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('A`)百物語のようです2013( )
1
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 00:17:46 ID:z2vK43pU0
('A`)おーす
('A`)前スレと区別がつきやすいように今回は俺がメインだぜひゃーはー
('A`)ではルールのおさらいといこうか
・開催日は八月九日(金)から十八日(日)まで
※ただし投下できるのは金土日のみ。投下期間以外の本スレは作品の感想などご自由に使用してください
・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可
・レス制限は一作品30レスまで。それ以上は個別スレ建てをお願いします。
・ながらはNG。個別スレを建ててそこでやるのは可。
※個別スレ参加の場合
レス制限無し。
スレ立て
↓
百物語スレにて投下開始報告、URLを貼る
↓
投下終了後、百物語スレにて投下終了報告(その際、前の人の数字を引き継いで話数宣言)
・1人何話でも投下可!
※連続投下→次に投下する人がいないか確認を取り、無ければOK
※作品の投下間隔についてはルールはありませんが少し間を開けることを推奨します
・イラストでの参加も可!一話としてカウントします。
※ただし作品への支援絵は作品としてカウントしない
・開催時間は18時から翌朝7時まで
・話が終わったら本スレ(自分でスレを立てた人はそのスレでも可)で蝋燭のAAを貼る
前回百物語のスレ
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1344607128/
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1345353530/
前スレ
( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1372396645/
('A`)祭りはあと少し......百まで残り約半分......行けるか?
551
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:09:05 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「……僕は、僕だお」
( ^ω^)「僕は、ツンと一緒にいるお!」
ξ; ⊿ )ξ「……」
( ^ω^)「もし、怪異ってのがツンに危害を加えるなら、僕はツンを守るお!」
ξ ⊿ )ξ「……」
( ^ω^)「絶対守るお!」
( `ω´)≡つ≡つ「守るんだお! ボコボコにしてやんお!」 シュシュシュ!!
ξ ー )ξ「…………」
ξ* ⊿ )ξ「……そう、だよね」
552
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:10:22 ID:jN0YT7XQ0
ξ゚⊿゚)ξ「……ごめんね、勝手に呼び止めちゃって」
( ^ω^)「おっ……なんか知らんけど、納得してくれたならそれでいいお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう……よね、やっぱり、女は胸とか……足とか……だけじゃないわよね……」
( ^ω^)「えっ?」
ξ ⊿ )ξ「……ありがとう、ちょっと……不安になって……」
( ^ω^)「え、なんだお……なんだおこの雰囲気……ツンの頭の中でどういう思考回路が組み立てられていたんだお……」
ξ* ⊿ )ξ「……ッ」
ξ*゚⊿゚)ξ「いいからっ! 早く行きなさいよ! 司会者するんでしょ!?」
(;^ω^)「おおっ!! そうだお!! もうこんな……もうこんな時間だお!?」
553
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:11:56 ID:jN0YT7XQ0
(;^ω^)「ヤベェおヤベェお〜! そう、まず台本を探さなくちゃならないんだお!!」
(;^ω^)「ツン! 台本見付けたら教えてお!! メールくれお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「おう!」
(;^ω^)「そんじゃ! 僕は行くお!!」
⊂二二(;^ω^)二⊃「ブ――――‐ン!!」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「…………」
554
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:12:44 ID:IW9VAKCY0
かわいいなぁ
555
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:13:30 ID:jN0YT7XQ0
ξ*゚⊿゚)ξ「……あーあ、なーんか……」
ξ*゚⊿゚)ξ「ハッズいことしたなー……」
ξ*゚⊿゚)ξ「……あの幽霊め」
ξ*゚⊿゚)ξ「なにがデレちゃんよ、馬鹿馬鹿しい」
ξ*-⊿-)ξ ー3 ハァ
ξ-⊿-)ξ「ちょっと、不安になっちゃった私も私だけどねー……」
ξ゚⊿゚)ξ「さっ、台本とやらを探してあげるかな……」
……
…………
………………
556
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:16:39 ID:jN0YT7XQ0
………………
…………
……
( ^ω^)「あー、あー……、マイクテス、マイクテス……」
⊃¶
( ^ω^)「よしよし、マイクおkですおー、問題ありませんおー」
( ^ω^)「……え? ん、なに、聞こえてるって? ……今、会場に?」
( ^ω^)「……」
( ^ω^ )「どうも失礼いたしました! 皆さん! 司会のブーンですお!」
( ^ω^)「さて皆さん、『百物語のようです2013』いかがですかお?」
( ^ω^)「楽しんでますかお? 怖くて怖くて震え上がっていますかお!?」
( ^ω^)「しかしっ! 残念ながら! とうとう本日を持って祭り最終日となりますお!」
557
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:18:48 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「とっておきの話を出し惜しみしてる人も……」
( ^ω^)「まだまだ諦めずに足掻いてる人も……」
( ^ω^)「泣いても笑ってもこれが最後ですお!」
(;-ω-)「……こういうのを僕が言うのも、なんですけど」
( -ω-)「……ちょっと遅刻するくらいなら、許してあげないこともない……ですお」
( ^ω^)「規定上! タイムリミットは本日早朝7時!」
( ^ω^)「本日、8月19日の早朝7時までですお! お間違えの無いよう!」
( ^ω^)「この機会を逃したら、次は来年か……はたまた再来年か分かりませんが」
( ^ω^)「今年の百物語は残すところわずか! 投下するもしないも、存分に楽しみましょうお!」
558
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:21:34 ID:jN0YT7XQ0
('A`) 「はぁ〜、ったく……心配させやがって……」
('A`) 「……つーか、大遅刻しといて今更やるかよ、挨拶」
(´・ω・`)「こっちはとっくに勝手に始めてるのにねぇ」
川 ゚ -゚)「まあ、これでやっとまともに進行できるじゃないか、まともに」
('A`) 「ああ、なんか……正気を疑う謎企画のせいでな……みんな躊躇してるからな……」
(´・ω・`)「そういや……さっきそこでブーンとツンが何やら騒いでたんだけど」
川 ゚ -゚)「あぁー……」
(´・ω・`)「あれが遅刻の原因かな? あれが……」
('A`) 「えぇーマジかよ、祭り最終日に痴話喧嘩っすか……仲の良いこって……」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと、なんか嫌味な言葉が聞こえてくるんだけど」
('A`) 「ヘヘッ、今のは聞かなかったことに……」
559
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:22:51 ID:jN0YT7XQ0
('A`) 「……ってもさ、実際、そうだろ? 痴話喧嘩だろ?」
川 ゚ -゚)「痴話喧嘩に明け暮れてこれだけの大遅刻とは、情けないどころでは済まないな」
ξ゚⊿゚)ξ「いや別に、痴話とかそんな関係じゃないから」
(´・ω・`)「またまたぁ、本日も愛がゆえの鉄拳が炸裂してたじゃないですかぁ?」
ξ゚⊿゚)ξ「っていうか、そもそもさっきのアイツは……」
ξ-⊿-)ξ「……いや、まあいいわ」
ξ-⊿-)ξ「いいわよ、痴話喧嘩で、実際そんなもんだから」
川 ゚ -゚)「ほう……?」
('A`) 「馬鹿な……いつものツンなら真っ向から否定しにかかってくるのに……」
(´・ω・`)「コイツ本当にツンか? 偽物じゃね?」
560
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:23:41 ID:jN0YT7XQ0
ξ-⊿-)ξ「別にー?」
( ^ω^)「……おおっと! どうやらお時間のようですお!」
( ^ω^)「それでは、次は朝日が昇るころにお会いしましょう!」
( ^ω^)「皆さん、最後の頑張りに期待していますおー!」
( ^ω^ )ノシ「司会のブーンでしたお!」
ξ*-⊿-)ξ「……ちょっと、気分が良いだけよ」
.
561
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:25:09 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)百物語のボーナスタイム、のようです
(
)
i フッ
|_|
脱線が過ぎましたテヘペロ
いやほんと投下速度遅いわ突貫工事がミエミエだわで色々すんませんっした
562
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:25:58 ID:kvTNQZZI0
( トェェイ)←普通にトェェイと読んでしまったw
563
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:26:18 ID:IW9VAKCY0
乙!
