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クロノブレーク☆臨時レス置き場
38
:
チャコ
◆uMJFatUpYM
:2014/06/30(月) 21:14:57
「師匠……! 妾は一生見習いでも構わぬ! だから消えるな!
師匠ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
師匠の死を目の当たりにし、絶叫するチャコ。
チャコに、光の粒が降り注ぐ。
>「……チャコ。並行宇宙の概念を発見したのは君にゃ。
これも君の、今までの勉強と努力の賜物にゃね。
だからもう、君は巫女合格にゃよ。
あとはこの世界を守り続け、チホのことも導いてほしいのにゃ……」
チャコは、師匠の知識や技能の全てが自分に受け継がれたのを感じた。
すなわち、アプリ《グランドマスター》の入手。
そして、師匠の死は決して無駄ではなかった。
彼の献身が奇蹟を起こした――クリスタルの心を動かしたのだ。
>「…………わかりました。グランドマスター。
それでは黒野鳥芽。あなたの情報を私に下さい。
そうすれば私は、黒の歴史をあなたのように意思をもった存在へと変換することが出来ます。
これで膨張し続ける黒の歴史を、私たちはある程度コントロールできるようになることでしょう」
師匠に手を下す形となった黒野に複雑な想いが無いと言えば嘘になる。
しかし、師匠の死を無駄にするわけにはいかない。その一心でチャコは黒野に頭を下げる。
「黒野殿、頼む……! 協力してくれ!」
「分かった、信じて……いいんだな?」
黒野鳥芽は進み出て、そっとクリスタルに触れる。
その瞬間、凄まじい光の奔流が迸り、チャコ達の意識は一端途絶える。
39
:
チャコ
◆uMJFatUpYM
:2014/06/30(月) 21:16:09
人の認識を越えた形而上領域にて――
クリスタルの女神によって数多の黒の歴史が独立した個人として形作られていく。
『フハハハハッ! この時を待っていたぞ、クリスタルの女神……!』
『貴様は……ッ!』
『決して忘れてはおらぬぞ、貴様に敗北を喫し世界線の空隙に封印された屈辱を……ッ!
今度こそ全てを虚無に帰し究極の安寧を!!』
『させません!』
『偽善者め! 貴様がやった事は不要な苦しみを作り出したのみ……!
その証拠に……誰も心の奥底では存在の継続など望んではおらぬ!
滅びに抗う者など……』
――ギンッ!
放たれた絶対の破壊が何者かの意思によって拒まれた。
『な、に……ッ!?』
――時間も空間も認識できない、一面の漆黒のようにも純白のようにも感じられる世界にて、チャコ達は目を覚ます。
『迂闊でした、世界法則の組み換えで、遥か古に封印したはずの者が目覚めてしまった……。
彼の者の正体は無への衝動そのもの……。
もう頼れるのはあなた達しかいないのです、どうか、お願い……!』
『ククク……人の身で我に抗おうとは面白き奴らだ、その勇気に敬意を表して少し相手をしてやるとしようか!』
チャコ達の前に、次第に巨大な何かが姿を現してくる。
現れたのは、その身で環状を形作る大蛇――世界喰らいの蛇”ウロボロス”!
蛇は環状を解き、まず小手調べとばかりに、巨大な尾で薙ぎ払ってきた!
40
:
チホ
◆WiN7G5G9lU
:2014/06/30(月) 22:54:49
世界は消えた。
そこで始まったのはバトル。
――これも誰かの夢。
チホはめまいがした。
チホは一輪の花に世界を感じていたかった。
何気ない日常を描いて生きてゆく。
それは素晴らしいことと今は思う。
ふりおろされる化け物の尻尾に木っ端微塵に砕かれる黒野。
チホは観念した。
そして泣きながら目を閉じて化け物に潰された。
41
:
チホ
◆WiN7G5G9lU
:2014/07/02(水) 20:45:04
【40のレスは取り消します】
――ウロボロス。
神様気取りの化け物は世界を無にすると言う。
だが黒野はその尾っぽの攻撃をいともかんたんに受け止めた。
「くけけ、かっこつけてんじゃねぇよウロボロス。
おめぇも誰かの夢なんだろ?
