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( ^ω^)オッサンズオーシャンのようです
170
:
名も無きAAのようです
:2015/12/31(木) 05:46:08 ID:N5ZiyQLo0
テイルズの何か思い出したわ
171
:
名も無きAAのようです
:2015/12/31(木) 08:59:17 ID:veYbVp1o0
ドクオ生きてくれぇ
乙
172
:
名も無きAAのようです
:2015/12/31(木) 15:44:53 ID:PH6HUmRM0
乙
173
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:27:22 ID:e536vKjQ0
レスありがとうございます!
第7話、投下します!
174
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:28:03 ID:e536vKjQ0
□オッサン病
・オッサン病は、男性のみが発症する伝染病である。
・オッサン病に感染した男性を“オッサン”と呼ぶ。
・ オッサンに食べられる(噛まれる)事で感染し、その後数分で死を迎える。
オッサン病に感染し死ぬと、死後三秒で生き返り、オッサンになる。(オッ三秒ルール)
オッサンになると同時に、食べられた肉体は回復し、身体は四十代程度まで老化する。
・オッサンは、男性を餌、女性を性処理の相手として捉える。
オッサンに犯された女性はオッサン病に感染するが、発症する事なく死を迎える。
175
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:28:49 ID:e536vKjQ0
第7話「これが運命というのなら」
.
176
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:29:32 ID:e536vKjQ0
ツンの家を出てから、数時間が経過した。
自分達は、ひたすら線路沿いを歩いている。
辺りは暗くなり始め、いよいよ本格的に泊まる場所を探さなくてはいけない。
( ^ω^)「狭い所の方がいいかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「どうかしら……。裏口があるなら、コンビニとかでも大丈夫だと思うけど……。久々にベッドで寝たいなぁ……」
( ^ω^)「おっおっ、じゃああそこはどうかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「どこ……? って、ラブホじゃない!!」ドゴッ
(#)^ω^)「いったいお……いきなりパンチはひどいお」
ξ#゚⊿゚)ξ「あんたがふざけてるからでしょうが」
( ^ω^)「おっ……」
ξ゚⊿゚)ξ「もういいわ。そこのコンビニにしましょ」
( ^ω^)「おっおっ、了解だお」
スタスタ
177
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:30:21 ID:e536vKjQ0
( ^ω^)「よいしょっ」グググッ
ウィーン
ξ゚⊿゚)ξ「良かった、鍵は開いてるのね」
( ^ω^)「みたいだお」スタスタ
( ^ω^)「おー……」
ξ゚⊿゚)ξ「うーん……まあ、缶詰は流石にもう無いわね……」
( ^ω^)「残念だお……」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、食べるものがない訳じゃないし。あんたも少しは我慢しなさい」
(>^ω^)「ガリガリになっちゃうお」
ξ゚⊿゚)ξ「それで十分なくらいよ」スタスタ
ガチャ
ξ゚⊿゚)ξ「……事務室に裏口もあるわね」
( ^ω^)「おっ! じゃあここで決定だお!」
178
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:31:03 ID:e536vKjQ0
決して広くない事務室だが、二人眠れる程度のスペースはある。
もしもオッサンが表から入ってきても、すぐに逃げ出す事も可能だ。
店内の食料品はほとんどなくなっているが、雑貨類はまだまだ残っている。
自分達はバスタオルや肌着などを事務室に持って来た。
ξ゚⊿゚)ξ「ソファくらい置いてあればいいのに」
(;^ω^)「どんなコンビニだお」
バスタオルを床に敷いて、その上に寝転ぶ。
硬い床に寝転ぶよりはましだが、先日まで寝ていた布団に比べると、随分と寝心地が悪かった。
ξ゚⊿゚)ξ「とりあえず夕飯にしましょっか」ゴソゴソ
( ^ω^)「おっおっ、何があるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ツナ缶」
(;^ω^)「ツナ缶」
ξ゚⊿゚)ξ「鯖缶」
(;^ω^)「鯖缶」
179
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:31:45 ID:e536vKjQ0
ξ゚⊿゚)ξ「なによなんか文句ありそうな顔して」
(;^ω^)「そ、そんな事ないお!」
ξ゚⊿゚)ξ「仕方ないじゃない……。むしろ美味しい物が食べられていいじゃないの。どうせ今だけよ」
( ^ω^)「……それもそうかお……」
他にも焼き鳥やら蟹やらがゴロゴロと出てきたが、今日は鯖を食べることにした。
この量だと、一日一食もしくは二食食べても、数日しか保たないだろう。
( ^ω^)「…………」グゥゥ
ξ゚⊿゚)ξ「…………」グゥゥ
一人分食べても満たされない腹を、店内に残っていたお菓子で誤魔化しながら、自分達はその日を終えた。
180
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:32:27 ID:e536vKjQ0
――――
『――て! ねぇ、起きて!』
( -ω-)「お……?」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「外、見てみなさいよ」
ツンにそう言われて、事務室の扉を開けた。
すでに夜は明け、日の光が店内へと射し込んでいる。
( ^ω^)「おっ……? 生存者かお……?」
ξ゚⊿゚)ξ「うん、多分。女性もいるし……」
( ^ω^)「ちょっと声かけて見るかお」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫? もし過激な人達だったら……」
( ^ω^)「ガスガンは持っててくれお。ブーンが一人で行ってくるお」
ξ゚⊿゚)ξ「わ、わかった」
181
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:33:18 ID:e536vKjQ0
スタスタ
ウィーン
( ^ω^)「す、すみませんお」
(,,゚Д゚)「あ? ……っておい、あんた生存者か?」
(*゚ー゚)「生存者ね! だって若いもん!」
( ^ω^)「生存者ですお!」
(*゚ー゚)「この辺りにもいたなんてびっくり。ここで寝泊まりしてたの?」
( ^ω^)「そうですお。昨日だけですお」
(,,゚Д゚)「……つまり、この辺転々としてるわけか? だったら運がいいぜあんた」
( ^ω^)「おっ? どういう意味ですかお?」
(,,゚Д゚)「この辺りで避難所を開いてる人がいるんだよ。俺らもその人に声をかけられてな」
(,,゚Д゚)「聞いた話じゃ、なかなか安全そうだ。食料もある程度あるって言うから、そこに行くつもりなんだよ」
( ^ω^)「な、なるほどだお……!」
182
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:34:04 ID:e536vKjQ0
避難所、とは言っても国の運営するものではない。
だが、ソウサク展示場へはまだまだ距離があるのだ。
そこで他の生存者と合流し、もし誰か他にもソウサク展示場へ向かう人がいるのなら、一緒に行くのも悪くない。
集団での行動なら、生存率も上がる。
( ^ω^)(……いや……、集団になると行動しにくいかお……?)
