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駆動都市戦争
44
:
名も無きAAのようです
:2015/09/23(水) 09:59:06 ID:JKmwbqrMO
なんでクーすぐに死んでしまうん…
45
:
名も無きAAのようです
:2015/09/23(水) 15:58:05 ID:mutRkqV60
おつおつ!
おもしろい
46
:
名も無きAAのようです
:2015/09/23(水) 23:58:48 ID:Nzq3SCbo0
面白い支援
47
:
名も無きAAのようです
:2015/09/24(木) 00:04:41 ID:.r84uNGE0
おつ
48
:
名も無きAAのようです
:2015/09/24(木) 00:05:48 ID:EbG.M5wE0
おつ!!
くっそおもしろい機械系で小難しい話かと思ったが熱い戦いでwktkがとまらん
これブーンとドクオ生きてるんですかね・・・爆発に巻き込まれそうなもんだが
49
:
名も無きAAのようです
:2015/09/24(木) 18:20:02 ID:etkpvRkc0
なんかレギオスっぽいな。
なんか古き良きラノベ臭がする。
50
:
名も無きAAのようです
:2015/09/25(金) 17:00:32 ID:ewbS0BCI0
でもデータはDataな
51
:
名も無きAAのようです
:2015/09/25(金) 19:58:07 ID:dDZfVbYY0
すごく面白い
楽しみが増えた
52
:
名も無きAAのようです
:2015/09/25(金) 22:40:23 ID:WV2vN37w0
>>50
Detailed Analysis of Their Equipments(設備の詳細な分析)の略なので合ってます
53
:
名も無きAAのようです
:2015/09/26(土) 10:57:55 ID:xWsBx/c20
良作の予感
54
:
名も無きAAのようです
:2015/09/27(日) 10:45:36 ID:nc3tPXMM0
アイデアと想像力がすごいね
面白い
55
:
名も無きAAのようです
:2015/09/28(月) 00:10:33 ID:S1EL//Vg0
ちょっとずつ設定がわかっていく感じかな
楽しみだ
56
:
名も無きAAのようです
:2015/09/28(月) 17:27:23 ID:ihprmgRg0
乙
面白い続き期待
57
:
名も無きAAのようです
:2015/11/04(水) 15:00:50 ID:wA52cs/Q0
期待待機!
58
:
名も無きAAのようです
:2016/02/21(日) 03:44:45 ID:3Un72ygg0
次回投下待ってます たのしみです
http://imgur.com/KqRbWTu.jpg
59
:
名も無きAAのようです
:2016/02/21(日) 05:06:54 ID:ydLxL.HQ0
>>58
ジブリやんけ!すご!
60
:
名も無きAAのようです
:2016/02/21(日) 08:44:39 ID:fs1L/VkU0
かっこいいなぁ
続き来るといいな
61
:
名も無きAAのようです
:2016/02/21(日) 09:06:40 ID:MHD4ItXY0
かっこよい
62
:
名も無きAAのようです
:2016/02/21(日) 10:10:32 ID:3fGocnXo0
イイネ
63
:
名も無きAAのようです
:2016/03/14(月) 00:01:01 ID:GBeshtuI0
支援絵ありがとうございます。保存しました
多分ですが第2話を19日か20日くらいに投下します
紅白は赤組でした。頑張ります
64
:
名も無きAAのようです
:2016/03/14(月) 00:47:15 ID:veFIVc1M0
すげえもどってきた
紅白もこっちも頑張って
65
:
名も無きAAのようです
:2016/03/14(月) 00:50:21 ID:lIkx35a20
よっしゃぁ
66
:
名も無きAAのようです
:2016/03/14(月) 01:04:18 ID:2wVGYLyw0
やった
待つぜ
67
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:47:17 ID:CcU3Fn8M0
そこは無数の岩盤が露出する、荒涼たる岩石砂漠
立ち並ぶ巨大な岩柱群はあらゆる採掘機械の進行を阻み、
流砂により絶えず姿を変える地形と岩柱に反響する風の音が、立ち入る者の方向感覚を狂わせる天険の地
旧日本領B地区北西部は多くの有用鉱物が眠るこの一帯において唯一、
人類による採掘が殆ど行われていない未開の地とされている
しかし、その足下には、古の駆動都市の残骸を母体とした巨大な地下空間が形成されていた
名を地下都市「バロウ」
全長不明、全高不明、総人口約四百名
人知れず発展を続ける、地上を夢見る者達のコミュニティである
68
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:48:06 ID:CcU3Fn8M0
バロウ中央市街区域
都市人口の七割が生活するこの地は今、二人の若者がもたらした功績による狂喜の渦の中にあった
大きな賑わいを見せる大通り、祝祭時の特別配給を目当てとした住人達の長蛇の列
道の端では数人の酔払いによる即席楽団が、酒焼けした濁声と不揃いな手拍子で祭に華を添えている
しかし、祭の主役となるはずの二人の若者の姿は、区内のどこを探しても見当たらない
それもその筈、その頃彼等が居たのはバロウ中心部から大きく外れた端の端
地表にまで露出する巨大な岩山の内部を掘り抜いて作られた極秘の建造施設の内部である
( ^ω^) やはりと言うか、街の方は凄い盛り上がりらしいおね
('A`) 原石が手に入ったんだ。盛り上がって当然だ
('A`) 配給所じゃ半年ぶりに、混ぜ物のない固形の肉が配られたってよ
( ^ω^) 豪勢だおね
('A`) 一人当たり8グラム、ハム半切れ程度だな
( ^ω^) ……侘しいおね、去年の祭の三分の一以下だお
('A`) そんだけ色々と足りなくなって来てるってことさ
('A`) 各区画の開発は進んじゃいるが、この数年で人口も増えてきて全体で見りゃ大赤字だ
('A`) だからこそ、一刻も早くこいつを完成させる必要があるんだよ
ドクオはそう言いながら、自身の背後の巨大な金属柱を拳で叩く
69
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:49:08 ID:CcU3Fn8M0
「金属柱」
しかしそれは実のところ、単なる金属柱ではない
見る者が見れば、その正体が内部にいくつもの燃料機関を搭載した巨大な建造物――――
――――つまり、駆動都市の一部となるべき機甲であることが容易に想像できるだろう
('A`) 全高240メートル、全幅108メートルの二足型駆動都市「ブラスト」
('A`) こいつの完成こそが、この都市の希望だ
( ^ω^) わかってるお。こいつが出来上がれば、こんな薄暗い穴の中に閉じ篭っている必要もなくなるお
( ^ω^) 広い外界の資源を集めて、みんなにもっと良い暮らしをさせてあげられるんだお
('A`) ……だよな、俺達は都市のみんなの笑顔が見たくて頑張ってるんだもんな
( ;^ω^) 嘘つけお、ドクオは自分の技術がどんなもんか試してみたいだけだお?
('A`) そういうお前だってデカいロボ乗り回したいだけだろ?
( ^ω^) おうよ
('A`) だよな
70
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:50:17 ID:CcU3Fn8M0
('A`) それにしてもジョルジュの野郎、どこで道草食ってるんだか……
ドクオはそう呟いて、作業机の上の工具を一つ持ち上げる
何年もの間まともな手入れをされていなかった工具には何層もの鉄錆の皮膜が形成されており、
爪の先でそれを擦ってやると、ぱちぱちという軽快な音と共に赤茶けた破片となって剥がれ落ちていく
('A`) もう2時間近く遅れてるってのに……あと10分経っても来なかったらこいつで殴り飛ばしてやる
( ;^ω^) 今日は鉄の精錬から始めるから、ジョルジュが持ってくる石炭がなきゃ何も出来ないおね
('A`) 油売るなら俺達に売れって話だよ、まったく
( ^ω^) 上手くないお?
('A`) うっせ
二人が手持ち無沙汰に会話をしていると、部屋の片隅に設置された鉄製のハッチが重苦しい金属音を上げて開く
跳ね上げ式の扉の向こうから姿を見せたのは、瓢箪型の鞄を背負った中肉中背の男だった
彼の名はジョルジュ。バロウ住民の一人であり、この都市唯一の運送屋である
_
( ゚∀゚) わりいな、遅れちまったわ。依頼の品を持ってきたぜ
申し訳無さなど欠片も見せずに笑うジョルジュの頬を、錆び付いたスパナが掠めた
71
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:51:22 ID:CcU3Fn8M0
_
( ;゚∀゚) うおっ!? 何しやがるんだ急に!
頬にうっすらと浮かんだ赤い線を手で押さえて抗議の声を上げるジョルジュ
しかしドクオはその声に大した反応も示さず、作業机から適当な大きさの工具を一つ二つと見繕っていた
('A`) お前こそ、2時間も遅れて何してやがったんだ?
_
( ;゚∀゚) あっ、それはその……
( ^ω^) (あれ、結構マジで怒ってるのかお?)
('A`) えっと、遅延割引で半額だっけ?
_
( ;゚∀゚) おいおい勘弁してくれよ! 経費だけでアシが出ちまうぜ!
