（　・∀・）+糞ったれBAR　NEETのようです川д;川

874：アルコール度数69度：2018/10/11(木) 21:52:48 ID:TYTaOilU0: 川;д川「……」

川;ﾟ -ﾟ)「……」

ﾉﾊ;ﾟ⊿ﾟ)「……」

o川;*ﾟーﾟ)o「……」

J( ;ｰ;)し「えっぐ……ヒック!!」グスン

川;д川「……ヒートォ」

ﾉﾊ;ﾟ⊿ﾟ)「な、何だ？」

川;д川「無茶振りで悪いがぁ、なんか気分変えるような美味いカクテル頼むわぁ」

ﾉﾊ;ﾟ⊿ﾟ)「わ、分かった。努力はしてみよう、うん」
875：アルコール度数69度：2018/10/11(木) 21:53:20 ID:TYTaOilU0: 【夢ひびき】

＜参考レシピ＞

・樽仕込高級梅酒ゆめひびき…15ミリ
・スロージン…10ミリ
・アプリコットブランデー…10ミリ
・クランベリージュース…10ミリ
・グレープフルーツジュース5ミリ
・レモンジュース…5ミリ
・ソーダ…適量
・梅…1個

材料をシェイクしてロックグラスに注ぎ、ソーダで満たす。
梅酒に浸かった梅をカクテルピンに刺してグラスに沈める。

ホテルオークラのレシピとして有名なカクテル。
度数はやはりソーダによって上下する。

梅酒の銘柄が指定されており、しかもそれが割と高価な酒の為に飲む機会がなかなか無いカクテル。
だがその完成度は高く、フルーティーかつキレがあり、梅酒の味を引き立てる味わいは脱帽。

甘党の諸君はホテルバーに行く機会があったら是非とも注文して欲しい。

.
876：アルコール度数69度：2018/10/11(木) 21:54:06 ID:TYTaOilU0: ﾉﾊｰ⊿ｰ)「こちら特級の梅酒をレシピに指定したカクテル『夢ひびき』でございます。どうぞ心を安らかにしてご賞味下さいませ」スッ

J( ;ｰ;)し「ありがとうございます、頂きます」グスン

J( ;ｰ;)し「」チビチビ

J(*;ｰ;)しそ

J(*'ｰ`)し「あぁ……心に染みる、甘酸っぱさ」チビチビ

川*д川「おぉ、ハマったみたいだなぁ」

ﾉﾊ;ﾟ⊿ﾟ)(良かった。滅多に出ないレシピだから、ほとんど手探りだったのだが勘は鈍っていなかったか)
877：アルコール度数69度：2018/10/11(木) 21:54:54 ID:TYTaOilU0: o川*ﾟワﾟ)o「お母さんだけズルーい! キューちゃんにもそのキュートなカクテルちょうだいちょうだ～い☆」

川;ﾟ -ﾟ)「お前は騒ぎの元凶の癖によく催促できるな」

ﾉﾊ#ｰ⊿ﾟ)「その面の皮の厚さは誰に似たのだか。ほらよ」スッ

o川*>ーﾟ)o「お姉ちゃんありがと～☆ あっ、これフルーティーでとってもキュートだね」ゴクゴク

川д川「まあスロージンを始めとした果実のリキュールにジュースがこれでもかって程に詰め込んだカクテルだからなぁ。マイナーだがぁ」ゴクゴク
878：アルコール度数69度：2018/10/11(木) 21:55:45 ID:TYTaOilU0: ﾉﾊﾟ⊿ﾟ)「元々が『ゆめひびき』という銘柄の梅酒をアピールする為の如くホテルオークラので生まれたレシピだからな」

ﾉﾊｰ⊿ﾟ)「味と完成度は保証するが、趣味として自宅で作るには難易度が高い。余裕があるならばホテルバー等で試してみるのが無難だな」

川д川「一般的なショットバーでは先ず出て来ねぇだろうなぁ。レシピ指定されてる梅酒を揃えているとこなんざぁ、殆ど無ぇだろうしぃ」ゴクゴク

J(*'ｰ`)し「そんな特別なお酒を私の為に……ヒートさん! ありがとうございます!!」

ﾉﾊﾟ―ﾟ)「いえ、そう言って頂けるとバーテンダー冥利につきます。こちらこそありがとうございます」
879：アルコール度数69度：2018/10/11(木) 21:56:30 ID:TYTaOilU0: o川*´ー｀)o「う～ん梅酒の味がしっかりするのに、果実の味が踊るように広がってキュート☆ 最後は柑橘系でスッキリだしね」ゴクゴク

川*д川(最近、苺娘の奴に催促されて梅酒の銘柄を増やしといて正解だったぜぇ。まぁ、どうしても雰囲気だけでも再現したいってんならチョーヤの梅酒で代用するところだなぁ)ゴクゴク

J(*'ｰ`)し「はぁ……泣いて叫んで愚痴って飲んで。何だか心が軽くなりました」

ﾉﾊ;ﾟ⊿ﾟ)「こんな事しか出来ない自分達が恥ずかしいのですが、今後とも何卒! 何卒あの愚妹の事をよろしくお願いします!!」

川ﾟ -ﾟ)「今までにキュートがデビューしたか様々なマネージャーが付いたが他の人では全員、1ヶ月も保たなかったからな」チビチビ

川;д川「どんだけ暴れ回ってんだぁ。嵐か何かぁ、この馬鹿女はぁ」
880：アルコール度数69度：2018/10/11(木) 21:57:06 ID:TYTaOilU0: J(;'ｰ`)し「えぇ、まぁ。とりあえず死なない程度には頑張らせて頂きますわ。多分3日に1度くらいの割合で死にかけると思いますが」

ﾉﾊ;ｰ⊿ｰ)「迷惑ばかりかけて申し訳ありません
! ほらキュートお前からも!!」

o川*ﾟへﾟ)o「え？キューちゃんからお母さんに？う～んと……」

o川*ﾟワﾟ)o「そうだ! これからはキューちゃんともっと仲良くなれるように」

o川*>ーﾟ)9m「お母さんはキューちゃんの事を娘だと思って接して欲しいな☆」

J( 'ｰ`)し
881：アルコール度数69度：2018/10/11(木) 21:57:49 ID:TYTaOilU0: J( 'ｰ`)し←もし自分に娘がいてそれがキュートだったらと想像する。

J( 'ｰ`)し←結論。ストレスで死ぬ。

J( д )しグホォッ←そして吐血した。

ﾉﾊ;ﾟдﾟ)そ「「ババアアアアアアァァァァ⁉︎」」Σ川ﾟд;川

J( ;ｰ;)し(やっぱり誰かこの馬鹿娘を殺して!!)

