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針生アナ、チカセン、あわあわ、京ちゃんの
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金髪四姉弟
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一見冷たいけどその実家族思いの長女
しっかりしてそうでちょっと天然の次女
生意気盛りの三女
と暮らすどこにでもいる(どこにでもいるとは言っていない)平凡な高校生
王道っぽくていいですねぇ…誰かss書いて(他力本願)
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同い年なのは双子ということでいいのかな
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腹違いでしょ
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ハヤテのごとくのマリアさんとハヤテみたいなもんか
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いよいよ京ちゃんが女の子苦手男子になりそう
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部活でもパシられて家でも姉が二人とか精神壊れる(確信)
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まこ久ガイト京太郎モモの姉弟
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咲さんが遊びに来ると3姉妹に冷やかされる京ちゃん
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えりちゃんにイケメンの弟がいるとか三尋木プロが放っとかないわ
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>>10
ピンポーン
えり「残業から帰ってきたばかりなのに……。 ごめんなさい京太郎、見てきて」
京太郎「はいはい…」
咏「おーキミがえりちゃんの弟くんかー。 ウンウン背が高いしかっこいいねぇ」
京太郎「どうま」
えり「……三尋木プロ、タクシー代なら出すから帰ってくださいよ」
咏「ふーんそんなこと言うんだねぃ。 あ、弟くん実はえりちゃん酔うと弟くんについて色々と……」
えり「分かりました、泊まっていいですから……」
咏「やーりー!」
京太郎「それで姉さんが俺にどうしたんです?」
咏「あ、聞きたい?」
えり「京太郎、聞かないで下さい!」
こんな感じですか分かりません><
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workingみたいに姉妹のお世話で胃を痛めてそうな京ちゃんですね
優しく手伝ってくれるのチカセンくらいかもしれない
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>>11
いいゾ〜これ
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前に金髪兄弟のSSあったけど途中で終わったんですよね…
ちょくちょく金髪キャラが親戚のSSとかありますけどもっと見せて
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えり姉さんがそれとなく三尋木プロとくっつけようとしてくる
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>>11
やりますねぇ!
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こういうのでいいんだよこういうので
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龍門渕家と親戚関係そう
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下2人のやんちゃっぷりと上2人のしっかり者っぷりいいゾ〜
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スーパーマーケゥト
京太郎(えり姉さんから夕飯の買い物頼まれたんだよな、ビールと豆腐と…)
誓子「おーい京太郎!」ブンブン
京太郎「誓子姉ちゃん! どうしたの買い物?」
誓子「その通り、今日は卵の特売日だから買いにねー。 京太郎もキチンとカゴに入れてるね、よろしい!」
京太郎「ははーありがたき幸せー!」
誓子「ふふふ。 父さんも母さんも姉さんも忙しいから私たちで出来ることはしないとねー」
誓子「ほら京太郎、私のカゴも持って」
京太郎「はいはい」
誓子「それで私は京太郎の腕にくっつくから!」ギュッ
京太郎「姉ちゃん!?」
誓子「おっ、また太くなってる筋肉ついたね京太郎」フムフム
京太郎「姉ちゃん恥ずかしいって///」
誓子「えーダメ?」
京太郎「(俺の腕に姉ちゃんの胸が当たってるから)ダメ」
誓子「仕方ないなあ。 ところで夕飯は茶碗蒸しでいい?」
誓子「揺杏から美味しい茶碗蒸しのレシピ教えてもらったから一緒に作ろ!」
意外と家族には甘える感じのチカセンも可愛いと思うんだ
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>>20
ええぞ!ええぞ!
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曇らせたい
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>>20
部活ではしっかり者のチカセンが家では家族に甘えるとかのんのんびよりのほたるんみたいでイイゾ〜これ
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淡が姉ポジってのも珍しい
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たのしそう
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姉三人の荷物持ちをさせられる京ちゃんとか
上の二人はちゃんとご褒美くれそう
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ssのイメージで京淡はあわあわがお姉さんぶるのが定着してる
京太郎二月生まれだし
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双子でいいと思いますね
その上で姉ぶるのがいいと思います
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【喧嘩する双子ほど仲が良い?】
アリガトウゴザイマシター
誓子「次行くぞ次ー!」
京太郎「おい……少しはチカ姉さんも持ってくれよ」
えり「そうよね、全部持たせるのは悪いわ」
誓子「いいのいいの!普段から麻雀教えてあげてるし、それに弟が姉の雑用をするのはおかしくないでしょ!」
淡「そーだそーだ!もっと姉を敬え-!」
京太郎「お前は姉じゃねぇ!」
淡「私が先に頭出したんだからきょーたろーが弟で私がお姉ちゃんって言ってるでしょー!」
京太郎「うるせえ!そもそも姉らしいこと何一つしてないだろ!」
淡「麻雀下手っぴなきょーたろーに麻雀教えてんじゃん!」
京太郎「『ズゴーン』とか『ドカーン』でわかるわけないだろ!」
淡「きょーたろーが下手っぴだから理解出来ないだけでしょ!」
えり「もう、恥ずかしいからやめなさい」
淡「きょーたろーの姉への敬いが……」
京太郎「こいつが下手下手うるさいから……」
えり「はぁ……喧嘩するほど仲が良いと言うのですがね……」
淡・京太郎「「良くない!!!」」
えり「仲良いじゃないですか」
淡・京太郎「「真似するな!!!」」
誓子「むぅ……」
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>>29
淡と京太郎が同じ土台で張り合うのイイゾ��
えりさんのクールっぷりと意外Sなチカセンもいいね
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>>11
いいゾ〜これ
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このSSが続いたら10年ぐらい購読できそう
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上二人は京ちゃんが彼女連れてきたら喜びそう
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続きあくしろよ
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透華が遠い親戚でエイスリンがホームステイにやってくる流れだなコレは
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やだ!
小生キャップいないとやだ!
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美穂子はお母さんだから……
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キャップに兄弟姉妹がいたらあんな空気読めないわけないし
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キャップをどう扱えばよいのか
従姉妹ですかね?
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京「えり姉ちょっと勉強見てくんない?」
え「あぁ、後10分待って京ちゃん。この仕事だけは終わらせちゃいたいから」カタカタ
誓「ちょっと京太郎、何でいつもえり姉さんに頼むのよ!たまには私に頼んでくれてもいいのよ?」
京「保健体育のテストなんだけど誓子姉に頼んでもいいの?」
誓「……京太郎のエッチ///」
京「なんでだよ!!」
淡「キョータロー!勉強なんて後でもイーじゃん。ゲームの対戦に付き合ってよー」
京「淡だって明後日テストだろ。俺のクラスは明日なの!」
淡「キョータローがテスト内容教えてくれればラクショーだよ」
京「男女じゃ内容違う所もあるんじゃないか流石に…」
淡「えー、そーなのー…じゃあチカちゃん勉強教えてー」
誓「えっ私?京太郎と違って淡は素直ねー」フフン
京(なぜ得意げに……)
淡「だって保体ならチカちゃん無駄に詳しそうだし」
誓「どういう意味よ!」ガタッ!
淡「逆にえりちゃんそういうの全然知らなさそうだし」
え「どういう意味よ!!」バンッ!!
