[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
('A`)便利屋ドクオの野暮用です
1
:
◆H/3wgXUnC2
:2016/03/27(日) 23:08:48 ID:BKUgdd360
('A`)「ったくよ……」
楽器や銃、スピーカーに囲まれた狭苦しい部屋。
奥に行けば寝室もあるが、俺は主にこの部屋で過ごしていた。
何故なら、ここは俺の店だからだ。
('A`)「開店日だってのに、客は一人も来やしねぇ……」
仕方なのない事だ。
この街“ソウサク”は、決して平和なわけじゃあない。
だが何か厄介事があっても、俺のような便利屋に仕事を頼むくらいなら、近くのバーで酒を飲んで面倒ごとを忘れようと考える頭の悪い連中ばかりだ。
俺には都合の悪い街だと言える。
友人にも、“よくこんな所で便利屋なんか開くね”、と呆れられるくらいだ。
まあ、暇なのは嫌いじゃないんだがな。
('A`)「しっかし……金がねぇのは辛いとこだ」スッ
机に置かれたピザを一切れ、口に運ぶ。
先程近くの店から買ってきたばかりで、熱を持ったチーズがドロリと溶けて黒い机に強いコントラストを残した。
('A`)「……うめぇな」
ずっとこの調子で客が来なければ、いずれはピザを食う金すら尽きる。
それだけは避けたい。
229
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:08:18 ID:GCRBwiXg0
ギコが振り上げた角材が、俺の肩へ直撃する。
それほど重い角材ではない。だが痛みは確実に、俺の神経を蝕む。
これは、俺を殺す事が目的なのではない。あくまで、痛めつけて情報を吐かせるつもりなのだ。
(,,゚Д゚)「30万なんて金はどうだっていい」
吐き捨てるように、彼は言う。
(,,゚Д゚)「お前の暮らしていた、施設の金だ」
(;'A`)「…………」
(,,゚Д゚)「あの施設が子供を大金で売り捌いてるのは、この界隈じゃ有名な話だ。その金だよ」
(;'A`)「……知るわけ無いだろ……」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!!」ブンッ
(;'A`)「――ッ!!」ドゴッ
(,,゚Д゚)「言え!!」
角材を振り回しながら、彼は凄みをきかせる。
それを恐ろしいとは思わない。だが、角材が食い込む痛みは、味わっていて楽しいものではない。
230
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:09:13 ID:GCRBwiXg0
(,,゚Д゚)「……あの施設に、警察が集まっていた。聞いた話じゃ、先生が殺されたそうだな」
(;'A`)「…………」
(,,゚Д゚)「先生を殺す理由なんて、一つしかないだろう。それは、金だ」
確かに、彼の言う事も間違ってはいない。いや、そう考えるのが妥当だろう。
実際に俺がどういう目的をもって彼女を殺したかなど、彼らには関係がない。
そして事実、あの時俺は大金の在り処を探していた。
(,,゚Д゚)「教えてもらおうか」
(;'A`)「……知らないって言ってんだろ……」
今更、彼に教えたところでどうなると言うのだ。
あの金は、子供たちの誰かが持ち去ったかもしれない。もしくは、警察が管理しているかもしれない。
そして、それを教えてしまったら、俺は用済みになってしまう。
彼に教えるか、教えないか。どちらを選んでも意味はない。選択肢など、無いも同然だった。
(,,゚Д゚)「……ならば、見当がつくまで考えてもらうしかないなッ!!」ブンッ
ドゴッ
ブンッ
ドゴッ
231
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:09:47 ID:GCRBwiXg0
肩に、足に、痛みが走る。
何度も何度も振り下ろされる角材は、俺を絶え間なく痛めつける。
時折休憩を挟むようにして、彼は俺に同じ問いかけをする。
俺の返事も、また同じものだった。
止むことのない痛みに、終わりは来るだろうか。
いや、俺がそう望んでいるだけであって、ギコには一切そのつもりはないのだろう。
しかし俺は、その僅かな希望に縋り付く。縋り付こうとする。
.
232
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:12:02 ID:GCRBwiXg0
それから、一時間ほど経過しただろうか。
血が流れ出るほどの怪我を負わされることはなくとも、俺の全身にはいくつものアザが出来上がっていた。
もはや痛みなど通り越して、俺はただ、全身の苦しさだけを味わっていた。
(,,゚Д゚)「吐く気になったか?」
(; A )「…………」
もうこのまま、リタイアしてもいいのではないだろうか。
なぜ俺は、ギコが諦めるなんていうあり得もしない希望に縋り付いているのだ。
真実を話せば、きっと彼は俺を楽にしてくれる。
(,,゚Д゚)「……足りないようだな」スッ
(; A )「ッ……まっ……まて……」
(,,゚Д゚)「…………」
俺にはもう、耐えきれない。
どうせこんな生き方では、命も長くは保たないのだ。
数年もすれば、路上に転がる空き缶のように、俺は無様な死を遂げる。あるいは灰皿に放置された煙草のように、じわじわと息絶えるのだ。
(; A )「…………金は…………」
ゆっくりと、口を開く。
脳内から無抵抗に流れ出す言葉を、遮ることはしない。
全てを諦めた。その時だった。
233
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:12:44 ID:GCRBwiXg0
/: .: .: .: .: . : ./ _,,.-‐''" / / / ̄|| |: .: .: .: .
