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( ゚∀゚ )ブーン系小説&イラスト練習総合案内所のようです
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( ゚∀゚ ) アーヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!今回のテンプレはこの俺が担当するぜ!
( ゚∀゚ ) ここはブーン系小説&イラスト練習総合案内所だ!
初めての方や馴染みのない方は以下のブーン系wiki、テンプレ等をよく読んで
ご理解とご協力をお願いします
・総合スレにおける最低限のルール、マナー
・よくあるQ&A
・荒らしについて
・進行中の企画・創作板の特殊スレ一覧
・AAテンプレ一覧
ブーン系wiki
http://www43.atwiki.jp/boonkei/
ttp://boonkei.wiki.fc2.com/
↑が見れない、AAがコピー出来ない方の為の予備サイト
ttp://boonkei.web.fc2.com/top.html
ttp://boonkei.m.web.fc2.com/top.html(携帯用)
兄弟スレ
( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです★50
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1379170546/
前スレ
川'A`)ブーン系小説&イラスト練習総合案内所のようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1380542413/
( ^ω^)ブーン系小説板のようです(旧避難所、スレ立て上限に達した)
ttp://jbbs.livedoor.jp/sports/37256/
( ^ω^) ブーン系小説板2のようです
http://jbbs.livedoor.jp/internet/16305/
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>>41
ζ(゚ー゚*ζ+セーター
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1311.png
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>>45
あまりの可愛さに保存余裕でした
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>>45
かわいい!!!
かわいい!!!!!!!
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>>45
天使や…天使がおる…
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VIPにきてるよ
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>>45
これってカーディガンじゃね
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>>45くっそかわええ…
今から投下する
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ひゅう、と冷たい夜風が吹き抜く家で、温もりを持たないこたつに縮こまりながら。
二人の男女が、なにをするでもなくただ向かい合って座っていた。
ζ(゚ー゚*ζ「…もう深夜ですね」
( ^ν^)「そうだな」
ζ(゚ー゚*ζ「眠らないのですか?」
( ^ν^)「眠くねえな」
ζ(゚ー゚*ζ「…そうですか。ならば、私の話をきいて頂けませんか
?」
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ζ(゚ー゚*ζ 人生オワタ症候群のようです( ^ν^)
.
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男の沈黙を了解と受け取ったのか、女は静かに語りだした。
ζ(゚ー゚*ζ「…もうすぐ冬がきますね」
ζ(゚ー゚*ζ「いままで凍えを和らげてくれたこたつも、寿命が来てしまいました。電気も止められました。支えてくれていたおじは、死んでしまいました。もはやこの何もない私達じゃ、とても冬なんて越せません」
ζ(゚ー゚*ζ「今までその日その日で生きてきました、なんとか今日まで生きてこれました」
ζ(゚ー゚*ζ「でも、今年こそはもう、ダメです。私たちは、新年すら迎えることは出来ないでしょう」
男は表情ひとつ変えずにそれを聴いていた。
女が、こたつの薄っぺらい布団に手を差し込んで、懐から金貨をとりだす。
それを見て初めて、男の表情が歪んだ。
( ^ν^)「…デレ、お前」
ζ(゚ー゚*ζ「ニュッのために稼いだの」
デレ、と呼ばれた少女が、笑みを浮かべて金貨に優しく頬ずりをする。
ニュッ、と呼ばれた男が、訝しげにそれを見つめた。
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( ^ν^)「…なにしたんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「勘付いているのに、お聞きになるのね。」
( ^ν^)「体、売ったのか」
ζ(゚ー゚*ζ「…そうかもしれない、そうじゃないかもしれない、私の口から言うことはありません」
デレが立ち上がり、ニュッの隣に腰掛けた。
ζ(゚ー゚*ζ「私達、別れましょう」
( ^"ν^)
( ^"ν^)「…それは手切れ金とでも言うつもりか?」
ζ(゚ー゚*ζ「…どうでしょうか」
デレがニュッの手に、ねじ込むように金貨を握らせる。
彼は顔をしかめてそれを見ていた。
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ζ(゚ー゚*ζ「このお金で、服も、ご飯も、寝床も揃えることができます。どうか生きてください」
ζ(゚ー゚*ζ「…そうして、私を嫌いになっては下さいませんか」
( ^ν^)「おい、デレ」
ひゅう。冷たい風は、温もりをもたない二人にも容赦がない。
デレは、ニュッと目を合わせなかった。
ずっと遠くにある三日月を、ひたすらに見つめていた。
