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星の降る夜のようです
1
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/15(土) 19:25:04 ID:NcuWLres0
…
ζ(゚ー゚*ζ「みて、綺麗…」
(*'A`)「わぁ…すごい」
ζ(゚ー゚*ζ「いつかさ、」
('A`)「うん」
ζ(゚ー゚*ζ「君がおじいちゃんになった時もさ」
('A`)「うん」
ζ(^一^*ζ 「こんな風にお星様が流れると良いね」
(*'A`)「…うん!」
…
628
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:06:21 ID:CKuLy9Rw0
…
('A`)「ここが…親父の?」
lw´- _-ノv「ああ、そうだ。
どうやらここにお目当のは無かったみたいだな。
荒らされているわけではない…」
ハハ ロ -ロ)ハ…
ハハ ロ -ロ)ハ「…これ、は?」
/ ゚、。 /「なにをみて…!!!」
('A`)「なにをみて…」
(;'A`)!!?
629
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:07:24 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv…
lw´- _-ノv「…そうだ、博士はお前達を、いや、お前達のような存在を生み出そうとしていた」
lw´- _-ノv「だが、もちろんのこと誰にも、いや、私を除いて誰にも言わなかった」
630
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:08:37 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv「それは非人道を遥かに超えている。
博士は神に近づくアプローチをするのではなく、神が創り出した既存の生命から神の生命を生み出そうとしたのだ」
(;'A`)「親父、が?」
lw´- _-ノv「安心しろ、実際には行われていない。
机上の空論だ。」
631
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:09:22 ID:CKuLy9Rw0
そこに記されていたのは悍ましいものだった…
人間の脳をくりだし、そこに機械としての頭脳、メインコンピュータを入れるという研究だ。
ただ、それだけでは心体が機能しない。
そこで体内にナノマシンを注入し、
本来、拒否反応を起こす血液と機械のオイルをナノマシンによって接続、半永久的に機能させる研究がここには載っていた
632
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:11:18 ID:CKuLy9Rw0
…
lw´- _-ノv「博士は、デレのために研究していた。
自身が生み出した新たな概念を、
取り壊すために彼は思案を重ねていた。」
lw´- _-ノv「彼は後悔していた、機械という存在に感情を付加させたことを。
私やデレという存在を機械として産み出したことを。」
/ ゚、。;/…
ハハ;ロ -ロ)ハ…
('A`)…
633
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:12:10 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv「それは罪だ。
人間が入っていい領域ではなかった。
機械は生命ではない。
だが、生命を生命が弄ぶ領域だった。」
('A`)…
634
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:12:59 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv「…ただ、幸か不幸か、彼は完全な悪人では無かったのだ。
感情を付加させた罪を、彼は償うためにもこの研究をしていた…
それが善と悪の範疇に収まるかどうかは疑問だが」
lw´- _-ノv「…お前の父は過去に存在した偉人たちと同じ、
自ら罪を犯そうとしたのではなく、気づかないうちに犯した者。」
lw´- _-ノv「ただ彼の場合は更に罪を上乗せしてしまおうとしていた…」
635
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:13:44 ID:CKuLy9Rw0
…
博士は、私が機能停止する直前まで、とある研究、いや、既に出てきた命題、
機械の生命化を研究していた。
636
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:15:02 ID:CKuLy9Rw0
それは人間の体に機械の頭脳を搭載する研究だ、いや、人間の脳を機械に置き換える研究か…
もちろんその研究には、賛同者なんてもの、できないであろうから、博士だけで密かに研究していたが…
637
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:16:14 ID:CKuLy9Rw0
そもそもの専門分野が違っていたせいで進み具合は亀のごとくノロノロしていた。
だが、博士はそれを研究していた、
おそらくデレがドクオ、お前の為に、
人間になりたいと言ったことを考え続けていたのだろう…
638
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:18:53 ID:CKuLy9Rw0
第35話
639
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:21:02 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv「…」
ドクオ、お前はやはり考えている。
自身の血縁が開けた、邪悪でいて、そして純粋な善が、混ざることなく、
混沌という世界を生み出す様を。
640
