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【もしもの時は】ここだけ世界の境界線【ここで】

1 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2015/11/15(日) 01:18:21 ???
【なりきり新世界へようこそ!】
ここは様々な世界が融合して出来た世界。ここの住人は親しみを込めてこの世界を『新世界』と呼んでいます。
この世界にはオーバーテクノロジーから魔術まで何でも存在します。超能力や宇宙艦隊もあれば大魔王の領地も、
獣人の集落や神の軍勢すら勢揃いの『なんでもあり』の世界。それが新世界なのです。
あなたはこの世界の新たな住人となり、先駆者や新入り、そして異世界の住人達と関わってゆくことになります。

【ゲートについて】
この世界には『ゲート』と呼ばれている様々な世界同士を繋げる空間があります。
時にそれは魔界へ、時にそれは天界へ、時にそれはダンジョンへ、繋がっている先は様々です。
稀にそこから『厄災』なるものが流れ着き、それがこちら側の世界を荒らす事もしばしば…
その度に貴方達『能力者』はその能力を最大限に行使して『厄災』を元の場所へと送り返したり倒したり…
この世界の様々な事がこの『ゲート』を切っ掛けにして起こります。

【来訪者について】
この『新世界』はその性質上、別世界からの『来訪者』がやってくることもあります。
彼らの来る世界は様々な世界。時には人間や獣人。時には悪魔や妖怪。そして時には異星人すら『来訪者』として現れることすらあるのです。
『来訪者』はこの世界に来る過程で新たな『能力』を得る事も、そして自分が持っていた能力を引き続き使うことも出来ます。
しかしあまりにも強大な『能力』は『ゲート』の力によりその効力を失ってしまうこととなるでしょう。
次の『来訪者』はあなたかもしれません……

◇ここは自分だけの『能力』を手に入れ、様々な能力者と戦闘、交流するスレです。
◇オリキャラは勿論、様々ななりきりスレのキャラも参加する事が可能なスレです。
◇まずはしたらばで能力登録。ここに設定を纏めておくことでロールをスムーズに行えます。
◇戦闘、交流、基本は何でもありですが、相手が不快になるロール、確定ロールは避けましょう。
◇チート能力や人外級の身体能力など、相手に勝利の余地を与えない設定は避けましょう。最強設定は御法度です。
◇荒らしはスルー。絶対に関わらないようしましょう。

◎戦闘之スヽメ◎
悪い例:
まそっぷ!
【剣を振りかざし、思いっきり斬りつけた】
↑確定ロールが含まれているのでNG。

良い例:
まそっぷ!
【剣を振りかざし、思いっきり斬りつけようとする】
↑正しくはこう。他人に行動の自由を持たせることが大切。

☆次スレッドは>>980が立てるものとする

★避難所★
ttp://jbbs.shitaraba.net/internet/20393/

★wiki★
ttp://www60.atwiki.jp/_mng/admin_basic.php

★前スレ★
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20393/1397126163/


2 : 不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s :2015/11/23(月) 22:56:35 ???
【昼と夜の混じらぬ世界 昼の領域と夜の領域の境目】
ここは、争いの堪えぬ世界
そんな世界のボーダーラインが平和であるわけではない
ここもつい数時間前は人と魔族が熾烈な争いをしていた
だが、今は静かだった。倒れた死体が無数に置かれているだけであった。

「こりゃあひでぇ…ま、俺にとっちゃこの世界は楽園だがこうも争いばかりだとなぁ…」

そんな戦場跡に足を踏み入れるマフィア風の男
兵にしては遅すぎる到着だが彼にとってはこれこそ狙っていたタイミングであった

「せてと…武器の調達を始めますか」

手にしたアタッシュケースから器具を取り出し、死体を切り開き始める
そう、彼は死霊魔術師―死を司る魔術師なのだ
そんなことを知らぬ第三者への警戒をしながら―しかし生きる者などいないと思いながら不死原朔夜は作業をしていた


3 : 名無しさん :2015/11/23(月) 23:10:17 ev7gtzM.
無数の屍が散らばる殺伐とした野を一人の青年が彷徨う。
黒い髪に赤い目の、長い杖を携えた青年は、格好から察するに魔法使いの類の様である。

「……凄惨な光景じゃな。
 ……この様な地には長居はしたくないのう。」
旅の途中で迷い込んでしまったのだろうか。
悲惨な光景を眺めながら、痛ましい表情で呟く。
……まだ若い見た目に反して、やたらと爺臭い口調である。

(……む……死体漁りの盗人か何かか……?)
そんな折、死体を切り開く人影に気がつき、杖を構えて警戒……。


4 : 不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s :2015/11/23(月) 23:18:33 ???
>>3
「さて…心臓がちょっと数ないな…しゃーない、貰うか……」

死体を丁寧に切り開きながら独り言
その独り言からして盗人は盗人でも金目のもの目当てではなく、臓器目当てとわかってしまうだろう

「あーそこの魔術師の兄ちゃんよぉー俺はただの死霊魔術師なんだ、見逃してくれねぇか?」

作業に集中してると思いきや、不意に朔夜は顔を上げて青年を見て声を掛ける
貌には大きな傷、そしてサングラス…でもって強面
見るからに怪しいと知らない朔夜は同業者と一目で察していた
もっとも…朔夜には魔術師らしいなにかはないが…


5 : 名無しさん :2015/11/23(月) 23:26:00 ev7gtzM.
「……ふむ、お主はネクロマンサーか。なるほど、ここなら商売道具には事欠かないのう。
 死人の冒涜は関心せぬが、性質の悪い夜盗よりかは幾分かマシじゃな。」
その口調からおそらく敵意は無いことを察すると、幾分か警戒を解く。

「安心するが良い、小生はただの通りすがりの旅人じゃ。
 お主を捕まえてどうしようなどという気は毛頭無いよ。」


6 : 不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s :2015/11/23(月) 23:34:33 ???
>>5
「そういうこった、死人の冒涜っても生まれついて持ってた魔術の適性には抗えないからなー」

警戒を解かれたと察すると作業に戻りつつも話し出す
いくら死体に慣れていてもやはり生者との話は得難いものらしい

「捕らえるで思い出した、この世界は越境者が大嫌いらしい
あんたも越境者なら気を付けた方がいいぜ」

と、思い出したかのように忠告
今は魔術師らしくいつの間にか取り出していた心臓から魔術で血を抜いている


7 : 名無しさん :2015/11/23(月) 23:41:04 ev7gtzM.
「その様じゃな。
 まぁ、小生はこの世界にも良く馴染む姿をしておるし、
 自ら打ち明けぬ限りは問題はないじゃろう。」
青年もやはり越境者である様子。
魔法使いらしき見た目はこの世界でも問題なく通用することだろう。

「しかしお主こそ、見た目からしてあからさまに別の世界の者じゃな。
 しかも、どちらかというと魔法なぞには縁の遠そうな雰囲気じゃが……。
 ハジキやらを持ってカチコミやらをしている姿の方がしっくりくるのう。」


8 : 不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s :2015/11/23(月) 23:57:47 ???
>>7
「ははっ、違いねぇ
俺は魔術の照準合わせのためにも銃を使うんだがおかげ様で魔術師とはなかなか看破されねぇな」

もっとも、銃から出てくるのは呪いがかかった指や歯なんだがなと付け加える
現代風世界との親和率は異常だが職質の回数ももう両手では数えられないらしい
不本意ながら

「だがま、ちょっくら意外性があった方が戦いでは有利だからなぁ
ま、マフィアと勘違いされての職質は勘弁だがな…よし完成だ」

血の抜けた心臓に爪や歯を詰めて穴を縫ったら朔夜が作っていたものは完成したらしい
心臓に爪や歯が入った心臓手榴弾…ということらしい


9 : 名無しさん :2015/11/24(火) 00:18:46 ev7gtzM.
「指や歯を撃つとは、なんとも奇怪でおぞましいのう。
 それに、それは心臓で作った手投げ弾とな?
 見たことも聞いたことも無い死霊術じゃ、どこの世界の術式なのやら…小生も興味があるな。」
と、少し目を輝かせる青年。
魔法使いとして、見たことの無い魔法には純粋に興味はある様子。

「……おっとすまぬ、邪魔をしてしまったな。
 小生はそろそろ行かねばならぬ。
 また縁があれば、どこぞで会おうぞ。」
そう言い残してふらりと何処かへ、また旅立って行った。


//申し訳ないです、今日はこの辺りで切り上げます ありがとうございました!


10 : 不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s :2015/11/24(火) 00:27:46 ???
>>9
「ま、そんなところだな。生命に向かって中の爪や歯が飛んでく優れもんだ
俺の術は基本的にオリジナルだな、銃取り入れたみたいにアレンジ加えすぎて別物になっちまった」

今でこそ原型がなくなっているがこれらはれっきとした死霊術の応用だ
応用して己に使いやすく、広く使いやすくすることに関しては朔夜は非凡な才があるのかもしれない

「ああ、じゃあまたな
俺はこんな死が近いところにいるからまた会えるといいな!」

フラりと旅立つ青年を見送れば作業に戻る
心臓はかさ張るが、爪や歯、それに舌等は採集しておこうか、なんて思って

//了解です、ではお疲れ様でしたー


11 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2015/12/01(火) 23:06:19 ???
【とある世界】
「鍋パーティしようぜ!! 闇じゃない方な!!」

この呼びかけに集まった一行は 摩訶不思議食材に怯えることのない平和なパーティを開催することとなったのだ

「しかし今年も終わりかぁ 今年も波瀾万丈だったなぁ」
―――ギィ♪

豚バラ肉を投入しながら今年一年を振り返る なおベティはスライスしてないかまぼこの塊に舌鼓を打っている


12 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2015/12/01(火) 23:33:58 ???
>>11
「なんだか…あっという間だったね、この一年…」
「色々ありすぎて一生忘れられない一年になるかも…」

地獄の鍋パーティから数日後、改めてアキレスのセーフハウスへと招かれたミスカ。
仕切りなおし兼お口直しとして今度は美味しいエリュシオンの幸をたっぷりとバスケットに詰めてやってきた。
なお今度も例のカタツムリがバスケットから触角を覗かせている。

「…ジョナ、いい加減出てきなよ。もう煮込まないから…」

紺のローブを脱いで椅子に掛け、山菜とキノコ類をたっぷり投入。
ジョナはソーマタージに咀嚼された事がトラウマになりローブのポケットの中に引きこもっている。


13 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2015/12/01(火) 23:43:26 ???
>>12
「そうだねー 今年もエシュリオンで魔王相手に大立ち回りしたし
 越境装置の暴走やらで馬鹿みたいに高い塔に登ったりもしたし
 ゾンビ共の蔓延る世界で一般人守ったり・・・波瀾万丈だ」

キノコの出汁と豚の出汁が絡み合い 味の変化を楽しむ いい相性である両者をもっぎゅもっぎゅと噛みしめる
せっかくなのでここに市販の鳥団子も投入

―――ギィ!!ギィ!!
ベティもクレクレ催促なのでそちらにもどうぞ

「・・・えっ 何ミスカったらジョナを・・・?」
これにはアキレスもドン引きである まさか相棒を入れるなんて

―――ギィ!!
そしてベティはジョナの元に鳥団子持参ではせ参じ 一緒に食べようと誘う


14 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2015/12/02(水) 00:01:08 ???
>>13
「ちっ、違うよ!前にここでこけた時にジョナが鍋の中に落っこちて…ソーマさんに食べられちゃって…」
「そういえば今日はジョシュアさんも誘ったんだけど、こんなメールが帰ってきてから音信不通で…」

ドン引きするアキレスに慌てて弁解するミスカ。ジョナはベティの呼びかけに応じ、ようやくのそのそと這い上がってきた。
具を掬って碗に、少し冷ましてから口を付けた。美味しい。出汁を少し飲めば身体の芯から温まる。
そういえば、と端末を取り出してアキレスに向けるミスカ。どうやらジョシュアは問題児の躾に手間取っているようで今日は来ることが出来ないらしい
『悪りぃが今日は行けそうにない。暇ができたら追って連絡すぇそhgjんm』と途中で途切れたメール、ひどくぶれたセルフィーが臨場感抜群である

「ふふ、せっかく二人きりなんだから、昔の話でもしてみない?」
「…エリュシオンでもアキレスが大活躍したって聞いたよ?」

朗らかに微笑み、昔を懐かしむミスカ。思えば内気だった昔から随分と変わったものだ。
サイコロ状にカットされ、瓶詰めにされはちみつ漬けの巨大カタツムリを軽く水で洗って投入。
ロイ達が事前知識なしに食べたものとは違い、ミスカによって灰汁抜きと下ごしらえが済まされている。
ナタデココのような弾力のある肉は鍋の出汁を吸い、噛むとうまみが溢れ出る。それ単体での味は焼いた青バナナのような感じだ
ミスカが箸を進めるその傍ら、ジョナはベティの甲羅の上で何とも言えぬ神妙な面持ちで鋏の間の鶏団子を見つめていた


15 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2015/12/02(水) 00:15:01 ???
>>14
「ホントゥに〜?」
ニヤソと意地の悪い笑みを一つ

「なにジョッシュが? ・・・あぁきっと親戚の子でも押し付けられてんだろ」

いつぞやの子供を思い浮かべ 肩を竦める
さて ミスカの入れた何かを掬い取り しげしげと見やったあとに口へ放り込む

「モグモグ・・・変わった食感だね ・・・イケルやん ベティも食べてみ」
気に入ったようで ベティにも一つ進呈

―――ギィ♪
ベティも気に入ったってさ よかったね

「え? いいいイイイイイイやアハハハハハハハ・・・俺なんてそんなアハハハハハハハ・・・グビグビ」
活躍したと言われて悪い気はしないが やはり気恥ずかしいのか照れ笑いを一つ そして顔が赤くなるのをごまかすように缶ビールを飲み干す

「いやまぁそんな俺なんてなぁアハハハハハハハ・・・みんながいなかったったらただの味噌っかすだしアハハハハハハハ・・・」
―――ギィ?

そんなアキレスを他所に ベティは食べないのか?と言わんばかりに疑問符を浮かべる


16 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2015/12/02(水) 00:40:52 ???
>>15
「…でもジョシュアさん言ってたよ?私が倒れた時に一番怒ってくれたのがアキレスだったって…」
「……まぁ結局私を置いてどこかに行っちゃったんだけど…?」

照れるアキレスを見ればミスカは途端に悪い微笑みを浮かべてさらに攻勢に出る。

「私、昔からアキレスに憧れてて…ずーっとアキレスの背中を追ってたの。内気な自分を変えたくて」
「あの世界で蟲に追いつめられた時も、きっとアキレスはみんなに必要だって思ってたから私…死に物狂いで頑張ったんだから…」

思い出すのは3年前の憧憬、大サソリを洗うアキレスの背中をじっと見つめていた。
自分もいつかあんな風に明るく、快活な人間になりたいと。当時のミスカにとってアキレスは対極のような存在であったからだ。

そういえば荒廃世界でのクライマックス、あの時は誰が自分を連れ帰ってくれたのだろうか。と内心疑問がる。
どうも記憶が定かでなく、ゲートに向かう気力も残さず使い切って倒れてしまったことしか覚えていない。

「うーん…でもおかしいなぁ…?私の憧れてたアキレスはこんなのじゃなかったけど…?」

べた褒めされてだらしなく照れるアキレスを見つめ、ミスカは目を細めて得意げに笑う。
少なくとも昔憧れていたアキレスはもっと男らしかった。と、わざとらしくつぶやきながら。
肉団子を完食しつつあるベティの上で完全に真顔になっているジョナにニンジンを与えながら、グラスに口をつける。

…グラスの中身はもちろんアルコールだ。急に意地悪く、赤裸々になった理由はこれで大体想像がつくはずである…


17 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2015/12/02(水) 00:52:13 ???
>>16
「あ・・・れはホラ 速攻で魔王ぶん殴ってミスカを安心させようっておもったり思わなかったりそのなんだホラアハハハハハハハ・・・」
黒い笑みに耐えられず 視線を逸らして乾いた笑いを浮かべるのみ

「ままままままままぁ俺はホライムカタンやらシュバルトみたいに最前線で戦えるほど強くなかったし 
 だったらせめて陰鬱にならないように頑張った結果がアレっていうかそのホラ」

よほど慌てているのか すごい早口でまくしたてるような言い訳
そして場に耐えられなかった様子で

「し・・・〆はうどんがいいかな? ちょっと煮込んでくる!!」
鍋を掴んでキッチンへと逃亡を図るアキレス

―――ギィ?
そんなアキレスへと疑問符を浮かべるベティでしたとさ

//〆で


18 : アグラーヤ >>336 :2015/12/15(火) 23:12:11 ???
本スレ>>781
殺した。殺してしまった。
感じた手応えは十分過ぎるほどに明確なもの。これ迄に幾度なく、そしてかつてこの場所でも経験したヒトの肉体を消し飛ばす感覚。
ふたりが交錯した瞬間、アグラーヤの異形の黒腕は消失した。振り返りジョシュアの状態を確認することなくだ。
決して自身の力の強さに自惚れている訳ではない。だがそれでも、暴力的なまでの威力を誇る黒雷をその身に受けて反撃される心配などあろう筈もない。
やがて息を整え漸く振り返れば、床に夥しい血の道を作って横たわるジョシュアの痛々しい姿が目に入った。

「……無様ねぇ、本当。貴方……そして私も。
復讐に全てを捧げて生きてきたっていうのに、結局仇である私に敵わず殺されちゃうんだもの。
そして……それを知りながら、“彼”に託されたモノを伝えることすら出来ないまま、力に頼る術しか知らず貴方を手に掛けた私。
……あっは、これじゃ喜劇じゃなぁい? 悲劇にもなれない三文芝居。
舞台役者は皆下りて、壇上残るは道化がひとり……無様通り越して惨めよほんとぉ」

こつこつと、義足故の異音を混ぜた足音を立てながらジョシュアの元へと歩み寄っていく。
途切れそうな呼吸音はもはやヒトのそれではなく、しかし彼がまだ生きている事を確かに伝えていた。
やがてアグラーヤはジョシュアの傍まで近付けば、その場に腰を下ろしうつ伏せになって動かない彼の頭に手を伸ばすだろう。
何故そうしたのかアグラーヤ自身言葉では説明できないだろうが、せめて逝く瞬間くらいは安らかであってほしい。この場所で逝くのならば尚更に、なんて柄にも無い事を考えたのかもしれない。

「……私が言えたコトじゃないけどぉ……。もう休みなさい、ジョシュア。
もうそろそろ、“ここ”から解放されてもいいんじゃない? 誰も貴方を責めはしないわぁ。
……責められるべきは、私なんだから……ね」

今この瞬間、アグラーヤの中でジョシュアは死を待つひとりのニンゲン。それ以上でもそれ以下でもない。
アグラーヤは知らないのだ、既に彼がニンゲンをやめていることを。彼の身体を構成するモノがなんたるかなど。
故にアグラーヤもこの瞬間はただの少女であった。四肢の欠損した脆弱で華奢なひとりのダークエルフ。
無機質な風に踊らされる彼のマフラーがちらちらと視界の端を掠め、その靡く布切れに大切なヒトを思った。


19 : ジョシュア・アーリントン :2015/12/15(火) 23:54:40 ???
>>18
「…………」

アグラーヤの卑下したような慰めの言葉も、近づく足音もジョシュアにはもう届かない。
彼女の一撃により脳の半分は吹き飛ばされ、剥き出しのコンクリートに擦り下ろされ、挽き潰されてその殆どが失われていた。
しかしふわり、ジョシュアの濡れた髪に触れた微かなぬくもり、それを確かにジョシュアは感じていた。
もしも意識というものがまだ存在していたのならば、ジョシュアはきっとこう思ったはずだ。
「ようやく終わるのか」、と。

「…………」

しかしジョシュアの望みは、またしても叶う事はなかった。再びまたあのクソのような輪廻の中へと引き戻されてゆく。
本当の自分ではなく、みんなの知る”ジョシュア”としてのキャラクターを演じ続けている限り、”ジョシュア”はアグラーヤの背中を追い続けなくてはならない。

アグラーヤに触れられた瞬間、大きく開いていたジョシュアの左眼の瞳孔が萎縮し、ぎろりとアグラーヤを睨みつける。

ごぼ、ごぼごぼ。先ほどから異様な音を立て続けていた傷口、血液が赤く光を放ち大きく泡立ち、煮え立つ。
ジョシュアの顔面も同じだ。ごぼごぼとナノマシンがジョシュアの蓄えていたエネルギーを糧に増殖を続け、上あごから上はまるで奇形の木苺のように変貌を遂げていた。

「………ィ…ァ…」

開き放しの口。唇はなく、剥き出しの歯と、でろりとはみ出た舌。乱雑に形成されたそれから絞り出すような”雑音”が聞こえる。
それはジョシュアが意思を持って発した声ではなく、脳の殆どを失った状態で意味もなく発せられているただの音だ。

「…ウ……ァ、ガ…ゴイ……ェ」
「ギゥ…ェ、ア…カ……ァ」

ぎぎ、ぎ、不自然な、ぎこちない挙動でジョシュアが起き上がる。まるで壊れかけのマリオネットのようなちぐはぐな動きで。
開け放たれた口腔から奇怪なノイズを発しながら数歩後ずされば先ほどのアグラーヤのように勢いよく右肩から黒腕を生やした。
およそ人間のモノとは思えない、殺傷に特化した歪な形。皮膚を突き破り、四肢を引き千切り、内臓を掻き出すためにあるかのような形状は古代エジプトのエンバーミング・ツールを彷彿とさせる。
しかもただの一本ではなく、一度に二本。右肩から飛沫を飛び散らせて生えたのだ。このジョシュアという存在はなんと悍ましく、醜い生物なのだろうか。

かつて引き起こした暴走状態よりも凶悪な形態。まるでグリード、すなわちベルゼブブがジョシュアの身体を借りて無理矢理動かしているかのような。

ベルゼブブと”調和”した後のジョシュアは人間ではなく、細胞にも似た多数のナノマシンで構成されたナノマシン構造体といった方が正しい。
そして宿主の脳が、意識が取り除かれた今、ナノマシンの統制と制御の管理権限はジョシュアからベルゼブブへと移る――

「………――!!」

アグラーヤのことも”仇”ではなく”肉”としか見る事のできないようなその生物は全身を黒く変色させ、足を引きずりながらアグラーヤへと近づく。
そしてそのまま右腕から生やした硬質な触手を延ばし、アグラーヤの腹部目がけて二本ともを突き出した!


20 : アグラーヤ >>336 :2015/12/16(水) 00:50:09 ???
>>19
「……なぁに、コレ? 一体何が……?」

結論から言えばジョシュアは死んでなどいなかった。彼の意識がどうなっているのかは知りようが無いが、それでも肉体は間違いなく活動を続けている。
泡立ち、そして赤く光を帯び始めた血液に異様を覚え、アグラーヤはジョシュアの頭を撫ぜていた手を引っ込める。
しかし有り得るのか、こんなことが。脳組織の過半を失ったニンゲンが未だ生きているなどと。
アグラーヤの表情はまさに驚愕が張り付いている。座したままにその光景に呆然としていれば、やがて立ち上がったジョシュアを見上げる形となった。

「……っ! も、もうやめなさいよぉ……! 勝負はついた、何度やったって変わらないわぁ!
それに貴方がそこまで……そこまで苦しむ事は……!!」

必死に諭す。しかし届かない。仇であるアグラーヤの言葉にジョシュアが言い返し、かつてのような口論になることも無い。
彼から発せられるのはノイズのようで、それでいて生々しい異音。もう既に彼から復讐心というニンゲンらしい感情は感じ取れなくなっていた。
目の前の存在はジョシュアであってジョシュアでは無い。確証は無い。しかしアグラーヤはその異常性に確信を持ったのだ。
やがて飛び出るように傷口から生えた黒腕にアグラーヤも咄嗟に立ち上がった。その形状、秘めたる凶暴性と暴力性を隠すことなく形取ったソレに戦慄したのである。

「誰よ……貴方……? どうなってるのぉ、そのカラダ……。
もう私の声なんて届いてないどころか認識すら危ういわねぇ……!
でも、向かって来るのなら容赦は………え?」

おかしい、自分は確かに立ち上がった筈だ。それなのに何故? 何故床に膝をついている? 気付かぬ疲労にバランスを崩した? そんな馬鹿な、そんな間抜けではない。
やがて気付くのは腹部にある違和感。そこからじんわりと広がる熱。そして急激に訪れた激痛。
口から込み上げたものを手で受け止めてみれば、アグラーヤの掌という真っ白いキャンパスは一面赤に塗り潰された。
口内を満たす鉄の味、遅れて視線を腹部に送ればそこには固く鋭利なものが2本生えていた。ジョシュアの繰り出した触手による攻撃。
理解した時には既に遅い。初動が遅すぎたのだ。ここは戦場であった筈なのに、その中で既に意識は別のモノへと向いていた。
せめてジョシュアが立ち上がった時点で警戒をしていれば。なんて詮無きことを考えながら、奇しくもジョシュアの前に跪く事になった事を自嘲し彼を見上げた。


21 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2015/12/16(水) 00:55:53 ???
彼女は、ニア・シューペリオリティは越境の乱流光に包まれたままその行き先を嗅覚で察していた
荒廃と抗争、それと希望の胎動の混ざり合う混沌の世界
生まれ故郷たる自由の世界だ、彼女はそこで産み落とされ今を生きている

とふん、踏み締める絨毯の感覚
またここに来た、最愛の父の墓標に降り立った
それを感じれば続き純白から徐々に彩を取り戻す視界
硝子の破れた窓から吹き込む風が冷たい、頬を殴るようなそれが孕むのは死の面影
その音を聞いた、その姿を目撃した、その闘争という名の世界の真理の間に土足で踏み入る事を成した
ニアは一度目蓋を下ろし、吐息をついてからそして決断的に開いた

「……何を、しているってんですっ……!」

月光の柄を握り、そして引き抜く
眼前にはアグラーヤ、それと彼女と対峙するは怪物
だがそれが誰なのかをニアは瞬時に察する事が可能であった
タイドメイカーを1本展開、下ろして尻尾の様にしならせればそれは仄かに青白い燐光を帯びる

「……ジョシュアぁっ!! アグラーヤぁっ!!」

彼達の死闘は宿命である、かつての父がそうであったように
否、だけれども否だ、運命の神の決定に基づいて全ての事を運ばなければならない理由など何処にだって存在しない
何故ならばひとは選び取る事が出来るのだ、自らの手でその進むべき旅路を
その点で言えばニアの選んだそれは荊である
しかし彼女はそれを切り払い突き進むのだ、神が立ちはだかるというのならば薙ぎ払ってでも退ければいい

今だって、そう
ふたりの合間に荒れる運命風、その嵐に吹き飛ばされそうになりながらも
新たな一陣となりて、かつて流されるだけの木の葉であったニアは馳せ参じる事が出来た
決断をこころに宿し、この場所でふたりの名を叫ぶ事が出来た

空色のスカーフがはたはたり、藍色の風に揺られて棚引く


22 : ジョシュア・アーリントン :2015/12/16(水) 01:28:31 ???
>>20
ずぶりとアグラーヤの腹部に深々と突き刺さった触手。ジョシュアはそのうちの一本をゆっくりと引き抜いた。
先ほどまで黒い肉の塊であったそれは血でてらてらとコーティングされ、月光の下で光り輝いている。

残ったもう一本の触手はアグラーヤの腹に突き刺さったまま、そのまま化物じみた怪力でジョシュアはアグラーヤをゆっくりと持ち上げる。
どくん、どくん、腹の中で触手が脈打っているのが分かるだろう。アグラーヤを消化し吸収してしまおうというのだ。

紅く光を放つ、鋭く尖った触手が向けられたのはアグラーヤの薔薇のアイパッチ。目を穿って脳を掻き回し、確実に止めを刺そうとでもいうのか。
極めて残虐な処刑がたった今、これより執り行われようとしている。もがき、何としてもこの状況を打開する策を講じなければ、このまま確実に死ぬことになる。

「………」

徐々に人間としてのカタチを取り戻しながらも、脳の修復は難航しているようだ。
膨れた膿胞のような頭部は徐々に委縮してジョシュアの元の顔に近づきつつあるが、その表情はただただ虚ろで、眼の焦点は合っていない。
そして左右の顔の端から黒い染みがまるで蝿の複眼のように、ジョシュアの肌を黒く染めていた。ベルゼブブの操り人形。これが今のジョシュアに相応しい名であった。

「…ァグ」

ジョシュアの意思か、単なる呻き声か。虚ろな目のまま、どこか悲しげにも見える表情を浮かべたジョシュアの口元が微かに動く。
ゆっくりと触手が動きだし、アグラーヤのアイパッチのスキマへと潜り込もうとしたその時である。がくん、とジョシュアの体が揺れた。

『―――そこまでだ』

聞き覚えのある声。ジョシュアはがくんと地面に膝を突き、前のめりになって倒れる。
倒れたジョシュアの胴体、腹部には巨大な、直径30cm程の穴がぽっかりと空いていて

このビルと同じだ。まるで空間ごと削り取られたようにジョシュアの腹部は消滅し、どくどくと血を流している。
ジョシュアが倒れたのと同時にジョシュアが先ほどまで立っていた場所に立つボロボロのストライプスーツ姿の男が見えた。そう、エルミスだ。

『……遅かったか…』

『ぐ…っ……アグ…ラーヤ……!!』

ジョシュアに向けていた左手を降ろすエルミス。それと同時にエルミスの脇から現れたのは、殺されたはずのラヴレス。
顔を真っ赤に腫らし、側頭部を血に濡らして足を引きずりながらアグラーヤの元へと駆ける。ジョシュアに切り取られたせいか、髪の毛は悲惨な状態になってしまったが。

アグラーヤの傍に駆け寄ると倒れ込み覆いかぶさるように彼女に寄り添い、触手を引き抜かれた方の傷口を両手で押さえる。
慟哭のような泣き声こそ上げず、凛とした表情も崩さなかったが、固く結んだ口を開くことはせず、ただぽろぽろとアグラーヤの顔を見つめながら涙を零している。
それを見かねたようにエルミスがジョシュアを軽く蹴り、吐き捨てるように呟いた。

『奴はエネルギー切れ(ハンガーノック)だ…もう再生は…できないだろう』


23 : アグラーヤ >>336 :2015/12/16(水) 02:38:20 ???
>>21-22
「……っ! マウト……ヘッド……? 貴女かどうして、ここに……?
げほっ……! く、来るんじゃないわぁ! もうコレは……貴女の知ってるジョシュアじゃない……!!」

突如鼓膜を揺らしたのはここにいる筈のない、いていい筈のない者の声。
運命を拗らせた者同士の血みどろの決戦。そんな場所にあってはならぬニアの声はしかしひどく懐かしく聞こえた。
アグラーヤは頭だけを声の主に向ければ、鮮血の溢れる口元を動かし掠れた声でニアを制止する。
奇しくもあの日あの時この場所で顔を合わせた3人は、立場を変え時代も超え、再び同じ場所で巡り会う。

かたん。

終わりであり始まりの場所。3人の全てを変えた世界の中心。
歯車の音が鳴る。あの日止まった歯車が再び動き出す。存在はしても動くことのなかった歯車が新たに動き出す。時間を掛けて、噛み合った歯車がついに動き出す。
一度は迎えたグランギニョールのフィナーレは、運命のカーテンコールによって今一度幕を上げた。
筋書きは無い、しかし必然の邂逅。演者は既に壇上に顔を揃えたのだ。各々が抱く未来を掴み取るため、その力で以って描いてみせよう。

「ぐ……、がはっ、ごほ……。ぁ……ああ……ぅ……こ……のぉ……」

一方ジョシュアは未だヒトに非ず。突き刺した触手の一本を引き抜くも、残る一方でアグラーヤの肢体を軽々と宙へ持ち上げてみせる。
アグラーヤは既に力無く、まるで糸に吊るされたマリオネットの様に宙吊りだ。
ぽたほたと足を伝って落ちる血が床をどんどん赤く染め、濡らしてゆく。
寒い。体温が下がっている気がするのは錯覚ではないだろう。死への直面においてもアグラーヤの瞳は生きる意志を宿していた。
しかしそれを嘲笑うかのように引き抜かれた触手はアグラーヤの頭部、アイパッチにより隠された左眼に伸びる。
びくん。それを察したアグラーヤの身体は大きく跳ね、もがき抗う。
生きたい、抵抗する理由はそれだけではない。アグラーヤの左眼は決して露わになってはいけない、そのアイパッチは決して外されてはならぬもの。
腹部を貫く触手に手を掛ければ、弱々しくもしっかりと握りしめ電流を流し感電を狙う、が。
断続的に加えられる腹部への抉るような痛みのせいか、能力がうまく発現できない。そして一気に焦る気持ちはより行動を妨げてゆく。
全てを諦めかけたその瞬間、マリオネットの糸が切れた。アグラーヤはそのまま床へと落ち、そしてすぐさまジョシュアを確認すれば彼もまた床へと突っ伏していた。腹部に新たな傷を抱いて。

「どうして、ごほ……貴方たちまで……? あ、あっは……何なのよぉ……一体……。
もう、でも……やっぱり生きてるじゃない……」

予想外のふたりの登場に驚くも、覆い被さるラヴレスの頭に手を置けば安堵の表情を浮かべてみせる。
だがすぐにラヴレスの肩へと手をやりその体をぐいと退かせば、ゆっくりふらふらと、しかししっかりと足に力を込めて立ち上がる。
その視線の先は誰でもない。倒れ伏し傷口から夥しい血を垂れ流すジョシュアその人であった。

「貴方たちが何をしに来たのかは知らないけど……これだけは口を挟まないで頂戴……。
コレに決着を着けられるのは、私たちだけ。いいえ……私たちがやらなければいけないことなんだから……!
ジョシュア……立ちなさいよ……! マウトヘッドも来てる……聞こえないなんて、言わせないんだから……!」

真にあの日に決着をつけられるのは当事者である3人だけだ。幕の上がった舞台に途中から上がる事は出来はしない。
行動には結果が付きまとうものだ。例えその意図がどうであったとしても、自身の行動によって生まれた結果には責任を持たなければならない。
そしてその責任を果たせるのは誰でもない自分だけ。運命のいたずら、世界の流れがここへ足を運ばせたのだとしても、決着はヒトの手によって、運命はヒトの意志によって切り開かなければならないのだから。


24 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2015/12/16(水) 03:05:00 ???
>>22-23
「いいえっ、征きますっ。 それでっ……!」

アグラーヤの制止を振り払い、行うは威風たる歩み
かつて父がそうしたように、だが果たすべき使命はまるで異なる決意に満ちて

「……お前達のっ、生きるのを辞めるのを止めるってんですっ!」

彼女が斬り払うのは黒雷ではなく死の宿命だ
幾多の世界を旅し、仲間達と出逢い、生きて来た中で
その総てを想うだけでこころに熱が宿る、たましいを震わせる事が出来る
それらの事柄をニアは好意的に感じていたし、冬の夜の母の手の様に温かく優しい記憶と化したパズルのピースの全てを愛する事が出来た
いつか夢に見た、クレヨンに画用紙いっぱいに描いた優しい世界
それは確かに存在していた、理想郷は常に彼女自身と共にあったのだ

「……だからっ……死ぬなぁっジョシュアぁっ!!!」

右手に携える月の光で伏せる彼を指し示す
振り翳した刃の先端が、神鉄で造られた剣が雲間から射し込む天光に輝く
青白い燐光のタイドメイカーを、それに巻き付かせるようにしてそしてジョシュアへと伸ばした
その触腕は、潮流を創るモノの先端が彼に触れる
溶け込ませるようにナノマシンを、ニアの体内にて特異変質を起こした『マウトフトゥーロ』を、貪婪たる蝿達の狂乱の中に与えんが為だ
それはそう、まるで、嵐の前に咲き誇る可憐なる華の一雫
だけれどもニアはそれを無力とは思わなかったし、信じると言う事の偉大さを越境の旅の中で確証めいて知る事が出来ていた

「再生が出来ないってんならっ……!!」

それだけではない
確固たる意思を持ちて歩み寄り、タイドメイカーを展開し彼のエネルギー源として差し出すだろう
彼女の極めて利己的な、我儘な存在は
失う事を何よりも怖れているのだ、希望へと歩み寄る為に


25 : ジョシュア・アーリントン :2015/12/16(水) 22:12:31 ???
>>23 >>24
アグラーヤとニアの呼び掛けにもジョシュアは一向に応じようとしない。それもそうだろう。胴体にバスケットボール大の大穴を開けられては並の生物ならば一撃で絶命してしまう。
エルミスの”物体に穴を開ける”能力はいわば防御無視の攻撃にも転じることが出来るのだ。彼はそのままジョシュアに近寄るニアの首をがしりと掴んでジョシュアから遠ざけようとする。
しかしエルミスが静止した時には既にジョシュアの傷口に青白く輝くナノマシンの雫が落とされていた。ジョシュアの体はびくんと跳ね、かっと目を見開いた。

「………ッ…!?」
「う゛っ……がぁあァっ!!!いってェ…ぇ…!!!」

ジョシュアの身体が示しているのは強烈な拒絶反応。体内への”異物”の侵入をベルゼブブが、ジョシュアの細胞たちが拒んでいる。
ナノマシンの侵入、そして浸透は凄まじい痛みとなってジョシュアへとフィードバックされ、ジョシュアの意識はそのあまりの痛みのために覚醒する。
脳に当たる部分が消滅してもなおベルゼブブが統率的行動を取れたのも同じだ。内臓に当たる部分がなかろうと、ほかの細胞がそれを代替できる。
そして奇しくもそれを可能にするエネルギーをニアのナノマシンが与えてしまった。ベルゼブブは”この身体に仇為す異物”たるマウトフトゥーロを敵とみなし喰らい尽くしたのだ。

「畜生ォ…テメェ…なの、マシンっ…」
「ハァッ…はぁーっ…ゲホ…!…に、アぁ…?なんだってお前…!」

似たような事例は過去にあった。ベルゼブブを孕んだ状態での、軍用ナノマシン『ソルダート・フトゥーロ3』の適応実験。
それを想起させる激しい痛みにジョシュアはぼやけた視界でナノマシンの主を射殺すほどに睨みつけた。しかしそのシルエットは、ダグラスが遺したニアその人ではないか。

「はぁ…ハァ…ニア…お前はどうしてこんな所で来ちまうんだろうな…フゥ…俺はずっとお前を避けてたっつーのに…」
「俺は…なァ…知っちまったんだ………ハァ…真実って…ヤツをな…”あの日”の…」

重い体を身体を持ち上げて、ジョシュアはニアを睨みつけた。そうして腕から力を抜くと、どしゃりと崩れて落ちる。
右腕の触手は分解され、元通りの腕が形成される。腹の傷は中々塞がらず、しかし出血は緩やかなものとなっていた。
天を仰いだまま静かに語り始めるジョシュア。唐突な独白はジョシュアが今まで秘めていた、語られざる彼の物語を紡ぐ。

「HEXAをヤったのは…アグラーヤじゃねェ…アグラーヤは確かに…隊長を殺した…」
「だが極東支部の奴らをブチ殺したのは…ボストン本部の…『オメガ・インフェリオリティ』…ダグラスの…妻のクローンだ…」

「アグラーヤはブッ倒れて、それをエルミスが助けた…ラヴレスはカブラギに殺された…!そして…隊長は…ニアを逃がす為に自ら命を絶った…!」
「これが真実だ」

ジョシュアの話を聞きながらアグラーヤを支えるラヴレスと、スーツのポケットに手を突っ込んだままジョシュアを睥睨するエルミス。
それぞれ何かしら言いたいことがあったようだが、今は沈黙を保つことにしたらしい。ジョシュアは独白を続ける。


26 : ジョシュア・アーリントン :2015/12/16(水) 22:13:50 ???
「俺は…20年間ずっと虚像を追ってたんだ。ハハ、勘違いってヤツだ…アグラーヤはそれを否定せず、ニアもそれに触れなかった…だから…俺は虚像が本物だと信じてた…」
「遺された人生の全てを…力を得る事に費やした。最初の一年はとにかく本を読みまくった…異世界に順応するためだ。ワールシュタットの書類を借りては、気に入ってた公園で読みまくってた…」

「次の一年だ。ソルダート・フトゥーロを取り込んで寿命と引き換えに大きな力を手に入れた…そのまた次は取り憑かれる形で…ベルゼブブを手に入れた」
「俺は色んなモンと引き換えに復讐を遂げるためのステップを…確実に踏んでった…人間から離れるにつれて物の考え方も、性格も変わった。最後には人間であることも辞めて…バケモンになった」

「次の一年…俺はタェンティースを許し掛けちまってることに気が付いた。そりゃそうだ。ラヴレスを殺したトコを見た訳じゃなかったからな」
「だが…それから少しして、アグラーヤに対する憎しみが薄れかけてる事に気が付いたんだ…そう、お前に肩を貸した時だよ、アグラーヤ…」
「復讐の為だけに生きていた俺が…復讐の事を忘れようとしていた…俺の生きる理由全てを…だが…それでも忘れる事なんてできなかった…銃のグリップを握るたびにあの感触が帰って来る…」

「グリードを浄化して、すぐに死ぬ危険が無くなったあと、俺には考えるための時間ができた。バケモンと一体になっちまって、寿命は人間とは比べものにならない。時間は…幾らだってある」
「俺はIASCに出頭し…独房ん中で気が済むまで考えた。俺が何をすべきなのかを…他の事は…すべて忘れて…その時だけは答えを見つけるために生きていた…」
「結局20年経っても答えは見つからなかった…そうしてるうちにカノッサからの圧力で…IASCは俺を手放した。その頃には…アレックスも引退して…俺のコトを知ってる人間はIASCには一人も居なかった」
「だから寂しくはなかった。俺はIASCに別れを告げて…HEXAに従えたんだ。何故ならHEXAのボスに、彼女に…自分はダグラスの妻だと聞かされたからだ」

「………今日の事だ。俺は真実を知った。「ニアを殺すか渡すかどちらか選べ、さもないと殺す」と。ダグラスはオメガから圧力を掛け続けられていた…まさか…あのヘリの中での通信の相手が…今のボスだったなんて…」
「俺は…ダグラスを殺した相手に尻尾振って遣えてたってワケだ…まさしく喜劇だ。バカみてェな…はは」

「ダグラスはアグラーヤを利用して…自分が殺されたように見せかけたんだ。んで俺とニアを含む全員を…助けようとした」
「ダグラスが死ねば本部は抵抗される心配もなくなるし、ニアを回収しにノコノコやって来るだろう…その時には三文芝居を打たせて、脱走したように見せかければいい」
「兵士をアグラーヤにぶつけさせなかったのは無駄な犠牲を出さないため。俺みたいに自分から手を出して…反撃を喰らって”死ぬ”ような馬鹿野郎を除いてな」

「だがそいつは失敗に終わる。オメガはダグラスが死んだと聞くや否や…太平洋上の艦隊からこのホテル目掛けてミサイルを撃ち込みやがったんだ…迎撃される心配が無くなって、極東支部ごとニアを消し去ろうとしたらしい」
「リベルタスは能力者達の街。政府がないから国際問題には発展しないし、MD防空網だってない。…結果『帝東ホテル』にいたメンバーは…エルミスを除いて全員死んだ」

「俺は今日…この話をボスから…オメガから直接聞いた」
「どうすればいいかわからなくなって…ボスに銃を向けようとした…だが…結局できなかったんだ…俺はすっかり腑抜けになっちまってた…」
「いや、俺は…俺は元から腑抜けだ。ウソの塊だったんだ…!本当は臆病で、頭だって良くない。下っ端の…ただのコックの上等兵だった。ニアのことも呼び捨てにできないようなへなちょこ野郎だった…!」

「その上…生きる理由だって嘘っぱちだった…」


27 : ジョシュア・アーリントン :2015/12/16(水) 22:14:28 ???
「俺は…アグラーヤに甘えてた…あいつを殺せば俺の心は晴れるんじゃないか…あいつなら俺を楽にしてくれるんじゃないかと…」
「リベルタスに行くと…ラヴレスとエルミスがいた。何をするつもりだ、ってな。俺は真実を知った上でアグラーヤを殺すと言った」
「エルミスはすぐに俺を殺そうとしたが、返り討ちにした。ラヴレスも一緒にだ。俺はラヴレスの髪を切って…アグラーヤに憎しみを抱かせるための材料にした。復讐のために…もしくは、俺を躊躇なく殺せるように…」

「そうやってアグラーヤの憎しみを煽ってる間…ずっと涙があふれそうだった。「ごめんな、ごめんな」って…心の中で繰り返し謝ってた」
「今思えばきっと俺はアグラーヤに勝ったところで…心なんて晴れなかったんだろうな。自分の頭を銃弾でブチ抜くようなイメージしか沸かねぇ」

「だからよぉ、アグラーヤ、ニア…最後にもう一度だけ…甘えさせてくれ」
「アイツラとは…綺麗なままで別れたい…壊れた俺なんて見られたくない…お願いだ…」

「終わらせてくれ」

長い、長い独白の後、ジョシュアは立ち上がる。が、バランスを崩してそのまま前のめりに倒れてしまう。もう一度起き上がり、今度は膝立ちに。すこし俯いたまま、両腕を広げて無防備な姿となった。
その表情はまるで窺い知れない。だが確かに、まるで母の抱擁をせがむ赤子のように。アグラーヤの手に、漆黒の抱擁によって、全てを終わりへと誘われることを望んでいた。

『……どうするかは貴様に任せる。俺は疲れた』
『アグラーヤ…終わらせて…やってくれ…』

まだジョシュアが幼いころ、鉛筆を握ってスケッチブックに書いていたジョシュアの望む世界。それは彼の両親の死という冷たい現実によって燃やされ、焼け焦げたクズと化した。
思えばその頃から始まっていたのかもしれない。復讐という行動概念によって生きるという行為は。
思えば軍隊に志願したのも、リベルタス行きを望んだのも、すべては能力者を殺すためだった。幼いころから植え付けられた憎悪と復讐心が、純真無垢な少年であったジョシュアの心を醜く作り変えてしまったのだ。
不揃いな、歪んだパズルのピースは、箱に詰められるまでに弾かれる。


28 : アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 :2015/12/16(水) 23:57:26 ???
近未来的なとある世界の娯楽施設、その一角にある大きな映画館。

上映されているのはこの世界における人気シリーズの新作であって、初の立体映像ということで大々的に広告もされている。
映画館の外にもオブジェが設置されていたり、内部にも巨大なポスターが何枚もぺたぺたと貼られていたり。

――――実際シアターから出てきた客の皆には好評そうであったが、どうも彼女だけはあまりいい顔をしていない。


「確かに面白かったと言えば面白かったが……何というか、2000エン出すまでも無かったなぁ」

それもそのはず。実際の戦場を幾度も経験してきたアルティにとっては、そこまで満足のいく出来でなかった様子。
現実を知らない連中共にとっては満足のいくそれであったようだが、逆に現実を知った彼女にとってはリアリティに欠けたように感じたのだ。

「ま、ポップコーンが美味いからいいけど」

――――まだ少し残ったコーラとポップコーンを片手に、アルティは映画館の前の柱にもたれかかる。
やがてそれらが無くなれば、ブルーベリー味のガムをぽいと口に放り込んだ。


29 : ウラジーミル・アンドレエヴィチ ◆5zZ3tZE7js :2015/12/17(木) 00:14:14 ???
>>28
一人、また一人。人々が混ざり、固まり、群衆を成して映画館から出でる人の列。
その中にひとつ、ひときわ目を引く存在があった。

「ムッシャムッシャムッシャ……ァア〜、グッド・テイスト」

否応無しに目に入ってくるのは、非常に屈強な偉丈夫の巨漢の姿だ。スキンの頭にもりもりとした立派な筋肉を携えており、さながら猛獣のような体躯である。
男は歩きながらサンドウィッチとポップコーンを同時に食べ、それらをコーラで流し込むという、非常に独特かつワイルドな食事に勤しんでいる様だった。

側から見れば、彼の姿は単なる脳筋の抜けた人物、程度にしか見えないだろう。
だが彼からは、"その手の人物には理解できる"独特の雰囲気を放っている。
おそらくその視界に入るアルティには、彼の真の正体が理解できるだろう。
抜けた気の中に垣間見える、確かな殺気と死の匂い。彼は━━━━血と硝煙にまみれた、激しい戦場に身を投じる者であるのだと。

「いやぁ、おもしれえ映画だったぜ!」

彼は低くも無駄によく通る声で、率直かつ簡潔たる映画の感想を言う。
そしておそらくアルティからすれば、その言葉には疑問を呈せざるを得ないだろう。
同業者であるはずの戦場に身をおく者が、リアリティに欠ける映画を心の底から楽しんでいるのだ。

彼は、アルティの寄りかかる柱のすぐ側を通り抜けようとしている。
此処で声を掛けるか否かは、アルティの疑問符の大きさ次第だ。


30 : アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 :2015/12/17(木) 00:33:12 ???
>>29
空になった2つのカップを片手に、くっちゃくっちゃとガムを咀嚼する少女。
映画館から出る人数は、時間と共に少なくなっていく。


「……やあ。そんなに面白かったか?今の映画?」

暇だしそろそろゲームセンターにでも行こっかなぁ、だなんて考えている最中。無駄に浮いた声が耳に入る。
――同時に深紅の双眸が、声の主たる男が目の前にいる様を捉えた。気さくな彼女が口を開くのに、そう時間はかからず。
何処か幼げな声が、ウラジーミルに掛けられた。疑問そうな表情と、クエスチョンマークめいて捻ったアホ毛と共に。

――――その姿は、男と比べれば非常に小柄。そして、何もおかしいところは無いはずなのに何処か異様である。
鋼糸のような燻んだ銀髪に、真紅の瞳。真っ白なパーカーとスカートに、黒いシャツと靴。
シャツの胸元には、パーカーの縁に隠れて赤で奇妙な文字が描かれていた。


31 : ウラジーミル・アンドレエヴィチ ◆5zZ3tZE7js :2015/12/17(木) 00:52:18 ???
>>30
「ん?」

ワイルドな食事の最中、自分に向けて声がかけられる。
一瞬きょろきょろと周りを見回し、程なくして少女の姿を捉えた。
だが、その立ち振舞いはあどけないとは言えぬ、大人びた……言いようによっては退廃的、とも言える雰囲気である。
彼は脳内で少しばかり質問内容を反芻したのち、その大きな口を開いた。

「おうよ!あんな感動的な人間ドラマは、モノホンの戦場じゃあ味わえねえってもんだぜ」

活力的に己の感想を述べてしまえば、サンドウィッチを大きく頬張る。
会話中に食事を続行する辺り、肉体ばかりでなく精神まで図太いらしい。
彼はコーラでサンドウィッチを流し込み、逆に少女へと質問を返す。

「…そういうお嬢ちゃんはどうなんだ?あの映画、楽しくなかったってのか」

言い終わればポップコーンを巨大な手のひらで掴みとり、口の中へと運ぶ。見かけ通りの大食漢のようで、あたかも掃除機を彷彿とさせる貪り様だ。
彼は楽観主義の人物だ。それは映画にも例外ではなく、実際の戦場との差異は彼にとって、大した問題ではないように思える。

確かに少女ではあるが、しかし少女らしからぬ少女へ、お嬢ちゃんと呼んでよこした質問への回答は如何なるものであろうか。
彼はまるで子供の疑問に答えてやるように、次の返答を待っていた。彼にとっては、外見が少女であれば例外なく"少女"ということなのだろう。


32 : アグラーヤ >>336 :2015/12/17(木) 00:54:49 ???
>>24-27
ジョシュアの独白の間、アグラーヤ含め誰も口を開く事はなかった。彼の激動に過ぎる半生の吐露に口を挟むことなど、この場において何人たりとも許されはしない。
アグラーヤは出血の為か元々真っ白な顔色に蒼みがかかり始めていたが、表情ひとつ変える事はなくただ耳を傾けた。
ニアの様子が気になりはしたが敢えてそれを窺うことはしなかった。彼女がどんな表情をしていようとも、それを知る事で自分の感情に異物として流入させてしまいそうだから。
この場に居合わせる3人ともがこの因縁の当事者であるが、それ故にひとりひとりが己の意思で以って選択しなければならない。選び取らなければならない。
目指すべき未来を。進むべき道を。

「……………おばかさん」


私の目に映る世界は……私の目指した未来は……。


『世界を絶望で、真っ黒に染めてあげる』

かつて世界の全てを憎み、希望を許さず、自己の特別性のみを信じて遍く世界に漆黒を与えようとしたモノがいた。
愛されたいと願いながらも産まれの不幸を呪い、環境を呪い、全てを許さずただ壊した。
怖かった、裏切られる事が。恐れた、内面の弱い部分を知られる事を。逃げていたのだ、全てから。自身の感情からさえも。

しかし、ヒトは変わるものだ。望もうとも望まぬともその変化は訪れる。
様々なヒトビトとの出会いや別れ。心を通わせる大切な存在。突き放そうとしても自分の身を案じ、心配してくれるヒトビトの存在に黒いモノはやがて温もりという熱を得た。
世界を憎み他者を怖れたモノは皮肉にも他者の存在によって世界を愛すようになった。しかし同時に知る事になる。世界は美しくも残酷であることを。


『優しい世界が欲しい』
『変わらぬ世界が欲しい』


遠い記憶。しかし未だはっきりとした記憶。
彼らの夢が、希望が、その言葉が黒いモノに光を与えた。闇に迷い大切な存在から目を背けそうになっていたモノに道を示した。
だからアグラーヤはもう迷わない。しっかりと見えているから。光の先にあるその世界が。大切なヒトビトの、その笑顔が。


「……希望に満ちた世界が欲しい」

ジョシュアが独白を終えて静寂。それを打ち破ったのはアグラーヤのぼそり呟いたひとつ言の葉。
変わらぬ愛を希める世界。ヒトの優しさを望める世界。絵に描いたような夢見事。しかしアグラーヤはそれを信じ、見つめ続ける。
ヒトが住む世界は大なり小なりその意思によって流れている。世界にヒトの意思が存在するのならばきっと温もりを与える事ができるはず。
絶望はもう十分だ。不釣り合いに傾いた天秤はもう見たくない。黒く歪んだ円環は過去へと葬り、ヒトは未来を見つめなければならないのだ。大切なヒトビトの意思をその身に受けているのであれば。

「オムニや、マウトヘッドが望んだ世界……馬鹿みたいな理想だけど、私は信じてる。
そんなお伽話みたいな世界に、貴方の居場所は無いわぁ……ジョシュア」

傍でアグラーヤの肩を支えるラヴレスをそっと引き離し、今にも倒れそうな身体に精神力で鞭を打ち跪くジョシュアを睨み付ける。
そして再び、黒翼の堕天使があの日と同じくこの場所へと降り立った。その翼は何処までも黒く、羽ばたきの音色は果てしなく暴力的で、何から何まであの日の写し。
大きく広げられた黒翼は周囲の人間を傷付けぬ様にゆっくりと、しかし圧倒的な威力を持ってジョシュアを包み込む様に左右から迫る。
全てをその翼の闇へと葬る黒い天使の抱擁。かつてオムニ……ダグラスを包み込んだその両翼は今ジョシュアを優しく抱き締めた。


33 : アグラーヤ >>336 :2015/12/17(木) 00:55:37 ???

「………」

やがて雷鳴は止み、静寂が訪れる。黒翼は既に消失し、精細な力のコントロールによりその場に居たもので新たな怪我を負ったものはひとりとしていない。そう、ジョシュアを含めて。
結論から言えばアグラーヤはジョシュアを殺さなかった。決して情に絆された訳ではない。必要だと信じたのだ、自分の見ている遠い夢の世界に於いて。
しかしただひとつ、この場から跡形もなく消え去ったものがある。それはジョシュアの持ち込んだ、弾の込められていなかった拳銃である。
黒翼の抱擁はジョシュア本人を狙ったものではなく、彼の後方に投げ捨てられ転がっていた、まさに彼の復讐心の象徴とも言うべき拳銃に向けられたものであった。

「……これで私の中で貴方は死んだわぁ。復讐に取り憑かれた、口ばっかりの弱っちいニンゲンのジョシュアは。
あんなものいつまでも大事に持ってるから今見るべきものも見えなくなるのよぉ……。
いい加減逃げるのは止めて今と……そして未来と向き合いなさい。
貴方が居なくなって泣く人はいないのかしらぁ? 貴方は何を守るのよ? マウトヘッドの……ニアの望む世界に貴方は居ないのかしら?
甘ったれるのももうここでお終い。そんな風に両腕を広げられたって、貴方を抱き締められる腕は私には無いんだからぁ。
それにそれをするのは……私なんかの役目じゃないでしょうに」

ふん、とふてくされた様に鼻を鳴らせばその場でくるりジョシュアに背を向けニアを一瞥。どういう事か、まぁ言わなくてもわかるだろうといったところだ。
そして張り詰めていたものが切れたのか、力無くその場に崩れ落ちる様にして膝をついた。
ラヴレスは心配するだろうが、アグラーヤ自身まだこの場を後にする訳にはいかなかった。どうしてもやらなければならない事が残っている。
それはアグラーヤにとって真の決着であり、これをしなければアグラーヤ自身全ての過去を断ち切る事が出来ないもの。
膝をついたアグラーヤは俯き、やがて消え入りそうな声でニアと、そしてジョシュアに語り掛ける。

「……マウトヘッド、ジョシュアも……聞いて。
原因が何であれ私は貴方たちの居場所を、ヒトを、大切なモノを奪った。
マウトヘッドにはずっと、今まで機会なんて無かったけど……今更私なんかが何を言うのかって思うかもしれないけど……。
だけど……これを言わないと私自身過去を過去にできないのよ……。だから……その、貴方たちの大切なモノを奪ってしまって……ごめんなさい」

当然許して貰えるなんて思っていない。贖罪を期待している訳では無い。しかしこの一言を伝えなければアグラーヤの心の一部は永遠に過去に縛られたままだ。
そんな状態では仇として討たれてやることすら出来はしない。これがアグラーヤの決着。その声が震えているのはあの日の事、ダグラスのあの優しい笑顔を思い出しての事だろうか。
涙の理由はアグラーヤにしかわからないが、これでアグラーヤの中ではひとつの区切りがついた事になる。後の判断はジョシュアと、そしてダグラスの娘であるマウトヘッドに委ねるしかあるまい。


34 : アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 :2015/12/17(木) 01:18:19 ???
>>31
「あぁ……うん。正直に言ったら、ね」
「でも……何かね。私の知ってる〝戦争〟とは違った感じ。ちょっと現実性が無かったなぁ――って」

噛んでいたガムを、邪魔にならないよう口の横に除けて。
アルティは少し難癖を付けるように、つらつらとウラジーミルへと言った。

――無論、ただ語っている訳ではあるまい。
彼女は越境者であり、幾度も死地を駆け抜けてきた立派な戦闘員であるのだ。
戦場にこんな小綺麗な芝居なんてなかったと、彼女は知っていたのだ。

其方が軍人ならば、アルティも〝同類〟である事を恐らくは理解できる……かもしれない。


「――――まぁ、でも確かに面白いとは思ったよ」
「思ってたよりも立体映像がリアルだったし、迫力は本物の戦場にも負けてなかったなぁ」

――――然し、フォローもした。あまりに文句を言い過ぎても、彼の気分を害するだけだろうとでも考えて。
立体映像専用の特殊なスクリーンに、全方向に配置されたスピーカー。
それだけ大掛かりなセットの効果は伊達ではなく、さっきまで難癖をつけていたアルティを唸らせる程であった模様。

――――そんなことを言いながら、細長く形成した液体金属を触手のように蠢かせ。近くのゴミ箱へと空のカップを投げ捨てていたのであった。


35 : ウラジーミル・アンドレエヴィチ ◆5zZ3tZE7js :2015/12/17(木) 01:39:15 ???
>>34
「現実性ねェ……どうりでそんな気はしてたが、その歳で戦闘員ときたか」

ストローからコーラを飲む。言葉の割には大して驚いているように見えないのは、こういった事柄に慣れているからだろうか。
それは即ち、彼もまた越境者であることを暗に意味している。

「……まぁ、子供らしく素直に楽しめばいいじゃアねえか。フィクションと現実をごっちゃにしてたら頭が痛くなるぜ?」

そうは言うが、この場において最も子供っぽいのは彼であろう。
精神年齢としての立場はまるっきり逆転しているようにすら思える。

「……モノホンの戦場じゃあ、当たり前に人はくたばる。そこんとこをくわしくやるってこたァ、命の価値ってヤツを考えさせるためだろうさ」

フィクションである以上は、現実との乖離などはじめから分かりきった事だ。
であれば、その乖離がどのような意味を成し、どのような意味を持っているのか、それを追及するのが良いと彼は言う。
ただ、彼の語彙では、それを直接的に彼女に伝えるには難しかったようだ。だからこそ、彼は彼の思ったままの事を口にする。

「おっ、そいつは能力か?」

ふと、彼は目ざとく少女の手元に現れたグニョグニョと蠢く銀色に目を凝らす。
なるほど、能力があるならこの歳でも軍人として活躍できるだろう。彼はそう納得した。
同時に、能力への理解があるという事は、彼もまた越境者であるという事実を如実に示していた。


36 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2015/12/17(木) 01:51:44 ???
>>25-27
>>32-33
仄かに甘い気配は、薄墨色のそらが近い為だ
ジョシュアと、そしてアグラーヤ
2人の溶け出した想いを前に、ニア・シューペリオリティはただ静かに佇んでいる

漆黒の翼が羽撃く
かつての堕天の羽撃きを前に、最愛を奪った輝きを前に
だがそれでも不動、一切の動きはしない

恐怖からではない

その抱擁に感じたモノがそうさせたのだ
それはまるで、優し気な風吹く草原に寝転がり太陽の匂いを感じるが如く
本能が与える絶対の安堵と心地良さ
かつて父が成した完全の所作である

……静寂、涙が止まらない

そこに矢張りと言うべきであろう、彼の姿は確りと存在していた
口を開いたのはアグラーヤだ、紡がれるはこの再びの激情の劇場のストーリー
どれだけの覚悟をその胸に秘めているのであろう、どれだけの決意でそのたましいを焦がしているのであろう
ジョシュアもだ、彼は全てを知った上で尚闘って闘っての死を見据えていた
2人のこころの波は電波する、ひとの壮絶なる決断は想いとなり世界を揺るがす
きつくきつく、目を閉じしかし見える
大切なひとたちの顔、笑顔、姿、影
弱く震える風を感じて目蓋を開く
かつての、始まりの場所より、終幕を見詰めていた少女の瞳
2人のモノと同じ光が赤眼に宿り、落ちる涙は煌めいた

「……えっ、あ、……はっ、 はいっ……!」

しかしアグラーヤに何かを託されれば話は別だ
やや不意を突かれた格好となりたじろぐが、2度、縦に髪を揺らす

「……えーっとぉ……」
「……ジョシュアっ、」

屈み込んで目を合わせる、尻尾の様に垂らしたタイドメイカーが揺れる

「過去がどうだとかっ、復讐が悪いだとかっ」
「そんな事をニアは言えませんっ」

「ただ、そのぉっ……」

ふわり、抱擁、頬を寄せる
その鼓動を感じればダメだ。 くしゃり、顔が歪んだ、堪えていた堰が切れた

「……あなたがっ、いなくっ……いなくなるのはぁっ……」
「……辛いよぉっ……!」

しゃくりあげながらの訴えは、自分で思うよりずっと言葉に成らない
ニアの精神は、こころは
『希望へと歩み寄るモノ』は
確固たる意思を持ちて躓き転びしかしそれでも進むのだ
そしてその中で見付ける、大切なモノを
流動的なひとのこころの中で、不変たるそれを
ひとびとは、絆、と……そう名付けていた


「……」

そのままの格好で顔だけを向け、アグラーヤの言葉を聞いていた
この場所で奪われた最愛の父のいのち、それを行ったのは誰でもない、彼女なのだ

……ふ、と顔を外に向けた
仄かな薫風の気配……

「さっきもっ、言いましたっ……」
「ニアはっ、過去だとか復讐だとかにっ、どうこうは言えませんっ……」
「……ただっ、今思っているのはっ……」

この紺碧の向こう、全てに対する優越はきっと今も見護ってくれている
そんな彼に少しだけ、イタズラっぽく微笑み掛ける
……きっと、ぱぱもそうしますよね?

「……ちゃんと謝ってくれてっ、決着を付けてくれてぇっ……」

かつて、魔の森と化した街で手に入れた真紅の宝石越しに視た未来
それはもう目の前に、静かに優しく迫りつつあった
数多の悲しみと苦しみに押し潰されそうになりながらそれでも
仰望し続けた未来、傍らに佇む優しい世界
そのパズルの最後のピースを嵌める言葉を、ニアははっきりと言える

……ありがとう、と


37 : ジョシュア・アーリントン :2015/12/17(木) 15:12:53 ???
>>32-33 >>36
「…ばか、野郎…」
「………一体何聞いてやがったんだ…このクソ野郎共…」

ニアの優しい抱擁を受けながらジョシュアは驚いたような顔をして彼女の言葉を聞いていた。
そして彼女の感情が昂ぶり、やがて決壊する頃にはジョシュアはだらりと垂らしていた左腕をニアの腰へと静かに廻す。
力の籠っていなかった腕は次第にきつく、やがて少し痛いくらいにニアを抱きしめた。

あの日ここで全てを奪われた小さな存在は、今日また大事なものをこの場で失おうとしていたのだ。
それを考えると、無性に小さなニアの身体を抱いてやりたくなった。

「…クソが………クソ、クソがっ!!」

余った右腕は床を殴り続けていた。
床を殴りつける反動でジョシュアの身体が揺れるたび、きらりと光るものがジョシュアの髪に隠された目元から零れて落ちる。
肝心な時ほど世界はうまく回らないものだ。幾度床を殴り続けた頃か、ジョシュアの拳になにか固いものが当たる。

「…………………ごめんな」
「…俺はお前達の未来に居て良い人間なんかじゃない」

しかし優しい、変わらぬ世界。そんな絵空事の都合のいい世界は、ジョシュアにとって眩しすぎた。
汚れすぎてしまったのだ、ジョシュアは。今更幸せを享受するには遅すぎた。
たとえば親友達、親愛なる存在達、その他すべて、関わりのある人物たち。
彼らに別れを告げずに消えるためにジョシュアは黒雷の抱擁を求めたのだ。

「…アグラーヤ、来てくれ……終わりにする……」
「決着を付ける…俺は過去の自分と決別する!、復讐は…これで…終わりだ…!!」

先ほど手に当たった”固いもの”を拾い上げる。それはジョシュアのコンバットナイフだ。
膝立ちの状態からニアを抱き締めたままふらりと立ち上がり、アグラーヤに鋭い視線を送った。
ナイフを素早く180度回転させて逆手に持ち替え、アグラーヤを待ち構える。
それがジョシュアの答えなのだと、すべてを受け入れるような表情で近づいたアグラーヤにジョシュアは右手を振りかぶった。
どずん、重い衝撃がアグラーヤの華奢な身体を背中側jから突き抜けた。鋭い痛みが―――痛みは、ない。


38 : ジョシュア・アーリントン :2015/12/17(木) 15:14:22 ???
「…なんてな、嘘だよ、バーカ」
「………お前のコトなんて…もうとっくに許してんだよ…」

ジョシュアの手から零れ落ち、床に落下して静止するナイフ。ジョシュアはアグラーヤの身体を抱き締めていた。
いつ倒れるかも分からないフラフラのアグラーヤの傷口に手を翳すと、ジョシュアの右腕のベルゼブブがその穴を埋めてゆく。
ベルゼブブはアグラーヤの身体を乗っ取ろうとはせず、蒼く淡い、優しげな光を放ちながらアグラーヤの身体に同化し、ベルゼブブとしての性質を失ってゆく。
ベルゼブブを分け与えたあとのジョシュアの右腕は少し骨ばった気がしていたが、それでもジョシュアはお構いなしにアグラーヤの身体を抱き締めた。
いつかの世界で肩を貸したとき、アグラーヤの事を許してしまっているような予感に苛まれていた。しかし信じたくなかった。
それでも…今なら信じ、そして受け入れる事ができる。そうジョシュアは固く信じている。

「…俺は確かに”優しい世界”に居ていいような人間じゃない…でも…」
「ニアが俺に愛想を尽かすまでは…とりあえずお邪魔することにするよ」

にこりと、腕の中の二人に囁きかけるジョシュア。その声色は今まで聞いたどんなジョシュアの声よりも優しく、穏やかなものであった。
ニアの記憶の奥深くに眠っていた、”あの頃”のジョシュアにまるで戻ったかのような。そんな穏やかな口調。
少し乱暴で、怒りっぽいけど、それでいて優しい心を持ち合わせた夢見がちな少年のような。
ずっと演じていた”兵士としてのジョシュア”は消え去り、”本当のジョシュア”が再びそこにいた。

たとえば親友達、親愛なる存在達、その他すべて、関わりのある人物たち。
彼らに別れを告げずに消えるためにジョシュアは黒雷の抱擁を求めたのに、
帰ってきたのが柔らかな、優し気な”あれ”ではとうてい消える事なんてできない。
もう少しだけジョシュアは、この世界に留まることにしたようだ。

自分が必要とされている限り、本当の意味で誰もが戦いを必要としなくなる、その時まで。

『…ハッピーエンドだ。帰るぞ、ラヴレス』
『え…でも…』
『………俺達の出る幕ではなかった。そういうことだ』
『…私達も一応関係者…当事者なんだぞ…?なんだかいつも私だけ省かれている気がする…』
『つべこべ言うな。帰ってニュクスの世話だ。ドクトールには任せておけない』

遠くではその様子を見て静かに微笑みを浮かべる”保護者”ふたり。
この場はもう大丈夫だろうと踵を返すエルミス。ラヴレスはあの場に居られないことに少し不服そうな顔をしていたが。
しかしこれで全てが終わった訳ではない。彼女にはまだもう一つやることがある。それはカブラギとの因縁を、すべてを終わらせること。
タェンティースの敵討ちもある。そんなワケで、ラヴレスは名残惜しそうにしながらもこの場を後にするのだった。

「………マフラー、吹っ飛んどいてよかったな…はは」

遠くのそらに微かに光る雷。その轟きと輝きが、少しだけ怖くなくなった気がした。


39 : アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 :2015/12/17(木) 19:23:35 ???
>>35
「はは。――要するに、私は考え過ぎってところ?」
「……もうちょっと子供らしく考えたり、振る舞ったりした方がいいのかなぁ。私って」

見た目からして10歳程であろうアルティが、そんな少女らしからぬ言葉を漏らす。
大人っぽいといえばそうなのであるが、彼女の場合はそれ以外の何かも含んでいた。
……まあ、1人でこんな戦争モノの映画を見に来ている時点で普通の少女ではあるまいが。

確かに彼女は何処かデカダンな雰囲気であって、その容姿以外はあまり子供らしさなんて感じられない。
パーカーのポケットに両手を突っ込んで、壁に凭れかかる姿はヨタモノやらを想起させるものであった。


「――ま、そんなモノかなぁ。……ん、どう?ちょっと触ってみるかい?」

さっきまで触手めいて伸ばしていた液体金属を引き寄せれば、彼女の小さな掌に収まるほどの量として。
ほい、とアルティは金属球を浮かせた右手を男へと差し出した。興味ありげなら触ってみれば、とのこと。

――――もし触れれば、液体のような感触と金属特有の冷たさとを兼ね備えた奇妙な感覚が指を包み込むであろう。


40 : ウラジーミル・アンドレエヴィチ ◆5zZ3tZE7js :2015/12/17(木) 21:24:18 ???
>>39
「おうよ。ストレートに考える気持ちは忘れちゃいけねえぜ。感情を殺しちまうのと同じだからな」

そいつはマシーンだと呟いて、サンドウィッチの最後の一口を口に運ぶ。
彼は元の世界で、その身を機械としながら尚、人間らしい感情を持つ者を知っていた。
人である彼女には一層、人間らしくあって欲しいのだろう。

「……水銀じゃねえよな」

有毒ではないかと確認してから、液体金属に触れてみる。第一印象は、それが意外に冷たい事だ。
彼はグニョグニョとした奇妙な感触をひとしきり味わえば、そこから手を離した。

「こいつはすげえぜ。俺の世界じゃ、能力なんてもんは無かったからな。人工的に作る事はできるかもだが……」

しばらく観察してから目を離し、彼はストローを咥えた。

「……まあ、俺の分野じゃねえがな。俺の専門は戦いさ。」

彼は能力がない、と言った。となれば、この屈強な筋力を活かして戦っているのだろう。
彼の武器は銃、それも非常に規格外な類のものだ。彼の戦闘ぶりこそが、それこそ非現実的とすら思えるほどに。


41 : アグラーヤ >>336 :2015/12/17(木) 21:43:34 ???
>>36-38
「……本当、お人好し過ぎよぉ……バカみたいじゃない……。
あの時から、何にも変わってないんだから……まったく……」

時を超え始まりの場所。アグラーヤ自身の決着に対しニアの選択とは、彼女が紡いだ言葉とは。
責めるでもなく、怺えるでもなく。全てを受け入れ、それでも尚前を向き未来へと、希望へと歩み寄る為の言の葉。
何も変わっていないなんてことは決して無い。あの時最愛を失った少女は、あの時未来を取りこぼした小さな手は、こんなにも大きく、強くなっているではないか。

かつてアグラーヤに道を示し、暗闇の中へ手を差し伸べる事で呪われた運命から救い出したダグラス。その娘であるニアもまた、アグラーヤの決着を受け入れることで彼女に救いを与えたのだ。
ニアの言葉にアグラーヤの隻眼からは止め処なく雫が零れ落ちる。許された事、受け入れられた事が嬉しいのでは無い。
ただその暖かさに、大きな温もりに抱かれた様な感覚にアグラーヤの心は解け出し、涙となって頬を伝ったのだ。

そして尖耳を赤く染め、まるで父親に叱りを受け、それでも尚海のような大きく広い心に許された幼子が如くに泣きじゃくるアグラーヤに、ジョシュアの決着が告げられた。
今のジョシュアが選んだ決着であればどんなものでも受け入れられる。今のジョシュアとニアにならば全てを託して逝くこともできる。
彼の決着を見届ける為、当事者としての責任を果たす為。しっかりと顔を上げ、彼の全てを受け容れるべく真紅の瞳は前を見据える。
尤も溢れる涙に濡れる瞳は視界をぼやけさせ、彼が今どんな表情を浮かべているのかはわからなかったが、その手にナイフを拾い上げそれを振り上げていることくらいは認識出来た。
アグラーヤはそっと目を閉じ、全ての終わりを告げるそのひと振りを受け入れる。不思議と怖くはなかった。大切な人たちを思い浮かべることで、自分でも驚く程穏やかな気持ちになれたからだ。

どくん。

感じたのは痛みでは無い。聞こえたのは身体を貫く音では無い。
感じたのは熱。太い腕、大きな掌から伝わる人の体温その温もり。
聞こえたのは鼓動。明日を見据え、今を生きるものが刻む暖かな音色。
アグラーヤに触れたのは冷たく無機質な刃では無く、確かに人としての暖かさを持ったジョシュアの腕。人としての想いを込めた抱擁であった。

「ひっく……、不器用だけど、貴方だってぇ……、十分優しすぎるわよばかぁ……。
せいぜいっ……、ニアに愛想……尽かされないようにする事ねぇ……っ」

抱き締められる身体は細く、今にも折れてしまいそうで、しかしふたりの温もりを近くに感じる事で屹度今を生きている。
アグラーヤはその隻腕でジョシュアの身体を抱き返す事はしなかったが、まるで泣き顔を隠す様に、感じた熱を、聞こえた鼓動を求める様に彼の胸に顔を沈めた。
もっと早くに出逢えていれば、最初からこうして互いの温もりを感じる事が出来たのではないか。そんな無意味な、もしもの世界を夢想するものはここには誰もいない。
彼らには見えているのだから、進むべき道が。彼らは掴み取ったのだから、共に光を目指す暖かな絆を。

時を超え、世界を跨いだグランギニョールはここで一旦の幕を下ろす。運命の悪戯と複雑に絡み合った人の意思が織り成した残酷歌劇は演者が自ら創り出した未来への筋書きによって大団円を迎えたのだ。
当然これを是としないモノもいるのだろう。そしてその意思は彼らの歩む道に荊となりて絡み付いてくる筈だ。
しかし一度結び付いた絆はそう簡単には解けない。彼らのそれは彼らだけのモノではないのだから。多くの想いが結び付けたその絆はきっと、この世界の何よりも強い筈だから。

「……ありがとう。とっても素敵なお馬鹿さん達」

この世界は美しくも残酷。それでいてとても暖かい。
だからきっと見失わずにいられるのだろう。その暖かな光の中に大切な笑顔を見ていたいと思えるのだろう。
だから私は望むのだ。大切な人たちがそんな世界で暮らせる事を。

『希望に満ちた世界』

たとえそこに私の居場所が無いとしても。


42 : アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 :2015/12/17(木) 22:30:17 ???
>>40
「……はは、マシーンだけは勘弁だよ。まぁとにかく、これからは気をつけないとね」

冗談めかしたような口調で、アルティは返した。
一応そうは言っているが、以降の彼女が変わるかは分からない。
……と言うよりは、3歩歩けば忘れるような彼女がそうそう変わるはずが無いであろう。

「あぁ、私はアルティ・アルマ。〝アル〟とでも呼んでくれればいいよ」
「……で、あんたの名前は?これも何かの縁だし、教えてくれない?」

手元に出していた流体を仕舞い込むと、何かを思い出したかのように少女は軽い自己紹介――といっても、名前ぐらいしか言わなかったが――を始めて。
深紅の瞳で恰幅のいいその姿を見渡せば、それから名を尋ねた。


「じゃ、私はそろそろ行くことにするよ。また会えることを祈るよ」
「――――どうやらあんたも〝越境者〟なのだろうしね。ごきげんようってとこかな」

そろそろ話にも区切りがついただろうし、アルティは改めてゲームセンターにでも行こうかと考えたらしく。
ばいばい、と軽く右手を振れば、やがて彼女の姿は何処へと。さながら吹く風のように去っていった。

――――アルティ・アルマは、この上ない程の自由人であるのだ。


43 : デブ ◆5zZ3tZE7js :2015/12/17(木) 22:40:20 ???
>>42
ふと名前を聞かれる。
割りかし話し込んだのだ、この機に友人になっても損はあるまい。
彼は己の、長く覚えにくい名を口にした。

「俺は地球人……ウラジーミル・アンドレエヴィチ・メドベージェフだ。」
「まあ気軽にヘビー・ウェポンズ・ガイとでも呼んでくれ」

彼の飲むコーラから、ずぞぞと水を吸う音がする。
ワイルドな食事は終わったようで、彼は大きなゲップをしてもろもろのゴミを捨てる。
満足そうに腹を叩いていると、彼女はもうこの場から去るらしい。そろそろ、別れの時間の様だ。

「おう、じゃあな。……さて、俺もそろそろ他の世界に行くかな……」

彼は少女と逆方向の駐車場へと踵を返す。
異様なほどに銀に輝く車に近づけば、誰も居ないのを確認して、ボンネットのスイッチを押す。
たちまちそれが車の姿から、さながらUFOのような巨大な円盤に変化すれば、彼はその中に入っていき……

次の瞬間には、彼はこの世界にいなかった。


44 : もみじ ◆BX9zGDO0G. :2015/12/31(木) 22:55:04 ???
とある魔法世界の、とある港町。
この町も年の暮れで賑わいを見せており、
多くの人が行きかい、色とりどりの装飾でそこかしこが彩られている。

そんな街の、とある宿場の一階の酒場で
年の暮れの情景を眺めながら酒を飲みつつ食事をとる、
一人の魔法使いとアンドロイド少女の姿が。

「……この街にも結構いますけど……結局年を越してしまいますね、ヤロス様。」
二人は旅の身だが、わりと居心地のいいこの街になんだかんだで長期間滞在しているのだった。


45 : ヤロス ◆xGMulkBAlY :2015/12/31(木) 23:07:34 ???
>>44
「そうですね……図書館も漁ってみましたが、結局原理はわからずじまいですね」
はーっと白い息を吐いて、軽く酒を飲む。
暮れゆく年の最後も、相棒のメイドと一緒になった。

「居心地がいいので、ついつい……」
本来、世界移動の謎を探す旅だったはずだが最近はすっかり観光気分だ。
宿も顔なじみになって安くなっている。

「しかし……ある日突然別世界ということもあるのですよね」
越境者というものは世界移動をコントロール出来ないようだ。
砂漠にいたと思ったら氷山に移っていたということもあるらしい。
慣れたことだが、相棒との別れを考えると少し寂しくなった。


46 : もみじ ◆BX9zGDO0G. :2015/12/31(木) 23:20:05 ???
「……そう考えると寂しいものです。
 ……できればいつまでも共に旅をしたいものです。」
少ししゅんとした様子で酒を飲むアンドロイド少女。
……この旅でずいぶんとなつかれたものである。

「しかし、この街にも長く留まりましたし……
 年が明けたらまたどこかへ旅立たないと、ですね。」
それがこの世界の別の街か、ほかの世界かはまだ分からないが。


47 : ヤロス ◆xGMulkBAlY :2015/12/31(木) 23:31:20 ???
>>46
「ひとりきりより道連れがいるほうがいいですしね」
つまみを食べながらのんびりと。
本当の目的も調べないといけないが旅は楽しい。

「そうですね。この街にも随分長く滞在しました。もう調べつくしましたしね」
地図を広げる。
別世界に行くことになるなら意味は薄れるが、それでも足しにはなるだろう。
そうしていると、小鉢に蕎麦が振る舞われる。

「暮れの儀式ですか。では……」
つくもの分を前に置き、自分の分を食べる。
新年への思いが込められているらしい。


48 : もみじ ◆BX9zGDO0G. :2015/12/31(木) 23:35:57 ???
「あ、蕎麦。」
もみじも良く見知った食べ物に、
乏しい表情ながら瞳を輝かせる。
……異世界と言えど、不思議と食文化というのは似通うものなのだろうか。

「しかし今年はズズーーーーッ!!ヤロス様とズルルーーッ!!
 出会えて、ほんとにズズズーッ!!たのしゅうございましたズズーー!!」
盛大に音をたてて蕎麦をすするアンドロイド。
なんかよさげなセリフがまったく台無しである。
そして話すが食べるかどっちかにしたほうが良い。


49 : ヤロス ◆xGMulkBAlY :2015/12/31(木) 23:42:36 ???
>>48
「あ、ええ……そう、ですね」
さすがに戸惑う。
どうしたものか。どうリアクションをとったものか。
豪快に蕎麦を食うメイドロイドを見て困惑を隠せない。

「そうですね。新年の儀式に礼拝堂へ行きましょうか……」
話をそらす。新年の礼拝で幸多い年になることを願おうと。
もちろんつくもも連れたって。なんだか主従というよりは親友のよう。


50 : もみじ ◆BX9zGDO0G. :2015/12/31(木) 23:50:06 ???
「……うん、おいしい……。」
エビ天もきれいにたいらげて、非常に満足気。
機械の癖にたいした食い意地である。

「いいですね、初詣、あるいは二年参りというやつですね。」
この街にもそういった風習があるのか、
日付が変わるこの時間にもなると街の中心にある礼拝堂へ大勢の人たちが向かい始めているようだ。

「外は大変お寒いので風邪をひかぬよう気を付けて。」
早速、いそいそと二人の上着を準備し始める。


51 : ヤロス ◆xGMulkBAlY :2015/12/31(木) 23:59:45 ???
>>50
「食べ終わりました?」
ゆっくり席を立ち上がる。
今年の終わりもすぐそこ。

「では、行きましょう。少しだけ魔術を」
手早く詠唱をすると、二人の周りが少しだけ暖かくなる。
火の魔術の応用、寒さをしのぐには十分。
そうして二人は足早に礼拝堂へと向かうのだった。


52 : もみじ ◆BX9zGDO0G. :2016/01/01(金) 00:07:18 ???
「おお、さすがヤロス様。暖かいのです。」
魔力で心地よく温まる空気の中、
ヤロスの手を取り外へと向かう。
アンドロイド娘の手も、ほのかに暖かいのであった。

宿を出るとちょうど新年。
花火が盛大に打ち上げられる。

「おや、ちょうどいいタイミング。
 ヤロス様、今年もよろしくお願いしますね。」
にぎわう街の中、人の流れに乗って礼拝堂へと向かう二人。


53 : ヤロス ◆xGMulkBAlY :2016/01/01(金) 00:18:23 ???
「ええ、今年も、そのあとも」
一人と一体の少女を花火が照らす。
ほんのりと暖かい手を取って、並んで歩く。

「今年も面白いことがありそうですね」
そうして、礼拝堂に着く頃にはすっかり暖まったふたりだった。

//こんなものでよろしいでしょうかー


54 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/01/10(日) 22:10:31 ???
【魔法都市エシュリオン】
「・・・・・・・・・」
―――ギィ?

アキレスは困っていた そりゃもう困っていた
クリスマスに阿呆なことをやらかしたおかげでミスカからの及ばれを壮大にすっぽかし

何か豪華なプレゼントで埋め合わせしようと頑張っていたら 世紀末世界ウェイストランドに閉じ込められ
おかげで懐はものすごくうるおい 当初の予定である銀のネックレスから 細いミスリルのチェーンに真紅のルビーという超豪華セット(作成:某トカゲ鍛冶屋)へと変貌を遂げたものの
結局年末年明けにすら顔を出せなかった

「あぁどうしようどうしたらいいんだベティなぁお前ちょっとお使いで届けて速攻で逃げてきてくれよマジで顔合わせ辛いよなぁ」
―――ギィ!!

道の真ん中で挙動不審となっている青年 そりゃもう目立つわけで 知り合いが近くを通れば すぐに彼だと気付くぐらいに狼狽していた


55 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/01/10(日) 22:29:30 ???
>>54
ガブリエラの魔法により規則正しく設計された都市エリュシオンのメインストリートともなる”アルカディ通り”。
そこで狼狽する見慣れぬ恰好をした余所者に人々の好奇の視線はもちろん向かう。
しかしそれとは別に、石畳で舗装されたアルカディ通りのど真ん中で人だかりが形成されつつあった。
道行く荷馬車に淘汰されては、その中心を最前線で見ようと再び人々が集まり、円が再形成される。

「ちょ、ちょっと…!やめてください…っ」

円の中心に居たのはミスカ。何時もとは違う装いだが紛れもない彼女であった。
フリルのついたミニスカートの、何やら売り子のような衣装。
普段から化粧っ気のない顔立ちの彼女、時代背景は現代ほど美容の発達していない中世のような世界。
さらに学生という身分でもあるため普段は化粧などしていないのだが、今日だけは別であった。
髪は緩やかなウェーブがかかり、ナチュラルに面影を残しながら普段とは違った雰囲気に仕上がっている。
左腕には瓶の入ったバスケット。反対の腕は何やらガタイの良い男にしっかりと掴まれていた。

『ヘヘヘ…いいだろ?ぼ…俺達と遊び…ぼうぜェ…?』
「い、いやっ…!離して…!」

どこか挙動不審なギャングとおぼしき男に絡まれ、掴まれた腕を痛そうに抑える。
人だかりができているものの周囲を取り囲む野次馬達は一向にミスカを助けようとはしない。
『お前助けに行けよ』などと周囲の街民たちは笑うばかり。促された男は苦笑いで断っている。

「だ、誰か……!」


56 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/01/10(日) 22:40:26 ???
>>55
―――ギィ?
それにいち早く気づいたのはベティだった 

―――ギィ!!ギィ!!
「ああもうどうs どしたのベティ?」
ズボンを引っ張るベティによって現実に引き戻された すると聞こえてくる助けを求める 聞き覚えのある声

頭の熱がスッと覚める 素早く特殊警棒を取り出すと 人だかりをスルスルと掻き分け最前列へ
ミスカにお熱な男の死角から忍び寄り 相手に特殊警棒柄頭 強化ガラスに守られたストロボガンを向け

「やぁ」
軽い口調でポンと肩に手を置き 注目をこちらに向けようとする

そしてこちら注意がこちらに向いた瞬間を狙いストロボガンを起動
男を無力化しようとする


57 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/01/10(日) 22:58:34 ???
>>56
「アキレスっ……!?」
『あれ、アキレスさんじゃないですか!おはようございまぎゃああーーーーッッ!!?』

颯爽と現れたアキレスに周囲の視線は釘付け。指笛を鳴らすものも。
一番驚いたのは誰よりもミスカである。まさかこの場にアキレスが現れるとは。

そしてアキレスの名を叫んだミスカに釣られて振り向いたガラの悪い男。
振り返ったその瞬間、彼の視覚はストロボライトの発火音と共に閃光によって奪われた。

「え、エドっ!!」
『眼が!!僕の眼がぁぁぁッ!!』

顔を押さえて転げまわる男を心配そうに見つめるミスカと、周囲から湧き上がる歓声と笑い声(あと同情の声)。
サングラスを掛けたフード付きローブの上半身裸の男は確かに”エド”と呼ばれていた――

「…ごめんねアキレス。初めてだったよね…エリシウムの”オウサー祭”…」

それから暫くして、ミスカに連れられてやってきた食事処。そこでようやく一行は腰を落ち着けた。ちなみにエドは病院に搬送された。
売り子姿のまま、ミスカは申し訳なさそうにアキレスから視線を落とす。
ウェーブの掛かった明るいオレンジ色の髪が揺れ、魔力灯特有のプリズムがかった光に照らされ、煌めいた。
あまりにもインパクトの強すぎる登場のことで頭の中はいっぱい。
クリスマスの夜の事など今は頭の中にないようで、別段アキレスに対して恨みのような感情を見せる事はない。

「初代”勇者”オウサー・ジンクス・ルカが力を得る切っ掛けとなった出来事を模したお祭り…それが今日なの」
「暴漢に襲われた町娘役の女の子を助けて…助けた人はその場で葡萄酒を飲み干すんだよ…?」

はい、葡萄酒。とミスカはアキレスにバスケットの中から小瓶を取り出した。内容量は350ml程か。缶ジュース程度だ。
つまり状況を整理するとこうだ。アキレスはエリシウムで毎年行われる催し物のコンパニオンに至近距離でフラッシュライトをぶちかましたという事になる。


58 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/01/10(日) 23:15:26 ???
>>57
「・・・・・・・・・ん? 間違えたかな?」
転げ回る男は こちらを知っていたらしい しかもミスカはガラの悪い男を『エド』と呼んでいた

脳の処理が追いつかず 咄嗟に出てきた言葉は どこぞの偽物みたいな一言だった

〜それからどうした〜

「いやぁ悪い悪い 咄嗟にストロボかますもんじゃないね」
エドに化学反応で即凍るアイスノンを渡し 目を冷やしながら病院に運び込まれるエド

にこやかに後頭部を掻きながら とっても感情が籠ってない謝罪を一つ

「え 何それ聞いてない」
全く初見だった そしてワインの小瓶を受け取ると 栓を抜いて一気に飲み干す
酒も人並みには強いため さして顔を赤くすることなく完飲 トン と音を立ててテーブルに瓶を置き

「すみませんでした」
この謝罪にはいろんな意味が込められているのだろう 年末とか 今回のとか 本当に色々である


59 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/01/10(日) 23:29:37 ???
>>58
「………」
「年末祭の料理…無駄になっちゃったんだよ」

あえてアキレスにしか連絡を寄越していなかったミスカ。というかミスカの越境端末のアドレスが極端に少ないのだが。
それでも用意していた料理はアキレスが口にすることはなかった。
幸い魔女の森ではなくエリシウムでの開催だったので、エドやら学校の友達を招いて、廃棄処分と言う事態は避けられた。
しかしやはり一向に返事すらないともなると、明るい顔は出来なかったのである。

「……今日のバイト代」
「…埋め合わせしてくれるなら…許してあげるね」

…が、諦めたように短い溜息。微笑むミスカ。アキレスの乱入やら何やらでバイトをうやむやにしたまま去ってしまったのだ。
そういえばアキレスの去り際に一人の男が彼の肩を叩き、サムズアップを施していった。

オウサー祭りは通常お芝居ということもあって大体悪役側がやられてくれるのだが、稀にそうでない場合もある。たとえばクソ真面目なエドだ。
こういった猛者を打倒した後は、大体売り子を口説くのが町の男たちのスタンダードである。
それでも周囲からミスカを助けようとする者達が中々現れなかったのは、暴漢役が聖騎士だと知っていたからこそだろう。

きっと先ほどの男のサムズアップが頭をよぎる筈だ。渡すのならばこれ以上のタイミングはないのではないだろうか?


60 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/01/10(日) 23:40:18 ???
>>59
「・・・・・ッ」
無駄になったという言葉がアキレスの心にグサリと突き刺さった
しかもウェイストランドは世界を超えての通信ができない世界であったために連絡ができないというコンボまで喰らってしまったのだ

だが神はまだアキレスを見捨てなかった プレゼントを手渡す絶好のチャンス!!

「あ・・・あああのこれ ミスカに渡そうとして中々渡せなかったんだけど…」
ポケットに手を突っ込み 取り出した長方形のネックレスケース

パカリと開ければ なんとそこにはミスリルで編まれた鎖と 真紅のルビーのネックレス 
たぶんパート11の>984に出てきた魔法世界エリュシオンの中の大陸セントラの知識の都市エウレカでアキレスが購入したミスリルのチャームよりも高価な代物

「良かったら受け取ってください」
といってもう一度頭を下げた


61 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/01/11(月) 00:03:43 ???
>>60
「わ、これ………」

アキレスから受け取った箱を開け、息を呑む。
そこにあったのはミスリルのチェーンとルビーの嵌ったネックレス。
どちらもミスカに似合うように細く、薄く、宝石も小さく加工されている。

「……綺麗」
「このチェーンの紡ぎかた…エリュシオンの技術じゃ真似できなさそう…」

華奢なシルエットの中に様々な模様が彫り込まれた、比較しようのない逸品。
それらに暫し見惚れ、もう一度箱を閉じてから嬉しそうに顔を綻ばせその箱を抱き締めた。
嬉しそうなミスカに釣られ、どこからともなく漂ってきた火の粉。それがミスカの肩に集まってジョナが現れた。

ミスカが日光で透けるほど薄いワンピースやそこそこ高価なミスリルのチャームを身に着ける理由は、優れた魔力伝導率にある。
ミスリルの装飾は魔力を増幅させ、それは繊細であればあるほど効果が増す。しかし加工があまりにも困難であるため、大抵はミスリル製のチャームなど手が届かない。
エリュシルクのワンピースは見た目はともかく、魔力適性の最も高い装備だ。何気にミスカの着ているものは、ガブリエラの天衣と同一の最高級の品である。

「…ありがとうね、……大切にするから」

まぁ要約するとアキレスの贈り物はミスカのご機嫌メーターを一回転させてもう一度満タンにするには容易いほどの価値を持つものであった。そういうことである。
ミスカは贈り物を後生大事にする性格でもある。例えば数年前にアキレスから貰った帽子。
毎日身に着けているのでいい加減ボロが出始めているが、日頃の手入れのお蔭か未だに綺麗な形を保っている。

「いつもいつも贈って貰ってばかりじゃ悪いから…今度は私からプレゼント」
「…じゃーん!はい……大事にして」

故に贈り物に対する最高の報いは贈り物であるとミスカは考えていた。
クリスマスにアキレスに贈る筈であった品物。いつ彼が現れてもいいように日頃携帯していたそれをアキレスに手渡した。
上品な蒼い紙製の箱。おそらく手作りだろう。中には少し不格好だが手作り感の溢れる、金髪の青年の顔と丸っこいサソリを模したキーホルダーである。
合金のチェーンまでしっかり完備されており、引き千切れることはなさそうだ。

「………ねっ?」

アキレスに箱を手渡すと、ようやく渡せたと言わんばかりに微笑んだ。
嬉しい時はすぐ顔に出る。裏も表もない少女だ。心のうちが探りやすいのは、彼女の育ての親である賢者の教育方針の賜物か。
ジョナはベティの上に降り立ち、いつものように甲羅を突っついている。


62 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/01/11(月) 00:18:49 ???
>>61
「あ? あぁまぁ越境仲間にね 腕のいいのが居てね その人にお願いしたのさ アハハハハ・・・」
喜んでもらえて何よりであった

そういえばこれの製作を頼んだ時 トカゲの鍛冶屋が妙に気合いが入っていたように見えたし 
納品の時に出涸らしみたいな状態になっていたのを思い出した

相当神経を削って作られたのだろう と今更ながらに思うのであった

「アハハハハハハハ・・・任せて頂戴yん?」
―――ギィギィ♪

ジョナと戯れているベティを他所に後頭部を掻きながら笑っていると 
手渡された紙の箱 中身を取り出してみると そこには自分とベティの姿を模したキーホルダー

「お こりゃすげぇや ベティ見てみろよおい!」
―――ギィ? ・・・ギィ!!ギィ!!

ベティは何事かとアキレスに近づくと その手に合ったキーホルダーが自分の姿であると気付いてハサミを振り上げる

「いやぁいいモンもらっちまったよオイ ベティ ありがとうしないとな サンキューミスカ」
―――ギィ!!

早速キーホルダーをリュックに取り付け 感謝の意を示す1人と1匹であった・・・・・

//そろそろいい時間ですし ノシということでお願いします


63 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/01/11(月) 22:13:56 ???
ーネオ・ニーハマシティは酸性豪雨、外出にはカサと遺書をお忘れなく
ーそれでは次の曲行って参りましょう、話題のフォーリンエンジェル系アーティストが歌う新譜……

「……んっ?」

イヤホンから流れるラジオが途切れ、着信音
デバイスのディスプレイに目線を落とせば見知らぬ番号である
ニアのこの端末の番号を知る者は少ない
はて誰だろうと思い緑色の表示をフリック

「はいはいっ?」
「……えっ? えっ、えぇっ……」
「……むむっ……えぇ、はいっ……」

何やら難しい顔を作り、イヤホンマイクに向けて口を開く
雨音はノイズキャンセリング機能で無効にされる
電話越しの相手もその恩恵を享受している事だろう
案外と近くにいるのだ、この雨雲の下に

「はいっ……」
「……まぁ、それだってんならっ……」
「分かりましたってんです……」
「……ええっ、アラズっ……」

少しの会話が終わり、名を呼ばれた事に対して自身も電話越しの彼女の名をそう呼んだ
通話の終了したデバイスのディスプレイをしばし眺める
溜息、頬を掻いて適当な店先の軒下に身を運んだ
傘をさしたまま立ち尽くして逡巡
薄桃色のマオカラーシャツにジーンズ
スプロールに於いてはそう目立つ風貌をしている訳ではなかった


64 : ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 :2016/01/11(月) 22:30:56 ???
>>63
「………おい」

不意にニアの正面から呼びかける声。
重金属強酸性雨に打たれながら佇む人影がひとつ。HEXAエージェントNo.3、ラヴレス・ウォルコットだ。
アンタイ・コロッシヴ加工を施された黒のフード付きコートを被った彼女は、静かに溜息を吐いてから口を開いた。
夜空に浮かぶ月のように蒼い瞳は哀しげに輝き、淡く発光してニアを見つめる。
人工能力者特有の変色作用だ。通常は紫色に変色するものだが、彼女だけは例外として紺碧のままであった。

「…タェンティース・マウトヘッドだな」
「消えたオリジナルの周囲を嗅ぎまわってるらしいじゃないか…」

表情を変えぬまま、ラヴレスは続ける。
フードの外から伺えるのは口元と、偶にちらりと映る目元くらいだが。
それでも彼女が極めて焦燥を感じていることはその険しい顔つきから分かった。

「……渡して貰おう」

何をとは言わない。恐らくはタェンティースに関するデータの全て。
拒むのならば力づくで。それ程に強い意志を感じさせる彼女の眼光。
降りしきる雨が逃げることを阻み、仲間も、ジョシュアも近くには見当たらない今、
ニアはどのような選択をするのだろうか、ニアは彼女に何を突きつけるのだろうか。


65 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/01/11(月) 22:40:11 ???
>>64
「その名前っ、まぁっ……」

思考の湖に沈めていた体を起こし、ふ、と赤い瞳を向ける
かつての自身の名を知っている、この雨の中何の事なしにしている
そして何より産まれた世界で見た仄かな輝き

「……出来ればっ、あんまり呼ばないで欲しいってんですねぇっ」

傘を畳み、背後の壁に立て掛ける
腰に帯びた月の光の剣の柄に手をやった

「ニア・シューペリオリティ」

それが今の名前だってんですからっ、と苦笑
目の前の彼女、その様子からどうにも即座に剣を交えるには憚られる
もしやしたら半人の仲間なのかも分からない、そう判断した故だ

「渡すものは今の所っ、ほとんどないってんですっ」
「ただ、まぁっ……」
「……もう少し待ってくれればっ、違うかもってんですけどっ」

思わせ振りな物言いは敢えて
彼女の目的を探るために


66 : ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 :2016/01/11(月) 22:53:22 ???
>>65
「……”優越”…?」

ぴくり、と彼女の眉が動く。
今しがたはっきり聞こえた”優越”という単語に反応してだ。
じり、ニアへと歩み寄り、怒れる狼のように眉間にしわを寄せた。

「笑わせるな…それは兄様の名だ…」
「貴様如きがシューペリオリティを名乗るな…!!」

右腕を大きく横に薙いで怒鳴る。息は荒い。
しかしその理由はシューペリオリティの名乗りのみに対しては無さそうだった。
彼女が焦燥する理由。一連の行動の理由自体がそこにある。

「…今集まっているだけ全て寄越せ」
「……出来ないというなら」

精神的に余裕があるならばまだしも、現在感情的な彼女に対してあまり周りくどい手段は有効策とは言えない。
軽く両足を肩幅まで広げ、だらりと垂らした両腕の拳をぎゅっと握り込めば噴き出るように蒼い炎がラヴレスの両手を包んだ。
アンタイ・コロッシヴ(対腐食)加工のマントから弾かれた水滴は、熱気によって蒸発し有害な毒ガスとなって周囲に蔓延する。
毒ガスに目をやられたか、それとも他の理由の有無かは計り知れないが、
ラヴレスは唇をぎゅっと噛み、ニアを睨みつけるその眼になみなみと涙を湛えていた。


67 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/01/11(月) 23:06:45 ???
>>66
「兄さまっ?」
「えっ、えぇっとぉ……」
「……えぇぇっ!?」

記憶から消える事のない父の顔を思い出して、もう一度現実を直視
文字通り親子程も年の離れた兄妹である、それが真実だとしたら
彼女の唯ならぬ様相もそうだが、何よりその事実はニアに鈍器で殴打された様な衝撃を与える

「お、落ち着いてっ、落ち着いて下さいってんですっ!」
「えぇとですねぇっ、今の所ぉ……」

たじろぎ半歩身を引いて、口を開くも目の前の少女の背後を見て動きは止まる

「……あーっ、お話しますってんで、場所変えませんっ……?」

レインボーカラーのモヒカンにピアスルックのレイダーめいたパンクス達が集まり、何やら粘着質な目線をぶつけて来ているではないか
騒ぎを起こすのは善手ではないと踏んで、提案
受け入れられれば適当なバーなり喫茶店なりに入る事だろう


68 : ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 :2016/01/11(月) 23:22:34 ???
>>67
「それでいい…さっさとしろ、私は忙しい」

狼狽えるニアを怪訝そうな面持ちで見つめ、
しかし落ち着けと叫ばれれば多少は我に返ったらしい。
ニアが折れれば、せっかちな彼女は涙声で急ぐように促す。
と、そこで現れたパンク集団、ラヴレスは涙を拭おうとしながら睨みをきかせた。

「……何だ貴様ら…私の邪魔を……おい、何を……やめ…はな…」

と、涙を拭おうとしていた手はぴたりと止まった。
グローブが重金属雨で濡れていたことに気が付いたからというのもある。
しかし第一の要因はニアがその手を掴んだだからだ。半ば無理矢理、そんな形でラヴレスは通りから退場する。
パンクス達はようやく通りが静かになった、と普段の生活へと戻ってゆくのであった。

「………それで」

むすっと、不機嫌面で頬杖をつくラヴレス。
露出度高めのコンバットスーツは先ほどとは打って変わって風邪を引きそうなほどに軽装である。
コートが除染中なのだから仕方がないが、この世界ではそれほど浮かないのが幸いか。


69 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/01/11(月) 23:41:42 ???
>>68
傘をさしてその場を離れる最中
舌打ちや制止を強制的に行おうとする言動が二人を襲うが、それらは異能者であり戦闘員である彼女等を止めるには至らなかった
雨音と欺瞞に満ちた宣伝マシンの騒動が支配する空間に戻った時、ドリンクのオーバードーズで幻覚に襲われたパンクスの1人が仲間を刺した
そこから始まる大乱闘は和紙に垂らした墨汁の様に周囲に広まるのだが、ニア達がそれを、彼等に取って極めて平凡な普段の生活の一端を知る術はない


「……ふぅっ、走ると濡れますってんですねっ」

越境仲間の多くに取って、有る程度の信頼が置けると判断されるに充分な質の飲食店
昼間はカフェであり、夜にはバーを営業している
息を吐いて座るニアの、薄桃のシャツとジーンズの末端は水気に色を濃くしていた

「それでっ」
「まぁ……お前の探し人っ……タェンティースってんですけどぉ……」
「今はどうにもっ、ゼファー社って何処に、ほか……っ、捕獲されてるみたいってんですっ」

ゼファー社
カノッサの息の掛かる大手軍事産業会社の子会社である
軍需品、主にサイバネティクスやバイオ兵器を取り扱う
そこで二人にコーヒーが運ばれて来る
スプロールで出会うモノとしては珍しい程のフレッシュな、馥郁たる香り

「……でっ、ニアの……知り合いっ? が、」
「まぁ、色々あってそれを助けるから手を貸せってぇ……」

ニアの語る全ては真実である
だが、敢えて不要な情報を知らせていないのもまた事実だ
例えばそう、タェンティースは既にひとで言う所の『死亡』をしている事などがそれに当たる
それはラヴレスの半人に対する唯ならぬ、命運的とも取れる捜索の態度からこの短期間の接触ですらニアにそうさせるには容易であった
多分恐らく、このままニアと行動を共にする事が出来るのならば更なる情報がもたらされる事は必至であろう
ニアは一息ついて、そんなとこです、とカップを口元で傾けた
苦い、相変わらずに苦い
自身の心境に似ているな、と苦笑ひとつ
いつものミルクとシュガーに、手を付ける事は今はなかった


70 : パンドラ【災厄の匣】>>445 :2016/01/18(月) 23:52:00 ???
【とある世界のどこか】

「うぅ……寒いですぅ……」

一面見渡す限りの銀世界。
深々と降り積もる雪は未だ衰える気配は無く、大粒の雪は視界を遮り周囲の景色を白い微睡みの中へ。
最早進んでいるのか下がっているのかもわからない方向感覚の狂いは人の精神を容赦無く摩耗させてゆく。

「あうぅ、パンドラはもうダメです……あの世で天気の神様をボコボコにしてやる、です……」

止まり木同盟の宿を目指していたはずなのだが気付けば遭難状態である。
最初は初めて見る雪というものにはしゃいでいたのだが、 綺麗だとか不思議だとか言ったロマンチシズムは消え失せて久しく、台頭したのは恨みつらみの負の情念。
段々と歩くペースも遅くなり、諦めの感情が眠気と共に少女の意識を乗っ取り始めるのであった。


71 : ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 :2016/01/19(火) 00:16:21 ???
>>70
――――真冬の雪山とは、想像を絶するほどに過酷で恐ろしいものである。
吹雪が視界と足取を奪い、冷気が体温と生命を奪う。後は、薄れる意識の中で降り積もる雪の餌食となるのを待つのみ。

「あぁ、寒いです。本当に凍え死にそうなのです……」
「こっちの方に宿があるだなんて本当なのですか……?」

そんな死地の中、風の叫び声に混じってざくざくと雪を踏みしめる音が響く。
その音の正体は、コンパス片手に歩く1人の小柄な少女。見たところだと10代の前半か。
上半身をすっぽりと覆う黒い外套には雪が積もっていて、頭の上や肩が白くなっている。
フードの隙間からはゴーグル越しに黄緑の双眸が覗き、ごく僅かな視界を頼りに辺りを見回して。
――――ともあれ、少女は吹雪の中を一歩一歩、確実に歩みを進めていた。


と、その中で、ニゲルの視線はひとつの影を見つけた。
木にしてはやけに小さく、岩にしてはやけに細い。間違いなく、それは人影である。

「……大丈夫なのですか!寝たらダメです、寝たら死ぬです!」

雪に埋もれつつあるパンドラの姿を見つければ、ニゲルはその方へと駆け寄った。
はっきり言って、サツバツとした世界の出である彼女が、ここまで他人に慈悲をかけることは珍しいのだが――――


72 : パンドラ【災厄の匣】>>445 :2016/01/19(火) 00:39:39 ???
>>71
「あぁ、いよいよもってダメかもしれねーです……幻聴が聴こえるです……」

白い静寂を打ち破るようにニゲルの声にパンドラふと、俯けていた顔を上げる。
しかし周囲を見回してみても降り続ける雪に視界が悪いせいでその声の主を見つけられない。
遂に幻聴か、と聴覚機能まで寒さにやられてしまった事にさらにどうにもならない絶望感に打ちひしがれるパンドラであった。
しかしパンドラの姿を見つけたニゲルが駆け寄り彼我の距離を詰めた事でその姿を漸く視認、今にも閉じてしまいそうなパンドラの瞼はこれでもかと見開かれた。

「ひぃぃ……!? し、死神!? パンドラをお迎えに来やがったですぅ!?
こっち来んな、ですぅ!! まだお前は必要ねーですぅ!!」

視界不良と朦朧とした意識の中で雪の中に浮かぶニゲルの真っ黒なシルエットはパンドラを錯乱させるには十分であった。
もともと臆病な性格である。この極限状況とも言えるプチ遭難中の精神状態がそれに拍車をかけたのだ。
明らかに狼狽え、駆け寄ってくれたニゲルから距離を取ろうと必死に前へと進み始める。
しかし疲労と、降り積もった雪に足をとられ殆ど前へと進んでいない。


73 : ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 :2016/01/19(火) 00:59:08 ???
>>72
「違うです、私は死神じゃないのです!」
「猫の耳が生えた死神なんて、私は聞いたことないですよ!」

――――即座に撤回。
ニゲルの立場は寧ろ逆。一応、彼女を如何にか救うつもりではあるのだ。
ひとまず死神ではないことを示すべく、深くかぶっていたフードを外した。

さっきまで隠れていた、頭頂部から2つ生える黒い猫の耳が露わとなる。
体温を奪われないよう、直ぐにフードは被り直されるが。

「(…………確かに、死神だなんて呼ばれたことはあるですけど)」

続く言葉は、声にならないほどの小さなもの。
ランナーとしての仕事をしているが故、そんな渾名で呼ばれたこともままあるのだ。


「……とりあえず、落ち着くです。私は死神じゃないです。いいですか?」
「多分、向こうの方に宿があるはずなのです。良ければ案内するですが、どうです?」

このままの状態で会話を続けても埒があくまい。
混乱状態のパンドラをできる限り落ち着かせるべく、ニゲルは声を少し低く大人しくさせて、彼女へと改めて話しかけた。
――――取りようによっては、死神が甘言を以って彼女を釣ろうとしているようにも見えなくもないが。


74 : パンドラ【災厄の匣】>>445 :2016/01/19(火) 01:26:31 ???
>>73
「へ? 死神じゃねーです?」

必死に呼び止める声にぴたりその場に停止、そしてゆっくりとニゲルへ振り返る。
よくよくみれば背格好は大して自分と変わらない少女のようで、フードの下から現れたのはなんとも可愛らしい猫のような耳。
死神に対してガイコツ、大鎌、黒いローブといった実に安直なイメージしか持たないパンドラにとってニゲルの行動は実にわかりやすいものであった。

「……? まぁ確かにこんなちびな死神聞いたこと無いですから、お前の言う事は信じてやるです」

ニゲルの言葉はこの静まり返った世界の中でも拾うことは出来ず、それが作り出した間に少し小首を傾げるも特に気にとめることはなかった。
何故か若干偉そうな言葉を吐けば、取り乱した事を少し恥じているのか咳払いをひとつ、そして身体に積もった雪を払い落とす。
そしてくるり、ニゲルに背を向ければパンドラはまた前へと進み始めた。

「奇遇じゃねーですか。パンドラもその宿に向かっている所だったです。
きっとお前と同じ目的地ですから一緒に行ってやってもいいです!
でもでもお前のその言い方だと道に迷ったパンドラをお前が助けたみたいに聞こえるからやめて欲しい、ですぅ……」

みたいに聞こえる、というか宿の位置など皆目見当も付かないパンドラにとって実際に現在進行形で助けてもらっているのだが。
迷子になって遭難していた訳ではない、と言いたいのだろう。肩越しにニゲルを一瞥すればその頬は恥ずかしさからか寒さの為か、明らかに赤みがかかっている。
因みにずかずかと進みだしたパンドラの向いている方角は、ニゲルが持つコンパスの指し示す先とは全く違うのでたった。


75 : ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 :2016/01/19(火) 01:55:16 ???
>>74
「そうです、私は死神じゃないです。安心したですか?」
「……あと、チビでもないのです。私はこれから伸びるのです」

パンドラの発言が余程に不服だったのだろう。
むっとしたニゲルは、フードの下でバツが悪そうに口を尖らせて、ふんと胸を張った。
胸は年相応にはふっくらとしている様子だが、如何せん背の方はかなり小さい。実際チビである。

「それは偶然ですね、良かったです」
「確か、こっちのはずです。しっかり私に付いてきて欲しいですよ」

成る程、宿の存在は知っている――要するに、パンドラも自身と同じような存在なのだろうか、とニゲルは考えて。
コンパスめいた手のひら大の何かを見ながら、ニゲルは防寒用の手袋に覆われた指でその方向を指差す。

「…………ただ、手柄をやるのだけは勘弁です。流石に自分勝手過ぎです」

しかし、彼女の偉そうな様にはきっぱりと突っ込みを入れるのでした。


「あと、良かったらこれ、どうですか?」
「腹が減っては……とも言うです。多分、宿に着くまでは腹にも持つですよ?」

何処からともなくニゲルが取り出すは、金属光沢の目立つ黒色の筒。
蓋を外せばそれがカップになる液体入れ――――いわゆる魔法瓶である。

パンドラの有無を言わずに、外された蓋には白くクリーミーな色合いで、とろみのついた謎の液体が注がれた。
味ははっきり言って微妙――というよりは殆ど無味であるが、エネルギー分も豊富で身体の芯からぽかぽかの温かさ。
果たして原材料に何が使われているかは、彼女のみぞ知る。


76 : パンドラ【災厄の匣】>>445 :2016/01/19(火) 02:56:42 ???
>>75
「まだ安心はできんです……! お前が得体の知れないヤツなのは変わらないですから。
でもでもお前にとってもパンドラが得体の知れないヤツと思われるのは困るですから、ちびじゃないパンドラは先に名乗るです。
パンドラの名前はパンドラです。ちなみにパンドラはめちゃめちゃ強いですから変な気は起こさないほーがお前の身の為、ですぅ……!」

先んじて自己紹介をすれば負けじと胸を張ってみせる。身に纏うリボンコートの上から膨らみは確認できなかった。
そしてさり気なく僅かにでも自分の方が身長が高い事をアピール。大した差ではないがパンドラにとっては重要な差であるようだ。
因みにとある理由によりパンドラが今の姿より成長することはない。つまりニゲルの言が事実なのであれは何れは、である。
強気な言葉は弱さを隠す為、とはよくいったものだ。パンドラは臆病な自分を見せないようにと強気に振る舞うが、見てくれと比すれば滑稽と言わざるを得ない。

「う……。ちょっと間違えただけ、ですぅ……! でも勘違いすんな、ですぅ!
本当はパンドラひとりでも辿り着けるところですがここはお前の顔を立てることにしただけですから……!
だからさっさと案内してほしいです。寒くてかなわんです」

少し不貞腐れながらもニゲルの後へと続き宿へと向かう。自身の無計画さを少々恥じるが反省は数歩歩いて終了である。
臆病でありながら色々なところで危険な目にあったり事件に巻き込まれたりするのはこの警戒心の緩さと学習能力の無さが原因のひとつなのだが当の本人は全く気付いていないのであった。

「むむ……なんですぅ、これ? 見るからにアヤシイ飲み物ですが……パンドラに毒でも盛るつもりじゃねーです?
でもまぁ、なんだかんだお前はいいヤツみたいですから……信用してやる、です。
ん……なんかあんまり味ないですが……とってもあったかい、ですぅ」

身体の芯から凍えるような寒さと空腹。目の前の温もり満載の誘惑に耐えられるはずも無く、カップを受け取れば口をつけた。
味がいい訳ではなかったが、冷えた身体に内側から染み渡る熱は思わずパンドラに笑みを零させる。
温もりは冷えた心も溶かすものだ。ニゲルに多少抱いていた警戒心も殆ど無くなり、代わりに感じるのは感謝の気持ちである。

「……よーやくついたですね。正直お前にはちょっとだけ感謝してるです。
パンドラひとりじゃこんなに早く辿り着けなかったですし、あったかくもなれなかったですから……。
だからパンドラはちゃんと礼をいうです。ありがとう、ですぅ」

漸く辿り着いた宿。殆ど遭難状態であったパンドラはニゲルの助けを借りる……というか助けられてどうにか命を繋いだのであった。
この門をくぐれば暖かい食事と暖かい空気、そして寝床にありつける。そう考えればついつい気持ちも緩み、ニゲルへの礼をきちんと言葉にして伝える事ができた。
降りしきる雪は暫く止みそうにない。積もった雪が溶け始めるまでかなりの時間が必要そうだが、ヒトの心はそうでもなさそうだ。


77 : ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 :2016/01/21(木) 19:00:17 ???
>>76
「ふん。いつか私が貴方をチビ扱いする日が来るです。その日までよく覚えておけばいいのです」

そう言って、彼女はぐいと背伸びをして。気持ち高くなった視点から、文字通り上から目線でパンドラのことを見つめた。
さっきから偉そうな少女に負けるということが、自分の「ぷらいど」とやらが許さなかったのだろうか。

――――なお、そういうニゲルの方も背丈は暫し伸びることはない。
種族的な特性で、この辺りの歳まで育てば以降は成長が酷くゆっくりになるのだ。
多分、少女をチビと見下すのは、少なくとも数十年ほど後のことであろう。


「あぁ、私ですか?ニゲル・アールヴェントなのです」
「間違っても逃げるわけじゃないです。貴女から逃げるほど根性無しじゃないのです」

「……ふん、そうなのですか。そんなに自信があるなら見せてほしいところです」
「私もこんなのですが、別の世界ではランナーとして活躍してるのです。貴女のようなお子ちゃまに舐められては困るのです」

ふん、ともう一度ニゲルは背伸びと同時に胸を張った。無慈悲な面もあるが、やはりこの辺りは子供っぽいのだ。
足元の悪さも相俟って、普通の人間なら間違いなくバランスを崩してすっ転ぶような態勢であるが、不思議と彼女はよろめかない。


「素直なやつは嫌いじゃないです。どうしたしまして、なのです」
「……まぁ、雪が止むまではしばらくここでゆっくりしようなのです。ここなら寒さも安心ですし」

こうして、ニゲルは暫し――といってもかなり長い間、些か奇妙な少女と宿に留まるのであった。

//〆遅くなって申し訳ないです、絡みありがとうございました!


78 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 18:47:27 ???
〜前回までのあらすじ!〜

七八は行方不明になっていた兄、一二三とスプロールで再会を果たす
だが兄は『ギャラエ』によって改造され、サイバネティクス・スーパーキリングニンジャ『ヘッドハンター』として生まれ変わっていたのだ!

同時期にギャラエが生み出した生体兵器『アラズァヘッド』との次期主力兵器競合の為にアラズァヘッドに対する殲滅心を植え付けられていたヘッドハンター
ギャラエの元から脱走した彼はしかしそのマインドコントロールから抜け出せず夜毎スプロールの闇を駆け、アラズァヘッド達の血色で藍を染め上げていた!
その凶行はギャラエが死に、既に自身がカノッサから不要になりながらも続いていたのだ……

やがてカノッサの傘下にある軍事会社『ゼファー社』所属の謎の人物『バイス』から越境者達にヘッドハンター鹵獲の依頼が飛ばされる
アラズァヘッドシリーズに実戦兵力を頼るゼファー社としては、ヘッドハンターの存在は目の上のタンコブなのだと言う

越境者達は見事にヘッドハンターを撃退、無力化!
しかし作戦に参加していた七八が止める間も無く、目の前で兄はゼファー社の部隊に捕縛され連れ去られてしまった!

その後機会を伺っていた七八に声を掛けたのは越境現象から遠ざかっていた『アラズ』だった
アラズァヘッドシリーズの一体である彼女だが、脱走し自由に生きている
そんなアラズは『アユル』なる人物の指示で、大破した『タェンティース』を探していた
そしてタェンティースがヘッドハンターと同じく、ゼファー社に鹵獲されていると知る
アラズは七八に共闘を持ち掛けた
同じように越境者達を頼るのもまた自然な運びなのであった……


79 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 18:54:36 ???
西から吹く風が毒性の凍雲を揺さぶる
上空の寒気は氷点下を示しており、落ちる雨粒は凍てついて雪へと変わっていた

灰色の雪だ

西風に煽られて舞う毒を持つ妖精
眼前に薄らに積もりネオンライトの貪婪な輝きに照らされている

「さみー……ここ(スプロール)にも雪なんて降るんだな」

「……」

都市迷彩を施した装甲車に、白い息を纏いながらにやって来るはアラズ
ニア・シューペリオリティと同じ風貌を持つ彼女のクローントルーパー
真紅のマフラーと、左腕を覆う、丸みと光沢を帯びた灰色のガントレットが特徴的
それを無言に迎える七八の瞳は雪をも溶かす決意が宿っている

「そう怖い顔すんなって、これだけ集まったんだ」
「……成功するさ」

左手の親指を立てるアラズ
その赤眼は直前の間、この場に集まった一同を見渡していた
彼女はこの件に対して、タェンティース及びヘッドハンターの奪還作戦に対して協力者を募っていたのだ

「……報酬はぁっ、約束通り大丈夫ってんでしょうねぇっ?」

集まった越境者の中、ニア・シューペリオリティは憮然としていた
彼女としては複雑な関係のあるアラズと、それとタェンティースに対しての協力にはそれを払拭出来る程のモノゴトが必要だったのだ
即ち報酬という、極めて単純な、本音を隠せる為に用意された動機が

「そうがっつくなよ、『おねーさま』」

最も、それだけを見ればニアが勘繰るのも仕方ない面もあった
アラズが提示した報酬の価値は、スプロールのミドルクラス・ランナーの数か月分以上の稼ぎに価する
座り心地の悪いシートに腰掛け腕を組み俯いていた鼠人、ムガも、ニアの質問に対しては億劫そうになりつつも顔を上げる結果となった

「任せとけって、ちゃんと払う」
「んな事より、他に取っとけよ心配なんざさ」

しばし越境から遠ざかっていた彼女は、何処か余裕とした態度で飄々と応じた
こつん、とニアの鼻先を叩くその様子はあらゆる不便の拘束を振り解いての自由然だ
鏡写しの偽りの姉妹は向かい合い、片頬を釣り上げて先に目線を逸らしてぐるりと一同に合わせたアラズは続ける


「ま、そんな訳で間も無く決行時間だ」
「これからゼファー社本社ビルにカチコミを掛けて、その後は作戦どーり」
「私とこいつが外で暴れて、その間に『タェンティース』と『ヘッドハンター』を奪還する」

簡単だな、と付け加えて小さく笑った
自身と、そしてニアで陽動を掛け警備を引きつけ残りのメンバーは突入という訳だ

「更に再確認。 ゼファー社のアラズァヘッドは6体。 どれも後期半機タイプの改良型、ブルームーン持ち」
「後は有象無象の雑魚だな、カノッサ下のPMC(民間軍事会社)とはいえ中小の持てる兵隊の数や質なんざたかが知れてる」

現時点で確認すべく方法はないものの、アラズが入手出来た情報は少ないがほぼほぼ正しい
つまり今作戦に於いて最も注意すべきは敵所有のアラズァヘッド
そして陽動でそれらを外に何体引き摺り出せるかで突入隊の作戦難易度が変化するという訳だ
それは明文化出来ない何処か超然とした感覚で彼我をぼんやりと認識する事が叶うアラズァヘッド達の直感を、自身やニアを感じさせようとアラズが利用しそれに賭けた故の作戦でもある

万一アラズァヘッド達が陽動に掛からなくとも、兵隊の数を減らす事は出来る
それにその場合、基本的には単調な思考と作戦行動を持って動くはずのアラズァヘッドにどの程度の改良が加えられているかの目安にもなるのだ
要するに陽動に掛からなかった場合、相当な改良が加えられている事になり注意度が増すという事

「……向こうがコッチの目的に勘付くのまではそう時間もないはずだ」
「そうするとマズイ、もしお目当てが……まぁ……なんだ、オシャカにされちゃ堪らねぇからな」

奪還目的がただの『モノ』ではない事を七八の射抜く様な視線に気が付き、アラズなりに言葉を選んだ

「作戦時間は『可能な限り迅速に』、おーけー?」

ヒョイと運転席に移り、エンジンが獣の唸り声を挙げた
隆盛たる雄牛がマタドールに、地響きと共に駆け抜ける前の咆哮に似ている
西風に吹雪く夜、外気温氷点下6度


80 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 20:59:29 ???
「トイレは済ませたかー?」
「じゃ、行こうか」

各々に、ヘッドセットや無線機等望む形で手渡された通信機からアラズの声

一同は間も無くゼファー社本社ビルに到着した

周囲は何事もなく静かだ、此方の作戦が気取られた風はない
先ずはアラズとニアが頷き、トラックを後にすれば駆け出す
やがて散発的に銃声が聞こえ出し、通信機からGOの合図
トラックを出ればビルの裏口が見える、警備兵は表口で暴れる2人の対処へ向かったのだろう姿がない
事前に手渡されていたマップによれば、裏口から侵入し地上22階の研究ラボに目的のブツは囚われているのだと言う
無論エレベーターも、階段もある
何方を使うかは

「そういえば、……決めてなかった」

低い姿勢で走るムガが呟いた
要するにうっかり失念していたのだ、仕方ない

「……どっち!?」

荒々しく七八、判断を委ねる格好となる
一般社員が数人、一同を目撃し腰を抜かしていた
警備兵を呼ばれる可能性もある

【どっちで22階を目指す?】
【1.もちろん速いしエレベーター】
【2.慎重に階段にしとこう】


81 : ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 :2016/01/26(火) 21:38:21 ???
>>80
「……準備に滞りはない。確実に遂行し、あの馬鹿を連れ帰る」

装甲車内部、準備万端のラヴレスが噛み締める様に呟く。
この情報を聞いたその時にゼファーへと殴り込みを掛けようともした。しかし好機をフイにしてしまわぬよう、必死に思い留まっていたのだ。
理性に従い、ようやく訪れた作戦決行の日。ラヴレスは獰猛な獣のように殺気立っていた。

『まぁ事前に伝えといた通り、俺ぁパスだ。見捨てるようだが悪く思わねーでくれや』
『………死ぬんじゃねーぞ』

一方ジョシュアはこの作戦にはまったく興味を示さず、やる気満々のラヴレスとは対照的な態度だった。
緊急時のバックアップ要因として駆けつけてはいるが、普段着な時点で前線へ出る気はないようだ。

ただHEXA製のチョーカー型ヘッドセットによってラヴレスとジョシュアはリアルタイムで映像と音声を共有できるようになっている。
チームが危機的状況に陥れば、背後の壁に立てかけてある携行型レールガンを担いで一応救援には向かうだろう。

そして突入、いきなりの小休止。苛立つ彼女には大きな障害だ。

「……呆れたな」

HEXAの計画ならここまで詰めは甘くないだとか、所詮は素人の寄せ集めだとか、口を開けばガミガミガミガミ。
一切の精神的余裕のないラヴレスの様子からは、彼女が相当焦っていることが窺い知れる。

「エレベーターが落とされるのはマズい。私は階段で行くぞ!」

七八の荒々しい問いかけには荒々しく返し、一人でも階段を選ぶとラヴレス。
耐久力を犠牲に速度に特化した彼女の機動力であれば20階程度なら容易く駆け上がることが可能だ。
シャッターやレーザー網などで遮断されればそれまでだが。

ついでに、階段なら途中でエリクサーめいた小瓶も拾えるかもしれない。


82 : ダスティ・ナイトウォーカー  ◆qXa.Mj92T. :2016/01/26(火) 21:45:51 ???
「兵は神速を貴ぶ(?)ってことで…速いに越したことはない。ちょっとシステムをいじらせてもらおうかな」
ダスティがボソボソと呟く。そして剣のツカを強く握る――ヴゥゥヴン、と刃がうなる。
そして…「ぬんっ!」と一声。エレベーターの操作パネルの間近、配電線に突き刺した。
パチパチと小さな稲妻が走る。
「―――目標の階までノンストップさ!……邪魔が入らなければね! さぁさ、皆さん行きましょう!!」
剣の素子と能力を利用して、自身の脳からの電気信号を直接プログラムに送り込んだ。
『ナルカミ』の異能力名は伊達ではない。
(さて…鬼が出るか蛇が出るか…)
エレベーターが止まるとは思わないのか、はたまた能力で強引に突き進めるという自信の表れか。

【ダスティ:エレベーターに乗り込む。能力でシステムを一時的に操り、上階を目指そうとする】


83 : アグラーヤ >>336 :2016/01/26(火) 21:48:35 ???
>>78>>79
「………」

装甲車の中、座席の隅に腰掛ける黒衣の女アグラーヤ。
防寒の為だろう、漆黒のケープ付きコートに身を包み真紅の隻眼はニアとアラズのやり取りを横目に捉えていた。
アグラーヤがこの場に居る理由は他でもない、タェンティース奪還の為である。むしろそれ以外には何も無い。
報酬すらもアグラーヤにとっては不要であった。ひとりででも実行するつもりであったし、協力者がいるのであれば精々体良く利用させてもらうだけだ。
アグラーヤはそれほどこのスプロールという世界の情報に明るい訳ではない。それでも尚この作戦に加われたのはかつてジョシュアと、そしてニアから与えられたお陰である。
それ故、ニアに対してはある種の特別な感情もあることから出来れば彼女を血生臭い戦場には出て欲しくはないのだが今回ばかりはそれを気にしている余裕などはない。

「……あのお馬鹿、あんたが居なくてどーするのよぉ」

ぼそり独り言ちればゆっくりと瞼を下ろし、これから行う事に対する覚悟を再確認するのであった。
タェンティース、彼女の為ならばきっと自分は文字通りにどんな事でも躊躇うことなく出来てしまうだろうから。

「……了解」

事前に渡されていたヘッドセットから状況開始の声が各々の鼓膜へと届く。閉ざされていた隻眼は真紅の満月を映し、彼女の姿を想う。
そして装甲車から飛び出しビルの裏口から進入したところで早くもブリーフィングに無い状況の発生である。

「チッ……、早い方に決まってるでしょお!?」

少しイラついた様子でエレベーターへと駆ける。早計ではない、何が起ころうと対処できるという絶対の自信が時間を優先させたのだ。
途中丸腰の社員へ電撃を飛ばすのも忘れない。面倒は極力避けたいもの、一般人であれば即死するレベルの威力のものを彼らの顔を見ることすら無く淡々と放つ。


84 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 21:59:55 ???
>>81
「……悪いけど、多数決」

民主主義の元下された判定は、ムガにラヴレスの襟首を掴ませた
やや強引にエレベーターへと引き摺る事だろう

「多分落とされはしない」
「……向こうは向こうで、まだ目的を察してないだろうから」

これがそう、盗賊だと判断されているならばエレベーターは悪手だといえる
だがしかし一同の存在が今だ未知であり、更にいえば目的すら現時点では不明なのだ

「……なんとかなる」

とはいえムガも矢張り、ラヴレスと同調しかけていたのもまた事実
自身に言い聞かせるように彼女にそう告げた

>>82
「ふーん……」
「便利なもんだね」

七八がそう表するダスティの異能は、まさしく望む通りの結果を彼に齎した
エレベーターは従順なしもべとして目的の階、22階へと一同を運ぶだろう

>>83
『ーー!!』

雷撃に声を挙げる間も……無論警備を呼ぶ間もなく彼等は黙する
その所作を、刀を抜き掛けていたムガは感心していたし七八は目を逸らしていた
2人の忍びの決定的な差が顕著した形である

「……悪い、助かる」

鼠人がポツリと、そう呟いた



>>81-83
エレベーターは順調に目的の階層へと向かっていた
背面がガラス張りで外が見える、グレイスノウが舞っている
上層階まで到れば夜景が一望出来るかも分からないが、目的の22階は丁度中程に位置していた
この程度の高さでは周りのビルに阻まれ何も見えやしない

ぽーん、と間も無く間の抜けた音
電子アナウンスが告げる、ニジュウニカイデス
ドアがゆっくりと開く
正しくは乗った時と同じく素早い開閉なのだが、少なくとも七八には嫌らしい程スロウに思えたのだ

『き、来た、狙いは研究室か!!』

恐らく敵は、幾つかの階層に目星を付け兵力を配備していたのだろう
数人の兵士がアドバンスドカーボン製のシールドを構えバリケードを張り銃口を向けている
驚愕から復帰すれば即座に発砲が成されるであろう、このままでは蜂の巣必死!

【判定!】
【一瞬の逡巡、発砲までの瞬きが如きか細い時の狭間!】
【決断一瞬、行動迅速!】
【尚敵兵は未熟! 確定描写での討伐を許可!】


85 : ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 :2016/01/26(火) 22:20:05 ???
>>84
「いやだ、やめろ……!はなせ…!!」
「…………」

嫌がるラヴレスを引きずるムガに両腕を振り回して抵抗。しかしあっけなく引き摺られてゆく。
能力を使用していないときは非力なものだ。いくら格闘戦に精通していようが、腕力は十代半ばの少女のものなのだから。
エレベータの中でアグラーヤとダスティを交互に睨みつけ、ムガの太腿の毛を毟った。

「!」
『おいラヴレス、ボーっとすんな!』

目標階に到達したことを知らせるアナウンス。しかしラヴレスは敵兵を見つめたまま動かない。
心のうちに抱いたのは恐怖ではなく、強い殺意。「殺してやる」といった感情が、彼女の身体に力を籠らせたのだ。
それゆえの硬直、ジョシュアの叱咤と共に我を取り戻し、一瞬遅れて回避運動。目を細め、顔を顰める。
駆けだしたラヴレスの背後にはためく、対腐食、対IR加工の施されたロングコートは銃弾で貫かれ穴だらけになっていた。

「くっ………!」
「蹂炎(じゅうえん)!!……っ、……三重炎(さんじゅうえん)!!」

紺碧の炎をその脚に纏い肉体強化、銃撃の合間を縫って走り、人間離れした機動力で視界から消えた。
空中で回転、運動エネルギーを増幅してバリケードへ真上から踵落とし。バリケードは軋み、しかし割れない。
固い、ラヴレスは眉を顰めた。しかしすぐに持ち直し、今度は三度素早い回転、炎の渦となってバリケードに蹴りを叩き込み破壊。

「………どこだ…!」

回収目標を探し、壁や天井のあちこちに窪みを作りながらピンボールの如き人外挙動で研究所を飛び回る。


86 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/01/26(火) 22:24:50 ???
>>79>>80>>84
「………」

弓を静かに構えて一行の後ろを歩む獣がいた
彼女は特に意見を示すこともなくただ淡々と後ろを行く
獣たる狩人、彼女はシノビを狩った者の一人だ
関わったからには最後まで、その思いで今回も参加を決めた

エレベーターで行くことにも特に異論は示さない
だが、その弓にはしっかりと矢が番えられていた
警戒をしているようだ
だが、エレベーター自体が罠だという可能性については考慮されていない…多分エレベータなどあまり乗ったことがないのだ

「…ふん」

エレベーターが開く
そこに数人の兵士がいると認められたそのとき、アルコは既に行動していた
番えていた矢を、人影に放つ
ラブレスとは異なり、殺気などにも一切動じない――それはアルコが人ではないから
手前の一人の頭蓋を射貫けばエレベーターから即座に脱出
新たな矢を番え、研究所の狭さに舌打ちをしながら新たな獲物を探し求めた
回収目標ではなく、敵兵を


87 : アグラーヤ >>336 :2016/01/26(火) 22:29:58 ???
>>84
「ラヴレス! 一緒にいなさぁい!」

目の届かない所で誰かを失うのは二度と御免である。階段を目指したラヴレスへ怒鳴るような制止はムガの半ば強引なやり方で達成された。
結果全員が揃ってエレベーターへと乗り込む事となり、ダスティの異能により懸念された事態も起こる事は無かった。
ダスティ、彼女の異能はどうやら自分と似たモノのようだ。しかしアグラーヤ自身機械に対してまるで駄目なので彼女の真似事はできそうにないが。
結局自分の力はヒトを傷付け殺める事しか出来はしない。しかしそれは過程の問題だ。結果として大切なモノが守れるのであればどのような過程があろうともどうでもよかった。

「……ふん。いいのよぉ、べつに。出来ない覚悟なんて無理にしないで。
出来もしないことを無理矢理やろうとされる方が迷惑だわぁ」

エレベーターの中、鼠人の礼には応えることなく口を開く。果たして誰に向けられた言の葉であろうか、狭い空間の中全員の耳に入る事だろう。
無理して不釣り合いなことをやろうとするな、出来る事を出来る奴がやればいい。
アグラーヤの気まぐれな優しさは刺々しく皮肉めいた外套にすっぽりと覆われてその真意を察する事は難しい。
やがて機械音と共にエレベーターの扉が開く。他の者にとってどうだったかはわからないが、アグラーヤにとっては長く、実に長く感じられる浮遊感であった。
しかし同時に、これから起こるであろう事への対処も十分に考える事ができた。内面に宿す激情はしっかりと止めおき、事態の最適を思える程には冷静である。

「……お呼びじゃないのよぉ、雑魚は」

よろしくねぇ、と扉が開いた瞬間敵の驚愕を突いて攻撃行動もとらずに駆け出すアグラーヤ。こんな所で雑魚相手には時間も力も微塵も使いたくは無かったが故だ。
自分が何もせずとも雑兵共は他のメンバーがどうにかするだろう。ラヴレスの力は当然信頼しているし、他の者たちとそれなりの実力者であるはずだから。
協調性皆無の自分勝手な行動とは理解している。ただそれでも、一瞬でも早くタェンティースの姿を想うアグラーヤは先へと進む。


88 : ダスティ・ナイトウォーカー  ◆qXa.Mj92T. :2016/01/26(火) 22:40:20 ???
>>84

意外にも容易いものだ、とほっと一息つく…まあ、エレベーターという密室の中でダスティはそこそこ忙しいのだが。
何しろセキュリティシステムが機能を取り戻すべく、延々と修正プログラムを送ってくる。
サイバー装備を通じて脳内に転写したそれを、カウンターの要領でひたすら打ち消しているのだ。
「便利だ」と評され頼られるのは内心嬉しいものだが、それに応えるための労力も馬鹿にはならない。

「っ!? お出ましかい!…ってオイ!!!」
目標のフロアに到着した途端に浴びせられた銃弾。無防備と言って差し支えないダスティは―――
「―――あだだだ! いってええ!」
奇跡的と言っていい幸運だった。弾丸はすべて強化繊維で作られたコートに当たり、単純な衝撃となってダメージを軽減。
あざはかなり出来るだろうが、戦闘に支障はない。
「ハアアアア!」
背中に埋め込まれたスラスターを起動、一気に出力を高めていく―――のだが。
「………僕ぁ、ちょっと悲しいぞ、みんな」
腕利きの仲間たちは、ダスティの居合の構えが完成する前に、敵兵をことごとく片づけてしまったのだった。
それなら、とフロアをブロック状に仕切っているであろう扉に向かって―――
「―――叩き切る! イェアアア!!」
瞬間加速。うっぷんを晴らすがごとく、邪魔な扉を1つ袈裟懸けにしようとする。

【ダスティ:銃撃で軽度のダメージ、戦闘に支障はないはず。扉を1つこじ開けようとする】


89 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 22:43:42 ???
>>85
「痛っ、あ、暴れんな子供か!」

自慢の毛並みを毟られれば流石に声を荒げるムガ
ともあれエレベーターに押し込めば一安心


『グワー!!』

バリケードを蹴散らされ諸共吹き飛ぶ兵士達!
裂帛の気迫は無象達を粉砕!

>>86
『あっ……!』

人1人の命を奪うにしては余りにも呆気ない、静寂の一矢
とさり、と彼が崩れ落ちる音すらサイレント
狙撃手の一撃は周囲の兵士に、まるで和紙に墨汁を垂らしたが如き純黒の畏怖をジワリと刹那に拡げる!
直後の事だろう、アルコの放つ二の矢三の矢で立て続けに急所に風穴を開ける事になるのは

>>87
鮮血で染まる赤絨毯を征く彼女を遮るモノはない
目の前のバリケードも、兵士も、崩れ落ちる倒れては道を譲る事だろう
エレベーター口から吹き付ける風が漆黒のドレスを揺らす
威圧風を纏い、覇道王道を歩む!

>>88
「ちょっと、大丈夫!?」

七八から叱咤めいた叫び声
必要ならば薬を投げ渡すだろうが、現時点では不要と判断されたらしくそれはまだない

「……何してんの?」
「……って、あ」

そして彼が凶行に走るのを呆然と見ていたが、だがその先に道が開ければ話は別だ

>>85-88
「……こっちだ、向こうのフロア!」

研究所フロアのエレベーター前の部屋は手狭だ
だがダスティの切り開いた扉の奥へと走れば様子が異なる模様
そこで突然、ニア達の叫ぶような声が通信機から聞こえる

『あ、アラズぅ! あれっ、あれっ!』

『……マジか、こっちに6体全部来やがった!』
『そっちには雑魚しかいねぇ、さっさと片付けてズラかろうぜ!』
『……ニアっ、踏ん張れよてめぇ!』

『だ、誰に向かって言ってるってんですかぁっ!』

ニアとアラズの声と、銃声と、触腕の打撃音が狂想曲めいて重なっている
作戦に於いて重要なファクターであった敵アラズァヘッドは全て陽動に掛かりアラズとニアに襲い掛かったのだという
無論改良されたアラズァヘッド達の個々の戦闘力は旧型であるアラズとニアのそれを凌駕している
楽観視出来る状況ではないが、突入チームからすれば後顧の憂が消えた形となる

「外がマズイか、急ごう」

骨伝導型の受信機を首筋に仕掛けているムガはそれを把握していながらも突入チームとしての責務を優先する事に躊躇いはなかった
対して七八は逡巡一瞬、迷いを振り切る様に頷く

「……この先だね、ここの広間の向こうの……あのドアだ!」

「いや……待て、なんだ、この変な……匂い……?」

ゼファー社のビルはその企業規模からすれば不自然な程に大きい
恐らく内部に訓練施設や実験設備を備えているのが影響しているのだろう
ここもそのひとつ、研究ラボで生産された兵器の試験室の様だ、薄暗くて広い
ただ面積だけではなく、幾つかの柱やジェラルミンやカーボンの遮蔽物が配置されており死角が多い

そしてそれは、一同が部屋の中心に至った頃に起こった
ムガが立ち止まりその悪寒を匂いとして察する
七八は眉間にシワを寄せて振り返り、続けて周囲を見回すが首を傾げるのみ
そんな彼女の背後遠く、物陰より影がひとつ踊り出て煌めく何かを鋭く投げ放っていた

【判定!】
【薄闇の中、極めて希薄な気配の持主が複数物陰に息を潜めている!】
【それぞれがシノビ技能に加え、魔法を使い存在をか細くしている様だ】
【鋭敏な感覚、直感、第六感……!?】
【『もしくは飛翔する苦無や手裏剣、短矢の風切音』を探知すれば!】
【この極めて殺戮に手練れた影達の奇襲から身を守る事も叶うはずだ!】


90 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 22:46:49 ???
【追記!】
【手裏剣や苦無や弓矢は各々に飛来している!】


91 : ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 :2016/01/26(火) 23:01:16 ???
>>89
『クソが!制圧オンリーだ!俺が出る以上絶対にアラズァヘッドは殺させねぇからな!』

表ではついにジョシュアが出る羽目になり、ジョシュアの無線はそれを最後に途切れた。
下は相当な修羅場らしい。ラヴレスはよりいっそう気を引き締める。
そして極めて軽装の戦闘服の上に纏う、唯一”服”と呼べそうなコートをぴらりとめくり溜息。

「………」
(撃たれたか…だが…まだ動ける)

反応が遅れたせいか、弾丸が脇腹を掠めていたようだ。出血が激しい。
鋭い痛みに顔を歪め、しかし「まだだ」と首を振り、何度も脇腹を殴り、倒れそうな中正気を保つ。
そして武術家特有の第六感か、風切り音に素早く反応、振り向いた先の視界の端に黒い影を捉えた。

「――!」
「七八ッ!!」

先ほどとは違い瞬時に反応、肉体強化。その身体は青い炎に再び包まれた。
七八に飛びつき、抱きかかえるようにして背後からのクナイによる不意打ちを庇う。

「ぐッ……!!」

どず、どず、と背中に深々と突き立つクナイ。痛みに瞳孔が委縮し、やや遅れて血反吐を吐いた。
地面に堕ち、しかし「まだだ」と立ち上がる。頭が重い。視界が揺れるようだ。
セピア色の視界の中、足元に滴り落ちるどす黒い血だけがやけに鮮明に見えた。
クナイの飛翔してきた方向へと振り向き、睨みつけるその眼光は夜闇の獣の如く輝く青。
弛緩する全身の筋肉。叫び、直後、駆ける。


92 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/01/26(火) 23:07:31 ???
>>89
「未熟者め、あちらで修業しなおして来い」

矢を番え放つ、矢を番え放つ
それだけで静かなる恐怖に囚われた兵士たちは次々に倒れる
それを射手はただつまらなそうに一瞥。矢を番えて次を探す

通信機からの音声、どうやら囮はその役目を忠実に果たしている
囮には負担を強いることとなるがむしろ動きやすくなった、としか思わない
だから、躊躇いもなくムガの後を追う

「魔力…?…ッ!」

そのとき、やたらに遮蔽物の多い部屋に入ったとき、
アルコの耳と尾が薄く魔力を捉えた
そう、魔獣としての力を薄く残すこの狩人は魔力を捉えられるのだ
魔法を用いて身を隠すなど、彼女の前では裸で眼前に立つのと大差はない
つまり、隠れているつもりで放った苦無や手裏剣や矢は悉く迎撃、または回避された
だが、それはアルコに対して放たれたものに対してのみ、隣でラブレスが苦無に貫かれないようにすることは不可能
そのことを悔やみながらに忍たちへと矢を放つ
何も言わずに、表情を凍らせながらに


93 : アグラーヤ >>336 :2016/01/26(火) 23:16:06 ???
>>89
「……死ぬんじゃないわよぉ、ニア……!」

通信を切り絞り出すようにぼそり一言。誰かを下へ応援させる事も考えたが、作戦の目標はこちらにある。
なれば大人数の割かれたこちらの状況を可及的速やかに達成させることが最善策だ。下のふたりにはそれまでどうにか踏ん張ってもらうしかない。
巡る感情を押しとどめての一言であった。ちなみにアラズの事は割とどうでもいいらしい。さらに余談になるが、先の一件以来アグラーヤはニアの事をマウトヘッドでは無くニアと呼んでいるそうな。

「チッ……、こっちは隠れんぼも探検ごっこもやってる時間なんてないのよぉ、まどろっこしい……!
……っ!! 七八っ、ラヴレス!! 居るわぁ! この部屋の至る所に!
来るっ……! 自分の身は自分で守りなさいよねぇ、貴方達ぃ!!」

目が効かないのであればと室内に自分を中心とした電磁波を発生させる。人体や機械に影響を及ぼさない程度の出力に抑えたものだ。
しかしそれでもこの室内に何があり何をしようとしているのか、そして自分達に向けられているものが何かは手に取るようにわかる。
故に瞬間張り上げる声。咄嗟に出た名前はラヴレスは当然として七八を上げたのは彼女が真っ先に狙われたからであった。そしてアグラーヤにしては珍しい大声、他の者たちへの注意喚起としても十分にだろう。

「そんなに人の目につきたくないのなら、姿も見せずに丸焦げになるがいいわぁ。
面倒よぉ、全員まとめて片付けてあげる……!」

自分に飛来した苦無、手裏剣は紫電を奔らせ弾き落とす。獲物、攻撃規模がわかっていればさほど難しい事ではなく電磁装甲に頼るまでもない。
そして電磁波によるスキャニングで得た敵の位置情報全てのポイントに放電、雷撃により悉くの撃破を目論む。
しかし敵も初心ではないだろう。この攻撃で片がつくといった慢心はアグラーヤに微塵も無い。


94 : ダスティ・ナイトウォーカー  ◆qXa.Mj92T. :2016/01/26(火) 23:18:09 ???
>>89

文字通り切り開いた道を進んでいく……(いやーな予感がしやがる…)
その予感通りだった。突然に四方八方から飛来する殺気。そして、それらがただの気配でないことは火を見るよりも明らかだ。

「『電影結界』!!」
バチン、という音と共に半径5メートルにわたって空気中の電子が異常活性化する。
その気配を捉えるダスティ。そして得た結論は――(高速の苦無、手裏剣、短矢! 多数! 迎撃間に合わず!―――回避!)

