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いつか、帰る……
80
:
同志名無しさん
:2016/08/01(月) 20:18:20 ID:rNPDoY6AO
妖怪は、ベッドの薄汚れた毛布を頭からかぶり、そうして身を守っているつもりのようだが
汚い尻が出ている。ガタガタと震えている。尿をももらしている
剣に対して毛布がなんの守りの役に立つわけでなし
妖怪が俺以上に臆病で無力そうだと踏んだ俺は
ダメ元で妖怪に話しかけてみる
何らかの情報が得られれば、と
妖怪が話しができるのかは、わからぬが
俺はここに巣くう妖怪から、武器を奪返するために来た商人である。命惜しくば武器のありかを吐け!と
幸運にもその妖怪は、俺の呼び掛けに答え
毛布から頭を出して恐る恐る語り出した
81
:
同志名無しさん
:2016/08/01(月) 20:31:25 ID:rNPDoY6AO
彡;(゚)(゚)ヒエエエ!「こ、殺さないでクレメンス!」
妖怪はまず命乞いから口にしたが
ちょっと口調が独特過ぎた
俺はそれを油断なく観察する
人と、あえて言えば竜か?の合の子のような姿
オレンジ色の体色
禿げている頭、だが後ろ髪だけは長い
飛び出たようなぎょろっとした目玉
妖怪の分際で、人間様のベッドで一寝入りしようとしていたらしく
故に武器の類いは持っていない
冷静になった俺は、妖怪の奇っ怪さを
むしろ面白気持ち悪く見る……
82
:
同志名無しさん
:2016/08/01(月) 21:01:05 ID:rNPDoY6AO
彡;(゚)(゚)「ワイの知ってる事なら何でも話しますよって、命だけは助けてクレメンス!」
俺は無言でうなずく
彡;(゚)(゚)「ワイは、妖怪ちゃいますんや!元は人間で、ヤメーテいいます!」
言うに事欠いて、自分は人間だと言い出した
彡;(゚)(゚)「この寺院で、ふっるい魔導書を研究しとったら、いつの間にかオノレが妖怪の姿になっとったんです!妖怪を操る魔法の研究です!し、信じてや!」
……
俺はこの、面白気持ち悪い妖怪の出任せを
あえてじっくり聞いてみる事にした
慌てふためくこの妖怪、見ようによっては……楽しい
彡;(゚)(゚)「ワイは元々あんさんと同じ目的で、妖怪退治に出たんやけど……実家からいい武器持ち出してな……それで妖怪のカントクのタマ取ったろて……」
彡;(゚)(゚)「せやけどワイの打率ではあかんかった。ワイは打撃戦には向いてなかったんやね」
……打率?やはり奇妙な物言いだ
彡(゚)(゚)「ワイはヒットマンにはなれんかった。せやけど、なんとか妖怪共をやっつけたくて必死やったんです」
彡(゚)(゚)「そして、ある時ふと思い付いてん。打撃がダメなら、妖怪を操る魔法で勝負や……と」
彡;(゚)(゚)「コンヌ遺跡に、ふっるい魔導書があると聞いたワイは、ここに移籍して来て……遺跡だけに」
……
彡;(゚)(゚)「そして妖怪を率いる立場……ワイ将となるはずやったんやけど」
彡;(゚)(゚)「なんか魔力でオノレまでもが半分妖怪みたいになってもうたんです……ハイ」
83
:
同志名無しさん
:2016/08/01(月) 21:17:41 ID:rNPDoY6AO
おれはこの妖怪の言葉を何一つ信用できぬ
しかしこの出任せは聞いていてなんとも愉快。もうしばらく喋らせておくとする
彡;(゚)(゚)「ホンマでっせ?」
彡;(゚)(゚)「実際、ワイは妖怪のカントクになる術を知ってます。ワイが完全に妖怪になってしまうよって、使われへんけど……」
俺は笑いを堪えながら
では簡単な魔法を一つ披露せよと言ってみる
彡(゚)(゚)「わかりましたで。じゃあ、こんなんどうでっか?」
彡(゚)(゚)「ソーサレオ!」
オレンジ妖怪が短く呪文を唱えると
なんと俺の体が宙に浮き出した
飛んでいる訳ではない。浮いているのだ
ただし、床上15センチだけ
彡(^)(^)「面白いでっしゃろ?そのまま歩けるんやで」
歩いてみる
確かに浮いたまま歩けている!