ドクオの言葉にジョルジュは笑顔を引き攣らせ、
その様子を見たブーンはなるほど、と静かに手を打った
('A`) ボルトカッターとスクレーパー……投げやすさではボルトカッターだな……
_
( ;゚∀゚) マジで頼むって! 今回は本当にしょうがなかったの!
( ^ω^) しょうがなかったって、なんかあったのかお?
('A`) やめとけやめとけ、どうせ大した理由じゃねえんだ
_
( ; ∀ ) ……んだよ…………
('A`) あ?
_
( ;゚∀゚) 出来たんだよ……ついに……
72
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:52:02 ID:CcU3Fn8M0
ジョルジュは背負っていた大きな鞄を床に置くと、慣れた手つきで金属製の留め具を次々と開放する
そうして鞄の中から出てきたのは、左右対称な瓢箪型の木箱に六本の弦が張られた、全長一メートルほどの器具だった
ジョルジュはその弦を右手で掻き鳴らし、高らかに叫ぶ
_
( *゚∀゚) 新曲が出来たんだよ!! ジャラーーーーン!!
_
( *゚∀゚) 家を出る直前に歌詞が降りてきてな! 文字に起こすのに1時間かかっちまったぜ!
_
( *゚∀゚) あとはメロディラインにちょいと手直しを入れてやるだけだ。完成したら一番に聞かせてやるよ!
('A`) ……
('A`) ああ
('A`) そうなんだ
( ^ω^) まあ、そういうことなら
('A`) 次から気をつけろよ?
( ^ω^) こっちにも予定ってのがあるお?
_
( ゚∀゚) へへ、恩に着るぜ
73
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:52:56 ID:CcU3Fn8M0
_
( ゚∀゚) 荷物の引き渡しを済ませちまおうか。いつも通りサイロに持ってけばいいのか?
('A`) いや、半分は今すぐ使うから粉砕機の方に回してくれ
_
( ゚∀゚) はいよ、荷物が通るから道をあけてもらうぜ
( ^ω^) はいはいお
ジョルジュは二人を壁際に退かすと、腰に提げた麻袋から赤と白のチョークを取り出した
_
( ゚∀゚) ここは通路が広いから搬入も楽だな
_
( ゚∀゚) まあ、工具や鋼材が散乱してなかったらもっと楽なんだが
憎まれ口を叩きながら、チョークを使って素早い動作で地面に白線を引いていく
出入口から粉砕機へ、そして粉砕機からサイロと呼ばれる燃料貯蔵庫へと続く滑らかな曲線
その所々には赤いチョークで、子供の落書きのような簡素な絵記号が添えられていた
_
( ゚∀゚) こんなもんかね
_
( ゚∀゚) おら、出番だぞ糞ガキども!
ジョルジュが号令をかけると、開け放たれたハッチから、金属の地面を擦る音が聞こえてきた
燃料運搬用のコンテナに取り付けられた車輪の幾つかが設備不良により固着し、その機能を果たさない状態になっているのだろう
さらに耳を澄ましてみると、その摩擦音に複数の黄色い声が混じっていることに気付く
( ><) ブーンさん、ドクオさん、おはようございますなんです!
(*゚∀゚)(,,・Д・)ミ ・∀・ミ おはようございますなんです!
果たして、ハッチの向こう側から現れたのは、後部に幾つものコンテナが連結された長大な運搬車と、
それを操縦する、あどけない少年少女の集団であった
74
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:53:57 ID:CcU3Fn8M0
連結式運搬機関「ボア」
バロウ唯一の運送屋ジョルジュの仕事道具であり、ドクオの制作物の一つ
ゼンマイを動力とした自走式のコンテナを複数連結し、
ブレーキとハンドルのみが取り付けられた簡易的な運搬車が先導するシンプルな構造の運搬機関
動力をゼンマイに頼るためその動作は非常に緩慢であるが、それ故に安全で確実な運送手段とも言える
_
( ゚∀゚) おーし、それじゃあビロード任せたぞ
( ><) はいなんです!
集団の最年長とみられる長身の少年は運搬車に乗り込み、車両後部の荷箱を開放する
開かれた荷箱の中には子供達の人数と同数の巻き鍵が積み込まれており、
彼等はそこから各々の巻き鍵を取り出すと、カチカチという小気味良い作業音を響かせながらコンテナのバネを巻き始めた
('A`) どうだい、ボアの調子は?
_
( ゚∀゚) 相変わらず故障知らずさ。流石はドクオ様の発明ですねえ
_
( ゚∀゚) まあ、強いて言うなら馬力がなあ、最近は依頼も多くて積み荷の量も増えてきたし?
( ^ω^) いっそ運搬車だけでも燃料式の動力を積んじゃうかお? 格安でやってあげるお、ドクオが
('A`) ふざけんなブッ飛ばすぞ……というかまあ、それ以前に……
_
( ゚∀゚) 燃料式はなあ、ちょっとウチじゃあ使えねえかな
( ^ω^) お? どうしてだお?
75
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:54:54 ID:CcU3Fn8M0
_
( ゚∀゚) うちの作業員を見てみな。下は6歳から始まって、最年長のビロードでも再来月にようやく15歳だ
( ^ω^) お……
_
( ゚∀゚) こんなガキどもに油だ石炭だなんて、万が一があったら親御さんに顔向け出来ねえだろ
( ^ω^) おー、意外と考えてるんだおね、ジョルジュのくせに
_
( ゚∀゚) 俺を何だと思ってんだよ
('A`) まあ、あと3年もすりゃビロードも立派な大人だ。動力の改造はその時に考えりゃいいさ
('A`) そもそも、馬力を気にしてるなら動力よりも車輪周りのメンテナンスをだな……
_
( ゚∀゚) 車輪?
('A`) 錆びたパーツそのまんま使い続けてるから、却って動作の邪魔になってんだよ。そこだけ入れ替えりゃ馬力の問題は解決だ
_
( ;゚∀゚) え、そんなんで解決すんのか?
('A`) メンテナンスを舐めるんじゃねえぞ、今の状態じゃ性能も3割落ちだ
('A`) それともいっそシエノーツ鋼の車輪に交換するか? こっちならメンテナンス無しで50年は使えるぜ?
_
( ;゚∀゚) 破産するわそんなもん! ……普通の車輪に交換ならいくらになる?
('A`) 一回ぜんぶ見てみなきゃなんとも言えねえな。まあ、経費はともかく手間賃は多少勉強してやるよ
_
( *゚∀゚) サンキュー! 見積もりができたら教えてくれ! あ、そういえばついでに直してほしいパーツがあってよお!
('A`) あー、わかったわかった。全部直してやるから整理して話せ
( ^ω^) おー……
76
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:55:54 ID:CcU3Fn8M0
盛り上がる二人の会話にブーンが僅かな疎外感を覚えた丁度その時、
ボアの発進準備完了を告げるホイッスルが、ビロードの手によって吹き鳴らされた
( ><) 出発進行、なんです!
(*゚∀゚)(,,・Д・)ミ ・∀・ミ なんですー!
全ての子供達が巻き鍵を取り外したの確認して、ビロードは運搬車のブレーキを開放した
初めは動いていることに気付けない程に鈍く、最終的には子供がゆったりと歩く程度の速さで、ボアは目的地に向けて進行する
_
( ゚∀゚) コンテナの後ろ2つは粉砕機前で切り離しだ。倉庫にも同じく2つ、空のコンテナは明日回収に来るぜ
('A`) はいよ、その時までに見積もり出しときゃいいんだろ?
_
( ゚∀゚) そんな早いのか?
('A`) 材料と基礎知識さえありゃ10歳児でもメンテ出来るくらい単純な作りになってんだよ、本来はな
_
( ゚∀゚) これは手厳しい……っと、おいビロード、その辺で停車だ!
( ><) 了解なんです!
ビロードがブレーキを踏み込むと、蛇腹状に伸縮するコンテナが運搬車の速度変化に揺られて前後に蠕動した
見る者に地を這う大蛇を連想させるこの姿こそ、「ボア」の命名の由来である
77
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:57:13 ID:CcU3Fn8M0
( ><) 最後尾から2輌、切り離します
ビロードは荷箱から取り出した車輪止めを設置して、コンテナ連結用の固定金具を解放する
僅か十数秒の作業で、コンテナはボアから完全に切り離される形となった
( ^ω^) 流石に手馴れてるおね
('A`) ボアの作りが単純ってのもあるが、15歳の手並みとは思えんな
( ><) ボアとの付き合いも5年目ですから。慣れってやつなんです
( ><) それにしても凄い量の石炭ですね……鉄の精錬って聞きましたけど、どれだけの鉄が出来るんでしょう?
('A`) 通常の製鉄なら体積にして大体8分の1。今日はコンテナ4つ分の石炭を使うが、この量ならコンテナ半分くらいの鉄になるな
( ^ω^) もっとも、今回作るのは通常の物よりも更に高純度の鉄。ぶっちゃけ普段の半分も取れれば御の字だお
( ><)
( ><) ……
( ><) …………
( ;><) 少なっ!?
