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( ^ω^)百物語のようです2014( ω )
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( ^ω^)おいすー。今年も百物語の季節がやってきたおね。
( ^ω^)ここは百物語専用スレだお。開催日まではルール確認や質問等、自由に使って欲しいお。
・開催日は八月八日(金)から八月十七日(日)まで
※ただし投下できるのは八日〜十日と十五日〜十七日の金土日のみ。投下期間以外の本スレは作品の感想などご自由に使用してください
・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可。
・レス制限は一作品30レスまで。それ以上は個別スレ建てをお願いします。
・ながらはNG。個別スレを建ててそこでやるのは可。もちろんVIPに建てるのもOK。
※個別スレ参加の場合
レス制限無し。
スレ立て
↓
百物語スレにて投下開始報告、URLを貼る
↓
投下終了後、百物語スレにて投下終了報告(その際、前の人の数字を引き継いで話数宣言)
・1人何話でも投下可!
※連続投下→次に投下する人がいないか確認を取り、無ければOK
※作品の投下間隔についてはルールはありませんが少し間を開けることを推奨します
・イラストでの参加も可!一話としてカウントします。
※ただし作品への支援絵は作品としてカウントしない
・開催時間は18時から翌朝7時まで
・話が終わったら本スレ(自分でスレを立てた人はそのスレでも可)で蝋燭のAAを貼る
過去の百物語のまとめ
( ^ω^) ブーン系図書館主催・百物語のようです ( ω )
http://iroirotunpeni.blog11.fc2.com/blog-entry-521.html
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://boonbunmaru.web.fc2.com/collaboration/dreadful_story/dreadful_story.htm
( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-755.html
( ω )なお、こちらは何があっても責任は負いませんので、自己責任での投下、閲覧をお願いいたしますお
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抉りとられた想い出は、
いつか、
粉雪のように消えていく ーー 。
.
-
.
-
数年後。 都内、某所…
(゚、゚トソン 「ドクオ先生、
回診のお時間です」
('A`)「…ああ」
(゚、゚トソン 「順番はいつものルートで、
…あ、昨夜運ばれた患者さんが
いらっしゃるみたいです」
(゚、゚トソン 「えーと…305号室、4番、
モララーさんという方が入りました」
聞きながら回診の準備をする。
(゚、゚トソン 「あっあの!」
('A`)「?」
(゚、゚トソン 「今日のお仕事終わったら、
少しだけ付き合って頂きたいんです」
(゚、゚トソン 「ほんとに、少しでいいので!」
('A`)「…」
首に巻いた包帯は
ジクジクと、
あの頃の君を思い出させる。
.
-
…くるう。
地獄へ堕ちていくしかない、
俺の姿をどうか見つめていて。
ナースに小さく、俺は頷いた。
「い"ってくる"よ」
.
-
望まれずクリーチャーのようです
(了)
(
)
i フッ
|_|
参考 引用文献:
村田信也【-CREATURES-】より
-
乙です!
切ない話だ
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>>139にて一本目を終わります
ありがとうございました
-
乙だ
-
次の方いらっしゃらなければ、投下させて頂きます。
-
.,、
(i,)
|_|
二本目
蜂のようです
-
( ^ω^)「今日はドクオと久しぶりの再会だお〜♪」
( ^ω^)「しかしニート最高だおw
平日の夜中も遊び放題おw」
( ^ω^)「噂ではドクオは職を探し始めてるとか……あいつ正気かお?」
( ^ω^)「集合場所はゲーセンか……さて、そろそろ向かうかね」
( ^ω^)「ブーンの愛車、ムーブ18年式ッ!
ブーン号、しゅっぱーつ!」
-
( ^ω^)「とうちゃーく!だお」
('A`)「おぉ、久しぶりだな」
(*^ω^)「ドクオーッ!
相変わらず彼女いない歴=年齢は守られてるかお!?」
(#'A`)「相変わらず失礼な豚だな……」
('A`)「ま、とりあえずどっか店入ろうぜ。
24時間営業ならどこでもいいかな」
( ^ω^)「相変わらず酒飲めねーのかおw」
('A`)「うっせw
車できてんだから普通だろw」
( ^ω^)「んじゃどっかファミレス入るお。
ドリンクバー安定お」
('A`)「おぅ。そーだな、とりあえず俺の後ろ走ってこいよ」
( ^ω^)「おっけーだお!」
-
( ^ω^)「デ〇ーズ……まぁ良いお」
('A`)「田舎なんだから仕方ねーだろ」
(*゚ー゚)「2名様ですね、お煙草は吸われますかー♪?」
( ^ω^)('A`)「吸う(お)」
(*゚ー゚)「こちらのお席へどうぞ〜♪」
( ^ω^)「ふぅ……やっと落ち着けるお」
('A`)「私生活も落ち着けよw
そろそろ職探したらどーだ?」
( ^ω^)「何言ってるおw
ドクオもニートだおw?」
('A`)「おいおい、俺は来月から立派な社畜だぜ。
まぁ給料よくないけどな」
( ゜ω゜)「なん……だと……」
('A`)「お前も仕事探せよ。
じゃねーと女もできねーぞw」
( ゜ω゜)「彼女いない歴=年齢のやつが偉そうに言うなおぉぉぉぉぉ!!」
( ^ω^)「は〜、ついにドクオもそっちの道にいったかお。
こりゃ飲まねーとやってらんねーお」
('A`)「どーせドリンクバーだろ」
( ^ω^)「うるせーお、さぁ早くコーラ持ってくるお」
('A`)「へいへい…」
-
――――――――――
('A`)「なぁ、そろそろ帰ろーぜ。
もう朝の7時だよ」
( ^ω^)「お。そうだおね。
ちょうど通勤ラッシュの時間帯だお」
('A`)「俺んちはこっから近いけど……お前は結構遠いからな、気ぃつけろよ」
( ^ω^)「童貞に心配されるまでもねーおww」
(#'A`)「よし、事故って死ね」
( ^ω^)「ばいぶー」
-
( ^ω^)「ふー。楽しかったお。
やっぱり友達とはいーもんだお」
( ^ω^)「しかし平日の朝ともなると社畜がわんさか……渋滞だお」
ブーン…
( ^ω^)「……ん?」
ブーンブーン…
( ^ω^)「なんだお?
気のせいかお……?」
ブーーン……
( ^ω^)「後部座席の方から聞こえてくるお。
何の音だお?」
8「こんにちわ!」
( ゜ω゜)
( ゜ω゜)
( ゜ω゜)「は」
( ゜ω゜)「蜂だおぉぉぉぉ!!!!!」
( ゜ω゜)「や、やばいお、どうしたらいいんだお?
ここは国道……車も大量に走ってるお」
( ゜ω゜)「だがしかし、生まれてこの方24年、ブーンは骨折したこともなければ蜂に刺されたこともないお」
( ゜ω゜)「うぉぉぉぉぉとりあえず避難だお!!!!!」
バタンッ
キキー
プップー!
