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( ・∀・)『 祝福のようです 】(゚、゚トソン
1
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 20:22:03 ID:EsrHRRWU0
祝福祭り用の作品です。よろしくおねがいします
33
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 21:48:03 ID:EsrHRRWU0
確かめる方法は後でしかないけど、今頃やきそばパンだけ頬張っているトソンさんが居るのかもしれない。
単に、僕が知らないだけで。
あぁ、会えたら良かったのに。
そう思って、風呂敷へ空になった弁当箱を詰め込み立ち上がった。
最近、友達と昼休みを共にしていないな。
別に嫌いになったとか、そういうわけではないんだけど。
クラスも違う以上、彼女と触れ合える時間はこの時ぐらいしかない。
帰り道だって、全然違うからそこばかりはどうしようもないし。
だから、貴重な時間を大切に活用しているだけなんだ。
我ながら言い訳がましいな、と感じつつ階段を降りていた時だった。
( 、 トソン「……」
彼女を見つけた。
嬉しくて、無表情だった口角筋が吊り上るのを自分でも感じる。
( ・∀・)「トソンさ……」
手を上げて、声をかけた。
しかし、楽しげな雰囲気はすぐに消え失せる。
遠目で良く見えなかったが、近づくにつれて僕は勘ぐらざるを得なかったのだ。
34
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 21:51:39 ID:EsrHRRWU0
(゚、゚トソン「……あ」
ずぶ濡れだった。
真っ黒な髪はてらてらと反射して、普段よりも艶やかに見える。
癖っけの強い髪は、重力と同方向に垂れ下がっていた。
衣服も、紺色のブレザーが水を弾ききれずに重たそうな深みを帯びているのだ。
手には焼きそばパンがあるが、潰れて形の悪い草履みたいになっていた。
何を思うのだろう。
これを見て、何も思わない人はいないだろう。
( 、 トソン「そっか……やっぱり、そういう風に作用しちゃうんだ」
( ・∀・)「え……?」
言葉を続けようとしたところで、チャイムが鳴った。授業へ戻らなくては。
(゚、゚トソン「失礼します」
小さく言うと、トソンさんは駆け足で教室……とは違う方向へ走って行った。
事情を聴こうとしたけど、逆らえない時の流れに邪魔されてはどうしようもない。
何より、追いかけようとした所で先生に見つかってしまった。
サボればよかったのかもしれないが、懇意にしている先生だったので無碍にも出来ない。
こっそり、今から抜き打ちで小テストがあることも教えてくれたぐらいに仲は良い。
35
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 21:54:49 ID:EsrHRRWU0
トソンさんなら、またすぐに会えるさ。
そっとして欲しい時だってあるだろうし。
僕はそう思って、足を自分の教室へと向けた。
――――。
それから。
僕らの会話は、とんと無くなった。
単純に運が悪いだけなのか、どうだかはわからないけど。
とにかく、間の悪い時にしか彼女に会えない。
決まって、トソンさんは……簡潔に言うならみすぼらしい恰好をしているんだ。
服が異様によれていたり、偶に破れていたり。室内靴がなかったり。
怪我をしていたり、時には流血していたこともあった。
そのたびに、僕は何かを言おうとするけれど
同様に、決まって邪魔が入る。
36
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 21:58:54 ID:EsrHRRWU0
友達に無理やりひきつられたり、外し難い急用を頼まれたり。
とにかく、思うようにならない。
僕の『願望』はちゃんと機能しているのだろうか。
天使の祝福とは、もしかして時間制限付なのだろうか。
疑ってみたこともあるが、他は普通に『いつも通り』になるから……きっと継続している。
じゃあやはり、それは彼女の『願望反転』のせいなのだろう。
半々だったのが、今は強くなっているだけ……だとか?
( ・∀・)(あれ?)