/: .: .: .: .: .: . _,,.-‐'': : : : : 三 二 ニ -- / || | ̄|| | || | || |: .: .: .: .
/: .: .: .: .: .: .//:: : : : : : : : / / 三 二/ || -- | || |_|| |_|| |: .: .: .: .
/: .: .: .: .: .: .//: : : : : : : : / / / || | || .| |: .: .: .: .: .
/: .: .: .: .: .: .//: : : : ヽヾ`;;:} 三 二 ニ -- /__|| .| || .| |: .: .: .: .: .
/: .: .: .: .: .: .//: : : : Z::::Z,,, / / = ̄ .|_|| 三 二 ニ --: .: .: .
/: .: .: .: .: .: .// : : : : <:::::::ヽ:::>' _ l || ̄|| .: .: .:
/: .: .: 三 二 ニ -- : : <:::::/ ̄, |_|| / // .: .: .
_/: .: .: .: .: .: .//: : : : : Z:::::{ l / // .: .: .
/ : .: .: . : .: .:,'/: : _,,.-‐>::::::ヽ __/ //.: .: .: .: .
: .: .: .: . : .: //_,,.-‐''": Z:::::}ヽ、::::{、 |___// .: .: .: .: .
: .: .: .: . : .://: : : : ノ/ /ー/ヽ | |: .: .: .: .: .
: .: .: .: . : // : : : : : : / / | |: .: .: .: .: .
: .: .: .: .: ,'/ : : : : : : : ./ / | |: .: .: .: .: .
: .: .: . : .:l | : : --二: : ./ / | |: .: .: .: .: .: .
: .: .: . : .{ l: : : : : : : { { | |: .: .: .: .: .: .: .
: .: .: . : .| |: : : : : : : | | | |: .: .: .: .: .: .
: .: .: . :..| |: 三 三 二 ニ -- | | |: .: .: .: .: .: .
: .: . : . :| |: : : : : : : | | | |: .: .: .: .: .: .
: .: .: .: .| |: : : : : : : :| | | |: .: .: .: .: .:
建物の扉が、勢い良く開かれる。
扉はその力によってひしゃげ、あらぬ方向へと飛んで大きな音を立てた。
(;゚Д゚)「な、なんだゴルァ!?」
.
234
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:13:16 ID:GCRBwiXg0
i!: : : : : : : : :i! ヽ Vill ::::..ヽ/////////////////////\
i!: : :`┌┐: i! .} V! ::::..∨/////////////////////
i! : : : ||:i! ./ |il ::::.∨///////////////////
. i!┌��┘└������┐ |ill ::..∨///////////-�� ´
i!:└��┐┌����┐| |ill :..∨/////////
i!.: : : : :|| /,|| _ -��  ̄∨///////\
i!.: : : : :.|| / || }'´ ∨/////: :\ヽ_
/:_: : : : /└┘⌒\└┘ /. ∨///!: : : ̄\ : ヽ
厂: : : : :ト ミ|  ̄ ̄ [] []┌┐ V// ト、: : : : : :>fハ
ノ: : : : : : :||: : ∨ ┌┘| }/// }: : :/=/ /
,r=-. _>、: : : : : ||: : : ∨.  ̄ ̄ ,// ゙テ´三/}`
斥三三三三.\__:||__/ / /三三〃
`<三三三三三三} {三三/
`¨¨´ ゝく二フ′ `¨¨´
「余計な事は言うんじゃねぇ。その間抜けな口を閉じろよ、ガキ」
.
235
:
訂正ほんとごめんなさい
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:14:59 ID:GCRBwiXg0
i!: : : : : : : : :i! ヽ Vill ::::..ヽ/////////////////////\
i!: : :`┌┐: i! .} V! ::::..∨/////////////////////
i! : : : ||:i! ./ |il ::::.∨///////////////////
. i!┌--┘└------┐ |ill ::..∨///////////--- ´
i!:└--┐┌----┐| |ill :..∨/////////
i!.: : : : :|| /,|| _ ---  ̄∨///////\
i!.: : : : :.|| / || }'´ ∨/////: :\ヽ_
/:_: : : : /└┘⌒\└┘ /. ∨///!: : : ̄\ : ヽ
厂: : : : :ト ミ|  ̄ ̄ [] []┌┐ V// ト、: : : : : :>fハ
ノ: : : : : : :||: : ∨ ┌┘| }/// }: : :/=/ /
,r=-. _>、: : : : : ||: : : ∨.  ̄ ̄ ,// ゙テ´三/}`
斥三三三三.\__:||__/ / /三三〃
`<三三三三三三} {三三/
`¨¨´ ゝく二フ′ `¨¨´
「余計な事は言うんじゃねぇ。その間抜けな口を閉じろよ、ガキ」
.
