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( ^ω^)達はアインクラッドをいきるようです。
1
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/24(火) 21:34:03 ID:Y.9qViVM0
どーも作者です。
こちらでは初めまして。
創作版から引っ越して、新しく作らせてもらいました。
最終回までもう少しの間、お付き合いいただければ幸いです。
この話は
川原礫著
『ソードアート・オンライン』シリーズのアインクラッド編を基に書かせていただいています。
基本的に電撃文庫版の設定を順守しているつもりですが、
設定の拡大解釈やプログレッシブ・コミカライズでの設定、
まだ書かれていない設定に関しては想像で書いているので、
その旨ご容赦の上、お楽しみいただけますようお願い申し上げます。
お世話になっているまとめ様
ブーン芸VIP様
http://boonsoldier.web.fc2.com/
簡単な今までの話の流れ
・ゲームで死ぬとリアルでも死ぬVRの世界に囚われた。
・みんな精一杯生きてます。
・こっちの主人公はブーンなんです。
第二十四話
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1464354084/854
61
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:02:37 ID:nmMoCbVE0
37
(゚、゚トソン「残り通常5発!」
( ゚∋゚)『了解!もう一匹が再ポップするまでの間、
残り3発でキープしてくれ!
デミタス!ミルナと交代!
デミタスはHP回復優先!
襲撃者はクーが片付けているはずだが周囲の警戒は継続!
エクスト!おれとスイッチして重攻撃の準備!』
目の前の兵隊蟻のHPバーを確認したトソンが誰に向けてか分からない報告をすると、
クックルは仲間にしか聞こえない声で追加の指示を出し、
更に仲間達にも指示を出した。
(゚、゚トソン
(´・_ゝ・`)
( ゚д゚ )
三人は頷きもせず視線も交わさず身体を動かし、
<_プー゚)フ「うをおおおおおおりゃあああああああ!」
エクストは最後のHPバーを黄色に変えた巨大蜘蛛相手に両手剣を振り回していた。
( ゚∋゚)『エクスト!』
クックルがエクストの背後で彼の名を呼ぶ。
<_プー゚)フ
ちらりと後を気にしてから更に両手剣を振り回すエクスト。
そして硬直時間をほぼゼロにするまで鍛え上げた剣技を放つ。
.
62
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:04:18 ID:nmMoCbVE0
( ゚∋゚)『スイッチ!』
巨大蜘蛛がエクストの剣技で後退した瞬間に飛び出すクックル。
エクストはそのまま後ろに下がる。
( ゚∋゚)『おれの攻撃で赤に変える!』
流れるような棍さばきで巨大蜘蛛を攻撃するクックル。
巨大蜘蛛の攻撃はほぼすべてが棍によって向きを変えられ、
流されている。
攻撃を見極めることが出来ているのはもちろんだが、
レベルに余裕があるからこそできる戦い方だった。
( ゚∋゚)『そのタイミングでエクスト!ミルナ!重攻撃!とどめを刺そう!』
<_プー゚)フ!
( ゚д゚ )!?
(´・_ゝ・`)!?
(゚、゚トソン!?
クックルの言葉に思わず体を強張らせる三人。
エクストのみ不敵な笑みを浮かべて両手剣を頭上に掲げている。
( ゚д゚ )「お、おいエクスト」
<_プー゚)フ「ん?」
( ゚д゚ )「おれたち三人の最上級剣技で倒せ」
<_プー゚)フ「計算だと無理じゃね?
多分削り切れないだろ」
駆け寄り、小声で話しかけてきたデミタスの言葉に被せる様に小声で喋るエクスト。
63
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:05:44 ID:nmMoCbVE0
( ゚д゚ )「ならなんで笑ってられるんだ」
<_プー゚)フ「このギルドの戦闘で、
指揮者の言葉を信じないでどうすんだ?」
不思議そうに問いかけるエクスト。
( ゚д゚ )!
<_プー゚)フ「それに今は覚悟を決めたクックルが指揮者だ。
どんな結末が出るか楽しみだよな」
( ゚д゚ )「……ああ、そうだな」
ニヤリと笑ったエクストの横顔を見ながら、
ミルナが口元を忌々し気にゆがめた。
( ゚д゚ )「(こいつに教えられるとはな)」
苦笑と呼ぶにふさわしい表情で離れようと心配そうにこちらを見る二人に気付く。
再ポップした兵隊蟻と戦いながらこちらを気にするデミタスと、
周囲を警戒しつつ心配げなトソン。
ミルナは笑顔で二人に頷いた。
薙刀を下段に構え、周囲を警戒するクー。
その周囲を木々に隠れる様に襲撃者が走り回っている。
川 ゚ -゚)「(ふむ……)」
走り回る襲撃者の位置を、
視界に頼ることなく感覚で掴んでいるクーもただ者ではないのだが、
本人に自覚は無く襲撃者も甘く見ていた。
.
64
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:06:50 ID:nmMoCbVE0
川 ゚ -゚)「(予想よりかは手強いが、まあそれだけだな。
想定の範囲内だ)」
(襲撃者2)「(おれの位置が分からなくて棒立ちか。
これならあいつが来る前におれ一人で……。
い、いや、ダメだ。あの女はそこまで強くないが弱いわけじゃない。
念には念を入れて確実に勝たないと)」
時折木の陰に立ち止まりつつも走り回る襲撃者。
川 ゚ -゚)「(さて、そろそろ決着を付けにくるかな。
狙うとしたら背後、右に武器を持っているから左後方からくるか……。
ま、やることは変わらないか。
麻痺毒の効き目はまだ大丈夫だが、
早めに片付けて合流したいところだ)」
(襲撃者2)「(……よし)」
襲撃者が視界の片隅に仲間を確認し、片手剣を持つ手に力を込める。
(襲撃者2)「(あいつは、あいつらは、俺達を殺そうとはしない。
ならばこれで……いける!)」
(襲撃者2)「死ねー!」
クーの右斜め前から飛びかかる男。
川 ゚ -゚)「ふむ」
冗談から振り下ろされる片手剣を薙刀で薙ぐクー。
(襲撃者2)!
クーの薙刀は剣を払うと円を描いて男を攻撃し、
そのHPを三分の一程削る。
(襲撃者2)「(ここまで削られるのか!?)
.
65
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:07:56 ID:nmMoCbVE0
そしてクーは攻撃されて地面に落ちた男を見る事も無く、
薙刀を回しながら振り返り、
後ろから攻撃してきた男の片手剣を下から上に払った。
(襲撃者3)「!!」
しっかりと握っていたはずの剣が、
自分の武器が宙に舞うのを思わず視線で追う男。
その隙を見逃すほどクーは愚かでもなく、
男はその体に薙刀の攻撃を3回受けて崩れ落ちる。
(襲撃者3)「!」
視界の隅に浮かぶ自分の名前とHPバー。
赤に変わったそれと、麻痺を意味するアイコンを見ると同時に、
男は意識を手放した。
(襲撃者2)「!ちくしょう!」
既に振り返って自分を見ているクーに対して立ち上がって剣を振り上げた男。
そして自分に対して薙刀が振るわれた瞬間勝利を確信した。
(襲撃者2)「……え?」
だがその勝利の確信は次の瞬間に打ち砕かれる。
クーの薙刀は男の身体ではなく剣をはじき上げ、
そして左側の樹に刃先を突き立てた。
(襲撃者4)「ぐぇっ!」
刃先には今まで見えていなかった男がいた。
腹に刃を突き立てられた男は悲鳴を上げてクーを睨む。
だがすぐさま薙刀を引き抜いたクーは舞うように回転し、
薙刀の刃先で二人の男を二回ずつ切り裂いた。
.
66
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:09:32 ID:nmMoCbVE0
襷で括っていた袖と、
動きを邪魔しない程度に広がっている袴が、
ふわりと揺れつつ元の状態に収まる時には、
二人の男はすでに地面に横たわっていた。
(襲撃者2)「な……ぜ……」
川 ゚ -゚)「おや。まだ意識があるのか。
抵抗を一番あげているところを見ると、
君がこの隊のリーダーということで良いか?」
(襲撃者2)「な……ぜ……」
川 ゚ -゚)「……ふむ。
まず、おそらく薙刀ではこの森の中での戦闘は不利と思っていたと思うがどうだ?
薙刀は長柄物ではあるが、
武術としては日本家屋の中でも戦える武術だ。
周囲に樹があろうが、
この程度では動きを阻害されることは無い。
あと襲ってくる者の数だが、
もともと何人いても倒すつもりでいるから何人いようと関係ない。
それに私は薙刀の届く範囲にいる者を見逃すような教育は受けていないのでな。
そこに人がいるならば、私に敵意があるのならば、私には分かるんだよ」
袂に手を入れるクー。
出したその左手は、
緑色に濡れた針をつまんでいた。
川 ゚ -゚)「悪いが、眠ってもらう。
……と、もう寝ているか。
最後のあがきだったか」
針を袂に戻す。
川 ゚ -゚)「ま、木に隠れていた男を見つけられたのはこれのおかげなんだがな。
そこまで教えてやる必要はないだろう」
そのまま左手で髪に隠れたピアスにふれる。
.
