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艦娘がいない鎮守府のようです
481
:
◆L6OaR8HKlk
:2019/06/23(日) 22:26:04 ID:fMBqo9P.0
『しかし今は戦時中であり、平穏は長く続かない。やがて、小規模だが深海凄艦の艦隊が攻めてきた。艤装と、少ない弾薬を抱えた叢雲は今まで見たことがないほど目を輝かせた。「ようやく、死に時が訪れた」。彼女を兵器と思ったことは一度もなかったが、紛れもなく「兵士」であり、戦死を誉れとする「戦士」だった』
『「隠れていなさい」。嬉しい事に「あんなモノ」のカテゴライズに分類されていたであろう俺は気遣いを受けた。付け加えるなら「余計な」。俺は死ぬ気は全くなかったし、負ける気も毛頭なかった。海へ出向こうとする叢雲を引き止めると、今度は怒りに満ちた目を向けられた』
『「何も出来ない雑魚が出しゃばる気なの?」人への失意は完全に失くすことは今後も出来ないのだろう。だが、一緒にされちゃ困る。俺は艦娘よりも先に深海凄艦と戦った。ポッと出の新入りに雑魚呼ばわりされるのは心外で、腹立たしかった」
『彼女は海上での戦術眼に優れていたが、陸上での戦闘経験は無かった。俺は海の上に立てはしないが、陸に上がった深海魚と一戦交えた経験がある。「勝てる戦だ。楽しもうぜ」。彼女はその言葉を聞いて驚いていたが、俺自身も「楽しもう」の一言で目から鱗が落ちた。「あんなモノ」の為に戦う必要はない。自分自身が楽しむ為に戦ってもいいじゃないかと』
『叢雲は提案に乗った。勝ち目のない戦いで、今更どう繕おうとも意味がないってのもあったのだろうが、何より興味と好奇心が湧いたのだろう。意地の悪い笑顔と共に、「ま、精々頑張りなさい」と有難いお言葉を賜った。思えばこの時、俺と叢雲は唯一無二の「相棒」になれたのだろう。悪い気分では無かった』
『海上で叢雲による誘導を行い、湾岸から陸上に上陸させ、建築物の遮蔽を利用して各個撃破。俺の武器は両の拳と、彼女の艤装の一つであるマストを模した『槍』。叢雲は軽々と振り回していたが、細身の見た目とは反してガツンとくる重量だった』
『叢雲との初陣は、今でも夢に見る。深海凄艦全五隻中、二隻を海上で撃破。叢雲は中破状態で湾岸に到達し、奴らも追って陸へと上がった。軽巡一隻、駆逐艦二隻。戦車を含む研鑽された一中隊で相手をしてようやく刺し違える程の戦力だ。傷ついた艦娘一人と、今や一市民に過ぎない男一人』
『この時、俺達を貶めた連中にすら感謝したいくらいだった。誰もが普遍的な人生を終える中、これほど心踊る場を用意してくれた事に。大金を積んでも決して味わえない快楽が全身を駆け巡った』
『屋根から飛び降り、駆逐級の背中に槍を突き立てた。飛び散った建造物やコンクリートの破片がいくつも刺さったが、断末魔を前に痛みは消えていった。砲弾が数メートル先を横切った瞬間は、絶頂のようなスリルに笑い声が漏れた』
『標的が二人に分かれた事により、叢雲の砲撃は容易く命中した。陸に上げられた魚は泳げはしない。それが愚鈍な「非人型」の深海凄艦なら尚更だ。だが、装甲の耐久度まで落ちやしない。駆逐級の殺害は容易でも、それを上回るスペックの軽巡には手を焼いた』
『艦娘と深海凄艦の共通点として『船体殻』というバリアが存在する。砲弾が命中しても、一定の耐久度内であるならば船体に直接当たる事はない。しかしそれは『砲弾』に限られており、俺が深海凄艦に槍を突き刺したように、「白兵戦闘」においては機能しない』
『勿論、砲塔を背負った鉄の塊に剣や槍で戦おうとするバカはいない。相手もそう「タカを括って」いるからこそ』
『俺の捨て身の特攻は、功を奏したのだ』
.
