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雑兵の雑草記

1以下、名無しが深夜にお送りします:2018/04/22(日) 17:48:02 ID:D57wSHgc
ジャラララララララwwww リ-チ!! ザンネン...

男(ッチ…)

男(二万の負けか…)

男(今月に入って当たりは四、五回…あと一回やろ…)ッス...

男「泣きの千円だな…」

思えば産まれてこのかた、頑張るだの努力だのは一切したことが無かった
と思う、小学校の最初は勉強も簡単すぎてやるだけ無駄と思ってやってこなかった
し、遊び仲間も沢山いた、楽しかった。
しかし、学年が上がるにつれて勉強は難しくなり、遊び仲間は皆んな勉強をし始めた、
いや、勉強は最初からしていたのだろう、何もして無かったのは俺だけだ。

101以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/27(水) 02:12:43 ID:iIVeRM6Y
__
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雑兵(さぁて…どう天使を助けて逃げ出すか…相手は勇者…)

雑兵(無理ゲじゃね?これ、普通に詰んでる気がする)

勇者「ねぇ」

雑兵「なんすか?」

勇者「なんでお姉…騎士団長と話したいの?」

雑兵「あぁ…まぁ、色々つもる話しがありまして…」

勇者「へー…好きなの?」

雑兵「全っ然?あんま知らねぇし」

102以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/07(土) 20:35:55 ID:JyscVFz.
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勇者「騎士団長にあってなに聞くの?」

雑兵「別に、お前には関係ない…かな?」

勇者「いや、知らないよ」

雑兵「…お前ってさ、前世的な記憶ある?」

勇者「前世?いや無いけど…」

雑兵「なんかさ、突然目が覚めたような感じでこの世界に来たとかさ」

勇者「うーん?保育園の年少組の記憶がないとかそんな感じのやつ?」

雑兵「言ってることわかるけど違げぇよ…なんか…こう言っちゃアレだけど前世で死んでさ、目が覚めたらここにいた的な」

103以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/08(日) 21:17:05 ID:5g2WHWiw
勇者「し、知らないよ…普通に育ってきたつもりだよ…」

雑兵「じゃ、じゃあ騎士団長…あの女はどっから生まれた?いや知ってんだよ、お前がどうやってこの世界へ来たかってのは、お前も自分のことだ、何か知ってんだろ?」

勇者「え…?え…?分からないって…本当だって…」

雑兵「この世界へ来て魔法とかエライ強くなったんだろ?元からあった力じゃねぇんだろ?教えてくれって!なぁ!俺にもなんか力とかあるんだろ?!」ガシッ

勇者「ひぅ…し、知らないよぉ…」

雑兵「こんなトコに来てまでなんもねぇ俺じゃいられねぇだろ!?ここまで協力してもらってなんもねぇままじゃ申し訳がねぇんだよ!頼むからどうすればお前みたいな力が貰える?騎士団長みたいな強さを得られるんだ?」

104以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/08(日) 21:37:26 ID:5g2WHWiw
勇者「ど、努力すればいいじゃん…!僕だって姉ちゃんだって努力したんだよ…!女の子なのに血反吐吐くまで…!何もかも捨てて努力したんだよ!!!」

雑兵「っ…」

勇者「何なんだよいきなり!!おかしいよお前!!」

雑兵「…クソが…やってらんねぇやマジで」

勇者「何なんだよ…知らないよ…」


騎士団長「…」

副団長「あの新兵…!」ッダ

騎士団長「待て副団長」

副団長「しかしあの新兵にあるまじき態度は…」

騎士団長「私が話をする、このことは内密にしていてくれ」

105以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/09(月) 22:07:38 ID:Mj.02n5c
副団長「…わかりました、隊を引かせます」

騎士団長「後で合流する」


雑兵(うわー恥ずかしっ…年端も行かねぇ女の子に必死こいてた…どうしよ)チラッ

勇者「…」ムッス-

雑兵「そ、そんな怒るなって」

勇者「うるさい」

雑兵「ってぇか、騎士団長とお前姉妹なのな、確かに軽く面影あると思ったが」

勇者「うるさい」

雑兵「クゥ-ン...」

106以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/14(土) 15:13:28 ID:iFfk.m1Q
雑兵(果てし無く怒ってんな、どうしましょう…)

勇者「…君の前世の記憶ってさ、なんなの?」

雑兵「え?前世の…あぁ、大した人生じゃ無かったなぁ、小さい頃から勉強もせずブラついて、パチンコ屋出た時に脱水症で死んだ」

勇者「パチンコ屋…?」

雑兵「博打ミテェなもんだよ、結構面白かったが…ハマるほどになったら運の尽きだな」

勇者「ふぅーん…なんか逆にリアリティないね」

雑兵「俺の人生の説明にリアリティなんか求めてたら紙切れ一枚で終わるぜ、本当に何もしなかったからなぁ」

勇者「じゃあ今の方がアグレッシブなの?」

雑兵「まぁそうだなぁ、今ならお前の尻もしばける気がするくらいだからなぁ」

勇者「キッショ、て言うか僕勇者なんだけど何その口の聞き方、この世界を災悪から救ってあげたんだよ?」

雑兵「俺はその災悪とか知らねぇから救われてねぇ、無関係だ」

107以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/14(土) 21:07:20 ID:iFfk.m1Q
勇者「変な奴…」

雑兵「

108以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/16(月) 18:07:48 ID:K2863yjk
いいね
続きはよ

109以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/17(火) 21:12:14 ID:vIumYvU.
勇者「変な奴…」

雑兵「うるせぇ、そんな歳なのに死ぬ気で努力した人間に言われたかねぇや」

勇者「は?つーか野営どうすんの?もうそろそろ評支の部隊が教育隊にぶつかる頃だよ」

雑兵「そうだった…うーん…紛れ込むのももう遅いよなぁ」

勇者(ていうか優秀隊員貰えるの?めっちゃ単独行動してるけど…まあ言わないとこ)

雑兵「よし、ここは一等兵さんに習って宿営地燃やすか」

勇者「だからなんでそうなるのさ!!」

雑兵「敵どうにかしねぇとダメだろ!?他になんかあんのかよ!!」

勇者「ないけど!?あっても言うわけないじゃん!」

110以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/17(火) 21:16:08 ID:vIumYvU.
雑兵「しょうがねぇな…よし、ついてこい勇者」

勇者「は?」

雑兵「は?」

勇者「いや…君捕虜じゃん?」

雑兵「いやそんなん知らんし」

勇者「…はぁ〜あぁもう!めんどくさ!いいよ!ついてってあげるよ!」

雑兵「よし、評支の部隊んとこまで俺を送り届けてくれ」

勇者「はぁ?…もう勝手にすれば」

111以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/17(火) 21:20:04 ID:vIumYvU.
騎士団長「あいつら何してんだ…」コソコソ


雑兵「まぁ優秀隊員取るまでの辛抱だからさぁ、そんな怒るなよ」

勇者「そんなこと言って姉ちゃんにあんな変なこと言わないでよホントに」

雑兵「優しく聞くから」

勇者「聞くなっつってんの!」


騎士団長(私の何を聞くんだ…?力を得るとか言ってたが…)

112以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 21:41:55 ID:WQy8SuiY
勇者(てか…常識的に考えて…エラい単独行動してる隊員が優秀なんか取れないんだけどね…)

雑兵「あー疲れたぁ…まだ二日目だぜ、あんな大量の敵さんがまともに突入したらヤベェよな、一気に過労死するわ」

勇者「する訳ないじゃん…実戦じゃないんだから、まだヌルい方だよ、天幕建てれる時点で」

雑兵「天幕なんかねぇよ、いろんな部隊に派遣されてっから、邪魔だしたてねぇんだと」

勇者「ふーん」

雑兵「木っ端にゃ興味なしですか、まぁ俺も上の人間にゃ興味なしだからいっか」

113以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 21:54:13 ID:WQy8SuiY
雑兵「ってか、評支次どこ攻めんの?」

勇者「言うわけ無いジャン」

雑兵「ってか勇者って何が目的でそんなど偉い力手に入れたの?魔王?」

勇者「いや...特にこだわりとかはなかったけど...」

雑兵「へぇー、いいんちゃう?」

勇者「そんだけ?敬意の念とか無いの?」

雑兵「ねえよ、自分のやりたいことできりゃそれで良いんじゃね」

勇者「ほんっと捻くれたやつ...」



騎士団長(そろそろ評支の部隊にぶつかる...何をするつもりなんだ...)

