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世代最後の勝ち上がり馬を調べました

1 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:16:34 gXUasnNA
6月から始まった2歳戦も4か月が経過しました。これまでに1778頭の馬が中央でデビューを果たし、そのうち284頭が勝ち上がっています。そんな未来を嘱望される2歳馬たちの戦いが行われる一方、9月4日をもって今年最後の3歳未勝利戦が終了しました。
世代最後の未勝利戦は新潟7R(ダート1200m)で行われ、近走で惜しい競馬が続いていたディスクリートキャット産駒のフエキが8戦目にして待望の初勝利を挙げました。8枠14番からの発走でしたが序盤から押して押してハナを主張し、直線に向いては2番手以降をさらに引き離して逃げ切り態勢。最後は徐々に差を詰められるも先頭を譲ることなくゴール板前を駆け抜けました。しばし遅れを取りましたが、今や巻き返しの時です(コ並感)

そこで気になってくるのが、これまでの「世代最後の勝ち上がり馬」はその後どのような競走生活を歩んだのか、ということ。勝ち上がった時点では1勝クラス、旧500万下の馬ですが、その後さらに勝ち星を積み重ねて昇級できたのか、はたまた2勝目を挙げられずに引退、もしくは地方へ転出となったのか。過去10年に遡って見てみましょう。
なお、調教師、馬主は未勝利戦を勝利した当時のもの、戦績および総賞金は2022年9月現在のものです。各種データはJBIS Search、KEIBA.GO.JP、JAIRS血統書サービス、netkeibaを参照しました。


2 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:18:12 gXUasnNA
2021年9月5日・新潟7R・3歳未勝利(ダート1200m)
勝ち馬:マイヨアポア(牝)
父リオンディーズ 母エバーローズ by ウインクリューガー
調教師:和田正一郎(美浦)
馬主 :スピードファーム
生産者:スピードファーム

リオンディーズ初年度産駒ですが、注目は何と言っても母父ウインクリューガー。6年間でデビューしたのはわずか5頭、そのうちの貴重な1頭です。2歳12月のデビュー戦は10番人気ながらも、上がり最速の脚を使って3着に食い込みます。それ以降は勝ちきれない競馬が続いたものの、3戦連続2着から臨んだ8戦目で1番人気に応え勝ち上がりました。
1勝クラスでの初戦は半馬身差の2着に敗れるも2戦目で勝利し、昇級初戦の2勝クラスでも連勝して一気に準OPまで駆け上がりました。3勝クラスになってからは特別戦を2走していずれも着外に終わっています。

戦績 :12戦3勝(中央現役)
総賞金:3914.0万円


3 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:20:16 gXUasnNA
2020年9月6日・新潟6R・3歳未勝利(芝1600m)
勝ち馬:デルニエエトワール(牝)
父ヴィクトワールピサ 母タイキトゥインクル by リアルシャダイ
調教師:大竹正博(美浦)
馬主 :大樹ファーム
生産者:ビクトリーホースランチ

母父リアルシャダイの2020年の出走頭数は7頭(も?)いました。母のタイキトゥインクルは大樹ファームの所有馬として現役時代4勝を挙げ、繁殖入りしてからは12頭の産駒を送り出しました。本馬はその最後の産駒となります。そんな本馬のデビュー戦はダービーの2週後の3歳未勝利戦。8番人気の9着に敗れ、2走目も4着と連敗。そこから中2週で臨んだ最終戦で、6番人気の低評価を覆し勝利を挙げました。
昇級後、1勝クラスでの戦績は0-0-2-8と苦戦が続いていましたが、先月28日付で登録抹消となりました。引退後は故郷に戻って繁殖牝馬となるようです。

戦績 :13戦1勝
総賞金:1119.0万円


4 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:21:40 gXUasnNA
2019年9月1日・新潟6R・3歳未勝利(芝1600m)
勝ち馬:パラレルキャリア(牝)
     父シンボリクリスエス 母シュペリユール by サンデーサイレンス
調教師:加藤征弘(美浦)
馬主  :社台レースホース
生産者:社台コーポレーション白老ファーム

