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('A`)怪人のようです
268
:
同志名無しさん
:2014/09/10(水) 21:27:30 ID:v.yV3g4oO
すべての勝負が終わり
ドクオはひんむいたショボンの服に火をつけて燃やす
('A`)「つまんねぇなぁ。もういいや……」
(((´;ω;`)))「くうぅぅぅ……」
('A`)「アンタは偽物だった。つまらない偽物だ」
('A`)「ねぇ、誰か本物の博打うちを紹介して下さいよ?ショボンさん?」
(((´;ω;`)))「覚えてろ……いつかお前もこんな目にあわせてやるからな……!」
('A`)「頼みますよ?口だけじゃなくね?」
269
:
同志名無しさん
:2014/09/10(水) 22:45:48 ID:v.yV3g4oO
とある雑居ビルの一室
( ・∀・)「ギャンブルは君の勝ちだ。ドクオ君」
いきなりそう語りだす男に、ドクオはさすがに面食らう
('A`)「いやあの、初めまして……モララーさんです、よね?」
( ・∀・)「よろしくね」
( ・∀・)ノシ ポイ「はい。君の勝ち分。百万円」
どさりと音を立てる札束
ドクオはそれとモララーを交互に見やり、尋ねる
('A`)「あの、ギャンブルができるって聞いて来たんすけど」
( ・∀・)「だから君の勝ちだって」
(;'A`)「???」
270
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 01:26:53 ID:wDMi81CoO
( ・∀・)「説明するかい?」
(;'A`)「頼みます。じゃないとこの金受け取れないし、帰れない」
ギャンブルがいつ始まり、そして何がどうなって百万もの金が自分のモノになったのか
それよりなにより、ドクオはギャンブルをしに来たのだ
命と金を、運と知恵に託したヒリつくようなギャンブルを
せねば帰れない。ギャンブルジャンキーだから
271
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 01:34:19 ID:wDMi81CoO
( ・∀・)「君はこの部屋に入る時、右足から入ったんだ」
('A`)「え……あ、え?」
( ・∀・)「僕は、君が左足から入るだろうと予測し、それに賭けたってわけだ」
('A`)「そ、そんなギャンブル……俺はまだ受けてないじゃないっすか?」
モララーは笑顔を作らず、笑う
( ・∀・)「関係ないね。僕は僕の決めたギャンブルに負けた。だから、百万円君に支払った」
(;'A`)「んな馬鹿な……」
ドクオは思う
噂の通りこのモララーという男
並のギャンブラーではない。と
272
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 01:49:12 ID:wDMi81CoO
('A`)「一応聞きますが」
( ・∀・)「どうぞ?」
('A`)「このケースなら、俺が左足から入ったとしても、俺は金を払いませんよ」
( ・∀・)「わかるよ。そりゃそうだろ。僕に勝手に決められたギャンブルだもんな」
( ・∀・)「ドクオ君が了承するはずはない」
(;'A`)「なら……なんなんすかそれ?損するばっかりじゃないっすか?」
( ・∀・)「そうだよ。どう転んでも、僕は得しない」
(;'A`)「……」
(;'A`)「第一、俺は種銭を百万円も持ってない。資産的に払えないんす」
( ・∀・)「知ってる。失礼だけど、君という対戦相手のデータは集めさせて貰ったからね」
聞けば聞くほど、ドクオはますます理解出来なくなっていく
(;'A`)「……」
( ・∀・)「フフ……」
( ・∀・)「対戦相手が勝ったら僕は金を送り、対戦相手が負けたら僕は」
('A`)「ああ、そういう」
ドクオはやっと分かり始めた
モララー
コイツは、ドクオにヒケを取らないギャンブルジャンキー……
273
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 01:59:21 ID:wDMi81CoO
( ・∀・)「負けを見苦しくぼかしたり、ごまかしたり、とかはさ」
( ・∀・)「大嫌いなんだよ」
('A`)「……」
( ・∀・)「この勝負は僕が勝手に決め、僕が負けた。だけど」
( ・∀・)「僕はこの負けに堂々と胸を張るため、君に負け分を支払った」
( ・∀・)「僕は負けたんだから、正々堂々金を出すさ」
('A`)「フフ、フフフフ……」
ドクオは笑顔を作らず、笑う
('A`)「それ、馬鹿げたロマンチシズム、センチメンタリズムだとは思いましたがねぇ」
('A`)「でもね。そりゃ違うっすね」
('A`)「フフフフフフフフ」
274
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 02:04:15 ID:wDMi81CoO
('A`)「フフフフフフフフ」
( ・∀・)「フフフフ」
('A`)「アハハハハハハ!」(・∀・ )
( ・∀・)「ドクオ君!君は素晴らしいよ!」
( ・∀・)「僕という人間を、ギャンブルを」
( ・∀・)「ちゃんと理解できる、してくれる素晴らしい人だ!」
('A`)「いやー、ただのドクズっすけどねwwww」
( ・∀・)「wwwww僕もだwwwww」
275
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 02:10:36 ID:wDMi81CoO
( ・∀・)「済まないが、次の勝負がもうじき始まるんだ」
('A`)「そうっすかwwwじゃあ、俺は帰りますよ」
( ・∀・)「うん。あ、金は持ってってね?」
('A`)「遠慮なく頂いて行きますwwwwじゃ、また」
無造作に札束を掴み、部屋を立ち去るドクオ
( ・∀・)ノシ
無言で見送るモララー
276
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 02:18:38 ID:wDMi81CoO
そして
ドクオは今まさに去らんとする雑居ビルの入り口、エントランスホールで
見知らぬ若者に声をかけられる
( ´ー`)「すんませんが、モララー興業のテナントの場所、ご存知なら教えてくれませんか?」
('A`)「あー、いいっすよ。3Fの5号室です」
( ´ー`)「ありがとうございます」
若者は礼を言うと、エレベーターに消える
('A`)「でも、行かない方がいいっすよ?」
と、ドクオはポツリと一人言
277
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 02:22:08 ID:wDMi81CoO
('A`)「……」
(-A-)「……」
('A`)(110番は、ギャンブラーとしての仁義に外れるな……)
('A`)(119番にしておくか)
ドクオが携帯電話を取り出したのと同時に
278
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 02:28:03 ID:wDMi81CoO
パーン!
