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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです
603
:
名も無きAAのようです
:2016/05/03(火) 03:31:41 ID:9b72WF0Y0
乙乙、2かな
604
:
名も無きAAのようです
:2016/05/03(火) 08:09:50 ID:eE3YcIO60
戦闘中律儀に「フェイクアンドバニシングエクスカイザー!」って叫ぶギコさんまじ男前
605
:
名も無きAAのようです
:2016/05/03(火) 08:09:54 ID:909n3kaw0
なんか殺すとやばい気がするから2で
606
:
名も無きAAのようです
:2016/05/03(火) 08:10:45 ID:eE3YcIO60
あ、1で
607
:
名も無きAAのようです
:2016/05/03(火) 14:14:01 ID:qngmzIfwC
2
608
:
名も無きAAのようです
:2016/05/03(火) 15:09:58 ID:Ue9HmX9U0
おつおtwo
609
:
名も無きAAのようです
:2016/05/03(火) 15:24:56 ID:mip8GLCk0
1
奥の手を見られたからには殺すしかない
慈悲はない
610
:
名も無きAAのようです
:2016/05/03(火) 17:14:56 ID:0lRG6B7I0
2
611
:
名も無きAAのようです
:2016/05/03(火) 17:29:19 ID:8VfBm5e60
ブーンを強化したいから2
612
:
名も無きAAのようです
:2016/05/03(火) 18:44:56 ID:LR/eCig60
イオンなら全力出せるってふざけてるようでマジだった
選択は1で
613
:
名も無きAAのようです
:2016/05/04(水) 02:56:06 ID:RGfgeSQs0
2
614
:
名も無きAAのようです
:2016/05/04(水) 08:00:57 ID:UfMmZzgw0
悪ふざけしててもカッコいいところはちゃんとカッコいいなあ
615
:
◆fBYzPFPBqs
:2016/05/04(水) 12:23:49 ID:DOK9cWPI0
(^ω^)締め切り!('A`)
(^ω^)2で書いてきますNE!('A`)
616
:
名も無きAAのようです
:2016/05/04(水) 12:48:51 ID:fnFeqV3Q0
おっ生きた
617
:
名も無きAAのようです
:2016/05/04(水) 13:30:35 ID:YibG5OGk0
やったぜ
618
:
◆fBYzPFPBqs
:2016/06/21(火) 04:25:58 ID:gdPE2cPQ0
(^ω^)今夜投下('A`)
ξ゚⊿゚)ξ
619
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 04:49:28 ID:1/ZiYArc0
おっおっ
620
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 10:02:59 ID:p7RD9Hdk0
キタコレェ
621
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 10:28:52 ID:OQav4f/g0
ktkr
622
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:11:02 ID:gdPE2cPQ0
【interlude:6】
ξ゚⊿゚)ξ「……ま、こいつの処遇は他の人に任せましょ」
(::::::::⊿)「……」
私は、ギコを生かしておく事にした。
ゼノグラシアは何か言いたげだったが、わざわざ言われなくともこれが危険な判断なのは分かっている。
ギコは確固たる殺意をもって私の前に現れた。いま目を覚ませば、きっとまた殺し合いになる。
だけど、それでもと思ってしまったのだ。
この感情が慈悲か同情か定かではないが、とにかく私は今、なんというか……。
ξ゚⊿゚)ξ「……こいつ、思ってたより人間らしかった。
勇者軍ってもっとキチガイまみれだと思ってたから、なんか……」
(::::::::⊿)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……なんか、私は、そこまでやる気にはなれない」
(::::::::⊿)「……さっさと結界を出よう。他の連中が心配している筈だ」
ξ゚⊿゚)ξ「……それもそうね」
ξ-⊿-)ξ「さっさと帰って寝よっと……」
戦い、勝ちはしたが、どこか腑に落ちない。
敵が敵らしくないという事に、私は思いのほか動揺してしまっていた――
.
623
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:13:01 ID:gdPE2cPQ0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第一戦 王座の九人・ギコ
VS 【欺帝審判】
勝利!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
624
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:15:19 ID:gdPE2cPQ0
――カクン、と力が抜けた。
ξ゚⊿゚)ξ
その感覚は右足から左足にも続き、私は抗う間もなく膝から崩れ落ちていた。
私は咄嗟に眼下を一瞥する。
視線の先に見えたのは、血飛沫にまみれたコ/ン/ク/リ/ー/トだった。
.
625
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:17:41 ID:gdPE2cPQ0
ξ;゚⊿゚)ξ「……これは……」
私の膝をなにかが貫いた。
激痛は、それを自覚した直後にやってきた。
ξ; ⊿<)ξ「――い゙ッ!!」
すっかり気が抜けていた、甘かった。
本気で私を仕留めるつもりなら、敵が一人で来る訳がないのに――
ξ; ⊿゚)ξ(……完全に油断した……ッ!)
626
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:20:12 ID:gdPE2cPQ0
ξ; ⊿゚)ξ「――ゼノグラシアッ!!」
(メ._⊿)「……大丈夫か?」
咄嗟にゼノグラシア・ウサたんモードを召喚し、私はぺたんと座り込んで体勢を維持した。
もはや傷を見返す必要もない。私は三月兎の背後に隠れ、彼に命令を下した。
ξ;゚⊿゚)ξ「相手の武器は銃よ! この立体駐車場を狙える位置に敵が居る!」
瞬間、三月兎の片手が空中を払った。
それと同時に “チュイッ” という回転音が三月兎の手中で高鳴る。
(メ._⊿)「……的中だな……」
三月兎の手から魔力を帯びた弾丸が二つ、転がり落ちた。
この一瞬、どの判断が遅れても私は確実に命を落としていた。
最悪の敵――そうだ、これが敵だ。
これに比べればギコとの戦いはまさに王道だった。
ξ;゚⊿゚)ξ(……いや、そんな奴だから囮にされたのか……)
.