114以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 22:15:03 ID:WQy8SuiY
勇者「で?そろそろ...ぶつかっちゃうよ?ウチの部隊に」

雑兵「お、いいねぇ...じゃあちょっと失礼して...」ガサゴソ

勇者「?」

雑兵「ちょ、ちょっと縛らして...」

勇者「アホ!?」

雑兵「いや、そういうのいいから...」シュルシュル

勇者「よくねえよ!」

雑兵「ええい!頑固者めが!」ガシッ

勇者「ッヒイ?!どっからこんな力...」

雑兵「ウヘヘヘ...徹底的にやるんだよオ...」

ドスッ

雑兵「う...」ドサッ

騎士団長「ったく...会った時から変な事しか...」

勇者「ね、姉ちゃん?」

騎士団長「騎士団の新隊員は壊滅だよ、さすが評支...いや、傭兵団」

115以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 22:26:29 ID:WQy8SuiY
勇者「まぁ、いつもどうりだよ、こいつどうするの?」

騎士団長「原隊に返すさ、兵一人にこの演習をむちゃくちゃにされたら示しが付かない」

勇者「確かに」

騎士団長「傭兵団の指揮はいいのか?」

勇者「あらかじめ動きは示しているから良いと思うよ」


雑兵(ん?俺の首取れた?首から下の感覚がねえ)


騎士団長「お灸をすえないといけないな...このトンでも新兵にゃ...」

勇者「一生タダ働きでいいんじゃない?」


雑兵(うっわ、怖っツートップがそろってら)

116以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 23:45:14 ID:WQy8SuiY
雑兵(あーあ、優秀賞は無しかぁ…どんな顔して戻ろっかなぁ…)

騎士団長「おい、起きているんだろ?体もそろそろ動くはずだ、起きろ」

雑兵「っへ、お見通しって感じか」ムクッ

騎士団長「まったく…とんでもない新兵だよお前は…所で原隊へ帰すまえに聞きたいんだが…」

雑兵「…分かってんなら俺から言うよ、騎士団長…いや女騎士、勇者…お前らはどこの世界の人間だ?」

勇者「ま、またそんなこと聞いて…!」

女騎士「…お前と同じ世界だと思う、ただ私たちがこの世界に来たのは本当に小さい頃だ」

雑兵「理由っつうか…死因は?」

女騎士「平成入ってすぐ位か…大規模な土砂災害があったのは知っているか?」

雑兵「あー…なんか夏にワイドショーとかでやってた気がする…なんとか町大規模土砂災害とかってやつ…」

117以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 23:51:28 ID:WQy8SuiY
女騎士「そう…私とこの子はあの土砂災害で死んだ、と言っても最初に起きた小規模な土砂崩れに巻き込まれて死んだんだけどね」

雑兵「…」

勇者「…知らないよ、そんなこと」

女騎士「一瞬だったからね、でも私の名前ずっと呼びかけてたよ、何が起きたかなんて小さかった君にはまだ分かんないよね…」

勇者「…」

雑兵「そうか…んで、その二人の力ってぇのはこっちに転生した時に?」

女騎士「それは違うね、勇者なんか特に死ぬほど努力して…今の地位があるんだよ」

雑兵「勇者なんか死ぬほど努力すりゃ誰にでもなれる、俺が聞きたいのはお前のことだ女騎士、お前だって並大抵の努力なんかじゃ敵わねぇ地位じゃねぇかよ」

118以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/12(日) 01:31:26 ID:RbLhLfCE
雑兵「なんか不思議な力とかねぇのか?」

女騎士「魔法の類はまったく使えないな、ウチから湧き上がるものはやる気だけだ」

雑兵「…」

女騎士「確かにこの様な世界に来てしまったら…不思議な力が欲しくなるね、特に強い力が…でも何もなかったよ、私たちは死ぬ程努力したんだ、それだけ」

雑兵「…そうかい、やっと諦めがついた気がするよ…」

女騎士「諦め?」

雑兵「俺が今まで見て来たラノベやネット小説みたいな事はねぇってことさ、不思議な力とかエグい魔法とか…」

女騎士「その…ラノベやネット小説っていうのは良くわからないが、その作品の中ではどんな書き方をされているんだ?」

雑兵「主人公は元の世界で死ぬかひょんな事からファンタジーの世界へ飛んで来た、その世界へ行ったら不思議な力とかエグい魔法がで初期設定で備わってましたとさ…的な?」

女騎士「ふーん、欲望を素直に表すのはいいことだと思うぞ」

119以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/12(日) 22:19:35 ID:QGyijy9o
雑兵「面倒クセェなぁ、兵隊辞めよっかな」

女騎士「何でそうなる、軍隊は頑張れば頑張る程上に上がれるぞ?」

雑兵「えー?無理だって、無理」

女騎士「大隊長だって最初は下っ端だったんだぞ?お前も努力すれば…」

雑兵「どっからそのやる気バロメータだせってんだよ、身寄りもねぇし目標もねぇのに」

勇者「うーん、じゃあ今からここで目標設定すれば?金貯めるとかなんかで賞取るとか」

雑兵「賞?しょうなら…」

女騎士「悪いが優秀賞はもう無理だぞ…分からないと思う新隊員

120以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/12(日) 22:21:32 ID:QGyijy9o
雑兵「面倒クセェなぁ、兵隊辞めよっかな」

女騎士「何でそうなる、軍隊は頑張れば頑張る程上に上がれるぞ?」

雑兵「えー?無理だって、無理」

女騎士「大隊長だって最初は下っ端だったんだぞ?お前も努力すれば…」

雑兵「どっからそのやる気バロメータだせってんだよ、身寄りもねぇし目標もねぇのに」

勇者「うーん、じゃあ今からここで目標設定すれば?金貯めるとかなんかで賞取るとか」

雑兵「賞?しょうなら…」

女騎士「悪いが優秀賞はもう無理だぞ…分からないと思うがな、新隊員の部隊の全てを指揮する総司令部も一応あるからな?そいつらの指揮系統を無視した動きをしたらな…」

勇者「大隊長も分かってると思うけどね、そこらへんは」

121以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/16(木) 15:16:44 ID:cFcTm.26
雑兵「やっぱ?」

勇者「やっぱ?ってあんた...」

雑兵「どうやって辞めようかなぁ〜、何かいい手無い?」

女騎士「無いよ、観念して原隊へ帰れ...」

雑兵「うへぇ...」
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122以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/19(日) 23:07:35 ID:ujo3oyZQ
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隊長「クックックッ....」

兵長「…」プルプルッ...

