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('A`)怪人のようです
1
:
同志名無しさん
:2014/05/22(木) 02:05:30 ID:OdCDLix2O
どうやらうちの倉庫に忍び込んで
変わったイタズラをしていった奴がいたようだ
壁面に大きくぶちまけられた赤い塗料。おそらくはバケツ一杯分くらい
それは生臭い匂いで、ペンキではなく血であると分かる
('A`) 「コスタバワーでも来たのかな?」
俺は久しぶりに、本当に久しぶりに微笑った
('A`) 「面白いな。これは」
110番なんかするものか
この件を、髄まで楽しませてもらおう
322
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 23:43:50 ID:BoN8.7CwO
('A`)「さあ、お前らはもう自由だ」
('A`)「好きな所へ行きな。そして、好きな時に死ねばいい」
ドクオは自分の買ったものと
モナーと運転手から預かった負けネズミ達を
そっと草むらに放した
('A`)「もう負けんなよ。死ぬまで勝ち続けて生きるんだ……」
('A`)「お前らの兄弟のカタキは、しっかり取ってやるさ」
逃げていくネズミ達を振り返らず
ドクオは運転手の部屋へ向かう
沢山のハツカネズミの死骸の上に君臨する、クソ畜生をコロすためにだ
323
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 03:02:29 ID:lM4pprxkO
( ∀゚キ)「お、そりゃ当たりだ」
( ´∀`)「モナもー!」
('A`)「あ、俺もロンで」
( ^Д^)
( ^Д^)「まだ一巡目……」
( ∀゚キ)「飛びなしだから、全然チャンスはあるぜ?プギャーさんよ」
( ´∀`)「子の人和がたったの三人ぶんだモナ」
( ^Д^)
('A`)「あ、すんません。俺は大三元ついてるんで」
( ´∀`)「さあさあ!俺ィらの親番だモナ!」
( ∀^キ)「張り切ってるなぁモナ公!何連チャンする気だい?」
(*´∀`)「少なくとも20位は続けるモナ!」
( ^Д^)
324
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 07:02:38 ID:lM4pprxkO
プロ対素人とはいえ、何の油断もしていないならばこうはならない
今回はちょっとアクシデントが重なっただけなのだ
開局直前、ドクオがプギャーのズボンに熱い茶をこぼしたりしなければ
運転手がつい部屋の明かりのスイッチをつけ間違え、消してしまったりしなければ
モナーがテリヤキチキンバーガーを洗牌している卓の上に取り落としたりしなければ
ちなみに
モナーは所謂プロではなく裏プロなのであり、このレスはまるごと当てはまらない
( ´∀`)「モナ〜」
325
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 21:05:05 ID:lM4pprxkO
7発撃っても狙いは定まらない
コルク弾だ。やむを得まい
グルーピングはしだいに良くはなってきてはいるのだが
¬(@∀@-)「……」
J( 'ー`)し「おしいね。時々当たってるんだけどねぇ」
景品は、三段の棚に並べられている
上段は割とどうでもいいオモチャ。一つ百円もしないようなものばかり
中段が主に札の挟まれたトロフィーや人形で、人目を引く
下段は大型箱ものの景品が並べてある。家電品や、PS4など
こちらはとてもコルク弾ではビクともしないような安定性を見せている
¬(@∀@-)「一発あれば充分さ」
J( 'ー`)し「落とせりゃそうだね。でも、弾が足りなくなったら後でいくらでも買い足せばいいよ」
¬(@∀@-)「買い足しはしない」
残りの弾は、6発
順調に外れ、もしくはかする程度で消費される弾
モランは冷静だ
そこに見物客が一人
(,,゚Д゚)「……」
326
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 21:11:49 ID:lM4pprxkO
(,,゚Д゚)「ビリー・ザ・キッド……」
J( 'ー`)し「なんだい?あんたも挑戦するのかい?」
(,,-Д-)「いや、俺は見物させてもらう」
¬(@∀@-)
J( 'ー`)し「やってみりゃいいのに」(景品は絶対落ちないけどね)
(,,゚Д゚)「おばちゃんよ、もうすぐとんでもない事が起きるぜ」
¬(@∀@-)
J( 'ー`)し「……」(おきゃしないよそんなもん)
327
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 21:26:52 ID:lM4pprxkO
残り4発
¬(@∀@-)「あんたちょっと五月蝿いよ。黙っててくれないかな」
(,,゚Д゚)「すまん。邪魔する気はない。続けてくれ」
J( 'ー`)し「……」
淡々と消費されるだけの弾
残りは3発
¬(@∀@-)「さて、ババア」
J( 'ー`)し「買い足すかい?」
¬(@∀@-)「もう一度約束してもらうぞ」
¬(@∀@-)「落としたら、景品は貰う」
J( 'ー`)し「くどいねぇ。わかってるよ」
(,,-Д-)フフフ……
¬(@∀@-)「よし。なら、よく覚えておけ。僕の名前と顔を」
眼鏡を外すモラン
¬(・∀- )「僕は『トレジャーハンター・モラン』だ」
¬(・∀- )「景品……頂き!」
328
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 21:39:12 ID:lM4pprxkO
三発残された弾の内
一発目
狙いは景品を並べている三段の台座の固定レバー
スコーン!
ガクンと外れ、棚が傾く
景品は雪崩を起こしたように床に落ちていく
一部両面テープで固定されていたものだけが、不自然に棚にしがみついてはいるが
(,,゚Д゚)「見事だ」
J(; 'ー`)し「な!ダメダメ!こんなのは認めないよ」
その重さから、固定の必要なしと
家電品は両面テープで固定されてはおらず
つまり、大部分の高額と低額景品が床に落ちた
こんな丸損、ババアにしてみれば認められないのも無理はない
329
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 21:56:25 ID:lM4pprxkO
¬(・∀- )「フフ……二発目だ!」
モランはババアを無視し、次は倒れ崩れた棚ではなく
¬(・∀・ )「そこっ!」
パチーン!
当たり一体が真っ暗になる
モランの狙いはフロアの明かりのスイッチ
ババア「エッ!?て、停電!?」
闇の中、ババアはスイッチを探してあたふたと動いている
見物客「で、トレジャーハンター・ビリー・ザ・キッド?」
見物客「最後の一発はどうするんだ?」
モラン「こうするのさ」
最後の一発
パーン
天井から弾けた音がするが
暗闇の為、何を撃ったのかは見えない
モラン「頭を冷やせよ。ごうつくババア」
プシッ……
プシャアアアアア!
ジリリリリリ!!!