( ^ω^)(そういう意味では、二人のほうが生存率が高いかもしれんお……)
( ^ω^)(……うーん……)
(,,゚Д゚)「おい、どうした?」
( ^ω^)「おっ、なんでもないですお!」
( ^ω^)(悩んでも仕方ないお、とりあえず行ってみるかお)
( ^ω^)「中に連れが一人いるんですお、ちょっと相談してきますお」
(,,゚Д゚)「おーわかった。もうそろそろ、その人が来ると思うからここで待ってるぜ」
183
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:34:45 ID:e536vKjQ0
スタスタ
ガチャ
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫みたいね。何話してたの?」
( ^ω^)「なんか、この辺りで避難所を開いてる人がいるらしいんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「避難所? こんなとこで?」
( ^ω^)「そうだお。ちょっと行ってみるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……うーん、そうね。もしかしたら、お母さんもいるかもしれないし」
( ^ω^)「おっおっ、じゃあ行くかお!」
スタスタ
( ^ω^)「おっ?」
事務室を出てガラス越しに見えたのは、さっき話した二人と、見覚えのある一人の顔だった。
( ・∀・)「……あれ? どっかで見た顔だな」
( ^ω^)「おっ!! 避難所で会ったモララーさんじゃないですかお!!」
184
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:35:42 ID:e536vKjQ0
( ・∀・)「ああ、あの時の奴か! ……って、連れの二人はどうしたんだ? その子は?」
( ^ω^)「……おっ……ヒッキーさんは……」
自分は、モララーさんにヒッキーさんとドクオ、そしてツンの話をした。
モララーさんは親身になって話を聞いてくれた。少しでも顔を知っている人に話せて、心が救われた気がした。
その後避難所に向かいながら、そこの詳しい話を聞いた。
どうやらモララーさんが父親と避難所を開いているらしい。
食料を大量に見つけたため、生存者がいるなら少しでも分け合えるように始めた、と彼は言っていた。
( ・∀・)「着きましたよ」
(,,゚Д゚)「思ってたよりも広そうだな」
( ・∀・)「自分もここに入った時、まさかあんなに食料があるとは思わなくて。他の生存者の方にも手伝ってもらって、余計な入り口はバリケードで塞いでありますから、安全なはずですよ」
(*゚ー゚)「よかったー、これで一安心だね、ギコくん」
185
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:36:24 ID:e536vKjQ0
(,,゚Д゚)「ああ。ほんとありがとうな、モララーさん」
( ・∀・)「いえいえ、よかったです。じゃ、入りましょうか」
スタスタ
ガチャ
ξ゚⊿゚)ξ「……暗くてよく見えないわね……」
( ・∀・)「低い位置にある窓も塞いじゃってるから、こればっかりはね。もうちょっと奥に進めば、明るくなるさ」
( ^ω^)「おっ……なんか怖いですお……」
( ・∀・)「……よいしょっと」ドサッ
( ^ω^)「何やってるんですかお?」
( ・∀・)「ああ、この入り口は塞いどかないと危険なんだよ。緊急時の避難口は別にあるから、後で教えるよ」
186
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:37:18 ID:e536vKjQ0
スタスタ
ガチャ
( ・∀・)「さ、ここだ。入ってくれ」
( ^ω^)「おっおっ」
広々としたホール。
天井から日の光が射し込み、中の様子はすぐに分かった。
――――そこに、誰もいない事も――――。
.
187
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:38:03 ID:e536vKjQ0
( ^ω^)「おっ? 他の人たちはどこですかお?」
( ・∀・)「よいしょっと」ドサッ
(,,゚Д゚)「お、おいおい。何やってんだよ」
( ・∀・)「え? そりゃ出口を塞いでるんですよ」
(*゚ー゚)「えー? ほかに出口あるの?」
( ・∀・)「無いですね」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ちょっと、どういう意味ですか?」
( ・∀・)「まあ待ってくれよ、他の人たちはちゃんといるからさ――」
「――――ほら、大勢の人たちが」
ゾロゾロ
ΩΩΩ「ヴゥゥゥゥゥゥ………」
(;^ω^)「おっ!?!?」
陰からぞろぞろ足を揃えて現れたのは。
これまで一度も相手にしたこともないような数の、オッサン達だった。
188
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:38:48 ID:e536vKjQ0
(*;゚ー゚)「きゃぁ!!! なっ、なんで!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「オッサンが……いっぱい……?」
(,,゚Д゚)「……どういう事だゴラァ!!」
( ・∀・)「やだなぁ慌てないでくださいよ」
( ・∀・)「彼らの食事の時間なんですから」
Ω「メシダァァァアアアアアア!!!!」
(*;゚ー゚)「き、きた!!!」
(,,゚Д゚)「下がってろ、しぃ!! 俺が、守る……!!」
( ・∀・)「おやおや、戦うんですか? この数と??」
(,,゚Д゚)「てめぇ……後でぶっ殺す……」
( ・∀・)「はは、怖いなぁ」
( ・∀・)「オッサン達は一人も殺させないよ?」
( ・∀・)「もちろん、僕もね――」シュン
(;^ω^)「――ッ!?」
消えた。
自分達を騙したモララーという男は、文字通り自分の目の前から消えたのだ。
そして次の瞬間、その男は別の場所にいた。
189
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:39:29 ID:e536vKjQ0
(;゚Д゚)「――ガハッ!!!」ドンッ
(*;゚ー゚)「ギコくんっ!?」
モララーは、その手でギコさんの首を握り、壁に押し付けていたのだ。
この動きは、見たことがある。
(;^ω^)「あんた……何者だお……!!」
( ・∀・)「なんだ、あんま驚かねーのな」
(;^ω^)「……同じような奴を、見たことがあるんだお……」
( ・∀・)「そりゃまた。似たような奴がいるとは驚きだ」グググッ
(;゚Д゚)「ウッ……グッ……」バタバタ
ξ;゚⊿゚)ξ「や、やめなさいよ!! 死んじゃうわ!!」
( ・∀・)「おーっといけない、死んじゃ困るんだよなぁ」バッ
ドサッ
(;゚Д゚)「がっ……ハァ……ハァ……」
190
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:40:10 ID:e536vKjQ0
( ・∀・)「“死体じゃオッサンにならない”から……」
(;^ω^)「……どういう……意味だお……」
( ・∀・)「見りゃわかるだろ? 僕は、オッサンの軍隊を作ってんだよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「……オッサンの……軍隊……?」
( ・∀・)「ああ。奴らは結構知能があるからな。ほら見てみろよ、ちゃんと俺が話し終えるのを待ってるぜ?」
Ω「……チャントマツ……チャントマツ……」
( ・∀・)「おい、あっちの二人は食っちまっていいぞ」
Ω「ウガァァアアア!!」ダダダッ
(*;゚ー゚)「きゃぁぁぁぁ!!!」
(;^ω^)「や、やめろお!!!」スチャッ
( ・∀・)「……ガスガン? そんなもんでどうにかできると思ってんのか?」シュン
(;^ω^)「ぐっ!!」ドンッ
カラン
191
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:40:56 ID:e536vKjQ0
( ・∀・)「残念だったな」
(;^ω^)「……ううっ……離せお……!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーンを離しなさい!!」ブンッ
( ・∀・)「おっと」パシッ
( ・∀・)「……鉄パイプじゃ、殺せねぇぞ?」ブンッ
ξ;゚⊿゚)ξ「きゃぁ!!」ドサッ
(;^ω^)「ツン!!」
(*;゚ー゚)「いやぁぁぁあ!! やめて!! 離して!!!」
少し離れたところでは、しぃさんがオッサン達に犯されている。
そして、ギコさんは食われている。
その光景はあまりにも無残で、とても目を当てていられなかった。
192
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:41:37 ID:e536vKjQ0
( ・∀・)「……いいこと思いついたぜ」
( ・∀・)「こいつを押さえつけろ」
Ω「ハイ!!!!!」ダダダッ
(;^ω^)「なっ、何する気だお!! 離せお!!!」
( ・∀・)「お前は見物人だ。ただ食われて死んでオッサンになるのもつまんないだろ?」
( ・∀・)「だから、俺が舞台を公演してやるよ――」
「――――愛しのあの子が犯される、そういう舞台をな」
.