トラックの運ちゃん「あぶねーだろ!気をつけろ!」
( ゜ω゜)「それどころじゃねーおぉぉぉぉ!!」
-
( ゜ω゜)「とっ、とりあえず電話!ドクオーッ!」
プルルルル…
('A`)『おーどーした』
( ゜ω゜)「ド、ドクオ!大変だお!蜂が!ブーンの車に蜂が!」
('A`)『蜂w?蜂ごときで情けねーなw
窓開けて逃がせよw』
( ゜ω゜)「お前ブーンを甘く見てるお!?
ブーンの三大恐怖を忘れたかお!?」
('A`)『歯医者、幽霊、蜂、だっけか』
( ゜ω゜)「そうだお!
あぁあぁぁ!ブーンのせいで国道が更に渋滞してるお!!」
('A`)『落ち着けw
今は車の中か?』
( ゜ω゜)「とりあえず脱出して歩道にいるお!」
('A`)『ほー。
ま、とりあえずドア開けて逃がすしかねーんじゃね?
いつまでもそこにいるわけにいかねーだろ』
( ;ω;)「うぅ……わかったお……怖いけどやってみるお……」
('A`)『おぅw頑張れよw
じゃーな、俺これから寝るから』
( ゜ω゜)「薄情者ぉぉぉぉ!!!」
プーップーッ
( ;^ω^)「切られたお……」
-
( ω)「こうなったらやるしかねーお……」
( ゜ω゜)「ふぉぉぉぉぉぉ!!!!」
バタンッ!
( ゜ω゜)「蜂!!!
出てけお!!!この!このぉぉぉぉ!!」
8「うるさいなー。なんの用だい?」ブーン
( ゜ω゜)「ぎゃあぁぁ!!!
こっち来るなお!!!」ブンブン
(*゚ー゚)「あら?さっきのお客さん……?
何してるのかしら、国道の歩道で……」
(,,゚Д゚)「ママーあの人何してるの?」
(*゚ー゚)「きっと病気なのよ、そっとしておきましょう」
(,,゚Д゚)「はーい」
( ゜ω゜)「ふぉぉぉぉぉぉ!」
8「なんだよー、僕と戦うつもりかい?
刺しちゃうぞー!」
( ゜ω゜)「こっち来るなおぉぉぉぉ!」
8「えいっ!」
( ゜ω゜)「おぉぉぉ!!!」
( ゜ω゜)「ブーンに近づくなおぉぉぉ!!!」
-
読んでるよ〜
-
( ;^ω^)「はぁ…はぁ……」
( ;^ω^)「やっと出てったお……」
( ;^ω^)「これで僕も帰れるお……」
トラックの運ちゃん「おい!
こんなとこに停めてんじゃねーよ!」プップー!
( ゜ω゜)「うるせーお!!
僕だって停めたくて停めたんじゃねーおぉぉぉ!!」
( ;^ω^)「さ、帰るお……」
-
( ;^ω^)「……と、こんなことがあったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「それは災難だったわねw」
( ;^ω^)「笑い事じゃねーお……」
( ;^ω^)「せめてもの復讐に、ようつべで蜂の駆除の動画見まくったお」
ξ゚⊿゚)ξ「みみっちいわねw」
ξ゚⊿゚)ξ「それにしても、いつ蜂が入ってきたのかしら?」
( ;^ω^)「それ僕も考えたんだお……昨日の夜は窓開けて煙草吸ってないから……」
( ω)「恐らく日中入ってきて、夜の間は車ん中で寝てたんだお……」
( ω)「僕は……蜂と深夜のドライブを共にしてたんだお……」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、まぁ無事刺されないですんだんだから、良かったじゃないのw」
( ;^ω^)「おー…、まぁそうだおね」
ξ゚⊿゚)ξ「それにしても……」
ξ゚⊿゚)ξ「あんた、日頃の行いが悪いからバチが当たったんじゃないw?」
ξ゚⊿゚)ξ「蜂だけにw」
( ^ω^)「お前それが言いたかっただけじゃねーかお」
-
(
)
i フッ
|_|
二本目、以上で終了です
読者のコメントは嬉しいものですね!
9割実話です。
次の方もがんばってくれー
-
乙です
まさかの実話なんだ…w
-
それでは人がまだいらっしゃらないので、このまま三本目頂きます
-
.,、
(i,)
|_|
三本目
( ´_ゝ`)送りぬ、迎えぬ(´<_` )
のようです
-
( ´_ゝ`)カタカタカタカタ……
Σ( ´_ゝ`)<あぃにぃじゃ〜♪ いーつーかー つーまず〜いた時にっは〜♪
( ´_ゝ`)「む、このスピッツの歪な着信音は…」
ピッ
(白´_ゝ`)「もしもし」
(´<_`白)「俺だ、仕事中か?」
(白´_ゝ`)「うむ。 健やかに用件を言いたまえ」
(´<_`白)「先日、犬を見たぞ…すこやか?」
(白´_ゝ`)「URLの名前ならまずクリックしない表題だな…すみやか?」
(´<_`白)「まあ聞いてくれ、本土の東と西に離れて暮らしてる我が兄弟(ブロウ)よ」
(白´_ゝ`)?!
(´<_`白)「ぶっこみの拓みたいな擬音出してたら挽き肉にしちゃうよォ?」
実はだな ーー
.
-
俺の引っ越し先は職場からバスに乗って
そのあと少しだけ山道を歩くんだが…
(´<_` )「山道ぃ〜走るよハムたろォ〜♪」テクテク
(´<_` )「だーい好きなのはー♪」ガサガサッ
(´<_` )「ん?」
後ろから音がしたんだ。 振り向くと…
ξ∪゚⊿゚)ξ「……」
(´<_` )「…犬、?」
(´<_` )「まあいいか……」テクテク
ξ∪゚⊿゚)ξ「……」シノビシノビ
(´<_` )「……」テクテク
俺の後ろをついてくるんだ、その犬。
たぶんメスかな。
それで「おい弟者」
-
(´<_`白)「なんだ、話の途中なのに」
(白´_ゝ`)「仕事中?うんそうだよ!って流れで
どうして長そうな話を語り出すんだ」
(´<_`白)「そういえばそうだな…帰宅したら連絡くれるか?」
(白´_ゝ`)「うむ、またあとでな」ピッ
( ´_ゝ`)「……」カタカタ
(;´_ゝ`)
(;´_ゝ`)「怖い話だったらやだなあ…」
.
-
しえん
-
(´<_` ) ピッ
(´<_` )「…そういえば兄者はブラクラは平気でも怪談は苦手だったっけ」
(´<_` )「でもなあ、別に怖い話じゃないし…」
(´<_` )「……そういえばもう冷蔵庫に何もないから、こっちでコンビニ寄ってから帰らないとな」
(´<_` )「昨日は余ってた赤飯握りなんてあげちゃったけどよく食べてたな」
(´<_` )「俺は野菜味噌焼きおむすびのほうが好きなんだが…犬には濃すぎるか?」
-
コンビニで一週間分の食料を買い込み、
また帰路の山道を歩くと…
(´<_` )「山道ぃ〜ツラいよハムたろォ〜♪」テクテク
(´<_` )「買ーいすぎだコラー♪」ガサガサッ
ξ∪゚⊿゚)ξ「……」
(´<_` )「…またついてきてる」
(´<_` )「野良犬にしては毛艶いいしなあ」テクテク
ξ∪゚⊿゚)ξ テクテク
(´<_` )「…悪いな、いま両手が塞がってるから家についたらなんかやるよ」テクテク
Σ(´<_`;)「うおっ ーー 」ツマズキッ
≡ξ∪゚⊿゚)ξ ダッ
(´<_` )「ーー っと危ない、転ぶところだった…」
ξ∪゚⊿゚)ξ「……」ピタッ
(´<_` )「…ひょっとしていま心配で駆け寄ろうとした?」テクテク
ξ∪*゚⊿゚)ξ「!」ニゲサリッ
(´<_` )「あ、いっちゃった…」
.