けたたましいベル音と共に、天井から撒き散らされる水
ババア「キャアアアア!」
見物客「なるほど……スプリンクラー……フフフ」
330
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 22:13:45 ID:lM4pprxkO
宿や土産物屋の従業員が駆けつけ
明かりがつけられ、スプリンクラーからの放水が止められた
消火設備はかなり古いシステムを使っていたのか、もしくは連動停止をしていたのか
他のエリアへの非常放送などは働かなかったようであるが
J( 'ー`)し「ああああ……」
射的場は水浸し
景品は根こそぎなくなっており
もちろんモランや見物客は既におらず
J(#'ー`)し「ち、チクショウ!あのメガネぇぇえ!」
誰もが気に止めてはいなかったが
他にもなくなった物があった
331
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 22:40:53 ID:lM4pprxkO
宿を離れた公園に、二人は移動していた
(,,゚Д゚)「これ、もらって良いのか?」
景品の一つ、電気カミソリをしげしげと見つめる見物客
(-@∀@)「いいよ。景品を運ぶの手伝ってもらったお礼だ」
モランは自分の背負い鞄から、大量のゴミ袋を取り出し
今回ゲットした景品を詰めていく
両手一杯のゴミ袋。売ればまとまった金になるだろうし
トロフィーに差されていた金も合わせれば、大勝と言える
(,,゚Д゚)「お前、凄いな。流石はモララーさんの弟だ」
(-@∀@)「兄の知り合いなのかい?あんたは誰?ギャンブラーなんだろうけど」
見物客は一部否定
(,,゚Д゚)「俺はギコ。ギャンブラーじゃない」
(-@∀@)「兄の知り合いなのに?珍しいな」
(,,゚Д゚)「元警察官でな。モララーとはそういう関係さ」
(-@∀@)「元?」
(,,゚Д゚)「今はいろいろさ。いろいろやってる。ギャンブルも嫌いじゃない」
(-@∀@)「ニート?」
(,,゚Д^)「ニートなのかなwwww俺は」
332
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 22:54:15 ID:lM4pprxkO
(,,゚Д゚)ノシ「俺はこれで。濡れちまったから、予定通り風呂に入るよ」
(-@∀@)ノシ
見物客ギコが去った後
一人残された公園で、金にはならない景品を処分しているモラン
無造作に屑籠に放り込んでいる手が止まる
(-@∀@)「……」
その安物のカゴには札は詰められていなかったので
モランは興味なさそうに蓋を開いたままで
そっと木陰に置いた
(-@∀@)「こいつら、カロリーメイトとか食うのかな?」
ポケットの食いかけのカロリーメイトも
カゴの近くに捨てた
333
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 23:14:45 ID:lM4pprxkO
(-@∀@)「これだから……」
モランはボソリと独り言
(-@∀@)「これだから、閉塞感たっぷりのど田舎は嫌いなんだ……」
とりあえずは、ずぶ濡れになった服を新調し、風呂に浸かろう
その後は、バスで寝ていよう
334
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 23:24:24 ID:lM4pprxkO
(-∀-)「……」
しばらくして、小腹が空いたが
食いかけの、ずぶ濡れのカロリーメイトを捨てた事は思い出さなかった
(-∀-;)グウグウ
335
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 00:56:15 ID:hc/iXhs60
好きだぜこういうの
いや普通にほんと
336
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 13:18:35 ID:oW4Hh7ysO
( ^Д^)「昔ね」
( ^Д^)「昔、東1局52本場って小説を読んだよ。麻雀覚えたてのガキの頃だったな」
('A`)「あ、それ、俺も読んだっすよ。面白いっすよね」
諦観
プギャーの酔いはとうに醒めているが、目は焦点が合っていない
東2局40本場。プギャーの親はまだ続いている
昼前から打ち出した麻雀は、半チャン一回も消化されずに
もはや夕方を過ぎようとしていた
( ´∀`)「バカヅキモナ〜」
( ^Д^)「アハハ……」
嘘つけ。と、プギャーは思った
337
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 13:30:49 ID:oW4Hh7ysO
前レスミス修正
ミス
>東2局40本場。プギャーの親はまだ続いている
修正
東2局40本場。モナーの親はまだ続いている
338
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 16:48:01 ID:oW4Hh7ysO
色んな意味で思い出深い旅行になったな
本来可愛く思っていた生き物に、自分がこんなにも無情になれるというのは新たなる発見だったし
ギャンブルで勝ちまくって、一時とはいえ数十万の勝ちを重ねたのも初めてだった
そして、三人もの本職のギャンブラーに囲まれて、徹底的に負けたのも初めて
これは考えようによっては、贅沢な1日。素晴らしい体験だったと言えるのではないかな?
他人に自慢できる、珍しいネタを得たのだな
休みが終わったら、会社の同僚に聞いてみよう
「お前、ギャンブラー三人にボコボコに嵌められて、有り金全部巻き上げられた事、ある?」って
339
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 17:06:32 ID:oW4Hh7ysO
深夜0時。バスは走り出す
(;'A`)「え、これ、もらっちゃっていいんすか?」
(-@∀@)「いいよ。PS3は家にあるから」
モランはドクオに、射的の景品を差し出す
(;'A`)「お、俺、ゲーム、あんまり、やったこと、なくて」
(-@∀@)「モニターとソフトは自分で買ってね」
(;'A`)「あ、あり、ありがとう、ございます」
ドクオは恐らく、初めて他人に感謝した
これまで人並みの楽しみを味わって来なかった
子供の時分にはゲームなんて高額なもの、買ってもらえるような裕福な家庭ではなかった
(;'A`)「どんなゲームが、面白いんす、かね?」
(-@∀@)「……そうだね」
(-@∀@)「アフリカ」
モランはお決まりのネタで返した
340
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 17:12:21 ID:oW4Hh7ysO
(-@∀@)「もしくは」
(-@∀@)「オプーナ」
(*'A`)
バスはひた走る……
闇を突っ切り、また闇へ向かう
射し込む光が見えるまで
見えるまで、闇へ向かうのだ
例え永久に光が見えなくとも
341
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 17:16:49 ID:FW8BEgvw0
ジャンボ!
342
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 21:45:15 ID:oW4Hh7ysO
早朝、とあるサービスエリア
( ∀゚キ)「到着した訳じゃねえんだが、ちょっと小便休みさせてもらうぜ」
(-A-)「あ、俺もトイレ行きたいっすから……」
モナーとモランはまだ眠っている
そんな早朝。4時半
( ∀゚キ)「実はよ」
神妙な顔つきの運転手
( ∀゚キ)「ゆんべから、バイクにつけられてんだ」
('A`)「おまわりっすか?」
( ∀゚キ)「そうならまだいいんだがな……」
343
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 22:27:59 ID:oW4Hh7ysO
( ∀゚キ)「カタナなんてぇ古臭いバイクで俺を追い回す奴ぁ、ギコの他にゃいねえ」
('A`)「ギコ?誰っすか?」
( ∀゚キ)「ただのチンピラだよ。ただのな」
('A`)「面倒な感じっすか?」
( ∀゚キ)「ああ。奴が俺にからむ時ゃ、いつもややこしくなる」
('A`)「ま……何でもいいっすけどね?」
ドクオには関係ない話のようだったから、徹底しての無関心
('A`)「運転手さんとそいつのトラブルで、ツアー中止……なんて」
('A`)「みっともない事にはしないで下さいよ?」
344
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 22:39:00 ID:oW4Hh7ysO
やや遅れてサービスエリアに入ったバイク
無駄にデカイバイクだな。とドクオは思う
(,,゚Д゚)「……」
ヘルメットを取り、運転手に向かって近づく男
こいつがギコなのか
( ∀゚キ)「よう。元気そうじゃねえか。ギコの旦那」
(,,゚Д゚)「今回は何を企んでいる?スカンピン」
( ∀゚キ)「企む?キシシ……」
( ∀゚キ)「金儲けだよ」
345
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 23:09:17 ID:oW4Hh7ysO
(,,゚Д゚)「それはそうだろう。俺が聞いてるのは」
(,,゚Д゚)「今回は何人を、どんな風にコロすつもりなのか?って所だ」
( ∀-キ)「キシシ……」
殺伐とした二人の間で、しかし我関せずとばかりに
ドクオは言う
('A`)「バイクのおっさん。あんたと運転手さんの関係なんてどうでもいい立場の俺っすけどね?」
('A`)「俺はこのツアーに、きっちり参加費を払ってるんで」