上等兵「…ッブッ」

伍長「まぁ…これが独立大隊だな…ンフッ」

雑兵「分かってたんスか?…」

一等兵「わかるに決まっとるがな、新兵訓練でガチる奴なんか初めて見たわいや…」

雑兵「…ッ」

天使「ざ、雑兵…?」

雑兵「んほぉぉおぉぉ!!!恥ずかしいぃぃぃぃい?!」

隊長「んなぁっは!ぶふぅ!?」

上等兵「リアルな話…っぶふっ…優秀賞なんかもう最初から出来レースで決まってたんだよ…あの入隊式では端っこに変なの集まってただろ?あいつらは特殊な力を持っててな、魔法やらなんやらなんでもござれで…まぁ謂わば将来の幹部コースだな」

雑兵「やっぱりっすか…」

隊長「いやぁでも騎士団長の話聞いてて面白かったなぁ…勇者様を縛りあげようとするなんて…」

123以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/19(日) 23:34:56 ID:ujo3oyZQ
雑兵「んぬぅっ!(憤死)」

天使「もう…ホントにバカ…」

兵長「なかなか濃い教育期間だったなぁしかし…お前らうちに来れると思うが」

雑兵「え?他にもあるんすか?」

天使「独立大隊にも分派があるんですね…」

上等兵「あぁ、ここから東にあるフィッハー港の分屯地に独立大隊の分遣隊、南東の国境地帯にある街の駐屯地に分遣隊があるんだ、南東は人が充足してるから多分フィッハー分屯地かもな、行くとしたら」

雑兵「へぇ〜初めて知りました」

天使「ここにいたいなぁ…」

隊長「まぁそこらは上の人事の気持ちひとつだからな、気持ちの準備はしとけや」

124以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/19(日) 23:52:57 ID:ujo3oyZQ
雑兵「じゃあ自分達は営内の後片付けしてきます、いくか」

天使「うん」

バタン...

隊長「…天使は間違いなくうちに来るだろうな」

兵長「はぁ、自分もそう思います、患者に対する対応が衛生隊の現役隊員よりも確実でした、上が移動させる訳が無いですよ…」

隊長「問題は雑兵だな」

上等兵「命令不履行、単独行動…上からの評価は正直…」

兵長「無茶苦茶言われてたよ、素行不良の烙印ときたらもう…」

一等兵「素行不良でしたら自分も異動っすかね」

隊長「大丈夫、まだ上にゃ燃料爆破したのバレてねぇからほっとけ」

125以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/19(日) 23:57:26 ID:ujo3oyZQ
隊長「両方手放したかぁねぇが…仕方ねぇな…焚きつけた俺にも責任がある」

兵長「ただの部隊配置としての異動なので文句も言えませんよ」

伍長「しかし最近のフィッハー港近辺の良い噂は聞きませんな、なんでも変な宗教が…」

兵長「あぁ、あの世界終末論がどうこうって言ってたブルジョワの?」

伍長「はい、まだ港には直接的な影響は無いですが、近辺の村や町には洗脳された住民が多数いるそうですよ」

隊長「過激じゃねぇと良いがなぁ」
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126以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/20(月) 00:02:01 ID:L.5EZYIo
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修了式当日…

女騎士「諸君、この一月半の新隊員訓練、誠にご苦労であった、実は国王も諸君らの訓練を陰から見ていたが…今年の新隊員は精鋭揃いと太鼓判を貰った、誇りを持って各部隊へ配置されたい!以上!」

「それでは、只今から配置部隊を達する!王国騎士団!…」

127以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/20(月) 00:04:57 ID:L.5EZYIo
「ど、独立大隊…?天使!独立大隊 ビギニング駐屯地へ!」

天使「はい!」

「同じく 雑兵! 独立大隊分遣隊! フィッハー分屯地へ!」

雑兵「は、はい!!」


女騎士「…」

勇者「やっぱあいつ飛ばされるんだね」

女騎士「仕方ないよ、人事発令は上からの評価もある」

勇者「ま、良いけどね、あんな変態」

128以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/20(月) 00:21:45 ID:L.5EZYIo
女騎士「しかしフィッハーか…今の情勢で…」

勇者「あぁ、あの世界終末なんたらの?…どうなんだろう、あの人達って」

女騎士「あぁ…何人か諜報員を送り込んでいるが、皆…」

勇者「結構ヤバ目なトコだね…でも分屯地だから大丈夫だと思うよ?」

女騎士「いや…あのバカなら風俗街に行くだろうなと思って…そこから問題が起こりそうだ」

勇者「あー多分行くね…」


雑兵「ッイックシ!」

129以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/20(月) 00:25:50 ID:L.5EZYIo
隊長「まさか本当に行くとはなぁ…」

兵長「単独で行くことになるが大丈夫か?」

雑兵「馬車で一本なら多分平気だと思うんすけどねぇ」

上等兵「フィッハーの風俗街でハメ外しすぎるなよ?あそこマジでハマるから、な?一等兵」

一等兵「独立大隊でハマらん人はいないっすからねあそこ、ヘルスで我慢しとけよ」

雑兵「風俗街ってでかいんですか?」

伍長「うーん…大きさ的にはこっちとどっこいどっこいかなぁ…」

上等兵「ただ選べる種類が豊富なのはフィッハーだな」

130以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 22:52:16 ID:NQI9RqXM
一等兵「出発は明後日か?」

兵長「荷造りが早く済むんなら明日でもいいけどな、早く行ったらそこの部隊のことも早く知れるぞ?」

雑兵「そうっすね、荷物もそんなないんで明日でも良いっすかね?」

隊長「そんな早く出たいのか…なら一応フィッハー行きの馬車切符渡しとくぞ」

雑兵「ありがとうごさいます」


天使「…」

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131以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:15:15 ID:NQI9RqXM
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雑兵「っしゃあこの生活も明日までだなぁ」

天使「…」

雑兵「……んだよ」

天使「あっさり行っちゃうんだね、と思ってさ」

雑兵「そりゃあ移動ならシャーないんじゃないのか?」

天使「でもさ…今までの思い出とか振り返らないのかなって…ずっと二人で頑張ってきたじゃん…」

雑兵「えー…そこ行くか天使…」

天使「だって…」

132以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:20:38 ID:NQI9RqXM
雑兵「…この異動の理由だって分かってんだよ、いろいろ好き勝手やったからな」

天使「だからってそんなあっさり…」

雑兵「仕方なかろうて、独立大隊だって厄介払いできてよかろうもん、天使だって俺と絡むよりももっと別の人間と絡んでだな…」

天使「うるさい!!バカ!!」

雑兵「うっおっと…ンダてめぇ…?」

天使「雑兵の中で僕は何だったのさ!ただの同期?!僕は違う!家族みたいなものだと思ってた!!」

雑兵「し、知らんがな、どう泣いても足掻いても異動するんだから…俺だって…寂しいけどもさぁ、考えちまったらなんか果てしなくね?」

133以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:25:14 ID:NQI9RqXM
天使「果てしなくても良いじゃん!もっと思い出とか噛み締めてよ!!僕との思い出とか!」

雑兵「…俺のこと好きなの?」

天使「家族としてだよ!!?」

雑兵「じゃあもっと知らんが、ん10年近くもまともに会話せずに金だけむしり取ってただけの仲だ、元の家族とはな、普通の家族なんか知らん」

天使「…サイッテー…」タタタッ...ガチャ!バタン!

雑兵「…あいつはロマンチストなんだな」
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134以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:29:58 ID:NQI9RqXM
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チュンチュン...
天使「ん…」

天使「…アレ…雑兵は…」
ガチャ
上等兵「うーっす、独立大隊点…呼?雑兵の奴は?」

兵長「あー雑兵は員数にはもういれなくていい、朝早くに出発したらしい」

天使「え…」

兵長「隊長叩き起こされて報告されたってよ」

上等兵「そんなにここ嫌だったのか?」

天使「…」

雑兵『考えちまったらなんか果てしなくね?』

天使「それはないと思います…」

上等兵「…?」

135以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:40:39 ID:NQI9RqXM
ガラガラガラガラガラ...

