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ξ゚⊿゚)ξお嬢様ラグタイムのようですお(^ω^ )
20
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:16:15 ID:.8RiXELE0
( ^ω^)「次はここだお」キキーッ
ξ゚⊿゚)ξ「教会?」
( ^ω^)「の、裏の駐車場だお」
ξ゚⊿゚)ξ「何なの?まさか神父様がお酒を買ってるの?」
( ^ω^)「まあまあ、ちょっと待つお」
-五分後-
ξ゚⊿゚)ξ「あれ?オッサンがこっちに来るよ?」
( ^ω^)「おっ、迷える子羊が来たようだお」
コンコン
「ブーンさんかね?」
( ^ω^)「毎度。いつものだお」
「ほい6バックス」
( ^ω^)「毎度ありー」
ξ゚⊿゚)ξ「へえ。教会に通う信徒が買っていくのね」
( ^ω^)「平日昼間から教会に通うようなオッサンは、救いが必要なんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「あっ、また来た」
21
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:16:53 ID:.8RiXELE0
( ^ω^)「30分たったお。長居は無用、ポリが来る前にそろそろ移動するお」ブロロロロ
ξ゚⊿゚)ξ「半ダース売れたわね。残り22本か」
( ^ω^)「次はあそこに行ってみるお」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ、ここ軍の演習場じゃない」
( ^ω^)「正しくは夜間行軍演習場だお」キキーッ
ξ゚⊿゚)ξ「こんな何もないただッ広いところで何すんのよ」
( ^ω^)「穴掘りだお。そこのスコップ取ってくれお、お嬢様」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ、あたしヤダ。ブーンやって」
(;^ω^)「……」
22
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:17:53 ID:.8RiXELE0
-15分後-
(;^ω^)「ふう、やっと掘れたお」
ξ゚⊿゚)ξ「ご苦労様」
(;^ω^)「」
( ^ω^)「まあ…これで1ダースほどを麻袋に詰めて…っと」ガシャガシャ
( ^ω^)「穴の中に入れて埋め戻すお」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ、ブーズを埋めちゃうの?」
( ^ω^)「このブーズの袋が明日には金の袋になってるっていう寸法だお」
ξ゚⊿゚)ξ「ふーん…」
ξ゚⊿゚)ξ「とりあえず土まみれで汚いから近寄らないでくれる?」
( ^ω^)「このお嬢様おにちくである」
23
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:18:27 ID:.8RiXELE0
ξ゚⊿゚)ξ「さーてあと10本ねー」
( ^ω^)「だお。残りは…」ブロロロロ
( ^ω^)「地元の不良少年にでも売るお」
ξ゚⊿゚)ξ「少年? そんなのが一人で10本も飲むの?」
( ^ω^)「ギャング気取りだお。自分は飲まずに横流しして、ブーズビジネスのトレーダー気取りでいるんだお」
( ^ω^)「だいたいいつもこの辺にいるんだけど…」
ξ゚⊿゚)ξ「もしかしてあいつ? 二人いるけど」
( ^ω^)「おっ、あのボーイズだお。今日はダチと一緒かお」キキーッ
24
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:19:46 ID:.8RiXELE0
ξ゚⊿゚)ξ(工業用オイルで固めた髪にガラの悪いシャツ…キメッキメの不良少年ね)バタン
( ^ω^)「ヘーイ、ボーイ!」バタン
1「あ? なんだブーンかよ。何か用か?」
2「おい何だこのデブは?」
1「ブーンっつーダチだよ。ブーズビジネスのパートナーさ」
2「ヒューッ、クール!」
ξ#゚⊿゚)ξ(何こいつら)
( ^ω^)(まあまあ相手はガキだお。抑えるお)
( ^ω^)「そう、俺はパートナーさ。今日もブツを持ってきたぜ?」
1「はぁ? ちゃんとしたブツなんだろうな?」
2「最近はゴミを持ってきやがる売人も多いからなぁ!?」
( ^ω^)「いつものまちがいないやつだお。そっちこそグリーン(金)は用意してるんだろうな?」
1「あ?てめぇ誰に向かって口きいてんだ?オラ?」
2「金がねぇかだと? このとおりだよ」ヒラヒラ
25
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:20:31 ID:.8RiXELE0
1「ちゃんとブツを見せろや。そっちが先だ」
( ^ω^)「オーケー、確かめるお。ツンさん、ブツを…」
2「ハハァ!?可愛い子連れてんねぇデブのオッサン!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)(どうどう、あと少しだお)
ξ#゚⊿゚)ξ ドスン!!
1「チッ、愛想のねぇ女だなぁ!?」
2「ほっとけよそんなブス、それより酒だ酒」
1「おっそうだな。検品してやるか」
カチャカチャ ジーッ カチャカチャ
ξ゚⊿゚)ξ(何なんこいつら!?目利き気取りか!?)
( ^ω^)(いいから、やらせておくお)
26
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:21:32 ID:.8RiXELE0
1「何だこれはぁ!?」
( ^ω^)「…は?」
2「どうした、1?」
1「色が腐ってやがらぁ!!こんなもん飲めるかぁ!!」ブンッ ガシャーン
1「おらブーン!!俺様を舐めようたってそうは」
ブーンの後ろに回した右手が背中に挟んだ45口径M1911を引き抜いたが、
その銃口が1に向くよりも早く、ツンの繰り出したハイキックが1の側頭部を正確に捉えていた。
( ^ω^)「…お」
トン、とツンの蹴り足が地面に着くのに遅れて、1の体がドサリと横向きに倒れた。
27
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:22:10 ID:.8RiXELE0
2「あ、あ、あ……」
ξ#゚⊿゚)ξ
ツンの怒りに燃えた双眸が、2の姿を離さずに捉え続けていた。
ブーンの銃口とツンの瞳に射すくめられた2は、ゆっくりと左手を上げ、
足を震わせながら右手に持った札束をブーンのほうに差し出していた。
乾いた銃声が響いた。
2は裏がえった悲鳴をあげて、四肢を竦めるように飛び上がった。
2の足元のアスファルトが、銃弾を受けてえぐれ、砂が跳ね返った。
2は持っていた札束を投げ捨て、こけつまろびつ背中を向けて逃げ出した。
28
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:22:45 ID:.8RiXELE0
( ^ω^) ブロロロロロロ
ξ゚⊿゚)ξ「ブーズ、9本あまっちゃったね」
( ^ω^)「だおね。まあいいお。稼ぎは6ケースぶんまるまるだお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
( ^ω^) ブロロロロロ
( ^ω^)「…お嬢様」
ξ゚⊿゚)ξ「ん?」
( ^ω^)「ブーンの仕事がどんなものか、これでわかったお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…うん」
( ^ω^)「これからはこんなことはもう…」
ξ゚⊿゚)ξ「…っげー」
( ^ω^)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「楽しかった!!」
( ^ω^)
29
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:23:26 ID:.8RiXELE0
( ^ω^)「あっ、ちょっと何言ってるのかわからないです」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンも助かったじゃない」
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ「今日の1を殺さずに済んだの、アタシのお陰だよね」
( ^ω^) アッハイ
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ明日もブーズビジネスやるの?ねえ?」
( ^ω^)「あっ大丈夫っす、一人で…」
ξ゚⊿゚)ξ「つれていかないとパパに言うけど」
( ^ω^)
(^ω^)
30
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:23:50 ID:.8RiXELE0
ξ゚⊿゚)ξ第1話 おしまい(^ω^ )
31
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:28:16 ID:bWECXxis0
くそ面白い!