236
:
訂正ほんとごめんなさい
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:16:03 ID:GCRBwiXg0
「男だったら、痛みにくらい耐えやがれ」
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::: _ ;;;:::'''| ̄ ̄ ̄|::::::::
:::::: (゚∀゚ ) '' | |:::::::
::::::: |::|_|:::h. | |::::::::
:::::::: |:j|n'iロ't | |::::::::
::::::';、し^ヽJ、,'. | |::::::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ザッ
現れたのは、ロングコートに見を包んだ男。
この俺に銃を――、自由を渡した男だった。
(;゚Д゚)「ッ……なんだてめぇ……!」
_
( ゚∀゚)「おいおい、俺を知らねーのかよ」
(;゚Д゚)「…………はッ!! てめぇ、殺し屋ジョルジュ!!」
_
( ゚∀゚)「ご名答。以前はご贔屓にどうもな」
ジョルジュ、というのが彼の名前なのだろうか。
どうやら彼とギコは、面識があるようだ。
237
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:17:31 ID:GCRBwiXg0
(;゚Д゚)「チッ……、今更何しに来やがった……」
_
( ゚∀゚)「借りを返しに来たのさ。お前にやられた傷が、疼いて仕方ねぇからな」
(;゚Д゚)「……そうかよ……。だったら……」
(,,゚Д゚)「今度こそ殺してやるよ!!」スッ
っy=゙
_
( ゚∀゚)「…………やってみろ」
(,,゚Д゚)「やれ!!」
っy=
Ω スチャッ
っy=゙
ギコがそう叫ぶと、周りの男たちは一斉に拳銃を構え、その銃口をジョルジュに向けた。
ジョルジュは落ち着いた様子で深呼吸を一つし、大きく動いた。
238
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:18:10 ID:GCRBwiXg0
::::::::::::::::\
:::::::::::::::::::::'ヽ、
::::::::::::::::::::::::::::又.___ノ\ __ .へ
\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| {_. イ:i: \/ ヾ:
:::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| /^{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\ vヘ
.:.:.:.:.:.:.:.\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| /.i:i:i:i:i:i:i:i:i:、:i:i:i:i:i\ V:ヘ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:::::::::::::::::::::::::::::::::::{/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i\:i:ヽ:∧`∨∧
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\::::::::::::::::::::::::::/{/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: /^ヾ\ハ^ヾ V:ハ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≫..,_ _,.≠.:.:.:. .:. : i i:i:i:i:i:i:i/ \:{
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .:. : . i: :i:i:i:i:i:ii/
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .:. . : .:i:i:i /;
'"^\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: . .:. :.i/
` ≪.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . '′ . |\
` ≪.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.彡.... | ./
`---==≠ |/\
\∧
/ ∨V7 i
|\/ /l/l/ |
`7/ `.、 .i|
/′ />. \、 i|
/ ./′/>. \、 .|i|
-----------------------------------../′..゙-----------...\ 、 .|i|
── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐── ────. \__/\...────.. \ 、 ,ノ し ’‐ ‐‐
── ────‐‐─── ──── ` ̄ ̄ ゙̄‐ ─‐‐゙___) ≦⌒──‐‐─
── ──── ‐ ─‐‐── ─── ──‐‐‐─ ‐... ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⌒ ^..── ───‐‐
───── ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐── ────── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──
.