627
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:20:55 ID:gdPE2cPQ0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(´<_` )「……ふむ、これはもう無理だな」
流石弟者はスコープ越しに魔王城ツンを見つめたまま、しかし呆気なく狙撃を諦めた。
彼は耳元に装着した通信機を点け、淡白に呟く。
(´<_` )「仕留めよう」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
628
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:24:30 ID:gdPE2cPQ0
三月兎にお姫様だっこで運ばせ、私は支柱の陰に身を隠した。
ξ;-⊿-)ξ「……ありがと」
(メ._⊿)「造作も無い。だが、問題は次だ……」
これで敵の狙撃は防げるが、さて、次だ。
カッツーン、カッツーンと厭味ったらしく一歩一歩靴底を鳴らしながら近付いてくる次の敵を、さてどうしたものか……。
ξ;-⊿-)ξ(……ゲシュタルトモード、こんなに早く攻略されるか……)
あれは 『発動した時点での私』 が 『無限の可能性』 となって相手をゴリ押し圧倒する能力。
よって両膝を破壊された今の状態で発動しても、あの能力は大して意味をなさないのだ。
ゲシュタルトモードがタイマン最強なのは過言ではない事実だが、種が知れれば攻略は呆気ない。
ξ;-⊿-)ξ(……フィールドをここにした私のミスだ。
敵に覗き見られ、情報を与えた……)
さて、さて、さて……反省してれば現実逃避していられるが、そうもいかない。
これでもかというほどハッキリ打ち鳴らされていた足音は、いつしか鳴り止んでいた。
.
629
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:27:59 ID:gdPE2cPQ0
ξ;゚⊿゚)ξ
( ´_ゝ`)「――ギコみたいに名乗っておこうか」
そう言って現れた男は海パン&アロハシャツの変態だった。
私は一瞬 「いやいやなんでやねーんw」 と気前よくツッコミしたくなったが、膝の痛みがそれを打ち消す。
( ´_ゝ`)「王座の九人。流石兄弟の兄、流石兄者」
( ´_ゝ`)「強さは上から五番目だ。よろしくな」
.
630
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:29:35 ID:gdPE2cPQ0
ξ;゚⊿゚)ξ
(メ._⊿)「……ツン、指示を」
私の心境を察しているであろうに、三月兎はあえて私に指示を仰いだ。
敵は王座の九人で五番目に強い男。それをこの状態で倒すのは――思考は、ここで打ち切った。
ξ;-⊿-)ξ「…………」
ξ;゚⊿゚)ξ「…………」
ξ;゚⊿゚)ξ「……足掻きましょう、最後まで」
(メ._⊿)「……倒さないのか? 別に、倒してしまっても構わんのだが」
ξ;゚ー゚)ξ「……あなた、冗談言えたのね」
こんな時でも笑みが溢れる。
だが、おかげで開き直れた。
ξ#゚⊿゚)ξ「……行くわよ、ゼノグラシア」
(メ._⊿)「……心得た」
【interlude:out】
631
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:30:22 ID:gdPE2cPQ0
.
632
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:31:27 ID:gdPE2cPQ0
ブーンは学校を飛び出し、街中を駆けずり回ってツンを探していた。
学校中も、通学路も、途中のゲーセンも、駅の近くも、ツンの家もすべて隈なく探し尽くした。
もちろんドクオに頼んで魔力を辿ってもらう事もした。
だが、それでもツンの気配は一切感じ取れなかったのだ。
最初こそヘラヘラ呑気にしていたブーンも、次第に顔色を変えて必死さを露わにしていく。
ドクオ、ミセリ、貞子……頼れる相手には全員声をかけた。
時刻はとうに午後十時を過ぎている。
ツンはまだ、見つからなかった。
(; ゚ω゚)「ツーーーーーーーーン!!」
(; ゚ω゚)「どこだおーーーーーーッッッ!!」
ブーンは近所迷惑も考えず、ひとけの収まった住宅街をひたすら走り回っていた。
当然のように成果はゼロ。それでも、ブーンは徒労を続けるしかなかった。
『――内藤君、駅前に来て』
ふとブーンの脳内に声が響く。ミセリの声だった。
(; ^ω^)「見つかったのかお!?」
『手掛かりだけ。とにかく来て』
(; ^ω^)「分かったお!!」 ダッ
彼女の冷ややかな声色に気付かないまま、ブーンは駅に向かって走り出した。
.
633
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:32:19 ID:gdPE2cPQ0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
駅から程近い路地裏。飲み屋が多いせいもあって、この時間でも人通りは多い。
そんな中、ミセリ達は壁際で一人の少女を介抱していた。
从 ー 从 「……」
渡辺は、何らかの魔術を受けて意識を失っていた。
貞子いわく、彼女にかけられた魔術は心身操作。
膨大な魔力によって施されたせいで強制力は絶大なものの、術式自体はとてもシンプルな作りだった。
除去も容易らしく、その作業は一分と掛からず完了していた――――
.
634
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:34:06 ID:gdPE2cPQ0
ミセ*゚ー゚)リ「……この子、術者には何を命令されてたの?」
川д川 「細かい所は分からない。ただ、術式の中にはお嬢様の魔力痕があった。
だから多分、命令は単純に “魔王城ツンを殺せ” だと思う」
ミセ*゚ー゚)リ「この子、確かお嬢様の友達よ。
お嬢様の事だから、気付かずにやられてても不思議じゃない」
川д川 「……いや、術式起動の痕跡はなかった。この子は何もしてないよ。
彼女は別の理由で気絶した。それはともかく、今はお嬢様の追跡が先決だ」
ミセ*゚ー゚)リ「その行き先は?」
貞子はしばし沈黙し、その後、大きな溜め息を漏らした。
川д川 「……魔力を追うまでもない。
お嬢様の魔力痕は、敵の本拠地に向かって続いている」
(;'A`)「そんな……!」
ミセ;*´ー`)リ「……問題は山積みね……」
(; ^ω^)「――遅れたおッ!!」
暗く沈みかけた雰囲気に割り込むように、ブーンが路地裏に勢いよく駆け込んできた。
足を止めたブーンは激しい呼吸を繰り返しながら、ミセリ達を見回して息を呑む。
.
635
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:35:47 ID:gdPE2cPQ0
(; ^ω^)「……ツ、ツンは……?」
(;'A`)「……」
(; ^ω^)「……」
川д川 「……生死は分からないけど、敵に連れ去られたのは間違いない」
わずらわしい沈黙を払うように貞子が言い切る。
それに続いてミセリがブーンの目前に立ち塞がると、彼女はブーンを見下ろして言った。
ブーンよりも背が高いミセリ!? 薄い本を予感するには十分すぎるワンシーンだった。
ミセ*゚ー゚)リ 「言っておくけど、必要以上に責任を感じる必要はないからね」
ミセ*゚ー゚)リ 「ドクオと内藤君はお嬢様の護衛役みたいなものだったけど、
正直、お嬢様が負ける相手なら居ても居なくても同じだったから」
語気は優しいが、ミセリの言葉は的確に事実を突いていた。
アホ丸出しでも魔王の娘。単純な戦闘力において、ツンは二人を大きく引き離しているのだ。
.