だが改行だけ出来れば頼む……
32
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 20:36:29 ID:yc1bYtaw0
面白い
いいぞ
33
:
同志名無しさん
:2016/03/17(木) 22:31:04 ID:mLFSy9CM0
乙
好き
34
:
同志名無しさん
:2016/03/18(金) 10:18:11 ID:lPrLoIXk0
おもしれー
35
:
同志名無しさん
:2016/03/18(金) 12:10:53 ID:A5rDxjbw0
乙
36
:
同志名無しさん
:2016/03/18(金) 13:13:39 ID:98E8rImI0
ツンちゃんかわいい
37
:
同志名無しさん
:2016/03/18(金) 16:47:29 ID:ebN8cFQA0
AA間一行空けたらもっと読みやすくなるぞ
とにかく面白かったから期待してるぞ!
38
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 03:10:52 ID:EVe1x7MY0
乙
すげーオモロイわ
39
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:51:48 ID:v3P1QyFQ0
ジリリリリリリリン ジリリリリリリリリン
( -ω-)
( -ω-)「誰だお? こんな朝早くに」
ジリリリリリリン
( -ω-)「…ハロー」ガチャッ
('A`)「おいブーン!! 俺だよ俺俺!!」
( -ω-)「なんだ、ドクオかお」
('A`)「きいてくれよ!! すっげえネタを掴んだんだよ!!」
ξ゚⊿゚)ξお嬢様ラグタイムのようですお(^ω^ ) 第2話
40
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:53:03 ID:v3P1QyFQ0
( ^ω^)「お前にかかりゃ、マンマのスープに肉が入ってれば大ニュースだからなぁ…」
('A`)「まあそういうなって、今度のはマジの大マジだから!」
( ^ω^)「ふーん。で、何だお?」
('A`)「電話じゃ話せねえ。おまえニューソク公園まで来れるか?」
( ^ω^)「ああ、お嬢様を学校に送ってからなら大丈夫だお」
('A`)「オーケー。じゃそのくらいの時間に待ってるからよ」
( ^ω^)「わかったお」
('A`)「そうそう、ピース(銃)はちゃんと持ってこいよ。じゃあな!」ガチャン
( ^ω^)「相変わらず騒々しい奴だお」チン
41
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:53:35 ID:v3P1QyFQ0
( ^ω^)「というわけで、今日は公園に行くんだお」ブロロロロロ
ξ゚⊿゚)ξ「ふーん」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚ー゚)ξ+
( ^ω^)「あっ、だめです」
ξ゚⊿゚)ξ「何よ。まだ何も言ってないわよ」
( ^ω^)「言わなくてもわかります」
ξ゚⊿゚)ξ「そう。じゃ話は早いわね」
( ^ω^)「だからダメだって…」
ξ゚⊿゚)ξ「お父」
( ^ω^)「はいわかりました。行きましょう」
42
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:54:12 ID:v3P1QyFQ0
-ニューソク公園-
( ^ω^)「ついたお」キキッ
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオはこの遊歩道の奥?」スタスタ
( ^ω^)「この時間は人が少ないんだお。奥の休憩所のベンチだお」スタスタ
ξ゚⊿゚)ξ「あっいたいた」
ξ゚⊿゚)ξ「相変わらず後ろ姿からしてキモいわね」
( ^ω^)「おーい、ドクオ」
('A`)「おう! ブーン…と…?」
(゜A゜)「おおおおお嬢様!?」
ξ゚⊿゚)ξ「その驚いた顔もキモいからやめてくれる?」
43
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:54:42 ID:v3P1QyFQ0
('A`;)「どうしてお嬢様がここへ」
ξ゚⊿゚)ξ「仕事で来たのよ」
( ^ω^)「話すと長いお」
( ^ω^)「それより、お前の話って何だお?」
('A`)「それだよそれ!!最高にビッグなネタを掴んだんだよ!」
('A`)「このネタで一気に成り上がってビッグになれるぜ、俺たち!!」
ξ゚⊿゚)ξ「へー。あんた背はスモールなのに?」
(;A;)「あっそれ言わないで」
44
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:55:39 ID:v3P1QyFQ0
('A`)「まぁ道道話すよ。車を出してくれ」
( ^ω^)「オーケー。どこに行くお?」 バタン
ξ゚⊿゚)ξ バタン
('A`)「シティホールのほうへ行ってくれ」バタン
( ^ω^)「で、ネタは何だお?」 プロロロロロ
('A`)「聞いて驚くな! ウィスキーだ!!」
( ^ω^)「ヒュウ! ウィスキー!」
('A`)「ああ、正真正銘のバーボンだ。俺の情報網でキャッチしたんだ」
( ^ω^)「そいつが本当なら、ドクオ、おまえ今度こそ本物の大ネタを仕入れてきたってことになるな」
('A`)「まかしとけよ。俺様の情報屋は優秀なんだぜ?」
45
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:56:13 ID:v3P1QyFQ0
ξ゚⊿゚)ξ「へー。ウィスキーってそんなに良いものなの?」
( ^ω^)「そうだお。ウィスキーを作るには大規模な設備がいるんだお」
( ^ω^)「だからこのご時世、なかなか手に入らない。手に入らないけど人気は高い」
( ^ω^)「ウィスキーを捌いたら、ビールよりはるかに実入りが大きいんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ふーん」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオにしてはやるじゃない」
('A`) フヒ フヒヒヒヒ
46
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:57:10 ID:v3P1QyFQ0
( ^ω^)「で、ネタはブツかお? それとも蒸留所かお?」
('A`)「その辺の詳しい話を俺の情報屋に直接聞こうと思ってな。あ、そこで停めてくれ」
( ^ω^)「あのポストの前くらいかお? オーケー」キキッ
('A`)「サンクス、じゃあ行こうぜ」ガチャッ
ξ゚⊿゚)ξ「ダウンタウン(ビジネス・オフィス街)じゃない。こんなとこに情報屋がいるの?」ガチャッ
('A`)+「お嬢様、俺は腐っても元会計士。インテリのシティーボーイなんだぜ?」
('A`)「あのビルだよ。15階だ」
( ^ω^)「おおお…なんかすごいオフィスビルだお…」
47
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:57:49 ID:v3P1QyFQ0
ξ゚⊿゚)ξ「クール・ストレート会計事務所。ここ?」
('A`)「フッ…俺様の古巣の一つさ…懐かしいぜ……」
( ^ω^) ピンポーン
ガチャッ
('A`)「よう、オレだ。ストレートさんはいるかい?」
事務員「はい、所長室でお待ちですよ」
('A`)「ジャマするぜ」スタスタ
ξ゚⊿゚)ξ「…わー。オフィスってこんなになってるの」スタスタ
( ^ω^)「みんな事務机に座って作業してるお。退屈じゃないのかお」スタスタ
48
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:58:32 ID:v3P1QyFQ0
コンコン
事務員「失礼します。ドクオが来ました」ガチャッ
('A`)「よう、クー」
川 ゚ -゚) …ジロリ
川 ゚ -゚)「後ろのメンツは? 初対面のようだが?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ…初めまして。ツンです」
( ^ω^)「ブーンだお」
川 ゚ -゚)「クール・ストレートです。どうも」ガタッ
ξ゚⊿゚)ξ(わぁ…かっこいい女の人。ダークなタイトスーツが決まってる)
( ^ω^)(ドクオ、この人が情報屋かお?)
