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( ^ω^)オッサンズオーシャンのようです
1
:
◆3hXbKaGZvg
:2015/11/07(土) 02:00:46 ID://hkCpgk0
( ^ω^)「…………」
空の下に、何があるのか。
海。
大地。
それを踏みしめる人。
オッサン。
どれも、それら見下ろす空にとっては等しく価値のない物だ。
( ^ω^)「……ブーンはもう……」
しかし、自分にとってはどうなのだろうか。
等しく価値がない? 冗談じゃない。
人を人として括ること自体、馬鹿馬鹿しい。
271
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:59:01 ID:muWxWyDs0
(#゚ω゚)「おっ!!! おっ!!!」ドガッドガッ
/ ,;;3「ほっほっ…………効くわ……」
('A`)「めっちゃ効いてる」
/ ,' 3「じゃが、すぐに回復できる」グチャグチャ
/ ,' 3「どうした? 小僧」
( ゚ω゚)「…………」
/ ,' 3「こうなった儂は殺せんよ。何度殴っても、回復するだけじゃ」
(#゚ω゚)「……じゃあ……回復が追いつかなくなるまで殴り続けるだけだお!!!!」ドゴッ
/ ,;;3「痛い」
(#゚ω゚)ドゴッドガドガッ
/ ,;;
(#゚ω゚)ググッ
/ ,;; ブヂィ
('A`)「あ、手が取れた」
272
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:59:52 ID:muWxWyDs0
ブヂィ
('A`)「足も取れた」
/ ,;;3「……無駄じゃよ。数十秒で生えてきおるわい」
(#゚ω゚)「……じゃあ――――」
「――――この身体ごと机の引き出しにでも押し込むかお」
/ ,' 3「えっ」
ガララ
(#゚ω゚)グイッ
ギュッギュッ
/ ,' 3「ちょっ、やめて」
グシャ
/ ,' 3「狭っ」
バタン
『あ、開けてくれぃ!! 出せ!!』
273
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:00:37 ID:muWxWyDs0
( ゚ω゚)「おっおっ」
『出すんじゃ!!! 早く!!』
('A`)「賢いなブーン」
『これじゃ生えてこんじゃろ!!』
('∀`)「手も足も出ねーってか、はは」
( ゚ω゚)「地面にでも埋めてやるかお」
('∀`)「いやいや、この建物ごと埋めちまおうぜ」
( ゚ω゚)「それいいお、採用するお」
『馬鹿、やめるんじゃ!!』
( ゚ω゚)「ドクオ、外へ行っててくれお」
('A`)「おう、わかった。……クーの死体だけ……連れてくわ……」
( ゚ω゚)「そうしてくれお」
('A`)「気をつけろよ」ザッザッ
バタン
274
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:01:25 ID:muWxWyDs0
――――
('A`)「……ふう……この辺でいいか……」
首と胴体の離れたクーの死体をゆっくりと地面に置き、おもちゃのマキマキを眺める。
これで、終わるんだ。
('A`)「……ごめんな……」
('A`)「ごめんな、クー……」
何度謝っても、返事が返ってくることは無い。
たとえ叶うことのない一方的な好意だったとしても、俺は彼女の事が好きだった。
('A`)「もう終わるからな……。ブーンが、終わらせてくれるからな……」
やがて地鳴りのような轟音が響き、小さな建物がゆっくりと崩れていく。
それが収まった頃に、俺はその建物へと戻った。
ブーンのいる場所へ。
275
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:02:06 ID:muWxWyDs0
('A`)「ブーン!!! どこだー!!」
もう、姿を現してもいい頃だ。
('A`)「おーい!! ブーン!!!」
だが、彼は一向に現れない。
――まさか、ブーンも建物の下敷きに?
そんな事を考えた頃に、彼は現れた。
いつもと変わらない表情で。
276
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:02:53 ID:muWxWyDs0
――――
( ^ω^)ザッザッ
('A`)「よかった……死んだのかと思ったぜ……」
死んだ?
――いやいや、自分としてはそのほうが良かった。
( ^ω^)「…………」
( ^ω^)「ガスガン、返してくれお」
('A`)「あ、ああ……」スッ
( ^ω^)「…………」カチャ
空を見上げる。
しかし眩しい太陽が自分の顔を照らすだけで、何も得られるものはない。
空の下に、何があるのか。
海。
大地。
それを踏みしめる人。
オッサン。
どれも、それら見下ろす空にとっては等しく価値のない物だ。
277
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:03:39 ID:muWxWyDs0
( ^ω^)「……ブーンはもう……」
しかし、自分にとってはどうなのだろうか。
等しく価値がない? 冗談じゃない。
人を人として括ること自体、馬鹿馬鹿しい。
ならオッサンは?
彼らは、オッサンとして括るべきなのか。
それこそ、難題だ。
( ^ω^)「…………」
……無駄な事だ。
こんなこと考えても、無意味じゃないか。
自分に何も利益をもたらさない。
決して自分の心が救われるようなことは無い。
( ^ω^)「…………」チャキ
――もう、終わりにしよう。
グチャッ
.
278
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:04:31 ID:muWxWyDs0
(;'A`)「ッ!?」
( ,.;: ω, .)
