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( ・∀・)神様と(#゚;;-゚)生贄のようです
1
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 20:53:23 ID:kYas4tNw0
(;‘_L’)『荒巻殿、どうしましょう……』
/ ,' 3『なんだ、騒々しい』
(;‘_L’)『ここ最近、日照りが続いています。このままでは、作物が全滅してしまいます。
ただでさえ今年の夏は暑いのに、甚大な被害を受けてしまいます』
(;-_L-)『ああ、どうしてこんなことに……』
/ ,' 3『……神様が、モララー様がお怒りなのだ』
(;‘_L’)『な、なんてことだ! 一刻も早くモララー様の怒りを鎮めなくては……。
一体どうすれば……』
/ ,' 3『簡単なことだ』
『モララー様は生贄を欲している。生贄を捧げれば、モララー様は機嫌を直してくださることだろう』
.
3
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 20:55:22 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)
( ・∀・)「覆らなかった……」
( ・∀・)「神社の敷地内で生贄と称した殺人はやめてくれよ……」
( ・∀・)「しかもさ、なんで生贄を僕に捧げた瞬間に雨が降るの? 何の奇跡? 生贄効果で僕が雨を降らせたって思われるじゃん?」
( ・∀・)「ていうか、うん」
(#゚;;-゚)
( ・∀・)「いるんだよなぁ……そこに」
4
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 20:56:03 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)神様と(#゚;;-゚)生贄のようです
其の壱
.
5
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 20:56:57 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「生贄として捧げられた子が本殿の前にいるんだよなぁ……」
(;・∀・)「ていうかまだ小さいじゃん。十歳くらい? 荒巻色々とエグすぎない?」
(;・∀・)「顔も手も傷だらけだし……女の子なのに……」
(;・∀・)「……どうしようか。そもそもこの子、どういう状態なんだろ。幽霊でいいのかな……」
(;・∀・)「とりあえず本殿に入れてあげようか。放っとけないし……」
6
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 20:57:29 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「ねぇ、君」
(#゚;;-゚)「……」
( ・∀・)「そこにいたら雨で体が冷えちゃうよ。中にお入り」
(#゚;;-゚)「……いいです」
( ・∀・)「どうして?」
(#゚;;-゚)「……」
( ・∀・)「……」
(#゚;;-゚)「……」
(;・∀・)(困ったなー……)
7
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 20:58:03 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「黙ってちゃ何にも分かんないよ」
(#゚;;-゚)「……」
( ・∀・)「……もしかして、いじめられるとか思ってる?」
(#゚;;-゚)"「……っ」ピクッ
( ・∀・)「大丈夫だよ。いじめたりなんかしないから」
(#゚;;-゚)「……」
( ・∀・)「疑ってる?」
(#゚;;-゚)「……だって、信じていいのかわかんない」
( ・∀・)「信じていいよ。あのね、僕は神なんだ」
_,
(#゚;;-゚)
( ・∀・)(あっ、頭おかしい奴だと思われてる)
8
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 20:58:59 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「聞いたことない? モララー様って」
(#゚;;-゚)「……ある」
( ・∀・)「僕がそのモララーだよ」
_,
(#゚;;-゚)
( ・∀・)「疑ってるね?」
_,
(#゚;;-゚)「……疑ってない」
( ・∀・)「まあ何でもいいや。とりあえず本殿に入りなよ。体冷えちゃうから」
(#゚;;-゚)「……本殿は神様の場所だから、鍵がかかって入れないようになってるって……」
壁|・∀・)))「すり抜ければ大丈夫だよ。ほらほら」スーッ
(;#゚;;-゚)そ「!!!?」
( ・∀・)「なんてったって神だからね。このくらい余裕よ」
(;#゚;;-゚)「……神様っていうより幽霊みたい……」
( ・∀・)「あー、近いっちゃ近いね。でも僕は神なんだなぁ」
(;#゚;;-゚)「……本物の神様?」
( ・∀・)「本物本物」
(#゚;;-゚)「サインください」
( ・∀・)「意外とノリいいぞこの子」
9
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 20:59:50 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「多分、君もできるよ」
(;#゚;;-゚)「えっ」
( ・∀・)「やってみて、ほらほら」
(( (;#゚;;-゚)っ オソルオソル
Σ(;#゚;;-゚|壁 スーッ
( ・∀・)「できたできた。やっぱり幽霊なのかな、君は」
(;#゚;;-゚)「神様と同じことができた……」
(#゚;;-゚)「わたしって神様だったのか……」
( ・∀・)「そうじゃない」
10
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:00:42 ID:kYas4tNw0
(#゚;;-゚)「本殿の中って初めて入った……」
( ・∀・)「まあ、宮司以外は入れないからね」
(#゚;;-゚)「……あ、刀がある」
( ・∀・)「それは僕の神体だよ」
(#゚;;-゚)「……神体?」
( ・∀・)「神が宿るとされるものだよ。刀以外だと例えば鏡とか山が神体の神もいるよ」
(#゚;;-゚)「……モララー様は刀に宿ってるの?」
( ・∀・)「そういうことになるかな」
(#゚;;-゚)「刀が本体……?」
( ・∀・)「そんな眼鏡キャラの本体が眼鏡みたいな。まあ、僕が神として姿を保つために必要なものだね」
( ・∀・)「神体と神社、そして信仰があれば神は存在できるんだ」
(#゚;;-゚)「……ひとつでも無くなると消えちゃう?」
( ・∀・)「信仰が無くなると消えちゃうね。神体と神社は無くてもギリいける」
(#゚;;-゚)「信仰って大事なんだ……」
( ・∀・)「割合で言うと神体1:神社1:信仰8くらい」
(#゚;;-゚)「割合で表せちゃうんだ……」
11
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:01:30 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「とりあえず、君はおそらく幽霊だから成仏できるまでここにいるといいよ」
(#゚;;-゚)「……いいの?」
( ・∀・)「僕に捧げられたわけだし、責任は取らなきゃ」
(#゚;;-゚)「……ありがとう」
(;・∀・)「お礼なんて言わなくていいよ。僕のせいで君が死んじゃったとも言えるんだし」
(#゚;;-゚)「そんなことない」
(;・∀・)「そんなことあるんだよ。とりあえず改めて自己紹介でもしようか。
僕はモララー。ここ設楽葉村で信仰されている神だよ」
(#゚;;-゚)「……わたしは、でぃ。よろしく、モララー様」
(;・∀・)「そんなかしこまった呼び方じゃなくてもいいんだけどね……」
(#゚;;-゚)「じゃあ、モララー」
( ・∀・)「呼び捨てかぁ。別にいいんだけど呼び捨てかぁ」
12
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:02:16 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「そうだ、君の着物を用意しなくちゃ。ずっと死装束を着たままってわけにはいかないし」
(#゚;;-゚)「……いいの?」
( ・∀・)「もちろん。じゃあ早速出かけようか」
(#゚;;-゚)「……また壁すり抜ける?」
壁|(・∀・ )「うん。さっきみたいにすり抜けて……」
「遊びに来たわよ、モララー」ニュッ 壁|*゚ー゚)” Σ(・∀・;)「うおっ!!!?」ビクッ
(*゚ー゚)「誰が魚よ」
(;・∀・)「微妙に分かりづらいボケやめて。何しに来たの、しぃ」
(*゚ー゚)「暇だったから遊びに来たのよ」
(;・∀・)「仮にも神様が暇とか言わないでよ……」
(*゚ー゚)「大抵の神なんて暇よ。モナーさんみたいなすごい神様だって暇とか言ってここに遊びに来るじゃない」
(;・∀・)「それはそうだけど……」
(*゚ー゚)「あと、ギコくんも暇とか言ってよく来るし」
( ・∀・)「ギコはまあ……ギコだし……」
(*゚ー゚)「まあギコくんだしね」
(#゚;;-゚)(……この入り込めない空気つらい……)
13
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:02:53 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「そうそう、紹介するね」
(*゚ー゚)「あら、先客がいたの……」
(#゚;;-゚)←幼女
(*゚ー゚)
(*゚ー゚)「……ロリコン?」
(;・∀・)「ちげえよ!!!!」
(#゚;;-゚)「……ろりこんって何?」
(;・∀・)「訊くな!!!!」
(*゚ー゚)「しかも死装束着せるとかどんな性癖よモララー……」
(;・∀・)「ちげえってば!!!!」
14
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:03:54 ID:kYas4tNw0
(;・∀・)「この子は、僕に生贄として捧げられた子だよ」
(*゚ー゚)「は? 生贄? 生贄の幼女? やっぱりロリコン?」
(;・∀・)「誤解だってば!!!!」
(*゚ー゚)「なんでアンタ、生贄なんか求めたの?」
(;・∀・)「求めたわけじゃないよ。村長が勝手に……」
(*゚ー゚)「……勝手に?」
(;・∀・)「日照り続きなのは僕が怒ってるせいだとかなんとかって……」
(*゚ー゚)「天気とアンタなんの関係もないじゃない」
(;・∀・)「勝手にこじつけられたみたいで……」
(*゚ー゚)「人間干渉モードで上手いことやって変なこじつけされないようにしなさいよ」
(;#゚;;-゚)(に、人間干渉モード? 何その名前……)
(;・∀・)「簡単に言うなよ……。
そもそも僕は人間干渉モードは使わない主義なんだ。人間と神の間には境界線を引くべきだよ」
(;#゚;;-゚)(別に名前にツッコミはしないんだ……)
(*゚ー゚)「いつまでも不干渉を貫くとどんどん都合のいい扱いを受けるわよ。
今でさえ都合よく扱われてるのに」
(;・∀・)「うっ」
(*゚ー゚)「モララー様は優しいから怒らないーとか言いながらお供え物持って行かれたり」
(*゚ー゚)「優しいから怒らないとか言われてたくせに今回は怒ってるから生贄を捧げようなんて話になってるし」
(;・∀・)「べ、別に純粋に信仰してくれる人もいるもん……」
15
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:04:52 ID:kYas4tNw0
(#゚;;-゚)「ねえ、モララー……この神様は……?」
( ・∀・)「ああ、僕の友達の神様だよ」
(*゚ー゚)「はじめまして。私は隣の美府村の神、しぃよ。あなたは?」
(#゚;;-゚)「わたしは、でぃ……」
(*゚ー゚)「でぃちゃんね、よろしく」
(#゚;;-゚)「は、はい……」
(#゚;;-゚)「……」ジッ
(*゚ー゚)「? どうしたの、ジッと見て」
(#゚;;-゚)「……綺麗……」
(*゚ー゚)「ちょっとちょっとモララー、でぃちゃん超絶いい子じゃないの」
( ・∀・)「綺麗ってのはしぃが着てる十二単のことじゃない?」
(*゚ー゚)「十二単込みの私のことに決まってんだろ」
(#゚;;-゚)「着物も、しぃさんも、どっちも綺麗……」
(*゚ー゚)「ほれ見なさい、モララー」
( ・∀・)「でも先に言ったのは着物だよね」
(*゚ー゚)「いちいち揚げ足取るんじゃないわよ」
( ・∀・)「僕はあくまで事実を言っているだけで」
(*゚ー゚)「ひたすらに鬱陶しいわ」
(#゚;;-゚)(仲良し……)
16
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:06:17 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「前から思ってたんだけど、しぃってなんで十二単着てるの?」
(*゚ー゚)「だって、綺麗じゃないの」
( ・∀・)「お洒落のために20kgを纏う意識の高さ半端じゃねぇな」
(*゚ー゚)「おかげで鍛えられたわー」
( ・∀・)「十二単着て普通に動き回ってるもんね……」
(*゚ー゚)「このまま戦えって言われても余裕よ。戦ってみる?」
(;・∀・)「嫌だ。前にしぃと喧嘩したギコがぼろ雑巾みたいになってたから嫌だ」
17
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:07:00 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「そうそう、本題に戻るけどさ」
(*゚ー゚)「モララーのロリコン疑惑について?」
(;・∀・)「ロリコンじゃないってば!! そうじゃなくて本題は……」
(#゚;;-゚)「……人間干渉モードとは何か」
(;・∀・)「それも違う!! ていうか地味に気になってたんだね!?」
(*゚ー゚)「人間干渉モードってのは、名前の通り人間に干渉するモードよ。
普通にしてるときは人間が神を見ることはできないけど、このモードを使えば人間に干渉できるようになるわ」
(;・∀・)「ちなみに命名はモナーで……じゃなくて、本題!! でぃの着物!!」
(*゚ー゚)「モララーの趣味の死装束?」
(;・∀・)「趣味じゃないから!