ふとした時に気付いた。
何やら複雑な気がして、想ってもいなかったけれど。
何度も言うが彼女の祝福は、『願望反転』だ。
37
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:02:17 ID:EsrHRRWU0
行きたくないほど高レベルな学校だから、ここに居る。
嫌いな人だからこそ、あえて絡まれる。
都合の良い事は忘れる、または忘れられてしまう。
とにかく、望んでいることと反対に作用が起こるのだ。
……
…………じゃあ。
( ∀ )(彼女は…………『僕に会いたい』と……)
僕だって会いたいと思っていた。
話したいと思っていた。
けれど、残念なことに彼女はそれが『反対に働く』
だから、相談にのってあげることすら叶わなかった。
なんて僕は間抜けなんだ。
全然、複雑じゃないんだ。
ずっと願っていたんじゃないか。
38
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:06:27 ID:EsrHRRWU0
確率半々なのだって、今も変わりはない。
トソンさんは……。
( ・∀・)「……おや」
(゚、゚トソン「……モララーさん……」
いつもと違う時間なら、もしかしたら。
これは僕の願望なのか、それとも単なる偶然なのか。
放課後に屋上へ行くと、いつもの場所に彼女が居た。
いつもより元気のない顔で、夕日を背にして僕を見ている。
けれど、彼女も僕も。
その表情はまずハッキリ見られなかったに違いない。
39
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:10:29 ID:EsrHRRWU0
お互いの間には、妨害するモノがあったんだ。
最近会えなかったから、知らずにできた経過による心理的障壁ではない。
もっと、もっと。
物理的で、わかりやすいもの。
幾重にも張り巡らされ、しっかりとコンクリートブロックに差し込まれた支柱を持つ。
きっと、どこにでもある当たり前すぎるほど当然に存在する。
金網のフェンス。
それがあった。
40
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:14:23 ID:EsrHRRWU0
(゚、゚トソン「……」
( ・∀・)「……」
僕らはしばし、冷たい網目越しに目を合わせ続けた。
この状況に驚かない人間なんて居ないとは思うけれど
何故だか『そんな予感がする』と考えてしまっていたからか、やけに冷静だった。
( ・∀・)「そこは寒いですよ」
(゚、゚トソン「知ってます」
( ・∀・)「靴、履いたらどうですか」
(゚、゚トソン「もう必要ないですから」
( ・∀・)「……」
(-、-トソン「……なんで」
(゚、;トソン「なんで、こう都合の悪い時だけ、都合が良いんでしょうね」
後光越しで見えにくい表情にも、それは明確なほど鮮明に反射して伝っていた。
41
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:17:47 ID:EsrHRRWU0
( ・∀・)「……どうして泣いているんです?」
そわそわしたり、はやる気持ちを押さえて僕は問う。
『他に誰も来ないで欲しい』
そう強く思っているから、きっと大丈夫だ。彼女が同じ気持ちなら話は別だが。
(,、,トソン「……辛いからです」
( ・∀・)「何がです?」
(;、;トソン「私の人生がです」
まだ十数年しか生きてないくせに何を言っているんだ。
心無い事情も知らない勝手な他人は、きっとそう言うかもしれない。
でも、僕は知っている。
彼女が受けた『祝福』は、生半可なものではないと。
僕自身が受けている『祝福』が何よりの証明だ。
望んだ分だけ、願った分だけ思い通りになってしまう。
彼女は、その逆。
42
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:22:39 ID:EsrHRRWU0
考えようによっては、同じかもしれないけど全然違うんだ。
だって、トソンさんだって僕と同じ人間なんだ。
何も変わらない、どこにでもいる普通の学生なんだ。
だから、嬉しければ笑うし悲しければ泣く。
腹が立てば怒るし、蹴躓いて転んだら同じような赤い血が流れるんだ。
彼女は、心を持ったありふれたヒトなんだよ。
それが、いつも思うようにならない。
たまに、ならば諦めもつくだろうけど、偶にじゃない。
『いつだって』そうなんだ。
『風のうわさ』で、ここ最近彼女がいじめられていることも
成績が落ち込み始めていることも知っている。