193
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:42:20 ID:e536vKjQ0
(;^ω^)「なっ……!!!」
(;^ω^)「それだけはやめろお!!!」
ΩΩΩ「ワカイオンナァァァァァア!!! イェーイ!!!!」ガシッ
ξ;゚⊿゚)ξ「きゃぁぁあああ!! 離してよ!!!」
(;゚ω゚)「やめろっ……やめろおおお!!!!!」
( ・∀・)「どうだ、どんな気分だ? ほらよく見ろよ!!」
(; ω )「やめてくれお……!!」
( ・∀・)「目ぇ閉じんなよ」
Ω「アケロォ!!!」グイッ
(;゚ω゚)「おっ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「いやっ……いやぁぁあああああ!!!」
Ω「オラッ!!! イレルゾォ!!!!!」
194
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:43:25 ID:e536vKjQ0
(;゚ω゚)「……ツン……!!」
ξ ⊿ )ξ「……いやぁ……だめ……」
Ω「オラァッ!!!」パンパン
(;゚ω゚)「…………ツン…………」
vξ(゜)Q(゜)ξv「あああああッ!!!」
(*゚ω゚)「…………」
( ・∀・)「さて、もういいだろ。この男も食っちまえ」
Ω「メシダァァァアアア!!!」ガブッ
( ω )「ッ…………」
痛い。
195
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:44:31 ID:e536vKjQ0
Ω「ウメェ!!! ワカイオトコウメェェェェェ!!!!」ガブガブ
( ω )
痛い。
Ω「シンセンダァァァァァァァ!!!!」ガブガブ
( ,,ω )
心も、身体も、酷く痛い。
Ω「ゼイニク!!!! アブラ!!!!」ガブガブ
( ,,ω,”)
でも、もうこれでいい。
死んでしまいたい。
これが運命というのなら、受け入れよう――――。
.
196
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:45:12 ID:e536vKjQ0
( ・∀・)「……死んだな」
( ,,ω,")
( ,ω")
( ω )
( ω )「……ァ…………」
( ・∀・)「きっかり三秒、オッサン化おめでとう」
( ω )「……ラァ…………」
( ・∀・)「あ?」
(#゚ω゚)「……モララァァァァァァァアアアア!!!!!!」
自我。
自分は自我を保っている。
死ねないというのなら、殺してやる――――。
.
197
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/08(金) 03:47:42 ID:e536vKjQ0
第7話、以上になります。
次回もよろしくお願いします!
198
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 03:50:20 ID:EZFsXc6U0
乙!
アへ顔Wピースで不意討ち食らったわwwwww
199
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 09:35:38 ID:NAqVCW9I0
乙
いけブーンやっちまえ!
200
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 17:18:58 ID:Cj2AvNeo0
逆にオッサンを犯したらどうなるの?
201
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 18:41:12 ID:pO3afz1I0
乙 アヘ顔から熱い展開に
202
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 18:52:07 ID:b0iDbiCQ0
アヘ顔からのブーン赤面でシリアスが台無しである
203
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:34:06 ID:zIn6aV3I0
レスありがとうございます!
>>200
その発想はなかった
どうなるんでしょう……多分犯した側が感染して死ぬor発症するんじゃないでしょうか……
第8話投下します!
204
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:34:52 ID:zIn6aV3I0
□オッサン病
・オッサン病は、男性のみが発症する伝染病である。
・オッサン病に感染した男性を“オッサン”と呼ぶ。
オッサンは基本的に身体能力と自然治癒能力が高く、知能は低いが会話はできる程度である。
・ オッサンに食べられる(噛まれる)事で感染し、その後数分で死を迎える。
オッサン病に感染し死ぬと、死後三秒で生き返り、オッサンになる。(オッ三秒ルール)
オッサンになると同時に、食べられた肉体は回復し、身体は四十代程度まで老化する。
・オッサンは、男性を餌、女性を性処理の相手として捉える。
オッサンに犯された女性はオッサン病に感染するが、発症する事なく死を迎える。
205
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:35:49 ID:zIn6aV3I0
第8話「彼女の冷たい掌に」
.
206
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:36:35 ID:zIn6aV3I0
(;・∀・)「……お前……まさか……」
(#゚ω゚)「ぶっ殺してやるお……!!!」シュン
ドンッ
(;・∀・)「ガハッ……!!」
神経が、脳の信号を伝達する。
その速度は、以前と比べて体感できるほどの差があった。
まるで、自分の身体ではないみたいに。
(#゚ω゚)「おおおおおおおおおっ!!!!」
(;・∀・)「ぐっ……驚いたぜ……まさかお前もとはな……ッ!!」グググッ
バッ
(#・∀・)「ハハハッ……殺し合おうじゃねーか!!!」
『ちょっと待ったァァァァァ!!!』バリーン
(;・∀・)「誰だ!?」
( ゚ω゚)「誰だお!?」
『……フッフッフッ……』スタッ
207
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:37:18 ID:zIn6aV3I0
('A`)「スーパーヒーローどっくん、ここに参上!!!」バァーン
( ^ω^)
( ・∀・)
(* ー )
Ω
vξ(゜)Q(゜)ξv
('A`)「……あれ?」
208
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:38:19 ID:zIn6aV3I0
( ゚ω゚)「来るのが遅すぎだお!!」
('A`)「え?」
(#・∀・)「お前……あの時の奴か……」
('A`)「状況が飲み込めない」
( ゚ω゚)「モララーに騙されてツンが死んでブーンの力が目覚めたんだお」
('A`)「わかりにくいあらすじだな」
(#・∀・)「わっけわかんねぇ……殺してやるよ!!」
( ゚ω゚)「させないお!!」
『ちょっと待ったァァァ!!』
(;・∀・)「今度は誰だよ」
『フフ……フフフフフ……』
209
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:39:11 ID:zIn6aV3I0
(´・ω・`)「このショボン様さ!!」バァーン
(;^ω^)「なっ……」
(:'A`)「まじかよ」
(;・∀・)「誰だよ」
(´・ω・`)「アァ……すごい運命だとは思わないかい……?」
(´・ω・`)「α型、β型、γ型の全てがここに集うなんてさ……!」
(;・∀・)「α……?」
(;^ω^)「どういう意味だお……」
(´・ω・`)「ふふ……説明しないとね……」
(´・ω・`)「……おじいちゃん、説明してやってよ」
(;'A`)「おじいちゃん……?」
ザッザッ
『そうじゃな……』
ザッザッ
210
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:40:25 ID:zIn6aV3I0
/ ,' 3「ひとまず、教えておこうかの」
(;^ω^)「なっ……あんたは……!!」
(;'A`)「おもちゃのマキマキの店主、荒巻さん!!!」
(;^ω^)「ブーンに言わせろお!!」
(;・∀・)「誰だよ」
/ ,' 3「……ブーンと言ったか……若いの」
(;^ω^)「…………」
/ ,' 3「相変わらずいい目をしておるな」
(;^ω^)「いいから説明しろお……」
/ ,' 3「そうじゃったな……」
/ ,' 3「この国に広まる“オッサン病”は、儂が作ったものじゃ」
(;^ω^)「なっ……」
/ ,' 3「……そしてオッサン病には、4種類存在するんじゃ」
/ ,' 3「通常型とα型とβ型とγ型。それぞれ、人によってどのタイプが発症するかはわからんのじゃ」
211
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:41:08 ID:zIn6aV3I0
/ ,' 3「外にうようよしているのが通常型。そして、ショボンがα型。そこのモララーとやらとブーンが、β型とγ型じゃろう」
( ・∀・)「……話が見えねぇな」
/ ,' 3「まあ待て。……α型からγ型までの特異型が発症するのは非常に稀でな。研究段階で存在は確認できても、それらの細かい情報までは得られんかった」
/ ,' 3「……だから、この国にばらまいたんじゃよ」
/ ,' 3「α型からγ型までの遺伝子情報を手に入れるために……!!」
(;'A`)「なっ……。なんでそんな事を……!?」
/ ,' 3「ほっほっほっ」
/ ,' 3「……α型からγ型までの、三種類の持つ遺伝子情報を組み合わせると、すごい事が出来るんじゃよ」
(;^ω^)「すごい事……?」
/ ,' 3「……“不老不死”。不老不死の人間を、作り出せるんじゃ」
(;・∀・)「不老不死……だと……?」
/ ,' 3「そうじゃ、そうじゃ」
/ ,' 3「儂らはこう呼んでおる……」
「“オッサンズオーシャン計画”と……!」
.
