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居酒屋事件簿のようです
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(食欲を掻き立てるだけが飯テロではない)
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食事とお酒が楽しめる居酒屋
『設楽羽』
( ^ω^)⊃ガラララ
(,,゚Д゚)「いらっしゃいませー!!」
(-@∀@)「っしゃいませー!!」
( ^ω^)v「おっ、二人だお。もう一人は後から来るお!」
(,,゚Д゚)「はい!カウンターお二人様ご案内!」
(*^ー^)「いらっしゃいませ!」
-
( ^ω^)(うん。所長から聞いて正解だったお)
( ^ω^)(僕があの事務所に転職してから早一か月。仕事にはなかなか慣れないけど、なんとかクビにならずにすんでいるお)
≡( ^ω^)ヨッコイ ショウイチ
( ‐ω‐)(今日は久しぶりの休み。不定休な仕事だから、たまには羽を伸ばそうぜって所長……茂良さんから紹介してもらったけど)
(-@∀@)「飲物、先に聞いていいっすか?」
( ^ω^)「おっ!とりあえず生中ひとつくださいお」
(-@∀@)「はいっす!」
( ^ω^)(店員さんもはきはきしてるし、良い店だお。さすが所長だお)
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( ^ω^)(……それにしても、とりあえず生中、か。数年前はとりあえずなんて言わなかったのに、僕もおっさんになったお)
(-@∀@)⊃「お待たせしましたっす!生中です!」
( ^ω^)⊃「ありがとお」
( ^ω^)ゴクゴクッ
( ゚ω゚)プハァア!
(* ゚ω゚)(でも、この旨さはおっさんにしかわからないおっ!)
(* ^ω^)「五臓六腑にしみる……」
「おいおい、若造がそんな言葉つかってるんじゃないぞ」
(^ω^ )「えっ、だ、誰だお!?」
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ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「俺の名はイトーイ。さすらいの食べロガーさ」
( ^ω^)「は、さすらいの……なんて?」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「さすらいの食べロガー」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「ああ、ユーチューバー的な無職か」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以⊃[]ポチポチポチ
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「お前は俺の逆鱗に触れた。炎上させてやる」
-
( ^ω^)「笑わせんなお。自慢じゃないけど、ネットリテラシーとかは仕事柄、完璧だお。僕を炎上させるなんて不可能──」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「大将!」
(,,゚Д゚)「はい!?」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「今から俺はこの店の評価を五段階中最低の一評価にする」
(,,゚Д゚)「えっ!?な、なにか不手際が!?」
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ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以⊃[]「そこに座っている若造が気に入らん。レビューの書き出しとしてはこうだ」
ィ'ト―-イ、
以`-益-以『夕日が僕を照らす黄昏の始まり。
僕は、一つの止まり木で羽を休めた。
──居酒屋 設楽羽。ひと時のオアシス。
そこにあるのはたくさんの料理と、愉快な仲間たち。
僕の心はホーリーグレイルで満たされるのさ。
そこに悪魔がいなければ──』
( ^ω^)(ポエムやん)
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(,,゚Д゚)「この書き口……あ、あんたもしかしてさすらいのイトーイ!?」
(; ^ω^)(有名なのかお!?)
(-@∀@)「まさか……わけのわからないレビューが一部ネット掲示板に受けてカルト的な人気を誇るあの……」
((((,, Д ))))
(-@∀@)「た、大将が……」
(*゚ー゚)「震えてるわ……」
( ^ω^)(あーなるほど、そりゃ震えるわ。ホーリーグレイルだもんなぁ)
-
(,,゚Д゚)「お、お客さん……その……」
( ^ω^)「おっ……」
( ^ω^)(なるほど、僕が謝らなければこの店に汚点がつく。大将としては謝ってほしいところ)
( ^ω^)(仮に謝らなければ、今後僕がこの店に入るとき……ものっそい気まずいムードが流れる可能性大、と)
( ^ω^)(……腑に落ちないけど、大将のためにもさっさと謝っとこ)
( ^ω^)「す、すみませんでしたお、イトーイさん。僕の不注意でしたお」
ィ'ト―-イ、
以`-益-以「フン、わかればいいんだよ」
(,,-Д-)ホッ
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「君の名前は?」
( ^ω^)「西川っていいますお」
( ^ω^)(偽名だけど。こんな奴に本名教えたくないお)
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「西川君か。どうだい、よければ俺が『食』というものを教えてあげてもいいが」
( ^ω^)「ハハハ、気さくな方ですね」
( ^ω^)(断りてぇ)
ィ'ト―-イ、
以`^益^以「よし、こっちにきたまえ。一緒にホーリーグレイルを交わそう」
( ^ω^)「あ、ホーリーグレイルって生中なのな」
-
〜〜〜
イトーイのオススメ注文後
(*゚ー゚)⊃「お待たせしました!」
( ^ω^)σ「魚……なんだおこれ。刺身かお?ちょっとしかないお」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ふふん、サバの冷燻(れいくん)だよ」
( ゚ω゚)「サバのレイ君?このサバ、レイって名前なのかお!綾波かお!?ブレスかお!?それともお遊戯会かお!?」
ィ'ト―-イ、
以;゚益゚以「もう酔ったのか!?」
( ^ω^)「えっ、違うのかお?」
(,,゚Д゚)「燻製ですよ」
( ^ω^)「お、燻製」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「燻製にはおおまかに熱燻、温燻、冷燻と種類があるんだ。このサバは冷凍燻製で仕上げてある」
( ^ω^)⊃「触ってみると冷たいですお。歯がキーンってしそうだお」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「そこがポイントだよ。言葉は要らない。まずは頭の中で君が普段食べているサバを思い浮かべてごらん」
( ‐ω‐)「おっ……」
-
サバ……ご飯と一緒にいただくのならば、間違いなくサバの味噌煮が筆頭となるだろう。
一緒に煮込まれた煮汁が、まるで本体を隠すようにトロリと包み込む家庭料理のそれは、ともすれば単品でも大変美味。
しかし、甘辛く、肉厚の身を口に運ぶとどうしても欲しくなるものがある。ホカホカの白飯。茶碗に盛られた銀シャリ。
余計な骨は少なく、プリップリの魚を口内で味わえば、次に箸を運ぶはご飯以外にありえないのだ。
米に合うおかずの筆頭。ししとおがらしで彩も添えて。
\_ ________/
ヽノ
○
o
( ‐ρ‐)「おっ……」ジュルリ
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「フッ、君が頭の中に思い浮かべたのは……サバの味噌煮込かな?」
(; ^ω^)「っ!?な、なぜそれを……」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「サバの冷凍燻製を見てこれは何か?と聞いてきた。つまり普段はあまりサバ料理を食べないか、意識していない」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「加えて、一品料理に対し、ちょっとしかないという感想を抱いた。これはもっと食べたいという空腹もしくは食いしん坊特有のセリフ」
ィ'ト―-イ、
以`-益゚以σ「さらに君は薬指に指輪をしていない。よって、思い出されるサバ料理の可能性としては母親が作る家庭料理でポピュラーなサバの塩焼き、もしくはサバの味噌煮込が第一に考えられる」
(; ^ω^)「な……ちょ、ちょっと待ってお!ならサバの塩焼きを頭に思い浮かべた可能性も否定できな──」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「空腹ならば白飯とセットでという考えに基づいたイトーイ理論の帰結としては、味噌煮込に軍配が上がったからだよ」
-
(; ^ω^)「さ、さすらいの食べロガー……!恐るべしだお……!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「たまたまだよ。蓋然性の問題さ。さぁ、役者はそろった。未知のサバを食しに行くんだ西川君。アーユーレディ?」
( ^ω^)「おっ……!」
パクッ
( ^ω^)「!」
( ^ω^)「しゃ」
( ^ω^)「シャリシャリしてるお……なんだおこれ、まるで魚のシャーベットみたいだお……」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ほう、良い表現だ。俺はこれを真空のマテリアルと呼んでいるんだがね」
( ^ω^)「真空の……マテリアル……!」
(,,゚Д゚)(こいつら普通に食えねえのかなぁ)
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「最初の一口で感じる食感としては、冷たさとシャリシャリ感が最も大きい」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「それもそのはず、冷凍燻製の手法として、冷やした煙をサバに吹き付けているからね」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「これによって、表面的な冷感がそのまま食感……美味しさや不思議につながる」
( ^ω^)「確かに不思議でしたお。でも、正直言うと……」
ィ'ト―-イ、
以`-益-以「物足りない」
( ^ω^)〃コクリ
-
ィ'ト―-イ、
以`-益-以「だろうな。サバ本来の身がぷりぷりっとしたあの肉厚感……なまじ、味噌煮込と戦うにはレヴェルが足りない」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「だが……そろそろ良いだろう」
( ^ω^)「お?」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「マテリアライズさ、もう一度食べてごらん」
( ^ω^)「マテリアライズってなんだお……」パクッ
!!!!( ゚ω゚)!!!!!
(; ^ω^)「こ、これはなんだお!?さっきまでシャリシャリしていた食感が──」
( ^ω^)「一瞬にして、プリプリ感を醸し出しているお……!!」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「溶けたのさ、マテリアルがね」
( ^ω^)「溶けた……ハッ!!」
( ^ω^)(よく見ると、さっきまで白っぽかったサバが……薄いピンク色になっているお……!)
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「冷凍燻製の最大の特徴は、内部に余分な熱が加わることがなく、表面は香ばしく、中はしっとりジューシーな二段階の旨さを持っていること」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「逆に言えば、提供された半冷凍状態から、少し時間を置いて自然解凍された本来のサバに戻った時。身も心もさらけ出した肉のうまみが存分に引き出される状態」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「家庭で食べた、あのサバが、こんな一面も持っていたと気づかされる瞬間だね」
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(* ^ω^)(お、おいしいお……!シャリシャリしていたつまみ感覚の最初と)
( ^ω^)(自然解凍によって身のプリプリ感が戻ったこの状態……言うならばつまみではなくご飯のおかず足り得るまぎれもないサバ本来の味)
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「どうだい。白飯をがっつくためのおかずも大変結構だが、こういう大人のたしなみも悪くないだろう」
( ^ω^)パクパク
(*^ω^)「おいしいおー!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ちなみに合わせる酒はなんでもいい。ビールはもちろん、日本酒、焼酎、ワイン、果ては洋酒でも構わん。個人的にはヨード香……潮の香がするスモーキーなアイラモルトがお勧めだがね」
-
( ‐ω‐)「……イトーイさん。僕が若造でしたお」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「誰でも最初は坊やさ。俺の弟子だって君みたいに駆け出しのときはあった。今じゃ立派にやってるみたいだがね」
( ^ω^)「お……イトーイさん。僕も弟子にしてくださいお。というかもっとおいしい物教えてくださいお」
ィ'ト―-イ、
以`-益-以「フッ……黄昏の始まりにいたのは、一羽のひな鳥というわけか。ぴーちくぱーちく騒がしく、愛おしい……」
( ^ω^)(その表現だけは教えてもらっても忘れよう)
-
〜〜〜
( ^ω^)「次はなんですかお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「そうだな……大将、フェニックスを」
(,,゚Д゚)「えっ!?」
(-@∀@)「焼き鳥じゃないっすか?」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以σ「君、焼き鳥じゃない。フェニックスだ。確かに鳥を焼くという工程に関してはやぶさかではないが、和名なら不死鳥と言いなさい」
(-@∀@)「焼き鳥っすね。うちなら手羽先っす」
(,,゚Д゚)「うん。浅井くん、手羽先持ってきてくれる?」
(-@∀@)「はい」
-
(@∀@-)≡タッタッタ
(^ω^ )「お?彼はどこに行ったんですかお?」
(,,゚Д゚)「ああ、倉庫に手羽先を取りにいったんだ」
( ^ω^)「一狩り行ったんですかお?ソロで?」
ィ'ト―-イ、
以;゚益゚以「バカなっ!フェニックスは神獣だぞ!?彼一人では危険すぎる!!」
(,,゚Д゚)(こいつら早く帰らねぇかな)
-
(,,゚Д゚)「……うちは一部の材料を冷凍してるんで、それを取りに行っただけですよ」
( ^ω^)「あーなるほど。でもちょっと遅くないかお?」
ィ'ト―-イ、
以`-益-以「フッ……フェニックスの防御力は非常に高い。それを人の口に入れるためのサイズにするにはそれなりの経験と時間が必要なのさ」
(,,゚Д゚)「冷凍したままだと袋の中の手羽先がくっついちゃうんでね。ある程度バラバラにしてからじゃないとこっちで調理できないんだ」
( ^ω^)「ふーん。色々手間がかかってるんだおねぇ」
-
≡(-@∀@)⊃「大将、お願いします!」
(,,゚Д゚)「おっ、ありがとう。さて、どうします?」
( ^ω^)「お?どうって?上手に焼いてくれお」
(,,゚Д゚)「じゃなくて。タレにするの?塩にするの?」
( ^ω^)「選べるのかお!じゃあ……イトーイさんはどっちにします?」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ツヴァイ式フェニックス・ヘル・ファイアーだ」
(,,゚Д゚)「あ?」
(-@∀@)「から揚げを二本じゃないっすかね。ドイツ語でツヴァイって二って意味だし」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以σ「君、いい加減にしたまえ。ナンセンスにもほどがある。炎上させるぞ」
(-@∀@)「……すみません。でも合ってますよね」
ィ'ト―-イ、
以`-益-以「フンッ……」
(-@∀@)「あってるっす」
(,,゚Д゚)(浅井君の翻訳能力を考えるとうちで働いている必要性に疑問を抱くな……)
