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( ^ω^)ブーン系小説&イラスト練習総合案内所のようです
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(*^ω^) 久しぶりに僕だお! みんな熱中症対策はしっかりやってるかお?
( ^ω^) ここはブーン系小説&イラスト練習総合案内所だお!
初めての方や馴染みのない方は以下のブーン系wiki、テンプレ等をよく読んで
ご理解とご協力をお願いします
・総合スレにおける最低限のルール、マナー
・よくあるQ&A
・荒らしについて
・進行中の企画・創作板の特殊スレ一覧
・AAテンプレ一覧
ブーン系wiki
http://www43.atwiki.jp/boonkei/
☆ ://boonkei.wiki.fc2.com/
↑が見れない、AAがコピー出来ない方の為の予備サイト
☆://boonkei.web.fc2.com/top.html
☆://boonkei.m.web.fc2.com/top.html(携帯用)
兄弟スレ
( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです★52 [転載禁止]���2ch.net
http://mastiff.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1428149845/
前スレ
∬´_ゝ`)ブーン系小説&イラスト練習総合案内所のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1434797077/
( ^ω^)ブーン系小説板のようです(旧避難所、スレ立て上限に達した)
http://jbbs.shitaraba.net/sports/37256/
( ^ω^) ブーン系小説板2のようです
http://jbbs.shitaraba.net/internet/16305/
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あーあ本格的に死んだか
まぁ時間の問題だったしね
引き継ぎも無しなのはどうかと思うけど
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余計なお世話かもしれんけど旅好きに関してはRESTとここの倉庫にログが残ってるからそっちで読めるぞい
boonrest.web.fc2.com/genkou/tabi/0.htm
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/13029/1350822552/
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/13029/1358165626/
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/13029/1367066714/
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Roman消える時はいつも404じゃないけ?
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>>806
>>804だけどthx
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早く誰かドラコンボール集めてこいよ
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ドラゴンボールは年に一回しか使えないぞ
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よく見ろ相手は執政官だ
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Romanなんか死んでもいくらでも代わりはいるし問題ない
新しいまとめもできたし
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これからは自分達でも好きなスレを保管できるぞ
( ^ω^)ブーン系保存板のようです
http://jbbs.shitaraba.net/study/12657/
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Roman死亡は恒例行事だから問題ない
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1年ぶりに来たが最近ので面白いやつ有りますか?
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!deus ex machina
まとめはブンツンドー
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厨房工房が消えてやっと総合平和になったな
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>>815
ブーン系大ピンチ!!伊東四朗がツンになりすましているようです
ttp://tanpentokanohokanko.blog118.fc2.com/blog-entry-493.html
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まとめ検索も消えた
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>>810
何に使ったんだよ…
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平和はいいがこの過疎じゃなぁ
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ちょっと質問なんだけど、今の投下ってやっぱりこっちが主流でVIPからは完全移行?
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完全ってことはないだろう
やりたいやつがやりたいところでやりたいようにやるだけ
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主流とかいっちゃうとどうもな。VIPでやるのが一番だし
ただ創作が9割VIPが1割っつーのは実情
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VIP転載禁止になってブーン系やSSスレを敢えて立てる意味がなくなった感じ
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ほうほう成程
ここ数年まとめで読むことばっかりで、久々に書いてみようと思ったんだけどどうなのかと思ってね
迅速かつ丁寧にありがとう。頑張ってみるよい
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まとめ管理人はscから転載するという図々しさないの?
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>>815
ξ )ξストール女のようです
この世界は既に征服されていたようです(゚、゚トソン
(´・_・`)インスタント・イン・マイ・ライフのようです
最近読んで面白かったやつ
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>>827
何も図々しいことじゃない
つか.netのものを転載してもノンアフィあるいは創作系なら許される風潮さえある
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一応ルール的には非商用目的なら問題ないことにはなってはいる
が、勘違いした子がまとめ報告とかに噛み付く可能性もある(というか専門板でそういう事例を知ってる)ので面倒
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そらるとかいう有名な歌い手さんが作品を見てくれていたようだ
たまにツイッターを監視すると意外な発見があるな
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誰だよ
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一応歌い手の起源もvipなのに今じゃ駄目なニコ粕の代名詞になっちゃったな
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その人ではないが、フォロワー数万人くらいいるイラストレーターが俺の作品含めブーン系いくつか紹介してたことがある
好きなレーターだからよく呟き見てたが、それまでブーン系のぶの字も出てなかったから驚いた
ブーン系の読者層って意外と幅広いね
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ええこっちゃ
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そらるにトラウマがある人だっているんですよ!
