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('A`)百物語のようです2013( )
1
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 00:17:46 ID:z2vK43pU0
('A`)おーす
('A`)前スレと区別がつきやすいように今回は俺がメインだぜひゃーはー
('A`)ではルールのおさらいといこうか
・開催日は八月九日(金)から十八日(日)まで
※ただし投下できるのは金土日のみ。投下期間以外の本スレは作品の感想などご自由に使用してください
・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可
・レス制限は一作品30レスまで。それ以上は個別スレ建てをお願いします。
・ながらはNG。個別スレを建ててそこでやるのは可。
※個別スレ参加の場合
レス制限無し。
スレ立て
↓
百物語スレにて投下開始報告、URLを貼る
↓
投下終了後、百物語スレにて投下終了報告(その際、前の人の数字を引き継いで話数宣言)
・1人何話でも投下可!
※連続投下→次に投下する人がいないか確認を取り、無ければOK
※作品の投下間隔についてはルールはありませんが少し間を開けることを推奨します
・イラストでの参加も可!一話としてカウントします。
※ただし作品への支援絵は作品としてカウントしない
・開催時間は18時から翌朝7時まで
・話が終わったら本スレ(自分でスレを立てた人はそのスレでも可)で蝋燭のAAを貼る
前回百物語のスレ
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1344607128/
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1345353530/
前スレ
( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1372396645/
('A`)祭りはあと少し......百まで残り約半分......行けるか?
456
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:06:46 ID:mtmv.fjI0
マンションの内部は広めの玄関ホールがあり、その奥に階段があり
また玄関ホールの入り口と直角になるように突き当たりから廊下が伸び
その廊下に各居住者用のドアが数枚並び、突き当たりにもう一つ玄関ホールがあるという
いわゆる「コの字型」の造りをしていました。
もう一つの玄関ホールには、階段とその隣に管理人室が併設されていたようで、
私達が入った玄関ホールより少し大きめの造りとなっていました。
_
(;゚∀゚)「おっ!?」
('A`;)( ´_ゝ`)「「!?」」
もう一つの玄関ホールに入り軽くあたりを見回していた時でした、
突然私達より少し先を歩いていたジョルジュが大きな声をあげたので、
私と兄者は反射的に身をこわばらせビクリとしました。
457
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:07:32 ID:mtmv.fjI0
('A`;)「な、なに?!」
( ´_ゝ`)「ちょ、ジョルジュ、ビックリさせんなよ」
_
(;゚∀゚)σ「いや、だってあれあれっ!」
そう興奮気味にジョルジュが指差す先に、懐中電灯の灯りを向けると……
( ´_ゝ`)「げっ」
('A`;)「ぅわ……」
そこにはあの都市伝説にあったとおりの、「赤い段ボール箱」が転がっていたのでした。
.
458
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:08:41 ID:mtmv.fjI0
( ´_ゝ`)「えっ、マジか?」
_
(;゚∀゚)「すげぇ!やべぇ!!」
('A`;)「いやいやいや……、えぇ〜……」
三者三様の反応をしながら、私達は誰も動くことができませんでした。
いちよう私達は「赤い箱」の都市伝説を知ったからこそここに来た訳で
ある意味これが目標としていたものではあるのですが
まさか本当にあるとは私を除いた二人も想像していなかったらしく
「どうしようこれ」、といった空気が三人の間に流れていました。
しかしいつまでも固まっているわけにもいかず、やがて……
_
(;゚∀゚)「俺、ちょっと見てくるわ」
少しテンションの落ち着いたジョルジュが歩きだしたのをきっかけに、
私と兄者もそのあとに続きました。
ところが
459
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:10:05 ID:mtmv.fjI0
_
( ゚∀゚)「ん?あれ、これって?」
( ´_ゝ`)「あん?」
_
( ゚∀゚)「プッ、なんだこれw」
('A`;)「どしたの?」
_
( ゚∀゚)「ほら、見てみ」
その言葉に促され、ジョルジュの懐中電灯に照らされた「赤い段ボール箱」に目をやりました。
遠目に見たときには、なにやらおどろおどろしい雰囲気を纏った箱に見えたのですが……
_
( ゚∀゚)「これただのイタズラだわ」
そこにあったのは随分とちゃちな、恐らく壁の落書きに使用されているものと
同じスプレーによって赤く塗られただけの、ただの段ボール箱でした。
('A`;)「ふぅ〜、ビックリした」
( ´_ゝ`)「ま、そりゃそうだわな」
_
( ゚∀゚)「本物だと思ったんだけどな〜、残念残念」
そんな会話をしながらも、私達は互いに安堵の表情を浮かべていました。
460
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:11:08 ID:mtmv.fjI0
_
( ゚∀゚)「どうする、上も行く?」
( ´_ゝ`)「そだな、ここまできたら行っとこうか」
幽霊の正体見たり枯れ尾花。
イタズラの「赤い箱」を見た私達はすっかり恐怖心も薄れてきて、
どうせならこの廃墟を探索しつくしてやろうという気待ちになっていました。
そうして階段を上がり居住者用のドアが数枚並ぶ廊下を通りぬけ
また突き当たりにある階段を上り、居住者用のドアが数枚並ぶ廊下を通りぬけ
また突き当たりにある階段を上る、というように廃墟の中を探索していきました。
最終的に屋上まで出て色々見て回ったりしたのですが、結局なにも無く
私達は、残念半分安心半分で元来た階段を下りて行きました。
( ´_ゝ`)「結局何も無かったな」
_
( ゚∀゚)「なー、もうちょっとなんかあってもよかったのになー」
('A`)「無くていいよ、そんなの」
_
( ゚∀゚)「お前ビビってたもんな」
('A`)「しょーがないじゃん」
そんな、他愛も無い会話をしながら歩いていた時です。
461
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:13:01 ID:mtmv.fjI0
( ´_ゝ`)「……あれ?」
_
( ゚∀゚)「ん?どした?」
( ´_ゝ`)「こっちって入ってきた方の階段だっけ?」
('A`)「いや、多分違う方だと思うけど?」
( ´_ゝ`)「マジか、車逆側じゃん。」
_
( ゚∀゚)「あー、そっか、じゃあもう一回廊下渡んないとか、ダルぅ」
('A`)「そんな距離ないでしょ」
_
( ゚∀゚)「まーなー」
そうして二階から一階へ続く階段がもう少しで終わりを迎えようとしていたときでした。
―――バァン ッ!!
………
……
…
462
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:13:48 ID:mtmv.fjI0
('A`)「え?」
突然の出来事に、私達三人は誰も身動き一つとることができませんでした。
何が起きたのか?
それを理解するのに数秒、いえ数十秒程かかったかもしれません。
_
( ゚∀゚)「え、あれ、って……?」
( ´_ゝ`)「……あぁ。さっきの、箱……だよな?」
先ほどの突然の音、それはあの玄関ホールで見つけたイタズラの「赤い箱」が、
階段を下りている私達から見て左側、一階玄関ホールの壁に叩きつけられた音でした。
463
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:14:38 ID:mtmv.fjI0
('A`;)「……え、だ……誰か、居る?」
私が真っ先に思いついたのはそれでした。
私達からは階段の壁で死角になって見えない位置から、何者かがこの箱を投げた。
誰が?
