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ブーン系「おわりとはじまり」祭のようです -2018-

1 ◆TN4eGwmJqs:2018/11/20(火) 12:22:32 ID:/i9NN2ZI0
( ^ω^)「お?」

( ^ω^)「また、お話が始まったのかお?さあ、今度はどんな展開が待っているのかお?」

( ^ω^)「大学生仲間とぶらぶらするのもいいし、ツンと二人で遊びに行くのもいいおね」

( ^ω^)「久しぶりにアルファベットを握りながら、『ウェポン』でチートを……」

(; ^ω^)「……祭りの案内?」

( ^ω^)「ま、久しぶりにやってみるかお」

( ^ω^)「さあ、祭り開始まであともう少しだお」

( ^ω^)「存分に戦い、全力で日常を過ごし、ちんこまんこぶるんぶるんしながらクッソスレを立てて立てて立てまくる準備はできたかお!?」

140名無しさん:2018/12/23(日) 19:43:27 ID:T.zn74CY0
おつ!面白かった!

141名無しさん:2018/12/24(月) 07:59:01 ID:Tu6/giE60
ア〇マンショップでワロタ

142名無しさん:2018/12/24(月) 10:19:02 ID:0.QqY1Mg0
アパ○ン落ちかよ!乙

143名無しさん:2018/12/28(金) 22:24:52 ID:x2qenhug0

                       x''"^\_
                    ___/__\_/_「__
                    工.xへ工/^ニ-ァく
     尾            r≦zzzzzzzzシ'7:::/ ,ィ㌻
                  _|xへ__xへ__|/_,.ィ㌻/>zァ_
     張       ____丁¨゙大゙¨\¨¨¨|/>ィ㌻”,ィ㌻「
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    と


    はじ

       _ノ⌒ヽ、
       ;'. `ヽ'´   ゙ ゙ ゙ ゙ ` -、
     ,: ';   , :'    ,: ´ ::::: 、ヽ. -- 、
  r─ '.:´ ゙ ゙ ゙      :.     :. ゙:.. /
  ': .:     .. ...    ゙ : .. .. .:'  ゙ '、
  Y    .:' ...  ゙ :.            '、
   i_   : ::::::   ,;          :'゙ `ヽ、
  ノ ゙: .  ゙:.   ..: '   ..: ゙ ゙ ゙ :.   :   ノ
(   :   ゙゙ ゙ ゙    .:'   ..  ':  :. .:イ
`ヽ_,;             :.  :::::: ,;    ,;
  /:、            ゙:. .. ..:: ゙     / ';,
 ヽ__;,  ,: ゙ ゙ ゙ : 、           ,;.. - '
    \ヽ    ';      .. .. : :, : '
      `:、__,,; :''    ,; '   ./
        ヽ__,;゙゙ ── ゙ ゙ :..,,/
          ま    り

144名無しさん:2018/12/30(日) 11:14:55 ID:7bCPFaIE0
もうすぐ折り返しですね
投下します

145('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです 1/10:2018/12/30(日) 11:15:48 ID:7bCPFaIE0


( ゚∀゚)「別れたいんだ」


その言葉に驚きもしなかった私は、きっと最後まで可愛くない女だった。


('、`*川「そう」

( ゚∀゚)「……なんでとか、聞かねーの」

('、`*川「聞いたところで決意が変わるの?」


ごにょごにょと歯切れの悪い謝罪が聞こえてくる。
気分の良いものではないけれど耳を塞ぐわけにもいかなくて、代わりに瞼を伏せた。

言い訳を吐き出し終えた口が閉じられて、居心地の悪い時間が続くこと数分。
彼のスマートフォンがメロディを以て、私たちの関係は終わった。

146('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです 2/10:2018/12/30(日) 11:16:32 ID:7bCPFaIE0


('、`*川「……わかってたわよ。そこまで察しの悪い女じゃないの」


空になったコーヒーカップを前にひとりごちる。
窓の外に小柄で可愛らしい女の子と並んで歩く彼が見えた。
私にはもう関係のないこと。

私に嫌気が差していたことも、浮気していたことも。
貴重な二十代の時間を無為にされたことも。
もう、どうでもいい。


('、`*川「……あ」


スマートフォンのランプが点滅していることに気付いたのは、そんなときだった。

147('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです 3/10:2018/12/30(日) 11:17:21 ID:7bCPFaIE0


ミセ*゚ー゚)リ「この喫茶店、めっちゃ雰囲気いいじゃん!」

('、`*川「でしょ。値段もお手頃だからよく来るの」

ミセ*゚ー゚)リ「ペニは昔から穴場見つけるのうまいよねー」


可愛らしいコートに身を包んだミセリが現れたのは十五分後。
『久し振りにお茶しない?』というLINEに喫茶店の場所を返せば、トントン拍子に話が進んだ。


ミセ*゚ー゚)リ「あたしダージリンティー」

('、`*川「アイスコーヒーのおかわりを」


ミセリの前に置かれる温かい紅茶。
私の前に置かれる冷たいコーヒー。
「まるで私たちそのものだ」なんて自虐すら浮かぶのは、さすがにさっきのことが堪えているんだろうか。

148('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです 4/10:2018/12/30(日) 11:18:12 ID:7bCPFaIE0


ミセ*゚ー゚)リ「ペニ、ここで何してたの?」

('、`*川「彼氏にフられてた」

ミセ; ゚σ゚)リ、;'.・「ぶはっ」


コントのように目を見開いて噴き出すミセリ。霧状になった紅茶が机に撒き散らされる。
真っ白なコートを脱がせておいてよかったと、他人事ながらほっとした。


('、`;*川「きったないなぁ、もう」

ミセ; ゚σ゚)リ「は!? なになに、なにがあったの!?」

('、`*川「別に……他の女に取られただけだよ」

ミセ; ゚σ゚)リ「いやいやいやいや!」

149('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです 5/10:2018/12/30(日) 11:19:04 ID:7bCPFaIE0


ミセ*;゚ー゚)リ「え、え、長岡くん……だよね? もう結構長かったよね?」

('、`*川「んー、五年かな」

ミセ*;゚⊿゚)リ「五年って! 五年付き合っといて浮気!? 信じらんない!」

('、`;*川「ちょっとミセリ、声」

ミセ*;゚〜゚)リ「ご、ごめん」


私たちの他に客はまばらで、特に気に留められた様子もない。
……いや、聞き耳くらいは立てられているかもしれないけれど。
視線を寄越す必要がないほどには、ありふれた話だ。