チャンスタイムにふいたわ
564
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:26:32 ID:tGIwI98sO
投下が終わったばかりですが、イラストで蝋燭もらいます
.,、
(i,)
|_|
⌒*リ´・-・リ龍神様の嫁探しのようです(ФωФ )
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1117.jpg
(
)
i フッ
|_|
78本目 終わりました
565
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:28:12 ID:rOAjZfD60
ワロタ
本当にやるのかと思ってびびっちゃったよ
えっと78本目いただきます
.,、
(i,)
|_|
566
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:28:17 ID:O6WuuAK60
じゃあ79本目戴こう
お前ら、待たせたな
567
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:28:59 ID:O6WuuAK60
おっと、お先にどうぞ
568
:
もうしわけない先にいただきます、訂正で79本目です
:2013/08/19(月) 03:30:49 ID:rOAjZfD60
運命の女性のようです
( ・∀・)「…………」
いつもと同じように目覚めた僕の目に入ったのは、真っ赤な糸。
ベッド、床、居間。
どこまでもどこまでも続いていくそれに見覚えはなかった。
( ・∀・)(なんだこれ?)
手近にあった糸を手繰ろうと左手を伸ばして、
( ・∀・)「あ」
見つけた。
左手の薬指に、赤い糸が結ばれていた。
いや、絡み付いていたというほうが正しかった。
継ぎ目も結び目もないそれは、明らかに異常だった。
(;・∀・)(なんだこれ)
鋏を取り出し、それを切ろうとした。
……手が震える。
息が乱れ、鼓動が早くなる。
怖い。
これを切ってはいけない。
これは自分の体の一部、動脈か心臓のように大事な大事な臓器なのだ。
(; ∀ )(なに馬鹿なことを考えているんだ)
無意識に浮かんだ考えを一蹴しようとする。
だけど拭うことはできなかった。
569
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:31:51 ID:rOAjZfD60
(; ∀ )「……無理だ」
やむなくハサミを引き出しに戻し、恐る恐るもう一度触れてみた。
なんの変鉄もない糸だ。
綿でできているような、しかしいくら触っても毛羽立つことはなかった。
糸を引っ張ってみる。
……かすかに手応え、ピンと糸が張る。
どこかに繋がっていることはたしかだ。
( ・∀・)「…………」
僕は考える。
大学は今夏休みだし、バイトもない。
友人のほとんどは帰省してしまって遊ぶことはできない。
恋人はいた、でも。
( ・∀・)(やめたやめた)
あいつのことを考えるのは。
頭をがしがしとかきむしる。
じっとりとかいた汗が指に絡み付く。
そうだ、暇なのだ。
どうせ、暇なのだから、この糸の行方を探ろう。
( ・∀・)(この先にいるのはかわいい女の子かもしれないし)
今までバカらしいと思っていたけど、まったく信じていなかった訳ではない。
運命の赤い糸。
( ・∀・)「どこに導いてくれるのかな」
一人呟きながら、僕は家の鍵を手に取った。
570
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:33:02 ID:rOAjZfD60
外は晴天、地面と人を焼き付くす灼熱の太陽が燦々と輝いていた。
(;・∀・)「あっついなぁ」
ぼやきながら自転車を走らせる。
いつもならアスファルトに焼き疲れて無心でペダルを漕ぐのに、今日は軽快に進むことが出来た。
赤い糸の先に浮かれているからか、それとも夏休みだからか。
( ・∀・)「…………」
「モララーくん!」
後ろに乗せる人がいないから、かもしれない。
( ・∀・)「…………」
十字路を左折する。
川を越えて、自転車を降りた。
この先にある坂は、とてもじゃないけど自転車なんかでは登れないからだ。
そういえば中学のときに、二人乗りしてこの坂を登ろうとしたっけ。
立ち漕ぎして、踏ん張って、あの子からの気遣いをぶっきらぼうにはねのけて。
だけど、疲れてしまって、自転車は全く進まなくなってしまって。
「もう!無理しすぎなんだから」
荷台が急に軽くなった、と同時に後ろから支えられた。
それがなんだか悔しくて、僕は顔を真っ赤にしながら彼女のことを罵った。
なんで降りてしまったんだと、責めてしまった。
君を乗せて坂の上まで登りたかったのに、って。
571
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:33:33 ID:bSjWwjx20
wktk
572
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:34:26 ID:rOAjZfD60
そうしたら、
「隣で歩きながら坂を登るより、へろへろになりながら立ち漕ぎしてるほうがかっこわるいもん」って。
ごもっともだった。
なんで二人乗りで坂を登ることがかっこいいのだと思っていたのだろう。
( ・∀・)「…………」
坂を登りきる。
糸は坂の下へ、それより先にも続いている。
自転車に跨がり、一気に坂を降りた。
心地よい車輪の音、風のおかげで幾分か暑さが和らいだ。
糸が弛むことはなかった。
かといって、車輪に絡み付くこともなかった。
いつでもほどよく長さが調節されているような、不思議な感覚。
( ・∀・)(やっぱり、この糸は普通じゃない)
ガコンという衝撃とともに平地にたどり着く。
少し尻が痛い。
それでも構わずペダルを漕いだ。
住宅街を抜けて国道に出る。
帰省ラッシュで混んでいる道路を見ながら、田舎にいる親戚に顔を出さなきゃなぁ、なんて思った。
だけどあんまり会いたくなかった。
僕くらいの年でも、結婚だのなんだのとうるさいからだ。
( ・∀・)「…………」
横断歩道を渡り、それから五分ほどしてから中学校に着いた。
糸は校舎をぐるりと囲むようにして張られているようだった。
573
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:35:18 ID:rOAjZfD60
校門の周辺は賑やかであったが、裏門のあたりには人も車もいなかったので、僕は少しよそ見をして体育館を見た。
改修工事をしているらしく、工事用の目張りがしてあり、屋根しか見えなかった。
そういえば、三年生になる前のバレンタインで彼女から体育館裏に呼び出された覚えがある。
生チョコをもらった。
義理とも本命とも言われず、ドキドキしながらそれを食べて、あまりの嬉しさに身悶えした覚えがあった。
彼女は、とても綺麗で、僕と違って機転が利く子だったから、憧れていたんだ。
( ・∀・)「…………」
結局そのもらったチョコが、本命だと知ったのは一年後であった。
その時もチョコを、ガトーショコラをもらい、僕はお返しにクッキーをあげた。
すると彼女はボロボロと泣き出して。
「わたしじゃ、だめですか?」
と。
どうして泣くのか聞いたら、クッキーは友達でいようという意味なのだと答えた。
全然そんな気はなかったのに、僕はもうずっとずっと前から、中学の入学式のときから好きだったというのに。
トロ臭くていつも失敗ばかりしていた僕を助けてくれた彼女が、大好きだったというのに。
574
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:36:25 ID:rOAjZfD60
( ・∀・)「…………」
裏門を通りすぎて次の角を曲がったら、反対の車線を跨がって逆方向に糸が延びていた。
左右を確認してから車道を渡り、糸を辿る。
こちらのほうは、また住宅街が多くなるはずだな、と僕は思い出す。
彼女の家はこの近くであった。
( ・∀・)(あれ、)
見覚えのある道ばかりを通る。
よく彼女の家に遊びに行くときと同じ道だった。
( ・∀・)「…………」
案の定、そうだったらしい。
しかし彼女の家はとっくになくなっていた。
彼女がいなくなってから、両親は引っ越してしまったからだ。
土地を売り払い、家を潰し、更地となっていた。
( ・∀・)(今は売りに出されているんだ)
暑い風にはためく、やたらと派手な不動産屋ののぼりを見て僕は理解した。
575
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:37:29 ID:rOAjZfD60
……二階建ての、立派な家だった。
僕の実家は団地で自分の部屋がなかったけど、彼女は自分の部屋を持っていた。
初めて部屋に招かれた時のことを思い出す。
彼女の部屋はこざっぱりとしていて、明るくて、清楚な女の子のにおいがした。
そのにおいも、彼女が成長していくうちに薄れていってどんどん華美なものへと変化していってしまったけど。
それでも僕は、好きだった。
どんなに変わってしまっても彼女は彼女であったから。
( ・∀・)「…………」
自転車を漕ぐ。
住宅街を走り抜け、工場地帯へと入る。
ここらへんは昔は栄えていたけれど、今となっては閉鎖している工場も多くそのまま放置されているものが多い。
( ・∀・)(……近付いてきている)
彼女の死に場所に。
もう少し先を行けば廃工場があって、やたらと高く建てられた事務所のビルがある。
( ・∀・)(やっぱりそうだ)
黄色いテープが張られて出入りを禁じられている門の近くに自転車を止める。
テープを掻い潜り、糸を追う。
576
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:39:05 ID:rOAjZfD60
( ・∀・)(ああ、)
糸は、例の事務所のビルに続いていた。
鍵の壊れた扉を開ける前に、ちらりと横を見る。
雨に流されたチョークの線が、うっすらと残っていた。
扉を開け、物が散乱しているそのなかを転けないよう気を付けて歩く。
( ・∀・)(…………)
「あのね、モララーくん。わたし、先輩に襲われちゃったの」
え?
