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('A`)人生は選択だ!のようです
1
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 06:32:40 ID:ZNVpn/g20
嘘予告に捨てられてあったのを拾いましたがかまいませんね!!
2
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 06:35:02 ID:ZNVpn/g20
【0】
俺の目の前には、何個かに分かれている道があった
('A`)「……」
俺は特に悩むことなく、真ん中の道を進んでいく
悩むことなんか何もない、悩むことなんかめんどくさいだけだから
しかしその道は、どうやら間違えていたようだ
('A`)「?」
俺の足元にあった道が、まるで薄いガラスのような世界へと変わっていく
少し動揺して体を動かしただけで足元からヒビが入り始め、ぱん、と弾ける様に砕けた
(;'A゚)「うわっ……!」
おちる、おちる、落ちていく
俺の体は底なしの闇の中へと吸い込まれていく
あの時ちゃんと考えていたら、こんなことにはならなかった
俺はこの時初めて、先ほどの選択を悔やんでいた
3
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 06:35:47 ID:ZNVpn/g20
【1】
・・・・・・
(゚A゚)「……ッハァ!!」ガバッ!!
(;'A`)「……なんだ、夢かよ」
バイトが終わってやっとこさ休日になったってのに、朝からいやな夢を見た
('A`)「あーマンドクセ」
俺はいつもめんどくさがりだ
『それがいつかは仇になるよ』みたいなご親切な夢に起こされて、今はすこぶる機嫌が悪い
('A`)「チッ、冷蔵庫には干からびたレモンしかねぇや……」
頭を掻きながら今日の朝食を漁るがロクなものが無い
面倒だが腹が減っては仕方がないので、近くのコンビニに買い物に出かけることにする
('A`)「マンドクセーなーもう」ポリポリ
近頃『めんどくさい』と言うのさえ面倒になって『マンドクセ』というのが口癖になってしまった
事実マンドクセのだから仕方がないわけだが
4
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 06:36:36 ID:ZNVpn/g20
( ・3・)「ラッシャーセー」
朝からダルそうな店員の声を聞きつつ、俺は弁当のコーナーへと歩いていく
いつも買ってる五目とエビマヨのおにぎりを手に取り、昼飯用にいつものカップ麺を買う
別にこれが気に入ってるわけじゃない、他を選ぶことが面倒なだけなのだ
その気になればいつも買うものを変えることだってできるが、そんなの要らない労力だ
('A`)「コーラ、いや、コーヒー、いやぁ……マンドクセ、水でいいや」
【身体にいやらしい水エロハス100円】
飲み物選ぶにも今日はコーラにしようとかいちいち悩ましい、めんどくさくて大抵は水になる
( ・3・)「525円にナリャッス」
('A`)つ[1000エン]
( ・3・)「475円のオツリッス、アリャッシター」
当然というか何というか、会計の時も小銭を出すのが面倒だからいつも紙幣を出す
小銭はどうせ自販機とかで消えていくし、一ケタの小銭は最悪募金箱にぶち込めばいい
人生には悩む時間やそれにかける頭なんざ必要ないんだ
『人生は選択だ』なんてどこかの偉人さんが言ってたが、俺の人生に選択するほど贅沢なものはない
5
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 06:37:21 ID:ZNVpn/g20
なんて、その時までは思っていた
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
('A`)人生は選択だ!のようです
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
6
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 06:38:16 ID:ZNVpn/g20
【2】
コンビニの帰り道、俺は水をチビチビ飲みながら家路に着いていた
('A`)「はぁ、メシ食ったあとどうすっかな……エロゲでもしようか……ん?」チビチビ
( ω ;)三「やばい、どうすんの、どうすんの俺!?」ダダダッ
俺の歩く先に、なんだか一人でブツクサ言ってるデブいオッサンが走ってくる
朝からダイエットのマラソンなんざご苦労なこった
(^ω^;)三「ん?」
('A`)「え」
ドッカーーーン!!
('A゚)ノ _人人_(xωx;∩
ハ レ > <ノ⊃ ノノ
ノ  ̄Y^YY ̄⊂_ノ
まさかのデブオッサンが避けもせずに俺に向かってまっすぐ突進
俺はデブッサンの体当たりをモロにくらい軽く吹っ飛んだ
(゚A゚)「あ、い、い、いで……」
(^ω^;)「き、君……ごめん、僕急いでるから!本当にごめんお!」
(゚A゚)「ま、待て……がっ」
地面に倒れこんだままの俺に何回かペコペコと頭を下げると、そのまま走り去るデブ
俺はデブを呪い殺す勢いで見つめ…………
7
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 06:39:03 ID:ZNVpn/g20
(゚A゚)「……」
(;'A`)「ハッ!?待て、クソデブ……痛ぁッ!?」バッ
俺が起きた時にはすでにあのデブが消えていて、
全身の痛みとコンビニで買ったものだけが残っていた
('A`)「……ハァ、朝からなんか、ついてねぇな」ポリポリ
道路に散らばった五目おにぎりとカップ麺をコンビニ袋に戻す
水は……あぁもうダメだ、アスファルトのシミになってる
ため息を吐きつつエビマヨを拾うと、その近くに何かを見つけた
('A`)「ん、なんだ?」
どうやらカードのようだった
俺はそのカードを全部拾って見てみると、あることに気づいた