でぃの新しい着物を用意しに行こうとしたタイミングでしぃが来たんだよ」
(*゚ー゚)「あら、そうだったの。じゃあ、これから行くの?」
( ・∀・)「そうだね。良かったらしぃも一緒に来てよ」
(*゚ー゚)「いいの? 行くわ」
18
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:07:43 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「さーて、出発だー」
(*゚ー゚)9"「おー!」
(#゚;;-゚)9"「おー」
( ・∀・)「でぃはどんな着物がいい?」
(#゚;;-゚)「……かわいいの」
(*゚ー゚)「十二単はどう?」
( ・∀・)「十二単は重いでしょ。でぃはしぃみたいにマッチョじゃないんだから」
(*゚ー゚)「マッチョって言うのやめなさい」
(#゚;;-゚)「……」
( ・∀・)「ん? どしたの、でぃ」
(#゚;;-゚)「……なんか、お母さんとお父さんみたいだなって」
(*゚ー゚)「えぇー……モララーが相手は無いわー……」
( ・∀・)「酷くない?」
(*゚ー゚)「そもそも私、ギコくんと付き合ってるし」
(#゚;;-゚)「……神様って意外と俗っぽいんだね」
( ・∀・)(ロリコンは知らないわりに『俗っぽい』なんて言葉は知ってるのか……)
19
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:09:16 ID:kYas4tNw0
(*゚ー゚)「あ、ねえ」
( ・∀・)「ん?」
(*゚ー゚)σ「あれ、例の村長じゃない?」
/ ,' 3
(;#゚;;-゚)" ビクッ
( ・∀・)「本当だ。散歩でもしてるのかな?」
(*゚ー゚)「雨の中ご苦労ね」
(;# ;;- )o"「……」ギュッ
( ・∀・)「でぃ、そんなに引っ張ったら僕の着物の裾が伸びちゃ……」
:(;# ;;- )o: ガタガタ
(;・∀・)「……でぃ!?」
(;*゚-゚)「でぃちゃん!? 大丈夫!?」
:(;# ;;- ):「……だ、大丈夫……」
(;*゚-゚)「どう見ても大丈夫じゃないわよ」
(;・∀・)(そうだった、でぃは荒巻に奴隷にされてたんだった……)
(;・∀・)(それに、でぃに直接手をかけたのは荒巻だ……!)
(;*゚-゚)「ど、どうするの、モララー」
( ・∀・)「しぃはでぃと一緒に僕の本殿に戻って待ってて。着物は僕が用意してくる」
(;*゚-゚)「分かったわ。行きましょう、でぃちゃん」
:(;# ;;- ):「は、はい……」
20
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:10:03 ID:kYas4tNw0
(;*゚-゚)「でぃちゃん、大丈夫?」
(;# ;;- )「大丈夫……です」
(;*゚-゚)「ここにいれば安心だから。すぐにモララーが帰ってくるわ」
(;# ;;- )「はい……」
(;*゚-゚)「……」
(;# ;;- )「……」
(;*゚-゚)(何かもっと……気の利いた話題……)
(*゚ー゚)「……ねえ、モララーについてどう思う?」
(;#゚;;-゚)「……モララー?」
(*゚ー゚)「そう、モララー」
(#゚;;-゚)「……優しい……」
(*゚ー゚)「そうね、とっても優しいわ。甘すぎるとも言えるけど」
(*゚ー゚)「ちょっと頼りないとこあるけど、モララーはいい奴よね」
(#゚;;-゚)「……はい、わたしもそう思います」
(*゚ー゚)「モララーは頼りない、と?」
(;#゚;;-゚)「そっちじゃないです……」
(*゚ー゚)「じゃあ、頼りがいがあるって思う?」
(#゚;;-゚)「……」
(*゚ー゚)「正直ね」
(;#゚;;-゚)「何も言ってないです……」
21
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:10:32 ID:kYas4tNw0
壁|;・∀・)"「ただいま! でぃ大丈夫!?」ニュッ
(#゚;;-゚)「うん。もう平気」
(*゚ー゚)「着物は用意できたの?」
( ・∀・)「うん、用意してきたよ」
(*゚ー゚)ノシ「じゃあ私が着付けを手伝うわ。男は出ていきなさい。シッシッ」
壁|;・∀・)))「言い方……出ていくけどさ」
22
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:11:08 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「まだかなまだかなー」
壁| < モララー、いいわよー
壁|・∀・)"「はいはーい」ニュッ
(#゚;;-゚)
(*・∀・)「あっ、でぃ似合ってる!」
(*゚ー゚)「……モララー」
(*・∀・)「うん?」
(*゚ー゚)「アンタやっぱりロリコン?」
(;・∀・)「え、なんで!?」
(*゚ー゚)「これ、ミニ丈の浴衣じゃないの。幼女の生脚目当て?」
(;・∀・)「このくらいの年頃の女の子なら、短い丈が好みだと思ったんだけど……」
(*゚ー゚)「……馬鹿ね、モララー」
(*゚ー゚)「でぃちゃんの脚、傷や痣だらけじゃない」
(;・∀・)「……!」
23
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:11:43 ID:kYas4tNw0
(*゚ー゚)「気付かなかったの?」
(;・∀・)「気付かなかった……」
(*゚ー゚)「いくら脚が死装束で見えなかったとしても、顔や手に怪我があるんだから想像できたはずよ」
(;・∀・)「ごもっともです……」
(*゚ー゚)「だからアンタはダメなのよ」
(;・∀・)「返す言葉もございません……」
24
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:12:29 ID:kYas4tNw0
(#゚;;-゚)(短い着物……)
(#゚;;-゚)(お花の柄……)
(*#゚;;-゚)「かわいい……」ポソッ
(*#´;;-`)「こんなにかわいい着物初めて……」
(;・∀・)σ「! しぃ! でぃ本人が気に入ってるぞ!!」
(;*゚Д゚)そ「え、嘘!?」
(;・∀・)「そんなに驚く?」
(;*゚-゚)「えー……私だったらミニ丈なんて絶対着ないし……」
( ・∀・)「しぃの脚ムッキムキだもんね」
(*゚ー゚)「うるせえよ」
25
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:13:02 ID:kYas4tNw0
(*゚ー゚)「でぃちゃんが気に入ってるなら、私には何も言えないわね。
じゃあ、私そろそろ帰るわ」
( ・∀・)「あれ、帰っちゃうの?」
(*゚ー゚)「ええ。また遊びに来るわ」
( ・∀・)「はーい」
(#゚;;-゚)ノシ
(*゚ー゚)「……モララー、もう村人が生贄を捧げたりなんてこと無いようにちゃんとやりなさいよ」
(;・∀・)「はい……」
壁|*゚ー゚)ノシ ))「じゃあね」
壁|「……なんかあったらちゃんと頼りなさい。力になるから」
( ・∀・)「……!」
26
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:13:45 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「……しぃはちょっと口が悪いけど、優しくていい奴だよね」
(#゚;;-゚)「わたしもそう思う」
( ・∀・)「不器用なんだよねー」
壁|*゚ー゚)「……うるさいわよ」
( ・∀・)「帰ってなかったんかい」
壁|*゚ー゚)ノシ「うるさいうるさいうるさい」ペチペチ
(;・∀・)「痛い痛い!! 音の割に一撃一撃が重い!!」
(#゚;;-゚)(しぃさん照れてる……?)
壁|*゚ー゚)ノシ ペチペチペチペチ
(;・∀・)「痛い! 痛い! ぼろ雑巾になる!!」
27
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:14:45 ID:kYas4tNw0
*
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、アンタ」
( ^ω^)「どうしたお?」
ξ゚⊿゚)ξ「こんなところに祠なんてあったかしら?」
( ^ω^)「お? 見覚えはないおね……」
ξ゚⊿゚)ξ「誰かが勝手に作ったのかしら?」
( ^ω^)「ここ、神社の敷地内だお。そんなことしたらモララー様が怒っちゃうかもしれないお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよね……。じゃあ前からあったのかしら……」
( ^ω^)「僕たちが気づかなかっただけで前からあったのかもしれないお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。……それにしても、酷く不恰好な祠ね。なんだか気味が悪いわ」
( ^ω^)「だおね……。もう行こうお」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ」
28
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:15:19 ID:kYas4tNw0
「……行ったか」
二人の男女の背中を見送る。
周囲に誰もいないことを入念に確認し、村人──フィレンクトはそっと茂みから抜け出した。
(‘_L’)「さて……」
フィレンクトは歪な祠へと目を向け、歩き出す。
その目に恐怖と憐憫を滲ませて。
.