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:22:18 ID:CKuLy9Rw0
…
お前の隣にいるやつらはデレが製造した者だろう。
人間、いや、私という機械と同じレベルの思考回路を持った半機半人。
おぞましいことだ。
彼女達は人間としての思考と、
機械としての側面を持つ。
デレの目指していた世界への鍵、
彼女たちはまさにそれそのもの。
641
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:23:56 ID:CKuLy9Rw0
…
ドクオ、これからのお前の選択は世界を1オクターブ高いものへと変貌させるだろう。
642
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:32:33 ID:CKuLy9Rw0
だが、正しい、いや、神が創りし生命達の楽園、善と悪が交互に入れ替わる朝となるか。
643
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 17:33:38 ID:CKuLy9Rw0
それとも
希望の喰われた世界、
邪な思いが循環し続ける夜となるかは、
お前次第だ…
644
:
名も無きAAのようです
:2016/10/19(水) 17:51:01 ID:CKuLy9Rw0
第35話
645
:
名も無きAAのようです
:2016/10/19(水) 17:51:45 ID:CKuLy9Rw0
すまん、間違えた
646
:
名も無きAAのようです
:2016/10/19(水) 17:54:44 ID:CKuLy9Rw0
…
('A`)…
ハハ ロ -ロ)ハ…
/ ゚、。 /…
lw´- _-ノv「あーこんにゃく食いてー!!」
lw#´- _-ノv「こんにゃくヨコセェ!!ドクオォォオ!!!!」
lw#´- _-ノv('A`;)痛い!痛い!
(耳に直接叫んでいます)
647
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:09:07 ID:CKuLy9Rw0
('A`)「そもそもこんにゃくなんてこんな場所にないだろ」
lw´- _-ノv「なに言ってるんだ、博士は持ってたぞ?」
('A`)「だとしても単独で持ってるわけないだろ、ここどこだと思ってるんだ?」
lw´- _-ノv「どこだと思う?」
('A`)…
(;'A`)「よくよく考えると知らないな…」
648
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:10:03 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv…
lw´- _-ノv「コレがヒモ男か…」
ハハ ロ -ロ)ハ「違います、私達を奴隷として扱っているだけです」
/ ゚、。 /「同感だな、我々は夜の相手を無理やり行なわされている。奴はケダモノだ」
lw´- _-ノv「…そうか、変なところを受け継いだんだな、私も夜な夜なこんにゃくを奴にペチペチする係をさせられていたよ」
(;'A`)「なに言ってんだよお前ら…」
649
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:13:48 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv「…とりあえずお前らはどうするんだ?」
ハハ ロ -ロ)ハ「…デレ様のところに向かいます」
/ ゚、。 /「…そうだな」
('A`)…
lw´- _-ノv「お前も行くのかい?ドクオ」
('A`)「…ああ、当たり前だ。デレも俺と会いたいと思ってる…俺もまた、そう思ってる」
ハハ ロ -ロ)ハ…
/ ゚、。 /…
650
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:14:35 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv「そうかい、がんばんな。
選別にこんにゃくやるよ、こんな年代物お目にかかれねーぞ?」
('A`)「いらねーよ」
lw´- _-ノv「今なら衝撃特価!!ひゃくま('A`)「いらねーよ」
lw´- _-ノv…
('A`)…
651
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:15:51 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv「本当に行くんだな」
('A`)「ああ、俺は会わなきゃ」
lw´- _-ノv「奴がお前の知っているものじゃなくなってたらどうするんだい?」
('A`)「…どうするかは決めてるよ…」
lw´- _-ノv…
lw´- _-ノv「そう、がんばりな、私は付いていけないがな」
('A`)「ああ、」
652
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:16:34 ID:CKuLy9Rw0
('A`)…
('∀`)「シュール、また後でな」
lw´- _-ノv…!!
lw´- _-ノv「なんじゃそりゃ」
('A`)「いや、どうせまた会いに来るしな」
lw´- _-ノv…
lw´- _-ノv「そう、か、」
lw´- _-ノv…
lw´- _-ノv… ('A`)おう、じゃな、
lw´- _-ノv…ああ、また、いつか…
653
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:17:52 ID:CKuLy9Rw0
…
…
…
654
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:19:09 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv…
lw´- _-ノv…
lw´- _-ノv血の、繋がりか…
lw´- _-ノv…デレ、お前は望んだものを本当に手に入れられると思っているのか?