( ´_ゝ`)「……!」
そんな私の言葉を聞いたからなのか、あるいは不安を打ち消すためか、
兄者は突然勢いよく動いたかと思うと階段を一気に駆け降りました。
( ´_ゝ`)「あ、……れ?」
しかし……
私とジョルジュも兄者に続いて急いで階段を下りたのですが
恐らく箱が飛んできたであろう方角を見ても
あるいは玄関ホールの中を見回してみても、誰もいる気配はありませんでした。
私達が階段で固まっている数十秒の間に、何処かへ隠れしまったのでしょうか?
464
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:15:37 ID:mtmv.fjI0
_
(;゚∀゚)「なぁ、その箱……」
('A`;)「えっ?」
なにやらやけに小さい声で、心無しか震えているような声で
ジョルジュが、ぽつりとつぶやきました。
私と兄者もその声につられて灯りを箱の方に向けます。
そこにあったのは先ほどのイタズラの「赤い箱」
……に 一瞬見えました。
('A`;)「……何か、濡れてる?」
(;´_ゝ`)「っていうか、黒ずんでる?」
私と兄者の感想通り、箱は最初に見たときとは違って、どこかふやけているような、
色も、スプレーで塗ったというより、水が染み込んだような……
465
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:16:37 ID:zhxophf20
霊でも霊じゃなくても廃墟に誰か居るって恐ぇよ支援
466
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:16:40 ID:mtmv.fjI0
『アぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜……』
.
467
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:17:52 ID:mtmv.fjI0
その瞬間 私達は凍りつきました。
それはまるで
猫のような、あるいは烏のような
そう、ちょうど 赤ん坊 のような……
_
(;゚д゚)「―――あぁああああアアアアアッ!!」
ジョルジュが上げた、悲鳴とも雄叫びとも区別のつかない声で
私達は一斉に元来た階段を上り始めました。
何故二階に逃げたのかは分かりません。
さっきまで居た場所だから安心できたのか、あるいはもしあの箱を誰かが投げたのだとして
そいつが潜んでいるかもしれない一階に居たくなかったからなのか。
途中折り返す形で一階と二階とを結ぶ階段を一足飛びで登り終えた私達は、
ぜぇ、ぜぇ、と肩で息をしながら互いの顔を見つめあいました。
たかが一階から二階へ階段を上っただけなのに、皆信じられない程の疲労を感じていました。
468
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:20:04 ID:mtmv.fjI0
_
(;゚д゚)「いっ、いまのっ、・・・いまのって・・・」
(;´_ゝ`)「マジ、か?冗談……だろ?なぁっ!」
(゚A゚;)「なっ、に・・・なっ・・・、なに・・・がっ」
混乱する頭で何かしら言葉を紡ごうとしたのですが・・・
―――バァン ッ!!
_
(;゚д゚)(;´_ゝ`)「「「!!」」」(゚A゚;)
―――バァン ッ!!
―――バァン ッ!!
―――バァン ッ!!
469
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:21:08 ID:mtmv.fjI0
私は恐怖で強張る体を何とか動かし、灯りを階段の踊り場へと向けました。
するとそこには、あの
「箱」が……
(;゚_ゝ゚)「……ッア!」
「箱」を確認した瞬間またもや私達は走り出していました。
今度は廊下を。
目的ははっきりしています、このまま反対側の階段を下りて、
入ってきた玄関ホールから外へ。
それほど長くも無い廊下を一気に渡りきり、階段の二、三段を下りて、
_
(;゚д゚)「来てる?!来てんの?!」
半狂乱で叫ぶジョルジュに対して、兄者は懐中電灯を廊下の奥に向け、目を皿のようにして、
(;゚_ゝ゚)「来てない!!」
その言葉で少しだけ冷静さを取り戻し、急いで階段を降りようとして、
470
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:22:37 ID:mtmv.fjI0
『アぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
_
(;゚д゚)「あぁ?!」
階段の踊り場に着いたあたりで、突然後ろから聞こえた『それ』に対して、
すぐさま灯りを向けると、
ズズッ……
ズズズッ……
微かに、しかし確実に動いている「赤い箱」を視界にとらえた私達は、
もはや逃げる以外の思考もろくにできぬまま、階段を飛び降り、玄関ホールを潜り抜け
気がつけば兄者の車に飛び乗り、いつの間にか廃墟の影さえ見えぬほど
遠くへと車を走らせていました。
471
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:24:50 ID:mtmv.fjI0
………………
…………
………
…
(;´_ゝ`)「……」
('A`;)「……はぁ〜……」
_
(;‐∀‐)「うわ゛ぁ〜〜〜〜……」
(;´_ゝ`)「……はぁ……」
_
(;‐∀‐)「……ん〜」
('A`;)「……」
_
( ゚∀゚)「……」
(;´_ゝ`)「……」
472
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:25:45 ID:mtmv.fjI0
( ゚∀゚)「………」
_
( ゚∀゚)「……なんか……」
(;´_ゝ`)「ん〜?」
_
( ゚∀゚)「なんか、すごかったわ……」
('A`;)「いや、すごすぎ……」
(;´_ゝ`)「だな〜……」
473
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:26:28 ID:mtmv.fjI0
_
( ゚∀゚)「……」
('A`)「……」
( ´_ゝ`)「……」
_
( ゚∀゚)「…………フヘッ」
(;´_ゝ`)「あん?」
_
( ゚∀゚)「ヘヘヘッw」
('A`)「……ふ」
('∀`)「ふふっ」
( ´_ゝ`)「……」
( ´,_ゝ`)「……ックw」
474
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:27:10 ID:mtmv.fjI0
_
( ゚∀゚)「……」
('A`)「……」
( ´_ゝ`)「……」
_
( ゚∀゚)「まぁ、さっ」
('A`)「ん〜?」
_
( ゚∀゚)「思い出としてはなかなかじゃね?」
( ´_ゝ`)「お前なぁ」
('A`)「……」
('A`)「まぁ……」
( ´_ゝ`)「ん?」
('∀`)「……一回くらいなら?」
(;´_ゝ`)「お前もか」
_
( ゚∀゚)「……あ、ところでさ」
('A`)「うん?」
_
( ゚∀゚)「なんか『黒い箱』って都市伝説があるらしいんだけど」
( ´_ゝ`)「おいこら」
475
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:28:15 ID:mtmv.fjI0
―――――そうして私達は、何事も無く無事家へと帰りつきました。
大人になった今でも私達三人は親友同士で、良く遊びにも出かけますし、あの日の出来事も、
たまに、本当にたまには誰ともなく話し始める時があります。
そう、別に三人ともあの後何かおかしなことが起こった訳でもなく、病気もしなければ
事故にも会わず、家族の誰かに不幸があった訳でもなく……
ただ
雨の日になると
やたらと 視界の端に
「赤い段ボール箱」が チラつくこと以外は……。
476
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:29:22 ID:mtmv.fjI0
─ ̄ ─_─ ̄ ─_ ─ ̄─_─  ̄─ ̄─_─  ̄─_─ ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─
─ ̄─_─ ̄─_─  ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_ ─ ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─
─_ ̄─_─  ̄─_─ ̄─_─  ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─
─ ̄─ ̄_─ ̄_ ̄─_ ─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─  ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─
─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─  ̄ ─ ̄ ─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─
『 アぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜……』
─_ ̄─_─  ̄─_─ ̄─_─  ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─
─ ̄ ─_─ ̄ ─_ ─ ̄─_─  ̄─ ̄─_─  ̄─_─ ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─
─ ̄─_─ ̄─_─  ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_ ─ ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─
─ ̄─ ̄_─ ̄_ ̄─_ ─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─  ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─
─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─  ̄ ─ ̄ ─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─_─ ̄─
.