482
:
◆L6OaR8HKlk
:2019/06/23(日) 22:29:44 ID:fMBqo9P.0
(;'A`)「……」
『イかれてる』。彼は嬉々として深海凄艦を、『原始的な方法』で殺していた
日付は、かの有名な『ベルリン』での戦いよりも数年も前だ。ナイフでぶっ殺されたとされる『姫級』よりグレードは落ちるが
それでも、人の手であの深海凄艦を倒している。狂気以外の何物でもないイかれた行為だが、高揚で胸はぞくりと疼いた
(;'A`)「マジだったんだ……」
日記の内容はブーンの言葉とも一致する。先陣を切って戦場を駆けた『戦人』だったのだ
そして、狂気と同じく『情』のある人間でもあると感じた。尚のこと、一般に流布されているイメージとはかけ離れる
拉致軟禁にしても焼け爛れた顔にしても、『叢雲』という枷にしても、どうにも腑に落ちない事も多い
疑問は解けるどころか、深まっていくばかりだ。だが、膨大な資料の駆け出しに過ぎない。再び、画面をスクロールさせて読み進めた
『敵艦隊を撃破した数時間後、政府及び自衛隊の関係者がノコノコと部隊を引き連れて海から現れた。ご挨拶よりも先に、小銃や砲塔の切っ先を突き付けて』
『「到着が遅れて申し訳ございません。ですが、たった二人でこの戦果とは驚きました。どうやら、私の取り越し苦労だったようですね」』
『いけしゃあしゃあと寝言をほざきやがるクソジジイには見覚えがあった。顔面に張り付いた穏やかな微笑みは、こんな状況じゃなきゃ警戒を解くほど暖かで』
『「私は人畜無害です」と書かれたプラカードをぶら下げているかのように迫力も無く、「平穏」「静謐」「好々爺」なんて言葉が似合いそうな、現政党の頭脳』
『茂名 尾前官房長官であった』
(;'A゚)「」
その名前を見た瞬間、俺の思考と指が止まった。まるで高所から突然突き落とされたかのような驚愕だった
『茂名 尾前』。後に、日本人でありながら国連事務総長を務めた大物政治家であり、そして――――
(;'A゚)「『小練 詩音』に殺害された……」
史上最悪とも称される要人暗殺事件の犠牲者となる人物だった
483
:
◆L6OaR8HKlk
:2019/06/23(日) 22:35:52 ID:fMBqo9P.0
今日はここまで
ガルパン最終章第二話を昨日観ました。最高でした
484
:
名無しさん
:2019/06/24(月) 08:13:00 ID:jaseHLOw0
おつおつ
俺はまだ見てない
485
:
名無しさん
:2019/06/25(火) 01:49:26 ID:TOMgt2HE0
乙!続きが気になります!
486
:
◆L6OaR8HKlk
:2019/07/14(日) 23:48:30 ID:swN5lEdo0
『そいつは長々と今まで訪ねて来なかった言い訳を天気の話でもするかのように述べていたが、内容は一切頭に入ってこなかった』
『何より、傍らの叢雲が気がかりだったからだ。突っかかるわけでもなく、軽蔑の視線を向けるでもなく、かと言って出会った頃のように諦念に囚われるわけでもなく』
『震えていた。深海棲艦よりも脆く、艦娘よりも貧弱で、小銃ほどの脅威も無さそうな、たった一人の老人に怯えていたのだ』
『茂名も彼女の状況に気付いたのか、自分の孫にでも語り掛けるかのような優しい声色へと変わり、叢雲に手を差し伸べた』
『「お勤め、ご苦労様でした。実は、務めていらした鎮守府の司令官が謝罪をしたいと申し上げていましてね。今の処遇を取り消すので、また力を貸して欲しいと」』
『「悪い話では無いでしょう。彼も深く反省しているようですし、貴女も息の詰まりから解放される。過去の事は水に流して、再び我が国の為に――――」』
『聞いちゃいられなかった。つまりは「首輪を外して貰いたきゃ言う事を聞け」と暗に脅しかけているだけだ。最初から叢雲に拒否権は無いとでも思っているのだろう』
『傲慢だ。我慢ならなかった。叢雲にとっても不本意だろうが、一つだけ異を唱える方法があった。俺はたった今、「鎮守府」に置いて「艦娘」を使役し、敵艦隊を撃破した』
『叢雲は、「現提督」である俺の管理下にあると主張したのだ』
『茂名はわざとらしく「はて?」と首を傾げ、「貴方にその権限はない筈ですが?」と白々しく応えた。一歩踏み出した俺に、小銃を構える兵士たちもまた一歩詰め寄った』