効果はたったの15センチだが……
84
:
同志名無しさん
:2016/08/01(月) 21:37:45 ID:rNPDoY6AO
その魔法で、人を襲うつもりならば許さぬと脅しをつければ
彡;(゚)(゚)「そないなことあらしまへん!ワイは人様を守る為に妖怪をやっつけるつもりで魔法を学んでますんや!」
……
彡*(゚)(゚)「せや!信じてもらうために、ワイもあんさんの子分にしてもらえへんやろか?」
はあ?何言ってんだコイツ……
妖怪の癖に、妖怪退治をする俺達に加わりたいだと?
彡(゚)(゚)「せやで!」
せやで!じゃない
妖怪を連れて帰れば、しぃとカアチャンは卒倒するであろうし
ジエンは大通連の鯉口を切り、その未だ見せぬ切れ味をいやと言うほど見せるであろう
彡;(゚)(゚)「そら……信じてもらわれへん……ですよね……」
なんだか妙に気の毒になってきた
皆の反応は予想した通りだろう
だが
じゃあ俺の反応は、どうなのだ
85
:
同志名無しさん
:2016/08/01(月) 21:45:18 ID:rNPDoY6AO
不意の、刹那のフラッシュバックが俺を苛む
「お前は、人を不幸にする」
「出ていけ」
「迷惑な奴だ」
「とっとと死ねよ」
俺は、いつか遠い昔に
こんな風に
まるで、このオレンジ色の妖怪のように
人から嫌われていた
と
思う
86
:
同志名無しさん
:2016/08/01(月) 22:15:55 ID:T/YYVwB.0
初期のWizっぽいな
87
:
同志名無しさん
:2016/08/01(月) 22:17:45 ID:T/YYVwB.0
あエルミの方がしっくりくるかな
88
:
同志名無しさん
:2016/08/01(月) 22:20:00 ID:rNPDoY6AO
返事はせず、話題を変える
このコンヌ遺跡付近の妖術は、お前が仕業か?
そうとして理由は?と
彡(゚)(゚)「そうやで!ワイの魔法で幻覚地形やら明かりやらを作ってますんや」
彡(゚)(゚)「ワイはこんな姿になってもうたから、人に見つかれば襲われてしまう……」
彡(゚)(゚)「かといってもはや元には戻れんし、人様を守る為の魔法の勉強はまだまだせなアカン」
彡(゚)(゚)「だから、人様から身を隠す為の手段として、無害なのを選んで術をかけたんですわ」
付近の妖怪もお前が呼び出したのか?という問いには
彡;(゚)(゚)「めめめ滅相もない。妖怪はワイが来る前からおったんです。おったからこそ来たんやで?操ってやっつけたろ思て……」
妖怪共が溜め込んでいる武器の在りかは?
彡(゚)(゚)「正面門から入って右とその隣の寺院に集めとるようやで?妖怪もわんさかおるようでっけどね……」
……さて
俺は、このオレンジ色の妖怪をどうするべきなのか
89
:
同志名無しさん
:2016/08/02(火) 23:01:44 ID:lBhBXpJg0
ナルゥってことはエルミナージュだな
バケツ首になるまではやってたわ
90
:
同志名無しさん
:2016/08/03(水) 11:49:52 ID:54w3.cA.O
ふと閃いた事を提案してみる
今すぐお前を信じて町に連れ帰るわけには行かぬが、暫くはここコンヌ遺跡付近限定の道案内と支援戦力として同行せよ
それにより信用に足ると我々が判断できたなら、その時はお前が町に帰る事ができるように便宜を図ってもよい。と
彡*(^)(^)「ホンマでっか?サンキューイッチ!」
彡(^)(^)「その提案、ワイに不満なんかないで!一人で妖怪をぶちのめすのは難しけど、味方が居れば魔法を唱えるチャンスが増えるやん!」
彡(^)(^)「ぶっちゃけワイはあんさんらの都合のいい奴隷やんか。死ね」(よっしゃ!やったるでー!)
