そもそも抱きついてくるときに人の形をしてなさそう
きくり「近くで飲んでたから寄っちゃったぁ。これから一緒に飲まね？」
きくり「お金？大丈夫〜この間のライブでたんまりもらったからさ〜」
きくり「けちぃ…ノリ悪いぞ〜」ﾌﾞｰﾌﾞｰ
きくり「じゃあいいや、お家までおんぶして〜」
きくり「『一回おぶってる時に吐かれたからもう嫌』？」
きくり「だいじょーぶ、だいじょーぶ。あんときはウィスキーとウォッカまとめて飲んじゃったせいだし今日はチューハイと生しか飲んでないからさ〜」
きくり「ダメかぁ…しょうがない…ちくしょ〜…こうなったらやけ酒だぁ〜」
きくり「う゛わ゛っ！？」
きくり「えっ！？ちょっ…ちょっとまってっ！？なにっ！？」
きくり「…もお〜…おぶってくれるなら一声かけてよ〜」
きくり「いきなりだったから変な声出ちゃったじゃん」
きくり「まさか、本当におぶってくれるなんて思わなかったんだもん」
きくり「『これ以上飲まれると心配だから？』」
きくり「やっさしー…きっといいお婿さんになれるぞ〜」ﾆﾔﾆﾔ
きくり「へっへっへ…口ではイヤイヤ言っても体は正直だぞ〜なんちゃってぇ〜」
きくり「わーっ！？もう言わないから揺らないでぇっ」
きくり「揺らされると…気持ちが…うぅ…」
きくり「ほら〜ちゃんとお家帰ってくるまで吐かなかったでしょ〜このまま布団まで運んで〜」
きくり「『着替え』？」
きくり「別に気にしないよ〜。いつもこのまんまだしさ〜」
きくり「やだ」ｷﾞｭｯ
きくり「帰らないで。私が寝るまで傍にいて」
きくり「帰っちゃやだ〜私赤ちゃんになっちゃう〜このまま泣いちゃうぞ〜」
きくり「びえええええ〜びええええ〜」
きくり「えへへへ…ありがと…本当に優しいなぁ…」
きくり「ん〜…手、冷たくて気持ちくて安心する…もっとなでてぇ〜」
きくり「すき」
きくり「うん…こんなことしても何だかんだ家まで送ってくれるしかまってくれるから大好き〜」ﾆﾍﾗ
きくり「あのさ…もし私が音楽できなくってもさ一緒に……………」
きくり「…ううん、なんでもない……もっとなでなでしてぇ〜…」
きくり「しゅき…だいしゅきぃ…」
ｽｰｽｰ…
幸 せ の ス パ イ ラ ル
＿＿
＞:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:＜
／:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶
/:.:.:.:./:.:..:.:.//:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ
/:.:.:.:.:.{:.ィ:-.i:.i:.:.:.:.:.:.:}:.-:.､:.:.:ﾊ:ﾊ
{:!:.:.:.:.{´:.:.:_:.i|!.:_:.:._:.:.}i ｉ_:.:ヽ:.:.}:.:V
{:.i:.:.イ ´_ _ //// _ ._ ｀ト:.:i:.:.i
.l:.:.:.:.| ´⌒｀///// ´⌒｀ .|:.:.:.:.:.l
.|:.:.:.:.{ ////_////_/////.!:.:.:.:.ﾊ
ﾊ:.:.:.:.i ( ￣｀' ) i:i:.:.:i:}.:i
{:.!{:.:._ﾊ _ u―― ' _ﾉ:.:.ﾉﾉ:.ﾉ
丶:.:.:.:.i:.:.:.:≧r ― r ≦:.:.:´:.:／
ト､:}:.:.イ〈 _ 〉ﾝ〉＜
人:.｀:.ﾉﾍへ.|| /ﾆ/ﾆ' ｀ヾ
/ {:.Y.:}ﾆﾆ|￣￣¨|ノﾆ≧､ .ﾊ
,l }ｲﾄ:.ィニ-ｭ 鬼 r'-､ニニ} V
l_{ rー束( '三}.殺.{三｀ )ニﾆ! V