('A`)「?なんだこれ、トランプ?いや五枚しかないし、てか片面真っ白だし」
大きさや形はトランプのそれのはずだが、プリントが施されてるのは片面のみ
もう片面はすがすがしいまでに真っ白で、何も描かれていない
ただ、なんとなく、なんとなく拾ったこの五枚のカードを両手で広げて持っていたその時だ
8
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 06:39:45 ID:ZNVpn/g20
(;*゚ー゚)「あの!やめてください!」
手元のカードに意識を集中させてたせいか、
気が付くと目の前で少女がチャラそうな男に絡まれているのに気が付いた
( ´_ゝ`)「大丈夫、ちょっとだけ、ちょっとだけだから、ほらおいで!」
男はバイクにまたがってニヤニヤしながら少女に話しかけている
少女はどうやら女子校正くらいで、いかにも清楚な感じに見える
(;*゚ー゚)「いっ、いい加減にしないと警察を呼びますよ!」
(#´_ゝ`)「ったくよぉー、おとなしくついて来いってんだよ!!」グイッ
男が痺れを切らしたようで、少女の手を掴みバイクに乗せようとしている
あれ?これって
(;*゚ー゚)「だっ誰かー!」
(;'A`)「え、人攫い?え、ちょ、どうしよう」
9
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 06:40:40 ID:ZNVpn/g20
これは助けないとだめだよな、とか、警察呼んだほうが良いんじゃ、とか、
俺の今まで使っていなかったノーミソがフル回転を始める
するとその瞬間、俺は今までに感じたことのない感覚に襲われる。
全身に電気が走り、目が冴えて、今ならどこまでも集中することができるような、そんな感覚。
世界は俺と目の前にいる二人以外がモノクロになり、男の口の動き、鳥の羽ばたきさえも止まりそうに動いている。
(;'A`)「これは……じ……時間がものすごくゆっくりになっている……!?」
そして無意識に俺は手にしていたカードを眺めると、真っ白な面に文字が浮かんできたのだ。
【救出】 【逃走】 【協力】 【無視】 【傍観】
(;'A`)「な……なんじゃコリャ……!?」
10
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 06:41:20 ID:ZNVpn/g20
カードに浮かぶ、5つの文字。
俺と目の前の二人以外が、モノクロな世界。
時間が止まりそうなほどにスローモーションに動いている状況。
(;'A`)「……選べってのか、この選択を」
この、5つの選択を。
to be
>>14
11
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 07:21:22 ID:TZeHdrLo0
支援
12
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 07:26:52 ID:eP0.nV7k0
懐かしいな期待
13
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 08:01:30 ID:1EXc3WN.0
救出
14
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 08:02:12 ID:eoe1oDj60
協力
15
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 09:38:39 ID:QLesF7KE0
既視感あるなと思ったらテレビCMか
16
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 11:36:01 ID:WhYszG/Y0
嘘予告の再利用か
安価協力期待
17
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 11:51:12 ID:ZNVpn/g20
【3】>>協力
('A`)「……」
俺の手はまっすぐに、真ん中にある『協力』のカードを引き抜いていた。
そう。俺が女の子に『協力』して、男から救い出せばいいのだ。
世界の時間が解かれていき、俺の視界は非常に鮮明になる
色を取り戻した世界は、時間も取り戻していく
そこからの俺の行動は、非常に早かった
(#'A`)「何してんだアンタ!!」
(#´_ゝ`)「あぁん?」
つかつかと早歩きで二人の前に進み出る
力が漲って、俺はこの男にも負けない確信があった
いいぞ、あとは男にガツンと言ってやればいいんだ
18
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 11:52:09 ID:ZNVpn/g20
(#'A`)「そこの男が必死に誘ってるのに、なんで一緒に行ってやらないんだアンタ!!!!」
( ´_ゝ`)
(*゚ー゚)
(;*゚ー゚)そ「えっ、私!?」
えっ
何言ってんだ俺
(#'A`)「そうだよそこのお嬢ちゃんだよ!話を聞いてりゃ嫌々イヤイヤマンドクセぇなアンタ!
大体なぁ、その年になって男遊びの一つもできなきゃ綺麗な女になれねぇワケ、わかる?」
言えば言うほどこの少女にだんだん嫌気が差してくる
あれ、おかしいな……俺は少女を救わなきゃいけないんじゃなかったか……
そしてなんか俺と二人の間には微妙な空気が流れ始める
そりゃそうだ常識で考えればそうなるわ
(#'A゚)「そこの男ォ!!」
(;゚_ゝ゚)そ「ファイ!!!」ビクゥ!!
(#'A゚)「早いとこその嬢ちゃんそのバイクに乗せてどっか行け!ただしレイプはすんなよ!
少女が嫌がることは絶対すんな、わかったか!!!」
( ;_ゝ;)「ヒャイ!わがりまじたぁ!!!」
19
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 11:54:43 ID:ZNVpn/g20
(#'A゚)「そして女もだァ!!」
(;*゚ー゚)そ「ヒッ!!」ビクゥ!!