67
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:21:58 ID:nmMoCbVE0
川 ゚ -゚)「まったく、もう少し小さくしてくれないと困ると言ったのにこんなに大きくするとは、
モララーの腕もまだまだだな」
決して大きくない紫色の小さな花を指先で撫でる。
川 ゚ -゚)「とはいえこれのおかげで対して高くない私の『看破』スキルが最高値になっているわけだから、
プラスマイナスで少し文句を言う程度で済ましてやろう」
そして倒れている男たちを見回す。
川 ゚ -゚)「ツンと違って私一人では一人を運ぶのも無理だな。
皆を呼んでこよう」
そう呟くと、
クックル達の戦っているであろうスペースに向かって歩き始めた。
クックルの放った一撃が巨大蜘蛛のHPバーを赤に変えた。
( ゚∋゚)『スイッチ!!!』
後退りし動きを止めた巨大蜘蛛に向かって両手剣を振り下ろすエクスト。
<_プー゚#)フ「とりゃああああああああああ!!!!」
深紅に光らせた真っ赤な両手剣は攻撃と同時に赤い光をまき散らす。
( ゚∋゚)『ミルナ!』
(#゚д゚ )「ふんっ!」
.
68
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:23:06 ID:nmMoCbVE0
緑色に光る斧の五連撃。
上、下、右、左、と流れる様に斧が蜘蛛を裂き、
最後に大きく中心を切り裂いた。
<_プー゚)フ「クックル!」
( ゚д゚ )「クックル!」
同時に聞こえた二人の声に背中を押されて棍を突き出すクックル。
実際の太さを3倍ほど太くした光を纏った棍は、
巨大蜘蛛の胴体を大きく抉った。
(´・_ゝ・`)!
(゚、゚トソン!
<_プー゚)フ!
( ゚д゚ )!
四人の視線の先で巨大蜘蛛のHPバーの光が消えていくが、
最後の一つが残る。
<_プー゚;)フ「ちっ」
(;゚д゚ )「くっ」
(;´・_ゝ・`)「おいおい」
(゚、゚;トソン「クックルさん!」
硬直している身体を無理矢理動かそうとするエクストとミルナ。
駆け出すデミタス。
蟻を葬ったトソンが思わず声をかける。
( ゚∋゚)
巨大蜘蛛の前で無防備に立ち尽くすクックル。
.
69
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:24:53 ID:nmMoCbVE0
巨大蜘蛛がその体に攻撃をしようと両手を振り上げる。
( ゚∋゚)『大丈夫』
クックルがニヤリと笑った瞬間、
巨大蜘蛛の体の中心を、
頭から胴体の先までを、
青い光が走った。
<_プー゚)フ「へ?」
( ゚д゚ )「は?」
(´・_ゝ・`)「……ああ」
(゚、゚トソン「……そういう事ですか」
六人の目の前でポリゴンと化す巨大蜘蛛。
五人の視線は降り注ぐポリゴンを払っている六人目に注がれる。
( ゚∋゚)『ナイスタイミング』
<_プー゚)フ「弟者!?」
( ゚д゚ )「弟者!」
(´・_ゝ・`)「弟者」
(゚、゚トソン「弟者さん」
(´<_` )「美味しいところ総取りいただきました」
事もなげに笑顔を見せる弟者。
( ゚∋゚)『兄者は?』
(´<_` )「え、ああ……」
川 ゚ -゚)「早く行け。回廊結晶は持ってるな?」
横の樹の影から出てきたクーが声をかける。
.
70
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:27:48 ID:nmMoCbVE0
(゚、゚トソン「クーさん!良かった……」
(´<_` )「クー。……ああ」
( ゚∋゚)『こちらはもう大丈夫だ』
(´<_` )「……すまん」
逡巡したのちに踵を返す弟者。
川 ゚ -゚)「弟者、」
(´<_` )「ん?」
川 ゚ -゚)「ちゃんと回廊結晶を使わせろよ」
ふり返った弟者に真剣な顔で告げるクー。
(´<_` )「ああ、分かってる」
そしてすぐに前に向き直し、やってきた道に向かって走り出す弟者。
<_プー゚)フ「え?何?」
( ゚д゚ )「あー」
(´・_ゝ・`)「まあ」
(゚、゚トソン「えっと……」
<_プー゚)フ「え?おれ以外みんな分かってるの?」
( ゚д゚ )「あー」
(´・_ゝ・`)「まあ」
(゚、゚トソン「えっと……」
<_プー゚)フ「ひっでー!教えてくれよー!」
.
71
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/26(木) 23:30:33 ID:nmMoCbVE0
川 ゚ -゚)「あとで教えてやるからこっちを片付けるの手伝ってくれ。
倒れている奴らを黒鉄宮にぶっこむ」
既に弛緩している空気を感じて眉間に皺を刻むク。
しかし自分の指示で男四人がぞろぞろとクーが出てきた茂みに向かって歩き出すのを見て、
皺を消して口元を緩めた。
そして四人に続こうとするトソンを呼び止める。
川 ゚ -゚)「トソンは良い。
こういうのは男の仕事だからな」
(゚、゚トソン「え?ああ……はい」
ニッコリとほほ笑んだトソンを見て、
クーは一つ終わったことを感じながら、
この場にいない仲間たちの事を思いながら空を見た。
.
72
:
名無しさん
:2017/10/26(木) 23:40:35 ID:nmMoCbVE0
引っ越し記念の連続投下は昨日だけじゃなかった!
ということで本日の投下を終了します。
おつや感想、本当にありがとうございます。
またよろしくお願いします。
ではではまたー。
73
:
名無しさん
:2017/10/26(木) 23:53:54 ID:W45NDZIk0
おつおつ!
74
:
名無しさん
:2017/10/26(木) 23:56:46 ID:ZXbGxkuIO
おつ!
向こうのスレの埋めは閑話の投下でもあるのかな?
75
:
名無しさん
:2017/10/26(木) 23:57:11 ID:3nz9T.sgO
お疲れ様でした!
76
:
名無しさん
:2017/10/27(金) 21:46:24 ID:loyvFCiA0
乙
77
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/27(金) 23:48:16 ID:Mjkaa9AM0
38.
(;´ー`)「ブーン!」
|; ^o^ |「ブーンさん!」
散乱する片手剣。
宙を舞うポリゴンの欠片。
その中で倒れているブーンに駆け寄る二人。
(;´ー`)「おい!ブーン!」
|; ^o^ |「だ、大丈夫ですか!?」
( -“ω-)
(;´ー`)「練習の時よりひどいだーよ」
|; ^o^ |「しっかりしてください!ブーンさん!」
ブーンを抱き上げて上半身を起こすシラネーヨ。
ブームはその正面に回り、ブーンの頬を軽く叩いた。
|; ^o^ |「ブーンさん!ブーンさん!」
(;´ー`)「HPバーも残ってるし、
もちろん消えていないから死んでいないことは分かるだーよ」
|; ^o^ |「でも、ただ眠っているだけのようにも見えません」
(;´ー`)「そんなことは分かってるだーよ!」
| ^o^ |「!こ、これをもう一度」
腰のポーチからクリスタルを取り出すブーム。
そしてタップする。
.
78
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/27(金) 23:49:21 ID:Mjkaa9AM0
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わりなさい!』』
ツンのホログラフが現れて叫んだ。
( “=ω-)「 」
|; ^o^ |「!反応が少し!」
(;´ー`)「あれのどこをそこまで好きなんだーよ」
|; ^o^ |「それは謎ですがもう一度!」
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わりなさい!』』
( “=ω-)「……」
| ^o^ |「変わりはないですね」
( ´ー`)「連打してみるだーよ」
| ^o^ |「え?」
( ´ー`)「『そこまでよぶーん』辺りで止めていっぱい呼ばせるだーよ」
| ^o^ |「はぁ……」
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わりなさい!』』
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わりなさい!』』
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わりなさい!』』
( ´ー`)「そうじゃないだーよ」
| ^o^ |「え?」
.
79
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/27(金) 23:50:36 ID:Mjkaa9AM0
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わり
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わ
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブー
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこま
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブ
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
| ^o^ |「お!」
( ´ー`)「ふっふっふ。だーよ。
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
( ´ー`)「どうだーよ」
( -ω-)「……」
| ^o^ |「反応はありませんが、表情は穏やかになったような……」
(;´ー`)「これで穏やかになるとかどうなってるだーよ」
.
80
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/27(金) 23:52:02 ID:Mjkaa9AM0
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!
軽快にタップするシラネーヨ。
( ´ー`)「ちょっと面白くなってきただーよ」
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わり
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わ
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブー
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこま
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブーン!終わりなさ
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこ
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこ
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこ
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこま
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこま
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブー
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブー
◇『ξ゚⊿゚)ξ『そこまでよ!ブー
( ´ー`)「ひゃっひゃっひゃ。
高木さんを止めるツンだーよ」
|; ^o^ |「ねーよ……!あっ」
.
81
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/27(金) 23:53:30 ID:Mjkaa9AM0
シラネーヨの頭に振り下ろされる棍。
( ー ) ´ ` 「!!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「何をあんたは遊んでるのよ」
右手に細剣を持ったまま、左手で持った棍でシラネーヨを叩いたツン。
(;´ー`)「攻撃したらオレンジになるぞ……って、なってない」
ξ#゚⊿゚)ξ「武器じゃないもので殴ったところでHPは減らないし、
HPが減らなければれば攻撃したことにもならないでしょ。
あんたの頭に衝撃を与えただけよ」
(;´ー`)「それが一番問題だーよ」
ξ゚⊿゚)ξ「って、ブーン!?