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クーが海賊になる話のタイトルが思い出せない…
ドクオが船長でデレがどっかの島の原住民の奴…
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クーは探しているようです?
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面白そうだから読んでみたら滅茶苦茶面白くて一気読みしてしまった
>>837と>>838有り難う
そして続き……続きを……!
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>>838
サンキュー!それだ!
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クー探も最終回前に未完なんだよなあ
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しまった個別スレの話は禁止だったスマヌ
でもなんで最終回前に未完が多いんだろう?作者として最後は書きたくないんだろうか
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最終回直前で止まってる作品本当に多いよな
まあ気持ちは分かる それまでの展開に自信があればあるほどなぜか最終回は書きたくなくなるんだよなあ
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気負いがあるからな
今までやって来た物の集大成をその一話に込めなきゃいけない
いくら頭の中に物語はあっても、書けば書くほど不安になるんだよ
本当にこれでいいのか、最後の最後で台無しにならないか、もっと構想練ったほうがいいんじゃないか
で、書きたくなくなる
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そうかあ
書かない方が台無しと思うけど、こればっかりは本人にしか苦悩具合がわからないよな
話してくれてありがとう
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ありゃ
ID変わったけど>>842で質問した奴と同じっす
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何年か前に一度だけ長編書いたことあるが、確かにラストの〆は悩んだなぁ……
悩んだ結果完全には納得いかないまま投下して、後になってもっと良い〆方を思い付いたり
長編の最後は本当に難しい
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ブーン系の自由ってそういうところに求めたらあかんのかね?
最終回を書き直して〜って
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それは自由でも何でもないだろ
強いて言うならただの作者のワガママ
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それも自由なんじゃねーの
叩かれるかそうでないかの違いしかないと思う
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俺は別にいいと思うけど、一度完結させたのをもう一度直して上げるのはプロ作家でもしんどいらしいよ
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>>849
なるほどストイックだね
だからこそそういう人が長編を書ききれるのかもしれない
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俺は長編っていうより中編だけど最後のオチ、というか〆をやりたくて書き始める
そのせいで中だるみしちゃったけど、完結はしてる
何かあまりにもあっさり終わると〆のインパクトが薄いし、かといって長く続けるほどでもなー、って感じ
ところで復帰がてらさくっと書きたいんでお題三つほどいただきたい
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日常系なんかはなかなかオチを付けづらいらしいな
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ワガママ、というかエゴだな
どんな最終回だろうが、それを見て誰かしらから乙は貰ってるだろ
それをいくら気に入らないからって変えるのは、その最終回を見て乙してくれた奴に対する裏切り行為でしかない
リアルタイムで見て、感動して、乙したのに、作者が最終回を無かったことにしたらさ
その最終回で感動してくれて乙してくれた奴の思いまで無かったことにしちゃうじゃんか
いくら自分が書きたいから書いてるっていってもさ、作品を読んでくれて表現してくれた思いまで無かったことにしちゃ駄目だろ
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>>853
缶ジュース
復帰作品楽しみにしてる
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>>853
戦場
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>>853
財布
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>>856
>>857
>>858
缶ジュース・戦場・財布
ありがとう!書いてくる
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打ち切り最終話でラスボスに花嫁衣装着せた漫画の悪口はやめよう
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プリンセス・ハオのことか
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寝るぞ!
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あれは完全版出たやろ……
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お題下さい
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>>864
バイオリン
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>>864
バンジョー(ただしゾンビの頭を殴る以外の用途で)
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イャッホッ、ッァァァァァァァアアイッ!