(#'A`)「アンタ、彼氏はいるのか……?」
(;*゚ー゚)「いないで(#'A゚)「だったらナンパの一回二回体験してみろやぁぁぁ!」
(*;ー;)そ「ヒィ!!やりますやってみますうぅぅぅ!!」
俺はとにかく男と少女をせかしてバイクに乗せて、さっさと行けと叫ぶと、
男はバイクを急発進させて少女と一緒に俺の前からいなくなった
(*'A`)「……」
俺の中から達成感が湧き上がるのを感じながら、自宅に帰るため歩き始める
非常にすがすがしく、スキップでもしたくなるような心持ちになる
(*'A`)
('A`)
:(うA∩):「よく考えたら、犯罪に『協力』してんじゃねぇか……」
20
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 11:55:25 ID:ZNVpn/g20
【4】
('A`)「……」
それ以降なにごともなく自宅に着いた俺は、
おにぎりを食べながら先ほど拾った5枚のカードを眺めていた
今は拾った時と同じように片面は真っ白なトランプだ
こいつのせいで散々な目に合った、あの少女はどうしているのだろうか
('A`)「……マンドクセ、俺が捕まるときは捕まるだろ、嫌だけど」ハァ
とりあえずこいつを処分さえ出来れば話は早い、俺は白いカードを次々と破り、ごみ箱に投げ捨てた
('A`)「……エロゲでもしてもう一回寝るか、今日は疲れた」
パソコンの画面に向かい、今日の出来事を忘れようとパソコンを起動する
しかしその時破り捨てたカードが元に戻っていることを、この時の俺は知らなかった
第1話 「その時俺の人生はハードモードになった」 続く
21
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/06(木) 11:58:54 ID:ZNVpn/g20
どうも僕です、書き方は嘘予告にあったような書き方で行けたらいいなと思っております
ただ如何せん慣れてないのでご了承ください
22
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 12:08:44 ID:1EXc3WN.0
乙
23
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 14:15:43 ID:Bw6nzPo60
5択だなんてエロゲーより難しい
24
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 16:12:39 ID:7yn9KnaU0
おつ
やだおもしろいじゃない
25
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 16:50:24 ID:cg/BMomIO
期待以上じゃないか。
26
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 18:36:01 ID:poDPxSfg0
素晴らしいアイデアだ
漫画化されたものを是非読みたくなるような、そんな魅力を感じた乙
27
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 20:00:16 ID:5XpZFBl.0
まさかのそっちに協力だと思わなかったわ
28
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 19:32:26 ID:XVp8R31Y0
【0】
「無い……無いお……」
「もー、まだ見つからないわけ?いつまで待たせるのよ」
「ちょっと待っててお、どこで無くしたのか記憶辿ってるんだかr……あ」
「見つかったの?」
「あぁ……うん……『人間』が持ってる……無くした5枚……全部」
「……は?はぁぁぁぁ!?アンタどうして『人間』なんかに渡したの!?」
「いや、僕はツンを待たせないように急いでたし!!その拍子にぶつかって……」
「どうすんのよその人!ただでさえ普通じゃなくなるのに、
『5枚』しかないんじゃまともな生活送れなくなるわよ!?」
「お、でもさぁ……」
「でもさぁ、じゃない!『選択』を迫られる前にさっさと回収してきなさい!!」ボゴォッ
「へぶ!!分かったお、回収してきますおー!!!」
29
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 19:33:08 ID:XVp8R31Y0
【1】
ピピピ!! ピピピ!! ピピpカチッ…
('A`)「……ふぁぁ、仕事かー」
今日はロクな夢も見ずに、目覚ましの音で目が覚める
('A`)「マンドクセ……」ポリポリ
今日からまたバイトが始まるのか、次の休日まで大分長いから鬱になる
本当はニートやナマポにでもなりたいが、どっちもやりたくないので仕事をする
ぶっちゃけ面倒くさいが生きるためには働かなきゃ食っていけないし仕方ない
昨日エロゲーをして賢者モードになった後スーパーに行き、
適当に買った冷凍食品を電子レンジで温めて食べる
('A`)「……」モグモグ
俺の家にはテレビがないから、朝食なんて静かなもんだ
たまに上の部屋から重低音が響いてくるが、ここ最近は静かだ、大家にでもキレられたのだろう
('A`)「……さて行くか」
朝食を食い終わり、さっきまで食い物があったトレーをゴミ箱に捨てようと思ったが、
結構たまってたのでゴミ袋を結び、バイト先に向かう途中にある収集所で捨てることにする
バイトに必要なものとゴミ袋を持って、俺は自分の家を出た
30
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 19:33:52 ID:XVp8R31Y0
('A`)「……よっと」ボスン
ゴミ取集所に適当に捨ててから、俺はバイト先の工場へと向かう
道中俺は昨日の出来事についてぼーっと考えていた
世界が変わる感覚
カードに浮かび上がった文字
『協力』を引いたその結果
すべてはあのカードを拾った時に起こった出来事だ
あのカードを持ってれば実は面白いことが起こり続けるんじゃないか、なんて考えていたが
('A`)「マンドクセ、どうせ破り捨てたんだ」
それにゴミの中に一緒に消えていったのだ、もう二度とあんな体験はしない
それに一々あんなことやってたらいつも使わない俺の脳味噌は熱で溶けてしまうだろう
('A`)「あー仕事だよもうマンドクセ」ハァ
『無難』が一番いいんだよ、波風立たないように生きることが一番賢いやり方だ
俺は軽くため息を吐きながら、今日から再び始まる『日常』に溶けていく
31
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 19:34:44 ID:XVp8R31Y0
そう、溶け込めると思っていた
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
('A`)人生は選択だ!のようです 第2話
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
32
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 19:35:25 ID:XVp8R31Y0
【2】
('A`)「うーっす」
いつものように出勤時間の十数分前にタイムカードを切る
着替えの時間もあるためこの時間に切るのは妥当ともいえる
( ゚∀゚)「うす!なーなー今週のジャンプ見たかー?」
先に着替えて休憩所でくつろいでるジョルジュ、一応同じ同僚だ
もうじき30にもなるというのに未だにジャンプ読むのはどうかと思うが人の事は言えない
('A`)「悪い、まだ見てない」
( ゚∀゚)「ンだよ今週のNARUTO面白かったぜ?特にさ……」
('A`)「ネタバレ止めろし」
作業服に着替えながらジョルジュのネタバレ話を適当に阻止する
三年もこんな調子で言われていれば話の受け流しなんか慣れたものだ
( ゚∀゚)「くそう、久々に見てない日だったから今度こそバラせると思ったのに!」
('A`)「はいはいワロスワロス、ほら、作業行くぞ」
( ゚∀゚)「うーっす」
33
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 19:36:06 ID:XVp8R31Y0
今日から次の休みまで、再びおもちゃを組み立てる単調な作業が始まる
最初こそ失敗が目立ち弁償くらうハメになることが多くてブラック企業だと思ったが、
もうそんなこともなくなって普通の会社だと思っている
まぁ普通の会社はバイトに責任を取らせないはずだがな
ウィーン ガコン
ウィーン ガコン
('A`)「……」ガコン
機械音が工場中に鳴り響く
皆がみな作業が始まると集中して、さっきまで喋ってたジョルジュすらも静かに作業をする
俺は目の前に流れてくるこれから何かのおもちゃになるであろう基礎的な部品を、
ミスが無いように最低限の注意を払って組み立てる作業をしていく
('A`)「……」ガコン
そういえば、なんて作業をしながら考える
あの時の俺、今こんなことをしてる時より集中してたんだよな
カードを手に取ってからは周りなんか目に見えてなくて、あの二人をどうするかでいっぱいだったし
('A`)「……俺、今日捕まるのかな」ガコン
34
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 19:36:49 ID:XVp8R31Y0
ビー!! ビー!!
