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('A`)百物語のようです2013( )
1
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 00:17:46 ID:z2vK43pU0
('A`)おーす
('A`)前スレと区別がつきやすいように今回は俺がメインだぜひゃーはー
('A`)ではルールのおさらいといこうか
・開催日は八月九日(金)から十八日(日)まで
※ただし投下できるのは金土日のみ。投下期間以外の本スレは作品の感想などご自由に使用してください
・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可
・レス制限は一作品30レスまで。それ以上は個別スレ建てをお願いします。
・ながらはNG。個別スレを建ててそこでやるのは可。
※個別スレ参加の場合
レス制限無し。
スレ立て
↓
百物語スレにて投下開始報告、URLを貼る
↓
投下終了後、百物語スレにて投下終了報告(その際、前の人の数字を引き継いで話数宣言)
・1人何話でも投下可!
※連続投下→次に投下する人がいないか確認を取り、無ければOK
※作品の投下間隔についてはルールはありませんが少し間を開けることを推奨します
・イラストでの参加も可!一話としてカウントします。
※ただし作品への支援絵は作品としてカウントしない
・開催時間は18時から翌朝7時まで
・話が終わったら本スレ(自分でスレを立てた人はそのスレでも可)で蝋燭のAAを貼る
前回百物語のスレ
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1344607128/
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1345353530/
前スレ
( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1372396645/
('A`)祭りはあと少し......百まで残り約半分......行けるか?
34
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:45:50 ID:NgqitKuk0
じゃあ48本目いただこう
35
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:46:35 ID:NgqitKuk0
.,、
(i,)
|_|
36
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:47:51 ID:NgqitKuk0
(-@∀@)「悪霊が集う村…ですか?」
(,;゚Д゚)「ええ、とても恐ろしい体験をしました」
と、いい色に日焼けした顔を真っ青に染めて心霊体験を伝えてきた
彼ほどの体躯であるならば、むしろ幽霊が走って逃げそうなものだが…
体を鍛えても、内面が図太くなるかはまた別の話のようだ
(-@∀@)「して、どのような場所でしたか?」
(,;゚Д゚)「それはもう筆舌しつくしがたいものでした」
最初に『筆舌しつくしがたい』という言葉を考えた人は頭の良い馬鹿だろう
こう言えば面倒な説明をしなくてもいいのだから
(-@∀@)「まぁ…百聞は一見に如かず、と言いますしね。直接行って確かめる事にしましょう」
(,;゚Д゚)「正気ですか!?」
(-@∀@)「あなた、私を誰だと思っているんですか?」
(-@∀@)「オカルト雑誌『ジーザス!!』のカリスマ記者、『朝日アサピー』」
(-@∀@)「幽霊如きに屈するような臆病者に、この仕事は務まりませんよ」
37
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:48:42 ID:NgqitKuk0
『む ら び と』のようです
.
38
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:49:40 ID:NgqitKuk0
電車とバスを乗り継ぎ、片道五時間
一番近いバス停から歩いて一時間
ようやく見えてきた廃村は、想像以上に荒廃していた
(-@∀@)「如何にもって場所ですね」
家屋はどこも固く扉を閉め、酷いところは窓ガラスが割れ、雨風にさらされ室内が荒らされていた
田畑があったであろう土地は、雑草と害虫が占領していた
情報提供者の…なんて言ったけな、『キソ』さんだっけ…まぁなんでもいいや
彼は林業の一環としてこの場所に立ち入ったらしく、怪異に巻き込まれたそうだ
(-@∀@)「一本しかない道路、周囲は山と湖に囲まれている…まるでホラー映画のセットのようだ」
そう、この場所は『出来すぎている』
まるで怪異を目にするために訪れる者を、歓迎するような…
('(-@∀@)「いや、考えすぎか…」
('A(-@∀@)「とにかく、キャンプを張れる場所を探しますか。今日は疲れたし、探索は明日に…」
('A`)「む ら び と」
(;-@∀@)そ「!?」
ガツン、と頭に衝撃が走り
廃村での一日目が終了した
39
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:51:08 ID:NgqitKuk0
―――――
―――
―
(;-@∀@)「う、ううん…」
目を覚ますと
('A`)「…」
( ^ω^)「…」
<ヽ`∀´>「…」
(´・ω・`)「…」
N| "゚'` {"゚`lリ「…ウホッ」
(;-@∀@)そ「ぎゃあああああああああああああ!?なになに何なのおおおおおおおおお!?」
ふんどし一丁の屈強な体の男たちが、周りを取り囲んでいた
(;-@∀@)「こええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
幽霊にはめっぽう強い私も、変態たちに囲まれては手も足も出ない
('A`)「む ら び と」
(;-@∀@)「え!?何なの!?」
『村人』、と言葉を発したこいつは、間違いない、私を攫ったマッチョだ
ムキムキな体とは相反し、その顔に血の気は無い
まさかこいつらが件の悪霊とやらか?いやねーわこいつら幽霊にしてはくっきりしすぎてる
40
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:51:53 ID:NgqitKuk0
( ^ω^)「む ら び と」
<ヽ`∀´>「む ら び と」
(´・ω・`)「む ら び と」
N| "゚'` {"゚`lリ「やらないか」
続けて、他のマッチョたちもその言葉をリピーtいや一人だけなんか違う
N|*"゚'` {"゚`lリ「パンパンだぜ」
やべえ、こいつだけやたら血色が良い
しかも目が据わってやがるこれアカン奴や一刻も早くここから離れないと死ぬ主に穴が埋まって死ぬ
(;-@∀@)「うわ、うわああ!!」ギシギシッ
(;-@∀@)そ「ぎゃああああああああああ拘束されてるううううううう!!!!!」
椅子にギッチギチに縛られている!!
なんてこった!!金縛りはなんども経験しているが、こんな物理的な方法は初めてだ!!
('A`)「む ら び と」
(;-@∀@)そ「ごめんなさい!!」
悪いのは向こうなのについ謝ってしまう
筋肉の圧迫感がとても恐い!!これが本当の恐怖か!!
41
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:53:26 ID:NgqitKuk0
( ^ω^)「む ら び と」
(´・ω・`)「む ら び と」
N| "゚'` {"゚`lリ「かまわないでホイホイ食っちまおうぜ」
ヤバイ食われる、これは多分性的な意味で食われる
なんであいつだけやたら悠長に喋っているんだとても恐い
<ヽ`∀´>「む ら び と」
五人の中でずば抜けてムキムキのマッチョが近づいてくる!!
足跡がしない!!ニンジャ!!!!
(;-@∀@)「イヤー!!」
<ヽ`∀´>「む ら び と」ホドキホドキ
(;-@∀@)「えっ…」
恐い顔とは裏腹に、拘束をやさしく解いてくれた
42
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:54:22 ID:NgqitKuk0
(;-@∀@)「あ、ありが…」
彼の指先が、手首に触れる
(;-@∀@)そ「ひっ!」
『冷たい』
<ヽ`∀´>「…」
<ヽ`∀´>「む ら び と」
拘束を全て解くと、彼は静かに後ろに下がった
その無表情な顔に、ほんの少しの寂しさが差した気がした
(;-@∀@)「あ、ありがとうございます…」
まさか、この筋肉モリモリ、マッチョマンの変態たちが
『悪霊』だというのか?