29
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:16:20 ID:kYas4tNw0
*
( ^ω^)人「モララー様、おはようございますお」
ξ゚⊿゚)ξ人「今日も一日、お守りください」
/ ,' 3「……」
この若い夫婦は、毎朝神社前を掃除し、拝んでいる。
毎日欠かさずにお供え物を持ってくることもあり、信心深いことで有名な二人だった。
/ ,' 3(……馬鹿らしい)
フッ、と鼻で笑う。
何が神様だ。何がモララー様だ。
信じる者は救われるだなんて、どこの頭がおめでたい馬鹿が言い出したのだろうか。
モララー様だなんだと言って神社まで足を運ぶ村人たちは騙されているのだ。
実体のない偶像を盲信する馬鹿共だらけだ。
/ ,' 3(神なんて、存在しない)
/ ,' 3(神がいるなら、信じる者は救われるのなら……)
/ 3(救われるの、なら……)
存在もしない神などに村人が毒されている現状が許せない。
儂が目を覚まさせてやらなければ。
何よりも、あいつのために。
其の壱 了
30
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:17:48 ID:kYas4tNw0
続けて投下します
31
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:18:30 ID:kYas4tNw0
( -∀-)スヤスヤ
( ・∀・)パチッ
( -∀-)「朝か……」
( -∀-)づ「でぃー起きてー」ユサユサ
( )"「あと一時間……」
( -∀-)づ「せめて五分でしょ」ユサユサ
( ´∀`)"「はーい、起きるモナ」ムクッ
( ・∀・)つ
( ´∀`)ノ「おはようモナ、モララー」
(;・∀・)「なんでいるんだよ老人!!!」
32
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:19:14 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)神様と(#゚;;-゚)生贄のようです
其の弐
.
33
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:20:33 ID:kYas4tNw0
( ´∀`)「老人だなんて酷いモナね」
(;・∀・)「実際そうじゃん」
( ´∀`)「見た目だけモナ。中身はピッチピチモナよ」
(;・∀・)「ピッチピチて。鮮魚かよ。言い回しが古いわ」
( ´∀`)「何百年も神様やってるモナからしたらごく最近モナ」
(;・∀・)「いや、そんなことはどうでもいいんだ! なんでいる!?」
( ´∀`)「遊びに来たらモララーまだ寝てたからモナも寝ようかなーって」
(;・∀・)「いつ来たんだよ」
( ´∀`)「四時くらい」
(;・∀・)「早っ! 老人かよ!! 老人だったわお前!!!」
( ´∀`)っロ「中身は若者モナ。ほらほら、若者の証拠、スマートフォンモナ」
(;・∀・)「別に証拠にはならない……なんで神がスマホ持ってんだよ……」
"o( ´∀`)o"「若者御用達の革ジャンも着てるモナよ」バサァッ
(;・∀・)「御用達かどうかは知らないけど……いやなんで着物の上に革ジャンなんだよ! その開き方やめろ!」
( ´∀`)「開き方は郷ひろみをイメージしてるモナ。
革ジャン着た神様なんてそうそういないモナよ。プレミアムモナ」
(;・∀・)「いてほしくないんだよ……」
34
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:21:12 ID:kYas4tNw0
(#-;;-゚)"「……モララー?」モゾ
(;・∀・)「あ、でぃ」
( ´∀`)
(#゚;;-゚)←同じ布団から出てきた幼女
( ´∀`)
( ´∀`)「……ロリコン?」
(;・∀・)「ちげえ!!!」
(#゚;;-゚)「……モララー、ろりこんって何?」
(;・∀・)「訊くな!!!」
( ´∀`)「ロリコンっていうのはね……」
(;・∀・)「教えるな!!!」
35
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:22:03 ID:kYas4tNw0
( ´∀`)「で、君はどこから誘拐された子モナ?」
(;・∀・)「誘拐してねぇよ!」
( ´∀`)「今はこの子に訊いてるモナ。モララーは黙ってるモナ」
(;・∀・)「誤解くらい解かせろよ……」
(;#゚;;-゚)「わ、わたしは、でぃです。あの、モララーは優しくて、誘拐なんかじゃなくて……」
( ´∀`)「ストックホルム症候群モナ?」
(;・∀・)「なんでお前は僕を誘拐犯に仕立て上げたいんだよ……」
( ´∀`)「冗談モナ。で、どうした子モナ?」
(;・∀・)「生贄として僕に捧げられた子だよ」
( ´∀`)「あー、いわゆる人身御供モナね」
( ・∀・)「そうそう」
( ´∀`)「モナも経験があるモナ。昔の話だけど。
現代で生贄なんて珍しいモナね」
( ・∀・)「ここ設楽葉村は古い慣習が色濃く残る村だからね」
( ´∀`)「この村だけ文明が遅れてる感半端ないモナね」
( ・∀・)「まあ、実際遅れてると思うよ」
( ´∀`)「モナみたいに着物に革ジャンスタイルを取り入れてオシャレするべきモナ」
( ・∀・)「そのオシャレはうちの村民どころか現代っ子にも前衛的すぎるかなー」
36
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:23:28 ID:kYas4tNw0
( ´∀`)「で、生贄のでぃちゃん、だったモナね?」
(;#゚;;-゚)「は、はい……」
( ´∀`)「モナは主に芝里合村で信仰されてる神、モナーモナ」
(#゚;;-゚)「モナーモナさん……」
( ´∀`)「ごめんそれ語尾。モナーね、モナー」
(#゚;;-゚)「モナーさん……あの、さっき言ってた『主に』っていうのは……?」
( ´∀`)「ああ、モナは神様歴が長いからね。嫌な言い方だけど権力とかコネとか神としてのカリスマ性とかいっぱいあるのね」
( ・∀・)「わぁほんとに嫌な言い方。特に最後」
( ´∀`)「だからまあ、芝里合村以外でも信仰が進んじゃってるモナね。
こいつダメだなって感じの神の信仰をモナに向けさせて、その神を消したりもするし」
(;#゚;;-゚)「……」
(;・∀・)「……お前、そんなことしてたのか……」
( ´∀`)「あくまでクズな神だけモナよ。ていうか、モララーだって例外じゃないモナ」
(;・∀・)「えっ、僕ってクズ?」
(;#゚;;-゚)「モ、モララーはクズなんかじゃないです……!」
( ´∀`)「分かってるモナよ。クズじゃないモナ。優しい神様モナ」
(;・∀・)「じゃあなんで……」
( ´∀`)「モララーは優しすぎるモナ。というか、甘いモナ」
(;・∀・)「……」
37
:
名無しさん
:2017/08/25(金) 21:23:56 ID:qRpeTERo0
面白い
支援
38
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:24:23 ID:kYas4tNw0
( ´∀`)「モララーは人間に干渉しないっていうこだわりがあるモナね?」
(;・∀・)「……うん」
( ´∀`)「この先、村人たちがモララーを言い訳に悪事を働いたとして、それでも干渉はしないモナ
?」
(;・∀・)「……それは」
( ´∀`)「具体的に言うと、モララーを言い訳に人が人を殺すような事態モナ。現にでぃちゃんがそうモナね?」
(;・∀・)「……ああ」
( ´∀`)「昔のことがあるから躊躇うのも分かるけど……現状はあまり良くないモナね」
(;・∀・)「……」
(;#゚;;-゚)(昔のこと……?)
( ´∀`)「同じような事態が続くのをただ見てるだけなら、神として無能だとモナが判断したら……」
( ´∀`)「そのときは、モナは自分が最善だと思う選択をするモナ」
39
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:25:13 ID:kYas4tNw0
(;・∀・)「……」
(;#゚;;-゚)「……」
( ´∀`)「……まあ、あんまり気負わないでほしいモナ。ただ、神と人間の関係についていま一度考えてみてほしいモナ」
(;・∀・)「……おう」
(;#゚;;-゚)「……」
( ´∀`)「……」
(;・∀・)「……」
壁|,,゚Д゚)ノ"「モララー!! 暇だ!! 遊ぼうぜ!!!!」ニュッ
( ・∀・)
(#゚;;-゚)
( ´∀`)
(,,゚Д゚)「お? なんか空気重いぞー? どうしたどうしたー?」
( ´∀`)「……ギコ、KYモナ」
(,,゚Д゚)「それ死語じゃね?」
(;・∀・)(;#゚;;-゚)((た、助かった……))
40
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:25:50 ID:kYas4tNw0
(;・∀・)「……ギコも来たのか。モナーといい、昨日のしぃといい、暇な奴ばっかかよ……」
(,,゚Д゚)「なんだ、昨日しぃ来てたのか?」
( ・∀・)「うん、遊びに来てたよ」
(;,゚Д゚)「……うおっ!? 幼女がいる! モララー、お前まさかロリコンか!?」
( ・∀・)「そのくだり何回もやったからもういいよ」
(;,゚Д゚)「なんか俺に対して塩対応じゃないか?」
( ・∀・)「だってギコだし……」
(;,゚Д゚)「理由になんねぇぞそれ!」
41
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:26:30 ID:kYas4tNw0
(,,゚Д゚)「で、どこの子だ? この幼女は」
(#゚;;-゚)「あ……わたしは、でぃです……」
(;・∀・)「……僕に生贄として捧げられた子ね」
(,,゚Д゚)「生贄? まだそんな慣習が残ってんのかぁ。
俺は羅雲路村の神、ギコだ! よろしくな、でぃ!」
(#゚;;-゚)「ギコさん……あ、ぼろ雑巾の人……」
(,,゚Д゚)「待って待ってどういうこと。どんな教育してんだモララー」
( ・∀・)「ギコがしぃと喧嘩してぼろ雑巾にされた話が印象に残ってるみたい」
(,,゚Д゚)「あー、アレは消滅するかと思ったわ。俺、槍持ってたのに素手のしぃにボッコボコにされたし」
( ・∀・)「お前、素手の女に槍で立ち向かったのかよ……」
(,,゚Д゚)「結果的に俺ぼろ雑巾だからな? 俺のギコスピア粉砕されたし」
( ・∀・)「槍の名前ダサッ」
( ´∀`)「安直っ」
(#゚;;-゚)「槍に自分の名前つけるんだ……」
(,,゚Д゚)「でぃのが一番傷つくわ……」
42
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:27:17 ID:kYas4tNw0
(,,゚Д゚)「まあ、そんな経緯があって以来、俺は常に軽装の甲冑を身につけるようになったんだよ。しぃ対策に」
( ・∀・)「十二単(20kg)着ながら、武器持った男を素手でぼろ雑巾にできて、槍も粉砕しちゃう女だぞ、しぃは」
( ´∀`)「そんな甲冑程度、無いに等しいモナ。しかも軽装だから余計に」
( ・∀・)「甲冑着てたところで、しぃのグーパン喰らえばギコの胴を貫通するぞ」
( ´∀`)「防御がペラッペラモナ。紙モナ、紙。いや、もはや紙以下モナ。うっすーい膜モナ」
(,,゚Д゚)「お前ら言いたい放題すぎない?」
(#゚;;-゚)(この場にしぃさんがいなくてよかった……)
壁|*゚ー゚)
(;#゚;;-゚)そ(い、いたーーーー!!!!)