このオレンジ妖怪。お調子者かつ本音を隠せないタイプのようである
彡(゚)(゚)「妖怪化せん程度の魔法なら、あんさんらにももしかしたら使える素質があるかも分からんね」
彡(゚)(゚)「その気があるなら言うてや。お教えするやで〜」
91
:
同志名無しさん
:2016/08/03(水) 12:04:48 ID:pUjFbDmc0
古参AAで固めてくるかと思いきやなんJ民を入れてくるセンス
92
:
同志名無しさん
:2016/08/03(水) 12:53:43 ID:54w3.cA.O
俺は得体の知れないモノに興味はない。とぴしゃり
彡;(゚)(゚)「ハヒィ!」
ジエンとしぃに事情を説明するため、廊下を戻り
外壁の穴から出る……
どうやら、いいタイミングで戻ったようだ
浮遊する黄金の巨大な仮面と小手が
大通連の鞘によって弾き返されながらもジエンとしぃに襲いかかっている
(;・∀・)「ぬう!らちが明かぬ!いくら叩いてもこやつらビクともせん!」
(;゚ー゚)「ギコさん!撤退しましょう!法力で足止めしながら逃げれば……」
黄金の仮面と小手である
この妖怪を倒せば一財産だ
やれ!
彡#(゚)(゚)「任しとき!イクでぇ!」
93
:
同志名無しさん
:2016/08/03(水) 14:44:06 ID:54w3.cA.O
両の拳を前に突きだし
中腰に構えるえーと何だっけそうだヤメーテ。面倒だ。オレンジ妖怪
どっしりとした構えとも見えるが
へっぴり腰と言う方が正しい
突きだした拳に輝く古ぼけた指輪に、大気中から何やら不思議な茶色の光が集まる
そして!それは放たれる!
彡#( )( )「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
ブリブリブリッブリッッッミチミチミチミチッブブリッブビービーブビー゙ビーミチヤッ……プー……
(;・∀・)
(;#゚ー゚)
彡(^)(^)
うんこ
94
:
同志名無しさん
:2016/08/03(水) 14:56:35 ID:54w3.cA.O
仮面の妖怪も、嗅覚があるのやらはしらぬがあわてて小手で鼻にあたる部分を押さえる程の悪臭
彡#(゚)(゚)「よっしゃ!チャンスやで!奴らは身動きが取れん!」
彡#(゚)(゚)「地獄のコンビネーションNo.1や!」
俺達も身動きは取れない。というか、状況を理解したくないという正しい理性が働いている
半分意識が飛んでもいる
彡#(゚)(゚)「原ちゃん!」
彡#(゚)(゚)「ジャコビニイイイ……流星イイイイイイ……」
95
:
同志名無しさん
:2016/08/03(水) 15:20:49 ID:54w3.cA.O
(#´・ω・`)「アターックッッッ!! 」
元は白い体色らしいが、不浄の茶にまみれた
丸っこい妖怪が天空より突然現れそのまま落下
かろうじて仮面の妖怪はガードするも
彡#(゚)(゚)q「クラッシュ!」(#´・ω・`)
スガドーン!