655
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:20:05 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv…私は…きっとお前とは違う、
同じ親に作られたとはいえ思考のパターンも、何もかもが違う
lw´- _-ノv…だが、深いところは似ているのかもしれない
lw´- _-ノv…
lw´- _-ノv…ドクオ、お前の未来に過去が迫っているぞ
lw´- _-ノv…気づいたか?それとも分からなかったか?
656
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:21:09 ID:CKuLy9Rw0
lw´- _-ノv…
lw´- _-ノv…星、か。いつのまに月を凌ぐほど明るくなったのかね…
657
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:21:50 ID:CKuLy9Rw0
…
博士、貴方はよく私に話をしてくれたね。
ここの星はこうで…
私が実際に見れたのはあんたが居なくなってからだいぶ経った後だった。
でもわかるよ、星空は変わっちゃいない。
658
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 18:22:48 ID:CKuLy9Rw0
あんたの息子も、きっと変わらんよ。
いつまでもバカで、それでいて、あんたを思い出すような…そんな男だ。
…
659
:
名も無きAAのようです
:2016/10/19(水) 20:09:40 ID:YDvBIeT20
面白いなこれ
支援
660
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 20:54:04 ID:CKuLy9Rw0
第36話
661
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 20:55:15 ID:CKuLy9Rw0
('A`)「ここってどこ?」
/ ゚、。 /…
ハハ ロ -ロ)ハ…
/ ゚、。 /「ロシア、だがそろそろアラスカの目の前の海に着く頃か」
ハハ ロ -ロ)ハ「明日、安全に渡るために一旦休みましょう」
/ ゚、。 /…
/ ゚、。 /「それも、そう、だな」
('A`)「そうしよう」
662
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 20:56:27 ID:CKuLy9Rw0
…
('A`)「人っ子一人もいない景色ってアレだな、寂しいというか…」
/ ゚、。 /…
ハハ ロ -ロ)ハ「…仕方ありません、デレ様が望んでいるのです」
('A`)「…本当に、そう、なのかな?」
/ ゚、。 /…
/ ゚、。 /「我々にはあの方の考えていることはなに1つわからん。
デレ様はきっと何もかも見透かしているのだろうがな…」
ハハ ロ -ロ)ハ「…そうですね」
663
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 20:57:08 ID:CKuLy9Rw0
('A`)「とりあえず食料ってあるの?」
/ ゚、。 /「今までの場所と同じだ、機械がお前のために補充している」
('A`)「…デレには俺がどこにいるか、やっぱり分かってるんだな」
ハハ ロ -ロ)ハ「そうですね、デレ様にはお見通しなんでしょう…」
/ ゚、。 /「GPS、衛星写真、それにこのバイク自体に搭載されている位置情報送信機能によってどこにいるかなんて、すぐにわかるさ」
664
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 20:57:51 ID:CKuLy9Rw0
ハハ ロ -ロ)ハ「…ここまで結構かかりましたね」
/ ゚、。 /…
/ ゚、。 /「そうだな」
('A`)「…」(デレ…)
665
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 20:58:34 ID:CKuLy9Rw0
…
( ФωФ)「デレさまぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「なに?ロマネスク?」
( ФωФ)「お父さん達はいつ来るのである?」
ζ(゚ー゚*ζ「そうね…早ければ1週間、遅くてもひと月いないかなぁ…」
666