-
(´<_`白)「ーー という事がまたあってだな 」
(白´_ゝ`)「へえー、懐かれたんじゃないか?
飼えよその牝犬」
(´<_`;白)「…なんか下品な呼び方してないか?
家に着く頃には居なくなってるし、無理だろ」
(白#´_ゝ`)「犬でもなんでも♀が近寄ってくる時点で羨ましいんだよ」
(´<_`白)「そんなことないだろ…
いや、兄者はあるか、そうだなスマン」
(白´_ゝ`)「俺もチャンスがあったら餌付けしてみよウヒヒ
(俺は毎日つまらない職場と家の往復なのにお前というやつは) !」
(´<_`白)「本音と建前が逆でもあまり変わりないとは流石だな兄者」
(白´_ゝ`)「まあなにか面白そうな進展あれば教えてくれよ。 じゃあ」ピッ
( ´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「ふーむ、山道をついてくる犬か」カタカタ
.
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【送り犬】
送り犬 (おくりいぬ)とは【事典】 - xxxx dic.xxxx.net/a/送り犬
送り犬は日本の妖怪の一種で、夜の山道を背後からついてくると言われている。場合によっては食い殺されるが ...
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(;´_ゝ`)「……」
(;´_ゝ`)「意外と怖いやつじゃん…」
( ´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「見なかったことにしよう」パタン
( ´_ゝ`)b「さあ、今日も一日頑張ったし寝るぞー!」
.
-
(´<_` )「さてと、出勤出勤〜」
(´<_` )「おっ、昨日置いといた赤飯握りがなくなってる」
(´<_` )「…ドッグフードは食べないんだな、やっぱり飼い犬ではなさそうだ」
(´<_` )「……」
(´<_` )「餌付けか…まああの道も暗いし怖いし、一緒に帰る友だと思えばいいか」
.
-
( ´_ゝ`)「さて、帰宅帰宅〜」
( ´_ゝ`)「今日はコンビニで食料買い込んでおかないとな…」テクテク
( ´_ゝ`)「こっちにきて思ったのは、意外と食い物がまともだということだ」テクテク
( ´_ゝ`)「ランチパックの出雲ぜんざい風とか
パソコン疲れによく効くんだよ」ラッシャセー >
( ´_ゝ`)+「一週間分買い占めた」 シター>
( ´_ゝ`)「問題は甘いのもいいけどたまには辛いもの食べたくなるんだよなあ」テクテク
( ´_ゝ`)「名古屋の台湾ラーメン発祥の店は旨かったよ…主に青菜炒めが」テクテク
( ´_ゝ`)「麻婆拉麺に当たり無しの俺に合うものはこっちにもないんだよなあ」テクテク
( ´_ゝ`)「…おや?」
(∪^ω^)「……」
ーー 山道を帰る俺の行く手を阻むように、
犬が通せんぼしていた。
-
(;´_ゝ`)「……」
(;´_ゝ`)「しょせんは伝承…しかもあの犬は掛け値なしに情けない顔してる」
(;´_ゝ`)「……」
(((;´_ゝ`)「リスク回避できる俺はカッコイイ」スタスタ
.
-
(´<_`白)「…それで迂回して1時間のところを4時間かけちゃうところが流石だな兄者」
(白´_ゝ`)「その三時間が俺のその後の人生を開くとすれば安いものだ」
(´<_`白)「ポシティブだなあ」
(白´_ゝ`)「生に貪欲と言ってくれ、それではな」ピッ
(´<_` )「……」ツーツー
(´<_` )「あの犬も妖怪だったのかなあ?」
(´<_` )「…でも俺なんもされてないしな…ただの犬だろう」
(´<_` )「今日だって普通に見送られただけだし。
そろそろ寝るか」
.
-
((( ´_ゝ`)「……」テクテク
( ´_ゝ`)「……」
(∪^ω^)「……」ポツーン
(;´_ゝ`)「…また居やがる」
(∪^ω^)「わんわんおー」フリフリ
(;´_ゝ`)「…また4時間かけて帰るのか、俺は……ん?」
ーー 【送り犬】?
( ´_ゝ`)「…そうか、言葉や名前には意味がある」
( ´_ゝ`)「送るってことはそういう事だ。
背後からついてくるとも書いてあった。
…だがあいつは待っている」
(∪^ω^)?
( ´_ゝ`)「そして俺と同じく、ぶっこみの拓風に擬音が飛び出てやがる兄弟(ブロウ)……
間違いない、奴は妖怪ではなく ーー 」
( ´_ゝ`)+「ただの不細工な犬だ!」
(∪^ω^)「わんわんおー」タッタッタッ
(((*´_ゝ`)「よしよし、家に着いたらランチパックでもわけてやろう」テクテク
-
(((∪^ω^)タッタッタッ
((( ´_ゝ`)テクテク
(^ω^∪)「わんわんおー?」
((( ´_ゝ`)「おお、勘がいいな、そっちが俺の家さ」テクテク
(∪^ω^)「わんわんおー!」スリスリ
(*´_ゝ`)「不細工だけど馴れると可愛いもんだ。
でもスーツに毛がつくからほどほどにな」
(∪^ω^)「わんわんおー!」スリスリスリスリ
( ´_ゝ`)「おーい、もういいぞ、そろそろ行こうぜ」
(∪^ω^)「わんわんおーわんわんおー!」グリグリスリスリグリグリスリスリ!!
:(;´_ゝ`))「うおっばかやめっ ーー」グラッ
.
-
(´<_` )「…兄者のやつ今日は平気かなあ」テクテク
(´<_` )「ビビりのくせに調子に乗ると予想を越えてどっか行くんだよなあ」テクテク
( ,'3 ) 「ぐははっ! まちなコゾウ!」バッ
Σ(´<_`;)「うおっ ーー なんだおま、
ほ…包丁?!」
( ,'3 ) 「ちょうど良かった、有り金置いてけ。 痛い目みたくなかったらな!」
(((´<_`;)「…包丁で痛い目で許されるなら安いものだな……」
( #,'3 ) 「バッキャロー!死にてえのか!」
≡≡ξ∪#゚皿゚)ξ「ガルルーーーッ!」ドバーッ
( //3/:: ) 「ぐあぁぁ?!?!」ズバーッ
(´<_`;)「ーー お前は…!」
ξ∪#゚皿゚)ξ「ガウッガウッ!!」ズベリグシャズビュゴリッ
(´<_`;)「……ぅぉぉ……グロ…」
ーー 犬はどうやら俺を守ってくれたらしい。
滅多にない通り魔との遭遇にも驚いたが、
同時にこの犬が普通の犬ではない事も知った。
.
