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許嫁「…あんたなんて嫌いよ」
2
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 01:57:05 ID:X8SygAi2
ウザイン系が苦手なヤシは御注意を
3
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 02:07:54 ID:X8SygAi2
許嫁「まあ、同棲させられなかっただけマシね」
許嫁「その点に関しては、家が近くて助かったわ」
許嫁「それならなおさ………。いえ、確かにあんたの言う通りね」
許嫁「家が近くなければ、こんな事にはならなかったし」
許嫁「本当についてないわ」
許嫁「だから謝らないでって言ってるでしょ。気持ち悪い…」
4
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 02:13:11 ID:X8SygAi2
許嫁「まあ、同棲させられなかっただけマシね」
許嫁「その点に関しては、家が近くて助かったわ」
許嫁「……え?」
許嫁「それならなおさ……。いえ、確かにあんたの言う通りね」
許嫁「家が近くなければこんな事にはならなかったし…」
許嫁「本当についてないわ」
許嫁「だから謝らないでって言ってるでしょ。気持ち悪い…」
5
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 02:18:26 ID:X8SygAi2
許嫁「とにかく、許嫁だからって学校で馴れ馴れしくしないでちょうだいね」
許嫁「わざわざ転校までさせられて…」
許嫁「あっちの学校には彼氏だっていたのに…」
許嫁「……」
許嫁「…冗談よ。……ちょっと、冗談だってば。顔上げなさい」
6
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 02:27:00 ID:X8SygAi2
許嫁「お詫びに膝枕でもしてあげましょうか?」
許嫁「…嘘に決まってるじゃない。何よ今の目つき。このケダモノ」
許嫁「ふん……そう簡単に体を許すような女じゃないんだから」
許嫁「…そんなにお願いしても駄目」
許嫁「…ッ」
パシーン
許嫁「…これで分かったかしら?この発情犬が」
許嫁「……」
許嫁「手を出したのは謝るわ。ごめんなさい」
許嫁「……もう良いわ。この話はおしまいにしましょう」
許嫁「じゃあ、私はもう帰るわ。こんな汚い部屋、長くはいられないもの」
7
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 02:33:43 ID:X8SygAi2
許嫁「…起きなさい。起きなさい!」
許嫁「…何よ。チャイムを何回鳴らしても出ないからここまで来たの」
許嫁「理由? 一つに決まってるでしょ」
許嫁「学校の道が分からないから、案内してもらわなきゃ困るのよ」
許嫁「…全く、何を期待したのかしら。前に言ったでしょ。あんたが嫌いだって」
許嫁「早く布団から出なさい」
8
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 02:38:32 ID:X8SygAi2
許嫁「ほら、おばさんが弁当を作ってくれたらしいわよ」
許嫁「ふうん…こういう事って珍しいんだ…」
許嫁「でも、仕方ないわね。ご両親が共働きだし」
許嫁「…弁当ごときでそんなに嬉しいの?」
許嫁「……そう」
9
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 02:46:41 ID:X8SygAi2
………
許嫁「へぇ……後はこの道を真っ直ぐね…」
許嫁「それじゃ、おつとめ苦労様」
許嫁「私は遅れて行くから、先に行って」
許嫁「当たり前でしょう?何であんたと仲良く登校しなきゃならないの」
許嫁「さっさと行って頂戴」
10
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 02:55:51 ID:X8SygAi2
…………
許嫁「OO高校から転校して来ました、許嫁です。これから宜しくお願いします」
ザワザワ
男子1「可愛い…」
男子2「ちょっと狙ってみようかな…」
許嫁「…先生、席は?」
先生「んー…ちょうど壁際が空いてるな、あそこに座ってくれ」
許嫁「……」
許嫁「…………はい、分かりました…」
先生「とはいえ、もうすぐ席替えがあるから仮って感じだと思っといてくれ」
許嫁「! はい」
11
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 02:59:23 ID:X8SygAi2
男(…許嫁の周りに凄い人だかりが…)
男(……)
男(レイガンを打ち込みたくなるな……)
12
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 03:06:29 ID:X8SygAi2
昼休み
許嫁「(これで休み時間…)」
許嫁「……」チラリ
女子「許嫁さーん」
許嫁「! な、何?」
女子「私と一緒にご飯食べない?」
許嫁「…ええ、喜んで」ニコリ
男子2「俺達も一緒に食って良い?」
女子「えぇー」
男子1「ちょ、ひっでー!」
ワイワイ
許嫁「……」
13
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 03:17:46 ID:X8SygAi2
男子3「気をつけー れーい」
さようならー
許嫁「……」キョロキョロ
女子2「あ、許嫁さん、一緒に帰らない?」
許嫁「ちょっと、校内を回りたいから遠慮するわ」