212
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:42:02 ID:zIn6aV3I0
( ・∀・)「……はっ、よくわかったぜ」
( ・∀・)「なあ荒巻さんよ、オッサン病になった奴は治せんのか?」
/ ,' 3「……無理じゃな。一度オッサン化した者は、治せん」
( ・∀・)「……チッ、そうかよ」
( ・∀・)「……残念だったな……親父……」
( ^ω^)「……?」
不意に、思い出した。
以前モララーと会ったあの日、彼は父親と行動していた事を。
そして彼の父親の行動が、不自然だった事を。
(;^ω^)「…………」
辻褄が合う。
あの日避難所で起きた騒動は、モララーの仕業だったという仮定を立てると、辻褄が合ってしまう。
モララーの父親は、あの時すでにオッサン化していたのだ。
213
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:42:45 ID:zIn6aV3I0
( ^ω^)「……ヒッキーさん……」
こいつが、ヒッキーさんとツンを殺したのだ。
( ・∀・)「…………」
この、男が。
( ω )「……モララー……あんた……」
/ ,' 3「……女なら、生き返らせられるかもしれんの」
( ^ω^)「!?」
/ ,' 3「ほっほっほっ、あくまで可能性の話じゃがなぁ」
( ω )「…………」
もし、本当に出来るとしたら。
( ω )「……ツン…………」
214
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:43:41 ID:zIn6aV3I0
ξ゚⊿゚)ξ『死ね、このデブ!! 酒池肉林!!!』
( ω )「…………」
ξ*゚⊿゚)ξ『べ、別にあんたの事なんてなんとも思ってないんだから!!』
( ω )「…………」
vξ(゜)Q(゜)ξv『 あっ……ブーンのが……奥まで……来てる……のぉ……!!』※ブーンの妄想です
(* ω )「…………」
可能性でもなんでもいい。
彼女が、また自分の前に現れるかもしれないんだ。
そのためなら、なんだってしてやる――。
( ω )「……荒巻……」
/ ,' 3「なんじゃ?」
( ω )「……遺伝子情報は、死体からでもとれるかお」
/ ,' 3「ほっほっ、もちろん可能じゃよ」
215
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:44:32 ID:zIn6aV3I0
( ω )「……じゃあ、決まりだお」シュン
ドンッ
(;・∀・)「ぐッ……!!」
(;'A`)「なっ……おい、こいつらの言う事を信じるのかよ!」
( ω )「…………」グググッ
(;・∀・)「あがっ……ぐあぁぁぁぁアアアッ!!!」バキバキ
(;・∀・)(くそ……なんて力だよ……ッ!!)
( ω )「……お前が……ヒッキーさんも……ツンも……」グッ
(;・∀・)「や、やめろ!! 俺とお前で協力すれば、黒幕をぶっ潰せるぞ!? 俺はその為に軍隊だって作ったんだ……!!!」
( ω )「……おっおっ、それは立派な事だお……。でも――――」
「――――お前はお遊びが過ぎたお」
.
216
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:45:15 ID:zIn6aV3I0
グッ
バキバキ
( ∀ )「……ガッ……アァァアアアアア!!!!」
(;'A`)「……力の差が……歴然じゃないか……」
(´・ω・`)「本当だね。なんでだろ?」
(;'A`)「……お前、なんか知ってんだろ?」
(´・ω・`)「さあねぇ……」
(; ∀ )「……やめ……ロ……」
( ^ω^)「……さよならだお」グッ
グシャァ
( ∀ )
ポタ……ポタ……
シュイーン
/ ,' 3「……?」
217
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:45:57 ID:zIn6aV3I0
( ^ω^)
(;'A`)「……ブーン……お前……」
(;'A`)「どうしちまったんだよ……」
( ^ω^)「お? ブーンは普通だお?」
(;'A`)「――ッ」
/ ,' 3「ほっほっほっ。さてブーン、儂らについてくるんじゃな?」
( ^ω^)「……ついていくお」
/ ,' 3「よかったよかった。さ、こっちじゃ」
('A`)「待てよ」
/ ,' 3「……なんじゃ。お前さんもついてきたいのか?」
('A`)「……ああ」
/ ,' 3「勝手にするといいわい」スタスタ
('A`)「…………」
(´・ω・`)「……ふふ、力も魅力もないくせに、僕らについてくるのかい?」
218
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:46:47 ID:zIn6aV3I0
('A`)「……勝手だろ」
(´・ω・`)「ああ、べつに構わないよ? ただ僕には、君が金魚の糞にしか見えないというだけでね」
(#'A`)「……んだと……?」ズイッ
( ^ω^)「待つお」
(#'A`)「…………」
( ^ω^)「……ドクオは、ブーンの大切な友達だお」
('A`)「…………」
(´^ω^`)「……ハハハハッ!! ただの冗談じゃあないか」
(´^ω^`)「ぜひ僕とも、“おホモだち”になってほしいねぇ……。クハハハハハハッ!!!!」スタスタ
( ^ω^)「……嫌なやつだお」
('A`)「…………ブーン……」
( ^ω^)「……ほら行くお、置いてかれちゃうお!」
('A`)「……ああ」
スタスタ
219
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:47:46 ID:zIn6aV3I0
――――
車で移動して一時間。
自分達は、また生まれ育った街まで戻ってきていた。
(´・ω・`)「君たちは、よく知ってるんだろうね」
( ^ω^)「……おもちゃのマキマキ……。ここで、研究してたのかお?」
/ ,' 3「そうじゃよ。まあ、入ってみればわかるわい」
ガチャ
店内は、自分達が知っているものと何も変わっていない。
だが、客が本来足を踏み入れることのない扉の奥には、地下へ繋がる小さな階段があった。
('A`)「暗いな……」スタスタ
そして階段を降りた先に、幾つかの部屋があった。
荒巻はそのうちの一つの扉を開けて、自分達を招き入れた。
/ ,' 3「なんてことのない、普通の研究施設じゃろ?」
220
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:48:32 ID:zIn6aV3I0
( ^ω^)「……この店の地下にこんなものがあっただけでも、驚きだお」
/ ,' 3「ほっほっほっ。まあ時間はたっぷりあるんじゃ。茶でも飲むか」
/ ,' 3「すまんが、茶を持ってきてくれんかの」
荒巻がそう言うと、部屋の奥から小さく“はい”と返事が聞こえた。