150('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです 6/10:2018/12/30(日) 11:20:12 ID:7bCPFaIE0


('、`*川「潮時だったのよ」


物事には必ず終わりがある。
それが今日だったという、ただそれだけ。


ミセ*゚ -゚)リ「……それで、いいの?」

('、`*川「だって仕方ないじゃない」


コーヒーを掻き混ぜると、マドラーがかちかちと音を立てた。
ミルクがうまく混ざらない。茶色は白を拒絶するように渦を作るだけ。

151('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです 7/10:2018/12/30(日) 11:20:58 ID:7bCPFaIE0


('、`*川「是非もなしって言葉もあるでしょ」

かちかち。

('、`*川「縋りつくなんて格好悪いし、キャラじゃないし」

かちかち。

('、`*川「大体浮気する男なんてロクなもんじゃないし、却ってよかったかも」

ミルクは溶けない。

152('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです 8/10:2018/12/30(日) 11:22:27 ID:7bCPFaIE0


ミセ*゚ー゚)リ「ペニってホント、学生の頃から変わらないよね」

ミセ*゚ー゚)リ「こういう穴場見つけるのうまくて、飲み会もペニが選んだお店で外れたことなかったし」

ミセ*゚ー゚)リ「そのくせ男選びは下手で、遊ばれたり捨てられたりでさ」

ミセ*゚ー゚)リ「……意地っ張りで、かっこつけで、弱みも見せたがらなくて」

ミセ*゚ー゚)リ「なのに泣き虫なんだよね。昔っから」

(;、;*川

153('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです 9/10:2018/12/30(日) 11:23:11 ID:7bCPFaIE0


ミセ*゚ー゚)リ「悲しいときは甘いものだよ」


「それを言うなら疲れたときでしょ」と突っ込みたくても、私の喉はしゃくりあげるばかりで。
ミセリが投入した角砂糖はぷくぷくと息を吐きながら沈んでいく。


(;ー;*川「……これ、アイスコーヒーよ。バカ」


カップの底でひっそりと息づく角砂糖はまるで自分みたいで。
冷たいコーヒーではなかなか溶けやしない。
それでも。

154('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです 10/10:2018/12/30(日) 11:24:12 ID:7bCPFaIE0


ミセ*^ー^)リ「ねえねえ、ジャンボパフェ食べない? 奢っちゃうよ!」

(;ー;*川「いいけど、残ったらミセリが食べてよね」


今は喉に引っかかる大きな塊だって、時間が経てば溶けて消えるはずだ。
きっと、パフェを食べ終わるまでに。



.

155名無しさん:2018/12/30(日) 11:25:08 ID:7bCPFaIE0
ありふれたおしまいの話です
ありがとうございました

156名無しさん:2018/12/30(日) 11:35:44 ID:Ip.chh1U0
切ないけどいい話だった
ミセリみたいな友達が欲しかったなあ……

157名無しさん:2018/12/30(日) 14:31:26 ID:.7MSQt.60
乙…

158名無しさん:2018/12/30(日) 23:15:13 ID:.0p/H3pM0
乙、やっぱ友達っていいよなって思わせられる話だった。
とゆーか良作ばっかだな今回の祭り

159名無しさん:2019/01/04(金) 20:47:09 ID:KcAHuVIc0
長い話も投下されてきたね
・・・果たして自分は書き終えることができるだろうか

160名無しさん:2019/01/05(土) 22:10:39 ID:8ujD3SpA0
まだあと10日もあるさ

161名無しさん:2019/01/11(金) 21:58:05 ID:Dxf4lqLg0
投下します!!!

162名無しさん:2019/01/11(金) 21:58:36 ID:Dxf4lqLg0

見上げた空はどこまでも高くて、青くて、澄んでいた。
まるで私たちの門出を祝っているかのように。

ξ ゚⊿゚)ξ「終わった?」

川 ゚ -゚)「ああ、お待たせ」

ツンは喉を反らせてコーンスープを飲み干した。
空になった缶がゴミ箱に放り投げられる。放物線を描いて、ゴミ箱の中で音を立てた。

川 ゚ー゚)「ナイスシュート」

ξ ゚ー゚)ξ「ふふん」

163名無しさん:2019/01/11(金) 21:59:05 ID:Dxf4lqLg0

ξ ゚⊿゚)ξ「それにしても、今日は特にすごいわね。卒業ラッシュってやつ?」

川 ゚ -゚)「そうだな」

ξ;゚⊿゚)ξ「そうだなって、そんな他人事みたいに……」

川 ゚ -゚)「他人事みたいなものさ、興味のない人からの告白なんて」

ξ;゚⊿゚)ξ「まーたそういうこと言う」

本心だよ。そう言うと、ツンは目尻を下げた。
仕方ないなあ、というその表情が、私は好きだった。

164名無しさん:2019/01/11(金) 21:59:28 ID:Dxf4lqLg0

ξ ゚⊿゚)ξ「結局全員振っちゃったわね。もったいなくない?」

川 ゚ -゚)「たとえ百人に告白されたって、大切な人に想われなければ意味がないさ。ツンが羨ましいよ」

ξ ///)ξ「うっ」

ツンの薬指に光る指輪。
見る度に表情が歪みそうになるのを、目を逸らしてしまいそうになるのを堪える。

川 ゚ -゚)「まさか真面目なブーンとツンが学生結婚だなんて」

ξ ///)ξ「ま、まだしてないってば!」

川 ゚ -゚)「でも婚約はしたんだろう?」

ξ ///)ξ「ま、まぁね。お互い仕事が落ち着いたら、ちゃんと結婚もしようって……」

165名無しさん:2019/01/11(金) 22:00:00 ID:Dxf4lqLg0

普段どんなにツンケンしていても、やっぱりツンは女の子だ。
聞いてもいないことまで喋ってくる。赤い頬を緩ませて、嬉しそうに。

川 ゚ -゚)「……よかったじゃないか、おめでとう」

私の気持ちなんて、知りもしないで。

166名無しさん:2019/01/11(金) 22:00:36 ID:Dxf4lqLg0

川 ゚ -゚)「最初は驚いたよ、まさかツンがブーンに告白するなんて」

ξ;゚⊿゚)ξ「そ、そう?」

川 ゚ -゚)「普段のあの様子じゃ、告白できるのは10年後かな? なんて思ってたくらいだ」

目が合えばすぐに逸らして、喋れば減らず口。
ほんの少し素直じゃないだけの可愛い女の子。
ブーンもきっと、そこに惹かれたんだ。

ξ ゚⊿゚)ξ「……クーのおかげよ」

川 ゚ -゚)「……え?」

ξ;*゚⊿゚)ξ「あー、ちょっと恥ずかしいけど……最後だしいいや! 言っちゃお!」

167名無しさん:2019/01/11(金) 22:00:58 ID:Dxf4lqLg0

ξ ゚⊿゚)ξ「私ね、クーに憧れてたの」

川 ゚ -゚)「私に?」

ξ ゚⊿゚)ξ「ほら、クーっていつも堂々としてるでしょ? 振るときもキッパリ振るし、かっこいいなってずっと思ってた」

ξ ゚⊿゚)ξ「もしもクーに好きな人ができたら、きっと告白するんだろうなーって」

ξ*゚⊿゚)ξ「そう考えたら勇気が出たっていうか、私もやってやる! って思えたの」

川  - )