凄まじい轟音とともに大爆発を起こし、砕け散る白茶の妖怪
爆風に、茶を乗せて
爆発が収まり
しかし、俺達が自分を取り戻すのに5分はかかった
仮面の妖怪は、爆風と熱によりもはや動かぬ仮面と化していた
小手は恐らく、バラバラに吹き飛んだと思われ、影も形もない
黄金の仮面は手に入ったが……汚い黄金つきである
彡(^)(^)「やったで!勝利や!」
俺は
無言で背中の剣を抜いたが
汚れるのを嫌い、鞘に納めた
96
:
同志名無しさん
:2016/08/03(水) 15:24:54 ID:YRuWDK/.0
うんこ…………
97
:
同志名無しさん
:2016/08/03(水) 15:26:26 ID:54w3.cA.O
白茶い(汚い)妖怪も、爆発して消え去っている
(;゚ー゚)「いや……だめでしょ……?」
(;・∀・)「だめ」
……だめだ
彡;(゚)(゚)「えっ……」(困惑)
絶対にだめだ
98
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 00:40:09 ID:yj5aCs2c0
ジャコビニだけでうんこ要らなかったんじゃね
99
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 02:38:51 ID:1USNUemYO
反省会
だめな所を
いやむしろ良かった所を挙げなさい(3つ以上)
彡;(゚)(゚)「召喚した妖怪による自爆テロで勝利したで……」
彡;(゚)(゚)「脱糞によって敵を怯ませてこそ……成り立つコンビネーションや……」
……
彡;(゚)(゚)「ワイ将の非情なな采配と、自爆妖怪・原住民選手の卓絶した技……」
彡(^)(^)「いかんのか?」
(#゚ー゚)「いかんでしょ」
100
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 02:56:26 ID:1USNUemYO
言い出しにくい状況ではあるが
俺はこのオレンジ妖怪についてジエンとしぃに説明
( ・∀・)「確かに今すぐ町に戻す訳にはゆかぬようだ。あらゆる意味で」
(#゚ー゚)「いかんでしょ」
彡;(-)(-)「はい……」
力は認めるが、何か間違っている。というか間違ってない所が少ない
半妖怪となったせいで人間性が失われてしまったのか
彡(;)(;)「あんさんらのお役に立ちますよって、二軍でもエエから仲間にしてクレメンス……」
(#゚ー゚)
しぃのコメカミに浮かんだ怒りシワが消えない
( ・∀・)「面白き、こともなき世を、面白く」
己を納得させるための言葉をやっと見つけたらしいジエン
101
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 03:16:06 ID:1USNUemYO
さしあたり川か井戸か風呂か。とにかく水場に案内せよ。とヤメーテに命令する
彡;(゚)(゚)「正面門から入って左から2つ目の寺院の中に、聖なる泉があるやで……多少の怪我なら治してくれるありがたいご利益のある水が湧いとるんや」
彡(^)(^)「時の女神ナルゥ様の聖水やで!」
(#゚ー゚)「死ね」
なぜかしぃは、ヤメーテに石を投げ出した
俺はしぃがなぜ突然怒りを爆発させたのかはわからぬまま
とにもかくにも、体を清めようと。それが今大事だとしぃを説得
(#゚ー゚)「はい。無神経な口にぶちきれました。殺そうと思いました。でも今は落ち着いてます。大丈夫です」
大丈夫ではなさそうに見える
102
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 03:47:12 ID:1USNUemYO
レディファーストと言うことでまずしぃに身を清めさせる
頭も少しは冷えるだろう
この寺院は、建物丸ごとがヤメーテにより幻覚地形で作られているそうで入り口はない
ように見えるが壁を通り抜けて入る事はできる……泉を妖怪から守る為にかけた魔法だと云う……寺院自体はハリボテみたいなモノだ
しぃが水浴びをしている間、俺達三人は近寄ってくる妖怪に警戒しつつ
魔法について話を聞く
彡(゚)(゚)「さっき見てもらった地獄のコンビネーションの時の(´・ω・`)は、ワイの召喚契約した妖怪やで。コンヌ遺跡にもともと住んどった原住民やから原ちゃんと呼んどります」
(;・∀・)「大爆発して粉微塵になったが、死んでしもうたのか?」
彡(゚)(゚)「せや。けど、ワイが呼び出す度に復活するんや。召喚魔法ってのはそういうもんなんやで」
(;・∀・)「脱糞なしでは呼べぬのか?」
彡(゚)(゚)「できるやで〜?けど、召喚には隙がありますんや。せやからワイ将は隙消しの為に脱糞を併せ技として使うてるわけや」
彡(゚)(゚)「ちょっと呼んだりましょか?原ちゃ〜ん!?ご指名やで!」
空間を歪め、先の白丸い妖怪が出現する
(´・ω・`)「……ぶち殺すぞ?」
初手から物騒な白丸。しかしいきなり爆発したりはしないようだ
103
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 04:00:56 ID:1USNUemYO
彡(゚)(゚)「原ちゃんは妖怪の中でも特殊な部類やね」
彡(゚)(゚)「レイバーロードって云う種族に属しとって、敵もろとも自爆し、生涯を終える……って性質を持っとるんやけど」
(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」
彡(゚)(゚)「召喚契約すれば、召喚の度に復活やで。ワイとの契約は原ちゃんの為にもなっとるんや」
(´・ω・`)「僕のすみかのコンヌ遺跡から出てってよ……おにいちゃんたち」
(;・∀・)「いや、ヤメーテはともかく、拙者らはここに住もうとはしておらぬぞ」
(´・ω・`)「そっか。ならきうりおくれ。したら許すよ」
きうり?