雑兵(おっそ)

馬主「フィッハー行きに兵隊さん乗せるなんて何年振りかねぇ、しかしこの時勢にフィッハー地方に行くなんざぁ運がないよアンちゃん」

雑兵「なんかあるんす?」

馬主「カルトだよ、カルト教団…フィッハー港と港町フィッハーにはまだ来ちゃいねぇが…フィッハー地方の町村は既に洗脳済みと来たもんだ…」

雑兵「カルトって、なんの宗教っすか?」

馬主「さぁてなんだったかなぁ…確か世界終末生存論とかなんとか…終末が近いから世界終末後の秩序の維持…だったかなぁ?」

雑兵「うっへぇ、終末なったら死にたいっすねぇ」

馬主「そうさねぇ、何でも町村民のあいだじゃ…世界終末に向けての間引きやら…訓練という名の弱者排除…所謂殺しでさぁね…」

雑兵「…」

馬主「兵隊さん、あんたが最後の客だね、あっしはこの運航を最後にフィッハー地方から離れるよ…馬車主達はみんなそうしてる…フィッハーの港町は孤立するけど」

136以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:51:20 ID:NQI9RqXM
そりゃそうだ、自分の命を投げ出してまで客を運ぶ人間なんか人として信用できない、自分を大切しない奴になんで人を大切にできるのか、つまりそういうことだ。カルトの名前は最終章 世界…なんとも厨房が考えそうな名前である、しかしこの最終章は中々に侮れない教団である、私設軍もあるとか。

雑兵「いいんだよ、おっちゃん…それで」

馬主「ん?なんか言ったかい?」

雑兵「どれくらいで着きそうっす?」

馬主「あと半日さね」

雑兵(長いわアホ)
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137以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/26(日) 23:52:08 ID:bIooe4RU
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『フィッハー港 フィッハー分屯地について』

曹長「早かったな若造、独立大隊は俺とお前だけだぜ」

雑兵「え?じゃあずっと曹長一人で…?」

曹長「前任の一等兵が…本隊にいる奴じゃないぞ?そいつがトンズラこきやがってな、独立大隊ってんで補充兵の話も相手にされなかったもんだからよ、新隊員から一人貰ったってわけよ」

138以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/27(月) 00:15:11 ID:zg2nes7A
雑兵「そうなんすか」

曹長「んじゃあ軽く説明するわ、ここは知っての通りフィッハー分屯地…ビギニング駐屯地の分屯地って訳だ、部隊は警備隊と業務隊、分屯地業務隊と輸送業務隊とを兼任してる、以上」

雑兵「す、少なくないっすか?」

曹長「俺ら入れても15人くらいか?警備隊も一個小隊くらいだし、業務隊なんか片手で数えられるくらいだ」

雑兵「そんで…自分ら独立大隊は…その人らの雑務をと…」

曹長「表向きはそうだな…だが実際の所そいつらと同じ仕事してるな、警備業務に輸送業務…ん?まてよあいつらより仕事あるくね?」

雑兵「あ?気付きました?」

139以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/27(月) 23:07:10 ID:oDv91Kmw
曹長「まぁ本隊よか仕事の幅はあらぁな、俺はここ気に入ってるし」

雑兵「へぇ、そういえば輸送業務の方は何をするんす?」

曹長「フィッハー港に陸軍の施設があるんだわ、クソ小さいとこだけどな、そこに文書届けたり荷物を届けるんだ」

雑兵「なかなか大変そうっすね」

曹長「慣れりゃ楽だぜ、仕事は明日からだ、今日は休みな」

雑兵「はい、ありがとうございます」
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140以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/27(月) 23:28:55 ID:HfqKjIyQ
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フィッハー分屯地、フィッハーの港町の入り口にあり、城門の役割も担っているとか、フィッハー分屯地は港の開港とともに設立され、最初期は駐屯地並みの規模で、別大陸との戦争中にはビギニング駐屯地の臨時司令部も置かれた。

雑兵「食堂の飯は美味いな」


「見ない顔だな…」

「独立大隊の新隊員だってさ」

「珍しいな…」

141以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 00:22:35 ID:z/tsaack
年齢層は若干や高めで、なんか定年前の掃き溜め感がある。

雑兵「ごっそさんでした〜」

「あいよー」


人数も少ないし、個人的には好きなトコかもしれない。

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142以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 01:05:44 ID:Ti5BjGho
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雑兵「港町の地図の受領に参りました〜」

事務員「あらぁ?!新しい子?んまぁ〜なん年ぶりかしらね!」

雑兵「はぁ…?」

事務員「おばちゃんね、この分屯地ができてからずうっとここで働いてるのよ!駐屯地の時は若い子たくさんいたんだけどねぇ、分屯地になってからは、おじさんしか来なかったのよぉ!」

雑兵「そ、そうなんすね」

事務員「あ!ごめんね!?地図よね!はいどうぞ!」

雑兵「ありがとうございます」

143以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 22:26:43 ID:f5FT3jQo
ヤスイヨ-!!

雑兵(やっぱヨーロッパの港町って感じだな、ご丁寧にフォークリフトまでありやがるからファンタジーの世界観ねえけど)

雑兵「ここがメイン通りで…漁港の横が旅客ターミナルって感じか?」

「おう!?アンちゃん兵隊さんかい!?」

雑兵「うおっ…は、はい、昨日に移動して来ました」

「若い兵隊さんなんか久々だねぇ!ほれ!祝いに魚でも持ってけ!」

雑兵「うえっ!?こんなに!?いいんすか?!」

「いいってことよ!出世払いな!」

雑兵「あざっす!」

雑兵(大らかすぎんだろ…先に持って帰ろ…)

144以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 22:29:21 ID:f5FT3jQo
雑兵「ってことなんすけど…」

「んまぁ!こんなに沢山?!」

「やるわねぇあんた!」

糧食班長「いやぁありがたいなぁ!晩飯は魚の煮付けだな!」

雑兵「じゃ、じゃあ見回りに戻ります…」


雑兵(アットホームっちゃあアットホームなのか…)

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__

145以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 22:40:56 ID:f5FT3jQo
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雑兵「で…ここが噂の風俗街ですか」


『手コキのみ!30分一万G!』

雑兵(手コキだけで一万!?)

『異種族の子集まってます!』
雑兵「あっ…///ん?」
『(すごい小さい字)ドワーフ、オーク♀含む』

雑兵「なーるへそ…いつか世話になろっと」

「兵隊さん、見ない顔っすね?どうです?」

雑兵「うーん」チラッ
『ハズレなし!90分5000G!』

雑兵(この安さが逆に怖い…)

雑兵「今回は手持ちないんでいいっす…」

146以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:18:40 ID:f5FT3jQo
雑兵(しかし生臭せぇところだな、魚の匂いがヤベェわ…ん?)