.i_{ ﾍ_ ノﾊ イ――ｿ｀ ./xﾆﾆ! }
/⌒´ {_{i_!｀ ノ ヽ _ｿ ﾉi} ⌒ V
i ヽ＼_ン ´ﾄﾆ彡" ,}
ﾊ ／x≦| |≧ ﾉ
｀イニニﾆﾆ| |ニニニﾊー'
l二二ニﾆ| |ニニﾆ/_}
|二ニニﾆ| |ニﾆﾆ/ニ}
|二ニニﾆ| |ニニ/ﾆﾆ}
|二ニニﾆ| |ﾆﾆ/ニニ}
}二ニニﾆ| |ニニニﾆ(
ステージから飛び込んできたぼっちちゃんを受け止められて思考回路がショート寸前の２号ちゃん
ふらふら将棋倒しになりかけるのを慌てて後ろから抱き付いて止める１号ちゃん
星歌「んっ…いつの間にか寝落ちしてたのか私…」
星歌「くそっ…変な時間に起きちまった…」
星歌（最近経営管理とかブッキングとか仕事根詰め過ぎたか…体が重い…）
星歌（眠気は来てるのに目を閉じても全く寝れる気がしないし…）
星歌「はぁ…水でも飲んでベッドに行こ…」
星歌「うわ…よく電気付けたまま寝られるなこいつ…」
星歌（恋人とはいえ人のベッドで勝手に寝るなよ）
星歌（しかし意外と寝顔かわいいな…）
星歌（………）
星歌（今なら撮ってもバレないか？）
星歌（本人の許可なく撮るのは悪いけど別に変なことに使う訳じゃないし…）
星歌（えぇい、ままよ！）
カシャッ
星歌「しまっ…音が…」
星歌（よかった…まだ寝てる…）ﾎｯ
星歌（って…なんで私が焦ってるんだよ）
星歌（元はと言えば人の部屋で勝手に寝てたこいつが悪いんだし…）
星歌（………）
星歌（こいつホント無防備だな…）ほっぺﾂﾝﾂﾝ
星歌「ちょっとだけ…ちょっと隣で横になるだけだから…」ﾎﾞｿｯ
星歌（あー…体温あったかくて気持ちいいな…）ぎゅっ
星歌（ほんと抱き心地いい…心なしかいつもより落ち着く…）ｳﾄｳﾄ
星歌「うぉっ！？」ｶﾞﾊﾞｯ
星歌「あ、おお…お前起きたのか！？」
星歌「これは…その…別にそういうのじゃないから…！勘違いすんなよ…！」
星歌「たまにはぬいぐるみとかクッションとかじゃなくて人に抱き付いて寝たくなっていうか…」
星歌「うるさい…！そもそも私のベッドなんだから何したって私の自由だろ」
星歌「このまんま寝るけどこっち見んなよ…見たら絞め落とすからな」ぎゅうっ
星歌「ありがと…おやすみ…」ﾎﾞｿｯ
PA「ライブの打ち上げの後、酔いつぶれちゃったから私の家まで連れてきたんですよ。覚えてませんか？」
PA「はい、とりあえず酔い冷ましにこれどうぞ」つ水
PA「もう大変だったんですよ〜」
PA「終電もなかったからわざわざタクシーを使って連れてきたんですから」
PA「ふふっ…どういたしまして」
PA「それじゃあこの後、一緒にゲームでもしませんか？色々新作が…」
PA「…え？もう疲れたから眠い？」
PA「そんなぁ〜…恩人の私を置いて寝るなんて…」ｵｲｵｲ
PA「そんな恩知らずには後ろからこうやってベッドに行けないよう羽交い絞めにしちゃいますね〜」
ぎゅうっ
PA「あら、耳真っ赤にして可愛い…♥」
PA「ほらほら〜どうですか？着痩せしてるだけで意外とあるんですよねぇ〜♥」
PA「あっこら…暴れちゃ駄目ですよ〜」
PA「もう…ちょっとだけ耳貸してください、んっ…」
れろぉ…
PA「ふふ…どうですか？舌ピでの耳舐め…♥」
PA「変な声出て可愛いですよ♥」
PA「お耳いじめるのって背徳的ですよねぇ…このまま外側までじっくりたっぷり舐め回してあげましょうか？」
PA「？別に酔ってませんよ？シラフです。あの程度で酔うほど私も若くありませんから」
PA「んー…なんでこんなことするのかって聞かれても顔も好みだしライブの度に機材とかのお世話してる内に気にいちゃったからじゃ駄目ですか？」