こんな感じの下さい(切実)
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いいよね姉をちゃんで呼ぶの
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あらいいですね〜
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京太郎「おらっ!7連鎖だ!」
淡「あわっ!?……また負けた〜」
京太郎「よっしゃぁ!どうだ!」
淡「弟のくせにあたしを負かすなんてナマイキ!」
京太郎「1回くらい勝ってから言ってくれよな〜、弟に3連敗している”お姉ちゃん”?」
淡「ぐぬぬ……桃鉄で勝負だ!」
京太郎「上等だ!二度と姉を名乗れないようにしてやる!」
ガチャッ
誓子「おっ!楽しそうだな!あたしも混ぜてくれよ!」
淡「おーけー!このナマイキな弟に姉の恐ろしさを思い知らせてやろうよ!」
えり姉が関係修復に苦労するのは別の話
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京ちゃんはえりちゃん似で
あわあわはチカちゃん似でバランスもいい
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ミーンミーン
淡「おーい、キョータロー、起きろー♪(ドスンドスン)」
京太郎「うぐっ! なんだよ、人が安眠してるときに……重いっつの」
淡「……いま、なんつった?(ググッ)」
京太郎「何も言ってない何も言ってない。起きてやるから首はやめような首は」
京太郎「んでなんの用だよ」
京太郎「せっかくの夏休み、午前中ぐらいは寝かせてくれっての」
淡「知らなーい。えりちゃんが困ってるんだってさー」
京太郎「えり姉が? それで俺が呼ばれるなんて、珍しいな」
淡「台所でうんうん唸ってたから、たぶん、料理がらみ!」
京太郎「あー……なるほどな」
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トコトコ
誓子「お、やっと起きたか。遅いぞー京太郎」
京太郎「おはよう、チカ姉……」
京太郎「遅いも何も、あれ以上早く起きるのは無理だって」
淡「私の起こし方がよかったもんねー♪」
京太郎(イラッ)
京太郎(いかんいかん落ち着け俺。えり姉の冷静さを見習おう)
誓子「それで、私たちが京太郎を呼んだ理由はもう知ってる?」
京太郎「いや、まだなんにも聞いてないよ」
誓子「ふむ。そかそか……」
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誓子「簡単に説明すると」
誓子「お姉ちゃんが三尋木さんからお中元をもらったんだけどね」
誓子「それがちょっと手の付けられない食材で……」
京太郎(なるほど。えり姉、料理苦手だもんなぁ)
京太郎「しかしさ、その食材ってのはチカ姉でもどうにもならない代物?」
誓子「うん。実はさっき私もお姉ちゃんに呼ばれたんだけどね」
誓子「一目見た瞬間、これは京太郎案件だなと判断した所存です(ビシッ)」
京太郎「それはまた責任重大で……」
淡「あれはねー、さすがの私でもちょっとキツいんじゃないかなー?」
京太郎「お前には最初から期待してない」
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ガララッ
京太郎「おはようえり姉。って、うわっ、ナニコレ!?」
えり「おはよう京ちゃん……見ての通りよ」
京太郎「よ、予想以上に黒いし、あと長いね……つーか五匹も同時に見たのは生まれて初めてだ」
えり「実はさっき、興味本位で触ってみたりしたんだけどねー」
えり「ヌメヌメ感がすごかった。この触感、一週間は忘れられなさそう、うぅぅ……」
誓子「お姉ちゃん、しっかり!」
京太郎「――よりによって三尋木さん、なんで生きたままのウナギなんて送ってきたの?」
えり「知らないわよ、あの人の考えることなんて。どうせ嫌がらせ半分じゃないの。ふん……」
京太郎(うわあ。やさぐれちゃったなぁ随分)
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誓子「というわけで」
淡「えりちゃんにウナギをおいしく食べてもらって」
誓子「私たち家族の団結力を育むとともに」
淡「この夏を元気に乗り切ってもらおう大作戦、今をもって発動!」
京太郎「……それはそれでいいんだけどさ」
京太郎「二人とも、ウナギの調理法とか知ってる?」
淡「そんなの、ズバーってやったらいいんじゃないの?」
京太郎「お前は黙ってろ」
誓子「さっきちょっとネットで調べたんだけどね……」
誓子「ふ、ふふふっ(苦笑)」
京太郎「無理そうだったんだ」
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数十分後...
京太郎「動きが鈍ってきた。そろそろ料理に移れるかな」
えり「へえ。ウナギって氷水に浸けたらちゃんとおとなしくなるのね」
京太郎「いや、魚なら普通はそうだよ?」
えり「……魚って、水の中なら何度でも生きていけるんだと思ってた」
京太郎「またひとつ勉強になったね」
淡「おーい! 淡ちゃん特製ウナギ用まな板、完成したぞー!」
えり「あら、淡ちゃんご苦労さま。いい出来じゃない」
京太郎「倉庫にあったベニヤ板切って洗っただけだけどね」
京太郎「そもそも板を切ったのは俺だし。お前は洗っただけだろ」
淡「なんだそれ! 人に仕事押し付けといて、その言い草!?」
京太郎「どうせお前は単純な仕事しかできないんだからいいだろ、単純バカ!」
淡「……よ、よーし。キョータローは淡お姉ちゃんに喧嘩売りたいわけだ」
淡「死ぬ覚悟、できてるんだよね?」
京太郎「わかったから、役立たずのお姉さまはおいしく食べる準備だけしといてくれ」
淡「〜〜〜ッッッ!!!」
えり(ううむ。仲裁したいが、役立たず一号としてはたいへん耳が痛い)
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グツグツ
誓子(あっちのほうはみんな楽しそうだなあ)
誓子(かば焼きのたれを作ってくれって頼まれたけど)
誓子(こんなの、なんにも難しいことないじゃない)
誓子(京太郎だけ楽しそうにしちゃって。むかつく)
京太郎「よし、それじゃ料理始めるか」
誓子「……あのさー、たれ作りは一段落したから、見学してていい?」
京太郎「あ、チカ姉もう終わったのか。さすがだなー」
京太郎「それじゃ、俺の料理におかしいところがないか見ててくれるとすごく助かる!」
誓子「へっ?」
誓子「う、うん。お、大船に乗ったつもりで、お姉ちゃんに任せときなさい!」
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京太郎「よっし、それじゃ串打ちからっと……こら、こいつ、暴れんなっての」
京太郎「このへんかな、っと!(グサッ)」
誓子(ビクッ!)
京太郎「次は、中骨に当たるまで包丁入れてっと。あ、このへんかな?」
京太郎「あとは尾っぽに向かって包丁すべらせて……(ザザッ)」
京太郎「うわっと、けっこう血飛び散るもんだな」
誓子(ビビクンッ!!)
京太郎「あとは中骨と肝を出してから血を削れば捌きは完了かな」
京太郎「おっ、予想よりもうまくいきそう!(ザックザック)
誓子(サーッ)
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誓子(バタン)
淡「ち、チカちゃんっ!?」
えり「誓子ちゃん!」
京太郎「え、ちょ、チカ姉、大丈夫なのか!?」
えり「この子、生き物の血見るのあんなに苦手なのに。無理しちゃって」
京太郎「見学なんて言うから、てっきり克服できたとばかり思ってた……」
淡「……うん。熱はないし脈も普通。変な病気とかじゃなさそう」
淡「でも心配だから、私チカちゃんのこと見てるね」
えり「ありがとう。変わったことがあったらすぐ言うのよ?」
京太郎(チカ姉、大丈夫かな)
京太郎(こんな状況なのに、ウナギを捌くしかやることがないこの無力感……)
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ジュージュー
誓子(んん……いいにおい……)
誓子(甘くてしょっぱくて、食欲がそそられるような……)
グゥゥゥゥゥ...