636
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:38:41 ID:gdPE2cPQ0
(; ^ω^)「……追いかけるなら僕も行きますお!!」
ミセ*゚ー゚)リ 「……追跡、どうする?」
ミセリは貞子に問いかけた。
川д川 「……お嬢様が負けたなら、敵はかなり強いよ」
川д川 「それに、敵の行き先は彼らの本拠地だ。
もしも敵が私達を察知すれば、当然その本拠地から応援が出てくる」
川д川 「応援が来るまでに追いつけなかった場合、追い詰められるのは私達だ」
(; ^ω^)「――それじゃあ、引き下がるって言うんですかお!?」
ミセ*゚ー゚)リ「……悔しいけど、お嬢様を取られた時点でチェックメイトなのよね。
もう四の五の言ってる場合じゃない。魔王様が戻ったらすぐに打って出るしかない」
川д川 「内藤君、ここは引き下がるのが最善だ。
私達の主力はあくまで魔王様。主力を欠いたまま動いても、全滅する」
(; ^ω^)
(; ^ω^)「……ロマネスクのおじさんも、お爺ちゃんも、どこ行ってるんだお……」
(; ^ω^)「こんな時に、よりによって、こんな……」
(; ^ω^)「……いちばん頼りたい時に限って……」
明らかな責任転嫁と、なんの足しにもならない弱音。
しかしそれを口に出さないというだけで、この場の全員、まったく同じ事を思っていた。
.
637
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:40:05 ID:gdPE2cPQ0
( )「――君達、すこしいいかな」
誰もが言葉を失っていたその時、聞こえてきたのはやたら渋いオッサンの声。
足元に差し込んだ謎の人影に、ブーンは咄嗟に振り返った。
(; ^ω^)「だッ! 誰だお!!」
ミセ*゚ー゚)リ「……待って内藤君。私が話す」
ブーンを制止し、ミセリが前に出て話し始める。
ミセ*゚ー゚)リ「……その男、貴方が倒したのかしら」
(;,,-Д-)
男に背負われている人物は王座の九人・ギコであった。
( )「いや、何者かが気を失った彼ともう一人を連れ去ろうとしていた。
私はそれを追いかけたのだが、一人しか取り返せなかった」
ミセ*゚ー゚)リ「……もう一人というのは、金髪の女の子だったりしないかしら」
( )「ああ、その通りだ。そして少女は赤いマフラーを巻いていた。
君達は少女と同じ気配がするのだが、君達は少女の友達で間違いないな?」
ミセ*゚ー゚)リ「……まぁ、そんな所ね」
.
638
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:41:35 ID:gdPE2cPQ0
男はギコを壁際に座らせ、ミセリ達に背を向けてから言った。
( )「彼を頼む。私はもう一度、あの少女を追いかけてくる」
(; ^ω^)ノシ 「あっ! なら僕も! 僕も行くお!」
(;'A`)「おい、さっき言われただろ! 頭を冷やせ!」
(; ^ω^)「うるせーお! 僕だって死ぬ気でやれば王座の九人くらい倒せるお!」
ミセ*゚ー゚)リ「……一応味方として数えるから、貴方の名前を聞かせてちょうだい」
( )「……ふ、名乗るほどの者ではない」
男はキザに微笑んで答え、腰の変身ベルトに専用のカセットを叩き込んだ。
変身……変身!? 誰もがその唐突さに目を丸くした。なんたる急展開か!
.
639
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:43:51 ID:gdPE2cPQ0
\ギュイイーン!!/ \ライドイン!!/ \サブレ!!/
ニチアサめいた何かを彷彿とさせる音声!
男は胸のところで腕を交差させ、叫んだ!
( )「変身ッ!」
男の姿が旋風に包まれる!
(;つA`)「こいつ、まさかッ!!」
( )「……あえてその質問に答えるならば……」
旋風が徐々に集束していく!
やがて旋風の中から現れた男は、いつの間にかその姿を変えていた!
,、,,..._
ノ ・ ヽ 「――通りすがりの、仮面サブレーだ!」
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
( ^ω^)!?
('A`)!?
果たしてサブレは正義か悪か!!
仮面のサブレの真意やいかに!!!!!
つづく!!!!!!!!!!!!!!!!!!
.
640
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:47:04 ID:5yhoYNPQ0
鳩サブレ!?
死んだはずじゃ!?
641
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:47:27 ID:gdPE2cPQ0
【interlude:7】
つづいた。
ここは勇者軍本拠地、アサピーのラボ。
ギコの言いつけどおり手術の準備も完了しており、あとは魔王城ツンの登場を待つだけの状態。
流石兄弟からの連絡を受けて三十分。ようやく、ラボに待ち人がやってきた。
(´<_` )「すまない、遅くなった」
( ´_ゝ`)「追手が強くてな」
(-@∀@)「構わねえよ。それより」
ξ:::⊿:::)ξ
(-@∀@)「さっさとカプセルに突っ込んでくれ。血生臭くてかなわねえ」
( ´_ゝ`)「ういよ」
ツンを抱えた流石兄者がラボの奥に消えていく。
その背中を見送りながら、アサピーはツンの様子を見て不安を覚えた。
(-@∀@)「……あれ生きてんだろうな」
(´<_` )「……あと一時間くらいは」
.
642
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:48:38 ID:wjXBglAs0
ブーンくん死ぬ気でやるとマジで死ぬんだからやめなさい
643
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:48:52 ID:gdPE2cPQ0
(-@∀@)「……ギコはどうした。一応あいつの手柄だろ」
(´<_` )「いや、あいつは魔王城ツンに敗北した。
ギコが居なければ俺達も負けていたと思う」
(-@∀@)
(-@∀@)「……ハイエナめ。捨ててきやがったな」
(´<_` )「どうした今更。マッドサイエンティストが常識を語るのか?」
(-@∀@)「……まあいい。ともあれ計画は前進した!」 バサァ!