自分達以外にもこの部屋に人がいた事に気づいたのは、その時だった。
('A`)「誰かいるのか?」
/ ,' 3「ああ。うちの立派な研究員じゃよ」
/ ,' 3「“彼女”のお父さんは、それはもう優秀でな。彼はもう亡くなってしまったが、今は彼女が代わりを努めてくれている」
/ ,' 3「紹介が、必要かの?」
「…………」スタスタ
川 ゚ -゚)「――お待たせしました」コトッ
(;'A`)「――ッ!?」
(;^ω^)「おっ……!?」
(;'A`)「……なっ……なんで……クーが……」
221
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:49:14 ID:zIn6aV3I0
川 ゚ -゚)「……君は、ドクオか」
(;'A`)「…………」
川 ゚ -゚)「……ふっ、荒巻さんの言った通りさ。私の父はここの研究員で、私はその跡を引き継いだ。それだけの事だ」
('A`)「……だから……あの時……」
――あの時――
('A`)「クー、君のことが好きだ。付き合ってください」
川 ゚ -゚)「無理だ」
('A`)「なんで!?」
川 ゚ -゚)「無理なものは無理なんだ」
('A`)「俺と君じゃ合わないって思ってるの!?」
川 ゚ -゚)「そうだな、合わないだろう」
('A`)「そんなことないよ! 君が毎晩家でポテトチップスコンソメ味の大袋を食べてる事も知ってる!! だから俺の家にはポテトチップスコンソメ味の大袋をいっぱい用意してあるよ!!」
川 ゚ -゚)「そうか」
('A`)「夕方に再放送されているドラマを毎日見てたことも知ってる!! だから俺の家にはあのドラマのDVD-BOXを用意してあるよ!!」
川 ゚ -゚)「……そうか」
222
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:49:57 ID:zIn6aV3I0
('A`)「コスプレが趣味で毎日自分の写真を撮っていたことも知ってる!! だから俺の家には猫耳メイドの衣装を用意してあるよ!!」
川 ゚ -゚)「…………」
('A`)「毎日放課後にはゲームセンターに行って音ゲーをやっていた事も知ってる!! だから俺の家には筐体が用意してあるよ!!」
川*゚ -゚)「なに、筐体……!?」
('A`)(お、揺れたぞ……)
('A`)「ネットワークに繋ぐために、法人契約も結ぶつもりなんだ!!」
川*゚ -゚)「なんだと……!? ドクオ、す――」
川 ゚ -゚)(――はっ、いかんいかん。好きでもないのに好きだと言いそうになった)
川 ゚ -゚)「……コホン。君の熱意は認めよう。よっぽど私のことが好きなんだな」
('A`)「うん!!」
川 ゚ -゚)「ならば問おう。私のどこが好きなんだ?」
('∀`)「おっぱい!!!!」
川 ゚ -゚)「死ね」
223
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:50:42 ID:zIn6aV3I0
――――
('A`)「……だから……あの時……俺の告白を断ったのか……」
(;^ω^)「盗撮しすぎだお」
川 ゚ -゚)「……いや、あれは別に関係ないな」
('A`)「じゃあ何!?」
川 ゚ -゚)「君は不細工すぎる。クラス一……いや、学校一の美少女と言われている私とは釣り合わないだろう」
('A`)「ああなるほど」
('A`)「…………」
(*^ω^)「ぶひひwwwwwwwwww」
('A`)「なあ俺そんなに不細工かよ……」
( ^ω^)「おっおっ、ブーンよりひどいお」
('A`)「そっかぁ……」シュン
( ^ω^)「そんな落ち込むなおwwww」
/ ,' 3「話を戻していいかな」
( ^ω^)「おっおっ」
224
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:51:55 ID:zIn6aV3I0
/ ,' 3「後でお前さんとモララーから血液を取って、ショボンの遺伝子情報と組み合わせてみる。さほど時間はかからんじゃろうが……」
( ^ω^)「呑気にしてられるほど時間はないお」
/ ,' 3「ほっほっ、わかっておるわい」
ツンの死体が、あとどれくらいもつのか。素人にはわかるはずもない。
だが、できるだけ早いほうがいい。
/ ,' 3「どうじゃ、できそうか?」
川 ゚ -゚)「……やってみないと、なんとも言えません」
/ ,' 3「……だそうじゃよ」
( ^ω^)「……わかってるお」
クーに渡されたお茶を啜る。
温かいものを口にしたのは久しぶりだ。
( ^ω^)(……ツン…………)
ツンはもう、自分の名前を呼んでくれない。
自分の瞳を見つめてくれない。
自分の手を握ってくれない。
彼女の冷たい掌に、再び熱が戻る事はあるのだろうか。
期待してはならない、と何度自分に言い聞かせても、期待せずにはいられなかった――。
225
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/15(金) 03:55:28 ID:zIn6aV3I0
第8話、以上になります。
次回も一週間後あたりに投下したいです…!
226
:
名も無きAAのようです
:2016/01/15(金) 17:08:32 ID:Q8zfz5/.0
意地でもシリアスにしないのな
乙
227
:
名も無きAAのようです
:2016/01/15(金) 17:35:00 ID:UtFbtsWc0
その意地は嫌いじゃない
228
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:28:28 ID:rjUT5Q8.0
レスありがとうございます!
第9話、投下します。
229
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:29:10 ID:rjUT5Q8.0
□オッサン病
・オッサン病は、男性のみが発症する伝染病である。
・オッサン病に感染した男性を“オッサン”と呼ぶ。
オッサンは基本的に身体能力と自然治癒能力が高く、知能は低いが会話はできる程度である。
・ オッサンに食べられる(噛まれる)事で感染し、その後数分で死を迎える。
オッサン病に感染し死ぬと、死後三秒で生き返り、オッサンになる。(オッ三秒ルール)
オッサンになると同時に、食べられた肉体は回復し、身体は四十代程度まで老化する。
・オッサンは、男性を餌、女性を性処理の相手として捉える。
オッサンに犯された女性はオッサン病が発症する事なく死を迎える。
・オッサン病には、通常型に加え、α型からγ型までの計四種類が存在する。
α型からγ型までの感染者は老化しないが、身体能力の向上、自然治癒能力の向上などは通常のオッサン病と変わらない。
230
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:29:51 ID:rjUT5Q8.0
第9話「口から零れた呻き声」
.