('A`)+(ああ、この俺様にふさわしいオンナだろ?)
49
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 18:59:24 ID:v3P1QyFQ0
('A`)「で、だ。クー、早速だが、例の話を」
川 ゚ -゚) ジロリ
('A`)「あ、ああ。わかってる。取り分はいつものとおり取りハンで…」
川 ゚ -゚)「今回はナナだ。ネタがネタだからな」
('A`;)「ナナ!? い、いくらなんでも7割は…」
川 ゚ -゚)「おいドクオ…」
川 ゚ -゚)「お前の国家資格は何だ? 言ってみろ」
('A`;)「は、はい。PA(会計士)です」
川 ゚ -゚)「それで私は?」
('A`;)「し、CPA(公認会計士)です…」
川 ゚ -゚)「ボスは誰だ?」
(;A;) クーサマ デス
川 ゚ -゚)「ナナだ。いいな」
(;A;) ハイ
50
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:00:06 ID:v3P1QyFQ0
川 ゚ -゚) スッ
( ^ω^)「くそみそストリート・242番地?」ピッ
川 ゚ -゚)「フサギコ・オコンネルというアイルランド人がやってる印刷所だ。そこに行け」
ξ゚⊿゚)ξ「印刷所?」
川 ゚ -゚)「ああ、お嬢さん。かいつまんで説明しようか」
川 ゚ -゚)「私はCPA有資格者として、このニューソクシティの徴税調査を担当している」
川 ゚ -゚)「収入におかしなところのあるヤツらを片っ端から調べているわけだ」
('A`)「で、ウラ仕事の証拠が見つかったら、こうして俺に情報を流してくれる」
( ^ω^)「なるほど。公安に摘発されて逮捕されるより、口止め金を納めたほうがマシってことか」
51
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:00:44 ID:v3P1QyFQ0
川 ゚ -゚)「だいたいはそうなんだが、今回はちょっと毛色が違う」
川 ゚ -゚)「そのフサギコって奴だが、何かおまえらに頼みたいことがあるらしい」
('A`)「へえ。そのアイルランド野郎がか?」
( ^ω^)「密造したウィスキーの販売ルートが欲しいんじゃないかお?」
川 ゚ -゚)「詳しいことは本人に直接会って聞いてくれ。赤毛の毛深い大男だから、すぐにわかると思う」
('A`)「わかった。じゃあな、クー」
ξ゚⊿゚)ξ「会えてよかったわ、クールさん」
川 ゚ -゚)「ハハッ、こちらもだ。またな、お嬢さん」
52
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:01:09 ID:v3P1QyFQ0
('A`)「頼み、ねぇ…」バタン
ξ゚⊿゚)ξ バタン
( ^ω^)「とりあえず行ってみるお。くそみそストリート…」ブロロロロ
53
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:01:39 ID:v3P1QyFQ0
-くそみそストリート・242番地-
( ^ω^)「ついたお。この辺だお」キキッ
ξ゚⊿゚)ξ「ごみごみした下町ね」
('A`)「あっ、あの三階建のビルじゃね?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうみたいね。242番地って書いてある。ブザー押すね」
ビーッ
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「誰も来ないわね…もう一度」
ビーッ
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
54
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:02:16 ID:v3P1QyFQ0
ξ゚⊿゚)ξ「あれ、ドア開いてる」ガチャッ
( ^ω^)「おっ」
('A`)「入ってみるか」
ξ゚⊿゚)ξ「お邪魔しまーす」スタスタ
ガッチャンガッチャン
( ^ω^)「印刷機がうるさいおね」
ガッチャンガッチャン
('A`)「おーい、誰かいないのかー?」
ガッチャンガッチャン
ξ゚⊿゚)ξ「もしもーし」
ガッチャンガッチャン
55
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:03:33 ID:v3P1QyFQ0
柱の裏から黒い影が飛び出した。
構えたショットガンの筒先がツンの顔をポイントしたと見るや、ブーンとドクオは背中に挟んだM1911を引き抜いた。
ツンは身をかがめて人影に飛びかかり、左手でショットガンの銃身を受け流しながら右手の正拳を黒い影の顔面に叩き込んだ。
長いショットガンが宙に舞い、人影はあおむけに後ろに吹っ飛んだ。
倒れこんだ毛むくじゃらの大男に、ブーンとドクオは銃口を向けた。
('A`)「あ、あれ、あんた…?」
( ^ω^)「毛深い大男で、赤毛」
( ^ω^)「もしかして、お前がフサギコかお?」
ミ,,゚Д゚彡「えっ? てことは、あんたらがクーさんの言ってた…?」
56
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:06:24 ID:v3P1QyFQ0
ミ,,゚Д゚彡「す、すまねえ、てっきりヤツらかと思って…」
赤毛の大男は、鼻血の出た顔面を押さえながら、のっそりと起き上がった。
('A`)「ヤツら?」
ミ,,゚Д゚彡「狙われてるんだ。ウチは」
( ^ω^)「どっかの組織の連中が、ここの乗っ取りを目論んでる、ってことかお?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、多分そうだ。最近は怪しげなやつらが前の道にたむろしてるし、ウチのことを近所に聞いて回っているらしい」
57
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:07:19 ID:v3P1QyFQ0
ミ,,゚Д゚彡「さて。改めて」
ミ,,゚Д゚彡「俺はこの"印刷所"をやってるフサギコ・オコンネルだ」
('A`)「ドクオだ」
( ^ω^)「ブーンだお」
二人は銃を降ろして、背中のベルトに挟み込んだ。
ξ゚⊿゚)ξ「…よろしく」
ミ,,゚Д゚彡「お嬢さん、銃を向けてすまなかった。それにしてもあんた、いいパンチ持ってるぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたも、あたしのパンチを受けて起き上がってくるなんてね。さすが大男はタフってとこかしら?」
ミ,,゚Д゚彡「ギコハハハ!」
58
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:08:48 ID:v3P1QyFQ0
ミ,,゚Д゚彡「で、こっちの機械が、たぶんあんたらのお目当てだと思うぜ」スタスタ
( ^ω^)「おっおっ。この機械かお?」
ミ,,゚Д゚彡「そう。ここの二台の印刷定着機が、じつはコーン・ウィスキー(バーボン)の製造装置ってわけだ」
ミ,,゚Д゚彡「ちなみに入り口近くにある製本機は本物だ。うちは本物の印刷工場もやってる」
ミ,,゚Д゚彡「印刷工場の音とインクの匂いが、ヤミ蒸留酒製造の音と匂いを隠してくれるって寸法さ」
('A`)「なるほどねー…」
ξ゚⊿゚)ξ「それで、クーさんが言ってた頼みたい事って?」
( ^ω^)「話が見えてきたお。つまり、ブーンたちに用心棒をしてほしいって事かお?」
ミ,,゚Д゚彡「ビンゴ!」
フサギコは、床に積まれていたインク缶のひとつを持ち上げ、蓋を開けた。
中身の琥珀色の液体から、芳醇なウィスキーの香りが漂った。
59
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:09:32 ID:v3P1QyFQ0
ミ,,゚Д゚彡「俺は、ここで作った密造ウィスキーをあんたらに卸す」
ミ,,゚Д゚彡「で、あんたらはこの印刷所を守る」
ミ,,゚Д゚彡「そういう取引でどうだい?」
ξ゚⊿゚)ξ「どう?」
('A`)「ああ、悪くないな」
( ^ω^)「手持ちの密造酒工場が増えるのは大歓迎だお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん。じゃあ、契約成立」
ミ,,゚Д゚彡「デイィィィル(契約成立)!」
毛むくじゃらのごつごつした右手を、フサはツンに差し出した。
60
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:10:37 ID:v3P1QyFQ0
だが、ツンがその手を取る前に、けたたましい破壊音とともに一台のトラックが印刷所の入り口に突っ込んできた。
驚いて右手を差し出したまま固まるフサを置いて、ブーンとドクオは素早く印刷機械の陰に隠れた。
トラックのドアが開き、チンピラ風の若い男たちが四人降りてきた。
「おう、そっちの機械の中も探しとけ」
「さっさと酒をいただこうぜ」
ミ,,゚Д゚彡「な、な、なんだ、お前達は…!」
「あ? なんだこのオッサン?」
「ほっとけ、工員か何かだろ」
「ヒューッ、可愛いお嬢ちゃんもいるじゃねぇか」
「おい、お楽しみは後だぜ。酒を探しな」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