『舐めた口を利く野郎だ。だったら奴らには俺の顔を丸焦げにして、女の子の首に爆弾を巻く権限があるとでも言うのだろうか。マスクを剥がした時、動揺が広がった』
『当の茂名でさえ、緩やかな曲線を描く口の端が僅かに歪んだ。奴はすぐさま気づいた事だろう。付け入る隙を与えてしまったテメーの失態に』
『権限は無い。確かにそうだろう。だが、そんなもの今すぐ作り出せば良い。よほど俺らを甘く見ていたのか知らんが、交渉材料は幾らでも転がっていた。その最たるものが俺の命だ』
『俺の存在が連中にとって不都合なのは確かだろう。だがサッサと始末せず、監視役を付けてまで呪われた鎮守府に置いておいたのは何かしらの「利用価値」が残っていたからだ』
『万が一くたばったとしてもそれだけの価値だったと割り切れる。もしも期待以上の成果を上げたなら、諸手を上げて活用が出来る。だからこそ、タイミングよく「迎えに来た」』
『言わば、ここでの生活は観察実験だったのだろう。後は銃でも突きつけて甘い言葉で回収すれば、めでたく「運用」へと駒を進められただろうが、そうは問屋が卸さない』
『奴らはいくつかのミスを犯していた。一つは、監視役に「叢雲」を付けた事。哀れな出生を持つ彼女を側に置いておけば、そう簡単には逃げ出せないと踏んだのだろうが、それが「偽り」では無かった』
『「敵を騙すならまず味方から」という言葉がある。ひょっとしたら叢雲の提督だった男は、上からの指示で不本意に彼女を島送りにしたのかもしれない。もしそうなら名役者だと賞賛を贈りたいものだ』
『彼女は立派に枷としての役割を果たしたが、同時に実験を滞らせる「障害」にも成った。信頼を裏切ってリアリティを重視した顛末がこれだ』
『二つ目は、成果が「想像以上」だった事。茂名が連れてきた部隊に艦娘も加わっているのは、勿論護衛の意味もあるだろうが、ほどほどの所で介入して助け舟を出す気でいたからだろう』
『だが俺達は敵艦隊を「殲滅」してしまった。そんな存在に対して、なんと奴らは朗らかに会話できるほどの距離まで近づいている』
『今の戦力差は気合と根性だけでは決して覆らない。だが、勝てずとも「誰か」と刺し違えれば計画はご破算だ。老い先短いであろう老人一人と心中するなど此方としても不本意ではあるが』
『そして三つ目は、ありがたい事にわざわざこんな説明をさせて貰える時間を「頂けた」事だ。恭しく一礼をすると、胡散臭い爺さんは小さく、ほんの小さく舌打ちをした。俺は構わず大きく吹き出した』
487
:
◆L6OaR8HKlk
:2019/07/14(日) 23:50:52 ID:swN5lEdo0
(;'A`)「……」
茂名国連長官は、その手腕もさる事ながら日本国内が大半を占めていた艦娘技術を世界中に解放し、深海凄艦の脅威を払拭した偉人と称されている
噛み砕いて説明すると、艦娘を運用する上での解釈を追加した。より多くの人間が艦娘を指揮する事ができ
なおかつ攻撃対象を深海凄艦に留まらず、世界平和を脅かす『組織』『国家』に向けさせた
当然、数多くの国々の承認は必要ではあるが、これにより『北の国』がアメリカ合衆国の一部となった実績もある
間違いなく、脅威と憂いが減った。胸を撫で下ろした者も多いだろう。茂名国連長官の死後、ノーベル平和賞を贈ったのも頷ける
(;'A`)「……いや」
正しくは『頷けた』。指揮権の拡大とは則ち、艦娘の拒否権の縮小だ。彼が付け加えた解釈は、『二等兵』以上の兵士に指揮権を与えるというものだ
余りにも広すぎる。これは艦娘に限らず、人や物にも言える事だが、『使い道』を誤れば惨事は免れない
だからこそ、危険と判断された物の運用には『免許』が必要で、部下を率いる立場の人間になるには実績を鑑みた上で与えられる『役職』が必要なのだ
(;'A`)「……」
艦娘には人格があり、意思があり、感情がある。それらを差し置いて、国連長官は使用者の間口を広げた
恐らく彼にとって、艦娘は『物』であったのだろう。冷酷な考え方ではあるが、国を、ひいては人の命を守りたいという想いも在った筈だ
だが『叢雲』を、初めて出会った艦娘を『人』として対等に接した『小練 詩音』との相性は致命的に悪い
もしも解釈の拡大が、小練の逆鱗に触れたとするならば―――――
488
:
◆L6OaR8HKlk
:2019/07/14(日) 23:52:51 ID:swN5lEdo0