( ・∀・)「きうり?」
(´・ω・`)「きうり!」
104
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 04:17:59 ID:1USNUemYO
愛嬌があると言えばあるその白丸に
次来た時には胡瓜を持ってきてやると言ってみる
(*´・ω・`)「わあ!やったね!」
彡;(゚)(゚)「すまんこってす。原ちゃんはきうりに目がないんや」
(´・ω・`)「ねえやきうのおにいちゃん。僕達囲まれてるけどぶち殺していい?」
(;・∀・)「囲まれ?……ッッッ!」
骸骨の様な妖怪が、辺りに7体。いつの間にやら忍び寄っている
それぞれ様々な武器を携えている
やれやれ。仕入れのお仕事の時間ようだ
彡;(゚)(゚)ヒエエ「数が多いで……時間稼いでや、原ちゃん」
( ・∀・)「しぃの身仕度の邪魔はさせぬ。拙者と大通連がお相手致す!」
105
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 04:25:51 ID:1USNUemYO
(´・ω・`)「危ないから僕の近くでは戦わないでね?バラバラに吹っ飛ぶよ」
(;・∀・)「了解」
白丸が敵左翼に突っ込んでいく
俺とジエンは右翼だ
ヤメーテは何やら術を使うらしく、意味不明なダンスを始めている
脱糞するなよ!と釘を刺しておく
彡;(゚)(゚)「わ、わかってますやで!」
106
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 04:49:41 ID:1USNUemYO
(´・ω・`)「汚ねぇ花火だ!」
チュドーン!
白丸は先ほど見せた大爆発を再び見せる
木っ端微塵に吹き飛ぶ白丸と左翼三体の骸骨共
己を汚ねぇ花火と称するのは正直どうかとは思うが
そんな事を気にしている場合ではない
(#・∀・)ウォォ「大!通!連ッ!」
回転横凪ぎ三連。骸骨の一体を弾き飛ばし、その大腿骨を叩き折るジエン
その大振りの隙を埋めるのは俺の仕事だ
ジエンの背を狙う骸骨の刀を剣で止め、当たるにまかせた蹴りで間合いを拡げる
その間に術が完成
彡#(゚)(゚)「ストーマや!」
奥に控えていた槍の骸骨が、その場で硬直し、動けなくなる
当然、パタリと倒れる
彡#(゚)(゚)ドヤァ「どや!?骸骨らしゅう地面に転がっとれダアホが!」
107
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 05:09:24 ID:1USNUemYO
二体に立て続けに狙われ、俺は肩にナイフの一撃を受ける
浅く刻まれ、悲鳴をあげて転げ回る無様さ
(#・∀・)「お、おのれ!拙者が守るべき者をよくも傷つけてくれたなアアアア!許さぬぞッ!!」
俺の傷を見て俺以上に怒るジエン
幸いにも浅手で済んではいる。カアチャンからすすめられた硬い皮鎧のおかげだ
俺はあえて立ち上がらず、這いつくばった格好のまま反撃
脛を掻ききるように狙いバランスを崩させる
ジエンがそれに回転三連切り上げ。見事に鞘を顎に叩き込み、砕く
彡#(゚)(゚)「魔法はこれで打ち止め!ミサーマや!」
最後の一体に対し術を唱えるヤメーテ
とたんに、骸骨はその場にくたりと脱力し
何といびきを掻いて眠りこけた
(;・∀・)「骸骨が……寝るとは知らなんだわ……」
俺はいびきの元を、手近の大きな石で叩き割った
108
:
同志名無しさん
:2016/08/04(木) 13:41:39 ID:0rwrsccM0
レイバーロード自爆ナツカシス
109
:
同志名無しさん
:2016/08/16(火) 13:50:59 ID:VjzOABU6O
そろそろ続き来るかな?