「ヒッフッハッ! ホッハッピャアウッ!」
鮮やかな回避。殺意のことごとくを華麗な身のこなしで躱した。
うら若き純真な乙女がいればダスティに惚れたかもしれない、その残念な掛け声さえなければ。
次の瞬間、得意とする弓を引き絞るようなフォームで、凶器の飛来元を見据えて構えた。

【ダスティ:飛び道具を回避、戦闘態勢に入る】


95 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 23:21:30 ???
>>ALL
『一匹もヤれないか』

小型の木の弓を折り畳み腰具に吊り下げながら、鼠人は不敵に顔を歪める

『案外出来る』

それは人でいう笑みを浮かべるだけの所作ではあるが、隠しようの無い悪辣が滲み出ていた
薄闇の中に溶け込む長い乳白色の毛並み、深紅の眼、大きく美しい二双の前牙

『お前達、いいな、いつも通りだ。 一匹たりとも逃がすな』

羽織る衣はいかづちを孕む灼熱色だ、衆に伝わる秘宝『火鼠の皮衣』
アグラーヤの黒雷を受け止め、尚も超然としてそこにある
声変わり前の少年、もしくは少女のソプラノを押し殺した特徴的な声

「……は?」

滅多な事では動じる事のないムガだが、流石に目の前に目の前に現れた『自分自身』に呆気に取られる格好となる
前牙の有無さえ差異がある、しかしかの鼠人は間違いなくムガなのだ

『……ヤるぞ』

かの鼠人……ヤソの衆の長、『タマヤソ』は悪辣を表に貼り付けたまま手首をしならせる
合図を受けた影達は、ヤソの衆の誇り高き忍びたる鼠人達は忍者刀や棍、鎖鎌や槍などを構え一同へと襲い掛かった!

【鼠人の忍達のアンブッシュ(奇襲)!】
【総員が恐ろしく熟達した殺しのマスタークラスだ!】


>>91
駆けるラヴレスに立ちはだかるは棍を操る小肥りの灰毛の鼠人!
見てくれの如き膂力を誇り、玉鋼の棍をまるで木の枝が如くに転し襲い掛かる!
脳天をカチ割らん勢いでの、音すら置き去りにした振り下ろし一閃!

>>92
分銅と小型の鎌が繋がれた、鎖鎌を手繰る細身銀毛の鼠人!
放たれた矢を絡め取る鎖の銀は体毛に紛れその軌道が読み辛い!
分銅部を放てば、まるで蛇が如くに宙でしなりアルコへと向かう!

>>93
槍術使いの鈍色の背の高い鼠人!
彼は先の雷をすんでで躱し、身を翻し姿勢低くまるでスズメバチが如き突撃をアグラーヤへと向けている!
電気を微かに纏った体毛が逆立ち、雷鳴の軌跡を描き駆け抜ける!

>>94
黒鋼の小刀を携える漆黒の鼠人!
薄闇に溶ける体躯は暗殺に長けているのは明らかだ!
静かに音も無く駆け寄り、ヤクザモノの振るう太刀筋とは一線を凌駕する鋭い横薙ぎをダスティへと放った!


96 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 23:21:41 ???
一方、陽動チームのニアとアラズは多大なる苦戦を強いられていた
兵士達の銃撃の火線は熾烈で、更に自身より高い性能を持つ異能兵器『アラズァヘッド』6体を相手にしなければならないのだから

「くそっ、けっこーやべぇなこれ……」

「アラズっ、このままじゃ無理だってんですっ、撤退は……!?」

「馬鹿言え、上が済ませる迄がお仕事だ!」
「……増援の手筈も、してある!」

「ええっ!? ……きゃぁっ!?」

「ニアっ!!」

何故それを先に言わない、とニアの叫びは轟音に呑み込まれた
兵士の放ったグレネイドが炸裂し、彼女の体を支えていたタイドメイカーの触腕を吹き飛ばしたのだ
バランスを崩し尻餅を付くニア、落ちる翳りに顔をあげれば見知った霧氷の赤眼
彼女のクローン兵器たる『アラズァヘッド』がオリジナルを、その触腕を持って押し潰さんとした瞬間だ

「……!!」

死を覚悟したのか否か、目を見開いて歯を食い縛るニア

【アリッサムへ判定!】
【稼ぎ仕事だと案内されて到着した現場は、既に修羅道に入っていた!】
【依頼主である『アラズ』、仲間であると事前に紹介されていた『ニア』と『ジョシュア』、そして6体の『アラズァヘッド』に無数の敵雑兵!】
【眼前に於いて正に、敵兵に討たれんとするニアの姿!】
【敵兵は異能保持者だ、巨大な8つの触腕を首筋から生やす『アラズァヘッド』!】


97 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/01/26(火) 23:31:56 ???
>>95
「…?」

敵の姿は、味方のそれに似ている気がした
だが、そんなことは大したことではない。獣の社会ではよくあったことだし人も同じようなことをやっている

「…ちっ しかしそんなもので私を殺せると思うとは…甘く見られたものだ」

自分に相対する鼠人は分銅使いだった
しかし、肝心の鎖が見えにくい。矢を絡み取るその挙動もそれほどよくは見えなかった
とりあえず、向かってくる分銅を見ることにして一射。迫る一撃を辛くも弾かんとする
分銅を、鎖の一部を、破壊できる強固な一撃――それで戦力を削いで畳みかける
そんな戦術を考案して矢を引き絞り、引き絞りながらに的を絞られぬように走る
この次に、鉄をも穿つ威力の一撃を放つためにも今は足のみで分銅の狙いを定めないようにする


98 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 23:36:21 ???
>>97
『ぢ、……!!』

弾かれる分銅、鎖を伝わり衝撃が持ち手に走る!
だがそれを忌々しい囁きだけに押し留め、手繰り寄せて反転させ鎖部で横薙ぎにせんと振るう!
成る程機動するアルコに対しての、面制圧を主眼に置いた攻撃だ!
だが直後、足に一矢を受け態勢を崩す!


99 : アリッサム ◆xGMulkBAlY :2016/01/26(火) 23:41:56 ???
>>96
「今度から要項には気をつけるわ……」
簡単な陽動と聞いてきた仕事はすでに死地に入っている。
追いついた時には今まさに殺されようとしている仲間の姿。

考えている時間など無い。直感に頼る。
首からさげている触腕がおそらく武器で弱点のはず。それを狙えばいいか。
しかしそう言う時間もない。騒音での陽動も効かないか。
思考を巡らせ、手を前にかざし炎を放つ。狙いは足、ニアの後ろになる方へ。

大火球そのものが効かないかかわされても、着弾すれば爆発を起こす。
さすがに図体がでかくてもよろめくはずだ。飛び退けばその間に逃げられるだろう。
どちらにしても逃げる時間を稼げる。果たして……

「大丈夫!?助けにきたわ!」
ついでに思い出したように名乗りを上げる。
これで敵の注意を引けばしめたものだ。


100 : ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 :2016/01/26(火) 23:43:13 ???
>>95
「はぁ…はぁ……」

ラヴレスと相対する小肥りの刺客。不敵な笑みを浮かべ、ラヴレスを見下ろす。
立ち止まったラヴレスはそんな余裕などどこにもなく、ただ相手に殺されるのを今か今かと待っているような状態だ。
しかし相手が動けば、ラヴレスも動かざるを得ない。

「……はや…ぐっ!!」
「かはぁっ………!」

図体に相反した素早さに絶句、急いで後方へと身を逸らし、ギリギリで棍を回避。
音すら超えるその衝撃波に腹部を圧迫され、気道に溜まっていた血が押し出された。
再び吐血し、しかし相貌はキッと刺客を睨みつけたままでいる。

「ぬぅ゛……ゥウぅぁあッッ!!」

振りかぶり、力を込めるは右の拳。
みぎみぎと骨や筋肉の軋む音を響かせ、石のように固く握られた拳には岩をも砕く破壊力が宿る。
溢れんばかりのエネルギーは紺碧の炎となって可視化され、ラヴレスの右拳にはバランスボール大の炎が宿りつつあった。
熱波はラヴレスの髪を揺らし、血を乾かし、ボロボロのコートを燃やし尽くしてゆく。

「………ッッ!!」

力には力を。速さには速さを。
コートを燃やし尽くした頃にラヴレスは跳躍し、その顔には強敵に向け笑みを称えている。
お返しとばかりに肉体の限界を超えた、音速の拳骨で顔面のド真ん中を殴り抜けんと拳を振り下ろした!


101 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 23:45:38 ???
>>99
「うわわっ!?」
『……!?』

爆風によろめくアラズァヘッド、そして吹き飛んで転がるニア
ふらふらと目を回し、首を振って復活
慌てて飛び起きて声の主を見た

「あ、ぞ、増援のひと!」
「助かりましたってんですっ……!」

お礼は必ず、と直剣を構える

『……はぁッッ!!』

喉の奥から絞り出した様な吐息声、アラズァヘッドの一体がアリッサムへ向けて触腕2本を振り下ろしているのだ!


102 : ダスティ・ナイトウォーカー  ◆qXa.Mj92T. :2016/01/26(火) 23:46:05 ???
>>95

「なっ!?」
電影結界の中に瞬時に入り込み、尚且つ気配を察知した時には既に刃が振りかざされていた。
漆黒の鼠人は明らかすぎるほど明らかに凄まじい使い手だ―――
(―――こりゃあ受けるだけで精一杯か!)
ギャギャ、とダスティの刃が黒鋼の小刀とぶつかり合い、つばぜり合いに近い形となった。
それも互いの体格、剣の重さと形状、そして姿勢の全てにおいてダスティの不利になる形で。
このままでは押し切られるのは明白。加えて相手の刃を身に受ければ、先ほどのぬるい銃弾のような幸運は望めない。だが―――
「―――あいにく、刃の競り合いは僕の十八番さ…!」
刹那、ダスティの剣がヒィィン、と涼やかな音を立てる。バチバチと刀身から電流がほとばしり、剣全体が激しく微細な振動を発し始めた。
「僕の剣は電流で振動する超強固な素子でできている! どっちが勝つか…見物だな…!」

【ダスティ:非常に不利な状況で、つばぜり合いに持ち込まれる。剣の機能を発動して起死回生を目論む】


103 : アグラーヤ >>336 :2016/01/26(火) 23:48:42 ???
>>95
「……あら? あらあらあらぁ? 貴方のお知り合いかしらぁ?
それとも実は貴方が向こうのスパイってことぉ?」

敵の姿を視認すればムガヘ一瞥を送り一言。アグラーヤはムガとは初対面、一応作戦を共にする仲間といえどそれだけの信頼関係である。
敵が彼と同じ種族であるならばそれを疑う感情が首を上げるのは至って普通であろう。しかしムガの状況に対する反応を見ればそうで無いことはなんとなくわかる。
しかしながらそのままに口に出すのは実にアグラーヤらしいと言ったところ。これを聞いた他のメンバーに混乱が起きたとしても知ったことでは無い。

「ふぅん……あのリーダー格のネズミ、私の放電をあの布で防いだみたいだけどぉ、それって生身で食らえば無事ではないってことよねぇ。
それを目の当たりにしながら……『そんなモノ』構えてこの私に突っ込んでくるなんて、所詮は獣ってことかしらぁ?」

槍を構えて突っ込んでくる鼠人に向き直れば、漆黒の義手に蒼白の光が収束。暗闇を照らす様に眩く輝く腕を横薙ぎに振り払えば雷撃の槍が放たれた。
雷鳴を轟かせながら奔る雷光は鼠人本体を狙ったものではない。金属へと流れる性質を持つ電流は、彼の持つ槍へと向けられたのである。
鼠人がその反射神経で雷槍そのものを回避したとしても、その余波は槍の金属部分へと引き寄せられ流れるだろう。
当然槍を手放さなければそのまま感電、手放せばアグラーヤ相手に丸腰の近接戦だ。
不敵に嗤うアグラーヤ。敵の力を侮っての油断? 否、これは余裕というものである。


104 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 23:50:14 ???
>>100
『……んなっ……!?』

小肥りの鼠人は、こう見えて自身の速度に自信を持っていた
それは全ての鼠人がそうであり、種族全体が人間より優れているとの自負でもある
つまり間違いなく侮った格好である、ラヴレスの速度を彼は

『ぐっ……!』

咄嗟棍を彼我の合間に滑り込ませ盾とし、防御
だがそれでも棍をへし折り彼を壁に叩きつける程の力が存在する

『……か、は……、テメェ……!』

咄嗟立ち上がり吐血、振り払う様に投げるは苦し紛れの苦無!
だが完全なる困憊だ、つまりはそう、絶好の好機!


105 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 23:54:07 ???
>>102
『けけ……!』

不快感を体現した声で嗤う鼠人、その瞳には光は無くただ他者の死のみを欲している
狂人に落ちた訳ではない、忍びとしての完成形のひとつなのだ
無論彼はこのまま押し斬る事に躊躇はない、いつだってそうして相手を殺して来たのだから

『……?』
『……ギャッ!?』

だがこと今回に於いては様子が異なる
振動剣に更に電撃、その効果は彼に刹那の合間隙を作らせるのに充分であった
仰け反り2歩たたらを踏み、しまったとばかりに見開いた瞳!
いざ、必殺の一撃を!


106 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/01/26(火) 23:54:48 ???
>>98
「ふん、この程度…!」

横薙ぎに振るわれる鎖を見たアルコは、敢えて転び地に背中を付ける
多きな隙を晒す姿勢、恐らく戦場では絶対に誰もやらぬであろう姿勢
だが、このときにのみ面は制圧できても立体的には制圧できぬ一撃を躱すのに大きく貢献した
アルコの眼前を鎖が通り過ぎる、ややヒヤリとしたが問題はない
先ほど放った一矢で姿勢は崩れている。そんなことは見逃さない

「私を殺したければまず、魔力を使わないことから始めてみろ」

助言をしながら弓に番えた矢を鼠人に向ける
それをよく引き絞って――放つ
寝たままでの一矢、それを正しく必殺の一矢にするために
当然、外れれば咄嗟には動けぬ自分に強力な一撃が襲い来ることは承知済みであった


107 : アリッサム ◆xGMulkBAlY :2016/01/26(火) 23:56:31 ???
>>101
「報酬上乗せしてもらうから……!」
触腕二本の対処、幸い力なら高位種であるドラゴンの力を打ち込まれた自分の最も得意とするところ。
その触腕に掴みかかり、力比べの体勢にしようと踏ん張る。
幸いというかなんというか、敵の兵器と組み合えば誤射を恐れて兵士どもはそうそう手を出せないはずだ。

もし素直に組んでくれるならしめたものだ。
自分の手から高熱で焼き尽くせばいい。応じないならそのまま打撃戦。
どちらになっても得意とするところである。もし他の触腕が襲いかかっても硬質化した手足である程度は受け止められる。


108 : 西風の夜に :2016/01/26(火) 23:58:28 ???
>>103
「ば、馬鹿いえ、違う!」

一方ムガと七八は、リーダー格の鼠人……タマヤソ相手に斬り結んでいた
二対一撃、だが拮抗以上の苦戦を強いられている様子


『……せァァッ!!』

そして雷跡を刻みながら駆け抜ける鼠人の彼女は、このまま心の臓を貫く事に一切の疑問を抱く事はなかった

『っぐっ!?』

だがその勢いは削がれ、ブザマを晒し転がる事になる
雷撃を前に彼女の武器は無力だ、手放し無手な上に捕食者(アグラーヤ)の目の前に膝立ちになっているのだから
威風が一陣、漆黒のドレスと銀の髪を撫でた


109 : ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 :2016/01/27(水) 00:05:44 ???
>>104
「はぁー…はぁー…ふゥー…!」

ふらけながら着地、ざまぁみろとばかりに笑みを浮かべる。
何てことだラヴレス。敵が三つにも四つにも見えるぞ。
だがしかし臆することはしない。ヤツの顔面を思い切り殴り抜いてやったのだ。
あの程度の輩に、私の道を阻まれてなるものか。と。

助け出す。絶対に。

「タェンティース…お前に…教えた…技だッ…!」
「零ッ…閃ぇんッッッ!!」

振り払うように投げられた放射状のクナイ。下から順にラヴレスの太腿と肩に突き刺さる。
防弾プレートを易々と突き破り肉体に到達するそれは、しかしラヴレスを止めるには至らない。
脳天を狙ったクナイがラヴレスの額に触れるか否かのその刹那、ラヴレスは文字通りその場から消えた。一切の痕跡を残さずに。

「――……」

次の瞬間にはラヴレスは刺客の背後に、棒立ちで。
ふらりと前のめりに倒れかけ、しかしがくがくと震え、笑う膝でその場に踏みとどまった。
背後の刺客のことなど気に掛けもしない。もはや”気に掛ける必要すらない”のだから。

顔を上げ、睨みつけるは前方遥か。背後に崩れ落ちる影など見もせずに足を運ぶ。
一刻も早く、彼女の待つあの場所へ――


110 : 西風の夜に :2016/01/27(水) 00:09:55 ???
>>107
『パワー負けしている……!?』

アラズァヘッドの真骨頂は、その触腕での制圧力にある
詰まる所防御に回る敵対者をそれごとすり潰す戦術を、最も得意としているのだ
そんな彼女がたじろぐのは、自慢の触腕が不利を背負っているからに他ならない
咄嗟他の2本で殴打を始めるが、硬化した四肢に対しては有効ではない

『……くそっ!』

冷静さを欠いているのはこの個体の欠点であろう
次の判断は触腕を切り離し、体一つで科学ブレード『ブルームーン』を振るい斬り掛かるという事だ
それにしては態勢が悪く、またタイミングも良くはない
つまりはそう、アリッサムからすれば迎撃を行う絶好の好機!!


111 : 西風の夜に :2016/01/27(水) 00:10:36 ???
//アルコさん、ラヴレスさんのレスは少々お待ちをっ


112 : ダスティ・ナイトウォーカー  ◆qXa.Mj92T. :2016/01/27(水) 00:12:33 ???
>>105

ダスティの目論見は振動し帯電するブレードで鼠人の刃を粉砕することだった。
それこそ失敗に終わったものの、結果としては得物を持ったままの敵は、その重みも相まって予想以上の隙を曝け出した。
「この期は絶対に逃さないっ!!」
いつの間にかホルスターから抜き放っていた放出装置からバリッ!!! と強烈な電撃がほとばしる。
直撃した鼠人がのたうち回る。そのコンマ数秒の間にダスティの居合は今度こそ完全に完成していた。
「本当はね、無闇やたらと殺したくはないんだ…でも、お前は完全に僕を殺しに来ていた。
 目には目を、歯には歯をってのも僕の信条さ―――はあっ!!」
気合の一声と共に青白い剣閃が、文字通り、迅雷の速度で走った。

【ダスティ:とどめの一撃を放つ】


113 : アグラーヤ >>336 :2016/01/27(水) 00:21:58 ???
>>108
「あっは……追い詰められたネズミ、猫は噛めても恐竜が相手じゃそうもいかないわよねぇ?
それじゃ時間も無いしぃ、ばいばぁい」

膝立ちの鼠人の額に向けて指を一本突き出せば、瞬間指先から光が弾ける。
レーザーのように収束された超高電圧の電撃は生物の頭蓋骨など容易く貫き、保護された脳を一瞬にして焼き切るだろう。

「さ、七八たちは苦戦してるみたいだけどぉ……私は私のやるべき事をやらせてもらうわぁ。
ラヴレス、しっかりしなさいよぉ? これじゃぁ貴女が助けられる側じゃないのぉ……」

こちらが片付けばふらつくラヴレスに肩を貸しタェンティースの姿を探す。
先へ進む道が見つけられないようなら苦戦するムガと七八を援護する為に戦線に加わるだろう。


114 : アリッサム ◆xGMulkBAlY :2016/01/27(水) 00:30:14 ???
>>110
「見えたっ!」
攻撃と言うよりは悪あがきに類する斬撃。
かわすのは容易、そして敵は自ら最大の武器を捨ててしまった。もはや怖くはないだろう。
密着するかのように距離を詰める、とっさに剣では届かない死角へ飛び込んで、攻撃を始める。
単純な腹部への右拳の一撃。それ故に人間離れした怪力が直に突き刺さる格好になる。
「はぁぁっ!!」
それがめり込めば炎を直に放射、こうなれば焼け落ちるのはもはや時間の問題だ。

「……行く?逃げる?」
その間左手は冷却カプセルを口に放り込む。すでに体温はかなり高い。
発火すれば戦力外、死んでしまうのも十分ありえる。
まずは進退を仲間に聞くことにした。


115 : 西風の夜に :2016/01/27(水) 00:35:40 ???
>>106
『……!?』

鎖鎌を操る彼は、己の技量を他達と比べて卓越しているとの自負があった
そしてそれは正しい、長であるタマヤソを除けば戦術面を含め彼に叶う鼠人は衆に存在しない
だがそんな彼が度肝を抜かれ目を見張る戦術というモノが存在した事は、戦の場に於いては致命的であったと言える

『……!!』

頭蓋を貫くは風切りの閃光、瞬間に呟くは見事の一声
膝から崩れ、彼は永遠に押し黙る

>>109
『ザマァ、見ろ……』
『……ぁっ?』

ふらりと起き上がり、苦無に射抜かれた獲物を睥睨
勝利を確信した瞬間だ、あれでは足も使えまい
このまま尾に括りつけた尾羽風車で心臓を貫いてくれよう
一脚を歩み出した次に、彼の生は零の閃きの前に散り行く
背の向こう、遥かなる高みに至る彼女の一撃は他一切の思考の間すら与えずに鼠人を屠ったのだ

>>112
『く、ゲェッ……!』

長細い顔の大半を占める口から溢れ出すどす黒く煙る赤黒い血液
内臓を焼かれた証だ、雷撃に対しての防御手段を彼は持ち得ない

『……ァ、アァァァ!!』
『コロ、スっ……ぅぅ!!』

既に修羅のみが彼を突き動かす原動力だ
刀を杖に直立し、左中下段に構えるも既に遅過ぎる

『……!!』

ふたつの影が刹那重なり、銀風が吹いた
ダスティが彼の背後に至り、一息を着く頃だろうか
赤血の華が開いた、鼠人の命を蝕む妖華一輪
どさり、麻袋を落とした様な音が少しの間があって、響く

>>113
『ぁ、あ……!』

恐慌状態の鼠人は、声にならぬ声で怯えていた
それは彼女がとうの昔に捨て去ったはずの原初の感情……畏れ、と人はそう呼ぶ
彼女に取って幸運であったのは、それが極めて短時間に終わった事であろう
即ち次の瞬間、彼女の魂は天へと昇りそのいのちは永遠に四散したのだ

>>110
『ぐぇっ!?』
『……、この……、えっ?』

めり込む拳に吐き散らし、ブルームーンを手放す形となってしまった
ならばと再びディープメイカーを、触腕を振うべく発生させるがそれよりも次が起こる方が圧倒的に速い
灼熱の業火がその体を嘗め尽くし、煤すら残さずに消失させたのだ

「……!」
「目標達成、撤退すんぞ!」

アラズがニアとアリッサムに叫ぶのはそれとほぼ同時であった


//あとは〆だけになりますっ
//少々時間かかりそうなので、もしアレでしたら先に抜けて下さいませっ
//一先ず一足先に挨拶だけ、ありがとうございました!


116 : ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 :2016/01/27(水) 00:37:00 ???
>>113
「すまない…アグラーヤ……」

アグラーヤの肩を素直に借り、両腕で彼女の首に抱き着くようにしてラヴレスは射貫かれた方の脚を引きずりながら歩く。
小さな身体には銃創がひとつ、突き立ったクナイが四つ。もう一人でマトモに歩けるような状態ではない。

「なぁ…お前はやっぱり…優しい子なんだ…私にはわかる」

と、不意にラヴレスはアグラーヤの横顔を眺めながら呟いた。
合うのも久しぶり、こうやってきちんと話す時間を取れたのは何年ぶりだろう。
成長した自分と、変わりない彼女を見比べ、自嘲気味にふふふと微笑んだ。

「一人で背負おうとしないで…今日みたいに仲間を頼るのが一番いい…私達だけじゃ乗り切れなかった」
「甘えたいときは甘えていいんだ…お前にはまだ…誰かの愛が必要だ…」

ラヴレスはアグラーヤが進むべき道の先に孤独を見出していることに薄々感づいていた。
彼女はいつも自分達より高い位置に居て、どこか傍観者のような視線でいつも物事を見ている。
本音など滅多に口にしない、ミステリアスなベールで覆い隠されているのだ。

しかしダークエルフとしては未熟な、まだ少女であるアグラーヤ。
そんな彼女が一人で孤独を味わいながら生きるのをラヴレスは看過できずにいた。
アグラーヤには父のような、愛を与えてくれる存在がいなかった。ジョシュアとニアにとっての、ダグラスのような存在が。
タェンティースやラヴレス達であっても、その空白は補えないのだ。それを補うのが、いつも傍にいる”仲間”だと――

「…だから今だけは…私も甘えるよ…」
「……帰ったら…たくさん説教してやらなきゃな…」

あの馬鹿に。ラヴレスはアグラーヤに微笑みかける。
そうしてアグラーヤの肩を借りたままタェンティースの元へ向かうべく、進むべき道を探し続けるだろう。


117 : 西風の夜に :2016/01/27(水) 00:45:31 ???
>>ALL
やがて、七八とムガを相手に綽々と斬り結んでいたタマヤソは舌打ちを漏らす
無論それは仲間が全員斃された結果がそうさせたものだ

『……!!』

ぢ、と短い鳴き声
ムガだけがその詠唱を、鼠人ヤソの衆独自の魔法の結末を知る事が出来た
赤黒い血溜まりがタマヤソを包み込むと、床に溶けて消える
ヤソの衆が奥義がひとつ、転移魔法である

「……くそ、逃がした……」

「何なのさ、あれ……」

全身に重度の裂傷を帯びた忍びの2人が膝立ちで燻る

「……後だ、今は奥へ……すぐそこのはずだ」

体を引き摺る様にして奥の部屋へ歩く


……そこは、薄暗い室内からすれば目が眩むような純白の部屋だった
リノリウムの床は長細く、その奥、寝台めいてなめらかな、白磁気とも思える台ふたつ

……それぞれに寝かされている人影があった

ひとつはサイバネティクス強化された男性だ
名をヘッドハンター……いや、四五六一二三といい、今まさに彼に駆け寄り抱き締める七八の実兄である

そしてもうひとつ

それはひとのかたちを成していなかった

頭部は半分が失われ、残る体躯は片方の肩とそこから伸びる腕一本のみ
だが眠るようにして確実に存在しているそれは、タェンティースと言う

『……聞こえるか、全員無事だな?』
『ヘッドハンターはともかく、もう片方は『死に掛け』だ、気を付けて運んでくれよ』

一足先に撤退したアラズが荒い呼吸を整えながらに語る

『位置は……大丈夫だ、そこならお迎えが行ける』

少しして轟音、壁をブチ抜くは触腕の嵐

『此方回収チーム、ノインだ』
『渡れ、急げ、時間がない』

「……、運ぶぞ。 『生きて』いるらしい……慎重に」

アラズとは別個体の、味方側に着くアラズァヘッド『ノイン』が渡す触腕の橋
彼女が急かすように、ヘリへ向けて多数の銃撃が飛来していた

//これにて一先ず終了!
//ありがとうございました!!


118 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/01/27(水) 00:57:53 ???
>>115>>117
見事
その一言を噛み締めて獣は立ち上がる
奴は紛れもなく手練れだ。技量、戦術、全てにおいて優れた暗殺者だった。
だが――それを射貫き、見事とまで言わせた
獣はそこにより人へと近づいたことを感じた

「…いいものだな」

寄り添う二人の人間
彼らに何があったのかは分からない
だが――あれこそ、人間の理想形なのだと感じていた

どうやら、鼠人の長は取り逃がしたようだ
それには未練はある、だが、今は

「…よかったな」

奥の部屋、そこで獣は再会を果たす兄妹を見ていた
そして彼らに言葉を贈る。ありふれた、ありふれていない言葉を
もう一つ、人の形を成していないそれとそれを取り巻く人々にも向けられていたのかもしれない
だが――今は獣の役目はそうではない

「私が敵の射手をできる限り黙らせよう
だから、確実に運び遂げろ」

と言いつつヘリに乗って弓矢を携え、矢を放つ
その矢は一つ、また一つと銃座を黙らせ撤退をより安全なものにしてゆく
彼らはきっと大切なものの為に人間らしく戦った
だから、最後までその手伝いをしたくなった…ということだった

//では私もこれで〆で!ありがとうございました!


119 : ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 :2016/01/27(水) 02:15:41 ???
>>117
「……タェン…ティー…」
「…っ…!」

極めて平静を装っていた。しかし本物のタェンティースを見れば、そういった余裕を保っている事も出来ずに口元を押さえる。
頭の半分と片腕を除き、殆どの部位を失ってしまった彼女は、とうていラヴレスの見知っているそれではなかった。
絶句したラヴレスは、よろよろと、アグラーヤの手を離れてタェンティースの元へ向かう。
かつて自分へにこやかに笑いかけてくれた半人へと。ラヴレス、かつて自分の名を呼んでくれた半人へと。

「ぅう…ぁっ………やっと……」
「やっとまた…会えた…っ」

溢れだす涙。泣きじゃくりそうになるのを我慢しながら、しかしそれは絶対に不可能だ。
この衝動を抑える事などできない。ラヴレス自身どうしようもないのだから、たとえ誰であろうと干渉の余地は与えられていないのだ。
干渉の余地のない涙はラヴレスの血と汗を含み、赤く染まって半人へと墜ちる。
歪んだ視界の半人の貌。かすかに面影の残る焼けこげたそれにラヴレスはそっと触れた。

「……やっとお前に…説教してやれる…」

もはや動かぬタェンティース。積年の感情が堰を切ったように溢れだす。
数年越しの再会もほんの一瞬。形見の月光を無くした彼女を咎めただけに終わってしまった。
こんな状態で終わりたくない。少女の切なる願いは尽きかけた命同士を巡り合わせる運命によってようやく果たされた。
互いの命運が尽き果てようとしている中、数年越しの三者の再会が果たされたのだ。

「……たぇん……てぃ…す…」
「…おぼえて……いる…か」
「………わ…たし……は…」

タェンティースを愛しげに撫でた後は崩れ落ちるようにその場に膝を突き、うわごとのように微笑みを浮かべながら呟く。
その声は掠れるように小さくなってゆき、目は見開いたまま、眠りに落ちるようにして動きを止めた。
だらんと両手を垂らし、穏やかな表情は微笑みを浮かべたままで。

「………」

直後触腕が壁を突き破り、タェンティースは回収される。爆風に揉まれ、少し傾いたラヴレス。
撒き上がった砂塵によって咳き込むことも、騒音に顔を顰めることもない。
全員がノインの救援によって退避し終えた後、ラヴレス一人だけが取り残され、やがてずるりと傾いて扱けた。
クローンとして生み出されてから様々な戦いによって酷使し続けられてきた身体にようやく安寧が訪れたのだ。
そこに彼女の瞼を閉じてくれる”ひと”は誰も居なかった。少女の小さな身体は、最早二度と動く事もなく…――

//おつかれさまでぃす!ありがとーございましたぁ


120 : アグラーヤ >>336 :2016/01/28(木) 02:09:44 ???
>>116>>117>>119
「はぁ、後先見ないのは変わらないわねぇ……。馬鹿は死んでも治らないって本当だわぁ。
今日は特別なんだからぁ……しっかりつかまってなさいよぉ、バカレスぅ?」

肩を貸すアグラーヤにそれを借りるラヴレス。横に並び歩くふたりの姿は同じ戦場を共にしても対照的であった。
ボロボロのラヴレスに無傷のアグラーヤ。後者は体力すらもその殆どを温存させている。
両者のスタイルの違いはあれど、アグラーヤはすぐにボロボロになるラヴレスが嫌いではなかった。瞬間瞬間を全力で駆け抜ける彼女の生き方がそのまま表れているようで眩しかった。
ただその分毎度心配させられることになっていたのだが。それ故の溜め息であり皮肉でもある。

「……いきなりなによぉ、気持ち悪ぅい。私の優しさを受けられるなんて滅多に無いんだから有り難がりなさぁい?」

照れているのか戸惑っているのか。返答までの暫しの間がアグラーヤの感情を包み隠した。
ラヴレスはこの場の行動だけを見て言っているのではないだろうが、アグラーヤはそれをわかっていながら今現在の行動に限定された返事を返す。
つまりは否定したのだ。はっきりと口にした訳ではないし行動で表した訳でもない。しかし自分に対しての優しいという評価を受け入れることが出来なかった。
優しさの定義など分かりはしないが、無抵抗の無力な人間を無感情に殺すことが出来てしまう自分に贈られるべき言葉では決してないのだと思う。
ただそれでも、大切に想う存在からそう形容される事は素直に嬉しいと感じる事ができる。どこまでも広がる世界の一部、ごく限定された対象に対してのみであるが、自身がヒトとしての感情を持って接せられているという事だから。

「ふん、頼ってるわよぉ……少なくとも貴女たちには。
それにこのアグラーヤよぉ? 大体ひとりで片付けられるもの。今回だって別にぃ……。
はぁ……ラヴレスぅ? 此の期に及んでもう説教めいた口上はウンザリよぉ? 元居候のクセしてどの口が宣うのかしらぁ」

半分本当で半分嘘だ。確かにふたりを頼りとしている面はある。ただそれはあくまで信頼関係におけるものだ。
全幅の信頼を寄せてはいても、基本的に何かを頼んだり頼ったりする事は無い。幼少の頃からたったひとりで生きてきた事がアグラーヤに孤独を選ばせるのもあった。
ただそれ以上に、何よりも大切なふたりを自らの都合によって危険に晒すことは絶対に許さないのだ。ふたりを失う事、アグラーヤにとってそれは即ち世界の終焉を意味するのだから。
アグラーヤとて愛されたいという感情はある。それを見せる事を弱さと怖れひた隠しにしているだけだ。生きてきた境遇から愛される事への飢えは人一倍強いはずなのに。
ラヴレスとこうして言葉を交わすのは越境による時間軸のズレを抜きにしても久しいというのにこれ程までに見透かされ、否理解されている事に気まずさを覚えると同時に少し心が温む。
あぁ、やっぱり私の居場所はここなのだと。行く末、未来を照らす希望を与えてくれたのはやはり彼女たちなのだと。彼女たちがいればこそ私は……。


121 : アグラーヤ >>336 :2016/01/28(木) 02:10:15 ???
やがて全ての戦いに決着が付けば、ラヴレスを抱えたアグラーヤを含む全員が最奥の部屋へと足を踏み入れる。
光度のギャップからくる眩さに一瞬視界を遮られ瞼を細めるも、寝台に横たわる眠り姫……その無惨にも変わり果てたシルエットが瞳に移れば見開かれる隻眼。
隣で七八が実の兄を抱き締め一入の感情をその身に感じている事も意識の外。最早立っていることでやっとのはずのラヴレスが自分の手を離れたことにも気付かぬ程に呆然と、アグラーヤはその場に立ち尽くし動かず、ただその口元は僅かな震えを伴いながら『彼のモノ』の名前を譫言のように呟いていた。

「どうして……? どうしてこの子なの……? ミタマ……貴方はまた……貴方はまだ……!」

ぎりり、奥歯の軋む音がして口の中に鉄の味が広がった。あの男の顔が浮かぶ。狂気に歪むその表情が思い出される。
何故自分ではなく彼女なのか、まだ呪いの様に纏わりついた黒い意思は拭いきれていないというのか。
タェンティースに縋り付き涙を流すラヴレスを見れば自身もその場に崩れ落ちそうになるが、アラズの発した『生きている』その言の葉に意識が切り替わる。
はっとした様に我に帰れば泣きじゃくり震えるラヴレスの元へと寄り添い、その傷付いた手をそっと握り締めた。

「泣くんじゃないわよバカレスぅ……! まるであの子が死んだみたいじゃない……!
ちゃんと生きてるって……あのお馬鹿は半分機械なんだから、いつものようにけろっとした表情で治ってみせて……どうせ私たちをイラつかせてくれるんだからぁ……!」

ラヴレスを落ち着かせる為にかけたその声は当然自分に向けられたものでもあり、そして懸命に平静を装ってはいてもアグラーヤの声は僅かに震えていた。
しかし昔から、いつだってそうだ。周囲がどれだけ心配してもタェンティースはあっけらかんとした態度で当然のように元気な姿を見せてくれた。
だからこそアグラーヤはこの状況でも強くあろうとする事ができた。ラヴレスを支えようとする事ができた。タェンティースを信じる事ができた。

「さ、私たちも行くわよぉラヴレス……目を覚ましたあの子に説教が山程あるでしょう?
……ラヴレス? いい加減に……っ!? ………冗談でしょ……らゔ……れす……?
あ……あぁ………。いや、嫌よぉ……! いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

やがて脱出の為に迎えのヘリが到着し、他のメンバー全員が乗り込んだ事を確認すれば急かすようにラヴレスへと声をかける。
しかし何度声を掛けようと彼女は動く気配無く、返事すらもしようとしない。痺れを切らしたアグラーヤがラヴレスの手を引き強引に連れて行こうとした時、漸く異変に気付く事となった。
思わず彼女の手を握る力が抜ける。ラヴレスはそのまま重力に引かれずるり、まるで糸の切れた人形のように。
うっすらと瞼は開き、貼り付けた微笑はなんと穏やかなものだろう。遂に支えを失ったアグラーヤは膝から崩れ落ち、力無く横たわるラヴレスの細い身体を力一杯に抱き締めた。
溢れ出る涙を止める術はこの世界にあるのだろうか。泣き叫ぶ悲痛を受け止めてくれる愛は存在するのだろうか。アグラーヤの慟哭は次第に激しさを増す銃撃に掻き消され、とうとう堪え切れなくなったヘリはその場を離れていった。

あぁ……私はまた失いました。
大切な人の為にと言いながら、大切な人を守る為にと言いながら、それは皆私の手から零れ落ちていくの。
これが私の呪いのなの? 私は結局あの時から弱いままだというの?
ねぇ、お父様………どうして何も言ってくださらないの?
やっぱり私のことなんて誰も愛してくれないの?

どくん。アイパッチに覆われた左眼が疼き秘めた獣が首を擡げる。全てを黒く塗り潰すように漆黒の衝動が全身を蠢き、掻き毟るように這いずり回る。
見えていた筈の光が、希望という名の未来が黒く……黒く染まっていく。かつて生きたその闇の中へと、抱く絶望が全てをばら撒けと心地良い誘いが耳を擽る。
しかし絶望に支配され漆黒に身をやつすにはまだ早い。やるべき事がまだ残っている。暖かな光を消さない為にも、それがどれだけ小さくなろうとも前を向き、諦める事など選びはしない。
壁に空けられた大穴からグレイスノウが吹き込み室内に積もり始めた頃、騒がしい足音と共に武装した兵士どもが雪崩れ込む。当然逃げ遅れた哀れな侵入者を消す為、若しくは苛烈な拷問の果てに知り得る情報の全てを吐かせる為に。
しかし彼らが室内に突入した時、そこには既に『ひと』は存在しなかったという。彼らが目にしたものは倒れ動かなくなった少女ひとりと、堕天の黒翼を広げた……ただの修羅であった。
目の眩むほどに白い室内を塗り潰す極黒。黒い太陽と呼ばれた修羅の赤い瞳はその時何を見ていたのだろうか。


122 : 『レディ・ブラウン』 :2016/01/31(日) 22:32:12 ???
ゼファー社襲撃よりも少しだけ前のお話…

時は1987年、ここは平行世界のイタリア半島、”靴の爪先”、シチリア。
この時代のイタリアはマフィアの支配する国。警察は機能しておらず、さしずめ今の南米、とりわけキューバの情勢に近い。

イタリアを仕切る大きな勢力は、地域ごとに大きく分けて3つ。
圧倒的なカリスマで南部を支配する巨大マフィア『フラペチーノファミリー』、
ドラッグマネーと武力で北部を支配する別名私設軍隊『ボルギーニ・アウトフィット』、
そしてインテリジェンスを武器に司法や政府にまで食い込む中部の支配者『フェラッリファミリー』

イタリアの均衡を保っていた三者のうちの一つが滅ぶさまをジョシュアはロイと共に見届けた。
そして今日はその先に待つ闇の中を覗き込むことになる。

「それにしてもまさかあの事件がここまで大きくなるとはなぁ…世の中狭いもんだ」
「……っとぉ…?」

『号外!ドン・スタバ・フラペチーノ、メキシコ遠征中名誉の殉死』。
新聞社までもが公然とフラペチーノの死を悼むこのシチリアで、ジョシュアはバラ撒かれる新聞を片手にストリートを歩く。
今日は越境者衆でイタリア観光。無論計画的旅行ではなく、偶然流れ着いたのがこのシチリアであっただけのことだ。
テイクアウトのコーヒー片手に視線を新聞へ落したまま歩いていると、ふとジョシュアに小さな影が近づき、吸い寄せられるようにぶつかってきた。

『パパー!』
「おいガキ、お前が俺の息子なら俺は8歳で子供を作ったことになるぜ?」

ジョシュアにしがみ付く小汚い格好の子供。顔も髪の色もジョシュアとは似ても似つかないが、確かに彼を父親と呼んだ。
大方家に連れ込んだ所を袋叩きか、それか昔の恋人の捨て子を謳って家に泊め、温情で生活費を払わせるつもりなのだろう。
ジョシュアは対して相手にはせず、子供を押しのけて再び通りを進み始める。
が、しかしさすがはマフィアの国。ジョシュアの手荒い応対にもめげず、子供はなんとしてもジョシュアから小銭をせびろうと。

『じゃあ…兄貴?』
「っ………!」

と、今度は方針を変えて攻めてきたが…

「……いいかクソガキ、ブッ殺されたくなかったら、……黙って向こうに行け」

ジョシュアの反応は一気に芳しいものではなくなり、青筋を立てて子供の肩を掴んだ。
ジョシュアらしくない(冷静さを欠くのはむしろらしいかもしれないが)行動。雰囲気も尋常のジョシュアとは程遠いものであった。
肩を掴まれる痛みに顔を歪めた子供、温情作戦は通用しないとみてジョシュアを自分を雇っているバーに連れ込むために接客モードに入るのであった。


123 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/01/31(日) 22:38:53 ???
>>122
「ぱぱー お小遣いちょうだーい・・・ってジョッシュ!? ビークール ビークールオーケー!?」
―――ギィ!!

そんな子供にあやかってジョシュアをからかおうとする1人と1匹 だがジョシュアの豹変っぷりには泡を喰う

「何があったんだよジョッシュ そんなんだから髭が似合わないなんてイムカタンに言われるんだろ?
 んで・・・? どうすんの? 一杯引っ掛けていくの?」

接客モードの子供を見ながらジョシュアに問う


124 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ.紺色ヴェール :2016/01/31(日) 22:44:49 ???
>>122-123
「その通りってんですっ」
「……ま、お前もぉ、相手が相手ならどうなるかってくらい考えた方がいいってんですけどねぇ……」

アキレスに同意して頷き、慌ててジョシュアから子供を引き離さんと腕を掴む
しかし不憫な子に対して言い聞かせる風に苦笑い、頬を掻いたのである
そんなニアの頭から垂れる紺が鮮やかな刺繍のヴェールはこの国に伝わるモノだという

「……えぇとぉ、まぁ……怖がらせた分くらい儲けさせてもいいようなっ……?」

と、ジョシュアとアキレスに赤眼をちらり


125 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/01/31(日) 22:45:06 ???
>>122

(未熟者め)

 そのような様子をチラリと見ながらも、基本的には不干渉を貫いているイムカ。
 瓶ビールを片手に当の本人はシシリー島の美しい景色と空気を楽しんでいるところだ。
 なお、ビジネススーツ姿ではなく、白の縦縞セーターという格好。そのバストは豊満であった。

【内面のスパルタン気質はともかく外面はイタリア伊達男が群がるエリート振りである】
【何度も旅のアバンチュールとやらの誘いを受けており、その度に――】

「イヤーッ!!」

 男が少なくとも5メートルは吹っ飛ぶという何とも難易度の高さを誇示していた。
 が、容姿端麗、気が強くて、胸が大きくて、とくると、それはイタリア男衆の熱情をさらに掻き立てるばかりであった。

>>123

「いっそ、アキレスと腕を組んで歩いて誤魔化すか…?」

 しつこいアレ加減にいい加減うんざりしているのか、
 ふと、アキレスを見て、そして、彼の上から下を見て、

「…ないな」

 と、諦めた。何かディスられた気がするなら気のせいであろう。うん。


126 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/01/31(日) 22:52:16 ???
>>124

「イタリア伊達男というのはアレか?女なら誰でもいいのか?
 幾らなんでも節操がなさすぎる」

 本日何回目かの崩拳を放ちながら、無表情にうんざりアピールなイムカである。

「200歳越えた老体が好みとは、幾らなんでも守備範囲が広すぎる」

 そして、イムカの認識も実際かなり的外れなのである。

【ちな、ニアはどんな感じなのであろーか(イタリア伊達男的に考えて。もしくは何か対策済み?】


127 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/01/31(日) 22:53:05 ???
>>125
「おぉっとイムカタン 人の悪口はそこまでだ!!」
ズビシと まるで某奇妙漫画の如きポージングで抗議の姿勢

「そこまで言うんならこの間(本スレ>364)の借りを返してもらおうか!?」
とまぁ強気の姿勢を見せているがご存知の通りのヘタレなので断ってもなんら弊害は無いだろう


128 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ.紺色ヴェール :2016/01/31(日) 22:58:25 ???
>>126
「おおっ、新記録っ」

なんて吹き飛ぶ男の飛距離を楽しんでいたりした
そんなニアとしては、流石にこの時代に実剣をぶら下げた褐色肌のアジア風と言う頓珍漢ないでたちで、物珍しさで以外に声を掛けてくる伊達男はいない

「……それ言ったらニアなんて3歳だってんですよっ?」

越境者の実年齢はなかなかにアレだ


129 : 『レディ・ブラウン』 :2016/01/31(日) 22:59:52 ???
>>123
「あぁ、悪りィ……つい取り乱しちまった…俺としたコトが…こんなガキ相手に…」
「…俺には二つ下の弟が居てな……可愛いヤツだった」

左手で口元を覆い、額から汗が垂れてきたのが人差し指に当たれば、はっとして汗を拭う。
それからアキレスと子供を交互に見比べ、頭をかいて申し訳なさそうな表情を浮かべた。

「はは、ブッ殺すっつってんのによ…」
「うし、お前にゃ負けた。飲みに行くぞ皆!」

ここまでされてなおも接客モードに移行する子供の度胸にはさすがのジョシュアも折れ、何か買ってやることに決めたようだ。
子供に案内されるままに通りを進み、少し古びた大きめのバーへと足を運んだ。

>>124
「………クソ」

ニアに引き離される子供を見据えながら誰へとなく呟いた。
そのあたりの話題は、ジョシュアにとってデリケートなものであるらしい。

「…分かったよニア…お前が言うなら…聞いてやらないとな」

にこりとほほ笑んで、しかしどこか疲れた様子でバーへと向かうジョシュア。
その背中にはどこか後悔の念が滲み出ていた。

>>125
「………ふん」

イムカの独り言を比較的近い位置にいたジョシュアはしっかりと聞き届けていた。
アキレスの方をちらり、気付かないでくれよと一人お祈り。

「コミッサー、何してんですか、行きますよ!」

バッタバッタと通行人を薙ぎ倒すイムカは嫌でも悪目立ちしてしまう。
さっさと屋内へ退避し視線を遮断せんと、ジョシュアはしれっとイムカの手を取りバーへと連れて行った

>>ALL
一行が足を運んだバーは表の外観とは随分と違う様子だった。
天上に備え付けられたまるで現代の技術と遜色ない高音質スピーカーから、淡々とジャズ・ピアノが流れ、
1987年のノイズ交じりの映像には不釣り合いなほどの大型液晶テレビが設置されていた。

「……なんだこの表示……”アナログ放送”だと…?」

ジョシュアはミントジュレップを頼むが、そんなものはないと突き返され渋々のオレンジジュース。


130 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/01/31(日) 23:02:59 ???
>>127-128

「むしろ、カワイイな君の方に声かけすべきと私は思うのだがな」

 なお、感覚が一般ピープルとずれているイムカは、
 ニアの実剣は目に入っていないようだ。健康的な褐色肌も快活な美しさがあると思っている。
 と、ここでアキレスとの会話であるが、その内容たるや、

「この間の借り…ああ、君が私に伽を強要しようとした件だったか?」

 真顔で言うイムカだがすっげえ人聞きが悪い!!
 これではまるで、アキレス君が鬼畜男である。男の名誉崩壊間違いなし。

【ニアにデマ(とも言い切れないのが性質悪い)が吹き込まれました まる】
 【→と、この段階でジョシュアに手を引かれてしまったためなし崩し。誤解を解く機会は失われたのだ】


131 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ.紺色ヴェール :2016/01/31(日) 23:11:37 ???
>>129-130
「はーいっ、行きましょってんですっ」
「……?」

焦燥めいた笑みに気が付かぬ風に微笑み返し、前を行くその背に疑問符を浮かべた
ただしかし、彼が話す事がないというのならばそういう事なのだろう
そのきっといつかを待つくらいの余裕は、ニアにはまだある

「……か、可愛いって事はないと思いますよぉ……?」
「……えっ……? トギってなんだってんですかっ……?」

ニアとしては容姿に触れられるのは何処かこそばゆい感覚に襲われるのだ
その度に似たような反応しか出来ない所に我が事ながら歯痒くすらある
そして道中イムカとアキレスと完全に巻き添え状態のジョシュアに疑問の視線を浴びせつつ到着したバー
街並みとどこか空気が異なるようにも思えた

【吹き込まれたデマは純心で増幅反射される!】


132 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/01/31(日) 23:13:23 ???
>>130
「え? あ いやその・・・あ・・・・アハハハハハハハハ・・・嫌だなぁイムカタンったらそんなアハハハハハハハハ・・・」
ギクリと体が跳ね その後乾いた笑いでごまかし重点

そしてイムカはジョシュアにつれていかれてしまいました おのれジョシュア あとでカバンにplayboyを10冊ぐらい仕込んでやろう

>>129
そんなこんなでバーにやってきたわけだが

「・・・この時代に液晶ってあったっけ?」
例えあったとしても こんなに大型なものがあるだろうか?

それにアナログ放送ときたもんだ

「アレか? ここも越境者が関係してるとか? おいジョッシュどうすんだよこれ?」
アキレスはモヒートを頼むが これまたそんなものは無いと突き返され 同じく渋々のオレンジジュース

―――ギィ!!
ベティちゃんは食べるものを御所望のようです


133 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/01/31(日) 23:14:35 ???
>>129

「ん?大尉、急に引っ張るな。かよわい女性の扱いがなっていない」

 何だか急なジョシュアの動きに、微妙にピントがずれた返答をしながら酒場に連れ込まれるイムカ。
 なお、男衆を散々なぎ倒しているのをか弱いと形容すべきかは疑問の余地が残るであろう。

【しかし、特に抵抗はせずにパー へ】

「ん、雰囲気としては及第点だな。子供、飴をやろう」

 数枚の硬貨とキャンディをパラパラと落としながら、席に着くイムカ。
 ワインのスプライト割りを注文。とにかく旅行中は酒を水の如く飲んでいる。酒豪である。

「全く、私もいよいよ堕落の極みだな。誰が責任をとってくれるのだ?」

 随分と人間性を感得してしまったものだと一人ごちる。
 音楽を聴きながら、白い指でテーブルを叩く。ピアノの動き。実際、イムカはピアノの腕前もエリートである。

【なお、バーの内装については特に言う事は無い。さして興味がないとも言う】


134 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/01/31(日) 23:15:14 ???
>>131
「ん? あぁ ちょっと膝枕してもらおうとしただけさ」
純真なニアをもてあそぶように嘘を仕込もうとする★


135 : 『レディ・ブラウン』 :2016/01/31(日) 23:29:12 ???
>>131
「へっへー…ニアは十分可愛いと思うぜ?」
「おっと!身内票か…?」

ここでの可愛いという言葉はつまり、小動物的なニュアンスを含むナニかである。
ジョシュアにとって妹的な存在であるニアへ向けられたそれは、言うなれば事実上の大人の魅力皆無宣言であり。

>>132
「かもしれねぇな…先生に聞いてみるか」
『ギィ?んなもんは置いてねぇ』

と、ジョシュアはポケットから端末を取り出し即座に起動。
分からないモノがあればGaus検索で聞いてみるのが早い。
現代っ子は文明の利器に頼ってナンボなのだ。

何故かベティにもオレンジジュースが進呈されたという。

>>133
「責任…責任ですか…はい…責任は全て俺に…」
「あとはこの一流シェフの料理を”おいしい”と感じられるようになれば完璧ですね?」

責任と言う単語に件の添い寝事件の衝撃とトラウマが蘇り、キリキリと胃を痛ませながらPTSDを再発させるジョシュア。
しかしギャグ補正ですぐに元通り、イムカの指の動きを眼で追いながらにこりとほほ笑んだ。
実際アキレスの朝食をいい香りと形容しているあたり、そう思える日も遠くないのかもしれない。
もっともそれはジョシュアの知るところではないが。

>>ALL
「…あのテレビの外見的特徴から恐らく……あー………これだ、Parasonic製。2006年モデルだ」
「てことは誰かがこれを持ち込んだってコト…つまり」

ポチポチと越境対応端末を操作、テレビの機種を特定すべく画像と見た目を比較。
画面をフリックする指が、ぴたりと止まればジョシュアは唸る。

「越境者が居るってことになる」

ジョシュアが人差し指を立てて告げた次の瞬間、がたんと激しく椅子から立ち上がる音。続いて女性の怒号が響いた。

『ジャンゴ・ルッキーニ!お前の命を貰うぞ!』
『残念だがそいつは無理な相談だなァ…お嬢チャンヨ』

ジャンゴと呼ばれた若い男。顔立ちは典型的なイタリア男といった風貌で、ピンクのシャツに白に近いグレーのジーンズ。
伊達男の、シルバーのブローチ程よくアクセントを利かせている開いた胸に、血で真っ赤に染まったナイフを突きつける女性の姿。
黒いローブに身を包み、その眼は真っ赤に晴れあがっていた。ジャンゴは女性に対し投げキッスを一つ、くるりと背を向けてバーの奥へと歩いて行った。

『あいつだ!取り押さえろ!!』
『全員かかれ!』

ジャンゴを追おうとする女性と、それを阻む5人の屈強な男たち。
全員が首に戦闘機のタトゥーを入れ、それぞれが拳銃の入ったホルスターをどこかに身に着けていた。

「っと…騒ぎか…?」
「女一人に男が5人…さぁ、どうする?」

そんな様子を横目に見つめ。頬杖を突いたまま微笑むジョシュア。
女性は今にも取り押さえられ、拳銃をこめかみに突きつけられそうな窮地に陥っていた。


136 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ.紺色ヴェール :2016/01/31(日) 23:39:58 ???
>>134
膝枕、と反芻して首を傾げる
納得した風な、少ししこりが残るような
ともあれ他様が吹き込まない限りは大丈夫そうだ

「……まぁ、膝枕は気持ちいいですもんねぇ……」

>>135
「もうっ、やめてくださいってんですっ……」

そうとも知らずににやけを隠そうと顔を背ける
全てを知る事は必ずしも幸福であるとは限らないのだ


「……世界の何ちゃらモデルって……」

シールが貼られていたりする
ふむむと唸りマスターバーテンダーをチラリ
彼が店主だとすればこれは彼の持ち込んだモノである可能性が高そうに思えるが

「……!」
「……そりゃあもちろんっ……!」

と、急激に変調する舞台
ジョシュアが問い掛けるより速く体は動いていた、月の光を孕む剣を鞘に納めたまま構えていた
どちらが悪か正義か、その判断はつかない
ならば本能に従うのがこの手のイザコザに対するニアの返答である
そしてニアは、目の前で無意味にいのちが奪われる事を好みはしなかった
鞘に納めたままの月光で、男の1人を殴打せんと跳び駆けて振るうだろう


137 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/01/31(日) 23:44:52 ???
>>135

「食事か。栄養価で言えば〜〜〜」

 ここで栄養の観点からイタリア料理を言葉する限り、
 どうやら、まだまだ道のりは長そうであった。舌の退化ぶりは重症である。

【なお、責任云々はスルーされた。ナムアミダブツ】
 【→と、ここでひと悶着が発生。これに関して――】

「人を殺そうとして返り討ち。全くもって弁解の余地もないな」

 無関心そのものと言った風情のイムカである。
 そもそも、彼女からすれば、初撃で本懐を遂げられなかった時点で、
 女には行動の責任としての報復が訪れるのは既定事項に過ぎないのだ。

(と、言ってもニアあたりは首を突っ込むのだろうな)

「ジョシュア、守ってやれ」

【基本的に仲間が適当にあしらえる段階を越えたら介入するというスタンス】


138 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/01/31(日) 23:44:52 ???
>>135-136
―――ギィ!?
ベティは困ってしまった なにせコップのジュースを飲む術を持っていないのだ
仕方がないのでアキレスがコップを受け取り ベティにバケットを差し出・・・そうとして

「え? なになにこれどうしたんコレねぇ」

焦るアキレス どうしたものかと考えていたが
ニアが飛び出して男を殴打しようとしている

「こりゃ男共の敵認定だな・・・よし ベティGO!!」
―――ギィ!!

ならばこちらはベティをけしかける ベティは男共に接近 その大振りなハサミで男の1人の足を挟もうとする
なおベティのハサミは人の腕ほどの木の枝を切り砕くほどのパワーがある

その隙に特殊警棒を構えるアキレス


139 : 『レディ・ブラウン』 :2016/01/31(日) 23:57:28 ???
『なんだこいつらッ!?』

『構わねェ、殺ッちまえッ!!』

本格的銃撃戦が開幕し、ようやく店内の空気は避難ムードに切り替わってきた。
しかも店員や客はそれほど戸惑った様子を見せなかった。それどころか「やっちまえ」などの野次もちらほら聞こえ始めている

「了解!おォ……らァッッ!!」
「うらァッッ!!」

イムカの指示に従い、ジョシュアはニアに狙いを定めた一人に渾身の右ストレートを叩き込み、髪を掴んで液晶テレビに叩きつける。
突然の増援に女性は戸惑いながらも、ジョシュアたちの援護を享受する事に決めたようだ。
立ちはだかる一人の殴打を躱してその腕に足で組みつき、引き倒して胸を滅多刺し。拳銃を奪ってバーの奥へと消えた。

>>136
『ヒャア!コイツの相手はオレだッ!』

ニアには一人、小口径のオートマチック式拳銃を装備したギャングが目を付けた。
やせぎすの、ぼさぼさ髪の男。肌は浅黒く、見開いた眼の隈は明らかに違法薬物の副作用である。
ニアが殴打せんと狙いを定めた男を突き飛ばし、自身もバックステップでニアの射程から逃れ、拳銃をニアへと向けて数発撃つ。
口径は小さく、拳銃弾であるため貫通力も小さい。太い触腕を発生させれば、防御もあるいは可能であろう。

>>137
『…同じテーブルに座ってるってこたァ、お前さんもグルなんだろ?』

ポン、とイムカの背後からテーブルに手を置く人物。黒いシャツの、50半ばの男だ。
この男だけは他のギャングとは違い、殺傷能力の高いフォールディングマシンピストルを首からぶら下げていた。
イムカ自身が襲われる謂れが無かったとしても、イムカの身内ほか3人はギャングと交戦してしまっているのもまた事実。
……不幸な事に、どうやら争いは避けて通れないようだ。

>>138
『なんじゃこのキモい生き物!?』
『ブッ殺スッッ!!』

小さめのザブトン程の巨体とは裏腹にGめいた素早い動きで接近するベティに悪寒を覚えるギャング。
5人の中でも比較的大柄なその男は、大口径リボルバーのグリップでベティをガンガンと滅多打ちにする。
ベティと大男が格闘している間、アキレスは着々と奇襲の準備を整えているが…


140 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/02/01(月) 00:05:54 ???
>>139
―――ギィ!!
ベティちゃんはキモイと言われて怒り心頭です

グリップ殴打されるも 軽量かつ頑強なキチン製の甲殻はびくともしない
さて 足元に目が集中しているらしい巨漢 これ幸いと特殊警棒を展開するアキレス

「ッ!!」
一歩二歩と駆け出し 全力で跳躍  巨漢の脳天に警棒のジャンピングスマッシュを放った


141 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ.紺色ヴェール :2016/02/01(月) 00:07:56 ???
>>137-139
この場に於いて傍観者に徹する事の出来ぬ様を愚と見るかそれともまた別か
ともあれそれを論ずるのは後であろう、現に予感通りニアは既に状況を始めていたのだから

「あ……って、ちょっとぉっ!」
「って、このぉっ!」

とはいえ止める間もなく女性が呆気なく男の1人を滅多刺しにすれば矢張り思う所もなくはないのだが
さてさてしかし逡巡束の間、乱射される拳銃弾
対して月光を引き抜き刀身と鞘で防ぐを試みる
無論タツジンではないため、掠める弾もあるが直撃はない

「……!!」

椅子を滑らす様に蹴飛ばし男へ向ける
打点目的ではない、注意を惹く為だ
叶えば態勢を低く構え、隠すようにして服の中の背に這わせた細いタイドメイカーの膂力を借りた突進
鞘を、思い切り頭部目掛けて振るう


142 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/02/01(月) 00:10:18 ???
>>139

(先行するのか。まあ、機ではあるな。上手く掴めるかは知らんが)

 女の動きを見やりながらもそれを咎めることも、応援することも無いイムカ。それどころか、

「ふむ、ベティがキモい生き物か。レディに対してとんだシツレイ者だな君達は」

 何ともマイペースめいた台詞を己の背後の男に投げかけている状況だ。
 そうしながらも、ワインのスプライト割りをもう一度口つける。右手は。では、左手は?

「試してみるか?クイックドロウは西部劇めいているが、こういう状況では中々にお似合いだ」

 左手は既に銃を持ち、脇の間から背後を、男の身体に銃口が向けられていた。
 此処で封じて、はた迷惑な高火力を抑制、あるいは交戦も辞さぬ。既にそのような構えであった。

「ひとまず互いに事の成り行きを見守るのもよし。互いの運命を試してみるのもよし。だ。私はどちらでも構わん」

 もう一度、右手でグラスを揺らす。解けかけた氷が傾き、カランと音を立てた。


143 : 『レディ・ブラウン』 :2016/02/01(月) 00:25:52 ???
『クソ野郎、死にやがれ!!』
「死ねって言った方が死ねッッ!!」

世界モデルの液晶テレビにめり込んでいた男は近くにあったボトルを取り、ジョシュアの頭を殴打。
割れて飛び散るガラスとワイン、せっかくキメた髪がしなしなになったジョシュアも負けじと男の顔面を拳で穿った。
ゴッ、バキッ、ドガッ、ゴキッ!!痛そうな音が辺りに響き渡る。まるでターン制RPGのように互いに一発ずつ殴り合う様は決してスマートではない。
バーの奥からはいくらかの銃声、打撲音、そして急に不気味なほどの静けさが訪れる。

>>140
『おばッ!?』
『いてーなクソガキッ!!』

スキンヘッドから流血し、片膝を突いて両手で頭を抱える。
が、ただでさえ巨体の、それも堅牢な頭蓋骨。特殊警棒による一撃程度では勝負は決まらない。
激昂した大男はひょいとベティを持ち上げ、円盤投げの要領でベティをアキレス目がけてリリース。
回避、もしくはキャッチする瞬間を狙って大口径リボルバーによる追撃を行うほどの知能は備わっていないようだった。

>>141
『ヒャ…うひゃッッ!?』

弾丸が掠めるのを見て、満足ではないが微笑みを浮かべる。
ニアの飛ばした椅子を足蹴にして弾き、決して視線はニアから逸らさない。。
そして加速。タイドメイカーの発動の瞬間、確かに隠していたハズなのに。
男の視線はニアに釘付けになった。そのまま顔面を殴打され、ごてんと背中から仰向けに倒れ込む。

『ぐ、ぐべ…死ぬぜマジ…』
『野郎共!こいつら異能者だ!!』

よろよろと起き上がった男が叫んだ瞬間、店内は静まり返った。
全員が固まり、再び時間が動き出せば、外野はぞろぞろと店を後にしてゆく。
ニアから逃げるように、後ずさりで距離を取る男。残った弾を全弾斉射。

>>142
『……抜くかね』

口ひげに隠された口元は確かに微笑んでいた。
不敵な笑みを浮かべながら、突きつけられた銃口を見下ろす男。融解した氷がグラスを鳴らす。
瞬間、胸元から抜いたのは――ピストルではなく、ソフトケースの湿ったタバコ。

『お前さんが引き金を引く速度と俺が抜き、弾を装填し、お前さんを蜂の巣にする速度』
『どちらが速いが試してみたい気もあるが…フム』

オイルライターで火を灯し、中々点かないとみれば燻ったままのそれを口に咥え。
黒いシャツの胸ポケットにライターをしまい込むと、イムカの隣へと腰掛けた。

『俺も老いた。老体にはこのハンデは厳しいな』
『これで手打ちにしようか』

その顔つきと視線は間違いなく熟練の、まるで兵士のようだ。
にやりと微笑むと、マガジンを抜き、ピストルを抜いて机に置いた。
弾は一発、もう一度氷の鳴るときが、戦いの幕開け。


144 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/02/01(月) 00:34:51 ???
>>143
「んげっ」
怯むぐらいはしてくれるかなーという淡い期待はもろくも崩れ去り

―――ギィ!?
しかもベティをひょいと持ち上げ投げつけてくるではないか

「コナクソッ・・・!!」
それを後ろに倒れこむことで回避 ベティがどこぞへ飛んでいくが致し方なし

即座に警棒の柄頭を向け もう片手で自らの目を遮りスイッチを押す

ボッ!!とものすごい音と共に 800万カンデラの圧倒的光量が巨漢を襲う
アキレスの奥の手 ストロボガンが火を噴いた


145 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/02/01(月) 00:43:13 ???
>>143

「老いなら私もさして変わらん。若者の向こう見ずさが羨ましくも思えるよ」

 言いながら、イムカも奇妙な形状の銃…粒子短銃を男のピストルの隣にゴトリと置いた。
 これでますます、場の緊迫感と共に洒脱さも演出されるというものだ。

「ジャンゴ・ルッキーニ。君の雇い主かソンケイ(所謂リスペクト)を有したボスかは知らんが、
 随分と恨みを買っているようだな。まあ、自己を拡大せんとすれば怨嗟は避けられんのが常だが」

 そのような会話も出来るというモノだ。向こう見ずは若者の特権。
 そして、それを世話するのは突破力を損じた大人の義務である。

「私達は巻き込まれたクチ…といっても信じてもらえるかな?どうにも正義感が強いのだよ。私の連れは」

 この言葉に皮肉は無かった。寧ろ羨望だ。今更生き方を変えられない者からの可能性に満ちる者への。

「さて、こうなるとケジメは必要なのだろうな。高みの見物を決め込むなど互いにみっともないにも程がある」

 ここで、カラン、と氷が鳴った――

「イヤーッ!!」

 近距離!超至近!銃などという狙いをつけてトリガーに指をあてがい引き金を引く、
 などといった、冗長極まる選択など最初から度外視!

【男の鳩尾目掛けて、一気呵成に崩拳を放った!!】


146 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ.紺色ヴェール :2016/02/01(月) 00:44:12 ???
>>143
「……、」
「ご名答ってんですっ!」

なるほど異能を存知であったかと内心
だが隠す必要がないと分かればそれもまたよし
細身の触腕をするりと擡げ、天井に引っ掛けニアを持ち上げる
ぶらりんと揺れて銃弾を躱せばその勢いで飛翔

「……せぇやぁっっ!!」

鞘に納めた刃を思い切り、全力を持って振り下ろさんと掲げる
一直線の単調な攻撃ではあるが、それは速く、そして鋭い


147 : 『レディ・ブラウン』 :2016/02/01(月) 01:11:20 ???
>>144
「くたばりッ…やがッ…れ…!?」
「……サンキュー…ベティ…?」

アキレスは華麗なブリッジでベティを回避。弾丸ライナーはそのままアキレスの遥か後方へ。
未だにボコボコとジョシュアと殴り合っていたギャングの脳天に飛来しめり込み、再び液晶テレビへとねじ込んだ!
男と一緒にテレビへ埋まり、プスプスと煙を上げるベティにジョシュアはサムズアップをひとつ。

『んがァァっ!!目が!目がァァ!!』
『3分間待ってやがれッ…そしたら絶対殺してやるからなァッ…!!』

一方気レスと大男はいまだ格闘戦のさなか。
回避したアキレスが体勢を立て直すまでの間に猛ダッシュで詰め寄る男。ここでも発砲という選択肢はないらしい。
その結果大男はストロボを至近距離で喰らい、視力は完全に奪われる。
これから数十分はマトモにモノを見る事はできないだろう。銃は鈍器ではないと思い知ればいい薬になる。

>>145
『……困った甥でね。放っておけんのだ』

イムカと男の間には、妙な親しみというか、同じ立場に立つもの故の空気が醸し出されていた。
若い世代を見守り、懐かしむ。何というか年の功と言うか。
そしてその空気を一気に張り詰めたものへと変貌させるのは、グラスを高く鳴らす透き通った氷の音だ。

『―――!』
『グワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!』

凛響、瞬間、加速。
氷の音と共に愛銃へと手を伸ばす男の、鳩尾というより肋骨を無慈悲な拳がゴリリと削った。
パパスばりの断末魔を上げつつ、男は銃を取り落とし。

『……この人生、悪くは無かった…』
『………火…を…』

最高に絵になる場面での決闘は、無慈悲な拳によって中断され。
しかしまるで正々堂々勝負でもしたかのような充足感に満ちた表情と共に、湿った煙草を加えたままガクリとうなだれた。

>>146
『ヒャハ!馬鹿が!待ってたんだよォ!』
『空中なら身動きが取れないってなぁ!!』

大振り。素人だ!と男はにやりと微笑んだ。ニアの出で立ち、いかにもアホそうな(シツレイ!)見た目から決め手は大振りで来ると踏んでいた。
何を隠そう男も異能者である。能力はか弱いながらも、異能の概念はしっかりと理解しているし、それなりに異能者相手も経験はある。
ニアへと正確に狙いを定め、ピストルの引き金を引く!…が

『…あれ?』

かちり、空撃ちの音が寂しく響く。先ほど述べた通り男は全ての弾を使い切っていた。
異能に精通していても銃の扱いは素人レベルなのだ。
所詮はマフィアの戦闘員や兵士でもなく、ただのギャング。ゴロツキなのだ。技術も、練度も、底が知れている。
そのまま月光に頭をカチ割られ、無言のまま白目を剥いて仰向けに倒れた。

//続きますぜ


148 : 『レディ・ブラウン』 :2016/02/01(月) 01:11:51 ???
>>ALL
「……ん?」

全ての勝負に決着が着き、さてあの暗殺者はどうなったのかが気に掛かるころである。
そこでジョシュアはあることに気が付いた。異能者だとの通告を受けて、先ほど退場した筈の外野が復活している。
というより集まった男たちは先ほどの面々よりも明らかにカタギのものではない顔ぶればかりであり…

『…そこまでだゼ、異能者』
『……いンや、越境者サンよぉ…』

暗殺者『ッ…』

バーの奥からも増援。30人以上に取り囲まれ、銃を向けられる。武器はショットガンや軍用ライフル。先ほどまでのような生易しいものではない。
そしてその中心に立つのはジャンゴ・ルッキーニ。右手に銃、左手には猿轡を噛まされ、両手足を縛られた先ほどの女暗殺者を抱いて。

「ファァァァック……!5人だけじゃ無かったのかよ…!」

さすがのジョシュアもここまでの規模の軍隊が待ち構えているとは予想もつかなかったようで、
一人で切り抜ける事は可能そうだ。しかし相手方のこの火力。エネルギーフルのジョシュアでも、5秒と持たないであろう。
そんな状態で仲間を全員守るのは不可能だ。舌打ちするジョシュアの手首を結束バンドでギャングが留める。

ジャンゴ『おーお、パニーノをヤるなんてなァ…相当手練れみてーだナ、お前ら…』
ジャンゴ『ジジイ…世話になったぜ。また来世でな』

ジャンゴはイムカの隣で項垂れる男、パニーノを見て目を細め、それから加えていた煙草を吐き捨て、辛そうな表情を浮かべながらタバコを靴底でなじった。
繰り返すようであるが、非常に絵になるシーンにおいて繰り出された無慈悲な拳によってパニーノは瀕死状態に陥っているのみである。
そんなことはお構いなしにジャンゴは顔を上げ、そこには先ほどの悪戯めいた笑みを貼り付け。
ギャングをそれぞれ3人ずつ越境者へと拘束の為に向かわせた。

ジャンゴ『さて、さてさてさて?それじゃ一緒に来て貰いまショーかっ』
ジャンゴ『たぁ〜っぷり…!こいつとの関係を吐いて貰うゼぇ…』

//今回はコレで終わりであります!お疲れさまでしたっ


149 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ.紺色ヴェール :2016/02/01(月) 01:24:56 ???
>>147-148
「……!」
「……むぅ……!」

抵抗をと試みるも一瞬、唇を尖らせて唸る
ただ唯一、月光に触れる事のないようにだけ言ってジョシュアと同じように縛られる
手が塞がれている状態で反抗するならば、それが叶うのは自身のタイドメイカーと、イムカのステルス化しているのだろうか姿の見えぬ浮遊骸骨、それと逃げ延びていればベティだろうか

(……ま、この人数相手じゃ、)

今は大人しくしているのがいいだろう
そう判断するのは自然な事だ
月光を取り上げようとでもすればぐるると吠えて噛み付かんとしてでも阻止し、だがそれ以外は素直に従うのであった


150 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/02/01(月) 01:32:29 ???
>>147

「…ロマンチストに過ぎるな。若造が」

 イムカは戦術選択においては極めてリアリストだった。
 勝敗を分けたのはそこだろう。しかし、ルールそのものを違反したわけではない。
 流儀を損なえば、それこそ名誉が損なわれる。ゆえに互いに納得づくであったと核心する。

「…私も他人の事は言えないか」

 そうして、男のライターを取り出して湿ったタバコに火をつけてやった。

 -----------

「関係も糞もあったものではないが。まあいい。どうせ信じまい。
 言っておくがこちらは決闘の結果だ。手段は講じたが卑劣を行ったつもりはない。
 治療してやれ。まだ多分生きている」

 銃口に囲まれていても臆した様子は無く、バニーノとやらに目を向けるイムカ。

「名誉の決闘だ。シシリアのルールは血には血を。
 だが、この決闘に異論があるならば決闘以外の手段を取りはすまい?」

 連行されるであろう状況は代わり無いが、
 先ず決闘の結果について重点を置くのは名誉を重んずるイムカらしい所作であった。

//乙かりー様でありますノス


151 : アナザーゼファー :2016/02/03(水) 22:17:27 ???
「作戦時間は『可能な限り迅速に』、おーけー?」

アラズの声がエンジンの唸り声に混じり響く
越境者達は装甲車の中で揺られていた
ゼファー社襲撃直前、灰雪の精舞う西風の夜
氷点下6度の闇夜を切り裂き疾駆、辿り着くは摩天楼

「あ、アラズぅ! あれ、あれっ!」

「……マジか、こっちに6体全部来やがった!」

陽動チームのニアとアラズは動揺していた
敵の主力であろう越境異能兵器群は全てが見事陽動に掛かったのだから
しかしなるほど突入チームの動きは容易になったであろう、だがこれでは此方が全滅の危険すらある
増援の、アリッサムの到着まではまだ時を要する
アラズは舌打ちをしつつ、装甲車へ向かうアラズァヘッドを睥睨した


152 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/03(水) 22:35:13 ???
>>151
「……お前らがヘマでもやらかさねー限り、俺は出ねェからな…」

装甲車の中で腕組み、分厚い防寒着を着込んだジョシュアは、大層ご機嫌を損ねているようだ。
ジョシュアにとってアラズァヘッドはニアそのものであり、今まで決して手に掛けたことも、傷一つ付けた事も無い。
ギャラエを相手に大量のアラズァヘッドに囲まれた時も、そして今回だってそうだ。

「……6体だと!?クソがッ…」

ジョシュアは出来れば今回の”仕事”に自分の出番が来ないよう神に祈っていた。
しかし全てのアラズァヘッドが陽動に掛かればそうも言っていられない。
ニア達だけでは全ての兵力を相手取るには圧倒的に力不足であり、そうなればジョシュアが動かない訳にはいかなくなる。

アラズァヘッドのスペックはオリジナルのニアと、その初期ロットであるアラズの”性能”を大きく超えている。
ここでみすみす彼女らを見殺しにすれば、ジョシュアはどちらにせよその本懐を遂げられなくなるということだ。
どちらを選んでも苦難の待ち受けているこの状況に歯噛みしながら、ジョシュアは戦場に立つことを選んだ。

「いいか!?制圧オンリーだ!俺が出る以上絶対にアラズァヘッドは殺させねぇからな!」

アラズァヘッドは請け負えて3体。それ以上になれば押し潰されるのも時間の問題だ。
尤もジョシュアがアラズァヘッドを躊躇なく殺害する事ができれば、そういった心配もしなくて済むのだが
ポータブルEMLのスリングを担ぎ、背中側に回してから、ジョシュアは急ぎ装甲車から飛び出すのであった。
この場に存在する沢山の”ニア”たちを、一人も死なせない為に。

装甲車のドアを蹴飛ばして開け、大口径のヘビーピストルを敵へと向ける。


153 : アナザーゼファー :2016/02/03(水) 22:43:06 ???
>>152
ジョシュアが躍り出た時、既に周囲は血で飾られる修羅の庭園と成り果てていた
そんな中、1体のアラズァヘッドが8本のディープメイカーを走らせそのまま装甲車を押し潰さんと迫っている
だらりぶらりと揺られるニアのクローン体は、耳まで裂けた孤月を表に浮かべ血走った赤眼でジョシュアを視認、睥睨

『はぁぁ〜〜〜……!!』

肺から空気を絞り出す様な声ならぬ声を挙げ、そのまま彼ごと装甲車を破砕せんと歩みを止めない

「……ジョシュア、行った、頼む!」

アラズの声が通信機越しに聞こえるはずだ
銃声や爆音に混ざる、必死の呼び掛け


154 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/03(水) 22:57:22 ???
>>153
「………さっそくお出ましか」

見下ろす大地には血痕、脳漿、その他諸々人の死んだ証がありありと散らかされていた。
ジョシュアはそれがアラズァヘッドやニアのものでないことを祈り、
その祈りが通じたのかさっそくアラズァヘッドのうちのひとりがジョシュアの前に躍り出た。
カロリー満タン、分配は体温10%、強化45%、余剰45%といった所か。1発被弾すればもう余裕はなさそうだ。

「こいつがブッれたら俺達みんなこのクソ寒い中を歩いて帰らなきゃならなくなるんでな…」
「悪い子には……お仕置きだッッ」

瞬間、その場での回し蹴り。その威力は風圧のみで周囲の雪をかき散らし爆塵を発生させるほど。
ジョシュアのアーミーブーツは装甲車のリアを捉え、装甲車は悲鳴染みた金属音をまき散らしながら吹き飛ばされる。
ジョシュアはその反動で予測攻撃地点から退避、装甲車は前輪を起点に90度転回、雪煙を巻き上げながらゆっくりと止まる。
直後にアラズァヘッドの面制圧攻撃が雪に覆われた大地を捉える。ジョシュアは顔を左腕で守り爆風に耐え、装甲車は風に煽られて横転した。

「…俺に撃たせるな…頼む」

運転手は生きてるだろうなと倒れた装甲車を一瞥しつつ、すぐさまアラズァヘッドに視線を戻す。
拳銃をホルスターに仕舞い、歪な笑みを浮かべる”ニアの類似品”へと悲痛な視線を向けた。


155 : アナザーゼファー :2016/02/03(水) 23:08:21 ???
>>154
『ァァアアァァァ……!!』

不快感を齎すノイズの様な声が漏れる
恐らくは攻撃をしくじった事への苛立ちの表現なのだろう
彼女は目標を装甲車からジョシュアへと変更する
その様子がありありと伝わるのは、最早横転したそれに目もくれない点から看破するのは容易

『……ゥゥゥゥゥ……!!』

氷点下に白く煙る吐息を漏らしながら剥き出しにした歯を打ち鳴らし威嚇
ディープメイカー2本を高く掲げ、そのまま思い切りに振り下ろす
ほぼ同時に1本を、横薙ぎに振るい面への攻撃としていた

「……ジョシュアぁ、こいつら強化が半端ないってんですっ!」
「気を付けて……きゃぁっ!? ……痛ぁ……このォッ!」

通信機からニアの声
被弾した模様だが即座に反撃を行っている所から無事なのだろう
だがこれも幸運が味方した結果だけに過ぎない


156 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/03(水) 23:29:45 ???
>>155
「ニアぁッ!!」

通信機越しに聞こえるニアの悲鳴に耐えかねたジョシュア、堪らずニアの方へと視線を遣り、叫ぶ。
しかしそれと同時に眼前のアラズァヘッドがジョシュアへと飛びかかった。
ジョシュアは一瞬遅れながらもそれを視認。グルグルと心の中でドス黒い感情が渦巻く。
憎しみだ。ニアを実験材料にしたギャラエと、それを使役するマウスィムへの。

「……やめろ…」
「ッつってんだろォがッッッ!!」

歯を食いしばり、噛み締めるようにして呟く。握る拳はふるふると震え、
横へ小さくステップ、振り下ろしを躱す。続いてそれを予測したかのような横薙ぎの振り払いに対しては、こちらからも迎撃。
右の拳を思い切り握り、怒りに任せて思い切り振る、横薙ぎの鉄槌。ばちんと激しく肉同士がぶつかり合う音。
アラズァヘッドの触腕を弾く事に成功したが、同時に耐えがたい激痛がジョシュアを襲う。
打ち合いの衝撃に負け、右腕がヘシ折れ、皮膚の中で砕けた肉と骨がグチャグチャに混ざり合っていたのだ。

「ぅ…ぐがァァァッッ……!」
(ってェ…!!一体何で出来てやがんだこの触腕はァッ……!!)

ニアをベースとしている以上、触腕の組成に大した変わりは無さそうだ。大量のエアロゾルと、水分。
しかしニアが強化が半端ない、と評す通りに本体の性能上昇が大きく起因しているのであろう。
振るう速度が、制度が速ければ早いほどに打撃の威力は二次関数的に上昇してゆく。
右腕を押さえ汗ばむジョシュア。損傷部位が淡く光を放ち、すぐさま損傷は修復されるが

回復に大量のエネルギーを要し、余剰は残り20%。その全てを身体強化へと注ぎ込む。
あまりに大量に送り込まれる生命エネルギーは、オーバーフローを起こしてジョシュアの細胞と言う細胞から溢れ出、
それらは美しい輝きを放つ青緑色の粒子となってジョシュアの周囲を浮遊する。

ジョシュアの体表にはベルゼブブの発現時と同様に染みが現れ、しかしそれは純粋な生命エネルギーの輝きだ。
活発になる生命活動に伴って体温は急激に上昇、ジョシュアの周囲から大量の水蒸気が舞い上がり、足元のアスファルトが剥き出しに
やがて舞い上がる水蒸気に辺りが覆い隠され、何も見えなくなってから少しの間を置いて――
――唐突にジョシュアは水蒸気を蹴散らし飛び出した。
音の速度にも迫る突進で肉薄し、アラズァヘッドの首根っこを右の掌で鷲掴みにせんと迫る。


157 : アナザーゼファー :2016/02/03(水) 23:40:33 ???
>>156
『はぁッ……ハァッっ!!!』
『……アァァ?』

触腕を弾かれたが被害の大きさでいえば明らかに優位に立ったといえる
そしてそれを認知し、歓喜にするべく知能程度は彼女には残されていた
だがしかし次にジョシュアが傷を完治させれば鼻筋をひくつかせ不快感を示す
ブルームーンを抜き放ったのは殴打よりも斬撃の方が効果がありそうだと瞬時に判断した為だ

『……ク、ヘァヘヘ……』

この個体は、ゼファー社所有のアラズァヘッドの中で強化の度合いが最も高いステージ3であり、つまり著しい理知性の喪失を意味していた
それでもこと戦闘感に於いては失われておらず寧ろ逆ですらある
知性に阻害される事のない純然たる戦闘思考が成されているのだから

『……?』
『……ッ!!』

そんな彼女がジョシュアの放つ唯ならぬ気配を敏感に察知し、通常戦闘範囲よりディープメイカー2歩分を後退せんとした矢先の事である
瞬きの半分以下のか細い時の切れ目に彼は消え、それを認めた時には既に首を補足されていたのだ


158 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/04(木) 00:01:07 ???
>>157
「クソ…クソ…!やめろって…」
「やめろって言ってんのによォォ…!!」

掴んだ首にはドス黒く痣が残るほどの圧力が掛かり、ジョシュアの大きな掌はさらにそれを締め付ける。
首をへし折らん程の圧力を掛けながら、”ニア”を地面へと引き倒し、その上に馬乗りになり、
生命の炎に燃える拳を握り締め、そして大きく振りかぶったそれを思い切り振り下ろした。

「このッ…このッ…このォォァッッ!!!」

一撃、二撃、何度も何度も”ニア”の顔面へとそれを叩き込むジョシュア。
黙っていてくれ、気絶してくれ、もう動かないでいてくれ。もうこっちに向かってこないでくれ!
傷付けたくないという願いとは裏腹に、燃える拳は何度も何度も少女の顔面へと叩き込まれてゆく。
一発叩き込まれるごとに地響き、少しだけ赤く染まった雪煙が舞う。
それから暫く、重く、水っぽい打撲音だけが幾度も響き。

「ハァッ…!ハァーッ…!ハァッ…」
「……ァ…?」

ふと、我を失っていたことを理解するだけの時間が流れた時、
ジョシュアは青褪めながら、震える手を止めた。全身から汗が噴き出す。動悸が止まらない。
眼下の”アラズァヘッド”の、真っ赤に染まった髪、その下に隠れる顔面と、血に塗れた己の右手を見つめた。


159 : アナザーゼファー :2016/02/04(木) 00:08:18 ???
>>158
『……ぁ、がっ、ぐっ……!』
『…、……』
「……じょ、……ぁ、り、が……」

多分それは断末魔
単なる吐息が舌の働きに依ってそう聞こえた風に過ぎない現象なだけだ
それでも、残虐に撲殺されながらも尚
最期の瞬間まで極限に彼を見据えていた彼女に何を思うかまではきっと、誰にも分からない事だ
まして思考を制御された彼女が、死を迎える刹那にそれをどう感じたかなど

『……止マッテンジャネェゾォォォオイィィィ!!』

背後より声
甲高い機械音声だ、頭部が完機化されているのだろう
振り返ればそこには今まさにディープメイカーを4本振り下ろさんとしているアラズァヘッドの姿!


160 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/04(木) 00:38:18 ???
>>159
「ッッ………!!」

殺した。ニアを殺した。
ダグラスの遺志を、決して破ってはならない誓いを破ってしまった。
純粋なニアの遺伝子から複製された、言うなればもう一つのニアであるアラズァヘッドをジョシュアは無残に殺害したのだ。
アラズァヘッドの断末魔を耳が受け入れたその瞬間、ジョシュアは猛烈な吐き気を催し、口元を押さえた。
その手には血がべったりと。その大きな手のひらは、ジョシュアがニアを撫でるために、守るために使ってきたものだ。
たった今ジョシュアはそれで、彼女を殺した。

「ニアッ…ぅぁ…ニアぁぁあっ!!!!」
「許してくれ…許して…くれ…ッ!!」

動かなくなったアラズァヘッドの遺体を抱き上げ、返り血と涙の混ざった赤い雫をぼろぼろと零しながら力強くアラズァヘッドを抱き締める。
たとえ最期に聞こえた断末魔がジョシュアの都合のよい解釈であり、儚い幻想だったとしても。
刹那、背後に感じる殺気。ジョシュアはゆっくりとアラズァヘッドを地に降ろし、涙を流しながら目を見開き、そして歯を食いしばった。

「うァぁあぁああ゛あ゛ぁぁあァッ!!!」

すかさず身体を反転させ、地を蹴って飛び出すジョシュア。その表情は、形相はもはやヒトの形を為していなかった。
スリングを伝い、背中側に回していたポータブルEMLを手前へと引き戻すと、それをアラズァヘッドの腹へとあてがう。
涙ながらに叫んでから割れん程に歯を食いしばり、そしてフルオートで引き金を引いた。

「許してくれえぇええェッッ!!!」

ガガガガガガガッッッッ!!!
初速2,500m/sec、毎分900発の弾丸を吐き出すモンスターマシーンは、密着した少女の身体を容赦なく食い破る。
穴あきチーズのようにボロボロにされてゆくアラズァヘッドをジョシュアはそのまま押し倒し、弾切れになったレールガンを投げ捨てて肩へと手を遣る。
そこにあったのはナイフシース、そこからエクソダスを一気に引き抜くと、ジョシュアはアラズァヘッドの胸へそれを突き立てた。

何度も、何度も、何度も何度も何度も。小さな少女の身体を滅多刺しにして、身体中至る所を血に染め上げてゆく。
幾度ナイフを振り下ろしただろうか、痙攣すらしなくなったアラズァヘッドの顔を撫で、そこに付着した血を拭き取ろうとするが
ジョシュアの行為は血に染まった自らの手で、それを塗り広げる事に他ならなかったのだ。
そこでジョシュアは完全に、自分が一線を越えてしまったことを改めて自覚した。

「許して…許してくれ…ぅぅ…」
「ははっ…ははは……」

降りしきる雪の中、ジョシュアはふたりのニアの亡骸に囲まれながら大地に跪いている。
ぼろぼろと大粒の涙を零しながら、もうどうしようもないといった笑みを浮かべ。

爆発音、残ったアラズァヘッドがニアを追いつめ、ディープメイカーが鎌首を擡げた。
こちらを向き、助けを求めるかのような視線にもジョシュアは反応しない。ただ涙を流し続けるのみだ。
覚悟を決め、目を固く瞑るニア。

――そんな時だ。ようやくアリッサムが、この戦場へと侵入を果たした。


161 : 西風の夜に&アナザーゼファー :2016/02/04(木) 22:33:08 ???
【西風の夜に】

『アラズ、聞こえるか、限界だ、離脱する』
『『ラヴレス』『アグラーヤ』、両名は安否不明』
『……『ユートピア』で会おう!』

グッドラックを告げて回収チーム『ノイン』の駆るヘリは弾幕の嵐を抜けてスプロールの冷闇へと溶ける
ムガは先に遭遇した奇妙な敵を想起しているのか終始黙っていたし、七八は今だ眠る兄の手を握っていた
操縦をオートに任せたノインがやって来て、一同を見渡す
彼女も矢張りニアのクローン兵器『アラズァヘッド』の一体であり瓜二つな風貌
やや釣り目なのは意識しているのかそれとも微細な個性か、或いは性格が現れているのかもしれない

『……あとは合流地点で陽動チーム、アラズ達と合流すればミッション完了だ』
『ご苦労だったな、短いフライトだがゆっくりするといい』

それだけを言うと手に持ったパイロットメットを被り、踵を返して操縦室へ
通信で充分な内容ではあるが、つまりはそういう性格なのであろう

『……あぁ、報酬だが』

立ち止まり、上半身で振り向いて付け足す

『合流時に支払う、だが可能ならばもう一働きして貰いたい』
『そこの……タェンティースの、修繕までの護衛任務だ』
『無論追加で支払う準備がある、宜しく頼む』

今度こそ、彼女の背は鋼鉄の扉に阻まれた



【アナザーゼファー】

既に事切れた、ステージ3強化を施されたアラズァヘッド
薄らと開いた赤眼は最期まで己を殺した相手を見やり、しかしそこに憎念はない
続き頭部が完機化された彼女も迅速にそのいのちを散らす格好となる
痛覚を認識しないファイバー式の神経は何が起きたかを伝える間も無く機能を停止した
仰向けになってぽかんと開いた口から血ともオイルともつかぬ液体を滴らせ藍色のそらを濁った赤眼が見上げている

「……えぇっ!? よ、呼びましたかジョシュア!?」
「許すって、何をってんですかぁっ!?」

と、贖罪の咆哮は素っ頓狂な返答に変わる
舌打ちが聞こえるのは恐らくアラズのモノであろう、彼はきっとニアよりもジョシュアの身に起こる現象に対して敏感だ
その理由は今更説明をする迄もないだろう



「……惚けてんじゃねぇぞ馬鹿野郎っ!」

アリッサムが窮地のニアを救い、突入チームが全てを終えた頃
鬼気迫る表情でアラズがジョシュアを、ディープメイカーで攫うようにして回収
そのまま蹴飛ばされた装甲車を同じように触腕で起こし蹴り入れる様にして彼の身を中に押し込む
ニアも、そして恐らくはアリッサムも脱出の為に同乗するだろう

『ユートピアで会おう!』

エンジンが獣の唸り声を挙げてタイヤに力を与える
装甲車が走り去る中、ノインの通信が聞こえた、銃声とヘリのローター音が遠ざかって行く

「……お前さー、」
「そういうの、いい加減あいつ(ニア)に悪りぃと思わねぇのか?」

運転をニアに任せ、トラックはフラフラと走り続ける
アラズはジョシュアの顔を鋭く覗き込み、苛立ちを混じえて告げた

「同一視すんなよ、私は私だし、あいつはあいつだ」
「お前が殺したのは単なる、あいつと同じ遺伝子を持ったあいつとは別の個体、別の意思を持ってるあいつじゃない他人」
「……割り切れ、いい加減」

立ち上がっての最後の一言はやや、情の籠った淡い声色
彼女なりの気遣いなのだろう、励ましとも言える

悲喜交々
数多の人の想いや営みを知らぬかの様に、氷点下6度の西風はスプロールの夜を吹き抜けていた


162 : 彼方より :2016/02/04(木) 23:00:34 ???
「これは何とも……」

ふくく、と彼女は、『バイス』と名乗る女は手の甲を唇に当てて嗤う
彼女の影の様に付き従う助手の、獣人の少女は惨状に顔を顰めていた

「……たった一週間」
「それだけですよ? 私が留守にしたの」

リノリウムの床に転がる瓦礫を爪先で蹴飛ばす
黒焦げに炭化した兵士の亡骸に当たり、乾いた音を立ててそれは崩れる

「……『ヘッドハンター』はどうでもいいとして……」

『タェンティース』はマズイですね、と髪を掻き上げる
薄茶色のサイドテールがふわりと揺れる
先日の雪は雨に変わり、破壊された壁の向こうに落ちるスプロールの毒雨
緑色の瞳を細めてその向こうを、見えない何かを見詰める様にしばし黙った

「いいですか、『タマヤソ』さん」
「……貴女は雇われの身です、そして今回はお仕事をしくじりました」
「本来でしたら私は貴女との契約を切るべき所です」
「……なんせ大損害ですから」

す、と薄暗い演習場から染み出る様にして出るは乳白色の毛並みの鼠人
助手の獣人の少女が警戒を示す程度の信頼関係に両者はあった

「……ですが、いいですか?」
「もし貴女が彼等を追跡し、タェンティースを奪還すると言ってくれれば」
「……私は支援を惜しみません、成功の暁にはキチンと報酬をお支払いしましょう」

ぎり、と歯軋りの音が聞こえた
タマヤソの口元からだ、無論それに相応しい形相を作っている

『……トーゼン、やるさ』
『あの野郎共はアイツラの仇だ』
『……皆殺しにすればいいんだろ?』

成る程タマヤソ率いるヤソの衆の精鋭4匹は越境者達との戦闘で全滅したという
バイスは彼等の絆の深さを知る由もないし興味もなかったが、この状況が自身にとって有利に働くとなればそれは好ましい事であった

「えぇ、えぇ、結構です」
「……増員は必要ですか?」

『……不要』

決断的な鈍い、復讐の輝きを赤眼に宿すタマヤソの背後の薄闇の中
4つの影が血色の魔力に包まれて立ち上がり、首を擡げた

「……、け、結構です」
「じゃあ、越境の準備を行いましょう」

立ち昇る死臭が極端に濃度を増し、バイスはレースのハンカチで鼻と口を覆う事を考えた
しかし何事もないように取り繕えば踵を返し、彼等を越境者達の追跡に向かわせる事を優先させる



「じゃ、期待してますよ」
「……成功したら、『ヤツ』殺せば貴女こそが『本脈』です」
「行ってらっしゃい、『ヴァイス』さん」

『ヴァイス』
その聞き覚えのない呼び名に、越境の刹那タマヤソは顔を顰める事になる
だが即座に意識をシフト、血黒色の殺意の海に心を沈めた


163 : 彼方より :2016/02/05(金) 19:51:28 ???
〜前回までのあらずじっ〜

『アユル』なる人物の命により『ゼファー社』に保管されていた『タェンティース』を救出すべくスプロールにやって来た『アラズ』

彼女は、同社に捕縛されていた兄を助けるべく行動していた『七八』と共同戦線を組み、越境者達の助けを借りて無事に一先ずの奪還を成功させた!

兄一二三を闇医者へ運ぶという七八とその後別れ、アラズは大破したタェンティースを修復すべく彼女の生まれ故郷へと向かう
アユルが用意した『越境マシン・一往復だけ試作型』で一路、自由世界リベルタスへ!

だがそんなアラズを、そしてタェンティースと越境者達を!
これまた謎の『バイス』と名乗る人物の放った刺客の影が、音もなく忍び寄っていたのであった……!!


164 : 彼方より :2016/02/05(金) 21:11:43 ???
リベルタスの大地に吹く風は多湿であり、特有の湿った淡墨の香りを運ぶ
季節はまだ肌寒い頃ではあるが、この季節風が暦の変わりを告げている
成る程確かに、枯れた大地には新芽や蕾、苔が生し始めて力を溜め込むように温暖を待ち侘びているではないか

「……と、そんな訳でだ」

先頭を歩くアラズが、横目に振り返りながら口を開く
タェンティースをタイドメイカーで運ぶニアは顔を向けたが、
この世界にやって来る際に乗り込んだ『越境マシン・一往復だけ試作型』の最悪の乗り心地にヤられたムガは具合悪そうに口元を抑えているのだあった
大型の鉄板にレバーやら何やらを付けただけの見てくれのそれは激しく揺れ、越境には成功したものモノのその後アラズの操縦を振り切って着地座標を大きく外れたのだ

「ちょっと移動しないとならない」
「まぁ……丁度ちっちぇ町が向こうにあるみたいだし、あそこで足を確保すりゃ今日中には着くさ」

「だといいってんですけどねっ……」
「……いい加減、これ(タェンティース)重いってんですよぉ……」

一同が進むのは高温多湿の、背の高い広葉樹……ブナの群生する森林地帯
時期的に今はもう芽吹きを待つ枝ばかりの木々ばかりで、足元は起伏が多くまた死角も多い
大破した越境マシンの残骸を背に、空に立ち昇る数本の煙の麓を目指して進む
このリベルタスは現実世界とほぼ等しいかそれ以上の科学発展を成した世界だ
とはいえ人里で暖炉や煙突を見る機会がない訳ではない

「……こいつを『アユル』のとこに運べば今回のお仕事は完了だ」
「『ゼファー社』の連中が追撃してこれるとは思わねぇが……ま、警戒して損はねぇな」

前回の作戦で壊滅的打撃を受けたゼファー社に、最早追撃の体力は残されていない
それがアラズの考えではあるが、楽観的に見る事が出来る程簡単な状況でもない

「……言ってる間にもうすぐそこだ、ほら」
「今回は無駄金になっちまうかなぁこりゃ」

はは、と明朗に笑い飛ばすアラズ
視界の先では森が開け、直ぐ向こうに道路と更に町が見えるのだ
とはいえこの森に先程から漂う微細な怖気が、振り払われた訳では決してなかった


165 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/05(金) 21:23:56 ???
>>164
自由世界の森は初めてだ
越境マシンなどという得体のしれないものの乗り心地のダメージは比較的軽微であった狩人はきょろきょろと辺りの森を見ながら一堂についてゆく

「あの乗り心地を金で体験させられただけで終わりそうだな」

なんて一言コメント
今回は弓を手に持つこともなく森を見ながら歩いているだけだ
もっとも、警戒よりは観光気分というものが若干多くの割合を占めているが
だが、肌に僅かに絡みつく怖気によって警戒を捨てきれない
今見ている森が終わるまで何事もないことを一人祈った


166 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/05(金) 21:28:05 ???
>>164

「厄介な戦闘は人任せ。権利はしっかり主張。これぞアブハチトラズ、デス」

 一行がリベルタスに到着した頃、先回りしていたかのごとく、
 上記の台詞と共に合流したのはα-12.。C.T.S.S.クローントルーパーである。
 アラズと一旦別れて何をしていたかは不明であるが、合流と相成った。

「ゼファー社が我が社の〝所有物〟を勝手に秘匿していたトハ嘆かわしい限りデス。
 カノッサと言えど内輪もめも、派閥争いも日常茶飯事という事デスが」

 ガスマスク系フルフェイスマスクの丸いレッドアイをキラリと輝かせながらのたまうα-12。
 どうやら、彼女も色々としがらみがあるらしい。組織人ゆえ、他の越境者と比べて自由行動しにくい面もあるのだ。

「アナタの協力者にさっさと思考ユニットを再起動してもらったら、権利を主張して持って帰る予定デス。
 莫大な負債を返済せぬままポンコツ=サンを朽ち果てさせるのは当社としても論外デス。
 彼女は過重労働とα-12にからかい尽くされた挙句、生体脳のニューロンが焼けて憤死する以外のオタッシャは認めマセン」

 とにもかくにもタェンティースの再起動には協力的なようである。


167 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/05(金) 21:31:57 ???
>>164
嘘みたいに素晴らしい乗り心地だったな。今にも吐きそうだ
今度はまともな足を用意してくれよ?
[青ざめた顔で厭味ったらしくブツブツと文句を垂れるいつもの薄汚い男]
[雑に後ろで結わいていた白髪は紐が外れて大いに乱れ、一昔前の映画の妖怪の様に顔面に垂れている]

出来ればちゃっちゃと終わらせてさっきの旅の疲れを癒したい。余計なことが起きなきゃいいが
[広葉樹の樹皮をなでるようになぞり、時折チラチラと後ろを振り向きながら]
[体内のセンサーはろくに動いていないが、もし急襲するとしたら絶好の場にいることが落ち着かないのだ]

…本当にすぐだな。なーんか嫌な感覚は消えないが…さっさと行こうぜ
俺が敵ならここらへんで全員殺しにかかるぞ
[森の中から漂う怖気を避けるように、早く出るよう急かす]


168 : 彼方より :2016/02/05(金) 21:47:47 ???
>>164
「チンパンジーでのテストは一度も成功した事なかったらしいんだがな、」
「……ま、成功して何よりだよ」

サイコーだったろ? なんて皮肉めいて笑い掛ける
越境マシンは試作型とあるように無論正式に運用されてはいないのだ
他の世界でも持て余す様な越境現象を、超常的科学力を持つわけではないリベルタスでは制御するのは不可能である
多分安全性なんかを考慮すれば、実用化には半世紀以上掛かるだろうとの旨を続けた

>>165
「あー……」
「まぁ、こっちとしては起動さえしちまえばいいみたいだしな」

好きにしてくれと片頬を吊り上げるアラズ
その言葉からは、タェンティースの修復目的が彼女からしても薄ぼんやりとした曖昧なモノなのだと察する事が叶うだろう

「……ただ、まぁ……」

下手したら『アユル』に買い取られるぞ、なんてニアの運ぶ随分とスリムアップした半機に目線をやった

>>166
「……チンパンジーでの以下略」
「越境現象の制御に対していい足の用意なんて無理だな」
「ま、これもお仕事と思ってくれや」

アルコにしたモノと同じ類の説明をもう一度
そして報酬面を言葉の端々にちらつかせた
恐らくはスプロールの中堅ランナーが1年で稼ぐ額と同等の報酬が約束されているのだ
最も成功前提、前金無しの約束ではあるが

>>164-166
「さて、じゃあ町で車を……」
「……っ!?」

それは、一同の中で最も先頭を行くアラズが巨木の影に踏み込んだ瞬間に起こった
し、と大気を切り裂く音が響いたと思いきやアラズが胸を木の矢に穿たれ仰向けに倒れんと宙を舞ったのだ
その背が地に着く前にムガが反応し、しかし脚に走った焼け付く痛みに何が起きたのかを察する

「……敵っ!!」

『御名答ぉぉっ!!』

片脚で崩れながらのムガの叫びに、同じ声が返る
ブナの巨木からムガに踊り掛かるは同じ毛色の鼠人、先のゼファー社襲撃の際に撃退した存在だ
忍者刀で一刀に伏されん場面であったがニアが割り込み月光で防ぐ

『……今度こそだ、ヤれぇっ!!』

鼠人がニアと鍔迫り合いの差中に叫び、その体から血の色の魔力が弧状に拡がる
かさりと葉を踏みしめる音が幾つも響いたと思いきや各々に飛来する矢や苦無
それらの元を探れば、離れた場所に瞳に血の色の炎を宿す鼠人達の姿が!
数は4、何れも槍、刀、棒、鎖鎌を携えた忍である!


169 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/05(金) 22:00:27 ???
>>168

「買取はモンドムヨー、デス。カノッサ・テクノロジー社の優秀な弁護士団が断固権利を主張シマス」

 聞いていて頭痛を覚えそうな事ばかり言っているα-12である。
 が、彼女自身、タェンティースを新型ブリキボディでかしこくつよいをするまでは、
 諦めるわけにはいかないのだ!!

 ------------

「ニンジャですか。スプロールでは実際ニンジャはメジャー」

 アラズがそのまま死んだらなし崩し的に優秀証明完了か?とも思いながら、
 鼠人と切り結ぶニアの背中に移動しディープメイカーを展開。
 パワーこそ、初期生産型に一歩譲るが、精密動作性は随一である。

【四方八方から飛んでくる矢やクナイをディープメイカーで容易に払い落とす】

「任務確認。迎撃とイレギュラーへのカイシャクで間違いありまセンね?」

 サブマシンガンを次々に投げてディープメイカーでキャッチ。即座に殖装させマンアンドマシン化。
 4本のディープメイカーに一丁ずつ。さらに両手にも保持し、合計6丁のサブマシンガンを構える。


170 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/05(金) 22:02:12 ???
>>168
「…その確率は宝くじとやらで勝つ可能性よりも低いのではないか?」

呆れて溜息も出ない
人の世に疎い獣は実際どんなものか分からない宝くじぐらいしか引き合いに出せないが正しく奇跡なのだろう
よくそんなものを使う気になれたものだ…なんて感心(?)すると

「ッ!?あの時の奴か!」

一瞬で前方の二人が襲撃を受ける
この手口には見覚えがある。しかも、すごく最近見た覚えがある
ああ、そうだ。あの施設で襲ってきた獣人だ

「あいつら…何かおかしいな
死したのちに傀儡にでもされたか」

咄嗟に茂みの中に退き、弓を構えると先ほどの立ち位置に刺さる飛び道具たち
以前と全く同じ手口、同じはずの相手を見て違和感を覚える
なぜ、あのとき射貫いた敵が立っている?なぜ、瞳が燃えている?
そんな戸惑いを抱きながらも、応戦の一矢を番えて鼠人たちに放った


171 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/05(金) 22:12:43 ???
>>168
よっぽど運がよかったんだな。この運が続くことを願おう
…なるべく早くあのことは忘れたい。まだ地面が揺れてる感じがするんだ
[報酬のことを出され、視線を逸らして皮肉を言うのをやめる]
[何か行動を起こすのは報酬をもらってからだ]

…ファック!
[アルズが胸に矢を穿たれ、仰向けに倒れそうになったときにはすでに動いていた]
[近くの樹を背にし、刀を抜いて矢が飛び来たってきた方向を確認する]
こうなると思ってたぜ!予想よりちょっと遅いぐらいだ!
[髪をかき分け、フードを被って酸素供給機を装着する]

なんだアイツ…?同類か?
[初めて見る鼠人に目を細め、ニアに加勢しようと身体を出した瞬間襲い来る矢と苦無!]
[咄嗟に幾つかは硬質化させた腕と刀て弾くが、何本かは身体に深々と突き刺さる]
増援…ッ!?分身ってか…?
[完全に出遅れてしまった。矢と苦無を引き抜いている様は隙だらけでしかない]


172 : 彼方より :2016/02/05(金) 22:19:21 ???
それらは何れも無機質に歪な挙動で、しかし殺意に満ち溢れていた
それもそのはずだ、彼或いは彼女は既に死んでいるのだから
鼠人のヤソの衆の長、タマヤソ率いる忍達は前回のゼファー社に於ける戦闘でタマヤソを除き皆戦死している
その仲間の死者達をタマヤソは利用した、冒涜魔法に依り彼等を呼び起こしその戦闘記憶を辿らせる操り人形としたのだ

>>169
『アラズァヘッドとかいうヤローか……!』

がきん、と金属音
鍔迫り合いに負けたニアが吹き飛ばされ月光が宙を舞ったのだ
一瞬α-12を睥睨、だがムガへの攻撃に向かう鼠人の長
火鼠の皮衣の真紅がはためき、猛禽の羽撃つような音が響いた

『…………』

直後α-12へ向かうは玉鋼の棍を構えた瞳に血の炎を宿す鼠人だ
音もなく走り寄り、彼が中距離で腕を振るえば弾丸の如き苦無が数本飛来するだろう

>>170
アルコに向けて駆けるは鎖鎌を構えた細身銀毛の鼠人
瞳と、額に穿たれた穴から溢れる血色の魔力の炎がチロチロと燻る

『………』

アルコの放った矢を鎖で絡め取り、手裏剣を素早く放ち即座に姿を隠す
魔力で動く彼ではあるが、隠匿魔法に長けているのだろう気配は微弱
最もその明確に成り果てた殺意は隠しようもないが
野猿の様に木を駆け上がりその間を跳び、上空から飛来するは手裏剣と鎖分銅のコンビネーションだ

>>171
『………』

ソーマタージの後方、影に溶け込む様に迫る黒色の体毛と同色の鋼の刀を構えた鼠人の気配
彼は黒豹よりも尚素早く鋭い加速で駆け迫り、横薙ぎの一閃で胴を断ち切らんと振るうだろう
だが彼の放つ殺意は、既に隠しようがない、漏れ出ているとしても過言ではないものだ

>>169-171
「こ、こいつらぁ……!」
「ふつーじゃないってんですっ!!」

自身に襲い掛かる槍を持った鼠人をタイドメイカーで押し潰さんとするニアだが、驚愕に目を見開いた
細身の槍の鼠人の体の何処に秘められているのだろう力で触腕は止められ、握り潰されてしまったのだ

「……不死者だ、こいつが操って……!」

自身と切り結ぶ鼠人……タマヤソを睨んだままムガの咆哮


173 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/05(金) 22:28:11 ???
>>172

「アラズァヘッドシリーズ、α-12デス。
 我々、カノッサ・テクノロジー社のテリトリーで散々、策動を巡らしてクレタようですが、
 アナタ方はもうオシマイです。α-12はアナタ達を明確な――」

 中距離で放たれる死人鼠のクナイを二丁のサブマシンガンの弾幕形勢により叩き落す。
 さらに両腕のサブマシンガンで接近を図るそれに狙いをつけて斉射開始。

「敵と認定シマス」

 そして、追加とばかりに、残りの二本のディープメイカーは長く伸び、
 タマヤソを左上、右下より狙いをつけて一斉射!!

【6本の腕という、幅広い行動選択肢を満遍なく活用する高火力支援ユニットとして行動】


174 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/05(金) 22:32:30 ???
>>172
この…ッ!ナメんじゃねえ!
[怒号に合わせるように最後の苦無が引き抜かれ、鮮血が迸る]
[避けるにはもはや遅い。躊躇うことなく空いた右腕で刃を受け止め、胴を両断されることは避ける]

確かに見るからにまともじゃねえな…不死なら不死で嫌になるまで殺すだけよ!
[右腕の中ほどまで刃は食い込み、人工血液は止まることなく流れる]
[しかしそれすらも意に介さないように目を細めると、さながら鍔迫り合いの様に押し返そうとする]

今のうちに決め台詞考えとけ!こいつら殺してお礼参りの時に使うからな
[左手に握られた苦無を突き立てようと、闇雲に振り回すながら]


175 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/05(金) 22:38:50 ???
>>172
「久しぶりだな…ッ!」

狩人と対峙するは以前の鎖使い
だが、既に死して挙動は以前のそれとはまったく異なる
アルコの目には、効率的ではあるがそれ故に以前の方が遥かに厄介に映っていた
魔力は隠されておぼろげにしか感じられない。だからこそ殺意の塊にしか見えない
アルコは、そのことに対して途方もなく怒りを覚えた
この上ない憎しみをタマヤソに抱いた

「今楽にしてやる…ッ!」

彼を討つ
そして、彼を辱めた鼠人の長を殺す
憎しみで曇った今ならば、獣性に身を委ねても構わない――だから弓を手放した
手裏剣と鎖分銅は手放された弓を砕く
そして、魔獣を縛る鎖も砕いた

「鼠人の長…ッ!貴様は私が殺すぞ、殺してやるぞ…ッ!」

獣人が闇を纏い、闇が晴れたあとには全く別の獣がそこにいた
人の理性は薄く、どこまでも野蛮
そして――真っ直ぐに憎悪する
憎悪の獣が摂った行動は単純
まず、毛皮に覆われた右手で鎖を掴もうとする
掴めたなら引き寄せる。それだけだった
それを、超人の域の力で行うだけだった


176 : 彼方より :2016/02/05(金) 22:48:48 ???
>>173
『……兵隊風情が、ナマ言ってんじゃねぇぞ!』

片手で振るう刀でムガを防御ごと吹き飛ばし木に叩きつける
そのままα-12から背を向けたまま咆哮、血の色の魔力が煙となって漏れ出る
ぼ、と体毛が逆立ち増膨、弾丸の掃射を受け止め振り返り様に木の矢を直接投げ放つ

『………!』

そして死鼠、玉鋼の棍で幾つかを防ぎ被弾を許しつつ尚も食い下がり近接
死が塞がり痛覚がない彼等にしてみればその衝撃力のみが脅威なのだ
稼働部以外の肉や骨を吹き飛ばされつつ走り鋭い打突を放つだろう
一撃に見えてしかしその実、3連の突きを瞬きの半時で繰り出す技前である

>>174
『……!……!!』

鍔迫り合う黒の死鼠は恐るべき膂力で持ってして対抗
パワー重視のニアの能力、タイドメイカーを押し返す程の剛腕が彼にも宿っているのだろう
筋肉のリミッターや防御を考えぬ、不死ならではの戦法だ
苦無に体を刻まれる際も間接部を除いて躱そうともしない
だが逆に、ソーマタージの振るう苦無が内肘に裂傷を与えんとすればそれを避ける為に力を緩めて躱すのだ

>>175
『………!!』

弓を、武器を破壊した死鼠はそれを好機と見た
頭上から鎖を放ち頭蓋をカチ割らんと唸らせ、だが獣の咆哮にそれは防がれる
超人の域の力量で鎖を引かれ、だが木上にて対抗
ギリギリと死鼠自身の腕に絡ませた鎖が骨を砕きつつある中、ついに鎖は耐え切れずに千切れ飛んだのであった
その衝撃から素早く復帰した彼は飛び降り着地、アルコへ低い姿勢で駆け寄りもう一方の武器である小鎌を構え喉元目掛けた一閃を放つ


177 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/05(金) 22:59:09 ???
>>176

「!!」

 ドッ!と鈍い音と共に突き刺さる木の矢。ディープメイカーの一本を貫通していた。
 痛みという信号が神経系を伝い、α-12に伝わる。

「やってくれマス」

 ダン!と地面に二本にディープメイカーを叩きつけて跳躍!
 至近に立った死鼠と中空で向かいあう!

「操術2-3-5」

 バチィ!と空気を劈く衝撃音が一回、否、三回!!
 三連続でたたきつけたディープメイカーが三連撃をそれぞれ相殺したのだ!!

「―――!!」

 そして、そのまま己の双腕を前に突き出し、死鼠の頭部に通常を突きつける!!

「ファイア」

 ズァ!と雨の如く重金属弾に一斉に銃口より放たれ死鼠に向かって殺到!!


178 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/05(金) 23:02:18 ???
>>176
千切れ飛んだ鎖、そんなものは意に介さずに捨てる
見れば敵は地上から攻撃しようと駆け迫る
手には刃物があった、そんなものは大したことにはならない

「―――?ッ!!!!」

咆哮、そして鋭い牙のある口を大きく開く
姿勢はやや下に、金眼が見るのは喉に迫る一撃―――
衝突音、硬いものが硬いものと激突したような
結論、獣の首は落ちていない
獣は防いでみせたのだ。小鎌を噛むことによって
そうして一閃を防いだ後、死鼠の腹に爪が迫る
右腕。獣の爪でするどいそれは死した鼠の腹に穴を開けようと勢いよく突き出された


179 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/05(金) 23:04:30 ???
>>176
ここが弱いってか?億倍にして返してやるぜドブ鼠が…!
[力が弱まった隙を見逃さず、やや強引に腕から刃を引き剥がして後ろに飛び離れるソーマ]
[あのまま対抗しても腕が切り落とされていただろう。生やした触手で無理やり腕をつなぎとめ、刀を構え直す]
ジャングルゲリラとは遣り合ったことはあるか?ないならお前はもう終わりだ

[右腕から血を滴らせ、不敵な表情で方腕で刀を構える]
[次の瞬間には左腕は鞭の様にしなり、刀を鼠人に向けて放っていた]
[すかさず横に駆け、指先から触手弾を飛ばすソーマ。刀も触手弾も相手の注意を逸らすための行為だ]
[攪乱に成功すればそのまま樹々の中に隠れるし、失敗したら素手で叩きのめすまで。後悔は死んでからすればよい]


180 : 彼方より :2016/02/05(金) 23:14:13 ???
>>177
『………!!!』

棍を防がれ、衝撃で2歩後方へたたらを踏んだ死鼠
だがそれも即座に戻される、通常行う稼働を上回る速度での筋肉の脈動が成させる所作だ
しかし彼の行う死を超越した動きを持ってしても、直後の銃撃の襲来の全てを防ぐ或いは躱す事は不可能であった
水っぽい破裂音、頭蓋を貫き脳を蹴散らし、音速の弾丸が貫くノイズ!

『………』

それでもその場で3度棍を振るい、最後の勢いに耐えられずにうつ伏せに倒れた

「こ、のぉ……!」
『……!!』

一方、槍を持った死鼠相手に苦戦を強いられるニア
そして方やタマヤソ相手に防戦を強いられるムガ


>>178
『……!!』

ど、と死鼠の背から生える鋭爪
衝撃に宙にふわりと浮き上がり、だが即座に行動を取った
その一閃は彼に終止を与えるには至らず、残された武器で……ヤソの鼠人の象徴にして誇りである尾に隠された風車状の刃での反撃を齎したのだ

>>179
『……!……!!』

死鼠の血色の炎の瞳は宙を泳ぎ、相対していた相手の姿を求める
それは死術操作の、致命的な欠陥が齎した結果だ
戦闘技術は再現出来ても、その鋭敏な感覚迄もは再現出来ない
警戒は強いが、視覚に頼ったそれでは目視は叶わない


181 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/05(金) 23:22:20 ???
>>180
爪が、肉を引き裂き貫通した
その手応えに酔うことはない
こんなこと、本当はするつもりなどないのだ
今すぐ、あの戦士の死を冒涜した鼠を殺したいだけなのだ
だから、最善手ではなく最速手を選ぶ

尾の刃は獣の脇腹に刺さりどす黒き瘴気すら感じられる血液を周囲に撒き散らす
だが、獣は僅かに顔を顰めるのみで意に介さない。こんなもの、致命傷でもなんでもないのだ
ただ冷徹に左腕を豪速で突き出すのみ
今度は、その頭蓋を割り、脳漿を外気に晒すために


182 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/05(金) 23:28:10 ???
>>180
[樹々の間を猿めいてしばらく飛び回り、その都度木の葉を数枚落としていく]
[がさり、がさりという枝が揺れる音だけがしばし鳴り、やがてそれも止まった]

イイイヤアアアアーーーッ!!
[突如、魂を削るかのような叫びと共に空中からでたらめな方向へ、何度も何度も放たれる電撃]
[電撃は神の裁きの様に地面を、樹々を焦がし辺りを炎で包んでゆく]
[炎は樹を覆い、地面に広がり、この森ごと敵を燃やし尽くそうとする]

さすがに全力は出せないが、十分だ
[息も絶え絶えに炎から離れた所へ着地するソーマ]
[酸素供給機は縦に開かれ、鮫じみて尖らされた歯が覗いている]
[右腕を繋いでいた触手は消え、先程と同じように血が流れている}
{全力ではないとはいえ、エネルギーのほとんどを使ったのに等しいのだ]
[億劫そうに刀を拾うと、鼠人がまだ生きていないか警戒し、フラつきながら備える]


183 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/05(金) 23:35:19 ???
>>180

「タコタコ=サン」

 死鼠の頭部を破砕させた直後、その最後の一振りの衝撃をあえて受けて、
 吹き飛ぶ…否、跳躍するα-12.。

【そのまま、ディープメイカーの運動により空中姿勢を制御しながらニアの元へ急行】

(ディープメイカー…もっと正確さを)

 空中を移動する間にも、α-12は右手を一回振って、銃型注射器を首に打ち込む。
 スティムパック…一時的な戦闘力増強を齎すコンバットドラッグだ。

「――!!」

 ドグン!と心臓が一回、一際大きく脈動。
 認識時間が大きく引き伸ばされ、一秒が寸刻みの細切れとなる。

 ジャキジャキジャキ!!

【背中の3つのディープメイカーが横手よりタヤマソの脚、そして土を弾き飛ばすように狙いを定めて一斉射!!】

「――援護しマス」

 そして、α-12自身を吹き飛ばされた勢いと銃撃の反動により一気に槍を持つ死鼠の上方に。
 身体を一回転させて、ディープメイカーの一つをその槍の柄を横手より叩くように放った!!

【空中に銃火の軌跡を描きながら黒い影となり動く様はまるで幽霊(ゴースト)の如し】


184 : 彼方より :2016/02/05(金) 23:50:51 ???
>>181
『………!!』

水音と共に飛散したそれは、死鼠の体をびくりと跳ねさせて止める
頭部を無くしてしばし抵抗を続けていたが、その内にずるりと地に落ちて沈黙

>>182
『……!!』

燃え橅の木立の中、自身の身を焼き尽くすいかづちを見た
そしてそれがそうと知覚するより前に彼の体は高熱に舐め取られ煤となり消失
土塊に残された影だけがその存在の証明となった

>>183
『あぁっ!? ……土遁っ!?』

タマヤソは目くらましに大きく後方に跳ぶ
その際にムガを蹴りつける事を忘れなかった
転がり受け身を取れずに倒れ、だが立ち上がるムガ

『……!!』
「……あ、さ、さんきゅってんですっ!!」

そして死鼠は槍を打ち払われれば大きく仰け反る
衝撃を押し殺すにはその瞬間は短過ぎるし、何より黒の亡霊の介入は余りにも突風の如く唐突の事であったためだ
隙を見逃さず、月光の刺突を額に放つニア
死鼠の彼女はしばし頭蓋に刺さったそれを抜こうと足掻いたが、ニアが手首を捻ればそれも止まる

>>181-183
『……ヤられた……!? 皆……!?』

枯橅の森が燃えている
ソーマタージの放った雷撃は木々に紅蓮の葉を色づかせ、延焼を招いていた
その中でタマヤソは、冒涜魔法を使ってまで黄泉帰らせた仲間の全ての喪失に目を見張る
鼠人達の間にどのような絆があったのか、はたまたそれすらなかったのか
それを知る術は今はないし、知ったとしてもこの戦況に微塵も影響を与える事はないだろう

『……クソがっ……!!』

ぎりりと歯軋り、タマヤソの体が血色の幻影でぶれる
続けて黒い風が巻き上がり、燃える橅の炎の葉を散らして行った
それが収束すればムガと瓜二つの鼠人の周囲には赤黒い稲妻が迸り、瞳には紅蓮が宿る

『皆殺しにしてやる……!!』

百の蝉の断末魔の重なりに似た声で唸り、すぐ傍に立つムガに向けて突撃
刀で防御を取ったムガだがその拳を受け切れずに弾き飛ばされ遥か後方へと転がった
続きタマヤソは咆哮、周囲の越境者へ向けて鼠の頭蓋骨の形状をした黒炎を放つ
それは触れればその部位だけが焼け付き爛れ、呪いめいた重さを与える死術のひとつである
だがそれを放つタマヤソの動きは止まっており、弾幕の如く放たれるそれさえ防ぐ或いは躱せば
好機とも取れる、この瞬間は


185 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/06(土) 00:01:44 ???
>>184
右腕で感じていた死した鼠の熱が失せればその身体も地に墜ちる
嗚呼――やっと、やっとだ、

「殺す…ッ!戦士の死を冒涜したことを悔いながら死に絶えろ…ッ!」

殺せる
先ほどまで相手をしていた死鼠のそれよりも深く、重く、黒く、純粋な殺意をタマヤソへと向ける
そう思ったとき、何か攻撃が放たれた
もうよくわからない、ただ何か迫っている
――邪魔だ、近づいて避けて殺そう
そう思ったとき、手を地につけて駆けだす
四足歩行――獣の歩き方でだ
それによって姿勢は低く低くなって黒き炎を間一髪でやり過ごす
そして、タマヤソの目には映るだろう。憎悪で目を濁らせた獣が飛び掛かってくるのが
鋭い牙で首へと噛みつき、喰いちぎらんとするのが


186 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/06(土) 00:07:19 ???
>>184
どうした!もっと来いよ!クソッタレの刀で死んでたまるか!もっとぶち込め!まだ立ってるぜ!
俺を誰だと思ってんだ。ソーマタージだぞ!俺とやり合いたいなら陸軍でも連れてきやがれ!
……ふむ、死んだかな
[唾と血を飛ばして一通り罵倒し、身ぶりも交えて挑発するも相手の姿は見えない]
[ならば死んだのだろう。勝手に判断すると刀を杖代わりにしてヨロヨロと離れる]

[最初に襲われた場に戻ると、そこは修羅場と化していた]
残りはお前だけか…ぶち殺して…ッ!?
[左手を向け、手のひらから生えた触手弾を撃とうとした瞬間、吹き飛ばされるムガ]
バッ…何やって!
[そしてタマヤソから放たれる黒炎]
[弾幕の様に飛び来たるそれを紙一重で躱し、触手弾を何度も放つ]
[だが体力のほとんどを失っているソーマには酷すぎた。左腕に、足首に、黒い炎が当たり身動きが取れなくなっていく]

…!AAAAARRRRRRRRRGH!!
[怒りか、それとも身体に鞭打ち、気を奮い立たせるためか、壮絶な雄叫びを挙げると残った体力を振り絞って電撃を放つ]
[触手弾に導かれるように飛び交う電撃は先程のような人を殺すほどの威力は持っていないが、当たった際の衝撃は中々のものだ]
[タマヤソには届いただろうか?自分の目で確かめることも叶わず、電力のほぼすべてを使い果たしたソーマダージは仰向けに崩れ落ちた]


187 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/06(土) 00:16:51 ???
>>184

「不出来な…旧式とはワケが違いマス」

 姉達と口走りかけた発声器官を自重させ優越意識丸出しの台詞に言い直すα-12。
 そのまま、横手の木をディープメイカーで打ちつけて再度跳躍。
 地面に全く脚をつけず、滞空状態にあり続けている。

【精密性に優れたディープメイカーだからこそ可能な戦闘スタイルである】

「では殺られる前にアナタをターミネートしマス」

 今や黒い亡霊と呼ぶべき戦闘機動を見せるα-12の不気味の輝くレッドアイズがタマヤソを映す。
 鼠が放った死術が迫る瞬間、中空で木を思いっきり殴り飛ばし、無理矢理身体を跳ねさせながら射撃!
 次に地面への着地のタイミングと同じく迫る黒炎を大地を一度蹴って飛び、ギリギリで回避、空中前転しながら射撃!
 さらにはディープメイカー二つを大地に叩きつけて、大きく跳躍。射撃!

 自重移動で横回転、頭蓋骨を回避して射撃!
 木を足で蹴り飛ばし、横っ飛びして射撃!
 ディープメイカーで木の幹を掴んで、強制的に勢いを停止させながら黒炎をやり過ごし射撃!
 触手を離して回避し、射撃!回避射撃回避射撃回避射撃射回避射撃!

「―――!!」

【弾幕を三次元的な動きで回避し続けながら、断続的に重金属弾を放ち続けるα-12】


188 : 彼方より :2016/02/06(土) 00:24:44 ???
>>185
『……、テメェのモノサシで測ってんじゃねぇ!!』

猪突、圧倒的に迫るそれは猪の力強さと、狼の気高さを両立させる『獣』!
吠え返し噛み付きに片腕を割り込ませ、魔力で増膨した毛で牙を防がんと!
そして反撃に必殺の剣戟を与えんと、逆手に持った刀を構える!

しかし!

>>186
『っ、っぜぇなぁ……!!』

その刹那だ、ソーマタージの放つ弾丸が命中し意識を瞬間其方に奪った!
歯軋りと共に頭蓋魔法を放たんとするもそれよりも雷撃の到達の方が無論に素早い!

『……がっ……!?』

刀を構えタマヤソにそれを躱す術はなかった!
彼女の装具たる火鼠の皮衣は稲妻を防ぐが、刀を持つ手から全身を犯す雷を前には無力なのだ!

>>187
『……!! ……ぐっ……!!』

飛来する弾幕を膨張した毛並みで防ぐがだが無限とも思える雨粒についに防御は決壊を始めた!
乳白色の中に血液が染まりだし、歪んだ顔を痛みに顰める!
ソーマタージの雷撃を、α-12の弾丸を浴び膝を崩した瞬間に神風が吹き抜ける!
それは獣化したアルコだ、喉笛を噛み千切り全ての魔法を解除させる!
尚もソーマタージとα-12の弾丸をその身に浴び続け、血の華を散らしてタマヤソは遂に地に伏した!!

『……ウソ、だろ、クソ……』
『お前を、殺して……私、私達が……本脈に……偽物は、いや、だ……』

その瞳はムガを始めとする越境者を睨む様でいて、既にそうではなく絶対の死を見詰めていた
何かを掴み取るべく伸ばした手は空を切り、所在なく降ろされる格好となる
そしてそれを最期に、ムガと瓜二つの風貌を持つ鼠人が動く事は二度となかった


189 : 彼方より :2016/02/06(土) 00:26:39 ???
『あー、あー……』
『聞こえますか、聞こえますかー?』

既に事切れているタマヤソの懐、通信機からノイズ混じりの音声

『……ヴァイス……タマヤソさんは、失敗しちゃいましたね?』
『まぁ、仕方ありません、一度や二度の失敗で凹んでたらお話になりませんもんね』

何処か自嘲めいた笑いを漏らし、続く

『……ともかく、その『タェンティース』』
『再起動されるのは私どもとしては非常に困る訳で』
『……取引しません? そうですねぇ、貴方方へ払われる報酬の倍額で……』

がしゃんと、タマヤソの亡骸ごと触腕がそれを叩き潰した、ディープメイカーである
ずるりと触腕を引き戻し、ニアに支えられたアラズが呼吸も荒く一同を見渡す

「……」
「……まぁ、転ぶなら、構わねぇけどよ……」
「出来る事なら、ちょっと後にして欲しいわな……」

傷が治る位までさ、と苦笑
ニアはそのままアラズの傷の心配をしていたし、ムガは腕を組み黙っていた

「……どっちにせよ、今回の報酬は貰っとけよ……」
「こいつを売るなら、その後に……」

息絶え絶えにニアを促し、町方面へ向かうアラズ
それもそうかと言った風に頬を掻いて従うムガ、脚を引き摺っている所から手傷は軽くはないのだろう

そして町で大型バンを確保し、走らせる事になる
次元の何処、彼方より出でた刺客を撃退し、目指す地はタェンティースの生まれ故郷……赤い風の吹き荒れる地、『マウスィム研究所』

//エピローグ的なのが後日投下するかもしれませぬがこれにて彼方より終幕になりますっ
//ありがとうございましたっ!


190 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/06(土) 00:33:45 ???
>>188
鼠には荷が重すぎたようだな
[喉に埋め込まれた電子スピーカーがくぐもった声でタマヤソを煽る]
[やがて彼の声も聞こえなくなり、そのまま死んだことを悟ると、周りに漏れていた細かいスパークも止まった]

一見落着、ってところ、か
悪いが、だれか、運んでくれ。動けないんだ
[途切れ途切れにスピーカーで周囲に呼びかけるソーマタージ]
[酸素供給機もフードも激戦の中で外れ、自身の返り血で白くなった素顔を露わにしている]
[指先どころかサイバネアイすらも動かせず、燃え盛る森をぼんやりと眺める事しか出来ないのだ]


191 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/06(土) 00:34:56 ???
>>189
//乙です! ありがとうございました!


192 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/06(土) 00:36:15 ???
>>189

「気持ちは解らなくもありまセンが…まあ、負け犬の最期デス」

 親指を真っ直ぐ上に突き出して、そのまま手首を半回転させるα-12。
 優秀性の証明は重要である。が、今はまだ優先順位で最上位ではない。

「…でも、今ならイレギュラーをぶっころころする好機デスカ?」

 ずいっと、怪我だらけのアラズの顔にガスマスクが近づく。
 その奥にある、同じ造型であろう顔も。

「タコタコ=サン、許可くれたりシマス?」

 何か酷い会話をしながらも、ぽいっちょと大型バンに押し込まれるα-12なのでありました。


193 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/06(土) 00:47:23 ???
>>188
雷撃が、銃弾が次々に追い越してゆく
それらが自分では突き崩せなかった鎧を剥いでゆく
目の前には苦悶の表情、もう壁はない
唯―――殺めるのみ
そして牙が喉を引き裂くのを感じる
四足で着地したその時、後ろでは確かに敵が斃れるのを感じた

「死者を敬え、だから偽物のまま朽ち果てるのだ」

二足で立ち上がった獣人は緑の衣をまとっていた
獣として蹂躙する時間は、終わったようだ
憎い仇敵であるタマヤソの亡骸は後で埋めてやろうと思った。再び利用されるのも辛かろうという判断だ
憎しみがあってもそれによって禁忌を破らない。そこにはたしかに偽物にはないものがあった

「安心しろ、私は最後まで付き合うさ
乗りかかった船だ、最後まで乗らねば気が済まん」

取引には応じない旨をニアたちに告げる
アルコとしては報酬よりも、その思いの方が大切であった
でなければ、こんな依頼は受けていない

「分かった、運んでおいてやる
お前も、肩ぐらいは貸す」

外傷はそれほど多くないアルコはムガに肩を貸し、ソーマを小脇に抱えてゆっくりと歩き出す
これが軽症者の務めであろう、なんて勝手に思いながら

大型バンに抱えていた負傷者を放り込み、自分も乗り込む
――いざ、機人の生まれ故郷へ

//お疲れ様です!ありがとうございました!


194 : おんも :2016/02/09(火) 21:46:32 ???
ー前回までのあらすじ☆〜

『アユル』からの依頼で大破したタェンティースを運ぶ越境者と『アラズ』達
そんな彼等を『バイス』の放った謎の私設兵団が襲うのであった!

リベルタスの森の中での激戦の末、それらを撃破し歩を進める!
そして彼等は遂に、タェンティースの生まれ故郷である『マウスィム研究所』へと辿り着くのであった

そこでタェンティースと瓜二つの依頼者『アユル』と出逢い、彼女から次なる、そして最後の依頼が越境者に告げられるのである……!!