「お酒飲みすぎちゃって、新歓コンパで……。本当にごめんなさい、ごめんなさい。なんでもするから許して、もうお酒も飲まないから」
……大丈夫だよ、嫌いにならない。
きみは悪くない。
「悪いよ、だってわたし、恋人がいるのに、こんな」
怒ってないから、大丈夫だって。
「……なんで怒ってくれないの?怒ってくれたら、わたし、許されたって……ちがう、勝手すぎる、モララー、ねえ」
落ち着いて、落ち着いてよ。
僕は、本当に怒ってないし、許しているから。
「ごめんなさい、モララー、ごめんなさい」
( ・∀・)「…………」
僕の感覚は、いつでも彼女とずれていた。
彼女が望むものを差し出せたことがあっただろうか?
僕は、彼女のためになにができたんだろうか。
( ・∀・)(屋上に来てしまった)
糸は、まだまだ続いている。
屋上の扉から柵まで一直線に。
577
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:40:08 ID:rOAjZfD60
そして、柵を通り越して垂れ下がっている。
ああ、いる。
この先に、あの娘がいる。
ゆっくりと、歩く。
焦れったい。だけど、こんな自分が、彼女に会っていいものかと思うと、歩みが遅くなる。
( ∀ )(僕のせいだ)
彼女が死んだのは、僕のせいだ。
ただ優しく接していればいいってものではなかった。
彼女が望むなら、それを責めるべきだったのだ。
僕は、僕は。
( ∀ )「…………」
すぅ、と息を吸う。
柵に手をかけ、体を乗り上げて、下を覗いた。
ミセ,"、。)リ
( ∀ )「あ……」
仰向けの体。
投げ出された四肢の、左手に、赤い糸。
潰れた顔が、片目が、僕の両の目とかち合う。
578
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:40:11 ID:bSjWwjx20
うわぁ…
579
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:41:48 ID:rOAjZfD60
(; ∀ )「ミセリ、」
僕の、大好きな女の子。
たくさん傷つけてしまった恋人。
あんなに綺麗だったのに、こんなに顔を歪ませて。
ごめん。ごめんなさい。
殺してごめんなさい。
きみのしたことは、他人からしたら顔をしかめられるようなことかもしれないけど、でも僕にとってはそれより、きみが素直に謝ってくれたことが嬉しくて。
裏切らずに僕のもとに帰ってきたことが嬉しくて、それだけで許してしまえたから。
( ∀ )「ミセリ、」
きみを責めたくなかった。責めるくらいならそんな事実を忘れるくらい幸せに、満ち足りた幸せを共有できたら、って。
だけど、それできみがいなくなったら、意味がないじゃないか。
( ∀ )「ミセリ、」
大好きだ。
今でもずっときみを好いていた。
会いたいと願っていた。
君は不本意かもしれないけど、でも。
君に会えて嬉しい。
ああ、ミセリ。
580
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:43:45 ID:rOAjZfD60
( ∀ )「愛してるんだ」
糸が、揺れる。
どうして、なんて考えない。
僕はミセリに会えたことが嬉しかったから、この目にすべてを焼き付けようとしていた。
( ∀ )「ミセリ」
呼んだ刹那。
ミセ,"、。)リ「 」
ミセ,"ー。)リ「 」
ミセ,"о。)リ「 」
微かに、しかしはっきりと聞こえた。
( ・∀・)「ミセリ……!」
次の瞬間、僕の体は宙に投げ出されていた。
いつ柵を越えたのか、そんなのはどうでもいいや。
ミセリ、ミセリ。
ずっとそばにいよう。
ずっと、ずっと、…………。
581
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:44:51 ID:rOAjZfD60
ミセ*゚ー゚)リ「ねえねえ、モララーくん」
( ・∀・)「うん?」
ミセ*゚ー゚)リ「昔はね、心臓と左の薬指は太い血管があると思われてたんだって」
( ・∀・)「へえー?」
ミセ*゚ー゚)リ「それで愛は心臓に宿るから、その愛を指輪で繋ぎ止めようって意味なんだってさ」
( ・∀・)「じゃあ、糸だと絡めとられちゃいそうだね」
ミセ*゚ー゚)リ「ねー」
ぐしゃり
582
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:45:51 ID:rOAjZfD60
ファム・ファタールのようです
(
)
i フッ
|_|
583
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:47:21 ID:rOAjZfD60
お粗末さまでした
>>566
待たせてごめんなさい、ありがとうございました
584
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:47:22 ID:bSjWwjx20
なんという鬱ルート……最期は幸せだったのか
乙
585
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:51:34 ID:O6WuuAK60
難しいなぁ男女関係って
じゃあ、80本目行っちゃうね
ほのぼのギャグだから身構えないでいいよしなくていいよ
586
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:52:18 ID:O6WuuAK60
.,、
(i,)
|_|
587
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:53:08 ID:O6WuuAK60
『私はヨーゼフ・ハイター博士だ』
原作:The Human Centipede
『互いの内臓を接合することで』
邦題:ムカデ人間
『三体をひとつの結合体にする』
百物語参加作品
.
588
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:53:50 ID:O6WuuAK60
『Aが摂取した食物は、Bの内臓を通過して』
A B C
'⌒ヽ __ '⌒ヽ __ '⌒ヽ __
l` ー---‐' `ヽ l゚ ー---‐' `ヽ l^ ー---‐' `ヽ
→ ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽ →
` ー- 、 | ` ー- 、 | ` ー- 、 |
l / イ | l / イ | l / イ |
│ 厂 ̄´ │ ,′ │ 厂 ̄´ │ ,′ │ 厂 ̄´ | ,′
/ ,' | l / ,' | l / ,' | l
/ / l ー──/ /、 l ー──/ /、 l ー─── 、
/ / └───/ / │ └───/ / │ └────┐│
し'´ し'´ Lノ し'´ L.ノ L.ノ
『最後にCへと至る』
589
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:55:05 ID:O6WuuAK60
『ムカデ人間を創るのだ』
.
590
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:56:32 ID:O6WuuAK60
ゼミで小耳に挟んだカルト映画を、軽い気持ちで借りて観た
最悪の発想で人間を弄くるマッドサイエンティストのホラー映画
もし自分が、彼女達と同じ目に遭えば…そう思うと、とても恐ろしい気持ちになった
だけど同時に、僕の心は何故か高揚していた
『ムカデ人間を創り、飼う』
尊厳のある人間を辱め、恐怖に貶める行為に、ヒエラルキーの最上位のみが味わえる支配欲のようなものを感じ取ったからなのかもしれない
『つなげてみたい』
僕は家の倉庫からバールを引っ張り出し、バックの中に忍ばせた
591
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:57:25 ID:O6WuuAK60
『つ・な・げ・て・み・た・い』
.