-
( ^ω^)「か、から揚げ……!?そういうのもできるんですかお!?」
(,,゚Д゚)「うん、できるけど」
(* ^ω^)「えっと、じゃあイトーイさんがから揚げ二本で、僕は塩を二本とタレを二本、あと一本はから揚げでお願いしますお!」
(,,゚Д゚)「はいよ!」
-
〜〜〜
( ^ω^)⊃「おお、手羽先だお!はい、イトーイさんのから揚げ!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ありがとう」
( ^ω^)⊃「いただきますお!まずはタレから……」
パクッ
(* ^ω^)「うーん!おいしいですお!焼きあがった手羽先の香ばしい匂いと、肉に絡む甘辛のタレが絶妙ですおぉ!」
( ^ω^)アムアム
⊃|⊂
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「西川君。君は本当に貪り食うのが好きだな」
( ^ω^)「お?だって、もったいないじゃないですかお。両端の肉のついた部分とか。これがまた旨いんですお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以⊃「フッ……これをみたまえ」
( ゚ω゚)「……!!」
( ^ω^)「二本とも……ものすごくきれいに食べてあるお……しかも僕が一本に集中している間に……!?」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「四大奥義だよ」
( ^ω^)「四大……奥義……ッ!?」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「確かに手羽先は肉が残る。だが、それは食べ方の問題でもあるのさ」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「俺が使った奥義、それは手羽先をおいしく、かつきれいに食べる方法なんだよ」
( ^ω^)「お、教えてくださいお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「イトーイ流四大奥義が壱」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「屈折する喰人(クラウド)」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「まず、手羽先の両端をつかみ関節部分を下へ折り曲げる」
( ^ω^)「おっ!折り曲げましたお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「すると、骨が出てくるだろう。それを下までグッと引くんだ」
( ^ω^)「おおぉっ!身がポロリと取れましたお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「さぁ、君は喰人(クラウド)だ。存分に骨抜きとなった身を味わうがいい」
(* ^ω^)「あむっ!うーん!肉だけが口の中に広がって、ぜいたくな気分だお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「最もベーシックかつ、手軽な奥義だ。これ一つ覚えておくだけでだいたいの手羽先は片付く」
( ^ω^)「お……でも、僕は骨をしゃぶしゃぶするのも好きですお」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「案ずるな。イトーイ流四大奥義が弐」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「痛み分けの我欲(デザイア)」
( ^ω^)「お?」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「今度は、関節の端をとり除き、2本の骨をそれぞれ…」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「左右に分ける」
( ^ω^)「割りばしみたいだお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「これによって、骨の場所が多くなり、必然的に片方へ集中することになるだろう?」
( ^ω^)「あ、じゃあ骨が邪魔して食べにくい場所も減って……」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「我欲(デザイア)をむき出しにできるというわけさ」
(* ^ω^)「ハムッ!はふはふ!ほんとですお!骨のジューシーさを味わいながら、身の食感も楽しめる!僕向きの奥義ですお!」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「この奥義なら家族で手羽先を食べるときにも、子供が食べやすいからな。覚えておいて損はない」
( ^ω^)「はいですお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「さて、次はイトーイ流四大奥義が参」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「螺旋(ラセン)だ」
( ^ω^)「らせん……!?え、えらいシンプルな名称ですお」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「侮るなかれ。これはテクニカルな奥義だ」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「まず、関節の端をとり除く。ここまでは先ほどまでと変わらん」
( ^ω^)「お!取り除けましたお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「そのあと、骨を1本くるりとねじる。スッと抜けるだろ?」
( ^ω^)「おお、面白いお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「そのまま残りの1本も抜き取るんだ。慎重にな」
( ^ω^)「お……お……抜けましたお……!!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「肉だけ食べる」
パクッ
( ^ω^)「……」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「……」
( ^ω^)「この奥義、屈折する喰人(クラウド)と一緒じゃ──」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「アルテマ(アルテマ)」
( ゚ω゚)「アルテマ!?!?」
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「イトーイ流四大奥義が終さ」
(; ^ω^)「ああ、奥義名……って終!?四じゃなくて終!?」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「例によって関節の端をとり除く」
( ^ω^)「はい」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「手羽先を口にパックリくわえる」
( ^〇^)「ふぉあい」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「骨だけ抜き出す」
( ^〜^)「もぐもぐ……」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「揚げたてであればよりキレイに食べられるぞ」
( ^ω^)「ごっくん……」
( ^ω^)「……」
-
(*゚ω゚)「アルテマすげぇ!イトーイさんパネェお!」
ィ'ト―-イ、
以`-益-以「フッ……」
(,,゚Д゚)「……」
(,,゚Д゚)(全部、元祖焼き鳥屋の風来坊のウェブページに食べ方書いてあるんだよなぁ……)
-
〜〜〜
( ^ω^)「おいしかったお!面白い食べ方も教わったし、幸せだお!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「そろそろメインディッシュといこうか」
( ^ω^)「お?まさか……」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「そう、主役は遅れてやってくるものさ」
( ^ω^)「ま、まさかっ……!」
(,,゚Д゚)(なんだ、何がくるんだ……)
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「大将──」
(-@∀@)「あー、ご飯ものっすね。なんにします?」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以
(,,゚Д゚)(先読み!?)
( ^ω^)(ポロロッカ並のスピードだお……!)
-
ィ'ト―-イ、
以` 益 以「……君、浅井君といったな」
(-@∀@)「はい。なんすか」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「刻んだ」
(-@∀@)「はぁ」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「確かに刻んだからな」
(-@∀@)「なんにします?」
ィ'ト―-イ、
以`-益-以「愚問だ……とはいっても、貴様らにはわかるまい」
(-@∀@)(はやく言えよ)
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「T・K・G」
-
(-@∀@)「卵かけごはん一丁!」
(,,゚Д゚)「はいよ!」
ィ'ト―-イ、
以;゚益゚以「何!?」
( ^ω^)(これは僕にもわかったお)
(-@∀@)「西川さんはどうします?」
( ^ω^)「君って人間の扱い方に慣れてるおね。えーと……」
( ^ω^)「……!」
( ω )「あるじゃないか」
(-@∀@)「は?」
-
( ^ω^)「僕を本気にさせるサムシングが」
(-@∀@)(感染した)
( ^ω^)σ「これにするお。この……」
( ゚ω゚)「ウルトラ大盛りカツ丼!30分で完食できたらお連れ様含めその日の食事タダキャンペーン!!」
(-@∀@)(!)
(,,゚Д゚)(!)
-
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「大食いキャンペーン、か。限られたものだけが挑戦できる、ヴァルハラへの扉……」
(,,゚Д゚)「西川君……いや、西川さん。本当に後悔しないんだね」
( ^ω^)「侮ってもらっては困りますお。これでも僕、そこらの大食い選手権で残したことはないんですお」
(,,゚Д゚)「そう言って散っていった人を何人も見て来たよ」
( ‐ω‐)「弱かったんですお。強いものが生き、弱いものが死ぬ。自然の理だお」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「フッ……これも若さ、か」
(,,゚Д゚)「うちのウルトラカツ丼は、メニューに書いてある通り、ご飯10合、とんかつ30切れの規格外だよ」
( ω )「……」
(,,゚Д゚)「怖気づいたかい?」
( ω )「……ハッ」
( ^ω^)「それがどうした」
(,,;゚Д゚)「ッ!」
-
ィ'ト―-イ、
以;゚益゚以(この男……先ほどまでのにやけ面な小僧とは違う)
ィ'ト―-イ、
以;゚益゚以(例えるなら侍。それも、有象無象のそれとは違う、本物の……サムライ……!)
(,,゚Д゚)(ご飯十合とカツ30切れ……文字で読むだけならまだいい。しかし、言葉にして耳から聞いたその『重み』に耐えるどころか……意に介さない)
((( ^ω^)))ブルル
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以(ん……!?挙動がおかしい。震えている、のか……自身が放った傾きに、心が追いついていないのか……?)
(,,゚Д゚)(いや、まさか……これが、これこそが本当の──)
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以(武者震い……!)(゚Д゚,,)
-
( ω )「……イトーイさん、大将。安心してくださいお。この震えは、武者震いなんかじゃありませんお」
ィ'ト―-イ、
以;゚益゚以「な、なに……っ!?では、その震えはいったい……!?」
( ‐ω‐)「これは──」
(* ^ω^)「お手洗いですお///」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「大将、ホーリーグレイル」
(,,゚Д゚)「生中一丁!」
(-@∀@)「はーい」
-
〜〜〜
店外
\( ^ω^)/「トイレは外かおー、すっかり夜になっちゃったお……うーん、夜風が気持ちよくて、ちょうどいい気温だお〜」
( ^ω^)(ん……?)
(*゚ー゚)
⊃\__/⊂
ヨイショ、ヨイショ
( ^ω^)(うわー、大きいお……あれは器だけでも相当な感じだおね。めっちゃ頑丈そうだお)
(*゚ー゚)ヨイショット
( ^ω^)(でもさすが、こういう仕事してるだけあって全然重そうじゃないお。力持ちだお)
( ^ω^)「手伝いましょうかお?」
(*゚ー゚)「よいしょ……あら、お客さん。大丈夫よ、ありがとう。この器って、ひとつしかないから、お客さんに持たせるの悪いわ」
-
( ^ω^)「おー、それはそれは。お力になれず申し訳ないお。えっと、おかみさんだおね」
(*゚ー゚)「ええ。しぃって言います。よろしくね」
( ^ω^)「おっ!僕は内藤だお!」
(*゚ー゚)「あら?貴方たちの会話、少し聞こえてたけど、西川さんじゃなかったかしら」
( ^ω^)「おっおっ。職業柄偽名を使うことが多くて」
(*゚ー゚)「……あー、確かにあの人に本名を知られるのはちょっとねぇ……」
( ^ω^)「ハハハ、バレましたかお。内緒にしておいてくださいお」
-
(*゚、゚)「んー、どうしよっかなぁ」
( ^ω^)+「大丈夫だお。おかみさんはきれいだお。きれいな人はつまらない嘘をつかないって相場は決まってるんだお」
(*゚ー゚)「あら、お上手ね。水商売の方?」
σ( ^ω^)「この顔で?」
(*^ー^)フフフ オッオッオ(^ω^ )
(*゚ー゚)「もちろん黙っておくわ。でもそのかわり約束してほしいの」
( ^ω^)「お?」
(*゚ー゚)「またうちに来てくださる?」
( ^ω^)「もちろんだお!上司がここのことを教えてくれたんだお。次回も一緒にくるお!」
(*゚ー゚)「フフ、ありがとう。そういえば、お連れ様の……上司の方かしら、まだ見えないわね」
( ^ω^)「おん……もうすぐ来るはずなんだけどお、まだこないお。時間にルーズな所長なんだお」
-
(*゚ー゚)「それはそれは、大変ねぇ。うちは旦那と一緒にやってるからまだやりやすいけど」
( ^ω^)「いやいや。きっとおかみさんも苦労なさってるんでしょうお」
(*゚ー゚)「フフフ。あんまり上手なことばっかり言ってると、口説いちゃうぞ」
( ^ω^)「ご冗談お」
(*゚ー゚)「きれいな女はつまらない嘘をつかないんじゃなかったかしら?」
( ^ω^)「おっ、こりゃ参りましたお。僕はおしっこにいってくるから水に流してくださいお。また後で」
(*゚ー゚)「ふふ」
-
〜〜〜
店内
ィ'ト―-イ、
以*゚益゚以「遅い」ヒック
( ^ω^)「出来上がってますおね……」
ィ'ト―-イ、
以*゚益゚以「まったく、なぁ大将。この若造に言ってやれ。早寝早飯早糞は料理人の基本だって」
(,,゚Д゚)トントントン「いや、イトーイさんこの人料理人じゃないですよ」
ィ'ト―-イ、
以*゚益゚以「むー……なら奥さん。いや、ミセス」
(*゚ー゚)「なにかしら?」
ィ'ト―-イ、
以*゚益゚以「俺と一緒に食べロガーにならないか。手始めに君の女体盛りをレビューしたい」
(*゚ー゚)「嫌です」
ィ'ト―-イ、
以*゚益゚以「なんでだ!炎上させるぞ!ひっく!」
( ^ω^)(絡み酒かお……うっとおしいおねぇ……)
-
(-@∀@)⊃「どうぞ、イトーイさん。僕からのおごりです」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ん……これは……?」
(-@∀@)「染まることない純真……といえば、わかりますか」
ィ'ト―-イ、
以`-益-以「……フッ、いただこう」
( ^ω^)(ただのお冷じゃねぇか)
(-@∀@)「西川さん」
( ^ω^)「お」
(-@∀@)b「憂いは絶ちました。頑張って」グッ
( ^ω^)(こいつほんと人間の扱いに慣れてんなおい)
(,,゚Д゚)⊃「はい、お待ちどおさま!出来たよ!」
( ^ω^)「おっ!来たおね!」
(*゚ー゚)「ウルトラとんかつ丼です!」
-
ドーーーーンッ
./⌒⌒肉⌒ヽ
(∵::::∴)
(∴肉肉肉肉肉∴)
(∴肉肉肉肉肉肉∵.)
(:肉肉肉肉肉肉:)
(∴肉肉肉肉肉肉∵.)