168名無しさん:2019/01/11(金) 22:01:18 ID:Dxf4lqLg0

お笑い種じゃないか。
恋敵の幸せを手助けしてしまうなんて。
私が私自身を不幸にしてしまうなんて。

ツンは三年間私のそばにいたのに、何もわかっていない。
自分の想いを伝える勇気なんて持たない。
隣に自分がいないなら、好きな人の幸せなんて願えない。

私はどこにでもいる弱くて汚い人間だ。
そんなこと、ツンには知る由もないだろうけど。

169名無しさん:2019/01/11(金) 22:01:38 ID:Dxf4lqLg0

ξ ゚⊿゚)ξ「クー? どうかした?」

川 ゚ -゚)「ん? なんでもないよ」

知らないままでいい。
私の想いなんて、誰にも知られないままでいい。

ξ*゚⊿゚)ξ「ねえ、私達さ、卒業してもずっと友達よね?」

川 ゚ー゚)「何を言ってるんだ。当たり前だろう」

170名無しさん:2019/01/11(金) 22:02:02 ID:Dxf4lqLg0

くるくると変わる表情は飽きなかった。
柔らかい声は心地よかった。
控えめな足音で心が弾んだ。

綺麗な思い出は胸にしまって、汚い感情は全部この学び舎に置いていこう。
明日からも私は、友人でいなくてはならないから。


川 ゚ -゚)「幸せになるんだぞ」

ξ*゚ー゚)ξ「うん、ありがとう」


ツン。私の一番の親友。
私はずっと、君のことが好きだったよ。

171名無しさん:2019/01/11(金) 22:03:32 ID:Dxf4lqLg0
おしまい!!!ありがとうございました!
プリセットお題の[卒業]を使いました
タイトルをすっかり忘れてたので、川 ゚ -゚)青春の瑕疵のようです とでも

172名無しさん:2019/01/11(金) 23:48:13 ID:lAOECk.k0
乙!

173名無しさん:2019/01/12(土) 00:00:29 ID:yVywSp/w0
乙〜〜
祭りもあと少しで終わりだね

174名無しさん:2019/01/12(土) 21:12:08 ID:N.5DEhA.0
勢いで書いたので投下します

175名無しさん:2019/01/12(土) 21:12:38 ID:N.5DEhA.0
( ・∀・) それで素直先生?今月の読み切りの短編作品の原稿はどこにあるんです?

川 ゚ -゚) なんだモララー、こんな唐突に現れたかと思えば物を要求するとは

川 ゚ -゚) 強盗か?窃盗団か?それならこちらにも身の振り方ってものがあるぞ?

( ・∀・) 何バカなこと言ってるんですか素直先生!!

( ・∀・) もう締切すぎてるんですよ!昨日も一昨日も電話したのに「明日まで待ってくれ」の一点張り、しかたないので引き伸ばして貰いましたけどもうそれも限界です!

川 ゚ -゚) そうか、それは済まなかったな

( ・∀・) 分かってくれたならそれで良いですけど今度からはもっと早くお願いしますね!

( ・∀・) それで原稿はどちらに?

川 ゚ -゚) ほれ、そこにあるだろ?見えないのか?

( ・∀・) そこって指さしてるとこにはゴミの山しかありませんけど?

川 ゚ -゚) あれぇ?おかしいなぁ?馬鹿には見えない原稿なのかもしれないぞぉ?

176名無しさん:2019/01/12(土) 21:13:02 ID:N.5DEhA.0
(#・∀・) 素直先生!!!!!!

(#・∀・) もう怒りましたよ、どうせそんなことだろうと思ってましたけどまだ出来上がってないんですね?

(#・∀・) 今日の正午がタイムリミットです、私もここで監視させて貰いますからなんとしてでも完成させて下さい!!

川 ゚ -゚) ああ……そんなことを言ってもモララー、今ストーリーの展開で悩んでいる事があってな、それが解決しないと進まないんだ

( ・∀・) 展開に悩み?それなら相談に乗りますよ、作家先生と一緒に作品を作り上げるってのが編集者、どんな作品を作るか手助けするのが私の腕の見せどころってもんですよ

( ・∀・) それで今回はどういう展開で迷ってるんです?

( ・∀・) 前回見せてもらったプロットでは学園異能ものでしたけどこの短いページ数でどうまとめるかって相談を受けて……

川 ゚ -゚) あの……それなんだが……題材が変わった

177名無しさん:2019/01/12(土) 21:13:24 ID:N.5DEhA.0
( ・∀・) えー題材が、、題材が変わった!?
(;・∀・) そ、そんな重大なことなんで伝えてくれないんですか!
 
(;・∀・) そうなったらプロットと大きく変わってきますし一から仕切り直しじゃないですか!

川 ゚ -゚) それでだ、物語の始まりで悩んでいるんだ

( ・∀・) ……

( ・∀・) つまり書き出してすらいないと!?

川 ゚ -゚) そうとも言う、でもキャラクター設定や構成については何とか考えたぞ

( ・∀・) そ、そうですか……じゃあ一緒に考えるのでどんなキャラクターが出てきてどんなお話なのか教えて下さい

川 ゚ -゚) 冴えない女性作家が隣に住むかわいい女の子といちゃいちゃする物語です

( ・∀・) あー最近流行りの微百合系の日常ものですか、先生にしては珍しいですが
読者の受けもいいですしそれで行きましょう

( ・∀・) じゃあ始まりは女性作家が引っ越してくるところからにしましょうか?

川 ゚ -゚) いや、それでは平凡すぎるな

( ・∀・) それもそうですね……じゃあ素直先生はどうしたいんですか?