「離してって!!」
「貴様!命の恩人に楯突く気か?!」
「襲われた村にハイエナしに来ただけじゃない!!」
「ストリッパーならタッチショーの1つや2つはできるだろう!!」
「好きでやってんじゃないわよ!」


雑兵「うへぇ…やっぱあるんだねぇそういうの…くわばらくわばら…」

「ッチィ!使えん女だ!!貴様はもう奴隷商に売りに出してやる!!外のカルトにでも売り払ってやるわ!」
「っ…!!あのカルトだけは…!!」
「両親を殺したカルトにケツでも振っておくんだな!この売女めが!!」

147以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:23:19 ID:f5FT3jQo
雑兵「…」

『恨むなら死んだ親を恨め、それが嫌なら誰も恨まずなにも考えず生きろ、身勝手に人恨んで迷惑かけんじゃねぇぞマジで』

『腐っているな、貴様は…』

『これだから独立大隊は…』


雑兵「…」

『ただ償いなんてことはしない、これは私の自己満足からくる行動だ、私たちが一端を作ったのなら私たちで収集をつけねばいけないんだ』

雑兵「カルトの蔓延も…俺らが発端なのかな…」

148以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:27:47 ID:f5FT3jQo
「こい!!オラァ!」

雑兵「うーっす、喧嘩っすか?」

「?!…なーんだ兵隊さんかい…いやねぇ?ちょーっと仕事のことで揉めてただけでして…な!」

「っ…」

雑兵「へぇー大変っすねぇオーナー側も色々あるっすもんねぇ」

「そ、そうなんでさぁ…へへっ…」

雑兵「で?その仕事の話の流れで…カルトに売り飛ばすってなぁどういう了見で言ったんだ?」

「いっ!いや!言葉の綾ってやつで…」

雑兵「話を聞くにゃぁ…カルトってぇのは国様に楯突いてる団体だよなぁ?そのカルトどもにこの娘っ子売り飛ばすってことは…お前国様に楯突いてんのか?」

149以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:38:30 ID:f5FT3jQo
「っいやぁ!そんな!!兵隊さんたちゃあいい客でさぁ!!」

雑兵「知らんわ初耳じゃ、てめぇがこの街にどれだけ居座ってたか知らんがよ、次その面ァ見せてみろ、守る体面もねぇ人間が何するか…おめーが一番よぉく知ってんだろぉ…」

「…っ!き、貴様!!」

雑兵「い、いや、殺しゃしねぇよ?流石に」

「今更日和っても遅いわ!!!こんの…!!」

雑兵「うひぃ!怖い!」バッ

「คลื่นกระแทก!!!」ッシュパァン!!

「っがぁ!!?!」ズゥン...

雑兵「うへぇ…?や、やるぅ…」

「あんた…この街から逃がしてくれるの…?」

雑兵「いや…逃げるか逃げないかはお前の自由だけど…」

150以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:42:25 ID:f5FT3jQo
「はぁ?助けてくれた訳じゃないの?」

雑兵「いや…おれ煽っただけだし…カルトがこの国に楯突いてるのもしらねぇ…し?」

「な、なによ…」ピョコ

雑兵「お前…俗にいうエルフってやつ…?」

エルフ「じゅ、純粋なエルフではないけど…人間とのハーフで、寿命は人間より」

雑兵「へぇ受け継いだのは耳と魔法だけか、まぁいいや、治安悪そうだしさっさと家に帰れよ」

151以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:50:02 ID:f5FT3jQo
エルフ「んあんた…話聞いてなかったの…?」

雑兵「あ、あんま」

エルフ「ほんっっと人間の男ってサイッテー…」

雑兵「いやそんなこと言われてもなぁ」

エルフ「は?なんか文句言える訳?」

雑兵「いや、だってさあ、なんらかの原因で帰る家が無くなったのとここに連れてこられた理由ってあんま関係なくないって思って…」

152以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 19:09:32 ID:ASoDJwkM
エルフ「…は?」

雑兵「は?」

エルフ「どう言う意味よ…それ!!」

「な、なんだ…?」

「痴話喧嘩か?」


雑兵「なんでここ来たかしらねぇけど、家が無くなったからここに連れてこられた訳じゃねぇんだろ?自分の意思で来たんなら最終的にゃ自分でなんとかしろよ、俺はお前に逃げるきっかけを与えただけだ。残るも逃げるもお前次第で、お前が今できるのはそれだけで、それ以外は何もないぞ」

153以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 19:11:14 ID:ASoDJwkM
雑兵「人のせいにするにゃ今は随分楽な身分だとは思うがよ、今はそれどころじゃないだろ?どうすんだ?」

エルフ「…げるわよ」

雑兵「ん?」

エルフ「逃げるに決まってるじゃないの…」

雑兵「よし、ついてこい」

_
__

154以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 19:21:17 ID:ASoDJwkM
__
_
エルフ「…あんた、兵隊なの?」

雑兵「あぁ、今年入隊したばっかだ」9

エルフ「兵隊、ね…人間の兵隊は嫌いだわ…小さい時からいい話を聞かないしね…侵略した村の略奪…女たちをレイプ…そればっかよ…」

雑兵「いや俺知らんし、モンスターの兵隊たちだって略奪もレイプもすっだろ、脳みそがある生き物はみんなそうなんじゃねぇかな、知らんけど」

エルフ「そう…なのかな」

雑兵「さぁ?ついたぞ、分屯地だ」

エルフ「ちょちょちょ…私は入っていいの?」

雑兵「いや、分からんす…」

155以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 22:50:13 ID:ASoDJwkM
事務員「あらぁおかえりなさい!街はどうだった?」

雑兵「あの〜すいません…」

事務員「ん?…あらま…」

エルフ「…」

事務員「その格好…ううん、言わなくてもいいわ、こっちへ来なさいな、お着替えしましょ、ね?」

エルフ「え、でも…」チラ...

雑兵「その格好でうろつきたくないだろ」

エルフ「あ、あぁ…」

事務員「ささっ、奥の部屋へ…後で分屯地司令に報告しておくわ、明日くらいに呼び出しがあると思うから綺麗な服をね?」

雑兵「はい、ありがとうございます」

156以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 22:50:56 ID:ASoDJwkM
事務員「あらぁおかえりなさい!街はどうだった?」

雑兵「あの〜すいません…」

事務員「ん?…あらま…」

エルフ「…」

事務員「その格好…ううん、言わなくてもいいわ、こっちへ来なさいな、お着替えしましょ、ね?」

エルフ「え、でも…」チラ...

雑兵「その格好でうろつきたくないだろ」

エルフ「あ、あぁ…」

事務員「ささっ、奥の部屋へ…後で分屯地司令に報告しておくわ、明日くらいに呼び出しがあると思うから綺麗な服をね?」

雑兵「はい、ありがとうございます」

157以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 22:56:20 ID:ASoDJwkM
雑兵「いやぁ…カルトってのも考えものだな…」
ガチャ
雑兵「戻りましたー…」

曹長「うーっす、聞いたぞ坊主、ハーフエルフの嬢ちゃんを助けたんだってなぁ」

雑兵「え、あぁ…助けたと言うか…」

曹長「あーあー細かぁことはいいんだ、お陰でストリップ劇場は暫く閉鎖だよ」

雑兵「す、すいません…」

曹長「いやいや、人助けて責めるバカなんかこの分屯地にゃいやしねぇよ、よくやったな」

雑兵「あ、ありがとうございます!」

158以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 22:58:37 ID:ASoDJwkM
曹長「お陰でビギニングの隊に話す内容が出来たぜ、新隊員のくせに体はりやがって」

雑兵「ははっ…まぁ…」

曹長「明日は町の軍施設を案内するからな、よく使うから場所は覚えとけ」

雑兵「はい」
_
__

159以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 23:03:36 ID:ASoDJwkM
__
_
隊長「はぁ、はぁそんなことが…いや私としても嬉しい話ですよ、はい、はいそれでは…」チン

兵長「どうかしたんですか?」

隊長「雑兵の奴が風俗街で絡まれてたエルフの娘さんを助けたそうだ」

兵長「マジっす?風俗街ってトコが気になりますが…やりますね」

隊長「分屯地司令直々に電話して来たからな、ここのお偉方にも話は行くだろうぜ」

兵長「まぁ…話が行ったところで、ですがね…」

隊長「いいんだよ、あいつが元気ならそれで」


天使「雑兵…すごいなあ…」

160以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 23:12:13 ID:ASoDJwkM
一等兵「雑兵が行く前にまーた喧嘩したんだってな?」