ドクオの背にした雑居ビルから
乾いた銃声が届いた
('A`)(あーあ)
('A`)(言わんこっちゃない……)
('A`)白「もすもす?救急車の上、一人前おながいします」
('A`)白「あいや……」
('A`)白「二人前で」
279
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 02:33:02 ID:wDMi81CoO
( ・∀・)ギャンブルスカベンジャーのようです
救急車が通ります。道を開けて下さい
救急車が通ります……
救急車が通ります……
(-A-)
280
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 20:04:20 ID:wDMi81CoO
('A`)「バス?」
( ・∀・)「そう。ギャンブラーをふるいにかけるバス」
('A`)「ふるいに……へえ」
モララーがドクオに持ち掛けたのは、ギャンブルバスツアーだった
( ・∀・)「いつか参加したいと思ってたけど、こんな事になっちゃったしね。ははは」
アクリル板の向こうのモララーは、笑顔を作らずに笑う
('A`)「俺にとっちゃありがたい話っすねぇ」
( ・∀・)「だろ?そうだろと思ってさ」
('A`)「一月で500万か。豪勢な差し入れ、期待して下さいよ。モララーさん」
( ・∀・)「期待しとくよ」
281
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 20:14:32 ID:wDMi81CoO
(-@∀@)ギャンブルスカベンジャーのようです
(-@∀@)「やあやあどうも!こんなバスで座席が隣り合わせたのも何かの縁!」
('A`)「……ども」
(-@∀@)「僕と組んで、おもいっきり勝ちまくらないか?ドクオ君!」
('A`)「え、いいっす」
( ∀゚キ#)「うるせえぞ!そこの新入り二人!」
(;-@∀@)「こ、怖い……あの人、絶対カタギじゃないよドクオ君!」
('A`)「……」
とばっちりでスカーフェイスの運転手に怒鳴られるドクオ
バスツアーは始まる
282
:
同志名無しさん
:2014/09/11(木) 20:34:12 ID:wDMi81CoO
何故かメガネはドクオの事を知っているようだが
ドクオにとって、どうでもいい人間かつちょっとウザく思えたので
適当にあしらうつもり
メガネは自分の背負い鞄をごそごそと漁りだし
美少女フィギュアを一体取り出してドクオに押し付ける
(*-@∀@)「お近づきの印だ!僕の愛するスーパーそに子ちゃんをドクオ君にあげるよ!」
(;'A`)「い、いや、いいっすよ。そんな」
キモい
(*-@∀@)「プライズ景品だけど、このそに子ちゃんシリーズのできばえは保証するよ!」
(*-@∀@)「さあ遠慮なく!受け取りたまえよ!」
( ∀゚キ#)ギロリ(;'A`)
スカーフェイスの運転手に睨まれるドクオ
空気を読まず、ドクオの鞄にフィギュアを押し込むメガネ
(;'A`)「あの、フィギュアとかいらねぇんすけど……」
(*-@∀@)「そに子ちゃんは、僕の幸運の女神なんだ!」
(;'A`)「……」
(*-@∀@)「くじけそうになるたび、何度も励ましてくれた素敵な女性さ」
(*-@∀@)「きっと、そに子ちゃんはドクオ君のピンチも救ってくれるよ!」
(;'A`)「……」
後で捨てよう
283
:
同志名無しさん
:2014/09/12(金) 00:30:31 ID:z.R4PQDAO
('A`)「あの……運転手さん?」
ドクオは恐る恐る、スカーフェイスの運転手に声をかける
('A`)「このバス、夜通し走ってたみたいっすけど」
('A`)「俺達どこへ向かってんすかね?」
( ∀゚キ)「もうすぐ着くぜ。予定通りの時間だな」
('A`)「もう朝じゃないすか。カジノとかは閉まってるでしょうに?」
運転手はさもおかしそうに、いたずらっぽく笑う
( ∀^キ)「キシシシ……カジノか……それもいいんだがよ」
( ∀゚キ)「まずは新入り二人の力を見せて貰おうと思ってんだよ」
(-@∀@)「ドクオ君。僕は行き先がわかる気がする。予想だけどね」
(-@∀@)「今は朝の7時だ。確かに賭博場はやってない時間だけど……つまり」
(-@∀@)「ドクオ君。朝イチでギャンブルがやれる処、あるよな」
('A`)「……」
ドクオは無視を決め込む事にした
284
:
同志名無しさん
:2014/09/12(金) 12:43:04 ID:z.R4PQDAO
朝7時半
バスは開店前のパチンコ店駐車場に停まる
(-@∀@)「やっぱりね」
ドクオはちょっと不満げ。ぶつぶつと不平をこぼす
('A`)「いまさら俺に、パチンコなんて小博打をやれってんですか?」
('A`)「こんな早い時間に?イベントも、裏モノもなさそうなチェーン店で?」
('A`)「開店は9時半位でしょう?誰も並んでないじゃないすか……」
運転手とメガネは顔を見合せて笑う
(*-@∀@)「ククク。素人が」( ∀゚キ*)
('A`)「プロならいい店選び位するもんでしょうに」
('A`)「いい加減過ぎねーすか?運転手さん」
285
:
同志名無しさん
:2014/09/12(金) 12:56:21 ID:z.R4PQDAO
( ∀゚キ)「ま、頑張りな。俺は夜0時にまたここにお前らを迎えにくる」
(-@∀@)「了解っす」
('A`)「……」
( ∀゚キ)「バスに乗り直すつもりがあんなら、そんとき料金は貰う」
(-@∀@)「ええ」
(;'A`)「な、何?バスツアーの参加費は初日に払ったじゃねーすか!50万も!」
(-@∀@)「バスの運賃は1日2万円だよ。払えなきゃー脱落だね」
(;'A`)「聞いてねえっすよ!運賃なんて」
( ∀゚キ)「言ってねえものwwwキシシww」
(-@∀@)「なあに。2万ぽっち稼げるだろ?名うてのギャンブラー、ドクオ君なら」
(-@∀@)「フフフ……」( ∀゚キ)
('A`)「なるほどね。そういう事かよ……」
286
:
同志名無しさん
:2014/09/12(金) 13:10:23 ID:z.R4PQDAO
ドクオの所持金は、20万しかない
食費を切り詰めてもバスの運賃を払い続ければ、9日でアウト
('A`)「元金を減らさずに、毎日2万勝ち続ける……」
('A`)「しかも、自分の好きな場所で博打を打つ事ができない……ってか」
(-@∀@)「でもまぁ、運転手さんが何故この時間にここに来たかを考えれば、戦えるよね」
('A`)「ちょっとメシ屋でも行って考えてきますわ。開店、まだまだ先っしょ?」
( ∀^キ)「この店な?ってか、この場所はな?」
(-@∀@)「M県なんだよ」
(-@∀@)「後ちょっとで開店さ」
(-@∀@)「君がのんびり食事してたら、僕が全台荒らしておくからそのつもりでね?ドクオ君」
287
:
同志名無しさん
:2014/09/12(金) 13:14:48 ID:z.R4PQDAO
(;'A`)「M県だったのか!」
M県
全国でも、最もパチンコ店の開店が早い県
平日8時開店は当たり前で、所によっては7時台から始まる店もある
(-@∀@)「頑張ろうね?ドクオ君?」
288
:
同志名無しさん
:2014/09/12(金) 20:42:12 ID:z.R4PQDAO
開店時間。二人のギャンブラーは対照的に動き始める
(-@∀@)〜♪
ピュー≡(;'A`)(パチスロはダメだ。設定入れたり、マメにリセットする店なのかどうかすら知らないんだから……)
('A`;)≡(少しでも釘の甘いパチの台に、仕掛けを打たなきゃ!)
忙しなくあちらこちらとパチンコ台を見て回るドクオ
メガネはといえば
鼻唄を歌いながら、所謂「萌えスロ」と呼ばれるスロット台に適当に着席
ゆっくりとプレイ開始
(*-@∀@)ノシ「あふれ〜る〜夢が〜♪」
(*-@∀@)「繋いだ未来なンら〜♪」
('A`;)(げッ、いきなり2スロの萌え台に座りやがった……)
('A`;)(勝つ気あんのか?あのメガネ……)
(*-@∀@)「今も〜、ど〜こ〜へ〜♪」
(;'A`)(他人の事なんか気にしてる場合じゃないな……)
(*-@∀@)ノシ
289
:
同志名無しさん
:2014/09/12(金) 20:54:10 ID:z.R4PQDAO
ドクオは確かに優秀なギャンブラーであろう
しかし、真面目にギャンブルに向き合う事をあまりせず
いつも力業や、裏技、イカサマなどを駆使し、対戦相手の心を折って勝ってきた
その為、人相手のギャンブルは得意な反面
心をもたない機械相手のギャンブルは、不得手な方である
とはいってももちろん、人並み以上の知識、技術は持ち合わせているから
負けたこともあまりないのだが……
(;'A`)「ぜ、」
(;'A`)「全台、死に釘だ……」
(;'A`)「こんなひでえ店、初めてだ……」
(*-@∀@)「やっぱラブはいいねぇ〜!」
290
:
同志名無しさん
:2014/09/12(金) 21:15:54 ID:z.R4PQDAO
その頃
( ∀゚キ*)「い〜い湯だなッ!ハハハン!っと」
スカーフェイスの運転手は、スーパー銭湯でゆたりとしている
( ∀^キ*)「ヤッパ朝風呂は最高の贅沢だぁな!」
上機嫌な運転手に、隣の湯船から声をかける者あり
( ´∀`)「お!スカンピン兄さんじゃないですかモナ?」
( ∀゚キ)ノシ「おお〜!モナ公!おめぇさんM県にいたのか!」
( ´∀`)「そうモナ!麻雀修行の旅打ちですモナ」
( ∀゚キ)「そっか。麻雀ねぇ……」
( ´∀`)「スカンピン兄さんは?」
( ∀゚キ)「今はかくかくしかじかでよ。ギャンブル中毒連中を食いもんにしてるんだよ」
( ´∀`)「ほえ〜。いつもいつもオモシロ変てこな商売考えるモナね!」
( ∀゚キ)「キシシ……」
( ´∀`)「俺ィらもスカンピン兄さんのバスに乗っけてくれないですかモナ?」
( ∀゚キ)「もちろんいいぜ!おめぇさんとは古い付き合いだし、参加費50万の所……」
( ∀゚キ)「35万に負けといてやらぁ」
( ´∀`)「ありがとうモナ!」
291
:
同志名無しさん
:2014/09/12(金) 21:23:44 ID:z.R4PQDAO
( ´∀`)ギャンブルスカベンジャーのようです
( ∀゚キ)「実は今んとこ、おめぇさん入れてもお客は三人ぽっちでよ?」
( ∀゚キ)「モナ公の知り合いで、バスに乗りたい奴いねぇかな?」
( ´∀`)「乗りたがりそうな奴は何人かいるモナ」
( ∀゚キ*)「本当かい?」
( ´∀`)「風呂上がったら、連絡してみるモナ」
( ∀゚キ*)「助かるぜぇ!そんならこっちから国中どこへでも迎えに行くって伝えてくんな?」
( ´∀`)「オッケーモナ」
292
:
同志名無しさん
:2014/09/12(金) 21:45:27 ID:z.R4PQDAO
ギザギザ……
(;'A`)(く……ダメだ……俺とあのメガネしか客がいない……)
(*-@∀@)♪
(;'A`)(となると、他の客の打った台をハイエナするのも無理……)
ギザギザ
ギザギザ
(*-@∀@)♪
(;'A`)(メガネオタ野郎……順調に負けてんのに、どうして奴は余裕こいてられんだ?)