アサピーはくたびれた白衣を翻し、弟者を放って奥の空間に歩いて行った。
細長い通路の先にはドーム状の大きな実験空間。
人造勇者計画の根幹を成す設備の大半はここに揃っている。
とにかく薄暗く、謎の液体が満ちた円柱型カプセルがたくさんある感じの、よくある感じがする空間だった。
足元にもよく分からない太いコードが伸びていたりする。そういう感じの空間だった。
( ´_ゝ`)「ん〜〜」カチャカチャ
少し進むと兄者の姿が見えてきた。
彼はやたら大きいモニターとパネルを見比べつつ、よく分からない操作をしていた。
644
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:50:22 ID:gdPE2cPQ0
(; ´_ゝ`)「……えーと、これか?」
(-@∀@)「待て。それは自爆スイッチだ」
( ´_ゝ`)「あ、じゃあこっちか」
(-@∀@)「どうやったら自爆との二択にできたんだよ」
( ´_ゝ`)「よし。これでオッケーだ」 カチャッ ターン!
兄者が景気よく意味不明なキーを叩く。
その後、彼らの背後にあるやたら大きなカプセルによく分からない液体が注がれ始めた。
当然、カプセルの中には深い眠りについた魔王城ツン(全裸)が入っている。
アサピーと兄者は、一列に並んだ 『三つ』 のカプセルを見渡した。
( ´_ゝ`)「例のヤツ、どれぐらいで完成する?」
(-@∀@)「先代勇者と魔王城ツン。そして我らが王座の九人、最後の一人。
これで必要な素体は揃った。九人分の完成だけなら今晩中に可能だ」
( ´_ゝ`)「……そか」
兄者は腰に手をあて、安堵の溜め息をついた。
( ´_ゝ`)「これでようやく、老害どもの勇者信仰を潰せる訳だ」
(-@∀@)「フヒッ! 勇者の復活なんざ、王座の九人は誰も望んじゃいねえっての……!」
ゴウン・・・ゴウン・・・
よく分からないそれっぽい音が、深く静かに鳴り響いていた。
.
645
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:51:54 ID:gdPE2cPQ0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(^ω^) 一方その頃、ゆるふわ魔界ワールドでは・・・? (^ω^)
https://www.youtube.com/watch?v=PCfiqY05BpA
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
646
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:53:45 ID:gdPE2cPQ0
从 ゚∀从「――ああ、俺の言ってきた事は全部本当だ」
ロマネスクとハインリッヒ高岡は魔界に来ていた。
ハインは魔王軍への協力の条件として、彼らに奪取された武器の返還を要求していた。
現在ハイン達が魔界に居るのはその為で、それは、何事もなく終わる軽い用事のはずだった。
从 ゚∀从「もちろんブーンの親父さんには恩がある。
助けてやりてぇし、ツンちゃん達にも思い入れがある」
魔界の空は一面が紫がかっていた。
雲も太陽もない空には、魔力の象徴である満月と無数の星々が浮かび上がっている。
そんな魔界の荒野。
魔王城から遠く離れたその場所で、悪意は、人知れず動き始めていた。
从 ゚∀从「改めて言うけどよ、全部本当なんだ」
从 ゚∀从「魔界に来るまで、俺は本当にお前達の力になるつもりだったんだぜ」
从 -∀从「……積み上げてきたなあ……」
从 -∀从「……だからこそ、今は本当に、言葉に詰まる……」
.
647
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:54:54 ID:gdPE2cPQ0
妖刀・首断ち。
その刀は、戦時中にハインリッヒ高岡が魔王軍の中ボスくらいの奴を殺して奪った刀。
刀身の切れ味もさることながら、目を見張る能力は毒性付与・呪術展開・精神操作の三つ。
もともと悪の側で製作された一振りであるため、刀は十全なる悪意に満ちていた。
……であれば、もしも当時の戦闘で、ハインが一太刀でも食らっていたなら。
そこから入り込んだ毒性は、今この瞬間までの幾年月で、どれだけ彼を蝕んでいたのか……。
ゆっくりと、それこそ細胞のひとつひとつを丁寧に入れ替えていくような些細な変化の積み重ね。
それはいつしか、ハインリッヒ高岡の中に小さな 『好奇心』 を生み出していた。
これだけ積み上げてきた正しさを、なんの躊躇いもなく捨てたらどうなるか。
全てが真実。全てが正義。
仲間を信じ、世のため人のためと心から願い、戦い続けてきた男。
普通ならそれを台無しにしようとは誰も思わない。
しかし好奇心に根付いた悪意というものは、どんな人間の心からも消し去る事はできない……。
.
648
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:56:00 ID:gdPE2cPQ0
从 ゚∀从 「……参ったな。年甲斐もなく、血が騒いできた……」
(; ωФ)「……ハイン、リッヒ……」
恍惚の笑みを浮かべるハインを、ロマネスクは地に伏したまま見上げていた。
心臓を背後から一刺し。いかに魔王といえど、それは十分絶命に値する一撃であった。
(; ω )「……あぁ、あ……」
ロマネスクは自責する――確かにハインリッヒは妖刀を悪用してはいなかった。
それは事実で間違いない。だから、そこで思考が止まってしまった。
ハイン自身が毒に侵されているとまで、考えが及ばなかったのだ。
从 ゚∀从 「……勇者軍を抜けた時とは比べ物にならねえな……」
ハインリッヒ高岡――齢六十を越えて味わう、背信の快感。
自分自身の半生を否定するような無思慮の裏切りは、しかし、彼に人生最大の背徳を堪能させていた。
【interlude:out】
.
649
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:57:59 ID:gdPE2cPQ0
〜〜〜〜
('(゚∀゚∩「解説のなおるよ! 今回はゲーム説明みたいな事をするよ!」
('(゚∀゚∩「とんでもない事になったね!」
('(゚∀゚∩「まずはツンちゃん! 今回、ツンちゃんは負けて実験材料になっちゃったよ!
これはギコ戦の分岐によるものだね! ギコを生かしたがゆえに!」
('(゚∀゚∩「ただしギコを殺す1の場合でも、
ツンちゃんは暗示を受けていた渡辺さんに後ろからド突かれて電車に轢かれてたよ!」
('(゚∀゚∩「つまりギコを生かすこと自体は正規ルートという事だね! わあい!
三周目以降もギコは積極的に生かしていこうNE!」
('(゚∀゚∩「でも今回のツンちゃんはステータス不足で流石兄弟には負けてしまったよ。
こればっかりはどうしようもない! 三周目では頑張ろう!」
.