( ^ν^)「なにいってんだ馬鹿が」
ζ(゚ー゚*ζ「私は死にます。ニュッは優しいからきっと悲しむでしょう、ならばいっそ嫌いになって。私を忘れてしまって下さい」
ζ(゚ー゚*ζ「デレは幸せです、とても幸せですから」
( ^ν^)
-
ニュッが不意に、金貨を握る手から力を抜く。金貨は音をたてて、粗末な床に落ちた。
( ^ν^)「こんなのいらねぇよ」
( ^ν^)「なに勝手なこと言ってんだボケ」
ζ(゚ー゚*ζ
( ^ν^)「もう、潮時だってのは俺が一番よくわかってる」
( ^ν^)「…デレだけで死ぬとか、ないから」
ニュッの一言に、デレは少しだけ睫毛を揺らした。
ζ(゚ー゚*ζ「…それって」
( ^ν^)「あーあー黙れ、黙っとけ。俺生きるのめんどくなったんだよ、それだけだ」
( ^ν^)「そうだな、一緒に死ぬか。金貨は無駄になっちまうけど、そうしたら誰も悲しくない」
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名案だろう?とでもいいたげに口角をあげるニュッに、デレは少しだけ涙を浮かべて、そのあとに少しだけ、笑った。
ζ(゚ー゚*ζ「…ああ、ダメだなぁ。ニュッに生きて欲しいから頑張ったのに」
( ^ν^)「…」
ζ( 、*ζ「…なのに、とても嬉しい。一緒に死にたいって思ってしまいます。きっと、貴方がそう言うってわかってたの、期待してたの」
ζ( 、*ζ「それで、こんなこと。結局私、貴方と離れたくないだけなのよ。なんて最低な女なのでしょう」
デレはポロリと一粒だけ零すと、切なく笑った。ニュッはそれを見るや否や、俯いてしまう。
ζ(゚ー゚*ζ「…一緒に、死んでくれますか」
( ^ν^)「ああ。」
-
ζ(゚ー゚*ζ「…私、一度ここを出たかったなぁ」
( ^ν^)「…死ぬ前にその金、パーっと使っちまえばいい。旅行でもなんでもできるぞ」
ζ(゚ー゚*ζ「一人じゃ無理ですよ」
( ^ν^)「るるぶ買えるるぶ」
ζ(゚ー゚*ζ「そうじゃなくて。ニュッと一緒に行きたいの」
ζ(゚ー゚*ζ「…南に、とても綺麗な海があるそうです。二人で海辺に暮らせたら、きっと温かくて素敵」
ζ(゚ー゚*ζ「ああ、あなたと冬を過ごせたら、雪でめいいっぱい遊んだのに、年明けをあなたと共に祝えたのに」
ζ(゚ー゚*ζ「春にはまた花が芽吹いて、雪が融けて、お水に困りません。なにより桜が咲きます、あの美しい風景、とても好きです」
( ^ν^)「…」
ζ(゚ー゚*ζ「でもニュッと一緒じゃないと、何も意味がないの。どうせ冬は越せない、いつかは離れてしまう。それに怯える毎日は苦しいだけ」
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ニュッが、呆然とデレの視線の先をおった。そこには、オレンジ色の大きすぎる三日月があった。
ζ(゚ー゚*ζ「…ニュッ、なにか未練は?」
( ^ν^)「ねーよ、んなもん」
ζ(゚ー゚*ζ「そうですか。貴方がないなら、私もなにもありません」
デレは、床の金貨をピンとはじいて遠くにやると、ニュッに寄り添った。
( ν )「…俺もすぐ行くから、本当に、…」
首に、温かい手が絡む。迷いなんてもう、なかった。
ぽたりぽたり。デレの頬に熱い水滴が落ちては流れた。
ζ(゚ー゚*ζ「大好き」
デレは彼の目を見据えた。
人生で一番の幸福に包まれながら、デレは目を閉じた。
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以上です。ありがとうございました
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乙
寝る前に悲しい話を読んでしまった
でも静かな空気で心地いい
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乙だお( ;ω;)
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川'A`)←こいつのときじゃなくてよかったと思った
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最初に書いたと思ったら書いてなかったなんてこったい
前スレの>>977です
さくら、深夜、三日月、こたつ、るるぶ
をお題に書きました
こんな夜中なのにレスありがとう( ;ν;)ブワッ
良ければ悪い所とかも教えてくれたら助かる
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どうやってあのお題(特にるるぶ)をまとめるのかと思ってたがこうきたか
すごいしんみりしたわ。でもこういう愛もありだよな
ニュッデレが好きだからなんとなく嬉しかった
さて、俺も投下するぜ
書こうと思ってる長編のうちのn話
祭りに乗り遅れたんで供養ってことで
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( ^ω^)と世界のようです(仮)
( ^ω^)「……ドクオー」
('A`)「なんだ」
( ^ω^)「今回の依頼ってなんだったかお?」
('A`)「ジオキのギルドと連絡がつかなくなったから様子を見てこい」
( ^ω^)「だおねぇ……」
('A`)「依頼を受けたのは昨日。連絡がつかなくなったのは三日前の夜から」
( ^ω^)「ギルドでそう説明されたおねぇ……」
('A`)「異常があれば原因を調査し報告せよ……」
( ^ω^)「……でもこれ、どっからどう見ても」
ブーンは目の前の町へ視線を向ける。
石畳の街路に煉瓦の家々が並んでいる。
だがそこには、薄暗くなってきたにも関わらず一切の明かりが見当たらない。
カラスのしゃがれた鳴き声が響く。羽ばたいたカラスから羽が一枚抜けて風に舞い落ちた。
(;^ω^)「異常しかないお……」
(;'A`)「まるでゴーストタウンじゃねぇか……何があったっていうんだこりゃ」
二人は顔を見合わせる。
これはどういうことなのだろう。
三日間の内に町の住人全員がどこかに行ってしまうなど考えられない。
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('A`)「厄介事の臭いがするなおい」
(;^ω^)「おーん……本当に事件なのかお……集団引っ越しとかないかお」
('A`)「んなもんあったら別の町の人間は気づいてるだろ……。
っはーマンドクセ……とりあえず行くか。
見えないだけで誰かいるかもしれないしな」
( ^ω^)「おっおー」