-
(´<_` )「……」
ξ∪’゚⊿゚)ξ「くぅん」ショボン
(´<_` )「……」
( ( ξ∪゚⊿゚)ξ トボトボ
(´<_` )「…まてよ」
ξ∪゚⊿゚)ξ
(´<_` )「ありがとう、助かったよ」
ξ∪゚⊿゚)ξ
o⊂(´<_` )「…いつものやつ、
ここに置いておくから後で食べてな」
ξ∪゚⊿゚)ξ
_` ))) テクテク
ξ∪゚⊿゚)ξ
ξ∪゚⊿゚)ξ
ξ∪*゚∀゚)ξ「アオーン」フリフリ
.
-
(∪^ω^)ベロベロ
(∪^ω^)ベロベロベロベロ
(∪^ω^)ベロベロ ーー ズリュ
(∪ ゚ω ゚)バキッ グリュグリュ ベロベロ
(∪ ゚ω ゚)ハッハッハッ…
(∪*゚ω ゚)「わんわんおーん!」
.
-
(´<_`白)プルル…プルル…
(´<_`白)「…仕事中か?」プルル…ピッ
(´<_` )「……」
(´<_` )「…」カタカタ
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【送り犬】
出典: 百科事典
送り犬は日本の妖怪の一種で、夜の山道を背後からついてくると言われている。場合によっては食い殺されるが ...
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(´<_` )「……兄者の言ってたのはこれか」
(´<_` )「…まだ続きがあるな」カチッ
.
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場合によっては食い殺されるが ーー
ーー 正しい対処をすれば逆に身を守ってくれるという。
もし何かの拍子で転んでしまうとたちまち 食い殺されてしまうが、
転んでも座ったように見せかけたり、
少し休憩をとる振りをすれば襲いかかってこない。
ここまでは各地とも共通だが、
犬が体当たりをして突き倒そうとする等、
地域によって犬の行動には違いがある。
また、送り犬と迎え犬にも分類され、
人を襲うのは送り犬。
人を守るのは迎え犬とも言われる。
好意を装いつつも害心を抱く者や、
女性の後をつけ狙う男のことを
「送り狼」と呼ぶのは、
この送り狼の妖怪伝承が由来である。
----------
.
-
(´<_` )「……」
(´<_` )チラッ
白⊂ 「…」
(´<_` )「……」
+(´<_` )「流石だわ、俺」
.
-
三本目
(
)
i フッ
|_|
( ´_ゝ`)送りぬ、迎えぬ(´<_` )
のようです
(了)
-
ありがとうございました
次のかたどうぞ
-
乙
正統派な妖怪話でいい感じだな
-
乙!
ほのぼのさせられた
-
|┃三 ガラッ
|┃ ____
|┃/⌒ ⌒\
|┃(●) (●) \
――‐.|┃:⌒(__人__)⌒:::::\ 百物語と聞いて来たお
|┃ |r┬-| |⌒) 支援だお
|┃ `ー'ォ //
(⌒ヽ・ ・ ̄ /
|┃ノ /
|┃ つ <
|┃ (::)(::) ヽ
|┃/ > )
|┃ (__)
|┃
|┃ ____
|┃/⌒ ⌒\
|┃ (―) (―)\
――‐.|┃:⌒(__人__)⌒:::::\
|┃ |
|┃ /
|┃ヽ・ ・ ̄ /
|┃ \ ,.:∴~・:,゜・~・:,゜・ ,
|┃ヽ_)つ‘∴・゜゜・・∴~・:,゜・・∴
|┃ (::)(::) ヽ ・゜゜・∴~゜
|┃/ > ) ゜゜・∴:,゜・~
|┃ (__) :,゜・~:,゜・゜゜・~.
(
)
i ジュッ
|_|
-
あ、、、あにじゃー!
-
4本目、投下させて頂きます。
.,、
(i,)
|_|
-
俺は鬱田ドクオ、絶賛夏休み中の大学四年生。大学生活はいじめられはしないものの、ボッチ生活をしている俺に遊ぶ友達などいる訳もなく、夏休みは1人でゲーム三昧の生活をおくっている。就活?そんなもんは知らん。
カチャカチャ
('A`)「…あー、くそっ、ラスボス倒せねぇ」*
こんな非生産的な生活だが、イジメを受けていた中学生の時に比べれば幸せだ。
('A`)「…本当、アイツ死なねぇかな」ボソッ
ラスボスキャラの憎たらしい笑顔が、中学の時のいじめっ子を彷彿させる
('A`)「俄然このラスボス倒したくなってきたな」
ゲームのキャラに重ねて復讐するなんて、俺は何て惨めなんだろうか
まぁ、でも現実でいじめられっ子が復讐劇を繰り広げるなんて話は無理な話な訳で…
-
カチャカチャ
(;*'A`)「……よぉしゃあああ!倒したぁああ!」
あれから2時間かけてやっといじめっ子に似たラスボスを倒すことができた、あぁ、すっきりした!
(*'A`)「ははは、ざまぁみやがれ!内藤め、現実世界でもくたばっちまえ!」
( ^ω^)「お前、相変わらず根暗だおねぇ」
(*'A`)「うっせー!ゲームくらい復讐させ……!?」
俺には自分の部屋に呼ぶような友達は居ない、つまり、俺はこの部屋に1人だ。だから背後から声がするなんてそんなことは無いわけで、しかもそれが中学の時のいじめっ子の声にそっくりだなんてただの気のせいで、振り返れば誰も居ないってオチに決まって…
('A`;)クルッ
( ^ω^)「お望み通り、現実世界でもくたばったお」
ニヤリ、と笑ったその憎たらしい顔はどんなことがあっても忘れられない、いじめっ子、内藤の顔だった。
-
('A`)ささやかな復讐を、のようです ( ^ω^)
.