('A`) 高純度の鉄ってのはそれだけ希少なもんなのさ
( ^ω^) だからこそ価値があるんだけれど、だお
('A`) コンマ数パーセントの純度の差が、シエノーツ鋼の性能を大きく左右する
('A`) これから作るのは「ブラスト」にとって生命線となるパーツだ。時間や金を惜しんで作っていい代物じゃねえのさ
78
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 21:58:57 ID:CcU3Fn8M0
シエノーツ鋼
各種金属にシエーナ結晶を反応させることにより生成される合金の総称
他のあらゆる金属を遥かに凌ぐ強靭さと鳥類の羽根のような軽量性を兼ね備え、
使用する金属の種類により多種多様な特性を発揮する
駆動都市を駆動都市たらしめる根幹を為す素材であり、
シエノーツ鋼無くして全長数百メートルにも及ぶ巨大な金属塊が三次元的な高速駆動を行うことは不可能と言って良い
( ><) 生命線というと……もしかして、「ブレイド」ですか?
(;'A`) なっ……!?
_
( ;゚∀゚) なんでお前がそんな言葉を知ってるんだ?
( ;^ω^) あれは都市内でも極一部の人間にしか知らせていない情報のはずだお?
ビロードの発言に、ドクオ、ブーン、ジョルジュの三人は酷く狼狽えた
それもその筈、駆動都市「ブラスト」に関する情報は極秘中の極秘であり、
その詳細な設計図については、ドクオとブーンが必要であると判断した極一部の人間にのみ開示されている情報である
( ><) ごめんなさいなんです。ジョルジュさんの机の上に広げてあった設計図、見ちゃったんです
_
( ゚∀゚) やっべ
( ;^ω^) 貴様……まあいいお。ビロード君もここに出入りするなら遅かれ早かれ知ることになってたはずだお
('A`) そうだな、教えてもいいだろう。お前の予想通り、俺達はこれから「ブレイド」の制作に取り掛かる
('A`) 「ブレイド」の発明はきっと、これまでの駆動都市の常識を覆す物になるだろう
( ><) ええ、僕もそう思います。この計画が成功すれば、駆動都市の戦術に革命が起こるんです
_
( ゚∀゚) そんな言う程のもんかねえ? 俺にはただの棒っ切れにしか見えねえぞ?
( ;><) ええ……
('A`) これだから素人は……
_
( ;゚∀゚) え、なに? そんな凄いのかアレって……?
( ^ω^) まあまあ、完成してからゆっくりと説明してあげるお
79
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:01:05 ID:CcU3Fn8M0
(*゚∀゚) あにき! ねじ巻き完了しましたぜ!
( ;><) え!? ……あ、ああ! すっかり忘れてました!
( ;><) ぼ、僕は残りのコンテナをサイロに運んでくるんです!
作業員の少女に呼ばれたビロードは、ドクオとブーンに一礼して運搬車に乗り込んだ
ホイッスルの音と共に、ボアは稼働を再開する。大容量のコンテナ車二輌が切り離された後でも、その運搬速度には一切の変化はない
その様子を眺めていたブーンは、ふと、あることに気付いた
( ^ω^) ジョルジュ、今日はこの後にも配達があるのかお?
_
( ゚∀゚) へ?
( ^ω^) 倉庫に向かうコンテナの数、発注より一つ多いお?
('A`) あ、マジだ
二人が発注した石炭は体積にして丁度コンテナ四つ分
しかし、サイロへと向かう運搬車には三輌のコンテナ車が連結されており、
粉砕機前で切り離された二輌と合わせて数えると合計五輌。一輌余る計算になる
_
( ゚∀゚) ああ、そうそう。珍しいことにセンセイから依頼があってな、帰りに届けて行くんだよ
80
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:01:58 ID:CcU3Fn8M0
('A`) センセイって、市街区域の外れに住んでる医者の?
_
( ゚∀゚) おう、なんでも瀕死で運び込まれた患者の意識がようやく戻ったらしくてな
_
( ゚∀゚) その女が本当に酷い火傷だったみたいで、服とか全部駄目になっちまったんだと。そんで色々と入り用らしい
('A`) ふーん……
('A`) ……
(;'A`) 大火傷の……女……?
( ;^ω^) それって、もしかして……?
顔を見合わせる二人。その表情は徐々に驚愕の色に染まっていく
「市街区域の医療施設に半死半生の状態で運び込まれた大火傷の女」
二人はその人物に、心当たりがあった
( ;^ω^) 間違いないお、あの時の女の人だお
(;'A`) いや、流石にあの状態で生きられる訳が……
_
( ゚∀゚) んん? なんだ、お前らの知り合いか?
( ;^ω^) 知り合い……ではないおね……?
(;'A`) ああ、「知り合い」ではないはずだ
_
( ;゚∀゚) ああん? どういうことだそりゃ?
81
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:02:48 ID:CcU3Fn8M0
( ;^ω^) ブーン達が彼女を助けた時、彼女は瀕死の重傷で……
( ;^ω^) もう、意識なんて無くなってる状態だったんだお
二人の脳裏に、B地区南部で遭遇した都市戦争の光景が再生される
ハッターの工兵であるクールが起動した最終兵器「ハガー」
都市の敗北が全住民の死を意味する駆動都市戦争において、半ば自害用として設計された特攻兵器
その爆炎は周囲にいた二都市の外部装甲を容易く焼滅し、圧倒的な熱量は都市内の全てを瞬く間に飲み込んだ
ハッターの採掘坑から「原石」を運び出した二人が目にしたのは、原型を止めぬほどに崩壊した二つの都市の残骸と
群発的な小爆発を繰り返しながら天高く立ち昇る余りにも巨大な炎の柱であった
凡そ生存者など期待できぬその光景に二人は息を呑み、ただ呆然と二つの都市が地上から消えて行く様を眺めていた
( ;^ω^) (……でも、彼女はそんな炎の中から生還したんだお)
その異常な事態にいち早く気付いたのは、防護服の耐熱性により比較的爆心地に近い位置で観察することが出来ていたドクオだった
彼が発見したのは、渦巻く炎の中で揺らめく黒い影
それは焼け焦げた皮膚から黒く変色した血を流し、潰れて千切れかけた四肢を引き摺りながら、
緩慢な動作で砂上を這う女の姿だった
意識は既に無く、一目で致命傷と分かる程の傷を負いながらもなお、その女の肉体は、精神は、
極僅かな生命の残滓に縋り付き、目前に迫った死を拒否し続けている
その姿にある種の畏怖を抱いたドクオとブーンは、既に手遅れと知りつつもバロウの医療施設まで女を運び込んだ
あの日から既に、一週間が経とうとしている
82
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:03:34 ID:CcU3Fn8M0
(;'A`) 医療施設に着くまで生きてたことが奇跡みたいな状態だったんだ
( ;^ω^) とっくに死んでるものだと思ってたお。それがまさか、目を覚ますなんて……
('A`) だが、それが本当なら……
( *^ω^) おっお! ブーン達にとっては、とんでもなく良い知らせだお!!
喜びの感情を露わにするブーン。その傍らでドクオは静かに頷いて、同意の言葉の代わりとした
事実、彼等にとってその女の回復には、単なる人命救助には留まらない大きな意義があった
_
( ゚∀゚) お前らがそんな喜ぶってことは、その女「ブリンガー」か?
('A`) 確証はないが、状況的に考えてその可能性が高い
( ^ω^) あの女の人が着ていた服……ほとんど焼け焦げてボロボロだったけど、左腕に金細工の腕章が付いてたお
_
( ゚∀゚) 金の腕章? どっかのお嬢様かい?
83
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:04:38 ID:CcU3Fn8M0
('A`) 純金製の装飾品は帽子屋じゃ上級指揮官の証だ
('A`) 女が帽子屋の人間だった場合、その頭の中には都市機甲に関する様々な知識が詰まっていることだろう
('A`) それだけじゃない。周囲の地理や都市間の情勢についても、俺等の知らない多くの情報を握っている筈だ
( ^ω^) もしもそうだとしたら、彼女は単なる余所者の「ストレンジャー」ではないお
( ^ω^) 閉鎖的な「都市」という空間に新たな概念を持ち込み、その在り方に変革を齎す「ブリンガー」となりうる存在なんだお
('A`) ジョルジュ。お前、この後は医療施設に向かうって言ってたな?
_
( ゚∀゚) ん? ああ、そうだが?
('A`) 俺等も連れて行けよ。真相を確かめたい
_
( ゚∀゚) そりゃあ良いけどさ、お前らこれから製鉄始めるんじゃねーの?
('A`) 誰かさんが遅れて来たせいで作業時間が2時間も削られたし、今更始めてもな
_
( ゚∀゚) おっと藪蛇。まあ良いぜ、コンテナの中にいくらかスペースがあるから乗って行きな
間も無くして、サイロへの石炭の搬入を終えたボアが再び三人の前にやって来る
ジョルジュはビロードと周囲の子供達に帰宅の指示を出し、一人一人に小さな包みを手渡した
84
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:05:37 ID:CcU3Fn8M0
( ><) これは……?