ビー!! ビー!!
(;'A`)そ ビクゥ!!
そんなことを考えていると、突然目の前のコンベアが止まり、警告音が鳴り響く
しまった、他のことを考えすぎてミスをしてしまった
そう思って部品の一個一個を入念にチェックしたが、どれも全てきちんと組み立てられている
('A`)「じゃあ誰が……「おいビロードぉ!!!!!」
工場長の怒号が響き渡り、どかどかという足音がコンベアの先から地面を伝ってくる
その先に目をやると、今年入ったばかりの新人が肩を震わせて、工場長に怒鳴られていた
「おまえなぁ、何度同じミスをしたら気が済むんだ、えぇ!?」
(;><)「え、あの、だって」
「だっても何も無いだろ!これで今月入ってから20回目だぞ!?20回目!
こんなに組み立てる部の中で簡単なのはここだけなんだぞ、分かってるのか!?」
(;><)「うぅ……」
そういえばあいつ、あの場所に就いてからミスが多くなったなぁと考えていると、
ビロードは一瞬こっちを見ると、工場長に震え声で反論をした
35
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 19:37:31 ID:XVp8R31Y0
(;><)「で、でも、僕、ここ、ぁあんまり得意じゃない、です……」
「……何ィ?」
(;><)「僕、ドクオ、さんのい、いるところが、一番、やりやすかった、んです……」
('A`)「……え?」
確かに少し前ビロードに此処の組み立てを教えはしたが、それでもミスは多かった
それにこの担当は全体の二三を争うくらいに難しいとされているところだ
「そんな訳あるか!!あそこは全体の二三を争うぐらい難しいところだぞ!?
言うなればウチの工場でいう内臓!それをそんなミスが多くて任せられるか!!」
(;><)「うぅ……」
工場長が俺が思ったのと同じ言葉を口に並べ、青筋を立ててビロードを責めたてる
工場内はすでに凍り付いたように空気が冷たく、誰もがビロードと工場長の様子を見ていた
36
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 19:38:13 ID:XVp8R31Y0
(;゚∀゚)「お、おい誰かアレ止めねぇの……?」ヒソ
気づくと俺の隣にはジョルジュが立っていて、誰が工場長を止めるかを相談してきた
(;'A`)「いや……だってお前あぁなった工場長止められるか?」ヒソ
(;゚∀゚)「……ムリ」ヒソ
(;'A`)「……だよなー」ヒソ
周りを見ても、どうやら俺たちみたいに誰が止めるのか相談する人はいても、
止めようと動く人がいないか見ている状況だ
これじゃあビロードがあんまりだ
(;'A゚)「……ッ!?」
そう考えていると、俺が昨日感じた、もう二度と感じないであろうと思っていた感覚がよみがえる。
世界はビロードと工場長、そして自分以外が再びモノクロになり、近くで話しかけていたジョルジュすらも
白黒で構成された人間になってしまっている。
そして、俺の前に現れたのは
【説得】 【傍観】 【反論】 【便乗】 【謝罪】
(;'A`)「な……なんで……!?」
破り捨てたはずの、5枚のカード。
しかし、昨日見たときとはうって変わって、『傍観』以外はすべて変わっている。
37
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 19:38:54 ID:XVp8R31Y0
カードに浮かぶ、1つ以外がすべて変わった、5つの文字。
俺とビロード、工場長以外が、同僚のジョルジュすらもモノクロな世界。
そして、破り捨てたはずのカード。
(;'A`)「……また選べってのか、この選択を」
この、5つの選択を。
to be
>>41
38
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 19:41:09 ID:vAHpDXog0
ksk
39
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 19:41:56 ID:YApXRvuw0
説得
40
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 19:42:12 ID:MHtjqJCM0
【説得】
41
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 19:51:28 ID:6OP6FK9E0
謝罪
42
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 22:19:33 ID:2nq6E.76O
おーい、続き早よっ!
43
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 22:47:51 ID:XVp8R31Y0
【3】>>謝罪
(;'A`)「……」
俺は右手で一瞬『謝罪』のカードを取りかけたが、手を一度引っ込める。
違う。
ビロードが『謝罪』するならまだしも、これでは俺が謝ることになるではないか。
('A`)「やっぱここは『説得』か」スッ
('A`)「……」
(;'A`)「う、動かねぇ……!」
しかし俺の右手は、『説得』のカードの前でピタリと止まったまま、動こうとしない。
それどころか、先ほど取りかけた『謝罪』のカードにゆっくりと向かっているではないか。
どれだけ手を指を動かそうと必死になっても、全然いうことを聞いてくれない。
左手も動かそうと力を入れてみるが、こちらも動く気配がまるでない。
(;'A`)「と……止まれ!『説得』、『説得』だ!!」
とにかく『説得』に向かわせようと、叫び、もがき、意識を集中させたが、
右手はついに『謝罪』を掴み、思い切り引き抜いていく。
(;'A゚)「や……止めろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
44
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 22:48:41 ID:bgS5favg0
続きあくしろ
45
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 22:48:45 ID:XVp8R31Y0
・・・・・・
46
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 22:49:28 ID:XVp8R31Y0
('A`)「……」
世界がすべて元通りになっていく
さっき俺はその世界の中で「『謝罪』するのを止めろ」と叫んでいたようだが、
なぜそう思ってしまったのだろう?