('A`)「あんたにツアーを邪魔されちゃ、たまんねえんすよ」
ギコはドクオの方を見もせずに話す
(,,゚Д゚)「うるせぇよ。内藤さんの腰巾着が……」
どうやらギコも、モランがそうであったようにドクオを知っているようだ
ギャンブラーとして名が売れてきている。という事なのか
ただし、「内藤の腰巾着」という不名誉な売れ方は、ドクオには我慢がならないようである
(#'A`)「……の野郎……っ」
346
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 23:20:06 ID:oW4Hh7ysO
(,,゚Д゚)「コバンザメか金魚のフンの方が良かったか?ハンチク坊や」
やはりドクオを見ていない。ギコは視線を運転手から離そうとしない
ドクオを格下と見下し、口でしか相手にしていない
その態度は、ドクオの感情を逆撫でする
( ∀゚キ)「ドクオ。コレがギコのやり方なんだ」
運転手は静かに、穏やかに佇んでいる
(#'A`)「やり方?どういうことっすか?」
( ∀゚キ)「頭に血が昇り、冷静さを欠いた相手を食う」
( ∀゚キ)「そういう手なのさ」
347
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 23:27:19 ID:oW4Hh7ysO
我関せず、の態度のはずが
いつの間にか、中心に引っ張り出され
しかも冷静さを失い
それを咎められ忠告までされてしまっている……
(;'A`)
ギザギザ
(,,゚Д゚)「坊や……まだまだガキのようだな」
ギザギザギザギザ
(;'A`)(俺は、自分でも気付かないうちに……)
ギザギザギザギザギザギザ
(;'A`)(飲ま、れた)
ギザギ
ザ
ギザギザギザギザギ
ギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザ
348
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 23:35:02 ID:oW4Hh7ysO
( ∀゚キ)「ドクオ。おめぇはバスに戻ってろ。さもないと、やり込められるぜ?」
(;'A`)「……」
(,,゚Д゚)「邪魔。だしな」
(;'A`)「ぐ……」
ドクオ選択
1・その場に残り、成り行きを見届ける
2・バスに引き上げ、次の勝負に備えるべく眠る
3・お前のいう通りにしてみる
349
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 23:45:52 ID:j.eMFHXM0
1
350
:
同志名無しさん
:2014/09/20(土) 00:05:53 ID:Q/1qfYSU0
くそー便所いってる間に安価が
351
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 14:14:08 ID:EHJgerAkO
( ∀゚キ)「無関係な事に関わって、要らねぇケガするくらいなら寝てた方がいい。お前が戦うべき次の勝負の為によ」
('A`)「お、俺は、バスツアーを勝ち残るだけのつもりは、ねえんす……」
ドクオは、自分が運転手やギコよりも格下であると心のどこかで認めていながらも
それを認めてしまったからこそ、二人に一矢報いねばならないと思った
そうしなければ、ドクオは
かつて決定的な敗北を喫した相手、内藤の他にも
心を折られて負けた相手を増やしてしまう
ギャンブラーとして、
我慢がならない
('A`)「俺は、引っ掛けられて負け惜しみを吐いて逃げるような」
('A`)「素人じゃ、ねえんす」
(,,゚Д゚)「逃げも、手出しもできないサンドバッグになるのがお望みなら、ドクオよ」
ギコは初めてドクオを見て言う
(,,゚Д゚)「これから俺がスカンピンにふっかけるつもりのギャンブル……に」
(,,゚Д゚)「お前にも、座る席をやるぜ?」
352
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 14:36:35 ID:EHJgerAkO
( ∀^キ)「そのギャンブル?俺ぁ降りちゃいけないのかい?」
当事者の癖に、他人事のような態度の運転手。ポーカーフェイスなのか、素なのか
なるほど、ギコの揺さぶりに対していささかも動揺していない様に見える
が
(,,゚Д゚)「スカンピン、お前が降りたら、お前が今どこにいて何をしてるかの情報をあちこちに流し……」
(,,゚Д゚)「いろんな筋から、感謝状や盃をもらう事にするぜ?」
( ∀゚キ;)「俺ちゃんギャンブルだーいすき!」
( ∀゚キ;)「さあさあ勝負しましょー!そうしましょー!」
(;'A`)「……」
なんだこいつ。
ドクオは運転手のあまりの軟弱さに、豹変する態度に
(;'A`)(もしや、俺、今もまだ)
( ∀゚キ*)「チンチロリン?カード?じゃんけんも話が早くていいよなー!な!ギーコの旦那ァ!」
(,,゚Д゚)「ククク……ゲスお互い様だが、腰抜けぶりはお前にはかなわん。スカンピン」
(;'A`)(まだ、俺はコイツらに引っ掛かって釣られてるんじゃ、ないのか?)
と思い
しかしこんな時、即、己のスタンスを決められる程には
ドクオはギャンブラーとして円熟していないのだった
353
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 14:56:51 ID:EHJgerAkO
ともあれ、
ドクオは一端のギャンブラーとして、この場を凌ぎ切って
二人のハナをあかさねばならないと決意
('A`)「ギャンブル。俺も乗ります。何をやりゃいいんすかね?」
(,,゚Д゚)「そうかい。なら……コインを」
( ∀゚キ)「待ちな。ふっかけたおめぇさんが、好きにギャンブルを決めるなぁ」
( ∀゚キ)「博奕の道理が通らねぇ。イカサマし放題だろう?」
(,,゚Д゚)「それはそうだな。なら、どうする」
( ∀゚キ)「ドクオ。おめぇ、カードか何か持ってねえか?」
('A`)「温泉の土産物屋の安物なら……」
ドクオは、モランが射的で得た景品のアンパンマンのトランプ
その一組をもらっていたのを思い出し
鞄から取り出す
(,,゚Д゚)「カードか。いいぜ」
( ∀゚キ)「封は?」
('A`)「安心して下さいよ。切ってねえっす」
( ∀゚キ)「ならドクオもサマは仕込んでねえな。よし」
明け方のサービスエリア
ひっそりと、ギャンブルは始まろうとしていた
354
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 15:15:46 ID:EHJgerAkO
(,,゚Д゚)「ポーカーで?」
運転手とドクオは同意
( ∀゚キ)「カードチェンジは?」
('A`)「一回でいいでしょう。スタンダードに」
(,,゚Д゚)「よし」
三人により、カードが念入りにシャッフルされる
しつこいくらいに念入りに
サービスエリア、フードコートのテーブル
そこが今回の勝負の場
早朝とあってか、たまたまなのか、他に休憩に来ているドライバーや観光客はいない
( ∀゚キ)「で、ギコの旦那。何を賭けるんだい?」
(,,゚Д゚)「俺はあの、カタナを」
ギコは己の乗ってきたバイクを指指す
( ∀゚キ)「じゃあ、俺ぁそれに見合うモンか。となると……」
(,,゚Д゚)「バスツアーの行く先を、最寄りの警察署に変更する。というのはどうだ?」
( ∀゚キ)「キシシ……そりゃ元敏腕警察官としての意地かい?」
(,,゚Д゚)「公僕稼業に未練はねえが」
(,,゚Д゚)「やり残した仕事があるからな。お前を檻にぶちこむって仕事が」
( ∀゚キ)「サービス残業って奴かい?良くないねえ。キシシ」
355
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 15:25:54 ID:EHJgerAkO
('A`)「俺は、金もあんましねえけど……30万ちょっとっすけど、いいすか?」
(,,゚Д゚)「ククク……」( ∀゚キ)
ギコと運転手は笑う
( ∀゚キ)「おめぇはオマケだしな。それでいいぜ?」
(,,゚Д゚)「ドクオ。気の毒だがな?お前は蚊帳の外なんだよ」
(,,゚Д゚)「なんなら、タネなしだって構わんさ」
ギザギザ……
ギザギザギザ
ギザギザギザギザギザギザギザギザ
('A`)「あんたら……」
('A`)「俺をとことん、見下して、る、んすね」
ギザギザ
ギ
356
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 15:35:39 ID:EHJgerAkO
( ∀゚キ)「ドクオ。おめぇが勝ったらよ。俺はおめぇに」
( ∀゚キ)「黙って500万払うぜ。つまりバスツアーの三人目の達成者ってこったな」
ギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザ
('A`)「そう、っすか。どこまでも……」
ギザギザギザギザギ
(#'A`)「俺をコケにしやがって!」
ドクオは吠える。怒り心頭
(,,゚Д゚)「落ち着けよ腰巾着」
( ∀゚キ)「冷静になりな。また簡単にハメられてるぜ?ドクオ」
(#'A`)「クソッ、あんたら……でかい口を利けなくしてやるッ!」
( ∀^キ)「おお怖ぇえ……キシシ」
357
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 16:00:41 ID:EHJgerAkO
(,,゚Д゚)「ドクオ」
ギコはまた、ドクオを見るのを止め
それでも声をかける
(,,゚Д゚)「お前、内藤さんの墓の場所……知ってるんだろ」
(#'A`)「だったら何すか?」
(,,゚Д゚)「お前が負けたら、30万払う他に内藤さんの墓のある場所を教えろ」
( ∀゚キ)「内藤の墓に何の用があんだ?」