天使「は、はぁ…」

一等兵「あいつも不器用だからなぁ

161以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 23:14:00 ID:ASoDJwkM
一等兵「雑兵が行く前にまーた喧嘩したんだってな?」

天使「は、はぁ…」

一等兵「あいつ不器用だからなぁ、あっちでも変なことに首突っ込まなきゃいいが…今度こそは助けられんからなぁ…」

天使「はい…」

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162以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 00:02:06 ID:tI04yI9U
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曹長「ここが港湾詰所、デケェ船の出入港時に割り当てられた人員でここの出入を監視するんだ、まぁあまり使わねぇな」

雑兵「この街デカいっすけど…この分屯地の人数で守ってるんすか?」

曹長「いんや、この港のすぐ下に南フィッハー地方との境界線があってな、その境界線の街にある駐屯地が有事の時は来てくれるんだ」

雑兵「へぇ」

曹長「ってもここ何年も来てねぇからな、実質俺らが治安維持してる感じだ」

雑兵「正直いっていいすか…」

曹長「言うな何も、俺も思ってはいるが治安がいいのが救いだ」

163以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/20(木) 16:54:39 ID:wn7pC86s
乙?

164以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 23:45:50 ID:hUPnnA5M
雑兵(そんな治安良い訳じゃねぇと思うけどなぁ…)

曹長「あのエルフの娘っ子さんの件で治安なんてどう見たって悪く見えるが…まだマシな方なんだよ」

雑兵「まぁマシってレベルが一番安定してるんすかね…」

曹長「そうさな、あんなエルフの娘っ子さんみたいな境遇の人間はこの町にゃ沢山いらぁ、正直ビギニングの貧民街よりも闇は深いぜ」

雑兵「まぁみんながそれで良いなら自分は特になにも…それよりもあのエルフは?」

曹長「いま面接を受けてるよ、もしかしたら昨今のカルトのパトロンかも知れねぇからな」

雑兵「ふーん…」

165以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/26(水) 22:10:18 ID:0ITO2Olo
曹長「気になるか?」

雑兵「あー、あの若さで両親亡くしてこの先どうするんかなぁと思って…」

曹長「まぁ大体だったらエルフの国の団体さんが身柄を引き取りに来てくれるが…なんせハーフだとなぁ」

雑兵「魔法は使えてましたよ」

曹長「じゃあ…もしかしたらだがビギニング駐屯地にいる部隊に引き取られるかもな、混成騎士団とかに」

雑兵「そんなんあるんすか?」

曹長「まぁ異種族の集まりだわな、エルフは勿論…ドワーフや獣人やらなんやら…」

雑兵「うっへぇ、ごちゃ混ぜっすね」

曹長「知能がある種族が集められた騎士団だわ、王国騎士団と同じくらいの立場だぜ*

166以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 20:10:08 ID:D6ufMqDM
おつ

167以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/06(土) 23:26:34 ID:5Ejd.6w6
雑兵「まぁ安泰ならそれで良しっすね、自分は駐屯地の方には戻りたくないっすけど」

曹長「お?なんかやらかしたのかい?」

雑兵「やらかしたと言うか自爆したと言うか…とにかく自分は分屯地の規模が性に合ってるっすね」

曹長「若い兵隊が珍しいなぁ…まぁお前がそれでいいなら別にいいけど…そいじゃあ明日から早速仕事だ、これを港の事務所に届ける仕事な」

雑兵「

168以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/06(土) 23:29:54 ID:5Ejd.6w6
雑兵「さっきから気になってたリヤカーって荷物なんすね」

曹長「あぁ、港湾施設の小さい事務所でも軍人は軍人だってことで武器が入って来たんだ、それを明日届けに行く」

雑兵「港湾施設の人めっちゃ定年間際的な感じでしたけど」

曹長「籍がある以上は軍人だぜ、明日はこの仕事だけだ、ちゃっちゃと終わらせようや?」

雑兵「了解です」
_
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169以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 12:32:41 ID:.9xa6myQ
__
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「はぁ、定年間際なんで持つことはないと思ってたんだがなぁ」

曹長「フィッハーものっぴきならん事態ですからな、ただの弱小宗教で終わってくれりゃ事も無し
なんですが、どうもそうしてくれんみたいで...」

「あぁいいんだよ、この組織に入ったからにゃぁな、それはそうと情報が入ったぜ」

曹長「情報?」

「あぁ、隣の大陸にある諸国連合のお偉方連中が、今月にもここに寄港する...ってのは建前で...
亡命してくるらしい」

曹長「亡命?また何で...」

「隣の大陸で国民が決起したらしい、理由は...まぁ連合をあげての賄賂や...」

曹長「はぁ〜...それで関係ないウチまで巻き込まれたんですか?」

170以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 22:59:46 ID:9RstfeqY
「まぁ仕方ねぇさ、確かに荷物は受け取った、ありがとよ」

曹長「うっす、情報提供感謝します、雑兵行くか」

雑兵「はい」

「頑張れよ若いの、分屯地は良いところだぜ」

雑兵「はぁ、ありがとうございます」
_
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171以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 23:18:49 ID:9RstfeqY
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曹長「本日の業務は終了ですっと、じゃあ俺ぁ家戻るわ」

雑兵「あ、家持ってるんすね、分屯地で寝泊まりしてるのかと…」

曹長「お前が配属されてきたからな、官舎暮らしの妻一人子一人…良い物件だ」

雑兵「ん?て事は自分あの部屋で一人なんす?」

曹長「独立大隊の営内者は一人だぜ?やったな」

雑兵「マジすかぁ、荷物妙に少ないと思ってたけど」

曹長「明日は分屯地の草刈り、開始時刻は0900、集合場所は隊舎の下以上解散」


雑兵「…何しよう」

172以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 23:25:50 ID:9RstfeqY
雑兵「…あいつどうなってんだろ」

事務員「あら?今日はお仕事終わり?」

雑兵「はい、荷物届けるだけだったんで…あの、エルフの子は…」

事務員「あぁ、あの子?明日付でビギニングの混成騎士団に入隊するらしいわ…魔法使えるみたいだから苦労しなさそうね」

雑兵「そっすか」

事務員「でも寂しくなるわぁ…生きてたら娘くらいの年だもの、心配で心配で…」

雑兵「ん?事務員さん…ご家族は…」

事務員「…死んじゃったのよ、30年くらい前かしら、夫は行方不明…そのショックのせいか…流産しちゃって…双子だったんだけどね…」

雑兵「あ…そうなんすか…すみません…」

事務員「いや良いのよ、こうして若い子達に触れ合えて楽しいもの!」

173以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 23:27:08 ID:9RstfeqY
事務員「あ、そうだ!会ってあげたら?今なら外来の隊舎にいると思うわ、入ってすぐ右に部屋があるから」

雑兵「は、はい、行ってみます」

_
__

174以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 23:32:55 ID:9RstfeqY
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_
エルフ「…」

『人のせいにするにゃ今は随分楽な身分だとは思うがよ、今はそれどころじゃないだろ?』

エルフ「人の…せいか」

コンコン

エルフ「…っ!ど、どうぞ」
ガチャ...
雑兵「う、うーっす…」

エルフ「あ…あなただったのね…」

雑兵「混成騎士団に入るんだって?良かったな」

エルフ「混成騎士団って良いところなの?」

雑兵「あ、ごめん知らないっす…」

エルフ「っはぁ〜…適当な事ばっか言っちゃって…」

雑兵「まぁ…独りよかマシだと思うぜ?同族もいるみたいだしな」

エルフ「知ってる、私の知り合いも何人かいるわ、あ、でも口利きで入ったわけじゃないからね?」

雑兵「

175以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 23:38:36 ID:9RstfeqY
雑兵「いや…別にお前がいいならどんな入り方でもいいと思うけど」