43
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:55:41 ID:NgqitKuk0
以前、気を抜けない状況が続くが
手足が自由になった事で周りを見渡す余裕が出てきた
そこはまるで…
(;-@∀@)「マシンジム…?」
ランニングマシンにエアロバイク
筋力マシンにフリーウエイト
私自身も運動不足を解消するために利用している施設によく似ていた
(;-@∀@)「…」
(;-@∀@)そ「なんで!?」
山奥の、マジびっくりするくらい人のいないクソド田舎にマシンジム
それはまるで、吉幾三のアルバムリストの中に一曲だけ『Macho Man』が紛れ込んでいた
違和感を覚えずにはいられない、そんな状況であった
('A`)「む ら び と」
そして彼ら
一人を除く全員が青白い顔をしているものの、その見事なまでに鍛え上げられたボディの存在感は計り知れない
だが、先ほど触れた指先は氷のように冷たかった。恐らく、彼らは霊的な何かだと思われる
何故か『む ら び と』としか話さない。そこはかとない怪異の臭いがする
足元を良く見てみると、ほんのちょっぴり、すっごく目を凝らさないとわからないほどに、うっすらと透明だった
(;-@∀@)「な…なんてくっきりと姿を現している幽霊なんだ…」
心霊に向き合ってきた年数は長いが、これほどまでに力強い幽霊は初めてだった
44
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:56:59 ID:NgqitKuk0
さて、現状の把握も出来たことだ
会話は出来そうにないが、話は通じるだろう
(;-@∀@)「そ、それで…私をここに連れてきた理由はなんですか?」
('A`)「む ら び と」
ダメだ全然わからん
N| "゚'` {"゚`lリ「体を鍛えろってことさ」
無駄に血色のいい幽霊(?)が翻訳してくれた
(;-@∀@)「鍛える?…まさか」
N| "゚'` {"゚`lリ「お前さんをマッチョにするまで、帰さないらしいぜ?」
(;-@∀@)「な…なんやて…?」
45
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:57:49 ID:NgqitKuk0
_
/ jjjj _
/ タ {!!! _ ヽ、
,/ ノ ~ `、 \ _
`、 `ヽ. , ‐'` ノ / `j
_ \ `ヽ( ^ω^ )" .ノ/ / /`ー'
('A` )  ̄"⌒ヽ `、ヽ. ``Y" r ' 〈 `ヽ
/ ) ヽ' / 、 `、 i. 、 ¥ ノ `、 ヽ
γ --‐ ' λ. ; `、.` -‐´;`ー イ 〉 ´・ω・`) ,-、、
f 、 ヾ / ) i 彡 i ミ/ / ノ  ̄⌒ヽ 「 〉
! ノヽ、._, '`"/ _,. '" } { ノ ' L `ヽ./ /
|  ̄`ー-`ヽ 〈 < _ ヽ. / `\ / , ' ノ\ ´ /
!、__,,, l ,\_,ソ ノ / /ヽ、 ヽ. ( ∠_ ヽ、_, '
〈'_,/ / / / ノ ヽ. ) i 、 ヽ
| | イ-、__ \ `ヽ { f _,, ┘ 「`ー-ァ j
l.__| }_ l \ \ | i f" ノ { /
_.| .〔 l l ノ _> j キ | i⌒" ̄ / /_
〔___! '--' <.,,_/~ 〈 `、ヾ,,_」 i___,,」
`ー-‐'
ヤバイこいつらマジだ幽霊の癖に無駄にアグレッシブなポージングしやがって
46
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 01:59:41 ID:NgqitKuk0
(;-@∀@)「じょ、冗談じゃないぞ!!なんで幽霊なんかに鍛えられなきゃならないんだ!!そもそも私を鍛える理由がわからん!!」
(´・ω・`)「む ら び と」
(;-@∀@)「何言ってるかわかんねーんだよ!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「いいからとっととやれよ掘るぞこのクソメガネだってよ」
(;-@∀@)そ「口わr…掘る!?」
冗談じゃない!!いくら実体の無い…いや殴られた!!殴られて拉致された!!
つまりあいつらはヤると言ったらヤる!!凄味があるッ!!
人間の尊厳を失う行為はゴメンだ!!心なしか股間が膨らんでるし!!
N| "゚'` {"゚`lリ「…」
何故か彼のも!!!
(;-@∀@)「わ、わかった…やるよ…」
(´・ω・`)「チッ」
(;-@∀@)「ん?」
こいつ、舌打ちしやがった…
なんだこの屈辱…ホモの幽霊のくせに恐怖より憤りの方が強く感じる…
('A`)「む ら び と」
( ^ω^)「む ら び と」
<ヽ`∀´>「む ら び と」
(;-@∀@)「あー!!いっぺんに喋るな!!何言ってるかわかんねえ!!」
私は上着を脱ぎ、椅子にかけた
(;-@∀@)「それで、何から始めたらいい?」
47
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:00:28 ID:NgqitKuk0
オカルト雑誌の記者という職業は、常に危険と隣りあわせだ
なんてったって相手は魑魅魍魎。時にはとり憑かれたり呪われたりなど、命の危機を感じることもある
ただ…
(;-@∀@)「っく…」プルプル
N|#"゚'` {"゚`lリ「ちんたらチェストプレスやってんじゃねえぞコラァ!!!もっと大胸筋に力入れろ!!!」
こんなハードなトレーニングで死にそうになることは過去に一度も無かった
( ^ω^)b「む ら び と」
体を動かし、汗をかくという行為は、人の緊張や疑心暗鬼を取り除くようで
今ではすっかりこの筋肉モリモリ、マッチョマンの変態野郎共を腹立たしく思えるようにまでなった
(;-@∀@)「クッソ…誰の為にやってると思ってんだ…!!」
('A`) パァン!!
(;-@∀@)そ「!?」
なんだ今の…ラップ音!?
N| "゚'` {"゚`lリ「今のはラップ音じゃあないぜ?あれはドクオがケツを叩き合わせて鳴らした音だ」
(-@∀@)「ラップ音でいいよもう」
やつらに常識は通じないようだ
48
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:01:51 ID:NgqitKuk0
―――――
―――
―
(;-@∀@)「も…体…動かない…」
N| "゚'` {"゚`lリ「今日はここまでにしといてやる」
二時間みっちりのトレーニングで、私の体はズタボロボンボンだ
もう何なのこの体育会系幽霊…肌寒さを微塵も感じないよ
<ヽ`∀´>「む ら び と」
一番顔の恐い彼が、水とタオルを差し出してくれた
この状況が彼らの所為でも、ちょっと『アレ…こいついい奴じゃね?』って思ってしまう
(;-@∀@)「あ、ありがとう…」
('A`) パァン!!