178名無しさん:2019/01/12(土) 21:13:46 ID:N.5DEhA.0
川 ゚ -゚) まず引越し先の街を下見しようと作家が街を訪ねる、そしてその時偶然遅刻しそうになって電気釜を抱えて走る少女と曲がり角で追突するわけだ

( ・∀・) テンプレをなぞるようで微妙に変えて……ってなんで電気釜を抱えてるんですか!

( ・∀・)食パンを咥えてるのは急いで飛び出した時に食べれるから咥えるんでしょう!

( ・∀・) どこの世界に「遅刻しちゃった〜!でも朝ごはんを抜くと体に悪いって言うしね、電気釜も持ったしこれで登校中に茶碗によそって食べれるね☆」なんていうJKがいるんですか!!

川 ゚ -゚) そうは言ってもここは日本だぞ?コメを食べる文化を継承していくためには安易にパン食に逃げた作品を作っていると食文化の危機に繋がりやしないか?

(;・∀・) 今はそういう問題じゃないでしょ!

川 ゚ -゚) それに今モララーは茶碗によそって食べると言ったが私はそれ以外の食べ方を想定していたんだが?

( ・∀・) なんですって!?それじゃどうやって電気釜からJKがご飯を食べるって言うんです?
川 ゚ -゚) 例えば髪が伸びてそれが握り飯を作って頭の方にある口から……

( ・∀・)それは二口女でしょう!!!なんですか、妖怪アパートにでもするつもりなんですか?

川 ゚ -゚) いや、ごく普通のJKだが?

( ・∀・) ごく普通のJKには手のように動く髪も頭に口も無いです!!!

179名無しさん:2019/01/12(土) 21:14:10 ID:N.5DEhA.0
(;・∀・) もう設定も素直先生にまかせていてはめちゃくちゃになってしまいそうですし私が決めます!

(;・∀・) 主人公は新人賞受賞から二年、数冊の作品を出すも売れ行きは今ひとつの冴えない女性作家、親元から追い出され今年の春から一人暮らしを始めることになる

( ・∀・) 安い家賃と駅や商店街に近い立地に惹かれ選んだそのアパートには一人の女子高生が住んでいた

( ・∀・) 最初は隣人として顔を合わせたら挨拶する程度の仲であったものの偶然
女子高生は彼女が作家であることを知り次第に距離が近づいていって……

( ・∀・) 大体ストーリーは作ったので素直先生、これで如何ですか!?

川 ゚ -゚) 新人賞受賞から二年、数冊の作品を出すも売れ行きは今ひとつの冴えない作家って私をさり気なくディスってるのか?

( ・∀・) 冴えない女性作家を題材にしようって言ったのは素直先生じゃないですか!

( ・∀・) まあ多少身近な例を引用したということは無きにしもあらずですが

川 ゚ -゚) だが実際にはそんな可愛い女の子など隣に住んでいない

川 ゚ -゚) 隣に住んでいるのは深夜になって帰ってきて一人寂しく晩酌してるリーマンと
一日中部屋で何かしているニートだけだ

( ・∀・) そういう悲しくなる現実言わなくていいから!

180名無しさん:2019/01/12(土) 21:14:46 ID:N.5DEhA.0
川 ゚ -゚) 分かった……じゃあモララーの言う通り書いてみるよ

( ・∀・) 良かったです、じゃああと四時間頑張ってくださいね

( ・∀・) T○itterとかよう○べとかニコ○コとかにここで監視させて貰いますから

川 ゚ -゚) モララー、何とか完成に近づいたんだがまた一つ質問していいか?

( ・∀・) 何ですか素直先生?

川 ゚ -゚) オチが爆発オチしか思いつかない

( ・∀・) なんで女性作家と女子高生のゆるゆりライフの終わり方が爆発オチなんですか!

( ・∀・) もう少しなんかあるでしょ!共依存エンドとか実は彼氏いましたー的なNTRエンドとか

川 ゚ -゚) それもそれでまずくないか?

( ・∀・) とにかく爆発オチだけはやめて下さいね、そうしないとこの作品みたいに締まらないオチになるんですから

川 ゚ -゚) この作品って?結局メタネタで締めるのか?

( ・∀・) みなまで言うな

181名無しさん:2019/01/12(土) 21:16:47 ID:N.5DEhA.0
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          ""'''ー-┤. :|--〜''""
              :|   |
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            ノ ,. , 、:, i,-、 ,..、
      _,,  ,. -/:ヽ::::::::ノ::::Λ::::ヽ::::-- 、ト、
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     素直先生の次回作にご期待下さい!!

川 ゚ -゚) おわりとはじまりが決まらないようです ( ・∀・)

ありがとうございました、一応「終わり」「始まり」使わせていただきました
本当に良質な作品が多くて楽しい祭りですね

182名無しさん:2019/01/13(日) 01:32:29 ID:zjgam1WI0
乙!
勢いと爆発の組み合わせ、嫌いじゃない

183名無しさん:2019/01/13(日) 09:49:44 ID:dc2Yxctw0
乙〜投下が多くて良い祭りだ

184名無しさん:2019/01/13(日) 14:53:04 ID:ZemRzEMM0
参加表明者一覧と投下作品一覧が欲しいな

185名無しさん:2019/01/13(日) 19:59:01 ID:YzKk7yfU0
o川*゚ー゚)o 異世界転生するようですが・・・(∵ )
>>55->>73