239
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:18:55 ID:GCRBwiXg0
_
パァン パァン (゚∀゚ )
Ω ィ Ω ィ |::|_|::oヽ -= ∋
j'-|っy=;、 j'-|っy=;、 /:j|n'iロ'\ -= ∋
jU| ' jU| ' ヽ)'^\)ミ
(/^j (/^j ,'、; '.、 タンッ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
男たちの放つ銃弾を、ジョルジュは縫うように、時に跳躍して、掻い潜る。
その鮮麗された無駄のない動作。美しい動きだと、思わず見惚れてしまう程だった。
一体どのように鍛えれば、あんな動きができるのだろうか。
_
y= (゚∀゚ )
ΣΩ ΣΩ'、' ⊆/::/_/o|
j'-|っy= j'-|っ⊂/:j/n/ロ/ -= ∋
jU| jU| ''' '^し'ミ
(/^j (/^j パシッ ,'、;
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「おらよっ!!」
「うぐッ!!」 _
(゚∀゚ )
ΣΩ Ω, |::/_/::|っ
j'-|っy= Σ|-(⊂|:j/n/ロ/
jU| ヽ'ヽっ 'ヽJ、、
(/^j .、乂)'
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
240
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:19:37 ID:GCRBwiXg0
一人、また一人。
ジョルジュの怒涛の蹴りによって、次々となぎ倒されていく男たち。
彼のその姿が、俺にはダンスを踊っているように見えた。
軽快な音楽も、立派な舞台もない。けれど、彼は頬を歪ませて、軽快に踊りを続けている。
_
( ゚∀゚)「銃を使うまでもねぇな!!」ドゴッ
もはや、ここに俺の居場所はない。
彼の攻撃に必死で抗う男たちですら、舞台を彩るちっぽけな小道具にしか見えなかった。
やがて地面に乱雑に散らばる小道具を踏みにじり、彼は一つため息をついた。
(;゚Д゚)「くッ……」ジリッ
_
( ゚∀゚)「どうした、ビビってんのか?」
(;゚Д゚)「…………やるじゃねぇか……」
_
( ゚∀゚)「お褒めの言葉なら結構だ。早いとこ決着をつけようぜ」
(;゚Д゚)「……チッ!!」
っy=゙ スチャッ
_
( ゚∀゚)「バカの一つ覚えかッ!?」ダッ
.
241
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:20:47 ID:GCRBwiXg0
「ガハッ!!」
ドゴッ _
. ∧,,ハ (゚∀゚ )
Σ(;゚Д゚)て/::/_/o|
o|:::V:(⊆|:j/n/'/
|--.-|っ '^ヽJ
,、'\j^、 .'、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ドサッ _
∧,,ハ チャッ (゚∀゚ )
(;゚Д゚) ゙=y⊂|::|_|:::h.
人;;;\ '' |:j|n'iロ't
;'、,し\/"⌒っ.' ';、し^ヽJ ,'
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_
( ゚∀゚)「至近距離なら拳でかかってこいよ。コイツの使い方がまるでわかってねぇみたいだな」
(;゚Д゚)「くッ……」
_
( ゚∀゚)「コイツはな……」
っy= グッ
パァン
242
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:21:26 ID:GCRBwiXg0
ジョルジュの握る拳銃が、音を立てて火を吹く。
同時に、ギコの右足から鮮血が撒き散らされた。
(;゚Д゚)そ「あっ……がぁぁあああッ!!」バタバタ
_
( ゚∀゚)「動かねぇ獲物を狙うのにちょうどいいんだよ。……ま、俺くらいになれば別の話だが」
「ひっ、ヒィッ!!」
ハ,∧ _
(Д゚;) (゚∀゚ )
f|V:::|o =y⊂|::|_|:::h.
U.--|ミ |:j|n'iロ't
〈jヽ、).'ザッ ';、し^ヽJ ,'
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_
( ゚∀゚)「おいおい、どこに逃げるつもりだよ」
(;゚Д゚)「う、うるせぇ!!」
_
( ゚∀゚)「どこへ行っても、逃げ場はねぇよ。てめぇの行き着く先は――――」
.
243
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:22:03 ID:GCRBwiXg0
,--、
,.;==、、ヾヽ��‐、く‐`i7
!{::::::::} !::ヽヽ---_j_:::ヽ
ド=シ:::::::Y`Y´::::::l:::::}
l:::::::::::::::::::::!_::j,.イ/:,r‐-、 ,
`i::○:::::i´:|::!::iノ::/-、 , } i/
ヽ:__::ノ-r‐'‐l二{__/ノ i |
. { |:::::::{ r‐}::| / /
/``!_::ニア´}::!´ /
ヽ、 __.. -rヾ:::!/
(__ ,.メノ::l
ト、``´_/:丿
デッドエンド
「“行き止まり”だ」
'. ハ,∧ _
'、,'(Д,,) パァン (゚∀゚ )
f|V:::|o ゙=y⊂|::|_|:::h.
U.--| |:j|n'iロ't
〈jヽ、).' し^ヽJ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ドサッ
244
:
もうめんどくさい
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:23:10 ID:GCRBwiXg0
,--、
,.;==、、ヾヽ--‐、く‐`i7
!{::::::::} !::ヽヽ---_j_:::ヽ
ド=シ:::::::Y`Y´::::::l:::::}
l:::::::::::::::::::::!_::j,.イ/:,r‐-、 ,
`i::○:::::i´:|::!::iノ::/-、 , } i/
ヽ:__::ノ-r‐'‐l二{__/ノ i |
. { |:::::::{ r‐}::| / /
/``!_::ニア´}::!´ /
ヽ、 __.. -rヾ:::!/
(__ ,.メノ::l
ト、``´_/:丿
デッドエンド
「“行き止まり”だ」
'. ハ,∧ _
'、,'(Д,,) パァン (゚∀゚ )
f|V:::|o ゙=y⊂|::|_|:::h.