祖母はGⅠ馬ファビラスラフイン、母も準OP馬ながら1億円を稼ぎ、その半弟にはギュスターヴクライがいる血統。ただし、募集額は同世代の中でも下から3番目タイ(1口35万円)というお手軽な馬でした。デビュー戦はクラシックを目前に控えた3歳3月末。出遅れもあって4着に敗れます。一旦放牧に出された後、8月頭の復帰戦を2着して臨んだ最終戦は単勝1.9倍の1番人気に推され、見事期待に応えて勝ち上がりました。
その後は18戦して2着3回、3着2回があるものの2勝目を挙げられず、2022年3月24日付で登録抹消となりました。

戦績  :21戦1勝
総賞金:2444.0万円


5 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:23:29 gXUasnNA
2018年10月2日・阪神3R・3歳未勝利(ダート1800m)
勝ち馬:スピンドクター(セ)
     父ハードスパン 母チャタラティ by Street Cry
調教師:野中賢二(栗東)
馬主  :ゴドルフィン
生産者:ダーレー・ジャパン・ファーム

スピンドクターのデビュー戦はその年のダービー当日に京都で行われた3歳未勝利戦。なんとデビュー前にロストボールしており、出走にこぎつけるまでの陣営の苦労が窺えます。その後はコンスタントに出走を続け、5戦目の最終戦で8番人気ながらも勝利。昇級初戦こそ6着に敗れたものの、2戦目で勝利し1000万下の条件馬になりました。
デビューから4ヶ月半で7戦2勝と順調といえる成績でしたが、その後は長らく停滞。中央で11戦した後、明け6歳になって大井へ移籍しました。移籍後は早速3着、1着、1着と新天地で躍動しており、以降も勝ち星こそないもののダート中距離路線で現役です。

戦績  :37戦4勝(中央18戦2勝、地方19戦2勝、地方現役)
総賞金:3213.5万円


6 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:24:52 gXUasnNA
2017年10月1日・中山3R・3歳未勝利(ダート1800m)
勝ち馬:リフトトゥヘヴン(牡)
     父ホワイトマズル 母ヌーベルバーグ by ディープインパクト
調教師:加藤征弘(美浦)
馬主  :丸山担
生産者:社台ファーム

父と母父が逆じゃないか?と思われそうですがこれで合っています。デビューは皐月賞の翌週の3歳未勝利戦で、1番人気に推されるも2着。その後2戦を挟み、2着、3着から臨んだ6戦目にて待望の初勝利を挙げました。なおこの間、2戦目(2番人気)を除いて全て1番人気に推されており、かなり期待されていたようです。
勝ち上がってからは500万下で8戦して2着4回と抜群の(?)安定感を見せ、9戦目の平場にて勝利。昇級初戦の2勝クラスも連勝し、一気に準オープン馬となりました。それ以降は下級条件と同じようにはいかず、16戦して2着2回を含む入着5回。8歳となった今年も障害転向しつつ競走生活を続けていましたが、今年の8月23日付けで登録抹消、現役を引退しました。

戦績  :34戦3勝
総賞金:6565.8万円


7 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:39:24 AJZMdqS.
面白そう


8 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:42:43 KU60ioms
息長く走ってそこそこ稼いでる感じですね


9 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:45:55 1L5D9t5M
最後の方の未勝利戦って優先権(前走2-5着、キャリア3戦以内)持ちで埋まるからそこを勝ち切れたというのはまあまあ強い可能性もあるんですよね
南関東の未受賞戦も基本初出走の馬が人気に応えるし


10 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:47:59 gXUasnNA
少し離席してました、残り5頭です

2016年10月2日・中山3R・3歳未勝利(ダート1800m)
勝ち馬:スリーミュージアム(牡)
     父オペラハウス 母スズカミネルバ by フレンチデュピティ
調教師:柄崎孝(美浦)
馬主  :永井商事
生産者:信岡牧場