-
(;'A`)「ななななんでお前、俺の部屋に!?どっから入った!?」
( ^ω^)「お前のお望み通りくたばったからだお、つまり、僕は幽霊だから壁なんか通り抜けちゃうんだお」
内藤がくたばった?幽霊?訳がわかんねぇ…でも、こいつは現在おれの目の前に居るし…
(;'A`)「お、お前が幽霊だとしても何で俺の部屋に来たんだよ…!」
( ^ω^)「おっおっ、中学の時みたいにドクオにパシリになって貰おうと思って来たんだお」
(#'A`)「ふざけんじゃねぇ!お前の言うことなんて聞くわけねぇだろ!」
( ^ω^)「…そんなこと言っていいのかお?僕はもう死んじゃったから法律とかに縛られないんだお?だから、ドクオを殺しちゃってもなんら問題ないんだお?」
ぞわり、と身体中に鳥肌が立った
こいつ本気だ…
5
(;'A`)「ちくしょうが…くたばっても変わんねぇのかよ、テメェはよ…」
( ^ω^)「おっおっおっ、ドクオも相変わらず口の悪さは治ってないみたいだおね。高校からは別々になっちゃったから性格変わっちゃったか心配だったけど、良かったおー」
全く良くない、俺はコイツのせいで性格がひん曲がったと言っても過言ではないのだから
( ^ω^)「で、パシリになってくれるおね?ドクオ」
('A`)「人を殺せとかは無理だぞ…」
( ^ω^)「そんなことパシリに頼まないお、なぁーに、ドクオでも出来る簡単な事だお」
取り敢えずは安心した、コイツなら人を殺せとか普通に言いそうだから
('A`)「じゃあ、なんだよ」
( ^ω^)「ちょっと伝言を頼みたいんだお」
('A`)「伝言?自分で伝えりゃいいじゃねーかよ」
( ^ω^)「無理だったんだお」
('A`)「無理って、どういうことだよ」
( ^ω^)「僕のことが見えるの、ドクオだけだったんだお」
…神様、どうして俺なんですか
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( ^ω^)「だから、伝言よろしくだお。その未練さえ無くなれば僕はさっさと天国に行くお」
('A`)「お前みたいなのは地獄行きだろうよ」
( ^ω^)「まぁ、天国でも地獄でも構わないお。行くべきとこに行くお、だからパシリになってくれお」
コイツが地獄に行くのは確定だ、それに取り憑かれたり、ましてや呪い殺されるなんてまっぴらごめんだ。
それならさっさとパシリになって、地獄へ行かせてやるのが良いだろう
('A`)「分かったよ、パシリになってやるよ」
( *^ω^)「ありがとうだお、ドクオ。お前ならなってくれるって信じてたお」
('A`)「嬉しくねぇ。…それで伝言って誰に何を伝えりゃいいんだ?」
( ^ω^)「ツンに伝言を伝えて欲しいんだお」
(;'A`)「…え?ツンって、津出のことか?中学の時同じクラスだった…」
( ^ω^)「そうだお、覚えてたかお」
('A`)「当たり前だろ、同じいじめられっ子仲間だったからな」
-
そう、津出は俺と同じくいじめられっ子だった。違ったのはアイツは美人過ぎて、女子達から嫉妬でいじめられていたと言うことだ。俺は気持ち悪くていじめられていたから正反対な理由だ。
('A`)「しかし何でまた、津出に伝言なんか…」
( ^ω^)「僕たち付き合ってたんだお」
('A`)「へー、そうなのか」
まぁ、津出なら彼氏いてもおかしくないよなー
(;'A`)「…ん?」
( ^ω^)「あ、もう死んじゃったから過去形だおね」
(;゚A゚)「ちょっとまて、付き、付き合ってたあぁああ!?ええええ!?お前とあの津出が!?いつから!?」
( ^ω^)「高校から付き合ったんだお」
(;'A`)「信じられねぇ…あんな人形みたいな可愛い奴がお前なんかと付き合うなんて…」
( ^ω^)「そんなことはどうだって良いんだお、ドクオは伝言伝えることだけ考えろお」
どうでも良くねぇ…ふざけんなよ、神様。なんでこんないじめっ子の内藤がリア充やって、俺は彼女いない歴=年齢なんだよ…
-
(#'A`)「くそが…」
( ^ω^)「ほら、今から伝言内容言うからメモれお」
コイツのパシリなんて本当はやりたかねぇが、恋人に先立たれた津出は可哀想だ。ちゃんと伝言伝えてやるか…
('A`)「わぁったよ、ほら、ペンと紙用意したからさっさと始めろ」
( ^ω^)「えー、ゴホン。ツン、僕は君に前々から言わなきゃいけないことがあったんだお。そのことを今から伝えるお」
('A`)φ「どーせ愛してるよとかだろ、くっせーなー」カキカキ
( ^ω^)「僕、君のこと本当は全く好きじゃなかったんだお」
('A`)φ「ほら、思ったとおり…」カキカキ
…あ?
-
( ^ω^)「ただ顔がまぁまぁそこらの女子より良かったし、君はクラスの男子からも人気があったからステータスになると思って付き合っただけなんだお」
(;'A`)「おい、内藤、ちょっと待て」
( ^ω^)「だから、生前に君が言ってた『ブーンが先に死んじゃったとしたら私は他の人とは付き合わないし、勿論結婚もしないよ』とか本当うんざりしてたんだお、はっきりいって気色悪かったお」
('A`)「…」
( ^ω^)「はた迷惑と言うか、正直重かったんだお、こっちはただのステータスで付き合ったお遊びだったのに。だからさっさと僕のことなんか忘れて欲しいお、気持ち悪い、んじゃ、永遠にさよならだお」
( ^ω^)「…と、言うことを伝えて欲しいだお」
(#゚A゚)「んなこと言えるか、クソが!!!」
-
( ^ω^)「おっ?なんでだお」
(#;'A`)「おまっ、お前、本当人間のクズだな!津出みたいな純情な奴を弄びやがって…!」
( ^ω^)「じゃあお前にやるお、僕には重すぎるんだお、あの女」
神様はどうしてこんな人間を今まで生かしていたのか、もっと早くに殺すことは出来なかったのか!?
(;'A`)「っていうか、こんなこと伝えられる分けないだろ!津出が受けるショックを考えろよ!」
( ^ω^)「そんなこと、僕には関係ないお」
('A`)「クズもそこまで行くと悪魔だな…」
( *^ω^)「おっおっおっ、褒め言葉にしか聞こえないお」
(;'A`)「…とにかく、ダメだ。この伝言は伝えられない」
( ^ω^)「チッ、使えないやつだおー。こんなことも言えないとか、ゴミクズ以下だお」
('A`)「テメェには言われたくねぇよ」
( ^ω^)「…伝えられないなら仕方ないお、他のことで名誉挽回しろお」
(;'A`)「名誉挽回ってなんだよ、それ。訳わかんねー奴だな…」
( ^ω^)「次のは本当に簡単だお、誰も傷つけないし」
('A`)「…本当だろうな」
( ^ω^)「本当だお。むしろドクオが何とかしてくれないと、ツンが傷付くことになるんだお」
('A`)「なんだよ、それ。どういうことだよ」
-
( ^ω^)「僕の部屋に、ツンに渡すはずだった物が置いてあるからそれを捨てて欲しいんだお。親に見つかって、代わりに渡されちゃたまんないんだお」
('A`)「渡すはずだった物ってなんだよ」
( ^ω^)「別れ話の時に渡そうと思ってた奴で、今までツンから貰った物が入ってるんだお。突き返そうと思ってたんだお」
(;'A`)「信じられねぇクズだな…」
( ^ω^)「で、捨ててくれるかお?」
('A`)「お前のためじゃなくて津出のためにな」
( *^ω^)「ありがとうだお、じゃあ早速行こうお」
(;'A`)「は?早速って、もう夜だぞ。明日でいいだろ」
( ^ω^)「今ちょうど葬式やってるんだお、だからまだ僕の部屋はいじられて無いお」
(*'A`)「まじかよ、お前の葬式が見れるなんて滑稽だな!よし、いこう」
( ^ω^)「おっおっおっ、その口の悪さだけはいつまでたっても治らなそうだおね」
-
一応葬式に行くのでスーツに着替え、捨てなきゃいけない物の量や大きさが分からないから車で行くことにした。
('A`)「よーし、飛ばすぞ」ガチャ
( ^ω^)「ドクオが車持ってたなんて意外だお」
('A`)「誰ともあそばねぇでバイトばっかしてたからな。車買うとかしか使い道なかった」
( ^ω^)「寂しい奴だおね、友達の一人や二人も作れないなんて」
('A`)「うっせーな」
-
('A`)「それにしても風が気持ちいいな、やっぱりドライブ最高だわ」
( ^ω^)「…ドクオ、安全運転に気をつけるんだお」
('A`)「あぁ?んなこと言われなくたって分かってるわ」
( *^ω^)「おっおっおっ、ならよかったお」
いつもニヤケ顔の内藤が、一瞬だけ真面目な顔した
('A`)「……なぁ、お前の死因って、もしかして」
( ^ω^)「あ、ほら、ドクオ、着いたお!車だと早いおねぇ」
('A`)「…まぁ、いいや。本当に葬式やってんな」
( ^ω^)「当たり前だお、車は裏の駐車場に置いて早く行くお」
('A`)「おう」
-
俺は同情なんかしない。内藤がどんな死に方をして死んだかとか、この若さで全て失ってしまったかなんてどうでもいい。
こんなクズな男、今まで生きてたのが罪だったのだから。
ただ今は自分が呪い殺されるのを回避するためと、可哀想な津出のためにパシリになっているだけなのだ
だから、内藤の葬式をみて少しなんとも言えない気分になったのは、そういうことなのだ。
( ^ω^)「あそこで挨拶してるのが母さんだお、事情を話して僕の部屋に入ってくれお。僕は先に部屋に入ってるお」
('A`)「分かった」
内藤の母親は遠くから見るだけでも、生気が抜けているのがわかった。そりゃそうだ、内藤は一人っ子だったし、こうもなるだろう。
-
(;'A`)「あの、ご愁傷様でした…」
('、`*川「どうも…あら、貴方は、ドクオ君かしら?」
(;'A`)「えっ?あ、その、はい」
なんで内藤の母親が俺のこと知ってんだ?