592
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:58:11 ID:O6WuuAK60
素材は出来る限り、人を下に見るクズがいい
( ゚∀゚)「ギャハハハハwwww」
ξ゚⊿゚)ξ「ウケるーwwwww」
ああ、ちょうどああいうDQNカップルとかね
さて、問題はどう拉致するかだ
運が悪い事に日本は銃社会じゃない。そうだとしても麻酔銃や拳銃なんか、学生が用意できるはずも無いしね
じゃあどうするか?人間は頭を使う生物だ
ξ;=;)ξ「ンンンンンンン!!!!」
まずは女を拉致する
ひ弱な僕でも女子の一人くらいならどうとでも出来る
次に、彼女の携帯からDQN宛に写メを添付した脅迫メールを送信する
すると
(#゚∀゚)「出て来いオラァ!!デレになんかしやがったらぶっ殺す!!」
クソカス程度の正義心と、カッスカスな蛮勇を持ち合わせてるバカが『狩場』へとやってくる
真正面から喧嘩をする必要は全く無い
後ろから、ガツンと一発
(; ∀ )「ガッ…」
それでおしまい
593
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:59:24 ID:O6WuuAK60
(;゚ー゚)「こんな深夜に何の用なのよ…」
これも、背後からガツンと一発
(; ー )「ア…」
これで数は揃った
レンタルしたガレージに三人を運び込み、手足をギチギチに拘束する
(#゚=゚)「んんー!!」
途中で男が起きたので、頭にもう一撃ぶち込む
( = )「…」
男はタフだから嫌になる
594
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:01:03 ID:O6WuuAK60
次に、手術に必要な道具を揃えよう
残念ながら僕は医者や病院のコネを持っていない
したがって、専門的な道具など用意できない
多少の激痛は伴うけど、工具でなんとかするとしよう
メスの代わりに包丁を使って、膝のお皿はペンチで引っこ抜こう
歯もペンチで無理やり引っこ抜いて…ああ、ハンマーで叩き折ってもいいかな
さすがにお尻や口を無理やり切り裂いたら、痛みと出血でショック死するかもしれない
ここは…うん、見た目は悪くなるけど、工業用ホッチキスでなんとかしよう
せめて痛みを和らげれるように、酒も用意した
注射器か何かがあれば、手っ取り早く酔わせることが出来るんだけど…まぁ、無理やり飲ませるだけでも大丈夫だろう
後は…ムカデ人間一番の醍醐味、食事だ
手っ取り早く漏斗を喉につっこんで、下剤を混ぜた流動食を流し込もう
一番前の人には苦しい思いをさせるけど、口の中に他人の糞が流し込まれることに比べれば楽なもんだろう
595
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:01:43 ID:O6WuuAK60
全ての道具を揃えて、ガレージへと戻ると
ξ;=;)ξ「ンンンンンンンン!!!!」
(#゚=゚)「ンーン!!!!」
(*;=;)「ウウウウウウウウウ!!」
ちょうど全員が目を覚ましていた
これは好都合だ。あのシーンの再現が出来る
格好だけでも彼に近づこうと思って購入した白衣を着て、三脚で立たせたビデオカメラを起動する
ノートPCを取り出し、パワーポイントを開いた
A B C
'⌒ヽ __ '⌒ヽ __ '⌒ヽ __
l・ ー---‐' `ヽ l・ ー---‐' `ヽ l・ ー---‐' `ヽ
→ ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽ →
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し'´ し'´ Lノ し'´ L.ノ L.ノ
最もわかりやすいムカデ人間の図が画面に映し出される
彼らに見え易い位置にそれを置いて、胸ポケットからボールペンを取り出し、説明を始めた
596
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:03:25 ID:O6WuuAK60
「これより、ムカデ人間の施術を執り行う」
(#゚=゚)「ンーーーーー!!!」
男がうるさい
ため息を吐いたあと、立てかけていたバールを手に持った
(;゚=゚)「…」
途端に口を噤む
最近観たアニメで、「躾に一番効くのは痛みだ」という台詞があったが、なるほど、的を得ている
「よろしい」
再び説明に戻る
「ムカデ人間とは、口を肛門を接合し、先頭の人間が摂取した食べ物を共有する新しい生物だ」
あくまでゆっくりと、彼らの反応を楽しみながら話す
「Aが摂取した食事はBへと移り…」
「そしてCへと至り排出される」
ξ;=;)ξ「ンンン!!ンゴッ!!ンゴッ!!」
吐き気を催しているのだろうか
その表情がたまらなく僕の嗜虐心を刺激する
「そして、脚のお皿を切除する事によって、より『ムカデ』に近い容姿と行動が可能になる」
「私には医術の知識が無いため、多少荒っぽい手術になってしまうと思うが…そこは堪忍して欲しい」
(*;=;)「ううううううううううううううううう!!!!」
(;゚=゚)「んんッ!!んんんッ!!!!」
597
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:04:06 ID:O6WuuAK60
泣き喚く彼らを尻目に、ビデオカメラに向かってメッセージを残すことにする
「このビデオを見ている諸君は、どのカテゴリに属する人間だろうか?」
「人を見下すことに面白みを感じる人間か?それとも、人とすこし違っているだけでバカにされる人間か?」
「私は後者だ。群れることでしか粋がれないクソどもに笑いものにされるだけの、日陰者だ」
「そんな人たちを代表して、私は今ここにささやかな復讐をする」
「見ろ!!こいつらを!!」
床に転がる三人を指差す
「酒とタバコとセックスしか頭にないクソ共だ!!我々よりよっぽど無価値のゴミだ!!」
つい感情的になって、男の頭を蹴飛ばしてしまった
(メ ∀ )「ウウウ…」
「もしあちら側のカテゴリに属する人間がこれを見ているのなら…覚えておけ」
「貴様らのツケは、いずれこういう形で帰ってくるとな」
「それでは、手術を開始する」
598
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:05:04 ID:O6WuuAK60
男の猿轡を剥がす
(#゚∀゚)「てめえイカレてんのかこのキチガイ野郎!!」
途端に噛み付いてきた
ああ、まだコイツは自分の立場というものをわかってないのか
前歯に酒瓶の底を叩きつける
(; ∀ )「アガアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「黙れよ…」
全く、イライラさせるクソだ
「今しがた、押し付けられた劣等感を思い返して不機嫌なんだ…出来るだけ丁寧に手術して欲しいなら、大人しくしろ」
酒瓶の蓋を開け、注ぎ口をむりやり突っ込む
(;゚∀゚)「やめっ…おごごごごごごおおおおおお」
「残らず飲めよ…酒で溺れ死にたくないのならな…」
(;゚∀゚)「んぐっんぐっんぐっ…」
40度近い酒を一気に流し込む
たちまち、男の顔は高揚し、目はぐるぐると回りだす
アルコール中毒で死ぬ可能性もあったが、その時はその時だ
(; ∀ )「てめ…殺す…」
まだ噛み付く元気があるのか
だけど、抵抗はしないな
599
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:06:31 ID:O6WuuAK60
再び猿轡をして、次は女だ
(*;―;)「ねぇ!!助けてよ!!私は関係ないでしょ!?」
こいつは何を勘違いしているのか
この行動をDQNカップルへの私怨だと思っているらしい
「ああ、関係ないよ」
(*;―;)「なら!!」
「でも、お前らみたいな奴なら誰でも良かったから」
(*;―;)「え…」
これ以上の問答は無意味だ
二本目の酒を流し込む
(*;―;)「ンゴゴゴゴッ!!ゴフッ!!」
おっと危ない、殺してしまう
(*;―;)「ゲホッ!!ゲホッ!!」
しばらく咳き込ませた後、残りを注ぎ込む
こっちはもう騒ぐ元気も無いみたいだ
600
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:08:06 ID:mtmv.fjI0
きが くるっとる
601
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:09:08 ID:O6WuuAK60
さて、残りの女もさっさと潰してしまおう
立ち上がった瞬間
('A`)「よぉ」
「!?」
誰だ、こいつ
('A`)「そらよっと」
頭に鳴り響く衝撃音が
その日、最後の記憶―――
602
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:10:01 ID:O6WuuAK60
「ギッ!!」
脚の痛みで目を覚ます
皮膚が、肉がぶちぶちと引きちぎれる音に
膝の骨と皿の間に鉄の塊が無理やり差し込まれ、そして『挟み込まれる』
('A`)「せーのっ」
やめ――――
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
(;'A`)「っふう…意外と力使うんだな」
「あああああああ…」
激痛で、再び意識を失った
603
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:11:34 ID:O6WuuAK60
('A`)「おい、起きろ」
「う…」
ペシペシと顔を叩かれ目を覚ます
膝が痛い、そして尻も
('A`)「立ってみろ…いや、立ち上がることはもう金輪際出来ないだろうけどな」
男の顔が横に見えることから、自分が寝転んでいるんだとわかった
床が冷たい。服が脱がされている
立ち上がろうと力をいれても
『立てない』
上半身を起すことが出来ても、下半身がついていかない
『重り』が付いているかのように
\ううー/
尻に、音の振動を感じた
顔だけを、ゆっくりと後ろに向けてみる
604
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:12:35 ID:O6WuuAK60
'⌒ヽ __ '⌒ヽ __ '⌒ヽ __
l・ ー---‐' `ヽ l・ ー---‐' `ヽ l・ ー---‐' `ヽ
→ ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽ →
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し'´ し'´ Lノ し'´ L.ノ L.ノ
私を先頭に、十数名の人間が『繋がっていた』
605
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:12:42 ID:mtmv.fjI0
痛くなってきた…
606
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:13:44 ID:kvTNQZZI0
これがムカデ人間か.....