195 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/10(水) 21:16:07 ???
>>194

「α-12はこの不当な扱いに断固抗議シマス」

 負傷したイレギュラーにトドメをキメていいか許可を貰おうとしただけなのに
 タイドメイカーで大型バンにぽいっちょされた事に関して猛抗議のα-12である。

【言動・行動ともにトンチキ極まるがこれでもC.T.S.S.の次世代戦闘ユニットである】

 それでも強硬手段に打って出ないのはα-12の中で優先順位が、
 タェンティースの再起動がより上位に位置するからであったのだが、

「既に新型おまぬけボディも用意しているのデス。今はこれがム-ヴメント」

 某宇宙な戦争の最新作よろしく転がるボールの上に頭が乗っているという
 凄まじくシュールな絵面の最新ボディがホロ・ディスプレイに表示されている。コロコロコロコロコロ…

「……楽しみで仕方がアリマセン」

 大切なことなのでもう一度。これでもC.T.S.S.の次世代戦闘ユニットである。


196 : 家路 :2016/02/10(水) 21:29:48 ???
『オンセさーん、ご無沙汰です』
『どうですか? 『ボーダーブレイカー』の調子は』
『……ふふ、相変わらずですねぇ、まぁいいでしょう』
『増援を送ってあります、くれぐれも協力して撃退に当たって下さいね』
『……『タェンティース』の頭は食べちゃダメですからね?』



そこは過去に大きな破壊が齎されており、建物内部の所々に緑が芽吹く程度の時が経過していた
今はもう居ない研究者達の性格を……悍ましい迄の潔癖主義を示す白の壁や床、天井の無機質とコントラストを描いて何処か神秘的な気配を醸し出す
内部の複雑怪奇な作りは、非常発電電力で細々と生きるそれでも圧倒的なセキリュティシステムと合わさり、
過去数度のカノッサの調査でも全貌を暴く事が叶わない程の防衛力を誇った

『マウスィム研究所』

タェンティースやタェンティース・マウトヘッド(ニア・シューペリオリティ)ら、この世界に於ける対異能用戦闘兵器群の製造元にして故郷だ



林から這う蔦が血管の様に外壁にへばり付き、ゆっくりと伸びては破壊の痕跡や風雨が削った窪みに自然のあばたを刻みその先の庭園へと続いていた
本殿を外敵から守る為の外壁は、今は自然の侵攻の歩みを僅かに遅らせる為だけを果たしている

そんな壁面にもたれ掛かる様に、場違いなログハウスが一軒
配線が研究所から続き、電気を拝借しているのだと分かる
遥かに仰ぐ山脈方面から流れる清流が水源だろう
充電式のハイブリットジープが2輌、傍らに鎮座している

「……遅かったな、待ちくたびれたぞ」

ジープのシートからするりと降りて来るのは『ノイン』だ
先のゼファー社襲撃作戦の際、回収チームとしてヘリを出したアラズァヘッド個体である
やや吊り目で、実直な気配を纏うのが多くの第一印象
レオタード状のバトルスーツの上にジャケットとホットパンツを着用している
彼女は別の『越境マシン』でリベルタスへと帰還したのだが、こちらはアラズのモノと違い故障などはなかったらしい


197 : 家路 :2016/02/10(水) 21:30:32 ???
「……『アユル』が首を長くしてる」

「へいへい、わぁってるよ……」
「……お前等も、入れよ」

茶位出すとアラズ
帰ったぞ、なんて声高に高床の3段の階段を登り扉を開いた

「ノインとアラズ、それに『マウトヘッド』……」

いや、と区切る
ログハウスの入り口を潜るとそんな声が一同を出迎えるのであった

「『ニア・シューペリオリティ』、だったか」
「同じ顔が並ぶが、それぞれに性格から来る差異が僅かに見て取れるのが興味深いな」
「……ノイン、お前はやっぱりもう少し砕けた方がいい」

一枚板造りの大きなテーブルの向こう側、暖炉の前に立つ女は笑う
その顔は、今まさにニアのタイドメイカーが運んでいる、大破した半人……タェンティースと同じ作りをしていた

「はじめまして越境者諸君、私は『対異能戦闘用人型兵器・特殊高性能型2号 タェンティース・アユルヘッド』」
「長いからな、『アユルさん』または『アユルちゃん』なんて呼んでくれて構わないよ」
「そこの壊れてる……タェンティースと、あとマウトヘッド(ニア)やらの特殊高性能型……タェンティース・シリーズの監督機として作られた」

やや早口にまくし立て、胸の辺りに手を当てて45度の角度での一礼
パチンと、暖炉の薪木が爆ぜる音
アユルは捲り上げていたパーカーの袖を下ろし、スウェットの膝を擦りながら、冷えるな、と付け足す
先程から揺れる左腕の袖、どうやら彼女は隻腕の様だ

「……あぁ、自由に座ってくれ」
「椅子が足りないかな? そうしたらまぁそこのソファにでも」

テーブルと揃いの木造りの椅子と、緑色のソファを指差して促す
全員が落ち着けばアラズは怪我の治療だと奥へ引っ込み、代わりに2体の別個体のアラズァヘッドが紅茶を運んでやって来る

「あー、これらは全員越境の末ここに辿り着いた個体でな」
「捨て置く訳にもいかない、維持用のパーツ取りやメンテナンスなんかも研究所跡で出来るしな、面倒を見てる訳だ」

アラズァヘッドからティーカップを受け取り一口

「……さて、それで早速だが本題に入ろう」
「それの修復の為に、研究所内部に巣食う『鬼』を追い払って欲しい」
「あぁ、鬼と言うのは無論比喩だ、相手はニンゲンだよ」
「ただ、まぁ……私はあくまでも監督型、そしてこいつらの異能はどうにも鬼と相性が悪い」

その先が欠損している左肩を撫でる
曰く『鬼』との戦闘で失ったのだと察するのは容易い

「1ヶ月前くらいからかな、奴が研究所に現れたのは」
「……諸君にお願いしたい」
「『鬼』を打ち払いそして研究所の最奥『博士の研究室』へと行き『タェンティース』を修復して欲しい」

博士、とニアが呼びながら反芻

「『博士』は我々の生みの親だ」
「彼の研究室に、タェンティースの為の『最後の素体』が遺されている」
「当然、報酬は支払うぞ」
「前金でこれと……完遂すれば、これだ」


研究所は純白で、長い回廊めいた廊下に蟻の巣の様に様々な部屋部屋が存在している
各所にカードキーのロックが掛けられており、アユルから手渡されたそれで開くのは半数にも満たない
先導するのはノインである
アラズは怪我が酷く留守番、ニアとムガが無言で従っている
研究所の破壊状況は酷く、だが銃撃の跡や爆破の痕跡はない
つまりここの破壊は、強大な力を持つ何かしらが齎したモノである

「……この先は、『鬼』のテリトリーだ」
「……私は戦力にならない、ここで待つ」
「敵の増援くらいなら、引き受けるさ」
「ニアと……あとそこの鼠、お前も頼む」

2人が自身の顔を指差し、渋々納得
とはいえ確かに、目標物であるタェンティースの防衛もまた大切な事だ
『鬼』の間へと進む越境者一同
屋根が落ち、開けた吹き抜けになっている広間
そこに踏み入った時、空気が凍てつく


198 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/10(水) 21:53:59 ???
>>196
「久しいな、道中でいろいろあったのだ」

緑と無機質のコントラストを描き出す研究所には見知った顔があった
たしか、先の研究所襲撃時に回収してくれた個体だ
性格の硬さでは、少し似ているところがあるかもしれないためか微妙に親しみを覚えていた

「……?ああ、はじめまして」

同じようで違う顔がたくさん並んでいるせいか若干困惑気味のアルコである
性格による微妙な差異を見分けきれるほど彼女は人間ではない
首を傾げてはいるようだが服装などからなんとか識別はしている…はずだ

椅子を指さされると礼を言って木造の椅子にちょこんと座る
ゆらゆら揺れる尻尾のせいでソファにはあまり座りたくないようだ
また、紅茶は熱いと思っているようで口を付けずに冷めるのを待っている

「鬼か…引き受けよう
ここまできてしまったのだ、最後まで己の務めは果たしたい」

獣人は機人の詳しい事情はまるで疎い
だが、なんだかんだでここまできた。戦う理由はたったそれだけ
アユルのゆらゆら揺れる左の袖を見ながら快く引き受ける
報酬額もよくわかっていないままに

ノインの先導の下、弓を手に持ち無言で一行についてゆく
時折周囲の様子を観察し、敵の強大さを実感しながら

「了解した、では鬼退治に行ってこよう」

と言うと目標の防衛に残る三人に背を向けて鬼の間へ
そこに踏み入ったとき、冷たい空気を感じて険しい表情となる
――なるほど、確かに此れは厳しい一戦となりそうだ


199 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/10(水) 21:54:21 ???
>>196-197

「解析中、解析中デス」

 通信機や携帯型解析機を用いて、これまでカノッサ機関ですら突破が叶わなかった要衝に
 『協力者』というカタチでついに足を踏み入れることに成功したα-12。

『我々は味方として、彼女にコンタクトを取る』

 カノッサ・テクノロジー社CEO、ヨブ・バロウズの慧眼とα-12は考える。
 実際、この時点で、他のカノッサ支部より一歩先んじたのだ。

【よくよく考えれば奇縁も奇縁だ。縁であるタェンティース、ニアは元より、
 イレギュラーであるアラズ、クローントルーパーとして系譜の末端にあるα-12。
 それらが一同に会すことになるとは――】

 ------

【そうして、ログハウス】

「α-212はぶっちゃけ顔面係数がそれなりにマトモだったことに安堵重点デス。
 デザイナーの美的センスがマトモだったのデショウ。しかし、需要の無い胸のサイズに関しては――」

 砕けた方がいいと言われたノインと異なり砕けすぎて粉微塵になってくるっぽいα-12である。

「…監督役……」

 タェンティースと良く似た個体。監督機…α-12はそのような存在がいたという事実を記録。
 行動と対処に関しては――後回しである。この個体がいなければ機人の再起動は望めないであろうから。

【そして、イスに座って思いっきりくつろぎ始めてから、依頼とやらを聞く】

「?…旧式達の能力。タコタコ=サンに準じる性能でも、『鬼』の相手には不十分?」

 タイドメイカーの瞬間出力は、α-12のディープメイカーよりも上だ。
 その威力係数や本数でも、勝てないというのであろうか?と疑問を口にする。

【もっとも、α-12の認識はニア基準が複数存在するという前提であるため、それが違えば変わってくるだろう】

「博士…?アナタ達の親は秘密主義の狂人と窺ってイマス。
 実際、ポンコツ=サンの初期ボディの性能のアレさはアレでしタ」

 まあ、最後の素体とやらとの接続がタェンティース再起動の条件ならば特に断る理由もない。
 何より、カノッサ機関のトルーパーとして、この研究所の深部に入ることは兵士としての目的にも叶う。

「引き受けマショウ。α-12は最新型デス。旧式に出来ないコトをやるのは優秀性の証明になりマス」

【そうして、鬼の住む間に向かうのであった】


200 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/10(水) 21:57:07 ???
>>198

「実はα-12も同じ顔だったりシマス」

 何か途中から合流して、すっとこどっこいな事ばかり言っていた、
 それでいて高機動戦闘力はかなりのレベルなガスマスク型フルフェイスメットのトルーパーである。

【道中でも、ひょっとして、あほなのでは、な言動も多々であるが、実際戦力としては保証つき】


201 : 高貴姉妹 ◆ALICE./9P. :2016/02/10(水) 22:11:26 ???
>>196-197
「このままで結構」

着座を促されるもぴしゃりとそれを拒否、腕組みをし立ったまま部屋の壁に凭れ掛かる。
先の作戦、アグラーヤは参加しておらず此度他の越境者から遅れての合流となった事で状況把握が未だ十分ではない。
ゼファー社襲撃の折、アグラーヤとそしてラヴレスは脱出ヘリに同乗しておらず、作戦的には生死不明と判断されていた。
実際のところはその場に駆け付けた兵士たちを殲滅した後に無事脱出に成功しているのだが、個人行動となった故一同とは行動に齟齬が生じてしまったのだ。
それでもどうにか越境、この場に馳せ参じたのは執念によるものだろう。もしくはここリベルタスが自身の生まれ故郷である事も関係しているのかもしれない。

「博士、ねぇ……。ま、今回ばかりはその遺したモノに頼るしかないって訳。
最後の素体……あの子が今以上のジャンクにならないっていうのならいいんだけどぉ」

多少捻くれつつも希望は見失っていない様子。しかし他の越境者たちに声すらかけないのはやはり依頼を受けての行動ではないという思いの表れだろう。
それでも協力できる部分は協力し、利用できるものは利用しなくては。タェンティースの為ならばプライド、手段など問題にしてはいられない。

「ふぅん……ここがあの子達の産まれた場所って訳。
鬼が住むには少しお誂え向きじゃないわねぇ。場違いってことわからせてあげないとかしら」

既に朽ち果てつつある研究所内。しかし、それでもそれなりの雰囲気を保っているのはかつて誇った力を残滓からか。
ここまで来たのだ、もう迷う事などは何一つない。巣食う鬼とやらを殲滅し当初の目的を果たすまでだ。
吹き抜けから覗く空を見上げれば、この世界での出来事が望郷とともに思い起こされた。


202 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/10(水) 22:14:54 ???
>>197
こうも似たような顔が多いと混乱するな。名札でもつけてもらっていいか?
[おどけたように肩を竦め、ログハウスの中を見渡すソーマ]
[以前の戦闘で傷ついた腕は象牙色の無骨な義手になり、右足に至っては刃物を義足代わりにしている始末だ]
[それでも時折バランスを崩しかけるものの、何事もなかったかのように振る舞うのはある意味異常だ]

『鬼』ね…サイズはどんなんだ?人間ぐらいか?
研究室だろうが便所だろうが、報酬さえ貰えるならどこまでも行くさ。ただ情報も欲しいがね
[懐から出した煙草を落としたまま、床に跡を残して歩き出す]
[どうせ納めることなどできん。と口で刀の鞘を抜くと、ついでにそれも置いていった]

その鬼とやら、どれくらいいた?質問責めで悪いが気になるんでね
[ひょこひょことノインの後を追って声をかける]
[そんなに多くないならそれはそれでいいが、大量にいるなら少しは考える必要がある]
爆弾でも持ってくりゃよかったかな…お、ここか
[ぶつぶつと呟いてる間に目的地に着いたようだ]
[凍てつく空気に表情を固くすると、片手で刀を構えて中に足を踏み入れる]


203 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/10(水) 22:15:03 ???
>>197
「……待てよ」
「行くぜ………俺も」

アユルの話にも終始上の空であったジョシュアは、話が済めば唐突に立ち上がり、会話に割り込んだ。
ジョシュアにとっては作戦も道理も関係などないのだ。自分の仕事はただ障害を排除するのみ。
それ以外のやるべきことは、アユルがやればいいし、彼女もそうすべきなのだ。

ただ肝心の本人はもう何日も寝ていないようで、疲労も限界に近い。
極端にやつれた目元と、血色の悪い頬を掌で覆い、撫でながら、壁に立てかけた銃を取り上げた。

「この場所からはゲロみたいな空気が漂ってやがる…”同類”の匂いがな」
「…アイツだけは…絶対に殺す…」

”鬼”と呼ばれたモノの正体に、ジョシュアはいくつか心当たりがあるようであった。
ふらふらと覚束ない足取りで、研究所の深奥部へと向かった。

「……本気出せばここまでヤれんのになァ…」

よくよく見知った、しかしケタ違いのサイズを持つ触腕が、研究所の壁を叩き壊し、
その吸盤がコンクリートに噛みついてもぎ取ったであろうざらついた窪みを撫でる。
大破壊の後の静けさというか、この場所は中々にジョシュアの趣向に合った場所でもあった。
しかしひとたび場の空気が張り詰めれば、眼を補足し、気配の方へと銃を構える。


204 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/10(水) 22:18:28 ???
>>201

「………」

 にょき、っと、アグラーヤの視界にドアップになるガスマスク。
 じーっと、彼女の方を見て――

「コンディション大丈夫デスか?ヤバイお薬で一発回復推奨デス」

 と、アブナイなコンバットドラッグをビシっと取り出す。
 一応は、ニアの系列の末端であるはずだが、カノッサ機関は明らかに教育を間違えた。

「くろくろ=サン、無理は禁物デス。ポンコツ=サンが再起動したとき、
 再会シーンにアナタがいないと、視聴者として面白みに欠けるのデス」

 胡乱なことばかり言っているが、遠まわしに励ましているのであろうか。
 しかし、ただ単におちょくっているだけという可能性も十分ありえる。

「仕方ないので、アナタも可能な限り守ってやりマス。α-12は優秀デスから」


205 : 家路 :2016/02/10(水) 22:24:57 ???
>>198
「聞けば倍額との敵の話も蹴ってくれたそうだな」
「助かる、すまない、色々と」

先導するノインが弓を構えるアルコへと改めて声を掛けた
恐らく性格的なシンパシーを感じているのは同様なのだろう
ノインの周りの住民達がアレなのばかりなのでその度合いもなかなかに大きい様子

「気を付けてくれ、くれぐれも」

そう見送る声にも、単なる社交辞令ではない質量が篭っていた

>>199
「力量というより、相性の問題もあるように思う」
「『鬼』は打撃に対してやたらとタフらしいんだ、私達のディープメイカーはそれ一辺倒だからな」

と、ノイン
器用な面よりも遥かに、叩き潰すことを主眼としている異能なのだ
恐らくはαシリーズより雑兵めいた扱いを前提としているのだろう
即ち、個々の戦闘力や拡張性より、数を揃え暴力で圧倒する
そんな、小回りの効かない能力なのだ

>>201
「最後の素体とはいえ、正体はアユルも知らないらしい」
「ただ彼女には知識としてそれが埋め込まれ、有事の際に使うようにとの指示があるのだと聞いた」

要するにジャンクめいた何かではなく、それなりのしかるべき扱いを受けるべきモノなのだという
最もそれは予備機であり、辛うじて動くだけなのかもしれない可能性も残されているのだが

>>202
「鬼は単独、巨体だが……強化装甲を纏った人間だという」
「……名札とか言ってたが、やめてくれ、アユルが本気にしかねんからな」

戦義体を得たソーマへとノイン
どうやら鬼はパワーアーマーを纏った人間らしい
カノッサが幾度かの調査を行っている地である
それと関連付ける事も不自然ではない
因みにノインが項垂れる様子から、アユルの性格の一片が見て取れるだろう

>>203
「……無理はするな、狂気外道に落ちる」

依頼した側の身分でなんだがな、と付け足すノイン
鬼の正体と関連があると気付けばふと目を細めた
ノインからすれば鬼とは鬼であり、その中身に対して何かしらを考えた事はないのだから
しかしそれも一時、普段の様相をすぐに取り戻した



//続きます


206 : 家路 :2016/02/10(水) 22:29:47 ???
よく晴れたそらを仰ぐ鬼の間に響く通信の声
それはいつか聞いたかもしれないが、少なくとも今は『バイス』と名乗る女のモノだ

『どうも、越境者の皆様』
『矢張り、というかなんというか』
『……ここまで来ましたね』
『どうでしょう、この際それの頭だけでも中身だけでもいいですから』
『明け渡しては貰えないでしょうか?』

『それのブラックボックスが解明されれば、』
『貴方方にだって、とてもいい事があるんですよ』
『……そっちの、『マウトヘッド』(ニア・シューペリオリティ)』
『それは有機型なんです、クローンの人造人間とはいえ、『有機体』なんです』
『でも、それ(タェンティース)は違う』
『機械部を、無機を多く含んでそれなのに』
『自意識を持つ『ニア』化し、『越境』も行なっています』
『……分かります?』
『つまりその、まだ解明出来ていないブラックボックスの中に』
『あるんですよ、それらの答えと秘密が!』
『それを明文化する事が出来れば!』
『……自意識を持ち世界を自在に行き来する機械群が!』
『或いは、不便なく自由に越境を行える装置が!』
『作れるかもしれないんですよ、もう理不尽な越境現象に頭を抱える必要なんてなくなるかもしれない!』

『……ですから、ね?』
『それが、その可能性が目の前にあるんです』
『1体のアンディ(アンドロイドへの蔑称)の犠牲で済むなら……試したくなるのも分かるでしょう……?』

『……まぁ、それが阻止されるべき行動なのも重々承知しております』
『……テレビゲーム、やります?』
『もしくは漫画、アニメーションや映画なんかでもいいです』
『私はね、あれの悪役のボスの気持ちが分かりませんでした』
『なんで己の理想をペラペラとブチまけるんだろう、その前に目の前のセイギノミカタを倒せばいいのに、と』
『……ですけど、今なら、分かります』
『……あれはあれで、多分……』
『己の信じる絶対の正義の道で、別の正義を納得させる為にしてるんだなって』
『……だって、私の考えって多分……』
『そこまで、絶望的にまでは間違っていませんからね』
『……いいでしょう、ならば私は力尽くで私の正義を押し通して見せます』
『……貴方方を斃し、タェンティースを手に入れ越境の真理を暴きます』


   『……この、『ボーダーブレイカー』でッッッ!!!』


言い終えるや否や、鬼の間に爆発音
壁を破り現れるのはまるで小さな山が蠢いているかの様な蒼い巨体
口元から白く煙る吐息を吐き出せば、唸り声を挙げた
その後を追うようにやって来るのは和服を来た少女だ
彼女は四五六 七八と言い、だがもしかしたら知る七八とは別の人物である
その二つともが並々ならぬ殺意に満ちており、交戦は必死!

【ボーダーブレイカー:
 『次元食人鬼』オンモ・オンセの纏う、ブルームーンと同等の材質で造られた蒼い機械式装甲鎧
 彼の並外れた身体能力を補佐し、またその膂力による、体への負荷を限りなくゼロにする
 最も恐るべき部分は、防御の一切を思考させる事を無くし全力を攻撃にシフトさせる事が出来る点に尽きる】

【ヴァイス・七八:
 七八と同じ顔をした正体不明のサムライ
 極めて高次元の居合術、刀術を操る】

【判定:ボーダーブレイカー、ヴァイス七八のアンブッシュ
 ボーダーブレイカーの破壊の拳が飛散させた瓦礫の破片が超高速を持ってして総員に襲い掛かる!
 回避、或いは防ぎ叩き落とし、ボーダーブレイカーかヴァイス七八へと反撃を!】


207 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/10(水) 22:43:56 ???
>>205>>206
単独か…ただし巨体。ハードなことになりそうだな。何かあったらちゃんと直してくれよ
[右手で顎先を覆い、しばし考え]
[巨体、しかも他の人間に話していたことによると打撃には強いらしい。と、なればやることは一つ]
俺は弱そうなやつが出てきたら痛めつけとくから。オネガイネ

水を差すようで悪いんだが、そのブラックボックスとやらを使えば見えないところで粋がる女の脳味噌をファックできるのか?
もしそうなら考えてやってもいいぜ。どうだ?ん?
[煽るように耳を傾けるジェスチャーをし、ハハァと鼻で笑う]
ナメるなよ間抜け。今は俺が、失礼俺らが正義だ。正しいんだ
わかったらもう十年ほどシコシコ研究して…ッ!
[なおも挑発しようとしたところに飛んでくる瓦礫の破片]
[咄嗟に伏せ、というよりも転びかけて全身にそれを浴びることは避けたが額が切れてしまった]

…あれが鬼か。それと、なんだあの変な女は?情報に無いぞ
俺はあっちとやるから頼んだぜ
[立ち上がり、女の方へ刀を向けるソーマタージ]
[いつの間にか被っていたフードの下で、酸素供給機が音を立てて装着された]


208 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/10(水) 22:47:57 ???
>>206

(カノッサとしては敵として接触する。味方として接触するの両方のアプローチがされている…のデショウカ?)

 もっとも、傘下組織の蠢動で、これまで慎重かつ注意を払ってきた投資を無駄にされる云われは無い。
 実際、カノッサ・テクノロジー社とタェンティースの関係はカネカシ、フサイシャとして良好であるのだ。

「話を聞く気も交渉する気も端からゼロでスネ。
 第一、連れ去られたら、誰がポンコツ=サンの膨大な借金を肩代わりしてくれると言うのデスカ」

【ここでアンブッシュ!といっても台詞のタイミングから予測できたことでもある。
 α-12は素早く身を伏せて、頭上を疾駆する狂猛な瓦礫をやり過ごす。が、次に現れたモノを見たとき――】

「………」

 サムライと大型が出てきた。が、この時、α-12の集中力の大半はボーダーブレイヤーの方に費やされていた。
 自我は希薄ははずだ。が、それでも、この時のα-12は常のクローントルーパーで居られていたであろうか。

「…何を」

 ステイシス圧縮フィールド解凍。巨大な銃口が青白い光と共に輪郭を顕わにし始める。
 GEヴィンディゲーターミニガン…各部にディープメイカーが兵器融合し、その機能を掌握する。

(記録照合…一致箇所多数…あの人の元パートナー…あの人の……)

 セピア色の記憶。自分は言った…『α-12が好きな色は――』

「アナタは何をしているんデス。そんなところデッ!!」

【ゴバ!!と新型モーターがけたたましい音を発て、大重量重金属弾を猛爆と形容すべき速度で乱射!!】


209 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/10(水) 22:51:52 ???
>>206

「……おいおい、勘弁してくれ…」
「…降りて来い。”もう一回”喰ってやるよ…」

いつか聞き覚えのある腹立たしい声。ジョシュアは思わず噴き出し、それから涙を拭いながら告げた。
長ったらしい言葉にも、何の感情も覚えない。そこはジョシュアの領分ではない。
バイスがどんな言葉を紡ごうと、今のジョシュアにはさしたる問題ではなかった。
壁を貫く爆音が響けば、さすがにそちらの方へ素早く銃を向けるジョシュア。

「…ヨォ、お前らがニアをやったヤツだな…?」
「……首元にあんなでっかいキズ作りやがって…」

現れたのは話に聞いたサムライと、そして青いアーマーの大男。
その体躯は間違いない。ニアを食いちぎったあの男だ。
ふつふつと沸き立つどす黒い感情を、抑えきれずに呟くように溢したその瞬間からだ。

「…殺してやる……」

ぞわり、と鳥肌の立つような感触。次の瞬間には全身の肌が真っ黒に染まってゆくのをジョシュアは見ずにして知覚した。
即ち、怒りの感情に呑まれた際に発現する暴走形態。しかし激昂し、駆けだす事も無い。
此度の暴走形態は燃え上がるような怒りとは異なる感情で支配されていた。それ即ち、底の見えぬ深き憎悪だ。
漆黒の肌にはこれまでとはまた違う、暗く渦巻く藤色の輝き。

(狂気外道…か…上等だ……)

憎しみに呼応して変化する体色は、まるで犬の尻尾のようなものだとジョシュアは自嘲気味に嗤った。
ベルゼブブは魂を媒介する存在。心の表情は、何らかの形となって表すことが出来る。赤は怒り、緑は安らぎ、幸せ。憎しみは紫。
じゃあ哀しい時は青にでもなるのか?ジョシュアは一人誰へとなく呟き、そして

自分は蝿王にして人間に非ず。人外であること、とうに人間を捨て去っていることを肯定したとき。
――”あるおぞましい考え”がジョシュアの脳裏をよぎった。

次の瞬間にはジョシュアは銃を捨て、防弾衣を脱ぎ、そして”鬼”を見てにやりと微笑む。
飛来する瓦礫を右腕で喰い散らかし、左腕で叩き落し。しかしその身体に深々と突き刺さる礫を無視して、ただ鬼達へと歩み寄った。
まず相対するのは”ボーダーブレイカー”。ジョシュアがこの場で最も憎しみを抱く人物――

「……ヨォ、オンモ、俺を喰えよ」
「トロいヤツだな…さっさと喰えっつッてんだ。あ?一人じゃヘルメットも脱げねェのか?」


210 : アグラーヤ >>336 :2016/02/10(水) 22:53:03 ???
>>203
「体調が優れないならベッドでお眠りしていた方がいいんじゃないかしらぁ、ジョシュア?
タェンティースの前に貴方の面倒を見るなんて私ゴメンだものぉ」

にや、と意地の悪い笑みを浮かべれば具合の悪そうなジョシュアをちくり。
もっともこんな嫌味を言われたぐらいでおめおめと引き下がる玉ではない事を知ってが故だ。
だからこそ心配もしなければこうしてからかうことが出来るのだろう。まぁ言われる方の気持ちなど知った事ではないのだが。

>>204
「だ、だれ……? って言ってもこのおマヌケな喋り方は私が知る限りではひとりしかいないけどぉ………やっぱり貴女」

見慣れぬガスマスクが唐突に視界を覆い尽くす。一瞬びくんと反応してしまうもすぐにあたりはついた。
ぐいぃ強引にガスマスクを引っぺがせばやはり、と言った表情を浮かべてため息ひとつ。
かつてスプロールで互いに悪ノリが過ぎタェンティースビームでドリフヘアーになった仲、それだけであるがあの強烈な印象は忘れられるものではない。

「私にとっては貴女が一番ポンコツよぉ。そのおクスリも自分で飲む事をオススメするわぁ?
あところころ呼び方変えるのやめなさいよぉ。誰の事呼んでるのかわからなそうでわかっちゃうのがムカつくわぁ」

取り出されたドラッグをひょいと取り上げれば無理矢理α-12の口内に押し込もうとするのであった。

>>205-206
「あっは……! 良いわぁ、バイスだったかしらぁ?
そういう考え方嫌いじゃないわぁ……いえ、とっても好きよむしろ。
正義なんてこの世界、彼方此方に散らばってるんだから本物の正義なんて……むしろ正義の味方なんて存在がもうおべんちゃらなのよぉ。
結局は正義か否かを判断するのは結果……そしてその結果を掴み取るのは力でしかないのだから。
だから私は貴女のそのクズみたいな正義とやらを叩き潰してあげる。
結果をこの手にする為の……圧倒的な力でねぇ……!」

真紅の隻眼は見開かれ、その口元は耳まで裂けたかと思われる程に嗤い、飛来する瓦礫の破片を放電により粉々に粉砕してみせる。
そして直様反撃に移る。アグラーヤの両の掌が蒼白の輝きを得たかと思えば、刹那そこから撃ち出される雷撃の槍。
一切の加減の無い、二槍の稲妻はオンモと、そして七八それぞれに向かう。
どうやらこの一撃に対する各々のレスポンスによってターゲットを定めるつもりのようだ。


211 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/10(水) 23:00:28 ???
>>200
「…なんだと」

一体どうすればいい…と言わんばかりに天を仰ぐ
戦力としては心強いが…言動はどうにかならないのか
>>201
「生きていたのか…」

研究所で生死不明となっていたダークエルフを見つけた
彼女の戦闘力も高く、さらに執念に近い何かも感じられる
密かに、心強く思っていた
>>205
「気にするな、最後まで責任もって関わりたいというだけなんだ」

そう、たったそれだけなのだ
だからこそ、やはり二人は非常に近しいのかもしれない

質量のある見送りには頷いて応じる
たったそれだけ。しかし、しっかり重さも受け取っている
>>206
「…ふん、知ったことか」

長い長い御託を一言で一蹴
そして襲い来る破壊の化身、どうやら敵は複数だ
あの青いやつがボーダーブレイカーなのだろう、あれは致命的に相性が悪いと感じた
だが、あの七八に似たサムライは…まだ戦える
そんな思考は器用にステップを踏みながらなされていた
そのステップは、瓦礫がアルコを避けていると錯覚するほど綺麗
そして、お前の相手は私だと言わんばかりにヴァイスに矢の一射
どうやら、刀使いも同じ相手を狙っている。隙を見て援護をしよう――なんて思いながら


212 : 家路 :2016/02/10(水) 23:07:36 ???
>>207
『安堂流、四五六七八……』
『……参る』

名乗り、踏み込み、抜刀
声よりも速いその所作はソーマの胴を切り裂かんと大業物を振るった!
見れば彼女、更にもう一振りを帯びている

>>208
『ハァァぁぁ……!!』

口元のダクトから漏れる白い吐息、咆哮
返答はない、臨戦の恍惚に溺れる彼はその程度の思考すらオミットする事が出来る能力が備わっているのだ
爆乱し迫る弾丸に対して巨大な壁を殴り壊し投げ、銃口毎α12を押し潰さんと狙う
しかし見よ、ミニガンの一部が掠め或いは当たりながらも彼は衝撃以外の干渉を受けていない!

>>209
『……オォォォラァっっ!!』

対してボーダーブレイカー、豪腕を唸らせ拳打撃にて答える
食欲よりも今優先される、彼の最も好む現象が今目の前に起きているのだから
即ち、数多の強者との戦いである!

>>210
『……ふん』

『ハァッ!!』

迫る雷撃に対してヴァイス七八は刀を振るう
そして避雷針として帯電した刹那、それを振るい落とし無効化!
『雷斬』の奥義だ!

一方ボーダーブレイカーはその見掛けに対して軽やかな機動を持ってして回避、直撃を防ぐ
機械式の鎧と言う事で、どうにも、一定の防御程度はあろうが完全に得意とする訳ではない様子

>>211
『シッ!!』
『……姑息モノめ』

迫る矢を刀の柄尻で叩き逸らし一瞥
納めていた二の刀を逆手に抜き放ち空を走らせる
彼我の空間が歪み、圧縮された斬撃を乗せた空圧が飛翔!
その場に居ながらにして遠間を斬る、真空斬りの技前だ!


213 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/10(水) 23:17:54 ???
>>212

「………!!」

 ズゥアアアアッ!!巨大な壁は一瞬にしてボロ屑となり、消失。
 大重量弾のパワーは並ではない。が、既にα-12は気付いていた。コレでは奴は倒せない。と。

「やっぱり、α-12の戦術ルーチンにはやや不適合デス」

 ミニガンを素早く投棄。こちらの弾丸が届くより先に潰されるほうが早いと踏んだのだ。
 ディープメイカーを自由にし、ボーダーブレイカーに向けて吶喊!!

【6丁のサブマシンガンを抜き、猛然とダッシュ!!】

「アナタは喰うのが信条デショウ。何勝手に戦闘マシンになってンデスカ!」

 記録(ログ)と眼前の巨人の挙動の不一致が、α-12にこの言葉を吐き出させた。
 途中、迎撃行動に対する面積を可能な限り小さくするためにスライディング。
 かつ、ブルームーンの間接稼動部に狙いを集中させて、それぞれのサブマシンガンから重金属弾を吐き出す!!


214 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/10(水) 23:19:30 ???
>>212
名乗ったほうがいいのか?やあやあ我こそは…
[くぐもった声で七八を挑発する、その瞬間踏み込まれ、放たれる大業物]
[強引に振り下ろした自身の戦場刀で同の両断は避けるが、バランスを崩しかける]
この…ッ!図に乗るなよアバズレ!
[鉤爪になった手で刀を押し、脚の刃物で斬りかかろうとする]
[その最中だった。もう一振りの武器に気づいたのは]

[今更回避は間に合わない。ならばせめて負傷を少しでも和らげる]
[脇腹、胸が鉛色に染まり、甲羅めいて硬質化する]
[完全に防げるわけではないだろうが、致し方無い]
[覚悟を決めた眼光で七八を睨むと、肩から生やした釘程度の大きさの触手弾を顔めがけて飛ばす]


215 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/10(水) 23:25:31 ???
>>212
「…クソつまんねぇ野郎だ」

ジョークも分かんねェのか?と肩を竦ませ、そして両手をポケットへと突っ込んだ。
もう少し好戦的で直情的な性格だと思っていた。案外冷静というか、ノリが悪いのだなとジョシュアは内心失望する。

「じゃあ…”俺から喰うぜ”」

ポケットに両手を突っ込んだまま、棒立ちのジョシュアに、オンモは雄叫びと共に一撃を繰り出した
繰り出された拳は破壊的な威力を持ち、広い攻撃範囲を持つ。しかしシルエットが大きい分予測は容易だ。

膂力を爆発的に増加させる外骨格もそれに起因する。こういったアシスト機構は生身よりも精密性に劣るのだ。
ジョシュアは半歩下がり、それによって攻撃を回避する。さらに躱した拳の、前腕部分を足蹴に、一気にボーダーブレイカーの懐へと飛び込んだ!

そして次の瞬間には、ドス黒く粒子をまき散らす漆黒の右腕でその装甲表面を削り取らんとする。
オンモを足蹴にしたバレットジャンプで一気に加速、装甲を削る、一撃離脱の戦法だ。

「これで少しは俺を喰う気になったか?」

>>208
「カノッサのタコ、下がれ…テメーじゃ足手纏いだ」

お前の武器じゃこいつの鎧には傷一つ付けられない。と付け加え、

現状、ボーダーブレイカーの強固な装甲に対応できるのは相当な火力を持つ者に限られる。
そしてジョシュアは皮肉にもあらゆる装甲を無視する攻撃手段を有する。

”クローントルーパー”として効率的に作戦に従事するか、それとも自分の意思に従うのか。
α-12の本質に問いかける、ジョシュアの問いだ。


216 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/10(水) 23:29:46 ???
>>212>>214
「私はただ、弓を極めし者だ」

想定はしていたがやはり遠距離攻撃の手段を持っていたとは
真空斬りを咄嗟に横に跳んで横から地面に倒れることで回避
しかし、それによって生じる隙。だがアルコはそれを埋めようとする
二本同時に番えた矢を、放つことで
二本の矢は動くソーマを避けるように宙を駆けてヴァイスの首を狙う
精密さでは一本に大幅に劣る。が、それで追撃からは逃れられると信じて


217 : アグラーヤ >>336 :2016/02/10(水) 23:32:31 ???
>>211
「あの程度で死ぬ訳ないでしょぉ。他人のくだらない心配する暇があるなら自分が生き残る事だけ考えなさぁい?」

アルコを一瞥して一言。やたら上から目線で偉そうなのはそういう性格である。他意は無いので割り切るか聞き流すかしたほうがいいだろう。
ちなみにその自信に裏打ちされた実力があるのは事実。口だけのモヤシではない。

>>212>>213>>215
「ふぅん……ホンモノのほうは甘ちゃんみたいだったのに、なかなか器用なマネできるのねぇ?
まぁいいわぁ、見た目に反して防御に不安のありそうなデカブツから片付けてあげる」

遠距離からの単純な雷撃を無効化するであろう七八は後回し、見た目とは裏腹な機動力と受けるより躱す事を選択した防御面の不安を見せつけたオンモへと標的を絞る。
近付いて一気に装甲の表面に放電を浴びせることも考えたが、一応他の越境者たちとの共同作戦だ。下手にふらふら動けば蜂の巣にされかれない。
恐らくα-12の火力では決定打は与えられないだろう。だとすれば自分か、或いはジョシュアがその一撃を買う必要がある。
そしてジョシュアを見ればもう殴る気まんまんといった具合に近接しようとしているではないか。ならば自分のやる事は見えてくる。

「ポンコツ1号ぉ! 貴女はそのまま豆鉄砲撒き散らして牽制! 私がどうにか足を止めるからぁ、ジョシュアっ! さっさとキメなさいよぉ!?」

α-12の弾幕を隠れ蓑に自身は足元から高圧電流を地面に奔らせオンモへと向かわせる。装甲を通して感電、オンモの足を止めようという算段だ。
そしてその隙へ近接したジョシュアの一撃を期待する。もしこれが上手くいかなければ自身も前に出る必要があるか。


218 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/10(水) 23:34:01 ???
>>215

「テメーこそ足手纏い通り越して目障りデス。胡乱な感傷はノーサンキューデス」

 銃撃を続けて駆けながらα-12。常よりやや口が悪い。
 売り言葉に買い言葉であるが、引くわけにも譲るわけにはいかないのだ。

「火力が無ければ別のところで勝負するだけデス。諦めこそ愚か者の選択デス。
 勝ち目がある戦いにナンデ、α-12が引く必要ガ?効率的に戦うだけデス。非効率者=サン」

 ガスマスクのレッドアイズが僅かに輝く。

「闘りますヨ?甚だ不本意デスが、共闘のほうが効率的デス」


219 : 家路 :2016/02/10(水) 23:36:33 ???
>>213
『……チィぃびガァァ!!』

装甲の下より出でる怒号!
眼前に迫り、そして視界から消える猪口才相手への苛立ちからだ
続き全身に走る衝撃、先程より響く!
間接部は強化こそされているものの無論脆い、未だ破壊はされずともしかし確実にダメージを蓄積させている!

>>214
『……!』

二の刀がソーマへと抜かれる事はなかった
それはアルコへの対応として成された為だ、だが弾かれた一の刀を捻りソーマの脚斬撃を片手で防いだ

『……ちっ!』

続き顔を逸らすが額から舞う血液!
態勢を戻しつつ一の刀での縦斬撃!

>>215
『……ッッ!?』

必殺の一撃は回避され、ボーダーブレイカーの装甲の、右胸の当たりを喰い千切られる結果となった
その傷が胸にまで至らなかったのは重畳だ、彼に取ってのボーダーブレイカーは単なる補佐装置に過ぎないのだから

>>216
『……せ、イヤーーッッ』

彼女の瞳はその刹那、アルコの放つ矢の微かな、ほんの僅かな精密性の欠如を見抜いていた
身を捻るのは最小限、それだけで矢の軌道から見事に外れる
空圧が皮膚を裂く、その程度は気にならない
返す二の刀を振るえば再度震える空気、迫る真空の斬撃!

>>217
『……チッィっ!!』

ばちり、立ち昇る雷撃にくぐもった声
矢張り装甲に頼った防御には至らない様だ
α12と、ジョシュアの攻撃に晒されている事も大きい!
2歩たたらを踏み、壁を背に仁王立つ!


>>213-217
『オオォぉぉラァァっっ!!』

崩れた壁から飛び出た鉄骨を、まるでマフラーからほつれた毛糸を抜くようにして引き抜くボーダーブレイカー
無論高い壁は崩壊を始め、一部が残った天井が総員へ崩れ落ちる!
続きそしてそれを鞭の様にしならせ振り乱し、全くの無差別しかし圧倒的な破砕力を持つ範囲攻撃へと変えた!


220 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/10(水) 23:48:51 ???
>>217
「…お前らみたいなヒョロっちいのが前に出てもむざむざ殺されに行くだけだからな…」
「……俺を信頼しろ。なんとかする」

アグラーヤとα-12を交互に見やり、指示を出す。
なにしろ相手は重量級だ。アグラーヤの華奢な身体では一発の被弾が命取りになる。
守ってやるよとにやりと口を釣り上げ、ここにきてようやく迷いが吹っ切れたらしい。

>>218
「クチの悪りィ野郎だ…飼い主の顔が見てみたいぜ…」
「……あいつの攻撃を喰らったら終わりだ。俺がデコイになる」

口汚く返したα-12に、久しぶりに心から笑顔を見せて返答したジョシュア。
直後には険しい表情に変わり、再びオンモへと肉薄する。

>>219
「チッ…全員下がれ!!」

ジョシュアに比べ他の二人は軽量である。すなわち打ち合いに持ち込まれれば致命的であるということ。
そしてジョシュアはつい二人を遠ざけ、庇うような立ち回りをしてしまった。実際誰かが逃げ遅れれば、身を挺してダメージを肩代わりするだろう。
その結果として、ジョシュアは鉄骨の乱舞の射程から逃れることが出来ず、その身に受ける事となってしまう。

「ぐがッ…!!」

素早く両腕で防御の構えを取るが、それすらも超えるほどにボーダーブレイカーの一撃の威力は大きい。
瞬く間に全身の骨を砕き、衝撃波と共に床に叩きつけられ、バウンドして壁に突き刺さった。
一瞬の気絶の後、すぐに意識を取り戻して壁を滅茶苦茶に破壊し尽くし撒き散らしながらジョシュアは再びオンモの前に飛び出した。
と、そこで身体の異変に気が付いた。先ほどの攻撃で欠損した部位の半分ほど、つまり身体の3割ほどが修復できていないのだ。

(エネルギーが…足りねぇ…)

ここに来てたった一撃でのエネルギー枯渇。言うなれば燃料切れ(ハンガーノック)である。
エネルギーが底を尽きる、つまり自己捕食しきってしまう前に決着を付けねば、ジョシュアは自らの力で身を滅ぼしてしまう事になる。
欠損した左腕を見やり、上等と鼻を鳴らした。


221 : アグラーヤ >>336 :2016/02/10(水) 23:51:49 ???
>>219>>220
「チッ……これだから脳ミソ筋肉はタチが悪いわぁ!
ジョシュア、貴方にも言ってる事わかってるかしらぁ!?
いつまでも守る気になってるんしゃないわよぉ!!」

バチッと音を立ててアグラーヤの周囲を電流が弾ける。次いで電磁気力を纏った彼女は浮力を帯びて宙空へと飛び立ち、そして降り注ぐ瓦礫へと細い電気の糸を伸ばしてその悉くを支配下に置く。
崩落し皆に降り注がんとしていた瓦礫を空中に押し留め、同時に宙へ浮き上がる事でオンモの振り回し攻撃の範囲から逃れようとする算段である。

「返すわよぉ……デカブツ! 自分で蒔いた種で潰れなさぁい!!」

空中で止めていた瓦礫を操作し、その全てをオンモへと向かわせる。
あの装甲、果たして物理的な衝撃が通るのかは怪しいものだが、これ以上瓦礫の全てを空中で固定しておくのはアグラーヤにとっても限界であったのだ。
さらに電磁浮遊と電磁操作、ふたつの力の同時使用はアグラーヤにとっても少なくない負担であり、今攻撃の狙いを定められれば回避は不可能。
そしてさらに悪い事に電磁操作中は操作対象に電気の糸が伸び、視覚的な特定が容易なことだ。オンモがそれに気づくことがあればアグラーヤのピンチである。


222 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/10(水) 23:54:20 ???
>>219
「クッ…」

矢を放つなり立ち上がり、次の攻撃から逃れようとした
だが、敵の目は想像以上によく、想像以上の速さで次の攻撃が来てしまった
故に完全には回避しきれず、脚に傷をもらう
そこから漏れるは、瘴気漂う黒っぽい血液

「大した腕だ…がっ」

その場で即座に一射
大して引かれてもおらず、威力も特筆するに値しないものだ
だが、そのまま即座に横に走って横っ飛びをする前の位置でもう一射
こちらは走っている間引いてるため威力も高めで、速い
その二射は速度差の影響でほぼ同時にヴァイスに迫る


223 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/11(木) 00:01:30 ???
>>217

「豆鉄砲ではなく、短機関銃デス。撃っているのも豆ではナク、APDS弾デス。
 これだからテクノロジーに疎いくろ助=サンは…」

 過激な戦闘中だというのにトンチキな返答に余念が無いα-12である。
 しかして、この珍妙な平常心はそれを無くしがちなジョシュアの動きやアグラーヤをフォローするように、
 ボーダーブレイカーの継ぎ目を巧みに銃撃して、行動阻害を誘発させている。

>>219

「己の本分から外れてアホですかアナタは!!ギャラエ=サンが見たら困った顔するの必然デス」

 一体、ギャラエの死後、どこをどう巡ってオンモがこうなったのかα-12は知らない。
 敵対もありえない可能性では無かったろう。が、このカタチは何か気に食わない。

【砕け落ちる瓦礫!振るわれる鞭のような鉄骨!!】

 瓦礫は無視!超接近戦の状態となった今、寧ろ、
 ボーダーブレイカーの体躯が、α-12を瓦礫から守る防波堤となるだろう。

「―――」

 そして振るわれる鞭の如き鉄骨。縦の一撃を裂けて跳躍!
 すぐさま横の一撃、身体をねじり回転。接触の瞬間、ディープメイカーをあえてかすらせて、
 回転の勢いを加速させて回避。触腕が二本千切れとんだが戦闘行動に支障なし!!

「優位性を証明シマス。イレギュラーを屠り、あの人が見れなかった風景はα-12が見マス。
 なのに、あの人の隣に居たアナタがそんなザマでどうするってんデスカ!!」

 両腕と二本にディープメイカーを突き出す。二本の脚部の繋ぎ目。
 ジョシュアが穴を開けた胸部はあえて狙わない。装甲がはがれたとはいえ、筋肉という鎧そのものだ。
 ゆえに――

【ギギギギギギッ!!α-12は横回転しながら、連射音と共にボーダーブレイカーの膝関節部にありったけの重金属弾を叩きつける】


224 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/11(木) 00:04:54 ???
>>219
[刀と硬質化した新名で全激を間一髪防ぐソーマ]
[ギリギリと押し戻し、なんとか離れると頭を戻して嗤う]
やるじゃねえか!苦しめて殺してやる!
[そう宣言してから数歩離れ、中指を立てると地を蹴って高く跳びあがる!]
[ヴァイスの上を越えるような軌道で跳んだソーマタージは、空中で姿勢を変える]
プレゼントだアバズレビッチ!
[ヴァイスの上あたりまで跳べたならば、さながら雨の様に触手弾を放つ]
[明確な殺意を持って放たれたそれは、防がれようとも集中を乱すには十分だろう]

[だがすべてが思い通りになるわけではない]
[鞭の様に振り回された鉄骨は、偶然か狙われたものか、ソーマタージの背中を捉えていた]
グワーーッ!!
[背骨が軋み、肺の中の空気が血と共に吐き出される]
[ピンボールめいて吹き飛ばされたソーマターシの身体は、壁に叩きつけられて落ちた]
[身体が言うことを聞かない。骨は武士だったがちと衝撃で息を吸うことがままならない]
[簡単に言ってしまえばかなりヤバい状態だし、隙だらけだ]


225 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/11(木) 00:08:57 ???
>>222
//破片や鉄骨は走りながら跳躍したりして回避したってことでお願いします…書き忘れ…


226 : 家路 :2016/02/11(木) 00:12:11 ???
「……っ、な、何事だってんですっ!?」

ボーダーブレイカーが巻き起こす破壊の振動に、ニアはたじろいだ
だがしかしそれを咎める声は、ノインのモノ

「彼等を信じろ、それよりも今はその背を守る!」

カノッサの浸透兵達の銃撃と爆撃が襲い来る中での出来事である
2人は触腕を、そして鼠人は木の矢を放ちながらジリジリと焼け付く様な消耗戦を開始している

>>220-221
>>223
『……ヌゥゥァァォォァ!!!』

目の前に至るジョシュア、その追撃をと狙うも即座にその意識はシフトした
数多の飛来する瓦礫、恐らく流石にボーダーブレイカーの装甲も無視出来る範囲以上のダメージを負うであろう
そもそも万一体が埋まってしまえば、それで終いなのだ

結果としてジョシュアを邪魔だと言わんばかりに蹴飛ばさんとし、瓦礫への拳打を叩き込む事でそれを砕き、破片を更に連打で殴り飛ばし周囲への攻撃とせんとした
狙いは散漫、だが根本の数が圧倒的な散弾銃が如し!

『……!!』

そこへ殺到するはα12の放つ弾丸の嵐!
巨体はぐらつき、遂に片膝を付いた!

>>222
>>224
真空斬りを躱すアルコ、幸運にも同時に来たるボーダーブレイカーの崩落させた瓦礫の落下からも逃れる格好となる!

『……っ!!』

ヴァイス七八は顔を顰める
それはアルコの放つ一の矢が腹部を貫いているが為だ!

『く、この……! っく……!!』
『……!!』

雨粒が如きに飛来するはソーマの触手弾の大嵐!
その場から逃れるべく跳ぶと、体をくの字に曲げてそして崩れ落ちる
アルコの二の矢が到達し、その胸を穿ったのだ!

【ヴァイス・七八は動かない!
 そしてボーダーブレイカーへと視線を向ければ、彼もまたもう一押しで撃破が叶うであろうタイミング!】


227 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/11(木) 00:23:14 ???
>>226

「――!!」

 好機。α-12は片膝をついたアーマーブレイカーの膝を肩を駆け上がり、
 バックジャンプ、中空で縦に半回転。トリガーを引く!

【4丁のサブマシンガンより重金属弾が雨のように降り注ぐ!】
【これは直接効果ではなく、牽制射である。己の役目はこれがベスト。
 痛撃を与えられる存在は既に二人もいるのだから】

「………」

 ガスマスクの奥の表情は誰も確認できない。
 ただ、C.T.S.S.クローントルーパーの象徴として恐れられるガスマスクの赤い眼光が輝いていた。


228 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/11(木) 00:23:47 ???
>>227
//誤字
× アーマーブレイカー
○ ボーダーブレイカー


229 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/11(木) 00:26:04 ???
>>226
グワッ、アバッ、畜生…!
[七八が動けなくなって幸いだった。震える手で首筋に自前のドラッグを注射し、なんとか体勢を立て直しながら考える]
[ここが正念場だ。未だ悲鳴を上げる身体に鞭を打って立ち上がり、雄叫びと共に彼女へ駆ける]

[脚は縺れ、たまに間違えて自分の足を切りながらも駆ける。駆ける]
[背中から急激に体温が奪われていく感覚がする。少なくない量の血が流れ、地面に垂れる。それでも駆ける]
[七八まであと数歩のところで、ソーマタージは再び跳んだ]
[今度は飛び越えるためではなく、強化義肢とカーボンフレームによる、見た目からは考えられない重量を一点に乗せるために]
[頭部を抉るかのように振り下ろされた鋼鉄製の左の鉤爪は届いただろうか?]
[失敗すれば今度こそ殺されるかもしれない。そんなことを思いながらも、ソーマタージは笑った。意地の悪そうに]


230 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/11(木) 00:26:16 ???
>>226
「ギャラエが見たら困った顔…だとよ」
「………どうかな…今頃きっとほくそ笑んでるぜ」

瓦礫を散らすオンモの懐に、瞬時にジョシュアは潜り込んだ。
残るエネルギーはごく少ない10万キロカロリー分を使い切ってしまえば、ジョシュアは完全に消滅するのだ。

ゆえに回復は不可能、被弾を避けるしか方法が無い。瓦礫の破片によって、深く深く左の膝を抉られ、そこから下が消滅した。
激痛に顔を歪めながらも、ジョシュアはオンモに取り憑く。ボーダーブレイカーの鎧の隙間に手を掛けたのだ。

「……俺はギャラエを殺した。喰い殺してやった。いい気分だったぜ…」
「ただまぁ…なんッか心残りが在るんだよなァ…」
「手始めにお前を喰い殺して、それからバイスも殺す。これでバッチリだ」

ボーダーブレイカーの露出した右胸、つまり生身の覗くそこへと、ジョシュアは思い切り喰いついた。
そして今度は彼の左腕が、紅く赤く燃え上がって熱を帯びる。残された最後のエネルギーの使い道だ。
右腕を離し、そしてそれは固く、固く握り締められる。

ボーダーランズの法則に抗わんとする者達はここで消し去るべきだ。とジョシュアは考える。
本来互いの世界は絶対的に不可侵であり、互いに干渉しあうべきではないのだ。

「俺の命と引き換えに…今日の所は死んどいてくれや、”オ・ン・セ・さん”…?」

顎の喰らいつく力のみでオンモにぶら下がるジョシュアは、ぱっと顎を離し、直後に右腕をオンモの胸の中央部――
すなわち心臓のある部位へと食い込ませんと思い切り振るうだろう。ジョシュアの身体が重力に惹かれるまでの刹那
猫撫で声で、ジョシュアはオンモに囁きかける。直後。拳は振るわれた。

深々と右腕が突き刺さればそこからオンモの肉体を吸収、捕食し始める筈だ。
しかしジョシュアが深手を負っている為に吸収速度は遅く、すぐに振り払われてしまう程だ。

「アグラーヤ!!さっさと抱き締めやがれ!クソッタレ!」

そこでジョシュアは、確実にオンモにトドメを刺せる火力を持つ彼女に、支援を要請する。


231 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/11(木) 00:32:34 ???
>>226
「よし…これで」

幸運にも瓦礫の連撃からも逃れきって放った二射は見事にヴァイスを射貫く
それで動かなくなるのを認めればすぐさまボーダーブレイカーに目を向ける
そちらも、もうあと一押しと見た
ヴァイスはもう、多分大丈夫だ
だから、弓をよく引いて慎重に狙いを定める
狙いは、つかれていない方の片膝
その関節の脆いところを慎重に狙って一射
装甲を穿ち、射貫くに十分だと思えるほどよく引いて


232 : アグラーヤ >>336 :2016/02/11(木) 00:41:02 ???
>>223
「そんな突っ込みと情報は今いらないわよぉ! 携帯電話も使えない疎さで悪かったわねぇ!!」

戦闘中であるというのにこの飄々とした態度と素っ頓狂な言動。
変な部分でこうも似るものか、とかつてから死線を共にしたタェンティースを思い出す。
そしてかつてと同様にアグラーヤのイライラボルテージも上がりぱなしである。それに呼応して電力も膨れ上がるのだから無駄な問答では無い模様。

>>226
「このぉ……悪足搔きしてぇ……!」

オンモに砕かれた瓦礫の破片は散弾めいてアグラーヤの座する空中にも飛来する。
躱すか? 否、アグラーヤはその場に留まり必殺の機会を逃す事はしない。
義手義足を前面に身体を縮こめて防御の姿勢。致命傷を避ける緊急防御に近いものだ。
それ故破片はアグラーヤの身体を掠め、抉り、突き刺さり鮮血を噴き出させる。が、その程度の痛みは耐えられぬものではない。
その先が見えているのだから。防御をとった腕の隙間から覗く赤眼はしっかりと地に膝をついたオンモを捉えていた。
そして………。

>>226>>227>>230
「……お馬鹿さぁん。ここであんな技使ったらあなた達まで抱き締めちゃうじゃなぁい。
それだけは死んでもごめんよぉ、気色悪ぅい……! だからそこの大っきいのだけとっとと沈んでなさい……!!」

オンモが空を見上げれば崩落し突き抜けた空に燦然と輝くのは黒い太陽だ。
アグラーヤの掲げた右手には黒く歪な光が収束し、見る間に膨れ上がり歪な雷鳴を唸らせている。
そして掲げていた腕を振り下ろせば、収束していた漆黒のエネルギーは眼下のオンモに向かって流れ落ちる。
まるで落雷のように、しかし地から天へと伸びる黒き柱は圧倒的な異質をもって。


233 : 家路 :2016/02/11(木) 00:46:40 ???
>>229
斬ッッ!!
ふらりと立ち上がろうとした七八の頭部を抉る一閃が煌めいた!
ソーマの笑みを彩る血飛沫の散華、どさりと麻袋の落ちるような音!

>>227
>>230-232
『……う、グゥゥ……!!』
『ガフっ……!!』

α12の弾丸は実に効果的にボーダーブレイカーの脚を殺している!
事実彼は今、最大の武器である拳を防御の為に飾さなければならないのだから!
そしてジョシュアの牙が襲う!
不可避だ、既にこの至近では!
喰いつかれ振り払うべき行動はアルコの鋭き針の穴を貫く一撃に阻害された!
ジョシュアの拳がその胸に至り、完全な捕食同化を始める前に大きく飛び退く!
血の軌跡、幾分か『喰われ』た!

『……!!!』

直後、彼の巨躯は黒い輝きに依って覆い尽くされた



……そしてそれはしかし、依然としてそこにあった
各所が焼け焦げ、剥き身からは血を流しながらも彼は立ち上がってそこにいる

『はぁァッ!!』

気合の怒号、残った全アーマーをパージ!
『ボーダーブレイカー』を脱ぎ去り彼は『オンモ・オンセ』へと回帰する!

『……邪魔なモんがネェ、この方がイいな……』

満身創痍、だが獰猛に歪んだ表は笑みだ!
そうだと判別するには余りにも悪辣な!
強く握った拳、穴の穿たれた胸を開いた格好で構える彼の本来のバトルスタイル!
『ボーダーブレイカー』の装甲は地に染み込んで溶け行く、機密保持の為の消散システムが起動したのだ!

『さァて、チビ共ォ……』
『……!?』
『……チッ、サイコーの気分ダ、食い尽くしタい位ニゃな……』

いざ本番だと飛び掛からんとした矢先、彼を包み込む淡い光
本来の越境のモノではない、恐らく他の存在が干渉し彼を別次元へと誘う妖光

『……ツラぁ、覚えタぞチビ共……』

一同を指差し、彼の姿は立ち消える
冷たくなったヴァイス・七八の亡骸も、いつの間にかそこには既に居なかった
まるでただ純粋な破壊が過ぎ去ったように、訪れる静寂
浸透兵団を撃退したノイン達がそれを察して合流するのは、その3分後だ

//このレスで一先ずイベント戦闘は終了になりますっ
//締めは後程か、明日明後日には書きまするのでご了承をっ
//皆様遅くまでありがとうございました、またよろしくお願いしますっ


234 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 :2016/02/11(木) 00:55:42 ???
>>233

「………」

 データ通りの耐久力である、と認めざるを得ない。
 そして、どうやら、鎧の化物から、オンモ・オンセである己を取り戻したようである。

「ふぅ…アレならまだマシですか。全く、らしく無い相手なんてのーさんきゅーデス」

 α-12は転送されゆくオンモの追撃はしなかった。
 交戦状態が解除されれば、不必要に打撃を与える必然性がない。
 しかして、オンモがどういう経緯であちら側に付いたのか。調査は必要かもしれない。

「…ギャラエ=サン。やっぱりアナタ、早く死にすぎデシタ。影響がえらいこっちゃでいい迷惑デス」

 わざとらしく、盛大な溜め息をつくα-12.
 どうやら終わったようだ。上のタェンティースの頭部はどうにか無事。
 そうでないと困る。BB-8めいたオモシロボディにする夢が絶たれてはならないのだ。


235 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/02/11(木) 01:00:10 ???
>>233
アスタァァァー!ラァァァー!ビスタァァァー!
[鮮血に視界を奪われ、ゴロゴロと地面を転がりながらソーマタージは哄笑した]
[自分の血とヴァイスの鮮血、それと破片や埃で斑に染まった身体を無理やり起こし、両目を赤く光らせて中指を立てる]
ナメるなよ間抜けども!次はこっちがアタックする番だ!
[消えていくボーダーブレイカーに悪態をつき、その姿が完全に消えたことを確認する]
[せめて死体だけでも調べようと思って振り返るも、それすらも消えていた]

//ありがとうございました!乙です


236 : アルコ  ◆8CzRpFh86s :2016/02/11(木) 01:00:22 ???
>>233
「……」

アーマーをパージした男は満身創痍で、しかし更に悪辣
周囲の強者たち全員でかかっても、今のままではそれほど余裕がないかもしれない
弓の破壊――即ち獣化すらも視野に入れた、が

「終わった…か」

静寂しか、訪れない
ほっと息を吐く。どうやら生き残れたようだ
だが、終わってはいない。敵は倒せた、それだけだ

「この奥で目的を果たせるんだろう?
早く行こうじゃないか」


237 : アグラーヤ >>336 :2016/02/11(木) 01:13:02 ???
>>233
「あらあら、ブッサイクぅ……。さっきの鎧纏って暮らしてた方が良かったんじゃなぁい?」

剥がれ落ちたアーマーから露わになったオンモの凶悪な表情と、未だ衰えぬ闘志に辟易して溜息まじりにぼそり。
しかし彼がこのまま行く手を遮り続けるならば排除するまでだ。その目的に何ら変わりはない。
多少の疲労を噛み殺しながら地に降り立ち、生身となったオンモを睨むも彼はすぐにその場から消え去った。
よく聞く雑魚共の台詞をここでも耳にする事になろうとは、しかし彼の戦闘力は身をもって体感しているが故に唯の捨て台詞にしては重みがあるものであった。

「全くぅ……あの子を治すのにどれだけ疲れなきゃいけないのよぉ。
無事に帰ってきたらとことんこき使ってやるんだから覚悟なさぁい……お馬鹿」

戦闘の勝利が目的ではない。あくまでこれは目的を達する為の過程である。
過程を終えアグラーヤはその先に待つ目的へと、守るべき大切なモノを取り戻しに向かった。


238 : いま、そしてここで :2016/02/11(木) 22:41:57 ???
「……やったのか、流石だ」

ニアとムガ、それと自身の負傷箇所を細身のディープメイカーで抑えながらノイン
彼女のディープメイカーの体液は僅かな治癒効果を持っているのだという
同じように負傷者に対しての応急手当を始めようとするだろう
最もそれは移動ながらの事ではあるが

「妨害に失敗したと判断したんだろう、雑兵共も引いたよ」
「……行こう」

破壊の痕跡残る鬼の広間を進み、更なる奥地へ
途中、地下へ至るエレベーターを心細い電源で下ればかつての姿をほぼそのまま残す区域へと出る
頑強な防壁をアユルのカードキーで開き、歩く

「……あれだ、『博士』の……」

一画だけ、焼け焦げている箇所があった
その先へも道は続いているようで、廊下はまるで悪魔の口の様に黒く開いている
一同は進む、煤の溜まる灰色の廻廊を
拓けた場所へ出た、恐らく廊下の突き当たりの部屋であった場所
燃え方は一段と酷く、火災或いは爆発の中心部であったであろう事が分かる

「……」

ノインは静かに、壁のパネルを開いた
カードキーを飲み込ませると、また廊下
耐熱性の隠し扉の奥はぼんやりと仄かな照明に照らされた白
扉の開閉に従って柔らかな風が吹き込み、煤が舞う

「……到着、だな」

そしてその最後の扉に、手を当てて開いた


239 : いま、そしてここで :2016/02/11(木) 22:43:01 ???
『……ここに来たという事は』

目も眩む純白の空間
リノリウムの床が続き終着点、ガラス張りの奥に眠る、茨が如きコードに包まれたその姿

『君は『ニア』、或いは『ニア』と関わりを持った人物なのだろう』

白磁気の肌にアッシュグレイの髪、瞑られた瞳はそらのブルー

『私では、私だけでは『ニア』を兵器として産み出す事を止める事は出来なかった』
『『ニア』は生命だ、新たなるいのちのカタチだ』

しかし見れば片腕が無い、不完成なのだろうか

『これは私の身勝手に対する、いや、それを重ねる贖罪だ』
『……どうか、この……』
『私の最後のタェンティースを』

だけれどもその素体が放つ完成度と気配は圧倒的だ

『決して戦闘兵器だけとしてではなく』

ニアが恐る恐るに歩み寄り、寝台に大破した半人を寝かせる
そうする事が正解なのだろうと本能で察した

『天土を見、万物を聞き、感じ、』

ぴ、と軽い電子音
寝台が沈み込み床に飲み込まれた
不安はない、ただ次の刹那に起こる事に対してのある意味期待があるだけなのだ

『時に戦い、時に遊び、そして歌い、人と共に希望へと歩み、』

半人の姿がガラスの奥に出でる
茨が繋がれ、それは生命を得たように仄かに明滅を始めた

『お願いだ』

『光溢れる世界に、羽撃たかせて欲しい』

短い合間、続いたその後
ふたつの影が重なりそれらは有機的な融合を果たす
欠けた部分を補い合うようにして新たな姿を型取り、産まれる

『『タェンティース・イルム』』
『……これの覚醒を持って、『プロジェクト・タェンティース』の完了とする』
『……あぁ、ギャラエ……これで君は……』

優しい甘い淡墨色の霧が、ふたつに別れたガラスの奥から溢れた
ゆっくりとそれらから放たれるように、スローリィに焦れったくだが確実に訪れるそれは
その場に降り立ち、閉じた瞳をそのままにそらを見てから弱く震える
ややあって眼差しを一同に向けてから、困惑した風に自身の両手を見た
青いレオタード状のバトルスーツに身を包んで、自分はそこにいる

「……ァー、アー、おはようございます、おはようございます、」
「現在外気温19度、湿度7%……」

声帯は以前と変わらない、否ほぼ全ての一切が彼女を示すパズルのピース
その一挙一動迄も全てが、タェンティースである事を語っている

「……また、大きなご迷惑をお掛けしました」
「はぁ、もう……本当、すみません」

恭しくしかし嫌味っぽさをまるで与えぬ所作での一礼
その後、少し傾げて苦笑


240 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 :2016/02/11(木) 23:05:33 ???
>>239

「………」

 感動の対面とばかりに一際大きくホロディスプレイを表示させているα-12。
 再起動で自我も失われておらず本当に良かったと万感の思いである。

【表示されていた内容とは――!!】

〝機能停止中も利子は通常営業中デシタ!〟
〝借金たんまりなのでそのボディ、イキナリ借金のカタな!〟
〝新ボディはこっちで用意しているな。カワイイな最新型ボールボディ〟

 余韻も何もかもぶっ壊す気満点…言い換えればいつも通りアレなガスマスクが居る目覚めであったろう。

(まあ、冗談は本気とシテ(ヒドイ!)、寝台からデータ吸い出したり、色々やっておきたいコトは沢山デス。
 …???しかし、なんか、違和感ありますネ。秘密主義の変人集団とこの『博士』がどうも一致しなイ?
 それにニア…タコタコ=サンの事なのか別の何かを指しているのか)

 珍妙ギャグをかましながらも色々思案なα-12であった。

(…姉様(あねさま)もこれでオールオケーです。探し回った甲斐がありましタ)

 と、決して表には出さない言葉を嘆息に変換して一息つくのであった。


241 : アグラーヤ >>336 :2016/02/12(金) 21:26:45 ???
>>238-239

言いたい事は山程あった。
馬鹿だとか間抜けだとかジャンクだとかの罵詈雑言。
心配をかけた事やひとりで危険に臨んだ事、自身の安全を顧みない行動に対する説教。
しかしそのどれもが口を突いて出る事は無かった。口が動くよりも先に、考えるよりも先に身体が動いてしまったのだから。

こつん、靴底がリノリウムの床を叩く音が響く。ゆっくりと刻まれるその鼓動は次第に強く、疾く。
乾いた響きのクレッシェンドは逸る気持ち。最早想い焦がれた存在は目の前にあるというのに、否だからこそ押し留めていた感情が決壊したのだ。
彼女を探す為世界の境界を越えてより何年が過ぎたか、漸く再開を果たしてどれ程の月日を共にできたか。
もう失いたくはない。せめてこの最後の心の拠り所だけは。

もう少し、手を伸ばせば届きそうな距離まで行けば大きく床を踏みまるで子供の様に飛び付いた。
アグラーヤの華奢な体躯と足の遅さ(100m22秒)故にこの程度の衝撃でタェンティースが倒れてしまうことはない筈だが、それでもいきなりの事で面を食らうことだろう。
弾んだ呼吸を整えつつも漸く再び触れる事の叶ったタェンティースの身体を愛おしそうに、そして力一杯に抱き締める。
時間にすれば10秒程度だろう、そうしていたのは。しかしまるで時が刻むのを止めたかの様な静寂、それに終止符を打ったのは竟に口を開いたアグラーヤのたった一言。

「おかえりぃ……タェンティースぅ」

声を上げ泣く事はしない。失ってしまった訳ではないのだから。しかしながら涙腺から込み上げる暖かなもの、安堵感から来るそれを止める必要はないだろう。
怒りでもなく悲しみでもない。アグラーヤの浮かべる表情は慈愛に満ちた微笑みだ。
尤も抱き締められた格好のタェンティースにそれを見る事は出来ないが、アグラーヤの発した一言、その声色から彼女が今どんな顔をしているのかがわかることだろう。


242 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/14(日) 22:32:25 ???
2033アメリカ、ジョシュアのセーフハウスにて…

「ったく、ミスカにチョコをせびりに行ったはいいものの、まさかバレンタインの風習そのものが無かったなんてな…」
「オルティアに至っちゃ全く連絡すらつかねぇし…一体何してやがんだァ…?」

高級オーディオシステムに大音量で恋の歌を響かせながら、カウチに腰掛け肩を竦めるジョシュア。
そんなジョシュアの隣に収まるようにして、申し訳なさそうに俯きながらミスカは縮こまっていた。

エリュシオンでのことだ。ジョシュアらはチョコレート欲しさにミスカの宿舎までわざわざ出向いてチョコレートをせびりに行った。
しかし結果はどうだろうか、そもそもエリュシオンにバレンタインという風習自体が存在せず、あえなく撃沈したジョシュア。
だがどうしても諦めきれず、結果としてジョシュアがミスカにチョコレートの作り方と、バレンタインの風習を教える事になったのだ。

つまりは手の届かない場所に生っている果実を食べたいが為に、地に落ちた果実の種から果実が生るまで木を育てるようなものだ。

『あはは…すみません…ところでバレンタインって何なんですか?』
「良い質問だ。現代においてバレンタインってのは何かしら理由をこじつけ、女がホレた男にチョコを渡す日…」

『…惚れた男の人に…?』
「……が、現在においては既に形骸化し、無差別にチョコをばら撒く日になっちまってるなァ」

それじゃあジョシュアは元より貰えるはずがないのでは、と首を傾げて思案するミスカ。
ジョシュアはそこにすかさず付け加える。今日に於いてバレンタインとは貰った義理チョコの数を競う日であると。
そんな取って付けたような説明にも、人を疑う事を知らないミスカはまんまと引っかかってしまうのだった。

「ここ(アメリカ)じゃチョコケーキとか溶けたチョコを黒塗りの車にブッかけんのが主流だ」

ミスカに嘘の情報を流し、ついでに恥も掻かせてやろうとジョシュアは右手で押さえた口元に暗黒微笑を浮かべている。


243 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 :2016/02/14(日) 22:41:00 ???
>>242

「郵便デス」

 通りすがりのクローントルーパーが重大な任務を帯びて通りかかる。
 越境者のお二人にぽいっちょ。そしておさらば。

【手紙と内容:バレンタインなる風習があると勉強した。くれてやる。イムカ】

 ミスカにカロリーメイト(チョコ味)。
 ジョシュアに板チョコ。

【真意は不明。なにせ風習に疎い天然さんのやることである】


244 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/02/14(日) 22:41:06 ???
>>242
「ならっ、表の車に早速やって来ましょうってんですかねぇ」

と、ジョシュアの車を示してぽつり
黒塗りではないかもしれないが車は車だ、違いあるまい
ともあれつい今し方セーフハウスにやって来たニア
ちょっとした紙袋を両手にぶら下げている

「ジョシュアには沢山お世話になってますからねっ、2個っ」
「ミスカにもはいってんですっ」

そこから3つの小箱を取り出して各々に手渡し
どうにもグレード云々ではなく個数のでの表現らしい


245 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/02/14(日) 22:44:41 ???
>>242
「教えてあげよう ミスカ バレンタインとはオランダ領アンティル出身の野球選手で東京ヤクルトスワローズに在籍し 年間本塁打60本という金字塔を打ち立てた強打者のことだ!!」

早々にボケ倒すのはスペイン人の落書き屋

「冗談は兎も角として バレンタインって親しい人にカードとか送るヤツじゃなかったっけ? ホレジョッシュ・・・とミスカ」
そう言って【From Your Valentine】と書かれたメッセージカードを差し出す 西欧ではこれが普通なんだってさ

―――ギィ!!
そしてベティはジョシュアに小さな菓子を差し出した 

つ【チロルチョコ きな粉モチ】
・・・・・たぶん義理チョコ


246 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/02/14(日) 22:50:11 ???
>>243
「あ、これっ」

と、素早くおさらばするそのお荷物にこっそりチョコの小箱を忍ばせるのであった
α-12とイムカ宛である

>>245
「へぇ……」
「てっきりチョコレートの日なのかとっ……」

そんな訳でどうぞ、とアキレスに小箱二つを差し出した
ベティにも1つ

「お世話になってますってんですからねっ」

まだまだ紙袋の中身は余裕があるようで、結構な数を配る予定らしい


247 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/02/14(日) 22:59:08 ???
>>243
―――ギィ!!
>246のニアに続き こっそりとチロルチョコを忍ばせるベティ
宛先等を書いてないので α-12にすべて食べられてしまう可能性大

>>246
「チョコを贈らないってぇわけじゃないけど カードとかの方が一般的なんだよ あぁありがと」
―――ギィ♪

小箱をもらい お返しにカードを手渡すアキレス
ベティも嬉しそうに箱をもらい

―――ギィ!!
つ【チロルチョコ コーヒーヌガー】

多分友チョコ

そしてさっそくアキレスに箱を開けてくれと頼むベティなのでした


248 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/14(日) 23:01:23 ???
>>243
「……モ○……ナガ……?」
『これ…何だろう…?』

二人は郵便と称して自宅に押し入ったトンチキヘッドにより差し出された荷物を無事に受け取り、
見慣れないメーカーに、ジョシュアは目を細める。帝国産なのだろうか?と
一方のミスカはカ○リーメイトが何なのかすら理解していないようだ。

メッセージを読み、意図を悟ったジョシュアは口元を押さえて吹き出しそうになるのを堪えながら、
駄賃にとチョコクッキーをぽいとジャッカスの口へ押し込み、さっさとセーフハウスから押し出す。

『あ、分かった…湿気取りだ!イムカさん優しいなぁ…』

ミスカはミスカで、カ○リーメイトの使い道を見出したようだ…

>>244
「…待て、分かった。待ってくれ…」

必死の静止、もう一度洗車する羽目になるのは御免である。

「お、おう…二個…ね」
「そういやタェンティースの野郎はちゃんと復活したのか?」
「アグラーヤのヤツは泣き虫だからどうせまた泣いたんだろォが」

同一人物から複数個貰うのもカウントして良いのだろうか、いや、きっと良いのだ。
ともかくこれで朝方からの涙ぐましい努力によって20個目のチョコレートを手に入れたジョシュア。
後はトゥウィーカーとインストグラムに投稿するだけだ。
ついでにニアへタェンティースの無事を聞いてみる。この男、ボーダーブレイカーの退却と共に何も言わず去っていったのだ。
それはラヴレスを死なせてしまったことで、彼女に顔向けできないと感じているからなのであろう。アグラーヤが何も言わなければいいのだが。

>>245
『それはバレンティンでしょ…』

誰よりも先に反応するミスカ。あまりにもミスマッチだが何故かこの男の存在を知っているのだ。

「そうだったか?元からチョコぶっかける祭りだろ?」
「…アキレス、ベティだが…チョコ食えるか?」

ここは境界線だから(震え声)。細かいことは気にしなくてもいいのです。
ありがとよ、とベティとアキレスからプレゼントを受け取ると、ジョシュアは少し腕を組んで思案顔。
果たしてベティはチョコレートを食べられるのだろうか?
食べられないのなら丁度ジョシュアから逃れるようにミスカの影に隠れている鶏肉を振る舞わねばならない。


249 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/02/14(日) 23:09:27 ???
>>247
「カードってんですかっ」
「うーんっ、メッセージも添えればよかったってんですねぇ……」

うむむと腕を組んで唸り声
まぁ来年そうすればいいやと直ぐに気を取り直す

「あ、ありがとってんですベティっ」

因みにニアの渡した小箱はハート形の缶であり、中には6粒それぞれ異なる形とお味のショコラが入っている
わりかしお洒落めな、量より質タイプなチョコレートでありベティにはアレかもしれない

>>248
「ええっ、お陰様でバッチリしっかりっ」
「ご迷惑お掛けしましたって、ありがとうって伝えてくれって言ってましたってんですよっ」

最も主観時間の差異により、彼女やアラズからのチョコレートの差し入れはない様ではあるが
尚ニアの渡したチョコレートは↑にある通り、洒落っ気の効いた感じのモノだ
写真写りもバッチリであろう


250 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/02/14(日) 23:22:00 ???
>>248
「・・・おぉ よく知ってたな」
思わぬツッコミに軽く驚いて見せる
そしてチョコBUKKAKE祭りを聞いて

「や〜れやれ これだからアメリカ人はやることが大雑把で困るぜ★ミ」
わざとらしく肩を竦めてみるテスト 本心から言っているわけではないのでご安心を

そして思案顔のジョシュアのすぐ近くでは

―――ギィ♪
アキレスに開けてもらったニアの義理チョコをおいしそうに齧っているベティの図
大丈夫そうだよ よかったね

>>249
―――ギィ♪
そんな質重点チョコをおいしく頂いているベティの図
しかし本当に味がわかっているのか? それはベティにしかわからない

「あ これおいしいな」
アキレスもさっそくチョコを頂いている

「そういえばティースタン復活したんだっけ? またブリキングとかになってないかね?」
と意地の悪そうな顔

>>248-249
そんな中 セーフハウスのドアがガチャリと開かれる

ロイ「よぉ アキレスから今日はチョコを振舞う日だって聞いて作ってきたぞ」
やってきたロイは皆に箱を手渡す

ロイ「それじゃ俺はほかのメンツに配らなきゃいけないんで じゃぁな」
バタンとドアを閉めてどこぞへ行ってしまった

ジョシュア
ttp://www.poire.co.jp/news/1656122_588604947899086_516800839_n.jpg

ミスカ・ニア
ttp://pds.exblog.jp/pds/1/200710/12/20/e0119120_9211944.jpg

相変わらずの技術チートっぷりである


251 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/14(日) 23:27:52 ???
>>249
「…成程な。あぁそうだ、お前を齧ったクソ野郎は俺がしっかり噛み千切っておいたぜ…?」
「ニアの頭くらいかなァ…あいつを食いちぎってなけりゃ俺も死んでたかも…」

タェンティースが復活したと聞けば、どこか安心したような、それでいてつまらなさそうな表情。
ボーダーブレイカーの中身、すなわちクソ野郎ことオンモへしっかりと仕返しをしておいたこともちゃんとニアへと伝える。
ニアの頭をわしわしと強めに撫でると、カウチから立ち上がり、両手を挙げて音楽に合わせて
ミスカもそれにつられて立ち上がり、ジョシュアの傍で落ち着かない様子でいた。おそらくキッチンに向かうと勘違いしたのだろう。

「……♪」

ニアから貰った缶のうちの一つをぱっと取り上げ、蓋を開ければ鼻を近づけてその香りを堪能する。
一つ取り上げれば口に放り込み、暫く舌の上で転がしてから咀嚼、頷きながら音楽に合わせて頭を振り続けている。
蓋を閉め、缶の上の部分を持って、通りすがりにこつんとニアの頭に当てた。

「おっと、ミスカも踊りたいのk…」
『あ、私そういうの分からないので…』

音楽に乗りながら偶然近くに居たミスカの手を取ってダンスに誘うが、割と普通に断られている。
ttps://youtu.be/09R8_2nJtjg


252 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/02/14(日) 23:34:07 ???
>>250
「ふふっ、美味しいってんですかっ?」

早速頂くアキレスとベティを前にご満悦
これだと選んだモノで喜ばれるというのは実に嬉しい事である

「情報通だってんですねっ、さすがっ」
「あははっ、今回はちゃーんと治ってましたってんですよっ」

最も、丸く可愛い転がるボデーにされ掛けてはいたが

「……あっ、ロイっ」
「これ、手作り? ……むぅ……」

なんとも女子力極まる細工の細かさに唸る
嬉しいは無論嬉しいが、既製品で済ませている自身がどうにもアレだ
一応ロイにもおずおずと2つ、小箱を差し出してはおいた

>>251
「えっ? あ、あははっ、ありがとうってんですっ」

ややトラウマめいた事態ではあるが、しかし仇を取ってくれたというのは喜ばしい事である

「ふふっ……」

そして陽気にリズムに乗り始める彼を見て微笑み、ミスカとのやり取りを笑う
平和な時間の流れを楽しむ余裕があるという事は幸福だ
思わず曲に合わせてゆらゆらり、体が左右に動いている


253 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/14(日) 23:38:00 ???
>>250
『えっ…?…あ、いや、なんでもないの…!』

慌てて顔を赤らめ、両手を振って誤魔化す。
どうやらミスカ嬢は”YAKIU”なるエリュシオンに存在しないスポーツにそれなりの興味を示していたご様子。
酒臭いおっさん達に囲まれながら見様見真似でタオルを首に掛け、ユニフォームを着て観戦している様子がたまにズームで写されていたり。

「…大雑把…?」
「チョコでグラフィティ…いや、なんでもない…」

大雑把と言えばアキレスのグラフィティを思い出すジョシュア。
大胆にカットされたステンシルに、叩きつけられたような筆遣い。大雑把な落書きと、緻密な芸術の側面を持ち合わせたまさにそれだ。
チョコレートでグラフィティとか作れば話題になりそうなものであるが、ローチが大量発生した光景を同時に思い浮かべてしまい断念。

「オッサンの手作りチョコなんて貰っても…なァ…」
『…ロイさん、ミスリルメイカーなのかなぁ…?』

颯爽と現れたロイから手渡されたチョコを眺め、顔を見合わせる二人。
ジョシュアはクルリとガンスピンしたチョコを手に持っていたニアの缶へと収納。
ミスカはロイがどうやってこれを持ってきたのだろうと気になって仕方が無かったようである。


254 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/02/14(日) 23:49:30 ???
>>252
―――ギィギィ♪
実に嬉しそうに体を揺すっている おいしいってさ よかったね

そして小箱を受け取り 部屋を出るロイ
道中箱を開けて1つ齧ってみる

ロイ「ふんふん・・・?フム・・・美味いじゃないかコレ・・・今度マネしてみるか」
後日ソックリなチョコをこさえたロイが訪ねてきたそうな

アキレス「あ〜ニアタン・・・・ロイのおっさんがトンデモ性能なのは昔からだし あまり気に病まなくてもいいと思うよ?」
そして心中察したアキレスがフォローを入れるのであった

>>253
「彡(^)(^)<ええんやで?」
その眼はやさしかった

アキレス「俺は野球よりサッカーの方が好きだったから 野球ってよくわからないんだよね 実のところ」
尤も 決して無知ではないのだが

「・・・・・」
ジョシュアと一緒になって想像してみる チョコレートなグラフィティ
そして┏( ┓0w0)┓が集る様子もまた

「ジョッシュ 俺も大雑把でいいや」
そしてこんな感想を漏らすのであった

「イムカタンの言葉を借りると あのオッサン無駄に多芸だし いいんじゃない?」
自らももらった リボルバータイプのチョコを手に取り

「ジョッシュ ロシアンルーレットでもするか? 弾は出ないがな」
笑っ手銃口をこめかみに当てトリガーを引くが チョコ故にシリンダーすら回らない


255 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/02/15(月) 00:01:02 ???
>>254
「よかったよかったっ」
「……そういえばっ、またちょっぴり大きくなったってんですかねっ……?」

屈み込みベティの甲羅を撫でようとして手を伸ばす
そして出会った時のサイズからの変化を想起し、感想として漏らした
ニアの3年と数ヶ月を生きた中で最も長くを過ごした世界での事も同時に浮かび上がる

「むむぅ……」
「か、家庭料理ならっ……!」

サバイバルでは完敗、お菓子作りでもしかり
ならば自信のあるジャンルで自己を保つしかないのだ
最もそれで負けたら立ち直れなそうなので直接勝負なんて出来やしないが


256 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/02/15(月) 00:08:49 ???
「よォ、よォ、よォ、乗ってきたぜ…!」
「Sugarといやァ今日、友達から教えてもらった曲があった…」

徐々にダンスに本腰を入れ始めたジョシュア。なんだかやけに浮かれている。
音楽を切り替えるといっそうダンスを激しくさせ、MVの振付とぴったりリンクする。

「っしゃ!夜通し踊るぞ!チョコ作るのなんざその後でいい!」
『えぇ!?』
『あ、ジョシュアさんが食べたのって…!』

楽しそうなのは構わないのだが、。明らかに尋常の精神状態ではない。
何かを察したミスカが、もう一つの缶を開け、ニアにごめんねと告げてジョシュアと同じチョコをぱくり
……中身が何かはお察しの通りである。ジョシュアはシリアスシーン以外では極めて下戸というか酒に弱いのだ。

ttps://youtu.be/bvC_0foemLY

>>252
「よォニア、お前もどうだ?ミスカはどうもアキレスをご所望らしくてなァ…」
『なっ…違うもん!……ますよ…』

楽しげに身体を揺らすニアを見て、ジョシュアはきらりと目を光らせた。
2000m先の得物をも射貫く狙撃手の眼光である。ニアへと声をかけるとミスカをぱっと手離して、
一方のミスカはジョシュアにからかわれ、顔を赤く染めながらそれを否定している。

「ささ、どうぞお姫様…♪」

ジョシュアはニアへと手を差し出し、そしてにこりとほほ笑んだ。
手を取ればそのまま引き起こし、音楽に乗ってやや激しめに踊り始める。

>>254
「ははッ!、トリガーが折れちまってるじゃねェか…」
「その銃はもうダメだな、俺のオートマチックで良けりゃ、ロシアンルーレットさせてやるぜ?」
「モチロン、お前から…な」

けらけらと笑い声を上げながらアキレスのリボルバーを指さすジョシュア。
彼もまた缶から再び拳銃型チョコを取り出すと、アキレスの顔へとそれを向け「BLAM」と呟いて引き金を引く。
持ちろんぽきりと折れた引き金、ジョシュアは空中でキャッチして口へと放り込んだ。

『アキレスぅ…ジョシュアさんどうにかしてあげて…?』

ミスカは上機嫌のジョシュアがあまりにもウザいと仲裁を所望している。
ジョシュアを止めるのもいいが、まぁ半ば無理矢理ダンスに巻き込むなりしてもきっとまんざらでもない筈だ。


鳴りやまない音楽の中四人揃って、時たま訪れる訪問者の乱入を何度も経ながら。
こうしてバレンタインの砂糖漬けの、甘い、甘い夜は騒がしく更けてゆくのであった。

後日、おかしなテンションのまま四人がかりで作った、ガッツリ気合いの入ったケーキタワーがイムカとロイ、そしてトンチキヘッドの前に差し出されるのであった。
当然彼らで食べきれる量でもなく、それを目にした三人が困惑するのは明らかであるが、それはまた別のお話。


257 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/02/15(月) 00:16:28 ???
>>256
「……アルコールが含まれています、お子様や体の弱い方は……ってありますけどぉ……」

なるべく誰でも大丈夫そうなモノをと選んだつもりが、予想外の人物にヒットしてしまったらしいと苦笑
まぁここがこの場所でよかったとも言える、外でこのテンションになってしまったとしたら阿鼻叫喚の絵図になったとしてもおかしくはないのだから

「あ……」
「……むぅ……」

手を取られれば仕方なしとだが満更でもない風にして踊り始めた
とはいえずんちゃかずんちゃか、リズムに乗って体を動かすだけだが本来踊りとはそういうモノである一面もある
つまりは当人や、当人達が楽しめればそれで完結するのである
カカオの香りのする夜に、賑やかで楽し気な狂乱が続く

//ありがとうございました、また宜しくお願いしますっですよー


258 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/02/15(月) 00:18:25 ???
>>255
「次の脱皮はもうちょい先かな? また抜け殻をどこかの世界に放置しようぜ」
意地の悪い笑みを浮かべる そういえば未知の巨大サソリを捕まえようとしていたことを思い出した

そして家庭料理に自信ニキなニアにやさしい笑みを浮かべ

「カテルトイイネー」
中身のないエールを送る

>>256
「うわぁ〜やられた〜」
ジョシュアに撃たれ 胸を押さえながら苦しんで見せるテスト

―――ギィ♪
そして折れたトリガーはベティが拾っておいしく頂きました

「え〜やだよ面倒くさい それよりも」
といってミスカの前で片膝をつき

「お嬢さん よろしければ ボクとダンスを踊ってくれませんか?」
流れる音楽の中 ミスカにキザったらしいことを言って見せるアキレスであった

//そろそろノシ


259 : J ◆4J0Z/LKX/o :2016/03/06(日) 22:06:44 ???
『んでェ……』

1987年平行世界。アドリア海に面した半島国家イタリアの爪先、シチリア島のとある酒場、
ジャズのレコードが流れビンテージの木目調の内装が映える。酒気漂う風情溢れるバーの舞台裏にて。

ギシギシと軋む椅子に腰掛け、紙巻きタバコの紫煙を燻らせる黒髪の青年はフランコ・ルッキーニ。
シチリア新興ギャング、"ルッキーニ・コミッション"のリーダーであり、元空軍パイロットという経歴を持つ。

装備を没収され、丸腰で手枷を嵌められてマスタールームに連れられたジョシュアら、隣では暗殺者の女が跪かされ、涙を流している。
ジョシュアら越境者は彼の酒場で揉め事を起こし、結果として捕らえられる羽目になった訳だが、ルッキーニは今すぐジョシュア達を殺そうとはしなかった。
しばし考え込み、何か思いついたような素振りを見せる。しかし実際には最初からそうする事を決めていたかのように、彼の頭の中には物事を進める手順が既に組み立てられていた。

『俺はジャンゴ・ルッキーニ…ジャンゴでいい。おたくら越境者がなんたるかは心得てる。異能のこともナァ』
『アンタらは俺の店に大損害をもたらしてくれたが…まぁ、俺はアンタらをブッ殺すつもりはこれっぽっちもない』
『ただまぁ、店をめちゃくちゃにしたツケは払って欲しいんだわ。そこの女にも今からツケを払わせるしネ』

「空軍のルッキーニといやァフランコ・ルッキーニが有名だが…この世界じゃこんなクソ野郎とはな…」

『…待て待て待て、お前どうして俺のジイさんを知ってんだ…それにジイさんが有名だと…!?』

態とらしく自己紹介をするルッキーニ。デスクに付き、軋む椅子に座したままでジョシュアら一向に挨拶。
一人とはいえジャンゴの手下を殺してしまった女は、手痛く報いを受けるのであろう己の運命を察して震えている。
ジャンゴは異能の存在や、越境者について軽く知っているという。現に仲間内の痩せた男も、才能は微々たるものながら異能持ちであるらしく。

そしてジョシュアがジャンゴを挑発し罵れば、ふとジャンゴは顔色を変えた。怒りというよりは若干の怖気と奇妙さ。

「何言ってんだ…フランコ・ルッキーニといやァイタリアの撃墜王だ。ましてや本当にジイさんがルッキーニなら、知らねェハズが…」

『…ふーん、アンタらは"冷戦"時代に領空侵犯機を一機撃墜しただけのパイロットをエースと呼ぶワケか…』
『じゃあ"第二次大戦"で45機撃墜した俺のオヤジは超エースって事になるが…』
「…何…?」

女を連れて行くように顎で手下の大男に指図しながら、ジャンゴはジョシュアの話を食い入るように聞く。
そしてジョシュアの話が荒唐無稽な作り話ではないことを承知の上で、再び態とらしい表情を作って話を遮った。
そういう世界もあるものか。心中では、様々な世界線と可能性の存在に心躍らせながら。
現時点ではジョシュアらに選択権はなく、今の所はジャンゴの言いなりになるしか無さそうだ。落とし前と割り切るか、反撃の機会を伺って彼を縊り殺すのもまた手段である。



翌日、トラックの中に詰められ、ジョシュアらはシチリアから遠くナポリへと向かう旅路を揺られていた。
ジョシュアらにはジャンゴから支給品のような形で装備が与えられているが、どれもこの世界で流通しているものばかり。
現代基準の装備と比べられては、どれも見劣りするものばかりである。
しかし剣や銃器など、ある程度のカテゴリは網羅してあるらしく、より取り見取りとはいかないまでも装備品に困る事はなさそうだった。

「…どうやらジャンゴの話を信じれば、ここは1943年に日独伊ソ4連盟と連合国との間で冷戦が勃発し、1964年にドンパチやり合った世界らしい」
「政府がグチャグチャになって金を持ってるマフィアが国を支配してる理由が分かったぜ。ここはまるでメキシコだ」

トラックの荷台から見える景色。ヴェスヴィオ山が近付いてくれば、ジョシュアが唐突に口を開く。
ジャンゴ・ルッキーニはジョシュアの世界では元より誕生していない可能性が高い。つまる第二次世界大戦の回避によってかの名パイロット、フランコ・ルッキーニが生き残り、天寿を全うした世界である。
フランコが若くして死を迎えたジョシュアの世界では、まずジャンゴの父となる人物が誕生していないのだ。

現代に近しい世界だというのに、この荒廃ぶりも納得がいく。スラムほど酷くはないが、80年代風の近代的な街並みに似合わず殺しや紛争が断続的に起こる国である。


260 : J ◆4J0Z/LKX/o :2016/03/06(日) 22:10:54 ???
『着いたぞ、ここがナポリ。戦争で一旦更地になったが、今じゃストリートレーサーの天国だ』

不意にトラックが止まる。ドアを閉める音が二つ続き、運転手の男ともう一人がトラックの荷台を叩いて合図。
トラックのシートを捲って降りれば、待ち構えていたジャンゴが両手を広げながら街並みを見せつける。

この世界のナポリは戦禍に巻き込まれ一度消し炭となった。しかし連合国の経済援助により運送の要所として復活を遂げたのだ。
経済の要である港に、街を横断する大きな国道、ヴェスヴィオ火山には峠の様な曲がりくねった道が続き、そこから都市圏へと道は続いている。

つまりはレースにうってつけの土地だ。峠で"ヘタクソ"をふるい落とし、生き残った者のみで現代のモナコよろしくストリートレースに突入する。

『…話は簡単だ。俺のイタリア征服大作戦に付き合ってくれりゃお前らは無罪放免にしてやるよ』
『だがそれには昨日言った通り、いくつかメンドクセェ仕事をこなさなきゃならないってワケよ』

『二大マフィアとヤり合うにはアシが必要だ。だから俺のバーの常連で、越境者の凄腕ドライバーをヘッドハントする…イタリアで最速のストリートレーサーだ。きっと最強の運び屋になる』
『本名不詳、素顔は誰も見たことない。皆はそいつの事をHAZE(霞)って呼んでる。狼のバイナルの入った、見た事もないクルマに乗ってんだ…しかもメチャクチャ…速い!!』
『な?最高だろ?ちなみにこの店にあのテレビとオーディオを届けてくれたのもヘイズだ』

『お前らの仕事はカンタン。街を徘徊してヘイズを探せ。ジョシュア、お前はストリートレースに出場しろ。ヘイズは事前登録でハジかれるから、いつも勝手に乱入して来やがるんだ』

越境者らに任せられた仕事は今日開催されるレースを目当てにここを訪れるであろう越境者、ヘイズ(HAZE)と接触し勧誘することだ。
彼を足掛かりとしなければまず弱小ギャングに二大マフィアと抗争を繰り広げる機会は訪れないとジャンゴは考える。
逆にヘイズを手に入れれば、二大マフィアに負けない物資調達力を手にすることが可能だ。それ程までにトランスポーターの質は通常なのである。

『俺たちルッキーニ・コミッションはシチリアで一番力をつけてる新興ギャングだ。動向は常に監視されててもおかしくない』
『多分二大勢力からの干渉があるだろ、お前らを使いっ走りにするのはそういう事だ。だから気を付けろ。出来れば死ぬな』
『ヘイズを見つけたら、まずは装備の半分をを返してやるよ。幸運を祈るぜ厄病神共』

越境者達に手下をいくらかつけると、ジャンゴはジョシュアをレース用の車に乗せ、助手席に乗って会場へと向かう。ヴェスヴィオ火山だ。
残った手下はバーで接戦を繰り広げた四人。アキレスと闘った大男ヴィンチェンヅォ、ニアと相対した瘦


261 : J ◆4J0Z/LKX/o :2016/03/06(日) 22:13:53 ???
ニアと相対した異能持ちの男シルヴィオ、イムカに無慈悲パンチで脇腹を抉られたパニーノ、そしてジョシュアと壮絶な殴り合いの末ベティに止めを刺されたベルナルドである。

【越境者達に、ジャンゴからメモが渡される。今日すべきことの要点が、短く纏められ示してある筈だ】
・凄腕ドライバー、ヘイズを探す
・ヘイズが乱入するまでに見つけられなかった場合は、ジョシュアがなんとか追いついて説得する
・ヘイズを見つけたら、オーディオの事を謝る(特にジョシュア)


262 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/03/06(日) 22:27:11 ???
>>259-260

「そこの女は煮るなり焼くなり好きにして構わんが、我々はただ巻き込まれただけなのだがな?」

 ジョシュアとジャンゴの説明を聞いている間、
 イムカは勝手に手枷を外し、腕を組んで説明を聞いていた次第だ。

【とことん捕虜らしくない態度であるが、他の仲間を見捨てるという選択肢が無い以上は、
 手枷があろうが無かろうが構わんだろう、というのが強弁を貫いた。要するにいつもの唯我独尊であった】

 -----------
【ナポリにて】

「やる気が起きん」

 開口一番、イムカは早速言った。
 ぶっちゃけバカンス中だった事もあり、酒場での襲撃で所有していたのは粒子短銃が一丁。
 ここで無くしたとて、現地で組み立てればいいだけで、さして惜しくはないのだ。

【しかし…である。自分はそうでも他のメンバーは事情が異なるであろう。レースにジョシュアも回されてしまった。
 こうなると、ここで、放棄して皆殺し、というのも筋が違うだろう。厄介であるが】

「逃げはせん。が、そもそも人探しを土地勘も無い我々にさせるのはアレか?越境者は引かれ合うとかいう。
 なら、勝手にするさ。運がよければ接触できる」

 それだけ言うと、イムカはさっさと酒場に行こうとする。本気でやる気が無いのか何なのか。

「…情報収集というタテマエで酒でも飲んでるさ」

【→情報収集行動:酒場へ】


263 : ニア・シューペリオリティ :2016/03/06(日) 22:28:52 ???
>>259-261
「……」

ニアは極めて不満気に腕を組み、押し黙っていた
それは無論腰に帯びた剣にある、愛用そして大切な相手の形見の月光ではない
没収の憂いを見た月の光を取り戻すべく、ニアのこの作戦への参加は不可避なモノになったのだ

「探せったってぇ……」
「……そんな簡単に見つかるようなもんだってんですかねぇっ……」

不機嫌を隠す様子すらなく、何時もよりやや低めの声
なんとなく道路を走る車を見やるが、ぶっちゃけ全部同じに見える
溜息ひとつ、身に着けるアオザイ風のブラウスの裾を寂しげに眺めた
いつもそこにある月の輝きが、今はない


264 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/03/06(日) 22:33:54 ???
>>259-261
「っかしーな〜 俺の知っているジャンゴは変なサングラスかけてたり 催眠術使ったり ダンスで無罪判決もぎ取ったりしてたんだがなぁ」
某海賊漫画参照

―――ギィ!!

こちらもまた手枷を嵌められた状態でそんなことを宣う流浪のアーティスト
なおベティは簀巻きにさせられてぶら下がり運動なうでご立腹だ

〜それからどうした〜
「それでも我がスペイン王国は内戦でズタボロ〜で戦争どころじゃなくて中立保ってくれてんだろ?」
トラックから見える街並みを眺めながら言葉を返す

「しっかしこれがあの歴史地区で有名なナポリかよ これなら見なくても死んで構わねぇな」
―――ギィ!!

トラックが止まったので降りることにする ベティは窮屈な車内から解放されてご満悦だ

「さて・・・と・・・?」
辺りの建物を見る ストリートレースは町中を走るのか?
そして周辺に高い建物はあるか?

それらを入念に確認 それ如何で自分の仕事が決まるようなものだ

なお今の自分はベティ以外は何も装備していない状態である


265 : レディ・ブラウン :2016/03/06(日) 22:50:54 ???
捜索が始まれば越境者らには各自に無線機が渡される。
それぞれジョシュア以外のメンバーと自由に連絡が取れるようになっているようだ。
ジョシュアとジャンゴは一行から離れすぎており、連絡は今の所不可能なようである。

>>262
パニーノ『…分からんな』

イムカの隣に腰掛け、強めの酒をあおる黒いシャツの壮年の男パニーノ。
唐突にイムカへと語り掛け、逃げ出さなかった理由を問いかけた。
この男からしてみれば、他の面子を置いて逃げ出さなかったことが納得いかないらしい。

パニーノ『お前さんだけなら俺達を皆殺しにも出来るだろうに、何故そこまでして仲間を守る?』

バーでの戦闘の時も関与しなかった位だ。見捨てて逃げるなど造作も無いはずだと。
越境者同士、今まで共に過ごした時間を、この男は思慮には入れていない。
この唐突なる死が普遍的な世界に於いて、あまり仲間意識というものを持ったことが無いのだ。
所謂はみだし者の、放浪者だったのである。

>>263
シルヴィオ『…あの剣、そんなに大事なシロモンだったのか?』

いつもとは異なる雰囲気の、明らかに表情に暗さを帯びたニア。
痩せぎすの男シルヴィオは、そんな彼女の様子を期に掛けているようだった。

シルヴィオ『まァ気にしなさんな。ウチの頭はイカれてるように見えて意外とビビりなんだ』
シルヴィオ『殺しはしねェのがウチのモットーよ、まァ…』

ダグラスの月光を溶かして鍛えなおされた三つの欠片の内の一つ、イグジートの安否。
言う事さえ聞けば、いつかはニアの手元に戻って来るだろうと彼女を励ます。
悪ぶりたくても悪になりきれない、はみだし者ではあるが甘ちゃんの集まりであるのだ。
尤も、絆の強い組織だ。仲間を殺されれば、その報いはしっかりと受ける事になるだろう。

>>264
ヴィンチェンヅォ『………』

アキレスに同伴するのは戦闘中とは打って変わって無口な大男、ヴィンチェンヅォ。
そしてアキレスと同年代程の刺青の男、ベルナルドである。
ベルナルドはストリートレースの序盤の舞台となる国道を偵察し、ヴィンチェンヅォはゴール付近の海沿いを気に掛けている。

ヴィンチェンヅォ『そうだ、お前…』
ヴィンチェンヅォ『……モノマネしたら…殴られるぞ』

ふとヴィンチェンヅォが昨日の事を思い出したようでアキレスに背後から声をかけ、
ポケットに差していた割れたサングラスをアキレスに見せる。どうやらこれで痛い目見たらしい。


266 : ニア・シューペリオリティ :2016/03/06(日) 23:04:13 ???
>>265
「見ての通りだってんですっ」
「ふぅんっ……まぁっ、ニアとしてはぁ」
「殺し云々なんかよりっ、預かり物を大切にするかの方が大事なんですけどねぇっ」

唇を尖らせて後頭部を掻いた
やや神経質そうに落ち着きなくそうするのすら、現状がさせているのであろう
ともあれしかし何かしらを起こさなければならない、タイドメイカーで鬱憤を晴らすのは決して今ではないと判断した

「お前はっ、そのぉ……ヘーズっ? の車を見れば分かりますってんですかっ?」
「ならっ、まぁっ……」

質問に肯定が返ればシルヴィオをタイドメイカーで地上8m程の高さにまで持ち上げ、そして探させるであろう
これで騒ぎが起こるようならばそれもまた良し、目標の気を惹ける可能性がある
最も、異能者の頭数を考えればそこまでの大騒動とまではいかないかとの試算ではあるが


267 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/03/06(日) 23:08:57 ???
>>265

「何故と来たか」

 ウィスキーのロックを片手にイムカは少しだけ考え込む仕草を取る。
 が、実のところ、既に答えは決まっている。

「…仲間のためという利他的なモノではないな。至極利己的な理由だ。
 彼等の事が好きだから手を焼いてやろうって気になるだけさ」

 イムカは至極シンプルに返答をした。
 ここで理由だの何だの言葉を繰るのも、あるいは最もらしい利他的な理由をつけるにも違和感があったのだ。

【そうすると、イムカは酒場のマスターと2、3やり取りして、ピアノ演奏の許可を貰った】
【とりあえず酒場で先ずは、好印象を与えるカタチで目立って、情報と接触しやすくするという腹らしい】

 十数分後、黒のノースリーブドレスに着替えたイムカはロングスカートを靡かせて椅子に座る。
 そして、白い指が鍵盤を叩き、演奏が始まった。

【静かな音曲に美しい声を乗せたラブソングであった。指の動き、首筋の動き、目線、全てを演出とする】
【弾力に富んだ情動、そして夜の街、自由奔放な女達と情熱的な男達をイメージさせる曲調であった】


268 : レディ・ブラウン :2016/03/06(日) 23:11:46 ???
>>266
シルヴィオ『この世界にはない車種で…えー、そうだ、リアに”GT”って書いてあったよーな…』
シルヴィオ『ってオイオイ!?何やってんの!?』

ニアと同じようにぼさぼさの頭を掻き、困ったような表情を浮かべるシルヴィオ。
彼がヘイズの車の特徴を思い出し、ニアへと振り向いた時、既にニアはそこから消え失せていた。
異能を用いて街行く群衆から頭一つ、否、頭数多の高さへ昇ることは、確かに索敵もしやすく、目立ちやすい格好ではあるが。

『……』
『……』

どうやら良くないものの気も引いてしまったらしい。黒服の厳つい風貌の男二人が、ニアへと近づいてくる。
コートの中の微かな膨らみを見るに得物は短く切り詰めたトミーガン。”へーず”にはとても見えない。
街中で戦闘をおっぱじめれば、多数の犠牲者が出るであろう。


269 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/03/06(日) 23:13:15 ???
>>265
「さ〜ってなんのことかな〜っと 行くぞベティ ・・・あぁその前に少しお金貸してくんない?」
―――ギィ!!

割れたサングラスのことなど歯牙にもかけず ベティを背中に貼りつけて行動開始

「さてと・・・なんだっけ? ヘイズさんはいつも乱入してくるってぇことだから・・・多分国道から少し離れた場所に陣取ってるんだろ・・・きっと」
近くの露店なり店なりで 今回のレースのコースの地図が買えないか確認

「あぁそうそう 確認しなきゃ」
そう言って通信機をさっそく使おうとするが 同伴の男の名前がいまいち思い出せず

≪お〜い ニ○テ○ドー そのヘイズってのはいつもどれぐらい時間がたったら乱入してくるんだ?≫
ようやっと出てきた名前は少々危ない名前でした

それは兎も角として おおよその辺りをつけ 高い建物の上からヘイズらしき カスタムカーがいないかを確認しようとする


270 : ニア・シューペリオリティ :2016/03/06(日) 23:19:02 ???
>>268
「……見えますかぁっ?」

GT、と書かれているとの新情報
ともあれ矢張り、実物を知るシルヴィオに目利きを任せた方が良さそうだ
少なくとも同じような企業ロゴが描かれた軽トラを指差し見付けたとはしゃぐニアよりは余程

「……あっ」
「少しっ、揺れるかもってんですよぉっ」

続き座り込んで5本を展開
その全てを脚として高速で機動し黒服から距離を取る
因みにこれによりニアの体が宙に浮いた、即ちシルヴィオの高度は先程の倍近くに達する格好となる
一応車道付近を走り、建物の壁を伝い、自身も与えられた情報を元に件の車を探して見てはいる様子


271 : レディ・ブラウン :2016/03/06(日) 23:20:40 ???
>>267
パニーノ『良い答えだが…やはり、俺にはよく分からんな』
パニーノ『お前さんと同じ気持ちを感じるのは…甥のジャンゴだけさ』

イムカの答えを聞けばどこか自嘲的に微笑むパニーノ。
良く分からんと依然口ぶりは変えないが、絆というものを感じたことのない自分へのシニカルなニュアンスもくみ取れるような表情だ。
イムカが席を立てば、カウンターに肘をついてもう一杯頼む。
そうして演奏に聞き入るのであった。

『お嬢さん、助かったよ…うちはピアニストを雇う余裕がもうなくてね』
『常連さん達も久しぶりに演奏が聞けて嬉しそうだったよ』
『こんな店で良かったら…練習替わりでもいい。いつでも来て引いていっとくれ』

演奏が終われば、客の殆どは嬉しそうにイムカへ賛辞の拍手を送る。
目を凝らせば分かるだろうか、拍手を送る常連の中にはコート、シャツとベスト、ネクタイに至るまで黒で統一された男達。
事前にジャンゴから知らされた、二大ギャングのうちの一つ。ボルギーニ・アウトフィットの構成員の特徴そのものだ。
イムカがカウンターへと戻れば、謝礼の一杯と共にマスターが感謝の言葉を述べるだろう。


272 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/03/06(日) 23:33:31 ???
>>271

(なるほど…)

 ピアノを終えて優雅な所作で一礼するイムカ。
 容姿と所作からそうそう安い女とは見られないくらいの演出はできただろうか。
 もっとも、こんな事を続けていたら、最悪、情婦のお誘いが来かねないのがネックではある。

【カウンターに戻って謝礼の一杯を飲む】
【余所者が目立ったカタチであるが、今なら場の雰囲気はイムカの味方と考える】

「ああ、ありがとう。流れでやっているのだけどね。まあ、気ままな旅の最中って奴で」

 クイっと酒に口をつけるイムカ。唇が湿り、少し赤みを差した白磁の肌。
 カタブツ軍人に見えて、実際、自分の武器をそれなりに心得ていたりする。

【談笑を続けるうちに、自然と話の流れを今度のレースに誘導していく】

「で、折角だしレース見物をね。流しとしちゃ稼ぎ時でもあるし。
 そう言えば、ナポリには面白いレーサーがいるんだって?ヘイズ…だったかな?」

 顔を傾けて流し目でマスターを、そして、周囲にも声と視線をさりげなく振り向ける。

「勝手に乱入するって変わり者。なんとも楽しそうな奴じゃあないか?何かしっているかい?」

【普段イムカは知る仲間達が見れば、誰やこれ!?みたいな状況である!】


273 : レディ・ブラウン :2016/03/06(日) 23:34:04 ???
>>269
ベルナルド『ベルナルドだ!レースの地図は町中で無料配布されてる。大イベントだからな』
ベルナルド『ヴェスヴィオの峠を通って国道に合流しそこからは一直線、市街地に入った後に直角に曲がって沿岸に突入』
ベルナルド『港に入ってコンテナの間を抜けて、自動車運搬用のタンカー級貨物船に飛び込めばゴールだ』

アキレスに無線機を用いレースの簡単なコースを教えるベルナルド。
続いてヴィンチェンヅォがアキレスと共に高台へと昇る。市街地の殆どは20m程の高さよりも低い建物で構成されている。
そのため視界はあまり良くはないが、高層ビルのようなものには視界は遮られない。

ヴィンチェンヅォ「…ヘイズは峠の森林にカモフラージュして、国道と合流する時に入って来る事が多いが…去年はそれで捕まり掛けた」
ヴィンチェンヅォ「だから今年は市街地に居ると踏んでる…ほら、読みは当たってたみたいだな」

そしてアキレスの予想は当たっていたようだ。貨物列車の線路を挟んで向こう側、白い車が見える。
低い唸り声を響かせながら走る、フォードマスタングGT。狼のバイナルのj入った、2015年モデルを改造したものである。
距離はここから400m程か、路地裏にゆっくりと駆け抜けて消えた。


274 : レディ・ブラウン :2016/03/06(日) 23:39:23 ???
>>270
シルヴィオ「マズすぎる…っ!!」
シルヴィオ「ニアちゃんせめて俺を降ろせ!射線が通って…うぐッ…!!」

どうやら彼らはボルギーニ・アウトフィットの構成員らしい。
ニアとシルヴィオがホシだと分かれば、即座にトミーガンを抜き乱射。
しかしその対象はニアではない。宙ぶらりんのシルヴィオがいいスケープゴートになっているらしく。
ついに被弾し喘ぐシルヴィオ。傷は浅いが肩の骨が折れた。かなり痛そうだ。

シルヴィオ「異能が使えねぇだろーが!さっさと降ろさねぇとスルメにすっぞッ!!」

静止を聞き入れられずに掴まれ続けてシルヴィオ、遂にガチギレ。
タイドメイカーをボカスカ殴りながら叫んで抗議、市街地ではあるが、本人はやる気らしい。
放っておけばそのうち空中で蜂の巣にされそうでもあるが、ここで降ろしてやるべきか。


275 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/03/06(日) 23:46:13 ???
>>273
《お前自分でヴィンチェンヅォっていったじゃん スペイン語だとビセンテだぜ?》
なお本当の名前を今思い出したようです

《あ〜いよっと・・・おっといたぞ》
例のターゲットを見つけたので早速通信機を使い


《こちらアキレス ターゲット捕捉した 該当の車は・・・》
通信機でターゲットの車種 色 その他の特徴を言って情報の共有を行う

そして路地裏へのルートをおおよそで確認し

「それじゃベルちゃん そこで見張り台よろしく・・・デモンレッグ!!」
脚から青い霧を出し 屋根を伝ってヘイズの元に向かおうとする


276 : レディ・ブラウン :2016/03/06(日) 23:47:01 ???
>>272
パニーノ「……!?」

イムカの態度の変わりように二度見するほど困惑するパニーノを他所に、彼女の周りには常連たちが幾人か集まってくる。
彼等と言葉を交わした後、最後に残っていたボルギーニの幹部らしき男。ウラカンと名乗った男はヘイズの名を聞いて目を丸くした。

『このレースに毎年参戦する謎のレーサー、ヘイズ…アメリカからやってきた”霞”…お姉ちゃんも御目が高いねぇ』
『実は俺達もヤツを追ってるんだ。どうやらヤツを引き入れようとしてるギャングがいるらしくてな…』

大方余所者がヘイズを知っているとは思っていなかったのだろう。
そこで思考は疑念へとシフトせず、目ざとい、いい女だとの思考へ導かれたのはきっとイムカのパフォーマンスの成果だ。
ウラカンが言うには、やはりジャンゴたちの動きは事前に予測されていたようで。

『俺達はやり方は荒いがそれでもこのイタリアを守る警察の代わりを果たしてるんだ。そんな俺達でも捉えられないようなレーサー…』
『そんなもんとギャングが組めば、イタリアは滅茶苦茶になっちまう。だから俺達もヤツを追ってるのさ』
『聞いたところによると、峠じゃいっさい目撃されてないらしい…今年は市街地の、直線後のL字カーブに来るってんで、警備を厳重にしてるんだが…』


277 : ニア・シューペリオリティ :2016/03/06(日) 23:57:18 ???
>>274-275
「街中でやるってんですかっ?」
「あっ……ごめんなさいってんですっ」
「八葉っっ!!」

シルヴィオから苦悶の声が上がればその状態を悟り迅速に行動を起こした
彼を下ろすのと同時、振り返りながらにタイドメイカー8本を展開
跳び上がり宙で転しながら、

「……八相ぉっ!!」

その全てを服目掛け、遠心力を使い射出

「……怪我っ、平気だってんですかっ?」

命中の是非はこの際問題ではない
これの恐るべきは地に落ちた触腕がその衝撃に耐え切れずに破裂し撒き散らす体液にあった
生臭く粘つき、更に煙を立てて揮発していくそれは毒物や爆発物と勘繰るには充分な要素を持ち合わせているのだ
そうでなくとも少なくとも、気を惹く程度の役割は果たせるだろう
シルヴィオをリードするように路地裏へ、そしてアキレスの通信を聞いた

「はーいっ、分かりましたってんですっ」
「あれっ、近いかもっ?」
「……行けますっ?」

触腕をうねらせながらに問い掛けるのはシルヴィオの状態を気に掛けているが故だ
最もここで肯定されれば、その方が速いとの理由で再度タイドメイカータクシーでの行動となろうが


278 : レディ・ブラウン :2016/03/06(日) 23:59:03 ???
>>275
ヴィンチェンヅォ「………アキレス、待…」
ベルナルド『あっオイ!勝手に飛び出すんじゃ…!』

高台の手すりに脚を掛け、飛び出さんとするアキレスを制止しようとヴィンチェンヅォが手を伸ばす。
しかしデモンレッグの加速力に置いてけぼりにされ呆気にとられたまま突っ立っている。
一方ではアキレスに指示を受けたベルナルドが急いで付近の見張り台に上りアキレスを視認する。
しかしヘイズの車をちらりと視界に入れただけで、すぐに見失ってしまったようだ。

ベルナルド『あァクソッタレ!えーとアキレス…ヘイズは6ブロック先の信号を右に曲がった、まっすぐ行きゃメインストリートにぶち当たる!』
ベルナルド『車を見つけても下に降りずに屋根の上を進め!高くジャンプすりゃ見やすくなるはずだが、その分目立つ!撃ち落とされんなよ!』

アキレスに注意を促す。下に降りればその分ヘイズを見失うかもしれないからだ。
しかし屋根の上を飛び移るということはそれなりに注意を引く行動であることを忘れてはならない。
丁度飛び越した眼下のバルコニー、黒づくめの男が大口を開けてアキレスを見上げている。
その手には狙撃銃が抱えられていた。木製ストックの軽量狙撃銃。セミオートタイプで、速射に対応している。
おそらく街中に同じように配置されているのであろう。


279 : レディ・ブラウン :2016/03/07(月) 00:10:37 ???
>>277
シルヴィオ「いてェ…が、出血は少ねー…掠り傷よ!」
シルヴィオ「コッレ・ビアンコ!」

ニアのタイドメイカーから解放されれば即座に異能を発動。
地に手を突いて詠唱、黒服たちの足元が隆起するように凍り付き、靴底が張り付く。
触れた所から凍り付き張り付く、小さな丘状の氷のトラップに脚を取られている間にニアの触腕に押し倒される黒服。
悪臭を放つ粘液まみれになり悲鳴を上げているもう一人の黒服もその光景を見て尻込みし、動けないでいた。
二人が我に返って銃を再び乱射し始める前に、シルヴィオも撤退を選ぶだろう。

「うぐぐぐ…骨が折れたみてーだ…優しくはごんでぐれ…」

痛みに涙を浮かべ鼻水を垂らしながら、情けない格好でニアの触腕に巻かれる。
アキレスの場所へは近いが、ヘイズがいずれ通るであろうレース会場からは遠のいてしまう。
ニアの機動力でマスタングに追いつけるかどうかは微妙なラインである。


280 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/03/07(月) 00:11:33 ???
>>276

(情報は洩れている…か。相手の情報網も大したモノだな)

 引き入れの動きがほぼ読まれている事が確定した。
 これはこれで今後の判断材料となりえる情報だろう。

「運び屋とかそういう話は男の世界でやっていればいいさ。
 直線状のL字カーブ。噂のレーサーをそこなら見物できるかもしれないってことか」

 さじ加減が難しい。決して媚びた態度は取らず、かといって男のプライドは適度に満たす。そんな所作。
 疑念は起こさず、踏み込みすぎず、酒の流れと周囲も自分も錯覚させるように。

「それじゃあ、頑張ってくれケーサツさん。イタリアが滅茶苦茶なんて商売あがったりだからね」

 ヒラヒラと手を振り、柑橘の香りがする長い金糸の髪に余韻を残すと、酒場を後にする。
 イムカとバニーノが酒場を出るタイミングは遅らせておく。念のためである。

【酒場を出てしばらく、事前にバニーノと打ち合わせておいた合流地点で】

「流石に二大ファミリーの一角だけあって情報に敏いな。
 こちらの動きは半ば読まれているようだ。一応保険も出来たが」

 無線を入れて幾つかの仕入れた情報を他のメンバーにも共有するようにしておく。

「たぶんだが、私の仲間は結構派手に動くぞ?
 彼等の動きが観測されたとして、相手の反応がどうなるか…まあ、それは君達の勘定の内かな。
 さて、ここでバニーノ。比較的、目立っていない我々はどう動くべきかな?」

 この場の土地勘や情勢に疎いイムカより、集積した情報を元にあえてバニーノに行動を促すイムカ。
 なお、騒動という意味では目立っていないが、マブな女ピアニストという意味では目立ちまくっているという自覚があるかはアレである。


281 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/03/07(月) 00:14:55 ???
>>278
「あ〜ばよとっつぁ〜ん!!」
立ち尽くす○ン○ン○ーを置き去りにし 屋根伝いに車を追いかける

「メインストリートにたどり着く前に捕捉できるかどうかが分かれ道だな・・・」
辺りの狙撃手の気配に 危険察知能力で気付けば 不規則な動きでそれらを躱し 死角はベティが補う

「ヘイズ(霧)とはよく言ったものさ・・・だがなぁ…俺だってniebla azul(青い霧)と呼ばれたキャリアーよ!!」
スプロールで培った逃走スキルを応用し 銃撃を回避しながらヘイズを追いかける


282 : ニア・シューペリオリティ :2016/03/07(月) 00:23:16 ???
>>279
>>281
「……はぁいっ、じゃあそっと行きますってんですよぉ」

合計5本を展開、1本でシルヴィオを包み込み残りで機動
汗が滲み出て来た、八葉の後の疲労感が大きい
イムカの予測通り、ニアは既にかなり派手に動いていた

「……あれっ、アキレスじゃないってんですかねっ」
「ということはっ、向こうっ?」
「うーんっ……」

向こうに青い霧を纏い疾駆するアキレスの姿を見て標的のおおよその方向を知る
しかし唸るのは、自身の追跡力はアキレスのそれより大きく劣るが故だ
ならばそれは彼に任せ、自身は待ち伏せに当たるのがベターと言うのもだろう

「標的の車ってっ、レースに出るんですよねっ?」
「その時必ず通るのはっ、向こうっ?」

もし近くに狙撃手がいたとすればタイドメイカーを叩き付け数を減らしつつシルヴィオへと問い掛ける


283 : レディ・ブラウン :2016/03/07(月) 00:31:46 ???
>>280
パニーノ「暴れれば面が割れる。次からあの手は通用せんぞ」

合流したイムカに、パニーノは苦い表情で詰め寄った。
良い印象か悪い印象かに関わらず、顔を相手に知られてしまっては何か行動を起こす際の妨げになりかねない。
イムカに苦言を呈すパニーノであったが、それでもイムカのお蔭で確信を得たことが一つあった。

パニーノ「それにしても…あいつの話を聞いていて分かった。情報は漏れているんじゃない。誰かが情報を漏らしている…」
パニーノ「俺は前から内通者の存在を疑ってはいるんだが…ジャンゴが頑なに否定しててな…」
パニーノ「だが…いずれ露呈するのも時間の問題だろう。例えそれが誰であろうとな」

>>ALL
一向に唐突に無線通信が入る。ジョシュアとジャンゴのものだ。それと同時に町中がわっと沸き立った。
遠くからエンジンの轟音が近づくにつれ柵から乗り出さんと密集した群衆が激しく手旗を振り、レースは中盤、市街コースに入る。

ジョシュア『ぬぁァ、ジョシュアだ!メチャクチャに撃たれてる!!』
ジョシュア『ファック!!ケツに被弾した!!』

ジャンゴ『後ろからジョシュアの車を見てるが、前後を二台に囲まれてボロクソに撃たれてやがる』
ジャンゴ『ウチが仕入れた車まで詳細にバレてるってコトは…いよいよ内部を疑わなきゃいけないらしーな…』

先頭グループの少し後方。ジョシュアの乗る車を挟むように二台のクラシックスポーツカー、窓から拳銃を出して乱射している。
ジョシュアの車は黒煙を吹き上げながら疾走し、先頭グループに続いてL字カーブに突っ込もうとしていた。
ボロボロになった車は後輪のうちの一つが脱落し、前輪もガタガタと揺れている。猛スピードのままコーナーに突っ込めば曲がり切れる保証などない。
目いっぱいハンドルを切ったジョシュアの車はバンパーを地面に擦り、そのまま地面との摩擦に巻き込まれ横転、ビルに突っ込み炎上する。
前後を挟んでいた車はジョシュアの車の付近に駐車し、中から4人のマフィアがトミーガンと共に現れた。
レース直前に調達したジャンゴの放送車は狙われず、そのままジョシュアを通り過ぎていった。


284 : レディ・ブラウン :2016/03/07(月) 00:38:12 ???
>>281
最初にアキレスが飛び越したスナイパーが呆気に取られて仲間への連絡が遅れたことで、幸いアキレスを狙う銃弾は多くは無かった。
しかし町中のスナイパーに狙われていることは事実であり、多くの角度から銃弾がアキレスへと迫る。
身体を捻り、あるいはベティによるカバーで銃弾を逸らし、ついにヘイズのマスタングへと追いつく頃、
唐突にマスタングが加速する暴力的なほどの加速で一気にアキレスとの距離を開けたのだ。

ベルナルド『マズい…気付かれたか…?』

しかしアキレスの存在に気付いた様子はなく、むしろジョシュアの車の残骸へと一直線に加速しているではないか。
ジョシュアはどうにか生きているようで、炎上した車から這い出て、それを盾に銃撃を凌いでいるようだった。

ヴィンチェンヅォ『俺達じゃジョシュアを助けに行けない…すまんがジャンゴのバンと合流してからそっちに向かう』
ヴィンチェンヅォ『それまでどうにか…死ぬんじゃねぇぞ』


285 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/03/07(月) 00:45:26 ???
>>283

「駅、盛り場、浮浪者、ネットワークが出来ているなら遅かれ早かれさ。
 暴れるまでは精々猫を被る事にするよ」

 それでも確信を得られる情報を入手できたことは意味があるだろう。
 そして、内情を聞く分に、

「ファミリーのボスとしては仲間を信じるのは正しいさ。
 信じてかつ、裏で疑えれば一人前。疑うばかりになるなら破滅への第一歩ってところだな」

 信じすぎてもよくなければ、疑いすぎても瓦解の序曲。
 歴史上、どれだけの人間がこのさじ加減を誤っていったことか。

【ここでジョシュアからの通信…さて】

「直線後L字カーブだったか?ヘイズとこちらだけの符号はあるか?
 出来れば、スパイに入手されていないフレッシュな奴がいい。
 応援旗にして振っておこう。こちらが接触したがっているとヘイズが把握すればいい」

【意思表明を伝えるように動く。ニアとアキレスが表に立っているならイムカは影働き。
 もし、酔狂を差し挟む暇があるなら、オーディオについて伝えるとしよう】


286 : レディ・ブラウン :2016/03/07(月) 00:47:51 ???
>>277
シルヴィオ「ありゃァジョシュアの車じゃねェかぁ…!?車まで割れてたってのかぁ…」

シルヴィオがニアをイムカの告げた合流予測地点まで誘導するが、ここは人が多く遮蔽物もない。
もう一度撃たれるかもしれないとニアの触腕をパンパンと叩いて降ろすように懇願しようとするも、銃撃の音に即座に振り向く。
そこにはクラッシュしたジョシュアの車、今にも爆発しそうなジャンクを盾に、なんとか銃撃を凌ぐジョシュアの姿。

シルヴィオ「確かにそうだけど…ここはマズい、開けすぎて…あ゛ー!!」
シルヴィオ「ニアちゃん!向こうっ!ヘイズッ!」

ニアの言葉に肯定し頷くが、ジョシュアの事もあり早く降ろせと再び急かす。
しかし不意に後方から迫り来る爆音。五月蝿い、何だと振り向けば、なんとこちらへとヘイズが向かってきているではないか。
白煙を巻き上げながら、レースに参加している車の倍近い加速でこちらへと猛然と駆けている。


287 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/03/07(月) 00:48:14 ???
>>280>>283-284
「どうする・・・どうするどうするどうする・・・!!」
多方面からの銃撃をやり過ごしながらも 足りない頭で考え続ける

ベティ一匹放り込んでどうにかなる状況じゃない というかこの状況で背中の目であるベティをパージすることは自殺行為でしかない
だからと言ってヘイズに追いつけるほどデモンレッグは速くないし デモンアームにしたって意味がない

現状切れるカードが無さすぎる

「―――――ッ!!」
今できることは スナイパーの目をこちらに向けつつ ヘイズの車を追いかける ただそれだけしかできない


288 : ニア・シューペリオリティ :2016/03/07(月) 00:56:25 ???
>>286
「!」
「下りて下さいっ、作戦変更っ!」

待ち伏せていたニアはことの顛末をつぶさに見た
すぐにシルヴィオを下ろすのである、彼にはもう色々と御愁傷様としか言えない
タイドメイカーを縮こめてその筋肉を圧縮させた

「ジョシュアを助けに行くってんですっ!!」

解放、まるで蛸が自在に海原を行くように飛翔
宙を跳び最短のルートで炎上する車へと向かうニア
銃撃の差中に飛び込むのだ、負傷したシルヴィオを慮り置いて行った

「……すとぉォォッッッぷっってんですよぉぉっ!!!」

銃撃を行う黒服達の付近に至れば触腕を一気に開く
ラリアットの様に薙ぎ払う格好でのエントリーであった
尚結果として、ヘイズと同時かやや早くにジョシュアの元へと到着するタイミングになるであろう


289 : レディ・ブラウン :2016/03/07(月) 01:09:11 ???
>>ALL
ニアがジョシュアを助けに入る寸前、アキレスを引き離したマスタングが急減速しつつ突っ込んだ。
ハンドブレーキを引いて真横にボディを傾け、ドリフトの形で突っ込んでドンドンドンドンとまるでボウリングのようにマフィア4人を跳ね飛ばす。
乱暴に助手席を蹴り開けると、運転手はジョシュア目がけて手を差し伸べ叫ぶ。周囲の仲間達にもだ。

ヘイズ「さあ乗って早くッ!」
ジョシュア「う…グ…ッ…引っ張ってくれ…」

ヘイズ「俺の愛車を穴だらけにする気かッ!?助けてやってんだからさっさと乗れよッ!!」

ジョシュアを助けに入ったニア、遅れて追いついたアキレス、そしてパニーノとイムカ、ついでにシルヴィオ。
順番はともかく詰め込めるだけ詰め込み、失血で気絶したジョシュアの顔色を伺いながら一気にアクセルを踏み込むヘイズ。

赤褐色の短髪、薄いヒゲを生やした若い青年。年頃は二十歳そこそこといった所か。
キャメルのレザージャケットとサングラスの印象的な、ワイルドスピードにでも出てきそうないかにもな走り屋的風貌の男である。

そして2015年製のマスタングは爆発的加速で追っ手を出し抜き、マフィアの追跡を振り切って峠方面へと脱出するのであった。

それからほとぼり冷めて…
ナポリの郊外、追っ手を振り切った積載オーバーのマスタング。

ヘイズ「2ドア車を7人で仲良くシェアねぇ…」

助手席にはジョシュアがニアを膝に乗せた状態で気絶し、後ろにはアキレスとイムカに挟まれるようにしてベティを頭に乗せたパニーノ、
マスタングのルーフにはルーフボックスの如くタイドメイカーで括りつけられたシルヴィオ。
そして運転席では、神妙な表情を浮かべたヘイズが。シフトレバーに掛かったジョシュアの腕を跳ねのけてサングラスを取った。

ヘイズ「あんたらが越境者だな…?風の噂であんたらの事は事は聞いてた」
ヘイズ「俺はヘイゼルだ…ヘイゼル・アーリントン。ヘイズは本名じゃねーぞ…」

ヘイズ「本当はマフィアの抗争になんて首突っ込むつもりは無かったんだが…どうも…目の前の困ってる人を見ると放っておけないタチでな」
ヘイズ「まぁ…そんな訳で少しだけ手を貸してやるよ。どうせジャンゴの使いで来たんだろ?」

//それでは今回はここまで。後日〆書きます
//お疲れさまでしたん


290 : ニア・シューペリオリティ :2016/03/07(月) 21:11:05 ???
>>289
「……後ろっ、平気だってんですかっ……?」

振り向けば鮨詰め状態の後部座席
ジョシュアの上に座るニアではあるが、小柄なのもあって窮屈さは感じない

「えっ? えぇっ……」
「え? えぇぇっ!?」

最初は肯定、次は二度見と驚愕
字面にすれば似たような並びであるがその声量は結構違う
無論後者は大きい、ヘイズの本名は間違いなく自身がシート代わりにしている男性の関係者なのだろうから
素っ頓狂に叫ぶ声は、強化された肺機能からくる大きな声をナポリ郊外に響かせた


291 : アキレス&ベティ&ロイ ◆eZKgukyN3c :2016/04/02(土) 22:22:53 ???
【スプロール カチグミ居住区】
ここはサイバーパンク極まる世界 そのカチグミが集う居住区
重金属汚染雨の心配もなく 太陽光照明の眩しい光が燦々と降り注ぐ居心地のいい場所

しかも昨今のニンジャブームはカチグミの皆さまをも飲み込んでいるようで 居住区の中はホログラムによる桜並木に姿を変え
いかにも育ちの良さそうな連中が昼間っから酒を飲み スシに舌鼓を打っている

そんな宴にご一緒できればいいのだが・・・

ロイ「俺たちはこんな非常時に襲ってくるかもしれない不届きものへと目を光らせろってよ 参ったもんだね」
桜を肴に酒を飲めないロイが溜息をつき

アキレス「どうかんー 仕事ほっぽりだしてゆっくりしたいー」
明らかに不機嫌そうなアキレス

―――ギィ!!
そしてホログラムの桜吹雪を追いかけ回すベティがいた

そんな精神的に苦痛を伴う場にて 一緒に仕事をしている者はいるかどうか?


292 : スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 :2016/04/02(土) 22:29:29 ???
小柄な魔女が、大きなライフルを手に煙草を吹かしている。
見るからにやる気がなさそうな眠たそうな目をしている。

「……酒は別に、いらないが」

「私もだな、桜餅とかだな、お団子とかだな、そういったもんが食べたいんだが」

考えていることは甘味のことらしく、うらやまし気に花見客を見ている。


293 : レイ・イーヴリン・ドレイク ◆GIsAsIcJwc :2016/04/02(土) 22:34:43 ???
>>291
「カチグミ…ですか。何かイヤな名称ですね」
スプロールにこんな区域があったのか、と溜息をこぼすレイ。
生まれは最下層の彼にとっては嫉妬の炎がメラメラ立ち上る人々だ。

飲み食いが出来ない悔しさこそあれど、イマイチ酒の席を共にする事に気が向かないのも事実。
「まあ、色んな世界を渡り歩いて美味いオーガニックを味わってる僕らの方が…」
幸福の一端は噛み締めているのだろう、と本気半分、悔しさ半分のレイである。

「兎にも角にも、僕としては何事も無くムーンオーバー・バーボンストリートな気分ですねぇ」
はるか昔のミュージシャンの楽曲名を口に出して、ぐうぐう鳴る腹を抑える。


294 : アキレス&ベティ&ロイ ◆eZKgukyN3c :2016/04/02(土) 22:43:11 ???
>>292-293
なお この世界に桜餅や団子なんて自然な食い物は無い
オーガニックなのにどこかケミカル臭い そしてバランスなんて考えてないような代物ばかり
それにニョタイモリなんて悪趣味極まるもの この際味はあまり関係ないのだ あくまでも情報と特権を喰って喜んでいるに過ぎない

オーガニックが当たり前の世界から来た者ならば あんなものをありがたがって喰っている連中の気が知れないようなものばかりであった


そんな凄惨(?)な宴の中 突如轟く爆音 騒然となるカチグミ連中

そこには黒会社の連中が雑多な武器を手にカチグミを虐殺せんとしていた

【情報黒社会(ハイセーウー):元々は立場の弱い亜人種の同郷会や一族会が 】
【自分達を守るために築かれた互助組織であり 自警団みたいなものが縄張りの中で変化したものである】


295 : スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 :2016/04/02(土) 22:47:47 ???
>>294

「まぁ、こうなるよなぁ。そりゃあ」

煙草を放り捨て、ぐりぐりとつぶす。
彼らに同情しないわけでもないが――これも仕事である。

「……おやつ分の金は、もらわんとならんからな」

虚空に向けて、銃を発砲する。
――銃口から多重に魔法陣が展開し、氷の礫が放たれる。
礫は一定高度まで上昇したのちに弾け、強い光と冷気を放つ。

「……逃げる奴は逃げろ、向かうやつはかかってこい」

「魔女の氷の花は注意報だ。強い吹雪がくるというな……」

要は、威嚇射撃及び、避難勧告の意味合いの魔術である。


296 : レイ・イーヴリン・ドレイク ◆GIsAsIcJwc :2016/04/02(土) 23:02:02 ???
>>294
黒ずくめの不満分子。かつての自分をなんとなく投影しつつも割り切って仕事を開始する。
「仕事は仕事なんでドライに行きます」
ダガ―ナイフを取り出して、投げる目標は敵性対象の銃口。
襲撃者たちの物言いも分からなくもない。それゆえのいきなり命は奪わないという手心。
ダガーが凶器に直撃すればそのまま少しばかりの説得を、諦めないなら能力で武器を消し炭にするつもりだ。


297 : アキレス&ベティ&ロイ ◆eZKgukyN3c :2016/04/02(土) 23:03:56 ???
>>295
鉄砲玉「ザッケンナコラー!!」
鉄砲玉「スッゾコラー!!」

典型的なヤクザスラングを口から飛ばしつつ 辺り構わず銃撃を行う黒会社の鉄砲玉
だがオカルトめいた冷気が頬を撫でれば それに恐怖しつつも 鉄砲玉に明日は無い 相手を殺すか 自分が死ぬか それしかないのだ

鉄砲玉「スッゾ!!」
オカルトパワーを発揮するスレートに対し 鉄砲玉共は手持ちの銃器でやたらメッタら撃ちまくる
銃の威力は高いが ほとんど狙わずに放たれたそれは射線がバラバラで 下手に動かねば逆に命中する確率が減るといったものであった

>>296
そんな乱雑な射撃ですら レイのダガーによって数を減らす
だが相変わらずの鉄砲玉 レイの説得を華麗に聞き流し こちらにも銃撃を行う
その酷さは上記のとおりである


298 : スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 :2016/04/02(土) 23:19:50 ???
>>297

「……やれやれ。お前たちも運が悪いねぇ」

そもそも命中率の悪い射撃だが、稀に彼女に向かう弾道であっても魔術障壁で弾かれる。
この程度の防御手段は魔術を扱うものの嗜みだ。

「せめて安らかに逝くがいい。吹雪の中に閉じ込められれば、感覚は曖昧になるさ、っと」

銃口を明確に相手に向け、引き金を引く。
再び魔法陣が展開し、氷の礫が今度は弾丸となって飛んでいく。
冷気を伴い、直撃しなくても体温を奪うようなものだ。


299 : レイ・イーヴリン・ドレイク ◆GIsAsIcJwc :2016/04/02(土) 23:28:57 ???
>>297
刃が銃口に食い込めば、当然ながら発砲は不可能となる。言うまでも無く暴発するからだ。
同じく近接戦闘の得物であっても、遠くからナイフを打ち込まれれば、そのまま向かってくるとは思えない。
最大限の慈悲を以って説得を開始するレイだったが……
「けーっきょくは無駄って事か」
当たらずとも止むことのない銃撃。やれやれと呟くとダガーが真っ赤に染まる。
直後、黒ずくめたちの得物がボロボロと崩れ去る。
それでもなお残った武器を手にして奴らは襲ってくるではないか。

「しょーがないなぁー。とどのつまりは、己の(頭脳、肉体、運気その他もろもろの)弱さが敗北させるのだよ!」
2本の長剣を取り出して、暴徒の群れに突撃する。


300 : アキレス&ベティ&ロイ ◆eZKgukyN3c :2016/04/02(土) 23:42:42 ???
>>298-299
ナチグロイシの放った銃弾は氷の礫となって鉄砲玉たちに降り注いだ
ある者はその礫に貫かれて死に またある者は下がり続ける体温に動きが鈍くなる

そこに飛び込んできたレイ 万全の動きができない連中を屠ることはたやすい
血の雨が降り カチグミの居住区を穢れた血で汚していく

だが鉄砲玉も黙って蹂躙を受けるほど無能ではない

鉄砲玉「ドグサレッガー!!」
セキュリティを一掃してから居住区を焼き払うつもりだったのだろう 火炎放射器を担いだ鉄砲玉が現れるや否や
粘度の高い 燃える燃料をまき散らそうとする それはナチグロイシの冷気を吹き飛ばし レイの蹂躙を押し留めるに値するか?


301 : スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 :2016/04/02(土) 23:52:10 ???
>>300

「いいや、駄目だね――!」

今度放たれるのは、強い冷気そのものだ。
銃口から放たれる白いモヤが火炎を不完全なものにし、さらに噴出孔周辺を凍らせる。
これでは種火も維持できなくなる――という見込みがあってのものだ。

「……少しばかり、数が多くて面倒だな」

「下がってくれると助かるんだがね」

嘆息しつつ、自分の放った冷気の効果確認を待つ。


302 : レイ・イーヴリン・ドレイク ◆GIsAsIcJwc :2016/04/03(日) 00:02:40 ???
>>300
「汚物は消毒ってつもりかい?―――無駄ぁ!」
どこぞの世紀末モヒカンを思わせる鉄砲玉に向かうレイ。
真っ赤に輝くブレードが放たれる火炎とオイルを切り裂く。
すると炎が上がるのではなく、刃に触れた部分から、真っ黒な灰が舞い上がって宙に散っていくではないか。

「…僕の能力は炎でも、高熱でもないさ……灰燼に帰することだ」
ほんの少しでもタイミングがずれていればレイは火達磨になっていただろう。
それを防いだのは空気をも凍てつかさんとする冷気だった。
火炎放射すら灰にしつつそのまま鉄砲玉に向かって剣を振りかざす。


303 : アキレス&ベティ&ロイ ◆eZKgukyN3c :2016/04/03(日) 00:10:29 ???
>>301-302
噴出孔が凍る 液体の出が悪くなる 炎が小さくなる
そしてその小さな炎ですら レイに切り裂かれる

鉄砲弾「グワーッ!!」
そしてレイが火炎放射器を操っていた 最後の鉄砲玉を切り裂いた

ロイ「終わったか・・・」
アキレス「あぁ疲れた あいつら数が多いんだもん」

別所で戦っていたロイとアキレスがやってくる
こうしてカチグミ居住区でもテロ行為は収まった

一行には十分なクレッド・スティックが支払われ
カチグミの連中と黒会社との因縁は より深いものになっていった・・・・・

//ではこちらも〆 お疲れ様でした


304 : レイ・イーヴリン・ドレイク ◆GIsAsIcJwc :2016/04/03(日) 00:19:24 ???
>>303
「…因果応報だよ、気分がいいものじゃないけど、ね」
火炎放射器の鉄砲玉を仕留めると、レイはあたりを見渡す。
逃げ出した富裕層が置いて行ったのだろうスシを目にとめると、一つ口に運ぶ。
「はぁ…不味い」
口にしたスシの味なのか、戦いの後味なのかは本人にしかわからなかった。

【では落ちます。お疲れ様でした】


305 : アキレス&ベティ&ロイ ◆eZKgukyN3c :2016/04/03(日) 22:28:39 ???
【とある平和な世界】
科学はそこそこ 魔法は無し 小さな問題のみを抱えるこの世界は平和に満ちている
そしてこの日 某国の棒地方では 桜の花が満開を迎え 人々は宴に興じている

ロイ「おっしゃあ!! スプロールでの憂さ晴らしじゃ!!」
先日 見事な桜吹雪のホログラフを見せられつつも 血なまぐさい戦いをする羽目になったロイとアキレスは この世界でその時の鬱憤を晴らそうと 宴会を企画

ブルーシートを広げ 重箱を用意したりホットプレートをセットしたり クーラーボックスを用意したりするロイと

アキレス「方々にメール送ったけど 何人来るかな?」
リンゴ社製スマホを弄りながら出席確認をするアキレス

―――ギィ!!ギィ!!
そんな事よりご馳走食べたいとハサミを振り上げるベティがいた
はたして その宴に参加する仲間はいるかどうか?


306 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/04/03(日) 22:44:57 ???
「よォ、俺からもランチ持ってきたぜェ…っと」

ビニール袋を両手に提げ、中にはジョシュアが作った料理がたんまりだ。
それを持ったままのしのしと緩慢な所作で一行の前に現れたジョシュア。
アレコレあって肉体的にも精神的にも追い詰められつつある彼はそんな大事な時に、否そんな時だからこそ休養が必要なのだと今回の宴への参加に踏み切ったのだ。

「ミスカは風邪引いてボロウズんとこで寝込んでるとよ。むさッ苦しい野郎ォばっかにならねェといいんだが…」

危惧するのは身体の心配よりも男女比である。ビニール袋から取り出したあまり使い方を心得ていない小さめのJUBAKOを並べて蓋を開く。
中身はなんというか花見とはかけ離れた料理ばかりであり、まるでビュッフェのような品揃えばかりだ。

「さァて…こーいう時はアレか?飲んで食って騒ぎゃいーのか…?」


307 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/04/03(日) 22:50:15 ???
>>305
桜なんて一世紀ぶりに見たぜ。本物かどうかは知らんが
[両手をポケットに突っ込み、桜の花を見上げながらのらりくらりと現れるソーマタージ]
[いつもの汚い格好は花見の雰囲気に相応しくないだろうか]

誘ってくれるのは純粋に嬉しいが…俺、メアド教えてたっけ?
まあいい。俺のSNSは見るなよ、絶対だ
[ブルーシートにどかりと座り、怪訝そうな顔をしてアキレスに問う]
[それも一瞬のことで、懐からクシャクシャの煙草の箱を取り出すと、好きに吸っていいよ。とポンと置く]

それで?何か手伝うか?その程度の常識は持ち合わせてるからできる範囲のことはやるぜ


308 : ニア・シューペリオリティ :2016/04/03(日) 22:50:18 ???
>>305-306
「綺麗だってんですねぇっ……」
「……えーっとっ、この辺っ……?」
「あっ、いたいたぁっ」

やっほーなんて気楽に声を上げて手を振るニア
尚スマホを持ち歩いて来ているその姿は手ぶらである
差し入れなんて気の利いた事までは気が回らなかった模様

「お花見? っていうんでしたっけっ」
「いやぁっ、綺麗なお花ですってんですねぇっ」

桜時雨の中、はしゃぎながらに卓に着くのであった


309 : アキレス&ベティ&ロイ ◆eZKgukyN3c :2016/04/03(日) 23:01:59 ???
>>306
ロイ「あぁ 羽目を外すのも仕事の内だろ? 軍人ってのはよ」
ホットプレートにたこ焼き用の凹凸がある鉄板をくっつけ タネを流し込む
ぶくぶくと泡立つタネにエビタコイカはもとより 肉類などのいろんな食い物を突っ込んで変則たこ焼きを作りながら ジョシュアに挨拶するロイ

アキレス「そっかー 残念だ 後で何か美味い物持って行ってやろう」
最近調子が悪そうなミスカを案じるアキレス

アキレス「ジョッシュは何呑むよ?バドとかギネスとかの米ビールも用意してるよ」
といってクーラーボックスを開け コロナの瓶を取り出すアキレス

そしてロイが用意したの者 和中洋様々なおかずに巻き寿司のビュッフェスタイルである

>>307
アキレス「あれ? 前に一緒に呑んだ時に教わったよ ほらソーマがベロベロに泥酔した時にさ
     そっちにも俺のアドレスは言ってるはずだぜ?」

どうやらソーマタージの記憶の外でやり取りがあった様子

ロイ「なに誘ったのはこっちだ お前さんらは飲んで喰って騒いで呉れりゃいい」
ロイとジョシュアが用意した重箱にはご馳走が並び クーラーボックスには酒が満載している

>>308
ロイ「よぅニア タェンティースは捕まらなかったか?」
やってきたニアに挨拶するロイ

アキレス「はい それじゃ乾杯と行こうね」
そう言って瓶を手渡すアキレス

その瓶はスミノフアイスのオレンジバースト 一見するとオレンジジュースであるが 立派なお酒である
【アキレスのアルコール攻撃 ニアは喰らってしまうか否か?】


310 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/04/03(日) 23:11:06 ???
>>309
あっホントだ…
[自分の古い携帯を確認し、小さな声で呟く]
…まあ酔ってたかどうかは覚えてないが、ちゃんと互いの同意の上で知れてたんならいいんだ、うん

飲んで騒ぐのは得意だぜ。ビールない?柄は何でもいいからさ
[あとハンバーガーなんかが欲しい。と図々しく]


311 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/04/03(日) 23:13:11 ???
>>309
「…あー…酒はいい…」

昨日ヤケ酒の所為で死ぬほど吐いたからなと苦笑。
手を軽く、ひらひらと振って差し出された瓶を受け取る事はしなかった。

「アイツ最近…一人だけ足手纏いは嫌だって相当息巻いてやがるからなァ…」
「”誰か”が傍にいてやって落ち着かせてやるべきだと思うぜェ…俺ァな」

ニヤニヤとからかう様な視線をアキレスへと向けたが、実際ジョシュアの言葉は的を射ているものだ。
彼女は自分の弱点を克服しようとするあまり、肉体を酷使し続け結果として身体を壊してしまった。
急ぐのはいいが焦るのは良くない。それを分からせるひとが必要な時期でもあるのだろう。

「………美味いなコレ。ニアにも食わせるか…」

しかしジョシュアはそれほど事を大きいモノとは認識していないようだった。
少し視線を外して再び戻して見ればわざとらしく激辛オカズを数種選んで皿に乗せニアに渡そうとしているだろう。


312 : ニア・シューペリオリティ :2016/04/03(日) 23:15:08 ???
>>309-311
「ええっ、皆さんに宜しくってっ」

元々殺るか殺られるかの関係にあった2人の姉妹
今ではふつーに無料通話アプリで遣り取りをする仲である
その中でどうやら、半人は越境のタイミングを逃してしまったと告げられていたらしい

「……ありがとうってんですっ」
「そしたらっ、乾杯ってんでしょうかっ?」

音頭に併せてチァースし、何の疑いもなくそのままグラスに注いだオレンジをぐいっ
少しあって小首を傾げてはてと唸る

「……なっ、なんでしょうっ、少しにがぁい……」

一応ニアは、数年間の衰退世界の旅で水分の摂取をタイドメイカーとそしてアルコールに頼っていた時期があった
とはいえ矢張り酒は苦手らしく、未だ慣れない

「……??」
「まっ、まぁっ、ともかく美味しそうなお料理ーっ……」
「ありゃっ……?」

ふむむと疑問符、しかし手は重箱の数々の料理に目移りしつつ伸びる
しかし目測を誤りふらけ、そのままシートに顔面からダイブするのであった
一応コケ方としてはマシな部類と言えるのは、周りの料理や飲み物を巻き込む事はしなかった点か

「あっ、どうもっ……」
「……〜〜〜〜!!!!??」

少し酒の回った、浅黒い肌でも分かる朱色の頬
ジョシュアの差し出した料理を受け取り、ちょっと後に辛さに絶叫である


313 : アキレス&ベティ&ロイ ◆eZKgukyN3c :2016/04/03(日) 23:28:30 ???
>>310
ロイ「ハンバーガー? ・・・ちょっと待ってろ」
嗚呼素晴らしきホットプレート 変則たこ焼き用の肉をちょいと刻んで形を形成しホットプレートで焼き
その上にスライスチーズをのせてとろけさせる そしてサラダ用のレタスを少々パンの乗せ 肉とチーズを挟んで完成

ロイ「クーラーボックスに酒が入ってるからセルフサービスでどうぞ」
ハンバーガーを手渡して終了

ロイ「あとこの国でハッパはご法度だとよ 取り出されると俺らみんなまとめて御用だから勘弁してくんな
    そういえばボロウズが刀の具合はどうかって聞いてたぜ そろそろメンテしたいからまた寄ってくれってさ」

>>311
アキレス「どした? これから仕事か?」
断られたのでビールを下げてコーラを差し出してみるテスト

そしてミスカのことを聞いて ロイを見て

ロイ「・・・少し包んでおいたぞ」
重箱の一つにご馳走を詰めて手渡してくれる ベティを見て

―――ギィ!!
ご馳走を早々とあきらめて背中に登ってきてくれる

アキレス「ゴメン ちょっと言ってくる」
コロナをクーラーボックスに戻し 走り出すアキレスであった

ロイ「青春だねぇ・・・アキレスが上手くやる事を祈って乾杯するか?」
ウォッカをコップで頂くつもりのロイがジョシュアに向けて杯を掲げてみせる

>>312
ロイ「気のせいじゃない?」
オレンジの風味を疑うニアに向ける笑み アキレスが時折見せる意地の悪い笑みに少しだけ似ている

ロイ「あ〜あ〜大丈夫か? ほら座って ご馳走は逃げないから」
そう言って熱々の変則たこ焼き(タコ以外に色々と入っている)をお皿に持って手渡す


314 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/04/03(日) 23:41:54 ???
>>313
便利なものだな。そういえば昔見たアニメで鉄板に顔押し付けて殺すってのがあったな
[感心したようにハンバーガーを受け取り、数口頬張るとクーラーボックスへ]

ああ、みたいだな。仕方ないから川に捨ててきた
刀か…使った感じ、今のところは大丈夫かな。中身が平気かは分からんが
なるべく近いうちに寄らせてもらうって伝えといてくれ。俺より会う機会も多いだろ

>>312
オイオイオイ、気を付けてくれ…ん?あぁ…
[スッ転ぶニアから少し飛び退き、何か罵倒でも浴びせようとしたところで、周囲の意図に気付く]

ほら起きて、座って、水だホラ。あんよは上手
さささ遠慮せずに。ほらグイッと
[クーラーボックスから引っ張り出したウイスキーの瓶をニアに握らせようと]


315 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/04/03(日) 23:46:27 ???
>>312 >>313
「しばらく酒は見たくもねェな…コークで十分」
「…大丈夫か…?ほら…」

アキレスが再び差し出したコーラ。今度は素直にそれを受け取り、素手で栓をこじ開けて一口飲む。
そして隣で火を噴くニアにもおすそ分け。今は一刻も水分が欲しい時であろう。
瓶ごと渡し、もはや帰って来る事はないだろうと新たな瓶に手を付けた。

「若いねェ…元気のいいことで」

自分にも昔はあのような時代があったものだと懐かしむジョシュアは、まるで引退でもしたかのような貫禄である。
20年間幽閉された事実があるとはいえ所詮まだ若造だ。
達観したような気分になっていても、彼の自覚しえない場所ではまだ若さ甘さの残る性格である。

「…そーだな。覗き見してェ所だが…追いかける気力もねェし…」
「青くせェ青春に…っと、なァロイ、アイツラどこまで行くか賭けようぜ…?」

ウォッカがなみなみ注がれたグラスと、ガラス玉をぶつけたような、濁った音を立ててぶつかる瓶の音。
一目散に駆け出したアキレスが稜線を踏み越えてその影も形も無くなる頃。
ゲスい笑みを浮かべて100ドル札を取り出すジョシュアであった。


316 : ニア・シューペリオリティ :2016/04/03(日) 23:51:07 ???
>>313
「うぅ〜〜……」

辛いモノばかりをジョシュアから盛られ、ヒリヒリと口が熱い痛い
甘味で誤魔化そうと押し流そうとしてオレンジを煽れば実は酒である、全く中和されないばかりかどんどんと酔いは強まって行く一方だ

「あっ、ありがとうってんですっ……」
「……辛くないですよねぇっ……?」

いつもより更に間の抜けた甘ったるい喋り方は酒匂漂うモノだ
色々たこ焼きを慎重に取ってひとつ、齧って熱さに口元を抑える

「あっつ、あっついっ!」

ハフハフでなんとか飲み込み、次はよく冷ましてからぱくり

「……んっ、美味しいーってんですっ」

>>314
「あっ、すっ、すみませんですっ……」
「……ぷーーっ!!」

と、差し出された水を受け取りそのまま疑いもせずにごくり
流石にこれを飲み込むには不意打ち過ぎる、噴水の様に噴射してそのまま仰向けに倒れる

「……なっ、なんだってんですかっ、今のっ……!?」

仰向けで目を白黒させて今口に入ったモノがなんなのかすら理解出来ない模様

>>315
「……本物ですよねっ……?」

流石にそろそろ慎重にもなる、コーラを受け取り匂いを嗅いだりちょっと舐めてみたりと吟味
大丈夫そうだと知れば一気に飲んでぷはぁと一息

「全くっ、みんな酷いってんですっ」

早くも回復したのか、頬を膨らませて拗ねて見せた


317 : ロイ・ゴールドマン>136 ◆eZKgukyN3c :2016/04/03(日) 23:56:25 ???
>>314
「拷問としては一般的だが 殺すのは時間かかりそうだなそれ」
なんともご飯がまずくなりそうな会話を平気でする2人

なお川を流れるハッパに警察が大騒ぎになるのはもう少し後
そしてウィスキー攻撃を仕掛けるソーマタージには いい笑顔でサムズアップして見せるテスト

>>315
「そうだな 元気があれば何でもできるってか?」
わき目もふらずに走り出したアキレスの背中を見ながら笑みを浮かべる

「まぁ お互い馬に蹴られて地獄に落ちたかないだろ しかしあいつらが? う〜ん・・・」
賭けをしようと提案するジョシュアに 真剣な表情であごひげを撫で 天を仰ぐことしばし

「・・・よし 俺はキッス止まりに賭けよう おれならベッドインまで行くがな」
同じようなゲスい顔を浮かべながら 金貨を一枚取り出して見せた

>>316
「はっはっは 悪かったなニア でも結構飲めているじゃないか」
やっと気付いた様子のニアに誠意のこもってない謝罪を一つ なおウィスキーシャワーは重箱のふたを閉めて対処しました

「まぁ今日は無礼講だ 好きに騒ごうぜ」
といってウォッカをごくごくと喉に流し込んだ

「聞いてくれよ 先日スプロールで桜吹雪(ホログラフ)の中を血なまぐさい戦闘で過ごすことになってな
 風流の欠片もない だからこうして騒ごうと花見を計画したんだよ」

などと 事の経緯を説明しだす


318 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/04/04(月) 00:09:40 ???
>>316
ウワアーハハハハ!ハァーハハー!はぁ……
[一頻り笑い転げ、少しむせながら落ち着く]
ここまで引っ掛かるとは思わなんだ
まあ、なんだ。いいもの見せてもらったよ。グミ食べる?