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>>864
水銀
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絵題くださーい
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>>869
うんこ
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>>869
ノパ⊿゚)+夏の終わり
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お前らID見ようぜ
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まったく犬は毎日毎日飽きずによくやるね
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>>866
ゾンビランド乙
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速報:総合スレで募集されたお題の3ヶ月以内の消化率0%
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まさかお題募集が全部荒らしって訳でもないだろうから
まともに募集した奴らも書いてないって事だな
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描き始めたけど構図とパースで飽きた
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さすがに3か月は盛ってる気がする
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ぎりぎり3ヶ月以内くらいに俺しょ、消化したし……
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今月貰って書いてるけど止まってる
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俺が筆を止めた…9レス目の時点でな…
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むしろ3ヶ月どころの騒ぎじゃないだろ
お題スレは絵題は消化率高い気がする
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>>881
入門してきたのか……我がブーン系に
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投下します
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ミセ*゚ー゚)リ
加賀美 芹花。
ミセリと呼ばれ、何処にでもいるような一人の少女。
彼女はきっと、年相応に歪んでいた。
恐ろしいほど純粋で、綺麗に。
「結局、この程度なんだよ」
そう言った彼女は、もう何もかも諦めたように笑っていた。
そして不謹慎ながらも、僕はそれに見とれてしまった。
加賀美 芹花。
花の名を持つ、もう逢うことの叶わない一人の少女。
窓際の席で、君は一体何を見上げていたのだろうう。
澄み切った青い空に何を望んだのだ。
競い合うことに疲れた小さな花。
これは、僕と彼女のお話。
白く輝いた、ひと夏の――――。
ミセ*゚ー゚)リ プランターのようです (´・ω・`)
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――――キン。
開け放たれた窓から聞こえる打球音。
我こそはと、命をかけた蝉の合唱。
夏という戦場を舞台に、互いを高め合っているかのようだ。
「……はい、今日はここまでー」
だるそうに届く教師の声。
それもそうだろう。
これは所謂補習と云うやつで。
できない生徒の集まりなのだから。
そんな者達のためにクーラーの使用を許可するほど、学校は優しくなかった。
僕たち赤点組よりも地球を思った方がよっぽどましなのだろう。
(´・ω・`)「ドクオはこの後も?」
勉強道具を鞄にしまい、後ろの席の友人に尋ねる。
('A`)「あと2教科」
(´・ω・`)「ごくろうさま」
机に突っ伏すようにして不貞腐れる友人から鞄へと視線を移す。
補習の道具しか入っていないソレはあまりにも軽く、どこか頼りなさを感じさせた。
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('A`)「そういえばさ」
(´・ω・`)「うん?」
いつの間にか椅子に背を預けていたドクオが話しかけてくる。
既に教室には2人しか居らず、夏の音が僕らを包んでいた。