(∴肉肉肉肉肉肉∴)
\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
\ξξξξξ/
\___/
 ̄ ̄ ̄
( ^ω^)
-
内藤は思い出していた。
かつて、ギネスに認定された日本一の大きいとんかつを提供する店を。
とんかつ7人前──1人前のとんかつの厚さおよそ5センチ=7人前およそ35センチ分──が覆いかぶさる最強のとんかつ。
それを記す品書きに、一瞬、誤植かと錯覚する飲食店では見慣れない金額──20,860円
極めつけは、ご飯 超大盛(死にます)などという限界まで突き抜けたそれ。
どれをとっても突き抜けているその姿勢に、なるほどギネスもうなずけると以前の内藤ならばうなずいたであろう。
-
しかし、目の前にしているのはそれを上回る──宇宙。
ご飯10合、これは米1合あたりを重さ150グラムとしたとき、およそ1.5キロの重さとなる。
銀世界は鶺鴒の優しさに抱かれ、その上に降り注ぐダークマターの数、厚さは目測で7センチ、数にして30切れのそれが特異点を引き起こす。
総摂取カロリー、5000以上──成人男性の一日の平均摂取カロリーは2500である──。
むろん内藤はプロではない。本物の大食い選手は一食で万を超えるカロリーを摂取するのだ。上には上がいる。
しかし、今、まさに、近場で見ることができるという数奇な、それでいて神秘的な……
そう、ビックバンを起こそうとしていた。
(,,゚Д゚)⊃「今は……9時か。じゃあ、30分後の9時半までね。はいスタート」
-
〜〜〜
10分後
( ^ω^)人「ご馳走様でしたお」
それは、ビックバンではなかった。
全ての始まりであり、終わりである存在。
『無』である。
(*;゚ο゚)「えっ……たった、たった10分で……」
(-@∀@)「どうなりました?」
(,,゚Д゚)「ああ、浅井君か……見ればわかる……西川君が勝ったよ」
(-@∀@)「眼鏡が曇ってて見えないっす」
(*゚ー゚)「外せばいいじゃない」
( θ∀θ)「はい……おお、本当だ。米粒一つ残っていない」
-
ここでいう、無とは、空になった丼を指す写実的なそれと、彼の主観的意識における時間の進み具合である抽象的なそれに分かれる。
感嘆の意というよりは畏怖か。大将含む三人はただただ、内藤が爪楊枝で戦後の処理を行っている様子を見つめているほかなかった。
そこには確かに相対性理論を無視したなにかがあった。彼の周りの時間はまさに止まっていたのである。
故に。
( ^ω^)「どうですかお、イトーイさん!これで僕のことも見直して……あれ?」
(*゚ー゚)「ああ、イトーイさんならさっきトイレに行ったわ」
( ^ω^)「え、見てなかったの」
-
(,,゚Д゚)「むしろちょっと見て吐き気を覚えたんじゃないかな。けっこう飲んでたし」
( ^ω^)「あー、そういう。全然気づきませんでしたお」
(,,^Д^)「なんにせよ、おめでとう西川君。君はすごいな」
( ^ω^)「いえいえ。ところで、これで今日の食事はタダなんですおね?」
(,,゚Д゚)「もちろんだ。いやぁ、良い食べっぷりだった」
( ω )「じゃあ」
( ゜ω゜)「追 加 注 文 し て い い で す か ?」
-
〜〜〜
さらに15分後
(* ^ω^)「ぷはぁ、食った食ったお!手羽先に魚に野菜に……いやぁ幸せだお!」
(-@∀@)「たまにいるんだよな……食べた後に腹減ったっていう奴」
(*゚ー゚)「あなた、明日の仕込みは……」
(,,゚Д゚)「言うな。これだけ旨そうにたくさん食べる人は今どき珍しい」
(,,-Д-)「今は……この感動に浸らせてくれ」
(*゚ー゚)(感染したか……)
-
( ^ω^)「ん、そういえば……イトーイさん遅いですおね」
(,,゚Д゚)「そうだな、もう30分くらいはトイレにいる」
(-@∀@)「グロッキーっすね」
(^ω^ )「ちょっと様子見てきますお」
(*゚ー゚)「ごめんねぇ」
-
〜〜〜
店外
トイレ前
( ^ω^)「うわ、もう9時半だお……まったく、所長も遅いし、イトーイさんも戻ってこないし……」
( ^ω^)「イトーイさーん、おーい。おーい」
( ^ω^)「……おかしいお。イトーイさーん、大丈夫ですかぁ」
( ^ω^)「……酔いつぶれてますかぁ!?開けますよー!」
ガチャ
( ^ω^)「……いない」
-
(^ω^ )≡( ^ω^)「どこ行ったんだお……?食い逃げかお」
( ^ω^)「ん?」
( ^ω^)⊃「このドア、ちょっと開いてるお。きっと、酔っ払ってここに入ったんだおね」
( ^ω^)「イトーイさーん!」
コツン
( ^ω^)「あれ、なんだこれ……バール……?」
( ^ω^)「あ」
ィ'ト―-イ、
以 益 以
-
( ^ω^)「もう、イトーイさん、こんなところで寝てぇ。ここお店の倉庫っぽいですお?」
( ^ω^)「イトーイさん!」
( ^ω^)「イトーイさんったら──」
( ゚ω゚)「う、うわああああああああっ!」
-
〜〜〜
店内
≡( ゚ω゚)ダダダダダダッ!!
(*;゚ー゚)「あら西川さん、イトーイさんは……って、ど、どうしたのそんなに血相を変えて!?」
(-@∀@)「まさか食い逃げ!?」
(,,゚Д゚)「よし、浅井君。110番だ」
( ω )「ハァハァ……ち、違うお。食い逃げじゃないお……!うおっ、気持ちわるっ……」
(,,゚Д゚)「浅井君、110番やめて119番!」
(-@∀@)「はい!」
-
(; ω )「ハァハァ……いや……110番も……しないといけないお……」
(,,゚Д゚)「はっきりしてくれよ。何があったんだ」
( ω )「し──」
( ^ω^)「死んでるんだお、イトーイさんが」
-
━━━━━━━━━━━━━━━
【居酒屋事件簿のようです】
オープニングテーマ
http://m.youtube.com/watch?v=1BQ8YCeGxTk
━━━━━━━━━━━━━━━
-
お腹空いたので中断します。
-
オープニングだと…
-
ここまでまさかのプロローグ
-
ワロタ
-
こっからなのかよw
-
〜〜〜
通報後
設楽羽 倉庫
(-@∀@)「……イトーイさん」
(,,゚Д゚)「しぃ、あんまり見るな」
(*゚‐゚)「……はい」
( ^ω^)「改めて調べてみたところ、死因は後頭部への打撃っぽいお。傷跡がいくつかあるから、おそらく複数回、鈍器で殴って殺しているお」
(-@∀@)「酔っ払って頭うちつけたとかじゃないんすか?」
( ^ω^)「それは考えにくいお。もしそうなら衣服の乱れや、他のところにも傷跡がないと不自然だお」
( ^ω^)「後頭部だけに傷が集中している……何者かが攻撃をしないとこういう風にはならないお」
-
(,,゚Д゚)「本当か、どれ……」
( ^ω^)「さ、触っちゃだめだお!現場保存だお!」
(,,゚Д゚)「……西川君。さっきまではお客さんだったけど、こんなことが起こってしまった以上、ねぇ」
(*゚ー゚)「うん……だって、今の今まで他のお客さん来なかったし」
( ^ω^)(そういえばこの店流行ってねぇなおい)
(-@∀@)「これが殺人事件だったら……容疑者は西川さん含めた四人、ってことになるっすね」
( ‐ω‐)「……みんなの言いたいことはわかるお。僕は警察でも医者でもないお。だから勝手に取り仕切ろうとするのは怪しいおね」
(,,゚Д゚)「だったら──」
( ^ω^)「でも」
( ^ω^)⊃= スッ「探偵ではあるんだお」
(,,゚Д゚)「!」
(-@∀@)「!」
(*゚ο゚)「……探偵!」
-
( ^ω^)「改めまして、自己紹介しますお。茂良探偵事務所の内藤と申しますお。偽名を使っていてすみませんでしたお」
(,,゚Д゚)「偽名?ど、どうして偽名を使っていたんだ」
( ^ω^)「それは……んー……」
(-@∀@)「答えられないんすか。怪しい」
( ´ω`)「いやこの状況で言っても信用されるかどうか……」
(*゚ー゚)「大丈夫よ。私が証言するわ」
(,,゚Д゚)「しぃ」
(-@∀@)「おかみさん」
( ^ω^)「おっ」
-
(*-ー-)「西川さん、いえ、内藤さんは、イトーイさんに本名を伝えたくなかったの。だから隠した」
(,,゚Д゚)「はぁ?うーん、気持ちはわかるが……しかしこの状況でそんな嘘か本当かわからない理由というのもなぁ……」
(*゚ー゚)「いいえ。これは事実よ。私が聞いたのはイトーイさんが死ぬ前だったもん」
(-@∀@)「あ、そうか。死ぬ前なら偽名を使った理由として筋はおかしくないっすね」
( ^ω^)ホッ
(,,゚Д゚)「なるほど。疑って悪かったよ、内藤君」
( ^ω^)「いえいえ。こんなことになってしまったんだお。とりあえず警察が来るまでみんなで一緒にいるお」
(-@∀@)「あ、それならさ」
( ^ω^)「お?」
(-@∀@)「ぜひ探偵の推理っていうものを見せてほしいっす」
( ^ω^)「は?」
-
(-@∀@)「だって本物の探偵に、殺人事件っすよ。こんなことフィクションじゃないとありえない。それが目の前で起こってるんすから、ね」
( ^ω^)「いやいや……探偵は別に殺人事件を解決するわけじゃ」
(*゚ー゚)「私もお願いしたいわ」
( ^ω^)「しぃさん」
(*゚ー゚)「気持ち悪いもん。誰かを疑うなんて。できることなら早く解決してほしいから」
( ^ω^)「んー……そこまで言われると……」
(,,-Д-)「俺は反対だ」
(*゚、゚)「あなた」
(-@∀@)「大将」
( ^ω^)(ここで反対……?大将、立場が悪くなっちゃうお?)
-
(,,゚Д゚)「誰がやったのかっていう犯人捜しをこの四人の中でするっていうのは……気に食わない」
(*゚―゚)「あなた……まさか私を疑って」
(,,゚Д゚)「そ、そんなはずないだろう」
(-@∀@)「じゃあ僕が疑われてたりして」
(,,゚Д゚)「あ、浅井君がそんなことをするとは思えんよ」
(*゚ー゚)「じゃあ」(-@∀@)
( ^ω^)「お」
σ( ^ω^)「僕?」
(,,゚Д゚)「うん」
-
(; ^ω^)「いやいやいやいや、やってないからね。殺してないから!」
(,,゚Д゚)「第一発見者が犯人というのはよくドラマでみるぞ」
(-@∀@)「ありきたりっすけど、一番犯行しやすい人間っすよね、第一発見者」
(*゚ー゚)「内藤君、自首して」
( `ω´)「だぁー!わかりましたお。警察が来るまで捜査しますお!それで自分の無実を晴らしますお!」
(,,^Д^)「おう、内藤君の無実を晴らすための捜査だったらまだいいか」
(-@∀@)「そうっすね。僕たち見てるだけでいいし」
(*^ー^)「がんばってね!わからないことがあったらなんでも聞いてね!」
( ´ω`)(所長ぉ……早く来てくださいぉ……)
-
〜〜〜
設楽羽
死体発見現場 倉庫
( ^ω^)「まず、この事件に使われた凶器を探そうと思うんだけどお」
(,,゚Д゚)「おお、凶器!」
( ^ω^)「実は、すでにそれらしいものを発見しているんだお」
(-@∀@)「マジっすか!?すげぇ」
( ^ω^)「そこに転がっているバール……ちょっと失礼」
∩( ^ω^)∩テブクロ ジャキーン
(,,゚Д゚)「おお」
-
( ^ω^)⊃┃「これが被害者の近くに落ちていたお。まぁ、今の段階だとこれが凶器と断定することはできな──」
(-@∀@)「あ、先端に血がついてるっす」
( ^ω^)⊃┃「うそぉ」
(-@∀@)σ「ほら、ここ……ちょっとだけ、点々っぽいのがあるっす」
( ^ω^)
⊃┃「えっ、あ、本当だお……」
( ^ω^)⊃┃(しかもわずかにだけど、先端を触ってみると持ち手と比べて冷たい……ハッ!)