PA「ふふ…それにもし襲ってきてもしっかり責任とってくれそうですから…」ﾎﾞｿｯ
PA「あっ…もっと赤くなった」ｸｽｸｽ
PA「……ところで実は私服の下にもピアスあるんですよね…」
PA「どこにあるか分かりますか？」
PA「ヒントは今背中に当てているところです」ﾎﾞｿｯ
PA「ふふっ…からかってますよ〜もちろん」
PA「だって面白いですから」
PA「でも誰にでもこんなことしませんよ」
PA「はい、好きですよ？もちろん異性として」
PA「好きじゃなかったら家まで連れてきてこんなことする訳ないじゃないですか」
PA「…どうです？驚きました？」
PA「いつもお世話になってるライブハウスの女性に酔ったところを家に連れまれて告白されて…」
PA「今付き合ってる人いないって言ってましたよね？」
PA「このまま私と、いっぱい楽しいことしませんか？」
PA「私、機材だけじゃなくて他のところ弄るのも得意なんですよ」
PA「……抵抗しないってことはオッケーってことなんですか？」
PA「はっきり言ってくれないと分からないですよ〜」
PA「……はい、じゃあこれからもよろしくお願いしますね」
PA「私だけの彼氏さん…♥」ﾆｺﾆｺ
SSヒーロー兄貴がスレを練り歩いてる
背中にゲロ吐かれようがきくりさん介抱したりとか
山田（あっ……）
山田「……」ｼﾞﾄｰｯ
山田「よっ色男……女子と二人でなにしてたの？」
山田「ちょっと見てたけど二人で肩を寄せ合ってた」
山田「…部活の後輩にこの間ロインで送った私の自作の曲をイヤホンで聴かせてた？」
山田「…結束バンドの宣伝として？」
山田「そっか…」
山田「うん…それなら別にいい…」
山田「でも他の女の子とイヤホンを共有するのはもうしないで」
山田「なんか嫌だから」
山田「…虹夏が相手でもダメ」
山田「『好きな人相手ならいいのか』って………好きな人いるの？」
山田「いない？」
山田「ならよかった」
山田「……別に他人が誰を好きかなんて興味はない」
山田「でも君に恋人ができたら私が借りる分のお金が少なくなる。それは困る」
山田「とにかく女子とイヤホンを共有するのと恋人を作るのはやめてほしい」
山田「『借りたお金をちゃんと返すなら約束する』？」
山田「むーっ…………それは約束できない」
山田「バンドマンは金と女の扱いが荒いもの、これ常識」
山田「私は私の個性を守るために金遣いが荒いといけないのだ」
山田「……分かった。この前借りたお金必ず返すからそれでどうにか」
山田「よしっ」
山田「それじゃあおんぶして」
山田「なんでって……持久走で足ひねって歩けないから」
山田「嘘じゃない。なんでそんなこと言うの？」
山田「ここまで歩いて来た？」
山田「……体育の時間に持久走をやって足が疲れたのは本当。だからおんぶ」
山田「………」
タタッ
山田「えいっ」
がばっ
山田「へい…どうどう」
山田「これいいね…背中大きくて乗り心地悪くないし毎日運んでもらうのも悪くないかも」
山田「ん……やだ…降りない…このまま運んで」
山田「……うん、それじゃあお腹空いたから商店街の方にあるレストランに連れてって」
山田「ふふっ……」
ぎゅううっ
喜多「どうかしら？今日のために張り切って選んだの！」服の裾ﾋﾗﾋﾗ
喜多「ふふ…っありがとうございます！」
喜多「それより早く行きましょう！カラオケデート！恋人とこういうことするのすっごく憧れてたんです！」ｷﾀｰﾝ
喜多「はぁ〜歌った歌った。先輩ライブ以外の私の歌声どうでした？」
喜多「『思っていたより可愛い曲よりカッコいい系の曲が多かった』？」
喜多「ふふ…結束バンドに入って気付いたけど意外と音程低い曲の方がイケるんですよ！私！」