お前は何なんだよケツ鳴らすなよ
N| "゚'` {"゚`lリ「ちょっと待ってな、風呂の用意をしてくるぜ」
血色が良い方のホモは、引き締まったケツを振りながら建物の奥へと消えた
49
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:02:59 ID:NgqitKuk0
(;-@∀@)「…」
どうも、調子が狂う
話に聞いた悪霊とは、恐らく彼らの事だろうが、ウザくて暑苦しい事を除けば『悪霊』とは言いがたい存在だからだ
( ^ω^)「む ら び と」
だとすると、なんらかの未練で現世に残る自縛霊か?
未練…そういえば、ムキムキになるまで返さないと言っていたな…
(;-@∀@)「ハァ…」
こんな目に遭って何だが、私は彼らという存在に惹かれ始めているらしい
怖くなく、アグレッシブで、幽霊のイメージを根本からぶち壊している彼らに
ここは一つ、とことんまで彼らの要求に付き合ってみよう
体当たりでぶち当たってこそ、記者ってもんだしね
50
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:03:43 ID:qSKF/Y560
こええええええええええええええええ!!!wwww
支援
51
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:03:44 ID:NgqitKuk0
そして
N|#"゚'` {"゚`lリ「これくらいでへばってんじゃねえ!!そんなんで世界狙えるか!!」
(;-@∀@)「は、はい!!」
彼らが満足するまで
( ^ω^)「NDK?NDK?」
(#-@∀@)「うぜええええええええええええええ!!!!」
体を鍛えに鍛えぬいた
<ヽ;`∀´>「む ら び と」
(-@∀@)「だ、大丈夫だよ…ありがとう」
('A`) パァン
(-@∀@)「うるせえ」
その結果
(*´・ω・`)「…」ボッキンキーン
(;-@∀@)「…」
52
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:05:53 ID:NgqitKuk0
(-@∀@)「すごい肉体を感じる。今までにない何か熱い肉体を。漢・・・なんだろう近づいてきてる確実に、着実に、俺のほうに。中途半端はやめよう、とにかく最後までやってやろうじゃん。ここには沢山の漢がいる。決して一人じゃない。信じよう。そしてともに戦おう。疲労感や怠惰は入るだろうけど、絶対に流されるなよ。」
およそ一ヶ月間
1日10時間にも及ぶ筋トレと、計算しつくされた食事のお陰で
彼らには及ばないものの、アクションスター顔負けの筋肉をつけることが出来た
これで私も筋肉モリモリ、マッチョマンの変態だ
N| "゚'` {"゚`lリ「いい…体になったじゃねえか…」
('A`)b「良く頑張った!!感動した!!」
( ^ω^)b「ナイスマッチョ」
<ヽ;∀;>「涙が止まらないニダ!!」
(´・ω・`)「チンコビンビンだよ」
(#-@∀@)「オイ普通に喋れるじゃねえか」
一ヶ月間ガチホモとしか会話出来なかった私の気持ちを考えろ
(#-@∀@)「もう大抵のことには驚かなくなった自信が出来たけど、正直今は大胸筋がこの通りビックリしている」ピクピク!!
('A`)「ごめん、だってこうしたほうが雰囲気出るかなって」
(#-@∀@)「オカルト雑誌記者から言わしてもらえれば、まずその容姿から見直せ」
('A`)「常識をぶち壊してこそホラーだと思うんだ」
(#-@∀@)「お前らに出会った時からホラー要素なんて皆無だっt…」
(-@∀@)「…」
彼らの足が、足がゆっくりと透けている
まるで光に溶けるように
53
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:06:53 ID:NgqitKuk0
('A`)「おっと、逝っちまうようだな」
(-@∀@)「…随分、急だね」
( ^ω^)「成仏する条件が、埋まっちまったからな」
(-@∀@)「それは?」
<ヽ`∀´>「『最後に、我らの友人を』」
(-@∀@)「友人…」
('A`)「共に鍛え、共に分かち、共にふざけ合える…そんな友人が、俺達のことを忘れない友人がほしかったのさ」
(-@∀@)「…ずいぶん勝手なやり方だったよ。最初に会ったときは、後ろからガツン、だもんね」
('A`)「…すまんな、アレくらいしか方法が無かった」
( ^ω^)「何人も拉致ってきたけど、みんな怯えてさっさと逃げ帰ってたからNE!!」
(-@∀@)「そりゃそうなるわ…」
<ヽ`∀´>「ごめんニダ、ウリたちのわがままに付き合ってもらって」
(-@∀@)「なぁに、一ヶ月丸まる濃い心霊体験が出来たんだ。むしろ、安いくらいさ」
( ^ω^)「おっと、先ずは俺からかお…」
にこやかマッチョの体は、既に肩まで消えかかっていた
54
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:07:15 ID:5MKaBJV.O
全く一点の曇りもなく書いた奴がわかる作品だった
開始3レスの時点で予想してたがその通りだった
55
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:07:37 ID:NgqitKuk0
( ^ω^)「お前といた一ヶ月間、悪くなかったぜ…死ぬなよ…悟飯…」
(-@∀@)「最後までそういうノリ貫くんだ…君の顔、本当にウザかったよ。恐らく一生忘れられないほどにね」
( ^ω^)「魂に刻み込むんだな、このイケメンフェイスを」
(-@∀@)「…名前は?」
( ^ω^)「内藤ホライゾンだお」
(-@∀@)「そうか…忘れないよ、内藤」
( ^ω^)「…」
( ^ω^)「さら…ば…だ!!」
「ジョ…ジョ…」
(-@∀@)「…さよなら、内藤」
(´・ω・`)「次は僕だね」
56
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:08:35 ID:NgqitKuk0
(´・ω・`)「最初に君を見たときから、やる奴だとは思っていたよ」
(´・ω゚`)「ヤることは出来なかったけどな…」
(;-@∀@)「アンタからケツを守る一ヶ月、スリルしか感じなかったよ」
(´゚ω゚`)「俺の下半身が完全に消えた事を感謝するんだな…今以上に興奮したことは無かったぜ…」
(;-@∀@)「下半身消えてもヤりかねないから怖いんだよ…」
(´・ω・`)「フフッ、僕の名前は村井ショボン様だ。覚えとけよ?」
(-@∀@)「村井ショボン、ね」
(´・ω・`)「つぎ会う時は」
「そのケツ、おいしく戴くぜ…」
(-@∀@)「ケツはやれないけど、待っていてあげるよ…さよなら」
<ヽ`∀´>「…」
57
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:09:28 ID:NgqitKuk0
<ヽ`∀´>「もう一度、謝らせて欲しいニダ」
<ヽ`∀´>「本当に、ごめんなさいニダ」
(-@∀@)「さっきも言ったけど、これは僕自身が望んでしたことなんだ。君が謝ることはないよ」
(-@∀@)「それに、君はとても優しかった。僕が残ったのも、君が決め手だったんだよ」
<ヽ`∀´>「…」
<ヽ`∀´>「小田ニダー、ニダ」
(-@∀@)「小田ニダー…」
<ヽ`∀´>「ありがとう」
「最後の、友人…」
