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古代メソポタミアの冥界への縦列
1
:
H.R.T.
(ワッチョイ)
:2025/08/25(月) 21:14:09 ID:FvYsYOD600
古代メソポタミア、都市ウルの地下に眠る王墓は、荘厳さの影におぞましい儀式の痕跡を刻んでいた。
発掘によって露わになったのは、王妃の棺を囲むように並べられた従者たちの屍列、それは「殉葬」という言葉では生ぬるい。
そこにあったのは、生きながらにして冥界へと駆り立てられた血の行列であった。
一人ひとりの骨は、無言の証言を残している。
ある者の頭蓋は鈍器で砕かれ、割れ目は斧で薪を割るように深々と走っていた。
別の者は毒で意識を奪われ、最後に頸骨を粉砕されて息絶えた。
かき鳴らすはずだった竪琴を胸に抱いた楽士の指は骨の段階でもなお硬直し、奏でるべき音を絶たれた瞬間の凍りつきを今に伝えている。
戦車兵は鎧ごと沈黙させられ、侍女は豪華な飾りを纏ったまま血の中で横たえられた。
そこには秩序だった美があった。整然と並べられた屍は、まるで王妃の冥府行列を飾る人形のようであった。
しかしその均整は、直前まで響いていた悲鳴、呻き、骨の砕ける音の上に築かれた偽りの静謐に過ぎない。
地中に染み込んだ血は砂を黒く変え、永遠の沈黙の前に人間の命がただ資源のように消費されたことを物語っている。
王妃プアビの墓からは六十を超える命が失われていた。
死者は冥界で仕えるために従列させられ、ひとり残らず生贄の兵士、生贄の奏者、生贄の侍女として血の饗宴に組み込まれた。
黄金の装飾と屍の山が同居する光景、それは権力と宗教が結託した最も猟奇的な舞台装置であった。
古代メソポタミアの王墓に眠るものは、華麗な副葬品ではない。
そこに眠るのは、暴力によって沈黙させられた従者たちの冥界への縦列である。
2
:
名無しさん
(ワッチョイ)
:2025/08/26(火) 02:26:32 ID:yqOT1wrE00
参政党に賛成
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