ブーム!説明して!」
武器を放り出してブーンの正面に駆け寄るツン。
突き飛ばされたブームが尻餅をついた身体を起き上がらせながら口を開いた。
| ^o^ |「ブーンさんが
『エンジェルホライズン』を使用して予定通り蟷螂は倒せましたが、
その後倒れたままこの状態です」
ξ゚⊿゚)ξ「技の時間は?」
後でデレがプギャーに「なに?エンジェルホライズンって。ださっ」
と笑いながら言っているのが聞こえるがとりあえず無視してブームに問いかけるツン。
| ^o^ |「練習と同じです」
ξ゚⊿゚)ξ「……そう……。
やっぱり短くなってるのね。
まったく。無茶するんだから」
そう言いながらブーンの耳元に顔を寄せる。
.
82
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/27(金) 23:55:34 ID:Mjkaa9AM0
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン、起きて」
囁くツン。
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、ブーン、起きて」
柔らかく、甘く囁く。
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ。ブーン」
(*-ω-)
目を閉じたまま頬を染めるブーン。
何故か他の男三人も頬を染めている。
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ。ブーン?」
(*-ω-)
ξ゚⊿゚)ξ「起きて」
(*-ω-)
ブーンの右耳を、左手で優しくつまむツン。
そして更に唇を耳元に寄せる。
吐息は既に当たり、
唇ですら触れそうな距離。
ξ#゚⊿゚)ξ「お、き、て」
(*-ω-*)
ξ#゚⊿゚)ξ「おきろーーーーー!!!!!」
そして叫んだ。
.
83
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/27(金) 23:57:48 ID:Mjkaa9AM0
( ^ω^)「おっおっおー。
酷いお。
まだ耳がキンキンするお」
力の入らない体を樹に預けて地面に座るブーン。
それを囲むようにツン達4人が立っていた。
ξ゚⊿゚)ξ「さっさと起きないあんたが悪い。
私が来たくらいから起きてたでしょ?」
( ^ω^)「おー。
何の事だかわからないおー。
無事でよかったお。ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「まったく……。
ブーンもね。
ブーム、シラネーヨ、ありがとう」
( ´ー`)「役割をこなしただけだーよ」
| ^o^ |「そういう事なんです」
ξ゚⊿゚)ξ「それでもよ」
( ^ω^)「プギャーもありがとうだお」
( ^Д^)「ま、おれは撤退の手伝いだけだからな」
( ^ω^)「いくら弱くても、あの数を相手するのは大変だったはずだお」
( ^Д^)「あー。まあ……な」
頭を掻きながらチラリと離れた場所に立ちこちらを伺うデレを見た。
( ^ω^)「デレさんもありがとうだお」
ζ(゚ー゚*ζ「え?あ、いや、私は……その……」
ξ゚⊿゚)ξ「デレの範囲攻撃でかなり楽だったからね」
.
84
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/28(土) 00:00:31 ID:yBcYKiZs0
( ^Д^)「抱いて走るのは大変だったけどな」
| ^o^ |「……抱いて?走る?」
( ´ー`)「大人の階段をのぼっただーよ?」
( ^Д^)「その『抱く』じゃねーよぼけ!
っていうかおれはここに来る前に大人だアホ!」
ξ゚⊿゚)ξ「なに大声でセクハラ発言してるのよこのバカ共は」
( ^ω^)「おっおっおー」
ξ゚⊿゚)ξ「さて、とりあえず一回クーと合流したいけど……」
( ^ω^)「もう行けるお」
座るブーンを見るツン。
その視線を受けて立ち上がろうとするブーン。
しかしツンが頭を人差し指でつつくと、
バランスを崩してまた座ってしまった。
ξ゚⊿゚)ξ「その状態で行けるわけないでしょ」
(;^ω^)「おーー」
ξ゚⊿゚)ξ「プギャー、悪いけど合流場所まで付き合って。
もしまだ戦闘中なら参戦したいから宜しく」
( ^Д^)「ああ」
ξ゚⊿゚)ξ「ブームとシラネーヨもまだ疲れてるでしょ。
ここに居て休んでいて」
( ´ー`)「その言葉に甘えるだーよ」
| ^o^ |「ありがとうございます。
モンスターがポップした際はブーンさんは守ります」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ。それはデレに任せるから大丈夫よ。
デレ、ここに居て三人の護衛宜しく」
.
85
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/28(土) 00:02:08 ID:yBcYKiZs0
ζ(゚ー゚*ζ「え!?」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたならここに出てくる敵くらい簡単でしょ?
フォローはブームとシラネーヨにやらせればいいから。
二人もデレのサポートくらいなら大丈夫でしょ?」
( ´ー`)「それくらいなら大丈夫だーよ。ブームが」
| ^o^ |「もちろん私もやりますがシラネーヨも一緒にお願いします」
ζ(゚ー゚*ζ「え?ちょっと、え?私だよ?」
( ´ー`)「ツンがそう言ってるんだからしょうがないだーよ」
| ^o^ |「その通りです」
ζ(゚ー゚*ζ「はあ?」
( ^Д^)「デレ」
横に立ったプギャーがデレの肩をポンと叩く。
( ^Д^)「諦めろ。ここはそういうギルドだ」
ζ(゚Д゚*ζ「はあああああああ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、クーと合流したら連絡するから」
( ^ω^)「了解だおー」
ζ(゚Д゚*ζ「ちょ、ちょっとツン!?
私を信じるわけ!?
あんた達も!?」
慌てて叫ぶデレ。
しかしツンは表情を変えず、
それを確認した四人の男は苦笑しつつデレを見る。
.
86
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/28(土) 00:03:18 ID:yBcYKiZs0
ξ゚⊿゚)ξ「私があんたを信じるの。
友達であるあんたをね、私は信じるの。
それだけよ。
あ、明日か明後日女子会やるだろうからあんたも参加よ。
拒否は認めないからね。
あと『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』の名付け親は私だから、
覚えておきなさい」
ζ(゚Д゚*ζ「へ?」
ξ゚⊿゚)ξ「このエリアは貴方達が苦戦するような強い敵は出ないはずだけど、
一応気を付けるように。
じゃ、よろしく。
プギャー、行くわよ」
( ^Д^)「へーい」
視線でブーンと頷きあうと次のエリアに向かって駆けだすツン。
その後を追って走り出すプギャー。
呆然と立ち尽くすデレ
ζ(゚Д゚*ζ「はあ?」
( ^ω^)「デレさんデレさん」
ζ(゚Д゚*ζ「はあ」
( ^ω^)「考えたら負けだお。
感じるんだお」
ζ(゚Д゚*ζ「はあ?」
ニッコリとほほ笑むブーンと、
未だ呆然としているデレ。
そんな二人を見る二人の男は、
二者二様のため息をついた。
.
87
:
◆IdIQLHp8Vc
:2017/10/28(土) 00:10:28 ID:yBcYKiZs0
短くても連続投下してみたかった。
後悔はしていない。
おつありがとうございます。
連続投下はどこまでいけるのか。
ではではまたー。
88
:
名無しさん
:2017/10/28(土) 00:17:44 ID:Iw6Ik3bQ0
絶倫かよ乙
89
:
名無しさん
:2017/10/28(土) 00:27:58 ID:G8P6xeFM0
おつ!面白かった
90
:
名無しさん
:2017/10/28(土) 01:58:08 ID:BV57DLes0
いやはや乙!
91
:
名無しさん
:2017/10/28(土) 10:59:52 ID:LEMiU4MM0
おつおつ
モララーが気になるZE
92
:
名無しさん
:2017/10/28(土) 17:42:32 ID:5U9dKysU0
トリップ違うのはただのミス?
93
:
名無しさん
:2017/10/28(土) 17:47:13 ID:0UtIvIcE0
前スレ埋められたな
94
:
名無しさん
:2017/10/28(土) 17:59:21 ID:3NaFSOIA0
乙と誤字
>>3
修三 → 修造?
>>14
スキルあがるだけ → スキルがあるだけ
数値化も → 数値かも
>>71
皺を刻むク → 皺を刻むクー
95
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 22:59:53 ID:yBcYKiZs0
39.
それは、戦闘と呼べるものではなかった。
襲い来る鎌に対峙するその動きに無駄は全くなく、
躱し、
去なし、
時に受け止め、
流し、
弾き、
翻弄する。
速さと威力を自在に使い分けていても当たらなければ意味が無く、
その体を傷付けることが出来たのは一度だけ。
おそらくはそれも頭のカーソルの色を変えない為だけの理由で受けたのだと思われる。
それでも鎌は紙一重で襲えている。
ほんの少し横にすれば、
力を強くすれば、
ダメージを与えられるかもしれない。
あの一撃は、
本当に攻撃出来たのかもしれない。
そんな希望を抱いてしまい、
男は鎌をふるって襲い掛かる。
その『希望』すらも、
対峙している男の策略だと気付かずに。
いや、もう気付いているだろう。
だが、それを認めることは完全な敗北を意味するため、
気付いていないふりをして、
男は攻撃を繰り出す。
.