(-@∀@)「こちらこそ、ありがとう。さようなら…」
('A`)「最後は俺か」
58
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:10:48 ID:NgqitKuk0
('A`)「あーっ、悪かったな。実は俺が首謀者だったんだよ」
(-@∀@)「うん、うすうすそんな気はしてた」
('A`)「この村はよ、俺らの故郷でな。まぁ良くある過疎化が進んで亡んじまった村さ」
('A`)「唯一の娯楽施設がこのジムでな…ガキのころから良く入り浸ってたんだ」
(-@∀@)「唯一の娯楽施設がジムってどういう事だよ…」
('A`)「そんで、鍛えすぎで過労死したんだよwwwww笑えるだろwwwwwwウェヒヒwwww」
(-@∀@)「自分ももしかしたらお前らと一緒にお陀仏するかのと思ったら、膝が笑い始めた」
('A`)「ハハハ…お前さんのそういうタフな所も、好きだったぜ」
(;-@∀@)「やっぱお前もゲイか…」
('A`)「友愛って知ってる?」
(-@∀@)「冗談さ…この一ヶ月、楽しかったよ」
('A`)「描写されなかったけどな」
(-@∀@)「おい感動のシーンにそういうこと言うな」
('A`)「欝田ドクオだ」
(-@∀@)「変な名前」
('A`)「ほっとけ」
('A`)「いいか、忘れるなよ」
「俺らみたいな奴らも、いたってことを…」
(-@∀@)「ああ、一生忘れないよ…さようなら…」
59
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:11:41 ID:NgqitKuk0
やばい続き消えてる
ちょっと最速で書き直すからちょっと待ってごめん
60
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:34:26 ID:qSKF/Y560
俺は寝るけどがんばれー
支援支援
61
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:36:58 ID:NgqitKuk0
(-@∀@)「で、あんたは一体何なのさ?」
N| "゚'` {"゚`lリ「俺かい?俺はおせっかいやきの寺生まれさ」
(;-@∀@)「も、もしかして、数々の悪霊を葬りさった寺生まれのTさんかい?」
N| "゚'` {"゚`lリ「巷では、そう呼ばれているな」
(*-@∀@)「うわあマジかよただのゲイかと思ってた…」
N| "゚'` {"゚`lリ「正体が割れたところでやr(-@∀@)「やんねーよ」
N| "゚'` {"゚`lリ「やれやれ、つれないじゃないの…」
(-@∀@)「でも、解せないな」
N| "゚'` {"゚`lリ「何が?」
(-@∀@)「あんたほどの霊能力者なら、破ァッ!!で済ませれたはずでは?」
N|;"゚'` {"゚`lリ「それがな、あいつら耐えるんだよ…あんだけ力強い幽霊は初めてでな…」
(-@∀@)「幽霊にカテゴライズされるべきじゃないだろあいつら」
N| "゚'` {"゚`lリ「ハハハ、その通りだな全く…ちょっと歩かないか?」
(-@∀@)「え?」
62
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:37:43 ID:NgqitKuk0
寺生まれのTさんこと、『阿部高和』さんは、僕を荒れ果てた墓の前まで連れてきた
(-@∀@)「ここは…」
N| "゚'` {"゚`lリ「さ、先ずは掃除しようじゃないの」
生え放題の雑草を刈り、苔むした墓石を磨いた
見違えるほど綺麗になったお墓に、阿部さんはどこからか詰んで来た花を添えて
『線香の代わりだ』と、タバコを挿した
(-@∀@)「…」
N| "゚'` {"゚`lリ「…」
そして、暫く手を合わせた後、阿部さんが口を開いた
N| "゚'` {"゚`lリ「こいつらと出会う前、俺は駆け出しの寺生まれでな…幽霊なんてモンは害悪しか持ち込まないもんだと思ってた…」
N| "゚'` {"゚`lリ「だが、それは間違っていると気づかされたよ…幽霊だって元を辿れば俺達と同じ『人間』だったんだ。喜び、怒り、哀しみ、楽しむ、普通の人間だったんだ」
(-@∀@)「…ええ」
僕自身、幽霊という存在は人々に『恐怖』を与えるものだと考えていた
だけど、彼らは違った
出会いは最悪なれど、彼らと過ごした日々は間違いなく楽しかった
僕たちは、人間が持っている『幽霊の価値観』だけで、彼らを見るべきではないんだ
63
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:38:23 ID:NgqitKuk0
(-@∀@)「僕は…」
一ヶ月掛けて、その事を学んだ
じゃあ、僕は次に何をすればいい?
僕は記者だ。そんな事、考えるまでも無い
(-@∀@)「伝えていこうと思います。人と幽霊のあり方を、彼らとの軌跡を」
僕にしかできないことを、やっていこう
時間は掛るだろうけど、みんなにも伝えていこう
N| "゚'` {"゚`lリ「…ああ、お互いに頑張ろうじゃないの」
こうして、僕の一ヶ月に渡る幽霊との生活は、幕を閉じた
64
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:39:48 ID:NgqitKuk0
その後、一ヶ月ぶりに発見された僕は、ちょっとした有名人になった
行方不明者がマッチョになって帰ってきたんだから当然の結末と言えるだろう
マスコミの質問攻めには、一切応え無い事にした
この経験は、僕が自分で書き上げたかったから
差しあたって、編集長には自分の体験と、これからやりたい事を話した
最初はうさんくさい顔で見られたけど、友人の協力もありなんとか企画として通すことができた
今では彼も、幽霊と歩み寄ることによって、怪事件を解決する立派な寺生まれだ
さて、やりたい事の話になるけど
『ジーザス!!』の片隅にコラムを載せることにした
心霊現象の恐怖を伝えるんじゃなくて、幽霊と人間のあり方、接し方を考えていく企画だ
彼らも僕たちと一緒、『悪い奴』もいれば『良い奴』もいる
怖がらずに、ちゃんと向き合えばお互い幸せな結果が得られるんだと伝えていきたい
コラムの名前は、最初から決めてあるんだ
あの世で散々、笑い飛ばしてくれよな
その名も―――
『む ら び と』のようです
おしまい
65
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:40:37 ID:NgqitKuk0
(
)
i フッ
|_|
66
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 02:42:47 ID:B19XsEB.0
乙www良い話だww
67
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 03:21:50 ID:CJrfDdGY0
乙
行方不明になった奴がムキムキになって帰ってくるって
もうそれだけで怪奇現象だな
68
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 03:40:29 ID:/CKK3DnU0
ビレッジピープルwwwwww
乙
69
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 06:54:10 ID:LGSBRx020
滑り込みセーフ?