.
882：アルコール度数69度：2018/10/11(木) 21:59:23 ID:TYTaOilU0: 　　　　　【CLOSE】

.
883：アルコール度数69度：2018/10/11(木) 22:00:27 ID:TYTaOilU0: 今回長すぎたよね、ごめんなさい
5日で2本のペースが理想なんだけど難しいよなぁ
884：同志名無しさん：2018/10/11(木) 22:42:14 ID:LmNqogsQ0: ババアい㌔…
乙
885：同志名無しさん：2018/10/14(日) 17:56:19 ID:BnNt/R7g0: 乙
キュートは馬場さんに刺されても文句は言えんな
886：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:25:39 ID:YY4UpNyE0: 川д川「えぇとぉ、本日はお集まり頂きましてありがとうございますぅ」

（　・∀・）「ミルナの方から呼び出すなんて珍しいよね。どしたの？」

（　＞＜）「ミルナお兄さんにはお世話になっているので全然大丈夫なんですけど……」

川ﾟ -ﾟ)「ふむ、なかなか珍しい面子を呼び出したものだな」

（´<_｀　）「まぁようやく修羅場を乗り切った後だから1日時間作るくらいは構わんのだが。ところでそこの君とは初めてだな、初めまして、流石兄者だ」

（　＞＜）「はい! 初めましてなんです! 稚内ビロードです! よろしくお願いします!」

（　・∀・）「僕にクールさんはともかく弟者さんにビロード君ってどういう組み合わせ？」
887：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:26:24 ID:YY4UpNyE0: 川;д川「いやぁ、俺も悩んだんだがなぁ。相談するに最適な面子を考えたらこのメンバーしかいなくてなぁ」

（´<_｀　）「相談? ミルナにしては珍しいな。まあ相談に乗るくらいは構わんが何で兄者をハブいて俺だけなんだ？」

（* ＞＜）「ミルナお兄さんのお役に立てるなら喜んでお話しを聞かせてもらうんです!」

（　・∀・）「？？結局このメンバーの共通点が分からないよね？」

川ﾟ -ﾟ)「その相談とやらの内容に関係があるんだろ？さてミルナ、話を聞かせて貰おうか」

川;д川「おう。下らねぇ事に付き合わせて悪いんだが一緒に考えてくれねぇかぁ？詫びに酒は好きなだけご馳走してやっからよぉ」
888：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:27:04 ID:YY4UpNyE0: 川;д川「まぁ、アレだぁ。要するにぃ……」

川;д川「ヒートの奴との、デートプランってやつをなぁ」

（　＞＜）「ヒートお姉さんとの」

（´<_｀　）「デートプラン？」
889：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:27:36 ID:YY4UpNyE0: 【糞ったれBAR　NEETのようです】

　　　　　【OPEN】

.
890：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:28:18 ID:YY4UpNyE0: （　・∀・）「まあ、そのくらいなら喜んで協力するけども何でこのメンバー？」

川ﾟ -ﾟ)「私も疑問だな。ヒー姉さんの妹である私と幼馴染のモララーは解るのだが」

（´<_｀　）「俺とビロード君がこの場にいる理由が分からんな。いや、決して付き合うのが嫌だと言っている訳では無いが」

川д川「ビロ坊は恋人持ちだからだなぁ。それに何と言っても良識があって突飛な事を言いだしたりしねぇだろうしぃ」

川д川「弟者は交際経験が多くて常識人だからってとこだなぁ。まかり間違っても兄者の糞ったれなんか呼べねぇよぉ」

（´<_｀；）「まあ冷静になれば兄者に恋愛関係の相談事は無謀だな」
891：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:28:54 ID:YY4UpNyE0: （　＞＜）「恋人がいたり、女の人にモテる事が条件ならお兄様じゃ駄目なんですか？」

川;д川「駄目って訳じゃ無ぇがよぉ。元歌舞伎町No1ホストみてぇな、男として格が違い過ぎる相手に相談してもなぁ。かえって混乱しそうじゃねぇかぁ」

（　＞＜）「うーん。確かにお兄様は普通の人よりとっても凄くて、とってもカッコいい方なんです」

（　・∀・）(ワカさんもブラコンだけど、ビロード君もブラコンだったのね)

川д川「まぁ今更モララーとクールについては言うまでも無ぇよなぁ。恋人持ちだしヒートに詳しいしぃ。さてぇ、面子については納得してくれたかぁ？」

（　・∀・）「納得はしたけど。あ、恋人持ちとか交際経験豊富とかが条件なら長岡君は？それとつーちゃんとか」

川д川「眉毛は無駄にチャラいから何となく駄目だぁ。クソガキつーちゃんについてはぁ……」
892：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:29:29 ID:YY4UpNyE0: 川;д川「特殊な性癖をお持ちの方とぉ、お付き合いしている奴に話を聞いてもぉ、ねぇ？」

（；・∀・）「あぁ……」

川;ﾟ -ﾟ)「それについては同意だな」

（´<_｀；）「いやいや、一体どんな人と付き合ってるんだよ。そのつーちゃんとやらは」

川д川「ドMゥ」

（´<_｀；）「えぇ……？」

（　・∀・）「趣味が自傷の本物のドM」

（´<_｀；）「ええぇぇ……？」

川ﾟ -ﾟ)「恋人に骨を折る事やナイフで刺してくれるように懇願するような真性のドMだ」

（´<_｀；）「えええええぇぇぇぇぇ……⁉︎」
893：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:30:03 ID:YY4UpNyE0: （；＞＜）「ぼ、僕にはまだまだ早過ぎる世界なんです!!」

川;ﾟ -ﾟ)「勘違いしないでくれビロード君。それは出来れば一生縁が無い方が幸せな世界なのだから」

川;д川「つぅかよぉ。あの2人よく付き合ってられるよなぁ、とっとと別れると思ってたのにぃ」

川;ｰ -ﾟ)「つー曰く『ウチが側についてないと、その内取り返しのつかない事をして死んじゃいそうだから離れられないんだ!』だそうだ」

（´<_｀；）「アレですか？駄目な男に惚れちゃうタイプみたいな」

川;ﾟ -ﾟ)「いや、初恋相手が変態過ぎて感化されてしまったタイプだ」

（´<_｀；）「なんとも気の毒な」
894：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:30:42 ID:YY4UpNyE0: 川;д川「まぁ、アレだぁ。つーちゃんの事は置いておこうぅ」

川;ﾟ -ﾟ)「それが正解だな。さて、デートプランの相談だったか？」

（　・∀・）「あ、ミルナー。僕お酒を飲みたいんだけど適当に作っていいー？」

川; ﾟ -ﾟ)「君は本当に空気を読まないな」

川д川「KY野郎なのは今更だわなぁ。構わねぇよぉ、酒が入った方が気恥ずかしい話も出来るしなぁ」

（　・∀・）「ありがとー。あ、ビロード君に弟者さん、何か作るけどリクエストとかある？」

（；＞＜）「うーん。僕はバーボン以外はさっぱり分かんないんです」

（´<_｀　）「俺は普段ならマルガリータだが、珍しい面子だしな。たまにはお任せで頼んでみよう」
895：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:31:21 ID:YY4UpNyE0: （　・∀・）「オッケー。クールさんとミルナは？」

川ﾟ -ﾟ)「ふむ、たまには私も君に任せてみようかな、モララー」

川д川「ゲテモノじゃなきゃ構わねぇよぉ。とりあえずさっさと話し始めてぇからサクッと作ってくれぇ」

（　・∀・）「はいはーい。んじゃサクッと作っちゃうねー」

（* ＞＜）「モララーお兄ちゃんのカクテル! 久しぶりだから楽しみなんです!!」

（´<_｀　）「俺は初めてだな。ミルナから美味い美味いと聞いていたから期待してるよ」

（* ・∀・）「いやーそんなに期待されちゃうとバーテンダー冥利につきますなー。期待してて下さいねー！」
896：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:32:05 ID:YY4UpNyE0: （　・∀・）(さて、何をつくろうかしらん。お客さんに『お任せで』って注文されるとテンパっちゃってオーナー任せにしていたのは以前の話)

（　・∀・）+(しっかり勉強したおかげで僕の頭の中には様々なカクテルレシピが詰まっているのさ!!)

