー！てか名前はー？授業は？サボり？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「えっ、あっ、ミセリ…で、授業は、サボり…」

从^ー^从「マジか！悪い子～！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「は」

从'ー'从「？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「初めて言われた～～…」

从'ー'从「えー？何？喜んでんの？？ウケる～」

ﾐｾ*^ヮ^)ﾘ「あはははは！」
24：名無しさん：2020/09/25(金) 19:14:26 ID:SBgMVFYQ0: 从:’-｀从『ねー、これミーセちゃんそっくりぃ～』

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『あっ！ママの漫画！バレちゃった？？』

从:’-｀从『えっ、ミーセちゃんママの漫画なのぉー！やーん最高！絵もお話も可愛いっ！大ファンになっちゃった！』

从:’-｀从『ミーセちゃんのお友達で良かったぁ～！ねっねっ私も漫画に出すよう頼んでぇ～』

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『うん！いいよ♪ママに言っておくね！』

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『ってことが大学であったんだー！』

o川;*ﾟーﾟ)o『えー！そうなの…て、照れちゃうね…お友達は今度おうちに遊びに来てもらいなね』

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『うん！あっでもママの大ファンみたいだから、連れてきたらママ取られちゃうかな…』

o川;*ﾟーﾟ)o『えっ？』

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ『なんてね♪あたしもママだーい好きっ！』

『先日のバズりでミーセちゃんのお友達にバレちゃったみたいです…なんとも世間は狭いっ（汗）ミーセちゃんは大学生になっても親離れしてません（笑）相変わらずの親子です♪』
25：名無しさん：2020/09/25(金) 19:15:55 ID:SBgMVFYQ0: 从'ー'从「ねぇこれ絶対アンタでしょ」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「……」

从'ー'从「つーかこれ私？こんなこと言ってなくない？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「…」

从#'ー'从「…何黙ってんだよ！」

从'ー'从「マジむかつく、本当ないわ」

从'ー'从「もう話しかけないで」

从'ー'从「キッショいんだよ、マザコン」
26：名無しさん：2020/09/25(金) 19:16:30 ID:SBgMVFYQ0: 行き場のない感情を吐き出すためにゴミ箱を蹴ろうとした。
燃えるゴミにあの子にあげたはずの髪ゴムが捨てられてた。
カバンからスマホを取り出して舌打ちをする。
そのままゴミ箱に捨てた。

.
27：名無しさん：2020/09/25(金) 19:17:12 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「…」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「お母さん」

川д川「なぁにミーセちゃん、『ママ…」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「お母さん」

川д川「……何」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「私のスマホに盗聴アプリ入れた？」

川д川「やぁだ、盗聴アプリだなんて！『子どもの安全を守るアプリ』よ～」

川д川「ミーセちゃん、大学でのことあんまり話してくれないじゃない？高校の時はあーんなに楽しそうな毎日を教えてくれたのに」

川д川「大学は色んな誘惑があるからね、ママ心配なの。わかるわよね」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「…ねぇ、なんであんなこと描いたの？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「私、私ね…」

川д川「ええ？だって友達じゃないんでしょう？だったら良いじゃない～！」

川д川「ミーセちゃんが言ったのよ！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「……」

川д川「大丈夫よ、ミーセちゃんは良い子だからすぐお友達出来るわ」
28：名無しさん：2020/09/25(金) 19:17:59 ID:SBgMVFYQ0: 私は
産まれてから
なんなら出来た時
作られた時から

ずーっとずーっと
我慢してきた

何を話してもネタにされること
父親は私を連れて行ってくれなかったこと
この人が自分だけ可愛い見た目で描いていること
初潮の様子を事細かに描いて同級生に馬鹿にされたこと

全部全部全部全部全部

良い子って　何？

私は　ミーセ　？

私は

私は、ミセリ。
良い子　では、ない。
29：名無しさん：2020/09/25(金) 19:18:27 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ねえ」

川д川「ミーセちゃん。見て、お庭で咲いたお花綺麗でしょ？花瓶に生けようと思って」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「お母さん」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「あのね」

川д川「なぁに？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「漫画、描くの辞めて…」

川д川

川д川「あ、あ…」
30：名無しさん：2020/09/25(金) 19:18:53 ID:SBgMVFYQ0: 川д川「あああああぁぁあ！！ああああ！！！！」

川д川「ミセリ！！ミセリは！！！ママに！」

川д川「ママに！しねって！言うのね！？？」

川д川「アンタも！あの男みたいに！！」

川д川「なんで！なんでなんでなんでなんでなんでなんで！！」

川д川「ミーセ日記はあたしの生きがいなのっ！！描くのやめたら死んじゃうの！」

川д川「ミセリがひどいこと言う！！良い子じゃない！！ミーセじゃない！！！」

川д川「アンタあたしに死ねって言うの！？？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「そうだよ」

川д;川「っ！？」
31：名無しさん：2020/09/25(金) 19:19:32 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「何驚いてんの？今自分で言ったでしょ、私は良い子じゃないんだよあんたのことも大っ嫌いだし死んで欲しい漫画のログ全部削除したって許さない死んで欲しい私はミーセじゃない、ミセリだ良い子でもない漫画描くのやめるか死んで」