96
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:01:26 ID:yBcYKiZs0
/ ゚、。 /「ふんっ」
( ´_ゝ`)「おっとっと」
/ ゚、。 /「くっ」
( ´_ゝ`)「とりゃっ」
/ ゚、。 /「っ!」
( ´_ゝ`)「あらよっとっと」
ダイオードが振り下ろした鎌を兄者が鎚の柄で弾き、
浮いた鎌を鎚の頭で叩きダイオードの体勢を更に崩す。
そして動きの止まった身体をフェンシングの様なポーズをしつつ鎚で押すと、
ダイオードは尻餅をついて転んだ。
/ ゚、。 /「!?」
無防備な姿をさらしたダイオードが慌てて座ったまま鎌を構えるが、
追撃で鎚が振り下ろされることは無かった。
/ ゚、。 /「?」
( ´_ゝ`)「ダイオードちゃん良い表情だよー。
ハイこっち向いてー。
追撃への恐怖に慄いて良い表情だったよー」
その瞳に映るのは、
クリスタルを片手にこちらを見下ろす兄者。
/ ゚、。 /「!!」
立ち上がって鎌を振るダイオード。
( ´_ゝ`)「おっとっと。
あまり好きじゃなかったけど、
今となっては食べたいな。
ショボかフサに頼んでみるかな。
あー。でもショボはそういうジャンクフード食べたことあるのかな。
おぼっちゃんだし」
.
97
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:02:42 ID:yBcYKiZs0
しかしその鎌も兄者の持つクリスタルに触れることは出来なかった。
/ ゚、。 /「それ を よこせ」
( ´_ゝ`)「えー。折角録画したのにー」
/ ゚、。 #/「よこ せ」
( ´_ゝ`)「これだけ奪っても仕方ないだろ?」
ポーチから記録結晶を四つ取り出す兄者。
( ´_ゝ`)「尻餅ダイオード。
ずっこけダイオード。
頭に乗られたダイオード。
勝利を確信してドヤ顔した後やられたダイオード。
鎌が木に当たって手をしびれさせたダイオード」
/ ゚、。 #/「ふざ けるな!」
鎌が兄者のいる場所に襲い掛かるが、
既にその場所に兄者はいない。
( ´_ゝ`)「これは中にしまって、新しい結晶を出して」
ウインドウを出して記録結晶を入れ替える。
( ´_ゝ`)「もっと良い表情撮れるかな」
/ ゚、。 #/「きさ ま」
( ´_ゝ`)「おれを殺さないとこれ取り戻せないぞー?
んで、取り戻さないと、これは殺人者の記録として広めるぞー」
/ ゚、。 /「ふざ、けるな」
( ´_ゝ`)「お、なんか口調が変わった?
やっぱりキャラ付けだった?
それだと兄者つまらないー」
.
98
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:04:00 ID:yBcYKiZs0
空間を切り裂くような鋭い鎌の軌跡。
しかしそれのすらも兄者に当てることは叶わず、
勢い余って足元をふらつかせてしまう。
( ´_ゝ`)「お!これもいいねいいね。
表情と無様な恰好があってるよ!」
記録結晶を片手に兄者が笑う。
/ ゚、。 #/「ふ、ざ、け、る、な」
( ´_ゝ`)「ふざけなきゃ、
お前の相手なんかできるわけないだろうが。
/ ゚、。 /!
.
99
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:09:09 ID:yBcYKiZs0
( ´_ゝ`)「鍛冶屋はな、
可哀想な職業なんだよ。
鍛冶のレベルをあげなきゃまともな物なんか作れない。
良い材料を集めなきゃ、
ちゃんとしたものを作れない。
良い材料を集めるには、
金で買うか命を懸けて自分が取りに行かなきゃいけない。
材料と叩くハンマーも良いものを使うには、
レベルをあげなきゃいけない。
しかもだ、
どんなに自身のレベルを上げて、
良いハンマーを使って、
良い炉を用意して、
最高の材料を使っても、
失敗する時はある。
そしてどんなに良いモノを作っても、
材料や苦労を考えた適正価格でも、
プレイヤーは高いとか言いやがる。
でもな、おれは、おれ達はまだ良い。
仲間がいるから。
しかも反則級の仲間だ。
他の鍛冶仲間に比べれば、
甘いって言われても仕方ないくらいの環境だ。
だがな、
お前が殺した皆はな、
全部自分でやって、
最高を目指してきた人なんだ。
更に自身の知識を人に分け与えていたような人なんだよ。
それもこれも、
強い武器を、
強い防具を、
命を守り戦うための装備を作るために、
それをプレイヤーに渡すために命を懸けてきたような人なんだ」
.
100
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:14:46 ID:yBcYKiZs0
/ ゚、。 #/「関係、ない」
( ´_ゝ`)「ああ。
お前には関係ないだろうな。
でも、おれにとっても、
お前は関係ないんだよ。
だから、おれは、関係ないお前をどこまでも蹂躙する。
今ここで出来るだけ屈辱を味合わせ、
それを記録し、そして世に流す」
/ ゚、。 /!!
( ´_ゝ`)「お前は笑いものだな。
そして殺人鬼だ。
笑い者殺人鬼になるんだよ」
/ ゚、。#/「やめ ろ」
( ´_ゝ`)「ああ、でも、大丈夫だ。安心しろ。
これが世に広まるとき、
お前はこの世界にいないから」
無造作に振った兄者の鎚がダイオードの鼻先をかすめる。
/ ゚、。 /!
高い鼻の先端がほんの少しだけ当たりポリゴンに変わるが、
すぐに元に戻る。
/ ゚、。;/「 」
( ´_ゝ`)「お、良いね―その表情」
/ ゚、。;/「なん だ 今の は」
( ´_ゝ`)「ん?少しだけ本気出した。
ほら、おれってやればできる子だから」
記録結晶を宙に浮かべて鎚を振り回す兄者。
.
101
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:16:42 ID:yBcYKiZs0
/ ゚、。;/「ひっ ひっ」
鎚の先がダイオードの身体をほんの少しだけかすり、
削り取る。
( ´_ゝ`)「なに?ラマーズ法っちゃう?」
すぐに元に戻るポリゴンの身体を、
無造作に削り取る。
( ´_ゝ`)「お前が産み出すモノなんて何もないけどな」
鎚を肩に担ぎ、記録結晶を回収する。
( ´_ゝ`)「良い画が撮れた」
/ ゚、。;/「お、おまえ も、殺人者 に なる」
( ´_ゝ`)「いいさ。
ゲームの中だ。
ゲーム内のPKだ。
MMORPGじゃよくあることだ」
新しい記録結晶を出す兄者。
そして喋りながらも鎚を振り回す。
/ ゚、。;/「ひっ ひっ」
( ´_ゝ`)「うるさいぞ」
ダイオードの鎌を弾き、
無防備にさらけ出されたその体を削る。
/ ゚、。;/「な ん なん だ」
( ´_ゝ`)「ん?」
/ ゚、。;/「おま えは、 いったい」
( ´_ゝ`)「 つまらん」
/ ゚、。;/「?」
.
102
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:20:54 ID:yBcYKiZs0
( ´_ゝ`)「おれはギルドVIPのKei。
流石武具店の武器担当鍛冶師。
それ以上でも、それ以下でもない。
ま、VIPにいるのも今日までだけどな!」
/ ゚、。;/「!!」
宙を舞うダイオードの鎌。
鎚がダイオードの右手首から先を粉砕した。
/ ゚、。;/「なっ」
( ´_ゝ`)「この世界に、痛みは無い。
手が無くなろうが、
足が消えようが、
そこに痛みは存在しない。
与えられるのは衝撃のみ。
記憶から導き出される痛みを感じることはあっても、
経験以上の痛みはこの世界には存在しない。
だけど、恐怖は違う」
右手が無くなり呆然とするダイオードの右足甲を叩きつける鎚。
/ ゚、。;/「!」
( ´_ゝ`)「痛くはないだろ?」
ポリゴンと化した右足。
防具で固めてあった足を簡単に粉砕されたことに驚愕し、
ダイオードの思考が止まる。
( ´_ゝ`)「痛くは、無いよな」
容赦なく襲い掛かる鎚は左膝を叩く。
/ ゚、。;/「ガッ」
決して小さくはない衝撃がダイオードの左脚を襲う。
( ´_ゝ`)「ぬるぽはしてないぞ」
.
103
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:23:24 ID:yBcYKiZs0
ふらついたダイオードの視線の先でポリゴンと化す左膝。
そしてその先の、左脚のすねから先がボトリと落ちる。
/ ゚、。;;/「ギャっ」
尻餅をついて叫んだダイオードの唇をかすめる鎚。
( ´_ゝ`)「うるさい」
/ ゚、。;/「ヒッ ヒッ ヒッ ヒッ ヒッ」
尻餅をついた姿のまま、
唯一無事である左手を使って後退るダイオード。
/ ゚、。;/「た、たす 」
( ´_ゝ`)「ふむ」
/ ゚、。/「 !!」
ダイオードの左肩に与えられた強い衝撃。
そのまま転がるダイオード。
/ ゚、。;;/「も、も う 」
手首の無い右腕を使って上半身を持ち上げるダイオード。
そして左腕が肩のすぐ先から消えている事に気付く。
/;゚、。;/「たす けて 」
見上げた視線の先に、男の顔。
自分を見る、男の顔。
/;゚、。;/「あ あ あ……」
そしてダイオードは心で理解した。
自分が、死ぬという事を。
.
