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(´・ω・`)ぼくらの「825」のようです
1
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:10:13 ID:SqT1CRpo0
紅白作品です
2
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:11:19 ID:SqT1CRpo0
8月26日
ごきげんよう、きっとこの日記を読んでいるキミへ。
またいつか――
(´・ω・`)ぼくらの「825」のようです
.
3
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:12:00 ID:SqT1CRpo0
7月15日
ごきげんよう、この日記をよんでいるボク!
きょうからかくれんぼ日記を書くことになりました。
■■が「それがいい」って言ったからです。
僕もそれがいいです。
■■っていうのは、ボクのはじめてのトモダチです。
はじめてのカゾクじゃないトモダチです。
でもヒミツだから、だれにも言えません。
パパとママにだって見つけられない、ヒミツの中のヒミツの場所にかくしました。
ヒミツがあるなんて、なんだかわるい子になったキブンです。
ムネがドキドキします。
.
4
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:13:35 ID:SqT1CRpo0
――7月22日
カナカナカナカナ...
('A`)ノ「ショボーン!はやくはやくー!」
(;´◎甘◎)「その名前で呼ばないでよー!はぁ、やっと追いついたぁ……」
('A`)「あいっかわらず遅いんだ。もたもたしてると大人たちに捕まっちゃうぞ!」
(´◎甘◎)「だってこれぇ、前が見づらいし、あついし、おまけに息もしにくいんだもん」
(´◎甘◎)「ドクオいけないんだよ、ガスマスクしないでおうちから出たら。先生がそう言ってたよ」
('A`)「オマエ知らないんだ?こんなガスマスク、ほんとは意味ないって先生が言ってたよ」
(´◎甘◎)「先生が?ウッソだぁ。ほんとに?」
('A`)「ホントホントー」
(´◎甘◎)「じゃあボクもとっちゃおうかな」
('A`)「トッチャエトッチャエー」
(´・ω・`)「ふぅ。ドクオはなんでも知ってるんだね」
('∀`)「けけけ。まあな」
.
5
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:14:21 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「どこにいくの?」
('A`)「さあ。どこにいこうか」
(´・ω・`)「やっぱり帰ろうって言ったら怒る?」
('A`)「怒る」
(´・ω・`)「だって、もうひぐらしが鳴いてるよ」
('A`)「ここまできて帰ろうだって?ったく、だからオマエはショボンなんだよ」
(;´・ω・`)「その名前はよしてよ!」
(´・ω・`)「ドクオのせいなんだからね。みんながボクのこと、ショボンって呼ぶの」
(´・ω・`)「きっとみんな、ボクのほんとの名前すら忘れちゃったんだ」
('A`)「オマエだってオレのことドクオって呼ぶだろ。ほんとはとってもかっこいい名前なのに!」
(´・ω・`)「だって、毒ばっかりはくから……」
ポタリ
(´・ω・`)「あ。雨だ」
('A`)「うわ、めちゃくちゃ降ってきた!あそこのオンボロ屋敷まで走るぞ!」
(;´・ω・`)「えぇっ!?また走るのー!?」
.
6
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:14:57 ID:SqT1CRpo0
7月16日
空白
.
7
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:16:05 ID:SqT1CRpo0
サ-...
('∀`)「ふぅ。まいったなー、これじゃあ帰れないなー」
(´・ω・`)「うれしそうな顔しちゃってさ」
('∀`)「まあまあ。しばらくここいらで雨やどりだな」
(´・ω・`)「どうやら嵐やどりになりそうだよ」
ビュウゥゥゥ
ザ---
ゴロゴロ...
('A`)「どう思う?いま外に出たら雨で溺れるかな?」
(´・ω・`)「風で飛ばされちゃうのが先じゃない?」
('A`)「雷に打たれるのが早いかもよ?」
(´・ω・`)「うへぇ。どれもこれもゴメンだね」
('A`)「俺もだ」
.
8
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:16:42 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「こんなきもちわるい色の空、見たことないよ。
なにかイヤなことが起きないといいけど」
('A`)「おっ。外の有り様に比べて、中は意外とキレイだな」
(´・ω・`)「このまま世界が終わっちゃったらどうしよう……」
('A`)「しめしめ。電気も生きてるぞ」
(・ω・`≡´・ω・)「あれ?ドクオ?」キョロキョロ
('A`)ノ「おーいおーい!こっちこっちー」
(;´・ω・`)「もうー!すぐひとりでどっか行っちゃうんだからー!」
('A`)「さーて、嵐がやむまでオンボロ屋敷の探検といきますか!」
(´・ω・`)「えっ?いいのかな?かってに入っちゃって」
('A`)「いまさらなにを。わるいに決まってるだろ」
(;´・ω・`)「どうしよう、ボクたちわるい子だ……先生に怒られるよ」
('∀`)「けけけ。オレたちがわるいんじゃない、わるいことが楽しいのがいけないのだ」
(´・ω・`)「そんなこと言って、またゴミ置き場にとじこめられてもしらないからな」
.
9
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:17:11 ID:SqT1CRpo0
7月17日
空白
.
10
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:17:44 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「おっきな時計だね」
('A`)「止まっちゃってるけどな」
(´・ω・`)「こっちにあるのはカンバンかな?」
('A`)「なになに、なんとか院……だめだ、ボロボロで読めないや。
いわゆるハイキョってやつだな」
(´・ω・`)「ハイキョ?」
('A`)「もうだーれも使ってないから、好きにしてくださいってこと」
(*´・ω・`)「じゃあオバケヤシキじゃないね?かってに入っても怒られないね?よかったー!」
('∀`)「オバケよりこわーいもんがいるかもしれないぜぇ?」
(;´・ω・`)「こ、こわがらせようとしてるな?そんなもんこの世にいるもんか!」
('∀`)「どうだか?オマエはいっとう怖がりだからなぁ。
怖いものは怖がり屋さんによってくるんだぞ」
(;´・ω・`)「こ、こわがりなんかじゃ……」
.
11
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:18:57 ID:SqT1CRpo0
「〜♪」
(;´・ω・`)「ひっ……いま、なにか聞こえた?」
('A`)「なにかって?」
(;´・ω・`)「なにかは、なにかだよ。だれかさんが歌ってる声」
(「'A`)「「わっ!!」
(;´・ω・`)「ひえぇ!!」
(;´・ω・`)「なに!?なになに!?」
('∀`)「けけっ。びっくりするかと思って」
(;´・ω・`)「こいつめ!なんてヤツだ!」
('∀`)「わるいわるい。その声がしたってとこにいってみようぜ」
(´・ω・`)「わるい人だったらどうする?」
('A`)「こらしめてやるのさ」
(´・ω・`)「それがいいね」
.
12
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:19:43 ID:SqT1CRpo0
7月18日
ごきげんよう、この日記をよんでいるボク!
日記を書くのは3日に1回になりました。
■■が「それがいい」って言ったからです。
ボクも「それがいい」って言ったからです。
ママがトビラにカギをかけるからじゃないです。
きょうはキンギョバチの中から小指を見つけました。
でも頭には小指がくっつけられないみたいです。
■■には頭があります。
髪の毛と眉と目と鼻と口と耳があります。ほかにはなんにもありません。
だからなんにもできません。■■が言ってました。
でも■■はとっても歌がキレイです。
なんにもできないなんてウソっぱちです。
.
13
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:20:24 ID:SqT1CRpo0
('A`)「しっかし広いな。かくれんぼでもするか?」
(´・ω・`)「ジョーダンよしてよ。こんなとこではぐれたら永遠に会えなくなっちゃうよ」
('A`)「大ゲサなんだよ、オマエは」
〜♪
(;´・ω・`)「ひっ」
('A`)「……この部屋か」
(´・ω・`)「ほんとに開けるの?オバケが歌ってたらどうする?」
('A`)「そしたら、まあ。かくれんぼしようか」
(;´・ω・`)「えぇー……」
('A`)「開けるぞ。もういいかい?」
(;´・ω・`)「ま、まってまって」
(;´っω⊂`)「……もういいよ!」
.
14
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:21:15 ID:SqT1CRpo0
カチャ...
ギィ...
('A`)「なんだここ」
(;´っω⊂`)「なに?オバケいた?」
('A`)「まっくろだ」
(;´っω・`)「まっくろ……オバケ?」
('A`)「オバケよりおっかないよ。見てみなって」
(;´・ω・`)「うっ……」
('A`)「壁も、床も、机も、棚まで、ぜんぶ」
(;´・ω・`)「まっくろだ」
('A`)「な?」
(´・ω・`)「歌どっかいっちゃったね」
('A`)「かくれんぼしてるのかもな。ちょっと中を探してみようぜ」
.