女子3「じゃーあたし達が案内してあげるー!」
許嫁「ありがとう、でも、一人で確認したいから大丈夫よ」
許嫁「それじゃ、また」
女子「バイバーイ」
女子2「…何か許嫁さんってミステリアス」
女子3「ねー。とりまぁ、マック行かなーい?」
女子4「賛成ー」
ぼっち「(とりまって何だよぶりっ子氏ね)」
14
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 03:19:55 ID:X8SygAi2
許嫁「……」スタスタ
キョロキョロ
許嫁「……」スタスタ
キョロキョロ
許嫁「…」スタスタ…スタ…
許嫁「……」
15
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 03:21:45 ID:X8SygAi2
許嫁「……」ジワ
グシグシ
許嫁「……」キョロ
許嫁「!!」
16
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 03:29:28 ID:X8SygAi2
許嫁「あら、こんな所に居たの」
許嫁「まさか。誰があんたを待つというのかしら」
許嫁「そういえば、今日は誰とも喋ってなかったわね」
許嫁「弁解は良いわよ。友達が居ないのなんて簡単に予想がつくわ」
許嫁「とりあえず、帰り道を送ってもらえるかしら?」
許嫁「仕方がないでしょう、万が一にでも迷ったら大変だもの」
許嫁「とはいえ、本当にこれっきりだからね」
17
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 03:33:46 ID:X8SygAi2
許嫁「……」
許嫁「そういえば、弁当は美味しかった?」
許嫁「そう」
許嫁「……」
許嫁「…え?寄りたい所?」
許嫁「私も道草に巻き込むつもり?」
許嫁「どちらにしろあんたについて行くしかないんだから」
許嫁「手短にね」
18
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 03:41:13 ID:X8SygAi2
許嫁「ここは…」
許嫁「……いつの話よ。こうして潮風に当たっていたのなんて、随分昔の事じゃない」
許嫁「分かってるわよ。どうせここで昔の約束とか持ち出して口説くつもりでしょう?」
許嫁「…図星ね」
許嫁「残念ながら、本当に残念ながら、私たちの結婚は確定してるのよ」
許嫁「丸めこむ必要がないのよ。良かったじゃない」
許嫁「素直に喜べば?私は喜ばないけど」
許嫁「ああもう、潮でべとついてたまらないわ。最悪」
許嫁「本当…さっさと死んでくれないかしら」
19
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 03:43:49 ID:X8SygAi2
許嫁「本音に決まってるわ。当然よ」
許嫁「私は先に帰らせてもらうわ」
20
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 03:45:08 ID:X8SygAi2
男「……」
男「……」
男「……」
……………
21
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 03:54:21 ID:X8SygAi2
スーパー
許嫁「(次は肉コーナー……)」
許嫁「(美味しいって…ふふ…)」
許嫁「(栄養バランスもしっかり、ボリュームもちゃんと…)」
許嫁「(……)」
許嫁「(……さっきの事は明日謝らなきゃ…)」
許嫁「…大体こんな感じかしら」
許嫁「…♪」スタスタ
ーーーーーー
男「……」
ザッパーン
22
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:03:50 ID:X8SygAi2
許嫁「……」パチッ
許嫁「…」ムクッ
許嫁「ふわぁぁ…」トントン
許嫁「えぇと…レンジで5分…と…」ピッ
ーーーーーー
ピ- ピ-
医者「依然心肺は停止!」
医者2「ッ…」
医者「おい、まだ諦めるな!もう一回蘇生措置を!」
医者3「はい!」
医者「……」
医者「もって後5分か…!」
23
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:10:00 ID:X8SygAi2
医者「クソッ…これが最後のチャンスだ!蘇生を!!」
ーーーーー
許嫁「よし、ご飯は炊けた……こっちは後10秒ね」
9
8
医者「頼む!」
7
6
プルルルル
許嫁「こんな時間に誰かしら…」
許嫁「男だったら…そんな訳ないわよね」カチャ
1
ピ----ッ
24
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:15:33 ID:X8SygAi2
ーーーーー
少女「私男のお嫁さんになるっ」
少年「えー!勝手に決めるなよー!」
少女「黙らっしゃい!」ゴツン
少年「いったぁ!もう少女なんてだいっ嫌い!!」
少女「良いもん、私はだい好きだもんっ!」
だもん……
もん……
ん…
フワッ…
25
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:21:22 ID:X8SygAi2
男(?)「……」パチッ
許嫁「うぅっ………っ!!!」
許嫁「あ…あぁぁあ…」ポロポロ
許嫁「っ!」ガバッ
男(?)「!!」ギュッ
許嫁「何で、何で…!」
男(?)「……」
許嫁「私があんな事を言ったから…ごめんなさい、ごめんなさい…っ!!」
男(?)「あの……」
男「どちら様ですか?」
26
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:26:47 ID:X8SygAi2