『奴に残された道は二つに一つ。手綱を握ったまま俺の要望に応えるか、「渡る綱」を自ら断ち切るか。別の方法が存在するならば、是非ともご教授頂きたいものだった』
『僅かながら葛藤の時間が欲しかったのだろう。茂名はしばし口を噤んだ後、「いいでしょう」と、首を縦に振った。「いいでしょう」?は?舐めてんのかこいつ」
『深々とため息をついて「お願いします」だろうとやり直しを求めると、余裕ぶった笑みが引き攣り、顔に血が昇っていった。老害になると頼み方の作法もボケて忘れてしまうらしい。ちゃんとボケ防止の運動やっとこうと思った』
煽りの天才かよ
『しかし官房長官ともなると、切り替えも早い。すぐさま頭を深々と下げ、「お願いします。これで宜しいですか?」と真新しい笑みに作り変えて応えた。全く宜しくなかった』
『「政治家の先生は膝と額が汚れるのが余程お嫌いなのでしょうか?」。今度は笑みこそ崩さなかったが、視線が兵士の腰に差された拳銃に向けられたのを見逃さなかった』
むしろよく我慢できたなオイ
『埒が明かないのでおちょくるのはここまでにして、その場での交渉に入った。持ち帰られると後々厄介な事に成り兼ねない。多少はゴネられるかと思ったが、意外にもすんなりと了承した』
『それほど、「俺」が持つ交渉材料としての価値は高いらしい。それかもしくは、これ以上馬鹿にされるのは我慢ならなかったのかもしれない。与党の議員らしからぬ煽り耐性の無さだった』
『此方からの要求は、提督としての指揮権。「叢雲」並びに「地獄の鎮守府」の譲渡。鎮守府機能の全開放に、政府及び自衛隊上層部からの命令の拒否権』
『片手で収まるだけのお願いに対して「随分と子供じみた要求をなさる」と苦言を吐いた。呆れたものだ。これだけの仕打ちをしておいて手心を求めているなど』
『しかしすぐさまどす黒い腹を隠すように極めて明るい声色に戻った茂名は、自身の要求を提示してきた。「叢雲さんの首輪は今後とも着用してもらいましょう」』
『こう来ることは想定内だ。だが、吐き気がするほど腸は煮えくり返った。腕っぷしに自信がある俺でも、時たまこう思う。「怒りの感情だけで人を殺せたら」』
『「此方としても心苦しいのですが、それだけの権限を持つ鎮守府は前例になく、まぁ……乱暴なやり方ではありますが保険は必要でしてね。ああ、勿論お断りしても構いません」』
『「私なら、わだかまりを水に流して、勝手見知った仲間が待つ我が家へ帰る道を選びますが……いえ、やめておきましょう。どのような答えであれ、我々は叢雲さんの意思を尊重します」』
『一瞬だが、「一理ある」と思ってしまった。そんなわけあるか元はと言えば悪いのは彼方だ。何も向こうから与えられた選択肢だけに的を絞る必要は全くない。首輪を外した上で顔面に一発お見舞いしても安いくらいだ』
『罵倒され足りないのならおかわりをくれてやろうと口を開いた瞬間、割って入るように彼女はこう応えた』
『「彼に、元司令官にこうお伝えください。私はアンタの都合のいいママではない、と」』
『これが、彼女の出した答えだった』
489
:
◆L6OaR8HKlk
:2019/07/14(日) 23:56:54 ID:swN5lEdo0
『茂名の顔から表情が抜け落ちた。はっきりと拒否された事に対する屈辱やショックからではない。思考を、駆け巡らせていた』
『「わかりました」。程なくして了承と取れる言葉を得たが、俺も叢雲も安堵の溜息を吐けなかった。奴らが企てる陰謀は滞りなく進行するという自信の表れでもあったからだ。そしてこうも言い換えられる』
『俺たちは今現在を持って、この男の「駒」に堕ちてしまったのだ。此方の腹を見透かすように、茂名は満面の笑みを作って見せた』
『「ですが最後に、再考のチャンスを与えましょう。この話を取り消し、我々と同行するのならば、貴方の身に起きた変化についてお教えします。その上で、幾らでも謝罪を致しましょう」』
『叢雲の身体がびくりと震えた。奴が提示したのは、俺が今一番知りたい情報であり、出会って間もない小娘一人とは到底吊り合わない価値がある代物で、掌など幾らでもひっくり返るとでも思ったのだろう』
『だから、こう答えてやった。「いるかよ、くたばれ」』
(;'A`)「ちょっ……もぉー……」
さっきからカッコいいが過ぎる。好きになっちゃうだろうが
『茂名は落胆するわけでもなく、声色を変えずただ「そうですか」と言い、細かい条件は後ほど連絡するとだけ告げ、兵を連れて引き上げていった』