43
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:28:02 ID:kYas4tNw0
(*^ー^)「どうもどうも皆さんお揃いのようでぇ〜」
(;,゚Д゚)そ「し、しぃ!?」
(;・∀・)そ「いつからいたんだ!?」
(*^ー^)「え? 今来たところよ?」
(;・∀・)「ほ……本当?」
(*^ー^)「あら、そんな反応をするってことは私に聞かれたら困る話でもしてたのかしら?」
(;・∀・)「い、いや……」
(*^ー^)「私のことを筋肉オバケ扱いでもしてたのかしら?」
(;・∀・)「聞いてたんじゃん!!」
(*^ー^)「スイカ割りしようと思ってスイカ持って来たんだけど、先に頭をかち割ってやろうかしら? ねぇ、ギコくん?」
(;,゚Д゚)「お、俺!? 俺は貶されてただけなのに何で俺!?」
(*゚ー゚)「まあ、それはギコくんだし……」
(;,゚Д゚)「しぃといいモララーといい何で俺自身を理由にするんだ!?」
(;・∀・)(よっしゃ、犠牲者はギコだけで済む)ホッ
(*^ー^)「勘違いしてるみたいだけど、あくまで順番の問題よ? モララー」
(;・∀・)「嘘だろ!?」
( ´∀`)「モナモナモナwwwwwwww」
(*^ー^)「モナーさんも例外じゃないわよ?」
( ´∀`)
( ´∀`)「嘘やん」
44
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:28:50 ID:kYas4tNw0
( ´∀`)「しぃ、お年寄りには優しくするモナ」
(;・∀・)「お前若者だって主張してたクセにここぞとばかりに!!」
(*゚ー゚)「まあ、茶番はこれくらいにして」
(;・∀・)「あ、茶番だったんだ……」
(*゚ー゚)「さすがにでぃちゃんの前ではね……」
(;・∀・)(でぃの前じゃなかったらぼろ雑巾にされてたのか……)
(*゚ー゚)ノ◯"「スイカをね、持って来たのよ」ヒョイ
( ´∀`)「うわぁそんな軽々と」
(,,゚Д゚)「しかもよく見たら指三本だけで支えてるし」
(*#゚;;-゚)「スイカ……」キラキラ
(*゚ー゚)「ということで、外でスイカ割りやりましょう!」
ヽ(*´∀`)ノ「ヒャッホーウ!!!」
( ・∀・)「お前がいちばん喜ぶのか」
45
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:29:43 ID:kYas4tNw0
(*゚ー゚)っ◯"「ブルーシートも持って来たから、この上にスイカを置いて……」
( ・∀・)「割るための棒は?」
(*゚ー゚)「え? 素手で充分じゃない?」
( ・∀・)「お前だけだよ」
( ´∀`)「じゃあモララーの刀で代用するモナ」
( ・∀・)「ダメだよ。大事な俺の神体なんだから」
( ´∀`)「じゃあギコの槍」
(,,゚Д゚)「ギコスピアだって俺の神体なんだからダメだぞ」
(#゚;;-゚)「御神体に自分の名前つけてたんだ……」
(,,゚Д゚)「淡々と事実のみを言われるの心にくるからせめて馬鹿にして」
( ・∀・)「ギコの心がぼろ雑巾」
(,,゚Д゚)「お前には言ってねえ」
46
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:31:25 ID:kYas4tNw0
( ´∀`)っy「いい感じの枝拾ったからこれ使うモナ」
( ・∀・)「んなほっそい枝でスイカが割れるわけねぇだろ」
(*゚ー゚)「しかも枝分かれしてるしそれ」
(,,゚Д゚)「その枝は振り回して遊ぼうな」
( ´∀`)ノシ ブンブン
(#゚;;-゚)っ[]「モララー、ちょうどよさそうな木があったんだけどどうかな?」
( ・∀・)「おっ、いいじゃん! でかした、でぃ!」
(*゚ー゚)「でぃちゃん有能ね」
(,,゚Д゚)「すなわちモナーは無能……?」
( ´∀`)「神様としては有能だもーん」
(,,゚Д゚)「だもーんがムカつく」
47
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:32:12 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)っ[]「ていうか、この木って加工されたものだよね?」
(*゚ー゚)「角材ね。人間が忘れて帰ったのかしら?」
( ・∀・)「でぃ、どこにあったの?」
(#゚;;-゚)σ「そこの茂みの近く……」
( ・∀・)「おお、よくこんなところ見つけたね」
(,,゚Д゚)「なんでこんなところに角材が?」
(*゚ー゚)「……あ、祠があるわよ」
( ´∀`)「……!」
( ・∀・)「祠? なんでこんなところに……」
(,,゚Д゚)「やけに形が悪い祠だな。素人が作ったのか?」
(*゚ー゚)「見るからに新しいし、つい最近作られたものね。……本当に不恰好だわ」
(#゚;;-゚)「……形はガタガタだけど、わたしこれ好きかも……」
(,,゚Д゚)「えー? こんなののどこがいいんだ?」
(#゚;;-゚)「……わかんない、けど……なんだか落ち着くかも……」
( ´∀`)「……」
48
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:32:56 ID:kYas4tNw0
(,,゚Д゚)「見た感じ、祠は完成してるし角材は使ってもよさそうだな?」
( ´∀`)「いいと思うモナ。使っちゃお使っちゃお」
( ・∀・)「じゃあ、あとは目隠し用の布かな。しぃ、ある?」
(*゚ー゚)「あ、持ってきてないわ。ギコくん、ちょっと着物の袖を引きちぎらせてくれない?」
(;,゚Д゚)「嫌だよ! セクシーになっちまうだろ!」
( ・∀・)「ならねえよ」
(*゚ー゚)v「そうだ、私が目潰しするからそれでよくない?」
(;・∀・)「いいわけないだろ! なんでいいと思ったんだよ!」
(;#゚;;-゚)「……普通にタオルとかでいいんじゃないかな……」
(*゚ー゚)「あ、そうね。誰よ目潰しとか言った奴」
( ・∀・)「お前にしかない発想だよ」
49
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:33:37 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「タオルも用意できたし、これで準備は完璧かな」
(*´∀`)「誰からやるモナ?」
(*゚ー゚)「そうね……順番に皆やりたいわよね。初っ端から割れちゃうような事態は避けたいわ」
( ・∀・)「じゃあギコかな」
(,,゚Д゚)「おいおい舐めやがって。見てろ、この俺が華麗に決めてやるから」
( ´∀`)「華麗に決められないフラグ建てたモナね」
(,,゚Д゚)「そんなもの折ってやるわ」
( ・∀・)+「折れるのは心だろ」
(,,゚Д゚)「上手いこと言ったみたいな顔すんじゃねえ」
(*゚ー゚)「あと骨も折れる」
(;,゚Д゚)「なんで? もはや折られるの? しぃに? しぃに?」
50
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:34:20 ID:kYas4tNw0
(,,-Д-)「おーし、目隠しできたしいくぞー」
(( (,,-Д-)「こっちか?」
「ギコ! 右だ右だ!」
「ギコさん、そっちじゃないです! もっと右です!」
「モナモナモナwwwwwww」
(,,-Д-)(こいつら……さては、俺を騙そうとしているな?)