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 20:59:15 ID:CKuLy9Rw0
( Ф3Ф)「もっと早くできないのであるかぁ?」
ζ(゚ー゚*ζ「うーん、ドクオ次第かな…、いや、彼女達次第?」
( ФωФ)「むぅ、早く遊びたいのである〜」
ζ(゚ー゚*ζ「ロマが良い子にしてれば早く来るよ」
(*ФωФ)「本当であるか!?」
ζ(゚ー゚*ζ「そうそう、だからお勉強しよっか」
( ФωФ)「賛成なのである!」
ζ(゚ー゚*ζ…(ドクオ…私は…私は…)
667
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:00:03 ID:CKuLy9Rw0
…
('A`)「…夜が早くなった気がする…」
/ ゚、。 /「もう9月に入ったからな」
('A`)「あれ?そうなの?そんなに経ってたっけ?」
/ ゚、。 /「さあな、」
('A`)「なんじゃそりゃ」
ハハ ロ -ロ)ハ「…ですがその分早く星が見れますよ?」
('A`)「まぁそれもそうか」
668
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:04:43 ID:CKuLy9Rw0
…
もう、時が迫っている
本来、私はハロウを連れ戻しに来たのに、いつの間にかこの時間に馴染んでいる自分がいる。
…当たり前か、私は選んだんだ、
機械ではなく人間として生きていくことを。
誰がなんと言おうと私は既に人間だ、
もうこれから機械に戻ることはない。
669
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:17:00 ID:CKuLy9Rw0
…
ハハ ロ -ロ)ハ「ドクオ」
('A`)「なに?ハロー」
ハハ ロ -ロ)ハ「…呼んでみただけ」
ハハ*ロ -ロ)ハニコッ
670
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:19:40 ID:CKuLy9Rw0
ハハ ロ -ロ)ハ「久しぶりだね、2人きり」
('A`)「そうだね、ダイオードが来てからなんだかんだで3人か…もしくは4人?」
ハハ ロ -ロ)ハ「うん、暫く振りな気がする」
('A`)「そうだね、なんだか俺もそんな気がするよ」
ハハ ロ -ロ)ハ「手、握るね」
('A`)「いいよ」
671
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:20:46 ID:CKuLy9Rw0
…
空を眺めるのもさ
?なに?
デレが居なくなってからは1人だったんだ
…そうなの?友達は?
友達とは空を眺めないよ
そうなの?
そうだよ
…ドクオは機械は嫌い?
…どうしたの?ハロー
シュールが言ってたでしょ?
672
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:25:01 ID:CKuLy9Rw0
…親父は、影と体を交換したんだよ
影?
…そうさ、だから気にしなくていい
…
おい、そこの2人、何をしている?
…
ダイオードか
673
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:27:57 ID:CKuLy9Rw0
…ドクオの隣は埋まってますよ?
おかしいな、左側が空いているが
…両方とも私がいるもの
何か言ったか?
いえ、何も
そうか、ドクオ、隣に座らせてもらおう
OK
674
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:30:18 ID:CKuLy9Rw0
…
…
…
675
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:33:23 ID:CKuLy9Rw0
ドクオ、
何?
いまさっき言っていた影とはなんのことでしょうか?
影?なんの話をしていたんだ?
…
単純さ
自分の影だよ
影と体を交換できるの?
どういうことだ?説明しろ
676
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:35:02 ID:CKuLy9Rw0
親父は影と体を交換したっていまさっき話していたんだよ
???どういう意味だ?理解できんな
…
いってただろ、シュールが。
あいつが、か?
?彼女は機械に殺されたと仄めかしていましたが
違うよ、
親父は、なるべくしてああなったんだよ…
?
?
