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(@^ω^) ビート・イット!!のようです。
1
:
◆f7fJEvGVN6
:2017/08/19(土) 02:04:04 ID:eNrzMpqU0
(@^ω^) ビート・イット!!のようです。
第一話
215
:
名無しさん
:2018/02/08(木) 22:10:49 ID:Y8A4QRk60
o川*゚ー゚)o 「さっ!時間ないからね!!巻きで話していくよ」
( ^ω^) 「えっ、あっ…は、はい」
o川*゚ー゚)o 「これからね。君はとんでもない化け物と闘わなきゃいけないの」
(;^ω^)ゴクリ 「化け物?…なんの話だお?」
o川*゚ー゚)o 「もし負けると……世界がやばい感じになるの」
(:^ω^) 「やばい……感じに?」
o川*゚ー゚)oコクリ 「そう…やばい感じに」
216
:
名無しさん
:2018/02/08(木) 22:12:50 ID:Y8A4QRk60
目の前の少女は真剣な表情で頷く。
語彙力が圧倒的に足りないが故に説得力に欠ける。…だがその表情を見るに嘘ではないのだろう。
( ^ω^) 「それで…?僕はどうしたらいいんだお?」
o川*゚ー゚)o 「とにかく強くなって」
o川*゚ー゚)o 「……今の君たちのまんまじゃ絶対に、あれには勝てない」
( ^ω^) 「まるで僕らを知ってるような口ぶりだおね?」
o川* ー )o 「まあね♪」
( ^ω^) 「……なるほど。なんだか訳ありみたいだおね」
217
:
名無しさん
:2018/02/08(木) 22:14:46 ID:LQQDW/k20
!?
218
:
名無しさん
:2018/02/08(木) 22:25:45 ID:Y8A4QRk60
o川*゚ー゚)o 「察しが良くて助かるなあ」
o川*゚ー゚)o 「まぁ…とにかく修行、頑張ってね!応援してるよ!!」
少女がそう言うと視界がぼんやりと滲み始めた。
視界が徐々に白く塗りつぶされていく。
この機会を逃せば二度と会えないような気がして、咄嗟に叫ぶ。
(; ω ) 「待って!!キューちゃん!!…君の!!……君の名前は!!?」
o川*゚ー゚)o 「んー……仕方ないなあ」
o川*゚ー゚)o 「……私の今の名前はキュート!」
219
:
名無しさん
:2018/02/08(木) 22:26:12 ID:Y8A4QRk60
(;^ω^) 「キュート!!…キュートだおね!!?」
(;^ω^) 「また!!また絶対に会いに来るお!!」
そう言った途端、視界が一気に白く染まった。
今の言葉が届いたのかすらわからない。
o川* ー )o 「……ばーか…忘れちゃう癖に」
視界が完全に白く染まる前の彼女は、たぶん笑っていたような気がする。
―――――また、会えるのだろうか?
220
:
◆xSQyS0mXVI
:2018/02/08(木) 22:28:07 ID:Y8A4QRk60
今日はここまでです。
投下し終わってから、トリをつけ忘れたのに気が付いたっていう……。
ほんとなんかすみません。
ではまた。
221
:
◆HJSTJA2nos
:2018/02/08(木) 22:31:38 ID:Y8A4QRk60
あれ?トリ違う?
……何してるんだ…。
質問などがありましたら、お気軽にレスしてください。
現在公開できる範囲でお答えさせていただきます。
必殺技の読み方に関しては、内緒です。
222
:
名無しさん
:2018/02/08(木) 23:12:55 ID:LQQDW/k20
待ってた待ってた
乙
223
:
名無しさん
:2018/02/09(金) 05:38:28 ID:3fUhdlx.0
きてたか乙
224
:
名無しさん
:2018/02/10(土) 02:44:07 ID:lVOszdps0
おお待ってたましたぞ
乙
225
:
名無しさん
:2018/02/11(日) 21:22:41 ID:VGwHm7n60
ウッチキリになった時にも出てたなキューちゃん
226
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:25:52 ID:cm8n.gFg0
お久しぶりです!!
(@^ω^) ビート・イット!!のようです。Яeboot
第3話
227
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:27:09 ID:cm8n.gFg0
闇の底にいた意識が覚醒し、視界が白く染まっていく。
さっきまで見ていた夢はなんだったっけ?まあ、大事なことならいずれ思い出すだろう。
そんなことを思いながら、微睡んでいると聞き慣れない声が鼓膜を打った。
cr炎ro 「よう、気が付いたか?」
この声は…?……この声は!!?
まだ寝ていたいと駄々をこねる体を無理矢理に覚醒させ、ベットから飛び退く。
(;;゚ω゚)ガバッ 「お前は!!?」
そして、即座に戦闘態勢に入る―――――はずだった。
228
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:27:41 ID:cm8n.gFg0
(;^ω^)ガクッ 「…あぐっっっ!!?」
脇腹と脚に激痛が走り、思わず力が抜けた。
このままじゃ、顔を床に打ち付ける。そう思った瞬間に、視界が赤で埋め尽くされる。
;cr炎ro 「…おいおい。怪我人が無茶すんじゃねえよ」
ザリガニは倒れかけた僕を鋏で受け止めて、そのままひょいとベッドに降ろした。
(;^ω^) 「……敵………じゃないのかお?」
cr炎ro 「……まあな」
(;^ω^) 「じゃあ、なん……いでででで」
痛みに顔をしかめる僕を見て、ザリガニはなんだかばつの悪そうな顔をする。
229
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:28:35 ID:cm8n.gFg0
;cr炎ro 「だ、大丈夫か?……いや、元々殺すつもりでやれ、とは言われてたんだが……」
;cr炎ro 「……久々の戦闘とお前らの強さでつい、血が騒いじまってな……すまん」
そう言いながら、ザリガニは鋏で頭を掻くような仕草をする。
こういう所は虫も人も一緒なんだな、なんてことを考えていると隣のベッドの布団が吹っ飛んだ。
……いや、ダジャレとかじゃなく。
【;○I○】 「なあ!!……あんた、アトラの姉御の…炎鬼討伐令が出た時に、一緒に戦った……あの」
【;○I○】 「…ジョーの兄貴……だよな?」
そう問いかけるカブト丸に笑顔を見せてザリガニが答える。
cr炎ro 「……よく覚えてたな」
230
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:29:06 ID:cm8n.gFg0
cr炎ro 「そうだ。カブト丸、久しぶりだな」
【;I;】 「……そうか…そうか。…おらあてっきり…あの時、あんたが死んじまったのかと……」
【;I;】 「よかった………よかった」
そう言って涙を浮かべるカブト丸の頭を撫でながら、ジョーはブーンに問いかける。
cr炎ro 「俺達がどんな関係か気になるって感じか?」
cr炎ro 「まあ、なんだ…話せば長くなるんだが……聞いとくか?」
( ^ω^)コクリ 「頼むお」
cr炎ro 「おう……わかった」
231
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:29:32 ID:cm8n.gFg0
cr炎ro 「今から七年前になるか……炎鬼…まあ、アトラの『個性』が暴走したことがあった」
cr炎ro 「先天的に『個性』がある奴らがいるのは知ってるな?」
( ^ω^) 「……ああ、アトラとノイジーからなんとなく聞いてはいたお」
cr炎ro 「先天的に『個性』を持ってる奴らは、その『個性』にもよるが基本的には神聖なもんと考えられていた」
cr炎ro 「………だがな、炎の力を持って生まれた奴は森に滅びをもたらす者だとされていたんだ」
cr炎ro 「まあ……そんな中、炎の力を持つアトラが産まれたんだから、なんとなく想像がつくだろ?」
( ^ω^) 「………まあ、迫害されるだろうおね」
232
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:30:22 ID:cm8n.gFg0
cr炎ro 「その通りだ。特に森の人気者だった母親を焼き殺して生まれたアトラへの迫害は、並大抵のもんじゃなかった」
cr炎ro 「それでもアトラはずっと笑ってやがんだ……。あいつ強え奴だったよ」
cr炎ro 「……確かに皆、迫害してたんだが、それでもある一線だけは引いていたんだ」
( ^ω^) 「母親の死因についてかお?」
cr炎ro 「…その通りだ。だが、ある日その禁忌を破っちまった一匹のオスがいた」
cr炎ro 「……アトラが泣いてるところを見たのはあれが初めてだったよ」
233