(( (,,-Д-)(その手には乗らないぞ。つまり、スイカの位置はこの方向で合っている……)
(( (,,-Д-)っ[](よし、棒を構えて……)
(( (,,-Д-)っ[] (゚ー゚*)
51
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:35:06 ID:kYas4tNw0
(;・∀・)「おい、ギコ! 本当にそっちじゃねぇ!! 危ない!!(ギコが)」
(;#゚;;-゚)「逃げてください! 危ないです!!(ギコが)」
( ´∀`)「危ないモナよwwwww(ギコが)」
(,,-Д-)「おし、ここだな!?」ブンッ
[]⊂彡
"(゚ー゚*) ベシッ
(*,,-Д-)「お? 手応えがあったぞ! 割れろ割れろ!」ブンッブンッ
[]⊂彡
"(゚ー゚*) ベシッベシッ
( ・∀・)(あ、ギコ死んだな)
52
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:35:45 ID:kYas4tNw0
(*^ー^)「さ、四人でスイカ割り大会をやっていきましょうか!」
( ´∀`)「はーい」
(;#゚;;-゚)(ギコさんがさらりと亡き者に……)
(;・∀・)(ギコがスイカ割りされてしまった……。骨折れるなんてレベルじゃない……)
(*゚ー゚)「どうする? 誰がやる?」
( ´∀`)「とりあえず一番最後はでぃちゃんでどうモナ?」
( ・∀・)「大トリか。でぃ、どう?」
(*#゚;;-゚)「わかった。最後に決める……!」
( ´∀`)「じゃあ、二番手はモナがいくモナ」
(*゚ー゚)「あらやだモナーさんったら。モナーさんは二番手じゃなくて一番手よ?」
( ・∀・)(ギコは完全にいなかった者扱いかぁ……)
(,,゚Д゚)「まったく、しぃは横暴だよなぁ」
( ・∀・)「復活早くない?」
(,,゚Д゚)「タフじゃなきゃしぃの彼氏は務まんねえぞ」
( ・∀・)(そういや付き合ってるんだったこいつら)
53
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:36:21 ID:kYas4tNw0
( ´∀`)「フッフッフッ、モナが大人気なく決めてやるモナ」
( ・∀・)「わぁ嫌なセリフ」
( ´∀`)「なんなら指示いらないモナ。己の勘だけでスイカの位置を当ててみせるモナ」
(,,゚Д゚)「すげえ自分を追いこむなお前」
( ´∀`)「自分で言っちゃうけど、モナってすごい神様だからぁー」
(*゚ー゚)「さっさとやりなさいよ」
( ´∀`)「はい」
54
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:37:00 ID:kYas4tNw0
( ´∀`)っ[]「目隠しオッケー、いくモナよー」
( ・∀・)「はーい」
((( ´∀`)っ[](今聞こえたモララーの声をヒントに方向、距離を計算して……)
( ´∀`)「ここモナ!!」スカッ
[]⊂彡
( ´∀`)
( ´∀`)スカッ
[]⊂彡
( ´∀`)
( ・∀・)「フッフッフッ、モナが大人気なく決めてやるモナ(笑)」
(*゚ー゚)「なんなら指示いらないモナ(笑)」
(,,゚Д゚)「己の勘だけでスイカの位置を当ててみせるモナ(笑)」
( ´∀`)「やめて」
(#゚;;-゚)「自分で言っちゃうけど、モナってすごい神様だからぁー」
( ´∀`)「お願い、せめて笑って。真顔で復唱しないで」
55
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:37:47 ID:kYas4tNw0
(*゚ー゚)「じゃあ次はモララーかしら」
( ・∀・)「僕?」
( ´∀`)「モララーが華麗に!!!なんの指示も無しに!!!!百点満点のスイカ割りを見せてくれるモナよ!!!!!」
(;・∀・)「腹いせにハードル上げるのやめろ!!!」
(,,゚Д゚)「そうだな、モララーならできる!」
(;・∀・)「便乗やめろ!!!」
(*゚ー゚)「楽しみだわ。ねぇ、でぃちゃん?」
(*#゚;;-゚)「はい……!」
(;・∀・)「や、やめろ卑怯な……!」
(*#゚;;-゚) キラキラ
(;・∀・)「やめろ……期待に満ちた眼差しで見るな……!」
56
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:38:32 ID:kYas4tNw0
「モララー、早くするモナ」
「とっとと爆死しろー」
「まあまあ、決めればいいだけの話よ、モララー」
(;-∀-)「うるさいなー……」
「モララー、頑張って!」
(((;-∀-)(ああー、でぃの純粋な期待が一番つらい……見えないけど目がキラキラしてるのが分かる……)
((( -∀-)(……そうだ、しぃの言う通り決めればいいだけの話だ)
((( -∀-)っ[](目隠しする前にスイカまでの距離を見ておいた。おそらく、15歩くらいで辿り着くはず)
( -∀-)「よし、ここだ!」ベシッ
[]⊂彡
(*-∀-)(よっしゃ、手応えがあったぞ!)
(;-∀-)(……いや待て、これは……)
(;・∀・)「じ……地面……!」
(*゚ー゚)「……」
( ´∀`)「……」
(,,゚Д゚)「……」
(#゚;;-゚)「……」
(;・∀・)「ねぇやめてその『普通につまんねぇ』みたいな顔」
(*゚ー゚)「いや、そんなことないわよ? 良かったと思うわ、うん」
(,,゚Д゚)「モララーは頑張ったと思うぞ、うん」
( ´∀`)「ごめんね無理言って」
(#゚;;-゚)「頑張ることに意味があるっていうか……」
(;・∀・)「微妙なフォローやめてよ! いっそ馬鹿にして!!」
(;#゚;;-゚)「……馬鹿に……えーと、ば、ばーかばーか……?」
( ・∀・)「それは可愛いだけ」
57
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:39:09 ID:kYas4tNw0
(,,゚Д゚)「じゃあ次はしぃか」
(*゚ー゚)「任せといて」
( ・∀・)「でもさー、しぃがスイカに当てちゃったら、スイカは木っ端微塵に消し飛ぶよね」
(*゚ー゚)「手加減するから大丈夫よ」
(;・∀・)(手加減しなかったら消し飛ぶの?)
( ´∀`)「外れて地面に当たったとしても、地割れが起こるモナ」
(*゚ー゚)「手加減するから大丈夫だってば」
(;・∀・)(手加減しなかったら地割れが起こるんだ……)
58
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:39:54 ID:kYas4tNw0
(;,゚Д゚)(おい、しぃにやらせるのは危ないんじゃねぇか?)ヒソヒソ
(;・∀・)(僕もそう思う。せめて棒を持たせないとか……)ヒソヒソ
( ´∀`)(いや、しぃは素手で充分って言ってたから棒があろうとなかろうと関係ないモナ)ヒソヒソ
(;#゚;;-゚)(……あの、しぃさんは左手の小指だけでやるとかどうですか?)ヒソヒソ
(;・∀・)σ(それだ!)ヒソヒソ
(*゚ー゚)「ちょっと、何コソコソ話してんのよ」
(;,゚Д゚)「あー……しぃ? あのな、ほら、しぃは強いじゃん?」
(*゚ー゚)「何よ急に」
(;,゚Д゚)「強いからさ、ハンデみたいなのつけた方がいいんじゃないかなーと……」
(*゚ー゚)「えー……」
(;・∀・)「ほら、でぃまで順番を回すためだと思って!」
(*゚ー゚)「はぁ……で、ハンデってどんなの?」
(,,゚Д゚)「左手の小指で割る」
(*゚ー゚)「馬鹿にしてんだろ」
59
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:41:30 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「いやいや、このくらいでようやくバランスが取れるっていうか」
(*゚ー゚)「さすがの私も左手じゃ無理よ。せめて右手の小指なら……」
(;・∀・)(右手の小指なら割れるの!?)
(*゚ー゚)「まあいいわ。左手の小指ね?」
(#゚;;-゚)「はい」
(*-ー-)d「目隠しして……っと、じゃあ行くわよ」
( ∩・∀・)∩「しぃー、右右!」
(∩#゚;;-゚)∩「違います、左です!」
( ∩´∀`)∩「そのまままっすぐモナー」
(∩,,゚Д゚)∩「逆走してるぞー!」
(*#゚;;-゚)「なんかすごくスイカ割りっぽい……!」
( ´∀`)「分かるモナ」
( ・∀・)「忘れないで、しぃは左手小指での挑戦だってことを」
60
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:42:16 ID:kYas4tNw0
(;,゚Д゚)「……おい」
( ・∀・)「ん?」
(;,゚Д゚)σ「……俺たちの野次なんか意に介さず余裕でスイカまでたどり着きやがったぞ」
(*-ー-)d ◯
(;・∀・)「マジで!?」
(;,゚Д゚)「さ、さすがにしぃでも左手小指じゃスイカなんて割れねえよな?」
(*-ー-) バキィッ
b彡
(;・∀・)そ「嘘だろ!!!?」
(*゚ー゚)「さすがに真っ二つにはならないわね……。でも、半分くらいは亀裂が入ったわよ」
(;・∀・)「……」
(;#゚;;-゚)「……」
(;´∀`)「……」
(;,゚Д゚)「……俺、今後絶対しぃに逆らわねえわ」
(;・∀・)「……それがいい」
61
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:43:18 ID:kYas4tNw0
(*゚ー゚)「じゃあ最後、でぃちゃん」
(;#゚;;-゚)「は、はい……」
( ・∀・)「目隠しするよー」
(#´;;-`)「うん」
( ・∀・)「はい、棒握ってー」
(#´;;-`)っ[] ギュッ
(,,゚Д゚)「目隠しして棒握るってエロくね?」
(*゚ー゚)「……」
(,,゚Д゚)「軽蔑の視線が痛い」
( ´∀`)「今のは普通にギコが悪いモナ」
(#´;;-`)「……?」