U.--| |:j|n'iロ't
〈jヽ、).' し^ヽJ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ドサッ
245
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:24:57 ID:GCRBwiXg0
糸の切れた操り人形のように、ギコの身体は、地面にぱたりと倒れ込む。その姿を見て、滑稽だと、俺は思った。
先ほどまで俺の事を散々痛めつけていた男が、ジョルジュという男の強さに怯え、間抜け面を下げて逃げ出し、後ろから撃ち殺されたのだ。
俺が引き起こした出来事では無いとはいえ、これを滑稽と思わずにはいられない。
「……終わったな」
, 、,.
\ i. ,. ヽ / ./ }
, -,.∧ 、-<_ / ' / ./ ,. 'ヽ
.、 /::::/ ,ヽ ,.ノ `' ��.、ヽ. ./ / /`, ' ' ./
ニ\ /::::::/./. ヽ. / \\ , ´ , ' ,. ′,.' / !
ニニ\ /:::::::::/::.. 、 /ヽ \.>ヽ ゙/ _... ´ / .'´ヽ./
二二ニヽ/::::::::::::::;.:::::::::. ` // / .; ;. ゝ '"__ 丶./ ,./ .'/
ニニニニニヽ:::::::::i:::::::::::: ,.. '"::::/ ; ; .:. ;. / //  ̄\ ./ .' ;
二ニニニニニヽ::::/:::::::::::: /::::::::::::::/ _ , i .:::. i ; // ! ,.' /
ニニニニニニニヽヽ:::::::::/、:::::::::::::;:'ニヽ 「.! ヽ,.= "l ̄ ̄l.! // ,' ′ /
ニニニニニニニi >゙}ヽニニ\::::::/ニニニl ,.-' .}、ヽ.l l l liヽ/ / . '
ニニニニニ! ̄ ̄ ハ: \ニニ\{二ニニl / l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l‐-=.._/ '
二二二ニニl l l:::. \二ニニニl、./ /.l _ l---、 ,. '´
二二二ニニニl l !:: \二二ニニV l.l l ,. --- ´ : \
二二ニニニニl l .l: ./二ニニニ/ .. - '", ,. }
二二ニニニニl } ,! ./ニニニニ,.' ´ ´ _,. _,.. --、 ノ
.
246
:
もう訂正なんてしない
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:25:43 ID:GCRBwiXg0
ジョルジュはため息をついて、コートのポケットから取り出したタバコに火を付けた。
彼が殺したのは、ギコ一人。
他のギャングたちは皆、ジョルジュの蹴りによって気を失っているようだった。
_
( ゚∀゚)「ほどいてやるよ」
ジョルジュが俺の背中に回って、取り出したナイフか何かで、俺の腕を縛り付けていた縄を解いた。
自由になった腕を見てみると、きつく締め付けられていたせいか少し血が滲んでいた。
_
( ゚∀゚)「……一本吸うか?」
っ‐
('A`)「……えっ? あ、ああ……いや、俺は持ってる……」
タバコを取り出そうと上着のポケットを漁るが、そのどこにもタバコは入っていない。
それどころか、背負っていたショルダーバッグや、ジョルジュから貰った拳銃すら、手元から消えていた。
ギコたちが、予め俺の手荷物を別の場所に置いたのだろう。
247
:
絶対にしてやるものか
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:26:33 ID:GCRBwiXg0
_
( ゚∀゚) ガサガサッ
っ゙
_
( ゚∀゚)「……こいつか?」
っロ゙
ヒョイッ
('A`) パシッ
っロ゙
ジョルジュから投げ渡されたのは、ショルダーバッグと一丁の拳銃だった。
案の定、タバコはない。どこかに落としてきてしまったのだろうか。
('A`)「……ねぇや」
_
( ゚∀゚)「そんじゃあやるよ。ラークだけどな」
っ‐゙
('A`)「……ッ、マルボロじゃないのかよ」
っ‐゙
_
( ゚∀゚)「贅沢言うなよ。ほれ」
っd゙ シュボッ
( 'A)y‐ スゥー
('A`)「はぁ……」
っ‐~~
248
:
絶対にしてやるものか
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:27:21 ID:GCRBwiXg0
_
( ゚∀゚)「悪くないだろ?」
('A`)「…………ああ、思ってたよりは美味いよ」
煙を吐き出した後に残る、口の中のタバコ葉の香りと煙の苦味。
マルボロよりも癖がなく、俺にはすっきりとした吸い心地に感じた。
('A`)「……どうして」
_
( ゚∀゚)「あん?」
('A`)「どうして、こんなところに来たんだ?」
俺がそう問いかけると、彼は意外にもばつの悪そうな表情を浮かべて、顔を伏せながらこう言った。
,ィ ヽ __ `ー′/ ヽ }、_
_ _ ,< { \ ',\ '´-- -` ./\_ -‐ '''' }7Tヽ
.....-::::::::::::::::::/:::::::::::::::| \} \ ./ ヽ ヽ .// .|:::::ヽ
:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::| >._ \ / \ ./ / !:::::::\
:::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::|、 ¨ニ7`┬'<¨ヽ // / !:::::::::::\
::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::| \ /ィ777 } \ ___/ / ./::::::::::::::::::\
:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::|. \ /{/////} { \ {\ / /::::::::::::::::::::::::::\
:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::| \ / V///,{ヽ\ \ ヽ__/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::| \/ }////} Ⅵ. \ }:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
「……ちょっとした、野暮用だよ」
.