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:30:45 ID:cm8n.gFg0
【○I○】 「姉御はそれでも、我慢して笑おうとしてたんだ…でも、できなかった」
【○I○】「だんだん周りの景色が熱で歪んで行ってよ……」
【-I-】 「姉御の周りがパッと光ったと思った瞬間には、炎がそのオスを食い殺してた」
cr炎ro 「炎はどんどん燃え広がってな……」
cr炎ro 「それまで殺すのには反対していた長達もついに過激派の奴らを抑えられなくなった」
( ^ω^) 「……それで、討伐命令が出たのかお?」
cr炎ro 「…そういうことだ」
234
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:31:40 ID:cm8n.gFg0
cr炎ro 「相手が炎の力を持ってるってんで、水の能力を持ってるオレも戦闘に参加することになったんだ」
【○I○】 「当時、うちの森には兄貴以上の水の『個性』を持ってるのがいなかったからな」
cr炎ro 「まあ、暴走したアトラ相手には時間稼ぎしかできなかった訳なんだけどな」
(;^ω^) 「あの攻撃規模と能力で……!?時間稼ぎにしかならなかったってのかお?」
cr炎ro 「どんな攻撃しても、一瞬で水が蒸発させられちまったからな…打つ手なしだった」
cr炎ro 「おまけに体を炎が覆ってるもんだから、接近戦にも持ち込めなかった」
cr炎ro 「終いにゃ、手前が攻撃に使った水で煮られて、自慢の青い甲殻が赤くなっちまったのよ」
235
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:32:46 ID:cm8n.gFg0
(;^ω^) 「でも……それじゃあ、どうやって炎鬼を止めたんだお!?」
(;^ω^) 「あの水量を一瞬にして蒸発させる相手なんて………」
cr炎ro 「暴走したアトラを止めたのは、他でも無いノイジーとカブト丸だ」
cr炎ro 「自分達が止めるから、姉御の命だけは勘弁してくれってな」
cr炎ro 「過激派の連中も森が滅ぶことだけは避けたかったらしい。二人に任せることになったんだ」
【○I○】 「あいつが、地震を起こして姉御の動きを止めた一瞬の隙をついてよ」
【○I○】 「蝋翼の愚者の鉄槌をぶちかましたんだ」
(;^ω^) 「あれって落下による加速に回転を加えることで、斬撃の威力を高めるもんじゃないのかお!!?」
(;;^ω^) 「しかも角にすごく負担がかかるんだお!!……あれでどうやって!!?」
236
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:33:23 ID:cm8n.gFg0
【○I○】 「まあ、おれとノイジーじゃあ角の形状がまるっきり違うからな」
【○I○】 「あいつのは細いから斬撃型。俺のは幅が広いから打撃型って感じだな」
【○I○】 「落下しながら、回転して起こした風をおれの『個性』で増幅したってわけよ!!」
( ^ω^)フム 「…………なる。そんな使い方もできたのかお」
cr炎ro 「まあ、それでな。暴風で掻き消され、脳天を角で思いっきり叩かれたアトラは意識を失った」
cr炎ro 「ようやく『個性』の暴走が止まったはいいが、森の半分以上が焼けちまってな」
【;○I○】 「復旧すんのも一苦労だったぜ…。」
cr炎ro 「その後アトラとノイジーとカブト丸は責任を取る形で森を追放されたんだ」
( ^ω^) (……それでノイジーはあんなとこにいたのかお)
237
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:34:45 ID:cm8n.gFg0
【○I○】 「旅先で姉御はツンに、ノイジーはブーンにそれぞれ出会ったって訳だ」
( ^ω^) 「そうだったのかお。」
( ^ω^) 「お?……カブト丸は?」
【○I○】 「オレはピンと来るマスターがいなくてよお」
【○I○】 「修行しながら、一人で旅をしてたんだ」
cr炎ro 「俺はやけどの奥に残った火が消えなくってな……。そのまま消えるまで創作湖の方にいたんだ」
cr炎ro 「火が消えた後は、戦闘力を買われてここ『雨象之里』で門番をしてたって感じだな」
238
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:35:18 ID:cm8n.gFg0
【○I○】 「……あの日から全然姿も見ねえし、誰に聞いても知らねえって言うからよぉ……」
【○I○】 「………ほんっと生きててよかったぜぇ!!」
cr炎ro 「『不死身のジョー』たあ俺のことよ!そう簡単にくたばるかっての!!」
*cr炎ro 「まあ、あとちょっとで美味しい茹でザリガニになるとこだったんだけどな!!」
【*○I○】 「オレも焼きカブトになるとこだったしな!!」
*cr炎ro*○I○】 「だーはっはっはっはっはwwww」
先程までの雰囲気はどこへやら、人でいう肩や背中をバシバシと叩き合いながら大笑いする二匹。
久しぶりの再会を喜ぶ二匹を見ながら、ブーンはある疑問を抱いていた。
239
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:37:56 ID:cm8n.gFg0
( ^ω^) (さっきの会話の中で、二人はノイジーが地震を起こしたって言ってたお)
( ^ω^) (でも、僕と一緒に戦ってた時のノイジーはそんな能力無かったお?)
( ^ω^) 「………一つ聞いてもいいかお?」
cr炎ro 「おう!なんだ!?」
( ^ω^) 「さっきの会話の中で二人はノイジーが地震を起こしたって言ったおね?」
cr炎ro 「ん?……ああ、言ったな」
【○I○】 「それがどうかしたのか?」
( ^ω^) 「……いや、その………僕と一緒に戦ってた時のノイジーにそんな能力は無かったんだお」
【;○I○】 「っはあ!!?あいつが地震を使えなかっただあ!!??」
240
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:38:34 ID:cm8n.gFg0
(;^ω^) 「ノイジーは超音波みたいな高速の振動しか使えなかったんだお!」
;cr炎ro 「っあ〜………。それについてなんだが」
cr炎ro 「ブーン。お前さん『個性』をどうやって発動するか知ってるか?」
(;^ω^) 「『個性』は虫が本来持つ能力をギアが制御して、マスターが指示を出すことで使えるものなはずだお?」
cr炎ro 「あ〜……今はそう教わってんのね」
(;^ω^) 「え!??ち、違うのかお」
cr炎ro 「いいか?『個性』ってのはマスターから分け与えられたエネルギーがギアを通じて虫に伝わることで発動する」
cr炎ro 「制御してんのはギアじゃねえ。マスターの方だ」
cr炎ro 「虫がより大きな力を使うには、マスターからのエネルギー供給が不可欠なんだ」
241
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:39:11 ID:cm8n.gFg0
cr炎ro 「虫がどんなに強力な『個性』を持っていたとしても、マスターの器が小さければ本領を発揮できねえんだよ」
(;;^ω^) 「……な、な…てことは」
cr炎ro 「逆に虫の『個性』が弱くても、マスターの器次第では強力な力になる場合もあるしな」
(;; ω ) 「僕は……僕は…!!ノイジーの力を出し切れてなかったってことかお!!?」
cr炎ro 「……そうなるな。理解が速くて助かるぜ」
(;; ω ) 「そんな!?……そんな!!」
242
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:39:44 ID:cm8n.gFg0
cr炎ro 「…ブーン。お前は確かにマスターとしての器が小せえ」
cr炎ro 「だがそれを覆すぐれえの力を持ってる」
cr炎ro 「瞬時に戦況や相手の力量を見抜く目、咄嗟の時に最適解を出せる頭の回転」
cr炎ro 「それになにより、土壇場で身の危険を顧みずに突っ込む度胸もある」
(;; ω ) 「……ッ僕の!!……僕のせいでノイジーは!!」
cr炎ro 「………ノイジーのことを忘れろとは言わねえ」
cr炎ro 「だが、大事な人を守るために、これ以上傷つけさせないために……お前は前を向かなきゃいけねえ」
cr炎ro 「立って歩くか朽ちるか選べよ。ブーン」
cr炎ro 「まだ立って歩く気があるってなら、俺が一から鍛えてやる」
そう言って、ジョーは鋏を突き出す。
243
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:40:17 ID:cm8n.gFg0
(;; ω ) 「でも……でも!」
僕にできるのか!?ノイジーを殺した僕に!!