(;'A`)(仕方ねえ、台にゴト仕込むか。目立っちまうけど……)
そんな事を考え始めたドクオを見透かしたように
(-@∀@)「ドクオ君〜?」
(;'A`)ギクッ「な、何すか?」
(-@∀@)ニヤリ「君がゴトを仕込んだら、僕はすぐ店員さんにバラすからね?」
(-@∀@)ニヤニヤ「視力は悪くないんで。伊達メガネなんだ。これ」
(;'A`)
メガネは笑顔を作らず、笑う
(-@∀@)「そしたら、君は脱落。かな?ハハハ」
ギザギザギザギザギザギザ……
293
:
同志名無しさん
:2014/09/13(土) 07:33:52 ID:KzYO7CaIO
(;'A`)「あ、あの」
(-@∀@)「ん?何かな」
('A`)「結構ハマってるみたいっすけど、大丈夫なんすか?」
(-@∀@)「ああこの台?設定1は確実だしね。遊び遊び!」
メガネは余裕そうに、楽しげに
('A`)「稼がなくても平気なんすか?バス代」
(-@∀@)「平気じゃないよ。じゃ、ぼちぼち稼ぎに行くかな?」
(-@∀@)「良かったらドクオ君も来る?ただし……」
……ギザギザ
(-@∀@)「僕と同じように稼ぐ事は多分、できないと思うけど」
ギザギザギザ
('A`)「ギャンブルなんでしょう?どんなんだってやれますよ」
(-@∀@)ニヤリ「そう?なら、行こうか」
294
:
同志名無しさん
:2014/09/13(土) 07:59:50 ID:KzYO7CaIO
(-@∀@)「一万円ね?」
……やはりそう来た
……ギザギザ
('A`)「教えてやるから寄越せってんでしょ?」
メガネは笑顔を作らず、笑う
(-@∀@)「どうせ教えても君にはできないんだから……」
ギザギザギザギザギザギザギザギザ
(-@∀@)「一万円くれたらその金を元手にして」
(-@∀@)「僕のバス代の他に、君のバス代分も稼いで払ってあげるよ」
ギザギザギザギザギザギザギザギザギ
('A`)「ナメて、るんすね。俺を」
(-@∀@)「いやぁ?ナメてるって言うかさ」
(-@∀@)「君を使い勝手のいい手下にしようと思ってるんだよ」
来た、来た、来た
ギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギ……
('A`)「」
(-@∀@)「嫌かい?」
(-@∀@)「どっちでもいいよ?僕は」
295
:
同志名無しさん
:2014/09/14(日) 00:36:42 ID:fNC.qcygO
_
( ゚∀゚)「なあ、ちょっと旅行にいかねぇか?」
('、`*川「え、旅行?あたしと?」
眉毛はジョルジュ長岡。ヒモ
女はペニサス伊藤。ホステス。長岡を食わせている女
長岡は働きもせず酒とギャンブルばかり
他にも何人かの女がおり、それを公言しつつもペニサス伊藤にぶら下がっているドクズ
_
( ゚∀゚)「いつもお前にはよくしてもらってるからな。付き合って一年の記念旅行みたいな?」
_
( ゚∀゚)「いやか?」
('、`*川「嫌なわけないじゃない。ジョルジュとならどこだって行くよ」
_
( ゚∀゚)「嬉しいな。愛してるぜ?ペニサス」
('、`*川「あたしもよ」
_
( ゚∀゚)「でさ、二人あわせて100万かかるんだけど……」
('、`*川「大丈夫よ。お金は心配しないで」
_
( ゚∀゚)ギャンブルスカベンジャーのようです('、`*川
296
:
同志名無しさん
:2014/09/14(日) 01:01:33 ID:fNC.qcygO
( ´∀`)白「かくかくしかじかという訳で、シャキンもバスに乗らないかモナ?」
(`・ω・)白「乗るよ。ドクオってのが乗ってるんだろ?」
( ´∀`)白「そうらしいモナ。ドクオって奴と、知り合いかモナ」
(`・ω・)白「知り合い、って言うか、そいつは兄貴のカタキなんだ」
(;´∀`)白「おいおい、揉め事はいかんモナ。スカンピン兄さんは怒らすと怖いモナ?」
(`・ω・)白「大丈夫。暴力じゃなく、ちゃんとギャンブルで叩きのめすから」
( ´∀`)白「そんならまあ。クールにいくモナよ?シャキン」
(`・ω・)白「バスのルールにはちゃんと従うよ。他の奴には迷惑かけない」
(`・ω・)白「賭博場のしきたりに従うのは、ギャンブラーなら当たり前だからな」
携帯を切り、ため息をつくシャキン
(`・ω・´)フゥ「なんちゃってwwwww」
笑っている。兄のカタキ討ちなんてこれっぽっちもする気はない
(`・ω・´)「さぁて、面白い旅行になりそうだな」
(`・ω・´)「みんな蹴落としてやるよ……」
(`・ω・´)ギャンブルスカベンジャーのようです
297
:
同志名無しさん
:2014/09/14(日) 01:15:41 ID:fNC.qcygO
( ´∀`)白「一応、お前にも話を通しておこうと思って電話したモナ」
(,,゚Д゚)白「俺はスカンピンのバスにゃ乗らない」
( ´∀`)白「そうか。お前むきのいい話だと……」
(,,゚Д゚)「参加費50万、毎日2万の乗車費が30日……飲めねえよそんな話」
( ´∀`)白「しみったれた考えだモナ。ヤミ金でも行けばいい」
(,,゚Д゚)白「ど腐れスカンピンの手にゃ乗らねえ」
( ´∀`)白「残念だモナ。ギコは不参加かモナ」
(,,゚Д゚)白「いや」
(,,゚Д゚)白「ツアーには行くぜ」
( ´∀`)白「?」
(,,゚Д゚)白「スカンピン野郎のやり方、じっくり見せてもらう」
(,,゚Д゚)ギャンブルスカベンジャーのようです
298
:
同志名無しさん
:2014/09/14(日) 04:07:13 ID:fNC.qcygO
(;'A`)「……」
(-@∀@)ホイホイト
鮮やかである
百発百中の腕前は、まさに神業
二人が今いるのは、先程までいたパチンコ店に併設されているゲームセンターだ
(-@∀@)ホイホイ「百円で2プレイ。それは単純に半額セールとはならないのが、プライズゲームなんだ。けどね」
(;'A`)「……」
(-@∀@)ホイホイト「とりあえず艦これと進撃のフィギュア、全てさらおうか」
店員はまさに景品を並べる流れ作業をする工員のよう。取られにくく、取られにくく
しかし無駄。メガネのクレーン捌きは、時に同時に2つの景品を落としていく
店員「もう景品はありません。品切れですお客様、ご勘弁を……」
百もの景品をゲットされては
ゲームセンターは泣くしかない。しかも、明らかに素人では取れない置き方をしていたとあっては
他の客もメガネの味方だ
(-@∀@)「あ、そう。ならもう止めようか」
ホッとした表情の店員
(;'A`)「やりすぎっすよ?こんな大量の景品、どうするんすか?」
ドクオを無視し、メガネは店員に告げる
(-@∀@)「近くに別のゲーセンないですか?」
299
:
同志名無しさん
:2014/09/14(日) 04:16:40 ID:fNC.qcygO
店員は困惑。近くにゲームセンターはあるが経営は同じだ
こんなプライズゲームのプロをそちらに送った事が知れれば、店員は明日から仕事を無くしてしまいかねない
(-@∀@)「ドクオ君。タクシーを手配してくれ」
(;'A`)「わ、分かりました。でも」
(-@∀@)「この付近のゲーセンから、全ての艦これと進撃の景品をさらおう」
(;'A`)「なんの為に?」
(-@∀@)「当然、売りさばくんだよ」
(-@∀@)「景品の原価はおよそ一つで600円位だから」
(-@∀@)「550円で売りさばく」
300
:
同志名無しさん
:2014/09/14(日) 04:23:54 ID:fNC.qcygO
(;'A`)「ど、どこに売るんすか?こんな大量に」
(-@∀@)「それはもちろん、中古オタク専門店と……」
メガネは店員に言う
(-@∀@)「店長さんに、これらの買い取りお願いしますと伝えてください」
(-@∀@)「景品なきゃ、商売にならないでしょ?だから原価より安くお譲りします。と」
店員の顔から血の気が引いていくのが見てとれる
(;'A`)「……げ、外道」
(-@∀@)「ドクオ君、ボサっとしてないでタクシーを呼んで。次行くんだから」
301
:
同志名無しさん
:2014/09/14(日) 04:41:13 ID:fNC.qcygO
そして21時を過ぎ
(;'A`)「つ、疲れた……」
(-@∀@)「ご苦労様。約束通り君のバス代は僕が持つよ。まあまあ稼ぎになったな」
今日のドクオは完全に荷物運びのバイト以下
もはやギャンブラーではない
ただのメガネの召し使い
(;'A`)「メシ食ってバスへ戻らねぇすか?」
(-@∀@)「それと風呂にも行こう。そうしないとバスから追い出されるからね」
ギャンブラーは、その生活サイクルから
身なりに無頓着だったり、ちょっと不衛生な者が多い
だが、スカーフェイスの運転手はそれを嫌うのだという
(;'A`)(すでに1万円をメガネに払っている。風呂代とメシ代でおよそ2000円……あと、タバコ代、タクシー代で3000円)
ドクオは今になって、このバスツアーが
資金的にも相当にキツイものだと思い始めた
(-@∀@)「さ、いくよ」
しかし
('A`)(勝ち抜いてやる。絶対に一月残って、500万を持って帰る)
ドクオの気持ちは折れていない
(-@∀@)「あんまり気を張り過ぎないでね?お互いうまくやろうよ」