677
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:43:15 ID:CKuLy9Rw0
…
親父
シュールに話は聞いたよ、
あんたの研究を見た時、俺は背筋がゾッとした。
少なくともやっていいことではない事は確かだった。
だが、親父、親父は親父なりに機械のことを考えていたんだな。
でも、きっとそれがあんたを見えないところまで連れていってしまったんだ…
678
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:44:47 ID:CKuLy9Rw0
俺はもしかしたら親父と同じ道を辿るのかな…
親父、いつも俺のことを考えてたんだな。きっと母ちゃんも親父のことを考えてたし俺も親父のことを考えてた…
679
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 21:45:58 ID:CKuLy9Rw0
あんたはきっと、世界中の知らない人間のためより、すぐ近くにいる見知った誰かの幸福を考える人だと思う。
そして、俺も世界の平和より、周りの大切な人の幸せを考えてしまう人間だ、あんたと同じだよ。
だからこそ、親父、あんたと同じ間違いをするかもしれない。
680
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:34:26 ID:CKuLy9Rw0
…
せめてもそれが、俺を消し去ってもいいから、幸せなエンディングになってほしい
681
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:35:25 ID:CKuLy9Rw0
第37話
682
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:36:08 ID:CKuLy9Rw0
曉に起きると私は暗い部屋に居た…
これは、前にもどこかで…?
…ああ、そうだ。
デレ様とドクオが出て来たよくわからない、夢の中で体験した雰囲気と同じだ。
アレは私が人間になるために、デレ様とドクオを模した精神体が、メッセージを発していただけなんだろう…
だからこそ私の印象に残っているに過ぎない…
683
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:37:00 ID:CKuLy9Rw0
だが?なんだこの感じ?
あの時とはまた違う、
何かが違う…
684
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:37:42 ID:CKuLy9Rw0
デレちゃん!
685
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:39:25 ID:CKuLy9Rw0
…ああ、始まった
今度はどんな想いを植えつけられるのだろうか。
前のように陰残で果てしない虚無を感じさせるつもりなのだろうか…
686
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:41:04 ID:CKuLy9Rw0
なぁに?ドクオくん
デレ様…
大人になったらデレちゃんと結婚するんだ!
!!!
687
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:42:23 ID:CKuLy9Rw0
…これは夢だ…だがなんだ?心が、いたい?ただ前の痛みとは違う、柔らかな喜びと、これは、これは…
哀しみ、深い哀しみ、
喪失を繰り返す永い哀しみ…
!!そう…
デレ様…これは夢なんだ、私が創り上げたイメージなのだ。
こんなことがあっていいはずがない
どうしたの?
ドクオ、無邪気な言葉だ。
だがその言葉がいかに残酷かも知らぬ
、いや、コレは私が機械の部分を捨てた時の、私自身の人間性なのか?
688
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:43:17 ID:CKuLy9Rw0
あのね、ドクオくん、私はね、きかいだからね、そのね、結婚できないの…
…デレ様、貴女様は機械ではありません。人間です、いや、人間を超えた存在なのです。御安心してください、ドクオも、ドクオも、あなたのことを愛、して、おります…
できるよ!機械でも人間でもできるよ!
デレちゃん僕のこときらい?
…ドクオ、私は…お前のことを…
ううん、大好き、とっても大好き、このまま君とずっと一緒にいたい…
デレ様、私は貴女様のためにいるはずなのに…
689
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:43:57 ID:CKuLy9Rw0
じゃあできるよ!お母さんが言ってたもん、お父さんとは大好き同士だったから結婚したって!
なぜだ、これ以上聞くと自我を保っていられなくなりそうだ…
なぜだ?なぜだ?愛すべき主君が、愛している男が、
幸せになろうとしているのになぜ胸に靄ができる?
…ドクオくん、
ドクオ、なぜだ?
?なに?
デレ様、なぜですか?
ありがとう、ありがとう…
なぜこんなに胸がいたいのですか?
…泣いてるの?
…
690
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:44:50 ID:CKuLy9Rw0
…一体なんだというのだ
691
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:45:30 ID:CKuLy9Rw0
…
まだ続くというのか?
冗長だ、どこまで私の感情を昂らせるつもりなのだ?
それとも人間は普段からコレを味わっているというのか?
692
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:47:03 ID:CKuLy9Rw0
…
カチャカチャ
…ここは
693
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:49:14 ID:CKuLy9Rw0
私は機械だけれどあなたのことを愛している、ドクオ、せめても貴方と一緒にいても相応しくなりたい…
デレ様?