許嫁「え…?」
男「すみません、ここはどこですか?頭の中がぐちゃぐちゃで…」
許嫁「あ…いや……」
男「あーと……あなたって、もしかして」
「知り合いとかですか?」
許嫁「いやあああぁっ!!」
…………
27
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:30:00 ID:X8SygAi2
男「あ…あの……」
許嫁「あっ…ああっ……」
男「な、何か、すいません…?」
許嫁「っ…………!!」
28
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:35:10 ID:X8SygAi2
許嫁「わ…私……」
男「ええと、人を呼んだ方が良いのかな…」キョロキョロ
許嫁「私……!」
ギュッ
男「えっ、ちょっと…何を!?」
許嫁「あ…あんたが……」
許嫁「大好きだもん!!」
29
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:37:08 ID:X8SygAi2
許嫁「はぁっ…はぁっ……うぅぅ…」ギュウウ
男「…………」
男「い、許嫁?」
許嫁「」
30
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:43:16 ID:X8SygAi2
許嫁「……」
男「あの…苦しいというか…ここ…病院?」
許嫁「……」
男「ああ、そうか…あの後、こうなって…」
許嫁「……」
男「ちょ、一旦離れて…ナースコール押せない…」
許嫁「……」ポチッ
31
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:50:10 ID:X8SygAi2
許嫁「…ごめんなさい…」
男「へ?…それよりも何で抱きついて」
許嫁「もう酷い事は言わないから…」
許嫁「頑張るから……」
許嫁「およめさんにして……」
男「」
男「ほ…本当に良いの…?」
許嫁「……」
男「そんな…てっきり嫌われてると…」
許嫁「…ごめんなさい」
男「いや、謝らなくて良いから…!」
32
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:54:05 ID:X8SygAi2
男「え…ええと」
許嫁「……」ジ-ッ
男「その…よろしくお願いします…」
許嫁「!!……………あっ」
男「え?……あ」
医者「」
ナース「」
33
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 04:59:05 ID:X8SygAi2
許嫁「早く起きなさいよ、このノロマ」
許嫁「本当、あんたは駄目な人間なんだから」
許嫁「っ…何笑ってるのよ」
許嫁「それは…悪いとは思うけど…」
許嫁「っ、仕方がないじゃない」
許嫁「…っ!!?」
許嫁「ちょっと、この前の事は忘れて!」
34
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 05:07:57 ID:X8SygAi2
許嫁「もう……」
グイ
許嫁「ふ、夫婦なんだから腕を組んで当たり前よ」
許嫁「……」カアア
許嫁「……」
許嫁「…あんたなんて……」
許嫁「ーーっ………んっ…んぅ…む……っ……ぷはっ」
許嫁「嫌いよ」
ぉ ま
L ぃ
35
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 05:11:00 ID:X8SygAi2
ぉ ま
L ぃ
36
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 06:56:57 ID:5HWUTLD6
乙!
37
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 07:27:38 ID:pkOB6dx.
乙
ただもうちょっと可愛らしいところ見せて欲しかった
38
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/11(金) 11:49:23 ID:ys.xVEgY
たしかにもう少し読んでいたかった
しかしおつ
39
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/12(土) 02:12:01 ID:j8Krfzvk
頻繁にスレ建てるのはまずいし
ここ再利用しても良いかしら
40
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/12(土) 06:28:27 ID:kAp7S5/A
まだスレ少ないし別に立てても構わんと思うけれど好きなようにしたら良いよ
41
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/15(火) 04:27:53 ID:z01Jz1dI
「俺の青春に遅れが出ています」
42
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/15(火) 04:42:17 ID:z01Jz1dI
人間、他人との繋がりが無ければ生きてはいけない。当然の事だ。
この事実は、リア充だろうがぼっちだろうが揺るぎはしない。
普段一人で居る奴だって家族とコミュニケーションを取ってるだろうし、
そこら辺の量産型高校生に至っては説明するまでもないだろう。
43
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/15(火) 04:55:35 ID:z01Jz1dI
そして、これは近年流行しているヤレヤレ系主人公達にも当てはまる。