( ^ω^)「……」
( ^ω^)⊃┃「これ凶器」
-
(,,゚Д゚)「おいおいおい、そんな簡単に決めてしまっていいのか?」
( ^ω^)「うんお。この凶器なんだけど、血が付着している部分がさほどないんだお」
(*゚ー゚)「じゃあそれ凶器じゃないんじゃ……」
( ^ω^)「いや、こう考えるんだお。犯人は後頭部を攻撃した後、ついた血を洗ったと」
( ^ω^)σ「そこに洗い場があるお。しかも、若干ぬれているお」
( ^ω^)「おかみさん、この蛇口から水は出るおね」
(*゚ー゚)「ええ。簡単な調理ができるようにはなっているわ」
( ‐ω‐)「犯人はバールについた血をこの洗い場で洗い、そのまま遺体の近くに置いた……いや、待てよ」
( ^ω^)「そもそもどうしてこんなところにバールがあるんだお?物置じゃないんだお?」
-
(,,゚Д゚)「君の側に冷凍庫があるだろう。その中に入っている肉がくっつくんだ」
( ^ω^)「くっつく……?開けてみてもいいかお?」
(,,゚Д゚)「どうぞ」
ガチャ
( ^ω^)⊃「おお、色々冷やしてあるおね。で、肉は……あ、これかお。よいしょ……おおおおっん」
( ´ω`)「ハァハァ……無理だお……こりゃ肉自体がバナナで釘が打てるくらいに硬いから余計にはがれないお」
(*-@∀@)「つまり、この中で小便したら固まる……!」
( ^ω^)「保健所まったなしだおね……」
-
(,,゚Д゚)「内藤君、見ての通り、肉を素手ではがすのは困難だからバールでテコの原理を利用して外している」
(-@∀@)「僕もよく使います。ただ引っ張ってもなかなか取れないし」
(*゚ー゚)「私も使うわ。まぁお肉がいるときはだいたい浅井君に頼んで持ってきてもらっているから頻度は少ないけどね」
( ^ω^)⊃「なるほどお……」バタン
( ‐ω‐)(バールがこの場にあるということは不自然ではなく、かつ全員がその存在と理由を知っている、かお)
( ^ω^)「ということは、大将や浅井君はもちろん、身長が低めなしぃさんでもバールを持って被害者の頭を殴ることはできたってことだおね」
(,,゚Д゚)「君もな」
(*゚ー゚)「あなたもね」
(-@∀@)「内藤さんも」
( ^ω^)(そこまで僕を犯人にしたいのかこいつらは)
-
( ^ω^)「わかったお。それじゃあ次に、みんなのアリバイを確認するお。一度、お店の中に戻るお」
(*゚ー゚)「あ、待って。イトーイさん、このままでいいの?」
( ^ω^)「お……でも」
(*゚ー゚)「せめてビニールシートくらいは被せてあげない?かわいそうよ」
( ^ω^)「んー……そうだおね。シートはどこにあるお?」
(*゚ー゚)⊃「待って、ここに……あった。はい」
( ^ω^)≡⊃「はいお。そぉれ」
バサァ
( ^ω^)「よし!店にいくお!」
-
〜〜〜
設楽羽 店内
(*゚ー゚)⊃旦「お茶よ」
( ^ω^)「ありがとうだお……さて」
(-@∀@)「アリバイの確認っすね」
( ^ω^)「そうだお。その前に、被害者の死亡推定時刻を決めておきたいお」
(,,-Д-)「イトーイさんが店にいた間は、間違いなく生きていたな」
(*゚ー゚)「そうね。あれで実は死んでたら面白いわね」
(-@∀@)「フキンシンッ!」
-
( ^ω^)「被害者が席を立った時間は、僕がウルトラカツどんを食べるときだったおね」
(*゚、゚)「あの時は午後9時ごろだったわ。ね?」
(,,゚Д゚)「そうだ。俺がタイマーを計った時間が9時だったからまず間違いない」
( ^ω^)「で、死体を見つけたのが僕が食べ終わったあと、追加注文をして、トイレに行った時だから……」
(*゚ー゚)「だいたい9時30分ごろだったと思うわ。内藤さんがトイレに立って戻ってくる時間を含めると9時35分くらいじゃないかしら?」
( ^ω^)「うんお。僕もあの時に時計を確認したから間違いないお」
(;-@∀@)「いやぁそれにしてもあの追加注文は恐ろしかったっす」
(,,゚Д゚)「鳥に魚に野菜に……君は底なしだな」
-
( ^ω^)「おっおっ。ということは死亡推定時刻はおよそ午後9時から午後9時35分の間と考えてよさそうだおね」
(,,゚Д゚)「そうだな。その間、犯行が可能だった人物は……」
( ^ω^)(,,゚Д゚)「……」(-@∀@)(*゚ー゚)
( ^ω^)(,,゚Д゚)(全員じゃない、これ?)(-@∀@)(*゚ー゚)
-
(; ^ω^)「お、と、とりあえず一人ひとり確認していくことにしようお。まずは僕からいくお」
(-@∀@)「言い出しっぺの法則っすね」
( ^ω^)「僕は9時から9時10分までの10分間、ウルトラかつどんを食べていたお。それはみんな知ってるおね」
(,,゚Д゚)「ああ、とんでもない食いっぷりだった」
(*;゚ー゚)「ええ……あれは正直ひいたわ」
( θ∀θ)スチャ「完食を焼きつけましたよ!眼鏡を外したこの真実の眼で!」
-
( ^ω^)「その間、僕はみんなのことが見えていなかったお。みんな何をしていたんだお?」
(,,゚Д゚)(*゚ー゚)「「「コスモに釘付けになってた(わ)(っす)」」」(-@∀@)
( ^ω^)「あー、そういう。つまりは僕の食事を見ていたんだおね」
(,,゚Д゚)「うん」
(*゚ー゚)「はい」
(-@∀@)「っす」
(* ∩ω∩)「……なんだかエッチだお」
-
( ^ω^)「それから食べ終わった後、僕は追加注文をしたお」
(,,゚Д゚)「9時10分から9時30分までの間だな。俺はここでずっと料理を作っていたが……」
(*゚ー゚)「うーん、作るのにバタバタしてたわね。私も基本的にはここにいたけど」
( ^ω^)「けど?」
(*゚ー゚)「内藤君が食べたウルカツ丼の器を洗ってから元に戻すために一度、店を離れたわ。何時何分だったかは覚えてないけど、5分から10分くらいの間かな」
( ^ω^)(しぃさんには犯行が可能だったお……?)
(-@∀@)「僕も内藤さんが食べた手羽先を持ってくるために一度冷凍庫へ肉を取りに行きましたよ。具体的な時間はさすがに覚えてないっすけど」
( ^ω^)「……待てよ、浅井君。その時、被害者の遺体はあったのかお?」
(-@∀@)「いえ、ありませんでした」
-
( ^ω^)「んー……ちなみに肉を取りに行って、戻ってくる時間はどれくらいかかるお?」
(-@へ@)「場合によるっすね。1分で戻れる時もあれば、未開封の段ボールに入れてあると、開封するために時間がかかるときもあるっす。あとさっきの通り肉が引っ付いていたりする時もあるし……まぁ5分もかかりませんけどね」
( ^ω^)(浅井君も外に出る機会はあったんだおね……1分から5分、これを鵜呑みにしてもいいものか……)
(*゚ー゚)「そういえば、私たちが外でばったり会う時間ってなかったわよね?」
(-@∀@)「はい。しぃさんが外に出ていたとして、僕と鉢合わせることもなかったっすね」
( ^ω^)(となると……二人のうち一人はここにいた、つまり大将のアリバイは成立する……?)
(,,゚Д゚)「……」
-
( ^ω^)「続けるお。9時30分から9時35分の間……まぁ多少のズレはともかくとして。その時間に僕が冷凍庫のある部屋で死体を発見したんだお」
( ^ω^)「その時のアリバイを聞かせてほしいお」
(,,゚Д゚)「……」
(*゚ー゚)「……」
(-@∀@)「……」
( ^ω^)「お?どうしたお、みんな黙って」
(*;^ー^)「だって……ねぇ?」
(,,-Д-)「墓穴を掘ったな」
(-@∀@)「真実はいつも一つ!」
( ^ω^)「……もしかして」
(,,゚Д゚)(*゚ー゚)「みんなここに居た(わ)(っす)」(-@∀@)
-
( ゚ω゚)「ちょ、ちょっとまってくれお!だからといって僕が犯人だって証拠にはならないお!」
( ^ω^)「考えてもみてくれお!被害者はトイレに立ってたんだお!もし僕が犯人だとして、9時30分からの5分間で殺害をしようとするのは不可能だお!」
( ^ω^)「まず、凶器であるバールの所在についても知らない!」
( ^ω^)「それに、仮に凶器を持っていたとしても、トイレに呼びに行った僕が被害者を殴って冷凍室のある部屋に運ぶなんて無理だお!」
(*゚ー゚)「どうして?」
-
( ^ω^)「考えてもみてくれお!凶器をスムーズに用意できたとして、最初!ドアを開けます!後頭部を殴ります!はいこの時点で1分くらい経ってるおね?」
(-@∀@)「……被害者は酔っ払っていたっすよね。じゃあ一分もかからないんじゃないっすか?」
( ^ω^)「あーもう!はい、じゃあ30秒にしよう!30秒ね!」
(-@∀@)「はいはい」
( ^ω^)「で、大の大人を死体発見現場の倉庫に運びます!トイレから倉庫までは5メートル前後!引きずったり、担いだとしてもこれ2分はかかるおね!?」
(*゚ー゚)「んー、まぁ内藤君が言うなら?それでも?いいんじゃないかしら?」
( ゚ω゚)「はい2分決定ー!この時点で2分30秒!さぁ内藤選手、イトーイを殺すことができるか!?」
(,,゚Д゚)(もう殺してるじゃないか)
-
( ^ω^)「やってまいりました証拠隠滅のシーン!in発見現場!おおっと、内藤選手、ここで出してきたぁ!?」
( ゚ω゚)「バールを!コックで!」
( `ω´)⊃「シューーーーッ!!(水洗いのポーズ)」
( ^ω^)「超!エキサイティング!!」
( ´ω`)「はぁはぁはぁ」
(,,゚Д゚)「クリアタイムは?」
(-@∀@)「4分30秒!!ベストタイムっす!」
( ^ω^)「……あれ、これ僕できなくもないじゃん殺害」
(,,`Д´)「取り押さえろ!!」
( ゜ω゜)「ぎゃー!」
-
(#-@∀@)「抵抗するな!」
(*゚ー゚)「大人しくしなさいこの人殺し!!」
( ´ω`)「やめろおー!僕はやってないお!偶然にもほどがあるおー!」
(,,゚Д゚)「黙れー!」
( ;ω;)「うわぁああああん助けてーーー!!」
( ;ω;)「しょちょーーーーー!!」
ガラララ
( )「待たせたな」
(,,゚Д゚)「!」
(*゚ー゚)「!」
(-@∀@)「あ、あなたは!」
( ^ω^)「しょ、しょ」
-
(`・ω・´)「警察だ!犯人はどこだ!」
( ゚ω゚)「所轄の刑事かよぉおおお!!」
(,,゚Д゚)「ここです」
(`^ω^´)「うむ。犯人逮捕ご協力、ありがとうございます!」
(,,゚Д゚)「いえいえ」
(-@∀@)「お代はいかほどいただけるんで?」
( ^ω^)「違うお!冤罪だお!っていうか捜査しろお!」
(`・ω・´)「はいはい、話は署で聞くからねー」
( ;ω;)「おーーーーーん!!所長ーーーー!!」
-
〜〜〜
店外
_囗囗囗囗_
/ // ||\
`_[/_ /[]_||_ \_
|ロ=☆=ロ|■■|警|視庁■|
[∈口∋]r=ュ|_|_r=ュ]
ヽニノヽニノヽニノヽニノ
(`・ω・´)「ほら、乗るんだ……っとちょっと待つんだ」
ガチャ
( ^ω^)(終わりだお……僕が逮捕されたら所長に愛想つかされるお……)
( ´ω`)(役に立たない職員ですみませんお……でも、所長……いったいどこで道草をくって──)
(`・ω・´)「犯人逮捕ご協力ありがとうございました!茂良さん!」
( ゚ω゚)「えっ」
-
( ・∀・)「いえいえ、こちらこそ待ち合わせ場所まで送ってもらってどうも」
(`^ω^´)「お安いご用です!それでは私は別の事件の犯人を連行しますので失礼します!」
( ゚ω゚)「……」
(`・ω・´)「さぁ入れ!」
( ・∀・)「あー、やっと着いたぁ」
( ・∀・)「さて、内藤になんて言おうかなぁ……このゲーム面白くて待ち合わせ場所までプレイしながら歩いてたら密室殺人事件に巻き込まれて解決するのに時間がかかって遅くなったって言えるわけな」
( ゚ω゚) ( ・∀・)
( ゚ω゚) (・∀・ )
-
( ゚ω゚)「……」
( ・∀・)「あ、えっと」
( ^ω^)「し、しょちょ──」
( ・∀・)σ「……食い逃げ?」
(`・ω・´)「いいえ、殺人です」
(; ・∀・)「ああ、殺人かぁ……ぁぁああああ!?殺人!?」
-
〜〜〜
設楽羽 店内
( ・∀・)「──なるほどね。で……今、容疑者として挙がっているのが」
( ^ω^)「しょちょう〜助けておー」
( ・∀・)「そこのブタか」
( ^・・^)「ぶーぶー、ぼくはブタですぶー。ブタに今回の事件は起こせませんですぶー」
(`・ω・´)「はい、クソブタです!」
( ^ω^)「おい、殺すぞ」
-
(*゚ー゚)「あ、あの。あなたは……?」
( ・∀・)⊃=「おっと、失礼申し遅れた。この男の上司で、茂良探偵事務所の所長、茂良です」
(,,゚Д゚)「ああ、内藤さんのお連れさんでしたか」
( ‐∀‐)「……いや、遅れてしまって申し訳ない。ちょっとゲームしながらここに向かってたら誰にも解けない密室殺人事件に巻き込まれてしまって。もちろん解決しましたがね」
(-@∀@)「おー!すげぇっす!初めてっすよ!」
( ・∀・)「ん、探偵がかい?」
(-@∀@)「いや、遅刻した理由が交差点で突然の病に倒れたおばあちゃんを救うために、一緒に病院へ向かっていたという古典的な言い訳を上回るものを聞いたのが」
( ・∀・)「内藤、この子、面白いな。眼鏡割っていいか?」
(-@∀@)「やめて!」
-
( ・∀・)「……」
( ・∀・)「さて……事件の流れはあらかたお聞きしました。現場を見せてもらえますか?」
(,,゚Д゚)「いや、警察の方を差し置いて勝手に探偵が捜査しちゃダメだって内藤さんが……」
(`・ω・´)「はっ!みなさん。茂良さんに協力してください!」
(,,゚Д゚)「えっ、いいんですか?」
( ω )「ふっふっふ……」
( ゚ω゚)「ふははは!お前らもう終わりだお!」
( ^ω^)「このお方はな!不倫調査やペット捜査が主となる探偵業において、なんと殺人事件を何度も解決している名探偵なんだお!!」
(,,゚Д゚)「!」
(*゚ー゚)「!」
(-@∀@)「!」
-
( ・∀・)「フフ、あんまり吹聴するのはやめてくれって言ってあるんだけどね」
(`・ω・´)「そうです。いつも現場にPSP Vitaを持ち込むことからついた異名が『無理ゲのモララー』」
( ・∀・)「あの、その蔑称さ、やめてくれって署に言ってあるんだけどね」
(`-ω-´)「これは誰にも解けない難事件をゲームに例えているのだ……すごい人だ……本官の憧れです」
( ・∀・)「俺いまお前にやめてくれって直接言ってるんだけどね」
-
(,,-Д-)「そうか……では、よろしくお願いしますモララーさん」
( ・∀・)(あ、その呼び方は悪くないわ)
(*^ー^)「期待していいのね!」
(-@∀@)「頼むっす!オタクなモララー!」
( ・∀・)σ(#Д#-)アグッ!! パリーン!!