231
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:30:38 ID:rjUT5Q8.0
('A`)「……で、どうなんだ?」
川 ゚ -゚)「……どうと言われてもな。α型からγ型までの遺伝子情報が揃った今、不老不死の薬を作るのはさほど難しくないが……」
川 ゚ -゚)「君達の望むように、ツンを生き返らせるというのは……どうだろうか」
( ^ω^)「…………」
('A`)「おいおい、あの爺さんが不老不死になろうが俺達には関係ないんだよ。何のために俺の血液を取らせたってんだ」
(#^ω^)「血を抜かれたのはブーンだお」
川 ゚ -゚)「……随分と考えが甘いようだな。まあいい」
川 ゚ -゚)「結果が出るまで、お茶でも飲んでいてくれ」
('A`)「…………この茶は美味いんだよな……」
ドクオが、クーから受け取った湯呑みを持ち上げてそう言った。
確かに、クーが淹れるお茶は美味しかった。
232
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:31:20 ID:rjUT5Q8.0
( ^ω^)「……ひとつ気になるんだお」
川 ゚ -゚)「なんだ?」
( ^ω^)「オッサン病になると、四十代まで老けることはわかったお。でも、四十代を過ぎている男性がオッサンに噛まれると、どうなるんだお?」
川 ゚ -゚)「……いいとこに目をつけたな。……だが、それを説明するには、いろいろと追って話さなければならないんだ」
( ^ω^)「……平気だお」
川 ゚ -゚)「私が面倒なんだ。……まあいい、話してやろう」
」
川 ゚ -゚)「結論から言うと、オッサン病は発症せずに死ぬ」
川 ゚ -゚)「――いや……発症するが、身体が耐えきれず死に至る、と言ったほうが正しいか」
( ^ω^)「……α型はどうなんだお」
川 ゚ -゚)「……ヘイフリック限界、という言葉を知っているか?」
233
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:32:22 ID:rjUT5Q8.0
(;^ω^)「ヘイフ……? さっぱりだお……」
('A`)「あれか、細胞分裂の回数の限界ってやつ」
川 ゚ -゚)「そう、それだ。君は盗撮しか能がないと思っていたが……考えを改める必要があるな」
(*'∀`)「へへへ」
(;^ω^)「多分褒められてないお」
川 ゚ -゚)「人間の細胞には、分裂回数の限界があるんだ。それがなくなれば、死ぬ。寿命というのはそういうものだ」
川 ゚ -゚)「オッサン病は、先に老化させることによって、細胞の分裂可能回数を多く余らせるんだ。だから身体能力も高くできるし、自然治癒能力も高くできる」
川 ゚ -゚)「ただし、その分寿命は短くなるわけだが……。まあ、記憶や知能に影響が出ている以上、そんな事は関係ないな」
('A`)「じゃあつまりオッサン病って……」
川 ゚ -゚)「そう、不老不死の薬の失敗作だ」
川 ゚ -゚)「だが研究段階で、ブーンやモララーのような“特異型”が現れる可能性が見えてきた。そこで登場するのがショボンさ」
234
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:33:15 ID:rjUT5Q8.0
川 ゚ -゚)「彼は自ら望んでオッサン病に感染し、見事α型を発症させた。となると、β型やγ型の存在も確信できたわけだ」
川 ゚ -゚)「そして、“オッサンズオーシャン計画”が始動した」
クーは回していたペンを机において、そう言った。
“オッサンズオーシャン計画”。そんなものがなければツンも母も、今頃は。
( ^ω^)「……そんな経緯があったのかお……」
川 ゚ -゚)「ああ……。α型からγ型までの特異型は、細胞の分裂可能回数に限りが無いんだ。だから、ブーン達は発症しても老けなかった。老けさせる必要がなかったんだ」
(;'A`)「ちょ、ちょっと待てよ。それじゃ、ブーンは不老不死ってことか!?」
(;^ω^)「!?」
川 ゚ -゚)「……厳密には、違うな。不死というわけではない。不死だったら、モララーは死なないだろう」
('A`)「それもそうか……」
235
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:34:27 ID:rjUT5Q8.0
川 ゚ -゚)「まあ、不老なんだがな」
(;^ω^)「まじかお」
川 ゚ -゚)「一生ガキのままさ」
(;^ω^)「それはそれでありがたいお、ピーターパン症候群に悩まされずに済むお」
('A`)「それで、肝心のところが……」
川 ゚ -゚)「通常型を発症するか、特異型を発症するかは、その人の持つ遺伝子によって異なるんだ。詳しいことは省くが……まあ、そうそう見つかるもんじゃない」
川 ゚ -゚)「……そうだな、仮に四十歳の人が特異型を発症する遺伝子を持っていたとしよう。そして、オッサン病に感染する。すると――」
――若返り続けるんだ、と彼女は言った。
彼女のこれまでの説明は、自分には容易く理解出来るようなものではなかったが、若返るというのがこれまでの研究を覆すようなイレギュラーである事はわかった。
そして、彼女の表情が少しだけ暗くなっている事も。
236
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:35:10 ID:rjUT5Q8.0
(;'A`)「若返る……?」
川 ゚ -゚)「それも、結構なスピードでな。一週間もすれば、胎児になってしまう」
川 ゚ -゚)「こればっかりは、理由がわかっていないんだ。私も調べてはいるんだがな……まあ、その理由がわかる前に、不老不死の薬が完成してしまうだろう」
川 - )「…………」
川 ゚ -゚)「それだけだ」
( ^ω^)「…………?」
川 ゚ -゚)「……とまあ、長い説明パートを挟んだ甲斐はあったか?」
(;^ω^)「……なんとなく理解できたお」
川 ゚ -゚)「それならよかった。……ちょうど結果が出たようだ、私は研究に戻らないとな」
('A`)「じゃあ、俺達は部屋に戻ってるぜ」スッ
川 ゚ -゚)「ああ、そうしてくれ」
237
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:35:52 ID:rjUT5Q8.0
( ^ω^)「ありがとだお、よろしくだお」スッ
川 ゚ -゚)「……気にするな」
ガチャ
('A`)「……ふーっ、やっぱかわいいんだよなぁ、クー。惚れ直したぜ」
(;^ω^)「ブーンはここ数日でドクオの人間性を疑い始めたお」
('A`)「そいつぁ光栄だ。……さて、とりあえず寝られるうちに寝とくかな……」
( ^ω^)「ブーンもそうするかお……」
238
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:36:35 ID:rjUT5Q8.0
――――
「――い、起きろ二人共」
( -ω-)「……んん……まだ5つめのおっぱいだお……」
川 ゚ -゚)「なんの夢を見ていたんだ……。大事な話がある」
( ^ω^)「……おっ?」
川 ゚ -゚)「ついさっき、不老不死の薬が完成した。荒巻さんに渡してきたところだ」
('A`)「完成? それほんとに大丈夫なのか?」
川 ゚ -゚)「さあな、こればっかりは試してみないとわからん」
( ^ω^)「それで、大事な話ってなんだお」
川 ゚ -゚)「…………」
川 ゚ -゚)「……私は君たちに、嘘をついていた」
('A`)「……嘘?」
川 ゚ -゚)「……ああ」
239
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:37:18 ID:rjUT5Q8.0
( ^ω^)「……まさか、ツンを生き返らせることは……」
川 ゚ -゚)「…………すまない……。できないんだ」
( ^ω^)「……そう……かお……」
川 ゚ -゚)「…………君たちに、協力してもらうしかなかったんだ……」
('A`)「……おい、随分と自分勝手だな。まさかクーも不老不死をお望みだってのか?」
川 ゚ -゚)「……そうじゃない。そうじゃないんだ」
川 ゚ -゚)「私は不老不死になろうなんて思わない。普通に生きて、普通に死にたいと思っている」
('A`)「だったら何でこんなことしてんだよ!」バンッ
(;^ω^)「お、落ち着けおドクオ」
('A`)「お前はなんで黙ってんだよ!! 荒巻のじーさんはともかく、俺の大好きなクーまで俺らに嘘ついてたんだぞ!!」
( ^ω^)「……仕方ないことだお」
240
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:38:05 ID:rjUT5Q8.0
( ^ω^)「……きっと、クーにもちゃんとした理由があるんだお。だから、仕方ないお……」
川 ゚ -゚)「…………」
('A`)「……だったら、理由を説明しろよ」
川 ゚ -゚)「……そうだな。この際だ、話しておこう」
川 ゚ -゚)「……私の父は、とある研究所のメンバーだったんだ。そこで様々な研究をしている時に、不意に出来上がったのがオッサン病」
川 ゚ -゚)「父は正義感の強い人だったからな、危険だと思ったんだろう。それをすぐに隠したんだ、誰の手にも渡らないように」
川 ゚ -゚)「……しかし、見つかってしまった。研究所のリーダーだった荒巻さんに」
