咲耶「いやいや、そうではないよプロデューサー」
P「？」
咲耶「喫茶店などで一杯どうかな」
P「珍しいお誘いだ。ちょうど近くにラピッドハウスっていう喫茶店が出来て気になってたんだよ」
咲耶「私は道連れかい？」
P「そう言わないでくれ。世は情けだろ？」
咲耶「一理ある、付き合うよ。誘ったのは私だけども」
P「そうこなくちゃ」ｶﾞﾀｯ
ｲﾗｯｼｬｲﾏｾ-
咲耶「いいね。雰囲気だけで既に良いお店だとわかる」
P「落ち着くな。これは度々世話になるかもしれん」
咲耶「おや、だとすると鉢合わせになってしまうね」
P「まあ味次第かな」
咲耶「貴方はすぐそうやってハシゴを外すね……」
P「気のせい気のせい」
ﾌﾞﾙ-ﾏｳﾝﾃﾝﾄｷﾘﾏﾝｼﾞｬﾛﾋﾄﾂ
ｱﾄｼﾌｫﾝｹ-ｷﾌﾀﾂ
ｶｼｺﾏﾘﾏｼﾀ-
P「それで？」
咲耶「うん？」
P「改まって外に誘うなんて、何か話すことがあるんじゃないのか？」
咲耶「いいや、特にないよ」
P「……そうなの？」
咲耶「うん、ないね。貴方とこうしてお茶したかっただけだ」
P「そ……っか。まあ咲耶が俺に相談事なんてなぁ。お前さん、年相応以上にしっかりしてるし、俺も安心して――」
咲耶「そこだよ」
P「えっ」
咲耶「貴方は他のアイドルとは比較的多くコミュニケーションをとるのに、私とはあまりこういったことをしてくれない」
P「……そうだったか、すまん」
咲耶「いや、いいんだ。理由は概ね把握していたからね。事務所では私が一番手が掛からないと思っているんだろう」
P「まぁ……」
咲耶「信頼の証として受け取っておくよ。それは素直に嬉しい」
咲耶「だけど、仕事以外の面でももう少し気にかけてくれると私もパフォーマンスを発揮できる気がするんだけどね？」
P「本当にすまない。ないがしろにしてた訳じゃないんだが……気をつける」
咲耶「私は別に苦言を呈してるんじゃないんだ。ただ……そうだね、嫉妬と言うべきかな」
P「嫉妬……え、嫉妬？」
咲耶「一番最初に事務所で貴方と会ったアイドルは私だろう、プロデューサー」
P「そうだな。その後すぐに真乃とかが来たけど」
咲耶「つまり、私も女だからね。最初の女としては構われ足りないよ」
P「……お前そんな感じだったんだな。全然知らなかったよ……」
咲耶「じゃあこれから知ってほしい。なんなら誰も見たことない私を貴方だけに見せるのもやぶさかじゃない」
P「どういう意味だ？」
咲耶「そのままの意味だよ、ふふふ」
良かった