-
〜〜〜
設楽羽 倉庫
( ・∀・)「ここが死体発見現場か」
(*゚ー゚)「ええ。死体をそのままにしておくのはちょっとあれだったから、ビニールシートをかぶせておいたわ」
( ・∀・)「良い判断です……では、失礼して」
( ‐∀‐)人 ナームー
バッ
( ・∀・)「……!」
( ‐∀‐)
(`・ω・´)「すぐに鑑識と検視に回しますが……見たところ、後頭部の怪我が死因でしょうかね」
( ・∀・)「……そうだろうね……ん?」
( ・∀・)(ほんの少しだけだが……髪がしっとりとしているな。血が原因か?)
-
( ・∀・)「この人、殺される前に頭が濡れてなかったかい?」
(*゚ー゚)「いや、イトーイさんは確かにトイレへ行ったから手を洗ったとしても……」
(,,゚Д゚)「頭はさすがに濡れてないと思いますが……」
( θ∀θ)「あ、でも!酔い覚ましのために水をかぶったかもしれないっす」
( ・∀・)「あー、確かにね。おめめつぶらだね、君」
(*θ∀θ)「えへへ」
-
( ・∀・)「で、だ。後頭部を殴られたとされる凶器は?」
┃⊂(`・ω・´)「こちらです」
( ・∀・)⊃┃「バールか……なるほど、確かに片側の先端に血痕がついているな……」
( ・∀・)「これを洗ったというのは間違いないのかい?」
( ^ω^)「間違いないですお!持ち手と比べて少しだけ冷たったんだお!」
(`゚ω゚´)「貴様!勝手に触ったな!?」
∩( ^ω^)∩「手袋してるからいいじゃないかお!」
(`・ω・´)「うるさい!簀巻きにしてやる!」
ビニールシート グルグル
( ゚ω゚)
(======)@⊂(`・ω・´ )
(⌒(⌒ )
-
( ・∀・)「んー……」
( ・∀・)(洗ったのは間違いない、か……?ただ、この血痕、血の付き方……何かひっかかる)
( ・∀・)⊃┃「刑事さん、これの指紋は?」
(`・ω・´)「先ほど完了しました」
( ・∀・)「ん、仕事が早いですね。どうだったの?」
(`・ω・´)「それが……その」
( ・∀・)「ん、ああ。いいよみんなに聞こえても」
(`・ω・´;)「は、はい。実は──」
(`・ω・´)「内藤さんの指紋以外、つまり三人の指紋が確認されました」
(,,゚Д゚)「!」
(*゚ー゚)「!」
( θ∀θ)「!」
-
( ^ω^)「ほれ見たことか!これで僕の容疑は晴れたお!」
( ・∀・)「ボンレスハムは黙っててね」
( ^・・^)「ぶー」
( ・∀・)「ところで、お聞きしたいのですが……」
( ・∀・)「ここに、氷を冷やしているケースはありませんか?」
(,,゚Д゚)「あ、でしたらそこに」
( ・∀・)「どうも」
ガチャ
( ・∀・)(氷の数はざっと見て20個以上はありそうだな。すべてビニール袋に入っていて、一つ一つがサッカーボールくらいの大きさか)
( ・∀・)「持ってみても?」
(,,゚Д゚)「はい」
-
( ・∀・)ヨイショ
⊃◇⊂
( ・∀・)(重さは……2、3キロくらいかな?)
( ・∀・)「……」
( ・∀・)「地面にたたきつけても?」
(,,;゚Д゚)「はぃは?え?地面に?」
(*;゚ー゚)「それは、ちょっと……」
( ・∀・)⊃◇「ではブタにたたきつけても?」
( ^ω^)(えっ)
( θ∀θ)「どうぞ」
(^ω^ )(えっ)
フンッ
⊂( ・∀・)
/ ノ∪
しー-J |l||
◇バゴゥッ!!
( ゚ω゚)イッタァッ!!
(======)
(⌒(⌒ )
-
( ・∀・)「割れないな」
( ゚ω゚)「割れないなじゃないお!こっちの頭が割れそうだったお!」
( ・∀・)「痛いか?」
( ゚ω゚)「当たり前だお!なんてことして……」
( ^ω^)「ハッ!も、もしかして……!」
( ^ω^)「所長は、凶器が『氷』だったと考えているんですかお!?」
(,,゚Д゚)「!」
(*゚ー゚)「!」
( θ∀θ)「!」
-
(`・ω・´)「なんと……!?むう、確かに氷でもうまくやれば致命傷を負わせることができないこともなくなくない」
( ^ω^)「しかも溶ければ凶器がなくなるお!これは完全犯罪の匂いだお!」
( ・∀・)「……」
(* ^ω^)「おっ!すごいお!さすが所長!別の凶器の可能性があれば、容疑者が僕いが……」
( ^ω^)「いや、待てお。バールには僕の指紋だけがなかったんだお。ということはバールが凶器だったら、僕は犯人じゃない。けど、バール以外のものが凶器だとしたら」
(,,゚Д゚)「内藤さんが犯人という可能性もあるわけだな」
(*゚ー゚)「あらあらうふふ」
( θ∀θ)「墓穴を掘る」
( ´ω`)
-
( ‐∀・)「そういうことだ。さて、アリバイに関しては先ほど既に伺いましたが……特に間違いや気づいたことはありませんでしたか?」
(,,-Д゚)「うーん……ない──あっ!」
( ・∀・)「大将、何かありましたか!」
(,,゚Д゚)「明日の仕込みを冷凍するの忘れてた。まずいな、在庫がもうほとんどない……」
( θ∀θ)「ほとんどがあとひと箱くらいでしたっすな。主に内藤さんのせいで」
(,,-Д-)「明日どうしよう……」
( ^ω^)(人が死んでるのに営業するつもりかお)
-
( ・∀・)「……」
(*゚ー゚)「あ、そういえば」
( ・∀・)「はい、しぃさん」
(*^ー^)「洗濯物しまってなかったわ」
( ・∀・)「……」
(*゚、゚)「あらやだ、ごめんなさい。つい……」
( ・∀・)「まぁ、大丈夫ですよ。今日は雨も降ってないし、隕石も落ちていない。安心してください」
(*゚ー゚)「優しいわね。よかったら、今度食事でも……」
(,,;;;゚Д゚)「おい、お前……!」
( ‐∀‐)「いえ、やけどしたくはないので。きれいな人ほどつまらない嘘をつきますからね」
(*゚ヮ゚)「まぁ!その通りだわ!女心をよくわかっているわねぇ」
(# ω )「静まれ……直近の僕の黒歴史よ、静まるのだお……!!」
-
( θ∀θ)/「はい、はーい!」
( ・∀・)「はい、浅井君」
( θ∀θ)「眼鏡が割れました!!」
(・∀・ )「よし、じゃあみなさんお店に集まってください」
(,,゚Д゚)「?」
(*゚ー゚)「?」
( θ∀θ)「?」
( ^ω^)「?」
(`・ω・´)「?」
-
(‐∀‐ )「これから俺が」
難事件
( ・∀・)「このクソゲーをクリアして見せましょう」
-
【居酒屋事件簿のようです】
幕間
(読み飛ばしても問題なし)
( ^ω^)「所長、本当にクリアできるんですかお?」
( ・∀・)「んー、多分な」
( `ω´)「たぶんって……部下の容疑を晴らすのが所長の仕事ですお!」
( ・∀・)「だってお前怪しいもん。ありえるよ?お前がやった可能性も」
( ^ω^)「なんでですお!いつも所長は僕のことを親身に考えてくれてるじゃないですかお!」
( ・∀・)「ああ、ごめんな。今このゲームにはまっててさ」
( ^ω^)「お?なんですかおそれ」
( ・∀・)「トリック&ロジックっていうんだ。推理ゲームだよ。あらゆる可能性を考慮しないとクリアできない作品さ」
( ^ω^)「おー、好きですもんねーそういうの。逆転裁判みたいなやつですかお?」
-
( ・∀・)「そうだな……俺も1〜5と、検事シリーズの二作はプレイしたが」
( ・∀・)「逆転裁判の難易度が100としたらトリック&ロジックは300だ」
(; ^ω^)「えっ!?三倍ですかお?」
( ‐∀‐)「個人的にな。前者は攻略情報一切なしでクリアできたが、後者はさすがに難しかった」
( ^ω^)「じゃあ逆転裁判がぬるい人はこれがお勧めってことなんですかお?」
( ・∀・)「残念ながら、そもそも方向性が違うからそうとは言えない。このゲームは逆転裁判みたいに、ストーリーやキャラクターが主に事件をリードしていくようなアドベンチャーに近いタイプではなくて」
( ・∀・)「推理小説を自力で解くようなゲームだからな。もちろん、ただのノベルゲーとは言わないが」
-
( ´ω`)「おー……僕はいつも推理小説なんて誰が犯人なのかさっぱりですお」
( ・∀・)「そうだな……じゃ、せっかくだ」
( ・∀・)ψ カキカキ
( ^ω^)「何書いてるんですかお?」
( ‐∀‐)「トリック&ロジックは、事件の重要なポイントをいくつか問われ、それを答えていくことでプレイヤーとキャラクターが推理を進めていくシステムになっている」
( ・∀・)⊃「そこで、だ。ほら」
( ^ω^)「お?」
( ・∀・)「この手帳に今回の事件の重要なポイントをまとめてみた。そのポイントが質問する内容、全部埋めてみな」
(; ゚ω゚)「おおん!?そんなの無理に決まってるお!」
-
( ・∀・)「いいんだよ。俺だってなんども間違えながら推理を進めていったんだ」
( ・∀・)「何が面白いかって、間違った推理でもはねつけるんじゃなく、ちゃんと考えてくれるところが楽しいんだよ」
( ^ω^)「おー……?じゃあ、僕が間違った推理をしても、所長は無視したり怒ったりしないお?」
( ・∀・)「ああ、もちろん」
(* ^ω^)「おっ!じゃあやるお!えっと──」
-
問1
『犯人が使った凶器は何か?』
問2
『被害者が殺害された場所はどこか?』
問3
『犯人は少なくとも一つ、嘘をついている。その嘘はなにか?』
問4
『死亡推定時刻、犯人が犯行に及んだ証拠がある。それは何か?』
問5
『犯人は誰か?』
-
( ^ω^)「お!四つだけだお!簡単だお!」
( ・∀・)「いくつか注意事項をしておこう。まず、犯人は大将・しぃ・浅井・内藤の中に必ず存在している」
(; ^ω^)「僕は違うお!」
( ・∀・)「外部犯の犯行についてや、超常現象、専門的な知識が必須となるような原因及び要因はない」
( ・∀・)「さらに、犯人は一人だけだ。複数犯もしくは全員が犯人だということはない。というかあるなら教えてくれ。推理しなおすから」
( ^ω^)「ふむふむ」
-
( ・∀・)「そして、殺害の動機に関しては問わないものとする。もちろん、動機を考えてもらっても構わないが、必ずしも明確な答えを出す必要はないぞ」
( ^ω^)「わかりましたお」
( ‐∀‐)「それと、これはあくまで俺のメンツのために言っておくが……」
( ・∀・)「問に対する答えと、事件そのものの解決方法は複数ある、かもしれない」
( ^ω^)「えっ!?」
-
( ・∀・)「考えてもみろ。ほぼ俺が一人で事件の推理をしているんだぞ。人間一人が考えられる範囲なんざたかが知れてる」
( ・∀・)「つまり、"回答に矛盾がなく、それが可能であるという確実な根拠や証拠がある"ということであれば」
( ^ω^)「あれば?」
( ・∀・)「それも正解なんだろう」
( `ω´)「なんだおそれ。むちゃくちゃだお!」
( ・∀・)「どっかの探偵も乱暴で粗悪な奴だがぼちぼちやってるんだ。俺だって人間さ」
( ^ω^)「よくわからないけど……とにかくこの問を矛盾なく回答すればいいんだおね!」
( ・∀・)「そうだ。質問があれば可能な範囲で受け付ける。バカみたいな回答にも精一杯対応しよう。面倒くさいならそのままにしておいてもいいしな」
-
( ^ω^)「でもどうしてそこまでやるんだお?さっさと解決すればいいのに」
( ・∀・)「だって」
(* ・∀・)「楽しいじゃん」
(; ^ω^)(ほんと、この人子供みたいだお……)
【居酒屋事件簿のようです】
――――解決編は月曜日。
-
おお、月曜が楽しみだ
乙
-
トリックロジック懐かしいな
閣下がまんま閻魔大王だったのには笑ったわ
-
飯テロは序章...
おもしれぇ...
-
面白いわ。明日も楽しみ
-
気になる
手羽先も食いたい
-
冷凍庫の大きさは?
-
凶器・冷凍手羽先
理由-なし
場所・冷凍庫
理由-髪がしっとりしている(凍って髪に付いた水蒸気がとけた)
嘘・内藤がカツ丼を食べている様子を見ていたという発言
理由-反抗中だから見ていない 完食時に結果はどうなったんですか?と聞いている
証拠・寒い冷凍庫から出てきたせいで曇ったメガネ
バールの先端が冷たいのは手羽先をはがしたから 血は手羽先の血
内藤がカツ丼を完食するのに10分=殺害にかかる5分+手羽先を剥がす5分
動機・酔っぱらい、冷凍庫でおしっこをしようとしているイトーイを見かけて、このままでは保健所待ったなしになると思い、カッとなって殺った
犯人・浅井
あるいはしぃが丼で簿記札
-
気になるのはビニールシートと、怪しい点が無さすぎる大将
氷はミスリード狙いかな?(希望的推理)
洗い場が濡れてるのは恐らくおしっこしたイトーイが手を洗ったのでしょう…
-
メガネがくもってたアサピーが怪しい
イトーイとバールは冷凍室においてたから湿ってた
-
メガネ曇ってた辺りを見直してみるとコスモを見ていたはずのあさぴーが「どうなりました?」と出てくるのも怪しい
-
もう少しお待ちください。
-
らめぇっ!月曜日終わっちゃうのおおぉぉぉぉ!!!