15
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:21:48 ID:SqT1CRpo0
7月19日
空白
.
16
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:22:29 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「見てよこれ。かざってある絵までまっくろけだ」
(´・ω・`)「なにがかいてあるんだろう?まっくろでよく見えないや、夜かな?」
('A`)「いやこいつはきっと、もともと黒かったんじゃなくって……」
(´・ω・`)「あれはなに?」
('A`)「んっ?」
(´・ω・`)「ほらあそこ。部屋のおくの、へこんでるとこ」
('A`)「穴があいちゃった床に布がしいてあるだけじゃないか?」
(´・ω・`)「ううん。よく見えないけど……この布の下になんかおっきいのが隠してあるみたいだ」
('A`)「さては、お宝か?」
(*´・ω・`)「オモチャとかオカシだったりして」
('A`)「よし。いっせーのでこいつをどけてみるぞ」
('A`)「いっせーの!」(´・ω・`)
バサッ‼︎
.
17
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:23:01 ID:SqT1CRpo0
(;;;;)
('A`)
(´・ω・`)
(´・ω・`)「なーんだ、ただのガイコツか」
(´・ω・`)「こんなにおっきいのに丸くなって、まるで赤ちゃんみたいだね」
(;'A`)「ひぃいいいい!!」
(´・ω・`)「ドクオったら大ゲサだなぁ」
(;'A`)「うるせーやい!」
(´・ω・`)「こんなのボクらの園のゴミ置き場にだってゴロゴロころがってるじゃないか」
(;'A`)「オマ、オマエなぁ!ガイコツがなにでできてるのか知ってんのかよ!」
(´・ω・`)「なにって、ガイコツはガイコツでしょ?」
(;'A`)「もういい。こんな部屋はやくおいとましよう」
.
18
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:23:28 ID:SqT1CRpo0
7月20日
空白
.
19
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:23:57 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)
('A`)「どうした?いくぞ」
(´・ω・`)「このガイコツ、なにかだっこしてる」
(;'A`)「おいおいウソだろショボン。そんなもんさわるなって」
(´・ω・`)「よいしょっと」
l从- -ノ!リ人
(;'A`)「な、生首っ……」
(´・ω・`)「お人形さんだよ。ちょっとその机の上のノートどけて。のっけたいんだ」
(;'A`)「ああ、うん」
.
20
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:24:26 ID:SqT1CRpo0
l从- -ノ!リ人
('A`)「なんだよ、アクシュミだな」
(*´・ω・`)「キレイだね」
('A`)「アクシュミだって言ってるだろ。こんなのまるで、本物の人間みたいだ!」
(´・ω・`)「でも、どうして頭だけなんだろう?」
('A`)「そのガイコツのシュミに違いないぞ」
('A`)「なんせガイコツになるまでずぅ〜〜〜っとだっこしてたくらいだからな」
(´・ω・`)「よっぽど大切だったんだね……」
(´・ω・`)「ドクオはそれ持って帰るの?」
('A`)「なに?ああ、さっきのノート持ったまんまだった」パラパラ
(´・ω・`)「なんて書いてある?宝物のありか?」
('A`)「ザンネン。だれかさんの日記みたいだ」
('A`)「なになに、7月15日……」
.
21
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:25:02 ID:SqT1CRpo0
7月21日
ごきげんよう、この日記をよんでいるボク!
きょうは、ゴミ箱の中から首を見つけました。
これで■■をだっこしてなくっても、ごろりところがっていきません。
■■の髪の毛はふわふわで、だっこしてるととってもきもちいいです。
けれども、とってもとってもくすぐったいのです。とってもとってもとってもです。
ボクがくすぐったくってケラケラ笑うと、■■もフフフと笑います。
フシギなことです。■■が笑うと、ボクも笑ってしまいます。
きっとボクは、あしたも■■をだっこして笑うんだと思いました。
いつも■■が歌ってる歌をおしえてもらいました。
「らーらららーらーらららー」っていう歌です。
ちょっぴりおぼえました。
はやく■■といっしょに歌いたいです。らーらららー。
.
22
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:25:38 ID:SqT1CRpo0
7月22日
空白
.
23
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:26:28 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「7月22日……きょうのは書いてないんだね」
('A`)「3日に1回らしいからな。24日まで書かないだろ」
(´・ω・`)「やっぱりここ、だれかいるんだ。わるい人じゃあなさそうだけど」
('A`)「えーっと……」ゴソゴソ
(´・ω・`)「だからお人形さんと日記だけまっくろじゃないんだね」
l从- -ノ!リ人
('A`)「ペン見っけ」
(´・ω・`)「あっドクオわるい子の顔してる」
l从-∀•ノ!リ人
('∀`)「どうせきょうの日記書かないんなら、オレが書いたっていいだろ」
(´・ω・`)「そういうもんじゃないと思うけど」
('∀`)「ヘーキヘーキ。お人形さんがしゃべるなんて、へんてこりんなこと書かないからさ」
l从•∀•ノ!リ人「なんのおはなししてるのじゃ?」
(´・ω・`)「なにってキミの……えっ?」
.
24
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:27:11 ID:SqT1CRpo0
l从*•∀•ノ!リ人「わあ!はじめて兄弟以外とおしゃべりしちゃったのじゃ!」
('A`)
(´・ω・`)
l从*•∀•ノ!リ人「なんだかわるい子になったキブンなのじゃ!」
('A`)「……いいか、ショボン。いちにのさんでうしろを向いて逃げるぞ」コソコソ
(;´・ω・`)「うん」コソコソ
('A`)「いち、にの、さんっ!!」ダッ
(;´・ω・`) ダッ
l从*•∀•ノ!リ人「あっ!おにごっこなのじゃ?よーし!」ゴロ...ゴロ...
l从;`•д•ノ!リ人「あ、あれっ、とまらな、のじゃあー!?」ゴロゴロッ
ドスンッ‼︎
.
25
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:27:54 ID:SqT1CRpo0
('A`)「なんの音だ?」
(;´・ω・`)「机から落ちちゃったみたいだ。大丈夫かな?」
(;'A`)「おいバカ!戻るな!食べられちゃうぞ!」
(´・ω・`)「ちょっとまっててー!机の上に戻すだけだからー!」
(;'A`)「……ああもう!そういうわけにもいかないだろっ」
l从×д×ノ!リ人「めだまがくるくるまわるじゃ〜……」
(´・ω・`)「ねぇキミ。大丈夫?痛いとこない?」
('A`)「よせよ。手なんか出したらかみつかれるぞ」
l从*×∀×ノ!リ人「へへっ……ふたりともつかまえたのじゃ〜……」
(´・ω・`)「えっ?」
('A`)「はぁ。調子くるうなぁ」
.
26
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:28:43 ID:SqT1CRpo0
('A`)「いいか?ウソはなしだぞ」
('A`)「オマエ、オレたちのこと食べるのか?」
l从*•∀•ノ!リ人「妹者!」
('A`)「いもじゃ、えっ?」
l从*•∀•ノ!リ人「なのじゃ!ワタシ、妹者っていうのじゃ!」
(;'A`)「いまのは事故!オマエの名前を呼んだわけじゃないからな!」
(*´・ω・`)「妹者っていうんだ。あのね、ボクの名前は」
('A`)「コイツはショボンだ」
(;´・ω・`)「ちょっと!」
('A`)「知らない人形にほんとの名前を教えるなって先生が言ってただろ」
(;´・ω・`)「ぐぬぬ。ボクがショボンなら、キミはドクオだ!」
(;'A`)「おい」
l从•∀•ノ!リ人「ドクオとショボン……」
l从*•∀•ノ!リ人「ドクオとショボン。ドクオとショボン!覚えたのじゃ!よろしくなのじゃ!」
(;'A`)「ちぇっ」
.