249
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:28:00 ID:GCRBwiXg0
格好つけているのに、どこか頼りなく見える。
そんな彼の姿が、俺には何故だか羨ましく思えた。
_
( ゚∀゚)「さあ、とっとと行けよ。俺はこいつらの後始末をしなきゃなんねぇんだ」
('A`)「…………」
その後始末というのが一体どういう内容なのか、俺のちっぽけな脳味噌でいくつかのパターンを想像はできても、どれも確信には至らない。
しかし、俺はそれを尋ねることもしなかった。いずれにしても、彼がそれを俺に教えることは無いのだという確信だけはあったからだ。
結局のところ、俺たちのような人間は、自ら生き方を模索しなければならない。
彼は俺に手を差し伸べた。その時点で、彼は役目を終えたのだろう。
彼のやり方、生き方を、俺が倣う必要はないのだ。
('A`)「……ありがとな、助けてくれて」
_
( ゚∀゚)「礼はいらねーよ」
('A`)「……そうか」スクッ
痛む足を抑えながら、ゆっくりと立ち上がる。
背負ったバッグがやけに重たく感じたのは、肩や腰にもダメージを受けたからだろう。
250
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:28:35 ID:GCRBwiXg0
('A`)「……またあんたと、どこかで会えるかな」
_
( ゚∀゚)「さぁな」
('A`)「……ま、そうだよな」
踵を返して、歩き出す。
俺は、彼に感謝していた。
無駄になるはずだった命を、救ってくれたのだ。
ギコを殺して追手を失くすという、俺の目的を代わりに成し遂げてくれたのだ。
だが、彼にこれ以上お礼の言葉を投げかけるのは、この状況に相応しくはないのだと、俺は気がついていた。
('A`)「…………」
ジョルジュによって突き破られ、地面に虚しく転がった扉を踏み越えて、この建物を抜けようとした。その時だった。
「おい、ガキ。名前はなんて言うんだ?」
彼は俺にそう問いかけた。
その言葉を聞いて俺は何故だか頬を緩ませそうになったことに気がついて、振り返ろうとした顔を中途半端な位置で止めて、その問いに答えた。
('A`)「……ドクオ」
.
251
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:29:32 ID:GCRBwiXg0
その一言を言い終えて、俺はまた歩きだした。
「……また会おう、ドクオ」
建物を抜けた時に彼が言ったそんな言葉が、俺は嬉しかったのだ。
.
252
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:30:25 ID:GCRBwiXg0
.................... ........:::::::::::............ .........................................:::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::............................... ::::::::::::::::::::::
_,,|,,__,,|,,__,,| ゙'';;;;|; γ ̄| ̄ヽ γ ̄| ̄ヽ ;;'
,,__,,|,,__,,|,,_|; '| l!┼┼┼l! l!┼┼┼l! [「二二二二二
_,,|,,__,,|,,__,,|;; | l!┼┼┼l! '7;, l!┼┼┼l! ';; || | ̄ ̄ ̄|| ̄
,,__,,|,,__,,|,,_|゙;;;, | ;; l!┼┼┼l! l!┼┼┼l! || |┌─┐||┌
_,,|,,__,,|,,__,,|;;;;;; ゙:. | l!┼┼┼l! l!┼┼┼l! || |└┐ ||
,,__,,|,,__,,|,,_|;;;;;;;;; | [ ̄ ̄ ̄ ̄] [ ̄ ̄ ̄ ̄] # ,;|| | │Ⅱ||Ⅱ
_,,|,,__,,|,,__,,| ;;;;;;;;;;;| `´ ̄ ̄`´ へ `´ ̄ ̄`´ ::|| |└┘ ||
,,__,,|,,__,,|,,_|;; / | メ ;; ;;''; _|| |___||_
_,,|,,__,,|,,__,,|/../| ';, ;; ,,;;''| |ニニニニニニニニニニ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |ニニニニニニニニニニ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Llニニニニニニニニニニ
________________________________
����������������������������������������������������������������
..... .,,,........