そんな思いが頭の中を埋め尽くしていく。
もう少しで全てが黒に飲まれそうになった時、背中を硬いフ節が叩いた。
【○I○】 「………」
カブト丸は何も言わずに僕を見つめている。
たったそれだけのことだったのに、テレパシーだって使ってないのに、伝わってくるものがあった。
cr炎ro 「……どうする?」
( ω ) 「僕は……」
244
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:41:44 ID:cm8n.gFg0
静かにこちらを見つめるジョーの目を見つめ返す。
覚悟はもう決まった。
ノイジー、きっと君ならこう言うんだろう?
( ^ωI○) 「「……ここで逃げたら男が廃るお」」
(##゚ω゚) 「……僕は…僕は強くなりたい!!!」
【○I○】 「……ジョーの兄貴!!よろしくお願いします!!」
ジョーの鋏をしっかりと握る
cr炎ro 「……お前ら二人、俺が責任持って鍛えてやるよ」
cr炎ro 「……まあ、死なねえようにな」
245
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/10(火) 21:44:11 ID:cm8n.gFg0
今日はここまでです。
皆さん新生活、色々あるかと思いますが頑張っていきましょうね!!
僕も書くんで!!
246
:
名無しさん
:2018/04/10(火) 23:27:05 ID:77lPoN160
(;つ��⊂)ゴシゴシ
( ̄・ω・ ̄)
キタ━━ヽ(´ω`)ノ゙━━!!
おかえり!!!
247
:
名無しさん
:2018/04/11(水) 02:44:36 ID:fTUMq5mo0
おつ
そしておかえり!
楽しみにしてた!!
248
:
名無しさん
:2018/04/12(木) 19:36:07 ID:mtumNXoM0
>背中を硬いフ節が叩いた。
ここ好き
249
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:42:17 ID:P8E/ocfI0
(@^ω^) ビート・イット!!のようです。Яeboot
第4話
250
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:43:07 ID:P8E/ocfI0
cr炎ro 「さて、そんじゃまあ修行を始めっか!」
cr炎ro 「ブーンの器……謂わば力の限界、容量って感じだな」
cr炎ro 「こいつをでかくする方法はいくつかあるんだが、何せお前らには時間がねえ」
cr炎ro 「だから最短距離で一番険しい山を登ってもらうぜ?」
( ^ω^) 「………覚悟はできてるお」
【○I○】 「ああ、オレもだ」
cr炎ro 「…よし、いい目だ。ついて来な!!」
そう言って、ジョーは歩き出す。
これまで門の外と医務室の中しか見ていなかったのでわからなかったが、雨象之里はかなり広い。
まあ、僕の体が小さくなっているのもあるんだけど……。
251
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:43:44 ID:P8E/ocfI0
里のメインストリートだという、飲食店やら何やらが軒を連ねる通りを過ぎ、里の中央へと向かっていく。
なかなかに人通り……いや、虫通りも多い。時折、その中に人がいた。
以前は虫だけが暮らしていたのだが、ここ数年で人の移住も受け入れるようになったそうだ。
もちろん里のことを口外しないという条件付きだが。
cr炎ro 「うし、着いたぜ。」
cr炎roクイッ 「おうブーン!あれを見てみな!!」
(;; ゚ω゚) 「………な…なんだお?あれ!?」
【○I○】 「こりゃあ懐かしい!!長の家じゃねえか!!」
(;;^ω^) 「…家なの!!?」
(;^ω^) 「家がある所にしちゃあ、ずいぶんぼこぼこで崩れそうだお」
252
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:44:17 ID:P8E/ocfI0
僕らの目の前にそびえ立っている巨大な岩だった。
よく目を凝らして上を見れば、確かに天辺にちょこんと家が乗っかっているのが見える。
まるで花札の松のカスのような、その異様な形状も然る事ながら、僕の目を引いたのはその中腹に開いた大きな穴だった。
(;;^ω^) 「……あれは…なんだお?」
cr炎ro 「あれってのは、あのでっけえ穴のことか?」
cr炎ro 「ありゃあ、十年前にこの里で修行をしていた人間と虫が一撃でぶち開けたもんだ」
cr炎ro 「洪水で里が飲まれるんじゃねえかって時に、あの岩をぶち抜いて水を外に流したって訳よ!!」
cr炎ro 「今じゃ里で修行した人間は、あの大岩に自分の技をぶつけて修行の成果を試すのが習わしになってる」
*cr炎ro 「まあ、岩を完全にぶち抜けた奴は二人しかいねえんだけどなwwww」
( ゚ω゚)そ 「二人しかいないのかお!!?」
253
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:46:38 ID:P8E/ocfI0
【○I○】 「ちなみにその内の一人はお前も知ってるぜ」
( ゚ω゚) 「まじかお!!??」
【○I○】 「……ゼロ&ハインだ」
(;^ω^)ゴクリ 「あいつらが……これを」
そう言ってカブト丸が指した2番目に大きいその穴は、中がツルりと滑らかで真っ直ぐに大岩を貫通している。
( ^ω^) 「…………」
【○I○】 「…………」
見れば見るほどその圧倒的なまでの技量と破壊力が身に染みて伝わってくる。
やはり、あの試合の時の彼らは手を抜いていた。
もし彼らが本気を出していれば、ノイジーも僕も全く歯が立たなかっただろう。
本来であれば余裕で勝てる実力を持ちながら、彼らは途中で棄権したのだ。
それなのに僕らは、最高の動きをして互角に戦えていたつもりになっていた。
―――――遊ばれていたのだ。
悔しさから思わず、拳を握りしめる
254
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:47:27 ID:P8E/ocfI0
( ^ω^) 「ジョー……。」
cr炎ro 「ん?どうした?」
( ^ω^) 「僕、この中で一番でっかい穴を開けて見せるお」
cr炎ro 「はっはっはっはwwww最初は皆そう言うんだ!!」
cr炎ro 「……まあでも、お前らにゃちーっと期待してるぜ?」
そう言って、また歩き始めたジョーの足音を聞きながら、僕は大岩から目を離せずにいた。