(;゚∀゚)「……おい、ドクオ?」
ジョルジュが気にかけたのを無視して、俺は二人の前に歩み寄る
工場長は俺に気が付いたみたいで、ビロードに叱るのを止めて俺を見た
「なんだドクオ!?俺はいまビロードを……」
( A )「」スゥーッ
47
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 22:50:11 ID:XVp8R31Y0
(゚A゚)「すんっっませんっでしたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
「はぁ!?」
(;><)「はっ!?」
(;゚∀゚)「ええええぇぇぇっ!!??」
決まった
カンペキな土下座だ
カンペキすぎて周りが明らかに動揺している
工場長ですら怒りのオーラをどこかに忘れて俺を「なんだこいつ」みたいな目で見ている
「いや、どうしてお前が謝るんd(゚A゚)「本当に、申し訳ありませんでしたああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「いやだからお前g(゚A゚)「ビロードもおおおおおお、ほらあああああああああああああ!!!!」
(;><)「は、はいいいいいいいいいいいい!!!!」
(;><)゚A゚)「もう二度としませんのでえええええええええええええええ!!!!ゆるしてくださあああああああああああああい!!!!!」
48
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 22:51:26 ID:XVp8R31Y0
それから何分経っただろうか
「すいませんでしたあああぁぁぁ・・・・・・」
(、'A`)「……」ガコン
(丶><)「……」ガコン
俺とビロードはあの後ひたすら謝った、もうそれは全精魂を込めて大きな声で謝った
ジョルジュに揺さぶられ我に返った時には工場長はもう消えていて、「ビロードはドクオの担当する
部品に試験的に配置する」と書かれていた紙だけがそこに置かれていた
(;、'A`)「あ、それ間違ってる……」ガコン
(丶><)「え……あ」ビー!! ビー!!
『おいドクオー、ビロードぉー……お前ら、今日帰っていいぞー……』
工場長の声がアナウンスで聞こえてくる
俺とビロードは黙って頷き、軽く職場の奴らに一礼をしてから工場内を後にした
49
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 22:52:18 ID:XVp8R31Y0
(、'A`)「……」
黙って二人で着替える俺たち
ノックがドアから聞こえてすぐに、工場長が顔を出す
「ドクオ、お前どうした……?」
さぁ……俺も一体全体どうしたものか分かっていませんが
「……まぁいいや、俺も家族のことでピリピリしてたんだ、すまんな」
これは奢りだ、と休憩所のテーブルにコーヒーを2つ置き、そのままタバコを取り出して一服を始める
「ビロード」
(;丶><)「は、はぃ!?」
「お前次ミスしたら給料抜きな」
(丶><)「は!?……はい……」
「冗談だ、ドクオの給料から引かせてもらうから安心しろ」
何せ有望な社員希望だからな、と黄ばんだ歯をニカっと見せながら工場長は笑みを浮かべる
工場長、それは俺が困るわけなんですがそこについてはどうなんですか
「お前ら今日は早めに返してやるけどな、二度目はないぞ?ゆっくり休めよぉ『土下座ブラザーズ』!」
50
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 22:53:24 ID:XVp8R31Y0
大声で笑いながら、工場長は去っていく
ていうかなんだ『土下座ブラザーズ』って、明日からそれ流行るのかよ止めろよ
(*><)「……プッ、『土下座ブラザーズ』ですってドクオさん!」
('A`)「いや笑えないぞ、つーか全部お前のせいだからな?」
(;><)「そ、そりゃそうですけど……」
( ><)「でも意外でした!」
('A`)「……あ?」
( ><)「何ていうか、ドクオさんって静かな人だと思ってましたから……」
『意外だ』と言われて俺は立ちすくんだ
波風の立たない『無難』な生活を望んだ俺に、その言葉は痛くしみ込んでくる
('A`)「止めろよ、俺は普通でいたかったんだ」
(;><)「そ、そうですよね、工場長止めるために仕方なくやったんですもんね」
ビロードは何か勘違いして受け止めたようで、
「それじゃあ明日から宜しくなんです!」と何度も礼をしたあとそそくさと帰ってしまった
('A`)「……ハァ、明日からマンドクセぇな……」
51
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 22:54:05 ID:XVp8R31Y0
工場を出た後はコンビニに寄り、今日の夕飯になるコンビニ弁当を買って家に帰る
面倒事を避けるために今日は裏道を使って自宅に着いた
面倒事なんか早々起こる事もないと思うが一応保険だ
('A`)「いつもより帰る時間が遅くなった……」ハァ
俺は改めて出てきたカードを眺める
何度眺めてもそのカードは正真正銘俺が拾ってきたカードそのものだった
俺はとにかく細かく破り、灰皿の上にその破片を盛ってライターで火を着ける
これで今度こそこいつとはオサラバだ、もうあんな感覚にはならない
(;'A`)「……と思ったが、あれ?」
ところが、このカードはいくらライターで炙っても煙すら立ってくれない
どれだけ時間を掛けて火をかけようが何ともならないのだ
52
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 22:54:46 ID:XVp8R31Y0
「無駄だお、そいつは『神様』が作ったカードだからね」
突然後ろから声が聞こえてきたので、俺は慌てて振り返る
(;'A`)「……!アンタ、たしか……!」
そこにいたのは
( ^ω^)「やあ、お久しぶりだお!」
昨日俺にぶつかってきた、デブのオッサンだった
第2話 「選択はつねに非常である」 続く
53
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:03:12 ID:MHtjqJCM0
乙
すげぇ面白い
54
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:13:44 ID:Sn0PIDtA0
時間が止まる演出がいいわー
安価で進めるのは大変だろうが楽しみにしてる
55
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:18:31 ID:cRgfF.920
おつ
やっぱおもしろい
56
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 23:40:37 ID:XVp8R31Y0
処女作なので投下の時結構手が震えてますが、ちょっとした番外編投下します
57
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 23:41:23 ID:XVp8R31Y0
【番外編】(*゚ー゚)と( ´_ゝ`)の人生の選択!のようです
そこそこ大きなバイクにちょこんと座り、男の人の肩にしっかりつかまる。
涼しい風がバイクの風も巻き込んで、薄着の私には寒く感じるほどに全身を包む。
(;´_ゝ`)「……」ブロロロ…
(;*゚ー゚)「……」ブロロロ…
バイクを運転している男の人は、さっき私を強引に連れ去ろうとしていた誘拐犯。
それが誘拐犯よりも変な男の人に気おされて、なぜか私からこの誘拐犯のバイクに乗っていた。
この訳の分からない展開に頭を冷やしたいところだけど、その前に身体が冷えてしまって仕方がない。
(;*゚ー゚)「あの……寒いんですが……」ブロロロ…
(;´_ゝ`)「ハッ!?あ、あぁ、そうだな、ゴメン」ブロロロ…
男の人は少し困った顔を見せると、ちらりとファミレスの看板に視線を送る。
(;´_ゝ`)「とりあえず、あそこのファミレスで暖まろうか」ブロロロ…
(;*゚ー゚)「あ、はい……」ブロロロ…
ファミレスのある方向へとウィンカーを出し、駐車場の適当な場所へとバイクを止める。
私はとりあえず誘拐犯の言う通りに、おぼつかない足でファミレスまで歩く。
彼はなんだか手を繋いだほうが良いのか、後ろから支えてあげたらいいのか分からない
というような感じで、ファミレスまで前に出てきたり後ろに下がったりしていた。
58
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:41:41 ID:bgS5favg0
いいよ!来いよ!