何もしなかったわけじゃないけど、何も出来なかったのだって事実なんだ。
43
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:26:25 ID:EsrHRRWU0
僕は自分の無力さを実感せざるを得なかった。
だからこそ。
今こそ、汚名を、無念をここで晴らさなければならない。
今じゃないと、きっと二度と。訪れはしない、最後のチャンス。
( ・∀・)「……とりあえず、こっちに来て話しませんか」
(;、;トソン「嫌です」
( ・∀・)「なぜですか」
(;、;トソン「これ以上、耐えられません」
(;-∀-)「……」
優しい言葉をかけるべきか、厳しい言葉で奮い立たせるべきか。
僕は考えたけれど、そのどちらもきっと意味はない。
説得に応じるような、易しい事象じゃないことはわかっているんだ。
だったら、やることは一つ。
僕は僕の、この身に受けた願望を実現できる『祝福』を利用するまでだ。
44
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:29:10 ID:EsrHRRWU0
( ・∀・)「トソンさん」
(;、;トソン「……」
( ・∀・)「僕は、あなたに会えて感謝しているんです」
(;、;トソン「え……?」
( ・∀・)「お話したように、僕の祝福は願望を実現するものです。
たしかに、それは便利で楽でとても良い物かもしれません」
( ・∀・)「それでも、なんでもかんでも最初から出来る人生は……あまりにも刺激がなかった」
( -∀・)「そこで、あなたが現れました」
( ・∀・)「うまくいかないこともある。
楽しかった、で終わらないこともある」
( ・∀・)「それを、教えてくれたんです」
( -∀-)「本当に本当に……嬉しくて」
(;-∀-)「僕では想像もつかない大変な経験をしてきたとは思うと
こんな感想を持ってしまうのは間違っているかもしれませんけど」
( ・∀・)「暗く沈みかけた僕の心に、光を差し込んでくれたのは紛れもなくあなたなんです」
( ・∀・)「だから」
( ・∀・)「僕は、あなたとずっと一緒に居たい」
45
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:33:24 ID:EsrHRRWU0
( ・∀・)「これが僕が本当に心から思う『願望』です」
(;、;トソン「……」
(,、,トソン「…………」
こんな取るに足らない僕のような、甘っちょろい人生を歩んだ人間の言葉が
一体どれだけ届いてくれたのかは、わからない。
それでも、彼女が辛いと思うなら
僕は最後まで支えてあげたい。
そう、心から『願っている』
(;、;トソン「……最近、少しずつなんですけど」
( ・∀・)「はい」
(;、;トソン「私、悪いことが少なくなりました」
( ・∀・)「ええ」
46
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:36:14 ID:mjCK.fAU0
支援支援支援
47
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:37:12 ID:EsrHRRWU0
(;、;トソン「モララーさんの『祝福』だけじゃないところで、です」
(;、;トソン「この私の『祝福』がどこまで続くかは知りませんけど」
(;、;トソン「それでも、減ってきたのは間違いないんです」
( ・∀・)「……」
だったら。
話は良い方向に転ぶはず。
……と考えるのは、余りにも浅はかだった。
(,、,トソン「これから良い事ばかりになる。そう思ったのもつかの間です」
(;、;トソン「勉強は捗らないし、いじめの対象は相も変わらず私ばかり
運動音痴なのだって、克服しようもなかった。」
(;、;トソン「結局、転がり始めた石の運命は、もう変わらないんですよ」
軌道修正するには、時間が経ちすぎた。
もう少し幼い頃なら、どうとでもなったかもしれない。
でも、それでも。
48
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:40:55 ID:EsrHRRWU0
(;、;トソン「……はい」
( ・∀・)「僕なら、あなたと共に生きてゆけます」
( ・∀・)「幸い、僕の祝福はまだ継続してます。衰え知らずです」
( ・∀・)「だから、もし本当に、あなたが……望むのなら」
( ・∀・)「あなたの願望を、僕の願望としましょう」
(;、;トソン「え……」
( -∀-)「望むがままに、考えるがままに」