('、`*川「懐かしいわね、幼稚園の時にホライゾンにブーンってあだ名付けてくれたのドクオ君だったわよね。あの子ったら、そのあだ名本当に気に入ってて、大学入ってからも使ってたのよ」
('A`)「…そう、だったんですか」
そうだ。そう言えば、俺はあいつと幼稚園の頃からの知り合いで、小学校低学年までは仲が良かったのに、高学年からは俺を虐めるようになったんだった。嫌なこと過ぎてすっかり忘れてた
('、`*川「まさかドクオ君も来てくれるなんてね、あの子も喜んでると思うわ」
来たくて来たわけじゃないですよ、と言いたいのをグッとこらえる。内藤の母親に恨みはない
-
('A`)「あの、生前アイツに『もし僕が先に死んだら恥ずかしい本とかの処分頼んだお!』と言われてたんで、約束を守りに来ました。ちょっと部屋入ってもいいですかね?」
('、`*川「あらやだ!そうなの?あの子ったら、恥ずかしいったらありゃしないわね、どうぞどうぞ、入ってちょうだい!というか、うちの子が変なこと頼んじゃってごめんねー」
('A`)「いえいえ、大丈夫です」
('、`*川「私はまだ挨拶とかあるから、二階にあの子の部屋があるから一人で行ってもらえるかしら?」
('A`)「はい、一人の方が恥ずかしい本も見られないで済むので」
('、`*川「それもそうね、うふふ」
-
ガチャン
( ^ω^)「案外すんなり入れたみたいだおね」
('A`)「あぁ、俺は頭良いからな」
( ^ω^)「むしろ誇れるのは頭の良さだけだろうお」
('A`)「うっせーな。で、どこにあんだよ、捨てなきゃいけない物」
( ^ω^)「机の下にあるダンボールだお」
(;'A`)「なるほど、これか。結構でかいなー…」
( ^ω^)「色々貰ったから仕方ないんだお」
('A`)「まぁ、いいや。さっさと持ってくか」
( ^ω^)「あ、ちょっと待っててくれお」
('A`)「なんだよ」
( ^ω^)「自分の葬式、少しみてくるお。だれが泣いてるのかとか」
('A`)「悪趣味だなお前」
( ^ω^)「おっおっおっ、すぐ戻って来るお」
スッと壁を通り抜けて消えた。改めて本当に幽霊らしい…
(;'A`)「しかし、重いダンボールだな。一体今まで何を貰って来たんだよ」
…どーせ、捨てるんだから中身見ても良いだろう。もしかしたら本当に恥ずかしい本とかあるかもだし
(*'A`)「どぉーれ、何が入っているのかなぁっと」ガサガサ
-
ξ;⊿;)ξ「ヒッグ…ヒッグ…!ああぁ、ブーン!ブーン!」
(;*゚ー゚)「ツンちゃん…」
(;´・ω・`)「可哀想にな、あんなになっちゃって…」ボソボソッ
从;゚∀从「自殺しなきゃいいけどな、ツンちゃん」ボソボソッ
( ^ω^)「…」
-
('A`)「おい、内藤」
( ^ω^)「ドクオ、もう来たのかお。今二階に行こうと思ったのに、せっかちな奴だお」
('A`)「…」
( ^ω^)「ん?どうかしたのかお?」
('A`)「津出に伝言、伝えてやるよ」
( ^ω^)「……おっ?いきなりどうしたんだお?」
('A`)「どーせ乗りかかった船だ、最後まで乗ってやるよ」
( *^ω^)「そうかおそうかお!それはありがたいおー!じゃあ、頼むお」
('A`)「おう」
-
ξ;⊿;)ξ「ブーン…ヒッグ…」
('A`)「津出」
ξつ⊿;)ξ「……ドクオ君?」
('A`)「久々だな、津出。内藤と付き合ってたとはビックリしたよ、まぁ、そんなことよりお前に言いたいことが」
ξ;⊿;)ξ「私、ドクオ君に言わなきゃいけないことがあるの!」
('A`)「…俺に言わなきゃいけないこと?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そう、中学の時にブーンがドクオ君を虐めてた真相を!」
('A`)「…真相?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あの時、ブーン、本当はドクオ君のためにドクオ君のことをいじめてたの!」
('A`)「何言ってんだ、津出。お前、俺はMじゃねーぞ」
ξ;>⊿<)ξ「自分がドクオ君をいじめることで他のいじめっ子から守ってたの!」
('A`)「……」
んな訳、あるはずが…
-
爪'ー`)y-『鬱田、金よこせよ、金』
('A`)『…金なんかねーよ、不良共が』
爪#'ー`)y-『テメェは本当、口の聞き方がなってねーな!金がねぇーって言うなら、ボコられても文句は言えねーよな、あぁ!?』
( ^ω^)『待つお』
爪#'ー`)y-『あぁん?!』
( ^ω^)『そいつは僕がいじめてる子なんですお、手出さないでくださいお』
爪#'ー`)y-『はぁ?意味わかんねぇこと言ってんじゃねーぞ?』
( ^ω^)『僕はドクオを精神的にジワジワいたぶって社会的に抹殺したいんですお、言うなれば実験、ドクオはモルモットですお。モルモットには健康で居てもらわないといけないんですお、だから怪我をさせるようなことはしないで欲しいんですお』ニッコリ
爪;'ー`)y-『…ブーン、お前相変わらずの悪趣味だな。分かったよ、俺の代わりにコイツちゃんと躾けとけよ』
( *^ω^)『了解ですお』
(;'A`)『…内藤、助けてくれたのか?』
( ^ω^)『んなわけねーだろうお、パン買ってこいってパシリさせたのに帰ってこないから見にきただけだお。さっさと買ってこいお』
('A`)『分かってたよ、お前はやっぱりそういう奴だよな…』