メガネは笑顔を作らず、笑うのだった
302
:
同志名無しさん
:2014/09/14(日) 04:56:32 ID:fNC.qcygO
(-@∀@)「ゲーセンはさ、パチンコ店程には、稼ぐのにはキツくないんだ」
(;'A`)「確かに。セキュリティも、ゴト対策も甘いっすね。けど確かに俺にはできそうにない」
(-@∀@)「カメラも無いしね。だから、全国をまわりながら稼ぎまくってもさ」
(-@∀@)「半年おきぐらいにちょっとした変装をしていけば」
(-@∀@)「キャッチャーのプロとして顔を覚えられにくいんだよ。その為の伊達メガネさ」
(;'A`)「なる程」
風呂屋の脱衣場で、初めてメガネを外した顔を見たドクオは驚く
( ・∀・)「どうかした?ドクオ君」
(;'A`)「モララーさん!」
( ・∀・)「……の弟ね。改めてよろしく。モランだ」
何故メガネ、いやモランがドクオの事を知っていたのか
この時ドクオは理解した
303
:
同志名無しさん
:2014/09/15(月) 23:04:19 ID:w0M57uQIO
('A`)「次はどこへいくんすか」
聞いたってまともには答えまい。とは思う
しかし、聞くだけ損にはならないだろう
少しでも有益な情報を集めたい
( ∀゚キ)「おめぇさんの不安はわからんでもねぇよ。だけどな?」
スカーフェイスの運転手は軽く切り返す
( ∀゚キ)「なら、参加する前にこのバスがどんな趣旨、ルールで走ってるのか」
( ∀゚キ)「主催者の俺や、乗り合わせそうなギャンブラーがどんな奴なのか」
( ∀゚キ)「納得いく位に調べとくべきだぁな?」
もっともな話である
バスは闇を突っ切り、何処かに向かって走り続けている
304
:
同志名無しさん
:2014/09/15(月) 23:12:26 ID:w0M57uQIO
( ∀゚キ)「このバスに乗って、どんな未来が待っているのか」
( ∀゚キ)「この闇を抜けた先が幸せに続いているのか、また闇夜なのかも知れない」
('A`)「……」
( ∀゚キ)「ギャンブルっておめえ……そういうモンだろ?違うかい?」
('A`)「……」
ドクオはふと、己の師である内藤の事を思い出した
305
:
同志名無しさん
:2014/09/15(月) 23:32:53 ID:w0M57uQIO
( ^ω^)「なあドクオよぅ……こんな言葉知ってるかお?」
( ^ω^)「半か者(はんかモン)、お先真っ暗五分と五分……」
('A`)「いや、知らないっす」
( ^ω^)「博打打ちは、いつも丁半の五分五分に生きる為に努力をする」
( ^ω^)「また、博打に殉ずるため、時に五分五分にまでリスクを上げるんだお」
('A`)「前半はわかるんすけど、後半のリスクについては納得いかねぇですね」
( ^ω^)「俺たちゃ、リスクを楽しんでいるから博打打ちなんだお」
('A`)「リスクを楽しんで……そうっすね」
( ^ω^)「そんなお先真っ暗くらのすけでもよ」
( ^ω^)「勝負は常に五分五分だと言い切る胆力。というか、厚かましさが」
('A`)「ギャンブラーってことなんすね」
( ^ω^)「けけけ。つくづく……つくづくだおな。博打打ちってのはよ」
306
:
同志名無しさん
:2014/09/15(月) 23:41:13 ID:w0M57uQIO
( ∀゚キ)「ドクオよう?」
( ∀゚キ)「おめぇさん。勝てる勝負ばかりするつもりかい?」
('A`)「え、いや……」
( ∀゚キ)「ど素人に負けることもあるぜ。ギャンブルってのは」
('A`)「ですね」
( ∀゚キ)「ギャンブラーは、そんなギャンブルを楽しめるから、ギャンブラーなんじゃねえのかね……」
('A`)「さあ……」
ドクオは目を閉じた
明日の勝負がどんなものなのか分からないままだが……
せめて、眠って体を休めておくべきなのだ
307
:
同志名無しさん
:2014/09/15(月) 23:58:18 ID:w0M57uQIO
( ∀゚キ)「着いたぜ野郎共!」
( ´∀`)('A`)(-@∀@)
運転手の声で、もそもそ動き出す三匹のクズ
( ´∀`)「ここは……どこモナ?」
( ∀゚キ)「とある山奥の温泉街。とだけ」
(;-@∀@)「げ、ど田舎……」
モランは妙に動揺
( ∀゚キ)「ここの宿じゃ、もちろん非公式だが」
( ∀゚キ)「ラットレースをやってんだよ」
('A`)「ネズミを競馬みたいに競走させるアレっすか?」
( ∀゚キ)「そう。それだ」
308
:
同志名無しさん
:2014/09/16(火) 00:07:26 ID:ikE.3WpoO
( ´∀`)「ほほー。それは楽しみだモナ」
( ∀゚キ)「言っとくが、案外一筋縄じゃいかねえ博打だぜ?」
(;-@∀@)
( ∀゚キ)「ま、頑張りな?バスの出発は今夜0時。また乗りたい奴は2万もってこの宿に集合だ」
('A`)「了解っす」
( ∀゚キ)ノシ「じゃ、俺は時間まで宿で一寝入りしてくら。アバヨっと」
(;-@∀@)
( ´∀`)「どしたメガネ君?顔色悪いモナ?」
(;-@∀@)「いや、大丈夫さ」
('A`)「とりあえずは、宿のラットレース、見せて貰いましょう」
(;-@∀@)「う、うん。そうしようか」
309
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 02:37:13 ID:BoN8.7CwO
約2メートルの箱にコースが区切ってあり
スタート地点に並ばせた八匹のハツカネズミのうち
どれが一着でゴールするかを競い合わせ、コマを張る。というギャンブルであるが
奇妙な点がいくつかある
まず、胴元がおらず
あくまでもコマを張り合うギャンブラー同士のサシウマ勝負である。という事
そして、もうひとつは
(;'A`)「いくらなんでも、これはオリジナリティ溢れすぎっすわ……」
(;´∀`)「やり過ぎだモナ」
(;-@∀@)「ええ。このラットレースが非公式な訳が、よくわかる光景だよね……」
310
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 02:48:21 ID:BoN8.7CwO
馬は、というか、賭けるハツカネズミは
ギャンブル参加者の買い取り方式なのである
宿はカゴに沢山のハツカネズミを詰めて売り
ギャンブルに参加する者は、一匹1500円を支払ってネズミを購入し、それをレースに投入するのである
当然レース毎に、勝敗はあるわけで
勝った場合はまあいいだろう。強いのだから次のレースにもそのまま使えばいい
問題は、レースに負けたネズミの処遇である
ギャンブラーはみな頭がおかしいのだ
ドクオも、モランも、モナーもおかしいのだ
しかし、彼らの度を超えた頭のおかしさがこのラットレース場にはある
レースに負けたネズミは、持っていても仕方がない
弱いのだ
「ピギッ!」
「キビッ!」
(;'A`)(;´∀`)(;-@∀@)
311
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 08:07:08 ID:2DFlGtrU0
よく思い付くわ
好きだよこういうの
312
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 13:10:08 ID:BoN8.7CwO
**おやおや**
**いつにも増して、誤字脱字がひどいようですね?**
**気にしても仕方ありません**
313
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 13:16:12 ID:BoN8.7CwO
( ´∀`)「負けたネズミはオーナーとなったギャンブラーに始末される……」
('A`)「それはまあ、いいっすよ。図らずもギャンブルに関わってしまった運命でしょうから」
( ´∀`)「モナ」
ドクオは怒りを見せずに怒る
('A`)「ただね。ああいう輩だけは好きになれないっすわ」
ドクオが指差すのは、宿の子共らだ
314
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 13:19:06 ID:BoN8.7CwO
無邪気なのか。育ちの環境がそうさせるのか
子供らは、負けたネズミをギャンブラーから百円ほどで買い取り
足に
首に
胴に
ハサミを入れては、キャッキャと喜んでいる
315
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 13:26:44 ID:BoN8.7CwO
(-@∀@)「荒んでいる!」
( ´∀`)「モナ……」
朝から調子悪そうにしていたモランは、この光景を目の当たりにし、ついに現場を離れる
(;-@∀@)「悪いけど、僕は今日は降りだ。バス代は自腹ではらうとするよ」
そう言って、会場を離れ土産物屋の方に消えてしまう
('A`)「繊細なんすね。分かるけど」
( ´∀`)「俺ィらは、図太いモナ」
316
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 21:38:56 ID:BoN8.7CwO