650
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:59:05 ID:gdPE2cPQ0
('(゚∀゚∩「もう一つ! ロマネスクが呆気なく死んだ事について!」
('(゚∀゚∩「こっちも実はツンちゃん達のステータス不足が原因なんだよ!」
('(゚∀゚∩「ツンちゃん達が頼りないから、ロマネスクは万全を期す為にハインに頼った!
その結果がこれなんだよ! とてもかなしいNE!」
('(゚∀゚∩「各キャラのステータスが十分育っていた場合、
>>533
で分岐が発生していたよ!」
('(゚∀゚∩「その分岐でハインを頼らない選択をしていれば、ロマネスクは死ななかった!
今回の呆気なさすぎる死に方は、ロマネスク個人のバッドエンドなんだね!」
('(゚∀゚∩「ステータス不足が原因で、本来ある筈の分岐が消えている!
今回はまさにそれで、今後もこういう事は起こるよ!」
('(゚∀゚∩「つまり、正規ルートでもステータス次第で大変なことになる!
これはもう周回して強くなるしかない! いったい何度完結すればいいんだろうNE!」
('(゚∀゚∩「そんな感じ! 適当! まだ出てない仕様についてはまた今度!」
('(゚∀゚∩「本編はもう少し続くよ!」
〜〜〜〜
.
651
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 22:59:45 ID:gdPE2cPQ0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ^ω^)「……行ってくるお」
翌早朝、ブーンは靴紐を固く結び、家を出た。
ブーンは、ミセリと貞子の制止を無視することにしたのだ。
彼女達は魔界との連絡がついたらすぐ行動に出るとは言っていたが、一晩経ってもそれは叶わなかったらしい。
待っていられる時間は使い果たした。ブーンの決断に、迷いはなかった。
.
652
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 23:01:30 ID:gdPE2cPQ0
('A`)ノ 「……よっ」
玄関を開けると、暗い顔をしたドクオがせめてもの苦笑いを浮かべて待っていた。
( ^ω^)「……」
('A`)「……お前を止めろってさ、ミセリさんに言われてんだ」
('A`)
('∀`)「やめた。一緒に行くわ」
(; ^ω^)「……いいのかお?」
('A`)「勇者軍のアジト、場所分かってんのか?
フツーに歩いてったら昼過ぎちまうぜ」
(; ^ω^)「……頑張るお!」
(;'A`)「いやいや、乗せてってやるから。ちょっと待ってろ」
ドクオは庭先に行き、服を脱ぎ始めた。
( ^ω^)
(; ^ω^)「うわっ、ウワーーーーー!!」
(;'A`)「叫ぶな! 邪龍化したら裂けちまうんだから脱がせろ!」
ブーンはすっかり忘れていたが、魔族であるドクオはドラゴンに変身できるのだ。
とても凄いと思った。
.
653
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 23:02:59 ID:gdPE2cPQ0
(;'A`)「……久し振りだけど出来っかな……」
――ドクオの周囲に金色の魔力が流動する。
その流れは彼を中心にして天に登り、わずかな風を巻き起こしていた。
しかしどれだけカッコイイ感じにしてもドクオは全裸。手の施しようがなかった。
( ^ω^)「ドクオ凄いお! やれば出来る子だとは思わなかったお!」
(; A )「褒めたいなら素直に喜べる褒め方をしてくれ……!」
ドクオの全身を埋め尽くすように邪龍の黒鱗が広がり始める。
血肉の性質も変質していき、邪龍の肉体は少しずつ重みとその大きさを増していく。
ドクオが地面に手足をつけると、金色の魔力が更に輝きを増してドクオを包み込んだ。
それが収まるとドクオは邪龍化していて、ブーンは凄いなあと思った。
『――乗れ』
( ^ω^)(こいつ脳内に直接……)
.
654
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 23:03:55 ID:gdPE2cPQ0
黒の両翼に大木のような尻尾。屋敷の屋根をも超える巨大な体躯。
低く喉を鳴らし、邪龍はブーンに顔を寄せる。
ブーンは(これドクオなんだよな……)と一瞬躊躇ったが、間を置いてから、邪龍の鼻先を撫でて言った。
( ^ω^)「よろしく頼むお」
ブーンは、邪龍の背中によじ登った。
(; ´ω`)「……手が滑って乗りにくいお」 ツルツル
『――頑張れ』
ブーンは頑張ろうと思った。つづく!
655
:
◆gFPbblEHlQ
:2016/06/21(火) 23:10:04 ID:gdPE2cPQ0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
ト、 ト、
_,.-L:l-l::l
/: : :ヽl::l ヽト、
./: : : ,.-‐ヘ:l。lト、ヽ と思う鳩サブレであった
{: : :/ ハl0l ',
l: : { lnl } 前回の酉は #1datokanasiiNE であった
', ヘ lul j
V、ヽ l゚j / また次回 今月中にもう一話分投下したいのであった
_ト、ミニト、/_/_,.ィ゙
/`ヽ、\\/∨/
,. -‐'"ニ=、`¨`ー-イ7l>、__
_,.-‐'"⌒ヾヽ、_/\__>=ミY´ノノヾ∧:.`ヽ
: : : : :/ ̄ヾ: :l´ \ ヽ lィ゙ lLヽ=ヽ、
ニニ<<__||: :\ヽ// i } } `ヾL__イll
 ̄¨ヽ___ヽ: :`1 ̄ l } }___ト-イ
656
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 23:19:44 ID:8E2tYox.0
乙サブレ
ワクワクしてきたぞ
657
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 23:28:25 ID:orvSa36s0
復活の鳩サブレ乙
一瞬選択肢ミスったかと思ったけどマシな方だったんだな...
658
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 23:29:09 ID:wjXBglAs0
乙
全裸のドクオくんチョーかっこいい
659
:
名も無きAAのようです
:2016/06/22(水) 00:00:25 ID:gkmBJqUI0
サブレ生きとったんかワレ!!!!
660
:
名も無きAAのようです
:2016/06/22(水) 12:42:13 ID:.YaSugdM0
これも全部乾巧って奴の仕業なんだ
661
:
名も無きAAのようです
:2016/06/23(木) 20:14:14 ID:DzwCg6kc0
乙乙!!! 続き楽しみだし3巡目も楽しみ
662
:
名も無きAAのようです
:2016/06/30(木) 16:40:17 ID:lfhJ.FMM0
http://imepic.jp/20160630/597320
ツンちゃんのつもり
次回も楽しみに待ってます!