( ・∀・)「ギコの言うことは基本的に気にしなくていいからねー」
(*゚ー゚)「ギコくん喋らないで」
(,,゚Д゚)「はい……」
62
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:43:58 ID:kYas4tNw0
( ・∀・)「よし、準備オッケー。でぃ、いいよー」
(( (;#´;;-`)っ[]「う、うん」
「でぃちゃん、右よ!」
「でぃ、そのまま真っ直ぐだ!」
「ギコの言うことは基本気にしなくていいモナ」
(;#´;;-`)っ[](ど、どうしよう。誰を信じたら……)
「でぃ! 左だ!」
(#´;;-`)っ[]「! モララー……!」
63
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:44:40 ID:kYas4tNw0
(∩,,゚Д゚)∩「でぃ! 真っ直ぐ真っ直ぐ……お?」
( ´∀`)「でぃちゃん、左に進み始めたモナね。迷わずモララーの指示を信じたモナ」
(*゚ー゚)「モララー嘘言ってるのに」
(;∩・∀・)∩「でぃー! ごめん、本当は右!!」
(( (;#´;;-`)っ[]「み、右?」
(( (#´;;-`)っ[]"◯ コツン
( ∩・∀・)∩「お、いいぞー! そこだー!」
(∩*゚ー゚)∩「日頃の恨みを棒に込めて殴るのよー!」
(;・∀・)「おい、変なこと教えんな!」
(;#´;;-`)っ[]「う、恨み?」
(;・∀・)「もー、しぃ! でぃが真に受けちゃうじゃん!」
(*゚ー゚)「大丈夫よ。癒し系でぃちゃんが恨みなんて……」
(#´;;-`) バッキィィィッ
[]⊂彡
( ・∀・)
(*゚ー゚)
( ´∀`)
(,,゚Д゚)
( ・∀・) ゴッシャァァァ >
(;・∀・) ベキィィィィッ >
(;,゚Д゚)「……お、おい、ヤバくないか」
(;´∀`)「でぃ、やめるモナ! スイカが粉々になっちゃうモナ!」
(;*゚-゚)「……闇を垣間見たわね」
(;・∀・)(奴隷時代とか生贄として殺されたことの恨みかな……)
64
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:45:21 ID:kYas4tNw0
(*#゚;;-゚)ゞ「お恥ずかしいところを……」
(;,゚Д゚)「い、いや、気にすんな」
(;・∀・)「ちょっとビックリしたけどね……」
(*´∀`)「もういいから、スイカ食べるモナ!」
(*゚ー゚)「私この種が少ないやつね」
(*#゚;;-゚)「わたしこの大きいの……!」
( ・∀・)「ギコのスイカは種が多くて小さいやつね」
(;,゚Д゚)「おい勝手に決めんな!」
(*´∀`)「いただきまーす!」
(*・∀・)(*#゚;;-゚)「「「「いただきまーす!!」」」」(゚ー゚*)(゚Д゚,,*)
(*・∀・)(*#゚;;-゚) ムシャァ (゚ー゚*)(´∀`*)(゚Д゚,,*)
( ・∀・)「ぬるい」
(#゚;;-゚)「ぬるいね」
(*゚ー゚)「ぬるいわ」
( ´∀`)「ぬるいモナ」
(,,゚Д゚)「木陰でやってたとはいえ、真夏だもんな、今」
65
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:45:59 ID:kYas4tNw0
( ´3`)「タネマシンガンモナ!」ププププ
(;・∀・)「うわっ、僕に種を飛ばすな汚い! あと顔がムカつく!」
( ´∀`)「誰が一番遠くに飛ばせるか勝負モナ」
(#゚;;-゚)「しぃさんの圧勝では……」
(,,゚Д゚)「銃弾くらいの速度出るぞ」
(*゚ー゚)「多分出せるわ。これからは口の中にスイカの種を仕込んでおいて飛び道具にしようかしら」
(,,゚Д゚)「遠距離にまで対応して最強を極めなくていいぞ……」
(#゚;;-゚)「口の中でスイカが育っちゃいそう……」
( ・∀・)「発想が可愛いな」
( ´∀`)「口の中でスイカを育てるしぃとかシュールすぎるモナ」
(,,゚Д゚)「いずれスイカが育ちすぎて顎が外れそう」
( ・∀・)「そうなる前になんとかするだろ」
(*゚ー゚)「そもそも口内でスイカは育たないわよ」
66
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:46:39 ID:kYas4tNw0
(*#゚;;-゚)「……」
( ・∀・)「どしたの、でぃ。ボーッとしちゃって」
(*#゚;;-゚)「……楽しいなって。スイカ割りも、こうして皆でスイカを食べるのも、すっごく楽しい」
(*・∀・)「だね。僕も楽しい」
(*#゚;;-゚)「またやりたい……」
(*・∀・)「またやろうよ。ね、皆」
(*´∀`)「もちろんモナ!」
(,,*゚Д゚)「今度こそ俺が割ってみせるぞ!」
(*゚ー゚)「次はメロンを割りましょう」
( ・∀・)「メロンは普通に切ろうよ」
67
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:47:42 ID:kYas4tNw0
*
( -ω-)人
ξ-⊿-)ξ人
/ ,' 3「……」
この夫婦は今日も相変わらず祈っている。毎日毎日、よくも飽きないものだと思う。
/ ,' 3「……」
ふと、でぃが生きていた頃を思い出した。
68
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:48:35 ID:kYas4tNw0
その日は朝早くから神社へと出かけていた。
荷物が多かったので、そのほとんどをでぃに持たせる。でぃは何も反抗せず黙って荷物を抱えた。
石段を登りきると、拝殿の前に二人の男女が見える。
近づくと、気配を察したようで同時に振り向いた。妙に息の合う夫婦だ。
ξ゚⊿゚)ξ「荒巻村長、おはようございます」
( ^ω^)「おはようございますお」
/ ,' 3「ああ、おはよう」
(#゚;;-゚)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、でぃちゃん。荒巻村長のお手伝い?」
( ^ω^)「偉いおね」
村民間でのでぃの認識は「両親が亡くなり孤児になったところを、村長に引き取られた子ども」でしかない。
まさか奴隷として扱われているだなんて、思いもしないだろう。
69
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:49:20 ID:kYas4tNw0
(#゚;;-゚)「……」
( ^ω^)「おっおっおっ、でぃちゃんは大人しいおね」
/ ,' 3「……行くぞ、でぃ」
(#゚;;-゚)「……あの、ここで何をしているんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「え、私たち?」
/ ,' 3「おい、でぃ」
( ^ω^)「お祈りをしているんだお。この神社にはモララー様っていう神様がいるんだお」
ξ゚⊿゚)ξ人「こうやって手のひらを合わせて、お願いをするの」
(#゚;;-゚)人「……こうですか?」
/ ,' 3「でぃ」
( ^ω^)人「上手上手。一緒にお祈りしようお。モララー様ーって」
ξ゚⊿゚)ξ人「村長もどうですか?」
/ ,' 3「……儂はいい」
ξ゚⊿゚)ξ人「あら、残念。じゃあ、村長の分も祈りましょう、でぃちゃん」
(#゚;;-゚)人「……」
(#゚;;-゚)人「……モララー……様……」
/ ,' 3(……馬鹿馬鹿しい)
70
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:50:22 ID:kYas4tNw0
愚かな姿だ。
いもしない神に祈りを捧げて、救いを乞う。
何故、村人たちはなんの疑いも持たずに信仰しているのだろうか。
証明が必要だ。神がいないのだという証明。
そうだ、手始めにでぃを生贄にしてやろう。
信じる者は救われるのなら、優しい優しいモララー様なら、このかわいそうな幼い信者を助けてくれるはずだ。
しかし、この生贄が救われることはない。モララー様などいないのだから。
(#゚;;-゚)人「モララー様……」
/ ,' 3「……」
今のうちに存分に祈るがいい。どうせ、その祈りを聞く者などいないと思い知ることになるのだ。
其の弐 了
71
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/25(金) 21:51:23 ID:kYas4tNw0
退路を断つために投下しました
死ぬ気で続き書きます
72
:
名無しさん
:2017/08/25(金) 21:53:25 ID:eHzBWV4s0
完結を期待乙乙
73
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:32:05 ID:6kA0Vn8k0
(,,゚Д゚)「しぃとさ、そういう雰囲気になるじゃん? で、押し倒そうとするじゃん?」
(,,゚Д゚)「だけどしぃは十二単着てるし筋肉あるし体幹しっかりしてるしで押し倒せないじゃん?」
(,,゚Д゚)「で、察したしぃが自分から寝転がってくれるじゃん?」
(,,゚Д゚)「この時点で男としてのプライド的に悲しいものがあるけど、まあとりあえずそれは置いておくじゃん」
(,,゚Д゚)「しぃを脱がすんだけどさ。十二単じゃん。脱がせても脱がせても着物じゃん」
(,,゚Д゚)「思わず『玉ねぎかよ!』ってツッコむじゃん。殴られるじゃん。萎えるじゃん?」
(,,゚Д゚)「モララー、俺どうしたらいいと思う?」
( ・∀・)「でぃの前でその話するのやめてくれない?」
つ#゚;;-゚)と
74
:
名無しさん
:2017/08/26(土) 13:32:49 ID:6kA0Vn8k0
( ・∀・)神様と(#゚;;-゚)生贄のようです
其の参
.
75
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:34:32 ID:6kA0Vn8k0
( ・∀・)神様と(#゚;;-゚)生贄のようです
其の参
.