477
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:30:29 ID:mtmv.fjI0
(
)
i フッ
|_|
73本目、終わりです。有難う御座いました
478
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:30:55 ID:zhxophf20
夜中に赤子の声って本当に恐いですよね、乙です!!
いつか覗いてしまいそうで本当に恐い
即興作品ですが、74本目いただきます
.,、
(i,)
|_|
479
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:31:48 ID:IW9VAKCY0
乙
鳴き声と音がこわい
480
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:32:40 ID:zhxophf20
(´<_` )×××いいひとのようです
(゚、゚;トソン「父様、痛くない?」
(;´-_ゝ-`)「お前こそ、重いのではないかい?」
10歳程の小娘が、三十路程の男の左肩を支えて歩いている。
小娘が男を「父様」と呼ぶからに、どうやら親子のようだ。
男は目が見えないらしく、右手に持った杖で前方を探っていた。
そして足を痛めているのか、歩き方もどこかぎこちない。
(;´-_ゝ-`)「もう私の事は放っておきなさい」
(゚、゚;トソン「父様は細いから重くないよ」
小娘は気丈に振る舞うが、自分よりはるかに背の高い男――しかも盲目――を支えている疲労は隠せていない。
481
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:33:04 ID:4KUtpT.IO
乙ー!赤子の声こえええ
482
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:34:33 ID:zhxophf20
(;´-_ゝ-`)「そう言うが、さっきから息が荒いではないか」
(゚、゚;トソン「そ、それは暑いからだよ……」
(;´-_ゝ-`)「ならば、早く私を放して一人で行きなさい。
このままではお前迄倒れてしまう」
( 、 ;トソン「父様を置いていくなんて嫌っ!」
仲の良い親子と言うのはいいものだ、特にどちらかが障害を持っているなら一層いいものだ。
盲の父を健気に支えようとする小娘、その小娘の負担にならまいとする盲。
本当に、都合がいい。
(´<_` )「……あの」
(゚、゚;トソン「!?」
(;´-_ゝ-`)「?」
二人の後ろから遠慮がちに声をかけると、小娘は面白いほどびくついた。
(´<_` )「良ければ、私の小屋で休みませんか?」
(゚、゚;トソン「……聞こえていたの?」
暑さか羞恥か、小娘の頬が赤い。
483
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:35:16 ID:VsBIKW7w0
乙!くそみそかと思って読んだらホラーだった…
484
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:37:46 ID:zhxophf20
(´<_` )「差し出がましい真似ですが、二人とも私の所で休みませんか?」
近くにありますし、と付け加える。
(゚、゚;トソン「…………」
小娘が警戒した目を向けるのは想定の範囲内だ。
易々と誘いに乗っていいのだろうかと、しかし足を痛めている盲目の父を休ませたい、そんな考えが顔に出ている。
( ´-_ゝ-`)「……私は外でいいので、娘は屋根のある所で休ませて頂けますか?」
盲の口からは、予想通りの言葉が出た。
(゚、゚;トソン「と、父様!」
(´<_` )「そんなに広くない小屋ですが、二人増えても大丈夫ですよ」
――どうせ、すぐに居なくなるのだから――
危うく出そうになった言葉を飲み込む。
(゚ぺ;トソン
不安そうな表情の小娘とは逆に、盲は感謝の言葉を述べる。
( ´-_ゝ-`)「…………ありがとうございます」
(´<_` )「お嬢さん一人では辛いでしょう」
485
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:38:51 ID:zhxophf20
小娘が支えている側の反対の肩を支える。
本当に細い男だ、とそんな感想が浮かぶ。
( ´-_ゝ-`)「すみません……」
(´<_` )「貴方達のように困っている人は放っていけないんですよ」
( 、 ;トソン「……いい人ですね」
吐き捨てるように呟く小娘を、盲は「こら」と嗜める。
(´<_` )「気にしていないですよ、用心深くていい娘さんじゃないですか」
( ´-_ゝ-`)「……貴方も、いい人ですね」
確かに「いい人」ならこの二人を放っておけずに、小屋で食べ物や寝床を提供するだろう。
だだの、「いい人」ならば。
小屋に着き、二人に食事を振る舞おうとした。
小娘はよほど疲れていたのか、食事を採る前に父親の膝に頭を乗せてすやすやと眠っている。
あれ程警戒していた割には、よく寝れるものだと内心飽きれる。
(-、- トソン
( ´-_ゝ-`)「お礼も言わずに、すみません……」
486
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:40:21 ID:zhxophf20
盲は手探りで小娘の頭を撫でながら、口元に小さな笑みを浮かべる。
(´<_` )「親孝行な娘さんですね」
( ´-_ゝ-`)「私が不甲斐ないばかりに、妻や子供達には迷惑をかけどおしです」
(´<_` )「“達“?」
素朴な疑問を口にする。
( ´-_ゝ-`)「今年で七つになる男の子が居るんですよ。
妻が私に似た顔立ちだと言っていました」
盲の言う妻や子が今この場に居ないのは、別の場所に居るか、旅に出ず家に居るか、それともあの世か。
( ´-_ゝ-`)「娘は息子が可愛くてしょうがなくて、いつも菓子を与えすぎるそうです。
口の周りを餡で汚すけれど、幸せそうな顔で菓子を食べるそうですよ」
穏やかな笑みを浮かべ子供達の話をする男に、違和感を覚える。
(´<_` )「……」
――どうして、旅に?――
口に出そうとするが、やめておく。
長い付き合いにはならないのだから、相手を深く知る必要がない。
487
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:41:35 ID:zhxophf20
(´<_` )「さぁ、食事をどうぞ」
食べ易いようにした握り飯を差し出す。
(;´-_ゝ-`)「そ、そこまでは……私は休ませて貰えるだけで十分ですよ」
(´<_` )「食べないと、体がもちませんよ。
それに痛めた足を治すなら、栄養は必要では?」
(;´-_ゝ-`)「…………ありがとうございます」
おっかなびっくりとした様子で、差し出した握り飯を受け取る。
( ´-_ゝ-`)「あなたは、本当にいい人ですね」
(´<_` )「しっかり食べて、ゆっくり休んで下さいね」
その方が、自分も都合がいいのだから。
盲が寝て暫く経ったのを確認し、動き出す。
外から射し込む月光を便りに、紐を手に盲の元へ行く。
小娘は起きる気配がしない、起きたとしても所詮小娘が勝てるはずがない。
(´<_` )「あんたがいい人で助かったよ」
眠っている盲の胴体に馬乗りになり、首に紐を巻き付け、呟く。
盲が起きようとしないのは、飲ませた茶に薬を混ぜたから当然である。
あとは力を込めて、紐を強く強く引けば良い。
488
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:42:37 ID:zhxophf20
男なら着物が血で汚れないように絞殺し、文字通り全てを奪う。
連れに女が居れば、よほど醜くない限り、犯して殺す。
殺して、犯して、奪う、そんな生活をずぅっと続けていた。
この世は所詮弱肉強食、罪悪感や後悔もこれっぽっちも無い。
( _ゝ )「本当にいい人ですね」
(゚<_゚ ;)「!?」
細い手が首に絡む、嫌に冷たい手をしている。
盲の手を離そうとするが、後ろから何かに押さえつけられる。
(゚、゚ トソン「貴方がいい人で助かったよ」
小娘がその華奢な体から出せる筈の無い力で、羽交い締めにしてくる。
どんなにもがいても、小娘が離れそうにない。
( _ゝ )「貴方は困っている我々に声をかけてくれました」
(゚、゚ トソン「父様の肩を支えてくれた」
( _ゝ )「小屋で休ませてくれました」
(゚、゚ トソン「薬の入った食事をくれた」
( _ゝ )「娘を陵辱しようと考えていました」
(゚、゚ トソン「父様を殺そうと企んでいた」
489
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:44:15 ID:zhxophf20
首を絞める手に力はないが、冷たすぎて気持ちが悪い。
先程から盲の首を紐で締めているはずが、全く反応がない。
(´<_` lli)「ば、馬鹿を言うな!