( ・∀・)「僕があなたの傍に居ます」
( ・∀・)「だから、こちらに来てください。そんな場所にいると、危険ですよ」
僕は歩み寄り、金網に足をかけた。
そして身を乗り出しながら、手を差し伸べる。
49
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:44:12 ID:EsrHRRWU0
(;、;トソン「……助けて、くれるんですか?」
( ・∀・)「ええ」
(;、;トソン「……我儘ばかり言いますよ?」
( -∀-)「構いません」
(;、;トソン「すぐ落ち込んだりしますよ?」
( -∀・)「何か問題でも?」
(,、,トソン「……本当に……あなたって人は……」
袖で顔を拭うと、彼女は一息貯めてから、顔をあげてこう言った。
(^、^トソン「ありがとうございます、モララーさん」
僕の手は、虚空を掴んでいた。
50
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:45:01 ID:kQdvE71o0
ああああああああああ
51
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:48:57 ID:EsrHRRWU0
確かに指先が触れたのを覚えている。
けれど、次の瞬間にそれは冷たい空気だけになっていた。
温かい手は、僕の目の前には無くなっていたんだ。
なぜかは知らない。どうしてかはわからない。
けれど、間違いなく。
彼女はふいに、身体のバランスを崩してしまったんだ。
すぐ先に見える、他人を寄せ付けない固い地面。
そこに通ずる、フェンスに守られていない、凍えるような外気温の海原。
トソンさんは、気が付けばそこに飛び込んでいた。
52
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:51:47 ID:EsrHRRWU0
拭った涙の破片が、僕の瞳に映る。
放物線を描くように流れ落ちていく。
『悪魔の祝福』は終わってなんかいなかった。
『生きたい』
トソンさんは、きっとそう願った。
だからこそ、願望の反対となる
『死にたい』
それが、実現してしまったんだ。
ああ。
ああ……。
53
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:55:27 ID:EsrHRRWU0
僕は無力だった。
何も出来なかった。
苦しんでいる人、一人助けられない愚かな人間だった。
今後一生会えないような、大事な人の手も握れないほど……僕は
弱く生きてきたつもりはない
(;・∀・)「トソンさん!!」
(;、;トソン「あ……」
刹那考えると、僕はフェンスを乗り越えて屋上の床を蹴り飛ばしていた。
空中に放り出されたトソンさんの身体目がけて飛び出すと、身体を思い切り抱きしめる。
54
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 22:58:46 ID:EsrHRRWU0
(;、;トソン「モララーさん! なんで!?」
(;・∀・)「いいから、じっとしててください!
トソンさんは、何も考えず、ただひたすらに!!」
考えさせるな。
もし、まだ継続しているなら、考えちゃいけない。
代わりに、僕が考えるんだ。
この数秒にも満たない短い時間で、ただひたすらに。
『生きたい』
『死にたくない』
『トソンさんと共に!!』
それだけを!!
次に感じたのは、身体がとてつもなく固い物に叩きつけられる感覚。
意識が戻ったのは、ベッドの上でだった。
55
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:02:28 ID:EsrHRRWU0
(;-∀-)「いたた……」
むち打ちを数倍に濃くしたような痛みが体中を襲っている。
場所が病院だとわかるのに、そんな時間はいらない。
それよりも、真っ先に気になったのは。
見渡した。
他のベッドは空席。
珍しい事もあるものだ。
違う、今はそうじゃない。
ナースコールを押す前に、看護師さんが来てくれた。
僕が意識を取り戻したのを確認すると、色々と検査を始める。
その際に、聞いてみた。
( ・∀・)「あの、トソンという女性はここに居ますか?」
返答は、否定だった。
56
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:05:35 ID:EsrHRRWU0
医者が帰った後、僕は独りで考える。
居ない。
居ない?