俺が推理するには現実を受け入れられねぇような弱虫が、
自分を認めなかった世界を無にかえてやるなんて、
そんな自殺願望丸出しな奴等の夢の集合体。
それがおめぇだウロボロス」
ウロボロスはしばらく沈黙。
「それは、見事に安易な考えだぞ黒野鳥芽」
尻尾は重さをまして黒野を押し潰す。
それを見て震えるチホ。
ウロボロスは盛大なため息のあとこう続ける。
「たしかに神は人が生んだ情報だ。自分の都合の良いようにな…」
そしてどこからともなく現れる人々。
「さあ!皆で力をひとつに!」
「ぼくの力をあなたにあげるよ!」
「○△□○×じゃね!?」
人々の気持ちがチホにエネルギーを与える。
「……な、なにこれ?」とチホ。
「さあ、光の巫女チホよ。世界を救うのです!」とキャストたち。
「わ、わたしのことを……ば、ばかにしてるの?
おこさまだからって……」
チホはうつむいてぽつり。
「……わかった。これってチャコちゃんの夢ね。
わたしのことを導けって、師匠に言われたから」
その場の空気は凍りついたかのように張りつめていた。
42
:
チャコ
◆uMJFatUpYM
:2014/07/05(土) 01:30:33
「チホ、受け取れ!《エナジーリンク》!」
チャコはグランドマスターのアプリを使用。
それはたくさんの人を力を一人に集める事の出来る技だ。
>「さあ、光の巫女チホよ。世界を救うのです!」
しかし、チホは戸惑って戦う様子を見せない。
>「わ、わたしのことを……ば、ばかにしてるの?
おこさまだからって……」
「チホ、こんな時に何を言っておる!? 世界の存続がかかっておるのじゃぞ!?」
>「……わかった。これってチャコちゃんの夢ね。
わたしのことを導けって、師匠に言われたから」
「な、何を……?」
チャコは思う。何故チホはこんなにも悲しそうなのか?
目の前では、ウロボロスが火炎のブレスを吐こうとしていた。
目の前に火炎が迫る。その時、師匠の姿が見えた気がした。
『思い出すにゃ。チホが本当に望む事……。
世界を救ってスーパーヒロインになる事じゃにゃい。
何気ない日常を平和に暮らしたい、ただそれだけなのにゃ……』
(チホ、あの時妾は嘘を言ったのかもしれぬ。
妾が巫女を目指したのはスーパーヒロインになりたかったからなのかもしれぬな……)
華麗な衣装を身に纏い、神秘の力を使いこなし、世界を蝕む”悪”を討つ。
そんなイメージに憧れがなかったといったら嘘になる。
チホも一応巫女見習いだが、いつもなんだかんだと言って敵と真面目に敵と戦っているのを見た事が無い。
それは単なるヘタレややる気無しではなく戦わない事を貫く一つの信念だったのではないか。
戦いでは何も解決しない、それを身を持って体現していたのではないか……。
再び時が流れ出す。チャコは両手を広げて、全てを受け入れた。
43
:
チャコ
◆uMJFatUpYM
:2014/07/05(土) 01:31:04
「……何のつもりだ!?」
「これでいいのじゃ。何故なら……お前は戦いで物事を解決しようとする心の具現化!」
炎が全身を包むが、何の痛みも熱さも無い。もはやウロボロスの攻撃は意味を成さなかった。
世界は善と悪などという単純な物では無かった。
悪とされていたウィルスは、生まれる事が出来なかった者達の意志だった。
誰もがウィルスを倒す事は正義だと信じていたが、戦いは次なる戦いを生むだけだった。
正体を見破られたウロボロスが消えていく。
気付けばチャコ達は元の世界――クリスタルの前に戻っていた。
クリスタルが厳かに言葉を放つ。
『よくぞ最後の試練を乗り越えました。
戦いでは何も解決しない、それどころか新たな悲しみを生むだけ。
その事に気付けたのならあなた達はきっと大丈夫……』
クリスタルが砕け散り、世界に光の粒となって降り注ぐ。
「見るのじゃチホ、新しい世界が始まる……」
44
:
チホ
◆WiN7G5G9lU
:2014/07/05(土) 10:01:33
>「見るのじゃチホ、新しい世界が始まる……」
「ありがとう…。チャコちゃん」
和平というチホの夢は叶い、
その代償としてチャコはヒロインになるという夢を諦めた。
それは悲しいこと。
でもチホはチャコと一生の友達。
夢描くヒロインに、チャコはなれなかったけれど
チャコの隣でチホは、ずっと夢のお話を聞き続けるのだ。
ある時には三流霊能力者。
またある時には未来の歌姫。
またまたある時には幻想世界の可愛い妖精。
色々な世界のチャコをチホは見守り続ける。
そう、それがチホのありがとうの証。
【ありがとうございました】
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