そんな事を考える奴のどこが「いい人」なんだ!!」
( _ゝ )「あなたはいいひとですよ、とぉってもいいひとです」
(゚、゚ トソン「今迄沢山の人たちを食い物にしたいい人だもの」
( _ゝ )「貴方の目玉を私に下さい、いい人でしょう?」
だから、と親子は嗤う。
( トェェイ) 「「死んで」」( トェェイ トソン
盲の指が、首の皮膚を突き破った。
490
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:44:57 ID:zhxophf20
峠の団子屋で家族が団欒している。
(゚、゚*トソン「はい、あーん」
【+ 】ゞ゚*)「あーん」
小娘が大きな匣を背負った童に口を開けさせ、団子を入れる。
(^、^*トソン「おいしいかい?」
【+ 】ゞ^*)「うんっ」
ミセ*^ー^)リ
満面の笑みで問えば、同じような笑みで返事をする。
普段は弟を甘やかせば小言いう母も、楽しそうに二人を見ている。
( ´・_ゝ・`)「本当、トソンはオサムが大好きだな」
盲だった父親が、日の光に眩しそうに目を細めながら茶を飲んでいる。
ミセ*゚ー゚)リ「ねぇねぇ、その目玉の持ち主はどんな奴だったの?」
母親がじゃれあっている子供達をよそに、興味津々に訊いてくる。
( ´・_ゝ・`)「本当にいい人だったよ」
父親は茶を一口飲み、どうでもよさそうに続ける。
( ´・_ゝ・`)「死んでいい、外道だ」
『(´<_` )死んでいいひとのようです』 おわり
491
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:46:00 ID:zhxophf20
(
)
i フッ
|_|
74本目、終わりました。
ご清聴ありがとうございます。
乙の間に割り込んでしまって、申し訳ないです。
492
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:47:40 ID:IW9VAKCY0
乙
えげつないなぁ・・・・・・
493
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 01:48:58 ID:r4HgRmEU0
独特なふいんきで面白かった乙
あとひとつ前のはパァン!がどこぞのムカデ人間のせいでケツがなってるように見えて笑いが止まらんかったwwww
494
:
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 01:51:29 ID:Yk3KobIk0
乙
怖いけど惹きこまれた。
75本目をいただきます。
.,、
(i,)
|_|
一度お蔵入りしようと思った作品けど、投下します。
495
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 1/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 01:52:48 ID:Yk3KobIk0
かつて阿波国の富豪の家に娘がいた。
この娘は大変器量が良かったが、ある秘密があった。
あるとき、娘の美貌に魅入られた若者が 婿に入った。
いざ寝床に入ったところ、女が奇妙な行動に出た。
娘は若者の頭から足先まで全身を嘗め始めた。
その舌はざらざらとしており、まるで獣に嘗め回されているようであった。
若者は気味悪がり、たちまち逃げ出した。
( ・∀・)「これが、俺がじいちゃんから聞いた徳島の怪談だ」
( ゚∋゚)「え、これ怪談だったのか」
( ・∀・)「おう」
( ゚∋゚)「それって普通に女の性癖だったんじゃないの」
( ・∀・)「そうだろうけど、昔は奇人がいたたりすると妖怪扱いしていたからな。
その一種だろうなー」
( ゚∋゚)「ふーん、まあ確かに夜中に突然体べたべた嘗められたら気持ち悪いわな。
なあジョルジュ、嫌だよなー」
_
( ゚∀゚)「いや……」
_
( ゚∀゚)「ちんこ立った」
496
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 2/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 01:53:48 ID:Yk3KobIk0
( ・∀・)「……」
( ゚∋゚)「……」
_
( ゚∀゚)「もっと詳しい話を聞かせてくれよ」
( ・∀・)「興味津々だな……
とはいえ怪談に詳しいもなにも」
( ・∀・)「あ、いや、確か祠があるとか言ってたかな」
_
( ゚∀゚)「祠?」
「何があったかはわからないんだけど、その豪族の跡地らしい場所に、祠があって、そこで供養されてるんだ。
まあそんな奇人だったし、処罰でもされて殺されちゃったとかそういうのがあるんじゃないかな。
で、その魂押さえ込めるために祠作ったと」
_
( ゚∀゚)「ほうほう。
じゃあその祠いじったりしたら祟られたりするかな」
( ・∀・)「そうだなー、あんまりいじらない方がいいよなそういうの」
_
( ゚∀゚)「取憑かれたりとか」
497
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 3/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 01:54:48 ID:Yk3KobIk0
(;・∀・)「……お前何考えてるんだ?」
(;゚∋゚)「なんか凄い邪悪な顔してるぞ」
_
( ゚∀゚)「ふふふ、いいことを思いついたんだ」
かくかくしかじか。
(;・∀・)「えーと、つまり」
(;゚∋゚)「嘗女を怒らせて」
(;・∀・)「女に取憑かせて」
(;゚∋゚)「嘗めさせる」
_
( ゚∀゚)b グッ
(;・∀・)「ど変態が」
(;゚∋゚)「罰当たりにもほどがあるだろう」
498
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 4/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 01:55:48 ID:Yk3KobIk0
(;・∀・)「ていうか沖縄ので懲りなかったのかよ」
(;゚∋゚)「38本目参照な」
友人たちが如何様に私を評価しようとも関係なかった。
すでに頭の中では画期的なアイデアが構成されている。
( ・∀・)「だいたい徳島なんてそんなに行く用事なくね?」
_
( ゚∀゚)「いやそれがあるんだよ、たまたま、偶然」
_
( ゚∀゚)「大学の友達が急に本場の阿波踊りを見たいとか言い出しててな、しかもそいつ女なんだよ」
(;・∀・)「なんだそりゃ」
( ゚∋゚)「もしお化け怒らせて、女じゃなくてお前にでも取憑いたらどうすんだよ」
_
( ゚∀゚)「それむしろ好都合じゃね!? 正当に嘗め放題じゃん。
もし嫌がられても妖怪のせいにすればいいんでしょ? うっは興奮してきたwwwwww」
( ゚∋゚)「ダメだこいつ」
499
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 5/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 01:56:47 ID:Yk3KobIk0
彼はそういうが、決してダメではない。
私は自分の体を嘗めさせることにこそ魅力を感じている。
自分から女性を襲いにいくなど、言語道断。私は紳士なのだ。
やがて私は彼から、祠のある場所を教えてもらった。
程ほどの山の中腹、道は広いが、周りは森。
なんと都合がいいのだろう、私は思考を巡らせた。
計画は練られていく。
まずは女と連絡を取る。
面白い心霊スポットがあるから寄らないか?