川 ゚ -゚)「そこからはもう、ひどい目にあった。家族まるごと研究所の奴らに誘拐されて、監禁されて……」
241
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:38:47 ID:rjUT5Q8.0
川 ゚ -゚)「家族を普通の生活に戻す条件として、こんな研究室に押しこまれ、不老不死の研究をさせられたわけだ」
( ^ω^)「…………」
川 - )「…………」
川 - )「……父は、特異型を発症する遺伝子を持っていたんだ」
(;'A`)「……おい、まさか……」
川 - )「……そのまさかさ。自分で実験し……、一週間と保たずに父は死んだよ」
「……赤ん坊の姿で」
( ^ω^)「…………」
('A`)「……っざけんじゃねぇよ……なんだよそれ……」
川 ゚ -゚)「……すまないな、こんな話をして」
川 ゚ -゚)「私が言いたいのはこんな事じゃないんだ」
( ^ω^)「……なんだお……?」
242
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:39:28 ID:rjUT5Q8.0
川 ゚ -゚)「……荒巻さんが不老不死になったら、もう君達は必要なくなってしまう。――いや、それどころか、危険視されるだろう」
川 ゚ -゚)「逃げてくれ、今のうちに。ショボンと荒巻さんがいては、勝ち目がない」
('A`)「……そんな話を……」
(#'A`)「……そんな話を聞いて逃げられるわけねぇだろうが!!」
(;^ω^)「ドクオはただの人間なんだから落ち着けお、戦うのはブーンなんだお」
('A`)「なんだよ、じゃあお前は逃げるってのか?」
( ^ω^)「…………」
川 ゚ -゚)「いいんだ、私の事は気にするな。それよりもはやく――――ッ!!」
バァーン
(;'A`)「!?」
(´・ω・`)「……余計な事を喋っちゃって……本当にもう……」
(´・ω・`)「殺したくなっちゃうじゃないか」
(;^ω^)「ショボン……!!」
243
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:40:12 ID:rjUT5Q8.0
(´・ω・`)「……っと、いけない……」
「――――もう、殺しちゃってたか」
川 - )
('A`)「……クー?」
('A`)「おい、クー……」
(´・ω・`)「無駄だよ。だって……“首が取れてる”じゃないか」
('A`)「嘘だろおい……クー……そんな……ッ!!」
(#^ω^)「……ショボン……!!」
(´・ω・`)「おいおい、怒るなよ。君たちも用済みなんだ、今なら見逃してあげるからさ」
(#゚ω゚)「ふざけんなお……!!」
(´・ω・`)「何、もしかしてクーを殺されて怒ってるの? 君なんかクーの事なんてなんにも知らないくせに」
244
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:40:54 ID:rjUT5Q8.0
(#^ω^)「……ブーンは、クーの事をよく知らないお。だから、クーのためにどうこうしようなんて、簡単には思えないお」
(#^ω^)「……でも…………」
(#゚ω゚)「…………親友を悲しませる奴は、許せないんだお……!!!」
(´・ω・`)「……ククク…………」
(´゚ω゚`)「……クハハハハハッ!!!」
(´・ω・`)「面白い……受けて立とうじゃないか……ッ!!」
ドクオが、首のない死体を抱きかかえて叫んでいる。
その光景はあまりにも痛々しく、そして切なかった。
245
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:41:37 ID:rjUT5Q8.0
( ゚ω゚)
許せない。
これだけの事をしておいて、真顔でいられるこの男が許せなかった。
殺してやる。
殺してやル。
コイツハ絶対ニ殺シテヤル――。
.
246
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:42:19 ID:rjUT5Q8.0
( ゚ω゚)シュン
ドッ
(´・ω・`)「おっと……そう簡単には……いかないよ……ッ!!」グググッ
バッ
( ゚ω゚)「殺してやるお!!!」
(´・ω・`)「威勢だけはいいみたいだねェ……ッ!!!」ヒュッ
( ゚ω゚)パシッ
ググッ
( ゚ω゚)「……こんなもんかお……大したことないお……」
(´・ω・`)「はっ、まだまださ」グッ
(;゚ω゚)「ッ!?」
――なんて力だ。
ショボンの手を抑える自分の両手も、さっきまでの自信も、まるごと覆されてしまう。
247
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:43:13 ID:rjUT5Q8.0
(´・ω・`)「君はまだ知らないもんねぇ、オッサン病の秘密をッ!!」ドンッ
(;゚ω゚)「おっ!!!」ドガッ
ガラガラ
勢い良く押された自分の身体は、机や椅子ごと壁まで吹き飛ばされた。
(;゚ω゚)「ガハッ……」
背中から腹に突き抜けた何か。
よく見るとそれは、自分の血で染まった机の足だった。
痛い。
痛みは感じる。
(;゚ω゚)「ぐっ………おおおっ……」グイッ
ズブッ
痛い痛い痛い――。
あまりの痛さに、意識が飛んでしまいそうになる。
この身体の事はあまり知らない。この状態でよく息ができるものだと感心してしまう。
248
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:44:05 ID:rjUT5Q8.0
(;゚ω゚)「がっ……ハァ…………ハァ……」ヨロッ
グチャグチャ
傷口ははあっという間に治癒していく。
痛みも気づいた時にはなくなっていた。
( ゚ω゚)「……秘密って、なんの事だお……!」
(´・ω・`)「……ははっ、教えて欲しいかい? でもこれを知っちゃうと、自信をなくしちゃうと思うんだよなぁ」
( ゚ω゚)「いいから言えお」
(´・ω・`)「わかったよ、しょうがない。……いいかい、オッサン病は……」
(´・ω・`)「発症した時の年齢が若ければ若いほど、強力な身体能力と自然治癒能力が得られるんだ」
(´・ω・`)「そして僕が発症したのは一年前さ」
(;゚ω゚)「……ッ!?」
(´・ω・`)「……つまりね……」
「君じゃ、僕に勝てないってことだよ」
.
249
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:44:49 ID:rjUT5Q8.0
(;゚ω゚)「…………」
冗談じゃない。
どういう理屈かは知らないがそれが本当なら、赤しかないルーレットで、黒にしかベットできないようなものだ。
勝ち目が、ない。
(´・ω・`)「怯えてるのかい? はは、いいよそれでも。無駄に疲れなくて済む」
(´・ω・`)「終わりだ」シュン
(;゚ω゚)「ッ!!」バシッ
(´・ω・`)「無駄だって言ってるだろうぬるぽ!!!」グッ
ドスッ
(;゚ω゚)「……ガッ…………」
先程とは逆に、胸から背中へと何かが突き抜ける。
――それは、ショボンの左手だった。
250
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:45:50 ID:rjUT5Q8.0
(´・ω・`)「力の差は、歴然だろう?」
(;゚ω゚)「…………ゴフッ……」ポタポタ
声が出ない。
ショボンのあまりの強さに圧倒されているからか?
――いや、違う。
肺を潰されて、呼吸すらできないのだ。
(;゚ω゚)「……お…………」
やはり、勝てないのだ。
この圧倒的すぎる力を前にしては、勝利などを望むことすら、馬鹿らしい事だったのだ。
自分の口から零れた呻き声も、やがて自分の耳に届かなくなる。
それまではっきりとしていたはずの意識が、薄れていく。
.
251
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:46:32 ID:rjUT5Q8.0
(´・ω・`)「……このまま頭も潰せば、君でも死ねるはずだ」
息ができない。
(´・ω・`)「不老不死の薬が完成したのは、君のおかげだよ。感謝してる」
苦しい。
(´・ω・`)「じゃあね」グッ
終わる。
グシャァ
何もできずに、終わってしまった――――。
.
252
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/22(金) 03:47:35 ID:rjUT5Q8.0
第9話、以上になります。
次回、最終話です!
最後までよろしくお願いします…!
253
:
名も無きAAのようです
:2016/01/22(金) 03:55:14 ID:ZAvcUxuA0
乙
たとえシリアスに盛り上がってきても無理やりギャグをねじ込む根性が好き
254
:
名も無きAAのようです
:2016/01/22(金) 17:35:22 ID:exbKPydo0
ショボン様つっよ
乙です
255
:
名も無きAAのようです
:2016/01/22(金) 21:13:50 ID:OLNuNM360
乙
次で最終話か
どうなるかワクワクだ
256
:
名も無きAAのようです
:2016/01/22(金) 21:28:06 ID:MYfMTK/Y0
乙
ぬるぽじゃないガッ
257
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:46:39 ID:muWxWyDs0
レスありがとうございます!!