ライバル達の顔が浮かんでは消えていく。絶対に……絶対にあいつらを越えて見せる。
ハインだけじゃない、ジョルジュもロマネスクもショボンも……ツンだって。
255
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:48:14 ID:P8E/ocfI0
通称都落ち(チャンピオンが負けた場合、強制的に最下位になる制度)によって僕は今、創作小学校の中で一番ランクが低い。
……絶対に勝ちあがって見せる。
( ^ω^) 「カブト丸………ぶちかましてやろうお」
【○I○】 「……ああ!!」
【○I○】 「やってやろうぜ」
そう言って大岩を見上げていると、上から声がした。
#cr炎ro 「おう!!ちゃんとついて来いっての!!」
【;○I○】 「やっべ…急ぐぞ!!乗れ!!」
(;^ω^) 「すまんお!!」
256
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:48:51 ID:P8E/ocfI0
そして、過酷な修行が始まった。
#cr炎roブォン 「おらあ!!」
(;^ω^ノリ ハラリ 「あっぶねえ!?」
見てくれ。あのザリガニ野郎本気なんだ。
小学生を相手に本気で鋏を振るってやがるんだ。
今の攻撃で僕の前髪が何本か持っていかれた。
たしかに、プロリーグでは人間も試合に加わることが多い。
だが、創作小学校などで行われる試合では基本的に人間は一緒に戦わない。
小学生の身体能力ではむしろ、虫の脚を引っ張ることになってしまうからだ。
前脚、中脚、後脚どれを引っ張ることになるのかは虫フリークの皆の想像にお任せする。
257
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:49:37 ID:P8E/ocfI0
戦闘時に邪魔になるのでギアの設定を変え、イヤホンのような形状の物にした。
僕はヘッドフォン型が一番好きだったのだが、好み云々を言っている場合ではない。
死にたくなければ、ひたすら避けるしかないのだから。
#cr炎ro 「余所見とはずいぶん余裕があるじゃねえか!!」
(;^ω^) 「やっべ!!?」
大振りな右鋏の攻撃を掻い潜り、続け様に放たれた左アッパーに飛び乗って距離を取る。
思ったよりも高く飛び上がったため着地するまでに時間がかかってしまった。
cr炎ro 「おら!!!」
( ゚ω゚) 「見切った!!!!」
着地直後の隙を狙って、鋏が足元を薙ぐように振るわれる。
着地してしゃがんだ体勢から即座に側中をしてこれを回避。
そのまま懐に走り込んで、ジョーの腹部にある水瓶を取ろうとしたが……。
258
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:50:38 ID:P8E/ocfI0
;cr炎roバヒュッ 「うおぉっっと!!?」
得意のバックスステップで避けられてしまった。
今の所、こっちの攻撃は全部空振りに終わっている。
ジョーの攻撃は致命打にはなっていないものの、こちらはじわじわとダメージが蓄積してきている。
腕とか脚とか痣だらけでめっちゃ痛い。
cr炎ro 「今のは惜しかったな」
cr炎ro 「さっ、十分間休憩したらまた攻撃するからなー」
そう言って、水を浴びに歩いていく。
背中から奇襲をかけようかとも思ったが、体力回復に専念することにした。
259
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:51:47 ID:P8E/ocfI0
この修行のルールはいたって簡単である。
ジョーが腹部に付けた水瓶を取ればいい。ただ、それだけだ。
水瓶には秘伝の霊薬が入っていて、それを飲むとマスターの力を高めることができるそうだ。
『個性』を使わないと聞いて、正直楽勝だと思っていたが、そんなことはなかった。
いついかなる時でも仕掛けていい代わりに、僕が仕掛けるか時間が来るととジョーは攻撃してくる。
これが意外と厄介で、まともに喰らえば動けなくなる攻撃は躱すだけでも一苦労である。
カブト丸はカブト丸で、長達に扱かれているらしい。
毎日、宿に帰る頃には僕と同様、ぼろ雑巾の様になっている。
【;-I-】 「ぅぅう……。キュウリは勘弁……!!」
先日はこんな感じで魘されていた。
修行の中身と関係あるのだろうか、ちょっと気になるところではある。
朝はこんな感じで水瓶奪取と座学に精を出している。
夕方にかけて少し眠って、夜からはもっと過酷な修行が始まる。
260
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:52:25 ID:P8E/ocfI0
(;^ω^)ガバッ 「またかお!!?」
【;○I○】 「寝るなよブーン!!迎え撃つぞ!!」
長達が過去に戦った強敵達が襲い掛かってくるのだ。
これは七つの森の長が協力して、影のような幻影を作り出しているらしい。
幻影とは言ったが、実体はあるので攻撃を喰らえば、もちろんダメージを喰らう。
長達が強敵と認めた相手だけあって、一体一体の歯応えも物凄い。
正直に言うと、一対一での実力は僕らより上だと思う。
そんな相手が一晩中、しかも何体も襲い掛かってくるのだからたまったもんじゃない。
( ^ω^)そ 「囲まれた!!?」
【#○I○】 「あらよっとぉ!!」
(;^ω^) 「ごめん!助かったお!!」
【○I○】 「おう!!いいってことよ!!」
261
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:53:47 ID:P8E/ocfI0
雨象之里の夜は明かり一つ無く、真っ暗になる。
そのため、人間の僕には暗くて、敵の位置や動きが非常に見えにくい。
だが、相手は虫である。暗闇はお手の物。おまけに空も飛ぶ。
常に気を張り巡らせて、自分の周囲を警戒していないといけないのだ。
自分がこれまでいかに甘えた環境で戦っていたのかを痛感させられた。
(;;#゚ω。)○I##】ボロッ ((……ちっくしょう!!))
毎日毎日ボロボロになりながらも、どうにか生き残り、強くなる術を模索する日々。
徐々に僕らは肉体的にも精神的にも追い込まれ、喧嘩が増えていった。
262
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/13(金) 04:57:41 ID:P8E/ocfI0
今回はここまでになります。
意識しないようにとは思っているのですが、レスがあるとやっぱり嬉しいものですね。
ありがとうございます!!