宿の土産物屋をぶらつくうち
その一角に昔ながらの射的ゲームを見つける
(-@∀@)「……」
何とはなしに、料金表を眺めれば
「1000円、十発」とある
(-@∀@)「ボッてるね……でも、大概こういうのはさ」
いくつかの景品のトロフィーには
無造作に1000円札が挟み込まれている。ものにより、それが数枚だったりもする
典型的、悪徳的屋商法
30年前の
(-@∀@)「金が目当てに刷り変わる射的……この温泉街にふさわしいゲスなゲームだよ。まったく」
317
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 22:32:27 ID:BoN8.7CwO
奥から的屋ババアが顔を出す
J( 'ー`)し「やるんなら1000円。落としたら景品はあげるよ」
(-@∀@)「いや。全部の景品は、底を両面テープで固定してあるんだろ?落ちゃしないよそんなもん」
J(; 'ー`)し(何故ばれたし)「人聞き悪いねぇ。そんなことしないよ」
J( 'ー`)し「それにね。もし景品が取れなくとも、二回挑戦したら特典があるよ?」
(-@∀@)「へぇ?」
J( 'ー`)し「なんと、宿のラットレース用のハツカネズミを一匹プレゼント!」
(-@∀@)「……」
J( 'ー`)し「やるかい?」
(#-@∀@)「やってやんよ。クソババア……」
318
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 22:35:09 ID:2DFlGtrU0
ババアーーーw
319
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 22:50:41 ID:BoN8.7CwO
西部劇よろしく、射的用コルク銃を手のなかでクルクルと廻すモラン
(-@∀@)っ二千円「ほらよ。弾よこせよババア」
千円札二枚をつき出す
J( 'ー`)し「はいよ。二十発だね」
まるで犬の餌皿のような安っぽい皿に、コルクの弾が20発
ころころと。ころころと
(-@∀@)「落としたら、キッチリ貰えるんだろうね?」
J( 'ー`)し「もちろんさ」
スチャ¬(@∀@-)「言っとくが」
J( 'ー`)し「?」
¬(@∀@-#)「今日の僕は、機嫌が悪い……」
320
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 23:04:50 ID:BoN8.7CwO
( ^Д^)「カッカッカ!」
( ∀゚キ;)(;'A`)(;´∀`)
( ^Д^)「悪いねぇ!またもや俺の一人勝ちだ!」
ふらりと賭場に訪れた運転手もいれてのバスツアー組は
単なる温泉旅行の素人にずたぼろに負け続けていた
だのに
負け組三人は、何故かネズミを新たに買い換えたりはしない
しないから、もともと弱いネズミが何度も走らされているわけで
つまり余計に弱り、なお勝てなくなっている道理
三人はそれをちゃんとわかっていながら、負け続けていた
321
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 23:33:56 ID:BoN8.7CwO
( ∀<キ;)「あ〜、だめだだめだ!」
(;'A`)「こりゃ、無理臭いっすね……」
(;´∀`)「プギャーさん。あんた強すぎるモナ?何か勝ちの秘訣があるモナ?」
勝負に負けるたび、金を払うのは勿論として
地酒を一杯奢るというルールを持ちかけたのはモナー
いい気分にさせられ、勝たされているプギャー
( ^Д^)「いやー俺はマジで素人だぜ?ギャンブルの才能が開花したのかな?ギャッハッハ!」
( ∀゚キ;)「なあ、もう諦めて俺の部屋でサンマでもやろうぜ?」
(;'A`)「そうっすね」
(;´∀`)「というわけで、俺ィらは退散しますモナ。プギャーさんにゃかなわんモナ」
( ^Д^)「サンマー?麻雀なら混ぜてくれよ?四人麻雀のが楽しいぜ?」
酒と連勝で気が大きくなった、調子のいい素人は
(;´∀`)「マジっすか?麻雀でもやりこめられるのかモナ……」
とか言う芝居にコロリと引っ掛かった
322
:
同志名無しさん
:2014/09/17(水) 23:43:50 ID:BoN8.7CwO
('A`)「さあ、お前らはもう自由だ」
('A`)「好きな所へ行きな。そして、好きな時に死ねばいい」
ドクオは自分の買ったものと
モナーと運転手から預かった負けネズミ達を
そっと草むらに放した
('A`)「もう負けんなよ。死ぬまで勝ち続けて生きるんだ……」
('A`)「お前らの兄弟のカタキは、しっかり取ってやるさ」
逃げていくネズミ達を振り返らず
ドクオは運転手の部屋へ向かう
沢山のハツカネズミの死骸の上に君臨する、クソ畜生をコロすためにだ
323
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 03:02:29 ID:lM4pprxkO
( ∀゚キ)「お、そりゃ当たりだ」
( ´∀`)「モナもー!」
('A`)「あ、俺もロンで」
( ^Д^)
( ^Д^)「まだ一巡目……」
( ∀゚キ)「飛びなしだから、全然チャンスはあるぜ?プギャーさんよ」
( ´∀`)「子の人和がたったの三人ぶんだモナ」
( ^Д^)
('A`)「あ、すんません。俺は大三元ついてるんで」
( ´∀`)「さあさあ!俺ィらの親番だモナ!」
( ∀^キ)「張り切ってるなぁモナ公!何連チャンする気だい?」
(*´∀`)「少なくとも20位は続けるモナ!」
( ^Д^)
324
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 07:02:38 ID:lM4pprxkO
プロ対素人とはいえ、何の油断もしていないならばこうはならない
今回はちょっとアクシデントが重なっただけなのだ
開局直前、ドクオがプギャーのズボンに熱い茶をこぼしたりしなければ
運転手がつい部屋の明かりのスイッチをつけ間違え、消してしまったりしなければ
モナーがテリヤキチキンバーガーを洗牌している卓の上に取り落としたりしなければ
ちなみに
モナーは所謂プロではなく裏プロなのであり、このレスはまるごと当てはまらない
( ´∀`)「モナ〜」
325
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 21:05:05 ID:lM4pprxkO
7発撃っても狙いは定まらない
コルク弾だ。やむを得まい
グルーピングはしだいに良くはなってきてはいるのだが
¬(@∀@-)「……」
J( 'ー`)し「おしいね。時々当たってるんだけどねぇ」
景品は、三段の棚に並べられている
上段は割とどうでもいいオモチャ。一つ百円もしないようなものばかり
中段が主に札の挟まれたトロフィーや人形で、人目を引く
下段は大型箱ものの景品が並べてある。家電品や、PS4など
こちらはとてもコルク弾ではビクともしないような安定性を見せている
¬(@∀@-)「一発あれば充分さ」
J( 'ー`)し「落とせりゃそうだね。でも、弾が足りなくなったら後でいくらでも買い足せばいいよ」
¬(@∀@-)「買い足しはしない」
残りの弾は、6発
順調に外れ、もしくはかする程度で消費される弾
モランは冷静だ
そこに見物客が一人
(,,゚Д゚)「……」
326
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 21:11:49 ID:lM4pprxkO
(,,゚Д゚)「ビリー・ザ・キッド……」
J( 'ー`)し「なんだい?あんたも挑戦するのかい?」
(,,-Д-)「いや、俺は見物させてもらう」
¬(@∀@-)
J( 'ー`)し「やってみりゃいいのに」(景品は絶対落ちないけどね)
(,,゚Д゚)「おばちゃんよ、もうすぐとんでもない事が起きるぜ」
¬(@∀@-)
J( 'ー`)し「……」(おきゃしないよそんなもん)
327
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 21:26:52 ID:lM4pprxkO
残り4発
¬(@∀@-)「あんたちょっと五月蝿いよ。黙っててくれないかな」
(,,゚Д゚)「すまん。邪魔する気はない。続けてくれ」
J( 'ー`)し「……」
淡々と消費されるだけの弾
残りは3発
¬(@∀@-)「さて、ババア」
J( 'ー`)し「買い足すかい?」
¬(@∀@-)「もう一度約束してもらうぞ」
¬(@∀@-)「落としたら、景品は貰う」
J( 'ー`)し「くどいねぇ。わかってるよ」
(,,-Д-)フフフ……
¬(@∀@-)「よし。なら、よく覚えておけ。僕の名前と顔を」
眼鏡を外すモラン
¬(・∀- )「僕は『トレジャーハンター・モラン』だ」
¬(・∀- )「景品……頂き!」
328
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 21:39:12 ID:lM4pprxkO
三発残された弾の内
一発目
狙いは景品を並べている三段の台座の固定レバー
スコーン!