('A`)「うちのクラスに加賀美いるじゃん?」
(´・ω・`)「いるね」
加賀美 芹花。
どちらかと言えば大人しい部類だが、暗いわけではない。
自分から進んで話しかける方ではないが、誰とでも気さくに話せるような人。
見た目も性格を表すかのようで、決して派手ではない。
だがそれなりの可愛らしさはある、と思う。
まだ数回しかやりとりをしていないがそんな印象だ。
('A`)「あいつさ、援助交際してるんだって」
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(´・ω・`)「何をいきなり」
人を呼びとめて何を言い出すかと思えば――――。
半ば呆れるようにして荷物を持ち直す。
('A`)「何かさ、隣のクラスのやつが見たんだってよ。おっさんとホテルに入っていくの」
こちらの事などお構いなしに話を続ける。
数度しか話したことがないとはいえ、僕が持つ彼女のイメージにはそぐわない。
(´・ω・`)「それで?」
('A`)「……してると思う?」
どこか不貞腐れるような問い掛けに対して、息を吐き肩をすくめる。
いや、どちらかと言えば不安に思っているのだろうか。
(´・ω・`)「ドクオって、分かりやすいよね」
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('A`)「は?」
(´・ω・`)「まあ、少なくとも僕は嘘だと思うけどね」
そろそろ次の補習が始まるのか、何人かの生徒たちが入ってくる。
今度こそと思いドクオに背を向け歩き出す。
('A`)「ショボン」
返事もせずにただ振り返る。
一体何だというのだ。
('A`)「ドクオはやめろ」
毒島 孝雄という名前からつけた愛称の撤廃を求める声。
トーンもどこか明るく、さっきまでの空気が嘘のようだ。
(´・ω・`)「そっちこそ」
最早定番とも言えるやりとりをして、軽く手を振り別れを告げる。
教室から出て、軽く伸びをすると、身体から小気味好い音がきこえた。
人気のない廊下にチャイムが響く。
これ以上学校に残っていても仕方がないため、玄関を目指す。
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この学校は四階建てで、四階は一年、三階は二年、二階は三年、といった風に分けられている。
去年始まったこの学校生活も、もうすぐ半分が過ぎようとしているのだ。
('A`)『あいつさ、援助交際してるんだって』
不意に浮かぶドクオの言葉。
あまり親しい友人のいない彼は僕に話し、否定してもらいたかったのだろう。
(´・ω・`)(援助交際、ね)
ぼんやりと考えながらも、一階までたどり着く。
玄関前にある、校内唯一の自販機置き場に眼がいった。
外にあるものよりも若干安いそれは、渇いた喉には魅力的だ。
財布を開きながら近づき小銭を取り出す。
が、手にした百円玉が逃げ出し、コロコロと転がっていく。
(;´・ω・`)「わっ」
自販機の下に入ったそれを追うように地に伏せる。
高校生にとっての100円というのは重い。
必死に手を伸ばして、悪戦苦闘していると背中をつつかれた。
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ミセ*゚ー゚)リ「これ、つかって」
(;´・ω・`)「え?あ……」
間抜けな声を出して振りかえると、クスクスと笑いながら屈みこむクラスメイト。
彼女――――加賀美 芹花は、箒の柄先で僕の背中をつついていた。
(;´・ω・`)「ありがとう」
それを受け取ると、自販機の下に伸ばし入れ、目当てのモノを寄せる。
大きな埃とともに出て来たそれを拾い上げて立ち上がり、振り返った。
(;´・ω・`)「ありがとう」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふー。どういたしましてー」
悪戯に笑う彼女は僕の方に手を伸ばす。
その意味を分からずに戸惑っていると、加賀美さんは僕から静かに箒を取り上げた。
(´・ω・`)「あ、いや。僕が戻しておくよ」
気持ちを落ち着け言葉を返す。
先程見えなかったのだから、まさか掃除中だったわけでもないだろう。
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ミセ*゚ー゚)リ「気にしなくても良いよ。それよりほら」
買うんでしょう?
彼女に言われるがまま自販機に向きなおす。
これと言って決めていなかった僕は無難にお茶を選んだ。
そして彼女に尋ねる。
(´・ω・`)「お礼に御馳走するよ」
加賀美さんはきょとんとして僕の眼を見る。
引きこまれそうなほど澄んだ瞳に、僕は思わずどきりとした。
(´・ω・`)「加賀美さん?」
ほんの数秒の無言に追い打ちをかけるように言葉をかけた。
すると、彼女は吹き出し、箒を抱きしめながら笑い始める。
突然の行動に僕は再び驚いていた。
ミセ*゚ー゚)リ「ちょっと、田所、くん、それじゃあ、意味、ない、じゃん」