喜多「そうだ！次に来た時には一緒にデュエット曲挑戦してみませんか？デュエット曲！」
喜多「大丈夫ですよ！心配なら私がちゃんとリードしてあげますから！ね？」
喜多「あれライター…先輩タバコ吸うんですか？」
喜多「いえ別に苦手じゃありませんよ。タバコの匂い」
喜多「はい、いつもお父さんが家で吸ってますから」
喜多「というわけで私のことは気にせず吸っていいですよ」
すぱーっ
ｼﾞｰｯ
喜多「意外とサマになってますね！ちょっとダンディな男って感じ〜！」ｷﾀｰﾝ
喜多「そうだ！今日の思い出にここでイソスタ撮りません？」
喜多「先輩はそのままタバコ咥えてくださいね！」
喜多「本当！？よかったぁ…どういう構図で撮りましょうか…」
喜多「んー…王道を往くダブルピースやハートのポーズもいいですけど折角だし先輩のタバコが映える撮り方をしたいわねぇ…」
喜多「そうだ！ちょっとかがんでもらえます？」
ぎゅっっ
喜多「こうやって抱き付かれた感じの構図で一旦撮ってみましょう！」
喜多「密着しすぎ？この構図で撮るんだったらこのくらいが普通ですよ？」
喜多「それじゃあいきますよ」
喜多「はい、チーズ！」ｶｼｬ
喜多「む……先輩撮る時、私の方見ましたね？ちゃんとレンズの方見てください」
喜多「それはそれで嬉しいですけど…//」ﾎﾞｿｯ
喜多「撮れるまで何回でも続けますから…」
喜多「しっかり付き合ってくださいね？」ﾆｺｯ
虹夏「前回の中間でも赤点ギリギリだったでしょ。補習に引っかかってバイト休まれたら困るから勉強教えてあげる」
虹夏「早速この後、私の家で苦手な数学から重点的に始めるからね」
虹夏「こらっそこ嫌そうにしない！」
虹夏「我が家にいらっしゃ〜い。お姉ちゃん、夜まで出かけてるからゆっくりしてっていいよ〜」
虹夏「それじゃあ飲み物用意できるまで先に今日の宿題から先に始めててね〜言っとくけどサボっちゃダメだから」
虹夏「おっちゃんとやってるやってる…はい、これオレンジジュース」
虹夏「いやぁ、ほんとはリョウも連れてくるつもりだったけど『家が火事になったから』とか言って逃げられちゃったからねぇ…」
虹夏「お気に入りの音楽雑誌の新刊買いに行きたかっただけだよ絶対。確か今日発売日だったし…」
虹夏「そういえばこの間、リョウを駅まで背負って運んでたらしいけど何かあったの？」
虹夏「……ふーん。せがまれて仕方なくねぇ…」
虹夏「へー……そんなことまでお願いされたんだぁ…」
虹夏「………」
虹夏「…ダメだよ〜リョウがするお願いなんて全部聞いてちゃ切りがないんだから」
虹夏「寄生先として認識されたら骨までしゃぶるタイプだよ、あれは」
虹夏「なよなよした態度じゃなくてたまにはこう、ビシィッとダメなものはダメだってはっきり言わなきゃ」
虹夏「たはぁー…忠告が何にも響いてない顔だぁ…」
虹夏「…私？私は別に大丈夫だって〜はっきり言えるよ〜」
虹夏「『私の部屋のリョウの私物』？」
虹夏「あー…あれかぁ…あれは…そのー…うん…」
虹夏「あ、あー、ここの問題間違えてるよ！ここの証明で余計な条件つけないで解くの！」
虹夏「ほら、ここ！ちょっとペン貸して」ｸﾞｲｯ
むにゅっ
虹夏「この式の証明にこれは使わなくていいんだよ」ｸﾞｲｸﾞｲｯ
むにむにっ
虹夏「ん？どうしたの？顔赤くして…」
虹夏「『当たってる』？」
虹夏「やらしっ…すけべ……//」ｻｯ
虹夏「…でも、リョウのことは普通におぶれるのに私にはこんな反応するってことはぁ〜」
虹夏「こりゃ私の方が女の子として意識されてるってことかなぁ〜」ﾆﾔﾆﾔ
虹夏「どうしようかなぁ〜リョウにも教えてあげようかなぁ〜」ﾆﾔﾆﾔ
虹夏「それで…ねえ…どうだった…？」