>>317
結局アニメだからな、多少のオーバーな描写もね
ご馳走さま。ビールもう一本貰うぞ
[いつの間にか空いた手でビール瓶をもう一本引っ張り出し]
[サムズアップには同じような笑顔で手を掲げる]

桜吹雪の中殺陣?たしかに風流ではないかもな。絵にはなるけど
同情はしてやるぜ。慰めのハグも…冗談だ。吸うか?
[煙草をくわえ、深く紫煙を吐くと、ロイに向けて箱を伸ばす]
で、どういう経緯でそんなことになったんだ?肴…には向かないかもしれんがおせーてくれよ


319 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/04/04(月) 00:10:20 ???
>>316 >>317
「…まったく…毒とか盛られたらお前は真っ先に死ぬタイプだな…」
「んー…なんだか…眠たくなってきやがった」

幾度も騙され痛い目を見て、ようやく疑う事を覚えたニア。その褒美はれっきとした本物のコーラである。
ジョシュアは既に新しい瓶を開けてしまっているし、すべて飲み干してしまってもなんら問題は無いだろう。
あまりにもニアが不憫に見えたのか、ジョシュアはつい無意識でニアの頭へと手を伸ばしていた。

ぽかぽか陽気に当てられた所為か、ニアの頭を撫でながらうとうと、うとうと。

「……ヘタレのアキレスに限ってそれはねェだろ…」
「…ねェよな?」

まどろみの中で適当にロイに返事を返すが、ふと嫌な予感がして。

段々心配になったのか青褪めながら俯くが、今更どうしようもないと再びまどろみの中へと沈んでゆく。
アキレスが帰ったらロイと二人で挟み撃ちにして問い詰める必要があるなと思案するジョシュア。

賭けがジョシュアの勝ちなのか、ロイの勝ちなのか、それともそのどちらでもないのかは彼次第という事である。


320 : ニア・シューペリオリティ :2016/04/04(月) 00:14:28 ???
>>317
「そりゃあっ、飲めなくはないってんですけどっ……」
「……うえっ……」

それとこれとは別問題だと唇を尖らせる
続き、ウォッカを文字通り水の様に煽るロイをまるでこの世のモノとは思えないと言った顔で唖然と見るのであった

「負担から好きに騒いでるようなっ……」
「あー……そんな事があったってんですねっ」

お疲れ様ですと酌をおひとつ
結構酔っているようで行動がいつも以上に珍妙だ

>>318
「わっ、笑過ぎだってんですっ……!」
「いりませっ……いりますっ……」

ハンカチで口を拭きながら抗議の声
とはいえ自分自身間抜けな行動であったと自覚があるためそれも弱い
グミを差し出され、逡巡があって結局受け取る
甘酸っぱいモノを口が欲していたのだ

>>319
「もうっ……」

唇を尖らせて撫でられたまま、コーラを煽るニア
心地良い陽射し、桜のひとひらが鼻の頭に舞い降りた


//すみませんが一足先に失礼しますっ
//ありがとうございました、また宜しくお願いしますーですよっ


321 : ロイ・ゴールドマン>136 ◆eZKgukyN3c :2016/04/04(月) 00:20:29 ???
>>318
「アニメか・・・ 俺にはよくわからんよ」
越境してそれなりに時間は経ったが いまだよくわからない者は多い
アニメもその1つであった

「タダの仕事さ カチグミの居住区を警備任務中にマフィアが突っ込んできたから返り討ちにしただけ
 なんの色気もない話さ」

>>319
「いや 俺はアキレスを信じる あいつはやるときにはやる男だ」
なぜか自信満々に言ってのけるロイ

なお後日問い詰めたところ 不安そうなミスカの手を握っててあげるという快挙を成し遂げたらしい
やはりヘタレは治ってなかったようだ

>>320
「もうだますのはこれで終わりだ 後は好きに騒ぐのみよ」
ケラケラと笑て見せる

宴はまだ始まったばかりである

//ではそろそろ自分もノシ お疲れー


322 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2016/04/06(水) 21:24:20 ???
本スレ173さま
「うんうん、怖いとこだもんね」
「でもま、おじさんみたいな人と一緒にいれば安心かな」

騙せている、とは思っていない
しかしそれでも彼が追求をして来ないというのは重畳である
事なかれ主義なのかもしれないし、ただ単純に善人なのかもしれない
どちらにせよ、危険が今の所感じられないのであるのだから

「え? あ、あぁ、まぁたまにはね」

言い淀みたじろぐ
それは越境者としての耐性が余りにも当然になったが故の油断である
越境者の多くは、その世界基準で平均であればある程度の毒素や健康被害を無視出来る修正力が備わっているのだ


323 : ラオトウ・メルクリオ :2016/04/07(木) 17:49:32 ???
>>322
「この老いぼれにあまり期待しないでくれると助かるがの」

カッカッカッと笑う。おそらくお世辞だろうがそれでも嬉しいものは嬉しいのだ。

「まあ、ここのお店は良心的な方だから認可されたものしか使っておらんがの。
そう構えることはなかろうとて」

なぜ相手が言いよどみたじろいだのかは分からないが、脅しすぎたかと
思い安心させることを言う。

「じゃがここらへんには非合法的なものを使い
客を依存症にする店もあるから注意が必要じゃぞ」

そしてその後に怖いことを言うがこれは脅しでなく本当のことなので
言っておかないといけないだろうと思い真面目な口調でそう言った。


324 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2016/04/07(木) 22:34:31 ???
>>323
「頼りにしてるよー?」
「……うわ、悪質だなぁそれ…」

やってきた丼を、いつの間にかペロリと平らげる少女
見た目によらず大食漢(女)のようだ

「……もう一杯貰おうかなー……んっ?」
「……げっ!?」

『イタゾコラー!』
『ザッケンナコラー!』
『テメコラー!』

さて追加注文をと思っていた矢先、先程撒いたヤクザモノ達が戻って来た模様
チャカとドスを振り乱し、店内にドタドタと踏み入って来ているではないか


325 : ラオトウ・メルクリオ :2016/04/08(金) 18:30:54 ???
>>324
「いい食いっぷりじゃな。若いうちはそういうほうがええ。
年を食うと食が細くなってかなわんわい」

いつの間にかどんぶりという結構量があるものを食べた少女を見て
感心して言う。

「……なんじゃい。騒がしいのう……店内では静かにしてくれんか。
おちおち飯も食えんわ」

今度は演技ではなく心の底から不機嫌になりヤクザにそう言う。
相手は武器を持ちラオトウは見た目は丸腰なのに落ち着いており
それどころかヤクザに文句を言った。なお他の客は厄介事に関係しないように
無関心を貫き、店主はロボットなので表情が読み取れないというよりない。


326 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2016/04/09(土) 21:00:56 ???
>>325
「ち、ちょっと、おじさん!」
『……ザッケンナコラー!!』

ヤクザを挑発して見せるラオトウに慌てる七八
青筋を立てて叫ぶヤクザ、危険!
チャカをラオトウに突き出し激しく威嚇、他のヤクザもゾロゾロとラオトウと七八の周りを囲む!

「ま、まぁまぁごめんって、謝るからさぁ……」

七八が萎縮しながらヤクザを宥めようとしているが時既に時間切れだ!
ヤクザの堪忍袋は発破して四散しているのだから!
ラオトウに向けて突き立てるチャカの、引き金をいざ絞らんとする!


327 : ラオトウ・メルクリオ :2016/04/10(日) 10:04:33 ???
>>326

「やれやれ……気の荒い若人じゃ」

チャカで威嚇されても全く動じない。
これは本気で使うだろうと思っていないのではなく
使っても対処できると考えているからだ。

そして相手がチャカの引き金を引こうとした瞬間

「お痛をする者にはおしおきが必要じゃな」

服の袖の下から金属光沢がする液体が勢い良く飛び出し
まるで意思のある金属の糸のように動き
ヤクザからチャカを取り上げようとする。
ラオトウの液体金属操作──それが科学によるものか
魔術によるものかは不明だが──だ。


328 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2016/04/11(月) 23:17:41 ???
>>327
『ダトコラテメー!』

ヤクザは怒号、ヤクザスラングを吠え猛りながら鉛玉を目前の老人に向かって無慈悲に撃ち出す!
その結末は見るまでもない、無残!
……それが彼の思惑であったのだが、現実はややそれとは異なる

「……あっ」
『グワッ!?』

チャカを奪い取る踊る銀糸を見れば何かを察したように七八
対して何事かとサングラスの下の瞳を白黒させるヤクザ

『……ザッケンナコラテメー!』

しかしそれで引き下がってはヤクザが廃る
懐からドスナイフを取り出し、無謀にも刺突を繰り出そうとなおもラオトウへ襲い掛かった!


329 : ラオトウ・メルクリオ :2016/04/12(火) 18:52:14 ???
>>328

「やれやれしつこいのう……」
うんざりとした様子で言う。

そのヤクザが持っているドスナイフを持っている手首を取り
手首を極めドスナイフを落とさせ
巧みな技で持っている手首を肩甲骨のすぐ下まで極め
相手の体勢を崩し相手を制そうとする。

/ヤクザへの確定ロールってどれくらいまでならOKでしょうか?


330 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2016/04/12(火) 20:49:49 ???
>>329
『グワー! グワワー!』

武器による圧倒的優位、ヤクザの慢心は余裕に覆されるのである
それを成したのは力量差、即ち技前だ
ガランとドスの落ちる音、悲痛な叫びに悶えるヤクザ

『……お、覚えてやがれ!』

ジュージュツの達人を相手にしてはいかに武器があろうと危険
ヤクザ達はそれを、そのヤクザ稼業の中で知っていた
ラオトウに極められているヤクザを強引に抜き取った仲間ヤクザ
そのまま捨て台詞を吐いて遁走であった

「……へー」
「助かったよおじさん、強いんだね」

その光景を見取ってから七八、微笑みながら歩み寄る


331 : ラオトウ・メルクリオ :2016/04/13(水) 20:40:35 ???
>>330

「ふぅ……やっとどんぶりにありつけるわい」

そうヤクザを撃退した安堵よりもどんぶりにありつけるという
嬉しさのほうがあるラオトウ。
ラオトウにとって、その辺のヤクザなど歯牙にもかけないようだ。

「これでお嬢ちゃんも安心してご飯にありつけるな。
まあ、老婆心から忠告しとくがもうここにはこんほうがええ。
ヤクザのメンツを完全に潰してもうたから次はこうも簡単に
追い払えんじゃろう」

相手のことを心から心配し、そう言う。
ちなみにラオトウもこの店にはもう来るつもりはない。
ヤクザに付け狙われるからだ。
もっともそのことを四五六に言うつもりはないが。

「ふぅ……ごちそうさまじゃ」

そして食べ終わり容器を置き、容器の上に箸を置く。
ロボットが容器を回収する。

「それじゃあのう。お嬢さん……あんまり無茶はいかんぞ」

そう言ってラオトウはその場を去った

/ありがとうございました〜


332 : じぇい ◆4J0Z/LKX/o :2016/04/24(日) 23:52:10 ???
「……ぁ…ぁあ…なんてこった」
「お、おい…!誰か来てくれ…!!ニュクスが……!」

わなわなと動揺しリモコンを取り落とすジョシュア。ここはジョシュアのセーフハウス。
なにぶん緊急事態らしく、どうしていいのか勝手が判らず助けを求めている。

『ジョシュアぁ……』

ジョシュアの視線の先には、彼の脚に抱きつき擦り寄り、一向に離れようとしないニュクス。
いつもの人見知りとは少し異なる様子であり、なんだか若干表情も何時もよりしおらしい。

「ニュクスが…風邪引いちまった……!!」


333 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/04/24(日) 23:59:02 ???
>>332
「ふ・・ぁ〜あ・・・どしたのジョッシュ?」
―――ギィ!!

その叫びでのっそり起きてきたのは 夜更かしにより今の今まで眠っていた寝ぼけ眼のアキレスとベティ

「その子・・・薬飲ませていいの? 大丈夫なら薬買ってくるけど とりあえずオッサンに連絡入れておくわ ・・・あぁオッサン ジョッシュのところのニュクスが・・・」
そう言ってリンゴ社製スマホで連絡を取るアキレス

はたして人間の対処法が通じる相手なのやら?


334 : じぇい ◆4J0Z/LKX/o :2016/04/25(月) 00:05:08 ???
>>333
「あぁぁ待て待てアキレス、風邪引いちまったとは言ったが…本当に風邪引いちまったのかどうかも…不確かなんだ」
「ドクトールを呼んだが到着にかなり時間が掛かりそうだ…俺達でなんとか……」

比喩で風邪とは言ったがウイルス程度に侵されるグリードとも思えない。通常の風邪と同じ対処療法で完治するかは甚だ謎である
尤もHEXA研究開発部主任のドクトールへの連絡は済んでいる。彼が到着すればニュクスが苦しんでいる原因もはっきりするのだろうが。
今は一刻も早くニュクスを治してやりたい。といったのがジョシュアの心情である

「…クスリを飲んで治りゃ最高だぜ?だが何か…思い当たるフシとか…ねーのかよ…?」

完全にパニクっているジョシュアよりもアキレスの方が冷静に物事を考えられる筈だ。
何かニュクスの体調不良に思い当たるようなフシがあれば、それをジョシュアに教えてやればいい。


335 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/04/25(月) 00:12:11 ???
>>334
「え? あぁオッサンちょっと待って なんかカクカクシカジカで・・・うん またあとで連絡する(ピッ)
 そうは言ってもなぁ・・・体調不良だろ?」

一端ロイへの連絡を切り 首をかしげる

「何か変な物でも食ったか? でも割と雑食だしなぁ・・・ネットワークにつないだか 何か情報でも仕入れて知恵熱とかでも出たのかも」
といって持参したコミックが寝る前にどこかへ移動していないか確認をする

「一応言っておくが このセーフハウスにplayboyは持ってきてないからな 念のため」
下手に疑われるのもアレですし 確認はしておきましょう

「所でその熱ってのはどんな症状よ? 熱は? 咳は? 他に異常な部分は?」


336 : じぇい ◆4J0Z/LKX/o :2016/04/25(月) 00:21:40 ???
>>335
「ネットワークだと!?もし本当だったらとんでもねェことになるぞ…!!」
「おいニュクス、まさかお前ネットワークに繋いだんじゃ…!!」

ネットワークにニュクスを繋ぐということは、現在一般公開されている情報のほぼ全てをニュクスが手に入れてしまうということだ。
そうなれば好奇心旺盛なグリードはどうする?倫理観が出来上がる前に知識だけを貪り続ければ、スウィートメモリーズ事変の再来が訪れるだろう
しかしニュクスは心当たりがないようで、そもそもネットワークという概念すら情報統制され教え込まれていないようだった。

「……ひょっとして変なモンでも食ったか…?」

ジョシュアが質問を変えると、今度は全力で首を振るって否定し始めた。おそらくビンゴだ。

「…アキレス、抑えろ」

アキレスにニュクスの両腕を抑えるように頼み、自らは右腕を捲る
と同時に、右腕はドス黒く、グリードが見せる警戒色のように赤く波打ちながら変色する
アキレスが押さえつけたニュクスの奥歯に左手の指を噛ませ、右腕を容赦無く口の中へと突っ込めば、すぐにニュクスはえづき出す


337 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/04/25(月) 00:26:59 ???
>>336
「え ちょ この子ガラスと砂以外は何でも喰うって聞いたけど 腹痛は別なの?
 あ ちょっと待って もしもしオッサン? カクカクシカジカだから うん よろしくー」

とりあえずロイに一言頼み事をしてから はいごめんねーと謝罪を入れつつその体を抱き止め

―――ギィ!!
最後にベティがニュクスの頭に乗っかり拘束完了 さて ジョシュアの手は何を引っ張り出すやら?


338 : じぇい ◆4J0Z/LKX/o :2016/04/25(月) 00:37:01 ???
>>337
『うぇぇ…!』

引っ張り出すというよりは咽頭に指を差し込んで吐かせる、といったものに近い。
でろりと吐き出したものその1は細かく噛み砕かれた紙片。紛れもなくいつかアキレスがジョシュアに渡したプレイボーイである。

「こいつ…またプレイボーイを…」
「…んでェ…?まだ吐き足りねぇって感じだな…?」

『ぁ…ぁぅぅ…!』

呆れながら再びニュクスの口に手を突っ込み、再び吐き出させるジョシュア。続いてコロンと転がり出てきたものは、きらりと光る握りこぶし大の透明な球体である

「…こいつは……アキレス。"まさか"が当たっちまったみてーだな…こいつはガラス玉だ…」
『…ぁぅ…それ…っ…ニュクスの…!はなして…っ!』

ガラス玉を取り上げればニュクスは途端に元気に、アキレスの腕の中で暴れ回り拘束を解こうと身を捩る
どうもジョシュアが取り上げたガラス玉が気に入ったようで、お腹の中にでも保管しようとしたのだろうか?どうやって飲み込んだのかといった疑問も残るが。

「…ともかくロイのオッサンの出番は無さそうだな…帰すのもなんだし…精の付くモンでも作ってもらうとすっか…?」
「あぁそうだアキレス…今日の事は絶対にコミッサーには流すな…これは口止め料だ」

ドル札一枚手渡して、自らの管理不行き届きを隠蔽しようとする兵士の屑が一名


339 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/04/25(月) 00:49:01 ???
>>388
「あぁ・・・あれ? 俺ジョッシュに言われてからplayboy持ち込んでないぜ? 本当だって!!」
病室にplayboy投げ込んだことはあっても 子供に見せるほど倫理破たんしてはいない なのにplayboyが出てきて狼狽する

そして続いて出てきたものはガラス玉

「あぁ・・・ドンピシャな者食べちったんだ そりゃ体調も崩すか・・・ だめだよー 誰も取らないから おなかの中に隠さなくてイインダヨー
 今おいしい物を作ってくれるおじさんが来るから そっち食べようねー」
ベティをどかして ニュクスの頭を撫でる

「さぁて チクるなと言われても 何のことか皆目見当もつきませぬなぁ・・・」
ニンマリとゲスい笑みを浮かべながらドル札を受け取ると そこに飛び込んできたドアベルの音 ロイが到着したようだ

アキレス「元よりそのつもりさ 先生よろしくお願いします」
ロイ「どぉ〜れ・・・」

何やら芝居がかった仕草でロイを呼び ビニール袋を下げたロイがやってきた 

もってきたのは パンケーキミックスとオレンジ オレンジリキュールとその他果物

ロイ「♪〜」
手慣れた様子でミックスを使い 薄いクレープを作り リキュールのアルコールを飛ばし・・・

ロイ「クレープジュゼットのカンセーイ どうぞニュクス」
オレンジの香りがさわやかな クレープジュゼットのお皿と ナイフとフォーク一式をテーブルに置いた


340 : じぇい ◆4J0Z/LKX/o :2016/04/25(月) 00:59:36 ???
>>339
「…こいつは…俺の思い出の一冊だったんだ」

どうもこれはジョシュアがアキレスから手渡された最初のプレイボーイであったらしく、なんだかんだでマセていたジョシュアは、使用することこそなけれどそれをちゃんと取っていたのであった
それをジョシュアの書斎に侵入したニュクスが食べてしまったという訳だ。この事態にアキレスの落ち度はない。

「…ふゥ…後はロイのオッサンに機嫌を取って頂くか」
『ベティのぬけがらよりもおいしーの…?」

アキレスと共にゲスい笑みを浮かべフィストバンプのジョシュア。
一方のニュクスは美味しいものと聞いてベティの抜け殻を連想したようだ。食べたことがあるのだろうか。

「…うわ」
『わぁ…っ!!…いただきます…!?」

「……あぁ、どーぞ」
『いただきまぁすっ!」

完成したクレープから立ち込める甘い香りに、ジョシュアは短く漏らして顔を顰める。
対照的にニュクスはとても嬉しそうにきゃっきゃとはしゃぎ、アキレスとロイ、そしてジョシュアを交互に見て食べてもいいかという旨なのだろう。いただきますを疑問系で投げ掛ける。

ジョシュアがポンと頭を叩いて、食べてもいいぞと声を掛ければもうニュクスは誰にも止められない。
大きな瞳をきらきらと輝かせ、不慣れな手つきでナイフとフォークを握り、カットして突き刺したそれをエプロンに少し零しながら美味しそうに頬張るのであった。

//そいではこの辺でっ
//駆け足でしたがありがとーございましたっ


341 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/04/25(月) 01:07:53 ???
>>340
アキレス「そうだったのか・・・」
いつぞや渡したplayboyを取っておいてくれたのかと ちょっぴり照れくさい気持ちになるアキレス

そしてリュックの中に入れておいた ベティの抜け殻の欠片 失くしたのかと思ったらニュクスに食べられていたらしい
それについては まぁいいやと肩を竦めるのみのアキレスであった

ロイ「別にいいさ ちょうど暇だったし」
アキレス「イエーイ★」

ゲスいフィストバンプを交わす2人と こともなげなロイ

ロイ「おや? 甘い物はお嫌いかな? っとベティ 今焼いてるからちょっと待ってくれ」
―――ギィ!! ギィ!!

甘いシロップをかけたクレープを食べるニュクスと ロイにクレクレ催促を仕掛けるベティでしたとさ

//〆


342 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/05/01(日) 23:33:07 ???
「あれ…ジョシュアさんから着信…?あっ…切っちゃった」
「まぁ…どうでもいいかっ」

ポシェットの中の越境端末が震えればそれを取り出し、ジョシュアからの着信であることを確認したミスカ
それに応答しようと赤のボタンをぽちっとな。当然着信拒否の文字が画面に表示され、しかし掛け直す方法も知らないミスカ
”どうでもいい”。この残酷な六文字こそが、ジョシュアの現在のミスカ内評価であった――

「ついに朝露の月がやって来ましたっ!朝露の月と言えば水の月です、海開きと雨の季節ですよっ?」
「朝露の月は私の一番好きな季節なんです…!自然は元気いっぱいになるし、私の誕生月でもありますからねっ」

本日5月1日、エリュシオンにおいては朝露の月一日は、エリュシオンの恵みの季節の始まりを祝う祭りの日であり、ついでにジョシュアの誕生日である
ジョシュアの誕生日を知っている人間などこの世界に一人も居ないだろう、しかしこの祭りの事を知っている者は多い
そんな訳でエリュシオンの通りは様々な仮装を施した青年やエリシウムの女学生で溢れ、賑やかさを醸し出している。
今日からは自然の豊穣を願い、山の幸や植物類の一切の収穫が十日間禁じられる。人々は取りだめしておいた野菜や果物、生肉でビタミンを摂取するのだ
言わば朝露の月の祭りは、植物版謝肉祭なのだ。

しかしミスカにとって朝露の月はこの祭りよりも大きな意味合いを持つ。そう、彼女は海が好き、河が好き。泳ぐのが大好きである。
森の中で幼少期を過ごしセントラ大陸の内陸部で育ったミスカは始めて海というものを見たとき大きな衝撃を受けた。
そして波に乗って泳ぐ快楽の虜となったのだ。農耕が中断されるこの月は、人々の文化は自然と海へと向かう事が多くなる。
海の家やらが設けられ始め、海へ気軽に行けるようになるこの月は、ミスカにとっては一年で尤も待ち遠しい時期であったのだ

「そんな訳で今日は海開きの前に水着を買いに行きましょう、まだ泳ぐには早いかもしれませんけど…早めに用意しておいて損はありませんよっ?」
「偶には女の子だけで出かけるのも……いいと思いませんっ?」

…という経緯で、彼女はとてもご機嫌かつハイテンションである
エリュシオンの街道を歩きながら、ひらりスカートを舞わせ振り返って満面の笑みを湛えている


343 : ニア・シューペリオリティ :2016/05/01(日) 23:47:59 ???
>>342
「あれっ……いいんだってんですかっ?」
「……あ、そういえばぁっ……」

と、ミスカの辛辣な評価を聞かなかった振りして一応問い掛ける
そして思い出した、今日は彼の誕生日なのだと
越境端末を取り出しメッセージアプリを起動、デフォルメされたタコのキャラのおめたんスタンプで取り敢えず簡単な祝福を送る

「あ、お誕生日だってんですかっ」
「……なるほどっ、お買物だってんですねっ」

暦の呼び方には不慣れだが、要約すればそうなのだろうと端折って頷いた
買物ならば良い、越境を繰り返している中で消耗して足りなくなって来ていたパックパックの中身を補充したかったところなのだ
……と、まぁニアにしてみれば随分と色気のない変換を成されて受諾されるのである
仕方ない、3年と少々の年齢の中その大半を苛烈な世界でサバイバルに過ごして来たのだから

「はーいってんですっ」
「……にしてもっ、混んでますねぇっ……」

街の賑やかな様子に少し肩を竦める
周囲の全員が着ているような小洒落た出で立ちでないのをやや気にし、だがまぁ仕方ないかと唇を尖らせた
アオザイシャツは動き易いし風通しも良い、機能美重視なのだ


344 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/05/03(火) 10:47:50 ???
>>343
「今日は”朝露の月の祭り”の初日ですからね…三日間この状態が続くんですよ」
「だからまぁ、お祭り気分を満喫しながらぶらつきましょうっ」

肩を竦めたニアに、ミスカは微笑みながらこの雰囲気を楽しもうと語り掛ける。
ミスカだって普段通りの、周りと比べれば地味な装いだ。王立軍の魔術師という立場ゆえに、素材自体は最高級品を選定されてはいるのだが。
彼女の場合は豪華絢爛さよりも魔力伝導率、増幅率を重視したものであり、それは金持ちの着る服と、軍人の着る服との素材の差異のようなものだ。

「ところで…この中央区画からは鉄道が蜘蛛の巣状にエリシウムの末端へと伸びてるんですけと…パレードの行進で、今日は鉄道が運休になちゃってるんです」
「そんな訳で今日行けそうなのは中央区のお店だけ…主要なものを挙げるとすればこれくらいなんですけど…どうしましょう?」

「わっ!?わわわっ…」

お祭りの雰囲気に当てられ何時もより見栄っ張りになった若者集団に囲まれ揉まれ、押し流されそうになりながらもニアに観光用地図を手渡した。
地図に目を落とせばこの辺りに近い服屋がいくつも挙げられ、しかしその中では空き地となっている筈の場所に、さっと目を遣れば何故か服屋が建っているではないか
ミスカの魔法にぶっ飛ばされる若者集団の中に、なにやらギデオンズ・ネットワークの徽章を縫い付けた者も居たが。
結局どこを選ぶかによって品ぞろえが変わるだけなので、テキトーに選ぶが吉である。

【どこへ行きますか?】

・アルミダ裁縫店(エリシウムの高級服屋本店)
・ロッジ被服店(ローカルだがクオリティも値段も中の上)
・ジモの古着商(中古品専門店。アウターなら気にならないが…)
・アパレルショップ・リンクス(得体の知れない謎の店。多分安い)


345 : ニア・シューペリオリティ :2016/05/03(火) 18:07:38 ???
>>344
「お祭り……かぁっ……」
「はぁいっ、そうしましょうっ」

今ひとつ、祭りというモノを理解出来ていない
それは矢張り経験の不足でもあるし、そもそも何かに対しての感謝をそのような形で表現するという事に直感的に行きつかないのだ

「じゃあっ、この……わぷっ」
「あ、アパレルショップのっ、リンクスってとこに……」

ぎゅうぎゅうの人並みに押し流されつつミスカに
それはこの店がここから一番近く、ほぼ避難先としての目的があっての事だが

「おー……よく飛ぶってんですっ」

空を舞う人々を見ながら
祭りの雰囲気ならばこんな光景だって自然とまぎれるモノなのだ、多分


346 : ヘイズ【バイタル・アンブロック】 :2016/05/14(土) 22:09:24 ???
〜前回のあらすじ〜
第二次世界大戦が発生せず冷戦となり、冷戦が核戦争たる第二次世界大戦へと移行した平行世界のイタリア。
偶然訪れたバーにて一人の女性が巻き起こした騒動に巻き込まれる形となり、巻き添えを喰らって新興マフィアの一味に捕えられてしまう。
普段から携帯していた装備を軒並み没収され、人質代わりとされることでいいように扱き使われる越境者一行。
最初の仕事としてシチリア最速の越境者レーサー、ヘイズを探し当て連れ帰ることに成功したが、レース中に襲撃されたジョシュアは倒れてしまう。
ジョシュアの回復を待つ間に、マフィアのボスであるジャンゴから暫しの休暇命令が下されたのであった――

――1987年シチリア、バーから少し離れた飛行場の格納庫にて

「あのタフガイが倒れてる間、俺があんたらの面倒を代わりに見る事になっちまった」

2015年式マスタングRTRを磨きながら、ヘイズは溜め息混じりにキャメルのレザージャケットのジッパーを降ろす。
レザージャケットにカットソー、ジーンズにスニーカー。銀のチャラチャラネックレスにピアスというテンプレストリートレーサーの恰好である。
その見た目に恥じず中身の方もしっかりとストリートレーサーに準じているようで、それは彼の愛車を見れば明らかだ。
カスタムされたマスタングはエンジンや排気系、電装系に至るまで殆どが社外製パーツに好感され、極限までチューンされていた。

「……さっきの自己紹介の時、チビちゃんは俺の名前を聞いて大層驚いてたようだが」
「………あ、もしかして気付いちまったか…?」

彼の本名はヘイゼル。短くカットされ、セットされたその髪もその名の通り綺麗な榛色である。
彼がその名を明かしたときに、越境者のうちの一人、ニアがそれに驚いたような反応を示した。
それはヘイズのファミリーネームが越境者達のうちの一つと、一字一句たりとも違わぬものであったからだ。
マスタングを磨き終われば汗をぬぐい、レザージャケットを脱いでそこらに積んであった木箱の上に投げる。
そうしてその横に腰を掛ければ、ニアの反応に対し何か身に覚えがあるようだ。うげ、と顔を顰めて腕を組むのであった。


347 : ニア・シューペリオリティ :2016/05/14(土) 22:21:50 ???
>>346
「うーんっ……」

いつも共にある月の光を宿す剣がないというのは不安である
在るべき場所に在るべきモノがない、それだけでひとは違和感を察する
ニアに取っての不幸は、今は無いそれが単なる一個のモノというだけではない事に所以している

「まぁっ、気付いたというかぁ……」
「……えーとっ、ジョシュアのご兄弟の方ってんですかねっ……?」

親子、という歳の差ではない様に思える
最もそれは主観時間に歪みが生じた越境者の合間では微妙な判断性ではあるが、それでもではあった
ならば矢張りもっと近い、それでいて他人である関係性
つまる所は兄弟、その結論に落ち着いた
ニア自身は汚れたマオカラーのシャツにチノ、片隅に腰掛け月光の不在を気にしている様子ではある
代わりという訳ではないだろうが、首に巻いている空色のスカーフを神経質そうに指先で触れていた


348 : 又ジ ◆.zilz3o6.U :2016/05/14(土) 22:30:10 ???
>>346
いい車だ。こういうマシンを乗り回してビンビンに飛ばして行けるところまで行ってみたかった、物理的にな
【ベタベタと無遠慮に、磨かれた後のマスダンクに触れながら彼なりの賛辞を贈る】
【車にはそこまで詳しくはないが、それでも改造の限りを尽くされているということはなんとなく分かった】

……なに、おたく。ひょっとしてジョシュアの…兄弟か何か?先に言ってよモー…
【ニアとヘイゼルを交互に見やり、絞り出す様に軽口を叩く】
【知ってる人の兄弟となるとどうも接し方に悩む。ふざけた事を言っても平気だろうか?誇大妄想のふりは?】
えーっと……メアドでも交換する?
【コートの埃を払って変な事を口にするしか出来なかった】


349 : ヘイズ【バイタル・アンブロック】 :2016/05/14(土) 22:32:03 ???
>>347
「…気付いちまったんだな…そうだ」
「俺の名前”ヘイゼル”は…アメリカじゃ女の名前だ。ガキの頃はこの名前の所為でよくイジめられた」
「だがな聞いてくれ、俺がこんなクソッタレた名前になっちまったのには深い訳があんだ…」
「俺の親父は、お袋と生まれる子供が男か女かを賭けた。親父は俺が女だと賭けてな?」
「それで医者の診断も女だったもんでそれはそれは喜んでな。俺が生まれる前から名前をつけちまったのよ」
「だが生まれてみればどうよ、俺はこの通り男だ。だが親父はなんとそのまま名前を変えずに戸籍登録しやがった!」
「警官だからな、そうとう頭が固かったんだろ…今となっちゃ本名なんて関係もクソもねぇ身分だが…」

映像作品であればほぼ100%早送りorカットがぶち込まれそうな程の饒舌。聞かれてもいないのに自分の身の上を語り始めた。
それはこの名前に対するコンプレックスがどの様なものかをよく表しているストーリーで、それを出会う人ごとに繰り返しているのだろう。
まるで台本でもあるかのように慣れた口ぶりで語られた物語。しかし語るのに熱中していたせいか肝心なことを聞き逃してしまう始末。
核心に触れようとするニアの質問は耳には届いていないようだった。

「……で、なんか言ったか?」

白ヤギさん状態で、すっげぇ良い笑顔をニアに返す。


350 : ニア・シューペリオリティ :2016/05/14(土) 22:41:47 ???
>>349
「えっ、えっ……」
「あ、は、はいっ……」

長々朗々と語るその言葉のほとんどは右から左へと突き抜けていく
馬耳東風というかなんというか、まぁ大半が聞き流して問題ないモノであろう(失礼)
とはいえ問題点はそこではない
その内容よりも、それをする事自体が問題なのだ
つまり彼は真実に触れられる事を嫌っているのではないか
そのくらいの推測はニアにも立てる事が出来た

「……いいえっ、何もぉ……」

ついでにちょっとだけ、空気を読む事もしかり


351 : ヘイズ【バイタル・アンブロック】 :2016/05/14(土) 22:46:40 ???
>>348 >>350
「790馬力、最高速度は342km/hだ。警察のヘリくらいならストレートでぶっチギれるぜ?」
「後でトラックを走ってみるか?ここの滑走路は短いけど…それでも1マイルはある筈だ」

車を褒められれば悪い気はしない。というより有頂天だ。渾身のドヤ顔と共にスペックを語る。
少なくとも80年代の技術力のこの世界では、ストリートレース界隈に於いては他の追随を許さぬ性能だ。
しかしそれゆえに悪目立ちしてしまう。この世界にまだ存在しない筈の”2015年式マスタング”が一層それを加速させる。
放っておけば一生車自慢を続けそうなテンションのヘイズであったが、ソーマタージとニアから問い詰められればさすがに気付いたようで。

「………ジョシュア?確かに俺の兄貴はジョシュアだが…」
「ドリフター(越境者のヘイズ的呼称)が何で兄貴を知ってるんだ?兄貴は……ずっと昔にくたばった筈だ。墓も建ってた!」

両手を広げて肩を竦め、何で兄貴を知ってるんだと二人へ向けて問い詰める。
ジョシュアは彼が越境の処女航海に出るきっかけとなった事件に於いて死んだとして扱われており、アーリントン国立墓地にも彼の墓がある。
それを見ててっきり彼は死んだと思い込んでいるのがヘイズである。確かに兄弟揃って越境者だとは普通の状態では考えつかないだろう。
態々気を利かせてくれたニアには申し訳ないが、本人が底抜けのアレなので気が付いていないだけである。


352 : 又ジ ◆.zilz3o6.U :2016/05/14(土) 23:03:45 ???
>>351
ワオワオ、いいね。ウチのポンコツもこれくらい改造してやりたい
…だが目立ちすぎる、チラチラ見て回った程度だが、この世界じゃあコイツはちょっとアレじゃないか?
【本心半分、お世辞半分で車を褒めるソーマタージ】
【長々と語り出した時はどうしようかと思ったが、とりあえず収まったようで小さく安堵の息を漏らす】

死んだにしては随分と元気そうだった覚えがあるぞ。そっちの記憶違いってことは?
とにかく、お前の兄貴は元気だし死んでない。あの分じゃR1号でも撃ち込まなきゃ死なないんじゃない?
【しれっと当然の様に、ヘイズに自分が知る限りの事を伝える】

【一息つくと裾から飛び出した煙草を咥え、火をつけると更に続ける】
…なんだ、知らなかったのか?俺ァてっきり兄弟仲良く離れ離れで越境コンビやってるのかと
【マズったかな?と紫煙を燻らせ、内心焦る】


353 : ニア・シューペリオリティ :2016/05/14(土) 23:04:55 ???
>>351
「ありゃっ……?」
「あー……っ、そういうっ」

なるほどと腕を組んで頷いて応じた
どうにも杞憂であり、珍しく考え過ぎであった模様だ
しかしそうなれば次なる疑問、果たしてジョシュアの事情を知らせてもいいべきかそうでないべきか
ソーマタージの判断は前者であったようだ

「……えーっとぉ、ジョシュアは仲間だってんですっ、越境者ですよぉ」

ニアも、それに関してはほぼ即断、言うべきだと躊躇はない
死別したと勘違いしているままと言うのは悲劇である
ならばそれを知らせて上げるのは、優しさであり正解だとの考えである


354 : 高貴姉妹 ◆ALICE./9P. :2016/05/14(土) 23:08:40 ???
>>351-353
「知ってるも何もリベルタスであいつの事殺したの私だしぃ。
そこのニアもその場にいたわよぉ? ニアとジョシュアは仲間だったみたいだからぁ」

どこにいたのかいつからいたのか。ひょっこりと顔を出し会話に割り込む亜人である。
腰にぶら下げた剣は例外なく没収されているようだがアグラーヤにとっては大した影響は無い。
ニアが上手く会話を纏めようとしたところであるが、そんな事は知ったこっちゃないとややこしいのがしゃしゃりでるのだ。


355 : ヘイズ【バイタル・アンブロック】 :2016/05/14(土) 23:17:13 ???
>>352
「…これは俺が初めてドでかいヤマを成功させた祝いにビルドしたんだ。こいつにゃ200万ドルも掛かってる」
「住処も越境もコイツと一緒だ。コイツは俺の…唯一の居場所なんだ。だから手離せない」

目立ちすぎるヘイズの愛車に、苦言にも似た意見を述べるソーマタージ。
しかしヘイズは穏やかな顔つきで、さも愛おしそうにマスタングを見つめる。
それは彼が初めて越境者として大仕事をこなした際の謝礼をすべてつぎ込んで作り上げた、最高の一台であるからだと言う。

「……生きてる…?兄貴が……生きてる…」
「ハハッ…マジか…」

ジョシュア生存の報をソーマタージから聞けば、一瞬口をぽかんと開けて
薄ら笑みを浮かべながら、未だ実感に至れぬ心地で手汗の滲む両掌を見つめ。

>>353
「は?」
「越境者…って…ど、ど…ドリフターなのか…!?」

続いてニアからジョシュアが越境者であり、仲間であると聞けば今度は口をあんぐりと開けて。

「こりゃブッたまげんのは兄貴の方だろうな…俺は兄貴の目の前で死んじまったから…」

どうやら過去にヘイズもジョシュアと似た境遇での越境を体験していたらしい。
雷に打たれ、ビルから落ちるよりもハードな体験であるかどうかは気になる所だが、
しかしその越境方法を見る辺りやはり彼らは兄弟といった所か。

>>354
「…え?兄貴が死んだ…殺した…?」
「生きてるのに死んでるって…!?一体どうなってやがる…俺には分からねぇ…!!」

最終的にアグラーヤから新たな情報。これも真実であるのだがまたこれが若干ややこしい。
終いには頭を抱え込んで唸ってしまうのだった。


356 : ニア・シューペリオリティ :2016/05/14(土) 23:22:38 ???
>>355
「あぁ、もうっ……」
「……と、ともあれっ、今は無事だってんですっ」
「というかっ、治療を受けてるはずだってんですよっ」

ソーマタージとの2人では穏便に済みそうな会話であったが、アグラーヤの一言でまたこじれる
どう言えばいいのやらと苦笑、ともあれ現に今彼は生きているのだ

「……とりあえずっ」
「えーとっ、ニア達は次は何かまたやらないといけないってんですかねっ……?」

それは月光をいち早く奪還する為の術である
何かをしなければならないのだし、何かをしていれば不安も少しは紛れるというものだ


357 : ヘイズ【バイタル・アンブロック】 :2016/05/14(土) 23:30:41 ???
>>356
「治療…?誰かにボコられたのか?」

治療と聞けば首を傾げ、自分を探すために蜂の巣になった男がジョシュアだとは気づいていない様子。

「さぁ?俺の知る所じゃねーな…」
「ジャンゴは何か…裏切者がなんとか言ってたみてーだが……っとぉ!あっぶね…!」
「………ワーオ…アイツ…こんなモン隠し持ってやがったのか」

ヘイズもジャンゴの組織に属している訳ではない。顔なじみの頼みを引き受けただけに過ぎないのだ。
物を積んでドライブして金が貰える。こんなに楽な仕事は他にない。なんて言おうとしたその刹那。
何やら布で覆われた巨大な物体。その端を踏んで転げそうに、咄嗟に布を掴んで転倒だけは免れる。

しかしバランスを崩して布を引きはがしてしまった際に、布に包まれていた、ヘイズの手によってヴェールを脱いだ巨大なソレに息を呑むのだ。
それはその世界では最新鋭の、イタリア空軍の試作型ジェット戦闘機(ユーロファイター)であった。


358 : 又ジ ◆.zilz3o6.U :2016/05/14(土) 23:31:36 ???
>>355
200万ドルってことは……俺の年収より高いじゃねえか……
【数秒考え込み、苦虫を噛み潰したような顔で唸る】
【相手は本職なのだからしょうがないのだろうが、なんだか負けたような気分に苛まれることに】

居場所、か──なら仕方ないな。大切にしてやれよ?言われなくても分かってるだろうが
【年上の風格ってヤツ?と飄々とした態度で】
【大切に思えるものがあるのは悪いことではない。珍しく皮肉を叩くことも、小馬鹿にすることもなくヘイズの言葉に納得した】

嬉しいのかどうかは置いといて…生きてる生きてる。確か一回刺されたもん俺
兄弟か……まあなんだ、良かったな?おめでとう?
【肩を竦め、これで本当に合ってるのか確かめるような言い草】
【吸う?といつの間にか手に握っていた煙草の箱を差し出し、自分は小さくなった吸い殻を携帯灰皿に捨てる】

……まあ、何はともあれ今は生きてる。そりゃあ一、二回は殺されたかもしれないが、今は生きてる!以上!
【周囲の言葉(主に>>354のもの)に戸惑いながらも、無理矢理纏めるように声を張り上げる】


359 : ヘイズ【バイタル・アンブロック】 :2016/05/14(土) 23:39:04 ???
>>358
「一仕事でそれだぜ?内容は何だったと思う?………核弾頭の輸送だ。それも中古の改造マッスルカーでな。イカれてるだろ?」
「ま、それ以降は鳴かず飛ばずで……その場凌ぎでなんとかやっていってるよ」
「俺にとってはワイフだね!コイツが逝っちまったら俺は…いや、逝くときゃ俺も一緒だ」

なんだかワイルドスピード染みた場面に遭遇し、それに参加することによって莫大な報酬を得たようだ。
勿論毎度上手く行くとは限らないが、それでも燃料代と修理費だけは払えるほどには稼いでいるようであり、

「……兄貴は生きてる。オーケー…同姓同名じゃねーだろうな…ガッカリさせんなよ?」
「所でソーマタージ、飛行機のライセンスは持ってるか?」

そうだと思い出したように、親指で背後に佇む空の支配者をクイクイと指差す。
悪戯めいた笑みを浮かべ、勿論乗るつもりなのだろう。


360 : ニア・シューペリオリティ :2016/05/14(土) 23:41:06 ???
>>357
「えーっとぉ、さっき拾ってくれた時に担いで来てくれた人がそうだってんですよっ」

つまりはまぁ、蜂の巣になり掛けていたのがそうである
そう告げる口調は何処かオズオズとしたモノだ

「うーんっ、なるほどぉ……」
「あっ、大丈夫だってんですかっ?」
「……?」

渋々納得した模様、彼に非はないのだから
しかし何事も無くいるというのは厳しいモノだ、嫌でも時間の経過を意識してしまい故に在るべきモノの不在を認識してしまう
そして姿を現した飛行機に、果たしてこれが何を意味するのかすらピンと来ない風に小首を傾げた


361 : ヘイズ【バイタル・アンブロック】 :2016/05/14(土) 23:46:31 ???
>>360
「なぁ、ジャンゴに頼んで…あんたの分だけでも先に返して貰えるように取り計らっとくよ」
「…だからさ、そんな目で俺を見ないでくれ!俺じゃどうしようもねーんだって!」

若干ニアに詰め寄るように、そんな目で見ても無駄だと抗議するヘイズ。

「………え?」

そのまま固まって視線のみがニアの瞳を完全ロックオン。避けても逸らしてもじっとニアを見つめるのだ。
少なくとも自分の兄は人間だし、両親もそうだとヘイズは記憶している。
そして記憶の中の幼い兄は、少なくとも銃弾を何発も喰らって平気な程人間離れしてはないし、撃たれたところがメラメラ燃えたりもしない。


362 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/05/14(土) 23:52:05 ???
>>359
核弾頭とはよく生きてたものだな…俺も今度買い手探そうかな
【ボソリと洒落にならない事を呟きつつも、ヘイズの言葉にはわかるわかると頷く】
ワイフか、分かるぜその気持ち、大切にしてやれよ。二回目だけど

飛行機!いいな、白状するが実は高校生までは戦闘機パイロットになりたかったんだ
いつか大量破壊兵器の投下を任されるかなって
【笑いながら先程と同じ様にベタベタ機体を触り、細部まで確かめるかの様に眺める】

免許はないが操縦の仕方は分かるぜ、任せな
こう見えて空軍出の友人が……いやあいつは陸軍だったか…
とにかく!飛行機なら任せな。トップガンも三回は観たしエースコンバットも二回はクリアしてる。大船に乗った気分ってやつを体験できる良い機会だぞ
【ワハハと楽しそうに笑うソーマタージ】


363 : 高貴姉妹 ◆ALICE./9P. :2016/05/14(土) 23:53:15 ???
>>355
「あっは、別にわからないならわからないでいいんじゃないのぉ?
どうせそんなに大したネタバラシでも無いのだからぁ」

くすくすと完全に場の混乱を、というかヘイズが悩み頭を抱える様を見て楽しんでいる模様。
ニアとソーマタージからため息が聞こえてきそうなものであるが、アグラーヤは己が楽しみたいという欲求に従うまでである。
まぁネタがある、という事を認めている点でニアたちの言と矛盾していないことはわかるだろうが、それでも実に嫌らしい女である。
そして今後の事なんてまるで考えていないのはアグラーヤの表情を見ればわかるだろう。全く不真面目であった。

/遅くなってごめんなさいー
/次は普通にレスできまするっ


364 : ニア・シューペリオリティ :2016/05/14(土) 23:53:18 ???
>>361
「あっ……いえっ……」
「嬉しいですってんですけどっ、それならみんなの分を一緒じゃないとっ……」

武器に対する想いというモノは各々である
そしてそれはつまり、ニアだけが特別ではないという事でもあった
そんな中で、自分だけが特例の中に甘んじる訳にはいかない
月光はニアの、精神的支柱の剣であるが、同時に成長を促す親の様なモノでもあるのだ

「えっ?」

何を当然と言わんばかりの見返す瞳
越境者の多くは能力者であり、それはニアの接する多くの人々がそうであると同義だ
そんな生活の中、やや常識が王道から逸脱してしまっていても仕方のない事


365 : ヘイズ【バイタル・アンブロック】 :2016/05/15(日) 00:12:11 ???
>>362
「えっ持ってんの?」

ヘイズの場合はロシアから中東までの長距離輸送だ。しかし核弾頭自体は政府から秘密裏に供与されたもの。
買い手探そうかなと呟ける立場にはない。ソーマタージの言葉に耳を疑いつつも喰いつき、

「ライセンスねーのかよ…!現実の戦闘機はミサイル数百発も積めねーぞ!?」
「まだ死にたくねーし…エンジンだけでも吹かしてみよーぜ?」
「こんな戦闘機初めて見たぜ…Wik○pediaにも載ってねータイプだな…ブラックオプスの一環か?」

ライセンスを持っていないと聞けば一気に顔色は優れなくなり、勝手に飛ばせばそれはもう酷く怒られるであろう事は目に見えている。
とりあえず滑走路に出てみたいと戦闘機によじ登り、キャノピーのボタン部分を蹴ればセンサーが感知してゆっくりと持ち上がる。
タンデム座席の前部に乗り込み、片手に持っていた越境端末で機体の形式番号を検索するも、どこにもそれらしい資料は載っていない。
操作方法も分からないので適当に操作、スイッチをすべて上げ、イグニッションボタンを押す。

>>363 >>364
「……じゃあ俺は兄貴を助けたってワケか…へぇ…ふーん…」
「チビちゃんも一緒に乗るか?風を感じようぜ!!」

ニアの言葉を聞けば嬉しそうにニヤついていたが、やがて戦闘機によじ登りコクピットに乗り込んだ。なにやら悪戯の予感。
まるでオープンカーでも走らせているかのように、風防を開けたまま腕をコクピットから出して楽しそうにしている。

「何だよ!?まさか…マジで一回兄貴をヤったってのか、その辺ちゃんと教えてくれよ…」
「あー……ミス…ガリガリ…メカエルフ…?」

アグラーヤの思わせぶりな言葉にヘイズはますます困惑。戦闘機のコクピットからアグラーヤを見下ろし、
まさかジョシュアがあのような有様になってしまったのはこの女が関係しているのではないかと、
しかし何と呼べばいいか分からず、アグラーヤの見たままにミスをつけただけのスゴイシツレイネームで彼女を呼ぶ。


366 : ニア・シューペリオリティ :2016/05/15(日) 00:17:25 ???
>>365
「まぁっ、そうなりますねぇっ」

結果として彼は自身の兄のいのちを救ったという事になる
とはいえその切っ掛けとなった理由を考えればちょっとアレだが、まぁそれは言う必要もないだろう
そして乗るかとの声に少し悩み、

「……えーっと、安全性がバッチリ確保されてるならっ……」

無論まだ死にたくはない
答えはこんな感じの曖昧なモノではあるが、まぁ仕方ない
とはいえ文字通り、走らせる程度ならば乗り込む事であろう

//すみませぬ、眠気がそろそろやばしっ
//なんでしたらニアはモブ的な扱いでお願いしますっ…ありがとうでしたっ


367 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/05/15(日) 00:29:19 ???
>>365
お前やお前の大好きな兄貴同様、俺も元はここ以外の世界の人間だ
俺のいたところは全体的に酷くてな。軍関係の古い施設をちょっと潜れば骸骨と核弾頭がズラリよ。持ち逃げされて怒るような奴らもいない
そして闘争は変わらず続いてるから何とかして運ぶことが出来れば十分売れる。その時はお前にも頼むかもな
【嘘は言っていない、言っていないのだが……ボサボサの長髪に薄汚いコート、おまけに目が若干イってると何分見た目が胡散臭いので信じられるかどうか】

なーに、戦闘機もAT車も似たようなもんだろ。適当にハンドル捻ってりゃ動く動く
【座席の後部に座り、同じように適当にボタンをポチポチ】
……とは言ったものの、どうやって動かすんだよこれ
よくよく考えたらゲームや映画の戦闘機はエンジンかけるところなんてカットしてるからな……
【頭をポリポリ掻きながらデタラメにそこら中の物を押し、捻り、次第に苛立った様子に】
【数十秒後には完全にキレ、怒りに任せて拳を叩き込む始末】
俺の家の飛行機はッ!これで動くんだがな!駄目ならもう知らん


368 : 高貴姉妹 ◆ALICE./9P. :2016/05/15(日) 00:32:01 ???
>>365
「……それ、誰の事言ってるのかしらぁ? ふん、まぁいいわ。アグラーヤ、私の名前。
私が彼を一回殺したのは事実だけどぉ、別にこの話には何のドラマも無いわよぉ? 詳しく知りたいなら本人に聞けばぁ」

正直言って当時のアグラーヤはジョシュアを手に掛けた時に何の感情も抱いていない。だからアグラーヤからヘイズに話すような事も無いのである。
それでもアグラーヤから聞き出そうというのなら出てくるのは何の面白みも無い事実のみであろう。きっとジョシュア本人から話した方が彼好みの面白い話になると思われる。
話が真面目な方向へ向かうとつまらなそうに、興味なさげにふいと顔を背け、しかしじろりとコクピットのヘイズを見上げ、睨むように一瞥した。


369 : ヘイズ【バイタル・アンブロック】 :2016/05/15(日) 00:38:33 ???
>>ALL

「動かねぇな……クソ」
「おおっ!でかしたソーマ!これで滑走路をいっしゅ……」

後部座席にソーマを、その膝の上にニアを乗せてさぁ出発とイグニッションボタンを押すが何も起こらない。
ソーマと同じくあれこれガチャガチャと弄り回してようやく、エンジンが1分程息を止めた人間のように苦しそうに吸気を始めた。
よし動いたと楽しげにスロットルレバーを引くヘイズであったが、エンジン始動から30秒ほどで謎の猛振動、エンジンからは黒煙。

終いにはミレニアムファルコンのハイパードライブ失敗音(ttps://youtu.be/8G6RChOLrTA?t=2m44s)のような音を立てて止まってしまう。
流石にヤバいとヘイズも理解したのか、黙ったままコクピットから降りてキャノピーを閉め、翼から飛び降りて元通り布を掛け。

「あ…アグラーヤ…、俺…兄貴の見舞いに行ってくるから……」
「……ジャンゴにこれバラしたら、俺のマスタングで轢くからな…!」

何事も無かったかのようにニアとその場から去るヘイズ。
去り際に名前を覚えたてのアグラーヤをいきなり脅して、それから足早に逃げ去ってしまった。

//時間もいい感じなのでコノヘンデー!ヘイズくんの設定回でした


370 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/05/15(日) 00:51:36 ???
>>369
【無限の彼方へさあ行くぞと意気込んだのも束の間、エンジンから黒煙が上がってきたところでわたわたと自分だけ飛び降り、ゴキブリの様な素早さで飛行機から離れる】
【長年の経験から爆発するかと思ったが杞憂に終わった様だ】

…そうだ、思い出した。俺一度空軍に入ろうとしたんだけど精神面がどうとか言われて突っぱねられたんだ
いやスッキリした。じゃあ俺、ピザでも食って帰るから…
【ヘイズが去ってから数秒後、しーらねっとその場から走って逃げ出すソーマタージ】
【アグラーヤをその場に残し、責任を問われたくない一心でひたすら北へ逃げる。逃げる】

//乙でしたー


371 : 高貴姉妹 ◆ALICE./9P. :2016/05/15(日) 00:59:47 ???
>>369
「……ふぅん、随分なご挨拶ねぇ。この私をそんな風に脅して、それで済むと思ってるなんておめでたいわぁ。
はぁいとか言って黙ってる女に見えたのかしらぁ? お馬鹿さぁん」

その場を去るソーマタージへひらひらと適当に手を振ってひとりその場に残れば、被せられた布を再び剥ぎ取って機体によじ登る。
そしてキャノピーを開ければアグラーヤの掌はバチバチと音を立て始め……どかん。
飛行機のコクピット内は精密機械の塊だ。無論機械音痴のアグラーヤにどれがどうなどは分からないが、電撃を浴びせられて無事でいられるもので無いくらいはわかる、
ぶすぶすと黒煙を吐き出すコクピット内を眺めながらアグラーヤはジャンゴとかいうやつをその場で待つのだ。
ここで何が起きたのかをそのままありのまま、自分に都合良く伝える為に。
大分派手に壊れている様に見えるが、電撃の出力はかなり抑えられていた様で、多少頑張れば直せない事も無い筈である。多少頑張れば。

/ありがとでしたーぁ


372 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/11(土) 22:00:10 ???
1987年、平行世界のシチリア半島――

ヘイズ『で、ジャンゴよ。お前なんで俺をファミリーに引き入れた?』
「……こんなガキの為に俺は銃で蜂の巣にされたんだ。その価値は…こいつにゃあるんだろォな」
ジャンゴ『まァまァ、落ち着いてくれや…こいつを知る為にはどうしてもヘイズのアシが必要だったんだ』

出逢い、そして衝突。さらにそこから装備を奪い取られて数週間が経とうとしていた。
自分達がいいように利用されることにフラストレーションを蓄積させつつあったジョシュアと、自らを半ば無理矢理味方としたジャンゴに理由を問う事を憚っていたヘイズ。
二人を筆頭としてた越境者達はジャンゴに詰め寄っていた。いくら揉め事を起こしたとはいえここまで付き合う義理はない、と。
ジャンゴはヘラヘラと相変わらずな態度で越境者達を見やると、ひらひらと手を振って椅子に深く腰掛けたまま訳を話すのだ。
ガキ呼ばわりされたヘイズは、自分が死んだ筈の弟だとは微塵も知らないジョシュアに

ジャンゴ『俺達が探してるのは新型のドラッグの出所。化学(ケミカル)タイプのヤツだ』
ジャンゴ『通称トリコロレ・ワイン。その名の通り異なる三色の識別剤が添加された薬品を混ぜる事で初めて効能を発揮するドラッグ…』
ジャンゴ『揮発性が高くて化学的に不安定…混合前の安定した状態で輸送されるから、見分けが付くようにこういう配色になったんだとヨ』

ジャンゴ『…まー、俺がこいつの出自を探ってるのにはちと理由があってな?お前らにはその”調理場”を制圧して欲しいのよ』
ジャンゴ『で、さんざんコキ使った訳だけど、その工場さえ手に入れてくれりゃこのお仕事はお仕事は終わりだから、そこらへんヨロシクゥ』

ジャンゴの言う所では、多大な手間をかけてヘイズを探し出したのは、イタリアで最速の移動手段を持つ彼ならば街中を回りワインの売人を付け回すことが出来る
追跡した売人の拠点から、さらにそこへ品物を供給している仲介人を割り出し、最後には大本へ辿り着くことが出来る筈だと。
つまりはジャンゴの目的は、イタリアにはびこるドラッグの供給網を制圧し我が物とすることなのである。
しかしそれさえ終わらせれば彼等は自由の身。それだけは確実に約束すると誓うのであった。


373 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/11(土) 22:00:40 ???
そして数週間後。
運命の日、平行世界のフィレンツェ―――

ジャンゴ『……とは言ったもののヨ、こいつはちと…』
「……クソでけェ…スターク・インダストリーかよ」
ヘイズ『スタークってよりはオズコープだな…』
「……!、アイアンマンを知ってるのか…?、……こりゃ話が合いそうだ」
ジャンゴ『(弟だからな)』

ヘイズの運転するトラック、その貨物室で大量の武器と弾薬に囲まれて一行は巨大な街の大通りにやって来ていた。
カメラ越しにモニターに映し出される街並みと、目の前に立つ巨大な建造物にジョシュアは顔を顰めジャンゴは唖然としている。
襲撃メンバーは越境者達とヘイズ、ジャンゴ。そして部下のヴィンチェンヅォ、シルヴィオ、パニーノ。ベルナルドはハッカーとして車内に残ると自ら提案。
無線機越しにヘイズとコミックネタで盛り上がりながら、ジョシュアは銃を適当にピックして弾残を確認。現代の銃には遠く及ばない粗悪なシロモノばかりである。
ジョシュアもジャンゴの、麻薬の製造工場などシケたギャングの運営するオンボロ工場だとタカをくくっていたのだが。
しかし見事に二人の予想を裏切り、現代においても高層ビルの名に恥じないであろう巨大な建造物がそこには珍座していたのである。

ジャンゴ『トリコロレ・ワインの出所はフェラッリの連中だった。ボルギーニ程武闘派じゃねーが、規模はヤツらの比にはならねー…』
ジャンゴ『イタリアの工業と経済の中心を担う大グループ、政界進出にも踏み切ってる…法王からの信頼も厚い』
ジャンゴ『工場はこのクソでかいビルの地下だ。気合い入れて行くぞ…!』

この高層ビルを所有しているのは三大マフィアのうちの一角、『フェラッリ・ファミリー』であり、このビルはその拠点である。
出所のケミカルラボは地下4階にあり、ジャンゴたちは其処へと踏み込むことになる。しかしこれでは制圧しても直ぐに大量の増援に押しつぶされてしまうだろう。
このトラックからシルヴィオが警備システムを一時的に無力化し、ヴィンチェンヅォと
一夜漬けの侵入プランはあまり信用できるようなものでは無かったが、指示に従うより他はない。こうして越境者達はメガコーポ内部への侵入を余儀なくされるのだった。

ジャンゴ『おっとそうだ、どんな時でも殺しはしねーのが俺の流儀、だから警備員は殺すなお前らッ!』
ジャンゴ『…あ、でもまー殺されそうだったら…まぁ殺しちゃってもいいよ…ハハ』

ガン、と荷台のハッチを蹴飛ばしてガシャッと銃をコッキングするヘイズ。冗談交じりに飛び降りればジョシュアもそれに続き、
ヘイズがドライバーシートから降りればベルナルドがシートに移り、助手席にラップトップを置いてフェラッリのシステムを妨害し始めるのだ。


374 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/06/11(土) 22:16:24 ???
>>372
(警備員を殺さず制圧して ヤクを抑えて流通を乗っ取る・・・? よく分からないけど できるのか?)
自らのオツムでは 制圧したところで報復が待っているだけのような気がしてしょうがない

ついでに言えば自分の武器はみな量産品 金さえ出せばまたそろえられる程度のものでしかないのだが
他の仲間を放り出してまで逃げることもできず 結局ここまで利用され続けている

「制圧したいならせめてスマホと警棒返してくれよ・・・」
そうグチりながら外の様子をうかがう

侵入ルートは把握した 手筈も把握した

「そしてここにはキャリアー潰しもサイバネ戦士もサイバーニンジャもいない・・・スプロールに比べたらイージーだ・・・よし…!」
拳銃と予備マガジンのみを手にし リュックには食料を詰め ヘイズが降り ジョシュアが降り 直に仲間が降りる

「デモンレッグ・・・行くぞベティ!!」
―――ギィ!!

自らも飛び降りるや否や 脚に青き霧を出し 一目散にビルを目指す


375 : ニア・シューペリオリティ :2016/06/11(土) 22:20:50 ???
>>372-374
変わらず月の光の変わりに不安を抱えて久しいニアは、話の要点だけを掻い摘んで理解しようとしていた
つまりは制圧作戦である、それも閉所の
ならば都合が良い、タイドメイカーは元来対多数の一般兵を相手取る為に造られた能力だ

「つまり、雪崩(ヴァランガ)的なっ……?」
「……分かりましたってんですっ」

足を引っ張るであろう不殺の理念はまぁ、イタリア式(大雑把)なモノで良さそうだ
好き好んで殺しをする訳ではないが、それでもいのちの比重は己のモノが見知らぬ他人より余程重い
それが敵対者となれば尚更なのだ

「一応、これ借りますねっ」

さて、そんな修羅場に赴くのに無手とは心もとない
適当にリボルバーを一丁手に取り、懐へ仕舞う
ズッシリとした重み、ピースメイカーは安堵感を与える事はしない

「……!!」

そして総員に続いて降り立ち、タイドメイカー5本を扱い高速機動
この方が速いし、それに敵の視線をニア自身に集中させる枠割も果たすであろうとの考えだ


376 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/06/11(土) 22:24:59 ???
>>373
俺の家よりデカイ…のは当たり前か、ハハハ
【フードを目深に被り、一人で笑うのはソーマタージ】
【正直ジャンゴとやらの言うことは信用出来ないが、やるしかないのもまた事実。いやだねえ】

麻薬工場ってのは納屋を改造したような、こう、臭くて暗くてチンケなものじゃなかったのか?
折角ロボコップやろうと思ってたのに…どうしてくれんだ俺の純粋な気持ち
【気に入らないなあ、気に入らねえよ。と歯を鳴らし、腰の刀に手を添えて入り口を睨みつける】
【憤怒の表情を隠すかの様に重々しい音を立てて酸素供給機が装着され、蒸気を吐くとジョシュア達に続く】

そりゃ無理だ、向かってきたやつはサパッと殺るのが俺の流儀
…まあ考えといてやるよ。ノリノリな音楽流してくれ
【ジャンゴの言葉にフードの中で眉をひそめ、刀に添えた手を離す】
【直後、両肘から先が鈍色の無数の触手に覆われる。どうやら拳で戦うつもりだ】


377 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/11(土) 22:30:27 ???
>>ALL

無線機を通して各々の会話は聞こえるはずだ。これによって連携が可能となる。

ジャンゴ『俺の天才的プランではこうだ』
ジャンゴ『まず妨害が利いている間に1階を制圧してパニーノが警備室を抑える。地下四階まで潜ったらブループリントを確保、ラボを破壊してスタコラサッサだ』

「ラボで生成してるワインは揮発系の危険物質…爆破すんのは簡単だが…とんでもない規模の爆発になるぞ」
「このビルは倒壊…下手すりゃ爆発でこのブロック一帯は消し飛ぶかもしれねェ、…大勢死ぬぞ」

ジャンゴ『バットでぶん殴って壊しゃいーんだヨ!混ぜなきゃ爆発しねーだろ、信じろ俺を!』
ヘイズ『行き当たりばったりにも程があるんじゃねーか…!?』
ジャンゴ『無駄口叩いてる暇があったらあいつらをブッ殺せ!じゃねえブッ倒せ!』

そうこうしているうちにビルのエントランスの警備員が異変に気付き警棒を振りかざして襲ってくる。
数は5人。片づけるには容易いものだ。ニアに一人、アキレスに一人、ソーマタージに二人襲い掛かって警棒を振り下ろした。
ジョシュアに向かった一人は即座に頭を鷲掴みにされ、ブン投げられて警備室のドアを破砕する。
壮年の髭面の男パニーノとスキンヘッドの大男ヴィンチェンヅォがそこへ雪崩込み、中で居眠りをブッこいていた警備員を叩きのめして放り出す。
痩せぎすの男シルヴィオは、氷の異能を用いて床を凍結させ、倒れた警備員たちを磔にして身動き取れないように無力化しているようだ。


378 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/06/11(土) 22:38:31 ???
>>377
「んじゃ混ぜてからの爆破は出来ねぇな」
大量殺人者になる? 即決でお断りしまs・・・爆破?

「なぁ その爆破なんだけどよ 混ぜる量を調整して威力を調整できねぇの?」
と質問を投げかけるが その答えが届く前に警備員襲来のお知らせ

「今ここに必殺のぉぉぉ・・・!」
ガシリと背中のベティを掴むと

「ベティガード!!」
―――ギィ!!
さっと頭上に掲げる その堅牢な甲殻は警棒の直撃を受けてなお傷一つつかない

「&ナントカ活心流禁じ手の末代祟り!!」
そして足を思い切り振り上げる 警備員の股間めがけて!!


379 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/06/11(土) 22:44:55 ???
>>377
するってえと何か?この俺にドカタみてーに粗雑で野蛮な方法で物を壊させろと?いいよ
胃の中の爆弾を使っていいかい?ガス爆発とか言っときゃバレねえよ。ジョークだ
【軽口を叩いた瞬間、聞こえてくるジャンゴとヘイズの会話に思わず顔を顰め、無線機を少し離す】
分かった分かった、兎に角ぶっ壊せばいいんだろ!?

来たぜ来たぜ。オイ、BGMはまだか?ダブステップがいいな
来やがれクズめ!臓器を抉って並べてやる
【二人に狙われてもその闘志は衰えない。獰猛な笑みを浮かべると、首と手首をコキコキ鳴らす】
【ファイティングポーズを取り、警備員を挑発。その直後にソーマタージは動く!】
【最初に近づいてきた方へ鋭いボディーブローを放ち、先ずはその警棒を奪おうとする】
【武器はあるに越したことはない。手に入ったならばもう一人の方へ警棒で殴りかかる、入らなくても拳を数発叩き込めば黙るだろう】


380 : ニア・シューペリオリティ :2016/06/11(土) 22:45:04 ???
>>377
「爆発ってんですかぁ……」

やや物騒だ、無関係な人も大勢死ぬだろう
流石にそれは憚られる、思案する間も無く否定的
さてはてならば物理で殴るべきなのだろうかと実際考え始めていた辺り、敵兵襲来のお知らせである

「……このっ……」

タイドメイカーでニア本体を高く持ち上げ回避、そのまま攻撃用に生やした1本を薙ぎ払う様に振るう
蝿を追い払うような所作ではあるが、その膂力は圧倒的である


381 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/11(土) 22:48:26 ???
>>ALL
「…まァそれはおいおい考える。まずは工場の制圧だ…警報を無力化出来てるうちに…」
ヘイズ『ジョシュアの異能で食べたり…ダメだよな。そんな目で見るなよ』

ラボの破壊方法はさて置いて、今はラボを制圧しブループリントを抑えるのが先だ。
工場を破壊したとて製造法を抑えていなければまた別の場所を拠点としてワインは製造され続けるのだから。

ジャンゴ『さぁさ雪崩込め野郎共!!地下の工場をやーっておしまい!』
ジャンゴ『銃すら持ってねぇマフィアなんてヘナチン野郎だ、怖かねーヨ!このまま一気に――』

警備員を打倒し、地下へと続く非常階段の隔壁をジョシュアが捕食で食い破る。
さぁ踏み込まんと一歩足を延ばしたその時、風切り音と共にジャンゴの身体に二発の銃弾が食い込み、ジャンゴはそのまま階段を転げ落ちた。

ジャンゴ『いってェ!!』
ジャンゴ『撃たれたぞゴルァ!!どうなってんだ…!?……ぱ、パニーノォ!どうなって…』

血塗れになりながらもがばっと勢い良く起き上がる。服の下に仕込んでいた防弾アーマーが貫通を防いだようだ。
しかしダメージは少なくなかったようで、唇の裂傷とは違う、ドス黒い血を口から吐き出して叫ぶ。

パニーノ『ジャンゴ…やられた…!サイレントアラームだ…!』
ヴィンチェンヅォ『ボス…!さぁ起きて!』

ジャンゴ『クソッタレがぁぁ…!おい!ベルナルド!!そこはフェラッリだらけになっぞ!!』
ジャンゴ『さっさと降りて来い!皆殺しにされちまう!』

どうやら敵のセキュリティを無力化することが出来なかったようだ。
サイレントアラームだということに気付かず警戒を怠った結果背後からの銃弾を浴びる結果となった。
越境者達の背後から迫るマフィアは総勢30名程、トミーガンを構えてそのまま階段の方へと駆け寄ってくる。


382 : ニア・シューペリオリティ :2016/06/11(土) 22:56:37 ???
>>381
「……!!」
「お前が死んだらぁっ……!!」

まるで海中を泳ぐタコの様に、触腕を用いて壁や天井そして床を蹴って飛翔するニア
行き先は無論ジャンゴの元だ、敵の機動の状況次第では彼を攫っての撤退も視野に入れねばならない

「だぁれが月光返すってんですかぁっ!!」

リボルバーを取り出し発砲、同時に4本の触腕で打突
面制圧を重視した、何方かと言えば威嚇牽制目当ての攻撃だ
だがしかしそれでもその威力は高く、目論見以上の破壊力を持ち合わせてはいるが


383 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/06/11(土) 22:57:44 ???
>>379
BGMのリクエストをするソーマタージ
すると無線機の奥 アキレスの私物であったラジオが勝手に動き出し

《那由他の彼方から君にお届けする大迷惑ゲリララジオ放送局・・・ワイ・2・レディオオオオオ!!》
突然軽快な男の声が飛び出した

《今日もこの俺ショーグン・Gがお届けするぜ!! 今日は遠い異世界のソーマタージ君からのリクエストヒゥイゴ!!》
と ラジオからソーマタージ待望のダブステップが流れ出す

>>381
あの警備員がこの先子孫を残せるか心配になったが とにかく今は階段を降りることが先決
ジョシュアに続いて向かおうとしたその時 銃弾がジャンゴを穿つ

どうにか生きているらしいが

「よーしバカヤロウテメェこんなことになってわかってんだろうなオラ!!」
通信で恨み節を垂れながら後方に向けて拳銃を乱射しつつ 階段を高速で降りようとする

なお背にはベティが捕まっており 銃弾をはじく一因にはなってくれるだろう・・・多分


384 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/06/11(土) 23:07:43 ???
>>381
【やれやれと肩を竦め、いざという時どんな風に仕留めてやろうかなどと考えていると、目の前でジャンゴが転げ落ちた】
オイオイオイ!警備を抑えるんじゃなかったのか!?
サイレントアラームだァ!?ふざけやがって!
【見れば短機関銃を持った連中が向かってきているではないか。流石にこれは分が悪い】

【ドタドタと滑る様に階段を下りると、拳を握り直して階上を見上げる】
クソッ、俺も銃借りとくんだったな。仕方あるめえ
【ブツブツ呟くと、両の拳に変化が起き始める。手の甲から伸びた数本の触手が互いに絡まり合い、コンセントめいた二本の鋭く太い針と化したのだ!】

最近思いついたんだ。さあ来い、来い。なんだったら先に行ってても良いぞ
【フードの下で蒸気が排出され、両目が妖しい輝きを帯びる】
【一番最初に向かって来たマフィア、そいつに拳を叩き込み、自身の内蔵バッテリーから電流を流す】
【電流自体はスタンガン程度の威力、寧ろ針の方が危険なぐらいだ。だが狙いはあくまで彼らの持つトミーガン】


385 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/11(土) 23:15:42 ???
>>382
現在の状況はあまり芳しくはない。
1階は30人弱のマフィアに埋め尽くされ、一行は下に向かうほかなくなった。
敵を全滅させなければ逃亡することは叶わないし、それにラボを爆発させれば確実に巻き込まれることになる。

ジャンゴ『ゲホッ…やっぱ女の子って優しくてサイコー…ニアちゃんサイコー!ゲェッホ!!エホ…!あてっ…』

調子に乗ってニアを抱き締めようと手を伸ばしむせて、さらにジョシュアによって顔を捕まれ地面に後頭部を押し付けられて声を上げる。
よいしょと起き上がれば一行を追うマフィア達から逃げる為、サブマシンガンを後方へ乱射しながら階段を駆け下りるのだ。
ヴィンチェンヅォとシルヴィオ、パニーノ。遅れてやってきたベルナルドが後方をカバーする。

>>383
ジャンゴ「スマンスマン…まァ、これはこれで…真実に一歩近づけたかもな…」

アキレスに追い越されたジャンゴが浮かべるのは怒りの表情ではなく、むしろ呆れたような笑み。
ジャンゴの呟きの意図は到底察する事はできないだろうが。

地下四階へと到達するのはアキレスが最初だ。封鎖されたドアを蹴破れば慌てふためく研究員達と巨大な幾つものタンク、
そしてデスクの書類を掻き集める一人のスーツ姿の女性が目に入る筈だ。
警備員はまだ到達しておらず、どのような行動を取るかはアキレス次第という事だ。

>>384
『銃相手に殴り掛かるとはな…!死ねッ!!』

迫るソーマタージに向けトミーガンを構えるマフィア。狙いは精確、他のマフィアも雪崩込みソーマタージへと照準を合わせる。
だがしかし速かった。ソーマタージの針がトミーガンのドラムマガジンを捉える方が数瞬もだ。

現代程安全性を重視した設計でない弾薬への引火は容易く、そして素早い。
バン!爆発音と共にドラムマガジンが破裂し、まるでポップコーンのようにバチバチと続く連続音。
トミーガンに込められた50発の弾丸が四方八方へとネズミ花火のように飛散し、周囲のマフィアを傷つける。
無論それは至近距離のソーマタージに対しても向けられ、殺傷圏内に留まれば彼に甚大な被害を齎すだろう。


386 : ニア・シューペリオリティ :2016/06/11(土) 23:22:26 ???
>>385
「そう思ってんなら早く月光返すってんですっ!」

あれの有無は精神安定の面もあるが、正直ニアの戦闘能力にも大きく関わっている
今の様な対多数の、大雑把な戦闘ならばともかく越境者レベルの実力者相手に戦う場合矢張り月光の力は大きい
だがその叫びが少なくとも今この場で成就される事のない願いだとは分かっていた

「……あぁっ、もうっ……!」

不慣れな銃の発砲、その度にバランスを崩し仰け反る
これならば矢張り、触腕での牽制に徹した方がまだマシである
4本の触腕を振るい、3本で機動し一同と共に駆け抜けて降る


387 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/06/11(土) 23:26:17 ???
>>385
「ぃぇぁ到着ゥ!!」
―――ギィ!!

背後のベティが何発か喰らったようだが 問題なくここまでこれた
さて収穫のお時間です 辺りを見回して 何か書類を掻き集める女性を発見したので

「おぅいえー・・・ベティ」
―――ギィ?

疑問符を浮かべるベティを両手でつかみ

「あそこに麗しき(?)女性が見えるな? どうやら遊んで欲しいらしい だ・か・ら」
思い切り振りかぶり

「心行くまで遊んでらっしゃい!!」
―――ギィィィィィィ・・・!

女性にむけて投げつける
ベティは女性に危害を加えることなく 背中によじ登ろうとするだろう

【中型犬〜大型犬レベルの大きさのサソリにまとわりつかれる恐怖!! しかもちょっとやそっとの銃撃ではへこたれない防御力!!】
「・・・よし」
これで書類持ち出しの時間が稼げることだろう そしてこの場をどう壊すかだが

「オイ!! 答えろ!!」
うろたえる研究員を拳銃で脅そうとする

「どのタンクがどの薬品なのか応えな! さっさと言わないと頭をふっ飛ばすぞ!!」
トリガーに指はかけず だが銃口を頭に向けて脅す


388 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/06/11(土) 23:32:32 ???
>>383>>385
これだよこれ!けど何だコイツ、スリードッグ?
【待望のBGMが流れ、ノリにノるソーマタージ】
【DJの正体が気がかりだが、そこはまあ良いだろう】

俺を煽るのは勝手だがな、気ィ張って無いと死ぬるぜ?レッツゴージャスティーン!!
【弾倉が破裂するよりコンマ数秒速く、身体を仰け反らせ、飛び離れる】
【主観時間が鈍化し、自分の動きが、聞こえてくるダブステップが、引き金の指が酷くゆっくりに感じ、それも一瞬で終わった】
【背中、肩、尻、左脚にばら撒かれた弾が食い込む。幸い致命傷にはならなかったが、激痛なのに変わりは無い】

ヘッ、爆発オチは基本だよな。イテテ…
俺も、ヒーリングファクター欲しいよマジで。越境戦隊とかいないものかね
【銃弾が突き抜けた腹の傷を手で押さえ、血を垂らしながら立ち上がる】
【張り巡らせた触手が傷を縫い止め、また血が垂れるがそれを気にしている暇は無い】

先ずは銃だ、両手にいっぱいの銃と弾丸。これに勝るものは無い……イテテ
【一歩一歩進むごとにぼたりぼたりと血の跡を残し、まだ使える銃を捜して歩き回る】
【両手に二丁、背中に三丁はいける。見つかればの話だが…】
【あるにしろ無いにしろ、とっととジャンゴやジョシュア達の後を追わねば。急いだ様子で周囲を見渡す】


389 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/11(土) 23:43:49 ???
>>386
ジャンゴ『だからこの仕事終わったら返すっつってんだろクソがッッ!!』
ジャンゴ『…ごべんなぱい』

ニアの催促に飽き飽きしたのか、ヘラヘラした態度の仮面も剥がれ急に怒鳴り出すジャンゴ。
追いつめられ、撃たれた痛みもあって精神的な余裕がないのであろう。
しかし珍しく見せた余裕の無さも、すぐさまジョシュアが彼の顔をコンクリートの壁に押し付けることによって見えなくなってしまうのだが。

「…ニア、お前は先に行け…ラボで資料を探すんだ」
「ドラッグの製法、機材の資料…目に付いた大事そうなモノは全部燃やせ」

ジャンゴを置いてニアの手を取り戦線から引き離すジョシュア。
ニアにはラボの捜索をさせ、自分はソーマタージと追っ手を壊滅させるつもりなのだろう。

>>387
???『きゃぁっ…!?は、離れなさいっ…!』

スーツ姿の女性はすぐさま懐から拳銃を抜き、ベティに密着させて二発の発砲。
デリンジャーにも似た護身用の銃だ。威力は低いが、甲羅ではなく腹側に密着させての発砲だ。
すぐさま女から離れれば発砲を回避するのは容易であろうが、離れてみれば女が四十台程の妙齢である事が分かる。
…どこかキツそう。アキレスの言う程麗しいような女性ではないようだ。

『ひ、ひぇぇ!全部でしゅうぅぅ…!』

押し倒され、銃を突きつけられ情けない声を上げる研究員は涙目でズレた眼鏡も直さずに周りのタンクを指差して答える。
研究員の言うには1列につき100ガロンのタンクが20個。それが6列、2列ごとにA剤B剤C剤と分けられているようだ。

ヘイズ『オイオイオイオイ…こんな量反応させたら1ブロックどころか街ごと吹っ飛ぶぞ!』
ヘイズ『アキレス!爆破すんのはヤメにしといた方がいいんじゃねぇのぉ…?』

>>388
「――俺は持ってるぜ、ソーマタージ」

ソーマタージとすれ違いざまにぼそりと呟くジョシュア。
厳密には違えど似たようなものだろう。ダブルバレルショットガンを抱えてマフィアの死体を踏み越え、生き残りの一団へと迫る。

「ニアとアキレスを追え、こいつらは俺が片づける…」
「さァかかってきなクソ野郎共…全員纏めてお片付けだ…!」

ソーマタージの一撃で半分は死亡若しくは行動不能に陥った。これだけの数であればジョシュア一人でも掃討できるだろう。
ジョシュアがショットガンをマフィアへと向ければ銃撃戦の火蓋は切って落とされた。
ソーマタージの背後からは激しい銃撃戦の騒音が響き、目の前に広がるのはだだっ広いラボだ。
一方ではヘイズとアキレスが研究員を脅し、もう一方ではスーツ姿の女性がベティを振り払おうとしている。


390 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/11(土) 23:47:43 ???
//追記

>>386
ジョシュアはそう告げればニアの手にオイルライターを握らせ、自身はショットガンを担いで階段を上ってゆく
書類の焼却はジャンゴの意思に反した行動ではあるが、どちらの意思を優先するかはニアの裁量に委ねられた形だ。


391 : ニア・シューペリオリティ :2016/06/11(土) 23:52:41 ???
>>389-390
「燃やすっ……?」

鸚鵡返しに反芻するのは、それが間違いなくジョシュアの独断によるモノだからであろう
目的はそれらの資料の奪取のはずだ、そうしなければ麻薬の独占など出来やしない

「……むぅっ」
「分かりましたっ、任せて下さいってんですよぉっ」

しばしの間、その目と目を合わせあってから頷いた
そのやり取りで何が交わされたのか、本人達にしか分からない何かだ
そしてその何かとは、決断的な行動を取らせるのに充分事足りる信頼に基づいて下される
ならば、だからこそ、ニアは笑顔で頷くことが出来るのだ
ライターをジーンズのポケットに捩じ込んで仕舞い、ラボへと機動
中でアキレスと女性が押し問答している最中、その女性が搔き集めたであろう書類に早速オンファイア


392 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/06/11(土) 23:59:39 ???
>>389
離れろと 銃を押し付けられながら言われればおとなしく離れて拳銃を回避する
ただし一瞬だけ

その後は脚にまとわりついたりして とにかく女性を逃がさないようにするだろう
そしてベティの足は 本気を出せば成人男性の強めのジョギング程度の足は出る

「間違ってたらあのサソリをお前にけしかけてやるよ・・・あぁもしもし」
うろたえるヘイズに通信を入れる

「いやなに これ全部爆破したらアレだけどよ 少量をこの上の階・・・B1かB2でよ ボンバーしてよ 地下室崩落させて 建材で押しつぶしたりできねぇかなぁと」
辺りを適当に漁り バケツか容器になりそうなのを探してみる ついでに防毒マスクも

「それでこの薬品はただ混ぜれば揮発するのか? それとも十分に攪拌せにゃならんのか? 混ぜればおkなら道中でぶちまけた後ライターぶっこんでボンバーとか考えてんだけど」
それが叶えばタンクの薬品を混ざらないように 各容器に少量ずつ移そうとするだろう


393 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/11(土) 23:59:59 ???
>>391
ジャンゴ『ん?』

ジャンゴがそれを見つけたのはニアが書類にオンファイアしてからすぐの事であった。

ジャンゴ『え、何アレすっげェ燃えてんだけど。これヤバくね?資料全燃えじゃね?てか引火したら俺たち全員即死じゃね?』
ジャンゴ『そんなワケで何やってんだテメェェエ!!?火ィ消せ火ィ!』

何が燃えているのかを察したその瞬間、ジャンゴの反応が変わった。
ニアの方へと猛然とダッシュ、オイルライターを取り上げれば書類を蹴落とし足で踏みつける。
スプリンクラーが発動するまでの火の勢いには迫っておらず、しかし書類を消滅させるには容易い。
燃えカスと化した書類を眺め、それらを見送るしかできずに唖然とした表情のまま沈黙。


394 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/06/12(日) 00:01:02 ???
>>389
おっ羨ましー、願望を言い出すとキリ無いからここまでにしとく
【死体から銃と弾をセコセコ拝借し、体に固定するのに四苦八苦しながら】
【とりあえず四丁もあれば十分だろう、ジョシュアの肩を叩いて激励でも、と思ったが手が既に塞がっていた】
掃除は嫌いなんだ、助かるぜ。楽しめよジョシュア、楽しめ。そうすれば悪い事しても捕まらない
愛してたよ諸君、バイビー
【銃声を背に、振り向くことなく駆ける】
【向かうは通路の先、ラボ】

【ラボに入ってみれば、何とも言い難い状況であった】
【二人がかりで脅すのはまだ良いとして…蠍、ベティと言ったか?あれは大丈夫なのか】
まさかの時のスペイン宗教裁判だ!此方を向けい!ぶっ放せないのがツライね
【よく通る声で怒鳴り、両手に握ったトミーガンをデタラメな方向に向ける】
【指先は既に引き金にかかっている】

女!それと女性経験無さそうな眼鏡!そこのナイスガイに洗いざらい話して秘密も明け渡すか、ここで俺らと一緒にグラウンドゼロの一部になるか選べ
【下手に近づくのは不味そうだ。入ってすぐの所で怒鳴るソーマタージ】
出来るだけ速く決めろよ?気は短い方なんだ俺は
大量殺人犯だとか人類種の天敵とか呼ばれるのも悪くねえかもな?そうだろ?


395 : ニア・シューペリオリティ :2016/06/12(日) 00:06:37 ???
>>393
>>392
「……っと、元気出たみたいだってんですねっ?」

ヒラリとその突進を躱し……しかしライターは取られてしまったか……タイドメイカーで体を持ち上げ高所から
その視線からは少女然としたモノは消え失せ、灰へ帰したモノだけが映り込む

「アキレスはっ、何かを探してるってんですかねっ……?」

そのまましばし、しかしアキレスが次なる行動を取らんとしているのを確認
何か手伝いがないかと、タイドメイカーでぺったんぺったん歩きながら周囲を見渡す


396 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/12(日) 00:24:40 ???
>>ALL
???『ぐゥッ…!離しなさいッ…この虫ケラッ!』

ベティが離れれば、そのままエレベーターへ駆け出し逃げ出そうとする女性。
しかしベティが両足にしがみつけばバランスを崩し倒れ、書類をぶちまけてしまう。
ニアがそれを拾い上げて燃やし、そしてジャンゴが駆けつけライターを奪うのであるが。

『ひぃぃぃ!?は、話します話しますゥゥ!だから命だけは…!』

ソーマタージに銃を突きつけられあっさり屈する研究員。一方の女性は何も言わずソーマタージを睨んで沈黙を貫くまま。

ヘイズ「はいはーい!提案!俺はアキレス案に賛成だ」
ヘイズ「このワンフロア上にはでっかい通気装置がある、ちょっとだけ爆発させて、このラボを瓦礫で押し潰して…気化した分をビルの外に排気しちまおう!」

そんな緊迫した状況を破るかのようにヘイズが手を挙げてワインの無力化を提案。
施設ごと崩落させて押しつぶし、気化した薬品を換気システムで大気中に放出してしまう。
決められた比率で正しく混合しなければワインとしての性質を発揮しない三種の薬品は、おそらく単体での気化状態では爆発しないだろうとの計算
環境には悪いが、現時点で最も安全にワインを始末できる唯一の方法だ。

ジャンゴ『マジか…今までの苦労全部水の泡じゃねーか…俺の…俺の夢が…』
ジャンゴ『何もかもお終いだ……』

「……悪は滅びるってヤツだ、さて、施設は制圧したぜ、もうドラッグの製造もままならねェ」
「お前の遊びに付き合うのも終わりだ。俺達の装備を返せ」

項垂れるジャンゴに、階段を下りてやって来た血まみれのジョシュアが背中側から銃を突きつけた。
手下たちは黙ってそれを見つめ、手に持っていた銃をジョシュアに向ける事はしない。
恐らく誰もが分かっているのだろう。ジャンゴの下に付いていてもいつか命を失うだけだということを。
三大マフィアに喧嘩を売り、収穫は無し。終わったのだ。マフィアとして名を挙げる為の彼等の戦いは。

しかしまだ、イタリアを揺るがす大きな戦争が終わった訳ではなかった。

???『………無駄よ』

すっかり勝利ムードの一行、その空気を引き裂くのは、うつ伏せに床に倒れ伏したスーツの女性の一言であった。

//そいでは今日はここまで。ありがとうでしたー


397 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/26(日) 22:36:57 ???
イタリアを牛耳る三大マフィアとの抗争、武闘派のボルギーニ・アウトフィットとの小競り合いの後に待ち受けていたのは、
平行世界のイタリア有数のメガコーポを保有し、政治に於いても無視できない存在となったフェラッリ・ファミリーとの衝突。
フェラッリはジャンゴが流通網を制圧しようと目論む近頃イタリア中に蔓延し始めた新型ドラッグ、「トリコロレ・ワイン」の源流であったのだ。
明らかに無謀な突撃戦。これまで仲間達を何度も酷使し、危険に巻き込んだジャンゴに苛立ちを抱いていたジョシュアの堪忍袋の緒が遂に切れた。
ジョシュアはジャンゴの目当てであった書類をニアに焼却させ、ジャンゴの背に銃を突きつけて決別を告げるのであった。

ジャンゴ『おたくは…あぁ、誰かと思えば…フェラッリさんとこの娘さんじゃないの』
「スクーデリア・フェラッリ…」

地に伏せていた妙齢の女性はスクーデリアと呼ばれ、つまりそれの意味するところはこの女がフェラッリ・ファミリーの頭脳だという事。
ただのマフィアに過ぎなかったファミリーを国家の半分を牛耳るまでの大きな組織へとのし上げた人物その人である。
第二次大戦の混乱に乗じて政界へと乗り出し、国家解体後の政治に浸透。資金力と技術力にモノを言わせ、イタリアを導いた。
明晰な彼女がこの襲撃を予見できなかった筈もなく、また重要な書類を剥き出しのまま持ち歩く筈もない。

スクーデリア『書類は失ったけれど…あらかじめスキャンをバックアップとして”元締め”へと送信したわ』
スクーデリア『大体あんな大事な書類を訳も無く抜き身で晒すと思う?…浅はかもいい所よ』

ベティを引き剥がし、立ち上がって腕を組んだ彼女が言うには書類は既にスキャンされ、襲撃が起きたのは金庫へと戻すその間だ。
つまり既に目当ては越境者達の手の届かぬ場所へと移され、実質この襲撃に於いてはジャンゴは何の実りも得なかった事となる。

ヘイズ『……ん?』
ヘイズ『じゃアンタらは俺達が来るってのを知ってたってのか?』

ここでヘイズが当然の疑問を言葉に出す。あまりにも書類を持ち出すタイミングが良すぎるのだ。
書類が無防備になるタイミングをジャンゴが狙い撃ちにしたというよりかはむしろ、
ジャンゴたちが事を行動に移したのに焦って、書類をスキャンして転送したという状況に近い。


398 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/06/26(日) 22:45:29 ???
「なるほどっ」

ぽん、と手のひらを軽く握った拳で叩くのはニアである
なんやかんやで書類を焼却した彼女、しかしそれは無駄骨に終わってしまった
いや寧ろ逆とも取れる
書類を強奪したのならばギャングであるジャンゴが同じモノを作り、市場を荒らす事も出来たであろう
しかし今は違う、こちらが知る手段だけが無くなり相手側だけがそれを占有する
つまり最初と全く同じ状況なのだ、振り出しに戻ったと言える

「うーんっ……」
「そうなるとぉっ、なんでしょうっ……」

ヘイズの問いに思考する
成る程それならば罠同然のサイレントアラームだの、心臓部とはいえそこを守るにしてはやや大仰過ぎる大量のトミーガンだのにも何となく理由の脈が伸びてくる


399 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/06/26(日) 22:52:00 ???
【事の成り行きをただ観察するばかりのイムカ。そも彼女にとってはバカンス中のトラブル以上でも以下でもない】

(まあ、出来事としては中々興味深い方向に推移していることだしな)

 この時代と場所に適応した服装のカモ・クロークを纏い、柱に背を預けて事の推移を見守る。
 今回のイムカ・グリムナーの行動指針は実際かなりシンプルである。

【同行者達がデッドラインを越えないようにする。ジョシュアの無茶のフォロー。それだけだ】

 他のメンバーと比べて温度差があるかもしれないが、此度は一歩引いた位置に居る事にしているのだ。


400 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/06/26(日) 22:54:22 ???
>>397
【立ち上がるスクーデリアに片手の銃を向け、歯軋り】
【もっと情報を集めておくべきだったか。まさか噂に聞く組織を作り上げた人物の一人がここにいるとは】
全て読まれてたってか…ムカつくな
【煙草を吸おうと思ったが、両腕に短機関銃を握っているのでそれも出来ない。苛立たしげに呻くと、もう一方の銃も向ける】

なんだっていい。このアマブッ散らして、ここも吹っ飛ばして、仮初めの勝利の余韻をチーズを食べながら味わおう。いいだろ?
【面倒な話は他人に任せ、自分の暴力がどの様に使えるかを吟味する】
【目的のものが得られないなら、嫌がらせをするに限る。大物の一人を失えばフェラッリ・ファミリーとやらもタダでは済まないだろうと踏んだのだ】


401 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/26(日) 23:14:27 ???
>>398
「……まだ分からねぇのか?」

ニアの呟きに、ジョシュアは冷めた口ぶりで、ジャンゴに銃を突きつけたまま零す。
一方のジャンゴはジョシュアに銃を突きつけられていることなどまるで気にしないかのように飄々と。

ジャンゴ『…スクーデリアさん、ひょっとして…スパイでも送り込んでらっしゃる?』

スクーデリア『………いいでしょう。この際教えてあげる。……密偵は貴方達に限った話ではないわ』
スクーデリア『街中に無数に…そうでなければ貴方達のようなストリートギャングの不穏分子は炙り出せないわ』

スクーデリアの雇った密偵はやはりジャンゴの組織へと入り込んでいた。それだけではない。
ウラカンがジャンゴたちを警戒して警備を張り巡らせていたのも、ジョシュアの乗った車を襲撃したのも。
そして勿論今回の襲撃の情報漏洩にも。間違いなくスパイが一枚噛んでいる。

>>400
ヘイズ『それがいい。クスリをバラ撒くなんて許せねぇ、さっさとブッ殺…』

「待て待て待てお前ら…こんなクソ野郎でもイタリアを回してきたお方だ」
「ブッ殺せばそれこそイタリアがバラバラになっちまう…三大マフィアがもたらす均衡がねェと、無政府の国は2年ともたねェ」

スクーデリア『…貴方は随分と冷静なようね』
「…俺だって内心お前を殺してやりてェよ。ジャンゴも、裏切り者のクソ野郎もな」

スクーデリアへ銃を向けたソーマタージに賛同するヘイズ。彼自身余り積極的に人を殺める性格ではないが、
しかし街を汚染するドラッグ製造を主導する張本人を目の前にしたとなれば義憤に駆られるのも当然である。

そしてそれを制するのはジョシュアだ。ここで殺してしまえば個人的な恨みは晴らすことが出来るだろう。街へのドラッグ流出も止まる。
しかしそれも一時的なものであり、設計図の控えを使っていつか再びワインの蔓延が始まるだろう。

それどころか有能な指導者を失ったコミュニティは、崩壊の一途を辿る筈だ。三つの巨大勢力の均衡下に於いて
ようやく、危うく保たれていた平和とは、とても儚く脆い物なのだから。

>>ALL
パニーノ『ジャンゴ、前から言っていた筈だ。内通者は…』
ジャンゴ『………いや、いいんだ』

内通者については再三の注意を促した筈だとジャンゴに詰め寄るパニーノ。しかしジャンゴはそれを片手を翳して制し、頭をくしゃくしゃに掻いた。
きっちり揃えられていたオールバックの髪が、くしゃっとしたくせ毛に戻る。乱雑に乱れた黒髪は、まさに壊れゆく彼の仮面を表すようだった。

ジャンゴ『……もう全部分かった』
ベルナルド『……えっ』

膝立ちの状態から立ち上がり、右手に握っていたリボルバー拳銃をすっと胸の高さまで上げて構える。
きっと睨みつけた先の標的は、彼のファミリーの中では最も若手であるベルナルド。

ジャンゴ『ベルナルド…お前…なんでアキレスがボルギーニのスナイパーに狙われてるって知ってた?』

飄々とした態度から一転。彼の周りを取り囲む空気が、冷たくぴんと張り詰めた。


402 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/06/26(日) 23:22:44 ???
>>401

(なるほど、状況が見えていないわけではないようだ)

 勢力の均衡による表面上の平和。
 それはスプロールにおいては日常茶飯事である。
 似たシチュエーションがゴロゴロ転がっているのなら連想は容易。

【なおイムカの故郷である終焉の遠未来では平和という概念がそのものが過去の遺物である】
【あとでジョシュアを褒めてやろう。と、思った(しかし、これでは子供扱いである。男の心の機微がイムカには解っていない)】

「………」

 そして、ギャングの粛清についてはそれこそ部外者のイムカは口を挟む気はない。
 血の掟がギャングの骨格であるという知識くらいはあるのだ。


403 : ニア・シューペリオリティE.空色スカーフ :2016/06/26(日) 23:26:39 ???
>>401
「あぁっ……」

ニアとしては、その可能性を考慮する事が憚られたのだ
根本として人を信じる事が前提の世界であり、その中に間者の存在はいてはならない

「……と、なるとぉ、誰がそうかなんて分からないってんですよねぇ……?」
「……?」
「んっ……なるほどっ」

とはいえしかし案外と真実は冷ややかだ
注射針の様に鋭く、ぎらつき、奸計の皮膚を貫き真理の血脈に辿り着くそれは
若い彼の裏切りという形で露呈した、否元々裏切りでですらないであろう


404 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/06/26(日) 23:27:59 ???
>>401
…生憎、平和とかそういうの興味ないんでね
ま、そう言うんならそうしよう。俺って流されやすいタイプだからさ
【鼻で笑い肩を竦め、片腕をダランと垂らす】
【不真面目な態度ではあるが、ジョシュアの言うことには理解も納得もしていた】

スパイだと?オイオイ勘弁しろよ、この上人狼ゲームまで始まるのか?
【ウンザリと言った様に目を細め、舌打ちを一つ】
【どいつが密偵か吐かせようかなどと考えたが、その必要は無くなった様だ】

【ジャンゴが言い終わると同時に動く】
【体を反らして先程垂らした腕を、短機関銃をベルナルドへ向ける】
【閉じかけた歯の隙間からヒュゥと息が漏れる】
……心当たりあったのネ。次からは先にお願い
【口元を軽く歪ませ、軽口を叩くが濁った両の眼は笑っていない】
【少しでも怪しい事をしたら撃つ──そんな眼だ】
えーっと、ベルナルド、だっけ?何か言いたい事は?
俺のこの銃が、裁判長が何か言う時ガンガンやるアレの代わりと思って、余計な事を言わずに。さあ


405 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/26(日) 23:39:20 ???
シルヴィオ『…ジャンゴ、お前…』
ヴィンチェンヅォ『…確証あって…ファミリーに銃、向けてんだろォな…?』
シルヴィオ『そいつはまだ新聞配達員のガキの頃から俺達を助けてくれた。どこに裏切る理由があるってんだ?』

ジャンゴ『…情報漏洩の件、スナイパーの件、ハッカーとして残ったくせにアラームを解除しやがらなかった件、まだまだある』
ジャンゴ『どうなんだ?ベルナルド…反論してみろよ…!』
ベルナルド『じゃ、ジャンゴ…』

ベルナルド『………すまねぇ、ジャンゴ…』
シルヴィオ『ベルナルド…!?』

ベルナルド『俺の仕事は元から諜報員なんだ…裏切ったワケじゃない!』
ベルナルド『いや、むしろ逆だ…諜報員として組織に近づいた筈なのに、一緒に過ごすうちに俺も…本当の仲間みたいに扱ってもらって…嬉しくなって…!』
ベルナルド『でも組織に逆らったら殺される…!三大マフィアの諜報員やってんだ!』
ベルナルド『それでもお前達を裏切りたくなかった!スナイパーの事だってそうだ!殺したいなら教えない!』
ベルナルド『もう一つのアラームの事は知らなかった…!襲撃の情報だってギリギリまで遅らせたんだ!車に残ったのはその為だ!』

ジャンゴ『もういい…黙れ…』

ベルナルド『ジャンゴ、信じてくれ!俺はお前達を助けてやりたかっただけで…!』

ジャンゴ『うるせェ、もういいっつってんだろ…』

ベルナルド『お願いだ…殺さないでくれ…!』

辟易したジャンゴによってベルナルドの言葉を遮るように鳴り響く一発の銃声。びくんとベルナルドの身体が跳ね、しかし倒れる事はない。
銃弾はベルナルドの脇を通り抜け、傍のディスプレイに大きく亀裂を生じさせていた。
恐怖に眼を瞑り涙を流していたベルナルドも、銃声に見開いた眼をジャンゴへと向ける。
互いに見つめ合い、長い長い沈黙の果て、ジャンゴはようやく口を開いた。

ジャンゴ『……”どんな時でも殺しはしねェ”のが俺の流儀だからな』
ジャンゴ『けどよ、次その口開いたらアゴを吹っ飛ばす…10数える前に消え失せろ。二度とその面見せんな』

ベルナルド『ジャンゴ…』

ジャンゴ『…さっさと行け!殺すぞ!』

ジャンゴの怒号と共にベルナルドは顔を歪め、溢れる涙を堪えることが出来ずに崩れ落ちた。
それを見つめる事すら苦痛と感じたのか、ジャンゴは銃を懐へ仕舞えば手前にあったデスクを蹴倒し、置いてあったものを滅茶苦茶に散乱させて。
やがて失意のベルナルドが去れば、ジャンゴは酷く疲れ切った様子で、ようやく口を開くのであった。

ジャンゴ『…スクーデリアさんよ、データは…どこへ送ったんだ』


406 : ニア・シューペリオリティE.空色スカーフ :2016/06/26(日) 23:46:43 ???
>>405
「……」

ニアはただ、ギャング達のやり取りを黙って見守っていた
その実ハラハラとソワソワ、落ち着きなくしていたのではあるが口を挟む事は抑える事が出来た
ニアはニアの世界を確固として持つ様に、他者もまたそうなのだと知っている

「……あ、そうそうデータっ……」

やがて思い出し様に、急に現実に引き戻された感覚に少し戸惑う
そもそもの目的がその製法と施設の破壊なのだ、後者は達成したとはいえ肝心の前者はまだなのだ
女性をチラリと横目で流し見、問い掛けへの返答を待つ


407 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/06/26(日) 23:49:02 ???
>>405

(これは脆弱さだな。おそらくはボスとしては致命的な…)

 粛清は行われなかった。人道的には良い事なのだろう。
 別の意味で、器を示したと好意的に捉えられる場合もあるかもしれない。
 が、非情さと鉄の意志に欠けたままではいつかそれが仲間をジゴクに追いやるかもしれない。

「なんのことは無い。どいつもこいつも中途半端なバカ野郎ということだ。
 …拙いな、嫌悪の情という奴が持てそうになくなってきた」

 無表情なままに腕を組みつつも越境者達にだけ聞こえるくらいの声量で、
 そのような事を呟くイムカであった。実はこういう甘さは嫌いではない?


408 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/06/26(日) 23:50:36 ???
>>405
えっ、ちょっオイ!?行かせちゃうの!?
【思わず素っ頓狂な声が出る。ベルナルドに向けられた銃口が床についているが、気付いてすらいない】
【何やら不満気に不明瞭な言葉でブツブツ呟き、呆れた様に漏らす】
…流儀ね、難儀な物だ。敵に繋がってる奴も殺せないなんて
さあ行け!言っておくが俺は仲間だと思ってねえからな!次そのツラ見せてみろ!口で飯食えなくして尻から出すモン出せなくしてやる!
【銃を掲げ、カウボーイが牛を追い立てる様に数発撃とうとしたが、自分がいる場所を思い出して思い留まる】
【さっきからペースが崩されまくりだ。こんなはずじゃなかった】

さてと……データだデータ。とっとと終わらせて枕を高くして寝たいんだ、早くしろ
【再びスクーデリアに二丁の銃を向け、問いへの返答を待つ】
殺すなとは言われたがそれ以外の事は言われてないからな。全身の穴という穴を増やされたくなかったら早くしろ


409 : ジョシュア・アーリントン :2016/06/27(月) 00:15:40 ???
ジャンゴ『そんな馬鹿な…』

――ジャンゴは口を半ば開けたまま、顔を引きつらせ愕然と立ち尽くしていた。

スクーデリア『いいえ、これは真実よ。データの送り先はヴァチカン』
スクーデリア『私達三大マフィアが政府の後を継いだのは私達が意図しての事じゃない』
スクーデリア『イタリア崩壊後、ヴェネディクトゥス教皇が国内に残存していた最も大きな組織を政府の後釜に付ける為に秘密裏に協定を結んだの』
スクーデリア『つまり三大マフィアがイタリアを指導してゆけたのは教皇の助力があってのこと…毎月利益の40%を教皇に寄進することによって私達の活動は許されているの』

スクーデリアの口から語られる真実は、ジャンゴの予想を遥かに上回る内容であった。
イタリアを仕切る三大マフィアにはさらに裏の支配者として教会が存在しており、すべての業務はヴァチカンに管理されていたのだ。
故にフェラッリにおけるドラッグ製造も、ヴァチカンからの発注によるものだとスクーデリアは言う。
確かにこの世界に於けるヴァチカンは強大な軍事力を誇っており、それがマフィア風情にイタリア全土の支配を許した事は甚だ疑問である。

ジャンゴ『じゃあドラッグを根絶させる為には…ローマ教皇を叩かなきゃいけねーってのか…!?』
ジャンゴ『無理だ!絶対に無理だ!ヴァチカンはユーロ最強の要塞だってのに!』
スクーデリア『教皇の力の強大さは貴方も知っての通りよ。私達ですら歯向かおうとは思わない…諦める事ね』

「…根絶?市場の独占掌握がお前の狙いじゃなかったのか?」
ジャンゴ『クスリなんかにゃ興味ねェ、金も!女もだ!部下を刺し殺そうとした女だってウェイトレスにして雇ってやったんだぞ!?こんな慈悲深い人間が他に居るかってんだ!』

ふとジャンゴの言葉を疑問に思ったジョシュアがジャンゴへと問いただせば、ジャンゴは自分の目的は利益ではないと主張する。
彼の目的はトリコロレ・ワインの撲滅と根絶。つまりイタリアからドラッグを取り除こうとしているのだという。
詳細な目的は不明ではあるが、ジャンゴの人生に於いて最も大切な何かを賭けた戦いなのだと彼は言う。

ジャンゴ『…なぁ、ジョシュアよ、装備は返す。俺との契約はもう終わりだ』
ジャンゴ『だがその上で…あと一回だけ俺に力を貸してくれ…!これは俺の大切なモンを…たった一つの生き甲斐を守る為の戦いなんだ…!』

「………気持ち悪ィな、ヒトが変わったみてェに…」

しかし一心に懇願するジャンゴを見ているうちに心変わりを起こしたのか、そこにヘイズからの後押しもあって、折れる形で協力を決意。
他の仲間達にも一応、ダメ元で付いてくるかと確認を取ることにしたようだ。装備の返還は保証されているし、ここで降りることも悪ではない。

>>406
「正直ハナシの規模が飛躍しすぎてて頭の中こんがらがってるが…」
「……人助けして悪いことなんざこれっぽっちも無いよなァ?」

そわそわと落ち着きのなかったニアへ、ジョシュアは同じような感想を一つ。
裏切者の次はローマ法王だ。いきなり話の規模が一回り二回り大きくなったように感じなくもない。
しかし相手取るには強大すぎる勢力、選択には覚悟を要し、安易に行えるものではない。

>>407
「…俺はヤツがどうにもギャングに見えなくなってきましたよ」
「……どうします?…俺はもう少しヤツに付き合ってみようと思います」

ぼやくイムカの傍へ溜息交じりに近寄り、抱く感想はどうにもジャンゴがギャングには見えないとの事だった。
実際ここへの突入もほぼほぼノープラン。勢いだけでやってきた人物なので、案外なりゆきでギャングをやっていたのかもしれない。
イムカに問いかけるのは。彼の”大きな戦い”の行く末を見守るかどうか。ジョシュアは彼の魅力に惹かれ、弟と共に暫し寄り添う事にした。

>>408
「…お前としちゃ欲求不満でモノ足りなかった会話だったろうが…」
「……なァ、暴れるには絶好のチャンスだと思わねェか?」

なんだか拍子抜けなソーマの傍へと歩み寄るジョシュア。ソーマの肩へ手をポンと置けば、彼を引き寄せて耳元で囁く。
彼からは見えぬ位置に顔を置いてはいるが、その声色からジョシュアがとても悪そうな顔をしている事は一目瞭然であろう。


410 : ニア・シューペリオリティE.空色スカーフ :2016/06/27(月) 00:23:33 ???
>>409
「ふぅん……?」

今までのニアであれば、ジャンゴを今ひとつ信頼し頷く事は難しかったかもしれない
あくまで月光を人質に取られた上での駒だったのだから、働きとしては
しかし今はそれがない、首輪の外れた犬である
ならばその犬が吠えたて噛み付くか、それとも力を貸すかは犬自身に託される
選択である、頷くか首を横に振るかの

「……まっ、それは同感だってんですねぇ」
「今まで散々働かせて貰ったってんですからっ、お給金にたーんと上乗せして貰えそうですしぃ?」
「王様でもなんでもっ、任せとけってんですよぉ」

にまりと笑むその顔に、迷いはない
相手がどの様な王であれ、ニアを見守る雄大なそらはそれよりもった遥かに卓越した力を持っているのだから


411 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/06/27(月) 00:28:29 ???
>>409

「宗教組織を相手どると最悪酷い泥沼に突入するのだが」

 嘆息をつきながら言うイムカ。
 彼女自身、帝国聖教会を敵に回したがためにキャリアが台無しとなって、
 過去の遺物として扱われるハメに陥っただけに実感はタップリだった。

「…まあ、君の好きに動けばいいさ。今回、私は指揮を行うつもりはないのだからな」

 ジョシュアの自由意志に沿うつもりのイムカである。
 妙に物騒なバケーションとなってしまっているが、まあ、それはいつものことだ。

「気に入った奴等がいて、気に入らない奴等がいるのなら理由は十分。拳を振るえばいい。
 心も赴くままにするといいさ。たまには君にもそれが必要そうだしな」


412 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/06/27(月) 00:30:59 ???
>>409
ローマ教…ッ!馬鹿かオイ!馬鹿だ!!
【思わず声を荒げる。首都の知事だとか街の市長とかならまだしも、ここまで来ると陰謀論レベルだ】
【両手の銃を床に叩きつけ、激情に任せて踏み躙る】
バチカンと言や、『ここ』じゃあご大層な軍を持ってるそうじゃねぇか!風の噂じゃ十字軍をまだ作ってるってな!
【巫山戯てんのかワレと地団駄を踏み、荒くなった呼吸を整え、顔を上げる】
【非常に晴れやかな、なんとも言えない笑顔だった】
だから気に入った。良いだろう、全員殺して辺獄行きだ。仏もアマテラスもアッラーも許してくれる!

最高だ!考えただけでイケる。嘘だけど
【耳元のジョシュアに見える様に親指を立てると、フードを脱いで晴れ晴れとした素顔を露わに】
楽しくなるぜこりゃ、保証する。俺の喜ばせ方分かってるじゃねえか
けと刀は返せよ。あれ一本で俺的にはこの国の人間全て以上の価値がある


413 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/07/09(土) 22:34:15 ???
2033年世界。アメリカ合衆国、マサチューセッツ州にて――

「それで本題なんすけど…正直現状だと俺、タェンティース達の足元にも及ばない気がして…」
『暑い…』

HEXA本部の私有地に設営された演習場。ジョシュアは首を捻っていた。その理由は他でもない、自らの戦闘能力について限界を感じていたからだ。
元々異能にコンプレックスのあったジョシュア、異能を使う事をあまり好まず、またその才能も乏しいゆえに、戦闘中の異能活用はヘタクソ以外の言葉では形容しきれない。
日差しに照らされ中々に気温も高い。だというのにマフラーを身に着けたニュクスは自殺願望でもあるのだろうか。
暑さに玉の様な汗を浮かべ舌を出し、ワンピースの胸元をぱたぱたと仰いで空気を取り入れる。中々に奇妙な光景である。

「それで、一人でも例のクソデカいオークとやらをブッ殺せるようになるくらい修行しようとしたんです。…だが…」
『じょしゅあぁ…暑いぃ……』

「るっせェな…だったら脱ぎゃいいだろォがそれをよォ」
『やだぁ…うぅ…』

ジョシュアがここに相手を呼びつけたのはやはり戦術指南か、そうでもなければ演習の相手にでもなってもらうつもりだったのだろう。
衰え、というよりかは成長のなさに苛立ちを隠せないのも事実である。急いでいるのだ。
修練の為アキレス達とエリュシオンに修行に向かい、逆にボコボコにされたことがそのことにさらに拍車を掛けている。
暑い暑いと喘ぐニュクスを一喝。しかし彼女は聞く耳持たずでジョシュアの水筒を勝手に取って中身をごくごくと。
自分の分はとっくの昔に飲み干してしまっているようだった。

「だが…イマイチこう、チカラの付いてる実感が持てない…」
「やっぱ銃に頼ってると…伸びしろ少なくなっちゃうんすかねェ…」

ヴィッカーズ・ヘビーピストルのマガジンを抜いてポーチへ。
スライドを引き、エジェクターから飛び出した弾を空中で掴んでポケットへ押し込んだ。


414 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/07/09(土) 22:48:54 ???
【聞いていて溜め息&胡乱な雰囲気にさらに溜め息】

「………」

 この状況でも汗一つかかずに涼しげな印象すらあるイムカさん。
 もっとも、格好は常の軍服ではなく、黒のタンクトップという軍人軽装そのものであったが。

「ニュクス、たまたま布地が余っていたのでストールを編んできた。コットン製で通気性もいい」

 なんだか思いっきり迂遠な、要するにいつものイムカ的なアレで、
 白地に水玉、白い仔馬に乗るどこかで見た子供と、黒馬で併走する何処かで見た軍人さんという、
 意匠に見えなくも無い柄の入ったストールをひょいと寄越す。

【無表情で無感情な声と共にそれをニュクスに渡してからジョシュアに向き合う】

「君の言っている理屈は正直、私には理解しかねるぞ?
 銃に頼ってたら伸びしろが無くなるなどという論法が成り立ってしまえば、
 大多数の兵士がお役御免になってしまう。無論、私も含めてな」

 イムカも粒子短銃を引き抜いて、おもむろに左右に振る。

(またもや、要領の悪さで袋小路にでも迷い込んだクチか?)

 と、内心で溜め息である。


415 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/07/09(土) 23:10:22 ???
『!!』

ストールを手渡され、またそれを編んだと聞けばそれはもう眼の色を変えて。というか興奮のあまり物理的にも目の色が変わっていた。
共通語も初めと比べれば見違えるほど流暢に喋れるようになってはいたが、興奮するときに出る悪い癖は未だに健在のようである。
ストールを受け取れば喜んでそれを巻くのかと思えば違う。両手で持って、まるで凧のように風を孕ませ、走り回り始めた。
どうやら向こうが透ける程に薄い生地がひらひら舞う事を面白く、興味深く思ったようだ。好奇心の部分は、未だ根底は子供染みている。

「ずっとコミッサーから頂いた帽子と手袋、手放さなくて」
「真夏に帽子と手袋は俺が児童虐待で捕まるんでやめろっつったら今度は俺のマフラーを…はは…」
「どうやらストリートギャングの奴らがスカーフしてんのを見たみたいです。夏でもつけてる人が居るっつって…言うコト聞きゃしねェ」

その光景を眼にしたジョシュアはようやく肩の荷が取れたような顔付きで、走り回る彼女を微笑みと共に眺めていた。
なんだかんだ面倒見のいいイムカの、彼女への入れこみ様ももう見慣れた様子である。
しかしその表情はすぐに浮かない顔に戻り、ギャングの真似事で顔に巻き始めるのではないかと危惧しているようだった。

「でもですよ…タェンティース達がそのうちビルでもぶった切りそうな勢いで成長していくのに…俺の銃の威力は永遠に変わらねェ」
「弾かれるし、打ち落とされるし…当たっても効かねぇ時だってあるんです」

イムカの量子短銃は破壊力に優れ、ジョシュアの拳銃とは比べものにならない。
ジョシュアのそれはあくまでもポケットに仕舞える火力なのだ。大型のエネルギー銃とではカテゴリーが違う。
しかしまぁ、ジョシュアの言う通り越境者界隈では銃よりも剣や異能の方が火力に優れ、戦場を席巻しているような風潮はある。
ジョシュアの異能はそこまで強力なものではないし、暴走した時でも戦場をひっくり返す程の影響力を与えるようなものでもない。
言うなれば大味な彼の戦法では攻め手に欠けるのだ。イムカの読み通り様々な方面への分岐や転換を試したがすべて空振り、
完全に本来の自分を見失い行き詰まり、藁にも縋る想いで彼女を頼ったのだろう。

「…レールガンでも携帯できりゃ、そりゃどんな敵だって一撃で吹っ飛ばせますけど…」
「……ま、今日は愚痴を言いに来たワケじゃないんです。俺は強くなるコトを諦めたワケじゃねェ」

しかしそこで腐る程弱い人間でないことは確かだ。ジョシュアは失敗から学び、そこから成功に繋げる事ができる人間である。
まぁその分失敗も多く、大ポカをよくやらかす人間であるのは違いないのだが。

「そんな訳で…今日は初心に立ち返ってみたくて…お呼びしたんですよ」
「…覚えてますか?初めて会った時のコト」

しかしまぁ、今日の所はそれらを全てリセットして基本へと立ち返ろうという所なのだろう。
空になったヴィッカーズを握り、肩のナイフシースからラバー製のナイフを抜いて十字に構えた。


416 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/07/09(土) 23:21:48 ???
>>415

(覚えているかと言われても一度、私の記憶は散逸しているのだが…)

 あまりにも振る舞いが変わらなかったため、多くの者が見過ごしがちだが、一度イムカは記憶が削れた事がある。
 と、言っても、それは現状の課題を妙な方向に逸らしてしまうだけだとも認識していたので、

「ああ、知っている。擬似空間での演習。その後は喫茶店だったな」

 このようによく聞けばややニュアンスが異なることに気付く程度の台詞に留めるのであった。

【走り回るニュクスを一瞥して、すぐに視線を戻す】

「破壊力は確かに大きなファクターだが…君はまず兵士の領分の初歩に立ち返る必要があるな」

 手には革製のグローブを通し、パラライザーモードのブラスターを構えた。

「必要な時に必要な火力。場面をわきまえない余剰火力はただのデットウェイトに過ぎんよ」

 講釈を述べつつ、腰を僅かに落とす。
 なお、ステイシス圧縮フィールドを用いて、多弾頭誘導弾まで携行しているイムカであるので、
 実はこの言葉、それほど説得力が無かったりする。もちろん、自覚もない。


417 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/07/09(土) 23:34:12 ???
>>416
「……俺には俺の持ち味が…まぁ、これで見つかればいいなと思ってますよ」
「それじゃ、宜しくお願いします」

十字に交差させて構えたピストル。ガチンガチンと引き金を引き、勿論弾が発射されることはない。
しかしジョシュアにはしっかりと視えていた。自分の放った弾丸の弾道、行き先すべて。
それらは全て真っ直ぐにイムカの心臓目掛けて放たれ、それを食い破らんと迫る。
ジョシュアにとって胴撃ちは射撃の基本だ。腕や頭を狙うのは余程の状況でなければジョシュアは行わない。

「(……これは多分…外れるな、だからまぁ)」

身体の中央を狙った正確な射撃は、おそらくイムカを穿つことはない。
理由のうちの一つは彼女を守る偏向フィールドの存在。そしてもう一つは同じく彼女を守るあるものの存在だ。
イムカと長い間付き合ってきたジョシュアであるからこそ、彼女の異能の本質を僅かに感じ取り始めていたのだ。

勿論”察知”であり”理解”ではない。無論それが彼女の異能だとも思っていないし、どのような効果なのかも把握していない。
しかしまるで例えるならばアクション映画の主人公の如く、彼女を取り巻くなにか”幸運”のようなものが存在することを薄々感じていたのだ。
ジョシュアからすれば、それは特別な事でもない、誰にでも存在する普遍的な物事の様な捉え方であったが。

故にジョシュアはこの射撃が当たらない事を、特別不思議な事ではないと理解していた。
そしてそれはジョシュアに追い打ちを行わせる十分な動機付けとなった。
ジョシュアは眼にも留まらぬ速さでイムカへと駆け寄り、瞬く間にその懐へと飛び込まんとする。
強化された身体能力の生み出す、純粋な身体パフォーマンスによる突撃である。

「(…詰めとくか)」

肉薄すればナイフを逆手に構えたまま、タックルのような形で繰り出す刺突。


418 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/07/09(土) 23:46:58 ???
>>417

「銃の最大の欠点はその読みやすさと直線性だな。
 集団戦闘では問題ないが、こういう戦闘だと表面化しがちだ」

 半歩、足を移動させ、ジョシュアに対して側面を向けた。決して早くはない。むしろ悠々としたものだ。
 しかして、その最小限の動きで銃弾の虚像は、空を切り、明後日の方向へと消えていく。

「指、目線、意気、情報には事欠かない。
 ゆえに、己の動きを交えて、これらを見定めさせぬ事が重要になるのだが――」

 イムカは、吶喊するジョシュアの突き。その動きを読んで手を添えて、その腕を下に落とす。
 単純な肉体パフォーマンスではジョシュアがずっと上だ。ゆえに動作予測が重要。
 というより、格闘戦において、イムカは殆ど、それしか出来ない。

「―――」

 逸らした瞬間、ゴリッと、ジョシュアの眉間に粒子短銃の銃口を向ける。
 ギン!と耳障りなノイズと共にパラライザーレーザーが射出された。

【動きは最小にして緻密。そして何より〝合理〟である】


419 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/07/09(土) 23:59:36 ???
>>418
「…おっと」
「――ッぶねェ!!」

眉間に銃口が押し付けられるのとジョシュアの眉間目掛けレーザーが発射されたのはほぼ同時だ。
しかし全くの同時ではない。ジョシュアはその間にナイフを持っていた左手で銃口を押し退け、それと同時に首を左側に大きく振った。

直後射出されたレーザーはジョシュアの耳を掠め、後ろの地面へと着弾。
耳を伝わりサージが身体中を駆け巡ったが、直撃の衝撃に比べれば何倍もマシだ。

ジョシュアがヘッドショットを嫌う理由がここにある。当たれば致命の一撃足り得るが、回避が容易なのだ。
押し付けられたのが眉間でなければ、ギリギリで回避することも叶わなかっただろう。

イムカの銃撃を躱せば、今度は攻勢に転じる。今度は至近距離からピストルによる銃撃を返す。
さらに追撃として左手のナイフを振って腹部を捌こうと。


420 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/07/10(日) 00:10:04 ???
>>419

「そして、手持ちの手段は最大限に。これも基本だな」

 シミュレーションの通りに、バチバチとイムカの身体の表層が僅かに放電。
 偏向フィールドの干渉を再現したものだ。

【それゆえに銃弾を意に介さず、ナイフの方に集中する】

「イヤーッ!!」

 シャウトと共にナイフを持つ手首を掴み、そのまま顎下目掛けて掌打を放つ。
 脳を揺らす類の攻撃であるが、放つ瞬間、ドン!と地響きが起こる程の震脚を打っているため、
 威力係数は馬鹿にならない、というか鍛えていない相手なら、頚椎破壊モノだ。

「身体能力、異能、武器、相手の長所だけを見たならばキリが無いというものだ。
 長所に長所をぶつけても、ただの数字比べにしかならん。それは戦士の戦いではあっても兵士の戦いではない」

 そして、目まぐるしく状況が変わる近接格闘戦の最中でもレクチャーを怠らない。
 これは、政治将校として、兵を導く職責ある者として当然の仕儀である。


421 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/07/10(日) 00:36:04 ???
>>420
「……あ゛」
「ぬぐッッ…!!」

しまった。と眼を見開いたときには既に遅い。強かに顎を打ち抜かれ、しかしジョシュアの膂力は常人を凌駕している。
ギリギリと軋む筋肉。首を折ることは避けたが、完璧に震盪を起こしてしまっていた。
仰向けに倒れ、しかし無理矢理起き上がって飛び退く。そこでジョシュアはあることに気が付いた。
”ある期”を境に攻撃を受ける事がぐっと増えたのだ。普段なら避けられる筈の攻撃も、すべて受けてしまう程に。

「はァ…はァッ…」
「そォか…無駄が…多すぎんだ…」

ようやくジョシュアはそれを悟ったのだ。ジョシュアの動きは、異能を取得してから格段に大胆に、怖いもの知らずとなっていた。
今までよりも強力な回復手段を得、常人を凌駕した膂力も手に入れた。
それがジョシュアを大胆にさせていた。同時に被弾率を上げ、パフォーマンスの低下を招いていたのだ。
つまりは生命力に物を言わせたタンク職を、慣れもしないのに無理やり行っていた事になる。
人間性を捨てる事で得た力を行使しようとして、逆に振り回されていたことが逆に彼の枷となっていたのだ。

「俺は何の為に鍛え上げられた…」
「…俺の本分は…兵隊だ。常人が人間を…異能者をぶっ壊す為の…」

覚束ない足元で動くこともままならず、ついにへたりこんで零れる乾いた笑い。
なんだ、そんな簡単な事だったのかと。兵士とは人や物を無力化し、殺す為の役職(ロール)だ。
ジョシュアはその中でも歩兵(インファントリー)。つまり対人戦闘に特化したロールである。
膂力に物を言わせ真正面から肉薄せずとも、多少姑息であろうと確実に対象を無力化する事が本領なのである。
ガルヴァクスなどの大物狩りなど、初めから領分ではない。そのことを改めて気づけば、なんだか今までの努力が馬鹿らしくなったようで。

「…ありがとうございます、コミッサー」
「……明日飲みに行きましょう。午後六時、ボストンの美味いバーに」

そのまま大の字に倒れ込めば、暫く見せていなかった曇りない笑顔をイムカへと向ける。
こうして道に迷うたびに、イムカが何らかのヒントを与え、それに助けられるのがお決まりとなってしまっているが。
まぁそんな関係も悪くないモノだと。あきらめの混じった笑みを浮かべ彼女を誘う。
初めて出会ったあの日のように。彼女が覚えているかどうかなど、ジョシュアは露知らずであった。


422 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/07/10(日) 00:50:52 ???
>>421

「まあ、多少はマシな顔付きになったか…」

 大の字になったジョシュアを上から覗き込むような格好となるイムカ。
 彼女のバストは豊満である。

【ジョシュアの視界にサラサラとプラチナブロンドの髪が揺れる】

「力任せに戦うのも時には必要だが、重要なのはその状況を確立することだ。
 ジャイアントキリングこそ力勝負ではなく、状況構築力こそがモノを言う。
 それさえ出来れば、どんな化物にも勝てるさ。むろん、容易とは言わんがな」

 そう言いながら、手を差し伸べるイムカ。起こしてやる。
 実際、手を焼く。全く不出来な部下だ。と、無表情ながらもちょっと不機嫌面。
 なお、実際はそれほど不機嫌ではない。

「あとは強いていうなら、正にそこがキモだな。
 君は色々な能力を後付けされた結果、自分のスタイルを確立できていない印象がある。
 もちろん、置かれた状況を鑑みれば致し方ないこととも言えるがな」

 そうなると、闘いは才能以前に個性の勝負となる。
 個性…スタイルが確立出来ているか出来ていないか。この差は存外馬鹿にならない。

「……さて、どうしたものか」

 腕を組んでから、〝いぢわるそうな笑みを向けて〟

「つまりデートだな。年上の女を誘うのだ。男の器量が試されているぞジョシュア君」

 と、中指で軽くジョシュアのおでこをこつくイムカであった。
 なお、無残かつありきたりなプランで望めば、無慈悲なダメ出しを免れないことを容易に予感させるものであった。

(…らしくない振る舞いだが。まあ、たまにはいいか)

 そして、自分の所作に内心ちょっとむず痒さを覚える彼女であったそうな。

//ではコノヘンデー!


423 : 名無しさん :2016/08/24(水) 21:50:55 qoYxpppI
【スプロール】

 重金属酸性雨が降り注ぐドーム状メガロシティ。
 デジタルによりヒト・モノ・カネ全てを管理・統制しようとした国家群の稚気染みた夢は水泡に帰し、
 政府を遙かに超越する権限を持った暗黒メガコーポ群が欲望のままに覇を競うケオスの坩堝。

【今、この欲望渦巻く世界で専らホットニュースとなっているのは、
 新興企業エーカー社と、メガコーポの雄カノッサテクノロジー社の闘争である】

 マテリアルの奪取、インフラの破壊、エーテル汚染、ワイヤード空間の死闘、
 物質空間で、霊的空間で、電子空間で、戦場を選ばぬ闘争が繰り広げられている。

【そして相次ぐ抗争は所謂、傭兵(ランナー)にとっては稼ぎ時であることを意味する】

 ------

【ランナーズギルド(傭兵斡旋所)】

 場末の酒場のような雰囲気(というよりそのもの)では、
 ビギナー向けに掲示板に依頼を張り出されていたり、よりディープな依頼を斡旋する
 ミスタージョンソン(固有名ではなく、この手の斡旋屋の総称だ)が抜け目無き目を光らせている。

「カノテク(カノッサテクノロジー社の略称)からの依頼だ。威力偵察の戦力応援要請。
 まあ、スタンダードかつ実入りもよく、裏もない。騙して悪いが〜みたいな臭いもない。真っ当な依頼だ。
 ただ、危険度がやたら高くて、そこらの素人には到底回せないって代物ってのがネックだがね」

 角刈りにサングラス、黒スーツという如何にもな格好のミスタージョンソンは、
 概ね、越境者にこういった依頼を提供する。越境者の存在が周知されているこの世界にあっては、
 それなりに腕のいい連中とされている越境出身者のツテの確保はWIN-WIN関係の典型例となる。

「まあ、半端な腕だと弾除けに使われて終わり…だが、それは依頼の内として納得してもらう。
 まさか傭兵商売に真っ当な権利と人権なんてものがあるって幻想を抱いているわけじゃああるまい?」


424 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>487 :2016/08/24(水) 21:51:40 ???
//カキコテスト


425 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/08/24(水) 22:16:55 ???
>>423
【酒瓶を逆さにし、最後の数滴までも飲もうとしながら、Mr.ジョンソンが話し終えるタイミングを見計らって手を挙げるはソーマタージ】
【路銀を稼ぐのにはこういう所が一番だ……と言うよりこういう所でしか働けないのが現状だが】

敵の数、武器の種類とかの情報はあるのか?何人がどんなライフル持ってるー、とか
少なくとも仕事内容について詳しく知るぐらいの権利はあるだろう
【変装のため買ったサングラスの下から、訝しむような眼をジョンソンに向ける】
【仕事内容に文句は無いが、それでも前情報は出来るだけ欲しい】

あと出来ればオススメの武装とかも根掘り葉掘り聞きたいね


426 : ◆T/233Moei6 :2016/08/24(水) 22:27:56 ???
>>425

 基本的に社会的背景を確保できる越境者はそう多くない。
 お節介な寄り合い連中(ヤドリギ同盟)や、デスマ要因確保な世話焼き(イムカ・グリムナー)が介入せねば、
 自ずとそうなってしまうのは、越境者の常といったところか。

「ああ、お前さんみたいに受ける前提でなら、情報は出せる」

 サイバーサングラス越しの油断無き目がソーマタージを見据える。
 そして、携帯コムリンクより、ソーマタージの視界に依頼の詳報が流れる。
 第三者の眼を掻い潜るにあたって、網膜投影と志向音声は普遍的な技術だ。

≪敵は10を越すが、カノテクもそれなりのドローンを投入。もしかしたらC.T.S.S.も投入するかもしれん≫
≪だが、エーカー社も数は多くないだろうがパワーアーマーを出すだろう。型式によっては重火器の塊だ。通常火器で対抗は難しい≫
≪敵の火器か。ドローンは小銃、企業兵は突撃銃…まあ、コイツラはどうでもいい。
 パワーアーマーの場合は最悪、徹甲重器に対人ミサイル。電磁レールガン持ちの事例もある≫

「以上だ。依頼を受けるならさっさと動いてもらおうか」


427 : アイ Gの力 :2016/08/24(水) 22:34:26 ???
>>423
「依頼前に酒場ってどうなの?」
「まあ飲まなきゃいいのかもしれないけど」

水の入ったコップを持ちながら斡旋屋の話を聞く女。
このSFチックな世界にはいささか不釣り合いなゴスロリチックな服を着ている。
斡旋屋の話を聞きながら、彼の話を理解しようと脳を働かせる。
正直、難しい話は苦手だ 。体を動かす、という行動に至るまでのプロセスは彼女にとって面倒なことこの上ない。

「えーっと、威力偵察ってなんですか?殺すんですか?」

一通りジョンソンの話を聞くと、素人顔負けの質問をしつつ水を飲み、整理する。
頭働かしてもよくわかんなかった、と。


428 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/08/24(水) 22:39:52 ???
>>426
【視界を覆う文字やデータの羅列には今更驚かない。量には少し反応したが】
(((確かマグナムぐらいなら一、二丁はあったな。それに菩殺。雑兵はこれで十分だろう)))
(((パワーアーマーにミサイル、レールガンは厄介だな……まあ何とかなるか)))
【頭の中で幾つかの過程とプランを立てるソーマタージ。端から見ればマネキンの様だ】

大体わかった……おっと。最後に一つ、そのエーカー社だっけ?奴らが落としたものは拾ってっても良いよな
よっしゃ、楽しい仕事の始まりだ。報酬揃えて待っていやがれ
【気分を入れ替える様に手を合わせ、ジョンソンを指差して捲し立てると、店を出て陰鬱な外へ】
【数分後に目的地への地図を要求しに戻ってくる以外は特に問題なく向かうだろう】


429 : ◆T/233Moei6 :2016/08/24(水) 22:49:01 ???
>>427

「………」

 ミスタージョンソンは大丈夫かコイツ?な眼差しを向ける。
 と、いっても越境者という人種は浮世離れした奴も多いのでなれたものだ。

「一応はエーカー社のマテリアル輸送トラック群の襲撃という名目だが、
 カノテクの狙いは敵反撃に伴う戦力査定だからな。そういうわけで〝威力偵察〟ってことだ。
 ああ、殺しても構うまい。厄介な敵をDIEすればボーナスがつくかもしれん」

 ---------

>>427-428

「よし、それじゃあ、依頼の日程は2日後。今日はウマいものでも食って来い」

 そういって、前金と少し色をつけた支払い保証済みクレッドスティック(アシの付かない無記名債権のようなものだ)を
 放り投げ、依頼の開始を告げるのであった。

 ---------

【2日後…メガロシティ外/企業輸送ハイウェイA-224】

 都市の外側は砕け散ったオゾン層を貫き降り注ぐ有害太陽光と荒野が支配する死の大地だ。
 そこに申し訳程度に舗装されたハイウェイをトラックの列が走っている。

【依頼の段取りでは爆発を起こしてトラックの列を停止させて、そこに傭兵達が突っ込んで敵を無力化。
 なんともシンプルかつ危険度が高く、なおかつ最悪の場合は戦闘中に〝丸ごと〟ぶっ飛ばされる可能性もあるという、ステキな状況である】

 DOOOOOOOOM!!

 感慨にふける間もなく、ハイウェイで爆発!車両群は緊急停止。
 停車した車両からゾロゾロと、企業兵とドローン10〜15ほどが湧き出し、
 丘の向こうよりカノテクのドローンも強襲に影を顕わとする。

【行動開始…奇襲フェイズ/とにかく接敵せねば始まらない】


430 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/08/24(水) 23:02:27 ???
>>429
【ハイウェイから数十m離れた未舗装路。荒野の砂の中に彼は潜んでいた】
来るぞ来るぞ……爆発の前はいつもクリスマス前の様なピュアな気持ちになれる
【砂を被って腹這いになり、殆ど地面に埋まる様にして遮蔽物に隠れて
車両の様子を伺うソーマタージ】
【連れから借りた防弾チョッキと覆面をコートの上から纏い、ついでに学んだ潜伏方を試している】
ん?…あれ!?クソッ、弾薬入れを忘れた
【ここまでやっておいてもダメな時はダメダメなのがこの男なのだが】

えーっと2、4、6……12発!12発以上生き延びたやつはいない。フフ…
【素早く岩陰に隠れて慌ただしく二丁の大口径リボルバーをホルスターに。覆面の下で酸素供給機が物々しく装着された】
一緒に数えてみよう。レッツロック!

【ウラーーーーッ!と雄叫びと砂埃と共に駆け出すソーマタージ】
【一歩踏み出すごとに脚に纏う電流は大きくなり、速度も爆発的に上昇していく】
【まずは一人、一番近くにいる兵士に暴走機関車じみた勢いを乗せた蹴りを叩き込もうとする。地を蹴りドロップキックの構え】


431 : ◆T/233Moei6 :2016/08/24(水) 23:07:46 ???
>>430

「アバーッ!!」

 ドロップキックをまともに浴びた企業兵は首を380度回転させられ即死!
 企業兵と言っても、この連中は末端も末端。おそらくエーカー社の全容も知らず、
 ただ、下請けの如く雇われている尖兵…言ってしまえば捨て駒に相違あるまい。

≪テキハッケン≫≪テキハッケン≫

 ローター音と共に宙に浮かぶドローン群れには小銃が取り付けられている。
 カメラアイがソーマタージの輪郭を捉え、銃の照準補正が行われる。

 BATATATATATA!

【空中より下方のソーマタージを狙って複数のドローンからクロスファイアめいて銃弾が連続射出!!】


432 : アイ Gの力 :2016/08/24(水) 23:10:08 ???
>>429
「大丈夫、大丈夫!そんな目で見ないでよね!」

斡旋屋の疑うような目を感じた女は、心外な、と言わんばかりに弁解をする。
もっとも、斡旋屋がそう思うのも至極自然なことなのだが。

「なるほど、なるほど!アリの巣に水を入れたらどれだけのアリが出てくるか 、ってことね!」
「え、大ボーナス?頑張るわ!」

意気込む女だったが、果たして大丈夫なのだろうか。これがゆとり教育なのか。

ーーーーー

「あっつ......待ち伏せも命がけね。」

強い太陽の刺すような日差し。いくら対策したところで、長期間は外にいることのできない環境。
その証拠に、地表には生物らしき生物は全く見られない。

そんな中待ち続け、やっとのことで来たターゲットのトラック。
固唾を飲んで様子を見守っていると、手筈通り爆発が起き、動きが止まる。

「1、2、3......とりあえず出てきたのは10くらい?」

「折角隙だらけなんだし突撃するしかないっっっ!」

適当に数を数えると、脚に力を込める。
グググっと脚が地面に食い込み、限界まで貯た力を解き放ち爆発的なスタートを切る。

このまま勢いに任せて接敵し、そのまま全力のライダーキックを相手に叩き込むつもりだ。


433 : ◆T/233Moei6 :2016/08/24(水) 23:17:14 ???
>>432

 ライダーキックが爆裂に狼狽する企業兵の頭部にヒット。
 その頭部は硬質プラスチックヘルメットごとスイカめいて引きちぎれて、
 遠く離れた地面を転がる。ゴア!!

「MOVEMOVEMOVE!!」

 いくらかの被害が出たところで企業兵たちはボジションを組みなおし、
 アイに向かって3つの突撃銃の銃口が向けられる。

【通常弾とはいえ、小銃から放たれるそれは拳銃弾とは一線を隔す威力であることはいうまでもない】
【レベルⅣ以上のボディアーマーでなければ、肉体をボロ雑巾せしめるのは容易い火力だ】

 GAGAGAGAGGAGAGA!!