スズカ、サンレイなどの冠名で有名な永井啓弍氏の法人名義の持ち馬です。デビューは7月の2歳新馬戦と早かったものの、16頭立ての15番人気(結果は6着)。その後はコンスタント、というにはハードなペースで実戦を重ね、迎えた最終戦はなんとキャリア18戦目。レースでは1度もハナを譲ることなく、最後は後続に7馬身差をつけての大勝でした。
そんな劇的な勝利を収めたスリーミュージアムでしたが、500万下では苦戦続き。10戦して入着ゼロに終わり、6歳の夏には障害転向と相成りました。転向初戦は6着に敗れたものの、そこからは2着3回、3着1回と安定した成績を収め、転向7戦目でついに勝利。2つ目の未勝利戦勝ち鞍を手に入れました。その後は障害オープンで3戦して全て着外。2020年9月10日に登録抹消となりました。

戦績  :38戦2勝
総賞金:3013.0万円


11 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:48:36 gXUasnNA
2015年10月4日・中山3R・3歳未勝利(ダート1800m)
勝ち馬:メイショウキシドウ(牡)
     父メイショウサムソン 母チャペルコンサート by サンデーサイレンス
調教師:小島太(美浦)
馬主  :松本好雄
生産者:社台コーポレーション白老ファーム

みなさんご存じメイショウ軍団からも1頭出ていました。本馬の母チャペルコンサートは現役時代3勝、オークス2着の実績がある馬で、半妹には府中牝馬S勝ち馬のムードインディゴがいる血統です。デビュー戦は8月の2歳新馬戦で4番人気9着。その後はギリギリ入着になるかならないか程度の安定感を見せ、迎えた11戦目の最終戦で勝利しました。
しかし500万下では入着すらできず、5歳の春には障害転向するも2戦していずれも大敗。松本オーナーの手を離れて園田へ移籍しましたが、こちらでも1度も馬券に絡むことなく27連敗。しかし、6歳の9月に金沢に移籍すると8戦して2着4回、3着1回と強さを見せ、明け7歳となって移籍した佐賀では3年3か月ぶりの勝利を含む3勝を挙げました。2019年9月のレースを最後に出走がありませんでしたが、2021年4月1日付けで地方登録抹消となりました。

戦績  :75戦4勝(中央21戦1勝、地方54戦3勝)
総賞金:836.3万円


12 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:49:26 gXUasnNA
2014年10月5日・新潟3R・3歳未勝利(ダート1800m)
勝ち馬:キネオイーグル(牡)
     父ハーツクライ 母ブゼンキャンドル by モガミ
調教師:高柳瑞樹(美浦)
馬主  :吉田千津
生産者:恵比寿興業株式会社那須野牧場

母は秋華賞馬ブゼンキャンドルという良血馬ですが、本馬の兄姉に目立つ活躍馬は無く、母もノーザンファームから放出され那須野牧場に移動した後でした。デビューは7月の3歳未勝利戦で、4番人気に推されながらも12着に大敗。しかしその後は2着2回と安定した走りを見せ、5戦目の最終戦にて1番人気に応える勝利を挙げました。
その後は平場の500万下、1000万下を連勝。4歳夏の降級で再び1000万下になった初戦の八王子特別も勝利し、なんと未勝利戦から4連勝で準オープン馬となりました。しかし以降は振るわず、5戦したところで川崎へ転出。そこでも勝ち星を挙げられず高知に移籍しましたが、移籍6戦目に競走中止、その4日後に登録抹消となっています。

戦績  :26戦4勝(中央13戦4勝、地方13戦0勝)
総賞金:4481.9万円


13 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:50:23 gXUasnNA
2013年9月29日・中山3R・3歳未勝利(ダート1200m)
勝ち馬:コウヨウチャンス(牝)
     父ゼンノロブロイ 母フォーティース by フォーティナイナー
調教師:高柳瑞樹(美浦)
馬主  :寺内正光
生産者:谷川牧場