エルフ「…あなたって…思った事すぐ口に出すのね?」

雑兵「あ、ごめん…それで何回か同期怒らせたんだ」

エルフ「ほんとバカ…まぁいいわ…」

雑兵「…お前の家族ってみんな殺されたのか…?」

エルフ「…そうね、カルトの信者達に…みんな家に閉じ込められて…異端な民族は浄化とかって火を放った…直接は見てないけど生き残ってた子がそんなこと言ってたわ」

雑兵「そ、そうなのか、よく生きてたな…」

エルフ「丁度薪を山に取りに行ってたのよ、山から麓に村が見えるんだけど…そこで村が燃えてるのを見たわ」

176以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 23:43:58 ID:9RstfeqY
エルフ「あいつら意味わかんない、村には普通の人間も暮らしてたのよ、私達異種族と呼ばれてる者たちが殺されるのはまぁ稀にあるけど、あいつら村ごとよ…ほんと意味わかんない…」

雑兵「…あのストリップのオーナーに拾われたのは…」

エルフ「…最初は良い人に見えたの、難民保護がどうこうと言ってたけど…女しか取らないのを早く気付くべきだった」

雑兵「そうか…まぁここいらじゃ嫌な思い出が多いと思うが…ホントに気にせず生きろ、気兼ねなくな…」

エルフ「気にせずに?気兼ねなく?あんた正気?そんな言葉よく出てくるわね…!」

雑兵「いや…辛いのは分かるがよ…その辛さに押し潰されちまったら…アレじゃねぇか、やるせねぇじゃん?」

177以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 23:48:17 ID:9RstfeqY
エルフ「あ、あんた…はぁ、なんだかあんたと話してると落ち込むのもバカバカしくなってきた…」

雑兵「う、上手く言えねえけど…まぁ第二の人生もっと女の子らしく生きろ…いやなんか違うな…」

エルフ「なーに言葉取り繕おうとしてんのよバカ…あなたが心から心配してくれてることは分かったわ…ありがと…ホントに…」

雑兵「あ、あぁ、あっちでも元気でな、独立大隊をよろしく頼むよ」

エルフ「独立大隊?」

雑兵「雑用しかしない部隊だけどさ、いい人たちたくさんいっから、俺の同期もいるぜ?めっちゃ治療とかがうまいらしい」

178以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 23:51:11 ID:9RstfeqY
エルフ「うん…あっち行ったら挨拶するわよ、あんたの事も話す」

雑兵「い、いや俺のことはいいよ…」

エルフ「あら何照れてるの?恩人だもの、上司の株上げたいでしょ?」

雑兵「ほ、ホントにいいから…褒められるのとかあんま慣れてねぇんだ…チャランポランに生きてきたから…」

エルフ「…」

エルフ「!」💡

179以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 23:52:28 ID:9RstfeqY
エルフ「雑兵、こっち座って」

雑兵「?」スポン

エルフ「褒められるときにお母さんによくやって貰った

180以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 23:57:03 ID:9RstfeqY
エルフ「雑兵、こっち座って」

雑兵「?」スポン

エルフ「はーい体の力を抜いて〜」
ッス...

雑兵「!ひ、膝枕?」

エルフ「いい事したときに、よくお母さんにやって貰ったの…私の一番好きな褒められ方」ナデナデ

雑兵「…」

エルフ「あなた、多分私と歳近いのになんで兵隊に…?」ナデナデ

雑兵「…お、俺…入隊前は浮浪者でさ…いつの間にかこの国に来ちまって…こんな事言って信じてもらえるか分かんねぇけどよ…俺転生したんだ、別の世界から…」

エルフ「別の世界?」

181以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/15(月) 00:01:34 ID:WDOLW7SI
雑兵「あぁ…暑い中でぶっ倒れてそのまま死んだと思ったら…ビギニングの王国の近くにある森で目覚めて…」

エルフ「…それが本当なら…あなたは何もわからない状態でここまで頑張ったのね…偉いね…」ナデナデ 

雑兵「ちょちょちょ、ナデナデはやめてくれ…なんか変な気分になっちまう…」

エルフ「…んふっ…変態」

雑兵「くっそ…からかうな…」

エルフ「じゃあおしまーい」

雑兵「ったっく…///なんて奴だ…」

エルフ「雑兵、また会おうね…」

雑兵「え?今日出るのか?」

エルフ「早めに出ようかと思って準備してたんだけど…事務員の人に雑兵が来るまでは待ちなさいって…でも待ってて正解だったかも…なんかスッキリした」9

182以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/15(月) 00:04:48 ID:WDOLW7SI
雑兵「そ、そうか…待たせちまってすまねぇ…」

エルフ「いいのよ…付き合い短かったけどホントに楽しかったわ」

雑兵「あぁ、俺も」

エルフ「…次会うときは綺麗な鎧着て来るから、見惚れないでよ?」

雑兵「ワカンねぇ、四方八方に目ぇいくから」

エルフ「この節操なし…じゃ、また…」

雑兵「あぁ」
_
__

183以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/15(月) 00:08:27 ID:WDOLW7SI
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事務員「行っちゃったのね…」

雑兵「はい…」

事務員「仕方ないわね…あの子とても苦労したみたいだから、騎士団にはいれば将来安泰だから良かったのよ」

雑兵「俺もそう思います、独りよかナンぼかいい…ん?」


「おい、例の

184以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/15(月) 00:22:43 ID:WDOLW7SI
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事務員「行っちゃったのね…」

雑兵「はい…」

事務員「仕方ないわね…あの子とても苦労したみたいだから、騎士団にはいれば将来安泰だから良かったのよ」

雑兵「俺もそう思います、独りよかナンぼかいい…ん?」


「おい、例の亡命船、今週末に来るってよ」

「マジ?やべなんの準備もしてねぇや」

「王国からも直々に儀仗隊やらなんやらが来るらしい、天幕貼る部隊や風呂焚きに来る部隊まで…分屯地じゃまかなえんぞ」

185以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/15(月) 22:04:53 ID:WDOLW7SI
雑兵「船が来るってぇことは…自分も出る感じですね」

事務員「あらー船が来るなんて久しぶりねえ、外来足りるかしら…じゃあちょっと情報収集行って来るからまたね」

雑兵「あ、はい」

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186以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/15(月) 22:12:09 ID:WDOLW7SI
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雑兵「ヒッマだな営内ってのはよ…」

雑兵「テレビもねぇしゲームもねぇし…この世界来て初めて後悔してんぞ…」

雑兵「…そいえば俺今幾らぐらい貯金あるんだ…?」

雑兵「ずっと駐屯地の中にいたから分かんなかった…ヤベェ、ATMとかあんのかこの世界…」

雑兵「き、聞いてみりゅぅ?」

187以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/15(月) 22:24:22 ID:WDOLW7SI
厚生館
小さいながら売店や体育館がある場所だ、中には軍が経営してる銀行的なのもあって金利もかなりいいと専らの噂だ