必死に百円玉を取り出し、手伝ってくれたから奢るよだなんて。
意味を理解して顔が熱くなるのを感じたが、それでも引きさがるわけにはいかなかった。
どっちにせよ格好がつかないのなら、少しでもましな方をとる。
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(*´-ω-`)「どれでもどうぞ」
目の前の自販機に二百円をいれ、彼女に買うように促す。
他にも幾つか自販機があるが、そこから選ばせるよりこうしてやった方が確実と考えた。
僕が引かないと分かったのだろう。
彼女は申し訳なさそうにしながらも、お礼を述べてボタンを押した。
これ、好きなんだ。
オレンジ色の缶ジュースを手に、彼女は再び微笑んだ。
ミセ*゚ー゚)リ「なんかごめんね」
(´・ω・`)「いや、僕のせいだしね」
喉を潤し、箒を返したあと、帰り道が同じ方向だと知った僕等は肩を並べて歩いていた。
一緒に補習を受けた友に心の中で謝罪しつつ、そこで話題になった人物とのこの状況を奇妙に思う。
おかしなものだと思うが、やはり異性と歩くとなれば悪い気はしない。
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ええやん
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ミセ*゚ー゚)リ「田所君って電車じゃなかったの?」
(´・ω・`)「朝が苦手で。祖父母の家がこっちの方だから居候してる」
ミセ*゚ー゚)リ「あー。ずるいんだー」
真上にある太陽がアスファルトを熱する。
ユラユラと踊る陽炎を踏みつけるようにして川沿いの土手を進んでいた。
川原からは夏休みを満喫する子供たちの笑い声が絶えず聞こえて来る。
僕等はそれを眺めては「懐かしい」といった言葉を言い合っていた。
ミセ*゚ー゚)リ「ショボ……、田所君って成績悪かったっけ?何か良さそうなイメージあるけど」
僕の事を呼ぼうとして言い直したのだろう。
ごまかすように笑っていた。
(´・ω・`)「ショボンでいいよ。ちなみに補習は今回が初。一教科だけだからすぐ終わるけどね」
ミセ*゚ー゚)リ「そかそか。というかショボンって呼ばれるの嫌なんじゃないの?」
(´・ω・`)「どうして?」
ミセ*゚ー゚)リ「ほら、毒島君といつも言いあってるから」
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(´・ω・`)「ああ、それは気にしなくて良いよ」
ミセ*゚ー゚)リ「気になりますなー」
田所 本成、だからショボン。
ある日突然ドクオが言い始めたのだ。
何でも「自分にあだ名をつけてくれたから、そのお礼」とのこと。
どう考えても意趣返しだったし、当初は響きに覇気がなく似合ってるとも言われ、納得がいかなかった。
今となっては互いの呼び方にこれといった不快感も無いのだが、慣れ親しんだやり取りのため続いている。
ミセ*゚ー゚)リ「仲良しだね」
羨ましいな――――。
そう続ける加賀美さんはどこか寂しげな雰囲気で、けれどもすぐに調子を取り戻したのか微笑んで見せた。
(´・ω・`)「ところで加賀美さんは何で学校に?補習では見なかったけど」
ミセ*゚ー゚)リ「ちょっと図書室に行ってたの。読みたい本があってねー」
鞄から取り出した本は僕の全く知らないタイトルで。
どうやら彼女のお気に入りの作者らしく、別れるまでの時間は彼女の熱弁に耳を傾けることになった。
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ミセ*゚ー゚)リ「何か私ばっかり話しちゃってごめんね」
(´・ω・`)「いや、楽しかったし興味もわいたよ」
どうせあと何度かは学校に行くことになるのだし、その時にでも借りてみよう。
それを伝えると、彼女は嬉しそうにして帰路についた。
どこかに置き忘れていた蝉の声が、ゆっくりと僕に追い付く。
楽しかった時間が終わったことに気付いた僕もまた、家に向かい歩きだす。
彼女とこんなに長く話したのは初めてで。
だからこそ改めて思う。
彼女は援助交際なんてしていない、と。
(´・ω・`)(でも……)
そう、一度だけ見せた表情。
すぐにかき消されたあれは何だったのだろうか。
(´・ω・`)(……対して仲良くもない男子と歩いていれば仕方ないか)
難しく考える必要はない、なんて言いながら――――。
気付けば、僕は暇さえあれば彼女の事を思い浮かべるようになっていた。
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夏休みも終わりに差し掛かっていた。
初めて加賀美さんと一緒に帰ってから数日。
ふらりと立ち寄った図書室で偶然にも出くわし例の作者の本を借りた。
せっかくだからと言う事で連絡先も交換し、共に図書室に向かう事もしばしば。
そう――――僕はもう彼女に魅かれていた。
夏休みが終わり登校が再開すれば毎日会えるだなんて。