【アイに集中する火線!狙いは画一的。敵は雑魚だが火力だけは実力差とは無関係である!】


434 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/08/24(水) 23:22:13 ???
>>431
12、11、10!
【BLAMBBLAM!!ドロップキックの勢いを利用して空中で回転、器用に上空のドローンに狙いをつけて発砲!】
【やや適当な狙いだったが、確認している暇は無い。ドローンの銃弾が胴に刺さり、地面に叩きつけられる】
グワーッ!

【防弾チョッキと体表の触手鎧で弾丸はある程度防がれる……先端が体に突き刺さる程度に】
【血を垂らして弾を引き抜くとブレイクダンスじみて全身を回転させて復帰、いつの間にか抜いていた刀で、空気を吐く蛇めいた音で敵を威嚇する】
【銃持ちに対抗する手段は限られている。隙を見て弾丸を凌げそうな場所へ逃げようと後退りしながら周囲を睨みつける】


435 : アイ Gの力 :2016/08/24(水) 23:31:26 ???
>>433
「ふふふ、私のライダーキックを受けて立ち上がった者はいない!」

雑兵一体不意討ちで倒しただけなのだがだが、この勝ち誇りようである。

数人を同じようにほふったところで、敵も陣形を組み直して、確実に仕留めるよう集中砲火できるような形に組代わり......

「えっと、いつの間にやばく......ない?」

流石に三人に同時に狙われ、狼狽する女。
この火力ならば、おそらく自分を無力化することができるだろう、そう感じる。

「だったら、さっき指示してたアイツをッ!」

完全に捨て身の形。兵達が撃つ直前に、先ほど指揮をしていた兵へと超接近。
しかし直線的な移動のため、その兵士にとっては格好の的となった。

銃声と共に、女の片腕が引きちぎれ、もう片方もズタズタに切り裂かれる !

が、それでも接近しその男に蹴りを見舞い、殺したあとに盾として再利用しつつ体制を立て直す試みだ 。


436 : ◆T/233Moei6 :2016/08/24(水) 23:39:46 ???
>>433-434

「「「ピガー!!」」」

 ソーマタージの銃撃で3機のドローンが撃墜!
 さらに――

「アババーッ!!」

 企業兵士(ランク:課長)がアイの捨て身の攻勢により、蹴りで心臓を破裂させられ即死!
 遺体を盾とする外道戦法と、殉職上司を撃つことで労働査定への影響を恐れた兵も同じ末路を辿った!

 --------

 ソーマタージのマグナムによりドローンが撃墜され、アイの攻撃により企業兵も撃破。
 さらに空を埋め尽くすエーカー社ドローンとカノテク社ドローンは熾烈な空中戦を開始し、
 地上に攻撃を仕掛けるリソースは失われてた。現状は優位に推移していると考えていいだろう。が、

 トラックの一台がおもむろにその荷台を展開させる。
 その内部には二機の特殊強襲用装甲…アサルトアーマー兵(メインディッシュ)のお出ましだ。

【暗緑色のパワーアーマー2機は各部よりモーター駆動音を鳴らしながら、
 ローラーダッシュで外部に展開。そのレッドアイ・レンズがソーマタージとアイを睨む】

 チキチキチキ!!

 まるでユニゾンの如く、2機のパワーアーマーは同時に左腕を前に出す。
 次の瞬間、シュボ!と小気味よい音と共に猛烈な噴煙があがり、
 煙の中からクラスターミサイルが炎を尾に二人に向かって迫った!!

【ミサイルは途中で外殻をバカリと開いて、四つの子ミサイルを吐き出す。
 それが2発…合計8発もの徹甲誘導弾が獲物を狙う狼の如き獰猛さでアイとソーマタージ目掛けて奔った!】

【→電子的強化されているソーマタージの視界にはレーザーロックを示すアラートがなりっぱなしかもしれない】


437 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/08/24(水) 23:54:15 ???
>>436
イエス!イエスッ!!くたばれ
【パラパラ降ってくる破片を避けてガッツポーズ。見ると離れた所の敵も始末できた様だ】

キレイ……まるで夜空の星みたいダワ…一度やってみたかったんだよ、現実見れてないアーパー女の真似。変な目で見るな
【空を埋めつくさんばかりの無人機同士の戦いを眺め、裏声でテヘッと肩を竦めていると、敵に動きが】
うわマジかよ、俺らにそれやっちゃう!?
【ローラーで走り回るアサルトアーマーを指差して煽っていると、旧式の網膜センサーが異変を告げる】

うわ、うわ、うわ…!
【視界いっぱいを覆う警告、レーザーロック、頭の中に直接響いてくる警告音そして───】
マジか畜生!?金返しやがれ!!
【映る光景が、動作がパラパラ漫画じみて遅くなり、数瞬後には停止、網膜スクリーンが青い画面と無数の白文字に染まる】
【罵声と同時に強引に視界を切り替えた頃にはミサイルはバラけていた】

9、8、7! 6、5、4、321! 畜生!!
【引き金を引く、引きまくる。後のことは考えない】
【狙いは子ミサイル。飛んでくるミサイルを撃ち落とすなど狂気の沙汰だがやるしか無いのだ】
【こればっかりは腕前だけではない、運に頼るしかない】


438 : アイ Gの力 :2016/08/24(水) 23:55:35 ???
>>436
「くっ......そ、結構、苦戦したかも。」

企業兵の猛攻も一段落すると、ズタズタにされた両腕を見ながら呟く女。
苦悶の表情を浮かべつつもそれほど焦っていないのは、よく腕が飛ぶから、であろうか。
体質上無茶ができる分、この程度のケガは慣れっこなのだった。

「さ、そろそろ撤退......って、ゴツいの来たんですけど!」

撤退を考えた矢先に、先ほど倒した兵とはひと味違う、火力の塊のような鉄塊のお出ましである。

もう大方終わったと考えてた女にとって、想定外の事態に固まっていると、あろうことかミサイルを射出するではないか!

「いや流石に死ぬから!!」

我に帰った女は、足元のボロ雑巾(企業兵士課長)をミサイル目掛けて蹴り飛ばすと、爆発に備え地面に伏す。
流石にこの時ばかりは、女も課長のご冥福をお祈りした。


439 : ◆T/233Moei6 :2016/08/25(木) 00:09:15 ???
>>437-438

 BOOOOOOOMMM!!

 爆裂!爆裂!爆裂!
 ソーマタージのヤバレカバレの銃弾とアイのぶん投げたボロ雑巾(課長)により、
 多分に幸運も味方し撃墜に成功する一行!

【しかし、その瞬間にも隙を曝け出した二人に向けられる徹甲重機!――その時!!】

 ィイイイイーーーッ!!

 耳を劈くリテルゴルロケットの音。それと同時にソーマタージを掠める形で左右を通り過ぎたVTF(近接信管)ミサイルの軌跡!
 なお、下手したら、今ので死んでいたんじゃね?とか考えてはいけない。

「―――」

 徹甲重機で迎撃を図るパワーアーマー兵の接触前に爆裂を撒き散らすミサイル。
 瞬間、アイとソーマタージの側にロケットにて強襲してきたフルフェイスガスマスクの小隊が決断的アイサツをする。

「ドーモ、C.T.S.S.クローントルーパーα-09デス」
「ドーモ、C.T.S.S.クローントルーパーα-21デス」
「ドーモ、C.T.S.S.クローントルーパーα-12デス」

 援軍…依頼主の主力であるC.T.S.S(カノッサ・テクノロジー・セキュリティ・サービス)が、
 ミスタージョンソンの事前情報の通りに駆けつけたようだ。

「威力偵察デシタが、やはりパワーアーマー兵。中々厄介デス。
 かたっぽは我々が引き受けますのでもう片方のフルボッコをよろデス」

 α-12は極めて胡乱な言動を告げつつ、役割分担を口にした。

 ------------

【キィイイイイイ!!】

 散開と同時にパワーアーマーの一体がローラーダッシュで猛烈に接近しつつ、
 徹甲重機より12.7mm徹甲弾(これは人間のボディアーマーを完全無力化するほどの威力係数)を吐き出して、
 あわよくば速攻でミンチに線と襲い掛かってくる!!

【敵の強襲装甲は対装甲兵弾(マグナム)レベルの威力が無ければ貫徹できない強度があり、
 接近戦も強襲装甲のパワーアシストを受けた相手となると極めて危険なものとなるであろう】

 パワーアーマー兵を対峙する時の鉄則は飽和火力か、極めて威力の高い火力を有するか、
 装甲を寸断するほどの切れ味か破壊力を誇る近接武器か、装甲のつなぎ目を狙うか、電子パルスか、
 もしくは、脱兎の如く逃げ出すか、である。

【必要なのは技量と運と、そして思い切りの良さである】


440 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/08/25(木) 00:23:19 ???
>>439
【ゴウ!真横を通り抜けたミサイルが撃ち漏らしを吹き飛ばす!】
俺の漏らしたのも吹き飛ばしてほしいね…ジョークだ
【あのガスマスク、何度か見たこともあるし共闘したこともあるがまさか全部が全部あんな性格なのか?怖気がする】

よっしゃ、いじめるのは大好きだぜ!かかってこいこの野郎!
【勇ましいことを言いながらも、脚は止まった車両の方に向かっていた】
【あの弾丸をまともに受けるのは自殺行為に等しい。ただでさえさっきのでちょっとダメージを負っているのに】
あのアーマー欲しいが……仕方がないか

【意を決して屋根を飛び越え、急襲の時と同様砲弾めいた勢いでパワーアーマー兵へ突っ込むソーマタージ】
【防弾チョッキはすでに脱ぎ捨てられている。どうせ当たったら意味が無いのだ】
イイイイイィィィ───!

【歯の隙間から漏れる、獣じみた唸り声。それは腹と脚を貫かれてバランスを崩し、宙を舞いながらも止まらない】
───ィィィイイヤアアアアァァァァーーッ!!
【グルグルと回転しながらパワーアーマー兵へ飛びかかる。鞘が数度火花を発し、神速の抜刀が放たれた】

【レールガンの様にローレンツ力を利用して刀を射出、その勢いを乗せた上にダメ押しの高周波振動】
【神速で振るわれた刀は、パワーアーマー兵の首を狩ろうとする】


441 : アイ Gの力 :2016/08/25(木) 00:26:39 ???
>>439
「なんとか......生きてるじゃん。」

ボロ雑巾になんとか救われた女。やっぱり戦場に雑巾は必須だね。

女は追撃を警戒し、距離を取ろうとするが、その前に飛来したミサイルの爆炎によってほんの一瞬戦闘が停止する。

「え、あ、どーもどーも。」
その隙に最前線へと駆けてきた小隊。
場違いなほど丁寧な挨拶に思わずこちら返してしまう。
そして、一体は引き受けるとの旨を聞き受け、また戦闘が再開される。

「うう、帰りたい、帰りたい!」

そう言いながらもパワードスーツに接近。あくまで接近挑む女。
遠距離での戦闘手段を持たない女はこうする他ない。
そして、女狙いはパワードスーツの腕!
一見悪手に見える、腕への攻撃。しかし、ミサイルの発射口がイカれてしまえばコイツの脅威は半減する。
あわよくば発射できずミサイルが爆発してくれ!
そういう目論見乗せた踵落としが炸裂する!


442 : ◆T/233Moei6 :2016/08/25(木) 00:39:26 ???
>>440-441

「―――」

 パワーアーマー兵は腕のスリットからTCV(熱伝震動)ブレードを引き抜く。
 トリッキーな空中回転抜刀を行うソーマタージの刀をブレードが激突!
 パワーアシストの力とローレンツ力を利用した力が拮抗し、互いの刃が火花を散らす!

【互いのハイテックブレードの激突で発生したプラズマ・ソニック・ウェーブがパワーアーマー兵の装甲を削る!】

 そして、隙ありと言わんばかりに接近するアイが踵落とし!
 狙いは正鵠、パワーアーマー兵のミサイル発射口が拉げて誘導弾無力化!
 が、その時――!!

【背中のバックパックから肩部へ砲身が展開!】
【ソーマタージのサイバネアイにアラート!種別:電子レールガン/威力係数…極めて大】

 その砲口はアイを捉えている。
 電子レールガンの威力係数はMBT(主力戦車)の装甲をいとも容易く貫通できるレベル。
 これは個人が展開できる防御フィールド、結界の類を容易く爆砕できる規模なる。
 もちろん、個人の有する装甲など全無力化し。人間がまともに受ければ、肉も残さず文字通り爆裂・消滅する。

 さらに発射の際にばら撒かれる電磁波も問題となる。
 即死とはいかぬまでも、生物的/機械的な損傷を負う可能性がある。
 それは、このパワーアーマーと対峙する上で致命的な隙を生む要因になりかねぬ!

【発射まで0.83秒。この間にケリをつける必要がある!】


443 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/08/25(木) 00:50:57 ???
>>442
【ソニックウェーブが覆面を割き、思わず目が細くなる】
【このままへし切ってくれる、と思っていると復帰した網膜ディスプレイに反応が】

(((マズっ……!クソッ!呪われろ!呪われろ!
呪われろ!!
【思考は一瞬で終わり、口から罵声が漏れる。鞘を持つ片手が放され、鋭いジャブが放たれる。狙いはレールガンの砲口!】

【その腕は激しく発光していた。服の上からでもわかるほどに】
【力を増すのとは違う、過負荷を与えて腕の人工筋肉を、合金フレームを、ゴチャゴチャした機械類全てを即興の爆弾とする捨て身の戦法】
【せめて発射までの時間を稼ぎ、その間に殺す!ジャブと同時に決断的殺意によって酸素供給機が開かれ、狂犬めいた牙がアーマーの下の首を食い千切ろうとする】


444 : アイ Gの力 :2016/08/25(木) 01:00:53 ???
>>442
「よっしゃ!ミサイル無力化!」

踵が相手の武装をへし折った感触を感じ、ガッツポーズする女。
ソーマタージの攻撃に気をとられていた、というアドバンテージがあっての功績だろう。

しかし、そんな女に絶望が襲う。
パワードスーツの肩から出現した砲身。
それを見た瞬間に、体に電流が走る。ヤバい、本能がそう囁く。
女のDNAに刻まれた、Gの生存本能が生き残るための最善手を瞬時に実行する。

そう、逃げるのだ。逃げるしかない。というかGの思考なんて逃げることしか考えられない!

女は瞬時に飛び退いた。脚が限界を越えて稼働し、筋繊維が音を立てる。
女が発射までに稼げる距離は僅かに50m。
最善の逃走経路は 、二体目のパワードスーツの背後!助けてパワードスーツ !やらなきゃ仲間にやられるぞ!


445 : ◆T/233Moei6 :2016/08/25(木) 01:08:17 ???
>>443-444

 ソーマタージの高振動カタナとパワーアーマーのTCVブレードの激突のが
 視界を著しく不明瞭なものとする中、

 CRAM!!

 ソーマタージの捨て身の戦法が発射までコンマ数秒という寸でのところで炸裂!
 電磁レールガンの破壊に成功した!!

【高度な機構ゆえ、発射直前であろうと強制ロックがかかる】
【これがもし、暴発するようならそれこそ越境者を道連れに出来たかもしれないが、
 ここはシステムそのものが、相打ちをいう決着を否とした】

「―――!!」

【さらにアイが即座に退避を決断したもの好材料となった。
 ソーマタージが引き起こした小規模の爆発に巻き込まれずに済んだのだ】

 そして、ソーマタージの牙がアーマーの隙間の首に突き立てられ、弾力のある動脈を突き破る。
 夥しい出血!ハイテクといえど内部の人間の強度は変わらない。そして、人間が死ねば装甲に意味は無い。

【しばらくもだえた後沈黙、そして――】

「機能停止(サヨナラ)!」

【回収防止セキュリティが働きパワーアーマーは爆発四散!ナムアミダブツ!】

 そして逃げたアイが見たものは、首、胴、右腕、左足が寸断されて、
 同じく爆発四散を遂げたもう一体のパワーアーマーの姿!
 対峙していたクローントルーパーは両手とそれ以外による六刀流の構えを解き、

「そちらも終わりマシたか?ミッション完了デスね」

 ペコリとアイサツをするα-12であったそうな。

 ----------

 こうして威力偵察は終了。敵パワーアーマーの戦力値が想定を上回っていた事から、
 カノッサとエーカー社の戦いはさらに混迷を深めていくことになるのであった。

//オシマイ!


446 : アイ Gの力 :2016/08/25(木) 01:27:39 ???
>>445
「......ッッ !!」

死を覚悟するような展開。
しかし、ソーマタージのお陰でなんとか発射は食い止められたようだった。
仮に発射されていたなら、パワードスーツごと女は蒸発していただろう。

頸動脈を貫かれ、爆発四散するパワードスーツを見届けると、そのままへたりこんだ。

「随分強いんだね......二体引き受けてくれても.........よかったじゃん.........」

四肢を切断されたパワードスーツを見ながらα-12に呟く女であった。

乾いた大地が血を吸い、それが蒸発していく。
後にはうっすらと赤い斑点を残す大地とボロ雑巾だけが残っていた。

//あざした!


447 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/09/14(水) 22:48:30 ???
「病み上がりには毎日リハビリはキツい……」
「んなワケで今日は遊びも兼ねて、腕相撲大会でも開催してやろうと思ってな」

久々のジョシュアのセーフハウス。自宅代わりの拠点として普段使っていたせいか、一時の隠れ家としては生活感に溢れまくっている。
ホームシネマにプロジェクター。でかいカウチには数人腰掛けられる。酒も料理も、ジョシュアが用意して準備万端だ。
実際はイリーたちが楽しそうにしていたのを聞きつけて、自分も後追いでやってみたくなったのである。
集まったメンバーはジョシュアにミスカ、それ以外にもちらほら越境者が数名。

『あのぉ……私、腕相撲なんて無理……』
「オイ」
『はひっ!?』
「(人数合わせで来るって約束だったろォが…四の五の言わずに黙って盛り上げろ……!)」

中でもミスカは膂力では殆どの越境者に敵わず、腕相撲ほど面白くないゲームはない。
故に露骨に嫌そうな顔つき、ばんとジョシュアに強く肩を叩かれ、渋々といった感じで遠巻きに眺めている。


448 : 氷室初  ◆8CzRpFh86s :2016/09/14(水) 22:54:19 ???
>>447
越境に越境を重ねているとたまに奇妙なことが起こる。そう、時間軸がゆがむのだ。
今回もその一つと言えよう。つまりは、今の初はまだセフィロトに腕を砕かれもしていなければハイプリエステスを見送ってもいない。
だが、不思議と知っていた。これと似たような光景を。

「ボクは一向に構わないよ。
しかし、誰に影響を受けたんだい?」

ミスカとジョシュアのやり取りに微笑みながら一言。
そう、この吸血鬼は楽しそうにしていた中に紛れていたのだ。

一つ違うところは、あの時とは違って全力を出せることか。

そして、珍しいことに少しだけ飲酒をしている。こころは未成年が信条の初が。


449 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/09/14(水) 22:57:31 ???
>>447
ハイハイハーイ、やるやる僕ちゃんやるー!
【バカみたいに呑気な声、越境者達を「ごめんよ」と掻き分け、ブンブン振られる薄汚い袖と革手袋に覆われた腕】
【ズイッと現れたソーマタージの左腕は、修復済み。感覚を取り戻すのにはいい機会だ】
ヒーローは遅れて現れる。それがメキシコ式

と、言いたいところだが生憎俺はこんな……。アレ、ちょっと待ておかしい、前言ったぞこの台詞
まあいい、今日は助っ人外国人もナシだ。久々に楽しませてもらうぞ
【不敵な笑みを浮かべ、指をポキポキ鳴らすソーマ】
【後ろの方ではエリコが「やれやれ」と呆れていた。前回の経験で腕相撲はもう懲り懲りなのだ】


450 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/09/14(水) 23:08:47 ???
>>448 >>449
「オイオイ、大人気だな……」
「生憎だがな、二人もいっぺんに相手できねェぜ?」

明らかに嬉しそうなニヤけ面を浮かべるジョシュア。今ならぶん殴っても許されるハズ。
されど二人も相手してられないのも事実。だって二人ともめちゃくちゃ強いんだもの。

「んなワケで、だ…お前らのうちの片方はコイツと戦って貰う」
「俺が誇る最強の戦士サマだ、さぁ行け!」

『……よ、よよよろしくお願いします…』
『優しくしてください……ね……?』

そんな訳で組み合わせ発表。初の相手をジョシュアが勤め、残りのソーマの相手は……
がたがたと震えながら手を差し出すのはミスカ。彼女がソーマの相手である。

額を流れる冷や汗一つ、ホワイトブラッドの流れる手をきゅっと掴む。
ソーマの手を武骨な手袋越しに握り締めるその手は、なぜか当たり前のように両手でだ。
細い、小さい、柔らかい。三拍子揃った明らかに戦士の手付きではないその手。
本気を出せば間違いなく折れる。いや、本気の度合いによっては砕けるかもしれない。

ともかく試合開始、ジョシュアは様子見で半分ほど力を込め、ミスカは勿論いきなり全力で。
瞬殺してしまうのもアリだが、長引かせて反応を楽しむのもアリかもしれない。


451 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/09/14(水) 23:18:33 ???
>>450
オイオイオイオイ、何の為にその手は二本あるんだ?
【冗談を飛ばし、多少待つかなと考えていたがどうやら杞憂に終わったよう】

オイオイオイオイ、大丈夫か彼女?控えめに言っても俺は強いぞ
「知力を腕力にガン振りしてるもんな。育成下手のゲーマーかよ」
【周囲(主にエリコ)の野次に堪え、兎も角試合開始】


……なあ、まさか罪悪感を浴びせて勝つつもりじゃあないだろうな?
【何故かこちらの方がオズオズと、確かめる様にミスカに問う】
【戦闘用に造られた肉体と、明らかにこういうのに向いていない手。バットも持った事も無い茶道部が甲子園に出場する様なものだ】

死体じゃない女の子の手を握るのなんて久しぶりだからまあいいけど……
ほら力入れろ力入れろ。そんなんじゃ虫も殺せねーぞ
【ミスカの全力と拮抗する程度に力を込め、煽り立てるソーマタージ】
【大人気ないと取るか励ましと取るかは貴方次第】


452 : 氷室初  ◆8CzRpFh86s :2016/09/14(水) 23:19:48 ???
>>450
「ボクの相手はキミか。
ふふっ、ボクは強いぞ?」

酔ってる。普段なら言わないようなことを口走ってる。
いい、笑顔です。

「それじゃあ、始めようか」

戦士らしく、銃やナイフを持ち慣れた手が握るのも華奢な少女らしい手だ。
病的なまでに白いそれはやや冷たい。ひんやりしてる。
強く握れば、きっと砕き返してくれるのがミスカとの差だが。

試合開始、こちらも勝負を長引かせたかったらしい。
押さず、押されずの絶妙な力加減を維持している。
もちろん、人外ぱわーはまだ使ってない。

「腕相撲かぁ。何年、いや何十年か?そもそもやったことがあるのか?」

だから、こんな風にとりとめのないことを言う余裕がある。


453 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/09/14(水) 23:36:42 ???
>>451
『うぅ……』

エリコの言葉が心に突き刺さる。起伏に乏しい胸の、心臓あたりを左手で押さえて辛そうな表情。
されど試合開始を告げるゴングが響けば、ソーマタージの腕をしっかりと握って思い切り力を込めた。
純魔アンバサ少女の道は結構厳しい。

『んんんんん……』

『ふくぅぅぅ………っ!』

『〜〜〜〜〜〜……!』

まるで固いレバーを倒し込むかのように。段々と力が籠りその顔は赤みを増してゆく。
段々と肘が浮き、腰が浮き、最終的には完全に立ち上がって両手の甲を鎖骨に押し付け全体重をソーマの腕へ掛けている。
それでも全く堪えないというか、そもそもミスカの体重自体がソーマであれば片腕で持ち上げられる程に軽い。
体格も膂力も多分10代前半の女児くらいといい勝負。重い魔術書を良く持ち運べたものだ。

>>452
「そいつはご勘弁願いたいモンだな……」

ひやりと冷たい手を握り、ジョシュアはにこりと微笑を浮かべる。
酒も入っているようだし、初の発言をほんの軽い冗談程度に受け取ったのだろう。
様子見の力で均衡が生じればなんだ拍子抜けだとつまらなさそうな表情を隠しもしない。

「(なんだ、案外……こんなモンか)」
「……ん?…んん゛……!?」

段々と力を強めてゆくジョシュア。ケガさせない程度に早々と試合を締めくくろうと。
しかしどれだけ力を込めても均衡が崩されないことに気が付くまでに要した時間は長くはなかった。
ちょっとした小型重機程の馬力は発揮している筈なのに、震えたままに互いに動く事のない腕。
天板が軋み始めている。ジョシュアの額に滲むのは僅かな脂汗。

「このクソ野郎…ッ……何処にこんな馬鹿力隠し持ってやがった…?」

ようやく目の前の少女が強者であると理解し、にやりと歯を剥き出しにした笑みを湛える。


454 : 氷室初  ◆8CzRpFh86s :2016/09/14(水) 23:45:35 ???
>>453
冗談に思われてるな、見てろよ。
酔っ払いは密かに圧倒を決意していた。

「ふふふっ、人は見かけによらない。いや……ボクは人ではないから、うーん……」

まだそんな冗談を一言言えるくらいの余裕は残っている。
重機程度の力がかかっているのに拘らず、細腕にも拘らず。
多少の震えこそ起こっているが、まだ大して汗をかいてる様子はない。

超人、そんな喩えが似合う身体能力に手を届きかけているこの人外はまだ圧す様子はない。
笑みに笑みで応じ、持久戦に持ち込ませる。
さあ、勝負だ。
初の想像を越えれば、勝利だ。


455 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/09/14(水) 23:47:38 ???
>>453
……。
【一周回って申し訳なくなってくる。ウェイト差がありすぎるのだ】
…なんか、すまんね?相手が悪すぎた。俺にとっても、お前にとっても
【サイボーグの力は、少女一人の全力でどうにかなるほどヤワではない。神妙な顔をしているのは強がりだけではない】

……おおおッ!
【ある程度ミスカの全力を受け止めると、頃合いを見計らってその華奢な手をテーブルに押し付けようと力を込める】
【ただなるべく怪我しない様に調整しているため、いつも以上に気を張ってて疲れる】


456 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2016/09/15(木) 00:05:20 ???
>>454
「クソが……クソ…」

ジョシュアの出力はこれで限界。人間並みの体格で出せるパワーとしては桁違いだが、今回は初がそれを上回ったようだ。
ただしジョシュアの強みは、このパワーをエネルギーが続く限りいくらでも維持できる事だ。
持久戦であれば勝機はある。グリードは疲れを知らない。それと一体化したジョシュアもまた然りである。
だが勝負の決着はいつも突然として訪れる。今日とて例外ではない。

「ファック!!」

びきん、ジョシュアの額に思い切り青筋が浮かんだ。それと同時に素っ頓狂な声を上げて左手で腹部を抑える。
アメリカ人っぽい素朴なピッチリTシャツ。筋肉のラインがハッキリと浮かび上がるそれの、腹部辺りに紅い染み。
力み過ぎて血圧上がりまくり、聖性によって傷つけられた傷がまた開き掛けてしまったのだろう。
もちろん右手からは力が抜け、べたりと天板に手の甲をくっつけている。今回は初に軍配が上がったようだ。

>>455
「……!」

強まるソーマタージの力に、勝負を決しようとしているのに気づいた。
だがこのままでは、いいとこなしでは終われない。ミスカは痙攣しつつある両手に今一度力を込め、

「負けない…負けない!」
「負けるなんて……やだぁぁ…ぁ……ぅああっ!!」

思い切り両手両足に力を込め、ソーマの手を少しでも持ち上げようと。
もうなんか力み過ぎてあちこちから魔力やら何やら噴き出している。
されど現実は残酷だ。手の甲を容易く付けられ、短い悲鳴を上げてばたりと倒れ込んだ。

「……はぁ……はぁ……はー…」

ソーマの腕に顎をのせ、机に倒れ込んだまま荒い息。ワンピースは汗で身体に吸い付き鬱陶しい。
本来物静かで臆病なミスカも、負けず嫌いの気が結構あるようで、境界の荒波に揉まれ結構たくましくなったようだ。
恨めしそうにソーマの顔を見上げた後、コート越しにその腕に噛みついた。


457 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/09/15(木) 00:13:03 ???
>>456
もし百年以上前の俺だったら…いや、それでも同じかな…
【何か適当な慰めの言葉でも投げかけようとするも、妙な所で自分に正直なのであった】

えーっと、恨むならその弱さを恨め!
【やっぱりこういう路線の方がやりやすい】
【そう考えると背後からのブーイング(殆どエリコの)も黄色い声に聞こえて……】
来るわけねえだろ!首を斬り落として植木鉢にしてやる!

しかしなんだな?存外負けず嫌いなんだな。そこんところは意外……いでー!!
【息を整え直し、ミスカの方を向き直ると丁度噛みつかれたところ】
【分厚いゴムを噛むかの様な感覚がするだろうが、取り敢えず痛覚はあるようだ】
【額に手を伸ばし、強引に引き離そうとする】


458 : 氷室初  ◆8CzRpFh86s :2016/09/15(木) 00:13:05 ???
>>456
なかなか続く。
へぇ、と初は感心していた。その桁違いな持久力に、衰えない力に。
初は人外だ、吸血鬼だ。馬鹿力もあるし、スタミナもそれ相応に高い。
だが、もちろん永遠ではない。

きっと、力み過ぎたのだろう。怪我人に酷なことをしたと酔いがさめた後の初は語っている。
いきなり、いきなりぺたりとジョシュアの手の甲が天板にたたきつけられる。突然すぎて、力を緩める余裕もなかった。
そして、右手がユラリと上がり――

「ふふふっ!やったぞ!」

ガッツポーズ。酔いがだいぶ回ってご機嫌だった。

数秒後、シャツに滲む赤に気づいて初の酔いは醒めたとさ。


459 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/09/30(金) 22:25:54 ???
【ウェイストランド】
 ここはウェイストランド。人類社会崩壊後の荒廃世界。
 人類は秩序を失い、文明は著しく後退し、旧文明の遺産を漁る生活を送る。

 越境者達にとっても決して好ましい環境ではないが、
 食うためにはビズをこなさなければならない。

 ---------------

仕事に向かう者がいる一方で仕事から帰ってくる者もいる
ソリに積んだ旧世界の物資を引きずっているのは越境者である落書き屋とオトモのサソリ

一行は誰かが向かった建物とは別の場所に目星をつけ レイダーを打ち倒し 物資を手に入れることができたのだ

今は拠点としている地下メトロへと帰る途中である

「もうすぐで目的地だけど…みんな大丈夫?」
疲労でヘトヘトになりながら一行に問いかけた


460 : タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 :2016/09/30(金) 22:40:59 ???
>>459
「えぇ、問題ありません」

頬に付いた煤汚れを拭い落としながら半人は静かに頷いた
アッシュグレイの短い髪、首元の黒いスカーフ
ワイシャツにチノと到って普通めいた衣服であるが、腰に帯びる物理ブレードが戦闘者である事を物語っていた

「……ふぅ」

言葉より少し、体を、疲労に似た感覚が染みの様に支配しつつあるのを感じる
この世界にやって来て数日、ほぼ不眠不休での活動が続いているのだ
有機的な睡眠を、それほど必要としない半人だがそれと不要とは別である故に


461 : 洩矢 ◆TNU0blI9bQ :2016/09/30(金) 22:44:31 ???
>>459
一行の中に一人。殆ど一切の物資を持っていない者がいた。人に隠れ、特に目立つ事も無いようにただ静寂を纏う。
黒髪、細く整った顔の青年。整った顔と言う事以外は之と言った特徴も、取り柄の様な物も無く、ただ虚ろ。

はて、今何か問い掛けられただろうか。
永遠にも思え須臾にも思える時間、意識から解放された脚のみが歩行を続け、思考は宙空に飛び上った。
数秒前の記憶を遡る。耳に届いた音、波動、その意味。爪先で踏み止まり、谷底に落ちかけんとしていた者の腕を掴む。

「えぇ、特には。」

そう言って何かしらの変化の一つ感じられない顔を向ける。その左眼には不可思議な蛍光緑の模様が入っていた。


462 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/09/30(金) 22:54:22 ???
>>460
「全く羨ましいね」
疲労に濡れた体を引きずるアキレスは辛そうだ

―――ギィ!!ギィ!!
「あぁうん 激励ならソリから降りてやって どうぞ」

それを見たサソリのベティが頑張れーとアキレスにエールを送るが
ソリの上でやっているもんだから その重量がモロに響くのだ

>>461
そしてもう1人 この荒廃した世界において 妙に浮世離れしすぎた者がいたので声をかけてみたら 案の定越境者であった
何を考えているのか分からないが とりあえず敵対していない以上は手を取り合おうということで 半ば強制的にお仕事に付き合わせた

「そりゃよかった 悪いな仕事に付き合ってもらっちゃって もうすぐメトロに付くから そこまでいけば取り合えずレイダー連中に怯えないで済む」


>>全員対象
さて 無事にメトロに到着し 重たい音を立てて入り口が開いた 一行が中に入り 扉が閉まれば そこは仮初の安全に護られた空間

持ってきた物資を貨幣に替え 互助組織である止まり木同盟に幾ばくかの援助をした後

「さて 仕事は終わり これからどうする?別のメトロに移り住むか ここで越境を待つか 俺はとりあえず一端休憩としたいがね」
と一行に問うた


463 : タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 :2016/09/30(金) 23:01:23 ???
>>461
「……大丈夫ですか?」

半人は、その初めて出逢った彼に対しての知識が無論無いに等しい
つまりその時、彼は消耗から来る虚脱に陥っているのであろうと予想したのだ
見た目としてはひと回り背の低い女性、しかし相当の重量の荷物をえっちらおっちら引き摺っているのである

>>462
「最も、多少はなんと言いますか……」
「……あぁ、温かいシャワーを浴びてベッドで横になりたい、そう思わなくもないですけど」

そんなアキレスに対して苦笑しつつ応じるだけの余裕、余力はまだ残されている模様

さてそれから

>>461-462
「一旦休みましょう」
「……別の所に行くにも危険域を超えての行動になりますし……」
「……如何でしょう?」

アキレスの提案に対して半人
メトロ間を繋ぐ道には危険が多く、体力をその分消耗する
何はともあれ一時的な休息をと示し、同行者達に対して確認してみる


464 : 洩矢 ◆TNU0blI9bQ :2016/09/30(金) 23:13:45 ???
>>462
「別にいいですよ。大した仕事じゃありませんし。」

そう言って笑いかける。しかし、その笑いは爽やかだとか朗らかと言う物を孕んだ笑みでは無く、ただ形だけの様に見える物だった。
一体あの蠍が何を考え、何故つき従っているのかにわかに疑問ではあったが、逆鱗に触れては厄介。
此処は特に蠍については何も言わない事にした。

>>463
「?……何がですか?」

自身より遥かに多い荷物を運ぶ、自身よりどう見ても背が低い女性だった。
あれだけの荷物を引き摺る事が出来るのならばあの体躯に相当な膂力を秘めているのだろう。何らかの能力だろうか。

女性に言葉を返す彼の顔に疲れの色は無く、今まで何をしていたのか疑問に思える程だった。

>>462-463
閉鎖された鳥籠。
内側で止まり木に佇む鳥は其処が生涯で最も安全な場所だと思っているが、外側の猫からすればそれは獲物の場所を示す目印でしか無い。
その安寧が何時まで続くのか、それは鳥籠の置かれた部屋の主にしかわからないのだろう。

「僕はどちらでも。頼まれた事をやるだけです。」

好意的だが何処か受動的、自らで行動する事は視野に入っては居ない様だった。


465 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/09/30(金) 23:26:43 ???
>>463
「暖かいシャワーね…恋しいなぁ」
この世界でお湯は貴重品だ それこそメトロを統治する者でない限りは 生涯湯で体を拭うことがなくても珍しくはない

>>464
「なんだ硬い笑みだなぁ もっとフランクに行こうぜフランクに ほ〜らにっこ〜」
と満面の笑みを浮かべて見せる

―――ギィ!!
ベティもハサミを振り上げている

>>全員対象
「おk それじゃ飯にしようぜ飯」
そう言って一行は酒場へと向かうことにした

酒場では昼間から酒を飲んでいる者もいれば 明日を生きるために媚を売る女もいたり
カードに興じる者 単に食事に来た者 仕事の打ち合わせをするものなど 喧噪に満ち溢れていた

「俺ネズミの丸焼き2つとジャガイモパン あとウォッカ そっちは?」
注文を取りに来たウェイトレスに食事を頼むと

「そういえばよぉ お前さんどういったところに住んでたんだ?」
仕事に入る前には聞きそびれた カイセの身の上話をせがんだ


466 : タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 :2016/09/30(金) 23:34:00 ???
>>464
「え、えぇと……」
「いえ、なんでも……」
「ただなんでしょう、疲れが溜まっているのでは、と邪推致しました」

対してタェンティースと名乗る女は、失礼しました、と微かに苦笑いをしつつ
その一挙一動は有機的であり、だが同時にちょっぴり芝居掛かって演技っぽくもある
やや人見知りの気があり、初対面の相手には嫌われぬよう、必要以上に慎重に接する癖があるのだ

>>465
「水のシャワーはちょっと……」

寒いです、と半人
最もその水でさえ、充分な貴重品であるのだが

>>464-465
「……パンとお水を」
「……え? では、アルコールのない物があればそれで……」

賑やかしい酒場、先程までの仕事場……陰鬱が支配する空間とはまるで別世界
最もその注文内容を聞けば、ここがどんな場所であるかを否が応でも思い出してしまうのだが
真水は貴重で高価である
そう確認されればノンアルコール系の飲み物を注文

「……」

そしてアキレスの振る彼に対する話題に、興味深げに耳を澄ませた


467 : 洩矢 ◆TNU0blI9bQ :2016/09/30(金) 23:51:08 ???
>>465
「フランクですか……えぇ頑張ってみます。」

そう言って見せた笑顔は、とても普通の笑顔に見える。
しかし、鶏肉と偽った犬肉の様な、鉄と偽った銅の様な、得体の知れない何かの気配がするかにも思われた。

>>466
「……?」

重いのかな?と思いつつ、彼は彼女の言動を茶化す事も、彼女の邪推を皮肉る事も無かった。

「あぁ心配して下さったんですね。大丈夫ですよ。」

そうか、今の僕は疲れて見えたのか。と言っても本当に疲れてはおらず、ただの思考の調整の様な物である。
例えそれを勘違いして疲れていると取られても特に気に障る事は無く、心配されただけ少し有り難いとも感じていた。

>>465-466
「僕も彼女と同じ物を。」

この世界にはこの世界の歩んできた道がある。それに僕はパンを焼く為の竈では無い。極力、自身の能力の露呈は避けていた。

随分と活気立っている。これが本当にコンクリートに横たわる死にかけの世界とは思えない。
しかし、ひとまずはこれで落ち着いて考えを巡らせる事の出来る空間に辿り着けた。後は何時まで此処に居る羽目になるか、だ。

一陣の風の如く流れて来た自らの来歴の問い。全てを語るか、それとも否か。ある程度までは普通の世界なのだが……

「普通の場所ですよ。東の島国、機械や魔法や、色々な物がありました。名前は……」
「日本です。」

飛び出たその言葉。それはとある世界における彼の国と同じ名を持つ国だった。


468 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/10/01(土) 00:00:16 ???
>>466
出てきたのはジュースであった
ジュースといってもそのまま飲めば腹を下しかねない質の悪い水を何とか飲めるようにした消毒ジュースというべきか
妙に薬っぽく かつ酸っぱい味で 毒々しいまでに不透明な黄色であった

パンは小麦製ではなく ジャガイモを潰して固めた後オーブンで焼いたものである
バターはあるがまがい物 あまり健康にいいとは言えない材料でできている

―――ギィギィ♪
ベティちゃんは焼きネズミーに舌鼓

>>466
同じく 毒クしい黄色のジュースとジャガイモパンが出てくる

「なんだ 酒飲むのは俺だけか」
ちょっと意外そうに だが決して飲むのは止めない ウォッカをショットグラスに注いで一息に呷る
ウォッカには放射能によって損傷した遺伝子を修復する効能があります(ガチ)

「普通っていったってなぁ・・・スプロールってところは重金属汚染雨が一年通して振ってるのが普通だし
 ロイのおっさんのところはフリントロック銃が最新科学なのが普通だ 
 ついでにベティの世界は人より大きな昆虫がいるのが普通だ
 越境者になった時点で普通ってのは通用しないと思った方がいいぜ」

そして日本という言葉が出てきて

「ほぉ 日本 俺の世界にもあったぜ 俺の世界にゃ魔法は無かったがな 俺はスペインのガリシア州の生まれなんだ お前さんの世界にもあったか? スペイン」
知っている言葉が出てきて興味深げに身を乗り出す


469 : タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 :2016/10/01(土) 00:07:14 ???
>>467-468
ふぅむ、と出て来たアヤシゲな食べ物飲み物を前に少し唸る
最も半人独自の内臓機構に加え越境者特有の、世界に対する抵抗力だとか修正力を得ているため大抵のモノならば過食可能である
しかしそれと好みとは別問題なのだ、矢張りその辺は

「……頂きます」

まぁ贅沢を言っていられる場合と場所ではない
モソモソと噛り付き、呷り、飲み込む

「……ニホン」

様々な世界に於いてよく聞く名前である
と言うか半人の産まれた世界にもそれは存在している
なるほど、異界のその国の出身かと小さく唸った

「あ、ちなみにわたしの世界では異能を持つモノ達が普通でした」

機械に魔法に、同じく存在していた為
もしかしたら近い世界線、或いは同じ可能性すらあるなとパンを齧る


470 : 洩矢 ◆TNU0blI9bQ :2016/10/01(土) 00:22:16 ???
>>468
提供された物。視覚がそれを映し、脳にまで運ばれ、蜘蛛の巣の様な回路が瞬時にそれを解析し、判別する。
するのは良いが……その結果は「生ゴミ」だった。じゃがいもパンの方は問題無く口に運べるだろうが……

ひとまず手は付けない。事によればこの場ですぐに解毒剤を創る必要がある。クロルピクリンか?これは

「それだけの世界を巡っているんですね。僕は余り変わり映えの無い世界ばかりでしたので……」
「そうなんですか?それは面白いですね、多元宇宙論と言う奴でしょうか。」
「えぇありましたよガリシア。海の綺麗な所だと聞いています。確か僕の世界では。年に一度海獣が現れましたね。」

>>469
「聞き覚えが……?」

話の最中、彼女が徐に国の名を反復した事に興味を持つ。もしや何か知っているのであろうか。

「その世界にも日本が?それなら同じかもしれませんね。」

実際には違う世界なのだが、それを確かめる術を今の彼は持ち合わせていなかった。

>>468-469

「それと……科学が発展している割には自然が豊かでしたね。」

ある意味矛盾した世界。人の知恵は往々にして母なる大地を穢し、母なる大地を愛せば人は知恵を放棄する。
それらが同時に存在する彼の居た世界のバランスは奇跡的とも言えるかもしれない。


471 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/10/01(土) 00:31:51 ???
>>469-470
「俺の知ってるガリシアじゃないみたいだなベティ」
―――ギィ?

少なくても自分の居たガリシアは海獣なんていなかった…はず
ベティは急に話しかけられて疑問符を浮かべていた

「ほーん それでさ…」
次の質問をするアキレス しばらくは質問責めに会うことだろう・・・・・


//ではこちらも〆で お疲れ様でした


472 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/10/02(日) 23:08:05 ???
異世界間では相容れぬ文化も多く、それは時に越境者にとってカルチャーショックを与えるようなことも多い。

【越境者の苦悩、〜ミスカ・リーゼロッテ・エリッタの場合〜】

「――え!?わ、私が、ですか……っ?」

ある日のミスカ、仲間から紺のとんがり帽子とローブ、白のワンピースにミスリルの魔装がダサいと真正面から斬り捨てられ、
その言葉に驚いたような表情を浮かべ、確かに自分が数多の世界でも浮くような恰好をしている事自体は自覚できていた。
とりわけファンタジー世界においても魔女は忌避される場合が多く、現代世界ではハロウィン以外では一切馴染めない。

「うぅ、そんなコト……言われても」
「私だって好きでこんな格好してるワケじゃ……あ!」

魔法力学的に見てこの衣服の構成が最も魔力伝導性、増幅性に優れ、ミスカもまたこの格好を選んでいる理由は其処なのだ。
でなければ薄手のワンピース一枚で年端もいかぬ少女が出歩くものか。
されどローブによって覆い隠されたその衣服は、教皇ガブリエラも愛用しているものだ。効果のほどは確かなのだろう。
ぶつくさと伏し目がちに抗議の最中、ぽんと大げさに手を叩き何か名案でも思い付いたのだろう。

「ここがあの男のハウス……じゃなくて、ここがワールシュタット・モールですか……」

結果として辿り着いたのはUSSワールシュタットの商業区画。
ボストン最大のショッピング・モールとして機能するこの場所は既に市民の生活の基盤となっていた。
有名な高級衣料品店も数多く並び、し○むらで買い揃えるよりはいくらかマシな恰好が出来るだろう。


473 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2016/10/02(日) 23:15:12 ???
>>472

「そのとーり!!」

 ズビシッ!と、ミスカのあまりといえばあまりのコスプレ具合に物申すのは
 C.T.S.S.クローントルーパーα-12である!

「そんなハロウィンちっくな格好は世の男性はドン引き!
 女子は女子で「きゃーださーい!魔女服が許されるのはJCまでダヨネー」デス!
 機能性的事情があるにせよ、このままで女子力が死活して、
 200歳越えても未練たらたらなBBAになってしまいマス!」

 よってあの男のハウスに引っ張り出すのは正義である!

【ガスマスク装着!服は【寝転ぶとすげー楽。】Tシャツ!デニムショートパンツ!】
【こんなのにも駄目出しされているのである!!】


474 : アグラーヤ >>336 :2016/10/02(日) 23:23:39 ???
>>472
「あらぁ? 貴女確かこないだの……ジョシュアの病室にいた子よねぇ?」

ミスカが声のする方に振り向けば、そこには白髪隻眼のエルフが立っているだろう。
ミスカ程ではないが、場違いなゴシックドレスに身を包むその人はアグラーヤである。
多少ジョシュアから話は聞いているだろうか。しかしきちんと話すのはこれが初めてだ。ひょんな所での初対面となったが越境者同士は惹かれ合うということなのだろう。

>>473
「……あら、聞き覚えのある不協和音と思ったらポンコツじゃないのぉ。少しは静かにできないわけ?」

アルファの姿を目にすれば途端に顰められる顔。明らかにその顔のガスマスクの浮き具合のせいである。
こんな所で何故にそんなもの、というかそんな格好でここで何をしているのかと突っ込みたくもなるが、アグラーヤ自身も暇を持て余してぷらついていただけなのでそこには触れない。


475 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/10/02(日) 23:27:54 ???
>>473
「ねぇ、それ誰の悪口言って……」

明らかに特定個人に向けた罵倒にミスカは苦笑を浮かべ、
とはいえそれだけで誰の悪口か理解してしまうミスカもまた他人のことは言えないのであるが。

「とりあえずほとんどの世界で浮かない格好が出来ればいいんですよね……正直」
「あ、トゥエルブちゃんも……この際イメチェンしちゃいますかっ?」

α-12の格好にはノータッチ。突っ込むだけ無駄であると知っているからだ。

>>474
「あ、……えっと、アグラーヤさん……ですよね?」
「宜しくお願いします、私、ミスカっていいます!」

帽子を取って、ぺこりと頭を下げてお辞儀。柔らかな髪が揺れる。
再び顔を上げたそこで、奇怪な恰好の三人へ周囲の視線が集中していることに気が付いた。

「……この際皆でイメチェンしちゃいましょう!そうしましょう!」

顔を赤らめながら、ぱっと二人の手を取って適当な衣料品店へ。
ジョシュアにツケれば大丈夫、きっと。


476 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2016/10/02(日) 23:32:14 ???
>>474

「ポンコツ?ぽんこつはうちのモノスゲー出来が悪い借金大王マスコットデス。
 顔が似ているからと間違われて心外デス」

 くるんと一回転してズビシ!である。
 予断であるがα-12はタェンティースのことをぽんこつ=サンと読んでいる。
 ゆえにこのようなかみ合うようでかみ合わない会話と化す!

【なお、ガスマスクで顔を覆っているくせに顔が似ている云々ほざいている】

「今日はここでかぼちゃ=サンのファッションセンスの大幅改善計画に乗り出したのデス。
 何しろ、この哀れを誘う服装デス。時代の最先端を行くα-12がばっちりエスコートデス」

 ホントーに何であのオリジナルからこんなんが出来たのやらである。
 カノッサ機関は教育をまちがえt(ry

>>475

「デス?今日はかぼちゃ=サンの矯正計画であってα-12は…」

 しかし、新しいファッションでイメチェンと言われれば、
 心トキメカないかと言われればそんなことはない。一応、女子力旺盛であるという自覚(誤認である)はある。

「では、いっきましょーデス!さっそくマスク屋に新しいマスクを――」

 根本からアレだ!


477 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/10/02(日) 23:41:16 ???
>>476
「マスクはダメですって……!浮いちゃうでしょっ!?」

マスク屋へとれっつごーしそうになるα-12を引きとめ、服を買いに行こうとせがむ。
次に戻って来た時にはスーツ姿にピエロマスクとかになってそうなので、とりあえず今彼女から目を離してはダメだと。
もはやどっちがファッションセンス改善のためにやってきたやら、どうにも状況は混迷を極めている。

「かぼちゃ=サンって私のコト……?」
「えーと、トゥエルブちゃんはまず……服から変えちゃう方がいいのかなぁ……」

カボチャ呼ばわりされればなんだか腑に落ちないと言った表情で独り言ちる。
確かに明るいオレンジの髪にエメラルドグリーンの瞳。配色的には柑橘にもカボチャにも見える。
適当にそこらの服を見繕い始めるミスカ。自身の服よりも他人に着せる服を選ぶ方が気楽であるし、楽しいのだろう。


478 : アグラーヤ >>336 :2016/10/02(日) 23:43:19 ???
>>475
「……イメチェン? あっ、ちょっとぉ!?」

ミスカに手を引かれればそのまま店の中へと。少し驚いた様子なのはミスカが何故急ぐような慌てるような表情を浮かべたのかわからないからだ。
アグラーヤにとって周囲の視線を含めたこの状況は完全に日常であった。良くも悪くも好奇の視線に慣れ過ぎているのだ。
それ故に自らの行動や言動、当然服装なども省みることはない。だからいろいろ壊滅しているのである。
とはいえ年頃(177歳)なのも事実。カワイイなファッションに興味が無いわけではない。その定義がどこにあるのかが問題であるが。

>>476
「あぁ、ナルホド。そういうことねぇ。勿論私も協力するわよぉ? 貴女に任せたんじゃポンコツ量産するだけだもの」

会話の噛み合わせが悪いことなど特に気に留めた様子もなく、というか元々噛み合うと思っていないのでイチイチ訂正という突っ込みはしないのである。
ニンゲンとは学習する生き物で、勿論それはダークエルフであるアグラーヤも同じこと。ポンコツな部分にひたすら突っ込むのは無意味で疲れることだと学習済みなのだ。


479 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2016/10/02(日) 23:50:44 ???
>>477

「服を替えちゃうデスか。ふむ〜では、見繕ってもらいマショーデス」

 ふと、明らかに不信なマスク姿とコスプレ集団が入ってきて、
 怪訝な顔を向けているであろう店員が眼に止まったので、

「デス」

 シュっとがま口財布から、もりもりのマネーをおもむろに覗かせた。
 そう、α-12はこう見えて…ホントーにこう見えてであるが、
 超優良な暗黒メガコーポの保安警察員なのだ!つまり、カチグミ!

【懐疑の目線はマネーで黙らせる!これがデキる女のムーヴメント!】

「では、α-12をアナタのアレなセンスで何処までカスタマイズできるかカモンカモンデス!」

>>478

「ではアナタの格好もα-12がしっかりイメチェンしてあげマス」

 ミスカに協力する気マンマンのようである。
 なお、特にアグラーヤの格好については言及していない。
 いい歳(177歳)のゴスちっくな痛い(ひでえ)服装を見て見ぬフリをする優しさがα-12にも存在した。

【つまるところ、ファッションセンス壊滅三銃士である。自覚がない可能性が高いのが実にアレだ】


480 : アグラーヤ >>336 :2016/10/03(月) 00:05:23 ???
>>479
「私はいいわよぉ。イメチェンしたいのはミスカでしょ? 私は別にこのままでいいもの。必要もないしぃ。
逆に貴女を私がコーデしてあげるぅ? 喋らなければそれなりに見られる様にはなると思うから」

そう。自覚なんて全くないのだ。少し目立つ、浮いてるくらいは認知しているかもしれないが、他とは違う私かっけー的な思考回路で自分のセンスを疑うことはしない。
ちなみにアグラーヤの美的センスはニンゲンのものではない。カビ臭い森の奥深くにひっそりと暮らすエルフ族のものである。
それがどの程度ヒトのものと乖離しているのかはわからないが、一応正装らしいアグラーヤの服を見れば、一般的視点からあまり好ましくないのは明らかにである。

そしてα-12とアグラーヤとでミスカのコーディネートを請け負う事になれば何やらデジャビュを感じずにはいられない。
きっと悪ノリが過ぎてドリフ的なオチに真っしぐらな予感である。かつてタェンティースのニューボディを選んでいたあの時の様に。


481 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/10/03(月) 00:08:01 ???
>>478
「アグラーヤさんは、髪から……」
「こんなのどうですかっ?」

とりあえず、とファーストインプレッションで服を掻き集めてきたミスカ。
アグラーヤにぽいぽいと服を手渡し、とりあえず来てみてほしいと笑顔を向ける。
なんだかんだこういう時のミスカは強引で、また有無を言わせぬ無言のプレッシャーを放つのが上手い。

【ミスカからの提案】
髪をポニーテールに纏め、前髪をボブピンで流すように留める。
トップスは白のルーズタンクトップ、アウターに黒のフード付きレザージャケット。
ボトムスはスキニーなネイビーのジーンズとロングブーツ。
全体的にクール系の、長身を生かしたコーデである。

>>479
「えーと……これと、これと……あ、これもかわいいなぁ……」
「こ、こんな…感じで、どう?」

まずは直感で好きだと思ったアイテムを適当に集め、次にその中からある程度絞る。
とりあえず構想がある程度纏まった所で衣服を籠に山盛りにして帰って来たミスカ。

二人に対し今日だけでもこの格好で過ごしてみたらどうですかと提案。
多分ミスカも数日で元の恰好へと戻ってしまうのだろうが、ミスカに衣服を提案するのもありだろう。

【ミスカからの提案】
トップスはクリーム色のブラウス、袖を捲って革ベルトの腕時計。
ボトムスはダークブラウンの短いキュロットパンツ。肩ひもは腰で結ぶ。
靴は茶色のローファー、鞄はヒモをだるだるにしたリュック。
髪を若干ふわりとカールさせ、赤縁の伊達眼鏡。トンチキな不思議ちゃんオーラを活かしたゆるふわ系。


482 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2016/10/03(月) 00:25:04 ???
>>480-481

【試着中/試着中/試着中】

 カラーッとカーテンが開き出てきた姿は、
 ミスカが見繕ったファッションに見事イメチェンを果たしたα-12の姿。

 アナーキーなTシャツはクリーム色のブラウス。
 白い肌とのコントラストと、本人は需要が無いといっている普通のバストのライン。
 ダ0クブラウンのキュロットパンツ、ローファーのにリュック、

 そして髪…伊達眼鏡…

「どーですか?らぶりーなα-12のカワイイな魅力がパワーアップデス!」

 そして…髪も伊達眼鏡もどっかいった新しいNEWマスク!
 髑髏マスクの額部分には車両ナンバープレート!両端のはタイヤか?
 それが、ミスカの見繕った服装に乗っかっているのだ!!

 ttp://blog-imgs-57.fc2.com/s/k/y/skyrimshot/dh2.jpg

【なお。マスクの中ではカールした髪。マスクの上には眼鏡を装着!忠実!】


「では、α-12もかぼちゃ=サンにナイスな格好をチョイスしちゃいましょう。
 先ずは、その野暮ったさからの脱却デス!」

【NO MORE WORFというプリントとコーストバスターズのパチモノみたいなエンブレムのTシャチ】
【ブラックのスカートでかわいいさをマシマシにして】
【足にはこれまたブラックのタイツ。絶対領域を演出するのがポインツ!】
【頭にはNEETを描かれた軍用ヘルメット!】

「どーデス!」

【どやっ】

「あと妥協案デス」

【シュッとしたグレーの長袖シャツ】
【首の部分はブルーのリボンタイをあしらって】
【下はブラックのスカート。ベルトではなく同色のサスペンダーを用いる。シャツとのコントラスト】
【脚は黒タイツを用い、絶対領域を演出!】
【そして髪はツインテール。髪留めはダークグレーのシュシュでキメ!】

「どーですか?ぶっちゃけこっちはテキトーデス」


483 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2016/10/03(月) 00:28:07 ???
修正;;

【NO MORE WORKというプリントとゴーストバスターズのパチモノみたいなエンブレムのTシャツ】
【ブラックのスカートでかわいいさをマシマシにして】
【足にはこれまたブラックのタイツ。絶対領域を演出するのがポインツ!】
【頭にはNEETを描かれた軍用ヘルメット!】


484 : アグラーヤ >>336 :2016/10/03(月) 00:41:41 ???
>>481
「か、髪からぁ……?」

イメチェンする気なんて全く無かったアグラーヤであるがなんか断れない雰囲気である。
同じ様にα-12にも衣服を押し付けているのを見れば、渋々試着室へと消えていった。
とりあえず提案通りに髪を結い、流した前髪をピンでとめてから先に着替えを済ませないといけないことに気付く。
慣れないことにアグラーヤの試着室からは舌打ちが何度か聞こえてきたとか。

「貴女の言う通り着替えたけどぉ……なんかフツーねぇ。なんかちょっとだらしなくないかしらぁ?
このたんくとっぷとかいうシャツはぶかぶかして不安だしぃジャケットはいかつすぎなぁい? それにこのズボンもやたらぴったりしてて恥ずかしいけどぉ……」

本人は色々ぶーたれているがミスカのコーディネートは割と優秀であった。センス自体が壊滅している訳ではないということか。
高い身長と細めのスタイルも手伝ってぱっと見モデルめいて見えるアグラーヤの新鮮な姿。鏡な映る自分の姿をみればどこか気恥ずかしそうであった。
恐らくこの格好であれば先程の様な好奇の眼差しに晒されることもないであろう。しかし本人はやはりゴシックドレスに未練タラタラな模様である。

「まぁ、いいわぁ。じゃあ次は私の番ねぇ」

そう言えばアグラーヤはふらふらと店内を散策、ミスカに着せるものを物色し始めた。
その顔は真剣そのもの。自分の服を真面目に選んでくれた事に対してふざける訳にはいかないのだ。意外と真面目で義理堅いのである。

そして数分後、アグラーヤが色々見繕って戻ってきた。

どこから持ってきたのかわからない血のような深い赤色のワンピースにやたらトゲトゲしい裾が特徴の黒いドレススカートは、胸元からへそあたりまで布がなく、ベースのワンピースが赤い差し色となって主張する。
そしてこれまた真っ黒なレース状の長いストールと、それと同じデザインのチョーカー。
アクセサリーとして長く細いリボンが垂れるヘッドドレスと赤い薔薇を模した眼帯。
爪先に物騒な刃物状の装飾のある赤いブーツは誰を蹴り殺すのだろうか。


485 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2016/10/03(月) 00:50:28 ???
>>404

「うんうん、中々に改善の進んだ格好デス。
 こう見ると、素材は悪くないのですからもったいないデス」

 しみじみと頷くドクロマスク。なお、本人は特に何もやっていない。
 こうして、ファッション壊滅三銃士の内、二人は見事イメチェンを果たしたのだ!!

【こまかいことにはあえてつっこまないものとする!】


486 : ミスカ・リ・エリッタ【白華魔導】 :2016/10/03(月) 00:53:50 ???
>>482
「あぁ……っ!?す、既に新しいマスクを……っ!?」

試着室から姿を現したケイオスの塊のような姿に驚嘆にも似た声を上げて後ずさるミスカ。
どう考えても自走不可能なマスクをべりりと剥がせば、あらキュートなα-12が中に居るではないか。

「うんうん、カワイイな魅力がパワーアップですね」

これには思わずミスカもニッコリ、帰ったらジョナの毛もカールさせようかなぁと一瞬本気で考えた。
とりあえずα-12をナデナデしながら、彼女の考えたさぞ素晴らしくハイセンスであろうファッションプランを心待ちに

「あの……これ、馴染みますかね……?」

した結果がこれである。ロック、というよりもはやパンク。中指を後光と共に掲げればパーフェクトだ。
バンドマンっぽいガラTシャツにゴスいミニスカート、チラリと素肌を覗かせるタイツ、
そして最もパンクな要素をぶちこむのは頭にかぶったヘルメッポである。
ポテチを貪るデベソの男の絵の傍、”Born to Ill”と描かれたロゴマーク、これはひどい。

「あ、こっちの方がかわいいかも……この髪型、ツインテールって言うんですね……」
「……っ♪」

繰り広げられるトンチキフィールドに困惑する店員を尻目に、代替案の方の衣装へと着替え、
こちらは中々気に入ったようである。くるりと一回転してはしゃげば、ツインテールとスカートがふわりと揺れる。

>>484
「ふ、フツー……ですか」
「私もまだまだ未熟、って事ですね……で、出直します……」

アグラーヤのクレーm意見を聞けば、うんうんと頷いてそれをメモに取る。
ファッション面に於いてはまだまだアグラーヤ達には叶わないのだとがっくり項垂れ、
しかしふと顔を上げれば既にアグラーヤは自分の為に服を選んでくれているではないか。

「……あの、これ……露出多くないですかっ……!?」

しかしぽんと手渡されたそれを試着、カーテンを開けて出てくれば羞恥に染まる頬。
大きくスリットの入ったドレスは寒々しい程に風通しがよく、されどミスカにとっては少し大人びすぎているといった印象か。
幼い少女の面影を残すミスカよりも、貴人の面相を持つイムカに相応しいだろう。驚異的な胸囲差もあって大きく印象を変える筈だ。
されど何というか、服は着る主の心を写すものなのであろう。

「………なんかこれ着てると」
「あの鈍感野郎のお尻を蹴っ飛ばしたくなってきますねっ!」

にこりと微笑ながら洒落にならないことを口走るミスカであった。
結局この日二人に見繕って貰った服は全てお買い上げ、
自分の持ち併せている普段着と合わせ、なんとか人の中に溶け込む術を学んだという。

//そいではそろそろコレニテ!


487 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2016/10/03(月) 01:01:21 ???
>>484

「NOOOO!!」

 ベリィ!とマスクを引っぺがされてお顔が顕わ。
 魔法使いの癖になったる蛮勇めいた行動力か!と悲鳴をあげる。

【出てきた素顔はキュートであるが、本人は不満なのかほっぺをプクーっと膨らませた】

「なんという傍若無人。α-12は抗議を…おお」

 が、それも一瞬で雲のかなたに。
 α-12特選ファッションに身を包んだミスカの姿たるや後光がさすが如し。

「これぞ、完璧なる自宅警備員ルック!α-12は涙が出そうなぐらい感動を…」

 しかして、折角のファッションは即座にひっこんで(なんでや!)、
 次は妥協の産物にすぎぬ格好で登場登場。

「なんで反応がさっきよりいいのデスカ?
 やっぱり、かぼちゃ=サンはファッションセンスに重篤な――」

 なんか不満げにイミフな事をほざき続けるα-12であったそうな。

//乙!では自分もコノヘンデー!


488 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2016/10/03(月) 01:01:55 ???
>>487
× >>484
○ >>486


489 : アグラーヤ >>336 :2016/10/03(月) 01:17:50 ???
>>485-486
「……そんなだからポンコツって言われるのよぉ」

試着室から出てきたα-12はきちんとミスカの選んだ服に着替えていたが、なぜか顔面にはガスマスクではなくドクロがへばり付いていた。
こういう結果になろう事は何となく予想は出来ていたが、それでもそれを地で行くアルファに呆れ顔である。

「あらぁ、馬子にも衣装ってやつじゃなぁい。さっきの台詞そのままかえしてあげるわぁ」

しかしミスカがマスクをひっぺがせばまぁ可愛らしいα-12の登場である。
ニヤニヤしながらそれを眺めるアグラーヤは自身の格好のことなど既に忘れている様子。

そして漸く試着室から出てきたミスカを見ればご満悦。というかただの自己満足である。今回のテーマの意味をまるで無視。

「やっぱり似合ってるじゃなぁい。これでミスカもクズみたいな私の生まれ故郷に行っても浮かないわねぇ。
ていうかなんで性格まで変わってるのよぉ。そんなに攻撃的な衣装じゃないでしょお」

人々の中にあって浮かない様にイメチェンする筈であったのだが完全に好みでの着せ替えである。
アグラーヤに蹴っ飛ばされる鈍感野郎が誰なのかはわからないが、持て余していた時間をそれなりに楽しく過ごせたらしく割と表情は明るいものであった。
ちなみに文句言ってた癖に選んでもらった服は買って帰ったようである。


490 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/10/05(水) 22:19:01 ???
【1920年代 合衆国・アーカムシティにて――】

「密造酒ビジネスをやる」

 開口一発、このような事をほざいたのはイムカ・グリムナー。
 この時代では男装と分類されるスーツ姿をとっている政治将校である。

 ----------
【前回までのあらすじ…!(忍殺的シチュのためだけのあらすじ】

 1920年代ジャズエイジの世界に降り立った越境者達。
 ここで合流した彼等はイムカ・グリムナーから奇妙な依頼を提示される。

 それは、終焉の遠未来において数多の惑星を滅ぼしてきた魔道書(グリモア)
 肉眼総覧と呼ばれる邪悪なる書物の回収依頼である。
 この神秘が衰えた世界において、書の魔力を著しく磨耗しており、千歳一隅の機会なのだ。

 ----------

「今、ターゲットはアイリッシュギャングのボスが持っているという。
 組織規模は並程度だが、最近急にその力を伸張しているそうだ。
 妖しげな輩との付き合いも噂されている。が、近づくのが骨でな」

 そこで密造酒ビジネスにかこつけて接近を図る。というプランが立ったというわけである。


491 : エルダ ◆9vmr0jXsek :2016/10/05(水) 22:24:32 ???
>>490

「悪だくみをするのね? ええ、それが善なるもので、不幸な男女に微笑を取り戻せるなら、頑張っちゃうわ」

「女神様は、案外そういう、風が吹けば桶屋が儲かるお話がお好きなのよ」

いぇーい、とクラッカーを鳴らすのは、装飾過多な幽霊の少女である。
街行く女性があまり飾らないファッションを好むのを見て、あえて逆行した模様。
フリルもリボンも踊るし、宝飾品もありったけの、社交界での武装であった。
……幽霊なので、泥棒にあう危険もゼロである!

「それで、どうするのかしら。私もお役立ちできるわよ。ペテンにかけるのでしょう? うん、切った張ったじゃないなら、任せて?」

わくわくとした様子を隠さず、ぴょんかぴょんかと飛び跳ねる。……空中で。


492 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/10/05(水) 22:30:31 ???
>>490
要するにそいつらに取り入るために他のチンピラを始末すりゃいいんだろ?古き良き時代を見せてやるよ
【ハットを目深に被り、椅子に座って短機関銃とリボルバーの点検をしながら答えるはソーマタージ】
【その後ろに立つのは、青い中華服に白い面、人民帽とこの時代には明らかに浮いた人物】

丁度知り合いも一人拾えた。マンジュシャゲ、俗に言う正義の味方だ。人並みの援護は出来るし越境者のよしみで連れてきた
『捕まえられた。…まあ、よろしく』
【中華服の人物は、ノイズ混じりの中性的な声でぶっきらぼうな挨拶をする。面に何らかの機械が取り付けられているのだ】


計画は?密造酒ビジネスと言っても色々あるぞ。密売、密造、護衛、襲撃……


493 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/10/05(水) 22:32:00 ???
>>490
「そうか 醸造するなら任せてくれ ちょっとした機材と材料があれば とびきり美味い密造酒を作ってやれるぞ」

スラックスに袖を捲ったシャツ ベストにハンチング帽の典型的労働者スタイルの短足男が腕を組んで言う
今日は例のスタンドはなく 変わりに丁字ステッキを持っていた なおいつもの槍だ剣だ鎧だは持っていない

「材料は? 穀物? ジャガイモ? リンゴ? どれでいくよ?」


494 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/10/05(水) 22:32:41 ???
>>491

「そうだな。ではちょっと酒の需要を調べてきてくれないか?
 情報収集なら明らかに新参者な我々より君のほうが適切だ」

 情報の収集。特に電話交換手の女性の方々や、探偵業や、
 他には違法酒場など、もぐりこんで聞き耳を立てるというなら、
 エルダ以上に適任はいないと踏んだ。

【もちろん、〝ついで〟に恋の話を収集するのもよいだろう】
 【→どんなところをどのように回って情報を集めたかロール!】


495 : アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 :2016/10/05(水) 22:37:09 ???
>>490
「……さて。依頼と聞いて来たけど。」

――――その一声とともに、何処からともなく少女はふらりと現れた。それはまるで、瞬間移動でも使ったかのように。
鋼のよう、とでも形容できるくすんだ色の銀髪を肩まで伸ばして、血を思わせるかのような真っ赤な双眸が前髪の下では光る。
白いパーカーの隙間から覗くシャツには、黒地に真紅で文字が描かれていて。それは、世界線的な影響が掛かっても決して訳されない奇妙なものである。

「なるほどな……やろうか。あいにく私は酒には弱いんだけれども。」

そんな少女がイムカに問う。こう見えても、何も持っていないように見えても準備は周到にできてはいるらしく、今すぐにでも行動に移せるというらしい。


496 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/10/05(水) 22:39:19 ???
>>493-494

「とりあえずはエルダの調査待ちだな。
 密造酒の需要がバスタブで造れる類なら伍長の出番だし、
 そうでなければそうでない手段だ。しばらくは…この街を堪能して過ごす…だな」

 と、いうわけで今宵は、街に繰り出すことになる。

【駐車場でニュース映画を鑑賞するもよし】
【露店販売や用心棒など副業にせいを出すもよし(情報収集ボーナスあり)】
【ダンスに繰り出して、一夜のアバンチュールめいたものに盛を出すもよし】

【また、この年代は他では類を見ないほどにホモ・セクシャルに寛容であったので、
 冗談半分でゲイバーに繰り出すのも、興味本位に手を出すのもありといえばありだろう】


497 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/10/05(水) 22:45:01 ???
>>495

「気持ちが逸るかもしれないが、正直なところ先ずは様子見だ。
 何せ、土地勘もなければ、情報も少ない。この世界の空気に馴染むのも必要だ」

 と、いうわけで数日はこの世界をエンジョイするのが良いようである。

【食文化に関しては、正に大量生産時代。手間のかかる料理よりも
 ロイの屋台のホットドックのような、労働者のための食事が好まれる】
【かといって野卑ているだけではなく、アイスクリームなども楽しめる社会的インフラがある】
【女性が社会に進出しているので、フラッパーを気取ってダンスに出たり男性と一夜を楽しむのもいいだろう】
【または、フラッパーに変装して、違法酒場で情報収集するのもアリだ】

 フラッパーに変じるなら、タバコ、ショートヘア、真っ直ぐでゆったりとした腕がむき出しのドレスなどだ。

【→何処まで1920年代ジャズエイジになじめるか?(以外と判定要素)】


498 : エルダ ◆9vmr0jXsek :2016/10/05(水) 22:50:26 ???
>>494

「ええ、わかったわ。幽霊ですもの。盗み聞きぐらいはお手のものよね」

「色んなところにもぐりこんでみるわ」

そういうなり、彼女は壁を抜けてどこかにへと消えていった。
おつきの低級霊と共にあちこちに飛んでいったようだ……。

【大体一晩がたち、明朝】

「はーい。戻ったわー?」

ほくほく顔のエルダが帰還する。
こういう時、幽霊というのは理不尽なまでに強力だろう。
どんなに固いセキュリティだろうが、どんなに潜伏しようが、留める手立てはない。
神秘そのものが薄れ、そもそも霊を見ることができる人がこの時代に少なかったのも、彼女の自由を許した一因であるだろう。

「需要があるのは主にキューバのラムやメキシコのテキーラ。カナダのウィスキーってとこみたいよ」

「国内で密造できるものも勿論需要はあるわ。ビールやワインが好きな人だっているものね。ただ、安心できるブランドを欲しているってところみたいよ」

「ワインや林檎酒も手軽に作れるからもぐりこみやすいと思うけれど、より深くに食い込めるのは、ブランド物を大量に密輸できることだと思うのよ」

「あ、あと、シカゴ市長が裏社会の人と強力にくっついているって聞いたわ。こっちの派閥に取り込めれば動きやすくなるわー。後で女神様に『めっ』されても、私は知らないけれど」

ありとあらゆる場所で、盗み聞きしてきたらしい。
それなりに情報は抱えてこれたようだ。


499 : ロイ・ゴールドマン>500-501 ◆eZKgukyN3c :2016/10/05(水) 22:50:52 ???
>>496
「おーけい しばらくは路上販売員として口に糊するかね」
そういってホットドッグスタンドを押して路上に出た

構造は木製ワゴンに鉄板を取り付けただけの本当にシンプルなデザイン 何せ火を焚いたり蒸気を通す配管もない
そこは異能の出番 紅蓮の闘志で鉄板を温めることで燃料代を浮かせることができるのだ

シッカリとローストしたソーセージと トーストしたバケット そして暖かいコーヒーをメニューに遅い時間まで練り歩いた
その際警察の眼を盗んで 脛に傷のありそうな輩を狙い 酒の販売をやりたい旨をそれとなくほのめかしたり

酒をこっそり売るのに適した場所を見繕ったりしたり
スタンドを押してない時は こっそりと瓶や銅管やイーストを調達した これはいずれ来る密造の為の下準備である


500 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/10/05(水) 22:55:52 ???
>>498

「なるほど…」

 早速、持ち帰った情報を精査するイムカ。
 一般的な情報も多く(が、この時代の〝一般的〟を知らない越境者には重要)、
 役に立つ情報を役に立たない情報を切り分けていったのだが――

「ブランド…か。もっとも、禁酒法時代だ。ブランドといってもどういう意味合いなのか」

 このイムカの呟きでエルダはさらに奥まった情報を思い出すかもしれない。

【ある漁村で密造されているという青く光る酒の噂……アイリッシュギャングが求めているとか何とか】

 ※アーカム近郊のある漁村である。エルダの霊的に何かひっかかるだろうか?


501 : アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 :2016/10/05(水) 23:02:26 ???
>>497
「む、ならひとまずは様子見ということだな。馴染んできたら聞き込み調査でも始めてみよう。」

仮にもカノッサのエージェントであるが故、こんな姿ではあるが彼女は潜入やら変装やらには慣れているのだ。
一見突拍子も無いことを言っているように見せかけて、実は何かをたくらんでいる……かどうかはさておき。


「ま、それじゃ、〝遊んで〟くるよ。」

そんなこんなで夜になれば、そう言ってアルティは闇夜に姿を消した。その姿を再び見るのは、恐らくは夜が明けた頃にでもなるだろう。
変装やら言いくるめやら信用やらを使いこなして、なんだかんだで酒場やらで情報の幾つかを持って帰ってくることだ。


502 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/10/05(水) 23:07:32 ???
>>496
そうかい、じゃあ俺は街に遊びに……情報収集に出かけてくる
お前もも着替えてから来い。何そのコスプレ、アメリカナメてんの?


【街へと繰り出した二人。一人は其処彼処を遊んで回り、もう一人は服装をコロコロ変えながら情報を集めようとする】
【彼らの活動はしばし続き、結果を報告する事になれば───】


面白かったねー。三十年ぶりに踊ったが、案外何とかなるもんだね
『用心棒ついでにめぼしい違法酒場を掴んできた。酒を造るんなら買ってくれるとさ。役に立たないなら忘れてくれてもいい。
 地図を広げても良いかな?印した方が分かりやすい』
【ほくほく顏のソーマタージと、表情どころか素顔すら見えない面を被ったマンジュシャゲ】
【マンジュシャゲの方は断りを入れ、壁の適当な場所に大きな地図を貼り、ペンを出す】

『それと、念の為武器を揃えてきた。必要ないかもしれないけど、あるに越したことはないだろう。
 …なんでこんな法的にグレーなことしてるんだろう』
【ついでテーブルの上にドサリと置かれる、膨らんだショルダーバック】
【中には大量の拳銃やナイフ、短機関銃や弾丸なんかが詰まっている。人数分以上はある】

俺からは車が一台だけ。足に使えるかと思って。使える?
【ソーマタージが見せるのは、拠点の近くの路地に停められた四人乗りの車】
【多少傷が付いているが、まだまだ使える】
どうやって手に入れたかは聞くなよ。怒られたくない


503 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/10/05(水) 23:07:40 ???
>>499

 取り引きをしていくうちに街の噂などもひとしきり耳に入る…が、

【このアーカムシティとやら、どうにも奇妙な噂やら事件が実は滅茶苦茶多発しているらしい】
【それは今回の魔道書に関係していると思わしきものから、まったく関係なさそうなものまで】
【ハッキリ言えば〝霊的には最悪の地域〟のようである】

【ファンタジー知識(悪魔種)…神秘が霧散した世界でも比較的〝あやかし〟が生存できる環境である】
【イムカの見立てでは時代により枯死しかけているであろうという推測であったが…(ここは科学サイドのイムカの誤認可能性あり】

【さらに…露店を続けていくうちに遠巻きに向けられている視線に気付くことだろう】
【敵意は無い。が、友好的でもない。そのような目線。仕事中も、宿も、食事時も】

>>501

「ああ、下はチンケなギャングだったんだがな。妙な連中とつるむようになってから…ひっく」

 魔道書を所持していると思われるギャングのボスの情報を収集。
 で、解ったことはこれだけである。

【もともとは一角をどうにか収めていた程度の小さなギャングに過ぎない】
【妖しい連中とつるむようになってから急に羽振りがよくなった(裏づけ)】
【何か、特別な酒を探しているらしい。密造酒ビジネス】

【さらに…露店を続けていくうちに遠巻きに向けられている視線に気付くことだろう】
【敵意は無い。が、友好的でもない。そのような目線。仕事中も、宿も、食事時も】


504 : エルダ ◆9vmr0jXsek :2016/10/05(水) 23:07:43 ???
>>500

「それは勿論、信頼できる製造元って意味ではなくて?」

「密造酒なんて、製作途中で何されてるかわからないじゃない。なら、外国のお酒がほしいと考えるのは当然だと思うわ」

「で、売るほうもそれはわかってるから、そういう密輸したお酒は高値をつけて売るのね」

謎の怪しいお酒Xと某社のウィスキーでは値段が天地ほどは違う。
などと誇張もまじえつつ、幽霊は楽しそうに話す。

「そういえば、ガラの悪いおじさま達が、変な噂話をしてたわ」

「『アイルランド人が、海水を取引してる』『あいつら、海水を酒だといって、酒が光るって話す』『漁師が酒を造るわけないのにな』ですって」

「どういう意味かしらね」


505 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/10/05(水) 23:12:19 ???
>>502

「君は物資と足の調達か。いいな」

 ソーマタージの働きは〝色々な意味〟で悪くなかった。
 派手に動いた。さて、何かしらの痕跡は残しただろうか?

【クルマをゲット…移動手段確保】
【武器を確保…当時の武器(シカゴ・タイプライターや弾薬、ナイフなど)】

「まあ、聖務は全てに優先する。あえて入手手段は聞かないさ。
 ところで、ヘマはしていないか?」

 イムカは警察に御用は御免であると告げている。のだが、

【いろいろと、ビズに盛を出していた最中でも、遠巻きに向けられていた視線があったことだろう】
【しかし、非合法手段に訴えている間にも、特に手出しも干渉も無かった】

  【この場合のパターンは得てして、監視、あるいは泳がされている、だ】


506 : ロイ・ゴールドマン>500-501 ◆eZKgukyN3c :2016/10/05(水) 23:19:09 ???
>>503
「ただいまー」
そこそこの利益は道具の購入に消えたので 手持ちは小銭の両替分ぐらいしかないロイが返ってきた

「イムカ ここは神秘の枯渇した世界と言っていたが その認識は捨てろ ここは悪魔が活動するには絶好の立地だ」
眉をひそめながら言う

「思った以上にタフな仕事になりそうだ 覚悟しておけ あと…こちらを品定めするような視線を四六時中感じている
 複数が手分けして集中監視してるのか 霊的なモノかは判別できんが かなり高度な監視体制を敷いているっぽい 少なくても今は敵意がないがな」

なおその視線をあからさまに避けようとするアクションは起こさなかった その手の訓練も受けていたが 余り手慣れであることを暴露したくなかったのだ


507 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/10/05(水) 23:21:13 ???
>>505
俺がそんなお縄になる様なヘマすると思う?グンバツのセンスで街を走り回りバッチリ撒いて…撒い……
……そんな事しなかったなそう言えば…
【訝しむような表情になり、記憶を辿るソーマタージ】
【泳がされていた。まんまと引っかかったのだ】


『こっちはなるべく気を使ったけど…だから失敗ばかりするんだよ。脳味噌までカビたか』
【機械に歪められた声で呆れるマンジュシャゲ。此方はうまい具合に躱してきたようだ】
…持ち主を殺せばバレないと思ったんだがな


508 : アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 :2016/10/05(水) 23:26:19 ???
>>503
「なるほど、ありがとうございましたー」
「(……まったく、猫をかぶるのも大変なものだな)」

呆れたような顔をして人知れずため息をつき、彼女は酒場を後にした。
ともあれ、気になる情報をいくつか手に入れることができたのが幸い。遊びついでと考えれば御の字中の御の字であろう。

「(…………しかし、さっきから何だ……?妙な視線を感じるが。)」

というわけで路地裏にでも繰り出した彼女だが、さっきからどうも気になったことがあって。より人目のない路地裏にこれば、余計にそれは存在感を増して。

「――――誰だ!」

――――ふと、思わず、声を上げた。路地裏の壁に、少女の声が何度か反響する。


509 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/10/05(水) 23:37:04 ???
>>508

 アルティの声と共にその視線は一端は消えた。隠れたのだ。
 すぐにやりあうつもりは無いようだが…

【判定(カノッサエージェント)…カノッサのバックアップが受けられているか否か】
 【→カノッサのバックアップを受けられて、さらにコンタクトが取れた場合、
    越境者達は現在、連邦捜査局(BoI=FBIの前進組織)の監視対象となっているという情報を入手できる】


 ----------

>>504>>506>>507>>508

「ふむ…それでは整理しよう」

 ロイの情報…「ここは神秘の枯渇した世界と言っていたがその認識は捨てろ。ここは悪魔が活動するには絶好の立地だ」

「オカルトに疎い私より、ここはその手に精通している伍長の感覚を判断材料にすべきだろう」

【情報:魔道書は完全とは程遠いかもしれないが、枯死しかけているとは言い難いかもしれない】

 ソーマタージの成果…「武器、弾薬、車両の入手」

「クルマの入手は正直ありがたいな。アシが無くては行動が大きく制限されるところだった。入手経路はあえて聞かないぞ」

【成果:クルマ、武器の入手。しかし、監視者にこの軽犯罪を見逃された可能性が高い】

 エルダの情報…アイリッシュギャングは、青く光る酒を求めている。

「そして…アイリッシュギャングが求めているのは漁村の密造酒。
 どうやら、今回、こちらで密造酒を用意するのはナシだな。そこの酒を入手するのがいいだろう」

【情報:漁村=インスマスにて青い酒を入手。光る酒ってなんだ?アーティファクトの一種か?】

「そして、どうやら我々には等しく監視者がついたようだ。
 確かに越境者は突然現れた戸籍ナシの余所者…気の利いたギャングならマークはするかもしれないが」

 監視者についてはアルティの情報精度如何だが、行動指針はだいたい決まっただろう。
 丁度、アシも既に入手している。


510 : ロイ・ゴールドマン>500-501 ◆eZKgukyN3c :2016/10/05(水) 23:49:13 ???
>>509
「なぁんだ 腕によりをかけて それはそれは美味いムーンシャインを仕込んでやろうと思ったんだがな」
せっかく機材を調達したので あとで個人的に作ってみようかと思っているようだ

「あぁ 俺はその本の全盛期の力を知らんが 事によっては厳しいことになるだろうと睨んでいる
 しかし青く光る酒ねぇ…イムカの大好きなホーシャセーブッシツとやらが入った酒じゃないといいな」

イムカが好んで飲む炭酸飲料を思い出し ちらりとイムカに視線を送る

「やるのは押し込み強盗か? まぁ俺は武器はいいや こいつがある」
といって持っていた丁字ステッキを取り出す 少し捻って引っ張れば 中から細い刀身がこんにちは

「ボロウズ製さ 細くしなやかなのに強靭な刀身 まさに職人芸ってやつさ」


511 : エルダ ◆9vmr0jXsek :2016/10/05(水) 23:52:36 ???
>>509

「それなら私、『泳がされていた』ってことになるわね」

「もしもそうなら、こちらが何を探っていて、何をしたいのかも察せられてるかもしれないわね」

先回りされている可能性も考えるべきだろうか。
こと荒事になると、この幽霊は置物以上の働きはできない。お荷物である。

「何か大きなスキャンダルが同地にあればいいのに」

「ゲーム盤をひっくり返すように大騒ぎ。不愉快な本だけ火事場泥棒、なんて出来たら素敵よね」

過激な発想をする幽霊だが、現状ただのたわごとである。


512 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/10/05(水) 23:52:51 ???
>>509
光る酒?放射性物質でも入ってるのか?
原子力はもう二十年以上は先だろう…
【突飛なワードに眉を顰める。目標が出来たのはいいが、そんなもの扱って平気なのだろうか】
【そんな懸念も数秒で消える。なる様になるという考えのせいだ】


『多分歓迎はされないだろうな。銃が手に入ってよかった…のかな』
また一つの村が地図から消えるな。なんと罪深い事か
【各々で必要な銃や弾丸を装備する二人組。ソーマタージの方は殺して奪う気満々の装備】
あの車なら、詰めれば全員は乗れるかもな。快適な旅にはならなさそうだが


513 : アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 :2016/10/05(水) 23:57:12 ???
>>509
「(……隠れたか。やっぱり監視者か何かだろうな。)」
「(まさかここまで、別世界の連中が追っかけてきているはずはないよね、うん。だとすれば……)」

――――と、アルティは懐から手のひら大の端末を取り出した。明るく光る画面は真っ暗な路地裏に映える。

「……なるほどね。……都合が良すぎる?あっそう。」

画面越しにそう対話だけすれば、そそくさと画面を閉じて再び歩き出した。
そんなこんなで朝がきて、やがて他の一行と合流。情報交換などをするが――――。


「青くて光るか。……クアンt……なんでもない。」
「……まぁ、それはさておいて、どうやら監視者の正体が分かったようだよ。」

そんな戯言を垂れつつ、アルティは話を続けた。今も目をつけられていることを警戒して、小さな声で。

「どうやら、捜査局やらに目をつけられているらしいね。……どうやって情報を得たかは聞かないで欲しい。」


514 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/10/06(木) 00:03:35 ???
>>510-513

「エルダの事まで認識されていたのかは、正直判断材料に乏しいな」

 いくら霊的に最悪とはいえ、常人には幽霊を認識するのは難しいだろう。
 どこまで泳がされているか、何を目的にしているのか、あるいは何をさせようとしているのか。

「少なくとも原子力は無いな。時代と整合性が取れない。オーバーテクノロジーに過ぎる」

 どちらかといえば、イムカの好きな放射性物質入りのドリンクではなく、
 もっと、神秘的、あるいは冒涜的な魔術めいた品である可能性が高い。
 オーバーテクノロジーならぬロストテクノロジーである。

【そうしているとアルティも戻ってきて、さらには監視者の凡そのアタリがついたという】

「捜査局(Bureau of Investigation)…アメリカに監視?」

 となると、泳がされている理由は?不法入国者相手にその選択は無い。ならば…

「ややこしくなってきたな。どうやら、合衆国は越境者を認識。そして、我々に何かをさせたがっている」

 合衆国のレールに乗っている間は敵対しないで済みそうであるが、
 果たして利害が一致しているかどうかは、この時点では定かではない。

「まあ…不確定要素をアレコレ考えていても仕方ない。
 我々の行動指針は概ね決まったな。物資もアシもある。すぐに動くべきだろう」

 そうして、一行はアーカムより出発することになる。
 目的地は、奇妙な密造酒を生産しているといわれる漁村…インスマスだ。

【本日はここまで!】


515 : イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 :2016/10/06(木) 22:35:18 ???
「そんな訳で……」
「えーと、なんだ……今日の授業は、えー……」

隅々まで校舎で埋め尽くされ、今もなお増築で肥大し続ける世界
ここを訪れた全ての存在が学校関係者としての役割を得るのである
そんな中で黒猫の獣人、シドロモドロに喋ってはいるがこれでも教師役だ
ジャージ姿の如何にも体育教師、教壇に立ち言葉が出ない

『せんせー、聞こえませーん』

ケラケラと笑いながら茶々を入れる七八
彼女はふつーの学生の様子

「……ぁ、す、すまない……えー……と……」

更に萎縮し縮こまる情けない教師であった


516 : ジョシュア・アーリントン :2016/10/06(木) 22:42:31 ???
「せんせー、聞こえませェん」

教師であるにも関わらず、生徒たちと同じく学習机へと向かって。いたジョシュアも右手を上げて。
格好こそ教師っぽいフード付きのスポーツウェアではあるものの、ジャケットの下に銃を忍ばせガムを噛むその姿はまるで教師には見えない。
椅子を前後逆に置き、背もたれに腕を置き、さらにその上に顎を乗せて気だるげに。

「オイ新任、ナメられてちゃダメだぜ?」
「気合い入れてやれ、こう……ビシっとな!」

サムズアップと共にイリーへとエールを送るジョシュアであったが、その実彼女から見えないように七八へと目配せして。
イリーから見えぬように悪い笑みを浮かべると、彼女の反応を待った。


517 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/10/06(木) 22:49:17 ???
「せんせー聞こえません」
―――ギィ!!

一緒になって茶々を入れる男とそのオトモ
なんという集団苛め


518 : イリーと七八 :2016/10/06(木) 23:03:23 ???
>>516
「う、うるさいぞそこっ!」

注意する声はやたらと大きい
動禅の呼吸法で鍛えた肺活量はその分強力なのだ

「しかも態度悪過ぎる、他の生徒に悪影響だ!」

そこだけビシッと指差して
因みに七八もニヤニヤと意地の悪い笑みを湛えているのであった

>>517
「そっちも!」
「……というかベティも!」

あぁ、もう、と頭を掻いて溜息

>>516-517
「もういい、座学は終わりだ」
「……武道場を使うぞ、道着に着替えて集合!」
「……3分で集まるように、遅れたら腕立て100回だ」

言い残し、ツカツカと先に出て行ってしまうイリー
教師としての素質はハッキリ言ってアレである

さてはてそして

「……よし、集まったな」
「えーと……じゃあ何をするかな……」

武道場特有の空気感の中、腕を組み悩む教師
ノープランであったようだ

「よし、じゃあ取り敢えず組手でもやるか」
「ジョシュアさんは私、アキレスさんは……」

と、思いっ切り思い付きでジュージュツの授業開始
ジョシュアと向き合うのはイリー、教師同士だしまぁ仕方ない
アキレスに対しては七八、顔見知り越境者同士でまぁその辺も都合上仕方なし

『……授業内容くらい考えて来なってのねー……もー』
『まぁいいや、アキレスは柔道出来る? 出来なかったら打撃有りでもいいよ』

と構える七八、確認しつつではあるが摺り足で迫り、近付き組み付いて早速揺さぶってからの投げ技を狙っている
言葉の通り、打撃有りルールにも対応するようだ

「……七八さん、黙ってくれ」
「……さ、いくぞ?」

とはジョシュアと対峙するイリー
開始の合図と同時一気に迫り、足を払い倒さんとしている


519 : ウルリック【牙狼】>>204 :2016/10/06(木) 23:04:08 ???
>>518

「わうん!」

 ペローンを舌を出しながら、教室に混じりやがった柴犬が
 元気にお手手をシュタっとあげだ。

【これは決していぢめではない。繰り返すいぢめではない!(大切な事なので2度(ry】


520 : イリーと七八 :2016/10/06(木) 23:09:11 ???
>>519
「……いや、まぁ……なんだ……」

チラリ、とベティの姿を再確認
ついでに自分も獣人に変身してはいるが猫である
犬が授業を受けていても問題はないだろう、多分

「……武道場に来るように……?」

犬用の道着も一応あるらしい
ベティとなら組手が出来そうなモノだろうか?なんて思いつつ


521 : ジョシュア・アーリントン :2016/10/06(木) 23:10:45 ???
>>518
「……なんつー横暴なよォ」

畳の上、柔道着に着替えたジョシュアは帯を結べないでいる。
最終的にチョウチョ結びに落ち着いたようで、そのままイリーのもとへと気怠げに合流

「しゃーねェな……あんまお前の相手したくねェんだけど」
「あ、悪い」

嫌々渋々ながらイリーと相対するジョシュア。油断できない相手、ジョシュアとて気を抜けば瞬殺されてしまう程の手練れであるからだ。
七八の打撃アリという言葉を完全に履き違え、組み合った反動、引き寄せ様に掌打を、イリーの胸骨をぶん殴る形で放つ。
ぱっと両手を離し、彼我の距離を離せば、そういえば自分はジュー=ジツに関しての心得が無かったのだと再確認。


522 : ウルリック【牙狼】>>204 :2016/10/06(木) 23:12:45 ???
>>520

「わふわふ」

 柴犬はイリーの指示には存外に素直に市が立って武道場までテクテク歩いていく。
 七八にでも手伝ってもらったのだろうか。武道場に到着したときにはバッチリ犬用道場着スタイル。

>>517
 
「わうん??」

 さて、メンツ的には自分の組み手相手はベティになるのであろーか?である。
 吾輩は柴犬である。名前はちゃんとある。


523 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/10/06(木) 23:15:15 ???
>>518
「ベティはハサミ振り上げてるだけだもん なーベティ」
―――ギィ!!ギィ!!

アキレスの抗議 ベティもそうだそうだ―とハサミを振り上げている
と なんとまぁ座学終了のお知らせであるが

「え ちょ 戦い〜?」
困ったような顔をするアキレス 仕方がないのでいそいそと着替えだす

〜場面転換〜
そこにはまだ新品で糊のきいたごわごわの柔道着を着込んだアキレスが!! 髪はポニテにしてあります

「俺に格闘ができるわきゃないでしょうが…」
困ったように頭を掻くアキレスと

―――ギィ!!
ミニチュア柔道着を着せてもらったベティちゃんが得意満面にハサミを振り上げている図

四五六との乱取りとのことなのでさっそく

「よっしゃいくz」
素人特有の腰の入ってないパンチを簡単に躱され ぽいと投げられてしまうのであった

>>519
場面転換である 武道場である
そこには柔道着を着込んだベティがウルリックの前に立ちはだかっている

―――ギィ!!
そして取っ組み合いに移行しようと ウルリックに突撃を仕掛けた!!

これも一つの異種格闘戦であろう


524 : イリーと七八 :2016/10/06(木) 23:22:39 ???
>>521
「痛だっ!?」
「……なんだ、柔術知らないのか?」

そもそも道着も着れていない相手に対しての言い分としてはあんまりである

「……なら仕方ない、少し教えてやるとするか」
「と、その前に」

ふふんと得意げにして
そしてそのまま近付き、デコピン一発

「一発は一発だ」

>>522
『お、似合う似合うー』
『……どっち応援するかなこれ』

拍手で送り出す七八、何だかんだ犬好きである
そしてベティとウルリックの対決を前に、割と真剣に悩むのであった

>>523
『ありゃ?』
『……あはは、そりゃそっか』
『じゃあ、ちょっと練習からやってみる?』

しまった、と苦笑の七八
何せ忍者である、柔術なども一通り嗜みその実力はそこそこに高い
倒れるアキレスに手を伸ばし、なんなら賽印流式ではあるが体術の練習でも、と尋ねる


525 : ウルリック【牙狼】>>204 :2016/10/06(木) 23:24:14 ???
>>522

「わふん!!」

 ひょいっと避けるウルリック。素早い…っていうかコイツの本性は外見どおりと違うのだ。

【ベティにカウンターとばかりに、そのお顔に向かってふわふわ尻尾によるバタバタ攻撃だ!
 仮にもれでぃーに対して何たるシツレイか!】

 そうしながらも毛皮からサーモンの燻製を取り出してくっちゃくっちゃと齧り始める。

【無慈悲なる挑発である!美味しいサーモンを食べながらでも相手にできちゃうワン!という!】

>>523

 せんせー、ウルリック君が授業中にサーモン食べ始めてます。
 そして、勝負というか戯れているというか、なんか和むというかなアレ。


526 : ジョシュア・アーリントン :2016/10/06(木) 23:30:14 ???
>>524
「軍隊格闘術しかやったことねェしよ……」
「あぁ、悪りィな、助か」

ジュー=ジツなんて言われてもなと肩を竦めて首を振る。
イリーがジョシュアに術を教えると得意げ顔で近寄れば無防備に握手を求めそのまま
殴り飛ばした礼として、額に一発デコピンを受ければ大きく仰け反って倒れた。

「……さて、じゃあご高説願おうか、センセ」

額に傷を作ったジョシュア、イリーへとむすっと視線を向けて。いや元々は彼が原因を作ったのであるが。
チョウチョ結びの帯は相変わらずだ。見た目はナメ腐っているが中身はまぁ基本的な身体能力も味方しておりそこらの黒帯よりは数段上だろう。
要領も悪くはない。少しコツを教えてやれば、乾いた土の如く知識を次々吸収してゆくハズだ。


527 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/10/06(木) 23:34:35 ???
>>524-525
「・・・お願いします」
四五六の手をとりドッコイショと立ち上がる

「オッサンから警棒術は習ったんだけどよ 取っ組み合いは専門外だぜ」
では教えてもらおうか 賽印ニンポの神髄を!!

―――ギィギィ♪
そしてベティは突撃を躱され ボフボフと顔を尻尾で叩かれ楽しげだ
その尻尾を掴もうと ハサミを矢鱈滅多らに振り回している
さて ハサミ攻撃は通用するだろうか? なお戯れモードなのでつかまれてもあまり痛くない…はず


528 : イリーと七八 :2016/10/06(木) 23:38:27 ???
>>525
「はいそこ、早弁しない」
「……七八さん、あれ写真撮っといて」

『はーい、撮るよー』

口頭注意のみに留まった、しかも殆ど口だけだ
その上生徒に対して撮影命令、七八もスマホを取り出しカメラを起動
2匹の死闘を撮り逃さんとハイチーズ

>>526
「よし……と、まぁその前に先ずはそれだ」

最初の一歩から躓いているジョシュアのその、結び目を指摘
すぐ解けてしまうのでは話にならないとキチンと説明

「でだな、先ずはこう……」

続き動禅式の柔術の基礎の解説
頭より体で動くタイプではあるが、教えたがりでもあるのだ
教え方は絶望的と言うわけではない模様
因みに内容は割愛、メタ的な意味で

>>527
「じゃあ、護身術的なのね」
「自分からやるんじゃなくて、受動的な感じの……」
「先ず、こう掴まれたら腕を捻ってさ」
「……で、最後にダウンした相手の首元を踏んづけ……あぁ、これはやらなくてもいいかな」

手取り足取り、これでも賽印流のマスタークラス()ではある
護身術としては最後がちょっと物騒な、しかし実戦的な武術ではあるものだ


529 : ウルリック【牙狼】>>204 :2016/10/06(木) 23:38:47 ???
>>827

「わふん?」

 数うちゃ何とやら。へすんと間の抜けた音と共に
 ハサミがしっぽをパシッと掴む事に成功!

「わうわうわう」

 ぶるんぶるんと、ふわふわ尻尾を動かすたびに
 尻尾からスサーモンの燻製がころんころんとドージョーのタタミに転がっていく。

【まるで打ち出の小槌のような変な尻尾!】


530 : ウルリック【牙狼】>>204 :2016/10/06(木) 23:41:58 ???
>>528

「わふん!」

 骨肉相食む真剣しょーぶ!
 突撃にしっぽポフポフに、はさみでにぎっと、しっぽぶんぶん。

【この凄惨なる戦いの一幕を記録せんとする者共の視線を浴びながら】
【2匹の魔獣の戦いは肉(鮭の燻製)を撒き散らしながらひいとあっぷだ!】


531 : ジョシュア・アーリントン :2016/10/06(木) 23:45:00 ???
>>528
「……成る程な、これがこうなって……それで、こう」
「大体分かった。思ったより実践的だな」

スポーツ格闘技にしては、と付け加え、ジョシュアは正しく締め直した帯と美しい構えを見せつける。
繰り出される動きは流麗かつ力強く、端々にジョシュア風のアレンジが見て取れるだろう。
柔術に彼のMCMAP技術を逆輸入し、反則とならない範疇で実践的なものへと仕上げているようであった。
いくつかの技を虚空へと目掛けて繰り出せば、ジョシュアはイリー方へと向き直りにやりと微笑んで、これでもうデコピンはひつようないなと得意げに語ったという。

//そいでは私は一足先にっ、ありがとうございましたー


532 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/10/06(木) 23:46:02 ???
>>528-529
「これをこうしてこうだから・・・いてて」
どうにも格闘技のセンスがないのか 腕を逆に捻って自ら関節技に極まりにいく体たらく
パルクールしているときと比べて雲泥の差 まったくもって頼りない

「いや 踏ん付けるのは大事じゃね? オッサンも《これがあればイチコロだぜ★ミ》って言ってたし」


―――ギィ♪
そしてベティちゃん ウルリックの尻尾から出るサーモンに目を輝かせる
ぽいっちょと尻尾を放り投げ さっそくサーモンに舌鼓 おいしいってさ よかったね

死闘はもはや マスコット2匹の早弁会場と化した


533 : イリーと七八 :2016/10/06(木) 23:53:15 ???
>>529-530
「……鼻血が出そうだ」

『流石にそれはちょっと引くわ』

連写撮影で響く機関銃の様なシャッター音
途中動画撮影も交えてそのカワイイな模様をバッチリ録画
興奮気味のイリーに対して、ドン引き模様の七八である

>>531
「……動禅の柔術は実戦格闘技だ」
「……ふぅむ……」

他は知らないが、と付け加えるのをわすれない
そして短時間で極めて効率的に術を身に付けるジョシュアに対して唸り、同時に瞳の奥をギラつかせた
これならば次の勝負は柔術で、忌憚なくやれそうだとの笑みを浮かべて

//お疲れ様ですよーのし

>>532
『あはは、ぶきっちょだなぁ』
『……そう? だって死んじゃったら後味悪くない? しかも踏み付けるってなんかさぁ……』

逆に器用なドジかも、と笑いながらその様子を見ている
そしてトドメに関して、んべ、と舌を出して続けた
刀で斬ったり手裏剣を投げたりはともあれ、手足で殺すのはなんだかやっぱり例外的らしい

『……かけっこなら凄いのにねぇ?』

と、格闘センスがイマイチらしいアキレスに向けて


534 : ウルリック【牙狼】>>204 :2016/10/07(金) 00:03:05 ???
>>532>>533

「わうわうーん。ZZZZZzzzz」

 運動もした。ご飯も食べた。
 となると、次は?となって、なんということでしょう。
 授業中なのについに居眠りを始めやがりました。何たるフリーダムか!

【このようにマスコットの熾烈なる死闘はその苛烈さゆえに柴犬の意識を刈り取ることとなったのだ!】

//ではおいどんもコノヘンデー!


535 : イリーと七八 :2016/10/07(金) 00:08:17 ???
>>534
「……」

『うひー、可愛い可愛い』

ぐ、と何か衝動的なモノを堪えるイリーと、無遠慮に触りに行く七八
2人の立場とか何だとか、そういう感じの物事が露呈した瞬間であった

//お疲れ様でしたでするっ


536 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/10/07(金) 00:08:34 ???
>>533-534
「・・・まぁオッサンの言うことだし」
そういうことになった

「おうよ 能力使わなくったって四五六タンにも負けない自信があるぜ!!」
そういってサムズアップ

そしてベティちゃん 一杯動いて 一杯サーモン食べて
丸くなって居眠りするウルリックに寄り添い

―――Zzz...

眠ってしまった 寝る子は育つということで一つ 大目に見てやってください

//では自分もノシ


537 : イリーと七八 :2016/10/07(金) 00:13:27 ???
>>536
『……流石、実戦で磨かれてるよね』
『イリーがいつも言ってるよ、ロイのおっちゃんと全力でやってみたいって』

小声で、イリーに聞こえぬ様に耳打ち
武道家としてのサガみたいなモノらしい

『へー、言うじゃん』
『今度やってみる? スプロールのランナー勝負!』

カワイイで寝転がる2匹にレンズを向けて、パチリと一枚
そんなダラけた授業風景、終了の鐘が鳴り響く

//ありがとうでしたっ、またよろしくですっ


538 : 汝は越境者なりや? :2016/10/08(土) 21:01:34 ???
2033年世界、マサチューセッツ州、H.E.X.A.(人類効率試験機構)本社ビル――

ボストンに立ち並ぶ高層ビル群の中、モダン建築理論に則られて建造された、白を基準とした美しいビル。
U.S.S.ワールシュタットというランドマークが存在するこの都市の中でも、ひときわ異質な存在感を放つこの建物の中、
越境者達はゲストとして迎えられ、一ヵ所に招集されていた。

『……そんな訳で、今日は新型のVRトレーニング設備のモニターになって欲しいんだけど』

彼等を迎えるのはHEXAのCEOであり、またカノッサ機関の構成員の一人でもある女、オメガ・インフェリオリティ。
劣等の名に恥じぬ、その身体はやせ細って病弱であり、肌色も不気味な程に、まるで雪の如く白い。
長い髪を束ねもせず、白いワイシャツを肘辺りまで捲った姿。黒いスーツパンツはぴっちりとその細い体躯を写す。
その貌には優し気な、されど悪寒を伴うような張り付いた笑みが常に称えられており、どこか尋常から外れたような印象を受けるだろう。

『うん、私らが投資してる先のファンドに少し、陰りが見えて来た様な気がしてきてね?』
『この世界の表向きの顔として、ウチは先進技術実証研究をウリにしてるんだけど……不十分な気がするんだ』

HEXAは表向きは民間向けの、福祉系先進技術やバイオニクス研究企業として認知されているが、
その実、裏側ではカノッサ機関と大いに癒着し、六人のエージェントを中心に準軍事組織めいた組織を創設して越境活動を行い、
広がる数多の世界へと食指を延ばし、そこから特殊な効果を持ったオブジェクト、それを”アーティファクト”と呼称しそして収集している。

『それでいくらか投資を打ち切ろうと思うんだけど、先日ウチにこんなものが送られてきてね』
『”HEXASIM”……VRトレーニング設備のプロトタイプさ。仮装闘技場を一回り小さくして、法人単位での所有と維持を可能にしたモデルだ』
『これの研究と量産化の暁には、投資額に見合った利益を生み出せるらしいから、もう少しだけ融資してくれってね』

今回の依頼を簡潔に説明すれば、表向きの民間企業としての活動の際に、投資に見合った見返りを持たない者が居ると。
そこで”命乞い”として贈って来た品物の価値を、越境者を用いて数値化する事によって投資先の運命を決めようという事である。

殺風景な空き部屋の中心にどんと据えられているのは、中心部に穴の開いた円卓のようなものだ。
円卓には最大で八人ほどが座れ、中央の穴に通された円筒状のコンピューターがサーバーとなるのだろう。
サーバーから延ばされた先の、電極のついた先鋭的なデザインのヘルメットを被り、シート状のバイタル測定器を胸に張りつければ意識のみをVR空間へと投影する事が出来る。
つまり現実には身体を動かさず、傷も負わずしての戦闘訓練が可能となるワケだ。”夢を共有する”と説明した方が簡単か。

『とりあえずこの中で自由に動き回って、所見を聞かせて欲しい訳なんだけど……』
『戦闘訓練だと代わり映えしないから、今日はちょっと変わったメニューにしてみるね』
『80年代にロシアで生み出された心理戦ゲームの祖、”Mafia”に基づいたパーティゲーム』

先の器具を身に着け、シートに深く腰掛けてから事故防止措置として四肢を安全ベルトで軽く固定すればセットアップは完了だ。
全員がセットアップを完了すれば、近くの端末を指先ですいすいと弄って、オメガはトレーニングメニューを選択。

『そう、”汝は人狼なりや?”』

越境者同士による戦闘訓練、今回は心理戦。常ならず肉体的なパフォーマンスのみがモノを言う状況ではない。
HEXAからはエージェント・ハッシュとジョシュアが、越境者からはミスカが参戦、ゲームマスターはオメガである。
なお今回のオペレーションによる心的外傷の保障について責任は負わないと直前になって付け加えた。なんたるブラックか!


539 : 汝は越境者なりや? :2016/10/08(土) 21:02:44 ???
〜とある平和な村〜

「いやァ……ったく、今日もクソ平和だな……クソ平和じゃなァこの村は」

辺りを自然に囲まれ、人間界から完全に隔絶されたこの地域では、古い人狼の伝承を信じる村がいくつか点在しています。
その中の一つ、村長ジョシュアの治めるこの村は今日も平和。村では争い事の一つもなく、みんなが手を取り合って暮らしていました。

「なんかこう、ドデカイ事件とかねェかのォ……正直こうも平和だと暇じゃわい……ん?」

『あ、あの……っ、ジョシュアさん……っ』
『貴方を食べ……食べさせてくださいっ』

「はァ?何じゃテメェ……喰うぞコr……」

平和すぎる村の状況に、ガンダルフのようにたくわえた立派なつけヒゲを撫でながら、闘争心を持て余した村長ジョシュアは呟きます。
そして彼の言葉を待っていたかのように茂みから飛び出してきたのは、村娘ミスカです。医者見習いであり、村では周りからの信頼も厚い彼女。
されど今日はどこか様子が何時もと違います、ジョシュアを見れば舌なめずり、気味の悪い笑い声を漏らしながら彼へと近寄ります。
村長ジョシュアは彼女の尋常ではない様子に、すっかり委縮して及び腰です。ただでさえ悪い膝をがくがくと震わせています。

『が、がぅぅ……///』

大きな耳と立派な毛並みの尻尾、そして鋭い牙を剥き出しにした恐ろしい人狼へと変貌した村娘……いや、人狼ミスカ。
両手を鉤爪のような形に爪を立てて、その爪を剥き出しにしてジョシュアへと襲い掛かりました。
赤らんだ頬と逸らされた瞳は、興奮のあまり血の気が盛んになり過ぎた所為なのでしょう。
恐ろしい雄叫びと共に、ジョシュアを恐怖のドン底へと陥れんと威嚇します。

「…………」

「何モンじゃキサマァァァッッッ!!?!?ブッ殺すッッッ!!!!」
『イヤああああああああッッッ!!?』

すかさずショットガンを取り出して人狼を追いかけるジョシュア、対して堪らず逃げ出す人狼ミスカ。
されど体力の差は明確、あっと言う間にジョシュアは追いつき、やがて彼のぶっとい12ゲージ弾が人狼の頭を――
………ん?ちょ、ちょっと待って!……ハッシュ。

『了解、任せて』
「おごふっ!?」

『……タンゴダウン、仕留めたよ、ボス』

【ジョシュアは何処からか飛来した銃弾に胸のド真ん中を貫かれ、ぶっ倒れて動かなくなる】

……ちゃんとやりなさい。
それで、えー……と、どこまで読んだっけ?

『あ、あれ……勝っちゃった……?』
『え、私なにもしてn……いだぁ!?』

【ついでにミスカも口封じに始末するという鬼畜の所業!】

かくして人狼と相討つ形で餌食となった村長ジョシュアは、後日その遺体を仲間達に発見されることとなりました。
折り重なって斃れるジョシュアと、変わり果てたミスカの姿を目にすれば、村民全員には嫌でも脳裏に”あの伝承”が思い浮かぶことでしょう。
そう、この地域一帯に古くから伝わる人狼伝説。日中は人へと化けて村へ潜り込み、夜には正体を現して寝込みを襲い人を喰らうという御伽噺を。

されどもそれはもはや伝説ではなく、事実であると実証された今、村民たちには人狼から身を守らねばならないという義務が生じました。
伝説の人狼がミスカであったのか、それともまだ他の人狼が居るのか、あるいは自分以外の全員が人狼なのだろうか?という疑念が村の空気を支配します。

【DAY1 朝】
【村長ジョシュア、人狼ミスカが遺体として発見されました】
【村に潜む人狼の存在の有無は不明です】
【ゲーム開始より30分間、全プレイヤーは自らの役職の特性を用いて疑わしい人物を探ってください】


540 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/11/01(火) 21:33:57 ???
【スプロール:インペリアル・エンジニアリンク社にて】

 欲望渦巻くサイバーパンクシティにて、デッカー権限委任企業でもある銀河帝国の出向機関にて。

「………」

 マルチタスク技能をフル活用し、イムカ・グリムナーは4つの案件を同時並行的に処理。
 ふと、一つのビズが概ね片付き、途中まで読んでいた紙のBOOKに目を通していた。
 サボリ?否、必要な情報の収集に他ならない。

【その手に持っている本のタイトルは…『人間性を育む趣味総監』】

「山にハイキング…自然の中でおべんとう…女子力アップ?くだらん」

 速読であっという間に目を通して、BOOKをゴミ箱に直行させたイムカである。
 しかして、しばらく何やら硬直していたかと思うと。

「しばらく、留守にする。緊急時には呼べ」

 と、突然にどっかにいってしまった。
 社員一同はこの時大抵はこう考えるのだ。
 深慮遠謀な政治的やり取りに向かったのか、それともまた天然をこじらせたのかどっちかだと。

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541 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/11/01(火) 21:34:58 ???
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【魔法世界トローヤー:ドラゴンズピーク】

「フッ!!」

 凄まじい標高を誇る竜の峰。タンクトップ姿のイムカは岩肌ばかりのこの山の絶壁にあった。
 僅かな亀裂に指3本を入れて全体重を支えている間に、灰色の壁面に楔を打ち込む。

「…すぅ…はぁー」

 深呼吸一回。酸素濃度は薄いがそこは遺伝子的に強化されている超人類である。問題にもならない。
 汗がじわりと滲む頬を手で拭い、一息ついて水筒の水を摂取する。

「なるほど、確かに絶景は見られるな」

 途轍もない標高である。すでに幾つかの雲は己が視界の下にあり、
 パノラマに広がる光景は絶景そのものである。が、しかし、

「…これのなにがどう女子力なのだ?所詮は胡乱な雑誌の戯言ということか」

 と、なにやら果てしなくピントがずれたことをほざくのであった。ナムサン!

【どう考えてもカワイイではなく雄雄しいの部類である。本当にありがとうございました】

//同行しているかもしれないし、山に最初からいて、何か雄雄しくクライミングかますイムカを目撃したかもしれない


542 : 又ジ ◆.zilz3o6.U :2016/11/01(火) 21:47:13 ???
>>540-541
うわ!うわ、うわ……!
【イムカのすぐ下を同じ様に、危なっかしくよじ登るのはソーマタージ】
【いつものコート一式はどう見てもこう言う登山には向いていない】
【それもそのはず。よく分からない世界で出会った、山に向かう知り合い。「何か面白いものが見れる」と思ってホイホイ着いてきたらこれだったのだ。狂人でも予想しない】

よく分からないが、絶対お前は何かを根本的に間違えてる!分かってんのか!?
【無残にも崩れ、遥か下に落ちていく小さな岩の出っ張りに肝を冷やし、酸素供給機越しのくぐもった声で叫ぶ】


それで、今度は何があった?山のてっぺんにドラゴンでもいるのか?レアメタルの塊が埋まってるのか?
【サイボーグの怪力でなんとか岩肌を登っているが、それでもツライのは変わらない】
【眼を細めているのは、少なくとも良い感情によるものではない】


543 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/11/01(火) 21:55:59 ???
>>542

「いや、ハイキングだが」

 打ち込んだ楔を片手と片足でしかと掴み休憩に入っているイムカ。
 なお、断崖絶壁で足場ゼロで下をみれば地面が全く見えない有様でも立派な休憩である。

(間違えている…ふむ)

 一応、他者の意見を聞く度量の持ち合わせはある。
 なにしろ、この手の話が全く不得手であるという自覚はあるのだ。
 そして、イムカは己の見落としに気付く。

「おべんとうだな」

 笹タッパーを広げて、幾つかのおむすび(高所でも乾燥していない。スゴイ!)

「もぐもぐもぐ…女子力?」

 絶景を見やりながらの食事。贅沢なひと時のはずなのにやはり首を傾げる。

「…食うか?」

 誰かに差し出せば何か変わるのだろうか?
 と、同行を許したソーマタージに身体を斜めに向けながらオニギリを持った手を伸ばす。

【ヒュウ!と強い風が吹き、岩肌の欠片が幾つかバラバラと落ちた】


544 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/01(火) 22:09:05 ???
>>543
【イムカに倣い休憩。全然休まる気がしない】
これがハイキングなら、いつもの激戦も雑用に入るわな
【自分から首を突っ込んでおいて嫌味を吐く。だが、本気で言ってるらしいと分かると途端に怪訝そうな顔に】
……ひょっとしてマジで言ってる?ウケ狙いとか、暗喩とかじゃなくて?


あ、こりゃドーモご丁寧に……ってちげーよ!
【ツッコミを入れようとして、不安定な足場なのを思い出す】
【このままだと調子どころか気まで更に狂いそうだ】

女子力ぅ?なんだ急に…なんだ急に?
【酸素供給機が顎門めいて縦に開き、心底不機嫌そうな顔を露わにする】
熱病にでもかかったか?言うに事欠いてアンタが女子力とは…いやはや…
……女子力ってのはアレだろ、カワイイな料理が作れるーとか、山道を歩いてマイナスイオンがどうこうーってのだろ
少なくとも岩肌をよじ登ったりはしないはずだ
【こっちはこっちで自信無いが、少なくともこれよりはあってるだろうという思い込みがその懸念を押し流す】


……くれるんなら頂戴。中身は何を……
【今更やっぱ帰るなんて出来ない。せめて腹でも……と思って手を伸ばした矢先、顔に当たる細かい破片】
痛い!砂っぽいのが目に入った!
【身を捩り、悶える。何故か乾燥してなかったオニギリは、哀れ遥か下へと落ちていった!】

…もう一回チャンスをくれ
【いけしゃあしゃあとおかわり希望】


545 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/11/01(火) 22:20:47 ???
>>544

「マイナスイオン?なんとも胡散臭い話だな」

 自分が女子力云々について考え込んでいた件は故意にスルーし、
 ソーマタージの忠言のみ耳に入れておく。

(山道は歩いて…まあ登っているだが大して違いはあるまい。
 カワイイな料理。おむすびはカワイイ。岩肌を登ったりしない?健康的女子と書いていたが?)

 クライミングは健康的はハズだ。全身運動だからと考えるイムカ。
 そして、この情報を分析すれば出した結論は一つ。

「やはり雑誌に騙されたか。まあダメ元だ」

【溜め息をつくイムカ。まあ、所詮はものは試し程度であった。試しに超登山なので実にアレだが】

 完璧な結論が出たところでソーマタージの疑問にも応えてやろうという気にもなる。

「ハイキングだろう?生命がかかった戦闘より遙かに有意義で気楽な余暇だ」

 またしてもタイミングよく風が吹き、ともすれば崖にへばりついた常命者達を振り落とそうとすらする。
 パラパラとふたたび岩の欠片が落ちていった。

「…今、貴様が落としたのはおかかだな。こっちは梅干だ。どちらも疲労回復効果がある」

 食事をあくまで栄養摂取以上に捉えていないイムカらしいチョイスというか言動というかである。
 なお、何かさっきから巨大なロックバートが数羽、こちらを睨んでは旋回している。

「ギャアギャア!」

 何かエサでも見つけたのだろうか?


546 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/01(火) 22:30:31 ???
>>545
昔はそういうの流行ったんだよ。水素水とか、マイナスイオンとか、水銀とか…言っても仕方ないか

…念のため聞くが、雑誌はちゃんと読んだか?「ロッククライミングをしろ」なんて書いてあったか?
【結論は出た様だが、こちらとしては堪ったものじゃない。ジト目を向けて吐き捨てる様に言う】
【次からはよく考えて行動しよう。と体感時間で三ヶ月ぶりに誓うのであった】


クソ、アンタと話してると自分のキャラを忘れそうになる。ツッコミはアキレスとかジョシュアの役目だろう…
【しれっと言われれば頭を抱えたくなる。物理的に不可能だが】
【と、そこに吹いてくる風。欠片が体にコンコン当たる。落下しそうになるのを、必死に防ぐ】
…ウープス、風がまた来やがったか。まあ高いしなここ
高度計とかないの?結構高いところまで来たんじゃない?

…それに鳥たちが騒がしい。さっきのオニギリ狙ってんじゃないのか?俺もトンビに飯を取られたことは何度かある
……或いは俺たちを狙ってるとか。なんか嫌な予感がするぞ。外れる事もあるが、今回はそっちを願おう


547 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/11/01(火) 22:37:26 ???
>>546

「………ふむ」

 下を見れば、ソーマタージがころりんちょと落としてしまった、
 おにぎりを空中キャッチしてモグモグ食べているロックバードである。

「キュイー!!」

 もっと欲しいのか、ロックバードはおもむろにソーマタージに近づいて頬ずりし始めた。
 めっちゃ人懐っこい!が、それも時と場合である!足場が不安定が断崖絶壁で巨大な鳥に頬ずり?SHIT!!

「生物図鑑にあるぞ?ロックバード…危害を加えなければ大人しい鳥だ。
 おむすびが欲しいのか?…ハッ!?」

 ソーマタージに梅干おにぎりをぽいっっちょしながら、何やら考え込み始める。

「なあ、ソーマタージ…動物と戯れるというのは高得点じゃないか?」

 何が、とはあえて言うまい。オフのイムカか基本的にとてもアレである。


548 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/01(火) 22:46:30 ???
>>547
なんだ!?やっぱり俺を殺す気か!?
【頰ずり自体はまだいい。こんな状況でなければ】
【必死に落ちない様に耐える。足場にしていた楔が揺れ、岩の欠片と共に落ちていった】

この状況が治るならいくらでも危害を加えてやりたいがな!
【慌てて取り出した脇差を岩肌に突き立て、咄嗟に足場とする。数m上へ】
【話を聞くとやはりと言うか危険なものではないらしい。受け取ったおにぎりをロックバードへ軽く放ってやると、イムカの言葉に苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべる】

一緒に遊んでウケるのはウサギとか、ワンちゃん相手の時だけだ。これはポイント無し。ナッシング
鳥は…サイズによるだろうな。少なくともこいつらじゃ女子力は鍛えられない
【別のものは鍛えられるかもな、と続けると、ロックバードに手を伸ばす】
鷹とか隼を手懐けて肩に乗せるの、一回やってみたかったんだが……こいつらじゃ無理そうだな。小さくなったらまたおいで


549 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/11/01(火) 22:55:52 ???
>>548

「きゅいー♪」

 もぐもぐもぐと、ソーマタージから受け取ったオニギリをおいしそうに食べるロックバード。
 気が逸れたのは頬ずり攻勢からはひとまずの開放である。

【再び突風が吹く。ロックバードたちは平然としたものだが、生身には姿勢の維持だけでも結構難儀だ、が】

「そうか。ポイントにはならないか。…乗せる?」

 ふと、イムカはロックバードの大きな背中と自分とソーマタージを見比べる。
 確か――

「なあ、ロックバードは相当に重いものも運べるらしいぞ。
 手懐けて肩に乗せるのとは、ちょっとだけ趣が異なるが――」

 イムカ的にはこれはハイキングであり、動物と戯れるのも悪くないという奴だ。
 そして、ある意味で、とてもロマンに溢れた体験が出来る可能性が眼前に転がっている。

「………」

【決断するや否や、楔を深く岩肌に打って、命綱を括りつけて固定。何をする気なのかは一目瞭然!】


550 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/01(火) 23:05:13 ???
>>549
やれやれ、ペットにするには大きすぎる…うわっとと……
今この瞬間だけはこいつらが羨ましいよ
【頰ずりからは解放されるが、風はまだ来る】
ああ、ナニかやるなり食うなりすれば一部ではウケ……どうした?


正気か!?話し相手もいないのに崖なんか登れるかよ!
【イムカの考えが分かってしまった。慌てて懐を漁れば、暗記の鋼糸が】

畜生!俺は死なねえぞ!!
【握った楔に鋼糸を括り付け、命綱代わりにする。やや心許ないが、仕方がない】
【イムカが行動を開始すれば、それに続くだろう】


551 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/11/01(火) 23:15:36 ???
>>550

「まあ、勝算は6割を越えている。戯れには十分だ!」

 言ったそばからイムカは岩肌から手を離し、中空に跳躍!
 狂人に正気と疑われるという何かアレだが天然さんゆえいたしかたなし!
 もちろん、眼下に地面などない!が、

「ん?」
「きゅいー!」

 そのまま、ロックバードの背に着地!
 の、ハズが、ひょいと避けられてしまった。ナムサン!

「そう遠慮するな」

 が、何が遠慮かサッパリ分からないが、背には乗れなかったが、
 鉤爪付きの脚を片手でガッチリと掴みとって、
 当初予定とややずれた、これまた実に漢らしいポーズでロックバードへの移動に成功!!

「キュイーッ!!」

 イムカに掴まれたまま、ロックバードは徐々に上へと上昇を始める。

「ソーマタージ、中々に快適だぞ。ほら、君も飛べ」

 命綱を解きながら、ソーマタージに続くよう指示するイムカ。

【キュイーッ!っと丁度いい位置に先程おにぎりをくれてやったロックバードは居る】
【確かに、あの背に乗れればかなりロマン度は高い。見ようによってはカワイイですらあろう。
 なお、イムカみたいな失敗をするとどっちかというとロマンではなく蛮勇めいたアレになるアレ】


552 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/01(火) 23:22:17 ???
>>551
オオオオオッ!!
【意を決して跳ぶ!生身だったら冷や汗で全身が濡れていただろう】
【力み過ぎてロックバードまで飛びこえそうになったが、何とかその脚を掴むことに成功!鳥肌が立つ様な感覚が全身を襲う!】

あっぶねー…ッ!二度とやらねぇー!
【鋼糸をコートから引き離し、珍しくマジにビビった顔でぼやく】
【何も踏めない感覚に戸惑うが、数分もすれば慣れる】


…ところで、自分で言うのも何だけど俺結構重いんだよね。大丈夫かなコイツ?
【一番の懸念はここにあった。合金フレームやら内蔵UNIXやら人工臓器やらでできた身体はヒジョーに重いのだ】
【不安げにロックバードを見上げるしか出来ないのがもどかしい】


553 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 :2016/11/01(火) 23:33:59 ???
>>552

「問題あるまい。相当に重いものを持てるらしい。鳥なのに重いものがOKか。
 まあ、この手の世界の生命体に生物学的な云々を考えるのは諦めたよ。キリが無いからな」

 荷物に掴まれたまま、ロックバードはグングンと上に上昇していく。

「きゅいー♪」

 どうやら彼等も彼等で、人を運ぶのを新鮮な遊びにように捉えているらしく楽しそうだ。

【上昇を続けていく内に次なる絶景が二人を待ち受けていた】

 そう、ここはドラゴンズピーク…竜の棲まう峰なのだ。ゆえに――

≪GGGYAAAAAAAAAAAA!!≫

 天上を登れば、金色の雲と、飛翔する様々なドラゴンが待ち受けていた。
 ゴールドドラゴン、グリーンドラゴン、ブルードラゴン、イエロードラゴン、
 その何れもが、物語に登場するような勇ましいドラゴンばかり。

【イムカとソーマタージがドヴァキン(※ドラゴンスレイヤー)の類ならば、
 すぐさま攻撃を受けていただろうが、幸い(?)にも片やネファレム、片やサイボーグである。
 害意も無くば、さして気にも留められないだろう】

 勇壮なドラゴンたちが飛翔し、時に叫び(シャウト)による議論(炎や氷が実際に発生するのがアレだが)する様は、
 正に絶景。ロックバード達もドラゴンから発せられる活力を吸収して、疲れを癒しているようであった。

「ふむ…中々にいいハイキングだったな。いい休暇となったな」

 この様子をカメラに収めながら、ソーマタージの方を向いて、
 時に表情のないままにサムズアップするイムカであった。

//ではコレニテー!ノシ


554 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/11/07(月) 22:24:31 ???
【どこか平和なファンタジーの世界】
そこは木々に覆われた静かな街 科学より魔法の発展した世界 なれどガス灯や蒸気機関など 科学が根絶したわけではない そんな世界
ここへは特に指名を帯びたわけでも 運命に巻き込まれたわけでもない 所謂普通の越境 故に何するわけでもなく一行は観光がてら町を散策していた

すると町の外れ 簡素な住宅街の中に 少しだけ広い建物を見つける 木の看板にはシンプルに“剣術道場”とだけ書かれている
だが特に活気は感じられず 休みなのか それとも流行っていないのか

ロイ「ちょっくら寄ってみるか? 何なら道場破りでもよ 頼もう!!」
あごひげ男は一つニヤリと笑ってから 門をたたき一つ声を張り上げた


555 : ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術、呪術 E.黒覆面(口元) :2016/11/07(月) 22:29:43 ???
>>554
「……」

ムガは、ファンタジー世界の出である
そこは科学が神話時代に廃れ、魔学がそれに取って変わった世界だ
ここはそれとは少し異なる模様だが、矢張り何処か似た空気を醸し出している
不思議と嫌いになれない、すん、と鼻を鳴らした鼠人

「ん?」
「……何でだよ、ったく……」

肩を落としながらもロイの選択を拒む事はしない
怪我の完治からまだそう経過していないのだ、リハビリがてら丁度いいとの思考も片隅に少しある
一応、外套をすっぽり被って獣人としての正体を隠してはいる様子


556 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/11/07(月) 22:46:45 ???
>>555
???「はいはいどちらでしょう?」
暫しして 穏やかな男の声が返ってきて さして大きくない門が開かれる

そこにいたのは老人であった 豊かな白髪を後ろに撫でつけた細身の老人
ゆったりとした服装で体の線は分かり辛いが やや上背高く 肉付き薄い ひょろりとした印象を受ける

ロイ「旅の途中立ち寄った者だ 当てもなく散歩をしているうちにこちらが目に入った 芸の足しに一手所望したいが どうか?」
朗々と語るロイに老人は目を細め

老人「これはこれは辺鄙なところまでご苦労様です どうぞ中へお入りください」
と一行を道場内に導いた

老人「そちらのネズミさんも どうぞ」
ムガは外套を羽織り正体を隠しているはずであるのに ただ一度チラリと視線を向けただけで正体を見破り 一行を中へと案内した

そこは板張りの 極東を思わせる道場であった 名札が並んでいるところを見ると 4〜5人ほど在籍しているらしい 正直に言ってあまり繁盛しているとは思えない
さて 老人は茶の入った湯呑みを持って一行に近づき 一服どうぞと勧めてくる

こちらの意図はすでに伝えてある どう動く?


557 : ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術、呪術 E.黒覆面(口元) :2016/11/07(月) 22:55:02 ???
>>556
「……邪魔するよお猿さん」

きし、と微かな軋みを伴い木の間を歩く
そのまま外套のフードを取り払い、茶を差し出される前には脱いで畳んで足元に置いていた

「繁盛してそうだ」

湯呑みの匂いをそれとなく嗅いだ
毒などの類の、既知の匂いならば人間を遥かに超越した嗅覚により探知出来る
更に言えば少量ならば、種族特性で毒の無効化も可能である

「……あー、別にさ」
「茶道を学びに来たんじゃない」

そして付け足し、赤眼を細めて目の前の枯れ枝めいた老人を睥睨


558 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/11/07(月) 23:01:22 ???
>>557
茶の匂いを嗅ぐ 怪しい気配は微塵も感じられない ただの茶である

老人「えぇ えぇ そうでしょう もちろんわかっていますよ」
物腰は なおも柔らかい

老人は壁に駆けられている木刀を一本取って一行から三歩離れて振り返った
構えは無し だらりと下げられた手に木刀が握られている

老人「木刀は壁に掛けられているのをお使いください さぁ…どうぞ」
ロイは武具を壁際に寄せ 木刀を握る

老人は自分から攻めるつもりはないらしい 相対していれば それこそ日がな一日相対して終わりだろう


559 : ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術、呪術 E.黒覆面(口元) :2016/11/07(月) 23:06:57 ???
>>558
「……あちっ」

毒が入っていないのに毒気を抜かれ、取り敢えず茶を啜る
熱い、ムガは猫舌なのだ

「どうぞってお前」
「……武器だらけ、どっちから行く」

思わず覆面の下、口が笑いかけた
ムガは己の技に絶対の自信を持っていたし、ロイも相当な使い手だ
木の刀なんかは使い慣れてはいないが、それでもこの老秋の人物が捌き切れるとは思ってはいない

「……ま、お先……にっ!!」

問い掛けてはみたがムガはゆらり、既にその時には陽炎めいて揺らいでいた
柔の軌跡を描きつつも直後疾風、豪風めいた横一閃


560 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/11/07(月) 23:17:20 ???
>>559
ネズミが猫舌とはこれ如何に?
と誰かが言ったような気がしないでもない

静から動へ まるで流水の如く澱みない動きで加速したムガ
自然体のままでいる老人目掛け 横一線に木刀を振るい

何事もなかったかのように木刀は老人の手前半歩の空を薙いで通り過ぎた 追撃も何もない ただ空を薙いで終わり

ロイ「ッ!!」
しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く

――――瞬間的な其の動作
地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

対するこちらは最初から豪の動き 加速を無視した最高速 真正面から突撃し 振り上げた剣が


老人の一歩手前で振り下ろされ ガツンと床を叩く ただそれだけ
目測を誤った? いや 老人の立ち位置が変わっている

こちらの剣筋を見極め 剣の間合いを少しずらした こちらにそれを気取られぬよう

老人は顔色一つ変えない もう一手 と無言で促してくる


561 : ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術、呪術 E.黒覆面(口元) :2016/11/07(月) 23:31:48 ???
>>560
因みに猫の獣人のイリーは熱々のコーヒー好きである
だから何だと言う訳ではないが

「……ちっ」
「武器だらけ、手加減いらないみたいだな」

こきこき、と首を鳴らして片手に構えた木刀をその場でブンブンと素振りしてみる
枯れ枝と思ったこの老人、どうやら見解違いだと即座に認識を改める
こいつはしたたかな、そう、枝垂柳の木の様だ

「……」

ムガはその場に両脚をべったりと付けやや、猫背に丸めた
前傾姿勢のまま、脚を動かす事なく右方向に滑り動く
このカラクリは足首から下、足を高速で稼働させる事によって引き起こされている
滑歩、ヤソの忍びの技でありムガは6つの頃にこれを極めた

「……合わせろ、武器だらけ」

奇妙な機動は敵の目を欺く為の術
そのまま滑りながら老人に、大回りに近寄りほぼノーモーションで威力よりも速さを重視した袈裟斬りを繰り出す


562 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/11/07(月) 23:44:45 ???
>>561
ロイ「あぁ これだから越境者はやめられん」
何の変哲もない世界の どこにでもあるような街の 辺鄙で閑古鳥が鳴くような道場に
極上の腕を持つ剛の者がいるのだ

武芸者にとっては夢のようなひと時であろう

ロイ「応!!」
申し合わせることもなくロイは左に回り込み 挟み撃ちの体制
逆袈裟にによる剛の剣と 袈裟切りの速の剣が合わさり

忽然と老人の姿が消えたと思った瞬間 ガツンとロイの方から音が響く
見ればロイの更に左へと いつの間にか移動した老人の木刀が ロイの額を捉えていた

浅く割れた額から血が流れる

ロイの表情は驚愕に見開かれていた
振るった木刀の先に老人は無く 代わりに視界の端に迫る何かの陰
避けようと思ったときには額へと吸い込まれており 衝撃 痛み ぬるりと生暖かい感触

その時になってようやっと 老人の木刀が額を割ったのだと気付いたのだ

老人はなおも表情を崩さない 無言でもう一手と促していた

//では時間遅いですしこの辺で中断


563 : ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術、呪術 E.黒覆面(口元) :2016/11/07(月) 23:51:52 ???
>>562
「……、」

ふん、と鼻を鳴らす
面白くない、といった意思表示のつもりなのだが反面覆面の下の片頬は吊り上っている
この老人が何で、どの様にして強くなったのか、そして一体何者なのか
そういった数多はムガにしてみればどうでもいい、今この瞬間があればそれでいいのだから

「なるべく……まぁ、」

ゆらりと再び揺れる鼠人の卵色の体躯
上半身を陽炎めかせ、そして滑歩を行なった

「……死なせないようにはする」

覆面を片手で下ろし、口笛を吹いた
霧笛を行い感覚器官に対して攻撃、更に視覚を脅かすかの様な移動術
これ程の幻惑の技術を総動員したのはいつ以来か、少なくとも直近に思い出せる引き出しには入っていない
本番だ、と額から血を流すロイに目配せ
柳の達人へと襲い掛かった

//はいなありがとうですっ、またお願いしますっ


564 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/11/10(木) 22:18:36 ???
>>563
グシグシと額を擦り血を拭い ムガと目配せ
こちらはうっすらと闘志を纏い周囲の景色がゆがむ

感覚器官を狂わせる口笛 視覚をゆがめる移動
全ては敵を欺き 闇討つ忍びの剣

そこに真正面から突っ込むロイが注意を引き援護とする

ムガの剣が老人に向かう…前に

ムガの目に飛び込んできたのは老人の姿
迫るロイを軽々とスルーして 攻撃を仕掛けようとするムガの先を取らんと 袈裟切りの一撃が振るわれた


565 : おんも :2016/11/10(木) 22:28:20 ???
>>564
「……!」

老人から目を離した隙はなかったはずだ
だと言うのに彼は、認識を超越し視界に捉えた際には既に不可避の一撃を振るう格好となっている
速い、否疾風い

「痛っ……」

揺らめく上半身を捉える一閃は光の如きに素早く、針の様に鋭い
がこん、と鈍音、ヨロけて膝が崩れる
だがしかし直様に、違うその所作の連続として
地面スレスレを刈り取る様にしての回転水面蹴り


566 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/11/10(木) 22:42:01 ???
>>565
スルーされたロイは慌てて急停止 そして老人の背後を強襲する

そして一撃を喰らったムガは剣戟の出終わりを狙った水面蹴りを放つ
それに対し老人は スイ…と 滑るように横へ移動

ロイ「ぅおおおおおおお!?」
その背後からロイが突撃してきて ムガの水面蹴りをモロに喰らいゴロゴロと転がって壁に激突 そのまま目を回した

老人「いや素晴らしい 連携といい立ち直りといい お二人とも実に筋がいい」

そして老人は表情一つ崩さず むしろ嬉しそうに笑って見せた 2人が【死なせないように】という最低限の手加減しかしていないのに
老人は楽々とそれらを突破して見せたのだ

ロイはまだ目を回している


567 : ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術、呪術 E.黒覆面(口元) :2016/11/10(木) 22:53:35 ???
>>566
「……ぃよいしょっ……っと」
「痛てて……」

そのまま立ち上がり打たれた肩を抑えて腕を回した
老人を睥睨、離れた場所に倒れるロイにチラリと視線を送る

「そりゃあ……どうも」
「……武器だらけ、起きろ」

コキコキと首を鳴らし、木刀を手の中でくるくると回して弄ぶ
直ぐに低く、滑歩ではなく駆け出しその様はまるで蛇が這うが如く
老人へと迫れば下からの逆袈裟を狙った
やや大振りなそれは振り抜いた後に半転、打突へと変形を成す連撃


568 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/11/10(木) 23:06:24 ???
>>567
ロイ「いた…タタタ…」
何とか立ち上がり 頭を振って意識を覚醒させる

そしてムガが滑るように全身 逆袈裟は老人の木刀に逸らされる
続いて打突を真半身になって躱す 次の瞬間接近してきたロイの横一文字を後退して躱し

・・・・・・・・・・
夕日が地平線の向こうに消えていく 道場の中が暗くなっていく

老人「さて 日もくれましたし この辺にしておきましょうか」
ニコリと老人が笑う 結局一太刀も当てることが叶わなかった

老人「よかったら一緒に夕餉でもいかがですかな?」
ロイ「・・・・・・・・・・・」

息一つ切れてない老人に対し 息も絶え絶えのロイがムガに視線で問いかける


569 : ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術、呪術 E.黒覆面(口元) :2016/11/10(木) 23:19:59 ???
>>568
「……」

舌打ち、思ったより大きくそれが露呈したのは霧笛の為に覆面をズラしていた故だ
窓から射し込む光は藍を帯びて、空気もややひんやりと切り替わる

「……なぁ武器だらけ」
「終わりって訳じゃないだろ?」

ふー、と大きく息を吐いた
知り合いの猫人がよくやる所作だ、長い付き合いのあいつはバカだが、こうすると集中出来るというのは納得出来る
最後だ、とそう言い聞かせて一度神経を研いだ
決して丁寧な、小綺麗なそれではない
まるで荒い鑢で強引にシャープに仕上げるような形ではあるが、それでも

「……これだけ付き合えよ」

それは老人とロイと、2人に呼び掛けている
肯定を見とれば構え、静寂
外に吹く風、野良犬の息吹、小鳥の寄り添い
全てが脳裏に浮かぶ様に、周囲の光景を感じ取る錯覚
梟が獲物目掛けて羽撃いた、同時にムガは走る

「……!!!!」

直線的な初動、強引にされど極めて円滑に右に逸れて弧の中心に老人
刺突を繰り出しほぼ同時に袈裟斬り、大きく振り抜いてそのまま木刀を手放した
宙に舞うそれを何かが掴み、右切上を行う
それは鼠人の長くしなやかな尾だ
鞭打の加速での斬撃、木刀がしなる程の超速!