雑兵「自分の給料って…」

「ちょっと待っててねぇ…でもダメだよ君、金銭関係のことはちゃんと自分で掌握しとかないと、教育隊の人言ってくんなかった?」

雑兵「あー…あんま聞いてなかったかも…」

「全く…雑兵…っと…うっわ、手付かず過ぎて教えるの憚られるわぁ」

雑兵「お、教えて下さいよぉ…駐屯地じゃほぼ缶詰だったんすから…」

「仕方ないなぁ…一月半だけど、実質二ヶ月分の給金で…知らないだろうけど入隊俸給もあるから…84万Gだね」

雑兵「84万…?」

「んでぇ…明日は何日だ」

雑兵「えーっと…18日?」

「そう、給料日で手取り16万…」

雑兵「リ、リアルっすか?」

「一般の新隊員にしちゃ持ってる方じゃないの?」

188以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 12:24:33 ID:FAliUmn.
「使いすぎんなよ」

雑兵「あざっす」

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189以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 18:44:39 ID:FAliUmn.
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雑兵「つっても美味い飯屋とかしらんなぁ...お、分屯地掲示板になんかはってある」


『今週遂に来航!プラニス皇国の御召艦『砲艦ニクルス』
来航にあたり我が国とプラニス皇国軍の市中パレードを行います
ぜひご覧下さい!』

雑兵「へえ、大変じゃないの」


「おかしいな、昨年来航したから2年後に来るもんかと思ってたが」

「なんでも皇国内で決起が起きたってよ、殿下と御付はなんとか亡命したらしいが...
皇帝は自決したってよ」

「亡命ねぇ...しかし決起で大変だってのになんて時期に来航すんのかね」

「さあね」


雑兵(ふ〜ん...この世界ってなかなか血気盛んなんだな)
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190以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 19:02:30 ID:FAliUmn.
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「しかしいきなりのパレードですからね、課業外も練習をしないと無理ですよ、
新隊員もいますし」

勇者「しかしなーんでこんな早くに来航しちゃったのかなぁ面倒くさい」

女騎士「あっちも大変なんだよ、きっと」

「では明後日フィッハーに出発で調整します、失礼しました」
バタン

女騎士「...たぶんだが...」

勇者「殿下来るね」

女騎士「あちらの国に恩はない、匿う必要もないだろう」

勇者「そうだね、まだ小さい子だけど...」

女騎士「...」

191以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 19:57:37 ID:v3jI9Nb.
勇者「…割り切れないのは分かるけどさ」

女騎士「いや…雑兵の奴、こんな時はどうするんだろうなとふと思ってな…」

勇者「ぞ、雑兵?なんで今?」

女騎士「分からん…本当にふと思ってな、深くは考えてないんだ」

勇者「雑兵ねぇ…どうするんだろうね、雑兵も見捨てるんじゃない?縁起もへったくれも無さそうだし」

女騎士「そうか、そう思うか…」
コンコン「騎士団長殿、今よろしいですか?」

女騎士「いいぞ」

「失礼します、実は昨日混成騎士団に入隊したエルフの娘が…」

女騎士「ああ、彼女か、どうしたんだ?」

「フィッハー分屯地に異動したいと…」

女騎士「フ、フィッハー??何でだ?」

「何でも恩人がいるとか…」

192以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 23:01:21 ID:s1Eeu7cw
女騎士「しかしそれは幾ら何でもな…騎士団は都にいなければ…」

「騎士団長殿から説得していただけませんか…?」

勇者「恩人ねぇ〜、話聞くだけなら聞いても良いんじゃない?」

女騎士「そうだね…その恩人とやらも気になる、よし、連れてきてくれ」

「ありがとうございます…」

193以下、名無しが深夜にお送りします:2018/11/16(金) 08:44:12 ID:O4LmN1P.


194以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 02:14:01 ID:elqldSYY
エルフ「失礼します」

女騎士「あぁ、君がフィッハーから来たエルフ君か」

エルフ「はい、初めまして騎士団長」

女騎士「積もる話もない...率直に聞こうか、なぜフィッハーに?」

エルフ「恩人に会いたいし、助けになりたいからです」

女騎士「助け...とは?」

エルフ「はい、彼はこの世界にきてまだ間もない...と言っていました、普通だったら意味が分からない話なんですが、
彼の日常にたいする不安が手に取るようにわかり、助けになれるのは私以外にいないと思いました」

女騎士「...はあ、やっぱり雑兵か」

エルフ「...っ、なぜ騎士団長が...?」

195以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 02:19:25 ID:elqldSYY
女騎士「そんなことはどうでもいい、君は立場というものを理解すべきだな、栄えある混成騎士団の団員とはいえ、訓練も
受けていない君ははっきり言って新兵以下だ、わかるね?」

エルフ「...」

女騎士「厳しいことを言うが...ここは軍隊だ、君の思い通りにはいかないこともある、特に初めのころはね...今はこらえてくれるか?」

エルフ「...はい、失礼しました」

女騎士「うん、先輩たちに謝っておくようにね、いきなり異動したいって言ってとても心配していたぞ」

エルフ「はい...」
バタン

勇者「こっわ〜」

女騎士「言わないで...はあ...雑兵ってホント不思議な奴...」

196以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 03:08:01 ID:elqldSYY
勇者「エルフの心情把握の結果見てみたけど、ストリッパーだったんだね」

女騎士「そんなこと関係ないさ、彼女も彼女なりに頑張って生きていたんだから」

勇者「いや、そうじゃなくて、雑兵ってそういう街に行ったってことだよね?」

女騎士「...彼のプライベートも尊重するべきだよ」

勇者「はぁい...」

勇者(フィッハーについたら弄り倒そっと♪)

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197以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 03:27:22 ID:0iFx66CQ
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雑兵「曹長、プラニスの船が来たら自分は何をするんですか?」

曹長「いつも通りの業務だよ、寄港日は週末なので週末の業務」

雑兵「つまり軍の事務所に荷物届けて、街の見回りっすね...詰所とかには行かなくていいんですか?」

曹長「あぁ、今回のはちょいとイレギュラーだな、ビギニングの大層な連中がくるだろ?そいつらについてくる木っ端部隊らが見てくれるってさ」

雑兵「分屯地は特になんもないんすねぇ」

曹長「そうでもないぜ?騎士団の連中がくるってんで分屯地の偉い奴らはりきってら」

雑兵「でもそうなったら今週末の休みが潰れそうで怖いっすよ」

曹長「我慢しろい、兵隊だろ」

198以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 14:04:53 ID:RIbmRdKg
「曹長、分屯地指令がお呼びです、今週末の件で...」

曹長「え?まさか俺らも出んの?」

「いやぁそういうことじゃなさそうっすよ、独立大隊が何人か来るってんで...」

曹長「あぁ、喫食と外出の件か行く行く」

「あざっす、そいやぁ雑兵君はなんかあんの?」

雑兵「自分はいつも通りの業務です、週末が潰れないか心配っすよ」

「はっは、地区警備隊は休み潰れそうだよ、代休付くけど」

雑兵「殿下とかくるんですよね?どんな人なんすかね」

「あぁ、子供だってよ、小さいながらに波乱な人生だよ、国が国民によって滅ぼされるって」

199以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 14:08:45 ID:RIbmRdKg
雑兵「へぇ、大事ないといいっすね」

「いや...もう結構な大事だと思うけど...」
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200以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 16:35:48 ID:nj3DY9eA
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「殿下、お気をつけて...」

「この港は我々で抑えます、事態の収拾が着くまでどうか息災で...」

殿下「...みんな、危なくなったら迷わずに逃げてくれ、僕との約束だ」

「大丈夫ですよ殿下、皇国騎士団が指揮をとって下さるんですよ、港湾守備隊は安泰でさぁ」

殿下「...」

「船が出ます、危険が及ばない内に...」

殿下「...」

事態が収拾するというは、この兵隊達はみな...
もうこの国の皇帝は、お父様はいない、お母様も...
大切な人たちは、みな民衆に殺された、お父様が愛していた民衆に...

殿下「...ッ」ギリッ

殿下「殺してやる...あの家畜ども...」

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