( ,. ω, )グチャグチャ
( ω, )グチャグチャグチャ
( ω )「…………」
肉体は、再生する。
脳を潰しても、心臓を潰しても、すぐに再生する。
( ω )「……どうしてだお……」
( ω )「……どうして死なせてくれないんだお……!!」
('A`)「…………ブーン……」
ツン。
君に会いたい。
死ねば、君に会えるというのに。
この身体は、自分を死なせてはくれない。
279
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:05:16 ID:muWxWyDs0
( ω )「…………う……ぁ…………」
( ゚ω゚)「うあああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ――」ダッ
('A`)「――待てよっ!!」ガシッ
( ω )「離せお……すぐ振りほどけるんだお……」
('A`)「ああ、そうするといいさ」
('A`)「だがよ……何か忘れてねぇか……」
( ω )「…………」
('A`)「…………別れの言葉くらい、言ってけよ」
( ω )「…………」
( ω )「……さよな――」
('A`)「――違うだろ!」
( ω )「ッ……」
.
280
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:05:58 ID:muWxWyDs0
('A`)「……また会おうな」
( ω )「……おっ……」
( ;ω;)「また会うお……」
('A`)「ああ、その面忘れねーからな」
( ω )ダッ
ダッダッダッ
――自分はどこへ、行けばいいのだろう。
――ただひたすらに、
――ただひたすらに、走り続けた――――。
.
281
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:06:57 ID:muWxWyDs0
――――
('A`)「身分証を」
('A`)「……はい、ありがとうございます」
('A`)「では腕を出してください」
('A`)「…………」ピピッ
('A`)「……、入っていいですよ」
('A`)「……ふぅ…………」
ブーンがいなくなってから、三年の月日が流れた。
俺は隔離区域のゲートで、門番を担当している。
隔離区域に暮らしていても、ろくな仕事がないのだ。
飯にありつくには、政府のボランティアに参加した方がいいとわかっていた。
_
( ゚∀゚)「交代だ、ドクオ。お疲れさん」
('A`)「あ、どもっす……」
_
( ゚∀゚)「今日の飯はピザだぞ」
('A`)「ピザ!? なんでまた」
_
( ゚∀゚)「避難民の中にピザ作ってた奴がいたらしくてな。まあ食材もある程度確保できてきたからだろう」
282
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:07:39 ID:muWxWyDs0
('A`)「まじっすかぁ……! 食ってきます!」
_
( ゚∀゚)「ああ、そんじゃーな」
('A`)「……ピザかぁ……」スタスタ
ピザなんて食べるのは何年ぶりだろうか。
おそらく肉は入っていない。だが、それでもピザはピザだ。
楽しみになってくる。
('A`)「…………」
ブーンも、ピザが好きだった。
あいつは今、どこでどうしているのだろうか。
('A`)「……生きてんのかも、わかんねぇな……」
いや、あいつのあの身体じゃ死ぬことはないだろう。
生きているのなら、何故会いに来てくれないのだ。
そろそろ顔を出してもいい頃だ。
('A`)「……そういう感じじゃなかったのかねー……」
('A`)「……まあいいけどよ」
どうやったって、こっちからあいつを探すことはできないのだ。
もしも俺の身体があいつと同じように、再生能力や身体能力が桁違いだったら別の話だが。
283
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:08:28 ID:muWxWyDs0
('A`)「……いつまで続くんかな……こんな生活……」
隔離区域が出来てから、もう二年になる。
それまでの一年間、俺は様々なところを転々とした。
しかし、どこもかしこもオッサンだらけで、落ち着いて過ごせる場所など皆無だった。
隔離区域が出来、国民が安心して過ごせるようになった頃、政府はようやっと重い腰を上げて軍隊を動かした。
それからオッサンの数は、次第に減っているらしい。
軍隊のおかげだろうか。
――いや、俺はどこかでこう思っている。
きっとブーンが、オッサン達を殺しているのだと。
('A`)「……ブーン……。いつかまた、一緒にピザ食おうぜ」
いつか。
いつかきっと。
全てが終わるその時に――――。
284
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:09:10 ID:muWxWyDs0
『おおおおおおおおおッ!!! 全員ぶっ殺してやるお!!!!』
.
285
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:10:05 ID:muWxWyDs0
―――――――――――――――――――――
( ^ω^)オッサンズオーシャンのようです
―終―
―――――――――――――――――――――
286
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 04:12:30 ID:muWxWyDs0
( ^ω^)オッサンズオーシャンのようです、以上になります。
思っていたよりも短くなっちゃいました。
本当はもっとサバイバルさせたり、普通の人間同士の戦いなんかも書きたかった……。
ドクオとジョルジュが荒れ果てた街に出ていろいろする続編が書けそうですが、多分書きません。
次に連載ものを書くときは、登場するヒロイン全員を殺さないようにしたいです。
読んでいただきありがとうございました!
287
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 09:56:04 ID:N8vNBfX60
乙!
288
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 11:04:09 ID:M3O/1LpQ0
乙でした!
長過ぎず面白かった
もうちょい最後の方濃くても良かったかもだけど
そういや女みんな死んでたな...
ブーンがいつかドクオと会えればいいなぁ
289
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 11:58:36 ID:BsuxC/Zk0
乙!!
切り替え早いなで笑った
面白かったぜ!
290
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 13:47:18 ID:2bbKEa5c0
http://ssks.jp/url/?id=348
291
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 19:33:54 ID:NIU7XXAA0
シリアスでも堂々とギャグを入れる姿勢に貫禄すら覚えた
乙でした
292
:
名も無きAAのようです
:2016/01/29(金) 19:58:29 ID:2bbKEa5c0
http://ssks.jp/url/?id=348
293
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 13:17:27 ID:g9RgbweU0
完結乙
>>1
>>276
それら見下ろす空、
>>71
行為を寄せている、
>>127
何なやってんだお、は誤字ってる?
294
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/31(日) 17:02:59 ID:w6tYcugc0
>>293
全部誤字です!
ご指摘ありがとうございます。
295
:
名も無きAAのようです
:2016/02/03(水) 04:49:49 ID:kl3akqrM0
おつ!
おもしろかったよ
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