（　・∀・）(まあ、ミルナやヒートさんと比べると全然だけどね、数は少ないし偏りあるし。それでも昔の僕よりは成長したのさ)

（　－∀－）(うーん、何作ろっかなー。せっかくお任せしてくれたんだし僕の得意なカクテルを作ってあげたいよな～)

川ﾟ -ﾟ)(まあ、モララーの好きに作らせたら確実にハーブリキュールが入ったカクテルだろうな)

川дﾟ川(どうせ薬草リキュールのカクテルだろうなぁ)
897：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:32:33 ID:YY4UpNyE0: （　・∀・）+「よし! 決めた!! 1杯目なんだからシンプルに行こうじゃないか!!」

川ﾟ -ﾟ)「で、どんなハーブリキュールを使ったカクテルなんだ？」

（　・∀・）「あれ？なんでハーブリキュール使うって判ったの？『ドランブイ』を使った『ラスティ・ネール』作るつもりだけど」

川*д川「好物のカクテルだぁ! 使うスコッチはラフロイグ10年で頼むぜ!!」

（　・∀・）「あ、あの独特の匂いのやつね。りょうかーい」

（* ＞＜）(ミルナさんの好物のカクテルってどんなお酒なんでしょう。ワクワクするんです!)
898：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:33:10 ID:YY4UpNyE0: 【ラスティ・ネール】

＜参考レシピ＞

・スコッチウィスキー…2/3
・ドランブイ…1/3

氷を入れたロックグラスに材料を注ぎ、ステアする。

甘いものはお好き？さらに強いお酒もお好き？
宜しい、そんなあなたにはこの『ラスティ・ネール』をオススメしましょう。
アルコール度数は30度後半。

名前の由来はその色からとって錆びた釘。
しかしその味わいは、ドランブイの濃厚な甘さとウィスキー本来の旨味を上手く引き立てる事で、決して錆びる事も朽ちる事もなく、酒飲み達の間で永く永く愛されている。
ポイントとしてはウィスキーにスコッチが指定されているところ。好みのスコッチを見つけて行きつけのバーでレシピを指定してみては如何だろうか？

余談だが作中内ではアイラモルトの『ラフロイグ10年』を使用している。独特のピート香とドランブイの甘さが絶妙にマッチングする。

またまた余談だがこの『ラスティ・ネール』は作者が1番好きなロングカクテルです。

.
899：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:33:42 ID:YY4UpNyE0: （　・∀・）+「お待たせ致しました。『ラスティ・ネール』でございます」

川ﾟ -ﾟ)「頂こう」ゴクゴク

（* ＞＜）「頂きまーす」ゴクゴク

川*д川「美味ぇ美味ぇ。素人でも簡単に作れるカクテルとは言え、やっぱりモララーが作ると最高に美味ぇよなぁ」ゴクゴクゴクゴク

（´<_｀　）「しばらく飲んでなかった酒だが美味いな。しかしこんなに薬臭かっただろうか？いや、嫌いではないが」ゴクゴク

川*д川「ベースにアイラモルトの中でも匂いの強い『ラフロイグ10年』を指定したからなぁ。他のスコッチをベースにしたら味もガラッと変わるぜぇ」ゴクゴクゴクゴク

（´<_｀　）「成る程な。確かにシンプルなカクテルほどベースの酒で味はガラッと変わるよな。うん、美味いよ」
900：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:34:13 ID:YY4UpNyE0: （* ＞＜）「今まで飲んだことの無い不思議な味わいなんです! ハチミツの甘さでとっても飲みやすいのに薬のような香りが煙って新感覚なんです!」ゴクゴク

（* ・∀・）「僕はウィスキーあんまし興味が無かったけど、アイラモルトの癖の強さは好きだなー。薬草リキュールに通じるものがあるしねー」チビチビ

川;ﾟ -ﾟ)(本来なら癖の強いアイラは初心者に敬遠されがちだと聞いたのだが。まあ、モララーだしな)ゴクゴク

川*д川「さてぇ、美味ぇ酒で身体も暖まったところで話を戻すかぁ」ゴクゴクカラン

（；・∀・）「相変わらず飲むの早いねー。んじゃ僕はその間に次のカクテル準備しておこうかな」
901：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:34:41 ID:YY4UpNyE0: 川ﾟ -ﾟ)「モララー。次はジンベースのショートカクテルを頼む」

（　・∀・）「はいはーい。了解でーす」スタスタ

（´<_｀　）「彼女さん、素直ヒートさんとのデートプランね」ゴクゴク

（　＞＜）「頑張って考えるんです!」ゴクゴク

川ﾟ -ﾟ)「参考までに聞きたいんだが、過去の恋人とはどんなデートをしていたんだ？」ゴクゴク

川;д川「いやぁ、最後に彼女作ったのなんか高2の時以来だからなぁ。マトモにデートなんかしてた覚えが無ぇんだよなぁ」

川;д川「殆どがどっちかの家で1晩過ごしてオシマイとかだったしぃ。たまに外出してもカラオケ程度だったなぁ」

川;ﾟ -ﾟ)「君は学生時代から出不精だったのだな」
902：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:35:24 ID:YY4UpNyE0: （´<_｀；）「まぁ高校生なら金も無いだろうし分からないでも無いがな」ゴクゴク

（　＞＜）「ずっとお家デートって何をして時間を潰すんですか？僕なら飽きちゃいそうなんです」

川ﾟ -ﾟ)「ビロード君。どうか君はそのまま純粋に育っておくれ」

（　＞＜）「？？」

（´<_｀；）(まぁ男子高校生が恋人作ったら、そりゃ猿みたいに盛るよね。俺もあの時は若かったなー)ゴクゴク

川д川「つー訳で俺の恋愛スキルはクソみてぇに低いんだぁ。お前らの話を聞いて参考にしてぇ」

（´<_｀　）「と言っても俺も最後に彼女いたのは2年前なんだよな。参考になるかどうか」
903：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:36:04 ID:YY4UpNyE0: 川д川「そういやぁ、お前ぇ最近は女作んねぇよなぁ？ついに2.5次元に生きると決めたのかぁ？」

（´<_｀；）「単純に暇が無いんだよ、漫画が忙し過ぎる。それから2.5次元言うな」

川ﾟ -ﾟ)「なんだその2.5次元とは？」

川д川「こいつドルオタなんだよ」

川;ﾟ -ﾟ)「い、意外だな。そんな趣味を持ってるようには見えないのだが」

（´<_｀；）「ハハハ。まぁ、よく言われます」ゴクゴク

（　＞＜）「ドルオタって何ですか？」

川д川「アイドルオタクの略ぅ」

（　＞＜）「ほぇ～初めて知ったんです。あ、だから2.5次元なんですね」ゴクゴク
904：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:36:52 ID:YY4UpNyE0: （´<_｀；）「まぁ、趣味は趣味でね、なかなか抜け出せなくて。ただやっぱり女性に理解されない趣味だから彼女が出来ても長続きないんですよ。さらに職種も職種だし」

川д川「まぁ趣味がアイドルオタクのエロ漫画家って字面だけみたら最悪だしなぁ」

川;ﾟ -ﾟ)「否定できないな」ゴクゴクカラン

（´<_｀；）「だからデートプランと言ってもねー。やっぱり付き合うタイプによって行く場所は変えたし、先ずはヒートさんがどんな感じの女性かによるよな」ゴクゴクカラン

川д川「鉄板のデートスポットみてぇのは無ぇのかぁ？」

（´<_｀　）「俺は酒飲みだからカウさんのテキーラバー『1,800』は〆によく使ったが、他には思いつかないな」
905：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:37:37 ID:YY4UpNyE0: 川ﾟ -ﾟ)「姉さんは仕事柄、酒飲みだからな。夜のデートにバー巡りなんていうのも悪くは無いだろうが……」

（　＞＜）「僕、この前お兄様にとっても高そうなホテルバーに連れてって貰ったんですけど、正直このお家の方がずっと凄いなって思ったんです」ゴクゴクカラン

（´<_｀；）「酒飲みからしたらこの家はまさに天国だからな。同棲してるヒートさんからしたら下手な店に言っても逆効果かもしれんな」

川;д川「やっぱり引き篭もり自宅デートが最強って事じゃねぇかよぉ」

川;ﾟ -ﾟ)「別に酒飲むだけがデートじゃあるまい」

（´<_｀；）「と言うか家から出なきゃ本末転倒だろう」

（　・∀・）「話の最中に僕登場! ジンベースのショートカクテルをお持ちしましたー」
906：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:38:04 ID:YY4UpNyE0: 川ﾟ -ﾟ)「その色とレシピに薬草リキュールを使った事から察するに、ふむ。『アラスカ』だろうか？」