104
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:28:47 ID:yBcYKiZs0
無造作に鎚を肩に担いだ男の顔を見て、
初めて人の顔をしっかりとみて、
そして、わかった。
自分が、ここで死ぬということを。
/ ;、; /「たす け て
ゆるし て 」
もう記録結晶の事など頭から消えていた。
ただ、怖かった。
震える身体。
零れ落ちる涙。
懇願の言葉が自然と口から溢れる。
/ ;、。 /「おね がい しま す」
( ´_ゝ`)「ある意味あっぱれだな」
/ ;、。 /「 ? 」
( ´_ゝ`)「これだけの状況で、
助けてくれ、許してくれ、
って今の自分を生きながらせる要望だけで、
自分がしてきたことの懺悔が一つもない」
/ ;、。 /「!」
( ´_ゝ`)「お見事だよ」
.
105
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:30:04 ID:yBcYKiZs0
/ ;、。 /「そ、それ は」
( ´_ゝ`)「おれも、心置きなくとどめをさせる」
そう言いながら鎚を両手で持って高く上げる。
/;゚、。;/「あ あ あ
た すけ て
死に たくない」
( ´_ゝ`)「安心しろ、その無様な姿はいつまでもどこまでも広めてやるから」
執拗に体を削り取られた攻撃と、
四肢を粉砕した攻撃によって、
既にダイオードのHPは赤く変わっている。
/ ;、。 /「ゆる して
ごめ んな さい」
強い一撃を受けてしまえばHPバーが光を無くすことは、
ダイオード自身が分かっていた。
( ´_ゝ`)「……さよならだ」
だがそんな懇願は意味をなさず、
ダイオードの頭に向けて、
鎚が振り下ろされた。
.
106
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:32:12 ID:yBcYKiZs0
( ´_ゝ`)「っ!」
ダイオードの頭に当たるギリギリに、
横から飛んできた斧が鎚の柄に当たり、
その衝撃で鎚が飛ばされた。
(´<_` )「そこまでだ。兄者」
( ´_ゝ`)「……弟者」
息を整えつつ近寄る弟者。
投げた斧は兄者の足元に転がっており、
歩きながら腰に付けた投げ針を手にしている。
(´<_` )「必要ないみたいだけど、一応な」
恐怖で気を失ったダイオードを見下ろす弟者。
そして無造作に針を投げる。
(´<_` )「あとは黒鉄宮に送るだけだな」
ダイオードの頭の上に麻痺のアイコンが出たのを確認し、
兄者に顔を向けた。
(´<_` )「どうした兄者?
そんな顔して」
不思議そうに肩をすくめる。
(´<_` )「……何故、振り上げてるんだ」
鎚を振り上げている兄者。
倒れているダイオードを見ている。
.
107
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:33:57 ID:yBcYKiZs0
( ´_ゝ`)「目を、閉じていてくれ」
(´<_` )「いやだ」
( ´_ゝ`)「頼む。
おれが人を殺すところを、
お前に見られたくない」
(´<_` )「なら、殺さなければいい」
( ´_ゝ`)「…………」
(´<_` )「だろ?」
( ´_ゝ`)「目を、閉じてくれ。頼む」
(´<_` )「……伝言がある」
腰のポーチから記録結晶を取り出す弟者。
そして再生する。
.
108
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:37:25 ID:yBcYKiZs0
◇( ^ω^)「兄者、だめだおー。
そんなことしちゃダメなんだお。
絶対、絶対、駄目なんだお。
でも、信じてるお。
兄者はそんなこと出来ないって」
◇ξ゚⊿゚)ξ「止めときなさい。
あんたまで、背負うことは無いのよ。
しかも、そんな奴の」
◇川 ゚ -゚)「気持ちが分かるとは言えない。
言わない。
だが、そのあと兄者が苦しむのは分かる。
仲間として、友人として、見過ごすことは出来ない。
だから、言わせてもらう。
今すぐやめろ」
◇('A`)「あー。普通のMMOでも、
先輩はそういうことしなかったじゃないですか。
だから、やめた方が良いと思います。
絶対、あとで後悔すると思うんで」
◇川 ゚ -゚)「後でするのが後悔だな。
素直に『絶対後悔する』の方が良いと思う」
◇ξ゚⊿゚)ξ「こういう大事な時にあんたは」
◇('A`;)「……ごめんなさい」
◇(;^ω^)「おー」
◇(´・ω・`)「どうせギルドも抜けようとしてると思うけど、
抜けさせたりしないからね。
だから、胸張って会えるように、
また一緒にバカなこと出来るように、
変なことはしないように。
これはギルマス命令です」
◇ξ゚⊿゚)ξ「あんた、よくこの状況で話を進めるわね」
◇(´・ω・`)「あれ?撮り直しする?」
◇川 ゚ -゚)「流石だな」
◇('A`)「……兄者を止めるだけに」
◇(;^ω^)「ドクオ、それはちょっとどうかと」
◇ξ゚⊿゚)ξ「サイテー」
◇川 ゚ -゚)「フォローできんな。
するつもりもないが」
◇('A`;)「……ゴメンナサイ」
◇(´・ω・`)「とにかく、ダイオードはちゃんと黒鉄宮に送るように!
いいね!絶対だよ!」
◇( ^ω^)「無理矢理まとめたお」
◇ξ゚⊿゚)ξ「弟者!撮り直すわよ!」
◇川 ゚ -゚)「……それが順当だな」
◇('A`)「次は気を付けます」
◇(´・ω・`)「どうせまたこんな感じになると思うけど」
◇( ^ω^)「僕もそう思うお」
.
109
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:39:28 ID:yBcYKiZs0
(´<_` )「撮り直したの見る?」
( ´_ゝ`)「……いや、いい」
腕は振り上げたまま、
けれど少しだけ表情に笑みを浮かべ、
弟者にゆっくりと視線を向けた。
( ´_ゝ`)「……なあ、弟者」
(´<_` )「いつか会えた時、絶対怒られるぞ。
下手したら、毎晩夢の中に出てきて説教される」
( ´_ゝ`)「……夢の中で、会えるかな。
でも、あの人たちに説教されるのは、怖いな」
(´<_` )「だろ?」
( ´_ゝ`)「ああ」
(´<_` )「だから、やめとけ」
( ´_ゝ`)「……でも」
(´<_` )「おれも、こいつは殺したい」
( ´_ゝ`)「!」
(´<_` )「でも、それじゃこいつと同じだ」
( ´_ゝ`)「……」
(´<_` )「兄者。
おれと再会する前に、
グレンさん達と既に知り合ってただろ?
もしかしたら、パーティー組んでたりしただろ?」
( ´_ゝ`)「!…… …… ああ」
.
110
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:41:42 ID:yBcYKiZs0
(´<_` )「やっぱりな。
黙ってたのは、
おれを探しながらもゲームを楽しんでたって思われない為か?」
( ´_ゝ`)「……ごめん」
(´<_` )「いや、責めているわけじゃない。
当然と言えば、当然だ。
あの時一人でいるのは、
辛かったと思うから。
あと、ごめん。
グレンさん達が亡くなった時、
おれが落ち込みすぎて、
兄者はフォローしてくれていた。
兄者の方が、辛かっただろうに。
おれ、気付いていなかった」
( ´_ゝ`)「……気にするな」
(´<_` )「けれど、兄者はそれでちゃんと悲しんでないんじゃないか?」
( ´_ゝ`)「!」
(´<_` )「おれがぼろぼろに泣いていた時、
ずっとそばにいてくれていた」
( ´_ゝ`)「……弟者」
(´<_` )「おれだけが自分の感情のままに悲しんで、
泣いて、踏ん切りをつけていたけれど、
兄者はまだグレンさんが亡くなったことから」
( ´_ゝ`)「弟者!」
(´<_` )「!」
( ´_ゝ`)「あ、……わるい、だが、その先は……」
(´<_` )「……こちらこそ、ごめん。
おれのせいなのに、無神経だった」
.
111
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:44:45 ID:yBcYKiZs0
( ´_ゝ`)「違う!
弟者のせいじゃない!
おれが……おれが、結局……」
拳を握り、
弟者の視線から逃げる様に顔をそむける兄者。
(´<_` )「……一番悪いのは結局こいつで」
倒れているダイオードを見る弟者。
兄者もつられるように俯き加減にダイオードを見る。
(´<_` )「正直、殺したい。
それくらいには、憎い」
( ´_ゝ`)「……」
俯いたまま、視線を弟者に向ける兄者。
(´<_` )「それこそこいつが死んだら祝杯をあげたいくらいに。
殺されたのなら殺した奴に一番の防具をプレゼントしたいくらいに。
……けれど、兄者には殺してほしくない」
顔をあげる兄者。
その瞳を、弟者のまっすぐな瞳が射抜く。
(´<_` )「兄さんには、人殺しになってほしくない。
でもそれは、兄弟が人殺しになるのが嫌なだけじゃない。
兄さんがそんなことをするのなら、
そうしなければならなかった理由があるはずだから。
世間に後ろ指をさされても、
おれは胸をはれる。
父さんも、母さんも、
姉さんも、未花も、
きっと同じ気持ちだと思う。
でも、やっぱり、なってほしくない。
だって兄さんは、絶対に苦しむから。
例えどんな理由があったとしても、
人を殺したら兄さんは苦しむ。
それによって誰かの命が助かっても、
千人の命を助けたとしても、
一人の命を奪ったことに苦しむ。
だから、やめてほしいんだ」
.