110
:
同志名無しさん
:2016/08/18(木) 11:24:34 ID:WanMs3520
事情アリ。半月まて
111
:
同志名無しさん
:2016/08/24(水) 02:53:58 ID:87lEj5G.0
まだ半月経たんのか!
112
:
同志名無しさん
:2016/09/18(日) 09:22:27 ID:FAIPqqLUO
半月…
113
:
同志名無しさん
:2016/09/20(火) 04:50:13 ID:53E56S3Q0
この調子だと2カ月だな
114
:
同志名無しさん
:2016/11/12(土) 09:51:48 ID:ooYgBy5o0
そして3ヶ月が経ちましたとさ
115
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 21:36:46 ID:nlOg8b.s0
…………
116
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 21:40:58 ID:nlOg8b.s0
俺がなぜここで倒れているのか。それは、わからない
数枚のカードが、俺の周りにばらまかれている理由もだ
117
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 21:45:33 ID:nlOg8b.s0
這いつくばる俺を見下ろしている男がいる。不敵に笑っている
俺はこの男に倒されたのか
何も分からない
118
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 21:49:59 ID:nlOg8b.s0
いつかの2
「プレインズウオーカー」
119
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 21:54:57 ID:nlOg8b.s0
男はしかし、俺に止めを刺せずにいる
息も絶え絶えな俺が握りしめる一枚のカードが
男を、その思考を、虚ろにしているからだ
120
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 22:02:55 ID:nlOg8b.s0
分からない。
しかしながら、そうなのだ
俺の思考が、まるで二つあるかのような理解出来ぬ理解
俺は俺の状況が飲み込めていないにもかかわらず
だからこそ取るべき対策も立てられぬまま、這いつくばったまま
しかし、俺は男を制していた
121
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 22:09:56 ID:nlOg8b.s0
時はあまねく総てに対し平等に流れる
ただし、「宿命」を背負わせたなら
すなわち、「停滞」
122
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 22:17:39 ID:nlOg8b.s0
分からない。のは
多分、俺があるべき時間を飛び越えたから
こうなった理由経緯を、飛び越える何かをしたから
だと 思う
123
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 22:25:02 ID:nlOg8b.s0
数分前、俺は男に殺されかけた。のだろう
だが、男は動けない。ピクリとも。
これからはその顔に残忍な笑みを貼り付かせたまま
永久に立ち尽くし、見下ろし続けるのだ
124
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 22:34:00 ID:nlOg8b.s0
やれやれ
俺はピクリとも出来ぬ男の鞄を探り、小壷に入っていた「治癒の軟膏」を傷口に塗りたくる
ついでにマジックで男の額に
肉
と書いてその場を後にした
125
:
同志名無しさん
:2017/08/04(金) 23:33:12 ID:uIASFY5E0
続き来た?
本気で嬉しい
126
:
同志名無しさん
:2017/08/06(日) 00:58:32 ID:9GA7rLwI0
スレタイをしっかりと実行してくれたな
127
:
同志名無しさん
:2017/08/11(金) 14:56:15 ID:s8KWJacM0
帰ってきてるやんけ!!待ってたぞ!!
128
:
同志名無しさん
:2018/09/02(日) 00:54:23 ID:s9Vydve.0
俺がなぜここで倒れているのか。それは、わからない
よたつきながら立ち上がり辺りを窺えば、眼前に天高くそびえ立つ塔
まるで塔自体が、我の他に何も無し….と語っているかのような……圧倒的存在感
まどろみ、半ば以上呆けたままの頭を振ってみるがしかし
やはり塔しか認識できぬ……
確かにそれを取り巻くだだっ広い草原には、他に何も見当たらぬのだ
129
:
同志名無しさん
:2018/09/02(日) 00:58:45 ID:s9Vydve.0
いつかの3。そして始まりとすべて
「塔」
130
:
同志名無しさん
:2018/09/02(日) 01:38:43 ID:s9Vydve.0
昔、戦があり
二人の旅人が戦に参加し、大きな功を立てた
恩賞として彼ら旅人が領主に望んだものは、僻地の極々小さな土地と、そこへの塔建設だ
誰にも邪魔をされることなく戦いの修練を積む為の塔。更なる強さを求める場
二人曰く「荒修練の場としたいゆえ、塔内で何があろうと干渉無用。危険につき余人決して近寄らせぬよう」と
領主は….二人の大功に報いるにはあまりにささやかな……望みを叶えた
131
:
同志名無しさん
:2018/09/02(日) 02:59:47 ID:s9Vydve.0
二人の旅人
一人は、異国産の長剣を携えた年若い戦士
今一人は、黒灰色の長衣を纏う、禿頭猫背の従者
二人は主従関係にあったらしい。と伝えられるが
完成した塔に入った二人を、その後見た者はおらぬ
塔内で、彼らが如何なる修行を積んだのか?はたまた他の意図があって塔に籠もったのか?