誓子「ッッッ!?(ガバッ)」
淡「あっ、起きた! チカちゃんおっはよー!(ギュッ)」
京太郎「おー、大きい腹の音だな。チカ姉の分も沢山あるから安心していいぜ!」
えり「こら京ちゃん。女の子にそういうこと言わないの(モグモグ)」
誓子「え、えっと、あの///」
誓子「きょ、京太郎、さっきのこと全部忘れろーッ!!!」
京太郎「なななんで俺だけ標的!?」
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十数分後
えり「ふーむふむ。さすがに三尋木プロが送ってくるだけあって美味(モグモグ)」
えり「あんな人でも、同僚を思いやる心はあったんだなあ……(ホロリ)」
淡「よかった。えりちゃん嬉しそうだねー」
京太郎「頑張って料理した甲斐があったってもんだな」
誓子「高級品だからいつもは躊躇しちゃうけど」
誓子「自分たちで料理したぶん、罪悪感なく食べられるのがいいよねー(モグモグ)」
京太郎「よく食うなチカ姉。もう一人前あるから、よかったら食べていいけど」
誓子「こら。私がまるで食い意地張ってるみたいな言い方しないの」
ピンポーン
えり「あれ、来客かしら。ちょっと出てくるわね」
-
ガラガラッ
三尋木「えりちゃん、おーっす」
えり「え、えええっ?」
三尋木「おやぁ、三姉妹も出迎えお疲れさま。おっと、京太郎くんは姉妹じゃねーや、はは」
京太郎「あ、どうも。ご無沙汰しております!」
誓子「このたびは貴重なお品を頂きまして……」
えり「二人ともストップ。あのですね、三尋木プロ」
えり「どうしてわざわざここに?」
三尋木「んなの決まってるじゃんか。もうすぐ夏真っ盛りだし」
三尋木「ウナギの蒲焼きでもご馳走になろうかねぇ、って思って来たわけじゃん?」
えり(イラッ)
三尋木「ウナギなんてさーぁ、私じゃ料理の仕方わかんねーの」
三尋木「それで、とりあえず強引にえりちゃん家に送っとけば」
三尋木「なんやかんや、誰かがおいしく料理してくれると思ったわけさ! 大正解!」
三尋木「どうせ、もう一人前ぐらい残ってるっしょ?」
えり(プチッ)
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えり(〜〜〜!!!)
三尋木(〜〜〜???)
えり(ッッッ!!!)
三尋木(………♪♪♪)
えり(………………)
淡「えりちゃん、脱力してる。なんで?」
誓子「あの二人はいっつもあんな感じだから」
誓子「私たちは気にしなくてもいいと思うよ」
淡「ふむぅ……変なのっ」
京太郎「結局、えり姉には苦労かけただけだったな」
誓子「そんなことないよ。さっきまで美味しそうに食べてたもの」
京太郎「んー、言われてみれば確かに……」
京太郎「よし! せっかくだし三尋木さんも入れるつもりで、他の料理も準備しとくか!」
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すばら
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これは良いSS
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いいゾ〜これ
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ミーンミーン...
淡「たいくつ」
京太郎(カリカリ)
淡「たーいーくーつー」
京太郎(カリカリ)
京太郎「……あれ?」
京太郎「チカ姉、解なしになっちゃったんだけど」
誓子「んーとね。たぶんaが負のときの場合分けを忘れちゃってると思う」
京太郎「あ、そっか。ありがと(カリカリ)」
淡「……たーいーくーつー!!!」
京太郎「うるっさいな、もう」
京太郎「お前も真面目に勉強しろ。せっかくチカ姉が教えてくれてんだから」
淡「むー」
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淡「だって、わかんないもんはわかんないんだもん!」
淡「だいたい、私のスーパーな頭脳は麻雀のためにあるわけだしさー」
淡「二次関数ってナニ?って感じだよね」
京太郎「赤点取りたくなかったら、今すぐ口閉じて勉強しろ」
淡「なっ、なんだよその言い方!」
誓子「……ふぅ」
誓子「勉強始めてもう三時間か。確かに疲れてくる頃だよね」
誓子「いったん休憩にしましょう。西瓜を切ってくるね」
淡「やった、チカちゃんラブー!」
淡「私も手伝うよ!」
スタスタ...
京太郎「ったく。来週には試験だってのに呑気な奴」
京太郎「追試喰らったら予選出られなくなるってわかってんのか」
京太郎「……まぁ、休憩するにはいい頃合いか」
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数十分後
淡「んー、気持ちいー(ゴロゴロ)」
京太郎(ウトウト)
誓子「あはは。みんな、すっかりだらけちゃったね」
淡「好きなだけクーラー使っていいって最高!」
淡「えりちゃんには大感謝だねー♪(ゴロンゴロン)」
ガララッ
えり「"勉強するなら使ってもいいよ"って、条件だったけどね?」
淡(ビクッ!)
京太郎(ガバッ!)
えり「……ふふ。あははっ」
えり「別に怒ってないから安心して。みなさん勉強ご苦労さま」
えり「誓子ちゃん、西瓜を一切れくださいな」
誓子「ははっ。どうぞどうぞ」
えり「ありがと。あー、涼し♪(シャクシャク)」
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淡「えりちゃん、海行きたいなー、海!」
京太郎「お、おい、淡!」
えり「あら、ずいぶん唐突な提案ねぇ」
えり「……ふーむ。海かぁ」
淡「みんなで行こーよ!」
誓子「昔家族で行ったっきりだもんね。懐かしいな」
えり「でも、今年の夏もインハイ実況で忙しくなるのよねぇ」
えり「行きたいのはやまやまだけど、私はパスかしら」
えり「別にダメってわけじゃないから、三人で楽しんでらっしゃいな」
淡「ぶー。冷たい」
京太郎「あのな、お前だって麻雀部として、やるべきことがあるだろ?」
京太郎「これから忙しくなるのは、俺たちだって同じなんだ」
誓子「そうね。淡はうちのエースなんだから、頑張ってもらわなきゃ」
淡「それは、そうだけど……」
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淡「……ぐすっ」
淡「なんか、高校入ってから忙しくなったよね」
淡「勉強も難しいし、部活も厳しいしさ」
淡「たまにはみんなで、ぱーっと遊びに行きたいなぁ……」
誓子(ドッキーン)
誓子「ま、まあ、気分転換もたまには必要だよね!」
京太郎「チカ姉!?」
淡「チカちゃん!」
誓子「えーと。海は無理かもだけど」
誓子「テストが終わったら、せめてみんなでプールにでも出かけようか?」
淡「わーい! さんせーい!」
京太郎「ったく、もう……」
京太郎「まあ淡のことだからな」
京太郎「たまにのガス抜きは必要か」
-
淡「……ぐすっ」
淡「なんか、高校入ってから忙しくなったよね」
淡「勉強も難しいし、部活も厳しいしさ」
淡「たまにはみんなで、ぱーっと遊びに行きたいなぁ……」
誓子(ドッキーン)
誓子「ま、まあ、気分転換もたまには必要だよね!」
京太郎「チカ姉!?」
淡「チカちゃん!」
誓子「えーと。海は無理かもだけど」
誓子「テストが終わったら、せめてみんなでプールにでも出かけようか?」
淡「わーい! さんせーい!」
京太郎「ったく、もう……」
京太郎「まあ淡のことだからな」
京太郎「たまにのガス抜きは必要か」
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淡「あ、だったら新しい水着買いたいな!」
淡「なんつーかこう、ズバー!って感じの水着着てみたいんだ!」
誓子「ず、すばー?」
京太郎「全然わかんねーっつの」
京太郎「頼むから日本語で表現してくれ」
淡「あーもう。めんどくさいヤツだな、キョータローは」
淡「それじゃ今度一緒に水着買いに行こ。どうせだし、あんたも選ぶの手伝ってよ」
京太郎「ん、まあ、俺は構わないけど」
誓子(……ん?一緒に水着を選ぶって、つまりそういうこと?)