112
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:47:07 ID:yBcYKiZs0
( ´_ゝ`)「…… ……悌悟」
(´<_` )「こんなやつの命を、兄さんが背負うことは無い。
こんなやつの命の為に、兄さんに苦しんでほしくない。
だから、やめてくれ」
( _ゝ )「…… …… 悌……悟」
ゆっくりと手を下ろす兄者。
手も開かれ、鎚が地面に落ち斧にぶつかる。
( _ゝ )「グレンさんの店、
持ち主消えた後のリセットでまた売りに出された後、
アルさん達とコル出し合って買い戻して、
今はアルさんが管理しているんだよな」
(´<_` )「?ああ。その通りだけど……まさか!?」
( _ゝ )「墓を、庭に作ったんだよな」
(´<_` )「……ああ」
( _ゝ )「こんど、一緒に、行ってくれるか?」
(´<_` )「ああ。一緒に行こう」
( _ゝ )「……頼む」
(´<_` )「それこそ夢で叱られるぞ。やっと来たって。
笑いながら、頭叩かれそうだ」
( _ゝ )「……ああ、そうだな」
(´<_` )「ああ。絶対だ」
( ´_ゝ`)「……。
会えたら、土下座して謝らなきゃだな」
顔を上げた兄者の顔は、
晴れ晴れと言うにはほど遠かったが、
それでも、まだ辛そうではあるが、
弟者に笑いかけていた。
.
113
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/28(土) 23:57:48 ID:yBcYKiZs0
以上、連続投下……何日目だっけ。ま、いっか。
いつもおつをありがとうございます!
>>92
はい、完全なミスです。
やっちまいました。
混乱させていたら申し訳ありません。
>>94
誤字チェックありがとうございます!
本当、投下前に誰かに読んでもらいたい。
校正……。
修三は松岡さんのつもりだったので修造が正解です。
ありがとうございます。
スレ埋めありがとうございました。
見に行ったらちょうどラストが残っていたので思わず……。
これで閑話で埋める必要もなくなりちょっとほっこり。
さて連続投下はいつまで続くのか!
ではではまたー。
114
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 00:05:36 ID:MiiWNk7Q0
おっつおつ
115
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 00:13:33 ID:a9M0x7sY0
おつおつ
プロでも誤字はする
もはや必然だ
>>98
それのすらも → それすらも
>>100
味合わせ → 味わわせ
>>104
生きながらせる → 生きながらえさせる
116
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 01:03:43 ID:xkIxEa3k0
やべぇ縦読み探してしまった
117
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 01:43:01 ID:uxK6HErY0
おつ
ダイオードも何かあるのかと深読みしていたけど、本当にただただ救えない奴だったんだな。
縦読み探してしまうのわかる。
個人的な話にはなるけど、書く側の時は誤字指摘は早い方が訂正しやすいから助かる派だわ。
味あわせて〜って間違った使い方なのな、初めて知った。
118
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 02:55:05 ID:CxH.gzT60
ここまで来ると本当にモララーの安否が気になる
119
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 05:54:48 ID:8AReJZ8o0
安否ってか完全にタヒってたろ
120
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 06:03:52 ID:CxH.gzT60
それでも…!それでも…!
121
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 07:22:27 ID:d8QXMjic0
もう続き書かないのかと思ってた
最終回まで楽しみにまつ
122
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 11:29:07 ID:YlX6E.Ek0
俺もモララー一番好きだしVIPはどんでん返しが多いチームだからもしかしたらの希望が捨てられない
123
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 11:50:36 ID:nYb5tdpc0
乱戦が各地で片付いていくのはやっぱり盛り上がるな
同時に、最終回まで突っ走っていく感じもするので嬉しいけど寂しい
124
:
名無しさん
:2017/10/29(日) 19:29:03 ID:VHBKwnpQ0
弟者がいてよかった……
乙
125
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/29(日) 23:41:53 ID:cjU6OEj20
40.
砕かれた小瓶。
入っていた青い液体は黄色い液体に変わり宙を舞った。
(も)!!
片手剣の攻撃をシャキンの盾に受け止められた男がそれに気付く。
(も)「なんだと!」
(`・ω・´)「気付けなくても無理はない。
モラの作った偽装瓶を見抜けるのは、
ショボとドクオくらいだ」
液体を切ったシャキンの片手剣が男を切り裂く。
(も)「ちっ」
追撃を避けようと後ろに跳ぼうとした男が膝から崩れ落ち、
その場に座ってしまった。
(も)「!!?」
慌てて自身の状態を確認するが麻痺状態にはなっていない。
(`・ω・´)「遅い」
自分を切り裂く片手剣に防御しようとするが、
時折動かなくなる身体に立つことも出来ず、思うような防御も出来ない。
(も)「なっ」
攻撃しようとふるった片手剣は弾かれ、
更に身体を切り裂かれる。
.
126
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/29(日) 23:43:03 ID:cjU6OEj20
(も)「!」
そしてHPバーが赤くなった瞬間に自身を襲う虚脱感。
身体に力が入らず、地面に倒れてしまった。
唯一動かせる視界を動かし、
自分を見下ろす男を見る。
(`・ω・´)「今おれが使っている麻痺毒はまだ発表されていない、
強力な毒だ。
HPバーが青や黄色の時は抵抗できるが、
赤くなると完全に麻痺状態になり、その後眠りに落ちる。
ついでに言うと、
使用者とのレベル差や抵抗値が低い状態だと、
青や黄色の状態でも麻痺の効果を打ち消すのにタイムラグが起きる事がある」
自身の負けを認め視線をシャキンから外す男。
そして眠りに落ちる前に見たのは、
ミセリと戦う仲間の姿だった。
(り)「短剣で俺に歯向かうとはな」
ミセ*゚ー゚)リ「そういうセリフは私の攻撃を完全に封じてからじゃないと笑われるよ」
男の放つ槍の攻撃をすべて避けきるミセリ。
逆にその隙をついて近寄り攻撃し、
そしてすぐに距離をとる。
(り)「……ちっ」
横目で見た先には片腕を失って倒れているフィレンクト。
(り)「しかしまさか、付き合ってた男をこんな簡単に倒すとはな」
ミセ*゚ー゚)リ「その程度で動揺させようなんて無駄だよ」
黄色く輝く短刀を構えてミセリが笑う。
.
127
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/29(日) 23:44:13 ID:cjU6OEj20
(り)「……さっきまでとは大違いだな。
まあ、おれもあいつもそいつも騙された口だがよ。
怖い女だ」
ミセ*゚ー゚)リ「あら、褒めてくれてありがとう。
でも、シャキンはちゃんと本気で攻撃したわよ?」
(り)「はぁ?」
ミセ*゚ー゚)リ「だってそうしなきゃ疑わられただろうし。
でも、あの程度の私の本気でシャキンがやられるわけないから」
(り)「……ちっ」
ミセ*゚ー゚)リ「あんたは、さっきとは別人ね。
なに、戦闘になると正確変わるタイプ?」
(り)「はっ。人を二重人格みたいに言うなよ。
その方が、油断してくれて面白いからやってるだけだ」
ミセ*゚ー゚)リ「なにそれ」
(り)「あいつらとPKするときよ、
対象を囲んで俺がガタガタ震えてるとよ、
まぁどいつもこいつも俺に向かってくるんだわ。
気弱そうな俺に突撃すれば穴を作って逃げられるとでも思うんだろうな」
喉奥で空気を吸うように笑う男。
ミセ*゚ー゚)リ
(り)「その後俺に殺される奴の顔は絶妙なんだこれがまたよ。
呆然として、恐怖におびえ、怒りの混じった、絶望した表情がまた」
ミセ*゚ー゚)リ「あー。不愉快だから黙って」
.
128
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/29(日) 23:45:55 ID:cjU6OEj20
(り)「なんだ。お前は殺したことないのか。
人を殺す度胸もねぇのに武器を俺に向けるなよカスが。
ま、おれも一人殺すまでは緊張したけどよ、
二人目以降は簡単だったな。
一人も二人も一緒だな」
ミセ*゚ー゚)リ「言ったよね。黙れって」
笑みを消して男を見るミセリ。
対して男は感情を出したミセリに笑顔を見せる。
そして自分達を見るシャキンにも意識を向けた。
ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫よ」
(り)「?」
ミセ*゚ー゚)リ「シャキンには手出しさせないから。
それに、貴方がシャキンと戦うことは無いから」
(り)「……?」
ミセ*゚ー゚)リ「だって、あなたは私に倒されるんだから」
(り)「……なら、お前を殺してからそいつを殺すとするか」
男の目に怒りが宿り、恐ろしいほどの速さで槍を繰り出す。
ミセ*゚ー゚)リ「少しは出来るかな」
しかしミセリは短刀の腹で受け、
火花を散らしながら勢いを後方に流し、
そして重さを感じさせない動きで男の懐に移動した。
男の喉元に突き付けられた短刀の刃。
(り;)「なっ」
.