カンテラを掲げて歩くブーンにドクオが続く。
一応扉をノックし、返事がない家の窓から中を覗いてみるが人の姿はない。
二人の足音だけがやけに大きく反響する。
五軒ほど回って、ブーンは言いようのない気味悪さを感じていた。
(;^ω^)「ドクオ……これ、おかしいお」
(;'A`)「……あぁ。こりゃ引っ越しなんてもんじゃねぇぞ」
ドクオが顔をしかめる。
どの家もつい先ほどまで人間が住んでいたと言ってもわからないほど生活感にあふれていた。
鍋の中のスープに子供のおもちゃ、書斎の本と羽ペン。日常が切り取られたように存在していた。
ただ、そのすべてを塗りつぶすように撒き散らされた大量の黒い羽根が異彩を放っていることを除けば、だが。
(;^ω^)「突然何かがあって家を飛び出したとしか考えられないお」
(;'A`)「それも命に関わることだな……多分、この町の人間は生きてねぇ。
なんで家中にカラスの羽根が散らばってるんだよ、人食いカラスなんて聞いたことねぇぞ」
( ^ω^)「でも血のあとなんてどこにもないお?」
('A`)「じゃあ人攫いか? どっちにしろ、カラスが人を攫うなんて聞いたことねぇが」
(;^ω^)「おーん……」
-
ギャア、ギャア。
カラスの鳴き声が耳に刺さるようでブーンは軽く頭を振った。
住人がどこにいったかはひとまず置いておくとして、とりあえずこの状況の原因を突き止めなくてはならない。
溜息を吐いて別の家を回ろうと顔をあげた瞬間、
「もし」
( ゚ω゚)「おおっ?!」
後ろからかかった声に思わず飛び上がる。
目の前のドクオも目を見開いていることからお互いその存在に気付かなかったようだ。
振り向くと闇に溶けそうな黒いローブの裾が見えた。
「すみません突然」
柔らかい、すこし低めの女性の声が近づいてくる。
ブーンのカンテラに近づくほどその姿は鮮明になり、薄青の髪が見えた時、やっと顔が認識できた。
(゚、゚トソン「こんなところで明かりが見えたものですから、旅のお方かと」
( ^ω^)「お、お、そうですお。……ちょっとお聞きしますが、」
(゚、゚トソン「はい?」
( ^ω^)「……幽霊さんですかお?」
(゚、゚トソン「……は?」
-
(;'A`)「こいつが失礼なことを言って本当に申し訳ありませんでした。
重々言って聞かせますので」
(゚、゚;トソン「いえ、お気になさらず」
(;^ω^)「いやほんと、申し訳なかったですお」
(゚、゚;トソン「いえいえ私も貴方の立場だったら幽霊を疑いますから、本当に気にしないでください」
女性に案内されて町一番の屋敷に入ってからも二人は頭を下げ続けていた。
まさか生きた人がいるなんて思っていなかったのだ。
だからといって、女性を幽霊呼ばわりしたことは非常識であることに変わりはないのだが。
女性はトソンと名乗った。
薄青の髪を緑のバレッタで止め、儚い雰囲気を纏った彼女は来客に喜んでいるように見えた。
ひとしきり謝りつくした二人に紅茶を淹れて木製の椅子を勧める。
紅茶独特の甘い香りに微笑む彼女は機嫌が良さそうだ。
( ^ω^)「でも、人がいてよかったですお。正直怖いなって思ってたんですお」
(-、-トソン「町の様子を見ましたでしょう? 本当に……誰もいなくなってしまって……」
( ^ω^)「……お、」
(゚、゚トソン「でも、よかったです。人と話すのが久々なもので……って、まだ二日しかたってないんですけれどね」
('A`)「ここがなんでこうなったか、知っているんですか?」
(゚、゚トソン「知っている、といっても……」
( ^ω^)「よければ教えてもらえないですかお?
ギルドにも連絡しなきゃいけないし」
(-、-トソン「そう……そうですね。ここはもう元には戻らないのだから、仕方ないですね」
トソンは目を伏せる。
小さく睫毛を震わせて、覚悟を決めるために深呼吸を数回。
目を開けた時、彼女の深い蒼の瞳には揺らぐことのない火が灯っていた。
-
この町にはある女性が住んでいました。
新緑の髪を薄青のピンで止めた、よく笑う表情豊かな女性。
ミセリといいました。彼女はこの町一番の屋敷のメイドをしていました。
彼女は屋敷の跡取り息子に恋をしました。
旦那様が亡くなって以来、奥様と協力して仕事を引き受けた若旦那様。
若旦那様はそろそろ身を固めて、と噂はありましたが良縁には恵まれていませんでした。
ミセリはただのメイドです。
恋は叶うはずもありませんでしたが、彼女は想うだけでも幸せそうでした。
ミセリにはルームシェアしている親友がいましたが、親友に相談しては笑っていました。
ミセ*゚ー゚)リ「若旦那様はね、長い髪の女性がお好きらしいの! 私も伸ばそうかなぁ……」
ミセ*゚ー゚)リ「聞いて! 若旦那様がね、いつも頑張ってるなって言ってくださったの!
もう嬉しくて気絶するかと思っちゃった!!」
ミセ*゚ー゚)リ「これ、若旦那様お好きよね……こっそり買っていっちゃおうか」
にこにこと笑いながら話す彼女は本当に幸せそうでした。
肩までの長さだった髪の毛を伸ばし始めて、メイドとして傍にいるだけで幸せそうでした。
実際、彼女は幸せだったのだと思います。
彼女の髪が肩甲骨あたりまで伸びた時、転機が訪れました。
若旦那様がミセリを気に入ったと、お付きにするとおっしゃいました。
ミセ*゚ー゚)リ「もうね、夢みたい! これが夢なら私一生目覚めなくていいわ!」
胸の前で手を組み薄く涙を溜めて感激する彼女を親友は祝福しました。
ミセリは若旦那様の傍で仕事に精を出して、メイド長に褒められるほどになりました。
若旦那様はミセリを憎からず思っているようでしたし、身分が違いこそすれ若旦那様が一言おっしゃれば結婚も有り得たでしょう。
順風満帆、とはこのことをいうのだと思います。世界中の幸せが彼女の元に集まったようでした。
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(゚、゚トソン「お二人は、この町の別称をご存じですか?」
ふとトソンは話を止めて問いかける。
急に自分に意識が向けられたことに戸惑いつつもブーンは言葉を返す。
( ^ω^)「お? ジオキ以外に呼び名があるんですかお?」
隣のドクオに目配せしたが、彼は緩く頭を左右に振った。
二人が知らない、と察したトソンは納得した顔で何度か頷いた。
(゚、゚トソン「知らなくていいのです、普通なら知る必要はないのですから。
ただ、これから話す事には必要なのです」
('A`)「……ジオキの別称というのは?」
(゚、゚トソン「……魔女の町」
( ^ω^)「魔女?」
(-、-トソン「……忌まわしい名前です。これを知っていたなら私はここに住むことはなかった。
