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許嫁「…あんたなんて嫌いよ」

48名無しの権兵衛殿:2013/10/15(火) 06:06:16 ID:z01Jz1dI
…………………


 午後の授業も終わり、今日も帰りの礼が済まされた。
 周囲が賑やかな空気に包まれる中、一人黙々と帰る支度する奴。俺です。

 だが、こっちとしてはさっさと帰ってダラダラしたいのだ。
何も問題はない。

 復習に使うノートを鞄に詰め込んでいたが、
ふと、気まぐれで男の方へ目をやった。

女「男ー、一緒に帰ろー!」

男「おう」

女「ねえ、今日は一緒にアイス食べに行こう!」

男「いや、金がなー」


 畜生、いつも女の子とイチャイチャしやがって…。
 そう、彼は非常にモテている。どこぞのラノベ主人公かと思うレベル。

 そんな光景を見ていられる訳もなく、俺はさっさと帰ろうとドアへ向かった。


ところが、直後、突然ドアが勢いよく開け放たれた。

後輩「せーんぱーい!」

49名無しの権兵衛殿:2013/10/15(火) 06:32:55 ID:z01Jz1dI
黄色い声を上げたそいつは、俺の横を霞めて愛しの男くんの元へ駆け寄っていった。

 いや、肩ぶつかったんですけど。スルー?
……あれか、恋は盲目って奴か。
どうやら恋をした人間には俺が見えなくなるらしい。
 見えないのではなく、見えなくさせる。そうか、これが新時代のステルスか……。
泣きたい。


後輩「せんぱい、はやく一緒に帰りましょう!」ギュッ

男「うわっ!?後輩!?」

女「ち、ちょっと!男は私とーー」


 教室を出た俺は静かにドアを閉めた。
 
理不尽だ。あまりに理不尽だ。

50名無しの権兵衛殿:2013/10/16(水) 04:03:17 ID:7Sg/xUsM
※  ※  ※


 翌日。
 俺は、つり革に捕まりながらぼけーっと窓の外を眺めていた。
 空は灰色に染まっており「これ絶対雨降るだろ」状態だ。
しかし、こんな時でさえ天気予報の晴れを馬鹿みたいに
信じるアホがいるのだから笑える。
 笑う門には福来たるとも言うし、どんどん笑ってやろう。
結果友達を失った訳だけども。
おいふざけんな先人。

「善は急げ」と「急がば回れ」の様に、ことわざというのは割と当てにならないものである。
 
 そう言えば、ここには傘を持っている人はどれだけ居るのだろう。
 そう思い、視線を電車内に移した次の瞬間。
俺の視線はある一点に釘付けになった。

 
 それは、一人の少女だった。

51名無しの権兵衛殿:2013/10/24(木) 01:22:55 ID:bMftVURQ
終わり

夜のテンションでssを書いてはいけない(戒め)

52名無しの権兵衛殿:2014/08/26(火) 15:45:54 ID:PSFvdBGI
上のやつと全くおなじのを昔見たな


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