59
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 23:42:04 ID:XVp8R31Y0
(’e’)「いらっしゃいませー、2名様でよろしいですか?」
( ´_ゝ`)「はい、あ、禁煙席でお願いします」
(’e’)「かしこまりました、お好きな席にどうぞー」
ファミレスの中はちょうどいい感じに暖かくて、冷えた体に染み渡る。
私は誘拐犯の指示で窓際の席に案内されると、メニューを開いて私の前へとゆっくり差し出してきた。
どうやら、先にメニューを頼んでいいらしい。
(;*゚ー゚)「……あの」
( ´_ゝ`)「あぁ、なんか好きなの頼んでいいよ」
(;*゚ー゚)「で、でも」
(;´_ゝ`)「……もうあんなことはしないさ、それにここを出たらすぐ返すよ」
ちょっとトイレに行ってくる、と席を立つ誘拐犯。
私は彼がトイレに入った後、窓から見える建物からどこにいるのかをぼーっと考えてみる。
だけど、私の知ってるとこ建物が少ないところを見ると、けっこう遠いところまで連れていかれたみたいで。
警察に通報してもいいけど、寒いし、そういえばおなかも減ったしで、通報する気にもなれなかった。
(*゚ー゚)「……好きなの、頼んでいいんだよね?」ソワソワ
60
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 23:42:53 ID:XVp8R31Y0
・・・・・・
(;´_ゝ`)「……あ、あのさ、しぃちゃん?」
(*゚〜゚)「なぁひ?あにしゃしゃん?(なぁに?兄者さん?)」
(;´_ゝ`)「いや、何ていうかこういうのもなんだけど」
(;´_ゝ`)「よく食べるね……」
数十分後、狭いテーブルの上にはところ狭しと食事が並んでいた。もちろん全部私のだけど。
兄者さんは遠慮しがちにコーヒーをすすりながら、私が食べる姿を眺めている。
テーブルに食事が来る前に、お互いのことについて軽く話した。
誘拐犯の名前は『兄者』さん。このファミレスの近くで働いている25歳。
そして私も自分の名前が『しぃ』という名前であること、現役の17歳の高校生であることを明かした。
そのあとしばらく沈黙が流れていたけど、次々と出てくる料理に驚いたみたいで、今に至るというわけだ。
(*`ー´)「ふん、私を誘拐しようとした罰だと思ってくださいよね!」エッヘン!
(;´_ゝ`)「反省してます(あぁ、俺の財布が軽く……)」
61
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 23:43:35 ID:XVp8R31Y0
兄者さんはコーヒーを飲むのを止めて再び私の食事を眺めたかと思うと、
私にぽつりと呟くように話しかけてきた。
( ´_ゝ`)「……しぃちゃんさぁ」
(*゚〜゚)「はい?」
( ´_ゝ`)「俺の格好、どう思う?」
とりあえず頬張っていたスパゲティを飲み込んだ後、傷つけないように優しく感想を述べた。
(*^ー^)「チャラいです!」
(ill´_ゝ`)そ「ドストレート!!!」
ガクっ、とその場に突っ伏す兄者さん。
その拍子にミートボールが一つ転がっていくのが見えて、もったいないなぁと感じる。
兄者さんはしばらくそのままの体制でいたけど、その顔を上げた時に私は驚いた。
( ;_ゝ;)「やっぱ、俺は弟者には、なれないんだなぁ……」グスン
(;*゚ー゚)「な……泣いてるんですか……?」
62
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 23:44:15 ID:XVp8R31Y0
……話を聞くと、兄者さんには『弟者』さんという人がいて、
自分よりもずっとかっこよく、女の子にもモテるというのだ。
そんな弟者さんについ最近、兄者さんが「お前は良いなぁ」なんて愚痴をこぼした時に、
(´<_、` )「じゃあ兄者も俺と同じ格好してみたら?モテルかもよww」
とほくそ笑んで言われたのを、その通り実行してみたというのだ。
結果は惨敗。
街にかり出てナンパをしても、合コンに誘われて行ってみても、
女の人には笑われるばかりだという。
(*゚ー゚)「それで、やけになって兄者さんは誘拐なんかを考えちゃったっていう……」
( ;_ゝ;)「ごめんなさい」
何ていうか、羨ましかったんだろうなぁ、弟者さんのこと。
兄者さん、けっこう純粋な性格してるみたいだし。
よし、ここは少しアドバイスをしてあげよう。
63
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 23:45:20 ID:XVp8R31Y0
(*゚ー゚)「えっと、なんで『弟者さん』になりたいんですか?」
(;´_ゝ`)「それはさっきも言ったでしょ、弟者はカッコよくて……」
(*゚ー゚)「ストップ!」
(*゚ー゚)「私が言っているのは『どうして弟者さんになりたいか?』ってことですよ?