….其れは、まだ語る訳にはゆかぬ….…
132
:
同志名無しさん
:2018/09/02(日) 03:23:18 ID:s9Vydve.0
なんにせよ
領主は二人との約束を守り、領民を塔に近付かせなかった
そして数十年かが過ぎ、更なる何度かの戦によって領主がそのたび毎に代わり
しかし塔のある場所は、何の資源的価値なく軍用、農地としても役に立たない僻地であり見向きもされなかった為
塔は人知れぬ、ゆかりなき、風雨に曝された岩とレンガの積み重ねになっていった
133
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 00:46:27 ID:lFx2ypjY0
私はなぜここで倒れているのでしょうか。それは、わかりません。どうでもいいのです。もう
動けそうにないですねぇ
壁にもたれかかって、しばらく経ちました
お腹が空きました….けど、懐には銅貨一枚すらありませんし、この街に知り合いはおりませんから助けなど望めません
このまま、飢え死に。ですかね……
ああ、眠くなってきました……
眠ってしまえば、楽になれますかね
134
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 00:56:18 ID:lFx2ypjY0
申し訳ありませんが
私がここでみすぼらしく屍をさらし、皆様に不快な思いをさせてしまうこと、ご容赦願います
もう、本当にそれだけが、私の願いです
壁に私の腐敗臭が染みついてしまったら、それも申し訳ない。ですけれども
135
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 01:17:19 ID:lFx2ypjY0
せめて心おちつかせ穏やかに逝きたいと思い、目を閉じてみましたが
たくさんの辛い思い出が闇に溢れて泣けてきます
水分も足りておりませんので、涙は出ませんが
お前は邪魔者だ
早く死ね
目障りだ
顔ない皆様に、そう言われ続けて生きてきました
皆様のおっしゃる通りだと思います
136
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 01:33:21 ID:lFx2ypjY0
どなたかは存じませんが、私の傍を通り過ぎて行かれたかたがおります
私のもたれかかっている壁の近くには扉があったようです
軋みながら開く扉の音、中に入って遠ざかる足音
私は目をあけずにおりましたから、よく分かりませんでしたが….多分そうなのでしょう
よかった。私などに気を止める事がなくて
137
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 02:05:59 ID:lFx2ypjY0
( ,,^Д^)「さてさて、噂は本当かな?」
安物の革鎧を纏い、腰には異様に曲がりくねった小剣を下げた男が一人、塔に入り込む
カンテラで辺りを照らし、慎重に様子を窺っている
数日前、男はこの朽ちた塔に古代の宝が隠されているという噂を耳にし
それを手に入れんとのこのこやって来たのである
塔はうすらカビ臭く埃だらけで暗い
もちろん、人など住んでいるわけもない
( ,,^Д^)「ま、宝とまではいかんでもよ?小遣い銭になるくらいのモンがありゃそれでいいがな……」
廃墟狙いのコソ泥だ
138
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 02:40:25 ID:lFx2ypjY0
このコソ泥男、名を「タカラ」という
あちらこちらでセコい悪行を重ねてきたため、賞金稼ぎに追われている
辺境僻地に来たのは、そもそもは追っ手をまくためであった。塔の宝の噂はたまたま聞いた、もののついで
( ,,^Д^)「住めそうなら……しばらくここで身を隠すのも……ありっちゃありかな」
しかし実のところ
タカラを追っている賞金稼ぎ達は鼻がきき、目ざとく、執拗で
タカラが思っているより近くまで迫っている
塔のことなど何も知らない者達が集い
そして塔に飲まれていく
塔のカードは
139
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 03:14:29 ID:zwEut//U0
なんだスカピン生きてたのか
あれスカピンだよなスカンピンだったか?