61
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:11:24 ID:v3P1QyFQ0
「おっ、これ酒じゃねぇか!?」
「おーっ、その蓋の空いたインク缶、ウィスキーじゃねえか」
ミ,,゚Д゚彡「お、おい!やめろ!それは…」
「あ? うるせぇな」
「アニキ、こいつ邪魔だぜ」
「おう、かまわねぇよ、殺りな」
「女はどうします?」
「連れていきゃあいいだろ。オッサンだけ殺ろうや」
トンプソン短機関銃を持ったボス格のチンピラが、フサギコを顎で指し示した。
手下たちがめいめいに拳銃を抜いて、装弾した。
62
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:12:28 ID:v3P1QyFQ0
左右に分かれてチンピラどもの側面に回り込んでいたドクオとブーンが、同時に立ち上がり、印刷機械から頭を出した。
二人の手から、銃声と共に、閃光が二回ずつ走った。
チンピラは、ある者は胸に弾を受けのけぞるように倒れ、ある者は頭を割って崩れ落ちるようにその場に倒れこんだ。
フサギコは一歩も動けず、呆然と立ちすくんでその光景を眺めていた。
しばらく、密造酒蒸留所の中に、静寂が流れた。
( ^ω^)「…大丈夫かお、お嬢様?」
まだ煙の上がっている銃を降ろして、ブーンはゆっくりとツンに近づいた。
63
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:14:37 ID:v3P1QyFQ0
ブーンの背後で、ボス格の男がもぞもぞと動いた。
血の海の中にのたうちながら、ボスはトンプソン短機関銃の銃口を、ブーンの背中に向けた。
その額に、甲高い音を立てて、ツンの投げた密造酒のたっぷり詰まったインク缶が命中した。
驚いて振り向いたブーンが見たのは、虚空に向けて、45口径弾がすさまじい発射速度で連射される光景だった。
(;^ω^)「おわーっ!!」
('A`;)「あぶねぇっ!伏せろっ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「え、え」
ミ,,゚Д゚彡「ヒィーッ!!」
ブーン達は飛び込むように前のめりに地面に伏せた。
トンプソン短機関銃は、弾倉の中の全弾を吐き出し、醸造所じゅうに銃弾の爪痕を残してから、ようやく沈黙した。
64
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:15:45 ID:v3P1QyFQ0
(;^ω^)「み、みんな無事かお!?」
('A`;)「ああ、なんとか…」
ξ;゚⊿゚)ξ
ミ,,゚Д゚彡「ハァ、ハァ…!!」
(;^ω^)「と、とりあえず終わったみたいだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね…」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫だった? ブーン」
(;^ω^)「……」
(;^ω^)「あ、ありがとうございますお、お嬢様…」
('A`)「ん?」クンクン
('A`)「なんかコゲ臭くない?」
65
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:16:15 ID:v3P1QyFQ0
('A`)「あっトンプソンの銃身から炎が走ってる」
ミ,,゚Д゚彡「あっあっちは倉庫で、塗料と密造酒の缶がたっぷり詰まってる」
( ^ω^)「……」
_人人人人人人_
> 逃げろっ!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
===ミ,,゚Д゚ξ;゚⊿゚)ξ(;^ω^)(;'A`)
66
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:16:35 ID:v3P1QyFQ0
::::::::::::::::::::::::...... ........::::::::::::::::::::::::::: ;;;;;;;::::::::::::::::::
γ ⌒ ⌒ `ヘ
イ "" ⌒ ヾ ヾ
/ ( ⌒ ヽ )ヽ
( 、 , ヾ )
................... .......ゞ (. . ノ. .ノ .ノ........... ........
:::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ、、ゝ.....| |..., , ノソ::::::::::::::.......::::::
_ _i=n_ ._ [l_ .._....,,. .-ー;''! i;;;〜-ヽ_ii_i=n_ [l h__
/==H=ロロ-.γ ,〜ー'''l ! |'''ーヾ ヾ 「!=FH=ロロ
¶:::-幵-冂::( ( |l | ) )=HロΠ=_Π
Π=_Π「Ⅱヾ、 ⌒〜"""''''''⌒〜'"´ ノ;;'':::日lTΠl:::....
Д日lTl,,..:''''" ""'''ー-┬ーr--〜''"" :::Д日lT::::
FH=n.:::::' | | :::FL日l」:::::
ロΠ=:::::.:. ノ 从 ゝ .::田:/==Д::
口=Π田:::. .::::Γ| ‡∩:::::
Γ| ‡∩Π::.... ...:::Eヨ::日lTlロ::::
Д日lTlロ_Π::::....... ...::::::::田:凵Π_=H:::
=Hロ凵Π=_Πロ=HロΠ:::.................:::::::::::口ロロH「l.FFl
67
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:17:04 ID:v3P1QyFQ0
-夜のニューソクベイ-
ザザーン
ミ,,゚Д゚彡「……」
('A`)「……」
( ^ω^)「酒は全滅、車はオシャカ、おまけに蒸留所は壊滅」
ξ゚⊿゚)ξ「春先の潮風は寒いわね」
ザザーン
68
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:18:04 ID:v3P1QyFQ0
ミ,,゚Д゚彡 グビグビ
('A`)「お前こんな時によく酒が飲めるな」
ミ,,゚Д゚彡「最後の一缶なんすよ。ドクオさんもどうぞ」
('A`)「ったくアイルランド人ってやつぁ…ってこれウマいね」
ミ,,゚Д゚彡「そりゃ、自分、アイルランド人っすから」
ξ゚⊿゚)ξ「アイルランド人は酒作りが上手いの?」
( ^ω^)「そうだお。でもお嬢様は飲んじゃダメだお」
ξ゚⊿゚)ξ「誰が飲むか、あんたらが口を付けた缶なんて」
( ^ω^)「あっ、これ本当にウマいね」
69
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:18:34 ID:v3P1QyFQ0
第2話 おしまい
70
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:54:14 ID:vkADPShI0
乙
ツンちゃんっょぃ
71
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:55:07 ID:JkO6l/nQ0
乙
ツン只者じゃなさすぎワロタ
72
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 19:58:12 ID:WwpPpQ8w0
乙
お嬢様強いな
73
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 21:47:23 ID:N8qloEyY0
ただ守られるだけのお嬢様じゃないの良い
74
:
同志名無しさん
:2016/03/20(日) 22:34:39 ID:YoIgZ1zY0
乙 強いお嬢様とか禁酒法時代とか最高
モブにもAAが当たってるともっと読みやすいかもしれない
75
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:49:44 ID:L6UqntUY0
( ^ω^)「…と、いうわけですお」
(#ФωФ)
(#ФωФ)「なるほど」
(#ФωФ)「それでウチの車がぶっとんだ、と」
( ^ω^)「はい」
(#ФωФ)「手に入る予定の酒も」
( ^ω^)「はい」
(#ФωФ)「俺の娘がドリフの爆発オチみたいな服を着て帰ってきたのも」
(#ФωФ)「全部お前のせいってことであるな」
( ^ω^) テヘッ
ξ゚⊿゚)ξお嬢様ラグタイムのようですお(^ω^ ) 第3話
76
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:50:06 ID:L6UqntUY0
( ^ω^)「と、いうようなやりとりが、昨晩あったんだお」ボボボボロロロ
ξ゚⊿゚)ξ「ふーん」
ξ゚⊿゚)ξ「それで、あんたそのあと無事だったの?」
( ^ω^)b+「なんとか致命傷で済んだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう」
ξ゚⊿゚)ξ「よかったわね」
( ^ω^)「フサを連れて行ったのがよかったお」