川д川「あ、あああああ…」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「大声出せばいいと思ってる？その場限りだって良い加減気付いてよ本当頭悪いんだねよく誤字脱字指摘されてたもんね」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「漫画で美人に描いて周りにチヤホヤされてたけど馬鹿なのはバレてたよ、アンタのヲチスレ見たことある？父親死んでないこと検証されてたよ小学校の時の同級生の母親降臨しててマジうけたわ地元戻って再婚したらしいよパパ（笑）」

川д川「…さい…」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「何聞こえない大きな声で話してくれる、漫画と違って滑舌悪いし声低くて本当聞き取りにくい顔も頭も声も性格も悪いって最悪だね取り柄ある？あ、お絵描きか（笑）」

川д川「うるさい…」

川д川「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「うるさいのは、ずーーーーっとアンタ。アンタだよ、クソババア」

川д川「　　」
32：名無しさん：2020/09/25(金) 19:19:57 ID:SBgMVFYQ0: .
33：名無しさん：2020/09/25(金) 19:20:25 ID:SBgMVFYQ0: ごしゃっ

.
34：名無しさん：2020/09/25(金) 19:20:55 ID:SBgMVFYQ0: 川д川「アンタ誰よミーセちゃん返しなさいよ」

川д川「ミーセちゃんは良い子なのよアンタとは違う」

川д川「自分のことあたしって言って、あたしのことママって呼ぶの。可愛いでしょう？お花や綺麗なものが大好きで優しくて可愛くてみんなから愛されて、本当に良い子なの」

川д川「ねえ！！ミーセちゃんはどこ？！ミーセちゃんがいないとミーセ日記が描けないわよ！！！わかってるの！？あれは私の生きがい、私の生きた証拠、私の大事な大事な宝物！」

川д川「ねえってば！！！！！」
35：名無しさん：2020/09/25(金) 19:21:28 ID:SBgMVFYQ0: 「相変わらずアイツうるさいなぁ」

「アンタの宝物はアンタが壊したくせに」

「本当に良い子だったんでしょ？そんな子をなんで…」

「あー、貴方漫画しか見てないの？今色々裏話出てきてるよ」

「何それ？『ミーセちゃん』良い子じゃなかったの？」

「『ミーセちゃん』は良い子だったんでしょ、あの人の創作物だから」

「でも◯◯◯ちゃんもさぁ、あそこまで赤裸々に描かれても反抗してなかったんでしょ？じゃあやっぱり…」
36：名無しさん：2020/09/25(金) 19:21:57 ID:SBgMVFYQ0: ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ良い子だったようです

.
37：名無しさん：2020/09/25(金) 19:22:39 ID:SBgMVFYQ0: 以上です。
最近親孝行してないなと思って書きました。
ありがとうございました。
38：名無しさん：2020/09/25(金) 19:44:04 ID:Bb.vXgyU0: ミセリ……最期までおもちゃにされるだけの人生か
乙
39：名無しさん：2020/09/25(金) 19:58:25 ID:EZBaYe/s0: 乙
『学校行事のポスターを任されるレベルの上手さ』がリアリティありすぎて胸痛い
ミーセ日記の登場人物、全員二頭身で饅頭みたいな輪郭してそう
40：名無しさん：2020/09/25(金) 20:08:32 ID:pQZtBGpU0: otu
41：名無しさん：2020/09/26(土) 00:52:10 ID:eAgnYkuU0: 面白かった、乙です
育児漫画とかよく見かけるけどこう言う家庭ありそうでゾッとするな…
42：名無しさん：2020/09/26(土) 02:50:18 ID:JTsrqkwo0: 映画の「来る」を思い出した…
43：名無しさん：2020/09/26(土) 02:50:34 ID:QIZfYOYo0: 胸糞(褒め)
探せばあるのかもしれないけど、子育て漫画の子側の意見て考えたこともなかったわ
よかった
乙です
44：名無しさん：2020/09/26(土) 07:38:25 ID:.i.nk2n60: 乙です　うちの毒親に似ている
過干渉が酷く、非常識な点とかさ
もし続きがあるなら、ミセリを苦しめた糞母が、周囲から徹底的に嫌われて苦しむ姿が見たい
45：名無しさん：2020/09/26(土) 13:40:32 ID:k/i8zUuo0: 乙です
不快でぞわぞわしっぱなしだったけど（褒めてる）読み切った
ミセリは最後にはっきり言えたんだな。強いわ
親がおかしいって気づけたら、不満も願いも、取るものも取りあえず逃げて欲しいよ
46：名無しさん：2020/09/26(土) 16:45:32 ID:4VCKR2To0: おもろい
47：名無しさん：2020/09/27(日) 08:07:33 ID:.j02rlfM0: Vtuberの人か
メッチャ面白かった
48：名無しさん：2020/09/27(日) 12:21:10 ID:Pgv8uHqU0: 皆様感想ありがとうございます
当方、VもYOUもtuber業はしておりません
似た方がいらっしゃったならすみません…
精進します
49：名無しさん：2020/09/28(月) 03:03:21 ID:cv9IPDec0: あのクソみたいな作者と一緒にされたら可哀想
50：名無しさん：2020/09/28(月) 10:22:03 ID:MCLzEU.k0: もういい歳なんだから他人をsageるようなことを言うのはやめなさい
51：名無しさん：2020/12/23(水) 12:40:37 ID:q0iPbFsk0: 好きだわ

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ良い子 ようです