263
:
名無しさん
:2018/04/13(金) 07:16:33 ID:xGeBlHVg0
乙です
264
:
名無しさん
:2018/04/14(土) 00:17:47 ID:RkW3On4I0
乙
265
:
名無しさん
:2018/04/18(水) 16:07:51 ID:QcUXjpTY0
更新きてた嬉しい
おつ
266
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:11:52 ID:bbO.SczU0
(@^ω^) ビート・イット!!のようです。Яeboot
第五話
267
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:13:04 ID:bbO.SczU0
ジョーの尾で弾き飛ばされ、受け身も取れずに地面に叩きつけられた。
(;; ω ) 「うお!!?」
cr炎ro 「どうしたどうしたぁ!?……最初の威勢はどこに行っちまったんだ!!?」
cr炎ro 「そんなにフラフラしてんのに、休まずかかって来る意地と根性は認めてやらあ……」
#cr炎ro 「だが!!そんな状態で俺に勝てると思ったか!!?……舐めんじゃねえよ!!」
鋭く振られた鋏を避けることができず、もろに喰らった。
大型トラックにでも轢かれたみたいな衝撃に、僕は意識を手放した。
それから三日ほど意識を失っていたらしい。
再び目が覚めた時は夕方だった。隣から静かに寝息が聞こえる。
カブト丸はいつも以上にズタボロになっていた。この三日間きっと一人で戦っていたのだろう。
268
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:13:56 ID:bbO.SczU0
傷ついた上翅をそっと撫でる。
僕が不甲斐ないせいで、カブト丸にも負担をかけてしまった。
( ^ω^) (……ごめんお。カブト丸。でも、僕もどうしていいのか…わからないんだお)
( ^ω^) (諦めそうなぐらいなんだお……。本当にギリッギリで。)
( ^ω^) (この前も君に酷いことをしたし……。本当にごめんお)
( ^ω^) (明日こそ……!きっとジョーから水瓶、とって見せるから)
そんなことを思いながら上翅を撫でている内に、いつの間にか眠ってしまっていた。
269
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:14:33 ID:bbO.SczU0
【○I○】 (………ブーン)
【○I○】 (……オレも、酷え態度とっちまったからな)
【-I-】 (…まずは体力を回復しねえと)
ここ一週間、僕とカブト丸は、お互いに一切口を聞いていなかった。
事の発端は些細なすれ違いだった。
――――― 一週間前
修行が終わった後、その日の戦闘内容やお互いの動きなどについて話す。
これが僕らの日課になっていた。
その日はお互いの過去なんかについて話していたんだ。
270
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:15:21 ID:bbO.SczU0
( ^ω^) 「そう言えば、カブト丸はなんでノイジーとアトラと一緒にいたんだお?」
僕がその質問をするとカブト丸は、少し暗い表情になる。
いつも忙しなく動いている触角も、なんだか元気がなくなったように見える。
【-I-】 (はあ……やっぱ気になるよなぁ)
【○I○】 (…まあ、他ならぬブーンだしな。話してもいいか)
少し迷っているような表情をした後、カブト丸は話し出した。
【○I○】 「………まあ、簡単に言うとオレ達は、三匹とも……迫害を受けてたんだよ」
(;^ω^) 「なっ!!?」
【-I-】 「まあ、それぞれ産まれ方が色々あったからな」
そう言うと、カブト丸はフッと息を一つ吐いた。
あまり話したくない話題なのだろう。
だが、この話を聴かなくては、本当の意味で相棒になれないような……。
そんな気がして、僕はカブト丸が口を開くのを待った。
271
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:16:03 ID:bbO.SczU0
【○I○】 「姉御が母親を焼き殺して生まれたのは、この前聞いただろ?」
( ^ω^) 「ああ……言ってたおね」
【○I○】 「ノイジーのは、聞いたことあるか?」
( ^ω^) 「……いや、聞いたことなかったお」
( ^ω^) (そういや僕……相棒のこと、知ってるようで知らないんだな)
( ´ω`) (いや、よく考えたらツンやショボン、ドクオのことも何にもわかってないお…)
【○I○】 「あいつは、能力がコントロールできてなかったからな」
【○I○】 「産まれた直後に物凄え規模の地震が起こったんだ」
【○I○】 「あいつが泣く度に、里が崩壊するレベルの地震が起こってよ…」
【○I○】 「だから捨てられたらしい」
272
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:16:53 ID:bbO.SczU0
【○I○】 「『個性』を封印する輪を角に付けられてな」
( ^ω^) 「…そうだったのかお」
【○I○】 「んでもって……オレは…」
そう言いかけて、カブト丸は一瞬、口ごもる。
【-I-】 「オレは…産まれた時、人間の腕が生えてたんだ」
【-I-】 「かつてそんな産まれ方をしたのは一匹しかいねえ」
【○I○】 「親はオレを森のご神木の前に捨てに行ったらしい」
【○I○】 「そこを拾って育ててくれたのが姉御なんだ」
273
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:18:01 ID:bbO.SczU0
( ^ω^) 「人間の………腕が?」
( ^ω^) 「…そうだったのかお」
僕らが初めて会った時、カブト丸は人の腕を作り出して操作していた。
僕がそれを見て気絶した時、もしかしてかなり傷ついたんじゃないだろうか。
( ^ω^)「カブト丸……もう一つ聞いていいかお?」
【○I○】 「……なんだ?」
( ^ω^) 「君は何で……人の手をよく具現化するんだお?」
( ^ω^) 「…その……君が迫害される理由になったものなのに……」
274
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:19:05 ID:bbO.SczU0
【○I○】 「………ああ…それはな」
【○I○】 「いつか……いつか人間になるのがオレの夢だからだよ」
そう言うカブト丸を見て、僕は笑ってしまった。
それは決して、悪い意味ではなかったけど、とにかくタイミングが悪すぎた。
【○I○】 「………」
【-I-】 「そうか…………お前も笑うのかよ…」
そう言ってカブト丸は部屋を飛び出していった。
その悲しげな声を聴いて、僕は全てを理解した。
謝罪しようにも、もう遅い。カブト丸は僕と口を聞いてくれなくなった。
今日もカブト丸は僕を避ける。まるで視界に誰もいないかの様に振る舞う。
修行中もカブト丸のことが気になって、なかなか集中できなかった。
275
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:20:06 ID:bbO.SczU0
cr炎ro 「なんだあ?お前ら、話さねえの?」
cr炎ro 「……ったくよぉ。とにかく早いうちに仲直りしろよ?」
ジョーにも物凄く心配された。
そんなこんなで今に至る。
頭上でビョウと風を切る鋭い音が聞こえる。
この後に来るとすれば……右のアッパーか、バックナックルだろう。
(;^ω^) 「グッ!?」
cr炎ro 「おら!!!!避けねえと死ぬぞ!!?」
(;-ω^) (……ちっくしょう!!)
すぐさま起き上がり、ジョーを見る。
次の攻撃は……次のパターンはどれだ!?
脇腹がビリビリと焼けるように痛み、思考を鈍らせる。
276
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:20:55 ID:bbO.SczU0
(;-ω゚) (……右の振り下ろし!!?こんなんパターンに無かったお!??)
疲れと痛みで鉛の様に重くなった身体を、どうにか動かし攻撃を避ける。
脚が縺れたがその倒れこむ力を利用して、さらにもう一撃を避けじわじわと懐に潜り込む。
狭くなった視界の中で、その眼前に迫る赤い閃光に気づいていなかった。
ぞんと肉を貫く音が聞こえたような気がした。
(;;-ω-) (ちくしょう!!またダメだった!!)
この修行が始まって、もう三か月になる。
僕は未だに、水瓶に触れることすらできずにいた。
どさりとその場で膝をつく。このダメージを回復するのに少し時間が欲しい。
277
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:21:27 ID:bbO.SczU0
(;; ω ) (何がダメだった?……力み過ぎて動きに無駄が多いのか?)
(;; ω ) (なんで力むんだ?……あの鋏が怖いからか?痛いからか?)
(;;-ω-) (それだ。鋏は確かに怖い……だが、力を抜け、力を抜け!!)
(;;-ω-) (パターンは忘れろ!その場その場での動きを瞬時に考えるんだ!!)
(;; ω ) (…今日こそ水瓶を取る……取ってカブト丸に謝らないと…!!)
(;;-ω-) (動き方のイメージは、決して触れられない何か……)
( -ω-)フゥー (集中しろ!!……思い描く理想の動きは………煙!!!!)
脇腹の痛みに耐えながら、体力を回復させていく。
僕のスタミナも考えれば、思いっきり攻められるのは後一度だろう。
278
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:22:06 ID:bbO.SczU0
cr炎ro (……そろそろ、限界か?)
cr炎ro 「よし、一旦休憩にするか」
(;; ω ) 「……まだだお」
(;;#゚ω゚) 「まだ!!終わってねえお!!」
地を蹴って、加速。そして、そのまま体を捻り、側中。
迫る真紅を躱したら、姿勢を低くして次の横薙ぎを回避。
水瓶に触ると見せかけて、ジョーの第二胸脚を掴んで飛び上がる。
;cr炎ro (さっきので相当なダメージがあったはずなのに、まだ喰らいつくのかよ!?)
;cr炎ro (それに攻撃を受けた後だってのに、鋏を見てビビる素振りもねえ)
;cr炎ro (なんて胆力してやがんだ。……頭のねじがぶっ飛んでやがる)
279
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:22:56 ID:bbO.SczU0
飛び上がって、背中を駆け上がりながら上着を脱ぐ。
全身をものすごい勢いで捻り、回ることで僕を振り落としながら攻撃しようというのだろう。
―――――その手はもう読んでいる。
(;;#゚ω゚) (……今!!)