570 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/11/10(木) 23:49:39 ???
>>569
ロイ「・・・・・・」
無言 なれど今一度構えを作る

老人「・・・・・・・」
こちらもまた無言 なれど今まで自然体でいた老人はこの日初めて構えを作る
足は肩幅に開き 軽く前後にも開く 半身となりて剣は顔の横に立てる八相の構え

穏やかであった顔の眉間に皺が寄り 眼光鋭く2人を睨みつける

ムガが動く 同時に老人が動いた 弧を描くように逸れるムガを まるで予見していたように正面に捉え
まずムガの攻撃が出る前に頭頂部に唐竹割り 続いてムガの袈裟切りを躱して逆胴 手から木刀が離れる間に切り上げ 続いて袈裟切り

尾が木刀を掴み切り上げる それを滑るように後ろに下がり躱し その隙に鳩尾 喉 眉間に刺突を一息に入れる

ただし木刀はピクリとも動いていない 全ては烈破の気合いと気配による質量無き斬撃
痛手のない攻撃にてムガが三つ切る間に七度切って見せたのだ

そしてロイが突きので終わりを狙った小手うち だが老人の腕が霧のように霞む 否 不規則な動きにてぶれたように見えただけだ
小手うちは空振りし その隙に睾丸 ヘソ みぞおち 喉 眉間の五か所を一息についた

まるで暴風の如き挙動 だが分かったことがある
老人の摩訶不思議な動き それは膨大なる経験をもとに 僅かな挙動を正確に捉え 先を取り続けて攻め手の上手を取り続ける

老齢の果てにたどり着いたこの老人の奥義であった

老人「それでは夕餉の支度をしますので 今しばらくお待ちくださいな・・・」
先ほどの鋭い気配はどこへやら 柔和な雰囲気に戻ってしまった老人を ロイはただ見送ることしかできなかった


571 : ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術、呪術 E.黒覆面(口元) :2016/11/10(木) 23:58:01 ???
>>570
「……っ、」

瞬きほどのか細い時の切れ目の中の攻防の結果、ムガはたたらを踏みよろめきしかし堪える事が出来た
からん、と乾いた音
木刀を尾から離したのだ

「……」
「……ちっ、面白くない……」

そう言うより微かな前、全身の毛が逆立ち、深紅の魔力が死に掛けの心臓めいて脈動するのを抑えられなかった
だが鼓動ひとつ分の間でそれを終える事が出来たのは重畳だ、ふんと鼻を鳴らす頃には表情や気配全てがいつもの鼠人のモノへと回帰しているのだから

「武器だらけ、飯終わったら少し付き合え」

そして振舞われる食事になんだかんだで世話になり、終われば火が付いた様に修練開始
拒否が無い限りは日が昇るまでそれは続く事であろう


572 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/11/11(金) 00:05:48 ???
>>571
大きく息を吸い 溜息としてそれを吐き出す

ロイ「そうだな 少し場を借りよう」
雑穀混じりの飯 目指し 根菜の味噌汁 香の物と質素な食事を頂くと

休息もそこそこに木刀を手にムガと相対する

老人は上座に座して見守ってくれた その日は空が白んでも 木刀を打ち鳴らす音が止むことは無かった

この道場は2人によって越境仲間に知れ渡り 武人たちの拠り所として知られることとなるだろう・・・・・

//ではこれにてノシ お疲れー


573 : 『レディ・ブラウン 終章』 :2016/11/13(日) 21:39:40 ???
1987年シチリア半島、”ルッキーニ・コミッション”のアジト――

『法王サマのお城にどうやってカチ込むかってハナシなんだけどサ』

計画書、とでっかく書かれた紙をぱしんと指で弾いて叩き、それを机に置いて連絡用の無線機と共に越境者達の元へと滑らせるジャンゴ。
彼の最後の大博打、イタリア全土と三大マフィアを支配するローマ教会を叩くという無茶苦茶なプランは、
世界のどこに行っても現れる、”裏で糸を引く者達”。彼らを恥も外聞も、後先考えずにとりあえずブッ叩くというものである。

クーデターとは大きな犠牲が付きまとい、政治や経済にも大破壊をもたらすが、同時に自由への特急券でもある。
1970年代に起こった核戦争、”第二次世界大戦”の傷跡で、世界中の政府というモノが麻痺している現状ではデメリットも少ない。
北米と中露の主要都市が完全に焦土と化しているのだから、国一つ転覆しようが国際世論もUNからの圧力も怖くはないのである。
世界中がどこも生き残ろうと必死だ。この事件も表向きには、その中で起こった暴動の一つとして記録されるのだろう。

『うん、突破は無理。だから正式な手順を踏んで謁見してもらう事にしました』
『お前らオレの代わりに法王サマんとこ言って、ネタを見せつけて脅迫すんの。ワインのブループリントを全部寄越せってナ』

ジャンゴの口から放たれた謁見という言葉は、まさに文字通り。ローマの汚職が確定的に明らかとなった証拠があるから出て来いと。
そういう書面をフェラッリのサインの入ったワイン受注の契約書と、ブループリントの複製と共に今朝送り付けて法王自らと対談する約束を取り付けたのだ。
法王はこの脅しを本気にこそしていないようだったが、念のため口封じとして越境者達と”対談”する用意はあるようだった。

『……そんなカオすんなヨ!オレだってちゃーんと役割があるんだぜ!?』
『戦争末期に軍から逃げ出した時に、どさくさに紛れて奪ってきた戦闘機があるからサ』
『ソイツに乗ってな、お前等がヤバそうになったら強硬手段に出るってワケよ』

”オレの代わり”とは言ったが、彼にもまた彼にしか出来ない仕事がある。決して危険から遠ざかるわけではない。
彼の奪った戦闘機は、彼が空軍に在籍していた時にテストパイロットを務めていた試作型のジェット戦闘機であり、
シャーシの殆どがカーボン製、ラムジェットエンジンと新型塗料により超音速巡行性能とステルス性、高いペイロードを実現したものである。
この酒場の裏手にある放棄された空港の、ハンガーのうちの一つにソレは眠っているのだという。
コードネーム”テンペスタ”。嵐を意味する、この世界におけるイタリア空軍最強の空の王者である。

『さしもの法王サマもさっすがに迎撃機は持ってないっショ、SAM(対空ミサイル)アレイは持ってやがるけどな』

テンペスタは理論上短距離ミサイル以外に探知されることはなく、誘導性能を持つ殆どの兵器を無力化することが出来るのだという。
つまりは直接ジャンゴを撃ち落とす為の戦闘機が上がらない限りは、ほぼ一方的に攻撃が可能だという事だ。
この場に於いて軍用の、ましてや試作段階の戦闘機で自由自在に空を舞う事が出来る人間は、ジャンゴ以外には居ない。
彼がローマに直接乗り込まないのはそういう事である。


574 : 『レディ・ブラウン 終章』 :2016/11/13(日) 21:40:14 ???
『じゃあ、手順を簡単に説明するぜ』

越境者達の所に滑らせた”計画書”に書いてあるプランを補足するように、乱雑な言葉遣いではあるがプランを説明する。
ところで説明の際に即して、面倒臭ければ聞き流しても構わないとジャンゴは言った。
結局の所は乗り込み、脅し、暴れて殺す。それが全てだ。

『お前らは装甲化したうちのバンに乗って、あとヘイズはご自慢の防弾マスタングに乗って護送車列に加わるの』
『バカデカいAPCがお前らにMMGを向けながら護送してくれるから、ヴァチカンまではそれで一直線だ』

『宮殿内に入ったら護衛付きで謁見の間まで向かわせられるだろうから、そっからは法王サマ恫喝のお時間だ』
『インカムは付けっぱなしにしとけよ。俺に状況が伝わるようにな。ただ気付かれんな。胸の谷間にでもブリーフの中にでも入れとけ』

『もし撃たれそうになったら”クソ野郎”と叫んで一目散に逃げろ。間髪入れずに俺が爆撃をブチ込む。”ローリングサンダー”だ』
『排気ダクトにラジコン潜り込ませて、地下工場の大体の座標は突き止めた。そのデータを元にバンカーバスターで地下の工場をブチ壊す』

『もしかしたらブループリントが別の場所にあるかもしれねーから、爆撃場所は適宜変えるけどさ』
『んで奴らが混乱してる隙にAPCを奪って逃げる。8人は乗り込めるはずだ。最悪法王は殺してもOK。ヤツの経歴は真っ黒だ』

現法王の戴冠までの経歴については、戦前ローマの象徴として君臨していた、温和な人物として知られる前法王ヴェネディクタスが暗殺され、
その後釜に付こうとしたピレリもまた病床に付し、そのまま玉座に座る事なくこの世を去った。最終的に後釜に付いたのが現法王ピニンファリーナだ。

ピニンファリーナは若き法王で、僅か三十と少しで法王の座に着任した。野心を抱いた法王は、一気にローマを強固な要塞へと変貌させ、
表向きは以前と変わらぬような、されど裏ではマフィアによる統治を推進し、武力により統治者である三大マフィアを恐怖で更に統治する上位組織となった。

更に事前に身の安全と引き換えに協定を結んだ神官の一人によれば、組織の設立案を出したのはヴェネディクタスだと騙り、
もし計画が露呈した場合に、あくまでも前教会が推し進めた事業であるとして、自らの責任を少しでも軽減させようとしている。

保身の為にはいかなる犠牲も汚いやり口も辞さない、ピニンファリーナはそんな男だ。
ちょっとやそっとの脅しに屈するような性格には見えないが、空から見下ろす鉄の巨鳥を見れば少しは震えあがってくれるだろうか。

越境者達が迎えに来た装甲バンに乗り込めば、ジャンゴはほうと一息つき、煙草に火を付けて一服。
煙草から口を離して灰を落とそうと煙草を叩いた所で、ぽとりと煙草を取り落としてしまった。膝が少し震えている。
情けねぇ、と乾いた笑いをただ一人、誰も居なくなったアジトで上げた。


575 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/11/13(日) 21:54:58 ???
>>573-574
「へぇぇ……」
「……お前っ、案外役に立つってんですねぇっ」

一切の悪気があって述べた訳ではないイノセントな回答
しかしやや辛辣なのはニアの持つ単純さ故だ
まぁその辺を気にしても仕方あるまい、作戦内容はしっかりと頭に入ったのだから

「要するにっ」
「……潜入してっ、暴れてっ、帰るっ」

それでいいってんですよねと小首を傾げつつ微笑んだ
ならば大丈夫だ、彼女は自身の異能の、閉所での対歩兵戦の制圧力に自信を持っているのだから
インカムをスカーフに潜り込ませて装着、月光の柄を撫でる

「まぁ相手が相手ですしっ、ややこしい事にはなりそうですってんですけどっ……」

そうやってから苦笑
思えばニアの世界にも法王は存在し、その権力とカリスマは相当以上のモノであると知っている
世界の混乱に乗じてそれを暗殺するなんていう事は多分、かなりの大層な事柄なのであろうと簡単に推測出来た
だが、それでも

「……んじゃっ、頼りにしてますってんですよっ」
「ボイジャーのご加護がありますようにってんですっ」

乗りかかった船を見捨てて安全な丘に逃げるという選択肢は、ニアに最初から存在はしていない


576 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/11/13(日) 21:56:00 ???
>>573+-574
「銃は携帯できるん?」
そう質問したのはアキレスである さすがに身を護る武器一つ無く敵の腹の中へ入り込むのは厳しいの一言

「まぁなんだ 正式な手順で入り込み かく乱しつつブツを改修して逃げる うん スプロールのキャリアー稼業で何度かやったことがある」
企業の建物内部で死んだキャリアー仲間の残した情報を奪取する機会はそこそこ多い 今回も似たようなことになるだろう

「よし行くぞベティ」
―――ギィ!!

いつものようにベティを背中に張り付け バンに乗り込んだ


577 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/13(日) 21:58:14 ???
>>573-574
まさか、ローマ法王を殺せる事になるとはね。次は大統領かな?
【話を聞きながらクツクツと笑い、刀の手入れをするソーマタージ】
【革製戦闘服の上に巻きつけたベルトには、八丁もの自動拳銃が収められている。いざという時の使い切りの武器だ】
【内側の裾に、切り詰めたショットガンを隠したコートをその上から纏い、更にボロ布をマントめいて羽織る】
【斬って、撃って、逃げるための装備は、三重に纏われた衣類に完全に隠される】


見ないでよね?…見るなっての。お前だよお前
【インカムを受け取れば、一向に背を向けてスラックスのベルトを緩める】
【尤も途中で断念したのか、ベルトのポーチに入れることにした様だ】

脅して、効くようならそのまま。襲われたら殺し返せばいいんだな?
オーケーオーケー、そういうのは大好きだぜ
急ごう!「時は金なり」とか、「時のある間にバラの花を摘め」って言うだろ?
【いざ鎌倉!と一人意気込み、装甲バンに乗り込むソーマタージ】
【その表情に恐れはない。狂気じみた歓喜が、他の感情を押し殺している】


578 : 『レディ・ブラウン 終章』 :2016/11/13(日) 22:25:15 ???
『……さて、行ったか』

『最後の製造プラントを押さえれば俺の役目も終わる。気を引き締めなくちゃァな』
『出来れば誰も殺したくねーのヨ、”どんな時でも殺しはしねー”のが俺の流儀だからナ』

こつこつとブーツの音を響かせながら、バンの出発する音に耳を傾けながらジャンゴは一人呟いた。
既に青いパイロットスーツに着替え、ハーネスを装備、無線機とヘルメットを担いで、ハンガーへと向かう。

『………ま、つべこべ言ってられねーか、今回は』
『またお前と翔べるぜ、相棒(テンペスタ)』

震えを誤魔化すように格好付けた台詞を吐き、ひょいとテンペスタに乗り込んだ。
ヘルメットを被り、酸素供給機を装着してそれからメインエンジンを点火。イグニッションの音と共に徐々に回転数が上昇。
テンペスタを隠す為に被せてあったシートが、ラムジェットエンジンの爆風によって無理矢理剥がされ、ばさりと宙に舞った。
それからブレーキを離しモーターの力で全身、滑走路まで到着、離陸する為エンジン出力を最大まで上げ、アフターバーナー始動。

……と同時に、エンジンは煙を噴いて情けない音を上げながら停止。

『………ん?』
『え、エンジンが動かねぇ!?誰かぶっ壊しやがったな!チクショーッ!!』」

以降うんともすんとも言わず、焦げ臭い匂いを放つ配電盤から出火するまで、そう時間は掛からなかった。

>>ALL

ローマまでそのまま数時間、がたごと揺られて向かう一行、道中で武装したAPCが前後を挟むようにして合流し、機関銃を向けながら護送する。
目的地に着けば正面ゲート前で車を降ろされ、宮殿の中庭を歩いてそのまま中央部へと向かうこととなった。
中庭には常に重装甲車や対空ミサイルを搭載したトラックで溢れている。外部からの殴り込みは非常に厳しい。
一時は無法地帯となったイタリアで、小さなヴァチカン、ローマ教会が生き残れた理由がこの圧倒的な武力にあるのは間違いなかった。

宮殿へと入る際、何の余裕か、ボディチェックの類は行われないようだった。流石に明らかなゴツイ武器やアーマーなどは没収されてしまうが。
一行はそのまま謁見の間まで通される。実にスムーズな手続きだ。ちょっとした市の役所よりもよっぽど入りやすい。
謁見の間は非常に大きく、越境者から法王の座まで少なく見積もって30mは離れている。中には武装した護衛が100名程、隊列を為して銃を掲げていた。
法王本人はいまだ現れず、その座の周辺に親衛隊のような、礼服の兵士が二人立っているだけであった。

待つ事30分程、ついに法王が一行の元へとやってきた。若き法王ピニンファリーナだ。
齢は50前後だろうか、髪は黒く、痩せこけた人間の多いこの世界では珍しい小太りである。
眼には大きな隈があり、彼自身ワインよりも上質な薬物の常用者だという事が判る。

『……して、無法者の遣い諸君』
『何が目的かね。金か、ワインか、必要なら工面しようじゃないか』

ひじ掛けに頬杖をついて、法王は気だるげにそう呟いた。目は泳ぎ、時折ぼうっとしているようで。
そう、この男越境者達と会う前にもキメている。ジャンゴらを完全に舐めきっているのだ。
汚職の証拠を握られているとしても、適当に金目のモノをチラつかせれば尻尾を振るであろうと。
実際この歪んでしまった世界では、大多数の人々がそれに目がくらんでしまうのも事実。

一行がジャンゴから受けた指示は簡単なモノであり、
証拠を突きつけてそれを認めさせ、街からドラッグを排除しろ、工場を閉鎖しろ、二度とイタリアの政治に干渉するな。
この三つの要求を突きつける。それを法王が飲み込まず、改心しないようであれば実力行使で工場を潰すと。
つまりはこの謁見は事実上の最後通牒なのだ。法王が拒否すれば、数多の血が流れる大戦争が始まる。


579 : アキレス&ベティ>178と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/11/13(日) 22:35:34 ???
>>578
持って行ったのはリボルバーと特殊警棒 今回トレンチガンはお休みだ
危惧していたボディチェックは無い おいおいと絶句したような顔 これからここのボスと対面するのに 鉄砲玉だと思わないのだろうか?

「いやぁなに 素晴らしい提案ですが今回は別件でして…」
さて この言葉でどう反応するか?

「自分らが欲しいのはそう・・・法皇様がキめてらっさる《ヤク》ってぇやつでね えぇそりゃもう 腹の中にため込んでいるブツ 全部いただきたい
 やっぱり体に悪いしさ ここいらですっぱりやめて健康になろうよ」

辺りの反応を逐一確認しながら 揉み手で最後通知を行う


580 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/13(日) 22:36:22 ???
>>578
…そういえば、戦闘機でどうこう言ってたけど…大丈夫かな
【揺れる装甲バンの中、不意に蘇る以前の記憶】
【何故かあった戦闘機にはしゃいでいたら、壊れてしまったのだった】
うーむ、不安だ。主に俺に責任が来ないか不安だ
【頭の中で、どうやって他の連中に擦りつけてやろうか考えるのであった】


え?刀ダメ?なんでよ……。クソッ
【腰に吊っていた刀は流石に目立ちすぎた。没収され、口を尖らせる】

何かキメてるな、ありゃ。俺自身大好きだからよく分かる
【近くの越境者に耳打ち、おーやだやだ。と嫌そうな顔をする】
【前に話したドワーフの女。これと比べれば、彼女の宗教はなんと高貴な事か】


必要なものはそう多くない。クスリを流すのをやめて、工場も潰して、イタリアに関わるな。二度とだ
なんでこんな事を言うかって?証拠は…他の奴が出してくれるだろうから任せる。すっとぼけもキレるのも無しだ
【鋭い眼を教皇に向け、毅然とした態度でジャンゴから頼まれた事を述べる】
【視線を真っ直ぐ向けたまま、マントの下で両手をゆっくりと動かす。有事の際に備え、それぞれの手に拳銃が握られる】


581 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/11/13(日) 22:36:27 ???
>>578
「……」

ほへぇ、と謁見の間を見渡している
こういう場に来るたびに圧倒される気がしてどうにもこうにも、話の内容よりもそちらが気になってしまう悪癖なのだ
靴底で磨り減った大理石、幾百千年信者達の背中を見守って来たであろう神のモニュメント
そんな中に武装兵がいたり、邪心を携えたモノがいたり、剰え暴力を前提として座す自分達がいたり
そういった全ての事柄がイマイチアンバランスに思えて現実味が薄れるのだ
きっと古来から人間は偶像に祈る事でこころの平穏と安寧を得て来た
しかし多くの戦の発端になったのも事実だ、他を許す寛大さを持った神というのは案外と少ない

「えぇっとぉ……」

ニアは言葉につまり、アキレスとソーマタージにほぼ任せる格好となった
自分がやるより多分、きっとずっと適任であろうと


582 : 『レディ・ブラウン 終章』 :2016/11/13(日) 22:52:11 ???
>>ALL

『ジャンゴ・ルッキーニと言ったか……恥知らずだな、交渉に子供二人と、ケツの青いガキしか寄越さんとはな……』

『……そこの、白髪を結った君……その迫力は気に入った、見事なスピーチだ』
『が……それは無理だ、無理に決まっているだろう。受け入れられない』

『汚職の一つ二つが暴露されたところで、私に何のデメリットがある?もみ消すことはいくらでも出来るが、失ったビジネスは戻らない』
『……それに今ここで私が右腕を振り上げれば、その大事な証拠とやらも今、ここで消えて無くなるのだ』

きょろきょろと辺りを見回すニアとあともう一人、何故かアキレスが指を差されて子ども扱いされているが、
それでもソーマタージの気魄は気に入ったようで、法王は満足げな笑みを浮かべた。

されど法王の返事はノー、十中八九予想出来ていた事だが、やはり受け入れられる筈がない。
ジャンゴの託した一縷の望みは潰え、腐敗した政治は終わりを迎える事はついになかったようだ。

「交渉の余地はナシ、か」

「どうやらお前は史上最低の”クソ野郎”のようだ」
「………」

ジョシュアは事前の打ち合わせ通り攻撃開始の合言葉と共に、拳銃へと手を掛けた。
その動作に反応し銃を構える護衛の兵士達。法王は涼しい顔だ。
しかしそのまま動かないジョシュアに、憲兵たちが首を傾げ疑問符を浮かべ始めたころ。

「”クソ野郎”……!!」
「………」

もう一度声を張り上げたジョシュアに、今度はびくりと肩を震わせる兵士達。
なんとも奇妙な光景が繰り広げられる。

『……兄貴、こないよ……爆撃』

おどおどした態度のヘイズと、ざわつき始める兵士達。「え?」な空気が場を支配する。
冷たい法王の視線が突き刺さり続ける空気に耐え兼ねたのか、心を決めるように息を吐き。

「……よし」
「逃げるぞお前等!!撤退撤退撤退だッッ!!」

ヴィッカーズ ナインティーン・イレヴンをブッ放しながら全力で撤退!
木製の扉をたちまち食い破り、謁見の間から飛び出した。
ジョシュアの発砲に続き、護衛の兵士達も一斉にマスケットライフルを構えて斉射、
精度はそこそこだが、いかんせん数が多い。開けた空間で長居は命に関わるだろう。


583 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/11/13(日) 22:59:45 ???
>>582
「……」
「……」
「……やっぱりダメダメだってんですねっ」

後でお仕置きだってんです、とここに居ないジャンゴへと向けて苦笑しつつ
だが現実はもっとこう、重苦しく現実味を帯びて差し迫る
向けられる銃口、大凡100超
浴びせられる殺意と同数であり、それの籠る瞳は倍だ
ジョシュアの後を追って逃走開始、途中タイドメイカー6本を生やし3本で駆けて残りは攻撃と防御に回す

「ジャンゴの持ってた飛行機ってぇ……」
「……ソーマタージぃ、前になんか触ってませんでしたっけぇ……?」

月光を抜き放ち、マウトフトゥーロによって青白く輝く片目を開きマスケット弾を叩き落としながら


584 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/13(日) 23:00:56 ???
>>582
ありがとうよ“クソ野郎”。お前の三倍は永く生きてるんだ小僧、その素っ首落とされる前に黙れ
【法王にニヤリと笑い。ジョシュアに倣って事前に言われた言葉を返す】


……アレ?おーい。誰かいないのか?
…クソ野郎!オイ!クソ!クソッタレ!あああ畜生!
近親相姦野郎!性癖四重苦抱えてそうなヨタヨタバカ王!公務務められるのか本当に?
【罵詈雑言と共に、マントを引き剥がして放る!鈍色の触手が四隅にガムめいて取り付いたボロ布は、目くらましを狙って宙を不規則に漂う】

【BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBBLAMBLAM!!!!けたたましい銃声が何度も鳴り響き、両手に握られた拳銃が火を噴く!】
【法王狙って闇雲に放たれた銃弾。その効果を確かめることもせずに、弾の切れた両手の銃を投げ捨てる】

運が良かったなバカ野郎!今日はこの辺で勘弁してやるぞスカターン!
【捨て台詞を残し、ジョシュアの後を追って走る】
【銃弾が多少当たっても死にはしないが、だからと言って平気なわけではない。急いで逃げようとする】


585 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/13(日) 23:05:13 ???
>>583
俺悪くねぇし。ヘイズとやらに言え、一番最初に乗り気だったのアイツだぞ確か
……そもそもあんな、素人が触っただけで壊れる飛行機なんざ!ここに来たってどうせ使えねーよ!そう思え!
【ニアの言葉に眼をそらし、苦しい弁解、否、言い訳】
【精密機器は殴るものじゃない。背中に弾丸を受け、激痛に罵声を上げながら思うのであった】

…!そうだアグラーヤ!確かあいつに後任せたんだ!
…いや、ダメか。言い訳にならねえなこれじゃ


586 : アキレス&ベティ>と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/11/13(日) 23:06:24 ???
>>582
「ベティ 子供だってバカにされてるぞ?」
―――ギィ!!

自分に向いた子供発言をベティに丸投げ ベティはバカにするなと憤慨している

さて 爆撃が来るはずなのだが・・・

「不慮の事故ってのはどうして無くならないのかね!! デモンレッグ!!」
支援無しの撤退 難易度は跳ね上がり 開けた場所から多数の銃口に晒される

隠れる場所が欲しい だがない ならどうするか? 作ればいいのだ

「それじゃ本邦初公開・・・《イグニッション》!!」
その言葉と共に通常よりも濃密な青き霧が放出されると同時に まるで跳ね馬のV8エンジンの如き 甲高い轟音が轟く

「あ〜っはっはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

そのまま走り回る その場にユラユラと留まる濃い霧は視界を不明慮にし 辺りの兵隊から自分たちを隠す
まぁその分こちらも向こうが見えなくなってしまうのだが

暫し走り回り 青い霧を一頻りまき散らした後 スタントマン・イグニッションを解いて逃亡を開始する


587 : 『レディ・ブラウン 終章』 :2016/11/13(日) 23:26:11 ???
>>ALL
『おっ……、俺じゃねぇよっ!そうだアグラーヤが悪いんだ!あいつがビリビリしやがった!』

ソーマタージからの追及に、ヘイズは慌てて両手を翳して責任から逃れようと。
最終的にはソーマに同調するように、アグラーヤの所為にしてそうだそうだと頷いた。

「クソッ……ジャンゴ!!この野郎どォなってやがるッッ!!!」

ニアに左腕で覆いかぶさって盾となるよう位置取るジョシュア。アキレスとソーマタージの攪乱により弾幕の密度は幾分か薄い。
特にアキレスのスモークは効果が高く、まさにこのような乱戦で効力を発揮する能力だと言えるだろう。
二人に助けられながら、ジョシュアは無線機を懐から引き抜いて怒鳴りつける。
すると無線機の向こうからも、ジャンゴの鬼気迫る声が帰って来るのにそう時間は掛からなかったようだ。

『ジョシュア!良かった通じたな!?戦闘機が使えなくなっちまった』
『な訳で爆撃の規模がちょっと大きくなりそうだ、予定の三割増しくらいで逃げろ!』

ジャンゴの説明ではフェラッリの空港からローマへワインを空輸する大型輸送機を押さえているらしく、
ミサイルの代わりにその輸送機に搭載されたワインをばら撒いて爆撃とするらしい。
高い揮発性かつ科学的安定性の低い混合状態のワインは、強い衝撃を与えればたちまちニトロの如く爆発する。
ただ大型輸送機のその鈍重さ故に、爆撃まで少々エスコートを要するという話であった。

『SAMにロックされたら逃げ切る方法がねェ、逃げる前にちょいと暴れてくれッ!』
「くっそ……聞いたな!?行くぞ!」

もう一度立ち塞がった木の扉を蹴り開ければ、二台のAPCがコンニチワと主砲をこちらに向けて待機していた。
けたたましく警報が鳴り響くのと同時に、APCの主砲が越境者達へと向け次々に発射される。
ジョシュアはそのまま飛び退くようにして回避、正面から戦うか逃げるか、仲間達へと視線を向けて意思の確認を目論む。

【APCの30mm砲は威力と連射能力こそ大したものだが小回りが利かない。間合いを詰めて高速で動けば主砲の旋回速度を振り切る事が可能】
【それをカバーするために上部には機関銃を構えているが、この時代にはまだRWSが開発されていない為にガンナーが顔を出す必要がある】


588 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/11/13(日) 23:33:35 ???
>>586
「おおっ……?」
「助かりますってんですよアキレスっ」

何これっ、と騒音と濃霧に包まれる中で周囲を見回す
なるほど視覚と聴覚を翻弄する新たな技かと理解、ならばその恩恵に預かる事にはなんら躊躇いはない

>>585
>>587
「……素人が飛行機触っちゃダメな気がしますってんですけどぉ……」

とは苦笑い
まぁ咎める事はしないし、したとしてもこの現状が改善されるはずもないのだと知っている
だからこその、この数多の殺意の渦の中でのやり取りは今ひとつ危機感が希薄だ

「、……」

矢張り銃弾の全てを叩き落とすには無理がある
ましてやタイドメイカー時のニアは大きく目立つ、格好の的だ
幾つかの銃弾が掠め血が滲み、それでも致命傷は仲間に護られているお陰で受けて居ない

「はぁいっ、その方がっ……」

タイドメイカーの触腕を縮こめ、一気に爆発力的に解放
大きく飛び上がり主砲を向ける戦闘車両の片方へと上空から襲い掛かった
車両上部への着地が叶えば触腕を内部へと侵入させ、暴れさせ操縦者達を攻撃するだろう


589 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/13(日) 23:35:00 ???
>>587
麻薬の爆弾か。いいなそれ!殺すのは勘弁してやるよ!
【通信機からの声にほう、と息を漏らす。その辺は有能で助かった】
【しかし、ますます全力で逃げる必要があるようだ。それにはまた舌打ちを零す】


ゲェッ!機関砲ッ!
【突き破った先で出迎える機関砲の掃射。咄嗟に飛び離れ、何とか直撃は避ける】

しゃらくせぇ、どうせ暴れなきゃいけないんだろ!?
あの装甲車をブン獲って、暴れながら逃げる!異論は?
【コートの裾から取り出した散弾銃を手に持ち、機関銃をチラリと見やる。中の人間はあそこから顔を出すはずだ】

俺は上のハッチから攻めようと思う。お前らはどうしたい?
【他の人間の同意が得られれば、サイボーグの身体能力を生かして接近。散弾が尽きるまでガンナーを、その他の乗組員を撃ちまくろうとするだろう】


590 : アキレス&ベティ>と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/11/13(日) 23:39:50 ???
>>587-589
ニアの賛辞は爆音に掻き消され アキレスの耳には届かなかった

「ベティ ゼリーを」
―――ギィ!!

どうにか鉄火場を潜り抜けた ベティに命令を下しリュックから漁ったエネルギーグリスを腹の中にぶち込む 
有用なスモークであるイグニッションであるが 消費カロリーの高さが問題であった

「お願いだから整備ぐらいちゃんとやっといてくれませんかねぇ!! ったくよぉ!!」
ジョシュアに続いて木の扉をくぐるとAPCがこんにちは

ジョシュアと一緒に横っ飛びで砲撃を回避して

ニアがタイドメイカーを放出するので 自分は囮になりましょう

「もう一度…イグニッション!!」
またもけたたましい爆音轟かせ 射線を封じるように霧を放出し 視界を封じようとするだろう


591 : 『レディ・ブラウン 終章』 :2016/11/13(日) 23:55:56 ???
>>588
跳躍したニアに気が付いたガンナーがひょいと顔を出し、ニアへと向けて機銃を掃射し始めた。
されど遅い、何もかもが手遅れだ。ニアへと銃弾を一つ命中させるよりも早く、タイドメイカーが彼の頭を銃座へと叩きつけた。

ニアによる触腕攻撃はAPCの内部を攻撃するにはうってつけで、複数の乗務員を的確に攻撃できるだろう。
殴ったり叩きつけたり、首を絞めたり放り出したりして車内を制圧すれば、APCを操縦してSAMの攻撃が可能になる筈だ。
”手数”の多いニアであれば、一人でも操縦と射撃を両立できるだろうか?

>>589
「異論なし!」

ソーマタージと同時にジョシュアも駆ける、APCに取りついて機銃を捕食、無力化した。
彼が車内に銃をぶっ放している間に駆け付けた三台目のAPCに気が付き、今度はそちらへと飛ぶ。

一通り撃ち尽くした後の車内は血と臓物の匂いでむせ返るほどで、生存者はほぼゼロ
ほぼ、というのはそのうちの一人が、ソーマタージの撃ち漏らしという形で生存していたからだ。

それはハッチから遠く離れた席に腰掛けていた運転手、脇腹に一発の跳弾を受けてはいるが、今だ死ぬ気配はない。
ソーマタージに向けて拳銃を向けるがセイフティが掛かりっぱなしでうまくトリガーが引けず、それは彼の動転ぶりを示している。
しかして運転手が無事ということは、無力化してしまえば利用も可能ということになる。

>>590
「よし、これで……いや」
「アキレス、待て……下がれ!!IRNVだ……!」

また、ソーマを狙う装甲車の気を引いていたジョシュアも、アキレスの支援を受けて立ち止まり汗を拭った。
展開されたスモークは味方もそうだが、十分に敵の視界を奪う事が出来る。
―そう、目視であればの話だ。しまったとジョシュアは冷や汗と共に、アキレスへと向けて警鐘を鳴らす。
それと同時、装甲車から放たれた30mm機関砲弾が、ジョシュアの左肩から胸の中央辺りまでを消し飛ばした。

「ぐゥゥゥッッ…あがぁああァァッッ!!!!」
「クソがぁっ……!クソ痛てェ……ぞ、このクソ野郎がァァア……ッッ!!」

クソクソ連呼しながら、どうにか生きてはいるようだ。だが放っておけば本当に殺されるのも遠くはない。


592 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2016/11/14(月) 00:05:58 ???
>>591
俺の小さな友達に挨拶しな!!
【BLAM!!BLAM!!BLAM!!BLAM!!轟音を立て、鉛玉の暴風雨が車内を蹂躙する!】
【CLICK!CLICK!弾が切れれば銃を投げ捨て、車内へ侵入!】
この車は貰った!

うわ、生きてた!
【運転手に素っ頓狂な声を上げるも、一瞬でその思考は冷徹な戦士のそれへと切り替わる】
隙だらけ。本当に軍人かお前?
【手早く近づき、運転手を強引に席から引き剥がそうと手を伸ばす。なるべく機器にダメージを与えないため、強化された拳でその頭を叩き割ろうとする】
こんなところでお前殺しちゃさ、可哀想じゃん。運転する俺がさ


待て!ソーマイヤーが何かを捉えたぞ。味方のピンチだ!とっとと失せろ二等兵
【席に着き、やたらめったらに動かそうとする】
【車の運転ぐらいはできる。動きさえすればこちらの物だ】

今行くぞぉ!これがサイボーグ魂だ!
【酸素供給機の奥で獰猛な笑みを浮かべ、アクセルを踏み込む!】
【血の臭いを漂わせた死の車両は、ジョシュアに銃撃を加える装甲車の横っ腹に突っ込み、その動きを抑えようと唸りを上げる!】


593 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2016/11/14(月) 00:05:56 ???
>>591
「わっかりやすくっていいってんですよねぇっ!!!」

風を切りながらの降下、此方を向く銃口
危険である、しかし頬は釣り上がり怯みはない
多分彼女の戦闘兵器然とした部分が前面に出て居る形となっているのであろう
無事に取り付き、ガンナーを無力化

「……よぉっしっ……!」

そしてマウトフトゥーロの触腕の瞳を頼りに、他の全ては攻撃に転ずる
内部に浸透したそれは冒涜的に暴力を持ってして制圧を執り行い、ぽいぽいっと気絶させた兵達を捨て捨てするのである

「……誰かぁ、これ動かすの手伝って下さいってんですよぉ」

とはいえニアは操縦までを熟せるかと言えば別問題
適当に弄って誤射でもしたら大変だ、誰かに呼び掛け助けてもらう事に
それまでの


594 : アキレス&ベティ>と>215 ◆eZKgukyN3c :2016/11/14(月) 00:10:34 ???
>>591-593
「ジョッシュ!?」
どうやら霧が薄くなったところにぶち込まれた様だ
30mmの砲撃でミンチよりひどくならなかったのは僥倖と言えるだろうか?

しかしIRNVだって?

「大丈夫だジョッシュ!! ああいうのは大得意さ」
むしろニンマリと笑みを作った

何を隠そうこのスタントマン・イグニッションで放出した霧は【熱を遮断す特性】を持っており
熱感知にも強いのだ…強いよね?

兎に角ニアが装甲車を奪取したらしい 今は運転手を探している

ジョシュアに近づき担ぎ上げ ニアの元に
そしてニアの装甲車に乗り込んで 自分は運転手を務めようとする


595 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/12/26(月) 23:55:42 JN4iglw.
【中世ファンタジー風世界】
さて 傭兵なんて輩は有事こそ国にやとわれ敵国をたたいて奪って儲けるものだが
戦がなければ? そりゃいろいろと持ってる連中から奪うに限るのだ


とある貧しくも平和な村 越境者はこの村に流れ着いた 人の温かさを残す村人は労働力を対価に村の逗留を認められ
子供たちの遊び相手や力仕事に従事しながら平和なひと時を過ごしていた

だがそんな村に目を付けた傭兵団により危機的状況を迎えることとなる
蹂躙されたくなければ 戦うしかないのだ

ロイ「村の男衆も武器を手にしてくれるそうだ 俺らは傭兵団の中でも腕扱きか 頭をつぶして連中を敗走させるのが目的だ いいな」
決戦直後 あたりに絶望の中 一抹の希望を手中に収めんと奮起する村人の中 同じ越境者を名乗る あごひげを生やした目つきの悪い短足男が 武器の点検をしながら 越境仲間に問いかけた


596 : Toy ◆IC7kYAe6iE :2016/12/27(火) 00:17:56 5mckU0Ck
「うふふふふ……コワイ雰囲気ねぇ」
「言っておくけど、私はあくまで【無力化】するだけよぉ?」

【一本の腕で口元を隠しながらクスクス笑う不気味な蜘蛛】
【他の者は絶望に満ちているにも関わらず、蜘蛛は笑う】

「まぁやらなきゃやられるだけだし、黙ってやられたりはしないわぁ」
「むしろやるなら徹底的にやるだけよ、ふふふ……」

【無数の蜘蛛がファリティアの周りに集まった、準備万端のようだ】
【それぞれの蜘蛛に二本の腕で餌を与えつつ、残りの2本で蜘蛛たちを撫でる】
【蜘蛛たちも準備万端の様で、ファリティアを中心に十字型の陣形をとった】

「さぁて、私たちの準備は万端よぉ?」
「私は指示にある程度したがって遊ばせてもらうわねぇ」
「うふふふふ……この子たちも興奮してきたみたいよぉ?」

【絶望や恐怖といった文字からかけ離れた感情を見せるファリティア】
【それ相応の余裕なのか、はたまたただのマヌケなのか…】
【それは村を護るための戦いで明らかになるだろう】


597 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/12/27(火) 00:29:55 JN4iglw.
>>596
この世界における亜人の扱いは様々だ ちょっと変わった隣人であると考える者もいれば
存在自体が罪と積極的排除に乗り出す者もいる


そして幸運なことに この村は変わった隣人程度の認識であり
子供たちはクモのおねーさんと慕い 能力を含まない糸でブランコしたりと付き合いがよかった

ロイ「捕縛は出来るか? ガキ共のブランコにしていたヤツで転がしたヤツの手足を縛ったりできるか?」
リファリに対して質問をぶつけるロイ


襲撃前に村を囲う防壁を可能な限り強化し そして会いまみえる瞬間は訪れた

雑多な武器を手に襲い来る酷い匂いに風貌の男共 碌に降ろどころか体を拭ってすらいない傭兵共

傭兵1「男は殺せ!! 女は犯せ!! ガキは売っ払え!! 食い物は根こそぎ奪え!!」
何ともヒャッハー感あふれる物言いそのままに突っ込んでくる傭兵

ロイ「男衆!! 武器構え!! リファリ 俺らは前に出るぞ!!」
男衆が長い棒の先をとがらせ 即席の槍衾を形成

その前にロイは陣取り 傭兵たちに切りかかった

傭兵「亜人は殺せ!! 女でも殺せ!!」
なおリファリは女にカウントされていない こん棒を構えた傭兵が1人 リファリに向けて突撃してくるのが見えるだろう


598 : Toy ◆IC7kYAe6iE :2016/12/27(火) 00:45:19 5mckU0Ck
>>597
「そんなの簡単よぉ、それにこの子たちもそのつもりみたいだわぁ」

【そんなことを言っている間に傭兵たちは現れた】
【なんとも世紀末な御様子で、そして楽しそうな御様子で】

「………さっきから蜘蛛についての説明がないのは不満だわぁ」
「これはちょっとお仕置きが必要ねぇ……ふふふ」

【ロイの指示に従いスタスタと前に歩き始める】
【ファリティアの動きに合わせて十字陣の蜘蛛も動き出した】

「しかしまぁ、棍棒だなんてお粗末な武器ねぇ…」
「どんな武器だろうと容赦しないのは変わらないけどねぇ…ふふふ」

【指をパチンと鳴らすと前衛の蜘蛛が一斉に白い糸を吐き出した】
【風に揺られて大きく広がり、それぞれがくっつき、強度を増して】
【ふわりと傭兵の元へと落ちていく、棍棒だけで抜け出すのは困難だろう】

「ところでロイさん、ちょっとお尋ねしたいのだけれどもぉ……」
「相手の勢力はどれくらいなのかしらぁ?」

【それは作戦を組むために聞いた、という訳ではなさそうだ】
【計10個の瞳は傭兵たちの中から楽しめそうな相手を探していた】


599 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2016/12/27(火) 01:01:17 JN4iglw.
>>598
ロイ「その不満は敵にでもぶつけて どうぞ」
などと軽口を叩き 戦闘が始まった

こん棒を粗末な武器と決めつけるリファリであるが 実際こん棒は優れた武器である
作成が容易であり 刀剣類と比べて技術の習得が非常に簡単である

更に相手が金属鎧をまとっていた場合 その衝撃は鎧を易々と貫通し中身にダメージを伝える
事実 金属鎧をまとった軍隊が 木製のこん棒を構えた蛮族に後れを取ったことだってあるのだ

尤も リファリの能力の前には無力を晒すことになった

渾身の一撃は白い糸に阻まれリファリの遥か前方で止まる
ならばと体に括り付けたダガーを抜き 糸を切り裂く 打撃に特化した白い糸は ダガーに易々と切り刻まれるが
その隙を見逃さず ロイがハルバートのピックで傭兵の後頭部を穿ち 1人事切れる

ロイ「事前の偵察じゃ総勢30人!! 全部を相手にしようと思うな!! 腕扱きを倒して優勢を保てばそのうち向こうから引いてくれる!!」
男衆を見る 雑多ながらも必死の槍衾で傭兵たちを押し留めているようだ

さて傭兵団の後方で様子を見ていた1人の男が糸を操る蜘蛛女に狙いを定めた

腰のロングソードをすらりと抜くと その刀身は赤き炎を纏う 魔法剣だ
そして魔法剣を構えた傭兵は 存外早い挙動でリファリに向けて接近を試み  接近が叶えばその切っ先をリファリの首に突き立てんと 剣を真っ直ぐ突き出してくるだろう


600 : Toy ◆IC7kYAe6iE :2016/12/27(火) 12:22:25 5mckU0Ck
>>599
「うふふふ……じゃあそうさせてもらうわぁ」
「まぁ言われなくたってそのつもりだったけどねぇ…ふふふ」

【一時的な捕縛でも、複数人との戦闘では十分な効力だったようで】
【脱出を試みる間にロイさんがトドメを刺し、呆気なく無力化されていく】

「30人ねぇ……予め蜘蛛の巣でも作っておくべきだったかしらぁ?」
「まぁそんなことしたら火を放たれて大火事になるわねぇ…ふふふ」

【お粗末な武器ばかりの戦場に炎、目立ってしまうのは仕方がない】
【そしてそれが近づいてくるのなら、気がつかない訳も無く】

「ファンタジィ向けの武器があるならそちらを選んだ方が華やかねぇ」
「最も、お粗末な武器を使うくらいなら華やかさなんて気にしないのだろうけど…ふふふ」

【ファリティアの両側の蜘蛛が緑と青の糸を交わるように吐き出す】
【炎は青の糸で分散され、斬撃は緑の糸で思うような威力は出せなくなってしまうだろう】

「ほらほら、ちゃぁんと狙わないとダメよぉ?」
「もっと私を狙って近づかなくちゃ当らないわよぉ?」

【先ほどの糸は避けられても問題の無い、いわばフェイクだ】
【何故ならファリティアの後方の蜘蛛たちが地面に黒い蜘蛛糸の罠を仕掛けている】
【カラフルな蜘蛛糸に気を取られ接近したならべっとりと絡みついてしまうだろう】
【一瞬でも動きを止めたが最後、前衛の蜘蛛たちは既にスタンバイを終えている】
【紫の腐食毒液で濡れた蜘蛛糸が無慈悲に発射されてしまうだろう】


601 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/01/02(月) 22:40:32 ???
「おっと……もう新年か」
「今頃タイムズスクエアは大賑わいだな……」

やっぱり年の瀬、そして新年を祝わない人間は少ない。
お年玉を誤魔化す為叢雲や遥歩にはテキトーこいたが、アメリカでもやっぱり新年の祝いはするものなのだ。

「まさか生きて年を跨げるとは……思いもしなかったなァ」
「………今年もよろしくな、相棒」


602 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/01/02(月) 22:44:01 ???
去年だけで何度死に掛けたか、まさか生きて今日を迎えるとは思ってもみなかった。
深夜のセーフハウスの中、誰も居ないリビングにて時計の針が時を刻む音だけを聞きながら、流れる時の速さを実感する。
濃いコーヒーを一口。味はしない。相棒たるヴィッカーズM1911を撫で、それを机の上へと置いた。


603 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/01/02(月) 22:51:33 ???
>>601-602
「寒い寒ーいっ!」
「……暖房暖房っ、いれて下さいってんですよっ」

独りで過ごすセーフハウス、突然の来客
流石に壁を破壊したりはしないが、それでも完全にアポ無し
しかも勝手に暖房全開、ホットカーペットの上に陣取り至福顔

「あー、あったかいってんですねぇ」
「……ところでぇ、なぁに独りで黄昏てるってんですかっ?」

一息あって、ようやくハードに浸る彼にイノセンスなツッコミ


604 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/01/02(月) 23:02:51 ???
>>603
「……うお」

何をするにも時間、時間。何かにつけて人間は時間を消費する。
自分には時間が足りない。ジョシュアは心の中でそう続けた。
抗う為の時間、抜け道を見つけるため時間、それから、と思考を巡らせていた所にニアが現れ、思考は中断された。
突然の来客に数瞬遅れて間の抜けた声を上げ、椅子から立ち上がった。

「ようニア、新年おめでとう……いきなりどうしたよ」
「んぁ?聞かねェ方がいいぞ、どうせまたお前暗い顔するし……ほらこれ」

全開になった暖房を調整し、室内を適温へと戻す。
ホットカーペットの上に転がるニアには、ふかふかのブランケットを投げた。

「”つらいよぉ”ってな」

裏声でニアを茶化し、その表情は幾分か先程より明るい。


605 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/01/02(月) 23:09:23 ???
>>604
「へっ? あぁ、おめでとうってんですっ」
「うわっ……最悪っ……」

ブランケットを受け取りぺこりとご挨拶、アイサツは大切なのだ
肩から包まり温かな心地に包まれながら苦笑い
無論そのモノマネに対してである

「ひとの真面目な心配をっ、新年早々茶化さないで下さいってんですっ」

頬を膨らせて見せるが態度や字面程に怒り心頭ではない
それは声質や空気、様々な要素に見て取れるであろう

「……コーヒー貰いますねぇっ」

そして立ち上がり、コーヒーメーカーのデカンタとカップを手に取った


606 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/01/02(月) 23:23:17 ???
>>605
「あァ」

短く返事し、道具を貸すことを了承する。
この頃ジョシュアは客に対して料理や飲み物を作らなくなっていた。

それは彼の味覚の消失が、料理の出来に対する自信を無くさせていたからだ。
もうニアの満足のいく”思い出の味”も作れなくなっているかもしれないと。

彼のコーヒーを除けばわかる。味付けがデタラメだ。コーヒーは限りなく黒く、ドロリとしている。
これ程までに味を濃くしても、微かな香りすら感じないのだ。

「……ニア」
「ちょっと来てくれ」

カップを手に取ったニアが離れるのを引き留めるようにその名を呼んだ。
何故そうしたのかはジョシュア自身、明確な理由など存在しなかったのだが
今はこうして、互いに向き合ったままでいたいと心が命じていた。

「……”オトシダマ”だ。大事に使え」
「落としたりブン投げたりしても、絶対に手元に帰って来るいわくつきの品だ」

机の上に在った魔法銀製の”短剣”をシースごと手に取って、鞘に収まったままのそれをニアへと投げ渡す。
そうして再び椅子に座れば満足げに顔を逸らし、それ以上彼女を引き留める事はない。


607 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/01/02(月) 23:29:56 ???
>>606
「はいっ? なんでしょうかっ?」
「……えっ」
「えっ、いやっ、えぇっ!?」

振り向いて小首を傾げ、そして二歩近寄る
そのタイミングで投げられる何かをキャッチ、それの正体を知れば流石に動揺

「いやっ、いやいやっ、重過ぎますっ! 貰えませんってんですよぉっ!」

自然な反応、身振り手振り
ニアの認識ではあるが、所有物とは単なる物ではない
誰かの想いや、何かを果たした事実
様々な時間と、歴史と、そして旅路
全てを所有者と共に過ごしたそれとは、モノであって物にあらず
おいそれと手にしていいモノではないのだ


608 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/01/02(月) 23:40:44 ???
>>607
「バカっ、折角やるっつってんだから受け取っちまえよ、イムカにもっかい渡すぞッッ!!」

贈られた剣に驚き慄きそれを返そうとするニア。されどジョシュアは頑なに受け取らない。

「…お前に持っといて欲しいんだよ。そいつは俺だ。俺の一部だ」
「……離れてたって……これがあれば何があったって一緒だ」

理由としては色々あるにはあるのだ。自分は所有者として相応しくないだとか。
だがそれ以前にこの剣はジョシュアと共に歩み、ジョシュアと共に戦った。
つまりそれは既にジョシュアの一部といっても過言ではない訳だ。

それをニア託すということは、つまりジョシュアの存在を彼女に継承するという事
それを重いと言われれば、なるほどジョシュアにも考えがある。

「どォしても嫌だってんなら……別に俺ァ構わねェけどよ」

露骨に落ち込んだ素振りを見せ、今度はニアの良心に訴えかける戦法。


609 : ニア・シューペリオリティE.月光.空色スカーフ :2017/01/02(月) 23:50:09 ???
>>608
「でっ、ではぁっ……」
「……お借りしますねっ?」

結局、その位置に落ち着いた
それは両者の関係性や、武器の想いや、価値
そう言った物事とは関連性が希薄だ
つまり、返さなくてはならない
越境者の立場とは曖昧である
惹かれ合う性質を持つと言われているが、いつ果たしてそれが変化するか
更に、いつ会えなくなるのか
それすらも分からない身の上なのだ
だからこそ、約束を、絆を、エニシを
目に見える物質という形で、モノとして交わすと言うのはとても素晴らしい事にニアには思えた

「いつか……分からないってんですけどぉ」
「……みんなが平和でぇ、笑ってぇ」
「お日様の下の草原でピクニックする時になったらっ、お返ししますからっ」


610 : ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】 :2017/01/03(火) 00:01:47 ???
>>609
「借りる、か……うん、いいなソレ」

完全に押し付ける訳でもなく、また突き返される訳でもない。一時的な貸与。
極めて心地のいい、都合のいい立ち位置。ジョシュアはそれを気に入ったようだ。

「じゃあソレはお前に貸す」
「戦いが終わったら、俺がそれを受け取りに行く」

改めてエクソダスをニアへと差し出し、彼女の手にそれを握らせる。
ダグラスからジョシュアへ、そしてジョシュアからニアへ。
これで月光の失われたピースの殆どがニアの手へと渡った事となる。
ただしそれは一時的なものであり、いつか争いが終わった時に取りに行くとの約束。

「何があっても取りに行く。約束だ」

例えお互いの身に何があっても、どれだけ長い別れがあろうと、どんな壁に阻まれようと。
それらすべてを食い破り、必ず再会を果たす。ジョシュアはそう約束した。

「……ん、生きるいい理由が出来た」

本当はいつ消えるか分からない自らの存在の痕跡を、彼女に与えたかっただけなのかもしれない。
されど約束は生きる原動力として、ジョシュアを明日へと導く確実な導となるのだ。

//うおおねむい、ではこれにてー


611 : アキレス&ベティ&ロイ>521-522と>215と>500-501 ◆eZKgukyN3c :2017/02/01(水) 22:58:25 8agnJzB6
【狭間のスクラップヤード】
詳細は本スレ>194-206

ロイ「・・・というわけだ」

イムカからもたらされた情報 カノッサ・テクノロジーが陥落するまで時間がない
あの組織がつぶれることはあまり想像できないが もしもエーカーが衛星を落としてしまえば どうなるかは明白

アキレス「・・・どうしよう」
ロイ「こっちでも戦力を整えちゃいるが 今突撃してもエーカーまでたどり着けるか未知数だ 無謀な賭けは個人の範疇外ではノーサンキューだな」

自分たちだけならまだしも 他の世界から戦力を借りていることもある 彼等を犬死にさせるのは避けたかった

ロイ「・・・どうしよう」
と この会議に居合わせたメンツに問いかける


612 : タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 :2017/02/01(水) 23:09:12 ???
>>611
「コミックで情報伝達とは、なんとも」

くすり、と口元を軽く握った拳で隠しながらに微笑む半人
しかし状況は芳しくない、もたらされた情報の多くは悲劇的な結末を示唆しているのだから

「オービタル・ストライクを止める術は、そうですね」
「対空基地の奪還が最優先でしょうが……しかしそれも難しい」
「有事を想定して、突入軌道上にある衛星に防衛部隊を配置? ……数の勝負を挑むのは愚策でしょうね」

全く、と腕を組み唸る

「最悪の場合、カノッサコーポ本社の放棄を提案してみますか?」

冗談めいての言葉だが、それ程までに思わせる程の現状なのだ


613 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/01(水) 23:25:44 ???
>>612
ロイ「本社がつぶれればほかの支部や 最悪ここにエーカーの手が伸びる
   そうなればおしまいさ 数がそろわぬうちに物量に磨り潰される」

タェンティースは覚えがあるだろう
科学の力及ばぬファンタジーの世界で 奴隷商人が率いる数万の軍勢になすすべなく後退を続けた砦での一戦

ロイ「イムカが守ってなきゃどうとでもなるんだがな まぁ 犠牲を厭わなきゃ奪還も可能なんだろうが…」

アキレス「イムカタンに攻勢を仕掛ければ 十中八九ジョッシュが出てくる 今のあいつは無敵さ だってイムカタンの為だもん命だってなげうつぜ」
話を勧めれば進めるだけ雰囲気は悪くなる

ロイ「自前で航空戦力を整えられればいいんだが ドラゴンは宇宙まで出てこれないし 他の世界もさすがに戦闘機は出せないだろう」
いくらなんでも一機数十億の戦闘機を景気よくポンとは出せないだろう

アキレス「あ〜ぁ 都合よく宇宙戦艦でも手に入らないかね?」
と天を仰ぎ 愚痴るアキレス

―――ギィ!!
なおベティちゃんは人間たちの話し合いはつまらないと 隅っこで謎石遊びをしていた


614 : タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 :2017/02/01(水) 23:32:39 ???
>>613
「なるほど、それもそうですね……」
「宇宙戦艦、かぁ……」

ヘルメスの靴の外装の一部に貼り付けた装甲板に視線を落とす
虹を追う者の破片だ、それを見るたびにあの世界での怒涛の戦乱を想起した
だがそれでも多くは思い出として昇華され、半人の現時点では短い一生の中でそれは美徳として残る
足元に転がってきた石を拾い上げ、謎石の場へぽいっちょ投擲

「……出来る事は多くはなさそうですけど」

それでも、と区切った
石が乾いた音を立てて跳ねて転がる

「やれるだけはやらないと……ですね」


615 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/01(水) 23:44:32 ???
>>614
―――ギィ!?

ほほぅそう来たかとハs割愛

ロイ「そうだな・・・とにかくことは急を告げる カノッサ・コーポが持ちこたえている間に少しでも戦力を集めるとしよう
   あんた等はあの世界を当たってみてくれ 俺らは・・・」

結局結論は出なかった 少し焦りの表情をにじませつつ 今後の戦力増強についての話題に切り替わっていく
・・・そろそろ昼食だ 仕出し弁当の会社が運転するワゴンの音が聞こえる

アキレス「よっし飯だ 今日はハンバーグ弁当だぞベティ」
―――ギィ♪

陰鬱な空気を振り払うように 努めて明るい声のアキレス
ベティも嬉しそうにハサミを振り上げた・・・・・

//ではこちらも〆で


616 : タェンティース・イルム E.赤刃.ヘルメスの靴 :2017/02/01(水) 23:50:02 ???
>>615
「……えぇ、慌てず急いで、冷静に……」

言い聞かせるみたいに呟いて、謎石の場をちらり
矢張りルールが理解出来る日は遠いななんて思ったりした

「ハンバーグっ」
「……おろしポン酢のはあるでしょうか?」

席を立てば弁当を受け取りに、足早に急ぐのであった

//ありがとうございましたっ、お疲れ様ですっ


617 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 21:17:40 8agnJzB6
※この時空ではエーカーが全世界を相手にドンパチしていません

【とある世界】
ある者は携帯のメールで
ある者は手紙で
ある者は本人からの紹介で

とある世界の片隅にあるアパートへと導かれた 理由はひとつ
「冬も終わりに近いから鍋パーティーしようぜ 食材は持ち込みな!!」

その言葉に従ったから
だが 聞いたことはないだろうか? 混沌の極みを
参加したことはないだろうか? 地獄の底を

さて そのアパートは一年前のあの日以来 時が止まったかのように同じ装い
中央に炬燵 並べられた酒やソフトドリンク その中央に薄型カセットコンロと大きな土鍋

待っているのだ あの日と同じく 今回の生贄を

そして
――――ギィ!!
「少しだけだぞ」
キッチンで食材の準備をしているアキレスもまた あの日と同じように 野菜の切れ端をベティに提供していた


618 : クルト・カントール【深紅の篭手】>>510 :2017/02/04(土) 21:44:46 ???
>>617

「まあ、こういうのも嫌いじゃあないからな。たまにはいいだろう」

 何か、食材やら買い込んですっげえウキウキした様子なクルトである。
 この老兵、幼少期は悲惨で、さらにその後は血も涙もない政治将校に、
 いっぱしの兵士として鋳造されて青春を全て戦場に捧げるハメになってしまっている。

【そのような人生なのだ!こういう事に憧れてウキウキして何が悪い!!!】

 純米酒やら何やらを丁寧に並べて、お箸の使い方も一通り学習。
 闇鍋とは何たるやというものもしっかりと読み込んで学習済み。

「ふんふんふん〜♪」

 鼻歌までも披露している。ほんっとうに楽しみにしていたんだなぁと察せられるところである。


619 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 21:47:16 ???
>>617
えーっと…此処かな…
【メモ帳と食材の詰まった袋を持ち、ひょっこり入ってくるのは仮面で顔を隠した人物、マンジュシャゲ】
【「親睦を深めてこい」と手紙を受け取った筈のソーマタージに諭され(押し付けられ)こうして来た次第だ】

ああ…こんばんは?鍋パーティーをやるとソーマタージから聞いたんだが……。何か手伝おうか?
【ボイスチェンジャー越しのノイズ混じりの声でアイサツ。生贄一人追加】


こういうのは初めてだからよく分からないが…
要はただの鍋だろう?季節的にも良いかもな
【中華服の上から纏ったファー付きコートを壁に掛け、炬燵に潜り込む】
【住んでいた世界が世界なので、闇鍋の経験は一度もない。話すらろくに聞いた事も無いレベルだ】
…で、ヤミ鍋って何だ?イカスミでも入れるのか?まさかね


【「他人が苦しむ様が見たい」と勝手に押しかけ、部屋の隅で膝を抱えて座ったソーマタージが、暗い愉悦の笑みを浮かべる】
【無知とは罪。それを贖う時が来た!主に味覚で!】


620 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/02/04(土) 21:51:03 ???
>>617
「ごめーん、遅れたー」
「あ、ニアも来る予定だったらしいんだけどさっき急に越境してっちゃった」
「皆んなによろしくーって言いながら消えてったよ」

ケタケタと笑いながらの七八
風呂敷をぶら下げジャージ姿、足元はクロックス
深夜のドンキに居そうなスタイルである

「えーっと、鍋やるんだよね」
「色々持ってきたよ、肉とか魚とか……」
「あとこれ、うちの畑で作ってる野菜」
「あ、これニアの持ってきたやつも預かってたんだった」

取り出すのは極めてマトモなアイテムばかり
しかしニアの持ち込みアイテムは多分そうではなさそうだ、それは何やら不穏なオーラを纏う袋である


621 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 21:58:42 ???
>>618
アキレス「やぁオッサン うっきうきだなおい」
ニヤリと笑いながらクルトを炬燵に案内

―――ギィ!!
ベティもクルトに挨拶するようにハサミを振り上げる

男とは全力でバカをやるものと見つけたりと誰が言ったか知らないが 今日はそういう場だ 全力で楽しむとしよう

>>619
アキレス「やぁマンジュシャゲちゃんやほー さぁさぁ外は寒かったろ? 炬燵に入って温まりなよ」
―――ギィ!!

こちらにも挨拶するアキレスとベティ
そして暗い笑みのソーマタージに対し

アキレス「席は空いてるぜ?」
と行ってみるテスト

>>620
アキレス「ソウダヨーナベダヨー」
なんか胡散臭い口調で説明するアキレス ここに生贄一丁追加のお知らせ

―――ギィ♪
ベティちゃんの齧っている野菜の切れ端も白菜の物だし 大丈夫きっとメイビー


>>全員対象
アキレス「それじゃカンパーイ」

まずはみなさん席に着き 明かりがついた状態で酒やらジュースやらで乾杯し

アキレス「じゃ・・・やるかね!! 鍋パーティ開始!!」

その言葉と共に明かりが落とされ 辺りが漆黒に染まる

《世界の修正力発動!! この部屋の中にいる限り 一切の夜目能力 および暗視装置は働かなくなる!!》

そしてアキレスが鍋の蓋を開ける 塩ベースのツユの中 鶏もも肉が煮えていた

《闇鍋開始 ルールに沿って楽しみましょう》


622 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 22:07:33 ???
>>621
あ、これはどうも…なんてな
たまには、こういう平和なのも悪くない。感謝するよ
【仮面の下部が展開、口元だけを晒し、薄く微笑む。このジゴクのことを何も知らないが故の態度だ】

「俺は今回はパスだ。ここで座って見てる。
 空気の様なものと認識してくれて構わない。お喋りな空気だ」
【アキレスの誘いには手のひらを向けて断るソーマタージ。此方は前回ので懲りてる】


うわ、暗いな……。まさかサバトの類いだったのか…?
【戸惑い、苦心しつつも食材を投入。賽は投げられた!】
【入れたのは、生まれ故郷では高級品のオーガニックニンジンを食べやすいサイズにカットした物。要はちょっと小さいだけの普通のニンジンだ】


623 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/02/04(土) 22:07:38 ???
>>621
「なぁんだ、みんな乗り気だね」

クルトとマンジュシャゲ、アキレスの様子を見てニコリと笑んだ
面子的にも丁度男女比率は半分、最もベティを入れれば女が増えるが
そう言った風に捉える訳ではないが、楽しいひと時になりそうだと呑気に

「はーい、かんぱーい」
「……えっ、ちょっと、あれっ?」
「……あ、そういう……?」

音頭に合わせて烏龍茶のグラスを傾ける
直後の暗転にピクリと肩を震わせて、何事かと周囲を見やる
しかし全く見えやしない、この辺でようやく察したらしい

「うーん、それじゃあ……取り敢えず……」

ガサゴソと袋を漁り、白菜を投入
七八の家の敷地の畑で採れた有機野菜である
とても新鮮でみずみずしく、歯応えがあり噛む度に染み出す仄かな甘味


624 : クルト・カントール【深紅の篭手】>>510 :2017/02/04(土) 22:07:52 ???
>>621

「オッサンというが元々はお前さんより年下だぞ?」

 あくまで元々というところが切実である。
 幼少期にアキレスやロイに救われているので
 この辺がとってもややっこっしい。

「……そういえば」

 鍋を見て、ベティを見る。
 今日はあの怖い女共(主に非常食扱いするという意味で)がいないのだ!平和!

【さて、闇鍋である】

「これは決行イケるぞ?」

 シャーッと、何か啜るような声。コワイ。

【鍋にアミメニシキヘビが投入!ナムアミダブツ!】


625 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 22:09:14 ???
アキレス「それじゃこれだな」
まずは軽くジャブと 巾着を投入

中身はカマンベールチーズ 濃厚な味わい 溶けたチーズの灼熱地獄を喰らうがよい


626 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/02/04(土) 22:14:21 ???
>>622
「モグモグ……ん、あまーい」
「でももう少し煮えてた方がもっと美味しいね」

小さなニンジン、それもオーガニックだ
不味い訳がないし、食べ慣れた味である
とは言えニンジンはニンジン、もう少しゆっくりと似た方が柔らかくなる
しかしまぁほんのり温か、そしてサクサクとした歯応え
悪くない、悪くないぞと二度頷いた

「……えーっと、じゃあ次はこれ……」
「ってほとんど見えないし、何掴んだかなこれ」

ぽちゃんと投入、小さい割りにそこそこの質量がある物体だ
その正体はオモチである
実にアチチな溶け具合、ついでに少し箸で持ち辛い


627 : クルト・カントール【深紅の篭手】>>510 :2017/02/04(土) 22:14:35 ???
>>624

「ほう、オーガニック野菜か。こりゃあいい!」

 滋味な味わい広がる野菜。こういう有機野菜は中々に食べられない。
 主にスプロールで活動をしている上に、終焉の遠未来では食べれば食べるほど、
 味覚がダメになっていく、無味なるエネルギーグリスばかり、繊細は味わいなど夢のまた夢だ。

「〜〜〜〜いいな!」

 日本酒をゴクリと飲んで白菜の味を楽しむ。
 さて、では次に食材を放り込まねば。

「珍重で薬効が高い。これは中々だぞ?」

 バルトスズメバチの巣…口の中でホロホロと崩れる巣自体の味はアレだが、
 中のたっぷりと詰まった蜜と、クリーミーな昆虫は中々のお味。

 ええ、蜂の幼虫です。虫食文化のないニッポンではアレかもしれないが、 
 栄養価は本当に高いのです。視覚的にはアレだがナムサン。


628 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 22:18:25 ???
>>621
これは…肉?鶏肉?好きなんだよね
【モグモグと咀嚼。まずは当たりを引けた様だ。暗闇にソーマタージの舌打ちが響く】
うん、塩もいい感じ。良いものだ

それじゃあ次は……これだ
【続いて入れたのは、生まれ故郷では一般的な人工生成魚丸ごと一匹。頭もモツも尻尾も食べるのが退廃近未来世界流】
【メザシ程度のサイズのそれは、淡白な味で生まれ故郷である退廃近未来世界ではそこそこ人気の食べ物の一つだ】
【尤も、何故か内臓だけはこの世のものとは思えないほどクソ苦いのだが…】


629 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 22:18:57 ???
>>624
アキレス「だれだぁぁぁぁぁぁあああ初っ端生き物入れたバカはぁぁぁぁぁぁあああ!!!!??」
オープニングは比較的安パイが多い

そんな淡い幻想はもろくも崩れ去った

食材を取ろうとする手に巻き付いてくる巨大でひも状の何か
続いてドタバタと暴れる音 シャーシャーという音 ギィギィと何かが参戦する音

―――しばらくお待ちください

アキレス「分かった・・・蛇だ・・・これ蛇だ…」
ぜぇぜぇと息を切らしながら どうにか対峙した蛇 さてどこぞの裸蛇の如くその体に齧り付く!!

アキレス「んぎぎぎぎぎぎ・・・・んぎっ!! ・・・もぐもぐ 蛇が美味しいって本当だったんだ」
骨は気になるがそこそこ美味な様子 さすがに慣れてないので UMAすぎる♪とは言えなかったらしい

「えぇいクソ 次はこいつだ」
ドボチョンと重い音を立てて投入したのは ペリエ(炭酸水)の瓶

熱せられた炭酸は開けた瞬間スプラッシュマウンテンとなって対象者にダイレクトアタックを行うだろう


630 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/02/04(土) 22:24:48 ???
>>625
「……ん、やわっこいなこれ」

箸で摘まみ上げる
結構な重み、しかしサイズはそこまでではない
何やら怖気、けれども冷まそうにも箸で支えるのは限界が来る
仕方なく意を決してパクリ

「……オッフッ!!」

喉の奥から爆発的な息、聞いたことのないような声
口を抑えて悶絶、烏龍茶で口内を冷やしてなんとか乗り切る

「……あっぶないなぁ……」
「いきなり火傷するかと思った……」

ひーひーと荒い呼吸
ともあれ食材だ、掴み入れるのは大根である
七八の家の畑で採れた、は白菜と同じだが此方はなんととてもカライ
唐辛子的な辛味とはまた一風変わったからさである


631 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 22:26:05 ???
>>627
お次は、と…。なんだ、やけに取りにく……
【やっとの事で取り皿に乗せるが、暗くて何だか分からない】

…これ、食べ物…なんだよな?なんという、独創的な…
【ふやけたウエハースを食べてるみたいだ。巣の方はお気に召さなかった様子】
【ええいままよ、とガブリと一気に咥えいれれば、妙な甘ったるさとクリーミーな味わい】

甘っ…。それになんかこう…脊椎動物とは思えないような味がする
【律儀に感想を残す。自分が食ったモノを知れば、その場で卒倒モノだろう】
【因みに暗くてソーマタージも何を食べてるのかは分からなかった】


正直嫌な予感がしてきたが……次はこれだ
【ドサっと鍋にぶち込んだのはファンタジーな世界を旅した時に摘んできた薬効植物の数々】
【体が芯から温まり、冷え性、下痢、腹痛によく効くぞ。雑草特有のキツいエグさに耐えられればの話だが】


632 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 22:30:48 ???
>>628
全部食べるとお腹がいっぱいになってしまうので ある程度食べた後はベティに進呈

―――ギィ♪
美味しいってさ よかったね

アキレス「お願い今度は生者は勘弁・・・」
鍋を探り 箸に当たる何か 掴み 暫し様子を見て 少なくても死んでいることを確認

感触は 何かの魚? さてこういうのはちびちび齧っちゃだめだ 一息に口の中に放り込み

アキレス「・・・お゛え゛っ」
思わず嗚咽 圧倒的な苦みに淡泊な味わいは消し飛び えげつない苦味が口を汚染する

たまらずビールで流し込み一息

アキレス「何の肴だありゃ えげつないぐらい苦かったぞ えぇい口直しだ」
と投入したのは手ごろな大きさのサトウキビ

甘味と独特な灰汁 シャキシャキとした繊維質は人の咬筋力では噛み千切ることは不可能であろう


633 : クルト・カントール【深紅の篭手】>>510 :2017/02/04(土) 22:31:42 ???
>>626

【アキレスの叫びはスルー。傭兵たるもの一気呵成に、である】

「何だコレは?取りにくいが新手のレーションか?」

 モチを知らぬクルトは奇妙な物体Xを、覚えたばかりの箸で摘むのも大苦戦。
 ここは合理的な傭兵思考に準じ、妥協として、オタマで掬うことにした。流石に難しいのだ。

「アチチ…なんだこれは?ペースト状のライスか?
 …まあ、出汁が絡まって慣れると中々だ」

 かなーり苦労したが、食べなれるとモチは口に合ったのかおいしいものだ。

「さて、コイツはどうかな?」

 超☆最上級の大シャコ貝。

 プチプチとしたで小気味よく千切れる弾力をもった快感の食感と、 
 貝そのものにほんのりとした甘味と旨み。ようするにアタリ品である!!!


634 : 相良遥歩【災肢火人】 :2017/02/04(土) 22:32:47 ???
「おーっす、ガス忘れたってー?」

がちゃりとドアを開けて参戦、遥歩。
今回もジョシュアはお休み、ミスカは”急用”にてパス。叢雲は企画の趣旨を理解したのか難色を示した。
そんな訳で今回は遥歩が犠牲者として参戦した所在である。タダ飯にありつけるならなんでもいいらしい。
とりあえず遥歩は強力な発火能力の所持者であるので、ガス切れの場合に備え呼んでおいて損はない。

「あたしが居る限りはガス欠なんて言わせねーよ」
「ま、”コゲつき注意”だけどな」

よっこらせと緑色のビニール袋を降ろしてにかっと歯を見せ、
ファー付きのコートを脱いで壁にかけ、タンクトップとホットパンツだけになって胡坐をかいた。
辛いものでも何でも来いと準備万端である。

「ま、始まってるみたいだし……早速仕込みに入らせて頂きますか」
「遥歩サマの0円食堂、開幕ってな」

手始めにポイと投げ込んだのはニンジンの皮だ。
……まさかどこかのゴミ箱から漁って来たのだろうか?
ともあれ食べられたものではない、ということはないが、味は臭く好き好んで食べる人間は少ない。


635 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 22:33:57 ???
>>630
さーて次は、おっとと、根菜?
【野菜なら少なくとも変なものではない筈だ。甘い幻想は数秒後に打ち砕かれる!】

…カラッ!?なにこれっカラい!生!?
【唐辛子やマスタードとは違う辛さに悶絶!暗闇の中、「ドカ」だの「ダポダポ」だの嫌な水っぽい音が引っ切り無しに聞こえてくるだろう】
あ゛ーっ!?高かったズボンが!!


………
【顔が見えれば、ブスッとした愉快な(ソーマ評)顔が見れただろう】
【黙々と何かを鍋に投げ込む。ポチャンポチャンと軽い音を立てて水に飛び込むのは、なんとバイオコオロギ!】
【一応食用なので、妙にトゲトゲしているのを除けば、超薄味のエビっぽい風味がするぞ】


636 : クルト・カントール【深紅の篭手】>>510 :2017/02/04(土) 22:34:39 ???
>>632

「甘いのはいいがなんかコレは?」

 かめばかむほど甘い味が出るが何か繊維質のソレは、
 アクはあるし、なにより噛み千切れない。うむ!!

「なるほど!これが闇鍋の醍醐味って奴だな」

 年甲斐のなく楽しむ男。クルト・カントール。ひょっとして娯楽に飢えているのだろうか?

「ふう、中々難儀だったな。たぶん、サトウキビだったな」

 うむ、いい食材が続いている。これは取っておきのモノを投入しなくては。

≪おいこらオッサン、年甲斐もなく浮かれすぎだろJK?≫

 頭から一本触手めいたものを生やした人面魚。
 むかーしむかし、シーマンというゲームがあったそうぢゃ。

 ttp://livedoor.blogimg.jp/games084/imgs/3/b/3b60076d.jpg

≪寂しい青春送ってきたかr≫

 クルト・カントール、無慈悲にシーマンを鍋に投入。

「実際、美味いぞ?トローヤーの森の泉で捕獲した。かなり珍重されているらしい」

【→シーマンが鍋の中で泳ぎ始める。なお、食べられる前に、非常にイラっとくるコメントを残すとか何とか】
【→なお、食感はタラの白子みたいな食感ですごくオイシイ!】


637 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/02/04(土) 22:39:46 ???
>>629
「……え、なにこれ」
「ちょっとごめん、手で失礼するね……」

瓶である
箸で持てるはずがない、手を添えてなんとか救出

「アチチ……ちょっと誰よこれぇ……」
「……よいしょ、開い……んぎゃーーー!!!!」

瓶を開けた刹那、噴射されるアツアツの炭酸
顔面直撃である、そりゃ熱い
悶絶しながら転がり、戻って来るのにやや時間を要した

「……もう……殺気を感じたよ……」
「あ、ニアのやつから何か一つ……」

タオルで顔を拭きながら、ニアのバックから何かを取り出し投入
お約束のタイドメイカーだ
元来食用ではないこれは無論不味い
埃まみれのミズクラゲを食べる、と言った喩えがしっくり来るであろう


638 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 22:43:03 ???
>>634
「おや、犠牲者がまた一人……」
【暗闇でヒッヒッと嗤うソーマ。灯りを見れば病的なまでにその場から離れる】


0円食堂?嫌な予感しかしない……
【ブツブツ言いながらおたまで掬ったのは、妙にペラペラしたもの】
【間違えて出汁の素でも取ったか?と思ったが、一応口に運ぶ……】

ウェッ!なんだこりゃ!?
【思わずペッペッと吐き捨てる。粗末な物を食べて育ってきたが、流石にゴミを食べたことはない】
【意を決して口に運ぶ。極々僅かな野菜の風味。やはりゴミか】

とんでもないもの食わせやがる……あ、私の番か…
【数秒悩み、鍋の中に入れたのは皮を剥がされた大鼠の頭部!肉もそんなにないし何より多少煮込んだ程度では改善されないほど臭い!】
【ジョークのつもりで持ってきたが、他の連中がその気なら仕方ない。お皿にすっぽり収まるサイズの頭部は、ボチャンと大きな音を立てる】


639 : 相良遥歩【災肢火人】 :2017/02/04(土) 22:44:29 ???
>>633
「取りづらっ……はむ、あちち……はふ」
「ん゛ッ……!?」

クソデカい塊に箸が当たり、取るのならこれしかないと格闘。
デカい、弾力があって取りづらい、口に放り込むと熱い。
ハズレを引いたかと顔を顰めたのも一瞬。

「うっま……」

蕩けた表情、じょばーと涎を噴き出し暫し恍惚。グルメ漫画めいたリアクションだ。
実際越境生活で口にしたものは劣悪そのもので、ここまでのグルメなものにありつけることはままない。
ゆえに感激の涙すら浮かべ、しっかりと味わってそれを嚥下した。

「さて、と……気を取り直して今度はあたしの番だ」
「ちょいと特別な仕込みを施してやるか……」

ガサゴソとビニール袋から取り出したのは生鮭。
訳アリ品らしくそのまま出すのは少し気が引けるので、異能で炙ってからのご提供。
ぼうっと火柱が立てば一瞬明るくなる室内。パリパリに炙られた鮭をぽいっと鍋へ投入。
なお鍋へとぶち込むことによってパリパリ感は失われるものとする。


640 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 22:45:01 ???
>>631
アキレス「うぅ・・・せめて普通のモンが喰いたい・・・」
涙目になりながら箸で探ると 今度は植物らしきもの

アキレス「・・・野菜? そうだ春菊だ!!」
ひゃっほいと悦び勇んで口に入れ

アキレス「・・・お゛え゛っ」
嗚咽二度目

これまたえげつないエグ味に数度咀嚼しただけで思わずお皿に吐き出し
ジュースで口の中を戦場

アキレス「うぅ…みんな酷いや・・・なら俺だって容赦しないぞ!!」

アルミホイル投下!!
ガルバニー電流により 銀歯や金歯がある人には噛んだ瞬間口の中に地味な電気ショック!!
そう言ったものがない人にも シャキシャキしたアルミホイルの口当たりは最悪と言っておこう


641 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 22:52:11 ???
>>637
嫌な音がしたな…大丈夫?
【周囲から聞こえるアビ・インフェルノの様相に、今更ながら戦慄】
【自分は何かとんでもないミスをかましたのではないかと漸く不安になる】

何これ、ブニブニしてる…
【何とか皿に盛れたが、労力に見合うかと言われると…】
味が無い…マズイ……
【泣きそうな声で何とか完食。無駄に腹が膨れた】

あと入れれそうな物ったら……お、あった
【取り敢えず楽しみ方は分かってきたようだ。何の躊躇いも無く味も何もないキャベツの芯のところ「だけ」を投入!】
【深い意味はない。こいつが芯のところが嫌いなだけだ】


642 : クルト・カントール【深紅の篭手】>>510 :2017/02/04(土) 22:52:53 ???
>>635

「待て、これ箸で掴んだが何かワサワサ動いているぞ?」

 アワレ、よりにもよってコオロギを捕まえてしまったクルトは、
 さすがに、箸から伝わる生き物的気配に顔を引きつらせる。
 しかし、このようなカオスこそ闇鍋の醍醐味なのだ。

「…俺はプロだ!!」
 
 傭兵のプロであることと、闇鍋と何の関係があるのか不明であるが、
 とりあえず食す。何とか食す。エビっぽい味がするが…

「虫…昆虫だな。ミッション以外で食うことになるとは思わなかったが」

 味としては及第点である。まあ、耐えられる範囲だ。至極問題なし。のはず。うむ。

【なお、お前も大概エゲツナイものを投入しているだろというツッコミはスルーである。
 テンション上がったオッサンは中々に強固なのだ】

「さて…んっ?政治将校殿からの差し入れか?」

 イムカからの差し入れ。海亀と鶴と朝鮮人参を串で繋いだもの。
 海のもの、山のもの、陸のものの食材三味の組み合わせである。

【栄養価重点!なお、味は…食べていれば段々味などどうでもよくなる】
【何か、食べれば食べるほど感情が希薄になっていくような…イムカ料理!
 ヤバさに気付いたなら、正気を保ちながら耐えて食べる推奨!!→SANチェックに失敗すると「食」に対する興味が消失する】


643 : 相良遥歩【災肢火人】 :2017/02/04(土) 22:53:56 ???
>>638
「おっ、またデカイのが来た……」

よっしゃとガッツポ、生煮え状態のソレにあたりを付けてサッと掬う。
せっせと皿に運んで、それを口に放り込んだ。

「マッズ!!クッサ!!何だよこれ……!!」
「………ん?」

口の中に放り込んだネズミの頭部をゴリゴリと噛み砕き、謎のエグみと臭みに思わず咀嚼する口が止まった。
不味い、いや不味いなんてもんじゃない。口の中に残ったカケラをぺっぺと皿に吐き出せば、
頭蓋骨の破片と眼玉と、そして白っぽいやわこいカケラ。

「ゲホッッ!!」

こんな感染症不可避なモノを食べさせられて溜まったものではない!!
咳き込む遥歩の手から零れ落ちたのは越境対応のケータイ(止まり木レンタルフォン)
借りものな上本来ならば鍋の中に入っている謂れも無い物体である。


644 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/02/04(土) 22:56:09 ???
>>636
『よォ、お前も寂しい青春送ってそうだな』
『今時忍者なんだって? ……今時ねぇ』

「 」

最早絶句
喋る物を食べるのはツライ、何せ七八は割と常識人寄りなのだから
充分時間を掛けて覚悟、意を決して口を開く

『……これで私の仕事は終わり』
『ま、忍者はキッチリ死ぬ迄忍者していきな』

「……うぅー……なんか後味悪いー……」
「……ん? 」
「あ、でもおいしー」

結構ゲンキンなもので、味が良いと分かれば箸は進む

「あー美味しかった」
「えっと、じゃあまたニアの……」
「えっ? これって……あっ」

コーヒー豆を砕いた粉だ、粉である
オタマで掬って味わって頂く以外あるまい、箸で挑むのは愚の骨頂
焙煎してある為食べられなくはないが、口内に張り付きしかも苦く、ガリガリと硬い
更に溶け出したコーヒーエキスが周囲の食材に効果を及ぼすであろう

【コーヒーによるフィールド攻撃!】


645 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 22:56:40 ???
>>639
アキレス「あ゛〜」
度重なるエグ味に口を閉じられないアキレス
ジュースや酒のちゃんぽんでどうにか和らいだので食事再開

箸に当たったそれを持ち上げ 祈るように口に放り込み

アキレス「・・・・? ・・・・・・ッ!! うまいぞー!!!!」
やっとアタリを引き当てる よかったね

モグモグと楽しげに鮭を咀嚼し ビールで流し込んで終了

アキレス「そろそろアレ 逝くか!!」

キャンディ(メロン味)投入 鍋で柔らかくなったアマアマダルダルの溶けかけキャンディ

《新ルール フィールド攻撃発動!! このレスから↓3までの食材にキャンディ(メロン味)を付加させる!!》


646 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 23:00:35 ???
>>640
おい、何かガサガサした物が当たったぞ。落し蓋じゃないのか?これ
【流石に食材じゃないものぐらいは分かる。怪訝そうな声で訴えるが、これも食べなきゃいけないらしい】
【やっぱりカシャカシャしてる。ゴミを捨ててる気分だ】

……ウェェェ……。やっぱりゴミだったよ…
【幸い歯は健康だったので、嫌な電気は浴びずに済んだ】
【だがそれ以外の全ての問題が解決されたわけではない。というか問題しかないのだ】
【流石に金属類は食べられず、こっそりゴミ袋にシュート】

だんだんむかっ腹が立ってきたぞ…。なんで楽しいパーティーでこんな経験しなきゃならないんだ…!
【静かな怒りに震えるマンジュシャゲが鍋に入れたのは、クソマズイと評判な上に消費期限切れの軍用完全栄養食品!】
【味も食感もまるで硬くなりつつある粘土の様なソレは、温まることによりぬらぬらテカテカと油やら何やらが染み出し、ヒジョーに取りにくい】


647 : クルト・カントール【深紅の篭手】>>510 :2017/02/04(土) 23:03:51 ???
>>641

「ガリガリ…」

 かんだ瞬間、ジト目になる老兵である。
 キャベツの芯。ひもじい時にコレで急場を凌いだものだ。

「まあ、出汁は出るんだ。出汁はな。うーむ…って、甘いし苦いに出汁がおかしくなっているぞ!?」

 好んで食べたいシロモノにアラズ。うん、アラズ?ああ、思い出した。

「トンチキ嬢ちゃんから持たされていたな」

 七八の持ってきた何かに対抗するかの如く、ディープメイカーを投入。
 所謂、ナノマシンで構成されたα-12の触手である。ワタシを食べて☆ってやっかましいわ!!

>>637で、ニアのタイドメイカーが埃塗れのミズクラゲという表現が為されていたが、同系統のコレはどうか?】

 食感はナマコである。しかも、地味に料理スキルがアレなα-12の手によって、
 柚子の風味をつけた酢造りになっている。ぶっちゃけ…

『タコタコ=サンとは格が違うのデス!ハーッハッハッハッハッハッ!!』

 珍妙な対抗心をこじらせたトンチキの高笑いが聞こえるようである!!!

【→ディープメイカーの酢和え/一流和食料亭レベルという食材から懸け離れたフザけた逸品】


648 : 相良遥歩【災肢火人】 :2017/02/04(土) 23:08:24 ???
>>642
「さぁて……うぷ、お次はァ……」

満身創痍になりながらも次の具材を求めてお玉を泳がせる。
何か掛かった重量感を認めれば、更に掬い上げて鼻先を近づける。
今度は有害そうなものでもなさそう、遠慮がちにまずは一口。

「うま、なんだこれ……うま」
「鶏肉と………ま、なんでもいいか」

亀肉を鳥か何かと勘違い。高麗ニンジンにいたっては何かも見当が付いていない。
まぁ食べられるものならなんでもいいと、

「うん、んまい!」

かぷりと甘噛み、根元からするすると具を串より引っこ抜いと頬張る。
もちゃもちゃと咀嚼しつつ幸せそうに顔を綻ばせた。

【食への興味というより素材への興味が消失、渾身のアホゆえに効果はいまひとつのようである】

「ふゥ……ま、こんなところかな」
「腹も膨れて来たし……とっておきを出すかァ……」
「オラァッ!!」

ぼちゃぼちゃと連続する水音。何をぶち込んでいるのやら。
なんと遥歩、叢雲がロイと共に(1か月ほど前に)造ったオセチの残りをぶち込んでいる。
何が当たるかはお楽しみ。冷凍してあるので、腐海状態程までは発行が進んではいないとだけ書き記しておく。


649 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 23:08:42 ???
>>645
アキレス「・・・ッ」

ここでアキレスの脳裏に電流が走る
他のメンツの声を聴く限りでは あまりひどい味の物には当たってないはず

ならば今ツユを飲めば その一回分はゲテモノを喰わなくて済むのではないか!?

ということでお玉でツユを掬い・・・

アキレス「コーヒーの匂いがする・・・」
絶望感漂う香り しかも塩味である

アキレス「えぇいままよ!!」
ズズっと啜り

アキレス「お゛エ゛っふ…!!」
先ほどまでのエグ味は無い者の それでも圧倒的苦味である ついでにしょっぱい

アキレス「苦味 エグ味 俺の投入した甘味 辛味がタリン!!」
投入したのはハバネロ 唐辛子の一種である

唐辛子の一種である


650 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/02/04(土) 23:09:05 ???
>>643
「重っ」
「……ガジガジ……いやこれ無理無理!」
「てか誰かー、電話鍋に落としてるよー!」

何か食べ物かな、と思い齧ってみる
しかし硬い、確実に食物ではない
流石にギブアップだ、しっかり見ればなんと携帯電話
すぐ様乾燥させれば電気系へのダメージは最小限に抑えられるはずだ、水没させてしまって慌てて電源を入れるのが一番マズイ

「そろそろ私の食材でいっか」
「えーっと……これなんだっけ、まぁいっか」

投入したのはなんと豚肉
この混沌に於いて豚の細切れ肉
しかもそれなりのグレードの肉である、いい豚は脂が旨い


651 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 23:13:10 ???
>>644-645
あれ、おい、おたまから離れないぞ…。なんだよこれぇ…
【溶けかけの飴はおたまに張り付き、やっと引き離したらぽちゃんと皿に溜まった出汁に落下、汁を飛び散らす】

甘い…いや、苦…誰だよ!相反する味を混ぜたのは!
【バァン!思わず炬燵をどつきツッコミ!
二重のフィールド汚染を受け、苛々も募ったのだろう】


【頭に来た…と入れたのは、半透明のウミウシめいた奇妙なナマモノ。以前旅した世界で拾ったものだ】
【まだ生きているそれは空を仰ぐ様に胴の前の方を持ち上げ───鍋に沈む!】

≪キィィィィィィィイイイ───!!≫
【ピクピクと未だもがくそれを口にした瞬間、ある種の衝撃が食した人を襲うだろう。まるで頭の中で飛行機が飛び交うかの様な、耳にくる衝撃】
【感受性が高ければ更にその中に宇宙を見るだろう。星々の海…。古き神…。飛び交う電波…。無数の触手…。悍ましい白痴の主…】
【そういったダイナモでコズミックでクルクルパーなビジョンが脳裏にこびりつくだろう。感受性が高ければ】


652 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 23:18:10 ???
>>648
アキレス「あ゛〜」
コーヒーの苦味にやられてまたも口がふさがらないもーどのアキレス

次は・・・

アキレス「・・・なんだこれ?」
よく分からないねっとりした何か それを口に入れ

アキレス「・・・・・・・甘い」
自分の入れたメロンキャンディ風味もそうだが 妙に甘い この甘さは

アキレス「・・・栗きんとん?」
鍋にはミスマッチであるが まぁ食えないことはない 何とも面白くない味だった

アキレス「そろそろコレもどうかな?」

ホンオフェ投入!! 強烈なアンモニア臭を放つエイの刺し身をためらいもなく投入した!!


653 : クルト・カントール【深紅の篭手】>>510 :2017/02/04(土) 23:18:21 ???
>>646

「くそっ!懐かしい味だなっ!!」

 軍隊経験が長いクルトにとってはある意味でおなじみの、
 同時になんでパーティーでこんなものを食わねばならんのだという味わい!!

【甘苦い出汁に油っぽいレーション的なアレの、超高カロリーな味わい。これはひどい】

「くっ…味もそうだが精神的にダメージを受けたな。そういうことなら俺にも考えがある」

 投入…グラブジャムン!!

 インドのお菓子でミルクから造ったボールをギーで揚げ、激甘のシロップに浸したものだ。
 その甘さたるや、甘味で脳がやられるといわれる位の常識を遙かに超越した甘さ。

 どのような甘党でも、問答無用で叫びだすQ極の逸品である。
 味?甘すぎて判別なんて高度なことできるわけないだろうJK。ひったすら甘いのだ!!!!!


654 : 相良遥歩【災肢火人】 :2017/02/04(土) 23:18:39 ???
>>647
「なんかさっきから特定個人の具材しか拾ってねェ気がする……あたしの気の所為かなァ」
「よっこらせ……な、なんだこりゃァ……!?」

メタいこと言いつつ具材を皿にのせる。シルエットがイマイチハッキリしない物体だ。
皿の中身はなんだろなと箸を近づけ、一思いに口に含む。

「かったい……んでマッズ!!殺す気か!!」
「うねうね系はキッツイなァ……うげぇ」

う、と短く唸って不服そうな顔。顔を顰め眉を顰め、そのままスローペースでの咀嚼。
折角の料亭レベルの酢和えも、この狂気的なメロン出汁にすっかり汚染され見る影もない。
せっかくの一品も遥歩的にはイマイチだったようだ。

「さーてぇ、残りは何があったかなーっと……」
「あ゛」

ぼちゃん、袋の底が抜け落ちたのは靴下である
12時間の労働を経て、遥歩の汗がしっかりとしみ込んだ危険なブツだ

【AoE(範囲効果)発動!!以下3レスに渡り、食材に情熱のかほりが付与される】


655 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/02/04(土) 23:21:40 ???
>>649
「今度は……ん、野菜かな?」
「ガリッ……あ、シシトウ……?」
「……?」
「……」
「……がおーーーー!!!!」

久々にマトモな食材に当たったなとほくほく
シシトウは苦味を感じるが、それがその内クセになるなかなかの野菜である
噛んでいる途中から汗が吹き出し、はて何事かと小首を傾げる
そしてややあってから突然上を向いて火炎放射
火炎はやがて収束し、薄紫に輝く光線状に変化した
射線軸上の物体全てを焼き切る破壊の光である
まぁギャグパートなのでそう言った被害も次のシーンではすっかり元どおりになっているのがお約束だ

「……あーもー……」
「口の中がヒリヒリするぅ……」

よろよろと何かしらを掴み投入
さて今度は……おっと、間違えて非常食用の羊羹を入れてしまったようだ
アツアツに煮えた羊羹である、しかも出汁との調和の悪さと言ったら相当であろう


656 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 23:22:42 ???
>>650
次は…あ、美味しい…
【マンジュシャゲの荒んだ心に一筋の光が射す。久しぶりに食べた気がする、真っ当な食品】
【仮面の奥で涙が溢れそうになる。何気なく食べていた肉。良いグレードとはいえ、それがこんなにまで、美味しいとは……】

けど私、肉の脂あまり好きじゃないんだよね
【ファッキン貧乏舌。アスホールクソ感性】


さて…気も少しは紛れた。ちょっとは良いものにしてやるか…
【ぽちゃんと投入したのは、何故かあった味付きゆで卵】
【ホロホロアツアツの黄身は、崩壊しながらも高温で口内を蹂躙していくぞ】


657 : クルト・カントール【深紅の篭手】>>510 :2017/02/04(土) 23:23:08 ???
>>652

「……うぷっ!!」

 完全にアウトであった。直前に放り込まれたブツに咥えて、
 ホンオフェである。これは無理である。無謀である、ナミアミダブツ!!

「…………」

 齧った瞬間に、洗面所に向けてダッシュ!
 さらば、老兵!ゴットスピード、クルト!!

「オロロロロロロ(検閲」

【死〜ん…ナムサン…ナムサン!!】

 クルト・カントール(再起不能-リタイア)

//これにてクルト脱落!ナムアミダブツ!!!


658 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/02/04(土) 23:27:35 ???
>>654
「ん?……何これ……」
「食べれるやつかな……モキュ」
「〜〜〜!?!?」

一口齧れば染み出す色々
アレだ、お口の中がフィーバーしている
既にヤられてしまったクルトに躓きながら洗面所にダッシュ、そのあとは自主規制としておこう
そして彼の亡骸()に折り重なるようにしてダウン、2人目の犠牲者と成り果てたのであった


659 : マンジュシャゲ ◆.zilz3o6.U :2017/02/04(土) 23:32:05 ???
>>654-655
この調子でどんどん…あづっ!?あづつつつつつ!
ウェーッ!しかもマズイ!
【和のクソ熱い甘さと塩系の出汁、しかもなんか変な臭い!これほどまでに食欲の失せるものがこれまであっただろうか!?】
【えづきながら情熱的な羊羹を完食。半泣きになりつつ、ではない。すでに半泣きだ】

「ゲェーッ!剣道の籠手みたいな臭いする!」
【エンガチョーと叫びながらソーマタージは逃げていった。功労はこの点だけか】


【仮面の中で人知れずシクシク泣き、傷心の中鍋に投げ入れたのは、まだ凍ったままの冷凍餃子】
【霜のついた餃子は、多少鍋に入れたぐらいでは解凍しないだろう】


660 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 23:32:19 ???
>>652
アキレス「さ〜て次は・・・」
何か掴んだ 口に放り込んだ

アキレス「・・・・・・」
硬直 頭の中で無限の宇宙が広がっている

電波 触手 古き神 その他いろいろ


あきれす「……いあいあ」
譫言のように何かをつぶやくアキレスが復活するのは 日が昇ってからであった

《アキレス 再起不能》


661 : 相良遥歩【災肢火人】 :2017/02/04(土) 23:35:18 ???
>>653
「うお、何だこの……溶けるような口当たり」
「もったりと……甘みが広がって……うま」

さくさくねとねと、シロップの絡みついた甘みの塊を齧り、
それからまぁ、これなら余裕と口の中に放り込んだ。

が、

「しつこッッ!!?」
「何だコレ!?甘いなんてモンじゃねェぞ!?」

くわっと目を見開き、口の中の殆どを支配された状態、声なき声でツッコむ。
ねっちゃぐっちゃとなんとか咀嚼してゆくも、どうにも飲み込める気がしない。
やっとこさ飲み込んだのは格闘が始まって10分ほど経過したその時であった。
甘党たる遥歩ですら、これはちょっとゲンナリきたようである。

「う゛ー……ちょっと横になるわ……」
「コレ以上喰うと太りそォだしなァ……」

完全にMPを削り切られ、憂鬱な表情で箸を置く。
まぁタダ飯にありつくことはできたし、成果は上々といった所だ。
小さく伸びをすればごろりんちょと横になって目を閉じる。
屍の山のすぐそばで、彼等にもたれかかるようにして眠りに就いた。

//そいではじぇいもコノヘンデッ


662 : ロイかぶり ◆eZKgukyN3c :2017/02/04(土) 23:41:39 ???
>>全員対象

ロイ「さ〜て終わったかな?」
のっそりやってきたのは 後片付け担当のロイである

ロイ「あ〜ぁ こりゃひどい」
苦笑 そして一行を布団に寝かせ 鍋のような何かを片付けるのであった

//そいでは終了 オツカレサマドスエ


663 : おんも :2017/02/18(土) 21:09:18 ???
フリダヤの後日談!

フリダヤの反カノッサ勢力は絶対拠点たる空母を失い、やがて鎮圧された
かと言ってカノッサ側は、境界間狙撃基地を失う結果となる

フリダヤ制圧作戦、境界間特殊攻撃計画
その何方も一部の勢力が独断で行った作戦、開発であり大局の本筋には絡まない
小さな支流での戦争だ

だがしかしその作戦、開発がもし万が一成功していればこの戦争は
或いは掃討戦の決着を示す時計の針は確実に進んでいたであろう
痛み分けの結末を迎え、更に戦争は続く

『……そう、この戦いは終わってはならないんですよ』
『少なくとも私たちが知る以上では』
『人類初の、境界間戦争』
『……それがもたらす技術の、知識の、それらの進歩が』
『どれだけの益を生み出すでしょう?』
『……私には想像もつきませんが、莫大なモノであると断言出来ます』

多くのいのちを奪い、更に悲劇を数多振りまくこの大戦争は
やがて歴史という記録へと風化していくであろう
だが、それでも尚

『人類は戦い続けるべきなんです』
『越境のすべての解答を得られる、その時までね』
『えぇ……今の貴方は……エルフリード? あぁ、エルダーさんですか』
『……ではまた、近々、エルダー・グロウリー』

血反吐を吐き続けながらも、人類は走り続けるのだ

『……さて、残りの始末書片付けないとですね……』


664 : カルゥゾ・シック【ニヒラブラ】 :2017/03/16(木) 23:34:09 ???
【神話世界エリュシオン、首都近辺にて!】

「我がルーツ 探し求めた 此の地にて」
「終ぞ見えた 賽印当主」

夜の森、闇より出でる歪みは蒼い燐光を伴って。現れたるは虚無の影。
ギラリと光る機械の眼は、三つの点となりて不気味に此方を見つめる。
身体の各所に同じ光を宿して、最後に背負った大きな刀が輝きを帯びた。

「忍び技の 切れ味しかと 焼き付けん」
「逢いたかったぞ 四五六那由多よ」

誰だと思わず叫びたくなるようなトンデモリーズンを押し付けて。
腰から抜き放ったドスを左手を沿えて構えて、敵意満々のこの男。
彼こそ今宵の依頼の討伐目標。無貌の忍者ニヒラブラ。

自らの流派の当主がここに居ると聞きつけ、なにかと難癖付けては道行く冒険者を狩りまくる。
そして賽印流を名乗りその悪評を広げる。そんなこんなを繰り返してついにギルドから指名手配されたという経緯を持つ。


665 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/03/16(木) 23:41:15 ???
>>664
「……いやいやいや、誰よ、そして誰よ」
「そもそも私当主じゃないし」

全くもって疑問符しか浮かばない
パチクリと大きめな瞳を瞬かせ小首を傾げるは七八
なんだか全くアレなアレがまた出ていると聞いてやって来たのである
しかしスプロールでは日常茶飯事なこれも、エリュシオンでは珍しい
しかもどう見てもエリュシオン生まれではなさそうな彼を前にして

「あなた、もしかしなくても越境者だよね?」

無論警戒の糸は鋭く張り巡らせ、しかし直立したまま尋ねる七八


666 : カルゥゾ・シック【ニヒラブラ】 :2017/03/16(木) 23:48:35 ???
>>665
「その眼利き やはり当たりか 見事なり」
「無粋なり 俺には効かぬ 隠し立て」

七八が自身を越境者と見破ったことに彼女が当主であると確信したようだ。
指を一本立ててチッチッと舌打ち。そのまま三度振るって、
エフェクターを通して犯人めいた低い声となっているが、それでもドヤっているのが判った。

「我が力 ここに示さん とくと見よ」

刃を交わせば全てが判る。そうとでも言いたげである。
ドスはキラリと光を放ち、いつでも七八の首を刎ねんと狙いを定めて。
湿った土と草とを抉りながら、ニヒラブラは真っ直ぐに駆けた。
身体を大きくしならせて、轟音と共に大振りのドスの一閃。


667 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/03/16(木) 23:55:32 ???
>>666
「多分、誰が見ても大体分かるよ」
「あのさぁ……だから私は……」
「……ってウソでしょちょっとぉっ!?」

ぐったりと肩を落とし、疲れた様子で
実際この僅かな会話の合間に随分と消耗したのだ、何方かと言えばツッコミ側の人間の自覚はあるがそれすら追いつかない
だが直後、直後である
思い切り仰け反り、追いつかなかった前髪の一部が視界の中で舞った
ここからは体が自動的に行った行動だ
即ち右腕を振るい、その刹那の前に抜いた忍者刀での横薙ぎの一閃を反撃として放ったのである


668 : カルゥゾ・シック【ニヒラブラ】 :2017/03/17(金) 00:05:41 ???
>>667
「ふゥッ!!」

ぶんと空気を切り裂く音と共に、蒼く輝く短刀が七八の首のあった場所を通り過ぎた。
はらはらと舞い散る髪に、微かに映る蒼の反射光。素早く続く反撃に、ニヒラブラは落ち着いた対応。

「甘い」

ぎゃりりと火花を散らして、左手で忍者刀を受け止めた。滑るやいばに、掌には深く切り込みが走る。
されど本体への直撃は避けられたし、いまだ機能への支障はない。
この辺りは人間とは一線を画す構造の違いである、痛みの煩わしさから解放された強み。

そして肉薄した才に彼のボディにプリントされた、GSG9やらPOLIZEIやらの文字が目に入るだろう。
エリュシオンにて公用語ではないアルファベート、それにアラビア数字の数々!
奇怪な見た目もあって、多分越境者の存在を知らぬ人物であろうと、異邦者という予測は容易だ。

「賽印流、カゲヌイ!!」

刃を返した七八の、さらにその隙を突くように身体を落とし、押せ押せと肉薄、真下からのコンパクトなアッパーカット。
短刀を逆手に持ったそれは、素早い動作にさらなる射程と威力を得た鋭い一撃だ。
問題点としては、身体も短刀もピカピカであり、全く死角からの攻撃の利点を活かせていないところか。


669 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/03/17(金) 00:17:52 ???
>>668
「なにそれ初めて聞いた!」

凡そ全ての賽印の技を見知っている七八としては、いつの間にか編み出された新技にビックリである
最もイムカの苦無術、雨垂れも同じような経緯で知って今では逆に七八が使用するにも至っているが

「……っ、いだだだっ……」
「……もうっ!!」

半歩身を引いて躱し……切れない!
切っ先が七八の胸から肩にかけてを捉え、鮮血が舞った
そしてその飛沫が宙にある内に反撃、左腕を振るう
飛び出した2本の苦無がそれぞれ右左の脚元に迫り、くるぶしの関節部を狙うであろう
最もそれは苦無自体ではなく、括られたワイヤーでの絡み付けが主眼のモノではあるが


670 : カルゥゾ・シック【ニヒラブラ】 :2017/03/17(金) 00:31:15 ???
>>669
「殺(と)った」

七八の胸を切り裂き、紅の血潮が散るのを見れば確信、表には浮かばぬ、されど笑みを浮かべる。
実際カゲヌイは逆手の正しい使い方であり、主に刺突や格闘のリーチを補う逆手持ちの理に適っている。
反りを持ったドスの切れ味は強烈であり、逆にはじめは激しい痛みすら伴わぬほどのものだ。

「賽印流……」
「リュウジンノケンヲクラエェェェーーーーーーッッ!!」

勝利を確信したニヒラブラ、ドスを格納し一歩下がって体重を前に傾ける。
バックステップから、跳ね返るようして前進するまでのその一瞬の間。
胸の前で片手で印を組み、そうして背中の刀を抜き放ち一回転させると共に絶叫。
くるぶしの周囲を一周し地面に突き刺さるクナイは気にしない。痛みも無ければ行動に支障もない!
このまま袈裟で斬りかかって、彼女を両断せんと、

「アバーーーッッ!!」

そうして踏み込み全速力で前進、ばいんとおもくそワイヤーの突っ張る音と共に、顔面を地面に叩き付けた!
地面に大の字に倒れたまま、ヘルメットの光がチカチカと点滅、そして力なく消える。

「み……見事」
「我が刃……その首断つと……確信……せり」
「されど……驚愕、この俺すら……凌駕…す」

「……字余り」

最期に辞世の句めいてなんか言い残して、そのままガクリと力尽きた。


671 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/03/17(金) 00:37:10 ???
>>670
「あー、もー……また服汚れちゃったよ……」
「……さてそれより……」

賽印流の奥義を持ってして編まれた装束は、繊維に馴染ませた薬草効果が傷口に作用し止血効果を高めている
だがそれでも溢れる血を完全に止める事は叶わず、簡易の止血キットを取り出して抑えた

「……どーしよ、これ……」

困った、とエリュシオンにおいては全くの異物であるサイバーニンジャを前に困り果てるのであった

//こんな所で締めでいいでしょうかっ
//ありがとうでした、お疲れ様でーすー


672 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2017/07/04(火) 22:50:27 ???
【越境者――】

 世界渡りだのエターナルチャンピオンだのとも呼ばれているが、
 まあ、端的に言えば世界移動能力(暴発する事間々あり)を持った者の総称という事で間違いはない。

 世界移動するにあたって異能に目覚める者も居れば、
 肉体情報そのものを書き換えられて亜人化する者も居たりする。
 何せ、世界の境界線を踏破するのだ。おかしな事の一つや二つ起こっても不思議ではあるまい。

 実際に大変だったりもする。何せ他世界人にとっては身分証明の無い流民そのものだ。
 早々に現地の互助組織(越境現象は昨今頻発しており、そういうのが出来た)に保護してもらうなり、
 言葉の壁が無いのを利用しどうにか寝食の糧を得たりする必要がある。
 さらには、越境者を人体実験のモルモット程度にしか考えていない連中も多く、それらから身を守らねばならなかったりもする。

 第一、ゲートも曲者だ。既に座標が確定されている世界の出身なら帰還も可能だが、
 そうでなければ二度と故郷世界(ホームワールド)の土を踏めないやもしれむ。

 まあ、本当に大変なのだ。何かと。

 -------------

【スプロール】

 重金属酸性雨が降り注ぐ巨大なるメガロプレックス。
 人々の欲望は解放され、国家解体後の大企業(メガコーポ)が営利のみを追求する、
 まさにソドムやゴモラもかくやといった世界だ。

【近未来世界と呼ぶべきだろう。サイバネ、ネットワーク、拡張現実が過度の発達した世界】
【この世界はかなり多くの世界とゲート確立されており、越境者にとっては足を運びやすい世界だ。そも越境者の存在自体が社会に認識されている】
【ただし、犯罪率と死亡率は糞ほど高く、一度身を持ち崩せば悲惨極まることになる超デンジャラスな世界でもある】

『他の世界から渡ってきた越境者の諸君!NGO団体世界渡り保護組合にすぐにアクセス!』

 うさんくさいホログラムネオンが光る。
 なお、この団体に実際にアクセスした情報弱者の大半は奴隷か実験動物か、あるいはビーカー詰めの臓器に転生して市場行きだ。
 ナムサン!なんたる世知辛い世の中か!!

【さてさて、こんな世界に迷い込んだ越境者。この世界に来て間もないか、
 あるいは一定のルール(身を持ち崩さぬための)を身につけるくらいには慎重に立ち回ってそれなりに経過しているのか、
 それによって、世界(というか展開考えている自分(メタ))の反応が変わってくるだろう】

//上記の情報を仕入れた上でどのように立ち回るつもりか、あるいは立ち回ったか系ロールしてもらえれば展開をついていかせやす


673 : プリシラ・パーネル@魔法少女 :2017/07/04(火) 23:11:02 ???
>>672
日も暮れ、薄暗いアパートの一室に座り込む少女がひとり。
窓を叩く雨、曇天には飛行船が飛び、地上にライトを投げかけている。
大方、どこかの組織に追われている人物がいるのだろう――と、彼女はひとつ溜息を吐いた。

「……遅いな、協力者め」

彼女がスプロールへ降り立ってから2週間。
早期にハッカーとコネを結べたところまでは順調であったが、3日前から連絡が途絶え、本人の部屋にも帰ってくる気配がない。
今頃、彼は大きな虎の尾を踏んで、食人カニにでもバラされているのかもしれない。
備蓄の食料も尽きかけ、この部屋で過ごすのもそろそろ限界だろう。
とすれば、次に行うべきは――

「全く、面倒なものだ」

耐酸コーティング済の傘を手に取り、錆びた蝶番の玄関を開く。
協力者の行方を追うか、はたまた新たな誰かを探すか。
外を歩けば、あるいは進展があるやもしれない。


674 : ひいらぎ :2017/07/04(火) 23:19:01 ???
>>672
…ふん、なーにが「NGO団体()」じゃ…「のーぐっどそしき」の略称じゃろどーせ…

【いかにも怪し気な名前の何やら熱心に越境者達を集めようとする団体を眺めながら呟くのは10歳位に見えそうな黒髪ロングの少女】

【今日まで何度か越境を繰り返し様々な世界や種族の者達と交流し、生き延びて来た少女にはある程度の危険を察知する能力が備わっているらしくむやみやたらと信じてついていったりはしないようだ】

…さて

【どーした物かと辺りをキョロキョロ見渡す】

【少女の見知った顔の者達がどこかにいないかと思っての行動らしいが果たして】

/ケータイさん体調不良()!


675 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2017/07/04(火) 23:23:57 ???
>>673

 ドガン!!!

 玄関を開いた瞬間に耳をつんざく轟音!すわ何事か!?

【もっとも爆発音がBGMのように巻き起こることも間々ある世界でもあるが】

 警戒しながら表を見れば、黒服めいた如何にもエージェントな格好の連中が数人と、
 それをアッパーで天高くぶっ飛ばしてる何かパツキンでやたら尊大な雰囲気でさらにバストが豊満なのが一人。

「ようやっと尻尾を見せたな下郎共が。デッカー物捕りだ!
 貴様らには黙秘権を行使する権利がある。つまり数人ほどは死んでもかまわんと言う事だ」

 そーっと見ればエージェントは兎も角、相手にしている方はメディアでもそこそこ名の知れたヤツだと知れるだろう。
 イムカ・グリムナー。スプロールのデッカー(刑事)にして越境者。治安維持権限委託企業のボス。
 デッカー24時とかいう珍妙番組ではメインコーナーを持っており、アクション映画もかくやなド派手(それでいいのか?)な
 物取り劇がウケている名物デッカー。犯罪者は近づくな。一般ピープルも巻き込まれたかなわんから近づくな!なタイプである。

【はてさて、経緯はワカランが、こんなのが玄関先で複数の黒服連中とドンパチである】
【デッカー(刑事)で、越境者で、それなりに権力もあり、さらには腕も立ちそう…→コネとしてはどうよ?な機会到来であった!】


676 : ロイ・ゴールドマン>500-501 ◆eZKgukyN3c :2017/07/04(火) 23:26:20 ???
>>673
ttps://www.youtube.com/watch?v=AvFGC7Jjaw8

重金属汚染雨降りしきる町中 響き渡る異質な音楽
木目調の対汚染雨の強化樹脂でできた屋台と赤ちょうちん 笛を吹きつつ歩くその男は

この近未来の世界に似つかわしくない革鎧にハルバートやらサーベルやら
兎に角 時代錯誤にも程がある装いの短足男 どう見ても世界にマッチしていない

「♪〜」
紅い暖簾に白文字で「ラーメン」などと書かれた屋台は ゆっくりと進んでいる

轟音? 捕り物? ここではリントの言葉で話せ


677 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2017/07/04(火) 23:27:42 ???
>>674

【数時間前!!】

「どっかの間抜けハッカーがヘマやらかして消された事件があるのだが、
 どうも、越境者をかくまっていたというフシがある」

 ひいらぎにアルバイトチャンスとばかりにやってきたイムカの第一声。

「というか、この看板(世界渡り保護うんぬん)な連中だがな。
 さっそく、現住所を押さえて、確保に向かっている最中らしい。急いで殲滅するぞ」

 相変わらず直截の極みというか決断的な性格である。
 ひいらぎの意志などさして聞かずに同行当然と言わんばかりに急行だ!!

「相手、悪人。暴れる。私はマッポポイントゲット。君はマネーゲット。異論はあるか?」

 ウィンウィン関係!! (>>675に続く!)


678 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2017/07/04(火) 23:31:08 ???
>>676

 進む方向!また惨劇が惨劇やっちょるな現場に遭遇!!!
 巻き込まれたらロクなことにならない御仁NO1である!

【ラーメン屋さんにはUターンすることも、飛び込むことも、あるいはそしらぬ顔でラーメンいかが?もできる。できるのだ!】


679 : プリシラ・パーネル@魔法少女 :2017/07/04(火) 23:34:28 ???
>>675
「きゃーっ!? な、何が起きたんですかっ!?」

突然の爆音に、とっさに頭を抱えてかがみ込む。
その姿勢のまま目線だけを上に上げ、状況を確認する。

(確かアレは……イムカとかいうデッカーか。国家権力に媚を売っておくのも悪くはなさそうだ)

そう思い立つや否や、プリシラは対峙する二者間に割り込み、手に持つステッキを高々と掲げた。

「みなさん、暴力はいけませんっ! 悪い子はプリちゃんが……おしおき! ですっ!」

謎のキメ台詞と共に、イムカへ目配せをする。
悪い人を一緒にやっつけましょう、めいたサインを送っているつもりなのだろう。


680 : ひいらぎ :2017/07/04(火) 23:35:45 ???
>>677
【辺りを見回していたところへふと少女に声をかける美人なおねーさん】

【ふと振り返るとそこにははい、毎度お馴染みトラブルのトップメーカー()、イムカ氏である】

おぉ、いむいむかお久しぶりじゃな…ん?あののーぐっどそしき共がなにk

【一気にまくしたてそのままどこかへ向かう氏の後を少女は必死についていく】

…あぁ、ちょ!!!わしまだ話がよく飲み込めてなi

【何て言っている内に氏を見失いそうなのでとりあえず黙ってついていく】

…あぁ、もう!!!とりあえず行けばわかるのじゃな行けば!!!


681 : ひいらぎ :2017/07/04(火) 23:42:11 ???
>>675
【状況をざっと説明されてついて来たのは何やら(ぼろい)アパート】
【どうやらここに敵のアジト的な何かがあると教えられ向かおうとするも現れた数人の黒服共に襲われる】
…この、わしはれでぃ()じゃぞ!!!もっとてーちょーに扱えこの〇※〆共が!!!

【何やら叫びつつイムカ氏に続いて黒服共に向かって刀を振るう】


682 : ロイ・ゴールドマン≫500-501 ◆eZKgukyN3c :2017/07/04(火) 23:46:30 ???
>>675>>679-680
よくある鉄火場 厄介ごと度MAX 関わるは危険 逃亡するが吉

「おーやってんなー」
だがこの男は動じない 惨劇? 慣れましたが何か?

「ラーメンいかがっすかー」
なんとこの男 こんな鉄火場でラーメン売り始めたぞ
しかもステッキ振りかざし参戦希望の魔法少女っぽい誰かに

「あ〜・・・コネと言う意味ではいいかもだが・・・あまりお勧めはせんぞ」
その視線を目敏く察し おざなりながらもアドバイスを送るのであった


683 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2017/07/04(火) 23:53:03 ???
>>679

「ザッケンナコラー!!」

 サツバツ!魔法少女(?)のキメ台詞などほぼ無視でヤクザスラングと共に
 黒服連中がヘヴィピストルを引き抜く!重金属銃弾を〝マトモに食らえば〟どんなに体を鍛えていても危険だ!

「危ないぞ、保護対象」

 言うなり、イムカはプリシラの前に出る。目配せをあまり察していない。
 というより、保護対象というフレーズ。ここで察しがよければ察せられることがある。

【どうにもこの黒服連中→プリシラを狙った可能性あり。協力者のハッカーがやはりドジこいてしかも巻き込んだ公算高し】
【→が、捨てる神あれば拾う神ありとでもいうか、それを察知したこのデッカーさんがこれ確保幸いと乗り込んできたということか】

 イムカが前に出た瞬間に銃声!が、銃弾はイムカとプリシラに触れる直前で、
 衝撃音と共に弾道がそれて、明後日の方向に着弾。シールドめいた何かを展開しているのか?

【さて、恐らくは守られるだけでもこの状況は特に危険もなく推移するだろう。
 が、それだけでは機に対して、さして足がかりもつけられぬままに〝被害者〟として保護されて、それで終わりである。
 コネクションを確保し、豊かでナイスな生活向上を図るにはやや弱い!】

「スッゾコラー!」
「ドグサレッガー!」

 そして相手はこちらを拉致にでも着たであろう不逞の輩。遠慮は無用である。

【ドス・ダガーでイムカを刺しにかかっている瞬間!おそらくは放っておいても捌くだろうが】


>>680-681

「イヤーッ!!」

 ドガン!と、黒服Eが天高くぶっ飛ぶ。多分顎は粉々。ナムサン!
 そしてひいらぎがカタナを振るえば、ヘヴィピストルを持った黒服Fの指がボトボトと地面に落ちてゆく!

「おっと。結局刃物復活か?」
「スッゾコラーッ!」

 イムカの軽口と共にひいらぎに指をケジメされた黒服Fはドス・ダガーを引き抜いて、
 なんらの躊躇もなく、ひいらぎを刺しにかかる。外見少女を激昂のままに遠慮なく殺しにかかる。
 決断的というよりは安い殺意であると言わざるを得ない。所詮は人身売買組織の端役か。


684 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2017/07/04(火) 23:58:30 ???
>>682

 BLAM!!バキッ!!

 ロイの屋台の天井部分に重金属弾が命中して破損!アクシデンツ!!
 なお、狙った弾ではなく、イムカガ偏向フィールドで逸らした銃弾の命中。流れ弾!!

「んっ!アルバイトの最中か?」

 黒服Gの腹部に黒檀の旋棍をブチあててから、ロイの方を一瞬振り向くイムカ。
 なお、背後から襲おうとしたヤツに回し蹴りくらわしながらだ。

「何がやっているだ。堅実かつ社会的な規範としてのタイホ行動だ。
 職務に忠実な姿そのものなのに興行めいた発言を投げるのはよくないぞ?」

 ワンシーンをカメラで撮ったらアクション映画成立しそうなムーヴしておいてコレである。


685 : ひいらぎ :2017/07/05(水) 00:02:34 ???
>>683
…い、今は数名相手するには一番効率がいいのはこれだと判断してじゃな…

【何とも言動に一貫性のない少女が言い訳がましくイムカ氏に向かって(する必要のない)弁明をしつつ黒服ヤク〇ザ共を倒していく】

【その時、戦闘不能にしたはずの一人が突然立ち上がり、指が残った方の手でドスを握り少女に向かってきた】

【ある程度の戦闘経験のある少女はチンピラ(?)の動きを見て即座に身をかわす】

…まったくか弱い少女()相手に大の男がなにを…しとるのじゃ!

【言い終わるやいなや今度はチンピラの額目掛けてに向かいナイフを取りだし、投げつける】


686 : プリシラ・パーネル@魔法少女 :2017/07/05(水) 00:05:55 ???
>>681-682
「はっ! ご、ごはん……」

ぐうと鳴る腹、掲げたステッキ、周囲の喧騒。

「ラーメンなんて……ラーメンなんて! かわいい女の子は食べないんですっ!」

登場人物が突然二人も増え、混乱のさなかにあるこの状況下で、なおも自身のイメージを気にかける余裕があったらしい。
食欲と印象とを天秤にかけ、後者を選んだようだ。

「そこの女の子もっ、屋台のおじさんも、ここにいては危険です! 私が守っ――」

そこでひいらぎのカタナ捌きに目を丸くする。世界を渡り歩く経験が浅いためか、容姿と実力の食い違いには不慣れなようだ。

>>683
(なるほど、あの男は随分とでかいヘマをしやがったと見える)

保護対象――少なくともこの世界の警察機関は越境者を保護する役割にあるらしい。
なればこそイムカには強い印象を与える必要がある。

「デッカーさん、危ないっ!」

ステッキを振りかざし、魔法を展開。
ふわふわキラキラとしたエフェクトのかかった、空気の塊――のようなものが、どこからか現れ、ドス・ダガーを持つヤクザの腕部めがけて突撃する。


687 : ロイ・ゴールドマン≫500-501 ◆eZKgukyN3c :2017/07/05(水) 00:10:54 ???
>>684
「せやな」
イムカの抗議には肩を竦めて一言

「誰かさんのせいでラーメンも売れん 一つ善意の協力者でもしておくかね」
誰かって誰さ? ヤクザに決まってるでしょ

ハルバートを手に鉄火場へエントリー重点
黒服ヤクザめがけて突撃である

>>685
「か弱い少女がワインの飲み過ぎで赤いゲ○吐くかよ」
その言葉には思わずつっこみを入れざるを得ないあごひげ男であった

>>686
「お腹減ってるんだろ? 素直になっちゃえよ」
その顔はやさしかった

「飯を出せるのはこいつら黙らせてからだがな!!」
ハルバートを手にヤクザへアタックを仕掛けるオッサン

「相変わらず魔法使いはすごいねぇ 羨ましい」
キラキラな空気で相手をボコろうとする魔法少女を見て一言


688 : ひいらぎ :2017/07/05(水) 00:22:27 ???
>>687
…こ、こっちの世界のか弱い少女はもしかしたら吐く可能性も…

【ただ反論したいが為の言葉なので何を言ってるのかよく分からない】
【「てか子供扱いされたくなかったんじゃ?」等と突っ込んではいけない。きっとそれは少女にとって痛恨の一撃()だから…。】


689 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2017/07/05(水) 00:27:02 ???
>>685

「その手の番組(まほーしょうじょ)を研究がてら(情操教育めいた何か)に見てみたが、
 トンファーブレード使うわ、メリケンサック使うわ、銃ぶっぱなすわ、大砲みたいな魔術使うわで
 君が前に語ってくれたイメージとは随分と違う印象を受けたのだが…?」

 ひいらぎのこだわり(あるいは寝言)に対し、なんかそれなりに真剣に含蓄に及んだらしい。
 結果として、伝統ある良き魔法少女モノではなく、近年流行のサバイバーめいた方を資料に選んじまったらしいが。

【どうしてそっちに転ぶ!→イムカが天然でワケワカラン解釈するのはいつものことである】

「ザッケ…ッー!!」

 スコン!!と能力付加のスローイングナイフは事も無げに黒服の頭蓋骨を貫いて無力化する。
 黙秘権の行使!つまり、黙って死んでろってことだ!!

「デッカーのアルバイトとしていい動きだな」

 そして、処刑前提のタイホ劇にあってはいい動きと高評価。
 なんたるサツバツとした治安機構の有り様であろうか。

>>686

「おいっ」

 保護対象が前に出たことにイムカも些か反応に躊躇したようだ。
 が、ここでプリシラが展開したエフェクトが黒服の腕に命中。メシ!ボキリ!と嫌な音を立てる。
 腕がおかしな方向に曲がった!場の雰囲気に飲まれたかのごとき、エフェクトに相反したサツバツ展開!

「イヤーッ!」

 そして、その隙にイムカがその黒服をダメ押しで投げ飛ばして無力化。
 これで口を割らせる相手を一人確保か。

「いささか珍妙なキラキラはアレだが、なかなかにやるじゃないか。
 どうやら守られるだけというわけでもなさそうだ」

 YES!好印象ゲットである。やはり行動こそが利益を得る決め手である。
 事態の推移に干渉できぬものに機は訪れないのだ。

>>687

「アルバイト代くらいは出してやるぞ」

 鉄火場に飛び込めば、ロイほどの兵士にとっては鎧袖一触もいいところである。
 重金属弾のアンラッキーヒットにさえ気をつければ問題なく捌けるレベルだ。

【そして、小粒極まりないとはいえ、この連中も越境者を非人道的に扱い甘い汁を吸う連中だ。
 ロイにとっても遠慮は無用で、このイムカの捜査に協力するにやぶさかではなかろう】

 ----------

【数分後】

「よし、制圧完了。正に模範的デッカー活動と呼べる成果だな」

 12人以上の黒服の内、死亡7.、重傷2、軽傷2。
 これはスプロールの治安維持活動において、比較的平穏な物捕り劇成果である。
 ※モンドムヨーで根こそぎターミネイトも少ないない世界だ。

「さて、私はイムカ・グリムナー。治安維持権限付与企業。インペリアル・エンジニアリンク社のデッカーだ」

 そして、保護対象であるプリシラに自己紹介。
 ひいらぎとロイの事は臨時デッカー(ようするにアルバイト)と紹介しておく。

「先日、あるハッカーが電脳ハックに失敗して脳を焼かれた事件があってな。
 そのデッカーの脳内データ断片がネットに流出。そして君に辿りついたってところだ。
 越境者拉致のクソッタレ組織が動いていたので、まあ、騒がせた理由としてはそんなところだ」

 つらつらと端的に説明。どうやらハッカーはヘマついでにご昇天あそばしたらしい。
 それだけならセンコの一本もいいだろうが、しっかりとヘマに巻き込んで身の危険を引き寄せてくれた様子。
 もっとも、デッカーが動いていたので話の転び方によっては感謝すべきか?

「まあ、保護…というよりは協力に感謝と言ったほうがよさそうだな。
 さて、このボロアパートは何かと物騒だ。レッドエリア(今は物騒なエリアと理解しておけばOK)だしな。
 君さえ構わなければ任意同行…まあ、着いてきてくれるか?」


690 : プリシラ・パーネル@魔法少女 :2017/07/05(水) 00:40:02 ???
>>687
「えへんっ、そうでしょう! 私はやるときはやる、そんな魔法少女ですので!」

ステッキを手にポーズを決める。鏡を前に数時間かけて完成させた、なんかいい感じに可愛く見えるポーズだ。
それから握った両手を顎の下に、上目遣いでロイを見やる。

「ラーメンって、普段は太っちゃうから食べないんですけど……。でもでも、もしおじさんのラーメンが美味しかったら……ファンになっちゃうかも、です♪」

どうやらロイの実力を目の当たりにし、彼とも一定の関係を築こうと考えたようだ。
極端にぶりっ子すぎず、丁度よい「可愛い」のラインを狙ったアタック――と、本人は思っている。

>>689
「皆さん、ご無事で何よりですっ」

周囲の状況(惨状)を見渡し、まずは一段落と息をつく。
ひいらぎもロイもその腕前は確かなものだ。ここで友好的な関係になっておけば、後々自分の益となってくれるはず。
だが、今のプリシラの第一目標はイムカである。インペリアル・エンジニアリンク社は聞き覚えのある企業だ、ここにコネを作っておいてまず間違いはない。

「そう、でしたか……あの人、とてもいい人だったのに……」

目を閉じ、自分を匿ってくれていたハッカーに対する哀悼の意を示す……フリをする。
故人を悼む行為はどの世界でも割りと好印象を与えうる、という彼女独自の行動テンプレートに基づいたものだ。

「……分かりました、ご一緒させていただきます。それで、これからどちらへ向かわれるのでしょうか?」


691 : ひいらぎ :2017/07/05(水) 00:41:53 ???
>>689
…いや、まぁ…そ、そうか…

【少女の頭の中にあるまほーしょうじょ()のイメージとは遥かにかけはなれた話を聞かされ閉口してしまう】

【もっとも拳銃を「闇魔法()」などと称してぶっぱなす辺り少女の中のイメージもイムカ氏の物と大差はないかも知れない…。】

はじめましてじゃな、魔法少女殿わしはひいらぎ、実はわしも闇のまほーしょうじょ()で…

【イムカ氏に保護対象として紹介された少女は、聞かれてもいない(痛々しい)設定をプリシラ氏にし始める】

【ひじょーに長くなりそうなので適当なところで話を打ち切る方が良いだろう】


692 : ロイ・ゴールドマン≫500-501 ◆eZKgukyN3c :2017/07/05(水) 00:42:20 ???
>>688
「そりゃ吐くかもしれんがなひいらぎ 赤いゲ○は女子力低下を引き起こすぞ」
苦し紛れの言い訳にも全力反論の男 ロイ・ゴールドマンであった

>>689-690
「そりゃ魅力的な言葉だな!!」
穂先でヤクザの足の甲を貫く アバるヤクザに渾身の右ストレート!!

「これは屋台の分!! これも屋台の分!! これは越境者を甘く見た分!!」
黒服ヤクザなにするものぞ 終わってみれば酷いワンサイドゲーム出会った

「俺はロイ・ゴールドマン 所謂剣と魔法の世界から来たドワーフ混じりだ 以後よろしく頼む」

そんなレッドエリアの中 煮える湯の中に面を投入 しょうゆベースのタレに鶏ガラなどで取ったスープを足し
茹でた面を泳がせる

脂身の少ないロースチャーシューにシナチク 板海苔 ナルトに小口ネギ 忘れちゃいけない味玉

それはシンプルイズベストな東京ラーメンであった

「腹減ってるんだろ? 喰えよ」
チャーシューを2〜3枚サービスしつつ 魔法少女に進呈
なお打算マシマシのそのモーションであるが

「お・・・おぅ それはありがたいな」
どちらかと言うと 困惑の方が強かった


693 : ひいらぎ :2017/07/05(水) 00:48:12 ???
>>692
…むぅ…確かにのう…ただでさえいむいむと同レベル等と不名誉な評価を受けておるのじゃ…ここは一つ考えんといかんな…
【本人に聞かれたら銃殺刑は必至な事をつぶやく少女】


694 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2017/07/05(水) 00:49:03 ???
>>690

「………」

 イムカは無表情な上に声音にもさして抑揚は無く、一見して感情を読みづらいという面がある。
 もっとも、戦闘中に微妙な素っ頓狂発言から、無感情でもなければ、 
 存外にアレな性格かもしれないと垣間見ることも出来たであろう。

【故人を悼むムーヴの最中も特に声をかけたりなどはしなかった。気を使っているのか関心が無いのかは不明】

「まあ彼(>>692)のラーメンでも食べたらすぐに出発だ。
 ああ、こちら(>>691)の寝言は聞き流しておけばいい。すぐに黙らせる」

 ロイの屋台から最近めっきりラーメン屋で見かけなくなったナルトを取り出して
 ひいらぎの口にスボっと捻じ込みながら、

「ああ、向かうのは我が社だ。一応、この地区のデッカー支部って扱いでもあるからな。
 簡単な聞き取りと、まあ今後の云々についても・・・かな」

 そうして、ラーメンを食した後には、所謂越境者の立ち回り方めいたものを覚えることになるのだろう。

//では遅いのでコレニテー!!ノシ


695 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2017/07/05(水) 00:51:17 ???
>>693

「………」

 さてさて、まあ社に戻った後にひいらぎ=サンに面白おかしい悲劇が起こったような起こらなかったような。
 まあ、神のみぞ知るってやつである まる


696 : プリシラ・パーネル@魔法少女 :2017/07/05(水) 00:58:17 ???
>>691
「はじめまして、ひいらぎさん。私はプリシラといいますっ」

と、はじめは笑顔で相槌を打っていたプリシラだが、次第にその表情に陰りが見え始める。

(コイツ……もしかすれば俺と同様の境遇で、これほどまでに設定を作り込んでいるのか……?)

笑顔の裏では、妙な方向に思考が逸れていくのだった。

>>692
「ロイさん、よろしくお願いしますね!」

笑顔で応対し、流されるままに着席。
眼前のラーメンを食べるべきか逡巡するものの、「出されたご飯を残すのは駄目な女」という信念から、目の前の器に箸をつける。

「……うまッ」

一口すすり、思わず感嘆の声を漏らしてしまう。
素朴だからこそ際立つ醤油の風味、味の染みた具材達、絶妙なコシの麺……。
空腹は最高のスパイスと言わんばかりに、プリシラは勢い良く麺をすすり始めた。

(それにしても、アタックに対するリアクションがイマイチだったな。既に女がいるか、そもそも女に興味が無いのか……)

>>694
「ふぁい、ひゅぐに食べ終わりまふので、ふこし待っへへくらはい!」

と、麺を口いっぱいに頬張りながら、律儀に返事を返すのであった。

//遅い時間までありがとうございましたー


697 : ひいらぎ :2017/07/05(水) 01:01:25 ???
>>694
…ん?どうしたいむいむ?今わしが闇のまほーしょうじょ()としてこの地に舞い降りた経緯をせつm…グボッ!!!!

【イムカ氏の持ってきた極太なるとを、勢い良く突っ込まれる】

…ぶはぁ!!!
まったくいむいむは相変わらずじゃな…ゴホゴホ…

【なるとを吐き出し苦しそうにせき込む】

…まぁ…とりあえずわしもお腹減ったからロイロイのラーメンでも食べるとするか…わしは味噌じゃ!

【こうして運ばれて来たラーメンを美味しそうにすすり、満面の笑みを浮かべ食べる少女】

【この後少女に世にも恐ろしい虐待(自業自得)が待っている事など知るよしもない】

/乙でした!


698 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2017/08/25(金) 23:00:59 ???
【スプロール】
光あるところ影はある
光が眩い物になればなるほど 影はその濃さを増していくものなのだ・・・・・

ここはマケグミの集まる屋台村 疲れた体を引きずり一日に栄養を得ようとするマケグミ達の集まる場所

「ヒャッハー!!」
そこに飛び込んできたビークルは 屋台をなぎ倒し マケグミを撥ね回し暴れ回る

カチグミ1「男は1点女は3点 子供はボーナス10点だ!!」
カチグミ2「負けたヤツはヤク代全持ちな!!」
カチグミ3「やっべぇ負けられねぇ!!」

ビークルといい装備といい身なりといいマケグミとは雲泥の差
ヤクに溺れたカチグミが ヤクをキめた勢いそのままに 人権無きマケグミの虐殺ゲームに乗り出したのだ

一行は不運にもその場に居合わせてしまった この場において老若男女も越境者もない 全てはカチグミのターゲットになってしまっている


699 : リリウム ◆R9F5WG6Bjw :2017/08/25(金) 23:17:10 ???
>>698

リリウム・アトラは驚くほどにまともな格好で屋台村に潜んでいた。
所謂作業着、マケグミの連中とまったく同じ格好である。どうやらこの淫魔、やっと目立つことのリスクを覚えたらしい。
とくにここはスプロール。前の女将校にはもう会いたくないのである。

ああ、だから、彼女は実に平穏に過ごしていた。
誘うこともなく、少々小奇麗ではあるけれど、完璧に屋台村の住人の一人であった。
サキュバスとは、故郷にて迫害される存在であった。故に、迫害する余裕もない場所というのは案外居心地がいい。
死んだ顔をして、疲労のたまりきった体に栄養が入るとき。自然と、小さくでも笑みがこぼれてしまうもので。
相手の事情も知らないし、こちらの事情を話すこともないけれど。美味しい、なんて一言を交わすのが気持ちよくて。

ああ、だから。先ほどまで隣にいて、さして味のない汁を嬉しそうに啜っていた男が車輪の下敷きになった時。

「―――――――」

その表情は、決して"サキュバス"が浮かべるものではなかった。
見開いた、瞳孔の開ききった瞳の底で、何か黒いものを燃やしている。

「―――――――1点おめでとう。
 ……ご褒美を上げなくちゃいけないね。」

最早不要な、演技がかった口調が続くのはむしろ。そうでもなければ理性が飛ぶから。
彼女の掻き揚げた、指先で梳かれていく髪がその形、色、全てを変えていき。
"刃"となる。少女の身の丈をはるかに超える、出鱈目な規模のそれがビークルの一つへと―――


700 : ひいらぎ :2017/08/25(金) 23:17:31 ???
>>689
…さーてカチグミ狩りでも始めるとするかの…
【見た目10歳位に見えそうな少女が拳銃を両手に握りしめて呟く】

【能力最大出力(拳銃だから没問題)でひ】


701 : ひいらぎ :2017/08/25(金) 23:21:56 ???
>>700
/途中送信クソ使えない端末氏ねガチで…

【能力最大出力でビーグルに向け乱射する】追加。


702 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2017/08/25(金) 23:28:07 ???
>>699
このマケグミの寄り合いに置いて リリウムの生活は比較的平穏だったのだろう
栄養は少し色目と金額でいくらでも手に入るだろう

カチグミ1「いっけねぇ ヤクやりすぎt」
そんなリリウムの巨大な刃を見たカチグミ1であるが 何もない場所でドデカイ刃が生まれるわけもない
そう考えたカチグミ1は 迫る刃をトリップの弊害だと結論付け・・・両断された

カチグミ2「なんかあいつやられてやんの!!」
カチグミ3「あっはっは うけるぅ!!」

善悪も 何も判別できてないカチグミは ビークルの上から機関銃でマケグミを血祭に上げながらも やられてしまった仲間を指さし笑う始末

カチグミ2「おっ 3点めっけ!!」

そしてカチグミの1人がリリウムに目を付けた

カチグミ2「殺せ!! 殺す!! 殺してナニしてお楽しみ!!!!」
ビークルの上から銃器でリリウムに銃撃を仕掛けようとする

>>700
カチグミ3「10点ハケーン!! タダヤクゴチになりまーす!!」

ひいらぎを見つけたカチグミは嬉しそうに銃器を構える
子供ならば抵抗なんてできるわけもない 本来ならば真理である

だが相手が能力者ならどうだろうか? ひいらぎに向けられた銃口から 今まさに銃弾が吐き出されようとしている


703 : リリウム ◆R9F5WG6Bjw :2017/08/25(金) 23:37:53 ???
>>702
仲間が死せども指差し笑う。それは余りに醜い姿であろう。
懸命に生きた人間を、弔う程度の機能ならこの"出来損ない"にすら備わっているのだから。

両断された男は慣性のまま、体と体の間にリリウムを通してあの世まで走り去る。
当然、浴びる返り血があれば口に入る分もある。たらふく飯を食い続け、我慢を知らぬ勝ち組はまさに肥えた豚。
ならばそれは良質な生命力となるかと思いきや、リリウムは"吐き、捨てる"。

「ごめんね」

さて、未だ前方に展開したままの刃は次に"網"となる。壁にすれば貫通があり得る。ならば起動をそらすことを考えてのこの形態だ。
と、まあ。ここまでは理屈の話で。本当の一番は―――――

銃弾は狙い通りに逸れて行く。もしくは網に掠め取られる。そのままビークルがこのままこちらへ向かうなら接触のタイミングで
もしくは途中で方向を変えるならそのタイミングで。網がビークルまで展開し、捕らえるだろう。

「……あなたは、美味しそうに見えないの」

捕らえることに成功したのなら、網はそのまま収縮。勝ち組の体を粉々にするまで。
―――――出来るだけ、苦しい死に方を。そう思ったから。


704 : ひいらぎ :2017/08/25(金) 23:40:09 ???
>>702
…貴様らには六文銭がお似合いだと思うが…

【そういい少女は放たれる弾丸を能力を使い高速移動でかわそうとする】

【その勢いのまま壁伝いに移動、ビークルの真上まで移動し能力最大出力で拳銃を乱射する】

【少女の能力により通常のより遥かに高い威力を有した弾丸が醜いカチグミ達に向かい放たれるだろう】


705 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2017/08/25(金) 23:58:48 ???
>>703
ドパパと火を噴く小銃は網に向けてすっ飛んで 網に柔らかく受け流されてリリウムの後方の壁にめり込む

カチグミ2「あぁん? なんだkグワーッ!」

暴走させたビークルの中 怪訝な表情を浮かべた次の瞬間
しなやかで強靭な網に絡めとられる

シートベルトもしていないカチグミ2はビークルから放り出されるが そこはリリウムの網が優しくキャッチ

カチグミ2「な・・・なん・・・・やめ!! やめろ!! 俺を誰だと思・・・わかった!! 悪かった!! 金ならいくらdギャアアアアアアアア・・・」

理解が追いつかぬ状況 だが網がゆっくりと収縮していくのを感じ 最初は恫喝し 最後は汚い命乞いをしながら圧縮されていった
網の目から汚い血と肉がちぎれて漏れていく・・・

>>704
カチグミ3「ニンジャナンデ!?」
銃弾を避け壁を走るひいらぎに目を奪われるカチグミ3
バランスを崩しかけ 慌ててハンドルを切る

それ故にひいらぎの銃弾はカチグミを捕らえることに失敗し ビークルのエンジンを撃ち抜く

カチグミ3「お・・・俺のビークルが!!」
慌ててビークルを乗り捨て 地面を転がるカチグミ3 ビークルは爆発し カチグミのレインコートに大きな穴をあける

カチグミ3「あぁ…雨が・・・重金属汚染が・・・!!」
その身に直に雨を浴び 絶望に打ちひしがれるカチグミ3 ここスプロールに降りしきる雨は毒雨であり 直に浴びれば24時間以内に毒が命を奪うのだ

カチグミ3「殺す・・・!! テメェらも道連れだ!!」
ヤクのトリップが切れ 憤怒に顔をゆがませたカチグミが取り出したのは耐ビークル用手榴弾
辺り一面を吹き飛ばす威力のソレのピンを素早く抜き リリウムとひいらぎめがけて投擲した


706 : リリウム ◆R9F5WG6Bjw :2017/08/26(土) 00:11:54 ???
>>702>>704

カチグミは3人、二人は自分が、そして残りの一人も銃弾に打ち抜かれる瞬間を確認した。
終わったと思った。そんな、軽率な判断が浮かんだのはなぜか。
きっと怒って狂っていたのもあるけれど、何よりも早くやりたいことがあった。
せめて、この無常に奪われた命を無意味にせぬように。
生命力を奪う生物だからこそ、こんな弔いしか出来ないけれど。せめて。

そんな風に考えていたから。怒りが冷めて、表情が泣きに変わりかけていた少女は自身に投げられた悪足掻き――――
――――手榴弾を認識していない。
叫びを聞いて、確認したころには変異が間に合う間合いでなく―――


707 : ひいらぎ :2017/08/26(土) 00:20:05 ???
>>705
…ちい!!!!!!撃ち漏らしたか!!!
【少女の能力を目の当たりにし、愕然とするカチグミ達】

【そのせいかわからぬが直前にハンドルを咄嗟に切った為直撃はなかったみたいだがビークルには致命的なダメージを与えたらしく、近くでとまり大破してしまう】

…勝手な話じゃの、貴様らカチグミがどれだけ偉いかは知らぬが…いざ自身の身に危険が迫ったらそれか…死んでいったマケグミ殿達の魂の方がどれだけ尊く重たいか…

【少女の放った拳銃をまともにうけ大破したビークルから這い出たカチグミの一人…もとい一匹が何やら叫びつつ何かを取り出す】

【中身は分からないが少女は瞬時に「まともにうけたらまずいもの」と判断、まずは能力によって遥か高くに跳躍、そのままカチグミ達に向けイムカ氏から譲り受けた拳銃を最大出力でカチグミに向けて発射するだろう】

【「ただころすだけでは飽きたらない」…そう判断した少女の放ったレールガンに匹敵する威力の銃弾をもし生身の人間が喰らえばただで済むとは考えにくい】

…跡形もなく消え去れこのゴミにも劣る豚がぁ!!!!!!!


708 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2017/08/26(土) 00:28:37 ???
>>706-707
油断 リリウムの判断は油断としか言えないだろう
目を離した隙にカチグミは手榴弾を取り出し

直後にひいらぎが動いた

天高く舞い上がったひいらぎは 己の能力を最大限に活用し 最大出力の銃弾を放つ

光が瞬き カチグミは文字通り消滅し 後から轟音が轟いた

銃声は爆発音と混ざり判断できなかったが 爆発は柊達の肌を一瞬撫でて通り過ぎていき 静寂が戻った

少なくないマケグミがカチグミに惨殺された だが越境者たちの働きで全滅することはなかった

ロイ「ランナーだ!! ヤク中の暴走を・・・なんだお前等か」
ここでようやっとデッカーの下請けがやってきたが 全て終わったことに気付き

ロイ「よぅ お疲れ」
ランナーであるロイは2人にねぎらいの言葉をかけるのであった


//〆


709 : ひいらぎ :2017/08/26(土) 00:51:13 ???
>>708
【凄まじい轟音と共に放たれた銃弾はカチグミ達の肉体を貫通、辺り一帯を爆風で吹き飛ばす】

…み、見たか豚共…闇のまほーしょーじょ()のわしが正義の鉄槌を…

【そう呟きつつ落下する少女】

【この銃を最大出力で放った反動は凄まじく、最早少女に戦闘を続行する力は残っていない】

【何とか自身の能力で着地の衝撃はほぼ0に出来たがその場に倒れ込んでしまう】

【やがて通報をうけたかなにかしたらしく数台の車らしき物が近づいてくる】

【その中からあらわれたのは少女も良く知る顔であった…】

…遅いぞロイロイ…デッカーがむのーじゃから代わりにわしらが豚共に鉄槌を…

【あらわれたロイ氏に憎まれ口を叩く少女であった】

/乙でした!


710 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2017/09/07(木) 23:00:21 ???
【とあるファンタジーの世界】
鬱蒼と茂る森 空は葉に覆われ辺りは薄暗い
一行がなぜこんな森の中にいるのかというと 仕事の為である

その日一行がギルドから任されたのは一枚の依頼書 その依頼人と落ち合うのがこの森なのだ

ロイ「森の中での仕事か・・・まぁ十中八九相手はエルフなんだろうが・・・ッ!!」
ガサリと繁みを掻き分けた先にいたのはドラゴンだった

ドラゴン 知恵のある者 この世のヒエラルキーの頂点に立つ者
翠の鱗に覆われた巨躯を丸め 赤き瞳でしっかと一行を見やる

すわ戦闘か? と思った時である

ドラゴン「貴殿が依頼を受けし人間か?」
と人の言葉でしゃべり始めた

ドラゴン「貴殿ら人間に仕事を頼みたい・・・受けてくれるな?」
人と構造が違うであろう口を器用に動かし 一行に問いかけた


711 : プリシラ・パーネル@魔法少女 :2017/09/07(木) 23:09:48 ???
>>710
「うひゃっ……!」

目の前に現れたドラゴンに驚き、茂みをくぐる姿勢のまま固まったプリシラ。
相手は上位の竜種。機嫌を損ねれば命はない。
生唾を飲み込み、相手のリアクションを待っていた。が、次に発せられた言葉にほっと胸をなでおろす。

「そっ、そう、ですっ。な、なんでもお任せくだしゃいっ」

ドラゴン直々の依頼とは一体何だろうか? 疑念と緊張とで舌が回らない。
それも当然のことだ。知性を有したドラゴンと至近距離で会話する機会など、滅多にありはしないのだから。


712 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2017/09/07(木) 23:25:54 ???
>>711
仕事の相手だと分かったところで ドラゴンの丸めた体の隙間からキューキューと何かの鳴き声
ドラゴンの子供だ 外の景色 そして一行の姿を見ようと巨躯というゆりかごから出ようともがいている

ドラゴン「我の子供よ 幼き頃より日tに鳴らせばいい戦力となるだろうさ
     それを狙って人間のこそ泥が嗅ぎ回っていてな 無論人間など物の数ではないが・・・
     いかんせん我は強くなり過ぎた 故に手加減ができず 争いになれば森を吹き飛ばすだろう
     我も無用な破壊は望むところではない よって昔のツテを使い 人間を雇ったということだ」

ドラゴン「報酬は我の鱗で払おうぞ よろしく頼む」

上位種のドラゴンの鱗ともなれば 魔法触媒によし 防具によしの優良素材 だが入手困難で需要過多
捨て値で売り払っても屋敷が立つだろう

〜そんなこんなで 夜〜
仕事を引き受けたその日の夜に事態は動いた
隠密特化の黒装束に身を包んだ三人組が ドラゴンの子供を狙って近づいてくるのがわかる
だがその隠密もすでにドラゴンに見破られており ドラゴンのテレパスを通じて一行にも通達済みである

一行はこそ泥相手に先制攻撃がd系る市にあるものとする


713 : プリシラ・パーネル@魔法少女 :2017/09/07(木) 23:42:13 ???
>>712
(おいおい、随分と大盤振る舞いだな……)

報酬の話に胸が高鳴る。竜の鱗の使い道など、考えればキリがない。
竜と顔見知りになれるという点も魅力的である。自分の有用性をこの一件でアピールしなければ。
が、今は仕事の完遂が優先だ。皮算用を程々に済ませ、詳細を頭に叩き込む。

「分かりましたっ。プリシラ・パーネル、頑張ります!」



プリシラは夜の襲撃に備え、目立たないよう装備を変更した。
そして現在、ある程度の範囲を見下ろせる大木の枝の上に潜んでいる。

【とはいっても、ロリータ服がゴシックロリータになっただけである。自身を着飾るという点は譲れないらしい】

(できれば捕縛し、情報を吐かせたいところだ。どこかの組織の息が掛かった刺客――とは考えづらいが、可能性はある。
 そうでなくとも、竜の子を狙う人間をこれ以上増やさないために対策はしたいところだ)

夜の暗がりで相手の装備は不明。だが、位置は分かる。

(それだけで十分だ)

ロイにタイミングを合わせるよう合図を送りつつ、自身は身体にエンチャントを施し、枝から跳躍。
黒装束の一人の首元目掛け、自由落下の勢いのままステッキを振りかぶる!