えり(選ぶのを手伝われるというのは、すなわち****な姿を見られるということ)
誓子「えっと京太郎」えり「あのね京ちゃん」
誓子「私たちも水着選びを」えり「手伝ってもらってもいいかしら?」
京太郎「はっ!? い、いや、えり姉はそもそも忙しいはずじゃ」
えり「気が変わったの。それで、直近の空いている日はいつ? できれば土日で」
京太郎「え、ええと、来週の土曜日は大丈夫かなぁ……」
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多重投稿については本当に申し訳ないと思っております
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なんて素晴らしいんだ・・・(恍惚)
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ほんの思いつきで立てたスレがえらいことになってる…
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>>70
早く書くんだよおう
あくしろよ
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誓子「ふぅむ……」
誓子「数学の赤点二つはともかくとして」
誓子「英語までこんな出来とは思わなかったな」
淡「え、えと、えーとね、チカちゃん」
淡「じゃなくて、誓子お姉ちゃん」
淡「これにはねー、夏の海も真っ青になるほどの深い深ーいワケがあるんだよー?」
誓子「黙らっしゃい」
淡(ビクッ)
誓子「……はぁ」
誓子「大丈夫だって言うから、せめて高校最初の定期テストは見守ってあげようって思ってたのに」
淡「う。ごめんなさい。あの、わたしっ」
誓子「とにかく!」
誓子「こんな成績では夏の予選には出してあげられないからね」
淡「……え?」
-
淡「ち、チカちゃん、いくらなんでも」
誓子「聞いて淡。この麻雀部はあなただけのものじゃないんだよ?」
誓子「みんなね、この夏に備えて全力を尽くしてきたの」
淡「……」
誓子「ごめんね」
誓子「ひどいこと言ってるのは私もわかってるけど」
誓子「あなたの姉として、そして麻雀部の部長として」
誓子「今のあなたをメンバーに加えるわけにはいきません」
淡「そんな。ひどい、よ……」
誓子「私は真面目だよ」
誓子「ずっと言ってたはず。淡は今のままじゃ何かが足りないんだって」
淡「うぅ、ぐすっ」
淡「ごめんなさい、チカちゃん……!」
ダダッ
誓子「あっ……行っちゃったか」
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数分後のリビングにて
淡「うぅぅっ……えぐっ……」
淡「ぐすっ……」
京太郎「あー、まあ、いや」
京太郎「そんな落ち込むなって」
京太郎「……なんて言っても無駄か」
京太郎(どうしよう。この状況を打開できる気がしない)
京太郎(そもそも、なんて俺んとこ来たんだよ、こいつ)
淡「――あのさ、キョータロー」
京太郎「お、おぉぉ、おう!?(ビクッ)」
淡「なにキョドってんのさ。気持ちわるー♪」
京太郎「うるっせーな」
京太郎「だいたい、様子がおかしいってんなら、おまえのほうがよっぽどおかしいだろ」
淡「う。まぁ、それは、確かに……」
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みんなかわいい
-
淡「き、キョータローはいいよねっ!へったくそのくせに!」
淡「夏の大会、レギュラーの補欠の雑用の代理の補佐で出させてもらえるんだって?」
京太郎「お前さ、もうちょっと言葉を選ばないと、さすがの俺も怒るぞ?」
淡「いいじゃん。そんな埃掃除みたいな役目だって、チカちゃんの役に立てるんだしさー...」
京太郎(イラッ)
京太郎(いや。ここで怒ってちゃいけないんだ、俺)
京太郎「……あのさ、淡」
淡「なに?」
京太郎「やっぱり、お前はレギュラーで出るべき選手だと思うよ」
京太郎「実力からいっても絶対そうだ。俺なんか足元にも及ばないからな。ははっ」
淡「……そんなの、言われなくたってわかってる」
淡「なんでそんなこと言うの。ムカつく」
京太郎「決まってるだろ。インターハイでお前の活躍が見たいんだ」
淡「えっ?」
京太郎「チカ姉が俺と同じ気持ちだって、お前は知ってたか?」
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もう始まってる!
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淡「……うん。キョータローが言いたいことは、本当はよくわかってるよ」
淡「わかった。まだちょっと怖いけど、私、もう一度チカちゃんと話してみる」
京太郎「おう」
京太郎「あと、これは俺の勝手な予想だけどな……」
淡「なに?」
京太郎「たぶん、チカ姉はお前のことそんなに怒ってないと思うぜ」
京太郎「頭に血が上りやすいとこあるしさ、チカ姉って」
京太郎「ちゃんと話せば絶対にわかってくれるさ!」
淡「……ハッ。つまんないの。バーカ」
京太郎「は!? バカってのはどういう了見だ!」
淡「アンタなんかに言われなくても、チカちゃんの考えてることなんて知ってるの」
淡「わかったような顔すんなよ。ムカつくってのー(スタスタ)」
京太郎(……よかった。いつも通りの淡が帰ってきたな)
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トコトコ
淡「あ、えりちゃん」
えり(ビクゥッ!)
えり「あ、あらら。えらいタイミングで会っちゃったわねぇ」
えり「さっきすれ違った誓子ちゃんが、すっごく神妙な顔してたものだから」
えり「てっきり何か大事件が起こったものかと……(しみじみ)」
淡「あのねえりちゃん」
えり「は、はいっ!?」
淡「私さ、えりちゃんって本当にすごい人だと思うんだ」
えり「……え、ええと、その心は?」
淡「お姉ちゃんの、お姉ちゃんだからだよっ♪」
スタスタ...
えり(ううむ)
えり(それってつまり、喜んでいいんだろうか、私?)
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コンコン
ガチャッ
淡「お邪魔しまーっす♪」
誓子「……あはは。せめて一言あってほしかったなぁ」
淡「いいじゃん。チカちゃんと淡ちゃんの仲でしょー?」
誓子「まあね。お茶を出すから、どうぞそこに座ってくださいな」
淡「はーい♪」
誓子「それでね、淡」
誓子「あなたも気づいてると思うけど――」
淡「ストップ!!!」
誓子「!?」
淡「それから先は言わないで、チカちゃん」
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淡「あのね、もうすぐインハイっていう、やっとこの時期になって」
淡「ようやく私のバカさに気づきました、反省してます」
淡「チカちゃんが怒ってた理由も納得できます」
淡「――でもね私、それでもチカちゃんの役に立ちたいんだ!」
淡「約束します! 私、追試では全科目100点取ります!」
淡「だから、夏の大会で私をメンバーに加えてください!(ガバッ!)」
誓子「はーぁ」
誓子「淡のことだから、こういうことを言ってくるのは予想してたけど」
誓子「どうせ無理だなんて思うと、どうしても乗る気が薄れるというか」
淡「そそそんなことないって!」
淡「淡ちゃんにかかったらテスト100点なんて余裕だって!」
誓子「……おっ。言ったな?(ニヤニヤ)」
淡「え」
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誓子「淡は本当にすごいよね。ナチュラルに振る舞いながら、いつも「最強の人間」って感じなんだよ」
誓子「あのね。実際のところ、こういうのって私がどうこうできる問題じゃないと思うんだ」
誓子「でも、私は淡のことが好き。家族としても、雀士としても」
淡「へっ……へっ!?」
誓子「たぶん、私は選手としてあなたを推薦します」
淡「あの、わ、わた、わたし……?」
誓子「全力を尽くすんだよ。淡」
誓子「今年の夏は、たぶんあなたにとって最高の夏になると思うの」
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淡「……あの、結局さ、チカちゃんは私のことをどう思ってる?」