27
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:29:27 ID:SqT1CRpo0
l从•д•ノ!リ人「でもワタシ、なんでここにいるのじゃ?よく思い出せないのじゃ」
(´・ω・`)「キミってなに者なの?」
l从•∀•ノ!リ人「ワタシはワタシなのじゃ!キミはなに者なのじゃ?」
(;´・ω・`)「えっ?そんなこと、考えたこともなかったよ」
(;´・ω・`)「キミはワタシだから、ボクはボクで……あれ?わかんなくなってきちゃった」
('A`)「はいはいそのはなしはここまで。次だ次」
(´・ω・`)「うん。キミってオバケじゃないよね?ちがうよね?」
l从•∀•ノ!リ人「オバケ?」
(´・ω・`)「えっとね、この世界のなによりもこわーいもの、ってこと!」
l从;•д•ノ!リ人「ええっ!?ワタシ、オバケなんかじゃないのじゃ!」
(´・ω・`)「よかった。オバケじゃないってさ」
('A`)「そんなの信じられるもんか!」
(´・ω・`)「でもオバケは足がないんだよ」
('A`)「足どころか頭だけしかないぞ」
l从•∀•ノ!リ人「足ならあるのじゃ!」
.
28
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:30:05 ID:SqT1CRpo0
('A`)「どこに?」
(´・ω・`)「どこに?」
l从•∀•ノ!リ人「このおうちのどこかなのじゃ!」
('A`)「なんじゃそりゃ」
(´・ω・`)「かくれんぼする足なんて聞いたことないよ」
('A`)「待てよ?そういえばあの日記、指と首をここで見つけたって……」
(´・ω・`)「じゃあ、ほんとにかくれんぼしてるっていうの?お人形さんの体が?」
('A`)「つまりそういうこと」
('∀`)「けけけ。こいつはおもしろくなってきたぞ」
(´・ω・`)「またわるい子の顔してる」
('∀`)「オバケを助けるだなんて、サイッコーに悪者だろ!」
.
29
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:31:06 ID:SqT1CRpo0
('A`)「おいそこのオマエ!足を見つけたら、オバケじゃないって信じてやるよ」
l从`•∀•ノ!リ人「やった!じゃあ、いってくるのじゃ!とうっ!」ゴロゴロ
(;'A`)「あぶなっ。まったく、自分から転がり落ちるやつがあるか!」ヒョイッ
l从*•∀•ノ!リ人「あれ?ワタシとんでるのじゃ!」
('A`)「このバカチン!オレに持たれてるのじゃ」
(´・ω・`)「このおうちを転がって探してたら、100年かかっちゃうよ」
l从•∀•ノ!リ人「ヒャクネン?あしたってこと?」
('A`)「オレたちがかわりに探してやるってこと」
l从*•∀•ノ!リ人「ほんとに?やったのじゃー!」
(*´・ω・`)「よかったねー!よかったねー!」
l从*•∀•ノ!リ人「よかったのじゃー!ありがとうなのじゃー!」
('∀`)「やいショボン。そうと決まれば、どっちが先に足を見つけるかキョウソウだ」
('∀`)「よーいどん!」
(;´・ω・`)「あっ!ずるいぞ!まってよドクオー!」
l从•∀•ノ!リ人「まってまってー!ワタシもいくのじゃー!」
('A`)「ダーメ!オマエだっこしてたらショボンに負けちゃうだろ!」
l从•д•ノ!リ人「えー!おるすばんなのじゃー?」
.
30
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:31:54 ID:SqT1CRpo0
l从•д•ノ!リ人「……のじゃっ?」ヒョイッ
(´・ω・`)「ごめんね。ドクオったらすぐどっかいっちゃうんだ。
ボクらはおいてけぼりナカマだね」
l从*•∀•ノ!リ人「ほんとじゃ!妹者とショボンでおいてけぼり団なのじゃ!」
(*´・ω・`)「ドクオもおいてけぼり団にカンユウしなくっちゃね。
仲間はずれはかわいそうだもんね」
l从*•∀•ノ!リ人「ね!」
(;´・ω・`)「しかし困ったぞ。こんな広いとこ、パンくずでもなきゃ迷子になっちゃうよ」
(´・ω・`)「ねぇ、妹者。キミはここ知ってる?ボクのこと、つれてってくれないかな?」
l从*•∀•ノ!リ人「おうちのことならまっかせて欲しいのじゃ!ワタシについてくるのじゃ!」
(*´・ω・`)「とってもたのもしいや!へへん、ボクは妹者をだっこして勝っちゃうもんね」
(*´・ω・`)「そんでさ、ふたりでドクオをびっくりさせてやろうよ!」
l从*•∀•ノ!リ人「うん!」
(´・ω・`)「あれ?キミってかたっぽずつ目の色がちがうんだ」
l从*•∀•ノ!リ人「うん!こっちの青い目がね、とってもお気に入りなのじゃ!」
(´・ω・`)「キラキラしてキレイだね。青いほうの目も、赤いほうの目も」
.
31
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:32:51 ID:SqT1CRpo0
7月22日
かってに日記を書いてごめんなさいなんです。
きっとすごくすごくびっくりしたと思うんです。
ボクはきょうはじめてここにきたんです。
びっくりすることがいっぱいですごいと思ったんです。
みんなで力をあわせて足を見つけたんです。
ベッドの下にあったんです。もぐりこんだら頭のてっぺんから足の先っぽまでホコリまみれです。
見つけてすごいと思ったんです。
ここはとっても広くって探すのがタイヘンです。
きょうまでキミもタイヘンだったと思うんです。
これからはボクもいっしょに探していいです?
.
32
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:33:53 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「ほんとにいいのかな?きょうの日記かってに書いちゃったけど」
(*'A`)「wwwww」
(;´・ω・`)「いつまで笑ってるんだよ!です・ます言葉なんてわかんないよ!」
(*'A`)「ひっ、ひひ、いやー、ナミダでてきたー」
(;´・ω・`)「つぎはドクオが書く番だからね!」
l从*•∀•ノ!リ人「ワタシの足!ねぇこれ見て!これね、なんと!ワタシの足なのじゃ!」
('A`)「わかってるって」
(´・ω・`)「これでオバケじゃないってわかったね!」
l从*•∀•ノ!リ人「はやくはやく!くっつけてくっつけて!」
('A`)「あーのーなー、頭に指はくっつけられないし、足もくっつけられないんだよ」
l从;•∀•ノ!リ人「えーっ!!なんでー!?」
(;'A`)「『なんでー!?』」
(´・ω・`)「あ」
('A`)「あ?」
(´・ω・`)「雨、やんだね」
.
33
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:34:33 ID:SqT1CRpo0
('A`)「さっきまでの嵐がウソみたいだ」
(´・ω・`)「よかった。まだ一時間しかたってないみたい」
('A`)「おっかしいなぁ。もっと長いこといたと思ったのに」
l从•∀•ノ!リ人「いっちゃうのじゃ?」
(´・ω・`)「もう帰らなくっちゃ。晩ごはんまでにおうちにいないと、先生に怒られちゃう」
('A`)「コイツのこと隠さなくっちゃな。ヒミツの中のヒミツの場所に」
(´・ω・`)「うん。ヒミツの中のヒミツの場所に」
l从•∀•ノ!リ人「ヒミツの中のヒミツの場所?」
('A`)「はじめてオマエを見つけた場所だよ」
(´・ω・`)「もとにもどしておかないと、日記のだれかさんが心配しちゃうからね」
.
34
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:35:23 ID:SqT1CRpo0
(;;;;)
l从•∀•ノ!リ人「このガイコツは?」
('A`)「オマエの知り合いじゃないのか?」
l从•∀•ノ!リ人「ううん。わかんないのじゃ」
l从•∀•ノ!リ人「わかんないけど、でも」
(;;;;)
l从•∀•ノ!リ人「なんだか、なつかしい気がして、よくわかんないけど……うれしいのじゃ!」
('A`)「おかしなヤツ」
(´・ω・`)「日記のだれかさんかボクらがくるまで、ここでいい子にしてるんだよ。
わるい人に見つかってしまわないように。いいね?」
l从`•∀•ノ!リ人「まかせるのじゃ!つよい子いい子妹者なのじゃ!」
('A`)「んじゃ。またいつかな」
l从•∀•ノ!リ人「いつかっていつじゃ?」
(´・ω・`)「えっと、ねぇドクオ、いつ?」
('A`)「3日ご。日記つけにきてやるよ」
(´・ω・`)「うん。また3日ごにね」
l从•∀•ノ!リ人「3日ご。まってるのじゃ」
.
35
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:35:58 ID:SqT1CRpo0
7月23日
空白
.