僕が攻撃を読んだことを悟られないよう、揺れを察知したかのようにグッと踏ん張る。
ジョーが回転し始めた瞬間に合わせて、膝を抜き、小さく飛ぶ。
(;;#゚ω゚) (僕が落ちたと思ったろ!!?…甘いのはお前だお!!)
ジョーが横に振るった両の鋏を、ととんと蹴って飛び上がる。
そしてその視界を遮るように上着を投げた。
;cr炎ro 「おっと!!?」
バサりと眼前に広がった上着に、戸惑ったお前がとる行動は……!!
―――――得意のバックステップ!!
280
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:23:45 ID:bbO.SczU0
;cr炎ro 「チッ!!」
;cr炎roググッ (!!?…!!!?なんだこりゃあ!!?)
その上着は両袖が結んである。お前の目に引っかかるようにだ!!
バックステップによってグンと身体が引かれる。
チャンスは一度きり。何があろうとこの手は離さない。
(;;#゚ω゚)ボクッ 「ぐうぅぅぅぅぅ!!!!」
物凄い力と速さで急激に引っ張られたことで、左腕の肩が外れた。
それでも必死で上着を掴む。
cr炎ro (なにがどうなってやがる…!!?)
(;;#゚ω゚) (いっけえええええ!!!!)
281
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:24:18 ID:bbO.SczU0
バックステップの力を利用して、パチンコの様に前に飛ぶ。
着地を少し失敗し、脚を挫いたが、そのままの勢いで跳んで手を伸ばす。
;cr炎ro (しまった…!!)
;cr炎ro 「させるかよぉ!!」
もう一度バックステップをしようとするジョー。
……だがもう遅い!水瓶をしっかりと抱え込んで、衝撃に備える。
( ω ) 「とったぁあああ!!!!!!」
;cr炎ro 「クソ……!!」
衝撃で水瓶を結んでいた紐が切れる。
282
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:25:02 ID:bbO.SczU0
cr炎ro 「かぁ〜〜〜!!!!取られちまったか!!」
cr炎ro 「よくもまあこの短期間で、水瓶を取れたもんだぜ」
cr炎ro 「ハイン達もお前らより一ヵ月は多くかかったのにな!!」
( ^ω^)
( ω )バタリ
そのまま僕は再び医務室に運び込まれた。
疲れ過ぎて倒れたらしい。
早く、早く相棒に謝らないと。
それだけを考えていた。
283
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/27(金) 02:26:23 ID:bbO.SczU0
今日はここまでになります。
もうちょっとで試合パートに入れる……。
284
:
名無しさん
:2018/04/27(金) 22:52:58 ID:apeKQ1Tk0
乙
裏でやってる設定は公開されるのかな?
285
:
◆HJSTJA2nos
:2018/04/28(土) 00:42:26 ID:ts3zr2oM0
裏設定の公開については、どこまでやろうか迷ってました。
あんまりやると話がごちゃごちゃして、話の芯が曇ってしまいそうだったので…。
ここが知りたいと指定してくだされば、可能な範囲でお答えさせていただきます。
286
:
名無しさん
:2018/04/29(日) 21:58:04 ID:7s7.zKCI0
乙
287
:
名無しさん
:2018/04/30(月) 20:43:17 ID:bAJROvtI0
燃えますねアクション!!
288
:
名無しさん
:2018/05/03(木) 00:56:04 ID:OUfKSor20
スレタイだけ見てバンド物だと思ってたがこんな熱いバトル物だったとは
乙、ゆっくり続き待ってるぜ
289
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:43:27 ID:lzFumgJ60
(@^ω^) ビート・イット!!のようです。Яeboot
第6話
290
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:44:18 ID:lzFumgJ60
雨象の里では、毎夜のように大きな月が輝く。
今日は珍しく、厚い雲が月を覆い隠している。
里を全体を見下ろせる小高い丘の上で、一匹のカブト虫が雲の切れ間を待っていた。
【-I-】 「………」
【○I○】 (……来たか)
背後の闇に、誰かの気配を感じたのだろう。
カブト丸は振り返らずに声をかける。
【○I○】 「なあブーン……いるんだろ?」
膝どころか自分の頭よりも高い、草の根を踏みつけてかき分けながら、前に進む。
しばらく草と格闘しながら進むと、岩の上にちょこんと座った丸い上翅が見えた。
ゆっくりと歩いてカブト丸の隣に立つ。
( ^ω^) 「……隣いいかお?」
【○I○】 「……おう」
291
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:45:02 ID:lzFumgJ60
普段の威勢がいい荒々しさとは少し違う、穏やか雰囲気に、少し戸惑う。
こんな時どう話したらよかったんだっけ?喉の奥に声が詰まって出てこない。
僕は今まで、誰かと本気で向き合ったことがあっただろうか?
相棒のことも友達のことも、ろくに知らなかった僕が、しっかりと話せるだろうか。
この思いを上手く言葉にして、伝えることができるのだろうか?
そんなことを考えているとカブト丸が先に口を開いた
【○I○】 「なあ、ブーン」
( ^ω^) 「……なんだお?」
声がやや上擦ったような気がする。ドクドクと鼓動が早まっていく。
僕は今、上手く喋れたのか?しっかりと返事ができていただろうか?
不自然jなk
【○I○】 「ブーン。聞こえてるか?」
カブト丸の声にはっと我に返る。
雨上がりの湿った腐葉土の様に落ち着いたその声は、僕の中の不安の芽を
根こそぎ摘み取っていった。
( ^ω^) 「聞えてるお」
292
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:45:41 ID:lzFumgJ60
( ^ω^) 「………カブト丸…僕は君に幾つか言わなきゃないことがあるお」
【○I○】 「おお……なら先に聞かせてくれ」
ゴクりと乾いた唾を飲む。
( ω ) 「この前は……君の夢……笑って悪かったお」
【-I-】 「……いいんだ。慣れてる」
【○I○】 「だから、今日はお前とお別r」
( ^ω^) 「……最後まで聞いてくれお!!」
カブト丸は僕の表情をまじまじと見て、静かに頷いた。
( -ω-) 「僕があの時、君の話を聴いて笑ったのは……」
そこまで言って、小さく息を吐く。
こんなに緊張したのはいつぶりだろう。普段は大会でも緊張しなかったのに。
293
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:46:13 ID:lzFumgJ60
( ^ω^) 「君の夢が……僕の夢と似ていたからなんだお!!」
【○I○】 「…………!?」
カブト丸の目に疑問と動揺の色が広がっていく。
ここまで、慎重に言葉を選ぶのは産まれて初めてな気がする。
さて、どこから話そうか……。
( ^ω^) 「……まずは僕のことから話したいと思うけどいいかお?」
【○I○】 「……お、おう」
( ^ω^) 「それともいきなり理由だけ聞きたいかお?」
【○I○】 「お前の話したいように話せよ」
【-I-】 「……最後かもしれないしな」
294
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:46:46 ID:lzFumgJ60
最後かもしれない、その言葉に小さく息を呑んだ。
カブト丸の覚悟が痛いほど伝わってきたからだ。
彼のその思いに、覚悟に報いることはできるだろうか。
そう思いながら、慎重に言葉を選ぶ。
( ^ω^) 「僕が産まれた時の話をしたことあったかお?」
【○I○】 「いや………聞いたことねえな。誕生日だけは知ってるが」
( ^ω^) 「僕は普通に皆がイメージする通りの感じで産まれたんだけど……」
( ^ω^) 「……ちょっと変なところがあったんだお」
【○I○】 「変な所………?」
( ^ω^) 「僕のおでこのちょっと上の辺り、触ってみてくれお」
【;○I○】 「あ、ああ」
295
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:47:20 ID:lzFumgJ60
動揺しながらも手を伸ばすカブト丸。
ああ、どんな反応するんだろう。
ふざけてるのかなんて怒るだろうか?