兄者さんは兄者さんの性格があるし、顔も私から見れば悪くないと思うよ?」
(*゚ー゚)「だけど弟者さんを真似するあまりに、もともと持ってるいいところが全部ダメになってる。
兄者さんは『弟者さんのようになりたい』んじゃない。『弟者さんになりたい』って思ってる」
( ´_ゝ`)「!……た、たしかにそうかも」
(*`ー´)「弟者さんみたいになりたいなら、まずは自分の一番似合う服を選ぶこと!」
(*゚ー゚)「そうだな、兄者さんならクールにキメたほうが似合うんじゃないかな?」
そのあとも兄者さんに似合いそうなファッションを次々と挙げていくけど、
当の本人は首を傾げていくばかり。
(;´_ゝ`)「……すまない、『ふぁっしょん』には疎いんだ……」
(*゚ー゚)「じゃあいつもどんな服着てるの?」
( ´_ゝ`)「ジャージ」
(;*゚ー゚)「……」
64
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/07(金) 23:49:02 ID:XVp8R31Y0
駄目だこの人。
こーいうタイプって私、どうしても手を焼きたくなるんだよね!
(#*゚ー゚)「もう!仕方がないなぁ兄者さんは!ほら行きますよ!」
(*゚ー゚)「あ、お勘定お願いしまーす!」
( ´_ゝ`)「行くって……どこに?」
(*゚ー゚)「決まってるじゃないですか!兄者さんのファッションセンスを磨きにですよ!」
(;´_ゝ`)そ「えぇ、今からぁ!?」
(*゚ー゚)「今から、って、まだお昼ですよ?ジャンジャン回っていきましょーよ、ジャンジャン!」
「ちょっと待って、まずはお金を下ろさせて!」
「お金なんか持ってなくても、見て回れれば面白いですよー!」
「でもそれ絶対買う流れになるじゃないか!!」
「なりません!……いやなるかも?」
「どっちだよ!?」
私は兄者さんの手を引いてファミレスを後にする。
こーいうのは男の人がやるものだけど……たまには私がやってみても、いいよね!
【番外編】(*゚ー゚)と( ´_ゝ`)の人生の選択!のようです おわり
65
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:49:41 ID:MHtjqJCM0
乙
爆発しろ
66
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:52:47 ID:6OP6FK9E0
乙
67
:
名も無きAAのようです
:2013/06/08(土) 00:28:09 ID:Sedk7DxI0
いいね、乙
68
:
名も無きAAのようです
:2013/06/08(土) 01:33:53 ID:Wm59KyNk0
こういう彼女欲スィ乙
69
:
名も無きAAのようです
:2013/06/08(土) 12:13:30 ID:ToJGyxCc0
イケメンはイケメンなんじゃないか…
70
:
名も無きAAのようです
:2013/06/08(土) 12:37:39 ID:FbZFnDNU0
なんだ、イケメン無罪か(ヽ´Д`)
71
:
名も無きAAのようです
:2013/06/08(土) 13:47:37 ID:IazPDbzo0
おのれ……
72
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/09(日) 13:11:32 ID:LNtDV8Xo0
投下します
選択後の投下は明日以降になるのでご了承ください
73
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/09(日) 13:12:34 ID:LNtDV8Xo0
【1】
俺の前に突然現れたかと思うと、意味不明なことを話すデブのオッサン
あまりの意味不明、電波な話につい口が半開きになる、つーかなんで仁王立ちなんだオッサン
( ^ω^)「あーそうそう……君さぁ、そのカード返してくれるかな?」
オッサンは先ほどまでカードを炙っていた灰皿を指さす
おかしい、さっき細かく破いたはずなのにいつの間にかカードが傷一つなく元通りになっている
だが、これで俺に『無難』な日常が戻ってくると分かったので、ほっとして5枚のカードを返す
( ^ω^)「……」
何故かオッサンはカードを受け取っても何も言わない、それどころか顔はだんだんと青ざめていくようだ
(;^ω^)「……君さ、もしかして……体験した?」
('A`)「何を?」
(;^ω^)「ほら、アレだよ、……『世界が変わる感覚』ってやつ?」
('A`)「あー、うん二回ほど」
(;゚ω゚)「なっ!」
74
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/09(日) 13:13:15 ID:LNtDV8Xo0
「なんだってえええぇぇ!!?」
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
('A`)人生は選択だ!のようです 第3話
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
75
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/09(日) 13:13:55 ID:LNtDV8Xo0
【2】
( ;ω;)
(;'A`)
なんか大声を出したかと思うと、めそめそと泣き出すオッサン
とりあえず気まずいのでさっき工場長から貰った缶コーヒーをオッサンの前に差し出す
オッサンは泣き声で「ありがとう」というと、缶を開けて一気に飲み干す
( ^ω^)「……ふぅ、落ち着いたお」
( ^ω^)「紹介が遅れたお、僕は『神様』の使いをやってる『天使』、ブーンだお」
落ち着いたかと思うと、再び電波な話を始めるオッサン、もといブーン
驚いた、『天使』ってもっと可愛い女の子がやってるもんだと思っていたがこんなオッサンもなれるんだな
俺の名前を聞かれたのでドクオであること、ここの近くにある工場で勤めていることなどを自己紹介する
( ^ω^)「ふむ、僕の事や神様の事は後で話すとして……今ドクオが置かれている状況について話すお」
ブーンは目を伏せてから軽い深呼吸をして、俺に満面の笑みで向き直る
( ^ω^)「おめでとう! ドクオ くんは しゅじんこうに レベルアップした! ▼」
('A`)「……」
(;^ω^)「ちょ、ちょっと、無言で灰皿をもって振りかぶろうとするのは危ない!」
76
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/09(日) 13:14:57 ID:LNtDV8Xo0
('A`)「……で?俺が主人公になったとはどういうことだよオイ」ブン
( ゚ω゚)「そのままの意味だお、って振りかぶった!!」
ブーンは間一髪俺の攻撃を避けると、落ち着いてと言わんばかりのジェスチャーをする