76
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:35:32 ID:6kA0Vn8k0
(#゚;;-゚)「……なんのお話だったの?」
( ・∀・)「ギコがクッッッソ情けないって話だよ」
(#゚;;-゚)「じゃあどうでもいいや」
(,,゚Д゚)「でぃが俺の扱いを着々と心得ている」
壁|´∀`)"「なになに、恋バナしてるモナ?」ニュッ
(,,゚Д゚)「女子高生の嗅覚かよ」
( ´∀`)「少女漫画とか大好きモナよ」
(;・∀・)「お前はまーた人間の文化を……」
( ´∀`)「モララーは考えがお堅いモナ。人間無しでモナたちは存在できないモナよ」
(;・∀・)「それはそうだけどさぁ……」
(,,゚Д゚)「その談義はよそでやってくれよ」
(,,゚Д゚)「……そう言ったからって本当によそに行ってやることなくない?」ポツン
(,,゚Д゚)「でぃまで着いて行ったし……」
77
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:36:24 ID:6kA0Vn8k0
壁|*゚ー゚)"「モララー……あら、ギコくんしかいない」ニュッ
(,,゚Д゚)「おう、しぃ。モララーなら外でモナーと口論してるぞ」
(*゚ー゚)「じゃあここで待つわ」
(,,゚Д゚)「しぃは何の用で来たんだ?」
(*゚ー゚)「今日、ここの神社の敷地内でお祭りがあるじゃない」
(,,゚Д゚)「そういえば、屋台の準備してるの見かけたわ」
(*゚ー゚)「皆で行きたいと思って誘いに来たのよ」
(,,゚Д゚)「お、それいいな」
壁|;#゚;;-゚);´∀`);・∀・):「ただいまー……」ググググ
(,,゚Д゚)「同じところから一斉に入ろうとするなよ」
78
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:37:28 ID:6kA0Vn8k0
(,,゚Д゚)「で、議論はどっちが勝ったんだ?」
( ・∀・)「意見はそれぞれ違うよね☆って結論で終わった」
(,,゚Д゚)「平和的に終わってた」
( ・∀・)「……あれ、しぃがいる。どうしたの?」
(*゚ー゚)「皆で今日のお祭り行きましょうよ」
(;・∀・)「えー……」
(*´∀`)「お祭り!!!」
(*#゚;;-゚)「お祭り……!」
(,,゚Д゚)「モララー、四対一だぞ」
(;・∀・)「でも、祭りって人間に干渉せざるを得ないじゃん……」
(*゚ー゚)「まあ、嫌なら無理には誘わないわ。アンタだけ留守番すればいい話だし」
(;・∀・)「えっ」
(*゚ー゚)「でぃちゃん、お祭りで何食べたい?」
(*#゚;;-゚)「色々食べたい……」
(,,*゚Д゚)「たくさんの屋台が出るからな、片っ端から食べるのもアリだぞ」
(*´∀`)「金魚すくいやヨーヨー釣りも忘れちゃダメモナ」
( ・∀・) ワイワイ >
:( ・∀・):
(*゚ー゚)「……さっさと素直になりなさいよ」
(;・∀・)「ぐっ……」
79
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:38:12 ID:6kA0Vn8k0
(;・∀・)「僕も行く……けど、人間干渉モードは使わない」
(*゚ー゚)「どうやって食べ物とか買うのよ」
(;・∀・)「僕の分も一緒に買っていただけませんかね……。お金は出すんで……」
(*゚ー゚)「えー」
(#゚;;-゚)「……神様の使うお金って人が使うお金と同じなの?」
( ・∀・)「同じだよ」
( ´∀`)「おかげで、神の間でも福沢諭吉は大人気モナ」
(,,゚Д゚)「ギザ十も大人気だ」
(#゚;;-゚)(やっぱり神様ってなんか俗っぽいなぁ……)
80
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:38:55 ID:6kA0Vn8k0
(*゚ー゚)「よーし、可愛い浴衣着るわ。でぃちゃんも浴衣着ましょう。普通の丈の」
(*#゚;;-゚)「はい!」
(,,゚Д゚)「そういえば、でぃはなんでそんなに短い丈の浴衣を着てるんだ?」
(*゚ー゚)「モララーの趣味」
(,,゚Д゚)「うわぁ……」
( ´∀`)「モナァ……」
(;・∀・)「待って待って誤解!!!」
81
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:39:39 ID:6kA0Vn8k0
(*゚ー゚)「せっかくなんだし、男どもも浴衣なり甚平なり着なさいよ」
(,,゚Д゚)「俺、甚平の上に軽装の甲冑着てるから甲冑脱ぐだけでいいな」
(*゚ー゚)「無い防御力が更に無くなるのね」
(,,゚Д゚)「酷え言いようだ」
( ´∀`)「モナは浴衣の上から革ジャン着るモナね」
( ・∀・)「お前の革ジャンへのその執着なんなの」
82
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:40:28 ID:6kA0Vn8k0
(;#゚;;-゚)「……」
( ・∀・)「ん? でぃ、どうかした?」
(;#゚;;-゚)「……そういえば、村の人たちにわたしの姿って見えるの?」
( ・∀・)「でぃは幽霊だから村人に姿が見えることはないと思うよ」
(;#゚;;-゚)「……本当?」
( ´∀`)「……」
( ・∀・)「いわゆる霊感がある人に見えることはあるかもしれないけど、そういう人は少ないからね」
(,,゚Д゚)「ま、そんなに心配するこたないってわけだ」
(*゚ー゚)「そうね」
( ´∀`)「……一応、顔は隠した方がいいと思うモナ。お面買ってくるモナ」
(*゚ー゚)「えー、せっかく可愛い浴衣着るのに顔を隠すことないじゃない」
( ´∀`)「ダメモナ」
(*゚ー゚)「……」
( ´∀`)「……万が一、でぃのことを知ってる村人に見えたら厄介モナ。お面買ってくるから待ってて」
(;・∀・)「……」
(;,゚Д゚)「……モナー、一体どうしたんだ?」
(*゚ー゚)「万が一って言うわりには、村人に姿が見える確信があるみたいな感じじゃなかった?」
(;・∀・)(なんだ……? モナーは何かを知っているのか?)
83
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:41:14 ID:6kA0Vn8k0
( ´∀`)「お待たせー。買ってきたモナよ」
(*゚ー゚)「どんなのにしたの?」
( ´∀`)っィ'ト―-イ、
以`゚益゚以
( ・∀・)「お面のチョイスおかしいだろお前」
( ´∀`)「え、超かっこよくない?」
(*゚ー゚)「モナーさんの趣味で選ばないでよ。もっとでぃちゃんが好きそうなのあったでしょう?」
(,,゚Д゚)「つーかそのお面デカくね?」
( ´∀`)(かっこいいのに……)
84
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:41:58 ID:6kA0Vn8k0
(*゚ー゚)っ( ∵)「新しく買ってきたわ。どう?」
( ´∀`)「地味じゃない?」
(*゚ー゚)「モナーさんのチョイスが派手すぎるのよ」
( ・∀・)「でぃ、どう?」
(*#゚( ∵)「これがいい……」
(,,゚Д゚)「AAが斬新だな」
( ´∀`)「……」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以 スッ
∩ ∩
( ・∀・)「僕はツッコまないからね?」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「モララー、ツメタイ。モナー、カナシイ」
( ・∀・)「なんで急に片言になったの……あ、ツッコんじゃった」
85
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:42:43 ID:6kA0Vn8k0
(*゚ー゚)「じゃあ、夜にまた集合でいいかしら」
( ・∀・)「おっけー」
(,,*゚Д゚)「楽しみだな」
(*´∀`)「諭吉たくさん連れていこーっと」
(,,゚Д゚)「え? モナーが奢ってくれるって?」
( ´∀`)「やっぱ諭吉はお留守番モナ」
(,,゚Д゚)「ケチだなー」
( ´∀`)「でぃになら奢ってあげるモナ。ギコは自分でお金出して」
(,,゚Д゚)「モナー、ツメタイ。ギコ、カナシイ」
( ´∀`)「真似しないで」
(*゚ー゚)「でぃちゃんの浴衣は私が用意してもいいかしら」
(*#゚;;-゚)「はい」
( ・∀・)「十二単を用意しないでよ?」
(*゚ー゚)「浴衣っつってんだろ」
86
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:43:33 ID:6kA0Vn8k0
夜
壁|´∀`)"「夜モナよー!! 起きてー!!」ニュッ
( ・∀・)「寝てねえよ」
(*゚ー゚)「モナーさん以外もう集まってるわよ」
(,,゚Д゚)「遅刻だぞモナー」
(#゚( ∵)「遅刻です」
( ´∀`)「うそーん……あっ、でぃとしぃの浴衣、色違いモナね」
(*゚ー゚)「えへへ、いいでしょ?」
(#゚( ∵)「しぃさんが十二単を着てないのが新鮮……」
(*゚ー゚)つ≡つ「体が軽すぎて違和感がすごいわ。今なら誰でも瞬殺できる気がする」シュッシュッ
(;,゚Д゚)「シャドーボクシングやめろ」
87
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:44:14 ID:6kA0Vn8k0
( ´∀`)「じゃあ、お祭り行くモナ!」
( ・∀・)「遅刻した奴が仕切るのか」
( ´∀`)「いいじゃん別に……仕切りたかったもん……」
(,,゚Д゚)「モララーは本当に人間干渉モードを使わないのか?」
( ・∀・)「使わないよ」
(,,゚Д゚)「じゃあ、人間に見える状態なのは、俺、しぃ、モナーか」
( ・∀・)「そうだね」
(,,゚Д゚)「つまりお前は浴衣のチャンネーをジロジロ見放題なのか」
( ・∀・)「チャンネーて」
(,,゚Д゚)「俺も人間干渉モード使うのやめようかな……」
( ・∀・)「ギコ、あんまり迂闊なこと言うと身軽になったしぃに殺されるぞ」
(*゚ー゚)「殺しはしないわよ。死んだ方がマシだと思えるような苦痛を与え続けるだけで」
(;,゚Д゚)「しぃ、冗談だって! 冗談冗談! ダンジョー!!」
( ・∀・)「ダンジョーて」
88
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:45:03 ID:6kA0Vn8k0
(*´∀`)「うっひょー! お祭りモナ!」
( ・∀・)『はしゃぎ過ぎ』
( ´∀`)「あれ、モララーのカギカッコが間違ってるモナ」
( ・∀・)『僕とでぃの声は人間に聞こえないからこういう表現にしようかと』
( ´∀`)「わぁメタい」
(*#゚( ∵)『すごい……屋台がいっぱい……!』
(*゚ー゚)「でぃちゃんはお祭りは初めて?」
(*#゚( ∵)『小さい頃に一度っきりです』
(*゚ー゚)「一度だけ?」
(#゚( ∵)『……お母さんとお父さんがまだ生きてた頃……』
(;*゚-゚)(あっヤバい地雷踏んだ)
(;・∀・)『で、でぃ! 何食べたい?』
(;´∀`)「モナが奢るモナよ!」
(;,゚Д゚)「皆でなんか食べよう! な!」
(*#゚( ∵)『じゃあ……チョコバナナ』
(;´∀`)「よし、じゃあモナが全員分買ってくるモナ!」
(,,゚Д゚)「お、ラッキー」
( ´∀`)「モララーとギコとしぃは後でお金払って」
(,,゚Д゚)「シビアな世界だ」
89
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:45:57 ID:6kA0Vn8k0
(*#゚( ∵)『チョコバナナ美味しい……』モグモグ
( ´∀`)「今からチョコバナナをエロく食べるから見てて」
( ・∀・)『マジでやめて』モグモグ
(,,゚Д゚)「無差別テロ」モグモグ
(*゚ー゚)「モナーさんは今、村人たちにも見える状態なんだから、私たち以外にも迷惑かかるわよ」モグモグ
( ´∀`)「じゃあ人間干渉モード解くから」
( ・∀・)『なぜそうまでして見せたがる?』モグモグ
(,,゚Д゚)「俺たちだけに見せようとすんな」モグモグ