607
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:14:17 ID:O6WuuAK60
('∀`)「いやぁ、隣がドタバタうるさいって思ってたら、まさか俺と同じ事をしようとしてた奴がいたとはな」
目の前の男は嬉しそうに笑う
('∀`)「ビデオカメラ見さしてもらったけど、くだらねー理由でムカデ人間創ろうと考えたなおいwwww腹ねじ切れるまで笑ったわwwwwま、人集めが楽になったから万々歳なんだけどよwwwwww」
私は、今の状況に呆然とするだけで
何も言い返せなかった
('∀`)「俺?俺かい?決まってんだろ」
('∀`)「ムカデ人間が好きだから!!大好きだからああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
('∀`)「俺ってばこだわるオタクでな、ファンになったらとことんやんなきゃ気が済まんのよwwwwwwww」
('∀`)「さ、起きろ起きろ!!!!!!俺の目の前で歩いてみせてくれ!!!!!」
そういうと男は自らの『モノ』を取り出し、扱き始めた
「…」
後列も目を覚まし、愕然としながら起き上がる
全裸になって、四つん這いで、口には他人の尻が、尻には別の他人の口が繋がっているのだ
これ以上無い絶望の表情を浮かべながら、『ムカデ達』が立ち上がる
('∀`)「ふひっ、ふひひひひっwwwwwww」
男のモノから白濁の液体が飛び出す
だが、一向に治まる気配は無かった
608
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:14:18 ID:VsBIKW7w0
吐き気が…
609
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:16:27 ID:O6WuuAK60
私は今になって
『ムカデ人間』となった今になって、やっと心の高揚の『本当の意味』を理解した
私は、『先頭に立ちたかったんだ』
後ろの人間は、何が何でも先頭に従わなければいけない
私が歩けば、そこに着いていかなければならない
私が食べたものは、後ろの人間も食べなければいけない
決して逆らうことの出来ない、絶対的なヒエラルキーの最上位に、私はなりたかったんだ
「フヒッ…」
念願叶った私の口から、笑い声が漏れた
自慰に夢中な男の耳にも
絶望に打ちひしがれる後列にも聞こえない、小さな笑い声が
ああ、なんだか『もよおして来た』ぞ
みんな腹を空かしていることだろう
さぁ、餌の時間だ
私は、腹筋に力を入れ―――
610
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:17:52 ID:O6WuuAK60
『つ・な・げ・て・み・た・い』
改め
『つ・な・げ・ら・れ・た・い』
終わり
.
611
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:18:34 ID:O6WuuAK60
※ムカデ人間及びこの物語はフィクションです。絶対に真似しないようにしましょう。
.
612
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:19:42 ID:O6WuuAK60
(
)
i フッ
|_|
613
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:19:42 ID:kvTNQZZI0
ま、マジキチだああああああああああ
614
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:20:18 ID:Jj1JIBWg0
あぁ、うん、乙……
615
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:20:54 ID:FSG.adoM0
乙乙
81本目もらいます
.,、
(i,)
|_|
616
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:20:59 ID:OU2K1w3U0
こわい
617
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:21:16 ID:8ytUi/KEO
乙乙……うええ……
最近ブーン系でムカデ人間よく見るから何かと思えば、作品スレで取り上げられていたんだな……
あれ先頭と真ん中はともかく、最後尾は全然栄養とれねえよなって気になってた
618
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:21:23 ID:bSjWwjx20
乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
619
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:21:49 ID:FSG.adoM0
( ・∀・) 「松明流し」……ですか?
(#゚;;-゚) はい、それがうちの集落で行われている祭りの呼び名でございます
氷の入ったグラスに麦茶を注ぎ、少女は僕の問いに応える
「どうぞ」と差し出されたそれを受け取ると、少女は押入れから座布団を取り出して、僕の斜向かいに腰を下ろした
(#゚;;-゚) 毎年お盆に行われる祭りなのですが、他所様からは「奇祭」などと呼ばれることもございまして
(#゚;;-゚) 時々あなた様のように「詳しく話を聞きたい」と訪ねていらっしゃる方々もございます
(#゚;;-゚) 決して華やかな祭りとは言えませんが、その程度には見所のある物なのでしょうね
麦茶を飲んで、一息
玄関の方に目をやると、少女は僕の心情を見通したように言った
(#゚;;-゚) ……祖母が来るまでまだ時間がございます
(#゚;;-゚) もしお望みでしたら、祭りについて、私が知っている範囲でお話致しましょうか?
( ・∀・) それじゃあ、お願いしてもいいですか?
そう言って麦茶を飲み干すと、少女はにこりと微笑んで空のグラスに二杯目を注ぎ込んだ
(#゚;;-゚) 北国でも、夏は暑いのですよ?
何気なく放ったであろうその一言が、僕にはなぜか酷く印象に残っている
620
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:22:00 ID:O6WuuAK60
皆さんお疲れ様でした
ムカデ人間、ムカデ人間2はこれ以上の狂気とグロとスカトロを味わえるので是非一度ご覧ください
621
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:22:51 ID:FSG.adoM0
.
奇祭の夜のようです
.
622
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:23:38 ID:FSG.adoM0
「叔父の住む集落には、奇祭と呼ばれる祭りがある」
今からつい3日前、夏休み真っ盛りの僕は、あまりの暑さと退屈さに耐えかねて何らかの変化を求めていた
所謂「なにか面白いこと無いかなぁ」というやつだ
そんな状態の僕の耳に入ってきたその情報は、まさに朗報というべきか、天の恵みというべきか
とにかく僕は急いで準備を整えて、祭り当日、今日の始発列車でこの東北の片田舎へとやって来たのである
( ・∀・) というわけで2、3日ほどお世話になります
( ´∀`) 久し振りモナね。最後にあったのは5年くらい前モナ?
( ´∀`) お父さんから話は聞いているモナ。ゆっくりしていきなさい
( ・∀・) はい、ありがとうございます
( ´∀`) お祭りについて知りたいなら、タヌさんのところに行ってみるといいモナ
( ・∀・) タヌさん?
( ´∀`) モナ、狸娘だからタヌさん。この集落の長老みたいな人モナ
( ´∀`) すごい人モナよー、叔父さんが子供の時からずっと婆さんやってるモナ
( ´∀`) どうする? もしも行くなら、叔父さんから話を通しておいてあげるモナ
「叔父さんこれでも、ちょっとは顔が利く方モナよ?」
そう言って誇らしげに鼻を鳴らす叔父に苦笑しつつ、僕はその言葉に甘えることにした
見知らぬ外部の人間として訪ねるよりはそちらのほうが幾分かやり易いだろう。そう思ったのだ
623
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:24:22 ID:FSG.adoM0
( ´∀`) 今電話してみたら、オーケーが出たモナ
( ・∀・) ホントに?
( ´∀`) モナモナ、「いづでも来なが」って言ってたモナ
( ・∀・) ……なんて?
( ´∀`) 「いつでもいらっしゃい」って意味モナ。方言モナよ、方言
( ´∀`) この辺りの人、特にお年寄りは訛りが強くて大変モナ
( ´∀`) 孫娘のでぃさんが通訳してくれるらしいから、挨拶はしっかりしておくモナよ?
( ・∀・) 通訳って……
そうしてお話は、冒頭へ戻る
624
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:25:14 ID:FSG.adoM0
(#゚;;-゚) そうですね、それではまず松明流しの内容について……
(#゚;;-゚) さらに細かく言うと松明流しがどのようにして行われるのかについて、お話し致します
( ・∀・) はい
(#゚;;-゚) 松明流しはその名の通り、大量の松明を用いて行われるお祭りでございます
(#゚;;-゚) この祭りでのみ演奏される独特の囃子を先導に、藁で出来た松明を持った参加者が集落内を周回します
( ・∀・) 囃子……お祭りの時に演奏される音楽のことですよね?
(#゚;;-゚) はい。松明流しの祭囃子に使う楽器は和太鼓、篠笛、摺鉦の3つです
(#゚;;-゚) 曲目は登り囃子と下り囃子の二部構成となっておりますが、これは順路が往路と復路に分かれているためです
( ・∀・) 往路と復路ですか
(#゚;;-゚) ええ、そうです
( ・∀・) ということはただ漫然と集落内を歩き回るわけではなく、明確な目的地があるということですね?
(#゚;;-゚) ……?
( ・∀・) 往路と復路なんて言葉を使うということは、「行き」と「帰り」を分ける何かが存在するということですから
(#゚;;-゚) ああ、なるほど。納得です
625
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:25:56 ID:FSG.adoM0
(#゚;;-゚) 確かにあなた様の仰る通り、この祭りには目的地がございます
(#゚;;-゚) この集落の外れには、小さな塚がございます
(#゚;;-゚) 集落内では蛇塚などと呼ばれておりますが、正しい呼び名は「天明供養碑」
(#゚;;-゚) 天明の飢饉の犠牲者を弔うために建てられた、碑を祀る塚でございます
( ・∀・) ……へぇ
天明の飢饉
江戸中期、東北地方を中心として起こった大飢饉で、日本最大級の飢饉とされている
食料不足による集落間の殺し合いや「間引き」による口減らし、果ては人肉食まで、様々な伝承が存在する伝説的な災害だ
( ・∀・) なるほど。つまり松明流しとは、飢饉の犠牲者を供養するための祭りなのですね
(#゚;;-゚) はい、左様でございます。慰霊、鎮魂、回向……そのような意味を持つ祭だと聞いております
626
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:26:56 ID:FSG.adoM0
(#゚;;-゚) そして辿り着いた蛇塚にて、祭りは山場を迎えます
山場……「松明流し」の山場となると、予想するのは難くない
闇の中、静かに揺れ動く幾つもの灯。水面は朧気に炎を映し、人々はその炎に亡き者の姿を見る
僕の脳裡には、世界各地で行われている「灯篭流し」の光景が浮かんでいた
(#゚;;-゚) ……いいえ、先程申し上げた通り、この祭りはそのような華やかなものではございません
( ・∀・) え……?