( ^ω^)「熟練のウィスキー職人が仲間に入ったんだお。そこだけはボスも喜んで…」
77
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:50:38 ID:L6UqntUY0
ボロロロロ…
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、もっとスピード出ないの?」
(;^ω^)「すみませんお。これが精一杯だお」
ξ゚⊿゚)ξ「ていうか何なのこのボロ車」
( ^ω^)「前の高級車リンカーンとこの骨董品キングストンワゴンを比べたらいけないお」ボロボロ
( ^ω^)「俺達のセーフハウス(隠れ家)に眠ってた骨董品だお。レストアしたらなんとか動いたお」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ…こんな車で送り迎えされるなんて。最低」
ξ゚⊿゚)ξ「こんな姿同級生に見られたくないわー」
78
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:51:06 ID:L6UqntUY0
ξ゚⊿゚)ξ「この憂鬱を晴らすには…」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚ー゚)ξ+
( ^ω^)「あっ、だめです」
( ^ω^)「昨日ボスからも散々言われたんです」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫。私を信じて」
( ^ω^)「いやちょっと何言ってるのかわからないです」
79
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:51:36 ID:L6UqntUY0
( ^ω^)「というわけで、今日も一緒です」
ξ゚⊿゚)ξ「みんな、今日もよろしく」
('A`;)「いいの?昨日半殺しにされたんだろ」バタン
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫よ。私がついてるから」バタン
( ^ω^)「ついてたからボスに半殺しにされたんだよなぁ…」バタン
ミ,,゚Д゚彡「やっぱキングストンワゴンに四人乗ると狭いっすね」バタン
('A`)「おめーがデカいんだよ」
ミ,,゚Д゚彡「自分アイルランド人っすから…」
( ^ω^)「それじゃ出発するお」ボロロロロロロ
80
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:52:03 ID:L6UqntUY0
ξ゚⊿゚)ξ「それで、今日はどこへ行くの? ジョルジュのビール密造所?」
( ^ω^)「ちがうお。今日は土地探しだお」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ…?」
ξ゚⊿゚)ξ「土地? どういうことなの?」
( ^ω^)「半殺しの儀式の後に、ボスと打ち合わせしたんだお」
( ^ω^)「せっかく酒作りの技術を持った仲間が入ったんだから、自前で作らない手は無いお」
ミ,,゚Д゚彡「自分、アイルランド人っすから」
ミ,,゚Д゚彡「酒作らないとかちょっとありえないっていうか」
('A`)「しかもブツはウィスキー。ビールよりはるかに儲かる見込みがある」
81
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:52:25 ID:L6UqntUY0
('A`)「そう。いわば、駆け出しの俺たちの組織がステップアップするんだ」
('A`)「いままでは誰かから買った酒を横流ししてただけ」
('A`)「でもこれからは、自分たちで作った酒を売りさばく。仲買人から製造元になるんだ」
( ゚A ゚)「ビッグになるんだぜ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「なるほど、ね…」
ξ゚⊿゚)ξ「面白そうじゃない」
ミ,,゚Д゚彡「で、そのためにも新しい"印刷所"の用地が要るんす」
( ^ω^)「その土地を買いにいくって寸法だお」
82
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:52:54 ID:L6UqntUY0
( ^ω^)「ついたお」キキッ
ξ゚⊿゚)ξ「あれ、ここ」
[ショボンズ・バーボン・ハウス]
ξ゚⊿゚)ξ「ショボンの酒場じゃない」バタン
ξ゚⊿゚)ξ「不動産屋に行くんじゃないの?」
('A`)「オーケー。仮に俺たちが「ストレート」(カタギ)な不動産屋に行ったとしよう」バタン
('A`)「何て言って店に入っていくんだい? 「ヘイ、密造酒を作りたいから物件を見せてくれ」ってか?」
( ^ω^)「そういうことだお。俺たちが使う物件には、俺たちなりの探し方があるんだお」バタン スタスタ
ξ゚⊿゚)ξ「……」スタスタ
83
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:53:35 ID:L6UqntUY0
カランカラン
(´・ω・`)「やあ、ようこそバーボンハウスへ」
(´・ω・`)「今日はお嬢様も一緒だね。それから、新顔もいるようだが」
ξ゚⊿゚)ξ「どうも」
ミ,,゚Д゚彡「どうも。フサっす」
( ^ω^)「新しい仲間だお」
(´・ω・`)「そうかい。ショボンだ、よろしく」
(´・ω・`)「ところで君達、店はまだ開けてないんだけど…。「卸売り」に来たのかい?」
( ^ω^)「いや、今日は違うお」
( ^ω^)「前言ってた「オフィス」を紹介してほしいんだお」
(´・ω・`)「ああ、あの「オフィス」をね…」
84
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:53:55 ID:L6UqntUY0
(´・ω・`)「ちょっと待ってな」
ガサガサ
(´・ω・`)「ここの常連客の一人に、そういう物件を扱っている人がいてね」
(´・ω・`)「あった、これが「オフィス」の電話番号だ」
( ^ω^)「サンクス。さっそく電話入れてくれお」
(´・ω・`)「入れるのはいいが、ブーン、何か忘れていないかい?」
( ^ω^)「おっ。すまんお。前金はちょっと無理なんだお」
(´・ω・`)「えぇ…」
('A`)「すまねぇ。俺たちもいろいろあってな」
(´・ω・`)「前金が無理なのなら、君達のビジネスの内容を聞かせてくれないかな?」
(´・ω・`)「確実な収入のアテがあるのでなければ、僕も協力しかねるなぁ」
85
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:54:29 ID:L6UqntUY0
( ^ω^)「オーケー。まず第一。こいつはアイルランド人だお」
ミ,,゚Д゚彡「自分、アイルランド人っす」
( ^ω^)「そして第二。目立たない場所に、広いフロアのテナントが欲しい」
('A`)「あとはわかるな?」
(´・ω・`)「…ああ、なるほど」
(´・ω・`)「で、そのブツがうちの店にも流れてくるってことだね?」
( ^ω^)「今後はこのバーボン・ハウスで、本物のバーボンが提供されることになるお」
(´・ω・`)「ディール。さっそく電話しよう」
ジーコ ジーコ ジーコ
(´・ω・`)「「オフィス」の住所はここだ。行ってくるといい」
86
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:54:50 ID:L6UqntUY0
-オフィス-
( ^ω^)「またダウンタウンだお」ボロロロロ… キキッ
('A`)「タンブルストンズ・アンド・カンパニー。ここだな。ここの二階だ」
ミ,,゚Д゚彡「パーキングメーター作動させましょう。クォーター(25セント硬貨)下さい」
( ^ω^)「ないお」
('A`)「ない」
ξ゚⊿゚)ξ「……」チャリン
ミ,,゚Д゚彡「面目ねぇ」
( ^ω^)「25セント硬貨すらない貧乏集団だお」
('A`)「なに、これからビッグになるんだ。さあ行こうぜ」カンカンカン
87
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:55:12 ID:L6UqntUY0
( ^ω^)「ここだお。立派なドアだお」コンコン
「はーい」ガチャッ
∬ ´_ゝ`) キョロキョロ
ξ゚⊿゚)ξ(うわっ。美人)
( ^ω^)(おっぱいでけー)
(‘A`)(おっぱいでけー)
ミ,,゚Д゚彡(お(ry)
∬ ´_ゝ`)「こんにちは。あなたがブーン?」
( ^ω^)「そうですお。どうして俺の名前を?」
∬ ´_ゝ`)「ショボンが電話で言ってたわ。スノーボールみたいな巨漢とキュートなスクールガールがうちにご用だって」
∬ ´_ゝ`)「まあ、入って、どうぞ」
88
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:55:39 ID:L6UqntUY0
∬ ´_ゝ`)「そこに座ってね。コーヒー入れるわ」
ミ,,゚Д゚彡「こんな立派なソファーに作業着で座っていいんすか…」
(‘A`)「失礼します」パスッ
( ^ω^)「失礼します」ドスンッ
(‘A`) フワン
ξ゚⊿゚)ξ(ブーンの肉圧でドクオが浮いてる…!)