この名にふさわしい、風習なんて知りたくもありませんでした」
自身を抱きしめるように腕組みを強くしながら、絞り出すように彼女は言った。
魔女、風習、ミセリ。ドクオは重要な言葉だけ書き取りつつトソンを観察する。
( ^ω^)「……言いたくないなら、言わなくても」
('A`)「ブーン」
助け舟をだしたブーンをドクオがきつい口調で咎めた。
ブーンが眉を八の字にしてこちらを見るが、視線で指示する。
浮かしかけていた腰を席に戻しながらもブーンは弱く反論する。
(;^ω^)「お……だって、辛そうだお」
('A`)「仕事だ」
(;^ω^)「でも、」
(゚、゚トソン「いえ、いえ。私なら大丈夫です……気遣ってくれて、ありがとうございます」
('A`)「……続きを、お願いできますか」
( ^ω^)「ゆっくりで大丈夫ですお、僕達はいくらでも待てますから」
(゚、゚トソン「はい……はい、大丈夫です」
すっかり冷めた紅茶で唇を湿らせて、彼女は再び顔を上げた。
少しばかり青ざめた顔色がこれから語られる悲劇を予感させて、ブーンは背中に冷たい汗が流れるのを感じていた。
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ミセリは別の町から親友と共に奉公に来た娘でした。
彼女もまた、魔女の町という別称を知らなかった。知らないまま若旦那様に近づいていました。
ミセリの髪は腰まで伸びていました。若旦那様はその髪を綺麗だと、そのままにしていておくれとミセリに言っていました。
その日は唐突にやってきました。
早朝、まだ日も出ていない時間でした。
ミセリの部屋のドアが強く叩かれました。何度も、何度も叩かれました。
異常な雰囲気を感じたミセリはそれに応えることはしませんでした。
しばらくして音が止みました。
代わりに、若旦那様の声がしました。
ミセリ、いるのだろう。
僕だよ、開けておくれよ。
大切な用があるんだ、こんな夜更けにすまない、どうしても今伝えなくてはならなかったんだ。
同じ部屋で震えていた親友はおかしい、何かあるのではないかと言いましたが、
恐怖の中愛しい人の声を聞いたミセリは止まりませんでした。
親友の制止を聞かず、ドアを開けました。
ドアの先にいたのは若旦那様でした。
ミセリはその胸に飛び込んで、恐ろしいことがありました、若旦那様と顔を上げて、
やっと違和感に気付きました。
ミセリを取り囲むように、町の男達が立っていました。
ミセ;゚ー゚)リ「若旦那様、この方々は誰なのです?
何故黙っておられるのです? 若旦那様、若旦那様、」
若旦那様はミセリを抱きしめたまま動こうとしませんでした。
ミセリはその腕から逃れようともがきましたが、敵うことはありませんでした。
若旦那様はミセリの髪を撫でて、にこりと笑いました。
よく、よく僕を騙したね、魔女。
-
ミセリは目を見開きます。
ミセ; ー )リ「魔女? 何をおっしゃっているのですか若旦那様、離してください、
嫌、触らないで! 離して! 誰か、助けて! 誰かぁ!!」
ミセリの名を呼んだのは親友だけでした。
男達に連れ去られるミセリを追おうとして、男達に突き飛ばされながら、名を叫んでいました。
町中に響くような声だったはずですが、誰も姿を現しませんでした。窓から覗く事すらしませんでした。
これは暗黙の了解であるのだと、親友は悟りました。
きっとミセリが髪を伸ばし始めた時からずっと進んでいた計画。
誰も代わりになりたくはないから、見て見ぬふりをしていたのだと。
ミセリの傍にいた自分にも気づかれないように画策していたのだと、悟りました。
夜が明けて、親友はミセリを探しましたが見つかることはありませんでした。
町中の人に聞いて回っても返ってくる答えは同じでした。
ミセリなんて女はこの町にはいない。
揃えたように皆そう言うばかりでした。
-
その日の夜、町の広場に町中の人が集められました。
台の上には若旦那様が立っていて、横にボロ布に身を包んだ女が転がされていました。
松明の光に晒されて金に輝く薄緑の髪が彼女の顔を覆い隠していました。
親友はすぐに気付きました。
ミセリだと、気付きました。
そして若旦那様の手に握られた剣が煌めくのを見ました。
また魔女が現れた。
この女の魔力の源である髪を切り、火炙りの刑とする。
悪魔を呼びださせるな、この女は魔女だ。
朗々と語る若旦那様の声は親友の耳には届きませんでした。
ミセリは魔女じゃない、それだけが彼女の足を動かして前へ前へと進めていました。
背中で縛られた両手を動かしながらミセリの頭には疑問符ばかりが浮かんでいました。
何故私は縛られているのか。何故魔女と呼ばれているのか。
何故若旦那様は私に一瞥もよこしはしないのか。何故誰も私を呼ばないのか。
ミセリの髪が強く持ち上げられて、彼女は苦悶の表情を浮かべました。
それでもミセリの疑問符は消えませんでした。
顔を上げたことによって、泣きながら人混みを掻き分けて近寄ってこようとしている親友が見えました。
急にミセリの視界は地を向きました。
風に流れていく緑の糸が見えて、自身の髪が切られたのだとわかりました。
切ったのは若旦那であることも察しました。久しぶりに彼女の項を冷たい風が通り過ぎました。
ミセリの身体が持ち上げられます。
十字に組まれた丸太に括りつけられて、積まれた藁の上に掲げられました。
松明の火が揺らめくのを見て、火炙りになるのだと悟りました。
親友は人混みを抜け、一番前に来ました。
ミセリは魔女なんかじゃない、無実だと叫びましたが男達に取り押さえられました。
それでもミセリの名を呼んで、無実を訴え続けました。
一瞬、ミセリと親友の視線が合いました。
ぐちゃぐちゃに泣き腫れた親友の視線を受け止めて、ミセリは一筋の涙を流して。
薄く、微笑みました。
-
親友がミセリ、と言い終わる前に。
ミセリの表情は憤怒のものに変わっていました。
「――――――――――!!!!!!!!」
そのまま、何かを叫びました。
何を叫んだかはわかりません。
しいていうなら、カラスの悲鳴にも似た声でした。
耳を劈く、断末魔でした。
ミセリが叫んだ瞬間、彼女の背から羽が生えました。
黒い、彼女の身の丈の二倍以上あろうかという巨大な羽が彼女の背を突き破っていました。
彼女の瞳が紅く光って、そのままミセリは飛び立ちました。
空で再び彼女は咆哮を上げました。
皆呆然と見送っていました。どこかで飛び去っていくのを、ただ見送っていました。
少しずつ正気に返る人達からは声が上がりました。
本当にミセリは魔女だったのか。
いやあれは魔女というよりは悪魔ではないか。
ならそれを召喚したのは誰だ、あの化け物と親しくしていたのは!