まず、彼らは大抵の場合「ぼっち」等というレッテルを貼られている。
ところがいざ蓋を開けてみれば、それはただのお飾りで、
本当は美少女達を侍らすハーレム野郎でしたーという事が多々ある。
理不尽だ。あまりに理不尽だ。
44
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/15(火) 05:03:30 ID:z01Jz1dI
まあこれだけなら
「そんなのチェリーボーイの妄想じゃないかHAHAHA!」
とアメリケンに笑い飛ばせるのだが、
俺にはそれが出来ない。
何故ならーー
45
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/15(火) 05:15:39 ID:z01Jz1dI
俺は机から顔を上げた。一瞬よだれが出ていないかと慌てて口元を拭うが、
それは杞憂に終わった。
寝起きのためにまだ頭もろくに回っていない俺は、手始めに、ぼんやりする視界をリセットするべく目をパチクリした。
その時、近くから可愛らしい女の子の声が聞こえた。
「あ、やっと起きた!」
46
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/15(火) 05:22:33 ID:z01Jz1dI
>>45
訂正
俺は机から顔を上げた。一瞬、よだれが出ていないかと慌てて口元を拭うが、
どうやら杞憂だったようだ。
寝起きのせいかまだ頭が回らない。とりあえず、ぼんやりしている視界を何とかするべく目をパチクリさせた。
その時だ、近くから可愛らしい女の子の声が聞こえてきたのは。
「あっ、やっと起きた!」
47
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/15(火) 05:42:32 ID:z01Jz1dI
思わず振り向きかけるが、辛うじてそれを押し止める。メール着信に対する反応の速さに定評のある俺だが、
こんな初歩的なトラップに引っかかる訳にはいかない。
案の定、その子が声をかけたのは俺ではなかった。ここよりもう少し後ろの……誰だっけ…
?「おう、はよー…」
?「もう、男ってばぐっすり寝ちゃって。お昼休み終わるよ?」
男「えっマジで!?やっべ弁当早く食わなきゃ!」
?「あー…お腹壊すよ?」
男「良いか女、男には負けると分かっていても…」
そうか、男って言うのか……。
この人物、俺データベースにおいては危険物として登録されている。
さっきまで名前知らなかったけど。
まあ、理由なんて見ていれば分かるさ。
とりあえず、俺の体内時計が正確だった事に安堵を覚えた。
チャイム直前に起きるのはぼっちの必須スキルだからな。
48
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/15(火) 06:06:16 ID:z01Jz1dI
…………………
午後の授業も終わり、今日も帰りの礼が済まされた。
周囲が賑やかな空気に包まれる中、一人黙々と帰る支度する奴。俺です。
だが、こっちとしてはさっさと帰ってダラダラしたいのだ。
何も問題はない。
復習に使うノートを鞄に詰め込んでいたが、
ふと、気まぐれで男の方へ目をやった。
女「男ー、一緒に帰ろー!」
男「おう」
女「ねえ、今日は一緒にアイス食べに行こう!」
男「いや、金がなー」
畜生、いつも女の子とイチャイチャしやがって…。
そう、彼は非常にモテている。どこぞのラノベ主人公かと思うレベル。
そんな光景を見ていられる訳もなく、俺はさっさと帰ろうとドアへ向かった。
ところが、直後、突然ドアが勢いよく開け放たれた。
後輩「せーんぱーい!」
49
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/15(火) 06:32:55 ID:z01Jz1dI
黄色い声を上げたそいつは、俺の横を霞めて愛しの男くんの元へ駆け寄っていった。
いや、肩ぶつかったんですけど。スルー?
……あれか、恋は盲目って奴か。
どうやら恋をした人間には俺が見えなくなるらしい。
見えないのではなく、見えなくさせる。そうか、これが新時代のステルスか……。
泣きたい。
後輩「せんぱい、はやく一緒に帰りましょう!」ギュッ
男「うわっ!?後輩!?」
女「ち、ちょっと!男は私とーー」
教室を出た俺は静かにドアを閉めた。
理不尽だ。あまりに理不尽だ。
50
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/16(水) 04:03:17 ID:7Sg/xUsM
※ ※ ※
翌日。
俺は、つり革に捕まりながらぼけーっと窓の外を眺めていた。
空は灰色に染まっており「これ絶対雨降るだろ」状態だ。
しかし、こんな時でさえ天気予報の晴れを馬鹿みたいに
信じるアホがいるのだから笑える。
笑う門には福来たるとも言うし、どんどん笑ってやろう。
結果友達を失った訳だけども。
おいふざけんな先人。
「善は急げ」と「急がば回れ」の様に、ことわざというのは割と当てにならないものである。
そう言えば、ここには傘を持っている人はどれだけ居るのだろう。
そう思い、視線を電車内に移した次の瞬間。
俺の視線はある一点に釘付けになった。
それは、一人の少女だった。
51
:
名無しの権兵衛殿
:2013/10/24(木) 01:22:55 ID:bMftVURQ
終わり
夜のテンションでssを書いてはいけない(戒め)
52
:
名無しの権兵衛殿
:2014/08/26(火) 15:45:54 ID:PSFvdBGI
上のやつと全くおなじのを昔見たな
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