すぐに肯定の返事がきた。どうやら元々その手の話題が好きだったらしい。
私は飛行機と、現地のレンタカーをチェックした。
移動は主にこのレンタカーを使うつもりだ。免許は春のうちに獲得しておいた。
これならば山の中まで楽に移動できる。
そしてあわよくば、上手く取憑いてくれたなら、
車の中で、何物にも邪魔されず。
私は計画の筋を何度も確認し、ほくそ笑んでいた。
○ ● ○
500
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 6/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 01:57:48 ID:Yk3KobIk0
あっという間に当日がやってきた。
空港で彼女と出会う。
川 ゚ -゚)「おはようジョルジュ」
彼女の名前はクーといった。
クーは正直なところ、少し変わっている。
表情はなんだかぎこちないし、何を考えているかもわからない。
今日の旅行にしたって、阿波踊りを見たいなどと不思議なことを宣った結果であった。
しかし別に私は気にしない。
私はクーの清潔そうな髪と、清楚な服と、その豊かな膨らみを見る。
すぐに頬が緩み、幸せな感覚に包まれる。
そう、彼女の性格が変わっていようと私にとっては問題のないことなのだ。
私は紳士なのだから。
501
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 7/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 01:58:48 ID:Yk3KobIk0
お祭りを堪能し、阿波踊りを見たり真似たりして興じた。
夜は更けているが、上気した雰囲気が二人を包んでいる。
二人は見合い、そして昂った気持ちのまま次の目的地へと向かうことにした。
友達に教えてもらった道を正確に辿る。
山道ではほとんど車と出会わなかった。
人気もない、ただ夏の暑さと、わずかの風の音があるばかり。
少し開けた、山の中腹。
すぐに祠はみつかった。
石でできた、小さな小屋のような、箱。何か食べ物も置かれているようだ。
川 ゚ -゚)「ほほう、これが嘗女とやらの祠か」
彼女はそそくさと祠へと向かう。
顔には出さなかったが、よほど興味があったのだろう。
祠の前でしゃがんで、しげしげと眺めている。
502
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 8/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 01:59:46 ID:Yk3KobIk0
私も彼女のとなりに立ち、祠を見やった。
こいつをどうすれば取憑いてくれるだろうか。
蹴飛ばしたり殴ったりすればいいか。
そんなに暴力的でなくともちょっとひっかけばすむか。
とりあえず何かしらいじってみよう。
私はそう思い、祠に手をかけようとした。
そのとき、不意に足元から手が伸びてきた。
クーの手だ。
_
(;゚∀゚)「え」
私に何か言わせるまもなく、彼女は私に凭れかかってきた。
まるで獣のように滑らかな身の熟しだ。
そのまま腰の辺りを押され、流されるように茂みへと入っていく。
503
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 9/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:00:31 ID:Yk3KobIk0
これは、ひょっとして、もう
巨木の前でようやく彼女は押すのを止めてくれた。
酷く背を丸めており、顔は見えない。
私は巨木に背を向けていた。
_
(;゚∀゚)「あの、クーさん」
返事はない。
代わりに、クーが急に立ち上がる。
ようやく見えたその目は、まるで焦点があっていないぼんやりとしたものであった。
私が反応しないうちに彼女は、私の顔の横に自らの顔を寄せる。
そしてそのまま、私の頬を嘗めた。
私の心臓は高鳴った。
間違いない、彼女は嘗女に取憑かせているのだ。
彼女の舌は頬から耳、首元へと動いていく。
ちろちろと、探るような動き。
彼女の温い吐息がかかる。肌の上を広がり、胸の奥が熱くなる。
504
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 10/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:01:16 ID:Yk3KobIk0
私は彼女に押し倒される形となった。
なおも彼女は一心不乱に舌を動かしている。
彼女の白い体が、私の体の上で踊る。
髪が乱れようとも彼女は気にしていない。いや、もうとっくに正気ではないのだろう。
首元から胸、腹へと、幸せな感触が移っていく。
彼女はわざわざ服を捲ってまで嘗めてくれる。軽装なのでさぞやりやすいことだろう。
私はこの野性的な営みをあるがままに受け入れることにした。
きっとこれは動物霊か何かなのだろう。
彼女の息遣いや身のこなしは獣そのものであった。
体臭からしても、とても人間の発するものとは思えない土の香りがした。
身も心もすっかり獣となっているに違いない。
動物が相手と親しくなるときのスキンシップ。
それが今、彼女の体を介して行われている、ただそれだけのことなのだ。
私は目を閉じていた。
感覚によりいっそう集中するために。
505
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 11/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:02:07 ID:Yk3KobIk0
相手が野性と言うならば、あるがままに受け入れよう。
それが相対する我が身のするべきことだと悟った。
そうして新しい境地を垣間見ることができるならば。
これを教えてくれた友人に感謝しなければなるまい。
暇で暇でしょうがなかった大学生の夏休み。
毎日が堕落であり、むさい部屋で男と怪談に興じるなど、滑稽である。
そのむさい部屋を提供してくれたのも友人だったが、この際気にしない。
そうだ、余計なことは考えるな。
今は目一杯、このときを楽しむのだ、私はそう自分に言い聞かせた。
彼女の舌は下腹部へと迫っている。
もうじきに私の昂りは頂へと達するだろう。
もはや力も入らない。体が痺れる。熱さもある。
このまま、このまま
幸せな感覚を……
「くしゅん」
● ○ ●
506
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 12/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:03:06 ID:Yk3KobIk0
( ・∀・)「クーさん」
彼は徳島にある病院まで来ていた。
川 ゚ -゚)「モララーさん!」
クーは立ち上がる。
川 ゚ -゚)「早かったですね」
( ・∀・)「元々心配だったからな。
すぐに後を追ってこっちまで来ていたんだ」
( ・∀・)「で、ジョルジュ、重症なんだって?」
川 ゚ -゚)「ええ、なんでも身体中に発疹が起きて
ずっと痙攣して、体中からいろんな体液が出て
ショック症状を起こしているみたいなんです。命の危険もあるとか」
507
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 13/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:04:07 ID:Yk3KobIk0
( ・∀・)「アナフィラキシー・ショックみたいだな」
川 ゚ -゚)「アナフィラキシー、それって、アレルギーとかそういうのじゃ」
( ・∀・)「ああ、実はあいつ猫アレルギーでさ」
川 ゚ -゚)「猫……猫なんていたんですか?
あの、あの私一緒にいたのに、何にも覚えていなくて」
( ・∀・)「覚えていない?」
川 ゚ -゚)「ええ」
( ・∀・)「……祠には行ったのか?」
川 ゚ -゚)「祠? 嘗女のですか? ええ、いきましたけど」
( ・∀・)「あー、で、何も覚えていないと、あー」
508
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 14/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:05:11 ID:Yk3KobIk0
川 ゚ -゚)「あの……私モララーさんに何かしたんでしょうか?