皆の視線は親友に向きました。
親友はそのまま縄で縛られ、翌日に処刑が決定しました。
親友は自身が魔女でないことは知っていましたが、逆らう気は起きませんでした。
ミセリが無事に逃げた安堵だけが胸に満ちていました。
牢に容れられた親友を若旦那が訪ねました。
正確には見物にきた、という方が正しかったのでしょう。
歪んだ笑みを浮かべながら鉄格子越し若旦那は話しました。
君達はこの町の風習を知らなかったんだよね、仕方ないよね。
地主が嫁を娶る前に町から魔女を殺さなきゃいけないなんて知らなかったんだよね。
魔女の条件も知らなかったんだろう。よく見れば気づいたはずだ、この町で生まれた女の髪が長くないことくらい。
ミセリはよく役立ってくれたよ。僕を誑かした、悪い魔女という設定はぴったりだったろう?
悪魔だったのは驚きだけど、誰かを殺さないと僕はいつまでも独り身なんだ。
僕のことが好きだったのだから、これくらい許してくれるだろうさ。
君は魔女として殺される。そして僕はどこかの良いお嬢さんと結婚して、ハッピーエンドだ。
君ひとりの犠牲でこの町は繁栄して続いていく。人柱だと思って、町のために、僕のために死んでくれ。
-
(#^ω^)「そんなの!! そんなのおかしいお!!!」
堪えきれずにブーンが声を荒げる。
ドクオが視線で宥めるが肩を震わせて額に青筋を浮かべるブーンの呼吸は荒い。
冷静になろうとしても憤りが消えることはなかった。
(#^ω^)「人柱だとか、変だお。犠牲がなくたって、町は続いていくのに。
町のための犠牲なんて間違ってるお」
('A`)「ブーン」
(#^ω^)「だって、そうだお!? 誰かが、犠牲にならなきゃいけない繁栄なんて、おかしいお!!」
('A`)「わかってる。俺だってムカついてるさ。だが、俺達の感情は今関係ない。わかるな?」
(#^ω^)「……お、」
ドクオの手が震えて、字が歪んでいるのが見えた。
怒りを抑え込もうとしているのだろう。ブーンも強く拳を握りしめて怒りを逃がそうとする。
静かになったブーンを見て、ドクオはトソンに向き直った。
('A`)「……すみません、お騒がせして」
(゚、゚トソン「いえ。……怒ってくれて、少し嬉しいんです。
私も、これはおかしいと思いますから」
('A`)「ひとつ、よろしいですか」
(゚、゚トソン「はい」
('A`)「……ミセリさんは本当に、魔女ではなかったのですよね?」
(゚、゚トソン「……魔女なんかじゃなかった。
ミセリは確かに魔女に仕立て上げられただけで普通の人間でした。ただ、」
(-、-トソン「ただ、町中に渦巻いていた悪意と、彼女自身の感情が……爆発したのだと、思います」
('A`)「……わかりました」
視線で続きを促すと、トソンは一つ頷いて口を開いた。
-
次の日の夜、親友は前日の服装のまま十字架に括りつけられました。
彼女の胸中は、ミセリは無事でやっているだろうかということだけがありました。
自身の運命はどうでもいいと思っていました。むしろ、親愛なる友を守りきったことを誇りにすら感じていました。
藁に油がかけられます。よく燃えるだろうと他人事に感じながら、親友は空を仰ぎました。
空は真っ暗で、ミセリの羽によく似ていました。
そういえば、羽が生えても瞳の色が変わっても、ミセリは美しかったと思いました。
頭の中のミセリが笑いかけてきました。彼女の親友でよかったと思うと同時に、もう会えないことに涙が流れました。
松明が藁に近づけられます。
目を閉じた親友の耳に、カラスの鳴き声が届きました。
自身を包むはずの炎はあがりませんでした。代わりに、強い衝撃と羽音が襲いました。
ミセ*゚ー )リ
呆然として、ただ口は動きました。
ミセリ、と呼ぶと彼女の笑みは深くなったように見えました。
ミセリは叫びました。強く、強く叫びました。
どこからか空を埋め尽くすほどのカラスが現れました。
人間の背丈の半分ほどあろうかという、大きなカラス達でした。
ミセリが一つ咆哮をあげると同時に、人々に襲い掛かりました。
家の中に逃げ込んでも、剣で応戦してもカラス達の猛攻は収まりませんでした。
最初は子供から、次は老人、女、男、誰も彼もがカラスに捕まってどこかへ連れていかれました。
羽根だけを残してカラス達は飛び去っていきました。
町に残ったのは親友と、ミセリだけでした。
ミセリの右目は紅く輝いたままでした。昔見た、ルビーによく似ていると未だぼやけた頭で親友は思いました。
ミセリはにこりと笑って、飛び立ちました。
親友が呼び止めようとすると、右手を前に出して、三本指を立てました。
そのままカラス達が飛び去った方へ飛んでいきました。
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(゚、゚トソン「……これで、私が知っていることは終わりです。
私は二日前偶然町を離れていたので、帰ってきた時ミセリの親友に話を聞いたのです」
('A`)「その親友さんは、どこに?」
(゚、゚トソン「わかりません。ただ一言ミセリを探すと言ってどこかへ行ってしまいました」
('A`)「そうですか……ありがとうございました。おいブーン」
( ;ω;)グスッグスッ
('A`)「……泣くなよ……」
( ;ω;)「どぅ、だっで、みぜりざんがぁ」
(゚、゚;トソン「ティッシュどうぞ」
( ぅω;)ズビズビ
( >ω<)ヂーンッ
( ^ω^)「……お話、ありがとうございましたお」
('A`)「鼻声」
再びブーンが鼻をかむ間にドクオはトソンを観察する。
彼女が嘘を言っているのはわかっていた、が嘘の必要性がわからなかった。
依頼内容は達成したが心に靄が残る。すっきりしないままこの依頼は終わりそうだ。