-
期待待機
-
【居酒屋事件簿のようです】
幕間2(読み飛ばしてOK)
>>129
( ^ω^)「冷凍庫の大きさ?あー、そういえば……うーん、そこそこ広かったお」
( ・∀・)「それでは答えになっていない。俺は冷凍庫を開けてはいないが、おそらく大きさは人が二人くらい、余裕で入れる程度だろう」
(; ^ω^)「おっ、なんでわかるんですかお?」
( ・∀・)「でなければおかしい。例えば複数の材料を店内に運ぼうと思う際、十分なスペースがないと持ち運びに苦労するからだ」
( ^ω^)「言われてみれば、居酒屋みたいなお店で材料の持ち運びに手間取ったら仕事にならないおね」
-
( ・∀・)「さらに、浅井君の『ほとんどがあとひと箱』という発言から、普段はそれなりの量が補充されていると考えられる」
( ‐∀‐)「それなりの量があってもある程度自由に動き回ることができる、つまりは人間一人ないし二人は入ることができる広さがある……と考えるのが自然だろう」
\( ^ω^)/「ようするにそこそこ広かったお!」
( ・∀・)(だから答えになってないっつーの)
( ^ω^)「でも嬉しいお!僕は全くちんぷんかんぷんだったから、こうして質問してくれると一緒に考えてるみたいで楽しいお!」
( ・∀・)「そうだな。非常にありがたい。さて、次の質問は──」
-
>>130 >>131
(;;・∀・)「」
( ゚ω゚)「」
(; ・∀・)「よよよよ、よし」
(; ゚ω゚)「所長、声が震えているお」
-
( ‐∀‐)「…………」
( ・∀・)「結論から言おう。俺の考えている推理と、いや……俺以上に論理的なロジックだと思う」
( ^ω^)「ストップおしっこはとってもロジカルお」
( ・∀・)「……一応真面目に答えておこう。俺の推理の進め方とは異なっているな。だからといって、仮に俺の推理を100点としたら、君は300点といえるだろう」
( ^ω^)「また三倍かお!?三倍が好きなのかお!?」
-
( ・∀・)「だって面白いもん、この推理。正直、完全に負けたなと思うよ。っていうか事件がもっと難しかったらよかったのに。あーあ、もう俺推理しなくてよくね?」
( ^ω^)(すぐすねるお)
(* ^ω^)「ま、まぁ僕は自分の身が安全だとわかればそれでいいんですけどお。ありがとうだお!」
( ・∀・)「ちなみにビニールシートや怪しい点のない大将、氷については解決編で解決しよう」
-
>>132
( ・∀・)「うん、なんでこう鋭いんだろうね。これ、難易度設定間違えてるんじゃないの?」
( `ω´)「ゲームじゃないんだお!人が死んでんねんお」
( ・∀・)+「ただ、これも俺のロジックと異なる点がある。ぜひ解決編をご覧いただきたいな」
( ^ω^ )(かっこつけてるけどめっちゃ震えてるからね、声)
-
>>133
( ・∀・)「ああ、その通りだ」
( ^ω^)「お、ぴったりかお?」
( ・∀・)「もうこれみんな犯人は誰か完全にわかってるんじゃないだろうか」
( ^ω^)「おっおっお。まぁ実は僕が犯人なんだけどお!」
( ・∀・)「では解決編をご覧いただこう」
( ^ω^)「突っ込んでお」
-
キタ━(゚∀゚)━!
-
【居酒屋事件簿のようです】
解決編
設楽羽 店内
(,,゚Д゚)「全員を集めてどういうことですか、モララーさん」
( ・∀・)⊃[]スマホ イジイジ
(*゚ー゚)「そうですよ。それに、クリアするって……」
( θ∀θ)「っていうかなにしてるんすか?」
( ・∀・)「ん、ちょっとネットサーフィンを」
( ^ω^)「ネットサーフィンなんてしてる場合じゃありませんお!どうせゲームの攻略でも見てたんでしょうお!」
-
( ・∀・)「ゲームの攻略ねぇ……ま、ある意味では正解か」
(`・ω・´)「さすが無理ゲのモララーですな!」
( ・∀・)「お前もうそれ言いたいだけだろ」
( ‐∀‐)「ハァ……わかったんですよ。今回の事件の犯人がね」
(,,゚Д゚)「ほ、本当ですか!?」
( ^ω^)「さすが所長だお!」
( θ∀θ)「うわっ、今のすっげー探偵っぽい」
-
( ・∀・)「まず、今回の事件のおさらいをしておきましょうか……」
( ・∀・)⊃□スッ
(,,゚Д゚)「それは?」
( ・∀・)「皆さんから聞いた証言を元につくられた、創作ノートです。番号を割り振ってその時にあったことをできる限り正確に想像できるよう作りました」
( ・∀・)⊃□「内藤、ためしにこのページを番号から読み上げてみろ」
( ^ω^)「どれどれお……」 ⊃□⊂
-
―――――――――――――――
>>46
( ^ω^)+「大丈夫だお。おかみさんはきれいだお。きれいな人はつまらない嘘をつかないって相場は決まってるんだお」
―――――――――――――――
(,,##゚Д゚)「おい」
(;θ∀θ)「ひくわぁ……」
( ∩ω∩)「おおおおおおおおん!!なんでよりによってこのシーンなんだお!!しかも完璧にセリフ一致してるお!!」
(*゚ー゚)「うふふ」
-
( ・∀・)「という具合に、その時その時の状況で引用できる場面がありましたら、このノートを使って証明していきます」
( ・∀・)「では、事件のおさらいから」
( ・∀・)「事件があったのはここ、設楽羽。被害者はイトーイさんというさすらいの食べロガーだった」
( ^ω^)「そうだお!所長聞いてお!ホーリーグレイルとか、意味がわからなかったお!」
( ∀ )「黙れ」
( ^ω^)(なんでそんなに怒るんだお……)
( ・∀・)「……死亡前の流れを確認しましょう。午後9時、ここにいる全員がイトーイさんの生存を確認している」
( ・∀・)「さて、これは間違いありませんかね」
-
(,,゚Д゚)「ああ。酔っ払ってトイレに立つまでは……」
(*゚ー゚)「でもその時、内藤さんが私たちにコスモを見せつけていたわ」
( θ∀θ)「一応、翻訳すると内藤さんがウルトラカツどんを食べているところを見ていた瞬間っすね」
( ・∀・)「……」
( ‐∀‐)「いいでしょう、続けます」
-
( ・∀・)「死体を発見したのは午後9時30分ごろ。そこにいる内藤がこの店の外にある倉庫にて発見した」
( ^ω^)「そうだお!最初は寝てるかと思ってたけど、死んでたお!」
( ・∀・)「そして午後9時35分ごろ、内藤は皆さんに死体があったことを伝えた……ここまではいいですね?」
(,,゚Д゚)「ああ」
(*゚ー゚)「はい」
( θ∀θ)「っす」
(`・ω・´)「茂良さん、本官、どうしても先に気になることがあります」
( ・∀・)「なんでしょう?」
-
(`・ω・´)「凶器です。あなたは氷を使うことで、バール以外の別の凶器の可能性を示しました」
(`-ω-´)「確かに氷を使うことで人を殺すことができるかもしれないが、どうにも腑に落ちん」
(`・ω・´)「やはり凶器はバールではないでしょうか」
( ^ω^)「そうだお!そして僕は犯人じゃないお!」
(`^ω^´)「そうか、やっぱり凶器は氷だったんだ!!」
( ^ω^)「なぁ、僕なにか悪いことしたお?」
( ・∀・)「では、そこから考えていくとしましょうかねぇ……」
-
━━━━━━━━━━━━━━━
『犯行に使われた凶器は何か?』
━━━━━━━━━━━━━━━
-
( ・∀・)「そもそも、なぜ凶器がバールであると考えられるのか」
( ・∀・)「それは死体のそばに落ちていて、被害者の死因……もちろん司法解剖しなければ確実なことは言えませんが、後頭部への打撲跡と、先端に残った血が理由づけています」
(,,゚Д゚)「どう考えても、先端を振りかぶっての撲殺……」
( ・∀・)「しかし、そう考えると不自然な点がある」
(,,;゚Д゚)「不自然な点……ですか?」
( ・∀・)「それは血痕です。刑事さん、バールを」
(`・ω・´)「はっ!」
-
(,,゚Д゚)「血痕……確か、少しだけ血の跡がついていたな」
┃⊂(`・ω・´ )「茂良さん、どうぞ」
( ・∀・)⊃┃「どうも。ここをよく見てください。血の付き方が点々としている。普通、バールを使って人間を攻撃したら、もっと血みどろになってもおかしくない」
(,,゚Д゚)「ですから、それを洗って──」
( ‐∀‐)「そう、洗った……」
( ・∀・)「と、思わせるのが犯人の狙いだとしたら?」
(,,゚Д゚)「えっ……!?」
-
( ・∀・)「凶器のバールは内藤以外の全員がその存在を知っていて、かつ用途も理解している。つまりは、犯行に使う武器として最も適しているということ」
( ・∀・)「これを使った人間がいれば、自然と全員が疑われる結果となる」
( ・∀・)「そう考えると、この血痕の付き方はこう説明することもできる」
( ‐∀・)「犯人は『真の凶器』を使って被害者を撲殺したとね」
(*゚ー゚)(,,゚Д゚)「し」(`・ω・´)(θ∀θ )
(*゚ー゚)(,,゚Д゚)「『真の凶器』!?」(`・ω・´)(θ∀θ )
-
( ^ω^)「あ、わかったお!それが氷なんだおねって僕が疑われるぅ!!」
( ・∀・)「いや、ここではっきりさせておこうか。『真の凶器』は氷じゃない」
(,,゚Д゚)「な、なぜですか?」
( ・∀・)「簡単です。隠滅することができないからだ」
(*゚ー゚)「隠滅……凶器を、ですか?」
(,,-Д-)「いや、凶器を発見されないようにするっていう隠滅だったら、むしろ氷が一番いいはずじゃ……」
(*゚、゚)「そうよ。殴った後、流しに捨てたり溶かしたりすれば絶対に発見できないわ」
(`・ω・´)「そして、やろうと思えば人を殺害することもできるはず……バールが凶器でないなら、なぜ、氷もそうではないと?」
-
( ・∀・)「確かに、サッカーボールくらいの大きさの氷を、思いっきり後頭部に何回も打ち付ければ致命傷足り得るのかもしれないし、使用後の後始末も簡単で確実だ」
( ‐∀‐)「ですが、今回の場合は違う。ちょっとケースを開けますね」
( ・∀・)⊃◇「この氷ですが……何に使います?」
(,,゚Д゚)「えっ、それは水割りとか飲み物を作るために……」
( ・∀・)「当然、バラバラになっていますよね。いちいち砕いていたら時間が足りない」
(,,゚Д゚)「見ての通りです。バラバラになった氷をサッカーボールくらいの大きさまで一つの袋に詰め──」
(,,;゚Д゚)「あっ!」
(*゚ー゚)「……そっか!」
(`・ω・´;)「な、なるほど!確かに隠すのは難しいかもしれない」
( θ∀θ)「あーあ、なーる」
( ^ω^)「おっ?おっ?どういう事だお?」
-
( ・∀・)「仮にこの状態で被害者を殺害した場合……」
( ・∀・)「残ってしまうんですよ。被害者の頭に触れてしまった氷の『袋』の部分がね」
( ^ω^)「……お!!そうか!」
( ^ω^)「袋に血痕が残れば洗い流したとしてもルミノール反応が出るお!」
( ^ω^)「氷が溶けてなくなるのは当然、でも袋までは処分する方法が限られてくるお!」
(,,゚Д゚)「かといって、袋から取り出してもバラバラの氷では凶器にならない……」
-
( ・∀・)「そう。さらに、もし袋を燃やしてから換気をしたとしても焦げ臭いにおいが残るはず。しかし、9時から9時35分の間に不快なにおいを嗅いだ人間はいない」
( ・∀・)「犯人にとっては、遅かれ早かれ見つかってしまう凶器を使うよりも」
( ‐∀‐)「さらに確実に、かつ凶器の存在を隠ぺいすることのできる何かを使ったんです」
(`・ω・´)「なるほど……警察が捜査をすれば外に捨ててしまったとしてもいずれ発見できるかもしれんしなぁ」
-
(*;゚ー゚)「氷じゃなかった……じゃ、じゃあバールについた血は……」
( ・∀・)「ええ。犯人は被害者を撲殺後、『真の凶器』に付着した血を……」
( ・∀・)⊃┃「バールの先端につけ、その後に『真の凶器』を洗ったんです。あたかもバールが凶器であると思わせるために」
(,,゚Д゚)「だから洗い場が濡れていたのか……」
( ・∀・)「洗い場を濡らすという行為が意味することは、洗い場で水を流したという先入観を与えるため」
( ・∀・)「その上で血痕が少し付着したバールを見ると、洗い流し切れなかった凶器に見える。犯人はそれを強調したかったのでしょう」
-
(,,゚Д゚)「しかしなんでまたそんな面倒な行動をしてまでバールにこだわったのか?」
( ・∀・)「『真の凶器』を隠ぺいした理由は、それが発覚すると疑われるのは間違いなく自分だから」
( ‐∀‐)「とっさに思いついた行動は、一見して完全犯罪の様相を呈していたが……」
( ・∀・)「それが逆に不自然な血の付き方を残してしまったというわけです」
(`・ω・´;)「も、茂良さん。では『真の凶器』とはいったいなんなんですか!?」
( ‐∀‐)「『真の凶器』がなにかは、検証を進めていくうえで明らかにしていきましょう」
( ・∀・)「では、次」
-
━━━━━━━━━━━━━━━
『被害者はどこで殺されたのか』
━━━━━━━━━━━━━━━
-
( ・∀・)「死亡推定時刻の9時から9時35分までに、被害者が殺された場所はどこなのか」