(#゚;;-゚) 蛇塚の周囲には、塚を取り囲むように掘り下げられた溝のようなものがございます
( ・∀・) 溝ですか? 川ではなく?
(#゚;;-゚) 環状に掘られた穴、と言っても良いでしょう。深さは……2メートル前後といったところでしょうか
(#゚;;-゚) 参加していただければ分かると思いますが、水はなく、草木も生えていない、ただの穴です
(#゚;;-゚) 参加者はその穴の前に等間隔に立ち、順番に穴の中に松明を投げ込みます
( ・∀・) それで、その後はどうするんですか?
(#゚;;-゚) それで、終わりでございます
( ・∀・) はい?
(#゚;;-゚) 後は下り囃子の先導に従って集会所に帰還。そこで祭りは終了でございます
(#゚;;-゚) 祭りの後はささやかながら宴会の準備をしておりますので、よろしければそちらもご参加ください
627
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:28:04 ID:FSG.adoM0
( ・∀・) 終わりですか……
(#゚;;-゚) 全体的な流れとしては、そうなります
(#゚;;-゚) 祭りの雰囲気や宴会の内容等は実際に参加していただいて、ということで
( ・∀・) 宴会の内容? それは祭りと関係があるんですか?
(#゚;;-゚) ええ、私はよくわかりませんが、大人の方々は宴会まで含めて祭りと考えている節があるようです
( ・∀・) なにか特別なことをしている、というわけではないんですか?
(#゚;;-゚) いえ、何も。あえて言うなら……そうですね……
(#゚;;-゚) 内容自体は普通なのですが、非常に長時間……翌日の昼頃まで宴会は続きます
(#゚;;-゚) その時間の長さに関しては「特別」と言っても差し支えないのではないでしょうか
( ・∀・) なるほど、確かにそれは少し変わってますね
話が一段落ついたところで、がらがらと玄関の戸が開く音がした
狸娘さんだ。僕が慌てて立ち上がり部屋を出ようとすると、でぃさんがそれを引き止めた
(#゚;;-゚) 私が呼んで参ります。少々こちらでお待ちください
628
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:28:50 ID:FSG.adoM0
<バッチャ!! モナサンノドゴノキテラヤ!! ヘグ!! ヘグ!!
<ンダガ!! マヅロ!!
玄関から二人の会話が聞こえてくる
狸娘さんはともかく、でぃさんの言葉さえ、何を言っているのかよくわからない
僕と話していた時の過剰な程の敬語はこれを隠すためのものだったのだろうか
(#゚;;-゚) お待たせ致しました。こちらが祖母の狸娘でございます
しばらくして戻ってきたでぃさんは軽く頭を下げてそう言った
背後には老婆。長年の農作業によるものだろうか、ひどく背中が曲がっている
从´ヮ`从ト モナどごのわらすだべ、きでらや
( ;・∀・) え?
(#゚;;-゚) 「モナーさんの所のお子さんですね、聞いていますよ」と
( ;・∀・) は、はぁ……。甥のモララーです、よろしくお願いします
从´ヮ`从ト ンダガンダガ ハダゲスゴドステラ エマデアサグノテギダーテギダ-テラキャギコノドゴノワラハンドガノセデケデロ-?
( ・∀・) ……今のは?
(#゚;;-゚) ええっと、畑仕事から歩いて帰るのが面倒だと思ってたら近所の人が車で送ってくれた……みたいな……
(#゚;;-゚) 申し訳ありません、祖母は特別訛りが強く、私も完全には……
629
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:29:31 ID:FSG.adoM0
从´ヮ`从ト すて、わはなんの話ばせばいのや?
(#゚;;-゚) 「それで、私は何の話をすればいいのか」と
( ・∀・) そうですね、「松明流し」について、起源や歴史、伝承などを教えていただきたいのですが……
从´д`从ト ……わいはー。ねのおじかしからきでねだが
(#゚;;-゚) 「あらま、お宅の叔父さんから聞いていないのか」と
( ・∀・) はい、狸娘さんに聞くのがいいだろうと言われました
从´д`从ト わい! なんぼからぽねやみだだべ!
(#゚;;-゚) 「本当に面倒臭がりなんだから」と
从´ヮ`从ト すたばたてかででけろてさいだんだばかでねばまねべな
(#゚;;-゚) 「とは言っても面倒見てくれと言われたならそうしないといけないだろうなあ」と
从´ヮ`从ト へば、あだまがらしゃべてぐが……
(#゚;;-゚) 「それじゃあ、一番初めから話していこう……」
そうして狸娘さんが語ったのは、松明流しに関するなんとも悲しいお話だった
从´ヮ`从ト むがーすむがす、このあだりできぎんがあってろー……
(#゚;;-゚) 「昔々、この辺りで飢饉がありまして……
630
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:30:22 ID:FSG.adoM0
昔々、この辺りで飢饉がありまして
天明の飢饉というのですが、冷害などの影響で、全く作物が取れなくなってしまったのです
周囲の集落でも沢山の人々が亡くなりました。消えてしまった集落もあるほどです
人々は飢えのあまり、道に生えた雑草や木の根、仲間の死体、ついには家の壁土まで口にしたといいます
しかしながら私達の住むこの集落だけは、充分な食料を確保することが出来ました
この辺り一帯を治めていた地主様が、飢饉を見越して大量の作物を備蓄していたためです
( ,,^Д^) この米を集落の皆に食べていただきましょう
( ,,^Д^) 恩など感じる必要はありません。皆がいなければ私だって生きていくことは出来ないのですから
地主様は集落内の者に作物を分け与え、集落内の者はそれによって飢えをしのぐことが出来ました
この噂は他の集落にまで伝わり、多くの飢えた民が地主様のもとへやって参りました
地主様はそれらの民を客として招き入れ、全員に充分な食料を与えました
631
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:31:08 ID:FSG.adoM0
さて、少し話は変わりますが、ここから山を二つほど越えたところにNという集落がございました
この集落は住民の殆どが工業を生業としており、農具や武具を作っては売り、そのお金で食料を手に入れていたそうです
当然ながら飢饉の影響は、この集落にまで及びました
(;´_ゝ`) どうして売ってくれないんだ!? 金ならあると言っているだろ!
(;@∀@) 冗談じゃないよ。あんたらに売ったら、俺が飢え死にすることになるじゃないか
(;@∀@) 僅かに収穫できた米もお上にほとんど持って行かれちゃって、他人にやる分なんて残ってないよ!
皆、自分達が生きるのに必死です
いくらお金があっても、食べ物を売ってくれる人が居なければ何の意味もございません
N集落の人々は一人、また一人と倒れ、300人ほどいた住民も、とうとう50人足らずになってしまいました
そんな時でございます。私達の集落の噂が彼らの耳に届いたのは
('A`) 山を二つ越えた先の集落では地主が食料を分け与えているらしい
(;´_ゝ`) 本当か!? 急いで行かなくては!
(´<_`;) いや待て、そんなうまい話があるわけがない
(;´ー`) どっちにしろ、このままじゃ飢え死にだーヨ……
('A`) 行くしかない、か……
N集落の、命懸けの行進が始まりました
632
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:31:16 ID:8ytUi/KEO
支援
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:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:31:58 ID:FSG.adoM0
今はもうどこの山でも整備された山道がありますが、当時はそのようなものはございません
足場の悪い獣道、飢えた野犬の群れ、山特有の気候
様々な障害がN集落の住民を襲います
何ヶ月もの間まともな食料を口にしていない彼らにとって、それらはなんとも耐え難い苦難であったことでしょう
無事にこの集落まで辿り着くことが出来た人数は、出発時の半分以下、20人余りだったと言われております
(ヽ゚_ゝ゚) とうとう……着いたぞ……
(ヽ゚A`) 米を……米をくれ……
( ,;^Д^) なんと皆さん、どうなさいました!?
(ヽ゚_ゝ゚) 私達はN集落の住民だ。ここに来れば食料がもらえると聞いてやって来た
(ヽ゚A`) もうずっと物を食べていないんだ。お願いだ……食料を分けてくれ……
( ,;^Д^) それはいけません! 早速ご用意いたしましょう!