...,,....... ..... ......,,,,... ...,,.
.
253
:
これはひどい
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:31:26 ID:GCRBwiXg0
翌日の朝、俺は見知らぬ街を歩いていた。
昨夜から歩き続けてたどり着いた場所だが、俺が昨日まで暮らしていた街に比べると、幾分かマシに思える場所だった。
通勤のためか、忙しそうに行き交う人々を縫うようにして歩きながら、俺は朝食が取れる店を探していた。
この朝早くからでも、カフェあたりなら開店しているところもあるだろうと思っていたのだが、これがなかなか見つからない。
('A`)「……こりゃ昼まで待つしかないか……?」
そう諦めかけた時、すぐ近くからカランという鈴の音が聞こえた。
音の方へ振り向いてみると、ちょうど開店したばかりのカフェの扉を開けている人の姿があった。
これは都合がいい。
俺は前の人を倣うように、迷わずそのカフェの扉を開けて、中に足を踏み入れた。
254
:
これはひどい
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:32:26 ID:GCRBwiXg0
カランカラン
いらっしゃい、という声を聞き流しながら、俺はテレビの近くの椅子に腰をおろした。
店員がすぐに注文を聞きに来るので、俺はメニュー表の中から適当なものを選んで、それを伝えた。
伝えた後で思い出した。俺に朝食を取れるだけの持ち金など、あっただろうか。
焦る気持ちを抑えながら、恐る恐るショルダーバッグを開けた。
そこに入っていたのは。
一丁の拳銃と、数十枚の1万札だった。
(;'A`)「えッ……!?」
俺がジョルジュに貰った拳銃は、ジャケットの内ポケットにしまってある。
バッグに入っていたこの拳銃は、彼がギコを殺したときに使っていたものだ。
そしてこの金は、一体。
255
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:32:59 ID:GCRBwiXg0
いや、考えるまでもない。
ジョルジュがこのバッグにひっそりと入れたに違いないのだ。
思い返してみれば、彼がこのバッグに物を入れるタイミングはあった。
俺にバッグを投げ渡す、その直前だ。
( A )「……なんだよこれ……」
冗談じゃない。
どうして、俺のような見も知らぬ子供に、ここまでする必要があるんだ。
( A )「…………」
その理由は、いくら考えたところで、俺にはわかるはずもなかった。
生き方を模索しなければならない、だって?
彼のやり方を、生き方を見て、俺が倣わないわけがないじゃないか。
( A )「…………ありがとよ……」
あの男に、ジョルジュという男に、救われた命だ。
死んでも生きなくてはならない。
俺は心の何処かで、そんな使命感を覚えていた。
256
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:33:32 ID:GCRBwiXg0
朝食がカウンターに置かれ、それを口に運ぶ。
施設の食事に比べれば悪くない味だ、なんて考えながらテレビを眺めていると、朝のニュース番組が始まった。時刻は9時に回っていた。
いち早く取り上げられたニュースは、俺が暮らしていた施設の事だった。
(;'A`)「…………」
しかし、おかしい。
画面下に大きく表示される見出しには、“施設の児童、大量殺人”と書かれていた。
大量殺人? いや俺は、たった二人しか殺していないはずだ。
あの下卑た笑みを浮かべた施設の先生と、ミセリを買い取った外道。
一体どうして、それが大量殺人だと表記されるのか。
その真相は、すぐに明らかになった。
児童2名が行方不明、ほか22人が死亡。
.
257
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:34:05 ID:GCRBwiXg0
あの施設には、俺やミセリ、先生を含めて、全部で25人いたのだ。
養子縁組が済されたミセリを除いて24人。
行方不明である俺ともう1人を除いた22人が、殺された。
(;'A`)「嘘……だろ…………」
子供たちを殺した犯人は、もう一人の行方不明者に違いないのだ。
キャスターが暗い表情で言葉を続け、やがて子供とはいえ大量殺人の容疑者である俺ともう一人の顔写真が、テレビに大きく映し出された。
_________________
| ______________ |
| | News Gero 9:04 | |
| | ___ ___ | |
| | | | | | | |
| | |. ('A`) | | (’e’) | | |
| | |____| |____| . | |
| | ドクオ セントジョーンズ | |
| | (14) (11) | |
| | 施設の児童、大量殺人 | |
| |_____________| |
| :::::::: O oo oo tony --..--. :::::::: |
|________________|
それは、俺とセントジョーンズの写真であった。
(;'A`)「――――ッ!!」
258
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:35:15 ID:GCRBwiXg0
何故だ。
何故、セントジョーンズが。
子供たちを、皆殺しにしたのだ。
“自由に生きてくれ”なんて言ったのが、間違っていたのか。
(;'A`)「クソッ……クソッ……!!」
食事が喉を通らなくなり、俺はフォークをトレイに置いた。
ふと見上げると、店員の一人が俺の顔をじっと見つめている。
まさか、俺が容疑者だと気づいたのか?