『奴らの乗る船が見えなくなり、やがて叢雲は「どうして?」と聞いてきた。簡単な話だ。ただ連中に従うのが癪だっただけだ』
『続けて、「どうする?」とも。なんともしおらしい姿だった。余りの似合わなさに、思わず吹き出してしまった』
『場所を得た、地位を得た、そして隣には頼りになる相棒がいる。やる事は決まっていた。これは戦争だ。深海凄艦との、そして権力と陰謀との、分の悪過ぎる戦いだ。だからこそ、余計に滾る』
『強くなろう。何もかもを脅かし、何もかもを超越し、何者も俺たちをコケにし、爪弾きにし、陥れる真似が出来ないくらい徹底的に』
『叢雲は「無茶苦茶ね」と言って、ようやく笑った。「でもまぁ、他にも行く当てもやる事もないし、付き合ってあげるわ。司令官」』
『この日から、俺の人生で最も長く、最も激しく、最も大切な日々が始まった―――――』
490
:
◆L6OaR8HKlk
:2019/07/14(日) 23:58:05 ID:swN5lEdo0
(;'A`)「……フーッ」
中々読ませる文章を書いてきやがる。初っ端から結構面白かったじゃねえか
いや面白かったじゃない。これが事実ならノーベル平和賞を授与した歴史に残る大偉人の評価は百八十度ひっくり返る
(;'A`)「世に出せねえワケだよ……」
茂名氏の残した功績は確かに大きい。だが、その大半が日本国内に限定される
保有戦力もさる事ながら、莫大な軍需で潤っている。当然、諸外国としては面白くはないだろう
この文書が事実であろうと無かろうと、一つの証拠である事には変わりない。リークすれば手厳しい追求は免れないだろう
(;'A`)「……」
なら何故、小練 詩音は彼の陰謀を暴かず、大罪人の汚名を被るような真似に走ったのだろうか?
確固たる証拠が無かった?別の保険が掛けられていた?それとも、他に目的があったのか?
(;'A`)「わっかんねえ……」
わかるはずもない。俺が踏み入れたのは初めの一歩に過ぎない。これを最後まで読み進めれば、真相には辿り着けるのだろうが
辿り着いたところで、俺に何が出来る?海外へのリークか?深海凄艦だけで手一杯な世界を、これ以上混乱させるのか?
そもそも、今は罪人として軍に、ひいては国に管理されている立場だ。不都合を揉消すなど容易いだろう
491
:
◆L6OaR8HKlk
:2019/07/14(日) 23:58:25 ID:swN5lEdo0
(;'A`)「何をさせたいんだ……」
最初の音声で、小練は『覚悟』を求めた。恐らくは、一人に背負わせるには重過ぎるモノなのだろう
だがどうしろって言うんだ?彼の無実の証明?そんな行為に意味はあるのか?俺にそんな義務があるのか?
(;'A`)「……」
ああ、頭が痛い。吐き気もしてきた。天井を仰ぐと、いつの間にか台風は過ぎ去っていたのか、外は静かになっていた
時間はある。今日はここまでにしよう。タブレットのモニターを落とし、やや躊躇ったが、自室へ持ち帰る事にした
('A`)「……」
部屋を出る前に、一度振り返ってみる
('A`)「ハァ……」
多大な苦悩を伴って、成果はあった。その中の一つを上げるとするならば
('A`)「じゃあ、またな」
当初ほど、この部屋に不気味さを感じなくなった事だろうか
492
:
◆L6OaR8HKlk
:2019/07/15(月) 00:10:28 ID:Ff6VgxBw0
今日はここまで
天華百剣のSS書きたい
493
:
名無しさん
:2019/07/15(月) 02:56:58 ID:ZnOfqvH.0
おつ 皮肉が効いた言い回し好き
494
:
名無しさん
:2019/07/15(月) 10:47:54 ID:sjtk8ax.0
まだ天華やってるんかワレ
この前ちったーで宣伝しておいたぞ
495
:
名無しさん
:2019/07/15(月) 19:20:36 ID:7MWaJXgI0
otu
496
:
名無しさん
:2019/07/16(火) 23:00:48 ID:2qQN6b2g0
おつおつ
天華百剣はABコラボで爆死して引退した
497
:
名無しさん
:2019/08/19(月) 21:59:31 ID:uOVS03WI0
天華百剣ってまさかムカデか!?
おかえり!!
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