36
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:36:51 ID:SqT1CRpo0
――7月25日
('A`)「ショボーン!はやくこいよー!」
(;´◎甘◎)「またその名前…!なんだいなんだい、ドクオったらー!
走るのいつもより2倍はやいじゃないかー!」
('A`)「オマエがいつもより2倍おそいんだよー!まーたそんなのつけてるからー!」
(;´◎甘◎)「はあ、はっ、だって、先生が、お外はあぶないから、って」
('A`)「オレらの園にいたあの子もあの子もあの子だって、
みーんないい子につけてたのに、みーんないなくなっちゃったじゃないか!」
(;´◎甘◎)「そう、だけど、でも、先生が」
('A`)「ユウズウのきかないヤツめ。
そらハイキョについたぞ。ここならもうお外じゃないだろ?」
(;´◎甘◎)「ほんとだ。屋根があるからお外じゃないね」
(;´・ω・`)「ふぅ。あつかったーくるしかったー」
('A`)「またひぐらしが鳴いてる」
(´・ω・`)「けっきょく、夕ぐれになっちゃったね」
カナカナカナカナ...
.
37
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:37:39 ID:SqT1CRpo0
ガチャ
('A`)「おーい、首ー、生きてるかー?いや、ちがうな。動いてるかー?」
l从-∀-ノ!リ人
(´・ω・`)「しずかに。ねちゃってるみたいだ」
('A`)「せっかくきてやったのにつまんないの。顔にラクガキしてやれ」キュッキュッ
(;´・ω・`)「よしなよ。おこしちゃうよ」
l从-∀-ノ!リ人
('A`) キュッキュッ
(´・ω・`)「……ほんとに、ねてるだけだよね?」
('A`) キュ...
('A`)「オバケがでたぞーーーっ!!」
(;´>ω<`)「ひっ」
l从;+д•ノ!リ人「オバケッ!?こわいのどこじゃどこじゃどこじゃ!?」ゴロゴロ
l从 д ノ!リ人「ふぎゃっ!!」ドスンッ‼︎
('A`)「よし、おきたな!」
.
38
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:38:13 ID:SqT1CRpo0
(;´・ω・`)「妹者?妹者ったら?平気?」ヒョイッ
l从-д•ノ!リ人「うう、ドクオ……バケ?」
('A`)「だれがドクオバケじゃい」
l从*•∀•ノ!リ人「あっ!ドクオ!ショボン!きてくれたのじゃね!」
('A`)「日記つけにくるって言ったろ。ウソはつくけど約束は守るのさ」
(´・ω・`)「もうドクオ、イタズラもほどほどにしなね!」
(´・ω・`)「落っこちて妹者がケガしちゃったらどうするんだよ」
l从•∀•ノ!リ人「大丈夫なのじゃ!ワタシは兄弟の中でにばんめにつよいのじゃ!」
(´・ω・`)「キミには兄弟がいるの?」
l从•∀•ノ!リ人「うん!妹者をいれてよっつ!」
(´・ω・`)「よっついっしょに作られたってこと?」
l从•∀•ノ!リ人「うん!よっついっしょなのじゃ!」
(´・ω・`)「そうなんだ!いつか会ってみたいな」
('A`)「ショボンこれ見ろ!きのうの日記がふえてるぞ!」
.
39
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:38:51 ID:SqT1CRpo0
7月24日
ごきげんよう、この日記をよんでいるボク?
きょうはビンの中から指を見つけました。
どの指かは分かんないです。どれでもうれしいです。
もしも■■の手がぜんぶ見つけられたら、頭をよしよししてもらいたいです。
ボクが■■の頭をよしよしすると、■■はとってもうれしいと言ってたからです。
ためしにじぶんでじぶんの頭をよしよししました。うれしくはなかったです。
きっと自分ではないだれかに頭をよしよしされると、
頭のうれしいスイッチがカチリとはいるにちがいないです。
だれかさんへ。
だれですか?
ほんとにいっしょにさがしてくれるんですか?
トモダチになってくれますか?
.
40
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:39:46 ID:SqT1CRpo0
('A`)「見たか?トモダチだってさ」
(*´・ω・`)「見た見た!そんなのじゃんじゃんなっちゃうよ!」
l从*•∀•ノ!リ人「ワタシもドクオとショボンのトモダチになるのじゃ!じゃんじゃんなるのじゃ!」
('A`)「おでこに『なのじゃ』って書いてあるヤツはしずかにしてろよ!」
(´・ω・`)「自分で書いたくせに」
l从;•∀•ノ!リ人「なるのじゃ!トモダチってどうやったらなれるのじゃ?」
(´・ω・`)「あのね妹者、耳をかしてね。ヒミツのおはなしだよ」
(´・ω・`)「じつはね、ドクオったらすっかりキミとトモダチでいた気になってたんだよ」
l从*•∀•ノ!リ人「ほんとに?」
(´・ω・`)「ウソなんか言うもんか。
ボクらの園のみんなにジマンして回っちゃうくらいだったんだから」
(´・ω・`)「『はじめてトモダチができた』ってね!」
l从*•∀•ノ!リ人「ワタシも兄弟におっきな声で言いたいのじゃ!」
l从*•∀•ノ!リ人「ドクオとショボンは、ジマンのトモダチだって!」
(;*'A`)「バカ!オマエらなんのはなししてるんだ!」
.
41
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:41:18 ID:SqT1CRpo0
('A`)「そ、そんなことより。日記を書いてるもうひとりはどんなヤツなんだ?」
l从-∀•ノ!リ人「うんとね、えっと……よく分かんないのじゃ」
l从*•∀•ノ!リ人「でも、すっごくあかるい子なのじゃ!」
('A`)「テキトーなヤツだなぁ。はじめてのトモダチだっていうのに」
l从*•∀•ノ!リ人「ドクオとショボンだってはじめてのトモダチなのじゃ!」
('A`)「はいはい」
(´・ω・`)「その子はいい子?」
l从•∀•ノ!リ人「ショボンとおんなじくらいいい子なのじゃ!」
(*´・ω・`)「とってもいい子だって!いつか会えたらいいね、ドクオ」
('A`)「ああ。いつか、な」
('A`)「そろそろ宝さがしといくぞ。夜がきちゃう前に」
.
42
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:41:58 ID:SqT1CRpo0
7月25月
ごきげんよう、この日記を読んでいるキミへ!
きょうは腕のはんぶんを見つけたんです。
クローゼットにあったまっくろいドレスにひっかかってたんです。
そのドレスはとってもキレイなドレスで、■■
.
43
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:42:47 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「あれ?おかしいな?」
('A`)「妹者の名前ぬりつぶしたのか?」
(´・ω・`)「ボクじゃないよ。ほら、書いてみせるから見ててごらんよ」
妹
■者
■■
(´・ω・`)「かってにまっくろになっちゃうんだ、ちゃーんと書いてるのに」
('A`)「そういえば、もうひとりの日記もぬりつぶされてるとこあったよな」
(´・ω・`)「あれって『妹者』って書いてあったんだ」
('A`)「なんで日記にコイツの名前が書けないんだろうな」
l从•皿•ノ!リ人「妹者っていう字はこう書くのじゃよ!」
('A`)「ばっちぃ。口でペンくわえるなよ。あーあー紙ぐちゃぐちゃじゃねーか」
l从*•∀•ノ!リ人「でもちゃんと書けたのじゃ!ほめてほめて!
自分と兄弟の名前なら読んだり書いたりできるのじゃよ!」
('A`)「日記に文字って思われてないんだろうな」
(;´・ω・`)「これは気にしないでって書かなくっちゃ」
.
44
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:43:23 ID:SqT1CRpo0
7月25月
ごきげんよう、この日記を読んでいるキミへ!
きょうは腕のはんぶんを見つけたんです。
クローゼットにあったまっくろいドレスにひっかかってたんです。
そのドレスはとってもキレイなドレスで、■■も「はやくきたい」と言ってたんです。
ボクもはやく体を見つけてきさせてあげたいと思ったんです。
〆¥〒
↑これは気にしないでほしいです。
だれかさんへ。
もちろんです!
今日からボクとキミとはトモダチです!
.