ガクンと外れ、棚が傾く
景品は雪崩を起こしたように床に落ちていく
一部両面テープで固定されていたものだけが、不自然に棚にしがみついてはいるが
(,,゚Д゚)「見事だ」
J(; 'ー`)し「な!ダメダメ!こんなのは認めないよ」
その重さから、固定の必要なしと
家電品は両面テープで固定されてはおらず
つまり、大部分の高額と低額景品が床に落ちた
こんな丸損、ババアにしてみれば認められないのも無理はない
329
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 21:56:25 ID:lM4pprxkO
¬(・∀- )「フフ……二発目だ!」
モランはババアを無視し、次は倒れ崩れた棚ではなく
¬(・∀・ )「そこっ!」
パチーン!
当たり一体が真っ暗になる
モランの狙いはフロアの明かりのスイッチ
ババア「エッ!?て、停電!?」
闇の中、ババアはスイッチを探してあたふたと動いている
見物客「で、トレジャーハンター・ビリー・ザ・キッド?」
見物客「最後の一発はどうするんだ?」
モラン「こうするのさ」
最後の一発
パーン
天井から弾けた音がするが
暗闇の為、何を撃ったのかは見えない
モラン「頭を冷やせよ。ごうつくババア」
プシッ……
プシャアアアアア!
ジリリリリリ!!!
けたたましいベル音と共に、天井から撒き散らされる水
ババア「キャアアアア!」
見物客「なるほど……スプリンクラー……フフフ」
330
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 22:13:45 ID:lM4pprxkO
宿や土産物屋の従業員が駆けつけ
明かりがつけられ、スプリンクラーからの放水が止められた
消火設備はかなり古いシステムを使っていたのか、もしくは連動停止をしていたのか
他のエリアへの非常放送などは働かなかったようであるが
J( 'ー`)し「ああああ……」
射的場は水浸し
景品は根こそぎなくなっており
もちろんモランや見物客は既におらず
J(#'ー`)し「ち、チクショウ!あのメガネぇぇえ!」
誰もが気に止めてはいなかったが
他にもなくなった物があった
331
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 22:40:53 ID:lM4pprxkO
宿を離れた公園に、二人は移動していた
(,,゚Д゚)「これ、もらって良いのか?」
景品の一つ、電気カミソリをしげしげと見つめる見物客
(-@∀@)「いいよ。景品を運ぶの手伝ってもらったお礼だ」
モランは自分の背負い鞄から、大量のゴミ袋を取り出し
今回ゲットした景品を詰めていく
両手一杯のゴミ袋。売ればまとまった金になるだろうし
トロフィーに差されていた金も合わせれば、大勝と言える
(,,゚Д゚)「お前、凄いな。流石はモララーさんの弟だ」
(-@∀@)「兄の知り合いなのかい?あんたは誰?ギャンブラーなんだろうけど」
見物客は一部否定
(,,゚Д゚)「俺はギコ。ギャンブラーじゃない」
(-@∀@)「兄の知り合いなのに?珍しいな」
(,,゚Д゚)「元警察官でな。モララーとはそういう関係さ」
(-@∀@)「元?」
(,,゚Д゚)「今はいろいろさ。いろいろやってる。ギャンブルも嫌いじゃない」
(-@∀@)「ニート?」
(,,゚Д^)「ニートなのかなwwww俺は」
332
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 22:54:15 ID:lM4pprxkO
(,,゚Д゚)ノシ「俺はこれで。濡れちまったから、予定通り風呂に入るよ」
(-@∀@)ノシ
見物客ギコが去った後
一人残された公園で、金にはならない景品を処分しているモラン
無造作に屑籠に放り込んでいる手が止まる
(-@∀@)「……」
その安物のカゴには札は詰められていなかったので
モランは興味なさそうに蓋を開いたままで
そっと木陰に置いた
(-@∀@)「こいつら、カロリーメイトとか食うのかな?」
ポケットの食いかけのカロリーメイトも
カゴの近くに捨てた
333
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 23:14:45 ID:lM4pprxkO
(-@∀@)「これだから……」
モランはボソリと独り言
(-@∀@)「これだから、閉塞感たっぷりのど田舎は嫌いなんだ……」
とりあえずは、ずぶ濡れになった服を新調し、風呂に浸かろう
その後は、バスで寝ていよう
334
:
同志名無しさん
:2014/09/18(木) 23:24:24 ID:lM4pprxkO
(-∀-)「……」
しばらくして、小腹が空いたが
食いかけの、ずぶ濡れのカロリーメイトを捨てた事は思い出さなかった
(-∀-;)グウグウ
335
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 00:56:15 ID:hc/iXhs60
好きだぜこういうの
いや普通にほんと
336
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 13:18:35 ID:oW4Hh7ysO
( ^Д^)「昔ね」
( ^Д^)「昔、東1局52本場って小説を読んだよ。麻雀覚えたてのガキの頃だったな」
('A`)「あ、それ、俺も読んだっすよ。面白いっすよね」
諦観
プギャーの酔いはとうに醒めているが、目は焦点が合っていない
東2局40本場。プギャーの親はまだ続いている
昼前から打ち出した麻雀は、半チャン一回も消化されずに
もはや夕方を過ぎようとしていた
( ´∀`)「バカヅキモナ〜」
( ^Д^)「アハハ……」
嘘つけ。と、プギャーは思った
337
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 13:30:49 ID:oW4Hh7ysO
前レスミス修正
ミス
>東2局40本場。プギャーの親はまだ続いている
修正
東2局40本場。モナーの親はまだ続いている
338
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 16:48:01 ID:oW4Hh7ysO
色んな意味で思い出深い旅行になったな
本来可愛く思っていた生き物に、自分がこんなにも無情になれるというのは新たなる発見だったし
ギャンブルで勝ちまくって、一時とはいえ数十万の勝ちを重ねたのも初めてだった
そして、三人もの本職のギャンブラーに囲まれて、徹底的に負けたのも初めて
これは考えようによっては、贅沢な1日。素晴らしい体験だったと言えるのではないかな?
他人に自慢できる、珍しいネタを得たのだな
休みが終わったら、会社の同僚に聞いてみよう
「お前、ギャンブラー三人にボコボコに嵌められて、有り金全部巻き上げられた事、ある?」って
339
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 17:06:32 ID:oW4Hh7ysO
深夜0時。バスは走り出す
(;'A`)「え、これ、もらっちゃっていいんすか?」
(-@∀@)「いいよ。PS3は家にあるから」
モランはドクオに、射的の景品を差し出す
(;'A`)「お、俺、ゲーム、あんまり、やったこと、なくて」
(-@∀@)「モニターとソフトは自分で買ってね」
(;'A`)「あ、あり、ありがとう、ございます」
ドクオは恐らく、初めて他人に感謝した
これまで人並みの楽しみを味わって来なかった
子供の時分にはゲームなんて高額なもの、買ってもらえるような裕福な家庭ではなかった
(;'A`)「どんなゲームが、面白いんす、かね?」
(-@∀@)「……そうだね」
(-@∀@)「アフリカ」
モランはお決まりのネタで返した
340
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 17:12:21 ID:oW4Hh7ysO
(-@∀@)「もしくは」
(-@∀@)「オプーナ」
(*'A`)
バスはひた走る……
闇を突っ切り、また闇へ向かう
射し込む光が見えるまで
見えるまで、闇へ向かうのだ
例え永久に光が見えなくとも
341
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 17:16:49 ID:FW8BEgvw0
ジャンボ!