……まあ、大丈夫か。
僕は被っていた麦わら帽子を外した。
【○I○】そ 「……こ、これは!!?」
( ω ) 「わかったかお?」
【;○I○】 「……な、なんで角が?」
( -ω-) 「僕には産まれた頃から、カブト虫の角が生えていたんだお」
( ^ω^) 「それで………いじめられていたんだお」
【○I○】 「……とったりできなかったのか?」
( ^ω^) 「引っこ抜こうとしたりもしたけどこの角は絶対に折れなかったんだお」
( ^ω^) 「手術は不可能らしいし、成長には全く影響がないってことで隠してるんだお」
【○I○】 「お前……だからいっつも帽子を被ってたのか?」
296
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:47:50 ID:lzFumgJ60
( ^ω^) 「そういうことだお」
( ^ω^) 「ツン達が麦わら帽子を僕にくれたのは、この角を隠すためなんだお」
( ^ω^) 「まっ!今じゃ角のおかげでギアがずれなくて楽なんだけどねwwww」
それを聞いて、呆れたように笑うカブト丸。
久しぶりに笑っているカブト丸を見て、少し緊張が解れた。
【○I○】 「それが………お前の夢と何の関係があるってんだ?」
( ^ω^) 「……僕は、カブト虫になりたかったんだお」
( ^ω^) 「君が人になりたかったように、僕はカブト虫になりたかったんだお」
【○I○】 「お前………」
【-I-】 (嘘を言ってるって目じゃねえな)
【-I-】 (そうか……そうだったのか)
297
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:48:29 ID:lzFumgJ60
【○I○】 「すまねえ……ブーン。」
【-I-】 「あいつの代わりにお前の剣に…盾になるって……あの日誓ったのにな」
そう言って目を閉じるカブト丸。
( ^ω^) 「こっちこそごめんお……あの日、己を偽ることなくって………」
( -ω-) 「………僕は言ったのに」
あの日、森の中でカブト丸と契約した時のことは、今でも鮮明に覚えている。
僕はこの数か月、あの言葉に恥じないマスターとしてやってこれただろうか?
ノイジーに笑われないような男であれただろうか?――――――答えは否だ。
( ^ω^) 「相棒、僕ともう一度……一緒に歩いてくれるかお?」
【○I○】 「ああ!!こっちこそよろしく頼むぜ!!相棒!!」
298
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:52:54 ID:lzFumgJ60
かつてはいつもに口にしていたこの言葉をカブト丸に言うのは久しぶりだった。
なんだか照れ臭いような気もする。
不意にいつかのノイジーの言葉を思い出した。
あれは強いが不安定だ。…師もなく、両親もなく。一人で修行を重ねるうちに強くなった。
好敵手と決めつけた俺とぶつかり合い闘う中で、さらに力を増したが…肝心な時に心が弱い。
マスター、あんたが相棒として、家族として支えてやってくれ。
( ^ω^) (………そういえばそんなことも言ってたお)
( ^ω^) 「さてっと……」
帯に結んでいた紐を解いて、水瓶を手に取る。
これ、本当はマスターが飲むもんらしいんだけど………。
きゅっと蓋を開けて、持ってきた水筒に注いでいく。
299
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:53:57 ID:lzFumgJ60
【○I○】そ 「それ!?ジョーの兄貴が持ってた水瓶か!!?」
( ^ω^) 「そうだお。飲んだモノの力を引き出すってやつ」
【○I○】 「……ついに取ったのか!!」
そう言って、小さくガッツポーズしているカブト丸に水筒を手渡す。
一瞬、戸惑ったのかカブト丸の動きが止まった。
【○I○】そ 「待て!!これ虫にしろ人にしろ、一本飲まねえと効果がねえんだろ!!?」
( ^ω^) 「いいんだお。これは僕一人で取ったもんじゃないし」
300
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:54:28 ID:lzFumgJ60
( ^ω^) 「それに不思議な水で力を得ても僕は嬉しくないお」
( ^ω^) 「だから、相棒と半分に分けるって最初っから決めてたんだお」
【○I○】 「………お前……わかったよ」
カブト丸のフ節が器用に水筒を持っていく。
【○I-】 「にしても杯を交わすってのに…水筒とは風情がないねえ」
( ^ω^) 「まあ、僕ららしくていいと思うお?」
そんなことを思いながら、スッと水を口に含む。
いっせーのなんて合図はいらなかった。
301
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:56:52 ID:lzFumgJ60
ふわりと柔らかな光が一人と一匹を包み込む。
身体にぐっと力が漲るような不思議な感覚があった。
( ^ω^) 「これは……?」
思わず、自身の手を見つめ、何度か開閉してみる。
その時、頭上で激しく鋭い羽音がした。
風を粉々に切り裂かんばかりのその音に、僕は心当たりがあった。
――――――長達もなかなか性格が悪いお。
( ^ω^) 「……相棒」
【○I○】 「……おう」
( ^ω^) 「今の僕らの力、見せてやろうお!!」
【#○I○】 「おう!!」
302
:
◆HJSTJA2nos
:2018/06/11(月) 00:57:55 ID:lzFumgJ60
短いですが今日はここまで。
長かった修行回ももうちょいで終わりです。
303
:
名無しさん
:2018/06/11(月) 08:46:58 ID:htyR6ogw0
乙!
304
:
名無しさん
:2018/06/11(月) 18:03:43 ID:wUvuZkyY0
乙
こういうことだったか…ギアがずれなくて楽wwww
305
:
◆HJSTJA2nos
:2018/07/17(火) 23:37:56 ID:kaLQ2u3A0
激しく大気を揺さぶる羽音とその威圧感は、僕が知る彼とは違っていた。
月にきらりと光るマーマレード色の上翅が静かに閉じ、僕らの目の前に降り立つ。
( ^ω^) 「やっぱり最後は、君が来るような気がしてたんだお」
( ^ω^) 「久しぶり。ノイジー」
(○I○) 「………」
( ^ω^) 「君が幻影なのは知ってるお」
( ^ω^) 「だからって手を抜くなんてことはしないお」
( ^ω^) 「元相棒として、親友として……全身全霊で行かせてもらうお!!」
(@#^ω^)シュゥ 「いくお!!!!カブト丸」
【#○I○】 「おうよ!!!!」
ヘッドフォン型のギアを具現化したのは、なんとなくだ。特に理由なんてない。
ノイジーから目を離さずに、一手目の攻めを考える。
306
:
◆HJSTJA2nos
:2018/07/17(火) 23:38:54 ID:kaLQ2u3A0
(@^ω^) (ノイジーは速攻型だったお……てことは)
【○I○】 (……いや、待てブーン。あの目にあの角を低く突き出す構え……)
【○I○】 (たぶんお前と会う前の、能力に制限がなかった頃のノイジーだ)
【○I○】 (お前の記憶とは全然違うファイトスタイルなはずだ。気をつけろ)
(@^ω^) (おk)
(@^ω^) (上翅のペイントが無いってことは、その通りみたいだおね)
ノイジーが脚に力を込め、飛んだ。
低く構えていた角を鋭く突き出しながら、高速でこちらに迫ってくる。
いつもの様に指示を出そうとしたその時、物凄い衝撃が僕を襲った。
(@#-ω゚) 「ぐがッッッ!!!!!?」
【#○I○】 「大丈夫か!!?相棒!!」
307
:
◆HJSTJA2nos
:2018/07/17(火) 23:39:44 ID:kaLQ2u3A0
地面を二、三度転がりながら、なんとか体勢を立て直す。
なんだ今の衝撃は。巨人に全身を引っ叩かれたかのような衝撃は。
ビリビリと全身に残る痛みと痺れに、戸惑いながらも指示を出す。
(@#-ω゚) 「大丈夫だお!!相棒、角で叩き落せ!!」
【#○I○】 「おう!!」
(#○I○) 「じぇええああああ!!!!」
鋭く振られた角をカブト丸は叩き落とす。
地面に叩きつけられる直前に、ノイジーは角を捻って拘束を解き、横に薙ぐ。
【#○I○】 「甘ぇ!!」
横薙ぎが来る前に、カブト丸は一瞬羽ばたき、身体を捻ることでそれを回避。
そのまま空中で、一回転しながら縦に角を振るう。
回避が困難と思われたその一撃に、ノイジーは軽く飛びながら、角をぶつける。
そのままカブト丸が角を振る勢いを利用して後方に飛び、距離をとった。
308
:
◆HJSTJA2nos
:2018/07/17(火) 23:40:17 ID:kaLQ2u3A0
(@^ω^) (これが……全盛期のノイジービートだっていうのかお?)