.
259
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:35:49 ID:GCRBwiXg0
脳内に、様々な思考が駆け巡る。
あの時、施設に金を置いていかなければ。
しかし、ミセリだけは助かった。
いや、他の子供たちはどうでもいいというのか。
なぜ俺まで、大量殺人の容疑者扱いなのだ。
周りの目を気にしながらどうやって生きていけばいいのだ。
いずれこうなる事はわかっていたはずなのに、心の奥底から込み上げる悲しみに溺れて、判断が定まらない。
(;'A`)「…………ッ」
っロ゙ ヒョイッ
カウンターの上に万札を置いて、俺は逃げるように店を出た。
俺を呼び止める声も聞こえたが、構わず俺は走り出した。
260
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:36:22 ID:GCRBwiXg0
「ハァ……ハァ……ッ!!」
(;'A)
ノ/-/o
j._/| ダッダッ
;.、ノイ、)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺が、間違っていたんだ。
「ハァ…………うぐ……ッ!!」
、 ,
;.、vr⌒ち(;'A)っ ドサッ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
261
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:37:14 ID:GCRBwiXg0
俺が、子供たちを殺させてしまったのだ。
「……クソッ!!」
(;'A)
/,-|、 スクッ
j._/U
.,」^、〉 .,
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:.|:. |/:.:.:.:/|:.:.:リ xー- 、 {7:.:.リ
八/:.;|:.:/ .|/ } /::⌒ヽ._ \ 》:./
イ从:|:/ / し /_:::::::::::::::::アヽ7 .//
:/:./ハ 弋 L\::::::::`¨ア /イ
:::/::::::::ヽ ミヽ___:/ /
::: ::::::.:.:\ `ー ' /
: ;.:.:.:.:.:> . ー- /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:> . ./
:.:.:.:.:.:::::;:∠ア ー ´
....::::::::::::/ ヾ\
::::::::: :::/ /\\ー- 、
「くそったれ……!!!」
.
262
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:37:48 ID:GCRBwiXg0
走り続けて痛み始めた脇腹を押さえながら、それでも走り続けた。
どこへ向かえばいいのか――――いや、この足は一体どこへ向かっているのか。
俺には、わからなかった。
.
263
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:39:14 ID:GCRBwiXg0
.
264
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:39:48 ID:GCRBwiXg0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
('A`)便利屋ドクオの野暮用です
――少年編――
The End
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
265
:
◆PizzaMan.c
:2016/05/04(水) 04:43:46 ID:GCRBwiXg0
くぅ〜疲れましたw これにて完結です!
実は、紅白作品投下したら続編の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りの大型AAで挑んでみた所存ですw
以下、ドクオのみんなへのメッセジをどぞ
('A`)「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」
('∀`)「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」
(;'A`)「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」
(*'∀`)「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」
川 'A`)「・・・ありがと」ファサ
では、
('A`)、('∀`)、(;'A`)、(*'∀`)、川 'A`)、俺「皆さんありがとうございました!」
終
('A`)、('∀`)、(;'A`)、(*'∀`)、川 'A`)「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」
本当の本当に終わり
AAすみませんでしたもう二度とやるもんか
266
:
名無しさん
:2016/05/04(水) 09:57:56 ID:0UTfhG6g0
おつー
267
:
名無しさん
:2016/05/04(水) 10:18:42 ID:IQTsYDUc0
かっこいいのに所々のAAで笑っちまう
乙
268
:
名無しさん
:2016/05/04(水) 12:05:46 ID:Ck8.95Ag0
歯車を彷彿とさせるドクオだな
おつ
269
:
名無しさん
:2016/05/04(水) 20:24:22 ID:5dagSCsw0
乙!
ダークで救いないかと思ったけどミセリ生きててホッとした
モチベをあげなさい
現在でも( ^ω^)出会い編でもいいからまた続編を書くのです
期待していますよピザの人
270
:
名無しさん
:2016/05/08(日) 21:32:38 ID:E2e.so.c0
乙
施設の子供たちの件は救ったと思っただけに辛いな
271
:
名無しさん
:2016/07/24(日) 15:10:37 ID:sJGqovJ60
モチベは上がらなかったのか...
ブーンとの出会いの話読みたい
272
:
名無しさん
:2019/04/01(月) 17:06:54 ID:HPwFtaB20
面白いスレ見つけたら終わっていた悲しみ
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板