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( ^ω^) 剣と魔法と大五郎のようです

269名も無きAAのようです:2014/01/13(月) 16:45:51 ID:nH9fGwy20

 少女は嬉しそうに、試作ちゃんの食事を眺めていた。
 一枚目が無くなると、手早く次の肉を鉄板に乗せ、一瞬でちょうどいい具合に焼き上げる。

 試作ちゃんの肌は食事が進むにつれて少しずつ改善されていった。
 火傷の痕のような光沢のあった皮膚が、人間本来のものへと治ってゆく。
 伴って、裂けていた傷も塞がれていた。もう、動くたびに割れるようなことも無い。

o川*゚ー゚)o 「……ん?」

 試作ちゃんの食事が肉四枚目に差し掛かったころ、少女の前髪の一部が上へはねた。
 意志を持つようにプルプルと震え落ち着かない。
 
 少女は指を振って、ベッドサイドに置かれていた水晶球を手元へ呼び寄せる。
 不思議そうにしている試作ちゃんの向かいにそれを置き、再び指を振るった。

 透明の水晶が白く濁り、少しの間を置いてどこか森の中の景色を映し出した。

o川*゚ー゚)o 「……ふーん」

 木々がなぎ倒され、荒れ果てた森の中。
 巨大な猪と鋼鉄の腕を持つ男が殴り合い、その周囲で数人の人間が武器を振るっている。
 猪が誰であるか、すぐに分かった。
 あれは、少女が与えた力だ。
 歳を取り、戦うには不十分になってゆく体を補うための、ささやかなプレゼントであった。

o川*゚ー゚)o 「……そっか。ダメだったんだねおばさん」

 ほんの一瞬であったが、少女の目が哀しみに曇った。
 すぐに気楽な色を取り戻したが、直前まで程の明るさは無い。




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