もしそうだったら、なんてお詫びしたらいいか」
( ・∀・)「いや、君のせいじゃない。
取憑かれていたとしても、やましいこと考えて怒りを買ったこいつが悪い」
川 ゚ -゚)「怒りって」
( ・∀・)「嘗女の」
( ・∀・)「猫娘とも言うらしいけど」
〜おわり〜
509
:
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:06:44 ID:Yk3KobIk0
(
)
i フッ
|_|
実は沖縄旅行の話のプロトタイプだったりする。
ちなみにこの猫娘は鬼太郎のそばのあれとは関係ないです。
これで今年の書きためた分は終わり。
510
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:07:40 ID:IW9VAKCY0
乙
最後の謎を明かすところがいいなぁ
大量投下ほんとうに乙!
511
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:16:07 ID:IW9VAKCY0
蝋燭いただきます
512
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:16:47 ID:IW9VAKCY0
75本目
.,、
(i,)
|_|
川д川彼女は動かないようです
.
513
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:17:41 ID:IW9VAKCY0
( ・∀・)「そこのキレイな黒髪のお姉さん。
ちょっと、そこで一杯お茶でもどう?」
川д川
( n・∀・)n「お姉さん、お姉さんってば――!!」
川д川
(#・∀・)「ちぇっ、無視かよ」
大通りから外れた、小さな公園。そのベンチに女が一人。
.
514
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:18:36 ID:IW9VAKCY0
£°ゞ°)「そこのお嬢さん、振り返って私にその顔を見せてくれませんか?」
川д川
£- ゞ-)つ「この哀れな子羊は、貴女のその美しい後ろ姿にひと目で恋に落ちてしまったのです」
川д川
£°ゞ°)「ああ、この私に視線さえもくださらないのですか。わかってはいましたが、つらいものです。
この寂しいハートのエンジェル。ロミスに微笑みかけてくれる女性はいないものか……」
白いワンピースに、長い黒髪。女の髪は絹のように美しい。
.
515
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:19:17 ID:IW9VAKCY0
( ^Д^)「ねぇねぇちょっと、そこのねぇちゃん」
川д川
( ^Д^)「ちょっとー、無視ってのはひどいんじゃない?」
川д川
(#^Д^)「聞いてんのかよ、おい!!」
(#^Д^)つ川д川 ガッ
男は女の肩を掴むと、ぐいと引いた。
.
516
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:20:30 ID:IW9VAKCY0
女の体がぐらぁりと、揺れる。
そして、
そのまま、倒れた。
.
517
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:21:25 ID:IW9VAKCY0
(;^Д^)「おい、ちょっ、大丈夫かよねぇちゃん」
女は動かない。
(;^Д^)「頭から行ったぞ、マジで大丈夫かよ!?」
女は動かない。
(; Д )「おい、起きろってば……」
男は女の肩を掴むと、その体を仰向けにした。
.
518
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:22:45 ID:IW9VAKCY0
ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1116.jpg
.
519
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:24:00 ID:IW9VAKCY0
体の半身に火傷の跡がある女だった。
女の目は、まばたきをしない。
白い色をなくしたその肌は、赤黒い色と、青と緑に変色している。
その首には赤黒い、紐の跡。
女の口や鼻は、息をしている形跡がなかった。
女を掴んだ、男の手が冷たい。
.
520
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:25:41 ID:IW9VAKCY0
女の眼球に虫が止まり、じりじりと動いた。
それでも、女は動かない。
動くことが出来ない――。
(; Д )「ひぃっ!」
男は全てを悟り、
悲鳴を上げると、何度も転びながら大通りへと逃げていった――。
.
521
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:26:25 ID:IW9VAKCY0
(
)
i フッ
|_|
75本目 了
.
522
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:35:06 ID:ueiyMW2g0
おつおつ!
し、死んでたのね……
あと多分、75本目でなく76本目や
523
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:38:45 ID:jN0YT7XQ0
77本目。
.,、 .,、 .,、 .,、 .,、
(i,) (i,) (i,) (i,) (i,)
|_| |_| |_| |_| |_|
524
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:39:34 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「あー、あー……、マイクテス、マイクテス……」
⊃¶
( ^ω^)「よしよし、マイクおkですおー、問題ありませんおー」
( ^ω^)「……え? ん、なに、聞こえてるって? ……今、会場に?」
( ^ω^)「……」
( ^ω^ )「どうも失礼いたしました! 皆さん! 司会のブーンですお!」
( ^ω^)「さて皆さん、『百物語のようです2013』いかがですかお?」
( ^ω^)「楽しんでますかお? 怖くて怖くて震え上がっていますかお!?」
( ^ω^)「しかしっ! 残念ながら! とうとう本日を持って祭り最終日となりますお!」
525
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:40:21 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「とっておきの話を出し惜しみしてる人も……」
( ^ω^)「まだまだ諦めずに足掻いてる人も……」
( ^ω^)「泣いても笑ってもこれが最後ですお!」
( -ω-)「……ま、ちょっと遅刻するくらいなら、許してあげないこともない……ですけお」
( ^ω^)「規定上! タイムリミットは本日早朝7時!」
( ^ω^)「本日、8月19日の早朝7時までですお! お間違えの無いよう!」
( ^ω^)「この機会を逃したら、次は来年か……はたまた再来年か分かりませんが」
( ^ω^)「今年の百物語はもはや残すところわずか! 投下するもしないも、存分に楽しみましょうお!」
526
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:41:11 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「さてさて!」
( ^ω^)「ここまで皆さんに消していただいたロウソクは76本!」
( ^ω^)「残るところ24本、果たしてどこまで伸びるでしょうか?」
( ^ω^)「奇跡のロウソク100本消しはなるのでしょうか!?」
( ^ω^)「全てのロウソクが吹き消えた時! そこには何が待っているのでしょうか!?」
( ^ω^)「それは全て参加者の皆さんにかかっていますお!」
( ^ω^)「さあ、いよいよラストスパート!」
( ^ω^)ノシ「皆さん、最後の頑張りに期待していますおー!」
527
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:42:11 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)ノ「……えっ?」
( ^ω^)「なに? なんだって?」
( ^ω^)「100本消すのはもう無理? このペースじゃあ間に合わない、って……?」
( ^ω^ )「……ふふふ、本当にそう思っていますかお……?」
( ^ω- )b 「チッチッチッ……」
( ^ω^)「……実は、ここでウレシイお知らせがありますお」
( ^ω^)「参加者の皆さん……大変重要なお知らせですので、よ〜くお聞きくださいお!」
528
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:43:13 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「なんと……たった今、深夜2時43分から……祭り終了まで!」
( ^ω^)「たった今! 深夜2時43分から! 祭り終了までの3時間17分ですお!」
( ^ω^)「なんと……!」
(^ω^ )「なんと……!?」
( ^ω^ )「な、な、なんと〜〜ッ!」
( ^ω^ )9m「 一 度 に 消 せ る ロ ウ ソ ク の 数 が 5倍!!! 」
⊃¶
.