714 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2017/09/07(木) 23:53:41 ???
>>713
こそ泥はドラゴンにのみ注意を払っていたのか
少なくても護衛がいるとは思っていなかったらしい

小さな音のみを残し跳躍するプリシラと 先頭を行くこそ泥と目が合ったのは ステッキが首元にめり込む数瞬前であった

こそ泥1「グゲッ・・・!?」
メキョリと少々危ない音を立ててステッキが首元にめり込む まぁ死にはしないだろう
ロイが続いて突撃を仕掛ける だが敵もどうにか対処する

こそ泥2「なんだ貴様ら!?」
こそ泥3「チッ ハブル男爵の邪魔立てやもしれん 殺せ!!」

ナイフを手に高地らに攻撃を仕掛けてくるこそ泥

ロイが1人を受け持ち 最後の1人がプリシラに迫る

・・・いや こそ泥と断じるには動きが良すぎる 正式に戦う術を学んだ者の動きだ


715 : プリシラ・パーネル@魔法少女 :2017/09/08(金) 00:01:40 ???
>>714
男爵というワード、そして相手の身のこなし。
これで"ただの野良悪党"という線は消えた。

「ふええっ、なんですかっ!? か弱い女の子に刃物を向けないでください〜っ!」

ブンブン、とデタラメに見えるような動きでステッキを振り回す。
それと同時に魔法を展開し、闇夜に現れた空気塊が刺客の脇腹目掛け突進していく。

【この空気塊はデフォルトの状態――つまりキラキラでフワフワな見た目である。視認性高し】

仮に向こうが魔法に気付き対処を図ったのであれば、その隙にステッキの一撃を見舞う算段である。


716 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2017/09/08(金) 00:13:32 ???
>>715
こそ泥?2「こんな夜の森にか弱い女の子がいるか!!」
プリシラの演技に至極尤もなツッコミを返すこそ泥

こそ泥?2「チッ 魔法か 妙なまねを!!」
プリシラの空気塊を目敏く視認し ナイフで切り裂く 
直後に強襲するプリシラのステッキをナイフで受け止め鍔迫り合いの体制

ロイ「スマン こっちはもうちょっとかかる!!」
こそ泥?3「こいつ・・・強い・・・!」
サーベルでもう1人と切り結ぶロイ こちらは有利にことを進めているが しぶとく食い下がられてプリシラへの援護ができない状態である


717 : プリシラ・パーネル@魔法少女 :2017/09/08(金) 00:24:29 ???
>>716
「じゃあ訂正っ、"可愛い"女の子です……っ!」

ギリギリと鍔迫り合いをする二人。腕力はエンチャント込みで互角といったところだ。
ロイからの支援も期待できそうになく、このままではいずれスタミナ切れで押し込まれる。

「女の子に乱暴する人は……嫌われますよっ」

プリシラはステッキに込めていた力を一気に緩める。
拮抗していた力のバランスは偏り、男がその勢いで姿勢を崩すことを狙ったのだ。
当然ナイフはそのまま振りかぶられる。生傷の一つや二つは覚悟の上だ。
そして、すかさず男の腹部への膝蹴りを狙う。


718 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2017/09/08(金) 00:36:45 ???
>>717
拮抗していた力が抜け 大きくつんのめるこそ泥?2
それでもナイフを振りぬいたのは訓練の賜物だろう

【プリシラに強制ダメージ小 程度については任意】

だがカウンターで飛んで来た膝蹴りに対応できず 腹筋に鋭い膝が突き刺さり悶絶する

ロイ「んだらぁ!!」
最後にロイがサーベルの護拳部分でこそ泥?3のアゴを砕いて戦闘終了

ロイ「大丈夫か? 治療は?」
ロイがメディキットを取り出し問う 必要なら治療をするだろう

さて こそ泥ドモを縛って尋問してみるが これが口を割らない
装備もそこそこ高品質であるがどこでも手に入るもので統一されている

ロイ「実に素晴らしいね まぁ 面倒くさいことは上の仕事だ そっちに任せるかね」
それともドラゴンに脅してもらえば口を割るだろうか? などと考える

その後ドラゴンから約束通り 鱗を賜ることだろう

//それでは〆


719 : プリシラ・パーネル@魔法少女 :2017/09/08(金) 00:44:49 ???
>>718
男のナイフはプリシラの二の腕に赤い線を刻んだ。
痛みに顔をしかめながらも、その後なんとかこそ泥たちを縛り上げることに成功する。

「うえーん、痛いですぅ……」

消毒の痛みに声を上げながら、彼女は大人しく治療を受けることになった。
包帯を巻き終え、改めて男たちに相対するが、尋問の結果は捗々しくない。

「……なんとか男爵って人に連絡を取ってみましょう。このままハイ終わりってわけにも行きませんし……」

そんなしこりを残しながらも、報酬の鱗にはたいそうご満悦のプリシラだった。

//ありがとうございました!


720 : 遺伝子が支配する世界へ ◆8CzRpFh86s :2017/09/09(土) 22:27:58 ???
【???】

そこは、戦場だった。

統一された軍服の集団と、統一されていない軍服の集団が眼前で銃火を交えていた。
銃火だけでない。炎、水、雷。異能の煌きもまた飛び交っていた。
恐らく昔は人が多く住んでいたのだろう。だが、戦闘で無人となってしまったことが窺い知れるかつての住宅地が舞台であった。

【武器などからこの世界が現代レベルの文明を有していると特定できるだろう】
【どちらの集団にもそれぞれ所属を表すものはあるが、見たことのないものだ】

越境して最初に見た光景がこれだった。越境地点から目視できる範囲内で戦闘が起きているのだ。
幸いなことは越境者たちがいるところにはまだ弾丸が飛んでこないことだろう。

いつ越境者たちのいるところに戦場が移動するかもわからない。
ここがどのような世界なのか。彼らがなぜ争っているかもわからない。
そんな状況でも、行動の選択は越境者たちに委ねられていた。


721 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/09/09(土) 22:36:16 ???
>>720
「やぁだ、やだやだぁ……」

懐から取り出した携帯双眼鏡でその戦ぶりを見ている七八
菖蒲色の忍び装束も、腰に帯びた刀も、レンズが覗く様子から察するにこの世界にはイマヒトツ似つかわしくないと思えた

「……戦争してるよーもー」
「早く逃げちゃおうぜぇ、巻き込まれたくないよー」

愚痴って身を隠しながら
見た所双方共に存知の部隊ではない
ならば巻き込まれる前に逃げるというのが、無為な戦いは避けると言うのが彼女の方針であった
最も、他の仲間たちの判断次第では幾らでも柔軟性を持ってして行動出来る程度の頭は持ち合わせているが


722 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/09/09(土) 22:41:14 ???
>>720-721
「さんせー さっさと逃げるべ」
―――ギィ!!

四五六に全力賛成するのはヘタレアーティストの名をほしいままにする白人男性

「全くヒデェ場所だなオイ まぁ俺らには関係ない関係ない さっさとずらかって隠れて越境待つのが一番だと思うぜ」
鉄火場 ノーサンキューと言わんばかりに 四五六と同じく隠れつつである


723 : 遺伝子が支配する世界へ ◆8CzRpFh86s :2017/09/09(土) 22:55:17 ???
>>722-723
眼前の戦争からの逃亡を決意した二人の越境者。だが、状況の進行もまた早かった。

統一された制服の方の集団の動きがややおかしくなったことに四五六は気づくだろうか。
司令官格であろうやや豪華な制服が、なにやら別の指示をしているらしい。
その口の動きまで見えたならばその指示を理解することとなる。“越境がこの近くで起こった。越境者捕獲に任務を変更する”――二人の越境者を狙おうと動き出したことを。

すると、統一された制服の部隊から数人が戦列を離れて越境者たちの方へと接近する。不穏なことに、銃を乱射しながらだ。

【移動速度はとても速い。移動系の異能を使用している可能性が高い】

遅れて統一されていない制服の集団も動き出す。越境者たちを捕らえようとする動きを阻止しようとするかのように。

二人の意志に関わりなく戦場は移動してしまった。降り注ぐ銃火。明らかに害意を持った行動とそれを阻む行動。
逃亡は可能であろう。追手への対処は必要であるが。


724 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/09/09(土) 23:08:04 ???
>>722-723
「……?」
「……あ、無理なやつだねこれ!」

遥か彼方、司令官風の男を見やった時
唇の動きに色々と察する
厄介な事態だ、どうやらこの世界は……少なくとも目の前の血の気が荒い風にしか見えない集団は越境という事柄を知っている

「……ヤバくなったらアキレスの霧、乗せてね!!」

アキレスへと叫びながらトライビシ=ダガーをばら撒く
スプロールで買ったそれは通常時はボールペン程のサイズであるが、地面に撒かれれば展開しマキビシ状のトラップ武器となるのだ
成る程見てみれば追っ手とそれに対しての攻撃者
なれば敵の敵は味方とも言える、上手く扱える様に動くべきであろう
逃げつつも時折鋭いエッジの鋼製カードナイフを投擲、投擲、投擲!


725 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/09/09(土) 23:10:35 ???
>>723-724
「あ ヤな予感」
アキレスがもつ小動物的危険予知能力がビンビンに発動
案の定銃を撃ちまくりながら迫りくる制服ドモ

「うっそだろオメェ!? デモンレッグ!!」
青い霧を発動 そしてトレンチガンを構え

「あぁそん時は任せろよ・・・俺たちがナニしたってんだばかやろぉぉぉぉぉ!!!!」
後方に向けて散弾を連射しながらの逃走


726 : 遺伝子が支配する世界へ ◆8CzRpFh86s :2017/09/09(土) 23:27:46 ???
>>723
まきびし、カードナイフ、散弾。これらは統一された制服の集団――敵の進行を阻むのには機能しているようだ。特にまきびしの対処に手間取っているようだ。
そうこうしていると、越境者たちの後方からも少数の集団が現れる。その集団の制服は、バラバラ――敵ではないようである。
新たに現れた集団のリーダー格であろう男が叫ぶ。

「越境者!!死にたくなければここまで逃げてきてくれッ!!!」

【目標:統一された制服の敵勢力に捕まる前に味方勢力の元への到達】

そして、争っていた既存の味方勢力は敵勢力を阻止しきれなかったらしい。主戦場が接近している。
遠距離戦に特化した能力者が異能による攻撃を放つ。二人を足止めするつもりなのであろうか。
また、敵勢力の中の一人――司令官格の傍にいた、他とは制服のデザインが違う女が単独で駆け出す。この部隊の主力かもしれない。一人で二人を相手にしようとでもいうのだろうか。


727 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/09/09(土) 23:38:48 ???
>>725-726
「勿論死にたくない!」
「でも実験動物もゴメンだからねっ!!」

叫び返して応じ、それでもどうやらこの場面での選択肢というものは随分と限られているようだ
そしてその何れもが、未来へと紡ぐ道として彼等の元へと全霊で駆ける事を本能で肯定している

「っとっと……!」
「……ん? ……お客さんだ」

遠距離攻撃の雨霰、躱す躱す躱す、その多くが紙一重!

「……やろうってのか、私達とたった一人で!」
「よぉし見せてやろうじゃないアキレス、『私達がどうやって生き延びて来たか』を!」
「……やぁやぁ、我こそは四五六家忍び一千を統べる頭目が長女ぉ……!!」

やや芝居めいた口調、そして凛然たる大声
駆け抜けながらも振り向き名乗りながら投擲するのは星爆竹!
それは弾け強い閃光と騒音を発し目眩しとなるであろう!
完全なるアンブッシュ、正々堂々と真逆の悪道!
成功すれば脱兎!失敗しても脱兎!


728 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/09/09(土) 23:42:56 ???
>>726-727
「どーするよあいつ等信用できるのか!?」
逃げながらの相談 逃げた先が狼の口の中じゃ目も当てられない

今はとにかく逃げまくるのみ すると危険予知能力が新たな脅威に警鐘を鳴らす

「チッ・・・! 四五六タン五月蠅くするから気を付けて!! イグニッション!!」
最近すっかりご無沙汰の新能力 スタントマン・イグニッションを起動
跳ね馬V8エンジンの如き甲高い騒音と共に青き霧が濃くなりその場にユラユラと停滞する

視覚阻害による遠距離攻撃の無力化を狙った行動である

更に接近してくる個体あり 四五六が爆竹を投擲し視界と聴覚を遮断
自らの霧もまた視界と聴覚の阻害

ダブルの妨害でまさしく五里霧中にさせんとする

「だぁぁぁぁぁれが正々堂々勝負してやるかってんだばぁぁぁぁぁぁか!!!!」
ドヤ顔ダブル中指おったてしながらなおも逃走 まるで戦闘になりゃしない


729 : 遺伝子が支配する世界へ ◆8CzRpFh86s :2017/09/10(日) 00:01:29 ???
>>727-728
「ああ!分かってるさ!!」

野太い声が七八の言葉に叫び返す。実験動物にする意思はないと。
二人には知らぬことだが、彼らはちょうどそうさせないために戦っていた。

遠距離攻撃の雨はかわされる。更なる攻撃を仕掛けようとしたときにはもう遅く、霧で二人の姿を捉えられなくなっていた。

「チィッ……」

爆竹、そして霧。二つの障害に阻まれた敵エース格は舌打ち。耳をふさがれたおかげでアキレスの言葉が届かなかったのは幸いだったかもしれない。
仕方なく、手にした拳銃を数発放つ。もちろん、当たるわけもないが。

目下の脅威は排除できた。が、敵も手練れらしい。まきびしに囚われていた高速移動系能力者たちが再び動き出した。
だが、いつの間にやらアキレスと七八は目標を達成していた。
そう、すぐそこに先程叫んでいた男がいるのだ。

「――よくやった。耳を塞いでいな!」

刹那。爆音。先程まで駆けていた地面が崩れ、大穴が開いていた。
崩落によって移動系能力者たちの動きも止まる。追手の足は完全に止められたようだ。

「さあ、逃げるぞ!事情は移動しながら説明する」

男は用意していた車両へと二人を促し、総員撤退の号令を下す。
未知の世界での遭遇戦は、終結を迎えようとしていた。



//次レスでの移動中世界解説で終わりです


730 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2017/09/10(日) 00:10:53 ???
>>728-729
「信用?」
「……んなワケないじゃん!」

ただ、と片頬を釣り上げて笑ってアキレスに投げ掛ける言葉

「どうせ死ぬなら自分の選択肢に従って精一杯行動した末に死んだ方が、幾分かマシってモンでしょ!」

七八の肩を銃弾が掠める
空圧に裂かれた装束と肉片、血が飛び散って輝いた

「はいはーい、もっと褒めてくれていいよ」

大男の元へと辿り着き身を屈めながら耳を塞いだ
先立って舞っていた血の、最初の一滴が地面に落ちる頃の事である

「……お願いね、なーんにも知らないからさ私達」

車へと乗り込みながら
七八は無論無警戒ではなく、いつでも攻撃に移れるカタチではあった
それでもこの状態となれば、窮鼠が猫を噛むようなモノだと自覚もしていたが


731 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/09/10(日) 00:13:34 ???
>>729
果たして目の前のヤツは信用できるのか?
疑念は張れないが

「えぇいままよ!!」
ダメだったらその時だ と車に乗り込む

「それじゃ説明してもらおうか」
―――ギィ!!

車の中落ち着かない様子でアキレスが問う
ベティはアキレスの膝の上でアキレスを守るかのように威嚇をしていた

「ベティ・・・尻尾邪魔」
なお鎌首もたげる尻尾がアキレスの目の前で揺れているのだが


732 : 遺伝子が支配する世界へ ◆8CzRpFh86s :2017/09/10(日) 00:29:49 ???
>>730-731
特に追撃がある様子もなく、越境者と男を載せた車両は進む。

「ああ、説明するさ。
まず、この世界は遺伝子操作で異能を作ることに成功しちまった。そのせいで『機関』って企業が全人類の遺伝情報を傘に人類の支配をしちまったのさ」

男の言葉からこの世界は少なくとも現代のそれ以上に高度な科学技術を有する世界だとわかるだろう。また、この世界が所謂ディストピアであることも。

「お前さんたちを捕まえようとしたのがその『機関』さ。越境者の遺伝子情報が欲しいんだろうな
そんで、俺たちはその支配に抗う国やら組織やらのネットワーク、『連盟』だ」

『機関』の邪魔をするために『連盟』は越境者を『機関』に捕らえられないように保護する。
目的としては分かり易い部類であろう。それが信頼に値するかは、受け手次第だ。

「ああ、そうだ。この世界の名前を言ってなかったな
『ジーンヘイム』、それがこのディストピアの名前さ」


733 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/09/10(日) 00:38:56 ???
>>732
「うぇ」
正直な感想である

「全く禄でもねぇ世界に飛んできちまったなぁ・・・越境まで頑張んべー」
尤も この男が嘘を付いている可能性も否定できていない しばらくは全方位注意だなぁと考えるアキレスであった

―――ギィ!!
「だから尻尾邪魔」

ちなベティちゃんは威嚇継続な


734 : 火乃香 ◆u9xRUwwzY2 :2017/09/19(火) 19:34:10 ???
こんばんはー


735 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 21:32:43 FVdVW3YA
【とある世界】
ある者は携帯のメールで
ある者は手紙で
ある者は本人からの紹介で

とある世界の片隅にあるアパートへと導かれた 理由はひとつ
「冬も終わりに近いから鍋パーティーしようぜ 食材は持ち込みな!!」

その言葉に従ったから
だが 聞いたことはないだろうか? 混沌の極みを
体験したことはないだろうか? 地獄の底を

さて そのアパートは一年前のあの日以来 時が止まったかのように同じ装い
中央に炬燵 並べられた酒やソフトドリンク その中央に薄型カセットコンロと大きな土鍋

待っているのだ あの日と同じく 今回の生贄を

そして
――――ギィ!!
「少しだけだぞ」
キッチンで食材の準備をしているアキレスもまた あの日と同じように 野菜の切れ端をベティに提供していた


736 : 又ジ ◆.zilz3o6.U :2017/11/04(土) 21:57:03 ???
>>735
「お待たー。食材持ってきたぞ、肉も魚も野菜もゴミもある」
襤褸布じみたマフラーとコートを隅に放り、食材の詰まった袋をガサガサさせて上がり込む。
このパーティーという名目の拷問遊戯は彼も何度か経験済み。その赤い眼は、次の犠牲者を待ち構えている。

「何を持ってきたかって?それは後のお楽しみさね」


「…なんか前もこんなやり取りしたような…。一言一句全く同じ…」
「まあ細かい事はいいか。お酒もジュースも持ってきたから楽しもうぜ」


737 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 21:57:33 ???
>>735
「よぉ、お誘いどーも」

スーパーのビニール袋に詰めた食材やら何やらをぶら下げてやって来るアラズ
スウェットにパーカーを羽織り、完全にオフモードである

「……アイツ等(ニア達)も来たがってたんだけどな、私だけ来れたみてーだ」

越境の関係で色々あって、マウスィム研究所の面々でズラズラやって来る予定だったのが狂ったらしい

「早速ビールい?」


738 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 22:06:53 ???
>>736
「やふーい 適当に座ってよ」
やってきたソーマタージに声をかける

>>737
「そうか 残念だな」
冷蔵庫からビールを持ってくる

>>全員対象
「それじゃかんぱーい」
まずは酒やソフトドリンクで乾杯 この空間で唯一平穏な時間

「それじゃ始めるかね 消灯!!」
その言葉と共に照明が落とされ辺りが漆黒で覆われる

【この空間だけ世界の修正力発動!! 夜目の効く技能 装備が一時的に使用不可となる】

「開始!!」
そう言って鍋の蓋を開ける

しょうゆベースの出汁の中 煮えた長ネギが入っている

【闇鍋開始 ルールに沿って楽しくカオスしましょう】


739 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 22:15:11 ???
>>738
「まぁ、その分楽しませて貰うとするよ」
「かんぱーい」

ビールを一気に呷り、その後の地獄を話でしか知らぬが故の安寧タイム

「……おぉ、マジで真っ暗だな……」
「じゃあまずは……これだ」

どぼん、と大振りのソーセージを投入
スーパーで売ってる高いヤツだ、スモーOブラッツ!
茹でられてプチンと皮が弾け、精肉から加工まで一切冷凍のプロセスを挟むこと無く仕上げられたジューシィなお肉が踊るであろう!


740 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 22:16:44 ???
「そいじゃこれを」
アキレスが淹れたのは ゆで卵だ
がっつり固ゆでの卵が口内の水分をごっそり奪っていく!!


741 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/11/04(土) 22:17:56 ???
>>738
「暗闇に紛れて変なことするなよ。既に俺がやってるから、お株奪われちゃう。
 …ジョークだよ」
暗闇から投げかける声。冗談と言ってはいるが、実際にはその表情は硬い。確認はできないが


「まずは小さいのから、ってな」
ボチャリボチャ、鍋に放り込まれるのは小ぶりの牡蠣。安物だ。
一応、生食もできる合成バイオ品だ。生煮えでもおなかを壊したりはしないだろう。


742 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 22:23:59 ???
>>738
「ん、なんだこれシャクシャク」
「……ネギかぁ、そこまで好きじゃねぇけど、まぁ……」

当たり外れで言えば当たりであろう
茹でられる事で増す甘味、反面辛味は消えて食べやすい
ただ、肉食系なアラズの好みとは少し異なるらしい
繊細な味よりもっとこうアレな方が好みなのだろう

「次は……ん、これなんだ?」
「まぁいいや……」

ボチャっと投入したのはハンバーグ
ビーフとポーク、そして僅かなつなぎが黄金比で捏ねられている特製だ!
鍋にしても無論美味しい、しかし肉汁が悍ましい熱を帯びて襲い掛かるであろう!


743 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 22:24:20 ???
>>739
「最近は初っ端でも油断できないからな・・・」
慎重に鍋の中を探り 取り出す

いざ 実食 細長い物体に噛みつけば ブツリとはじける食感溢れる肉汁

「あふっ あふい!! モグモグ・・・ソーセージか」
実に美味 ビールが進む!!

―――ギィ!!ギィ!!
これにはベティもクレクレ催促だ!!

「次は何にしようかなー・・・これだ」
鍋に投入したのは カボスだ!!

脳天を突き抜ける酸味と爽快感に酔いしれるがいい!!


744 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2017/11/04(土) 22:27:26 ???
【アラズが何か居ると聞いた!つまり、優劣を確定するチャンスである!】
【それは闇鍋という酷くいろんなイベトンでも変わらないのだ!!】

「デースデスデスデス。今日こそイレギュラーをぶっころころデス」

 ガスマスクにクマーの着ぐるみという見る者が己の正気を疑いそうな格好で、
 何か扉を開けてやってきましたよ!お手手にはなぞ食材がたくさんである!!


745 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 22:29:44 ???
>>741
「モチャ」
「……あっちぃ……なんだこれ、生臭いなぁ……」
「……オイスター? ……腹壊さないよな?」

美味しい、しかし当たりが不安なのは仕方ない
カキは体内で水を濾過する段階で毒素を溜め込むらしいですよ(豆知識)

「次は……」
「……お、これは当たりだな」

ワシっと掴んでボチャンと投入、なんとサーロインステーキ肉(180g)である
当たりと言えば当たりであるが、煮てしまうのは正直勿体無い


746 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/11/04(土) 22:29:55 ???
>>740
「うぇ、何だこれ…。ボソボソしてる」
口内の水分を吸収していく固ゆで卵に、思わず難色の表情を浮かべる。
数度租借し、卵だと気づくが、モヤモヤは取れない。
「おでんやってるんじゃねーんだぞ。まったく…」


「あったま来た…」
開始数レスにも関わらず、ここでジョーカー投入。鍋に入れたのは食用の幼虫!

食用に作られた幼虫だ。死にはしないが、無駄に濃厚なエグみに耐えられるだろうか。


747 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 22:34:29 ???
>>744
「よぉ、はじめてるぜトンチキちゃん」

暗がりの中でも分かる声だとか、アレな出で立ちだとか
軽く手を振ってご挨拶、ビールを呷る

「……次は……あぁ、缶詰だな」

缶を開けてぼちゃん、ランチョンミート
何時ぞやのスクラップヤードでの食材問題の時の悪夢は懐かしいが、アラズからしてみれば未体験であった


748 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 22:36:09 ???
>>744
//食材いりちくれいー


749 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2017/11/04(土) 22:37:43 ???
>>747

「デスデス。しょっぱなから攻めるのはイクナイデスね」

 おもむろに腰を落とすと、早速マル秘袋をごっそごそ探って、
 軽いジャブから入ることにする!!

【ニアを騙してちょっぱったタイドメイカーをぽいっちょ】
 【タコタコな食管だがくっそ不味いのが特徴。味気も滋味もあったもんじゃないマズいタコである】


750 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 22:41:15 ???
>>742
―――ギィ♪
結局半分以上をベティに捕られてしまいました おいしいってさ よかったね

「えぇい貴重なアタリを・・・次はこれか」
何やら微妙に柔らかい物体を救い上げる これまた口を開けて

「あひゃひゃ!! あひゃいあひゃい!!」
濃厚な肉汁が口の中で炸裂!! たまらずビールを飲み干す

「あっちぃ・・・二連ちゃんで肉というラッキーだというのに」
だが美味い まだこの期に及んで地獄を体験していないアキレスであった

「宜しい 少し変化球だ」
そう言って投入したのは パクチーだ

煮ればクタリとなって葉野菜と間違えるかもしれないが その独特な風味は嫌いな者も多いだろう


751 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/11/04(土) 22:41:16 ???
>>745
「お、やっとマトモなものが出てきたぞ」
箸で掴み口に運ぶ。ジューシーな肉のうまみがそこにあった。
しかし───。モグモグしながらも、その表情は何か浮かない。

「…これ、焼いて食うものじゃないか?生煮えだ」


「すこしばかり、俺もイイ思いをさせてやるべきか」
ポチャリ。鍋に入れたのは缶詰の中身だ。白く、甘い、至高のフルツ。白桃缶。

「…アレ?間違えたな」
本来はもっとイイものを淹れるつもりだったが、間違えてこの醤油ベースの灼熱の汁の中に、甘い甘い桃を入れてしまった。


752 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 22:43:12 ???
>>744-445
α-12はカボス アラズは>>749のタコ アキレスは>>747のランチョンミートでオナシャス


753 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/11/04(土) 22:48:22 ???
>>750
嗅覚センサーが独特の臭いを検出する。この時点で嫌な予感メーターは振り切れていた。
「…南無八幡大菩薩ッ」
意を決して掬う。妙に汁気ビチャビチャな何かを。


「ウェッ!臭ェ!」
口に入れた瞬間、むせかえるようなカメムシ臭に悲鳴!というか実際にむせた。
嫌いというわけではないが、好んで食べようとは思わない食べ物一位。それが彼にとってのパクチーだ。

「…いや、嫌いになったね。土の方がマシだ」


「そっちがその気ならこっちもその気だ。日立じゃあねーぞ」
ブツブツ言って鍋に放り込むのはサンマ。…の頭!そう、頭のみ!
食べるところがちゃんとあるのかは、彼にもわかっていない。ワザワザそんなところ食いたくもねーからだ。
魚臭いゴリゴリゴツゴツの、しかも少しとがった頭。どう食べる。


754 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 22:50:43 ???
>>746
「ん、なんだ、ソーセージ?」
「プチプチッ……お、げぇぇ……にっがぁ……」

幼虫をそうと知らずに一口に、そして噛み潰す
広がる濃厚なエグミ、内臓のどろりとした不快感

>>749
「次は……モッチャモッチャ」
「……あぁ、うん……そうだな……」

ニアのタイドメイカー、相変わらず表情が消え失せる味であった
二連続のハズレは精神的に堪える、突っ伏してようやく飲み込む


「クソ……なんだよ、もっとマトモな食い物をだな……」
「……あぁ、そういえばこんなのもあったな」

ぽちゃんと投入、卵丸ごとだ
しかしこの卵、ただの卵ではない
羽化直前のひよこちゃんがぐらぐら茹でられており、濃厚な卵味と鶏肉フレーバー
更に柔らかくも軟骨めいた食感の全身の骨まで頂けるのである!


755 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2017/11/04(土) 22:53:44 ???
>>747

「すっぱいデス!!」

 なんかしぼーんな表情(梅干くったときのアレであるアレ)しながら、
 この何とも言えぬシロモノを放り込みやがったヤツへの復讐心をめらめらと燃やすのだ!!

「デースデスデス!序盤から攻める気マウンテンならこっちにも考えがあるってもんデス」

 たぬきのぽっふんしっぽをバタバタしながら、
 α-12はマル秘袋をごそごそと探ると、おもむろに己の好物を投下である!!!

【ちょこどーなつが鍋に浮きました!甚大なるスープ汚染!!】


756 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 22:59:06 ???
>>749
―――ギィ♪
これまた半分以上をベティに喰われてしまった おいしいからね 仕方ないね

「次は・・・なんだこれ」
妙に柔らかい食感の物体を引き当ててしまった

―――ギィ!
何かを悟ったベティちゃん これはノーサンキューと言わんばかりにハサミを振り上げている

「・・・えぇいままよ!!」
がぶちょと食らいついた・・・味が薄い

「なんか水っぽい埃の様な・・・わかった タイドメイカー」
以前の旅で嫌というほど食べた食感が広がる 嗚呼不味い

「おえっぷ こりゃヒデェ もう食べたくなかったなぁ・・・」
げんなりと次の獲物を物色

「・・・そろそろやっとくか」
どぼちょんと投入したのは鷹の爪である 説明不要 辛い


757 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2017/11/04(土) 23:00:34 ???
>>754

「もっぢゃもっぢゃ…うえ〜通好みデスけど繊細()なα-12にはびみょんデス」

 不味くはない。むしろ美味である。が、それはそれ、これを絶賛しちゃったら女子力的にアレだろうアレ。
 さて、そろそろちびっとマジにならねばならぬとマル秘袋をふたたびごっそごそ。

「さあ、我が社の『新製品』を喰らうがいい!デス!!」

【ぽちゃん!という音と共にピンク色のイルカが鍋をすいすい泳ぎ始めた】

 イルカチャン!!サイバーパンクではモンドムヨーな危険存在である!!

【コレを箸で摘んでしまった不心得者はたちまちビンクの光が目とニューロンに差し込み】
 【視界の左右をピンク色のイルカがスライド移動して「ソンケイを信じる」だの「サイバネが普及した世の中で云々など」、
  ついに己の頭のアレになってしまったか!という根源的恐怖をもたらすニューロンアタックに襲われるであろう!!】

 なお食べるとゼラチンの塊の如くコラーゲンたっぷりである。美味!
 あとは、副作よ…げふん、あまりの美味しさに周囲の人間が何かドット画に見えてくるかもしれんが大したことはあるまい。


758 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 23:05:54 ???
>>753
「ん、なんだろ、小さめな……」
「パクッ、サクッ痛っってぇぇっ!!」

一口でいただけば口の中に突き刺さるさんまのあたま
無論痛い、口を抑えて仰け反るリアクション

「……くそ、生臭くて美味くねぇし……」

脳味噌の部分とかをちゅーちゅー吸いながら愚痴る

「……他に何持ってきてたかな」
「あぁ、エセ忍者に渡されたの……なんだこれ、まぁいいや」

七八から託された巾着袋
紐を引いて口を開き中身をそのままどぼんである
鍋に漂うのは羊羹だ、練り羊羹(粒餡)
グラグラに煮えたぎる熱を存分に吸い、凶器さながらの熱さを保ち尚且つ濃密な甘味は鍋の出汁と相性の悪さバツグン!


759 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/11/04(土) 23:08:18 ???
>>751
「…マズい」
肉の後味を打ち消す甘み、生ぬるい果物。
これぞインガオホーと言ったところか。表情が失せた。

「自分でやっといて何だが、どうなんだこれ」


「クソッ、仕切り直しだ。もっと悲劇を、もっと喜劇を」
鍋に入れるのは鳥だ。紐で体と嘴を縛られ、飛び立つ事も鳴く事も出来なくされた、まだバリバリ生きたインコ!
倫理的な話は置いといても、あまりおいしくはないだろう。


760 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 23:13:43 ???
>>755
「次はもっとマシなのを・・・」
きっと無理だ なんか甘いにおいが漂い始めている しょうゆベースの鍋なのに

ふにょりと手ごたえあり 仕方がないので引き上げる

「・・・うわぁ」
ちょっと弄ってみれば なんかヤバそうな柔らかさ 仕方がない 意を決して

「あんぐり・・・お゛ぇ」
甘い チョコレートな甘さにシロップ的な甘さの相乗効果な不協和音
チョコケーキか何かを入れたのだろう それとシロップぶちまけたバカは一体誰だ

「クソッ まけてられるか!!」
投入したのは ロイから採取してきてもらった ワライタケだ

【ワライタケ投入!! 食べたレスに限り笑いが止まらなくなる!!】


761 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 23:16:25 ???
>>757
「ちょっと出汁貰おうかな……」
「……ン? なんだ……何か乗っかって……」

おたまで出汁を掬おうとした矢先である
ピンク色のイルカチャンが控え目に乗っかってきたではないか

「……?」
「……うわぁなんだこれ気持ち悪っ!!」

まぶたの裏、脳味噌の内部に展開される謎の文字列洗脳呪文
怖気に見舞われとっとと片付けてしまうべく一口に飲み込む!

「……クソ、なんだったんだ……」
「ふぁっく、しかも副作用付きか……」

頭を抱えてドット絵となった面々を見てから苦笑
まぁいずれ治るでしょう、この辺の剛胆さは半人似と言えた

「……あぁもう、最悪だ……ったく」
「次はなんだ、クマの手でも入れるか?」

そうしたいところだが、持ち合わせていないのだから仕方ない
次の投入はさっき食べようと買ったハンバーガーをウッカリ間違えて入れてしまったのも、仕方のない事なのだ


762 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2017/11/04(土) 23:18:41 ???
>>756

「もぐもぐもぐ…―――」

 フリーーーーーッズ!!

【解説しよう!大体、α-12の食性つかんでいるならお察しの通り、
 このトンチキ結構甘党である!カレーもリンゴとハチミツなバーモントが好みである!
 さらに言えば、スシもわさび抜き!つまり辛いのとてもニガテなのだ!!】

「アバーーーーーーーッ!!」

 文字通り、口から火を噴いて、くちびるがタラコのようになりました!!
 おにょれ誰の仕業だ!!ふぁっきんがむ!!

【涙をちょちょぎらせながら、α-12はさらなる復讐を誓った!!】

「α12は!甘いものがダイスキなのデス!!!!」

 ラスグッラを投下!これはインドにあるとされる世界屈指の甘いお菓子クラブジャムンに勝るとも劣らぬ激甘スイーツ!!
 チーズを使ったスポンジ状のボールを極甘のシロップで漬けたお菓子。これだけでも胸焼け必至モノである!

【薄くレモンのような香り。見た目はモチのよう。が、口に入れればその真価が垣間見えるであろう!!】

 口の中の大量の激甘シロップが溢れ、どうすることも出来ない甘さに舌の機能がアレになる。
 ついでに脳も大分アレになる!何せボールは〝スポンジ状〟なのだ。どれだけの極甘シロップを内包しているかおして知るべし!!

【ようするに舌を通り越して脳にキク甘さなのだ!だ!!】


763 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/11/04(土) 23:24:34 ???
>>758
「なん、滑るな…。ガッチャ、取れた」
苦心して取ったのだ。多少はマシなはず。淡い期待は、口内を蹂躙する熱に掻き消された。

「ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
音割れするほどの叫び!落雷じみた悲鳴!機械の身体でも熱い物はあつ…機械なのに?


『酷い目に遭った。皮が剥がれたゾ』
『こいつはめちゃ許せねえよな?お前もそう思うだろ?つまり、これから俺がやる事は正当性があるってコトだ』
咽頭部の電子スピーカーから抗議の声を上げながら、鍋に入れるのはウサギの頭!
どうやって食うかって?毛は毟られている。足りないって?頭蓋は砕きやすくヒビを入れてある。脳味噌を啜るために。

『うまいか?ヒンナか?ヒンナって言えよ』


764 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 23:28:29 ???
>>759
???「オハヨー オーハーヨー」
???「キンセイガニー」

「・・・・・・」
しゃべってる ものっそいしゃべってる

おそるおそる口を開けるが 臭い 鳥くさい それでも闇鍋の関係上一口は食べねばならない

口を近づけ・・・口に啄み攻撃

「アバー!!」
攻撃され仰け反るアキレス インコは逃げ出しました

「クソッ 食い物淹れろよ!!」
目には目を 歯には歯を 非食い物には非食い物を!!

かまぼこの板を投入!! 薄くへばりついたかまぼこは美味だろうが 9割9分は木材である


765 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 23:33:38 ???
>>760
「次はなんだぁ……モグモグ、ン?」
「なんだ、キノコじゃねぇか……」
「ん、んまいな……ふふ、うめーうめー、ふふふ」

嫌な予感しかしない次を掴み、一口
歯応えがあり繊維がほぐれる、キノコであると理解出来た
そうすると存外美味しく思えて、久々の当たりに笑みが零れた

「ふくく、くくくっ……あれ?」
「あははは、なんだこれ、うひゃははは……!」

と思いきや次の瞬間に波となって押し寄せる笑いが止まらない

「ふふふ、うふふふくくく……!」
「わかったこれ、はははワライダケか、くく……ふぁっく……!」

笑いながらもルールに従い、手元を狂わせながらも食材投入
七八の秘密袋からテキトーに取り出して投げ入れたのは蜂の巣(蜂の子入り)!
高級食材!滋養抜群!問題は気持ち悪さ!ヘクス状の巣の中にビッシリな幼虫の群れ!
尚味は蜂の子自体は蜂蜜を主食としているだけあってほんのりとした甘味とプチプチ感
蜂の巣はアレだ、歯に挟まるタイプのアレだ


766 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2017/11/04(土) 23:33:45 ???
>>761

「デスデスデス」

 チョコにシロップに何かにいろいろ混じった出汁に投入されたはんばっが。
 箸で取った瞬間からイヤナヨカンしかしない!!

「もっぐもぐ…うわぁ、なんつー雑い味デスか?」

 ジト目でたぶん下手人ぽいイレギュラーを見やる。

「これはいけませんデス。なんとさびしくヒンソーで涙がちょぎょぎれる雑い食事デショウ。
 テキトーなパンズ。ケチャップの味しかしないパテ、忍たま=サンのバストなみにしょんぼりなキャベツ」

 やれやれという感じで首をふる。よくもまーここまで盛大にディスれるものである。

「まあ、ちょっとトンデモが続いた気分は晴れやかデス。ここはボーナスステージ!!」

 お鍋にキノコを投入。ついでに汚染されているっぽいスープに出汁を流して薄める。
 どこかのラクガキ野郎のような毒キノコではあーりません!

【オーガニックな…マツタケ!!最高級品種!香り・味ともの最高級の逸品よー】

 ヤバい出汁は吸わず、旨味のみをもたらすスーパーパワな食材である!!

「CEOにガリガリ君と交換しててにいれたデス。わらしべわらしべ」


767 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/11/04(土) 23:38:15 ???
>>762
「レモン?果物入れるのはこれっきりにしろよな」
ほんのり漂うレモンのかほり。怪訝そうな顔を浮かべ、覚悟と決意をキメてかじりつく!

「ゴボーッ!!」
【自主規制】!食卓で聞くべきではない、湿っぽい音が響く!
脳を直接いじくりまわされる様な甘味に、人工臓器が拒否反応を示したのだ!


「ド畜生め!ロクでもねえもの入れやがって!」
恨み言と共に鍋に入れたのはサルミアッキ。味は最早細かく言う必要もないだろう。
クソマズいものにはクソマズいものを。男らしい報復の精神がここにあった。


768 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2017/11/04(土) 23:40:35 ???
>>765

「デスデスデス…もぐもぐ。あまーいデス。けどナンデショ。ぶにぶに」

 食べながらも首をかしげていたα-12でありました。
 が、ここで好奇心に負けてガスマスクのデジタルアイを起動。
 そしたら、まあ、見事に虫なアレである。ウネウネである!!!

「――DEATH」

 α-12…白目をむいてフリーズである!!
 どうやらマジでダメだった模様!ナムサン!七八のスタイルをディスったインガオホーか!!

「デ…デスゥ……」

 ダイイングメッセージに「にんたま」を書いて倒れるα-12であった。ゴットスピードとんちき!!!


【α-12…再起不能(リタイア!)】

 ↑の食材は↓の人へである!!

//リタイアにつきこれにてグッバーイである!!


769 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 23:41:58 ???
>>763
カツンとフォークに当たる硬質な感触

「これ絶対ヤバイ奴だ これ絶ッッッッッッッ対ヤバイ奴だ!!」
リアクション芸人ばりにビビりながら引き上げる 妙に大きい

口を開け 恐る恐る口を近づける 生臭いが動いてない 少なくてもいきものじゃない

歯が 当たった硬い なんだこれ
舌を当て

「うぇ!! ぺっぺっ!! なんかものすごくえぐい味がする!!」
ノーサンキューである 素早くベティに進呈

―――ギィ♪
ベティちゃんにはおいしかったようです よかったね

「それじゃ甘い物でも・・・」
取り出したのはジャレビーというスイーツだ

あげたてのドーナツをシロップに漬けた激甘スイーツ シロップを吸って半透明になったドーナツの暴力的甘さを堪能するがよい


770 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 23:48:18 ???
>>764
「ン?」
「……ガジッ」
「クソッが、食い物入れろよ!!」

べちーん!
ふぁっくな感じで投げ捨てるとメンコのように勢いよく叩きつけられたかまぼこ板
怒りに先程の笑いも引いたらしい、よかったよかった

「……ったく、いい加減マトモなモノをだな……」
「って、私が言えた義理もねぇか……」

苦笑ながらに投入するのは背脂の塊
無論溶けるのだが、それでも小さな固形物として残るであろう
熱々な上にデロデロ、脂っこーい塊!


771 : アラズ【ディープメイカー】 :2017/11/04(土) 23:52:27 ???
>>769
「……くんくん、嫌な予感しかしねぇ……」

匂いの時点で甘々い
既に危険なエッセンスを感じ取り怖気
覚悟を決めて口を開き……

「ガブッ」
「……〜〜〜〜」

齧った時点で背中から倒れて目をぐるぐるに回して卒倒
甘さがもうなんかもうアレだ、アレ過ぎてアレだ

//アラズリタイアで失礼しまするっ
//ありがとうなのでしたですよーノシ


772 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2017/11/04(土) 23:55:13 ???
>>766
「グニってしたぞ今!今度はどんな生ゴミだ?」
GRRRR、と喉を鳴らす。今までのとんでもねー食材に警戒しているのだ。
手負いの獣じみた警戒心を露わに、ルールに従い口に運び……、敵意が、消えた。


「真っ当に美味いモノを、久し振りに食べた気がする……」
忌まわしきは機械の身体。仮に生身の人間のままでいたならば、その双眸から泪を流していてもおかしくなかった。
普通に美味しいキノコと出汁は、彼の乾いた心に一陣の風を齎した。希望の風を。

「…何をしていたんだろうな。俺は。嫌がらせなんてやめようジャン。みんな平和が一番」
箸を置いて立ち上がる。ここにこれ以上いる必要は、もうない。
清々しい風が、彼の心象風景を満たしていた。狂人の心は、久方ぶりに安らぎを得て、憩う事が叶ったのだ。

「ヒンナヒンナ」
プライドもクソもない言葉を口走り、ソーマタージはフラフラと部屋を出ていった。安らぎを胸に、救いを分け与えに────。


かくして狂人は、ジェットコースターの如く急降下と上昇を繰り返す感情により、ますますどこかイってしまうのであった。
【ソーマタージ…本格的におかしくなり再起不能(リタイア) 消息不明】

//自分もこの辺で落ちさせていただきますです


773 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 23:55:32 ???
>>767
「ヒデェ目にあった」
―――ギィ♪

げんなりと鍋をかき混ぜるアキレスと ウサギ頭を堪能したベティ と何かやら若い物を掴んでしまう
掴んでしまった以上食べねばならぬ 嫌な予感を覚えつつ拾い上げた 小さい物体の為一息に口の中へIN!!

「・・・? うぇ!! これ知ってる ブリテン野郎が喰ってるタイヤ飴だ!!」
アキレスはスペイン人故にヨーロッパの菓子の知識はある 昔食べて拒否反応が出たことがあったのだ

「さて次は・・・」
と食材を漁ろうとした が ない

―――ギィ♪
ベティちゃんに喰い尽くされていた模様 アキレス リタイアである


774 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2017/11/04(土) 23:58:02 ???
さて みんな仲良くリタイアである

パチリと電気をつければ アラズが最後に投入した背油で真っ白に白濁した鍋がこんにちは

「さぁて・・・片付けるか」
失神者に毛布をかぶせ 【自主規制】と鍋を片付ける

こうして今年もカオスの蓋は閉じられたのであった

//ノシ


775 : イリーの目覚める少し前、魔女の小屋での会話 :2017/12/18(月) 01:23:47 ???
『約束が少し……いやいや、かなり違いません?』
『あの体はあなたが手に入れ、そして我々に力を貸してくれる』
『それだから私達はご助力させて頂いたんですよ?』

「魔女との契約なんざ、信じる方がどうかしてるんじゃあない?」
「大体、そちらも似たような事をしている風に思えるよ」
「……おーばば様、オルキデアとコンタクトを取ったね?」

『私の部下がやった事かもしれませんね、よぉく注意しておきます』
『……とにかく、約束が反故にされてしまった以上』
『あなたにはバツを受けて貰います……って所なんですけど』
『私達以上に死が塞がれているあなたにそれを与えた所で無意味ですし』
『……ま、もう誘ってあーげないって所に落ち着きましょうか』

「言ってろ」
「今の私はかつての百分の一以下の力しかないであろうが、お前の頭蓋の中身を引き摺り出すには不足はないぞ」

『御容赦下さい、これもお仕事なんです』
『……じゃ、まぁこれで』
『あとはあなたのお婆様に、話を通す事にしてみます』

「……また魔女に騙されたい訳ね、キトクなお方」


776 : おんも :2018/01/04(木) 21:42:36 ???
『……つまり、インベイジョナーへの対抗手段としてこの【イクォドラム】が存在している訳だ』
『イクォドラムの直接噴射や、加工し【イクォドライザ】化した武器。
 或いはイクォドラムで満たされた【イクォドライブ】空間での戦闘が基本となる』
『このイクォドラムの素となる物質の大半は現時点では小規模惑星群X-18999でのみ採取され、非常に希少価値が高く……』

教官である上級士官がスプレー缶の様なものを手に取り説明しているのをルシオラは静聴していた
周囲の同じ立場の学生達も同じで、戯けた様子は一切の皆無なのである
この空気がルシオラに取ってはどうにも居心地悪く、肩身の狭い思いをしている
周りの学生達はほとんどが2〜3歳年上の上級生であり、同期同年の生徒は存在しない
ちらりと見る窓の外は紫紺の宇宙
タイタン級輸送艦【ナイン】は、特殊部隊訓練生候補であるルシオラ等優秀学生を乗せてステーション【レクシア】へ向けて航宙を続けていた

【今より数日前の事】

『いいよなぁ、ルシオラはインプラントで』
『俺ナチュラルで、ぜーんぜん上手くないからさぁ……』

「あはは……ただちょっと早く向こうに着くだけだよ、待ってるからさ」

溜息混じりの同級生の言葉には、皮肉的な一切は皆無であった
学友達が送迎の会を開いてくれるというのに当初は戸惑ったモノの、矢張り心からの賛辞は良く響く
中には羨望もあり、それとは真逆の負の感情のほとんどをルシオラは感じ取る事はなかった

特殊部隊訓練生候補としてレクシアへ向かうという栄光を、ルシオラは同年代の誰よりも早く勝ち取った
通常3年間の学生生活を送り、その中でも優秀な生徒のみが候補として旅立つ事が出来るという殆どの前例の中では異例中の異例なのだ

『来年には俺が行くからな、待ってろよ』

『何言ってんの、私がすぐに行くからね?』

いやいや俺が私が
ルシオラの特例は、同級生達にいい影響を与えたと言える

【……そして数日と、更に数時間】

「……は、あーーあ、ぁ……」

腑の中身を吐き出すような大きな溜息
数少ない所持を許された所有物であるスマートデバイスの、ホーム画面は真新しい集合写真
体を支える二段ベッドの上は使われておらず、本来2人部屋であるここがルシオラの占有を意味していた
何やら同部屋になるはずの相方が体調不良を起こし、今回の航宙が見送りになったのだと説明された
男子との共同生活が不安の種であったはずのルシオラにしてみればこの上ない幸運である

「……」

消灯時間過ぎ、のったりと体を起こして部屋を出た
同級生達に対して懐郷に近い感情が芽吹きはじめていた、レクシアへの航宙は後300時間程を要する

「……あれ?」

廊下の向こう、展望室の扉は本来無人ロックされているはずだ
しかし有人を示す緑色のランプがここからでも見えた
不審に思い静かに歩を進める
ルシオラの運命を大きく揺るがせる、その足取りをゆっくりとゆっくりと


777 : おんも :2018/01/04(木) 21:43:40 ???
----


さて、越境後に先ず目に入ったのは緑だ
数々の木々植物、花々が萌える緑園
結構な広さを誇る室内人工緑園である
薄暗い室内だが最低限の光源は確保されており、夜目を必要とはしないだろう
首を動かし向こうを見やれば壁の一面をくり抜いたような巨大な窓
更にその向こう、無限に広がる星々の大海がそこにある
宇宙空間に浮かぶ……否、残光を帯びて通り過ぎる輝きが散見される所を見れば航行中の宇宙船か
そしてその中に

『▪︎▪︎▪︎』
『▪︎▪︎、▪︎▪︎▪︎……』

視線や気配に対しての察知に優れたモノであればその前に
そうでなくとも声に振り向くことは叶うであろう
明確に声と声のやり取りを行なっているそれらを視認するのと、向こうが此方を見つけるのはほぼ同時であった
植物ではない2つの影があって、しかし何方もヒトでもない

背丈は2mに届かない程、丸い頭、細長い体、ヒトと同様の四肢
影に見えたシルエットは燐光の中でもそれだ、つまり色彩はなく光を吸い込むような真黒

『▪︎▪︎!』

片方が吠えて腕を此方に向ける
すると影の一部が射出されたような遠距離攻撃を放つではないか
一撃目は逸れた、背後の木に命中すれば命中部は炭化し崩れ落ちる巨木!
2体同時に放たれた二掃射目は精密性を増している!

【宇宙船内の植物園と思わしき場所で、影法師型の敵2体からの先制攻撃!】


778 : 長剣ギガース>541 ◆eZKgukyN3c :2018/01/04(木) 21:56:17 ???
>>777
身の丈3mと少し 鍛え上げられた筋骨隆々の体にいくつも刻まれる大小さまざまな傷
簡素な麻のズボンと竜の骨で出来た大剣

彼は人間ではない 名は捨てた 今の彼は種族名を表す『ギガース』

「・・・・・・・・・」
辺りを見回す 室内に作られた庭園の様な者 少々暗いのはなぜか 答えはすぐにわかった
見上げた天井に移る船 なるほど ここはスペースコロニーかなにかといったところか

さてそうなると少々厄介だ 何せ自分は人間種族とは違う そのような異星人が突然船の中に現れたとなれば騒ぎにもなろう
以前なら蹂躙殺戮略奪パラダイスとなっただろうが 少なくても今は違う

クルーとコンタクトしたときどうしようかと考えていると 視線を感じ顔を向ける

人ならざる黒き物体 しかもこちらに攻撃を仕掛けてきたのだ

「ッ!!」
セキュリティが早速仕事をしに来たのかと予想を立て 骨剣を構える
先ほど射出された何かが当たった部分を素早く観察 炭化している

熱か何かかと予想を立てる 随分雑なセキュリティロボだと思いつつも 直撃すれば自身もどうなるか分かったものじゃない

素早く横に飛び攻撃を回避 骨剣を構え 猛然と突撃を慣行した


779 : ウルリック【牙狼】>>582 :2018/01/04(木) 22:03:18 ???
>>777-778

「わうわう(転移はいつものことだが何とも物騒なモノよ)」

 大男()


780 : ウルリック【牙狼】>>582 :2018/01/04(木) 22:10:06 ???
>>779
//なんたる途中送信か!!

「わうわう(転移はいつものことだが何とも物騒なモノよ)」

 大男(ギガース)の足元でふわふわ毛並みから取り出したリンゴを齧りながら、
 柴犬はおおよそ状況にそぐわぬ態度で顎を掻いていた。

【日和見…というよりギガースの技量あらば十分といった故であろうか】

(宇宙ステーション?いや、艦か?随分と環境再現に気を使っているようだが?)

 ウルリックとて遠未来出身かつ、かつては騎士団(オーダー)に所属していたのだ。
 周囲の風景と、星々の大海より凡そ類推できる。

「わうん!!」

【ギガースに肉体活性(雷属性)をエンチャント。ただしこっそり】


781 : ルシオラ・グリヴルム【幻蛍の創作体】 :2018/01/04(木) 22:13:17 ???
>>778-779
『▪︎▪︎!』

『▪︎▪︎▪︎……』

たじろぐようにして下がりつつ、影法師は漆黒の弾丸を放つ
しかしギガースの巨体は、いい的であるはずの体躯は素早く命中弾が生まれずにいた
骨の剣の一閃が振るわれれば、霞を裂いたような奇怪な感覚を覚えるであろう
そして直後に被斬部に影が収束し、肉体強化の加護を得たはずのギガースの一閃を受けて尚、再生を終えるのだ

→影法師の攻撃を受けた植物は熱を発することなく炭化している
 つまり物質の強制変換?
→更に、影法師を攻撃したとしても効果が薄そうだ。最も、再構築までに時間を要する様子ではあるが

『▪︎▪︎▪︎……』

影法師が再度の射撃を繰り出そうとしているのであろう、腕を向ける
そして、

「……い、い、」
「インベイジョナー!?」
「……と、犬と……何!?」

何事かと展望室の様子を覗きに来たルシオラは驚愕に目を見開いた
影法師達はゆっくりとルシオラの方に意識を向けているのであろう、攻撃は現時点ではない、隙ありは隙ありである

→突然の来訪者ルシオラ、彼(彼女)は影法師に対する知識があるらしい


782 : 長剣ギガース 541 ◆eZKgukyN3c :2018/01/04(木) 22:26:58 ???
>>780-781
「・・・?」
手ごたえは希薄 更にすぐさま再生を始める
犬の加護を得ていつも以上に動きのいい体での一撃でもダメ

何か対策が必要だ だがどうすれば?

そこに現れた人間 この化け物を知っているらしい

『ソコノ・・・オ前・・・! ドウスレバ・・・奴ヲ倒セル・・・!?』

人間に問をぶつけながら今一度攻撃

今度は骨剣の腹をたたきつける打撃 霞の手ごたえなれど 当たる部分が多ければ多少は結果が違うのではと思ったのだ


783 : ウルリック【牙狼】>>582 :2018/01/04(木) 22:29:26 ???
>>781

「ばう?」

 ギガースの攻撃が致命打に到っていないのを見て取ったウルリックは、
 この謎の敵性存在が何やら厄介な性質持ちであることは察した。

【こういったケースの場合、圧倒的破壊による力技か知識の取得による有効打という選択肢となる。が、】

(艦内となれば過度の威力はテクノロジーレベルによっては装甲を貫きかねんか)

 中々に厄介だ。と考えたところで何やら第三者が現れたではないか。
 そして、言葉を聞くにこのアンノウンに対する知識を有しているようだ。

「わうん!」

 柴犬は駆けて、来訪者の前に立ち威嚇のポーズをとる。
 ふわふわ毛並みのわんころなのであまりサマにはならなかったが。

【この知識への手がかりを何も解らぬまま失うことを避ける。それが第一用件と踏んだためだ】
 【驚愕から回復する前にやられては元も個もないのだ→(>>782)ギガースが既に対策を問うている。あならば後は状況が転がるだろうと】


784 : ルシオラ・グリヴルム【幻蛍の創作体】 :2018/01/04(木) 22:39:24 ???
>>782-783
「喋、……え!?」
「倒すって、イクォドラムを使わないと……!」

影法師の体を抉る剣の腹撃
面積を増した一撃は目論見通り、影法師の体をよろめかせ再構築までの時間が先程よりも長い

「……!」

ウルリックの姿を改めてしっかりと視認し、怖気を感じたように肩を竦める
いつか夢で見た犬と瓜二つなのだ、雪の世界の中で

直後だ、室内に真紅の照明が明滅しサイレン音が響いたのは

【(けたたましいサイレン音)】
【総員に告ぐ、ケースD、ケースD】
【イクォドライブ化開始】
【繰り返す、ケースD、ケースD】

「……、」
「す、少し耐えて!」
「その後なら通じるから!」

彼(彼女)は己と犬の前に蛍色の燐光の壁を構築
影法師の一体はギガースへ、もう一体はウルリックとルシオラへ向けて影弾を射出!
ルシオラの構築した壁は1、2発を耐えるのみで容易に破壊されるであろう!
そのウェーブを凌ぎ切った後、室内に瑞々しい新緑のミストが溢れたごとき錯覚!

「イクォドライブ!」
「今なら行けます!」

彼(彼女)の叫び!
成る程確かに、影法師達は先程より妙に『現実味』が増している!


785 : 長剣ギガース 541 ◆eZKgukyN3c :2018/01/04(木) 22:48:04 ???
>>784
「・・・・?」
専用の何かを使わなければ倒せぬ相手 中々に厄介だ
もしもそれが武器の名ならば 自分に倒す術がないことも考えられる

とりあえず耐えろとのことなので県の腹で影弾を受ける

薬品強化された竜の骨がどれだけ耐えてくれるかは未知数であったが

そして弾を受けきった すると室内に薄く霧がかかったようになる

そして今ならいけるという言葉と 現実味を帯びた影法師

「!!!!!!!!」
その好機は見逃さぬ

ウォークライ 越境の加護を受け付けぬ 異星人の叫びが轟く

ズンと庭園に足跡型のくぼみをつけん勢いで地面を踏みしめ つま先から始まる力の奔流は 体の各部を通過するごとに増幅され
肩に 腕に 指に到達するや 爆ぜた

『ッ!!』
肩の造詣が朧にブレ 腕が消失し 破壊の線が横薙ぎに刻まれんと放たれる

ストロング・スマッシュ 基本にして奥義たる ただの斬撃

もしも骨剣が壊されれば 同じ動きから繰り出される渾身の左ストレートが叩き込まれることだろう


786 : ウルリック【牙狼】>>582 :2018/01/04(木) 22:49:28 ???
>>784

「わうん!!」

 天空と獣の二重属性の魔風を収斂させ雷撃に転化。
 魔術構築式をおおよそ本能と祈祷によって一瞬で構築し終えると、
 ギガースの周囲に雷球が発生!それをウルリックとルリオラの盾となるよう空間座標に設置し、影弾を迎撃!!!

【雷球の動きを偽装になるべく〝ギガース〟が発生させたような軌道にする。ようするにスットボケだ!!】

「わうん!!」

 〝大男が生み出したっぽい雷球〟のおかげでリソースを攻撃に突っ込めるぞ!的にルシオラに向けて一吠え。
 なお、魔力察知能力を持っていた場合はバレバレである。所詮、雑い偽装である。


787 : ルシオラ・グリヴルム【幻蛍の創作体】 :2018/01/04(木) 23:08:33 ???
>>785-786
パァン!
空気を打つような乾音、ギガースと対峙していた影法師は上半身を喪失!
再構築される事はなく、そのままサラサラと空間に溶けた
尚、竜の骨の剣は炭化する事なく健在である
表面に微かな炭が付着している可能性程度はあろうが

「えっ」
「あっ……武器、武器……!」

ウルリックに吠えられる事で好機を知った
普段はベルトがあるであろう腰部を探るルシオラ
しかし寝間着姿では無論そんなモノはない、つまり武器がない
因みに魔力察知なんて出来るはずもない

「……部屋、置いてきちゃ……」

顔面蒼白、全てを言い終えるよりも早く、残された影法師がプツンと音を立てて消えたのは重畳だ

「あ……」
「助かったぁ……」

へなへなんとその場に腰を下ろし、大きな吐息
しかし越境者達には未だ感じ取る事ができるかもしれない
艦内に満ちる殺伐の張り詰めた気配はまだ失せていない
むしろ、そこかしこで戦闘行為が行われているのだと
現にそれを知る事が出来ぬルシオラにも、

「……!?」
「今の音……!?」

遠くから響く爆音と振動が届いたのだから
正しくは船の機関部がインベイジョナーの攻撃を受け爆破停止した音なのだが、今はそれを知る由もなし

『総員、指定された脱出ポッドへ』
『総員、指定された脱出ポッドへ』

ルシオラはその放送を聞いて、茫然と立ち尽くしているだけだ

→宇宙船内で爆音と大きな揺れ、そして脱出命令
 要するにめちゃくちゃ危機的な状況であると察するに容易であろう


788 : 長剣ギガース 541 ◆eZKgukyN3c :2018/01/04(木) 23:14:37 ???
>>787
とりあえずイクォドライブとやらが武器出ないことは重畳といえた
現にこうやって自分でも倒せたのだから

だが災難は続くもので このコロニーを放棄することになったらしい
こういう時焦りは禁物だ 取り合えずここの乗組員らしき人間に顔を向ける

何やら立ち尽くしているようだが 呆けているだけの余裕はない

人間をひょいと担ぎ上げ

『ドッチダ!?』
脱出ポッドの場所を聞く 話せば一目散にダッシュである


789 : ウルリック【牙狼】>>582 :2018/01/04(木) 23:16:46 ???
>>787

「わうわう(どうやらこれは…)」

 敵襲を受け、艦を放棄。脱出ということなのだろう。
 この状況悪化の早さからして、襲撃者の強襲は見事だったと類推できる。

(艦を放棄か。相手に艦を鹵獲される危険性があるな。自爆させるのだろうか?)

 ウルリックの騎士団(オーダー)の栄光にかつて穿たれた汚濁。
 戦闘艦を反逆者に鹵獲されたという苦い出来事を思い出し、やや憮然と唸るウルリック。
 が、しかし、今はそのような場合ではない。

「わんわん!!」

 なにより、自分もギガースも脱出ポッドがある場所を知らぬ。
 そもギガースはそれに収まるかもわからないが、とにもかくにも手がかりはルシオラだけだ。

【ゆえにギガースがたずねたならばそこに向けてテッテケテーだ】


790 : ルシオラ・グリヴルム【幻蛍の創作体】 :2018/01/04(木) 23:31:46 ???
>>788-789
「わぁぁっ!?」
「……い、一番近いポッドルームは出て右で……」
「あ、でもカードキーが部屋だから部屋に寄らないと……!」

一度部屋に寄ってカードキー(というかルシオラの荷物)を取り、そして改めてポッドへ向かわなければならないのだという
取り敢えず部屋とポッドルームはそう遠くないと付け足し、何故か担がれたままあっちですこっちですと指示
地味にパニックに陥っているらしい
尚、艦内も混乱とまではいかずとも騒がしい
影法師を数体発見出来るであろう、そして人型の炭化した物体はそれよりも遥かに多く

→影法師数体を蹴散らした後、脱出ポッドへ

この脱出ポッドは4人乗りらしく、一同が乗り込んだポッドには先客はいない
ギガースに取っては手狭ではあろうが、2つの椅子を陣取ればまぁ座れなくはなかろう
ウルリックは勿論余裕だ

『ポッドC-3、射出します』

なんの操作もなく、そして随分と呆気なく
ポッドは射出され一同は浮遊感に包まれるであろう
窓から覗く宇宙の中、先程まで乗っていた宇宙船の後部エンジン部が小規模な爆発を繰り返しているのが見える
近々内部誘爆を引き起こし、タイタン級輸送船ナインは轟沈するだろう

その様子をルシオラは、表情を失ってただ眺めている


791 : 長剣ギガース 541 ◆eZKgukyN3c :2018/01/04(木) 23:43:56 ???
>>790
人間のナビを受けて右へ左へ進む進む

一歩がでかいギガースが全力で走れば中々の速度が出るだろう 乗り心地は度外視であるが
実体化した影法師は全力のヤクザキックで蹴散らしなおも前へ

人間の荷物をもって脱出ポッドへたどり着くことができた
席のひじ掛けを一つ引きちぎって2席分の座席を確保し そこにどっかりと座る

窓の外を見れば 時期に轟沈するであろう宇宙船

それを見る人間はただ無表情に見えたが これは悲しみによるものだろう
自分は口下手ゆえに慰めることはできない こういうのは犬にでも任せよう 前にもセラピーめいたことしてたし

ロイウことで黙って座っていようかと思ったが 影法師との戦いで犬に助けてもらったのを思い出し

頭陀袋から干し肉を一切れ取り出してウルリックに放り投げるのであった

何の肉かって? 少なくても人の肉ではないとだけ


792 : ウルリック【牙狼】>>582 :2018/01/04(木) 23:50:59 ???
>>790

「わうわう(拙いな…)」

 艦の放棄アナウンスからわかってはいたが、相当数の死傷者が出ている。
 敗北。それも致命的といっていい状況に放り込まれてしまったようだ。

【影法師はおおよそギガースに任せて先を急ぐ→脱出ポッドへ】

「………」

 スルリと脱出ポッドに入れば艦の爆沈までもを見届ける。
 さて、実際、状況は殆どわかっていないが生存者はどれくらいだ?

【目視なりモニターなりで叶うならばどれだけのポッドが脱出できたか凡そ確認を試みる】

 そして、どうやらただの犬として振舞うのもここまでのようである。
 擬態よりも、状況の把握に務めねばならぬ。ギガースのコミュ力ではいまいち当てにならないともいう。

「わうん(娘、聞こえるか。今、ミステリアスな何かで語りかけている。呆けている場合ではない)」

 ペローンと舌を出しながら実に雑い説明でコミュニケーションを試みるわんころ!
 仔細に念話だの説明してもしょうがない。わからんのはわからんまま受け入れさせる。

「わうわう(パニックは起こすな。不毛ゆえ。さて、敵の正体や何があったかは後だ。
 先ず第一用件だが、拙者たちが生き残れる公算はどの程度だ?)」

 これが問題となる。敵は問答無用で強襲し、艦を爆砕させた。(相手の脱出は不明であるが)
 さて、艦を破壊したとして潜入経路は?相手が戦闘艦を有して近隣に配していた場合、
 皆殺しを志向するなら、脱出ポッドなど的以外の何物でもあるまい。

【これは敵に対する一定程度の知識を有するルシオラに尋ねるしかない。少なくとも事前知識皆無の自分達よりはマシだ】

>>791

「もぐもぐもぐ(むむ、貴様がそうでなければ拙者もらしくない事をせずにすむのだがな)」

 同行者にコミュニケーションを期待できない状況である。お肉を齧りながらも不本意ながらウルリックがその役割を担うしかあるまい。
 しかして、なんというか、どーぶつに頼るってどうなのよ?と思わなくもなし。

「わうん(が、戦士の姿としては間違っておらんか。むしろ拙者に余計な贅肉がつきすぎているようだ)」

 やや自嘲めに言葉したウルリック。野生に生きていたころよりずっと複雑になった。シンプルではない。。
 どうにも人に揉まれすぎてしまったようだ。と、常々思ってしまうのだ。


793 : ルシオラ・グリヴルム【幻蛍の創作体】 :2018/01/05(金) 00:06:31 ???
>>791-792
「……ありがとうございました」
「スゴイんですね、そのアーマー……」

ホンモノの生き物みたい、とはギガースに対して
宇宙を開拓した世界ではあるが、
しかし地球外生命体とのコンタクトが未知である世界の住民ルシオラの出した答えがこれらしい

「……」

して、一方ウルリックを見てしばし固まる
考え込むような仕草、そして大きな吐息

「……疲れているのかな、僕」
「えーと、脱出ポッドの安全性は保証されている、って教えて貰ってはいます」

ただ、同じ教師曰く『不沈を誇る軍の船』が目の前で呆気なく爆発四散している以上アレではあるが
その破片や爆風を受けていくつかのポッドが巻き込まれる
安定航宙路に乗ったのは両手で数えられる程であろう
それにルシオラが気が付いていないのは、この会話の副産物と言えた

「……インベイジョナーの攻撃は不定期な上に一貫性も確認されていませんから……」

ウルリックだけではなく、ギガースに向けても語るように
口振りだけからすると追撃の心配は余りなく、むしろ別の攻撃に対しての恐れの方が大きい?
敵は軍隊的な存在ではないのだと暗に示している

「ポッドはシグナルを発信しながら、一番近い船かステーションに向かうはずです」
「たぶん……きっと大丈夫」

自分に言い聞かせるように頷くルシオラ
多くの不安を孕みながらの航宙となった、しかしそれらの殆どは杞憂に終わる
何故なら数時間後、ポッドごと越境現象に巻き込まれ狭間のスクラップヤードにジャンプ
ルシオラは本格的な越境者の仲間入りを果たすのだから
しかしそれはまた、後のお話


794 : ルシオラ・グリヴルム【幻蛍の創作体】 :2018/01/05(金) 00:07:17 ???
//これにて〆っ、ありがとうございましたっ


795 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 21:00:05 ???
【機械文明世界:固有世界名無し(認識世界番号:ワールドS3) 越境者標準時:20:00】

そこは高度に機械化された夜であった。
時折炎の上がる煙突からは夜闇より黒い煙が上がり、遠くの宇宙港からは、地上からの流星群のように大気圏離脱ブースターを輝かせた宇宙船団が、
機械の月と本物の月が輝く夜空に向かって飛び立っている。
道行く――と言っても、人通り自体はまばらであるが――人々はそんな光景は日常だと言わんばかりに、やや地面よりの視線で歩き、
機械化された腕に内蔵された個人端末で時間を確認しては、足早に去っていく。

さて、そんな世界の一角、人気のない、コンテナとクレーンと倉庫の支配する港湾施設、その入り口付近に、この世界とは雰囲気の違う一団が居た。
彼らは“世界渡り”の異能者、次元と常識の枠から外れた者たち――「越境者」である。

「みんな、今日は依頼を受けてくれてありがとう。私は一ノ瀬葵。「碑の騎士団」第3階位騎士……平たく言っちゃえば戦闘専門の警察官よ。
私のことを知ってる人も、知らない人も、今日はよろしくね」

フルプレートアーマーを着込んだ時代錯誤な男や、背中のコンテナから弾薬ベルトを伸ばして手持ちの重機関銃に接続した大男など、
バラエティに富む一団の中心でそう挨拶するのは、茜色の瞳と長い髪を持ち、髪色と同じ体毛に覆われた狼の耳を頭頂に持つ少女、一ノ瀬葵である。
今回葵は、騎士団の仕事の遂行のため、狭間のスクラップヤードと呼ばれる越境者のたまり場に依頼書を出していた。
ここに集まっている彼女以外は、彼女の依頼を受けた者たちだ。
依頼の内容は、簡単に言えば「異世界で悪さをしている犯罪者集団をとっちめるのに手を貸せ」である。それも「生死を問わず」で。

「依頼書にも書いたけど、今回の仕事は危険なの。みんなの命の保証は、口が裂けてもできない。本当はしたいところだけど。
その代わりと言ってはなんなんだけど――」

葵は自身の右後ろに控えていた人物に前に出るよう促す。
奇妙ないで立ちの人物であった。ポニーテールにまとめられた絹糸のような金髪と、静謐を湛える紅の瞳が印象的な、少女と言っても過言ではないくらいの年若い女性だが、
問題はそこではなく、彼女の服装がいわゆるところのモノトーンカラーな「メイドさん」であるところが、だ。
その「メイドさん」は一行の前に出ると、ミドル丈のスカートをつまんで恭しく一礼、

メイドさん?「お初にお目にかかります、皆様。この度、ご主人様の求めに応じ、はせ参じました、「突撃型看護兵(アサルト・ヒーラー)」兼「ステルス兵」兼「メイド」の、
マドレーヌ・響(ひびき)と申します。以後お見知りおきください」
葵「今回はこの響さんに救護役として付いて来てもらってる。怪我をしたら、無理しないで響さんに言って。響さんは、致命傷以外の怪我なら大抵治せるらしいから」
響「はい。私めの治癒魔術は時間遡及型です。身体の自然治癒力を強化する型とは違い、機械化された身体の修復も可能です。
ただ、失った血液、およびそれに準ずる体液の再生は、私めの魔術の対象ではありません。何卒、ご容赦くださりますよう」
葵「要は、失血死する前に来いってこと。……さて、もう時間だし、突入しようと思うけど、何か聞いておきたいことはある?」

葵は一行を見渡す。今回の件について、事前に聞いておきたいことがあるのならば、これが最後のチャンスとなるだろう。


796 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/24(土) 21:09:55 ???
>>795
さて、サイボーグめいた往来を物珍しそうに眺めていた半人半機
タェンティースは外見上、ひとと区別が付かずしかしこの世界の多くの人々よりずっと無機と有機として調和しているであろう

「……どうも、タェンティースと申します」

宜しくお願いします、と恭しくも嫌味っぽさのない所作で一礼
ニア・シューペリオリティやアラズ、そしてアラズァヘッド達と同じ顔ではあるが雰囲気はやや怜悧に寄っているか

「わたしからは特に……」
「……そうですね、突撃、殲滅が目的ですし……」

腰に帯びた二刀の科学ブレードを撫でた
半人は銃器の類を余り好まず、今回の作戦にも持ち込んではいない


797 : 鈴虫>542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/24(土) 21:12:12 ???
>>795
ざんばら髪を結いもせず
肩に担いだ仕込み杖
紺の着流し身にまとい
満面の笑みを浮かべる男

生死問わず その言葉に食いついた鈴虫であった
つまり生きて帰れる保証ができないということであり 相手はそれだけの剛の者であるということである

「鈴虫だ 覚えなくてもいい」
自己紹介にはそっけない返事 だが着流しには大きくカノッサの紋を背負っている
カノッサがこの一見に介入したのかと思えばそうではない 簡単に言えば楽しそうだから参加した それだけである

「女 まさかこっちの命を保証しないで 相手のの命は保証するなんて言わねぇよな」
一応確認である それだけ聞けば悠然と歩き出すだろう


798 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/24(土) 21:18:26 ???
>>795
「何だお前警察だったの?日に十人は警察を殺して木に吊るさないと寝れないんだ、子供の頃からの習慣でネ。
 ───公的機関だろうが悪党だろうが知った事か。ちゃんと報酬を払ってくれるのならドブ川の底だって向かってやるよ」
口角を吊り上げる笑いを薄く浮かべ、ソーマタージはいつもの様に軽口を叩く。

「危険なのは百も承知だ。死んだ時に誰を祟ればいいのかも分かってる。お前だろ?」


「メイド?戦場に?」
訝し気な目を向け、現れたメイドに警戒。礼儀正しい一礼にウルルと喉を鳴らして威嚇!

「僕ちゃん殺すのダイスキなDPSだからヒーラーはいつでも大歓迎さ。
 ───ちゃんと使えるならな。そうである事を祈ろう」


「どういう風にやるのかだけ、行きがけに教えてくれれば十分だ。それと目標と見取り図だけ。
 人殺しで助成金を貰うのも悪くない。トウモロコシ農家もこんな気分だろうな」
腰の刀、小型暗器、懐のアンプル。全て確認は済んでいる。後は動くのみ。


799 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 21:25:04 ???
>>796
葵「タェンティースさん。来てくれたんだ。今日はよろしく」

いつか、スクラップヤードで葵は彼女に会っていたことを思い出し、手を振って彼女に応える。
誰が来るかは分からなかったが、少なくとも顔見知りに出会えたことは葵の安心を誘った。

>>797
葵「ええ、もちろん相手の命の保証はしない。
ぶっちゃけると、私が出てきた時点で、その選択肢は半分以上無いの」

カノッサを知らない葵は、鈴虫と名乗った男の背負った紋を気にせずにそう応える。
今回の件は依頼書に書いたとおり、「生死を問わない」。つまりは遠慮なくやれ、ということである。

>>798
最後に口を開いたのがソーマタージだ。葵はいまだに、この男のキャラがつかみ切れていない。
だが仕事はきっちりやってくれそうなのは何となく感じていた。警官嫌いなのが今発覚したが、それはこの際、どうでもいい。

葵「よろしく、ソーマタージさん。警官吊るす云々は忘れてあげる。
それで、どういうふうにやるか、だっけ?そんなの簡単。正面から乗り込んで、ひき潰して、相手の企みを破壊したらゲームクリア。
どう、簡単でしょ?」

つまりはドのつく正面突破というやつである。

響「そのために私めが居ります。存分に振るわれますよう」

響はソーマタージに向かって、涼し気にそう言う。使えるかどうか訊かれたことは、とりあえず無視の方向らしい。

//レス続きます。


800 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 21:25:50 ???
葵「……よし、こんなところかな。それじゃあ突入するよ!」

一行との質疑応答を終えた葵は号令を飛ばし、一行に先んじて港湾施設に正面から堂々と入っていった。
港湾施設は大きく分けて、トレーラーが入りやすいよう広めに構えられた正門とロータリー交差点のあるエントランス部、整然と倉庫が並ぶ倉庫街、
そしてコンテナがいくつも積みあがっており、ガントリークレーンの威容がそびえる岸壁の3エリアで構成されており、
葵が入っていったのはこのうちのエントランス部だ。
エントランス部からは、倉庫から漏れる電灯の光と、等間隔に設置された街灯の光に助けられ、倉庫街で動き回る人影を何人か見て取ることができた。
港湾労働者……にしてはガラの悪そうな連中が、倉庫から大きめの箱に箱詰めされた何かを持ち出し、施設内での運搬用と見られる小型車両の荷台にそれを載せている。
彼らの姿を確認した葵は、懐からボイスレコーダーのような機械を取り出すと、それを口元に持っていき、

『あー、あー、こちらは「碑の騎士団」である!お前たちは包囲されている!大人しく投降しろ!
投降し、司法取引に応じれば、諸君らにはまだやり直す余地が残されている!!』

葵の声が何倍にも拡声され、港湾施設に響き渡った。
途端、倉庫街で作業をしていたチンピラ集団が色めき立つ。

手下1「ウソだろ!?「騎士団」が来やがったぞ!?」
手下2「あいつらが世界を渡れないってのはホラだったのか!?」
???「馬鹿どもが、騒ぐんじゃねえ!!」

動揺するチンピラ集団を怒鳴りつけたのは、浅黒い肌の若い男だった。
腕に大仰な入れ墨をしているその男の出現で、チンピラ集団は一旦静かになる。

手下2「で、でも「ビショップ」さん!今確かに、「騎士団」の名が!」
ビショップ「ああ聞いたよ!で、「騎士団」なんて馬鹿どもの名前出してるクソ野郎はどこのどいつだ!?」

ビショップと呼ばれた男が視線を巡らし、遠くに葵の姿を認めると、信じられないものをみたように目が見開かれた。

ビショップ「マジかよ……マジで「騎士団」だ!しかもあいつは「赤狼」じゃねえか!!」

ビショップの口から出た「赤狼」というワードに、チンピラ集団が再び動揺し始める。
だが幹部級らしいビショップは周囲のように慌てふためくことはなく、

ビショップ「てめえら!計画変更だ!何本か「ジェネレーター」を使って連中を足止めしろ!出港までの時間を稼げ!!」
手下1「び、ビショップさん!この「ジェネレーター」は、ボスの……!」
ビショップ「ンなこと言ってる場合か!いいからさっさとやれ!「ジェネレーター」を起動したら、てめえらも船まで来い!いいな!」

それだけを言い残し、ビショップはその場から去っていった。

//3レス目に続きます。


801 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 21:26:45 ???
残されたチンピラ集団は、小型車両の荷台から3箱、さきほどまで運んでいた箱を降ろすと、梱包を乱暴に解く。
箱の中から、鈍色を湛える金属製の円筒が姿を現し、彼らは円筒を縦にして地面に置くと、円筒の上端のカバーを開け、中のコンソールを操作した。
すると、円筒が真ん中から上下に分かれて展開し、露出した内部からは金属製の骨組みに囲まれた、青白く輝くクリスタルが周囲に淡い光をのぞかせた。

手下1「「ジェネレーター」を起動した!撤収だ、撤収!」

3本ともをその状態にしたチンピラ集団は、円筒をその場に残して、小型車両に乗って岸壁の方へと去っていく。
起動したらしい円筒はその場に残って静かに青白い光を漏らしていたが、突如、金属音のような音を立てて光を一瞬強める。
するとその場には、先ほどまで影も形も無かった人型のモノの集団が現れる。
それらは、一言で言えば狼男であった。意思の光の宿らぬ瞳、鋭い爪牙、灰色の体毛……その特徴を備えたモノたちの集団が、葵たち一行に向かって唸っている。

葵「やっぱりこうなる、か。……全隊抜刀!!」

騎士団式の号令なのだろうが、それがわからない越境者たち(PC以外)がたどたどしく各々の武器を構える。
そんな中、響だけは葵の号令に従って両腕のメイドカフスの裏側から、金属製のブレードを展開する。
葵もトロイメライを起動し、日本刀を生成すると、左手に鞘入りのそれを握り、抜刀する。

葵「いい、みんな!?目の前のアイツらは機械が作り出したただの人形!本物と同じで、速くて、鋭くて、力強いけど、それだけ!
戦術も連携も無い、ただの猛獣!私の依頼に乗っかるような歴戦のウォーモンガーの敵じゃない!さっさと突破して、機械を破壊して、連中を追う!!」

そう言ってから右手の刀の切っ先をを人狼の集団に向け、

葵「突撃ィーーーーーーーーーーーッ!!!!」

叫びながら葵が先陣を切り、響がそれに続き、それに遅れて越境者たちが後に続く。
対する人狼たちも一斉に吠えて、葵たちの集団に向かってなだれ込む。戦いの火ぶたは、ここに切って落とされた。


802 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/24(土) 21:34:08 ???
>>799-801
「えぇ、こちらこそお手柔らかに」

葵にペコリと頭を下げてふわりと微笑む
その一挙一動はどちらかといえばぼんやりしており、現時点で戦力的に小首を傾げたとしてもそれは間違いではないはずだ

さてさてそして?

「え? あっはい、……抜刀!」

彼我間で一定のやり取りがあり、結果として抜き放たれる純黒のブレード
黒曜の闇より尚深い刀身は破壊不能属性を帯び、静かに蒼く輝いている
その銘を『月光』と言った

「……!!」

葵の号令と同時に、もっと具体的に言えば少しだけフライング気味に
ヘルメスの靴の底のローラーを魔法動力で起動!
瞬時にロケットめいた初加速を起こし、月光を構え突撃!


803 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/24(土) 21:41:23 ???
>>799-801
にんまりと笑う 目に危険な光が灯った

【そんでもって!】
「抵抗しろ 抵抗しろ 抵抗しろ」
投降を呼びかける葵の後ろでなんか言ってますが気にしないであげてください

ご要望通り抵抗の色を見せる犯罪者諸君
現れるは人狼であった 嗚呼よき獲物 抜刀の言葉が響き渡る中
しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く

――――瞬間的な其の動作
地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

加速を無視した最高速 手頃な人狼に切りかかる

葵の忠告が背後で聞こえた気がしましたが気のせいでしょう

完全フライング 抜き放った仕込み杖を逆手に握り 人狼に切りかかる


804 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/24(土) 21:42:47 ???
>>799-801
「俺が言うのもなんだが、バカみたいな作戦だな。誰が責任取るんだ」
マジで死ぬかも。内心呟き、シラーッとした目を向ける始末。

「大丈夫かこの布陣?」
周りを見れば刀バカ一代、借金大将、脳筋作戦。自分の事は棚に上げてボヤくのであった。


それからどうした。
「赤狼って俺の事かな?ねえ俺かな?有名税ってヤツ?」
ウザッたく周囲に絡んでは無視され、その都度クーンと喉を鳴らして拗ねる。
しかし、戦の気配を感じてその態度は春の幻の様に掻き消えた。

「ここまでやる連中が、そうそう降りるかよ……」
小さな声は葵の声に混ざり、誰の耳にも届かない。音を立てて酸素供給機が耳の後ろから展開される。


「レッツビギンをキリングタイムってか。ウォーミングくらいにはなるかもネ」
噛み合わせた牙を模した形状の酸素供給機が、面頬めいて彼の鼻から下を覆う。赤い瞳が激しく発光する。
「殺るか」

バチリバチリと、踏み込むた度に紫電が大地を一瞬走る。鬨の声に続いて駆ける!駆ける!───跳ぶ!
前を行く越境者の肩を勝手に踏み台にし、高く跳び上がるソーマタージ。特殊合金で補強されたブーツが、人狼の頭部を踏み砕かんと迫る!
「踏み越えろ!烏合だ!!」


805 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 21:54:27 ???
>>802
突撃するタェンティースの眼前には、一体の人狼。
身体スペックは本物染みている、という葵の言葉通り、尋常ならざる勢いで突撃してくるタェンティースに合わせて爪を振り上げ、
突きの形で彼女を迎撃する。
人体を貫通してあまりある一撃だが、果たして。

>>803
号令前の完璧なフライングに、葵も人狼も対処できなかった。
刹那という言葉自体生ぬるい一瞬を得て放たれた、仕込み杖の一閃は、過たず手近な人狼の喉笛を掻き切る。
傷口から黒い靄が噴出し、やがてその人狼自体も黒い靄となって霧散する。

そこへ、葵の号令が響く。
周囲の人狼は8割がた葵たちの方へ向かっていったが、残りが奇襲しに来た鈴虫に向かってくる。
まずは2体、両脇からの爪の攻撃だ。人狼の速度、筋力の乗った一撃は、常人には対応できないが……。

>>804
飛び上がり、自由落下を始めたソーマタージ。その見た目以上に硬そうなブーツが、先陣を切っていた人狼の頭を踏み砕き、
人狼は頭蓋を割られて黒い靄となって霧散した。
だがその一瞬は硬直と捉えても過言ではない。一人やられても残りで攻め立ててしまえがこの人狼集団のスタンスである。
黒い三連なんとかよろしく踏み台にされた仲間など気にも留めず、仲間を踏んだソーマタージに向かって、
後続の一匹が爪を振り上げて跳躍、彼に迫る。

>>ALL
葵「でえええーーいッッ!!」

先陣を切った葵に向かって、同じく先陣を切った人狼のうちの一匹が襲い掛かる。
葵はその人狼の覆いかぶさってくるような爪をかいくぐると、人狼の喉元を左手の鞘で突き、苦しみのあまりのけぞる人狼の心臓に向かって刀を突き刺した。
苦悶の吠え声を上げながら人狼は黒い靄の塊となり、文字通り霧散した。
一方、葵に続いた響はと言うと、葵の側面を突こうとする人狼を横合いから急襲、左手のブレードで人狼の腕を斬り飛ばすと、右手のブレードで人狼の喉輪を裂き、同じく霧散させる。

響「ふむ、有体に申し上げまして、雑魚でございます。ここは私めの出番は無さそうですね」

響の言うように、この人狼たちはあまり強くないようである。
ただし、件の「ジェネレーター」によって次々と生成され、数だけは多い。

響「あまり時間をかけたくはないですね」
葵「うん、時間を与えれば与えるほど数が増えるから、速攻で斬り込んで、あの機械を破壊しないと」


806 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/24(土) 22:05:20 ???
>>805
「シィッッ…!」
衝撃による硬直、それを見逃さない獣に舌打ち。飛び離れる?土台は霧散しつつある。横に逸れる?この人だかりでは逆に危ない。
ニューロンの速度でやるべき事は決まった。後は強引に実行に移すのみ。


ギラリとした目が人狼を睨む。飢えた獣の様な殺気が向かい合う。
しかして、そんなのはただのプラフだ。腰の鞘に添えられた手が、何らかの機構を弄る。

ZZZRRSSHHH!爆音と白煙、微かなスパークを撒き散らし、鞘から刀が『射出』される!迎撃ミサイルめいて!
彼の鞘に組み込まれた装置は、本来なら神速での抜刀を可能とするための機構に過ぎないが使い方を変えればこの通り、刀を撃ち出す武器となるのだ。

本来の出力に満たないこの程度では精々驚かせるのが限界だろうが、それでいい。安全に降りて、戦えればそれでいいのだ。

「誰が速攻で機械を壊すんだ!?あン!?」
混戦の中怒鳴る。サイボーグの怪力を活かした徒手空拳のまま、人狼と張り合うつもりだ!


807 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/24(土) 22:08:40 ???
>>805
「……っ!!」

ここで半人の輪郭がぶれた、体は真横に直角に強引な軌跡を描き動いた
ヘルメスの靴のローラーは極めて破天荒な機動を可能にしているのだ、それを支えるのは半人半機の強靭な体幹
突きを紙一重、躱し横薙ぎ一閃に斬り捨てるべく再加速!
致命的な損害を与える事が叶えばそのまま駆け抜け製造機械へと向かうであろう
そうでないとしたら? 逆の腕に構えた赤き科学ブレード『アラクレームの赤き刃』の二の太刀で斬り裂く為に振るう!


808 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/24(土) 22:09:44 ???
>>805
一体を屠る 喉からあふれるは血ではなく霧
何かの幻影か? だったらなんぞ

「ッハハハ!!!」
続いて現れた二匹の獣

挟み討つかのような軌道の同時攻撃 ナラバ

「ハハハハハハハハハハハ!!!」
笑い声高らかに左の一体の腹に潜り込むように突撃
二体同時に来るのなら 一体だけを相手できるように立ち回ればいい

懐深く潜り込むことに成功すれば 逆手に持った刀にて 人狼の腹をメッタ切りにせんと振るうだろう


809 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 22:20:41 ???
>>806
撃ちだされた刀の柄が人狼の顎を捉え、強烈なアッパーカット染みた一撃を食らった人狼は吹き飛んで、後頭部から地面に叩きつけられた。
ただ、撃ちだされた刀は人狼の雑踏の中に消えてしまった。

葵「誰でもいい!あの機械に取り付けさえすれば、あとは壊すの簡単だから!」

迫りくる人狼の波を斬って、蹴って、殴りながら前進する葵は、ソーマタージにそう応える。
そうこうしているうちにソーマタージのほうにも人狼のおかわり。今度は二体。正面と左から。爪を振り上げて、吠えながら向かってくる!

【確殺可】

>>807
およそ人間にはできない急制動と真横への動きに人狼は対処できず、すれ違いざまの一撃を胴にまともに受けて真っ二つとなり、黒い靄となって消えた。
これで正面に迫っていた人狼は処理できたが、機械が生成した人狼はそれだけではない。
続いて2体の人狼が現れ、タェンティースの進行を妨げる。
華奢な女性と見た二体は、先ほどのように爪を使った攻撃をせず、掴みかかって力任せにその体を押さえつけてしまおうとしているらしかった。
ただ、動きが直線的なので、見切ること自体は容易。

【確殺可】

>>808
右から迫る人狼は鈴虫の姿を見失い、左から迫る人狼は、いきなり懐に入ってきた鈴虫に対処することができなかった。
その結果は鈴虫の狙い通りの滅多切りだ。現実ならばはらわたを盛大にぶちまけて絶命していただろうが、目の前の人狼は機械の作った木偶だ。
黒い靄を腹の傷口から噴き出して、やはり靄となって消える。

そこへ、ようやく鈴虫の姿を見つけた右の人狼が後ろから迫り、前からはもう一体のおかわり。今度は前後の挟み撃ちというわけだが、果たして。

【確殺可】


810 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/24(土) 22:26:28 ???
>>809
「……っ、とっ……!?」
「こ、のっ……!!」

半人の体に重度な衝撃!摑みかかる人狼!
だがその速度がやや落ちる程度で、されど組み伏せられる事は皆無!
半人の膂力は常人のそれとは掛け離れており、つまり筋肉の塊であろうとも人型2体程度で止められるものではない!

「……っ、セェェッッ!!」

一体の顎を剣柄尻で打ち抜き、そしてもう一体は首を掴み地面に打ち落とし加速の勢いで後頭部を削る!
そして消滅する前に機械に向けて思い切り投擲!質量武器として放つ!


811 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/24(土) 22:33:13 ???
>>809
「拾うの大変そうだなぁ」
雑踏に消える赤刃。踏まれて折れるなんて事は無いだろうが、取りに戻るのが面倒だ。

「今忙しい!他のやつに頼め!」
向かってくる人狼を睨む。その眼が妖しい輝きを放ち、酸素供給機から蒸気が激しく噴き出す!


交差させた腕の表面、衣類と一体化しつつある鉛色の腕がザワザワとささくれ立つ。
無数に生えた小さな触手は、まるで相対する人狼の毛の様だ。自嘲の笑みを零す人格も現れない。

「イィィィィヤァァァァァーーーーーッッ!!」
呼応するかの様に怪人めいた甲高い叫びを上げ、姿勢を低くしてグンと逆に踏み込む!熊の手めいて強張った手が目指すのは、二匹の人狼の心の臓腑───!

SPLAAAAAAASH!!!爪が背中を掠めると同時、ソーマタージの両腕は肉を貫き骨を砕き、それぞれの心臓の位置を貫通していた!
「Arrrrrrrrrrr!!!」
獣じみた叫びを上げ、荒々しく引き抜く。死ねば消滅するのは先程ので分かった。くだらない余韻を振り切り、次の獲物を、次の獣を殺すために爛々と輝く眼で見渡す。


812 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/24(土) 22:33:51 ???
>>809
「ははぁ・・・!!」
腹を切り裂き 間髪入れずに挟み討ちのお代わり
嗚呼なんと楽しき闘争

その瞬間 夜よりもなおどす黒き炎が立ち上る
全てを殺しつくす殺意の炎 ロイの闘志と対を成す陰の気功

「はぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!」
殺意は仕込み杖に収束 どす黒き刀身が伸びる その切っ先を背後より迫る人狼に突きさす

そして前より来る人狼に対し 純手に握った鞘をもって顔を殴打 怯ませるや 背後の人狼に突き刺した黒き刃を横薙ぎに振るい
後ろの脇腹を切り裂くと同時に前の人狼の腹を両断した

「次はだれだ!! お代わりもってこい!!」
それでも足りないといわんばかりに声を張り上げる 人狼を求め刀を構える


813 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 22:44:42 ???
>>810
組みつくことには成功したが、本懐を遂げられなかった人狼はむなしく柄尻で打たれて振り下ろされ、
残るもう一体も「もみじおろし」となって「ジェネレーター」に飛んだ。
だが「ジェネレーター」の防衛機能により、機械の前に盾にするだけの用途で人狼が一体生み出され、
次の瞬間には飛んできた人狼により一緒に吹っ飛んでいった。
再び機械の前が開けるが、そこを両脇から人狼が固め、防護を完成させてしまう。
しかしながら、「ジェネレーター」はすぐそこだ!この防護を突破できれば、あるいは……。

【確殺可】

>>811
ささくれ立ったおぞましい腕を、サイボーグの膂力で突き入れられ、二体の人狼の肉体は致命的に破壊されて靄となって消滅した。
二体が抜けた穴を、間髪入れず次の二体が埋めるが、その向こう側に、ソーマタージは青白い輝きを見るだろう。
「ジェネレーター」だ。葵が言っていた、人狼を生成するための機械。
立ちはだかる二体の後ろにもまだ人狼の厚みはあるが、もうあまり距離は残されていない。

【確殺可】

>>812
前後の挟み撃ちにも関わらず、黒い刀身と鞘を使った妙技にて両方を処理してしまった鈴虫の姿に恐怖を感じていないのか、
鈴虫の求めの通りのおかわりがやってくる。今度は三体だ。
前方左右と後ろの一体。後ろの一体は、鈴虫が先ほど二体を処理している間に回り込んでいたようだ。
そして……やはり鈴虫の瞳にも、それら人狼の後ろに控える青白い光が映ることだろう。
鈴虫ら越境者の処理速度は、「ジェネレーター」の生成速度を凌駕している。

【確殺可】


814 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/24(土) 22:50:57 ???
>>813
「むっ……!」

機械の防衛機能を確認する事が出来た、重畳だ
しかしそれは攻撃難易度の高さをも意味していた、気をつけるべきであると確認

「あぁもう……!」
「……多い!!」

左腕に魔力を走らせ展開、虚空の刃六振りを召喚!
それら全てを幾何学模様の軌跡を描かせて宙を踊らせ、防衛陣へ斬り込ませた!
半人自身は飛翔しそれらの悪鬼羅刹の地獄を飛び越えて、機械へと向かう!


815 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/24(土) 22:53:25 ???
>>813
人狼の腹を両断するや刀を持ち替え順手に 鞘を逆手に
変幻自在これぞ富岡流が真骨頂 斬打二刀の構え也

今度は三体 右前方に狙いを定め またも飛び込むように突撃 袈裟切り一閃
間髪入れず左前方の腕を鞘で受け止め 力でカチ上げがら空きになった腹に横一線

最後に乞う方からくる人狼の腕を刀で輪切りにするや人狼の背後に回りがら空きの背中に刀を突きさす

切っ先が胸より生えれば人狼の体を押し ジェネレーターめがけてまっしぐら そのままジェネレーターを破壊せんと突き進む


816 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/24(土) 22:56:16 ???
//イムカさんが参加希望の様です


817 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/24(土) 22:58:26 ???
>>813
「邪ァ魔ァするか…!」
ギラつく瞳が青白い光を捉える。先程構成員が言っていた『ジェネレーター』とやらだろう。
あまり残っていない距離を、それでも立ちはだかり埋め尽くす人狼の群れ。一度だけ鼻を鳴らし、決断的殺意を秘めて動く!

「イヤーッ!」
微かな残像、センコめいた赤い光の軌跡を残して放たれるのは、最前列に立つ人狼の下腹部を狙った鋭いソバット!姿勢を崩して踏み台とする!
初めに言ったままだ。一々構わず、ただ押し潰して乗り越えて前進するのみ。


「押し通る!!」
蹴り倒した人狼を踏み台に跳び、後ろに連なる者の頭を飛び石めいて踏み砕きながらジェネレーターへ向かう!
ワニの背を渡る兎か、船を乗り越える高名なエンシェント・ブシめいた軽やかな動き。しかしその実態は頭蓋を砕き足場とする死のストンプだ。

「イヤーーーッ!!」
SMAASH!!最後の一体に力を籠め、自分の身長の倍以上の高さまで跳び上がるソーマタージ。
空中で器用に身体を捻ってジェネレーター破壊せんと放つのは、怪力と体重を乗せた重い跳び蹴りだ!


818 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2018/02/24(土) 23:01:24 ???
【こそこそりんこ。こそりんこ】

「さーって、かんっぺきに出遅れたデス。このままではチョーカッコワルイデス」

 何から寝言をほざきながら、たぬきの着ぐるみにガスマスクという
 アレにも程が在る格好のアレがこっそりと出番を伺っている。

【両手に葉っぱついた木の枝を持ってコッソリアピールである!】

「ん〜敵さんが多くてあね様(タェンティース)もフラストレーションマッパです。
 短気デス。熱許容量低そうデス。強いて言うならポイコツデス」

 ここで手前勝手なことを考える。つまり――

「敵多い→援軍歓迎→ヒーロー→カッチョイイ…完璧な公式デス。ではジュワッチ!!」

 教育を間違えたとカノッサが頭を抱える実にアレな回答をかましながら、
 奇怪な着ぐるみがピョーンと飛んで鉄火場に乱入だ!!!


819 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 23:06:10 ???
>>814
六本の刃は、「ジェネレーター」を固める二体の急所に三本ずつ潜り込み、一瞬のうちに絶命させる。
本来の「ジェネレーター」はそれら直衛の人狼が消されたのを感知すると、最優先で防衛用の人狼を生成させるが、
そこにはわずかばかりのタイムラグが存在する。
そして、タェンティースの跳躍は、そのタイムラグを突けるタイミング!今以上のチャンスはない!

>>815
三体で囲んでもなお止まらぬ鈴虫の勢いは、完全に「ジェネレーター」の対処できる限界を超えている。
しかしながらタェンティースの一例のように、この機械は自身の保持を最優先とする。
串刺しになった人狼はそのまま黒い靄となって消え、あとは走り寄る鈴虫のみ。
その眼前には一体の人狼。「ジェネレーター」が防護用に何とか生成した一体。
この個体はそのまま行けば同じように串刺しにされるのがわかっていて、両腕を上げながらあえて正面から鈴虫に突っ込む。
人狼自体はただではすまないが、鈴虫の速度もこれで殺せるという算段による行動だ。
あとは「ジェネレーター」が新たに人狼を生成すれば、もう一度鈴虫包囲網が完成するが、それを許す鈴虫だろうか?

>>817
どこかの悪魔狩人のように死のエネミーステップで「ジェネレーター」に迫るソーマタージ。
八艘飛び染みた動きから一転、宙で身を翻した必殺の飛び蹴りの体勢となった彼を、「ジェネレーター」の防衛機能が見逃すはずもなく。
緊急で生成された一体をすぐさま跳躍させてソーマタージの蹴りを受ける。
人狼は腹を砕かれて黒い靄と化すが、その甲斐あってソーマタージの蹴りの軌道は逸れ、「ジェネレーター」の少し手前に落ちることだろう。
あとは一瞬を争う勝負だ。「ジェネレーター」が次の人狼を生み出すのが先か、ソーマタージの「次」が、「ジェネレーター」を穿つのが先か。果たして。


820 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/24(土) 23:09:24 ???
>>819
「あらく……」

半人は本来地上戦闘を主眼としている
しかし空中にあって、それでもこの上ない絶好の好機を見逃す程に愚かではなかった!
赤刃の剣先を向け内部ジェネレイターを起動!
バチバチと迸るエネルギーが刀身に走り……

「レェェェーーームッッ!!!」

放出!
破壊的エネルギーの奔流が機械に向けて空間を焼き尽くしながら走る!


821 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/24(土) 23:15:29 ???
>>819
体が軽くなる 串刺しにした人狼が霧と消える そして目の前に生まれる人狼

「どけよ雑魚」
膨れ上がる殺意 どす黒き火の玉となり辺りの温度が跳ね上がる

しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く

――――瞬間的な其の動作
地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

全てを焼き焦がす火の玉となった鈴虫が加速する

立ちはだかる人狼ごとジェネレーターに突っ込み 破壊せんとする一撃
成否や如何に?


822 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/24(土) 23:16:50 ???
>>819
「チィッ…」
フードの奥で舌打ちを漏らす。ただの置物ではないという事か。
地面にヒビを残すほどの勢いで着地し、パラパラと降り注ぐ霧の向こう、青白い光をカッと睨んだ。


「どっちが早いかってか?舐めるなよガラクタが」
ヴァッ!コートが激しく動き、ハーネスに包まれた左半身を露わにする。その腰には何かが足りない。
西部のガンマンめいた左手の素早い動きは、さながら色付きの風の様だ。そして、その速度により振るわれ輪郭も朧気な長物一本───。

「シャァァアアアッッ!!」
振るわれたのは、腰のベルトから一瞬にして取り外した黒漆塗りの鞘だ!
ただの鞘ではない、彼の無茶な要求に耐えるための改良を施されたそれは、振るえば一つの強固な鈍器と化すのだ!

サイボーグの動体視力、判断能力、素早さ。全てを費やした一撃で、一瞬にしてジェネレーターを横薙ぎに打ち据えようとする!


823 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 23:24:35 ???
>>820
感知と防衛のタイムラグ、その一瞬を突かれた「ジェネレーター」はタェンティースの放ったエネルギーの奔流に飲まれ、
クリスタルを砕かれながら真っ二つとなり、崩壊した。
それに伴い、さきほどまでタェンティースの周辺を固めていた人狼の群れが、一気に黒い靄となって消滅する。

>>821
「ジェネレーター」の判断は最初から間違っていた。
人狼をぶつければ速度は落ちるだろう。隙が生まれるだろう。生成の時間ができるだろう。
全て間違いだ。
縮地の勢いを駆って人狼を巻き込み、飛び込んでくる火の玉に対する対抗手段を、「ジェネレーター」は持たなかった。知らなかった。
そして、知らないまま、人狼ごと、焼き尽くされて破壊された。
同時、鈴虫の周囲に居た人狼たちが黒い靄となって消える。生み出していた主が崩壊したためだ。

>>822
「ジェネレーター」が新たな人狼を生み出そうと妖しく光り始める。
機械が人狼を生み出すのは一瞬のことだ。だが、それを下回る短い時間、須臾の一撃を、どうしてこの機械が検知できようか?
生成のルーチンに入っていた機械は、それを今生の最後の感覚として砕け散った。
ソーマタージの振るった鞘が、金属のフレームごとクリスタルを砕いていたからだ。
輝きを失い、ただのガラス片となって周囲に飛び散るクリスタル。その横で、機械が生成したすべての人狼が消滅した。


>>ALL
響「ご主人様、生成機械のすべてを破壊いたしました」
葵「ぐぬぬぬ……えっ?」

人狼ともみあいになっていた葵は間抜けな声を出す。響の言葉を裏付けるように、葵ともみあいになっていた人狼が消滅した。

葵「う、おほん!よ、よし、みんなよくやったよ!この調子で、逃げた奴らも追おう!」

「ジェネレーター」を破壊し、静寂を取り戻した港湾施設に締まらない雰囲気が一瞬漂う。
戦線の上がりによって倉庫街部分にまで来ていた葵たち一行は、そのままチンピラ集団の逃げ込んだ岸壁部に向かう。
そこは積みあがったコンテナが立ち並ぶ場所で、見通しは良いとは言えず、コンテナの影からの奇襲が予想されたが、その心配は必要ないようだった。
なぜならば、岸壁には一隻の輸送船が停泊しており、その船上に先刻まで倉庫街に居たチンピラ集団がすでに乗り込んでいたからである。
甲板で積み荷のチェックをしていたらしい手下の一人が、岸壁部にたどり着いた一行の姿を認め、大慌てで同じく甲板に居たビショップに駆け寄り、

手下3「ビショップさん!連中が下に!!」
ビショップ「ンだとお!?」

驚きの隠せない様子のビショップが甲板から一行を見やると、それを報告しに来た手下の胸ぐらをつかみ、

ビショップ「テメェら、「ジェネレーター」は何本使ったんだァ!?」
手下3「さ、三本です……」
ビショップ「バカがぁ!!!」

胸ぐらをつかんでいた手下の顔面に容赦ない拳を見舞う。

ビショップ「元の世界で学習してねえのかこのドアホが!!
たった!三本!程度で!「赤狼」と、そいつが連れてる連中がくたばるわけねえだろうが!!」
手下3「す、すす、すいません、ビショップさん…………!」

苦々しい顔で盛大に舌打ちしたビショップは、少し考えて、

ビショップ「……積み荷の「T-2」を起動しろ。すぐにだ!!」
手下3「で、でもあれは……!」
ビショップ「グズグズすんじゃねえ!殺されてぇか!?」
手下3「ひ、ヒィ、すぐにやります!!」

//2レス目に続きます。


824 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 23:25:55 ???
バタバタと走っていく手下を忌々しげに見送ったビショップは、眼下の葵たち一行に向き直り、

ビショップ「よお、「赤狼」御一行様。わざわざこんな場末の世界までご苦労なこったなぁ」
葵「誰のせいだと思ってんの。さっさと投降しなさい。言っとくけど、そんな装甲薄そうな船、私らの火力相手じゃ無力だからね」
ビショップ「まあ、そりゃあそうだなぁ。軍用じゃねえのをかっぱらって使ってるだけだからな。
魔導術その他よりどりみどりの越境者サマ相手じゃ、確かにこの船は無力だ」

あっさりと無力を認めるが、ビショップの余裕が崩れるような様子はない。葵は訝しむ。

葵「アンタ、何企んで――――」
ビショップ「チチチチチッ、静かにしろ。聞こえねえか、ほおら」

わざとらしく耳をそばだてるような仕草をするビショップ。確かに、先ほどまでは聞こえなかった音がする。まるでジェット機のエンジン音を小さくしたような音。

葵「ん?この音……」

どこかで聞き覚えがあるような音。
記憶を辿ろうとした葵の眼前に、輸送船の甲板から答えの方が飛び出して、葵たち一行の前に重厚な金属音を立てて着地した。
それは装甲された車体と砲塔を持つ機械……車体部分だけ見ればいわゆる戦車と呼ばれるモノのようだったが、
それの脚は履帯ではなく、これまた装甲された鋼の四つ足である。
四つ足戦車……と呼ぶべきそれは、さっき葵たちが効いたエンジン音を立てながら、主砲の両側に備えた赤い瞳のようなユニットで葵たちを睨め回すと、
装甲に走る血管のような、ほの光るエネルギーパターンを浮かび上がらせ――――。

葵「「魔導士殺し(メイジマッシャー)」だ!!みんな隠れて!早く!!!」

血相を変えた葵が叫ぶ。
反応が遅れた越境者たちの横で、響が迷いなくメイドスカートの中に手を突っ込み、
ガーターベルト型のタクティカルベルトからスモークグレネードを取り出すと、「魔導士殺し」の前に投げた。
もうもうと立ち昇る煙が戦車と葵たち一行を分断する。隠れるのならば今しかない!


825 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2018/02/24(土) 23:33:38 ???
>>823-824

【空気読み人知らす】

「ジュワッチ!」

 丁寧な着地をキメたときなんと…人狼全滅!!!見せ場無し!!

「…デスゥ〜;」

 ガスマスクは脂汗をめっちゃ流して、思いっきりミスった事を自覚!
 何たるブザマ!ブザマの極み!!

(やっべえ〜デス。これで終わり?ワッツ!?)

 己のレーゾンテートルに関して真剣に悩もうとしたが、
 何かボスを追っかけようとしている周囲を様子を見て、こっそりついていくことにしたのである。
 見せ場を求めて!!

【周囲からは何、この、着ぐるみ?であろうが】

 --------
【んでもってどーした!】

 存在感をなるべく隠しながらついていったところ、何やらテックyめいた兵器の登場だ!
 隠れてという指示があり、端からこっそりついてきていたα-12は、
 その言葉に即座に反応して、ふわふわしっぽを弾ませながら物陰にカヴァー!

(魔術師殺し?なんぞのカウンター兵器デスかね?)


826 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/24(土) 23:34:13 ???
>>823-824
「俺は機械が嫌いだ。特にピカピカ光るヤツはな」
手首の回転で鞘を振るい、突き刺さった破片を払って呟く。
本人はキマったと思ったが、先程吹っ飛ば下刀を取りに戻る様はなんともはやなものだった。


「まったくだ。貴様がさっさと腹でも斬っててくれれば、こんなところ来なくて済んだ」
これもお仕事なの。おどけた様に肩を竦めて野次を飛ばしていると、何やら怪しげな音。

「誰か空腹のまま来た───」
冗談を言い終える前に現れるのは金属の物体。衝撃と振動にも動じず、素早く動く!

「役得…いやプラマイ0か」
軽口を飛ばし、煙幕の中手近な遮蔽物の陰に頭から飛び込み隠れる。砂埃に塗れた顔にふざけた様子はもう無い。
「隠れてどうすんだよ!諦めて帰ってくれるまで待つのか?」


827 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/24(土) 23:36:39 ???
>>823-824
「ふぅっ……!」

着地、大きく白くかぶる息を吐き出した
赤刃がバチバチとしばし帯電、振り抜けばそれは地面に呑ませて消える

「……!?」
「魔導士……なんですって!?」

そこで多脚式戦車のエントリー!
叫び問い質しながら物陰に隠れて主砲の射線を確認!
意識が離れているようなら、飛び出し脚の関節部に向けて斬撃を放つであろう!


828 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/24(土) 23:37:00 ???
>>823-824
ジェネレーターを破壊し 先を急ぐ
そして現れた魔術師殺しなる多脚戦車

隠れろの言葉に鈴虫 笑みを浮かべるや突撃せんと両足を踏みしめ・・・

モブに引きずられて物陰に強制連行である

「だッ…テメこら!!」
物陰でじたばた暴れる鈴虫さんであった

>>825
なんか同僚のツジギリストが混ざってますが気にしないであげてください


829 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 23:40:45 ???
>>827
葵「待ってタェンティースさん!物陰に隠れて、大人しくしておいて!」

飛び出す姿勢となっているタェンティースを、葵は青ざめた顔のまま制止する。どうやら相当にヤバいやつらしい。

>>ALL
越境者たちが隠れるのとほぼ同時に、「魔導士殺し」が主砲を発砲。
強力な榴弾が越境者たちが隠れていないコンテナを吹き飛ばし、同時にスモークグレネードの煙も吹き散らされる。

ビショップ「ハハハハハ、そいつはキルゼムオールモードだ!ほっとくとやべーぞ!
じゃーなー越境者ども!生きてたらまた会おうぜ!!」

「魔導士殺し」の後ろで、輸送船が出港していく。
スラスターで機動するこの世界の船舶は一度スピードに乗るとグングン加速してしまう。残念ながら、彼らを捕らえることは不可能となった。

葵「か、間一髪だった……」

どうにかコンテナの裏に隠れられた葵は、暴れまわる心臓を抑えるように胸に手を置く。

越境者1「おい依頼主!ありゃなんだ!?あんなの聞いてねえぞ!!」

葵が隠れたコンテナと同じコンテナに隠れていた越境者の一人が訊いてくる。

葵「あれは対軽装甲車両・魔導士用多脚軽戦車T-2、通称「魔導士殺し」。私の世界の兵器で、こと対人戦では無敗に近い存在だよ。
あんなの居るなんて、私だって聞いてないよ!」
響「お二方、落ち着いてください。ご主人様、わかる範囲での、敵の詳細を教えてください」
葵「う、うん、ありがとう響さん」

響の一声で落ち着きを取り戻した葵は、コンテナの影から「魔導士殺し」の様子をうかがう。
「魔導士殺し」は砲塔をせわしなく左右に巡らせている。おそらく、こちらの存在を感知しようとしているのだろう。

葵「みんな聞いて!あれは「魔導士殺し」って呼ばれてる多脚戦車!今から言う特徴をよく聞いて!」

//2レス目に続きます。


830 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/24(土) 23:41:36 ???
場に居る越境者全員に聞き渡らせるような声で言う。
高度な音響センサーを装備している最新型ならばこれで撃たれたが……その反応が無いので、旧型であろうことは察しがついた。

葵「主砲は75mmライフル砲、同軸機銃は5.56mm、砲塔の上に2つくっ付いてる近接防御機関銃は12.7mm!」

葵の言うように、砲塔の上側には左右一基ずつ、砲塔型の近接防御機関銃が装備されており、砲塔とは違う向きで周囲を見回している。

葵「で、こっからがこいつのヤバイところ!主装甲は戦車としては薄めなんだけど、それを補ってるのがあの血管みたいな光!
論理光波装甲(ロジカルアーマー)って言って、ありとあらゆる攻撃を弾くバリアみたいなやつなの!」
越境者1「呪いとか、なんかこう、内側からじわじわってのはできねえのか!?」
葵「できない!こいつの論理光波装甲はあらゆる魔力的干渉の論理をぐちゃぐちゃにして無効化する!あと――」
越境者2「うおおおおおおおお!!」

二の句を継ごうとした葵の言葉を、別の越境者の声が遮る。どうやら、葵の声の届かない場所に居た越境者のようだ。
フルプレートアーマーを着込んだその越境者は、魔術的に強化されたツヴァイハンダーを振り上げて、「魔導士殺し」に突撃している。

葵「あっ、だめ!!戻って!!!」

しかし、距離が開いており、葵の声は聞こえない様子で、突撃をやめない。
越境者の接近を感知した「魔導士殺し」が、まず近接防御機関銃でその越境者を撃つ。
12.7mmの重機関銃弾の前では、フルプレートアーマーなぞ濡れた障子紙と同等だが、

越境者2「フハハハハハ、そのような豆鉄砲、効かぬ!!」

ツヴァイハンダー同様、アーマーも強化されている様子で、重機関銃弾を弾いている。
これは行けるか、と思われた矢先、「魔導士殺し」の砲塔の横に搭載されている擲弾筒のようなユニットが稼働し、
突撃してくる越境者の頭上に向かって何かを射出した。
円筒形をしたその弾体は越境者の頭上に来ると炸裂し、周囲をキラキラと紫色に輝く空間にしてしまった。

越境者2「フン、そのようなめくら……ま……しッッ!?」

輝く空間に包まれた越境者の脚が止まり、得物のツヴァイハンダーを取り落とす。そして、

越境者2「う、うああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッ!!!!!」

頭を抱え、うずくまって、絶叫し始めた。それに伴い、フルプレートアーマーから魔術的強化の輝きが消える。
こうなればもう重機関銃弾は防げない。すぐに逃げなくてはいけないが、何か強力なものに苛まれているらしい越境者は立ち上がろうとしない。
そんな越境者に向かって、「魔導士殺し」は無慈悲に砲塔を向け、同軸機銃を発砲。
普通のフルプレートアーマーとなってしまった越境者の鎧は5.56mmすら防げず、越境者はあっけなくハチの巣となって、鎧の穴から大量の血を流す死体と化してしまった。

葵「くそっ…………」

葵はそう毒づくしかなかった。だが、同じ越境者を生まないためにも説明を続ける。

葵「……今のが「魔導士殺し」の最大の武器。ロジカル・パルサー・グレネイド!
L.P.Gとか略されてたり、ブレイン・スコーチャーとかあだ名されてるけど、とても強力な榴弾なのは今見てもらった通り!
魔力的に生み出された強力なパルス空間を作って、その中に入った対象をパルスで干渉するんだけど、
一番影響を受けるのが、神経の塊である脳とか、精密回路の塊のCPUとかなの!
入ったが最後、すごい頭痛を覚えて、立ってられなくなって、あとはもう、75mmでも5.56mmでも12.7mmでも、お好きにって感じになるって寸法!
あれだけは、ほんとにあれだけは絶対食らっちゃダメだよ!!」
響「それはわかりましたが……ご主人様、いかがいたしましょうか。あのリーダー格が言っていたことが本当なら、この戦車は無差別攻撃モードです。
このままそのスペックの戦車がこの世界で暴れまわったら、甚大な被害が……」
葵「わかってる!わかってるけど……!!」

葵は無意識に爪を噛む。脳をフル回転させ、突破口を見出そうとするが、すぐには思いつかない様子だ。
他の越境者たちは何か手立てはあるだろうか……?


831 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/24(土) 23:52:14 ???
>>829-830
「え!?は、はいっ!」
「……!!」

葵の剣幕にたじろぎ、しかし戦線を共に駆けていたツヴァイハンダーマスターが血飛沫と成り果てれば別だ
一歩を踏み出し、彼を助けに迎えなかった事を後に半人は酷く後悔する事になるであろう
ただ、今はそうではなく、

「……!!」

両手に月光と赤刃を携え構え、ヘルメスの超加速で斬り込む!
無論話を聞いていなかったわけではない、ただ、半人の原動力は有機的な憤怒!
芯の底は熱く、しかしクレバーな部分が月光を盾として構えて更に虚空の刃達が六振り追従!
パルサーグレネイドが放たれれば即座に、虚刀を殺到させ斬り捨てるべき行動!つまり囮!


832 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2018/02/24(土) 23:57:04 ???
>>828

「………」

 なにやってんのこのツジギリストな目で見るα-12である。
 もちろん、先程からの己のブザマは棚の上にポーイである。

>>829

「デスデス」

 降ってわいた見せ場チャンス!首魁が逃げたがそれよりも出番だ!
 半人が何か砲火に飛び出そうとしたが、その前に制止してもらえたのでノープロブレムだ。

「ナルホド、十分な火力とチート臭いアーマーでばっちり兵器と」

 さらには逸った越境者の一人が血だまりと化す状況を目撃し、
 之を以って、敵の必殺メゾットの把握に到る。

「ブレインスコーチャー…脳焦がしの一種デスね。厄介デスが――」

 着ぐるみは一通りの戦力査定を終えると、物陰から身を乗り出す。

「瞬着!」

 右手を前に突き出すと同時、たぬきの着ぐるみは粒子分解し、
 漆黒のゴシックドレスを模した、戦闘舞踏服(ウォードレス)がα-12の身を包む。
 背中には弐つのリング状の鞘。抱くは、高周波ブレードと、月の贋作たる大太刀〝陽光〟

「C.T.S.S.クローントルーパーα-12。あの手の対決戦兵器シミュレーションはバッチリデス!!」

 言うなり両手にサブマシンガンを構え、敵に向かって真っ直ぐにダッシュ!!
 小銃弾を吐き出しながら、特殊戦兵装のアンカーを射出し、接近を図る!


833 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/24(土) 23:57:42 ???
>>829-830
「なんでそんなモンをたかだか犯罪組織が持ってるんだ!エル・スエーニョか!」
隠れながら罵声を飛ばす。打つ手が無くなると怒るのが悪い癖だ。

「もっとヤバいってなんだ!戦術兵器か!?強化外骨格でも蓄えてんのか!?」
矢継ぎ早に怒鳴っているところに響く銃声、悲鳴、血の滴る音。目の前に血の詰まった袋と化した鎧が転がる。
「…分かったから言わなくていいよ、ありがとな」


「───オイ、奴は機械なんだな?電気と回路で動く木偶の坊なのか?」
懐から出したアンプルを睨み、葵に叫ぶ。この兵器に今一番詳しいのは、彼女とそのメイドだけだろう。

「もしそうなら…、電気を流し込んで、中身を傷めつけるってのはどうだ。
 ……この際だ、手の内明かしてやるよ!俺の身体は機械だ!ナノマシンと高圧電流で動く絡繰り細工だ!」
ソーマタージの案は、内部動力に過負荷を与えて動きを止めるというものだ。

「それがダメなら、諦めて逃げるぞ!この世界の軍人さんがどうにかするだろうよ!」


834 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/24(土) 23:57:48 ???
>>830-831
「邪魔い!!」
ゲシッ!!とコンテナの中に連れ込んでくれモブをけり倒し 外に躍り出る
葵の説明? ずっと暴れていて聞いてませんでした

何やらタェンティースが先行しているようなのでこれ幸いにと走り出す
結果的に囮を使った突撃を仕掛ける形となった


835 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/25(日) 00:12:30 ???
>>831 >>834
葵がこの戦車を「対人戦では無敗」と言った意味は、先ほど葵が喋った兵装が主だが、
超人的なスペックを持つことが当たり前の魔導士相手に特化したことも理由の一つとして挙げられる。
AIで動くこの戦車の反応速度は先ほど戦った「ジェネレーター」などは考慮に値しないくらいの速度であり……つまるところ、タェンティースの「超加速」は見切られていた。
AIが持つ知識の上で、超速で動く魔導士の一撃は、普通の速度で動くそれとは違い、軽い傾向であることを知っていた。
故に、タェンティースの行動に対しては論理光波装甲の防護で対応することを即座に判断する。

そして…………タェンティースの誤算はもう一つある。
擲弾筒から発射されるL.P.G。タェンティースの頭上に向かって放たれる円筒は、彼女の展開した虚刀で迎撃され、真っ二つになる。
周囲に「紫色に輝く空間を展開しながら」、である。
結果的に、その「空間」は「魔導士殺し」への接近を阻む壁となる。そのまま突っ込めば、後は先ほどのフルプレートアーマーの彼と同じ運命だ。

>>832
αー12の放つ小銃弾では、さすがに論理光波装甲どころか、本体の装甲を抜くことすらできない。
その時点で、「魔導士殺し」のAIはαー12の脅威度を他より下げる判断を下す。
アンカーによって接近してきている。得物の大太刀がメインと判断し、接近を防ぐため、近接防御機関銃を放つ。
αー12の着込むウォードレスがいかほどの防護力を持っているかは不明だが、重機関銃弾はコンクリートの壁すら穿つ威力を持つ。果たして。

>>833
葵「そう、機械だよ。機械だから電気に弱いっていうのはわかるし、実際その通りだと思う。
でもそれでどうするの?アレに近づかなきゃならないんだよ!?」

高圧電流を流し、機能停止に持ち込むのは機械兵器と対するときの常套だ。
「魔導士殺し」も魔導術的な雷撃の対抗手段として論理光波装甲を活用している。
つまりは弱点だが、それを通すためにはやはりあの論理光波装甲を抜かなくてはならないのだ。


836 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/25(日) 00:23:02 ???
>>835
「他のやつがどうにかしてくれるさ」
短く笑い、陰からチラチラと様子を窺うソーマタージ。効くものがあるのなら勝機は十分にある。例え何人死んでも。
「俺が死んでもな」

「一番詳しいんだろ!死ぬ前に何かいい案考えておけ!」
頃合いを見計らい、紫電を薄く放出しながら駆ける!駆ける!空いた右手が鞘に納められた刀を握る!


タェンティースが囮となっている今この時を逃すわけにはいかない。赤い瞳が一際眩い光を放つ!鞘を握る手が機構を操作する!

≪EXECUTION : EXCITE≫

合成音声が戦場の混沌に飲み込まれる。先程とは比べ物にならない速度で『射出』された刀を空中で掴むと、勢いを利用して走りながら斬り上げた!
狙うは論理光波装甲。カマイタチめいて高速で斬り付け、まずは手応えを確かめようとしたのだ。
「効かねえんだろうなあ、話が正しけりゃ…。憂鬱」


837 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/25(日) 00:23:30 ???
>>835
タェンティースを囮に駆けだして 目の前に紫の何かが散布される
説明は受けていなかったが本能がヤバイと告げる

「はぁぁぁぁあっぁあああああああああ!!!!」
ここで鈴虫 納刀し全身からとめどなく溢れる殺意の炎を掌に集中
陰の気功 絶対なる熱エネルギーを掌に収束させるや どす黒き濁流となって紫の空間に向け突き進む

紫の空間を成す者は果たして物質か はたまたエネルギーか

もしも物質ならば熱が焼き尽くさんとするし 熱に強ければ衝撃波が吹き飛ばす
エネルギーであるならば同じエネルギーである陰の気功が概念お破壊し飲み込む

相殺を狙った一撃 果たして結果は?


838 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2018/02/25(日) 00:24:52 ???
>>835

「(>>835)叉=サン!UNIXで解析手伝うデス!!」

 突き立てたアンカーを巻き取り、ダッシュの方向を無理やりに変えて、
 腰に装着するユニットに圧搾空気を噴射させながら跳躍!!

【ソーマタージは言った。ナンデ犯罪組織があんなデタラメな〜である】

 実際、完全防御装甲なるデタラメを完全なメンテナンスをもって、
 完全に運用などできるものか?という考えに基づく。
 流石に超構造体を実現しているレベルのテクノロジーレベルならばお手上げであるが。

【至近に射撃牽制を行いつつ、片目を覆う布状ゴーグルの解析機能にリソースを割くα-12】

 綻びは無いか?全くの無しか?チート装甲が全て、稼動部も何もかもを覆っているのか?
 瑕疵は?欠点は?覆いきれぬ箇所は?何処だ、何処だ、何処だ!!

【特殊戦ユニットによる三次元戦闘能力と、五感に加え第六感をも拡張する戦闘舞踏服により、
 α-12の回避性能は極めて高い。ゆえの高速戦闘を行いながらの解析行動である!】


839 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/25(日) 00:25:18 ???
>>835
「ちっ……!」
「……あ、AAAaa……!!!」

青く燃える炎を精神に宿しながら、無駄死には避けるべきだと加速を……否、更に再加速!
びりっ、と脳が焼かれ無機的な部分にも強く干渉!それでも止まる事はない!
今の半人を動かしているのは体各所の関節部に残された、指令的な魔力である!
魔力の糸の操り人形と成り果ての突撃!月光を縦に盾に構えたまま赤刃のエネルギーで擲弾筒を破壊せんと!


840 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/25(日) 00:46:14 ???
>>836
葵「待って、ソーマタージ!!」

気軽に「死」を口にするソーマタージを止めようとするが、葵の目の前で彼は行ってしまった。

そして、接近するソーマタージを「魔導士殺し」のAIが検知する。
接近する速度を計測し、この対象も「超速」タイプと判断した「魔導士殺し」はタェンティースと同じく論理光波装甲での対処を選択。
そしてその判断は正しかった。超速で迫る居合の一撃。
人対人の戦闘ではかなりの脅威であろうが……速度が乗っても、そこには威力は乗りづらい。例えそれが強い膂力を発揮するサイボーグとて。

結果として、ソーマタージの予想通り、論理光波装甲に阻まれ、むなしい火花を散らす。
そこへ、砲塔の近接防御機関銃が向く。すぐさま退避しないと、12.7mmの餌食だ。

>>837 >>839
その問いに対する答えは、「エネルギー」である。
いかな魔導術の技術とて、それを実現するためにはそのうちのどちらかを選択せねばならない。
手順通りの破裂、もしくは破壊によって即座に起動する簡易魔導術によって散布されるこのエネルギーは空気のような存在であり、鎧甲の防護を無用のものとする。
それがこのグレネイドを作った技術者の自慢であり……弱点である。すなわち、今の鈴虫のような対象には無力と化すのだ。

ただし、それがわかったとて?

鈴虫の前では最大の武器は封じられたが、いまだ「魔導士殺し」には論理光波装甲があり、十全に稼働する大小の火砲が存在する。
その証拠に、L.P.Gの干渉を受けて前後不覚となったタェンティースが飛び込んでくるが、
最大の武器を防護するための装甲を、技術者が忘れるはずもなく、赤刃はあっけなく論理光波装甲に弾かれた。
ただ、タェンティースにとっては鈴虫の生み出したこの一瞬は僥倖だ。L.P.Gの干渉はもうない。退くことは十分に可能だ。

>>838
近接防御機関銃による攻撃を、AIが経験したことのないような三次元軌道で避けていくαー12。
ただし、それが長く続く保証はない。αー12の軌道を解析し、回避パターンを割り出し、近接防御機関銃の射線を修正していく「魔導士殺し」。
αー12にどれだけ回避パターンが存在するかはわからないが、時間をかけすぎるとじり貧になることは明白であった。

だが、その甲斐もあった。

論理光波装甲は古今東西の戦車がそうだったように、全方位隙無く張り巡らされた装甲ではない。
鉄の装甲が重量による制限を受けていたように、論理光波装甲は動力炉の出力によって装備できる範囲が制限される。
具体的に装甲の無い場所を挙げるとすれば、四つ足の関節部、砲塔のターレットリング、車体後方の排熱口、主砲砲身である。

>>ALL
葵「……やっぱあの手しかない、かな」

少し思考し、何かを決心した様子の葵は、ふう、と息をつき、

葵「みんな!無理なお願いだけど、これから少しの間、アイツの気を逸らして!
アイツの論理光波装甲だけは何とかする!気を逸らすだけでいいから!お願いね!!」
響「あっ、ご主人様!」

響が止める間もなく、葵はコンテナに隠れながらどこかへ行ってしまった。

響「ご主人様、何をなさるおつもりなのですか……?」

腰のホルスターに差していたマグナムオートを引き抜いた響は、とりあえず葵に言われたとおりにコンテナの影から「魔導士殺し」を撃つ。
論理光波装甲から六角形の光が虚空に出力され、マグナム弾を弾く。
発砲する響の手を赤い瞳で見やった「魔導士殺し」は同軸機銃を発砲するが、そのころにはもう響の手は引っ込んでいる。


841 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/25(日) 00:59:24 ???
>>840
「……!!」

反射的に、魔力反射的に月光を構えた
火砲がそれに直撃し、半人の体は吹き飛ばされて転がる

「い、っっ……!!」

冗談みたいな痛みが頭を支配するのが感じられた
しかし強制的な離脱となり詰まる所五体満足だ

「て、が……」
「……手があるの、なら……早くッッッ!!!」

怒号に近い叫び、いのちの損失が既にあったのだから無論の事である!
月光を構えたまま再度加速、虚空の刃を殺到させ注意を惹きつけんと!


842 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/25(日) 01:00:03 ???
>>840
「やっぱりね……」
苦笑いが漏れそうになる。強化された刀は幸い目立った刃こぼれも折れる事も無かったが、ダメージを与える事も無かった。
勢いを無理矢理殺し、ドリフトじみて回転。靴底が擦れ、嫌な音を立てて火花と微かな黒煙が飛び散る。

「イヤーッ!」
SLAM!黒い痕残る地面にヒビを残し、魔導士殺しを飛び越えようと高く跳び上がる!
一発二発ならまだしも、機関銃の掃射など彼には凌ぎ切れない。故にここは攪乱に回ろうと逃げ回る方を選んだ!
「こんなのアキレスの仕事だろ」


走り回りながら、α-12の言葉(>>838)に耳を傾ける。左腕に巻かれたCOMPが呼応するかの様に起動し、緑色の光を放つ。
考える事は同じだ。たかが犯罪組織が最終兵器をいつまでも完璧なまま保存出来るか?否、否、否!
綻びは必ずある。戦士としての勘と、経験談から決めつけたソーマあは、COMPの解析情報を送りながら走り回った!

「急いだ方がいいぜ。自慢じゃないがあまり燃費はよくない方だ」


843 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/25(日) 01:02:20 ???
>>840
殺意で焼きつぶせば紫の空間は相殺できる
敵に取り付くことができる

それが分かった それで十分だ
鉄の塊を殺しつくす算段はついた

引く? 何故?
何故極上の獲物を前にオケツをまくらなければならない?

走り続ける 接近し続けるあの鉄の化け物に取り付く
後は簡単殺戮時間の到来

殺意の炎 すべてを溶かしつくすかのようなどす黒い炎を纏いし刀で各種銃身に 砲塔に刃を突き立てる
機械のことは分からない だが血管がどこにあってどこに向かってないかは目で見ればわかる

血管の浮き出ない場所を狙って刀を振りかざすのみ


844 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2018/02/25(日) 01:04:12 ???
>>840

(ランダム回避は心がけているデスが…!)

 それでも動きのクセというのは存在する。存在してしまうものだ。
 AIの照準補正により徐々に火線が正確になりつつあることを認識しながらも、
 薄氷の上を歩むが如き状況をα-12は堪え続ける。そして実った!!

【同時に葵の号令。ならば此処で行うべき戦闘行動は――】

「オーケイ!デス!ポンコツ=サン!叉=サン!!」

【α-12は解析で得た情報を(>>836>>839、データ共有モジュールを持っているなら>>837にも)に送信】
 【→装甲の無い場所/四つ足の関節部、砲塔のターレットリング、車体後方の排熱口、主砲砲身】

 ---------

「やったるデス!!」

 響のマグナム弾の着弾と同時にα-12は線の動きを点の動きに。
 着弾による反応コンマ数秒の間隙に駆け、至近!高周波ブレードを抜き放つ。

「鞍馬の型――」

 砲塔ターレットリングに照準!速度こそが求められる。
 何をするかは知らないが、葵の賭けのリスクを減らす。そのためには攻撃動作を不全させることが肝要!

【コンバットチップ・・・腕部機能集中!肉体負荷の一切を無視!先行入力完了!】

「残雪!!」

 腕も刀身も全く見えぬほどの連続突き!
 速さだけはない。威力も乗せた裂帛の突き。三段突きなど児戯と思わせるような、
 天稟の極みの如き連続突きでターレットリングを突く!狙うは攻撃行動不全!!葵へのサポート!!


845 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/25(日) 01:11:34 ???
//レス前後してます。
>>841
殺到する虚刀の群れを、「魔導士殺し」はめんどくさそうに論理光波装甲で弾く。
その後ろからタェンティースが迫るが、先ほどと同等の攻撃との判断から、「魔導士殺し」は同軸機銃を向ける。
そうしてトリガーを引こうとしたところで……。

>>842
鈴虫の一撃が論理光波装甲に刺さる。
「超速」タイプの攻撃とは違い、威力の乗った一撃に、論理光波装甲が激しく輝いて抵抗する。
砲身を狙った一撃は砲塔を動かすことでどうにか逸らしたが、この手の相手は脅威になると判断。
重厚な鋼鉄の身体そのものでもって打撃しようと、体当たりの体勢となり……。


>>842 >>844
鈴虫に対処しようとしたその一瞬の隙を、ソーマタージの援護を受けたαー12の一撃が突いた。
「魔導士殺し」の非装甲部位であるターレットリングを狙ったその一撃は、過たずリングに突き刺さり、砲塔の回転不全を引き起こす。
ここで初めて、「魔導士殺し」にダメージらしいダメージが発生した。これは葵にとって、まさしく僥倖であった。


>>ALL
そして……。
越境者たちの懸命の戦闘により、「魔導士殺し」は狙いを一つに絞れないでいた。
その隙に「魔導士殺し」にほど近いコンテナの影に移動していた葵は、大きく息を吐き、キッと眉を引き締めると、コンテナの影から出た。
そして――――

「「トロイメライ」、最大出力!!!」

声を轟した葵の首元から、多量の黒い靄が噴き出て周囲を満たし、葵を取り囲む。
と、実体のない黒い靄が所々で集まり始め、小さな黒い金属片となっていく。

「…………」

金属片となっていく靄たちの中心で、葵は何かを掴むように右手を前に出す。

「――我が求むるは“剣”」

静かに、確かに言った葵の言葉を受け、突き出した右手の前に金属片が殺到し、盛大な火花を散らして寄り集まり、固まっていく。
始めはただの金属の塊でしかなかったものが、徐々に柄、鍔、刀身を成し、葵のオーダー通りの形に仕上がっていく。

「我が求むるは個なり。討魔なり。滅神なり。破邪なり。我が行く手を拓くものなり」

ガキン!ガキン!と金属の悲鳴を上げて作成されていく「それ」の生成が停止する。
それもそのはず。「それ」はすでに、葵のオーダー通りの形……長剣となっていたからだ。
だが、ところどころささくれ立ち、継ぎ目も目立つような一振りだ。とても武器として満足のいく形ではない。

「…………」

だが構わず、葵は長剣の柄に手をかけ、ゆっくりと頭上に掲げる。
瞳を閉じ、一拍。そして、カッと目を見開き、

「唸り吠えろトロイメライッ!!我が手の中で、一振りの猛き「明晰夢」となれッッッ!!!!!」

瞬間、できそこないと言っても良かった剣の中から、一際大きい火花が飛び散り、一切の曇りも誤りもない、完全な長剣と化した。
変化はそれだけに留まらず、葵の単位時間当たりに出力できる全ての魔力を受けたその剣は真紅に輝き、紅い稲妻を身にまとって、見た目で「吠えた」。

//レス続きます。


846 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/25(日) 01:12:59 ???
この強大な魔力量をさすがに検知した「魔導士殺し」はそちらに振り向こうとして、しかしαー12の奮戦によって砲塔不全を引き起こし、失敗する。。
だが遅い。真紅のテールライトを後に引き、渾身の疾走で一気に「魔導士殺し」に肉薄した葵は、真紅を振り上げ、上段から「魔導士殺し」の左前脚に振り下ろした。
当然、論理光波装甲がその行く手を阻むが――。

「あああああああ!!!!」

真紅に輝く「明晰夢」の一撃は葵の、文字通りの全身全霊。
それを剣の形で一転に集中され、ついに脚を守る論理光波装甲が砕けた。
阻むものの無くなった真紅は、そのまま左前脚に大きな裂傷を残し、回路を断線してしまった左前脚の論理光波装甲は完全に沈黙する。

「まだまだぁッッ!!!」

返す刀で、次は本体を狙う。
懐に潜り込まれ、火砲の類を使えない「魔導士殺し」は当然、論理光波装甲で対応する。脚の教訓を得て、今度は動力炉からのエネルギー全てを葵に対抗するためだけに使う。

「いぃいいいいいぃけええええええぇぇぇぇッッ!!!!」

論理光波装甲と「明晰夢」が激しくぶつかり合い、輝き、夜の岸壁を昼のように照らす。
時間にすればほんの一瞬であったが、葵にとっては長い、永いひと時であった。
そしてついに、「明晰夢」が論理光波装甲にヒビを入れ、それを契機として論理光波装甲全体にヒビが伝播し、割れた。
動力炉のすべてのエネルギーを論理光波装甲に回していた「魔導士殺し」の後部、排熱口から炎と黒煙が上がり、挙動が目に見えてちぐはぐになる。
だが、「魔導士殺し」も黙ってやられているわけではなく、残った脚のローラーを利用して葵から離れると、砲塔の擲弾筒からL.P.Gを発射した。
論理光波装甲を破ることに全ての力を使ってしまった葵は、それを棒立ちに眺める。だが、言わねばならぬことがある。

「みんな!あとはお願い!!!」

炸裂して輝くフィールドと化すL.P.G。
そのフィールドに取り込まれた葵の頭を、思い切り万力で締め付けた後、金づちで何度も強打されているような痛みが襲った。

「――――――ッッ!!」

声にならない悲鳴を上げ、頭を抱えながら葵は崩れ落ちた。


847 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/02/25(日) 01:21:40 ???
>>845-846
「ふ、ぅっぅぅ……!」
「……!!」

掠めただけの銃弾が半人の体に既に多くの致命的な傷を負わせていた
それでも倒れる事なく、両の脚はしっかりと大地を踏み締める事をやめない!

「ま、か、……」
「……任され、ました……!!」

両の刃を突き出し構え、虚空の刃を前方に弧を描くカタチで配置!
アルファから伝えられた情報、剣先向けるは主砲付近!

「ス、ト、ラ、……」

「……ァァァァヤッッッッ!!!」

全魔力、全エネルギー、そして全気力解放!
赤刃より放たれた破壊的エネルギーの雷流は重ねられた月光を喰らい尽くすべく殺到!
されど破壊不能である月は依然そこにある!
両の合間に生まれる矛盾!理の崩壊!
理壊エネルギーが虚空の刃の魔力膜を貫き指向性を帯び、膨大な波濤として渦巻き戦車へ殺到!
これぞ半人、タェンティース最大火力『ストラーヤ(赤き月輪)』!!


848 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2018/02/25(日) 01:26:39 ???
>>846

「グッジョブ!ポンコツ=サン!叉=サン!ついでに鈴虫=サン!オマカセするデス!!」

 α-12はターレットリングを破壊したところで圧搾空気を噴射!急速離脱。
 さて、ここからは――とんだ貧乏くじだ。

(コンバットチップ:対パルス防御調整…ヤンナルネ、デス)

 拡張現実に拡大表示される崩れゆく葵。
 脳焦がしをマトモに浴びて、焼き切れれば助かるまい。あるいは既にアウツかもだが。

「仲間を助ける健気さで女子力ゲットのチャンスを見逃すのはノーデス!」

 寝言をほざきながら、L.P.Gの渦中に突っ込むα-12。
 一瞬で終えねばならない。突入、回収、離脱――!!

「GO!」

 後ろ腰よりディープメイカーを展開。それで地面を蹴ると同時に圧搾空気を噴射。一気に加速!
 L.P.Gの只中へ―――!!

「―――ッ!!」

 脳にドリルを突っ込まれるが如き苦痛。一瞬で視界がまばらに…拡張現実で強制補正!

「ここまでやらせて死んでたら、ぶっ殺してやるデス!!」

 千々に千切れそうな意識を無理矢理にかき集めて毒づく、
 動け脚、動けディープメイカー、突入して一瞬。秒も居れば脳を焦がされかねぬ!
 離脱、認識しろ、離脱―先行入力――実行!!

【葵を抱えてL.P.G影響下からの離脱を図るα-12.。向かうは響の下だ!死んでいないならなんとかしろ!!】


849 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/25(日) 01:29:50 ???
>>845-846
さすがに化け物の様な刃が戦車に迫ろうとしているのを見て一度離れた
化け刀が戦車を打ち払い 光る血管を破壊した

好機

納刀 柄を逆手に握り あふれ出る漆黒の炎

目を見開き 笑みを浮かべ
しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く

――――瞬間的な其の動作
地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

加速を無視した最高速 抜き放たれる逆手の居合 殺意の炎を存分に吸い 溶岩の如き熱さを伴い放たれる一閃

「影縫い・・・!」


850 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/25(日) 01:32:27 ???
>>845-846
「その意気や良し!!」
色付きの風が咆える。空中で引き抜かれた刀は、光を受けぼんやりと輝きを持つ。
バン!と魔導士殺しの表面に叩き付けられる掌。ソーマタージの左手だ。
大きく仰け反った右手に握られるのは、逆手に握った赤い刀。準備は整った。


「シャァァァアアアアアッッッ!!!」
酸素供給機が縦に開く。その奥から覗くは、鋭い牙の生えそろった口。
獣の鳴き声じみた奇声を発し、自分の掌ごと刀をその装甲の奥深くへと突き立てんとする!

掌を門にして漏れるありったけの電力を、刀を通じて内部に流し込む。それで俺の仕事はオーケーだ。後は他の連中がうまくやる。
限界を迎えたはずの身体だが、しかしその口角は厭らしくつり上がっていた。嘲笑の形に。


851 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/25(日) 01:44:26 ???
//レス前後してます。
>>847
葵と同じく、全身全霊をかけたタェンティースの放った紅の月は単純かつ明快な、そして強大な破壊力として「魔導士殺し」に迫る。
動力炉不全を起こし、もはや論理光波装甲に頼れない「魔導士殺し」はローラーの動きでそれを回避しようと試みるが、
駆動部不全も同時に起こしているためにうまくいかず、結果として紅の月に右前脚を消し飛ばされた。
唯一生きていた前足のうちの一本をもぎ取られて、「魔導士殺し」はバランスを崩し……。

>>849
バランスを崩しかけていた「魔導士殺し」の下を、縮地にて超加速した鈴虫が通過する。
……いや、通過したように見えただけだ。実際は逆手に持った黒き一刀が車体下部の駆動部の中枢を、殺意の炎によってズタズタに仕上げていったのだ。
これにより、「魔導士殺し」の四つ足の駆動は完全に停止し、もはやただの的となる。

>>850
そこへ、砲塔の天頂に、ソーマタージの一撃が突き刺さった。
砲塔上部の装甲が薄いのはこの戦車も同じであり、砲塔内の主砲機構を貫通し、内部の思考中枢を格納したセントラル・ユニットまでもをその一撃で刺し貫かれた。
それだけだったら、まだこの戦車にも復帰の余地はあったかもしれない。だが、つづくソーマタージの電流にて、その芽も潰える。
高圧電流によって回路のすべてを焼き切られた「魔導士殺し」は各部から炎を噴出し、完全に沈黙した。

――――越境者たちの勝利であった。


>>848およびALL
葵「ううううう……ちょうあたまいたい…………」
響「我慢してください、ご主人様。αー12様も、私めの治癒は必要ですか?」

完全に破壊された「魔導士殺し」、その周囲の、おそらく精魂尽き果てたであろう越境者たちのもとへ、響の肩を借りながら葵が現れる。
αー12の決死の行動によって、幸い脳へのダメージは響の対処できる範囲のものとなっていた。

葵「きぐるみさん、ありがとう。ごめんね、わたし、あなたのこと、ずっとキワモノだとおもってた……」

αー12に礼を言う葵だが、続く言葉で台無しである。
次に葵は越境者たちに向き直って、

葵「みんな、今回は本当にありがとう。マジで助かったよ……。私一人だったら、どうなってたか……」

深々と頭を下げる。響の肩を借りているので、実際はそれほど深くはなかったが、心の内ではすごく深々だった。


852 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2018/02/25(日) 01:57:15 ???
>>851

「ふぁっきんがむレベルに頭痛いデス。治療オネガイデス」

 意地張っても痛いものは痛いので、お言葉に甘えるα-12である。
 なお、お礼と一緒にキワモノとかほざきおった葵の口には大量のグミを詰めてやった。無慈悲!