129
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/29(日) 23:48:45 ID:cjU6OEj20
ミセ*゚ー゚)リ「でもね、集団で人を襲い、
奪い取ったアイテムとコルで装備を良くし、
安全な戦闘でモンスターを倒してレベリングしたあなたに」
男の喉が切り裂かれ、HPバーが大きく減る。
(り;)「ぐっ」
ミセリは男が槍を構え直す前に更に二回切りつけてから距離をとる。
ミセ*゚ー゚)リ「私達が負けるわけにはいかないの」
(り;)「この世界はレベルが全てだ!」
再度突き出される槍を軽々と躱して男の背後に移動するミセリ。
ミセ*゚ー゚)リ「そうよ。それは正解」
男の脇腹に突き立てられる短刀。
(り;)「がっ」
衝撃が男を襲う。
突き立てられた短刀がそのまま背中に向かって横に振り抜かれると、
ポリゴンがまるで血の様に宙を舞った。
(り;)「ぐっ!」
HPバーが黄色に変わり、膝をつく男。
ミセ*゚ー゚)リ「でもね、当然だけど、
戦闘経験が全く意味を成さないわけじゃないのよ」
ミセリの短刀が男の両肩が切り裂かれる。
(り;)「がはっ!」
ミセリが動きを止めた男の背中を蹴る。
.
130
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/29(日) 23:54:20 ID:cjU6OEj20
(り;)「ごっ!」
スキルに体術を入れてあるミセリの蹴りは攻撃であり、
男のHPは削られて赤に変わった。
(り;)「ひっひっ」
地面を転がった男がミセリを見上げる。
ミセ*゚ー゚)リ「それに、レベルでもあなたは私に負けていると思うわよ?」
(り;)「た、助けて……」
ミセ*゚ー゚)リ「あなたは、
今までそうやって助けを求めた人を、
助けたの?」
(り;)「!」
自分に向けられた短刀に言葉を無くす男。
(り;)「み、みのがして……。
!
お、おまえは、人を殺すのか!殺せるのか!」
ミセ*゚ー゚)リ「……私が人を殺したことが無いって、
誰が言ったの?」
悲しげに笑いながら短刀を構えるミセリ。
短刀が赤く輝く。
(り;)!!
ミセ*゚ー゚)リ「一人殺すのも、二人殺すのも、一緒なのよね?」
(り;)「し、死にたく……!!
な……い……」
.
131
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/29(日) 23:56:23 ID:cjU6OEj20
男の身体を黄色の輝く線が通ると、
男がその場に崩れ落ち意識を失った。
ミセリはそれを見届けた後、
一番初期の技でありほとんど技後硬直を起こさない剣技を空打ちした。
ミセ*゚ー゚)リ「……ありがとう」
そして視線を彼に向けた。
視線の先では、
残った片手で麻痺毒を付加した針を投げたフィレンクトが居た。
(‘_L’)「……予定通りですね」
苦しそうな表情をしたミセリに、
いつものような軽い口調で話しかけることが出来ないフィレンクト。
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
ミセリもそれに口調を合わせて返事をする。
地面に倒れる男を見下ろすミセリ。
ミセ*゚ー゚)リ「……一人も二人も一緒とか、
そんなわけ、無いじゃない……」
呟いたミセリ。
その声が聞こえたかどうかは分からないが、
片腕の無いままのフィレンクトがミセリに近付いた。
(‘_L’)「ミセリさん」
ミセ*゚ー゚)リ「腕、大丈夫ですか?」
(‘_L’)「はい。ただの部位欠損ですし。
欠損部位が大きいから時間は長いですが……。
あと六十秒くらいです」
.
132
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/29(日) 23:58:44 ID:cjU6OEj20
ミセ*゚ー゚)リ「思い切りが良くてびっくりしました。
自分でやっても部位欠損できるとは聞いてましたけど。
まさかあんなだとは。
しかも、その後叫んで二人の注意を引いてくれて」
(‘_L’)「何回か自分で練習しましたから」
ミセ*゚ー゚)リ「凄いですね……」
(‘_L’)「本当は貴女がそいつと戦うのも反対だったんですが」
ミセ*゚ー゚)リ「またそれを言う。
フィレンクトさんがダブルスパイしていたのは、
出来るだけ隠しておかないと。
フィレンクトさんが疑われていたのは知っていましたから、
本当は私が貴方の腕を切り落とすところを二人に見せておきたかったんですけど。
牢獄でそいつらがフィレンクトさんを恨む危険性を減らさないと」
(‘_L’)「私は覚悟していますが」
ミセ*゚ー゚)リ「ダメですよ。
もともとロマネスク達の動きをコントロールして、
出来るだけ人を殺させないようにしていたのはフィレンクトさんなんですから」
(‘_L’)「ですが、私だけでは完全に止めることは出来ませんでした。
二人が直接手を下すのは先延ばしに出来ましたが、
結局、VIPやN-Sの皆さんの、ミセリさんの協力が無ければ……」
ミセ*゚ー゚)リ「私達の思惑と、
フィレンクトさんがあの二人を人殺しにしたく無いという思いが合致しただけです」
(‘_L’)「私にとって、
ロマネスクとヒッキーが恩人であるというのは、
変わらない事実なので。
本当なら、
二人が間違った方向に進むのを止めなければいけなかったのに」
ミセ*゚ー゚)リ「……恐怖や苦しみや嫉妬は、
人を間違った方向に進めてしまいますから」
.
133
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/30(月) 00:00:10 ID:qmlqk3ss0
悲しげに、少し強張った顔でほほ笑むミセリ。
フィレンクトもその微笑みに釣られて少しだけ微笑んだ。
その微笑みを受けてミセリは少しだけ強張りを緩めるが、
すぐに表情を引き締めて周囲を見回す。
ミセ*゚ー゚)リ「それで、シャキンは……?」
盾と片手剣を地面に置いたままうずくまっているシャキン。
ミセ*゚ー゚)リ「……なにしてるの?」
シャキンが腹を抱えてうずくまる。
(` ω ´)「ひっひっ……」
ミセ*゚ー゚)リ「!シャキン!?」
(‘_L’)「シャキンさん!?」
慌てて駆け寄ろうとする二人の前に映し出される映像
◇ミセ*゚ー゚)リ「私は、女だから」
(`;ω;´)「お、ん、な、だ、か、ら」
シャキンは腹を抱えて笑っていた。
ミセ*゚ー゚)リ「…… …… シャキン?」
134
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/30(月) 00:01:45 ID:qmlqk3ss0
それはもう、声は出さずに引きつるように笑っていた。
◇ミセ*゚ー゚)リ「私は、女だから」
◇ミセ*゚ー゚)リ「私は、女だから」
◇ミセ*゚ー゚)リ「私は女だから」
(`;ω;´)「お、ん、な、だ、か、ら」
(`;ω;´)「お、ん、な、だ、か、ら」
泣きながら、腹を抱えて、笑っていた。
ミセ* ー )リ
(;‘_L’)「シャ、シャキンさん、それは」
(`;ω・´)「い、一応あとでショボに報告するようで記録してたんだけどよ、
ちゃんと撮れてるか確認したらちょうどこのシーンが再生されて。
リアルに聞いた時も噴き出すの抑えるために叫んだし」
(;‘_L’)「あ、ああ。あの時の叫びにはそんな意味が」
(`・ω;´)「フィレンクトは、よくあの時噴き出さなかったよな」
(*‘_L’)「あ、ま、まあ、私は、その」
ミセ* ー )リ「シャキン」
地を這うようなミセリの低い声。
(`・ω・´)「……って、あれ?」
ミセ* ー )リ「それをよこしなさい」
.
135
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/30(月) 00:03:01 ID:qmlqk3ss0
ゆっくりとシャキンに近寄るミセリ
(`・ω・´)「あ、いや、ほら、ショボンに報告する時に」
ミセ* ー )リ「大丈夫」
右手に持った短刀が光を反射してきらめく。
ミセ* ー )リ「私が報告するから」
(`・ω・´)「み、ミセリ?」
慌てて立ち上がり、片手剣を持って盾を構えるシャキン。
(`・ω・´)「映像が無くてもおれが報告したら一緒だしさ」
ミセ* ー )リ「大丈夫よ」
ミセリがニヤリと笑う。
(;`・ω・´)「み、ミセリさん?」
ミセ* ー )リ「ちゃんと名誉の戦死をしたことにしてあげるから」
(;`・ω・´)「ひっ!」
ミセリの攻撃を受け止めるシャキンの盾。
刃の当たった場所から火花が散っている。
(;`・ω・´)「お、落ち着けミセリ!」
ミセ* ー )リ「大丈夫」
繰り出される攻撃を受け止め、弾く盾。
ミセ#゚ー゚)リ「私は冷静よ!
死ねシャキン!それを渡しなさい!」
.
136
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/30(月) 00:04:08 ID:qmlqk3ss0
縦横無尽に四方八方から繰り出される攻撃。
(;`・ω・´)「そういう攻撃に特化した冷静さはいらないから!」
その全てを無効化するシャキンの盾と片手剣。
ミセ*゚ー゚)リ「フィレンクト!手を貸して!」
(`・ω・´)「フィレンクト!こいつを止めてくれ!」
(;‘_L’)「あー。わたし、腕が無いので」
ペナルティの時間が終了し、
フィレンクトの腕が元に戻る。
ミセ*゚ー゚)リ「フィレンクト!」
(;`・ω・´)「フィレンクト!」
(‘_L’)「……仕方ない二人ですねえ。
……私ではその笑顔は取り戻せなかったんですが……。
少しくらいなら意地悪しても良いですかね」
ミセ*゚ー゚)リ「フィレンクト!」
(;`・ω・´)「フィレンクト!まじで助けて」
フィレンクトが武器を手にする。
(‘_L’)「付き合いの深さからすればミセリさんの手助けをするところですが、
どうしましょうか」
ミセ*゚ー゚)リ「もちろん手助けよ!」
(;`・ω・´)「フィレンクトおおおおおおお!?」
シャキンの叫び声がエリアに響く中、
盾に当たる刃の音がしばらく続いた。
(;`;ω;´)「たすけてー!」
.