_
( ゚∀゚) 小遣いだよ。医療施設には俺達が運ぶから、お前らはそれで祭にでも行って来な
「小遣い」という言葉を聞いた子供達は、ジョルジュが話し終わるのも待たず猛然と包みを開く
その中に隠されていたものが大小数枚の硬貨であると気付き俄に沸き立つ彼等を、ブーンとドクオは苦笑しながら眺めていた
( *><) ほ、本当にいいんですか!?
( ;^ω^) 勝手に労働力にカウントすんなお……まあ、それくらいならやってやるけど……
(;'A`) ここまで喜ばれちゃあな、断るわけにもいかねえぜ
_
( ゚∀゚) おらっ、ガキども! こういう時はなんて言うんだ!?
( *><) あ……ありがとうございますなんです! ブーンさん、ドクオさん!
(,,・Д・)ミ ・∀・ミ <なんですー!
(*゚∀゚) ありがとな! にーちゃん!
(*゚∀゚) ……じゃーな!!
別れの挨拶もなおざりに中央市街へと駆ける子供達
最後の一人の姿が消えるのを見送って、三人は「ボア」に乗り込んだ
,;,;;,;;+;;;;゚);;,;,
サイロの傍らに設けられた廃材捨て場の奥の奥
物陰から様子を窺う視線に、彼等が気付くことは無い
85
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:06:18 ID:CcU3Fn8M0
.
.
86
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:07:26 ID:CcU3Fn8M0
遡ること十八時間前
金網の上に数枚の布を重ねただけの簡素なベッドの上で少女は目を覚ました
未だ覚醒しきらぬ混濁した意識の中で彼女が認識できたのは
鼻と口だけを残して体表の全てを覆っている分厚い包帯と、鼻腔を刺激する消毒液の匂い
そして、薄壁一枚隔てた向こう側から聞こえてくる、一組の男女の囁くような話し声だった
「センセイ、例の患者のカルテですが……」
「ん? うーん、なるほど。凄いね、これ」
「驚異的と言う他ありませんね。原因はやはり……?」
「ええ、原石の影響と考えて間違いないでしょう。もっとも、こんな現象は聞いたこともありませんが」
「そうすると、摘出は困難ということですか?」
「そうですねえ。僕が思うに原石は現在、彼女の視神経と融合して全身に深く根を張っている状態です」
「一部は血液となり体内を循環し、一部は彼女の骨格や筋肉に溶け込んで今回の異常回復を引き起こしたのだと考えられます」
「彼女から採取した血液や皮膚片に多量のシエーナ化合物が含まれていたことがその裏付けと言えるでしょう」
普通であればとても聞き取ることが出来ないような小さな話し声
それでも少女には異常なほどに明瞭に、二人の会話を聞き取ることが出来た
ξ ⊿ )ξ (――――何の話?)
しかし、半醒半睡の意識の中では――いや、彼女の意識が完全に覚醒した状態であったとしても、
その会話の意味する出来事を理解することは不可能だっただろう
87
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:08:53 ID:CcU3Fn8M0
「そういうことで、彼女の右目の処置については経過観察ということにしておこう」
ξ ⊿ )ξ (右目……?)
センセイと呼ばれていた男の声に、ツンデレはベッドから身を起こす
顔の包帯に手を伸ばすと、手首に僅かな抵抗を感じた後、金属の砕ける音が室内に響く
同時に、壁の向こうの男女は驚きの声を上げ、病室へと駆ける足音が聞こえてくる
「お嬢さん、失礼! 開けますよ!?」
ツンデレの返事を待たず、病室の扉が開かれる
顔を覆っていた包帯を取り払った少女が見たものは、目の前で驚嘆の表情を浮かべている白衣の男
そして、その隣で表情を一切変えぬままに、抱きかかえていた書類の山を取り落とした背の低い女だった
【+ 】ゞ゚) ……トソンさん
目の下に大きな隈のある男が、助手と思われる女の名前を呼ぶ
(゚、゚トソン はい
【+ 】ゞ゚) 6番と11番と15番の薬を持ってきて
(゚、゚トソン 栄養剤と胃薬と精神安定剤ですか
(゚、゚トソン 私が見たところ患者の精神状況は落ち着いているようですし、内臓へのダメージも有りません
(゚、゚トソン 栄養剤だけで十分では?
【+ 】ゞ゚) 後ろ二つは僕が飲むんだ
(゚、゚トソン ……すぐにお持ちします
88
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:10:27 ID:CcU3Fn8M0
トソンと呼ばれた助手は無表情を貫いたまま、ツンデレに背中を向け病室を後にする
そうして室内はツンデレと白衣の男の二人きりとなった
【+ 】ゞ゚) 君からすると初めましてになるんだろうね
【+ 】ゞ゚) まずは、意識を取り戻したことに対しておめでとうと言わせてもらうよ
【+ 】ゞ゚) あんな大怪我から回復するなんて、僕の経験から見ても奇跡という他ないね
【+ 】ゞ゚) おっと失礼、僕の名はオサム。都市の皆からはセンセイと呼ばれているよ
男はそう言って頭を下げ、ツンデレもそれに応える
爪先から頭までツンデレの全身を一通り観察した男は、暫しの無言の後、意を決して口を開く
【+ 】ゞ゚) ところでお嬢さん、もしかしたら君はまだ気付いていないのかもしれないが……
【+ 】ゞ゚) ……うん、こういうことは事は伝えるのなら早い方が良いと思う
【+ 】ゞ゚) 君の……君のその右目は、二度と光を映すことは無いだろう
ξ∮⊿゚)ξ え?
ツンデレの右眼窩で、病室の瓦斯灯の光を受けたシエーナ原石が青白く煌めいた
89
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:12:05 ID:CcU3Fn8M0
「ハガー」の起爆スイッチが押されたその時、ツンデレの肉体は爆心地から百数十メートル上方の空中にあった
素直クールの設計した落下傘は彼女の期待通りに作動し、「ハガー」の爆風を捉えれば更にその高度を上げることになるだろう
落下傘がその性能を十分に発揮できる高度まで押し上げることができれば落下の衝撃は極限まで減衰され、
ツンデレはほぼ無傷に近い状態で――肌の露出した部分に軽度の火傷を受ける可能性はあるが――生存することが出来るはずだった
素直クールの誤算は二つ
一つは「ホーン」での攻撃により貫通したリッパーの上部装甲が、彼女の予想以上に損傷し、崩壊寸前になっていたこと
そしてもう一つはその超重量の巨体を駆動するためにリッパーの内部に貯蔵されていた、莫大な量の液体燃料である
リッパーの液体燃料に引火した爆炎はクールの予想を遥かに超えて肥大化し、上空に居たツンデレの小さな体を瞬く間に包み込んだ
焼け焦げる皮膚。飛散する金属片にその身を貫かれながら、彼女の右目が最後に捉えた幼児の握り拳程の大きさの鉱石塊
それは紛れも無く、ハッターの採掘坑で発見された二つの原石の片割れだった
【+ 】ゞ゚) 右眼窩に入り込んだ原石は君の眼球を押し潰し、眼の奥の深い所で血管や神経と結合しているようだ
【+ 】ゞ゚) 果たしてそれが君の体にどのような影響を及ぼすか……
【+ 】ゞ゚) すまないが現時点では全く予想できないというのが正直なところだよ
ξ∮⊿゚)ξ ……
【+ 】ゞ゚) ……昼過ぎにでも、腕利きの職人を呼んで眼帯を作らせましょう
ツンデレはオサムの話に然して取り乱すような様子も見せず、頭の上に疑問符が見えてくるような間の抜けた表情で聞き続けている
オサムにとって全く予想外なその反応は、却って彼に不吉な出来事を予感させた
90
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:13:09 ID:CcU3Fn8M0
ξ∮⊿゚)ξ オサムさん、ちょっといいですか?
【+ 】ゞ゚) 何でしょう?
ξ∮⊿゚)ξ そもそも私、どうしてこうなったのか全然わからないのだけれど
【+ 】ゞ゚) ふむ、なるほど。負傷の際に頭でも打ったのでしょうね
【+ 】ゞ゚) 命に関わるような怪我をした人間がその前後の記憶を無くしてしまうというのは間々有ることです
ξ∮⊿゚)ξ 記憶を……?
【+ 】ゞ゚) 暫く時間が経てば思い出すことも多いですから、焦らず療養に専念してください
(゚、゚トソン センセイ、お待たせしました。6番と11番と15番の薬です
再び病室の扉が開き、トソンが室内に戻って来る
両手で支えているトレイの上には、大小複数の薬剤と水の入った二つのカップが乗せられていた
オサムは「ありがと」という一言の後、トレイから二種類の薬剤を口に含み、カップの水をあおる
【+ 】ゞ゚) まあそういうことで、暫くの間よろしくお願いしますよ……えっと……
【+ 】ゞ゚) 失礼、お嬢さん。お名前を伺っても?
ξ∮⊿゚)ξ ああ、ごめんなさい。紹介が遅れたわね、私は……
ξ∮⊿゚)ξ ……
ξ∮⊿゚)ξ ……私は?
【+ 】ゞ゚) トソンさん
(゚、゚トソン 何でしょう、センセイ
【+ 】ゞ゚) 胃薬のおかわりをお願いします
(゚、゚トソン はい、ただいま
91
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:14:04 ID:CcU3Fn8M0
【+ 】ゞ゚) いやね、医者という仕事はいろいろと苦労も多いから体調を崩しがちでね
【+ 】ゞ゚) それでお嬢さん、お名前は?