(@^ω^) (ちっくしょう。……言ってほしかったなあ)
【 ○I○】 (……感傷に浸ってる暇はねえ!!来るぞ!!)
(@^ω^) 「今度はこっちの番だお!!」
【#○I○】 「いくぞ!!」
カブト丸は真っ直ぐに飛びながら、ノイジーに接近。
そのまま体を錐もみ回転させることで、軌道をずらし、ノイジーの側面に着地する。
【##○I○】 「っしゃあ!!」
掛け声とともに突き上げた角を、ノイジーは後方に飛んで躱す。
その着地地点を狙って、カブトが念力の拳を三度振るう。
不可視の攻撃をノイジーは、全て頭角で弾きながら後退。
着地後、即座に前方に飛び出して、攻勢に転ずる。
309
:
◆HJSTJA2nos
:2018/07/17(火) 23:41:03 ID:kaLQ2u3A0
その時、小さな音が聞こえた。
僕がこれまで、聞いたことがない程に鋭いこの音は……!?
(@;^ω^) 「相棒!!まずいお!!角の正面に触っちゃだめだお!!」
【#○I○】 「わかったあ!!」
(#○I○)シィィィ 「しぇいらああああ!!!!」
カブト丸は、ノイジーの攻撃を側面から叩くようにしていなしていく。
二匹の角と角がぶつかる度に、甲高い音が響いた。
ノイジーの角から静かに響く、鋭い音はまさしく超震甲虫刃の音だ。
だが、音が一つではなく複数ある……。まさか!!
(@;^ω^) 「相棒!!ノイジーの爪にも触れちゃダメだお!!!!」
【;○I○】 「お、おう!!」
(##○I○)シィィィ 「はあああああ!!!!!!」
310
:
◆HJSTJA2nos
:2018/07/17(火) 23:41:52 ID:kaLQ2u3A0
角だけでなく両のフ節も超高速で振動させている。
三か所同時に振動を送る。単純なようでいて難しい技だ。
かつての僕らはこの技を成功させることができなかった。
その原因はどうやら僕にあったらしい。
………どれだけ彼に歯痒い思いをさせていたのだろうか。
彼一人の時にはできていた技が使えなくなったのに、彼は文句一つ言わなかった。
一体どんな思いで、彼は戦っていたのだろう。
(@^ω^) (……どんな思いで僕の傍にいたんだお?)
目の前では二匹による打ち合いが、その激しさを増していく。
ノイジーの角とフ節による、激しいラッシュをカブト丸は角と念力で弾く。
通常の甲虫の三倍の手数を捌き切れているのは、長達との修行の成果だろうか。
(#○I○) 「しぇいらああああ!!!!」
頭角とフ節による三方向同時攻撃。
一見、回避が困難にも見えるその技に対して、カブト丸は頭角を低く構える。
そして素早く前進すると頭角を突き上げた。
体勢を崩したノイジーのガラ空きになった腹に、カブト丸の念力の拳が突き刺さった。
311
:
◆HJSTJA2nos
:2018/07/17(火) 23:42:30 ID:kaLQ2u3A0
(;○I○) 「げああああ!!?」
地面を跳ねながら、転がっていくノイジー。
カブト丸は、すぐに地面を蹴って肉薄し、追撃を試みる。
【#○I○】 「らああぁぁぁぁぁああああ!!!!」
角と念力の拳による息つく間もない連撃。
ノイジーは最初の数発をまともに受けたが、空中で羽ばたき、すぐに体勢を立て直した。
念力の拳を幾つか、受け流すものの、カブト丸の連撃は止まない。
(##○I○) 「だっっっっ!!!!」
連撃に耐えながら力を溜め、一気に解放する。
自身の周囲、全てに衝撃波を発生させ、カブト丸を吹き飛ばす。
【;○I○】 「ちっ!!決めきれなかったか」
(@^ω^) 「カブト丸!!来るお!!」
312
:
◆HJSTJA2nos
:2018/07/17(火) 23:43:10 ID:kaLQ2u3A0
再び、飛んでくるノイジーに微かな違和感があった。
(@^ω^) (……いくら何でも馬鹿正直に突っ込み過ぎだお?)
(@^ω^) (何か…ある!?)
次の瞬間、ノイジーが二匹に増えた。
二匹とも超震甲虫刃を発動したまま、猛烈な勢いで突っ込んで来る。
(@;^ω^)ゾク
ヤバいのはわかってる。
でも自然と込み上げて来る笑みを抑えることができなかった。
(@^ω^) (相棒………読んで合わせてくれお)
【;○I○】 (おう!……死ぬなよ)
迫る二匹の間に走り込む。
そして飛び上がると見せかけて、倒れ込む。
体勢を低くすることで、フ節を躱して背後をとる。
体勢を低くした時に拾った石を、水切りの様なフォームで両手を使って投げつける。
それぞれの石は曲がって、二匹のノイジーに向かうが、当たる直前で砕かれる。
313
:
◆HJSTJA2nos
:2018/07/17(火) 23:44:48 ID:kaLQ2u3A0
(@;^ω^) (これでいい。まずは僕に戦う意思があることを見せる)
(@;^ω^) (……二匹に増えたからくりは恐らく、超高速の振動によるもの)
(@;^ω^) (………だから、分身との距離が近いんだお!!)
(@;^ω^) (一匹ずつ、いや…同時に!かつ確実に消す)
(@^ω^) (その為に、敵の気を引いて、隙を作る)
(@;^ω^)「相棒!!二匹に同時に攻撃するお!!」
【#○I○】 「おう!!」
(@^ω^) (……僕が攻撃を引き付けるお!!)
【 ○I○】 (……死ぬなよ)
カブト丸が飛び出したのに合わせて、ノイジーに向かって全速力で走る。
走りながら、手近な枝を折ってしっかりと握り込む。
314
:
◆HJSTJA2nos
:2018/07/17(火) 23:45:20 ID:kaLQ2u3A0
(@^ω^) (木の棒で叩いて効くかはわからんけども……!!)
左右から飛び掛かって来るノイジー。
左に石を投げ、即座に右のノイジーに木の棒を振り下ろす。
(@#゚ω゚) 「らああぁぁぁぁぁああああ!!!!」
背中を向けた僕に迫るもう一匹のノイジーをカブト丸が角で弾き飛ばす。
分身は木に当たった途端に姿を消した。
僕が振り下ろした木の棒を受け止めようと、角を構えるノイジー。
その角を巻き取るように木の棒を動かして、左に払う。
体勢を崩したノイジーに、カブト丸が念力で攻撃し、弾き飛ばす。
ノイジーが木に叩きつけられる瞬間に合わせて、走り込んで跳躍。
前胸腹板と中胸腹板の間を狙って、木の棒を構える。
(@#゚ω゚) 「もらったああああああああ!!!!」
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