(ヽ;A;) ありがとう……ありがとう……
地主様はN集落の住民のために大釜いっぱいの白粥を作り、それを振舞いました
彼らは一心不乱に白粥をかき込んで、あっという間にそれを平らげてしまいました
634
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:32:53 ID:FSG.adoM0
――しかし、それが間違いなのでした
何ヶ月もの間碌な食事をしていない彼らの体は極限までに衰弱しておりました
そんな状態で大量の白粥を消化することなど、できるはずもありません
どれだけ食べたいと思っていても、体が受け付けないのです
白粥を食べ終えて間もなくして、N集落の住民は激しい苦しみに襲われました
腹を押さえてのたうち回り、口からは先ほど食べた白粥が、大量の血とともに溢れ出します
血と涙と吐瀉物に塗れながら、N集落の住民は地獄の苦しみの中で息絶えました
(#゚;;-゚) ――彼らを哀れに思った地主様は、その死体を一処に集め、埋葬なさいました」
(#゚;;-゚) 「それが現在のへび塚なのでございます」と
「とっつぱれ」という言葉をもって、狸娘さんは話を締めた
でぃさんによると、昔話の結びに使われる文句であるらしい
(#゚;;-゚) あえて標準語に直すのであれば、「めでたしめでたし」……は、適切ではありませんね
(#゚;;-゚) なんと言えばよいのでしょうか……
( ・∀・) いえ、言いたいことはわかりました。ありがとうございます
从´ヮ`从ト たいまづながすはそのつぐのとすがらはづまたみてだやなー
(#゚;;-゚) 「松明流しはその次の年から始まったみたいですね」と
635
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:33:50 ID:FSG.adoM0
( ・∀・) なるほど、勉強になりました。ありがとうございます
从´ヮ`从ト なもなも、えだ、えだ
(#゚;;-゚) 「いえいえ、いいんですよ、いいんですよ」と
从´ヮ`从ト すて、なはたいまづながすさかだるだな?
(#゚;;-゚) 「それで、あなたは松明流しに参加するんですか?」と
( ・∀・) はい、そのつもりです
从´ヮ`从ト とす、なんぼだ?
(#゚;;-゚) 「何歳ですか?」と
( ・∀・) 先月20になりました
从´д`从ト ……こごののわらすだな?
(#゚;;-゚) 「この集落の人間の子ですか?」と
( ・∀・) ええ、母がここの生まれです。18で上京するまでここで暮らしていたらしいです
从´д`从ト ……あいったー
(#゚;;-゚) 「あちゃー」と……え? ばっちゃ、どうかしたの?
636
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:34:54 ID:FSG.adoM0
从´д`从ト なも、いだ。して、さぎにえさけるだな
(#゚;;-゚) ……
(#゚;;-゚) 「なんでもありません。ところで、先に家に帰るんですか?」と
从´ヮ`从ト えさけるつもるねだばままくてがなが
(#゚;;-゚) 「家に帰るつもりがないならご飯を食べていってください」と
(#゚;;-゚) お祭りが始まるまで、あまり時間はありません
(#゚;;-゚) 特に用事がなければここでご飯を食べて、真っ直ぐ会場に向かわれてはいかがでしょう?
( ・∀・) うーん
家に帰る用事はないけれど、少し悪い気がしないでもない
そんな僕の気持ちを察してか、でぃさんは立ち上がり、押入れの襖を開けた
中を見るとそこにはハムやら酒やら高級そうなお菓子やら、沢山の食べ物が積まれていた
(#゚;;-゚) 私共はこの辺りでは名家などと呼ばれておりまして、この時期はお中元の処理に追われます
(#゚;;-゚) 厚かましいお願いとは存じますが、よろしければお力を……
( ・∀・) ……それじゃあ、ごちそうになります
从´ヮ`从ト んだんだ、それでいいだ
637
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:35:37 ID:FSG.adoM0
食事を終えて一休みしていると、町内放送のアナウンスが聞こえてきた
「今夜の祭りの参加者は、集会所に集まるように」だそうだ
(#゚;;-゚) それじゃあ行きましょうか
从´ヮ`从ト んだんだ、いてこい
从´ヮ`从ト わもあどでのみさいぐはんでろー
(#゚;;-゚) 「私も後で宴会に行く」と
( ・∀・) そうですか、それではまた後で
そう言って僕とでぃさんは集会所へ向かった
集会所は歩いて5分ほどの場所にあり、僕等が着いた時にはもう沢山の人で賑わっていた
( ・∀・) 思ったより人が居るんですね
(#゚;;-゚) はい。それぞれの家から最低でも一人以上の参加が義務付けられており、毎年80名ほどの参加者がおります
( ・∀・) 義務? もし参加しなければどうなるんですか?
(#゚;;-゚) ……さあ? 前例がないので
( ・∀・) 前例がないって、そんなことありえるんですか?
(#゚;;-゚) ええ。少なくとも祖母の記憶にある限り、そのようなことは起こったことがないそうでございます
638
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:36:41 ID:FSG.adoM0
と、その時、人混みの中からひとつの影が飛び出してきた
恰幅の良い男性。歳は僕より少し上といったところだろう
( ^ω^) おっおっ、でぃちゃん遅かったじゃないかお?
(#゚;;-゚) うん、ちょっとね
( ^ω^) ……お? 隣にいる人は誰だお? この辺りじゃ見ない顔だおね
(#゚;;-゚) えっと、モナーさんの親戚のモララーさん。お祭りに参加するんだって
( ・∀・) よろしくお願いします
( ^ω^) ふーん……僕はブーンと申しますお。こちらこそよろしくおねがいしますお
( ^ω^) ところでモララーさん、歳はいくつだお?
( ・∀・) 20ですが、どうかしましたか?
( ^ω^) ……ああ、いやいや、この後宴会もあるから、お酒が飲める歳か聞いておきたかったんだお
( ^ω^) 宴会は集落の大人のほとんどが参加して、明日の昼まで賑やかに飲み明かすんだお!
( ^ω^) 当然僕も参加するお! 困った事があったら僕のところに来てくれお!
(#゚;;-゚) お祭りに参加する大人は皆、宴会の話ばかりするんです
( ^ω^) でぃちゃんは今19歳だおね? 来年になればわかるお……うん……
( ・∀・) ?
639
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:37:42 ID:FSG.adoM0
( ^ω^) さ、お祭りが始まるお! 向こうで松明配ってるから、貰ってくるといいお!
(#゚;;-゚) そうだね。それじゃあモララーさん、行きましょうか
( ・∀・) うん、そうしましょうか
集落の老人に軽く挨拶をして松明を受け取ると、どこからか拡声器のハウリングが聞こえてきた
それを聞いた住人は音のする方へと移動を始める。どうやら、いよいよ祭りが始まるようだ
(,,゚Д゚) 『皆さん聞ごえますがー!? それでは今がらたいまづながしを始めますー!』
(,,゚Д゚) 『まンず、囃子の人、先頭さあづまってください! そいでー、あどの人はその後ろさ一列に列んでくださいー!』
(,,゚Д゚) 『囃子がはづまりましたら運行はづまりです。それではがんばりましょう!』
周囲から歓声が上がり、それが止むと前方で祭り囃子の演奏が始まった
往路の囃子は、確か上り囃子と言っただろうか
ゆったりとしていて、それでいて力強い、荘厳な音色だった
(#゚;;-゚) 私達はこれから、蛇塚とは反対の方向へ向けて出発致します
(#゚;;-゚) 集落のすべての家を一筆書きに経由して、それから蛇塚へ向かうのでございます
(#゚;;-゚) それぞれの家の前には燭台が置かれておりまして、参加者は自分の家の燭台を使って松明に火を灯すのです
(#゚;;-゚) あなた様は私の家の燭台をご利用ください
640
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:38:34 ID:FSG.adoM0
囃子の先導に従って、薄暗がりの中を幾つもの影が歩く
一つ、二つ、民家の前を通る度に明かりが増える
両手で抱えるほどの大きな松明が、歩調に合わせて上へ、下へ
炎の揺らめくその様子は、まさに「奇祭」と呼ぶに相応しいものだった
(#゚;;-゚) 次は私共の番ですね。家の前で祖母が火を焚いて待っております
その言葉の通りでぃさんの家の前では、狸娘さんが燭台を持って立っていた
从´ヮ`从ト わい、すったでったらだたいまづもってあさいで、まんづおどごめだやなー
(#゚;;-゚) 「そんな大きな松明を持って歩くなんて、なんて男前なんでしょう」と
( ・∀・) はは、ありがとうございます
从´ヮ`从ト おー、はえぐひーつけでら、おぐれればまねや
(#゚;;-゚) 「早く火をつけて、おくれてはいけませんよ」と
( ・∀・) そうですね。それじゃあ……うん、これでよし!