誓子「あはは。よくそんなこと訊くよねー」
誓子「もちろん、姉妹として大事に思っています」
誓子「……この前の発言は、本当に申し訳ないと思っております」
淡「――うん。私も悪かったと思ってる。ごめんね、お姉ちゃん」
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いいねいいね
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ええキャラのバラけぐあいの兄弟姉妹やこれは……
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プシュッー
淡「いよっし、やっと着いたぞ、東京ーッ!」
淡「観光したーい!」
淡「ゲーセン行きたい、服買いたい!」
京太郎「全部却下」
京太郎「バカ言ってないでさっさとホテル行くぞ」
淡「ぶー。キョータロー、ノリ悪ーい」
京太郎(イラッ)
京太郎「お前な。自分の立場、マジでわかってんのか!?」
淡(ビクッ)
淡「いや、まあ、そんな怒らなくてもいいじゃん?」
京太郎「いいか。あれからチカね……じゃない、部長がみんなに頭下げて回ってくれたおかげで」
京太郎「追試喰らってんのに特例でお前もインハイ出られることになったんだぞ!」
京太郎「恩を仇で返すようなことはするなよ。頼むから」
淡「な、なんだよその言い方! お前なんかクソ雑魚のくせに!」
-
三年A「おーおー。淡と京太郎がまたなんか喧嘩してら」
二年A「あれ、最初はちょっとバイオレンスすぎて驚きましたけど」
二年A「何度も見てるうちに慣れちゃいましたよねー」
京太郎「いや、あのっ、バイオレンスなことは一度もしてませんからね俺!?」
三年A「真正面から正論ぶつけるのは言葉の暴力だよ。はんたい、はーんたーい!」
京太郎「……はぁ。もうっ」
京太郎「あのですね!」
京太郎「こいつが練習サボって損するの、結局先輩たちなんですよ?」
三年A「んー。そりゃそうだけどさぁ」
三年A「淡、東京来るの初めてなんだろ?」
淡「う、うん。そうだけど」
三年A「だったらさ、今のうちに目一杯観光したいって気持ちはわかるよ」
三年A「一日スパッと遊んじゃったほうが精神的にいいんじゃね、淡みたいなヤツの場合」
淡「おぉ、話わかんじゃん先輩っ!」
京太郎「えーと……マジすか?」
-
三年B「……それでですね部長。我々の一回戦の開始時刻には既に――」
誓子「ふぅむなるほど。それなら朝にミーティングを――」
誓子「ん、ごめんね、ちょっとストップ。なんだかあっちが騒がしいような?」
スタスタ
誓子「どうかした、みんな?」
誓子「何か問題があったのなら言って頂戴ね」
淡「あ、チカちゃんっ! それがね!」
京太郎「部長! それがですね!」
かくかくしかじか
誓子「ふーむ。いわゆる"一年生が東京観光したくてたまらない問題"が、今年も勃発したというわけですね(チラ)」
二年A(ギクッ)
二年B(ビクンッ)
誓子「……あはは。こればっかりはどうしようもないよね」
三年B「ですね。二年前の私たちのことを思うと、こればっかりはどうにも」
-
誓子「まぁみんな、移動の疲れもあることでしょうし」
誓子「今日だけは部員全員、休養日ということにしましょうか!」
京太郎「え」
淡「やったー! チカちゃん最高!」
誓子「もちろん、休養日なのは事実なんだから」
誓子「逆に観光しすぎて疲れを溜めてしまう、なんてことのないように!」
三年A「へへ。りょーかーい(チラッ)」
二年A「……わ、わかってますったら。私はホテルで英気を養うつもりです!」
誓子「うむ。真面目でよろしい」
誓子「だけど、根を詰めすぎないように気をつけてね?」
二年A「……ご心配なく部長。今年こそ期待に応えてみせます」
三年A「つまり今年は、去年みたいに半分寝ながらでも勝てる秘策があるってことか?」
二年A「(イラッ)先輩こそ今日は牌効率の練習してください。あなたは元々寝てるも同然のスピードじゃないですか」
三年A「な、なにおうっ!」
誓子「どーどー、二人とも。さっそく仲間割れしないの」
-
わいのわいの
淡「チカちゃんて、やっぱいい部長さんだよねー」
京太郎「そう思うなら、せめて部ではタメ口やめろっての」
淡「私はいいんだよ。いつも常時マックスフルリスペクトだもん」
京太郎「意味わかんねぇよ」
わいのわいの
淡「チカちゃんがああやって和気あいあいしてるの、実はちょっとムカつくけど」
京太郎「それは仕方ないだろ」
京太郎「麻雀部としての付き合いは、先輩たちのほうがずっと長いんだから」
淡「チカちゃん、もう三年なんだよね」
京太郎「うん。今年で最後のインハイになるんだな」
淡「――やっぱ東京観光やめて、ホテルで練習しよっかなぁ」
京太郎「おぉ、淡らしからぬ真面目発言!?」
淡「……キョータローさ、ひっぱたかれるのと、ちぎられるのどっちがいい?(ギロ)」
京太郎「ごめん失言だった」
-
スタスタ
誓子「京太郎、淡。二人も移動ご苦労様」
京太郎「あ、部長もお疲れ様です」
京太郎「さっきは淡のやつが迷惑かけてすいません」
淡「ちょっ、私ばっか悪者扱いじゃんそれ!」
京太郎「だって結局、お前のワガママが通っただけじゃねーか!」
誓子「……はいはい、こっちの二人も落ち着いて(グリグリ)」
淡「う、ごめんなさい、いたいいたい」
誓子「今日は休養日にします。これはもう大・大・大決定です。私が決めました」
京太郎「でもさ――」
誓子「まぁ、いきなりの観光御所望にはちょっと驚いたけどね?」
誓子「できれば淡には、もう少しエースとしての自覚を持って欲しいものだけど。ふふ」
淡「う……ごめんなさい」
-
淡「でもさっ、それなんだけどね、チカちゃん!」
淡「私、先にホテルに戻って練習することに決めたから!」
誓子「え」
誓子「あんなに観光したいって言ってたのに?」
淡「私的には、インハイで活躍できないことのほうが大問題なんだ」
淡「それこそあのB先輩に負けたりなんかしたら腹立つしさー」
淡「東京観光は、インハイを圧倒的な成績で優勝して、淡ちゃんが超絶有名人になってからゆっくりやるよ!」
京太郎「デカいこと言うな、相変わらず……」
淡「私自身が超ビッグな存在だからね?」
京太郎「はは。まあそういうことなんで、俺もこいつの練習に付き合うことにします」
京太郎「どれだけ役に立つかはわかりませんけどね」
誓子「あ……そ、そっか」
誓子「そうだよね。元々インハイのために東京に来たんだもんね」
誓子「本当にえらいね、二人とも……」
京太郎・淡(……?)
-
誓子「あのね」
誓子「別にね、私自身は東京観光がものすごくしたいとは思ってないんだ」
誓子「だって去年も一昨年も、ゆっくり東京を観光する機会はあったし……」
誓子「あ、ごめん」
誓子「こんな言い方じゃ、私の言いたいことはわからないか……」
誓子「二人とも、ジブリの映画は子供の頃からよく見てるよね?」
誓子「三鷹って地名は知ってる?」
誓子「実は三鷹というところにジブリ美術館というテーマパークがあってね」
誓子「あっ、ごめん、どうしてもそこに行きたいって意味じゃないの!」
誓子「本当に誤解しないで。一番大事なのはインハイ。これは確かだから」
誓子「ジブリ美術館のもののけ姫特別展示とどっちが大事かなんて。そんなバカなこと私は言わないよ?」
誓子「うぅっ」
誓子「うぅぅっ……」
淡「チカちゃん大丈夫! 私たちはわかってる! 全部わかってるから!」
京太郎「行きたかったんだね! どうしてもそこにだけは行きたかったんだよねチカ姉!」
-
ブオォォン
えり「よし、もうすぐ到着するからね」
えり「お、ひょっとしたらあれが目的地じゃないかしら?」
誓子「……わ! 本当だお姉ちゃん!」
誓子「入口だけでもネットで見たままそっくりだよ、すごい!」
えり「そしたら駐車場はもうちょっと向こうかな。待っててねー誓子ちゃん」
京太郎「……なんでえり姉が車運転してるわけ?」
えり「いいじゃないの。私もずっと前から興味あったのよ、ジブリ美術館」
京太郎「興味があるとか、そういう問題じゃないと思うんだけど」
淡「あのさ、えりちゃん、仕事はどうしたの?」
えり「有給ッ」
京太郎「い、インハイ直前期によくピンポイントで取れたね!?」
-
えり「まあ、アナウンサーの仕事としては」
えり「確かにこの時期は、担当する試合の実況準備とかする必要あるんだけどね」
えり「既に三尋木さんとそのへんは詰めてたから」
えり「"たまたま"今日はオフにしても問題なかったてこと」
京太郎&淡(た、たまたま?)