45
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:44:23 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「ドレスはここにかけておくからね」
l从*•∀•ノ!リ人「えへへ」
(´・ω・`)「さっきっから目がクギヅケだね。よっぽとキミにとってトクベツなものなんだね」
('A`)「ほんとにいいのかよ?こんなボロッボロで、シニンみたいなまっくろいドレスで」
(´・ω・`)「シニン?」
('A`)「いや……なんでもない」
l从•∀•ノ!リ人「ワタシ、これがいいのじゃ」
l从•∀•ノ!リ人「むかしね、兄弟でヒミツのパーティーをしたのじゃ」
たった一回だけ。おそろいのまっくろいスーツとドレスをきて」
l从•∀•ノ!リ人「そのときのワタシのドレスなのじゃ!」
(´・ω・`)「じゃあ、大切なものだね」
('A`)「……またすぐきれるようになるだろ。そしたら好きなだけパーティーでもなんでもしろよ」
l从*•∀•ノ!リ人「えへへっ。またやりたいのじゃ!
みんなでね、手と手をとってね、ひとつになっておどるのじゃ!」
.
46
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:45:13 ID:SqT1CRpo0
カナカナカナカナ...
l从•∀•ノ!リ人「もういっちゃうのじゃ?」
(´・ω・`)「晩ごはんまでに帰らなくっちゃ」
(´・ω・`)「先生に怒られなかったら、お泊り会したいくらいなんだけどね」
('A`)「またいつかな」
l从•∀•ノ!リ人「また3日ご、なのじゃ?」
(´・ω・`)「3日ご、なの?」
('A`)「いやー、あしたかな」
l从*•∀•ノ!リ人「!」
(*´・ω・`)「!」
('∀`)「26日の日記でも書きにきてやるよ。オトナになるまでどうせヒマだから」
l从*•∀•ノ!リ人「じゃあ、じゃあ!またあした!」
(*´・ω・`)「またあした!」
('A`)「はいはい、またあしたな」
.
47
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:45:50 ID:SqT1CRpo0
7月26日
空白
.
48
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:46:47 ID:SqT1CRpo0
――7月26日
('A`)「どういうことだよ、これ」
(´・ω・`)「これがあのハイキョだっていうの?ちがう場所にきちゃったのかな?」
('A`)「そんなわけない。ここらへんは木ばっかりで、建物といったらここしかないんだから」
(´・ω・`)「でも、ここ……ひどいありさまだよ」
(´・ω・`)「ぜんぶ、まっくろで、ボロボロだ」
('A`)「ああ。まるであの部屋みたいだ」
(´・ω・`)「まってドクオ。おねがいだよ、中にはいろうだなんて言わないで」
(´・ω・`)「わるい子になっちゃう」
(´・ω・`)「先生がだめって言ったんだ。
『タチイリキンシ』って書いてある。ここにははいれないよ」
('A`)「なんだよ、せっかくいつもよりはやくこれたのに」
('A`)「昼ごはんだってガマンしてきたってのに。
ウソつくつもりなんかなかったのに。なんだよ」
(´・ω・`)「……きょうはもう帰ろう。なにかのまちがいだよ、またいつか妹者に会えるよ」
(´・ω・`)「きっとボクら、わるい夢を見てるんだ」
.
49
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:47:41 ID:SqT1CRpo0
7月27日
ごきげんよう、この日記を読んでいるキミへ!
きょうも指をいっぱい見つけました。
10本よりいっぱい指を見つけちゃったらどうしよう。
ボクの手の指はぜんぶで9本あります。
「このまんま指ばっかりいっぱい見つけて、■■の指がうじゃうじゃになっちゃったらどうしよう」
と、ボクが言いました。
「30本までなら大丈夫」と、■■はうなずいて言いました。
すごいことです。
もしも30本も指があったなら、って思いました。
メチャクチャのハチャメチャにこんがらがって、ほどくのでヨルになっちゃいそうです。
でも5本の指よりいっぱい手をつなげると思います。
ボクのトモダチへ。
やった。うまれてにばんめのトモダチです。
とってもうれしいことです。
パパとママにシンパイされるくらいです。
ボクは大丈夫です。
.
50
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:48:41 ID:SqT1CRpo0
――7月28日
(´・ω・`)「やっぱりまちがいなんかじゃなかったね」
('A`)「ちぇっ。3日に1回ならいけるかと思ったんだけどなぁ」
(´・ω・`)「きのうとまるでおんなじ。まっくろくて、ぼろぼろのハイキョだ……」
(´・ω・`)「ドクオ?どこにいくの?」
('A`)「約束したからな。ちょっと中はいってくる」
(;´・ω・`)「だめだめ!ぜーったいだめ!!言ったじゃないか!」
(;´・ω・`)「いい子は『タチイリキンシ』の中にはいれないんだよ!
わるい子になっちゃうんだから!」
.
51
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:49:23 ID:SqT1CRpo0
(;´・ω・`)「わるい子にはわるいことがおきるんだよ。ほんとだよ。先生が言ってた」
(;´・ω・`)「オバケみたいにこわいことがおきるんだ。
もうみんなとあえなくなっちゃうんだ。きっと。ぜったいに」
('A`)「ショボンは大ゲサだなぁ。
オレはただ中でまってるトモダチに会いにいこうとしただけだよ」
(;´・ω・`)「そりゃあ、ボクだってあいたい、けど、やっぱり」
('A`)「トモダチじゃなくっちゃトモダチには会えないよ」
('A`)「オマエはいい子か?それともトモダチか?」
(;´・ω・`)「……う、うっ。キミはほんとにずるいヤツだね」
('∀`)「けけけ。じゃあいくか」
.
52
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:50:08 ID:SqT1CRpo0
カチッ...
カチッ...
(;´・ω・`)「なんの音?オバケの音?」
('A`)「時計が動いてる音」
(;´・ω・`)「ああよかった」
('A`)「あれ?でもさ、この時計……止まってなかったっけ?」
(;´・ω・`)「それって、動いてたら妹者に会えないってこと?
棒でたたいて止めなくっちゃだめってこと?」
('A`)「オマエは怖がりすぎってこと!
ちょっとはこのオレを見習えよ。だからオマエはショボンなのだ」
(;´・ω・`)「うぐっ」
.
53
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:50:41 ID:SqT1CRpo0
ボ-ン
(;っA⊂)「ぎゃー!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
(;´>ω<`)「ひっ」
:(;っA⊂):
(;´>ω・`)「?」
ボ-ン
:(;っA⊂):
(´・ω・`)
ボ-ン
(´・ω・`)「……!」
.
54
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:51:18 ID:SqT1CRpo0
ボ-ン
(´・ω・`)「わあ……」
(´・ω・`)(時計の音がなるたんびに)
(´・ω・`)(ハイキョがキレイになっていく!)
ボ-ン
(*´・ω・`)「すごいや……」
「〜♪」
「――!!」
「――www」
(´・ω・`)「えっ?」
(´・ω・`)(いま、だれかの声がとおりすぎていったような)
ボ-ン
.
55
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:51:52 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)(……止まった?)
( ω ) ザザザッ
( ´・ω)「!」
(´・ω・`)「だれ?」クルッ
シ-ン...
(´・ω・`)「だれもいないや……」
(´・ω・`)(気のせいかな、だれかうしろにいたような気がしたんだけど)
(´・ω・`)っ「ドクオ起きて!ねぇドクオったら!」
(;'A⊂)「えっ?」
(´・ω・`)「もうおわったよ」
(;'∀`)「な、なーんだただの時計かよ。びっくりさせやがって!」
(´・ω・`)「ドクオ……」
(;'A`)「んだよ、その目は」
.
56
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:53:15 ID:SqT1CRpo0
(*´・ω・`)「それより、ほら!じゃじゃーん!」
('A`)「!」
('A`)「ハイキョがもとに戻ってる!」
(*´・ω・`)「ここは魔法のおうちだったんだよ!」
時計がね、ボーンって鳴ってね、そしたらパァーって!キレイになったんだよ!」
('A`)「へぇ」
(´・ω・`)「でも時計はまた止まっちゃったみたい……」
('A`)「6時……」
(*´・ω・`)「すごかったんだよ、ほんとなんだから!
いつかドクオと妹者にも見せてあげたいな」
('A`)「オレたちがここにきてたのって、いつも6時くらいだったっけ。
そんでもって帰るのは7時くらいで」
(´・ω・`)「そうだよ。あっあとね、まただれかさんの声がしたんだ」
(´・ω・`)「歌ってる声と、怒ってる声と、笑ってる声と、それとね、」
('A`)「わかったぞ!時間だ!」
(;´・ω・`)「えっ?なになに?なにが?」
('A`)「トモダチに会えるってこと!こっちだ!はやくこいよー!」
(*´・ω・`)「ほんと?ほんとに妹者に会えるの?待ってよ、ボクもいくよー!」
.