663
:
名も無きAAのようです
:2016/06/30(木) 17:08:09 ID:9RvDzMi20
クソうめぇえええええええええ
664
:
名も無きAAのようです
:2016/06/30(木) 18:58:55 ID:sgHUlQUg0
かっこかわいい
665
:
名も無きAAのようです
:2016/07/01(金) 00:28:24 ID:gOPewXyM0
かわいくてかしこそう
666
:
名も無きAAのようです
:2016/07/01(金) 01:38:20 ID:QBqLrzPIO
普通に商業作品にいそうな巧さじゃないか
667
:
名も無きAAのようです
:2016/07/01(金) 12:14:25 ID:A55CSaAo0
鳩サブレの薄い本が出るのか!
668
:
名も無きAAのようです
:2016/07/01(金) 17:40:54 ID:6DmIdqWI0
タイトルロゴの左上にいる鳩サブレいいよね…
669
:
◆gFPbblEHlQ
:2016/07/09(土) 21:15:20 ID:xJn5HPPo0
【epilogue:無力】
日本列島から遠く離れた名も無き孤島。
そこが勇者軍の本拠地。軍の要となる物資・人材・研究設備は全てここに揃っている。
この島を守るのは激化によって感知能力を得た数十名の他、長距離攻撃が可能な激化能力を持った一個中隊。
感知範囲は島を中心にして半径30km。
複数人で互いの死角を補いながら、彼らはほぼ完璧にその範囲を監視し続けていた。
『――敵の射程に入るぞ!』
(# ^ω^)「最速で突っ込むお! 敵の攻撃は僕が相手するお!」 ガリッ!
ケースから直接クスリを口に放り込み、奥歯で噛み潰す。
ブーンの激化能力・復元が、邪龍の周囲に百本近い剣を展開した。
『振り落とされるなよッ!』
途端、邪龍は大きく羽ばたいて雲の上まで急上昇。ひるがえり、翼で風を受けてスピードを落とす。
一瞬の浮遊感の直後、邪龍は翼をたたんで体を細め、全体重を乗せて急速落下し始めた。
そして、それと同刻午前七時。
「アサピー様! 準備整いました!」
(-@∀@)「よし、発射しろ」
二人の奇襲を出迎えるかのように、孤島から三発のミサイルが打ち上げられていた。
.
670
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:16:30 ID:iKqdMG4I0
唐突に来たな逃がさんぞ
671
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:17:25 ID:xJn5HPPo0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第二戦 王座の九人・アサピー
VS 【1st ウェポンズ・ジャケット】
【2nd リバイバル・アーマー】
【3rd リーサル・ウォーリアーズ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
672
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:18:15 ID:xJn5HPPo0
目標めがけて空をゆくミサイル。
それは完璧な演算に基づいた弾道を描き、雲を突き破ってブーン達に迫ってきていた。
『ミサイルが来やがった! 三発だ!』
(# ^ω^)「朝飯前だおッ!」 バッ!
邪龍の背にしがみつく手を片方離し、ブーンは空中に展開した剣を自身の思考に結合した。
思いのままとはいかずとも、これで復元した武器はある程度ブーンの言う事を聞いてくれる。
ブーンは剣の切先を前方に向け、邪龍の背中を叩いた。
(# ^ω^)「でもどの辺狙えばいいお!?」 バンバン!!
『――あの辺だ!』
(# ^ω^)「分かったお!」
脳に言葉を送るのと同じ要領で、ブーンにミサイルの位置を伝達する。
ドクオから伝わってきたそれを直感のように受け取ったブーンは、すぐさま百の剣を三つの束に分けて発射した。
剣はルインズスターのような軌道で雲間の向こうに消えていく。
ミサイル・・・爆発! 撃墜! 凄い爆発が起こり、雲を吹き飛ばす!
爆風がブーンの贅肉を波立たせる! 迫力!
( ^ω^)ノシ「やったお!」バンバン!!
ブーンは喜びのあまり邪龍の背中を叩いた。ドクオに悲しみの3ダメージ……
.
673
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:20:39 ID:t9c/DOxI0
うほっ
674
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:21:18 ID:xJn5HPPo0
「――ミサイルは全弾撃墜! 目標は健在、次の用意だ!」
押し黙り、ミサイルの着弾を見守っていた指令室に怒号が弾ける。
発射から僅かに数分。指揮官は、即座に次の攻撃にとりかかった。
( ・∀・)「こちらの長距離砲台はどうした」
めまぐるしく動き始めた指揮官の隣に、王座の九人・モララーが現れた。
モララーは指揮官と足並みを揃えて歩き、最低限の言葉で彼に問いかけた。
「さきほどの襲撃で陸地の守りが手薄になりました。
長距離攻撃が出来る者は大半がそちらの増援に。私は反対したのですが……」
( ・∀・)「例の仮面のライダーか。それの始末は私に任せろ」
「分かりました。そこのお前! モララー様を前線にお送りしろ!」
指揮官に呼ばれた男が駆け足でモララーの前にやってくる。
彼は素早く敬礼を済ませ、「こちらです」と言ってモララーを先導していった。
.
675
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:22:03 ID:xJn5HPPo0
(-@∀@)「モララー! こっちは俺が出る!」
指令室の二階から身を乗り出し、アサピーが手を振ってモララーを呼び止める。
モララーは一瞥でそれに答え、足早に指令室を去っていった。
(-@∀@)「指揮官、今の聞こえたか!」
「聞こえました! 通常兵器での攻撃はどうしますか!」
慌ただしい指令室の中、二人は一階と二階で大声を飛ばし合う。
(-@∀@)「俺が戦闘を開始するまで続けろ! 足止めできれば上等と思え!」
「分かりました! 追って空挺小隊を出撃させます!」
(-@∀@)「一人で十分だ! 今はこっちの態勢を整えたい!
いいか、魔術師が来るまでに増援に出した中隊を呼び戻せ!
魔術師だけはミサイルじゃあ迎撃できねえ! 分かったな!」
「了解です! ご武運を!」
指揮官は敬礼をして自分の仕事に戻っていった。
アサピーも視線を戻し、二階の専用フロアで出撃の準備を進めていく。
.