(まあ、減らず口ほざけるなら後遺症とかもなさげデスかね?)

 クローントルーパーの己が敵を倒すより、救助を優先した。
 これは酷いバグもあったものだと、そろそろ己の機能不全を自覚し始めたα-12である。
 が、これって治しようがあるのか?とも思わなくもなし。

「やー皆さん。打倒御苦労デス。α-12はさっさとサボって休憩中デス」

 照れ隠しなのか、機能不全を恥じているのか、
 そんなトンチキ台詞をほざきながら、腰を落とすα-12.

「まあ、依頼達成グッジョブデス。報酬は期待大デスデス」


853 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/25(日) 01:57:57 ???
>>851
「魔導士殺し殺しだッ!」
ずるり。夥しい白い血を流しながら、無理矢理刀を引き抜く。歪みも刃こぼれも損傷も無し。80点の勝利か。
白い血と中のパーツやらに汚れた刀身をそのまま鞘に納めようとして───やめた。

「死にそうだな。気分はどんなだ? かつて熊とライオンとも戦っていた勇敢な犬サモエドの様だ。
 報酬1.5倍ぐらいにしてもらわないとな。少し気張りすぎた」
内蔵バッテリーが尽きる前に破壊できてよかった。貧血でも起こしたみたいに覚束ない足取りだが、まだ動ける。

「ああ、よかったね…。帰りは当然送ってもらえるんだよな?それと…電解質飲みてえ」
血や諸々で汚れた革手袋を軽く舐め取ると、辺りを軽く見渡して生存者を探す。

「感謝の気持ちは忘れていいが報酬を忘れるなよ。 …いややっぱ忘れるな、謙虚になれ」
他人から感謝される事には慣れていない。いつもの様に減らず口を叩くのであった。


854 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/25(日) 02:00:40 ???
>>851
戦車を切り伏せる あとは別の奴らがやってくれたらしい

どうやら戦闘が終わったらしい・・・が

「もちっといねぇか?」
疲れた よき闘争だった だがやや不完全燃焼なところがあったらしい

お代わりを求めて葵に聞いてみる鈴虫であった


855 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/02/25(日) 02:07:45 ???
>>852
葵「もがもが」
響「ご主人様は「もちろん追加報酬あり」と仰せです。ご心配は無用ですね」

大量に突っ込まれたグミに四苦八苦する葵をよそに、αー12の治療にかかった響が主人の言を代弁する。
響の両掌が緑色に淡く光り、αー12のダメージ部位を再生していく。

響「αー12様も、ダメージとしてはあまり大したことはありませんね。影響を大きく受ける前に離脱できたのが効いてます」

つまりは問題なし、ということである。今は痛いかもしれないが、響の再生治療によってじき、痛みも治まるはずだ。

>>853
葵「もがもが」
響「ご主人様は「もちろん追加報酬あり」と仰せです。ご心配は無用ですね」

大量に突っ込まれたグミに四苦八苦する葵をよそに、αー12の治療にかかった響が主人の言を代弁する。
コピペだった。

響「帰りはもちろん、スクラップヤードまでの足は手配済みでございます。電解質は……申し訳ありませんが、あいにく手持ちがありません。
治療は……ソーマタージ様は大丈夫そうでございますね?」

>>854
葵「もが……ふう、ひどいめにあった。え?おかわり?
ちょ、あれだけ戦ったってのに、まだ元気なの!?」

三度目のコピペは許されざるとばかりにグミ地獄から脱した葵は、あれだけの戦闘の後もピンピンと不満げな鈴虫に驚いた。
対人戦無敗と呼ばれた戦車相手では、この男はどうやら満足しなかったらしい。

葵「さすがにジョークだよね?」


856 : 鈴虫 542 ◆eZKgukyN3c :2018/02/25(日) 02:11:42 ???
>>855
疲労は溜まっているし少なからず手傷も追っている
だが不完全燃焼なのだ

「チッ しゃーねぇバロウズちゃんに集るか」
そういって歩き出す・・・あ 報酬もらってない

//ではお先にノシ


857 : α-12【ディープメイカー ver.α】>>507 :2018/02/25(日) 02:12:24 ???
>>855

「デスデスデース!」

 戦闘舞踏服から、たぬき着ぐるみに着替えたα-12は、
 トレードマークたるガスマスクをガポっと被り、治療にて完全復活!

「つまり今回もα-12はパーヘクツだったということデスね。女子力大盛り!ビクトリー!」

 Vサインをかまして、ポーズをキメるα-12であった。

「あとソコのアホ虫(鈴虫)=サンは放置安定デス。アレ、まぢデス。
 ちょっと、お脳がアレな人なんデス」

 と、同僚ディスをかますのでありましたとさ。

//ではおいどんもコノヘンデー!


858 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/02/25(日) 02:15:01 ???
>>855
「塩対応ー」
モガモガもがいてる葵をスルーして治療に向かう響にシケた目。人としては正しいのかもしれない。
本当に主君とメイドか?ソーマタージは訝しんだ。


「ああ…俺はいい。ほっときゃそのうち治る。
 便利だろ、やらねーぞ。ハハ。笑えよ」
左手を通した刀は内部フレームを傷つけず、人工筋肉と今はもう動かない幾つかの内蔵機械を貫いただけだった。
便利な身体と取るか、人間離れした身体と取るかは見る人次第だ。

「とっとと帰ろーぜ、もう今日は無理だろ。温かいご飯とポカポカお風呂とベッドが待ってるんだ」
 ホーム、スウィート、ホーム」


859 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 20:28:52 ???
【機械文明世界:固有世界名無し(認識世界番号:ワールドS3) 越境者標準時:22:40】

「……時間が無いみたいだから、手短に説明するよ」

機械化された灯りが支配する都市部から出て、十分郊外と呼べるような、人気はもちろんのこと、建物の密度も低いとある通り。
その路上を、幾人かで構成された集団が歩いている。
さきほどの言は、その先頭を進む人物から発せられたものだ。茜色の瞳と髪、そして、イヌ科を連想させる頭頂部の耳を持つ少女。
名を一ノ瀬葵といい、この集団を集めた張本人である。
いや、張本人、という表現はいささか情報が足りない。なぜなら、この集団は葵が張り出した依頼書によって集まった、言わば傭兵の集まりだからだ。
葵の依頼とは、彼女が追っている犯罪組織の活動の兆候が今いるこの世界に有り、それを共に打ち砕いて欲しい、というものだった。
ただ、詳細な情報はその依頼書には無く、先の言はそれを説明するためのものであった。

「敵……私が追ってる犯罪組織はこの先にある、遺棄された鉄道車両基地に物資を運びこんでて、それを大型の輸送列車でどこかに運ぼうとしてる。
今回みんなには、それを一緒に阻止して欲しくて依頼を出したんだ。
かなり大きい物資もあって、積み込みにはもう一日二日かかる見込みだったんだけど……そこを見張ってる私の協力者が、
予想より早く積み込み作業が進んでるって報告してきた。聞くところによると、もうあまり時間は残されてないみたい」

情報を提供する葵の顔はピリピリとした空気を纏っている。
集まった皆をこうして歩かせている点から言っても、「時間が無い」というのは冗談の類ではないのだろう。

「ご主人様」

と、一行の近くに、メイドが上から降ってきた。……正確には、無人の倉庫の屋根から降りてきたのだが。

「響さん」

葵が振り向く。この上から降ってきた金髪ポニーテールのメイドが、葵の「協力者」……突撃型看護兵アンドロイドこと、マドレーヌ・響である。
倉庫の屋根の上に居たのは、そこから車両基地を見張るためで、決してメイド忍者に憧れて……という理由ではない。念のため。

響「状況は、お電話させて頂いた時より進行しています。最後尾車両への積み込みがほぼ終わりつつあります。
もはや猶予はないと考えてよいでしょう」
葵「嗅ぎ付けられたかな……まあ、ここまで来たら後はやるしかないけど。
みんな、今回は……いや、今回も強行突破になりそうだから、今のうちに気合とか、武器とか用意しておいて。
何かあるなら、今聞く。今しか聞けないって言った方が正しいけど」

車両基地はすぐそこだ。葵の言うように、何か言いたいこと訊きたいことがあるのなら今しかない。


860 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/05/12(土) 20:35:29 ???
>>859
狭間のスクラップヤードに持ち込まれた依頼
だが魔の悪いことにロイもギガースも鈴虫も出払っていて

「なんか大変そうね」
代わりといっちゃなんだが 駆り出されたのがこの落書き男である

「とりあえず弾薬は十分 あとは・・・大丈夫かな? おけ いってみよう」
トレンチガンを肩に夏ぐアキレスと

―――ギィ!!
やったるでーといわんばかりにハサミを振り上げるベティ御寮人がいた


861 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/12(土) 20:37:46 ???
>>859
「なるほど」

小さく頷きながら一同の後に続く半人
荒事ならばと挙手をしたものの、今一つ状況を理解する前にこうしてここにいるのも事実なのだ

「あー、物資の破壊は容認されるんでしょうか?……無論、巻き込んじゃったりなカタチですよ?」

敵集団のいのちに関しては、越境者達に依頼をするという時点である程度理解は出来ている
ならばその目的である物資の安否は如何なるものであろうか?


862 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/12(土) 20:39:47 ???
>>859
「時間も無いし、状況も悪そうだな。破壊工作でもしてればよかったのに」
欠伸混じり(フリだけだが)に軽口を叩き、吸殻を詰めたエナジードリンクの缶を道端に投げ捨てる。
腰の刀、背中のチェーンソードの調子は万端。今すぐにでも始められるだろう。

「ワオ、ビックリプトン…。 メイドなら飛び降りるのはいただけないぞ」
響の話が正しければ、こうして歩いているのさえ惜しいだろう。急がなければ。


「二つほどある。その積み荷、どんなのだ?」
ピンを立てた二本の指を向け、濁った赤い瞳でその先の葵を見据える。
「荷物にも色々あるだろう。食い物とか生活必需品か、武器弾薬超兵器の類か。
 バオーとか列車砲が出てきたら帰らせてもらうゼ」

「もう一つは、逃げられたらどうするのかだ。列車を走って追いかけろとは言わないよな?」


863 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 20:50:48 ???
>>860
葵「今日はよろしく、ご両人」

今回もおそらくかなりの鉄火場になる。
……が、葵はこの二人……正確には一人と一匹だが……がまともに戦っているところを見たことが無い。
デンジャラスな空気ぷんぷんの今回の依頼に応じたということはそれなり以上なのだろう。


>>861
葵「タエンティースさん、今回の話は、連中の企みを止めることだから、
周りの物資が壊れようが何しようが、全然大丈夫。むしろ推奨する向き」

前回、四脚戦車と戦っていたときにも依一緒に戦ってくれたタエンティースの存在は、葵にとっては心強かった。
実力もそうだが、何より戦い方を分かっているので、どう動いてくれるかが何となくわかるからだ。


>>862
そしてこの男、ソーマタージである。
普段の交流や前回の戦いで、この男の人となり、戦い方はわかってきているつもりだが、
本人が基本的に天衣無縫チックなので、それも本当か?と問われると怪しい所がある。
それでも実力はあるので、戦力的にはありがたい存在だ。

響「コンテナに入っている積み荷には、例の「ジェネレーター」が含まれているようですが、
それ以外に何が入っているかは、残念ながら探れませんでした。
後は軍用の装甲車のようなものが積まれていましたが、その他にも何か大型の機材があるようです。
詳細は……申し訳ございません」
葵「まあ話としても結構急だったからね……。
で、列車が発車しちゃったら、ってトコだけど、それは今回のゲームオーバーと考えていいと思う。
その前にどうにかしちゃおうっていうのが今回だから。
だから追わなくていいっていうのが答えかな? 追えないって言ってもいいけど」

※レス続きます。


864 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 20:51:56 ???
葵「……よし、それじゃあじゃあ手筈は……」

一行とのやりとりもそこそこに、葵が車両基地襲撃の計画を話そうとしたその時、

<ビーッ!ビーッ!>

と、けたたましい音があたりに響く。

葵「えっ、何この音!?」
響「ご主人様、あれを!」

響が指さす方向、一行の上空を見ると、20cm四方程度の大きさの機械……飛行ドローンが漂っており、赤い光を明滅させながら先ほどの音を発していた。

葵「まずった、警戒ドローンか!」

どうやら車両基地周辺を警邏していたドローンに見つかってしまったらしい。
そのドローンに向かって響がスローイングダガーを投げるも、ドローンは姿を背景に溶け込ませながらダガーを回避し、やがて完全に見えなくなった。光学迷彩だ。

葵「チッ、ステルスドローンとか反則でしょ!」

思わず舌打ちする葵だが、舌打ちする者は彼女だけではなかった。
輸送列車の最後尾の貨車の上に居た、腕に大仰な入れ墨をした浅黒い肌の男……犯罪組織の幹部、ビショップもまた、舌打ちをしていた。

ビショップ「ここを襲うやつは限られるが……規模はそれほどでもねーな。「赤狼」、テメーらか」

車両基地は、建造物としてはメンテナンス施設と思しき大きな建物があるだけで、後は操車場を起点として、
幅広なレールのようなものが平行に、大きく間を開けて走っている、面積だけは広い場所である。
そのレールのうちの一本、そこに件の大型輸送列車はあった。全幅25m前後、全長50m前後の大型平台式貨車三両と、それらを牽引する機関車二両の構成だ。
貨車はコンテナを4列積めるほどの広さを持ち、前二両の貨車はコンテナや幌に覆い隠された大型の機材が満載されており、最後尾の一両ももうすぐ満載、といった具合であった。
周囲にはコンテナを運んできたであろうトラックと思しき車両が何台も集まっており、そのうち荷台から列車に積み荷が移されていないのは三台しかない。
積み込み作業が終わりつつある、というのは本当だったらしい。

ビショップ「今すぐ列車を出せ! 越境者どもが来やがったぞ!」
手下1「ですがビショップさん、まだ積み込みが終わってません」
ビショップ「良い! 残りモンにそれほど重要な物は無ぇ! いいからさっさと出せ!」
手下1「りょ、了解です!」

発車の指示を与えた手下が機関車の方に走っていき、その間に他の手下が列車に乗り込む。
慌てて車両基地に入った葵たち一行が見たものは、すでに動き始めて、速度が乗ろうとしている輸送列車の姿だった。

葵「ビショップ!!」

辛うじて葵の声が届いたのか、貨車の上のビショップがニヤニヤしながらヒラヒラと手を振る。
そんなビショップを載せて、列車は車両基地を出てすぐのトンネルの中に消えていった。

※レス続きます。


865 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 20:52:33 ???
葵「ぐうう〜!」

そしてこちらは悔しさ満点の葵。そこへ響がやってくる。

響「ご主人様、どうしますか? さすがにあの速度では、私めも追いつけません」
葵「いや、追いつこうとしなくていいから。でも参ったなぁ。路線を調べて先回りしようにも、情報が…………あれ?」
響「ご主人様?」

怪訝な顔の響をよそに、何かに気づいたらしい葵が、積み荷の残っているトラックのうちのひとつに近寄る。
積み荷は大型の何かの機材らしいが、幌で覆われていて中身の全容が見えない。
葵は荷台によじ登ると、長剣を生成し、幌を荷台に繋ぎ止めている綱を斬る。幌がずり落ち、中から出てきたのは――。

葵「やっぱりこいつだった!」

ワインレッドで塗装された、四つの鋼鉄の脚を持つ戦車……前回、葵たちを苦しめた多脚軽戦車、「魔導士殺し(メイジマッシャー)」であった。
炉の火が落ち、沈黙しているそれの前面装甲を、葵はぺたぺた触り始める。

葵「旧式……高精度音響センサー無し……M2C型あたりかな……だとすると、この辺に…………あった!」

車体の側面に回った葵が、装甲に隠されたパネルを見つけ、それを操作する。
すると、わずかな稼働音と共に戦車の前面装甲が観音開きになり、中から一人乗りの座席がせり出してくる。
葵はせり出した座席に座ると、座席に備え付けられている操縦桿や、視界の両側となった前面装甲の内側を触ったり眺めたりし始めた。

響「ご主人様、何をなさっておいでで?」
葵「うん? こいつ多分使えるから、これで列車を追えると思う」
響「この戦車でですか? それほど速いようには見えませんが」
葵「いやいや、M2以降は足回りがだいぶ改善されてて、この子が本気出せば結構速いんだよ。
最高速度はわからないけど、列車の速度があの調子なら、追いつくのは十分可能だと思う」
響「然様でございますか……。しかし、ご主人様はこれを動かせるので?」
葵「言ってなかったけど、昔は戦車乗り志望だったんだよ……運が良くてこうはなってるけど。……と、動かすよ、離れて」

葵がアームレストのパネルを操作すると、座席が元の位置に引っ込み、前面装甲が閉じて葵の姿が戦車の中に消えた。
間を置かず戦車から本格的な稼働音が上がり、トラックの荷台から四脚を使って地面に降りる。

葵『みんな、乗り心地は最悪だと思うけど、この子の上に乗って! そのままあの列車を追うから!』

車外向けのスピーカーから、中に乗っている葵の声で、上に乗れとのお誘い。
四脚の戦車という、いわゆる「デサント」をやるには向かなそうな造形だが、砲塔の後ろ側にはいくらかのスペースがあり、
砲塔にも手足をひっかけられそうな手すりが付いている。やってやれなくはなさそうだが……。


866 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/12(土) 20:59:21 ???
>>863-865
「……、随分周到な……相変わらず装備も一級ですね」
「これを置いていくとなると……まぁ、何が積まれているかは考えない方が安心するかもしれません」

多脚戦車を見上げ、走り去っていく列車にそれぞれひとつずつ溜息
ともあれ脚は手に入った、追跡も可能だという

「私はこれで」
「……乗り物酔いがヒドいんです」

ジョークめかして微笑む半人
イムエトの土粘土を腕から放ち、多脚戦車に貼り付けヘルメスの靴のローラーダッシュでの追従を選択した
近接戦重視のバトルスタイル故に、足場が悪い戦車上よりこれを選択したのであろう

「……よし、いつでも行けます」


867 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/12(土) 21:03:01 ???
>>863-865
「面倒だな…。 動かされたらと思うと、な」
以前破壊していた、人狼を生み出すジェネレーター。狭い環境であれを使われたらと思うとゾッとしない。

「やったね。早く済むならその方がいいもんな」
尚、逃げられたら仕事は失敗という言葉には、普通に嬉々として受け入れるのだった。傭兵のくせに。


「俺悪くねーよ?」
鳴り響く警報に肩を竦め、誰の責任かキョロキョロ。一方が動き始めれば仕方なしに同行するのだった。

「惜しかったな。奴を捕まえるのは諦めて、風邪を捕まえる前に帰ろう…」
口だけで残念がっていると、葵が何か見つけたらしい。見てみるとそこには依然苦しめられた例の兵器。
どうやら操縦出来るらしい。一人乗りだが…。
「マジィ?」

「つまり、俺に朝の蜘蛛みたいに張り付いてろと? うまくいくわけがない、俺は魔法使いじゃないんだ」
ブツクサ言いながらも、他の連中に続いて砲塔にしがみつく。重量制限が気になるところだが、言われなかったので知らない。
「オイ!もっと詰めろ! 譲り合いの精神だ!」


868 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/05/12(土) 21:05:32 ???
>>863
「はっはっはー 任せておきたまえよ」
腰に手をやり高笑い

―――ギィ!!
まかせとけーとベティもハサミを振り上げる

「所で列車って機関車? 電車?」

>>865
まぁそんなこんなで準備して いざ決戦と思ったらうまいこと出し抜かれてしまいました

「あ〜らら さすがにデモンレッグでも加速終わった列車にゃ勝てんな」
―――ギィ!!

おてあげーといわんばかりにハサミを振り上げるベティ

だが捨てる神あれば拾う神ありというわけではないが なにやら多脚戦車で追いかけるとのこと

「んじゃまぁいきますかい!!」
―――ギィ!!

やってやるぜーといわんばかりにハサミを振り上げるベティを背に 自分は戦車の背に

さぁ追いかけましょう 手すりにつかまって


869 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 21:08:08 ???
>>866
葵『あれ、タエンティースさんどこ?』
響「ご主人様、彼女はどうやら戦車に引っ張ってもらいたいそうです。ワイヤーのようなものは自前であるみたいですね」
葵『え! それ大丈夫なの……?
まあ、いいけど、きつそうだったら言ってね、タエンティースさん』

>>ALL
予想もしなかった移動方法に葵は若干困惑するが、本人がこれでいいと言う以上、これでいいのだろう、たぶん。

越境者たちが乗り込み、最後に響が四脚のうち、左前の脚の装甲に取り付く。

響「ご主人様、全員乗りました」
葵『う、うん、わかったけど、響さんはそこで良いの? かなりつらくない?』
響「大丈夫です。私はアンドロイドですので、疲れて離す、という心配は無用ですから」
葵『そういうものなのかな……まあ、ヤバかったら言ってね。……じゃあ出るよ! 速度出すから、しっかりつかまって!!』

言うが早いか、越境者たちを載せた戦車が動き始める。
始めはややゆっくりと動いてレールの近くに寄り、方向転換してレールと並行に動き始めると、徐々にスピードを上げていき、
レールと並行して走り始めてから数十秒後にはかなりの速度となった。
当然、風防などは無いので、越境者たちには速度に比例する風圧が直撃する。最悪の乗り心地、というのは嘘ではない。

そして、その「最悪の乗り心地」に耐えること十分少々。
いくつかのトンネルを超えた先に、ついに輸送列車の最後尾を肉眼で捉えられるほどになった。

葵『このまま最後尾の貨車のすぐ横に付けるから、そこから乗り移って!』

とどめとばかりに増速した戦車は、ついに輸送列車最後尾の貨車と並走するに至り、そのまま衝突するギリギリまで車体を寄せる。
最後尾の貨車はコンテナや機材の積載はまばらだったが、戦車が寄った場所はちょうどコンテナの影になっていて、周囲からは見えにくい所になっている。
貨車の荷台は金属製の板張りで、車体のフレームが露出した個所は無い。乗り移ってもフレームから足を踏み外すことはなさそうだ。

響「私が先に乗って様子を見ます」

越境者たちに先んじて響が貨車に乗り移ろうとする。が、

葵『響さん、待って。これ持って行って』

前面装甲の上部にあるドライバーズハッチから葵が顔を出し、小物入れ程度の大きさしかない手提げ箱を差し出している。
装甲をよじ登って響がそれを受け取った。

響「これは?」
葵「私……ってか、戦車と通信できる歩兵用の無線機だよ。みんなが乗り移ったらみんなに渡して」
響「はい、承りました」

手提げ箱を手に、響が貨車に乗り移る。
コンテナの影から周囲をうかがうが、機材を覆う幌がバタバタと風を受けてはためいているだけで、とりあえずは何もなさそうだ。
安全を確認した響が、葵から渡された箱を開くと、中には片耳に着けるインカムタイプの通信機が5個入っていた。

響「皆さん、当面は安全のようです。乗り移ったら、これを一個ずつ持って行って、耳に着けてください」


870 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/12(土) 21:16:15 ???
>>869
「余裕です」

ふふんとドヤ顔、さてレールの上を走る事しばし

「……」
「……寒い」

無機的な部分は歓迎すべき事だが、そうでない部分はもちろん寒い!
ともあれ言い出した矢先耐えるしかない、ワガママで停止など出来ようはずもないのだ!

「ン……やっと見えましたね」
「……い、よいしょっ!!」

風を切る中で遠間に列車が見えて、それはぐんぐんと近寄って来た
頃合いを見て跳躍!半人半機の身体能力は危なげなくそれを完了させた

「ふぅ……」
「……いい経験になりました」

すっかりオールバックになった髪をひと撫で、事も無さげにしながらインカムを受け取り装着
取り敢えずまぁ、格好つくことはなかったが一先ずエントリー完了なのだ!


871 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/12(土) 21:21:30 ???
>>869
「俺が言うのもなんだが、お前ヘンなヤツだな」
脚に張り付く響を見てシラーッとした目をする。放されないと言っても、中々シュールな光景なのは変わらないだろう。
「正気度が減りそうだ。それか認識災害を起こしそう」


「これが済んだら同じ思いをさせてやる!!」
轟!!バタバタバタバタはためくコート!蠅しく暴れまわる長髪!恨み言は全身を打ち付ける風圧にかき消される!
列車に並走する頃には、遭難者かの様な壮絶な様相となっていた。

ガタン!!半ば叩き付けられるように飛び移り、転がるソーマタージ。髪を纏めていたゴムは飛んでいってしまったらしい。
目にかかる乱れ髪を払いのけ、怒り半分放心半分の目でインカムを受け取った。

「自分で言うのもなんだが、俺は執念深い方だぞ。覚えとけ」
開口一番恨みつらみを吐き捨てると、コンテナに隠れてその先を窺う。
先程の懸念、狭い所での人狼の群れのビジョンが浮かんでくる。今はまだ気づかれていないかもしれないが、本格的にバレると厄介だ。
「嫌だねェ」


872 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2018/05/12(土) 21:27:17 ???
>>869
【質問:この『列車』は電車? 機関車?】
【電車ならば動力はどこから取っている?】

「ウェップ こりゃヒデェ」
片手で戦車に捕まり 片手を顔の前にかざしながら猛スピードで進む戦車
見えた 輸送列車 幅寄せに合わせて飛び移る・・・成功した

「さぁ〜ってこの列車をとめましょうってか…なんか面白そうなのないかなぁっと」
早速機材を物色する 手頃な鋼材か何かがあればもらっていきましょう

それが終われば先頭車両目指して移動を開始します


873 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 21:33:23 ???
>>872
【質問に対する回答(すみません、スルーしてしまいました)
⇒この文明の機関車がどういう理屈で動いているかは不明。電線が無いのでパンタグラフの類でないことは確定】

>>ALL
皆が通信機を装着した頃を見計らって、戦車の葵から早速通信が入る。

葵『聞こえる? みんなにはこれから、この列車を攻め上っていって、どうにかこの列車を止めてほしいの。
行き当たりばったりでゴメンだけど。
今回、私はこの戦車で出来うる限りの火力支援をやる。もしピンポイントで何か撃ってほしいのがあったら、その通信機で私に言って。
ただ、列車自体撃ってとかはダメ。どういう理屈で動いてる列車かわかんないから、あんまりダメージ与えたくない』
響「ご主人様、前回と同じ型の戦車ならば、L.P.Gが使用できるのではないですか?」

L.P.G……ロジカル・パルサー・グレネイドは、葵の乗る戦車、「魔導士殺し」の特殊兵装のうちのひとつで、
強力なパルス空間を作り出し、効果範囲内に居る対象の脳やCPUをその強力なパルスで焼き、行動不能にする榴弾のことである。

葵『使えるっちゃ使えるけど、曲射軌道の榴弾を、高速で走る列車と並走しながら狙った場所に撃ち込める腕があればね。
直射軌道の主砲とか機銃ならともかく、それ私は自信ない。下手するとみんなの所に行っちゃうかも』
響「それは……避けたいですね」
葵『AIのアシストがあれば可能だろうけど、敵の戦車のAIなんか動かしたくない。
まあ、主砲と機銃だけでもかなりの火力になるから、大丈夫でしょ。
あと伝えたいことはもうひとつだけ。…………敵が来てる』

葵が言うように、越境者たちが居るコンテナの近くに、複数の人影が近づいてきている。
シリンダーの稼働音を立てつつやってきているそれらは、関節部以外が赤くて薄い装甲で防備されている人型のロボットであった。
装甲された頭部から赤いモノアイを不気味に光らせ、ガチャリ、ガチャリと金属製の足音と共に集団で近づいてきている。
おそらく前方の機関車に乗っているであろう、ビショップたちが寄越した集団だろう。
もっとも、葵の戦車は目立つため、こうなるのは時間の問題であったろうが。

葵『初めに私が機銃掃射する。それで数はいくらか削れると思う』

そう言って、並走していた葵の戦車が速度を上げてロボットの集団の横につける。そして、砲塔を回転させて集団の方を向き、

葵『発射!』

主砲横の5.56mm同軸機銃と砲塔の上の12.7mm近接防御機関銃2門が火を噴いた。
5.56mmと12.7mmの鉄の雨が集団を横合いから殴りつけ、ロボットの身体に穴を開け、遠慮なく四肢をもぎ取っていく。
だがよくよく見てみると、効果があるのは12.7mmのほうだけで、5.56mmは装甲に阻まれ、ダメージを与えられないでいる。
無論、装甲されていない関節部に当たればさすがにダメージになってはいるが、それ以外を覆う装甲は薄いように見えてそれなりの防御力はあるようだ。
そして、特徴的な点がもう一つ。
それは機銃掃射を受けたロボットがダメージ部位から「黒い靄」を出し、致命的なダメージを受けた個体が「黒い靄」になって散っていくことである。

※レス続きます。


874 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 21:33:54 ???
響「あの「靄」……「ジェネレーター」で生成されている集団のようですね」
葵『うん。こっちからはコンテナとかの影になって見えないけど、有るみたいだから、それを探し出して破壊すれば、このロボ軍団はいなくなる。
まずはそれを探してみて…………って、ゴメン!! 一旦援護射撃中止!!』

何事かと見やれば、輸送列車がトンネルに入っていくところだった。
それだけならまだ良いが、ひとつのレールを走る列車分の幅しかないトンネルで、
今まで戦車が並走していたレールが隣のトンネルに入って行っているのが問題である。
つまり、戦車が列車と並走できないことを意味していた。

葵の戦車はと言うと、輸送列車のすぐ後ろに着けて、列車と同じトンネルに入っていた。
が、すぐ前に幌で覆われた機材……装甲車のような車両……が、あって、射線が塞がれている。

葵『狭いトンネルに入ると援護無理そう。言ったそばから……みんなゴメン』

トホホな空気になってしまったが、敵はお構いなしだ。
機銃掃射でいくらか個体は減ったが、ロボ軍団はまだまだ「集団」と呼ぶべき規模で、前の貨車から次々と乗り移ってくる。
そうしてモノアイを妖しく光らせながら、ガチャガチャと走り寄ってきている!
まずはこの集団を突破せねばならないようだ。


875 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/12(土) 21:43:06 ???
>>873
「……分かりました、取り敢えずわたしはいつも通り」

面々を改めて見ればしかし随分と前衛寄りだ
ただ自身は戦術を組み立てるタイプではないし、その辺は必然アキレスかソーマタージに頼る事になるであろう
つまり半人の現段階での仕事はひとつ

「突撃します!」

一先ずの安全の確保の為に敵集団を撃滅する事!
両腕に科学ブレードたる月光と赤刃、そして後光めいて召喚した六振りの虚空の刃を携えヘルメスの靴を加速させ突撃!
黒き剣風となり敵機兵の数を減らす為に!


876 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/12(土) 21:47:00 ???
>>873-874
「なんだ、機械も作れたのか?あのガラクタ」
援護射撃で薙ぎ払われるロボット兵をチラチラ見ながらボヤく。
面倒だ。あの様子では、刀やチェーンソードも効きが悪いだろう。より強い衝撃を与えねば。

「意地でも着いて来い!依頼人! こっちはお前のそのオモチャが頼りなんだぞ!
 途中で諦めたら承知しねえからな!」


「全員くたばる前にはトンネルが終わってる事を、みんなで祈ろう」
ガシャン、と長髪の下から現れて装着される、噛み合わせた牙を模した形状の酸素供給機。
刀の鞘をベルトから引き抜き、チェーンソードの峰を向ける。

「俺らが凌いでる内に、誰かがジェネレーターとやらをぶっ壊すか。
 俺が行ってもいいんだぜ。そっちのがラクそうだからな」
早口で一行に捲し立てると、凶悪な鈍器となる二本の得物を手に飛び出す!


877 : BBとメアリー ◆AaNrqSY5ys :2018/05/12(土) 21:53:04 ???
>>874
ザンッ!と敵の一体が綺麗に二つに割れる。
現れたのは漆黒のSF風コンバットスーツで全身を覆い
矢鱈メカメカしい懐中電灯の様なモノを携行したヒトガタ。
照射部分からは光芒が発せられ刀身を形成している。

「すまない、少々遅れた」

言いながら突如として現れたソイツは有無を言わさず敵集団に斬りかかる!


878 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2018/05/12(土) 21:53:39 ???
>>873
「分かった じゃあ列車じゃなくてレールを撃ってくれ」
至極まじめに火力支援を要請 だがそうこうしているうちにトンネルの中に入ってしまった
しかもお客さんのご到来というね

「おk こういう時は前に出る2人を盾に情報収集といこう」

きっと2人が前に出張ってくれるだろうから その間に索敵開始

サイバネアイによる視力強化で向かってくる敵がどんな輩か そして列車の連結部などを注意深く観察しようとする

【質問:敵ロボットの武装や詳細な描写】
【質問:列車の連結器はどんな形状をしているだろうか?】
【質問:トンネルの長さ どの程度で抜ける?】


879 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 22:05:50 ???
>>875
加速で突撃してきたタエンティースに対して、まず二体のロボットが立ちふさがる。
これらロボットは武器を持っていないため、徒手空拳で戦うしか選択肢が無いらしく、
二体同時に殴りかかってきている。
前回の人狼と違い、今回のロボットはそれなりの防御力を持つタイプだ。警戒は必要だろう。


>>876
葵『わかってる! トンネル抜けたらすぐそっち行くから、それまではお願い!』

葵の戦車の機動性能は文字通り身をもって体感してもらったように高いので、トンネルを抜ければすぐ援護体勢に入れるだろう。

そして、ソーマタージに対するロボットはというと、こちらも数は二体。
前と後ろで並んで突っ込んできており、前は両手を広げて掴みかかりの体勢、
後ろは前の掴みかかりが成功したらそのままそのアームで滅多打ちにするつもりだろう。


>>877
その攻撃は完全な奇襲となり、ロボット集団の前衛を構成していたうちの一体がその餌食となり、左ひじの関節部を斬り飛ばされた。
奇襲を受けた個体はたたらを踏んで体勢を崩したが、その横に居た一体が奇襲者に腕を振り上げて殴りかかる。
そうこうしているうちに奇襲を受けた個体も体勢を回復するだろう。この二段構えの状況、どうするか?

>>878
葵『レール撃つのは脱線して大惨事になりかねないからダメ』

レールを撃つ作戦は却下されてしまった。
周辺環境への飛び火が危ぶまれるし、皆が乗ってる状況だからだ。

……そして、アキレスの情報収集の結果だが、以下の通りとなった。

敵ロボットの武装や詳細な描写 ⇒ 人型・武装なし・薄型装甲装備・関節部装甲なし・人間基準で「怪力」と言って差し支えないパワー
列車の連結器 ⇒ 貨車の全幅の6割ほどの大きさの物理的な連結・少々の衝撃ではびくともしない
トンネルの長さ ⇒ それほど長くはない(もう1レスくらい)


880 : BBとメアリー ◆AaNrqSY5ys :2018/05/12(土) 22:10:20 ???
>>879
奇襲を受けた個体へと再度斬りかかるBB。
腕を振り上げ新たに襲い掛かってきた個体に対しては

BB「『36頁・ソード』」

左手に緑の光で可視化された空気の流れが集い剣の形を成す。
強力な魔力の塊でもって形成された魔力の刃でもって腕を切り飛ばさんと振るった。


881 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/12(土) 22:12:51 ???
>>879
「イヤーッ!」
掴みかかろうとするロボット、その空いたボディに向けて砲弾めいて突き出されるソードの先端!
貫く事は考えていない。その衝撃で後ろの敵ごと押し倒すか、押しのけ列車から落とそうという魂胆だ。

機械の身体は常人以上の力を持つ。無駄な努力とはならないだろう。


「しゃらくせぇ!こんなんだったらあのロボ大事にしとくんだった」
前のロボットの懐に飛び込む格好のまま過去を悔いる。
後ろの敵が何をするのかは想像がつく。その前に終わらせようと、柄握る手に力を籠める!上体に微かな紫電を奔らせる!


882 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/12(土) 22:15:35 ???
>>879
「……セェッッ!!」

月光での横薙ぎ!刺突!袈裟斬り!
防御力が高く切断が通り辛い、ならば衝撃力で強引に破壊するのみだ!
関節部を狙う事も試みるがしかし揺れる車上では的確ではない可能性もある、ならば押し潰す!
剣と無手ならば、腕の長さにもよるが半人にリーチの利があるのだ!
虚空の刃をも飛翔させ、殺到させて行く!


883 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2018/05/12(土) 22:22:13 ???
>>879-882
「う〜ん・・・」
とりあえず情報収集はこんなところだろう めでたく脱線は却下されてしまいましたがまぁどうにかなるでしょう
手頃な棒状の鋼材を手に辺りを見回し みなさん派手にやっている様子

「なら俺1人戦線に加わらずに前に出てもいいよね★ デモンレッグ!!」
その言葉と共に脚から出てくる青き霧 比類なき脚力を得て行うは

「アキレス 吶喊します!! んのやらぁ!!」
ロボット集団を避けて先頭車両を目指します 敵ロボットの密度いかんでは行けると思うが 果たして?

そしてインカムにて葵に通信

「葵タン!! そっちからみんなに聞いてみて!! 『少々の衝撃ではびくともしない連結器』をぶっ壊す・ぶった切る自信のある人いる?って!!」


884 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 22:34:21 ???
>>880
再度の斬りかかりにより、奇襲を受けた個体は首を刎ね飛ばされ、前後不覚になって貨車の縁から落ちていった。
そしてもう一方はと言うと、返す刀で振るわれた緑の刃に、今まさに殴りかかろうとしていた右腕を斬り飛ばされてしまった。
が、もちろんもう一方の左腕もあり、そちらの拳が飛んでくる。
そしてさらにその後ろからもう一体のロボット。またもや殴りかかりだが、走ってきたらしく速度が乗っている。あれを受けると痛そうだが……。


>>881
ボディに向かって飛び出した切っ先は、装甲に傷を与えることには成功するが、すぐさま貫かれる、といった風情でもない。
だがそれこそソーマタージの狙いの通りで、機械の腕に裏打ちされた強力なモーメントが、貫かれなかった剣の先端からロボットの胸部に伝播し、
ロボットは盛大に後ろに倒れてしまった。
そして、その個体の後ろに居た個体はと言うと、倒れたロボットの直撃は受けなかったものの、足に倒れたロボットの手が当たり、
前につんのめる形で体勢を崩した。チャンスだ。


>>882
徒手空拳のロボットと帯剣したタエンティースとのリーチの差はいかんともしがたく、
一体は横薙ぎの軌道で腕を斬り飛ばされ、そこに刺突を加えられてバランスを崩して貨車から落下していき、
もう一体は袈裟斬りで首元を斬り飛ばされた後、殺到する虚空の刃に押される形となり、やはり貨車から落下していった。

だが二体倒したとて、分母の数が多いため、すぐにおかわりのロボットがやってくる。
またしても二体。今度は二体とも、掴みかかりの様相を見せている。戦術というものが全く感じられない動きだが、続けざまだ。


>>883
速度を得て走り出すアキレスだが……葵の機銃掃射を免れた個体は多く、後ろから後ろからわらわらとロボットがやってきており、縦深は深そうだ。
このまま進んでも何体かはやりすごせるだろうが、奥に行くほど密度は高い。囲まれる可能性は高いだろう。

そして、こちらはアキレスからの通信を受ける葵。
葵『それって連結器壊して貨車切り離そうってこと? 結構大変そうな作業になると思うけど……そこまでしてやりたいことの狙いは何?』

言っていることはわかるが、目的がわからなくて訊き返す。


885 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/12(土) 22:40:42 ???
>>884
「……ふぅっ!!」
「全く……!!」

単発的に吐き出した呼吸、常人の数分分の空気のやり取りがそれに凝縮されている
立て続けに迫る機兵、死や怖れを知らぬそれは十分以上の脅威と言えた
瞬時に身を低く屈めて水面を薙ぎ払うように弧状斬撃!
脚を狙った横一閃、立て続けに先程まで頭があった高さから迫る空駆ける虚空の刃へ続けるコンビネーション!

「しかしこのままじゃ、ジリ貧になりそうな気がしますね……!」


886 : BBとメアリー ◆AaNrqSY5ys :2018/05/12(土) 22:42:21 ???
>>884
「きりがない」

左の剣が振るわれ飛んでいくのは魔力の刃。
何に当たる事無く敵の間を飛んでいき走りこんできた敵の背後で弾ける。

「根本を叩きにいかない事にはジリ貧だな」

弾けた直後、その場にはBB。
右手の剣を振るって放たれた光の刃が走りこんできた敵の背を刻む。

右腕の無い敵と背を刻まれた敵が未だ動くなら次の動作に移るだろう。


887 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/12(土) 22:47:21 ???
>>884
「頭を垂れたな!」
VVVVVVVVOOOOOOOO!!飛び掛かるソーマタージの手の中で機構が動かされ、チェーンソードが獰猛な唸りを上げる。
超高速で動く強靭な刃が狙うのは、後ろに倒れたロボットの関節部。

比較的脆いのは先程の援護で確認済みだ。そして、素手の彼らにいつまでも構っている暇も無い。
サイボーグ特有の怪力でチェーンを押し付け、二体の脚部を素早く両断しようとする!


「とっとと先に進むか? こいつら一々相手してたらキリがねえ」
インカムに向って怒鳴る。毎度この調子で進めていては、敵の元へたどり着く前に目的地に着いてしまいそうだ。
列車を切り離すというのなら、早い所そうした方がいい。 嫌がらせにもなるだろう。


888 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2018/05/12(土) 22:49:46 ???
>>884
「 い や が ら せ ★ 」
葵の言葉に届く言葉 見えて無くても分かるだろう 苦そうざい笑みを浮かべていることに

「人の嫌がることを進んでしましょうってね たとえ俺たちが任務に失敗しても 切り離した貨車を戦車で引っ張って戻ればそれだけ敵にとっても痛手だ
 これで敵のヘイトを集めて敵を逃がす妨害になればよし そうじゃなくてもストレスにはなる もちろん切り離しが難しいなら無理とは言わないけどさ」

膂力に優れた連中も多いし 武器だって一級品dな 自分が力任せにやるよりよっぽど簡単だと思ったのだ

さて 事前の情報からもうトンネルは抜けたはず ナラバ上が開いている 鋼材を担いでいざ行かん

「やってみるか!!」
跳躍 狙いはロボットの頭

「さぁさ皆さまお立会い やって見せるは因幡の白兎 できたなら拍手喝采のほどを!!」
並み居るロボットの頭を踏みつけ進もうとする無謀 はたして効果のほどは?


889 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 23:00:45 ???
※レス前後してます。
>>885
伏せ身の一閃がロボット二体の脚を同時に切り飛ばし、支えを失って崩れ落ちる二体に対し、
虚空の刃が続けざまのダメ押しを行い、二体とも貨車の縁から落ちていった。
それなりの丈夫さをもつロボットに対し、バランスを崩してやり、貨車から落とすこの戦術は有効だ。
だがその後ろ、二両目の貨車にはいまだこちらに移っていないロボットの姿が見える。タエンティースの言うように、このままではじり貧だ。

>>886
ロボットの知覚では捉えられない移動を受けて、二体の行動が完全に空を切る。
そして、それがその二体の最期となった。
装甲部位の中では最も防御力が薄い背中への攻撃を受けてそれが致命傷となり、黒い靄となって散った。
とはいえ、「まだ」二体だ。二両目の貨車には結構な数の個体が残っている。

>>887
破壊的なチェーンの一撃を、体勢を崩した二体が防げようはずもなく、脚部を破断されてその場に転がるしか能のない物体に仕上がってしまう。
しかし、ソーマタージの言うように、こうした対応に終始せねばならない相手が後にもごまんと居るというのは、良くない状況だ。
この状況を打破せねばなるまいが……。

>>ALL
……と、輸送列車の上空が天井から夜空になる。列車がトンネルから出たようだ。
それに合わせて、最後尾の車両の後ろから葵の戦車が出て、二両目の貨車と並走を始める。

葵『お待たせ、援護する! アツアツの鉛玉をどうぞっと!!』

一両目と二両目の間にひしめいているロボットの集団に対し、12.7mmの嵐をお見舞いする。
正面から堂々とロボットの装甲を撃ち抜ける弾の暴風を受けて、その集団が壊滅する。

響「ここに目当てのジェネレーターはありません。次の貨車に移りましょう」

クロークで後ろに回り込み、装甲されていない首元からマグナムオートの弾を打ち込んで一体倒した響が、
そう言いながら前の貨車に乗り移る。
貨車と貨車の間に車両間移動用の板などは無いが、間隔としては普通にジャンプすれば乗り移れる程度である。
二両目の貨車は内側を隠すように両側にコンテナが二段に積まれており、
内側は幌を被った車両が進行方向に向かって平行に整列しているような構造の積み方になっていた。
そしてその機材の列の向こう、三両目の貨車の近くに、一際背の高い幌があり、その近くの空間から、ロボットが次々と生み出されているのが見える。
どのような形状かはさておき、あの幌の中に「ジェネレーター」があるようだ。

ただしもちろんのこと、この車両にもロボットの集団が存在する。
前の車両のように、近接格闘を仕掛けるために近づいてきている。これも突破せねばならない。

>>888
と、そこにアキレスが飛び込んでいった。
葵の機銃掃射を受けて集団が壊滅し、後ろに控えるまばらな個体たちだけとなったその上から、ロボットの一体の頭に脚をかける。
上からの奇襲は想定していなかったのか、ロボットが頭の上に手をやる反応は、アキレスの次のムーブより遅いだろう。
「ジェネレーター」に一番近いのはアキレスとなった。

で、アキレスの提案だが、
葵『うーん、たぶんやってやれなくはないかもだけど、フツーに機関車に殴り込みに行って止めた方が早そう。
こんな重量引きずってOKな連結器とか、どれだけ時間かかるかわかんないよ』


890 : BBとメアリー ◆AaNrqSY5ys :2018/05/12(土) 23:08:21 ???
>>889
「視認できる距離なら空間移動も可能だけれど…」

単独で突っ込んだ場合、物量に圧殺されるのが目に見えている。

「もういっそのことコンテナ叩き落して連中を潰してから行った方が早くないかい?」


891 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/12(土) 23:15:04 ???
>>889
「ありがとう!」

機銃掃射の支援に短く一礼、これで僅かな時間という黄金を得た
成る程ジェネレイターはこの向こうか、次の貨車へ飛翔!

「……よし、見えた……!」

機兵の群れの女王アリを彼方に視認、だがその前にまだ戦わねばならない

「……せ、エェェッッ!!」

赤刃の内部ジェネレイター起動!
破壊的エネルギーを刀身に纏わせ、必殺の一閃として機兵集団に斬り込み大振りの横薙ぎ孤月閃!
ロボットを無視する事も考えたが、背を取られるのもうまくない
ならば取り敢えず自身はアキレスの後顧の憂いを断ち切る道を選ぶ!


892 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2018/05/12(土) 23:15:21 ???
>>889
「(´0w0)」
残念 提案は却下されてしまいました

それはさておいて ロボットの頭上を飛び越えることに成功
続いて二つ三つと頭を渡り歩き 向こうに幌を被った何かがある
恐らく例のジェネレーター

「当たってチョーダイ!!!!」
片手で構えたトレンチガン 軍用散弾が装填されたそれを発砲 当たって壊れてお願いプリーズと願掛けしながらの攻撃である


893 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/12(土) 23:16:35 ???
>>889
「トロすぎて死ぬかとおもったぜ!」
目の前でひしゃげ、もぎ取られ、弾雨に削り取られていくロボット群。
目当ての物は無かったらしい。ため息をつくと、一行に続いて前方へ。


「タェンティースがビーム撃てなかったか?薙ぎ払っちまえよ、巨神兵みたいに」
嫌そうな顔をして一度だけ振り返る。諦めた様に肩を竦めると、勢いよく跳び上がる!

「突っ切るぞ!」
一台一台を足場に、伝説の武士めいて一気にジェネレーターの元まで向かうつもりだ。
アキレスのそれとは違い、力任せに五体を動かし飛び回る荒々しい動きだが、果たして。


894 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 23:18:10 ???
>>ALL
タエンティースの援護を受けつつ、アキレスの一撃が「ジェネレーター」と思しき幌の内側を打つ。
するとその幌が突如、内側から跳ね上げられ、後方に飛ばされていった。
代わりに幌の中から出てきたのは曲線を描く装甲に守られた、六つの脚を持つずんぐりとした機械で、大きさは葵の戦車よりやや大きめ。
胴体の前方と後方それぞれに5つずつ、目玉のようなカメラアイが取り付けられており、それぞれがそれぞれに動いて越境者たちを視認する。
するとその機械は六脚のうち前二本を素早く動かし、自分の前方に停めてあった装甲車の下に脚を潜り込ませると、なんとそのまま装甲車を持ち上げ、後ろの貨車に向かって放り投げた。
放り投げられた装甲車は錐もみ状態で後ろの貨車に打ち付けられ、貨車と装甲車から重い金属の悲鳴が上がる。
それに伴い、その機械の周囲に控えていたロボットが靄となって一斉に散っていった。加えて、ロボットの生成も停止する。

響「これが「ジェネレーター」……なのでしょうか?」

ロボットの生成は停止しているが、間違いなくこの機械の近くからロボットが生まれていたので、これが「ジェネレーター」と考えるのが自然だが、
前回見た「ジェネレーター」とは形態が違い過ぎた。

葵『みんな大丈夫!? なんか車が飛んできてたけど!?」
響「ご主人様、「ジェネレーター」……らしき機械と現在対峙しています。六脚、かなりの怪力、蜘蛛のような胴体です」
葵『何それ、ほんとに「ジェネレーター」? まあいいけど、こっちからはコンテナで内側が見えない!
どうにか位置を教えてくれれば、そこに主砲を撃ち込めるんだけど……』

コンテナはあくまで輸送用のものなので、75mm主砲で撃ち抜くことは容易だろう。
が、葵が言ったように二両目の貨車は両側にコンテナが積まれている関係で、目標を視認できない。
何かの方法で葵に位置を知らせて主砲で撃ってもらうか、もしくは越境者たち自身の手でこれを撃破しなくてはならない。
装甲の具合はまだわからないが、装甲車を持ち上げたことから言って、単純な力勝負は避けた方が良さそうだ。


895 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/12(土) 23:26:42 ???
>>893
「……ビーム、口から出すわけじゃありませんからね……?」

一応訂正しておくのを忘れない!

>>894


「……また、多脚か……!」

機兵達は霧散し、喧騒めいていた車上から厄介者達は失せる
宿命めいて相対する戦闘機械と越境者一同、過ぎ行く光景は引き延ばされたような色味で走り過ぎて彼方後方

「位置は……そうですね、内部にアクセス出来れば視界をリンクさせられるのですが」

葵の戦車とそうさせられらばラクチンなのだが、生憎半人のそれはそこまでの汎用性を有してはいない
更に言うと敵の残した戦車に不正アクセスなど、なかなかの肝っ玉を持たねば出来やしないであろう

「わたしはそれをするには時間がかかり過ぎますね」
「……と、言うわけで……!!」

破壊的エネルギーを纏ったままの赤刃、それと月光を盾に構えてヘルメスの靴で超加速!
機敏に鋭いフェイントをかけつつ多脚戦車の脚に斬り込むべく駆けた!


896 : BBとメアリー ◆AaNrqSY5ys :2018/05/12(土) 23:28:21 ???
>>894
「多脚戦車…最近こういう手合いが多いな」

ふむ、と考え込むBB。

「コンテナが邪魔、ね。了解、なんとかしよう」

BBがその背後に前触れなく出現した大きな鎧に取り込まれる。
それは漆黒の全身鎧を模した超跳躍と滑空機能搭載の2m級強化外骨格だ。
バックパックの左右に合体させる事で巨大両手剣になる長剣がマウントされている。

「片っ端から吹っ飛ばして行こうか!!」

主砲を撃って貰うのは賛成だが、
おそらく視認できない状態で合図だけ送った場合、
近接攻撃を多用する味方が巻き込まれる可能性が大きい。
で、あるならコンテナを蹴散らした方が安全だろう。
可能であれば蹴散らしたコンテナをジェネレーターにぶつけてもいい。

BBが駆る全身鎧がコンテナへと跳ぶ!


897 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2018/05/12(土) 23:30:50 ???
>>894
散弾をぶち込んだ これで壊れてくれればと思ったが 予想は想像の斜め上にすっ飛んでいた
「うわっぷ!?」
跳ね上がる幌にからめとられかけ ロボットの頭ジャンプを中断 そして多脚の何かは装甲車をつかみ こちらに分投げてくるではないか

「おちょちょちょちょ!?」
おかげでわらわらいたロボットは蹴散らされましたが 蜘蛛ロボットの脅威はいまだ健在
装甲車を分投げる敵と戦うなんてノーサンキュー ということで

「よっこいせっと」
コンテナの上に上ると

「あ〜ばよ〜とっつぁ〜ん!!」
なんと 蜘蛛ロボットとの戦闘を避けて先頭車両にむかおうとするのであった
蜘蛛ロボットは誰かが何とかしてくれるだろう きっとメイビー


898 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/12(土) 23:33:05 ???
>>894
「イエーイ三番銛…ッ!」
ヘラヘラと着地した途端、目の前で持ち上がる装甲車!すんでのところで地に伏せてこれを回避。
その先にあるのは、凡そ真っ当な機械とは思えなかった。記憶と違いすぎるし、戦闘力も違いすぎる。

「技術の進歩だな。ようこそ未来」


「抑えてろ。コンテナを退かしてくる!」
言うが早いや、刀を抜くと警戒しながら視界遮るコンテナの一方へ歩を進めるソーマタージ。
一般的なコンテナ程度ならこの剣で切断出来る。出来ないなら、別の方法を考えるのみ。

「こっちにヘイト向けるんじゃねーぞ。今の俺様はギミック処理で忙しいんだ」


899 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/12(土) 23:37:12 ???
>>895
前回の多脚戦車に比べて、今回の「ジェネレーター」らしき機械……「大蜘蛛」の反応は鈍い。
現にタエンティースの加速に追いついているカメラは無い。
しかしながらその巨体を支える六本の脚は太く、所々装甲に守られている点から言っても、切断には一工夫必要だろう。


>>896 >>898
コンテナは装甲されているわけでもなければ、特別丈夫な造りでもない。
越境者の火力でもってすれば、破壊すること自体はそう難しいことではないが、
貨車の内側に越境者たちが居ることを鑑みると、破壊の方法は慎重に選択されるべきだろう。


>>897
タエンティースの項でも述べたが、この「大蜘蛛」の挙動は基本的に鈍い。
それだけ重厚な機械ということでもあるが、この場合、アキレスに対応するにはそれは不都合に働いた。
具体的な対応を「大蜘蛛」が取れないでいる中、アキレスの歩みは妨げもなく快調だが……。


900 : BBとメアリー ◆AaNrqSY5ys :2018/05/12(土) 23:41:59 ???
>>899
「どっ…せいッ!」

では上部から順に内側から吹っ飛ばして行けば問題なかろうとBBが動く。
強化外骨格のパワーに任せてもいいし、
魔法も併用してコンテナが内側に崩れないよう突風を放ってもいい。


901 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2018/05/12(土) 23:46:35 ???
>>899
蜘蛛ロボットをみやる タェンティースを見やる 結論

「俺がいても大した攻撃が加えられない」
「ロボットは愚鈍 まずこちらを捕らえられない」
「最終目標はこの列車の停止」

「先に行こう」
ロボットを他の者に任せ 自分は先頭車両を目指すことにした


902 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/12(土) 23:47:02 ???
>>899
「……硬い、な……!」

破壊の奔流を纏った刃ですら、完全な切断には多少の時を要するであろう
しかし見れば成る程、アキレスは突破を果たしたしソーマタージとBBはコンテナの処理を開始してくれている
ならばそう、話はカンタン

「時間を稼がせて貰うとしましょう」
「……急いで!わたしが倒してしまいますよ」

一同に戯けて告げて構え直し再度相対
圧倒的スケール差、質量差、だけどそれだって負けるつもりなんて絶対にない

「……あ、ら、く……レェェェーーームッッ!!!!」

月光を盾に構え周囲を旋回!
死角に潜り込めば赤刃の切っ先を向け構え……エネルギー開放!
先程纏わせていたモノより遥かに絶大な量の、破壊的エネルギーの渦が波濤めいて大蜘蛛へ空気を焼き尽くしイオン化させながら突き進む!


903 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/12(土) 23:54:48 ???
>>899
「どっちかについとけ。やっと開いたら反対側でしたなんてシャレにならねえからな」

「切り開く!」
背中にチェーンソードをマウント。腰を下ろして低く構えると、鞘のグリップを握る。
赤刃一閃!斜めに大きく振り上げられた刀は、内側からコンテナを斬り裂こうとする!


「イヤーッ!」
一撃では終わらない。やたらめったらに振り回される刃は、コンテナの壁を大きく切り開く。
まるで扉でもあったかのような大穴を穿つべく、ジェネレーターが気を足られている隙に走り抜け、跳び上がり、斬り裂こうとする!


904 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/13(日) 00:03:17 ???
>>900 >>903
BBとソーマタージの努力の甲斐もあり、貨車に積まれていた邪魔なコンテナは、
よくわからない機材をバラバラと撒き散らしながら破壊され、貨車からずり落ちてしまった。

葵『ちょ、とと、みんな無茶するね……って、何そいつ、めっちゃキモイ!』

「大蜘蛛」を目の当たりにした葵から、正直な感想が飛び出る。
ぎょろぎょろとカメラアイを動かしている様子など、見るものが見れば同じような感想に至るだろう。

葵『こんなキモイやつは主砲で消毒だ! APHE装填!!』

操縦席のパネルを操作し、葵が主砲にAPHE……徹甲榴弾を装填する。
そうしてから、「大蜘蛛」の近くで戦っているタエンティースに影響が及ばない部分……胴体部の後方に狙いを定め、

葵『ファイア!』

戦車の主砲が轟音と発砲炎を発し、徹甲榴弾を放つ。
砲弾は過たず「大蜘蛛」胴体の後方に突き刺さって潜り込み、内部で炸裂した。
その衝撃で「大蜘蛛」の胴体が数センチ浮き、破口部から炎が吹き上がる。

葵『よっし、命中!』

しかしながら、致命傷ではなかったようで、「大蜘蛛」の動きはまだ続いている。


>>901
三両目の貨車は一番前の貨車は幌に覆われた装甲車が三列に並んで積まれている貨車で、「大蜘蛛」と同様の機械の姿は無い。
脅威の類は、見かけ上は見られない。

>>902
タエンティースの放ったエネルギーの奔流は、動きの鈍い「大蜘蛛」の脚のうち一本にクリーンヒットする。
「大蜘蛛」の脚は全体的には装甲されているが、やはりこうした機械の宿命で、関節部は保護ラバーに覆われているに過ぎない。
よって、装甲部位はその装甲表面をいくらか焼いて、しかし留められたが、保護ラバーだけの関節部はラバーごと焼かれ、
内部の機構に問題を生じて火花を散らした。
外から見ても、その脚だけは満足に動いていない。

>>ALL
越境者たちが一筋縄ではいかないことを認識した「大蜘蛛」は、六つの脚に力を籠めて跳躍し、一番前の貨車に飛び移った。
並んでいる装甲車の上に無遠慮に着地すると、まるで玉入れのボールのごとく、周囲の装甲車を持ち上げ、二両目に次々と投げ始めた。
続々と二両目の貨車に「着弾」する装甲車。こんな雨の中になど居られない。

響「前の車両へ! 避けてください!」

この状況から逃れるには、響の言うように一番前の貨車に乗り移るのが良いだろう。


905 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2018/05/13(日) 00:08:26 ???
>>904
「・・・あれは不可抗力だよね」
列車にダメージを与えないでくれといわれた気もするが 気のせいでしょう

何はともあれ一足先に前の車両にお邪魔します

「抜き足差し足忍び足〜」
おっかなびっくり先に進みましょう


906 : BBとメアリー ◆AaNrqSY5ys :2018/05/13(日) 00:12:53 ???
>>904
「そのまま逃げればよかったんだ。
 視認外なら斬撃も届きようがない!」

長剣から放たれる飛ぶ斬撃。
それは大蜘蛛の身体に空いた穴へと突き進む。
着弾し弾ければ瞬間、その場にBBの姿がある。

「巨大な何かを破壊する時は内部からって相場が決まっているものさ!」

左右に携えた剣を天高く掲げジョイント。
一つの大きな鉄塊と化した巨大両手剣を大蜘蛛へと振り下ろす。


907 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/13(日) 00:14:34 ???
>>904
「冷静に見るとキモいよな。ウケる」
ひょっこりと顔を出し、すぐ近くを掠めて飛んでいく榴弾を眺める。
着弾し、大穴の空く胴体。ダメージはあるらしいが、逃げられた。

「そのまま着いて来い。何だったら列車の先頭をふっ飛ばして来い」
インカムに向けて言うと、背中のソード、掌の鞘にそれぞれ手を伸ばすソーマタージ。
指先から伸びた触手は端子をこじ開け、接続し、入ってはいけない部分へ潜り込む!


「YYYYEEEEEEAAAAAARRTT!!!」
怪鳥じみた雄叫びを上げ、微かなスパークを撒き散らして跳び上がるソーマタージ。チラリと見えたその貌からは、鉛色の霜柱の様に小さな触手が幾つも生えかけていた。
手に持つ武器の内蔵電力を吸い取り、己が力に変えたのだ!迸る力は、即座に消費される!

投げられる装甲車を蹴り、床を滑り、大蜘蛛を狂犬の様に追いかける。
吸い取った分のエネルギーが尽きる前に辿り着こうと前へ、前へと飛び跳ね向かう!


908 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/13(日) 00:18:59 ???
>>904
「……、硬……!」
「って、うわぁっ!?」

アラクレームを持ってしても完全なる破壊に至らぬ装甲に舌打ち
ともあれ次々に放たれる質量攻撃から逃れる必要があった、それも早急に

「……虚閃歩行……!!」

虚空の刃の剣腹を空中で蹴り付け機動、空を駆ける!
そのままの勢いで大蜘蛛へ飛来し、先程から攻撃を続けている脚へ向け、破壊エネルギーを纏わせた赤刃を振るった!


909 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/13(日) 00:27:19 ???
>>905
一番前の貨車には、前述の通り「大蜘蛛」が鎮座していて大暴れしている。
とはいえ、別にそれでパワーアップしたわけでもないので、相変わらずその目を盗んでその後方に抜けることは容易そうだ。
だが、それだけの大騒ぎになっているにもかかわらず、機関車側からの反応は無い。
ビショップという頭目はおろか、手下の一人も出てこないのはどういうわけであろうか?

>>906-908
タエンティースが超速度で「大蜘蛛」に接近してその刃を振るい、先ほどの彼女の攻撃で損傷していた関節部を斬ると、
その脚はついに切断されて、貨車の床に重苦しい音を立てて落ちた。
それによってただでさえ鈍い動きがさらに鈍くなり、葵の照準の助けとなった。

葵『こいつ! 好き放題やるのもいい加減にしなさいっての!!』

葵の戦車から再び徹甲榴弾が飛来し、「大蜘蛛」の胴体部に突き刺さり、炸裂する。

葵『まだまだ!』

砲塔内の自動装てん装置がガラガラと動いて、排莢後再装填し、主砲が三度火を噴く。
またもや胴体部に突き刺さって爆ぜ、その内圧によっていくつかのカメラアイが破損する。

そうして着実にダメージが積み重なっていたところに、ソーマタージが動き、「大蜘蛛」の意識がそちらに向いた。
が、それが致命的な失態となった。

三度砲撃を受けた傷に、BBからの斬撃が着弾したかと思うと、どこからかBBが現れ、その巨大剣を砲撃によって空いた破口に振り下ろした。
それによって、砲撃でただでさえ傷ついていた内部機構が壊滅的に破壊されてしまい、
その傷口からひときわ大きな炎を噴き上げて、「大蜘蛛」は重くその身を横たえ、二度と動くことはなかった。

※レス続きます。


910 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/13(日) 00:28:16 ???
>>ALL
越境者たちの攻撃により、ついに崩れ落ち、火花と黒煙を上げる「大蜘蛛」。
それを見て、拍手する者がいた。「大蜘蛛」の残骸、その向こうにある機関車の上に立つビショップだった。

ビショップ「やるじゃねえか、越境者ども。前の「魔導士殺し」といい、今回の自律ジェネレーターといい、そんなヤツらを殺っちまうとはな。
俺たちゃ、どうやらお前らの力を過小評価してたらしいなぁ……」

拍手をしながらしみじみと言う。
追い詰められているはずだが……この余裕は何なのであろうか?

葵『アンタ、今すぐこの列車を止めなさい。切り札が無くなった以上、アンタらにもう選択肢は無いはずよ』
ビショップ「オイオイ、無粋だなぁ、「赤狼」よォ。人がせっかくいい空気吸ってるってのによ。
……まあ、俺たちもヒマじゃねえしな。さっさと済ませちまうか」
葵『はあ!? アンタ状況分かって物言ってんの!?』
ビショップ「わーってるよ。今回は「引き分け」だってな」

そう言って、ビショップは空を指さす。何があるのかと見ても、そこには何もない。
ブラフか。そう断じて視線を戻しかけたその時、突如ビショップの指さした空に、雲も無いのに激しい放電現象が起こり、
まるで稲妻の剣で斬られたかのように空間が大きく裂けて、そこから巨大な「何か」が出てきた。
その「何か」は……三連装の砲塔がいくつもあり、艦橋のような構造物もあり……戦艦を二隻、船底を接着面にして上下に合体させたような構造の代物だった。
それが空間の裂け目から出てきて、空を飛んでいる。まるでスペースオペラの一幕のような光景だ。

葵『な……なに、あれ……』
ビショップ「まー言ってみれば、俺らの「家」だな。んで、今回の幕引き役でもある。
ちょうど最後の短距離シフトの用意もできたから、忠告しといてやるぜ。とっとと尻まくって逃げた方がいいぞ? ケケッ」

小馬鹿にしたような笑みを最後に、ビショップの姿が光に包まれ、そして消え失せた。
そしてそれを見届けたかのように空に浮かぶ「戦艦」の砲塔3基が動き始め、その砲口をこちらに向けようとしている。

葵『まずっ……絶対まずい、アレ絶対だって……!!』

もはや貨車にぶつかるような勢いで、葵が戦車を貨車の近くに寄せた。

葵『みんなこっちに移って! 早く早く!!』


911 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/05/13(日) 00:34:21 ???
>>909-910
「……なるほど、戦艦……」
「そ、そうですね、急ぎましょうか」

仮に手を貸す必要のある人物がいれば無論そうして、ともあれ車両から脱出
爆破に巻き込まれるのはカンベンなのだ、命あっての物種である

「……えーっと……」
「敵の組織の概要を、後で改めてお聞きしても宜しいでしょうか……」

乗り心地最悪な戦車に揺られながら、敵勢力の戦力を改めて知っておく必要があると溜息を漏らすのであったとさ


912 : ソーマタージ ◆.zilz3o6.U :2018/05/13(日) 00:36:16 ???
>>909-910
「頑張ったな。だが俺はまだ立ってるぜ」
SLAM!大蜘蛛の上に着地し、数度踏みにじった後離れた。深い意味は無い。
これで障害は無くなった残すは親玉のみ───。


「嬉しいね。誤解されたままだとお互いよくないしな。
 俺はお前らを過小評価するとしよう。馬鹿め」
生えていた鉛色の触手を引き剥がしながら、余裕綽々といった態度でこちらもお返し。
だが敵の様子もおかしい。追い詰められたはずなのにこの余裕。

「…まぁ、いつだって予想はアテにならないものさ」
空間を斬り裂き現れる戦艦。越境か?それ以外か?見ただけで判断は出来ないが、面倒な相手に変わりはない。

「言われなくても乗るよ、畜生めッ!」
葵が口を開くとほぼ同時、いの一番に跳び上がり、戦車の装甲に殆ど指の力だけでへばりつく!
命あっての物種。そそくさとこの場を離れるように、曲げた指の背でカンカンと装甲を叩いて急かす。


913 : アキレスとベティ>521-522と215 ◆eZKgukyN3c :2018/05/13(日) 00:41:05 ???
>>910
さて 先頭車両に向かうわけだが 妙なほどに敵のリアクションが薄い
まるで誘い込んでいるかのような・・・?

と後続がこちらに飛び乗ってきた とりあえず先に進み・・・・・

最重要ターゲット確認 なにか 激烈に嫌な予感がする
と ターゲットが指さした先 そこに現れた・・・戦艦

「ちょちょちょちょちょ!! チートも大概にせぇや!!」
逃げの一手である 葵の戦車にとびかかる・・・前に

「息が毛の駄賃だ!!くらっとけ!!」
トレンチガンをビショップに向けて発砲 軍用散弾がすっ飛んでいくことだろう

今度こそ葵の戦車に飛び乗り戦線を離脱

「・・・やっべ 今回まるで役に立ってねぇ」
もっと大胆に動くべきだったと反省するアキレスであった


914 : イベント「クリムゾン・グレイ」 ◆vuhMSi6wNU :2018/05/13(日) 00:41:47 ???
>>911
葵『もうね、こうなってくるとわかんないよぉ、タエンティースさん!』

泣き言染みた声色で言う。
自分が追っている者たちが本当に「彼ら」なのかどうか、葵は一連の出来事でわからなくなってきていた。
しかし、今はそんなことは後回しだ。

>>ALL
越境者たちが戦車に乗り移り、最後に響が来た時と同じように戦車の脚に取り付いたのを確認するや否や、

葵『急ブレーキかけるから、みんなしっかりつかまって!!』

葵の声に遅れること数瞬、戦車が急ブレーキをかけ、速度が急激に落ちる。
その横を輸送列車が通り過ぎていき…………「戦艦」の砲塔が輸送列車を捉えて、全ての砲口から赤光が放たれ、
9つの光が輸送列車の周囲に着弾して大爆発を起こした。
列車は爆発でめくり上げられ、所々から裂けて崩壊し、燃え盛る鉄片や塵となって周囲に降り注ぐ。
主砲弾が着弾した線路にはもちろん大穴が開き、列車の残骸が上げる黒煙と、巻き上げられた粉塵で、どのくらいの大きさのものが開いたのか見えないほどであった。
「戦艦」はそうして輸送列車を破壊すると、葵たちには興味が無いとでも言うように砲塔の向きを戻し、
またもや激しい放電と共に艦の前方に空間の裂け目を作り、エンジンのパワーを上げてその中に消えてしまった。

葵『………………』
響「………………」

葵たちが乗った戦車はと言うと、線路の上で完全に停止していた。そうするしかなかったからだ。

響「おわり……ですか?」
葵『おわり……だねえ……』

呆けたような声でそんなことを言う二人。
が、葵は次の瞬間にはハッとし、

葵『みんな、今回はありがとう。ちょっちしっくりこない終わり方だけど、目的は達成された……って言っていいと思う。うん。
報酬はいつも通りの方法で……このまま「ゲート」まで送っていくね』

そうして越境者たちを載せた戦車は、ガタピシと砂塵を巻き上げ、「ゲート」に戻るべくゆるやかに走り始めた。

//遅くまでありがとうございました。お疲れさまでした。


915 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/04(火) 22:06:28 ???
【これも一つの惨劇補正?】
ロイ「・・・・。」
アキレス「・・・・・。」
―――ギィ!!

立ち尽くしていた まるでこの世の終わりを見るかのように立ち尽くしていた
一行が受けた仕事 それは太陽草と呼ばれる薬草の採取である

太陽のよく当たる場所に生え 錬金術においては回復薬の効能を高める効果があり
これを煮出した茶は体を内側から温める効果を持ち冷え性もちには手放せない品

栽培するとかえって効能が低くなるものの 生命力が強く群生しやすい性質の為 

比較的安全な場所においては 子供たちの小遣い稼ぎにもなっている様な ありふれた植物である

だが一行が採取場所にたどり着けば そこにはうねうねとうごめくジャイアントワームがこぞってこんにちは
しかもすでにこちらを捕捉しており 戦いの火ぶたが切って落とされるのも時間の問題

ロイ「・・・もしかしてその辺にイムカが埋まってんじゃねぇの?」
アキレス「ありえそうだから怖い」
―――ギィ!!

さて いつまでも現実逃避している場合ではない 戦いの準備はおーけー?


916 : タェンティース・イルム :2018/09/04(火) 22:13:43 ???
>>915
「埋まって?」
「……それは大変です、掘り起こして救助しないと……一刻も早く」

ジョークめいてしかし真顔、修羅りと引き抜く黒刃月光
眼前の濁流めいたうねりを睥睨、既に臨戦態勢である

「数が、多いですね……」

左手をタクトめいて踊らせて放つ虚空刀六振り
半人自身も素早く踏み込み、最も近いワームに向けて袈裟斬り一閃!


917 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/04(火) 22:23:56 ???
>>916
ロイ「せやな」
アキレス「ほんこれ」
―――ギィ!?

力なく返す2人と 本当だったの!?と驚愕するベティちゃん

アキレス「冗談に決まってんだろ!! デモンレッグ!!」
囮を開始すべく走り出すアキレス ハルバートを構えるロイ

そしてタェンティースは袈裟切りを近場のワームに仕掛ける・・・が

ぬるん

と一撃はワームのぬめる表皮のうえを滑り痛手を与えられない もちろん月光の鋭さは微塵も衰えていない

ロイ「クソッ!! こいつら対刃の戦い方に慣れていやがる!! 気を付けろ こいつら“ベテラン”だ!!」

ベテラン 知能低きモンスターでも 経験から効率的な行動をとれるようになるという事例から生まれた言葉
それなりに長きを生き 人間と戦い勝利した経歴を持つワームのようだ

そしてベテランワームはタェンティースの足元をモグリ抜け 地面を耕して足元を不安定にsいようとしている


918 : タェンティース・イルム :2018/09/04(火) 22:30:39 ???
>>917
「ぬめる……!?」
「……成る程!!」

ある種、その本能的な理解と行動は理性的に行う思考よりもずっと脅威と言える
経験から来るワザマエに驚愕、しかし瞬時にアタマを切り替えなければならない

「……セェッ!!」

単発呼吸!踏鳴、震脚!
脚元へ鋭き衝撃と轟音を送り込み、虚空の刃を墓標めいて当てずっぽうに突き立てる!


919 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/04(火) 22:38:32 ???
>>918
アキレス「いやぁぁぁぁこっちこないでぇぇぇぇぇ!!!!」

囮を買って出るアキレス なれど組織的追い込みでそれに対処するワーム

ロイ「おんどれクソッタレ!!」
ハルバートの長いリーチで挑もうとするロイに対しても 一撃離脱を心掛け深入りしないワーム

そしてタェンティースに対しても 衝撃やら刃やらを的確に回避し地面を掘り進むワーム

更に連携するがごとく 違う一匹が地面を掘り進むワームに紛れてタェンティースの背後から教習せんと飛び出してくる


920 : タェンティース・イルム :2018/09/04(火) 22:53:10 ???
>>919
「痛っ……!!」
「……このォっ……!!」

背後からの衝撃!
たたらを踏むもダウンだけは堪える、自重とバランスがそれを助けたのだ!
繰り出すは後ろ回し蹴り一閃、ヘルメスの靴の硬度を持ったそれは正にフルスイングハンマーの如し!

「アキレス様、大丈夫ですかっ!?」


921 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/04(火) 23:03:54 ???
アキレス「あんまり大丈夫じゃな〜〜〜〜〜〜い!!」
―――ギィ!!

泣きが入るアキレスと まだまだ大丈夫!! と言わんばかりにハサミを振り上げるベティ さぁどっちが政界でしょうか?

バチンと蹴り一閃はたき落とされたワームはしばしビチビチとのたうち回っていたが
囮を買って出ていたワームがタェンティースに攻撃を仕掛ける その間に土の中に潜ってどこかに離脱してしまった

ロイ「こいつらマジワームなのかよ!! ベテランとかそういう域超えてやがんぜ!!」
こちらも攻めあぐねているらしい 足元を動き回る者と攻撃を仕掛ける者とで連携がしっかり行き届いているらしい

タェンティースにもまた 地面から顔だけを出して タェンティースに噛み付かんとするワームが攻勢を強めていた


922 : タェンティース・イルム :2018/09/04(火) 23:09:02 ???
>>921
「……よかった!そのままもう少しお願いします!」

どうやらベティちゃんが正解だったみたいです(欺瞞)

「成る程、賢い……!」

既に個々というより、統制された軍隊を相手取っている錯覚すら感じる
更に敵は地中を使う事で擬似的な立体機動を可能にしているのだ、これでは通常ならば敵うはずもない!

「……!!」

迫る牙!半人は左腕を持ってしてガード!
血ともオイルとも言えぬ液体が飛び散る!
その顎門が腕を喰い千切るよりも速く!

「……こ、のっ……!!」

右手五指でワームを掴み、マンリキめいた握力で握撃せんと!更に強引に引き抜き振り回さんと!


923 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/04(火) 23:23:52 ???
>>922
「うわ〜んおにちく〜貧乏性〜汁物好き〜」
実に元気そうなアキレス

―――ギィ★
ね?と言わんばかりにハサミを振り上げるベティでしたとさ

ぬめるワームの体をつかみ 全力で締め上げるタェンティース
ワームもまた力を込めて腕をかみちぎらんとする我慢比べ

そこに援護へと入らんとするワームもいたが

ロイ「させんよ!!」
ハルバートを手に必死の抵抗をするロイに阻まれ

音をあげたのはワームの方だった
腕から口を離し その口から悲鳴が上がり

グチャリと体液をまき散らしながらその身を凹ませダラリと垂れ下がる こと切れたようだ

そしてワームたちが撤退を開始する 地面を耕し足元をぐずぐずにして追撃を困難にしながら 近場の森の中に消えていくワームたち

ロイ「チッ・・・あんなに厄介なワーム見たのは初めてだぜ」
スコア0に終わったロイが忌々しそうに森を見る

アキレス? そこでへばっていますが 気にしないであげてください


924 : タェンティース・イルム :2018/09/04(火) 23:34:08 ???
>>923
「……誰がですか、誰が!」
「なっ……!?」

アキレスからの謂れもない誹謗中傷に断固抗議!
まぁでも元気そうでよかったね
しかしワームとの根競べになんとか勝利を収めれば何と連中撤退して行くではないか
退き際まで心得ているとは!

「……えぇ、全く恐ろしい……」
「しかし、この地区はキケンが過ぎますね……」

報告しておくべきでしょう、と肉を裂き骨格まで至ったキズの腕をイムエトで応急処置

「ほら、アキレス様、大丈夫ですか?」


925 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/04(火) 23:40:09 ???
>>924
誰がですかと抗議して 結局シンパしてくれるタェンティースが見たものは

無言でタェンティースを指さすアキレスでした
大丈夫ですねわかります

ロイ「全くだ 報告して一帯の危険度を更新してもらおう 元は新米でも活動可能となっていた地区だったはずだが…」
とりあえず当初の目的は太陽草の確保である

辺りはだいぶん耕されてしまったため 柔らかな土の中から引っ張り出す作業が増えたが なんとか十分な量を確保することに成功する

ロイ「一度みんなでお祓い行くか?」
帰り際 ロイが付かれた様子で提案するのであった

//〆


926 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/06(木) 22:30:19 ???
【狭間のスクラップヤード】
秋の訪れを感じるここ狭間のスクラップヤード
昼食後ののどかな雰囲気を蹴散らすかのようにボゴォとドデカイ音が響き渡る

そこにいたのはロイ・ボロウズ・ジョージ そしてギガース

ギガースの目の前にはドデカイ円柱形の袋が釣り下がっていた

ロイ「翼竜の腹側の柔らかななめし皮で成形し 翼の被膜でぐるぐる巻きにして頑強度を上げ
   中心部に鉛のインゴッドを仕込んで重量をキープ 鉛で拳を傷めない様 大量の裁断ウレタンをぎゅうぎゅう詰めに入れた代物だ」

ボロウズ「総重量は・・・200kg…H鋼の釣り具がないと使えませんが…耐久性は・・・この通り」

まさにギガースが力いっぱいぶん殴っても壊れない トンデモな代物になりました

ロイ「こいつがあればユノのトレーニングにも耐えられるだろ つかこれがサンドバッグに使えるコストの上限みたいなもんだ これ以上はとんでもない代物になるがな」

ギガースも殴り心地に満足しているようだ

さて この場に居合わせた者はどういった感想を抱くだろうか?


927 : イリー・トリエステ 黒髪の女【動禅魔導】 :2018/09/06(木) 22:37:47 ???
>>926
「……ほほーう……」
「どれ、少しいいだろうか?」

興味深そうにその作業を眺めていた元猫人
墓守は今は他の僧がやってくれている、故にしばらくのフリーな立場なのだ
さて何かしら目新しい事はないかなーなんてぶらついていたら面白そうなモノを発見、今に至るという事

「……セェッ!!」
「……、が、頑丈、だな……」

サンドバッグに掌底撃一閃!
ぐらりと揺れるがそもそも重さより手数を重視したバトルスタイルのイリー、手首を軽く捻ったらしく苦笑ながらに頷いた


928 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/06(木) 22:55:15 ???
ロイ「あ〜あ〜大丈夫かよ」
手首ひねったイリーに声をかけるロイ

ロイ「少し重くし過ぎたか? どこぞのドラゴンを名乗るムービースターが使ってたサンドバッグが140㎏って聞いたから
   それより重くして見たんだが…まぁインゴッド抜けば重さは調整できるし…」

とここでイリーが手首をひねった瞬間 ダッシュで水道にむかったジョージが 水で濡らしたハンカチーフをイリーの手首に当てる

ジョージ「大丈夫ですか? 捻挫はクセになりやすいので気を付けてくださいね」
とニコリ笑顔 相変わらずの紳士っぷり

なおハンカチはシルクの超高級品 この貴族だからね ブルジョアだね


929 : イリー・トリエステ 黒髪の女【動禅魔導】 :2018/09/06(木) 23:03:43 ???
「あぁ、そう、な……」

苦笑、ギガースを始めとする怪力自慢の越境者達の鍛錬用にはピッタリであろう
なんならイリーにはしめ縄を巻き付けた巨木やカカシなんかもあったりする

「大丈夫だ、この位なら魔法で……」

と、治療を開始しようとした矢先になんとジェントル!
思わずたじろぎながらも冷え冷えのハンカチの感触を味わう

「……ど、どーも……」
「……あー、えーっと、洗って返すから……」

タジタジオズオズ頭を下げて
かつては魔導師ギルド、そして今は狭間のスクラップヤード
大体荒くれな場所に所属していた期間が長く、矢張りその扱いには不慣れだ


930 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/06(木) 23:11:11 ???
ジョージ「お構いなく 返すのはいつでも構いませんよ」
気を付けろ シルクの洗濯は面倒くさいぞ

ロイ「やっぱりもう少し軽くしよう ボロウズ ギガース 手伝ってくれ」
と言って釣り具からサンドバッグを外し 中のインゴッドを抜く三人

ジョージ「しかし先ほどの掌底は見事でした あなたはどこで武術を?」
と ジョージ君 イリーの拳法にも興味津々 早速色々と教えてもらおうとしているようだ

ロイ「よしいいだろう ギガース つるしてくれ」
どうやら調整が終わったようです ギガースが筋肉を脈動させてサンドバッグをつるす

パンプアップされた筋肉の美しさたるや どこぞの半人が釣れそうなほどである


931 : イリー・トリエステ 黒髪の女【動禅魔導】 :2018/09/06(木) 23:22:12 ???
「……どーも……」

魔女の家系に生まれ、なんと一時期イリーの姉は国を支配していた
その警備兼世話役秘書みたいな真似事を、洗脳下ではあるが過去に勤めている
即ちちょっとしたゼータク品の扱いにも慣れており、お洗濯は問題なかろう。エOールもある

「ん?あぁ、これでも僧侶でね」
「……あー、寺?って言うのかな、修正力通じてる?……まぁ、そういう場所で叩き込まれたよ」
「……あなたの拳にも、興味があるな」

ボクシングを操る越境者との戦いは記憶に新しい
故にそれを昇華させた彼の技能はイリーにとっても興味の花なのだ
半人?さっきから柱の影からずっと見てニマニマしています


932 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/06(木) 23:37:55 ???
○マールなら仕方がない

ジョージ「寺・・・テンプル 確か師匠が言っていた 極東のブッティストが住まう教会の様なもの でしたっけ?
     なるほど テンプル騎士団のようなものなんですね」

多分変わっている・・・と思う

ジョージ「なるほど では捻挫が治ったら一手 どうです?」
とまるでダンスのお誘いが如き申し出 ただダンスにしては少々手荒いものになりそうだが

ロイ「おーい いちゃついてねぇで 叩き心地を確かめてくれ」
まぁここでロイのジト目が入るわけだが

ギガース「・・・・・。」
そしてギガース君 なんか視線を感じるが 色々と世話になっているので全身の筋肉に力を込める
芸術的筋肉がパンプアップで肥大化するのを見せつけるが如きムーブであった


933 : イリー・トリエステ 黒髪の女【動禅魔導】 :2018/09/06(木) 23:47:32 ???
ホームクリーニング♪

「あー……」
「……なんだろう、ちょっと違う気もするけど大体そんな感じ……?」

小首を傾げながら苦笑、そもそもイリーはテンプル騎士団を知らない!
あとでロイに補足して貰うとしよう(マルナゲ!)

「……無論だ、なんならもう治ったぞ」

不敵な笑み、実際もう手首はすっかり治っている
動禅治療の効果は意志力に左右される、そしてそれをイリーは最大限に活かす精神テンションにあるのだ

「……、あのな……」
「まぁいい、最後に叩かせて貰うとするよ」

ギガースの隆々たる肉体をほほうと眺めるイリー
半人は顔を引っ込めて何やらゴソゴソ、うんあれは鼻血を抑えているね


934 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/06(木) 23:57:38 ???
>>933
ロイ「アジアの僧兵みたいなもんだよ」
丸投げされたロイの答え

ロイ「んじゃまギガース もう一撃頼む」
鼻血を抑えている半人はほっといて拳を握り 渾身のストレートを叩き込むギガース

ズンと重低音が響き サンドバッグが揺れる

ジョージ「それでは やりましょうか」
ジャケットを脱ぎ 首元を緩めて拳を握る

ロイ「飯前までには終わらせろよ〜」
そんな2人をけだるげに見守るロイであったとさ

//〆


935 : 『Lose Yourself』 ◆.zilz3o6.U :2018/09/07(金) 22:12:49 ???
【前回までのあらすじ】
ある日の事。一行はソーマタージの生まれ故郷の世界にて不審な集団に襲われる。
ソーマタージとはぐれながらもエリコの案内で逃げ込んだ彼らを出迎えたのは、捕獲用の催眠ガス満載のトラップ車両だった。


【退廃近未来世界 どこかの施設】

────きろ。……起きろ。 起きろ。ガキ共』
逃げ込んだ先でガスを浴びせられ昏倒した一行。気がつけば、そこは壁も床も天井までも打ちっ放しのコンクリートで作られた無骨な空間だった。
妙に高い天井に吊り下げられたスピーカーから声がする。若い男の声だ。

『気分はどうかな? あまりにも健康に害のあるものは使わないよう手配してたんだが』
座席も芝も無いスタジアムの様な形状のその場所にいるのは、あの時捕らえられた越境者と、離れたところにいる一組の男女のみ。


『公正なくじ引きで君たちの処遇は新兵器のテストに決まった。やられ役って事だ。
 解剖は当分しなくてよくなったから、ぶっちゃけ余り物の処分ってところかな』

『新型の戦闘用スーツの実戦テストだ。すぐに死なないでくれると嬉しいね』


936 : 『Lose Yourself』 ◆.zilz3o6.U :2018/09/07(金) 22:13:34 ???
「聞いての通りだ。俺達とあんたらは殺し合わなければいけない」
朗々とした声を背で受け、白い無機質な衣類の袖を捲って男は重々しく口を開く。その手に持つ銀色のスマートデバイスの操作をしながら。
それに続いて女の方も袖を捲る。彼らの前腕には腕輪の様に巻き付く灰色の機械、ハンドベルトコンピューターが。
「許してくれとは言わないさ。ただ俺らの為に、死んでくれ」

《Ready》
二人がコンピューターにデバイスを差し込むと同時、頭上に現れる二つの渦の様な空間の『歪み』。
吸い込まれそうな光の揺らぎは、越境者にとっては『ゲート』を想起させるだろう。だが、実態は全くの別物だ。

そして、揺らぎから現れた二本の光柱は二人を飲み込んだ。


実際に光が照射されたのはほんの数瞬、文字通りあっという間だ。
しかし、そこに立っていたものは先ほどの二人とはまるで違っていた。
『数値も正常。システムも総じて緑。頑張ってくれよ』

二人の全身を覆うのは全く同じ形状をした、どこか生物的な様相の強化戦闘服。エリコのそれとは違い、やや細身のシルエットだ。
黄色いバイザーが睨む様に一行を見据える。頭部をすっぽり隠すヘルムの奥の表情は窺い知れないが、きっといいものではないだろう。


『───俺達は、生き延びてみせる』
重々しく男が呟き、相対した敵たる越境者を殴り倒そうと飛びかかる。その背後に控えていた女の方も、また同様に。
いやに明るい照明とカメラの下、戦の火蓋は切って落とされた。


937 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2018/09/07(金) 22:26:14 ???
>>935-936
「マジで?私なんかより余程向いてるヒト達いない?」
「……ていうか寝起きにさせるには随分な運動なんじゃないのそれってさー」

低血圧めいて後頭部を掻きながら七八
くだらない話の裏側で素早く思考を巡らせ状況を想起し己のウカツさを嘆いている
しかしそれでも潰される事を選ばないのは彼女の若さと性格が成せる技だ
装備装具の有無、身の調子の確認を既に迅速に終えている

「おーけーおーけー、完全に理解したよ」
「恨みっこなしって事でしょ?……ま、お互い頑張ろうねー」
「……!!」

身を低く構え迎撃態勢!
武器が無事ならば苦無を投げるし、そうでなければ横飛びになりながら関節目掛けた馬蹄蹴りを繰り出すだろう!


938 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/07(金) 22:28:00 ???
>>935
「んみゅ・・・後五分 五分だけ・・・」
ごろりと横になり 手で耳をふさぐアホタレ

〜しばらくお待ちください〜

「最悪デース とりあえず目覚めのカフェ・ソロを所望する」
仏頂面で腕組みのするアキレス

―――ギィ!!
ベティも怒りをあらわにするかのようにハサミを振り上げた

「え〜もっとさ〜穏便に決着つけようよ〜スプラトゥ○ンとかさスマ○ラとかさ
 俺そっちの方がいいなぁ・・・」

軽口をたたきながらも 腰を落としてrン銭耐性 と言ってもこの男 おいそれと人を殺せる性分ではない

「死にたくないが 殺したくもない!! デモンレッグ!!」
わがままを言いながら 青き霧を足に纏い とりあえず逃げの一手 横手に走り込み距離を取ろうとする


939 : 『Lose Yourself』 ◆.zilz3o6.U :2018/09/07(金) 22:49:37 ???
>>937-938
逃避行の際に失われた物以外、装備は全て手元にある。彼らの抵抗など歯牙にもかけていないかの様に。
『言っただろう、博士。実験相手にも相応の準備をさせなければ効果は測れないと』
スピーカーの向こうから微かに聞こえてくるのは気だるげな男の声。二人をここに送り込んだ張本人、エリコのものだ。

『余裕だねぇ。いつまで続くか見ものだ』
カラカラとした笑い。しかしそれに挑発や嘲りの様な気配は無い。純粋に楽しんでいるのだ。子供が虫を戦わせるように。


『──────ハアァァッ!』
七八に向かう男の姿が消えた。否、走りながら上体を倒し、自ら足場となったのだ。
投げられた苦無は二人の間スレスレを通りすぎ、離れた場所に落ちた。二人の息が合い、強化されているからこそ出来る芸当だ。
その背を蹴り、高く跳び上がるもう一人の姿。上空からの跳び蹴りが七八の頭部を狙う!

『逃がすか!』
足場になった男の視界、ヘルム内部のHUDが逃げるアキレスを捉える。
七八はもうひとりに任せ、上体を揺らさない殺人機械めいた走りでアキレスを追いかける。

≪Cheack≫
息も切らさず走りながら、腕の端末を操作する男。アキレスにはまだ腕二本ほど遠い。
空いた手の中にワイヤーフレームめいた光の筋が走った次の瞬間、その手に近未来的な形状の銃が現れる!

SHRKEEKOW!SHRKEEKOW!銃から放たれるのは赤い光弾。逸れて当たったソレは、コンクリートの床を瞬く間に溶解、爆ぜさせる!
光弾は一発撃つごとに徐々に正確にアキレスに近づいていく。機械による照準の補正がかかっているのだ。


940 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2018/09/07(金) 22:56:16 ???
>>938-939
「……あ、こりゃヤバイな」
「アキレス!マジでいかないと死ぬよ!!」

敵のコンビネーション、そして身体能力を目の当たりにして決断的に叫ぶ
アキレスの力を軽視しているのではない、それ以上にこの敵が『ヤバイ』のだ

「……!!」

頬を掠める死の旋風!ギリギリで身を引いて回避!
皮膚を裂き肉をまで抉る風圧、カウンターに振るう白刃一閃!肉を切らせて骨を断つ策である!


941 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/07(金) 23:01:21 ???
>>939
「誰か警察呼んでぇぇぇぇぇ!!」
青き霧を放出しながら脱兎重点のアキレス

―――ギィ!!
「やっば!!」
わき目も降らずに全力疾走のアキレス 故に後方の警戒は彼女の役目
背中のベティちゃん 相手が銃器を取り出したことを報告 アキレスは回避行動に移る

放たれた銃弾・・・銃弾?はコンクリを打ち砕く威力 更に機械補正を得て正確さを増していく が

「テメェらの自動照準機能ってのはなぁ!! おれにとっちゃ過去のものよ!!」
アキレスはサイバーパンクの世界 スプロールで伝説の運び屋と呼ばれる存在

運ぶ代物は重要度マシマシ 故にそれを狙う者も精強の極みばかり
もちろん自動照準補正機能なんてついてて当たり前 それを相手に逃げ続けているのだ

まるで補正機能が次にどこを狙っているのか知っているかのように裏をかいた回避行動で 赤い弾丸っぽいなにかを回避しながらなおも逃げる 逃げる


942 : 『Lose Yourself』 ◆.zilz3o6.U :2018/09/07(金) 23:26:38 ???
>>940-941
『シッ…!』
噛み締めた派の隙間から息が漏れる音。空中で身を捩り致命は避けるが───間に合わない。
黒いスーツは刃を通す事は無く、ある程度掠ったところで胸部装甲に阻まれ止まる。が、姿勢は崩れた。

衝撃を受けながらゴロリと地面を転がり、尚も体勢を整え七八と向かい合う女。戦慄く右腕に光の筋が走る。
≪Complete≫
装甲に覆われた腕の端末から現れたのは、一見すれば只の金属棒に見えるだろう。手の甲に沿うように生えた黄色に発光する刃を除けば。

『ハアアァァッ!!』
陸上選手じみた低い姿勢から飛び掛かり、腕の刃を振るう女。受けるまでも無く近づけば分かるだろう。その高熱が。
鉄をも溶断しかねない程の高熱を持った刃による攻撃。下手に受ければその部位ごと溶かされ両断されかねない!


『クソ…ッ!』
対してアキレスを追う男の方は、経験の差に苦戦していた。如何に技術が進もうと、相手がその対処を知っているのでは話にならない。
造られたばかりのこの機械は、手ブレは抑えるが裏を読む事は叶わない。次第に男の頭に焦りが浮かぶ。

『……もういい』
銃を構えるのをやめ、腕の端末を操作する男。赤い光が体表のラインを走り、手に持つ銃に収縮していく。
『狙うのが無駄なら、纏めて吹き飛ばす!』

≪Incinerate≫
ガチャリと銃が大きく三つに『開く』。赤いスパーク走る内部から覗くのは、拳大の眩い発光。
放たれたそれは機械の補正を受けてアキレスを追い、そして避けられるだろう。
だがそれでいい。先程までとは段違いの威力を持つその光は、避けたとしてもその周囲を数mに渡って爆ぜさせる程の威力があるのだから。


『zzzzzztttt…zzzzzwhaaaaaaam…やっと繋がった?zzzzzzzzzzttttttt
 愛の戦士より緊急入電!裏切者のクソ野郎に会いたいの〜、近くまで来てるから遺書を書いとけ』
そして、沈黙を保っていたスピーカーは動き出した。二人もよく知るであろう男の声で。


943 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2018/09/07(金) 23:36:21 ???
>>941-942
「……!」

女が転がる最中、既に七八の手には次なる一手が握られている!
星爆竹、単なる炸裂火薬と侮るなかれ魔法的要素を含んだ魔導具なのだ!

「ヒートバトン……!?」

閃光と騒音を放ちながら炸裂する爆竹!
目眩し効果など科学的ロックオンを前に意味を有するか?
果たしてその目的とはそれだけではない、それ単体に注意を、ほんの刹那でも惹かせればそれだけでいい!

「……あっ……っっっぅぅううっ!!!!」

辛うじて回避!しかし熱波が衣服と皮膚を溶断!腹部が爛れる!
反撃の刃は関節部を鋭利に狙っていた、まばたき程のか細い時の切れ目に針を差し込むが如き妙技!

「……早くきなさーーい、もうーーー!!!」

ソーマに対しては猛烈咆哮!抗議の救援要請だ!


944 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/07(金) 23:39:25 ???
>>942
どれだけ回避しただろうか? 走りながらリュックの中 ゼリー飲料を胃の中にぶち込むアキレス
迫る敵が何かを操作した 赤い光が体を走った そして最後の言葉

―――ギィ!!ギィ!!
それはすべてベティの目の前で起きたことであり ベティを通してアキレスに伝わる

「ッ!!!!」
比類なき脚力で全速力が0になり 進行方向の斜め後ろに素早く転換しまたまたダッシュ
赤い光を掻い潜り 爆発を背中に受けてまた走る

「うわぁぁぁぁかっこいいいいいいいいいいぃぃぃぃ!!!!!
 口で何やるかしゃべった挙句に相手にモロバレして対策取られてやんのぉぉぉぉぉぉ!!!!」

どや顔ダブル中指おったてで相手を呷り倒しながらも動きは止めない

「おせーぞ!! さっさと助けろくださいおながいします!!!!」
そして流れてくる助けの声に必死の懇願

なおこいつここまで逃げることしかしてないのであった


945 : 『Lose Yourself』 ◆.zilz3o6.U :2018/09/08(土) 00:14:29 ???
>>943-944
「───ッ!?」
振るう瞬間、視界に広がる光、異音。それ自体は問題ない。体内の機構、スーツの機能が直ちに体勢を無理矢理立て直すからだ。
一瞬の間に視界は戻り、音はクリアに直る───否、否。直らない。未知の技術、魔法的要素の対処は未だ成されていない!

返す刀で振り上げられる刃。その輝きはしかし七八には向かわず、手前で斜めに逸れた。攪乱と、使い手たる彼女の問題により。
それと同時に七八の反撃は済む。鋭利な尖端は強靭なスーツに穴を開け彼女の肘───
───重金属フレームと配線、何らかの機械で満たされたそこに深々と突き刺さった。

そして、一行の戦う戦場揺るがす爆発が起こった。


「こいつ…!」
頭に血が昇るが、体内のナノマシンは戦闘に入った瞬間から過度の感情を許さない。
背負った蠍、アレが何か鳴いていたのはスーツが捉えていた。なれば、今度はそちらを狙うのみ。
冷徹な視線は機械が向けているのか?自分の物なのか?迷いは思考の彼方へと掻き消される。

≪Single mode≫
電子音と共に銃身が元に戻り、ニュッと内から錘状の機構が伸びる。無慈悲なシステムが選んだ答えは一つ、レーザーの刃による切断。
しかし銃を担ぐかの様に構えた時、その目が捉えたのはアキレスでも、ベティでも、監視のカメラでも無く、刃刺さるもう一人の戦士だった。

『──────マリーッ!』

そして、一行の戦う戦場揺るがす爆発が起こった。


946 : 『Lose Yourself』 ◆.zilz3o6.U :2018/09/08(土) 00:16:02 ???
「数値が……測定値を超えています!」「スクラントン世界錨、動作確認」
施設のどこか、カメラでこの戦いを観察する白衣の集団に動揺が広がる。戦局にではない、モニターに写るデータにだ。
まだ若々しさ残る金髪の男、無慈悲な実験宣告を行った張本人でもある責任者『グリムスカイ』は焦りと期待に腕を振るわせる。

「──────続けろ!いい物が見られるぞ」
非常装置に手を伸ばしかけた研究員を椅子から引きずりおろし、グリムスカイは爛々と輝く目でモニターを見つめる。

そして、一行の戦う戦場揺るがす爆発が起こった。


そして、一行の戦う戦場揺るがす爆発が起こった。
崩落して大きく空いた天井。地上の光を背に受けながら大穴を見下ろし、バイクに跨ったソーマタージは頭を掻く。
「おかしいな…こんなに強力なの用意したつもりは───」

言葉が止まる。その視界に広がるのは光の歪み、自分を越境者たらしめた存在、紛れもない『ゲート』だった。



崩壊が始まる。天井を吹き飛ばす爆発と共に現れた『ゲート』は、普通のそれとは違っていた。吸い込まれるのだ。
まるでブラックホールの様に天井が、瓦礫が。それどころではない、地面すらヒビ割れ放射状に吸い込まれていく。

それはこの場にいるすべての人にも襲い掛かる。正に天才の様に。
迷いと妨害から肘を貫かれた女は、勢いよく盛り上がる地面に巻き込まれ吸い込まれた。
アキレスを狙っていた男は、呆けた瞬間上下から迫る瓦礫に挟まれながら吸い込まれた。
ソーマタージは、やりすぎた事を反省しようとして逃げ遅れた。

そしてそれは、二人にも同じだ。一切の抵抗も許さないかのように、ゲートは周囲の物を吸い込んでいく───。


947 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/08(土) 00:31:49 ???
>>945-946
さて 我ながらなかなかの罵倒=ジツが決まったというのに反応が薄い
感情を抑制する薬品でも投与されてるのだろうと結論付け なおも逃げる

―――ギィ!!
「今度は接近戦か!?勘弁してくれよ!!」
レーザーブレードを展開する敵にベティの警告が入る 自分が狙われていることも知らずに

「ソーマぁぁぁぁぁ早k」
泣きが入った祖の瞬間目の前が真っ白になった

・・・・・
「なん・・・なんだ・・・?」
何が起きたのか分からず 辺りを見回すアキレス そこにいたのは

「ソーマ!! お前どんだけ火薬つんだんd」
轟音と爆発 まるで自分たちをも巻き込まんとする一撃にモン君も一つも言おうとして

ゲートが見えた しかもすべてを飲み込むが如き吸引力をもって自分にも ベティにも襲い掛かってくる

あわてて近場の瓦礫を掴むだがその瓦礫ごとゲートは飲み込まんとしてくる ナラバ

「捕まってろベティ!!」
―――ギィ!!
瓦礫を蹴り 防御姿勢をとりながら ゲートに飛び込むのであった・・・・


948 : 『Lose Yourself』 ◆.zilz3o6.U :2018/09/08(土) 00:42:59 ???
>>947
「うるせ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!知らね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
『ゲート』を挟んで反対側から声が聞こえた気がしたので叫ぶ。地面が崩れ、自由落下するかの如く吸い込まれる。
光の歪みは今や渦となり、その場にいた者全てを巻き込み───そして、消えた。


「生きてるか?俺は正直自信ない」
『ゲート』に吸い込まれた先、一面の青空と科学の臭いの一切しない青々とした草原に転がりながら、ソーマタージはボヤく。
辺りは酷い有様だった。引き延ばされ牙の様になったコンクリートや機械の破片が散乱し、足の踏み場もない。
吸い込まれたはずの自分のバイクを探そうと起き上がった時、視界の端で蠢く影を捉える。

「───頼む……!あんたら……」
瓦礫に強かに挟まれ、スパークを散らしながら白い血と内部機構を辺りにぶちまけた男がゼイゼイと息を切らして現れる。
ひしゃげた腕と潰れた肩で無理に担ぐのは、七八に刺され吸引の余波で吹き飛ばされた女。

「───こいつを、彼女を───助けてやってくれ…」
それだけ言い残すと男は倒れる。意識を失ったのだ。
物言わぬ白い血が、草原をしめやかに染めていった。


//おちまい


949 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2018/09/09(日) 22:04:30 ???
【とあるファンタジー世界にて】

「まったくヒドイ目にあったものだ」

 エルフの森まで仲間の遺品を届けに〜という目的で、
 金属の王国…その王都を発ったイムカ・グリムナーと愉快な仲間たちであるが、
 早速というべきか、やっぱりというべきか、道中、いきなり野良のグリフォン(変異済)と遭遇。
 打倒には成功するも、いきなり傷だらけなのでちょっと途中の街に滞在と相成りました。

【冒険者ギルドは今日も盛況。この国、現在戦乱の後遺症によって魔物やら邪悪な魔術師が
 跳梁跋扈しているのでとってもバブリー。各地の冒険者が名声とマネーを求めて集まっている】
【人が集まれば経済が動く。経済が動けばとにもかくにも活気は生まれる。活気…希望は大事だ】

 んでもって、イムカがドン!とテーブルに変異グリフォンの生首(ゴア!)を置いた時には驚かれたし、
 報酬として結構な路銀をもらえたので、イムカが財布を握らない限りはマネー不足に陥ることはなさそうであった。

「それにしても、戦乱を収束させても混乱は続くか。ままならんものだな」

 厚切りのベーコンをエールで流し込みながらのイムカ。豪快である。
 外見の美麗さと中身のスパルタンの激しい不一致だ。

【経済面:国庫から惜しみなく市井にマネーが注ぎ込まれている。冒険者は戦後特需真っ只中】
【宗教面:なんかいろいろと混乱起きているっぽい。オーガの神が人間を守った解釈だの何だの色々。付け入ろうと思ったらつけ入れそうですぜ】
【アブナイ遭遇可能性面:イムカと同道している時点でお察しである】

「まあ、思わぬロスをしてしまったが、しばらくは平和に旅を――」


950 : マキナ ◆AaNrqSY5ys :2018/09/09(日) 22:11:24 ???
>>949
「マキナ知ッテル コレ お約束」

もう慣れた。
クレイジーサイコ鋳造人間である利点を生かし電子音っぽく言葉を紡ぐ。

「サア 矢デモ 鉄砲デモ モッテコイ」

ハイライトは仕事していないが、次に起こる何かに備え構える。

「荒ぶる鷹のポーズ!!」


951 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/09(日) 22:12:36 ???
>>949
ロイ「本来戦争と言うのはそういうもんだ 違うのは相手が相手だけに勝っても賠償請求ができないという点だな」
この点において この戦は完全なるただ働きである 国庫は大打撃を受けていることだろう

ロイ「おまけに変異だなんだで若い命が大分失われた ただでさえ出生率が高くない国だというのに
   暫くは国が主導して産めや増やせやとはやし立て ベビーラッシュでも起きるだろうさ 起きてくれなきゃガチでヤバイ」

美味なる骨付きばら肉にかぶりつき 強い蒸留酒で流し込む

ロイ「しかしお前さんもエラい場所に転移してきたもんだな」
そう言って向けた先 そこには

ジョージ「いえ 僕もロンドンから離れたことがありませんし こういう地方を旅してみたいと思っていたんです」
そう 最近越境者となった男 ジョージ・ド・ウィッカム 道中でさまよっていた紳士を拾ったわけだ

豚のステーキを完璧なテーブルマナーで食べている彼は この雑い酒場で非常に浮いていた


952 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2018/09/09(日) 22:21:41 ???
>>950

「何をわけわからんことを言っているのは君は」

 ジト目で電子音声かますマキナを見やるイムカである。
 そりゃ胡乱な宣教師が胡乱ムーブかましゃ誰だってそうなる。

【なお、宗教の混乱は起きていてもパスタに目玉がついたシロモノを信仰しようという、
 気の毒な…もとい奇特なお人はいませんでした。ナムサン!!】

「いいぞーねえちゃん!」「ヒューヒュー!」

 んでもって、鷹のポーズがウケたのか、銀貨を投げ込まれるマキナである。
 これでいいのか宣教師!!

>>951

「ドワーフ連中の恨みの書にスケイブン氏族が大量に加わったのだろう?
 討伐優先依頼ランキングでグリーンスキンを越したらしいな」

 所詮、鼠人めいた侮りが綺麗サッパリ消え去り、
 高熱量の憤怒を以って、スケイブン巣穴潰しの依頼優先度は現在ひじょーに高い。

「ああ、イムカ・グリムナーだ。よろしくな」

 そして新たな同行者となったジョージとご挨拶。事のあらましも事前知識として説明しておく。

【なお、ジョージはこのイムカのアレ(惨劇)やらコレ(天然スパルタン)やらを聞いているだろうか】


953 : マキナ ◆AaNrqSY5ys :2018/09/09(日) 22:28:04 ???
>>952
「か〜ら〜の〜 ラヴ 注入ゥッ!!」

脈絡もなく隕石でも降ってくるんだろうという予想が外れたのと
思いのほかウケが良かったので気恥ずかしさとお調子者の性質が合わさり
宣教師はキャッチーなポーズを勢いのまま繰り出すマシーンと化した!

「おかしい!宗教の混乱が起きているのに信徒が増えないのはおかしい!
 …成程、これも試練ですね!試練のお時間だ!即ち布教の時間だ!!」


954 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2018/09/09(日) 22:33:27 ???
>>952-954
「平和、平和ねぇ……」

遠い目をしながら呟くのは七八である
グリフィンの討伐辺りから一行に加わり道中を共にしているのだ

「……ま、ちょっとの間は堪能……出来るかな?」
「お財布はおっちゃん宜しくね」

スクラップヤードでお会いした紳士、ジョージにも軽くご挨拶
マキナのポーズに拍手拍手なのだ


955 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/09(日) 22:36:00 ???
>>952
ロイ「もちろんさ ドワーフ貴族が私財をなげうって依頼を出してる グリーンスキンと違うのは 今現在脅威が続いていることだろうな
   またあの黒豚がty0追貝出してこない限り 暫くはスケイブンの方が恨み度で上だろうな」

ジョッキを叩きつけ 怒鳴るような歌は先の戦い なれどそこには勝利の他に スケイブンの蛮行を忘れるなという警告も含まれていた

ロイ「巣穴潰し ドワーフにとっては我が家も同じの洞窟だが スケイブンの罠と奇襲とどっちが上手やらって感じかな」
ため息一つ 骨付き肉にかぶりつき 油でベトベトの指を舐る

ジョージ「ジョージ・ド・ウィッカム 英国より男爵の地位を賜る魔狩人です よろしくお願いします」
非常に洗練された貴族式の挨拶をしたり 酒場のドアは先にあけてイムカ達を先に入店させたり 椅子を引いてあげたりと ナチュラルに紳士っぷりをやって見せたりする

なお イムカの惨劇っぷりはまだ聞かされてないようだ

今はただお上品にステーキを静かに食べ 蒸留酒で唇を湿らせている


956 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/09(日) 22:37:24 ???
>>954
挨拶を返す様はタェンティースのように洗練された物であり
先にドアを開けて待っていたり 椅子を引いてあげたりと レディーファーストを忘れない紳士であった


957 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2018/09/09(日) 22:47:23 ???
>>953

 滞在の数日間、宣教師の皮を被った大道芸人がギルドに笑いを提供したとかなんとか。
 なお、こんなムーブばっかりしているので布教も教典のアレさ(麦汁で世界が云々)も相まって、
 信者など増えるわけが無いのであった!(断言! (ナムサン!

>>954

「…まあ、私がお財布を持つのは良くない気がする」

 女子力やら惨劇に対しては超絶聞く耳持たずなイムカであるが、
 テック黄金率という己がトンチキ特性(の一つ)は理解しているらしく、
 七八のお言葉に異論は無かったそうな。

【なお滞在中、イムカは無一文になったそうな】

>>955

「なるほど、紳士の手合いか」

 イムカも所作〝だけ〟なら洗練されているのだが、
 どうにも中身の傲慢さというかゴーイングマイウェイというか何というかでアレであるアレ。


【全員対象】

 と、まあ、この街ではさしてトラブルに見舞われることも無く、
 補給と治療を行った一行であったのだが――

「伝書と墓荒らしが相次いで死体で発見…か」

 扇動者が街中で血の医療やら死した神やら何やら叫んでいる中、
 イムカは出立前に収集した近隣の情報を纏めた羊皮紙とにらめっこであった。

【ゆえに馬車と御者を借り受けることが出来なかった。怖がったためだ】

「最近は街道巡視員の行方不明者も遂に出た。と。エスカレートしているな」

 そして、その噂のポイントはイムカたちが向かうルートと完全一致しているというのだから、
 遭遇可能性は、惨劇な事情でほぼ100%といっていいだろう!(断言

【予測:
 時流に乗って(悪い意味で)死霊術に手を出した魔術師が徐々に行動を悪化させている兆候といったところか。
 禁術は総じて在り様を侵す。たとえ興味本位で行ったとしても、状況からも堕落は深刻。もはやその精神は原型を留めておるまい】

「遭遇可能性もあるが…まあ、いちいち気にしてては旅が進まん。出発するぞ」


958 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/09(日) 22:57:00 ???
>>957
なおジョージ君はイムカの傲慢さにも腹を立てることなくレディーファースト重点であった
越境者としてはかなり異質だろう 多分

〜それからどうした〜
ジョージ「墓荒らしが死体となったのは 巡視員が討伐したからでは?」
あまりピンと来ていないのか 首をかしげるジョージ

ロイ「そうなんだが…今は霊場の状態が最悪だからな・・・墓場の近所は特に資料術者にとって絶好の実験馬だ
   誰が死んだかは問題じゃない あの場で何かあるのが問題なんだ」

なお 金属王国の埋葬は基本的に火葬だ これは土が他国より少なかったり 埋葬に使える土地が少なかったりという面もあるが
一番は鍛冶を尊ぶ国民性故 火が身近にあることが挙げられる


959 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2018/09/09(日) 22:57:26 ???
>>956-957
「……あっ、どーもー」

ジョージの紳士的な所作を甘んじて受け入れる七八
その点はユノとかその辺とは違う点である、いい所のお嬢様だからね

そんでもってからに?

「……嫌な予感しかしないなぁ」
「はーい、支度は終わってるよー」

出発の準備は万全である
怖気はアレだが仕方ない、極め付けな戦闘用意!沢山の装具を買い漁っておいてある


960 : マキナ ◆AaNrqSY5ys :2018/09/09(日) 23:01:45 ???
>>957
「むむむ…どうも今日は日が悪いらしいですね」

何処かで実績があるかのように不思議そうに首を傾げる宣教師。
滞在の数日間、全て日が悪かったのだろうか?
そう聞かれたら、YES!と答えるポジティブを超えた何か。

「天国にはビールが噴き出る火山が約束されているのに
 …何故死霊術なんてものが流行るのか」

心底不思議そうに死霊術の存在に疑問を浮かべるパッパラパー。

「〜♪」

道中は数日で稼いだ銀貨でジャグリング。
暇なのである。


961 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2018/09/09(日) 23:11:02 ???
【全員対象】

「で、だ。案の定というか、誰か悪い星の下に生まれてないか?」

 馬を疾走させるイムカと越境者の面々。
 それに追随して追いかけてくるのは…腐乱した犬複数と骨だらけの馬が一頭。

「カカカカカカッ!!」

 そして、骨馬の鞍上にはボロボロのローブを身に着けたスケルトン。
 ――否、肌は真っ白で、目は落ち窪み、身体は骸骨めいて痩せぎすであるが、
 よくよく見れば、かろうじて生者…おそらくは予想通りの死霊術師だろう。

「歪んだ魔力が充満している証左だな。おそらくはあっという間に正気は爆散。
 身体も見事に歪んで、あのような有様というところか。もう魔物と大差あるまい」

 好奇心の結果であれば、いっそ哀れでもあったがそうも言っていられない。
 機動力を得ているという一点がかなり厄介である。

【ともなうゾンビドッグは脚が速く、イムカたちの駆る馬以上の速度が出ている】
 【→そして、臭いを既に覚えられた。ここで倒さねばずっと追従されかねない】

【ソンビドッグが疫病だらけの牙を剥き、それぞれの馬にかじりつこうと跳ねた!!】
 【→その間にも死霊術師は呪文をとなえ、周囲の魔風を収斂させていく。こちらは距離がある】


962 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2018/09/09(日) 23:15:47 ???
>>960
「ほいほいっ、ほいっ」

ジャグリングにぽいぽいっと銀貨を投げて追加追加!
見事なワザマエに感嘆なのだ

>>961
「だとしたらイムカだよねー、間違いなくさー」

ぎりぎりと矢をつがえながらの苦笑
流鏑馬めいて放たれた矢は鋭く飛翔!飛翔飛翔!
ゾンビドッグ目掛けて連続射撃だ、矢は沢山買い占めた故に!


963 : マキナ ◆AaNrqSY5ys :2018/09/09(日) 23:19:30 ???
>>961
「分類:アンドロイド ガード!!」

馬から転げ落ちるようにしてゾンビ犬に自らの左腕を突き出す鋳造少女。
噛まれただけでは如何ともならない身体ゆえに馬の方が貴重である。
躊躇いなくその身体を盾として使う!
因みに毎度転げ落ちるようにして馬から降りるのは身体がミニマムなせいだ!
鋼の浮腕がある時は気にしなかったけどリーチそんなにないよね、今の宣教師…

>>962
「え、ちょ、こなくそうっ!」

周囲の無茶ぶりにも結構かじりついて頑張ったそうな…その頑張りで布教しろ!!


964 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/09(日) 23:19:31 ???
>>961
ロイ「誰だろうな」
ジョージ「こんな日もありますよ めげていてはキリがありません」

げんなりロイとポジティブジョージ 対象の二人であった

ロイ「馬に乗ったままじゃ碌な攻撃もできん ここで打って出る!!」
ジョージ「お供します」

そう言って馬を降りるロイとジョージ それぞれ馬の尻を叩いて退避させ

ロイはハルバートを ジョージは拳を握り 資料術者に突撃を仕掛ける


965 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2018/09/09(日) 23:32:14 ???
>>962

「アバッ!!」

 矢はゾンビドッグに次々に命中し、脱落する。
 おそらく、行動不能にまではいたらしめられないが、
 現在は高速機動戦。馬がやられなければOKだろう。

「ほう、弓術の心得もあったのか」

 これにはイムカも感心である。

>>963

「ガウゥ!!」

 片目がぶら下がり、腐臭を発する醜いゾンビドッグが、マキナの腕をガブリを齧る。
 人間であれば重篤な病原菌などの心配をせねばならないが、マキナには実際無関係。

「ギギギギギギギッ!!」

 しかし、かじりついたまま暴れるゾンビドッグはそのままマキナを馬から引きずり下ろそうとする腹だ。
 高速で移動する馬から落ちればダメージは避けられまい!

>>964

「ガアアアアッ!!」

 ロイたちには先ず、身体に矢を生やしたゾンビドッグ数匹が一斉に襲い掛かる。
 七八が迎撃したそれらは、アンデッドゆえに活動を続けているが、
 矢を生やしている時点で、その機動性は鈍ってしまっている。

【ジョージの実力は未知数だが、ロイならば数的不利を覆すのにさして苦労はあるまい】

 --------

【全員対象】

「――BAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

 死霊術を完成させた術師は骨馬を駆り、そのままロイとジョージを追い抜く形で疾駆。
 イムカ、七八、マキナに追従する形を取る。(ロイとジョージはゾンビドッグ包囲で足止め

【そして射程に入るや否や、バンシーヴォイス…恐怖を誘発する叫び声をあげる!!】
 【精神強度判定(精神力)…失敗すれば精神が制御不能な恐慌状態に陥る】

 幸い、これは人間対象であり、馬には効果がない魔術のようである。


966 : マキナ ◆AaNrqSY5ys :2018/09/09(日) 23:40:46 ???
>>965
「煩ッ!?」

前から言及していることだが元々精神に相当する人格プログラムにバグが発生している
クレイジーサイコミッショナリーマキナにその手の術は正規の効果がない。
故に今回は単純に煩い叫び声を上げていると認識し、
イラッとして腕に食いつくゾンビ犬を尋常ならざる怪力で術師へと振るい飛ばす。

「いきなり何やってんですかねえ!?」

さて怪力で振り回されたゾンビ犬の処遇や如何に。
不幸にも噛み付きのチカラが強いと頭と胴が泣き別れするんじゃなかろうか。


967 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2018/09/09(日) 23:47:14 ???
>>963-965
「あとでおひねり弾むからねー」

とはお見事なマキナに対して
ともあれ今は鉄火場である、全ては生き延びた後での出来事なのだ

「一応、忍者の嗜みなんでねっ!」
「……んギッ!?」

迫る術師!矢を放つべく引きしぼり……そこでシャウトをモロに受けた!
刹那白目を向いてぐらあり落馬の危険が危ない!
だが、それでも!

「……あー、トンだ……!!」

数瞬の後に復帰!これも忍びの極めて高度な精神操作技術の為せる技である!
心に刃を落とし、律する術を学ぶ事とは基礎にして奥義!
再度矢をつがえて放つ!同時五本の連なり射ち!


968 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/09(日) 23:47:55 ???
>>965
包囲を受けたロイとジョージは自然と背中を合わせる

ロイ「刀剣の類は?」
ジョージ「すみません 使えないんです」

ロイはハルバートを使い相手のレンジ外から安全に穂先を突きさす

そしてジョージはとびかかってくる犬には拳を 足に噛み付いてくる犬には古流柔術の蹴り脚を使い分け
お互いの死角は互いに補い合い ゾンビ犬を減らしていく

そして死霊術者のおぞましい叫びがとどろくが

ロイ「うるせぇなクソッタレ・・・!」
ジョージ「魔狩人を舐めないでいただきたい!!」

ロイとジョージに共通しているのは 異形との戦になれていること そして自らの職務に誇りを持っていること

お互いに恐怖を踏み越え犬の包囲を破り 死霊術者に突撃を仕掛けんとする


969 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2018/09/10(月) 00:02:59 ???
>>966

 実際腐った肉体である。
 刺突などにはそこそこ強いが純然たるパワを受けた結果は、

【腐った頭部だけがマキナの腕を齧り続けている!ゴア!!】

「オアアアアッ!!」

 そして、術師に向けられた胴体部はそのまま術師に激突!!
 収斂させつつあった次なる魔術が解れて砕け散った!!

【魔術とは元々、凄まじい集中力あって始めて発現させられるもの。
 一流の魔術師ならば話は別だが、この様子を見るに元々さしたる魔術師ではないのだろう】
【死霊術に手を出して異形化した。おぞましくもあるが、見方を変えれば未熟が引き起こした結果ともいえる】

>>967

「行動可能か!?」

 イムカの言葉。同時に七八復帰。なお、マキナはあの調子なので無効化であるし、
 イムカはイムカなのでシャウトはさして効果をもたらさなかった。

【このメンツに恐怖系状態異常をセレクトするとは運がないとも言える】

 そして放たれる五本重なり撃ち!!それはマキナの働きにより隙を曝け出した死霊術師に突き刺さり落馬に追い込む!!

>>968

 互いの手段でゾンビドッグを一蹴したロイとジョージ。
 包囲を破れば、既に落馬し、死に体の死霊術師に追いつくは容易。
 おそらく、そのままにトドメを刺して決着となるだろう。

「………」

 しかして、もがく死霊術師に意思の存在はほとんど確認できず、
 ただ生ある者を死に引きずり込もうとするだけの哀れな屍同然であった。

 ----------

【全員対象】

 戦闘の規模でいえば、先のグリフォン戦と比べてあっけない、
 言ってしまえば楽勝といえる戦いと呼べるかもしれなかったが。

「実力のない魔術師にとっては案外に今のこの地は罠同然なのかもな。
 死霊術を発現しやすい土壌。確かに習得し制御できれば強力な力になりえるが」

 おそらくはこの手合いは今、越境者達が遭遇した以外にも少なからず存在するのだろう。
 これもスケイヴン戦役の後遺症といえる。被害者と呼ぶには自業自得な面も確かにあるが。

「同時に強力な死霊術師が発生する土壌としても十分か」

 暢気な旅…をするには些か状況は混迷としているらしい。


970 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/10(月) 00:08:51 ???
>>969
ジョージ「みなさんお怪我が内容で何よりです」
犬に噛み付かれてないにしろ 拳で殴ったのだ 念のため蒸留酒で拳を洗うジョージ

ロイ「厄介な土地になっちまったもんだ 浄化を急がにゃ」
忌々しそうに亡骸を睨むロイ

ロイ「とりあえずコイツは火に投じて浄化しよう 亡骸が今度はアンデッドになりましたじゃシャレにならん」
ということで火おこしの準備をするロイであった


971 : 四五六 七八【賽印流忍術】 :2018/09/10(月) 00:11:41 ???
>>966
>>968-969
「ぅぐぇぇっ、おえーっ……」
「なんとか動けるー……みんなは無事……?」

数度の呼吸の後に胃の内容物を吐き出して口を拭った
精神へとダメージは臓腑への痛打としてフィードバックされていたのだ、突発的に多大なる負荷が掛かった故のストレス

「……全く……あぁ、嫌な予感しかしないねー……」

術師の火葬を眺めながら口をゆすぐ
ともあれ外傷はない、なんとかなったといえよう
この先の旅路を思い浮かべ、苦笑するのでありましたとさ


972 : マキナ ◆AaNrqSY5ys :2018/09/10(月) 00:12:00 ???
>>969
「えい、えいえい」

試していなかったがこの手の存在に銀が効くのかと
自分の事を宣教師だと思っている大道芸人は
自身の腕に未だ食い付くゾンビ犬の頭部に指で挟んだ銀貨一枚をベシベシ叩き付けていた。

「もーいっそ農薬散布の様に辺り一面に聖水ぶちまけてきゃあ良いんじゃないですかね?
 何処かに沸いていたりしません?聖水。
 …え、うちの聖水?準備期間は兎も角、アルコール度数が高めですがよろしいか?」

聖水がホイホイ沸いている筈もなく。
そもそも聖別されて作られるもんだろうし。
でも違う世界の聖職者はあっけらかんとそんな事を言う。


973 : イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 :2018/09/10(月) 00:17:13 ???
>>970

「そうだな。私もマキナも浄化は期待できないしな」

 イムカは浄化の類の奇跡は一切習得していないし、
 マキナに到ってはそもアレだし、ここは火葬一択であろう。

「しかし、君の格闘術は中々見事だな。かなり特異な動きでもあったが」

 ジョージは戦力になりえるとイムカは脳裏にインプットするのだった。

>>971

「ほら、水だ」

 オエーなところはイムカ自身が遮蔽物となり、余人には晒さなかった。
 唯我独尊なところが多々あるが、別に周囲を見ていないわけでもないのだ。

「ふむ、弓術。ニンジャのたしなみ」

 そして、なんかこっそりメモっているのだった。また拡大解釈されそうなフラグである。

>>972

「………」

 しばらくするとじゅわーっとゾンビの頭部が塵化した。
 意外と効くのか銀貨?である。

「聖水は手間がかかる。って君のそれはただの酒ではないのか?」

 そして、相変わらずのトンチキ宗教にジト目なイムカであったとさ。

//おちまい


974 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/11(火) 22:41:25 ???
【狭間のスクラップヤード】
その日 鈴虫君はお酒を飲んでいました 肴はきうりの漬物 それだけ

決して漬物は嫌いじゃありませんでしたが 今日の鈴虫君はもっとがっつりした肴がほしいなぁと思いました
ですが残念なことにいつものロイとか その他いろいろと飯を集る相手が見つかりませんでした

もふろう「ぶ・・・ぶひ」
特に意味はありませんでしたが 鈴虫君の近くをまんまるウリ坊のもふろうが歩いていました
日課のお散歩 ついでに誰かにご飯をねだったり なでたりしてもらうためです

鈴虫「・・・・・・」
そんなナマモノを見ていた鈴虫君は 無言で仕込み杖の鯉口を切るのであった


975 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/09/11(火) 22:54:49 ???
>>974
「す、トーーーッッップ!!」
「鈴虫様鈴虫様鈴虫様、ほーら美味しい鯖缶ですよー……?」

何処からともなくすっ飛んできて床を滑りながらもふろうをキープ!なムーブは無論半人である
懐からスチャッと取り出したのは鯖缶一個、小さ目なので量も少ない
それでも鈴虫相手には百の言葉より一の実物が有用ではないかとの判断からである!

「足りなそうでしたら何かお作りしますから……!」

食べちゃダメですよ、と抱きしめたもふろうを体で隠すように!


976 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/11(火) 23:00:59 ???
なんか地面を滑ってきた生き物にキャプチャーされ もふろうは両足をプルプルさせていた
たぶん逃げようとしてたらしい

そして鈴虫さん 一応鯖缶をうけとり しげしげと見やり

鈴虫「もちっと食いでのあるものが・・・」
すら〜り刀身が鞘からこんにちは マジで切りかかる三秒前

【緊急ミッション¥!! 鈴虫に食いでのある肴を用意しろ!!】


977 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/09/11(火) 23:16:35 ???
>>976
「い、今すぐにっ!!」

取り敢えず食べてて下さい、と腕を伸ばし器用に鯖缶をオープン!
さてはてもふろうを抱えたままキッチンへダッシュ、衛生概念から見たら絶対アウトなヤツである

「……とはいえ、食べでのあるおつまみってなんでしょう……?」

普段半人は酒を飲まない!故に酒飲みのセンスがイマヒトツ分からないのだ
あんまり量を食べないイメージがあるが、しかし食べ応えのあるモノ
序でにさらっと食べれた方が良さそうだと思考


……
………

「お待たせしましたっ!」

どどでん!
片腕にもふろう、もう片腕に沢山のお皿の乗ったトレンチを携えやってくる半人!
そのおつまみレパートリーとは!

【おでん】【おそば】【みそしる】【ゆどうふ】【かすじる】

うーん、汁物多し


978 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/11(火) 23:25:33 ???
>>977
鈴虫「・・・・・。」
もふろうを手にキッチンにむかったタェンティース
とりあえず鯖缶でお酒をちびちび

・・・・・・・・・・

さぁやってきました待望のおつまみ 内心ワクワクしながら打擲を待ち さぁ オープン

鈴虫「・・・・・・・・・。」
しばし湯気たつおつまみセレクションを見つめ

鈴虫「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
なんと珍しい なんか憐れむような眼でタェンティースを見る鈴虫
こんな顔はめったにしないぞ!! まさにウルトラレアだ!!


鈴虫「・・・・・・・・・・・・・。」
そしてオデンやお蕎麦でお酒をちびちびやりだす鈴虫君でった
どうやら成功したらしいぞ やったねタェンティース

なおもふろうは両足をプルプルさせていた


979 : タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2018/09/11(火) 23:36:28 ???
>>978
「ふふっ、どうですか?」
「味も案外こう……ちょっと自信がないわけじゃないんですよねー」

そんなウルトラレアを引き当てながらもふふんと胸を張る半人、仕方ないね
実際味は悪くはないはずだ、おツマミにしては控え目な塩味ではあるがその辺は好みの範疇である
量も一品一品はそこまで多くはないがこの品数、ついでに言うとこの水っけだ
全部食べて飲み終わればお腹タプタプ間違いなし!

「……ふぅ、よかったですー……」

もふろうを今一度ぎゅっと抱き締めてから解放、余ったダイコンをスティックにしたモノを与えるのである


980 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/11(火) 23:40:39 ???
>>979
鈴虫「・・・・・・。」
しばし無言でおつまみセレクションを食べ・・・飲みながらお酒を飲み

鈴虫「ぐぇっぷ」
ゲップを一つ 腹をタプタプさせながら立ち上がると
無言で懐から小判を一枚取り出してテーブルに置き どこかに行ってしまった

去り際 また一つ憐れむような視線をタェンティースに送る 去っていく鈴虫の背中は どこか寂し気であった

ちなもふろうはそんなこと梅雨しらず 嬉しそうに大根スティックをショリショリいただいていたそうな

//それでは〆で


981 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/13(木) 22:39:12 ???
【某世界】
そこは近年 不安定なゲートの出現に悩まされている
突発的に人 ないし物 あるいは両方が一度に異世界に飛ばされてしまうのだ

飛ばされた先の世界が優しい世界ならともかく 場所によってはそのまま帰らぬ人になりかねない

世界はこれに対処すべく特別チームを編成 その中には越境のプロである越境者も多く在籍していた・・・


〜某日〜
「緊急!! 緊急!! ○○小学校にて大規模なゲートが出現 校舎を飲み込み転移しました
 これより大規模ゲートを用いた救出任務を遂行します」

ロイ「というわけだ これよりゲートをまたいでの任務となる 越境先が平和ならただの遠足
   だが場合によっちゃ地獄の一丁目だ 基地出るか凶と出るかは祈れ いいか」

緊急車両に乗って現地入りする一行 そこは学校の校舎であったはずの場所 それがむき出しの地面を晒し 何もかも消えてなくなってしまいっていた

そこにゲートを開く

ロイ「行くぞ!!」
そう言ってゲートに飛び込んだ


982 : ニア・シューペリオリティ :2018/09/13(木) 22:46:54 ???
>>981
「はいってんですっ!」

スチャッと立ち上がり即座に機動開始!
ニアはベテランに踏み入る程の越境キャリアを持ち、主観時間での経過は姉役であるはずの半人よりも遥かに長い

「小学校かぁっ……」
「うー、無事だといいってんですけどぉ……」

無垢なる少年少女達、そして教師関係者達無事を祈りながらゲートへエントリー!なのである!


983 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/13(木) 23:03:56 ???
>>872
ロイとニア それにモブの皆さまを入れた相当数の救出体は展開したゲートに飛び込む 視界が白くぼやけ 世界の壁を超える・・・


【??????????】
目に飛び込んできたのは 緑がかった砂 空を覆う灰色の雲 不気味な植物

生きる者の気配は感じられぬ死の世界

そこにぽつねんと 場違いのようにそびえたつ白い建物 学校の校舎だ

ロイ「あまりいい雰囲気じゃねぇな 急ぐぞ」
一行は校舎にむかって急ぐ

【校舎内部】
時間軸がずれているらしく 一行がこの世界に飛んできたのは校舎がゲートに飲み込まれてから一時間後のことであるが この世界では一週間が経過していた

頼みの綱であった大人たちは 現状の悲惨さに自殺したか 発狂して生徒たちに襲い掛かり閉じ込められたかしているという目に余る光景
なれど子供たちは存外にたくましいのか ケガをしている者もいるが この校舎内で社会を形成し 長期戦を覚悟していたのか 朝顔を植えていたプランターにイモを植えていたり
雑多な武器を作成し自警団を組織していたり 医者の子供が保健室の主になっていたりといった光景が見れた

ロイ「中々ガッツのあるガキどもだ 将来がたのしみだな だがおうちに帰る時間だ 急ぐぞ」
実際嫌な予感を覚えるだろう 校舎の外 割れた窓から見えるのは 何かがうごめくような気配 何者かが こちらに近づいてきている


984 : ニア・シューペリオリティ :2018/09/13(木) 23:21:34 ???
>>983
「……、」

凄惨な光景であった
死の世界への適合はどうやら、固まった感覚を持つモノよりも柔軟さを備えたモノが勝ったという事であろうか
しかしながらニアは悲痛に顔を歪めながらもともあれ、少年達の漂流記を終わらせるべくやって来たのだ

「ええっ……早く助けてあげないとっ……!」
「……、窓から離れてっ!」

怖気!本能的に叫ぶ声!決断的に抜き放つ月光!
ニアは窓へ向けて駆け出し、素早く周囲を索敵開始!


985 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/13(木) 23:35:01 ???
>>984
モブ1「ゲートはこちらになります 一度に詰めかけないで 慌てず急いで!!」
モブ2「閉じ込められた大人ドモどうするよ?」
モブ3「最後だ最後 話の分かるヤツから逃がせ」

机などで補強されたドアの億 大人たちの罵詈雑言を受けてなお子供たちを優先してゲートに導くモブ達
子供たちも下級生から先にと 中々の統率を見せてくれている

ロイ「ニアと俺 それに何人か ついて来い!!」
この男も本能的に何かを感じ取り 校舎の外に出る

おぞましき正体は よくわからない人型の生き物の群れだった
昆虫を思わせるつややかな甲殻と 細くトゲに覆われた四肢 言葉はギシギシと聞き取りづらい音の集合体
だが彼らが目指しているのは 一行が今まさに子供たちを避難させている大型ゲートであった

ロイ「アキレスがいりゃ何言ってるか分かったかもな・・・だがこいつらをゲートに案内してやることはできない 分かってるな ニア」
言うが早いか 虫人?達はキシャーと攻撃的な先人と共に一行に襲い掛かってきた


986 : ニア・シューペリオリティ :2018/09/13(木) 23:48:33 ???
>>985
「……和平の道もあったかもってんですねっ」

しかし今は、少なくとも今は
手を取り合える間柄にはないであろう、ここを通す訳には決していかない
波濤に立ちはだかる防波堤めいて、タイドメイカーを展開し迎撃体勢!

「こ、んノォッッ!!!」

野太い一本を生やしての薙ぎ払い!
そして即座にパージ、踏み込み月光での鋭き刺突一閃!
すぐさまタイドメイカーを再展開し、攻撃を仕掛けるであろう
出し惜しみ無しの行動は、避難完了までの時を稼ぐ為だけに意識を集中しているのだ


987 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/14(金) 00:03:10 ???
【後日 モブの1人が撮影していた985を専門家が見た結果】

アキレス「人間を食い物だと思ってるっぽい ゲートをこえてお食事の時間だーみたいなこと言ってる」

【舞台を現在に戻す】
バキッと虫人の横っ面を叩くタイドメイカーから伝わる感触は 硬質な物を叩いた感触
バランスを崩した虫人を月光による刺突 だがその一撃はなめらかな曲線を描く虫人の甲殻を滑り 表面に傷をつけるにとどまる

モブが携えた短機関銃が火を噴き 拳銃弾が虫人を襲うが 甲殻を貫けず 表面を統べるのみ

ロイ「チッ 固いな モブの発砲は牽制にとどめろ 遅延戦闘で子供たちの安全を確保したのち退避し ゲートを閉じて逃げる いいか!!」

まるでペンチの如きアゴを開き ニアに食いつかんととびかかってくる虫人 ロイはハンマーを取り出し 振り回しながら指示を出す

戦闘はまだ 始まったばかりであった・・・・・

//出はこのシチュは中断で


988 : ニア・シューペリオリティ :2018/09/14(金) 00:08:42 ???
>>987
「っ、硬い……!!」

ニアのタイドメイカーは対歩兵戦に特化した異能である
故に硬質の敵を本来相手取るには不向きであるのだが、

「分かりましたってんですよっ!!」

振り抜くタイドメイカー!殴打撃での破壊が叶わぬと知れば吹き飛ばしての衝撃力に頼る!
かつて蟲の世界で生き延びた時の知恵だ、経験がモノをいう戦闘カン!

「さぁっ、時間を稼がせて貰いましょうかっ!!」

//ありがとうございますっ、また宜しくお願いしまーす!


989 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/14(金) 22:42:02 ???
>>988
硬い甲殻は攻撃を防ぐことはできても その衝撃を殺すことはできない
大きくつんのめり だが立ち上がる だがそれも繰り返せば疲労がたまり動けなくなる

ロイ「ッ!!」
その間にロイがハンマーを胴体にフルスイング 衝撃で動けなくなる

ロイ「避難急げよ!! あまり長い時間は持たんぞ!!」
そう叫ぶも どうにか下級生がゲートをくぐったところであり 上級生はこれから 更に面倒な発狂した大人ドモが控えているのだ

ロイ「最悪大人は見捨てるか…発狂して子供を襲いましたとか露見するより ここで死んで子供たちの命を助けましたとか言った方がきれいに終わる気がする」
虫人の顔をハンマーでカチ上げながらぼやく ニアにも意見を求めたいところだ

だが虫人の群れは攻撃の手を緩めない
二体の虫人がニアに襲い掛かる 片や飛び上がり組みつかんと 片や地を這い足に組み付かんと
同時攻撃を仕掛けてきた


990 : ニア・シューペリオリティ :2018/09/14(金) 22:49:40 ???
>>989
「、」
「……最終手段としてっ、頭に入れときましょうってんですっ!」

非情な決断を下す事を即座に出来る程にニアは、冷徹になりきることが叶わない
しかし万一の場合の手段としてそれに酷似した手立てを考えなかった訳ではないらしく
ドキリとした風に目を丸くしてから、素早く頷いた

「こ、のっ……!!」

足元に迫る虫へは鞘に納めた月光の柄側での殴打!
飛翔し迫るそれにはタイドメイカーの打突!
しかしマルチタスクな攻撃は威力にはやや乏しい、掠める硬質なトゲが皮膚を裂き血を撒き散らす


991 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/14(金) 23:04:14 ???
>>990
ロイ「だな!!」
虫人がロイに組み付く ペンチの様な口を喰いつこうとして 蒼銀の鎧を口に突っ込まれる
ニアの肌から出血 なおも組み付かんとする虫人であったが

モブ「狙え!! 撃て!!」
短機関銃の一斉射 先ほどは甲殻に阻まれ大した威力は出なかったが
数をまとめて一匹にぶち込めば話は別 衝撃力で押し負けて下がる虫人

どうにか上級生も避難完了 とりあえず狂人と化した大人を外に出すが
大人は直ぐに自分たちを逃がさなかったモブ達に激高し殴りかかる モブも抵抗するが なりふり構わぬ攻撃に四苦八苦

ロイ「えぇいやっぱり麺層臭いことになった!! 抵抗するならぶちのめせ!! だめならもうあきらめろ!!」
モブ達の力を借りまた少し戦線を引く 群れは諦める様子を見せず ニアに向けて突撃を仕掛ける個体も現れた

ニアを倒す術ではない 強引に突破して モブや子供 更にゲートを目指そうとしているようだ


992 : ニア・シューペリオリティ :2018/09/14(金) 23:09:27 ???
>>991
「助かりましたっ!!……っ、もうっ……!」
「英雄を果たさせてやりましょうってんですっ!!」

狂気に堕ちた彼等は既に死んだのだ、子供達を守る為に本懐を遂げた
その事実を確定付ける為にロイの言葉に続き叫び、モブらに彼等への攻撃を促した

「ここはっ、」
「……通行止めってんですよっ!八葉!!!」

タイドメイカー8本を展開、限界までを拡げ守護壁として立ちはだかる
無論ただやられる為だけのそれではない、質量を持って強かに打ちのめすべく振るわれるのだ!


993 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/14(金) 23:21:00 ???
>>992
ロイ「すでに子供たちは皆退避した つまりはそういうことだ」
その言葉にモブ達は沈痛な顔をする が行動は迅速に 確実に

銃を大人に向ける 激高していた大人たちは狼狽し 仕舞には非難する

助けに来たんじゃないのか 銃を向ける相手を間違えているぞ
そうやって自分たちだけが助かりたいのだろう 人殺し この人殺し

銃声が響き 非難は終わった

ロイ「誰が自分を犠牲してまで助けに来るかよ お前らこそチャンスをフイにしたろうが」

ペンチの如き口がタイドメイカに食いつく だが質量の差は如何ともしがたく
押しつぶされて倒れる虫人達 そして

モブ「要救助者収容完了 ゲート閉鎖いつでもできます!!」
ロイ「よし 逃げるぞ!!」

モブ達の一斉射が群れに襲い掛かる その援護を得て一行は下がることだろう


994 : ニア・シューペリオリティ :2018/09/14(金) 23:27:11 ???
>>993
「ありがとうってんですっ、しんがりは任せてっ……!」

恐らくはロイとの共同戦線を張り続け、そのまま撤収と行くであろう
悍ましき虫人の群れを睥睨したまま、暴れるタイドメイカーを残してゲートに消える

「……ごめんなさいっ……!」

その際に視界に入る亡骸に一言、そして越境を終えた頃になればその悲痛なる役割を実行したモブ達にも頭を下げるのである


995 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/14(金) 23:40:32 ???
>>994
最後に一行が見たもの それは教師たちの成れの果てに群がる虫人の姿であった

転移後ゲートは素早く閉じられ 虫人がやってきていた痕跡は見られなかった

ロイ「特にああいう切羽詰まった状況では 大を生かすために小を切り捨てる選択肢に迫られることになる
   特にお前さんは優しいからなぁ」

ポンと肩に手を置くロイ 差し出したのは缶コーヒー 砂糖とミルクがたくさん入ったあまーい飲み物

辺りはてんやわんやであった 救助された子供たちに群がる親御さん ケガをしたものは救急車で運ばれていく
あの荒廃した世界で必死に生きようと 凛々しい顔立ちをしていた子供たちも 親の前では形無しである わあわあ声を上げて泣きじゃくっている

ロイ「みろ ニアが頑張ったからあの光景は生まれたんだ やさしさを取り払えとは言わん だが功績には ちっと胸を張っていいんじゃねぇの?」
送迎用の車がやってきた さぁ帰ろうとニアを促し車に乗り込むロイであった


996 : ニア・シューペリオリティ :2018/09/14(金) 23:53:03 ???
>>995
「むぅっ……」

ニアは自覚としては大人であるつもりであった
しかし本質的にはまだまだであると溜息、ロイの手は大きく暖かい
受け取ったコーヒーを一口呷り、目の前の再会の喜びを一望

「んっ……」
「ありがとうってんですっ……」

続き車に乗り込み、ちょっぴり誇らしげに凱旋気分を果たすのであったとさ

//ありがとうございました、お疲れ様ですっ!


997 : ニア・シューペリオリティ :2018/09/14(金) 23:53:36 ???
//…うひぃ何かの見違えで勝手に終わらせてた…すみません…!!


998 : ◆T/233Moei6 :2018/09/16(日) 21:09:22 ???
(^ω^)<梅


999 : ◆T/233Moei6 :2018/09/16(日) 21:09:55 ???
(^ω^)<ウメ


1000 : かぶり ◆eZKgukyN3c :2018/09/16(日) 21:10:06 ???
三三三三┏( ┓0w0)┓ カサカサカサカサ


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