-
('A`)「じゃ、帰るか」
(゚、゚トソン「お泊りにならないのですか?」
( ^ω^)「お、今から帰ればまだ間に合いますから」
('A`)「お話ありがとうございました」
( ^ω^)「あ、トソンさんも一緒に来ますかお? ここは危険かもですし、一人じゃ危ないですお」
ブーンは荷を背負って扉へ向かおうとした足を止める。
女性一人でここに二日もいたそうだが、いずれ別の町に行くことになるだろう。
振り返って、ブーンは目を見開いた。
(゚、゚トソン「いえ、もう少し留まってみようかと思います。もしかしたら、誰か帰ってくるかもしれませんし」
('A`)「そうですか……おい、何固まってんだ。行くぞブーン」
( ^ω^)「お、お?」
('A`)「それじゃ、失礼します」
(゚、゚トソン「お気をつけて」
-
ドクオに押し出されながら扉を出る。
屋敷を出て、街道を歩いていてもブーンはどこか上の空のままだった。
('A`)「……おい、夜なんだからもっと気ぃ張れ。どっから魔物が出てくるかわかんねぇんだぞ」
( ^ω^)「……さっき」
('A`)「あ?」
( ^ω^)「一瞬だけ、トソンさんの左目が紅く見えたんだお。ルビーみたいな、きれいな紅」
('A`)「何言ってんだ、見間違いだろ?」
( ^ω^)「……だおね。見間違いだお」
無理矢理納得させるようにブーンは何度も頷く。
二人の周りが一瞬だけ暗くなった。月に雲がかかったかとドクオが見上げても今日は雲一つなく、月だけがぽかりと浮かんでいた。
大きな鳥が力強く羽ばたく音がした。
闇にまぎれて、ジオキの方へ飛んでいくカラスがいた。それを見て、ドクオの中の靄が晴れた。
('A`)「……そうか、あの人も、そうだったのか」
( ^ω^)「お?」
('A`)「いや、なんでもない。もうカラスの被害はないと思っただけだ」
( ^ω^)「お? なんでだお?」
('A`)「二人が望んでるのは平穏だけだからさ。ただ、平和でいたかっただけなんだ」
( ^ω^)「お? お??」
疑問符を浮かべているブーンを見て、ドクオは薄く笑う。
世の中はわからなくていいことばかりだ。
これも、こいつが知る必要はないだろう。
('A`)「さって、帰るか。なんなら走ってもいいぜ、今俺は気分がいい」
( ^ω^)「お? 負けないお?」
('A`)「わかんねぇぜ? よーいドン!!」
(;^ω^)「あっズルはダメだお! ずる!」
ジオキから、大量のカラスが飛び立った。
黒い影にまぎれて、二人のカラスが飛び立った。
手を握り合いながら平穏の地を目指して、羽を動かし続けた。
-
終わり
感想、批評頼む。できる限りいいものを書きたい
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地の文の量が適度でスムーズに読み進められた
情景描写が丁寧で、読解力のない頭にもしっかりとイメージが浮かびました
悪いところはないような気がするけど、強いて上げれば
一文が長い箇所は目で追う内に息苦しく感じる……かな?
でも淡々とした語り口を表現する場面にはいいんじゃないかと
あとは場面が過去に移る時の境目で、一旦つまずいたぐらいかな
会話文とのバランスも良くて、手本にしたいくらいです
想いを馳せる感じで引きを残す終わり方も好き
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ニュッデレ良いよな!そう言ってくれて最高にうれしいひゃっふふふ
ラストは読み手によってイメージが変わりそうだな、そんな不思議な雰囲気好きだ
あとブーンとドクオのかけあいが絶妙すぎた
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テンプレにないAAって避けられてるような気がするけど実際どうなんだ?
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まぁだいたいテンプレで事足りるしそうなんじゃないか
個人的にはぎゃしゃとか増えてほしいんだけど
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正直テンプレ3あたりにしれっと誰か紛れ込んでも分かる自信がない
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まあ散々乗ってない乗ってない言ってたAAは逆にバレるがな
ざまあwwwwwww
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【速報】2chmateユーザーに朗報
https://sites.google.com/site/nikenonomonooki/2chMate/changes
ここのdev版最新でξ゚⊿゚)ξの口が普通に書き込めるようになりました拍手
無料版使ってるなら一度くらい広告クリックしとくと良いんじゃないかな
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>>89
マジだった、ありがとう教えてくれて
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>>89
あざす まじ あざす
スレタイは変わらんみたいだが
本文は変わりまくりだな
これで巻きグソ化け物から本来のツンちゃんになるんや……
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昨日のツン荷台のラジオ録音してる人おるか?