【大魔王系イタリアン『ロマネスク』のようです】
>>76-92

('A`)ドクオと(∪^ω^)わんおの4の約束のようです
>>99-124

無題
>>133-138

('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです
>>145-154

川 ゚ -゚)青春の瑕疵のようです
>>162-170

川 ゚ -゚) おわりとはじまりが決まらないようです ( ・∀・)
>>175-181

186名無しさん:2019/01/13(日) 20:00:48 ID:YzKk7yfU0
よく見たら>>133-138のタイトル一行目か、すまん
修正版

o川*゚ー゚)o 異世界転生するようですが・・・(∵ )
>>55->>73

【大魔王系イタリアン『ロマネスク』のようです】
>>76-92

('A`)ドクオと(∪^ω^)わんおの4の約束のようです
>>99-124

( ^ω^)我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのかのようです
>>133-138

('、`*川恋と砂糖はとけるもの のようです
>>145-154

川 ゚ -゚)青春の瑕疵のようです
>>162-170

川 ゚ -゚) おわりとはじまりが決まらないようです ( ・∀・)
>>175-181

187名無しさん:2019/01/14(月) 10:37:37 ID:K28kT0L60
スレ立て未完はいくつになるのかね

188 ◆TN4eGwmJqs:2019/01/15(火) 12:22:19 ID:xy91qr4M0

( ^ω^)「みなさんお疲れ様ですお!」

(; ^ω^)「ていうか、メインの投稿期間がだいたい終わったところだけど、みんなクオリティタカスクリニックwwwwww」

( ^ω^) ……。

( ^ω^)「久しぶりに里帰りしたら小さなお祭をやってて、それでたまたま上がった花火をみて『あーきれいだなあ』って」

( ^ω^)「花火そのものに加えて、郷愁とか個人的な思い出が入り混じって生じる美しさというか」

( ^ω^)「そういうのあるよね」


( ^ω^)「それはさておき……投稿期間や後夜祭についてのルールなどの再確認をいたしたいと思いますお」


( ^ω^)「具体的な内容を産業で言っておくのならば」


( ゚ω゚)「今日まで年末年始と戦ってきたみんなを、希望を信じたブーン系民をを、私は泣かせたくない!
     最後まで笑顔でいて欲しい。それを邪魔するルールなんて、
      壊して見せる(解釈変更)。変えて見せる(拡大・縮小解釈)!」

( ^ω^)「……というところですおね。以下のレスで詳しくご説明いたしますお」

189 ◆TN4eGwmJqs:2019/01/15(火) 12:37:34 ID:xy91qr4M0
【遅刻投稿、続き物・シリーズ物の扱いについて】

本スレッドの>>5にあるように、後夜祭期間中(1/16〜1/31)まで投稿が可能です。
ここでは「遅刻」投稿としていますが、ペナルティなどはありません。
また、作品にあえて「遅刻投稿組」などのタグ、標識を付ける必要はありません。

また、本祭参加を目的として連載を開始した続き物・シリーズ物に関しては、
【投稿期間中に第一話を投下した】のであれば完結が1/31を過ぎても祭り参加作品をみなすこととします。

後段に関しては想定より多くの続き物・シリーズ物の投稿があったこともありますが、
基本的に主催者側に開催期間に関する配慮が足りておりませんでした。大変申し訳ありません。

190名無しさん:2019/01/15(火) 12:38:20 ID:pFJoGmm.0
わあい!やったぜ!

191名無しさん:2019/01/15(火) 22:52:41 ID:g8eSHaHA0
すみません、駆け込みで投下させてもらいます

192名無しさん:2019/01/15(火) 22:53:34 ID:g8eSHaHA0
私は、明日から有休消化に入る。
数年働いた会社に、ピリオドを打つのだ。
私たちは長いようであっという間の数年、一緒に働いた。

('A`)

('、`*川

最後の出勤日、私達は特に会話をすることはなかった。
別れの言葉などもなかった。

('A`)「お疲れ様でした」

('、`*川「…お疲れ様でした」

彼から受け取った花束は、寒さに負けず
凛としたものだった。






ブラックバイバイのようです

193名無しさん:2019/01/15(火) 22:54:30 ID:g8eSHaHA0


('A`)「鬱田です。よろしくお願いします」

('、`*川「伊藤と申します。どうぞよろしくお願い致します」


彼は少ない同期の中で、唯一同じ部署に配属された同僚だった。


('A`)「あ、盛田さん!僕その仕事任されますよ〜それにしても聞いてくださいよ〜」

('、`*川(…あ、また盛田さんのとこ行って喋り倒してる)

('A`)「盛田さん知ってます?スーパーってね、コンビニより食べ物安く売ってるんですよ!」

('、`*;川(盛田さん主婦何十年のベテランだよ…知らないはずがないでしょ…)

194名無しさん:2019/01/15(火) 22:55:04 ID:g8eSHaHA0


思えば彼は入社当初から他部署の人にまで「変わった奴」と噂される人間だった。


('A`)「この書類、こうやってくれません?」

('、`*川「あ、様式が変わったんですか」

('A`)「いや、こうしてもらった方が良い!って俺が思うんで」

('、`*川「…」

頑固で、自分ルールを勝手に作り押し付け、他人の顔色を気にすることなく延々と自分の話をするような、面倒な人間。
それでも最初のうちは『仲間』という意識があった。

195名無しさん:2019/01/15(火) 22:55:32 ID:g8eSHaHA0


川 ゚ 々゚)「ねぇ、今さぁ『でかい』って言ったぁ?」

私達の部署には、全社員が知るほどのパワハラ上司がいた。

('、`*;川「え、あ、はい…すみません…」

('、`*川(送られてきた荷物を見て思わず出てしまった独り言、聞こえてたんだ…)

川 ゚ 々゚)「女の子だよね?女の子が『でかい』なんて下品だと思わなぁい?」

川 ゚ 々゚)「女の子ならぁ、『すごく大きい』とか言わないとぉ社会人として失格じゃない?」

('、`*川(すごく…大きいです…)

('、`*川「はい、すみませんでした」

川 ゚ 々゚)「しっかりしてよぉ、クビになっちゃうよぉ?」

196名無しさん:2019/01/15(火) 22:56:00 ID:g8eSHaHA0


入社3日目で上司は被っていた猫を捨てた。
電話を取ると聞き耳を立てて、受話器を置いた瞬間に全てを否定される。
出方、声、話し方、話は逸れに逸れ人格否定にまで至る。
1つの電話を出ると、その後30分は『説教』という名の理不尽な拷問を受けることとなる。
仕事でわからない事があり、人に尋ねようとするとお叱りを受けた。
休憩時間に雑談をしようものなら、嫌味を数十分言われた。

('、`*川(会社ってこんなにきついものなの?)

('、`*川(でも他部署の人たちは皆笑いながら仕事したりして楽しそうにしてるし…)

('、`*川(うちの部署が異常なのかな…)

197名無しさん:2019/01/15(火) 22:56:39 ID:g8eSHaHA0


そんな環境で、私たちは3ヶ月もしないうちに会社で必要以上に声を発することが出来なくなっていた。
笑う事も少なくなり、友人や家族からも心配された。

('、`*川(あ、今日狂澤さん休みだ…良かった…)

('、`*川「あの、盛田さん、業務のここ教えてもらいたいんですけど…」

上司が休みの日だけ動悸がせずに仕事が出来ていた。
上司が席を外した瞬間にメモを渡しあって、仕事の不明点を聞き合うことをしていた。
同僚も同僚で、上司に叱られている事が多かった。同僚は余計な一言をよく言ってしまっていたので、一度叱られたら終わるまでが長かった。