こんな風に長期休暇を煩わしく思うほどに、僕は浮かれていた。
だから、僕はその時の光景を信じられなかった。
ドクオの家で遊んだ帰り、日も暮れた街の裏通りを歩いていた時のことを。
普段なら通らないその道を、ただなんとなく選んだ時のことを。
彼女――――加賀美 芹花が中年の男とホテルから出てきたことを。
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(´ ω `)(嘘だろ……。嘘だ、嘘だ)
援助交際。
彼女と話すほどに薄れていったフレーズが今再び形を為す。
耳鳴りがする。
ヒグラシの声など消え去っていた。
気持ちが悪い。
グルグルと視界が揺れ、今にもどうにかなりそうで。
何かの間違いなんじゃないかと思いもう一度見る。
彼女は男に別れを告げ歩き出していた。
裏通りのせいか、現在、周りには誰もいない。
彼女が出て来たことを知るのはきっと僕だけだろう。
男が見えなくなり、慌てて僕もその場を去ろうとする。
今、彼女に顔を見られたら。
今、彼女の顔をまともに見てしまったら。
どうしていいのか分からない。
逃げようとして、周りを見ずに動いたのがいけなかった。
近づいていた車に気付かなかったのだから。
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「気をつけろ!!」
大した速度は出ていなかったのだろう。
轢かれはしなかったが、ドライバーから叱責を受け、頭を下げる。
車が去った後、僕は恐る恐る顔を上げる。
いつか見た、寂しげな表情の彼女がそこにいた。
ミセ*゚ー゚)リ「ね、ショボン君」
ゆっくりと近づいてきた彼女は僕の眼を見て言う。
ミセ*゚ー゚)リ「ちょっと歩こうか」
力なく頷いて僕は加賀美さんの後を追った。
僕は今どんな顔をしているのだろう。
恐ろしく重たい足を引き摺る僕はどれほど不格好なのか。
きっと、少し前の君なら笑ってくれていたに違いない。
(´ ω `)(なんだよこれ)
耳鳴りは鈴虫の鳴き声へと変わっていた。
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ミセ*゚ー゚)リ「さて、と」
何度か一緒に帰ったことのある土手。
そこを降り、川の傍までやってきた。
ようやく呼吸を落ち着け、彼女の隣に並んだはいいが、やはり声をかけられないでいた。
そんな僕を気にする様子もなく彼女は鞄から財布を取り出す。
何度か目にした事がある財布。
所々擦り切れて、ファスナーの噛み合わせも悪くなっているのを僕は知っている。
『なんか不格好なのがショボン君に似てる。しょんぼり財布だよ』
なんて言って笑っていたのを思い出す。
気に入っているから替えられない、とも言っていた。
ミセ*゚ー゚)リ
そこから三万円を取り出し――――鞄から取り出したライターで火をつけた。
(;´・ω・`)「ちょ!?」
慌てる僕もお構いなしに火は一万円札を灰に変えていく。
彼女が手を離したときには完全に消え去っていた。
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ミセ*゚ー゚)リ「私ね、援助交際してるんだ。もう何回も」
(;´・ω・`)
彼女はその場に腰をおろし、川を眺め続けている。
僕も同じように隣に座り、やはり川を眺めた。
ミセ*゚ー゚)リ「結局、この程度なんだよ」
その言葉を聞き彼女の方を見る。
いつもと違う笑顔。
何もかもに疲れたような、諦めたような笑顔。
思わず見とれてしまい、言葉を返すのが遅れた。
ミセ*゚ー゚)リ「あの三万円は私の値段」
彼女は、決して孤立しているわけではない。
愛称だってあるし、彼女自身にも、その周りにも笑顔があった。
それでも、彼女は息苦しさを感じていたのだと言う。
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くっさ
書いてるの工房マンコだろ
ブーン系の質を下げんな死ね
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ミセ*゚ー゚)リ「火をつけてさ、あっという間になくなる」
ミセ*゚ー゚)リ「ああ、私の価値ってこんなもんか。はい、おしまい。すっきり、って」
自分に価値があるのか。
誰もが一度は考えるであろう疑問。
結局それは「年相応の考え」でしかない。
深く考えなくて良い、当たり前の通過点なのだ。
なのに彼女はそこで立ち止まってしまった。
自分の価値に真摯に悩み、歪んだ。
ほんの気の迷いで済むそれを馬鹿みたいに解こうとした。
そんな彼女が自分の価値を得るための手段が、援助交際。
言葉だけのあやふやな評価でなく、確かに形になる証明。
ミセ*゚ー゚)リ「こんな女に付き合わせてごめんね」
彼女は一体何度自分を殺してきたのだろうか。
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