（；・∀・）「色だけで判るってクールさん凄いね。ご明察の通り『シャルトリューズ・ジョーヌ』を使った『アラスカ』でございまーす」

（´<_｀　）「お、強いのを出して来たな。イイじゃないか」

川ﾟ -ﾟ)「モララー、ジンは何を使った？」

（　・∀・）「何だっけ？確か『タンカレー No10』だったと思う。前にクールさんがバランスの良いジンだって言ってたの思い出してさ」

川*ﾟ -ﾟ)「素晴らしい」
907：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:38:55 ID:YY4UpNyE0: 【アラスカ】

＜参考レシピ＞

・ドライジン…3/4
・シャルトリューズジョーヌ…1/4

材料をシェーク、またはステアしてカクテルグラスに静かに注ぐ。

ジンベースカクテルの中でも知名度が高いショートカクテルの1つ。
シンプルだが素材の酒とバーテンダーの腕が味にしっかりと表れるカクテル。
アルコール度数は38度だが、指定するジンによっては40度を軽く超える。

蜂蜜の主張が強い『シャルトリューズジョーヌ』と素材となるジンのジェニパーの華やかさが上手く噛み合ったカクテル。
口当たりが良く、様々なスパイスの香りと蜂蜜の官能的な甘さが女性的な味わいを生み出す素晴らしい酒だが、度数を考えると立派なレディキラーである。
人に進める時は要注意だ。

余談だが、某有名お酒ブーン系小説の1シーンでドクオが手っ取り早く酔う為にワザと度数の強いアラスカを飲むシーンがある。
理由は不明だが、作者はあのシーンが大好きである。

.
908：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:39:37 ID:YY4UpNyE0: 川*д川「俺ぇ、『アラスカ』も好きなんだよなぁ。甘くて強い酒って最高だぜぇ」ゴクゴク

川*ﾟ -ﾟ)「うん。シャルトリューズの個性を殺さぬようにしっかりとジンが主張している。やはりジンベースは格別だ」

（´<_｀　）「うん、こっちもハチミツの主張が強いがさっきの『ラスティ・ネール』とはまた違った味わいだな」ゴクゴク

（* ＞＜）「さっきのカクテルに比べるとこっちはとっても華やかな甘さと香りが広がるんです。強いお酒だけどゆっくり味わうんです!」

（* ＞∀・）「『シャルトリューズ・ジョーヌ』はリキュールの女王だなんて呼ばれてるんだよ。まさに最高のリキュールだよねー」
909：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:40:17 ID:YY4UpNyE0: 川ﾟ -ﾟ)「様々な文学作品にもシャルトリューズは登場しているな。『ふたりのこいびと』などは好きな本だ』

（　・∀・）(誰の本だろ？)

川ﾟ -ﾟ)「ちなみに著者は石井好子だ」ゴクゴク

（　・∀・）(誰の事だろ？)

川д川「どっちかってぇと緑の方が有名だけどなぁ。俺は甘党だから黄色の方が好きだけどぉ」ゴクゴクゴクゴク

（　・∀・）「まあ僕も緑の方が好きだけどね。あ、自分で作っといて何だけど美味しい。強いけど」チビチビ
910：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:40:57 ID:YY4UpNyE0: 川ﾟ -ﾟ)「直ぐに潰れてくれるなよ？」ゴクゴク

（　・∀・）「今日はご飯をしっかり食べたし、そんな簡単には酔わないと思うよー。で、何の話？」

（´<_｀　）「いや、バー巡りなんて悪くないんじゃないかと話していたのだが」

（　・∀・）「？？わざわざ外に出なくてもミルナの家で何でも飲めるじゃない。ヒートさんもミルナもカクテル作れる訳だし」

（´<_｀；）「そういう結論になっちゃう訳だ」

川;д川「となると酒関係抜きに考えねぇとなぁ。ビロ坊ぅ、お前ぇは普段どんなデートしてるんだぁ？」ゴクゴクゴクゴクカラン

（　＞＜）「僕ですか？うーん、買い物や美術館。有名デザイナーやパタンナーの展示会とかが多いんです」チビチビ
911：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:41:33 ID:YY4UpNyE0: （´<_｀　）「ファッション系の仕事をしてるのかい？」ゴクゴクカラン

（　＞＜）「デザイナー志望の服飾専門学生なんです!」

（´<_｀　）「なるほど、納得だ」

（　・∀・）「買い物も洋服関係が多いの？」チビチビ

（　＞＜）「そうなんです。ダイお姉ちゃんは強くてカッコイイけどあんまりファッションに興味は無いみたいなんで、僕がコーディネートするんです!」チビチビカラン

（´<_｀　）「ふむ。買い物デートなら悪く無いんじゃないか？ヒートさんも女性、お洒落に全く興味無いなんて事はないだろうし。ペニサスと違って」

川;д川「買い物デートなぁ。女の買い物って長ぇんだよなぁ」

（´<_｀；）「女はそういう生き物だと思って諦めろ」
912：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:42:23 ID:YY4UpNyE0: 川ｰ -ﾟ)「全員が全員そうでは無い。とだけ言わせてもらおう」ゴクゴクカラン

（´<_｀　）「おっと失礼。ところでモララー君は普段どんな所に行くんだい？」

（　ー∀・）「デート先って事ですよね？うーん。苺娘さん、あっ、僕の彼女ね。苺娘さん任せだからなー」

（　ー∀ー）「最近だと刀剣の展示会とか、華道？の発表会だとかガラス細工の博物館とか」

（´<_｀　）「古風な人なんだな」

（　・∀・）「あっ、あとタランチュラ専門のペットショップ。あそこはもう行きたく無い」

（´<_｀；）「変わった人なんだな」
913：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:43:02 ID:YY4UpNyE0: （　・∀・）「まぁ苺娘さんの趣味や興味のあるものに連れてって貰う感じかな？」チビチビ

（　＞＜）「ヒートお姉さんの趣味は何なんですか？」

川д川「酒ぇ」

（；＞＜）「あぅあぅ……早くも手詰まりなんです」

（´<_｀　）「逆にミルナの趣味に付き合わせてみるのはどうだ？」

川д川「酒ぇ」

（´<_｀；）「うん、俺が悪かった」
914：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:43:33 ID:YY4UpNyE0: 川д川「あとネトゲ」

（；＞＜）「結局お家から出れないんです」

（；・∀・）「何か手詰まりになっちゃったね。もう1杯くらい何か作ってくるよ」チビチビカラン

（´<_｀　）「あぁ、ならリクエストいいかな？テキーラを使った酒を頼むよ」

（　・∀・）「了解でーす」スタスタ

川д川「あぁー。クールは普段どんな感じだぁ？」

川ﾟ -ﾟ)「私かい？そんなに変わった所へは行かないな。映画館やクラシックコンサートや買い物ぐらいか？」

川ﾟ -ﾟ)「少し変わり種なら、ハイ……恋人の趣味に付き合って野外フェスとやらに行ったくらいか？なかなか悪くなかったよ」

（´<_｀　）「野外フェスは良いんじゃないか？俺も結構好きだぞ」
915：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:44:02 ID:YY4UpNyE0: 川;д川「いやぁ、あんまり人混みが凄いところは勘弁してくれぇ」