(,,゚Д゚)「スカンピンは知らんのか?それは意外だな」
('A`)「?」
くたばった時、浮浪者のようだった内藤
その彼の墓に何があると言うのか
ドクオは確かに内藤の墓のある場所を知っているが
ギコの思惑を測る事はできない
(,,゚Д゚)「スカンピンすら、俺が内藤さんの墓を探す理由について思い当たらないんなら……」
( ∀゚キ)「金目当てか?内藤は貧乏博徒のはずだったが……」
(,,゚Д゚)「『最後の博徒』の墓参り。って事にしておくぜ。フフ」
358
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 16:20:00 ID:EHJgerAkO
(-@∀@)「モナーさん。誰が勝つと思います?」
( ´∀`)「ちょっと勝負するかモナ?」
バスに残っていた二人も目を覚ましている
成り行き迄は分からずとも、三人が外でポーカーフェイスをやっている姿を認め
それをネタにトトカルチョ
( ´∀`)「スカンピン兄さんに、朝飯1食賭けるモナ」
(-@∀@)「なら僕は、ギコ……あのバイクの人に賭けるよ。朝食ね」
二人共、ドクオに賭ける程あまちゃんではなかった
359
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 16:23:51 ID:EHJgerAkO
前レスミス修正
ミス
>成り行き迄は分からずとも、三人が外でポーカーフェイスをやっている姿を認め
訂正
成り行き迄は分からずとも、三人が外でポーカーをやっている姿を認め
360
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 16:28:05 ID:EHJgerAkO
**caution!**
**ミス多発の上、sage忘れまで発生**
**ある程度沈むまで、連載を中止**
**関係各位への謝罪を……**
361
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 22:34:21 ID:TmNCDBs20
どんまい
ageてるからなんか心境が変わったのかとおもた
362
:
同志名無しさん
:2014/09/24(水) 23:45:21 ID:yez3pqxQO
( ∀゚キ)が勝った場合
30万とレトロバイクを得る
(,,゚Д゚)が勝った場合
30万を得て運転手を警察に突き出す(運転手はおそらくダーティな輩であろうから、すなわちバスツアー終了)
('A`)
勝った場合
レトロバイクと500万とバスツアーの三人目の達成者の名声を得る
('A`)(俺にとって最悪なのは、ギコのおっさんに勝たれること……バスツアーが終わってしまう)
('A`)(俺が勝てばよし。そうでなくても運転手さんに勝たせれば)
('A`)(とりあえずバスツアーは継続する……)
(;-A-)(いや、ダメだ)
小賢しい算盤
ドクオはかぶりを振り、そんな弱気な考えを振り払う
('A`)「始めましょうか。お二人さん」
('A`)「俺が勝つと決まった勝負を」
363
:
同志名無しさん
:2014/09/24(水) 23:53:44 ID:yez3pqxQO
ドクオは慣れた手つきでカードを配る
ギャンブラーとしての基本的なテクニックは……もちろんイカサマも含めて
ドクオは一通り身に付けている
( ∀゚キ)「……」
(,,゚Д゚)「……」
しかしおかしな事をすれば、この二人には見破られる可能性が高いだろう
('A`)「……」
ドクオは、カードをあえて慎重に、そしてフェアに配った
(,,゚Д゚)「ゲーム、開始か」
( ∀゚キ)「楽しいねぇ。ハリがある勝負はいいぜ……」
静寂
364
:
同志名無しさん
:2014/09/24(水) 23:58:47 ID:yez3pqxQO
それぞれのプレイヤーは、自分の手札を確認する
('A`)「カードチェンジ、いいすか?」
(,,゚Д゚)「いいぞ」
ドクオはおもむろに己の手札を伏せて言う
('A`)「オールチェンジで」
( ∀゚キ)「へぇ?全部か?」
('A`)「ええ。5枚全部交換しますよ」
(,,゚Д゚)「ほう……」
365
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 00:10:53 ID:b354SD.EO
ドクオは手札全てを捨て札置き場に捨て
山札に手を伸ばす……
ピシャリヾ( ∀゚キ)「待ちな!」
運転手にいきなり手をはたかれたが、ドクオは冷静だ
('A`)「なんすか?イカサマなんぞしてねぇっすよ?」
確かにまだイカサマはしていない
これからするつもりではあったが
(,,゚Д゚)「ククク……」
ギコは笑う。運転手の早とちりを。ではない
( ∀゚キ)「しろ。ってんだよ」
(;'A`)「はぁ?」
( ∀゚キ)「ヒラ(イカサマなし)で勝負しようなんて、つまらねぇ事考えてねえだろうな?」
( ∀゚キ)「おめぇさん。ギャンブラーの端くれなんだろ?」
( ∀゚キ)「ちったあ技、見せなよ」
(,,゚Д゚)「ククク……楽しもうぜ?ドクオ」
運転手の言葉にギコも乗ってくる
二人はドクオが何をしようと、勝てる自信があると言いたげだ
366
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 00:20:51 ID:b354SD.EO
( ∀゚キ)「俺ぁ、やるぜ?」
(,,゚Д゚)「俺もだ」
( ∀゚キ)「だからドクオ。遠慮なしにやれ。本気でな?」
舐めてられている
完全にドクオを舐めきっている
(#'A`)「そう、っすか。何でもやっちゃっていいんすか」
(,,゚Д゚)「やれよ。無駄だろうけどな」
('A`)「後悔、しても知らねえっすよ……」
覚悟が決まり、かつ、何をしても構わないとまで言われ
ドクオはそんな侮辱の中で
それでも、恐るべき悪魔のアイディアを思い付いた
('A`)「ルール無用のギャンブルって事なら、やらして貰いますよ。えげつなくね」
運転手はうなずき、ポツリと言う
( ∀-キ)「試すかい?」
( ∀゚キ)「俺と、おめぇさんらの知恵を……キシシ」
367
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 00:33:04 ID:b354SD.EO
(#'A`)「舐めやがってッ!」
ドクオは悪魔のアイディアを実行する
(#'A`)「なんでもアリなんだろ!なら、こうだ!」
山札を全てひっくり返し、表になったカードから素早く5枚のカードをひったくる
内四枚はエース。つまり、エースのフォーカードの完成だ
(#'A`)「いいんだよな?こんなんでもよ!」
(,,゚Д゚)「ククク」( ∀゚キ)
最強の手役を前にしても、二人は笑っている。それどころか
(,,゚Д゚)「ドクオはエースのフォーカード。か」
( ∀゚キ)「やっちまったなぁ。ドクオ……」
ドクオのイカサマとも言えないようなフォーカードを平然と認めてしまった
368
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 00:44:31 ID:b354SD.EO
エースは全て押さえられている以上、ロイヤルストレートフラッシュは完成しない
つまり、二人にドクオ以上の手役はできないにも関わらず
二人はいささかも困っていない様子
( ∀゚キ)「さて……」
運転手は、手札5枚を腰かけた椅子の後方に放り捨てる
はらはらと手札が宙に舞い、その様は妙に美しい
( ∀゚キ)「俺もオールチェンジと行こうかね?」
同時に、ギコも手札を全て破り捨てる
(,,゚Д゚)「俺も、全部交換だ」
(;'A`)「な……」
そして
悪魔のアイディアは、悪魔以上のナニモノかによって、簡単に蹂躙された
369
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 00:53:12 ID:b354SD.EO
なんでもアリを先に実行してしまった、させられてしまったドクオは
二人の「真の」なんでもアリに対して文句は言えない
その仕掛けこそ、二人のギャンブルテクニックなのだ
二人はそれぞれ、ポケットから新たな5枚のカードを取り出し
ドクオに手役と、越えられない実力差を見せつけた
( ∀゚キ)「キシシ……」
(,,゚Д゚)「ククク……」
( ∀゚キ)「なんでも」
(,,゚Д゚)「アリだったよな?」
(;'A`)「そ、ん、な」
( ∀^キ*)(,,*゚Д゚)「ギャーッハッハッハ!」
370
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 01:05:50 ID:b354SD.EO
二人の手役はスートも数字も「そっくり同じ」だった
(;'A`)「スペードの」
(;'A`)「エースの……」
(;'A`)「ファイブ、カード……だっ……て?」
( ∀゚キ)「名付けて」
(,,゚Д゚)「フラッシュファイブカード……って所だな」
ギコと運転手、合計の手札は全てスペードのエース
ドクオの手札と合わせると、計11枚のスペードのエースがテーブルに現れた
( ∀゚キ)「ドクオ。おめぇがアンパンマンのトランプを手に入れてた事は、俺達はすでに知っていたんだよ」
(,,゚Д゚)「土産物屋に引き返して、買ってきておいたのさ。大量のアンパンマントランプをな」
(;'A`)「まさ、か、俺は、始めっから……」
( ∀゚キ)「ゴチソウサン。ドクオwwwwww」(,,゚Д゚)
371
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 01:19:09 ID:b354SD.EO
( ∀゚キ)「なぁに。オケラでもなんとかならあ?なぁ?ドクオ?」
(,,゚Д゚)「名うてのギャンブラーなんだろう?」
ギャーッハッハッハ!