137
:
◆dKWWLKB7io
:2017/10/30(月) 00:09:32 ID:qmlqk3ss0
どーも作者です。
おつと感想、誤字チェック、本当にありがとうございます。
何度見直しても抜ける……。
精進します。
さて、引っ越し記念の連続投下ですが、
ひとまずここで終了となります。
そして話も佳境に。
さあ残っているのは誰だ!
最後までよろしくお願いします。
ではではまたー。
138
:
名無しさん
:2017/10/30(月) 00:21:16 ID:oK3nH/Zg0
乙!
>>127
正確変わる → 性格変わる
139
:
名無しさん
:2017/10/30(月) 01:10:19 ID:2FU41suw0
乙
140
:
名無しさん
:2017/10/30(月) 01:35:06 ID:7F8UU9KEO
おつ
フィレンクトはやっぱり隻腕になる運命なのねw
アインクラッドではすぐに戻っちゃうのが惜しいとこ
141
:
名無しさん
:2017/10/30(月) 19:28:41 ID:l6cx7aA20
乙なり
142
:
名無しさん
:2017/10/30(月) 21:56:15 ID:DKPqZwXQ0
乙です!
もうすぐ終わっちゃうんだな
143
:
名無しさん
:2017/10/30(月) 22:09:31 ID:BwyhPCr.0
ANGLER編終わっても話は続くもんだと思ってたけど原作の時系列も考えるともう最終盤なのかな
144
:
名無しさん
:2017/10/31(火) 13:45:47 ID:TAuZJG2U0
後残ってるのはショボン、ジョルモラ、ヘリカル、動きのないギコしぃか
モララー…生きてるといいな
145
:
名無しさん
:2017/11/01(水) 21:09:15 ID:4Gl3YEMI0
あの描写で誰も死にませんでしたってストリーはさすがにないwww
146
:
名無しさん
:2017/11/02(木) 00:46:42 ID:y1fP1.Es0
確かにご都合主義かもしれないけどさ
『モララー』は無理でも、茂羅某(仮名)は朝日が何とかしてくれると信じてるよ
147
:
名無しさん
:2017/11/02(木) 00:51:35 ID:blOw27uw0
でもあれって死んだ瞬間に電気ビリビリじゃないん?
148
:
名無しさん
:2017/11/02(木) 00:52:33 ID:blOw27uw0
いや、タイムラグあるか
確かクリスマスイベかなんかで数分以内なら蘇生できるアイテム有ったな
それでも現実側からは無理だけど
149
:
名無しさん
:2017/11/02(木) 01:00:17 ID:y1fP1.Es0
22話の最後ら辺読んでみ
本編はともかく、少なくともこの作品の時系列の最終盤で脳みそ焼き切られたのは茅場だけだと信じたい
150
:
名無しさん
:2017/11/02(木) 01:04:38 ID:y1fP1.Es0
21話だったスマソ
151
:
名無しさん
:2017/11/02(木) 02:35:32 ID:p9Prhn1U0
この作品って結構シビアに命の描写してるのにギルメンは無事ってのはご都合だと思うけどなぁ
152
:
名無しさん
:2017/11/11(土) 08:31:53 ID:9mXQvU8o0
8話の時点でブーンがすげぇこと言っててびっくりしたわ
おつ
153
:
名無しさん
:2017/11/16(木) 23:20:24 ID:5a0I.DVoO
閑話読んでたらイーユウ君出てきてたわ
154
:
名無しさん
:2017/11/17(金) 21:58:40 ID:wJp2Q/x20
読み返すと伏線はりまくりで尊敬する
155
:
名無しさん
:2017/12/02(土) 20:34:45 ID:oMobV9pI0
saoのアプリ出てこの作品みたいに色々やってやるぜと意気込んでたけどやっぱやれること少ないわ
武器少ないしスキルガチャだしだったからなあ
156
:
◆dKWWLKB7io
:2017/12/17(日) 09:13:04 ID:h6rr3Xoo0
たまにはこんな時間に投下もいいじゃない。
ということで投下開始します。
よろしくお願いします。
157
:
◆dKWWLKB7io
:2017/12/17(日) 09:14:05 ID:h6rr3Xoo0
41.
ミセ*゚ー゚)リ「まったく……」
記録結晶を手に仁王立ちしているミセリ。
その視線の先にはうずくまってシャキンがいる。
(`・ω・´)「取られた―。
ちゃんと報告しなきゃなのにー」
ミセ*゚ー゚)リ「報告なら私がしますー」
(`・ω・´)「ちゃんとあのセリフ」
音もたてずにシャキンの背後に回り、
後ろから短刀を首元に当てるミセリ。
ミセ* ー )リ「セリフ?セリフって、なんのこと?」
(;`・ω・´)「あ、いえ、なんでもありません。はい」
ミセ* ー )リ「報告は私がする。
貴方は何も言わない。
よろしいかしら?」
(`・ω・´)「いえす!まむ!」
ミセ*゚ー゚)リ「……まったく」
短刀を鞘にしまうミセリ。
ミセ*゚ー゚)リ「そんなことより、行かなくて良いの?」
(`・ω・´)「んー。そうだなあ」
(‘_L’)「マタンキは、行動には難はありますがレベル上げやモンスター狩りには積極的で強いです」
.
158
:
◆dKWWLKB7io
:2017/12/17(日) 09:14:58 ID:h6rr3Xoo0
少し離れた場所で二人を見ていたフィレンクトが近寄る。
(‘_L’)「正直、ショボンさんお一人では厳しいかと思いますが」
ミセ*゚ー゚)リ「フィレンクトさん」
(‘_L’)「全員の飛ばされる場所は把握しています。
行くのならば早めに動きましょう」
ミセ*゚ー゚)リ「シャキン!」
(`・ω・´)「んー」
(‘_L’)「シャキンさん?」
ミセ*゚ー゚)リ「……シャキン?」
胡坐をかいて腕を組み唸っているシャキンを見て怪訝そうな顔をするミセリとフィレンクト。
(`・ω・´)「ま、ゆっくり行こう」
ミセ*゚ー゚)リ「はあ?」
(‘_L’)「シャキンさん!?」
(`・ω・´)「だって、おれらまで参戦したらいくら何でも戦力過多だからな」
楽しそうに笑ったシャキンを見て、
ミセリとフィレンクトは困惑した表情を見せた。
.
159
:
◆dKWWLKB7io
:2017/12/17(日) 09:16:08 ID:h6rr3Xoo0
右脚を切り裂かれたショボンが後方に跳ぶが、
本能のままマタンキが追撃する。
(;´・ω・`)「くっ」
(・∀ ・#)「ひゃはははははははっははははははは」
上段、下段、横薙ぎ、袈裟切りと、縦横無尽に攻撃されるショボン。
(;´・ω・`)「!……!」
体術で躱しつつチャクラムでも防御するが掠る刃と衝撃はHPを削っていく。
(・∀ ・#)「有名ギルドのギルマスさんがなさけないですよー」
(;´・ω・`)「ぼくはっ!」
ショボンの指を狙った攻撃が綺麗に決まり、
マタンキの片手剣がチャクラムを飛ばす。
(;´・ω・`)「!」
(・∀ ・#)「しねええええええええええええ!!!!!!!!!」
「ゴルァアアアアアアアアアア!」
ショボンの無防備になった右側に片手剣を振り下ろそうとしたマタンキの身体に横から体当たりする盾。
(・∀ ・#)「!!!!」
(;´・ω・`)「シールドバッシュ!?」
衝撃で飛ばされながらも体勢を立て直すマタンキ。
(,,゚Д゚)「ショボンはやらせないぞゴルァ!」
身体と同じような大きさの盾。
その盾を片手で持ち、
前面に押し出してマタンキに激突したのはギコだった。
.
160
:
◆dKWWLKB7io
:2017/12/17(日) 09:17:33 ID:h6rr3Xoo0
(;´・ω・`)「ギコ!?」
(,,゚Д゚)「遅れた!」
勢いのままショボンとマタンキの間に陣取り盾を地面に立てるギコ。
そして技後硬直を起こす
(・∀ ・#)「あの程度の剣技で硬直起こしている奴があああああ!!!!
ころしてやるるるるるるるううううううう!!!!!」
黄色に変わったHPを気にすることもなく突撃するマタンキ。
ギコはまだ硬直している。
(;´・ω・`)「ぼくが!」
(,,゚Д゚)「大丈夫だゴルァ」
(;´・ω・`)「え?あっ」
この状態で口元に笑みさえ浮かべながら前に出ようとするショボンを制するギコ。
そして二人の目の前で花が舞う。
「させないっ!」
(・∀ ・;)「なっ」
ギコに辿り着く前に頭の上に振り下ろされた短剣。
片手剣でそれを弾いたマタンキの背中が切り裂かれる。
(・∀ ・)「!」
慌てて自分を攻撃する者に片手剣を振るマタンキ。
それは攻撃と言うより威嚇に近いものだが空振りに終わった。
(・∀ ・)!
.
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