（´<_｀；）「注文が多過ぎる奴だなお前も」

川ﾟ -ﾟ)「まぁ確かに引きこもりの君にあの人混みは辛いかもな。というかヒー姉さんとのデートだろ？そこまで難しく考えなくて良いのでは？」

（　＞＜）「どういう意味なんですか？」

川ﾟ -ﾟ)「そのままの意味だよ。ミルナ、姉さんの性格をよく思い出してみてくれ」

川д川「あぁん？そうだなぁ、サバサバしてる割には面倒見が良いなぁ。あとは結構ガンコなとこがある職人気質ぅ」

川д川「他人に厳しく自分にも厳しいしぃ、努力を惜しまない熱い部分もあるなぁ。あとは病的なラム酒好きぃ」
916：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:44:29 ID:YY4UpNyE0: 川ﾟ -ﾟ)「ミルナよ、確かに合っているが肝心な事を君は忘れているよ。いいか、あのヒー姉さんなんだぞ？」

川д川「あぁん？」

川ﾟ -ﾟ)「簡単な話だよ。姉さんとの出会いを思い出してみてくれ」

川д川「出会いってぇとぉ……」

（　・∀・）「はいはーいお待たせー。リクエスト通りのカクテル作ってきたよー」

（　＞＜）そ「うわっ! 綺麗な緑色なんです」

（´<_｀ *）「『モッキンバード』じゃないか! 〆に相応しいカクテルだ」

（；・∀・）「何でみんなして見ただけで判るんだろ？」
917：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:44:59 ID:YY4UpNyE0: 【モッキンバード】

＜参考レシピ＞

・テキーラ…2/4
・ミントリキュール(緑)…1/4
・ライムジュース…1/4

材料をシェークしてカクテルグラスに注ぐ。

ミントリキュールの特徴はその色な訳だが、意外にもカクテルの世界では緑色の酒は多かったりする。
しかしその中でもテキーラを使ったカクテルとなると、いの一番に浮かぶのがこの『モッキンバード』であろう。
アルコール度数は26度前後。

ミントの刺激とテキーラの爽やかな酸味が想像以上にマッチ。
1口飲むと首を傾げて、もう1口。
2口飲むと頷いて、もう1口
3口飲むと飲み干していて、もう1杯。
そんなハマると抜け出せない絶妙な味わいがある。

気がついたら何度も何度もカクテルグラスに口付けているあなたの姿は、まるで啄木鳥(モッキンバード)の様。

.
918：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:45:36 ID:YY4UpNyE0: （　＞＜）「不思議な後味なんです。ミントの味は分かるけど、この味は……？」

（´<_｀ *）「うん。テキーラの味がしっかりと生きている。モララー君のカクテルは最高だな」ゴクゴク

（* ・∀・）「そう言って貰えると嬉しいなー。普段はテキーラベースなんて『マルガリータ』くらいしか作らないから安心しちゃいました」

川ﾟ -ﾟ)「ミントの強烈な芳香。それを包み込むテキーラ独特の酸味と甘み。たまに飲むにはいいカクテルだ」チビチビ

（´<_｀ *）「テキーラは基本的に甘めのものが好きな俺だが、リキュールと混ぜ合わせる時は辛めのものがピッタリだな」ゴクゴク

川д川「まぁリキュールは基本的に甘ぇからなぁ」ゴクゴクゴクゴク
919：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:46:14 ID:YY4UpNyE0: （´<_｀ *）「兄者にも飲ませてやりたかったな。モララー君、これベースは『1800 ブランコ』だろ？兄者が好きな酒の1つだ」ゴクゴクゴクゴク

（；・∀・）そ「何で判るの⁉︎」

（´<_｀ *）「『1800』に使われてる酵母の匂いは独特だからね。このパイナップルにも似た流石な香りを間違える筈が無いさ」ゴクゴクゴクゴクカラン

川;д川「えぇ。よくミントリキュール越しに判るなお前ぇ」

（；＞＜）「す、凄いんです」

川д川「まぁ弟者のテイスティング能力は置いといて話を戻すぞぉ。クールゥ、さっきの言葉はどういう意味だぁ？」
920：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:47:02 ID:YY4UpNyE0: 川ﾟ -ﾟ)「深い意味は無いよ。同棲して姉さんに慣れてしまったミルナには盲点かも知れんがヒー姉ほど簡単な女はいないさ」

（´<_｀；）「簡単。って」

川;д川「どういう意味だぁ？」

川ﾟ -ﾟ)「ミルナ。確かに姉さんは頼りになる大人の女性だ。それは間違いない」

川ﾟ -ﾟ)「しかし姉さんには致命的な弱点があるじゃないか。いいか、よく聞けよ？姉さんは……」

川ﾟ -ﾟ)「基本的に色恋沙汰についてはポンコツだ」

川дﾟ川「」

（´<_｀　）「」

（　＞＜）「」

（　・∀・）「……あー。分かる」
921：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:47:40 ID:YY4UpNyE0: 川ﾟ -ﾟ)「27歳の処女。少女漫画をこよなく愛し、ベッタベタで背筋が痒くなるような純愛ストーリーに憧れる夢見る夢娘ちゃん」

川ﾟ -ﾟ)「イモケンピが頭についててもおかしくないピュアッピュアなポンコツ女。そう、ミルナに会うまでは喪女確定だと思われていた女なんだ」

川ﾟ -ﾟ)「そんなヒー姉さん相手のデートだぞ？どうせ喫茶店のカップル席でイチャついたり遊園地の観覧車の天辺でキスでもしてやれば満足するだろ」

川ﾟ -ﾟ)「ミルナ。ヒー姉さんはポンコツなんだ。ちょっと可哀想になるレベルのポンコツ具合だ」

川ﾟ -ﾟ)「大事なことだからもう一度だけ言うぞ？ヒー姉さんは……」
922：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:48:18 ID:YY4UpNyE0: 川ﾟ -ﾟ)b「ビックリする程ポンコツだ」

川д川「」

（´<_｀　）「」

（　＞＜）「」

（　・∀・）「あっ、モッキンバード美味しい」チビチビ
923：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:49:22 ID:YY4UpNyE0: …………………………………

……………………………

……………………

……………

………

…
924：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:50:18 ID:YY4UpNyE0: 川дﾟ川「その後ぉ、クールの言った通りのベッタベタなデートプランを実行ぅ。その結果ぁ」

川дﾟ川「デートから1週間過ぎてもヒートはメチャクチャ御機嫌だったぁ。どうやらデートがお気にめしたみたいですぅ」

川дﾟ川「……」

川;дﾟ川「……上手くいったのは良いんだがぁ、この妙な敗北感は何なんだぁ？糞ったれぇ」

.
925：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:50:47 ID:YY4UpNyE0: 　　　　【CLOSE】

.
926：アルコール度数69度：2018/10/15(月) 09:52:18 ID:YY4UpNyE0: あと1話投下したらファイナル板に新スレ立てます。
美味しいリキュール飲みたいなぁ。
927：同志名無しさん：2018/10/15(月) 10:15:02 ID:uDTRkUSs0: 乙乙
928：同志名無しさん：2018/10/15(月) 11:57:41 ID:KpFHPY6c0: わーい、最近更新多くて嬉しい。乙ー
929：同志名無しさん：2018/10/15(月) 12:03:41 ID:wC68E7NE0: >>886

（´<_｀　）「まぁようやく修羅場を乗り切った後だから1日時間作るくらいは構わんのだが。ところでそこの君とは初めてだな、初めまして、流石兄者だ」

お前弟者じゃねぇか！
930：同志名無しさん：2018/10/15(月) 21:13:46 ID:JVmg6v4U0: 乙ー
931：同志名無しさん：2018/10/17(水) 21:32:43 ID:4InN4Am20: >>929 あ、ごめんなさい。

（´<_｀　）「まぁようやく修羅場を乗り切った後だから1日時間作るくらいは構わんのだが。ところでそこの君とは初めてだな、初めまして、流石弟者だ」

が正しいです。訂正ありがとうございました。

ちなみに次の投下で番外編を除けば50話目となります。
びっくり。
932：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:41:59 ID:vkkjBdII0: 【BAR Dokuo】