∬ ´_ゝ`)「どうぞ。飲み物よ」
(‘A`)「こりゃどうも」
∬ ´_ゝ`)「ショボンのお店のお客さんだったら、これは「飲み物」とは言えないかもしれないけど…ね」ウィンク
89
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:55:59 ID:L6UqntUY0
( ^ω^)「立派な事務所ですおね」ゴクリ
∬ ´_ゝ`)「ありがとう。ここは家族で使ってる事務所なの」
∬ ´_ゝ`)「いまはみんな仕事で出てるわ。私はだいたいこの事務所にいるから、用があったら私宛に電話をちょうだいね」
( ^ω^)「よろしくだお」
∬ ´_ゝ`)「で、ご用って?」
( ^ω^)「リアル・エステート(不動産)だお」
( ^ω^)「機械を何台か置けるビルのフロアーを用意してくれお」
∬ ´_ゝ`)「機械…ねぇ」
∬ ´_ゝ`)「そういう部屋ならいくつか扱ってるんだけど…」
∬ ´_ゝ`)「ショボンの紹介ってことは、「普通の部屋」じゃ駄目なんじゃないの?」
ミ,,゚Д゚彡 スッ
∬ ´_ゝ`)「あら、この琥珀色。もしかして」
ミ,,゚Д゚彡「そうっス。「飲み物」っス」
90
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:56:23 ID:L6UqntUY0
∬ ´_ゝ`)「そういうことね」
∬ ´_ゝ`)「オーケー、ならちょうどいい物件があるわ」
(‘A`)「ふむ?」
∬ ´_ゝ`)「確かこの辺に書類と図面が…ああ、あったわ」バサッ
( ^ω^)「倉庫…かお」
∬ ´_ゝ`)「リバーサイド地区のある倉庫業者がね、海運保険をケチった船主から焦げ付き手形を受け取っちゃったの」
∬ ´_ゝ`)「ウチがそこに抵当をつけて割り引いたんだけど、その倉庫業者、案の定行方をくらましちゃって」
ミ,,゚Д゚彡「へえ…つまり…どういうこと?」
(‘A`)「持ち主のいない、名義変更のできない、責任者のいない倉庫の一丁あがりってことだよ」
ミ,,゚Д゚彡「なるほど、さすがドクオさん、インテリっすね」
91
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:56:53 ID:L6UqntUY0
∬ ´_ゝ`)「そういうこと」
∬ ´_ゝ`)「ここなら好きに使ってもらっていいわよ」
∬ ´_ゝ`)「港湾区のリバーサイド地区だから、住人はいないし、人の出入りがあっても目立たないわ」
( ^ω^)「そいつぁいいお」
(‘A`)(ああ、リバーサイド地区なら、俺たちのアジトの隣の地区だな)
ミ,,゚Д゚彡「うん、この図面どおりの広さがあるなら、「印刷工場」にもぴったりっす」
∬ ´_ゝ`)「じゃ、決まりね」
∬ ´_ゝ`)「使用料はそうね…手形の額面の2万5千バックスでどう?」
ξ゚⊿゚)ξ(に、にまんごせん…!?)
∬ ´_ゝ`)「事情が事情だから、契約書は無し、領収書も無しになるけど…」
( ^ω^)「わかってるお」
( ^ω^)「それじゃまた、金持ってくるお」
92
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:57:15 ID:L6UqntUY0
-ダウンタウン 路上-
ξ゚⊿゚)ξ「はえー。にまんごせんバックス…」バタン
ミ,,゚Д゚彡バタン
(‘A`)バタン
( ^ω^)「案外安かったお」バタン ボロロロロロ…
ξ゚⊿゚)ξ「そ、そりゃ、不動産としてはそうかもしれないけど…」
ξ゚⊿゚)ξ「どうするの、そんな大金?」
(‘A`)「ウチの組織の運転資金が3万バックスほどあったはずさ」
( ^ω^)「そうだお。これから地下銀行に行くお」
ミ,,゚Д゚彡「あ、「印刷工場」にはそれ用のキカイもいるっすけど」
(‘A`)「と、なると、3万じゃギリギリかな」
( ^ω^)「いいお。ウィスキー工場ができたら、すぐに取り戻せる額だお」
ξ゚⊿゚)ξ「この事業に資金を全額ぶっこむのね…」
93
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:57:46 ID:L6UqntUY0
-地下銀行-
( ^ω^)「この裏だお」キキッ
( ^ω^)「ここに車を止めて、裏路地には歩いていくお」バタン
ξ゚⊿゚)ξ「はーっ。キングストンワゴンは乗ってるだけで疲れるわ」バタン
(‘A`)「ハイウェイ高架の下か。なんか薄暗い場所だな」バタン
ミ,,゚Д゚彡「狭い路地っすね」
( ^ω^)「あったお。この鉄の扉だお」ブザーオシー
ビーーーッ
シーン
ザザザッ… 「誰だ?」
( ^ω^)「俺だ。ブーンだお」
ザザッ… 「よし、入れ」
ガチャッ
94
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:58:06 ID:L6UqntUY0
ξ゚⊿゚)ξ(なにここ。昼間なのに薄暗い…)
ξ゚⊿゚)ξ(明かりがテーブルライト一つ。窓はまったく無し)
( ・∀・)「やあ。今日は団体さんだね、ブーン」
ξ゚⊿゚)ξ(そして、脳筋ボディーガードに囲まれた黒いスーツの痩せたじいさん、か…)
( ^ω^)「モララー、今日は「預金」を引き出しにきたお」
( ・∀・)「ふむ。いくらかね」
( ^ω^)「二万五千だお。それくらいの「預金」はあるお…?」
( ・∀・)「二万五千。ふむ…」
( ・∀・)「たしかに「預金」はある。が、それだけの額となると、ちょっと話を聞かせてもらっておいたほうが、お互いのためだと思わないかい?」
( ・∀・)「今回はどんな話なんだい?」
95
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:58:26 ID:L6UqntUY0
( ^ω^)「すまない、企業秘密だお」
( ・∀・)「ふむふむ、なるほど…。僕としては、その商売が確実なものかどうか、聞いておいたほうが安心かと思ったんだがね」
( ・∀・)「商売の内容を聞かせてもらえないなら、しょうがない」
( ・∀・)「少し手数料が高くなるが、いいかな?」
( ^ω^)「ボスは承知してるお」
( ・∀・)「二千だね」
( ^ω^)「千だお」
( ・∀・)「千五百。これ以上だと話を聞かなければね」
( ^ω^)「わかったお。それで現金を用意してくれお」
( ・∀・)「よし。ジョナサン、20ドル札で二万五千バックスを用意してくれ」
96
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:58:46 ID:L6UqntUY0
-地下銀行の前-
ξ゚⊿゚)ξ「…ふう。息がつまるわね、あそこ」バタン
(‘A`)「よおいしょっ…とっ!」バタン
ミ,,゚Д゚彡「20ドル札で二万五千も用意すると、かなり重くなるっすね。このトランク…」バタン
( ^ω^)「オーケー。じゃタンブルストン姉さんのとこに戻るお」ブロロロロ
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、あの黒スーツの男は何者なの?」
( ^ω^)「くわしくはわからないけど、この辺を縄張りにしてる高利貸しだって話だお」
( ^ω^)「うちのウラ資金の資金洗浄を任せてるお」
(‘A`)「つまり、それが「預金」ってわけだ」