会社内で同僚と会話するのは、朝の「おはよう」と帰る際の「お疲れ様」だけだった。

198名無しさん:2019/01/15(火) 22:57:12 ID:g8eSHaHA0

ある日、いつも通り、いつも以上に理不尽な理由で手酷く叱られた。

川# ゚ 々゚)「本当ダメ過ぎ。何一つダメ。ちゃんとやっておいてよね」

('、`*川「…はい…申し訳ありませんでした」

('、`*川(…泣いちゃダメだ…ここで泣いたらもっと怒られる…)

('、`*川トントン「…!」

('A`)「…」

('、`*川「…」

('A`)コクリ

('、`*川「……」

あまりに悲惨に見えたのか、上司のいない隙に同僚が慰めてきた。
その日から同僚と話すことが増えていった。

「さっきのお叱りは理不尽すぎるから、気にしなくていい」
「今日は機嫌が悪い日だからなるべく関わらない方がいい」
「嫌だけど今日頑張れば明日は上司が休みだから頑張ろう」
私たちはお互いが折れてしまわないよう、声を掛け合った。
愚痴も言いあった。耐えるしかないのだと、言い聞かせあった。
この時は『戦友』だった。

199名無しさん:2019/01/15(火) 22:57:40 ID:g8eSHaHA0


上司に耐える日が数年続いたある時だった。

川 ゚ 々゚)「…」

('、`*;川「……」

突然上司に呼び出された。
また何かしてしまったのかと怯えていたら、上司が長期休暇に入る旨を説明された。

('、`*川(解放…された…)

そう、思った。

数年で戻るとは聞いていたが、その数年、上司がいない期間があるという事が希望に思えたのだ。
私と同僚は喜んだ。

('A`*)「良かった良かった」

('、`*川「本当、助かったね」

「あと1年、耐えよう」

200名無しさん:2019/01/15(火) 22:58:06 ID:g8eSHaHA0


しかしこの1年が酷かった。

仕事の引き継ぎがほとんど私に行われた。

川 ゚ 々゚)「ねぇ、やる気あるの?」

('、`*川「申し訳ありません…」

上司は引き継ぎなんてことはしなかった。
初めて触る仕事を私に投げつけ、「やってみろ」と言う。
「できない、わからない」と言おうものなら
「貴方に払う給与が勿体無い、派遣を雇った方が優秀だし安く済む」
「金をもらって悪いと思わないのか」と詰られた。

('、`*川(私の頭が悪いのがいけないんだ)

ネットで調べられる内容であれば自分で調べる事ができるが、渡された仕事は全て会社独自のシステムで、担当、つまりは上司に聞くという手しかなかった。
私は仕事の1つ1つを渡されるたび、深く頭を下げ「やり方がわからないので教えて下さい」と頼んだ。

201名無しさん:2019/01/15(火) 22:58:41 ID:g8eSHaHA0


川 ゚ 々゚)「…はぁぁー…」

川 ゚ 々゚)「仕方ないから教えてあげるけど、あり得ないからね?アナタ、担当者になったのに何一つわからないなんて本当にダメだって自覚してる?」

('、`*川「申し訳ありません」

川 ゚ 々゚)「本当…。もう、ちゃんと聞いてよ?」

上司は溜息をつきながら私がいかに駄目かを語り、ようやく早口で説明を始める。一度しか言わないので、聞き漏らさないよう必死だった。

('、`*川

半年で8キロ体重が落ちた。ずっと体調が悪い日が続き、人と会話をしなくなった。

202名無しさん:2019/01/15(火) 22:59:12 ID:g8eSHaHA0


体調を崩すと
川 ゚ 々゚)「体調が悪いなんて、担当者としての自覚はないの?無責任。教えてもらっている立場で」
と責められるので休めなかった。

8割ほどは私に来ていた上司の理不尽な叱りは、私が休みの日や上司の機嫌が悪い日は同僚にも向けられていた。
いつも下を向いて上司を見ないようにしていたから、同僚の顔も見ない日が続いていた。
だから気がつかなかった。彼も痩せて、酷く顔色が悪くなっていることを。

203名無しさん:2019/01/15(火) 22:59:41 ID:g8eSHaHA0


('、`*川(あ)

('、`*川(しにそう)

('、`*川(しにたくないのに、しにたいとばかり思う)

そんなつもりは全くないのに、私は毎日会社で死ぬことについて考えていた。
毎日1時間おきにされる人格否定の最中に飛び出して屋上から落ちたら、
トイレで手首を切ったら、目の前の人間に責任をなすりつけられるだろうかと。
きっと精神がギリギリのところだったのだと思う。

川# ゚ 々゚)

そんな時、上司の機嫌が最高に悪い日がきた。
私は、私が悪くないことで詰られ、罵られた。丸一日。定時を過ぎて5時間、6時間経っても終わらなかった。
今でも覚えている。泣きながら、会社を出て電車に乗って家に帰った。
次の日、ずっとデスクにしまってあった退職届を突き出した。

('、`*川「すみません…もう限界です…」

川 ゚ 々゚)「…」

204名無しさん:2019/01/15(火) 23:00:12 ID:L0OZCGUE0
支援

205名無しさん:2019/01/15(火) 23:00:29 ID:g8eSHaHA0


私は逃げ出すことにした。
こんな所にいたら、遠くないいつかにしんでしまう。
酷く醜い表情で上司が何か言っていた。
「貴方の学歴じゃ、どこにも雇ってもらえない」とか「この会社できついようなら、どこに行っても続かない」だとかそんなことを言っていた。

もう、どうでもよくなっていた。

('、`*川(確かに他の会社に行っても、嫌な人はいると思う)

('、`*川(それでも、この人と働き続けるよりは何倍もマシ)

206名無しさん:2019/01/15(火) 23:00:52 ID:g8eSHaHA0


届を出したその日に、同僚にそのことを告げた。
彼はホッとしたような、裏切られたような、一人になってしまう不安を抱えたような、色々な感情が混ざった顔をして

('A`)「…そっか」

とだけ言った。

('、`*川「ごめん」

('A`)「いや、…間違ってないと思うよ」

('A`)「伊藤さんがひたすらいびられている所を見続けるのは、結構、しんどかったから」

('A`)「だから、良かったよ」

('、`*川「……うん」

207名無しさん:2019/01/15(火) 23:02:03 ID:g8eSHaHA0


それからは気持ちが全く違った。
本当の解放だ。
何を言われても、何をされても、もう数ヶ月後には上司は他人なのだ。
私の今後の人生に、関係のない人間となるんだ。
そう思ったら、ご飯を美味しく食べることができた。
退職の挨拶を他部署にしに行って、色んな人と笑いながら話すことが出来た。
会社でヒソヒソ声でなく普通の大きさで業務に関すること以外の話を、初めてした。
私は自由だ。
私は自由だ。
私は、自由だ!