49本目もらいます。
.,、
(i,)
|_|
「ゴーストチルドレン」のようです
70
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 06:54:57 ID:LGSBRx020
ここは成仏が出来ない、その理由さえ忘れてしまった幽霊達が集まる家。
今日も何やら騒がしそうです。
('A`)「そんで…?このしぃさんにぴったりの体を見つけろってか?」
( ^ω^)「そうだお!あんまりにも悲しすぎるんだお……」
(*゚ー゚)「……すいません…」
71
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 06:55:39 ID:LGSBRx020
( ´_ゝ`)「悲しい?何かわけがあるってことだな?」
(´<_` )「ぜひ聞かせてもらいたいな」
(*゚ー゚)「……生前、私にはギコ君という好きな人がいました…そのギコ君につい六日前、告白されたのです。
私はつい緊張してしまって、その場で答えれば良かった筈なのに、一週間待ってて欲しいと言ってしまったのです…。
しかし私は死んでしまった、せめて…せめて私も好きだということくらい伝えたいのです……!」
(´<_` )「それで自分が憑依するのにぴったりな体が欲しいってか」
72
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 06:56:20 ID:LGSBRx020
ξ ;⊿;)ξ「……っ…!」
( ; ω; )ぶわっ
( ;_ゝ;)ぶわわっ
('A`)「ぶわわわっ」
(´<_` )「口でいうなよ」
('A`)「リア充消えればいいのに」
( ;_ゝ;)「お前が消えればいいのに」
73
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 06:57:01 ID:LGSBRx020
( ; ω; )「とりあえずこの子の手助けをして欲しいんだお!!異議は!?」
( ;_ゝ;)「異議なし!」
ξ ;⊿;)ξ「異議なし!」
('A`)9m「異議あり!」
( ; ω; )「満場一致で異議なしだお…!良かったおね…!」
(*゚ー゚)「ありがとうございます…!」
(#'A`)「…兄者めェ……」
(; ´_ゝ`)「怒りの矛先おかしくね!?」
74
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 06:57:43 ID:LGSBRx020
こうしてブーン達はしぃにぴったりの体を見付け出すことにした。
30分後。
ミセ*゚ー゚)リ「あいつらちゃんとしぃさんにぴったりの体に憑依出来たかなぁ?」
川 ゚ -゚)「あ、その声もしかして兄者か?」
ミセ*゚ー゚)リ「その声はドクオ?なんだお前結局協力してくれたんじゃねぇか」
75
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 06:58:23 ID:LGSBRx020
川* ゚ -゚)「べっ別にみんなのためじゃn
lw´‐ _‐ノv「お、その声は兄者達か?」
ミセ*゚ー゚)リ「弟者か?」
lw´‐ _‐ノv「ああ、やはり女性らしいのを選ぶよな」
ミセ; ゚ー゚)リ「当たり前だろ…だって告白すんだぜ?男なんか連れて来たらホモワールドが繰り広げられちまうし、しぃさんの想い人の身にもなるとな……」
76
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 06:59:04 ID:LGSBRx020
ζ(゚、゚*ζ「えーと……みんないるかお?」
川 ゚ -゚)「ブーンか?…いや、まだツンがいない」
ζ(゚、゚*ζ「ありゃ、ツンどーしたんだお…」
「おーい」
lw´‐ _‐ノv「お、この声はツンじゃないのか?」
( ФωФ)「連れて来たよー」
77
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 06:59:47 ID:LGSBRx020
ミセ*゚ー゚)リ
川 ゚ -゚)
lw´‐ _‐ノv
ζ(゚、゚*ζ
( ; ФωФ)「え、何々?なんか不満あんの?」
78
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:00:28 ID:LGSBRx020
lw´‐ _‐ノv「不満というか…」
川 ゚ -゚)「不満まみれというか…」
ミセ* ー )リ「これは酷い」
川 ゚ -゚)「つーか男じゃん」
ζ(゚、゚;ζ「なんでしぃさんにぴったりなのがこれなんだお……」
79
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:01:08 ID:LGSBRx020
lw´‐ _‐ノv「しぃさんが見たらなんていうんだろうな…」
(*゚ー゚)
ζ(゚、゚;ζ「固まっちゃったお…」
lw´‐ _‐ノv「まぁ、無理もないよな。唯一の女が連れて来たのがコレっていう」
80
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:02:02 ID:LGSBRx020
ミセ; ゚ー゚)リ「なんとなく予感してたけどさ…」
( ; ФωФ)「いいじゃない!猫目でゴツくて!!」
川; ゚ -゚)「おかしいおかしい、ゴツくてはおかしい」
ζ(゚、゚*ζ「さぁしぃさん!選んでくれお!!」
(; ゚ー゚)「あっすいません!えーっと……みんな可愛らしい方を連れて来ていただいて……」
ζ(゚、゚;ζ「………無理するなお」
川; ゚ -゚)「まぁ…どの体に憑依するかはゆっくり決めろ…あ、俺トイレ」
81
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:02:46 ID:LGSBRx020
ミセ*゚ー゚)リ「あ、俺も」
ζ(゚、゚*ζ「じゃあ僕も」
川* ゚ -゚)「やだなぁ!人間の体に憑依すると尿意がしてー!」
ミセ*゚ー゚)リ「全くだ!行きたくもないけどー!興味があって行くわけじゃないけどー!トイレに行きたいなら仕方ないよねー!漏らすわけにもいかないしなー!」
lw´‐ _‐ノv「おお、分かりやすい分かりやすい。」
82
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:03:28 ID:LGSBRx020
川* ゚ -゚)「ふふふ…俺好みの女の子に憑依して正解だった…!
パンツを下ろした大型AAでも貼ってこのスレをR-18にしてやろーかなー!ズボンを下げてぇーと…………」
ミ〝ャオアーッッ!!?
lw´;‐ _‐ノv「なんだ今のよく分からん悲鳴は!」
( ; ФωФ)「トイレの方から…っていうかドクオの声だわ!」
83
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:04:08 ID:LGSBRx020
(; ゚ー゚)「どうしましたか!?」
川 - )「」
( ФωФ)「?ドクオ…?」
lw´‐ _‐ノv「?兄者達までどうした?」
ミセ ー )リ「」
ζ( - ζ「」
84
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:04:52 ID:LGSBRx020
川 - )ボソッ「ついてた…」
lw´‐ _‐ノv「はい?」
川 ; - ;)「この子男だったんだよぉおおおおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
( ; ФωФ)「ええええええええええええええええええええええええええええッッッッ!!!?」
ミセ ; ー ;)リ「この子もだった…!」
ζ(; - ; ζ「この子もだったお……!」
( ; ФωФ)「一体何がどうなって…!?」
85
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:05:42 ID:LGSBRx020
lw´‐ _‐ノv「あれ?お前ら知らなかったのか?生前の俺らと同じ性別の体にしか憑依出来ないんだぞ?」
ζ(゚、゚;ζ「しぃさんのことで頭がいっぱいで忘れてたお……」
ミセ; ゚ー゚)リ「ってことは…弟者のも…?」
lw´‐ _‐ノv「あぁ、こいつも男だ」
( ФωФ)「女装男子YABEE」
川; ゚ -゚)「こんなに可愛い子達が男とか…!男装女子設定の多い兄者もびっくりだろ……!」
ミセ; ゚ー゚)リ「ほっとけ!」
86
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:06:23 ID:LGSBRx020
( ФωФ)「………あれっ?じゃあ私が憑依してるこの人は……おn」
ζ( - ζ スゥー…
( ^ω^)「しぃさん。このゴツイ人に決まりだお」
(; ゚ー゚)「えっ」
( ´_ゝ`)「あぁ、この猫目に決まりだな」
(; ゚ー゚)「えっえっ」
('A`)「応援してるぜ。おっさん」
(; ゚ー゚)「えっえっえっ」
(´<_` )「そうか。しぃさんに男連れて来ても憑依させられないんだったな、忘れてた。」
(; ゚ー゚)「えっえっえっえっ」
(* ФωФ)「よろしくね!」
( ; ー )「ひっ」
87
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:07:08 ID:LGSBRx020
ぃやぁあああああああああああああっっ!!!!