虹夏「どうって…リョウと比べての感想聞いてるんですけど……どっちの方がドキドキした？」
虹夏「『私の方が軽く感じた』？」
虹夏「はぁ〜……」
虹夏「もぉ〜…デリカシーないなぁ〜」
虹夏「軽い重い関係なく女子に体重の話題は禁句なんだよ！」
虹夏「そんなだから………」ﾎﾞｿﾎﾞｿｯ
虹夏「なーんーでーもーなーい」
虹夏「リョウより私の方が軽い女って言う無神経な人には教えませーん」
虹夏「ほらっ！続きやるよ！最低でも今週の振り返り終わらせるまで帰さないからねっ」
ひとり「はーっ…♥はーっ…♥あ、暴れないでっ…暴れないでください…っ！」
ひとり「あ、あの…お、お願いしたらえっちさせてくれるって聞いたんですけどっ…♥本当ですか…っ？？？」
ひとり「お願いします…一回だけ先っちょだけ…！先っちゃだけでいいですから…！」
ひとり「ふー…っ♥ふー…っ♥私の股のギターお尻に当たってるの分かりますか？た、体育の時間、肉付きのいいお尻を見てるせいでいつもこんなになっちゃってるです…♥」ｷﾞﾝｷﾞﾝ
ひとり「さ、誘ってるんですか？誘ってるんですよね？？このお尻は…！」
さわさわ
ひとり「セックスアピール露骨すぎるんですよ…♥これのせいで毎日前かがみで俯いて歩くの辛いんですから…せ、責任取ってください…♥」ﾓﾐﾓﾐ
ひとり「ｸﾝｸﾝ♥ｽﾝｽﾝ♥す、すっごいいいにおい…♥」
すりすり
ひとり「廊下ですれ違ったり授業で同じ班になる度に嗅いでたんです…♥」
ひとり「においが好きってことは遺伝子的に相性が良いってテレビで言ってましたし…わ、私たちのカラダ、陰と陽で絶対相性いいと思うんです…♥」ﾌｰｯｰﾌｰｯ
ひとり「こ、これから確かめませんか…？私、人が来ないような場所詳しいんで…♥」
ひとり「特に今の時間はそこの階段の影とか…ピッタリだと思うんです…♥」ｸﾞｲｸﾞｲｯ
ひとり「い、今から確かめますからね…っ♥抱きしめてるお陰でイヤって言っても逃げられませんし…♥クラスの陽キャ男子無理矢理レイプしちゃいますからっ…♥」
ひとり「そ、それじゃあいただきます…♥」ﾇｯ
がばっ
ふたり「あっおねーちゃんやっとおきた」
ひとり「はぁ…はぁ…よかった…夢だ…」
ひとり（股もいつも通りだ…アレも生えてない…）ﾎｯ
ふたり「おかーさんが早くしないとちこくするっていってるよー」
ジミヘン「わんわんっ」
ひとり（うぅ…同級生の子にあんなことする夢見るなんて…最低だ私…）
ひとり（おかげで授業もまともに聞けなかったし…こんな日はさっさと家に帰って動画用にギター弾いて忘れよう…）ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ
ひとり（あっ…あの子だ…）
ひとり（あわわっ…このままだと下駄箱で一緒になっちゃう…）
ひとり（あんなことした手前、今だけは絶対に会いたくない…！夢だけど…！）
ひとり（よしっ…ここは一旦引き返して少し間を置いてから帰ろう…）ｸﾙｯ
ひとり「わっ」ﾖﾛｯ
ドサッ
ごんっ
ひとり「ぐええぇぇ…」
ひとり（よろけた拍子に階段から落ちて人にぶつかるなんてやっぱり今日は厄日だ…）
ひとり（あ〜…でも、やっぱりいいにおい…汗くささとはまた違った独特の男の子のにおいだなぁ…）ｽﾝｽﾝ
ひとり（違う違う！そうじゃない！そうじゃない！男子に覆いかぶさって何やってるんだ後藤ひとり！）ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ
ひとり「ひいっ！！ひいいいいいい！す、すいません！ぶつかってだらしなくて重いだけの身体で押しつぶしてしまってごめんなさい！許してください！なんでもしますからぁ！」ﾄﾞｹﾞｻﾞｰ