…会社って、こんなに明るかったの?

('、`*川「…今までの数年、何だったんだろうな…」

208名無しさん:2019/01/15(火) 23:02:44 ID:g8eSHaHA0


引き継ぎを数週間でやった。
その間、上司からは無視をされていたが、本当にどうでも良かった。
ただ同僚が私の分まで理不尽な態度を取られていないかが心配だった。

上司のいない所で聞いた。

('A`)「…俺は大丈夫だよ」

その言葉を、信じることにした。

('、`*川「…あのさ」

('A`)「ん?」

('、`*川「鬱田くんは辞めないの」

('A`)「俺は……空気読めないし、ダメなとこしかないから」

('A`)「ここ辞めたら、もう働けない気がする」

('、`*川「……そう」

そのあと、同僚と会話することはなかった。

209名無しさん:2019/01/15(火) 23:03:20 ID:g8eSHaHA0



('A`)「お疲れ様でした」

('、`*川「…お疲れ様でした」

花束を受け取った時、同僚の手がかすかに震えていた。
多分、私の手も震えていた。

('A`)「…頑張って」

彼が小声で、本当に本当に小さな声で言った。

('A`)「次のところでは、きっと生きれる」

('A`)「応援してる」

('、`*川「……」

('、`*川「…ありがとう」

210名無しさん:2019/01/15(火) 23:04:22 ID:g8eSHaHA0


地獄の日々から抜け出す。
ずっと、死んでいるような気持ちだった。
生きた心地のしない数年だった。
花束を持って、最後のタイムカードを押して、帰り支度をするのは定年までないと思っていた。


退職は、死に似ている気がする。

('、`*川「…転職、頑張らないとなぁ」

私は一度この会社で死んで、新たに生まれ変わるんだ。




ブラックバイバイのようです


211名無しさん:2019/01/15(火) 23:05:11 ID:g8eSHaHA0
投下以上になります
駆け込みなのに支援してくださってありがとうございました

212名無しさん:2019/01/15(火) 23:48:02 ID:gm.6PCg20
乙!

213名無しさん:2019/01/15(火) 23:57:49 ID:0C/pKi060
乙!リアルにブラックにいる身としては本当に辛いわ…………。

214名無しさん:2019/01/16(水) 00:17:33 ID:zwGIJNSs0

リアリティがあってなかなか…

215名無しさん:2019/01/16(水) 14:01:03 ID:X3afYNI60
おつおつ

216名無しさん:2019/01/16(水) 22:11:49 ID:AGPLqa0c0
とても辛い…でも好き乙

217名無しさん:2019/01/16(水) 23:30:34 ID:odLAb9AQ0
はい俺ーしたいんだけどこのスレでいいのかな?

218名無しさん:2019/01/16(水) 23:36:08 ID:Fs9dDjdk0
ここで投下したならばいいと思われ
外なら報告スレオススメ

219名無しさん:2019/01/16(水) 23:52:17 ID:OUBZM4OE0
投下スレで統一した方が分かりやすいかも

220名無しさん:2019/01/17(木) 00:10:22 ID:kVDBw4720
ありがと。報告スレでするわ

221名無しさん:2019/01/24(木) 04:03:29 ID:yzNwnCnU0
投下します!

222名無しさん:2019/01/24(木) 04:04:14 ID:yzNwnCnU0
('、`*川死にたがりふたりのようです从 ゚∀从

223名無しさん:2019/01/24(木) 04:05:19 ID:yzNwnCnU0
从 ゚∀从「なんも楽しくないなー」

('、`*川「楽しめないねえ、あ゛ー・・・・・・」

224名無しさん:2019/01/24(木) 04:06:05 ID:yzNwnCnU0
熱い八月、夏休み。

ゆくあての無い私たちは、今日も今日とて広い校舎の四階の隅っこの、
日陰になってる自習室で勉強をする振りをしていた。
冷房は入ってるけど、窓は半開き、きもち、木の匂いを入れるつもり夏のつもり。
散乱した机の上は情報に溢れ、文字を意味にするのも億劫だ。
隣の奴も同じように宿題を広げてはいるものの、きっと同じ雰囲気づくり。
からっぽの教室で、私たち二人、けだるさを共有しようとしているようだ。

