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( ゚¥゚)自分がいないようです
197
:
名無しさん
:2020/09/10(木) 00:56:02 ID:dWhsdNPw0
(,,- -)「季さんに見られて恥ずかしい所なんて、私は持って居ませんよう、
持って居ません、よ〜う…」
(,, ゚¥゚)「幾ら残暑と雖も、夜半は気温が下がりますから…左様に御粗末な格好で狸寝入りして居ると、風邪を引いてしまいます」
(,,- -)「なら今度は、私が季さんのお世話に成ろうかしら」
(,, ゚¥゚)「…」
(,,- -)「分かってますよ、普段は私こそ、季さんのお世話に許り成っていることくらい」
(,, ゚¥゚)「私は何もして居ません」
(,,- -)「不調に肖って、偉ぶりたいだけなの…今日くらいは、今だけは、甘えさせて、お願い」
(,, ゚¥゚)「…残りのお酒、少し頂いても?」
(,,- -)「全部呑んじゃって良いよ」
(,, ゚¥゚)「いえ…お医者さんに、控えるようにと言われておりますから」
(,,- -)「私が許すよ」
(,, ゚¥゚)「ですが」
(,,- -)「季さんは本当は、蟒蛇じゃ、無いですか…呑みましょう、呑みましょうよ」
(,, ゚¥゚)「…違いますよ」
(,,- -)「秋口の風流だと思って、月見で一杯…風靡ですよ」
(,, -¥-)「……」
(゚-゚,,)「…あっ」
(゚¥゚ ,,)「…ほう」
(゚-゚,,)「スターマインだ!」
襖側へと顔を逸らし黒ずんだ尾籠度色の空中を見遣ると、月の光の中一杯に唐黍色した大輪の黄水仙が広がっている。
膨よかな黄色揚羽の翅脈は末端から水沫を滴らせ、手元の濁り酒を遽に灑掃したようにはためくと、空を鎧う黄雲と共に消えて行く。
私は此の情景を素直に言い伝えられない自ずからの能が、唯只管に悔しくて、悔しくて、歯噛みすると同時に、心が軽く成った。
198
:
名無しさん
:2020/09/10(木) 00:58:14 ID:dWhsdNPw0
「たーまやー!!」
「…か〜ぎや〜……!!」
何処か近くより、闊達で活き活きとした女声と粘つく鼻水混じりの胴間声が聴こえた。
(゚-゚,,)「……私たちが逐一観測し無ければ存在し無いなんて、そんなこと在るわけないんですよ」
(゚¥゚ ,,)「当たり前でしょう」
其処には歪な二人が居た。
(゚-゚,,)「何がどう成って、とか、どんな経緯が在って、とか…知らなくても、理解出来無くても、結局生きるしか無いんですもの」
(゚¥゚ ,,)「……」
落着所が如何で在ったか、畢竟私は分からず吾を失せて居た。
(゚-゚,,)「其々が其々の落とし所を見つけて、或いは偽証して、最後の最後に属絋を迎えるの。
だから今は焦らないで、唯、この一日を紡いで行くの」
(゚¥゚ ,,)「……」
たたなづく、畳なづく。
分からない、分からない。
199
:
名無しさん
:2020/09/10(木) 00:59:43 ID:dWhsdNPw0
(,,- -)「…季さんは、此処に居るよ。
私の近くで、誰よりも近くで、しっかり私を掴んで離さずに、此処に居るよ…」
(゚¥゚ ,,)「……」
私は何処に行ったのだろう。
雁貝季は私だが、何を見て何を感じて居るのだろう。
私は何処に居るのだろう。
(,,- -)「分からなくても良いから、兎に角其処に居ることだけが、故に真秀ろばなの」
(゚¥゚ ,,)「……」
私は何処に居る。
あなたは此処に居る。
(,,- -)「おやすみなさい、季さん…好きよ、好きよー……」
大覚は無い。
然し私は此処に居るらしい。
許されたらしい。
花火が落ちた。
3.終
200
:
名無しさん
:2020/09/10(木) 02:06:40 ID:RT5hsMHY0
惹き込まれるわ…乙
やっと(,, ゚¥゚)視点が来たけど言い回しがあさきみたいに難解だなっと
201
:
名無しさん
:2021/08/21(土) 01:50:47 ID:s2ba4wDM0
今読んだけど面白いじゃん
期待あげ
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