( ^ω^)「そうだお。ブーズを売ったりして儲けたヤバい金をあのモララーに渡す。モララーはそれを綺麗な金にして、俺たちに返す」
( ^ω^)「そして、今回みたいに手数料を取る…」
( ^ω^)「そういう関係だお」
97
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:59:09 ID:L6UqntUY0
-ダウンタウン-
( ^ω^)「さて、オフィスについたお」キキッ
ミ,,゚Д゚彡「よっこいしょっ…と」バタン
(‘A`)「ヒィ重たいなぁこのトランク」バタン
ξ゚⊿゚)ξ「…ねえ」
( ^ω^)「ん?」バタン
ξ゚⊿゚)ξ「あの「オフィス」の入り口にいるトレンチコートの二人組、さっきからずっと私たちを見てるんだけど…」
98
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 14:59:32 ID:L6UqntUY0
ツンの指摘で、ブーン達は「オフィス」の入るビルの入り口を見た。
階段脇で腕組みをしていた、茶色と灰色のトレンチコートを着た二人組がその視線に気づき、ゆっくりとブーン達に近づいていった。
茶色いほうが、コートの端に手をかけた。
ブーンとドクオの表情に、さっ、と緊張が走った。
男はコートのすそをすこし開けて、腰ベルトに挟んだバッジを見せた。
(‘A`;)(やべぇ、サツだ…!)
「よぉ…紳士方…!」
灰色のほうが気楽な調子で声をかけてきた。
「ちょっと面白い話を聞いたもんでね。手に持っているものを地面に置いてもらおうか?」
ミ,,゚Д゚彡「えっ、だ、旦那方…?」
男達は懐に手を入れている。
おそらく、拳銃に手をかけているのだろう。
フサはしばらくためらった後、持っていたトランクを地面に置いた。
99
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:00:11 ID:L6UqntUY0
「ちょっと中身を改めさせてもらうぜ?」
灰色のほうがフサの脇から強引にトランクを奪って、そのとめ金に手をかけた。
「おい、カギをよこしな。ウスラデブ」
茶色いほうがブーンに近づき、威嚇するように迫った。
( ^ω^)「おまわりさん、俺たちは何もしていないお? 善良な市民だお?」
「あぁ〜? 何もしてないかどうかは、これから俺達が決めることだぜぇ〜?」
「わかったらさっさとカギを出しな」
(‘A`;)
ξ゚⊿゚)ξ ……
「それとも、こいつをはめられて面白いトコロに行きたいのかい、デブボーイ?」
灰色の男が手錠を取り出した。
ブーンと刑事たちは、たがいに顔を近づけて、にらみ合った。
100
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:00:42 ID:L6UqntUY0
オフィスビルの階段を駆け下りてくる音がした。
(´<_` )「お、おいおい、うちの前で何の騒ぎだ!?」
「あぁ!?何だテメェは?」
(´<_` )「私はオットー・タンブルストン。そこの人はブーンさんだろう? うちの顧客におかしなマネをしないでくれないか」
「そうかい。タンブルストンさんよ、あんたもコイツをくらいたくなければ、そこでおとなしく見てるといいぜ?」手錠ガチャガチャ
(´<_` )「あんたら刑事か? NBPD29分署だな? バッジはあるのか? 所持品押収の令状は?」
「…はぁ?」
(´<_` )「私は弁護士だ。このあたりの刑事裁判所のことはだいたい知っている。ギア刑事部長は元気かね? わかったら、バッジと令状をみせてもらおうか」
男達に動揺が走った。
茶色の男が、もう一度トレンチコートをめくって、腰ベルトのバッジを見せた。
(´<_` )「あれ、あんたまだ旧式のバッジを付けているのか? おかしいな、今年の頭には真ん中の星が金色になった…」
101
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:01:06 ID:L6UqntUY0
「くそっ!!!」
二人の男は、現金入りのトランクを抱えて一斉に駆け出した。
( ^ω^)「あっ!」
ブーンとドクオは反射的に背中のM1911を引き抜き、男達に向けて構えた。
偽刑事の二人組は、路上でエンジンをかけて待機していた黒塗りのラスター・ハウンドドッグに飛び乗った。
(‘A`)「ま、待ちやがれ!!」
ホイルスピンしながら走り出したハウンドドックに向けて、ブーンとドクオは45口径弾を乱射した。
リア・ウィンドウが粉々に割れて路上に飛び散ったが、
車はそのまま猛烈なエンジン音を残して走り去っていった。
102
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:01:26 ID:L6UqntUY0
(‘A`;)「く、くそっ、金を取られた! 追え!!」
(;^ω^)「やべえ、俺達キングストンワゴンしか…」
ガラスの割れる音に、ブーンとドクオは振り返った。
ドアガラスを叩き壊し、路上駐車してあったハデなピンク色のライトニング・サンダーボルトに乗り込むフサの姿があった。
ξ゚⊿゚)ξ「あっ」
フサはハンドルの下で何かガサゴソしていたかと思うと、
サンダーボルトがその咆哮をあげ、V8エンジンが高らかに響き渡った。
排気管から青色の炎を吐き出しながら、サンダーボルトは猛スピードでハウンドドッグの後を追っていった。
( ^ω^)「俺達も追うお!」バタン
(‘A`)「お、おう、キングストンワゴンだけどな…」バタン
ξ゚⊿゚)ξ「仕方ないわよ!」バタン
( ^ω^)「おっそいおー」ボロロロロ…
103
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:01:48 ID:L6UqntUY0
フサの運転するサンダーボルトはたちまちハウンドドッグに追いついた。
フサは思い切りよく、サンダーボルトの鼻先をハウンドドッグのケツにぶちこんだ。
ヘッドライトが割れる音がした。歩道の街行く人が、何事かと一斉に振り向く。
ハウンドドッグの後部座席から男が二人身を乗り出して、フサに向けて銃を乱射してきた。
フサが頭をさげると同時に、フロントガラスが粉々に砕けた。
人々は悲鳴をあげて逃げ惑った。
T字路に差し掛かった。
ハウンドドッグはドリフトしながら左へ曲がった。
フサはうまくサンダーボルトを操り、ブラックマークを最小限にして歩道をショートカットした。
緑色の郵便ポストを跳ね上げ、路上に郵便物が舞った。
104
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:02:08 ID:L6UqntUY0
曲がった先は石畳の道だった。
怒号と悲鳴が、白昼の歩行者天国を埋め尽くした。
逃げ惑う人々の残したものが、乱雑に宙に舞っていた。
警察官が静止の笛を吹いていた。
どこかからパトカーのサイレンが聞こえてきた。
新聞紙がハウンドドッグのフロントに張り付いた。
黒塗りの高級車は、それを振り払おうと蛇行運転を始めた。
そして、ホットドッグ売りの屋台に派手に衝突し、自転車とワゴンを跳ね上げた。
後を追うフサのサンダーボルトの車内に、ケチャップとマスタードのボトルが中身を吹き出しながら突っ込んできた。
顔面にレタスの切れ端を貼り付けて、フサはなおも先行するハウンドドッグを追った。
105