あの高さで落ちて、僕がこれだけ怪我をしていて
無事で……済むわけがない。
じゃあ、じゃあ。
『居ない』って
それって、つまり
(゚、゚トソン「あ、モララーさん」
(;・∀・)「え?」
57
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:08:12 ID:EsrHRRWU0
驚くほど当たり前みたいに、トソンさんは出てきた。
病室の扉から花瓶をもって、嬉しそうな顔で歩いてくる。
怪我一つ、していない。
(;・∀・)「無事……だったんですか」
(゚、゚トソン「ええ、おかげさまで」
(;-∀-)「そっか……良かった……」
深い深いため息をついて、僕は身体をベッドに倒した。
安堵すると、また身体が痛くなってくる。
(゚、゚トソン「……モララーさん」
( ・∀・)「なんです?」
棚の上に花瓶を置くと、トソンさんは椅子を出して僕の傍に座った。
(-、-トソン「本当に、ありがとうございました」
( ・∀・)「無事なら、それで良かったです」
(゚、゚トソン「あなたのおかげで、生きながらえました」
(゚、゚トソン「もう独りよがりになりません」
(゚、゚トソン「あなたのために、生きていこうと思います」
58
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:11:32 ID:EsrHRRWU0
( ・∀・)「ええ。そうしてください」
僕は笑って、トソンさんを見た。
彼女も笑い返してくれた。
もう大丈夫だろう。
これから、どうなるかは全然わからないけれど
だからこそ、素晴らしいんだ。
トソンさんと、僕の受けた祝福と
折り合いをつけて、楽しく明るく生きていこう。
優しく手を握る彼女の手を、僕は握り返しながら、そう思った。
―
――
――――
59
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:14:54 ID:EsrHRRWU0
――――とある場所にて。
从 ゚∀从「お、ツーじゃん。久しぶりだな」
(*゚∀゚)「おー、ハインリッヒか。久しぶりだな」
背中に羽根をはやした二人が、再会を喜んでいた。
街にある大きな病院の上空で、である。
从 ゚∀从「ようやく解放されたのか?」
(*゚∀゚)「まーな。長かったぜ。10年以上かかったもんよー」
从 ゚∀从「オメーがあほなことに、『反転』する祝福なんて授けるからだろー?」
(*゚∀゚)「だからって、いくらなんでも10年以上も幽閉は酷くね?」
从 ゚∀从「オメーが、ちっとも反省しねーからだろ」
(*゚∀゚)「ぐぅの音もでねえ」
从 ゚∀从「ま、でも見てみろよ」
(*゚∀゚)「お? あれ、お前の選定者と……オレの選定者か?」
从 ゚∀从「ああ。なんの因果かしらんが、そーいう運命らしいな」
60
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:18:42 ID:EsrHRRWU0
(*゚∀゚)「へー。でも、なんか楽しそうだな。オレの祝福が切れたからか?」
从 ゚∀从「それ以前から、ちょっとずつ変わってはいたぜ」
(*゚∀゚)「そうかそうか。おもしれーな、人間ってやつは」
从 ゚∀从「ああ、そうだな。飽きないね」
(*゚∀゚)「さて、じゃあ今夜あたりにでも、もう一回ちゃんとした祝福を授けて……」
从 ゚∀从「いやいや、そんなんいらねーだろ」
(*゚∀゚)「……ああ、確かに。そうかもな」
从 ゚∀从「だろ。後はもう、二人だけにして、アタシらは次へ行くとしよーぜ」
(*゚∀゚)「ああ、それもそうだな」
二人の天使は、満足そうな顔をしてその場を去った。
下に居るのは、嬉しそうな顔で話す二人。
61
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:20:32 ID:EsrHRRWU0
( ・∀・)
( -∀-)
(゚、゚トソン
(^、^トソン
彼らは知らないが
天使によって、約束された『幸せになれる祝福』はこれからも切れることなく。
ずっとずっと、続いていくのであった。
おしまい
62
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:21:33 ID:sppXY6gk0
乙
63
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:22:00 ID:kQdvE71o0
乙!最高
64
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:24:47 ID:EsrHRRWU0
祝福と言うと、某奇妙な冒険に出てくる人しか思い浮かばず苦労しました
お祭り、盛り上がると良いですね。
支援ありがとうございました
65
:
名も無きAAのようです
:2013/12/22(日) 23:37:38 ID:bCARVuwQO
泣きそうになってしまった
とても素敵だ
乙乙!
66
:
名も無きAAのようです
:2013/12/23(月) 01:14:34 ID:tU/tdh6Q0
素敵な話だったわ
乙!
67
:
名も無きAAのようです
:2013/12/23(月) 11:52:50 ID:GSVdHFKo0
おつおつ
ツーの存在意義は一体……うごご
68
:
名も無きAAのようです
:2013/12/23(月) 15:42:53 ID:1cXiWiWo0
短めなのに、内容がしっかり充実しててすごくよかった
乙!
69
:
名も無きAAのようです
:2013/12/23(月) 18:41:03 ID:WVrvmQGg0
乙
70
:
名も無きAAのようです
:2013/12/24(火) 09:35:49 ID:yWQqejYY0
最後でヒヤヒヤしたよ
やっぱモラトソいいね
乙
71
:
名も無きAAのようです
:2013/12/25(水) 12:09:45 ID:dCtQobec0
ヒヤヒヤしたけど、ハッピーエンドでほんとうに良かった!
乙!
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