('A`)「……」

('A`)(……俺の名前は宇津田タカシ。あだ名はドクオ。42歳の独身男。高校卒業と同時にバーテンダーの世界に魅了され、とあるショットバーで修行を開始)

('A`)(その後は様々なバーを転々とし、35歳の夏に最後に勤めていた某ホテルバーから独立。夢への1歩を踏み出した)

('A`)(と言っても俺の店はあまり広く無い。テーブル4つにカウンター席が12と、こじんまりとしている)

('A`)(その上、最寄りの駅からは徒歩30分もかかるという残念な立地条件。それでも俺は約7年間、この店のオーナーとして今日までやってきた)
933：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:42:51 ID:vkkjBdII0: ('A`)(オープンしてから3年も経つ頃には常連も出来て余裕ができ始める。少々、忙しくなり1人で店を回すのは難しくなり戯れに弟子を育ててみたり)

('A`)(更に友人の紹介で厄介なバイトを押し付けられたりと、まあ平和とはいかないが誤魔化し誤魔化しながらも毎日毎日、酒を作り続け)

('A`)(オープン同時の閑古鳥が鳴いていた、おの寂しい日々すら今は懐かしい。俺の店は隠れ家的、名店へと成長を遂げたのだった)

('A`)(今日も明日も予約でいっぱい。嬉しい悲鳴をあげながら俺は今日もBAR Dokuoの看板をひっくり返して客を待つのさ……

('A`)(……)
934：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:43:23 ID:vkkjBdII0: ('A`)(……)

('A`)(……)

(;'A`)「なーんて状況になってみてえよなー。本当に」

(ﾟ、ﾟ*ﾄｿﾝ「どうしたんですかオーナー？今日もうるさ臭いですよ」

(;'A`)「いや、ごめん何でも。うるさ臭い⁉︎ 煩いだけじゃなくてその上に異臭⁉︎ 42年間のミドルな人生で初めて聴いたよその謎の罵倒⁉︎」

(ﾟ、ﾟ*ﾄｿﾝ「あ、ちょっと息しないで下さいよ。酒と空気とボクの洋服に臭いがついたら殺しますからね? 鈍器とかで」

(;'A`)そ「殺害予告⁉︎ ついには命を狙い始めたよこの暴言バイト」
935：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:45:01 ID:vkkjBdII0: (;'A`)(……はぁ)

(;'A`)(俺の店。BAR Dokuoには、今日も今日とて)

(;'A`)「客、来ねえなぁ」

(ﾟ、ﾟ*ﾄｿﾝ「？何を今更」

(;'A`)(閑古鳥が鳴きまくっているのが現実です)

.
936：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:45:34 ID:vkkjBdII0: 【糞ったれBAR　NEETのようです】

　　　　　【OPEN】

.
937：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:53:27 ID:vkkjBdII0: (;'A`)「ようやくトソン君も帰って1人になったか。というか閉店作業くらい手伝ってくれてもいいだろうに、あの鬼畜バイトめ」

(;'A`)「はぁー。何でこうなっちまったのやら。3年くらい前まではもっと客が来てたっていうのに、開発とかで人の流れがガッツリ変わっちまうし」

(;'A`)「若者の酒離れ+不景気。さらには常連の何人かが転勤やらリストラやらで店から離れちまうし。嫌な事って重なるよなー」

(;'A`)「それにしてもだ。いくら平日の給料日前とは言っても6時～0時の営業で2人しか客が来ないっていうのはヤバすぎる」

(;'A`)「今のところ常連客っつったら誰だ？素直さんのとこの姉妹とガナーさん辺りもいれて、ひぃ、ふぅ、みぃ……」
938：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:54:23 ID:vkkjBdII0: (;'A`)「……10人も居ないのかよ。営業7年目にしてこれはマズイ。というかよく生き残って来たな今まで」

(;'A`)「この調子で営業を続けたとして一体いつまで店が持つか。えーと、売上表ってどこ置いてあったっけかな」ガサゴソ

('A`)「あったあった。どれどれ」ペラペラ

('A`)「……」ペラペラ

(;'A`)「……嘘ーん」ペラペラ

(;-A-)「マージかよ。保って半年とか笑え無ぇっつーの」
939：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:55:36 ID:vkkjBdII0: (;'A`)「延命の為に先ずは少しでも経費削減か？つってもなー、削れるところは既に削っちまってるし」

(;'A`)「あと削れるとしたら人件費か。ここ1年ほどは正直なところ1人で捌ける量の客数が殆どだし。いやでも、週末は流石にキツイか」

(;-A-)「それにモララーはクビに出来ない。アイツは確かに馬鹿だけど最近は成長著しいし、一応は師として最後まで面倒みてやりてーし」

(;'A`)「それに素直姉妹はともかく、女性客の殆どがモララー目当てなんだよな。今アイツを切るという選択は有り得ない」

(;'A`)「となるとトソンちゃんを切るしか無いんだけども」
940：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:56:14 ID:vkkjBdII0: (;'A`)「……」

(;'A`)「……」

(;-A-)「……惚れてるらしいんだよなー、俺に」

(;'A`)「まだ完全に信じた訳じゃ無いけども、それでも俺みたいな負け犬親父に好意を持ってくれてる娘をクビにするのは」

(;'A`)「……」

(;'A`)「……」

(;-A-)「甘いよなあ、俺。こんなんだから経営者に向いてねぇんだよなー」
941：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:57:02 ID:vkkjBdII0: (#'A`)「クソッ! どうせ俺みたいなブサイク男は単純なんですよ!! 悪いかっつうの! 非モテ男はな？可愛い女の子に少し甘い顔されるだけでコロッと転がされるんだっつうの!!」

('A`)「もう40も超えて、今更20代の女子と付き合おう。なんて事は考えられねーけどさ、それでも気持ちは嬉しいんだよな」

(;'A`)「そもそも俺の人生で色恋沙汰なんかが殆ど無かったのが悪い。高校時代の初恋くらいか？」

(;-A-)「まぁその娘も彼氏居たし、高校卒業と同時に直ぐに籍入れて子供産んだって話を風の噂で聞いたくらいだけどな」

(;'A`)「ちなみにその相手が当時の俺の親友。なんだろ？この、絶妙な寝取られ感。嫌だ、私の青春、暗すぎー」
942：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:58:06 ID:vkkjBdII0: (;'A`)「……何て過去に浸って現実逃避してる場合じゃねえか。つってもやっぱりトソンちゃんクビにはしたくねーんだよなー」

(;'A`)「あー修行時代が懐かしい。あの時みたいにひたすら酒作ったり、必死でカクテルコンペに参加してた日常が恋しい」

(;'A`)「歳を取るって残酷だよな、マジで。いっその事、スパッと店潰してただのバーテンに戻ろうかなー?」

ガチャチリンチリン♪

(;'A`)そ(うぉっ⁉︎ この時間に客？あー、グダグダ考えてたら看板を片すの忘れてた)
943：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:58:51 ID:vkkjBdII0: (;'A`)「お客様、大変申し訳ないのですが本日の営業はすでに……」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「こんばんわ」

('A`)「終了……いたし……」

('A`)「……」

(;'A`)「デレ、か？デレなのか？」

ζ(^ー^*ζ「うん、久しぶりだね。ドクオ君」
944：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 21:59:25 ID:vkkjBdII0: …………………………………

……………………………

……………………

……………

………

…
945：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:00:07 ID:vkkjBdII0: ζ(ﾟーﾟ*;ζ「営業時間外なのに、ゴメンね。ここら辺、初めて来たから迷っちゃって」

('A`)「構わねーよ、別に。どうせ営業時間内でも大して客もいねー店だしな」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「それ、大丈夫なの？」