ぶん殴っても何も変わらないだろうし灰皿を手元に置き、とりあえずブーンの説明を聞くことにする
(;^ω^)「はぁ、全く気性が荒いおドクオさんは……」
( ^ω^)「いいかお?もともとこのカードは死後の罪人同士を戦わせる、
天界で一番白熱するカードバトル『ソーサク血戦』のカードなんだお」
('A`)「おいそれじゃ天界、つか天国ってそんな物騒なのかよ」
( ^ω^)「いつまでもほのぼのしていられるほど天界も阿呆じゃないお、下手すりゃ地獄より血気盛んだし」
昨日や今日の件で早々天国には行けないんじゃないかと思っていたが、話を聞いたら死ぬのが怖くなってきた
ため息をついているうちにブーンは話を続ける
77
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/09(日) 13:16:18 ID:LNtDV8Xo0
( ^ω^)「本来これは血気盛んな『罪人』に使用して、
攻守ともに敢えて『手段』を制限することで戦略性を上げる役割を果たしているんだお」
( ^ω^)「当然、戦うためには動かなきゃいけない……
血戦の組み合わせ次第では万引き犯VS万引き犯ていう動かない典型的な組み合わせだってよくあるお」
( ^ω^)「だから、『身の回りで波風を立たせる』。
……血戦中ならヤジが飛ばされるとか、酷いと親を殺したという嘘の記憶が盛られることだってあるお」
( ^ω^)「ドクオは世界が変わったその二回ともに、何かあったんじゃないかお?」
たしかに世界が変わるその前に、俺はトラブルに巻き込まれていた
おそらく人生で経験することがないであろうトラブルや、あっても何もしそうにないことなんかも
( ^ω^)「よくある典型的な主人公は、『普段なら見過ごす、ありえない』トラブルに巻き込まれる。
……そのカードには、そんな効果があるんだお」
( ^ω^)「そのカードを、『罪人』でもない、ましてや僕たち天界の人間でもない『人間』が使ったら」
(;'A`)「……今まで過ごしてきたような日常が、『平凡』な毎日が送れなくなるのか……」ハァ
( ^ω^)「……」
正直この話は心に堪えるものがある
俺はテーブルに手をついてうなだれる、もう静かには暮らせないんだな
ブーンはそんな俺の様子を黙って見ていた
78
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/09(日) 13:17:35 ID:LNtDV8Xo0
そういえば、と俺は顔を上げてなぜカードが返せないのかブーンに問いただす
ブーンは何か気付いたような顔をすると、「そのことなんだけど」と再び話し出した
(;^ω^)「どうやら僕より上の存在……『神様』が、そのカードを使っちゃったみたいなんだお」
ブーンの話によると、プリントされたカードの柄で『天使』が使ったか『神様』が使ったか分かるらしい
『天使』が選んだ罪人には『青いチェック柄』に、『神様』が選んだ罪人には『赤いチェック柄』に変化するようだ
( ^ω^)「本人は『自分で選んでる』と錯覚する時もあるみたいだけど、
実際は僕たち『天使』や『神様』がその『手段』を選んで行動させる……その『選択』は絶対だお」
( ^ω^)「そして一度使用したら、その人が『ソーサク血戦』で優勝するか……死ぬまで『手段』の選択を迫られる」
ビロードと謝罪したあの時、俺が『説得』を選べなかったのはそのためか
しかしどんな神様が俺にその選択を選ばせたのかをブーンに質問すると、彼は困った顔をする
_,
(;^ω^)「どんな神様が、と言われても……神様と言っても多種多様な神様がいるんだお?
その内の一人がたまたまカードを拾ったドクオを見つけて、面白そうだと使ったとしか……」
なるほど、その神様は『面白そうだ』という安直な理由で使ったのか、実にクソッタレな神様だ
多分どこかで見ているんだろうが、今目の前に顔を出して来たらぶん殴ってやりたい
79
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/09(日) 13:18:53 ID:LNtDV8Xo0
( ^ω^)「もしその『選択』ばかりの人生から逃れたいのなら、一つだけ方法があるお」
('A`)「『ソーサク血戦で優勝する』……だろ」
(;^ω^)「お……そうだお」
さっきブーンが言っていた言葉の中に入っていたからすんなりと答えてやる
正直死にたいと思うことは多々あるが、自殺する気はさらさら無いので死ぬのは論外だ
('A`)「でもそのソーサク血戦って戦わなきゃいけないんだろ?……人なんか殺せないぞ俺」
( ^ω^)「戦いはするけど自らの手で殺すことはないお?
いろんな戦う方法があって、それで相手を負けさせることが重要なんだから」
ブーンによると、対戦相手次第では頭脳戦だったりただの鬼ごっこになることもあるらしい
その中でもいちばん盛り上がるのが戦闘のようだ
さらに罪が軽い等、不利であればあるほど自分でその対戦方法を選ぶことが出来る事が多く、
現世を生きている『人間』、つまり俺が大会に参加すればほぼ全試合の対戦方法を選べるという
80
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/09(日) 13:19:45 ID:LNtDV8Xo0
( ^ω^)「で、どうするおドクオ君?損はないと思うけどねー」
ブーンがニコニコ笑いながら俺にどうするのか聞いてくる。
ほぼ全試合を簡単な対戦方式にすれば、罪人相手でも優勝することだって可能だ。
('A`)「でも、俺マンドクセぇの嫌いなんだよな……このカード持っててもマンドクセぇけど」ハァ
( ^ω^)「お、でも君を選んだ『神様』は参加するかどうか『選択』してほしそうだお?」
('A`)「……あれ?」
気付くと世界がモノクロになっている。つーかなんでその世界で普通に喋ってるんだ
ブーン曰く「天界の人間にはこの世界は関係ないお」、らしい。
ブーンが手元に寄せていた俺のカードと手渡してきたので見てみると、
【参加】 【参戦】 【検討】 【不参戦】 【不参加】
(;'A`)「……同じ意味のあるやつが2つあるように見えるんだけど」
( ^ω^)「事実上参加するか?しないか?それとも時間がいるか?の3択だおね」
81
:
◆tDN4QF.obM
:2013/06/09(日) 13:20:48 ID:LNtDV8Xo0
('A`)「……まぁどちらにせよ、俺には選べないんだ」
いや、結局手を伸ばして引き抜くのは俺になるんだが細かいことはどうでもいいさ。
姿も名前も知らない『神様』がどう答えを出してくるかは知らないが、
('A`)「とりあえずこの5つから、選んで行きますかー」
to be
>>83
82
:
名も無きAAのようです
:2013/06/09(日) 13:22:28 ID:LkAnQypI0
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