( *^ω^)『おっおっおっ』
-
津出の後ろで腹を抱えて笑っている内藤が見えた、「そんなわけねーだろうお」
と爆笑している。
('A`)「…やっぱりあいつはただのクズだと思うぞ」
ξ;゚?゚)ξ「それは、ブーンは不器用なだけで…!」
('A`)「だから、そーいうとこがクズだと思うんだよ」
ξ;゚?゚)ξ「ドクオ君…」
相変わらずシュンとした顔も可愛いな、津出。内藤の伝言伝えるの嫌になってきたぜ…
('A`)「…まぁ、いいや。俺はそんな話を聞きたいわけじゃないんだ。お前に内藤から伝言があるんだ」
ξ;゚?゚)ξ「ブーンが、私に?」
内藤がニヤニヤしている、本当クズ野郎だ。
-
('A`)「おう、伝言っていうか…はい、これ」
ξ゚⊿゚)ξ「…この小さい箱は何?」
内藤のニヤケ顔が一瞬にして固まった、ざまぁみやがれ
('A`)「開けて見ればわかるよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「う、うん…」パカッ
ξ゚⊿゚)ξ
ξ;⊿゚)ξ
ξ;⊿;)ξ
「……あぁ、ブーン…!!!」
-
津出は箱を、正確には箱の中に入っていた指輪を抱きしめて泣き崩れてしまった。
ごめんな、津出。お前を泣かすつもりはなかったんだけどな、俺。
ξ;⊿;)ξ「私にはブーン、貴方しか居ないのに、どうして私を置いていってしまったの、ブーン…!」
内藤は津出を見下ろしながら、今まで見た顔で一番の苦々しい顔で
( ^ω^)「…本当、うぜぇお」
と呟いた。
-
俺には津出を慰める権利はないから騒ぎが大きくなる前に逃げ出してしまった。
…約束通り、親に見せるには恥ずかしい本は持ち出してきてやった。
('A`)「…つーか、お前までなんで車のってんだよ、内藤」
( ^ω^)「どうしてツンにアレを渡したんだお」
('A`)「俺のささやか復讐劇を展開したんだよ。津出には悪いことしたけどな」
( #^ω^)「ふっざけんなお!アレじゃツンは他の人と付き合えないじゃないかお!!」
('A`)「……はぁー、お前さぁ、不器用もほどほどにしとけよ?」
( ^ω^)「別に僕は不器用なんかじゃないお」
('A`)「ざけんな。お前のその発言、どう考えたって津出のこと好きってことじゃねーかよ」
( ^ω^)「…」
-
(;'A`)「なんで気づかなかったのかなぁ…俺。中学の時虐められてたはずだったけど、そう言えばお前にパシリとか物隠されたぐらいしかされたことなくて、他の不良から目付けられても実質的な被害は被ってなかったもんなぁ…」
( ^ω^)「…それは僕のターゲットに手出させたくなかっただけだお」
(* A* )「うっせーよ、不器用野郎が。お前はもっと分かりやすく生きろよ…ふざけんなよ、本当に…」
( ^ω^)「……泣いてるのかお?」
(;A; )「うるせーよ!バーカ!」
( ^ω^)「…ドクオ」
(つA;)「なんだよ、今こっちみたらぶっ殺すぞ」
( ^ω^)「友達、がんばって作れお」
(つA⊂)「…っせーよ、お前に言われなくたって友達の一人ぐらい居るんだよ、俺だって」
( *^ω^)「おっ!?そうなのかお?名前はなんて言うんだお?」
('A`)「俺の友達の名前は…」
「ブーン」
ニヤリ、といつも笑っていた憎たらしいいじめっ子は、ふにゃりと涙を堪えた笑顔をして「ありがとう」なんて言い残して、消えて行った。
-
ブーン…
-
あいつの行く先は地獄なのだろうか、それとも天国なのだろうか?
分からないが、恐らく俺が死んだらアイツと同じ所へ行くのだろう。
なんたって俺たちは
( ;A;)「くっそ、あっちに行った時は、ボコボコにして復讐してやる…」
いじめっ子といじめられっ子と言う、少し変わった友達だったのだから
-
4本目、お終い。
(
)
i フッ
|_|
-
乙、涙腺にきたよ……
-
>>189
数字の5は消し忘れです。
>>204
ツンの口はミスです
以上です。
-
乙です
お盆らしい内容でした
-
予想はしてたけど...良いお話だたった乙
-
おつ
-
すみません創作板でスレッド作成規制されてたので誰か代行お願いします
タイトル 少女甘美のようです
本文はなんでもいいので適当にお願いします
-
>>219です
代行ありがとうございました
少女甘美のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1407509573/l30
蝋燭五本目いただきます .,、
(i,)
|_|
-
少女甘美のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1407509573/l30
蝋燭五本目いただきました
(
)
i フッ
|_|
-
>>221
こういうのすごい好き
乙でした
-
アメニモマケズ、
ジョジョニモマケズ、
六本目、頂きます
-
六本目
.,、
(i,)
|_|
ひと皮めくれば容易く翻弄される弱い人達のようです
-
( ´∀`)「本当に…出来たモナ?」
そう聞き返されると…
何故か照れてしまい、なんとか頷いた。
( ´∀`)「……そうか…」
嬉しくないの?
( ´∀`)「…いや、嬉しいモナ」
本当に?
( ´∀`)「本当に」
本当の本当に?
( ´∀`)「…本当の本当モナ」
じゃあどうして、浮かない顔をするの?
( ´∀`)
答えて、くれないの?