ひとり（あわわわわ…どうしよう…このままじゃ警察に「性犯罪者ギタリスト」として突き出されちゃう…テレビのワイドショーでも全国放送されて…退学…訴訟…家族や結束バンドの皆にも迷惑がああああああああああ）
ひとり「い や あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ！ ！」ﾊﾞｷﾊﾞｷ
ひとり（どうしよう…！どうしよう…！ここは一旦逃げてから言い訳を…）
がしっ
ひとり（手握られてしまった…！どうしよう…逃げられない…！）
ひとり「じ、自首！自首しますから！何卒お慈悲を！お慈悲をぉぉ！」
ひとり「あ、えっ…違う…？」
ひとり「『すごい今日だけ避けられてる気がする』？『嫌われるようなことしたならごめん』？」
ひとり「あ、えっ、やっ、違うっ！その…嫌ってるわけじゃなくて…その…」
ひとり「そう、えっと………好き……」
ひとり（じゃないっっっ！！！！何言ってるの私！？）
ひとり「いやっ…好きじゃないっっっ！！！あっ…でもそうじゃなくて…！好きで嫌いで…！いやそれも全然違くて…！」
ひとり「あば…あばば………」
ひとり「すいませんでしたあああああああああああああ！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀｯ
ダッダッ
ひとり（絶対、変な奴だと思われた…終わった私の高校生活…始まってすらなかったけど…）
ひとり（…でも…手、あたたかかったな…）
ひとり（……なんてちょっと思う私がいるのが死ぬほど恥ずかしいぃぃぃぃ…）
ひとり（うぅ…本当に明日からどんな顔して会えばいんだろう…）
ふたり「はーい、どちらさまですか？」」
ふたり「えっと、おかーさんはお買い物にいっておねーちゃんは押入れにひきこもってギターしてるから誰もいません！」
ふたり「あっ！それ、おねーちゃんのバック！」
ふたり「学校でおとしたんだぁ、やっぱりドジだな〜」
ふたり「わたし？妹の後藤ふたり５さいです！こっちは犬のジミヘン！」
ジミヘン「ワン！」
ふたり「それでおにーさんはおねーちゃんの彼氏なの〜？」
ふたり「友達？うそだーおねーちゃんに友達なんているわけないじゃん」ｷｬｯｬｯ
ふたり「え〜！もう帰っちゃうの？」
ふたり「やだぁ！おねーちゃん、押入れの中に入ったらしばらく出てこないからつまんないから代わりに遊んで！」
ふたり「お姉ちゃんが出てくるまで遊んでくれるの？やったぁ！」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ
ふたり「じゃあね〜お馬さんごっこして〜！」
ひとり「ふぅ…」
ひとり（動画２本分は撮り終えたしちょっと水飲んで休憩しよう…）
きゃははっ
ひとり（ふたり…いつもよりはしゃいでるけどどうしたんだろう…）
ひとり「ふたり〜…なにしてるの〜…？」
ひとり「あっ、え…う、嘘…な、なんで…！？」ﾋﾞｸｯ
ひとり（なんで私の家にいるの…！？ここまで追ってきた…？私を訴訟するために…？）ｶﾞｸｶﾞｸ
ひとり「ど、どどど…どういったご用件でしょうか…？」
ひとり「あ、それ…私のバッグ…」
ひとり（さっき急いで逃げたから忘れてたことにも気付かなかった…）
ひとり「と、届けていただいてありがとうございます…」
ひとり「で、も…どうやって私の家を…？」
ひとり「き、『喜多ちゃんに聞いた』…？『連絡してもらったはず』…？」
ひとり（わっ…押し入れにいた間にいつの間にか着信と通知が来てる…）
ひとり（な、なんで！？なんで…喜多ちゃんが…）
ひとり（それに『頑張ってね♥』って…なにを…！？謝罪をがんばればいいの…！？）