ξ∮⊿゚)ξ ……
【+ 】ゞ゚) 思い出せないのなら無理をしなくていいよ
ξ∮⊿゚)ξ ごめんなさい
【+ 】ゞ゚) ……記憶というものは大きく分けて、君自信の経験に関する記憶と物事の知識に関する記憶の2つがある
【+ 】ゞ゚) 今の君は、そのうちの前者の記憶が丸ごと、脳の奥底に隠れてしまっているのだろう
【+ 】ゞ゚) 事故の衝撃によるものか、自己の精神を守るための防衛本能的なものであるのかは定かではないけどね
【+ 】ゞ゚) あまり深刻に考えなくてもいい。大丈夫、療養期間が少し伸びるだけさ
【+ 】ゞ゚) うん、大丈夫。悲観する必要はない。大丈夫、大丈夫……
「大丈夫」「些細な問題」うわ言のように繰り返されるそれらの言葉は、最早誰に向けた言葉であるかも疑わしい様子である
しかし、その当事者であるツンデレはというと、狼狽するオサムとは対照的に随分と落ち着いた様子で現実を受け止めていた
ξ∮⊿゚)ξ オサムさん……いえ、センセイ?
【+ 】ゞ゚) なんですか、大丈夫ですよ?
ξ∮⊿゚)ξ 暫くの間、お世話になります
【+ 】ゞ゚) あっ……ええ、大丈夫です。安心して僕に任せてください
92
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:14:53 ID:CcU3Fn8M0
(゚、゚トソン センセイ、薬をお持ちしました
(゚、゚トソン それと、そろそろ患者さん達は朝食時ですので食事も……
【+ 】ゞ゚) おお、そうだったね。食堂まで連れて行ってあげてください
(゚、゚トソン 承知しました
トソンはツンデレに背中を向けた状態でベッドに腰掛け、「どうぞ」と声をかけた
そして、「どうぞ」の意味が理解できず怪訝な表情を浮かべているツンデレに対し、「さあ」と更にもう一声
_, ,_
ξ∮⊿゚)ξ あの……それはどういう……?
(゚、゚トソン おんぶです。だっこの方がいいですか?
【+ 】ゞ゚) 車椅子はもう全部埋まっちゃってるんだ。大丈夫、彼女は結構パワーあるから
ξ∮⊿゚)ξ ……自分で歩けます
【+ 】ゞ゚) そうかい? それならいいんだけど
93
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:16:16 ID:CcU3Fn8M0
【+ 】ゞ゚) あ、そうそう。お嬢さん、これから君の世話はそこにいるトソンさんがしてくれるから
【+ 】ゞ゚) トソンさん、食事が終わったら彼女にバロウの案内をしてあげてください
(゚、゚トソン はい
【+ 】ゞ゚) 問題ないと判断したら、医療施設の外に出ても構いませんので
(゚、゚トソン 承知しました。それでは先ず食堂に行きましょうか
ξ∮⊿゚)ξ あ、はい。よろしくお願いします
ベッドから立ち上がったツンデレは、トソンの誘導に従って病室を後にする
ほんの一週間前には生存を絶望視されていた半死人であったことなど嘘のように歩くその姿に、
オサムは本日何度目になるかわからない衝撃を受けた
【+ 】ゞ゚) まあ、とりわけ一番の驚きはコレなんだけどね
一人きりになった病室の中で、ツンデレのベッドの周囲に散乱している金属片を眺めながらオサムはそう呟いた
【+ 】ゞ゚) バロウ外部の人間と聞いて用意した拘束用の手錠
【+ 】ゞ゚) 暴れ出しても大丈夫なように右手とベッドを繋いでいたはずなんだけど……
足元に転がる金属片を一つ拾い上げる
元々は手錠のリング同士を繋ぐ鎖の部分だったのだろうか、幾つも連結した小さな輪は、
外部からの強い力により引き千切られ、無残に変形している
【+ 】ゞ゚) 「筋力の異常発達の可能性あり」っと……
【+ 】ゞ゚) トソンさん、上手いことやってくれるといいけど
トソンが残していったカルテに一文を書き加え、オサムは胃薬を三錠飲み込んだ
94
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:17:19 ID:CcU3Fn8M0
おまけ ジョルジュの作った歌
95
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:18:16 ID:CcU3Fn8M0
_
( -∀-)
γU〜''ヽヽ
! C≡≡O=亜 ('A`) (^ω^ )
`(_)~丿 ,ヘ,ヘ⊂) ,, へ,, へ⊂)
∪ (_(_人_丿 (_(__)_丿
96
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:19:06 ID:CcU3Fn8M0
_
( ゚∀゚) 聴いてください 『タンポンの女』
γU〜''ヽヽ
! C≡≡O=亜 ('A`) (^ω^ )
`(_)~丿 ,ヘ,ヘ⊂) ,, へ,, へ⊂)
∪ (_(_人_丿 (_(__)_丿
97
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:19:58 ID:CcU3Fn8M0
タンポンの女がいた タンポンの女がいた
下着の隙間から紐を垂らした タンポンの女がいた
不機嫌に踵を鳴らして歩く タンポンの女がいた
「いったい何に怒っているんだ?」
「ままならない全ての者に」
_ WOW WOW ホワット・ア・エゴイスティックガール
( ゚∀゚) 世界の全てを憎んでいる タンポンの女がいたんだ
γU〜''ヽヽ
! C≡≡O=亜 ('A`) (^ω^ )
`(_)~丿 ,ヘ,ヘ⊂) ,, へ,, へ⊂)
∪ (_(_人_丿 (_(__)_丿
98
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:20:56 ID:CcU3Fn8M0
タンポンの女がいた タンポンの女がいた
酒場の片隅で一人泣いている タンポンの女がいた
涙で化粧をドロドロにした タンポンの女がいた
「いったい何を悲しんでいるんだ?」
「手から零れた唯一つのものを」
_ WOW WOW ホワット・ア・パサーティック(かわいそうな)ガール
( ゚∀゚) 子供のように泣き喚く タンポンの女がいたんだ
γU〜''ヽヽ
! C≡≡O=亜 ('A`) (^ω^ )
`(_)~丿 ,ヘ,ヘ⊂) ,, へ,, へ⊂)
∪ (_(_人_丿 (_(__)_丿
99
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:21:47 ID:CcU3Fn8M0
〜語り〜
俺はそれまで彼女のことを、ガサツで、自分勝手で、なんて酷い女だと思っていた
だけどさ、アイツの弱さに触れた途端、胸の奥が熱くなってきて
「この子を守ってやらなきゃな」って、ガラにもなく思ったのさ
彼女の笑顔のためになら、何でも出来ると思えたよ
_ おどけて囃し立てる俺。少しずつ彼女は笑顔を取り戻す
( ゚∀゚) ……なんでこんなに悩んでたんだろうって言ってたよ
γU〜''ヽヽ
! C≡≡O=亜 ('A`) (^ω^ )
`(_)~丿 ,ヘ,ヘ⊂) ,, へ,, へ⊂)
∪ (_(_人_丿 (_(__)_丿
100
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:22:38 ID:CcU3Fn8M0
〜語り〜
_
( ;∀;) ……つまらないことで彼氏と喧嘩したって言ってたよ
γU〜''ヽヽ
! C≡≡O=亜 Σ('A`;) Σ(^ω^; )
`(_)~丿 ,ヘ,ヘ⊂) ,, へ,, へ⊂)
∪ (_(_人_丿 (_(__)_丿
101
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:23:18 ID:CcU3Fn8M0
タンポンの女がいた タンポンの女がいた
幸せそうに頬を赤らめた タンポンの女がいた
見知らぬ男と腕を組んで この人と結婚するんだって
「おめでとう お幸せに」
「ありがとう ありがとう」
_ WOW WOW ホワット・ア・ハピネスガール
( ;∀;) 初恋の思い出の中に タンポンの女がいたんだ
γU〜''ヽヽ
! C≡≡O=亜 (;A; ) (;ω; )
`(_)~丿 ,ヘ,ヘ⊂) ,, へ,, へ⊂)
∪ (_(_人_丿 (_(__)_丿
102
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:24:19 ID:CcU3Fn8M0
_
( ;∀;) せんきゅー!
γU〜''ヽヽ
! C≡≡O=亜 ∩(;A; )∩ ∩(;ω; )∩ わあああああああああああああ!
`(_)~丿 ,ヘ,ヘ ノ ,, へ,, へ ノ
∪ (_(_人_丿 (_(__)_丿
103
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:25:01 ID:CcU3Fn8M0
llil,,,
lllllllllllliii,,,,_
!lllllllllllllllliil,、 ,,,,,,,,,
l!lllllllllllllllll° .,,iiiilllllllllliil,、
l!llllllllllll!,,,,,,,,,,,,,,,lr,,,,lliilllllllllllllllllllil
llllllllllllllllllllllllllllllll!!!!!llllllllllllllllllll!"