57
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:53:52 ID:SqT1CRpo0
ガチャ‼︎
('A`)「ついた」
(;´・ω・`)「っ、い、いもじゃ、はっ?」
l从-∀-ノ!リ人
('A`)「いた」
(ノA`)「……はぁ。ったく、もう」
(*´・ω・`)「妹者!妹者がいる!妹者だ!」ギュッ
l从-∀•ノ!リ人「のじゃ…?ショボン…?」
(*´・ω・`)「そうだよ!ドクオもいるよ!」
l从*•∀•ノ!リ人「へへっ。『またあした』ってすごいのじゃね!」
l从*•∀•ノ!リ人「いつもよりいっしゅんでふたりに会えるのじゃ!」
(´・ω・`)「あっ……」
.
58
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:54:27 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「ごめんね」
l从•∀•ノ!リ人「?」
(´・ω・`)「ボクたち『あした』にはこれなかったんだ。きょうは3日ごなんだ」
l从•∀•ノ!リ人「そうなのじゃ?」
(´・ω・`)「ドクオがね、いつもよりいっぱい遊べるように、って、
はやくに園からぬけだそう、って」
(´・ω・`)「でも、そのときはおうちがおうちじゃなくって、
会えなくって、ドクオはすっごくかなしそ、んぶっ」ガシッ
(;'A`)っ「これか!よけいなこと言う口は!」
l从•∀•ノ!リ人「ドクオ」
(;'A`)「なんだよ。……わるかったよ、約束したのに」
l从•∀•ノ!リ人「ワタシ、よくわかんないけど、すっごくうれしいのじゃ!」
l从*•∀•ノ!リ人「ああ!いますぐ兄弟に教えてあげたいのじゃ!
こんなにステキなトモダチがふたりもい、んぶっ」ガシッ
(;'A`)っ「これもか!よけいなこと言う口め!」
.
59
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:55:46 ID:SqT1CRpo0
7月28日
ごきげんよう、この日記を読んでいるキミへ!
いろんなことがいっぺんにあって、目がまわりそう!
ベンキの中から胸を見つけた!
さっそく首と胸をくっつけたら、ぴたりとくっついてびっくりした。
だって針も糸もないのに!すごい!魔法!
■■の体がちょっとおっきくなって、もってくのがラクになったよ。
おにわにかざってある胸から上しかないセキゾウににてると思った。
でも■■ったら、だっこしてるとき動かせるところがふえたってはしゃぐんだ。
「おっこちたらあぶないよ!」って言ったすぐあとにおっこちた。
「おっこちたらもうおっこちないから平気!」って言ったあと転がって、カベにぶつかった。
あぶないよ!
ボクのトモダチへ。
ボクも園のお外でのトモダチははじめてだよ。
「うまれてにばんめのトモダチ」ナカマだね!
それとね、とってもいいことを思いついたんだけど、どうかな?
もうです・ます言葉なんてつかわなくったっていいって思わない?
ボクらはトモダチなんだから!
.
60
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:56:52 ID:SqT1CRpo0
7月29日
空白
.
61
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:57:32 ID:SqT1CRpo0
7月30日
ごきげんよう、この日記を読んでいるキミへ!
きょうも指をみつけました。
そういえば「おはよう」って言いにきたパパが「指にもカゾクがある」って言ってました。
ボクはどの指なんでしょう?
聞いたらパパがにこりと笑うから、うれしくなってにこりと笑いました。
もっとおっきくなったら、教えてくれると思います。
「キミがオトナになったらね」パパの口ぐせです。
■■にあったら体がふえていてびっくりしました。
こんなにおっきくなった■■を見るのははじめてです。
おっこちたって、おっこちたんですか?
■■の目はコワレモノの目です。
下におっこちたらこわれてしまうって言ってました。
でも、おっこちたんですか?ほんとに?
びっくりしました。
■■はおそらの色の目がスキって言います。
でもボクはもうかたっぽのおひさまの色の目もスキです。
.
62
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:58:12 ID:SqT1CRpo0
ボクのトモダチへ。
いいんですか?
ほんとにおこったりしませんか?
「もじを書くときはケイゴを使いなさい」って、パパが言ってました。
「シツレイだから」って。
だから「それがいい」と思ってました。
すっごくすっごくいいことだと思います。
ほんとはね、こうやっておはなししてみたかったんだ。
いつかボクと■■とキミであってみたいお。
.
63
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:58:53 ID:SqT1CRpo0
――7月30日
(*^ω^)「らーらららー♪」
∬ ´_ゝ`)「ごきげんね、ブーン」
(*^ω^)「ごきげんの歌だお!」
∬ ´_ゝ`)「ふふ、ごきげんの歌だね」
∬ ´_ゝ`)「どんなごきげんなことがあったの?姉者に聞かせてちょうだいよ」
(*^ω^)「あのね、これ!これだお!」
∬ ´_ゝ`)「おトモダチとの日記ね?なんて書いてあるのかしら?」
(*^ω^)「えっとね、姉者の体がおっきくなったってはなしとー、
姉者の指を見つけたってはなしとー、姉者のおひさまの目がスキってはなしとー」
(*^ω^)「あとね、トモダチがね!ケイゴじゃなくっていいって!トモダチだからって!」
∬ ´_ゝ`)「よかったね、ブーン」
(*^ω^)「うん!よかったお、ブーン!」
.
64
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 02:59:40 ID:SqT1CRpo0
(;^ω^)「でも……日記では姉者がおっこちたって言ってたお」
(;^ω^)「おっこちたのかお?ケガしてないかお?」
∬ ´_ゝ`)「ええ。ワタシは大丈夫よ」
(;^ω^)「よかったお」
∬ ´_ゝ`)「シンパイしてくれるの?ブーンはやさしいね」
(*^ω^)「姉者はボクのはじめてのトモダチだから!」
(*^ω^)「ねぇ、姉者!ボクのにばんめのトモダチはどんな子なんだお?」
(*^ω^)「キミは見たことあるんだおね?」
∬ -_ゝ`)「ええ。とってもかしこそうな子と、とってもやさしそうな子に見えたわ」
( ^ω^)「おっ?どっちなんだお?」
∬ ´_ゝ`)「ふふふ。どっちもよ」
.
65
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:00:20 ID:SqT1CRpo0
――7月31日
('A`)「オレだって言ってるだろ」
(;´・ω・`)「やだい!たまにはドクオがなってよ!」
l从•д•ノ!リ人「ケンカはだめなのじゃ!ワタシがふみ台になるのじゃ!」
('A`)「オマエが台になったって、ぴょんってとんだ方が高くとべるだろ」
(´・ω・`)「どっちかが台にならなくっちゃ、タンスの上に手がとどかないよ……」
('A`)「こうなりゃあジツリョクコウシだ」
('A`)「だっさなきゃ負けよ!」
(´・ω・`)「さいしょはグー!」
('A`)「じゃんけんぽん!」(´・ω・`)
l从•∀•ノ!リ人「それなんじゃ?」
.
66
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:01:02 ID:SqT1CRpo0
('A`)「なんだよ、じゃんけんも知らないのか?
こうやってグーチョキパーで勝ち負けを決めるんだよ」
l从•∀•ノ!リ人「たのしそう!ワタシもやりたいのじゃ!」
('A`)「やりたいって言ってもな」
l从•д•ノ!リ人「どうすればいいのじゃ?」
(´・ω・`)「顔でじゃんけんするのはどうかな?」
(´・ω・`)「両目をとじたらグー、右目をとじたらチョキ、左目をとじたらパー」
('A`)「それだ!」
('A`)「だっさなきゃ負けよ!」
(´・ω・`)「さいしょはグー!」
(>A<)(´>ω<`)「じゃんけんぽん!」l从>∀<ノ!リ人
(>A<)(´>ω<`)「………」l从>∀<ノ!リ人
l从•д•ノ!リ人「じゃんけん、むずかしいのじゃ」
('A`)「ショボンのせいだぞ」
(;´・ω・`)「ごめんよ」
.
67
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:02:16 ID:SqT1CRpo0
7月31日
ごきげんよう、この日記を読んでいるキミへ!
今日は指を2本も見つけた!