(;'A`)「あー微妙なとこ」

ζ(^ー^*ζ「なにそれ」
946：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:00:52 ID:vkkjBdII0: ('A`)(噂をすれば何とやらってか。『内藤デレ』旧姓は『出麗』。高校時代の俺の初恋の女性)

('A`)(会うの何年ぶりだっけなぁ。同窓会とか、俺そういうのはずっと断ってたしな)

('A`)(……)

ζ(ﾟーﾟ*ζ「ん？どうしたの？」

('A`)「ん。変わってねーなーって思って」
947：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:01:57 ID:vkkjBdII0: ζ(ﾟーﾟ*ζ「嘘ばっかり。最後に会ってからどの位経ってると思ってるのよ、もうすっかりオバさんなんだから」

('A`)「そうかねー？あんま、そうは思わんけどね。まぁ、いいや。とりあえず何か飲んでけよ？何がいい？」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「そうね。じゃあ、『知多』を貰えるかしら？水割りがいいな」

('A`)「初っ端からグレーンウィスキーの水割りだなんて変わってるな。作るから待ってな」

('A`)(ウィスキーを飲むようになったのは、あいつの。ブーンの営業なのかね？)
948：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:02:26 ID:vkkjBdII0: 【知多】

サントリーが2015年に発売した軽やかな風をテーマに生み出されたグレーンウィスキー。
蒸留所がある愛知県の都市から名前をつけた愛すべきその酒の名は『知多』。
アルコール度数は43度。

ブレンデッドウィスキーの素材として活用される事の多いグレーン原酒に堂々と焦点を当てた事が話題に。

シンプルな味わいで、アルコール度数の強さからは考えられないような癒しの風。
それでいて飲み飽きることが無い至高の味わいからは、サントリーの情熱が見え隠れしている。

.
949：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:03:01 ID:vkkjBdII0: ('A`)「お待たせ致しました。『知多』の水割りでございます」

ζ(^ー^*ζ「ふふっ。ドクオ君、すっかりプロのバーテンダーなんだね」

('A`)「おいおい、俺がバーテンダー目指してから何年経ってると思ってんだよ。まぁ、とりあえず薄くなる前に飲んでやってくれよ」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「ごめんごめん。じゃあ、頂くね」チビチビ

ζ(ﾟーﾟ*ζ「……ふぅ」

ζ(^ー^*ζ「じんわりと身体に沁み渡っていく味。落ち着く味よね、美味しい」チビチビ
950：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:03:46 ID:vkkjBdII0: ('A`)「基本はブレンドを前提とした酒がグレーン原酒だからな。言い方は悪いが殆ど無個性と言っていい程に平坦な味の酒だ」

('A`)「サイレントスピリッツなんて呼ばれちまう程に主張の少ない酒な訳だが、その中でも知多は特別なシングルグレーンウィスキー」

('A`)「単一の蒸留酒(シングル)で作られた上に、いくつもの原酒を掛け合わせて味わいに複雑さを与えてるって訳だ」

('A`)「ハイボールや水割りなんかで飲まれるのが殆どな知多だが、俺なんかは休日にコイツをストレートで舐めながら煙草吸ってボーっとするのも好きだな」

ζ(ﾟーﾟ*;ζ「ドクオ君、何だかオジサン臭いよ？」
951：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:04:59 ID:vkkjBdII0: (;'A`)「そりゃ立派なオッサンだよ俺は。同級生なんだから、そこら辺は分かるだろうに」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「でも、見た目は思ったより昔と変わって無かったから。何だかギャップで可笑しくなっちゃった」チビチビ

(;'A`)「いやまあ確かに俺は昔からガリガリ体型の老け顔野郎だったけどよ。それにしたって今は、歳とって少しは味のあるオッサンになっただろ？」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「高校の時、ブーンに老け顔だって言われた時『老け顔だからこそ将来はイケてるオッサンになれるんだ』って言ってたよね」チビチビ

(;'A`)「えー？俺そんなこと言ったか？高校の時の会話なんか殆ど覚えてねーよ」
952：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:05:33 ID:vkkjBdII0: ζ(^ー^*ζ「確かに言ってたよ。私もブーンも大きな声で笑ったの覚えてるもの、懐かしいなぁ」チビチビ

('A`)「呆れるくらいに昔の話だろ。俺らが最後に会ったのは高校の卒業式だったか？」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「違うよ、10年前だよ。ホテルのバー越しに、ね。覚えてないの？」

(;'A`)「10年前？ホテル？待てよ……」

(*'A`)「あ、あー! あの時か。ホテルバーで修行してて、ようやっとカクテル任されるようになった時の最初の客がお前らだったんだよな」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「うん。ブーンと2人でお祝いにホテルでご飯食べて、初めてバーに顔を出してみたらドクオ君がグラスを磨いてたの」チビチビ
953：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:06:05 ID:vkkjBdII0: ζ(ﾟーﾟ*ζ「私達、凄くビックリしたわ。とても忙しそうだったから、あまりお話は出来なかったけどね」

('A`)「あの時は俺もビックリしたなー。そっかそっか。でも最後に会ってから約10年かー、ふーん」

ζ(ﾟへﾟ*ζ「高校出てから、私はすぐに娘を産んだから、ね。学生の時みたいに3人で集まるなんて出来なかったから」チビチビカラン

('A`)「……卒業してから、俺達それぞれ忙しかったからな」

('A`)(いや、俺が勝手に理由作って2人を避けただけだったかな……)

(-A-)(……)

('A`)(……マンドクセ。ガキの頃の事なんか、今さら考えてどうすんだか
954：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:06:35 ID:vkkjBdII0: ζ(ﾟーﾟ*ζ「？どうかした?」

('A`)「いや、何でもねーよ。ところでグラス空いてるぜ？次は何を飲みたいんだ？」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「あ、ゴメンね。気がついたら飲み干してたよ」

('A`)「知多は飲んでてリラックスする酒だから気持ちは分かるぜ。さて、次もウィスキーの水割りでいいか？」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「うん。『山崎12年』の水割りをお願いします」

(*'A`)「ジャパニーズウィスキーの鉄板だな。直ぐに用意するから待ってな」
955：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:07:14 ID:vkkjBdII0: 【山崎12年】

世界五代ウィスキーとして、海外でも高い評価を受けているジャパニーズ・ウィスキー。
その看板と言っても過言でもないウィスキーがこの『山崎』。その中でもオススメの12年を紹介したい。
アルコール度数は43度。

この酒の魅力は何と言っても香り。そして飲みごたえ。
ホワイトオーク樽熟成原酒独特のバニラ香(以下バニリンと表記)や熟した果実のような甘く官能的な香り。
甘みが強く、そして大きく膨らんでいく厚みのある味わい。
丁寧に花開くアフターフレーバーは長く、永く、続く。

日本を代表するウィスキーの傑作。どうか、どうか1度だけでも味わって欲しい。
本当に美味いです。

.
956：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:08:08 ID:vkkjBdII0: ('A`)「お待たせ致しました。『山崎12年』の水割りでございます」

ζ(^ー^*ζ「ありがとう。頂くね」

ζ(-ー-*ζ「……」チビチビ

ζ(^ー^*ζ「あぁ、やっぱりフルーティーで凄く美味しい」

('A`)「だよな。俺もジャパニーズウィスキーの初心者には、先ずこれを勧めるくらいにクオリティの高い銘柄だ」

('A`)「ホワイトオーク樽独特のバニリン、それから熟した果実のような深みのある甘さが香る、フルーティーな酒」
957：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:08:49 ID:vkkjBdII0: ('A`)「複雑でいて官能的なこの香りはミズナラ樽やシェリー樽原酒の絶妙な配合によって生み出される、まさに飲む芸術だよ」