140
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 03:21:04 ID:lFx2ypjY0
俺達は何とか骸骨共を片付け、安堵から大きくため息をつく
( ・∀・)「ふぅ、此度の敵は数がいたが……魔術?妖術?の威力まっこと恐るべし。見かけはともかくも心強いものよ」
その台詞だけを聞けば、まるでヤメーテの術にジエンが感心したように聞こえはするが
無表情で骸骨共からの戦利品を物色している態度を見るに、明らかに本心からの言葉ではない。口だけだ
まあそれも、ヤメーテの側に多大な問題があるので仕方なしではある
苦笑しつつ、俺も戦利品回収の業務にかかる
そしてその品の中に、不気味な札の貼られた刀を見つける
刀身に、直にベタ貼りされた札
これも、この地方特有の妖術に関わるものなのか?
そうでなければおかしい。札が戦いの邪魔になるはずだ
あるいはカーチャンならば鑑定は出来ようか……?
141
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 03:48:05 ID:lFx2ypjY0
俺の肩からひとしずくの血が刀身に垂れる
( ・∀・)「貴公、いいから傷の手当てしながら少し休んでおれ。戦利品回収は拙者が引き受けよう」
ジエンの言葉に甘えるとしよう。また俺はジエンの頼もしさに甘えるしかないのかと、少なからず自己嫌悪を覚える
水浴びをしている最中であろうしぃのこともあり、今の俺達は隙だらけだ。と感じもした
ヤメーテに周囲の警戒をさせるべく、声をかけようと……し、たが
142
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 04:06:54 ID:lFx2ypjY0
ヤメーテは、俺の手元を、いや、手元の刀を、でもなく
刀に貼られた札を見て、突然絶叫をあげた
彡;(゚)(゚)「ぎいやあぁあぁあアアぁああ!」
な、なんだというのだ!?
彡;(゚)(゚)「あ、アカン!あんさん!そら、そらアカンで!!何でそんなモンが!」
??
彡;(゚)(゚)「そのカードはアカンやつや!!メッチャヤバイやつやで!はよ捨ててや!」
カード???刀に貼ってあるこの札のことか???
彡;(゚)(゚)「それは、ネク……黒い」
143
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 14:59:34 ID:lFx2ypjY0
夫が、古代の宝が隠されているという塔へ向かってもう十日になる
私は夫の捜索願いを出した
街で数名規模の捜索小隊が編成され、夫を連れ戻すべく塔へと進軍していく
私は大袈裟に泣き芝居をしてみせたりなどし、夫を思うあまり心が弱っている。と街人に印象づけて家に閉じこもった
ζ(゚ー゚*ζ「これでよし。と」
私はあの塔に宝があるのかは知らない。おそらく無いと思っているが、夫には街で聞いた宝の噂をそのまま伝えた
私が知っているのは
塔には邪悪な人食い妖怪が複数棲んでいることと
それらは、少なくとも数年おきには食事を採らねばその身が朽ちてしまうこと
ζ(゚ー゚*ζ「後はもう暫く待ってみて……かな?」
夫も捜索隊も戻らなければ……
144
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 15:04:00 ID:lFx2ypjY0
ζ(゚ー゚*ζ「お家に」
145
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 15:05:32 ID:lFx2ypjY0
いつか、帰る……
146
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 15:11:22 ID:lFx2ypjY0
ζ(゚ー゚*ζ「うふふ……ああ、早く帰りたいなぁ」
147
:
同志名無しさん
:2018/09/03(月) 15:20:45 ID:lFx2ypjY0
半月後のある夜
不意に私の寝室の扉が開かれた
ζ(゚ー゚;ζ「 」
骸骨は「ただいま」と言った
148
:
同志名無しさん
:2018/09/04(火) 12:06:09 ID:xOW5glfg0
おつ!いいはなしだった!きえろ!
149
:
同志名無しさん
:2018/09/04(火) 23:59:22 ID:5iBEY4lM0
怖い話だったんだな
150
:
同志名無しさん
:2019/01/31(木) 15:18:44 ID:kpknfJb.0
忘れた頃にちゃんと更新してくれるから嬉しい
次回も楽しみにしてる
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