ギャーッハッハッハハッハッハッハ!
二人はドクオを引っ掛ける為に芝居を打ち
そしてまんまと、ドクオの有り金を巻き上げた
( A )「ち、く、しょう……」
脱力感に苛まれながら、ふらふらとドクオはバスへ戻ろうとし
……だがふと足を止め、鞄からモランに貰ったPS3を取り出す
( A )「……」
( A )「くそったれ……」
372
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 01:29:13 ID:b354SD.EO
サービスエリアの駐車場
足下のアスファルトに、PS3を叩き付ける
( A )「ゲームなんて……やってる暇はないッ」
ガシャーン!
……いつかこの悔しさを晴らす為
ギャンブラーとして二度と負けない為
今は時を惜しんで博奕の修行をしなければならない
楽しみ、幸せ、平穏を捨てて生きるのだ
野垂れ死ぬまで勝ち続ける為に
373
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 18:36:33 ID:b354SD.EO
( ´∀`)「よう。負け犬!」
ドクオはバスに戻るなり、いきなり侮辱の言葉を浴びせられ
(;'A`)
しかし言い返す言葉は出てこない
(-@∀@)「馬鹿だねぇ。僕らの行く道は地雷原。罠だらけだって事を忘れたのかい?」
( ´∀`)「仲間との馴れ合いは、所詮金に結びつく時だけだモナ?」
ドクオは己の甘さを激しく後悔し
周り全てが敵なのだと思い直した
('A`)「俺の、不始末。っす」
(-@∀@)「優しくされて、ほだされたんだな?」
('A`)「やられましたよ。モランさんにも」
モランがドクオにPS3を与えたのは
ドクオに偽の仲間意識や、感謝する気持ちを植え付け
腑抜けにするためだったのだと
遅きに失したが、悟った
というより
そういう懐柔策がある事を思い出した
374
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 18:46:18 ID:b354SD.EO
懐柔策によってできた綻びは
ドクオから警戒心を失わせていた
バスに乗り合わせた皆は仲間だと。仲良しこよしなんだと思い込まされた
今回の負けの原因と言えば
その隙を逃さず、運転手とギコが食った。という
当たり前のことでしかない
(;A;)「悔しいっす」
( ´∀`)「ならバス降りればいいモナ」
(-@∀@)「潮時かもよ?ドクオ君?」
(*´∀`)(*-@∀@)wwwwwwwwwwww
(;A;)「クソッ……」
375
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 18:58:42 ID:b354SD.EO
( ∀゚キ)「さてと。ぼちぼち出発するぜぇ」
程なくして運転手は戻り
何事も無かったかのように、しれっとした態度でバスを走らせる
(-@∀@)「ギコさんは?」
( ∀゚キ)「知らね。勝手について来るんじゃねえかな?」
( ´∀`)「参加者扱いじゃないモナか?」
( ∀゚キ)「だな。奴は参加費払ってねえし。バスに乗ってもねえしよ」
(-@∀@)「ははあ。読めたぞ……?つまりギコさんは」
意味ありげにニヤリと笑う運転手
( ∀゚キ)ニヤリ「奴は、ややこしい野郎。なのさ」
376
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 19:06:33 ID:A3D4akqg0
みてるぜ
377
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 21:41:52 ID:b354SD.EO
( ´∀`)「ここは……?」
( ∀゚キ)「ま、見ての通りよ」
波止場。寂れきった波止場である
地元のヤンキーによるものだろうか?壁に落書きされまくった廃工場が立ち並び
その他には海と防波堤しか見当たらない
人の気配はまるでない
('A`)「久しぶりだな。ここ」
ここは、ドクオが数ヶ月前、ショボンと対峙した場所なのだった
(-@∀@)「こんな所でどんなギャンブルが出来るって言うんです?」
モランの問いには運転手に代わり、ドクオが答える
('A`)「ドラッグ・チキンレースっす」
378
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 22:07:59 ID:b354SD.EO
会話形式では長ッたらしくなるだけなので
説明をかいつまむ事にする
ドラッグ・チキンレースとは
とある危険なドラッグ(ただし、法に引っ掛からないもの)を一定量摂取し
その後、チキンレースを行うというもの
命懸けの意地の張り合い、ではない
このレースに挑む者はヘヴン状態の壊れたジャンキーだから、意地などではなく……
ただ死と隣り合わせの生に、恍惚を求めるクレイジーな輩のみ
ではギャンブル性はどこにあるのかと言えば
('A`)「見てる分にはトトカルチョが成り立つでしょ?」
( ∀゚キ)「そういうこった。死んでいくバカ共を見物しながらのギャンブル……なかなかオツなもんだぜ?」
(;´∀`)(;-@∀@)
379
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 22:19:19 ID:b354SD.EO
( ´∀`)「……まさかとは思うモナが、スカンピンの兄さん?」
( ∀゚キ)「あんだ?」
( ´∀`)「ドクオに有利なロケーションを選んだのは、朝方の詫びの積もりかモナ?」
( ∀-キ)「キシシ……モナ公?おめぇ……」
( ∀゚キ)「俺が情に流されるとか、本気で思っちゃいめえ?」
( ´∀`)「……ならいいモナ」
(-@∀@)「……」
( ∀゚キ)「このギャンブルで一番ヤバいのはむしろ……」
('A`)「……」
( ∀゚キ)「ドクオ、だぜ?」
380
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 22:28:48 ID:b354SD.EO
(-@∀@)「どうしてです?ドラッグ・チキンレースに詳しいドクオが、一番有利では?」
('A`)「……」
モランの言う通りのはずである
が
( ∀゚キ)「ドクオはオケラなんだぜ?トトカルチョにゃあ、参加できねえだろ?」
( ´∀`)「そうか。ドクオはここで脱落モナね……達者でやるモナ。ドクオ」
( ∀゚キ)「ドクオ〜?冷てぇこと言われてるぜぇ?」
( ∀^キ)「ひでぇよなあ?仮にも今夜の主役によぅ?なぁ、ドクオ……キシシ」
今夜の主役、とは、つまり……
('A`)「……俺はまだ」
('A`)「バスツアーから……リタイアしねえっすよ。モナーさん」
381
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 22:40:36 ID:b354SD.EO
夜20時、バカ共がこの波止場に集まり
狂乱のギャンブルが始まるまでの時間は
各々が自由に過ごす事となり
( ∀゚キ)「俺ぁ銭湯に行くが、おめぇらは時間まで好きにしな」
運転手に同行するのはモラン
ふらりと釣具店に消えたのはモナー。海釣りでもする積もりなのだろう
そしてドクオは
近くのファミレスに朝定食を食い逃げしに行くのだ
('A`)「腹、減ったなぁ……」
空の財布は、持っていると悲しくなってくるので