,,,,, ,,,,,iiiiillllllllllllllllllllll!゙゙゙゙゙゙゜ .,,illllllllllllllll゙°
.lllllllllllllllllil_,,,,,,,,iiilllllllllllllllll!!!゙゙゙゙゙ ̄` _,,iilllllllllllll!!゙゛
.゙lllllllllllllllllllllllllllllllllllll!゙゙゙ ,,,,,,,,,,,,,,,,,lilllllllllllll!!l゙′
.゙゙llllllllllllllllllll!!゙゙゙゙° ,,,,,,,iillllllllllllllllllll!!!!゙゙゙゙゜
`゙゙llllllllllllllli,,_,ii,,,,,iiillllllllllllllllll!!゙゙ll゙゙ ̄ ._
゙llllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!゙° .,,,,,,,,,iiilliiii,,,
゙l!!!!!゙゙゙゙゙゙゙!llllllllll!!゙゙゜ ,,,,iilllllllllllllllllllllil,
 ̄ ̄ .,,,,illllllllllll!!!llllllllllllllllll
,,,,,,,,,,,,,,,,,,iiiiiillll!!llllll,,,、
liiiiiiiiiiiiilllllllllllllllll!!゙゙゙° l!lllllllllliiiii ,,
illllllllllllllllllllllllllllll` llllllllllllllll! llii
゙lllllllllllllllllllllllllllli llllllllllllll lllll,,
゙° llllllllllllllll゙ llllllllllllll ゙lllllli,,
_,,lllllllllllll!l゛ .llllllllllll゛ _lllllllll,,
,,,llllllllllllllll゙′ .,,illlllllllll° llllllllllll,、
,,illlllllllllllll゙′ .llllllllllllllliiiiiii、 ,llllllllllllll
_,,iillllllllllll!゙″ ゙llllllllllllllllllllllllllliiiiiiii,,,,,,,,,,_lllllllllllllll
,,,iillllllll!!!゙′ ゙゙゙!!!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
,,,illlll!!!゙゙゙゜ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙!!!lllllllllllllllllllllll!゙′
iil!!゙゙ ̄ `'゙゙!!゙゙!!!!゙゙゙`
104
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:47:33 ID:V49KnT/k0
おつ!
ツンちゃんかわいそうつよそう
105
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 22:59:36 ID:PAia2XYg0
乙、おもしろかった
ツンに原石以上の価値があるのか心配
106
:
名も無きAAのようです
:2016/03/20(日) 23:19:55 ID:z.9nxhs.0
乙
タンポンのうたいいね
107
:
名も無きAAのようです
:2016/03/21(月) 01:56:13 ID:jaUhBABs0
ブーンドクオはこの歌を待ち望んでいたというのか
ストーリーが見えてきたな
次回も楽しみ
108
:
名も無きAAのようです
:2016/03/25(金) 19:46:59 ID:SYOkYtP60
すき
109
:
名も無きAAのようです
:2016/03/28(月) 01:14:18 ID:Fqo20NIQ0
チバユウスケに歌わせよう
110
:
名も無きAAのようです
:2016/04/04(月) 01:04:17 ID:PCgmy/FU0
駆動都市名人BooN
〜勝手に終わらせた時〜
( ^ω^)「チクショオオオオ!くらえ組織の犬!」
('A`)[あんなデカイものが浮いているんだ・・・無理をしていない訳が無い]
|::━◎┥「さあ来いBooN!この機動都市は弱点に一発もらうだけで落ちるぞオオ!」
( ^ω^)「ドヤ顔ダブルパイル!」
|::━◎┥「グアアこの最新技術の塊と呼ばれる四大企業の大傘が・・・こんな小僧に・・・バカなあアアア」
<グアア
|::━◎┥「大傘がやられたようだな・・・」
|::━◎┥「フフフ・・・奴は四大企業の中でも最弱・・・」
|::━◎┥「野良の輩に負けるとは企業の面汚しよ・・・」
( ^ω^)「パイル!」
|::━◎┥
|::━◎┥「「「グアアアアアアア」」」
|::━◎┥
( ^ω^)「やった・・・ついに四大企業を倒したぞ・・・ついでに都合よくニュード鉱床への岩盤が砕けた・・・これで人類は新人類に進化できる!!」
〈 [亜iii亜]〉「よくやった機動都市マスターBooNよ、待っていたぞ・・・」
( ^ω^)(こ・・・コイツが黒幕なのか・・・?だが感じる・・・サブヒロインの匂いを)
〈 [亜iii亜]〉「BooNよ先に言っておく事がある、お前は人類進化のために[ニュード鉱石」が必要だと思っているようだが・・・別になくてもなれる」
( ^ω^)「な何だって!?」
〈 [亜iii亜]〉「そしてツンは痩せてきたのでパフェ無料券を渡してバーに監禁しておいた、あとは私を押し倒すだけだなクックックール」
( ^ω^)「フ・・・上等だ・・・俺も一つ言っておく事がある・・・このオレが回収し忘れたルートがあったと思ったが別にそんなもの最初から無かったようだ・・・」
〈 [亜iii亜]〉「そうか」
( ^ω^)「ウオオオイくぞオオオ!」
川 ゚ー゚) 「さあこいBooN」
つ[亜iii亜]〉
ご愛読ありがとうございました!
111
:
名も無きAAのようです
:2016/04/04(月) 01:09:59 ID:MbFxmiqg0
乙!
112
:
名も無きAAのようです
:2016/04/14(木) 01:06:13 ID:Bd6vdRu60
めちゃ面白い
113
:
名も無きAAのようです
:2016/04/14(木) 10:28:27 ID:NAH0NonE0
http://3step.me/3ba8
114
:
名も無きAAのようです
:2016/05/29(日) 02:16:25 ID:0pEPPBNE0
これってどうなったん?続きはないのか?バローなのか?
115
:
名も無きAAのようです
:2016/05/29(日) 02:31:49 ID:q7br67W60
バローではなくハインヒーローだね
116
:
名も無きAAのようです
:2016/05/29(日) 11:40:27 ID:0pEPPBNE0
ハインヒーローか!サンクス!
それなら進行遅くても安心して待てるぜよ!
117
:
名も無きAAのようです
:2016/09/23(金) 04:54:13 ID:vcqZCRSw0
やっぱり面白い
118
:
◆v4gficNH0s
:2016/10/12(水) 20:33:04 ID:WbtujWy.0
月末あたりには投下できそうです
よろしくおねがいします
119
:
名も無きAAのようです
:2016/10/12(水) 22:15:13 ID:RPd0aYys0
おっけー
待ってるぜー
120
:
名も無きAAのようです
:2016/10/12(水) 22:23:38 ID:mjKfXCe.0
やったね
121
:
名も無きAAのようです
:2016/10/13(木) 00:30:36 ID:d7o0fy120
やったー! 待ってる
122
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:34:26 ID:Xa9lk1/M0
旧日本領 S地区
有数の鉱産地であるB地区に隣接するこの地は、東方よりの強風が樹木の生育を妨げる低木の草原地帯
シエーナ鉱石化合物の毒素により変性した奇形植物群が地表を覆い、
本能的な嫌悪を引き起こす草熱れの臭気は、太陽の光を悪戯に歪め虚空に蜃気楼を映し出す
余りにも異様なその景象から「魔境」と形容されるこの場所もまた、
複数の駆動都市が数少ない資源を奪い合う戦乱の時代の中にあった
123
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:34:59 ID:IBf8FmWs0
!
124
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:35:41 ID:Xa9lk1/M0
.
駆動都市戦争 第三話
「不落のアダマン」
.