ーー そのまま私の夫は、
次の日から帰ってこなくなった。
-
『おめでたですよ』
その医師の言葉から一週間、
夫が消えて一週間…
静かな混乱の最中、
私は勤めていたパートを辞めるわけにもいかず
まだ膨らみのないお腹を意識しながら
スーパーの厨房で作られた惣菜をパック詰めしていた。
('、`*川 「どうしたの?」
同じ時期に働き始めたペニサスさんに声をかけられる。
「なにが?」
…そう惚けてはみるものの、彼女は声をかける時点で私の様子に違和感を持っていたらしい。
('、`*川 「顔色が悪いよ、どこか良くないの?」
「ううん、なんでもない」
自分でも今の状況をまだ飲み込めていない。
だから人に話す事でも無いと思っている。
('、`*川 「そう? 何かあったら言ってね。
もし辛かったら作業代わるから」
-
お礼を言って彼女から離れる。
特別ゴシップが好きとか、嫌味ったらしい性格だとかでは全然ない。
彼女はむしろ他人を気遣えるタイプだと私は思っている。
人付き合いの少ない自分にとっては
気が置けない友…と、心の中だけで認めていた。
つわりに耐えながら作業に戻り、売り場へと出る。
お店で取り扱うお総菜は多種多様で
最寄り駅近辺のスーパーと比べても人気があるためか、色々なお客さんが手に取り、私が商品を置いたそばからカゴに放っていく。
普段ならもうパートをあがり、自分は帰宅するはずの夕方時…
独り身になり、早く帰っても誰もいない家…
まだ出来たての温かい唐揚げを手にし、思い悩むサラリーマン。
子供が持ってきたお菓子をしぶしぶカゴに入れる母親。
共に店内を歩いてなにかを話し合う若い夫婦。
私の知らない生活が人々の数だけ存在する事を、おぼろ気に自覚する。
そういえばこんな風に世の中を見ることなんてあったかな ーー 。
-
…私のカテゴリーが分からなくなる。
夫のいない今、私も適当に惣菜を買って帰る日々が増えていくのだろう。
若夫婦のように、夫とまた歩ける日は来るのだろうか?
お腹の子が産まれたらやがてあの母親のような顔が出来るのだろうか…。
先に作業着を脱ぐペニサスさんに挨拶をして、
仕事のふりをしながら店内を見回る。
私の頭の中は空っぽだった。
無意識にお腹に手を当てると、
まだなにも感じられないはずの奥底から
小さな…本当に小さな振動が伝わる気がする。
.
-
( ФωФ) 「…来月分のシフトの提出が遅れてるけど大丈夫ですかな?」
ーー 夫が居なくなって4ヵ月経つ。
以前に比べれば体調も良くなりはじめ、
顔色について言われる事も減った。
数日前、
店長のロマネスクさんから呼び出された時に、私が妊娠したことを告げてから
作業ペースやシフト調整を考えてくれるようになった。
「気持ちは沢山働きたいんですが…」
というと、ロマネスクさんは
( ФωФ) 「無理をするでないよ。
希望がなければこちらの方で短時間シフトと、
希望次第で少しなら残れるように入れておくが」
と言ってくれた。
少しだけ嬉しくて…でも同時に、こうして徐々に社会から離れていくのかとも思ってしまう。
ガチャリ
|⊂('、`*川 「店長、次私いいですか?」
( ФωФ) 「ああ、いい…ですぞ」
二人に挨拶して店を出た。
ほんのり膨らみかけたお腹は別段
私の動きを阻害するものではなかった。
時々感じるのは赤ちゃんが動く感触…それも僅かだけれど。
食欲も一時期に比べれば戻ってきた。
今では帰宅して自分が食べたいものを作り
栄養を考える余裕も出来てきたのは
日々のストレスを発散する手伝いになっているかもしれない。
以前なら食べたいと思わないような物も
口にするようになった。
-
「ただいま…」
そんな言葉が空虚な部屋に木霊する。
今日もまた、家を出る際に自分で切った灯りのスイッチに手を伸ばす。
『( ´∀`) おかえりモナ』
この灯りが点けば、そんな夫の姿と声が
目の前に現れるような気がして…
カチッ ーー カチッ…
「……」
今日も、昨日も、一昨日も、
そんなわけないのに。
キッチンに立ち、お鍋にお湯を沸かす。
鶏むね肉の皮を剥いで身を茹でる合間に
胡瓜をスライス。
キャベツは前日の千切りを残してあるので
それをお皿に盛り付けた。
プク ーー プクプクプク… ーー
茹でている肉の色が変わるのをただ眺める。
今晩は棒々鶏を作るつもりだった。
お酢と胡麻ダレをかけて。
なのに、どうして…
どうしてこんなに、不味そうなのかしら?
.
-
('、`*川 「お腹目立ってきたね」
お店の休憩室でペニサスさんと他愛ないお喋りをする事が増えてきた。
私のお腹は間も無く6ヶ月を迎えようとしている。
「無事に産まれてほしいの」
私が微笑むと、彼女は眉を潜めて溜め息をつく。
続けて「…どうしたの?」と聞くと、
気のない相づちと不満げな愚痴。
('、`*川 「うちもね〜子供作りたいんだけど…
旦那がその気になってくれなくって」
ーー 痛む、胸が。
「旦那さん外資系勤めでしょ、疲れてるのよ」
と、誤魔化すように相づちをうつ。
('、`*川 「子供ができたら人生観が変わると思わない?」
確かに周りの人達をみると
そう思わされる時もある。
私も変わったのかもしれない。
…変わったのは人生という河を流れる
水の行き先かもしれないけれど。
('、`*川 「あっ、いけない。
休憩時間終わっちゃうよ」
私達はエプロンの紐を結び直して
いつもの作業へと戻っていく。
もう今月中にはパートもできなくなる。
…彼女とこんな風に話す事からもお別れする時期だった。
.
-
夏の夜。
陽が延びたこの季節、
玄関の蛍光灯を付けることはない。
靴を脱いでまだ暗くない廊下を歩く。
リビングの灯りも付けずソファに座ると
エアコンのスイッチを入れて
なんとなく、窓の方を見た。
「 ーー あ…」
…エアコン風に揺れるカーテンは閉まっていた。
そういえば最後にカーテンを触ったのはいつだったかな…
そういえばいつも家ではどうやって過ごしていたんだろう…
私はおもむろに立ち上がり、洗面所へ。
手を洗い、コップでうがいを済ませながら
またリビングへと戻る。
腰の痛みに耐えながら
真っ暗な部屋の入り口で立ち尽くした。
何も見えない、灯りをつける。
ーー エアコンの風が髪をなでていく。
振り向けば、玄関まで伸びる廊下は真っ暗で…
この部屋は暗かった…
どうやってエアコンを付けたのかも
もう、思い出せない。
一週間前の定期検診の時から
私はこんな、調子で ーー
-
∬´_ゝ`) 「…最近、お腹の鼓動は感じる?」
私は少し考えて、首を振る。
∬´_ゝ`) 「…貴方自身の体調はお変わりないのかしら?」
首を縦に。
∬´_ゝ`)Ф" 「……ちょっとエコー撮りましょう」
カルテに何かを書き加えて、先生は言った。
∬´_ゝ`) 「ーー 貴方のせいじゃないの。
でも、もう死産してるわ」
…なにがですか?先生…
.
-
ーー 暗い部屋を "ブーン…" と虫の羽根のように振動する音だけが支配する。
エアコンを止めて扇風機を使うようにしたから、そんな風になっているだけ。
身体の冷やし過ぎは身体にも良くない、
そう言われたから。
最近あちこちが痒くなって、
ふと見ると湿疹が出来てたりするのが辛かった。
妊娠中、同じ症状で苦しむ人が多いみたい…
みんな同じ。
そう、同じ?
パートを辞めて以降、
私の行動範囲はひどく狭まった。
友人の少ない私が外に出ても
行き先はドラッグストアとコンビニ
そしてスーパーだけ。
…それもパート先だった所とは
正反対の場所、
品数も従業員も寂れた小さな商店。
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