海に捨てて
382
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 23:21:04 ID:b354SD.EO
昼過ぎ、ドクオは町をぶらつく
そして、その道すがら、常軌を逸した光景に出くわす
(;'A`)「うわぁ……マジでいるんだ。ああいう車……」
俗に言う痛車。
アニメのキャラクター、しかも公然猥褻と言っても過言ではないほどのエロ絵を車体全面に晒し
悠々と堂々と疾駆していくその車内を
ドクオは確かめずにはおれない
(;'A`)「あれは……まさか!ショボン、さん!?」
(*´゚ω゚`)
ドライバーはショボン。のように見えた
だが、ドクオの記憶にあるショボンはドのつく硬派であったし
あのようなイカれた目をしていなかった。はずだ
(;'A`)「見間違えた?のか?」
呆然と立ち尽くすドクオ
ふと
しばらく使っていないドクオの携帯が、鳴った
383
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 23:39:11 ID:b354SD.EO
湯にぷかりぷかりとしながら、モランと運転手はギャンブル談義を交わしていた
( ・∀・)「聞きたいんですが、運転手さん?」
( ∀゚キ)「んー?」
( ・∀・)「あなた、もしかして何か企んでませんか?」
( ∀゚キ)「はぁ?金儲けは常に企んでるが?」
とぼけた様子の運転手
モランは食い下がる
( ・∀・)「ドクオ君に対するあなたの追い詰め方は、はっきり言って過剰だ」
( ∀-キ)「そうかねぇ?」
( ・∀・)「彼から金を巻き上げるのが目的なんじゃなく」
( ∀-キ)「……」
( ・∀・)「彼を徹底的に凹ますのが目的ではないですか?」
( ∀゚キ)「キシシ……考え過ぎだよメガネ。俺はな」
一呼吸の間があって
( ∀゚キ)「……弱者に手加減できないタイプ。ってだけさ」
384
:
同志名無しさん
:2014/09/26(金) 00:12:46 ID:g86JSE8s0
ほんと読ませるなあ
385
:
同志名無しさん
:2014/09/26(金) 02:45:33 ID:Z.BWuPhAO
10年前、ゲームセンター
クレーンゲームの前
(;・∀・)「兄さん……」
ドンと出された金。100万
ゲームセンターで使うにはありえない、馬鹿馬鹿しい金の高
( ・∀・)「欲しいんだろ?そのフィギュア」
(;・∀・)「で、でも……」
( ・∀・)「モラン。景品が欲しいなら、このクレーンゲームを力でねじ伏せるんだ」
(;・∀・)「」
( ・∀・)「何事も勝負。そして勝負なら勝たなきゃダメだ」
(;・∀・)「で、でも、こんなお金は、やり過ぎ……」
( ・∀・)「いいかいモラン」
( ・∀・)「勝つための努力は、どれだけしてもやり過ぎなんてことはない」
386
:
同志名無しさん
:2014/09/26(金) 02:55:47 ID:Z.BWuPhAO
( ・∀・)「こんなお金があったら、こんなフィギュアはクレーンゲームなんてしないでも沢山買えちゃうよ……」
( ・∀・)「僕はモランに、フィギュアをプレゼントしてるつもりはない」
( ・∀・)「弟に優しくしているわけでも、ないよ?」
(;・∀・)「えとそれは、つまり?」
( ・∀・)「モラン。そのフィギュアを手に入れるまでは」
( ・∀・)「家には帰らせないから、そう思え」
(;・∀・)「そんな……」
( ・∀・)「僕もモランに徹底的に付き合う。勝つまでだ」
( ・∀・)「安心しな?3日くらいは覚悟してるからね」
387
:
同志名無しさん
:2014/09/26(金) 03:07:40 ID:Z.BWuPhAO
絶対取れないクレーンゲームを、あえてゲームセンターに用意させたのは
他ならぬ兄だと知った
兄は鬼だった
勝つ事に執着する、化け物。妖怪の類いと言って良かった
二日目、ついにフィギュアを手に入れたのは
40万もの金が投入された後だった
( ;∀;)
( ・∀・)
僕は泣いた。苦しかった。つらかった
こんな事で兄に大金を使わせた自分が情けなかった
兄は
涙と鼻水を垂れ流す、そんな僕の頭を
そっと撫でてくれた
景品のスーパーそに子のフィギュアの箱に
僕の涙でシミができた
388
:
同志名無しさん
:2014/09/26(金) 03:23:39 ID:Z.BWuPhAO
これでやっと帰れる
帰ったらもう二度と、クレーンゲームには手を出すまいと心に誓った
しかしそんな僕に、兄は言った
( ・∀・)「景品はまだディスプレイ内に10個残ってるからね」
( ;∀;)「え」
( ・∀・)「根こそぎだ。それが勝つって事だ」
兄はそう言って、持っていた鞄逆さにし
中身をぶちまけた
沢山の札束が床に落ちた
( ;∀;)「」
( ・∀・)「徹底的に。だ」
389
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 00:40:22 ID:pTYJdF66O
釣具店内
モナーは、密かに待ち合わせた人物と会っていた
( ´∀`)「や。シャキン。元気かモナ?」
(`・ω・´)「俺は元気だよモナーさん。久しぶりだな」
二人の和気あいあいとした雰囲気、話しぶりを見るに、親しい間柄のようだが
このシャキンと呼ばれた若者もまたギャンブラーであり
話題の中心はやはり最近の博奕について。のようだ
( ´∀`)「ギャンブルバスに乗る準備はできたかモナ?」
(`・ω・´)「うん。ドクオって奴、まだ乗ってる?」
( ´∀`)「乗ってるモナ。でも、多分今夜でリタイアモナ」
( ´∀`)「アイツは今ガミ喰ってるモナ。バス代払えねえモナ」
(`・ω・´)「ふうん……ま、いいや。それでも乗るよ」
( ´∀`)「よろしくモナ」
(`・ω・´)「よろしく」
390
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 11:29:37 ID:pTYJdF66O
バスツアーについて詳しくモナーに尋ねたシャキンは
おおよその状況を把握、そして整理
片目を閉じて計算を始める
(`・ω-´)「今日こちらに来たのはバスツアー主催者の意向なんだろ?」
( ´∀`)「そうモナ」
(`・ω-´)「ふむう……」
しばし考えこむシャキン
( ´∀`)「『先読みのシャキン』の考えは?」
(`・ω・´)「うん。まず間違いなく……」
(`・ω・´)「ドクオって奴、今夜の勝負を降りるね」
( ´∀`)「ほう。それはつまり、リタイア。かモナ?」
(`・ω-´)「そこまでは読めない。ただ、ドクオは、多分」
(`・ω・´)「今夜の勝負には勝てない」
391
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 11:52:55 ID:pTYJdF66O
夕方。
ドクオは電話の相手に呼び出され、波止場に来ていた
ショボンである
(*´゚ω゚`)「おいィ?電話のハナシ、マジなんかよぉおお?」
('A`)「ええ。マジっす。モノは俺の鞄にあるんすよ」
明らかに以前のショボンとは人格からして違う
ドクオに負けてから、ドラッグに手をだし
かりそめの無敵、偽のライオンハートを手に入れたショボン
その証としての痛車
……俺はもはや無敵だ。無敵なんだから、人目など気にしねぇ!
最強のアナーキー!
それが、俺、ショボン!