はやく■■とじゃんけんできる日にならないかな。
■■は目を閉じればイッシュンだって言う。
でもボクにとって、ここにこられない2日はとってもとってもながーいんだ。ほんとだよ。
きっとオバケが時間をとめちゃってるにちがいないよ。
なんてイジワルなオバケなんだろう!
どうせならここにいるとき、とめてくれればいいのに。
ボクのトモダチへ。
キミはじつに頭がいいね!
トモダチに会うだなんて、考えもしなかったよ!
言ってなかったけど、じつはボクらふたりいるんだ。
だから、4人で会いたい。■■とキミとボクらと。
あんまり遠くにはいけないんだけどさ。
ボクら夕ぐれにしかお外に出られないから。
.
68
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:03:31 ID:SqT1CRpo0
――8月2日
∬ ´_ゝ`)
(*^ω^)「やっと右手ができたおね!」
∬ ´_ゝ`)「ありがとう。ブーンたちのおかげよ」
(*^ω^)「おっお!おやすいごようだお!」
∬ ´_ゝ`)「ワタシ、もしも手が戻ったならまっさきにやりたかったことがあるの」
∬ ´_ゝ`)「きいてもらえるかしら?」
(*^ω^)「なに?なんでも言ってよ、トモダチがのぞむならソラだってとんじゃうお!」
∬ ´_ゝ`)「この手をとって」
(*^ω^)「これでいい?」キュッ
∬ ´_ゝ`)「ええ。これがいい」
(*^ω^)「どうして笑ってるんだお?」
∬ ´_ゝ`)「ブーンこそ。どうして笑ってるの?」
(*^ω^)「ずっと姉者と手がつなぎたかったんだお!」
(*^ω^)「姉者もずっと手がつなぎたかったのかお?」
∬ ´_ゝ`)「とってもね」
.
69
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:05:57 ID:SqT1CRpo0
(*^ω^)「姉者の手はつめたくってきもちいいお」
∬ ´_ゝ`)「ブーンの手はあったかいね」
(*^ω^)「さむくなったらボクのあったかいのわけてあげるお!」
(*^ω^)「だからいまは姉者のつめたいのわけてもらうお!」
∬ ´_ゝ`)「あら、ブーンったら。オヒッコシのことすっかり忘れちゃってるのね」
(;^ω^)「わすれてないお!
8月のおしまいにオヒッコシ!ほら、こんなにおぼえてるお!」
(*^ω^)「オヒッコシしたとこにも、あったかい日とつめたい日があればいいおね、姉者」
∬ ´_ゝ`)「ブーンあのね。ワタシ、いつかそんな日がきたならいいなって思ってるわ、でも」
∬ ´_ゝ`)「とても言いにくいけど……ワタシはここから出られないのよ」
(*^ω^)「ボクもだお!」
(*^ω^)「でもオヒッコシするんだお。でられるんだお!」
(*^ω^)「ボクがでられるなら、きっと姉者だってでられるお!」
.
70
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:06:38 ID:SqT1CRpo0
∬ ´_ゝ`)「ふふ。ブーンはいい子ね」
(*^ω^)「おー!ブーンいい子だおー!」
( ) ザザッ
( ^ω^)「おっ?」
∬ ´_ゝ`)「どうしたの?」
( ^ω^)「いまそこにだれかいた気がしたんだお」
∬ ´_ゝ`)「誰もいないように見えるけど。ヨウセイさんでもとおったのかしら?」
( ^ω^)「姉者がそう言うなら、きっとそうなんだお」
∬ ´_ゝ`)「そろそろきょうの気持ちを日記につけておきましょうね」
(*^ω^)「うん!きのうのきのうのトモダチはゲンキかな?」
( ^ω^)「おっ?これって……」
.
71
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:07:18 ID:SqT1CRpo0
8月2日
ごきげんよう、この日記を読んでいるキミへ!
右手のはんぶんを見つけたお!
■■に右手がくっついたお!
ぎゅーってしたら、ボクと■■の手はあったかい手とつめたい手だってわかったお。
あったかい日だってつめたい日だって、ふたりでいればサイキョーだお!
ボクのトモダチへ。
ボクとキミらはおそろいだお!
ボクもあんまり遠くにはいけないんだお。
ここがセイイッパイだお。
それに■■をおいてけぼりにできないお。
ひとりぼっちは、にがーいオクスリよりも、
いたーいチュウシャよりも、こわいことだって知ってるお。
.
72
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:08:10 ID:SqT1CRpo0
だれかさんへ。
だれですか?
トモダチになってくれますか?
.
73
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:08:50 ID:SqT1CRpo0
――8月3日
('A`)「はあ」
l从•д•ノ!リ人「あー!タメイキ!」
l从•д•ノ!リ人「タメイキつくとしあわせが逃げちゃうのじゃ!」
('A`)「そんなんで逃げちゃう弱っちいしあわせなんかいりませんー」
l从•∀•ノ!リ人「しあわせに強いとか弱いとかあるのじゃ?」
('A`)「人間さまの気持ちなんて、お人形さんにはわからないだろうな」
l从•∀•ノ!リ人「わかるのじゃ!」
('A`)「わからないね」
l从`•∀•ノ!リ人「こうなりゃあジツリョクコウシだ、なのじゃ!」
('A`)「のぞむところだ!」
.
74
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:09:33 ID:SqT1CRpo0
('A`)「じゃんけんぽん!」l从•∀•ノ!リ人
l从*•∀•ノ!リ人「ワタシの勝ちー!20戦18勝なのじゃー!」
(;'A`)「まてよ。まだ19戦17勝だからな!」
l从*•∀•ノ!リ人「もう1回!もう1回!」
(;'∀`)「いいぜ。そろそろ本気だすから!」
(;´・ω・`)「けほっ。ただいま、って、ちょっとふたりとも!ずるいじゃないか!」
(;´・ω・`)「ボクが穴にはいって探してるあいだに楽しいことしちゃってさ!」
('A`)「わるいわるい。そのスキマ、オマエしかはいれないからさ」
l从`•∀•ノ!リ人「シンケンにじゃんけんして待ってたのじゃ!」
(´・ω・`)「それでシンケンショウブはどっちが勝ったの?」
('A`)「そんなことより。あったか?」
(´・ω・`)「ばっちりね」
.
75
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:10:26 ID:SqT1CRpo0
l从•∀•ノ!リ人
('A`)「とうとう腹部のとこまでカンセイか。ようやくドレスがサマになったな」
(*´・ω・`)「わあ!おっきくなったね!」
l从*•∀•ノ!リ人「まだまだ!これからもーっとおっきくなるのじゃ!」
('A`)「臀部を見つけたら、足もくっつけられるな」
(*´・ω・`)「そしたら妹者!ボクらといっしょに遊ぼうよ!なにがいい?」
l从*•∀•ノ!リ人「うんとね、探検ごっこがいい!
ドクオとショボンが迷子にならないように、ワタシが先を歩くのじゃ!」
('A`)「おい。タイチョウはオレだぞ」
l从`•∀•ノ!リ人「じゃんけんでシンケンショウブなのじゃ!」
('A`)「そ、それはともかく」
〜♪
(´・ω・`)「?」
.
76
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:11:13 ID:SqT1CRpo0
('A`)「ショボン?どこ見てんだ?」
(´・ω・`)「ううん。気のせいだったみたい」
(´・ω・`)(またあの歌が聞こえた気がしたんだけど)
('A`)「いいのか?このかんじだとショボンとおんなじか、
もしくはコイツのがおっきくなるぞ!」
(;´・ω・`)「えっ!?だめだめ!それはこまるよ!」
(;´・ω・`)「妹者!やっぱりだめ!これ以上おっきくならないで!」
l从*•∀•ノ!リ人「まかせるのじゃ!つぎはワタシがショボンだっこするのじゃ!」
(;´・ω・`)「だめー!!せめてもうちょっとまってよ!いそいでおっきくなるから!」
('A`)「どんだけ未来のはなししてるんだか。そろそろ日記を……えっ?」パラパラ
('A`)「8月1日の日記がある」
(´・ω・`)「ウソ!見せて見せて!」
.