342
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 21:45:15 ID:oW4Hh7ysO
早朝、とあるサービスエリア
( ∀゚キ)「到着した訳じゃねえんだが、ちょっと小便休みさせてもらうぜ」
(-A-)「あ、俺もトイレ行きたいっすから……」
モナーとモランはまだ眠っている
そんな早朝。4時半
( ∀゚キ)「実はよ」
神妙な顔つきの運転手
( ∀゚キ)「ゆんべから、バイクにつけられてんだ」
('A`)「おまわりっすか?」
( ∀゚キ)「そうならまだいいんだがな……」
343
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 22:27:59 ID:oW4Hh7ysO
( ∀゚キ)「カタナなんてぇ古臭いバイクで俺を追い回す奴ぁ、ギコの他にゃいねえ」
('A`)「ギコ?誰っすか?」
( ∀゚キ)「ただのチンピラだよ。ただのな」
('A`)「面倒な感じっすか?」
( ∀゚キ)「ああ。奴が俺にからむ時ゃ、いつもややこしくなる」
('A`)「ま……何でもいいっすけどね?」
ドクオには関係ない話のようだったから、徹底しての無関心
('A`)「運転手さんとそいつのトラブルで、ツアー中止……なんて」
('A`)「みっともない事にはしないで下さいよ?」
344
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 22:39:00 ID:oW4Hh7ysO
やや遅れてサービスエリアに入ったバイク
無駄にデカイバイクだな。とドクオは思う
(,,゚Д゚)「……」
ヘルメットを取り、運転手に向かって近づく男
こいつがギコなのか
( ∀゚キ)「よう。元気そうじゃねえか。ギコの旦那」
(,,゚Д゚)「今回は何を企んでいる?スカンピン」
( ∀゚キ)「企む?キシシ……」
( ∀゚キ)「金儲けだよ」
345
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 23:09:17 ID:oW4Hh7ysO
(,,゚Д゚)「それはそうだろう。俺が聞いてるのは」
(,,゚Д゚)「今回は何人を、どんな風にコロすつもりなのか?って所だ」
( ∀-キ)「キシシ……」
殺伐とした二人の間で、しかし我関せずとばかりに
ドクオは言う
('A`)「バイクのおっさん。あんたと運転手さんの関係なんてどうでもいい立場の俺っすけどね?」
('A`)「俺はこのツアーに、きっちり参加費を払ってるんで」
('A`)「あんたにツアーを邪魔されちゃ、たまんねえんすよ」
ギコはドクオの方を見もせずに話す
(,,゚Д゚)「うるせぇよ。内藤さんの腰巾着が……」
どうやらギコも、モランがそうであったようにドクオを知っているようだ
ギャンブラーとして名が売れてきている。という事なのか
ただし、「内藤の腰巾着」という不名誉な売れ方は、ドクオには我慢がならないようである
(#'A`)「……の野郎……っ」
346
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 23:20:06 ID:oW4Hh7ysO
(,,゚Д゚)「コバンザメか金魚のフンの方が良かったか?ハンチク坊や」
やはりドクオを見ていない。ギコは視線を運転手から離そうとしない
ドクオを格下と見下し、口でしか相手にしていない
その態度は、ドクオの感情を逆撫でする
( ∀゚キ)「ドクオ。コレがギコのやり方なんだ」
運転手は静かに、穏やかに佇んでいる
(#'A`)「やり方?どういうことっすか?」
( ∀゚キ)「頭に血が昇り、冷静さを欠いた相手を食う」
( ∀゚キ)「そういう手なのさ」
347
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 23:27:19 ID:oW4Hh7ysO
我関せず、の態度のはずが
いつの間にか、中心に引っ張り出され
しかも冷静さを失い
それを咎められ忠告までされてしまっている……
(;'A`)
ギザギザ
(,,゚Д゚)「坊や……まだまだガキのようだな」
ギザギザギザギザ
(;'A`)(俺は、自分でも気付かないうちに……)
ギザギザギザギザギザギザ
(;'A`)(飲ま、れた)
ギザギ
ザ
ギザギザギザギザギ
ギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザ
348
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 23:35:02 ID:oW4Hh7ysO
( ∀゚キ)「ドクオ。おめぇはバスに戻ってろ。さもないと、やり込められるぜ?」
(;'A`)「……」
(,,゚Д゚)「邪魔。だしな」
(;'A`)「ぐ……」
ドクオ選択
1・その場に残り、成り行きを見届ける
2・バスに引き上げ、次の勝負に備えるべく眠る
3・お前のいう通りにしてみる
349
:
同志名無しさん
:2014/09/19(金) 23:45:52 ID:j.eMFHXM0
1
350
:
同志名無しさん
:2014/09/20(土) 00:05:53 ID:Q/1qfYSU0
くそー便所いってる間に安価が
351
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 14:14:08 ID:EHJgerAkO
( ∀゚キ)「無関係な事に関わって、要らねぇケガするくらいなら寝てた方がいい。お前が戦うべき次の勝負の為によ」
('A`)「お、俺は、バスツアーを勝ち残るだけのつもりは、ねえんす……」
ドクオは、自分が運転手やギコよりも格下であると心のどこかで認めていながらも
それを認めてしまったからこそ、二人に一矢報いねばならないと思った
そうしなければ、ドクオは
かつて決定的な敗北を喫した相手、内藤の他にも
心を折られて負けた相手を増やしてしまう
ギャンブラーとして、
我慢がならない
('A`)「俺は、引っ掛けられて負け惜しみを吐いて逃げるような」
('A`)「素人じゃ、ねえんす」
(,,゚Д゚)「逃げも、手出しもできないサンドバッグになるのがお望みなら、ドクオよ」
ギコは初めてドクオを見て言う
(,,゚Д゚)「これから俺がスカンピンにふっかけるつもりのギャンブル……に」
(,,゚Д゚)「お前にも、座る席をやるぜ?」
352
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 14:36:35 ID:EHJgerAkO
( ∀^キ)「そのギャンブル?俺ぁ降りちゃいけないのかい?」
当事者の癖に、他人事のような態度の運転手。ポーカーフェイスなのか、素なのか
なるほど、ギコの揺さぶりに対していささかも動揺していない様に見える
が
(,,゚Д゚)「スカンピン、お前が降りたら、お前が今どこにいて何をしてるかの情報をあちこちに流し……」
(,,゚Д゚)「いろんな筋から、感謝状や盃をもらう事にするぜ?」
( ∀゚キ;)「俺ちゃんギャンブルだーいすき!」
( ∀゚キ;)「さあさあ勝負しましょー!そうしましょー!」
(;'A`)「……」
なんだこいつ。
ドクオは運転手のあまりの軟弱さに、豹変する態度に
(;'A`)(もしや、俺、今もまだ)
( ∀゚キ*)「チンチロリン?カード?じゃんけんも話が早くていいよなー!な!ギーコの旦那ァ!」
(,,゚Д゚)「ククク……ゲスお互い様だが、腰抜けぶりはお前にはかなわん。スカンピン」
(;'A`)(まだ、俺はコイツらに引っ掛かって釣られてるんじゃ、ないのか?)