392
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 14:02:26 ID:pTYJdF66O
('A`)「……」
ドクオは脱力している
ショボンの間違った方向への変わりように、呆れているのである
('A`)「また随分と気合いの入った車っすね」
(*´゚ω゚)「どーよ!?真似できねーだろーが!」
真似できないと言うより、真似したくない類いであるが
('A`)「短い時間に大した化けっぷりっすね。こりゃ、俺はもうショボンさんには到底かなわないっす」
心にもないおべっかを使うドクオ
ショボンを使う手を思い付いたからこそだ
(#´゚ω゚`)「お前だけじゃねえぇーよ?いまや全人類が、俺様のブッ飛びについてこれねぇ!」
('A`)「そうっす。ショボンさんは最強。ですが」
ですが、と切る
(#´゚ω゚`)「うたぐぅるるるんなら証明してやんよおおぉお!?」
('A`)「ショボンさんなら、無敵のショボンさんなら、そう言ってくれると思ってました」
('A`)「男の中の男。ですから」
393
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 14:13:28 ID:pTYJdF66O
('A`)「俺はショボンさんの勇姿を見せて貰うお礼に、コレを」
ごそごそと鞄を漁るドクオ
スーパーそに子のプライズ景品……モランに貰ったままのフィギュアを取りだし
ショボンに差し出す
('A`)「ショボンさんの車の絵と同じキャラクター。これですよね?」
(*´゚ω゚`)「うひょおぁおうええおうああああ!ってやあらあめんらぁ!!」
ぶっ壊れにも程がある程、ヨダレを撒き散らして狂乱するショボン
(*´゚ω゚`)「限定品!生産終了品!おっぱいの女神いあうあいいああいいやッ!」
(*´゚ω゚`)「すー」
(*´゚ω゚`)「ぱー」
(*´゚ω゚`)「そにっこぶーむ!!!」
……はいはい
皆さんも変なクスリのやり過ぎには注意しろよな
394
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 14:30:01 ID:pTYJdF66O
('A`)b「ドラッグ・チキンレース……余裕っすね」
(*´゚ω゚`)「見せてやんよおおお!いんやぁ!魅せてやんよおうえおお!」
(*´゚ω゚`)「最強んの俺様を!一番美しいいぃく!」
('A`)「うらやましいっすよ。ショボンさん」
('A`)「そんなあなたの車の助手席には、今夜は素敵な彼女まで乗る訳ですからね」
(*´゚ω゚`)「今夜のデートは!」
('A`)「波止場でドライブなんて、ロマンチックっすね」
(*´゚ω゚`)「燃え上がるずえいいうあえ!!」
(*´゚ω゚`)「そに子ちゃんに恥をかかせるような真似は、ずぇったいにしないからあんしんしてぬえええええ!」
395
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 14:43:14 ID:pTYJdF66O
20時15分
( ∀゚キ;)「乗れよ」
('A`)ニヤニヤ「どうも」
その場を逃げ出そうとしているギャンブルバス
バスの行く手を阻むように、前に立ち塞がり
悪魔的微笑みを見せているドクオ
バスの後方は
まさに地獄絵図
大火災
止まる事を知らぬ爆発
静まらぬ悲鳴と怒号
文字通り火の車と化した痛車
笑いながら、逃げ惑う皆を撥ね飛ばしながら、火炎瓶を投げ散らしながら
美しく最強かどうかは、知らないけれども
396
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 14:55:30 ID:pTYJdF66O
( ∀゚キ;)「ドクオ。おめぇを舐めてたぜ。まさか」
( ∀゚キ;)「賭場荒らしまでやるたぁな……」
('A`)「俺は別に何にもしてねぇっすよ。運転手さん」
(`・ω・´)「……」
(;-@∀@)「」
('A`)「ジャンキーのバカ野郎が、俺の代わりにレースに出て」
('A`)「勝手に暴れたんす」
('A`)「俺はこのバスに乗せて貰うために、バスの逃げ道をふさぐ様に立ってただけの事」
( ∀-キ;)「キシシ……どうやらおめぇは」
( ∀゚キ;)「博徒に違いねえ。ようだな」
397
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 15:10:10 ID:pTYJdF66O
(;-@∀@)「モナーさんがまだ……」
モナーが車内にいない
( ∀-キ;)「モナ公は運が悪かった。諦めな」
(;`・ω・´)「波止場のあちこちに置かれたドラム缶に火が移っている……中身がガソリンなら……」
('A`)ニヤニヤ「ガソリンは高価だから軽油にするって言ってましたね。あの痛車の人」
( ∀゚キ;)「ここは逃げるぜ!嫌なら降りなッ!」
アクセルを踏み込み、波止場を後にするバス
普段から人気のあまりない場所だ
消防車が足りるといいが
398
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 15:45:36 ID:pTYJdF66O
(;-@∀@)「」
('A`)「モランさーん?」
(;-@∀@)ビクッ「な、何?ドクオ君」
('A`)「モランさんがくれたすーぱーそに子ちゃんのフィギュア、あれのおかげで助かったっすよ」
(;-@∀@)「そ、そう……?」
('A`)「まさにピンチを救ってくれた、ホンモノの女神様っす」
(;-@∀@)「そ、そっか。よ、良かったね」
ドクオは笑顔を作らず、笑う
('A`)「フフフ。感謝、してますよ?モランさん」
ギザギザ……
ギザギザ、ギザギザ
ギザギザギザギザ
ギ
(;-@∀@)(調子に、乗るなよ……クズめ!)
399
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 16:19:55 ID:pTYJdF66O
ドクオの案内と運転手の非情な判断で、ドラム缶地帯を脱し
バス車内は平穏を取り戻す
(`・ω・´)「ドクオってのはお前か。予想通りだな」
('A`)「新顔さんっすか?」
(`・ω・´)「お前は僕の予想通り、レースで勝利できなかったな」
('A`)「そう言えば、そうっすねwww」
(`・ω・´)「とりあえず、お礼を言っておく」
('A`)「命が助かって良かったっすね」
(`・ω・´)「違う」
(`・ω・´)「結果的に兄を幸せにしてくれて、幸せの中で始末してくれて」
(;-@∀@)
(`・ω・´)「ありがとう」
(`・ω・´)「僕は君を破滅させる為に来た。ショボンの弟。シャキンだ。」
('A`)「よろしく」
(`・ω・´)「よろしく」
(;-@∀@)「……」
400
:
◆ysKKDw8htE
:2014/09/27(土) 19:23:31 ID:Zeq6kGYA0
a
401
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 20:14:08 ID:pTYJdF66O
('A`)
>>400
('A`) 酉まで付けて他所に出てくんじゃねぇよキメェ
402
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 20:16:06 ID:cMrXVjw60
いつも読んでるぜ
そいつ誰かの酉チェックしてる
403
:
◆ysKKDw8htE
:2014/09/27(土) 21:37:05 ID:vFiXr7os0
死ね
404
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 21:46:53 ID:pTYJdF66O
(;´∀`)「ククク……」
火の海に囲まれ、モナーは笑う
最上級に無様じゃないか
これこそ正に博徒の死に様……
(;´∀`)「逃げ道は、ナシ。モナ」
思えば、沢山の人間を引っかけて生きてきた
その中には、今の自分よりむごたらしく死んだ者もいたはずだ
その報いか。だとしたら
(;´∀`)「神サンの目は節穴モナ……」
(; ∀ )「外道の俺ィらが、こんなに満足して死ねるんだから……」
ブロン……ブロロロ……
モナーの薄れ行く意識の中
排気音がした
405
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 22:09:33 ID:pTYJdF66O
(,, Д )♪「あ〜」
