提督「なー、山城ぉ」
山城「……なんですか？」
提督「どっか行く？」
山城「はぁ……行く先々で不幸に見舞われてもいいなら構いませんけど」
提督「大丈夫」
山城「私は嫌です」
提督「あ、そっかぁ」
山城「……」
提督「……」
TV『ジャングルの中は、ホバーは無理でしょ！』
提督「……あ、腕の感覚無くなってきた」
山城「ああ、すみません」
提督「ちょいちょい、何してんの」
山城「反対側の腕を使うので移動したいだけですけど？」
提督「こう……俺の上を這いずるように移動するよりかはさ、一旦立つなりなんなり……」
山城「はぁ……面倒くさいのでもういいです」
提督「山城さん？ なんかもう抱っこみたいな体勢になってるけど大丈夫？」
山城「チャンネル変えてください」
提督「見えないでしょうに」ﾋﾟｯ
TV『スランプにも人権はあるんだぞぅ……』
山城「……」
提督「……」
山城「……提督」
提督「はい？」
山城「おやすみなさい」
提督「自由過ぎない？ まだ昼なんだけど。今から寝たら夜が……」
山城「なんでお昼に眠たくなると思います？」
提督「……俺が昨晩張り切りすぎたからです……」
山城「夜寝れなかったらまた相手してください」
提督「あっはい」
山城「……」
提督「……」
山城「……夜って言いましたよね？」
提督「いやこれ不可抗力なの。ずっと密着してるから」
山城「はぁ……本当に提督は仕方ないですね」
提督「ちょ、夜って言ったの山城……や、山城さん待って、ちょっと待って！ まっ
山城「……なんですか？」
提督「後ろからずっとそうされてると体痛いんだけどー」
山城「はぁ……そうですか」ｸﾞｨｨ
提督「おも……」
山城「いま重たいって言いました？」
提督「言ってない。柔らかいって言った」
山城「スケベなことしか頭に無いんですか？」
提督「お前下着は？」
山城「……」
提督「……」
山城「……お腹すきましたね」
提督「誤魔化すの下手くそか？ じゃあ間宮にでも行きますか」
山城「……」
提督「腕ほどいてくれなきゃ動けないよー」
山城「……料理がひっくり返る予感がします」
提督「……やめとくか」
山城「はい」
提督「……」ｸﾞｩ-
提督「あっ」
山城「……いいですよ、別に。食事の最中に気を張ってればなんとかなるでしょうし」
提督「いや……いいよ」
山城「……そうですか」
提督「うん」
山城「……わかりました」
提督「待って待って、いきなりセクハラすんのやめて」
山城「少しでも空腹を紛らわそうかと。責任は私にあるので」
提督「余計腹減りそうな気が……」
山城「夜まで繋がってれば気になりませんよ……たぶん」ｷﾞｼｯ
山城の湿度も合わさってあーヤバイ！
提督「……寝れないのか？」
山城「……！ 起きてたんですか？」
提督「山城が起きた気配で起きた」
山城「え、なんですかそれ……」
提督「引かないでよ」
山城「はぁ……まあ、少し寝つきが悪くて」
提督「なんか飲む？ 取ってくるよ」
山城「いえ……」
提督「ふぅむ……えい」
山城「ひゃあっ！？」
提督「あれっ、山城そんなにくすぐり弱かったっけ」
山城「……何するんですか」ｼﾞﾄｯ
提督「す、すまん。気が紛れればと思って……」
山城「はぁ……そうですか」
提督「ホントごめ」
山城「ふっ」
提督「うぅわっ！！」
山城「ハッ……耳に息吹きかけたくらいでそんな大袈裟な」
提督「……」ｶﾞﾊﾞｯ
山城「ちょっと、なに……！？」
山城「んっ！？ あはははははは！ 提督！ やめ……！」
提督「そうかそうか脇だけじゃなくて横っ腹も弱点だったか山城は」
山城「待って、提督っ、ひんっ！ まって……！」
山城「あっ、んっ……！ やぁ……」
提督「あ……わ、悪い！ やりすぎ、た……」
山城「ふーっ……ふーっ……提督……？」
提督「……山城……」
山城「んぅ……！？ ちゅぅ……っ」
山城「……ケダモノ」
提督「運動すれば、眠れるよ」
山城「……じゃあ提督が下です」
提督「うわっ！？」ﾄﾞｻｯ
山城「ふふ、倍返しよ」
すごかったです
山城「……」
提督「山城さーん」
山城「……なんですか？」
提督「一応執務中なんでね、手持ち無沙汰なのはわかるんだけど机で寝るのはやめといて……」
山城「すみませんでした」
提督「ああいや、分かってくれたならいいのよ。空気入れ替えよっか」
山城「それくらい私がやります」ｶﾞﾗｯ
「あっ」
山城「は？(ﾎﾞｺﾞｯ)ぶぇっ」
提督「えっ」
山城「……」
天龍「す、すまん！ 大丈夫かー！？ 駆逐のやつらとバスケしてたらボールが……」
提督「や、山城……」
山城「ああ、なんだか久しぶりだわ、この感覚……ふふふ」
提督「鼻が赤くなって……頬も擦ってるな。ちょっと氷嚢もらってくるよ」
山城(ｶﾞｼｨｯ)
提督「おっとっと？」
山城「痛い……戦艦でも痛いものは痛いわ……」ｷﾞｭｩ-
提督「う、うん。だから冷やさなきゃ」
山城「提督に痛みを移すので動かないでください」
提督「んー、あぁー……」
山城「ああ、不幸だわ……きっと今日はお風呂が水になってたり、話してる時に虫が口に入ったりするのね」
提督「風呂は入る前に確認したらいいでしょ……」
山城「後は話すなと？ わかりました」
提督「いやそこまでは」
山城「……」
提督「山城？」
山城「？」
提督（マジで話さないつもりなのか……）
山城(ｸｲｯｸｲｯ)
提督「外？ ……お昼ご飯？」
山城(ｺｸﾘ)
提督「間宮？」
山城(ﾌﾙﾌﾙ)
提督「……鳳翔？」
山城(ﾌﾙﾌﾙ)(ﾄﾝﾄﾝ)
提督「ああ、ここに持ってきて食べるのね……じゃあ買いに行きますか」
山城「私はカツ丼でお願いします」
提督「いや普通に喋るんかーい」
山城「やめてください。提督は私から睡眠という幸せまで奪うつもりですか」
提督「起こしづらくなる言い方やめて……」
山城「いいじゃないですか。どうせ今日は朝から起きてもやることなんて……」
提督「まぁそうなんだけどね。規則正しい生活を心掛けないと」
山城「……明け方まで運動に明け暮れるのが規則正しい生活だと？」
提督「……ふふっ、2度寝しちゃおっかな」
山城「同じ布団に入らないでください。狭いです」
提督「あ、ごめんね……」ｲｿｲｿ
山城「……引き直すの、手間ならこっちでいいです」
提督「いいよいいよ、大丈夫」ﾊﾞｻｯ
山城「……」ﾓｿﾞﾓｿﾞ
提督「ちょっと山城さん？ 俺の布団が急に狭くなったんだけど？」
山城「気のせいじゃないですか？」
提督「えぇ……」
山城「……」ｷｭｯ
提督（柔らかい手……）ﾆｷﾞﾆｷﾞ
山城（提督の背中、暖かい……）