125
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:36:32 ID:Xa9lk1/M0
S地区南部、ブーンやドクオの暮らすB地区との境界上には、直線距離にして十五キロメートル程になる長大な丘陵があった
「丘陵」と言っても、それは最も高い地点でようやく高度百五十メートルを越えるかという程度のもので、
植物の根で補強されたなだらかな斜面は、通行を試みる者にとって障害となることは無い
S地区に暮らす者がB地区での採掘を行う場合、この南部丘陵を越えてゆくのが最も消耗が少なく、安全なルートと言えるだろう
――――ただしそれは、「彼ら」に出会うことがなければの話ではあるが
( ´_ゝ`) 「おーい! そこのでっかいの、聞こえてますか―?」
(´<_` ) 「聞こえてるよなあ! 聞こえてるなら回れ右してゴーホームだ!」
特殊な拡声機関により増幅された男の声が、南部丘陵に木霊する
似通った声、似通った顔立ち、そして鏡写しのようによく似た形状の駆動都市を駆る二人の男
彼らこそが南部丘陵全域を縄張りとする有力駆動都市「ツインズ」の指揮官、流石兄弟である
126
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:38:04 ID:Xa9lk1/M0
【DATA (Detailed Analysis of The Equipments)】
駆動都市 ツインズ(Twins)
全高:197m
全幅:112m(脚部)
人口:約180人(一都市あたり)
円柱を縦向きに両断したような形状の胴体部を六本の脚部が支える、奇妙な容貌の多脚式駆動都市
鏡写しのように対を成すTwins-αとTwins-βは建造時点から二機一対での共闘を前提に設計されており、
指揮官の発言を他都市に伝達する拡声機関や自身の全幅を遥かに超えて展開する格納機盾はその設計理念を色濃く反映した兵装と言える
肉食昆虫のそれを連想させる強靭な脚部による移動は非常に機敏かつ変則的
胴体部に搭載された戦術兵器群の大火力に三次元的な高速駆動能力が相まって、
驚異的とも言える攻撃性能を実現しているS地区の最有力都市である
127
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:39:33 ID:Xa9lk1/M0
「ツインズ」は自身が縄張りと定めた南部丘陵に他都市が進入することを許さない
それは南部丘陵が彼らにとっての故郷となる場所であるということだけが理由ではなく、
この地に眠る大規模な硝石鉱脈を他都市の目から隠すという戦略的な意義を持った行動である
( ´_ゝ`) 「へいへーい! 無視とはいい度胸じゃないか!」
(´<_` ) 「これ以上の立ち入りは実力行使だ。実力行使ってのは熱くて痛い思いをするって意味だ」
しかし、流石兄弟の呼びかけにも関わらず、彼らの目前に鎮座する巨大建造物が踵を返す様子はない
それどころか、全身の噴出孔から立ち昇る黒煙はツインズに対する明確な敵対意思を示し、
その場で足踏みを続ける二十四対の脚部と唸りを上げて回転する二本の戦錨は今にもツインズに襲いかからんばかりの勢いである
都市の名は「アダマン」
その背に無数の巨大晶石柱を負った、美しく頑強な大型駆動都市である
128
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:40:20 ID:Xa9lk1/M0
【DATA (Detailed Analysis of The Equipments)】
駆動都市 アダマン(Adaman)
全高:247m
全幅:322m(晶石部)
人口:約920人
シエーナ晶石柱の外殻に身を包んだ多脚式大型駆動都市
S地区最古参とも言われるこの都市は建造以来数えきれぬ回数の補強・改造が繰り返されており
建造当初の本来の姿を知る者は最早存在しない
搭載されている兵装の多くは採掘機械を改造して制作されたもので破壊力に乏しく、
無秩序な改造の代償である超重量を支える脚部も当初の数の三倍程に増築されているが、その動作は酷く緩慢で不安定
それでもなおこの都市が戦乱の時代を生き抜くことが出来るのは、偏にシエーナ晶石柱の超硬度による規格外の防御性能の功績である
129
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:41:37 ID:Xa9lk1/M0
( ´_ゝ`) 「あーあー、どう見てもヤル気だよ。困っちゃうねこりゃ」
(´<_` ) 「兄者、こいつはもう駄目だ。やっちまおう」
(´<_` ) 『流石弟者からTwins-βの全住民へ! 戦闘開始だ、「テンタクル」と「スロアー」の用意を!』
流石弟者が伝声管に語り掛けると、Twins-βの各所から次々と黒煙が噴出する
胴体部の一部が開放し、装甲の内部から八本の鞭状の物体が飛び出した
巨木に絡み付く蔓のようなこの兵装こそが「テンタクル」。自由自在に動作する強靭な触腕はTwins-βの主力兵装の一つである
( ´_ゝ`) 『流石兄者からTwins-αの住民へ。「トライデント」を起動! 626鉱脈への「タイタン」の準備をしてくれ!』
兄者がそう言い終わるのが速いか、アダマンは遂にツインズに対する攻撃行動を開始した
高速回転する二本の戦錨。それを繋ぎ止める強靭な鎖部が急激に伸長し、Twins-β目掛けて射出される
(´<_` ) 『迎撃するぞ! 「テンタクル」で弾き飛ばせ!』
Twins-βは八本の触腕を帯状に集結させ、飛来する戦錨を目掛けて薙ぎ払う
戦猫は鈍い破壊音とともに進路を僅かに歪め、Twins-βの背後の地面を陥没させた
僅かな間を置いて、落下音
戦錨の直撃に晒された触腕の一本が千切れ飛び、無残な姿を地面に晒していた
( ´_ゝ`) (重いな……)
(´<_`; ) 第六触腕が潰れたか……素直に避けときゃ良かったぜ……
130
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:42:30 ID:Xa9lk1/M0
( ´_ゝ`) (アダマンの兵装は火力不足と聞いていたが、ツインズの装甲の薄さを考えると十分な脅威か)
( ´_ゝ`) (戦闘が長引くほど被弾のリスクは高まる。ここはやはり……)
( ´_ゝ`) 「弟者、16番だ! 配置につけ!」
(´<_` ) 「16番……オーケーだ兄者!」
拡声機関を通して伝達される「16番」の暗号
弟者はすかさず伝声管を手に取り、都市住民に号令をかける
(´<_` ) 『脚部住民へ司令! アダマンの右側面に回り込め!』
(´<_` ) 『残りの住民のうち20人は格納機盾の展開用意! 胴体部にも40人増員して「スロアー」の準備に回ってくれ!』
(´<_` ) 『向こうの攻撃に対しては回避が第一、格納機盾は最終手段とする!』
(´<_` ) 『最終手段ってのは今スグにでも使う可能性があるって意味だ! いつでも展開できるようにしてくれ!』
弟者の声に呼応して、Twins-βの装甲はスライドパズルのように忙しなく変形する
一部は崩れ、一部は重なり、そうして生まれた幾つもの開口部では、ツインズの誇る榴弾投擲機「スロアー」の砲台が顔を覗かせていた
131
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:45:26 ID:Xa9lk1/M0
( ´_ゝ`) 『流石兄者から全住民へ! 「ツインクル」で足止めをしてアダマンの左側に回り込むぞ!』
( ´_ゝ`) 『次のアダマンの攻撃が作戦開始の合図だ! 各員移動の衝撃に備えろ!』
Twins-αの装甲が開放し、胴体部から巨大な砲口が姿を現す
一般的な対都市火砲の数十倍にもなる大口径の内部には何本もの針状の突起物が収容されており、
ひと目にしてそれが単なる砲撃を目的とした兵装ではないことが理解できる
その異様な外見に何らかの戦術的意図を察知して、アダマンは攻撃対象をTwins-αに切り替えた
( #´_ゝ`) 『戦錨が来るぞ! 10時の方向に回避!』
撃ち出された戦猫を回避したTwins-αはアダマンとの距離を一息に詰め、十メートル足らずという至近距離にまで肉薄する
それと同時に、大型砲台「ツインクル」の砲身が急激に熱を帯び、不気味な金属音を響かせる
( #´_ゝ`) 『「ツインクル」発射、カウントダウン! 3、2……!』
(´<_`; ) 「兄者、後ろだ! 戻ってきてるぞ!」
( #´_ゝ`) ――――ッ!?
背後からTwins-αに迫る二本の戦錨
鎖を高速格納することにより生み出された先端の錨部の超速度は、
流石兄弟がこれまで観測した二度の攻撃のそれを遥かに凌ぐものであった
( ;´_ゝ`) (回避……いや、これは間に合わんな……)
( #´_ゝ`) 「作戦続行だ! 弟者、任せたぞ!」
(´<_`; ) 『ど、胴体部住民! 狙いはアダマンの戦錨、「スロアー」全砲門――――
132
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:47:57 ID:Xa9lk1/M0
弟者が指示を出し終えるのを待たず、「スロアー」の砲口が次々と火柱を上げる
戦錨の鎖部に、周囲の地面に、突き刺さる十数発の榴弾
それらは着弾と同時に炸裂し、内部に込められた無数の金属球をドーム上に拡散させた
果たして、爆風と金属球の衝撃により軌道を変えられた戦猫はTwins-αに命中することはなく、
無防備となったアダマンの正面で、Twins-αは「ツインクル」の発射準備を完了させた
(´<_`; ) 『間に合った……ファインプレーだぞお前ら!』
( ;´_ゝ`) 「サンキュー! こっちの住民の喜びっぷりを聞かせてやりたいぜ!」
鼓膜が破れんばかりの歓声が、伝声管を通して兄者の耳に届く
(´<_`; ) 「こっちも似たようなもんさ! 伝達の邪魔だからさっさと黙らせるがな!」
ツインズの住民は、その八割以上が双子の兄弟、姉妹としてこの世に生を受ける
かつて彼等の祖先が経験した深刻な放射能汚染やシエーナ鉱石化合物の毒性による染色体の変異が主な原因とされているが、
彼等はその特性を、過酷な都市戦争における生存戦略へと昇華させることに成功している
(´<_`; ) 『この調子で気を抜くなよ! Twins-αに乗ってる家族の命はお前らが握ってるんだ!』
彼等の生存戦略
それは双子をそれぞれ別都市に配備することにより得られる士気の高陽と救援動作の高速化
そして、それらを土台として成立するハイリスク戦術の成功率の飛躍的な向上にあった
( #´_ゝ`) お陰様でたっぷり充填の時間を貰ったぜ!