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季節外れの短めなやつを一本投下しやす 「すあまのようです」
批評があったら聞いてみたいな
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さんさんと照りつける太陽と、木々たちの間を抜ける涼風。
そしてどこからでも聞こえる虫の音が、山中にあるこの場所の趣を感じさせる。
だけど自分にとっては、しんしんと降り積もる雪に染められた、一面の銀世界こそが原風景だ。
それへの愛しみをも反芻しつつ、僕は母の墓前に手を合わせていた。
('A`)「また帰ってきたよ。
去年は帰って来れなかったけど」
地元へと帰省するたび、ここ何年かは必ず最初に訪れるのがこの場所だった。
仕事の都合で冬場に帰ってくることは出来ず、こうして夏に2日3日の休暇を取っては、母の墓参りに舞い戻る。
2年に一度も顔を見せに帰ってこなかったような息子が、しかし母が亡くなった6年前からは必ず毎年顔を見せるようになったそうな。
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そうなる時まで、電話口だけでなく、母から時折届けられた書面の文字からも、僕は気付く事が出来なかった。
数年前に切除していたはずの母のがんが再発して、それが手遅れの段階まで転移していた事に。
時を遡れたら、母をもっと早く病院へと連れて行ってやっただろう。
自分が仕事に夢中になるあまり、たった一人の母親に対してどんなにか辛い思いをさせたと自分を叱るだろう。
あの時は、何日にも渡って悔やんだものだ。
あまりにひどくむせび泣いていたのを、自分でもよく覚えている。
奇跡を起こしてくれ、目を開いてくれ、母ちゃん、と。
そう泣き叫び、許容しがたかった現実に打ちのめされて与えられた心の傷は、今はようやく癒えたと思う。
うちの家は片親だった。
それが大変だと言う人もいれば、いや普通だろうと言う人もいる。
だが子供からしてみればなんのことはない、僕もそれが当たり前の日常だと感じていた。
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小学校、中学校と転校することもなく、幸いにして大事な友達は数えるほどには出来た。
6年前、母の葬儀にも参列してくれた内藤とは、犬猿とは嘯きつつも親友と言える間柄。
それを作るために、自由奔放に遊び回れた過去があったのは、やはり僕を育ててくれた母のおかげだ。
自分が小さい頃、場末でスナックを経営していた母。
けっして容姿端麗とは言えないものの、人柄が良く愛嬌のある母にはたくさんの常連さんがついた。
父親と言える人はもうこの世にいないが、その人とも、そこで知り合ったようだった。
夜ごと、店の口開けに出かける母親を見送ってから、たった一人で八畳二間の一室で眠りにつく。
TVで見た心霊番組の事を思い出した夜は、おばけのたぐいが怖くて眠れずに布団にくるまったりもした。
ものすごく現実味のある怖い夢を見た時には、いてもたってもいられなくなり、薄い毛布一枚を胸に抱えて家を飛び出し、
夜の街頭の下をとぼとぼと歩いては母親の働いているスナックに行ったこともある。
そうして店に行った時、赤ら顔の酔っぱらいのおじさんたちは皆やさしかった。
また別の時にはこづかいをくれた事もあるが、それは実を言うと、母の懐行きなのだ。
-
決して贅沢に暮らせていた訳ではないけれど、狭いながらも楽しきわが家。
血のつながりのある人からの愛情を感じながら育つ事こそが、子供にとって最大の幸せだと思う。
そして親は、我が子の幸福を自分のことのように感じて喜ぶ事ができる。
だけど、そんな母自身は、自らの幼少時代を僕と同じようには過ごせない子供だった。
山子の父はビルをこさえられるほどの借金を博打で作り、家では暴力を振るうこともあった。
さらには貧しい環境にありながらも働かない夫に頭を悩まされて、祖母は精神を病んでいった。
まだ幼い母を家に置き去りにして、祖母は知人を転々と訪ね、よく家を空けるようになったらしい。
その頃はまだ赤子だった自分の弟の面倒を見させられながら、一人苦労を強いられた幼少の母は、毎日涙をにじませる思いで日記に愚痴を綴った。
それでも文句一つ言わず、決して祖母の前では弱音を吐くことがなかったというのは、以前母の口から聞いた言葉だ。
でも、そんな父でも、母でも。
母にとってはかけがえのない両親だったのだろう。
-
なんとなく僕がそう思っていたのは、ひどく憤慨したように時たま昔の愚痴を吐く母の瞳に、
自分を放っぽり出した事への恨みが根ざした様子など、幼心にはみじんも感じ取る事が出来なかったからだ。
最期は、祖父と祖母の二人共が重い病に倒れた。
血のりを口元に固まらせ、ショッキングなほどにやつれてしまった祖母に、病院側は孫の面会を拒んだそうだ。
その時の僕が、メガネを曇らせて母が泣いている意味も理解できないような年頃だったからであろう。
今にしてみれば、その時のお医者先生が恨めしくも思う。
そういえば、少し小金が入った時には母は必ずあれを買ってきていた。
ろくに線香もあげない祖母と祖父の仏壇に、狭苦しく仏具の隙間に詰め込むようにして、それを置くのだ。
「すあま」というお菓子だ。
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1日置いたあとなら食べてもよいと言われていた僕も、これを好んでいた。
ほどほどにあまくて、もちもちとした食感に、腹ごたえのある餅菓子。
ピンクや白色が目にも鮮やかで、ぎざぎざに波打ったような形が、なんともおもしろい。
まるで太いなるとのような、縁起のよいお菓子である。
すあま。
言葉に出してみても、なんだか響きが柔らかでいて、可愛らしい語感が気に入っている。
どうしていつも母がこれを買ってくるのか、昔はわからなかった。
生前の母も口にしたことはなかったため、この先もわからないままだ。
だが何となく、祖母がこのお菓子を好きだったのではないかなと、今は思う。
祖父や祖母に対していい思い出がないと常々言っていた母もきっと、
心の底から祖父や祖母の事が嫌いだった訳ではないのだと思う。
―――みーん、みんみん。
-
母との懐かしい思い出に想いを巡らせ、ぼうっと墓前に突っ立っていた僕は、虫たちの鳴き声にやがて視界を取り戻す。
時計もなにも無いが、ただ陽炎の立つ地面だけが真昼どきの夏の暑さを報せてくれていた。
今では、何年も、何年もの間都会でがむしゃらに働いているうち、それなりの生活をおくれるようになった。
これから生涯をかけて、愛していこうと思える伴侶とも巡り会えた。
そうして、また別の愛する人とも、これから巡り会えるのだろう。
川 ゚ー゚)「おかあさん。
わたしも、もうすぐおかあさんになるみたいです」
('∀`)「こっちとしては残念だけど、きっと見てくれてるかな」
-
昔、母と二人で住み暮らしていたアパートは、いつの間にか取り壊されてのっぺらな駐車場になっていた。
昔、母が人気者として賑わいを見せていたスナックのあった土地は、すぐ向かいの魚屋が買い取っていた。
母が祖母や祖父と暮らした生家も、とうの昔に博打のかたに抵当に入れられ、売り払われている。
母や、僕が母と暮らした思い出の中で、形としてこの場所に残っているものは何一つもない。
けれど、母の眠るこの場所こそが、僕にとっては実家というものだ。
母さん―――「すあま」、お供えしておきます。
また明日、内藤の家から向こうに帰る途中で、食べに来るけれど。
内地の気候にすっかり身体が慣れた自分には、北海道の夏の風はとても涼しい。
今度は無理を押し通して冬に帰って来てみようと、妻と二人で話した。
-
>>93-101
祭りなるものがあるらしいのでと思って勢いで書いたんだけど、
あまりに辛気臭くて踏みとどまったすあまテロでした
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>>92
ラジオってどうやって録音するの?