529
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:43:59 ID:rOAjZfD60
ちょwwwww
530
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:44:06 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^ )「……の! ボーナスタイムとなりますお!!」
( ^ω^)「たったの1話でロウソク5本!! この大チャンス、絶対逃せませんお!」
( ^ω^)「ロウソク100本、全て消すことだって夢では無いですお!」
( ^ω^)「さあさあこれにて……百物語は達成されるのか! そして、その先にあるものとは!?」
( ^ω^)「果たして――――!?」
( ^ω^)「……おおっと! どうやらお時間のようですお!」
( ^ω^)「それでは、次は朝日が昇るころにお会いしましょう!」
( ^ω^ )「司会のブーンでしたお!」
( ^ω^ )ノシ「アデュー!」
531
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:45:06 ID:jN0YT7XQ0
( ( ( ( (
) ) ) ) )
i i i i i フッ フッ フッ フッ フッ
|_| |_| |_| |_| |_|
投下は以上です、ご覧いただきありがとうございました
って何をやっとんじゃあああぁぁぁ!!
_ξ#゚⊿゚)ξ
/ ) ドゴォォォ _ /
/ ,イ 、 ノ/ ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _ ギャアアアアアア!!!
/ / | ( 〈 ∵. ・(^ω^〈__ > ゛ 、_―
| ! ヽ ー=- ̄ ̄=_、 ¶(/ , ´ノ
| | `iー__=―_ ;, / / /
!、リ -=_二__ ̄_=;, / / ,'
/ / / /| |
/ / !、_/ / 〉
/ _/ |_/
ヽ、_ヽ
532
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:45:27 ID:mtmv.fjI0
なにそれせこい
533
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:45:26 ID:O6WuuAK60
力技すぎんだろwwwwwww
534
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:46:07 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「ゲッホ! ゲッホォ! ゲホォオッェエ!!」
( ^ω^)「……な、いきなり何ばしよっと!? 怪我したらどうするんだお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「どうもこうも無いわ!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「何、ボーナスタイムって!? 何を勝手に作ってんの!?」
( ^ω^)「別にいいじゃん……100話まで行ったら嬉しいじゃん……?」
ξ;゚⊿゚)ξ「それ100話になってない!! それじゃ百の物語にならないから!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「最後の最後にもなって5倍って!! そんなん今時バラエティ番組でもやらないわ!!」
( ^ω^)「ふっふっふ……そこまで言われてしまっては仕方ないおね……」
( ^ω^)「そう、実は僕は……本物のブーンでは無いんだお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「あっ、なんか勝手に正体明かし始めた……」
535
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:46:16 ID:rOAjZfD60
え、えっとじゃあ次の投下からは78から83本目ということでよろしいのかな…?
536
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:47:09 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「ふふふ……僕は百物語に誘われて出てきた幽霊なんだお」
( ^ω^)「全てのロウソクを消すよう仕向けるため、ブーンとかいうへちゃむくれに化けていたんだお……」
ξ゚⊿゚)ξ「そう……丁寧にありがとう、まったく気付かなかったわ……」
ξ゚⊿゚)ξ「本物のブーンはどこにやったの?」
( ^ω^)「後ろ手に縛ってトイレのロッカーに放り込んでおいたお」
ξ゚⊿゚)ξ「な、なんて幽霊らしからぬ乱暴さ……!」
( ^ω^)「百物語で全てのロウソクを消した時、本物の“怪異”が現れる……って話は知ってるおね?」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、まぜこぜブーンのページにも書いてあったわね」
( ^ω^)「ただの与太話だと思ってるかもしれないけど、ありゃ本当なんだお」
537
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:48:20 ID:O6WuuAK60
話の内容的に100本目を戴きたい…
やるしか…無いのか…
いまから100本埋めるための没ネタ作品を書くしか…
538
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:48:25 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「ほら……あそこを見てくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「? えーと……ど、どこ?」
( ^ω^)「あの、ほら……部屋の隅の……あ、いや、そっちじゃなくて……そこの……」
ζ( :::ζ
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ、なんかモヤモヤしてる……!」
( ^ω^)「そう、あの女性の妖怪……あれこそが“怪異”だお」
( ^ω^)「今、ロウソクの数に合わせて、7割ほど姿が見えてきたところだお」
ξ゚⊿゚)ξ「え、そういうシステムになってるんだ……」
539
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:49:22 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「ふふふ……どうだお、美しい人だと思わないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「顔見えないから分からないけど……」
( ^ω^)「手も綺麗だし、足も長いし……胸も、でかいお?」
ξ#゚⊿゚)ξ ムカッ
Σ(;^ω^) ビクッ
ξ゚⊿゚)ξ「……何? それでアンタは、何が言いたいの?」
(;^ω^)「ふふふ……何故、僕が人に化けて、あんなくだらない企画まで考えて……」
ξ゚⊿゚)ξ「自分でくだらないって言っちゃうんだ……」
(;^ω^)「そこまでしてまで、どうしてあの妖怪を呼ぼうとしてるのか分かるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「勿体ぶってないで早く言いなさいよ」
( ^ω^)「聞いて驚くなお……? 実は……」
( ^ω^)「あの娘……僕の彼女なんだお」
ξ#゚⊿゚)ξ「……新手のノロケかっっ!!!」
540
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:51:18 ID:jN0YT7XQ0
ξ;゚⊿゚)ξ「何かと思えば、そんなことかいっ!!」
(;^ω^)「ふふふ……あの娘、デレちゃんって言うんだお……彼女から告白してきたんだお……」
ξ;゚⊿゚)ξ「知らんわ! 聞いてないわ!!」
(;^ω^)「優しくて良い娘なんだお〜、ちょっと食いしん坊なのがまた可愛いんだお〜」
ξ#゚⊿゚)ξ「だあぁぁ、うっさい! もういいわ! とっとと出ていかんかー!!」
ξ#゚⊿゚)ξ≡つ≡つ シュシュシュ!!
Σ(;^ω^) ヒィィ
(;^ω^)「ふ、ふふふふふ! まあいいお……ここは一旦出てってやることにするお……!」
(;^ω^)「だけど……! いよいよ百物語の灯火が尽きた時、僕の目的は達成されるんだお!」
ξ#゚⊿゚)ξ「目的って、あの女と遊びたいだけでしょうが!!」
(;^ω^)「ち、違うお!? いや、それもあるけど……それだけじゃないお〜!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「あるのかよ、それも!!」
541
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:53:02 ID:jN0YT7XQ0
(;^ω^)「デレちゃんは妖怪だお? それもただの妖怪じゃないお? おっそろしい人食いの大妖怪なんだお〜?」
(;^ω^)「デレちゃんが現世に呼び出されたら、ただ事じゃあ済まないお〜!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「デレちゃんデレちゃんうっさい! 黙らっしゃい!!」
(;^ω^)「怖いだろ〜? 怖くて怖くて震え上がっちゃうだろお〜!?」
(;^ω^)「いっぱしの悪霊からの忠告だお〜!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「 そ の 顔 で 喋 る な っ !!! 」
ξ#゚⊿゚)ξ≡つ#);^ω^)「ギャアアアアアア幽霊なのに殴られたあああぁぁぁ!!!」
ドゴォォ
(;#)^ω^)「えぇ……なんかものっそいキレられ出したお……知人の顔を殴るのに一切容赦が無いお……!」
ξ#゚⊿゚)ξ「二度と出てくるなっ!!」
(;#)^ω^)「分かった! 分かったお! もう出ていきますお!!」
(;#)^ω^)「ひいぃぃ……恐ろしいお……! コイツのほうがよっぽど妖怪だお……!」
542
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:53:39 ID:IW9VAKCY0
ふいたwww
543
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:54:41 ID:jN0YT7XQ0
(;^ω^)「でも……喋ったことは全部本当だお!!」
(;^ω^:::「ふふふ……今年はどうなることやら分からないけど……」
(;^ω:::...「来年、再来年と百物語を続けるようなら……いつかはデレちゃんが、妖怪が現れるお……!!」
(;^:::... 「ふふふ、それでも……果たして、仲良しこよしで続けられるかな……!? ふふふふふふ!!」
(;:::.... 「ふふふふふふ!! ふっふっふっふ!!」
(:::... 「ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふふふふふはははははははは……」
ξ#゚⊿゚)ξ「うっっさいってのっ!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「……」
ξ#-⊿-)ξ「……ふんっ」
544
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:56:09 ID:jN0YT7XQ0
ξ゚⊿゚)ξ「……ったく、何よあれ、ムッカつく……」
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーンの顔して出てくるから……痛い目見るのよ!」
ξ-⊿-)ξ ー3 ハァ
ξ゚⊿゚)ξ「……さーてと」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンを探さなきゃ、ね……」
ξ゚⊿゚)ξ「……胸、か…………」
……
…………
………………
545
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:58:09 ID:jN0YT7XQ0
………………
…………
……
:[ロッカー]: < ドン! ドンドンドンドン!!