えり「君たち、心の声が漏れてるわよ」
えり「……そりゃ、今日の有給はけっこう無理して取ったのは事実だけど」
えり(というか主に三尋木さんに無理させてだけど)
えり「それだけのことをしても、あなたたちと今日ここに来たかったのよ」
淡「えりちゃん……」
京太郎「えり姉、ひょっとして、わざわざみんなが集まれるこの日を選んで……」
えり「誓子ちゃん。あなたなら理由をわかってくれるわよね?」
誓子「うん!」
えり&誓子「20世紀ジブリ作品が嫌いな女子なんて、存在しませんからねッッッ!!!」
京太郎&淡「…………はっ?」
-
〜数時間後〜
淡「んー、楽しかったーッ!」
淡「ネコバス乗れたし、トトロもホントに動いてたーッ!」
淡「ってかみんな知ってた?」
淡「ネコバスもトトロも実在したんだよ!」
淡「やっぱり、子供の頃に私が言ってたことのほうが正しかったんじゃん!」
えり「……ふふっ。いいこいいこ」
誓子(なでなで)
淡「お? もっと褒めろー♪(ニコニコ)」
京太郎(淡の奴、すっかりあっち側に取り込まれやがって)
京太郎(だいたい姉さんたちが強引すぎなんだよ)
京太郎(まあ、ごくごく若干ほんの少しだけど俺も楽しかったというのは否定しないが)
京太郎(……衝動買いした紅の豚トートバッグがかわいすぎて、今後使える気がしないのは内緒にしとこう)
-
ブオォォン
淡(zzz)
京太郎(z……z……)
えり「二人ともぐっすり寝ちゃってるなぁ」
えり「もうすぐホテル到着するから、起こす準備しておいてね、誓子ちゃん」
誓子「承知しましたっ」
誓子「今日は送迎までしてもらってわざわざありがとう、お姉ちゃん」
誓子「やっぱり疲れたんじゃない?」
えり「そんなこと、あなたが気にしなくていいの」
えり「……あ、でもね、明日からインハイ実況という激務が始まるんだなーって悲観的な気持ちになると」
えり「今のうちにちょっとは精神的な安息が欲しくなるのは事実かもね、誓子ちゃん?」
誓子「うっ」
誓子(なでなで♪)
えり「私は子供かっ!」
誓子「ごめんなさい私にはこれ以上できることが思い浮かびませんでしたっ!」
えり「はぁ……もうちょっとなんかあると思ってたけど」
えり「出場選手にまでコケにされるとはさすがに予想外だわ。ふふ」
-
えり「そういえば、二年前のことなんだけどね。自分の妹が出場選手になるって聞いて」
えり「最初はどう実況すればいいんだろうなんて思って困ってたもんだけど」
えり「気がついたらもう今年は、誓子ちゃんを実況できる最後のチャンスなのかぁ」
誓子「案外あっという間だったよね」
誓子「今年が最後なんだから、バリバリ応援してよねお姉ちゃん?」
えり「うーむ。私の場合、職業が職業だからね……」
えり「特定のチームを応援するというのは問題がございまして。ふふ」
誓子「あっ、そうでした。ごめんなさい」
えり「……でもね、これだけは覚えてて」
えり「応援はできないけど、きっと私はあなたたちの試合を一番熱心に観戦してあげられると思う」
えり「たとえ勝ったとしても負けたとしても」
えり「最後まで、ずっとあなたたちの試合を見続ける。それだけは約束する」
えり「だから、今年の夏は全力を尽くすんだよ誓子ちゃん。あと後ろの二人もね」
誓子「――はい。今年こそ優勝旗を手にしてみせます」
誓子「本当はその言葉だけで十分なんだ、お姉ちゃん。本当に……ありがとうっ」
-
ちなみにジブリ美術館を訪れるときは事前にチケットを取って
駐車場や交通経路の準備を万全にしてから行くことをおすすめします(血の涙)
-
^〜^〜^〜
-
ジブリ美術館は昔よく行ったなぁ
今でもフィルムのチケット貰えるのかな
-
ガチャッ
誓子「――あ」
えり「お待たせ、誓子ちゃん」
えり「久しぶりね。といってもせいぜい一週間とちょっとだけど。ふふ」
えり「ほら、突っ立ってないで車に入りなさいな」
誓子「うん。ありがと、お姉ちゃん」
ブオォォン
誓子「……」
えり「……」
えり「……(滝のような汗)」
えり(どうしよう。すっっっごく話しかけづらい)
えり(インハイで負けて傷心の妹をねぎらうのが姉の役目だと思って)
えり(遊びにでも連れ出そうとここまで来てみたものの)
えり(冷静に考えてみたら)
えり(かくいう私も、そんな経験は一度もないのであった)
-
誓子「お姉ちゃん、青!」
えり「はっ!?」
えり「あ、ごめんごめん、ちょっと考え事してたわ」
ブルルル
誓子「あのねお姉ちゃん」
えり「は、はいッ!」
誓子「私のことなら、気にしなくて大丈夫だからね?」
誓子「そりゃあ悔しいのは事実だけど」
誓子「去年も一昨年も、先輩たちのこと見てたから」
誓子「負けたときの悲しみ方ぐらい知ってるつもりだよ」
誓子「昨日泣けるだけ泣いてきたから、もう平気」
えり「……ふむ。そういうものか」
えり「やっぱり選手のメンタルってのはすごいわね」
えり「毎年のことだけど、やっぱり驚かされるわぁ」
-
えり「私なんか、あなたたちの試合が気になって、仕事が手につかなかったぐらいだけど」
誓子「あはは。ありがとう、お姉ちゃん」
えり「お礼を言われるようなことじゃないわ」
誓子「でも、そうやって気にしてくれるのは嬉しいよ」
えり(……イラッ)
えり「――あのね、誓子ちゃん。そう思うなら何か言うべきことがあるでしょう?」
えり「今の今まで私、ずーーーっっっと黙ってたんだけど」
誓子「へっ?」
えり「あなたたちね、どうして大会中一度も連絡してこないの!?」
誓子「あ、えぇと、それはですね……」
えり「せめて勝ったときはLINEぐらい送ってきなさいよ!」
えり「というか、なんで毎年インハイの時期になると誓子ちゃんは音信不通になるの!?」
えり「私がどれだけ心配してたのか、わかってるよね。わかってるよね!?」
えり「しかも今年は三人揃って音信不通だし! 私だけ仲間外れかっての!(バンバン)」
誓子「ごめんなさいごめんなさい! あと次の信号赤だから、前見てお姉ちゃん!」
-
もう始まってる!
-
待ってた
-
〜数分後〜
誓子「――理由はかくかくしかじかでして」
誓子「大事なインハイだからこそ、完全に麻雀だけに集中したかったんです」
誓子「そこでお姉ちゃんの声を聞いてしまったりすると、つい気が緩んでしまうというか」
えり「ふぅむ。なるほど」
えり「気持ちはわからないでもない。まぁ、百歩譲って許してあげよう(フンッ)」
誓子(……なんか釈然としないなぁ)
えり「ともかく、今年もご苦労様。よく頑張ったわね」
誓子「うん。ありがとう」
誓子「お姉ちゃんもお疲れ様です。毎年インハイの実況してるなんて、やっぱ凄いよね」
えり「あら、そうかしら」
えり「少なくとも今年は、誓子ちゃんのほうが大変だったでしょうに」
えり「なにせ、部長として出場という重圧に加えて」
えり「一年生に問題児を二人も抱えてしまったものねー」
誓子「あははっ
誓子「実はね、お姉ちゃん。その二人にちょっと問題がございまして……」
えり「えっ。淡ちゃんと京ちゃんがどうかしたの!?」
誓子「あの、実はですね(ゴニョゴニョ)」
えり「――はっ?」
えり「ほ、ホームシックって、なにそれ?」
-
淡(ゴロゴロ)
京太郎「……」
淡「ねーねーキョータロー」
京太郎「………」
淡「もう嫌。東京暑い。もう嫌。東京暑い」
淡「来たら来たでやること麻雀ばっかでつまんないし」
淡「要するに、もう家帰りたい」
京太郎「…………」
淡「帰りたい帰りたいかーえーりーたーいー」
京太郎「うるっせーな、もう!」
京太郎「俺だって早く帰りたいよ!」
京太郎「最近みんな忙しかったから、家の掃除もまともにできてないんだ!」
京太郎「だからほんとは今すぐ帰って大掃除したいんだよ!