( ФωФ)「………。」
ξ ゚⊿゚)ξ「……しぃさん、どう?」
( ФωФ)「今すぐ逃げ出したい気分だよ…」
(; ´_ゝ`)「だろーな…」
88
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:07:50 ID:LGSBRx020
(´<_` )「あ、あれギコさんじゃないか?」
( ^ω^)「どーやって待ち合わせしたんだお?」
('A`)「俺らと会う一日前に、枕元に立って『2日後、公園に来い公園に来い公園に来い公園に来い』って囁きまくったんだって。」
(; ´_ゝ`)「そりゃくるよな」
( ^ω^)「隠れなくていいのかお?」
ξ ゚⊿゚)ξ「どーせギコさんには私たちは見えないわよ」
89
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:08:30 ID:LGSBRx020
(,,゚Д゚)「………」
( ´_ゝ`)「当たり前のことだが随分警戒してるな」
(´<_` )「そうだな」
ξ ゚⊿゚)ξ「さぁ!勇気を出して!」
( ФωФ)「………」
('A`)「?寄ってくるぞ?」
( ^ω^)「実はホモよりだったんじゃ…」
(# ФωФ)むっ
ξ ゚⊿゚)ξ「ギコさんはしぃさんに告白したのよ?」
90
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:09:11 ID:LGSBRx020
(,,゚Д゚)「あの…」
(;'A`)「おいおい!話しかけて来たぞ!」
(; ´_ゝ`)「どーする!?どーーーするっ!!!?」
(,,゚Д゚)「もしかして…………しぃ?」
( ФωФ)「……」
(; ФωФ)「えっ…」
91
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:09:51 ID:LGSBRx020
(,,゚Д゚)「やっぱり…声はそのまんまなんだな」
(; ФωФ)「なんで…?」
(,,゚Д゚)「昨日枕元に立ってなんか公園がボソボソ…って言ってたろ?幽霊だろうとしぃの顔と声を忘れたりしないさ。それに公園って返事をする約束の場所だったろ?」
(; ФωФ)「でも私…こんな姿じゃないのに…」
(,,゚Д゚)「それは…なんとなくな」
('A`)「いわゆるGOTUGOUってやつだろ?」
ξ# ゚⊿゚)ξ「しっ!今いいところだから!」
( ´_ゝ`)「こちらからみるとただのホモワールドにしか…」
ξ# ゚⊿゚)ξ「しっ!!!」
ボグッ
(; _ゝ)「ふげっ!?」
(´<_` )「決まったー!ツンのボディーブロー!!!」
92
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:10:32 ID:LGSBRx020
(,,゚Д゚)「あと…お前公園に来いとかなんだかって幽霊っぽいこと言ってんのに、照れてんだもんな」
(; ФωФ)「だって…久しぶりにギコ君をみたから…」
(,,゚Д゚)「しぃの照れる顔は、俺の一番好きな顔だったから…さぁ、告白の返事を聞いてもいいだろ?」
( ФωФ)「…」
(* ФωФ)「うん」
私もあなたが大好きだよ
これからも…
93
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:11:13 ID:LGSBRx020
ξ ゚⊿゚)ξ「……あ…」
( ^ω^)「逝ったのかお…?」
('A`)「そうみたいだな…」
( ´_ゝ`)「…俺たちはいつ成仏出来るんだろな」
(´<_` )「あぁ…」
( ^ω^)「……そうだお!僕達でしぃさんみたいな幽霊達を成仏してあげようお!」
94
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:11:54 ID:LGSBRx020
('A`)「なるほど、解決させてあげながら、俺たちもこの世の未練を思い出せるかもな」
(* ´_ゝ`)「っていうか面白そうだしな!俺は乗るぞ!」
(´<_` )「兄者が乗るなら俺も」
('A`)「俺も不本意だけど成仏出来るんなら…」
ξ* ゚⊿゚)ξ「もちろん乗るわよ!」
( ^ω^)「決まりだお!」
95
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:15:33 ID:LGSBRx020
半透明の手が5つ重なり、そして天に向かって一斉に振り上げられた。
ここは成仏が出来ない、その理由さえ忘れてしまった幽霊達が集まる家。
明日からもっと騒がしくなりそうです。
「ゴーストチルドレン」のようです
おわり
(
)
i フッ
|_|
96
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:17:06 ID:LGSBRx020
6時前に投下し始めて、7時以降に終わってしまったが…いいのかな
すいません、重複書き込みの規制侮っとったわ
97
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:27:31 ID:zq5bmM0A0
深夜31時乙乙。
こんな夜中なのに目が覚めたら投下があったー、嬉しいなー(棒)
98
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 07:35:15 ID:LGSBRx020
あれ?6時前っておかしくね?6時代の間違いじゃねえかごめん
99
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/17(土) 11:13:42 ID:z2vK43pU0
乙ー
開催時間内に投下開始してたし別にセーフ
100
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 15:29:17 ID:w99x2JSk0
突然命じられて月曜の昼まで出張wwww
これだから底辺社畜はwwww
しかも急だったからノートパソコンはあるけどデスクトップ機からデータ持ってくるの忘れて投下不能ワロタwwwww
ワロタ……
101
:
◆Rsp62tAaew
:2013/08/17(土) 15:44:52 ID:z2vK43pU0
>>100
大丈夫大丈夫!
もうプロットもシナリオも出来てるんだろ?
徹夜すれば今から書き直せるって!
102
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 16:24:44 ID:Utce0oRw0
>>101
あなたは まちがいなく ぼくを ころすきですね ^q^
オウ上等じゃねーか
ただでさえ徹夜でヒットポイントゲージがレッドゾーンに突入してる人間の底力見とけやコラ
103
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 16:41:44 ID:6F356b5E0
素直に諦めて遅刻しとけ
104
:
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/17(土) 19:06:55 ID:EjYAGugM0
作品の投下を始めました。
/ ,' 3遺産相続のようです
http://jbbs.livedoor.jp/internet/13029/
#1
とうとう書きためた分はこれで終わりです。
投下が終わったら数字を報告しにきます。
105
:
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/17(土) 19:07:52 ID:EjYAGugM0
間違えた。
/ ,' 3遺産相続のようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1376733867/
ではまた。
106
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:16:33 ID:xp7567iwO
五十本目
.,、
(i,)
|_|
川д川家事は割と得意なようです
_
( ゚∀゚)川д川 擬人化
ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1110.jpg
ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1111.jpg
ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1112.jpg
ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1113.jpg
(
)
i フッ
|_|
まぜこぜブーンのやつその6
みんなは家事の出来る女の子にはちゃんと敬意を払おう。貞子さんとの約束だ!