( #´_ゝ`) 『照準の再調整も完了! 「ツインクル」発射だ!』
兄者が号令を掛けた次の瞬間、アダマンの視界は眩い光に塗り潰された
133
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:49:20 ID:Xa9lk1/M0
駆動都市Twins-αの特殊兵装「ツインクル」
それは、巨大な砲口の内部に収容された針状突起から散布される特殊な金属粉塵
散布後数秒の間を置いて自然発火するこの金属は、燃焼の際に強烈な白色閃光を発し対象の視力を奪う
( #´_ゝ`) 『アダマン沈黙! 今だ!』
六本の脚が大地を蹴り、Twins-αはアダマンの側面に回り込む
アダマンの巨体を挟んだ対角線上では、Twins-βが既に「スロアー」による再砲撃の準備を終えていた
( #´_ゝ`) 『「トライデント」起動!』
兄者の叫びに呼応してTwins-αの胴体部に走る三本の亀裂
その亀裂を内側から抉じ開けるようにして現れたのは、百メートルを優に越える超長砲身
圧倒的な連射性能と制圧能力を誇る三連装の散弾機関砲「トライデント」である
( #´_ゝ`)『『発射!』』(´<_`# )
二つの叫びが重なり、アダマンに向けられた全ての砲口が一斉に火を吹いた
134
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:51:17 ID:Xa9lk1/M0
アダマンの巨躯に降り注ぐ無数の砲弾、飛び散る晶石片
(´<_`# )『対象に命中! 次弾の装填が終わった所から、俺の指示を待たず発射してくれ!』
(´<_`# )『作戦の16番は挟撃での弾幕射撃。このまま一気に押し込むぞ!』
( #´_ゝ`)『砲撃の手を休めるな! 全弾撃ち尽くすまで攻撃停止の指示は無いぞ!』
兄者の宣言に偽りはなく、ツインズの砲撃はそれから十数分の長きに渡り、一時も休まることなく継続した
鳴り止まぬ轟音はその攻撃の苛烈さを物語り、
立ち籠める硝煙と砲弾の嵐の中、アダマンは反撃も叶わず、致命的な傷跡をその身に刻み込まれることとなった
――――かに、思われた
135
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:52:53 ID:Xa9lk1/M0
旧日本領S地区では一年のある時期、「塞の風」と呼ばれる大嵐が地上を支配する
地中深く根を張った奇形植物群の絨毯を引き剥がし、
人間の頭部より二回りも巨大なシエーナ鉱岩石を弾丸のような速度で巻き上げる颶風の空間は、
避難の遅れた駆動都市を瞬く間に廃墟と化し、そして、他の汎ゆる存在の立ち入りを拒む無貌の城郭である
しかし、この「塞の風」の吹き荒れるS地区の大地を、平時と一切変わらぬ様子で進行する唯一の駆動都市があった
背に負った晶石柱は飛来するシエーナ鉱岩石を容易く粉砕し、その超重量はいかなる強風にも決して揺らぐことはない
駆動都市「アダマン」
名に相応しき金剛不壊の体現者
都市間抗争における砲撃戦など、彼等にとっては気候の変化にも劣る程度の脅威でしかない
136
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:54:21 ID:Xa9lk1/M0
(´<_`; ) おいおいおいおい……
( ´_ゝ`) きっついね、これは
硝煙の帳が晴れ、ツインズの眼前に姿を現したのは、
苛烈な砲弾の嵐をものともせず、ただ泰然と屹立するアダマンの姿だった
(´<_`; ) 全くの無傷……? いや、違う!
(´<_`# ) 「兄者、効いてるぞ! 晶石が何本かグラついてやがる!」
(´<_`# ) 「蟻の一穴ってやつだ! ここさえ突き破りゃ内側は火の海だぜ!」
弟者の指差す先に目を向けると、確かにその言葉の通り、数本の小型晶石柱が僅かに振動しているのが見て取れた
崩壊の始まった装甲は脆い
内部に通じる亀裂がほんの一筋でも入っていれば、或いは次の砲撃で装甲を破壊することも出来るかもしれない
そう考え、攻撃の指示を口にしようとした正にその瞬間、兄者の脳裡を不吉な予感が掠めた
( ;´_ゝ`) (悪い予感ってのは、だいたい当たるもんだ)
( #´_ゝ`) 「弟者! そいつは罠だ、守りを固めろ!」
(´<_`; ) 「あ? ……っ、了解!」
(´<_`; ) 『かっ、格納機盾、緊急展開!』
137
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:55:59 ID:Xa9lk1/M0
Twins-βの外部装甲に網状の亀裂が走り、裂け目から無数のシエノーツ鋼板が解放される
赤褐色に輝く鋼板は瞬く間に巨大な盾を形成し、Twins-βの姿を完全に覆い隠した
(´<_`# ) 高純度シエノーツ鋼板の盾だ! 罠とやらの威力を見せてもらおうじゃ――――
弟者の言葉を遮るように、反撃の砲火がTwins-βを襲う
鈍く重い破壊音と共に都市全体を貫く衝撃
格納機盾は大きく拉げ、粉砕された鋼板の破片が宙を舞った
(゚<_`; ) 『各区画! 直ちに被害状況を報告! 詳細は後回しで良い!』
『脚部機関に被害なし! 衝撃により住民一部負傷!』
『胴体部第二区画、一部機関損壊! 戦闘に影響は無し!』
『胴体部第六区画「スロアー」数基破損! その他被害無し!』
伝声管を通して次々と届く報告に、弟者は安堵の表情を浮かべた
(´<_`; ) ……被害は軽微。盾はイカれたが、それだけだ!
(´<_`# ) 『格納機盾を再構築! 次弾に備えろ!』
138
:
名も無きAAのようです
:2016/11/01(火) 23:58:24 ID:Xa9lk1/M0
一枚岩と化していた格納機盾が俄に波打ち、蠢く鋼板の群れへと姿を変えた
アダマンの一撃により変形し、強度を保てなくなった鋼板は群体から切り離され、直撃を免れた無傷の鋼板が新たにその空隙を補う
群生昆虫を連想させる不気味な動作の後に残った物は、決して力尽きることのない不滅の大盾の姿だった
(´<_`# ) 「兄者、こっちの被害は軽い! 大丈夫だ!」
( ´_ゝ`) 「……ああ」
無事を知らせる弟者の声だが、兄者の表情は暗い
先刻のアダマンの砲撃は、敵対する二都市のうち、Twins-βにのみ向けられたものだった
戦錨による様子見の攻撃とは異なる、明確な殺意の込められた一手
傍観者の立場にあった兄者はその瞬間、アダマンという都市の持つ異常性を目の当たりにした
( ´_ゝ`) あいつら、頭おかしいんじゃねえか
砲撃の瞬間に兄者が目にしたのは、Twins-βを目掛けて撃ち出された灰白色の弾丸
それは紛れもなく、つい先刻までアダマンの巨体を守護していた多数の晶石柱のうちの一本であった
( ´_ゝ`) ……撃ち出されたのは俺達の砲撃で損壊した小型晶石だな
( ´_ゝ`) 殴りゃ殴るだけ反撃の砲弾が増えますよってか。天才かよ
蔑むような落ち着いた声色の裏側で、兄者は背筋が凍るような感覚を覚えた
小型の晶石片でさえ、格納機盾を破壊しTwins‐βの本体に打撃を与える大火力
もしも、より大型の晶石柱を射出する機甲が搭載されていた場合――――
――――その威力はツインズに備えられた汎ゆる防御手段を突破し、彼等にとって致命的な損害を齎すことになるだろう
139
:
名も無きAAのようです
:2016/11/02(水) 00:00:48 ID:u52jnWh60
僅かな沈黙の後、兄者は静かに口を開く
( ´_ゝ`) 「弟者、守るのはやめだ」
( ´_ゝ`) 「……」
( ´_ゝ`) 「……2番だ」
(´<_`; ) 「なっ……!?」
駆動都市という概念がこの世に誕生して数百年
「アダマン」と呼ばれたその都市は、駆動都市の歴史上でも取り分け幸運な存在として後世に伝えられることになるだろう
なぜなら彼等は百年近くもの長きに渡り、何者にも怯えない平穏な日常を送り続けた勝利者だからである
そして、同時にこの都市は、余りにも凄絶に生涯の幕を下ろした悲劇の主人公として語り継がれることになるだろう
なぜなら彼等は自らの戦力の強大さゆえに、ツインズに「その」兵装の使用を決意させてしまったのだ
140
:
名も無きAAのようです
:2016/11/02(水) 00:03:56 ID:u52jnWh60
.
「作戦の2番」
超長砲身多薬室砲「ツァーリ・アバロチカ」による砲撃
「帝王」と名付けられた、たった一発の砲弾により
アダマンはその日、S地区の勢力図から姿を消した
.
141
:
名も無きAAのようです
:2016/11/02(水) 00:07:01 ID:u52jnWh60
かきためがまにあわなかったのでぜんぺんだけとうかします
いきててすいません
こうへんはおそらくしゅうまつあたりになります
142
:
名も無きAAのようです
:2016/11/02(水) 00:11:43 ID:SBtfGnms0
くそぅ良いところで切るなぁ面白いです乙
143
:
名も無きAAのようです
:2016/11/04(金) 15:26:38 ID:jJNxyqc.0
乙 すごく映像的な描写で好き
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