京太郎「この気持ちがお前にわかるか!?」
淡「わかるかッ!!」
-
ピロリン ピロリン
淡「あ。えりちゃんからLINEきた」
京太郎「俺もだ。どれどれっと――」
『いんはいおつかれさま』
『いますぐほてるからでてきなさい』
『えりより』
淡「……なにこれ。いわゆる脅迫状ってヤツ?」
京太郎「ねぎらわれてる気がまったくしないな」
京太郎「"平仮名だけの文章は意外と怖い"説を身をもって体感したぞ」
淡「で、どーすんの。行くのこれ」
京太郎「まぁ、結果はだいたいわかってるから気乗りしないが」
京太郎「行くしかないだろ。えり姉にだって顔見せておきたいし」
淡「あーもう。めんどくさっ」
-
詠「おっ、出てきた出てきた!」
詠「二人とも、ご苦労さーん♪(ガチャッ)」
京太郎「えり姉わざわざどうしたの……って、三尋木プロ!?」
淡「ちょ、なんでアンタがここにいるのよ!」
詠「ふっふーん。どっちもいいリアクションだねぃ」
えり「ごめんなさいね。話の流れで三尋木さんも来ることになっちゃって」
誓子「せっかくだから、みんなで東京巡りでもしようかって話してたの」
淡「あ、チカちゃんも来てたんだ」
ブオォォン
詠「いやぁ満足満足♪」
京太郎「来てたんならそう言ってくださいよ、三尋木さん」
詠「わかってないねぇ。こういうのはサプライズが醍醐味だろー?」
京太郎「もう。毎度毎度、勘弁してください」
京太郎(……ふぅ。"まんまと騙された"って雰囲気出すのも大変だな)
淡(……詠ちゃんさ、よくあの平仮名だらけの文面でバレてないって思い込めるよね)
京太郎(もともとが超絶IT音痴だからなあ、三尋木さん)
-
詠「そーいやさ。活躍見てたぜー、淡ちゃんよ?」
淡「あ、それはどーも」
詠「えりちゃんが実況席でやたら連呼してたから覚えちまったけど」
詠「なんでも、平均獲得打点では全選手中トップだったらしいじゃん?」
詠「実際、一年があれだけ打てりゃ大したもんだよなー。うん」
淡「そ……そーでしょそーでしょっ!?」
淡「今年はちょっとばかし環境に慣れてなかったのが敗因だしさー」
淡「来年はどう考えても私がさいky――」
詠「ま、いくら点取っても、同じぐらい点取られてんだから世話ねーけどな!」
詠「最後の跳満放銃なんか予想外すぎてコメントできんかったし」
詠「来年はあんなことないように頼むぜー?(ケラケラ)」
淡「…………」
淡「……要するにアンタ、私をコケにしてるんだよね?」
詠「お、どした? なんで怒ってんの?」
淡「ッッッ!!!」
-
ギャーギャー
えり「あー、なるほどね。結局はこうなってしまうのか」
京太郎「相性悪いよなぁ、あの二人」
誓子「いっつもあんな感じだから私は心配してないけどね」
京太郎「まぁね。淡のやつはいつも元気でいいよな。はぁ」
えり「それはそうと京ちゃん」
えり「どこか行きたいところの希望はあるかしら?」
京太郎「へ? どうしたの突然?」
えり「だって、せっかくの東京だもの。観光したい場所とかあるでしょう」
京太郎「そりゃ、まぁ、ないとは言わないけど」
京太郎「俺の希望か。うーん……」
京太郎「正直言うとできるだけ早く家に帰りたいかな、なんつって」
えり「ふ、ふぅむ?」
京太郎「ま、元々賑やかなとこは性に合わないし、えり姉たちが決めていいよ」
えり「そうかそうか。了解」
-
えり(ど、どどど、どうしよう誓子ちゃん)
えり(私が思ってた以上に重症だわこれは)
誓子(落ち着いてお姉ちゃん。淡なんてもっとひどかったんだよ)
誓子(昨日なんか、私がいくら話しかけても無反応でね)
誓子(四六時中ずっと実家の方角を見つめてたりしてたんだ)
えり(あ、あんなに東京旅行を楽しみにしてたのに……?)
えり(京ちゃんもずっとそんな調子なの)
誓子(うーんとね、京太郎は淡ほどではないけど)
誓子(どうしても実家にいるときの生活リズムが忘れられないらしくて)
誓子(ホテル住まいなのに勝手に部屋の掃除やシーツの洗濯をしてたら)
誓子(従業員さんにバレてしこたま怒られたって話を男子部員から聞いたよ)
えり(事と次第によっては弁償物よね、それ)
えり(なるほど。誓子ちゃんが今朝あれだけ真剣になってた理由がやっとわかったわ)
えり(というか、家族みんなでこっちに来たのに)
えり(それでホームシックにかかるってどういうことなの)
誓子(あの二人、ああ見えて意外とメンタル弱いからね……)
-
後半へ続くかも
-
咏定期
-
咏「つーかさー、君らほんとにどこも行きたいとこねーの?」
咏「若いのにもったいないねぃ♪(ケラケラ)」
淡「うるさいって。ほっとけよバーカ」
京太郎「おい淡、三尋木プロに失礼だろ!」
咏「いーのいーの。いまさら気にせんしっ」
咏「……あのさ、行きたいとこないなら、せっかくだし私に付き合ってくんね?」
咏「どうしても観光したい場所があってさ」
えり「あれ、意外ですね?」
えり「三尋木プロはしょっちゅう東京に来てるじゃないですか」
咏「うぐっ」
咏「ま、そりゃそうなんだけどさ」
咏「なんつーか、ああいう場所はどーも慣れてなくってなぁ」
咏「私一人だと行きにくいんだよ実は。恥ずかしい話けどさっ。ははは!」
えり「ふぅむ。そこまで言われたら、ご一緒しないわけにはいきませんね」
咏「お、話わかるえりちゃん!」
-
ガヤガヤ
咏「おーおー、私が思ってた以上の盛り上がりじゃんか」
咏「さすがにテンション上がるなこれは!」
えり「……あの、三尋木プロ」
えり「まさかとは思うのですが」
えり「ずっと観光してみたかった場所って、ゲームセンターですか?」
咏「うん。この殺伐とした雰囲気がたまんないよねぃ♪」
誓子(さ、殺伐……)
京太郎(いつの時代の話だよ)
咏「さて。来てはみたものの、遊び方がわかんねーんだよね」
咏「オススメあったら教えてくれよ、えりちゃん?」
えり「わ、私ですか?」
えり「えーと……一般的な遊び方はですね……(チラッ)」
三人(フルフル)
えり(この役立たずどもめ)
-
>>115
こればっかりは本当に恥ずかしい
辞書登録はちゃんとしておくべきですね
-
ウィーン スカッ
咏「うわ、これでもダメかー!」
京太郎「惜しかったです。ギリギリで外しちゃいましたね」
咏「うむ。かれこれ30回ぐらいやってるけど、クレーンゲームってのは難しいもんだな」
京太郎「でも、着実に成長してきてますよ!」
淡「……いや、全然惜しくなかったって今。10cm横つかんでたじゃん」
京太郎「こら、淡!」
京太郎「いま言うべきことじゃないだろそれは」
淡「いや、ヘタクソにはヘタクソって言ってあげたほうが親切だって」
京太郎「お前なぁ……」
-
咏「うーむ。これでも最初と比べたらだいぶ近づいてきたんだけどな……」
咏「そろそろ取れるはずじゃねーかと思うんだけど」
淡「そりゃ、最初は30cmも横つかんでたからな」
淡「上達してきたのは認めるけどさ」
淡「30cmが10cmに変わったところで取れるわけないっての」
咏「そ、そんなに離れてるもんか、これ?」
淡「まずさ、クレーンゲームで横軸すら合ってないヤツ初めて見たっての。才能なさすぎ」
咏「……ま、才能ないのは薄々気づいてはいたけどさっ」
咏「でも、最初に目つけた景品ぐらいは取って帰りてーじゃんか。やっぱ!」
淡「うーん。気持ちはわかるけどね」
淡「しゃーない。私が一肌脱いでやるから、咏ちゃんはそこで見てろ!」
咏「おぉ、頼もしー♪」
-
ウィーン スカッ
ウィーン スカッ
ウィーン スカッ
咏「……」
淡「……(チャリン)」
京太郎「ちょっと待て淡、お前まで破産予備軍に入るつもりか!!」
淡「うるっさい! こんな機械ごときにコケにされて黙ってられるか!」
淡「アンタは黙って後ろで観客やってろっての」
京太郎「た、頼む。五分でいいから俺に時間をくれ」
-
一分後
ウィーン ゴトンッ
京太郎「あ、取れた。てか予想以上に簡単だったな」
咏「おーおー弟君やるじゃないか、見直したぜ!」
京太郎「いえ、ビギナーズラックですよ」
京太郎「せっかくですから、賞品は三尋木プロがもらってください」
咏「え、いーの? 弟君に悪くね?」
京太郎「一番真剣だったのは三尋木プロですからね」
京太郎「こいつも三尋木プロにもらわれたほうが嬉しいはずです」
咏「ふむ。そっかー」
咏「ならありがたくもらっとくわ。ありがとねぃ♪」
京太郎「大事にしてくださいよ(ニコニコ)」
誓子(それで、本当のところは?)