最終話、投下します!
258
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:47:21 ID:muWxWyDs0
□オッサン病
・オッサン病は、男性のみが発症する伝染病である。
・オッサン病に感染した男性を“オッサン”と呼ぶ。
オッサンは基本的に身体能力と自然治癒能力が高く、知能は低いが会話はできる程度である。
・ オッサンに食べられる(噛まれる)事で感染し、その後数分で死を迎える。
オッサン病に感染し死ぬと、死後三秒で生き返り、オッサンになる。(オッ三秒ルール)
オッサンになると同時に、食べられた肉体は回復し、身体は四十代程度まで老化する。
・オッサンは、男性を餌、女性を性処理の相手として捉える。
オッサンに犯された女性はオッサン病が発症する事なく死を迎える。
・オッサン病には、通常型に加え、α型からγ型までの特異型を含め、計四種類が存在する。
特異型の感染者は老化しないが、身体能力の向上、自然治癒能力の向上などは通常のオッサン病と変わらない。
・発症した年齢が若ければ若いほど、身体能力や自然治癒能力は高くなる。
259
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:49:23 ID:muWxWyDs0
最終話「全てが終わるその時に」
.
260
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:50:08 ID:muWxWyDs0
(´・ω・`)「あーあ、暇つぶしにもならなかったな」
ポタポタ
(´・ω・`)「服も手も汚れちゃったよ……。シャワーでも浴びようかな……」
ズリ
(´・ω・`)「ん?」
(´・ω・`)「…………」
(´・ω・`)「気のせいか……」
('A`)「気のせいじゃねぇよ」バスッ
グチャッ
(;´・ω・`)「ぐっ……ッ!! ガスガンか……!!」
(;´・ω・`)「びっくりしたよ……君って影が薄いから忘れてた」
('A`)「俺の特権だ」
(´・ω・`)「だけど、そんなもんじゃ僕には勝てないよ? ほら、もう傷も治り始めてる」グチャグチャ
261
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:50:50 ID:muWxWyDs0
(;'A`)「チッ……くそっ!!」バスッバスッ
グチャッ
(;´・ω・`)「いっ、痛いなァ……」
(´・ω・`)「あんまり僕を怒らせないでくれよ」
('A`)「うるせぇ!! もうどうだっていいんだ!!」バスッ
(´・ω・`)ヒョイッ
(´・ω・`)「避ける事くらい、簡単なんだから」
(;'A`)「ッ…………」
(´・ω・`)「じゃあそろそろ……」スッ
262
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:51:49 ID:muWxWyDs0
/フフ ム`ヽ
/ ノ) ∧∧ ) ヽ
゙/ | (´・ω・`)ノ⌒(ゝ._,ノ
/ ノ⌒7⌒ヽーく \ /
丶_ ノ 。 ノ、 。|/
`ヽ `ー-'_人`ーノ
丶  ̄ _人'彡ノ
ノ r'十ヽ/
/`ヽ _/ 十∨
「お仕置きといこうか」
263
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:52:32 ID:muWxWyDs0
(;'A`)「ヒィッ……!」
(´・ω・`)「生かしておいても面倒そうだしね」ザッザッ
(;'A`)「クソッタレ!!」バスッ
(´・ω・`)ヒョイッ
三ω・`)シュン
ドガッ
(;'A`)「ウグッ……!!」
(´・ω・`)「さよなら」
グシャァ
.
264
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:53:17 ID:muWxWyDs0
('∀`)
(´・ω・`)
(´・ω・`)「…………えっ……?」
('A`)「ケッ、ざまぁみろホモ野郎が」
(;´・ω・`)「……あ、足が……」
(;´・ω・`)「足がァァァァあああああ!!!」
(;´・ω・`)「なんでだ……なんで、なんでなんでなんでぇぇ!!!!」
「なんで“君”が生きてるんだよぉぉぉ!!!」
( ^ω^)「おっおっおっ」
.
265
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:53:59 ID:muWxWyDs0
両足の膝から下をなくしたショボンが、床に転げて叫んでいる。
傷口から溢れ出す血によって、床が真っ赤に染まっていく。
(;´・ω・`)「返せ、返せ返せ返せ!!! 僕の足を返せェェェェ!!!!」
( ^ω^)⊃ii「これかお?」
(;´・ω・`)「それだよ!!! 早く、早くしないと繋がらなく――」
( ^ω^)「おっおっおっ」
( ^ω^)⊃ミii
[ゴミ箱]
「――こんなもんポイだお」
.
266
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:54:41 ID:muWxWyDs0
(;´・ω・`)「ぶち殺すぞ!!!」
( ^ω^)⊃o カチッカチッ
[ゴミ箱]
(;´・ω・`)「お、おい何してる!!」
( ^ω^)⊃d シュボッ
[ゴミ箱]
炎
炎炎炎 ゴォォォ
[ゴミ箱]
(;´・ω・`)「う、うわァァァァァァぁぁあああ!!! 僕の足が!!!! 燃えてる!!!!」
267
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:55:57 ID:muWxWyDs0
( ^ω^)「いい気味だお」
(;´・ω・`)「くそっ、傷口も塞がってる……!! くっそぉぉぉぉぉ!!!」
( ^ω^)「じゃあ、死ねお」ドガッ
(;´・ω・`)「アガッ……!!」
( ^ω^)ドガッドガッ
(;´・ω・`)「グッ……ぶぅ…………」
( ^ω^)ググッ
(;´・ω・`)「や……やめ……ッ」
グシャァ
ポタポタ
(´,ω.;,
( ^ω^)「…………」
握りつぶした頭部。
もはや元がどんな形だったのかもわからないほど、変形してしまっている。
自分は頭を潰されても死ななかったが、ショボンがモララーと同じなら、これで死んだだろう。
268
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:56:40 ID:muWxWyDs0
('A`)「……ブーン……」
( ^ω^)「おっおっ」
シュイーン
( ^ω^)「おっ?」
(;'A`)「お、おい、背中がなんか光ってるぞ」
ザッザッ
「……やはりかのぉ……」
/ ,' 3「……まだ、オッサン病には謎が多いというわけか……」
(;'A`)「じ、ジジィ!!」
( ^ω^)「……どういう事だお」
/ ,' 3「ほっほっほ。今の光は、ショボンを殺した事によって得られたものじゃ」
('A`)「……ショボンを……?」
269
:
◆3hXbKaGZvg
:2016/01/29(金) 03:57:32 ID:muWxWyDs0
/ ,' 3「儂以外はどうも気づいていないようじゃったが、モララーを殺した時にも光っておったんじゃよ」
( ^ω^)「…………」
/ ,' 3「……恐らく、α型とβ型の力を吸収したんじゃろう」
( ^ω^)「……おっ……?」
('A`)「待てよ、それじゃあブーンが死ななかったのって……」
/ ,' 3「ほっほっ、以前より死ににくくなっておったと言う訳じゃろうな」
('A`)「じゃあまさか……今のブーンは……」
('A`)「不老不死ってことか……?」
/ ,' 3「……恐らくはのぉ」
( ^ω^)「まじかお……」
/ ,' 3「というわけでラスボス戦開始するか?」
(*^ω^)「おっおっ」
(#゚ω゚)「あんたのせいで……!! カーチャンもツンもクーもヒッキーさんも……!!! 許さないお!!!!」
('A`)「切り替え早いな、可変抵抗器くらいの緩やかさをもとうよ」
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