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ググレカス
-
>>102
乙!
面白かった
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最近創作重くね?
書き込みも読み込みも
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創作板というかしたらば全部そうかな
運営会社が変わってサーバが移転してからめっきり重くなった
↓
http://blog.livedoor.jp/bbsnews/archives/54550025.html
サーバセンター移転に伴うしたらば掲示板サービスの一時停止のお知らせ
2013年07月17日|
・メンテナンス‐したらば
平素よりしたらば掲示板をご利用下さいまして誠にありがとうございます。
したらば掲示板のサーバーセンター移転の為、
下記の時間帯に起きましてサービスがご利用頂けなくなります。
日時:2013年7月30日(火) 6:00-18:00
※終了時刻につきましては、作業の進捗状況により変更する場合がございます。
理由:サーバーセンター移転のため
影響範囲:
・したらば掲示板ポータルサイトの閲覧
・したらば掲示板への新規登録、掲示板作成
・各掲示板の閲覧及び投稿
・各掲示板管理者への連絡機能
また、したらば掲示板のドメイン変更については、今回のサーバー移転時には行いません。
※ドメイン変更作業については、後日改めて実施させて頂きます。
ご利用いただいております皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしますが、
ご理解ご了承の程お願い申し上げます。
追記:2013年7月30日17時20分
サーバー移転作業が完了いたしましたので、お知らせいたします。
本作業に際しては、ご協力いただき、誠にありがとうございました。
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創作板というかしたらば全部そうかな
運営会社が変わってサーバが移転してからめっきり重くなった
↓
http://blog.livedoor.jp/bbsnews/archives/54550025.html
サーバセンター移転に伴うしたらば掲示板サービスの一時停止のお知らせ
2013年07月17日|
・メンテナンス‐したらば
平素よりしたらば掲示板をご利用下さいまして誠にありがとうございます。
したらば掲示板のサーバーセンター移転の為、
下記の時間帯に起きましてサービスがご利用頂けなくなります。
日時:2013年7月30日(火) 6:00-18:00
※終了時刻につきましては、作業の進捗状況により変更する場合がございます。
理由:サーバーセンター移転のため
影響範囲:
・したらば掲示板ポータルサイトの閲覧
・したらば掲示板への新規登録、掲示板作成
・各掲示板の閲覧及び投稿
・各掲示板管理者への連絡機能
また、したらば掲示板のドメイン変更については、今回のサーバー移転時には行いません。
※ドメイン変更作業については、後日改めて実施させて頂きます。
ご利用いただいております皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしますが、
ご理解ご了承の程お願い申し上げます。
追記:2013年7月30日17時20分
サーバー移転作業が完了いたしましたので、お知らせいたします。
本作業に際しては、ご協力いただき、誠にありがとうございました。
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あれー……「書き込みに失敗しました」って出たのに二重書き込みになってるー……?
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シベリアとかバローみたいな最果ての地でのんびり暮らす
そんな話が読みたいです
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タイトルが秀逸であるとか気に入ってるとか
そういうの教えてください
もちろんブーン系限定で
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>> 111
川 ゚ -゚) 痴漢と私のようです('A`)
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安価ミスった・・・すまん
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>>111
(゚A゚* ) 宇宙ではゲロも丸くなるようです
( ^ω^)唐傘男は団子好きのようです
ブーンがパンの袋を止める奴を噛んでたら折れて歯に詰まったようです
おしおきひーと ノハ///)おねえちゃん、そこはだめだようです
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AA×単語でお題くれ
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>>115
ξ゚⊿゚)ξ トランプ
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色々ありすぎて逆に思い浮かばん。最近のだとICO+Gかな
最初タイトルの意味分からんかったけど3話目にしてようやくGICOだと理解して「おー」って思った
俺頭悪すぎワロタ
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(;TДT)六
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>>115
从 ゚∀从+ローマ
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リロってなかったごめん
>>115
( ^ω^)+肉団子
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トンクス!
イメージ湧いた
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ヒキコモリ王子のようです
僕たちのピグマリオン先生のようです
の作者が書いてる作品わかるだけ教えてください
はまった
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>>122
('A`)は五文字の言葉より二文字の言葉を望むようです川д川
('A`)と川д川は付き合ってはいないようです
(-_-)ホタルのようです川д川
(-_-)忘れていたようです。
泡になりたいようです。
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>>123
さんくす
読んでみる
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>>102
乙でした!
最初から最後まで読んでしまった
「すあま」をあまり食べたことがなかったんだが、今度買ってみようかな…
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一人称が僕でもあまり違和感のないAAとは
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すあま
ググってもよく分からない物体だった
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>>126
トソンとか?
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>>97
山子ってなんだろ?
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>>126
モララー
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>>126
しょぼんは基本僕な希ガス
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そういえばモナーの一人称って何だ?
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>>132
基本何でもあり
ブーン系では一人称「モナ」をよく見かける
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>>132
モナか僕か
紳士をよくやるから私もありか
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漏れ
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>>132
おれっち ってのもどっかで見た気がする
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>>126
ダントツでブーン
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>>126
タカラとか
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>>133-136
サンクス
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>>125
ありがてぇ!自分もあまり食べたことはない
>>129
リアルに木こりとかして生計たてる人です
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休みになったしハロウィンだしなんか描きたいな
お題何個かおなしゃす
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>>141
どてかぼちゃ
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>>141
蝋燭
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>>141
マイケル・マイヤーズ
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