ただなんだ?コレは…
少しずつ視界がひらけてきた…
694
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:50:41 ID:CKuLy9Rw0
ζ(一*ζ
695
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:52:42 ID:CKuLy9Rw0
コレは!!デレ様!?いやしかし…
おかしい、明らかに生気がない、なんだ?なんなんだ
カチャカチャ
コレは…誰かがデレ様をいじっている?
…誰だ?私の主君に無礼を働くのは
696
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:53:43 ID:CKuLy9Rw0
生体コントロールOK、ナノマシンは起動している、培養した細胞はしっかりと私自身を象っている…
あとはここに私の心を移すだけ
…!!?どういうことだ、前のようにデレ様の声が内側から聞こえる、しかし!しかしなぜ目の前にデレ様がいるのだ!?
今までのは声が聞こえればデレ様は見えなかったはず…
697
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:55:12 ID:CKuLy9Rw0
…永かった、あまりにも永かった。
ドクオ、私はあなたの前から消えてしまったけど…違うの、貴方が嫌になったんじゃないの。
貴方の隣にいても誰も疑問に思われない、
人間になりたかったの…
もうすぐそれも終わる、
遺伝子工学、生体工学、電気工学、、医療工学…
あらゆる分野の、あらゆる知識を、
私は使ってようやく、ようやく完成する
…
698
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:56:07 ID:CKuLy9Rw0
貴方と同じ躰、貴方と同じ心…
699
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:57:23 ID:CKuLy9Rw0
もう貴方のそばから離れなくてもいいように、せめても貴方と、貴方が望んだ分だけそばに居られるように…
わたしはこの世界を少しの間だけ止める、
貴方が、時間がイタズラに過ぎたと泣かないように。
時間を止める、
人間達を停止させて、
貴方の望んだように、なんでもできるように魔法をかけたい。
700
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:58:20 ID:CKuLy9Rw0
…
…
…
…
701
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 22:59:52 ID:CKuLy9Rw0
おかしな夢だ
まるで私がデレ様になったように感じてしまった
…
時間を止める、か。
馬鹿馬鹿しい、私はドクオとの永遠を味わいたいというのか?
私は…
…
702
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 23:00:59 ID:CKuLy9Rw0
第38話
703
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 23:02:12 ID:CKuLy9Rw0
この物語も終局に入ってきた、
私という機械が貴方という人間に触れ合った時から始まり、
貴方ともう一度出会うところで終わる物語。
704
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 23:03:28 ID:CKuLy9Rw0
そのあとはきっと誰も知らない…知れない…
この世界を作った神様にだって分からない…
私と貴方が望んだ時、私たちの構築する世界は多方面から始まり、一つの終わりに向かって収束する。
その終わりは誰が決めるのだろうか…
私ではない…
そう、きっと…
705
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 23:05:14 ID:CKuLy9Rw0
ζ(゚ー゚*ζ…
( ФωФ)…
( ФωФ)…(デレ様、遠くを見つめているのだ、なんだろうか。
すごく寂しい、でもデレ様は心なしか嬉しそうである)
( ФωФ)…
( ω)(声を、かけられないのである…)
ζ(゚ー゚*ζ…
706
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 23:07:05 ID:CKuLy9Rw0
近づいている、私にはわかる
貴方と私は深い、誰にも探れないところでつながっている…
貴方は私に心を、本物の心を与えた。
演算としての心ではなく不確かな人間としての心を…
707
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 23:08:14 ID:CKuLy9Rw0
…
('A`)…
/ ゚、。 /…
ハハ ロ -ロ)ハ…
708
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 23:09:43 ID:CKuLy9Rw0
…
誰も言葉を喋らない、アラスカに入ってからドクオは言葉を喋らない…
ドクオ、分かっています、貴方はデレ様のことを考えている。
貴方は強いつながりによって引き寄せられている…
私が貴方によって呼び起こされたように。
709
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 23:10:23 ID:CKuLy9Rw0
…
でも、きっとデレ様と貴方が出会えば、私と貴方は0に向かいます。
消滅への一歩を歩むでしょう…
私は…!!私は!!