[ロッカー] < ダレカー! タスケテオー! クライオー!
ξ゚⊿゚)ξ「あ……ここだわ、分かりやすい……」
[ロッカー] < ツ、ツンカオ!? アケテクレオー!
ξ-⊿-)ξ「はいはい……今開けますよっと」 ガチャガチャ…
(;;゚ω゚)「ぶあああぉぉぉぉ!! 暑かったおおおぉぉぉぉ!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「うわ、すっごい汗!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ちょっと、引くわ……」
(;;゚ω゚)「ひ、ひどいお……」
546
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:59:15 ID:jN0YT7XQ0
( ;ω;)「はぁ〜〜〜〜……でも、助かったお……」
( ;ω;)「暗かったお……狭かったお……怖かったお……」
( ;ω;)「なにより暑かったお……蒸し豚にされるかと思ったお……」
ξ;゚⊿゚)ξ「自分で豚って言っちゃうんだ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ……それよりブーン! 時間大丈夫!?」
( ;ω;)「おっ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「おっ? じゃないわよ! 百物語、今日で最終日なのよ!」
( ;ω;)「……」
( ゚ω゚)「おおおおおおおおおおおおおおおお!!! 今日で最終日!?」
547
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:02:11 ID:jN0YT7XQ0
( ゚ω゚)「まずいお! まだ書き溜め途中なんだお!!」
( ゚ω゚)「どうやって主人公が惨殺されるか浮かばないんだお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや、アンタ、司会者もやらなきゃなんないのよ?」
( ゚ω゚)「おおおおおおおお司会者!? そうだお! 僕、司会者もしてるんだったお!!」
( ;ω;)「時間が無いおー! どうしてこうなったおー!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「泣いてる場合か!」
( ゚ω゚)「とりあえず作品投下開始前の挨拶やってくるお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、今更……?」
( ゚ω゚)「やるお!? せっかく台本も用意したんだお! あっ、台本……台本はどこやったかお……!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ああもう……やるなら急いで! 投下、もうとっくのとっっくに始まってるから!!」
( ゚ω゚)「ウソん!? そうなの!?」
548
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:03:50 ID:jN0YT7XQ0
( ゚ω゚)「おおおお! もうヤバいお!! ダッシュで走るお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「あッ……」
⊂二二( ゚ω゚)二⊃「ブゥゥ――――――――‐」
ξ;゚⊿゚)ξ「……待ってっ!!」
( ゚ω゚)「――――‐お!?」
( ゚ω゚)「…………」
ξ;゚⊿゚)ξ「…………」
( ^ω^)「……どうかしたお?」
549
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:05:35 ID:jN0YT7XQ0
ξ;゚⊿゚)ξ「……その」
( ^ω^)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「今日、この百物語で……」
ξ;゚⊿゚)ξ「もし、もしも……百話まで行ったら……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ど、うする?」
( ^ω^)「…………」
( ^ω^)「……“怪異”の、ことかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
550
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:07:21 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「そりゃ大丈夫だお、あんなの怖がらせの与太話……」
ξ;゚⊿゚)ξ「もしも!」
( ^ω^)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……もしも、本当だったら」
ξ;゚⊿゚)ξ「本当に、“怪異”が現れたら」
ξ; ⊿ )ξ「ブーンは、どうするの……?」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「…………」
551
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:09:05 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「……僕は、僕だお」
( ^ω^)「僕は、ツンと一緒にいるお!」
ξ; ⊿ )ξ「……」
( ^ω^)「もし、怪異ってのがツンに危害を加えるなら、僕はツンを守るお!」
ξ ⊿ )ξ「……」
( ^ω^)「絶対守るお!」
( `ω´)≡つ≡つ「守るんだお! ボコボコにしてやんお!」 シュシュシュ!!
ξ ー )ξ「…………」
ξ* ⊿ )ξ「……そう、だよね」
552
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:10:22 ID:jN0YT7XQ0
ξ゚⊿゚)ξ「……ごめんね、勝手に呼び止めちゃって」
( ^ω^)「おっ……なんか知らんけど、納得してくれたならそれでいいお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう……よね、やっぱり、女は胸とか……足とか……だけじゃないわよね……」
( ^ω^)「えっ?」
ξ ⊿ )ξ「……ありがとう、ちょっと……不安になって……」
( ^ω^)「え、なんだお……なんだおこの雰囲気……ツンの頭の中でどういう思考回路が組み立てられていたんだお……」
ξ* ⊿ )ξ「……ッ」
ξ*゚⊿゚)ξ「いいからっ! 早く行きなさいよ! 司会者するんでしょ!?」
(;^ω^)「おおっ!! そうだお!! もうこんな……もうこんな時間だお!?」
553
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:11:56 ID:jN0YT7XQ0
(;^ω^)「ヤベェおヤベェお〜! そう、まず台本を探さなくちゃならないんだお!!」
(;^ω^)「ツン! 台本見付けたら教えてお!! メールくれお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「おう!」
(;^ω^)「そんじゃ! 僕は行くお!!」
⊂二二(;^ω^)二⊃「ブ――――‐ン!!」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「…………」
554
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:12:44 ID:IW9VAKCY0
かわいいなぁ
555
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:13:30 ID:jN0YT7XQ0
ξ*゚⊿゚)ξ「……あーあ、なーんか……」
ξ*゚⊿゚)ξ「ハッズいことしたなー……」
ξ*゚⊿゚)ξ「……あの幽霊め」
ξ*゚⊿゚)ξ「なにがデレちゃんよ、馬鹿馬鹿しい」
ξ*-⊿-)ξ ー3 ハァ
ξ-⊿-)ξ「ちょっと、不安になっちゃった私も私だけどねー……」
ξ゚⊿゚)ξ「さっ、台本とやらを探してあげるかな……」
……
…………
………………
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