ひとり「ふ、ふたり…お姉ちゃんこの人とお話したいからちょっとジミヘンと遊んでて…」
ふたり「え〜なんで〜もうちょっと遊んでもらいたい〜」ﾌﾞｰ
ひとり「キッチンのイチゴ大福…私の分も食べていいから…」ﾎﾞｿﾎﾞｿ
ふたり「もお〜男の子とふたりっきりがいいなんておませだな〜おねーちゃんも〜」
ふたり「しょうがない、ほら行こジミヘン！」ﾀｯﾀｯ
ジミヘン「ワンワン！」
ひとり「さ、先ほどは逃げてしまって申し訳ありませんでした…！どうか何卒…！何卒…！」
ひとり「えっ…ぎ、ギター…？はい…一応、趣味でそこそこ…」
ひとり「もしかして興味あるんですか…？」
ひとり「あ、あの…！もしよろしければ帰る前に…す、少し触ってみます…？」
ひとり（なんだろう…きっかけはちょっとあれだっだけど…私がきっかけで人にギターに興味をもってもらえてる…）
ひとり（ちょっと嬉しいかも…）
ひとり「えへ…えへへ…♥」
公式スピンオフ…？このシルエット…一体誰なんだ…？
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/:l:l/:l:l:l:l:l:l{ }:l:l:l:ｌ:ｌ:} l| l| }ll}/ ＼ /::::::::｀ﾞ´/
急に捨てないで抱きついてくる2号ちゃん
ぼっちちゃんに彼を取られちゃうどこにも勝ち目ないよと思い込んでただけなのでした
２号「もぉ〜…ちゃんと私の話、聞いてる〜？」
２号「話半分に適当に聞いてるでしょ〜」
２号「え〜いっ」
ぎゅうっ
２号「えへへ〜捕まえた〜」
２号「これでしっかり耳元まで声が届くね〜♥」ﾌｰｯ
２号「ね〜この間、私たちが作った結束バンドのMV見てくれた〜？」
２号「『映像も音質もバッチリだった』ってそういうことじゃないのにぃ〜…」
２号「でもしょうがないか〜、あの臨場感というかオーラは生じゃなきゃ絶対に本当の意味では感じられないから〜！」
２号「それでぇ〜どの子が一番好みだった〜？」
２号「もぉ〜恋人の前だからって変に気負わなくていいよ〜」
２号「ほら、教えて？」
２号「………」
２号「ふーん…そうなんだ…ひとりちゃんなんだ〜…」
２号「同担拒否って訳じゃないけど〜…なんだか複雑な気分〜…」
２号「…ちなみにどこがいいと思ったの？」
２号「うん…うんうん…そうだね〜！」
２号「俯いてるけどそれでいて真摯に音楽へと向き合うとしてるあの演奏、聴く度に虜になっちゃうよね〜！」
２号「目立たなくても自分たちの音楽を貫いてて頑張ってるあの姿勢がすごいかっこいいと思うんだ〜！」
２号「あの子達はここからぐんぐんと伸びると思うけど、ひとりちゃんは特に成長すると思うの！絶対に！」
２号「でもね、時々考えるの…」ﾎﾞｿｯ
２号「そうなったらどんどん新規ファン好きになってくれる人が増える度に古参ファンの私たちは最初に目を付けていただけの遠い存在になっちゃうのかもって…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ
２号「だからね！そうなる前にとりあえず先に二人でファンクラブ作ろうかなと話してるの〜」
２号「今なら特別に３号にしてあげてもいいんだよ〜？」
２号「まぁ…最低でも結束バンドの好きなところ１００個くらい言えなきゃ認めないけどね〜…」
２号「『じゃあいい』って何逃げようとしてるの…？まだ解放するわけないでしょ…」
ガシッ
２号「結束バンドのどこかいいのかまだ１割も伝えてないんだし…」
２号「大丈夫…朝まで存分に魅力を伝授してぇ〜…」
２号「ファンクラブ３号にふさわしくしてあげるからね〜…♥」
心も体も隙がない