('A`)「ウィスキーが苦手な奴にも、普段飲まない奴にも。先ずは1口飲んでから判断して欲しい酒だな」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「私も初めて飲んだウィスキーがコレだったかな？ブーンが、ボーナス出たからって色々買ってきた中にあってね」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「ニコニコしながら私に注いでくれたっけ」

('∀`)「ブーンの奴もなかなか良いセンスしてるんだな。俺がジャパニーズウィスキーにハマった切っ掛けもこの銘柄だったな」
958：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:09:50 ID:vkkjBdII0: ('A`)「思えばあの日。ほら、卒業前に黛(まゆずみ)さんとこのバーに無理言って押し入ってさ、卒業の前祝いだとか言って飲んだ時」

ζ(^ー^*ζ「懐かしい話ね。私もブーンもあの時が初めてのお酒デビューだったから緊張しちゃったんだ」

('A`)「そうだったのか？俺は実家が酒屋だったからちょくちょく飲んでたなー。それでも山崎なんて高級酒は、飲むのは初めてでさ」

(-A-)「今でも覚えてるよ。あの薄暗い店内、古い蓄音機が奏でるノイズ混じりのジャズミュージック」

(-A-)「大ぶりのグラスに注がれた、あの琥珀色の液体。鼻に通るあの香り、唇に触れた時に火傷してしまうと錯覚したあの甘美な熱」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「……」
959：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:10:39 ID:vkkjBdII0: ζ(ﾟーﾟ*ζ「……」

(-A-)「あの時なんだろうな、きっと。あの時に、確かに俺は惚れたんだ」

(-A-)「あの時の出会いで、心の底から参っちまったんだな。全くよ、何で今の今まで、こんな大事な事を忘れてたんだか」

(-A-)(俺はあの時に。本気で、本音で、心の底から、あの琥珀色の夢に)

(*-A-)(命の水に。ウィスキーに惚れこんだんだよな……)

ζ(ﾟーﾟ*ζ「……」
960：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:12:11 ID:vkkjBdII0: (;'A`)そ「っと! 恥ずかしい事ボヤいたな、忘れてくれ」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「ドクオ君ってやっぱり変わらないね」

(;'A`)「うん？そうか？」

ζ(^ー^*ζ「うん。急に自分の世界に閉じ篭もっちゃうところとか。ね？」

(;-A-)つ凸「悪かった、俺が悪かったから勘弁してくれよ。ほら、サービスでこれも飲んでいいからよ」スッ

ζ(ﾟーﾟ*ζ「あ。そのお酒って……」

('A`)「おう。長い間『山崎』シリーズと人気を二分してきたジャパニーズウィスキーの傑作」

('A`)「『白州12年』さ」
961：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:12:50 ID:vkkjBdII0: 【白州12年】

山崎のライバルと言ったらこの酒しか無いだろう。
今までのジャパニーズウィスキーの重厚な味わいをぶっ飛ばし、清涼なる新たな風を呼び込んだ1品。
名作『白州』シリーズから12年を紹介。
アルコール度数は43度。

森薫る。そのキャッチコピーがこれ程までにマッチングする酒は未だかつて無いだろう。
飲み口は意外に甘みもあり、山崎のような厚みも感じる。
しかし、個人的にはこの酒の美味さは水割りや炭酸割りで生きてくる。
爆発するように口いっぱいに広がる森林の如き清涼感に、青リンゴのような心地よい甘酸っぱさ。
こちらも山崎と同じく1度は飲んで欲しいウィスキーだ。

ちなみに2018年現在、終売している。

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962：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:13:38 ID:vkkjBdII0: ('A`)「今回は俺のオススメの飲み方、ソーダ割りで試してみてくれ」スッ

ζ(ﾟーﾟ*ζ「うん。美味しく頂くね？」ゴクゴク

Σζ(ﾟーﾟ*ζ「うわっ⁉︎」

('A`)「どうよ？」

ζ(ﾟーﾟ*;ζ「スッゴイ……炭酸が弾ける度に文字通りの弾けるような清涼感が口いっぱいに広がる」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「それにこの香り。まるで森の中に迷い込んだような、心地よくて、とっても清々しい気分になるわ」ゴクゴク
963：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:14:18 ID:vkkjBdII0: ('A`)「美味い酒だろ？個人的にはじっくり味わいたいなら山崎を。サッパリといきたいなら白州を推したいな」

('A`)「もちろん水割りやハイボールだけじゃない。ストレートはもちろん、トワイスアップやロックでも十分に楽しむことが出来るジャパニーズの傑作達さ」

ζ(^ー^*ζ「うん。どのお酒も改めて飲むとビックリする程に美味しかったよ」ゴクゴクゴクゴクカラン

(;'A`)「おいおい。そこは俺の腕が良いって褒めてくれるところだろう？水割りやソーダ割りって、作るのに結構気を使うカクテルなんだからよ」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「もちろんドクオ君の技術が凄いって事も伝わったよ？今までブーンに付き合って色々なお酒を飲んだけど」
964：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:15:01 ID:vkkjBdII0: ζ(^ー^*ζ「私、今日飲んだお酒が1番美味しかったもの」

('A`)「……」

(*'A`)「お、おう。分かってくれりゃ、良いんだわ。うん」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「今日はありがとう。とっても楽しかったし、美味しかったよ」

('∀`)「おう、その言葉が聞けりゃBAR Dokuoのオーナーとしては満足さ。こんな小さな店でよければまた来てくれよ」
965：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:16:05 ID:vkkjBdII0: ζ(^ー^*ζ「うん。絶対来るから、お店の経営頑張ってね？」

(;'A`)「経営も、ね。うん、いやマジで、うん」

∩ζ(ﾟーﾟ*ζ「じゃあ、またね」

('A`)「おう、じゃあな。……っと、そうだ忘れるとこだったわ」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「ん？」

('∀`)「次はブーンの奴と、夫婦で来てくれよ。また3人で、飲み明かそうぜ」

ζ(ﾟーﾟ*ζ
966：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:16:46 ID:vkkjBdII0: ζ(ﾟーﾟ*ζ

ζ(ﾟーﾟ*ζ

ζ( ー *ζ

ζ(ﾟーﾟ*ζ

ζ(^ー^*ζ「うん、ブーンにも伝えとくね」

(*'∀`)「おう。楽しみにしてるわ」

ζ(^ー^*ζ「じゃあね」

ガチャカランカラン♪

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967：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:17:32 ID:vkkjBdII0: …………………………………

……………………………

……………………

……………

………

…
968：カン・コウヘン：2018/10/18(木) 22:18:19 ID:vkkjBdII0: ζ( ー *ζ(……)

ζ( ー *ζ(……)

『次はブーンの奴と、夫婦で来てくれよ。また3人で、飲み明かそうぜ』

ζ( ー *ζ(……馬鹿だよね、私)

ζ( ー *ζ(今さら過去に縋って、思い出に逃げたところで。今さら)

ζ(；ー；*ζ(今さら、どうにもならないのに)

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969：同志名無しさん：2018/10/18(木) 22:19:31 ID:vkkjBdII0: 　　　　　【CLOSE】

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970：カン・コウヘン ◆AlS74YnhKY：2018/10/18(木) 22:21:13 ID:vkkjBdII0: もう1話できそうな気がするけど話数的にキリがいいので次はファ板にスレ立てますね。
乙や感想ありがとうございました。
971：同志名無しさん：2018/10/18(木) 23:36:36 ID:GYJXqnOQ0: おつ
972：同志名無しさん：2018/10/19(金) 00:50:01 ID:cTskwNBM0: 乙ー
973： ◆AlS74YnhKY：2018/10/19(金) 02:05:07 ID:wwXJwG.w0: 新スレ誘導

https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1539879065/l30

よろしくお願いします。

（ ・∀・）+糞ったれBAR NEETのようです川д;川