676
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:22:51 ID:xJn5HPPo0
アサピー専用の二階フロアは、彼の個人的な研究室になっていた。
そこには戦闘用の兵装が数多く収納されており、それらは一個人が戦争の一勢力になれるほど強力な代物ばかりであった。
左右の壁に整然と展示される火力兵器を横目に、アサピーは研究室の奥へと足を進めていく。
歩きながら、彼は自作の音声認識システムに声をかけた。
(-@∀@)「シリンダーを用意しろ。1番から9番まで全部だ」
『ご機嫌ですね。本日はどちらを』
(-@∀@)「それを答えるのがお前の仕事だ」
『失礼、忘れていました。では対空装備が豊富な4番がよろしいかと』
(-@∀@)「だな。俺もそう思っていた」
アサピーはフロア最奥の部屋に入っていった。
部屋は一面まっさらな空間で、物は何一つとして置かれていなかった。
ところが、アサピーが床に描かれた靴底のマークにぴったり足を揃えると、どこからか単調なビープ音が流れてきた。
数秒後、床が二つに分かれて壁の奥に収納されていく。
無機質だった壁も続々と動き始め、モニターやコンソールなど壁の裏に隠されていた機器を一斉に展開していった。
ガッシャンウィーン的な駆動音を鳴らしながら、空間は、瞬く間にその姿を機械的なものに変えていく。
.
677
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:23:44 ID:xJn5HPPo0
すっかり模様替えも終わった頃合いで、空間中心の床から円筒状のマシンケースが上がってきた。
その巨大なケースには9つの細長いポッドがくっついており、中にはそれぞれ人型アーマーが収納されていた。
ここはアサピー命名“装填室(シリンダールーム)”。
強力な激化能力を持たない研究者が王座の九人に選ばれた理由は、ここにある九個のアーマーであった。
『4番の調整は済んでおります』
音声認識がそう言うと、マシンケースがウイイインと回転し、アサピーの前に『Ⅳ』と書かれたポッドを提示した。
ポッドは自動で鉄扉を開き、アサピーに搭乗を促す。
しかしアサピーはさっさと中には入らず、眉間にシワを作って天井を見上げた。
(-@∀@)「……確かに最善だが、見てみると気分じゃない」
『そうお答えになると思いました』
音声認識は主人のわがままに即時対応する。
ケースをさらに回転させ、今度は『Ⅵ』と書かれたものをアサピーに見せつける。
『私はアナタの気分も考慮できるようプログラムされています。
今回は少しばかり焦りが見えますので、事故に備えて機動力の高いこちらを』
(-@∀@)「……いや、いやいや」
アサピーは頭を振って苦笑う。
しかしポッドの鉄扉が開いて中のアーマーが露わになると、彼は途端に顔色をよくした。
『気分を考慮し、アナタのお好きなコバルトブルーで塗装を』
(-@∀@)
アサピーは瞑目し、眉をあげて答える。
(-@∀@)「いいね」
.
678
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:27:43 ID:xJn5HPPo0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『――ブーン! 島が見えてきたぞ!』
(; ω^)「……お?」
あの後、自分達を撃墜せんと止めどなく注がれた火力弾幕。
寸での攻防を繰り返してそれをかいくぐった二人は、ようやく目的地を目にする事ができた。
水平線に浮かぶ孤島。
ブーンはぐっと目を凝らし、ぼやけた視界に島を映した。
『……大丈夫か?』
(; ω^)「……」
一錠で十分な激化薬を、ブーンは戦闘開始時点で二錠使っている。
戦闘中も合間を見て更に二錠。それが引き起こす副作用は、着実にブーンの体を蝕んでいた。
『……分かった。島に着いたら少し休むぞ』
(; ω^)「……いや、そんな暇は無いお」
『無理言うな。ヤバくなるまでクスリは禁止だ』
(; ^ω^)「そうじゃないお……!」
薬の服用によって鋭敏になったブーンの感覚は何かを捉えていた。
しかし、それをゆっくりと吟味している猶予は皆無――。
.
679
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:30:11 ID:xJn5HPPo0
雲一つない突き抜けるような大空。
見渡す限り、どこにも敵の影などない。
であれば、残された死角はひとつ――真下に広がる深き絶海、その全て。
(; ^ω^)「ドクオ! 敵は海の中だおッ! もう狙われてるおッ!」 ゴクッ!
ブーンは考える前に激化薬を飲み下し、邪龍の真下に巨大な盾を復元した。
邪龍一匹を覆い隠せるほどの大盾は重力に捕まり、海に向かって落下し始める。
『ブーン、お前またッ……!!』
(; ^ω^)「緊急事態だお! とにかく島にッ――――!」
邪龍は大きく羽ばたいて飛翔。
ブーンが作った盾の陰に隠れたまま、遥か上空へと飛び上がる。
瞬間、ブーン達を追撃するように海底から大きな水柱が打ち上がった。
水柱は大盾を容易く吹き飛ばし、邪龍の右翼に直撃する。
吹き付ける水は邪龍の体勢を大きく揺るがし、彼らに大量の水飛沫を浴びせた。
『ぐっ!』
体を畳んで急旋回。邪龍は水柱を回避し、空を滑空して再加速する。
その加速度についてこれないと判断したのか、水柱の噴出は呆気なく鳴りを潜める。
.
680
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:31:10 ID:xJn5HPPo0
(; ^ω^)「大丈夫かお!?」
『翼膜を少し抉られたが、まだ飛べる!』
しかし、彼らが互いの安否を確かめた次の瞬間。
今度は島全体を包囲するように、先程と同じような水柱が次々と噴射され始めた。
『今度はなんだ!?』
(; ^ω^)「……マズいおッ!」
この行動には島への進路を完全に断ち切ると同時に、邪龍を狙撃可能範囲に誘い込む意味があった。
まだ大怪我を負っていないとはいえ二人の疲労は十分。
仮に上空から突入して一斉射撃を回避出来たとしても、その先に残せる余力は殆ど無いだろう。
(; ^ω^)「あれで囲まれたら島に着けなくなるお!」
(; ^ω^)「一応聞くけど、あの水柱を体当たりで突破できるかお!?」
『……やれなくはないが……』
敵は邪龍が体当たりしてきた瞬間、間違いなく水圧を上げて彼の体を切断しにくる。
あの水柱は最早水圧カッターと大差ない強力な破壊兵器だ。
いかに邪龍の身体が頑丈とはいえ、ドクオにはブーンの期待に応えられるだけの自信が無かった。
.