(,,-Д-)♪「心にィ〜」
(; ∀ )
(,,゚Д゚)♪「愛が、な〜ければ〜」
( ∀ )
(,,゚Д゚)♪「スーパー、ヒーローじゃ〜」
(,,゚Д゚)♪「ないのさ〜」
(,,*゚Д゚)「っとくらあ!」
火炎を分けて突っ込んで来たカタナ
ギコは気を失ったモナーを、後座席に担ぎ上げて座らせ
(,,#゚Д゚)「こりゃまさに、火事場のクソ力!」
(,,#゚Д゚)「へのつっぱりは、いらんですよッ!!」
( ∀ )
炎と闇夜を切り裂くカタナ
ギコも昔は、正義に燃える警察官だった時期がある
406
:
同志名無しさん
:2014/09/27(土) 22:18:17 ID:pTYJdF66O
ギコの言葉の意味は良く分からんが
とにかく凄い自信であり
また、超人的、神憑り的なドライブテクニックもあり
モナーにとっては残念ながら、己の望み通りにはならず……
情けなく、死にぞこなった
407
:
同志名無しさん
:2014/09/28(日) 06:53:50 ID:PReIBZJAO
(`・ω・´)「運転手さんに質問だ」
いきなりそう切り出す
( ∀゚キ)「あー?」
(`・ω・´)「バス代を1ヶ月分先払いして、後はバスで過ごしたら」
(`・ω・´)「それでバスツアー達成。500万ゲット。ってなるのか?」
もっともな意見ではあるのだが、当たり前過ぎて誰も聞かなかった事を
平然と尋ねるシャキン
運転手は笑う
( ∀゚キ)「俺はな?忘れっぽいんだよ」
( ∀゚キ)「次の日には、2万請求するぜ?」
(-@∀@)('A`)「……」
忘れっぽいから等と妙な理由をつけているが
すなわち一括で払うのは無駄という話である
毎日バス代を払うのが絶対のルール。のようだ
( ∀゚キ)「ついでに説明しとくとよ?」
( ∀゚キ)「ツアーで提供するギャンブルは、律儀に毎日参加する必要はねえんだ」
( ∀゚キ)「ねえんだが、なかなか勝負を避けられねえもんさ。不思議とな。キシシ」
('A`)「で、運が悪けりゃ、勝負の結果、くたばっちまうことすら……あるってこってすか」
ドクオに向かってモランは言う
(-@∀@)「……ちっぽけなギャンブルを勝つために、人を殺す必要はないけどね」
408
:
同志名無しさん
:2014/09/28(日) 10:27:17 ID:PReIBZJAO
バスの皆がモナーを見捨てて逃げる原因を作ったのは、ドクオだ
その張本人が「運が悪ければ死ぬ」などと発言した事に、モランは苛立ち、静かに憤る
(-@∀@)「知恵もなく努力もなしに勝つには、邪魔者は消せばいいんだよな?ドクオ君」
('A`)「何を言いたいんすかね?まるで俺が誰かを殺したみたいな口ぶりっすけど」
(`・ω・´)「……直接的に手を下してない分、汚さが際立つね」
シャキンにしても、ドクオは兄を壊し、破滅させた敵だ
('A`)「フフフ……そうっすか。ひでえ言われ様だなぁ……でもね」
('A`)「あんたらは、俺がドラム缶地帯を抜けられるように道案内したから生きてんすよ?」
('A`)「命の恩人。って訳です。もう少し感謝してもバチは当たらないと思うなぁ?……フフフ」
409
:
同志名無しさん
:2014/09/28(日) 11:31:50 ID:PReIBZJAO
( ∀^キ)「四面楚歌だなあ?ドクオよぅ?キシシ」
('A`)「別に。それが当たり前っすから」
(`・ω・´)「ところで、運転手さん」
(`・ω・´)「今夜の運賃だけど」
( ∀゚キ)「シャキン。おめぇさんは今日が初乗りだからいいとして」
(-@∀@)「……払いますよ」
財布から2万を差し出すモラン
さて、ドクオだが
('A`)「運転手さんの命を助けた。それではダメっすかね?」
( ∀゚キ)「ダメだね。オケラならつまみ出すぜ?」
('A`)「厳しいナぁw」
410
:
同志名無しさん
:2014/09/28(日) 11:38:13 ID:PReIBZJAO
( ∀゚キ)「俺の命なんて、100円位だしな」
('A`)「そっすか……安いんすね」
( ∀゚キ)「売らねえけどな?これでも愛着のある命だからよ」
('A`)「……」
ドクオはそれ以上は口を開かず
ポケットから高価そうな財布を取り出す
(`・ω・´)「手癖まで悪いときたか……」
その財布は、ショボンのものだ
411
:
◆6mFm6q7VIQ
:2014/09/28(日) 12:06:51 ID:3n8M5bgA0
てす
412
:
◆ng2gD9F7Kk
:2014/09/28(日) 12:07:30 ID:XPMuhlpw0
てす
413
:
同志名無しさん
:2014/09/28(日) 12:31:07 ID:QvbkcCPIO
キチガイのせいで読めなくなるのは勘弁な
414
:
◆W/IOx8Mk9.
:2014/09/28(日) 12:33:55 ID:P4v2P4RA0
確かに
ID:PReIBZJAOとかいうキチガイに注意
415
:
同志名無しさん
:2014/09/29(月) 00:44:10 ID:zPNjHRfQ0
過疎でもキチガイは湧くのな
支援
416
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 00:09:19 ID:gg08KaP.O
( ^ω^)「……丁」
( ∀゚キ)「俺も丁だ」
坪ふりの賭場は、コマが揃わなければ
胴元が身銭を切ってコマを揃えるものだが
その夜は異常だった
( ^ω^)「半だお」
( ∀゚キ)「んでもって、俺も半」
客は二人いるにも関わらず、一度たりとも揃わなかったのだ
( ^ω^)「お次は丁だお」
( ∀゚キ)「丁しかねぇなぁ。丁に決まってらあ……キシシ」
417
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 00:24:36 ID:gg08KaP.O
坪ふりの男は冷や汗をかいている
当然だ。どう如何様しようと、なぜか必ず内藤の言う出目になるのだから
( ^ω^)「次は、丁とでるお……」
胴元は既に20連敗。確率からしても異常であり、内藤が何らの仕掛けをしている事は明らかだ
若い衆を集めてはある。が、力ずくにも行けない理由がそこにいる
( ∀゚キ)「俺も丁だぜぇ」
顔面大きな刀傷
極道の仁義をとうに踏み外し、人修羅と化した男
「外道のハインド」が、辺りに睨みを利かせているからだ
418
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 00:33:01 ID:gg08KaP.O
ハインドのはだけた腹には、サラシがわりか数十本のダイナマイトが巻き付けられている
( ^ω^)「半」( ∀゚キ)
内藤は、そんな環境、状況一切に関わらず
ただただひたすらに、冷たい張りを続けている
追い詰められた坪ふりの精神は、もはや限界に近かった
いわんや胴元をや
419
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 00:49:26 ID:gg08KaP.O
( ^ω^)「親分さん……」
30連勝を超えたころ、内藤は胴元……この賭場を仕切る組の親分に言った
( ^ω^)「この世界にゃあ、「手打ち」ってえ、旨い話がありやすお……」
背中の長ドスを引っこ抜き、内藤を庇うように立つハインド
( ∀-キ)「……キシシ」
( ^ω^)「八方丸く納める為にゃ、お互い仁義を通す必要がありやすおね?」
地擦りの下段に刃を構えるハインド
その姿は、まるで殺気で出来ている塊
( ∀-キ)「……」
( ^ω^)「そちらが素人衆にやらかしたイカサマを認めるなら、今夜の勝負は全部無かった事にして、「手打ち」にしやしょう」
( ^ω^)「いかがかお?」
( ∀゚キ)「キシシ……」
420
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 01:34:23 ID:gg08KaP.O
「手打ち」とは良く言ったもので
親分が頷いた瞬間
ハインド、長ドス一閃
天井の電球が斬られ
闇に坪ふりの絶叫
421
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 01:41:17 ID:gg08KaP.O
灯りが点けられた賭場に、既に二人は居らず
あるのは畳に広がる鮮血の染みと、転がる二本の坪ふりの腕だけ
金は根こそぎ無くなって
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