コウヨウチャンスのデビュー戦はクラシック本番目前の3月末、中山の3歳未勝利戦でした。初戦、2戦目はそれぞれ6着、7着に敗れたものの、3戦目で3着に入ると次走では2着に入り、5戦目の最終戦は後続に5馬身差をつけての逃げ切り勝ちを収めました。
昇級後は5戦するも5着が最高で、明け5歳の1月に大井に移籍。転入してからは3着、2着、2着と好走しましたが、それ以降は打って変わって入着ゼロと連敗が続きます。大井で12戦した後は高知へ移籍。そこではレベルの違いからか16戦して3勝2着3回と復活を遂げました。引退後の動向は不明ですが、JBIS上に産駒の登録が無いため繁殖には上げられていないようです。

戦績  :39戦4勝(中央11戦1勝、地方28戦3勝)
総賞金:994.0万円


14 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:51:13 gXUasnNA
2012年10月1日・阪神3R・3歳未勝利(ダート1800m)
勝ち馬:エイユーミラクル(牡)
     父シルバーチャーム 母アスコットビコー by フジキセキ
調教師:高野友和(栗東)
馬主  :笹部義則
生産者:村上欽哉

本馬の父シルバーチャームは米二冠馬でドバイWC勝ち馬、アメリカ競馬殿堂入りの名馬ですが産駒成績は振るいませんでした。近親にも目立つ実績馬はおらず、強いて挙げるとすれば笠松で9勝を挙げたエスタンピーダという馬がおじにあたります。
デビューこそ9月の2歳新馬戦と遅い方ではありませんでしたが、9戦して4着2回、5着4回と善戦マンと評していいか悩ましい戦績を挙げます。迎えた最終戦の10戦目は骨折による6ヶ月の休み明けという不利な状況でしたが、見事勝利を納め勝ち上がり。馬名に違わぬ奇跡を起こしてみせました。
その後は再び長い休養に入り、1年1ヶ月ぶりの復帰戦は14着に大敗。その後はレースに戻ることなく登録抹消となりました。

戦績  :11戦1勝
総賞金:770.0万円


15 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:53:33 gXUasnNA
以上、2012年〜2021年の「最後の勝ち上がり馬」でした。

牡馬5頭、牝馬4頭、セン馬1頭と偏りはない一方で、引退は8頭中6頭が6歳以上と長く使われる傾向にあります。
ただし中央の平地で現役を終えた馬はその中におらず、入障(2頭)か地方転出(4頭)の上で現役を続けた、もしくは続けています。特にメイショウキシドウは平地→障害→地方(園田→金沢→佐賀)と各所で走り続け、75戦というキャリアを積み上げました。
そして引退後の動向については、残念ながら不明の馬がほとんどでした。牡馬牝馬ともにJBIS上での産駒登録の有無や、netkeibaの掲示板などに情報を求めましたが、デルニエエトワールがビクトリーホースランチに戻る「らしい」くらいの情報しか得られず、他7頭の行方は知れません。優勝劣敗の世界ゆえの厳しさ、と言うのは簡単ですが辛い現実です。

POG杯も2歳秋シーズンになり、既デビュー馬もどんどん増えています。新馬で勝ち上がれなくてもあと11ヶ月あります。せっかくの指名馬ですから、集計期間が終わってもぜひ応援してあげてください。(完)


16 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 21:54:29 cw9skUNg
お馬さん大きいから引退した後お家でお世話するって難しいもんな…


17 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 22:16:42 AJZMdqS.
乙シャス!


18 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 22:41:47 7FPMLcZ.
前調べたらブロードアピールの勝ち上がりが9月20日の旧4歳500万下でビックリしました
ステゴとかマヤノトップガンも遅いイメージがあるけど夏までには脱してるんですよね


19 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/14(金) 23:03:59 1L5D9t5M
レイデオロのおばぁちゃんは5歳の夏デビューだぜ
あまりにも異質過ぎて有名だけど


20 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/26(水) 11:42:22 WF1oXB8.
玉も竿もでけぇなお前(褒めて伸ばす)


21 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/28(金) 17:48:21 f.bwzkTw
面白かったです


22 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2022/10/29(土) 14:05:51 sPKLrqFQ
世代最後の勝ち上がり馬についてちょうど切らしてたから助かる


23 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2025/03/07(金) 10:27:11 ICXg.7Lk
3年間の間にどんな馬が増えたか気になる


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