107
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:28:08 ID:kkZdL1VA0
貞子こええええ
108
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:29:31 ID:L3Cn/5uk0
>>106
こえええええええ
ジョルジュはちゃんと食って美味しいよって微笑むしかない
1ページめのエプロン貞子すげえ可愛いな
109
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:41:27 ID:qJ34Y0pE0
スレお借りします。五十一本目でいいのかな。
.,、
(i,)
|_|
110
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:42:17 ID:qJ34Y0pE0
きっとその瞬間、僕はひかれたのだ。
( ^ω^)轢かれた猫を見たようです
111
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:43:33 ID:.mwMTVoo0
いやああああああああああ貞子こええええええええええええ!!!!!
112
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:44:16 ID:qJ34Y0pE0
( ^ω^)「おっ」
僕、内藤ホライゾンはこの春社会人になったぴっちぴちのゆとりである。
貯金を叩いて買った自動車を運転し、会社に向かおうとしている。
( ´ω`)「猫がいるお」
僕は動物が好きだ。とりわけて犬が好きで、次いで好きなのが猫だ。
なら何故こんな萎れた金玉みたいな顔をしているかというと、その猫が死んでいたからだ。
ぶおんぶおんとくそうるせえ音を鳴らしながら車が行き来する片側二車線道路、その真ん中に猫はいた。
まるで熟睡しているような、手足を投げ出した体勢。
リラックスしてるのかといえばそうではない。
だって猫の腹からはピンク色の内臓(恐らくは腸)がはみ出しているのだから。
113
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:46:40 ID:qJ34Y0pE0
「死んだ猫に同情したら、憑いてくるぞ」と言ったのは誰だったか。
どんな理由があったにせよ、僕はそれを最初に言った奴を好きになれないだろう。
だって、誰にも同情されず忘れ去られていくなんて可哀想すぎじゃないか。
いや、俗信を真に受けて、憑かれるのが嫌だからと同情しない奴の方が嫌いだな。
猫に憑かれるなんて結構な話じゃないか。一部の猫好きならきっと泣いて喜ぶぜ。
おっと、閑話休題。
とにかく僕は動物好きとして、そんな俗信に踊らされるのは嫌だと思う。
ルームミラーをちらりと見やる。そこには内臓をまき散らした猫が変わらずに寝そべっていた。
( ^ω^)「可哀想に」
114
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:48:12 ID:qJ34Y0pE0
ドラえもんのタイムワープリールでも使ったかのように時間はあっという間に過ぎて、今は昼休み。
僕の前にはカーチャン特製のお弁当。保温式だからレンジでチンしなくてもホカホカだ。
そういえば愛妻弁当とはよく聞くけど、愛母弁当って言葉をあまり聞かないのは何故だろう。
弁当の蓋を開けながら、僕はふと今朝見た猫のことを思い出した。
何も、さあ食事をしようという時に腸が飛び出た猫の死体のことを思い出さなくてもと思うが、思い出しちゃったものはしょうがない。
それに僕はスプラッタ映画を見ながらステーキが食べられるタイプの人間なのでノープロブレムだ。
ところで、四日前くらいに「鮭は身より皮の方が美味い」と言ったせいなのか、弁当には鮭の皮「だけ」が入っていた。嗚呼、カーチャン。
115
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:49:44 ID:qJ34Y0pE0
( -ω-)
ほんの数秒だけ僕は黙祷する。
ニュースで見る他人の死は基本的にどうでもいいが、身近で見る動物の死は心が痛むものだ。
どっかおかしいな、とは思うけれど。まあ、人間そんなものだろう。
ああ、今朝見た君の死体は、誰か片付けてくれるのかな。
( ^ω^)「中二乙」
黙祷をやめ、僕は再度箸を手に取る。
ああ、それにしてもやっぱり鮭の皮は美味い。
116
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:51:35 ID:qJ34Y0pE0
足音がする。声がする。振り返る。
誰もいない。
何もない。
117
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:52:54 ID:qJ34Y0pE0
( ^ω^)「おうふ」
一体どんな因果があって、二日連続猫の死体を見る羽目になるのだろう。
しかも今度は道路の真ん中、しかも僕が現在進行形で車を走らせている車線に猫が寝そべっている。
横の車線を見るも、朝の通勤ラッシュとあってとても入り込めそうにない。あらあらなんとまあ。
( ^ω^)「ごめんお」
罪悪感を載せて車を走らせる。タイヤですり潰さないように慎重にまたごした。
なんとかやりすごし、ほっと一息ついてルームミラーを見る。
こちらを向いていた猫と、目が合った。
118
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:54:29 ID:qJ34Y0pE0
('A`)「二日連続で死体見るとか、お前、憑かれてんじゃね」
同僚の毒島に雑談がてら件のことを話すと、彼は関口一番にそう言った。
正直僕よりも、青白くて不健康な顔色をした毒島の方がとり憑かれてるように見えるのだが。
( ^ω^)「え?」
('A`)「ほら、言うじゃん。猫の死体見て同情したら、そいつに憑いてくるとか」
( ^ω^)「それマジで信じてんの?」
('A`)「俺意外と迷信深いから」
偶然でしょ。だぁな、あ、そういえば今日さぁ。会話が流転していく。
人間にとって動物の死体なんて、その程度の価値にしかなりえないのだ。
にゃあ、とどこかから声が聞こえた。
119
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:56:23 ID:qJ34Y0pE0
( ^ω^)「今日も猫の死体見ちゃったお」
J( 'ー`)し「ああ、あの辺り、よくあるわよね」
( ^ω^)「え、そうなのかお?」
J( 'ー`)し「カーチャンも何度か見たわよ」
カーチャン曰く、前からあの道ではよく猫が死んでいるらしい。なんて道だ。
しかし、ほっとした。僕は怖がりなものだから、正直に言うと毒島のあの発言にびびっていたのだ。
夕飯を箸でつつきながら、昨日と今日のアレは偶然だったと思うことにした。
120
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:57:33 ID:qJ34Y0pE0
( ^ω^)「でもまぁ、偶然にしたって」
気味が悪い、と思ってしまうのは致し方がないことだろう。
今朝見たあの猫の死体が忘れられなかった。
硝子玉みたいな瞳が、僕の脳裏にこびりついていた。
まるで人形みたいだったなぁ、と僕はぼんやり天井を見つめる。
存在感が命と一緒に抜け落ちてしまっていた。精巧に作られた人形のようだった。
だから、なのだろうか。
一瞬だけ、僕はあの猫の死体を、愛らしいと思ってしまった。
121
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 19:59:11 ID:qJ34Y0pE0
昼休み。昼食をとった後、存外に時間が余ったので外に出た。
車で寝ようかなぁと鍵を取り出して、ふと空を見る。
雲一つない、小説の一文にでも出てきそうな綺麗な空だ。
たまには散歩するのもいいかもしれないと鍵をポケットにしまう。
代わりに反対のポケットからiPodを取り出し、イヤホンを耳に当てた。
( ^ω^)「おっおっ」
とりあえず会社の周りを一周するかと門に向けて歩いた、その時だった。
122
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:00:37 ID:qJ34Y0pE0
門の真っ正面に位置した道路を、車が横断していくのが見えた。
僕の視線はその下、車が通り過ぎた後の冷たいアスファルトの上。
黒猫がいた。
腹から腸だのなんだの、てらてらとぬめった臓物をはみ出させて、僕をじっと見ていた。
イヤホンを通じて軽快なポップスと共にアーティストの美しい歌声が流れ出す。
一番気に入っていたはずのその曲が、雑音として素通りしていく。
僕は動くこともできず、ただもう生きてない猫と目を合わせていた。
風で体毛が揺れるのがいやに生々しかった。
何十秒そうしていただろう。猫の口が唐突に、カパァ、と開いた。
にゃあ。
鳴き声が聞こえた気がした。
123
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:02:02 ID:qJ34Y0pE0
偶然だ、偶然。偶然に決まってるさ。
だって常識的に考えてありえないだろうJKJKJK、死んだ猫は動かないシュレディンガーの猫は死んでいる死んだものは生き返らない。
あ、シュレディンガーは見てみるまでわからないみたいなそんなアレだっけ?もうどうでもいいや。
( ω )「はは」
笑い声にも力が出ない。あんなものを見た後だ、当然だろう。
今までの死体はフロントガラス越しだったけれど、今回は間近で見てしまった。
憑かれる憑かれない同情云々以前に、気分が悪い。まいったねこりゃ。
( ω )「つかれてるんだお、きっと」
そうだ。死んだ猫が鳴くなんて、あるわけないじゃないか。なあ、そうだろ。「にゃあ」 え?