( ・∀・)「これを考えなければ誰が犯人かということを推理するのは難しいでしょう」
(*゚ー゚)「きっと、内藤さんがトイレで殺したのよ。ね?」
( θ∀θ)「さっき検証したっすよ。自分から罪を認めるように4分30秒程度でトイレから倉庫に遺体を運び出したと」
( ^ω^)「だから違うっていってるお!そ、そりゃ確かに時間的には可能かもしれんお?でもだからといって……」
( ‐∀‐)「結論から言いますと、殺された場所はトイレではありません」
( ^ω^)ヤッタゼ
(*゚ー゚)「ど、どうして?」
-
( ・∀・)「もし使われた凶器がバールだった場合……内藤に犯行は可能だったのかもしれない」
(`^ω^´)「じゃあやっぱり内藤さんがバールで殺害した!」
( ・∀・)⊃□「いいえ、このページを見てください」
―――――――――――――――
>>106
(`・ω・´)「内藤さんの指紋以外、つまり三人の指紋が確認されました」
―――――――――――――――
( ・∀・)「バールから発見された指紋は内藤以外のものだった」
( ^ω^)「おっ、でも僕、手袋持ってるお。これならばれないお!」
(# ・∀・)(お前は捕まりたいのか)
-
( ‐∀‐)⊃□「仮に手袋を持っていても、だ。次をこのページを見てみろ」
―――――――――――――――
>>69
( ^ω^)「それは考えにくいお。もしそうなら衣服の乱れや、他のところにも傷跡がないと不自然だお」
―――――――――――――――
( ・∀・)「死体が発見された現場は倉庫だった。トイレで殺害された場合、そこまで運ぶ必要がある」
( ・∀・)「着衣の乱れもなしに意識のない男を運び出すのは難しいだろう」
-
( ・∀・)「それに、仮にバールのようなとがったものを振りかぶったとしたら、血が噴射する可能性もある」
( ‐∀・)「だが、トイレはおろか、倉庫にもそんなものなかった。そうだろう?」
( ^ω^)「おっ……確かにトイレにそんな痕跡は見当たらなかったお。パッと見だけど」
(*゚ー゚)「そうよ!きっとビニールシートをつかったんだわ!殺害するときにそれを使えば血を防ぐことだって」
( ・∀・)「いや、しぃさん。あなたは最初に死体を発見してから店内に戻るときに使ったはずだ。その時、不自然な点はなかったでしょう?」
(*゚ー゚)「え、ええ」
( ^ω^)「僕も被せたけど、特には……」
-
( ・∀・)「仮にビニールシートを使って被害者の血をごまかしたとしても、おかしい点がいくつかある」
( ・∀・)「そもそも、被害者がトイレで後頭部を殴られて殺害されたのなら、ドアに背を向けている状態でないと不可能だ」
(,,゚Д゚)「用を足している最中ですな」
( θ∀θ)「酔っ払って鍵をかけ忘れてたとかじゃないんすか?なら、開けてすぐに殴れば……」
(,,゚Д゚)「ならおしっこかうんこがどこかにあるだろうな」
( ^ω^)「無かったし、臭くもなかったお」
(`・ω・´)「ちょうど出し終えた瞬間にとか?」
( ・∀・)「出し終えた瞬間を見計らい、ビニールシートを使って血が飛ぶのを防ぎながら後頭部へ何度も打撃を加えたといいたいのですか?」
(`・ω・´;)「む、むぅ……」
-
(,,-Д-)「なんにしても、トイレでの殺害と、その後に倉庫へ運び出すことは難しそうだ」
( ^ω^)「じゃあどこで……」
( ‐∀‐)「酔っ払いで、しかも一見客である被害者がすぐにトイレにたどり着けたか……」
( ・∀・)「絶対にすぐにたどり着ける。とは言えないでしょう」
( ・∀・)「ではもし、誰かに誘導されたとしたら?」
(`・ω・´)「誘導……」
-
( ・∀・)「犯人は被害者がトイレに向かう際に、死体発見現場である倉庫に誘導」
( ・∀・)「その上で、殺害を行ったと考えられます」
(`・ω・´)「誘導してから……殺害した……!」
( ・∀・)「これは、凶器の隠ぺいを図る犯人の思考にも一致すると思います」
( ^ω^)「あ、別の場所で殺害後、倉庫に移動させるにはどうしても体に触れる必要があるからかお?」
(`・ω・´)「……指紋か!」
-
( ・∀・)「はい。服や体に指紋がついてしまえば意味がない。それを踏まえても、殺害場所は倉庫で間違いないでしょう」
(*;゚ー゚)「ちょ、ちょっと待って!っていうことは……」
( ‐∀‐)「死亡推定時刻の更なる絞込み──」
( ・∀・)「そう、9時から9時35分までではなく、9時から9時10分の間に被害者は殺害されたことにつながる」
(,,゚Д゚)「!」
(*゚ー゚)「!」
(`・ω・´)「!」
( ^ω^)「!」
-
(;θ∀θ)「で、でも!みんなその時間は内藤さんのコスモを見ていたっす!」
( ・∀・)「全員の証言が嘘偽りのない言葉ならば、誰にも犯行は不可能だった」
( ・∀・)「しかし、もし嘘をついていたとしたら?」
(,,゚Д゚)「嘘……だと?」
( ・∀・)「次はこの仮定を推理していきます」
-
━━━━━━━━━━━━━━━
『犯人がついた嘘とは?』
━━━━━━━━━━━━━━━
-
( ・∀・)「被害者を殺害した場所が倉庫、そして時間は9時から9時10分の間」
( ・∀・)「この間、誰も倉庫に向かっているという証言はしていません」
( ・∀・)「ですが、必ず誰かが倉庫に向かい、被害者を殺害したと仮定するならば」
( ・∀・)「3人のうちの誰かが嘘をつかなければいけないのです」
( ‐∀‐)「では誰が嘘をついているのか」
(,,゚Д゚)「……」
(*゚ー゚)「……」
( θ∀θ)「……」
( ^ω^)「おっ!わかったお!犯人はしぃさんだお!」
(*;゚ー゚)「えっ!?」
-
( ^ω^)⊃□「このページを見てくれお!」
―――――――――――――――
>>87
(*゚ー゚)「内藤君が食べたウルカツ丼の器を洗ってから元に戻すために一度、店を離れたわ。何時何分だったかは覚えてないけど、5分から10分くらいの間かな」
―――――――――――――――
( ^ω^)「きっと、犯人であるしぃさんは何時何分か覚えてるんだお!それは9時から9時10分の間だお」
( ^ω^)「僕が食べたウルカツ丼を戻すときに殺したんだお!その丼で!」
-
( ・∀・)「……内藤、お前がウルトラカツどんを食べ終わったのは何時何分だ」
( ^ω^)
(; ‐ω‐)「9時10分……お」
( ・∀・)「どうやって洗って戻す」
( ^ω^)「じゃ、じゃあ10分から35分の間だお!その時に殺したんだお!」
( ‐∀‐)⊃□「はぁ……このページを見ろ」
―――――――――――――――
>>80
( ^ω^)「ということは、大将や浅井君はもちろん、身長が低めなしぃさんでもバールを持って被害者の頭を殴ることはできたってことだおね」
―――――――――――――――
-
( ・∀・)「身長が低めな彼女が、トイレに向かった被害者を倉庫に呼び寄せてから、いくら慣れているとはいえ重たい丼を被害者の後頭部に打ち付け殺害することが果たしてできるのか?」
( ^ω^)「おっ……それは……」
(,,゚Д゚)「そうだよ、内藤君。それなら、イトーイさんがトイレに立ってからの10分間、彼はなにをしていたんだ?」
( ^ω^)「お……は、吐いてたとか」
(`・ω・´)「可能性の話だが、もし10分もトイレにとどまるほど泥酔していたとしたら、しぃさんが被害者を倉庫までどう誘導する?もしなんとか運んだとして20分も時間を掛ければ、誰かに発見されるぞ」
( ^ω^)「おん……」
(#゚ -゚)
( ^ω^)(軽蔑の視線が痛い)
-
(; ‐∀‐)「ハァ……続けますが……」
( ・∀・)「内藤の食事を見物しおわったあと、一人だけ不自然な言葉を発した人物がいます」
(,,゚Д゚)「不自然な言葉?」
( ・∀・)「その内容は、まるで自分がそこにいなかったような言い回しだった」
( ・∀・)「これらを踏まえて、冒頭に申し上げた『真の凶器』とは何か、そして犯人は誰なのかを明らかにしましょう」
-
━━━━━━━━━━━━━━━
『犯人は誰か?』
━━━━━━━━━━━━━━━
-
( ・∀・)「午後9時、内藤がウルトラカツどんを食べ始めるころ、被害者はトイレに立った」
―――――――――――――――
>>52
(,,゚Д゚)⊃「今は……9時か。じゃあ、30分後の9時半までね。はいスタート」
―――――――――――――――
>>53
(*;゚ο゚)「えっ……たった、たった10分で……」
(-@∀@)「どうなりました?」
(,,゚Д゚)「ああ、浅井君か……見ればわかる……西川君が勝ったよ」
(-@∀@)「眼鏡が曇ってて見えないっす」
(*゚ー゚)「外せばいいじゃない」
( θ∀θ)「はい……おお、本当だ。米粒一つ残っていない」
―――――――――――――――
-
( ・∀・)「3人のうち、2人は内藤に釘づけになる」
( ・∀・)「だが、一人だけ──犯人はその場から被害者の後を追い、店を出た」
( ・∀・)「そして、酔っ払い、トイレの場所を探している被害者を言葉巧みに誘導する」
( ‐∀‐)「これは推測ですが、犯人は被害者と妙な意思疎通が可能だったと考えられます」
( ・∀・)「すっかり気を許した被害者はまんまと倉庫へ……そして」
( ・∀・)「あらかじめ用意しておいた『真の凶器』を被害者の後頭部めがけて振りかぶったのです」
-
( ・∀・)「そう、『袋から出した手羽先』を、ね」
(,,゚Д゚)「て」
(*゚ο゚)「て」
(`゚ω゚´)「て」
( ゚ω゚)「手羽先かお!?」
(`・ω・´;)「た、大将、手羽先とは、あの手羽先ですよね?そんなもので人が殺せるんですか!?」
(,,;-Д-)「あ、ああ……冷凍庫で水分を含んでカチカチに凍った肉であれば、石と変わらないくらいに硬い……」
( ^ω^)「あっ!だからイトーイさんの頭が少し濡れてたのかお!」
(*-ο-)「ひ、ひどい……」
-
( ・∀・)「今日、店外に出ていない大将は事件に関して一切の関与がないと言っていいだろう」
( ・∀・)「同様に、外に出たとはいえ丼の持ち運びだけだった彼女に犯行は不可能と考えていい」
(`・ω・´)「で、では」
( ・∀・)「──事件の真相はこうだ。殺害前、内藤と被害者が注文した手羽先を取りに行った犯人は」
―――――――――――――――
>>22
(@∀@-)≡タッタッタ
(^ω^ )「お?彼はどこに行ったんですかお?」
(,,゚Д゚)「ああ、倉庫に手羽先を取りにいったんだ」
―――――――――――――――
( ・∀・)「冷凍庫にある手羽先を袋から取り出し、一つは店内へ持っていき、一つはそのまま置いておいた」
-
―――――――――――――――
>>23
(,,゚Д゚)「……うちは一部の材料を冷凍してるんで、それを取りに行っただけですよ」
( ^ω^)「あーなるほど。でもちょっと遅くないかお?」
ィ'ト―-イ、
以`-益-以「フッ……フェニックスの防御力は非常に高い。それを人の口に入れるためのサイズにするにはそれなりの経験と時間が必要なのさ」
(,,゚Д゚)「冷凍したままだと袋の中の手羽先がくっついちゃうんでね。ある程度バラバラにしてからじゃないとこっちで調理できないんだ」
( ^ω^)「ふーん。色々手間がかかってるんだおねぇ」
―――――――――――――――
>>24
(-@∀@)⊃「大将、お願いします!」
―――――――――――――――
-
( ・∀・)「その後、被害者がトイレに立ったところを追いかけ、倉庫へと誘導。この時、内藤は食事を、それ以外の人物は内藤の咀嚼を見ていた」
(* ∩ω∩)「やん……///」
( ・∀・)「酔っ払っていた被害者の隙をつき、冷凍庫に入った犯人は生身の手羽先を手に取って、犯人を撲殺」
( ・∀・)「おそらく殴る回数を少なくするために両手で持ってぶつけたんでしょう。回数が少ない程、血は最小限に防げるはずだ」
( ・∀・)「そして、近くにあるバールの先端に、手羽先に付着した血を少しずつ付けた。バールの濡れはその時のものだと思います」
( ・∀・)「その後、手羽先を洗い、袋に戻し」
( ・∀・)「何食わぬ顔で一度戻った」
-
(,,゚Д゚)「……」
(*゚ー゚)「……」
(`・ω・´)「……」
( ^ω^)「……お」
( ‐∀‐)「その犯行が可能だった人物は」
( ・∀・)「浅井君、君以外に考えられない」
( θ‐θ)
-
(,,゚Д゚)「そんな……」
(*゚ο゚)「浅井君が、どうして……」
( ^ω^)「僕は最初から彼が怪しいと思っていたお」
(`・ω・´)「本官は今でも内藤さんを逮捕したい所存ですッ!」
( θ‐θ)「……」
( θ∀θ)「プッ」
( θ∀θ)「プッハハ!いやぁ、面白いっすね。さすがオタク、創作が得意っす」
( θ∀θ)「でも……それ、全部推測じゃないっすか」
( θ∀θ)「僕がやったって証拠でもあるんすか?」
-
( ・∀・)「ある」
(; θ∀θ)「えっ……」
( ‐∀・)「犯人が犯行に及んだ証拠がね」
-
━━━━━━━━━━━━━━━
『浅井が犯人という証拠は何か?』
━━━━━━━━━━━━━━━
-