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:02:32 ID:L6UqntUY0
前方にまたT字路が見えた。
ミ,,゚Д゚彡「うおっしゃらぁ!!!」
フサは再び、サンダーボルトの鼻先を思い切りハウンドドッグにぶつけた。
そして、そのままスポーツカーの大パワーを生かして、ハウンドドッグをぐいぐいと前へ押していった。
「お、おい、前は壁だぞ!!」
「早くハンドルを切れ!」
「わ、わかってる!ハンドルが効かねえ…!!」
ミ,,゚Д゚彡「そいやぁ!!!」
最後の仕上げとばかりに、フサはアクセルを思い切り踏み込んだ。
衝撃が伝わってきた。
黒塗りハウンドドッグは、レンガの壁とサンダーボルトに挟まれて、長さが半分くらいに縮まって、停止した。
106
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:02:52 ID:L6UqntUY0
ブーンたちのキングストンワゴンがそこに追いついたとき、
フサはドアが開いたままで白煙を上げている黒塗りハウンドドッグの中から、
二つのトランクを回収しているところだった。
( ^ω^)「お、おい、大丈夫かお!?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、自分、アイルランド人っすから…」
ξ゚⊿゚)ξ「顔が赤いのと黄色いのにまみれて何かお祭りみたいになってるわよ」
(‘A`)「ま、まあ、立って歩けるほどには無事みたいだな」
ファンファンファンファン…
( ^ω^)「やべえ、今度は本物のサツのサイレンだお!! 近いお!!」
(‘A`)「おいフサ、乗れ! 逃げるぞ!!」ブロロロロ…
ミ,,゚Д゚彡「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
トランクをかかえたフサがキングストンワゴンに飛び乗って、ドアを閉めるのも待たず、
ブーンはその場から全力で走り去った。
やがて、ホットドッグまみれのピンク色のスポーツカーと、半分にひしゃげた黒塗り高級車の事故現場に、
無数のパトカーがやってきて、青と赤の光を振りまき始めた。
107
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:03:53 ID:L6UqntUY0
ξ゚⊿゚)ξ第3話 おしまい(^ω^ )
108
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:04:16 ID:L6UqntUY0
-おまけ-
ミ,,゚Д゚彡「まあ…色々あったっすけど、あんなおっぱいの大きな美人とお知り合いになれて、そこは良かったっすね」
(‘A`)「ああ、おっぱいは大きかったな」
( ^ω^)「おっぱい大きかったおー」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたら最低」
( ゚∀゚)「へ…へぇ? おっぱいが? ねぇ?」ピクッ
( ゚∀゚)「あ、あの、自分、こんどその店に連れて行ってもらっていいすか?」
( ^ω^)「ん? んー、まあいいお。じゃあまた今度行くお」
109
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:04:38 ID:L6UqntUY0
翌日
ジリリリリリン…
( ^ω^)「誰だおこんな朝早く…はいもしもーし」
( ゚∀゚)「ブーンか?」
( ^ω^)「なんだジョルジュかお」
( ゚∀゚)「早く来てくれよ!!」
( ^ω^)「どうしたお、今日は別に仕入れの用は無いお」
( ゚∀゚)「昨日おっぱい紹介してくれるって言ったじゃねえかよ!!」
( ^ω^)「」
110
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:05:00 ID:L6UqntUY0
( ^ω^)「というわけでジョルジュのビール工場に行くお」ブロロロロ…
ξ゚⊿゚)ξ「何なんソイツ」
( ^ω^)「まったく面倒なやつだお」ブツブツ
( ^ω^)「ついたお…ってあれ? 表に出てきてやが…」
.*( ゚∀゚)+
( ^ω^)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、燕尾服っていうの、アレ?」
( ^ω^)「モーニングって言うお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう」
ξ゚⊿゚)ξ「新内閣発足かと思ったわ。あのバラの花束がなければね」
( ^ω^)「おお…もう…」
111
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:05:30 ID:L6UqntUY0
-その日の夜 ショボンズ・バーボン・ハウス-
(´・ω・`)「やあ、ようこそ…ってえっ、何その格好? し、新顔のお客様…?」
( ^ω^)「紹介するお。ジョルジュだお」
(´・ω・`)「い、いらっしゃい…」
( ゚∀゚)そ
∬ ´_ゝ`)「……?」
( ゚∀゚) スタスタ…
( ^ω^)「お、おい、ジョルジュ」
∬ ´_ゝ`)(え、なに、まっすぐこっちに歩いてくる)
( ゚∀゚) ピタッ
∬ ´_ゝ`) ……!??
112
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:06:05 ID:L6UqntUY0
( ゚∀゚) スッ
ξ゚⊿゚)ξ(ひざまづいたー!?)
∬;´_ゝ`)「ど、どうも…?」
( ゚∀゚)「結婚してください」
( ^ω^)「ええ、はい、かまいませんお、ええ…」
\人の恋路の邪魔をするなー!!/ジタバタ
フーン(´<_` )( ゚∀゚)( ´_ゝ`)ハイハイ
ズルズル
バタン
∬ ´_ゝ`)「…このバラの花束どうしたらいいかしら」
( ^ω^)「まあ、貰っといてくださいお」
113
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 15:06:57 ID:L6UqntUY0
( ゚∀゚) つづく ('A`;)
114
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 18:07:24 ID:pLxQQf920
歪みねえなジョルジュ!ww
おつ
115
:
同志名無しさん
:2016/04/03(日) 21:16:22 ID:CWfYCVQQ0
乙
好きな雰囲気だわ
116
:
同志名無しさん
:2016/04/11(月) 08:41:11 ID:dcwKkzxU0
アイルランド人はすごい。ぼくは心からそう思った。
117
:
同志名無しさん
:2016/04/11(月) 15:38:29 ID:1/mRUp6.0
無茶苦茶面白い
こんなのが来てたとは知らなかったよ
118
:
同志名無しさん
:2016/04/17(日) 15:36:34 ID:AqS6KImE0
ツンちゃんのおっぱいはいかに
119
:
同志名無しさん
:2016/05/27(金) 14:49:51 ID:cOCu8Whg0
うおお面白い
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