(#゚;;-゚) よいしょ……では、行きましょうか
从´ヮ`从トノシ 火傷すなやー?
641
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:39:40 ID:FSG.adoM0
(,,゚Д゚) 『せば、みんな火つけだどごで、蛇塚さ向がいます』
(,,゚Д゚) 『小さい子は大人がら離れねんでください』
囃子の曲調が少し早まって、行列は蛇塚へと歩き出した
沢山の炎が不規則に上下して、それはまるで怪談に登場する人魂のようにも見える
しばらくすると前方に高さ15メートルほどの、小さな山のようなものが現れた
(#゚;;-゚) あれが蛇塚でございます。N集落の住民はあの塚を越えてこの集落にやって来たと言われております
( ・∀・) なるほど、あれが……
蛇塚が視界に入ると、囃子の音色は少しづつ弱まり始めた
行進が続き、蛇塚が近づくに連れて、摺鉦の音が消え、太鼓の音が消え
そしてとうとう蛇塚に辿り着き、篠笛の音が止んだ時
声が、聞こえた
.
642
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:40:38 ID:FSG.adoM0
蛇塚の周囲を取り囲み、環状に掘られた穴の底
光の届かぬその場所で悲痛な呻き声を上げている
彼らは一体、誰なのだろう
.
643
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:41:22 ID:FSG.adoM0
祭りの後の宴会場
僕は会場の片隅で、膝を抱えて震えていた
( ^ω^) おっおっ、飲んでるかお?
(ill・∀・) ブーンさん……
( ^ω^) でぃちゃんはどこに行ったんだお?
(ill・∀・) 狸娘さんに呼ばれて、厨房の手伝いに
( ^ω^) おー、それは大変だおね。ところで……
(ill・∀・) 何ですか?
( ^ω^) 見えたかお?
(ill・∀・) ……はい
( ^ω^) そうかお……
( ^ω^) ちょっと、煙草でも吸いに行くお?
644
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:42:10 ID:FSG.adoM0
( ^ω^)y━・~ 夜風が気持ちいいおね?
(ill・∀・) ……
( ^ω^)y━・~ 安心するお。古来より煙草は魔除けの効果があるとされているんだお
(ill・∀・) そうですか……
( ^ω^)y━・~ さて、君には昔話をしないといけないおね
( ^ω^)y━・~ 松明流しの起源、その真実を
(ill・∀・) 真実、ですか?
( ^ω^)y━・~ そう。成人した者しか知ってはいけない真実だお
( ^ω^)y━・~ フゥ……
( ^ω^)y━・~ 君が見た物、あれは、この集落の人間が背負っている「業」なんだお
(ill・∀・) 業……?
645
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:43:07 ID:FSG.adoM0
( ^ω^)y━・~ その昔、天明の飢饉の時代、Nという集落の人間が食料を求めてこの集落にやって来たんだお
( ^ω^)y━・~ 当時この辺りを治めていた地主が大量の食料を備蓄していて、それを住民に分け与えていたんだお
( ^ω^)y━・~ N集落の人間はその噂を聞きつけてやって来たんだろうおね
(ill・∀・) その話は聞いています。地主は白粥を振る舞い、それを食べたN集落の人間は死んでしまったと
( ^ω^)y━・~ ……おー、それは子供に話すために改変された、作り話だおね
(ill・∀・) 改変? それじゃあ、元となった話が別にあるんですか?
( ^ω^)y━・~ おっお、よくあるお? 本当は怖い昔話ってやつ
( ^ω^)y━・~ 現実はもっと残酷で、人間はもっと醜いんだお
(ill・∀・) ……どこからが改変なんですか?
( ^ω^)y━・~ N集落の住民がここに来たところからだお
( ^ω^)y━・~ 実際の彼らは、一粒の米を口にすることもなく死んでいったんだお
646
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:44:30 ID:FSG.adoM0
N集落の住民が向かってきているという情報は、彼らがここに辿り着く前に既にあったんだお
数十人単位での移動なんだから、誰かの目に留まるのは考えて見れば当然のことだお
そしてこの集落では彼らの扱いについて、「地主抜きでの」会議を始めたんだお
まあ、会議と言っても結論は最初から決まっていたらしいけど
(´・ω・`) N集落の人間が食料を求めてやってくる
ミ,;゚Д゚彡 うちの集落に向かって歩いている集団をニダーの奴が見たらしい
( ;ФωФ) なんと、それでは我らの分の食料が……
爪;'ー`) 地主様の蓄えだって無限じゃないんだ。誰にも彼にも分けてらんないよ
浅ましいおね。地主の蓄えをまるで自分達の者のように扱って
そんな浅ましい人間が集まると、物事は恐ろしい方向へ進むんだお
N集落の住民がこの集落へ入るには、小さな山を超える必要があったんだお
山と言っても大したことのない、公園のドーム状の遊具を少し大きくしたような、本当に小さな山だお
うちの集落の住民は、その山に沢山の藁を積み上げて――――
( ^ω^)y━・~ N集落の住民を、焼き殺したんだお
( ・∀・) え……
647
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:46:21 ID:FSG.adoM0
( ^ω^)y━・~ 死体はそのまま大量の土を覆い被せて埋葬し、碑を立てて大きな墓にしたお
( ^ω^)y━・~ それから山を通らなくても集落の外に出られるように迂回路を作り
( ^ω^)y━・~ そして間違っても墓に立ち入るものが居ないように周囲を深い穴で囲んだ
( ^ω^)y━・~ 後は言わなくてもわかるおね?
( ・∀・) それが今の蛇塚……ということですね?
( ^ω^)y━・~ そうだお。君が蛇塚で見た物は、N集落の住民だお
( ^ω^)y━・~ この集落の血を引いている人間は、成人するとあれが見えるようになるんだお
( ^ω^)y━・~ 穴から這い出そうとするN集落の住民を、松明の炎で穴の底に突き落とす
( ^ω^)y━・~ 彼らは松明に焼かれながら己の不幸を嘆くんだお
( ^ω^)y━・~ だから「松明流し」。……おっと、これじゃあわかりにくいおね?
( ^ω^)y━・~ この辺りの訛り、どれくらいわかるかお?
( ・∀・) ……正直、よくわかりません。ただ少し濁音が多い言語だなと
( ^ω^)y━・~ うんうん、それで充分だお。濁音が多い、具体的には「か行」が「が行」に変わるんだお
( ^ω^)y━・~ 「松明ながし」は訛った呼び名。正しい呼び方は「松明なかし」
( ^ω^)y━・~ ……つまり、「松明哭かし」だお
648
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:47:21 ID:FSG.adoM0
( ^ω^)y━・~ この祭りには欠席の前例がないお。奴等が穴から出たら大変なことになるのを皆理解しているからだお
彼は煙草を地面に投げ捨てて、それを踏み潰した
それから大きな溜め息を一つついて、話を続けた
( ^ω^) でぃちゃんは今年で19。できるならば今年中に嫁に出てもらいたいところだおね
( ^ω^) 彼女の家は地主の家系。何も悪い事してないのに、かわいそうだお
( ・∀・) 地主って、もしかして……
( ^ω^) お、今の話にでてきた地主だお
( ^ω^) まあ、本人は知らないと思うけれど、集落の大人は皆知ってるお
( ^ω^) 知ってて、申し訳なく思ってるお。ブーン達の先祖のせいで悲しませてしまうって
( ・∀・) ……
( ^ω^) 君はどこに住んでるんだお? 県外だったら、もらって行ってくれないかお?
( ;・∀・) えっ?
( ^ω) ……なんて、冗談だお冗談
( ^) まあ、本当にもらって行ってくれるなら、それに越したことはないんだけれども……だお……
( ^) さ、帰るお。煙草消したから、奴らが来るかもしれないお?
649
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:48:12 ID:FSG.adoM0
その夜僕は、集落の大人に混ざって、飲んで、歌って、踊って、暴れた
湧き上がる恐怖を抑えこむように。すべての不安を掻き消すように
日付が変わり、外が明るくなっても、それは止まなかった
一瞬でも音が止むと、どこからかあの声が聞こえてくるような気がした
この世の全ての悲しみを詰め込んだような怨嗟の声
僕達を呪う、呪詛の声
いまでもほら、光の届かないあの闇の中から、きっと――――
650
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:49:10 ID:FSG.adoM0
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奇祭の夜のようです
(
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