225名無しさん:2019/01/24(木) 04:06:44 ID:yzNwnCnU0
从 ゚∀从「なあペニー、しんどい」

('、`*川「そうだねえ」

从 ゚∀从「死にてえなー」

('ー`*川「そうだねえ」

从 ゚∀从「今日もどっか行くー?」

('、`*川「うーん、昨日結構使って、今あんま金ないんだよねえ」

从 ゚∀从「そっかー」

そう言って机に足を乗せるカッコイイ人こそ、私の高校での唯一の友達だ。

226名無しさん:2019/01/24(木) 04:07:53 ID:yzNwnCnU0
从 ゚∀从「あー、やってらんねえよなあ」

吐き出すように、ため息とともに。

('、`*川「そうだねえ」

从 ゚∀从「やっぱどっか行かねえ?」

('ー`*川「海とか行きたいねえ」

从 ゚∀从「マジで?」

('、`*川「あー、そうね、人には会いたくないね、」

从 ゚∀从「だよなあ、海はいいけど」

('、`*川「人気者は辛いよねえ」

从 ゚∀从「だよなあ、ぶっ殺してえ」

('ー`*川「そうだねえ」

窓から風が入ってくる。
私は慌ててプリントを押さえ、めくれていくワークを眺める。

227名無しさん:2019/01/24(木) 04:08:46 ID:yzNwnCnU0
('、`*川「今日は割と涼しいね」

从 ゚∀从「確かに、朝起きた時あれ?って思った」

('ー`*川「まあせっかくだし、散歩くらいなら行ってもいいよ」

从 ゚∀从「あーいいよいいよ、昨日出かけたばっかだし」

('、`*川「本当君は気まぐれだねえ」

从 ゚∀从「あんたも似たようなもんだろ」

('ー`*川「そうだねえ」

どこからか吹奏楽部の音が聞こえてくる。やってるなあ。

228名無しさん:2019/01/24(木) 04:09:32 ID:yzNwnCnU0
从 ゚∀从「いいなあ、することがあるやつは」

('、`*川「私らも勉強すればいいんだけどね」

从 ゚∀从「そうだけどさあ」

('ー`*川「勉強なんてだるくてできないよねえ」

从 ゚∀从「そうなんだよー」

ガラッ。
ドアが開き、私たちはそちらを見る。
ハインはさっと足を下し、足を組む。

229名無しさん:2019/01/24(木) 04:10:19 ID:yzNwnCnU0
(,,゚Д゚)「おお、頑張ってんなあw」

('、`*川「・・・・・・こんにちは」

从 ゚∀从「・・・・・・」

にこやかに入ってきたのは、多分クラスメイトの男子。軽音部だっけ。

(,,゚Д゚)「宿題やってるの?」

('、`*川「うん」

(,,゚Д゚)「うわあ、すごい量だなw」

奴は近づいてきて、私の机の、前の部分に手をかける。

230名無しさん:2019/01/24(木) 04:11:10 ID:yzNwnCnU0
(,,゚Д゚)「いや、伊藤さんの声が聞こえると思ってね、偉いなあ」

('、`*川「そうかなあ」

(,,゚Д゚)「こんな部屋あったんだね、おれ知らなかったよ」

('、`*川「うん、割と知られてないかもね」

(,,゚Д゚)「全然知らなかったw 練習の合間にちょくちょく来よっかなあ」

勘弁してくれ死ね。
と思ったら。

231名無しさん:2019/01/24(木) 04:12:32 ID:yzNwnCnU0
从 ゚∀从「いや、私たち一応勉強してるから」

ハインが口を開く。

(,,゚Д゚)「ああ、そう……」

(,,゚Д゚)「ひょっとしておれ、迷惑かけたかなw」

だけど彼はハインの言葉を半ば無視して、私に話しかけてきた。 

('、`;川「いや、まあ、」

(,,゚Д゚)「あ、そうでもなかったw」

('、`;川「うーん、」

私に、頼むからやめてくれ。
そう思った矢先。

232名無しさん:2019/01/24(木) 04:13:50 ID:yzNwnCnU0
从 ゚∀从「こいつは人の事悪く言えないんだよ、お前うるせえし臭えからさっさと出てけ」

(,,゚Д゚)「!」

从 ゚∀从「・・・・・・悪い、臭いは嘘だけど、本当、邪魔しないでくれ」

そして申し訳ない、と呟くハイン。

(#゚Д゚)「・・・・・・わかったよ、悪かったな」

敵は部屋を出て行った。

教室の空気がまた元の、落ち着いたものに戻る。
風は吹き抜け、ほっとしたそれを二人で味わうような沈黙。
少ししたら彼女はまた足を机に乗せ、深くため息をついて。

233名無しさん:2019/01/24(木) 04:14:42 ID:yzNwnCnU0
从 ゚∀从「はー、疲れた、なんだアイツ」

('、`*川「まあ、若いんだし、しょうがないのかねえ」

从 ゚∀从「腹立つわー、また来なきゃいいけど」

('、`*川「ここいい場所だしねえ、まあ大丈夫じゃない、あんだけ言えば」

从 ゚∀从「ああいうバカは口に出さなきゃわかんねえからタチ悪いよ」

('、`*川「そうなのかなあ」

从 ゚∀从「アタシだって、好きで言ってるわけじゃないんだぜ」

('、`*川「そうだよねえ」

はあ、と二人、またため息。

234名無しさん:2019/01/24(木) 04:15:23 ID:yzNwnCnU0
('、`*川「でも、なんか悪いことしたなあ」

从 ゚∀从「まあなー、おかしいのはアタシらなんだろうしな」

('、`;川「あ、悪いことした気分って、直接言った君が一番感じてるよね、ごめんね」

从 ゚∀从「まあ、言うべき時は言わなきゃとは思うけど」

从 ゚∀从「なーんか、やりきれないなあ」

('、`*川「確かに、シチュエーションだったら素敵だったかもね」

从 ゚∀从「えーっと?」

235名無しさん:2019/01/24(木) 04:15:58 ID:yzNwnCnU0
('、`*川「いや、なんかだべってるときにさ、爽やかイケメン(笑)が颯爽と現れて」

从 ゚∀从「ふむ」

('ー`*川「健全な人間なら喜んでるんですかね」

从 ゚∀从「どうだろね。せめてもうちょい色男じゃないと無理な気もするけど」

('、`*川「でも、あ、個人名は出しづらいけど、
・・・・・・TさんとかKさんならあの人でも喜んでそうじゃない?」

从 ゚∀从「津出とか素直?」

('、`;川「あー、誰とは言わないけど」

从 ゚∀从「確かに、あいつらなら大喜びかもな」

('〜`*川「うーん・・・・・・」

また、微妙な空気。
ハインが口を開く。

236名無しさん:2019/01/24(木) 04:16:32 ID:yzNwnCnU0
从 ゚∀从「なんも楽しくないなー」

('、`*川「楽しめないねえ、あ゛ー・・・・・・」


それを君と共有できるのが、唯一の救いではあるけれど。

237名無しさん:2019/01/24(木) 04:19:08 ID:yzNwnCnU0
――――――――――――――――――――――――

('、`*川「静かだね」

从 ゚∀从「そうだなー」

ふと、気が付けば、夜の10時を過ぎていた。
いったい何をしていたんだっけ。ただただ2人、居ただけみたいな。
とっくに完全下校時刻を過ぎている、見つかったら怒られるな。

238名無しさん:2019/01/24(木) 04:19:53 ID:yzNwnCnU0
('ー`*川「ずっとこのままならいいのにね」

从 ゚∀从「そうだなー」

夜の教室はなんだか特別で、いないものがいるような雰囲気だ。
それは決して悪いものではなさそうで、積み上げた歴史があるから、感じるようで。

('、`*川「ねえ、悪い事言うけどいい?」

从 ゚∀从「おー、なんだ」

('、`*川「今から散歩に出かけない?」

从 ゚∀从「そりゃ悪いなあ、珍しく」

('ー`*川「うふふ、まあもうすでに悪いんだけどさ」

从 ゚∀从「いいんじゃねえか、どっか行こうぜ」

なんだか、妙に嬉しそうなハイン。

239名無しさん:2019/01/24(木) 04:20:42 ID:yzNwnCnU0
('、`*川「どうしたの、そんな顔して」

从 ゚∀从「いや、どんな顔だったかな」

('ー`*川「死にたいね」

从 ゚∀从「死にたいな」

教室を出る。
ガラガラピシャ、ドアを閉める音が反響する、1秒後には懐かしい響きに変わる。
そんな時代もあったのか、とか。


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