681
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:35:52 ID:xJn5HPPo0
(; ^ω^)「なら急ぐしかないお! ドクオ用の鎧を作るから、それ着て突っ込むお!」
『……待て、もうここまでだ! これ以上は駄目だ!』
(; ^ω^)
(; ^ω^)「……あと少しで島に着くお。ここまで来たら、僕は一人でも行くお」
『……お前……』
(; ^ω^)「……答えろ! これは脅しだお!」
『…………』
(; ^ω^)「……」
大きく首をもたげ、邪龍の咆哮が天に轟く。
人の言葉では語りきれない感情が込められたその一声を、ブーンはしかと受け止めた。
卑怯、悪辣、狡猾。たとえ友にそう言われたとしても、ブーンにはもう前進しかあり得なかった。
ブーンは口に溜まった血反吐と一緒に更に二錠、激化薬を飲み下した。
彼の中で欠けた何かは瞬く間に補完され、友への罪悪感もまた、そのプロセスの中に飽和していく。
( ^ω^)「ドクオ、頼むお」
怒りの息吹を口に含んだまま、邪龍は島に向かって加速する。
ブーンにはもう、ドクオの声が聞こえなくなっていた。
.
682
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:36:58 ID:xJn5HPPo0
――このまま戦闘を行うとドクオが死亡します。バッドエンドを続行しますか。
1.続行し、世界の結末までを見る。(バッドエンドボーナスあり)
2.続行しない。リザルトと初期分岐を済ませた後、三周目へ。
.
683
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:37:43 ID:xJn5HPPo0
(^ω^)以上です。二択は今日中で締め切り('A`)
(^ω^)同票の場合は酷い事をします('A`)
684
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:40:43 ID:4mCSsnow0
乙ー
次周に向けてボーナス欲しいからドクオには悪いが1を(あとドクオの戦闘シーン少しは見たいってのもある)
685
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:43:38 ID:ZS4O0Xtg0
1
686
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 21:46:12 ID:iKqdMG4I0
1でしょう
687
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 22:00:12 ID:YWgJrjtQ0
1かな
688
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 22:07:41 ID:LLulEUjs0
1だな
689
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 22:54:59 ID:7Mbu4VWU0
1で
690
:
名も無きAAのようです
:2016/07/09(土) 23:18:29 ID:sRcgYTP60
1
691
:
◆gFPbblEHlQ
:2016/07/10(日) 00:17:56 ID:IFk6R1.k0
(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)
(^ω^)締め切り!次回早めに書いてきます(^ω^)
(^ω^)感想や絵をたくさんありがとうNE(^ω^)(^ω^)
(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)
692
:
名も無きAAのようです
:2016/07/10(日) 07:20:14 ID:iNCll1sw0
おつ
693
:
名も無きAAのようです
:2016/07/10(日) 08:13:52 ID:jnTWJnU60
乙
同票の酷いことも見てみたかったNE!
694
:
名も無きAAのようです
:2016/07/10(日) 10:47:47 ID:guTme0w.0
('A`)「え、何この団結。お前らそんなに俺が死ぬの見たいの?」
695
:
名も無きAAのようです
:2016/07/10(日) 10:48:38 ID:jdspsqAw0
ボーナスのための犠牲になったのだ…
696
:
名も無きAAのようです
:2016/07/10(日) 19:38:29 ID:IH0g8CUI0
イベントはコンプしないとNE
697
:
名も無きAAのようです
:2016/07/10(日) 21:27:20 ID:nRAxAtAY0
イベントは最後まで見届けてCGコンプしないと……(エロゲ脳
698
:
名も無きAAのようです
:2016/07/11(月) 12:49:25 ID:L0tuHp7.0
ドクオはいい奴だったよ
699
:
名も無きAAのようです
:2016/08/02(火) 11:23:45 ID:aAWhbBjc0
ボーナスの為に死んでくれ
700
:
◆gFPbblEHlQ
:2016/08/11(木) 21:52:17 ID:vEgpbyFs0
【Bad end:理由なき刃】
.
701
:
名も無きAAのようです
:2016/08/11(木) 21:53:01 ID:vEgpbyFs0
サブレとブーン達の襲撃によって施設全体が慌ただしい頃。
アサピーのラボでは、とある実験が実を結ぼうとしていた。
先代勇者、魔王城ツン、今は亡き王座の九人・ジョルジュ長岡。
この三人がそれぞれ内包する“回路”は今、勇者軍が作り上げた機器によって一つに繋ぎ合わされていた。
( ・□・)
先代勇者には勇者という理外の力。
ξ ⊿ )ξ
魔王城ツンには底なしの魔力。
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( ∀ )
ジョルジュ長岡には英雄(ヒーロー)としての超能力。
勇者軍の目的は、各能力分野において最優である彼らの“回路”を利用し、誰にでも使える新薬を作り上げる事であった。
その新薬を用いて勇者軍を増強、ゆくゆくは魔王軍を壊滅に――というのが、彼らの大まかな筋書き。
そして魔王城ツンを捕獲した今現在、彼らの思惑はある一点を除いて完璧に進行していた。
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702
:
名も無きAAのようです
:2016/08/11(木) 21:53:45 ID:vEgpbyFs0
激化薬の製造過程に必要な材料は先代勇者の血肉。
当然オリジナルを使う訳にもいかないので、材料となる血肉は全て勇者軍のクローン技術によって賄われている。
その血肉を更にジョルジュ長岡の超能力・混合と分解の回路を通し、ほどよく頑張ると激化薬が完成する。
つまり激化薬とはソイレントシステムめいた工程で製造される増強剤。
激化能力も、勇者という規格外の存在を取り込む事で発生するDNAの暴走でしかなかったのだ。
しかし、勇者軍にはこれでもまだ足りなかった。
ただの人間が魔王軍に立ち向かうには超能力の一つや二つでは全く歯が立たない。
王座の九人ですらそれは同じだ。銃を持った人間の強さを5とするなら、素手の平民魔族ですら戦闘力は100。
人間と魔族では、根本的に強さの次元が違う。
ξ ⊿ )ξ
その問題を解決すべく目をつけられたのが魔王城ツン。
彼女の役割は激化薬製造におけるブースター。勇者だけで足りないなら更に倍、魔力をも激化薬に組み込んでやろうという考えだった。
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