(*゚ー゚)「食べ物で遊ばないで」モグモグ
( ´∀`)「ミンナ、ツメタイ。モナー、カナシイ」
(;#゚( ∵)『モナーさん、よく分からないけど、私が見ますから元気出してください』
( ´∀`)
( ´∀`)「モナが悪かったモナ」
( ・∀・)『分かればよろしい』モグモグ
90
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:46:35 ID:6kA0Vn8k0
(*゚ー゚)「次なに食べる?」
( ´∀`)「待って皆食べるの早いモナ。まだチョコバナナ食べてるから」モグモグ
( ・∀・)『お前がふざけてるから遅いんだろ』
(*#゚( ∵)『かき氷食べたい……』
(,,゚Д゚)「かき氷だって、モナー」
(*゚ー゚)「モナーさん買ってきてー」
( ´∀`)「年寄り使いが荒いモナ……。五人分とか持ち切れないし一緒に来て……」
91
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:47:38 ID:6kA0Vn8k0
( ^ω^)「いらっしゃいだおー。あ、モナーさんこんばんはだお!」
( ´∀`)「あ、内藤くんモナ。かき氷五つお願いモナ」
( ^ω^)「五つですおね? ちょっと待っててくださいおー」
(;・∀・)『お前なんでうちの村人と知り合いなんだよ』
( ´∀`)「モナの人脈舐めんなよ」
(,,゚Д゚)「モナーって神にも人間にも知り合い多いよな」
( ´∀`)「モナはすごい神様だもーん」
(*゚ー゚)「たまに人間に混じってバイトとかしてるしね」
(;#゚( ∵)『すごい神様なのにバイトするんですか!?』
( ´∀`)「ニンテンドースイッチとかPS4とかお賽銭だけじゃ足りないもん……」
(;#゚( ∵)『神様ってゲームするんだ……』
( ´∀`)「発売日の翌日に、十月の出雲大社かってくらいにモナのところに神が集まるからマジでクソ」
(*゚ー゚)「いつも遊ばせてもらってまーす」
(,,゚Д゚)「今度皆でモナーの神社に押しかけようぜ」
( ´∀`)「来んな」
(;・∀・)『どいつもこいつも人間の文化を……』
(*#゚( ∵)(皆でゲーム……楽しそう……)
( ^ω^)(神がどうとか聞こえたけどなんの話だろう……)
( ^ω^)(あとモナーさんたまに虚空に向かって話しかけてるんだけどなんなんだお……怖い……)
92
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:48:23 ID:6kA0Vn8k0
( ^ω^)「シロップは何にしますかお?」
(*#゚( ∵)『わたしコーラ……』
( ・∀・)『僕はレモンね』
( ´∀`)「コーラとレモン。ギコとしぃは?」
(,,゚Д゚)「俺はブルーハワイ」
(*゚ー゚)「イチゴ」
( ^ω^)「コーラ、レモン、ブルーハワイ、イチゴですおね? あと一つは何にしますかお?」
( ´∀`)「シロップ全種類かけて」
(;^ω^)「ぜ、全種類ですかお?」
(,,゚Д゚)「うわー、ガキかよ」
( ´∀`)「純粋な気持ちを忘れないんだモナ」
93
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:49:17 ID:6kA0Vn8k0
(*#゚( ∵)『美味しい……』シャクシャク
(*・∀・)『冷たくていいよねー』シャクシャク
(*#゚( ∵)っー『モララー、一口あげる。あーん』
(*・∀・)『あーん』
(,,゚Д゚)「イチャつきおって」
( ´∀`)っー「モララー、モナもあげるモナ。あーん」
( ・∀・)『押し付けようとしてるだろお前』
( ´∀`)「シロップ全種類かけるんじゃなかった……不味い……」
(,,゚Д゚)「……」ジッ
(*゚ー゚)「そんなに見たってあーんなんかしてあげないわよ?」
(,,゚Д゚)「照れんなって」
(*゚ー゚)「……照れてないし」
( ´∀`)っー スッ
(,,゚Д゚)「お前のあーんは求めてねえよ」
94
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:50:01 ID:6kA0Vn8k0
( ・∀・)『次はどうしようか』
(;´∀`)「待って……モナまだ食べ終わってない……待って……」シャクシャク
( ・∀・)『シロップ全種類かけたりなんかするから……』
(*゚ー゚)「ヨーヨー釣り行かない?」
(*#゚( ∵)『行きたいです』
(,,゚Д゚)「俺らは人間干渉モード使ってるからいいけど、モララーとでぃはどうするんだ?」
(*゚ー゚)「あー、人間からしたらヨーヨーが勝手に浮いてるみたいに見えちゃうわね」
( ´∀`)「誤魔化せばいけるモナ」シャクシャク
(;・∀・)『いけるか?』
( ´∀`)「モナに任せとけ」シャクシャク
( ・∀・)『早く食えよ』
(;´∀`)「待って……」シャクシャク
95
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:50:57 ID:6kA0Vn8k0
<_プー゚)フ「へいらっしゃーい! 一回三百円だぞー!」
( ´∀`)「五回分お願いするモナ」
<_プー゚)フ「へーい! 千五百円な!」
( ・∀・)『で、僕とでぃはどうすりゃいい?』
( ´∀`)(モナのすぐ近くでやるモナ。ヨーヨーが取れたらモナが誤魔化すから)ヒソヒソ
(;・∀・)『本当に誤魔化せんのか?』
( ´∀`)(任せとけモナ)ヒソヒソ
( ・∀・)っし『じゃあ早速……』
( ・∀・)っ『あっ』ポトッ
( ´∀`)
( ・∀・)っ
( ´∀`)(普通に失敗したからわざわざ誤魔化す必要はないモナね)ヒソヒソ
(;・∀・)『クソッ……』
96
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:51:38 ID:6kA0Vn8k0
(*#゚( ∵)っし『よーし、わたし頑張る……!』
( ・∀・)『何色狙うの?』
(*#゚( ∵)っし『黄色!』
(*゚ー゚)(モララーカラー……)
( ・∀・)『そーっと、そーっと……』
(*#゚( ∵)っし ソーッ
|
○"
(;・∀・)『取れた!』
<_プー゚)フ「……ん? なんかヨーヨーが宙に浮いて……」
(;・∀・)『おい、モナー誤魔化し!』
(;´∀`)づ|「モナが取ったモナよ!」バッ
彡 ○
<_プー゚)フ「それ今宙に浮いてなかったかー?」
(;´∀`)「いやー、モナのヨーヨー釣り捌きが凄すぎて浮いてるように見えたモナね!!! すごーい!!!」
(;・∀・)『お前誤魔化しヘッッッタクソじゃねぇか!!!』
<_フ*゚ー゚)フ「おー、なるほど! すげーなお前!」
(;・∀・)『店主がアホで助かった!!』
( ´∀`)+ ドヤァ
(;・∀・)『断じてお前の功績ではないからな!?』
(*#゚( ∵)っ(取れた……)ホクホク
|
○"
97
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:52:30 ID:6kA0Vn8k0
(,,゚Д゚)「よーし、しぃ、何色が欲しい?」
(*゚ー゚)「鮮血の赤色」
(,,゚Д゚)「やだ物騒……」
(*゚ー゚)「冗談よ。ピンクで」
(,,゚Д゚)っし「よっしゃ任せろ!」
(,,゚Д゚)っし 「取れたぞ」
|
○"
(*゚ー゚)「期待はしてnはっや!?」
(,,゚Д゚)っし「はっはっは、どうせ無理だと思っただろう?」
(*゚ー゚)「ギコくんは大層なこと言っといて成し遂げられない的なキャラだと思ってたわ……」
(,,゚Д゚)っし「普通に酷い」
98
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:53:16 ID:6kA0Vn8k0
(*゚ー゚)っし「じゃあ次は私が取るわ。ギコくん何色がいい?」
(,,*゚Д゚)「青!」
(*゚ー゚)ミっし"「オッケー青ね」バッシャアアア
(,,゚Д゚)「力加減気をつけて」
(*゚ー゚)っ「あっ」ポトッ
(;,゚Д゚)「あーあー、勢いよく水につっこむから……」
(*゚ー゚)っ「……」
(;,゚Д゚)っし「ほら、俺のまだ残ってるから使えよ」
(*゚ー゚)「……いいの?」
(,,゚Д゚)「いいからいいから。次は力加減気をつけろよ?」
(*゚ー゚)「……ありがとう」
99
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:54:03 ID:6kA0Vn8k0
(*゚ヮ゚)っし「取れた! 取れたわ!」
|
○"
(,,*゚Д゚)「やったな、しぃ!」
(*゚ー゚)っし「はい、ギコくん。あげるわ」
|
○"
(,,*゚Д゚)っ「サンキュ! ほら、しぃも! 俺が取ったやつ!」
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○"
(*^ー^)っ「ふふふ」
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○"
(,,*゚Д゚)っ「へへへ」
|
○"
( ´∀`)、「あーーまったるーーーいモナねええええ!!!」ペッ
(;・∀・)『うーわ、台無し』
(;#゚( ∵)『モナーさん少女漫画とか好きって言ってませんでしたっけ……』
( ´∀`)「少女漫画って結構ドロドロしてるじゃん。モナは少女漫画のそこが好き」
(;・∀・)『楽しみ方が歪んでる……』
100
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:54:53 ID:6kA0Vn8k0
( ´∀`)っ「さ、モナもチャレンジモn」ポトッ
( ´∀`)っ
( ・∀・)『僕と同じパターンじゃねぇか』
(#゚( ∵)『しかもモララーより早い……』
( ´∀`)「あの、あれだし、モナが本気出すとヨーヨー全部釣っちゃうからさ、それは申し訳ないからわざとミスったモナ」
(,,゚Д゚)っ「はい三百円」
<_プー゚)フ「まいどー!」
( ´∀`)
(,,゚Д゚)っし「ほら、本気出してみろよ」
( ´∀`)「ごめんなさい。気持ちは嬉しいけど、モナは君の気持ちに応えられないモナ」
(,,゚Д゚)「俺が失恋した風の断り方やめてくんね?」
101
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:55:36 ID:6kA0Vn8k0
⊂(*´∀`)っ バムバム
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○" ○"
( ・∀・)っ『最後の三百円でギコが取りまくったね』バムバム
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○"
(,,゚Д゚)っ「このAA行数取りすぎな」バムバム
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○"
(#゚( ∵)っ『それに位置の調整が面倒だし……』バムバム
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○"
( ・∀・)っ『今回メタ発言多くない?』バムバム
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○"
(*゚ー゚)っ パァン!!
(;・∀・)『破裂音!!』
(*゚ー゚)っ「ヨーヨーをバムバムしようと思ったら……」
(;・∀・)『一撃でトドメ刺すあたり流石だわ……』
102
:
◆MiP3CC60hw
:2017/08/26(土) 13:56:16 ID:6kA0Vn8k0
(,,゚Д゚)「ポテト買ってきた」
( ´∀`)「わざわざ悪いモナね」
(;,゚Д゚)「あげねぇよ。俺が自分のために買ったんだから」
(*゚ー゚)a" ヒョイパクヒョイパク
(;,゚Д゚)「ポテト買うと当然のように勝手に食う奴いるよな!」
( ・∀・)a"『なぜかシェア扱いされるよね、ポテトって。分かる分かる』ヒョイパク
(;,゚Д゚)「とか言いつつ食うな!!」
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