京太郎(実物大カモシカのぬいぐるみなんてもらっても置き場所に困るだろ)
京太郎(ま、これで三尋木プロが満足してくれればいいかな)
淡(……ムカつく)
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もう始まってる!
-
数十分後
咏「うーむ。よーするに、タイミング調整がこのゲームのキモなんだなー」
ウィーン スカッ
淡「いや、そんなこと見てりゃわかるだろ。アンタはいい加減成長しろっつーの」
ウィーン スカッ
えり(……)
誓子(……)
京太郎(……)
えり(クレーンゲームって、そんなに中毒性あるものなの?)
誓子(す、少しずつ上達していくのが楽しいのは、なんだって一緒だしね)
京太郎(しかもあの二人、極端に負けず嫌いだからなぁ)
誓子(とにかく、あのまま放っておくと何時間でも延々と続けてしまう危険性があるわ)
誓子(京太郎。責任取ってなんとかしなさい)
京太郎(俺のせい!? どこにも落ち度なかったよね俺!?)
-
ウィーン スカッ
淡「……」
京太郎「あのですね、お二人とも。お楽しみ中のところ失礼ではありますが」
京太郎「クレーンゲームだけがゲーセンの楽しみ方ではない、と言いますか……」
ウィーン スカッ
淡「はッ!?(ギロリ)」
京太郎「ごめん悪かった! 心ゆくまで楽しんでくれていいから!」
咏「……ま、しょーがねーな。このへんにしとこっかねっ」
淡「ちょっと咏ちゃん!」
咏「いやいや、今日はこれ以上やっても上達せんて」
咏「こーいうのは継続が大事だしな。とにかく。私はギブアップ」
咏「それに、弟君が次にどんなゲームを薦めてくるかも興味あるしっ!」
京太郎「へっ」
淡(ジトッ)
京太郎「え、ええと、ですね……」
-
ウィーン スカッ
淡「……」
京太郎「あのですね、お二人とも。お楽しみ中のところ失礼ではありますが」
京太郎「クレーンゲームだけがゲーセンの楽しみ方ではない、と言いますか……」
ウィーン スカッ
淡「はッ!?(ギロリ)」
京太郎「ごめん悪かった! 心ゆくまで楽しんでくれていいから!」
咏「……ま、しょーがねーな。このへんにしとこっかねっ」
淡「ちょっと咏ちゃん!」
咏「いやいや、今日はこれ以上やっても上達せんて」
咏「こーいうのは継続が大事だしな。とにかく。私はギブアップ」
咏「それに、弟君が次にどんなゲームを薦めてくるかも興味あるしっ!」
京太郎「へっ」
淡(ジトッ)
京太郎「え、ええと、ですね……」
-
一時間後
淡(…………)
咏(…………)
誓子「それで、よりにもよって麻雀ゲームを薦めてしまったと?」
京太郎「申し訳ございませんでした」
京太郎「あの二人でも楽しめるゲームを薦めなきゃという圧力がほんと凄くて……」
誓子「まぁね。気持ちはわからなくもないけど」
誓子「だからといって麻雀ゲームなんて!」
誓子「あのまま放っておいたら、何時間でもやりかねないでしょあの二人!?(グニーッ)」
京太郎「ごめんなさいごめんなさい、選択ミスは認めます!」
京太郎「認めるから、頬の肉ちぎるのは勘弁して!」
誓子「……ふぅ」
誓子「京太郎は体罰され慣れすぎてて面白くないなー」
京太郎「たまに怖いこと言うよねチカ姉」
-
えり「……ふふ、あははっ!」
京太郎「おわ、急にどうしたのさえり姉?」
えり「いやね、大したことではないんだけど」
えり「二人ともせっかく東京まで来たのにさ」
えり「結局やってること同じじゃないの。麻雀ゲームですって」
えり「淡ちゃんも三尋木さんも麻雀バカよね、ホント」
えり「そんなふうに思っちゃったらついおかしくなって。ふふっ」
淡(……!?)
咏(……♪)
京太郎「なるほど確かに……二人とも楽しそうにしてるよなぁ」
誓子「楽しいのはわかるけどさ。麻雀したければいつだってできるでしょうに」
誓子「よくもまぁ100円払ってまでゲーセンで麻雀やろうって気になれるよね」
えり「確かに、そのあたり疑問に思わないでもないけど」
えり「楽しんでくれてるならいいじゃない。せっかくの東京観光なんだし」
京太郎「うん。楽しみ方なんて人それぞれだしね」
-
えり「まぁ、それとこれとは別として」
えり「京ちゃんは何らかの罰を受けることになるわけだけど、いいかしら?」
誓子「うん。賛成」
京太郎「え、ちょっと待って、結局許されてないの俺!?」
えり「だってあの二人、何時間続けたら気が済むかわからないじゃない」
えり「そもそも原因を作ったのは京ちゃんなわけだから、罰を受けてしかるべしじゃない?」
誓子「それに、私たちも観光したい場所がたくさんあるからさ」
誓子「罰として京太郎にも私たちの観光に付き合ってもらおうかな、と」
京太郎「いや、だったらえり姉とチカ姉で行って来たら――」
えり「それは無理な相談(ビシッ)」
えり「既に京ちゃんは、私たちの観光に付き合わせるつもりで計画してたから」
えり「いまさら計画は変えられないわ」
誓子「ちゃんと旅行のしおりも作ってきたから安心してね♪」
京太郎「――あの、これって本当に罰ゲームなんだよね?」
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誓子「ば、罰ゲームってのはちょっと違うかな?」
えり「別に京ちゃんにとって、これが罰だとは思わないしね」
えり「安心して頂戴。観光ルートは京ちゃんが楽しめるように、完璧に決めてあるから」
京太郎「お、俺への相談もなしに!?」
えり「せっかくだから、京ちゃんも連れて代官山のカップルご用達レストランとかいいかしら?」
誓子「えー。それだったら、縁結びで有名な浅草の日枝神社のほうがいいかなぁ?」
えり「うんいいわね。その後は、あかさかさかすとか」
誓子「なら、あんり・るるーとか」
えり「すぬーぴーみゅーじあむもいきたいな」
誓子「とうきょうすかいたわーもふたりきりでいってみたいなぁ」
京太郎(いったい、俺はこれからどこに連れ去られてしまうんだろうか)
京太郎(はぁ)
京太郎(ま、これも家族サービスの一環と思えば悪くないよな)
京太郎(……来年のインハイは、三人を驚かせるぐらい活躍したいなぁ)
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