と思い
しかしこんな時、即、己のスタンスを決められる程には
ドクオはギャンブラーとして円熟していないのだった
353
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 14:56:51 ID:EHJgerAkO
ともあれ、
ドクオは一端のギャンブラーとして、この場を凌ぎ切って
二人のハナをあかさねばならないと決意
('A`)「ギャンブル。俺も乗ります。何をやりゃいいんすかね?」
(,,゚Д゚)「そうかい。なら……コインを」
( ∀゚キ)「待ちな。ふっかけたおめぇさんが、好きにギャンブルを決めるなぁ」
( ∀゚キ)「博奕の道理が通らねぇ。イカサマし放題だろう?」
(,,゚Д゚)「それはそうだな。なら、どうする」
( ∀゚キ)「ドクオ。おめぇ、カードか何か持ってねえか?」
('A`)「温泉の土産物屋の安物なら……」
ドクオは、モランが射的で得た景品のアンパンマンのトランプ
その一組をもらっていたのを思い出し
鞄から取り出す
(,,゚Д゚)「カードか。いいぜ」
( ∀゚キ)「封は?」
('A`)「安心して下さいよ。切ってねえっす」
( ∀゚キ)「ならドクオもサマは仕込んでねえな。よし」
明け方のサービスエリア
ひっそりと、ギャンブルは始まろうとしていた
354
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 15:15:46 ID:EHJgerAkO
(,,゚Д゚)「ポーカーで?」
運転手とドクオは同意
( ∀゚キ)「カードチェンジは?」
('A`)「一回でいいでしょう。スタンダードに」
(,,゚Д゚)「よし」
三人により、カードが念入りにシャッフルされる
しつこいくらいに念入りに
サービスエリア、フードコートのテーブル
そこが今回の勝負の場
早朝とあってか、たまたまなのか、他に休憩に来ているドライバーや観光客はいない
( ∀゚キ)「で、ギコの旦那。何を賭けるんだい?」
(,,゚Д゚)「俺はあの、カタナを」
ギコは己の乗ってきたバイクを指指す
( ∀゚キ)「じゃあ、俺ぁそれに見合うモンか。となると……」
(,,゚Д゚)「バスツアーの行く先を、最寄りの警察署に変更する。というのはどうだ?」
( ∀゚キ)「キシシ……そりゃ元敏腕警察官としての意地かい?」
(,,゚Д゚)「公僕稼業に未練はねえが」
(,,゚Д゚)「やり残した仕事があるからな。お前を檻にぶちこむって仕事が」
( ∀゚キ)「サービス残業って奴かい?良くないねえ。キシシ」
355
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 15:25:54 ID:EHJgerAkO
('A`)「俺は、金もあんましねえけど……30万ちょっとっすけど、いいすか?」
(,,゚Д゚)「ククク……」( ∀゚キ)
ギコと運転手は笑う
( ∀゚キ)「おめぇはオマケだしな。それでいいぜ?」
(,,゚Д゚)「ドクオ。気の毒だがな?お前は蚊帳の外なんだよ」
(,,゚Д゚)「なんなら、タネなしだって構わんさ」
ギザギザ……
ギザギザギザ
ギザギザギザギザギザギザギザギザ
('A`)「あんたら……」
('A`)「俺をとことん、見下して、る、んすね」
ギザギザ
ギ
356
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 15:35:39 ID:EHJgerAkO
( ∀゚キ)「ドクオ。おめぇが勝ったらよ。俺はおめぇに」
( ∀゚キ)「黙って500万払うぜ。つまりバスツアーの三人目の達成者ってこったな」
ギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザ
('A`)「そう、っすか。どこまでも……」
ギザギザギザギザギ
(#'A`)「俺をコケにしやがって!」
ドクオは吠える。怒り心頭
(,,゚Д゚)「落ち着けよ腰巾着」
( ∀゚キ)「冷静になりな。また簡単にハメられてるぜ?ドクオ」
(#'A`)「クソッ、あんたら……でかい口を利けなくしてやるッ!」
( ∀^キ)「おお怖ぇえ……キシシ」
357
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 16:00:41 ID:EHJgerAkO
(,,゚Д゚)「ドクオ」
ギコはまた、ドクオを見るのを止め
それでも声をかける
(,,゚Д゚)「お前、内藤さんの墓の場所……知ってるんだろ」
(#'A`)「だったら何すか?」
(,,゚Д゚)「お前が負けたら、30万払う他に内藤さんの墓のある場所を教えろ」
( ∀゚キ)「内藤の墓に何の用があんだ?」
(,,゚Д゚)「スカンピンは知らんのか?それは意外だな」
('A`)「?」
くたばった時、浮浪者のようだった内藤
その彼の墓に何があると言うのか
ドクオは確かに内藤の墓のある場所を知っているが
ギコの思惑を測る事はできない
(,,゚Д゚)「スカンピンすら、俺が内藤さんの墓を探す理由について思い当たらないんなら……」
( ∀゚キ)「金目当てか?内藤は貧乏博徒のはずだったが……」
(,,゚Д゚)「『最後の博徒』の墓参り。って事にしておくぜ。フフ」
358
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 16:20:00 ID:EHJgerAkO
(-@∀@)「モナーさん。誰が勝つと思います?」
( ´∀`)「ちょっと勝負するかモナ?」
バスに残っていた二人も目を覚ましている
成り行き迄は分からずとも、三人が外でポーカーフェイスをやっている姿を認め
それをネタにトトカルチョ
( ´∀`)「スカンピン兄さんに、朝飯1食賭けるモナ」
(-@∀@)「なら僕は、ギコ……あのバイクの人に賭けるよ。朝食ね」
二人共、ドクオに賭ける程あまちゃんではなかった
359
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 16:23:51 ID:EHJgerAkO
前レスミス修正
ミス
>成り行き迄は分からずとも、三人が外でポーカーフェイスをやっている姿を認め
訂正
成り行き迄は分からずとも、三人が外でポーカーをやっている姿を認め
360
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 16:28:05 ID:EHJgerAkO
**caution!**
**ミス多発の上、sage忘れまで発生**
**ある程度沈むまで、連載を中止**
**関係各位への謝罪を……**
361
:
同志名無しさん
:2014/09/21(日) 22:34:21 ID:TmNCDBs20
どんまい
ageてるからなんか心境が変わったのかとおもた
362
:
同志名無しさん
:2014/09/24(水) 23:45:21 ID:yez3pqxQO
( ∀゚キ)が勝った場合
30万とレトロバイクを得る
(,,゚Д゚)が勝った場合
30万を得て運転手を警察に突き出す(運転手はおそらくダーティな輩であろうから、すなわちバスツアー終了)
('A`)
勝った場合
レトロバイクと500万とバスツアーの三人目の達成者の名声を得る
('A`)(俺にとって最悪なのは、ギコのおっさんに勝たれること……バスツアーが終わってしまう)
('A`)(俺が勝てばよし。そうでなくても運転手さんに勝たせれば)
('A`)(とりあえずバスツアーは継続する……)
(;-A-)(いや、ダメだ)
小賢しい算盤
ドクオはかぶりを振り、そんな弱気な考えを振り払う
('A`)「始めましょうか。お二人さん」
('A`)「俺が勝つと決まった勝負を」
363
:
同志名無しさん
:2014/09/24(水) 23:53:44 ID:yez3pqxQO
ドクオは慣れた手つきでカードを配る
ギャンブラーとしての基本的なテクニックは……もちろんイカサマも含めて
ドクオは一通り身に付けている
( ∀゚キ)「……」
(,,゚Д゚)「……」
しかしおかしな事をすれば、この二人には見破られる可能性が高いだろう
('A`)「……」
ドクオは、カードをあえて慎重に、そしてフェアに配った
(,,゚Д゚)「ゲーム、開始か」
( ∀゚キ)「楽しいねぇ。ハリがある勝負はいいぜ……」
静寂
364
:
同志名無しさん
:2014/09/24(水) 23:58:47 ID:yez3pqxQO
それぞれのプレイヤーは、自分の手札を確認する
('A`)「カードチェンジ、いいすか?」
(,,゚Д゚)「いいぞ」
ドクオはおもむろに己の手札を伏せて言う
('A`)「オールチェンジで」
( ∀゚キ)「へぇ?全部か?」
('A`)「ええ。5枚全部交換しますよ」
(,,゚Д゚)「ほう……」
365
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 00:10:53 ID:b354SD.EO
ドクオは手札全てを捨て札置き場に捨て
山札に手を伸ばす……
ピシャリヾ( ∀゚キ)「待ちな!」
運転手にいきなり手をはたかれたが、ドクオは冷静だ
('A`)「なんすか?イカサマなんぞしてねぇっすよ?」
確かにまだイカサマはしていない
これからするつもりではあったが
(,,゚Д゚)「ククク……」
ギコは笑う。運転手の早とちりを。ではない
( ∀゚キ)「しろ。ってんだよ」
(;'A`)「はぁ?」
( ∀゚キ)「ヒラ(イカサマなし)で勝負しようなんて、つまらねぇ事考えてねえだろうな?」
( ∀゚キ)「おめぇさん。ギャンブラーの端くれなんだろ?」
( ∀゚キ)「ちったあ技、見せなよ」
(,,゚Д゚)「ククク……楽しもうぜ?ドクオ」
運転手の言葉にギコも乗ってくる
二人はドクオが何をしようと、勝てる自信があると言いたげだ
366
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 00:20:51 ID:b354SD.EO
( ∀゚キ)「俺ぁ、やるぜ?」
(,,゚Д゚)「俺もだ」
( ∀゚キ)「だからドクオ。遠慮なしにやれ。本気でな?」
舐めてられている
完全にドクオを舐めきっている
(#'A`)「そう、っすか。何でもやっちゃっていいんすか」
(,,゚Д゚)「やれよ。無駄だろうけどな」
('A`)「後悔、しても知らねえっすよ……」
覚悟が決まり、かつ、何をしても構わないとまで言われ
ドクオはそんな侮辱の中で
それでも、恐るべき悪魔のアイディアを思い付いた
('A`)「ルール無用のギャンブルって事なら、やらして貰いますよ。えげつなくね」
運転手はうなずき、ポツリと言う
( ∀-キ)「試すかい?」
( ∀゚キ)「俺と、おめぇさんらの知恵を……キシシ」
367
:
同志名無しさん
:2014/09/25(木) 00:33:04 ID:b354SD.EO
(#'A`)「舐めやがってッ!」
ドクオは悪魔のアイディアを実行する
(#'A`)「なんでもアリなんだろ!なら、こうだ!」
山札を全てひっくり返し、表になったカードから素早く5枚のカードをひったくる
内四枚はエース。つまり、エースのフォーカードの完成だ
(#'A`)「いいんだよな?こんなんでもよ!」
(,,゚Д゚)「ククク」( ∀゚キ)
最強の手役を前にしても、二人は笑っている。それどころか
(,,゚Д゚)「ドクオはエースのフォーカード。か」
( ∀゚キ)「やっちまったなぁ。ドクオ……」
ドクオのイカサマとも言えないようなフォーカードを平然と認めてしまった
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