77
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:11:57 ID:SqT1CRpo0
8月1日
兄弟のためにありがとう。
,
78
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:12:36 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「『兄弟のためにありがとう』?」
l从*•∀•ノ!リ人「兄弟!?」
('A`)「もうひとりが書いたんじゃないのか?」
(´・ω・`)「ううん。字がまるでちがう」
('A`)「じゃあいったいだれが」
l从*•∀•ノ!リ人「ワタシの兄さんなのじゃ!」
(´・ω・`)「妹者のお兄さん?」
('A`)「ってことは、人形か?」
l从•∀•ノ!リ人「ううん。おっきい兄さんは人間なのじゃ!」
(´・ω・`)「えっ?でも兄弟って?」
l从•∀•ノ!リ人「兄弟は兄弟じゃよ!」
('A`)「オレとショボンみたいなもんってことだろ」
(´・ω・`)「なるほど」
.
79
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:13:14 ID:SqT1CRpo0
8月3日
ごきげんよう、この日記を読んでいるキミへ!
きょうはカベにあいた穴の中からお腹のとこを見つけた。
■■の体がもとに戻っていくのはうれしい。
でもほんのちょっぴり、もうすこしだけこのまんまでいたいって思っちゃうんだ。
なんでだろうね?
それとね、ボクが穴にはいって探してるあいだ、
ふたりはじゃんけんしてあそんでたんだよ!ひどいや!
穴の中ときたら、そりゃあもう!
せまくって、まっくらで、ひとりぼっちだったんだから!
でもね、ふたりが楽しそうにしてるのが聞こえてたから、あんまりこわくはなかったんだ。
ヒミツだけどね。
.
80
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:14:06 ID:SqT1CRpo0
ボクのトモダチへ。
ボクだっておんなじだよ。
トモダチをひとりぼっちになんかしやしないよ。
■■の兄弟さんへ。
はじめまして。
あなたもいっしょにさがしてくれるの?
.
81
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:15:14 ID:SqT1CRpo0
(´・ω・`)「ねぇ妹者?きょうはさ、いっしょにボクらの園に帰ってみない?」
l从•∀•ノ!リ人「園?」
(*´・ω・`)「ボクとドクオがすんでるおうちってこと!」
(*´・ω・`)「もちろん園の先生とみんなにはヒミツだよ!だめかな?」
('A`)「だめです」
(;´・ω・`)「あ、あしたの夕ぐれには戻るって言っっても?
ほんのちょっぴりいっしょにいるだけでも?ほんとにだめ?」
('A`)「だめ」
(;´・ω・`)「犬や猫とちがって、妹者は食べられないよ?」
('A`)「だーめ!」
l从•∀•ノ!リ人「ショボン、ワタシここにいるのじゃ」
(;´・ω・`)「でも」
l从•∀•ノ!リ人「また3日ごに会えるのじゃ!」
('A`)「ショボン、帰ろう。また3日ごな」
(´・ω・`)「……うん。また3日ごに」
.
82
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:15:53 ID:SqT1CRpo0
8月4日
左足を見つけた。
もちろんだ。
流石なオレらが未たからにはもう全心してくれ。
これはもともとオレらがはじめたことだからな。
よろしく頼むぞ、みんな。
.
83
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:16:46 ID:SqT1CRpo0
――8月4日
(´<_` )
( ´_ゝ%)「この足はオマエの足だな、弟者」
(´<_` )「兄者、日記にはなんて書いてあるんだい?」
( ´_ゝ%)「んっ?いま、流石な兄が書いた日記を読みたいと言ったのか?
その青と緑の目からカンドウとソンケイのナミダを流すジュンビはできたかい?
できたならば、いいだろう!これより読み聞かせをはじめる!」
(´<_` )「ぜんぶ兄弟の名前語で書いてくれたなら、
兄者なんかにおねがいしないで書いたり読んだりできるというのに」
( ´_ゝ%)「しかし兄弟の名前は日記に書けないって書いてあったぞ」
( ´_ゝ%)「オレの名前語になってしまうな?」
(´<_` )「どんな風に?」
.
84
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:17:32 ID:SqT1CRpo0
( ´_ゝ%)「兄兄者兄者兄者者、兄者!」
(´<_` )「ふふっ。いらない」
( ´_ゝ%)「ははっ!そうか!」
(´<_` )「なんと言ったんだ?」
( ´_ゝ%)「『流石だよな、オマエの兄!』」
(´<_` )「絶対にいらない」
( ´_ゝ%)「ははっ!照れ屋さんめ!」
( ´_ゝ%)「この中指と薬指と胸は妹者、腕と親指と人差し指と首と腹は姉者か」
( ´_ゝ%)「右手の小指もオマエだな」
(´<_` )「よくわかるな、兄者」
( ´_ゝ%)「わかるさ。なんせ兄弟だからな。わからないのか?弟者、オマエは?」
(´<_` )「わからないさ。なんせ兄弟だからな。だれがだれだっておんなじだよ」
.
85
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:18:12 ID:SqT1CRpo0
――8月5日
(*^ω^)「姉者ーおようふく持ってきたおー!」ドサッ
∬ ´_ゝ`)「まあ!ワタシのために、こんなにたくさん?」
(*^ω^)「好きなだけえらんでよ!これとかどうかお?」
∬ ´_ゝ`)「そうね。ワタシ、これがいいわ。ブーンがえらんでくれたんだもの」
(*^ω^)「姉者がそれがいいって言うなら、それがいいお!」
(*^ω^)「おっ?これボウシもついてるお!キレイだお!
でも姉者のお顔がかくれちゃうお……」
∬ ´_ゝ`)「ふふふ。せっかくだから帽子もいただくわ」
( ^ω^)「ほかにはどれがいいお?」
∬ ´_ゝ`)「ううん。これだけでいいわ」
( ^ω^)「ひとつだけでいいのかお?」
∬ ´_ゝ`)「ひとつだけで充分よ。ありがとう、ブーンはやさしい子ね」
.
86
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:18:56 ID:SqT1CRpo0
8月5日
ごきげんよう、この日記を読んでいるキミへ!
きょうは指をいっぱい見つけたお!
ママのおへやから■■のおようふくを持ってきたお。
どれがいいのかわかんなくって、両手いっぱい持ってきたお。
■■はまっくろいワンピースを「これがいい」って言ったお。
■■がいいって言うなら、ボクも「それがいい」って言ったお。
ほんとはね、なんだっていいんだお。きっとなんだって似合うお!
あとからママたちがきて、カミナリをおとされたお。
いたくていたくて、ナミダがポロポロでてきたお。ちょっとしたらとまったお。
ママが「ソウギヨウのおようふくがない」って言ってたお。
ヒミツの中のヒミツの場所にかくしたから、■■もおようふくもぜったいに見つからないお。
ママ、ちょっとだけかしてください。あとでぜったいに返しますから。
ボクのトモダチへ。
やった。トモダチがいっきに4人も!
左手さんがいっぱいだお。
.
87
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:19:52 ID:SqT1CRpo0
――8月6日
(´・ω・`)「妹者のお兄さんってたのもしい人だね」
l从*•∀•ノ!リ人「えへへっ。おっきい兄さんはねー、たのもしくっておもしろくって!
ちっこい兄さんはー、しっかり者でいつもみんなのお世話してくれて!
姉さんはー、強くってキレイでやさしいのじゃ!」
(*´・ω・`)「大スキなんだね」
l从*•∀•ノ!リ人「大大大大大スキなのじゃ!」
('A`)「オマエのでっかい方の兄さん、かっこつけてるけど字まちがってるぞ」
('A`)「『未た』は『来た』、『全心」は『安心』だろ」
(´・ω・`)「ドクオだって人のこと言えないじゃん。字へたっぴだから書かないくせに」
('A`)「ぶつぞ」
(;´・ω・`)「やめてよね」
.
88
:
◆zfMiV6C5M2
:2017/08/25(金) 03:20:35 ID:SqT1CRpo0
l从•∀•ノ!リ人「ワタシも日記書きたいのじゃ!」
('A`)「自分の名前しか書けないんだろ?自分の名前語でもつかうのか?」
l从*•∀•ノ!リ人「名前語……名前語!名前語!」
(*´・ω・`)「それはいい考えだね!」
(;'A`)「いいもんか!ああもう忘れろ忘れろ」
l从•д•ノ!リ人「ドクオ、おねがいなのじゃ!」
(´・ω・`)「ボクからもこのとおり!晩ごはんのおかずいっこあげるから!」
('A`)「はあ。しょうがないな、一言だけだぞ?」
(*´・ω・`)「そうこなくっちゃ!」
l从*•∀•ノ!リ人「わーい!がんばるのじゃー!」
('A`)「一言だけだからな。どの言葉にするんだ?」
l从`•∀•ノ!リ人「それならもう決めてあるのじゃ!」
.
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