124
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:03:24 ID:qJ34Y0pE0
( ^ω^)「死体を愛らしいと感じるなんてどこの異常者だお」
たとえば戦争映画が大好きな奴でも、実際の戦場に行ったら吐くだろ。きっとそんなもん。
人間には誰しも異常な部分があるものなのだ。
僕にとってたまたまそれが、先日感じたあの感情だったってだけだ。
( ^ω^)「だから僕はまとも!」
いや、宣言してどうする、って話なんですがね。
昼休みが終わった後の僕はひどかった。
あの毒島を凌ぐ顔色の悪さを見せ上司や同僚に心配をかけ、仕事の能率も若干落ちた。
125
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:04:56 ID:qJ34Y0pE0
( ^ω^)「社会人としてこれはいかん」
明日からは気持ちを切り替えて頑張らないと。
憑かれるなんて迷信。幽霊なんて嘘。死んだ猫は鳴かないし動かない。つまりあれは幻覚。
きっと僕は疲れているんだ。週末になったら休めるから、頑張らないと。
頑張らないと、頑張らないと?
頑張った先に、一体何があるんだろう。
そういえば僕は、何のために頑張っているんだっけ。
126
:
名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:06:18 ID:qJ34Y0pE0
よく偉い人が「仕事はお金を手に入れるためだけのものじゃない」と言ってるのを聞く。
やりがいとか、世の為人の為になるためとか、そんな考えの基に働くことの方が尊いらしい。
でもそれは本当なんだろうか。
そういうことは、常人にはない何かを持つ才能ある人に任せておけばいいんじゃないかと思う。
僕は凡才以下だから、明日の仕事や家に入れるお金の計算のことで精一杯なのだ。
僕は何のために生きているんだろう。何のために頑張っているんだろう。
「生きるために働くのだ」と誰かが言った。それは、ほとんどの人間にとっては、逆だ。
127
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名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:07:19 ID:qJ34Y0pE0
( -ω-)「眠いお」
あんな死体を見たからだろうか。アンニュ〜イなことばかり頭に浮かんで眠れなかった。
今更後悔してももう遅い。僕は背広を着て、車に乗り込んだ。
アクセルを踏んでいつもの道へ。
制服を着た女子高生二人が楽しそうに歩いている横を徐行する。
いいなあ、あんな可愛い子と青春送りたかったなぁ。
振り返ってみれば学生という身分のなんと楽なことか。
当時はあんなにも規則がきついだの文句垂れてたのに。
128
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名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:08:30 ID:qJ34Y0pE0
車が多くなってきた。
いつも猫が死んでいる道路だ。
( ^ω^)「ん」
いつもならこの辺に横たわっている、というポイントを通り過ぎた。
道はきれいなままだ。猫どころかごみ一つ落ちてなかった。
( ^ω^)「よかった、轢かれた猫はいなかったんだね」
気分が晴れると同時に、なんだか昨日の思考が恥ずかしくなってきた。
なんだあの中二思考は。アンニュイってレベルじゃねーぞ。
やっぱり疲れていたんだと結論付けて、僕はアクセルを踏み込んだ。
129
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名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:09:52 ID:qJ34Y0pE0
その後は昨日に比べれば快調だが一昨日に比べたら大したことはなかった。つまり普通だった。
淡々と仕事をし、たまに雑談、昼食を食べて、休憩を挟みまた仕事。
昼休みには、昨日できなかった散歩をした。
昨日に負けないくらい清々しい天気の中、猫の死体はどこにもなかった。
ほっとすると同時に、死体なんか見かける方が珍しいのだと思い直す。
130
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名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:11:03 ID:qJ34Y0pE0
( ^ω^)「立て続けだったせいだお、きっと」
独り言の後に自分でうんうんと頷きながら車を飛ばす。
時刻は夜九時半、残業したせいでこんな時間になった。ちなみにサビ残だ。いとわろし。
この頃僕は疲れていた。それに重なって何度も死体なんか見たせいで、更に疲れてしまった。
だから要らん幻覚を見たり、毒島の無責任な発言に怯えたりなんかしてしまった。
( ^ω^)「だからろんりろんり〜せつなくて〜」
論理論理〜的に考えた結論がそれだ。
ちなみに僕は二十数年ロンリロンリ〜だ。いとわろえない。彼女欲しい。
131
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名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:12:28 ID:qJ34Y0pE0
車から降りて、鼻歌を歌いながら鍵をちゃらちゃらと鳴らした。
我が家はマンションの二階にある。
短い階段を上り、我が家のドアの前に辿り着いた。
そこに、雑巾が落ちていた。
あ、違う、これ猫だ。
僕の足元で、猫が死んでいた。
その猫は確かに、あの時目が合った猫だった。
132
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名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:14:09 ID:qJ34Y0pE0
黒い体毛に覆われた肉を横たえていた。お腹から内臓と血をはみ出させていた。
ぱっちりと目を開いていた。
その全てを映しているようで何も映していないうつろでからっぽできれいな目玉を見た瞬間、僕は無性に泣きたくなった。
133
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名も無きAAのようです
:2013/08/17(土) 20:15:57 ID:qJ34Y0pE0
( ω )「――――あ」
気付いたら僕は階段を駆け下りていた。
けたたましく響く自分の足音の合間に「にゃあ」と甘えたような声が響く。
いやだそっちには行きたくないこっちにくるなついてくるな憑いてくるな!
階段を駆け下りて飛び出した先は真っ暗な闇、を切り裂く白い光。
その眩しさを救いの光だと思った。神様とか仏様とか、そういうものが僕を助けてくれるんだと思った。
なのに僕の眼球は、憎々しいほど鮮烈に、鉄の塊が僕に向かってくるのを捉えていた。
( ゚ω )「あ、あ、まだ、僕は」
死にたくn
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