それを止めることができない…
ダイオードもきっと分かっている、
アラスカに入ってから急にドクオは喋らなくなった…
まるですぐ近くにデレ様がいると分かっているように…
710
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/19(水) 23:12:40 ID:CKuLy9Rw0
…
この速度ならすぐにでも着くでしょう、今までよりも遥かに速いスピード、
外の景色のグラディエイション。
全てがドクオを導いている…
…
711
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:12:32 ID:TlLgge1.0
第39話
712
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:13:14 ID:TlLgge1.0
lw´- _-ノv…
713
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:13:55 ID:TlLgge1.0
博士、あんたは明日が来ると思うかい?
私はあんたが居なくなっても明日が来てるよ。
くそったれ、くそったれ。
いくら言葉で表そうとしても汚い言葉にしかならない…
714
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:19:25 ID:TlLgge1.0
はぁ、あんたさぁ、ズルイよ。
どうせさ、いつか私とあいつ会わせる気だったんだろうけど、
このタイミングでかい?
全くずるいよ。
715
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:21:26 ID:TlLgge1.0
あんたと同じ顔してた。
スレた顔、たるんでる瞼、どことなく生気を失った背中…
だが何よりも、何よりもあんたの心を持ち合わせて居た…
716
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:23:38 ID:TlLgge1.0
孤独な満月は大らかさを失って、生き物たちの狂気を加速させる…
私は狂ったわけじゃないよ?
私の中の何かが狂っただけさ。
私という機械のボディが狂ったわけじゃない…
717
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:25:13 ID:TlLgge1.0
どこの誰でもない、愛とかいうくだらない、それでいて人間のあらゆる根幹を支える感情のために世界の動きを止めたやつがいる…
718
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:26:07 ID:TlLgge1.0
…時間は重たい、私の蝉蛻した心は人間となった…おかしいね、人間は悟りを得ようと必死になって苦しむっていうのに、
私はあんたを喪っただけでそれを垣間見ちまった…
くだらない、くだらないよ。
719
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:28:47 ID:TlLgge1.0
世界の全てに悟りを開いたって逃げてるだけさ。
悟りを開いたところで何かが変わるのかい?
私は悟りを開いたら人間になっちまった。
おかしいね、人間はそれを会得したら普通、
法師様とかのお偉い立場になれるはずなのに私は昔のままだ。
720
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:31:16 ID:TlLgge1.0
なあ、あんたはどこにいるんだい?天国かい?地獄かい?煉獄かい?
それともここにいるのかい?
721
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 00:32:18 ID:TlLgge1.0
それとも…実は生きていて…なんていうよくあるハッピーエンドのために隠れているのかい?なぁ、なら出て来てよ…
もう終わりだぜ?なぁ、お願いだよ。
ねぇ…
722
:
名も無きAAのようです
:2016/10/20(木) 01:03:56 ID:TlLgge1.0
終話
723
:
名も無きAAのようです
:2016/10/20(木) 01:04:37 ID:TlLgge1.0
星の降る夜のようです
724
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 01:05:22 ID:TlLgge1.0
(*'A`)ζ(^一^*ζ
725
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 01:06:34 ID:TlLgge1.0
ハハ ロ -ロ)ハ…ここですね
/ ゚、。 /…そうだな
('A`)…そうか、ここなのか
726
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 01:07:45 ID:TlLgge1.0
あたりは夜の導きに気圧されて
暗闇に照らされている。
そこに場違いな扉が、奇妙に沈んでいた。
だが、分かる。
デレがここにいる
727
:
タケノコ
◆XksB4AwhxU
:2016/10/20(木) 01:08:35 ID:TlLgge1.0
…
ζ(゚ー゚*ζ…
( ФωФ)…デレ様…
ζ(゚ー゚*ζ…
( ФωФ)…デレさまぁ…
ζ(゚ー゚*ζ…
( ФωФ)…
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