( ・∀・)「そういえばしぃさん。今日はいい天気ですね。雨も降っていない」
(*;゚ー゚)「えっ?え、ええ」
( θ∀θ)「おい、なんだよ証拠って──」
( ・∀・)⊃#-#「ところで浅井君。これなんだけど」
( θ∀θ)「あ?」
(,,゚Д゚)「それは……」
(`・ω・´)「浅井君の、眼鏡ですか?」
-
( ・∀・)「先ほどの推理で出た『嘘』……つまり、犯人が9時から9時10分の間に店内にいたという証言」
―――――――――――――――
>>53
(*;゚ο゚)「えっ……たった、たった10分で……」
(-@∀@)「どうなりました?」
(,,゚Д゚)「ああ、浅井君か……見ればわかる……西川君が勝ったよ」
(-@∀@)「眼鏡が曇ってて見えないっす」
(*゚ー゚)「外せばいいじゃない」
( θ∀θ)「はい……おお、本当だ。米粒一つ残っていない」
―――――――――――――――
-
( ・∀・)「先ほどの推理で出た『嘘』……つまり、犯人が9時から9時10分の間に店内にいたという証言」
―――――――――――――――
>>53
(*;゚ο゚)「えっ……たった、たった10分で……」
(-@∀@)「どうなりました?」
(,,゚Д゚)「ああ、浅井君か……見ればわかる……西川君が勝ったよ」
(-@∀@)「眼鏡が曇ってて見えないっす」
(*゚ー゚)「外せばいいじゃない」
( θ∀θ)「はい……おお、本当だ。米粒一つ残っていない」
―――――――――――――――
-
(,,゚Д゚)「そういえば眼鏡が曇って見えないって言ってたな……どこで曇ったんだ?」
(;θ∀θ)「い、いやだなぁ、皆さんは知らないかもしれないけど、今日は外で少しの間雨が降って……」
(*゚ー゚)「いえ、降ってないわ。ねぇ、モララーさん」
( ‐∀‐)「さっき確認した通りですね。雨どころか、過ごしやすいいい天候だった」
( θ∀θ)「……そ、それがなんだって──」
( ・∀・)「さらに、内藤の質問に対しての嘘をつかなければならない回答」
―――――――――――――――
>>87
(-@∀@)「僕も内藤さんが食べた手羽先を持ってくるために一度冷凍庫へ肉を取りに行きましたよ。具体的な時間はさすがに覚えてないっすけど」
( ^ω^)「……待てよ、浅井君。その時、被害者の遺体はあったのかお?」
(-@∀@)「いえ、ありませんでした」
―――――――――――――――
-
( ^ω^)「あ……!」
(,,;゚Д゚)「9時10分までに倉庫でイトーイさんが死んでいたら、10分以降に倉庫へ追加注文の手羽先を取りにいけば絶対に気づくはずなのに」
(*;゚ー゚)「浅井君、なんでそんなウソを……!?」
(;θ‐θ)「……」
(;θ∀θ)「い、いやぁ、ただ寝てるだけかなぁと思って」
( ・∀・)「いい加減にしろ。そろそろ認めたらどうだ?」
(#θ∀θ)「いい加減にするのはあんたっす!人の眼鏡割っといて、あげくに犯人扱いっすか!?」
( ‐∀‐)「……」
( θ∀θ)「し、証拠もないくせに、でたらめを──」
( ・∀・)⊃#-# スッ
-
( ・∀・)⊃#-# 「もう一度、思い出してほしい。内藤がウルトラカツどんを食べている時を」
―――――――――――――――
>>53
(-@∀@)「眼鏡が曇ってて見えないっす」
―――――――――――――――
( ・∀・)「改めて尋ねよう。なぜ、眼鏡が曇っていたんだ、浅井君」
( θ∀θ)「だからそれがなんだって──」
( ・∀・)「外は雨も降っていないし、気温が変わることもない。浅井君が洗い物をしていたわけでもなければ、内藤の食事をガン見しているという状態で曇っていたなんて嘘をつく理由」
( ‐∀‐)「導き出されるのは――」
-
( ・∀・)「犯人である浅井、お前が9時から9時10分に冷凍室に入ったという証拠に、他ならないんだよ」
( θ∀θ)「……」
( θдθ)「あ」
( Д )「ああああああああああぁぁぁぁ!!!!」
-
【居酒屋事件簿のようです】
挿入歌
https://www.youtube.com/watch?v=vhTYYZdIDWY
〜〜〜
( ・∀・)「動機に関しては推測になりますが……」
( ・∀・)「彼は被害者のアンチみたいなものだった。だから言語が理解できた」
( ・∀・)「度重なるむちゃくちゃなレビューで飲食店から怖れられていた彼に対し、あまりいい感情を抱いていなかったのだろう」
( ・∀・)「加えて、ここで働く君の信頼関係を察するに店ではうまくやっていた」
( ‐∀‐)「そこにその均衡を崩すような存在が現れてしまった」
-
( ・∀・)「もし、被害者のレビューで店が炎上してしまったら……」
( ・∀・)「理不尽な評価を止めさせるため、そして自分の居場所を守るため……君は凶器に細工をして、事件をうやむやにしようとしたんだろう」
( ・∀・)「そして、罪を犯した」
( θ∀θ)「……」
( θ∀θ)「許せなかったんす……みんな、ご飯を店に来て食べるっていうのは、それだけ楽しいことを期待しているのに」
( θ∀θ)「なのに、ちょっと変わった言い回しがウケて、みんなもそれに乗って、楽しいはずの飲食店を潰すなんて」
-
( ∀ )「こんなの……こんなの!!」
( θ∀θ)「飯テロじゃないっすか!!!!!」
-
(,,-Д-)「……」
(*゚、゚)「……浅井君」
(`-ω-´)「……やりきれんな」
( ^ω^)(やっべ、笑いそうになったの僕だけかお)
-
( ‐∀・)「──ま、君の動機なんざどうでもいいけど」
( ・∀・)⊃[]「ひとつ教えておいてやろう。これを見な」
( ^ω^)「所長?またスマホでネットサーフィンですかお?」
( ・∀・)「『夕日が僕を照らす黄昏の始まり。
僕は、一つの止まり木で羽を休めた。
──居酒屋 設楽羽。ひと時のオアシス。
そこにあるのはたくさんの料理と、愉快な仲間たち。
僕の心はホーリーグレイルで満たされるのさ。
そこに悪魔がいなければ──』」
(,,゚Д゚)「それは内藤君が来た時に見せたイトーイさんのポエム──じゃなくてレビューか」
-
( ・∀・)「さっき確認しましてね。どうやらすでに投稿していたみたいなんです」
(*;゚ー゚)「えっ……」
(#θ∀θ)「やつめ……!!やっぱり、やっぱり奴は死んでよかった──」
( ‐∀‐)⊃[]「続きだ。読め、内藤」
( ^ω^)⊃[]「お?はいお」
( ^ω^)『そこに悪魔がいなければ──そう思った僕の邪な気持ちは、なんと恥ずかしい物なのだろうか。間違っていたのだ』
( θ∀θ)「……えっ……」
-
( ^ω^)『僕はたくさんの旅路を歩いた。
ある時は店員のやる気のない接客に怒り、ある時は料理を冒涜する姿勢に悲しみ。
そういった負の思いが、今日も自分を素直にさせない』
( θ∀θ)「……」
( ^ω^)『疑心暗鬼にかられる迷いを断ち切ったのは、トリプルエキスパート。
ヘラクレスのような強靭で、頼もしい大将。
マリアの如き微笑みの女将。
そして、それを支える若き勇者(アルバイト)』
( θ∀θ)「いい……」
-
( ^ω^)『3人の意気はぴったりと合っていて、まるでユートピアのように美しい。
差し出される料理(エルドラド)はとても神々しく、グルメという魅惑の存在をさらに深めていく──』
( ∀ )「もう……いい……」
( ^ω^)「……お」
-
( ‐∀‐)「ちなみに星五つの最高評価だとさ」
( ∀ )
( ・∀・)「お前がやろうとしたことは、飲食店に対してのテロを止める行為だったのかもしれないが」
( ・∀・)「お前がやってしまったことは、ただのおなかがすいたおっさんの気持ちを踏み躙る行為だったんだ」
( ‐∀‐)「償え、お前のその楽しくご飯を食べるという気持ちをもってして、な」
(`・ω・´)「……来なさい」
( ∀ )「……はい……」
-
【居酒屋事件簿のようです】
エンディングテーマ
http://m.youtube.com/watch?v=yRu2P5S1q0k
-
〜〜〜
三日後
茂良探偵事務所
( ´ω`)「……」
( ・∀・)「あれから設楽羽は少しの間休業した」
( ´ω`)「……」
( ・∀・)「再開してからは店にメニューが増えたらしい。とはいっても、もともとあった商品の名前を替えただけなんだがな」
( ´ω`)「……」
( ・∀・)「どうした内藤。三日前から顔色が悪いままだぞ」
( ´ω`)「当たり前だお……あの後、浅井君の証言でわかったじゃないかお……」
-
( ・∀・)「ああ、使われた凶器の手羽先がどこに行ったのかってか。お前が食ってたんだもんな」
( ´ω`)「笑い事じゃないお!まさか追加注文した時にもってきた手羽先が凶器だったなんて……」
( ^∀^)「おいしかった?ねぇ、おいしかった?ねぇねぇ」
( ∩ω∩)「人を殺した食材を食べた僕の気持ちを考えてくださいお!おおん!」
-
( ・∀・)「ハハハ、その様子じゃ、設楽羽の新メニューの一つは当分食えそうにないな」
( ´ω`)「おっ……マテリアルライズとフェニックスかお。うん、マテリアルライズはなんとかいけるけどフェニックスはちょっと……うえっぷ」
( ・∀・)「それにしても追悼の意を込めて……か」
( ^ω^)「粋だおね、大将。女将さんも言ってたお。罪を償ったらまた浅井君を雇うつもりだって」
( ‐∀‐)「俺からすりゃどうかと思うがな」
-
(^ω^ )「ふーんだ。どうせ所長にはわからないんですおー。イトーイさん、うっとおしいっちゃうっとおしいけど、憎めないタイプでしたもんお。それに浅井君だっておちゃらけてるけど、ちゃんと自分を持った人だったし」
( ・∀・)「まるでどっかの誰かさんみたいだな」
( ^ω^)「お?」
( ・∀・)「フン、さて内藤。こないだの続きだ。今度こそ一緒に飯を食べるぞ」
(; ^ω^)「肉関係は無理ですお」
( ・∀・)「わかってる。居酒屋で飲もう」
(* ^ω^)「おっ!いいですおね!」
-
〜〜〜
居酒屋 VIP
店内
( ・∀・)「あーvitaおもしれー」ピコピコ
( ^ω^)(飯屋でゲームすんなよ)
( ‐ω‐)「でも、悲しいですお……イトーイさん、言ってましたお。弟子がいるって」
( ・∀・)
( ‐∀‐)「へー」
( ^ω^)「その人は一人前になったみたいですけどお?きっと、師匠の訃報を聞いておんおん泣いてますお」
( ‐∀‐)「どうかねぇ?」
( `ω´)「おっ!所長は非情だお!鬼!悪魔!」
( ∀ )「うっせぇよ。泣いてたら仕事にならねぇだろうが」
( ^ω^)「……はいお?」
-
(・∀・ )「あ、店員さーん、すみませーん」
J( 'ー`)し「はい!ご注文ですか!」
( ・∀・)「生中3つ」
J( 'ー`)し「え?3つですか?」
( ・∀・)「うん。3つください」
J( 'ー`)し「か、かしこまりました」
( ^ω^)「しょ、所長?一気に2つ飲むつもりですかお?」
( ・∀・)「いいや、うち一杯は俺のおごりだ」
( ゚ω゚)「おっ!まさか僕に……ハッ!」
(* //ω/)「よ、酔わせてどうする気──」
J( 'ー`)し
⊃ЦЦЦ⊂
「失礼しまーす!生中3つでーす!」
-
( ^ω^)⊃Ц「おっ!ありがとうだお!はい所長!」
( ・∀・)⊃Ц「ん」
( ^ω^)⊃Ц「じゃあ僕が2杯もら」
( ・∀・)⊃スィーЦ≡⊂(^ω^ )
(; ^ω^)「おおおんっ!なんでどけるんだお!?」
( ・∀・)「バカ、誰がお前に2杯だっつったよ」
( ^ω^)「え?」
-
( ・∀・)「こいつは俺からのおごりだ」
( ‐∀・)「受け取れよ、『ホーリーグレイル』を。あの世で一杯やんな、師匠」
( ^ω^)「……」
( ゚ω゚)「弟子あんたかよ!」
-
キャーーーーーーーーー!!
ヒトガシンデル!
( ^ω^)「!」
( ・∀・)「!」
( ‐∀‐)「ったくどいつもこいつも……いくぞ、内藤」
( ^ω^)「は……」
( ^ω^)ゞ「はいですお!」
-
テーブルに残されたジョッキは3杯。
そのうちの一つが減っているように見えるのはきっと、二つと同じように、泡がへたったせいだろう。
-
【居酒屋事件簿のようです】
終わり
-
ありがとうございました。
月曜日に間に合わなかったのは、犯人がすぐにばれて動揺したからです。悔しい……でも嬉しかった///
-
乙!
それでも投下する勇気、称賛に値する
実に面白かった!
-
おつ
面白かった
-
乙!
いい飯テロだった
とても楽しめたぜ
-
乙
面白かったがそれ以上にエンディングテーマがちょうどはまってるゲームのBGMでびっくりした
-
人の血つき手羽とか食欲減退したぞおいい!
-
>>223
食欲を掻き立てるだけが飯テロではない
-
おつ
面白かった!
-
乙!
-
乙
この>>1の作品は面白いんだが毎回スレタイが地味なので見過ごしてしまう
今回も今日まで気付かなかったしな
まあそれはいいとして前半後半共に面白かった
現行も待ってるぞ
-
めちゃ面白かった!
アサピーのキャラ好きだわ〜
-
面白かった
乙
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